運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1976-02-06 第77回国会 衆議院 予算委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和五十一年二月六日(金曜日)     午前十時二分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 井原 岸高君 理事 小山 長規君    理事 塩谷 一夫君 理事 正示啓次郎君    理事 山村新治郎君 理事 小林  進君    理事 楢崎弥之助君 理事 松本 善明君    理事 山田 太郎君       伊東 正義君    上村千一郎君       植木庚子郎君    江崎 真澄君       小澤 太郎君    奥野 誠亮君       北澤 直吉君    倉成  正君       黒金 泰美君    櫻内 義雄君       笹山茂太郎君    瀬戸山三男君       田中 龍夫君    谷垣 專一君       西村 直己君    根本龍太郎君       野田 卯一君    藤井 勝志君       保利  茂君    細田 吉藏君       前田 正男君    三塚  博君       森山 欽司君    安宅 常彦君       阿部 昭吾君    阿部 助哉君       石野 久男君    岡田 春夫君       田中 武夫君    多賀谷真稔君       堀  昌雄君    安井 吉典君       湯山  勇君    庄司 幸助君       林  百郎君    正森 成二君       小川新一郎君    正木 良明君       小沢 貞孝君    河村  勝君       小平  忠君  出席国務大臣         内閣総理大臣  三木 武夫君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      福田 赳夫君         法 務 大 臣 稻葉  修君         外 務 大 臣 宮澤 喜一君         大 蔵 大 臣 大平 正芳君         文 部 大 臣 永井 道雄君         厚 生 大 臣 田中 正巳君         農 林 大 臣 安倍晋太郎君         通商産業大臣  河本 敏夫君         運 輸 大 臣 木村 睦男君         郵 政 大 臣 村上  勇君         労 働 大 臣 長谷川 峻君         建 設 大 臣 竹下  登君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長         北海道開発庁長         官       福田  一君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      井出一太郎君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      植木 光教君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      松澤 雄藏君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 坂田 道太君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 小沢 辰男君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         内閣法制局長官 吉國 一郎君         内閣法制局第一         部長      角田礼次郎君         国防会議事務局         長       内海  倫君         警察庁刑事局長 土金 賢三君         防衛庁参事官  伊藤 圭一君         防衛庁参事官  平井 啓一君         防衛庁参事官  岡太  直君         防衛庁長官官房         長       玉木 清司君         防衛庁防衛局長 丸山  昂君         防衛庁人事教育         局長      竹岡 勝美君         防衛庁衛生局長 萩島 武夫君         防衛庁経理局長 亘理  彰君         防衛庁装備局長 江口 裕通君         防衛施設庁長官 斎藤 一郎君         防衛施設庁総務         部長      安斉 正邦君         防衛施設施設         部長      銅崎 富司君         法務省刑事局長 安原 美穂君         外務省アメリカ         局長      山崎 敏夫君         外務省条約局長 中島敏次郎君         大蔵省主計局長 吉瀬 維哉君         大蔵省国際金融         局長      藤岡眞佐夫君         国税庁長官   中橋敬次郎君         国税庁次長   横井 正美君         水産庁長官   内村 良英君         通商産業省貿易         局長      岸田 文武君         通商産業省立地         公害局長    宮本 四郎君         通商産業省機械         情報産業局長  熊谷 善二君         資源エネルギー         庁長官     増田  実君         資源エネルギー         庁石炭部長   高木 俊介君         運輸省航空局長 中村 大造君  委員外の出席者         運輸省航空局次         長       松本  操君         予算委員会調査         室長      三樹 秀夫君     ―――――――――――――  委員の異動 二月六日  辞任         補欠選任   大野 市郎君     三塚  博君   庄司 幸助君     正森 成二君   中川利三郎君     青柳 盛雄君   矢野 絢也君     小川新一郎君   小平  忠君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   三塚  博君     大野 市郎君   青柳 盛雄君     庄司 幸助君   小川新一郎君     矢野 絢也君   河村  勝君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   小沢 貞孝君     河村  勝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十一年度一般会計予算  昭和五十一年度特別会計予算  昭和五十一年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和五十一年度一般会計予算、昭和五十一年度特別会計予算及び昭和五十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大平大蔵大臣。
  3. 大平正芳

    ○大平国務大臣 ただいま提出いたしました「財政収支試算」に関連して、一言申し上げます。  五十一年度予算においては、五十年度に引き続き、特例公債を含む多額の公債の発行を余儀なくされておりますが、これは、あくまでも当面の事態に対処するための特例的な措置であり、安易な公債依存を排し、速やかに特例公債に依存しない健全な財政に復帰することが必要であると考えております。  しかし、今後も、なおしばらくは厳しい財源事情が続くものと予想されますので、既存の制度、慣行の見直しを含め、極力、歳入歳出両面にわたって合理化を進めるとともに、国民負担のあり方について国民の合意を得つつ、その見直しを進めてまいることが必要であると考えます。これは、ひとり財政上の見地からだけでなく、国民生活の安定と充実のためにも不可欠な課題であると考えております。  このような観点から、今後の財政運営を適切に行ってまいるための一つの手がかりとして、五十年代前期経済計画概案に基づき、幾つかの仮定を置いて中期的な財政の展望についての試算を行ったものであり、五十五年度までの一般会計の公共投資、振替支出等の歳出と、税収、公債金収入等の歳入との概要を示したものであります。  今後の経済動向のいかんにより、とるべき政策、その実施の時期等は違ってくるので、実際の財政収支が必ずしもこのとおり推移するとは限りませんが、この「財政収支試算」を一つの手がかりとしながら、できるだけ速やかに財政の再建を図るため、全力を傾注してまいる所存であります。
  4. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 続いて、総括質疑を行います。岡田春夫君。
  5. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 最初に、委員長初め皆さんに御了解をいただきたいのですが、残念ながら中耳炎を患っておりまして、答弁が余りはっきりしない場合があるので、レシーバーをかけさせていただいて質疑させていただくことをひとつ御了解をいただきたい。
  6. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 結構でございます。
  7. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それで私は、きょう、大きな柱で三つの点について、総理大臣を初め関係各大臣に御質問をいたしたいのでありますが、三つの柱とは、第一は石炭産業、特に当面保安の問題が非常に大きな問題になっておりますので、この点が一つ。第二の点は、この間から問題になっております武器輸出の問題。第三点は領海十二海里の問題。この三つを中心に質問をいたしてまいりたいと考えております。  まず、第一の石炭産業の問題でございますが、過去十数年にわたる政府のスクラップ政策の結果、日本の石炭産業は非常に苦境に入っております。しかし、石炭産業が貴重な国内資源であるということについては、食糧とともに、日本の最も重視しなければならない問題であることは言うまでもありません。  ところで、今日の石炭産業は、先ほども申し上げたように、まさに保安問題にその消長がかかっていると言わなければなりません。言うまでもなく、保安の問題とは、とうとい人間の命の問題であります。しかるに、昨年の七月以来、夕張新炭鉱を初め三井砂川、三菱高島、北炭万字、北炭幌内など相次いで大災害が発生して、幾多のとうとい命が奪われ、現在、幌内の坑底にはまだ十三名の犠牲者が眠っているわけであります。もし万が一、不幸にしてこのような大災害がもう一つでも発生するということになれば、日本の石炭産業は壊滅の一途をたどらざるを得ないという重大な段階でございます。今日の保安問題は、したがって、あらゆる政策に最優先して最大の課題として取り組んでいかなければならない、こういう重要な問題でございますが、石炭産業の保安問題についての総理大臣の基本的な考え方をまず伺いたいと思います。
  8. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 岡田君の御指摘のとおり、日本はエネルギー資源というものに乏しい中にあって、石炭は国産エネルギーとしてきわめて重要な資源であることはお説のとおり。しかし、日本の石炭産業は条件が非常に悪いわけですが、しかし、悪い中においても、政府は昨年の十二月にエネルギー対策閣僚会議で、年産二千万トンの石炭は確保していこうということは決めたわけでございます。  そのときに問題になるのは、岡田君御指摘のように保安問題であり、これは御指摘のように昨年もいろんな被害があった。人間の命にも関係するわけでございますから、今後はやはり石炭の生産を確保するに当たって、保安の確保というものが非常に重大な問題になってくると思います。その保安の確保、鉱害の防止、こういうことを踏まえながら、年産二千万トンの石炭というものを長期的にその生産を確保していきたい。その間に保安問題が重要な問題になってくるということは、御指摘のとおりに考えております。
  9. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 われわれ現地に参りますと、炭鉱災害の大きな原因の一つとして、地下数百メートルの中で作業をするという特殊条件があるだけに、緊急事態に対処する対応の仕方が非常に重要である。特に、現場の意見が保安の中枢部にすぐ反映できる状態が必要である。これがどうも思うようになっていない。昨年の夕張新炭鉱の直後に、衆議院の調査団が現地へ行きました。現地の調査の際に、自民党のある代議士が組合の幹部にこういう質問をしました。君たちが現場を一番よく知ってるはずだ、今度の事故で前ぶれがあったと言われているのに君たちの仲間をなぜ坑内に入れたんだ、坑内に入れさせないようにすればよかったじゃないか、という質問が組合幹部に出された。これに対して組合幹部が答えている。そこが問題なんだ、保安の機構というものはいろいろできている、しかし、現場の声が速やかに反映できておらないんだ、そこに問題がある。今日の法規で言うならば、組合の労働者は会社に対する勧告権はある、しかし、それ以上はないんだ。せめて危険のおそれある場合の作業停止権くらいは労働者に与えてもいいのじゃないか、こういう意見が出たわけです。私、至極もっともな話だと思う。  そこで現在、通産省では河本さんの方で保安問題に対して抜本的な再検討をやると言っている。やはり私は、そこの点を考慮して、保安問題の関係としてはこれだけの法律なり法規がありますけれども、思い切った改革をやるべきではないか。現場の声の反映できる、危険のある場合における作業停止権の問題、こういう点についてやはり改正をすべきではないかというのが私の考えですが、これは大胆、河本さんから伺いましょうか。
  10. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 石炭の当面する課題といたしましては、だんだんと深部採掘が始まっておりまして、保安問題が非常に大きな課題になっております。そこで、いまお話しのようなことが議題になってきたわけでございますが、通産省といたしましても、この保安問題を当面する最大の課題と心得ております。それで、石炭鉱山保安懇談会というものを設置いたしまして、労使のトップレベルと学識経験者の方々に委員になっていただきまして、当面する保安問題の焦点は何ぞやということにつきまして、いま、いろいろ議論をしていただこうと思っております。緊急を要しますので、急いで結論を出していただこうと思っておりますが、そういう方々の議論も聞きまして、いまの問題に対して決断を下したいと思いますが、いずれにいたしましても、緊急の場合は当然、現場の労働者、がとっさの判断をしてやる、これはもうあたりまえのことでありますが、そうでない場合に、一般の権限として、そういうものを付与するかどうかということにつきまして、先ほど申し上げましたような懇談会の意見によりまして早急に方向を打ち出したい、こう思っております。
  11. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これは総理に伺いたいのですが、いま通産大臣も言いましたように、日本の炭鉱はいま深部開発にどんどん入っているわけですね。ですから、災害の起こった夕張新炭鉱でも、水平レベルから六百五十メートル中、幌内は七百メートル中で事故。ところが日本は、深部採炭に伴う保安技術というものがそれに伴ってない。ここに実は問題があるわけです。たとえばヨーロッパの場合、地質条件その他は違っておるけれども、現在、千三百メートルまで掘っておる。そのためには、イギリスもフランスもあるいはドイツも、膨大な研究機関をつくっている。たとえば二千万トン掘っているフランスです、日本と大体同じ。ここには二千名の研究所ができておる。イギリスは三千名の研究所ができておる。ところが、日本はどうか。日本はいま機関が三つしかない。一つは石炭協会の技術研究所、もう一つは、役所の工業技術院の中の公害資源研究所、それから保安センター、全部合わせて二百人いないんですよ。これでは問題にならないと思いますね。  ここで総理にぜひ伺いたいのは、先ほどのようなお考えならば、技術研究の研究所をここで思い切ってつくる、そして坑内の採炭は心配ないという状態をや殴るべきだと思うんだが、この点について、ひとつ総理から思い切った御答弁をいただきたいのであります。
  12. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 ごもっともな説だと思います。これは前向きに検討いたします。いま河本通産大臣が言いましたように、石炭鉱山の保安懇談会というのをつくっておりますから、懇談会の意見等も参考にしながら、この問題は前向きに検討をいたします。     〔委員長退席、井原委員長代理着席〕
  13. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一つ、これは総理に伺っておきたいのですが、北炭幌内鉱の問題ですね。これは年間百五十万トン、そのために二千万トンことしは掘れないんですよ。しかも、あの幌内炭鉱というのは日本の唯一の炭田である石狩炭田の中心にあって、大体いますぐ掘れる石炭は七千八百万トンある。これは影響するところ、きわめて重大なんですね。  もう一つは、あの幌内のある三笠の町は、かつて人口六万だった。ところが現在、閉山の中で幌内だけが残っておる。この幌内がつぶれたということになると、これは人口はもう一万前後という状態になって、まさに社会問題であります。  これについて、三日前に現地の代表が来て、通産大臣に会って、幌内は残してくれ、こういう強い要望があった。通産大臣は、これに対して、閉山はさせない、政府としてはあらゆる協力をする。ところが総理大臣、やはり政府の方針に信用できない。なぜなら、いままでスクラップ政策をとってきたから。やはり、ここで三木総理が、幌内は残します、河本通産大臣の言ったとおりだ、あらゆる努力をしますという言明をはっきりしておくことによって、民心を安定させることが必要だと思うが、この点はどうでございますか。
  14. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 この問題は、なかなか未知な要素もありますけれども、労使の協力というもの、これもやはり考えなければならぬし、地域社会の問題も考えなければならぬ。そういうことも頭に入れながら、できるだけ存続の方向で考えることにいたします。
  15. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 そのためには政府のあらゆる援助は惜しまない、こういうことは言明していただけますか。
  16. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 当然にできる限りの協力は政府はいたす所存でございます。
  17. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一つ、生産の問題で河本さんに伺っておきたいのですが、二千万トン続けるのには、新鉱開発をやるか、それから現在事業団で買い上げしている鉱区を再開発するか、このことをやらなければ二千万トンは続けられない。この間、通産大臣の答弁によると、新鉱開発も二十数ヵ所調査をしていると言っているのだが、に着手するのは一体いつから着手するのか。可能性のある山は主なところはどういうところか。出炭の可能性はどうなのか。こういう具体的な御答弁をいただきたいし、それから買い上げ鉱区の場合に、やはり現在の石炭臨時措置法、これについての関係の法的措置が必要だと思う。こういう点について、政府としてはどういう考えであるか。買い上げ鉱区の再開発のめどについても、簡単でいいですが、御答弁いただきたいと思います。
  18. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 石炭の生産量二千万トンということは、これはもう最低の線でございまして、この線はどうしても維持したい、こういうふうに考えておりますので、これを実現するためのあらゆる方法を並行して進めていきたいと思います。そういう意味から浅部の開発、それから買い上げ鉱区の再開発、それから新鉱の開発、すべてを含めましていま具体的に進めておるところでございます。  さて、しからば、その新鉱をいつどの地点で開発するかということにつきましては、いま、それぞれ具体的な地点を設定いたしまして調査をいたしておるところでございますが、大体、生産目標二千万トンのうちほぼ二百万トン前後を新鉱の開発によって調達をしたい、こういうふうに考えております。
  19. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それから再開発、買い上げ鉱区の法的規制。
  20. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 これはいま申し上げましたように、買い上げ鉱区の再開発等も当然検討の対象にいたします。
  21. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 法律問題は。
  22. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 その点につきましては、十分検討いたします。
  23. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは、次の問題に入ります。  武器の輸出の問題でございますが、この点については先日も大分議論になりましたが、国民はこれは簡単に納得しておりませんね。三木さんはあんなことを言うけれども、結局は財界の言うとおりになるだろう、こういう考えですよ。  そこで、武器輸出の問題点を要約すれば二つになると思う。一つは、武器の定義、概念規定をどうするか。国民の感じでは、武器の概念規定をできるだけ狭義に解釈をして、社会通念上武器と思われるものも外してしまおうとしているんじゃないか、これが一点。もう一つは、武器輸出三原則の問題ですが、これは非常にあいまいです。現状の世界情勢に適合しておらない。この二つの点なんです。  第一点の武器の定義の問題については、先日わが党の安宅、楢崎両議員の鋭い質問で、きょう統一見解が出るはずです。ところが、これではまだ解決ができない。三原則の問題について、もっともっと掘り下げていかなければならない。この点について、総理は一昨日の答弁で、速記録を調べましたが、このように言っている。武器輸出三原則という原則があるから、これを厳重に守って、地域紛争をあおるようなことはしません。だが、それだからといって三原則対象国以外の地域に対して武器輸出を全面的に禁止してしまうというのではない、そういう考えは持っておりません、こういう意見を答弁されたと思いますが、それに間違いございませんか。
  24. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 最初に岡田君、財界の言いなりというようなお話がございましたが、そういうことは絶対にありません。私ば、日本の軍需産業と申しますか、これは日本の自衛隊というものが主であって、これを輸出産業として育成する考えは持ってないのですよ。また、この不況だから、不況というものの解決を武器輸出に求めるという考えも持ってないわけでございます。したがって、武器輸出の三原則というのは厳重に履行をしたい。ただ、その場合、岡田君の御指摘のように武器という解釈が、これはやはり形もあれば使い方にもあるわけですね、武器というものは。これはなかなかわかりにくい問題でありますから、政府としても武器の定義を明白にしたい。いま検討を加えて、この予算委員会中に政府の見解を明らかにしたいと思います。そういうことで、われわれが武器輸出というものを日本の将来の輸出産業として育成をする考えは全然ないということだけは明らかにしておきます。
  25. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 答弁、漏れていますが、三原則対象国外には全面的に禁止するつもりはない、そういうことも答弁されておりますね。
  26. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 それは私がこの三原則の原則に反しなければ全面的に輸出を禁止する考えはないと言ったのは、その武器というものが、いま言ったように非常に定義を明白にしておかなければ、たとえば防衛庁と貿管令でも、武器というものにはやはり多少考え方の中に、貿管令などに列記されておる条件とは必ずしも合致しない面もございますから、武器の定義を明白にしたい。そして明白にすることによって、日本が紛争を助長するような立場でない、日本は平和国家にふさわしい産業のビヘービアをとっていくのだということを明らかにしたいと思います。
  27. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 定義の問題だけではないのです。二原則それ自体が現状に即しないのです。  それでは具体的に伺いましょう。それでは、中近東諸国に武器輸出を許しますかどうですか。中近東は現在、国際紛争が続いている。国連でこれが問題になって、紛争当事国になっている。三原則の第二項では、ローデシアのような禁輸決議のところには出さない。こういう禁輸決議はないが、国連において紛争当事国になっていることは間違いない。当然これは三原則の第三項の適用によって、中近東に対しては輸出はできないはずなんです。その点はどうなんです。第二点、その場合に、中近東の範囲というのはどこまでなんです。それから第三点、紛争当事国、そのおそれのある国と三項の後段にある、おそれのある国というのはどこまでであるか。たとえばイラン、アラブ首長国連邦、南、北イエメンは、この後段に該当するのかどうなのか。ここまではっきりしておかないと、武器定義だけでは、これは明確になりません。  まず第一点、中近東は三原則に該当すると思うが、どうですか。
  28. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 武器三原則の一つに、紛争当事国または紛争のおそれのある国、こういうことになっております。しからば、この紛争のおそれのある国とは何ぞやということになりますと、それは世界情勢の変化によりまして刻々、変わっていくと思うのです。これは通産省が、しからば、この紛争当事国あるいはまた、おそれのある国はどこかということを最終段階で決めることになりますけれども、これを決めるにつきましては、外務省などの御意見等を十分聞きまして、国際情勢を十分分析いたしまして、万遺漏ないようにその国をそれぞれ決定をしたい、こう思っております。
  29. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 まだ答弁が十分じゃありませんが、中近東諸国、国連における紛争当事国、これは三原則の第三項に該当しますね。どうですか。
  30. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 いま岡田君の御指摘にもあったように、紛争当事国あるいはおそれのあるということは、そのときのいろいろな国際的な情勢によっていろいろ判断の変化もあるから、やはりこの場合は個々のケースについて判断をするよりほかないと私は思う。その場合に、いま河本大臣も言っておるように、通産省だけで――これは国際的な情勢判断もございますから、そのことは外務大臣とよく相談をして最終的には決めたい、こう言っておるのはもっともな態度だと思う。やはり、いま全体的にというよりかは、問題が起こってきたときにその問題についてそのときの国際情勢、個々の国の置かれておる立場、そういうものを勘案して、個々の案件ごとに政府の判断を示すということが一番現実的だと私は思うのです。
  31. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 質問にはっきり答えていない。現在は中近東は紛争しているわけでしょう。総理、紛争しているわけでしょう。しかも国連中心主義の日本政府ならば、国連で紛争当事国と規定されているのでしょう、この中近東当事国に対して、三原則は適用されなければならないのですが、どうですか、と聞いているのです。中近東はどうなんですか。
  32. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 中近東と言いましても、これは一体範囲がどこからどこまでなのか。アフガニスタンとかイランとかトルコとか、そういうところまで含むのかどうか。その中近東の定義そのものがきわめて不明確でございますし、もちろんこの中近東の中には現に紛争の起こっておる国もございますが、しかしそうでない国もありますので、一概に中近東と言って二十何ヵ国もある国を指して、これは紛争当事国またはおそれのある国というふうにいま判断を下すのは適切ではない。こう思いますので、その都度、国ごとに情勢をよく判断をいたしまして結論を出したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  33. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは具体的に伺いましょう。国連で紛争当事国になっているエジプト、イスラエル、サウジアラビア、これらの国はどうですか。
  34. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 まず私は、そういうふうに国連で紛争当事国と認定しておる国は、これはもう当然三原則の対象になる、こう思います。
  35. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それが基準でしょう。国連で決議しているかどうか、紛争当事国として扱われているかどうか。三原則にそんな基準ないじゃないですか。総理、そこをよく考えてください。三原則にそんな基準はない。  時間がないからどんどん進みますが、それ以外にもたくさんありますよ。  国連で問題になっていると河本さんは言われた。それでは国連で問題になっている紛争の当事国、レバノン、シリア、イスラエル、現在もまだ解決されてなくて国連で問題になっているギリシャ、トルコ、キプロス、国連では問題になっていないがスペイン、モロッコの国境紛争、タイ、ラオスの国境紛争、これは全部紛争当事国ですよ。こういうところへは出せないというのが三原則の精神でしょう。  そこで、これは河本さんでも結構です。具体的な点でもう一点伺いましょう。  いまアジアにおいて東チモール紛争というのがありますね。チモール民族解放政府の見解によれば、これはインドネシアの侵略である、国際紛争だという立場に立っておる。インドネシアの立場に立てば、あくまでもこれは国内問題だと言っている。そこで、日本がチモールの立場に立つとするならば、いまあなたの答弁されたように、紛争当事国であるから三原則の第三項に該当して輸出は全面的に認められない。いいですか、両国に対して認められない。ところが、インドネシアの立場に立てば、国内問題であるから三原則の適用はない、両方に対して輸出ができる。一体、政府はどっちの立場をとるのですか。政府は、こういう問題についてチモールの立場に立っていくのか、インドネシアの立場に立つのか、それによって輸出できるかできないかというのがはっきり違ってしまう。インドネシアだけではない。チモールに対してだってそうなんですよ。両国に対してそうなる。この点はどっちの立場にお立ちになるのですか。どうなんですか。特に平和国家としての立場から輸出は好ましくないということならば、チモールの立場に立つのがあたりまえでしょう。
  36. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 これは先般来繰り返して申し上げておりますように、武器三原則に該当する国に対しては武器はもちろん輸出しないという基本原則は決まっておりますが、それ以外のところに対してもできるだけ慎重に対処をしなければなりませんし、それからまた総理の御答弁によりましても明らかなように、紛争当事国または紛争のおそれのある国というものは十分慎重にこれは解釈しなければならぬ、こういう答弁をしておられますので、やはりこれはもうできるだけ拡大解釈をして、多少でも紛争のおそれのある国に対しては武器は出さないというのが政府の基本方針でございます。
  37. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 河本さん、紛争当事国またはそのおそれのある国、これが三原則の基本でしょう。  それじゃ伺います。アンゴラには武器輸出はできますか。あれは当事国ではないですよ。国内の紛争ですよ。武器輸出が三原則によってやれますか。国ではありませんよ。国の中の紛争ですよ。これは三原則が適用できないじゃないですか。
  38. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 こういうふうに理解をしていただければいいのではないかと思うのです。さっき申し上げましたように、三原則対象地域でなくても、政府はかねがね外国貿易管理法によりまして、国民経済全体の立場、輸出貿易全体の立場から総合的に判断すべきだ、こういう趣旨が書いてありますので、その精神を生かしまして、できるだけやはりそういう紛争しておる国に対してはもう輸出しないというのが基本方針でございます。でありますから、仮に武器三原則に該当していないという国でありましても、外国為替並びに外国貿易管理法の精神にのっとりまして、そういう国には輸出しない、こういう私は判断を下してしかるべきである、こう思います。
  39. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 アンゴラはどうですか。
  40. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 アンゴラは当然その対象になると思います。出さない対象になると思います。
  41. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一点、ASEAN。総理大臣は、このASEANの首脳会議に出たいといっていろいろ言明してこられましたね。ASEANは非同盟中立の国ですね。これは恐らく三原則は適用されないでしょう。その場合、適用されないからASEAN諸国には出すことができるんだ、こういうことをもしあなたが言ったと――いま現実に言っているわけだが、その場合、あなたは、ASEANの国々はかつての日本軍国主義の苦い経験を持っている、その死の商人の幻想をもう一度思い出させる。ASEANの国に対しては輸出するとあなたは言明しますか。これは輸出すべきではないとお考えですか。総理、首脳会議に出たとき聞かれたらどう言いますか。
  42. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 首脳会議は招待も何も来てないのですから、いま現実の日程の中には上ってないわけです。ただ、そういうふうに、次々に三原則からはこの国はどうだ、この国はどうだといういろいろな疑問が出てきますから、岡田君に申し上げておきたいのは、軍需産業を輸出産業として育成する考えはないんだ、また地域紛争をそのことによってあおるような立場はとらない。平和国家としての日本の当然の姿勢としてそうあるべきでありますから、三原則というものを厳重に解釈をいたしまして、そうしていやしくもそのことが地域的なものであっても紛争を激化さすような場合には、その許可というものはきわめて慎重な態度をとる。しかも、通産大臣ばかりでなしに外務大臣とも相談をして、そうしてそういう判断も加えて厳重な態度をとっていきたい、こういう考えでございます。
  43. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ASEANは……。
  44. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 ASEANはそんな日本から武器をという話も出ておりませんから、現実の問題としては考えていないわけです。
  45. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 出すつもりはないわけですね。
  46. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 いや、いま何も問題もないのに、あそこには出すとか出さぬとかいう、そういうものではないと思います。三原則に従って、やはりそのときの国際情勢なども判断をして、そして決めたい。問題が起こってきたときの問題であって、だから私は言っているのですよ。いわゆるこの問題は、やはり個々のそういう問題が起こったときに、政府が日本の国の立場を考えて、そして外務省の判断を求めて、これに対して対処していきたいということですから、何もそういう武器を輸入したいとかいうような話も出てないところに、あそこはやらぬ、ここはやるとか、そういうふうなことはかえってなにがある。政府は三原則というものを――その三原則のねらいは、日本はやはり軍需産業を輸出産業として育成する考えはない、また地域紛争にも、それを助長するようなことはやらぬ、こういう原則に照らして個々の判断をいたすということでございます。
  47. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 どうですか。いままでの質問で、総理の御答弁にもあったように、全世界であちこちに紛争が起こる。そうすると、三原則のいままでの適用ではできないような場合がいろいろある。このことは何か。三原則自体がすでに破綻しているということなんです。世界情勢の変化に対応してないということなんです。  具体的に言いましょう。さっきも河本さん答弁されましたね。アンゴラはこの三原則が適用されない。なぜならば、三原則の三項は国家になっているからなんです。紛争当事国ということになっているからです。国という原則を書いているところに三原則の問題点があるのです。地域となっていればまた別なんです。  大体いま申し上げたように、今日の世界情勢の特徴というのは、長い植民地支配地域において民族解放闘争が発展している。新たな独立国家が誕生するために旧宗主国との紛争が起こっているというのが今日の特徴なんです。これは国家間の紛争というより民族解放闘争なんです。紛争の問題というものの今日の特徴はそこにある。これがいわゆる天下大乱の根源でもある。  ですから、地域紛争をあおらないために三原則は厳守しますと総理がいかに叫んでも、この三原則が今日の情勢に適合するように変えられなければ、今日の世界情勢に適応して、あなたのおっしゃる平和国家の立場を堅持する、だから輸出しない、こういうことを貫徹できないのですよ。三原則自体を再検討しなければいけないということなんです。不十分だということです。この点はどう思いますか。
  48. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 三原則というものは、原則的にはいまこれを変える必要は私はないと思う。その適用の場合に、日本の国が平和国家としてそういう立場をとっておる国でありますから、だから、その個々のケース、いろんな具体的なケースが起こってきたときに、三原則を勘案しながら日本の国としての態度、姿勢というものにふさわしいような結論を下すということが適当だと私は思います。  アンゴラの場合にしたところで、これは一種の国際紛争にも――各国が軍事的に介入したりして、様相としてはやはり国際紛争のような形をとっておりますね。だから、やはりおそれのあるという場合の解釈についてもいろんな解釈の違いがあるし、どうしてもこの問題というものは、個々の問題が起こったときに、日本の国の立場というものに立って判断を下すということが、私は実際的な処理の方法だと考えるわけでございます。
  49. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじゃもう一点伺います。  一月の二十九日、通産省の小松事務次官は、記者会見で、「武器輸出三原則は紛争当事国などへの武器輸出を禁じたものだが、通産省としては武器である限り、どんな地域へも輸出させない方針である」、いいですか、行政措置としては全面禁輸を明らかにしている。あなたの意見と違う。総理は、輸出できるんだ、状況によっては輸出できるんだ。政府の見解は統一されてないじゃないですか。私は、今日の国際情勢を考えてみるならば、総理の見解が間違いなんです。小松次官の言う方が正しい。あなたの方が間違っているんです。  ここまで行政措置がはっきりしているのに、なぜ政治方針が出せないんです。政治方針を出したらいいじゃないですか。原則としてとか、慎重にとか、全面禁輸するのではないとか、そんないいかげんなことを言うから、財界の言うなりになるということなんですよ。総理、これはどうですか。
  50. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 小松次官の発言の問題でありますが、一部の新聞にそういう報道が出たということは私も承知しておりますが、これは後で調べましたが、必ずしも正確な発言ではなかったように思います。
  51. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 河本さん、そんなことを言うけれども、あなた自身が言っているじゃないですか。韓国の問題で武器輸出問題を私、一昨年十二月十九日にやっているでしょう。あなた速記録を見てごらんなさい。あなた自身が言っている。日本は平和国家でございますから、原則的には外国への武器の輸出などしてはいけない。いいですか、こういう基本的な考え方を持っているんです。外国への武器の輸出の禁止が私の基本的な考え方だとあなた言っているじゃないですか。河本さんの言うこと、小松さんの言うこと、一致しているじゃないですか。違うのは三木総理が違う。全面禁輸はしないんだ、こう言っている。河本さんと小松次官とは同じなんです。総理だけが違うんだから、総理、はっきり答弁してください。
  52. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 こういうことじゃないでしょうか。武器というものの解釈が、たとえばヘリコプターでも、軍隊が使っている。それは軍事用に使うでしょうし、輸送機でもそうでしょう。しかし軍と民間とが、軍も使うし民間も使うという場合だってあるのですね。そういう両方使える場合がある。民間用として開発する場合もありますから、だから私は、やはり原則としては政府の原則でいいので、これを実際に貿易管理令のときに、日本は武器を輸出するということは、武器輸出ということによって日本の軍需産業を育成する考えはないのですから、きわめてそういう問題に対しては政府は厳重な態度をとる。しかし、民間と軍事用との間のはっきりしないような場合もありますから、まず武器というものに対しての政府の考え方を明らかにして、そしてこの原則というものが根底から破られるようなものでないということを明らかにしたいと思うわけでございます。それは、民間と軍事用とのはっきりしないようなものも中にはあるから、そういう点も考慮に入れてでございます。
  53. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 総理の答弁を聞いていると、武器の定義だけにしぼっているのです。そこに問題があるのです。三原則の問題が明確になっていない。いいですか。ですから聞いている者から言うと、最初にあなたに言ったでしょう、民間であるか軍用であるかわかりませんけれども、武器の解釈をできるだけ少さく解釈して、そして三原則をあいまいにしておいて出していくということになるでしょう。だから、三原則それ自体を、さっきからアンゴラの問題でもはっきりしているでしょう。ここをはっきりしなければだめなんです。  そこで、これについては余り時間がありませんから、これは委員長にも御了解をいただきたいのでございますが、重要なので文書で皆さんに配付いたしておきますが、統一見解を求めることについて、まだ政府で統一見解を発表されておりませんから、この前の武器の定義の問題に含めて、三原則の問題を含めた再検討が必要である。文書で私は発言をしておきたいと思います。    武器輸出の統一見解を求めるの件   武器輸出の風潮が強まっている現状にかんがみ、平和憲法を保持し、平和軍縮外交を展開している我が国としては、現行の武器輸出三原則が不明確であり、かつ、実情にそくさないため、この際、政府の統一見解を示すべきである。       記  一、「武器」の定義を明確化すること。  一、小松通商産業事務次官発言にあるとおり、武器である限りいかなる地域へも輸出しないよう明確にすること。  若干説明しますが、この第二項が三原則の問題であります。この二つの点が統一見解の中で明らかにならない限りは、依然として私のような疑問が起こってくる。国民の疑惑も消えない。こういう統一見解をお出しになるように改めて要望いたしておきますが、総理としては、統一見解についての御見解を伺いたい。
  54. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 承知いたしました。
  55. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじゃ、これはこの前のお約束どおり、きょうじゅうにお出しいただけますか。
  56. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 きょうじゅうというわけにはいかぬが、できるだけ早くこれは提出いたします。
  57. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 委員長に伺いますが、統一見解については六日じゅうにお出しになるということに理事会が決定しているのじゃありませんか。どうですか、委員長。――いや、委員長に聞いているのです。議事の取り扱いを委員長に聞いているのだから、委員長が答えてください。
  58. 井原岸高

