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1975-06-18 第75回国会 衆議院 決算委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和五十年六月十八日(水曜日)     午後一時三十分開議  出席委員    委員長 井原 岸高君    理事 唐沢俊二郎君 理事 中尾  宏君    理事 森下 元晴君 理事 吉永 治市君    理事 綿貫 民輔君 理事 久保田鶴松君    理事 原   茂君 理事 庄司 幸助君       愛野興一郎君    赤澤 正道君       大石 武一君    加藤 紘一君       片岡 清一君   橋本登美三郎君       三池  信君    水田三喜男君       塚田 庄平君    安井 吉典君       増本 一彦君    浅井 美幸君       坂井 弘一君    折小野良一君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 大平 正芳君         厚 生 大 臣 田中 正巳君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房管理室長   島村 史郎君         沖繩開発庁総務         局長      山田  滋君         外務省国際連合         局長      鈴木 文彦君         大蔵大臣官房会         計課長     野崎 元治君         大蔵大臣官房審         議官      旦  弘昌君         大蔵大臣官房審         議官      後藤 達太君         大蔵省主計局次         長       田中  敬君         国税庁直税部長 横井 正美君         国税庁徴収部長 熊谷 文雄君         国税庁調査査察         部長      渡邊 喜一君         厚生大臣官房会         計課長     松田  正君         厚生省薬務局長 宮嶋  剛君         農林省畜産局長 澤邊  守君  委員外の出席者         内閣総理大臣官         房参事官    小林 功典君         労働省職業安定         局失業対策部企         画課長     守屋 孝一君         会計検査院事務         総局第一局長  高橋 保司君         決算委員会調査         室長      東   哲君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十八日  辞任         補欠選任   石田 博英君     愛野興一郎君   宇都宮徳馬君     片岡 清一君   菅野和太郎君     加藤 紘一君   田代 文久君     増本 一彦君   塚本 三郎君     折小野良一君 同日  辞任         補欠選任   愛野興一郎君     石田 博英君   加藤 紘一君     菅野和太郎君   片岡 清一君     宇都宮徳馬君   増本 一彦君     田代 文久君   折小野良一君     塚本 三郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十八年度一般会計予備費使  用総調書及び各省各庁所管使用調  書(その2)  昭和四十八年度特別会計予備費使  用総調書及び各省各庁所管使用調  書(その2)  昭和四十八年度特別会計予算総則  第九条に基づく経費増額総調書及  び経費増額調書  昭和四十八年度特別会計予算総則  第十条に基づく経費増額総調書及  び各省各庁所管経費増額調書(そ (承諾を求  の2)             めるの件)  昭和四十九年度一般会計予備費使  用総調書及び各省各庁所管使用調  書(その1)  昭和四十九年度特別会計予備費使  用総調書及び各省各庁所管使用調  書(その1)  昭和四十九年度特別会計予算総則  第十一条に基づく経費増額総調書  及び各省各庁所管経費増額調書  (その1)  昭和四十八年度一般会計国庫債務 (承諾を求  負担行為総調書         めるの件)      ――――◇―――――
  2. 井原岸高

    ○井原委員長 これより会議を開きます。  昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。原茂君。
  3. 原茂

    ○原(茂)委員 最初に、国連の緊急軍の問題で二、三お尋ねをしたいと思います。  予備費の中から使用されておりますが、国連緊急軍に対してどういう根拠でこの分担金を出しているのか。国際連合の分担金として出されたものの中から、国連の方で緊急軍の費用として中東国連緊急軍に出しているのかということが一つ。それからもう一つは、この年度別の金額をまずお聞きをしたい。
  4. 田中敬

    ○田中政府委員 国連軍に対します分担金の支出経緯を、その根拠とともに最初に御説明申し上げます。  一九七三年十月の第四次中東紛争の停戦後、同年十月二十五日に安保理事会の決議によりまして国連緊急軍が組織され、これに基づきまして同年十二月十一日、国連総会におきまして、一九七三年十月二十五日から七四年四月二十四日までの六カ月分の経費として三千万ドルという拠出が決められまして、これは各国が特別分担率に従って分担するということとともに、各国に対しましての自発的拠出の呼びかけがございました。  ここの特別分担率と申しますものは、一般の国連の負担金につきましては通例の分担率というのがございますが、この際設けられました分担率と申しますのは、安保理事国でありますところの先進国は通常の分担率よりもやや高く、それからわが国が属しますグループでありますところの、安保常任理事国ではないが先進国であるというところは通常分担率並み、それから安保理事国が通常より以上負担します分を、開発途上国についてはその分を軽減する、こういう形で国連決議がなされまして、それに基づきましてわが国の分担率、七・一五だったと存じますが、それが決められたわけでございます。  この三千万ドルの拠出ということに基づきまして、わが国は第一回、一九七四年一月二十二日に分担金六億六千六十六万円というものと、それからボランタリーな拠出金としまして一億円というものを拠出いたしております。  それから次に、安保決議によりまして国連緊急軍が六カ月延長されたことに伴いまして、これを追いまして国連決議が追加して行われました。これに基づきまして、一九七四年八月三十日に、わが国は分担金を六億五千二百五十万九千円支出いたしております。ただ、この際は全額予備費によることをいたしませんで、当年度外務省の国連等の分担金、拠出金等の予算の総枠が二百六十億円計上してございましたので、その一部を既定経費充当ということで、差し引き一億四千七百二十一万円というものを七四年八月三十日に拠出いたしております。  その後さらに国連緊急軍の活動が六カ月延長をされまして、一九七五年、本年の三月二十八日に分担金をさらに追加拠出することになりましたが、この金額が十二億三千三百九十六万七千円となっておりますが、先ほど申し上げましたような既定経費から八億余を充当いたしまして、予備費といたしまして四億四百十八万八千円を拠出いたしております。  以上が拠出の経緯でございます。
  5. 原茂

    ○原(茂)委員 この種の支出は、いまの国連分担金の中の国連緊急軍に関するものだけでしょうか。ほかにありますか。
  6. 田中敬

    ○田中政府委員 ただいま申し上げました数字は、国連緊急軍だけのものでございます。
  7. 原茂

    ○原(茂)委員 では、ほかにないということですね。  国連緊急軍ですが、これは、わが国の場合にはこの分担金を出すということで協力をしているんですが、わが国では、国連緊急軍というものは日本の憲法に照らしてどういう関係になるのですか。
  8. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 憲法との関係は直接ありません。  この国連緊急軍と申しますのは、国連の目的の、国際の平和と安全を維持するという重大な目的のために、こういった紛争地域に入りまして、その紛争の拡大の防止あるいは休戦の監視という形で平和維持を実質的に果たす役割りを持っている重要な活動を行っているわけでございます。しかも、この活動自身が安保理決議あるいは総会の決議に基づきまして各国の協力を求めるということから申しまして、国連外交を基本にしておりますわが国として、当然こういった活動には積極的に協力するということで、いままでこの財政的な寄与という形で協力を続けてきておるわけでございます。
  9. 原茂

    ○原(茂)委員 ついでにお聞きするんですが、日本の、国連の平和維持に関する問題としては、国連軍、それから国連緊急軍、国連監視団というようなものがあるわけですね。一体、日本の自衛隊は、この国連軍なり国連緊急軍なりまたは国連監視団というものとのかかわり合いというのはどういうことになるのでしょう。  御存じのように、緊急軍が出ましても、たとえば中東緊急軍の場合には、二十四カ国の申し出の中から国連が十カ国を指定して国連中東緊急軍というものを構成して、現在その任に当たらしめているわけですね。各国の憲法なり国の定めるところによって、それに協力のできる法律を持った国、そういうものに協力をできないという法律のある国、いろいろあるわけであります。日本の場合にも、この自衛隊というものが本来国連軍なり国連緊急軍なり国連監視団として派遣されることがあるかもしれない、という一応の前提があって国連で問題を討議し、日本の場合には、とんでもない、わが国の自衛隊はそういうところに派遣できませんというので派遣をしなかったと思うのです。将来とも、この自衛隊と国連軍、国連緊急軍あるいは国連監視団等のかかわり合いというものは、いまのようなあいまいもこの形でずっと過ごせるとお考えになっているのか。あるいは近い将来、この問題に自衛隊とのかかわり合いをどうするかということを決めなければいけない時期が来るんじゃないかという考えもしますが、一体この点はどうお考えになっていますか。
  10. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 いまお話しの中にありました国連軍、国連緊急軍あるいは監視団、これは総称しまして国連の平和維持活動という活動の中に全部含まれるかと思いますが、それから御質問の点でございますけれども、この点は、憲法上直接この国連の平和維持活動に協力することについての関係はないかと思いますけれども、ただ、日本の関係のいろいろな法律その他のかかわり合いから、財政的寄与以外の協力ができるかできないかということについてはいろいろ問題があるというふうに私は了解いたしております。さしあたり、このような状態は今後当分続くんじゃないかというふうに私は考えております。
  11. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで、もう少し突っ込んで言うと、日本の憲法の内容からいって、自衛隊がこの種の国連の平和維持の手段としての国連軍、緊急軍あるいは国連監視団というようなものにかかわることはいまはできないという前提に立っている。できないんだが、実際に自衛隊という軍隊を派遣することはいけないけれども、財政的な寄与ならばいいという解釈がどこかでできたから、こういうことを黙認するといいますか、国連の分担金という名目で出して、国民の税金が使われている。そのためにはこの国連緊急軍に対して財政的な寄与ならば関与していいんだというふうな解釈が政府にあるために、この分担金が出されているんだ、私はこう思うのですが、その解釈の根拠は何ですか。財政的な寄与ならば国連軍、国連緊急軍、国連監視団等に寄与してよろしいという根拠をお示しいただきたい。
  12. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 この国連緊急軍が設立されましたのは、先ほど政府委員から御説明がありましたように、安全保障理事会の決議に基づくわけでございます。そして、この安全保障理事会の決議によりまして国連緊急軍を当該紛争地域に派遣する、それについてはやはり財政的な何がしかの支出が必要になる。それをやはり安全保障理事会で、要するに財政的な手当てをするための決議をさらにまた採択いたしまして、そして国連加盟国全部に対してその協力を求めるという形になったわけでございます。したがいまして、わが国が単に財政的寄与しかできないという観点から財政的寄与をしているというよりは、国連の決定に従いまして、それに対して加盟国としての義務といいますか、協力を行うということであろうかと思います。
  13. 原茂

    ○原(茂)委員 そのとおりなんでしょうが、いま私が言ったように法的な根拠を何か――国内法ですよ。日本の憲法を基準にしながら、自衛隊は派遣できない、軍隊は派遣できない、しかし財政的な寄与ならばこの種の国連緊急軍に協力をしてよろしいという明快な、何かその基本的な法律その他の条章があるならお示しをいただきたいということをお願いしている。
  14. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 やや事務的なお答えになるかと思いますけれども、憲章に十七条という規定がございまして、「総会は、この機構の予算を審議し、且つ、承認する。」続きまして「この機構の経費は、総会によって割り当てられるところに従って、加盟国が負担する。」というふうになっております。先ほどの安全保障理事会の決議は総会によって承認されておりますので、つまり、この十七条の規定によりまして、加盟国の義務としてこの支出をしなければならぬということであろうかと思います。
  15. 原茂

    ○原(茂)委員 国連憲章の条章に基づいて解釈することは私にもわかるのです。それを受けてわが国がいま、自衛隊の派遣にかわって財政的な寄与をするということがいいのか悪いのかという、国内法に準拠した何か基準があるはずだ。非常に大きな問題だろうと思うのですが、国連憲章の条章に基づいてこうした、ああしたということは結構なんです。しかし、日本の法律に基づいて、一体、緊急軍だ、あるいは国連軍だ、監視団だ、――各国からは軍隊が派遣されている。あるいは財政的な寄与をしている国もあるんです。その原則としては、軍隊を派遣できる国、してもいい国、している国、日本の場合に絶対に派遣ができない国という事情を考えたときに、一体、国内法のどこに準拠して緊急軍に対する財政的な寄与をしていいという解釈が成り立つのかを示していただこうと思ったんです。もう一度お尋ねいたします。  担当の違いもあるでしょうからなかなかできないでしょうが、大臣、この問題をいまお聞きになっていて、何か国内法とのきちっとした、財政的な寄与ができる――しかも国連緊急軍に対して、軍隊の派遣にかわって財政的な寄与をするということに結果的にはなるんですが、それが国内法で、これに準拠してやっていいんだ、やれるんだというものが示されなければいけないと思いますが、大臣いかがですか。
  16. 大平正芳

    ○大平国務大臣 いまお尋ねのような財政準則といいますか法規といいますか、そういうものはございません。
  17. 原茂

    ○原(茂)委員 ないんでしょうね。私はこれがなければおかしいと思うので、これは検討しなければいけないんじゃないかという気がするんですよ。たとえば国際連合が、国連軍であるとか緊急軍であるとか監視団という名前で三十八度線にも派遣をする、あるいはその他いろいろ問題のあったところ、ベトナムもそれをやりましたし、いろいろやってきた。どこへ財政的な寄与をされても差し支えないという拡大解釈もできるようになると思うので、やはり中東における国連緊急軍に対する財政的な寄与というものも、国内の法律に照らして、その基準はこういう基準でやってよろしいんだというものが出てくるように検討さるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
  18. 大平正芳

    ○大平国務大臣 まあ、予算という形式によりまして国の各般の活動の財政的な秩序が保たれておるわけでございますが、この予算は、もとより憲法に従って手順を踏んでやってまいっておるものでございまするし、また、個々の費目について財源を割り振るに当たりましても、憲法の、そしてそれらのもとにある政治の支配を受けておるわけでございますので、財政が独断で常軌を逸した支出ができるというものではないと思います。  ただ、いまお尋ねの件のように、予備費で臨時的なものとして支出をいたしておるわけで、細切れ的に支出をしておりますけれども、もう少し、よるべき準則があってしかるべきじゃないかという御提案、御提言でございますが、それは私、理解できないわけではございません。しかし、そういうことになりますと、いろいろな行政の分野でどのように財源を配分してまいるかにつきまして、一つの準則というようなものが求められなければならぬという理屈にもなりかねないわけでございまして、そこまで、いま日本の憲法は要求していないんじゃないかと思うわけでございます。しかしながら、冒頭に申し上げましたように、憲法の諸原則、それからそれを土台にいたしました政治が踏むべきたてまえというものは十分心して当たらなければならぬことは当然と思っております。
  19. 原茂

    ○原(茂)委員 国連へ加盟した、国連憲章に準拠して金を出した、その使い道が、わが国の憲法の基本的な問題に照らしてみて、私どもの立場から言うなら、軍隊の派遣にかわる財政的な寄与というものがされていいのか、しかもそれが予備費から安易に支出をされるというような、簡単な手順で出されていいのか、非常に大きな疑義を持っておりますので、この問題に絡めてお聞きをしたわけです。大臣も私の言っていることを理解できないわけではないというお話しでしたが、この問題は、恐らく党としても、もう少し掘り下げて考えていかなければいけない問題だと思っていますから、大臣もひとつお考えおきをいただくように、関係の局長にもお願いをしておきたいと思う。必要だと思います。  ついでに、この問題の最後にお聞きしておきたいのですが、日本の分担金が、いま御説明のありましたように総額約十何億になりますが、出されています。各国ともみんな、その割り当て分担金というのはきちっと納めているのでしょうか。ソ連にしてもあるいは中国にしても、台湾にしても、その他の国が、びしっと納めているのか。日本だけがまじめに納めていて、納めていない国もあってそのまま放置をされているということはございませんか。
  20. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 いま細かい資料をちょっと持ち合わせておりませんけれども、ほとんど大部分の国は、割り合てられました分担金どおりの支払いをいたしておりますが、若干の国が、必ずしもまだ支払いを履行してない。たとえば中国、それから若干の中東及び東ヨーロッパの国が支払いを済ましてないということになっております。細かいあれは、後でまた資料として差し上げたいと思います。
  21. 原茂

    ○原(茂)委員 あなたの方から聞いてきたから、こういうことを聞きますということを細かく言ってあるのですよ。未納の国は一体どこなんだ、金額はどのくらいかということをお尋ねしますということを正式に言ってある。時間がないからそんなことにかかわり合っていられませんがね、せっかく聞いてこられて、せっかく私も詳細に、こういうことをお聞きしますよと言ってある以上は、もっと丁寧な調査をしてきてもらいたい。  これは、未納国は将来何かの罰則があるのですか。
  22. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 これは憲章の規定にございまして、たしか、過去二年引き続いて分担金を支払わない場合には注意を受けまして、それでもなお支払いをしない場合で、しかもそれが十分納得のいく理由に基づかない場合には、いわば最終的には除名というような措置もとり得るということになっております。
  23. 原茂

