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1975-02-17 第75回国会 衆議院 予算委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和五十年二月十七日(月曜日)    午前十時五分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 小山 長規君 理事 竹下  登君    理事 谷川 和穗君 理事 湊  徹郎君    理事 山村新治郎君 理事 小林  進君    理事 田中 武夫君 理事 林  百郎君    理事 山田 太郎君       植木庚子郎君    大久保武雄君       大野 市郎君    北澤 直吉君       倉成  正君    黒金 泰美君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       正示啓次郎君    瀬戸山三男君       田中 龍夫君    谷垣 專一君       塚原 俊郎君    戸井田三郎君       西村 直己君    根本龍太郎君       野田 卯一君    前田 正男君       松浦周太郎君    森山 欽司君       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    石野 久男君       岡田 春夫君    多賀谷真稔君       楢崎弥之助君    堀  昌雄君       松浦 利尚君    村山 喜一君       湯山  勇君    青柳 盛雄君       田代 文久君    野間 友一君       広沢 直樹君    松尾 信人君       安里積千代君    小沢 貞孝君       小平  忠君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      福田 赳夫君         法 務 大 臣 稻葉  修君         大 蔵 大 臣 大平 正芳君         農 林 大 臣 安倍晋太郎君         通商産業大臣  河本 敏夫君         郵 政 大 臣 村上  勇君         建 設 大 臣 仮谷 忠男君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      植木 光教君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 金丸  信君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     高橋 俊英君         公正取引委員会         事務局経済部長 野上 正人君         公正取引委員会         事務局取引部長 後藤 英輔君         経済企画庁総合         計画局長    小島 英敏君         国土庁土地局長 河野 正三君         法務省民事局長 川島 一郎君         法務省刑事局長 安原 美穂君         大蔵大臣官房審         議官      後藤 達太君         大蔵省主計局次         長       田中  敬君         大蔵省主計局次         長       高橋  元君         大蔵省主税局長 中橋敬次郎君         大蔵省理財局長 吉瀬 維哉君         大蔵省証券局長 田辺 博通君         大蔵省銀行局長 高橋 英明君         大蔵省国際金融         局長      大倉 眞隆君         国税庁長官   安川 七郎君         国税庁調査査察         部長      渡邊 喜一君         通商産業審議官 天谷 直弘君         通商産業省貿易         局長      岸田 文武君         通商産業省産業         政策局長    和田 敏信君         通商産業省機械         情報産業局長  森口 八郎君         通商産業省機械         情報産業局次長 森山 信吾君         通商産業省生活         産業局長    野口 一郎君         資源エネルギー         庁公益事業部長 大永 勇作君         郵政省簡易保険         局長      北 雄一郎君         建設省計画局長 大塩洋一郎君         建設省住宅局長 山岡 一男君  委員外の出席者         大蔵省銀行局保         険部長     徳田 博美君         参  考  人         (日本銀行総         裁)      森永貞一郎君         参  考  人         (全国銀行協会         連合会会長)  佐々木邦彦君         参  考  人         (全国地方銀行         協会会長)   伊原  隆君         参  考  人         (全国相互銀行         協会会長)   尾川 武夫君         参  考  人         (全国信用金庫         協会会長)   小原鐵五郎君         参  考  人         (全国信用組合         中央協会会長) 雨宮 要平君         参  考  人         (農林中央金庫         理事長)    片柳 眞吉君         参  考  人         (生命保険協会         会長)     新井 正明君         参  考  人         (日本生命保険         相互会社社長) 弘世  現君         参  考  人         (日本損害保険         協会会長)   菊池  稔君         参  考  人         (日本電機工業         会会長)    吉山 博吉君         参  考  人         (全国建設業協         会会長)    鴻池 藤一君         参  考  人         (第一勧業銀行         頭取)     横田  郁君         参  考  人         (日本不動産銀         行頭取)    渡辺  淳君         参  考  人         (日本貿易会会         長)      水上 達三君         参  考  人         (三井物産株式         会社会長)   橋本 栄一君         参  考  人         (株式会社トー         メン社長)   安本 和夫君         予算委員会調査         室長      野路 武敏君     ――――――――――――― 委員の異動 二月十七日  辞任         補欠選任   戸井田三郎君     江崎 真澄君   多賀谷真稔君     村山 喜一君   楯 兼次郎君     松浦 利尚君   石母田 達君     田代 文久君   平田 藤吉君     野間 友一君   正木 良明君     松尾 信人君   矢野 絢也君     広沢 直樹君   小平  忠君     小沢 貞孝君 同日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     楯 兼次郎君   村山 喜一君     多賀谷真稔君   広沢 直樹君     矢野 絢也君   松尾 信人君     正木 良明君   小沢 貞孝君     小平  忠君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十年度一般会計予算  昭和五十年度特別会計予算  昭和五十年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これより会議を開きます。  昭和五十年度一般会計予算、昭和五十年度特別会計予算及び昭和五十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、参考人として、日本銀行総裁森永貞一郎君、全国銀行協会連合会会長佐々木邦彦君、全国地方銀行協会会長伊原隆君、全国相互銀行協会会長尾川武夫君、全国信用金庫協会会長小原鐵五郎君、全国信用組合中央協会会長雨宮要平君、農林中央金庫理事長片柳眞吉君、生命保険協会会長新井正明君、日本生命保険相互会社社長弘世現君、日本損害保険協会会長菊池稔君、日本電機工業会会長吉山博吉君、全国建設業協会会長鴻池藤一君、第一勧業銀行頭取横田郁君、日本不動産銀行頭取渡辺淳君、日本貿易会会長水上達三君、三井物産株式会社会長橋本栄一君、株式会社トーメン社長安本和夫君、以上十七名の方々に御出席をいただき、委員の質疑にお答えを願う方法で順次意見を承ることといたします。  本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、参考人各位にはまことにありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。  質疑の申し出があります。順次これを許します。湊徹郎君。
  3. 湊徹郎

    ○湊委員 私は、社会的不公正の是正、特に金融機関の社会的責任並びに政府の金融政策、あるいはそれに関連する行政、銀行のあり方等の問題を中心に質問をいたしたいと思います。  一番最初に、それらの問題の背景になっております経済政策の転換に関して、副総理の御所見をお伺いしたいと思うのでございます。  第一番目には、高度成長の前提条件がかなり変化をし、特に三木総理もしばしば国会で言われておりますように、高度成長を支える条件はもはやなくなったというふうなことが言われております。それらには、資源・環境の有限性、特に日本の持っておる国力の限界と可能性をもう一ぺん見直して、そこで出直しをする必要があるというふうな問題もございますし、また当面、鎮静化には向かっておるとはいいながら、インフレの問題は、もはや今日国内の問題だけでなしに国際的なグローバルな規模で解決されなければいけない、いわば一種の世界的な課題になっておるというふうなこともございます。  また、日本経済そのものが非常に大きくなったために、最近、近隣諸国から、近隣窮乏化政策などというふうな、今日までの経済政策に対する国際的な批判の高まりもございますし、大きくなったがために、特に周辺地域に対して非常に強い影響力を持っておるその結果、ひとしおこれからの国際協調関係には意を用いなければいけないというふうな背景があると思います。  それと同時に、いままでの高度成長政策の基礎構造に対する一般国民の疑問がいろいろな角度から提起され、それがある意味では常識化しつつあるような面もございます。たとえて言えば、経済至上主義に対する批判、その一つのあらわれは独禁政策の問題でございましょうし、あるいは公害に関連して、いままで経済外的な要素であるというふうに考えておったものを、まさに内部経済の中に取り込んで、いわば一つの企業の社会的コストというふうな形で考えなければいけないというふうな情勢もございます。また、日本の企業体質そのものの特異性に由来する点もございます。  そういうふうなことで、一応政府としては安定成長路線をとる、こういうことをしばしば言われておるわけでございますが、以下、安定成長のための基礎条件について、いろいろございましょうけれども、三点にしぼって副総理の御所見をお伺いしたいと思います。  第一点は、安定成長路線を確立いたしますために、単に安定成長が必要である、あるいは福祉社会国家をつくらなければいかぬというふうなスローガンから、具体的な政策体系をどういうふうに築いていくか、こういうことがまさに今国会の予算委員会でも焦点の一つであったわけでございますが、たとえて言いますと、経済政策の主役を演じておりましたものが、いままでは企業設備投資ないし輸出、これが原動力になっておる、それを生活環境ないし社会福祉優先、ある意味では財政主導型の形に持っていかなければいかぬというふうな点。それから第二点は、経済ないし産業構造そのものが重化学工業中心であったものを、もう少しソフトウエアを中心にした知識集約型の産業構造に逐次かじのとりかえを必要としておる。あるいは社会構造に関して言えば、過疎過密に極端に表現されるように、都市と農村のいわば二重構造のような形になっておったものを、どうしても国民全体、日本全体を通ずる一つの福祉社会を具体的につくり上げていかなければいけないというふうなこと、あるいは国土の利用構造に関して言いますと、いままで特定地域に集中をして、特に臨海過密型で進められてきた立地政策を内陸分散型にやはり考え直していかなければいけないという、さまざまな問題があるわけでございますが、副総理は、今後の安定成長路線を確立する場合、想定されるいわば一つの政策体系というものの骨組みをどういうふうにお考えになっておるか、まずお伺いしたいと思います。
  4. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 わが国をめぐる内外の環境は、これは湊さんが御指摘のとおり非常な変化だと思うのです。私は、この変化はわが日本ばかりでない、世界的なものだ、極端に言うと世界始まって以来の変化じゃないかとも思うのです。つまり、われわれはいままで、資源がどうのこうのというようなことを考えないで生きてきたわけですが、どうもよく考えてみると、近い将来に資源について行き詰まりが生ずるかもしれぬということが心配になるような、そういう世の中です。資源有限時代という意識が世界的に高まってきておる。  そういう環境の中で、国々の経済政策、社会政策のかじのとり方というものが非常に変わる。資源を持っておる国は、いままでのように、金を積まれましても、その大事な資源を安易に海外に供給するというようなことについて、慎重な構えをとるようになってきておる。また、さらには、この資源というものを、経済的目的ばかりじゃなくて、政治的なあるいは戦略的な目的にまでこれを使う、こういうような動きも出てきておることは御承知のとおりです。そうしますと、資源消費国の方は、それに対して対応の構えをとる。代替資源の開発でありますとか、まあ長期にわたっての施策。しかし、当面は何と言っても省資源、省エネルギーというようなことになる。そうしますと、世界というものが、いままでのような、たとえば一九六〇年代には五・七%という偉大な成長をしましたが、そういうようなことが非常に困難になりまして、まあ低成長時代に入る。しかも、その低成長の過程の中で、資源保有国が政略的、戦略的な動きをしないとも限らない、あるいはナショナリズム的な動きにも出るかもしれぬというような危険性をはらんだ低成長時代だ、こういうことが一応想定されるわけであります。  そういう中で、わが国がどういう立場をとるかというと、いままでのような高度成長ということから、もう根本的にかじの取りかえをしまして、まあ静かで控え目なと、こう言っておりますが、そういう歩みに切りかえをしなければならないだろう、こういうふうに思うわけです。そうなりますと、国もそうでありますが、あるいは企業の方でも、また家庭の方でも、いままでの姿勢というものの切りかえが必要である、そういうふうに思うのです。  そういうことを踏まえまして、これから、いままで十五、六年間続きました高度成長政策あるいは高度成長思想、これを静かな控え目な成長路線に切りかえをしなければならぬ、これが政府が当面しておる大きな課題であります。  そこで、その新しい成長路線というものがどういうふうになるか、こういうことが問題でございますが、私は、成長の速度、そういうものにおきましても、これはかなり低目なものになっていかざるを得ない。低成長になる。また同時に、低成長というばかりじゃありませんで、問題は、その成長の中身にも非常に大きな関連を持たせなければならぬだろう、こういうふうに思うわけでございますが、それを大きく分けますと、私は、一つは省資源、省エネルギーということで次の成長政策というものの根幹を貫かなければならぬ、これが第一点でございます。  それからもう一つの問題は、これはいままでは、とにかく高度成長というのは、毎年毎年経済が伸びる、そうするとその成長の成果を次の成長に多くをつぎ込むというスタイルであったわけであります。しかし、そういうことを修正いたしまして、この成長の成果、これを次の成長、工場をつくります、あるいは環境を整備しますということにもまた、これをつぎ込まなければなりません。なりませんけれども、重点をより多くわれわれの生活の環境整備というものにつぎ込まなければならぬ。また同時に、社会的公正という問題が大きな問題になっておりますから、そういう方面へ投入しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありますが、そういうようなことを踏まえまして、新しい国の向かうべき運営の指針というものを考えておるのであります。  しかし、そうは申しましても、いまはこの混乱期を収拾するための調整過程であります。その調整過程が終わりました時点において、わが国の経済を安定した成長路線に乗せなければならぬ。その安定した路線におけるところの国家運営指針というものにつきまして、五十一年度を起点といたします長期計画を策定したい。  二つ考えております。一つは経済社会基本計画ともいうべきものであります。これは総合的なものであります。それから、いま湊委員も御指摘ありましたが、国土利用につきましては、特に国土利用長期計画、こういうものを別につくりまして、さあ日本の国はこれからこういうふうになっていきますよ、こういうふうに指導してまいりますよという考え方を内外に示して、持に企業、国民に対しまして、これからの運営のあり方につきましての考え方をひとつ理解していただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  5. 湊徹郎

    ○湊委員 時間の関係上、二番目には社会的公正の確保に関して若干お聞きをしたいと思っておったのでありますが、これはほかの面でもございますので……。  三番目に、このインフレの抑制に関連をいたしまして、総需要抑制策がとられてまいっておりますが、ある意味でこの総需要抑制の問題というのは、今後とも、特に安定成長路線を確保するということとの兼ね合いもあって、仮に現在過剰流動性がある、だから総需要抑制をする、そのうち緩和する情勢も出てくるかもしらぬといたしましても、総需要全体に対する管理政策というものをもう少し体系的にきちっとつくって、いろいろな事態に対して弾力的に対処し得るような準備が必要なんじゃないかというふうな感じがいたしておる点が一点。  それから第二点は、物価上昇のメカニズムを、この機会に過去を振り返って徹底的に解明をしながら、物価政策の基本的な組み立てというものをはっきりさせていく必要があるし、いままでかなりそういう意味での材料は出そろっておるんじゃないかというふうな感じを持っておりますが、以上の二点についての副総理の御所見を伺いたいと思います。
  6. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 総需要抑制政策は、これはいわゆる物価の狂乱時に非常に有効に働いたのです。しかし、物価問題、また国際収支の問題ともどもかなり改善はされましたけれども、なお予断を許さない。物価について言いますれば、今日なおコストインフレというような要素がかなり伏在しておる。それから国際収支につきましても、本年度改善はされたものの、なお五十億ドル前後の赤字を露呈しそうである、こういうような情勢であります。そういう大勢でありますので、狂乱物価の時代は終わりましたけれども、なお総需要抑制政策の必要を痛感をいたしておるわけであります。  私は、先ほど長期安定路線を設定する、こういうふうに申し上げましたが、その長期安定路線が敷設され、これに日本経済がいわゆる軟着陸というか、スムーズに乗っかって動くような状態が定着するまでの間、この総需要抑制政策というものは続けていかなければならぬだろう。もちろん総需要抑制政策と言いましても、その中身は固定したものではないのです。そのときそのときの状況に応じまして弾力的、機動的な運営をしなければならぬ、幅のある内容を持ったものだ、こういうふうに御理解願いたいのでありますが、その幅のあった内容ではあるにせよ、とにかく総需要抑制というか、総需要を管理するというか、その体制は、なお日本経済が安定し、定着するまでの間は続けなければならぬだろう、そういうふうに思います。  それから、物価政策につきまして体系的なものを考えろ、こういうお話でございますが、とにかくこれだけの大混乱をした日本経済、まあ戦後というか、戦前においてもこういうことはなかったんだろうと思いますが、非常に苦い経験をした。その苦い経験の中からわれわれはいろいろなものを学び取っております。また同時に、その体験を通じましていろいろなこれからの施策についてのもろもろの検討をいたし、また、これに対する新しい方式等の開発にいま努力をいたしておるわけであります。  とにかく、物価と国際収支、これはわが国経済を運営する上におきまして、まあ人体で言いますれば脈であり、また呼吸であるというようなとらえ方のもとに万全を期してまいりたい、かように考えております。
  7. 湊徹郎

    ○湊委員 次に、ただいま副総理からお話がございました中に、五十一年度を初年度として二つの計画をつくる、その一つは、経済社会基本計画ともいうべきものであるというふうなお答えがあったわけでありますが、現在存在しております経済社会基本計画、これは五十二年度を目標年次といたしておりますが、当然、国民総生産全体の想定等についても、その伸び率等について非常に高きに失するというふうな批判もございますし、政府自体がいま改定について御検討中であるというふうにお伺いしたのでありますが、大体いつごろをめどにしてこの計画をおつくりになるおつもりか、お聞きをしておきたいと思います。
  8. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 これから長きにわたっての重要な計画でありますので、いま作業を開始しようという、そういうところでございます。的確にいつまでにというふうにもまだ申し上げかねますけれども、できるならば年内にこの二つの新計画とも策定いたしたいという心組みで努力してまいりたいと考えております。
  9. 湊徹郎

    ○湊委員 それで、これから作業する中身についていろいろお聞きするわけにもまいらないと思いますが、現在ございます計画の中身を拝見いたしますと、国民総生産全体の想定の中で、特に四十七年度と五十二年の目標年次を比べてみますと、大体その傾向として、これは当然のことだと思いますが、第一番目に、個人消費支出、それから政府の財貨サービス、これについては構成比にはそう大きな変化はないようになっておりますが、政府固定資本形成、これと民間住宅投資、これはかなり大きな幅で伸びる計画に現在もなっております。数字は省きますが、これは当然、福祉重点、生活環境重視、こういうふうな政策方向からすれば、将来ともそういう傾向は変わらないものと考えておりますが、そう理解してよろしゅうございますか。
  10. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 そのとおりなんです。つまりこれから安定成長路線に転換されるということになる。その安定成長路線の内容的な非常に特徴と申すべきものは、産業中心というよりはむしろ生活優先というか、そっちの方へ重点を置いた考え方に相なろう、こういうふうに考えております。したがって、住宅、その関連諸施設等は、その中で非常に大きなウエートを占める問題として取り上げられるであろう、そういうふうな見方でございます。
  11. 湊徹郎

    ○湊委員 ただいまお答えいただきましたような点を部門別に見てまいりますと、昭和四十六年度の投資でございますが、これは投資の実績として、法人向けの投資が四九%、約半分になっております。それを現在の五十二年度目標の計画の中では、三七・九%とかなりのダウンを予定されております。反面、公共部門に対する投資に関しましては、四十六年実績が二六・四%、これを三三・五%とかなりな伸びになっております。その結果、五十二年度時点では法人向けの投資と公共部門の投資がややバランスするに近いような構成になるように現在の計画はなっておりますが、将来ともその両者のバランスについては、大まかにそういう理解をしておいてよろしゅうございますか。
  12. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 生活優先政策がこれから特に頭を持ち上げてくる、こういうような傾向でございます。その際に大きな問題になりますのは、いわゆる高福祉高負担と言われますが、ああいう角度の問題が出てくる、こういうふうに思うのです。そういう生活優先というような問題と国民の租税負担という問題の調和をどういうふうにするか、これは非常にむずかしい問題だ、これらの問題は、これから国民のコンセンサスというか、そういうことを求めながらだんだんと路線を決めていかなければならぬ、そういう性質のものだと思いますが、とにかく社会資本の立ちおくれという問題は、わが国においては非常に顕著な問題であります。わが国はGNP自由世界第二位だ、こういうふうに言われますけれども、これはフローというか、国民所得の、あるいは国民総生産の問題なんです。蓄積という問題、特に社会資本の蓄積の面から見ますと、かなりこれは劣悪な状態であります。  そういうことを考えますと、そういうおくれの取り戻しというような考え方、それが強く取り入れられていかなければならない。その取り入れ方をどういうタイミング、どういう段取りでやっていくかという問題につきましては、そういう諸問題と国民負担との調和についての国民の考え方、こういうものをよく聞いてというか、見て決めていかなければならぬ問題だろうというふうに思いますが、傾向としては、皆さんのおっしゃるような傾向になるだろう、こういうふうに見ております。
  13. 湊徹郎

    ○湊委員 そこで三番目には、今度はその資金の問題になるわけでありますが、以上の計画から推算をいたしますと、貯蓄をもとにして個人部門では常に資金余剰が出る、それをほかの部門にどういうふうに配分するかということなんでありますが、裏返して言いますと、それぞれの余剰資金の配分を受ける側のいわば資金不足、これを部門別に見てまいりますと、四十六年度の実績で法人の場合は五二・六%、つまり資金余剰の半分以上が実は法人部門の方に回っておった、こういう実績になっておる。それを五十二年の計画では一六・二%に落とす、これは実はたいへんな大激減であります。それからさっき、全体としての投資に関してはバランスがとれるような方向で公共投資が特に生活関連を中心にしてふえるであろうというふうなお答えがあったのですが、これが四十六年の実績では二〇・二%、それが五十二年には七一・一%、つまり資金余剰のうち大半が公共部門に回って、いままで半分以上を占めておった法人向けの資金不足というものは一六%になるのでございますよと、こういうふうな推算に実はなるわけでございますが、この計画をおつくりになるときに、一体そういう資金面の裏づけというものをどの程度お考えになり、政府あるいは日銀の関係御当局の間でどういうふうにお考えになっておられたのかという点が第一点。それから第二点は、中をひとつ御精査願って、これから改定計画をおつくりになろうとする場合にはそういう点もひとつ十分御配慮をいただきたいものだ、こう思うのでありますが、以上に対する副総理の所見をお願いしたいと思います。
  14. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 いわゆるマネーフローという問題をどういうふうに考えているかということだろうと思いますが、この問題は、一つの傾向判断といたしましては、いままでもこれを諸計画をつくる場合におきまして取り入れておったわけです。しかし、さらに今度の計画におきましては、長期計画を立てるに当たりましては、さらにこの問題を詰めてみたい。これは、マネーフローについての見方をどういうふうにするか、いませっかく勉強いたしておるわけでありまして、間に合いますれば、五十一年度を起点とする新長期計画におきましても、資金面から計画を検証する手段として活用し、資金面をなるべく具体的に考えていきたいものだなという考えを持っている次第でございます。せっかく勉強いたします。
  15. 湊徹郎

