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1976-06-10 第77回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和五十一年六月十日(木曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 中村 重光君    理事 中村 弘海君 理事 前田 正男君    理事 宮崎 茂一君 理事 石野 久男君    理事 八木  昇君 理事 瀬崎 博義君       木野 晴夫君    森山 欽司君       村山 喜一君    近江巳記夫君       北側 義一君    小宮 武喜君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君  委員外の出席者         科学技術庁長官         官房長     小山  実君         科学技術庁研究         調整局長    大澤 弘之君         科学技術庁原子         力局長     山野 正登君         科学技術庁原子         力安全局長   伊原 義徳君         水産庁研究開発         部漁場保全課長 森川  貫君         工業技術院地質         調査所長    小林  勇君         運輸省船舶局首         席船舶検査官  謝敷 宗登君         参  考  人         (宇宙開発事業         団理事長)   島  秀雄君         参  考  人         (動力炉・核燃         料開発事業団副         理事長)    瀬川 正男君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十日  辞任         補欠選任   堂森 芳夫君     村山 喜一君 同日  辞任         補欠選任   村山 喜一君     堂森 芳夫君     ――――――――――――― 五月二十四日  一、日本原子力船開発事業団法の一部を改正す   る法律案(内閣提出第四号)  二、科学技術振興対策に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  科学技術振興対策に関する件(宇宙開発、使用  済核燃料の再処理及び原子力船むつに関する問  題等)      ――――◇―――――
  2. 中村重光

    ○中村委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  宇宙開発に関する問題調査のため、本日、宇宙開発事業団理事長島秀雄君に参考人として御出席を願っております。  質疑の申し出がありますので、これを許します。前田正男君。
  3. 前田正男

    ○前田(正)委員 本日ここで宇宙開発関係の質問をしたいと思うわけであります。  私も、実は宇宙開発については、さきにここの委員会の小委員長もやりまして、極力これを推進してきたわけでございますけれども、しかし、現在、五十二年度の計画を立案されたり、概算要求の時期にもなってきておるときでございまして、私たちも、これを推進しておりますと、一部の人の中には、現在のような不況のときで赤字公債も発行するようなときに、多額の宇宙開発の予算を使うということはどういうことかというような批判も受けております。しかしながら、国家のためにも、また将来の国民生活の福祉向上、発展というような点から見ましても、やはり宇宙開発が必要じゃないかということを私たちは唱えて、できるだけ協力してやってきたつもりでございますけれども、しかし、現在、原子力の問題その他も再検討の時期になっておりますので、やはりこの機会に、宇宙開発という問題についても、当初から振り返りまして、今後の問題を含めて、これらの問題点を明らかにしていく必要があるんじゃないか。そうしてそれらの問題によるところの責任をこの機会に明らかにして、今後の施策の参考にしていくということをしなければ、国民の血税を使って宇宙開発をするということでありますので、まことに国民に対して申しわけないと考えられるわけでございます。  そういう意味におきまして私は、宇宙開発について、大臣と宇宙開発事業団のこの問題に取り組んでいかれようとしておるところの心構えについて、まず最初に、大臣、理事長にお話を伺いたいと思う次第であります。
  4. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 宇宙開発の必要性に関しましては、私から申し上げるまでもなしに、前田先生はこの初期からの草分けの方でございますから、よく御承知のとおりだと存じます。したがいまして、私から詳しいことは申しませんけれども、しかし、有人衛星なんていうものはわが国では別に計画もなし、考える要もないと思いますが、しかし、もう無人衛星の実用化の時代に入っておりますし、この実用面は非常に幅広い、奥深いものになりつつございますので、わが国のような資源のない国では、こういう面を活用いたしまして、今後のあらゆる面の発展に寄与したいというのが大変重要なことじゃなかろうかと感じますし、また日本の技術そのものを全般的にレベルアップするためにも、こういうビッグサイエンスというものは近代の国家の任務として要請されておるところでもございますし、これまたそういう面からも大変重要なことだというふうに考えまして、私どもといたしましては、今後とも従来の方針に従いまして推し進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  5. 島秀雄

    ○島参考人 わが国で宇宙開発を行いますときの根本的心構えにつきましては、ただいま大臣からお話がありましたとおりに私ども心得ております。その間におきまして、宇宙開発事業団というのは、そのお考えを最も効率よく、と申しますのは、時間の点でも、また費用の点でも、またそれが、宇宙開発そのものだけではなくて、それ以外のところに及ぼします効果も含めましての最も効率が上がりますように行いますのが宇宙開発事業団の務めだと思って、鋭意努めておるわけでございます。
  6. 前田正男

    ○前田(正)委員 この際、特に理事長にお聞きしたいのでありますけれども、余り理事長を国会へ呼び出すようなことは少なかったのでありますけれども、御承知のとおり事業団というのは、法律で与えられた権限に基づいて仕事をしておられるわけでございますけれども、その予算の実施については、もちろん事前に国会の承認を必要とするわけでありますし、また予算の実施状況については、国会が調査、審議することもできるわけでございますし、決算については国会の承認が必要であることは御承知だと思うのでございます。したがいまして、国民の血税を使って仕事をしておられるわけでありますから、事業団が勝手な仕事をするということはできないわけだと私は思うのでありますけれども、国会の審議あるいは批判、そういうことを尊重されて仕事をされていく意思があるかどうか、理事長からひとつお返事をいただきたいと思います。
  7. 島秀雄

    ○島参考人 ただいま御質問を賜りましたとおりと私ども心得ております。私ども事業団は、その設立に当たりまして、民間資本が、ごく少しでございますが、入っております。しかし、この運営に当たりまして費やしますところは、ほとんど全部と言っていいほど国民の血税に由来する国家予算でございます。それをいただいておるわけでございますので、それを最も効果的に運営すべき責務を感じております。したがいまして、それに心血を注いでおりますが、また同時に、その心血を注いだところが妥当であるかどうかということを、国会の場においてその決算を御審議いただく、そういう立場にあるということはよく考えております。
  8. 前田正男

    ○前田(正)委員 決算だけではありません。国会の事前の予算の了承も得なければなりませんし、予算を執行しておる問題につきましても、国会において、執行の途中におきましても、これを審議、調査する権限を持っておるわけでありますから、その点をひとつ御理解していただきたいと思います。そういうことでなければ、これから質問していきましても、何ら意味がないわけですから、その点についてよく御理解していただいておると思うのでありますけれども、その点、もう一遍確かめておいた方がいいと思いますので、理事長の御意見をお聞かせいただきたい。
  9. 島秀雄

    ○島参考人 私どもは、詳細に案を議しまして、それを御審議いただいて予算を決定していただき、それをいただいておるわけでございます。そしてそれに忠実に従って仕事を進めていくわけでございます。  ただし、その間におきまして、外界の事情その他、事開発に属するものでありますし、社会情勢の変化も激しいものでありますから、いろいろの変わりが出てまいります。それにいかに即応すべきかということにつきましては、これは大小いろいろございますが、大なるもの、もちろんこれはもっと大きく御批判を仰ぎ、御審議を仰ぎ、それに従って変更していくべきでありますが、小さいものにおきましても、これは常に、監督官庁であります科学技術庁、郵政省、運輸省御当局と緊密に連絡の上、御理解を得て仕事を進めているつもりでございます。
  10. 前田正男

    ○前田(正)委員 いま申し上げましたとおり、そういうふうに実施していただくのは結構ですけれども、この実施の予算については、国会がその実施に当たりましての審議、調査をする権利を持っておるわけでありますから、国会の審議そのものについては、批判については尊重して実施をしていってもらいたいと思っているわけであります。  そこで、これらの予算の実施に当たりましては、常に公明、適切に責任を持ってやっていただいておる、また人事についても、その行いました仕事に対して責任を明らかにして仕事をしてきていただいておる、また民間の事業の育成についても公平、適切に行ってきていただいておる、こう私は考えておるのですけれども、理事長のその辺の決心をひとつお聞きしておきたいと思います。
  11. 島秀雄

    ○島参考人 私ども仕事をいたしますに当たりましては、ただいま拝聴いたしました御意見のとおり、あくまで公明に事を運ぶということを本旨といたしております。
  12. 前田正男

    ○前田(正)委員 そこで、具体的な話に入っていくわけでありますけれども、宇宙開発には、御承知のとおり、ロケットとか、システムとか、衛星とか、打ち上げ、追跡といろいろな各部門がございますけれども、その部門を一々ここで並行して審議するわけにいきませんから、とりあえず、ロケット開発部門と、これに関連するシステム関係の部門を先に取り上げまして、今後ひとつ質問をしていきまして、またあと時間がありましたならば、その他の各部門についても質問をさしていただきたいと思います。  そこで最初に、この際政府に委員会からひとつ資料を要求していただきまして、それに基づいて私も、きょうは余り時間がありませんけれども、次回にも質問したいと思いますが、まず最初の資料要求といたしまして、いままでのロケット開発部門、それに対しましてQとかNとかN改とかいろいろのプロジェクトがあるわけですけれども、そのプロジェクト別に、各項目別に、当初から五十年度までの年度別の実施状況、及び五十一年度の分配の予定、並びに今後の計画等をひとつ出してほしい。同時に、ロケットに関連するところのシステム関係の問題につきましても、同じく各項目別に、年度別に、当初から五十年度までの分、及び五十一年度の分配予定、並びに今後の計画をひとつ資料として提出してほしいと思います。  そうしてその資料が出ましてから、私は詳しく検討いたしまして、次回に質問するつもりでありますけれども、すでにいままでの間に問題になっておりますことは、この中のQ計画というものが中止されました。それにはいろいろの原因もありましたけれども、私の感じるところでは、そのシステムの担当の点に問題がありまして、この依頼をいたしましたアメリカの会社が経験不足ではなかったかと思うわけでございます。  そこで、このQの中止によりますところの損害は相当あったと思うのですけれども、その損害に対しますところの、このシステムを担当しましたところの責任問題は、どういうふうに処理されたか、理事長からひとつお聞かせを願いたいと思います。
  13. 島秀雄

    ○島参考人 ただいま資料請求のお話がございましたので、これはやがて関係御当局から私どもの方へ調製することをお命じいただくことだと考えております。私どもは、それに対しまして、正確なる資料を調製いたしまして提出する所存でございます。  それから、いまの最後の方にお話のございました、宇宙開発事業団が過去から順繰りに考えましたいろいろのプロジェクトの名前が挙がってまいりました。これは、宇宙開発事業団が設立いたされましたとき、そういうプロジェクトにつきましては、それまで科学技術庁の宇宙開発推進本部というのが開発の計画をいたしておりましたQロケットによるシステム、Q計画というもの、またそれができました上においては、それの経験を生かしましてN計画というものを進展させ、そうしてその中でこれこれ、これこれの衛星を打ち上げるということにするのだというような計画をお引き継ぎしたわけでございます。  ところが、私ども、それをお引き継ぎいたしまして詳しく検討いたしますと、その当時におきましても、計画は年送りにどんどんおくれておりまして、そうして計画の完了時期のようなものは目の前に迫っておりますのにかかわらず、お引き受けいたしましたときには、ほとんど物理的に実行不可能なような、当然完成時期がおくれるような状態であると私は判断いたしました。  したがいまして、この状態を改善いたしまして、かねてのプロジェクトの御要求というものは、その骨子はいろいろあると思いますが、その中でひとつ重要なものといたしましては、そこに盛られております衛星の打ち上げ年度というもの、すなわちプロジェクトの完遂の時期でございますね、それを予定のごとく上げるというのが一つの重要な眼目だと私は考えましたものでございますから、その最も大事だと思いました目的を完遂いたしますにはどういう手だてをとるべきかということを鋭意考えました。  そうしてその結果が、先ほど御指摘にありました当時、新たに日米両国間において締結いたされましたところの両国間の技術供与アグリーメントによりまして、いままで考えられもしなかった程度の技術供与ができるようになったという背景を踏まえまして、計画変更を行いまして、その行いますということにつきまして、関係方面、また国会にも御承認を得まして、そういうふうに変えたものが今日のN計画でございます。そしてその計画は、幸いにしていままでのところ、当時お約束いたしましたとおりに、去年の九月、前年度の夏季でございますが、技術試験衛星I型を打ち上げることができました。また電離層観測衛星を、前年度の冬季、すなわちことしの二月の末でございますが、それをお約束どおりの日に打ち上げることができました。すなわち、初めに考えました最も大きな眼目の一つである打ち上げ遂行のときを違えずに達成するということが、いままでのところ幸いにしてできております。また、その三つ目でございます。静止あるいは静止に非常に近い同期軌道に衛星を打ち上げる、それが今年度の冬季、明年の二月の初めと心得ますが、そのときに打ち上げられるという状態は、ただいまのところほぼ確実にできるような運びになっております。  すなわち、そのときに御承認を得ましたプロジェクトの進み方は、そのときにお約束いたしましたとおりに進んでおりまして、その点、その限りにおいて責任を全うしておるのじゃないかと私は思っております。
  14. 前田正男

    ○前田(正)委員 Qのことは済んだことであります。しかし、いまN、N改とやっておりまして、そのときどきに起こりました問題についての責任というものは、これから明らかにしていかなければいかぬと思います。きょうは時間もありませんから、このQのシステムを担当しておりました人の名前はだれか、それからその人はその後どういうふうな仕事を続けてやっておられるか、次回にひとつ資料として報告していただきたいと思います。  それから次に、Nの計画についていま理事長が触れられましたけれども、Nの計画そのものについては、いまお話しのような打ち上げをして成功をしておられる。これは私たちも協力してきた者として、まことに御同慶の至りだと思いますけれども、しかしながら、このN計画自身については途中で、百キロぐらいのものを打ち上げるということだけでは不十分じゃないかということで、実際に実用衛星を打ち上げていきたいという人たちの希望を聞かなければいけないじゃないかということで、私たちは、昭和四十五年四月十五日にこの委員会に設置されました宇宙開発の基本問題に関する小委員会におきまして、第一回の懇談会を五月十五日に開いて、各実用衛星を担当しようとしておられる実際の利用者の方たちから御意見を承りましたところ、三百キロぐらいのものをなるべく早く上げたいという希望がたくさんありました。そこで、このNの二段を改良していけば三百ぐらいのものができるのじゃないかということで、N改計画というものを出したらどうかということであったのでありますけれども、なかなか逡巡されてやりません。そして実は私が数年前にアメリカに視察に行きましたところ、日米協定のソーデルタの関係の工場を見ましたら、すでに二段は一一八Fというのをアメリカで使っておりまして、デルタ二九一四というロケットにいたしまして、約三百キロぐらいのものを上げられる。そこで、その協定の延長として当然これは日本に導入できるのじゃないかということをアメリカの方に聞きましたところ、政府の希望があれば考慮することはできるという話であったのでありますけれども、私も帰りましてからそのことを申し上げたのでありますが、宇宙開発事業団の方では、N改計画の作業をなかなか進めようとしなかったわけであります。そして私たちが予測しましたとおり、続きまして直ちに実際的に、国際協力による気象衛星を上げなければならぬ、通信衛星、放送衛星を上げなければならぬというようなことになってまいりました。  その他の問題については、後の資料をもらいましてからもう少し詳しく検討いたしますけれども概略申し上げますとそういうことでございます。  そこで、直ちに私も、それでは二九一四そのままをノックダウンで入れて国産化を進めたら、一号衛星の打ち上げが間に合うじゃないかという提言をいたしましたけれども、それも採用しない。そしてぐずぐずしておりましたところ、結局、一号衛星はもうできないからアメリカで打ち上げなければならぬ、こういうことに現状は至っているのじゃないでしょうか。事業団をつくって試験研究のことをやっていただくことももちろん大事でございますし、国産化のこともやってもらわなければなりませんけれども、これだけの多額の金を使って事業団というものをやっておるのですから、日本でこれを打ち上げていくというのが事業団の一番大きな目標じゃないかと思うわけであります。  そういうことで、この一号衛星が上げられなくなってきました問題についての責任をひとつ考えなければならぬと思うのですが、こういうふうにN改計画を延ばしてこられまして、結局、二号衛星からじゃないとN改計画として上げられなくなってきた、そういうことに対して理事長は、一体どういうふうに責任を感じておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
  15. 島秀雄

    ○島参考人 先ほど申し上げました初めのオリジナルのQ計画、N改計画というものを、ただいまのN計画に変えさせていただきました。これは、先ほど申しましたように、宇宙開発関係の技術供与につきましての政府間協定が結ばれました、それをできる限り活用いたしまして行ったものでございますが、その場合、その技術供与の協定にはいろいろ書いてございますけれども、その技術供与の最高の範囲といたしまして、ソーデルタの技術レベルまでの供与ということが書いてございます。ところで、これはそのレベルというのでございますから、別にソーデルタに限ったことではないわけでございます。でありますが、当時米国のロケットにつきまして種々検討いたしました。しかし、あるものはソーデルタよりも大きく、あるものはソーデルタよりも能力が少ないというような状態でございます。すなわち、ソーデルタのレベルまでということの中で、一等能力の高いものはソーデルタでございました。  それからまた、ソーデルタというものの技術的な内容をよく検討いたしますと、これは、アメリカの航空宇宙局、あのNASAで申しておりますところ、ソーデルタのプロジェクトを受け持っております方面の話によりましても、当時もソーデルタというのは、アメリカにおいて実用的に最も長い経験を持っておる。その長い経験を持っておるということの理由は、また言いかえますと、非常に早くからその系統のものが使われていたということでございますので、日本の中でも、ソーデルタというのはもう古いロケットじゃないか、もう古ぼけているから日本に技術供与するんだというようなことをおっしゃった方もおられます。そういう御批判を受けたこともございます。それで、そういうことも踏まえましてよく研究いたしましたのでございますが、これは一方には、確かに一等早くからやっておったロケットの一つであるということもございますが、それを長い経験を積みながらだんだんと改良、進歩させていって、その当時の形態にまでもってきたんだという長い経験の蓄積があるんだということが、古いオリジンだと言われるのとうらはらに、そこにそういう利点があります。それからまた、その趨勢を勘案いたしまして、この考え方と申しますか、このシステムでもってさらに大型化していく可能性の非常に強いロケットであるということを言っておりますし、また私どももそれを十分信用することができたわけでございます。  したがいまして私どもは、現在のNロケットを採用するようなふうに変更いたしましたときには、同時に、将来わが国におきましても、だんだんと大型の衛星を打ち上げてほしいということになるに違いない、それが一般の趨勢であるだろう。むろん小さいのを打ち上げるという要求がなくなると言っているのではございません。そういうのもありますが、しかし、大きいのも上げたいという気持ちになってくるのは当然の趨勢であると考えますので、それに対応いたしまして、私どもが技術導入いたしますロケットが、もうそこに頭打ちをしていまして、大きいものにする、改良していくことができないものであったら、当然そんなものを採用すべきではないのでありますが、大きくし得るものだというふうに言われておりますので、またわれわれはそう信じますので、それを採用させていただきました。  したがいまして、そのことはよく御説明もしてありますし、またNASAの方にも、その採用に当たりまして、こういうふうな見解のもとにこれを採用するんだということをよく申しまして、当時来朝されましたNASAの長官も、そういうことなんだから、それはおまえたちのと申しますか、そんなよその国のことを批判する権利はないかとは思いますが、しかし、おまえたちの選択はワイズなものであるというようなことを言っております。これはいささか余談でありますが、そういうことを言っておりました。だから私の方は、時間をかしていただき、またそこに費用を注ぎ込ませていただくならば、だんだんこれを大きくすることができる。そのとき技術供与が得られますのは、そのときのソーデルタ・ロケットが上限と規定されておりますが、しかし、それから先のことは、やはりそれをもとにして大きくすることができるのだということのつもりでやったわけでございます。だから私どもは、常にそれを採用する初めから、将来はだんだんこれを大きくしていくことができるようなものとして考えるんだ、またそういうことを休みなく考えていくんだという考えのもとに仕事を始めていたわけでございます。  ただ、現在、導入いたしますNロケットそのものを身につけるということに忙しくて、その思っていることが十分にいいテンポで具現していかなかった、順を追わなければならなかったということは確かでございます。したがいまして、言いかえますと、そのロケットで打ち上げられるというリミットよりも、大きなロケットを近い将来に打ち上げろということになりますと、これは荷が勝って打ち上げられないことはもちろんでございます。それで、一方アメリカでも、そのことを知っているからだと思いますが、大きな衛星を打ち上げる必要があって自分たちに打ち上げを依頼するなら、それは有償でもって引き受けてやってもいいのだというような、これは別途のそういうアグリーメントが後に結ばれました。したがいまして、それを援用いたしまして、私どもの進歩のテンポに合わないほど早く大きいものを上げるような御要求に対しましては、米国に依頼して上げるということになったわけでございます。これまたそのときに、政府御当局はむろんでありますが、国会の御承認を得ている次第でございます。
  16. 前田正男

    ○前田(正)委員 いまのお話の、打ち上げる能力に応じてアメリカとの協定というようなことについては、先ほど申したとおり、アメリカの方もそういうふうな話をしておりました。また現に皆さんの能力から見て、その時期にノックダウンで入れてくれば間に合ったと私は思いますけれども、これはいずれひとつ資料をもらいましてからよく検討いたしますが、結論としては、結局四十九年からN改一で三百五十キロぐらいのものを上げるということになってきまして、二号衛星からじゃないと打ち上げできないというふうな問題が出てきたわけだと思うわけです。この辺の事業団のやりました実績については、ひとつ資料をもらってからよく検討いたしまして、その辺の問題についてひとつ議論をしていきたいと思いますが、きょうは時間がありませんので、次の問題を先にお願いしまして、そして資料をひとつ要求していきたいと思います。  次に、民間の育成は公平にやっておるということでありますけれども、この際ひとつ資料としてもらいたいことは、ロケット開発部門におきまして、当初からいままで民間だけに発注した分、その金額、内容を、業者別、年度別にまとめた表をひとつ出していただきたい。また、同じくシステムの開発部門についても同様に、金額、内容を業者別、年度別にまとめてひとつ出していただきたい。その表には、その年度に民間に出しました発注総額に対してこの業者が何%かという、その金額のパーセンテージも書いた資料をひとつ出していただきたいと思うのであります。そうしていずれこの資料をもとにいたしましていろいろと検討させていただきたいと思いますが、その資料に関連いたしまして、ひとつ次の資料をお願いしたい。  それは、このロケットの開発を担当してまいりました担当理事及び担当部長、及びこのロケットに関連のあるシステム関係を担当した担当理事及びシステム担当の部長の当初からの年度別の氏名と、その関係の人の履歴、特に事業団に来るまではどこに働いておられたか、そこで何をしてきたか、また事業団に入ってからは何をやってこられたか、そういうものを書いた表をひとつお願いしたい。先ほどのロケット開発部門の年度別の実施及び将来の表と、それから民間に公平にやられたと言うから、民間に発注した金額のパーセンテージの入ったロケットのシステムの表と、それを担当されてこられた人の名前をひとつ出してほしいと思います。  これにつきましては、いろいろと資料を見てからお話ししますけれども、いろいろ仄聞するに、民間の発注分の相当部分のものはある業者に偏っておって、しかもその担当理事がその業者の出身であるというような話も聞きまして、これについてはいろんな問題もあると思います。しかし私は、原則論としては、民間を公平に育てていくということは、各グループ別に育てていくべきでありまして、現に原子力においても数グループに分けてそれぞれ伸ばしておるわけであります。したがいまして、原則論としても当然適切に育てていくべきではないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。この点については、ひとつ大臣から、この業界の育成につきまして、原則論としては公平に、適切にグループを育てていくべきであると私は思いますけれども、大臣のお考えを聞きたい。
  17. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私は、一般論といたしまして、日本は明治以来技術の開発に関しましては、どちらかというと、よその国のものを輸入いたしまして、それに頼っていたという経過を考えまして、これからは特にビッグサイエンスのようなものは、すべてわが国の自主開発でこれを進めていくのが技術のレベルアップに大変必要なことじゃないかというふうに基本的には考えます。しかしながら、それをやりますとどうしても遅くなる、タイムリーの問題もございますので、そういう際にはやむを得ず輸入もいたしまして、あるいは向こうにいろいろお願いもして、そしてその間に調整、調和をとっていくということ自体も当然必要なことでございますので、それがまたお話しのように、官の仕事のみならず業界の育成にもつながってくることでございますので、基本的にはそういう方向で持っていきたいというふうに考えるわけでございます。
  18. 前田正男

    ○前田(正)委員 時間もないので、この点はひとつ資料をいただきましてから詳しく検討さしてもらいますけれども、事業団発足以来、四十四年ですか、それからですからもう相当たっておるわけでありまして、その間に偏った人事はなかったかどうか、私も資料をいただいてからひとつまた検討さしていただきます。  いずれにいたしましても、次回は七月六日におやりになるということでございますので、これから一カ月ぐらい時間がありますから、資料は、先ほど申しました三通りの資料でございますけれども、二週間ぐらいで作成できると思いますから、二週間ぐらいで作成して委員会へ提出していただきまして、各委員の方へひとつ配付していただきたい。それを私は十分検討さしていただきまして、七月六日の日に質問さしていただきたいと思いますが、委員長から、委員会に資料を提出するように、ぜひお取り計らいを願いたい。
  19. 大澤弘之