    ○原(茂)委員 除名って、本当ですかね。私は、投票権を失うというのが一番きつい罰というか、何かだと思うのですが、除名なんということはありますか。この分担金を二年間納めない、滞納したというので除名だなんということがありますか、規則に。
  24. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 確かに御指摘のとおり訂正させていただきます。投票権を失うというのが最終的な措置でございます。
  25. 原茂

    ○原(茂)委員 何というんですかね、いいかげんな、ちゃらんぽらんな答弁しないでくださいよ。分担金を納めないからといって除名だなんということが国連でやれるはずもないし、するはずもない。そのことをお聞きすることになっていたら、もうちょっとまともに調べていただかないと困るのです。ぼくが黙っていれば、記録に残るのですよ。日本の外務省の責任者が、少なくとも分担金を二年間滞納したら国連除名でございますなんということを言ったなんていったら、物笑いですよ、こんなことは。そんないいかげんな答弁しないでもらいたい。  この問題は、いま言った基本的な私の疑義に対してお伺いをしたことで、まず終わります。  外務省の関係、どうぞお引き取りいただいて結構です。  次いで、同じ予備費で、沖繩における小禄の爆発事故についてお伺いをしたいと思います。  開発庁からおいでいただいているようですが、不発弾の処理を通じて沖繩で問題が起きまして、その後の処置がずっと行われました。ずいぶんだくさんの資料がありまして、詳細にわたるといろいろと問題があるのですが、これも時間の関係で結論的にお伺いをしたいのですが、この後始末を国の立場でどういうふうに始末をしましたか。
  26. 山田滋

    ○山田政府委員 昨年の三月二日でございますが、那覇市の小禄で発生いたしました不発弾の爆発事故につきましては、国会におきましてもたびたび諸先生に御心配をおかけしたわけでございますが、その間、責任論であるとかあるいは被災者の早期救済という問題が大いに論ぜられたわけでございます。政府といたしましても、関係各省相寄りまして協議を続け、早期に処置をするべく努力を続けてまいりました。結果的に申し上げますと、法律論的に責任がどうであるかという問題につきましては政府部内におきましてなかなか議論がございまして、この問題で時間をとりますとせっかくの被災者に対する措置がおくれるばかりであるということで、たびたび開発庁長官からも、早期に見舞い金による措置をとりたいということを委員会等でも申し上げておりました。  そこで、最終的には私ども、那覇市並びに専門の調査を担当いたします会社の損害調査を早急に取りまとめまして、これにつきましても早期に結論を出すべく努力をいたしまして、その結果、昨年の十一月二十六日の閣議決定によりまして、予備支出をもちまして見舞い金を支給することといたしました。その額は一億二千八百二十四万七千円であります。これは国といたしまして総額の八割、それから沖繩県及び那覇市が一割という割合をもちまして、総額一億六千三十万九千円をこの際に支給をいたしたわけでございまして、人身関係が約八千七百万円、物損関係が七千二百万円程度でございますが、その結果、本年三月をもちましてほとんどその支給を完了いたした次第でございます。
  27. 原茂

    ○原(茂)委員 要するに見舞い金として処理をしたのですね。見舞い金で処理をするようにした原因は何ですか。私、端的にお聞きしておきますが、この種の問題は、国家賠償金という制度をつくって正式に賠償金として国が払うべきではないかということが私の結論なんです。不発の隠れております爆弾がまだ方々で出てきておりますが、こういう問題を見舞い金で処置をしたというのはあいまいな、いいかげんな処置の仕方なんであって、ほかに前例がないと思うのですね。この種の問題には、正式に国家賠償金という制度でそれを救った上で支払いをするということが正しいのじゃないかという意味でお聞きしているのです。いかがですか。
  28. 山田滋

    ○山田政府委員 御指摘のように国家賠償法による賠償をすべきだという御議論が、相当国会でも論ぜられたわけでございます。また、私どもも政府部内におきまして、各省の意見の取りまとめに大わらわになったわけでございます。しかしながら、残念ながらいろいろ意見が分かれまして、相当な時日を要したわけでございまして、その間、年末も近づきまして、やはりどうしても被災者の救済を早急にすべきだという要請の方を優先的に取り上げるべきだというふうな考え方をもちまして、沖繩の特別委員会等でも御了承を得ながら進んでまいりました。その結果、おおむね、先ほど申し上げました調査の内容等におきましても、実質的には賠償に当たるような、そういう額を何とか支給したい、こういう気持ちで市並びにその専門調査の会社におきましても調査を取りまとめまして、その結果、たとえば死者であれば二千万円を上回るような、そういう金を支給いたしたわけでございまして、先生御指摘のように、名目については、残念ながら責任論という点につきまして明確なる結論が出ないその時期に支給したものでありますので、国家賠償法の適用をしない形になりました。しかしながら、実質においては、見舞い金と申しましても――当初に実は見舞い金を若干出しております。死者百万円であるとか、あるいは負傷者二十万円ずつ出していた、そういう例もございますが、そういういわば見舞い金ではなくて、重い意味の、賠償的な意味における見舞い金といいますか、そういう気持ちで実は今回支給いたしたわけでございます。
  29. 原茂

    ○原(茂)委員 国会でもずいぶんこれは論議されているのがわかっているし、そのたびごとに、私の聞いたところでは、ごもっともだと思うから検討しますというような答弁がされているが、まだ結論が出ていない。私は、この問題だって結論を出して、自今、国家賠償法の適用による賠償金の支払いということをするようにするというようなことが、検討すると言ってもう古いのですから、結論を出していいのじゃないかと思いますよ。その方にウエートを置いて、ただ見舞い金というよりは重い、賠償金に近い形でこれも払ったんだと言っていながら、検討します、検討しますで来ていたら、結論を出すようにすべきではないか。近く結論を出しますか。
  30. 山田滋

    ○山田政府委員 当然この問題は、法律論的にどういうものであるかということを明らかにしなければならない性格のものであると思います。しかしながら、ただいますぐに結論がまとまるということも申し上げられませんが、一つの問題としては、これに類似した訴訟ケース、新島における訴訟のケースもございますし、そういうものを参考にしながら今後検討を続けてまいりたい、こういうふうに考えます。
  31. 原茂

    ○原(茂)委員 それに敷衍して、総理府から来ておいでになるのでしょうが、たとえば、いまつかまっている七人のあの爆破事件で、三菱重工が爆破されて、それに巻き添えを食って多くの人間が死傷したといったようなああいう問題、それから強盗が入ってきた、どろぼうがどうのこうのしたというので、本当に通りがかりの者が殺された、けがをした、こういうものに対しても、やはり不発の爆弾の爆発と同じように国家賠償法が適用されて、国家賠償金という制度がつくられて、ああいう気の毒な三菱爆破などによる死傷者に対する補償を国が責めを負ってあげるという制度ができなければいけないのじゃないかと思うのですね。摂津市では、御存じのようにすでに条例で、国が何らかのめんどうを見るまでの間、条例の一部改正を行って、犯罪等によって無事の被害者が出た場合、その被害者に対して見舞い金あるいは弔慰金二十万だ何万だというものを出そうということを決めましたよね。その摂津市の条例改正の中にも、国が何らかの手当てをするまでの間というふうに前提しながら、大分前ですが、摂津市の条例改正はできている。私は、やはり国家賠償金というものがこの種の問題全体に適用されるようにならないといけないと思うのですが、いかがですか。
  32. 小林功典

    ○小林説明員 ただいまのお話しでございますが、私どもといたしましては不発弾の爆発による事故についての救済ということで伺ってまいりましたけれども、ただいま御質問を承りますと三菱重工のこととか、いわゆる刑事犯の犯罪による事故の救済という点だと思いますが、その点ちょっと、私管轄しておりませんので、聞くところによりますと、たしか法務省で何か、非公式でしょうけれども検討しているというふうに聞いておりますが、その点になりますと、私どもの管轄ではございませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
  33. 原茂

    ○原(茂)委員 ずいぶん窮屈なものだね。不発弾の処理に関してお伺いしたいと言ったときに、これと同じような種類の問題をとらえて、やはり国家賠償法、国家賠償金、こういう制度ができなければ沖繩の問題もいけないのじゃないか、同じように、同じ種類のものに対してはどうだろうと聞いたときに、総理府がこれに対する見解が述べられないなんて、そんな窮屈な――それは法務省でございますなんと言っていたのでは、私は大分窮屈千万なことになるなという感じがしますよ。そういうことをやはり関連して、同じことなんで、犯罪によろうとあるいは不発弾であろうとも、そういう不特定の多くの人が被害を受けたときの国家賠償金というものが払われる形をとろうというときに、それに対して総理府としてどう考えるかということがもうちょっと明快に本当はお答えをいただきたかったのですが、いまできないというのでしたら、この問題はそれで終わります。  それから、あと二、三お伺いをいたしますが、これは大蔵大臣にお伺いをしたいのですが、五十年度の財政見通しで、大体言われるところを見ますと三兆円ぐらいの財源不足がある。これに対してはいろいろ手当てをしなければいけない、年度内にやる何らかの処置もあるだろうしというようなことの中から、いろいろいま、財政審に対して大蔵省が十四日に諮問をすることを決めたとか、いろいろ言われていますけれども、まず第一に、ここまでくると、やはり思い切って赤字国債の発行に踏み切らざるを得ないのじゃないか。来年度急によくなるという見通しはちょっとむずかしいということになりますと、五十年度の対策の一つとして、赤字国債の中の、たとえば桜田会長代理ですかが提案をしているような、一、二、三に分けて提案をしている特別国債、この国債を持った者に対しては特別、相続税を減免してやる、あるいは国債を持った者に関しては減税をしてやろうと、いろいろ一、二、三の提案が桜田会長代理から大胆に出されている特別公債の発行ですとか、いわゆる基本的に赤字国債をやるとかいうような問題が当然考えられなければいけないのじゃないかということが、いまやかましく論議をされていますが、一体、現在の三兆円、大体の見通しとしてそれに近い財政赤字が予想されているときに、大蔵大臣としてはこれに対する適切な、財源不足を補う方法というものを何かお考えかどうか。いま私が言った二例もあわせながらお答えをいただきたい。
  34. 大平正芳

    ○大平国務大臣 御承知のように、四十九年度、税金の収入が思わしくなく、予算に比較いたしまして七千七百億程度の歳入減少を記録いたしたわけでございます。大変恐縮をいたしておるわけでございますが、その四十九年度の予算をベースにいたしまして五十年度の歳入予算を組んだわけでございますので、仰せのように、五十年度予算においてわれわれがもくろんでおります歳入が見込みどおり確保できるかどうかということにつきましては、大変危惧の念を各方面がお持ちになっておられるし、私自身も、自然増収というようなことを期待できないばかりか、自然減収になりかねない状況であるということを訴えて、各省庁の御協力をお願いしておることでございます。  しかしながら、五十年度は二カ月余り経過いたしたばかりでございまして、五十年度全体につきましてどれだけの歳入が確保できるかということは、これから先、内外の経済がどのように推移してまいるか、そしてそれが歳入にどのように影響してまいるかということ、当然のことといたしまして考えなければならぬわけでございまして、いまそれを計数的に、どのぐらいの歳入不足になるであろうかというような見当をつける材料を持ち合わしているわけでは決してないわけでございます。ただ、原さんがおっしゃるとおり、歳入上相当の困難を伴うということは十分覚悟しておかなければなりませんので、大蔵省におきましては、いま、まず現行税制の中で行政府の手でどういう増収の道が残されているかというような点につきまして、きめ細かくひとつ検討を始めております。  それから歳出面におきましては、現在、経済が非常にたるんでおりますので、予算を節約するというようなこと、一般的節約というようなこと、実行予算を組むというようなことは、そういたしますと経済はますます沈滞をすることになりますので、これは慎まなければいかねわけでございますので、そういうことは考えていないわけでございます。けれども、いまの予算に計上していない追加的な財政需要につきましてはできるだけ御遠慮いただかなければなるまいという考え方で、歳出面に対処していかなければならぬと考えております。  歳入、歳出とも、これから緊張した態度で終始してまいりまして、この秋になりまして、詰まるところ、どのぐらいの見当で歳入が見込まれるか、歳出が予定されるかというような点の詰まった話になった段階で、あなたの言われる国債問題という問題をそういう背景で考えてみなければならぬと思っておりまして、いまのところ、いま赤字公債云々というようなことを私どもが考えておるわけではないわけでございます。
  35. 原茂

    ○原(茂)委員 時間がないからそういった答弁で納得したようになってしまいますが、納得しませんし、もっともっと真剣に、五十年度の財政収入がどのくらいになるか、税収はどうだというようなことが検討されていなければ、とてもじゃありませんが、いまのような財政状況下においては運営はできない。ですから、もっと突っ込んだことを大蔵省としてはやっていることは事実だし、いま大まかにお話しのあったような状態ではない。しかし、やがて数字が出た上でというお考えのようですから、これはわかりました。このことを細かく追及しませんが、私はいま言った赤字国債、中におけるまた特別国債という発想というようなものに関して、安易に飛びついては困るというたてまえでもう少し物を言いたいと思ったのですが、次回に譲りますが、私の懸念する点から、安易にこの国債に飛びつかないようにということを強く指摘をしておきたいと思います。  最後に二つ、ずばりお答えをいただきたいのですが、いまの状態から見ますと、何といっても例の付加価値税の導入による増税というものは、最終消費が約八十兆あるとすれば、一割やって八兆円、当然この財源というものはもう考えざるを得ない段階に来ているのじゃないか、これはもう検討されていて当然だと思いますが、付加価値税に対してどうお思いになるか。  それからもう一つは、企業の優遇税制に対して手を加えなければいけないという、もうすでに大蔵省の検討が始まっているようでありますが、一体どういう方向で企業の優遇税制の改正を考えているのか、この二つお伺いして、終わりたい。
  36. 大平正芳

    ○大平国務大臣 二つの点でございますが、まず便宜上、企業の課税の方からお答えさせていただきたいと思います。  原さんは優遇税制という表現で言われましたけれども、あれは実は、あなたも経営者として御案内のように、商法とかあるいは会計原則で認められておるあるいは引当金あるいは準備金、そういったものが各種あるわけでございます。それを税制でどこまで認めるかということにつきまして、現行税制はそれぞれの答えを持っておるわけでございます。それで、それは軽いとか重いとかいういろいろな議論があると思いますが、いまのような歳入状況でございますので、私は先ほど申しましたように、現行税制の中でもっときめ細かく見て増収の道がないかという場合に、いまあなたが挙げられた企業のそういった引当金等どこまで詰めていただけるか、それらの点は当然検討の材料、対象になってくると思うのでございまして、いませっかく検討をいたしておりますし、考えがまとまってまいりますならば税制調査会等の御意見も承りまして、実行に移すべきものは移したいと思っております。  しかしながら、当初言われました付加価値税の導入でございます。これは大変、税制改革としては非常に根本的な改革になるわけでございまして、御承知のように日本の税制は、直接税に傾斜いたしました税制でございまして、七割以上が国税で直接税に依存しておる。先進国でこんな例はないわけでございますので、これはもう少し間接税に移行させるべきじゃないかという一般的な議論がございます。直接税になるとどうしても、法人税にいたしましても所得税にいたしましても、よほど緊張した、市民社会と徴税当局との非常に緊張した関係が生まれるわけで、それが重くなればなるほど緊張してまいるわけでございます。また、非常に徴税費もかかるわけでございますが、間接税になりますと、その点徴税費も少なくて済むし、そういった緊張した関係も出てまいりませんし、ある意味において、これは非常に魅力のある一つの提案だと思うのです。ただ、この間接税は、とりわけ野党の皆さんからも御指摘になっておりますように、非常に逆累進になるわけでございますので、軽々にこんなものに手をつけてはいけないという一般的な根強い反対論もございます。かたがた、付加価値税なんということになりますと、これも各取引の段階に課税権が入っていくわけでございますから、これは容易ならぬ改革でございまして、私はとてもいま、こんなものに手をつける状況ではないと考えておるわけでございます。間接税の一部、酒とたばこの若干の価格の改定をお願いしても、これだけの騒ぎになるわけでございます。とてもこんな大きな改革はいまできるような政治状況ではないと思っておりますし、経済がこういう非常に微妙なときでもありますし、こんな大きな改革をお願いできるような環境でもないと思うので、私は、こういう大きな改革をいま税制調査会に御検討をお願いするような勇気は持ち合わせておりませんで、きめ細かく、つつましく、現行税制の中できめ細かく、増収の道がどこまであるか、仮に増税を考えるにいたしましても、こういう大きなことでなくて、比較的いまの場合余裕のあるところにこの程度のものをお願いして、大方の理解が得られそうだというようなところが、精いっぱいのところじゃないか、いま私はそう考えております。
  37. 原茂