    ○湊委員 次に、ポリシーミックスのメカニズムに関連して御質問したいわけでありますが、先ほどからお話しのように、経済全体が非常に高度化しながら複雑化してまいりますと、あらゆる面でポリシーミックスということが当然必要になるだろうと思います。その場合、特に金融政策に関してこのミックスされるポリシーを立案する御当局が非常に多種多様に上り、ある意味ではばらばらになっております。大蔵省だけでも、財政については主計である、財投の方は理財がやる、あるいは税制、公社債、為替、関税、金融というふうにそれぞれの局が分担していらっしゃる。そこに経済企画庁も全体の計画に関連するし、当然通産、農林その他の現業官庁も絡んでくる。それに日銀が実際の金融政策のいわば主戦投手というふうな形で大きな役割りを演じてくる。それに最近は地方財政、税制のウエートが非常に高くなっておりますから、中央と地方とをやはりミックスしたようなかっこうで考えなければいけないというぐあいに、非常に複雑になっておるわけであります。  そこで、場合によっては、一見すると矛盾したように見える、あるいは相反したように見えるような政策を同時並行的に、あるいはうまく組み合わせてそれをやっていかないと複雑な経済問題を解決するためにはなかなかむずかしい。端的な例を言えば、たとえば財政を締める、だけれども金融の方は緩めるというふうな場合もございましょうし、現在日本が直面しておるような一種のトリレンマといいますか、物価抑制ということで総需要は締めていかなければいけない。同時に個別対策もとっていかなければいけない。反面、そのために深刻化する不況に対しては、ある分野については金融緩和措置をとらなければいけない。あるいは財政も弾力的に運用せにゃいかぬ。反面、国際収支が黒字基調から赤字基調になってきますと、それに対して国際収支改善のための方策もとらなければいけない。これは必ずしも同じ方向じゃございませんで、まさに正反対な政策を同時にある程度かじをとりながらやらなければいけない、こういうことだろうと思うのであります。  そこでお聞きをいたしたいのは、そういう複雑な一種の知的ゲームといいますか、そういうものをハーモニーをとっていきますためのコーディネーターといいますか、コントロールタワーといいますか、これは一体だれがどこでおやりになるのが適当だとお考えになっていらっしゃるか、まず第一点お伺いしたい。
  16. 福田赳夫

    ○福田(赳)国務大臣 経済政策の連絡調整、これは経済企画庁が担当しておるわけなんです。そういうことで、平常時はずっと動いてきたわけあります。しかし、今日は平常じゃない。もう内外の環境が非常の事態であります。そういう非常な事態に対しましては、特に政府諸施策の一体、コーディネーションということが大事である、こういうふうに考えておりまして、そのために特に経済対策閣僚会議を設置いたしまして、ここで政府全体として機動的に、また強力な動きができるようなことを打ち出しておるわけでありまして、今日までこの仕組みで大体支障なくやっておる、こういうふうに考えております。
  17. 湊徹郎

    ○湊委員 時間の関係上先に参りますが、いま申されたような全般的な経済政策についてのバランスもさることながら、今度は金融政策に限定して考えてみた場合に、一言で言えば、大蔵省は財政が主である、また日銀の方は金融を中心に考えていくということだろうと思いますが、その辺の機能分担、あるいはときによって共同作戦、これをどういうふうにして展開していくか。そういう場合の日銀の中立性ということについて従来いろいろな議論がございましたが、そういう点が一点。それから二つ目には、具体的になりますが、大蔵省には銀行検査員がいらっしゃる。それぞれ各銀行の定期検査をおやりになっている。日銀には考査局というのがあって、かなりこれは経営指導の面が中心になるんだろうとは思うのでありますが、この両方の間の兼ね合いの問題等も、大蔵省と日銀御当局でどういうふうに全体として機能分担をなされ、あるいはどういうふうに共同して金融政策を進めていらっしゃるのか、そこら辺を最初に大蔵大臣、次に日銀総裁にお聞きをしたいと思います。
  18. 大平正芳

    ○大平国務大臣 日本銀行の中立性でございますが、これは従来から終始政府としても尊重をしてまいったつもりでございます。もとより大蔵省と日銀との間に、終始、緊密な連絡、意思の疎通がなければならぬことは当然でございますけれども、しかし、それぞれの立場に対しましては、相互に尊重し合い理解し合って、相犯すことのない限界は心得てまいっておるつもりでございますし、今後も尊重してまいりたいと考えております。  ただ、財政といい金融といい、すべて現代の事象から孤立していないわけでございまして、どちらも現代の病の一部をやはり病んでおるわけでございまして、財政が出動する場合は金融が遠慮する、金融が出る場合は財政を抑えるというように手際よくまいらない。両方とも硬直化の傾向を来たしておるわけでございますので、両方とも真剣に緊張した体制で臨んでいかなければならないわけでございまして、先ほど副総理も言われたように、いまの事態は決して平時の事態ではないと思っておるわけでございまして、そういう問題意識の上に立ちまして、両方ともお互いの立場を尊重し合いながら職責を果たしてまいりたいと考えております。
  19. 森永貞一郎

    ○森永参考人 金融政策も総合的な経済政策の一端でございまして、その間に整合性がなければならないと存じます。ことに財政政策と金融政策との間には緊密な協調関係がなければならぬのではないかと思っております。したがいまして、そういう点につきましては、財政と金融がいかにあるべきかということにつきまして常に意見を交換し、大筋におきましては、一致した認識のもとに政策の遂行に当たる必要があると考えております。ただ、金融政策といたしましては、そのときどきの情勢に応じ機動的にいろいろなことを処置してまいらなければならないことが多々あるわけでございまして、それらの点につきましては、日本銀行がみずからの判断と責任を持って遂行に当たるということだと存ずるのでございます。  なお、ポリシーミックスのあり方として、財政と金融が相互に違った方向を向くというような考え方も場合によっては必要なこともあるかもしれませんが、最近この一九七二、三年来の諸外国における経験を通じて考察いたしますと、おおむね失敗に終わっておるような感じがするわけでございまして、やはり財政も金融も同じような方向で緊密に連絡して進むのが最適であるというふうに考えております。
  20. 湊徹郎

    ○湊委員 これは世界各国ともそうでありますが、金融政策をとります場合の手段として、言ってみれば、いわば御三家と申しますか、一つは金利政策、一つはオペレーション政策、一つは支払準備金の制度、これが大体とられておるのですが、ある意味で、さっき大蔵大臣は硬直化しておるというふうな表現を使われましたが、私もまさに同感でございまして、この三つの御三家の政策、いずれも五体満足でない、いわば身体障害みたいな感じを特に日本の場合は非常に強くするわけであります。それを補うために日銀の方は、従来、当然公定歩合を中心にして金利政策をおとりになると同時に、窓口規制というふうな名で言われておるような実質的な指導政策をおとりになる。最近では、世界じゅうが皆日本の窓口指導のやり方を勉強に来られて、まねをしているというふうな面もあるぐらい、そちらの方はかなりの効果を挙げておるというふうに思うわけでありますが、この三つの政策及び窓口指導に関して、これは日銀総裁にお聞きをしたいと思うのであります。  今後とるべき政策手段の優先度でありますが、たとえば公定歩合による金利政策、これはいままで日銀の貸し出しが銀行に対して非常に多かった時期にはそれなりに効果がかなりあったと思いますが、しかし、日銀の貸し出しを背景にするオーバーローンというものが実はある意味で銀行経営を不健全にしておる面もございますし、今後は日銀が直接貸し出しをするというふうな面は減っていくべきだし、減らさなければいかぬと私は思っております。ましてやコールレートや手形の市場金利よりも低いという公定歩合、これは最近はそうでなくなってまいりましたが、かつて過去十年間は常に日本の場合はそうでございました。そういう形になっておったのでは困るので、これは金利体系全体の見直しということが当然必要になるわけでございますが、公定歩合中心の金利政策というものは、今後政策手段としての効果から見れば、やはりだんだん薄れていくのじゃないかというふうな感じがいたします。これが第一点。  第二点は、オペレーションでありますが、日本の場合は、日本銀行と取引銀行のいわば相対取引でございまして、クローズド・マーケット・オペレーションといった方が実態に即するほど、ちっともオープンマーケットになっていない。で、その場合に、国債もそうですけれども、債券全体の金利が硬直金利になっておるというふうな一面もございましょう。今後は手形オペを重点にしながら、やはりオペレーション政策を考えていく必要があるんじゃないかというふうに私は思いますが、第二点としてその点についてのお考えをお聞きしたい。  それから三番目には、支払準備制度はある意味では一番強力な手段になるわけでございますけれども、しかし反面、オーバーローンそのものの解消の決め手にはこれはなりません。日銀貸し出しあるいはコールマネーというふうなかっこうで資金不足を一般銀行が補っている限り、預金準備を中心にしてその準備率でもってやるといっても、オーバーローン解消という観点からは、これはなかなか決め手にならないんじゃないか。むしろオーバーローン解消ということを視点に考えるならば、一種の貸出準備金制度――これは平常な状態になれば預金も貸し出しもバランスするのは当然でございますが、しかし、いまのようなゆがんだ状態の中では、暫定的に貸出準備金制度などの導入も考えていいんじゃなかろうか。あるいは準備率自体も、過去において一・五%とか二%とか、現在四%程度で、最高限度は一〇%になっておりますが、実際の効果はなかなか発揮していなかった。しかし今後は、この準備金制度というものに相当ウエートを置いて考えてしかるべきではないかという点が第三点。  第四点は、さっきの、一番実効を発揮いたしております窓口規制ないし窓口指導についての日銀総裁としての御評価はいかがなものでございましょう。  以上四点。お答えを願いたいと思います。
  21. 森永貞一郎

    ○森永参考人 日本銀行では昭和三十七年に金融調整方式を抜本的に改めまして、いわゆるオペレーション方式に転換をいたしましたことは、御承知のとおりでございます。その後いわゆる貸し出しは逐次ウエートを縮小しておりまして、オペレーション、あるいは手形買い入れ等によるオペレーションによる信用の供給が圧倒的な巨額を占めているわけでございまして、今後もオペレーション中心に運用していかなければならないことはお話のとおりだと存じますが、しかし、それにもかかわらず、公定歩合の重要な意義は決して薄れてはいないと存じておりますことをつけ加えておきたいと存じます。  なお、マーケットオペレーションの対象といたしましては、債券等のほかに手形買い入れ等併用しておるその現状を、今後も継続をいたしたいと存じております。  第三点の預金準備でございますが、日本では欧米諸国と違いまして、金融機関におけるいわゆるポジション意識がとかく薄弱でございますので、預金準備率の操作の効果がそんなに上がってないというような感じもございます。私どもといたしましては、極力金融機関に資金ポジション意識の高揚を求めまして、今後預金準備制度を大いに活用する方向で検討をいたしてまいりたいと存じておる次第でございます。  第四番目の窓口規制でございますが、現在の引き締め基調を堅持する上におきまして、この窓口規制の果たしておる役割りにつきましては、御存じのとおりでございまして、今後といえどもこの窓口規制を極力活用していかなければならない状態が当分続くのではないかと考えておりますことをお答え申し上げたいと思います。
  22. 湊徹郎

    ○湊委員 日銀総裁結構でございます。  次に、銀行関係、金融機関関係の皆さんに御意見をお伺いしたいと思うのでございますが、一つは、金融機関の公共性ということについて、三つの観点から御意見をお伺いしたいと思います。  第一点は、預金者保護ということ。これは銀行の当然の役目でありますが、国民のとにもかくにも汗の結晶でございますお金、ある意味では命から二番目と言われておるようなお金を預かっておるのだから、その預金を安全確実に管理をしていく、そういう公共的責任が金融機関にはあるのでございます。こういうことが一般に言われております。私もある意味で同感であります。  二番目には、今度は国民経済全体から見て、特に必要がある、いわば社会的なニ-ドが高い、かつ大事な部門に質のいい安定したお金を供給していく、そういう公共的な役割りが金融機関にはあるのでございます。こういうことが言われておりますが、これもそのとおりだと思います。  三番目には、現在のような複雑な信用組織の中では、この一こまがはずれますと、全体が一波万波で大変なことになる、パニックも招きかねないというふうなところから、一般の企業とは違って、金融機関というものは、いわば日本全体の信用秩序といいますか、そういうものを維持していく公共的責任があるのだ、こういうふうに言われておりますが、その三点についての御所見を、それぞれひとつお願いを申し上げたいと思います。
  23. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  ただいまの銀行の社会的責任と申しますか、公共性と申しますか、それにつきましての湊先生のお考え、全く同感でございます。私は、銀行の公共性の最も基本的なものは、国民の健全な資産形成に資しますとともに、できるだけ低廉な資金を安定的に供給し、国民生活の安定と経済活動の円滑化を図るというところにあろうかと思います。これは、ただいまの湊先生の預金確保あるいは社会的ニーズというお話がございましたが、全くそのとおりだと思います。そうしてその根幹をなしますものは、言うまでもなく信用秩序の維持発展でございます。これも湊先生のお話の中にございました。より具体的には、あらゆる側面でお客様の信頼を受けますとともに、その御信頼におこたえしていくことであろうかと思います。そうした銀行の日常努力が社会全体の信用機構の一翼を形成しているものと考えます。こうした信用秩序の維持発展を通じまして、その公共的役割りは今後ますますその重要性を高めてまいるものと思います。  もう一つの公共性の側面といたしましては、お話ございましたように、変化する社会のニーズに適切に即応していくということであろうかと思います。国民大衆の貯蓄をお預かりする者の責任といたしまして、また、これは銀行の活動が経済社会の中できわめて広範囲な影響を与えることから出てくるものと考えます。その意味で、現在わが国経済の目標が経済成長中心から国民福祉の向上へと変化してまいったわけでございますから、銀行もその方向に沿っていかなければならないのは当然でございます。  そういった点から、特に次の諸点には注意をしてまいりたいと思います。  第一は、これまでの高度成長の過程で、国際競争力を強化するという国民経済の目標に沿いまして、どちらかと申しますと資金の需要者に安い資金を提供することに重点を置いてまいりましたが、今後は資金提供者たる預金者に重点配慮すべきだと考えております。そのために新しい金融資産の開発に一層の努力をしてまいりたいと思います。  第二は、資金の配分の公平を一層期してまいりたいと思います。全国銀行貸出に占めます中小企業向け貸出のウエートは逐年上昇いたしておりまして、四十一年九月の三一%から四十九年の九月には四〇%に上がっております。こういった努力も今後ますます続けてまいりたい、こういうふうに思います。  第三番目は、資金面だけでなく、お客様のニーズにこたえ、適切な情報の提供やコンサルティングなど、価値ある金融サービスの開発、提供にも努めてまいりたいと思います。  第四番目には、企業の社会的責任を自覚いたしまして、率直に金融機関に対します御批判をちょうだいいたしまして、正すべきは正しますとともに、またわれわれの立場を十分に御理解いただく努力をいたしまして、ともに公共的問題の解決にわれわれの立場からできるだけ御協力を申し上げたい、こういうふうに思います。  以上のような諸問題に着実に取り組み、努力を重ねてまいりますことが、現在私ども金融機関に課せられております公共的役割りを果たしていくゆえんだろう、このように考えております。
  24. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 同じ質問に対しまして、地方銀行協会長伊原隆君。
  25. 伊原隆

    ○伊原参考人 ただいま湊先生の仰せの第一点の預金者の保護ということにつきましては、ただいま佐々木さんもおっしゃいましたように、金融機関といたしまして、一番大切なことといたしまして瞬時も忘れることのできない点でございます。地方銀行は六十三行、それぞれの地域でいわば住みよいふるさとづくりに貢献するということを経営の理念といたしております。  いまの社会的責任のお話の中で、資金をどういうふうに使っておるか、また、どういうふうに使おうとするかということが大切な問題でございますが、地方銀行は、地元の地方公共団体への奉仕、あるいは中小企業への奉仕、あるいは個人の方々、ことに住宅ローンへの奉仕というふうなことにつきましては、かねてから努力をいたしておりまして、たとえばことし一年で三兆円ほどの預金の増加がございましたけれども、目の子でございますが、その約二割ほどは広い意味の地方公共団体に御用立てをいたしまして、地域づくりに貢献をし、あるいは個人の住宅ローン等も約四千億程度は増加をいたすというふうなことで、非常に高い比率を示しております。また、中小企業さんへの融資につきましては、融資残高の六割というものを占めておりまして、これまた非常に高い比率を占めておるわけでございます。資金の運用面につきまして、非常に社会的の貢献度が高い方に努力をいたしておるということにつきましては、みんな確信を持っておる次第でございます。  また、こういうふうなゼロ成長のもとで、中小企業さん初め非常に御苦労になっておりますりで、この地域に育ちました金融機関でございますので、長い長いおつき合いといたしまして、こういう際でございますので、苦しみを分けると申しますか、そういう点で、緊急融資でございますとか、あるいは県や市の制度融資でございますとかそういうふうなものと協調いたしまして、関連倒産が起こるというふうなことがないように努力をいたしております。  それから金利等につきましても、全国の銀行の貸出金利より水準が低くなっておるというふうな点からも御了察を願えると思う次第でございまして、また、消極的な意味の問題でございますが、歩積み両建て等のことにつきましては、一生懸命で自粛をいたしておりまするし、窓口が親切に、丁寧に、迅速に、正確にというふうなことを合い言葉にいたして努力を重ねておりますが、今後とも社会的な責任を果たしますように努力をいたしてまいるつもりでございます。
  26. 湊徹郎

    ○湊委員 それでは、ただいま三点についてお二方から御意見をいただいたわけでありますが、次に、全国相互銀行協会長の尾川さんにお願いをしたいと思いますのは、ただいまのこととは、ある意味で角度を変えて考えますと、銀行の公共性と言ったって、しょせん具体的に個別の銀行がやれることにはおのずから限界があるので、本当に公共性ということを考えるならば、それはむしろ中央銀行である日銀の問題ではないのか。資金全体を需給調整したり、あるいは国民経済を伸ばすために必要な誘導機能を現実には個別の金融機関は持っているはずがない。だから、大蔵省やあるいは日銀が決めたルールに従っていわば効率性を最大限に発揮していくことが、銀行にとっての公共性維持の道である、こういう意見もあるのです。私もややそれに近い意見を持っているのですが、それについての尾川参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
  27. 尾川武夫

    ○尾川参考人 お答えいたします。  ただいま先生のお説のとおりで、金融機関にはおのおの共通したルールがございまして、大蔵省並びに日本銀行の御指導のもとに営業をいたしておりますので、そのらち外に出るということではございませんが、しかしながら、中小企業を中心にしております相互銀行といたしましては、多少やはり違った点があるのでございます。  私どもは、やはり零細あるいは中小企業が対象といたしましたお客さんでございますから、そのらち内におきましても、きめこまかい経営に努力を払いまして、なるべくコストを安くして安い資金を提供するのにはどうしたらいいか。また、お客さんの預金者保護というものでございますが、これも窓口から細かい経営をしておるわけでございまして、親切、丁寧、敏速、正確というようなことから始まりまして、お客さんに前向きの姿で私ども接しておりまして、またお客さんの声を常に耳にいたしまして、そしてお客さんが何を希望しておられるかということにつきまして、細かい配慮をいたしてやっておるというようなことでございまして、大局的には、先生のおっしゃったとおりのことで銀行経営をしておるわけでございます。
  28. 湊徹郎

    ○湊委員 細かい問題についてもいろいろお聞きしたかったのでございますが、時間もなくなりましたので、農林大臣にひとつお願いをしたいと思います。  それは、最近農協の信用事業に、ある意味では不当なもの、あるいは不法なもの、あるいは不適正な貸し出しがかなり見られます。具体的な案件を幾つか私も承知しておりますが、こういう事態になりましたのは、従来、中央金庫については大蔵省の銀行局がおやりになっておったのですが、信連段階の方は農林省が主として検査をなさる、単位組合の方は各都道府県に一切の権限をまかせるということで常例検査をやってきたのでありますが、ややマンネリ化して、言ってみれば会計の帳じりが合っているか合っていないかというふうなところに焦点が当てられて、経営の内容そのもの、あるいは貸し出しなら貸し出しの中身に触れた検査というものは、余り行われていないのじゃないかというふうな感じが一ついたします。  それともう一つは、一般銀行に対して農業関係の金融機関は、いわば別格官幣社みたいなかっこうになっておったために、ややもすれば大蔵省の行う銀行検査とやや趣が違う。決して甘いとは申しませんが、趣が違う。これではこれからまずいのじゃないか。特に単協そのものも大型化して、百億以上の金を持った単位組合なんというのがざらに今日ございますし、何十億、何百億という単位でいろいろな不適正貸し出しが指摘されている今日でありますから、検査制度をひとつ直していく必要がありはせぬかということが第一点。  第二点は、この前中央金庫法の改正をいたしましたときに、農林漁業金融公庫に関してだけは改正の対象からはずしてきた。ところが、公庫自体も六十数種目の貸し出し項目があって、それで特にほかの制度金融との分野調整の必要もございますし、あるいは貸し出し専門の一方通行機関ということから親方日の丸式になって、そして原資の心配はほとんどしなくて済むものですから、ややこの融資態度や何かについても安易な点が見られやせぬか、こう思うのでございまして、農林漁業金融公庫、これについてもこの際法律改正について御検討願いたい、こう思うのであります。  以上、二点についての御見解をお聞きしたいと思います。
  29. 安倍晋太郎