    ○井原委員長代理 荒舩委員長からこの問題についてありますが、二項の問題についてまで実は発言があったわけではございません。改めてこの問題は理事会で、二項の問題について、特に初めてのことでございますから、委員長も判断に苦しんでおるわけでございますので、しばらく御猶予願いたいと思います。
  59. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 判断に苦しむというと、どういうことなんですか。あなた、どういう判断が苦しいのですか。
  60. 井原岸高

    ○井原委員長代理 統一見解を出すことは間違いないのですが、二項の問題について本日じゅうに出すのは、理事会で一応検討いたします。     〔井原委員長代理退席、委員長着席〕
  61. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 統一見解を出します。
  62. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それでは、統一見解は二項を含めて、いつ出すかについては理事会で諮って決定する、このように理解してよろしゅうございますか。
  63. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 よろしゅうございます。
  64. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 これは岡田君の主張が入っておりますから、あなたの主張にそのまま従うというわけではございません。政府の見解を述べるということでございます。
  65. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 そのとおりです。
  66. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 総理、余りにもおもしろい御答弁をされましたね。私の言うとおりにならないということを改めて言うというわけですか。そんなことを私、質問していませんよ。問題点を明らかにしたのであります。だから、あなたは正否は政府の自主的な判断でお決めなさいよ。私の言うなりになるならなってもいいですよ。それはどっちでもいいですがね。それはまあ、進めましょう。  続いて、最後は領海十二海里の問題について伺います。  領海十二海里問題ですが、これに関連する問題として――防衛庁長官来ていますか。いますね。去る二日、アメリカの下院でアメリカ海軍長官の証言がありました。その要旨は、いまや日本海の制海権はソ連の手中にあるという発言でありました。防衛庁、これについてどういう見解をお持ちですか。現在の日本海はすでにソ連の制海権下にある、こういうのが防衛庁の御見解ですか、どうなんですか、長官。
  67. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 御承知のように、ソ連の海軍力というのが最近目覚ましい増強をしておるということは、アメリカ側の証言によっても明らかなとおりでございます。たとえばソ連の太平洋艦隊につきましては、ウラジオストクに司令部を置きまして、現在、艦艇約七百五十五隻、約百二十万トンから成っております。艦艇は、潜水艦約百二十五隻、巡洋艦約十隻、駆逐艦級約八十隻から成っております。ウラジオストク、ペトロパウロフスク、ソビエッカヤ・ガワニ等をこれら艦艇の基地としております。  こういうわけでございますが、最近、全世界の大洋を対象にいたしまして昨年春、七五年オケアン演習というものをやったことも御案内のとおりでございまして、かなりの海軍の増強ということがうかがえるわけでございますが、最近の報道に見られますところの、米国の日本海におきます制海権が失われたという発言につきましても、一応その要旨はわかっておりますけれども、その背景、前提等、詳細がございませんので一がいに断定はできませんけれども、しかしそういう言葉を口にするということは、お説のとおりだと思います。
  68. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 というのは、アメリカの言うとおりと……。
  69. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 アメリカの言うとおりだとわれわれは判断をいたします。
  70. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじゃ防衛庁長官、そのような状態なら、安保条約第四条の日本国の安全、極東の平和、安全に対する脅威に該当しますか、どうですか。
  71. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 潜在的な軍事力があるということと、それが直接的な脅威になるかどうかということは、意図の明示がなければなりません。そういうような意味から申しますと、ソ連がわが国に対して敵対的な意図があるというふうには考えておりません。
  72. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 脅威ではない……。
  73. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 潜在的脅威はあるということでございます。
  74. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 潜在的な脅威はあるが、現状では安保四条を適用しない、こういうことですか。
  75. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 第四条で随時協議をするような状況ではないということであります。
  76. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 この点もいろいろあるのですが、時間がないので、若干あれします。  有事の作戦協力の機関を設置するために、近く日米安保協議委員会が開かれるはずだ。これはいつ開かれるのか。  その日米の作戦協力機関が設置された場合、その議題として作戦大綱、それから、実際の場合に有事における日米制服間の作戦の調整機関、仮に称して作戦調整所、これが設置されなければならないと思うが、この設置に関する合意はいつ行われるのか。  それからもう一つ、そうなると、日本の制服だけの作戦指揮所が設置されなければならないと思う。日本の制服の作戦指揮所をつくるのかどうか。
  77. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 昨年八月の二十九日に日米の防衛協力についてのシュレジンジャー会談を行いましたが、その際決まりましたことは、年一回両国の国防の最高責任者同士が会うということ、それからいま一つは、安保協議委員会の中に新しい機関を設けまして、そこで防衛協力、作戦協力等について話し合いをするということが決まったわけであります。そうして、この協議会というもの、仮称でございますけれども、日米防衛協力委員会とでも申しますか、そういうものを近く行いたいと思っております。  実は国会になります前の一月に行うつもりでおりましたが、先方の都合がございまして、先方がどこかヨーロッパの会議等がございまして一月には開けないということで、まだ実ははっきり決まっておりません。二月か三月かという近い機会でございます。国会も開かれておることでございます。そういうことでございます。しかし、もう準備は整っておるということでございます。  それから、そこの内容等につきましてどうするかというようなことでございますが、これはやはりわれわれといたしまして、調整機関、そういうものは必要だというふうに考えております。  それから、作戦指揮所というものをどうするかというようなことは……(岡田(春)委員「日本側の」と呼ぶ)日本側のものは、これはいままだ考えておりません。
  78. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 防衛庁長官、考えてなかったら、両方の調整ができないじゃないですか。
  79. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 考えてないと申しましたのは、あるいは舌足らずだったと思うのでございますが、どういうような項目についてそこで協議をするかということは、いまはっきり申し上げられなかったわけでございますが、防衛局長からお答えを申し上げます。
  80. 丸山昂

    ○丸山政府委員 お答え申し上げます。  ただいま大臣からお話がございましたように、この具体的な中身につきましては、ただいま当方としての大体の腹案はできておりますけれども、先方との折衝に入りませんと明確なことがはっきり申し上げられない段階でございます。  ただいまの指揮調整の問題でございますけれども、これはまず当方の指揮統制機関と申しますか、これは当然自衛隊それ自体として必要なものでございます。ただ、命令が――指揮系統はあくまでも別立てでございますので、そのための連絡調整をどうするかということは、これからの日米協議の中で煮詰めてまいるという考え方でございます。
  81. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 防衛庁長官の答弁では、そういう作戦の調整の機関はつくらなければならない、こういうことは答弁された。そこで、実際にその作戦調整機関といいますか、仮称作戦調整所としておきましょう。これが有事の際に実際に機能を果たすようになる時期、いわゆる設置される時期、これはいつなんですか。安保条約の第五条に基づく武力攻撃のあった場合か、さっきから私の聞いている武力攻撃に対する脅威のあった場合、第四条のときか。これは国際法ですから、自衛隊法の適用はできませんよね。五条なのか四条なのか、どっちかしかない。どっちなんです。
  82. 丸山昂

    ○丸山政府委員 この日米が共通の脅威に対して共同して対処するというのは、御案内のように、安保条約の第五条の事態であるわけでございます。したがいまして、正式にその機能を果たしますのは、安保条約の第五条の時期というふうに考えておるわけでございます。
  83. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 いまの答弁、全くごまかしです。武力攻撃があった場合、これが第五条。それじゃ、あなたは、武力攻撃が行われてから作戦調整所をつくるのですか。日本に攻撃があった、それからアメリカと作戦調整所をつくって、それからやるのですね。それでいいいのですね。――そうじゃないでしょう。四条でしょう。
  84. 丸山昂

    ○丸山政府委員 私いま御答弁申し上げましたように、本格的に機能を果たすのは第五条の事態が出てきてからであるということでございます。そのための準備の機関、これはもう当然実際的にいって必要なわけでございます。(岡田(春)委員「四条でしょう」と呼ぶ)したがいまして、その対象になります根拠と申しますか、それは先生がおっしゃるとおりに四条であると思います。
  85. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 その点、重要ですよ。設置の時期は四条ですよ。そして四条が、できた場合に機能するんですよ。  ここで二つ問題がある。一つは、いままでの答弁では、今度の有事共同作戦機関は五条と六条だと言った。あなたの答弁で四条も入る。これが一つ。もう一つは、武力攻撃がないのに共同作戦を四条でやることができるのかという問題がある。この点どうなんです。有事をどこまでにするかという問題です。
  86. 丸山昂

    ○丸山政府委員 現実に武力攻撃がなければ五条の発動がないわけでございますから、したがいまして、いまの調整機関というものが機能を本格的に発揮するのは、あくまでも五条の事態であるというふうに考えるわけでございます。  それから、その作戦についてのいろいろ、何といいますか調整と申しますか、事前に調整をするということは、これはいまの五条の事態のための準備行為であるというふうに考えるわけでございまして、その根拠は何であるかと申されれば、それは四条の随時協議というふうに解釈すべきではないかと思います。
  87. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 この問題、まだまだいろいろ問題があるのですよ。ところが、領海十二海里に入れないから途中であれしますが、丸山さん、おわかりですよね、自衛隊法七十六条は防衛出動の規定である。これは武力攻撃があった場合とおそれある場合、おそれある場合なんです。ところが、安保条約にそれないんだよ。だから、こういう問題が起こるのですよ。だから、第四条と言わざるを得ないのです。ここら辺はほかの委員会でもっとやります。とことんまでやらなければならない問題です。  本論に戻します。領海十二海里、これは非常に関係がある。なぜならば、ソ連が制海権持っているのだから、領海十二海里になった場合にどうするかという問題がある。  そこで、まず領海十二海里で、安倍農林大臣、あなたは昨年の春からもう再三領海十二海里にすると約束しているでしょう。去年の五月までにやると言った。海洋法会議が五月に済むから、そうしたらやると。それでできなくて、今度は去年の十月までにやると漁民に約束したでしょう。宮澤外務大臣は昨年の十二月、何か幾つかの仮定を設けられたそうだが、本年の一月中旬までには閣議の決定をして十二海里を関係各国に通告し、できれば国内法の作業を進めて五月ごろには国会にかけたいということまで――仮定があるんだからと言うかもしらぬけれども、漁民の方はこれに期待を持ったのですよ。どれも公約破られているじゃありませんか。しかも、ソ連の漁船団、韓国の漁船団が毎日やっているじゃないか。この暴挙に苦しんでいる漁民たちは政府に裏切られたと言って怒っているのですよ。どうですか安倍さん、これに対する反省ばどうなんです。その次に宮澤さんからも、こういう公約不履行についての御意見を伺いたい。
  88. 安倍晋太郎

    ○安倍国務大臣 領海十二海里の問題につきましては、私もしばしば国会で述べておりますように、沿岸漁業の利益を守るという意味から言えば、一日も早くこれを設定したいというのが私の願望でございますが、しかし、この問題につきましては、ただ水産問題だけでなく、御承知のように、国際海峡の通航の問題等もあるわけでございまして、そういう点について政府部内におきまして検討しなければならないわけでございます。したがって、私はその後の政府部内における検討の中におきましても、この十二海里を一日も早く設定をするべく努力を続けたわけでございまして、その結果といたしまして、政府としての統一的な見解として十二海里を設定をする、これを法律によって行う、時期、態様等につきましては検討を要するわけでございますが、領海十二海里を設定するという結論に達したわけでございますし、私といたしましても、今後とも沿岸漁民の要望が一日も早く実現をされるように努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  89. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 農林大臣、漁民に対しては反省ないのですか。約束守られなくて申しわけなかったと思わないのですか。
  90. 安倍晋太郎

    ○安倍国務大臣 一日も早く沿岸の領海十二海里を実現をしてほしいという漁業者の立場を考えますときに、私としても漁業者の立場に沿ってこれが実現をできるように最大限の努力を続けておるわけでございますが、しかし、いま申し上げましたように、政府間において検討しなければならない問題があるわけでございますので、今日に立ち至っておるわけであります。しかし、政府としては領海十二海里ということに踏み切ったわけでございますので、この領海十二海里が早く実現されるように今後とも努力を続けていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  なお、その間における沿岸漁業者が受けた被害につきましては、これは日ソ間の協定等もございますので、それに基づいてこれが厳格に実施されるように努力は続けてまいります。
  91. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 じゃ、あなたは公約を違反したことについては反省しない、触れないのだから、しないのですね。――わかりました。  時間がありませんから、宮澤さんはいいです。  総理に伺います。  総理は、一月二十六日衆議院本会議で、十二海里の決定がおくれる理由として四つの項目を挙げた。やがてニューヨークの海洋法会議が開かれるという意味、第二項は、会議の議長から自重するようにという手紙が来ているという点、第三点、二百海里の経済水域に問題がある、第四点、国際海峡の通航問題がある、こう述べた。  これを一つ一つ後で伺っていきますが、まず第一、私、非常に不思議に思ったのは、領海十二海里にすれば、非核三原則を堅持するというたてまえからいって、アメリカの核積載艦が津軽その他の海峡を通航できなくなる、この点が一番問題だと思っているのに、総理はこれを触れない。触れないというのは、関係ないことですか、関係ないから触れなかったのですか、おくれる理由として。これをまず伺います。
  92. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 国際海峡における自由航行権の問題というのは、そういう問題も触れておるわけです。
  93. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじゃ、この問題と領海十二海里とは不可分の問題ですね。
  94. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 不可分といいますか、海洋法会議で国際海峡に対する自由航行権というものがどういうふうな国際的な取り決めになるかということと関連はあることば事実です。
  95. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 もう一つ伺います。  さっきの四つの理由の中で二百海里経済水域問題、これはいずれ三月に海洋法会議がある、日本の政府はこれに賛成するのですか、反対するのですか、この前のように棄権するのですか、どうなんですか。
  96. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 今回の海洋法会議では、いろいろ国際的な取り決めというものを海洋法会議で結論を出すように日本も協力したいと思っていますから、二百海里の問題も当然出てくるでしょうが、日本も、日本の持っておるいろいろな権益とどう調整するかという条件はありますけれども、賛成する意向です。
  97. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 賛成するとおっしゃっておる……。
  98. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 国際的な取り決めができるならば……。
  99. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 国際的な取り決めをやるための会議だもの、それに賛成するとおっしゃった。いいですか。  その次、おくれる第二の理由として、海洋法会議の議長から総理あての自重するようにという手紙が来ている、こういうことでしたね。ところが、これに対して二月二日のこの委員会で質問もないのに総理がみずから答弁された。何と答弁したか。いや、実はこれは間違いだった、手紙が来てなかった、議長はアピールだったのだ、こう言いましたね。あなた、そのアピール読みましたか、読んでいますか。――いや、ちょっと待ってください。読んでいるならお答えいただけると思うが、そんなこと書いてないですよ。いいですか、書いてあるのは、深海底の鉱物資源の探査、開発と十二海里を超えた国家の管轄権、すなわち経済水域の問題です。二百海里問題です。これについて一方的な措置をとらないように自重を求めているのであって、十二海里について決めるということに自重を求めるという部分は全くない。あなた、読んでないんでしょう。それならば、あなた、手紙もうそだ、アピールにも書いてない、二重のペテンをやったことになるじゃないか。この場所において取り消しなさいよ。いいですか、これは国会軽視はなはだしいですよ。本来ならば、衆議院の本会議で取り消すべきですよ。まあ、予算委員会でもいい。はっきり国会軽視を、こういういいかげんなことでございましたと言って、あなた、ここでお取り消ししなさい。そんな国際信義に反するようなことをやっちゃいけませんよ。どうですか、総理、読んでないんでしょう。
  100. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 その議長の発言というものに対して、私は、手紙でそういうことを言ってきたと思ったら、それは手紙でなしに、やはりレポートとして、向こうの国連における演説、そのレポートとして私は読んだので、それは私の誤りでした。  しかし、そういう中の意味は、海洋法会議の決める前にいろいろなことを決められることは、やはり全体として海洋の秩序を決めたいと思っておるときに、各国が皆いろいろな・先に決めることは海洋の秩序を確立しようという意図に反するようになるから自重してほしいというような意味に私はとったわけです。     〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 その文書は見たのですよ。見たわけです。それは手紙ではなかった。国連における一つのアピールであった。その報告として来た文書は見たわけです。
  101. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 あなたはそうおっしゃるけれども、それじゃ、文書を見せてごらんなさい。どの部分がそうなっていますか。領海十二海里について自重を求めるなんという部分は全然ないですよ。  なぜならば、理由がある。領海及び接続水域に関する条約というのが国際法上もう批准になって有効だからなんです。こんなことを触れるとするならば、越権ですよ、会議議長は。そんなことは言ってないのですよ。  私が違うのか、あなたが違うのか、文書の上ではっきりしようじゃないですか。どの部分がそうなっているのか。文書ありますか。文書ないのでしょう。委員長、文書を出させてください。文書の上ではっきりさせなさい。そんないいかげんなことしたらだめですよ。
  102. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 昨年の十二月、国連総会におけるアメラシンゲ議長の発言につきましては、後ほど資料として差し上げます。提出をいたします。  しかし、いまのお話を伺っておりますと、やはり総理大臣の言われたことの方が政府としては妥当な解釈ではないかと私は思っております。と申しますのは、確かに岡田委員の言われますように、領海を十二海里にするということは、これはまさに各国の主権の範囲である。わが国がただいまそういたしましても、これが国際的に非難を受けるような行為ではない。それは私は、岡田委員の言われることは、そこはそのとおりであろうと思うのでございます。ただ、海洋法会議がここまで煮詰まってまいりまして、いろいろな要素を一つでまとめようと言いますときに、領海十二海里というのは国際法には現在なっていないと私どもは思っております。やはり国際的な合意としては三海里のものもあり、十二海里のものもあり、いろいろでございますから、新しい国際法のもとで領海十二海里というものは生まれるであろう、わが国がそれを先取りしたからといって違法だとは私は思いませんけれども、国際法がすでにそうなっているというふうにはまた考えない。したがいまして、経済水域等の関連において、一つの要素として、領海が三海里から十二海里に恐らく今度の海洋法会議の結果なっていくわけでございますから、ここまで来まして、もう三月から会議が最終段階に入ろうというときに、わが国がその挙に出るということは、どちらかと言えば、やはり差し控えてほしいというのが、私はアメラシンゲ議長の真意であろうと思います。確かに領海十二海里そのものについてアメラシンゲ議長は言及しておりません。いまおっしゃったようなことを例示的に私は言っておると考えておるのでありますから、政府としては、ならばそれは差し控えるのが海洋法会議の精神に沿うものである。私は総理の御解釈が妥当なものであろうと思います。
  103. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それは文書に基づかないで何ぼ言ってもだめです。はっきりしなさい、はっきり文書の上で。いいですか、委員長。私が正しいのか、総理が正しいのか。総理のもとにおる外務大臣が総理大臣の応援演説をやった、これでは納得しない。文書を速やかにとって、理事会でどっちが正しいかを判断して精査してください。もし間違っているならば、総理は取り消してください。はっきりしてください。委員長、どうです。
  104. 井原岸高

    ○井原委員長代理 委員長から申し上げます。  外務大臣の答弁にもありましたように、岡田委員の、買うように、文書はそう書いてないということをはっきり言明されたわけでございますから、そういう御判断のもとで今後の質疑を――入ってないと委員長は認めます。
  105. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 書いてないなら、総理は取り消さなければならないですね。そういうことでしょう。書いてないなら、取り消さなければならない。取り消しなさいよ。
  106. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 文書ございますので、何どきなりとも御提出をいたします。  なお、朗読せよとおっしゃれば、朗読もいたします。
  107. 井原岸高

    ○井原委員長代理 外務大臣、朗読して、なお出してください。
  108. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 委員長、私があなたに諮っているのは、理事会で精査してくださいと言っているのであって、外務大臣に答弁してくださいなんて私は言ってない。委員長の扱いを聞いている。
  109. 井原岸高

    ○井原委員長代理 委員長は、できるだけこういう問題を明確にしておきたいために、なお政府の意向も聞き、その上また御期待に沿うようなこともやらしたいということでございます。
  110. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それでは、多少長くなりますが、委員長の仰せでございますから、朗読をいたします。  「昭和五十年十二月十二日第三十回国連総会で海洋法会議次回会期に関する決議採択の際の同議長発言」――ちょっと時間がかかりますが……。(「わかる部分だけ読め」と呼ぶ者あり)それでは要点だけ申し上げます。  海洋法問題については国際社会が特に注意を  払うべきもうひとつの側面がある。そして、私  は、この点につきコメントすることが自らの義  務と考えている。本年ジュネーヴ会議の会期の  終了に際し、私は全ての国が一般的に受入れら  れる海洋法条約という我々の共通目標の達成を  危くするようないかなる一方的行動をも差控え  るように訴えた。この訴えは、いくつかの国で  検討されている一方的措置の提案に対し多くの  筋で懸念が表明されていたからである。私とし  てはこの機会にこの訴えを繰返えさざるを得な  い。   もし一方的行動をとる政策がますます多くの  国によって追求される場合には、海洋法会議は  流産せざるをえず、海洋における平和的協力に  代って、紛争と無秩序がもたらされることとな  ろう。云々ということでありまして、岡田委員の言われますように、確かに領海十二海里ということをこれは言っていないわけであります。それは岡田委員のおっしゃることが正しいのですが、しかし、新しい海洋法という中に領海の問題が出てくることは明らかでございますから、たとえわが国の主権で許された行為ではあっても、それは慎むのが適当ではないかという総理大臣の御判断は私は妥当だと思う。これはどっちが正しい、どっちが正しくないということではありませんで、海洋法会議をまとめるためにそういう行動がわが国としては、やはり大国の一つでありますこの会議においては、妥当なことではないかという、私は総理の御所信はそのとおりであると思います。
  111. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 宮澤さん、それは総理の判断の問題で、手紙の問題ではないのです。手紙は、あなた読んだ前に――これをやっていると時間がないから、後で理事会であれしてもらいますけれども、これについては、一番先にグループ七十七からの提案に基づき云々となっているのです。それはさっき言った鉱物資源の問題なのです。領海十二海里の問題なんか書いてない。これは、委員長、理事会でよく調べてください。精査してください。総理がどう判断するかは別問題です。
  112. 井原岸高