    ○原(茂)委員 結構です。非常にそれが巷間伝わっていますが、大蔵省も真剣に何か検討を始めたように聞いてるのですが、これはみだりに手をつけたら大変な問題になりますので、十分にひとつ慎重に配慮を、いま大臣が言ったようにしていただくようにお願いをして、終わります。
  38. 井原岸高

    ○井原委員長 塚田庄平君。
  39. 塚田庄平

    ○塚田委員 この五月の七日に、いわゆる田中金脈についての税務当局の調査の結果について発表があったわけですが、田中さんは御承知のとおり十一月に、いわゆる田中金脈ということで、端的に申しますと世間の怨嗟の中で退陣声明をせざるを得なかったし、本人はその際に、いずれ私の口から事態の真想なりあるいは状況を詳細に報告する用意がある、こういう決意を込めた表明等もありまして退陣をいたしました。まさに、あのときは国民は、一国の総理大臣たるものがこんなことをしておるのかという失望と悲しみに包まれたことは事実です。  さて、その後、国民は一体何に期待したかと言うと、それは税務当局がいかに公平に厳正に、いわゆる田中金脈の金脈を掘り下げて事実を国民の前に明らかにするか、この一点に実は国民の関心が集まっていたと思います。  そういう関心の中で、報告によりますと、昨年の十一月から約半年にわたりまして税務当局の調査が行われました。その結果発表された文面によりますと、これは速記録ですが、田中元総理には大きな非違はない、指摘されるような非違はない、ただ若干、所得の計算上のミスあるいはまた税法上の解釈の違い、そういう問題で幾らかの誤りがあったが、全般的に非違はないのだということであの報告は貫かれていたと思います。  あの報告があったときに、新聞に一斉に報道されましたが、国民は最後の望みの綱というか、とにかく悪いことをしたのはやめた、しかしその非違だけははっきりしてくれというそういう期待も、この発表の中からは何らくみ取ることができなく、満たされることがなく、いまや、以前の田中に対する批判が今度は税務当局、一体日本の国税当局というのは守秘義務とあわせてどういうことをやっておるのか、守秘義務の壁の中で何をしておるのかという非難に変わってきておると私は思います。  そこで私は、まず総括的に、今度の田中さんを包むいろいろな諸情勢について、わずか六カ月、最盛期は一日約二十名――最盛期というのはどういうことか知りませんが、とにもかくにも一番出したときはということでしょう。一体どういう点を調査したか、時間もありませんので、要点をここで説明していただきたいと思います。
  40. 横井正美

    ○横井政府委員 五月七日に、当委員会におきまして国税庁磯辺次長より、田中角榮氏の課税の見直し調査の概要につきまして御説明を申し上げたところでございますが、その際申し上げましたように、田中角榮氏の申告の内容につきまして国会あるいは国民の間から提起されました各種の問題を網羅いたしまして、私どもは見直し調査をいたしたわけでございます。たとえて申しますと、法人による資産の取得が実態は個人資産の隠匿等のためのものではないか、こういう問題提起が行われておりますので、これについても調査をいたしました。また、関連企業等からの経済的利益を受けておるのではないか、こういう御指摘もございましたので、これらも調査いたしました。さらに競争馬の関係あるいは個人の不動産取得資金の出所、関連法人の株式取得に伴う課税の問題、それから関連法人の関与いたしました土地売買の課税問題、その他国会等で指摘されません問題でございましても、私どもの通常の税務調査で取り上げるべき問題はすべて取り上げたつもりでございます。  御指摘がございましたが、私どもは、厳正な税務の質問調査権を行使いたしまして、最大限の努力をして見直し調査を行ったということを申し上げておきたいと考えるわけでございます。
  41. 塚田庄平

    ○塚田委員 ここで端的に質問したいんですが、これだけはひとつ守秘義務の壁を破って、もしこれが答えられなければ、私はそれは義務じゃなくて、皆さんが逆に権利として堅持しながら田中氏を擁護しておるとしか考えられない、そういう決意で答弁を願いたいと思うのですが、更正決定した額、総額、詳細には私はこの際質問をいたしません。これだけの額は更正決定した――新聞その他でいろいろと出ております。出ておりますけれども、これだけの更正決定をしたと、こうあなた方から答弁することは、国民の税務当局に対する疑惑というか、それを晴らすことになり、信頼を幾らかでも回復することになると思うのです。守秘義務と国政調査権がどうだこうだということは、いまここで、時間がないから言いません。しかし、どれだけの額を更正決定したかという総額を発表することは当然の責務だと私は思う。もしそれを果たさなければ、それは義務じゃなくて、皆さんは権利として守っておる、好きなときにその権利を発動する、こういうふうにしか解釈できないから、この際、大蔵大臣の答弁を求めたいと思います。
  42. 大平正芳

    ○大平国務大臣 更正金額がどれだけであったかということをここで申し述べるようにという御要請でございますけれども、これは調査によって知り得た財産その他増差額などは公表しないことにいたしでおりますので、御遠慮させていただきたいと思います。  ただ、五月七日の御報告におきまして、いろいろ調査に関連いたしまして、問題点、またそれを処理いたします方針等につきまして、国税庁のとりました措置について御報告をさせていただきましたので、そういった御報告から、国税庁のやったことにつきましてお読み取りをいただきたいと思います。
  43. 塚田庄平

    ○塚田委員 お読み取りをくださいでは、これは五月七日の報告、そしていまの答弁をあわせましても、一体どういう核心に触れた調査をしたのか、何を言おうとしておるのか。私は詳細に、調査の結果どこどこから幾ら入ってどう出してということを、いまここで求めているのじゃありません。一体、更正決定はどうで、追徴金はどれだけあったのだ、このぐらいのことは、国政調査権を発動するまでもなく、当然これは答えなければならぬことだと思うのです。その点、大臣、ここだけはひとつ答弁をいただきたいと思います。ぜひ明らかにしていただきたい。そうでないと、国民はいつまでもこの問題で疑惑を晴らすことはできないと思うのです。それこそ大臣は、国民の疑惑を晴らす義務があると私は思うのですよ。そういう意味において、ぜひ再答弁いただきたいと思います。
  44. 大平正芳

    ○大平国務大臣 田中さんでございますから御遠慮願いたいとか申し上げておるわけでは決してないのでありまして、どなたに対しましても、どなたの問題の処理につきましても、そういう態度で終始いたしておるわけでございます。このことは、もう本院におきまして、たびたびのお尋ねに対しまして、終始一貫、私どもが申し述べておるところでございます。  田中さんの税務の処理につきまして、先ほども事務から申しましたように、私ども、田中さんであるがゆえに特に甘くするとか特に厳しくするとか、そういうことでなくて、厳正、公平に処理いたしておるつもりでございまして、そうしなければ、また、あなたのおっしゃるとおり、国民の信頼にこたえられないわけでございますので、その点は国税当局を御信頼賜りたいと思います。
  45. 塚田庄平

    ○塚田委員 そういう答弁では信頼できないのですよ。これは幾ら言ってもあなたは口を割ることはないでしょう。黙秘権と同じですわ。  しかし、あの莫大な資産形成について、新聞で伝わるような、一千万を超すとか、あれは千万単位だとかいうことで、一体国民は納得するかどうかということなんです。私どもが国会で何もそれを追及しないで、一体何をやっているのか、むしろ私ども自体が国民の怨嗟の的になりかねない。これは国政調査権の問題とも関係してまいりますが、たとえばいろいろなものを買った、土地や建物、その出所については明らかになった、こう言っているでしょう。はっきり言いますと、一つの例をとると、日本電建を小佐野に売り渡したときに、彼は八億を超える金をふところにしたはずです。これは当時の国会の審議の中でほぼ明らかになった。百六十円株五百万以上ですから。こういう点も恐らく、出所が明らかになったうちの一つでしょう。これ一つとっても、一千万円とか二千万円とかそんなあれじゃないでしょう。だれが見たってこの六カ月間というものは、いかに一体追徴金を少なくするかという指導を税務当局はやったんじゃないですか。その指導に全く従って税務署に更正申告をやった、こうとしか思われない。事実はたくさんあります。だけれども、そういう事実を私はいまここであげつらわないから、更正決定した総額だけは、あるいは追徴金の総額だけは発表しなさい。せめてそのくらいは大蔵省、国税庁の義務ではないか。何遍繰り返してもだめなんですか、これは。
  46. 横井正美

    ○横井政府委員 何度も繰り返して御答弁申し上げまして恐縮でございますが、私どもの税務行政は納税者の協力を前提としてやってまいっておるわけでございます。そこで、申告の内容でございますとかあるいは調査の内容でございますとかいうことにつきましてこれを公表するということになりますと、納税者の御協力が得がたくなり、申告納税制度が危うくなる、こういうふうなことでございますので、金額については御容赦いただきたいと考えておるわけでございます。  ただいま御指摘がございました調査の進め方でございますが、私どもは、田中角榮氏が取得されました不動産、株式その他の財産の資金の出所につきましても、当然のことといたしまして調査をいたしております。ただ、御承知のように、また私どもも国会で御答弁申し上げましたように、財産の形成につきましては当年分の所得だけではございませんで、過去の資産の運用あるいは過去の資産の処分というふうな多角的な面があるわけでございますので、これらを十分念査をいたしまして結論を出したということでございます。決して、御指摘のございましたような、課税額を少なくしょうとか、甘く課税しようとかそういうことでございませんで、先ほど申しましたように、質問調査権を厳正に行使いたしまして課税の結論を出した、かような次第でございます。
  47. 塚田庄平

    ○塚田委員 非常に残念です。時間がない。相変わらず田中金脈の全貌をあなた方は秘匿して、国民の目の前に明らかにしない、こういうことだけはきわめて明瞭になりました。しかし、いま大蔵大臣は、一田中さんだけではなくて、他の人に対しても同じような態度をとっているんだ、こういうことをちらっと付加しました。そこで私は、ほかの事件と比較して、果たしてそういう公正な態度を大蔵省はとってきておるかということを質問していきたいと思います。  かつて私は大平さんに、太平洋テレビ脱税事件という事件について質問をしたことがありました。それは大平さんから答弁がありました。私は、この事件は守秘義務に関連するものとして、大蔵大臣に質問をいたしました。  事件の概要は余り詳しく言いませんが、結果的に昭和三十五年九月一日から三十六年八月三十一日、一年間の申告、太平洋テレビ三百二十一万円という欠損申告に対して、国税庁は頭に来たわけです。しかし、これは結論が先になりますが、三百二十一万円の欠損というのは、その後十年の裁判闘争あるいは不服審判所の裁定によって、ほぼこれと等しい金額が妥当であるという結論が出ました。結論が出るために実に十年かかったわけです。そして、しかけたのは決して太平洋テレビじゃなくて、この十年間闘い続けたのは、何としても追及しなければならぬといって、世間では三億、そして全国にわたって三百人以上の証人を集めながら、全国行脚しながら地裁、高裁、そこまで進んで、国が敗訴した事件です。国が敗れた事件です。この間において、太平洋テレビはマスコミにも乗せられました。あるいは国税当局自体も、強制捜査の段階で、査察の段階で事態を発表いたしました。一体これは、守秘義務との関係はどうなるのですか。田中さんはここまで来て一言も言わない。しかし、一庶民であるならば、この際、感情的になっていると思いますね。十年、とにかく執拗にやったんですから。そして負けたんですから。それには守秘義務どころじゃない、あらゆる力をかりてその会社を抑圧していった。つまり国税庁の意思を通そう、こういう一念で、執念で闘ったと私は思うのですよ。こんなばかげたことありますか。私は、だから先ほど、守秘義務じゃない、あなた方の持っておるのは守秘権利だ、その権利の発動は田中さんにはやるけれども一般庶民にはやってない、こう断ぜざるを得ない具体的な事実がここにあるじゃありませんか。  私は、いま太平洋テレビの問題を一つ出しました。だけれども、これに類する問題というのは全国に数限りないんです。そういう事態に対して、大蔵大臣はどう考えますか。
  48. 大平正芳

    ○大平国務大臣 先般、太平洋テレビ事件につきまして塚田委員から御質問を受けまして、この長い係争事件によりまして清水氏初め関係者が大変悲惨な運命に泣かれたこと、御同情申し上げるに余りあるものがございます。また、国税当局が結果として敗訴になったということ、国税当局として面目もないことであると私は思っております。  この事件は、いろいろ国税当局にとりましても反省すべき事件であったと思いますが、いまお尋ねの守秘義務につきましては、本件の処理を通じまして国税当局が守秘義務を破っておるということを、私は報告を受けたことはないわけでございます。たくさんの方が関係いたしました長い過程を経た問題でございますので、いろいろ新聞報道その他もございました関係で、調査の事実関係がある程度外に出てまいりましたことはあったようでございますけれども、積極的に国税当局がこれを漏らしたというようには私は考えていないわけでございます。  詳細につきましては事務当局から説明をさせます。
  49. 渡邊喜一

    ○渡邊(喜)政府委員 太平洋テレビの事件は査察調査でございまして、一般の税法上の調査とややニュアンスは違うわけでございますが、国税庁といたしましては、査察案件につきましても、その内容を積極的に公表するというようなことは厳に慎んできておるわけでございます。ただ、査察事件の場合は、初めの着手におきましてかなり大ぜいの査察官を動員し、多数の個所につきまして強制調査をやるというふうなことでございますので、どうしてもマスコミ等あるいは一般の目につきやすいわけでございまして、したがって、そういう方面の取材活動というものも、一般の税務調査に比較しましてかなり活発であるということは事実でございます。私どもは、常々そういう取材活動に対しましては、十分留意して応答するように注意を促してきておるわけでございまして、本太平洋テレビ事件につきまして各種の報道機関にかなり報道が行われたという事実は確かでございますが、私どもはその辺につきましても、十分守秘義務に違反することのないような措置をするようやってきたつもりでございまして、国税当局がこの件に関して守秘義務に違反したということは万々ないと思います。いずれにいたしましても、現在、本件につきまして民事訴訟が提起されておりまして、民事訴訟でこの辺の事実は争われているということになろうかと思いますが、私どもは万々そういうふうなことはないというふうに信じておるわけでございます。
  50. 塚田庄平

    ○塚田委員 時間がありませんので、この点は私から主張しておきます。  これは、いまの答弁、全くうそです。この事件については、昭和三十九年二月二十五日、場所は東京国税局、国税局詰めの新聞記者約十名を集めまして、そこで太平洋テレビの脱税の内容を、これはと思っておる内容を発表いたしました。二十六日に告発しております。告発前に発表している。これは、あなたがどんなに抗弁したって事実なんです。当時の新聞を調べてみなさい。確かにこういう事件は世間の目につきやすい。特にマスコミは鼻をきかすでしょう。けれども、現実に一日前に発表した。その白の夕刊に出ておるじゃないですか。うそもいいかげんにしなさい。だから、守秘義務というのは庶民のためにはないんだということなんですよ。  その次、これは十年の長きにわたりました。しかも最初、欠損三百二十一万円の申告に対して、京橋税務署は更正決定をしました。そして約九万円の税金を払いました。これは余り日にちを置いておりません。詳細な所得を計算して九万何がしの税金をかけたのです。ところが、それから二年置いて、今度は東京の国税局がさらに再更正をしました。二年間調べたのです。田中総理の場合は六カ月、一株式会社については二年間の調査をしました。しかもその額は莫大です。九万円の税金が合計して五千二百万円に、まさにウナギ登りに上ったのです。本人はもちろん不服です。審査を請求しました。けれども、国税庁は何らその審査に手をつけなかったではないですか。十年たって裁判が決定してから、その審査は不服審判所に継承されて、ついこの間、一月にやっと不服審判所の裁決が決定しました。その決定は当然原告の勝利です。全面取り消しです。先ほど先輩の原委員から、沖繩の爆発について国家賠償の問題が出ました。これはあなた方が人為的にやった十年間のいろいろな損害について、一体どう償っていくのか。償いようがないでしょう。時間もございませんので、まず、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
  51. 渡邊喜一

    ○渡邊(喜)政府委員 先生おっしゃるように、本件の査察調査が約二年近くの長い期間を要したことは事実でございます。一般に査察調査は、平均いたしまして大体半年から八カ月ぐらいかかるのが通例でございますが、そういう点からいきますと、本件は調査がかなり長期にわたったことも事実でございます。査察調査の場合は公判維持にたえ得るような証拠を収集しなければならない。それからまた、本件のように基本的に争いのあるような案件につきましては、税務当局の方で個別に計算書類の作成その他を個々の取引事実を確認しながら積み上げていかなければいけないというふうなこともございます。したがって、そういうふうな長期間を要したわけでございます。  こういう困難事例につきましては、一年を超えるような長期間を要する事例も間々あるわけでございます。調査はできるだけ早く簡潔に終結したいと考えておりますが、一般の課税調査と違いまして、査察調査というのは起訴を前提にいたした調査でございますので、そういう意味でどうしても調査が慎重かつ長期にわたることはある程度はやむを得ないと考えておる次第でございます。
  52. 横井正美