    ○安倍国務大臣 最近の農協の信用事業の一部につきましては、いろいろの問題が起こっていることは事実でございます。こうした状態に対処いたしまして、農林省としても、通達あるいは特別調査等、数度にわたっていたしまして指導に努め、弾力的な対処をするように努めておるわけでございます。  しかしながら、農協に対する検査のあり方につきましても十分でないという面もありますので、来年度におきましては、従来の常例検査に加えて、信用事業を行う単協及び連合会等を対象とした貸し出し内容の点検を重点に、適時に特例検査を行うことといたしました。同時にまた、検査職員の増員であるとか、あるいは研修であるとか、さらに、今回新しい試みとして、大蔵省の金融検査官との間の人事交流等も行うことにいたしまして、検査体制の整備を図っておるわけでございまして、これは今後とも十分改善をしていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。  また、農林水産金融のあり方につきましては、農林水産業の特殊事情によりまして、やはり長期、計画的でなければなりませんし、低利でなければならないわけでございますので、こういう点につきましては、制度金融等のあり方につきましても、一般の経済情勢、とりわけ金融状況の変化によってその都度貸付金利を一律に引き上げることは必ずしも適当でないので、これまでもこのような考え方に立って金利問題に対処してきたわけでございますが、今後とも、こうした金融制度全体につきましては、十分検討をし改善をしていかなければならないと思っておりますので、そういう点で、農業あるいは金融財政等の経験者の皆様方にお集まりを願いまして、農林漁業金融制度のあり方につきましては、全面的に再検討したいと考えておるわけであります。
  30. 湊徹郎

    ○湊委員 以上で私の分は終わりまして、戸井田君にかわっていただきたいと思います。
  31. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 戸井田三郎君。
  32. 戸井田三郎

    ○戸井田委員 大変時間がなくなりましたのですが、いままで湊議員が総論的に社会的公正の観点に立って御質問されましたので、私は具体的な問題についてお尋ねいたしたいと思います。  それは、社会的公正という観点からいたしまして、庶民がいま最も求めているのは住宅の問題であります。その住宅が手に入らなくなった、非常に遠いものになったというその直接の原因の一つには、地価の高騰というものがあるわけであります。特にこの二、三年前から地価は著しく高騰いたしております。この高騰というものも、やはり金融機関が一つのてこ入れをして、その結果業者が土地投機に走ったというような原因もあるということは疑いのない事実だと思うのです。その御感想等もいろいろと聞きたいのですけれども、時間がありませんから、その間において大蔵省が外政指導をいたしました二、三のことについてお聞きいたします。  昭和四十七年十一月十七日付をもって「金融機関の土地取得関連融資について」と題する通達を出しました。これは、金融機関の社会的公共性の自覚を促しております。しかも土地買い占めあるいは買いあさりを戒めております。しかしながら、庶民の住宅に対してはこの限りではないということになっておるのです。それから、引き続き二カ月置いて、四十八年の一月三十日付をもって「金融機関の土地取得関連融資の抑制について」と題する重ねての通達を出しております。これは、公的機関あるいは個人住宅向けは除くとこのときも言っております。  土地取得抑制という観点に立って、あの狂乱怒濤のような値上がりを抑えようという精神からだろうと思うのですが、こういうようないろいろな通達が出されております。しかしながら、実際には何の効果もない。先ほど日銀の総裁が、銀行というものは社会的公正の観点に立って、社会情勢を見ながらよく機動性を発揮してやっていかなきゃいけないと言われましたが、しかも大蔵省からそういうような通達が出ているにもかかわらず、私どもの目に映ったのでは、そういうものが実行されてないような感じを受けるわけであります。  さらに、四十九年の二月二十八日には、それでもおさまらない状態から「当面の事態に緊急に対処するための融資のあり方について」と題する通達が出ておる。これは、土地取得関連融資については、既存の融資分についても、土地保有の目的あるいは保有の状況――いわゆる投機に使っているかどうかというような問題だと思いますが――等については改めて審査を行い、不適切と認められたものに対しては、手形の書きかえ、約定の更新等に応じてはいかぬ、むしろこういうものを計画的に回収するようにしたらどうか、こういうような指示がなされておるわけであります。  こういうような一連の指示に対して、金融界といたしましてどのような対処をしたのだろうか。これを実際に行ったならば、困って土地を放出すれば、土地が安くなって庶民の手に土地が届くというような好ましい結果が得られるわけであります。そういう観点に立ってやられておるのかどうかということについて、佐々木会長にお伺いいたします。
  33. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  ただいま先生の御発言のとおり、国民全体にとりましての一番の問題は住宅問題でございます。その中で、土地の問題、土地が高騰しておりますという点が、住宅問題の解決に非常に障害を与えておるということは、全く私どもも同感でございます。大蔵当局とされましても、いまのお話のとおり、何回かこの点につきましての私どもに対する指導の方針をお示しをいただいておりまして、私どもはその方針にのっとりまして、これを守ってやってまいっております。  それから、不要な土地を手にしておる、これを放出する、そうしてそれだけ貸出金なら貸出金を回収する、この点も私ども十分検討いたしましたけれども、実際問題といたしましては、手放そうといたしましてもなかなか買い手がないという面もございますのと、それから本当に投機の意味で買ったという点がはっきりしたものはごくわずかで、この点、私どもだけではなく、そういった問題につきまして、銀行は大蔵当局からの検査を受けましたけれども、その結果も、各銀行につきまして特にひどいものはなかったというふうに私どもは承知をいたしております。しかし、この土地問題が最大の問題であるということは、私ども十分心得ておりますので、今後とも慎重に対処してまいりたい、このように思います。
  34. 戸井田三郎

    ○戸井田委員 私は、土地を放出するというような状態に立ち至るのは、金融力の弱いものがそういう状態に早く立ち至ると思うのです。金融力の強いものはなかなか手放そうとしないと思います。そういうような意味からしたならば、むしろそういう実態というものもよく調査していただいて――ということは、大手の商社であるとか、そういう土地を取得するものからするならば、銀行との長い関連があります。そういう関連の中で資金事情というものをいろいろとお互いに知り尽くしております。そういうような中で、そういうものを銀行が強く迫ることはなかなかしないんじゃないかと思います。そうでなくして、そういうものに対しても、銀行の社会的公正という観点に立ったならば、十分にやっていただきたい。  私は、時間がありませんから御要望程度にとどめておきますけれども、なぜそういったことを言うかというと、銀行というものの生まれてきた生い立ちというものを考えてみますと、現国土庁次官である橋口收さんの著書の中に「日本の銀行」という本があります。それを見ると、都市銀行というものは、昔のいわゆる財閥、こういったものの金融部がだんだん独立していったものである、すなわち、戦前の三井や三菱、住友等の事業資金調達を手段とした部門が独立して一つの都市銀行が生まれてきた、こういうふうに書いてあります。私はそのとおりだと思います。三つ子の魂百までもという言葉がありますけれども、やはり情勢が変わっていてもその体質は依然として変わっていないのじゃないか、このことを私は痛切に感ずるのであります。  そこで、現在の状態というものを見ると、金融を支えている資金というものは、多く庶民大衆、国民各層から集められております。日銀の統計月報によりますと、昭和四十九年の九月の預金者別構成を見ると、法人預金は五十七兆八千百四十四億、五四%、個人預金は四十八兆八百七十一億、四四・九%。この四四・九%、四十八兆という非常に多くの金を個人預金で支えているわけであります。そういうような個人預金の人たちは、多く借りたり何かすることはない、ただ積んでいるだけであります。ところが、その金は主に企業に傾いて流れている。そういうことを考えると、橋口さんが言われている、資金調達部の独立した機関である、こういうような体質というものはやはりいまもって同じである、そういうように私は思うのであります。  そういう観点からして、社会的公正が非常に叫ばれている今日、銀行はその姿勢というものを大きく転換しなければならないと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
  35. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  全く同感でございます。先ほど金融機関の公共性という点のときにも私は申し上げましたけれども、これからの経済は、従来の高度成長を目指しました経済から福祉を目指す経済に変わります。したがいまして、私どもの考え方も、従来、高度成長を目指しますためには、金を使う大企業に実際問題としてウエートをつけて資金を提供したけれども、今後は、ただいまお話しのように、資金を提供するにしましても、預金者の福祉、こういうものに重点を置いて銀行経営をやっていくことは当然でございます。全く先生のおっしゃるとおりでございます。  それから、ただいま大企業と銀行との、ことに商社の土地などのお話がございましたけれども、実際問題といたしましては、これはいま簡単にお答えいたしますために係数は省きますけれども、大企業に対します貸し出しの伸びは、この金融引き締めの状態でも、中小企業に対します伸びよりもはるかに低いところに抑えている、そういった点を御了解をいただきたいと思います。
  36. 戸井田三郎

    ○戸井田委員 問題をはしょっていきますが、いま尾川相銀の会長さんでしたか、いろいろと親切、丁寧というようなお話も出ておりました。預金者保護というお話も出ておりました。そこで、預金者保護というものはどういう観点に立つかということであります。  たとえば預金者が銀行にお金をたくさん積んでおります。それが融資されます。融資された結果がどういうふうに返ってきたかということも、預金者保護という観点で大きくとらえてみなければならないんじゃないか。たとえば土地の投機に金がたくさん出ていく、土地を買っていった、地価が上がった、そうしたならば、もちろん土地会社はもうけているから銀行は損をしないでしょう。しかしながら、庶民からしたならば、一方において金を積んでいて、そしてその金が土地投機の金に回っていたとしたならば、何のために金を積んだんだかわからなくなるのです。そういう意味で、そういう観点に立った預金者保護をこれからは社会的公正という観点から見て十分に御勘案を願いたい、私はこう思うのであります。  私は最近こういうことを聞きました。地方銀行の窓口の若い人です。高等学校を出てから四、五年勤務した人です。その方が預金の窓口に立っている。窓口に立っているのですけれども、三分間会ったならば、気の毒で貸してあげなければしようがないような気持ちになるというのです。そこで三分間以上会わないということにしておるというのです。そういうような事態に追い込まれている庶民大衆というものは、本当に金がほしい。しかしながら、一方において工場の経営者であり、一方において労働者であり、朝から晩まで働きながら工場の経営をしている、こういう者は、銀行に行って金を借りるテクニックなんかというのは実際は下手なんですよ。しかしながら、誠心誠意働いているという人たちだと思うのです。そういうような人たちに対してもっと窓口を開いていただくことが、銀行の社会的公正の上から非常に大事なことであると思うのであります。  ここにこういうことがあります。きのうの読売新聞でありますが、「預金にもみ手 あとは貸せぬ「いらっしゃいませ」と丁寧なあいさつ。定期預金をする。にこにこと証書と共に粗品を差し出す。あまりの丁重さに何やら気はずかしさを感じる。主人が定年の時、A銀行(大手)、B銀行(地方)が再三預金の勧誘にきた。」定年になったらすぐ勧誘に来たのです。主人が系列会社であるA銀行に預金した。ところが、その後増築の話が起こって、増築のことで相談に行ったところが、にべもなく断られてしまった。当銀行は一般の方には貸しませんと言われたというのです。そういうような状態で、ついにこれはやめてB銀行に移ったというのです。こういうようなことでは本当の親切でないと思うのですね。金を預かるときに何ぼ親切にしても、金を貸すときに親切にしなければ、何のために金を積んでいるのかわからない、こういうようなことになるわけであります。  もう時間がなくなりましたから、ローンの問題についてやらせていただきます。  一般に日本の金融機関というものは、先ほど来話がありますように、企業向けに偏っている。日本銀行の経済統計によりますと、昭和四十九年の六月に貸出残高が八十六兆七千五百十九億、その中で法人に貸し出しているのが七十九兆八千八百五十七億、九二・一%であります。こういうような状態でありまするから、個人大衆のところにはほとんどいってない。ところが、今度政府は、総需要抑制の中にあるけれども住宅政策を重視し、なお最近では十四日の経済閣僚会議でも、住宅公庫からの貸し出しも実行するというし、また民間企業からも、住宅ローンについて従来から一般に貸し出してきた枠の一〇%を超えないようにしょう、そして一-三月でも都銀に貸し出す額を九千百億の中の一〇%を上回る千百億を貸し出そうというのですが、これに対して積極的にひとつ御協力をいただきたいと思うのであります。  それからもう一つ、住宅ローンというものがそういうふうに庶民からいろいろと期待されておるけれども、実際向けには、都内あたりで新聞広告を見ると、大体分譲価格が一千万ほどになっております。そして貸出限度額がやはりほぼ一千万である。融資限度が、住宅金融公庫を含んで分譲価格の七〇から八〇%、貸出総額が年収の二・五倍から三倍、こういうふうな状態なんですが、実際に借りる方からしたならば、その支払い可能の能力というものはどうかというと、三十万から五十万ぐらいが全体の三〇%、二十万から三十万程度が全体の二〇%だということであります。こういうようなことを考えてみると、いわゆる庶民大衆というか、一般の勤労者にはやはり高ねの花である。そういう意味からしたならば、銀行というものの体質また信用金庫、相互銀行等いっぱいありますが、金融機関の体質というものが一般国民大衆の中に開かれた窓になっていただくために、場合によっては一〇〇%ローンというようなものも長期的な展望から御計画していただくくらいの積極的な姿勢を示していただきたいと思うのであります。  時間がもう過ぎてしまいました。お聞きしたいことたくさんあるのですけれども、御要望ばかりでありますけれども、この程度でぜひよろしくお願いいたします。
  37. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて戸井田君の質疑は終了いたしました。  佐々木参考人、伊原参考人、小原参考人、片柳参考人、四名の方には、午後再び御出席をお願いいたします。  尾川参考人、雨宮参考人、鴻池参考人には、御多用中のところを御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。御退席を願って結構でございます。ありがとうございました。  次に、村山喜一君。
  38. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 金融をめぐりまして、集中融資、大口融資というような形の中から、社会的な公正を欠いている問題が存在をしているのではないかということで、きょうの集中論議になったわけでございます。いろいろわれわれも実態調査してまいりますると、金融をめぐる問題は、具体的な問題として事例をつかまえておりますが、それをこういう公開の席で発表をするということになると、その金融機関から取引停止を受けるというような事態まで心配をされるような状態のものがきわめて多いものですから、具体的な問題について、どういうところからこの問題を取り上げていったらいいだろうかということで、私たちも検討をいたしたのでございますが、その一つの問題として取り上げましたのが、日本熱学に続いて、昨年の中では第二の大口倒産と言われる阪本紡績の問題を拾い上げて、具体的に問題を明らかにしてまいりたいと思っているところでございます。  そこで、まず初めに通産省の方にお尋ねをいたしますが、昨年の石油危機を中心にいたしまして、今日まで倒産件数は大変なものに及んでいるということが報道をされておるわけでございます。その倒産件数は、昨年一年間に、一千万円以上の負債を背負ってつぶれた件数は幾らであり、その負債総額はどれだけに及んでいるのかという点について、明らかにしていただきたいと思うのでございます。  それと法務省にお尋ねをいたしますが これらの企業の中で、いわゆる再建のための会社更生法の適用申請をいたして、それがどの程度受理され、そして今日再建計画の状態に入っているのかという実情について承りたいと思います。
  39. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 具体的な数字のことにつきましては、政府委員から答弁をさせます。
  40. 和田敏信

    ○和田政府委員 お答え申し上げます。  通産省所管業種の倒産件数でございますが、先生のお尋ねの件とやや違った時系列のとり方で恐縮でございますが、四十九年十月、十一月、十二月がそれぞれ千百九件、千百二十三件、千百七十九件、五十年一月が八百五十九件、こういう数字になっております。  また負債総額に関しましては、手元に資料を持ち合わせておりませんので、直ちに調査をして御報告申し上げます。
  41. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 直ちにというと、何分ぐらいでそういう返事ができるか。
  42. 和田敏信

    ○和田政府委員 先生の御質問が終わる時間までに調査をさせていただきます。
  43. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 それじゃ間違いなくやってくれ。
  44. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 お尋ねの阪本紡績の倒産と会社更生の現在の段階の経過につきましては、きわめて専門的なことでございますので、民事局長をして答弁させますからよろしくお願いします。
  45. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 昨年の統計が十月末しかわかっておりませんので、四十九年の一月から十月末までの会社更生手続の申し立て件数は百二件でございます。  それから、これは必ずしも昨年中に申し立てのあった事件だけとは限りませんけれども、昨年一年間に会社更生手続の開始決定が行われたもの、これは法務省に通知がありましたものを調べてみますと、五十六件となっております。
  46. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 私が一月から十月まで調べた件数では、一千万円以上の負債を背負ってつぶれた件数は九千四百件、負債総額が一兆三千百四十一億一千八百万円という状態でございます。これは昨年に比べて、件数において約五〇%、金額におきましては二・五倍、こういう状態になっているわけでございます。その中で、いま法務省の民事局の方からお話がありましたように、更生手続を開始した会社はわずかに五十六件でございます。これだけ再建にはなかなかむずかしい状態を抱えていると思うのでございますが、この中で通産省関係は何件になっておりますか。
  47. 和田敏信

    ○和田政府委員 通産省所管業種の業種別会社更生法の適用件数でございますが、過去三カ年間の会社更生法適用件数は次のとおりでございます。  四十七年、四十八年、四十九年、五十年、これは二月八日現在でございますが、申し立て件数におきまして、それぞれ六件、五件、四十一件及び四件でございます。  次に決定でございますが、それぞれ十二件、四件、十六件、一件、このような数字になっております。
  48. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そこで、これは通産省に尋ねてまいりますが、阪本紡績というのは、設立が昭和二十三年三月、資本金が一億五千四百二十五万円、社長は阪本栄一、従業員が六百三十名ということであるようでございますが、この会社が不渡り手形を出しまして、手形の決済ができないで銀行取引の停止処分を受けた後、九月十七日の午後三時に大阪地裁の岸和田支部に会社更生法の適用の申請をしたということでございますが、このことに  ついては、法務省の方では、そういう報告が裁判所の方から入っておりますか。
  49. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 その点は特に報告は入っておりません。
  50. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そういたしますと、九月十九日に保全管理人が任命をされて保全命令が出されたという報告がございますか。
  51. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 裁判所に照会をして聞いたところによりますと、四十九年九月十七日に阪本紡績株式会社から会社更生手続の開始の申し立てがあり、保全処分につきましては、四十九年九月十九日に弁済禁止等の保全処分がなされており、それからその翌日の四十九年九月二十日に、これは裁判所の職権によって業務制限等の保全処分がなされておる、こういうことでございます。
  52. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 保全管理人はだれですか。
  53. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 その点は聞いておりませんので、ちょっと現在判明いたしません。
  54. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 何……。
  55. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 保全管理人がだれであるかということは、裁判所から聞いておりませんので、承知しておりません。
  56. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 この問題については、これをやりますからということで連絡をしたわけですが、もちろん直接の答弁者というのは裁判所になるわけでありますけれども、手続の関係で裁判所の方の出席を願うわけにいかぬので、法務省のほうで、代理答弁ができる程度のものは準備しておきますということであったと、私の方では了承しているわけですが、おわかりにならないようでございますから私の方から申し上げますが、河合弁護士でございます。  そこで、そういうような保全管理人が任命をされて、そして財産の移転等を禁止する保全命令が出されたということは、更生手続開始まで相当な期間が必要であり、かつ、現在の取締役が全く信頼ができず、財産の散逸、不正行為をするおそれが大きいか、あるいは混乱のため経営能力を失っているというふうに見られるか、あるいは銀行がこの法の百十九条によって条件をつけたかによりまして変わるわけでございますが、恐らく、職権でもってそういうような保全管理人を任命をしてやるということを見てまいりますと、更生手続開始までに相当な期間が必要だ、こういうことで措置がされたものだと考えるわけでございます。  そこで、これらの債権関係を拾い上げてみますと、大変大口の融資をされている金融機関があるわけでございます。また金融機関だけではなくて、商社がこれに対しまして相当な融資を行っていることは事実でございます。  そこで、まずその点についてお尋ねをしておきたいと思いますが、日本不動産銀行、幾らの貸し付けをなさって、それに対する債権に見合った担保物件の設定についてはどのような措置をおとりになっているのか、お伺いをいたします。
  57. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 会社更生法適用申請時点の当行貸出残高は三十四億でございます。そして、ちょっと名前ははばかりますが、某銀行の保証が二十五億円、それから不動産担保で九億円というのが、更生法適用申請時点の貸出残高でございます。
  58. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 債権に見合った担保物件は、それは内容としては不動産だけですか。
  59. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 会社が破産いたしましたときの三十四億でございまして、うち二十五億円は某銀行の保証でございまして、九億円は不動産担保でございます。
  60. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 機械の譲渡担保物件等はございませんか。あるいは機械の売上代金の先取特権等の問題はございませんか。
  61. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 九億円につきましては土地だけでございます。
  62. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 その土地の評価、時価あるいは公示価格の上から見まして、適正なものとして判断をされておりますか。
  63. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 土地は、私の方は不動産鑑定士をたくさんそろえておりますが、大体十数億円の土地でございます。
  64. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 その他の金融機関、銀行の保証というものも大体わかっておりますが、それは後ほどまた問題として新たに確認をしてまいりたいと思います。  そこで、債権者名簿を見てみますと、一番の大口はトーメンでございますが、トーメンの社長にお伺いをいたしますが、阪本紡との関係はいつごろから開始をされ、取引関係があるのか、それからトーメンの債権額というのは幾らになっておるのかということと、純債権はそのうちどういうふうになっているのかということについてお伺いをしておきたいと思うのでございます。  世上いろいろとうわさに聞きますと、どうもトーメンの場合には、阪本紡に対しては抵当物件を取らないで融資をしていたのではないかと言われておりますが、この会社更生法の手続をいたしましてから取られたものなのか、あるいは現在はどういうふうになっているのか、その事情について説明を願いたいのでございます。特に、トーメンは阪本紡が会社更生法の適用申請をしたということをいつお知りになったのか、このことについてお伺いをしておきたいと思います。
  65. 安本和夫