    ○井原委員長代理 理事会でよく協議して精査いたします。
  113. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 これに時間をとりたくないので、次に進みます。  総理は、去る二日、わが党の安井質問に答えて重大な発言をした。速記録をとって引用しますが、「私は年を越すような考え方ではないのです。」領海十二海里についてね。領海十二海里を決める問題について、「私は年を越すような考え方ではないのです。」「それがことしじゅうにもなかなか海洋法会議で結論に達しないというときには、政府としては処置をしなければならぬ」、こう答えている。安井委員が「間違いないですね。」と聞いた。総理は、「さように考えています。」こう答えた。みずからタイムリミットを設定したわけだ、年内につくると。  そこで、この発言と、一月三十日の閣議了解事項、これは官房長官、これとあわせて考えるならば、十二海里に対する政府の今後の方針は次の二つである。第一、できるだけ早く海洋法会議で結論を出すように日本も努力し、条約として年内に日本の国会承認批准をとって、十二海里の問題を解決する、これが一つ。もう一つ、しかし、もしこれが不可能な場合には、年内に政府の責任で国内法をつくり成立さして十二海里問題を決めたい、こういう方針ですね。この二つになっている。そこで私は、この二つの方針のもとで、時間がないから第一の点は後でやるとして、第二の点からやりましょう。  まず、第二の場合、政府の責任で国内法をつくり成立させる場合に限って私は質問しますが、閣議了解をまとめた官房長官、領海十二海里の問題を、なぜ宣言またはそれに基づく各国への通告という措置をとらないで、法律の制定が必要であるという閣議の了解を決めたのか。いやいや、官房長官です。官房長官、まとめ役だ。
  114. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 まず、ただいま岡田委員が前段で言われました、今年中に条約として国会に提出せざる限り云々ということは、政府は一遍も申しておりません。その点ははっきりいたしておきます。  次に、後段の問題として、これが宣言であってはどうしていけないかという点でございますが、先刻申しましたように、十二海里という国際法はまだでき上がっていない、海洋法会議を待ってでき上がると考えておりますから、そのいわば下位の法律としての国内法が、国際法がございません以上、成立しているとは考えにくいわけでございます。  ところで、領海を十二海里にするということは、わが国の領土がいわばそれだけ広がるということでございますので、現在のわが国の法律の適用範囲が全部それだけ広がるということになります。そういたしますと、一般に法律を施行すべき地域を定める行為は、一般的には法律でなければならないであろうと考えられるわけでございます。それが一番大きな点でございます。  次に、そのようなことから、わが国の国民の権利義務が適用される地域がいわばプラス九海里だけ広がるわけでございますから、この点もやはり法律をもって律しておきませんといろいろな誤りが起こるであろう。さらにまた、各省の今日やっております行政の範囲が、たとえば海上保安というような問題にいたしましても、現在三海里を頭に置いてやっておりますが、十二海里になればそれだけ大きくならざるを得ないというようなことを考えましても、やはり関連法律が非常に多うございまして、これらを律するためには、法律をもってしなければ、恐らくこれを正しく解決することはできないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  115. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 一応法律的な根拠を御説明になったのですが、これについてもいろいろ伺いますけれども、国内法の問題は外務省の問題でないでしょう。どうなんですか。官房長官が答えるのはわかるけれども、外務省が国内法をやるのですか。そこの点、官房長官にまず見解を伺っておきたい。  外務大臣には聞きたいことありますよ。さっきあなたはっきりおっしゃった。条約を年内の国会にかけるという考え、そういう決めはやってないというお話だったが、それはそれで伺いました。わかりました。しかし、いかに領海の問題といえども、国内法の問題を外務省が扱うのですか。そういう先例があるのならおやりになってください。  それから官房長官、いいですか、ここから重要な点ですよ。官房長官にぜひ伺いたい。官房長官が御都合が悪ければ総理大臣、あるいはもう法制局長官盛んに答えたがっているから答えてもいいのですが、この国内法の中心問題は領海の幅員の問題である。幅の問題。具体的には十二海里にするという問題である。その場合、官房長官、幅員は日本領土の全体にわたって一般的に十二海里にするのですか、どうなんですか。国内法ですから。あるいは例外規定を設けるのですか、どうなんですか。一般的に十二海里にするのですか、どうですか、官房長官。官房長官まとめたんだ。
  116. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 一月三十日の閣議で取りまとめをいたしましたことは御指摘のとおりであります。したがいまして、事は大変専門の事項でございますから、法制局長官からお答えいたします。
  117. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 領海の幅を十二海里とする問題、これは国内法的な面もございますけれども、国際法的な面がございます。その意味におきまして、国際法と国内法の相干渉する一つの例であると思います。  現在領海の幅を十二海里とする確立された国際法規はないということは、先ほど来外務大臣の答弁にあったとおりでございますから、領海を十二海里といたしますためには、わが国として新たな意思決定が必要なことは、これは当然でございます。ところで、これまで領海三海里ということは、これは確立された国際法規として国内法の内容をなしてまいりました。したがって、ただいま申し上げました新たな意思決定というものは、この領海三海里という規範を変更するものでございます。その点は当然おわかりいただけると思いますが、これを行政府限りで行い得るかどうか、これはとうてい行政府限りで行い得るものではないというのが私どもの判断でございます。  領海の拡張によりまして、わが国の国内法の及ぶ範囲が当然拡大されることになりますが、法律の適用範囲と申しますものは、明示の委任がない限りは法律によって定められるべきことは当然でございまして、このような国内法の属地的な適用範囲の拡大によって国民の権利義務に直接の影響を生ずることから申しましても、法律事項として新たな法律が必要であるということば御肯定いただけるものと思います。  次に、領海の幅を十二海里とすることは、一般的に、つまり日本の平均的な干潮線からいって全般的に十二海里とするかどうかということでございますが、これは今後の海洋法会議の推移によっておのずから決まってまいることであると思います。  以上、お答え申し上げます。
  118. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 ごまかしましたね。いいですか、私さっきから問題を二つに分けてやっているのですよ、古園さん。国際法でどうなろうと、総理が言っているように、国際会議で決まらなかった、その場合には国内において政府の責任で領海を決める。その領海を決める政府の責任は、領土全体を十二海里にするという方針でいくのか、例外規定を設けるのかと聞いているのです。一般的に十二海里が全体に及ぶようにするのですかどうですかと聞いている。あなた、立法事項であるかどうかなんて前置きはもういいから、その問題だけ答えてください。
  119. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 仮に海洋法会議で決まりますならば、場合によりましては、確立された国際法規範というものがもうすでに存在するということで、法律の制定も必要ないかもしれません。あるいはまた、海洋法会議の決まり方によっては、世界的な合意を前提にいたしまして領海十二海里ということを決めることに相なるかもしれません。それは今後の推移によって決まってまいる場合でございます。  それから第三の場合といたしまして、年内にそういうことで海洋法会議の結論を前提として国際法規範ができるか、あるいはその上に乗っかって法律をつくるような状態ができなかった場合、これはもうすべて今後の海洋法会議の議論の推移を見て、政策当局がいろいろ検討した上で一般的に決めるか、あるいは場合によってはその内容に若干の制限を加えるかということは、今後の推移を見きわめた上で政策当局が政策の内容を決定し、それを法律の条文にあらわすという作業を法制局においていたすということになると思います。
  120. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 答えていないじゃない、あなた。答えていると自分で思うの。十二海里に一般的にするのか、例外規定を設けるのかと聞いているのだ。それに答えていないじゃないか、どうなんだ。あなたはさっきから国際会議で決まりまして云々と言うのだけれども、それはあなた、憲法九十八条で逃げようというのでしょう。九十八条じゃ逃げられませんよ。九十八条は、条約が国会の承認、批准をした場合に初めて国際条約が優先する遵守義務なんであって、国際会議でたとえば通念が決まったからといって、その通念は法源にはならない。しかも、たとえばそれを法源として利用しようとしても、それはあくまでも政府の責任ですよ。政府の権限においてやることですよ。国際法の条約提案以外には、国際法が日本の国内を、主権を拘束することはできないんですよ。そうでしょう。あなた、もう一度伺いますが、いいですか、一般的に十二海里にするのか、ある地域において例外規定を設けるのか。どうなんです、国内責任として。
  121. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 ただいま前提として、当然、海洋法会議において一般的な国際条約ができまするならば、その国際条約について国会の御承認を得て、そこで憲法九十八条の規定に従っていく、これが第一の方法でございます。  それから第二の方法としては、そのような国際的な合意が成立しても、その合意をそのまま条約によって、いわば領海が十二海里ということが条約によって実施されるという段階でない場合、たとえばその条約において各国が定めるというようなことになった場合には、そういう合意を前提として法律案を内閣として提案をいたす。  それから第三の場合は、先ほど来岡田委員が言っていらっしゃいますように、年内にそのような合意が国際的に成立をしなかった場合にどうするか。これは政府の責任において何らかの措置をとるということを先般来総理も申しておるわけでございますが、そのような場合にはどうするかという御質問だろうと思います。その場合につきましては、先ほど来申しておりますように、今後の海洋法会議のいろいろな議論等の推移を見て、そこで政策当局がどうするかということを決めて、したがって、一般的に決めるか、あるいは一定の条件を設けて決める場合もございましょう。その内容を政策的に決定をした上で法制局において法律案としての作業をいたすということを、先ほど来何回も申し上げているとおりでございます。
  122. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 吉國さん、あなたにはもう質問しません。法律手続の問題だから、それは聞かない。ただ、あなたの答弁の中で、一般的な十二海里にするか、何らか特別な措置をとるか、そういうこともあり得る。あり得るということは、例外規定がある、何らかの一般的な規定以外のことをするということがある。官房長官、そういうことがあり得るのですね。官房長官、お答えください。
  123. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 いまの問答を伺っておりまして、岡田さんは、そういうことはあり得るか、あり得るがごとしというふうに受けとめていらっしゃるようですが、私は、そういう場合もあるかどうかは、これは海洋法会議なり何なり情勢の推移を待ってその上に政策当局が決めるのだ、こういうふうに理解をいたしております。
  124. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 それじゃ官房長官、もう一度伺います。  政策当局が決める場合に、いろいろな判断はあるでしょう。そういうこともあり得るのですね。一般的に十二海里にしない、一部の地域に関してはこれは違う、一言で言えばそういう例外的な規定、そういうことはあり得るのですね。
  125. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 あり得るかあり得ないかということば、まだここで限定的に申し上げる段階ではございません。情勢の推移を待って決めたいと思います。
  126. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 だって、あなた、タイムリミットのあれで国内法で決めなければならないでしょう。国内法で決める場合にそれをどうするのですか。政府の責任ですよ。国際法がどうなろうが、国際会議がどうなろうが、条約の承認、批准以外は政府の責任でやるのですよ。あり得るというか、判断できないというのはどういう意味ですか。あり得るのかどうなのか。
  127. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 前段から引き継いで岡田君にお答えしておきたいと思うのは、海洋法会議の議長の文書をいま宮澤外務大臣から見せてもらって読みましたが、領海十二海里でも国際会議で決めようとした段階があるのですよ。大方決まりかけた時期もあるので、やはり十二海里の領海の問題も海洋法会議と全然無関係な問題だとは思わない。また十二海里があった場合に、いま国際海峡における自由航行権の問題もございまして、これは全然無関係だ、十二海里は別だ、主権の範囲に属するというふうには言えない、これは関連をしておるのですから。  その議長から来た――私は手紙と言ったのは取り消しますよ。報告を受けて、それを私は読んで、全体として海洋の秩序を確立しようとしておるのだから、いろいろな問題で各国が海洋法会議の結果を待たずにやることはやはり慎んでほしいという意味にとったわけでございます。またその議長の一つの発言も、そういう意図は確かにあったのだ。皆一遍に海洋の秩序というものを国際的に決められるならば好ましいということがあったので、やはり十二海里の問題もそういう一連の関連があるのですから、そして十二海里を国際会議で決めようとした時期もある。ロンドンであったか、ほとんど決まりかけた時期もあるわけですね。そういうことですから、全然関連はないとは言えない。だから、全体を一つの海洋の秩序確立のために決めようというのがその議長の趣旨であると受け取ったわけでございまして、もう一語一語探索したわけではないのですけれども、全体の精神はそうであったということで、国会に対していいかげんな答弁をしておるということではないわけです。全体の精神を受け取った。  それからまた、いま井出官房長官のお答えになっておる問題は、日本は国際条約ができればそれは尊重するという立場ですから、それはこれからの問題でありますから、十二海里の場合に対して自由航行権というような問題も、国際海峡における自由航行権というのも会議の一つの大きなテーマになることは明らかでございますから、いま、その海洋法の会議でどういう国際的取り決めができるかということを会議に先立って予測して、あの場合、この場合どうするんだということをこの段階でお答えするのには時期が早いのではないか。むろん、そういう取り決めができれば、国際法を尊重するという立場から、日本の政府はいろいろな処置をとらなければならぬ場合があるでしょうけれども、まだ何にも、会議がこれから三月に開かれるというのですが、決まっておらない段階で、あの場合、この場合と仮定してここで論議をいたすことは時期が早いのではないか、こういうことでございますから、ことさらに問題を引き延ばすと言ったって、これは国会の批准を受けなければならぬですから、引き延ばすわけにはいかないので、この段階で一々仮定の場合にお答えするのは少し時期が早いのではないかと、こう申しておるわけでございます。
  128. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 総理、そういう言い方しちゃだめですよ、あなたはタイムリミットを自分で設けたのだもの。国際会議で決まらない場合は自分で決めると言うのだから。しかも、法制局長官、官房長官によれば、一般的に十二海里だが、そういう以外のある地域については、例外の規定も行政的な手続としてはあり得ると言っているんだ。速記録を調べてごらんなさい。法制局長官言っていますよ。速記録を調べてごらんなさい。そういう場合もある、そういうことを答えているじゃありませんか。問題はこれなんですよ。  何のために、一部分だけ領海十二海里にしない、主権の及ばない地域をつくるのか。それはこういうことでしょう。結局は、その領海十二海里に及ばない、たとえば例で言いましょう。津軽海峡なら津軽海峡だけは十二海里にしないで九海里にした、あるいは三海里にした、これはアメリカの核の艦船を通させるためでしょう。それによって公海と同じような扱いにすることによって、国際海峡という形で通させるのでしょう。しかし問題はここにあるのです。いいですか。ある一定の地域に限って主権の制限を行う。本来及ぶべき十二海里に対して、たとえば三海里としましょうか、残余の六海里については主権は及ばない、結果としては主権を放棄する、主権の喪失になる、こういうことができるのか。できますか、どうですか。本来領海条約によって領海というものは主権である。ある地域の部分に限ってのみ主権を制限し、結果的に主権の喪失を確認するということ、これは重大問題ですが、国内法で立法事項としてやり得るかどうか。私はやれないと思う。立法事項としてこういうことが可能であるというならば、その根拠を明らかにしてもらいたい。  法制局長官、これ答えたいのでしょう。もしこの部分だけは領海の制限を十二海里ではなくする。それについては、結果においては、十二海里に本来なるべきところであるが、三海里にする。本来及ぶべき主権が、津軽に関しては六海里の部分が主権が喪失される。この主権の喪失を国内法の立法によって手続をとることができるのかどうか。私はできないと思う。立法というのは統治権の問題である。統治権の基礎になるべき空間的な基礎を、主権の空間的な基礎というものを勝手に、ここはこうです、ここは要りません、ここは要ります、こんなことは国会に許された立法権の、統治権の範囲内の問題ではない。もしこれをやったとするならば、これは重大問題だ。     〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 もしこれをやったとするならば、まさにみずから主権を放棄したという――この問題は重大問題なんだ。主権の放棄を国会議員が決めることができるのかどうかという問題なんです。こんなことはできないですよ。もしそんなことをやったら、それを提出をした政府は売国政府だと言われても仕方がない。みずから主権を放棄するのですよ、あなた。もしこれが法律的に可能であるというのなら、どうですか、法制局長官聞きなさい、これが法律的に可能であるならば、在日米軍基地には主権は及びませんという国内法もできるじゃないか。そんなことできるの。もしそれができるというならば、とんでもない政府ができて、北海道には日本の主権は及びませんという法律ができるじゃないか。そんなこと許されますか、あなた。もしこれが許されるんならば、そんな政府は売国政府ですよ。みずから主権を放棄することじゃないか。法律的に私は可能だと思わない。立法措置としてこんなことは、たとえば政府がお出しになっても国会は立法の手続をとるわけにはいかない。みずから主権を放棄するような、このようなことを国会は審議できない。立法事項としてこれは明らかにしてもらわぬと、これは憲法問題ですから、委員長、これは簡単には私引き下がりませんよ。
  129. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 政府は主権を放棄するようなことを申した覚えは全くございません。主権の範囲がどうなるか、日本の領域の範囲がどうなるかということの問題でございます。主権の幅は、これは領域に限られるわけでございますが、領域と申しますものは、申すまでもなく領土、領海及びその上空の領空からなっております。その領海の幅をどう決めるかによって主権の及ぶ範囲が決まるわけでございます。それを今後決めようという問題でございますから、主権の放棄なんということば毛頭考えておりません。
  130. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 法制局長官、私の質問をよく聞きなさい。こう言っているんだ、私は。主権の一部分においては制限をやる、その結果主権の放棄になるではないかと言っているんです。はっきり言っているじゃないですか。結果において主権の放棄、喪失になるようなことは立法事項として許されないと思うが、どうだ。
  131. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 先ほど来申し上げておりますように、主権の幅を今後決めるわけでございます。主権がどこまで及ぶかということを決める問題でございますから、その決めた範囲においては主権は全く完全に行使されるということでございます。
  132. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 あなたは結果において主権の放棄というのを認めるわけだ。そういう解釈をとらざるを得ない。主権の幅を決めるのなら、一般的に全部十二海里に決めなさいよ。そうでない部分をつくるのだから、ある部分においては主権が十二海里ではなくて三海里です、こういうことはあなたは立法上可能であるとおっしゃるのですか。可能なんですか、どうなんですか。
  133. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 これはまだ決まっていない問題で、本当に仮定の問題でございますけれども、領海の幅をどう決めるか、その決め方の問題でございます。領海の幅をどう決めるか、それによって主権の及ぶ範囲がどうなるか、それは法律の内容に従って決まるべき問題でございまして、これを今後どうするかというのはまだ決まっていないわけでございます。(岡田(春)委員「いや、仮定の問題として」と呼ぶ)本当に仮定の問題として考えましても、主権の幅が今後決まってまいって、それによって主権が及ぶ範囲がここまであるということが決まるわけでございますから、その決まった範囲においては主権は完全に行使されるということで、主権の放棄なんという問題は全然出てまいらないと思います。
  134. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 だめです、これは。ただ、しかし明らかになったことは、いいですか法制局長官、仮定の問題としても、立法的には、主権の幅をある部分において一般的な十二海里以内にすることはできるというのが法解釈である。私はそれはできないと思う。主権の及ぶ範囲をみずから制限するのですから、できないと思う。そんな法律を政府が出した場合に、国会は審議できませんよ。なぜならば、本来及ぶべき主権に対して、一部分の拘束を、制限をするというのは主権の放棄につながる。政府はお出しになるならお出しになったらいいでしょう。国会の立法事項ではない。なぜならば、そういうことをやったら、国会自身が主権の放棄をすることになるからです。だめですよ。  こういう解釈は私は重大だと思う。この問題については憲法上非常に重大な問題がある。主権が及ぶか及ばないかという問題である。これを立法し得るという立場が法制局長官の立場である。われわれは、一部において主権の行使を結果的に喪失するような立法は不可能である。たとえばもし可能であったと今度はしましょう。万々が一の場合ですよ。政治的にはこういうことを許すべきではないです。さっき言ったように在日米軍基地に対して主権は及ばないという立法ができるのですか。北海道に対して主権は及ばないという立法は政治的に絶対にやるべきではない。そういう一大悪先例、歴史的な屈辱的なこのような措置をやるべきではない。(発言する者あり)笑い話じゃないよ、君はわからないからだよ。(「とっぴな話をするな」と呼ぶ者あり)はっきりしているじゃないか。
  135. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 静粛に願います。
  136. 岡田春夫

    ○岡田(春)委員 政治的には絶対にこういうことは許しません。私はこういう問題については絶対に了解できません。  そこで総理大臣、時間がなくなったから最後に進みますが、政治的に見れば、第二の場合、あなたの言う政府の責任によって国内法の手続で十二海里をとる場合、次の三つしかない。今日、日本の三木内閣に与えられている道は三つしかない。  第一点、政府がその責任において、日本の全土において一般的に十二海里とする法的な措置をとる。これによって国際的にも宣言する。そうしてこの場合には例外規定は設けない。全部十二海里にする。これが一つ。第二番目は、この第一項と前段は同一である。十二海里にするが、ただ例外規定を設ける。さっきから何度も言っている津軽なら津軽だけは三海里にする、こういう形をとるという場合。この場合においては、政府の責任において、この特定区域においては主権が制限され、結果的には放棄することになる。これが第二点。第三点、第一項と全く同じであるが、三木さんが再三言っている非核三原則の持ち込ませずというこの部分を何らかの形で修正するか、あるいは四十三年四月の三木外相の統一見解の解釈を変える。この二つをやる。一言で言うと三原則を修正し、同時に統一見解も修正する。結局、あなたのタイムリミットを設けて国内の措置をとる場合、この三つしかないのですよ。  われわれ社会党としては第一の道をとります。十二海里が全体に及ぶ。それによって核の艦船は領海に入ってもらわない。アメリカの核の艦船は、あなたが言っているように、無害通航といえどもこれは通航を許さない。こういうようにするのがわれわれ社会党の方針だ。これは当然だと思う。  しかし、これだけではまだ不十分ですよ。いいですか総理、非核三原則というのは国際的な法上の効力を持っていないのだから。アメリカは、合意によって日本の政府の実態を知っているから、通らないと言うかもしれない。しかし三原則ではソ連を拘束するわけにはいきませんよ。ソ連は日本と安保条約は結んでいないでしょう。三原則自体は国の政策であっても、国際的な法的な効果、拘束力はないのだ。ソ連が通ると言ったら通さなければならない。津軽海峡をソ連の艦隊が、日本海の制海権があるということで通ろうと思えば、領海条約に基づいて十四条の無害通航ができる。国旗を立てたら艦隊は通れる。ソ連の原子力潜水艦は、領海条約に基づいて浮上すれば、津軽海峡は無害通航できる。だから三原則が国際法上の拘束力を持たなければならない。拘束力を持つためにどうしたらいいか。三原則を国際的に宣言しなさい。各国に通告しなさい。それに基づくところの国内措置をとりなさい。法律をやりなさい。そうしたら、制海権を持っているソ連は、津軽海峡を通さないことが可能になる。これは第一項に基づいてこれだけをやらなければならない。三木総理はどうですか、第一項をとらないで第二項というような、結果において主権の喪失を意味するような売国的な立法によってアメリカの核潜水艦を通させるという方式をとるのか。あるいは、いままであなたが言明してきた、非核三原則を貫徹すると言っているこの原則を修正するのか。この後の二つの道をとるのか、どの道をとるのか。  最後に、私、もう余り質問の時間がありませんからあれしますが、結果において国際条約によって、国際海峡なり自由通航帯というもの、シーレーンですね、これができたとしても、結局、国際法に基づいてその部分は主権がそれだけ制約されるんですよ。そのことは、あなたは、非核三原則は貫徹する、こう言っているが、その部分の主権は国際条約によってなくなって、残余の主権のみ非核三原則が適用されるということなのです。それだけ小さくなるんですよ。だからあなた、私、ここで言っているのは、日本のためには第一の道をとる以外にはないということなのです。そうして非核三原則を国際的な宣言による法的な拘束力を持たせるようにしなさい、これ以外にないということを私は最後に申し上げます。しかし、どうやらいまの政府の方針は、三木・宮澤戦略の方向で進みつつある。それは、国際条約を決めて、通念と称するもの――これは通念というのは外務省の主観ですよ。通念と称するものを国民の前に出して、仕方がないよ、ないよと言って、そしてみずから主権の制限をするという作戦なのです。国際的な動き、これに便乗してやろうとしているのがこれはねらいです。  しかし恐らく、外務大臣、かけましょうか、年内に条約なんかできませんよ、あなたおっしゃるけれども。年内に条約ができなかったら、これは憲法九十八条の適用なんかできませんよ。宮澤戦略によれば、本年も領海十二海里は決められない。三木さんのタイムリミットに反する、この結果になりますよ。いまから言っておきます。その結果、これほど悲痛な要望である漁民の希望を裏切ることになる。総理、お考えなさい。こういう重大な問題です。あなたはタイムリミットをみずから設定するのならば、国内法をおやりなさい。そして、第一項に基づいておやりなさい。第二項は売国的な方法ですよ。第三項はあなたの公約をみずから裏切ることですよ。第一項以外にない。  もう一度言うが、十二海里というのを一般的に宣言して、そしてアメリカの艦船、ソ連の艦船を通さないためにも、非核三原則を国際的な法律として拘束力を持つようにいたしなさい。それ以外に方法はありません。総理、最後に見解を伺って、私は終わりにします。
  137. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 長時間にわたって岡田君の御意見をいろいろ承りましたが、私との違いは、岡田君は海洋法会議なんかまとまりっこないと言う。(岡田(春)委員「年内にはまとまらない」と呼ぶ)私は、世界的な海洋の秩序を確立するためには、日本はあらゆる協力をすることによって、海洋法会議で国際的な一つのルールを確立する方がいい。だから、日本は、積極的に海洋法会議をまとめるという立場で努力をするつもりであります。これは日本ばかりでない。日本だって海洋国家として、ほかの地域に対して日本の船舶が航海するわけですから、やはり相互的な非常な利害関係を持っているわけですから、この際海洋の秩序を確立する方が日本の利益にも合致する、そういうことで、海洋法会議というものをできるだけ結論を出すために努力をするということで、岡田君は、もうそんなものはまとまりっこないということで、それを前提にして自分でいろいろと仮定の場合を御質問になっておるけれども、私との違いは、海洋法会議をまとめたいということですよ。まとまらぬ場合ということでいろいろ仮定されたけれども、まとめるということで努力をしたい、そういうことでございます。(岡田(春)委員「委員長、一点で終わります」と呼ぶ)
  138. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 もう時間が過ぎていますから。  これにて岡田君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時四分開議
  139. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  理事会の協議により質疑を行いますが、この際、政府に御注意をいたします。  本委員会の冒頭に、小林委員から発言があり、私からも要望いたしました政府の答弁についてでありますが、先般の藤岡国際金融局長の答弁は、その趣旨にもとるよう考えられますので、この際、その趣旨の徹底方を図られるよう要望いたします。  理事会の協議による質疑を行います。楢崎弥之助君。
  140. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は冒頭に、後で引用いたします、昨年十月二十三日予算委員会の中で、訂正を謹んでさせていただきたい。それは、ホッドソン駐日大使というところをインガソル駐日大使と間違えましたので、これは重大なところですから、訂正を先にいたしておきます。  そこで私は、昨年十月二十三日に当委員会で問題にいたしましたロッキード社製作のL一〇一一トライスター、これの全日空への売り込みについて、ロッキード社からわが国政府当局者あるいは政党関係者あるいは航空会社関係等に賄賂が流れておる可能性がある。したがって、これを解明する責任がある。こういう立場から、昨年十月二十三日当委員会で問題を提起したわけであります。  そこで、まず第一番にお伺いしますが、外務大臣、この二月四日にアメリカの上院外交委員会多国籍企業小委員会の公聴会が行われたわけですが、ここで明らかになった事実、すなわち私が問題にいたしておりましたL一〇一一トライスターの全日空売り込みに関する賄賂の事実が明らかにされたようでありますが、日本政府として、その事実関係を明白にしていただきたい。
  141. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 昨年楢崎委員から、いわゆるプロキシマイヤー委員会の討議に関しましてロッキード問題を御提起になりましたことは、私ども記憶をいたしております。同じ問題につきまして、二月四日、ただいま御指摘のように、米国議会上院の多国籍企業小委員会で審議が行われました。この審議及びこの委員会に提出されました文書がございますが、これにつきましては、まだ私ども面接資料を入手しておりませんが、在米大使館からの報告が参っておりますので、それに基づきまして政府委員から報告を申し上げます。  なお、同日の委員会の審議及び提出された文書は公開されておりますので、ただいまから申し上げます報告は、一般に報道されているところと大差はございません。  当然のことでございますが、これから申し上げます御報告は、日本政府の見解ないし判断を含んでいるものではないということを申し添えさせていただきます。  政府委員から御報告いたします。
  142. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 御報告申し上げます。  ロッキード社の贈賄問題につきましては、昨年より米国の上院銀行委員会及び同外交委員会多国籍企業小委員会において調査が行われてまいりました。昨年八月二十五日に、プロキシマイヤー委員長のもとに銀行委員会の公聴会が開催されましたが、同公聴会においては、ロッキード社のホートン会長等が証言し、同会長は、一九七〇年から一九七五年六月の間に支払われたコミッション等の一五%、約二千二百万ドルが外国政府関係者に流れたことは認めながらも、具体的な販売先国別の質問には一切答えないとの態度をとり、日本に関しても支払いが行われたか否かについては確答を避けた次第でございます。次に、去る二月四日に、上院外交委員会の多国籍企業小委員会の公聴会が開かれ、これに際しまして、同小委員会より本件関係の証拠資料が公表されました。この資料はかなり膨大なもので、当方はまだこれを入手するに至っておりませんので、詳細については不明でございますが、在米日本大使館からの報告によりますと、その概要は次のとおりのようでございます。  (1)総論においては、ロッキード社が何年にいかほどの資金をそのマーケットコンサルタントに与えたかについての説明でありまして、日本への直接の言及はございません。  (2)次に、日本におけるロッキード社のエージェントに係る証拠書類としては、次の九件の資料が掲げられています。イトウ・ヒロシ名の領収書写し一枚、金額ピーナツ百個。児玉誉士夫名の領収書写し五枚、総額四億二千五百万円。AHエリオットヘの送金証明書写し一枚、総額一億二千五百万円。J・W・クラッターへの送金証明書写し二枚、総額四億四千万円。これが証拠書類でございます。  このほか、児玉誉士夫氏が七百八万五千ドル、丸紅株式会社が三百二十二万三千ドル、IDコーポレーションが二百十五万ドル、それぞれ受け取った旨のリストが添付されておりまして、また、児玉誉士夫氏に関する新聞、雑誌記事等からの引用が含まれております。  次に、二月四日の同小委員会公聴会における審議については、議事録を入手いたしておりませんので詳細は不明でありまして、正確なことは申し上げかねますが、在米大使館が各方面より集めました情報に基づいた報告によりますと、審議の概要は次のとおりであった模様でございます。  (1)審議は公開審議で、一九三三年以来ロッキード社の会計監査を担当してきたアーサー・ヤング社の主任会計監査士であるウィリアムフィンドレー氏に対する委員会側の質問と同氏の応答という形で進められました。  (2)日本に関係する同氏の証言内容はおおむね次のとおりであります。  ロッキード社の在日エージェントは次の三者である。  (イ)丸紅株式会社。同社は通常の商取引の関係にあったと思われるが、他のエージェントとの関係はわからない。  (ロ)IDコーポレーション。同社は販売促進のための環境づくりを任務とし、関係者はイトウ・ヒロシ氏である。同人の受け取った資金は、日本政府及び日本の複数の航空会社の関係者に渡ったと聞いている。  (ハ)児玉誉士夫氏。小委員会側から、証拠書類によれば七百万ドルが送金されているがとの質問に対して、現金及び持参人払い小切手の形で、ロッキード社の在スイス銀行特別口座より直接本人にあるいはクラッター氏を通じて総額四ないし五百万ドルが渡されたと思う。この資金がどこに行ったかは知らない。児玉氏とロッキード社との関係は一九五八年ないし五九年から始まったようである。  (3)なお、元ロッキード社副社長であるホドソン駐日大使についての質問に対しては、フィンドレー氏は、ホドソン大使に関する書類は見たことがない旨答えております。  四、なお、この多国籍企業小委員会は、二月六日にロッキードのコーチャン社長等を召喚し、公聴会を開く予定ということであります。  以上、御報告申し上げます。
  143. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ただいま、昨年八月二十五日の米上院銀行委員会議事録の部分で、コミッションの一五%に当たる二千二百万ドルがリベートもしくは賄賂として支払われたという報告がありましたが、コミッションとはどういうものでありますか。
  144. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 ただいま申し上げましたコミッションという表現は、先ほど申し上げました銀行委員会における公聴会においてホートン会長が用いた表現でございますが、その定義はなされておりません。
  145. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ホートン・ロッキード会長に私は聞いておるのじゃないのでありまして、あなたに聞いておるのです。もしわからなかったら、運輸大臣、通常、航空機の売買に関するコミッションとはどういう性質のものでありますか。
  146. 木村睦男

    ○木村国務大臣 これは、私にはわからないわけでございます。
  147. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だれか、政府の方でお答えできる方おりますか。
  148. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 宮澤外務大臣。
  149. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 わかりません。(「法制局長官」と呼ぶ者あり)
  150. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 吉國法制局長官。
  151. 吉國一郎

    ○吉國政府委員 私は、日本の法令の用語につきましてはお答えするわずかの知識を持っておりますが、コミッションというものにつきましては知悉いたしておりませんのでお答えできません。
  152. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 外務省は、この昨年八月二十五日の議事録はいつ手にしましたか。
  153. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 山崎アメリカ局長。――おい、早く言え。
  154. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 このプロキシマイヤーの委員会は八月二十五日に行われたわけでありますが、その議事録を入手いたしましたのは十一月ごろでございまして、直ちに、その当時の御要望に応じまして楢崎委員にもお届けした次第でございます。その際、その公聴会の概要についても資料をつくりましてお届けし、また関係の議員にもお届けした次第でございます。
  155. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 外務大臣は、この八月二十五日の公聴会議事録を検討なさったのですか。
  156. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 読んでおりまして、ただいま御指摘の問題がここで何度か繰り返されて応答されておるわけでありますけれども、二千二百万ドルと一五%とコミッションという言葉の関係が、これだけの応答からははっきりいたしておりません。
  157. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、昨年の十月二十三日の当委員会で四点にわたって政府に要請しておるのです。  第一点は、いま報告のありました八月二十五日の米上院銀行委員会公聴会議事録を資料として出してください。  二番目に、昨年九月十一日に多国籍企業小委員会がロッキード社の社内資料を整理しておる。大体二百五ページにわたる資料だ。これをひとつ資料として取り寄せていただきたい。  三番目に、日本あるいは全日空の名前が出てきて、わが国とかかわり合いのある問題が出ておるので、一体このような問題が提起されるその背景は何なのか、根拠があって出されたのか、政府は責任を持って解明をせよ、これが三番目。  四番目に、当委員会としてもその解明に努力をしなければならない。そこで荒舩委員長から、問題を提起したアメリカ上院銀行委員会委員長のプロキシマイヤー氏にも照会をしていただきたい。  この四点を私は要望したはずであります。私のこの要望は全然無視されたんですか。  このコミッションというくだりは、普通の常識ならば何であるか、私の問題を提起した一つの問題点だから調べるべきでしょう。通常航空機会社へ聞けばわかりますよ。航空機の売買についてのコミッションとは一体どういう性質のものか、全然調べてないじゃないですか。何をやっておったんです、いままで。この予算委員会の冒頭にも、わが党の小林委員から全委員を代表して、その立法府の要求にまじめに答えよと、あえて異例の要求を出したゆえんはそこにある。しかもきょう、ただいま、午後の日程が始まる冒頭においても荒舩委員長がおっしゃった。全然守ってないじゃないですか。総理、一体どう思われます。立法府の要求の軽視じゃありませんか。どうなんです総理。
  158. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 当時楢崎委員から御要求のありました問題の一つは資料の提出でありまして、公聴会議事録の日本関係部分、英文並びに仮訳並びに公聴会の議事録の原文、これは十二月になってできたわけでございますがお届けをいたしました。  なお、このプロキシマイヤー委員会におきましては、先ほど政府委員から申し上げましたように、トライスターの売り先がどれどれの国であるかというようなことについての問答がございましたけれども、いわゆる不正常な問題がどの国について起こっておるかというようなことについては、一切言及がございません。したがいまして、わが国の企業ないしわが国の法人、個人がここで少なくとも疑われておるというようなことは、この公聴会のやりとりにはないわけでございます。したがいまして、私どもはそれについて照会をすべき事項はない、この限りではないという判断をいたしました。  なお、コミッションという言葉の意味につきましては、先ほども申し上げましたとおり、私どもなりにその当時の議事録を読んでやりとりを先ほど申し上げましたように見ておりますけれども、どうも言葉の定義がはっきりなされておりませんまま二千二百万ドルとか一五%とか、それが全部の売り上げの額であるかとかいうような、非常に問答が混雑しておりまして、だれもはっきりした定義をしないまま使っておったように思います。
  159. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 しかし、結果はどうでしたか。あなた方は何の疑いもあの議事録からは読み取れなかった、われわれは疑惑があると言った。結果はどうです。われわれの言ったとおりじゃありませんか。われわれの言ったとおりでしょう、結果は。  だから、ここで使っておるコミッションというのは、普通航空機の売買その他の製品の売買にも使われるかもしれませんが、普通はこれは手数料とか口銭とかを言うのですよ。しかし、ここで使っておるのはまさに賄賂ですよ。賄賂です。だから、あの八月二十五日のアメリカの上院銀行委員会のやりとりをまじめにあなた方は取り上げてないのですよね。まずそこに問題がある。  そこで、いま外務省から報告された事実関係についてさらに私どもの調査による裏づけを報告をいたしておきますと、児玉誉士夫氏に渡った資金の点ですが、これの領収書が取られておるのがただいまの時点で十二枚あります。  まず時代の早い順から申し上げますと、四十六年三月十七日三千万円、これはあて名は不明になっております。四十七年七月十八日三千万円、四十七年九月二十二日二千万円、四十七年十一月一日三千万円、四十七年十一月二日九千五百万円、四十七年十一月二日、同日であります、別に八千五百万円、四十七年十一月三日九千万円、四十七年十一月四日八千万円、四十七年十一月六日七千五百万円、四十七年十二月七日六千万円、四十八年七月十六日一億、四十九年九月二日三千三十四万五千円。そのほかに年次がわからずに八月二十一日となっておりますが、これが五千万円。  領収書の裏づけのある児玉氏への送金はこういうふうになっております。これを合計してみますと七億七千五百三十四万五千円、これだけは少なくとも領収書の裏づけがある。なお、このほかにマスコミ関係では四枚ぐらいの入手がなされておるやに聞いております。したがって、この児玉氏へのコミッションは裏づけのあるもの、こう思わざるを得ないのであります。  そこで私は、この四日以来発表されておりますこれらの事実は、まさに先ほど申し上げたとおり、昨年十月二十三日の私の質問の中で提起したその疑惑を完全に裏づけたもの、このように言わざるを得ないのであります。  その十月二十三日に指摘をいたしましたポイントを摘出をいたしてみますと、まず、プロキシマイヤー委員長はホートン・ロッキード会長に対してL一〇一一トライスターの全日空への売り込みについて日本政府当局あるいは政党等にコミッションが渡っておるのではないかと、再三の質問であります。この名前が出てきておる。それを指摘しておいたわけです。  それから、そのコミッションなり賄賂の流れ方は、売り込む相手国の輸入商社を通じて受け取る相手側の政府当局者なりあるいは政党あるいは航空機関係、こういった人たちが指定する銀行勘定に振り込む、こういう姿をとっておるという指摘があったわけであります。まさにおととい発表された事実関係はこのことを裏づけておるじゃありませんか。  そこで私は、この発表された事実関係で重要なポイントはどこにあるか、われわれの考えをまず申し述べたいと思うのです。  かつて昭和三十三年ごろに例の防衛庁採用の戦闘機、ロッキード、グラマンの醜いその争奪合戦が行われたことは記憶に新しい。このときに露呈されたまさに政府・自民党と商社と防衛庁という、この政、産、軍の癒着の汚い、ダーティーな黒い図式が実は全然改善もされずに、今日までずっと引き続きその関係が、図式がとられてきておる。今度のこの賄賂事件はそのことをまさに示しているわけであります。  それから、実は当面、今月末にはブラウン米参謀本部議長が来るのですけれども、ここで問題になるであろう次の新装備、つまり次期戦闘機FX、あるいは日米防衛分担の主役を演ずるであろう対潜哨戒機PXL、この機種選定にこれは直接影響を及ぼしますよ。こういう点で実に重大であります。  さらに三点目として、日本の代表的な右翼とアメリカの巨大企業の結びつきであります。しかもその巨大企業は、他面巨大な軍需産業でもあるわけであります。この関係、さらに政府・自民党とこのアメリカの軍需産業との癒着、これらを見て、日米パートナーシップという関係にとってこのような図式は一体どういう意味を持つのか、国民はそれに対してどういう意味を読み取るでありましょうか。これが三番目であります。  四番目には、国内的に見ますと、この右翼と政府・自民党の関係、さらに財界、この三角関係の頂点にあるまさに自民党の危険な体質を、一体国民の皆さんはどう判断したらいいのでありましょうか。  こういう重要な問題を含んでおります。したがって問題の核心は、すでに明らかになったコミッション、賄賂を受けた人たちは実は中継者ではないのか、単なるトンネルではないのか。そのトンネルを通して、さっき報告がありましたとおり、四十億円に近い金は一体どこのだれに渡ったのか、まさにこの点が問題のポイントであります。  この八月二十五日の議事録の中に、ただいま報告のありましたとおり全日空の名前が出てきておる。そしてさらに、ただいま報告がありましたとおり四日発表の分には、フィンドレー氏が、児玉氏らに渡った金の行く先は政府当局者や航空機関係者に渡っておると伝え聞いておる、そう明確にしておるのですね。だから去年十月二十三日に私が指摘したとおりじゃありませんか。  そこで、そのエアバス購入に対して政府が介入をするという根拠は一体どこにあるのですか、運輸大臣。
  160. 木村睦男