    ○横井政府委員 審判所の関係につきまして私からお答え申し上げたいと思います。  当初の課税の段階におきまして審査の請求が出されておったわけでございますが、刑事裁判が進行中におきましては同社の帳簿書類が押収されておるというふうなことがございまして、審判所の審理は事実上進められない、こういう状態にあったものでございます。四十九年の四月十三日、刑事判決が確定をいたしましたことによりまして、私ども、裁判所等に押収されております書類をお渡しいただきまして、それから調査を開始したわけでございますが、これをできるだけ急がせたのでございますけれども、実際の調査が五月の終わりごろからになったわけでございまして、審判所としてはできるだけ急ぐという体制のもとで進めまして今年一月裁決をいたした、こういうことになったわけでございます。  なお、御質問がございました国家賠償の問題につきましては、先ほど調査査察部長から申し上げましたように、これも裁判で民事問題が争われておるわけでございますので、そちらの判断にまちたい、かように考えておるわけでございます。
  53. 塚田庄平

    ○塚田委員 時間がございませんので、会計検査院に三項目にわたって質問しますから答えてください。  会計検査院は収入と支出と両方検査をしなければならぬのですが、どちらかというと支出検査は一生懸命やっているようです。特に徴税関係については収入検査に力が入っていないんじゃないかと思う。そこで、国税徴収に関する報告書を国税庁の方から会計検査院に提出しなければならぬ規則になっていますね。その報告書の取り扱いを会計検査院は一体どうしておるかということが第一点。  第二点は滞納処分についての問題です。いわゆる差し押さえ解除、あなた方は負けたのですから、差し押さえていたものを皆解除しています。だけれども、十年もたって車を解除されたって、車、使えますか。十年もたってテレビのカメラを解除しても、これ、使えますか。  もう一つ、返還請求権というものを解除しています。あなた方は、たとえば敷金とかその他を押さえて、取れないものについて、残余のものは請求権として返しているのです。だけれども、十年もたって、家主が何人もかわる。返してもらった本人は、これは一体どうしたらいいのですか。全部そうです。こんな損害を与えて、それは裁判で争っているからやるべきだ――やったってまた負けますよ。  こういう、本当に庶民いじめのことを平気でやっておる。こういう差し押さえ物件あるいは滞納処分等について、一体税の徴収はそういう徴収の仕方、差し押さえの仕方でいいのかどうか。これは会計検査院は十分留意しなければならぬ問題でしょう。特に納税者保護の立場から、無益な差し押さえは法律上禁止されております。いまあなたのところでテレビを差し押さえたって、それは当局の益になりますか。一定の者しか使えない、一定の操作が必要なものを押さえたって、それはすぐ換価できるものじゃないでしょう、係争中であるから。時間がたてば何にもならなくなることは知っているでしょう。つまり、無益な差し押さえです。そういった問題について会計検査院は十分な検査をしておるのかどうか。まず、その三点を質問すると同時に――私は時間がありません。あなた方の差し押さえ解除、電話等の返還については全くでたらめ。これはいずれ機会を見て質問をいたしたいと思いますが、いまの三点について会計検査院の答弁を求め、そして、本当に守秘義務がそういう人たちには及ばないで、田中元総理だけにはいま言ったようながんとした態度をとっている、しかも大変な損害を与える、こういうお役所であるならば、国民の疑惑は解けないということを断言したいと思います。答弁してください。
  54. 高橋保司

    ○高橋会計検査院説明員 まず最初の、滞納処分その他徴収上の措置についての検査が不徹底ではないかという御質問でございますが、なるほど、現在の検査体制からいきますと、法人税の調査、決定、それから個人申告所得税の調査、決定などに重点を置きまして検査を施行しております。しかし、ある時期におきましては、滞納処分など徴収上の措置につきまして十分検査をした時期もございます。現在の滞納の状況からしまして、私たち、七十名の租税関係の検査の職員を抱えておるわけでありますが、これの力の配分ということからしまして、現在は法人税並びに申告所得税の課税関係に力点を置いてやっておる次第でございます。  それから、滞納処分その他徴収上の措置につきましてどういう検査をしているかという御質問でございますが、これにつきましては、なるほど重点は置いておりませんけれども、税務署並びに国税局におじゃましたところでは、数名おじゃまいたしますが、その一人は必ず滞納処分その他についても見せていただいていまして、たとえば徴収猶予や換価の猶予が適当であるかどうか、納税資力の調査に不備がないかどうか、納税資力があるのに滞納処分を怠っているものはないかどうか、それから差し押さえに関する処理が適正を欠いているものがないかどうか、第二次納税義務及び連帯納税義務の追及を怠っているものはないかどうか、財産の換価及び換価代金の配当は適当であるかどうか、それから滞納処分の執行停止及び執行停止後の処置が適切に行われておるかどうかというような数項目に分けまして、滞納額の大きなものから順に、時間の許す限り調査をしております。  それから、最近における太平洋テレビの問題でございますが、これにつきましては係争中の事件でありましたから、それの滞納状況については債権確保の状況について説明を受けておりまして、その程度の説明を受けておるにとどまるものでございまして、そういう処理の済んだ後におきましては、還付の処理その他が適当であるかどうかということをこれから検査をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  55. 熊谷文雄

    ○熊谷(文)政府委員 塚田先生の御指摘のございました自動車でございますとかあるいはテレビでございますとか、そういったものを差し押さえた事実はございますが、これは実は、差し押さえている間におきましても使用可能でございまして、使用の制限はいたしておりませんので、その間に滞納者の方がそのままの状態で使えるというふうになっております。  それから、敷金債権などがあるようでございますけれども、これにつきまして一般的に申し上げますと、敷金というのが、未払い家賃の担保のために数カ月間の家賃相当額を受け取っておるわけでございますけれども、立ち退きをされる際に未払い家賃がないというときには、これは債権として私どもの徴収の対象になっておるということでございます。
  56. 塚田庄平

    ○塚田委員 時間がないのでこれでやめますが、いろいろな問題についてはまたの機会に譲って、保留をさせていただきたいと考えます。
  57. 井原岸高

    ○井原委員長 増本一彦君。
  58. 増本一彦

    ○増本委員 予備費に田中前総理の外遊の問題も出ておりますので、それから五月七日に参議院の決算委員会でいわゆる田中金脈問題についての国税庁の報告もされ、質疑もされておりますし、当委員会でも報告が文書で出されておりますので、まず、その関係からお伺いしたいと思います。  今度の国税庁の報告を拝見しますと、主要な問題点は六項目だろうと思います。時間の関係がありますので、きょうはその主要な点に限ってひとつお伺いをしたいと思うのです。  第一の問題は、いわゆる田中さんの関連法人の資産所得は、田中さんのものではなくて法人固有のものだという認定に立っておる。そこで、まず第一点お伺いしたいのは、田中さんの所得税の修正申告をしたのは三月なんですね、この当時、関連法人についての調査はどこまで進んでおったのか、この点をまず明らかにしてほしいと思います。
  59. 横井正美

    ○横井政府委員 三月の中旬におきまして、田中角榮氏ほか数名の親族、秘書等の方々から修正申告をお出しいただいたわけでございますが、私ども、この過程におきまして、法人と個人が関連し合っておりますので、並行して調査をしてまいっております。したがいまして、個人の関係が調査が終了する段階におきましては、個人に関係する法人の課税関係部分、これにつきましては実質的な調査をほぼ終わっておったということでございます。  しかしながら、個人に関係いたしません諸種の問題がございますので、その後引き続いて関連法人といわれる企業につきまして調査を進めまして、五月七日の当委員会における磯辺次長の報告の段階では、法人関係も調査は終了しておったということでございます。その後、手続もすべて終わりまして、処理は全部終わっておる、こういう現況でございます。
  60. 増本一彦

    ○増本委員 田中さんに関連する部分は三月の中旬時点で終わっていたと言うけれども、私は、ここのところが一つ大きな問題だと思っているのです。というのは、田中さんの関連企業で特に問題になるのは、たとえば新星企業とか東京ニューハウスとか、そういう非常に個人的な影響力の強い会社、ここでは、つまりあなた方としてはもうすでに前提として法人所有、法人部分は法人部分、個人は個人というように分けて、田中氏の修正申告は個人部分で、ここの部分だけは圧縮して認めて、そのつじつまを合わせるためにあとの残りの部分を法人の方にやって、あと二カ月近くの時間を経過したところで今回の報告をしたという疑いを非常に強く私は持つのですが、実際にはそういうことではなかったのですか。
  61. 横井正美

    ○横井政府委員 先ほど申し上げたとおりでございまして、法人、個人を並行調査をいたしてまいった。三月の上旬におきましては、個人関係のすべて、それから法人関係の個人関連部分、これについての調査を実質的に終わっておったという状況でございます。
  62. 増本一彦

    ○増本委員 この五月七日の報告を見ますと、実体が田中さんのものではなくて法人の固有のものだという根拠として、資金の出所も、それから会計経理の処理もともに法人のものとしてやられている、これが理由ですね。これは非常に形式的なんじゃないですか。国会でも論議をされ、そして国民も疑惑を持っていた点は、田中さんが法人名義を使って資産の分散をしているのではないか、だから所有形式そのものは法人の所有形式をとっているけれども、しかし実質的な支配力とか、実質的な所有関係を見たら田中さんのものではないのか、ここのところがポイントだったわけです。それに対して、田中さんの方は、そういうことで法人形式を利用しようということですから、法人名義で資産を取得するし、そしてその取得された資産についての会計処理も法人でやるというのは、これはあたりまえのことです。ですから、こういう説明の仕方は、非常に形式的であると同時に、問いに対して問いで答えているというトートロジーですよ。国民のそういう疑惑を晴らす、その面での説明を国税庁でするのだったら、たとえば東京ニューハウスとかあるいは新星企業というものは田中さんと別個独立の存在であり、何らの影響もない、そういうものであるのかどうかということを、ここのところを解明して説明しなければ、われわれは納得できない。それはまた、国会での疑惑の追及に正確に答えたことにはならないというように思うのです。そうじゃありませんか。
  63. 横井正美

    ○横井政府委員 御指摘の点は、関連法人による資産の取得というものが、法人名義であるけれども、実質的には田中角榮氏個人の財産ではないかという点でございます。もし仮に御指摘のようでございましたならば、私どもはそれに従いまして税法上取り扱うということになることは当然でございます。昨年十一月、本問題が取り上げられましてから、私どもはそういう点に十分注意をして調査を進めるということを申し上げてまいっておるわけでございますから、実質的にそこがどうなっておるかということも当然調査をいたしておるわけでございます。  そこで、先般磯辺国税庁次長から申し上げましたように、実質的に法人は個人とは別個の存在である。もちろん田中角榮氏が相当数の株を持っておられる、そういう株主という立場で若干の影響力はあるかもしれないということはございますが、これは一般に見受けられる会社の形態でございまして、法人が実在しないのだということではないわけでございます。これらの会社からは、それぞれの時期におきまして税務の申告が行われ、調査に際しましてもそれに対する説明が行われておるというふうなことでございまして、私ども、昨年の暮れごろから、この関連企業といわれます会社は実在の会社であるということを申し上げてきておるわけでございます。  それで、いま御指摘がございましたように、それらの独立した会社におきまして、資産の取得資金が資産を取得した法人から出されておる、その資金の出所も明確である、また取得後も法人側におきまして法人の資産として経理をしておるということも明らかでございまして、これら全体からながめまして法人所有であることが明らかでございまして、法人名義の資産が個人のものだというふうには認められないということでございます。
  64. 増本一彦

    ○増本委員 だから、あなたの言う、資産取得の資金が当該法人から支出されている、資金の出所も明確だ、取得後も経理上法人の資産として経理されている――そのことは、そういう会社、法人を使って財産を取得しようということであったときには、それは当然法人の経理処理をするのですよ。そうでしょう。だから、その法人が田中さんと別個独立だとどうして、いま例を挙げた新星企業とかあるいは東京ニューハウスというものは言えるのかという、そこのところを説明しなければ、田中さんとは関係ありませんということにはならないじゃないですか。五月七日の参議院の決算委員会でも磯辺次長は、法人と個人は別個独立のものだ、そういう答弁をしている。しかし、なぜ別個独立だということが言えるのかということですよ。  たとえば、横井さん、同族会社だって別個独立の法人格を持っているでしょう。だけれども、そこの中での財産の移動や何かについては、同族会社の行為、計算の否認ということで実質課税を貫くということをやるでしょう。だから、今回のこの国会で議論され、国民の疑惑がある問題については、それが田中さんの関連企業だ、その中心に新星企業とか東京ニューハウスという会社がある。この会社がいろいろ不動産を転がしたり、田中さんの邸宅の敷地を買い上げて、そして提供してやっているという会社でしょう。だから、そういう法人の名義を借りて実質的には自分の資産と同じように使っているという場合、そういう疑惑があるんじゃないかということが国民の問いかけであったわけですよ。そういうものに対応して国税庁は調査をしたと言うんだったら、そういう法人と田中さんとは別個独立の存在なんだということをはっきり実質的に証明すべきじゃないですか。手口として法人形式を使っていた、そして手口として資金集めも経理上も法人の帳面で経理処理をされているということだけじゃ、それが田中さんとどういう関係があるのか、無関係なのか関係があるのか、ここのところが解明されなければ、まだ答えは出ていないということじゃないのですか。そのことを伺っているのですよ。
  65. 渡邊喜一

    ○渡邊(喜)政府委員 法人が法律的に正当に存在している限り、税の上でそれを否認することはできないわけでございます。私どもが実質課税の原則と言っておりますのは、法人は法人として存在を認めながら、しかも法人名義で行われたある取引が、実質は法人がやったのではない、だれかほかの人がやったのだという場合に、その行為を否認して実質に即して課税を行うということでございますから、法人はあくまでも法律上正当に存在しておるわけでございまして、これを税法上否認するということはできないわけでございます。  仮に、ある法人がある土地を取得した、名義上土地を取得した、しかし調査したところが実際の取得資金は法人から出ていなかった、特定の個人から出ておったという場合に、初めて実質課税の原則というものを適用すべきかどうかという問題が出てくるわけでございまして、あくまでも法人から資金が出ており、しかもその法人がその資産を取得、管理しておったという状態におきまして、これを否認するということはあり得ないわけでございます。
  66. 増本一彦

    ○増本委員 私は法人格を否認しろと言っているのじゃないのですよ。あなたの方の答弁と報告はこうでしょう、法人の資産取得についての問題だから、個々の資産取得が実質、実体はどうなのか、ここのところが問題なんでしょう。  たとえば、東京ニューハウスの約三千平方メートルの敷地が目白台の田中さんの邸宅の敷地になっている、これを取得するときには東京ニューハウスに増資が行われて、そしてその資金で買い上げられて、大部分の株を引き受けたのが田中さんであるとしたら、それは東京ニューハウスという会社の名義を使って実質的にはその資産を取得した、所有形式そのものは東京ニューハウスという形式だけれども、実質的な権利行使としては田中さんの所有権と同じだ。その敷地の資産取得そのものから見てそういう事態になるのではないかというような例が枚挙にいとまがないから、個々の資産取得について形式的には法人名義になっていても、実質的には後ろに田中さんがいて、そして田中さんが資産を取得したことと同じことになる、こういう関係にあるのではないか。だったら、それは無関係なら無関係ということ、この実態を個々に釈明し、説明しなければ、単にこの報告書で言うていることはわれわれの問いに対して問いをもって答えていると同じことだ、実態には何にも触れた報告になっていないではないか、このことを言っているのです。法人格を否認しろなんて言ってないですよ。さっき挙げた同族会社の行為、計算の否認だって、それぞれの行為そのものを否認して、実質課税の原則に立ち返ってそこで課税をしろということでしょう。だから、同じ中身を言っているのですよ。法人格を否認するのは、商法で解散命令をするとかそういう場合以外にないということは、私も専門家だから、はっきりわかっています。その上での問題を聞いているのですよ。
  67. 横井正美