    ○安本参考人 まず、阪本紡と私の方の取引関係でございますが、昭和二十六年、七年ごろからでございます。その後、四十年ごろから金額は相当ふえてまいりまして、年度間の契約でいきますと、十億、二十億、三十億、五十億、七十億、特に機械がございましたときは百億見当になっております。取引としては非常に長いおつき合いでございます。  それから今回の倒産でございますが、私も会社に入りましてもうすでに四十年になりますが、三十年間は第一線で取引に当たっておりまして、いろいろな倒産の件にも遭っております。しかし、今回のようなケースは異例でございます。と申しますのは、私どもの会社と阪本との関係は非常に長いおつき合いでございますし、あの人は、後になっていろいろな原因を調べますと、放漫経営の点もございましたですけれども、工場経営者としてはよくやっておられた。しかも、私どもは別に融資しておるわけではございませんで、繊維は大体右左の契約条件、機械は内地で延べ払いいたしたわけでございます。融資というわけではございませんで、機械の方は私の方の仕入れも、主として延べ払いでお払いしております。そういう関係でございます。  倒産いたしましたのはそういうことでございますけれども、そういうような大口な取引先でございますので、阪本紡さんがこんなに急に倒産なさるなら、当然私の方に何らかの御相談があるものと私も考えますし、私、監督不行き届きでございますが、私の部下たちが非常にその点情けないと思っておりますが、当然私の方にお話があるだろう、こういうように考えておったのでございます。  それで、倒産と同時に私は大阪に参りまして、阪本さんに会うべく待機しておりましたけれども、その二、三日間は阪本さんは行方をくらまされたわけです。その後、阪本さんには私はどうしても会わなければいかぬというので、一週間ばかりたってお会いいたしました。世の中では、そういうような急な倒産でございますので、計画倒産だとかいろいろなことが言われております。私も、あんなに早く皆さん、債権者を集めて、そうして内容の御説明をなさる、会社更生法の申請をなさる、こんなことは当然あり得べきことじゃない、あなたは一体どういうことでございますかというように詰問いたしましたが、それは阪本さんとしては、そうではなくて、方々金策をやっておられたようでございますが、社内的に経理の方との意見が合わなかった。経理は勝手にそういうことをやっておったというように言っておりましたが、まあそれはそうであったろうかというように考えております。いずれにいたしましても、私はその点は非常に遺憾に思っております。  それから担保でございます。従来、繊維関係の担保はもうございましたけれども、それ以外に機械の契約をいたしますとき、これは内地の延べ払いでございますが、念書をとっております。これは公証人役場で確定日付をとっております。しかもその念書は、阪本紡積と常陸紡積との名前でトーメンとの間に念書がございます。この念書といいますのは、簡単に申し上げますと、機械のこんな大変多くの商売をいたしますので、当然私どもは担保を要求いたしたのでございますが、阪本さんとしては、担保は出さないという主義でいままで来ておるのだから堪忍してもらいたい。しからば、この工場は担保に出さない、もし担保に出す場合はあなたの了解をとります。あるいは、あなたの方で、私の方が支払いを拒絶したり、あるいはそのおそれがあるときは担保を提供いたしますというような念書をいただいております。そして阪本紡の方は会社更生法を申請されたわけですけれども、常陸紡の方は会社更生法は申請されておりません。したがいまして、この念書に基づきまして、私の方は足らないところは常陸紡の土地をいただいたわけでございます。  そういうことでございまして、実質の債権は現在七十四億でございますが、それに対しまして、これは鑑定人の鑑定によりますと、物的担保に保証がございますが、保証で四十八億一千万、不足が二十六億でございますが、これに対しましては、機械の譲渡担保、先取り特権、阪本さんの個人保証、こういうものをいただいております。  以上でございます。
  66. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 わかりました。債権額総額は九十七億ですか。
  67. 安本和夫

    ○安本参考人 九十五億でございます。
  68. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 九十五億ですか。その内訳は説明願えませんか。繊維機械とか、あるいは原料とか、工場、建物関係の貸し付けとか、これはそういうような内訳になっておりますか。
  69. 安本和夫

    ○安本参考人 担保でございますか。
  70. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 いいえ、債権……。
  71. 安本和夫

    ○安本参考人 綿花が三億三千万、繊維のニット織物五億七千万、化合繊九億五千万、繊維機械が四十九億、建設関係四億四千万、その他クレームが二億六千万、これが七十四億の内容でございます。
  72. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 トーメンとしては、融資ではなくて売掛債権が主体になっているようでございます。  その場合に、こういうような状態は予測をしておられなかったんだろうと思いまするし、まあ九十五億余りのそういうような売掛債権を中心にしまして、そのような取引で、この債権額があるにもかかわらず、きわめておおような商売をなさっていらっしゃるわけでございますが、そういうような状態で信頼をし切っていたのに、そういう会社更生法の申し入れをする場合も、それも相談もなしに、突如として阪本紡績のほうが手続を開始した。あわてて今度は念書に基づいて、阪本紡の全額出資の子会社である常陸紡の土地等についての登記をやられたわけでございますが、それが四十八億程度しか時価評価ができない、残りは、機械の譲渡担保であるとか、あるいは売却代金の先取特権の問題であるとかというようなものについて、その措置をされているようでございますが、こういうような長い取引があれば、商社というのは、そういうような信頼関係に基づいて、大口の貸し付けあるいは債権関係についてはそういう措置をとるのが常道でございますか。  われわれがいろいろ聞くところによりますると、銀行の貸し付けとか、あるいは商社金融にしても、人を見てやるのでしょうが、非常に厳しい条件をつけながら、最悪の場合にはそういうような債権の保全ができるような措置をとって、堅実な商売をやるというのがやり方ではなかろうかと思っておったんですが、いま聞いてみますと、きわめて寛大な取り扱いをこれについてはしておられるようでございますが、そういうような取り扱いが商社としては慣行的なものであるのか。一体、ほかの事例との関連において、社長はどういうふうにその事例を受けとめていらっしゃるのか。この点について、ほかの事例との関係はいかがでございますか。われわれが印象的に受けるのは、きわめて大口の債権でありながら、こういう長い間の取引とか、あるいは担保物件もなしにそういうようなことがようやれるものだな、小さなものについては非常にやかましく言われるのに、大きなものについては不公正な措置をとっておるのが現在の商社のやり方ではないだろうか、こういうふうに受け取られるのでございますが、そうではございませんか。
  73. 安本和夫

    ○安本参考人 阪本のこのケースは異常でございまして、私どもはすべてこういう延べ払い――これは一種の延べ払いでございますが、関係につきましては、慎重を期してやっておるわけでございますが、阪本の場合は非常に昔からのお取引であったというようなことで、しかし、いま申し上げましたように、それに対しましては念書は取っておったわけでございます。  それから、直接これに関係ないと思いますが、私は、われわれの売り先あるいは仕入れ先、大小を問いませんが、いずれにいたしましても、われわれは取引は長く安定した取引をしなければならぬ、そのためには、すべて誠実と責任感をもってやれ、人をだましたり、あるいは人にきつく当たったり、そういうことは長続きするものではない。したがいまして、極力誠実と責任感をもってやるように私は指導いたしておるのでございます。ただ、たまたまこの大口債権がこういうような状態になったことは、まことに私としては遺憾に存じております。
  74. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 次に、第一勧銀にお尋ねいたします。  第一勧銀の場合には、阪本には債権額は幾らございますか。
  75. 横田郁

    ○横田参考人 お答えいたします。  私どもの方の債権額は、会社更生法申し立ての時期におきまして、十七億七千万と承知いたしております。
  76. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 内容はどういうふうになりますか。
  77. 横田郁

    ○横田参考人 内容を申し上げますと、商業手形の割引が約三億八千四百万、普通手形貸付が十億六千五百万、それから証書貸付が三億、こういうふうになっておりまして、十七億四千八百万ということになっております。
  78. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 その中で、土地を担保物件にいたしましたボウリング場の建設に対する融資がございますか。
  79. 横田郁

    ○横田参考人 ございます。
  80. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 これは時間の関係で私の方からお尋ねいたしますが、この内容は、ボウリング場の建設資金として、土地を四億円の評価によって四億円の融資をなさったという状態だと聞いておりますが、ボウリング場の建設資金として貸し出されたものであることは間違いございませんか。
  81. 横田郁

    ○横田参考人 ボウリング場の貸し出しは、四十七年の一月に二億五千五百万融資をいたしております。
  82. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 その場所はどこでございますか。  なお、その抵当物件の評価額はどういうふうに算定をされたものですか。
  83. 横田郁

    ○横田参考人 場所は和歌山県那賀郡那賀町所在名手ボーリング場でございます。国鉄の名手駅から東八百メートル、農村寄り、農住併存に移りつつある地域でございます。  担保の明細は土地が約三千三百坪。当時その辺の相場は坪七万円ということでございまして、この評価二億三千百万円。建物が千三百坪、これは建設費は坪当たり十八万円かかっておりまして、二億三千六百万円。こういうことになりまして、両方合わせますと四億六千七百万円でございますが、土地は、この二億三千百万円の六五%を掛けまして約一億五千万。建物は二億三千六百万でございますが、これは機械等も含めておりますので、建物だけの掛け目にしまして、五〇%で一億一千八百万。合計二億六千八百万という担保評価をいたしまして、それに対しまして二億五千五百万の普通抵当権を設定した次第でございます。
  84. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 私は、和歌山県那賀郡那賀町市場一五七、ここの宅地の評価を公示価格と実勢価格で調べてみたのです。そうしたら、宅地の場合、最近においての価格から言えば平米当たり二万円足らず。なおこれは下がっているようでございます。そういうようなことから、初めここの貸し付けについては、先ほど頭取の説明では幾らか金額が違っておるようでございますが、ここに四億円貸し付けられた、一月末の債権残高が三億四千万円もまだここの分については残っている、こういうふうに私の方では聞いておるわけでございます。とするならば、当時の貸し付けというものが十分な評価をしないで過剰融資をされたのではなかろうか、そういうような疑いが持たれましたので、公示価格の計算方式でいってみますると二億一千七百八十万円しかないのに、その過剰な融資が行われたのではなかろうか、こういうような疑いを持ったのでございまして、どうも取引の関係においてきわめて甘いやり方で措置をされたものではないかと考えたのでございますが、そういうようなことはございませんか。
  85. 横田郁

    ○横田参考人 ただいま御説明申し上げましたとおり、土地の評価は平米当たり二万一千円。相場として坪当たり約七万円ということでございましたので、これでそれの六五%を掛けまして一億五千万という評価をしたわけでございますので、それほど安易な担保評価をしたつもりはないわけでございます。  建物につきましても、先ほど申し上げましたように、建設価格の五〇%というものを担保価額にしたわけでございますので、相当かた目に私どもの方としては評価をいたしたつもりでございます。  なお、その後四十九年に、この物件に対しましてさらに抵当権を設定、極度を四億に拡大したことはございます。しかし、その当時のその地方の土地の売買事例は、現地聴取によりますと坪十四万から十五万ということでございましたので、これもそれほど甘い債権、抵当権の設定ということにはならないというふうに私どもは考えて処理をした次第でございます。
  86. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 時価評価の仕方は、公示価格あるいは売買実例価格によることになっておるわけでございますし、また銀行側の方としては、鑑定士等を使ってそれぞれ適切な担保の設定をされるわけでありましょうが、調査によりますると、そんな高い値段じゃないわけでございます。周辺はたんぼが相当ございまして、平米当たりで計算をいたしますと、一万円から一万五千円というのが売買実例価格であるようでございます。宅地の場合も、先ほど申し上げましたように二万円足らずでございまして、そういうような例からまいりますると、どうも四億円という評価をなさった、貸し付け評価値のような形で処理をされておる点は、なお問題が残ると思うのでございますが、それをやりよったのでは時間がございませんので、その点についてはこれで一応おいておきます。  そこで私は、この場合、これらの銀行関係が大口の融資、集中融資をなしているという点において、きよう二人の銀行の頭取にお出ましをいただいておりまするが、全部で約六千億円程度の大口融資、四十九年の九月末現在、都市銀行約十二行で五千九百二十九億円ございますが、この中で、お二人のところの銀行はどれだけのものがあるのか。その超過金額だけでもよろしゅうございますから、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
  87. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 ただいま先生に対する適当な数字を持ち合わせておりませんが、私どもの総融資高のうちで中小工業――中小工業とは資本金一億円以下もしくは従業員三百人以下というものでございますが、それが件数においては八七%でございます。それから総額については四六%というのが現状でございます。
  88. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと質問と答弁と食い違って……。
  89. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 私の方から言いますから。  では、時間の関係がございますから、私の方で確認をいたしますが、日本不動産銀行の場合には、現在の自己資本額は一千二百二十四億、それに対しまして限度貸し付け三〇%ですね。長期銀行、不動産銀行の場合には三〇%ということで計算をいたしますと、鉄鋼業A社に対して四百十五億貸している。これは枠をはみ出して貸しているのだ、こういうように受けとめてよろしいでしょう。
  90. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。
  91. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そういう資料に基づいて計算をいたしてみますと、上位五社の貸し付けだけでも一千四百二十九億、総貸出金の二兆二千三百七億のうちの六・四%という形になっておるようでございます。  第一勧銀の場合はそういう二〇%を超えるものが幾つございますか。
  92. 横田郁

    ○横田参考人 当行の場合は二社でございまして、伊藤忠商事、三菱商事でございます。
  93. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 トーメンの場合には、メーンの銀行あるいはもう一つの銀行、この二行から過大な融資と言われる融資を受けていらっしゃると思うのですが、いかがですか。
  94. 安本和夫

    ○安本参考人 私の方は二行からでございます。一行は、長短借り入れ五百億ございます。それから割引手形も今度はその中に入るということになりますので、相当超過すると思いますが、割引額はそのときそのときで変わってまいります。いずれにいたしましても、それをこの五年間におさめるということでございます。商社は相当な資金が当然要るのでございますので、この点、私としましては、非常に苦慮いたしておる次第でございます。
  95. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 そこで、そういうような大口の融資規制の問題は、大蔵省としては昨年の暮れに、銀行局長通達によりまして、是正をするようにという指導がなされておるわけでございますが、この内容から見まして、五年間で是正をするのだ、こういうふうにわれわれは聞いているわけでございます。その五年間で是正をするという目安をつけた理由をいろいろと聞いてみたのでございますが、その一つの理由の中に、五年たてば銀行の貸付総額も倍になるが自己資本も大体倍になるというのが今日までの実情であった、だから自己資本の二〇%ということでいくならば、五年したら大体これにおさまるのではなかろうかということが基礎にあるのだというふうに聞いているのでございますが、それは一つの理由として受けとめてよろしゅうございますか。
  96. 高橋英明

    ○高橋(英)政府委員 五年間の経過期間を設けましたのは、現実に非常に超過している額の大きいのがございますので、実態的に混乱を起こしてはいけないということから考えたことでございます。  その場合に、先生御指摘の、五年間で倍になるからほっておけばおさまるではないかという、そういう安易な考え方はございません。いままでの銀行の自己資本の伸び率というものを平均してみますと、先生がおっしゃるような趨勢で伸びておりますけれども、これからの銀行がいままでと同じような成長を続けるかということには、私ども非常に疑問を持っておりますので、五年でほっておいても銀行の自己資本が倍になるだろうというような想定はいたしておりません。  それから五年というのは、実は理論的には余り根拠のない話でございますが、ドイツなどで、いままで保証自己資本の一〇〇%までという大口融資の規制があったのでございますが、昨年の十二月に自己資本の七五まで下げました。つまり四分の一きつくしましたときにも、五年間というような経過期間を設けるというようなこともございましたので、私どももそれを一つの先例といたしまして、五年間でやってみよう。実際この超過しておるものを整理するといいますか、縮小させるということ、これは甘くてほっておいてもそこに行くというのでは意味がありませんし、それからまた、きつ過ぎてとても到達できそうもないというのでは困ります。大体考えてみますと、五年くらいですと、かなりの努力をしてその範囲におさまる線ではないかというようなことで、五年ということにいたしたわけでございます。
  97. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 まあ私は、払い込み資本がそういうような形でふえていくのであるならば、これはまた一つの理由もあるだろうと思うのです。自己資本比率を改善をする意味においてはあると思うのですが、どうも調べてまいりますると、税制改正との関係において、内部留保、特に貸倒引当金なり価格変動準備金の操作基準の変更によって、貯蓄、自己資本がふえるような形がとられ過ぎているのではないかというふうに思うのです。  具体的な例を調べてみますと、これは大蔵省の財政金融統計月報の二百七十二でございます。この中で、全国銀行の昭和四十八年度決算分析という表がございますが、この中で急にふえてまいりましたのが、価格変動準備金繰り入れの数字でございます。全国銀行のトータルで六百六十八億が下期には組み入れられておるわけであります。この前、昨年九月の四十九年上期の決算を見てみますと、都市銀行十三行の経常収益が二六・二%ふえております。経常利益は二千九百四十九億円で五一・一%ふえた。ところが純利益は一千二十九億円で、これは一七・一%の減ということになっております。  で、中身をいろいろ調べてみますと、これは、貸倒引当金の繰り入れ率の引き下げと、価格変動準備金の操作基準の変更によって、特別損失として評価をし直した有価証券等の評価の仕方によっていろいろ操作をしているようでございます。これを考えてみますと、どうも実際の都市銀行、地方銀行の貸倒引当金とその償却額との資料を調べてまいりますと、法律の上では千分の十は貸倒引当金として積み立てることになっておるわけでございますが、実際は、その貸倒引当金の償却の実例から見てまいりますると、余りにも大き過ぎるのではないか。私が手元にいただいたのでは、税制上の措置は一%に対して実際は〇・二八%しかないから三・三倍。それだけ貸倒引当金が自己資本額の中で蓄積をされる、こういう形になっているようでございますが、諸外国と比較をいたしてみましても、余りにもこういうような資本蓄積の税制上の措置によって自己資本金がふえていく。五年たてばそれだけふえるのだから、いまの大口規制の問題についても、これはそういうようなことができるであろうという見通しで、安易な見通しではないとおっしゃるのですが、そういう措置がとられ過ぎているようでございます。  とするならば、やはりこれはもっと、どういうふうにしなければならないのかということをきちっとこの際やらなければならない段階に来ているのではないかと思うのですが、アメリカあたりでは、二十年間の統計に基づいて貸倒引当金の税制上の措置はとっているようでございますが、日本の場合には、それを改善するどころではなくて、幾らか繰入率は引き下げましたけれども、今度は一方、価格変動準備金の操作基準によって蓄積を図るという措置がとられていったのでは、同じことであるではないか。  このことについては、そういう自己資本がふえることによりまして、大口融資がなされ、それが集中融資として今日のような問題が出てきた。しかも、先ほどから不動産銀行や第一勧銀の頭取にお話をお伺いいたしますと、倒産をした会社についても、銀行だけはきちっと債権については保全の措置を講じているという実例から考えてまいりますると、これだけの措置をする必要はないんじゃないかという気がするのですが、大蔵大臣の所見をお伺いをいたします。
  98. 大平正芳

    ○大平国務大臣 銀行の貸倒引当金につきましては、村山委員の御指摘のような批判が従来ともあったわけでございまして、現実にそれだけの貸し倒れが現実化しておるわけではないわけでございます。しかしこれは、都市銀行なら都市銀行全体、あるいは地方銀行であれば地方銀行全体の数字で、〇・二であるとか〇・三であるとかいう議論をしておるわけでございまして、個々の金融機関になってまいりますと、その年の貸し倒れが、税法が設定いたしておりまする水準に達しないという保証は実のところないわけでございます。幸いにいたしまして、そういう事例は希有でございますけれども、ないという保証はないわけでございます。そこで、四十七年に千分の十五でありましたものを十二に引き下げ、さらにそれを十に引き下げ、現在十にいたしておるわけでございます。それをもってしても、あなたが言われるように過大じゃないかという御指摘は、確かに私も首肯できるわけでございますけれども、いま申しましたような理由で、業界全体の比率と個々の金融機関との間の問題として、数字を等質化した見方をしていないということだけは御理解をいただきたいと思うのであります。  そしてまた、そのことと、大口貸出規制についての五年間の猶予期間を設定したこととは、全然関係がないわけでございまして、議論の過程におきましても、そんな議論は全然出たこともございませんし、私ども、頭の片すみにそういうことがあった経緯も、全然ないことを御理解いただきたいと思います。
  99. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 時間がございませんので、最後に、大口債権者の方々の阪本紡の再建計画に対する態度について私はお伺いをしておきたいと思うのでございます。  倒産の要因は、不動産部門の販売不振やボウリング部門の赤字、いわゆる放漫経営の問題が一つありますし、韓国に出資してつくりました潤成紡績が一月に焼失をしたという事件等もございます。そういうような意味から、繊維の不況等によります在庫増の問題が原因になって倒産をしたことは事実でございます。ところが、いまも法務省の方から明らかな数字が出ましたように、会社更生法の手続を開始した会社の実例等は、申し立て件数の百二件に対して、手続会社は五十六件ときわめて少ないものでございます。倒産件数が一万件を超えるような状態の中で百分の一程度しかない、こういうような実情であります。  そこで私は、そういうような意味から、会社更生手続の問題については、きわめて重要な問題であると同時に、現実にいま六百数十名の労働者の人たちが働いておる、そういうようなことを考えますと、更生ができるものはできるだけ会社更生法の適用によりまして更生手続をやることが当然だろうと思うのでございます。  そこで、大口債権者としてお出ましをいただいた三名の責任者の方々に対しまして、どういう再建計画が立てられるのかは内容によってまた違ってくると思いますが、いずれにしても、そういうような債権者あるいは従業員、これらの協力を得なければ会社再建というものは成り立たないと思いますので、その会社更生の手続、計画等について、これから基本的な取り組みの態度として自分たちのお気持ちをお示しをいただきたいと思うのでございます。お答えをいただきます。
  100. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 村山君、すでに時間が来ておりますから簡単に三人に答弁をしていただくことにいたします。
  101. 安本和夫

    ○安本参考人 ただいま韓国の潤成紡の火災によるというお話がございました。一言つけ加えさしていただきますが、火災によりまして約二十七億ぐらいの保険金が不足しておりますのと、一月は、去年の一月でございますが、四〇の相場が非常に高かった、そういうことで先物を売っておりました。それが荷渡しが非常なクレームがついた。要するに焼けましたですから、それによる損害で約四十億ぐらいあるんじゃないか。これは一般に言われておりませんですけれども、私が調べましたところでは、これが一番大きな直接の原因ではないかと思っております。  それから、これからの再建の問題でございますが、私はたびたび申し上げておりますように、私はいかなる協力もいたしますというように新聞でも申し上げておりますが、裁判所の決定には従うというように言っております。ただ、現在あそこでは二〇と四〇が引けるわけでございますが、二〇が二万円、四〇が一こりで一万六千円の赤字でございます。これは全部でございます。一般の紡績もそうでございます。そういうように現在は非常に不況でございます。この景気が一体どうなるかということに大いにかかってくることと思います。  それからいま一つは、韓国に対して両紡績に二百億余りの投資をいたしております。それはこの会社の重要な財産でございます。そういうことも勘案いたしまして、私は裁判所の方に協力いたすということにしております。
  102. 渡辺淳