    ○木村国務大臣 昭和四十五年に、当時の航空事情は、輸送需要が非常にふえまして、また航空再編成というふうな問題もございまして、それらを含めまして「航空企業の運営体制について」という閣議了解をやったわけでございます。その中に「国内航空」の項に「航空企業内容の充実強化を図り、航空の安全性の基礎のうえに、航空機のジェット化・大型化を推進する。」という方針を盛り込んでおるわけでございます。これを受けまして、四十七年七月に運輸大臣通達で「航空企業の運営体制について」というものを出しました。その中に「輸送力の調整」という項目がございまして、その第四項に「国内幹線への大型ジェット機の投入は、昭和四十九年度以降これを認めるものとする。ただし、沖縄線については例外とし、空港事情の許すかぎり昭和四十七年度より大型ジェット機を投入しうるものとし、投入の時期、便数等については企業間において協議のうえ決定する。」という項目が運輸大臣通達に入っておるわけでございます。  以上の閣議了解、大臣通達によりまして、輸送力増強のためにジェット機の導入ということを決めたわけでございます。
  161. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そこで私は、まず事実関係から明確にしていきたいのでありますけれども、このエアバスをトライスターに機種決定する前後の政治的な日程を明確にしてみたいと思う。いかに政治がかかわり合いを持ってきたかというその日程を一応ここで整理して明確にしたいと思うのです。  まず、四十七年六月の何日でございましたか、これは後でお伺いしたいが、まだ当時補佐官でございましたけれども、キッシンジャー氏が来日をした。そして佐藤・キッシンジャー会談が行われた。このときキッシンジャー補佐官は亡くなられた佐藤総理に対して、日米の貿易の不均衡があるので、これを是正するために十億ドル程度の緊急対策輸入を認めてくれ、こういう要請をしております。  次に、四十七年七月一日、まさにいま報告のあったとおり運輸が通達を出して、四十九年度から国内線にエアバスを輸入して運航させるという方針を発表いたしました。この通達には、われわれとしては実に大変な小細工が弄されておると見ざるを得ないわけであります。昨年十月二十三日の当委員会でも指摘しましたとおり、四十七年といえば日本では十二月十日でございましたか総選挙が行われた。アメリカにおいては大統領選挙ですね。そういう政治的な背景を持った年であります。だから、もしここで政治献金が必要となるならば、この四十七年の暮れの選挙に、日米双方ともこのエアバスを材料にして政治献金をつくるとすれば、運航の予定を決定して実際に運航するには十八ヵ月かかると言われておる。だから、四十七年に機種決定をして政治献金を取ろうと思えば、十八ヵ月先の四十九年度に就航させるという方針を決めなければ、四十七年の選挙に間に合わない。だから、逆算して四十七年に国内線にエアバスを就航させますよという方針を、わざわざこのときに決めたのです。  次に、四十七年の七月には、御案内のとおり箱根の日米通商協議が行われております。ここでもこの問題が論議されておるはずである。そしてそれを受けて鶴見・インガソル会談が続行された。つまりこの鶴見・インガソル会談は、日本の民間航空会社が、四十七年及び四十八年度において約三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機中数機を購入する話であります。これがずっと続けられておる。  そして、いよいよ佐藤総理にかわった田中総理が、同年の九月一日にハワイで日米首脳会談、田中・ニクソン会談を行ったのであります。で、この会談で緊急輸入十億ドルのうち三億二千万ドルはアメリカの民間航空機を緊急輸入する、それが決定された。ところが、このときすでにその機種は決められておった、こういう情報をわれわれは得ておった。すなわち、その機種は、まさにいま問題になったL一〇一一トライスターであります。そして私は、昨年十月二十三日にも指摘をしておりましたが、このときの情報は一機について百万ドルのコミッション、約三億円であります。そのコミッションが、メーカーから商社を通じ日本政界の一部に流されておるという情報でありました。おととい発表された金額を見てみますと、この一機について一億というコミッションは、まさに適合する数字になってくる。  そして同年九月、ヒース英国首相が参りまし先ね。ああいう国は徹底しておるのでありまして、商談もやられるそうでありますが、このとき田中・ヒース会談が行われた。実はロッキード一〇一一トライスターのエンジンは英国のロールスロイスであります。だから、ロッキード一〇一一を買ってもらうと都合がいいわけですから、ここでも話が出たはずであります。  そして今度は、もう九月に輸入を決定したら、直ちに二ヵ月後には、四十七年十月末でありますが、全日空の新機種選定委員会はL一〇一一に決まった。したがって、これはハワイ会談ですでに機種が決まったとわれわれは思わざるを得ない。  さらに年明けて、四十八年一月十二日に、全日空の本社で若狭全日空社長とコーチャン・ロッキード社長とが購入契約を結んだのであります。その前の四十七年十二月十日には総選挙が行われた、こういう政治的な背景である。  しかも、L一〇一一に決まる政治日程を見ますと、先ほど申し上げた児玉氏に対するリベートの流れ方の時期と進行状態が完全に一致する。したがって、私はここで断定してもいいと思う。これはやがて明らかになる。これは結局は田中金脈の一環ですよ。  そこで、この疑惑を解明するについて私が要求したことは、この八月二十五日の議事録以外は何一つ政府は努力しなかった。そこでこの問題は、この議事録の中にもありますとおり、ジョン・タワー上院議員が指摘をしておるとおり、この問題のやり方いかんによっては外国政府の一つや二つは倒れるかもしれない、これはそれほどの重要な意味を持ったいわゆる事件なんですね。だから、なまはんかな取り組みではこれはだめなんですよ。私の要求もほとんど完全に踏みにじられた。言うならば立法府は軽視をされた。  さらに奇怪なことに、ちょうどたまたま、核問題で当委員会はアメリカに調査団を派遣することを決定した。そして議会の関係から、その派米の時期がずっと延びてきた。たまたま昨年の八月二十五日のこの問題が起こったので、ちょうど十二月に行かれるときにこの問題も含めて調査をしていただきたい、私は理事会でそれをお願いした。したがって、訪米調査団はプロキシマイヤー委員長にもぜひ会っていただきたい、これをお願いして、私は理事会では、アメリカに行ってお会いする方の一人にプロキシマイヤー銀行委員長を充てておったはずであると思います。ところが、それがどうなったかうやむやになっておる。この点について、実際にアメリカに核調査団として行かれました小林理事の関連質問をお許しいただきたいと思います。
  162. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 小林進君。
  163. 小林進

    ○小林(進)委員 たまたま楢崎委員から――予算委員会理事会の、日本に対する核の持ち込み、保有の問題についてアメリカの議会と会談し調査をするということが十二月一日から十日まで実行をされたわけでありますが、この出発に際しまして、実はアメリカへ行ってだれに会うかということを、委員長の指示で、ここにお見えになりませんけれども、自民党では谷川理事、私に細部を打ち合わせよというお話がありました。そこで二人の打ち合わせの中で、いま楢崎委員の言われました、アメリカへ行って会う相手方の委員会の中にこの銀行委員会を入れたのであります。銀行委員会を入れて、銀行委員会のプロキシマイヤー委員長にもぜひ会うということを、他の幾つかの、あるいは軍事委員会あるいは外交委員会等に含めて、この委員会も中に入れて、そしてその事前の交渉を委員部を通じて政府に要請をしたわけでございます。で、それが実現をされていると信じて、私どもはワシントンへ参りました。確かに参りました。上下院の外交委員会や軍事委員会、その会見の段取りはついておりましたが、肝心のいま一つの銀行委員会、プロキシマイヤー委員会との会談の日程はできてなかったのであります。でありまするから、私はすぐその場で、現在日本へ帰任されました前の駐米大使の安川君であります。安川大使に直接、何でこの委員会との、その日程の中に入れてないのかということを私は詰問いたしました。いたしますと、そのときに安川大使の弁明でありますが――もし私の言うことが間違いあったら、改めてここへひとつ参考人にお呼びいただいて、彼から直接私に対する回答を再確認していただいてもよろしいのでありますが、そのときの安川大使の言葉では、最初の連絡にはそれは入っておりました。だから、私どもが銀行委員会等に会見の日程を連絡をしようと思っておるときに、途中からまた連絡が入ってまいりまして、この銀行委員会との面会は中止をする、中絶をする、こういう中断の連絡が途中から入ってまいりましたから、私どもはそれでその連絡を、国会代表の皆さん方とお会いするそういう段取りを中止いたしました、こういう回答があったのであります。これは実に不可解千万でありまして、同行いたしましたわれわれの田中武夫理事もここにいられますから、彼もひとしく私とともに色をなして憤慨をいたしたのであります。だれが一体中止の命令を出したのか、われわれが知らないうちにだれがその不可解な中止を出したのかということで激しく詰問をしたのでありまするが、その正体がいまだにわからぬのであります。帰ってまいりましても、だれが一体中止を命じたか、実にわれわれは精力的にその不可解なこの問題の調査をしているのでありますが、今日も明らかになっておりません。  非常に不思議にたえないのでありまするが、これから先は私の主観でありますので……。先ほどたまたま外務大臣の御答弁を聞いておりました。外務大臣は、八月二十五日、この外交委員会における公聴会の資料を読んだ。読んだら、その中には外務大臣の所感で、これは何もアメリカに照会する必要を感じなかったから照会しなかったという答弁がありました。私は実に重大だと思うのであります。  十月の二十三日、わが楢崎委員が四つの条件の一つに、この銀行委員会にも必ず照会をしてこの問題を調査をしてくれと依頼しているのを、外務大臣は自分のいわゆる見解に基づいて、これは照会する価値がないものと思ったからやらなかったという答弁がありました。外務大臣がどうお考えになろうともいいけれども、国会が正式に理事会を通じて要望した問題を、外務大臣の見解に基づいて、そしてわれわれの要望をサボタージュをされたということは、これまた国会に対する、私は重大な軽視であると言わなければならない、立法府に対する重大な軽視であると言わなければならぬと思うのでありまするが、そういう問題も含めて、どうもいま感じたことでございますが、われわれがあれほど強く会見を要望しておりましたその銀行委員会を途中で中止をさせたのは、ともすると、犯人と言っちゃ何でありまするが、外務省のこれはまた手練手管ではなかろうかという、これは外務大臣の答弁を聞いた私の主観でございますから、これは私の感じでありまするけれども、おやりになったのではないかということを、疑いを濃くしたわけでありまするが、こういう経緯があることを私は申し上げているのです。われわれ立法府のいわゆる立法活動がえてしてこういう不可解なことで全部中断をし、妨害をされているということを私はここではっきり申し上げておきたいのであります。  以上のとおりであります。
  164. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 その点は、ぬれぎぬでございます。
  165. 小林進

    ○小林(進)委員 ぬれぎぬだけでは私は了承できない。いまの言葉だけでは私は了承するわけにはいきません。  なぜ、それならば一体十月の二十三日のこの委員会における楢崎氏の委員長に対する要望であります。その要望を直ちに理事会に持ち帰って、それをひとつ行政のべースでこれを実現するように要求している。なおかつ、今日までその返事は返ってこない。返ってこないのはどこの怠慢だ。  なお、それに加えて、われわれのアメリカのワシントンにおける滞在中の日程さえも途中でこれをみんな消してしまった。だれがやった。それは、そのいまの答弁によっても明らかじゃありませんか。私は、国会活動に対する、われわれの立法活動に対する大変な妨害と解さざるを得ないけれども、残念ながら、確かな証拠がないのはこれは遺憾でありますけれども、これはしかし、いまのだけでは私は了承できないのでありまして、われわれの会見の日程を中断をしたという問題はしばらくおくとして、この理事会における四つの楢崎要望を理事会を通じて外務省に打診をしている、耳に入れてあるものを、なぜ一体いままで実行されなかったのか、これだけはひとつ明確に私は御答弁をしていただきたいと思うのであります。
  166. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 当初、理事会においてプロキシマイヤー委員長との会見を予定しておられたということを存じておりまして、安川大使にそのように申した記憶がございますが、それがどのような事情で変更になりましたか、実は私としては存じませんが、先ほどあるいは宮津がそういうことを考えたのではないかと、そうはおっしゃいませんでしたが、そういう推理も成り立つと言われましたから、そのようなことはございませんと申し上げたわけです。
  167. 小林進

    ○小林(進)委員 関連でございますから、私はこれ以上あなたの時間をとる気持ちはありませんけれども、しかし、先ほどわれわれの要求した同じ問題に対して、大臣は速記録は全部読みました、銀行委員会における速記録を全部読みました、なるほど日本の全日空の名前も出ておりますが、私としてはこれはアメリカ側へ照会をする価値がない、価値とは言いませんが、照会するほどのものではないと判断したからしませんでしたとあなたは言っているじゃないですか。それは、われわれの立法府の要望は同じくあなた価値ないと判断されたのでしょう。同じじゃないですか。一つ事なんです。価値がないとあなた判断したとあなたは言った。われわれは価値があるとしてあなた方にサウンドすることを要望している。その四つの中の重大なる一項目として要望した。あなたは、その問題は別にしても、あなた自身の判断でそれは価値がないと思ったということは、私は立法府の考え方に対する重大なけちをあなたはつけられたことになる。大変なけちをつけられたということだけは私は動かし得ない事実だと思うのでありまして、この点、どう解されるか、いま一度御答弁願いたいと思うのであります。
  168. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 プロキシマイヤー委員会の公聴会における結果について照会をしなかったということにつきましては、それはわが国あるいはわが国の法人、個人の名誉に関係あるようなことは言われておりませんので、これについてはこちらから何も申さないのが適当であると私が判断したことは、申し上げたとおりでございますが、国会におきまして御出張、御視察あるいは御会談の御予定があるということについて、これはもう国会の御意思をそのままに尊重して、私どもは出先に準備をさせておった、現に最初にそういうことを申しておったわけでございますので、二つのことは全然私は別のことであろうと存じます。  なお、なぜそのようなことが起こりましたかにつきましては、私どもで調べ得る限り調べてみたいと思います。
  169. 小林進

    ○小林(進)委員 私はいまの御答弁で了承するわけにはいきませんが、これはしかし、外務大臣はその経緯に対しては調査をするとおっしゃいますから、その御返事をひとつ待つことにいたしまして、私どもの方もこれからさらに調査を進めていきたいと思いますが、この外務省の立法府やわれわれの要求に対する軽視の態度だけは断じて了承するわけにはまいりません。
  170. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いまの問題にいたしましても、立法府の要求を完全に無視をしている。  松本操という政府委員の方、おられますか。――これは運輸省の航空局次長でありますが、きょうは見えてないですか。(木村国務大臣「来ておりません」と呼ぶ)じゃ運輸大臣でよろしゅうございます。実は、これは私よりも後で問題になった点です。私が昨年十月二十三日、予算委員会でやった後の委員会です。十二月十六日、衆議院の内閣委員会でわが党の大出委員が同じ問題提起をしておるのです、トライスターの輸入に関する賄賂問題について。このとき、大臣、あなたの方の松本という航空局の次長さんは、そのようなことは「全く考えられません」と三回言っている。「そのようなことは絶対になかった、」――「絶対に」という言葉を使っている。私は、おられたら、全くないとか絶対にないとこの人が言った根拠をはっきり聞きたいわけです。国会でこれだけ言い切っておるのですから、何か確信があって言われたのでしょう。確信がなかったら、「絶対」なんという言葉は使いませんよ。大臣、ちょっとその松本次長に連絡してください。あの人は何か持っているかもしらぬ、これだけ言い切っておるのだから。
  171. 木村睦男

    ○木村国務大臣 本人に問い合わせてみますが、運輸省といたしましては、そういう問題に業務上関知するあれがないわけでございますので、恐らく、全然そういうことは存じておりませんという意味で申し上げたのではないかと思っておりますが、なお本人が言ったことですから、本人によく照会してみます。
  172. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それではそう答弁すべきです。全くそういうことは考えられない、その次には「絶対になかった、」と言い切っておる。これは何か調べて絶対なかった、調べてみたらございませんでした、これでしょう。これは大出君に対する答弁です。したがって、これは明確にしてください。
  173. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 絶対ないと言ったやつを呼べ。
  174. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは松本政府委員については、見えたときに確かめたいと思います。  そこで、私はこの際、三木総理に申し上げておきたいのですけれども、同じく昨年十月二十三日に、まさに三木総理と井出官房長官にかかわりのある大阪の大タク、大阪タクシー協会LPG汚職事件の問題を提起しました、公判記録を御提出願いたいと。総理が通産大臣のときに大阪に行かれて、新大阪ホテルのロビーで起訴されておる多田という社長とお会いになって、献金を受けておられる。承諾されておられる。そして細かいことについては某代議士と話してくれ。そのくだりを私はここへ持ってきているのです、法務大臣、出さないならば。私が言ったのはここに詳しくあります。  それで、私はこれは時間があったら後でやりますけれども、要するに、こういう疑惑について政府は何ら積極的に取り組もうとしない。法務大臣だって職権においてそれを知る権利があるはずです、私が指摘したこの大阪タクシーのLPG汚職事件の公判記録の内容についてです。それを大阪の地裁の裁判長は、当院からの資料提出要求に対して公判記録を――もう私が指摘した回の裁判は終わっているのですから、当然出せるはずです。係争中というけれども、終わったやつです。それを拒否してきている。そして念のために言いますけれども、法務大臣、いま大阪の地裁において係争中の大タクLPG汚職事件については、私が質問して以降、大阪地裁の裁判長は、まず司法記者クラブに対して、取材をするのはいいが、取材以外には使ってはならない、それを条件にして取材を許す。傍聴人に対しては――公開だから傍聴人が来ておるのですよ。メモをとっちゃいけない。前代未聞の規制を大阪地裁の裁判長は私の質問以降しておるのです。こういうことが許されますか、公開されておる裁判において。そういう圧力を加えて臭い物にふたをしようとしておるのです。これは松本何がしが来られるまで、ちょっと法務大臣、この措置についてどう思われますか。
  175. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 裁判所が訴訟を進行されるそのやり方についてかれこれ申しますことは、三権分立を紛淆いたしますので、私の答弁する限りではありません。
  176. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、先ほど申し上げたとおり、時間がありましたらちょっと指摘をしておきますけれども、このロッキード問題に返ります。  四日以来、アメリカの方からいろいろと新しい事実が知らされる。それを私ども聞いておりまして、数々の点において違法容疑が生まれておる。まずそれを一つ一つ挙げてみたいと思うわけです。  まず、フィンドレー氏が証言をした中に、あるいはプロキシマイヤー委員長も指摘をしておるのですけれども、児玉氏から先どこに流れたかについて、政府当局者あるいは航空会社関係、プロキシマイヤー氏の場合は政党を入れております。もしそういうところへ流れておるとすれば、これは贈収賄罪の容疑の対象になりますね。どうでしょうか法務大臣。
  177. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 質問を聞き損ないまして、まことに恐縮でございます。
  178. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 委員長、私やめますよ。短い時間の中に一生懸命やっているのに、だめですよ。――御年輩ですから寛恕いたします。まじめに聞いてください。いつだれに質問するかわかりませんから、耳を澄まして聞いておってくださいよ。いいですか。  この多国籍企業小委員会の四日の公聴会でフィンドレー氏が証言をいたした中に、このロッキードから児玉氏らに流れた三十数億の金、これが児玉氏らを通じて日本政府当局者、航空会社関係、プロキシマイヤー委員長の指摘ではそれに政党が入っております。そういうところに流れたということを証言では伝え聞いておるということですが、もしそういうところに流れたとすれば、これは関係者は贈収賄罪の容疑の対象になりますねと聞いておるのです。
  179. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 どうも大変失礼いたしました。御質問の趣旨はよくわかりました。  捜査当局に問い合わせましたところ、そういう点について全くまだ関知してない、こういう段階だそうでございますので、その点は御了承願いたいと思いますが、事実を仮定して、一般論として、そういうことがあれば贈収賄罪の成立することもあるかと存じます。
  180. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 十分です。そういう事実が明確になれば贈収賄罪の対象になる。  次に、児玉氏の場合でございますけれども、領収証のあるだけで、先ほど明らかにしたとおり七億を超す金額が明確になった。領収証のない分も含めると二十一億と言われておる。これが特に四十七年十一月初めの五日間だけで五億を超えておりますね。(「五億四千万だ」と呼ぶ者あり)五億四千万でございますか、そういう金額になる。ところが、児玉氏の個人申告所得は、四十六年は四千六百一万四千円、四十七年は四千三百二十二万九千円、四十八年は四千六百五十万七千円、四十九年が五千万一千円、どこにも当てはまりませんね。そうすると、この数字から見る限りにおいては、一体この食い違いはどうなるのか。もしそのまま児玉氏のところにとまっておるとすれば、これは所得税法違反の対象になる。もし全然素通りしておれば、それは児玉氏に関する限りは関係ない。(「だれかその金をもらったやつがいるんだ」と呼ぶ者あり)それは後でやります。そうすると、児玉氏に関する限りはその二点が明確にならなければわかりませんけれども、もし素通りしたとすれば、行き着いた先の方は、政治家の場合は政治献金なのかあるいは普通の所得になるのか、そこでまたその問題が起こる。したがって、もし児玉氏から別に流れていないとすれば所得税法違反の問題が起こると思いますが、これは同時に丸紅の伊藤専務にも当てはまることであります。そういう所得税法違反の問題が出てくる。これはどうでしょうか、大蔵大臣。
  181. 大平正芳

    ○大平国務大臣 国税庁長官から答えます。
  182. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 児玉氏につきまして、いまおっしゃいました事態で所得が別に構成をされまして、そういう場合には所得税違反ということも起こり得るわけでございます。  それから伊藤氏につきまして、それが果たして伊藤氏個人でそういう問題があったのか、あるいはそれがさらにその伊藤氏の所得であったのかという問題を突き詰めてみなければ何とも申し上げかねますけれども、いま楢崎委員がおっしゃいましたような条件のもとにおきましては、やはり所得税の問題はあり得るというふうに考えております。
  183. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いま御指摘のとおり、これは所得税法あるいは法人税法違反の容疑がそこに生まれてくる。  次に、外国為替管理法違反容疑の問題であります。この公聴会のやりとりを見ておりますと、先ほど出しましたアーサー・ヤング会計事務所の方のフィンドレー氏、この人の証言によりますと、この児玉氏らへの巨額な献金の一部が日本円で、運送会社ベキンズ社の運送用の梱包箱に入れられ児玉氏の私邸かロッキード社の事務所に送られたと思う、こういう証言であります。チャーチ委員長はひやかして、倉庫で現金の受け渡しをしたのかということを聞いておりますけれども、こういう大きな日本円の梱包が、空路か海路か知りませんけれども、もしそういう形で日本に入ってきたとするならば、これは当然、本来ならば外国為替銀行から日本銀行に行って日本円にかえられるのでしょうけれども、もしいま申し上げたような証言で言われておるようなとおりなら、これは当然外為法違反の容疑が生まれてきますが、大蔵大臣、この点はどうでしょうか。
  184. 大平正芳