    ○横井政府委員 田中角榮氏を初め数名の方々が出資をいたしまして株式会社をつくっておる、その株式会社が約千坪の土地を目白に取得をし、その株式会社の名義で所有し、管理をし、運用をしておる。田中角榮氏がそこから経済的利益を受けておるかどうか、こういうことでございますが、その前段の、会社を設立をいたしまして、その会社が土地を購入し、所有し、管理しておる、こういう状態から考えますと、それを実質的な所有者が田中角榮氏であると言うわけにはまいらないということは、これは専門家の先生の御承知のとおりだと思うわけでございます。
  68. 増本一彦

    ○増本委員 これはそういう問題じゃないですよ。いいですか。あなたは、たとえば目白邸の敷地は東京ニューハウスが所有し、管理し、運用してきたと言うけれども、これはどうなんですか、地代は取ってなかったのでしょう。あなた方で地代を計算をしてそれに相当分を課税処理をした、こういう報告がその次に出てくるわけでしょう。東京ニューハウスというのはどういう会社ですか。不動産の売買、管理をやっている会社でしょう。営業目的にそう書いてある。その会社が田中さんに邸宅を――あなた方の前提に立っても、不動産の賃貸をしているのじゃないのですよ。無償で使用させていたわけだ。不動産の売買とか賃貸を営業目的としている会社が、いま時価一坪何百万円するといわれているところを、この問題が起きて国税庁が出ていくまでの間は、一銭の地代だって取っていない。むしろ、そこを管理していたのはだれですか、田中さんがそこに植木を植えたり池をつくったり、自分の邸宅としてそういうようなことをしてきたわけでしょう。管理しているのは田中さんじゃないですか。運用しているのも田中さん。しかもそれの取得資金、つまり法人名義で取得をするときの資金は、増資という手だてをとって、圧倒的な大株主の田中さんがまた増資に応じたわけですよ。だから、そういう実態から見たら、東京ニューハウスと田中さんとは別個独立の存在じゃなくて、実質的なその経済行為一つ一つ見たら、それは田中さんの取得財産ではないか。そうでないと言うのだったらその反論をちゃんと、そこのところを具体的に国民が納得できるような説明や報告をすべきじゃないか。だれだって経理処理を法人にしよう、その方が税金が――法人税率は今度上がったって四〇%、いろいろな全体の処理をすればもっと安くなる。法人というのはそういう面でメリットがあるというところから通常は運用されるものでしょう。ましてや、こういう経済的な実体というか営業実体というものがない会社ですね。だから幽霊企業だなどと言われている会社だ。従業員もほとんどいない。身内だけで固めている。田中さんの資産の取得やなんかの関係で顔を出すけれども、対外的に営業活動その他がやられているような会社ではない。それにもかかわらず、これは法人のものだ、田中さんとは無関係だと言うんだったら、無関係だということを明らかにすべきじゃないですか。そこのところがちっとも調査もされていなければ、それについて核心に触れるような報告が出されていないということが問題だ。だから、依然として疑惑が晴れないというように言わざるを得ないと思うのですよ。新星企業だってそうじゃありませんか。田中さんがお金が必要になるときにはすぐ身売りができる会社でしょう。四十七年の七月に小佐野賢治さんに買ってもらった会社だ。田中さんの一言でというか、田中さんの必要に応じて身売りまでできるような会社を、どうして田中さんとは別個独立の会社だと言うのか。そしてそこでは実質課税ということで目を向けていくような一つ一つの点検や調査というものがやられなかったのか。そういう国民の疑惑にこの報告書はこたえていないというように言わざるを得ないと思うのです。どうですか。
  69. 横井正美

    ○横井政府委員 毎度お答えしておりますとおり、私どもは、田中角榮氏だからこうとか、一般の方だから、他の方だからこうとかいうふうなことは一切いたしておりません。先生の筆法でまいりますと、いわゆる個人類似法人といいますか同属会社といいますか、これは全部、実質課税の原則によりまして個人に利益を帰属させる、こういう税法上の扱いをしなければならないと、こういうことにも発展するんじゃないかというふうにも思うわけでございます。田中角榮氏のほか数名の方が東京ニューハウスの株式を持たれておるということは事実でございましょう。ただ、その会社が土地を持ち、たまたまそれを一時的に田中角榮氏が使用しておるということでもって、それが田中角榮氏の実質的所有物だと、かように申すことは税務上暴論ではないか、かように考えるわけでございます。その問題は経済的利益の亨受という問題で処理すべきところであろうと考えるわけでございます。
  70. 増本一彦

    ○増本委員 いや、実質課税という立場に立てば、そしていま私が挙げたように、この新星企業にしたって東京ニューハウスにしたって、結局田中さんの言いなりになる、その指示のとおりに全部できる会社ではないか、こういう疑惑を国民が持って、そこのところを解明しよう、そこから実質課税へとどうやって進むことができるかということを、実はみんな注目してきたはずですよ。これは私は、国税庁はこの点について正面切った解明と、それから報告をもっと徹底してすべきだと思うのですよ。単にこれは税法の形式的な解釈や運用の問題じゃないと思うのですね。実質課税の原則というのはきちっと確立されていて、それをいかに解釈の中で応用して核心に迫るかという、そういう立場に立った税務行政の問題だと思うのですよね。あなたも経済的な利益の享受の点で処理すべきだと言うけれども、この経済的な利益の亨受の点で言ったって、実は非常に計算は甘いんじゃないんですか。  たとえば、参議院の五月七日の決算委員会での国税庁次長の答弁を見ますと、固定資産税の課税標準額の六%から一般管理費や固定資産税を引いたもの、これが地代相当額借料だということで、これに基づいて課税処理をしたと、こういう答弁になっていますね。これは間違いありませんね。――一体、この固定資産税の課税標準額と、それからいわゆる時価ですね、時価相当額との間には、一般的にどのくらいの隔りがあるのですか。まず、それから伺います。
  71. 横井正美

    ○横井政府委員 これは衆議院の大蔵委員会等でも前々御議論がございますけれども、いわゆる呼び値というものに対しまして相続税の評価額は約六割から、ときには二分の一ぐらいでございますが、固定資産税の課税評価額はそれよりもさらに低いというのが常識でございます。(増本委員「どのくらい低いのですか」と呼ぶ)相続税評価額の大体七割ぐらいではなかろうかというふうに思っております。
  72. 増本一彦

    ○増本委員 そうすると、いわゆる呼び値の五〇%くらいですね。七のまた七で七、七、四十九ぐらいというところですからね。  ところで、先ほどあなたもうなずいて認められたけれども、たとえば東京ニューハウスという会社は、不動産の売買賃貸というようなものを目的とする会社ですね。一般的にこの地代収入というのは、そういう不動産会社はどういう根拠で、どういう方式で計算をしますか。理論的に言ったって、あれでしょう、投下資本に対する資本利回り、これに見合う分というものを地代収入というぐあいに普通は見るわけですよ。あなた方の方も、そこで固定資産税の課税標準価格の六割を地代収入というぐあいに一応見たわけですね。そこで、こういう不動産の運用を専門にしている会社の場合に、この投下資本の価格というのは、これはこの呼び値の五〇%足らずというような価格を基準にするものなのかどうかということです。これは一般の庶民が借地をして家を建てる、居住用の建物を建てる、そして地代を地主に払うというこういう関係の場合、民間の普通の地主さんの場合と、それから不動産会社なんかの場合とは違うでしょう。参議院の決算委員会でも、この借料が一年間に、あの目白台で百三十万円ぐらいで約千坪の土地が借りられるというのか、低過ぎるじゃないか、こういう議論がありましたね、追及があった。あなた方はそのときに、通常の地代の計算についてこういうようにやっています、田中さんについても同じようにやりましたということで答弁をしているけれども、東京ニューハウスという会社一つ見れば、これは不動産の運用をやっている会社、賃貸を目的としている会社でしょう。賃貸も営業目的に入っている会社。そこで実態に合わせた課税をするということだったら、どういうことになるのですか。投下資本は時価相当額、そうでしょう。たとえば、土地をお金にかえて銀行に預けたら、定期預金で六%かそれ以上の金利が入る。それを、土地という固定資産を人に貸してそこで同じような資本利回りを受け取ろうという、ここのところに営業目的があるし、これが営業活動になるわけでしょう。だから、この経済的な利益の亨受にしたって、普通の商取引、不動産の賃貸の資本的な取引で見たら、余りに過小な認定をしているということになるんじゃないですか。この点はいかがですか。
  73. 横井正美

    ○横井政府委員 私ども、この経済的利益の認定に当たりましては、当該土地を所有しておりますところの東京ニューハウスのいわゆる所有目的は何かということ、それから田中角榮氏の利用状況はどういう状況であるかということ、これは永久的なものであるのか一時的なものであるのか、こういう点を彼此勘案いたしまして、結論といたしまして固定資産税の課税標準額の六%をとったわけでございます。固定資産税課税標準額の六%を適用いたしますのは、先生御案内のとおり、所得税法の三十六条に基づきます経済的な利益の認定の際の一つの基準でございます。これは会社の役員等が会社の住宅その他を賃借しておるという場合におきまして、これが六%より低ければその差額を認定し、取っておらなければ六%認定する、こういうものでございます。田中角榮氏の場合は、東京ニューハウスの役員ではございませんけれども、これに準ずる方ということで六%いたしたわけでございますが、田中角榮氏の利用状況、これは御案内のとおり一時的な利用でございます。かつ、堅固な建物であるとかあるいは木造の建物であるとか、これを建築する、そういう目的でもございません。田中邸と東京ニューハウス所有地の間には堅固な仕切りもございます。東京ニューハウスの所有目的といたしましては、これを永久に田中角榮氏に無償で貸すと、こういうことではございませんで、他に、たとえば社屋をつくるとか転売するとかいうふうなことも考えておるというふうな事情もあるようでございます。これらを彼此勘案いたしますと、会社が役員等に対しまして、建物を建てるという目的で利用させます場合におきまして、固定資産税の課税標準額の六%というものを取るような線で所得税法の基本通達ができておるわけでございますが、田中角榮氏の一時的な庭としての利用状況等から見ますと、六%は決して甘い基準ではない、かように考えております。
  74. 増本一彦

    ○増本委員 あなたのおっしゃることは、私は一つは、語るに落ちると思うのですよ。それはなぜかと言いますと、資産取得の点では、あなたの方は会社と田中さんは無関係だというように処理をしておきながら、片方ではいかにも重い負担をかけたかのように言うけれども、田中さんと東京ニューハウスとの縁故関係というのは前提にしているわけです。役員に準ずるものとして認めたわけでしょう。だけれども、あなた方は、無関係だと言うのだったら、前提はあれでしょう、東京ニューハウスの商売上の取引として不動産の賃貸をやっている、それが田中さん自身の地代相当額は田中さん自身の利益にもなっている、これに対してどう課税をするのか、課税処理をするのかということが問題になるわけでしょう。そうなんでしょう。だから、そういう前提で考えれば、呼び値の五〇%足らず、一般の通常の取引から見たって、この投下資本に対する資本利回りで計算したそれの半分以下というような、やはり大まけにまけた計算をしているという事実はぬぐえないわけですよ。だから、やはりこういう点でも、単純にこういう課税の処理をしたということ自身に私は不満だけれども、そういう不十分な処置についでも、やはり手心を加えているという疑惑は依然としてぬぐえないというように言わざるを得ないわけです。  時間の関係がありますので、ところで、この国税庁の調査や発表に前後して、新たに建設省が、たとえば新星企業の宅地建物業法に基づく免許を持っていなかったということで無免許の摘発をした、警視庁や東京地方検察庁も調査に乗り出しているというようなことが新聞などでも報道をされているわけですね。  新星企業は、昭和四十七年の七月に小佐野賢治さんに身売りをされているという事実があるようだけれども、しかし、それでも依然として田中さんと密接なつながりは消えていないという事実もあるようですね。たとえば、この新星企業が仲介をした東京都渋谷区鶯谷二十八番の八の三百七十四平方メートルというこの土地も、松本さんという方が持っているのを、実は日下不動産の高橋さんという人を仲介にして坪八十万円で売ることを頼んだけれども、たまたま田中さんからゴルフ場で話を、四十九年の八月か九月ごろに、これを新星企業の方に売ってくれと頼まれて、坪七十一万円で売ったという話ですね。それを新星企業は、竹中不動産というところに一坪百万円で売ったそうです。私の方でも、日下不動産の高橋さんという方ともいろいろ事情を聞きました。「現代」という雑誌の七月号で立花さんがその後のくだりを、竹中不動産とのかかわりを書いておられるので、立花隆さんにも私たちの方でお会いをしていろいろお話しを聞いたら、坪百万円で売った。もうこれだけで結局三千万円、新星企業が土地ころがしで無免許でやっている。こういうようなことが――田中さんも、四十九年九月というと、総理大臣をやっておられますね。国政が多端なときに不動産の仲介に口まできかれるようなことが不動産業者の業界の中でもうわさになるということ自身も、大変恥ずかしい話ですね。  こういうような、いま建設省や検察庁もいろいろな捜査に乗り出している事実を見てみると、やはり今後ともこれらの問題についての調査は続けていくべきではないか。そして本当に、先ほど私が申し上げたような実質課税の立場に立ち、もっと事態の解明というものを実態に即してやっていくようにしなければならないというように思うのですが、今後も調査を続けていくという、そういう決意が一体おありなのかどうか、その点をひとつお伺いしておきましょう。
  75. 渡邊喜一

    ○渡邊(喜)政府委員 国税庁の再調査につきましては、たびたび申し上げておりますように、先般そのすべてを終了いたしまして、課税処置等も終わっておるわけでございます。現在検察庁その他においていろいろまた調査をされておるという新聞報道を見ておりますが、私どもといたしましては、検察庁等がどういう内容の調査をしておるのかについては詳細承知をしていないわけでございます。ただ、新聞等に出ておりますような内容につきましては、すでに私どもの調査におきましても全部把握をいたしておりまして、それらの土地の売買その他による所得等はすべて関係企業で確認をいたしておるわけでございます。したがいまして、その限りにおいては改めて調査をするという必要は生じないかと思いますが、仮に検察庁等の調査内容において私どもが把握していないような事実が出てくるといたしますれば、それは時効の範囲内におきましては当然見直し調査をやるということは言うまでもないことであろうかと思います。
  76. 増本一彦

    ○増本委員 あなた方の報告で、あなた方自身の主張する点は、四十六年、四十七年、四十八年でしょう。それについて、もちろん時効の範囲内で、ここでもこれまで議論になっている点から見たってもっと精査をすべきだと思うし、それから、それ以降の分については何にも決着がついていないでしょう。皆さんはよく、うわさでもあるいは情報でもどんなものでも得たときには、課税の適正を図るために調査をするんだと口癖のようにおっしゃっているし、田中金脈問題が最初に出たときにも、そういうことを国会で言明しているはずでしょう。調査の必要なしなどとはとうてい言えないと思うのですね。  そこで、この問題で大蔵大臣にお尋ねをしたいのですが、田中さんは、この金脈問題をめぐってやはり一身上の弁明をするということを言明されておる。それから、私も大臣にお尋ねをしたときに、これは政治家としての田中さんの問題だから、田中さん自身で明らかにすべき問題であるということを答弁なすったはずだと思います。ところが、この田中さんの釈明とか弁明というものは、今日に至るも全くないわけですね。それでいて、政治的な謹慎中などとおっしゃりながら、五者会談にお出になるとかいろいろな政治活動も時折おやりになるようです。私は、大平大蔵大臣は田中内閣のもとでも外務大臣、大蔵大臣をおやりになっておられる、そういう点から、ひとつ田中さんの釈明とか弁明というものを早く出させて、国民の疑惑にこたえるようにまじめな行動をとるべきであるという勧告は、やはり御友人という立場から言ったって当然おやりになる必要があると思うのですね。そういうお気持ちをお持ちであるかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
  77. 大平正芳

    ○大平国務大臣 御指摘の問題は、田中角榮氏にとりましてはだれよりも深刻に受けとめておられる問題であろうと思います。したがいまして、第三者がとやかく申すべき性質のものではないと思います。いつ、どういう形で世に問われようとしておるのか、一番深刻にお考えになっているのは田中さん御自身ではないかと思うのでございまして、私からこれについて慫慂をするというようなことは慎まなければならぬことだと考えております。
  78. 増本一彦