    ○大澤説明員 ただいま先生から御要求のございました資料につきましては、二週間をめどにいたしまして、作成をして御提出いたしたいと思います。
  20. 前田正男

    ○前田(正)委員 終わります。
  21. 中村重光

    ○中村委員長 次は石野久男君。
  22. 石野久男

    ○石野委員 大臣にお尋ねします。  昨日、原発の安全性を問うカルフォルニア州法に規定された住民の直接立法制度、すなわちイニシアチブ、これに対する住民投票が終わったようです。それの最終結果がわかっておれば、それをひとつお聞かせいただいて、それに対する大臣の所感というようなものをひとつ聞かしていただきたい。
  23. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 現地時間の九日三時三分、日本時間で十日の七時三分、九九%開票の結果でございますが、イエスという投票をしたのが三三%、ノーが六七%という結果になっております。  それからこの問題に対する見解でありますけれども、きのうも実は参議院の決算委員会で繰り返しこの御質問がございましたが、御承知のように、いわば反対側の御要求と申しますか、出しましたテーマも、原子力発電の安全性そのものを否定しようとするものではなくて、むしろ安全システムの早期実証をしてもらいたい。あるいは大きい重大事故等が発した場合の補償の最高限度を変えまして、あるいは廃棄物処理、処分等の早期確立を迫る、そういう州民のこういう問題に対する強い要求をあらわしたものだと私ども受け取っております。  したがいまして、この問題がイエスと出ようとノーと出ようと、わが国といたしましては、現在進めております原子力施設の安全研究及び安全性の実証試験等を、アメリカのこういう事態にもかんがみまして、さらに一層強化拡充すると同時に、再処理、放射線、廃棄物等の処理に関しましては、その早期確立に万全を期したいということでございます。
  24. 石野久男

    ○石野委員 カリフォルニア州においては、今月の一日に原発規制法というものを州議会で議決をしたようです。聞くところによると、この規制法の議決ということが住民投票にも非常に大きな影響を与えるような内容であったように聞き及んでおります。州法の全体は十分掌握しているかどうか知りませんけれども、この法律が住民投票にまで影響を及ぼすような内容であったということの要点はどういうところにあったのでありましょうか。そういうようなことについておわかりでしたらひとつ……。
  25. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ただいまの投票の結果によりまして、州の議決いたしました法律、州法が生きてくるわけでございますが、その詳しい内容に関しましては担当官から御説明申し上げたいと存じます。
  26. 伊原義徳

    ○伊原説明員 今月初めに州の議会を通過いたしまして、州知事のサインも終わっております先生御指摘の三つの原子力発電に関する法律でございますが、ごく簡単にその内容を申し上げますと、まず、使用済み燃料の再処理につきまして、連邦政府の方針、これが確立されて、州議会が二分の一以上をもってそれを承認するということ、これが一つの条件。それからいま一つ、廃棄物の処理、処分につきまして、連邦政府の方針が州議会によって同様に承認される、こういうこと。それから三番目といたしまして、原子力発電所の地下立地などの調査、検討を一年間かけて行う。その検討結果がイエスであるというふうな場合。そういう三つの場合につきましては原子力発電の新設は可能であるけれども、そうならない場合には、原子力発電所の新設につきまして、必ずしも無条件では行えない、こういう趣旨のものでございます。現在運転中の三基の原子炉及び建設中の四基の原子炉につきましては、直接の影響はないわけでございます。  先生御指摘の、これが住民投票の結果に影響を実質的に与えたのではないかということにつきましては、私ども十分その辺の実情がわかっておりません。ただ、一般的に申し上げられますのは、この三つの州法は、住民投票の対象になりましたものに比べましてやや内容が穏やかである。穏やかという表現が適当かどうかわかりませんが、そういうものであるかと存じております。
  27. 石野久男

    ○石野委員 いま局長が言われた、穏やかなものであるかという感じの問題でございますが、それは穏やかであるということは、いままでの法律やなんかから見ても穏やかなものである、規制法なんかから見ても穏やかなものであるという意味の穏やかですか。
  28. 伊原義徳

    ○伊原説明員 従来に比べますと、やはり原子力発電所の建設について問題を提起しておるということでございますので、そういう意味では、従来よりは厳しいということかと思います。
  29. 石野久男

    ○石野委員 住民投票は、これからアメリカの各州でまだ幾つか行われるように承知しておりますが、ここで出てきておる住民の意思表示というものは、そういう今後行われる各州の投票にどういうふうに影響するかわかりませんけれども、提起された問題は、従来の原子力発電等に対する規制よりもむしろ厳しい問題提起をしており、そういうことがまだ住民に対して一定の期待感を持つというようなことで、同時にまた、原発を施設しようとする側の住民投票に対する非常に積極的な、聞くところによると、ものすごい金の力を動かしての運動があったように聞きますけれども、それはわかりませんが、とにかくそういうようなことで一つの期待がかけられた。それで同時に、州法は従来よりも一応のもっと厳しいものを出して決めたというこのことの意味は、非常に重大だと思うのです。  私は、原発なり、あるいは原発に伴って出てくる廃棄物の処理なり、あるいは再処理の工場等に関する住民の要望というものは、それを執行する人々の責任というようなものについて強い追及をしているのだ、こういうふうに見受けますし、また州法の新しい議決というようなものも、そういうものにこたえていっているように思われます。私のこうした考え方といいますか、見方というものは、非常に大きく的が狂っているのだろうかどうだろうか。それに対しての政府の方のなにをひとつ聞かしていただきたい。
  30. 伊原義徳

    ○伊原説明員 先生御指摘のように、この原子力施設の安全問題というのは、非常に重要な問題でございます。したがいまして、これを製造いたしますメーカー、それから運転いたします電気事業者ともども、この安全の確保について非常に強い責任がある。また、これを監督いたします政府側にも非常に重い責任があるということは、全く御指摘のとおりでございます。
  31. 石野久男

    ○石野委員 私は原子力の問題については、安全性確保について、執行者も、あるいは監督する政府も非常に大きな責任があると思うし、またそれを積極的に遂行しない限り住民になかなか安心感を与えないだろうと思うのです。いわゆる発生者負担の原則というものが、原子力の安全性の問題で住民を納得させるためにも積極的にとらなければならないやはり基本的な考え方である、こういうように私は思いますし、また政府もそういう考え方でないと、わが国における原子力の安全性に関する住民の対応の仕方というものについても説得力を持たないのではないか、こういうように私は思いますが、大臣はその点についてどういうようにお考えになりますか。
  32. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 アメリカが、原子力委員会を改組いたしまして規制委員会をつくって、そして原子力の安全規制に大変大規模に国家的に取り組んだということは御承知のとおりでありまして、これはまた、わが国にとりましても大変参考になる点じゃないかと思います。  ただ、私思いますのは、アメリカの議会にいたしましても、あるいはヨーロッパの議会におきましても、わが国ほど、原子力発電、あるいは原子力船でもよろしゅうございますが、軽水炉に関しまして、安全問題を繰り返し繰り返しほぼ十数年議論している国というものは恐らくないのではないか、国会の場で。したがいまして、そういう点に関しまして、私どもは十分配慮をし、慎重の上にも慎重に問題を進めているということは、国柄といたしまして当然のことかとも存じますが、私は他国に比して日本は相当慎重な進め方をしているのではないかというふうに考えます。  ただ、廃棄物の処理とか、あるいは再処理の問題等は、再処理の問題に関しましては、御承知のようにただいま一番問題の焦点でもありますし、高レベルの廃棄物の処理の問題に関しましては、世界的な規模でただいまこれを進めておる最中でございまして、まだ完全な解決策ができていないのは大変残念でございますけれども、しかし、これはひとり日本のみならず、全人類的な意味で解決を迫られている問題ですから、それはそれといたしまして、お話のような軽水炉の安全性に関する問題に関しましては、日本は相当慎重に構えております。  ただ、いままでのままでよろしいかと申しますと、繰り返すまでもなしに、皆様の御指摘、御教導もございましたから、安全局をつくったり、あるいは有沢機関をつくりまして、そして政府の審査、検査の仕方を変えるとか、あるいは軽水炉の安全研究に対する積極的な進め方をするとかいう、いままでにない配慮をただいま進めておることは御承知のことだと存じます。  でございますから、少し長話になりまして恐縮でございましたが、日本はそういう意味で、大変最高権威のある国会の場でこの問題を取り上げて、繰り返し御指摘のございましたその影響も受けまして、この問題のシリアス性、重要性、あるいはそれに対する対処の仕方等は、決して他国に比して劣らぬほど慎重に進みつつあるんじゃないかというふうに私は考えております。
  33. 石野久男

    ○石野委員 安全性の問題について、わが国の国会が他の国よりも非常にシビアな検討を加えておるということが、そのまま安全性が保障されたことにはならないと思います。われわれが幾ら論議をしても、それを実際に実行できなければ何にもなりませんから。  そこで問題は、カリフォルニアの住民投票の経緯から見ましても、わが国におけるところの原発、あるいは廃棄物の処理、再処理の問題等について、住民の不安を増大させないようにしていくためのPRをあなた方が積極的にやるんだということを再三にわたって言っているのですが、再処理工場の問題等については、いまも言われるように、世界的に大問題でございまして、ずいぶん検討を加えているようです。しかし日本で、この再処理工場等の問題について、聞くところによりますと、電力会社の社長会などでは、どうもやはり発生者負担の原則をそのままはめられたんじゃおれは困るからというような意見が非常に強いというふうなことも聞いておりますが、社長会などでそういうような意見が出て、政府もまた、そういう意見に、仕方ないなというような態度をもしとられるとすると、これは住民は、とてもじゃない、安全性の問題等に対する不安をなくするんじゃなくて増大をする、そういうことになってくると私は思うのですよ。だから、社長会なんかで出ておるその発生者負担の原則に対する考え方というものは、やはりちょっとわがまま過ぎやしないだろうか、勝手過ぎやせぬかというふうに私は思いますが、大臣はそういう点についてどういうふうに考えておりますか。
  34. 山野正登

    ○山野説明員 社長会における論議の内容というものを私どもは存じませんけれども、現在原子力委員会におきまして、核燃料サイクル問題懇談会というのがあるのでございますが、その場におきまして、先般産業界の意見というのが開陳されました。その御意見の中では、いま御指摘のように、発生者負担を否定するといった御趣旨の内容は含まれておらなかったと思いますので、恐らく社長会等におきましてもそのようなお話はなかろうかと思いますが、この官民の分担をどうするかという問題は非常に重要な問題でございまして、先ほど申し上げました懇談会の最も大きなテーマと申しますのが、今後、この核燃料サイクルを確立してまいりますに際しまして、民はどうすべきか、官はどうすべきかというこの責任分担の問題が最も重要な問題であろうかと思いますので、いま御指摘の問題も含めて、この懇談会で慎重に検討していくことになろうと考えております。
  35. 石野久男

    ○石野委員 懇談会でそういう問題の検討をすることになろうというお話でございますが、政府の方では、こういう問題について――私はもう問題はないんだ、こう思っておりますが、発生者負担の原則というのは、あらゆる産業公害に対してもうすでに出ておるわれわれの基本的な定説だというふうに考えておりますけれども、政府は、そういう懇談会で出てきている問題に対して、もう一度懇談会で練り直しをしてもらうというような考え方でおるのか。特に原子力政策についてそういうように考えているのかどうか。この際、長官の意見をしっかり聞かせておいてもらいたいと思います。
  36. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私は、再処理の問題等をどういう企業形態でやるかという問題もさることながら、どういう形態でやろうと、物そのものを、国家安全保障の面、あるいはフィジカルプロテクションの面、あるいは環境汚染に対する配慮等から考えまして、これは国としてはっきりした統制を加えていくのは当然じゃなかろうかと思いますので、そういう面とあわせまして、国がそういう方向に向かった場合には、それから仮に問題が発生した場合、企業者のみにその負担を負わすかということは、やはりそういう事態になれば考えられないと思います。したがいまして、原子力賠償法でございますか、石野さんも御承知のように、大変私どもも苦労してつくった法律がございますので、それに照らし合わせまして、あれは無過失賠償責任になっておりますから、そういう点を加味して、さっき局長から申しましたように、国の負担がどう、民の負担がどうというふうに考えていくべきものだと私は考えております。
  37. 石野久男

    ○石野委員 この問題については、私の方にも意見がありますけれども、時間の関係でまた後の機会にもう少し深めたものはお聞きしたいと思いますが、廃棄物の処理とか再処理工場の問題は、安全性の問題ときわめて重要な関係があるし、やはり住民を納得させるためにそれに対するはっきりした指導がなければいけない、こういうように私は思います。その点をひとつ政府としてはしっかり考えてもらわなければないけません。  そういう意味からも、たとえばいま私は原子力局の方にお願いしているのですが、原研でいま現に廃棄物をたくさん抱え込んでおるはずですね。この原研で抱え込んでおる廃棄物は現状どうなっておるか、それに対する管理、監督というようなものはどういうふうになっておるか、実情をひとつこの際聞かせておいてもらいたい。
  38. 伊原義徳

    ○伊原説明員 日本原子力研究所で現在保管しております放射性廃棄物の現状を簡単に御報告申し上げますと、東海研究所におきまして、低レベル固体廃棄物約二万六千本をピットに収納いたしております。それから中、高レベル固体廃棄物約四千個、これは小型の容器でピットに収納いたしております。その他特殊なものにつきまして、これが少量ございますが、これもピットに収納いたしております。  大洗研究所におきましては、低レベルのものが約千四百本、中レベルのものがコンクリートブロックの形で約二百三十個、いずれも収積保管場に保管されております。  管理の具体的な方法といたしましては、安全確保の観点から保安規定が定められておりまして、この保安規定に基づきまして厳重に保管されております。したがいまして、その場所にみだりに人が近づいて不必要な放射線を受けるというふうなことはないようになっておるわけでございます。毎週一回点検もいたしておりますし、保管の実態の記録等も厳重に実施されておるわけでございます。  管理従事者につきましても、鋭意その数の充実を図っておるのが現状でございます。
  39. 石野久男

    ○石野委員 この低レベルのものにしましても二万六千本、もうだんだんと置き場所がなくなってきているというのも事実だと思うのですね。それから古いものでは相当さびついたり、いろいろな保管上、容器そのものの安全確保、そのことが非常にむずかしくなってきていて、動かしにくい状態にもなっているということを聞いておりますし、私もある程度見ておりますが、そういう問題について、特にいまの段階で早くその処理といいますか、補強処理というようなことが必要になっているのじゃないかと思いますが、具体的にはどうですか。
  40. 伊原義徳

    ○伊原説明員 昔処理いたしまして保管いたしております物の一部が多少腐食しておるという事実は、御指摘のようにございますが、これにつきましては、いま点検をいたしておりまして、その結果がもちろん周辺に影響を及ぼすようなことがないように、現にその対策はとっておるところでございます。
  41. 石野久男

    ○石野委員 これはもう少し時間があれば細かく聞きたいのですが、事実問題として、もう古い物にはさびが出てきている。うっかりすれば、そこからまただんだんと外部へ放射線なり何なり出てくるというような、物によれば、物自体出てくるかもしれないという危険が実情ありますからね。これは管理をもっと早期に厳格にやってもらわないと困ると思うのですよ。大臣は、議会の中ではずいぶん安全性を論議していると言いますけれども、どんどん開発が進んでいく、研究が進んでいけば、そういうものはもううずたかく重なってくるわけですね。それに対する対応がいけませんと、便所が詰まってしまってどうにもならなくなってしまうというのが現状だと思います。だから、議会で幾ら論議をしておっても、具体的にはそういう事実があるということ、それを追っかけることができないという現状をやはりはっきりと認識して、それを打開するような方針を立ててもらわなければいけない。このためにやはり特別の配慮と指示が必要であると思いますが、大臣はどういうふうに思いますか。
  42. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 この点はお話のとおりだと思います。ただ、低レベルの問題に関しましては、その処理につきましては、しばしば御説明申し上げておりますように、これに対する処理の方針等は大体できておりますので、その方針に従いまして、私は皆さんに御迷惑をかけることなしに問題を処理できると考えております。  ただ、御指摘のとおり一番問題になりますのは、何といっても再処理工場から出てまいります高レベルの廃棄物でございまして、この問題は、先ほども御説明いたしましたように、世界的な問題としてまだ技術的にも最終的にこの処理方針がオーソライズされておりません。したがいまして、わが国ではまだこの問題は出てきておらぬのでございますけれども、やがてはこの問題出てまいりますから、それに対処いたしまして、世界の国々とも協力してその解決策を早く見つけたいということでただいま努力中でございます。
  43. 石野久男

    ○石野委員 私は、安全性確保の問題から、その廃棄物の処理や何かということは、非常に重要だと思います。  それに関連して、カリフォルニア州で議決をしました原発規制法三法について、これはできましたら資料として一応いただきたいと思いますから、ひとつ委員長の方で手配していただきたいと思います。
  44. 中村重光

    ○中村委員長 よろしいですか。
  45. 伊原義徳

    ○伊原説明員 御提出いたします。
  46. 石野久男

    ○石野委員 それから、今度新潟の公聴会を近い時期にやるということで、安全局の方では、大体そういうことについての意見の聴取書なども出しておるようでございますが、この討議では、聞くところによると、安全性一般については余り討議をさせないんだというようなふうに聞いておりますけれども、そういうつもりなんですか。
  47. 伊原義徳

    ○伊原説明員 原子力委員会で開くことに考えております公聴会、新潟で開催させていただこうということで、現在新潟県といろいろお打ち合わせ中でございますが、この公聴会につきまして、その討議の内容を非常に限定的に狭くするということは考えておりません。
  48. 石野久男

    ○石野委員 限定的に狭くするということは考えていないということは、安全性の問題について地元の意見をいろいろと聞くということについて、皆さんはその公聴会の指導に当たって制約を加えない、こういうように理解してよろしいですね。
  49. 伊原義徳

    ○伊原説明員 特に柏崎の地点につきましては地盤の問題が非常に問題であるということは、県を初めいろいろの方面からの御意見もいただいております。したがいまして、そういう地盤の問題などが非常に重要な中心の話題になると思いますが、そのほかにも、いろんな面から地元の御意見を十分伺ってまいりたいと考えておりますので、特にどういう問題を議論すべきでないとか、そういうことは全然考えておりません。
  50. 石野久男

    ○石野委員 佐世保の原子力船「むつ」の修理の問題に関連して、政府は地元の方に説明書のようなものを出しておりますが、その説明書の要点はどういうところにございますか。
  51. 山野正登

    ○山野説明員 今回は長崎県当局でございますが、四月の十三日であったかと存じますが、県当局から、私どものこれまで先方に差し出しました資料につきましての質問書というのが参りまして、これに対する回答を今月八日に行ったわけでございます。  この内容としてございますのは、一つは、今回これから行おうといたしております遮蔽改修並びに総点検の工事の具体的な内容、これをできるだけ詳しく説明してほしいということと、いま一つは、安全性の確保、特に修理を行うに際しましての安全性の確保問題ということについて、いま少し詳しい説明が欲しいという要望がございましたので、この二点が今回の回答書の中心になっておるわけでございますが、それ以外にも、修理港を選定した理由を初め、佐世保港における環境モニタリングの現状等々、若干のその他の問題も含まれております。
  52. 石野久男

    ○石野委員 その遮蔽修理を今度はやるということですが、私は率直に言うと、修理港というのは、なかなか各地の事情も問題があるし、炉に余り触れると現地の人たちから問題が出るから、船を長いこと置いておくとカキがついたり何かするから、船の補修の点だけが修理の問題だと思ったら、炉の修理ということに入ってくる。しかも、その遮蔽改修ということになれば、遮蔽の問題で事を起こした、今度は改修をして、完全に修理が完了したかどうかということの実験をしなければ改修の効果は出てこないわけですが、われわれ現場におって工場なんかにおりますと、物ができれば試験をします。それで検修をやるわけですよ。この検修を通さなければやはり修理は終わったことにならないと思いますが、その検修としての炉を動かすということはどこでやるんですか。
  53. 山野正登

    ○山野説明員 ただいま修理港で予定いたしておりますのは、先ほど申し上げました遮蔽の改修に加えまして、原子炉部分を中心にいたしました安全性の総点検を行おうとしておるわけでございますが、これが済みました後、御指摘のような出力上昇試験を行い、かつ、それに引き続き実験航海を行うという段取りになるわけでございますが、この出力上昇試験と申しますのは、修理を終えました後、しかるべき定係港に回航いたしまして、定係港において行うということを考えております。  遮蔽工事が済み、安全性の点検が済めば、それですぐに安全なものができるというふうには私どももちろん考えていないわけでございまして、所要の規制というものは当然受けて最終的には安全が確認されるというふうに考えております。
  54. 石野久男

    ○石野委員 所要の規制を受けて安全の点検は完了すると言うのだけれども、とにかく出力上昇試験をやってストリーミングがあって放射線が漏れたということで、これはごたごたしているわけですからね。修理をしたら当然そういうストリーミングはもう起きないだろうか。ストリーミングがあって放射線は外へ出てこないだろうかどうかということをやってみなければ、修理は完了もしないし、修理の実効があったかどうかということもわからないわけですよね。それがなければ修理が終わったことにならないし、どうするのですか。佐世保でそれをやらないのですか。どうなんですか。
  55. 山野正登

    ○山野説明員 この遮蔽改修につきましては、御指摘のように、四十九年の秋の放射線漏れに対する対応というのがもちろんあるわけでございますので、これにつきましては、現在、原研におきまして、事業団、原研並びに船研の共同研究によりまして遮蔽の実験をいたしておりまして、この遮蔽の実験結果を織り込みながら今後基本設計を進めていき、その基本設計に基づいて詳細設計をつくり、さらに工事に入っていくというふうな段取りを考えておるわけでございまして、十分に過去のそういった経験というものは生かしていこうとしておるわけでございます。  それから、今後、基本設計を進め、詳細設計、工事と進むに従いまして、各段階ごとに、これは事業団の中にもそれぞれ専門の専門委員会を設けまして、外部から学識経験者の意見も求めておりますけれども、これに加えまして、科学技術庁と運輸省でいま組織いたしております技術検討委員会にもお諮りして、その場で確認をしながら一歩一歩進めていくというふうに考えておるわけでございまして、私どもは、工事そのものの進め方自体も安全に進めるということに加えまして、そういう進め方によって将来必ずや安全なものができるだろうというふうに考えております。それで、できたものが安全かどうかというのは、引き続き行われます検査によって最終的には確認されるということを申し上げておる次第でございます。
  56. 石野久男

    ○石野委員 その検査をどこでやるのですかと聞いておるのです。
  57. 山野正登

    ○山野説明員 検査につきましては、もし基本設計の申請書記載事項に変更があるといったふうなことがある場合におきましては、従来の検査の体系で申しますと、設置許可変更申請というものが出されまして、科学技術庁、原子力委員会においてこの基本設計についての審査というものがあり得ましょうし、それに引き続く詳細設計以降の検査につきましては、運輸省が船舶安全法によって行います。
  58. 石野久男

    ○石野委員 それは法や条令のなにで当然そういくんだということですが、どこでやるかということがいまの問題なんですよね。それをやらなければ改修工事が終ったことにならないし、工事人は引き渡しができないのでしょう。だからそれをどこでやるのかと言っているのです。
  59. 山野正登

    ○山野説明員 先ほど来申し上げておりますとおり、改修、総点検工事は修理港において行い、出力上昇試験、これは低出力につきましては新しく決まるでありましょう定係港の岸壁において行い、さらに高い出力上昇試験につきましては洋上で行う、またそれに引き続き実験航海を行うという段取りになっておりまして、そういう場所、場所において今後の検査は進められると考えております。
  60. 石野久男

    ○石野委員 そうすると、工事の総点検検査というのですか、その総点検検査というものは、設計どおりできているかどうかということの突き合わせだけですね。だから要するに放射線が漏れるか漏れないかということはもう抜きだ。それはもう紙の上で計算するだけで、実際には出るか出ないかわからない。結局、原子力委員会、検討委員会で出した設計どおりにできているということだけが総点検ですね。
  61. 山野正登

    ○山野説明員 ただいま私どもが使っております総点検という言葉は、修理港において行います作業の範囲を総点検というふうに申し上げておるわけでございまして、検査という観点からいたしますれば、これは将来出力上昇試験の段階でも、検査という立場から放射線漏れがあるかないかということは当然確認されるでございましょうし、また、実験航海の初期段階においてもそういうふうなことは行われるであろうというふうに考えております。
  62. 石野久男

    ○石野委員 では、ここでお尋ねしておきますが、工事完了でそれに対する費用の支払いという問題はどの時点で行うのですか。
  63. 山野正登

    ○山野説明員 これは、今後、改修工事、総点検工事をどことどういう条件で契約するかということによって決まってくる問題でございまして、当然、支払いのスケジュールと申しますのは、契約の条項に左右される問題でございますので、将来決定されるべき問題と考えております。
  64. 石野久男