    ○大平国務大臣 受け取りました金が円でありましたか外貨でありましたかによりまして違うと思いますが、詳細は国際金融局長から答えさせます。
  185. 藤岡眞佐夫

    ○藤岡政府委員 お答え申し上げます。  ドルで非居住者から国内に入ってまいりますときには、円にかえても、それは為替管理法に抵触いたしません。円で入りますときに、国内に持ち込むという段階ではよろしゅうございますが、入りました円を非居住者が居住者に払うということになりますと許可が必要だという関係になっております。
  186. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いまの問題は、外国為替及び外国貿易管理法の第二十七条の関係あるいは外国為替管理令第五条の関係が生まれてくる。つまり、事実関係いかんによっては外為法違反の容疑が生まれてくる。  次に、政治資金規正法の関係がまた出てまいるわけであります。これはいろいろ仮定の問題を申し上げなければわかりませんが、外国人あるいは外国法人からの政治献金は政治資金規正法で厳禁をされておりますね。自治大臣、その点はどうでしょうか。
  187. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。  今回、政治資金規正法が改正をされましたが、改正前におきましては、選挙に関して外国人から金をもらっているということであれば、これは政治資金規正法にかかるわけでございますが、今回の政治資金規正法では、選挙に関すると否とにかかわらず、政治に携わる者あるいは公職にある者が外国人から金をもらってはいけない、こういうふうに改まったわけでございます。
  188. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もし、それは単なる形式であって、明らかに外国人あるいは外国の会社から政治献金が渡された、便宜上その途中に日本人の名前を使った、しかし明らかに外国人、外国会社から政治献金が渡されたといった場合には一体どうなるのですか。
  189. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 これは事実問題でございますから、明らかにということを証明する必要が出てくるわけでありますが、これはその事実関係が明らかにあればという仮定をしておっしゃれば、それはもうかかるといいますか、やはり政治資金法にかかると思いますけれども、しかし、明らかにであるかどうかということをいまここでにわかに断定するようなお答えは、この際はもちろんできないわけであります。(楢崎委員「明らかな場合はと言っているのです。」と呼ぶ)明らかな場は、本当はこういう国会の答弁では仮定のことにはお答えしないのが例でありますけれども、しかし、いまあなたがおっしゃった意味は、そういう悪意でおっしゃっておるんではないので、(「何が悪意だ」と呼ぶ者あり)悪意でおっしゃったのでないと言うのに私が何で怒られるんですか。私はそういうことが明らかであれば、それはおっしゃるとおり政治資金規正法に触れることになると思います。
  190. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはこの本日の夕刊、これは読売でございますが、「うわさだけで捜査できない」見出しがそうなっている。「「うわさの段階で捜査に乗り出すわけにはいかない」と次のように語った。事実がはっきりしないうちは、国家公安委員長として何も言えない。」それはそうでしょう。しかし、事実をはっきりするのは一体だれの責任なんですか。それをお伺いしたい。
  191. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 ただいまアメリカの委員会において、そういう事、実についてなおきょうも開陳がある。きょうはロッキード社の者を呼んで、そうして調べておる、こういうような情報も聞いております。  いずれにしても、事実どういうことがあるか、あったということが明らかになってきた場合、たとえば向こうでだれそれにどうしてこうしたというような事実が出てくれば別でありますけれども、そういうことがいままだ明らかになっておらない段階で、われわれが動く段階ではない、このように申し上げたわけであります。
  192. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはいまのようなことをおっしゃると、アメリカの議会を信用しないことになりますよ。私は新聞の報道によって質疑を続けるのは好ましくないから、だからあえて一番冒頭に外務省から報告させたのです。外務省の報告では、在米大使館がそれを確かめて、こういうことです、こう言ったじゃありませんか。それをいまのようなことで、いまのような認識でこの問題をまだ考えておるのですか。どうなんですか、その辺は。
  193. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 これは私の責任においてやることでございまして、これはもし間違っておれば、政治的にあなた方から御批判を受けてもいたし方がありません。ただし私は、疑惑があるとか、事実まだはっきりしないものについて、何人といえどもこれを取り調べたり、そういうことをすべきものではない、これが人権を守る道である、こう考えておるから、私がこのように答弁をいたしておるのであります。
  194. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、いまの答弁でいきますと、では疑惑という段階であれば何もやらないのですか。真相の究明に対して何もやらないという意味ですか。どういうことなんですか、これは。いや、そういう姿勢なら姿勢でいいです。総理、それだったらやめますよ。
  195. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 この問題は、アメリカの外交委員会多国籍企業の小委員会で社長がきょうは出席をして述べることになっておると思うのですが、こういうふうにアメリカの外交委員会の小委員会の調査が進んでおるわけであります。外交委員会としても私は結論も出ると思いますが、その証言の中に、日本の政界とも関連があるような、関連があるやにうわさされておるというような発言もありまして、日本の政治の名誉にかけてもこの問題はやはり明らかにする必要がある。これは国民としても非常に疑惑を持っておるでしょうから、できるだけわれわれの手の届く限りで材料を収集して、もしそれが法規に抵触するならば厳重な処置をしなければならぬ、こういうふうに考えています。
  196. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 自治大臣と大分認識が違うようであります。  そこで、私はもう一遍確認しておきますが、本件にまつわる違法容疑の事項は、贈収賄罪容疑、所得税法及び法人税法違反の容疑、三番目に外国為替管理法違反容疑、四番目に政治資金規正法違反容疑。容疑の対象となる人はあるいは会社は、すべて児玉氏、丸紅の伊藤氏及び丸紅という法人であります。  いまも総理はおっしゃいました。言うなれば、こういうことなんですよ。福田自治大臣、アメリカの上院は、アメリカの議会という公式の場で、すでに名前の出ておる人たちを通じて、または別のルートで賄賂が日本政府当局者にも渡っていますよと正式に指摘しておるのですよ、これは。正式に指摘しておるのですよ。そういう認識でなくちゃいかぬのですよ。それだから、いま総理の認識のように、これは一国の名誉にかかわる、こういうふうに結びついてくるんじゃありませんか。だから、こういうわが日本国の名誉にかかわる問題を米国から指摘をされた、これは私は日米関係にもゆるがせにできない問題であると思うのです。あるいは日米外交にとってもゆゆしい問題と思いますが、一体、総理の認識はどうですか。
  197. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 私の名前が出ましたからお答えをするのでありますが、きょうの新聞に出ておるのは、いまの段階でそういうことをすることはまだ早計であると思うということは、ロッキードの社長を呼んだりあるいは関係者を呼んで事実の解明をいまアメリカで行われておるわけですね。そして、その事実がはっきりした段階においてどう処理するかということは、これはわれわれがもちろん考えなければいけません。しかし、海外の政府においてどういうことがあったからといって、それを直接すぐ何でもそのとおりというような考え方でやることは、日本人として、この独立しておる日本の国の法禅を守るという立場から言えば、私はそれがはっきりした段階でやるべきものであると思う。私はそういうつもりで新聞社には話をいたしました。いまの段階においてやるべきことではない、まだそこまでははっきりしていない、まだ今後いろいろな事態が出てくるであろう、そういうことを踏まえた上で処理をすると言ったのでありまして、もしそういう事実があれば、私は、はっきりした段階においては、それは総理が言うように、やはりこれは日本の名誉のためにやらなければならない場合が起きると考えております。しかし、いまの段階においてはそこまではやらない、やる必要はない。そこまでやることは、向こうで、それではイギリスでどういうことを日本の政府について言ったとか、ソビエトロシアが何を言ったからといって、われわれはそれで動く必要はない。だから海外でそういうことがあったからといって、直ちにそれを……(発言する者あり)いや、私はこれは例を申し上げたのですから、何もそれを言ったとは言っておるわけではありません。例を申し上げたのでありますから、まあその点はそういう意味で私が新聞社に話をした、こういうことでありますから、御了解を願いたいと思うのであります。
  198. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 何回でも言いますけれども、これはアメリカ上院という公式の場ですよ。そして舞台は公聴会。宣誓をして証書をやっておる。そしてその証言を通じて、日本政府当局者あるいは航空会社に渡っておると、こういうことが証言されておるんですね。伝え聞いたところによるとということですけれども、そういうことになっておる。しかも証言ですよ。  そこでもう一つは、政党という言葉が出てくる。現在の政府当局者は自民党政府であります。だから、これは側面から考えると、政府・自民党に対してアメリカの方から投げかけられた黒い疑惑じゃありませんか。そう思わざるを得ないでしょう。与党の方々はそういう認識をお持ちになりませんか。だからこれは与党の名誉にかけても当然晴らすべきじゃありませんか。総裁としてはどうお考えですか。
  199. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 だから、私は申し上げておるように、これはやはり日本政治の名誉のために、そういうふうな公聴会の記録、その他政府の調べられるだけのものはできるだけ調べて、あくまでも真相を明らかにして、政党に対しての名港というものは維持されなければならぬと強く考えております。
  200. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 先ほど出しましたとおり、今月末には懸案の日米防衛協力を相談するためにブラウン参謀本部議長が日本に参ります。ここで話される内容は、先ほど発表されたラムズフェルド国防報告あるいはブラウン軍事情勢報告で指摘しておりますとおり、日本がアメリカと対潜作戦について協力をしてほしいという問題です。出てくる問題はFX、PXL等でしょう。しかも、このPXLは、一応もうしばらくして現在岩国におりますアメリカの対潜哨戒機P3オライオンを採用せよという要求があるはずであります。したがって、私は、これはロッキード社の製品でありますから、このロッキード社の賄賂問題が明確に解明されるまでは、少なくともこの日米防御首脳会談は延期すべきであると思いますが、どうでしょうか。
  201. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 機種の選定などは日本の国益を踏まえて決定をすることであって、それがいささかも国益に反するような決定をすることはいたしません。また、このことが日米関係に対して非常な打撃を与えるというふうには私は考えてないわけです。これはやはり日米関係というものは日米関係で、このことがあったからもう日米関係が非常に悪化していく、そういうふうには考えていない。事件は事件としてこれはやはりできるだけ疑惑は解かなければならぬと思うが、このことが日米関係にすぐに大きな影響を持つとは私は思っていない。
  202. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、日米関係について影響があると言っておるのは先ほどの質問の中です。いま総理の見解を求めておるのは、現実に予定されておる今月末の日米防衛首脳会談は少なくとも延期すべきである、こう私は意見を言っておるのです。どうですかと聞いておるのです。
  203. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 この事件が日米関係のいろいろ予定されておることに一つの変更を加えるような性質のものであるとは思っておりませんから、予定しておる参謀総長ですか、それは予定を変更する考えは持っておりません。
  204. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 ブラウン統合参謀本部議長が三月に日本にやってまいります。これは単なる表敬でございまして、首脳会談とかなんとかいうようなものではございません。
  205. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 単なる表敬だけに終わるわけですね。そうすると、来月から設置が予定されております日米防御協力委員会ですね、これには言及しないのですか。それでは具体的に、私はこの問題がはっきりするまでその日米防衛協力委員会の設置も見合わせるべきであると思います。
  206. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 昨年八月の二十九日にシュレジンジャー国防長官とお話をしまして、そして国防の責任者同士が一年一回会う、それからまた、安保協議委員会に新しい機関を設けて、そして日米防衛協力の問題について話し合いをするということを合意をしておるわけなんで、これは早くひとつ行いたいと思っておりました。そういうわけで、この一月でも開きたい、国会に入らない前に開きたいと思って準備も整えておるわけでございましたが、先ほどもお答えをいたしましたように、先方の都合がございまして一月は開かれないということで、これは二月の末になりますかあるいは三月の初めになりますか、この当委員会等の関係もございますので、向こうとの話し合いをいたしまして、できるだけ早い機会に行いたいと考えておるわけでございます。
  207. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、機種決定が行われるであろう予定されておるこの夏ですか、次期のFX、この機種の選定、これはすでにいろいろ言われておるとおり、やはり商社が後ろについておる。いろいろうわさがある。PXLの方はロッキードの名前もP3オライオンの関係において出ておる。したがって、このロッキードの賄賂問題が片づくまでは、FXあるいはPXLの機種選定はやるべきでない、これはどうですか。
  208. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 PXLの問題につきましては、ずっと昨年以来調査をいたしてきております。したがいまして、ぜひとも本年度中にはこれは決めなければならない問題だというふうに思っております。(発言する者多し)
  209. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと静かにしてください。
  210. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 これは御承知のように、議等に諮りまして最終的には決めるということで、これはずっと防衛庁で、この本委員会におきましても繰り返し、繰り返し申し上げておるような状況でございまして、別にこれによってどうだこうだというふうには私どもは考えておりません。
  211. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたは、私が冒頭からずっと問題点を指摘しておるのを何と思っておるのですか。昭和三十三年の例のロッキード、グラマンの争奪戦のときから問題にされておる政官財の黒い癒着の図式が今度のロッキードの賄賂事件を見て全然直っていない、ずっと続いておる。それを問題にしておるのですよ。しかもその商社が今度のFXも関係しておるのですよ。これは問題の発展いかんによっては、もう一遍事件は昭和三十三年のロッキード、グラマンの争奪戦にまで発展するかもしらぬ、今度の問題は。そのときに出てきておる商社が今度FXに関係しておるじゃありませんか。それでもなおFXは進めるのですか、そういう商社が後ろについておるのに。そんなばかな話がありますか。PXLにしてもそうでしょう。絶対それは承服できませんよ。  総理、ロッキード、グラマンの争奪戦のときに名前を出した商社、これはやがて出てきますよ、いま行われておる多国籍企業小委員会で出てきますよ。しかも四日の日の証言で明らかになったのは、ロッキード社と児玉氏の関係は一九五七、八年以来だというじゃありませんか。そうすると、当然例のロッキード、グラマンのときにもその癒着関係はあったと見なくちゃならない。したがって、当然出てきますよ。このときも金が流れておったという問題が出てくるはずです。そして、そのロッキード、グラマン争奪戦に名前の出た商社が、問題の商社が今度のFXにも絡んでいる。それでも、このロッキード賄賂問題が解決しないでも、それらの問題の商社が絡んでおるFXの選定をなぜしなくちゃいかぬのです。総理、どうなんですか。――長官、あなた、答弁が長いから後で聞きますよ。
  212. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 私は先ほどから楢崎君に答えておりますように、これは防衛庁としての最も効率的な機種を決定するわけであって、陰の運動によってそれを曲げるようなことは絶対にいたしません。いろいろな角度から見て一番好ましいと思うような機種を決定するわけで、それらの運動などによって、そういうふうな裏の不明朗な運動などによって機種を決定するようなことは、これはいたしません。この機種の選定というものは、わが国自体の国益の上に立って厳重に決定をいたします。
  213. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それではお伺いしますが、昭和三十三年のロッキード、グラマンの争奪戦をめぐって絶対に黒い霧はなかったとあなたは確信を持っていますか、ここで言えますか。
  214. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 私は、よくそのときの事情は承知いたしませんが、黒い霧はなかったというふうに判断をしております。
  215. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 心配しておる事実が出てきたら、あなたはそのときには、FX問題は、機種決定を見合わせますか、同じ商社が出てくるのですから。
  216. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 機種の選定は防衛庁自体の判断の上に立って、そのことが日本の防衛力を充実するために一番好ましい機種であるかどうかという判断を私はしたい。そういうことで、この機種の決定については、従来のいろいろないきさつなども踏まえて、国民に疑惑を持たれるような機種の決定はもういたさないために、これは慎重な態度をとりたいと思っています。
  217. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いいですか、総理。じゃ、あなたがいまのような観点から機種を決定する。その機種をお世話しておる商社がロッキード、グラマンの争奪戦に関係をして、いわゆる黒いうわさが明確になったらどうします。そういう商社の世話している機種でも買いますか、どうです。
  218. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 私が申しておるのは、これは防衛庁として限られた日本の防衛力の中で選定をする、そういう限られた制約のもとで決めるわけですから、国防上この機種が一番好ましいという決定をするわけでありますから、ほかのことに対して、いろいろわれわれがその運動によって動くというのでなくして、機種そのものの性能、これを判断の基準といたすわけでございます。
  219. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これはおかしいではありませんか。私はF何というナンバーは言いませんけれども、もし機種決定したFX、これの世話をする商社が今度のロッキード賄賂事件に関係があるということが明確になった場合でも、その商社の世話をするFXを決めるのですか。(小山(長)委員「ほかのまずい飛行機をとったらなお国益に反するじゃないか」と呼ぶ)小山さんに聞いていないのですよ。あなた、向こうに行ったとき聞きます。ゆっくり。  どうなんです。そういう姿勢で国民が納得しますか、いまのFXを世話している商社がかつてのロッキード、グラマンの争奪戦に絡んでおるのですから。だからこの問題がすべてクリアーになるまで、このFXの機種決定は見合わせるべきじゃありませんか。それが当然でしょう。それが国民の常識じゃありませんか。納得できませんよ。
  220. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 国民の納得いたすような機種の決定をしたいというのですから、政府はあらゆる角度から日本の防衛力の充実という点から考えてみて一番適当な機種を決定をし、その決定が国民に疑惑を与えないような方法をとりたい、こう申しておるのですから……。
  221. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 やや明確に真意がつかめたようであります。私の理解は、そういう汚いことがはっきりしたような商社が世話するようなFXは選ばない、こういうふうに私は理解をして、初めてこれは国民もわかるわけでありますから。  それで、三木総理、余り絶対という言葉はお使いにならぬ方がいいんじゃないかと思うのですよ。そのために――ちょっと、せっかく松本何がしさんが見えたからお聞きをいたします。  あなたは、昨年十二月十六日、内閣委員会において、大出委員からまさにこの問題の疑惑をただされたときに三回言っていますよ。「全く考えられません」最後は「絶対になかった」。私もそれが聞きたいから、絶対になかったという、あなた、何か証拠をお持ちですか。これがあったら、われわれも大変参考になりますから、ひとつお知らせいただきたい。
  222. 松本操

    ○松本説明員 先生の御質問でございますが、私がそのときにお答えしました内容を改めてここでお読み申し上げたいと思います。  わが国に関しましてそのようなことが行われ  たというふうなことは全く考えられませんし、  私どもの、つまり運輸省の側においてはこれは  全く論外な議論でございます。また、これを購  入いたしました航空企業の方におきましてもこ  のようなことはあろうはずもないことではない  か。かなり前から相当研究を重ねた結果、技術  的な調査を経てこれを購入するその経緯につい  ては私ども承知はいたしておるわけでございま  す。直接的に商社とどういうことがあったかど  うかという点までは、直接私どもがその時点に  おいてとやかく申すべき立場ではございません  けれども、しかし先生のおっしゃいますよう  に、もし万一でもそういうことがあれば、とん  でもない話でございます。私どもといたしまし  ては、その選定に至りました経緯を技術的にい  ろいろと聞いてまいっておりましたその過程等  からも考えまして、まずそのようなことは絶対  になかった、こういうふうに考えているわけで  ございます。というふうに私の意見を申し上げたわけでございます。
  223. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そこにおってください。いまの心境はどうですか。あなたの希望的観測は完全についえ去った。いまの心境を聞かしてください。
  224. 松本操

    ○松本説明員 私のお答えいたしましたのは、そういうふうなことが直接的にあったかどうかという点については、なかったのではないかと考えるわけでございます。こう申し上げたわけでございまして、現在でも私はそのように考えておるわけでございます。
  225. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ちょっと待ちなさい。あなたは当委員会にいま来たのですが、いまでもそういうことはなかったと言えますか、絶対になかったと。あれだけ昨日からずっと、新聞は大部分を埋めて報道しておるじゃありませんか。それでもなかったという御心境でございますか。
  226. 松本操

    ○松本説明員 いま私がお答えいたしましたのは、商社が直接的にそういうふうなことがあったかどうか、全日空のトライスターの購入に関してそういうことがあったかどうかという点については、なかったというふうに考えております。こういうふうに申し上げているだけでございます。
  227. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 トライスターの世話をしたのはどこですか。
  228. 松本操

    ○松本説明員 トライスターは、丸紅飯田であると思っております。
  229. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 丸紅飯田は、いわゆるコミッションを取っておるじゃありませんか。それを指摘されておるじゃありませんか。どうなんです。それでも絶対なかったのですか。
  230. 松本操

    ○松本説明員 丸紅飯田と全日空の間にどういうことがあったかどうかという点については、私の十二月十六日のお答えの中でも、私ども直接承知はいたしておるわけではございませんということをお断りした上で、技術的にいろいろと調べて機種を決めたというようなことでございますので、そういうふうなことはなかったのではないか、こう考えておる、こうお答えしたわけでございます。
  231. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 監督者のあなたがそういう認識だから、間違いが現実に起こるのです。現に起こっておるのです。  それで、時間も迫りましたが、私はここで、総理、これだけの疑惑が出ておる。アメリカの上院では精力的にこの疑惑解明をやっている。しかも投げかけられたのは日本政府当局者ですよ、渡っていると示唆されているのは。三木内閣は、一体この真相解明のために、あるいは問題の解決のために、どのような具体的方針をもって、どのような具体的方法をもってその解決を国民の前に明らかにするつもりですか。いま言ってください。
  232. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 それは、アメリカの外交委員会の小委員会で、いまいろいろと証人を呼んで調査が進んでおるのですから、これは一番われわれが材料にすべきことである。その証言が終われば、私は正式な小委員会の意思表示もあると思います。そのことがわれわれとして、今後政府疑惑を解明するというような場合に、その材料というものを判断をして、そして措置をするということでございましょう。だから、いまはその小委員会の会議の推移を、われわれは大使館と連絡をとりまして、そうしてこれは公開しておるようですから、その議事録なんかも取り寄せて、その内容を検討するということでございます。
  233. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私は、先ほど違法容疑を四点にしぼって明確にしましたね。この違法容疑については、三木内閣としては、アメリカの議会でさらに明確になるまではじっと静観をしておるのですか、これほどの疑惑が投げかけられて。お手上げなんですか。それで国民に対して済みますか、どうですか。これは、もう時間がありませんから総理に聞きたい。
  234. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 私が先ほど申し上げた問題にも関係するから一言申し述べさせていただきたいのでありますが、要するにきのうまでの新聞記事、けさほどまでに得た情報では、まだ事実がいろいろ食い違っておる面も――実はNHKのニュースを朝、私見ておりました。それからまた新聞社の情報も聞いておりました。事実も食い違っておったので、こういう点もやはりはっきりした段階で問題を考えなければならない、こういうことを申し上げたわけでありまして、事実だんだんと事態が委員会において解明されてきた一定の段階においては、それはわれわれとしてもやはり考えなければならない事態が起きるというふうに私は考えておるので、頭から否定しておったわけではないのでありますから、その点は御理解をしていただきたい、こういうわけであります。私が申し上げるのはそういうことであります。
  235. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これはあなたの所管だけじゃないのです、違法の疑惑があるのは。いいですか。私は四つの違反容疑事項を挙げたわけです。これはあなたの方も関係がある。法務省も関係がある。大蔵省も関係がある。運輸省も関係がある。各省にわたっておるから、それの統括者として三木総理の御見解を承っておるのです。
  236. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 楢崎君もおわかり願えると思うのですが、いままだ次々に証人が呼ばれて小委員会で調査の段階ですから、したがって、われわれとしていろいろ判断する材料というものはアメリカの外交委員会から出てきておるわけですから、それを踏まえて、われわれとしては、これは一番の手がかりですよ。ほかの手がかりよりも一番の手がかりですから、そういう小委員会のこれからの成り行きなども踏まえて、政府としては、三木内閣はこれは関連したことでないことは明らかです。内閣に関連はない。しかし、日本の政治の名誉のために、できるだけわれわれとしてはいろいろな材料、いま言った小委員会の会議の推移などを見て、そしてわれわれとして国民の疑惑に対してこたえなければならぬと考えておるということでございます。
  237. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたのは言葉が非常にあいまいなんですよ。この種の問題で言葉で通り抜けようと思ったってだめですよ。  総理は、それではこのアメリカのただいまやっておる多国籍企業小委員会の調査の結論が出るまでは静観をするわけですか。どうなんですか。(発言する者多し)
  238. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 静粛に願います。
  239. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 静観をするとは私は一言も言ってないですよ。いまこの問題の解明が進んでおるから、いまの段階においてもやはりできるだけの材料というものは入手するための努力をすると言うのですから、静観という態度ではないのです。しかし、これはいろいろな証人を呼んだりして、最後に小委員会としての結論も出るであろうから、そういうことも大きな、小委員会としての結論というものもやはり重要な資料となることは明らかですから、それまで何も静観しておるわけではないんで、いろいろと進行しておる状態については、われわれが、これに対して、できるだけその判断の材料を入手できるような努力をすると言っているのですから……。
  240. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 具体的に、たとえば一、二例挙げましょうか。すでに児玉氏に渡ったと言われておる三十数億の金の中で、きょう明らかにしたとおり七億程度は領収証のある金である。しかも、児玉氏の名前で判まで押されておるという。そうすると、さしあたってこの部分だけでも児玉氏に確かめるのが普通じゃありませんか。この部分に関してはアメリカではわからぬのですよ。日本の総理大臣が明らかにする問題じゃありませんか。どうです。
  241. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 朝、新聞でそういうことを発表しました後で、実を言いますとすぐに刑事局長を呼びまして、そうして一応この問題については捜査という段階までいかないかしらぬけれども、ひとつ十分に研究というか調べをするようにということを実は私は申しておるのでありまして、ただ私が先ほど申し上げたのは、できるだけ全貌を、まあNHKのニュースとかいろいろなニュースが食い違ってもおりますから、そこで私は、いま急にはっきり言わなければ、ここで急にもう捜査というような段階で踏み切るべきかどうかとは思いましたけれども、やはりこれは非常に重要な問題であるからして、一応ちゃんと内捜査といいますか、そういう意味のことをやれということをもう指示してあります。しかし、ここでそこまで、いわゆる捜査に踏み切ったというような形を言うべきかどうかということも考えまして、先ほどはああいうふうに申し上げた。しかし、だんだん事態が明らかになればこれは捜査をせざるを得ないということでありまして、一日一日と向こうの情報をもとにしてやはり考えていかなければなりません。だから、その意味では、警察というか公安委員長の立場において、私は決してこれを無視するとか、日本の名誉をそのままにしておこうとか、そんな考えは毛頭ございませんから、この点は実は総理にまだ報告をしてなかったわけです。だから、総理には報告してありませんけれども、私としてはそこまでの手配はしたということだけはこの機会に明らかにさしていただきたいと思います。
  242. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 同じことは大蔵大臣にも言えます。所得税法違反、法人税法違反あるいは外為法違反の容疑については、いまと全く同じ理由によって調査に踏み切るべきであると思いますが、どうですか、大蔵大臣。
  243. 大平正芳

    ○大平国務大臣 租税当局といたしましても、租税の賦課徴収に遺漏があってはならぬわけでございます。したがって、本件につきましても、所要の材料が整いますならば、所要の措置を講じなければならぬことは当然のことでございます。
  244. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 材料が整うならば調べるのが当然です、お聞きしなくても。いま出ておる材料だけでも調査するに足りるではないか、少なくとも領収証のある部分については明確にする必要があるではないかということを言っているのです。
  245. 大平正芳

    ○大平国務大臣 それは国税当局を御信頼していただきたいと思います。間違いなく処理いたします。
  246. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 間違いなく処理するということは、調査に取りかかるということですね。
  247. 大平正芳

    ○大平国務大臣 国税当局といたしましても、職責に忠実に処理するつもりでございますから、御信頼をいただきたいと思いまするし、それから外為法の問題につきましても同然でございます。
  248. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 時間が来ましたから、これであと一問でやめますけれども、私が要求しない大臣がちょろちょろ出てきて時間を食っていくのですから、質問者の要望もひとつ、委員長のお考えもありましょうけれども、御協力いただきたいと思うのです。それで……
  249. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 政府に注意します。ちょろちょろ出てこないようにしてください。(笑声)
  250. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それで、いいですか。――ちょっと笑いがとまるまで待ちましょう。――けさの報道によりますと、アメリカの国務省は相手国、つまりこの場合では日本です。日本政府がこの問題の解明のために法律力を行使する、つまり調査をするについて何の干渉もしない。つまりどうぞ調査してください、大変でしょうからということになっているのですね。これも私は、報道ですから、外務大臣に確かめてもらいたいと思う。これは当然のことだと思うのですね、疑惑を投げかけた国ですから。こういう保証もあるから、私は日本の判断において、まさに独立国家としての日本の判断において、自主的にこの問題の解明に取り組むべきであろうと思います。それが政府の責任である。  そこで私は、われわれの自主的な問題解明の材料として、以下の資料を要求いたします。  児玉氏及び丸紅の関係年度の納税状況、これは大蔵省ですね。対象は二つ、個人所得税関係、これは児玉氏と伊藤氏であります。関係法人の法人税関係、これは丸紅及び児玉氏がたくさんの会社に関係されておるという話ですから、その関係会社。  二番目に、もし丸紅あるいは児玉氏及び児玉氏の関係する団体法人から政治資金が出されておるとするならば、これは問題ですから、政治資金届け出の状況をこれは自治大臣にお願いをしたい。  それから、全日空が実際に機種を形式的には選定をしたことになっているから、全日空の新機種選定委員会の選定過程を示す関係書類及び議事録など、これは運輸大臣にお願いをしたい。  さらにアメリカに対しては、この問題の多国籍企業小委員会の公聴会議事録を至急に取り寄せていただきたい。  と同時に、わが当委員会としては、政府に対してはそういう解明のための努力をお願いするが、当委員会としてもこの問題を独自に解明する必要がある。したがって、ここで私は関係人の証人喚問をひとつお願いをしたい。  児玉誉士夫氏、丸紅の社長と、問題の伊藤専務、さらに全日空の社長及び全日空新機種選定委員会の委員長をしておった副社長、計五人を証人として当委員会に喚問せられるように、私はこれを要求をいたします。  そこで、問題の性質上、いままでは委員長の運営方法に協力をしてまいりました。問題が残ればすぐ理事会に残す、そうして先に進む。しかし本問題に限っては、これを残しながら先に進むというわけにいきませんから、本日この問題の集中審議が終わった段階で理事会を開かれて、この証人喚問問題が決定せられるように、ひとつ御協力をいただきたい、それをお願いいたします。  なお、申し上げておきますけれども、わが党はこの証人喚問が決まらない限りは、公聴会以外の今後の予算審議に応ずることはできないという決意を持っておりますから、申し添えておきます。  以上で質問を終わります。
  251. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。  証人にするか、参考人にするかは……(「参考人じゃだめだ」と呼ぶ者あり)私が発言しているんだ。それは理事会で協議をいたしまして、なるべく楢崎君の御発言のように努力することをお誓いいたします。よろしゅうございますな。
  252. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、以後は理事会で論議されるであろう証人喚問が決まった後、さらにこの問題の追及をしたい、それを保留をいたしまして終わります。(拍手)
  253. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。  正森成二君。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕
  254. 正森成二

    ○正森委員 私は、本件が、多国籍企業からわが国の政府当局者やあるいは関係会社、そういうところにお金が贈賄された疑いがあるというように報道されていることにかんがみて、まず第一に、三木総理の政治姿勢について御質問を申し上げたいと思います。  御承知のように、政治資金規正法では「政党、協会その他の団体又はその支部は、外国人、外国法人及び外国の団体から寄附を受けてはならない。」と明瞭に定めております。同様の規定は公選法の二百条でも定められております。いかなる理由に基づいて、外国人あるいは外国法人あるいは外国の団体から寄付を受けてばならないというように定められているのか、その法意あるいは政治的な意味について、総理の御見解を承りたいと思います。
  255. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 まあ、われわれは日本の政治に対して責任を持っておるわけですから、外国から政治資金をもらうということが、これはいろいろな意味において弊害があることは申すまでもない。したがって、旧来の政治資金規正法では選挙のときだけに限ったわけです。これを選挙のあるなしにかかわらず、政治資金規正法の中で禁止をすることにしたのが今回の改正の趣旨でございます。それは何かと言えば弊害がある、いろいろな弊害が起こる可能性を持っている。
  256. 正森成二

    ○正森委員 いまいろいろな弊害が起こるというように言われましたが、先ほど同僚議員への御答弁の中で、今度のようなことは一国の名誉にかかわることだというように言われました。しかし、私がつらつら思いますのに、それは単に名誉だけに関係しておることではない。一国の政治が外国の企業、今度のように軍事関係の大企業から金をもらい、万が一にもそれに左右されて、次期戦闘機あるいは対潜哨戒機などの決定が行われるというようなことになれば、これはその国の主権にかかわる問題である。民族の独立、民族の自由にかかわる問題である。したがって、こういう問題について、厳に外国人、外国法人及び外国の団体から資金をもらってはならないと、こういうように定められていると思うのですね。したがって、これは単に名誉の問題ではなしに、もっと重大な一国の存立にかかわる問題を含んでおる、こういうように理解し、本件はそういう性質の問題であると思いますが、総理のこれについての御見解を承りたいと思います。
  257. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 外国の政治資金によって日本の政治が動かされるということになれば、これは一国の主権の自由な行使を非常に妨げることになりますから、非常に重大な意味を持ってくるわけでございます。そういう点で、外国人あるいは外国の法人から政治資金を受け取ってはいかぬということに政治資金規正法はなったものでございます。
  258. 正森成二

    ○正森委員 非常にぼかしたような表現ですけれども、私の趣旨をお認めいただいたというように総理のお顔を拝見いたしまして私も感ずるところがありましたから、次の質問に移りたいと思います。  そこで、次に私が総理にぜひとも伺わなければならないのは、しかも、この仲介を行った者が児玉誉士夫氏という名だたる右翼の指導者であり、A級戦犯であり、そしてその方面では非常に名の通った人であるということであります。ところが、この人を通じていろいろ金が動いておる。たとえば公認会計士をしておられた方が、問題の本件について口火をつけられた方でありますが、その人が、注文をとるのにふさわしい人はこの人以外にいなかったというように言っておられるのですね。そしてそれだけではなしに、次のような発言をしておられます。フィンドレー氏は、「影響力の強い人で(政府の)重要人物とコネを持ち、極めて強力なロビイストだった」「手に入る最良の手助けが児玉氏」と判断した、だから児玉氏と契約をして頼んだんだ、こういう意味のことを言っておるのですね。  そこで、総理、私は伺いたいと思いますが、本件が発生したとされているのは、ずっと自由民主党が与党であるそういう時代であります。そこで、自由民主党の政府の「重要人物とコネを持ち、極めて強力なロビイスト」で「手に入る最良の手助け」をなし得る人が児玉氏である、こういうように右翼の大立て者について外国から折り紙をつけられておる。そういう政党であり、あるいは政府であったと見られておることについて、現在の段階において総理はどういうぐあいにお考えになっているか、所信を承りたい。
  259. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 一アメリカ人がいろいろその人物に対しての評価を下したのに、私がここでこれをコメントするというわけにはまいりません。その人はその人の判断でそう考えたのでしょうが、私がこれに対してどうこう言う性質のものではないと思います。
  260. 正森成二

    ○正森委員 これはその人が何かの座談会でたまたま児玉氏の人物評をしておるというなら、総理のそのただいまのお答えは当たると思うのですね。しかし、そうではないのです。そういう評価に基づいて現実に二十一億円とかあるいは三十数億円とかいうお金が動いて、いま楢崎議員がるる説明されたようなそういう行動が実際に起こっておる。だからこそ、国会で私たちが総理に対してこういう質問をしておる。こういう事態が起こったという事実に基づいてこの発言を評価するなら、政府・与党として、そしてその一番最高の地位に立たれる人として、総理としてはやはり内心感じるところがなければならない、こう思うのです。その率直な御感想を、一外国人のコメントであるというようなことで逃げられるのではなしに、率直なお声を国民の前に聞かしていただきたい、こう思うのです。いかがでしょう。
  261. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 私が言っているでしょう。アメリカ人が、国会の場であっても、人物に対して自分の評価を述べたのに対して、日本の総理大臣が一々ここでそのコメントをするということは、それはやはり無理なことじゃないでしょうか。
  262. 正森成二

    ○正森委員 私は決して無理なことだとは思いませんけれども、総理がそういうような御答弁ですから、これから順次事実を出していく中でお互いに意見を開陳し合いたい、こういうように考えております。  まず第一に、今度のロッキード関係のことあるいは児玉誉士夫氏との関係というのは、最近に始まったことではないのです。いろいろの報道によりますと、一九五八年ないし五九年に児玉氏との契約が始まった、こういう証言を問題の委員会で、しております。そして昭和三十三年にさかのぼりますが、昭和三十三年から三十四年にかけてどういうことが起こっておったかというのは、総理はよく御承知のとおりであります。当時、ロッキードとグラマンとの間で、当時のFX決定をめぐって非常に深刻な闘いがございました。当初、昭和三十三年の四月二十五日の国防会議ではグラマンに内定しておるということになっておった。ところが、それが猛烈な巻き返しになりまして、六月に一たん白紙になって、それから年が明けまして、防衛庁長官が赤城宗徳氏にかわる。現在参議院におられる、当時は源田空将がアメリカへ行ってこられまして、やはりロッキードの方がよさそうだ、こういうことになってロッキードに変わる。一年半越しのこういう事態が起こったということは御承知のとおりであります。そしてこのことが、当時衆議院の決算委員会で非常に問題になって、審議されたこともまた総理が御承知のとおりであります。当時、衆議院の決算委員会ではグラマンに決定したということが非常に疑惑がある、こういう前提で終始追及をされておりました。  ここに、昭和四十三年十一月の月刊現代というのに載りました児玉氏と大宅壮一氏との対談の記録があります。ここで児玉氏はこういうことを言うておられるのです。これは私の意見ではありません。月刊現代に載っているものをそのまま読むわけであります。「グラマンをロッキードに逆転させた話、もうしゃべつてもいいでしょう。」これは大宅さんの質問です。児玉誉士夫氏の答え。「あれは河野一郎が、自衛隊の次期戦闘機を決めるについて、どっちがいいだろう、と私にいってきたのが発端なんです。」「私が知っているのはプロペラ機なんですが、調べてみると、ちょうど衆議院選挙があって、グラマンを推していた伊藤忠から自民党が五、六千万円寄付を受けていたんですよ。」怒ったらいけませんよ、これは児玉誉士夫氏がたまたま言っておるので、私が言っているのじゃないのです。こういうことを言って、「そこで防衛庁の知人に聞いてみたら、グラマンに決めるくらいなら竹トンボのほうがましだ、という。なぜなら、ロッキードはもう飛んでいるが、グラマンはまだできていない飛行機だったんです。」云云、そして、省略しますが、「当時の岸総理に話すと、それならもらった金は返せ、と岸さんも怒りましてね。ジェット機一機で一億円だ。二百機なら二百億円。六千万円もらって二百億円の損ができるか、きみ、遠慮いらんから調べてくれ、ということになった。」こういうことでずっと話が始まっているのですね。つまり、このときの言われていることというのは、自由民主党が六千万円ぐらいもらって、そしてグラマンに決めるということをやっておった。しかし、それは非常にけしからぬから、そんなことでは国のためにならぬではないかということで、岸総理に言って、児玉さんも何がしかの力を出してそれをひっくり返すのに奮闘したのだ、こういう意味のことがここに書いてあるのです。  しかし、私はいまになってみると、グラマンを攻撃して――グラマン派に立ってきた人、これはお金をもらったと児玉氏は言うているのです。しかし、実際はグラマン派に立っていた人がお金をもらうよりも、もっと大きいお金を、国防会議を白紙決定にしてロッキードに変えるという方で一生懸命運動した人がもらっていたのじゃないか、いや、もらっていたに違いないということが今度出てきたのですね。そうでしょう。それが今度の事件の大きな意味を持っていることだと思うのです。  私はここに当時の新聞の切り抜きを持っておりますが、その当時の新聞を見ますと、非常におもしろいことが書いてある。当時の決算委員会では、一生懸命やったのは野党ではなしに与党の自民党の議員である、与党の自民党の議員が一生懸命グラマンの悪いところを挙げて、そしてロッキードにしなければいけないんじゃないか、白紙に還元しろ、還元しろと言って、与党の議員が一生懸命率先してやっておるということを各紙が一斉に書いております。そしてその結果、どうもおかしいと思っておったら、ロッキードから金が出ておったらしいというのが今度の事件だ、こういうことになるのです。  そして私は、これを読んでおって非常におもしろいと思ったのですが、児玉氏はその後の部分でこう言っているのです。退屈なさらずにもう少し聞いてください。「安全保障条約で、日本はタダでアメリカに守ってもらっていると思っている人もいるようですが、実はこの条約のおかげで、ナイキ、ホーク、飛行機、なんでもアメリカのものをべらぼうに高いいいなりの値段で買わされている。これは、たいへんな税金のむだ使いですよ。」「うまい汁を吸っているのは、輸入する貿易商社と、それに直結する一部の人間だけです。政府もまたそのいいなりになって、ツジツマが合わなくなると私の名前を出して煙幕を張る。」こう言うているのです。私はこのくだりを読み、今度のチャーチ小委員長のいろいろの審議の経過を見て、児玉誉士夫という人は相当お顔の皮の厚い方だなというように思わざるを得ない。政府を攻撃しているその人間が実はこういうことをやっていたまさにそのときに、ちゃんとロッキード社からお金をもらって、その利益のために、アメリカの多国籍企業、軍需大会社の利益のために動いているんじゃないですか。これが右翼の本質であります。  そこで、私は三木総理に伺いたい。順番に最近のことも聞いていきますが、こうなりますと昭和三十三年の決算委員会の審議は、グラマン派が何か悪いことをしておったんじゃないかということで追及された。しかし、実際はそれを追及した人の、すべてとは言いませんけれども、非常に熱心であった政府・与党関係、当時の決算委員長はこの間お亡くなりになった田中彰治氏であります。そういう人の意図についてわれわれはもう一度、全国民の利益のためにも日本の主権のためにも調べ直してみる必要があるのではないかというように思われますが、総理はどういうぐあいにお考えになりますか。
  263. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 決算委員会をもう一遍やり直せということは、私は内閣の総理として、これは国会の問題でございますから、ここで私がそういうことを申し上げる筋道ではないと思います。
  264. 正森成二