    ○増本委員 おやりにならないというお話しですが、これはきわめて私は遺憾に思います。  そこで、残された時間で、きわめて短くて恐縮ですけれども、ほかにあと二、三お伺いをしておきたいと思います。  一つは、予備費でこれまでにも生活保護世帯に対する手だてなども行われてきた。いま私のところに、特に失業が深刻化しているところから、それともう一つは物価が非常に上がってきているというような事態の中で、失対就労者の方々からいろいろはがきが来ている。一つは、打ち切られるのではないか、いま四万六千何がしの改定賃金のもとで、四月の一日から若干上がったけれども、生活は非常に苦しい、再改定をしてほしい、こういう要求がありますし、それから、いまのこの失業者が非常に増大をしてきている中で、地方自治体そのものももっと失対事業について拡充や改善をしていただきたい、その上で国自身ももっと積極的な手だてをとってほしい、こういう要求があるわけですね。  一つお伺いしたい点は、一四・九%、去年の十月から見ますと上がったけれども、月二十二日の就労で四万六千六百四十円といういまの失体賃金、これはまだ余りにも低過ぎるので再引き上げを考えるべきではないか、それから、地方自治体の失対事業対策について国が大幅な拡大強化を図る必要があるのではないか、この点について政府の方向、方針をひとつ簡潔にお答えいただきたいと思います。
  79. 守屋孝一

    ○守屋説明員 失対賃金につきましては、先生も御承知のように、緊急失業対策法の中に失対賃金の決定原則がございます。私どもも、失対就労者の方々の生活並びに就労実態を十分見守りながら、いままでもその改善に努力してまいりました。御指摘のとおり三月末と四月との間では一四・九%のアップになっております。いま、当面すぐどうかと言われますと、つい最近賃金を上げたばかりでございますが、私どもも今後ともに、就労者の方々の生活の実態なり就労の実態を十分見守りながら、この賃金決定原則の中でより一層の改善に努力してまいりたいというように考えております。  それからもう一つ、失対の就労の枠の拡大の問題でございますが、これは先生も御承知かと思いますが、昭和四十六年に中高年法を制定いたしました。このときにいろいろ経緯があったわけでございます。ことしがちょうど制度検討の年に当たっておりまして、われわれもいま検討をやっておりますが、これはあくまでもあのときの、四十六年の経緯を踏まえまして、決してわれわれ、いまいらっしゃる就労者の方々を首を切るという前提ではございませんで、より現実とたてまえとの乖離をどうギャップを埋めていくかというようなことを中心に、いま検討しておるところでございます。
  80. 増本一彦

    ○増本委員 実質的には、十二万五千人の失対事業就労者が、四十九年は九万九千人に減って、五十年度は九万人と言われておる。実質的にはずっと減ってきているわけですね。それから高齢者化してきている。しかし、その中で、いまの社会保障制度が十分でないために、しかも労働の意思も能力もある、働こう、こういう人たちがいま四万六千何がしのお金で一月暮らさなければならない。この事実を見たら、仮に上げたばかりだからというよりも、実生活そのものを見て、ひとつ財政当局としてもやはり配慮をしてもらいたい。時間がありませんので、これは私から強く要望をしておきたいと思います。  次に、物価対策との関係で、これは農林省にお伺いをしておきたいのです。  飼料などについては、これまでも予備費で一定の補てんがなされてきた。いま牛乳ですね、飲用乳の値上げが問題になっている。酪農家とメーカーとの間で値上げの交渉が行われて、巷間、一五・三%ぐらいのアップになるのか、あるいはもっと上がるのか、いろいろ問題がある。いまの酪農家の経営の実態を見たら、当然それを補てんしてあげなければならない、そういう深刻な実態であるということは言うまでもありません。しかし、その一方で、それが消費者の方に、牛乳の価格に転嫁という事態になると、たとえば一本五十円の牛乳が生まれる、あるいは五十五円になるかもしれない。価格が上がるたびに、実は牛乳の消費量というものは、小売店の店先の実態を見ると下がってきているという実態があるわけですね。この点をきちっと解決するには、いま同じ牛乳でありながら加工用の原料牛乳については価格保証の制度がとられていますね、だから飲む牛乳についても同じような保証制度をとって、そして消費者には新鮮で安い牛乳の提供をする。そして酪農家の経営の安定も図っていく。同じ牛乳でもバターなどについては価格保証があるのに、飲む牛乳についてはそれがないというこの不均衡は、いま耐乏生活をいろいろな形で強いられている国民の状態を考えたら、そこまで踏み切るべきではないかというように私は思いますが、この点についてまず局長からお答えいただきたいと思います。
  81. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 御承知のように加工原料乳につきましては、不足払い制度によりまして再生産を確保することを旨といたします、政府が決めております保証価格と、加工メーカーが支払い可能な基準取引価格との差額を不足払いという形で補てんをする法律制度に基づいて運用しておるわけでございますが、ことしは御承知のように、キログラム当たり八十円二十九銭というのを四月一日から決めておるわけであります。飲用乳につきましては、加工原料乳と違いまして自主的な当事者間の取引によって価格を形成する、これによりまして現在全国平均で九十八円十銭ぐらいになっておるわけでございます。もちろん、約一年前に決めた価格でございますので、その後の生産事情、需給事情等の変化もございますので、生産者側は現在、その価格の引き上げについてメーカーと話し合いを始めておるわけでございます。これは先ほど申しましたように、両当事者間で自主的に取引条件の一つとして決めるということでこれまでもやっておりますし、そのような折衝によって当事者間で解決をしていただきたいというように期待をしておるわけであります。
  82. 増本一彦

    ○増本委員 それでやると、今度は消費者の方のいわゆる小売価格まで上がってくるでしょう。二円の値上げというものが、メーカーの方では何とか四円の値上げというところで価格転嫁を小売価格の方にしていこうというような事態。いま全国で二万軒の牛乳屋さんがいて、その牛乳屋さん自身の方は、メーカーで値上げを認めたって自分の方は値上げを認めない、もうこれ以上上げられたら自分の商売もだめになる。消費者の側からすればもっと高い牛乳を飲まされる。だから、消費者への転嫁をここで抑えて、そうしてそういうことのための手だて、加工用の保証価格制度と同じような手だてをとるということが、いま物価対策上から言ってもきわめて必要なんじゃないか、そういう方向の検討というのはないのですか。
  83. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 飲用牛乳の値上げにつきましては、生産者が、ただいま申し上げましたように引き上げを要請をしておるわけでございますが、これは生産者とメーカーと販売店と消費者、四者に関係するわけでございますが、販売店いわゆる小売店側は、昨年の値上げによりまして消費がかなり減退したということ、今回また引き上げをすれば消費が減退するのではないかという点から、強く反対をいたしております。最近の模様を見ますと、ことしに入りましてから飲用牛乳の消費量はやや増加傾向が見られまして、最近では四%前後の増加ということになっておりますが、小売側はその点を非常に心配をして、引き上げに対して反対の態度をとっております。  そこで、いまお尋ねの、不足払い制度を、加工原料乳と同じように飲用牛乳原料である生乳についても行うべきではないかという御意見でございますけれども、私どもは、牛乳の家計費の中に占めます地位等を考えますと、それからまた、先ほど言いましたように加工原料乳の価格形成よりは現在有利に形成されておるというような点を考えますと、いま直ちに同じように不足払い制度をとるということにつきましては、いろいろ問題があるのではないか。階層別、地域別にもかなり消費の差もございますし、さらに生産者の飲用乳価格を不足払い制度によりまして補てんをいたしましても、途中の処理段階あるいは販売段階におきましてそういう部分が吸収されて、必ずしも的確に消費者まで届く保証がないというようなこと、あるいはまた財政的な負担が相当大きくなるというような問題がございますので、現段階でそのような制度をとる考えは持っておりません。
  84. 増本一彦

    ○増本委員 これはそれじゃ大臣、ひとつ英断をいただきたい。いま牛乳の消費量は、学校給食を除いても二百三十万トンぐらいですね。一キロ当たりで仮に二十円上がると、四百六十億円の補てんを財政的にすればいい。また、三千億円の予備費があるわけですね。このうち六億五千九百万円ぐらいのお金しか本年度支出されていない。そこで、これはひとつ物価対策という上からそのための制度を至急検討するようにすべきであるというふうに思いますが、この点についてどうお考えか。  ついでに、もう時間がありませんのでお伺いしておきますが、もう一つは、第三次不況対策が十六日に発表になって、今度中小企業金融の関係ももっと改善、円滑化を図っていこうということが方針として出ましたけれども、ところで、いま中小、零細企業の人たちが使っておられる国民金融公庫の普通貸し付け、中小企業金融公庫の一般貸し付け、これの金利が九・四%、非常に高いのですね。いま地方自治体の方でもそれぞれ制度融資をつくって中小企業の人たちに利用してもらって、これは大体七・五%ぐらいの金利ですね。一つは、金利をこの際、不況対策の一環として下げるべきではないか。この点については、地方自治体の場合には一般会計から出したお金を銀行に預託をして運用しておるわけですが、政府系の金融機関についても、一つは資本金を増額して一般会計からの補てんを図るとか、あるいは産投会計をもっと改組をして、そこの一般会計から補てんされた分を回せるようなことをやって、コストのかからない金をもっと補てんしていくというような手だてをとるべきではないか、そういう方向でさらに検討をさるべきであるというように思うのですが、この点について御答弁をいただきたい。  これで終わります。
  85. 田中敬

    ○田中政府委員 最初の御質問の飲用牛乳に対する財政補助でございますが、加工用原料乳に対します財政補助ですら、私どもは、暫定的な措置であって、決して好ましい措置であろうと考えておりませんので、いわんや、これを飲用牛乳にまで拡大するということは考えておりません。  それから、予備費が三千億のうち六億しか使用済みでないというお話しでございますが、本年度の財政需要を勘案いたしまして、先ほど畜産局長からも説明がございましたように、いろいろ問題のある飲用牛乳への補助にこれを充てるという考えは財政当局といたして持っておりません。
  86. 後藤達太

    ○後藤(達)政府委員 先生の御指摘の後段の方につきましてお答えをさせていただきたいと思います。  国民公庫、中小公庫等の普通貸し付けが御指摘のように九・四%でございまして、これはお使いになる方の立場から見れば高いと感ぜられる、そういうことはあろうかと存じます。ただ、そういう点につきましては私どももいろいろ苦心をしてまいりまして、御承知のように今回の引き締め過程で金利が大幅に上昇しました中でも、この中小公庫あるいは国民公庫等の基準金利につきましては上げ幅を極力低位にとどめる、こういう努力をしてまいりました。確かにいま普通貸し付けの金利は九・四%でございますけれども、これは開銀等の基準金利に比べますれば〇・五ポイント低くいたしております。また、そのほか、これも御案内のように、小企業者に対する場合には七・二%、あるいは近代化等の政策融資につきましてはかなり低い金利で融資をいたしておるところでございまして、ただいまの全体のこの情勢あるいは全体の金融の情勢等を考えますれば、現在の水準が私どもはまあ妥当な水準ではないかと考えておるところでございます。したがいまして、当面直ちにこれを下げるということは、ただいまのところ考えておらないのでございます。  先生御指摘の不況対策等の観点でも、中小企業金融につきましては融資の円滑化、これは融資の枠の問題でございます、あるいは返済猶予を適切に行う、こういうところに当面重点を置いてまいりたいと思います。御指摘の点につきましては将来の勉強課題こういうふうにさせていただきたいと思います。
  87. 井原岸高

    ○井原委員長 坂井弘一君。
  88. 坂井弘一

    ○坂井委員 通告をしております質問に入ります前に、大平大蔵大臣から一つだけお伺いをしておきたいと思います。  国政調査権と守秘義務との関係につきましてはしばしば議論がされてまいりました。私の考えでございますが、この二つは、いずれかの一方が常に優位に立つというものではない、しかしながら、事の問題いかんによっては、この両者を判断する場合、常にやはり広く国民の利益、国民の立場に立って判断をしなければならない性格のものではないか。つまり、申し上げたいことは、今回の田中さんの問題につきまして、金にまつわる政治ないし行政に対します国民の不信というものが爆発をした。何としてもやはり政治、行政に対しまして国民の信頼をつなぎとめなければならない。そのためにはその疑惑を晴らす必要がある。これはもうおしなべて一致した意見であります。そうした場合の判断として、あくまでも守秘義務というものを盾にとって、それは口を開くわけには相ならぬ、一切合財できないんだという態度、これは余りにもかたくなに過ぎるのではないか。  言いかえますと、総理という立場は言うまでもなく一国の最高権力者であります。最高権力者の立場にある人に対して非常に大きな不信、疑惑というものがここに起こってきた。一方、例として申し上げますけれども、私はかつて本会議におきまして、権力者のそうしたプライバシー、秘密というものは守られる、一方、庶民のプライバシーは踏みにじられていいという、そういう論法は成り立たない。しかし現実の問題として、たとえば地方税におきまして滞納の一覧等を、地方議会の委員会の場において堂々と公表しておる。はなはだしきは、たとえば村役場であるとか町の役所の掲示板に、滞納者リスト、一覧表を張り出す、こういうことまで行われておる。しかも、このことはすでに自治省の通達によって行われておることである。これは地方議会の住民に対する議会としての役割りを果たす必要上そのようなことは許されてよろしいという判断によってそういうことが行われておる。ささやかな庶民のそうした、言うなればきわめてプライバシーのこと、税に関することでございますけれども、滞納というものが公表され、一方においては、一国の最高権力者のことに関しては一切合財口を閉ざす、こういうあり方というものは根本から間違っているのではないかという点を実は指摘をいたしました。その際、大蔵大臣あるいは総理からも答弁がありまして、確かにそのような事実についてはこれは改めていかなければならぬということであったわけでございます。  ここで要約いたしまして結論的に大臣にその御決意なり、一言で結構であります、お答えをいただきたいと思いますことは、たとえば、ここで百歩譲りましょう、もし国会の場あるいは委員会の場という公式の場において具体的な数字等を挙げて報告するということができないとするならば、たとえば秘密会、あるいはこれをかなり抽象的な形においてその内容を国会に説明をする、報告をする等、何らかの方法があるのではないか、こう思うわけでありますけれども、そうした点について大蔵大臣はどのようにお考えでございましょうか。
  89. 大平正芳

    ○大平国務大臣 坂井さんが言われるように、私も、国政調査権と守秘義務、どちらが優位にあるとかどうとかいうことについて確立した原則があると思いません。いずれも国会における立法でございまして、それぞれそれなりの立法理由がございまして制定された制度であるわけでございます。問題は、これをどのように円滑に運用してまいるかということが行政府における私どもの任務でもございますし、同時に立法府におかれる先生方のお立場でもあろうと思います。  そこで、私は第一に、行政府と言い立法府と申しますけれども、国の大事な権力を分担し合っておる仲でございますし、国は一つでございますから、お互いに協力し合わなければならぬと思うのでございまして、お互いの立場に対する最大限の理解と尊重、そしてお互いの協力が要るのではないかと思っております。したがって、この運用に当たりまして政府の方で統一見解として国会にお答え申し上げたことも、総理大臣の名において申し上げておりますゆえんのものも、そういう最大限の協力はいたしますということを行政府の方で申し上げておるわけでございます。同時に、したがって私は、立法府の方におきましても、これはいままで税金の問題が主でございましたけれども、ほかにもいろいろなケースがあり得ると思いますけれども、行政府の置かれた立場というものに対して御理解をいただきたいものと思います。それが第一でございます。  それから第二の問題として、運用に当たりましての問題でございますが、わが国では総理大臣というものは別な義務、より高い倫理水準を要求されてしかるべきだと考えるべきか、総理大臣といえども一国民でなければならぬというのがデモクラシーの原則じゃないかというように考えるべきか、これもまた確かに、いろいろの人によりまして考えがあろうかと思うのであります。英国のように貴族は特別の責任というか義務を持つというような国柄もございますけれども、ああいう社会と日本と違うわけで、日本は、私どもみたいな貧農の息子でも国務大臣になるわけでございます。そういう非常にデモクラティックな社会だと思うのでございます。したがって、日本では総理大臣といえども一個の市民として、一個の納税者として取り扱うべしということも、私はそれだけの説得力を持っておると思うのでございます。しかし同時に、あなたが言われるように、また、たびたびほかの先生方からも御指摘がございましたように、総理大臣なんだから、これにまつわる問題についてはもっと解明をして、疑惑を一掃すべきじゃないかということも、それなりに説得力を持った御提言であろうと私は思うのでございます。したがって、この両方をどのようにして生かしてまいりますかが、冒頭に申しました運用の妙だろうと思うのでございます。したがって、行政府と立法府におきまして、いろいろな場でどういう資料をどういう場面でどのように出し合うかというような点につきましては、篤と御相談申し上げていくべきじゃないかと思いますし、今日までそうやってきたわけでございますし、今後もより一層協力の度を高めてまいるべきものと私は思っております。
  90. 坂井弘一