    ○石野委員 これは大臣に聞きますが、改修工事をやるんだ、改修工事をやるんだと言うけれども、改修工事の目的は何ですか。
  65. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 船自体の検査、これは定期検査があるわけで、いままでやっていないわけでございますから、その方はドックに入れましてすぐ船自体、船体の検査に入ると思います。それからいまの放射線漏れに対する改修工事は、いま局長から説明したとおり、新しいと申しますか、精密な計算で、しかもそれは原研のモックアップ実験で、実際的に十分可能だ、これでよろしいというところまで詰めまして、それをさらに、さっき申しましたように、検査、審査を丹念に何重にもやりまして、これで大丈夫であろうということになるわけですね。  それから総点検の方は、さっきお話ししたように、要所要所を点検いたしまして、これで炉は安全であろうという認定を下して、その段階でそれでよろしいということであれば、それからいよいよ出力試験というものに入らなければ、お説のように、その成果が具体的にわからぬわけでございますから、定係港に回送いたしまして、そこで実験に入る、こういう段階になると思います。何かおかしいところございますか。
  66. 石野久男

    ○石野委員 おかしいところありますかと言うが、支払いは契約によって行うんでしょうけれども、いわゆる遮蔽の改修工事をやるという目的は、放射線が漏れないようにすることなんでしょう。それをはっきりさせなければという、たとえば工事をやったけれどもまた放射線が漏れたら、これはもう意味ないのですよね。だから、実際に漏れるかどうかということを具体的にはっきりつかまない前に、工事が終わったら支払いだけはどんどんやってしまって、何遍でも繰り返して工事をやる人には国は金を払う、こういう考え方ですかどうですかということを私は聞いているんです。
  67. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 大変御心配なことで、配慮しなきゃなりませんが、この点は、さっきも申しましたように、二年先、三年先に実際その工事を引き受けたところとの契約の内容条項をどうするかという問題でございまして、お説のような御指摘があったことを配慮しながらその次の契約をしっかりいたしたいと思います。
  68. 石野久男

    ○石野委員 私はこれは納得しませんので、もう一遍後で聞きたいと思います。この問題については質問を保留しておきまして、時間が来ておりますものですから、これで私は終わります。
  69. 中村重光

    ○中村委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時三分開議
  70. 中村重光

    ○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。村山喜一君。
  71. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 川内の原子力発電所の安全審査に当たりまして、第百二十三部会が発足をしたということは聞いておりますが、この部会で初会合をなさって、これからの安全審査のあり方についてどういう方向で審査を進めていこうかという審査の方針が決められたものかどうか、この点について初めに承っておきたいと思うのでございます。  と言いますのは、電調審を通りますときに、担当の福田経済企画庁長官から、当該地区の問題については、原子炉の安全性の問題もさることながら、地質、地盤の問題について住民の不安がきわめて強いので、この面については特別に配慮してもらいたいという要請があると同時に、電調審を通ったからそれは即着工を認めるということではなくて、安全審査の出発の第一歩になるのだということの発言がなされまして、それを受け継いで、それぞれ原子力委員会等を初め各機関にそのことが伝えられておるはずでございますので、第百二十三部会が発足をするに当たりましては、特にそのことが何らかの形で、審査に当たられる専門の委員の人たちの間で話が十分になされているものだと思うのでございますが、それを受けまして安全専門審査会がそれぞれ検討に入るという方針の一定の方向をお出しになっているのではなかろうかと考えますので、その内容が明らかにできるものであれば、この際明らかにしていただきたい。これが第一点です。
  72. 伊原義徳

    ○伊原説明員 原子炉安全専門審査会の百二十三部会におきまして九州電力川内発電所の事案が取り上げられております。第一回の会合は六月四日に開かれたわけでございますが、先生御指摘のとおり、経済企画庁長官からの御意見、さらには地元県知事、市長の御意見等もございます。私どもといたしましては、特にこの事案につきましては、地質、地盤の問題に重点を置いて考えなければいけないということでございまして、原子力委員会に対する内閣総理大臣からの諮問、さらに原子力委員会から専門審査会の指示、専門審査会からこの部会へ、その段階におきまして常にこの問題が非常に重要であるから十分配慮して審査するようにと、こういうことが伝えられております。したがいまして、部会の各委員の先生方も、十分この点を御了承の上、これから具体的な審査を開始していただく、こういうことになっております。
  73. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 ところで、きょうは工業技術院の地質調査所の所長にも御出席をいただいておりますので、説明をいただきたいのでございます。  ここに、私、地質調査所が発行いたしました西方図幅と羽島図幅を持ってきております。これを見てまいりますと、川内川の右岸にあります月屋山、このあたりが古生層でございますが、原発の予定をいたしております久見崎の地区は、中生層の左岸の地域になるように図幅の上では記されておるわけでございます。川内川をはさみまして、その片一方の方は古生層、片一方の方は中生層という上から見ますと、そこには一つの大きな断層が川内川を走っているに違いない、こういうふうに想定ができる。  ところが、ここに鹿児島県が地質図をつくったものがございます。この説明を見てみますと、「この地図は、建設省国土地理院長の承認を得て、同院発行の二十万分の一地勢図を使用して編図したものである。(承認番号 昭和四十二年第二七〇号)」ということでございますから、承認を得て作成に入ると大体一年くらいかかるだろうと思うのですが、四十三年か四十四年ころにこの地質図はできているものだと想定がされるわけでございます。  そこで私は、地質調査所の所長にお尋ねしたいのは、この鹿児島県の地質図を見てみますと、月屋山のところと原発の予定地、いずれもこれは両方とも古生層ということに地図の図面の中で明示してあるわけでございます。したがって、それは断層の想定も示されていないわけでございますが、この地質調査所の図幅をつくりました技官を調べてみますと、太田良平技官が、この地質調査所の図幅については、西方と羽島の場合にはつくっておいでになるわけであります。そこで、鹿児島県の方を調べてみると、編さんをいたしましたのは鹿児島地学調査研究会というのがつくったことになっておりまして、その中には地元の大学の地質学の先生が入っておいでになるわけでありますが、同時に太田良平氏の名前がその中に入っているわけでございます。そこで私は、同じ人物が、片一方はそういう古生層と中生層がある図幅をほとんど主任的な立場でおつくりになり、県の方には編さん委員として参加をされて、太田良平氏の名前が、こちらの方は同じ古生層に属するという地質図をつくっていらっしゃる。自分の足で歩いて調査をして、そして一つの地質図をおつくりになる、それは科学的に処理をして自信を持って地質調査所の名前で発表をされたもの、これが権威あるものだと私たちは受け取るのでございますが、この後にできました鹿児島県の地質図の方では、それをみずから否定をする。たしか太田良平技官も理学博士だと思うのでございます。だから、学問的な意味から言えば、地質学の上で前の自分の学説を放棄して新しい学説を採用されたものであるとするならば、そのことがまた地質調査所のつくりましたその地質図幅を否定をすることにもなるかと思うのでございますが、なぜそういうような状態が生まれてきたのか。  このことについては、川内の市議会の方からも問題が指摘をされまして、直接太田技官に市の企画室長が会いまして、いろいろお尋ねをしているようでございます。その内容は聞き取りの形でなされておりますので、どうもはっきりしないわけでございますが、私はそういうようなものがまがり通っていいんだろうか。どういう事情でそういうふうになったのか。では、太田良平技官の名前が出ている場合には、どこまで地質調査所の方においては責任をお持ちになるのか。どの地質図が国の地質図として正しいとお考えになっていらっしゃるかどうか。この点が私は一番問題点だと思うのでございます。  地質調査所というのは、所長以下四百四十八名で、年間の予算が十二億円程度で、あれはたしか通産省の外郭団体の機関誌で地質調査所の所掌研究業務というようなものも私は見させていただいたのですが、そういうような点から言いまして、この地質図をそういうような状態で出されて、これに対して所長としてはどういう責任をお持ちになるのか、この点をまず明らかにしていただきたいのでございます。
  74. 小林勇

    ○小林説明員 いま先生から御指摘の地質図のことでございますが、地質調査所で、五万分の一の地質図幅としまして、いまお話のありました二枚の地質図をその辺では出しております。御指摘のように、われわれの方の調査の結果は、川内川をはさみまして、北の方は古生層、南の方の久見崎の方は四万十層と申します中生代の地層というふうに考えております。  それからもう一つ、その地域は中生層とか古生層とかの判定が非常にむずかしい地域でございまして、学会でもいろいろ異論はございます。しかし、私どもの立場といたしましては、五万分の一に表現しましたような結果が差し当たり正しいんじゃないか、こう考えております。  太田良平君のことでございますが、太田良平君は、お話もありましたように、火山岩あるいはシラスなどの専門家でございまして、そこの関係の図幅以外にも、鹿児島県の中で志布志とか鹿屋とかの五万分の一の地質図を出しているものでございます。御指摘の理学博士でございますが、論文は火山に関係したもので学位をもらったものでございます。  鹿児島県の二十万の県図でございますが、太田は、ただいま申しましたように、鹿児島県の火山岩地帯を歩いて図幅も出しておりますので、そういうような関係で、地学調査研究会の方から編さんに参加してくれと言われたと思います。その編さんの図面でございますが、確かに先生御指摘のように、川内川の北側も南側も古生層になっているのは承知しておりますが、太田良平君は火山の専門でございまして、そういう古生層とか中生層の専門家でございません。それで私、太田君にちょっと聞きましたところによりますと、その説明書にも書いてありますように、火山岩分布地域の執筆もしておりますし、火山岩分布地域の地質を編さんするに必要なデータを提供した、こういう立場でおるようでございます。
  75. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 だから、地質調査所としては、片一方、右岸の方は古生層だ、左岸の方は四万十層を中心にする中生層だという、この地質図というのは変更をされるなにはないわけでございますね。その点を確認をしておきます。
  76. 小林勇

    ○小林説明員 地質図の性格上、地質学はいろいろ進歩してまいりまして、はっきりしたデータが出ればまた別でございますが、いまのところ私どもは、五万分の一の地質図幅に書いておりますように、北側は古生層、南側は中生層、こういうふうに思っております。
  77. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 それで小林所長に、私は、本人がここに説明員としておいでになる機会がつくられれば、さらにこの問題は追及をしなければなりませんが、要らぬ誤解を与えるような、国の機関である地質調査所がこういう図幅を発表いたしまして、それと相反するようなものが、仮に火山灰、シラス土壌等の研究の権威者であったにしても、ここに明らかに編集委員として太田良平氏の名前が出ている以上は、この地質図については責任をお持ちにならなければならない立場にある一人だと私は思うのですよ。ということは、みずから調査をしたものを、今度は鹿児島県の委託を受けてつくられた地質図においては、自己の学問的な権威を否定する、これは自殺行為だと思いますね。ですからやはり、自分として責任が持ち得ないのであるならば、この地学調査研究会が編さんをいたしましたこの地質図の編集人としてここに出ているものについては、そのことは責任を持ちかねるということでその氏名を削られるか、何らかの措置をおとりになるのが正しいと私は思うのですが、誤解を与えるような行為をこのまま放置されるおつもりであるのか。その点はやはり、国の調査研究機関の一員であると同時に、地質学者としての学問的な権威にかけましても、みずから矛盾するようなことを述べたという形に受けとめられるようではぐあいが悪いのではなかろうかと思いますが、所長としてはどういうような配慮をされるおつもりであるのか。お考えがありましたら、お答え願いたいと思います。
  78. 小林勇

    ○小林説明員 ただいま直接に、御質問のことに関しまして、考えがまとまっておるわけではありませんが、先生が御指摘のように、編さん委員の一人でございますので、特にいま問題の地域の古生層の問題と中生層の問題、こういうものは、どういう根拠で二十万の県図では古生層、古生層、こういうふうになったのか、本人とも話しまして、それから編集員の二、三人の方ともよく話し合うようにいたしたいと思います。
  79. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そこで、今度二十四日の日に当科学技術特別委員会の委員の調査もしていただけるようでございますから、現地をつぶさに見ていただきまして、そして原子炉の予定の横坑の中にもお入りをいただいて、その中で、れき岩地帯だと言われているところが砂岩であるという事実や、あるいは相当風化したり、節理があちらこちらに出たり、あるいは断層が走っている模様等が見えますので、それをごらんをいただいた上で、いろいろ委員の方々に検討をいただきたいと思うのでございますが、その地質の問題を取り扱うのはどこが責任を持つのか。もちろん安全審査の専門委員会では検討をされるでありましょうが、地質、地盤の問題を原子炉の安全審査の中で検討をする、こういうことでございますが、これはいわゆる所掌事務の上から見ましたときに、どこの役所になるか。地質調査所というのは地球を対象とする地学の研究所だ、こういうことになりますと、直接的な行政の責任というものは、地質調査所にはないと思うのです。とするならば、行政的にはこれを取り扱うところはどこであるのか。この問題についてはだれかお答えいただけますか。
  80. 伊原義徳

    ○伊原説明員 先生の御質問の御趣旨に十分沿った御答弁になるかどうかあれでございますが、原子炉の設置を許可いたします場合には、内閣総理大臣がこれを許可することになっております。そういう観点からいたしますと、所掌する官庁はきわめて明確でございますが、ただし内閣総理大臣がこれを許可するかしないか、その判断をいたします際に、許可の基準に適合しておるかどうかにつきまして原子力委員会に諮問をいたしまして、その原子力委員会の御意見を尊重する、それで処分を決定する、こういうことになっております。  原子力委員会といたしましては、専門家の御意見をさらに十分尊重するということで、法律に基づきます原子炉安全専門委員会に指示をいたしまして、専門的な見地から十分の検討をしていただく。したがいまして、地質の問題についての専門的な御見解が安全専門審査会の地質関係の御専門の方々の御検討、合議の結果、それが安全専門審査会の意見となって出てまいりまして、原子力委員会がその意見を内閣総理大臣に答える、こういう仕組みになっているわけでございます。したがいまして、専門家の判断というものを十分踏まえた上で内閣総理大臣が行政処分をする、こういう仕組みでございます。
  81. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 ということは、科学技術庁設置法によりまして、内閣総理大臣、実務的には科学技術庁長官がおやりになる。その内局としては原子力局ですか、ここでおやりになるのですか。
  82. 伊原義徳

    ○伊原説明員 従来は原子力局で取り扱っておりましたが、ことしの一月十六日に原子力安全局ができましたので、その時点以降は原子力安全局がその事務を取り扱っております。
  83. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そこで、安全局がその事務的なものを取り扱いをされる、こういうことでございますので、さらにお尋ねしてまいりますが、先般指摘をいたしましたけれども、五十一年の五月十二日十三時二十分に震度三の地震が発生した。これは北緯三十二・一度、東経百二十九・八度の地点で、震源地は甑島の北の方で深さは二十キロメートルである。牛深が震度一、阿久根が震度三であったということを気象庁に確認をいたしたのでございますが、明治二十七年一月四日にマグニチュード六の地震が同じような海峡に発生をしている。原子炉の予定地域であります久見崎と甑島との間、北緯三十一・四度東経百三十・五度でマグニチュード六という地震が発生をしている。やはり今回の地震も同じような状態で、ほとんど場所的にもそう大きな違いはないわけでございますが、地震が発生をしているという事実は、そこには大きな断層がある。地震というのが断層の生成活動に伴うものでございますから、そういう点から見まして、久見崎と甑島との間にはそういう一つの活断層があるというふうに常識的には見られるわけでございますが、そういうようなものに対して、地質調査所としてはどういう考え方をお持ちでございますか。
  84. 小林勇

    ○小林説明員 ただいま地震のお話が出ましたが、地質調査所でも、国全体の地震予知計画の中で、地質に関係しました活断層とか、岩石の被壊実験とか、それから爆破地震による地震波速度の変化というようなものをやっておりますが、いまお話しのように、断層がすぐ地震だという、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、われわれとしてそこまではっきり申し上げるような研究がまだ進んでおりません。そういうわけでございますので、いま特に震源地は海中だというお話でございますが、現在の技術のレベルで言いますと、海中の活断層を調べること、あるいはそれと地震の関係を調べることはなかなか困難でございます。それが実情でございますが、大体そういうような見解でございます。
  85. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そこで地質調査所では、地震予知に関する地学的な研究、地盤変動に関する特別研究というものを測地学審議会の建議に従ってやっておいでになるようであります。調査所が受け持っているのが三つあるそうでございますが、地震波速度の変化の研究、活構造の研究、それから岩石破壊試験研究、この三つで、その内容を見てみますと、人工地震で弾性波の速度変化等を研究をされるというふうに承っているわけですが、主にその地域は、対象としては関東地区、こういうふうにも承るわけでございますが、やはり通産省の方でございましたか、一つの大型の地震を起こして、原子力工学試験センターに大型の加振機を設置して、その耐震設計がどういうようなものとして適当であるのかという新しい技術の開発にいま手を入れているというような話も聞いているんですが、国の調査所であります地質調査所が、原子力発電所を設置する場合等に、科学的にこの問題を処理していくために、何らかそういうような学問的な研究と実際的な行政業務との間で具体化している問題について研究をする、こういうような仕組みというものが地質調査所あたりとしては必要ではなかろうかと思うのですが、そういうようなものを生きた一つの材料として取り上げられる御意思というものがあるのかないのか、その点について承りたいのです。
  86. 小林勇

    ○小林説明員 ただいまお話のありました建造物の設計のための耐震装置、これは私の承知しますところでは、科学技術庁の防災センターの方に装置があるそうでございます。いまお話がありました地質調査所では、建物の設計とか、地質の問題は別でございますけれども、地盤の強弱とかいうふうな仕事には、いままででも直接タッチいたしておりませんです。そういうお答えでよろしゅうございましょうか。
  87. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 ということは、地質調査所としては、こういうような具体化している問題は手をつけたくない。やはり基礎的なといいますか、そういうような研究だけにとどめるんだという考え方でございますか。というのは、いま申し上げましたように、何か話を聞くと、関東地区を中心にする、そういうようないわゆる中心的な研究課題と取り組んでおる、こういうように聞いておるものですから、せっかく国のそういうような地質調査所があるならば、そこには研究職の人も二百五十名もいらっしゃるということですから、国がそういうようなものに対して、安全であるかどうかということを学者の先生だけに任して、その結論を尊重してやりますということだけでは、安全性については住民は十分納得しないと私は思っているのですよ。ということは、地質学者といっても、これはいろいろな角度から、体制的に地質学を考えていらっしゃる学者もおるし、しかしながら、どうもそういうような一つの狭い領域の中に閉じこもる地質学であってはならないという学者もおるわけですから、今度の専門委員の人に、あるいはその調査員の人に一、二名の地質学の先生がいらっしゃったとしても、それがどの程度やっていただけるのかということで、いままでと同じように、地質学の上では大丈夫だ、これに土木工学的な手法をこらせば、コンクリートミルクでも注入すれば岩は固まるから大丈夫だというような安易な結論が出されるような気がしてならない。そのことを住民は非常に心配をしているわけですよ。そういう角度から私は物を申し上げているわけですが、それに対してはどういうふうにお考えになるのかということをお答えをいただきたいのです。
  88. 小林勇

    ○小林説明員 爆破地震による観測でございますが、これは理論的に地震のひずみが地下にたまりますと、そこを経過します地震の波の速度が変わるということが理論的には考えられるわけでございます。     〔委員長退席、八木委員長代理着席〕 そういうことが本当に実証されるかどうかということで、先ほどお話しの関東地域の観測を毎年繰り返してやっておるわけでございますが、そういう地震予知関係のわれわれの仕事は、測地学審議会の建議がありまして、その中で、そのほかの、地盤変動の問題ですとか、地盤の上がり下がり、あるいは伸び縮み、それから微小地震の問題とか、そういうものもひっくるめてやっておりまして、私どもの方の分担としましては、いま申し上げた活断層と地震波速度と岩石の破壊と、こういうことをやっております。しかし、ここ数年続けておりますが、まだ現在はっきりした速度の変化は認められないのでございまして、これが実用になるものかどうかということは、まだはっきりしておりません。  それから地盤の問題ですが、これは先生のおっしゃるように、地質調査所でもそういう方面をやったらどうかということでございますが、とにかく、土木工学といいますか、そういう方面の専門家というのは、現在地質調査所にほとんどおりませんものですから、そこまで手が伸びないような状況にあるわけでございます。
  89. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 土木工学的にあなた方の方が検討してくれということを私は言っているわけではないのです。地質学的に見て問題を提起をしながら、果たしてそれが土木工学的に見て処理が適当になされるかどうかという判断を、あなた方にお願いしようとは思いません。しかしながら、たとえば活構造の点検にいたしましても、研究をされるようになっているのですが、これは、わりあいに新しい年代層の地質について研究をしよう、十万年以内に起こった断層等、過去百万年以下の若い地質についての断層の研究をしよう、こういうようなことになっているようでございますね。だから、古い年代の地層についての断層の研究というようなのが対象になっていないわけで、そういうようなことから、国の地質調査所であるならば、そういうように具体的な問題として学問的にも指摘をされ、そして地図の上でも、先ほど申し上げましたように、地質図幅が違っているような地図が出たりしていることから、ただ研究をするというような問題だけでなしに、現実に国民あるいは地元の住民が直面をしているような問題についても、そういうような立場から、やはり学問を実地に生かしていくという立場でお取り組みになったらどうか、私はこういうようなことを申し上げたかったわけです。時間がありませんのでお答えは要りません。  そこで、余り時間もございませんが、エネルギー庁が見えておりましたら二、三お尋ねをしておきたいと思います。  原子力を準国産エネルギーとして位置づけておることについては、これはいろいろ理由があるようでありますが、その中で、最近のウランの輸入実績と価格の中で、特に濃縮料金につきましては、七六年一月現在で六十一ドルあたりであるということでございますが、将来は百ドル近くになるだろう。それから、イエローケーキの問題にいたしましても、長期契約に基づくものよりもスポット買いで緊急に輸入をせよという――来ていないのですか。見えていないようでございますから、では、これはやめます。  では、科学技術庁の安全局の方にちょっとお尋ねしておきますが、今度の九州電力の申請を見てみましても、いわゆる使用済み燃料の処理についてはどうするのかというのが内容に出ておりますのを見ますると、一部は動燃事業団の方に処理を願いたい、一部についてはイギリスの核燃料関係の処理工場に処理をお願いをしたい、こういう内容になっているようでございまして、その立場から、いわゆる終末処理という形の中で、先ほども石野委員の方から触れられておりましたが、動燃再処理工場の操業見通しについて、事故が発生をいたしましたりしている関係がありますので、一体、この使用済み燃料の処理計画というものが、どういうスケジュールに基づいて、どのような見込みの中でいま処理がされようとしているのか。この点については、九州電力が設置許可申請を出しました問題との関係もありますので、その状況についてちょっと説明を願っておきたいと思います。
  90. 山野正登

    ○山野説明員 動燃の再処理工場につきましては、昨年の九月にウラン試験を開始いたしました時点では、大体本年の四月ぐらいまでにこのウラン試験を終了いたしまして、その後、本年の夏から秋以降、実際の使用済み燃料を使用いたしましたホット試験に入り、五十二年度の当初から本格操業に入るというふうな予定を組んでおったわけでございますけれども、ウラン試験の段階におきましてトラブルが発生いたしましたので、現在これの手直しを進めておる段階でございまして、いまの時点で申し上げまして、大体五カ月ばかりスケジュールがおくれているということになっております。  今後の操業見通しにつきましては、現在進めておりますウラン試験が終了しました時点で、大体明確な操業開始の見通しが得られるのではないかというふうに考えております。
  91. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 大体、五カ月ないし六カ月程度のおくれの状態の中でウラン試験が行われて、それからその見きわめがついた上でホット試験に入る、その後本格的な操業に入るという計画のようでございますが、この間にこの使用済み燃料は、ずっと原子力発電が続けられておるわけでございますから、なお引き続いてその蓄積が集積をされていくことになってくるわけでございますが、大体五十一年度は年間の発生量はどの程度にまでなるというふうにいま見ておいでになるわけですか。そしてその日本における再処理というものがそれだけおくれることによりまして、イギリスなり、あるいはそのほかフランスなりに委託をされる形で処理されることになるのでしょうが、話をお聞きしますると、英国の核燃料公社のウインズケール工場については、一九七三年に処理工程の中で事故が発生をして現在は動いていない、こういうふうに聞いております。それで貯蔵ポンドに搬入をいたしまして、そこで工場が再開されるまで待つことになるのでしょうが、果たしてそういうような形でイギリスがずっと再処理については責任を持って引き受けていきますという体制が、これからも続いていく可能性というものがあるのかどうか。この点について、イギリスにおける住民運動等も出てきているやに聞いているわけでございますが、その長期的な見通しについては、どういうふうに判断をされているのかという点とあわせてお答えをいただきたいと思います。
  92. 山野正登