    ○正森委員 国会の問題だということでございますが、それは私は一番最後に委員長に対して、いま代理の方が委員長席に着かれておりますが、委員長に対して申し上げるつもりです。しかし、国会がそういうぐあいに問題を提起した場合に、政府としてそれに協力なさいますか。証人あるいは参考人として出てこられるおつもりでございますか。
  265. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 政府は、国権の最高機関として国会が決められたことに対しては、できるだけ忠実にその国会で決めたことを守ることが本当だと思います。
  266. 正森成二

    ○正森委員 私がこういうことを申し上げますのは、当時、決算委員会でいろいろ審議が行われました。決算委員会の理事会でも、この問題についていろいろ協力をいたしました。そのときに、決算委員会でいろいろの資料がございます。たとえば、私がわかっております中でこういういろいろのものがあるのです。  ロッキード派と目されて左遷されたと言われる松前空将、いわゆる松前・バーンズ協定の松前さんについての調査復命書。天川勇というのは当時政府関係の人をしばしば料亭に招待した、外国の情報に非常に通じておったという人ですが、天川勇についての調査復命書。永盛調査団等の渡米調査。これは第一次の機種選定のための調査団です。三月十五日防衛庁における秘密会議について。防衛庁側の不当性。本問題と自民党幹部とのいきさつ。佐薙空幕長の裏面における策動。防衛庁における戦闘機購入の不当事実情報。F11F国産準備委員会構成。F104型の事故に関する詳細説明。F11J生産コスト。ロッキード社日本国内生産計画。ロッキードF104C生産計画と見積書。西ドイツにおいてもグラマンが落ちてロッキードを採用したことについて。T33A及びF86Fの国内生産について。FX各機種に対する操縦要員の教育訓練について。米国との共同作戦に不自由はないか。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕 防衛庁が国防会議等において使用の資料の誤りについて。ロッキードの見積価格の確実性について。ロッキード、グラマン比較表。ロッキード、グラマン千二百億血税の行方。F11-1Fと98J-11のエンジンについて。こういうような資料が決算委員会で準備をされました。  またそのほか、当時の岸国防会議議長、左藤防衛庁長官、広岡国防会議事務局長、佐薙航空幕僚長、松前空将、河野自民党総務会長、川島自民党幹事長、岡証人、花井検事総長、吉村説明員、これは政府委員です。こういう人に対して当時のいろいろの疑問点についての尋問事項詳細、こういうものが当時存在したわけであります。  私は、きょう質問の前に時間がございませんので、決算委員会の常任調査室へ行きましたら、そのうち、とりあえず探して見つかったものに、防衛庁における戦闘機購入についての不当事実に関する情報という書面及び本問題と自民党幹部とのいきさつについてという書面、いろいろ書いてございます。三木総理の名はございませんでしたが、いろいろここに出てきております。  そういうものがありましたが、私はこれを読んで、こういうものが全部出てくるならば、そうしてさらに新しい観点で論議をされるなら、つまりロッキード側にもいろいろ問題があったのではないかということになれば、これは国民の疑惑を明らかにする上で非常に有意義であるというように感じた次第です。  そこで、委員長にぜひお願いいたしたいと思いますが、決算委員会の常任調査室では私がいま申し上げました二つの資料については出てまいりました。したがって、私が持っておるこういういろいろの資料があるという情報が一定程度正しいということが立証されたわけであります。  そこで、残りの資料についても、あるかないか、二十年近く前のことでございますが、調査をされて、もしあるようならば、これは予算委員会の審議に供するために提出する等、同じ国会の中ですから提出するというとおかしゅうございますが、協力をしていただきたいということを、特に予算委員長から決算委員会の委員長あるいは理事会あてに申し入れていただきたい、こういうぐあいに思うのでございますが、お計らい願えましょうか。
  267. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 資料の要求はいたしましょう。ただし、二十年前のがあり得るかどうか……。
  268. 正森成二

    ○正森委員 現に出てきているのがあるわけです。
  269. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 出てきているのは出てきているのでしょうが、出てきないやつがあるかないか、そこいらのところは、まあ努力いたします。
  270. 正森成二

    ○正森委員 そこで、次に私は三木総理あるいは関係大臣に伺いたいと思いますが、昭和四十三年に、やはりFXの選定についていろいろ問題が起こったということは御承知のとおりであります。その結果、いかなる機種が採用されましたか。
  271. 丸山昂

    ○丸山政府委員 昭和四十四年にファントムF4EJの採用が決定しております。
  272. 正森成二

    ○正森委員 その採用に関連して日本政治資料調査会、こういう肩書きをつけて児玉誉士夫氏と白井為雄氏から、「防衛庁主力戦闘機の機種決定に関する公開質問状」というのが、当時の内閣総理大臣佐藤栄作氏、防衛庁長官有田喜一氏に対して出されたことがあると思いますが、出されたことがありますか。
  273. 丸山昂

    ○丸山政府委員 御質問の御予告がございましたので資料を探しましたところ、おっしゃるような資料が、当時佐藤総理大臣それから有田防衛庁長官あて、日本政治資料調査会児玉誉士夫、白井為雄という名義で出されておるようでございます。
  274. 正森成二

    ○正森委員 長々とその内容を説明していただきたいとは申しませんが、この公開質問状のごく簡単な骨子と、それに対してはいずれ回答が出されたと思いますが、回答の骨子について御説明ください。
  275. 丸山昂

    ○丸山政府委員 私も初めて見る書類でございまして、いま短い時間にちょっと読みましたので、全体の意を尽くしておるかどうかと思いますが、とりあえず目につきますところを申し上げてみたいと思います。  このいまの公開質問状というのは「防衛庁主力戦闘機の機種決定に関する公開質問状」ということでございまして、当時、先ほど申し上げました現在のF4EJファントムを次期戦闘機ということで決定したことに対する質問でございます。  その趣旨は、「機種決定の措置に誤りがなかったか」ということで、必ずしもその時点においてファントムが最良の機種ではないというような趣旨のことを指摘をいたしております。  それから事故率、安全性。ファントムの性能の欠陥というようなことで、事故率、たとえばF100は事故率が一〇・三、それからF105は一六・五である。ところが、このファントムについては、事故率は三一・七であるという、あるいは三二・七であるという係数を示しております。  それから、その当時の経済事情から、「ドル防衛のために国費を乱費するな」というような趣旨のものでございます。これにつきましては、直接、当時有田国務大臣からこれに対する回答は出されてはおらないようでございます。  で、衆議院の予算委員会、これは四十四年の――この文書は四十三年の十二月十八日付になっておりますが、四十四年の二月の十二日の衆議院予算委員会におきまして大出議員の御質問がございまして、児玉さんの公開質問状について回答を出しましたかという御質問が有田防衛長官にございました。それに対して有田防衛長官は、「児玉さんからの質問書に対しては回答はいたしておりませんけれども、私のほうで「広報アンテナ」という防衛庁から出しておるものがあるのです。それによって児玉さんの質問の大体の答えが出ておりますから――手紙が来て、それに対して一々回答するということは煩にたえませんので、また児玉さんがみずから来ておっしゃったなら別で、私の見解を申しますけれども、そういう手紙に対して一々申すこともどうかと思って、「広報アンテナ」によってその回答が出ておりますから、それを見ていただけばはっきりします。」ということをおっしゃっております。  そこで、「広報アンテナ」の四十四年の一月号に、「新戦闘機の整備について」ということで、これは公にこの国会におきましても、このファントムに決定いたしました当時の増田防衛庁長官が、ファントム採用の経緯についてという御説明をされておる、大体それと同じ趣旨のものでございます。
  276. 正森成二

    ○正森委員 丸山防衛局長から一定の御説明がありましたが、足らないところを補って問題点を指摘させていただきたいと思うのです。  ここで児玉誉士夫氏などが書いておられることは、戦闘機の機種のみを先に決定して、機数が同時に決定されなかった。その政府のあわて方には、圧力が加えられたのではないかというようなことを問題にし、さらにその中で、「つぎに不愉快で不思議なことは、当時防衛庁の西部航空方面幕僚長の升本清空将補が暗躍したことであります。」云々ということで、一定の不正が行われたんではないかというようなことをにおわし、その上で、第一、事故率も非常に高くて性能上の欠陥があるんだ――いま丸山防衛局長が、事故率が一〇・三と言われましたが、これは十万飛行時間当たりの事故率ということでありますが、それについて、今度のF4Eというのは事故率が三二・七で約三倍ぐらいあるんだというようなことを挙げ、「このように第一線から姿を消しつつあるファントムを、一機二〇億円もかけて装備する必要は全くありません。当分の間F104Jで日本の防空は十分に果すことができるのであります。さらにF104Jより秀れたものを持ちたいならば、同機のエンジンをより強力なものに変えれば良いと思います。」こういうことを言っているのです。  つまりここでも、公開質問状を出すことによってF104J、ロッキードのものでいいんだということをいろいろ主張しながら、昭和四十三年度、四年度においてもF4Eというのを妨害しようとしたということがあるわけですね。そして、このときにやはり、今度チャーチ小委員長などが言うておりますところでは、資金が渡されておったということは、報道されているとおりですね。  そこで私は、この右翼の非常に有力な人が次のようなことを最後に言っているということに御注意を喚起したいのですね。こう言っているのです。「目下の日本に必要なことは、落ちる確率の高い航空機を高い値段で買うことよりも、自衛官が堂々と胸を張って国土防衛に就けるような社会的環境をつくる政治的措置と配慮であります。」云云と、「このような事態に対して、強い決断が政治の部面でなされないから、いつまで経っても自衛官は「日かげ者」的存在として冷遇されるのです。」云々と、こうなっているのです。つまり、こういうように自衛隊を日陰者にしないで、憲法を改悪あるいは改正しろというようなことを公然と言っている。そういうところに外国から政治資金が送られている。こういうところに非常に問題があると思うのですね。あるいは政治資金であるか、あるいは政治資金でなしに全く自分の個人的なことのために使っているのであるか、そのどちらかでありましょうが、しかし、そういう右翼の人を使って非常に国家的に重大なことが決定されておるということについて、総理はどういうぐあいに、いまとなって思われますか。
  277. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 政府が重大な決定をする場合に、そういう外部の勢力によって、政府が本来国益を守るという責任があるわけですから、それを曲げることはよくないことであることは言うまでもございません。
  278. 正森成二

    ○正森委員 そこで、児玉誉士夫氏という人がこういうように自分が非常にりっぱな立場であるというように外へは表示しながら、実際は一貫してロッキード社の利益を守るために動いてきた人であるということが二回にわたって証明されていると、こういうように思うのです。  そこで、今回のことに一番関係がある昭和四十七年前後のことについて伺いたいと思うのです。  当時、楢崎議員も説明をされましたように、外電によりますと二十一億円、領収書のあるものだけでも七億円余、そのうち、十一月に集中しておる、二日から六日までのもので四億二千五百万円である、こういうように言われており、四十六年ごろから四十八年ごろまでに非常に集中しておるようであります。     〔委員長退席、正示委員長代理着席〕 それは、まず第一にトライスターをわが国が買うようにする。わが国というのは具体的には全日空になりましたが、そういうことのために非常に力を尽くしたというように推測されておるわけですが、私は外務大臣に、昭和四十七年の八月三十一日と九月一日にホノルルで田中・ニクソン会談が行われました。そのときに並行して鶴見審議官とインガソル駐日大使だったと思いますが、その間で民間大型機の購入等についても一定の協定がなされたと思いますが、その協定の内容及び経過について御説明をお願いしたいと思います。
  279. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 昭和四十七年八月の末、ホノルルにおいて田中・ニクソン会談が行われましたが、同じ時期に鶴見・インガソル会談が行われまして、これにつきましては鶴見・インガソル会談についての発表が行われております。その発表の第二項の「(b)日本の民間航空会社は米国から約三億二千万ドル相当の大型機を含む民間航空機の購入を計画中である。これらの発注は四十七及び四十八会計年度になされることとなろう。日本政府は購入契約が締結され次第これら航空機の購入を容易ならしめる意向である。」このように書いてございまして、これがいわゆる首脳会談と並行して行われました鶴見・インガソル会談についての公の発表になっております。
  280. 正森成二

    ○正森委員 そこで、私は伺いたいのですが、われわれの調査によりますと、昭和四十七年の前半の段階ではわが国の航空会社、特にその後トライスターを購入いたしました全日空では、むしろDC10といいますかその方を購入するような計画になっており、トライスターを購入する計画はなかったと思うのです。ここにはトライスターという文言は書かれておりませんが、われわれの調査によりますと、当時ニクソン氏は会談の中でトライスターという、あるいはロッキードという名前まで出して、そういう問題について非常に協力を求められたということが言われておるのですね。もしそうだとすればもちろんでございますが、仮にそうだとしなくても、政府はいかなる見込みに基づいて――日本政府が買うというなら、これはこういうことを幾らお書きになってもよろしゅうございましょうが、日本政府が直接に契約をすることができない民間の航空会社について、こういうことを買うであろうということになってありますが、買うということで約束されるについては、いかなる成案があった上で一国間の付属協定としてこういうことまでお書きになったのでしょうか。あるいはもうすでにそのときに、それは必ず確実であるという見込みがあったからでしょうか。あるいは現在は確実ではないけれども何らかの方策によってそれを実現させることができるというようにお思いになったから、こういう付属文書をわざわざおつくりになったのでしょうか。その辺のお見込みを伺いたい。
  281. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これはもう少し詳しいことでございましたら関係の各省あるいは閣僚からお答えをいただくことがよろしいかもしれないと思いますが、大まかなことを私からまず申し上げます。  たまたまその直後、昭和四十七年の九月十九日でございますが、国会の委員会におきまして、その点についての御質問に対して運輸省の説明員、これは航空局長か航空局次長であったかと思いますが、概して、このように申し上げております。当時日本の各風間航空会社がこの四十七年度及び四十八年度においてどのような大型機を買う輸入の計画があるかということを調べましたところが、大体それが三億二千万ドル相当であった。これは四十七年度及び四十八年度の発注べースでございます。そこで、その程度のものであれば、この両年度の間に実行ができるであろうというふうに考えた、都合大体十数機程度の機数であると考えております。それに対して、その十数機というのは何かということに対しましては一応大型機材と申しますか、ロッキードの一〇一一、DC10、ジャンボSR、大体この三つを含めまして十機程度の購入計画が各社にあるので、そこでこの程度のものであれば、約束をしても無理なく実行ができる、こう考えまして、このようにいたしましたという答弁になっておりまして、恐らくそれが当時の真相であったのではないかと存じます。
  282. 正森成二

    ○正森委員 ところが、実際はどうもそうでもないようで、当時ロッキードのコーチャン社長が、四十七年の初めころから東京にずっと滞在をして、飛行機の売り込みに一生懸命であった。田中総理が帰国後、全日空の若狭社長を首相官邸に呼んで、非常に会談をする。渡辺副社長は、当時有力政治家から社長にしばしば電話があったというように言っておるのです。若狭社長が首相官邸に行ったというのは、当時の首相官邸の訪問の新聞欄がございますが、そこに出ておるわけですけれども、こういう点を考えますと、田中総理がニクソン氏と会談をして、いろいろ話をされた。その後で、一たんはトライスターを買うつもりでもなかった全日空に、ぜひともやはり買うようにした方がいいということで働きかけをされたというように見るのが順当ではないのですか。
  283. 木村睦男

    ○木村国務大臣 その間の事情は、運輸省としても全然把握いたしておりません。航空会社が航空機を購入する場合にどういう機種を選ぶかということは、航空会社自身が独自に決定する問題でございますので、決定した後報告を受ける、こういう機種を購入することにいたしましたという報告を受けるのが運輸省でございますので、その経緯については関与もしておりませんし、聞いていないわけでございます。
  284. 正森成二

    ○正森委員 そういうようにお答えになりますが、その関係で児玉誉士夫氏に四十六年から四十七年、四十八年というように渡った莫大なお金が、現にチャーチ小委員会でのいろいろの証言によりますと、児玉誉士夫氏に渡ったお金及びID社に渡ったお金の一部は、日本の政治家やあるいは複数の航空会社に渡ったというように言っておるわけでありますから、そのお金がこういうことの契約を実際に行うという上で使われたのではないかということが、今度のアメリカの委員会での証言の中から非常に色濃く出てくるということを私は指摘しないわけにはいかないと思うのです。  そこで、そういう点を指摘して次に伺いますが、昭和四十七年十月に四次防の内容を定めた国防会議があったかと思いますが、そのときにPXLの国産化を白紙に還元するということが決められたはずであります。そこで、それはいかなる理由に基づいて決められたのかということを防衛庁長官から御説明を願いたいと思います。
  285. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 PXLそれから早期警戒機の国産化を前提としました研究開発が昭和四十七年十月九日の国防会議議員懇談会の了解事項によって白紙とされました背景の一つに、国際収支上の問題があったということは事実のようでございますが、しかし、それは白紙とされました背景の一つにすぎず、基本的には両機種の研究開発は高度の技術的判断を要する問題でございますので、専門家による慎重かつ公正な検討が望まれたものでございます。  そういうわけでございます。
  286. 正森成二

    ○正森委員 そういう御説明ですけれども、資料によりますと、この白紙還元をされると、待ちかねたように、アメリカのロッキードなどがP3Cの売り込みに乗り込んできた、その関係で児玉誉士夫氏が非常に動いたというのが、今度のアメリカのチャーチ小委員会での調査の結果であります。したがって、こういうように昭和四十七年の秋という時期は、国防会議でせっかくPXLの国産化というのが決まっておったのを白紙に還元する、そしてまた、全日空でトライスターを買うというようになっていなかったのが急遽買うようになる。それが非常に密着して決まった時期なんですね。そして、その時期に児玉誉士夫氏が非常に莫大な金を受け取っておる、こういうことになり、しかもその金の一部が日本の政治家やあるいは航空会社に流れておるということになりますと、これは日本の名誉のためにも、あるいは日本の独立、主権のためにも、やはり十分に究明していかなければならない、こういうぐあいに私どもは考えざるを得ないのです。  そこで、通産大臣に伺いたいのですが、伊藤宏という丸紅の専務、当時は取締役で社長室長であったようでありますが、ピーナツ百個について領収証を出しておりますね。そのときに、これは何のことかわからなかったけれども、ロッキードから言われたのでサインをしたのだというように言っておるわけですね。これは通産省の管轄であるかどうかわかりませんけれども、いやしくも相当大きな商社の取締役というような者が、こういう非常にいいかげんな領収証をつくり、それで三千万円というお金が動いているということについて、取り締まり官庁としてどう思いますか。
  287. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 私はそのことは十分承知しておりません。
  288. 正森成二

    ○正森委員 十分に承知しておられないようですが、しかし、きのうから本日にかけての新聞の報道によりますと、伊藤宏専務は自分のサインに間違いがない、こういうことを認めておるのですね。それで、まさかロッキード社が公表すると思わなかった、絶対に秘密にする、こういうことだったので署名したんだということで、署名の事実を認めておるのです。しかもその中では、一応お金は受け取っていない、ただ署名をしただけだという釈明をしておるのですね。そうすると、全く虚偽の領収証、しかも三千万円という大きなお金の領収証を虚偽で書く以上は、やはり書く必要があり、そのお金がわが国の国内で何らかの別の目的のために使われたに違いない、こういうことは明らかだと思うのですけれども、そのことについて知っておるかどうかでなしに、そういうことをどう思いますかと、こう聞いているのです。
  289. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 それは一回その事実をよく調べてみませんと、それに対して論評を加えるのは少し早計ではないかと思います。
  290. 正森成二

    ○正森委員 それでは伺いますが、すでに伊藤宏専務というのは、自分が署名したことは間違いがない、こう言うておるわけですね。児玉誉士夫氏の場合はまだ所在が不明ですから、領収証が自分のものであるかどうかわかりませんけれども、伊藤さんの場合は所在も明らかであるということですが、いつお調べになりますか、あるいは事情をお聞きになりますか。
  291. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 まあそこまで通産省が調べる権限がありますかどうか、そこらあたりはよくわかりませんので、その処理方法につきましてはよく検討いたします。
  292. 正森成二

    ○正森委員 検討いたしますということですけれども、これは総理に伺いたいと思いますが、私の質問に対して、これは一国の名誉にかかわる問題である、それからある意味では主権にかかわる問題であるということが出ましたですね。これは具体的には児玉誉士夫氏のことを指しておるのですけれども、それに関連する一環として、わが国の一流だと言われる大商社がこの問題に絡むと思われることについて虚偽の領収証を出しておる。しかもピーナツ百個というようなことで、常識的に考えては、これは普通の中小企業の社長でもなかなか署名しないようなことについて署名しておるというようなことがこれだけ大きな問題になっているときに、関係官庁がその事情を聞くというのは当然だと思うのですけれども、どう思いますか。
  293. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 やはりいろいろな国内法規の関係もございますから、ある時期が来たならばそういうことをいたさなければならない。結局は時期の問題だろうと思います。
  294. 正森成二

    ○正森委員 時期の問題だということですけれども、その時期はもう来ていると思うのですね。それでは、その関係で、もう少し伺いたいと思います。  法務大臣に伺いたいと思います。今度はよく聞いておいてください。先ほどは国家公安委員長の見解を伺いましたが、法務大臣には児玉誉士夫氏にしぼって初め伺いますが、児玉誉士夫氏が二十一億円と言われております。領収証のあるもので約七億円、きのうまでの報道では四億二千五百万円でしたが、それは領収証があるという場合に、実際に自分の所得だと言って届け出ておるのは、これは一千万円以上は公示の義務がありますから明らかだと思うのですが、玉川税務署に昭和四十六年度は四千六百一万四千円、四十七年度は四千三百二十二万九千円、四十八年度は四千六百五十万七千円、四十九年度は五千万一千円、いずれにいたしましても五千万円以下であります。一方、報道されておりますのは何億円というお金であります。二百万、三百万が違っておるというわけではないということになりますと、自分が処分できるお金ということで取得しておるのであれば、これは所得税法違反という問題がどうしても起こってくる。自分がもしも政治的な目的で使う、あるいはトンネルだということになれば、児玉誉士夫氏かあるいはトンネルで渡った人のどちらかに政治資金規正法か、あるいはその人が自分自身のために使ったら所得税法違反か、何らかの問題が起こってくると思うのですね。その点については法務大臣としてはどうお考えになりますか。
  295. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 税法上の問題は、大蔵大臣にひとつお尋ね願いたいと思いますね。どうでしょう。
  296. 正森成二

    ○正森委員 稻葉法務大臣、所得税法の二百三十八条というのは御存じでしょうか。二百三十八条では、虚偽の申告で所得税を納めなかった者は、三年以下の懲役もしくは五百万円以下の罰金に処する、こう書いてあるのですね。私の知っておるところでは、やはりそういうように懲役だとか罰金とかいうことが出れば、これは常識的には法務大臣の管轄かなと思っておったのですが、違うのでしょうか。
  297. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 罰則のあることはそのとおりでございまして、その範囲においては警察庁の関係が出てきますね。ただ、その事実関係がどうだかこうだかということは、国税庁の問題じゃないでしょうか。
  298. 正森成二

    ○正森委員 国税庁の問題と言われますが、しかし、国税庁はいろいろ修正申告をさせるとか追徴するとかいうようなこともございますでしょうが、それに対して国家の刑罰権を適用するということになれば、これは国家公安委員長かあるいは法務大臣という関係ですね。国家公安委員長は先ほどお答えになりましたし、検察庁もこれは警察とは別に独自の捜査権も持っておるわけですね。ですから、どうお考えになりますかと聞いているのです。
  299. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 お答えいたします。  現在の段階では、いろいろお述べになりましたような事実関係がまだ明確でございませんので、明確になり、それが犯罪の容疑あり、こういうことになりますれば私の一般的指揮監督下にはありますけれども、具体的指揮監督下にはない、検察当局がそういう判断をすれば、不偏不党、厳正公平に捜査に踏み切るということはあり得るでしょう。
  300. 正森成二

    ○正森委員 法務大臣は法律の問題の細かい点についてはあるいは御存じないかもしれませんが、所得税法違反というものが仮に成立したとして、その公訴提起の時効というのは一体何年であって、それは具体的にはいつまでですか。
  301. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 これはわからないですから、刑事局長にひとつお願いします。
  302. 安原美穂

    ○安原政府委員 三年以下の懲役と規定されておりますので、時効は三年でございます。
  303. 正森成二

    ○正森委員 安原さん、恐れ入りますが、三年ということになりますと、具体的にはこれは四十七年度にもらっているとすれば四十八年の三月十五日までに申告しなければならぬから、時効は五十一年の三月になるのですか。あるいは私の考えが間違っておりましょうか。
  304. 安原美穂

    ○安原政府委員 税法の犯罪の既遂の時期の問題で、あるいは国税当局の方が御専門かと思いますが、私の承知している限りで申し上げますと、この犯罪は、恐らくは虚偽の申告をしたという時期が脱税の時期になるわけでございますので、四十七年度の所得につきましては、いま御指摘のとおり四十八年の三月十五日までに虚偽の申告がなされていたとすれば、脱税、脱漏があったとすれば、その時期が犯罪行為の終わったときでございますから、そのときから時効が進行いたしますので、したがって、仮定の問題でございますけれども、五十一年の三月十五日には時効が完成するはずであろうと思います。
  305. 正森成二

    ○正森委員 ですから三木総理、事は悠々と待っておるわけにはいかないのですよ。きょうが五十一年の二月の六日ですね。刑事局長が言うところでは、仮に所得税法違反等の犯罪があるとすれば、四十七年度の分については五十一年の三月十五日で時効完成だ。あと四十日ぐらいしかないのですね。  そこで、法務大臣なり国家公安委員長に伺いたいわけですが、どちらでも御答弁いただいて結構ですけれども、私どもは、やはり総理が、一国の名誉に関することだ、あるいは国の独立といいますか、主権にかかわるような問題でもあるということについて否定をなさらなかった、こういう問題については、なし得るにもかかわらず、それについての理非曲直を正すということが漫然時日を経過して時効になってしまったということでは、それこそ一国の名誉にかかわると思うのですね。あと四十日しかないのですから。そこで、これがもうあと一年も二年もあるというのであれば、チャーチ小委員長がどういうぐあいにいろいろ資料を出されるかということを待っておってもいいと思うのですが、あと四十日しかない。しかもそれまでにもし事実があれば公訴を提起しなければならぬ。ということになれば、私は、楢崎委員も指摘になりましたけれども、少なくともわが政府ができること、たとえば公表されており、外務省はそのコピーも入手されたというわけですから、英文で書いた領収証がある。きょうのテレビの報道によりますと、そのほかに領収証が数枚ある、その中には日本文のものもあるというように報道されております。そこで、その問題について速やかにコピーを入手されて、それが果たして本当の領収証であるかどうかというようなことは少なくとも捜査して、そして本人にその問題についていきなり当初から強制捜査をするとかなんとかいうのでなしに、事情を聴取するということは最小限必要であると思うのです。それを三月十五日が、万が一そういう事実があったとすれば時効成立の日であるということを前提にしてなさるお気持ちがあるかどうか、国家公安委員長あるいは法務大臣から具体的に伺いたいと思います。
  306. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 警察の方のことは国家公、安委員長がお答えになるでしょうけれども、検察庁に対してはいま御指摘になるようなことを私がやれとか、やるなとか言う立場にないですね、具体的な事件に対して。ですから、それは検察当局を信じていただいて、検察当局はそういうことを皆承知ですから、いつ時効になるとかそういうことについて、犯罪捜査上の技術の問題ですから、厳正公平に捜査に踏み切るという場合もあるでしょう。事態が明らかになり犯罪の容疑が十分だと判断すればそうなるでしょう。そういうことです。私がせいとかするなとか言うべきものではありませんから。
  307. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。  これは御案内のように税法上の問題でございます。したがいまして、政府としてどうするかということについてはいろいろ相談をすべき時期がもちろんあると思いますけれども、一応はやはり税法上の問題として国税庁がまず第一に動く。それに基づいて警察としても取り調べをする、必要があると認めればする、これが順序であると思っております。
  308. 正森成二

    ○正森委員 それでは、先ほど御答弁になった、内偵というような形でいろいろやるということは言うておりますというお答えでございましたが、いまの答弁だったら、それも実はやらないので、国税庁がやるのを待ってから内偵する、こういうように答弁が後退したわけですか。
  309. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 先ほど申し上げました内偵ということは、実はいろいろいま二十億といい、六億といい、七億といい、それから伝票がどれなのか、その他の点がはっきりしないものですから、しかしこれはやはりこれだけの事実があり、特に私がちょっと重視しましたのは、日本語で書いた書類が出てきた。英語で書いたというのは、と思って、そこでこれはやはり調査をしなければいけないが、しかし向こうでどういう調べをしておるかというだけですぐ断定してやるのはこれは軽率のそしりを免れない。たとえば外務省なら外務省からちゃんとコピーをとるとか、正式なルートによってこのあれをしてから進めるのが人権を守る道ではないか、こういう気持ちがございました。しかし、そうかといって、どういうものが罪になるかとかあるいはその場合にはどういう措置をとるかということは、一応やはり私は警察としては調べておくべきものである、こう考えたから、その旨を刑事局長に指示をしておいたということでありまして、実際の問題は、やはり犯罪を捜査する場合でも何でも、ちゃんとした事実に基づいてやるということがいわゆる個人の権利を守る、いかなることがあってもそれが法律を停る道である、こう思ってああいうようなお答えをしておったということを御理解を願いたい。  私は、やらないと申し上げておるのじゃありません。ちゃんとやはりそういう場合には考えなければなりませんけれども、向こうの議員の方がこう言われたとかなんとか、委員会でやっておられるということは、それは事実でございましょうけれども、海外においてどういう事実があったからということだけで、われわれがそれを新聞報道その他だけで直ちに動くということはいかがかと思った。そこで内偵ということを申し上げておるのでありまして、そこで、これは恐らく、きょうも相当陳述が出ております。だんだんだんだんこれは真相が明らかになってくると思うのです。それを踏まえながら、一定の時期にはこれは捜査に踏み切らざるを得ない場合があるともちろん考えておりますから、内偵をしておけ、こういうことを言ったわけでありまして、私はこれをやらないというような意味で言っておるわけではありません。その点では十分配意をいたして措置をとったつもりでございます。
  310. 正森成二

    ○正森委員 大蔵大臣に伺う前に、いまの答弁に関連して外務大臣に伺いたいと思います。  領収証、英文のもの、日本文のものがあるということが報ぜられておるのですね。この関係の記録というのは公表されており、コピーもとれるというようなことでございますが、外務省としてはその正確なコピーですね、それをおとりになって、そして直ちに国内へ送付されて、そういう内偵との関係で国家公安委員長と協力をなさるというおつもりはございますか。
  311. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 いわゆる領収証のうちで、英字で書かれましたものは小委員会が公にいたしました資料の中にあるわけでございます。しかるところ、日本字で書かれましたものにつきましては、小委員会としてはこれは公にした資料の一部ではないという立場をとっておるようでございます。したがいまして、そのようなものがあるということにつきましては、わが方の在米大使館も知らないわけではございませんようですが、それを小委員会からの公にされた資料として利用し得る立場にないというのがただいま現在と申しますか、今朝現在と申しますかの正確な状況でございます。
  312. 正森成二

    ○正森委員 ただいま現在というか、今朝現在の正確な現状だと、こういうようにおっしゃいましたが、しかし公表されていないというのは、日本文字であるから、これはアメリカの委員会では出しても意味がよくわからないということで、その他の記録の中に置いていたというように報ぜられておるのですね。それが、日本側から見ても非常に意味があるということになれば、わが国の出先外務当局のチャーチ小委員長との折衝によって、これを公の記録に転化するということは、十分に可能であろうと思われますが、正式な司法共助の手続をとるまでもなく、こういう外交的な折衝によってそういう記録が正確にコピーされるような、そういう措置をとるおつもりはございますか。
  313. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 小委員会が資料を公にいたします際に、かなり取捨選択をいたした形跡がございまして、ただいま御指摘のものは、そのような意味で公にしない資料に入っております。その理由が何でありますかは必、ずしもつまびらかでございませんが、あるいは正森委員の言われましたのも一つの理由であったかもしれないと思います。  それで、そのような小、委員会の立場でございますが、諸般の事情から考えまして、私どもとして、小委員会に対してその点をどのように要請をするか等々につきましては、検討をいたさなければならないと実は考えております。
  314. 正森成二