    ○坂井委員 大臣、大変遺憾ながら、その運用の妙とやらが具体的に出ていないわけですね。いま大臣おっしゃいますが、それは行政府の立場を理解してもらいたい、わかります。おっしゃるならば、今度は、立法府の立場というものを理解していただきたいと私は申し上げたい。言うまでもなく国会は国権の最高機関であります。主権在民であります。  いま問題の本質は何かといいますと、ただ単に田中さんの個人の問題として、あれがけしからぬ、これがけしからぬと言ってつつき回って、ほこりをたたいてたたいてたたきまくるというようなことではなくて、少なくとも今度出たほこりの質なり、それを見てみますと、これは国民としての目から見て、一国の最高権力者、わが国の総理大臣としてはふさわしくはない、きわめて遺憾である、いろいろな疑惑なり不審にいっぱい包まれたわけですね。そのこと自体が日本の政治に対する大きな不信ということになりかねない、これは大変だというところから、ここに問題の本質があって、これを解明して、そして信頼をつなぎとめなければならぬというところにあったであろう、私はそう判断をしております。  したがって、そういう観点から今回の田中さんの問題を見た場合に、まさに運用の妙とやらが、ここで大蔵大臣の決断によって発揮されなければ、いまこのままで終わりますと、これはまさに守秘の義務という――まあ法律的にはそうでありましょう。つまり、一切合財、国民の前には明らかにいたしません、あなた方はお黙りなさい、今回のこの結論につきましては厳正公平にやったのですから、政府を信頼いたしなさい。――内容をいささかも示さないで、信じなさいと言ったって、だれが信じますか。国民のそうした政治に対する不信というもの、それにどうこたえるかというのが、まさに今回のこの一連の問題の一番大きなポイントであったであろう、私はそう判断をして今日まできたわけであります。  したがって、今後におきましてもという大蔵大臣のいまの答弁でありますけれども、その運用の妙とやらは、具体的なものはいま腹の中にお持ちなのかどうなのか、その片りんすらも実は私はお伺いすることができません。しかしながら、大臣がその運用の妙ということの言葉の中になお、やはり今回これでもってよしとはしていないであろう、少なくとも何らかの形でもって国民の疑惑に対してはこたえなければならぬし、政治の信頼というものをつなぎとめなければならぬという御決意はあろうと、こう私は思いまして、あえて、きょうはこの問題に対して入っていこうとは思いません。そうした点につきまして強く要請をしておきたいと思います。  田中厚生大臣、御出席をいただきました。  御承知のとおり、サリドマイドによります先天性障害という大変大きな重荷を背負った子供たち、あるいはその家族、大変長い期間にわたりまして精神的、肉体的苦痛あるいはその屈辱等に耐えながら十数年経緯をしているわけであります。このサリドマイド禍をずっと見てまいりまして、やはりこうした惨禍を起こしたという最大の原因に国の薬務行政、ここに大きな失敗があったのではないか、実は私はそのように考えております。結果的には、六十三名からなる全国サリドマイド訴訟統一原告団に対して、四十九年度一般会計予備費から八億一千五百八十四万一千円、この支払いが行われたわけでございますけれども、この経緯につきまして粗々で結構でございますが、御説明をいただきたい。
  91. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 サリドマイド問題につきましては、先生御承知かと思いますが、三十六年十一月、ドイツにおきましてレンツ博士が、向こうでサリドマイドの薬によって奇形児ができておるという御指摘がございました。その問題を契機といたしまして、世界的に方々でも騒がれて問題になったわけでございます。わが国におきましてもこの警告に接しまして、厚生省及びまた製造元でございます大日本製薬におきまして、いろいろな動物実験その他学者に委嘱しまして、研究をいたしましたけれども、なかなか結論が出なかった。しかし、そのうち、問題が問題でございますので、三十七年の九月に至りまして当該薬品を回収した、こういう経緯がございます。  このような経緯の中で実は多くの患者が出られたわけでございますが、実は三十八年から、被害を受けられました患者の御家族から裁判所に訴訟がございました。国及び大日本製薬に対して損害賠償の訴えがあったわけでございます。それから約十年余り、裁判で、国及びまた大日本製薬におきましては、製造許可あるいはまたその後の措置につきまして、患者側からの申し分につきましても当方は当方としての言い分もいろいろ申し上げ、また、訴訟されました家族の方からもいろいろな言い分がございまして、法廷の場でいろいろな吟味があったわけでございますけれども、何さま相当な年月がたちまして、当該被害を受けられた患者の子供たちが余りにもかわいそうであるというふうなこともございまして、一昨年、四十八年の十二月に至りまして厚生省及び大日本製薬の方から、六十三人の訴訟を出しておられます御家族の方、統一原告団と申しておりますけれども、その原告団に対しまして和解の申し入れをやったわけでございます。おかげさまで両者和解の話に入ろうということで、それから約一年がかりでございますけれども、いろいろ折衝の末、結論的には、昨年の十月の十三日に、統一原告団とそれから訴えられました厚生省及び大日本製薬との間に和解の確認ということが行われまして、それによって厚生省及び大日本製薬は連帯して、このお気の毒な患者の皆さん方に対して賠償も行う、あるいはまた子供さん方の将来の福祉のために施設面あるいは研究面その他の面でできるだけの措置をしたいということを内容といたします和解の確認書の取り交わしができたわけでございます。この確認書をもとにいたしまして、去年の十二月の末までかかりまして、六十三家族に対しまして、当方及び大日本製薬と個別の和解調書ができまして、具体的にお金を支払うという経緯でございます。
  92. 坂井弘一

    ○坂井委員 念のためにお伺いいたしますけれども、そういたしますと、この八億一千五百余万円の予備費からの支払いをしたというその根拠は、裁判の和解に国が応じた、したがってこの支払いを行った、こういうことでございますか。
  93. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 昨年十月十三日の和解の確認書の中にも、厚生大臣と大日本製薬株式会社は当該サリドマイドに係りますその製造から回収に至りますまでの一連の過程におきまして、落ち度があった、そのことについての責任を認める、認めた上で賠償金をお払いするという確認がなされたわけでございまして、これに基づきまして金をお払いする。もちろん、和解でございますから、言い分はあるわけでございますが、裁判上、そこでお互いの論議を通じていわゆる最終判決があり、そこで具体的な法律上の責任の内容あるいは程度、そういったものについての具体的な判決はなかったわけでございます。そこはお互いが大乗的な見地から話し合って、そして国及び大日本製薬側はその責任を認めた、そして賠償金を支払うという確認をやったわけでございまして、申しますならば、和解の確認条項に基づきまして賠償金をお支払い申し上げたという経緯でございます。
  94. 坂井弘一

    ○坂井委員 国には明らかに落ち度があった、したがって国は賠償しなければならない。ということになりますと、国家賠償法に基づく支払い、こう理解してよろしゅうございましょうか。
  95. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 ただいま申し上げますように、民事上の責任というものを認めたわけでございますから、国としてその賠償の責めに任ずるということを認めたわけでございます。
  96. 坂井弘一

    ○坂井委員 国家賠償法に基づく支払いでしょうかと、こうお尋ねしているわけです。
  97. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 そのように御理解願えると思います。
  98. 坂井弘一

    ○坂井委員 なお、念のためにお伺いいたしたいと思いますが、このサリドマイド訴訟統一原告団と、国つまり厚生大臣及び大日本製薬株式会社、この三者の間におきまして確認書がございますが、この確認書の性格と申しますか、この中にあります数項目につきまして、なお念のために確認をしていただきたいと思いますが、第二項目に「厚生大臣及び大日本製薬株式会社は、前記製造から回収に至る一連の過程において、催奇形性の有無についての安全性の確認、レンツ博士の警告後の処置等につき、落度があったことに鑑み、右悲惨なサリドマイド禍を生ぜしめたことにつき、薬務行政所管官庁として及び医薬品製造業者として、それぞれ責任を認める。」こうあるわけでございますけれども、これは正規の国の意思としてこの責任をお認めになったということでございますか。
  99. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 名前は厚生大臣になっておりますけれども、国としてそういうことを認めたということでございます。
  100. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、同じくお聞きしますが、第三項目に「また、厚生大臣及び大日本製薬株式会社は、訴訟上十年余に亘って、右困果関係と責任を争い、この間被害児とその家族に対して何等格別の救済措置を講じなかったことを深く反省し、原告等に対して衷心より遺憾の意を表する。」、同じく、国の正規の意思でございますか。
  101. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 そのとおりでございます。
  102. 坂井弘一

    ○坂井委員 わかりました。  そうしますと、大蔵省に確認をしていただきたいと思いますが、四十九年度一般会計予算予備費、ここで、いま申しました金額八億一千五百八十四万一千円の使用がなされているわけでありますが、この項目の賠償償還及払戻金、説明によりますと、「サリドマイドによって障害を生じた被害児及びその家族に対し損害賠償金を支出するため」、こう明確にございますが、同じく国家賠償法に基づく賠償金である、こう理解してよろしゅうございましょうか。
  103. 田中敬

    ○田中政府委員 和解調停書の和解条項といたしまして、原告に対し、損害賠償として、右表に掲げる金員云々ということがございまして、そういう意味で、損害賠償金であることは明らかでございます。  それと、国家賠償法に基づく賠償金であるかあるいは民法上の賠償金であるかという点につきましては、支出当時におきましては意思を確認いたしておりませんでした。
  104. 坂井弘一

    ○坂井委員 微妙な食い違いだ。  厚生省にもう一回確認をお願いしたい。国家賠償法に基づく賠償ですね、そのとおりでございます、という御答弁であったと思います。いかがですか。
  105. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 先ほどの答弁のとおり考えております。
  106. 田中敬

    ○田中政府委員 現時点におきましては、私どももさように解釈いたしております。
  107. 坂井弘一

    ○坂井委員 重ねて確認をお願いしたいと思います。  厚生省、もう一回、そのとおりという、そのとおりを明確に御答弁ください。
  108. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 先生御指摘の国家賠償法による賠償である、かように存じます。
  109. 坂井弘一

    ○坂井委員 わかりました。  いまの御答弁によりますと、まさに、このサリドマイド禍というきわめて悲惨な結果を生むに至ったというその最大の要因の一つに、国の薬務行政の失敗にあった、落ち度であり、そのことは明確に国の責任である、したがってこの訴訟団の訴訟に応じて国は国家賠償法に基づいて賠償金をお支払いいたします、国の医薬行政の過ちでございましたということを明確にされて、ここに予備費をもって八億一千数百万の金が支出された、これはこういうことに明確になる、こう思います。  そういうことになりますと、国の薬務行政の誤りあるいは厚生省の責任という言い方でもって言われるわけでありますけれども、その責任の所在は一体那辺にあるのですか、具体的にはどこにあるのですか、お答えいただきたい。
  110. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 先ほどから申し上げますように、裁判では、因果関係論あるいは責任論をめぐってそれぞれ両者の言い分が実はあったわけでございますけれども、その点は、要するに途中の段階におきまして詰めないで、大乗的見地に立って和解をしよう。和解でございますから、要するに個々の責任の中身なりあるいはまた責任の態様なり程度なり、そういったものについていわば裁判所の詰めは行われていないという状況にございまして、その中での和解があったわけでございます。言いますならば、双方が歩み寄ってそこで和解をやったということでございますので、結論的に申しまして、責任の中身について具体的な吟味がなされなかった、ただ一般的に包括的に、国及び大日本製薬が本サリドマイドによる被害という問題について、製造から回収に至るまで、その間、薬は生きていたわけでございますけれども、その間の一連の過程の中において落ち度があったというふうに、一般的かつ包括的に責任を認めておるわけでございまして、いま先生御指摘のように、具体的にだれがいつどういうふうな状況でという吟味は実はなされていないということでございまして、そういう具体的な判断はわれわれ持っていないわけでございます。
  111. 坂井弘一

    ○坂井委員 そうしますと、国に責任がある、落ち度がある、薬務行政に誤りがあった、こう言いながら、責任の所在はどこにもない、こういうことになるのでしょうか。
  112. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 私、申し上げたいと思いますのは、和解の時点におきまして、関係者のいろいろな話があったわけでございますけれども、厚生省サイド、国サイドで申しますと、現時点に立って考えれば、あのときこうもすればよかった、ああもすればよかったということがございます。たとえて言えば、回収の問題につきましても、西ドイツにおきましては十一月の時点でグリュネンタール社が回収をやった、あるいはまたイギリスでもディステラーズ社がすぐ回収をやったというふうなことがございました。わが国は、外国の状況を見ながらやりましたけれども、結果的に十カ月後において回収になったというふうな事態もございます。当時においては、厚生省の組織の中におきまして当然薬務局もその衝にあったわけでございますけれども、それぞれの職員が全力を傾けて対処しようとした。しかし、今日の段階で言えば、和解の段階でいけばいろいろ考えることもある、ああもすればよかったと思う点もある、そういう面は、確かに私どもも十分な対処ができておったとは言えないだろう。こういうことが和解調書の中における二項の文言になった、このように理解いたしております。
  113. 坂井弘一

    ○坂井委員 それでは、論点を変えてお尋ねしたいと思いますけれども、私は何もこの責任を冷酷に、処分しなさい、国家賠償法に基づいて賠償金を国が支払う以上はこのような賠償をしなければならないという行為を、いわゆる不法行為を行った公務員を罰しろとかどうとかということをいまここで言おうというつもりはさらさら実はございません。そういう意味ではありません。ただ、問題は原因の究明、これをしっかりやってこの原因を排除しなければ、再びこのような惨禍が起こる心配がある、厚生行政はしっかりしてもらいたいという立場を踏まえながらのお尋ねをしているわけでございますので、その点はひとつ十分御認識をいただきたいと思います。  少しお尋ねしたいと思います。  つまり、サリドマイドを含有するこの鎮静催眠剤イソミンと胃腸薬プロパンMに対する製造、販売及びこれに対する許可に際しまして、胎児に対する催奇形作用の有無について、その安全性の確認はされましたか。
  114. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 率直に申しまして、当時あらゆる角度から、その大日本製薬の申請にかかりますイソミン及びプロパンMにつきまして、当方にございます医学者あるいはまた臨床のドクターあるいはまた薬理の専門家、こういう日本最高のレベルの専門家が集まった薬事審議会の新薬承認の調査会におきましてあらゆる角度から議論が行われたと聞いております。ただし、当時の学問的レベルにおきまして、いわゆる胎仔試験に関する研究がまだ十分でなかったということを承知しておりますが、当時、胎児性の問題についても御議論があったように思います。ただ、当時の学問的レベルからいきまして、そういうデータは乏しく、かつまた実験方法も確立しておらず、十分な審議が、客観的に言えば、いまから言えば、できておったようには思いません。
  115. 坂井弘一

    ○坂井委員 的確にお答えいただきたい。  実はおたくの方からいただいたこの資料を見ますと、サリドマイド製造の許可について、中央薬事審議会の下部機構である新医薬品調査会において、当時における最高の科学的水準のもとに審査を行い、許可して差し支えないとの結論に達したものである、つまり、当時としては十分やって、そして許可してよろしいという結論を得た、こういうことなんでしょう。確認をいたします。
  116. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 さようでございます。
  117. 坂井弘一

    ○坂井委員 そうしますと、またこれが私にはわからないのですよ。この確認書の中では、「その製造販売及びこれに対する許可に際し、胎児に対する催奇形作用の有無について安全性の確認が為されておらず」こうなっている。安全性の確認をしていないということを確認書の中で確認しているわけです。これはどういうことですか。
  118. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、胎児の催奇形性に関する学問的なレベルがまだわが国は、諸外国も当時そうだったようでございますが、十分進んでおりませんで、申請時におきまして必ず添付すべき資料の項目として胎児の催奇形性に関する実験データというものは求めていなかったということのようでございます。しかし、そうは言いますものの、専門家集団でございますので、いろいろな角度から議論を行い、データがなかったということではございますが、各般の議論はなされた、かように聞いておるところでございます。
  119. 坂井弘一

    ○坂井委員 どうも釈然としないのですね。何かこう、こっちで、一方でうそを言っているのだろうかな、何か二枚舌を使っているような感じがしてならないですね、両者を見比べますと。  胎児に対しての御説明がいまございましたけれども、まあ非常にむずかしいのでしょう。専門的なことは私には一向にわかりません。ただ、この種の検査等につきましては、それは医学、科学の最高水準をもってしなければならないし、また、それにおいてもなおかつ判明しがたい部分もあるのでしょう。ということを理解するに実はやぶさかではございません。であるならば、これはある意味においては不可抗力的なものであった、こういうことにもなるのでしょうか。
  120. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 なかなかむずかしい御質問でございまして、私ども、いまから言えば、もっと製造承認について慎重な吟味があり、また、その後におけるいろいろな措置につきましても、たとえば回収措置についても、外国における状況等も知ってはおったわけですけれども、わが方が慎重にいろいろな研究をやり、実験等もやったということで回収がおくれたというようなこともございますけれども、言いますならば、当時としてはできるだけのことはやったと思います。そのように聞いております。しかし、いまから言えば、もっと適宜適切の措置が講ぜられたのではなかろうか、あるいはまた、吟味の段階におきましてももっと時間をかけ、十分吟味してよかったのじゃなかろうかと、いまから言えばそういうことも言えると思いますけれども、しかし、当時の薬務局における審査の手順というものを見ましても、一生懸命には吟味をしたという状況のようでございます。
  121. 坂井弘一