    ○山野説明員 まず、わが国におきます今後の再処理をどういうふうな基本方針で進めてまいるかということでございますが、先ほど申し上げました動燃事業団の実験的な再処理工場に続きまして、できるだけ早い機会に国産の再処理工場をつくろう、将来はできるだけ多くのものを国内でもって処理していこうというのを基本方針にしておるわけでございます。その間つなぎといたしまして、御指摘のように海外の再処理に依存せざるを得ないわけでございます。五十一年度の年間の発生量そのものを私ただいま持っておりませんが、五十年度、昨年度の年間の見込み所要量が約九十トンでございますので、ほぼそのオーダーの数字であろうかと思いますが、一方、先ほどの動燃の再処理工場の操業というのが少しおくれておりますので、このものも引き続き海外に依存せざるを得ないわけでございます。  英国におきます住民運動との関係で今後とも期待し得るかという点でございますが、おっしゃいますとおり、英国におきまして反対の住民運動が一部あるということも事実でございますが、一方、この再処理に従事しております会社におきます従業員等の空気といたしましては、雇用の促進につながるという趣旨でこれを歓迎する向きもあるというふうに聞いておりますので、私どもはできるだけ国産の再処理工場の建設を急ぐということをいたしますが、その間におきまして、いま申し上げましたような背景を考えますと、イギリスないしはフランス等における再処理委託というものは引き続き行い得るというふうに考えております。
  93. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 佐々木長官にお尋ねいたします。  いま電力料金の値上げ申請が出されておりますね。通産大臣の所管事項になってくるわけですが、この中で、結局、核燃料コストというものを織り込みながら価格の申請というものがなされておるようでございます。そうなると、現行料金の収入に対して、私が資科としてもらいましたのでは、四社平均で約〇・五四%程度の燃料コストの上昇分を見込んで申請がなされた。現在慎重に査定中である、こういう返事をいただいておるわけですが、いままで原子力発電というのは、長期に安定をした一つのエネルギー源として、稼働率等もある程度の想定をいたしまして、その中で石油に頼らないエネルギーを確保するということで、安上がりの、しかも安全でクリーンなという形で宣伝が行われて、第三の火であるとかいうようなことで大変りっぱな宣伝があちこち繰り広げられておるわけですが、どうも価格がどんどん上昇をしていく、そして新規契約等についても停止をするというような状態でスポット買いをやってくれとかいうようなことなどを言われたりして、しかもその背景には石油資本がやはり原子力発電の方にも相当の力を持っているという意味において、エネルギーの全体の上から見ると、石油と原子力という二つの面におけるバランスをとりながら自分たちの独占的な利益を上げていくんだという一つのシステムが世界的に進められているように私たちは受け取るわけです。  そこで、一体これから原子力発電を推進して昭和六十年には四千九百万キロワットというようなことで計画もおつくりになっていらっしゃるようですが、その中で電気料金への影響というもの、コストがだんだんに上がっていく中から果たして割り安の電力の供給源として原子力発電所というものが期待できるのかどうか。この点については、私はまた大分心配が最近出てきたのではなかろうかと思いまするし、その点で大臣どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。また、あなたとしてはそういうような立場で、いやわずかなコストなんだ、これは大したことはないという考え方をやはりお持ちであるのか。お持ちであるとするならば、核燃料コストというものについては今後料金への影響という上ではそんなに大きな負担を国民にかけるようなことにならないという自信のほどをお示しいただきたいと思います。
  94. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 一般的な議論と申しますか、計算からいきますと、原子力発電は設備費に大変ウエートが多うございまして、したがって燃料費の占める率は従来の発電に比して大変わずかであるということは御承知のとおりかと存じます。初め、二十数年前から原子力発電の問題が起きておったのですけれども、しかし日本ではなかなか思うように進まなかった。その理由は、安全とか立地の問題のみならず、油の方が安く自由に手に入ったというのが大きい原因の一つでありまして、言うなれば原子力発電は採算に合わないというのが大きい理由の一つだったと思います。しかし、ずいぶん長いことそれほどビビッドに進んでおらなかったわけでございますけれども、御承知のように、先おととしでございますか、石油問題が発生いたしましてから、油の値段が一挙に四倍、五倍というふうに上がったときから、採算上でも有利だという状況になったわけであります。  ただ私は、原子力発電はコストに占める率がどうだという原価計算の問題だけで処理する問題でないのじゃないか。技術的な進歩によって、たとえばプルトニウムのようないわば国産的な燃料をみずから生み出していけるといったようなことも考え、あるいは貯蔵の面、あるいは輸送の面、あるいは外貨の支払いの面等を考えていきますと、はるかにいまの普通の発電よりは総合的に有利なはずでございまして、そういう面から考えまして進むべきだと思います。  その一つのファクターとして、原価問題に占める燃料がどうだという問題が出ているわけですけれども、私はこれは、いま御指摘のように、上がっていることは事実でございますけれども、しかし、いま上がっている程度のことで、油による発電とのコストを比較した場合原子力発電の方が不利かと申しますと、私はそうではないと思います。まだまだ有利だ。非常に卑近な例ですけれども、私ども一番初めにガスクーリングの炉を英国から入れるとき、あの当時キロワットアワーが五円くらいで、油による新鋭火力はたしか三円足らずであったと思います。したがって、物すごい高いばかみたいなものをなぜ入れるんだという議論がありましたけれども、いまになってみますと、大体もう十二円とかいったようなオーダーでございますから、東海の炉が実は大変有利になっているわけでございまして、そういう面を考えていきますと、現状だけで、少し上がってきたからどうだろうというふうに短期に物を考えないで、総合的な視野から問題を判断していった方がいいんじゃないか、私はそう思っております。
  95. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 もう時間が参りましたのでこれでやめますが、最後に大臣にお伺いをしておきたいのは、先ほども私取り上げまして、地質の問題などに関連をして、図幅の問題など地質図を中心にしながら、あるいは地震が発生をしたという問題を地点まで示しながら申し上げました。やはりそこには断層の生成過程の中で地震が発生をしたのだ。私たちも地震の発生源というものを考えてまいりますると、そういうふうに受けとめておるわけです。  そこで、この問題については、科学技術庁の原子力安全規制の方が中心の原局になられるようでございますから、所管の行政的な事務というのは科学技術庁ということになるようでございます。そうなりますると、単なる安全専門審査会の学者の先生たちの意見だけではなくて、やはり地震が発生をした場合にどういうような、それによって地質の――粘板岩あり、あるいは砂岩あり、あるいはれき岩あり、そういうような地層になっておる。その中で、しかもボーリングをしてみると、三十メートル、四十メートルの地点においても相当風化しているというものが現実に資料として出てきている。そういうようなものの中から、本当にこれは間違いなくどんな地震が来ても大丈夫なんだ、地質の上から、あるいは地盤の上から見て大丈夫だということが証明をされて納得ができるような、そういう実証的なものが示されない限り、住民は納得できないわけですね。そこで、原子炉の安全性そのものについての問題は、一般的な他の地域の問題と同じでございますが、それに付加されてそういうような問題が出てきている。しかも地質図の違ったものが現実にこうして発行されているということを考えてみますると、これは初めは原子炉の場所が問題があるというふうに指摘をされていたものが、地質が急に変わるわけでもないのに、だんだんそれが障害が除去されて、最終的にはきわめて適地であるというふうに新聞に、ずっと年月日を追うてまいりますると、なっているというような事態から見まして、つくられた安全性ではないかということを住民が考えておるわけでございますが、科学技術庁長官の佐々木長官とされては、この問題については徹底した一つの安全審査というものを自分たちも実証的に確認をしたいという立場で問題に取り組んでいただけるものと考えるわけですが、いかがでございますか。
  96. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 御趣旨のとおり、特に村山さんもこれで納得できたと思われるほど慎重にひとつやってみたいと思っております。
  97. 八木昇

    ○八木委員長代理 この際、申し上げます。  使用済み核燃料の再処理に関する問題調査のため、動力炉・核燃料開発事業団副理事長瀬川正男君に参考人として御出席を願っております。  質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
  98. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 まず原子力発電所の安全審査にかかわる公聴会の問題についてお尋ねをしたいと思います。  柏崎にいま東電が計画している原子力発電所については、さきに原子力委員会が決めております公聴会開催の四条件に該当しない、このように政府側はしているのでありますが、それをあえて公聴会を開こうという理由はどこにあるのか、まず答えをいただきたいと思います。
  99. 伊原義徳

    ○伊原説明員 原子力委員会が公聴会を開きます場合、どういう場合開くかということにつきましては、必要な場合というのがまず大原則でございますが、具体的にかみ砕きまして四つの条件が示されておるのは、先生御指摘のとおりでございます。で、柏崎の場合にそれが該当しないということも、御指摘のとおりでございます。  ただ、私どもといたしましては、昨年、設置許可申請を受けまして以来、特にあの地点については地盤の問題なども非常に重要であるということで、新潟県知事からもその点十分慎重に審査をしてほしいというふうなお申し出もいただいておりますし、いろいろそういう地元の特殊な事情に関係しての御意見がいろいろあるということも事実でございます。そういうことでございますので、できるだけ地元のなまの声をお伺いいたしたいという観点から、従来とも公聴会を開催するという基本的な考え方で県当局と御相談をしてまいってきておる次第でございます。
  100. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうすると、今度の公聴会に関しては、地元から聞いてくれという要望があったのではなくて、科技庁の方で開く必要性があったので開催を申し入れているのだ、こういうことなんですね。
  101. 伊原義徳

    ○伊原説明員 大体御指摘のとおりかと思います。たとえば地元からの要請という場合、具体的にたとえば県知事から要請があったかということにつきましては、県知事からの要請があったということではない、こういうことでございます。
  102. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 しかし一応は、やはりこの四つの条件を決めているということもあり、また地元の協力がないと開けないということもあって、科技庁は六月三日付で新潟県あて照会状を出していますね。もしこの照会状に対する県の返事がおくれて来る場合、一体科技庁は公聴会の開催についてどういう態度をとるわけですか。
  103. 伊原義徳

    ○伊原説明員 六月三日付で私どもの担当課長から県の担当部長あてに、具体的な細かい問題の打ち合わせにつきまして、文書を差し上げておるわけでございます。私どもといたしましては、近く御返事をいただけると考えておりますので、これが非常におくれるということにはならないと承知いたしております。
  104. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それは伊原局長の主観的な考えであって、客観的な条件いかんでは、おくれる場合も当然考えておかなければならないと思うのです。ところが、あらかじめ日は八月十一日、十二日でしたか、決めた上での照会になっている。また、公聴会開催の公示は六十日前という一つの標準がありますね。これに食い込んでいくかもしれない。そういうふうな、つまり局長の勝手な考えではなしに、新潟県の実情をもとにして考えた場合に、十分県の回答がおくれて来る可能性もある。その場合は一体どうするのだということを聞いているわけなんです。
  105. 伊原義徳

    ○伊原説明員 開催の六十日前に原則として公示をするということで従来とも考えておりますが、これは私どもの準備の都合等が主でございますので、多少の日にちのやりくりは、私どもが多少徹夜作業でもする覚悟をいたしますれば、できるわけでございます。新潟県の方の御事情もいろいろあろうかと思いますけれども、ただいまの段階では、何とか私どもの考えております条件で開催ができるように県にいろいろお願いをいたしておるところでございます。
  106. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それではもう少し具体的に聞いてみましょう。  開催に関する合意が成り立つのかどうか、私それは知りませんよ。が、一応科技庁としては県の合意の返事を待ってというふうに考えているようです。それが、いま言われているような若干のやりくりで始末のつく範囲ではなしに、大幅におくれて来た場合、公聴会と安全審査そのものとの関係が一体どうなるのかということについて、まず考えられる一つのケースは、科学技術庁は見切り発車で勝手に科技庁主催あるいは原子力委員会主催で公聴会開催を強行するのか。また、二つ目のケースとしては、科技庁がもう公聴会の開催を取り消して、公聴会抜きの安全審査の結論を出すことになるのか。また、考えられる三つ目のケースとして、地元新潟県民側との合意に基づく公聴会開催の条件が生まれるまで、安全審査の作業を今度は大幅にずらしていく。そういうようなことが考えられると思うのですね。一体どのケースをとろうとしているわけですか。
  107. 伊原義徳

    ○伊原説明員 どのケースということにもあるいは当てはまらないかもしれませんが、県の御協力を十分早急に取りつけまして、早急に県との御協力のもとに公聴会を開催いたしたい、こう考えております。
  108. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それはまああなたの方の考えで、そうならない場合を私が聞いたのに、それに答えないんですね。そういう点の準備はないということでしょうか。  大体、これは長官にお尋ねしたいのですが、県に対する照会の仕方が私は少しむちゃだと思うんですね。あの中には、福島の公聴会のときの制度を若干変化させる、このように変えますという内容が入っていますね。それともう一つは、何月何日どこそこでやりますという具体的な段取りも入っているわけです。普通われわれ常識的に考えますと、いままでのやり方を、いいか悪いかは別にして手直ししようというのですから、こういう方法でやりたいのですという問い合わせを出して、そういう方法ならよろしかろうという返事をもらってから、じゃそのやり方で何月何日どこそこでやりたいのでひとつ考えてあげませんかという、せめて二段階に分けるのが常識だと思うのですが、長官、そうお考えになりませんか。長官ひとつ……。
  109. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 そういう具体的なやりとりは、私よく存じませんので、局長から……。
  110. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いや、世間の常識で考えてどうですか。
  111. 伊原義徳

    ○伊原説明員 ただいま瀬崎先生御指摘のとおりでございますので、私どもはそういう二段階の構えで県にお願いをしようと考えております。
  112. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 二段階なら、先ほど言いましたように、実際、すでに科技庁が勝手に設定する日取りがそのとおりいかない場合はあって当然だと思うのです。だから、いわゆるやり方について、もっとこういう点をこういうふうにしてくれ、もっとこのように公聴会らしくしてほしいという希望が出てくれば、それにいろいろ応じていく、こういう期間がかかるでしょう。一たん決めた日については当然弾力的に考えるということでなければ、二段階にならないと思うのですが、そう理解していいわけなのですか。
  113. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもが第一段階で担当課長からお問い合わせいたしましたときには、私どもはこういうことで考えたい、しかし県のお立場もございましょうから、県の方の御希望も十分お伺いした上でということで、実際的に最も円滑な状況のもとで公聴会を開催したい、こういうことでございます。したがいまして、私どもがこういう条件だと思う、それを絶対変えることはならぬというふうな、そういうことではさらさらございません。
  114. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうすると、いま科技庁が出している条件も、大いに意見によって変えることもある。また、その話し合いが長引いてくれば、開催日や開催場所等についても、さらにこれは相当弾力的に考える、こういうことですか。
  115. 伊原義徳

    ○伊原説明員 担当課長からの文書の中にも述べてあるわけでございますが、この考え方につきましては……(瀬崎委員「いいんだよ、何日と決めてある方はどうするんだ、そこなんです」と呼ぶ)私どもは、できるだけその日の前後に開催させていただきたいと考えております。
  116. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それはきわめて勝手なことですね。たとえば公聴会を公聴会らしくするのならばということで、いろいろと出ている意見等を見ますと、一つは開催の時期の問題ですね。大体、柏崎の場合を例にとってみても、現地には東電のりっぱな建設事務所ができておる。いろいろな準備作業がどんどん進んでいる。言うなら引き返し不可能なと一般的に見えるような時点で公聴会が開かれる。こういうことに不信があると思うのですね。だから、安全審査の段階の公聴会も、それは制度さえよければもっと早くやったらいいが、電調審にかける前の時期でも一応公聴会というものは開くべきではないか、こういうふうな見解も出ておることは御承知だと思うのです。これについては、今回なぜ政府は取り上げないのですか。
  117. 伊原義徳

    ○伊原説明員 安全審査のいつの時点で公聴会を開くかということにつきましては、できるだけ早くということで地元の意見を審査に反映させたいというのが私の方の基本的な考え方でございますが、柏崎の事案につきましては、最初、原子力委員会にお諮りいたしましたときに、従来の原則、たとえば三カ月以内ということにこだわることなく、とにかく実質的になるたけ早く公聴会を開催しようということで御了解を得ていままで準備を進めてきておる次第でございます。  なお、先生御指摘の、公聴会の時期、もっと早くやるべきだ、こういうふうな御意見も当然あり得ると思います。この問題につきましては、内閣の原子力行政懇談会におきまして、現在いろいろ御意見が取りまとめられつつあると承知いたしておりますので、その御意見をいただきました上で、十分それを尊重して今後に対処してまいりたいと考えております。
  118. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうすると、開催時期の点については、やはり現在の原子力委員会の安全審査の段階における公聴会だけでは不十分で、電調審段階での公聴会の必要性があるかもしれない、そういうことをいまの懇談会でいろいろ検討しているんだ、そこのいわゆる改善は今回のには入ってこないわけですね、そういう意見のあること、意見をくみ上げることの必要性は認めながらも。  それからこういう意見も強いでしょう。いわゆる言いっ放し聞きっ放しはいけない、そういうことで、今度は各陳述者の意見が述べられた一番最後に主催者側の説明があるということなんですが、主催者側の回答的な説明を聞けば、また再質問したいという人は当然あり得ると思うのですね。つまりディスカッション、こういう方法をとるべきだという意見も非常に強かったわけなんですが、このような再質問が認められないとか、あるいは討論形式が認められない。これは一体、何か政府で抑えなければならない理由があるわけですか。
  119. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもといたしましては、福島で開催いたしました公聴会の経験、御批判等も十分踏まえまして、内容をできるだけ改善いたしたい、こういうことで考えておりますので、俗に言いっ放し、聞きっ放しと言われておりますところを、そういうことではなくて、陳述意見に対しまして、開催者側としてもいろいろ御説明あるいは見解表明を行うということで考えておるわけでございますが、ただ、先生の御指摘のような討論会という形になりますと、これはやはり、この公聴会の性格からして必ずしも適当ではないと考えられるわけでございます。したがいまして、できる限り対話という雰囲気を持ちつつも、いわゆる討論会というふうなところまでいかない形で十分地元の御意見を伺わせていただきたいと考えております。
  120. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 陳述人の人選なんですが、これも今度政府は改善だ改善だと言うんだけれども、機械的に賛成と反対同数並べて述べさせれば、これで機会均等だというような考え方が出ているように思うのですよね。しかし、本当に公聴会を実りあるものにしよう、安全審査上参考になるものにしようと思えば、これはやはりこの道の専門家の参加も相当求めなければならないと思うのですね。そういう点で、算術的な賛成反対同数、これはそもそももう公聴会を非常に形式的に見ている証拠じゃないかと思うのです。そういう点での道を今度の公聴会で開こうとしていないのですが、これは何か理由があるわけですか。
  121. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもの目的は、地元の意見、地元の生の声を十分伺わせていただきたいということでございます。その御意見の中には、反対の御意見もございましょう、賛成の御意見もございましょう。十分公平にそういう御意見を聞かせていただきたい、こういうことで考えております。ただ、やはりこれは無限にというわけにもまいりませんので、ある程度の日数の中で御意見をお伺いするとすれば、ある程度の人数に限らざるを得ない。ある程度の人数に限りましたところで、どういうふうにその方を選ばせていただくかということにつきましては、地元の事情もございますので、県と十分御連絡をいたしまして、県の御意見も十分お聞きいたしました上で公平な配分にいたしたいと考えております。
  122. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 現在の原子力発電所の立地に当たっての批判的意見、たとえそれが地元的反対意見であったにしても、その根底には、軽水炉一般の安全性に対する懸念とか、あるいは政府の原子力行政に対する不信、こういうものが非常に強いことは、これはもう十分承知だと思うのですよ、長官も局長も。そういうことをこの公聴会を通じて安全審査に反映させるのが、私は一番大事な点だと思うのですが、そういう機会をこの公聴会から奪ってしまうのでは、この公聴会を開く意味が非常に薄いどころか、実質ないに等しいと言えると私は思うのですが、なぜそこを重視しないのですか。
  123. 伊原義徳

    ○伊原説明員 軽水炉の安全性が非常に問題になっているというのは事実でございます。私どもといたしましては、公聴会でいろいろ御意見をお伺いいたしますときに、こういう御意見についてのみお伺いしたい、別の御意見をお聞きしたくないということではございません。いろんな問題につきまして地元の御意見を十分お伺いいたしたい、こういうことで考えております。
  124. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 問題は何のために公聴会を開くのかという原点に戻ってくるわけですよ。まだ出されている意見としては、特に専門的な意見を述べる場合に、十五分の陳述で述べ切れるわけのものでないことは、これはもう主催者側だってわかっていると思う。その点も全然改善されない。全体の日数を二日間におさめようというのも、これも非常に形式的な扱いをしているんだ、こういうふうな批判の対象になっている。問題は、公聴会を開くことによって現に安全審査に一定の影響が出るのか出ないのか、ここが問題だと思うのですよ。たとえそこに出された意見がその地元に限った意見ではなくても、先ほどから出ております軽水炉全体に対する不安とか、あるいはまた国の原子力行政に対する不信が出された場合、そのような不安や不信が解消されるまで安全審査をストップさせるとか、あるいはまた一時出された申請を差し戻すとか、あるいは規模を縮小するとか、こうなってこそ、なるほど公聴会を開いた価値はあったな、まさしく出された意見がくみ取られたなということになるのだろうと思うのですけれども、そういう用意をもって公聴会に臨もうとしているのかどうか、ここをこの問題の最後に聞いておきたいと思うのです。
  125. 伊原義徳

    ○伊原説明員 公聴会でお伺いいたします御意見につきましては、これらを安全専門審査会に御報告いたしまして、その結果、安全専門審査会としても、さらにこういう点について検討が必要である、十分な配慮が必要である、こういうことで御検討いただくことになっておりまして、これはたとえば前回の福島で行われました公聴会についても、その結果、専門審査会の方でさらに地元の御意見についてどう考える、どう対処するというふうなことについてもいろいろ御意見をいただいております。そういうことでございますので、私どもはこの公聴会の成果が安全専門審査の過程で十分反映されるということを期待しておるわけでございます。
  126. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 前の福島公聴会のときは、それこそ公聴会に出された意見に対する回答文書が、安全審査の結論の出る直前だったか後だったか、何かそんなころだったと思いますね。しかも、現実に安全審査そのものには何の影響も与えてなかった。そういうところから、これはまあ形式的に合意を取りつけたように見せる一つの作戦にすぎないというふうな見方すら生まれてきているわけでしょう。だから、率直に言ってほしいのですが、公聴会に出された意見のいかんによっては、本当にこの安全審査がしばらくストップされるような場合もある。国がそこに出された意見に答えるまで安全審査はやれないというふうなことも、ぼくはあってしかるべきだ。あるいはまた申請を一時却下するような場合があってもいいと思うのですが、そういう可能性も十分あるんですか。
  127. 伊原義徳

    ○伊原説明員 先生の御指摘の問題点を私あるいは十分理解してないのかもしれませんが、審査のストップということがどういうことなのか。むしろ審査をより深くかつ回を重ねてやるということが必要だ、こういうことはあると思うのでございますが、そういう方向で公聴会の御意見を十分活用させていただきたいと思っております。
  128. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 たとえばいま原子力行政懇談会などでいろいろ論議しているとよく政府が言うのですが、そういう問題そのものの解決を公聴会で求められてきた場合、当然そういう問題の解決を待たなければ意見をくんだことにならないでしょう。そういう意味のことを言っているわけなんです。いまの局長の答弁からすれば、そんなものはらち外だ、問題にしないというふうに聞こえるので、そういうことである限り、私はこの公聴会がすんなり受け入れられることはあり得ないのじゃないか。冒頭に戻るけれども、そのうちに何とかありがたい回答が新潟県から得られるだろうということも、きわめて局長の気休めにすぎないんじゃないかというふうに思うわけですね。だから、結局何のために公聴会を開くのかということを改めてよく政府はこの際考え直してほしい、そういうことを申し上げてこの問題を終わりたいと思います。  それから次に、これは先日原研において起こりました事故、これについてお尋ねをしたいと思うのです。  五月の十九日だったと思うのですが、原子力研究所に出入りしている業者がハンド・フット・モニターにかかったところ、ここで放射能が検出された。これはラジウムであったようですが、この汚染源は日立市にある立山精機の土だったというふうに聞くわけであります。この汚染がその後どのように処理されたのか、まずそれを聞いておきたいと思います。
  129. 伊原義徳

    ○伊原説明員 立山精機の問題につきましては、私どもの水戸事務所がいろいろ具体的に原子力研究所の協力を得て調査に当たっております。なお、警察の関係もいろいろ御調査になっておるわけでございますし、労働基準局等にもこの連絡が行っておるわけでございますが、現在までのところ、ラジウムを含んでおると考えられます放射性物質のびんが立山精機の地面の中から発見されまして、それを十分安全に管理いたしますとともに、その周辺のバックグラウンドよりもレベルの高い分につきましては立ち入りを禁止する等必要な措置をとり、かつ汚染が拡大しないようにということをしておるわけでございます。  それから関係者につきましては、警察署の方におきましていろいろ事情の聴取が行われておるようでございます。  それから、この関係で従業者なりあるいは付近の方に影響があるということでは大変問題でございますので、至急従業者及び周辺の方々をヒューマンカウンターと申します装置にかけまして、身体的に放射性物質を取り込んだかどうかというふうなことの検査をいたしました結果、すべてそういう影響はないというふうな答えが出ております。  それから、念のために周辺の井戸水等も十二カ所にわたって調べておりますが、これも汚染の徴候はございません。  それから、汚染した物についての十分な撤去、その監視等も現在行っております。その関係の作業は一応全部終了いたしております。
  130. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 汚染された土をドラムかんに詰めて原研に運んで現在保管しているのでしょう。その量が驚くなかれ二百リットルのドラムかんで約百二十本前後、それから五十リットルかんで約十本近くというふうに聞いているわけなんです。こんな大量な汚染土が出るまでなぜわからなかったのか。また、そもそもこのラジウムなるものは立山精機へどこから入ってきたのか。こういうこともちゃんと突きとめられているのでしょうね。
  131. 伊原義徳