    ○渡辺参考人 現在、会社更生法の申請中で、裁判所の任命した保全管理人が中心となって検討中でございます。  銀行といたしましては、その結論をまって協力の方法を考えたいと思います。
  103. 横田郁

    ○横田参考人 ただいま不動産銀行の渡辺頭取が申し上げましたように、現在、裁判所で会社更生法の手続開始にこぎつけるべくいろいろやっておるわけでございますので、まだ更生決定が出ておりませんが、出次第、私の方としましてもできるだけの協力をし、また関連倒産も出ないように手配をいたしたいと考えております。
  104. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 じゃ終わります。
  105. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと待ってください。先ほどの村山君の御質疑で、数字の点で……。和田産業政策局長。
  106. 和田敏信

    ○和田政府委員 御報告がおくれ恐縮に存じます。  先ほどの点、四十九年十、十一、十二及び五十年一月に関しまして倒産件数の御報告を申し上げましたが、それと対応いたしますところの負債の額につきまして御報告申し上げます。  十、十一、十二、一月、それぞれ千四百四十億、千六百二十五億、千五百八十三億、千二百三十一億という数字を当省としては承知いたしております。  なお、本件に関しましては、いわゆる通産省所管業種のみではなく、建設業あるいは食品工業等が入っておりますので、念のため申し添えさしていただきます。
  107. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて村山君の質疑は終了いたしました。  横田参考人には午後再び御出席を願います。  安本参考人、渡辺参考人には、御多用中のところを御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。御退席を願って結構でございます。  午後一時十分より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。     午後零時四十分休憩      ――――◇―――――     午後一時十八分開議
  108. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松浦利尚君。
  109. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 私はきょう、社会的に非常に責任を持ち、しかも強い立場にある、しかも消費者に直接関連のある電機工業会の各社の皆さんをお呼びするつもりでしたが、これは各社共通の問題でありますから、電機工業会の会長であります吉山会長さんに御足労をいただいたわけであります。  これから御質問をいたしますが、私は、正確にお答えをいただくために、おいでいただきました企業の責任者の方にも、私の質問内容はこういうことを質問するということで、すでに御通知済みであります。したがって、整理されて御答弁いただけると期待をするわけでありますが、まずお尋ねをしておきたいのは、御承知のように、家電業界というのは消費者と大変密接な関係があると思います。しかも、高度経済成長下における成長産業として、今日までの基盤を築いてきたわけであります。そういった意味では、私は、企業というよりも社会的に大変重要な責任をお持ちの会社であり、企業だと思うわけでありますが、そういった意味で、家電業界というのは、そういう社会的な責任というものについてどのように考えておられるのか、その点をひとつ会長さんに明確にお答えをいただいた上で、質問させていただきたいと思います。
  110. 吉山博吉

    ○吉山参考人 私、電機工業会の会長をただいま引き受けております吉山でございます。  ただいまの御質問に対しまして、私どもが常日ごろ考えております点につきまして、御回答申し上げたいと存じます。  私ども家電というものだけでなしに、企業といたしまして、社会に対する責任というもので、いろいろ常日ごろ考慮をいたしておるわけでございます。もちろん企業そのものの責任というものも従来と変わっておりませんが、特に社会に対しての責任と、これは消費者に対する欠陥品を出さないというような問題、また企業のあるいは事業所の周辺の皆様に対する環境の問題、そういうような問題、それからまた、企業といたしまして、従業員に対する責任というようなもの、非常な広い幅で常にこれを検討いたしておるわけでございます。  特に、ただいま、家庭電器というものに対しての社会的責任というお話をちょうだいしたわけでございますが、家庭電器に対しまして私どもの一番考えなければならないのは、欠陥製品を出さないというのがメーカーとしまして一つの大切な責任だというふうに考えております。これは、最近非常に家庭電器の製品が進歩が激しい、また、新しいたとえば半導体というようなものが製品に取り込まれてくるというようなことで、非常に技術革新が大きい製品でございます。そういう面で、製品の信頼性、またそれの耐用年数というようなものにつきましても十分検討いたしまして、消費者に、お役に立つ新しい製品を、欠陥を出さないような十分な信頼性の試験というものをいたしまして、出すということを、まず第一に考えておるわけでございます。それからまた、やはり人がつくるという製品でございますので、万が一考え落としがあった、漏れがあったというケースが出ました場合には、それに対する企業としての責任を十分果たすということを考えておるわけでございます。  現在そういう問題につきまして、大変残念でございますけれども、何がしかのそういう問題を起こしているのが事実でございます。こういうようなものに対しましては、企業といたしましては十分責任を感じて、消費者の御迷惑をお償いするという姿勢で取り組んでおるということを申し上げる次第でございます。  その辺でよろしゅうこざいましょうか――それでは、この回答はこれで終わらせていただきます
  111. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 時間がありませんから、まだ言いたいことがあったでしょうが、よくわかりました。  そこで、いま会長が言われたことは、会長の立場で、企業モラルといいますか、社会に対する責任について述べられたと思うのでありますが、いま御指摘がありました欠陥電気製品というのが、昭和四十七年ごろ多数続発をいたしまして、いろいろと新聞、テレビ等で物議を醸しておったことは事実でございます。これを調査いたしますと、通産省でやっと現在、ある物については四〇%、ある物については九〇%という回収なりあるいは修理状況でありますが、ひとつ通産省の方から、四十七年度欠陥家電製品がどういう状況であるのか、どういうふうに回収され、補修されたのか、そういう点について、簡単で結構でありますから、数字の低い物、数字の高い物、それぞれ代表的な物を選んで御答弁いただきたいと思います。これは事務局で結構です。
  112. 大永勇作

    ○大永政府委員 四十七年度に回収指示をいたしましたのは、一つは松下電器産業のカラーテレビがございます。回収点検率につきましては、四十七年度に指示しました松下電器の物につきましては九五・二%、それから同じく日立製作所のカラーテレビにつきましては九八・九%、それから三菱電機の電気温水器につきましては九二・二%、それから松下電器のゴムコードにつきましては九一・五%、それから赤井電熱の電気髪ごてにつきましては、倒産いたしましたために、これは回収不能になっております。  それから四十八年度につきましては、充電式かみそりにつきまして、三洋電機の場合は九二・三%、同じく充電式かみそり、日立製作所につきましては八一・四%、充電式ライトで三洋電機につきましては四五・五%、これは非常に小額商品でございまして、消費者からの申し出が少なかったということでございます。それから電子ジャー、象印マホービンにつきましては八一・二%、それからナショナル魔法瓶につきましては四八・三%、これはナショナル魔法瓶工業が倒産したことによりまして低率になっております。  以上でございます。
  113. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 いま代表的なものについて御説明がありました。中には、倒産をしておるために五〇%以下の回収率という状況です。残り五〇%はまだ家庭にあると見なければなりません。倒産したから回収不能だと言う、しかもそれが事故を起こす可能性がある、こういうことであります。したがって、製品を出してしまったから、倒産したから後は知りませんでは、事故が起こったときに責任が持てないし、責任の所在もはっきりしないし、消費者としては大変な迷惑をこうむるわけであります。したがって、この際、通産大臣に決意のほどをお聞きしておきたいのですが、欠陥電器の回収というのは的確にしなければならぬと思うのです。カラーテレビにしましても九五%ではありますが、残りの五%は回収がなされておらない、しかもその中には、高圧器械というのですか高圧変電器というのですか、超高圧抵抗を取りかえなければならぬというようなものもあるわけでありまして、仮にそういったものが依然として残っておるとすれば、大変な結果を生むことになるのです。結果が起こって反省をしたのでは遅いわけでありますから、ひとつ通産大臣から、こういう欠陥製品の回収を今後どうするのか、同時に、先ほど会長からは欠陥製品を出さないように努力をするということですが、欠陥商品が出たら積極的に、速やかに回収をするということについて、この際明確にお答えをいただいておきたいと思います。
  114. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 欠陥商品の問題につきましては、御指摘のとおりでございまして、回収に全力を挙げまして指導しておるわけでございますが、まだ完璧というところまでは行っておりません。今後とも十分気をつけまして、さらに回収に努力をするように指導いたします。
  115. 吉山博吉

    ○吉山参考人 ただいま通産大臣からもお話がございましたように、私どもは欠陥製品の回収対策というものに総力を挙げて、業界を指導するようにいたします。
  116. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 現実に家電製品が欠陥であったために、あるいは家電製品にJISマークがあったかなかったかという問題を契機にいたしまして、実はとうとい人の命が失われる、あるいは電気ごたつ、電気毛布あるいはカラーテレビ等々によって、わずか数件ではありますけれども、毎年事故が起こっておるわけであります。通産大臣の御決意を承りました。ぜひ行政面でも的確にやっていただきたいし、業界でも積極的に対策を講じていただきたいと思います。  そこで、業界のモラルについてお尋ねをしたいのですが、実は昨年あらゆる物の物価値上げがございました。いま私が指摘をするのはほんの一つの例でありますが、カラーテレビについて指摘をいたしたいと思います。これは石油パニック前の四十八年の十月、旧価格であります。それから原材料費が上がったということを理由にいたしまして、ずっと値上げをしたわけでありますが、その値上げ幅が、大体カラーテレビで約一五%から二〇%近くのものが値上がりしたわけでありますが、四十九年の十月に価格をチェックいたしました。これは間違いのない、一つの同じ業者から出された四十八年十月の価格と四十九年十月の価格であります。したがって、私の調査した範囲内ではきわめて正確であるということを申し上げて、このカラーテレビの価格表を業界の吉山会長にお渡しいたします。見ていただきたいと思うのであります。よろしいですか。
  117. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 いいです。     〔松浦一利一委員、資料を示す〕
  118. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 通産大臣にもお見せいただきたいと思うのでありますが、いまお渡ししましたのがその数字であります。  一つの例を申し上げます。これは全メーカーにわたってのことでありますから、すべてのメーカーについて公平に申し上げておきます。  まずビクターCI三二一四、旧定価で八万九千八百円、その仕入れ価格が六万二千円であります。ところが、四十九年の十月に調査をしてみますと、新定価は一八%上がって、十万六千円と表示されておるわけであります。ところが、仕入れ価格は六万二千円であります。小売価格が一八%上昇しておるにかかわらず、仕入れ価格は据え置きであります。日立についても同じであります。CE-二八三、旧定価が十四万九千八百円、仕入れ価格が八万三千円、新定価が十七万八千円であるにかかわらず、仕入れ価格は八万三千円の据え置きであります。それから松下電器、二〇-A一二T、旧定価が十四万八千円、仕入れ価格が九万五千円、新定価が十六万三千円に上がっておるにかかわらず、仕入れ価格は据え置きであります。三洋電機、一〇-CTR二三P、旧定価が七万八千五百円で、仕入れ価格が五万三千円、新定価が八万九千八百円で、仕入れ価格は五万三千円の据え置きであります。シャープ一〇IC-四〇四、旧定価が九万二千円、仕入れ価格五万七千円であります。ところが新定価は十万七千円で、仕入れ価格は五万七千円と、これまた据え置きであります。それから東芝一四T九六、旧定価が九万九千八百円で、仕入れ価格は六万一千円、新定価が十一万八千円で、仕入れ価格は六万一千円であります。それから三菱電機一四CT-一二AS、九万六千円の旧定価で仕入れ価格は五万八千円、新定価十一万二千円で、仕入れ価格は五万八千円であります。  私は一通りのメーカーのものを全部申し上げたのですが、この価格表を見ますと、あの当時メーカーが、原油価格が値上がりをした、製品が上がったために、消費者価格である標準価格を上げざるを得ないという新聞発表であったはずであります。小売店の人件費その他がアップしたから上げてくれという発表ではなかったはずであります。みんな私たちは、そのように原油価格も上がったから、これは当然上がるものと消費者は受けとめたわけであります。ところが、よくよく調べてみると、実際には全く仕入れ価格には異同がない。しかも最近売れ行き不振のために、この仕入価格というのがさらに下がっておるわけであります。標準価格はそのままであって、仕入れ価格はさらにいま申し上げた以降に下がっておるのであります。これは私は、この数字から見られることは明らかにメーカー側の便乗値上げではないか。カルテルとは申し上げませんが、すべての業者がこういうことをお互いにやってしまったということは、逆に言うと、何らかの共同行為的なものがあったのではないかと、結果から見て類推をされる。この際、この価格を見られて、会長はどのように判断をされますか、これは便乗値上げがあったということを消費者が指摘をしても、言いわけがないのじゃないでしょうか、ひとつ言いわけがあったら、その言いわけをお聞かせいただきたいと思うのです。
  119. 吉山博吉

    ○吉山参考人 実は私、冒頭に申し上げればよかったのでございますが、私、電機工業会の会長でございまして、テレビ関係は電機工業会では扱いませんで、電子工業会の扱いになるわけでございます。  それと、それから、そう申しまして、私、逃げるということではございません。価額の問題につきましては、工業会といたしましては余りタッチ、容喙をしないというたてまえでやっておりますので、電子機械工業会といたしましても、まとめての御返事ということは差しさわりがあろうかと、またできない、というふうにも存じますので、私、この御要旨は電子工業会へよくお伝えいたしますけれども、どういうような取り扱いになりますかは、私ちょっといま明言いたしかねます。
  120. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それなら、事前に私のところに来られて説明をしたときに、私はこのことをお話しいたしました。そのときにあなた方はこのことを聞いて帰られたはずであります。そうすると、いまあなたがそう言われることは、それはおかしいのじゃありませんか。そのときになぜそれを言われないのですか。事前に私がこれを示したときに、そのことを言うべきであります。ところが、あなたは持ち帰るということで帰られたわけでありますが、しかし、そのことをここで言っても仕方がありませんから、それは申し上げません。  そこで、通産大臣にお尋ねをいたします。  いま私が申し上げた価格表、そこにお渡しをしておるわけでありますが、その価格表を見られて、この価格表から見て明らかに便乗値上げがあったというふうにお見受けになるかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  121. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 一昨年の秋の石油ショックの前後には、御案内のように、いわゆる狂乱物価と称せられた時代でありますから、若干のコストの値上げはあったということは当然見受けられますが、ただしかし、いま御指摘のようなことのないように、公取等からもすでにいろいろ通達が出ておるようでございますし、通産省といたしましても、こういう実勢価格といいますか、仕入れ価格と小売価格との間に余り大きな差があっては困りますので、そういうことのないように、厳重に指導していくつもりでおります。
  122. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 これは明らかに便乗値上げであります。そこで、この便乗値上げを、実際に消費者は知ることができないわけです。実際に価格が上がっておるにかかわらず、仕入れ価格は全く上がっておらない。そういうことは消費者は知らないのです。ですから、買うときに値切った人は、値切っただけ得するわけですね。値切って買える。ところが正直な人は値切って買えないのですね。そのままの定価表で買わされるという事態が起こっておるわけであります。  通産大臣にさらにお尋ねをしておきますが、こういった事実があることについて、早急に業界の代表を呼んで、こうしたことに対する理由、それから、これからこういった新定価に対して、いまは需要が停滞しておりますから、恐らく新定価をまたさらに新々定価として下げてくれ、というようなことになると思うのでありますが、価格問題についてさらに詰めて、新たな価格を設定するというお考え方があるかないか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  123. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 先ほども申し上げましたように、実勢価格と小売価格との間に、いまお聞きいたしますと、相当大きな差もあるようでございますから、関係者を呼びまして、厳重に指導をいたします。
  124. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それで、公取の委員長にお尋ねをしておきますが、二重価格の不当な取引は、標準価格の一五%以下で全国小売店舗の三分の二を占める場合、それから二〇%で全国二分の一以上を占める場合ということがあるわけですが、こういった仕入れ価格と新定価の格差というのが広がれば広がるほど、価格というものが、標準価格そのものまで、でたらめな価格ということになってくると私は思うのです。こういったものについて、公取自体ももう一遍、この二重価格問題を含めて、価格のあり方についてチェックをしてみるという御意思があるのかないのか。あるとすれば、私は早急に業界の指導をしていただきたいというふうに思うのですが、委員長の御答弁をいただきたいと思うのです。
  125. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 ただいまの事例について、われわれは十分に実態を把握いたしておりませんでしたので、しかし、御指摘のとおり、現状では標準価格を引き上げても相当割り引かなければ売れないという情勢であるかもしれませんし、その程度が過ぎれば、明らかにこれは不当表示に類することになる、不当表示の疑いが生じてくるわけでございます。著しく有利であると誤認させるような価格をつけておくということ、そして割り引いて買った人には大変有利であるというふうに思わせるような行為、しかもその小売価格は変わっていないということでございますから、十分私どもも実態調査をした上で、善処をいたします。
  126. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それから、吉山さんにお尋ねをしますが、あなたのところは、製造番号その他についての質問をしても、お答えは、わかりませんか。
  127. 吉山博吉

    ○吉山参考人 私、電子機械工業会の会長でございませんので、その会の責任ある返事ということにはなりませんが、私の承知しております知識の範囲でお答えできることなら、お答えをいたします。
  128. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それから、さらにお尋ねをしておきますが、エックス線関係放射能、ベータ放射能等についての質問についても、あなたはここで答弁できますか、できませんか。
  129. 吉山博吉

    ○吉山参考人 その問題は、私が非常に関心を持った問題でございますので、私もある程度の常識は持っております、知識も持っておりますので、答えられる範囲があろうかと存じます。
  130. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それでは、そういうものについてだけ質問いたします。  それでは通産大臣にお尋ねをしたいわけでありますが、いま電気製品に製造番号が記載してあるわけであります。ところが、その製造番号が消されておる製品があるわけであります。通産大臣、製造番号というのは、少なくともメーカーが責任を持って製造した番号であります。その製造番号が消されたものが市中に出回っておるということについて、通産大臣は把握をしておられますか。     〔委員長退席、谷川委員長代理着席〕
  131. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 承知をしております。
  132. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 製造番号がない製品が出回っておるということについて知っておられるとすれば、それはどういう状況下で出ておると思いますか。
  133. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 これにはいろいろ複雑な背景があるようでございますから、政府委員から答弁させます。
  134. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 政府委員から説明を受ける前に、それでは申し上げておきたいと思うのでありますが、製造番号がないとどういう事態になるがということの説明を、私はまず簡単にしておきたいと思うのです。  それは、土曜日に実は調査に参りました。これはもう名前も申し上げていいと思うのでありますが、量販店であるダイエースーパーを調査に行ったわけであります。ダイエースーパーに行きますと、冷蔵庫、それからテレビ、ソニーあるいはナショナルについてのこの製造番号は完全に消されておるわけであります。しかも、これに対して修理保証する保証書、これもございません。通常の場合、製造番号を記載した製品については五カ年間、製造したメーカーがその責任を持つことになっておるわけであります。ところが、ナショナルの製品に例をとりますと、保証書がありませんから、ユーザーは、買ったダイエーで修理をする場合に、ダイエーで修理できるものは修理するわけでありますが、実際に専門技術的なものでありますから、ダイエーで修理ができないということになると、実は買った消費者は修理する場所がないという、大変な弊害が起こっておるわけです。メーカー側は保証書があることによって修理をするわけでありますから、その保証書がないものについての責任は負えないということで、消費者とのトラブルが今日起こっておるわけであります。製造番号があるかないかという法的な定めはないのでありますが、この製造番号がないということについて、一体そういったことも含めて、通産省は把握しておられるのかどうか、その点をひとつ簡単で結構ですから、お聞かせいただきたいと思うのです。
  135. 森口八郎

    ○森口政府委員 製造番号を抹殺した製品が出回っておるということを私ども聞いておりますが、実態についてはまだ十分把握をいたしておりません。ダイエーなどで製造番号を抹消したものを売っておるということは、先生御指摘のとおり、私の方も聞いておりますが、実態についてはまだ十分把握をいたしておらない現状であります。
  136. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 私がダイエーで見ましたのは、電気冷蔵庫であります。それからカラーテレビであります。そこで、ダイエーが買うところはどこかということで、ダイエーの幹部の方とも話し合いをいたしました。ところが、どうもダイエーには売るなという申し合わせがメーカー側でできておる。何かそこに、ダイエーには卸してはいかぬぞという共同行為がある。そのためにダイエーは買うことができない。やむを得ず傍系から購入をする、直接ではなくて。その流通ルートから購入をする場合に、製造番号がついておりますと、どこの卸から出したということが逆探知できるわけですね。ですから、逆探知されては困るので、製造番号を消すということが行われておるようでございます。ダイエーの方で、そういったところのテレビ製品や電気冷蔵庫など売らなければいいのであります。ところがナショナルとかソニーとかというものを一緒に並べておかないと、消費者に魅力がないということで、どうにかして手に入れようとする流通の中で、製造番号が消されているという事実なのであります。  そこで公取委員長にお尋ねをしておきますが、そういうふうに、特定の企業に対して製品を出してはいかぬ、こういうことを行う。逆に、製造番号があるとどこから流したということが逆探知できるから、それは消して流さざるを得ないというような流通、こういうものについて、公取委員長としての見解をまずお尋ねさしていただきたいと思います。
  137. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 販売先を拘束する、これは「不公正な取引方法」の一般指定の八号に該当いたします。でありますから、それが共同して行ったかどうかは別でございますが、特定のメーカーが自分の系列店に流すとき、ダイエーには売ってはならぬ、こういうことを言うのは、不公正な取引方法に該当いたします。ですから、そういった面から規制するのですが、製造番号の点ですね、これは非常に微妙な点でございまして、製造番号を、いまおっしゃったように明記しておきますれば、つまりどこの第一次卸から流れたものであるかということが逆探知される。そのために、そういう一種の廉売で安売りすることについて、それを規制する結果になる。ですから、製造番号を消して売っている方も、後からの入手に差しさわりがあるので恐らく消しているのだろうと思います。その消していることが、消費者の側から言いますと、保証書がないという点は確かに問題がありますが、かなり安く入手できる。先ほど、実際の小売の入手価格と販売価格とに非常に差があるのじゃないかというお話でございましたが、それに対してスーパーがかなり安く売るということ自体は、度を過ごさなければ、それはこちらとして別にとがめるべきことではないということでありますので、消費者が製造番号を見て買うということはないのでして、その点はあまり選択の自由を奪うものじゃないということでありますから、製造番号については、こちらで指導してどうしても厳格に守らなければいかぬと言うと、逆に系列店販売に限られる、系列内の安売りができなくなるという点で、消費者にかえって不利になるのじゃないかという点もございますので、にわかに製造番号を記入することを厳守するように指導していいかどうかという点については、私ども疑問を持っておるわけでございます。
  138. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 そこで、いま公取委員長が言われたように、問題は、製造番号を消すというのは、まずダイエーには売ってはいかぬというような、そういう不公正な取引がある。そのことが排除されれば、製造番号を記載することは何にも影響がなくなるわけであります。だから、問題は、そういう行為をさせないように、公取の方でも再度チェックをしていただきたいというふうに私は思います。  そこで吉山さんにお尋ねいたしますが、あなたのところは、カラーテレビだけでなければいいそうですから、冷蔵庫でお尋ねしておきますが、実は冷蔵庫を見ました。製造番号がありません。ということは、業界の方でそういうふうに、ダイエーだからどうだから入れるなというようなことをしなければ、製造番号を消すという行為はなくなるわけであります。ですから、いま公取委員長が言われたように、まずそういったことを業界として改めてもらう。製造番号がないから安いかというと、そうでもないですね。新品として売られておるわけでありますから、価格を実際に見ましたが、余り変わらない。ところが製造番号がないために、修理をするときに大変に消費者は、ユーザーは迷惑をするという事態があるわけでありますから、そういう点について、業界として、会長さんのできる範囲で、そういったことがなくなるように議論をしていただけるか、改めることができるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  139. 吉山博吉