    ○坂井委員 それでは、昭和三十六年の十一月に、西ドイツのレンツ博士がサリドマイドの催奇形性に対する警告を発しておりますね。西ドイツにおきましては、その警告を受けまして直ちに回収にかかった。その情報につきましては厚生省も知っておった。にもかかわらず、なおイソミン及びプロパンMの販売を継続していた、これは事実でございますか。
  122. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 当時の事件の詳細につきましては、いろいろ経過的には論議があるわけでございますが、三十六年十一月にレンツ博士が、親元からの聞き込みなりあるいはその他疫学的、統計学的な手法によりまして、サリドマイド――当時のドイツの商品名コンテルガンという薬でございますが、それによって奇形の子供が生まれているのではないかという発表をなさいまして、ドイツにおいてはその月、グリュネンタール社が自主的にまず回収をやりました。ただ、ドイツにおきましては、これは一時回収しておいて並行して動物実験をやるということで、連邦政府におきましてはその後も動物実験をやっておったという状況にございます。  わが方も実はグリュネンタール社の方から、大日本製薬を通じて政府に対してもこういう警告の趣旨は直ちに入っておりまして、入りましてからわが方では、衛生試験所の担当の部長なりあるいはまた関係の大学の専門家を煩わして、数例でございますが、動物実験なりその他の研究にすぐ着手してもらっております。また、その間わが方の担当課長がドイツに参り、状況を調べるというようなこともやりまして、とにかく外国における状況の収集、そこから得られるわが方の対処の仕方についての判断というものについて省として挙げて心配もし、検討もしたという状況でございます。
  123. 坂井弘一

    ○坂井委員 いろいろと言いわけはあろうと思うのですが、要するに、レンツ博士の警告があってなお販売したというのは、これはどうしてもいけませんよ。だから、確認書の中で「警告後の処置等につき、落度があったことに鑑み、」、こうなっておるわけですね。  私の言いたいことは、これは不可抗力ではなかろうということです。つまり、前者の安全性の確認については当時の科学水準をもってしては非常にむずかしかった。これはある意味では不可抗力的な要素があるかもしれない。しかし、少なくともこのような非常に危険な、危ないからという警告が出ておるときに、なお、それが危ないか危なくないかよく実験もやってみましょうというような、そういうのんびりした考え方、これはよろしくない。これはまさに落ち度である。つまり、これは不可抗力ではなかったはずである、こういうことを実は言いたいわけであります。  したがって、厚生行政、特に薬務行政につきましては、前の英仏等の例もございますが、いずれにもせよ、これからの新しい薬品等どんどん開発もされるのでしょう。しかし、そうした薬品の承認等については全く厳正でなければならぬ。そうした薬品のまた管理等につきましても、さらにやはり、いままでと態度を改めて厳正にやっていかなければ、事は人命に関する問題でありますし、少なくともサリドマイド禍というこの実態というものは。これはもう全く筆舌に尽くしがたい悲惨そのものです。これはもう御承知のとおりでありますから、したがって、そうした結果的にあらわれたこのような惨事に対しまして、国が手厚くそうした人たちの救済に手を差し伸べるということについては、なおやはり積極的にやっていかなければならぬであろうし、予備費をもってこれを使用することについて私は決して異論をはさむものではない。なおなお手厚くしなければならぬだろうくらいに思います。思いますが、ただ、安易に国の責任というものをたな上げにしたような形、所在を明確にしない、そういうような形でこの種のいわゆる賠償金が予備費から支払いされるということになりますと、こういう安易な考え方というものが次にまた再び第二のサリドマイド禍を生むのではないかということを実は心配するわけでありまして、たとえば、一方において、防衛庁あたりの失敗によって火事になった、民家を焼いた、これに対して賠償金が出ていますが、その場合は処分されているのですよ、当事者ははっきり。再びこういう事故を起こしちゃならぬという、ある意味においては戒めでしょう。一方に、これほど大きな惨禍を生み出しながら、これは厚生行政の失敗であります、落ち度であります、責任であります、こう言いながら、国の責任という名に隠れて責任の所在はどこにもない。これほど無責任な話は私はないと思う。こういうことは、これは今後の大きな一つの戒めとしていかなければならないのではないか。と同時にまた、こうした被害を生んだ原因につきましてはやはり究明してこれを排除するという努力を最大限にやらなければいけないという実は意味合いにおいて申し上げたわけでありまして、あえて、この支出等の内容については、時間もございませんので触れません。  なお一点お尋ねをしておきたいと思いますことは、いま全国に散在をいたしておりますサリドマイドの被害者は六十三名でありましたが、その実態につきましては厚生省は御調査になりましたか。
  124. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 六十三家族の子供さん方の実態につきましては、私どもも十分承知しているつもりでございます。同時にまた、確認書の中でもごらんになりますように、実はこういう不幸な子供たちのための財団法人をつくるということで、すでに財団法人「いしずえ」というものが発足いたしまして、被害者の方の親御さんたちが主力になられましてこの団体運営をやっていらっしゃいます。ここにも出資をいたしまして、この団体が主力となって、私ども薬務行政及び厚生省の児童福祉行政というものが一緒になって、実は省内に対策協議会という協議会を持っておりますが、省としてこの施策を全体としてこのサリドマイド児の将来の福祉のためにやろうということで寄り寄り相談をいたしておりますし、また十分めんどうを見ていくつもりで「いしずえ」とも連係をとっておる状況にございます。
  125. 坂井弘一

    ○坂井委員 サリドマイドの被害者は全国で何名くらいいらっしゃるのですか。
  126. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 裁判で出られました方は六十三人でございました。その後、実は去年の十二月からことしの二月にかけまして全国にPRをいたしまして、サリドマイドを飲んだことによって奇形になったと思われる親御さんは申し出てほしいということで連絡をいたしました。マスコミの協力その他の手段でやったわけでございますが、その結果、二月末日までに約三百五十の方が厚生省に認定をしてくれということでお出しいただきました。現在のところ、この認定判定の作業がまだ最終的にぎりぎり詰まっておりません。だけれども、大体の数を申し上げますと、おおむね百九十名程度の方がサリドマイドに起因する障害児であろうというところまで現在詰まってきております。そういう状況でございます。
  127. 坂井弘一

    ○坂井委員 当然、原告団と同じような条件でもって賠償されるのでしょうね。
  128. 宮嶋剛

    ○宮嶋政府委員 この点につきましては、実は去年十月十三日の和解の確認書に基づく覚書の中でも、訴訟外の方について、訴外の方と申しますか、去年の裁判に係る六十三家族の子供さん側と同じことをやる、準じた措置を講ずるという約束になっておりまして、そのつもりでやることになっております。
  129. 坂井弘一

    ○坂井委員 厚生大臣、もうくどくどしく申し上げるまでもございません。全国的にも相当散在しておりますし、原告団に漏れた人たちの救済については、手続等についてもいろいろあるようでございますけれども、早くやはり認定をして、早くやはり手厚い国の援護の手を差し伸べなければいかぬ、こう思いますので、厚生大臣に一言だけ御決意を承っておきたい。
  130. 田中正巳

    ○田中国務大臣 この問題はきわめて深刻でありますので、そうした反省の上に立ちまして訴外の者につきましても、いま薬務局長の申した精神でもってできるだけ速やかにこれを措置いたそうということで、鋭意いま事務的に詰めているところでございまして、そのような方針で貫いていきたい、かように考えております。
  131. 坂井弘一

    ○坂井委員 大蔵大臣にお伺いします。  もともと国の手落ちがなければこのような悲惨な結果は出てなかった、あるいは非常に少ない被害で済んだ。問題は、いま現実にサリドマイド禍によって苦しんでいる人たちがあるから、国はそうした方々に対しまして予備費等をもちましてもう十分な賠償に応じてやらなければならぬ、これは当然のことであります。しかし、一方、この問題の根本にさかのぼってみれば、国の行政が過ちなく行われておるとするならば、このような被害者は出なかった。したがって予備費の使用もする必要がなかったということにこれはなるわけでありまして、理の当然だと思うのです。そういうことも踏まえながら、どうか大蔵大臣の立場で御答弁いただきたいと思いますが、いま厚生大臣がさらに全国的に散在する被害者に対しては速やかに措置を講じたいということでございますが、大臣として当然、予算上十分な措置をとられるように要請したいわけでございますが、御所見を承って、質問を終わりたいと思います。
  132. 大平正芳

    ○大平国務大臣 厚生省とよく御相談申し上げて遺憾なく処置いたしたいと思います。
  133. 坂井弘一

    ○坂井委員 終わります。
  134. 井原岸高

    ○井原委員長 これにて質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  135. 井原岸高

    ○井原委員長 これより昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、及び昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について討論に入ります。  討論の申し出がございますので、これを許します。中尾宏君。
  136. 中尾宏

    ○中尾(宏)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求める件について、賛成の意を表するものであります。  昭和四十八年度一般会計予備費の使用は、国民健康保険に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費及び福祉年金等受給者に対する特別一時金に必要な経費等の二十三件であり、また、各特別会計予備費は、外国為替資金特別会計における外国為替等売買差損の補てんに必要な経費及び郵便貯金特別会計における仲裁裁定の実施等に伴う郵政事業特別会計へ繰り入れに必要な経費等の十八件であります。  次に、昭和四十九年度分は、一般会計においては、河川等災害復旧事業等に必要な経費及び農業施設災害復旧事業に必要な経費等の二十四件であり、各特別会計においては、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費等の十件でありますが、これらはいずれも予見しがたい予算の不足に充てるための支出であり、憲法、財政法の規定に照らし適当であると認められます。  また、特別会計の予算総則にかかる各件も問題のないところであります。  わが党は、かかる判断のもとに各件の承諾に賛成するものでありますが、ただ、この際、予備費の使用に関し、一言、政府に希望を申し上げておきたいと存じます。  予備費の節度ある使用については、わが党はこれまでしばしば要望してきたところであり、政府もまた、この点に留意し、予備費の額については、例年、予算補正の際見直しを行い、ここ数伝来は相当多額の減額を図る等の措置を講じてきておられますが、近年、財政需要の複雑化に伴って予備費の使途もますます多様化する傾向がありますので、予備費の使用に当たっては今後一層慎重を期し、いささかも乱用にわたることのないよう十分に注意せられたいのであります。  以上、希望を申し添えて、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  137. 井原岸高

    ○井原委員長 原茂君。
  138. 原茂

    ○原(茂)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、反対の意を表するものであります。  その理由として、まず、国際連合緊急派遣軍に係る分担金及び拠出金でありますが、いまだ分担金を支払っていない国があるのに、なぜわが国だけがあえて予備費を使用してまで支払いを急がなければならなかったか理解しがたい上、中東国連緊急軍への参加協力に関して、自衛隊の派遣にかわる分担金の支出を安易に予備費で行い、国際的軍事行動に参加するということは、わが国の憲法並びに自衛隊法上大きな疑義もあり、わが国国内法に何ら準拠していない本件に対し、しかも事後承諾を求めるということには、異議を持たざるを得ません。  次に、那覇市小禄爆発事故見舞い金でありますが、国が補償金なり賠償金として当然支払うべきものと思われますが、その検討をおろそかにして、見舞い金として恩恵的に支給しているのは納得できかねるところであり、国会審議の経過からも早期に国家賠償金制度を確立して、この種事案に対し国が補償の責めを負うべきものと思います。  以上、簡単ですが、反対討論といたします。
  139. 井原岸高

    ○井原委員長 庄司幸助君。
  140. 庄司幸助

    ○庄司委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、昭和四十八年度一般会計予備費、同特別会計予備費、同会計予算総則第十条に基づく経費増額並びに昭和四十九年度一般会計予備費、同特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額の以上五件につきまして、不承諾の意を表明いたします。  これらの多くは、福祉関係、災害復旧関係、給与改定、米麦買い入れ費など、不十分さはあるにしても承諾できるものでありますが、同時に、絶対に認めることのできない重大な経費が含まれております。  たとえば、田中前総理の外遊やフォード米大統領の来日に要した経費は、日米軍事同盟の永続化、アジアの反共軍事同盟体制の維持強化を図り、あるいは独占資本の中南米、東南アジアなどへの進出の水先案内の役割りを果たしたものであります。また、外国為替差損も、アメリカのドル防衛政策に追随した通貨政策、経済政策の結果であり、これらアメリカの軍事的、経済的世界支配政策に協力する経費は断じて認めることはできないものであります。  他方、大企業優先、国民生活破壊の政策経費も少なからず含まれております。国土総合開発事業関係費等は、日本列島改造論に基づく大規模工業開発や新幹線網、高速道路網など大企業本位の国土総合開発を推し進めるものであり、国土庁設置もそれをさらに一層推進するものにほかなりません。  また、わが党のたび重なる追及にもかかわらず、あいまいな財団法人方式に固執してつくられた日本分析センターの設立経費も、これまでの非民主的、非科学的原子力行政の根本的な問題を温存するものであり、容認することはできません。  その他、アジア開銀への出資、炭鉱整理促進費補助金、フィリピンへの特別支出金なども承諾できないものであります。  残余のものについては、さまざまな問題を含んでいるものもありますが、その使用目的においておおむね妥当なものであり、承諾いたします。  なお、予備費制度の運用については、厳に予見しがたい必要不可欠のものに限定するよう毎回指摘いたしているところでありますが、依然として年々予備費の拡大を図り、政策的支出を繰り返しておるのであります。これは財政民主主義を破壊し、国会の審議権を不当に狭めるものであります。このような予備費の不当な運用はやめるよう重ねて強く要望いたしまして、私の討論を終わります。
  141. 井原岸高

    ○井原委員長 坂井弘一君。
  142. 坂井弘一

    ○坂井委員 私は、公明党を代表して、予備費等の承諾を求める件につきまして不承諾の意を表明するものであります。  申すまでもなく、予備費の支出に当たりましては、厳格に憲法に規定された「予見し難い予算の不足」に限定されるべきことは言をまちません。同時に、その規模は最小限にとどめるべきだと考えます。  しかるに政府は、近年、予備費及びその使用をだんだんと拡大し、あまつさえ、その支出の内容をつぶさに検討してみますと、予備費の性格から逸脱したと思われる支出を数多く指摘せざるを得ないことは、きわめて遺憾なことであります。安易に予備費の運用の幅を拡大することは行政権の行き過ぎであり、このことはまた同時に、国会の審議権を侵すことにもつながる重要な意味を持つことに厳に留意すべきであります。言いかえれば、予測しがたい事態に応急的に財政措置をするためということから離れて、あるいは当初予算の肩がわりをし、あるいは補正予算として国会に議決を求めるべきものを予備費として使用し、その事後承諾を求めている費目を数多く含むということであります。  さらに、先ほども質疑で明らかになったところでありますが、この予備費使用に当たって、国の手落ちによって、責任によってサリドマイドによって障害を生じた被害児及びその家族に対して損害賠償金八億一千五百八十四万一千円の国費が支出されたわけでありますが、言うならば、みずからの手落ちにより取り返しのつかない多くの犠牲者を出し、かつ、その責任の所在は全く不明確なままにされているのであります。  事が起これば、それは予見しがたかったことであると言いわけをし、国の責任を認めながらどこにも責任者は存在しない、このようなことで予備費の使用が許されていいはずはありません。  言いかえれば、このような無責任な行政の姿勢を改めない限り、このような惨禍は後を絶たないことを厳に警告するものであります。  以上をもちまして、予備費使用の不承諾の意を表明し、討論を終わります。(拍手)
  143. 井原岸高

    ○井原委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  144. 井原岸高

    ○井原委員長 これより採決に入ります。  まず、昭和四十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十八年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件について採決いたします。  三件は、それぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  145. 井原岸高

    ○井原委員長 起立多数。よって、三件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和四十八年度特別会計予算総則第九条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書について採決いたします。  本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  146. 井原岸高

    ○井原委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和四十九年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十  九年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上両件について採決いたします。  両件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  147. 井原岸高

    ○井原委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和四十九年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決いたします。  本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  148. 井原岸高

    ○井原委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に昭和四十八年度一般会計国庫債務負担行為総調書について討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。  本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  149. 井原岸高

    ○井原委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 井原岸高

    ○井原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  151. 井原岸高

    ○井原委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時十五分散会