    ○伊原説明員 汚染された、あるいはされたという疑いのある土を、ドラムかんに入れて撤去いたしましたその数字は、先生のただいまの御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、できるだけ念を入れまして、十分安全側を見て汚染された場所の除染作業をいたしておるということでございます。  どこからこの放射性物質、ラジウムが出たかということでございますが、これにつきまして、私どもが現在承知いたしておりますところでは、立山精機の高山取締役がその前に勤めておりました勝田市のコロナ電気、そこから立山精機に移りました際に、コロナ電気で使っておりましたラジウムを含有いたしております夜光塗料の余ったものをガラスびんに入れて持ち込んだもののようでございます。ただ、その辺、関係者の供述が多少食い違っておるようでございますので、その辺についてさらに警察において取り調べ中、こういうふうに承知いたしております。
  132. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 東海村にはいまから四、五年前ごろまで住友原子力工業がありましたね。たしか昭和四十六年に引き揚げて、現在住友金属鉱山に引き継がれていると思うのです。この住友原子力工業が引き揚げたときに持っておりました臨界実験装置はどのようになっているんですか。
  133. 伊原義徳

    ○伊原説明員 ただいま御指摘の住友原子力工業の臨界実験装置につきましては、昭和三十四年の四月に設置の許可が行われまして、三十九年六月に建設に着手したわけでございますが、一応使用の目的を達したということで、昭和四十五年の十二月に解体届、これは原子炉等規制法の三十八条に基づきます届けでございますが、それが出てまいっております。その間、四十一年九月に臨界になってから約五百時間運転をいたしております。出力は最高で二百ワット、普通百ワットの熱出力、こういうことになっておりまして、積算出力で約二十キロワットアワーでございます。それで、この解体届を受けまして、解体につきまして、私どもといたしましても、立入検査もいたしまして、解体が滞りなく行われたということをチェックいたしておるわけでございます。
  134. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いまの話によれば、解体に当たっては科学技術庁も立入検査も行ったということですね。当然炉規制法の適用も受けるわけです。放射能の汚染を受けている臨界実験装置の解体ですから、科技庁としても十分慎重かつ万全を期したと思うのですね。どのような立ち合いをしたのか説明してほしいのですがね。
  135. 伊原義徳

    ○伊原説明員 原子炉等規制法におきましては、原子炉を解体いたしますときには届けを出すということにはなっておりますが、立入検査等は必ずしも法律上の義務とはなっておりません。しかしながら、私どもといたしましては慎重を期しまして、四十六年一月からの解体作業に立ち入り検査ということで担当官を派遣したわけでございます。まず一月二十九日から三十日にかけまして解体前に立入り検査をいたしまして、翌々日ですか、二月初めから会社が解体に着手をいたしまして、三月になりまして大体解体が終わりまして、確認の検査をするということで三月の二十二日に立ち入りをさらにいたしまして、必要な測定その他を行って立入り検査を終了いたしております。
  136. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 解体した後の品物はどのように処分されていますか。
  137. 伊原義徳

    ○伊原説明員 臨界実験装置でございますので、これはいろいろな材料からできておりますが、これを解体いたしまして、放射性物質によって汚染されておるかどうか、あるいは誘導放射能を帯びておるかどうか、その辺を十分調査するわけでございますが、この立入検査で調べた結果では、いろいろな構成部品につきまして、バックグラウンドとほぼ差がない、バックラウンドと有意な差がないということでございましたので、一般的な産業廃棄物ということで取り扱って、その廃棄について住友原子力工業の処分に任せた、こういうことでございます。
  138. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さて、その一般的な廃棄物として処分されたものの一部が、先ほど問題になっておりました立山精機の工場の中にあったわけですね。今回ラジウムで汚染されました土地のいろいろな調査測定の折に、この住友原子力工業から運び込まれましたスクラップの一部について、事実、放射能に汚染されているということが発見されているではありませんか。
  139. 伊原義徳

    ○伊原説明員 御指摘のとおり、立山精機におきましての調査の結果、住友原子力工業の臨界実験装置の構成部分の一部がございまして、バックグラウンドレベルすれすれのようでございますが、ある程度の誘導放射能を持った材料が発見されております。
  140. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私が直接原研の放射線管理課にただした数字では、コバルト60が表面線量で〇・二ミリレントゲン・パー・アワー、これだけ検出されている。これはバックグランドの約十倍近い数字ではありませんか。
  141. 伊原義徳

    ○伊原説明員 御指摘のように、大体〇・二ミリレントゲン、一時間当たりその程度の測定が一部に出ておるようでございます。バックグラウンドは〇・〇三、〇・〇六、この辺の数字がございますから、それよりはやや高いかと思われます。
  142. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 あなたは先ほど、昭和四十六年当時、バックグラウンドと差がないということを確認した部品について一般的産業廃棄物としての処分を認めた、こう言っていますね。おかしいじゃないですか。当時もし本当にそういうふうな立入検査と測定をして一般廃棄物としての処分を認めたものなら、それから五年も六年もたってからなおバックグラウンドの十倍近いような値が検出される。これは結局、当時きちっと立ち会ってなかった、測定をしていなかった、こういうことを意味する以外に考えようがないじゃないですか。どうなんですか。
  143. 伊原義徳

    ○伊原説明員 四十六年当時の立入検査によりまして、バックグラウンドと有意の差がないということで解体作業が全部終わったというふうに承知いたしておりますが、ただ、バックグラウンド前後のところの測定はなかなかむずかしゅうございまして、非常に明確に何倍というふうなことでなかなか出にくいものであるということは、先生も十分御高承のことかと存じます。私どもといたしましては、もちろん、そういうところで手落ちがないように一生懸命努力はいたしておりますが、測定器の精度その他もございまして、ごく一部のものがバックグラウンドよりはやや高いというものもあるいはあったかと存じます。今後こういう際には、さらに十分注意をいたしまして、そのようなことがないように努力いたしたいと考えております。
  144. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その産業廃棄物はステンレスパイプだということでありますが、これは一体何につくりかえられようとしているのですか。
  145. 伊原義徳

    ○伊原説明員 立山精機がその解体物をどういう目的で所持しておったかにつきましては、現在のところつまびらかではございません。
  146. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 住友原子力工業の側にただしますと、科学技術庁が立ち会って、バックグラウンド以下、このように太鼓判を押してくれたから私たちは安心して処分しているのだ、こう言っているわけですね。しかも、大体、汚染の除去とかあるいは測定等については、住友が直接やったのではなくて、ビル代行ですか、これにやらしている。こういう無責任な話もあるわけであります。一体だれがこれの本当の責任者なのか、きわめて不明確な現状なんです。現に当時廃棄処分されたステンレスが放射能汚染、コバルト60の汚染を受けた状態のままでいま残存しているということは、他の廃棄物についても日本のどこでか残っているという可能性も十分あるわけです。もし本当に伊原局長がそのようなずさんなことをやらないように厳しくやるというなら、そういうこともきちっと追跡調査すること、一体この企業責任はどこがとるのか、こういうこともはっきりすべきだと思う。この点について長官の回答を求めたいと思います。長官、これは政治姿勢の問題ですから。
  147. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 大変申しわけございませんが、ほかの答弁の資料を読んでおりましたので、いま局長から御答弁させます。
  148. 伊原義徳

    ○伊原説明員 ただいま御指摘のこの物、ステンレス棒でございますが、これは炉心の支持枠でございまして、その一部が放射化をいたしておる、こういうことでございます。一般的に申しまして、金属が放射化するというのは、原子炉の出力とほぼ比例関係にあるわけでございまして、先ほども御報告申し上げましたように、積算いたしましても非常に出力が少ない状態で炉が解体されたわけでございますので、その構成の部品が非常に高く放射化されておるということはあり得ないわけでございます。したがいまして、この廃棄物が世の中に出回って一般の方々に放射線の被曝を与えるということはまずないわけでございます。しかしながら、こういうことがあるということは、直接あるいは実質的な被害は別といたしまして、非常に一般の皆様方に御心配を与えるということは事実でございます。そういう観点からいたしまして、私どもは今後こういうことがないように十分注意をしてまいりたいと考えております。
  149. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これは大臣にぜひ聞いてほしいのですよ。科学技術庁がちゃんと立入検査をやった、測定にも立ち会ったことは、先ほど伊原局長自身の説明のとおりなんですね。そして住友原子力工業が解体した臨界実験装置について、バックグラウンド以下だから処分してもよろしいというお墨つきを出したわけです。だから住友原子力工業も安心してスクラップ処分したのだと言うし、また立山精機の方も、まさか科学技術庁が大丈夫だと言ってくれたものを買って後で放射能が出てくるなどとは思っていないから、やっかいなものを背負い込んだというので、いま大変因惑しているようですね。これでは、結局科学技術行政の不信にまた大きな輪をかけてくるわけでしょう。しかも、バックグラウンドに比べて、現在測定された数値が〇・二ミリレントゲン・パー・アワーで、やはり一けたオーダーは高いわけですね。これが当時検出できなかったということは、それこそ科学技術庁がまじめに立ち会っておったのか、測定しておったのかということも疑われるわけです。だから私は、この際改めて、どのような立ち会いが実際されておったのか、一体当時どういうふうな数値が検出されておったのか。届けの中に、どうも住友原子力工業は、バックグラウンド値以下ということにしてスクラップ処分、一般廃棄物処分にしたようですが、この企業責任は一体どこがとるのか。住友原子力工業がとるのか、それとも解体に当たったビル代行という会社がとるのか。こういう点について科学技術庁としては、本当に申しわけなかったというならはっきりさせるべきだ、こう私は言っているわけなんです。大臣の回答を求めたいと思います。
  150. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 いまの具体的なケースに関しましては局長から答弁させますが、私も実は大変心配しておりますのは、将来、原子力発電所等が耐用命数が済んで廃棄処分に処す場合、これは大変危険なものがいっぱい入っているわけで、こういうものに対して一体どうするんだという問題は、まだはっきりしたことはないわけでございますから、いまお指摘のような問題が、まだ軽微な段階でございますけれども、これだけで問題が済むわけではないのでありまして、将来のことを考えますと、そういう廃棄処分に処す場合の心がけと申しますか、あるいは法規の整備等はしっかりやらなければいかぬと実は心配しておるところでございます。
  151. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それでは、大臣もそういう心配をされているんだから、これをまさしく二度と繰り返さないために、一度きちんと当時の立会検査、測定状況、それから本当に責任を持つべき企業は一体どこなのか。住友が測定をやったのか、ビル代行が測定をやったのか、ここらも現在はあいまいなんです。そういうこともありますから、きちっとした報告書を本委員会に出していただくようにお願いしたいと思うのです。委員長からも求めていただきたいと思います。
  152. 伊原義徳

    ○伊原説明員 この責任者は、原子炉設置許可を受けました住友原子力工業であることは、法律上はっきりいたしております。それから当時の立入検査の状況でございますが、その記録を御報告させていただきたいと思っております。
  153. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 次に動燃事業団の方にお尋ねしたいと思います。  昨年来相次いで事故が起こって、いろいろ瀬川副理事長も御苦労なさったところでありますが、それについてまず第一に、プルトニウム蒸発かんの密度計と圧力指示計のチャートに特別な異常があらわれておりまして、これの異常が果たして計測器の異常をあらわしているものなのか、それとも蒸発かんの装置の作動に異常があったことをあらわしているものなのか不明で、調査を今後していきたい、再現実験をしたい、こういうことでしたが、この結果はわかりましたか。
  154. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ただいま御指摘の、プルトニウム溶液の蒸発かんのトラブルの問題につきましては、御指摘のように、プルトニウム溶液、硝酸溶液でございますが、計測系統の回路等へ流入したということの原因は、やはり蒸発かん内の蒸発作用が、この前のテストのときはいわゆる突沸現象があったのではないかというふうな疑いを持ちまして、ことしの二月までにいろいろ対策を考えました上で、二月以来いろいろな試験をやっておるわけでございますが、三月以降は硝酸あるいは硝酸ウラニル等を六月上旬までいろいろな試験を行いまして、原因は、硝酸プルトニウム溶液と一緒に蒸発かんの中に入りますヒドラジンが硝酸の濃度に関連して分解されるのではないだろうか、これにほぼ間違いないということを突きとめました。それに基づきまして、いまいろいろな対策、考え方をほぼ決めたわけでございます。
  155. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 時間の関係もありますから、余り技術的な説明はこの際結構なんです。  それでは、再現実験のときに再びああいう異常なチャートといいますか、グラフがあらわれたケースはありますか。
  156. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ただいま申し上げた三月以降の試験で、やはりそういう突沸現象が起きたということがあったわけでございます。
  157. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それから次に、溶液の漏れと、密度計や圧力計のチャートにあらわれた異常さが、果たして関係があるのか、別々な原因で起こったのか、これも当時不明のままで調査の課題になっておったと思います。これはもうはっきりしたのですか。
  158. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 この前のプルトニウム蒸発かんのトラブルも、ただいま御指摘の計測系統への流入のほかに、フランジのガスケットからの漏れという問題があったわけでございますが、先ほど申し上げました突沸とフランジのガスケットの破損というものとは、問題は別ではないかというふうに考えられております。
  159. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その別ではないかということは、全く別々の原因によって、ただし時間的には同時に、ドリップトレーに対する液漏れと、それから計測器のチャートに対する異常があらわれた、こういうことなんですか。まだ明確にその因果関係がはっきりしないということなんですか。
  160. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ガスケットの部分につきましては、その後材質を全く取りかえまして、先ほど申し上げました突沸の再現試験等におきましても、取りかえましたガスケットの部分につきましては、その後全く異常が認められない状態であります。
  161. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 この前の論議のときには、あのプルトニウム蒸発かん室は、最終的にはコンクリートで密閉されますね。人の出入りができなくなる部屋である。したがって、かん内の作動状況あるいは異常等については、すべて計測器にあらわれてくるチャートで判断せざるを得ない。ところが残念ながら、あの圧力計と密度計が記録したチャートからは事故原因が究明できなかった。そういうところから、果たして計測器そのものがあれで十分なんだろうか。もう少し広い範囲の計測装置をつけるとか、あるいはさらに性能の高い計測装置をつけるとか、こういう必要性もあるのではないか。そうしないと、密閉した後もし何か起こったときに、なぜそうなったか全然判断できなくなるんじゃないかという問題がありました。この点については結論は出ましたか。
  162. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ただいま御指摘の計測回路の問題につきましては、蒸発かん内のそういう圧力変化に対しまして記録調節計を新たに付加するということを決めました。また、もう一つ、圧力緊急作動装置を新たにつけ加えるという二つをつけ加えました。
  163. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 次は、いま言われておりますガスケットなんですが、たしか中島所長が、仕様書どおりになっていなかった、仕様書ではステンレスをコーティングしたものをつけるようになっていたのに、あれはアスベストでしたか、非常に憤慨しているというお話でありました。一事が万事で、一カ所そのようなガスケットがあらわれてきたということは、ほかにも仕様書どおりでない部分があると推定するのが技術者の常識ではないか、そういう点の点検をどうするかという問題が残っておりました。この点について一定の範囲の点検をされたのですか、どうですか。
  164. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ただいま御指摘の問題につきましては、たとえば全系統内のガスケッ卜部分につきましてはすべてチェックいたしましたが、やはりプルトニウム蒸発かんのセルの中のガスケットだけが、先ほどお話しのように、スペックと違っておったという点を改めて確認したわけでございます。  なお、その後、スペックと違ったコーテッドアスベストであったこと、つまりスペックと違っておったことはわかったわけでございますが、その後の調査で、スペックが途中で変更になっておったために混乱したということもあると認められました。
  165. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それから、ドリップトレーに二百リットル、ドラムかん一本分も漏れがあったわけでありますが、この漏れの原因について、ガスケットだけからの漏れではとうてい説明のつかない現象でしたね。私の方から、これはボロン水を使ったテストをしたときに水が残っておったのではないか、こう聞いたら、そんなことはない、ボロン水を使ったテストは確かにしたが、それが正常であるかどうかを確かめてからセルのふた、ベニヤでふたをした、こう中島所長が言って私の発言を否定されたわけですね。その後、全く原因不明で、このボロン水系統の水道栓がどこかでひねられたのではないかという話でしたが、これはきわめて疑惑を残しました。はっきりと、いつ、どこで、だれがどういうことをしたために水がまじったということはわかったのですか。
  166. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 二百リッターの水並びにウラン溶液がたまっておったことにつきまして、あらかじめ、大分前から水がたまっておったかどうかという問題でございますが、これはひどく残念なことでありますが、その前から水がたまっておったのが、だれがそういうたまっていることに対して注意を払わなかったかという問題につきましては、まだはっきりいたしておりません。
  167. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それから脱硝塔及び脱硝工程にもトラブルが起こりましたね。これも再現実験等を繰り返すことになっておりましたが、その後その経過はどうなっていますか。
  168. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 脱硝塔関係のトラブルにつきましては、いわゆるウラン精製工程におきまして、脱硝塔の手前に蒸発かんがございますが、この前のトラブルは、そのウラン溶液の蒸発かんと脱硝塔の間の配管系統の漏れがトラブルでございまして、脱硝塔そのものにつきましては、特にトラブルというほどではございませんで、要するに脱硝塔としての性能がきわめて安定していないということで、脱硝塔を大幅に改造いたしました。  また、脱硝塔の手前のフランジからの漏れにつきましては、新しく対策を立てまして、その後の再現試験ではそういう漏れがないというふうに確認しております。
  169. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これは私が指摘したことではないのですが、先国会の予算委員会で、不破書記局長がキャストに関する問題の欠陥を指摘しております。これは使用済み核燃料運搬船検討会でも問題になって、このキャスクを水中十五メートル以下の深さに沈めた場合安全性が確立していない、そういうものを検討する必要がある、こうしているわけですね。そのことを予算委員会でも指摘をされておるわけでありますが、このキャスクについても、これは政府に聞いた方がいいと思うのですが、検討はしているのですか。
  170. 伊原義徳

    ○伊原説明員 使用済み燃料輸送用のキャスクにつきましては、原子力委員会に専門委員会を設けまして、数次にわたりまして国際原子力機関の基準等も参考にいたしまして、基準化がされておるわけでございます。ただ、その現在の基準の中では、主として陸上輸送を考えた国際基準でございますために、港湾等における事故で十五メーターぐらい沈むという想定の評価をするような基準になっておるわけでございますが、日本の事情といたしましては、海上輸送も当然考えられるわけでございます。したがいまして、海上輸送でそのキャスクが深い海の底に沈んだ場合の安全性についても、いろいろ実験等を重ねてその安全性を確認しておるところでございます。
  171. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その実験等はどこでやっているのですか。
  172. 伊原義徳

    ○伊原説明員 電力中央研究所で実施をお願いいたしております。
  173. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 電力中央研究所にはそういうことの実験ができる装置はあるわけですか。
  174. 伊原義徳

    ○伊原説明員 水深五千メーター程度までの実験ができると承知をいたしております。
  175. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、きょうはごく一部、昨年来、動燃事業団の事故、あるいはその後再処理に付随した未解決問題についてどういうことになっているのかお尋ねしたわけでありますが、そういうことを踏まえて、当面のウランテストの第二、第三キャンペーンということになるのですが、そこらのスケジュール――私は急げとはちっとも言っていないのですよ。できるだけ慎重がいいのですが、一応動燃の方として考えておるのは、どうなっておりますか。
  176. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ウランテスト、並びにそれに引き続くホットテスト等につきましては、昨年の春ごろ考えておりましたのは、ウランテストで約半年、それからそれに引き続くホットテストで半年、その間に安全審査等の問題もございますので、ウランテスト、ホットテスト等を通じて、試験運転には一年ないし一年半ぐらいかかるという考え方で昨年の春ごろはおわったわけでございます。  御承知のように、それが準備が延び延びになりまして、昨年の九月にウランテストに入ったわけでございますが、現状では、その後、いろんなトラブルに対する整理とか、あるいは手直しに目下非常に重点を置いておりまして、ウランテストだけで現在では一年半ぐらいかけようというような、私としては、当初から見ればきわめて安全第一で、当初考えておったよりも三倍の時間をかけるような考え方を、目下スケジュールとして考えておるわけでございます。
  177. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ウランテストの中の第二キャンペーン、第三キャンペーンという区切りで言えばどうなるのですか。
  178. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 したがいまして、ただいまは第一次キャンペーンを終わりまして第二次キャンペーンの準備をしておるというふうにお考えいただきたいと思います。
  179. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いまの瀬川副理事長のスケジュールでいけば、一年半ですから、去年の九月ごろから始まっていますので、来年の三月ごろまではかかるということなんですが、それももちろん今後の状況によっては、必ずしもそれをきちっとしためどにするんじゃなしに、さらに慎重にやっていくという用意は持っていらっしゃるかどうかというのが一つと、それからもう一つは、現在の動燃事業団の日本最初のパイロットプラントでいろいろ苦労されている立場から見て、この間ある新聞に、再処理工場の建設を民間に開放するために法改正を行う。現在、動燃事業団並びに原研だけしか建設の道が開かれておりませんが、これを民間に開けるよう法改正を急ぐんだという趣旨のことが出ておりました。どうも私たちは暴挙に等しいと思うのですが、当時者として、そういう民間移行を急ぐことがいいのか、現在、少なくとも国が責任を持ってテストにテストを慎重に重ね、もっと研究を深めるのがいいのか、その点の見解もあわせて伺っておきたいと思うのです。
  180. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 ただいま御質問の趣旨に対しまして、私からお答えすることはちょっとお恥ずかしいわけですが、しかし私個人と考えまして、やはり第二再処理工場の準備そのものは、エネルギー政策、あるいはそれに基づく原子力政策等から見まして、急ぐことは結構なことだと思います。  ただ、私どもが日本で最初の再処理工場の建設並びに試運転の経過から考えまして、民間の原子力産業、また原子力産業にとどまらずもっと広範囲の化学工業等が、この再処理事業にもう少し重大な関心を払って、私どもの再処理工場の試運転に対してどういう点がむずかしい点であるかというようなことを、もっともっと直接に参加して勉強していただくべきではないだろうかというふうに現在は特に考えておるわけでございます。
  181. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 言われんとするニュアンスは複雑で、私、何ともよう断定をいたしませんが、いま聞くところ、再処理工場には非常にむずかしい点がある、困難がある、こういう点をいま勉強する段階であって、実用化の建設を民間に開放して急ぐべきではないというふうに聞こえるのですが、長官はその点について、あのような発表が出ておりますが、あえて民間建設の方向へ大きく前進しようというお考えなのかどうか、それを最後に聞いておきたいと思います。
  182. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ただいま原子力委員会に、核焼料全般にわたりましての委員会をつくりまして、ここで最終的な結論を出そうというので、各界の資料、計画等を聴取している最中でございまして、だんだんこれがまとまっていくと思います。  御説のように、第二工場なるものが、民間でやらしたらいいか、あるいは動燃のいままでの経験等積み重ねてその上にやった方がよろしいか、いろいろ考えもまたあろうと思います。決して結論的なものじゃございません。原子力委員会として、前には第二工場は民間へという話だったそうでありますけれども、それはもう少し検討を要する事項じゃないかと思います。  それから、民間であろうと、国の機関であろうと、経営形態がどうであろうと、問題はむしろ、いま御指摘のございましたような技術そのものをどうするかという問題、あるいは物自体の面から見て、プルトニウムとか、あるいは濃縮ウランとか、高レベルの廃棄物とか、原子力にとっては一番むずかしい焦点の物質でございますので、そういうものに関しては、経営はどういう形態であろうと、私はもっと国としてはきちっとした規制を一貫して行っていくべきものだというふうに実は観念しております。したがいまして、今後いろいろ問題が進んでいく上におきまして、そういう基本的な態度で問題を処していくという実は考えでございます。
  183. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 じゃ、一言だけ。  そうしますと、次の通常国会にも民間開放の道を開くために法改正をなどと出ておりましたが、そんなことを急いでいるんではないということですか。
  184. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 せっかく民間の方でもいろいろ第二工場の準備をしておるようでございまして、経営形態自体は、何も国営でなくちゃいかないということでないのでございますから、民間で研究したり、あるいは会社をつくっていろいろ今後の準備をするということ自体は、だれもやらないよりは結構なことですから、私は大変いいことじゃないかと思います。  ただ、お説のように、そういう経営の道を開くということ自体は、何も悪いことではないのですからいいのですけれども、しかし、さればといって、普通の民間企業同様、手放しで何をやってもよろしいという性格のものではないわけでございますから、そういう物の面あるいは許認可の面等で、普通の商法上の企業のままで手放しでよろしいかといえば、私はそうは考えておらぬという点を申し上げたいのでございます。
  185. 八木昇