    ○吉山参考人 工業会といたしまして、ただいま御質問ございましたようなことは一切やっておりません。どういうわけで銘板をはずされるかということにつきましては、私もその理由ははっきりつかんでおりませんが、現実の問題としてはある、ということは聞いております。ただ、いまダイエーというお名前を出されましたが、ダイエーと正式に契約して品物を出すというケースもございます。それからまた、その契約が、企業企業との話し合いが折り合いがつかないで、まとまらなかったということもあるのじゃないかというふうに考えております。工業会といたしましては、今後とも、そういうような話し合いというようなことは一切やらぬということをはっきり御返事申し上げます。
  140. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 それでダイエーの責任者も、私のところは製造番号をつけて売りたいのだ、ですから仕入れ先には製造番号を消さないようにしてくれと言っておるが、製造番号があるがゆえにその卸先が迷惑をするといかぬので、やむを得ず製造番号のないものを入れておる、こういうふうに言われるのです。ですから、売る側のダイエーさんも出すメーカー側も、私は意見は一致しておると思うのです、製造番号を付すということについては。ただ、製造番号を消さなければならぬような条件をつくり出しておるところに問題があるわけですから、それは公取委員長が言ったように、不公正な取引がなくなれば、オープンになってびしっといくわけですから、その点は会長が言われたように明確にしてもらいたいと思います。  そこで、通産省にまだお尋ねしておきたいのですが、実は私は外神田市場をずっと見て回ったのです。ところが外神田市場では、これはある外神田市場の方から直接聞いた話を申し上げたいのですが、そこで製造番号を消すのです。それから保証書も取り上げるわけです。ですから、そこには保証書がこんなにある。店頭に行けば製造番号のない新品が幾らでも並んでおるわけですね。ところがその保証書が、逆に今度は千円、二千円で取引されておる。そうしてそれが何に使われるかというと、これは質流れ品、盗難品、こういったものにこれが逆に今度は利用される、そういう仕組みがあるんだそうです。私は実態を把握しておりませんよ。売り買いされる事実を見たのじゃないのですが、そこで言われたことは、そういうことですよという話を、私は外神田市場のある社長さんから聞いたのです。それではその外神田で製造番号を消したかというと、そうじゃないのです。その外神田に来る途中で、どこかで消されておるというのですね。メーカーの人も迷惑しておるのです。逆に言うと、消費者が、買ったところで修理してくれぬものだから、今度は直接メーカーのところに、日立さんなら日立さんのところに行って、あなたのところの冷蔵庫おかしいじゃないか、直せ直せ、製造番号がない、どうしたどうした、こう言うので、日立の方の信用にもかかわるので、旧製品を新品と取りかえなければいかぬという状態、これは日立の例でありますが、そういう状況が生まれてくるのです。そういった不明朗な取引が今日行われておる。通産省は知らぬと言われるけれども、家電業界ではこれは常識になって、H作戦というのまであるのだそうです。業界側ではそのことを知っておるものだから、外神田にそういうことをする店が二百軒、ずらっとH型に並んでおるそうですから、各メーカーのそういう人が来て、どこで番号を消すのか、どこに流れていくのかというのを、アルファベットのHのような道を行ったり来たりする。これを業界に言わすとH作戦というのだそうですが、そういうことまでしておるのですね。  ですから、今日、私がいま申し上げたような不明朗な取引が行われておる、その取引を直すためには、何といっても、私は、製造番号を付さなければならぬ、メーカー側が最終責任を負わなければならぬ、という体制は必要だと思うのです。くどいようでありますが、私がいま申し上げたような事実が実はあるのです。通産省のほうにお尋ねをしておきます。こういった事実について、直ちに通産省はチェックをして、少なくとも最終消費者である国民が、製造番号がないことによって迷惑をこうむらないように、しかも公正な取引が行われるように、流通段階の調査を直ちに開始してもらいたいということをこの際申し上げたいと思うのでありますが、その点についての御返事をいただきたい。同時に、メーカー側は、こういった調査については全面的に協力をしてもらいたい。そのことをあわせて御返事いただきたいと思います。
  141. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 製造番号が消されておるということのために消費者が大変迷惑をこうむる、そういう事実があるようでございますから、その実態を十分調査をいたしまして、そういうことのないように指導していきたい、こういうふうに思います。
  142. 吉山博吉

    ○吉山参考人 ただいまの通産大臣の御返事のように、工業会といたしましても、その方針につきまして全面的に協力を申し上げて、いい結果をもたらしたいというふうに考えます。
  143. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 ぜひ、いま御返事いただきましたように、どこでつくったのかわからぬような、しかもテー・マーク、通産省の認可マークまで消されておるものが、堂々と新製品で売られておるという事実もあるわけですから、そういう状況について直ちに調査をして、その結果は国民の前に明らかにしていただきたいということも、あわせて申し上げておきたいと存じます。  それから続いて、これはカラーテレビのことになるわけでありますが、これは電子機械工業会のことだそうでありますが、私も関心を持っておるということですし、日立もカラーテレビはつくっておられるわけでありますから、そういう意味で、ひとつお答えをいただきたいと思うのであります。  まず通産大臣にお尋ねしますが、昨年十二月、これは大変残念なことでありますが、ナショナルのパナソニック三十万台が、放射能漏れということで回収を命ぜられました。またカナダにおきましても、同じく松下さんの六機種について放射能漏れがあるから、画面が悪くなった場合には修理を直ちにしてくださいというユーザーに対する警告がカナダでされたということが、新聞に出ておるわけであります。このことは、たまたま松下という名前がここに一つ挙がってきておると私は思うのでありますが、しかしこれはどういう状況であったのか、その点について通産大臣からお答えをいただきたいと思います。
  144. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 詳細につきましては、政府委員から答弁させます。
  145. 大永勇作

    ○大永政府委員 お答えいたします。  松下のカラーテレビがアメリカのHEW、健康教育厚生省におきまして不合格になりまして、対策を講ずるように勧告されまして、松下がそれに対しまして、勧告を受け入れたという事実がございます。  それで現在、わが国のテレビのエックス線放射量の規制でございますけれども、これはアメリカを除きます世界各国と同様に、国際電気標準会議、IECと言っておりますが、その基準によって行っております。その基準と申しますのは、通常の使用状態において、テレビの外郭から五センチメートル離れたところのエックス線の量を毎時〇・五ミリレントゲン以下とするというものでございます。通常の使用状態においてと言いますのは、結局、一番明るい状態にしたり、それから調整をいたしまして、コントラストを一番強い状態にした場合に、エックス線が一番多くなりますので、そういう状態におきまして、いま申し上げましたような毎時〇・五ミリレントゲン以下という規制でございます。ところがアメリカにおきましては、日本を含めました他の国と違いまして、こういった通常の状態のほかに、テレビの裏ぶたをあけまして内部を調整した場合、さらに内部のある部品が故障いたしまして電圧等が非常に大きくなった場合といったような、これをステージツー、ステージスリーと言っていますが、この三つの段階に応じて、先ほどの規制値と同じ規制値を求めておるわけでございます。そういうことから、そういう状態が生じたということでございます。
  146. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 通産大臣、いまお聞きのとおりであります。いま言われたように、アメリカでは、被曝線量が拡大することを防止するという意味で、テレビから放出される放射能について、厳しい制限を設けておるということなんです。わが国は、測定方法はテレビの表面五センチで、いま言われたように〇・五ミリレントゲン以下、こういうふうに規定があるのであります。ところが、どうしたはずみにか、それを超える放射線が出る場合があるのです。これは私も、京都大学の微量放射線研究の先生やら、あるいは東大の物理教室の先生たちからいろいろとお聞かせいただいたわけでありますが、通常出されておるテレビのエックス線というのは皮下浸透力が非常に弱い。ですから皮膚下まで浸透するということはないのだそうであります。ところが問題は、どうしたはずみか、画面が揺れる場合あるいはカラーテレビの色がぶれる、そういった場合には異常放射能が出るということであります。そういう危険性があるから、アメリカの場合には、サービスマンつまみ、AGC、画面を明るくしたり何かするところでありますが、そういうサービスマンがいじるボタンをいじって〇・五ミリレントゲン以下、また同時に、  一回路破壊して、一カ所破壊してサーベーメ―クーではかってやはり〇・五ミリレントゲン以下という、三段階の厳しい条件がある。ところが日本はただ当てただけ。だから、メーカーの方は、出荷したときに〇・五ミリレントゲン以内という標準が通ればいいわけでありまして、各家庭に入った後の故障したときとか、あるいは画面がぶれるときとか、色調が鮮明でないというものについてどうか、という明確なデーターは取らなくていいことになっておるのですね。これは私は大変な問題だと思うのです。これほどカラーテレビが各家庭にも入ってきております。しかも団地の中で、狭い部屋で大型のテレビを見ておるという状態があります。これは京都大学の平山先生の説でありますが、平山先生が三月に論文を発表なさるそうでありますが、あのムラサキツユクサに二百五十ミリレントゲンを当てますと、異常、突然変異が通常の一・五倍から二倍出るそうであります。いまテレビを家庭で、これほど情報伝達の機関として見ておるわけでありますが、小さな子供さんは通常、離れて見ておれば被曝線量はそれだけ、距離の二乗に反比例して少なくなるわけでありますが、画面に近くなればなるほど、エックス線の被曝線量はふえるわけであります。それだけよけいに浴びることになるわけであります。私はアメリカがやっておることが正しいと思う。  通産大臣にお尋ねいたしますが、わが国の電気取締規則をもっとアメリカ並みに厳しくして、少なくともこの放射能漏れが、テレビというものを通じて将来問題を起こさないように考えるべきじゃないか。特に、生殖器等にこれが放射されるということになれば、これは大変であります。そういう点について大臣の御見解を承りたい。実際にアメリカ並みのこういう厳しい電気取締規則というものに改めていくお気持ちがあるのかないのか。これは、業者の協力なくしてはできないわけでありますから、少なくともメーカー側も、日立でもカラーテレビが出されておるわけでありますが、将来の問題として、いまは問題がないとしても、必ず問題が出るという指摘も学者からあるわけでありますから、そういう問題について、全体の業界が協力をして、アメリカ並みの厳しい状態にすることについての御意見を承りたい。
  147. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 先ほど公益事業部長が詳しく答弁をいたしましたように、わが国のカラーテレビの規格は、アメリカを除く国際規格には合致しておる、ただしかし、アメリカとは違う、こういうことを申し上げましたが、御指摘のように事実があることは、これはもう業界でもまた通産省でも承知しておりますので、さらに早急に検討いたしまして、研究を重ねていきたい、こういうふうに思います。まだ、アメリカ並みの規格にするかどうかについては、結論は出ておりませんが、至急にさらに研究を進めていく、こういうことに取り計らいたいと思います。
  148. 吉山博吉

    ○吉山参考人 ただいまの問題は、非常に私も関心を持っておる問題でございます。アメリカとIEC――日本もIECの規格でやっておるわけなんですが、規格の数字そのものは変わらないで、検査の条件と申しますか、それが違うということのように承知しております。  その条件をなぜ変えるかという問題につきましては、これは私も確認はしておりませんが、アメリカのサービス修理技術者は、日本と違いまして、日本は国家認定制度がございますのですが、アメリカはそれがございませんので、テレビの裏のとびらをあけて中をいじくるということについてのさらに厳しい条件のもとに、検査が行われているというふうに聞いております。日本の場合には、これが国家認定制度がございますので、そこまでは条件に入っておらないというのが現状かと存じます。  ただ、いま御質問にございましたように、今後、将来かくあるべしという、有識者の何かそういうような会合というようなものがございますときには、工業会といたしましてもよく協力いたしまして、その議論に十分お答えする、あるいは御相談に応ずるという態度で進みたいというふうに考えております。
  149. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 やはりこのエックス線というのは大変重要な問題だし、子孫に影響を与える問題であります。厳しければ厳しいほどいいわけであります。いま業界の代表からもお話がありましたが、自動車の排ガス規制と同じように、業者の方の都合でそういう電取の改正がおくれるということのないように、通産省自体、業者の方も協力するというのでありますから、積極的に、少なくともいま家庭にあるカラーテレビを、画面がちらついておるときにサーベーメーターを持っていってはかれば、五ミリレントゲン以上のものが出ておるということを私たちは想像するわけでありますから、そういう点も直ちに調査をしていただきたいということを、敷衍して申し上げておきたいと思います。  最後になりましたが、この前の一般質問で、私は、電気冷蔵庫の節電問題に絡みまして、業者の方にも言い分があるようでありますが、従来の直接冷却方式から比べて、間接冷却方式は節電にはなっておらぬということを申し上げたわけでありますが、こうしたことに対しましても、私は、消費者に対しての不信感を増すものである、省エネルギーに反するものだと思うわけでありますが、もう時間がありませんから、後は、法務大臣御出席でありますので、田中委員の方から関連質問があるそうでありますから、指摘だけ申し上げて、後は関連質問に譲ります。
  150. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。  次に、田中武夫君。
  151. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まず、松浦君が先日指摘いたしました問題につきましてお伺いしたいのですが、実は、電機工業会の会長さんには、質問はございませんが、しばらくだけおつき合いを願いたいと思います。  もう重ねて申しません。当日は、法務大臣はいらっしゃらなかったが、公取委員長はあの質疑応答を十分御承知であります。したがいまして、その点について一言だけ、まず御質問を申し上げます。  先日の松浦委員の質問は、いわゆる節電タイプ、こういう広告、いろいろそういう説明を書いたところのカタログ等を振りまいている。ところが、実際はそうでなくて電気をよけい食っておる、そういうような問題を指摘したわけであります。そのときに、私は公正取引委員長に、これは虚偽表示、誇大広告の最たるものである、このように申し上げたわけであります。  そこでまず公取委員長に。そのこと自体は不公正取引というか、そして不当景品類及び不当表示防止法の違反である、いろいろ法律的な問題については、ここに私、条文等を書いてきておりますが、もう飛び越えて申しますけれども、結局は、独禁法二十五条の損害賠償に値するものである、このように考えます。したがいまして、その点について、これは不当景品類の条文さらに排除命令等々を申し上げて、結局は、独禁法二十五条による損害賠償と、こういきたいのですが、もう時間の関係で、そういうことを申しませんが、それに値するものである、このように思うわけであります。  それから、法務大臣はいらっしゃらなかったが、もうお聞きと思いますが、そういうように虚偽の表示あるいは誇大広告等をして消費者を惑わす、そして物品を売りつける、こういう行為自体は、私は、刑法二百四十六条の詐欺罪に当たるのじゃないか。もう御承知のように、詐欺罪の構成要件は「人ヲ欺罔シテ財物ヲ」云々とあります。その点について、これはいろいろ手続がございましょう。だが、それに値する、こういうように思いますから、法務大臣、公取委員長から、それぞれ結論だけをお伺いいたします。
  152. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 不当表示を排除命令の対象とするかどうか、これは私はいまここではお答えできません。これはもう委員会の決定事項でございますから、事前に私がその見解を申し述べることは禁止されております。  一般論としては、非常に悪質なものは排除命令の対象とする。この前、私、年次報告で申しましたけれども、無慮数百件のものが不当表示でもって扱われており、そのうち排除措置を受けたものは三十件に満ちません。ですから、あらゆる不当表示がすべて排除措置の対象になっているとは言えないのであります。それが悪質であるかどうかということの認定にかかっております。したがいまして、現在の法律ですと、その審決が確定した上でなければ、二十五条の無過失損害賠償責任の対象となりません。
  153. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 虚偽の広告、誇大広告は詐欺罪が構成されるかということですが、全然虚偽のもの、そんなのにだまされるということはあるだろうか、疑問でございますがね。それから、半分虚偽のものには、これはひっかかるかもしれませんね。一般論として、二百四十六条の構成要件に該当する場合もあり得ると思いますね。そういう場合はもちろん詐欺罪が成立し、そういうことになれば、七百九条の不法行為に基づく民法上の損害賠償請求もできるんでしょうが、事は、犯罪になるかどうかということは、人権に関する重要な問題ですから――あなた質問が上手だから、私のめり込んで賛成だと言いたくなりますけれども、これは、事は重要でございますから、その道の専門家であります刑事局長から、しかとした答弁を聞いて――そうしないとぼくは困るもの、後で責任を負えないもの。頼みます。
  154. 田中武夫

    ○田中(武)委員 公取委員長、私はいろいろな手続はあろうがと言っておるのです。しかし、独禁法による損害賠償の対象になり得ることもあるんではなかろうか、こういう意味なんです。だから、ないと断言をせられると、私はそれだけで時間を相当費やさねばなりません。しかし、私の本番はこれではございませんので、持ち時間はわずか三十分ですから、議論はいたしません。  重ねて、そういう場合もあり得るかどうか。その手続等はいいですよ。あり得ると思うのですが、その点どうですか。
  155. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 排除措置に該当するものとして審決が確定した後は、あり得るということです。それは条文のとおりでございますけれども、しかし、その排除措置に該当するかどうかについては、私はいまお答えできません、こう申し上げているのです。
  156. 田中武夫

    ○田中(武)委員 意味はわかりました。あなたがすぐここで、いろいろな手続を省略して、あり得るということを言えないこともわかります。したがいまして、私はそういうこともあり得るという上に立っておる、これだけ申し上げておきます。
  157. 稻葉修

    ○稻葉国務大臣 田中さん、ちょっとお願いしたいのですが、私のは素人の答弁ですからね、事は犯罪の構成に関することですから、国民の権利に重大な影響を及ぼしますから、専門家である刑事局長の法律論的なしかとした答弁を聞いて、そして責任は私が負いますから、お願いします。
  158. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この問題はもう結構です、次に聞く時間の関係がございますので。  そこで電機工業会の吉山参考人ですか、どうぞお帰り願って結構です。
  159. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 吉山参考人には、御多用中のところ御出席いただき、まことにありがとうございました。御退席を願って結構でございます。
  160. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私はひとつ具体的な歩積み両建てというか、拘束預金の問題についてお伺いをいたします。これも時間の関係がございますので、一問一答のつもりでございましたが、まずかためて申し上げます。  実は私も総括質問のところでちょっと申し上げたわけでございますが、きょうははっきりと申し上げます。その対象は播州信用金庫でございます。  そこで、去る一月三十一日、公明党の矢野委員の質問に対し、銀行局長は、その議事録の写しも持ってきておりますが、まず一番悪質というか、そういう両建て問題について、「即時両建て預金、これは絶対にいけない。」このように答弁をしておられます。ところが、ここに私その動かざる証拠を持っております。それは、当時もちょっと申し上げましたが、二百五十万円借りたいから、私に連帯保証人になってほしい、なってあげましょう、そういうことで、このとおり私の実印まで押したものを一たんつくりました。ところが、金額が三百五十万円になっておった。二百五十万円でなぜ三百五十万円か、こう言ったところ、債務者、いわゆる借り入れようとする人は、実は預金がないと貸してもらえないんだ。そこで、金額は三百五十万円になっておりますが、百万円は預金せねばならないことになっております、そういうことを言ったのです。まさに即時両建てであります。しかもこの金銭消費貸借証書、これには債務者、連帯保証人二人、全部の判を押す。そしてここに捨て印を押してくれと書いてある。そして金額は三百五十万円、そして弁済期限、白紙でございます。支払い方法については、これはたしか十月だったと思うのですが、四十九年十一月を第一回とし、以後毎月七万円ずつ、こう書いてあって、利率も白紙です。そして保証約定書、さらに信用金庫取引約定書、白紙委任状、その他の一件書類であります。  そのことを私がちょっと先日の総括質問で触れたら、いろいろとあっちこっちに弁解をして回ったようであります。それは実は借用主が、これは店舗の改装用だ、こういうことなんです。二百五十万円では足らぬので三百五十万円にしておこうじゃないか、こうう言った、こういうように言っております。しかも、大蔵大臣、あなたの部下である銀行局のある担当課長までが、そういうことであるのでということで、私に会いたい、会いたいと何回か言ってきた。そんな間はない。ところが追っかけ回す。面会を強要することは軽犯罪法違反であります。ところが、ともかくちょっと会いました。そうしたら、その信用金庫の言うままの弁解を私にしたわけであります。本当にそうであるならば――債務者は私の知人です。もう債務者じゃありません。借り入れを申し入れたんです。何なら対決させます。なぜそれならば双方の意見を聞いて言わないのか、信用金庫だけの言い分を聞いて、私にそういうことでございますのでと言うこと自体は、これを企業と言うかどうか別といたしまして、企業と行政の癒着である、そういうことも言えると思います。大蔵大臣、これをひとつお見せします。これを見て、次に小原参考人にも銀行局長にも見せてください。捨て印を押さして、そうして利率も何も書いてない、金額は二百五十万円に対して三百五十万円と書いておる。多分、信用金庫協会会長の小原さんの方へもそのようなことを言っておると思いますが、真っ赤な偽りであります。しかも、この播州信用金庫は、昨年国会でも何回か問題になった札つきであります。こういうことに対して、まずどのようにお考えになりますか。大蔵大臣と小原参考人に御所見を承ります。
  161. 大平正芳