    ○正森委員 検討をしなければならないというようにおっしゃいました。それは推察するに、一国の上院がやっておることについて、他国がいろいろ言うことは問題があるということであろうかと思います。あるいは違うかもしれませんが。しかし同時に、その委員会で議せられておることが、わが国の名誉、あるいは場合によったらわが国の主権といいますか、民族的な威厳といいますか、そういうことにかかわる問題であるということになりますれば、これは司法共助の手続をとるかどうかはまた考慮するとして、通常の外交ルートでそういうものが日本政府に対して公開せられるようにということを言うことは、これは何らアメリカ政府に対して不当な要請をすることではない。のみならずアメリカ政府は、この問題について日本政府がいろいろの国内において司法権を行うということについて干渉するものでない、こう言っておるのですね。それはもちろん日本国内においてということでありますが、それに非常に密接不可分の関係がある限度内で、アメリカに対して礼儀を尽くして一定の要請をするということは、これは本件のいろいろの事情にかんがみて必要であるというように思われますが、検討をするというその中身について、もう少しなお外務大臣の御所見を承りたいと思います。
  315. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいま正森委員の仰せられましたことは、私もごもっともな御主張であると考えます。そのような立場から検討いたしたいと思っています。
  316. 正森成二

    ○正森委員 そこで大蔵大臣に伺いますが、外務大臣もそういう一定の前向きの立場でございますが、国家公安委員長は、税法上の事件であるから大蔵省あるいは国税庁、それがまず動いていろいろ資料を収集してほしいというような見解ですね。それについて重ねて伺いますが、場合によっては外務当局と連絡をとり、ある場合には国家公安委員長と連絡をとって、十分にわが国の名誉を守るためにも、一定の行為を断固としておとりになるというおつもりがございますかどうか、重ねて伺いたいと思います。
  317. 大平正芳

    ○大平国務大臣 先ほど法務省とのやりとりで時効の問題がございましたけれども、税金は通常三年間さかのぼることになっておりますけれども、偽りその他不正の行為がございますれば五年間さかのぼることができることになっております。したがって、この時効関係は十分心得ております。  それから、個人にいたしましても法人にいたしましても、関係分の所得の帰属関係、計算をやるにいたしましても、事実を確かめなければなりませんので、いま仰せのように関係方面の御協力を得まして、各種の資料の整備は鋭意努めなければならぬと思っています。
  318. 正森成二

    ○正森委員 いまの大蔵大臣の御答弁ですね、普通は三年だけれども、非常にたちの悪いというお言葉は使われませんでしたけれども、そういうものについては五年間追徴もできる、そこでそういう点も考えてやりたいというお言葉ですね。これは五年もさかのぼってやるんだという積極的な意味を持っておるともとれるし、いやいや五年間はいけるんだからまだもう二年ほどあるんだから、ゆっくらこうとやればいいんだというようにもとれるし、もし後の方の御意思が少しでもあるということになると、それは大蔵省あるいは国税庁は五年たっても悪質なものは税金を取れるということになるでしょうが、刑事上の問題とすれば五年たてば公訴時効は完成してしまうのですね。ですから、たちの悪いものは五年間いけるんだからそう急がなくてもいいという意味ではなしに、五年前にさかのぼって調べるけれども、四十七年度のものについては五十一年の三月十五日で時効が完成するんだから、それについてはできるだけ速やかにいろいろのことを調べるというような御趣旨でないと、これは困ると思うのですが、いまの五年さかのぼって調べられるんだという御趣旨について、まさかゆっくらこうと調べるという意味ではないと思いますが、もう一度重ねて御答弁をお願いしたい。
  319. 大平正芳

    ○大平国務大臣 できるだけ早く調べるのは当然なことでありまして、いま念のために制度はそうなっているということでございます。
  320. 正森成二

    ○正森委員 それでは、五十一年三月十五日が刑事上の時効の日であるということを十分に御認識になっておるということを確認して、時間がございませんので、私の最後の問題に移らしていただきたいと思います。  三木総理、私は質問をしてまいりましたが、同僚議員が前にも申しましたように、また私も冒頭で指摘をいたしましたように、本件はきわめて重要な意味を持っておる、これは三木総理もお認めになると思うのですね。それで私は、少なくともいま国家公安委員長、それから法務大臣、それから大蔵大臣がお答えになりましたように、非常に時効の点についても切迫しておりますし、それから、この点についてチャーチ小委員長の御努力によっていろいろ明らかになると思われるのですね。そこで、そういう点についていろいろな問題が明らかになるまでは、やはりFXやあるいはPXLという問題について、これは最終決定をするということば留保するということが、国民のいろいろの疑惑を解く意味からいっても正しいと思うのですね。それをなさるおつもりはないでしょうか、それを重ねて伺っておきたいと思うのですね。
  321. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 私は、この事件と機種決定と、こう何かうらはらの問題には考えていないのです。機種は機種として、日本の防衛力整備の点から、それが一番賢明な道を歩みたいと思っております。
  322. 正森成二

    ○正森委員 機種決定が日本の防衛の上からこれは切り離して考えるのが適当であるというお考えでしたけれども、日本の防衛というのは、国の主権が守られて、そして守られる、あるいは守る主体である日本国民の信頼がなければ、防衛の問題なんか言っても仕方がないのですね。ところがこの問題は、機種決定をめぐって、外国の多国籍企業、軍需会社からお金をもらって、そして右翼の軍国主義者がいろいろ暗躍をして決められておるという重大な疑惑がある、こういう事態なんですね。そのときに、いやいや機種決定とそういう問題は全然別だと言って二ヵ月、三ヵ月早く決めてみたところで、それはわが国の真の防衛に役立たない、またわが国民の愛国心との関係からいっても決して得策ではない、それは政治家が当然判断すべきことである、私はこう思いますが、重ねて三木総理に、そういうお立場をおとりになる気持ちはありませんか、こういうことを伺いたいと思います。
  323. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 今度の場合にそういうふうな金銭が裏で動いて、それによって機種が決定されるようなことは絶対に私はいたさない、こういうことでございますから、いま申したように、この問題は純然たる機種の性能などから判断して、そして国民の何らの疑惑も受けないような方法でこの問題は処理したいと思っております。
  324. 正森成二

    ○正森委員 この問題の決定について疑惑を起こすというようなことは絶対にない、こう言われます。それはそうあっていただかねばなりません。  けれども、いままでロッキード社に関連をして、昭和三十三年、四年にも、また昭和四十七年前後にも非常に疑惑と思われることがあった。また、PXLの問題につきましても、国産をするというのがP3Cというように変わりかけた問題については白紙還元をして、これは児玉誉士夫氏などのところに大きな金が動いたということが現に問題になっておるのですね。だから、バトンを引き継がれた三木総理が、現在の瞬間はそれはそういうことでは動かされないと思っておられても、いままでのいきさつの中に三木総理が関知されない時代にいろいろ問題があったかもしれないから、その問題の理非曲直が明らかにされるまで、これは決定を留保するというのが至当であるというのは当然ではないでしょうか。その点をもう一度お答え願いたいと思います。これが最後です。
  325. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 いままでのいろいろないきさつを踏まえて、この決定というものはきわめて慎重な態度で臨みたいと考えております。
  326. 正森成二

    ○正森委員 終わりますが、慎重な態度で決定をしていただきたい。  最後に、委員長にお願いいたします。  私は、以上の私どもの質問の中から証人を申請いたしたいと思います。その第一は、児玉誉士夫氏であります。二番目に、丸紅の社長の松尾泰一郎氏と専務の伊藤宏氏であります。それから小委員長のチャーチ氏の調べの中で、会計監査の方が複数の航空会社にお金が送られたというように言っておりますから、その意味で、私は全日空の社長の若狭氏と日本航空の社長の朝田氏を証人として喚問していただいて、その間の経緯、及び潔白であるならば潔白であるということを国会において明らかにされるのが至当であるというように思いますので、その証人の申請について委員長のお計らいを願いたいと思います。特に、参考人の場合にはこれは罰則がございませんけれども、証人の場合には虚偽の事実を述べるというような場合には罰則がございますから、これは非常に公正な証言を確保できるわけでありますから、証人としての採用をぜひお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
  327. 正示啓次郎

    ○正示委員長代理 正森君の御要望につきましては、先ほども楢崎君の御要望について委員長から申し上げましたとおり、証人にするかどうかを含めまして、理事会において相談をいたします。  これにて正森君の質疑は終了いたしました。  次に小川新一郎君。
  328. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 私は、公明党の意見を盛り込みながら、代表して、この問題について御質問さしていただきます。  先ほど以来、この問題についてはあらゆる角度から御質問がございましたが、何といっても途中経過であり、いろいろと未解決な問題がまだまだたくさんある。いままで出てきた問題はほんの氷山の一角の中のまた一角であるという認識の上に立って、また党の立場というものもございますので、質問が、あるときには重複する場合もあり得るかもしれませんが、ひとつ御親切な御答弁を要求する次第であります。  まず私は、国民がこの問題をどのように受けているかという問題であります。三木総理は、こういった政治にまつわる、または社会的に大きな問題を巻き起こす、こういった問題が国民にどういう気持ちを与えるかということを非常に御心配になり、黒い霧または黒い金脈、こういった問題についてはつとに明快にしていかなければならない、そしてまた、こういうことを起こしてはならない、そしてまた、総理御自身の政治のイデオロギー、理念も、こういった忌まわしいものに対する「二十一世紀への挑戦」という言葉の中にも含まれるように、断固たる政治家の姿勢というものをおとりになってきたと私は確信いたしておりますので、いま米国のこういった多国籍企業の調査委員会から提起された問題がわが国の政財界に及ばんとする――及ばないことを私もそれは確かに日本人の一人として、また政治家の一人として望むものでありますが、いままでのところでは、残念ではありますが、そういった私どもの危惧を越えたもっと大きな問題がいまひしひしと押し寄せている。そういった国民の疑問というものを考えて、まず総理から御所見を承りたいと思います。
  329. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 いま必要なことは、政治の信頼を回復するということでございますから、そういう観点から見て、いろいろな物事が、重要な問題が決定されるときに金銭が動いたということは、これはやはりその国の政党あるいはその国の一国の政治というものに対して国民の不信を招くゆえんでございますから、国民の疑惑を解く意味からいたしましても、政府はできるだけそういう材料を集めて、そして国民の疑惑にこたえなければならぬと考えております。
  330. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そこで私は、これから臨もうとする問題、解決しようとする問題、過去に過ぎた問題とに分けて、特に次期対潜哨戒機、または対潜哨戒機の中でもP3Cオライオンの採用について少しくお聞きしたいと思います。  この問題につきましては、わが党の鈴切委員が、昭和五十年六月五日、衆議院内閣委員会において、次期対潜哨戒機についてロッキード社との関連で質疑をいたしております。次期対潜哨戒機の問題は、昭和四十九年十二月二十七日、専門家会議で、国内開発が望ましいとしながらも、反面、当面外国機の導入を図ることもやむを得ないという、いわゆる玉虫色の答申がなされております。  そこで、私はお尋ねいたしますが、外国機導入の場合は、どこの会社のどのような機種を決めたのか、まずこの場合の問題を聞きたいと思います。
  331. 丸山昂

    ○丸山政府委員 お答え申し上げます。  この専門家会議の審議の過程におきまして対象とされました外国機は三種ございまして、アメリカのロッキード社のP3C、それから英国のニムロッド、それからフランスとイタリアだったと思います。ちょっと正確を欠くかと思いますが、共同開発をいたしておりますアトランチックという三種の外国機について、それぞれ御検討いただいたわけでございますが、当方の要求性能、それから取得の時期、こういった点を勘案をいたしまして、外国機導入の場合においてはP3Cが最も適当である、こういう御結論を得ておるわけでございます。
  332. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、確認いたしますが、P3Cオライオン一本にしぼったということで了解してよろしいんですか。それはロッキード社なんですか。
  333. 丸山昂

    ○丸山政府委員 ただいま申し上げましたとおりでございまして、専門家会議の結論としてP3C一本にしぼって勧告が出ておるわけでございます。
  334. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それは昭和何年何月、いかなる場所で、どのようにして決められたのでありますか。
  335. 丸山昂

    ○丸山政府委員 専門家会議の答申は、昭和四十九年の十二月の二十七日でございます。
  336. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 ちょっと答弁がはぐれていますが、P3Cオライオンの設定の日を……。
  337. 内海倫

    内海政府委員 ただいま防衛局長から御答弁申し上げましたが、補足をして申し上げておきたいと存じますが、専門家会議の答申と申しますのは、国防会議の委嘱によりまして国防会議の事務局長が専門家会議を設けて、そして、この次のPXLというものは国産がいいのか、あるいはどこかいい適当な外国機があるのかを専門家によって検討して、その答申を得た上で、国防会議はそれを参考にして方針を決めようではないかという御方針が決まりまして、昭和四十八年の八月から一年半、約十九回と記憶しますが、専門家の皆さん方が慎重に審議をいたしまして、私に対する専門家会議の答申として答申がなされたもので、その答申の概要は、先ほども小川先生も仰せられましたように、国産もあるいは外国機についても、いずれも甲乙つけがたい状況であって、したがって、いずれをとるもそればやむを得ないような状況であろうと、そこまで書いておりませんけれども……。しかしながら、国産をすることがいろんな面から考えて適当かもしれないが、ただ、こういうものを入手する時期とか、あるいは運用上のさらにいろいろな諸条件、あるいは財政上の諸条件とかいうものを考えれば、その結果によってはまた外国機を導入することもやむを得なかろうという意味の、いわば専門家会議としての意見として私の方に出たものでございます。したがって何ら決定ではございませんので、その点は御了解を得ておきたいと思います。
  338. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 決定ではないけれども、ここに鈴切委員が質問をいたしましたときの丸山政府委員の答弁がございますが、「P3Cオライオン一本にしぼるということになりましたので、先ほど装備局長申し上げましたように、導入の場合の諸条件を十分に詰めるということでございまして、政府全体、もちろん防衛庁自体も同様でございますけれども、開発にするのか導入にするのかという点については、現時点においてまだはっきり方針を決めておるわけではございません。」方針も決まらないうちに、ロッキードのP3Cオライオン一本にしぼったというところが、私にはどうしても疑問になるのであります。しかも、この国防会議事務局長内海さんにあてた、次期対潜哨戒機及び早期警戒機専門家会議の座長堀越二郎さんが与えた答申の日にちが、十二月の二十七日であります。  ところが、私がきょう、毎日新聞の先ほどの夕刊を見ておりますと、まだ私どもには調査の資料がありませんから新聞によって判断をするしかありませんが、ここに「同小委は、七二年十二月七日付と七四年」――ここが大事ですね。七二年のトライスターの問題はいまちょっとはずしておきますが、「七四年九月二日付の英文領収証のコピーも公開した。七二年のものはカタカナで「ロッキード・カンパニー殿」とあり、金額は六千万円。サインはないが、二十円の収入印紙に「佐藤」の割印がある。」ここからが私が言いたいことですが、一九七四年九月二日付の英文タイプでは「ロッキード・エアクラフト・インターナショナルあて。収入印紙はないがサインがあり、その上に「佐藤」の角印が押してある。同小委は公開されたもの以外に多数の証拠資料を持っているという。」こういうふうに、きょう、一番新しい本日の夕刊には、一九七四年九月二日付の領収証が小委員会から出たことが新聞報道されておりますが、まだ決まってない、いまもお話がありましたようにはっきり方針が決まってないにもかかわらず、一九七四年、昭和四十九年十二月二十七日の「次期対潜機及び早期警戒機の研究開発の是非について」の答申ではまだ決まってないのにもかかわらず、輸入の方ではこのロッキードの製品に一本に決まったということが、いまも御答弁であるのですが、これは全く私は納得できないのであります。  そこで、なぜこうしてオライオンが早々と決定したのか。また、するということは、すなわち政治的な圧力が加わったとしか考えられない。しかも、いま私が提起したような、わずかに二ヵ月、三ヵ月前の九月二日の領収証のコピーまでこうして出てきますと、これはFX次期制式戦闘機のいろいろな売り込みの問題に絡んでいるのかということになりますが、航空自衛隊が選んだ三機種の中にはこのロッキード社が入ってないやに聞いておりますと、私は、当然このP3Cオライオンがこのような工作費を使われて何らかの問題を提起しているのではないかという気がしてなりません。これについて御答弁をお願いいたします。
  339. 内海倫

    内海政府委員 もう一度経緯を御説明いたしまして、あわせて御質問の点にお答えを申し上げたいと存じます。  先ほども前の先生の御質問にもございましたように、昭和四十七年の十月に、四次防決定の際に次期対潜警戒機を国産にするかどうかという問題で、これが白紙に還元されて、その際に、こういうふうな高度な技術的な検討を要するものは専門家会議等を設けて慎重に検討するようにという国防会議の議員懇談会の了解ができ上がりました。そうして、昭和四十八年の八月にようやく八名の専門家の方の委嘱を終えまして、その専門家による、何がどうすればいいのかということを、純粋に専門的、技術的な立場で専門家の検討が行われまして、これは先ほど申しましたように十九回に及んで検討が行われた。その間に、もちろん専門家会議の皆さんは調査する手段も何もございませんから、資料はすべて防衛庁の方からいただいて、それを検討されたわけでございます。その際に提供されました資料が、先ほど丸山防衛局長が言いましたように、P3Cオライオンを含む四つの種類のものでございます。そのうちで他の三つのものは、防衛庁の方でその後調査団を出しまして調査をした結果、いずれも改造中のものであってまだ現物になっておらない。要するに、古いものを新しく改造しようとしておるものが日本にその国からレコメンドされておったようでございまして、そういうものを対象にしても検討のしようがない。そこで、結局外国機として残ったのがP3Cオライオン。それから国産はどうであるか、これは防衛庁が要求しておる要求性能を中心にして、これが国産ができるかどうかということを技術的な観点から検討されまして、先ほど申しましたように、これは国産をしてもいいし、あるいはその外国機を導入することも甲乙つけがたい、したがってもし装備をするときば、そういうふうな甲乙つけがたいということを考えてみるべきであろう、しかしながら、いろいろな諸条件を考えるとやはり国産がいいんではないか、しかしながら、国産はいいけれども、時期の問題あるいは財政上の問題、あるいはさらに技術上の問題でどうしても国産でいけないとするならば、次の国産を考えた上でそういうものを導入するのもよかろうというふうな意見を付した答申が出たわけでございます。  これは単なる答申でございますから、それを昭和四十九年十二月二十八日の国防会議の議員懇談会に報告いたしまして、そして国防会議においては、これはもう一度政府で再検討することにしようということに方針が決定いたしまして、現在どうすべきかということが政府各機関において調査検討されておる、こういう段階でございますから、その間にいかなる者も、いかなる方法でも、そういうふうな専門家会議のいろいろな論議の中に恣意に介入するような余地はなかったんではないか、そういうふうに私は思います。
  340. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 長々と御説明聞きましたが、総理、こういった時代に、いまこのような疑惑のある領収証のコピーも出てきたというときに、鈴切議員が提案しておるのも、こういったよく明確になってないときにオライオンのこの購入という問題は非常に危惧がある。ましてロッキード社とこうしてトラブルが起きているときに、私はこれはやめるべきである、白紙に戻すべきである、こう思いますけれども、これは総理、どう御決断いたしますか、このような現事実が出てきておりますから。
  341. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 本件に関してそういう疑惑というものが生じておるというわけではないわけでございますから、これは防衛庁の当局においてもいろいろ慎重に検討した結果であろうと思いますから、いままでの調査の結果を全部白紙にするというわけには事実上まいらぬと思います。
  342. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうしますと総理、疑惑があろうがなかろうがロッキード社に決定するという方向に進めていく、こう私は理解いたしますが、どうなんですか。ここまでこの委員会で問題になっているのを白紙に戻して、国民の疑惑を払拭するということを最低に私はいまあなたに提言しているじゃありませんか。それも無視するようでは困ります。
  343. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 まだ決定になっていないわけなんでございまして、これからわれわれの方でもまだ検討をし、そして国産をどういうふうにやるのか、あるいはP3Cを決めるのか、とにかくもう少し検討をさせてみたいと思っております。十分な調査をして、国民の疑惑を招くようなことは絶対にしないというような形で機種の選定を行いたい。もちろんその間、国防会議に諮りまして最終的には決めるわけでございますけれども、これはずいぶん先のことでございます。
  344. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 その決定がオライオン一本にしぼったということはもう事実いま明快になったわけですから、それを白紙に戻せと私は言っているのです。総理の決意を聞きたいのです。
  345. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 しぼったしぼったとおっしゃいますけれども、外国機につきましてはしぼりましたけれども、まだ最終的にこのP3Cということを決めたわけではございませんから、そのところをひとつ誤解のないように御了承を賜りたいと思います。
  346. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、この鈴切議員の質問に対する丸山政府委員の答弁はうそですか。「先ほども申し上げましたように、今回は外国機導入の場合にはP3Cオライオン一本にしぼるということになりましたので、」と、こう言っているのです。
  347. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 先ほど丸山防衛局長から申し上げましたように、外国機についてもいままでは検討してきたわけです。しかして、その外国機のうちではどうかというならP3Cが一番よろしい、こういうことを決めたということでございます。まだ国産との問題が関連があるわけなんで、最終的にまだ決まってないわけです。そしてまた、そのP3Cをそのまま入れるのか、あるいはどうするのかということは今後の検討課題でございます。
  348. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、こういった事態ができてきたのだから輸入の面ではP3Cオライオンという問題はもう全然消えてしまったのだ、これから改めて検討するのだ、まだそこまでは御決意がついてないのですか。私はそう決意するように聞いているのですがね。
  349. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 そうじゃないのでございまして、外国機の機種と、もちろんその中にP3Cも入っておったわけでございますが、それに国産ということもあったわけでございます。その中で外国機はP3Cということに決めた。しかしながら、国産にするのか、あるいはP3Cにするのか、あるいはP3Cそのものを直ちに輸入してやるのか、それともP3Cをライセンスしてやるとか、いろいろな方法もございましょうし、あるいは国産をどの時点にどういうふうにするのか、そういうようなところはまだ決まってないわけでございます。そういう意味でございます。
  350. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 だから私が言っているのは、そういった問題ですから、外国の代表としてP3Cを選んだということを――もうここまでロッキード社のいろいろな問題が出てきた。まして一九七四年、昭和四十九年の九月二日の時点のこういった、金額はわかりませんけれども領収証のコピーまで出て、トライスターの問題とは違っている時点のこれが出てきたのですから、そういった選考する対象からは外せ、そこまでは白紙にした方がいいんじゃないかと言っているわけなんですよ、疑惑のあるものを。
  351. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 先生のおっしゃる意味はわかるわけでございますが、われわれの方はあくまでも防衛上どういう機種が一番適当かということで真剣に実はいままで調査をしてきた結果として、P3Cというものが外国機としては適当であるというふうに考えておるわけでございます。そういうことでございまして、われわれのこれからの決め方といたしましては、あくまでも国民の納得のいくような形で決めなければなりませんし、いやしくも金銭の授受によってこういうものが決まるなんということはとんでもない話だと私は思っておるわけでございまして、この点今後慎重にわれわれは決めたいと思っておりますが、いままでの考え方というものを変えるつもりはございません。
  352. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 その選考する候補に外国の代表としてロッキード社一本にしぼったということはお認めになって――それを正式に採用するかしないかの時点を私はいま論じてないのですよ。こういった問題は、疑惑が出ているのに、外国の代表の候補者としてまないたの上に乗せること自体が疑惑を招くから、それを白紙に戻してやりなさいという、私がこんなに思いやりのある提案をしているのに、まだ、なおかつそれでもおれはその候補者の中に入れておくのだ、あなたはいつまでもそう言ってがんばっていらっしゃいますけれども、それをさっきから言っているのです。おわかりになったと思いますね。総理、私が言わんとすることは。それをあなたの御決意で、先ほどから、クリーン三木内閣の看板がもしも偽りでないならば、疑惑のあるようなものを選考対象の候補にのせること自体、私は、これだけ国会でいまいろいろと言われているのにもかかわらず、それでもおれはがんばり通して候補の中に入れるんだ。それは、正式採用になるまではまだ議論もする、検討もするけれども、まだ候補の段階だから勘弁してくれ、こういうふうに私は理解しているから、三木総理、あなたのクリーンの看板が泣くか泣かないかの瀬戸際だからどうだと、こう言っているのです。おわかりですか。
  353. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 しばしば申しておりますように、機種の選定というものは、その飛行機の性能などもいろいろな角度から検討して、一番日本の防衛庁としては好ましい機種を選定をしたいということでございますが、ただその中で、小川君の言われることもよくわかります、これはいろんな経緯等も考えて慎重にやれということについてはよくわかりますが、いままで調査してきておるものを全部白紙というわけにもいかぬと思います。しかし、慎重な態度でこの問題を処理いたします。
  354. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そして新たな事実がもしも出てきた場合には、こういった選考の候補の中からロッキードは消しますか。
  355. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 それはやはり、新たな事実というものはどういうことをお指しになっているのか、そのことが防衛庁として、その機種の選定が非常に大きな疑惑に包まれるということならば、考えなければならぬということは申すまでもありません。
  356. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そういったいま疑惑に包まれている問題が決定してきた時点において、なおかつロッキードの機種に、ここの委員会でこれだけ私どもは注意し、忠告し、そしてあなた方の考えをもう一遍白紙に戻すように申し上げているにもかかわらず、いままで調査してきたんだからやむを得ないんだというような物の発想――いま政治に対する疑惑があるものはすべてきれいにして、そしてこういった国民の血税で買う高い買い物であり、日本の大事な国防という問題の是非を論ずる大事な話なんですから、これは私は謙虚になって、この委員会がいまこの問題について集中審議をしているのですから、それは総理としたって、そのぐらいの御決意を述べてちっとも恥ずかしいことでもないし、日本の総理大臣として当然である、こういう気持ちで私は三木さんの御心境を追及しているわけです。まあ追及という言葉はおかしいけれども、お尋ねしているわけなんです。それでもなおかつまだ変わらない。たばこを吸っていらっしゃるけれども、まだ変わらない。これでは私はまことに遺憾だと思うのですね。
  357. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 小川君、だから、私が申しておるのは、本件の機種の選定について、いやしくも国民の疑惑を受けるような機種の選定はいたしませんと言っているのです。
  358. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それでは、ひとつよく私はその問題をこれからもきわめてまいります。  そこで、この問題について、いままで議論されてまいりましたロッキード社の飛行機の購入問題については、わが党でも矢野書記長がいろいろと四十四年の二月五日にやっておりますし、追及しておりますし、また、四十八年の二月の九日の予算委員会では大橋、山田両君もやっております。そして、鈴切君もこういった疑惑について、ロッキード社の問題や、また私たちの周りにいろいろと起きてくるこういった疑惑の問題について追及いたしております。  そこで、細かいことをいろいろと御質問もあり、御答弁もございましたが、私は私の立場でお尋ねいたしますが、ロッキード社の会計代行業者が、わが国の政府当局者に金が流れたはずだと証言していることは、これはもう大変重大なことですね。先ほどからもこの問題はいろいろと話されておりますから、そして政府自体もその責任において全力を挙げて真相を明らかにしていくという決意も聞いております。  そこで、米ロッキード社から児玉誉士夫氏らに巨額の資金が贈られたことが公表された問題について、国税庁は必要があれば税務面で再調査するとのことを先ほどお話しになっておりましたが、国税庁は、児玉氏本人及び同氏から資金を受け取ったと見られる政治家など関係者から直接事情を聴取するお考えがございますか。
  359. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 昨日来のいろいろな資料を総合いたしまして、所得の帰属をこれから解明いたさなければならぬわけでございます。したがいまして、資料によりまして児玉氏に質問をする必要があります場合もございましょうし、それからまた、その他の関係者に質問をする必要もあると思います。おっしゃいましたように直ちに、一部の金員がこれこれの人に手渡されておるというようなことだけでどういうところに調査していいかということはなかなかむずかしゅうございますので、あらゆる資料を総合しながら今後検討を加えてまいりたいと思っております。
  360. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そして領収証つきの資金の受け渡しがなされたのは去る昭和四十七年十一月と公表されております。これは明快になっております。通常の申告漏れの場合は本年三月十五日がその時効期限になるわけでございますが、これは早急に対応する必要に迫られておると思います。先ほどからも期限の問題や公訴の問題等について専門的に追及がなされましたが、重ねて私はこういった問題が、先ほどからるる申し上げておりますように、わが国の名誉、三木内閣の名誉以上に国民の名誉にまで及ぶような発言を外国から、そうした権威のあるところから、その場所からされておることについては、これは速やかに明快にしていかなければならぬということは、もう総理も先ほどから申されておりますから、その意を体して、こういった真偽をどうするかという国税庁当局の決意を改めてもう一遍、これは大蔵大臣からお願いいたします。
  361. 大平正芳

    ○大平国務大臣 国税当局としては、当然その任務に忠実でなければならぬわけでございます。したがいまして、いま提起されておる問題につきまして、事実を確かめまして、法人また個人につきまして所得の帰属計算というふうなものを漸次明らかにしてまいって、その責任を果たさなければいかぬと考えております。
  362. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 丸紅飯田についても、同様に法人税課税状況を見直すことになると思いますが、丸紅はロッキード社から航空機輸入の手数料として約二百万ドル、約六億円を受け取ったとしておるが、米上院多国籍企業小委員会では、ロッキード社が丸紅に支払ったのは三百二十万ドルと言われております。その差額について、当然これは解明のメスを加えなければならないと思います。この差額についてはいろいろとあるでございましょうけれども、この点についてお願いいたします。
  363. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 当然昨日来のいろいろな御指摘あるいは米国の議会におきますところの公聴会の資料等によりまして私どもが解明しなければならない場合には、丸紅会社そのものにつきましても調査をいたします。
  364. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この丸紅がロッキード社から約二百万ドル受け取ったことに間違いないのですが、これはトライスター十四機分の正当な輸入手数料であると言われておりますが、一体日本の国内でトライスターはいま何機就航しておるのです。そして何機待機しておるのです。十四機というのは確かに日本の国にあるのですか。
  365. 木村睦男

    ○木村国務大臣 ロッキード一〇一一のトライスターでございますが、現在十四機全日空で使用をいたしております。それから、二機は昨年十二月に受領をいたしておりますが、まだ使用いたしておりません。さらに二機は契約だけ終わっておる。したがって、全日空の所有に属しておりますものは都合十八機ということでございます。
  366. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、いま現在日本国内にあるトライスターは十八機ですね。それはわかりました。  伝えられるところによりますと、その他の情報について当社は関知しないと社長談話を発表しておきながら、その丸紅の伊藤専務がピーナツ百個受領という奇怪な領収証にサインをした事実が明るみに出たことについて、同丸紅の専務は、頼まれたからサインした、手数料とは全く関係ないと弁明しておりますが、われわれとしてはとうてい納得できません。この事実関係は明確にすべきでありますが、これについてはいかがお考えですか。
  367. 木村睦男