    ○八木委員長代理 次に、近江巳記夫君。
  186. 近江巳記夫

    ○近江委員 科学技術庁が先月の十九日で満二十周年を迎えたわけでございます。長官は初代の原子力局長ということもお聞きしております。現在、長官として文字どおり二十年間ともに歩んでこられた。そういう一つの歴史があるわけでございますが、正直に申し上げまして、非常に数多くの問題がいま山積いたしております。長官といたしまして、この二十年の今日、科学技術庁が歩んでまいりましたこの道を反省されて、どういう点を特に深く反省されているか、この点について、まずお伺いしたいと思います。
  187. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 大変高邁な御質問で答弁に窮するのでありますけれども、私ども初めこれに取り組んだ当時は、言うなれば全くの神代時代でございますから、いろいろ今後の発展のための軌道をつくる時代で、法律、条約あるいは各種の機関、あるいは人材の養成といったような、そういう大変草創の期でございまして、まだ段階といたしましても試験研究の時代というふうに見られます。ところが、時がたつに従いまして、だんだん問題が具体化し、実用化し、それに従いましてまた問題が多くなってきているのは事実でございまして、この問題の所在のつかみ方が、私、どうも時とともに変わりつつある、あるいは解決しつつあるというふうに見ていいのじゃないかと思います。  おととしの冬に私が就任したときには、軽水炉の安全問題というのが一番の中心で、衆議院、参議院問わず、この問題にほとんど明け暮れたと申しても差し支えないほど、私、答弁に立ちました。しかし、ことしの国会では、もうその問題に対する質問はそれほどございません。ほとんどなかったと言ってもよかろうと思います。そうじゃなくて、むしろことしの問題はどこにあったかと申しますと、これはやはり衆議院も参議院も同じでございまして、予算あるいは科学技術、あるいは決算、内閣、いろいろなところでの質問の焦点は、ほとんど核燃料、特に再処理あるいは廃棄物処理、いまアメリカでも大変問題になっているこの問題に日本も重点が置かれている。その問題をどうするのだということが、議会のみならず、私、日本のいまの原子力行政としては、一番むずかしい段階、解決の急を要する問題になっているのではないかというふうに考えております。ごく大粗筋に言って。  それから、ややもいたしますと困難な問題のみが山積いたしますから、これに携わっている人は、もうエンカレッジされる面はなくて、ディスカレッジされるばかりで、何のために一体われわれは苦労してこんなものをやらなければいけないのだという反省と申しますか、そういう点にとらわれていることも私は見逃せない事実かと思います。     〔八木委員長代理退席、委員長着席〕  しかしながら、将来の日本のエネルギー資源等を考えますと、プルトニウム燃料を中心としたファストブリーダーとか、あるいは多目的高温ガス炉を中心にした水素経済の自立化と申しますか、あるいは核融合の開始等、そういう将来の日本のエネルギー面を考えますと、どうしても自分らの子孫のためにこれをやらざるを得ないという一つの使命感というものがおのずからそこに出てくるわけでございまして、現在いろいろ御指摘もあり、苦しい時代でありますけれども、しかし、ここでいままでの二十年の歴史を閉じてはいかぬ、ますますこれからそういう将来の志望と申しますか、使命というものに徹して現在の諸問題を克服すべきだというふうに実は観念いたしまして、そういうつもりで原子力行政を指導しておるわけでございます。
  188. 近江巳記夫

    ○近江委員 特に原子力問題におきます所感を非常にお述べになったように思うわけでございますが、科学技術行政というのは原子力だけじゃないわけですね。非常に広範な分野にまたがっておるわけでございます。これは国民だれしも感じておるわけでございますが、本当に国民が必要とする科学技術が必ずしも取り上げられなかった。たとえば公害であるとか、そうした技術対策ですね。いままでは非常に生産優先をやってきたわけですが、福祉尊重に転じていく、そういう努力というのが非常に足らなかったんじゃないかということを言われておるわけです。  それからさらにエネルギー問題としましても、政府の計画からいきましても、省エネルギー技術の開発ということも非常に大きく言われておるわけですが、原子力については年間一千億程度入れておるわけです。これについては、科学技術庁としてのそうした各省庁に対する勧告であるとか、そういうものがほとんどない。そういう問題が一つ挙げられるんじゃないかと思うわけであります。  それから研究投資の配分ですね。たとえば私たちが委員会で医療あるいは福祉、ライフサイエンス、こうした基礎的な分野にもどうすべきであるか、こういう問題をいつも投げかけておるわけですが、そうした点を評価してどのように配分をしていくか、こういうシステムがないということも言えると思うのです。  それから、いままでの高度成長の時代等まだ引き継ぎをやっておるわけですが、この自主技術の開発というものにつきまして、どうしても先進国に頼っておる、こういう傾向がいま非常に大きな壁にもぶつかっておるんじゃないか、このように思うわけです。科学技術庁としては、総合調整のそうした機関であるわけですが、そういう実というものが本当に上がっておらないように思うのです。  この点、長官は、何で科学技術庁が苦労しなければならないのかというような、非常に重苦しい、十字架を背負ったような、そういう気持ちを吐露されたわけですが、そうした気持ちの一端もわかりますけれども、やはりそれでは国民の期待にはこたえていくことができないと思うのです。そういう中にあっても、いま何点か指摘したわけでございますが、そういうことを多くの国民が思っておるわけであります。やはりもっと積極的に本来の果たすべきそうした点を原点を振り返りつつ進めていく、こういうことが大事じゃないですか。どうなんですか。
  189. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私は勘違いいたしまして、原子力の問題だけ感想を述べましたが、いまの御指摘のように、科学全般の問題ということでありますれば、私も少し所信をお述べしたいと思います。  御承知のように、科学技術庁の使命は大きく分けますと二つございまして、一つは、そういう基礎的な、あるいは基本的な科学技術の向上のためにいかなる役割りを果たすべきか、何をなすべきか。たとえば人材の養成とか研究所の整備とか、あるいは研究の総合化と申しますか、合理化と申しますか、効率化と申しますか、あるいは海外との技術情報をどうするとか、いろいろな人あるいは機関のレベルアップのためのやり方というものがあると思います。それはそれで大変じみちな面でございますけれども、進めていることは事実でございます。  もう一つは、近代国家の、あるいは近代技術の特有の現象といたしまして、かつては考えておられなかった、一研究機関あるいは一大学ではできない、一企業ではできない、いわば国全体としてこれに取っ組んでいかなければならない、それは軍事国家であろうと平和国家であろうと、そのいかんを問わず進めなければならぬいわゆるビッグサイエンス的なものがたくさんございます。したがいまして、まだ濃淡の差はありますけれども、及ばずながらわが国でも、原子力あるいは宇宙産業、あるいは海洋開発とかライフサイエンスとか、あるいは最近では災害対策、あるいは御承知のように公害などに対する諸対策といったような、大きい国として組織化しながら解決を要する問題がたくさん出てきておることは御承知のとおりでありまして、逐次解決の道を整備しつつあるのは御承知のとおりでございます。  それから、あるいは誤解をいただいたかもしれぬけれども、科学全般の問題といたしましても、別の視野から、かつては戦後の日本の経済を復興し国民生活の向上を推し進めるものの最大の力は科学技術にあるということで、この戦後の復興に科学技術は大変な役割りをしてきたことは申すまでもないわけでございますけれども、しかし反面、しばらく前からマイナスの面もたくさん出てきまして、従来のような科学のあり方、特に自然に対する取り組み方、こういう問題は、いままでのような態度でよろしいかというマイナスの面を環境の問題、公害の面等で大変指摘されるようになってまいりました。原子力のマイナスの面もその一環かと存じます。したがいまして、ややもすれば、科学技術に対する、さっき申しましたデスペレートな、あるいはエンカレッジされた面も出てきたことは事実でございまして、しかし私、先ほど申しましたように、日本は、従来のように、海外から技術を輸入し、その上でこれを企業化してどうという時代は、もう大体過ぎました。さらに、資源のない国でもあり、あるいは公害その他、地政学的に言っても大変被害を大きく受ける国柄でもございますので、こういう面に対して、やはりマイナスの面を克服しつつ、新しい国づくりの分野として全般的にこれを進めなければいかぬという再反省に、あるいはその上に立った再出発の気持ちでただいま進めつつあることは事実でございます。全般から見ますと、科学技術分野に対する声が大きくなさ過ぎるじゃないか、小さ過ぎるじゃないかというおしかりもありますけれども、しかし、じみちでありますが、そういう面に着々進みつつあることは、御了承いただければ大変ありがたい次第だと存じます。
  190. 近江巳記夫

    ○近江委員 この問題は非常に大きな問題でありますし、この問題をやっておりますと、これだけで時間がたってしまいますので、いずれにいたしましても、この二十年の歴史というものは、いわゆる時代の進展に非常におくれをとった、そうした行政ではなかったか。この点、ひとつ原点を常に反省して、私が何点か先ほど指摘したわけでございますが、こうしたことも参考にしていただいて科学技術行政を進めていただきたい、このように思うわけでございます。  それで、先般カルフォルニアの住民投票につきまして、これも各委員からも出たようでございますが、大臣としては、今回のこの結果につきまして、どのように受けとめておられるわけですか。
  191. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、現在のカリフォルニアの州民投票でございますかの主なねらいは、原子力発電の安全性そのものを否定しようというのじゃなくて、むしろ安全システムの早期実施をしろとか、あるいは廃棄物処理方針の対策を早期に確立しなさい、あるいは重大事故に対する補償が、わが国はもう無制限でありますけれども、しかしその最高額が余りに少ないじゃないかといったような、そういう問題に対する一つの運動であったように思います。したがって、私どもといたしましては、この問題が勝つ負けるという問題よりも、運動の本質を考えまして、日本でも、飜ってみますと同じようなことでございますから、やはりいままで進めておった軽水炉の安全、あるいは再処理、廃棄物等に対する対処方針、こういうものをやはり早急にと申しますか、もっと強力に今後とも進めていくべきだというふうな教訓として実は受け取っておる次第でございます。
  192. 近江巳記夫

    ○近江委員 被爆国としてのわが国とアメリカの国民の原子力に対する感じ方、この点を考えてみますと、アメリカは全然そうした経験もないわけですね。にもかかわらず三分の一からの人がこの提案について賛成をしておる。こうした状況から見ますと、今後、カリフォルニアだけではなく、全米二十州くらいにまたがってまたこの種の投票が行われるのであろう。こうしたことを見てまいりますと、これはもう本当に、アメリカを初めとして、ヨーロッパ各地におきましてもそうでございますが、非常に原発のそうした批判というものは高まってきておるわけでございます。  いま長官も、今後、廃棄物の問題あるいは安全性の問題等、従来やってきたのをさらに進めていきたい、こうしたお話であったわけでございますが、わが国のこうした国民感情という点からいきますと、これはアメリカとは比較にならない強いそうした批判を私は持っておるように思うのです。ですから、いままでのペースでさらに進めていく、こういうことではこれは解決できないと私は思うのです。ですから、いままでのペースじゃない、本当に思い切った、政府としてそれだけの腹構えと対策をおとりにならないと、今後同じ考え方で原発を推進していくということは大変問題があろうか、私は、このように思うわけです。ですから、いままでの延長の上に乗っかっていくということではなくして、百八十度の発想の転換といいますか、まず土台づくりからやっていくのだ、そういう決意が大事じゃないのですか。この点について再度お伺いしたいと思います。
  193. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私も同感でございますので、御趣旨に沿いまして努力したいと思います。
  194. 近江巳記夫

    ○近江委員 非常に抽象的ですが、いま決意のほどを聞いたわけです。長官もそういう決意を固めておる。じゃ具体的に、この安全性の問題、あるいは廃棄物の処理の問題、この点は今後どのように百八十度転換とも言うべきくらいの姿勢で臨んでいかれるのですか。具体論についてお伺いしたいと思うのです。
  195. 伊原義徳

    ○伊原説明員 安全性の確保の具体論ということでございますが、ことしの一月に原子力安全局ができまして以来、職員一同全力を挙げまして、安全確保のさらに新しい道を追求しておるわけでございます。たとえば廃棄物の処理の問題一つを取り上げましても、非常に長期にわたりむずかしい問題が含まれておるわけでございます。それからなお体制問題といたしましては、御高承のとおり、内閣の行政懇談会におきましてさらに御検討が進められております。そういう御意見も踏まえまして、さらに新しい展開を期待するわけでございます。具体的に一つ一つ積み上げて仕事を進めていくという態度で一生懸命やっております。
  196. 近江巳記夫

    ○近江委員 具体的に一つ一つ積み上げていくということは、それはいままでの延長の上に厚みを増していく。そうじゃなくして、カリフォルニアの投票というものは、これは本当に全世界の国民に対して、原発というものに対しての大きな問題を投げかけておるわけですよ。日本では、これだけの狭い地域において、現在十二基、建設中もいまどんどんふえてきておりますし、こういう状況からいきまして、いままでのペースにただ乗せていくだけではだめだということを申し上げておるわけです。ですから根本的にもっと、安全性に対する問題、廃棄物処理に対する問題、環境問題、そうしたことについて、従来の発想とは違う政府としてのそれだけの力の入れ方が必要だということを申し上げておるのですよ。局長の答弁では、大臣が先ほどおっしゃったそれと何も変わりませんよ。それじゃ具体的にどういう転換をして厚みを増していくのかということをお聞きをしておるのですよ。
  197. 伊原義徳

    ○伊原説明員 問題の重要性は、まさに先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましては、安全局発足いたしましてまだ日も浅く、職員の数も限られておりますけれども、将来に向って新しい発足をしたわけでございますから、いままでと基本的に違った姿勢、すなわち安全についての責任というものが私どもにある、私どもががんばることによって初めて原子力施設の安全というのが確保されるということを、職員一同肝に銘じて仕事をいたしておるわけでございます。  具体的な問題につきましては、原子炉等規制法の遵守、障害防止法の遵守を初めといたしまして、山ほど問題がございますし、これは先ほど大臣の御答弁にもございましたように、軽水炉の安全の問題から次第に核燃料サイクル全般への安全問題に世の中の目も移りつつある。また実態も燃料サイクルの方に非常に安全上の問題があるというのもまた事実でございます。諸外国の状況も十分踏まえてという御意見も御指摘のとおりでございます。核燃料サイクル全般の安全問題も含めまして、鋭意確実に仕事を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
  198. 近江巳記夫

    ○近江委員 この八月には概算要求を出されるわけですが、六月の時点におきまして、いまもあなた方はそこまで腹を決めておられるのだったら、それじゃ来年度予算等において、どれだけの対策というものを具体的に盛り込んでいこうとしておるのですか。もっと具体論を話しなさいよ。
  199. 伊原義徳

    ○伊原説明員 いま予算のお話しが出たわけでございますが、予算に関連いたしまして新しい政策を各省庁で樹立、検討いたしまして、それを予算という制度に結びつけてまいる、その手順の、ただいまちょうど明年度予算についての検討は始まったばかりでございます。私ども、いろいろアイデアは山ほど頭の中にあるわけでございますが、まだ組織としてこういうふうにするという最終的な結論を得るに至っておらない、時期的にそういう段階でございますので、そういう段階になりましたときに十分御報告、御説明申し上げまして、その予算化についても一段と御助力もお願いいたしたい、こう考えておるわけでございます。
  200. 近江巳記夫

    ○近江委員 大蔵省を中心に政府全体でやるわけですから、何も科学技術庁から要求したから全部出るとは限らぬわけですよ。そうだからと言って、いまこの具体的な皆さん方の考え方というものを聞いているわけですよ。ですからやはり考えておられるその辺のことについては、われわれとしてはこうしたい――われわれだってそれを聞いて、これはもう当然のことだということであれば、いろんな点でまた御協力もできるわけです。その辺をもっと答弁していただく必要があるんじゃないかと思うのです。大臣はどうですか。
  201. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 来年の予算の件に関しましては、概略予算を出しますのは八月の末でございまして、いま六月でございますから、大体真剣に各省の案を検討し、また科学技術庁内部の案を検討する原子力委員会としての時期は、八月に入ってからだと思います。したがいまして、いま、何々を科学技術庁で持っており、あるいは各省で考えておるかという点までは、実は予算的な意味でヒアリングをやっているわけじゃございません。したがいまして、それが具体的に出ているかと申しますと、まだ出ていない状況でございます。したがって、現在の段階では私が申しましたような気構えといいますか、あるいは局長の言いましたような、そういう一応の考え方等を述べる段階にすぎないのでありまして、具体的に何々の会社をどうするとか、あるいは敷地をどこにするとかいったような問題が出てくるのは、もうちょっと後だと思っております。
  202. 近江巳記夫

    ○近江委員 予算ということは、これは結局何をどうしていきたいという具体的な裏づけになるわけですよ。確かにそれは、予算の概算とかそんなことは、まだ庁としても決まっておらないということは理解できるわけですが、少なくともアメリカでもこれだけ問題になっているわけでしょう。そうであるならば、安全性に対して、また廃棄物処理に対して、今度の投票でもこれは問われておるわけです。また原発全体のいわゆる建設という問題についても、これはもうブレーキという問題が出てきているわけですよ。いまのペースについては、このまま続行していくのですか。少なくともアメリカのこの投票を見て、被爆の経験もないアメリカでさえ三分の一がこれだけ反対している。こういう状況をごらんになって、いままでの建設のペースというものはスローダウンさせて、そして安全性あるいは廃棄物処理の問題、こういうところをさらに力を入れていく、こういう方針ですか、基本方針は。
  203. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 冒頭に御説明申し上げましたように、アメリカのいまの投票のねらいと申しますかはかくかくのものでございますので、わが国でも、その問題に対しては特に注意を払ってただいままで進めております。今後とも一層力を入れていく所存でございます――その力の入れ方が少しはっきりしないじゃないか、もっと重大にそういうものにひとつ力を入れたらどうかという、大変御激励のお話がございまして、まことにありがたい次第でございますが、ただ具体的に、それでは所要人員がどのくらい、いまより何ぼ要るのかといったようなところまで考えなければいかぬのですけれども、しかし、そういうところまではまだできておりません。したがいまして、特にいまアメリカでも問題になり、また日本でもこの問題を進めていく上において重要な問題があるのはわかっておりますから、そういう点を進めていくためには、資金、人材あるいは科学者等が一体どのくらい必要なのか、そういう点もこれから整備し、機構等組織の問題もありましょうし、いろいろ考えていってみたいと思います。
  204. 近江巳記夫

    ○近江委員 いわゆる原発建設についてのこうした国民の心配というものは、やはりこれからさらに高まってくると思うのです。それに対して政府としてまだまだ基本方針も固まってないし、政府全体としての取り組みが、いつも指摘しておりますが、私は非常に弱いと思います。全力を挙げて、この体制づくりを初めとして、具体的なそうした対策を進めていただきたいと思います。非常におくれておることを強く指摘いたしておきます。  それから、今度柏崎の方でまた公聴会の問題が出てきておるわけですが、これは政府として八月十一日、十二日ということを打診されておるようでございますが、これは正式要請ですか。
  205. 伊原義徳

    ○伊原説明員 先ほども瀬崎先生の御質問にお答えいたしましたとおり、担当課長と新潟県の担当部長との間での打ち合わせと申しますか、御要請、それに対する第一段階の県としての御意見というものを承る、こういうことでございまして、さらにそれを踏まえまして、第二段階として正式に原子力委員会から県知事あてにまた御要請をする、こういうふうな手順で考えております。
  206. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうしますと、この日にちのめどというのは、大体先ほど申し上げたこの時点ですか。
  207. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもといたしましては、開催の日取りは、先生御指摘の八月のそのころにいたしたいということで、県にお願いをいたしておるわけでございます。
  208. 近江巳記夫

    ○近江委員 これは今後地元との折衝にまたなければならないわけでございますが、いわゆる公聴会の持ち方につきまして、また中身の問題について、いつも問題を私たちも指摘をしてきたわけでございますが、今回予定されているこの新潟の柏崎公聴会につきましては、原発の安全論議というものはやらないのですか。この点はどうですか。
  209. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもが新潟で公聴会をなぜ開くかということでございますが、やはり安全審査の際に、地元の御意見を十分伺って、それを反映いたしたい、さしていただきたい、こういうことでございます。したがいまして、その地元の御意見というものは、地元特有の問題、たとえば地盤の問題、そういった問題にかなりウエートがかかるであろうということが予想されるわけでございます。しかしながら、こういう議題については議論をしてはいいけれども、こういう議題については議論をしてはいけない、そういうふうな制約を課するということは全然考えておりません。おのずから重点はその地元の特有の問題にあると思いますけれども、それ以外の制約を課することは考えていないということをお答えいたします。
  210. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうすると、安全性につきましても十分な論議をする、こういうことですね。ウエートとしては、いわゆる地元特有の地盤問題であるとか、そういうところへかかってくるけれども、安全性についての論議も十分やってもらう、こういうことですね。確認しますが。
  211. 伊原義徳

    ○伊原説明員 現在私どもで考えております公聴会は、これは制度的に申しますと、内閣総理大臣から原子力委員会に諮問がございます。その諮問の事項、その範囲を著しく逸脱するということには多分ならないと思うわけでございます。そういうことでございますので、そういう範囲内においていろいろな意見をお出しいただく。もちろん原子炉の安全性という問題についても、それが一部議論になるということは、十分あり得ると考えるわけでございますが、いずれにいたしましても、地域の住民の方々の忌憚ない意見を広く伺わしていただきたい、こういうふうに考えております。
  212. 近江巳記夫

    ○近江委員 十分な安全性についての議論をするということは、これはもう私も当然だと思うのです。  それで、この柏崎原発につきましては、国の原子炉安全専門審査会でも、異例の地盤班というものを設けておられるということを聞いておるわけですが、こういう結論が出ないで公聴会が開かれるという点につきましては、これは地元としては納得していないわけですよ。こういう点については、政府としてはどういう見解を持っておるのですか。
  213. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもが公聴会を開きます趣旨は、安全審査に地元の御意見を反映いたしたい、こういうことでございますので、審査が終わってからお聞きするということではないわけでございます。  ただいまの先生の御指摘は、安全審査が終わってないから地盤について不安である、そういう状況のもとに公聴会を開いて十分な意見が出るかどうかということの御懸念かとも思いますが、私どもといたしましては、安全審査の途中の段階で地元の御意見をお伺いするということに十分意味がある、それを活用させていただきたい、こう考えておる次第でございます。
  214. 近江巳記夫

    ○近江委員 この柏崎の地元住民の代表が科学技術庁へ来られて抗議の申し入れをしているわけですが、このときに三項目の申し入れをやっておりますね。一つは、地域住民が納得するまですべての原発建設計画を凍結する。二番は、原発の安全性、経済性、地域社会に与える影響などの問題を十分論議できる公開討論の場を設ける。三番は、原発建設の是非の最終決定は住民投票など住民の意思によることと申し入れておるのですが、科学技術庁としては、この申し入れに対しては、その後どういう検討をいたしましたか。
  215. 伊原義徳

    ○伊原説明員 六月八日に先生ただいま御指摘の申し入れがございました。それにつきましては、これは科学技術庁長官、原子力委員会委員長あての御意見でございますので、大臣に御報告いたしますとともに、原子力委員会の場におきましても、十分この御意見について引き続き御検討させていただきたいと考えております。
  216. 近江巳記夫

    ○近江委員 それで、この抗議に来られた一行が、今回の新潟公聴会についても、官製のいわゆる聞きおく公聴会だということで開催に反対を表明しておる。公聴会自体のそうしたやり方につきまして、非常に不信感というものが強いわけですよ。今回開こうと予定されておる公聴会については、中はたとえば福島等に比べて、どことどことどこをどういうように改善してどう運営しようとしているのか、具体的にひとつお答えいただきたいと思うのです。
  217. 伊原義徳

    ○伊原説明員 福島での経験を踏まえまして、私どもといたしましては、たとえば対話方式の導入ということで、御意見を伺いました後で、設置者なり関係官庁から、その御意見に対していろいろまた御説明、御答弁を申し上げる、こういうことをいたしたいと思っております。  それから御意見をいただきます方々の選出につきましても、これは県と十分御相談の上でございますけれども、反対の団体、賛成の団体、いろいろあるようでございます。そういう御意見が集約された形で広く各方面から有効な御意見をいただきたいというふうに、人選について十分配慮をいたすことにいたしております。  それからさらに、この公聴会での御意見につきましては、広く県下の皆様方にも傍聴の御機会をいただくのは非常に有意義なことと存じまして、会場といたしましては、できるだけ広いところを使いたいということで、県の方にもお願いいたしております。いまのところは、千数百人という傍聴人の入る可能性のある場所を何とか手配していただけそうでございますので、そういうことで私どもは考えております。
  218. 近江巳記夫

    ○近江委員 この対話方式の導入であるとか、いまおっしゃった点はまあ前向きで評価できるわけですね。だけれども、たとえばこの一人の発言時間とか、福島の場合は十五分でありましたけれども、こういう点については、どういう改善を考えておられますか。
  219. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもといたしましては、広く各方面の有意義な御意見をいただきたいと考えておりますので、そういう観点からいたしますと、どうしてもおのずからお一人当たりの時間に制約があるということは、残念でございますが、やむを得ないことかと存じます。したがいまして、お一人当たりの時間というのは、前回とそれほど変わらないということになるかと存じますが、ただ、その時間では陳述が十分できないという方々に対しましては、さらに書面でもってその御意見の補充をしていただくということは考えたいと思っております。
  220. 近江巳記夫

    ○近江委員 一人当たりの制約があるとおっしゃっていますが、これは二日間なら二日間と限定するからそうなるのですよ。開催日というものを四日なり五日間なりに拡大するとか、そういうことにしていけば、これは物理的に幾らでもできるわけでしょう。そういう点についてはどのようにお考えですか。あるいはまた二回設けるとか、その辺についてはどうですか。
  221. 伊原義徳

    ○伊原説明員 私どもといたしましては、公聴会の開催というものが非常に有効裏にかつ効率的に行われるということを期待しておるわけでございます。県の方ともいろいろ御相談をいたしておりますが、まず私どもといたしましては、二日ということでいかがであろうかということで県にお問い合わせをいたしておりますが、会場の都合等もございましょうし、また諸般の準備から考えまして、何とか効率的に進めさせていただきたい、こういうふうに考えております。
  222. 近江巳記夫