    ○大平国務大臣 歩積み両建て、いわゆる拘束性の預金解消の問題につきましては、御案内のように、銀行行政を通じて、また検査行政を通じまして、厳しく改善方を指導いたしておるわけでございます。幸いにいたしまして、各金融機関を通じまして、徐々に改善の形跡が見えてまいりましたことは、大変われわれとしても歓迎をいたしておるところでございます。しかし、いまなおこの痕跡が絶たないということになっておりますことは、大変残念でございまして、なお一層努力してまいるつもりでございます。  いまお尋ねの具体的な案件につきまして、信用金庫側の事情を聴取するだけにとどめておる、借り入れ予定者側の言い分も聞くべきではないかという御意見、ごもっともでございます。そのように心がけてまいるべきであると私も考えるものでございまして、今後この種の問題につきましては、一層指導の強化、充実に努めてまいるつもりでございます。
  162. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  信用金庫といたしましても、歩積み両建てというふうなことは、これはやっちゃいかぬということを、もう厳しく私どもも指導しておるわけなんです。ところが昨年、いま御質問いただきました播州信用金庫でございまするが、あそこでもって両建て歩積みがあったということで、私も厳しく昨年もやかましく言ったわけなんでございまして、もう今後再びこういうことのないようにということをあそこの役席の人たちにも誓わせたんでございます。にもかかわらず、今回そういったようなお話を承って、きょう大蔵省の方から、田中先生の方からこういうふうなお話があったということを伺って、まことに私も残念に思っておるわけでございます。  先ほどお話のございましたように、この歩積み両建てというものは、ことに中小企業金融をやっておりまする信用金庫の立場からいきまするならば、私も信用金庫の仕事を五十何年やっておりまするが、戦前はこの両建て歩積みというようなものは全然なかったのでございます。金を借りに参りまする人がありまするならば、その人に預金があれば、その預金をまず全部下げて、足りない分だけを貸すというのが、その金融機関のあり方でございます。それがいつの間にか両建て歩積みというふうなおかしな悪い風習ができてしまったんで、これもまことに残念に思っておりまするが、この面につきましては、私も、今後業界の人たちにも十分ひとつ注意してもらうように厳重にお話を申し上げるとともに、先ほどお話のございました問題につきましては、場合によりましては、私ども播州へ参りまして、金庫の方からはまだ何も聞きませんが、その御利用になろうというふうな方に会いまして、またいろいろとお話を伺って、それでもって詳細わかりましたところで、田中先生にまたお答えを申し上げたい、こう存ずる次第でございます。よろしくどうぞ。
  163. 田中武夫

    ○田中(武)委員 「信用金庫便覧 大蔵省銀行局内信用金庫研究会編」という、こういうのがあります。そのうちで、歩積み両建ての問題で、これだけのページをさいております。銀行局長あるいは大蔵大臣等々から、何回かにわたる通達というか、その他いろいろなものが出ておるわけです。一向に直らない。しかも、これは単に播州信用金庫だけではございません。たまたま私がそういう知人関係にあるために私が保証人をする。これは私の実印が押してあるわけです。そして後でずっと読んでみると、これは、ということで、だんだん腹が立ってきた。二百五十万円ぐらい借りるのにこんなことをしなくてもおれが都合してやる、そういうことでやりました。これに捨て印まで押すようにしてあって、しかも、そのほかにも鉛筆で丸を入れて、ここ、ここに判を押せ、これは全部結局は盲判です。証書に利率、弁済期限の書いてないようなものがありますか。  時間の関係で、私はゆっくりできませんから続けて申しますが、この中でも、やはり即時両建てについては何回か通達等が出ております。信用金庫法の第一条、一々条文は読みませんが、これは「国民大衆のために金融の円滑を図り」云々と始まっておるわけです。しかも、これは単なる企業でなくて、株式会社でなくて、信用金庫それ自体が協同組合というか、協同精神の上に立ってのものである。「協同組織による信用金庫の制度を確立し」と、そのように協同組織ということが書いてあります。大体こういうことで、信用金庫自体の本当の役割りが果たせるのかどうか。金庫法の九十一条には役員に対する罰則がある。その二十項に銀行法二十三条に違反したる場合云々とあるわけです。この銀行法二十三条は、何回かここで私が歴代大蔵大臣ともやり合いました。いわゆる命令またはそういう令等も含めて違反したる場合、業務の停止、役員の改任あるいは免許の取り消し等々ができるという意味の、銀行法二十三条の規定であります。ここで罰則を適用せいといっても、わずか一万円やそこらの罰金なんです。  こういうような状態であるならば、信用金庫は、小原さん、あなた会長だが、一番悪いですよ。(「相互銀行も悪いやな、金庫も悪いけれども。まあ一つばかりきつく停止させるんだな。一罰百戒でやらなければだめだ」と呼ぶ者あり)だからひとつはっきりとしていただきたい。いま場外発言として――場外ではない、場内ですけれども(「不規則発言だ」とと呼ぶ者あり)不規則じゃない、私は認めます。一罰百戒という意味において、信用金庫のうち、この播信はひとつ免許の取り消しでもしたらどうか、こう思っております。(「五日間の営業停止だ」と呼ぶ者あり)営業停止もいいと思います。  しかも大蔵大臣、あなたの部下が、一遍話を聞いてくれと、しかも信用金庫側の言い分だけを持ってくること自体がおかしい。  そこで、時間の関係もあるから結論に入ります。私は、業務の停止あるいは免許の取り消し等を求めたいと思いますが、さしあたり、大蔵大臣、播州信用金庫に対して、今後こういうことは一切いたしません、こういう意味の確約書ないし誓約書を取ってもらいたい。そうして、その写しを私にいただきたい。何ならこの委員会へ出してもらっても結構です。そういうことを一つ提案をいたします。  さらに、小原参考人にも同じように、何らかの方法によって、今後一切やりません、そういうことが裏づけられるような、これまた誓約書でもいい、何らかの方法をとっていただきたい。  さらに、公取委員長に対しましては、これは明らかなる地位利用の不公正取引であり、したがって、さきにこういうことで警告も出しておられます。これは明らかに地位利用の不公正取引であり、すでに公正取引委員会としても、協会長あてに警告を出しておられる問題です。ひとつ公取の立場からもこれを調査し、何らかの方法をとっていただきたい。  このことを申し上げて、大蔵大臣、公取委員長、小原参考人から、それぞれの御意見を簡単に伺いたいと思います。
  164. 大平正芳

    ○大平国務大臣 播州信用金庫に対して誓約書を取る考えはないかという御質疑でございます。  御案内のように、私どもの信金行政は、財務局を通じて行使いたしておるわけでございます。役所といたしましては、財務局に一般的な通牒をいたしまして、具体的な行政は地方部局をしてやらせているわけでございますが、本件につきまして、管轄の部局等の事情によりまして、事実をよく検討させて、拘束性預金解消の方向に役立つように、しかるべき措置をとらせていただきたいと思います。
  165. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 歩積み両建てについての実際上の取り締まり、これは能力の問題もありますし、あるいはまた銀行その他、皆すべて特別法による特別な監督を受けている免許事業でございますので、大蔵省によって措置されるように、従来図ってまいりました。しかし、具体的にそういう事実が申告された場合は、私の方としても、それ相応の善処をいたすように考えます。だが、これはきわめてまれな事件でございまして、まあ年に一件か二件しか申告がございません。つまりそれだけ借りる方が弱いということです。申し出をすれば、今度は貸さなくなるという、取引停止を受けますから、したがってなかなか申告がない。しかしいま、たまたま明白な名前を挙げて、それは私どもとして一つの申告としていただきまして、善処をするようにいたします。
  166. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 この播州信用金庫には、私からも厳重にやかましく注意をいたします。そしてよく調べまして、その結果につきまして向こうから回答させました上、先生の方へ御報告したいと思います。
  167. 田中武夫

    ○田中(武)委員 大蔵大臣、誓約書ないし確約書は取らないのですか、取るのですか。取るかとらぬか、取れないのか。取らないとするなら、理由を挙げてください。  それから公取委員長、これは明らかなる不公正取引である。したがって独禁法二十条による行為であると私は考えております。したがって、独禁法二十条による当該行為の禁止を命ずるような手続ないし措置をとっていただきたい。  それから、小原参考人は実情を聞いてということですが、実情をお聞きになること、結構です。  それから委員長にお願いしておきますが、これは私の知人ですが、ここへ呼んで播州信用金庫の理事長と対決させてもよろしい。(「そんな場所ではない、ここは」と呼ぶ者あり)場所ではないという発言があるが、いわゆる社会的公正の中でも一つの問題点であります。しかもはっきりとした証拠を握った問題であります。そのことについて委員長から、私の質問の最後にひとつ言っていただいたら結構かと思います。しかも信用金庫は、先ほど言ったように協同組織による制度であって、単なる銀行等とはその性格を異にいたします。したがって公共性が優先すべきである。このような状態であるならば、その協同組織という精神は全くない、したがって根本的に考える必要がある。  もう一度伺います。イエスかノーか、取るのか取らないのか。小原参考人、公取委員長、もちろん大蔵大臣、イエスかノーかだけをお伺いいたしまして、時間の関係で、私の質問は終わります。
  168. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 田中武夫君に申し上げますが、ただいまのは、委員長の方から先に一言申し上げましょうか。それでよろしゅうございますか。――それでは田中武夫君に申し上げます。  ただいまの御発言の件でございますが、いかが取り扱うか、取り扱いを含めて、理事会において協議をいたしたいと存じます。よろしゅうございますか。
  169. 田中武夫

    ○田中(武)委員 大蔵大臣、イエスかノーか、取るのか取らないのか。(発言する者あり)
  170. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 田中武夫君に再び申し上げます。  先ほど委員長から申し上げましたように、取り扱いを含めて、いかが取り扱うかを理事会で検討させていただきたいと思います。
  171. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうじゃありませんよ。私があなたに言ったのは、対決さすかどうかということです。これは、二十一日の集中審議の場があります、そのときに対決させてもよろしい。それまでにイエスかノーか、これを決める必要があります。大蔵大臣、あなたができなければ、銀行局長、ひとつはっきりとしてください。小原参考人もまた同じであります。
  172. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 田中武夫君に申し上げます。  それでは、ただいまから大蔵大臣に答弁をもう一遍求めまして、その後に再び委員長から同じ趣旨の発言をさせていただこうと思います。大蔵大臣。
  173. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いや、公取委員長、全部一言ずつ、イエスかノーか。
  174. 大平正芳

    ○大平国務大臣 財務局長をしててんまつを明らかにせしめて、今後を戒める手順をとらせます。
  175. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 ただいま私はこの情報を受け取ったわけであります。即時、私はどうするということはお答えをできませんが、しかるべき措置を委員会において検討する、こう申し上げております。
  176. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 ただいま信用金庫が一番悪いんだというようなお話でございますが、それは播州信用金庫の行為は確かに私は悪いというふうに思っております。しかし信用金庫全般が悪いと言われると、まことに私ども遺憾に存じますので、よろしくお願いします。  それから、ただいまのお話でございますが、実際を調べまして、私は場合によったら播州へ行こうと思っているくらいなんですから、調べた上、どうかということをお答え申し上げたい。先ほど申し上げたとおりでございますから、よろしくどうぞお願いいたします。
  177. 田中武夫

    ○田中(武)委員 じゃもう一遍、委員長。
  178. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 田中委員に申し上げます。  先ほどの田中委員から委員長への申し出につきましては、いかが取り扱うか、取り扱いを含めて理事会で協議いたすことにいたします。
  179. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃ、ちょっと時間を食い込みましたが、最後に一言、二十一日の集中審議の場で双方を対決せしめるということをも考えておるということだけを申し上げておきます。
  180. 谷川和穗

    ○谷川委員長代理 これにて田中君の質疑は終了いたしました。  次に、小林進君。
  181. 小林進

    ○小林(進)委員 私に与えられた時間はわずかでございますから、簡単に事実関係だけ申し述べますから、それでイエスかノーかだけお答え願いたいと思います。  まず第一番目に、金融機関の、大商社、中小企業、個人に対する関係での不公平の問題について、事実を申し述べます。  第一番目には、都銀の四十九年九月における半期間の総利益額を申し述べますから、事実なら、ひとつ事実とお答え願いたいと思います。すなわち、十三行の四十九年九月期の経常利益は、前三月期に比較して五一・一%の増収である。細かく言いますと、第一勧銀が三百四十三億円、富士が三百九億円、住友が三百四十四億円、三菱が三百三十億円、三和が二百八十七億円、東海が百九十二億円、太陽神戸が二百二億円、三井が二百十三億円、大和が百四十八億円、協和が百六十五億円、埼玉が百二十二億円、北海道拓殖が八十八億円、東京が二百五億円、合計二千九百四十九億円の巨大な利益を上げているが、これは事実であると存じますが、事実なら事実というふうにお答え願いたいと思います。
  182. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  ただいまの小林先生のお挙げになりました数字は事実でございます。
  183. 小林進

    ○小林(進)委員 都市銀行における預金の残高と総貸し出しの残高についてお伺いいたしますけれども、主要な貸付資金の源泉である預金の残高に占める個人の比率であります、これは三五・三%、一般の法人が五二・四%、もちろん金融機関には公共団体の法人を除きます。定期預金に至っては個人が四七・六%、法人が四六・七%、これは、四十九年九月末の調査でありまして、預金の比率であります。これに対して資金運用面、総貸し出しの残高における構成比を申し上げますと、資本金一億円以下の法人、一応これを、あなたも先ほどおっしゃいました中小企業者と見て、その貸し出しが二七・六%、個人の比率がわずかに七・一%、両者を合計して三四・七%、これに対して総貸出残高に占める、これは割賦返済方式、いわゆる消費者の信用だとかあるいは住宅信用、特に勤労者、中小企業者にとって住宅問題は重大でありますが、その方の貸し出しの比率はわずかに四・四%、これは四十九年の九月でございます。さらにその中の住宅分の貸し出しの総額は、いわゆる割賦ですよ、三・七%である。これは一体間違いないかどうか。いわば都市銀行の大衆化が叫ばれているけれども、預金の構成における個人の地位が非常に高いのに反して、資金運用面、すなわち借り入れる面においては、個人の比重と中小企業の比重はきわめて低い。私の申し上げたこの数字を、あなたは率直にお認めになるかどうか。言いかえれば、都銀の貸し出しの七割から八割近くが大企業融資に振り向けられている。さらに金融債の保有、株式の保有、事業債の消化などを通じての長期信用金庫による大企業への長期貸し付けを含めると、都銀の大企業に対する信用供与、資金援助は実に莫大なものだ。比率にしたら恐らく八、九割までいっているのではないかと思われるが、この点はいかがでございましょうか。時間がありませんから、ひとつイエスかノーかでお聞かせ願いたいと思います。
  184. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  ただいまいろいろ数字をお挙げになりましたけれども、私手元に持っておりませんけれども、総預金の中に占めます個人の預金が三五・幾つ、これはそのとおりだ。私も大体三五%というふうに承知いたしております。その他の数字につきましても、都市銀行は、どっちかと申しますと大企業とのつながりが深うございますから、先生のお話のとおりである。  ただ私が申し上げたいと思いますのは、中小、個人に対します貸し出しは、総貸し出しの中に占めますシェアがこのところ非常にふえておりまして、大体四〇%にまで達しておりますことだけ御報告申し上げておきたいと思います。
  185. 小林進

    ○小林(進)委員 先ほどもあなたがそういうことをおっしゃった。その中小企業の範疇を一体どんなぐあいにおとりになっているのか知りませんが、私の言うのは昭和四十九年の九月の計算で、しかも資本金一億円以下の法人、私どもはこれを一応中小企業の比率と見ている、これが二七・六%、個人の比率が七・一%、合計三四・七%だ。その中でも特に個人を拾っていくと、個人の消費者の信用、いわゆる割賦返済方式に基づく消費者の信用貸し付けはわずかに四・四%だ、住宅分に至っては三・七%と、私は確実な数字で申し上げておるのでございますから、これは後でひとつ数字を突き合わして、責任がありますから、あなたが議論してください。あなたの四〇%はばかにさわりがいいが、だんだん追い詰めていくと、本当の個人の住宅や消費信用に対しては全く微々たるもので、預金から見れば、貸し出しの方は問題にならないくらい地位が低いということを私は申し上げたのでございます。大体私の結論は間違いないようでございますが、これはもしなんだったら、後で突き合わしてもよろしいと思います。  次に、私は、これも銀行の実態をお尋ねする意味でお聞きするのでございますが、企業集団としての銀行の地位であります。これはいままでいられた公取委員長の発表になった最近の調査報告によりますと、三菱、三井、住友、芙蓉・富士、第一勧銀、三和の六大銀行を中心とする企業集団の地位は、それぞれ社長会のメンバーにおいて全産業の資本金の二一・九%、総資産の二二・九%を占め、持ち株の比率が一〇%以上の企業を合計すると、総資本金の四一%、総資産の三〇・九%を占め、産業への支配力が圧倒的に強いということを示している。すなわち、これは計数的にですよ、数字の上で、数字はごまかされないのだ、計数的には大企業のための銀行である、大企業のための都市銀行である、こういう機能を明らかにしているのみならず、企業集団の中核として、株式の保有、人的の結合、それから融資の面、この三つの面から見ても、その都市銀行の地位は非常に高く確立しているということであります。これは公取の発表でありますが、こういう形を、大蔵大臣は率直にこれもお認めにならなくちゃならぬ、これは事実ですから。これに対してどうお考えになりますか、ちょっと大蔵大臣のお考えを聞いておきたいと思うのであります。
  186. 大平正芳

    ○大平国務大臣 昔、財閥がございましたが、この財閥は、結局財閥ファミリーの所有が確立しておったわけでございまして、今日の場合におきましては、多数の大衆株主によって企業が所有されておる。そういう企業がまた他の企業の株を所有しておるという姿において、今日の経済組織ができ上がっているように思うのでございまして、昔の財閥のそれとは、性格が根本的に違うというように考えられるのでございます。  第二に、おとといもこの席で問題になりましたように、株式の持ち合いということが支配に通ずるかどうかということが議論になったわけでございますが、日本の慣行といたしまして、安定株主を確保しておきたいということも、あながち退けるわけにはいかないのではないかと私は考えておるわけでございます。しかし、この企業集団がセクト主義に陥りまして、経済界全体の利益でなくてセクトの利益を追求するというようなことになりますと、これは確かに問題性をはらんでくると思うのでございまして、経済行政におきましては、そういった点については十分戒めてかからなければならぬと考えております。
  187. 小林進

    ○小林(進)委員 時間がないのですから、私の聞いたことにだけ答えるように、ひとつ委員長から注意してくださいよ。  それで、いまのによりますと、いわゆる十大商社、全部系列の都市銀行を持っておりますよ。この都市銀行と十大商社の、いわゆる企業集団です。その中核にいるのが都市銀行だ。その都市銀行と十大商社だけで、東京の第一上場株、これは八百七つですか、上場株のうちの六〇%以上をお持ちになっている。これは全部野放しです。だから、このままの形でいけば、第一上場株のいまの六〇%を、この企業集団で八〇%も九〇%も、やろうと思えば何でもやれる。そんなになったら、いわゆる自由競争とか自由主義とか資本主義なんてものは事実上停止して、全く形の変わった新たな一つの経済体制ができ上がらなければならない、いまそういう直前にある。だから、いいですか、あなた、余分なことは言わなくていいですよ。その十三の都市銀行といわゆる十大商社だけで、東京の第一部上場株の六〇%以上を持っているという事実を、あなたはお認めになるかどうか、これは都市銀行の会長さんでもよろしい、これをお認めになりますかどうか。私はこれは確実な数字を持っていますよ。時間がないから、言ってみてください。
  188. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 いまの六〇%以上持っているというお話が、私にはよくのみ込めませんのでございますが、銀行だけの立場で申してみますと、御承知のように、最高一つの銘柄一〇%までしか持てません。しかし、金融機関が、各企業の一位から三位、上位の株主に名前を出しております企業は非常に多うございます。それが今回も独禁法を改正しようという契機になっておる、こう思うのでございます。実際問題といたしまして、東京、名古屋、大阪と、この三つの証券市場に上場されております、大体千七百銘柄足らずでございますが、その中で金融機関が一位から三位までに顔を出しております企業は、銘柄で約千社ございます。ただ、その中で信託とかそういったものはそれぞれ持ち方が違いますので、都市銀行だけについて見ますと、約七百七十社くらいございましたと思います。ただ、いま問題は、五%以上のシェアということでございますから、五%以上シェアを持って、そうして一位から三位の中に都市銀行が顔を出しております銘柄、これはたしか四百四十七銘柄でございます。そこで、それだけ見ますと、何か銀行が……(小林一進)委員「それはよろしい、事実だけお聞かせいただければいいです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。それじゃ、また御質問に応じまして……。
  189. 小林進