    ○木村国務大臣 十八機でございますが、日本にあるのは十四機でございまして、二機はまだ日本に来ておりません。契約は終わっております。
  368. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いまの私の質問に対しては、どなたがお答えしていただけますか。
  369. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 いま御指摘の点につきましても、伊藤氏個人あるいは丸紅会社そのものにつきまして調査をいたさなければならないのではないかというふうに考えております。
  370. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 米上院銀行委公聴会等本件に関する議事録や、また、正式に言いますが、上院外交委の多国籍企業小委員会の公聴会、そういった関係資料の現在用意されている分について伺うわけでございます。  具体的にひとつ、現在までに出ております問題について、米議会においては現在二つの公聴会が続けられておるようでありますが、それらの情報の収集というものはどのように努力がなされておりますか。先ほど同僚委員が質問をやっておるときに、私は国家公安委員長にはいつも委員会で御説明を受けたりしておりますが、朝のNHKのテレビを見てわかったというようなことをおっしゃっておりますが、政府が現在まで進められておりますこの委員会の情報の収集という問題がしっかり行われているか。この問題が不明確でありますと、われわれのこういった調査もまた質問の内容も空虚に流れ、皆さんの御答弁の方もまことに味気ないものになってしまいますが、国家公安委員長がテレビを見てこなければわからないほど、またこれでわかるんだったらNHKが来てここで説明すればいいことなんでありますけれども、まあそうもいきませんので、それらの情報の収集の対策というものは本当にどのように進んでおるのか、これはひとつお尋ねしておきます。
  371. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 お答え申し上げます。  このロッキードの贈賄問題に関しましては、先ほども御説明申し上げましたように、米国の上院の銀行委員会と外交委員会の多国籍企業小委員会とが並行して審査しておるわけでございます。  そしてこの銀行委員会の方に関しましては、昨年の八月二十五日にプロキシマイヤー委員長主宰のもとに公聴会が開かれました。その議事録も、その二ヵ月余り後に公表されましたので、早速入手いたしまして予算委員会の関係の方にお配りいたしました。それは英文の全文と、そして日本関係部分は邦訳を付してお配りいたしました。さらにその銀行委員会の議事の概要についても、調書を作成してお配りいたしました次第でございます。  次に、多国籍企業小委員会でございますが、これが昨年の九月十二日に公聴会を開いておるようであります。ただ、この議事録はまだわれわれは催促中でございますが、入手いたしておりません。実は昨日もその状況をもう一回照会しておりますが、その議事録が入手できましたならば、これはまた提出いたします。その後、この多国籍企業小委員会が公開の審議をやったことはないようでございますが、それがこの二月四日に至りまして公聴会が開かれたということでございます。     〔正示委員長代理退席、委員長着席〕 これに関しましては、もちろんまだ議事録もできておりませんが、公開のものでございましたので在米の大使館の方でいろいろと情報を収集させまして、その結果に基づきまして、非公式な報告でございますけれども、先ほど私が議事の概要について御報告を申し上げた次第でございます。  なお、その小委員会の際に提出されました証拠、資料に関しましては現在取り寄せ中でございまして、それは入手次第、当委員会に提出いたしたいと考えております。
  372. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 いつごろ出せる予定になっておりますか。
  373. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 実はワシントン大使館は昨日発送いたしたはずでございますので、来週早々には入手できると思っております。
  374. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 新聞紙上ではいろいろ言われておりますけれども、いままでに正式にわかったところ、児玉誉士夫氏の受け取った金額というものは幾らになっておりますか。
  375. 山崎敏夫

    ○山崎政府委員 実はこの問題は非常に、今回の多国籍企業小委員会における審議においてもはっきりいたさないわけであります。この審議に際して提出されました一つのリストがございまして、これはごく非公式なリストのようでありますが、それによりますれば、児玉誉士夫氏は総額で七百八万五千ドル受け取っておるというふうに、ただ記載されております。これは何ら証拠ではございませんで、ただそういう記載があるということでございます。  そして、この問題に関して当日のウィリアム・フィンドレー氏に対する委員会側の質問と同氏の応答という形でこの審議が行われたわけでございますが、その中で小委員会側は、このリストに基づいてだと思いますが、七百万ドルぐらいを児玉誉士夫氏が受け取っておるのではないかというふうに質問しておるわけでございますが、これに対してフィンドレー氏は、総額で四ないし五百万ドル受け取っておるようであるというふうに言っております。  それから、その小委員会に対して提出された資料そのものから見ますと、児玉誉士夫氏名の領収証の写しが五枚ついておりまして、その総額は四億二千五百万円でございます。
  376. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 それではもう一遍確認しておきますけれども、これは国税庁の方へ聞きたいのですが、児玉氏の所得申告を四十六年からの年度別にちょっと教えてください。
  377. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 公示されました申告所得金額は、昭和四十六年分が四千六百一万四千六百八十円、昭和四十七年分が四千三百二十二万九千三百八十五円、昭和四十八年分が四千六百五十万七千百二十四円、昭和四十九年分が五千万千三百三円でございます。
  378. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 この数字から見る限りは、億以上の所得があったと申告されておりませんけれども、申告漏れあるいは脱税の疑いがあれば、これは再調査しなければなりませんし、また、先ほどからも議論の対象になっておるところでございますので、これはどうなのか。また、実際にお金が入らないということは、どこかへ行ってしまったということになるので、この辺のところが一番大きな問題になる焦点でございます。  先ほどの楢崎さんもまたこの点を言われておりましたが、これに対して再調査、そして調査結果を国会に報告する考えというものがあるのでしょうか。これは守秘義務とも関連してまいりますので、非常に大事なことでございますが、この点についてはいま私が二点お尋ねいたしましたからお答えいただきます。
  379. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 先ほど来お答えいたしておりますように、各種の資料を検討いたしまして、必要がありますれば関係者に問い合わすなり、いろいろなことで見直し調査をやらなければならないと思っております。ただその調査の結果、内容につきましては、従前から申し上げておりますように、恐らく内容は守秘義務の関係で申し上げられないというふうに考えております。
  380. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 中橋君、報告をするかしないかというなにが……。
  381. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 ですから、お答えしましたように、調査内容の結果につきましては守秘義務の関係から御報告いたしかねると考えております。
  382. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、内容がわからないということになりますが、われわれはどうやってそのことについてはわかる方法を研究したらいいのかということですね。それから、見直し調査というものをやるかどうかということもこの結果によって判断するわけでございますが、その点はどうお考えでございますか。
  383. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 恐らく見直し調査は必要になるだろうということは先ほど来お答えをしておるとおりでございます。その内容、結果がどの程度行われたかということにつきましては、私どもの精いっぱいの努力を信じていただくより仕方がないと思います。
  384. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 先ほども申し上げたところでありますが、私の方としては国税庁で調べて、その内容は国税庁としては守秘義務の問題といろいろ関係あるかもしれませんけれども、問題は渡った人等がはっきりしてきますと、やはりこれは一つの刑事事件になる可能性がある、決めることはできませんけれども、可能性があるのですから、やはりそこで取り調べをせざるを得ないんじゃないか、このように考えております。
  385. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 そうすると、現在までには東京地方検察庁は動いていますか。現在時点では東京地検は調査を開始しているのですか。
  386. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 まだ動いておらないと聞いております。
  387. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 東京地検が動き出すのはいつからですか。またどういうときに、どういう状況になったときに調査に動き出すのですか。
  388. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 事実が判明し、しかもその判明した事実が犯罪との関係において十分犯罪の嫌疑がある、こう検察庁が判断を下しました場合に検察権の発動に踏み切れる、あるいは警察から地検にいわゆる送検をしてきた場合には捜査いたします。
  389. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 法務大臣、嫌疑がいまかかっているわけですね。これを明確にするために出動するのかしないのか、発動するのかしないのかということを聞いているわけです。
  390. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 いま御指摘になったような事項につきまして、事実関係を調査して、それが犯罪の嫌疑があるということになれば、当然検察庁としては検察権の発動に踏み切るということになるでしょう。
  391. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 現在時点までは、法務大臣のお考えではまだ疑いがかからない、疑惑がまだ生じてない。だけれども、われわれは疑惑があるからこそこうして集中議論をし、乏しい資料の中で、あなた方の御意見を聞きながら、こうしてつえを差し上げ、道を示しながら、一日も早く国及び国民がこうむったこの忌まわしい問題の解決という問題をいまここでやろうとしているわけですから、私はもう少し何らかの方策があってしかるべきだ、こういう気持ちで法務大臣にお尋ねしておるわけでございます。
  392. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 法務大臣と検察庁との関係は、先ほど正森委員の御質問にお答えしたとおりですね。私が、具体的事件について捜査に踏み切れとか踏み切るなとか、そういう立場にはないですね。したがって、これらのことについていろいろこういう問題になっておりますから、検察庁が、こういう事実があって、これは犯罪を構成する嫌疑十分だ、こう判断されれば、それは検察庁の判断に基づいて検察権の発動になる、こういうことを申し上げているのであります。よろしゅうございますか。
  393. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 あなたによろしいか、こう押されますと、私がよろしくないとはいま言えませんけれども、いずれにいたしましても、私の真意というものがどこにあるかということは、法務大臣、それはもう法の番人として当然おわかりだと思うのです。  そこで、会計検査院。会計検査院はどのように行動しているのですか。
  394. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 会計検査院、いるか。――いない……。
  395. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 おりませんから、いないところでは答弁が聞けませんから私は待ちますが、申告漏れや脱税に対しての追徴金を要求する時効というものも、先ほど議論がありましたが、通常の申告の場合は三年で、これは逆算いたしてまいりますと五十一年三月十五日となっております。特に悪質な脱税の意図があった場合には五年、五十三年三月十五日が時効期限となっておりますが、国税庁は、児玉氏のこの件について、これは先ほどから早急に調査するということでございますが、三年か五年か、どちらを適用する考えなのかはこれからわかると思いますが、時効期限がどっちにいたしましても迫ってきているわけでございます。この問題についてはいっときも猶予ができない。しかも、いろいろと障壁もございますが、この点について御説明をいただきたいと思います。
  396. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 申告が出ております場合に、それに対して更正をしますにつきまして期間制限がございまして、原則としては先ほどおっしゃいましたように三年でございますが、偽りその他不正の行為、たとえば仮名の預金を設定をいたしておりますとか二重の帳簿をつくっておりますとかいうような場合には五年間でございますので、先ほどおっしゃいましたように、それの制限が切れますのが五十三年の三月十五日になるわけでございます。いずれにしましても、私どもの方はできるだけ早急に、先ほど外務省からお話しになりましたような資料も得まして、またいろいろ各方面の検討を加えまして、早い時期に調査を進めたいというふうに考えております。
  397. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 時間が参りましたので、私は最後に資料の要求を申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。  証人要求につきましては、社会党の要求のとおりわが党も要求いたします。また、資料の要求については、いまから読み上げますので、よくお聞き願いたいと思います。  米上院外交委多国籍企業小委会議録、米上院銀行委公聴会会議録。米ロッキード社の社内資料。丸紅とロッキードの航空機輸入代理業務契約書、これは昭和三十三年以降であります。丸紅の航空機輸入代理業業務の収支関係証憑、これも昭和三十三年以降で結構です。丸紅役員会会議録、同じく全日空役員会会議録、いずれも三十三年以降。丸紅、全日空、日航の株主の推移。丸紅の法人税申告と課税状況。丸紅伊藤専務の個人申告所得と課税状況。児玉氏の個人申告所得と課税状況。全日空に対する政府資金の融資状況。F104決定に至る政府調査団資料及び政府決定経過及び国会提出資料一式。トライスターの全日空採用に関する全日空と政府間の協議内容に関する資料。児玉氏の入手した資金の配付先一覧。伊藤氏の署名した財務上の処理をあらわすロッキード社の財務資料。在日ロッキード事務所の税務、財務諸表。ID社の正体及びロッキード社との関係をあらわす諸資料及び同社の税務、財務諸表。ロッキード社が丸紅飯田、児玉氏ら日本側に渡した贈賄、報酬、献金等の一切のリスト。非常にむずかしい問題もあると思います。できるものはできる、出せるものは出せる、いずれもその判断は皆さんがやるものと思いますが、私としてはこれだけのものを要求したいと思います。そして速やかに提出されることを委員長によろしくお願いを申し上げまして終わります。
  398. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 小川君に申し上げますが、でき得る限り資料を出すように努力いたします。  これにて小川君の質疑は終了いたしました。  小沢貞孝君。
  399. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 時間がなくなってはいけないので、冒頭に委員長にお願いをしておきます。  証人喚問として、わが民社党も児玉誉士夫氏、それに丸紅社長、専務の伊藤、それから全日空の社長、副社長、先ほど同様にわが党も証人喚問を要求いたしておきます。
  400. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 承知しました。
  401. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 続いて三木総理に、私が最後の質問であり、総括して御答弁をいただきたいと思いますが、この真相究明のために、政府部内においても調査委員会、こういうものを設置する意思はないか、こういうことであります。これは、私は理由は後で申し上げますが、そしてまた、答弁は私の若干の質問の後十分考えていただいて、総理から御答弁をいただきたいと思います。  それから、今度は自民党総裁として御答弁いただきたいが、われわれは国会の中で、この真相を究明するために法務委員会かあるいは外務委員会か、あるいは国家公安委員長の方にウエートがあれば地方行政委員会か、あるいは本会議の議決によって特別委員会か、いずれかまだ考えてはおりませんが、何らかの調査の委員会をつくらなければならない、これは国会自体の問題だと思います。これに対して、自民党総裁として、これは賛成であるか、積極的に推進するか、この二点は最後に御答弁をいただきたいと思います。  最初の、政府自体の中に調査委員会式のものを設けなければならない理由をまず申し上げたいと存じます。  先ほど来、総理の御答弁を聞いておれば、材料を収集して、わが国の名誉の問題でもあるので、こういうようなことであります。われわれも全く賛成であります。しかも昨年は、パリ郊外ランブイエ六大国首脳会議へ堂々と御出席いただいた三木総理であります。それだけのわが国が、こういう問題においてアメリカで発表されて、わが政府がこれに対して積極的に取り組むという姿勢を示さなければ、日本の民主政治の姿勢というものを世界各国から問われるではないか、これが第一点であります。  第二点は、先ほど来の応答でおわかりのように、大変各省庁にまたがっておるわけであります。国家公安委員長あるいは法務大臣、大蔵大臣、外務省あるいはまた自治大臣、こういうぐあいに各省にまたがっているわけであります。これは大変複雑な問題になると思いますので、やはり調査に関する特別委員会あるいは調査室、そういうところで一本化して、この調査を政府でもやらなければならない、そういう必要性があるのではないか、こういうように考えます。  それから第三点としては、こういうものの捜査に大変困難を来すのは、アメリカの中で発表されたという問題であります。これは外交上の問題もあって大変困難でありますから、そういう統一したところで、指令が一本になって調査をしなければならないというのが第三点であります。  第四点は、先ほども三木総理から御答弁がありましたが、この機会に、失いかけておる政治への信頼というものを取り戻さなければならないという高い次元の問題がありはしないか。  第五点としては、きょうの社説等各社見ても、これは徹底して調査をせよ、これが国民の世論ではないか、こう思います。特にある社説のごときは、この機会にクリーン政治の実態を示すにはこの問題にしっかり取り組まなければならない、こういうように言われておるわけであります。それが第五点であります。  それから、これまた先ほど来質問に出ておりましたが、次期対潜哨戒機を決定をしなければならない、こういう前夜でもある。  こういうように、六つばかりの理由があるわけであります。この理由に基づいて、冒頭申し上げたように、政府自体の中で調査委員会をつくる必要がある、こういうように私は痛感されるわけであります。私、若干の質問を各省にいたしますので、どうぞそれまで十分お考えいただいて、最後にその点を御答弁いただくようにお願いをいたしたいと思うわけであります。  最初に事務的なことからお尋ねをいたします。先ほど国税庁長官が児玉誉士夫氏の昭和四十六、七、八年か、四十七、八、九年だか、若干の所得税の申告の発表がありました。さてその上に、先ほど来、るる言われておるところの何億という金をもらった、こういうことでありますが、それを児玉誉士夫氏に対していつ調査に入るか、具体的日程等についてお尋ねをしたい。先ほど来の御答弁だと、上院の領収証のリコピー等を受領して、こういうことのようですが、そういうものがなければ調査できないかどうか、最初にそれを、事務的に。
  402. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 私どもの調査はいろいろ各方面にやるわけでありまするから、納税者御本人に接するのをもって調査というわけにまいりませんから、いろいろ資料収集をやります。それから、アメリカから参ります資料ももちろんその中の検討対象に加えるわけであります。いつから調査をするかということは、これはできるだけ早くということでございまして、その期日を明らかにするのもまた適当ではないかと思いますが、できるだけ早くやります。
  403. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これを推進するためには、アメリカの上院の先ほど来言われている領収のコピーがあった方がより促進されるのではなかろうか、こういうように考えますが、外務省としてはこれを猛スピードで取り寄せるということをやって幾日間かかるわけでしょう。
  404. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 公になっておりますものは、これば恐らくもう明日か明後日には参ります。(小沢(貞)委員「ちょっと聞こえなかった」と呼ぶ)明日なり明後日なりには、公になっておりますものは参りますので、これは問題がなかろうと思いますが、委員会が公表いたしませんでした、つまり日本字で書かれたものにつきましては、これは委員会の承諾を得てと申しますか、そういう形でコピーをこちらで取る、何かの形を、先ほど正森委員のお話がございましたようなことで私としては検討してみなければならないなと思っておるわけでございます。これは委員会としては公には公表しないという立場でございますから、当然にはということにはなりませんで、私どもとして検討して、何かそういうことを検討してみたいと思っておるわけでございます。
  405. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 国税庁にお尋ねしますが、いま公にされて二、三日中に取れる、そのコピーがあれば、今度は一歩前進して、国税犯則取締法第二条には「臨検、捜索、差押」、第一条の方は「質問、検査、領置」こういうように書いてありますが、それでできますか、国税庁。
  406. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 その現物を見てみないと何ともお答えはできないわけでございまするが、国税犯則取締法によりますところの、たとえば臨検、捜索をやりますにつきましてはかなりのそういった資料が必要でございます。裁判官の令状も取らなければなりませんから、相当程度の脱税事件の容疑というものを固めなければならないと思っております。
  407. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 国会でこれだけ論議されて、あれだけの資料が新聞紙上等に発表されて、発表されたものだけは両三日中に届く。これだけの事実に基づいて、そういう資料に基づいては、再度お尋ねしますが、国税犯則取締法は発動できない。できないとするならば、一体どういう条件が具体的にそろえばできるか。
  408. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 いろいろな事態を想定いたさなければなりませんけれども、御理解をいただきたいと思いまするのは所得の問題でございます。所得といいますのは、収入があったということだけでもなかなかまいりませんし、それからその所得が嫌疑をかけられておる人に帰属するということの心証を得なければならないわけでございます。所得というのはそういうところが非常にむずかしゅうございまして、帰属を明らかにしなければならない。それから計算もしなければなりません。そういうためにはいろいろな調査が必要でございます。そういうことでございますので、単に収入があったであろうというだけで、ただいまおっしゃいましたような国税犯則取締法の発動というのは、私どもは従来からの経験に徴しましてむずかしいと思います。
  409. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 現段階で、収入があったであろうということは大体わかる。これはもうコピーも二、三日中に来ますし、わかるが、これが一体本人の所得に帰属したかどうかということを調査することは不可能事に近くありませんか。そういうことになると調査できないということになるのじゃないですか。収入があった、そのこと自体に基づいていま申し上げる第一条、第二条を発動しなければ調べようがないじゃないですか。
  410. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 国税犯則取締法の発動につきましては、私ども従来のいろいろな事件に当たりましてはかなり慎重にやっておるつもりでございますので、いままでおっしゃいましたようなことだけで発動するということはなかなかむずかしいのではないかと思います。
  411. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そういうことなので、これは外務省が速やかに、公表された資料はもとより、あらん限りの資料を収集してもらわなければならない、こういうことになろうかと思います。  なお、重ねて国税庁にお尋ねしますが、それと同様なことは丸紅の法人関係の税についても全く同様の手続であるかどうか。
  412. 中橋敬次郎

    ○中橋政府委員 丸紅会社につきましても同じような問題として調査を進めなければならないと思っております。同じような事態と考えます。
  413. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 先ほど法務大臣の御答弁を聞いていると、検察陣が動く条件をお聞きいたしました。それには、第一段階として、どうしても警察庁が捜査をして送検をしてよこすということも一つの条件のようであります。  福田国家公安委員長にお尋ねする。それで先ほどの御答弁だと、真相がだんだん出てくるある一定段階に来たときにと、こういうように言われておるわけであります。けさの段階においては刑事局長に、まあ内々で調査だか、調べておけ、それは捜査に踏み切ったという意味とは違う、こういうように言われておるわけです。そうすると、一定段階とは一体どういう時期になったならばこれは真剣に捜査をするようになるか。その一定段階とは何ぞや。
  414. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 お答えをいたします。けさほど申し上げておった意味は、実は、私は向こうでそういう委員会がか調査をしておるということは聞いておりましたが、実は日本語で書いた領収証があるということが明らかになったので、これはもう放置することはできない。したがって、これはもう内偵するといいますか、どういう罪がこれに関連してあるかとか、その取り調べの場合の何かいろいろな問題をよく研究しておくようにということを刑事局長には申し伝えておきました。  そこで、先ほど来、大蔵省の税務の関係で調べられるということでございますから、これがやはり一つの、私は内容いかんによってはわれわれとしても正式に捜査に踏み切る必要が起きる可能性があると思っております。  それから、同じあれでもやはりアメリカの委員会においても、こうこうこういう人にこういうことをしたというような事案が出てきますと、これはまあやはり黙っているわけには私はいかないのじゃないか。こういうふうに考えておるのでありまして、そういういろいろの問題をにらみ合わせながら、日本のいわゆる国民の疑惑を解き、また政界の浄化を図る、こういう意味でわれわれとしてはやはり決意を持ってやっていかなければならないんじゃないか、こう私は考えておるわけでありまして、ただ、いままでの段階では何かこう向こうでそういう話があるそうだとかというようなことでありましたので、そういうことだけで直ちに捜査に踏み切るというようなことは、やはり私は軽率である、こう思っておりましたから、そこで内偵をしておけと、こういうことを申したわけでございます。
  415. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 そうすると、福田大臣、内偵はスタートを切った、こういうことでいいですか、そういう理解で。
  416. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 捜査という意味は、これはもう特定の犯罪に対する具体的な嫌疑が明らかになったときに踏み切る、これはもう当然なことでございます。そこで具体的な嫌疑がどういう場所において出てくるかという問題を見ていなければいけない、こういうことでございます。
  417. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 捜査に踏み切るというのはわかりました。先ほど来の答弁を聞いていると、内偵を始めたと、こういうように言っているわけです。それはいいですね。内偵を始めた、これはもう当然のことだと思うのです。
  418. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 そういうような嫌疑の事実が出てくるかどうか、そういうようなことについて、終始今度は注意をして見守っていくということが内偵ということになると思うのであります。事実が出れば捜査に踏み切る、こういうことでございます。
  419. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 私はまだよくわからないわけで、内捜査、先ほどはそういう言葉を使った。いまは内偵という言葉を使った。それで捜査に踏み切る、こういう段階、そこをどうしても聞きたいわけです。内捜査と言う、内偵と言う、今度は捜査に踏み切ると、こう言う。そこを聞きたいわけです。
  420. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 私が内偵と申し上げておりますことば、たとえばどこで出るか知らぬが、事実関係は一応いまから調査をしておく必要がある。そこでその事実関係が明らかになって、犯罪の嫌疑がそこに出てきたときに捜査に踏み切ると、こういうことと御理解を賜りたいのであります。
  421. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 大変続いて聞くようで済みませんが、事実関係の調査ということを具体的に言えばどういうように進めるか。たとえば外務省からコピーの写しを取るとか、そういうことを事実関係の調査と言うか。その調査の具体的なことはどうするかと、こういうことです。
  422. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 ただいまお話がございましたような外務省からの報告も一つの事実になるでありましょう。あるいは先ほど私が申し上げましたけれども、向こうのこれ以上に、たとえばだれそれにどういうものを渡したというような事実がアメリカでまたはっきりと出てきて、その報告が外務省へ来たという段階もこれも一つの事実でございましょう。いずれにしても、そういうような事実を踏まえた上で、そこで捜査に踏み切る。これはもう捜査に踏み切るというときは相当やはり確信を持ってやらねばいけないので、よく警察は嫌疑だけでやるとかそういうのはけしからぬとかというおしかりもよく受けておるのですが、こういう問題はそういうようなことを言うべき筋ではないと思いますけれども、やはり私はいかなる場合においても人の人権の問題については慎重に対処しなければならない、いかなる場合でもそれが民主主義の原則である、こういう観点から申し上げておるということも御理解をしていただきたいと思います。
  423. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 防衛庁にお尋ねします。  対潜哨戒機のことで、先ほど来質問がいろいろあるわけです。それでまず具体的に聞きます。この疑惑がある間は保留するか、こういうように具体的にお尋ねをいたします。もしロッキードから買うとしても、疑惑のある間は保留するか。する、しない、そういう答弁をいただきたい。
  424. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 最終的にこれはまだ決まったわけではございませんので、相当時間もございますので、その間いろいろ事件の真相も明らかになるだろうと思うのです。しかし、いまのところ私どもといたしましては、進めてまいりました機種の選定にやましいことはないと思っておりますので、このまま続けてまいりたいというふうに思っております。
  425. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 具体的にイエスかノーかを答弁していただけばいいわけです。すれ違いの答弁でなくて、この疑惑が続いている限りはこのPXLの機種選定はしない。たとえそれがよくても悪くても、とにかく疑惑のある間は買わない、こういうようなイエスならイエス、そういうことにお構いなしにやるならやる、どっちか答弁してください。
  426. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 こういう問題はイエスかノーかと、その御質問でございますけれども、なかなかそういうふうにはお答えできない問題だというふうに思うのです。やはり国民の納得のいく形で、しかも防衛上この機種が本当に必要欠くべからざるものであるということで決めたいというふうに思っております。
  427. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それじゃ一歩進めて質問いたします。  疑いが決定的になったときにはやめるか。これは一般に汚職や何かあったようなのは、一般役所ではもうそういうところの業者は外してしまう。これはあたりまえのことですから、私はあたりまえのことを質問しているわけです。疑いが決定的になったときにはやめるか。
  428. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 疑いがどういうふうなことになるのか、これは仮定の問題でございますから、ちょっとお答えできません。先ほど申し上げましたように、やはり国民の納得のいく形で、しかも防衛上必要なものであるという観点に立って機種を決めたいというふうに思っております。
  429. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それはだれが考えても常識で、膨大な政治資金なり膨大な賄賂を送って、そういうことが決定的な疑いになったときに、その会社からなお買おうということができますか。これは防衛庁長官でいけなければ、総理なり何なりにお答えをいただきたいと思うわけです。
  430. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 この機種決定について、そういうことがあれば当然にそれは考えなければならぬことは言うまでもありません。
  431. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 続いて総理にお尋ねします。  亡くなられたアメリカのアイゼンハワー大統領はその辞任の際の演説の中で、産軍の癒着、産軍複合体の形成について警鐘を鳴らしたことは御承知のとおりだと思います。今回の事件に関連して、わが国においてもこういう事態の発生を危惧する者が国民の中に多いわけであります。このような事態に総理としてはどういうように対処するか、政府部内をどういうように引き締めていくか、その決意のほどをお聞きしたいわけです。
  432. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 やはりアイゼンハワーは異例の演説です。辞任のときに、必ずしも皆演説をするわけではないのです。アメリカの民主主義の将来を、産軍複合体、このことがやはり民主主義の将来に非常に危惧の念を持つと言い残してやめたわけですね。アメリカは、とにかくあれだけの膨大な一つの軍需産業というものを持っておって大変なものでしょうからね。そういうものが、やはり産軍の間に癒着があるということは、民主主義の将来を曲げる、民主主義の健全な発展を阻害するという危険がある、こう指摘したんでしょう。日本の場合は、防衛産業と言ってもそんなにアメリカの比ではございませんが、しかし、これはアメリカよりもずっとやはり小規模なものであると言っても、産軍というものの癒着、そのことがいろいろ防衛本筋の問題に対して、これを曲げるようなことがあることは慎まなければならぬ。日本においてもそういうことがないように常に戒めなければならぬと考えております。
  433. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 先ほど楢崎委員の質問の中にも、これは田中金脈問題ではなかろうか、こういうような御発言もありました。きょうの新聞を見ると、田中・ニクソン会談と前後して、というような大変疑惑を持たれるようなことがやはり出ておるわけであります。それから、これは記者の座談会ですが、「それに、児玉がなぜこういう役割を果たせるのか、国民は関心をもつと思う。故鳩山一郎元首の周辺に集まっていた岸、児玉、河野、三木武吉とつながる民主党の権力機構から、現在へのつながりも考える必要がある。もう一つは佐藤政権から田中政権にかけて児玉がメッセンジャーの役割をしているのではないか。」、こういう記事を読みながら、「戦後秘史 崩壊の歯車」こういう中に実は児玉さんが発言している言葉があるわけであります。これは、「大森実直撃インタビュー」こういう中で、これは四巻、五巻とずっと続いているわけですが、この第一巻の二百八十ページにこういうように出ているわけです。   大森 それでいよいよ戦後の自由党創設のと  きの話をお聞きしたいんですが、その前に、米  内海相に上海からもち帰った物資一覧表を出さ  れたと、これは読ましていただきましたが、い  ろんな説がありますがね、鳩山さんにあなたが  黙って党資金として出されたわけでしょう?   児玉 ええ。   大森 いくらぐらい出されたですか。ほんと  うは。   児玉 そうですね、当時のカネで、鳩山さん  に出したカネが七千万です。   大森 大きいですね。   児玉 当時のカネで七千万です。   大森 七千万ですか、当時のカネで。そうし  たら今だと何千億になりますな。   児玉 それはもちろんです。それとダイヤモ  ンドですね。ダイヤモンド、プラチナ……   大森 それはダイヤモンドの場合はやはり海  軍の軸受けですね。海軍の飛行機の軸受け用の  ダイヤモンドですね。それから少し飛ばして、   大森 何カラットぐらいですか。これはダイヤモンドのことです。   児玉 さあ、とにかくね、カマスに一つ半く  らいあったでしょう。   大森 それは大きな話ですな。これが児玉さん個人の談話として大森実との直撃インタビューに出ているわけであります。  そして、先ほど来申し上げたように、今日の新聞はその当時からのつながりというような政界のつながり等も発表しているわけであります。これは、実は私は重大なことだと思います。  そこで、三木総理に冒頭申し上げたように、五つ、六つの項目にわたって、これはどうしても政府に調査委員会をつくらなければならないような重大な問題ではないか、こう思います。三木総理からひとつこの点の最後に御答弁をいただきたい、こう思います。
  434. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 その小委員会の発言の中に、私が重視するのは、同人の受け取った資金は日本政府及び日本の複数の航空会社の関係者に渡ったと聞いているというようなのがあります。これは日本政府というような言葉も出てくるわけでありますが、こういうことはやはり私は信じたくないのです。このことは信じたくない。日本政府が関与しておったということは信じたくないのです。そういうことで、これはこういう疑惑、こういうふうな証言があるわけです。まあ、私だと言うてないので、聞いたと言っているのですが、そういうことはやはり明らかにしなければ政治の不信というものは解消できぬと思っておりますから、この問題は、小沢さんはやはり調査会でも内閣に置けと言われるのですが、これは内閣の、いろいろこういう問題を解明することに関連をする省庁というのは全部が全部でないわけですから、だから調査会は置きませんが、内閣の機能を動員してこの疑惑は解明をしたいという決意でございます。
  435. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 私は、これに取り組む政府、特に総理の決意というものがやはりクリーン政治だ、そして政治の信頼を回復するゆえんだという、実は三木総理が総理になったときのあのスローガン、こういうものが試されるときではないか、私はこういうように考えます。あるいは党内に出血が出るかもしれません。しかし、蛮勇をふるってこれは調査をしなければならない重大な事態ではなかろうか、こう思いますから、たって私は、やはりその姿勢を示すためには調査会、こういうものをつくってこれにまともに取り組むのだと内外にその姿勢を示すことの方が、これは総理としてはもう信じているといま言ったのだけれども、その信じていることを、疑いを晴らすためにもこれは必要ではないか。単なる機能を動員してやる程度ではなくて、その姿勢のために私は必要であろう、こういうことで再度御答弁をいただきたいことが一点と、国会の中にひとつ特別委員会なり小委員会を設けるに当たって、総裁としてはこれを推進をするか、その二点であります。
  436. 三木武夫

    ○三木内閣総理大臣 内閣の中に調査会というものをいま置こうという考えは、私は持ってないのですけれども、この問題は、本当にこういう疑惑というものは払拭することが日本政治のために必要であると思っていますから、調査会を置かなくても、やはり政府としては、この問題を、できるだけいろいろな情報、資料などを集めまして解明をしたい。私はそういう事実があったとは信じていないのです。したがって、そういう疑惑というものは解明をしなければならぬ、こう考えておる。国会の方は、これは国会の中でひとついろいろ御相談を願って、国会自身も――きょうも一日この問題で論議が続いたわけでございますから、国会でよく御相談を願いたいと思うわけです。その決定に対して私は何らの異存もございません。
  437. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 国会がつくろうとするならばそれは賛成と、こういうことでありますので、それはわかりました。それではどうしても調査会をつくらないというならば、これは特に外務省等を叱咤して、速やかにこれは国民の前に疑惑のないことを、ないならないでそれを明らかにしなければならない、こう思いますので、各省を叱咤して速やかに真相を調査されるように最後に要望して、私の質問を終わります。
  438. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。  明七日午前十時より公聴会を開きます。本日は、これにて散会いたします。     午後七時十一分散会