    ○近江委員 そうすると、この二日間のいわゆる公聴会での論議を踏まえて、これはもうとてもこなし切れない、さらにもっと意見を聴取する必要がある、こう認めた場合は、二回、三回と政府としてはまた今後開く、こういうことも考えておりますか。
  223. 伊原義徳

    ○伊原説明員 先ほども申し上げましたように、人選あるいは時間の制約は別の救済手段を考える、そういったいろいろなことを考えて効率的に進めさせていただきたいと考えておりますので、いまのところ私どもとしては、一回ではうまくない、不十分であるというふうなことにならないように、一回でもって十分効率的に御意見を伺わせていただきたい、こういうふうに考えております。
  224. 近江巳記夫

    ○近江委員 それはあなた方の考えであって、住民の立場からすれば、官製公聴会である、聞きおく公聴会である、そういう感覚というものはきわめて強いわけです。それをいわゆる打ち破って、さらに本当に意見も聴取していくという姿勢に転ずるならば、いま私が提案申し上げたような、そういうことは大幅に取り入れてやっていく。それは、福島公聴会から比べますと若干の前進はあるにしても、こんなことは小手先ですよ。もっと大幅な改革を考えなさいよ。この点については大臣はどう思いますか。
  225. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私は、公聴会の趣旨というのは、広く地元民の御意見を、賛成であれば賛成の理由、反対であればどうして反対なのかという理由、そういうものを出していただくのでございますので、討論会あるいはゼミナール等とはわけが違うようでございますから、改善の余地はあるにいたしましても、そう本旨から外れたことでありますと、これは公聴会の意味をなさないのでありまして、やはり本来の趣旨に沿うということになりますれば、改善いたしますにしてもおのずから限界があるものというふうに心得ております。
  226. 近江巳記夫

    ○近江委員 この問題は、さらにひとつ大臣中心によく検討していただきたいと思います。いま私が提案いたしました点につきまして、さらにひとつ十分な検討をお願いしたい、このように思います。  それから中央で開くシンポジウムですね、これはその後どうなったんですか、学術会議との話し合い等は。
  227. 山野正登

    ○山野説明員 シンポジウムにつきましては、前回も御報告申し上げましたように、従来、日本学術会議と委員会との間でいろいろと御相談をしてまいったのでございますが、今月の四日に日本学術会議の会長が委員会にお見えになりまして、これまでの経過報告をされたのでございます。そのときのお話によりますと、日本学術会議といたしましても、本件シンポジウムの必要性、有用性というのは十分に認識しておるので、今後とも協力の姿勢というのは保っていきたいと思うけれども、部内に一部誤解等があるので、早急な開催に協力をするということは困難であろうというふうな説明がございました。現在、委員会におきまして、まだこの日本学術会議と協力をして進めるという基本線というのは崩したわけではございませんが、これが余り時間がかかるようでございますれば、できるだけ早期に開催したいというもともと原子力委員会の意図があるわけでございますので、この学術会議の協力を得て行う方はしばらくお預けにしまして、別途委員会が独自にシンポジウムを開催するという可能性も含めて現在検討をしておる段階でございます。
  228. 近江巳記夫

    ○近江委員 学術会議のそうした立場、いま御説明をお聞きしたわけでございますが、原子力委員会としては早期に開催したい、学術会議が協力しないなら人選を進めてやる。これは第一回目のいわゆるシンポジウムでしょう。原子力委員会で都合のいい人ばかり集めてシンポジウムをやるというようなことになったら、これは大問題ですよ。この辺の問題についてはどう考えていますか。それで国民の納得が得られるような人選ができるのですか。
  229. 山野正登

    ○山野説明員 もともとこのシンポジウムの企画と申しますのは、科学者、専門家レベルで、批判的な立場にある方も含めて、科学的な見地から検討しパネルディスカッションをしていこうという意図でございまして、先ほど申し上げました学術会議との協力の線でなくて、違うラインで行うという場合に、全くそういう批判派の方々を除外して、原子力推進に賛成の方々ばかりを集めて開催するというふうな意図は、私どもみじんも持っておりませんし、委員会としても持っておられません。
  230. 近江巳記夫

    ○近江委員 その点はひとつ慎重にやってもらわないと、政府の手でそのまま行くということになってきますと、これはどうしても非常に傾斜したものになるのじゃないか、こういう強い危惧を持っております。この点はひとつ強く申し上げておきます。  それから、先ほどからも出ておりましたが、第二再処理の問題ですね。これは大臣、民間でもいろいろと準備を進めておるようであるがということをおっしゃっておったわけですが、民間では、ただやりたいという意思の表示だけなんですね。そうすると、大臣の先ほどのお言葉からいきますと、いろいろと準備を進めておるようだということは、かなり具体性を持った準備であるように私としては受け取ったわけですが、たとえば民間でどこどこの地点を調査しておるとか、こういう計画がある、そういうことは聞いておられるのですか。どうなんですか。
  231. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私は、ちょうど近江さんも御承知のように、かぜを引いてしばらく休んでおりまして、その間だったと思いますが、原子力委員会で、さっき御説明いたしました核燃料サイクルの主要な問題に対して検討をただいま進めておりまして、民間側あるいは通産省側等から、本件に関してのいままでの考え方あるいは進め方、現在までの進捗状況と申しますかというものを、いろいろヒヤリングをやったそうでございます。まだ実はその結果を聞いておりませんので何とも申し上げられませんけれども、しかし、どういう形態で、どのくらいの規模で、いつまで、どこでというところまで具体的に進んでいる問題かと申しますと、私はどうもそこまでまだ行っていないんじゃないかというふうに実は見ます。  ただ、私の感じといたしましては、恐らく皆様の御心配になっている点も私と同じだろうと思いますが、それは、経営形態がどうだという問題よりも、むしろ、プルトニウムとか、あるいは濃縮ウランとか、あるいは高レベルの廃棄物とかいったようなものは、これは国家安全保障の面から申しましても、あるいはフィジカルプロダクションの面から申しましても、あるいは環境汚染等の面からいたしましても、重大な問題でございますので、これに対して国が手放しで、民間の会社だからといって何でも自由にというわけにはまいらぬことは、これは明瞭でございますので、そういう点に対する政府としての今後の規制方法と申しますか、そういう点はかっちり責任を持って進めるようにしたいというふうに実は考えております。
  232. 近江巳記夫

    ○近江委員 原子力局長は、その辺のことについては聞いてないのですか。
  233. 山野正登

    ○山野説明員 ただいま電力業界で進めておられます検討の基本線と申しますのは、従来御承知のように、原子力開発利用の長期計画におきましては、第二再処理工場は民間に期待するということになっておるわけでございまして、この基本ラインを踏まえまして、従来、産業界におきまして、濃縮再処理準備会というものを設けて、本件についての調査検討を進めてこられたわけでございます。  先般、核燃料サイクル問題懇談会において御説明がございましたのは、産業界としても、この第二再処理工場の建設に積極的に取り組む決意があるという意図を表明されたものでございますが、これは、ただいま大臣が申し上げましたように、この第二再処理工場の建設につきましては、たとえば資金の負担問題、あるいはそれとは全く別の局面でございます安全性の確保の問題、核物質の管理の問題と、いろいろな側面があるわけでございますので、これらにつきまして、何もかもすべて民間でやるという御意図ではないと考えておるのでございまして、この辺、どの部分を民間がやり、どの部分を政府がやるかということは、今後この委員会の懇談会の場で具体的に詰めていかれるというふうに考えております。
  234. 近江巳記夫

    ○近江委員 民間としてはそのように非常に力を入れておる。それで、第二再処理工場をつくるとした場合、どの辺の地点が望ましいというような具体的な話というか、その辺の相談は政府にあったのですか。
  235. 山野正登

    ○山野説明員 濃縮再処理準備会で各種の調査はしておられるというふうに聞いておりますけれども、具体的な地名等について報告はまだ全然ございません。
  236. 近江巳記夫

    ○近江委員 ございませんとおっしゃるのですから、これを聞いても出ないと思いますが、いずれにしても政府としては、よくその間の動き、事情等について十分把握する必要があるのですよ。これはもう非常に大きな問題であります。これを申し上げておきます。  それから、副理事長、えらい時間待っていただいたわけですが、ウランテスト等も非常に大幅におくれて、われわれとしては、早くやれというようなことは毛頭言ったことはないわけでありまして、石橋をたたいていきなさい。しかし大幅にこれはおくれているわけですね。このおくれた原因についてお伺いしたいことと、今後の予定ですね、どういうようにお考えになっておられるか。時間がありませんから、簡潔にひとつお伺いしたいと思います。
  237. 瀬川正男

    ○瀬川参考人 先ほどの質疑の中でも若干お答えいたしましたが、昨年春ごろ考えておったウランテスト並びにホットテストの試験運転が、全体を通じて一年ぐらいと考えておったわけでございますが、現状では大体それが少なくとも二年は要する、試験運転全体を通じまして。そういうふうにスケジュール上も時間をかけることを考えておりますが、そういうふうになったのは一体主にどういうことかという点で、これはいろいろございますが、私どもが主としてやはりウエートを置きますのは、新しい情勢に基づきまして、トラブルのあった個所の修理のついでに、改めて手直しをさらに加えておきたいというような点もかなり見出されます。したがいまして、私どもは現在手直し個所をほぼ洗い出しまして、その中の手直しにはかなりの時間を食うものもございますし、また簡単に手直しできるものもございますが、そんなこんなで手直しに最大の重点を置くというのが現在の実情だと考えております。
  238. 近江巳記夫

    ○近江委員 もう時間がありませんから、あと一点だけお伺いしますが、原研の五十一年度の計画におきまして、その中心事業とされております核融合関係の研究用地を水戸の射爆場跡を希望しておるということを聞いておるわけですが、政府としては、これについてはどういう考えを持っておるか、また具体的なそういう交渉を行っておるか、その点をお伺いしたいと思います。
  239. 山野正登

    ○山野説明員 五十一年度から核融合のハードウエアについての建設が始まったということは御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、今後、今世紀末ないしは来世紀初めを目標といたしまして、この核融合を実用化いたしますために、今回着手いたしました臨界プラズマ実験装置に続きまして、炉心モックアップ試験、さらに核融合の実験炉といったふうなものを今後進めていこうと考えておるわけでございますが、そういう各種の試験炉、実験炉といったふうなものをばらばらにつくりますと、共用できる設備等も共用できませんので、できるだけ資金面で効率よくいたしますために、これらをできるだけまとめた形で立地したいと考えておるわけでございます。  そういう観点から土地の面積、あるいは用水の問題、電力の問題等から、現在東海の研究所に隣接いたしております水戸の射爆場跡地が、最も私どもの願っておる条件にかなっておる土地であるというふうに考えておりまして、現在、関係方面にこの水戸射爆場跡地を核融合研究用の土地に利用していただけますようにお願いをしておる段階でございます。
  240. 近江巳記夫

    ○近江委員 これで終わりますが、いずれにしても、住民の納得と協力、これなしに強行することのないように、これをひとつ強く申し上げておきます。  以上、終わります。
  241. 中村重光

    ○中村委員長 次に、小宮武喜君。
  242. 小宮武喜

    ○小宮委員 原子力船「むつ」の佐世保港修理港問題について、地元では、賛成、反対の立場からそれぞれの理由を挙げて運動が推進されておるわけですが、政府としてもやはり、これら賛成する立場の人あるいは反対する立場の人を問わず、十分話し合いをする、その中でその疑問に対して解明を与えていくということは、これはもう政府としての当然の責務だと思うのです。そういう立場から見まして、これらの人たちと政府は十分話し合う用意があるのかどうか。また、話し合う用意があるとすれば、どういうプログラムでそれを計画しておるのか。いまのような状態の中でこのまま推移していった場合に、いま原子力船「むつ」が青森県のむつ港におられるというのは、これは来年の四月十二日までというふうにわれわれ伺っておるわけですが、そういうような場合に、この問題がいまのままいった場合、果たして地元の人たちに協力と理解を求めることが可能かどうかという問題もありますので、先ほどから何か、地上の原子力発電所の問題にしても、やはり対話ということを基本にしておるというような話もあっておりましたけれども、この点どのように政府は考えておるのか。まずこの点ひとつ、これは長官から御答弁を願いたい。
  243. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私どもは、御承知のとおり、原子力船「むつ」の修理総点検は安全なものであるという確信を持っておりますので、その説明をいたしますれば、何人もこれは御理解いただけるという強い考えを持ってございます。したがいまして、この前に知事さんあるいは佐世保市長さんにお願い申し上げましたのも、そういう安全性等を含め御検討いただきたいということで、知事さん、市長さんからも、この安全性の説明あるいはPR等は、現地ではなかなか技術的な問題もございますから、自分たちとしてはむずかしい点もございますので、挙げて政府で責任を持って進めてもらいたい、承知しましたということでこの問題を進めております。したがいまして、現地からいろいろ資料要求があったり、先ほどもお話ございましたように、膨大な質問事項が県から出されまして、その回答もずいぶん丹念にお答えできるように、きのうか、現地の方に手渡してございます。その間、いままでは中央にいろいろそのための機構、組織等もつくりましたが、主として問題は現地でございますから、現地の方に私どもの役所あるいは原子力船等から職員を派遣いたしまして、佐世保あるいは長崎と、県庁あるいは市役所等の御要請に応じましてそれぞれ御説明等に、御理解いただくための行動をしておることは御承知のとおりでございます。  ただ、それで事足りるかどうか、もっと広範に御理解いただけるような方法ありやなしやということになりますと、実は中央の役人だけでは、これは説明は幾らでもいたしますけれども、何といっても現地における県なり市なり、あるいはその他の機関、たとえば商工会議所なりいろいろなそういう機関が、いろいろ広範に説明を聞けるような組織と申しますか、機関と申しますか、あるいは会合と申しますか、いろいろなそういうものを御一緒にしていただければ、それだけまた理解を深め輪を広げることが大きくなるわけでございまして、機会が多くなるわけでございますから、ぜひそういう今後の進め方等も御協力、御支持をいただきたいというので、せっかく一緒になりましてただいま進めているところでございます。
  244. 小宮武喜

    ○小宮委員 これはなるほど、長崎県からも質問書が出た、それに回答がきのうかしらぬ出されたということですけれども、長崎県知事も県議会では、県自体が地元民の理解を得るためのPR活動をやらぬのだというような意味の答弁もしているわけです。そうしますと、いまの長官の答弁によると、県と一緒にというようなことを言われておりましたけれども、やはりみずからが積極的にやらないと、たとえば県は県で質問書を出した、答弁書が来た。また恐らく再質問書が出るかもしれません。やはり原子力船という問題、あるいは原子炉という問題は、専門的な要素が多分に含まれておるから、県にもそういった専門の方がおられれば別だけれども、質問書の内容を見ても、私は、県にしても、本当に原子力船「むつ」あるいは原子炉という問題についての理解が、まだまだ私と同じぐらいじゃないかと思っておるのですよ。そういう状態の中で、ただ県が質問書を出した、答弁をする、それにかわって県が理解すれば説得するというようなことじゃなくて、一番詳しい方は皆さんたちだから、皆さん方一番わかった人が当然その説明をしこの理解を求めることをやらなければ、自分自身が理解せずにおって相手に対して説得するだけの力はありませんよ。迫力もありませんよ。だから皆さん方は、ただ対策室をあそこに設けた、それで何人かおるというだけで、何をやっておるのかということになると、失礼かもしれませんが、たとえば先ほどから原子力発電所の問題についても公聴会をやったとかやるとかという問題あるように、皆さん方もそういった多くの人たちに対して、科学技術庁みずからが、政府みずからが出かけていって、そして皆さんが十分理解を求めるだけの努力をすべきだと思うのですよ。それを県や市が何とかやってくれるのじゃなかろうか、それにくっついてわれわれもやろうというような、そういうような何か積極性が見られないような態度の中で、果たして地元民の理解と協力が得られるのかどうか。  案外のんびり考えておるようですけれども、われわれは、こういった地元民の反対運動を見ても、これらの人たち、本当に理解できるのは相当の時間――それは幾ら説明しても理解しようとしない人もおるかもしれません。しかしながら、それを説明し、ある程度純粋な意味で安全性は大丈夫かというような素朴な疑問に対しては、政府みずからが積極的に努力をするという姿勢がなければ、これは安全性を確認するということは、われわれもわれわれの態度を出す上において非常に大事なことですから、そうしないと、来年の四月の十二日になったら「むつ」は出ていかなければならぬ、また太平洋を漂流しておるような事態にならぬとも限らぬ。そういった見通しを持って考えてやっておるのかどうか、どうも長官自身の態度がはっきりしない。特に長崎の場合は、いわゆる水産県でもある、被爆県でもある。だから、よその県と比べて特に人一倍の説得をしなければ、なかなかむずかしいのじゃないかというような考えを私はいたしておるわけですけれども、そういうような立場から、再度長官のこの問題に対する所見を聞いておきたい。
  245. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 御説のとおりでございまして、私の方からも事業団からも人を派して、あらゆる説明資料等も整備し、いつでも説明できるように中央、現地でもって態度を整えておるわけですけれども、しからば、これを現地のどういうところへどういう方法でPRをしていくか、だれが聞きたがっているのか、そういった点に関しては、私はまだ深く入ってないのですけれども、非常にむずかしい問題のようで、たとえば漁協の単協へ、一つ一つの組合へ行けと言われれば、私どもは皆行きます。それは言ってくだされば行きますよ。熱意は持っています。やる気持ちは持っています。しかし、それをどのようにして、どこで受けてくれるか、中央から行った役人だけでは私とてもわからぬと思います。ですから、そういう点をもう少し現地の方で御指示というか、お教えいただければ、現地へ行っている役人どもが大変やりいいのじゃないかと思っておりまして、そういう点で苦慮しておるところでございますが、その後いろいろ進展もあるのだろうと思いますので、私はしばらく休んでおりましたから、担当局長からでも、その後の経過を少しお聞き取りいただきたいと思います。
  246. 山野正登

    ○山野説明員 現地に政府が連絡事務所を設け、また事業団も同じく現地に事務所を設けて、いま大臣から御説明申し上げましたように、各種資料を整えまして、まず県御当局並びに市御当局に御理解をいただくという努力をすると同時に、これまで各種の講演会、説明会といったふうなものを積極的に行っております。  それで、従来私どもの行っておりますのは、たとえば佐世保の市議会の若手活動家でございますとか、あるいは長崎の青年協会でございますとか、あるいはまた各種各地の町内会といったふうなものが中心でございますが、私どもは、まだまだこれではもちろん満足しておりませんで、先生御指摘のように、批判的な立場にあるところにも、先方が私どもの話を聞いてやるということであれば、喜んで参上して、よくよくこの必要性なり安全性の中身といったふうなものを御説明したいと考えておるわけでございます。  これまでやっておりますのは、講演会、説明会、映画会といったふうなことでございますが、これに加えまして、たとえば原子力発電所の見学会であるとか、そのほかできるだけ理解を深めることに役立つことはどんどん企画に取り入れまして、今後とも積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
  247. 小宮武喜

    ○小宮委員 誤解しないようにしてもらいたいことは、私自身は、この安全性というものが確認されておらない現在では、佐世保の修理港については反対だという態度をとっておるわけです。そういうふうな立場から、安全性の問題については、私は特にいまから突っこんでいくわけですけれども、いまいわれておるように、たとえば賛成派と思われるような方とは何か接触を持たれておるようですけれども、むしろ、反対派の方々でも批判派の方々でも、いろいろ聞きたいとか言うてきたら説明に行こうというふうないまの表現ですが、むしろこちらから会いたいというぐらいに積極的に言って、それでやはり話を聞いていただくというような前向きの努力は、どうもいまの答弁の中では見受けられなかったのです。  それは一応それとして、それでは私も、長崎でもいろいろ反対の方々もビラなんかを配布しておりますから、そういうような立場で、勉強のためにひとつ科学技術庁、政府の所見を聞いておきたいと思うのですが、反対する立場の人たちの反対理由の第一に挙げられておるのは、「安全でない「むつ」」という見出しで、「むつ」の安全性はまだ研究中で、安全の実際的な保証はまだできていない。地上の原子力発電所でも事故が続出して満足に動いていない。だから長崎県を修理港、母港にすることはきわめて危険である、こう言っておるわけですが、これに対して政府の所見はどうですか。大臣から……。
  248. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 まず第一点は、佐世保港にお願いしておりますのは修理、点検でございまして、現在、青森県のむつには原子力船がございますけれども、炉は動かしておりません。したがって、原子炉というものがありますけれども原子力じゃない。動いていないのですから。ですから、放射線がどうのといった問題がありようがない。これを仮に御協賛を得まして長崎に持っていく場合、補助エンジンで重油でもってそのまま回送していくわけですから、いま青森県で、何らだれも心配していない、原子炉の動いていないその船自体をそのまま持っていくわけですから、状況は同じでございますね。そうしてそれを佐世保で修理、点検する。その修理、点検が安全かどうかという問題は確かにございますので、その点に関しましては、十分いままで研究もし、現地にも資料を送り、国会でもどこでも説明を申し上げまして、炉も何も動かさぬのですよ、燃料棒も抜くんじゃありませんよ――抜いてもこれは何でもないのですけれども、しかし抜くことはありません、それで修理はできます。総点検をやります、こういう話をしているのでございますから、極端に言えば、いまの青森県で安全なものであればそのまま安全なわけでございまして、普通の船と何ら変わらない。ただ原子炉という動かぬものを乗せているだけだと言ってよろしいのじゃないか。  いまのお話はそうじゃなくて、「むつ」そのものが原子力船としてどうだという、今度は母港の話になっているわけでございまして、これはいま母港をどうという問題を問題にしているわけじゃございませんので、「むつ」全体はどうかという問題でありますが、それはまた説明いたしますけれども、こんがらかりますから、いまのところは、いわば動かさない炉を積んで、別に放射線がどうのという問題には問題はありませんという話をし、その詳細な説明資料を差し上げているわけでございます。
  249. 小宮武喜

    ○小宮委員 時間がたちますので、いまの答弁に対してもまた質問があるのだけれども、しかし、もう一つ私が言った中で、地上の原子力発電所でも事故が続出して満足に動いていないということなのですが、先ほどからも原子力発電所の問題についていろいろ質問が出されておりましたけれども、いままでに国内の原子力発電所の事故が何件ぐらい発生して、そのうちで、たとえば放射能漏れ、放射線漏れの事故が何件ぐらいあっておるのか。あるいはそのために放射能、放射線を浴びた被害者が何人ぐらいあるのか。その点ひとつ御説明願いたい。
  250. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、去年の国会ではほとんどこの問題に終始したわけですけれども、御理解いただきたいのは、一口に事故というふうに、これはもう大変被害の大きい、環境を汚染するというふうに、そのものとして受け取る人と、そうじゃなくて、そういう事故というものはあり得ない、いまだかつてない。一般の説はその点なんですけれども、そうじゃなくて、そういう大事故につながらない一つの故障的なもの、それはいろいろございますけれども、しかし、それはすぐ自動的に炉をとめまして修理するわけでございますから、日本はまた特に念入りに、そういう故障が起きた場合には、アメリカで故障が起きたという場合でも、すぐ炉をとめまして点検するというふうに、念には念を入れて安全サイドの慎重さを続けておりますので、お話のような第三者、人畜に対する危害を与えたことはまだ一件もございませんし、また環境を汚染したこともございません。これは世界と日本も同様でございます。  それから、炉自体のそういう故障、放射線が漏れてすぐとめて修理に入っているという場合。いま一つの炉を除きましてほとんど全部の炉、定期点検中以外のものは稼働しておりますけれども、去年の状況を主にしてお話しいたしますと、そういう念入りの故障に対する処置はいたしました。これはもう当然大きい事故につながらせないための事前操作として必要なことでございますので、やりました。その件数なり結果がどうであるかという点は、後で御説明申し上げさせます。  それから、そういう故障、小さい放射線漏れというふうな、これは人畜に害を別段と与えたわけではないのですけれども、そういうことが起きますと、やはり不安、不信を抱かせますから、そういうものは何遍起きてもよろしいというものでは決してございません。したがって、そういうものの原因を究明し、これに対処するために、いま大わらわになって国を挙げて検討を進めておりますので、私はこういう故障を防止するのにも、そう長い月日はかからないというふうに実は考えております。  かのアメリカで……(小宮委員「もういいです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。それでは、その件数等は後で御説明申し上げます。
  251. 小宮武喜

    ○小宮委員 局長、ある資料を見れば、原子力発電所において四十一年ごろから事故が発生しておる。だから、いまの答弁の中で、いわゆる原子力発電所の事故にしても、たとえば放射能漏れ、放射線漏れによって被害を受けた人がおるのかどうかということと、それから原子力発電所の事故で、でいろいろな大事故が起こらぬうちに原子炉をとめてその修理、復旧をしたというような問題があるけれども、そういうような事故が年次的に見て四十一年以降五十一年までどういう推移をたどっておるのか、減ってきておるのか減っていないのかどうかというのが、われわれの質問の一番大事な内容なんです。いろいろ努力しておれば、事故が減ってくるのはあたりまえであって、横ばいになっておるとか減り方が少ないとかということになれば、やはりいろいろ問題があるわけです。その点の御答弁を局長からひとつ願いたい。
  252. 伊原義徳

    ○伊原説明員 原子力発電施設の故障、事故等につきまして、科学技術庁及び通商産業省で報告をとっておりますが、これは毎年七、八件というのが通常の状況でございまして、特に件数の多いのが昭和四十二年と四十六年ごろで、十件を少し超えたようなことがございますが、大体あとは年間七、八件ということになっておるわけでございます。しかしながら、その中身はすべて、機械装置の故障、あるいは誤操作といったもの、あるいは多少油に火がついたというふうなものもございますけれども、原子力特有の現象によりまして周辺に被害を与えたということは皆無でございますし、また従業員が放射線障害を受けたということもないわけでございます。  ただ、もうそろそろ減ってきそうなものではないかという御指摘、まことにそのとおりでございますけれども、やはり機械装置のことでございまして、また発電施設自身がいろいろ新しい設計なども取り入れるという進歩の段階もある程度ございました関係もありまして、まだその故障が減るというところまでは統計上出ておりませんが、しかし、これから先はかなり落ちついた状況になるものと私どもは期待しております。現に昭和五十年、昨年の利用率が三七%程度でございましたが、ことしの上半期は六〇%程度まで回復することが期待されておるわけでございます。  それから、たとえば放射線の漏洩というふうなことで、特に原子力船等関係いたしますPWRの陸上原子炉につきまして数件ございますけれども、放出キュリー数というものは、たとえば美浜で一番多い場合でも四キュリー程度でございます。少ないときは〇・〇二キュリーというふうなことでございまして、全然環境に影響はございません。
  253. 小宮武喜

    ○小宮委員 いまの答弁の中にもあったように、四十二年と四十六年にわりあい多かった、しかしほかの平年では大体七、八件だ。その理由としては、操作ミスだとか、技術的に未熟な点もあったとか、あるいは原子炉のあれが変わったとか、いろいろ言われておるけれども、しかしそれは理由になりませんよ。少なくとも、そういった原子力発電所の事故について、そういうような事故が二度と発生しないように本当に取り組むなら、そういった事故というものは減ってくるのが当然なんです。だから、減らなくて横ばいだということになれば、たとえば電力会社なり科学技術庁が、本当にこの原子力発電所の事故防止に対してどういう取り組みをしておるのかということを疑わざるを得ないのですが、しかし時間がありませんから、それはこの次にします。  反対理由の二として、「むつ」は、原爆や原子力軍艦につながるということです。原子炉が動けば動くほど多量のプルトニウムが発生し、これは死の灰と言われる猛毒性の物質で、原爆の材料となることは常識となっており、しかも原子力船「むつ」がアジアの平和を脅かす原子力軍艦に発展する危険性がある、こういうように言っておるわけですが、ひとつ長官の所見を聞きたい。
  254. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 まず軽水炉は爆弾にならないという点を御説明します。爆弾の場合は、濃縮ウランが一〇〇%近い濃度を持ったものでなくちゃ爆弾になりません。ところが、二%とか三%ぐらいの濃度の濃縮ウランでございまして、瞬時に爆発するなんということはあり得ないのみならず、温度係数がございまして、軽水炉の水そのものが沸騰して温度が高くなりますと、自然炉もとまるように本質的にできております。したがって爆発するということはあり得ないということが第一点の前段の質問。  それから第二段は、わが国が非核三原則を持っておるのみならず、このたび核拡散防止条約にも加盟し、国際的にも、核兵器等はつくらない、自分で買ってこない、それから持ち込ませない、こういう点をはっきりさせたわけですね。そしてそのための査察をわが科学技術庁がみずからやります。国連の機関と一緒になりまして、少しでもそういう疑いありやなしやということで年じゅう査察をいたしまして、そういうことがないように、安心して平和利用を進めるようにひとつやりますから、この点は全然御心配ございません。
  255. 小宮武喜

    ○小宮委員 私も、まさか原子力軍艦にまでつながせるために原子力船「むつ」をつくったとは思いませんけれども……。  次は、「うわさだけで売れなくなる魚」という見出しで、「かつて原潜の放射能漏れや原子力空母の入港で佐世保では魚が売れなかったことがある。原子力船「むつ」といううわさだけで魚が売れなくなる心配が出てくる。それに事故でもあれば、魚価は暴落し、漁民はもとより、一般県民の食生活は重大な危機に陥る」、こういうようにPRしておるわけですが、これに対して、これも大臣の所見をまずひとつ聞いておきたい。
  256. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、原子炉をとめたままの「むつ」でございますから、放射線で海を汚染するとか、乗組員がどうとかいう問題は起こりようがありません。起こりようがない。ですから、そういうことはないのですけれども、いまお話しのように、そういう物理的な因果関係ではなくて、いわばルーマのようなもので、物価が上がった場合どうするか、こういう問題はないという保証はないわけですね。そういった問題に対しては、十分補償をいたす用意を持ってございます。  それから何でございましたかな。
  257. 小宮武喜

    ○小宮委員 いいです。  それでは、事実、佐世保に原潜の放射能漏れや原子力空母の入港によって魚が売れなくなった事実があるかどうか。魚が売れなくなった場合の被害がどれだけあったのか。それに対する何か補償がされたのかどうか。この点、水産庁ひとつ答弁ください。
  258. 森川貫

    ○森川説明員 先生御質問の漁業に被害があったかという発生事例でございますが、昭和四十三年五月二日に米国原子力潜水艦ソードフィッシュ号が佐世保港に入港いたしまして、十一日まで停泊した間、モニタリングボートによりまして港内の海水の放射能調査をいたしましたところ、平常時より十ないし二十倍高い観測値が測定されたということから、新聞紙上等に大きく報道されまして、このために、当該関係地区の魚の値段が下がった、あるいは関係漁民が漁を一時見合わせたというような影響がございました。  これに対しましては、防衛庁が、米合衆国軍隊等の行為による特別の損害補償に関する法律というのがございまして、これを準用いたしまして、補償ではございませんが、見舞い金といたしましてこの関係漁協に約六百万円を支払っております。なお、そのときに、漁業組合の方から被害があったとして請求された額につきましては、関係九漁協三千五百万ということになっております。なお、これ以外の漁業被害事例につきましては、報告を受けておりません。
  259. 小宮武喜

    ○小宮委員 佐世保に原子力船「むつ」が入港したといううわさだけで魚が売れなくなった、あるいは漁価が暴落した、そういった場合の補償の責任はだれがとりますか。
  260. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 政府といたしまして責任をとるつもりでございます。
  261. 小宮武喜

    ○小宮委員 もう一つ反対理由の内容を申し上げますと、「アメリカと大企業べったりの欠陥船「むつ」ということで、「「むつ」は、エネルギー危機を口実に、アメリカに従属した大企業本位の原子力開発、自主、民主、公開の平和利用三原則をじゅうりんした欠陥行政の産物である」」こういうふうに言っておりますが、大臣、所見はどうですか。
  262. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 これこそはその御指摘と逆でありまして、私どもはむしろ、アメリカの技術そのものでつくった方がいいのじゃなかろうか。陸上の炉と違って、またいろいろなファクターがあるわけでございますから、非常に経験の豊富なアメリカの技術そのまま使った方がいいのじゃないかと思ったのですけれども、要は、将来の日本の船をつくるための実験船としてあらゆるデータをつくりたいということで、あくまでも自主という自主技術でいったものですから、これはもう全く、むしろ基本法にほめられていいことだと思います。  それから民主の点は、御承知のように、これは船会社等々でどうしたというものじゃなしに、いわば民主という原則は、従来の役所、役人で行政をとるのじゃなくて、原子力行政に関しては、広く国民の選手を委員にして、そして民主的に行政をとっていきなさいというのがこの趣旨でございまして、したがいまして、原子力委員会そのものが原子力の民主の象徴でございますが、むしろ原子力委員会が計画を立て、そして自分の機関である原子力船事業団に命じてつくらせていったわけでございますから、全く民主そのもの、原則そのままから発したものと思います。  公開の原則も、これは別に資料を隠すとか何でもないのでありまして、一切の資料は私は出していると思います。したがって、事故の原因はどうか、どうして起きたか、もう包み隠さず天下周知のようになっていると思います。したがって、三原則にもとるどころじゃなしに、そのもの、そのままの姿でこういうことになっていると考えております。
  263. 小宮武喜

    ○小宮委員 それでは、むつ放射線遮蔽技術検討委員会の検討の過程、それらの資料も公開する用意があるということですか。
  264. 山野正登

    ○山野説明員 技術検討委員会に各種の資料を出しておりますが、これらについてもし御要望がございますれば、できるだけ理解を深めていただくという趣旨で提出いたしますが、ただこの中には、若干、相手先のある企業秘密等のあるものもございますので、一部のものはお出しできないものもあろうかと思いますが、できるだけ皆様にお目にかけるように努力したいと考えております。
  265. 小宮武喜

    ○小宮委員 もう一つ、「「むつ」問題は、被爆県長崎県民の反核・反原爆感情に挑戦し、日本を核開発先進国、核公害、核武装大国へ引きずり込むことを許すことになる」、こういうふうに言っておるが、所見はどうでしょうか。
  266. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほどもお話ございましたように、日本は平和利用に徹しておりますから、長崎県民の皆さんが不幸にして戦時中原爆に見舞われましたそのことに対しましては、まことに御同情にたえないのでございますけれども、しかし、それとこれとは全然別でございまして、これでもってまた原爆をつくるのだということであれば、これは大変でございますが、そういうことは絶対ございません。平和利用で経済の発展あるいは国民の生活の福祉のためにこの世紀の事業を役立てよう、その一念でございますので、その点をよく御理解いただけば大変ありがたいと存じます。
  267. 小宮武喜

    ○小宮委員 政府は、原子力船「むつ」の修理港として長崎港を選定した理由の一つとして、佐世保港における環境モニタリングを挙げているわけですが、いまの設備の状況と調査方法についてどうするのか、ひとつ御説明願いたい。これは局長で結構です。
  268. 山野正登

    ○山野説明員 現在、佐世保港におきますモニタリングの現況でございますが、これは米国の原子力潜水艦等の原子力軍艦が佐世保港に入港しましたことに伴う環境放射線モニタリングを行っているわけでございまして、原子力委員会の了承を得て科学技術庁が定めました「原子力軍艦放射能調査指針大綱」というものがあるのでございますが、この基本方針に基づきまして、科学技術庁、水産庁、海上保安庁並びに佐世保市が協力して、実施をいたしております。  具体的には、モニタリングポスト等によりまして常時空中及び海中の放射能を測定するとともに、軍艦が入港いたしましたときには、モニタリングボートによりまして、海水及び海底土、さらに定期的に年四回にわたりまして、海水、海底土及び海産生物につきまして、これを採取しまして分析専門機関に送付して、核種分析をいたしております。  以上のような体制によりまして、現在、佐世保港におきますモニタリングにつきましては、万全を期しておるところでございます。
  269. 小宮武喜

    ○小宮委員 仮に「むつ」が入港する場合も、入港から修理完了までの放射能監視体制というものも、従来どおりの方法でやっていくということですか。たとえば「むつ」が仮に修理に入港する場合、放射能の監視体制というのは従来の方向でそのままやっていくということですか。
  270. 山野正登

    ○山野説明員 「むつ」を修理港に入港させましたときにおきましては、まず第一義的には、船内の廃棄物系に設けられました放射能監視装置を活用するということになろうかと思いますが、それに加えまして、必要に応じて作業場等に新たな監視装置というものを設けまして、たとえば遮蔽の改修工事といったふうなことを行うことになろうかと思います。それ以外、環境、周辺のモニタリングにつきましては、既設のものを活用するという方向で考えております。
  271. 小宮武喜

    ○小宮委員 現在の定係港である青森県のむつにおいては、やはり現在でも環境放射能モニタリングの測定を行っておるのかどうか。行っておるとすれば、その実績はどうか、その結果をひとつお教えください。
  272. 山野正登

    ○山野説明員 青森県の現在の定係港並びにその周辺におきましても、環境放射線モニタリングは実施いたしておりまして、具体的には、同じくモニタリングポスト等によりまして、常時空中及び海中の放射能を測定いたしております。それにあわせまして、定係港周辺環境において、定期的に海水、海底土、海産生物といったふうなものを採取いたしまして、全べータ測定並びに核種分析を行っております。この測定いたしました結果は、年二回青森県、むつ市及び青森県の漁連によって構成されております原子力船「むつ」の安全監視委員会に報告されまして、評価いたしておるわけでございますが、現在までのところ、「むつ」に起因いたします環境の汚染というのは生じていないということが確認されております。
  273. 小宮武喜

    ○小宮委員 次は運輸省にお尋ねしますが、原子力船「むつ」が日本船舶として登録された時期はいつですか。
  274. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 昭和四十四年四月に日本原子力船事業団が関東海運局の東京支局に申請を出しまして、四月十五日に許可をされております。
  275. 小宮武喜

    ○小宮委員 船舶法によって、日本船舶は四年に一回の定期検査、二年に一回の中間検査、これが義務づけられておるわけですが、いままでにこの定期検査、中間検査は行っていないのですね。
  276. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 先生御指摘の、船舶の登録と船舶の定期的な検査とは違いまして、船舶の登録は船舶法によって登録をいたしております。この船はまだ検査に合格しておりませんで、検査中の船でございます。したがいまして、現在は製造検査と第一回の定期検査をやっておるという状態でございます。
  277. 小宮武喜

    ○小宮委員 それでは、佐世保港に入って修理、検査をするのが第一回の定期検査というふうに理解していいわけですか。
  278. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 第一回定期検査と申しますのは、初めて船を動かすときでございます。それから製造検査は、それに先立って製造検査を行っております。したがいまして、今回「むつ」をもし仮に佐世保に回航するということになりますと、まだ検査中の船でございますので、検査のために佐世保に回航する臨時航行検査というのをやります。この場合は、いまの計画によりますと、原子炉を動かしませんので、補助エンジンによって回航できるかどうか検査をした上で、通りましたら臨時航行許可証を出して回航いたしまして、佐世保に参りますと、遮蔽工事を含めて製造検査及び第一回定期検査を続けて行うということになります。
  279. 小宮武喜

    ○小宮委員 佐世保港でもし仮に修理を行った場合に、次の定期検査あるいは中間検査、これも佐世保でまた行うということになりはしないかという心配もある。佐世保で一回修理をしたから、佐世保にまた定期検査、中間検査で入るというようなことも、やはり皆さん方の中で心配があるわけです。そういうようなことで質問するわけですが、修理を佐世保で一回やったから佐世保に入るということには必ずしもつながってこない。私もこれはまた次元は別問題だと考えるわけですが、そういうふうに理解していいですか。
  280. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 先生のおっしゃるとおりでよろしいかと思います。
  281. 小宮武喜

    ○小宮委員 もう一つお聞きします。  原子力船「むつ」も、船舶である以上、座礁あるいは衝突、こういうふうなものが全然ないとは言えないと思うのです。もし座礁とか衝突とかあった場合に、原子炉施設に与える影響が出てきて、そのために放射能とか放射線が漏れるという懸念はないかどうかということについて、そういった座礁とか衝突だとかいう場合に備えて、原子炉に被害がないように、影響を及ぼさないように特別の装置がこの原子力船「むつ」にしてあるかどうかということについてひとつ質問します。
  282. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 先生のおっしゃいます、通常の船舶で想定されます座礁あるいは衝突につきまして、特に原子力船につきましては、原子力船特殊規則というものを、私どもの方は安全法の中の省令の一つとして準備をしてございますが、それによりまして、衝突もしくは座礁によりまして、原子炉格納室あるいは原子炉容器に至るまで被害が及ばないように、たとえば対衝突につきましては、側面から衝突するのが一番大きな事故例でございますが、それに対しては、ダブルハルといいますか、船体を二重にいたしまして、その間に十分な鋼材を入れまして、衝突したエネルギーをその鋼材で吸収いたしまして、それで原子炉格納容器に至らないような設計をしてございます。それから座礁につきましても、通常の船舶の二重底よりは内底を高くいたしまして、かつその内底の中も格子状にいたしまして、そこでもエネルギーを十分吸収して格納容器に至らないという配慮をしてございます。
  283. 小宮武喜

    ○小宮委員 遮蔽改修工事を実施するに当たって、燃料体は圧力容器内に装荷されたままで圧力容器の上ぶたを取り外すということとか、あるいは仮ぶたをするとか、いろいろ言われておるわけですが、その場合には、放射能とか放射線漏れは絶対ないというふうに理解していいですか。
  284. 山野正登

    ○山野説明員 遮蔽改修工事の一環としまして圧力容器の上蓋、上ぶたでございますが、上蓋の上部に追加の遮蔽体を設置することにしておるのでございますが、この作業をいたします際に、何分にも狭いところの作業でございますので、この作業によりましてほかの機器に損傷を与えるというふうなことを避けましたり、さらに作業しやすいようにその空間を確保するというために、この圧力容器の上ぶたを取り外して工事を行う必要があるのでございます。この場合に、原子炉の一次冷却水の放射能濃度は十分低いわけでございますので、また運転をいたしてもおりませんので、気体状の放射性物質も出ていないということでございまして、私どもは放射能漏れが起こるという心配はないと考えております。この空間線量率の増加というのは若干はあるやもしれずと思っておりますが、これは放射線防護上問題となるほどの量ではなく、十分安全は確保されるというふうに考えております。
  285. 小宮武喜

    ○小宮委員 それから、原子炉プラント機器及び全系統の関連機器の点検だとか、あるいは性能試験を行うということになっておるわけですが、原子炉を停止した状態でこれらの性能試験をやる場合に、何を動力にしてやるのですか。たとえばドックの中に入っておる。ドックの中ではそうなったらやれないから、岸壁につけてからやるというようなこともあるかもしれません。いわゆる原子炉を停止した状態の中で、こういった機器及び各系統の関連機器の点検――点検まではいいとしても、性能試験、機能試験、これを何を動力にしてやるのか。その点ひとつ教えてください。
  286. 山野正登

    ○山野説明員 原子炉を停止いたしました状況で機能試験を行いますときには、まず温度、圧力をあたかも運転しておるかのごとき状況にする必要があるわけでございますが、ポンプ等を電気で駆動いたしまして、温度、圧力というものを運転状態と同じ状態にいたしまして、あと動力は電気を使って行います。また電気信号等を送って作動させる必要のあるものにつきましては、模擬信号を送って行うというふうなことを考えております。
  287. 小宮武喜

    ○小宮委員 これはこの前も質問したのですが、制御棒を同時点に二本以上抜くということは、非常に原子炉の臨界に達するから一本ずつ抜く、こういうことが言われておったわけですが、そうなるとやはり、二本以上同時点で引き抜くということは危険だというふうに理解するわけですけれども、そういうふうに理解していいのか。またこの制御棒装置はどういう役目を果たしておるのか。その点わかりやすく答弁してください。
  288. 山野正登

    ○山野説明員 制御棒の駆動試験をいたします際に、極端に申し上げまして、全部同時に抜きますと、当然原子炉は臨界に達するわけでございます。過去四十九年の八月にこの「むつ」の原子炉を臨界に至らしめる際には、制御棒四本を完全に引き抜きまして、さらに別の四本を一部抜いたところで初めて臨界となっておるというふうなことでございます。したがいまして、一本抜いただけでは臨界にならないということは自明のことと存じますが、これを二本以上の制御棒を同時に抜かないということを確保いたしますために、この試験をするに際しては、まず制御棒をグループで引き抜く回路があるのでございますが、このグループ引き抜き回路というものをまず取り外します。そのかわりにロータリースイッチを使いました同時引き抜き防護回路というものを設けまして、同時に複数の制御棒が引き抜けないような状況にして、一本ずつこの制御棒の引き抜き試験を行うということでございます。
  289. 小宮武喜

    ○小宮委員 この説明書によれば、一次冷却水は厳重な水質管理を実施するので燃料体の健全性は維持される、こういうふうに言われているわけですけれども、原子炉が停止された状態でも、一次冷却水は放射能を含んでおるのかどうか。この点はいかがですか。それでその処理はどうするのかという問題です。
  290. 山野正登

    ○山野説明員 現在の一次冷却水と申しますのは、まだ原子炉に入れる前の補給水というものがあるわけでございますが、これと同じ程度の放射能レベルでございまして、これは言葉をかえて申し上げますと、バックグラウンドと同じ、つまり自然水と同程度の放射能レベルにあるわけでございます。この一次水の管理につきましては、月に数回これを浄化系を通しまして浄化をするといったふうなことをいたしております。
  291. 小宮武喜

    ○小宮委員 時間が近づいて来ましたので飛びますけれども、この修理作業に従事する労働者に対する教育をどうするのかという問題です。この前は、原子力船「むつ」に乗っておる船員の人たちの教育について、どのようにしておるのかという質問をしましたけれども、今度は、実際工事に入るとすれば、そういうふうな工事に携わる人たちの教育、訓練の実施、あるいは放射線管理等の措置を講ずる、こう言っておるわけだけれども、実際、先ほどから言うように、ちょっとしたミスでも許されないわけですから、普通の船舶と違って、原子力船「むつ」のそういうふうな修理、点検に従事する人たちの訓練、あるいは放射線管理等の教育というものは、私は非常に重大な問題だと思うのですよ。ただ抽象的に、教育訓練の実施、放射線管理等の十分な措置を講ずる、こうなっておりますが、具体的にはどういう教育、訓練を行うのか、その点ひとつ明快に答弁を願いたい。
  292. 山野正登

    ○山野説明員 遮蔽改修工事等の修理作業をするに際しまして、作業従事者の安全確保に万全を期するために、放射線の管理等安全面に重点を置いて教育をする必要があるということは御指摘のとおりでございまして、将来修理港が決まりまして、修理をする会社も決まりました段階で、修理を担当する造船所とも十分協議をいたしまして、具体的な作業従事者の教育のカリキュラムを組みまして、この教育を進めていきたいと考えております。  現在私どもが想定いたしておりますのは、まず作業の監督に当たる者につきましては、これはかなり高度な技術的知識を持っておると考えるわけではございますが、必要に応じまして、原研内にございますラジオアイソトープ研修所、原子炉研修所といったふうな専門の研修機関等を活用いたしまして、放射線の管理とか、あるいは放射線の遮蔽といったふうなものについて、十分な知識を得るように教育しようと考えております。  それから、直接作業をいたします作業従事者につきましては、「むつ」の施設につきましての正確な知識、あるいは今回行います遮蔽改修総点検といったふうなものの具体的な作業の内容について教育をいたしますほかに、作業の各工程に応じまして、管理区域への立ち入り、あるいは放射線の防護具の着用等、安全確保に必要な点につきまして十分教育をしていこうというふうに考えております。  なお、下請の作業従事者についても、一般の作業の従事者と同様な教育訓練をする必要があるというふうに考えております。
  293. 小宮武喜

    ○小宮委員 最後に、これは修理期間が三年というふうになっておるわけですが、この三年間に要する修理費はどれくらいですか。うわさでは三十億とかいろいろ言われておりますけれども、大体修理費はどれくらい要るというふうに見込んでおられるのか、その点質問します。
  294. 山野正登

    ○山野説明員 修理につきましては、修理港が決定し、修理を行います相手方が決まりました段階で、具体的な工事内容等に即した価格の詰めに入るわけでございまして、現在の時点では、まだ事業団といたしましてそういう積算をいたしておりませんので、どれだけの修理金額が必要であるかということは、まだ明らかになっておりません。
  295. 小宮武喜

    ○小宮委員 いまごろになっても、どれくらいの修理費がかかるのかということも全然検討しておらないというのは、ちょっとどうかしておると思いますけれども、その問題については、この場では余り言いたくないし、やめたいと思いますが、いずれにしても、われわれはやはり、この安全性の問題を徹底的に追及をし、理解をするようにわれわれも努力をしておるわけですが、しかしながら、この問題については、いままできょうで五回ばかり質問するわけですけれども、もっともっと時間をかけてこの安全性の問題についてはさらに質問をいたしたいと思います。  きょうは時間がございませんので、これで私の質問を終わりたいと思いますが、運輸省から発言があるようですから……。
  296. 謝敷宗登

    ○謝敷説明員 先ほど先生からの御質問で、船舶法に基づきます登録の件につきまして、四十四年四月十五日と申し上げましたが、これは船籍を定めた日でございまして、船舶法に基づきます登録をいたしましたのは、その後、原子炉艤装工事を終わりました四十八年六月十九日でございますので、訂正をさせていただきます。
  297. 小宮武喜

    ○小宮委員 質問を終わります。
  298. 石野久男

    ○石野委員 ちょっと資料要求について。  これは原子力安全局になりますか、福島の原発がいままたちょっと停止をしていると思います。そこで、私ども先般あそこを調査しまして、冷却パイプだとか、あるいはECCS関係のところでひび割れがあるということの事実を大分確認してきておりますので、そのひび割れの事実を、ぜひひとつ写真等で資料として出していただきたいことが一つ。それからポンプの故障が非常に多いということも聞いておりますが、そういう事実についても、資料として出していただきたい。これをひとつお願いしたい。
  299. 伊原義徳

    ○伊原説明員 ただいまの二件につきましては、設置者である東京電力と連絡をいたしまして、ぜひ資料をお出しいたしたいと思います。
  300. 石野久男

    ○石野委員 お願いします。
  301. 中村重光

    ○中村委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十六分散会