    ○小林(進)委員 私は、いわゆる銀行の企業支配、経済支配を、形の上で、数字の上でさえ見せていただければよろしいのでありまして、理論は別だ。  次に、私は銀行の大衆化についてお尋ねいたします。  都市銀行は、四十年代に入ってから銀行の大衆化ということを大変強く言われるようになりましたが、一体この銀行の大衆化というのは何か。私の調査によれば、これは資金を吸収する面だ、大衆の資金を吸収するためのいわゆる銀行の大衆化である。そのためには大蔵省と結託して、結託してと言っては悪いかもしれません、許可を得て、一生懸命店舗の増強に力を入れる、大衆の出納機関としての機能を発揮するためのいろいろな処置を講ずる、あるいは大衆の貯金についても、漸次若干高利水準の預金を創設する、あるいは給料の銀行振込制を用いる、あるいは公共料金やクレジットカード等による購入代金の振りかえを行う、それは若干便利だ。やはり労働金庫なんかではやれない地域的な便利を少しずつ与えながら、一生懸命に大衆の金を吸収するための大衆化はおやりになった、若干の便利はある。しかし、一方、これを直ちに資金を供与する面、貸し出しをする面において一体大衆化をしたかといえば、残念ながら私の統計には出てこない、研究には出てこない。昭和四十六年から四十八年の、いわゆる金融の超緩慢の時期における資金吸収面の大衆化が急速に進んだ、このときには若干お出しになりました。しかし、その反面、個人向けの  これは法人に非常にたくさん緩和して、これはわが日本の政治の最大の失敗だ、インフレをつくった張本人の時代なんでありますが、この時代は法人に非常に貸し出しをしたが、個人向けの資金も若干お出しになったのだが、これは日本銀行の四十八年度の資金循環などにおいて、資金調達が法人の企業には十六兆六百六十六億円、前年比、前年は十九兆二千八百六十六億円でありますから、これは法人の方の産業資金調達が少し落ちている。しかし、個人部門は六兆四千七百三十七億円から四十八年は八兆一千八百八億円にと少し上がっている。あなたはこれを言われるだろうと思うけれども、しかし総貸出量だ、総貸出残高に占める消費者の信用貸し付けあるいは住宅信用の都市銀行総貸出残高に占める比率はわずかに三・八%だ、消費信用あるいは住宅貸し出しはわずかに三・八%だ。これはスズメの涙です。これは言葉では銀行の大衆化を言われているけれども、実際にはこの貸出金額の残高表で明らかなごとく、いわゆる銀行の大衆化は預金を集めるための大衆化であって、貸し出しの方にはちっとも大衆化されないと、私はこの計数の上で判断をするのであります。いかがでございましょう、この数字をお認めになるかどうか。理屈は、もう時間がありませんから要りません。ほんのイエスかノーかでよろしゅうございます。
  190. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  簡単にしかお答えできませんので、大変残念でございますが、確かに大衆化ということを考えました。しかし、それは先生のおっしゃるとおりのことを私どもは考えたわけではございません。やはり私どもは大衆福祉、国民の福祉という点を考えて、大衆化運動を起こしたわけでございます。
  191. 小林進

    ○小林(進)委員 わかりました。それは理論をやるのではない、私は数字を申し上げて、私の言う数字がうそか本当かさえ証明していただければよろしいのでございますから、それは理屈は別だ。  かくのごとく、私がいままで挙げました二、三の例で、いわゆる都市銀行は大企業のための非常に偏ったあり方であるということを、若干私は事実で示したつもりでおります。  次にインフレであります。インフレの製造に対して、一体都市銀行に責任があるかないかという次の問題に私は移りたいと思うのでございますが、大企業の土地や株式投資に都市銀行が非常に大きな役割りを演じておられるということを私はお尋ねしたい。  先ほども言ったように、四十七年から四十八年の前半にかけて、若干の不況の時期がございました。低金利傾向の中で、企業への銀行の貸し出しが、この不況時、毎月のように記録を更新していった。不景気のときですから、実態面において投資を誘発するような要因がこのときにはなかったのだ。にもかかわらず、都市銀行の貸し出しが毎月新記録をつくっていった。それだけこの貸し出しの方針がインフレにつながってきたわけであります。すなわち、企業は借り入れた資金を、これは設備投資や生産拡張のために使用する事情がなかったのだから、実際みんな不景気で。だからもっぱら銀行が貸してくれたその金を、株式やいわゆる土地投機に全部投資をした、支出をした。これが株価や地価の騰貴を一層激しくして、こうして未曾有のインフレをつくり上げる根幹をなした。この場合、資本が過剰で、企業は明らかに設備投資の意欲を持っていない。繰り返し言いますが、企業は明らかに設備投資の意欲を持っていないにもかかわらず、銀行が一体何ゆえに大企業や商社に資金を供給したのかということなんだ。これが過剰流動性を生んだんだ。これは企業に言わせれば、銀行同士やはり事業を拡張する、貸し出し競争をする、いろいろの内部事情があったのでございまするけれども、これがインフレをつくり上げた大きな事情です。しかし根本は銀行じゃないのですよ。政府が悪いのですよ。それはもちろん大蔵省も悪ければ、とんでもない政府の、それはいわゆるドルに対する再引き上げを恐れて、ともかく金融緩慢にして、出せ出せとやったのだ。一番元凶は政府が悪いのですけれども、それに便乗して、こういういわゆるインフレを、都市銀行が中心でつくり上げた、これが一つです。  いま一つ私は申し上げますけれども、これはコール資金です。不思議に、いまコール資金はこれを質問していると時間がありませんから、駆け足で申し上げますが、恐らく四兆円か五兆円ほどでございましょうか。四兆円でも五兆円でもいいです。この金利は恐らく平均して一カ月一割三分七厘五毛か、一三・五二五か二七五くらいか、その辺くらいでございましょう。いずれにしても一割三分から一割四分の間、これくらい高い金利を、コールの金利を払って都市銀行はどんどんお金になって、そしてこれを貸し出していられるわけです。その貸し出しの金利は九・二、三%か五%程度でしょう。大体四%から五%も開きのある、これぐらいの高い金を借りてきて、安く大企業やその他に貸して、一体どうしてそろばんが合うのかね、銀行は。これは不思議でたまらない。しかし、これをだんだん追い詰めていくと、これは今日の悪性インフレをつくったことにつながってくるのですよ。ということは、皆さん方は、いわゆる金融機関は、そういう高い金を借りてきて、あなた方の理屈を聞くと、いや、それは普通一般預金なんか五・五%か四分二厘くらいだから、それをプールにするというと、九分か九分五厘で貸してやってもそろばんは合うのだとおっしゃるけれども、この高い金を借りてきて、九分なら九分で貸す。その貸した金がすぐ銀行預金になるのですよ。預金になって、今度は信用提供で、小切手を切ったり何かで、その金が今度は小切手や何でどんどん泳いでいくのだ。だから、コールの金が正しくその企業に借りられていって、現金の授受があればいいけれども、その金がすぐ企業から銀行へ預金の形で預け入れられていく。それで小切手を切って、それをおろしていく。ですから信用膨張です、信用供与です。  たとえばコールの金を一兆円借りたとすると、それが小切手になったり、何かに化けてしまって、三倍も五倍も大きく信用供与でこれが流れていく、そういう(小山(長)委員「それは違うよ」と呼ぶ)いや、間があるのだから。これは小山さんは昔の古い三菱銀行の銀行マンだから、近代の新しい金融の信用供与のあり方はわからないのですけれどもね。こういう形でいわゆるインフレが高まっていった。だから、インフレを高めたものは、銀行の過剰流動性とコール資金に基づくいわゆる資金の膨張、これ二つが、政府の誤った施策とともに、一億国民にこれほどの苦しみを与えているインフレのもとをなしたと判断するが、これは銀行の立場で言い分はありましょうけれども、大蔵大臣、どうですか、私のこの主張、神にかけて間違いないこの主張を、あなたは一体いかに判断されるか。
  192. 大平正芳

    ○大平国務大臣 まあ、インフレの原因がどこにあったかということでございますが、御指摘のように、国内の過剰流動性の問題につきまして、政府は責任がないとは言えないわけでございますが、これはこの委員会を通じてもたびたび議論がございましたように、当時わが国といたしましては、外貨がたまりまするし、また国際収支もバランスを確立しなければなりませんし、福祉経済への移行で輸入もふやさなければならぬ、というような対外経済の配慮もございまして、あのようなことに相なったことを御理解いただきたいと思うのでございまして、当初から意図的にインフレをねらっての政策でなかったということは、御理解いただきたいと思うのであります。
  193. 小林進

    ○小林(進)委員 わかりました。意図的ではないけれども、事実の面において、そういう金融政策の失敗が大変インフレをつくったということを、いみじくも大蔵大臣はお認めになりましたから、意図的であるかないかは、それは別にしましょう。そういうことで、いわゆる政府、金融機関それから官僚、この三つがインフレをつくり出した三元凶と、われわれは称しているのであります。これは明らかになった。  それから次の第四番目に私はいきます。預金の目減りの問題も、私は申し上げますよ。これは政府の統計だ。経済企画庁。国民生活調査課の、四十九年国民生活白書の七十九ページから八十ページ、ここには年間収入階級別貯蓄の利回りが計算してある。第一分位、第二分位、第三分位、第四分位、第五分位になっているが、それによると、第一分位、一番収入の少ない層の年間の平均の利回りが五・二五%だ。ところが、だんだん分位が、収入が上に上がって、その利回りがよくなっていって、第五分位に参りますと六・三七%だ、六分三厘七毛。だから、金持ちほど今度は利息を高く高く利回りしているけれども、低所得者ほど一番安い金利で金を預けているということが明らかになった。ところが、その貯蓄を一番安い金利で貯蓄する低所得者は、しからば一体何で貯金をするのかと言うと、これは貯蓄増強中央委員会というものがあって、そしてその世論の調査をしたら、こうなっている。貯蓄の目的は、第一に、病気や不時の災害に備える。第二番目が、子供の教育費、結婚資金のためだ。第三位、四位が、土地家屋の買い入れ新増改築のため、老後の生活のためというふうになっている。こういう人たちが、日本の社会保障が余りにも貧弱だ、低所得者や弱者のために何ら血の通ったいい政治を行ってくれないから、彼らは貯金する。ところが、その貯金をするのがどういうかっこうになっているかというと、これは総理府の統計局の貯蓄動向調査によると、これは、一九七二年の年末における勤労世帯年間収入別の保有貯蓄残高に占める元利確定貯蓄の場合、低収入層の貯蓄の比率が一番高いというのですよ。いいですか、元利確定の貯金というのは、郵便貯金だとかあるいは生命保険だとかあるいは銀行だとか、いわゆるインフレヘッジの能力の小さい、そういう預金の比率が一番多いというんだ。利率は一番低いけれども、やむを得ず、低所得者はみんなここへいわゆる貯金を集めているというのですよ。すなわち、低金利の貯蓄に低所得者の貯金が一番集まってくるというのだ。そしてその貯金率が一番高いというのです。いいですか、こういうことがあらわれている。それが、これはインフレですから、だからインフレにはこの統計からながめても、低所得者が一番被害を受けることは、これは明らかなんです。銀行へ預金に持っていけば、一番安い利子でしか預金してくれない。金を借りるときには貸してくれない、泣くようにして頼めば一番高い利息で金を貸してくれる、これが実情なんですよ。その結果、経済企画庁の国民白書によれば、昭和四十七年十二月末保有の貯金の残高の一年後のいわゆる減価が、平均して二十二万円、こういうことになっている。第一分位から第五分位まで、昭和四十七年の暮れに平均して百七十三万円の貯金があった。それがこのインフレで物価高のために、一年たって四十八年の暮れになったら百五十一万一千二百八十三円、今度は昨年の四十九年の暮れになったら百七十三万円が百二十万円になっちゃった。その被害をもろに受けておるのが低所得階層だということがここで明らかになった。こういう貯金の目減りはだれがつくった、やはり皆さん方です。これは大企業、都市銀行がみんなそういうふうにちゃんと水が低きに流れるような、そういう形でおつくりになった。  残念ながら田中君の演説で時間がとられたものですから、ひとつ最後の結論を言いましょう。これが実態なんだ。これが実態ですから、その中で、私は時間がないのが残念ですけれども、将来のあり方として、銀行の大衆化、銀行の公共性というものについて、具体的に私はお伺いいたします。いいですか。銀行の社会的責任、福祉社会における銀行のあり方について、具体的にどういうことをおやりになるか。皆さん方は、非常にこういう低所得者のために偏向な金融行政をおやりになった。     〔谷川委員長代理退席、委員長着席〕 私が明らかにいたしました巨大商社との癒着関係を、将来どういうふうに切っていくか。三番目には、銀行融資による巨大商社の市場支配と寡占価格形成について、銀行は一体どういうふうにお考えになるか。それから非常に具体的ですけれども、第四番目には、政治献金であります。公共性あるいは社会性があるとおっしゃるならば、当然政治献金の中止についても御意見があると思うが、どうお考えになるか。それから第五番目には、中小企業に対する融資額の拡大について、具体的にどうお考えになるか。特に勤労者の割賦に基づく住宅信用供与等を、アメリカでは、少なくとも中小企業の預金の限度くらいに住宅金融をやるべきだという強い意見があるが、皆さん方はまだ三%くらいしかいっていない。これをどういうふうにおやりになるか。  それから次には、貯金の目減り補償について一体どうお考えになるか。みんな問題提起です、これは将来の問題ですから。私は過去を問うのじゃない。千円以下の普通預金に対する利子を一体おつけになる考えがあるかどうか。大衆運動の一環として、いま大衆は怒っている。一円貯金とか十円預金をひとつやろうじゃないかと計画しているが、こういうことに対して、都市銀行はどう対応されるお気持ちか。  その次に、金融の民衆化の一環として、どうしても私は、これは日銀の総裁どこかへ逃げちゃって、ついに来られないが、日銀の政策委員会の中に、労働代表や庶民代表を一体入れられる考えがあるかどうか。これは日本銀行ばかりじゃない。企業関係の審議会にも、労働者代表や庶民代表を入れられるお考えがあるかどうか、こういう点について、残念ながら時間がないので駆け足でやりましたが、お伺いをいたしておきたいと思うのであります。
  194. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  最初にコールの問題につきまして、先生に誤解がおありになるといけませんので、簡単にお答えいたします。  先生のお考えのようなことで、私どもはコールを取っておりますわけではございません。御承知のように、私ども、貸し出しは非常に苦しい枠をはめられておる。企業の申し込みはその大体五倍という状態、こういった状態で、少なくとも枠の範囲は融資をしたいというのが、そうしませんと経済界に大きな摩擦が起きるというのが、私どもの考え方でございます。ところがそれを実行いたしますにつきましても、長い間金融引き締めが続いておりますので、法人の預金はどんどん減っております。そういったことで、私どもはやむを得ず高いコールを取ったり、高いレートで手形を売って、これをまなかっておるわけでございまして、決して業容の拡大を図るため、あるいはましてやインフレを促進することを考える、こういうわけではございませんことを御了承いただきたいと思います。  巨大商社と金融機関の癒着の問題につきまして、いろいろ何と申しますか、御意見があることはもっともだと思います。ただ私どもは、ここ一、二年と申しませず、もう十年以上も、そういった商社との関係をなるべく薄めようという努力をいたしておりまして、これは商社に対します貸し出しが、全体の貸し出しの中でどういうふうなウエートを占めておるか、それが漸減しておるか、そういった点をごらんいただけば、十分おわかりいただけるのではないかと思います。商社の問題、簡単にそれだけ申し上げておきます。  政治献金の問題ですが、これは私どもは、新しい国民協会がどういうふうに具体的に動き出しますか、そうしてそれに対して経済界一般がどういう反応を示すか、それを社会全般がどういうふうに見るか、その辺の様子を十分見きわめました上で、いわば最後に金融機関としての態度は決定いたしたい、このように考えております。  それから中小企業の問題でございます。先ほども申し上げましたが、私どもも福祉社会ということで、この点にずっと力を入れていきたいと思います。先ほどから、住宅金融につきましては総貸し出しの中に占めるシェア四%、そのとおりです。ただこれはどんどん上がっております。最近は、そのときどきの貸し出しにつきましては、限界シェア一〇%あるいは一一%ということでございますから、私どもはなおこの比率をふやしたいと思いますので、今後ともこのウエートはますます増加していく、こういうふうに思います。  目減りの問題につきましては、これは私が毎度申し上げておりますように、金融機関でこの問題を取り上げるつもりはございません。ただ預金者の方、非常にお気の毒でございますから、私どこの体力を考えながら、目減りという考え方からではなく、何か幾らか金利の高い新しい商品を開発してお報いしたい、こういうふうに考えております。  それから、千円以下の普通預金に利息をつけます点でございますが、これは総口座数が非常に多うございまして、コンピューター等がございますけれども、なかなか困難でございます。そこで私は、残高千円以下のものにつきましては、利息をつけることは勘弁していただきたい。たとえば千円ございましても、普通預金でございますから年間三十円の金利、これはひとつ勘弁していただきたい。ただし、現在、付利単位千円単位で利息の計算をいたしておりますけれども、これは百円単位で計算をする、こういうふうに改めようと思います。せっかくいま固めております。  政策委員の点につきましては、私が御意見を申し上げるあれでもないと思います。
  195. 小林進

    ○小林(進)委員 まだ前の農林大臣関係の一番重大な質問がありますけれども、時間が参りましたから、また後日ということにいたしまして、これできょうは失礼をいたします。どうもありがとうございました。
  196. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて小林君の質疑は終了いたしました。  次に、阿部昭吾君。
  197. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 先ほど伊原参考人が、いわばふるさとづくりにどう貢献をするか、これが地方銀行の使命だ、こういうふうに思っておられる。また佐々木参考人からは、国民のニーズにどうこたえるか、これが都市銀行の使命、こういう意味の御発言がございました。私は、かねてからこの土地政策あるいは土地問題、不動産、こういう問題点について心を砕いてまいった者でありまして、一つずつお尋ねをしたいと思っておったのでありますが、時間がございませんので、まとめて問題点を申し上げて、今後のこの金融機関としての対応の仕方、あり方というものをお尋ねしてみたい、こう思うのであります。  一つの例を申し上げますると、これは岐阜の十六銀行であります。その東京の支店長は、大蔵大臣、大蔵省の天下り官僚であります。取締役支店長、この人が、ある政界のかつての有力者であります、この人に頼まれて、その人の家族の皆さんの名義になっておりまする都内にあります不動産を担保にして、八千六百万の融資をいたしました。四十八年の三月の末にはその不動産を処分して返済をするから、御用立てを願いたいというので、十六銀行東京支店は融資をした。ところが、なかなか約束のように立ち退きをしない。そこでその十六銀行東京支店は困ってしまったのだと思うのです。金は貸したけれども返ってこない。そこで、この不動産を十六銀行は担保として取っておりますから、この担保を他の関係のない第三者に、十六銀行東京支店が方々にあっせんをして売り込んだわけであります。したがって、その善意の第三者に対しては、迷惑はかけません、十六銀行がやっておるのであります、こう言って売りつけておいて、いまだに立ち退きはされない。所有権は移ったけれども、当時その十六銀行の天下り支店長が言うようなわけにはならない。私はこれは一つの例だと思います。今日、その銀行の不動産、土地、こういうものとのかかわりで、いまのようなやり方、私どもの土地プロジェクトの中でも幾つかの銀行のやり方を知っておるんであります。私は、これはやはり銀行のあり方として間違っておるのではないか、こう思うのであります。銀行が自分の責任で金を貸して、担保を取って、そのなかなか解決つかぬものを、善意の第三者に、銀行があっせんして売り込まして、その善意の第三者が、いまこの金融の厳しい時期でありますから大変に迷惑を食う、こういう状況がある。いまのは一つの例でありますが、方々にございます。  さらに、かつて土地ブームがばあっと出る以前の、昭和四十六年段階の、私どもプロジェクトでいろんな調査をやってみますると、これは三和銀行がメーンバンクになっておりますが、大林組の副社長は、日本工業新聞で私は拝見したのでありますが、当社は関連会社、いろんな不動産会社等を含めて、当時で約一千万平米の土地を確保しておる。この土地を買い取った価格は大体三・三平米平均が約一万円だ。これは四十六年五月の話であります。これを四十七年段階から、三・三平米平均七万ないし八万円程度で、造成をして売り出しをいたしました。そういたしますると、一千万平米のうち五百万平米程度を処分した段階で、売却をした段階で百三十億から百四十億程度の利益が上がります、こういう言明であります。それ以降の状況はどのようにいっておるか、私どもいま追跡していろんな調査をいたしておりますけれども、問題はそれ以降、昨年以降のいろんな状況の中で、土地はそう簡単にいかぬという状況になってきた。いまのこの問題の大林組がどの程度までその土地を販売したかにつきましては、私どもいろんな調査をしておりますけれども、これも一つの例であります。まだ土地でもうかるぞという判断で、大量に買い占めをして、最近の状況ではなかなか売れないという状態で、じっとがまんしておる、土地をうんと大企業、商社がたくさん持っておるわけであります。いまの大林組の場合は、バックは三和銀行であります。  さらに、今度、前回の総括質問の際に私が指摘をいたしましたら、委員長からも、少し穏当を欠く発言じゃないかという御注意がございました。あの場合で言えば、竹内参議院議員も、私に対して問いただすつもりだと、こう言っておるそうであります。まだ問いただしは来ておりません。そこで、私どもいま調査をしてみますると、茨城県の鹿島開発の段階で、いろんな土地の買い占めその他があった。この皆さんが、青森の方のむつ小川原開発に乗り込んでいっておるというので、私どもプロジェクトはいま大変関心を持って調査をしておる。このグループが、私ども竹内ファミリーと呼んでおりますが、この皆さんがむつ小川原に行って買収をした土地の値段は、三・三平米平均大体八十円、九十円程度であります。坪当たり八十円、九十円平均なんです。私は去年の集中論議の際に、丸紅飯田が中国縦貫自動車道の沿線で、村ごと、三・三平米百円平均で全部買い占めたということを問題にしました。いまのはそれよりもうちょっと安い値段で、われわれの調査でも、すでにそのグループが買っておる土地は約四百万平米であります。そうしてそのグループの背後には丸紅飯田がある。そのグループが買った土地はどんどん直ちに丸紅飯田に所有権が移っていっております。この丸紅飯田という巨大商社は、恐らく資金関係は全部都市銀行なりいまの金融機関との対応なしには、こういう土地買い占めというのは行われ得ない。  去年来、私どもがまだ追跡をしておりまする千葉県の大網白里町における優良農地の買い占め、これはバックが北海道拓銀であります。この金の動きは、私ども調べてみますると大変な問題がある。いま千葉県はさすがに、それ以降問題になりましたから、建設省とも協議されて、相当莫大な買い占めをやられましたが、ほんのわずかの部分しか開発許可は出さなかった。しかし土地は買い占めておるのであります。この土地はほとんどみんな、いまの場合で言えば、北海道拓銀からだけでも、私ども問題だと思う金の出方で、四十五億円、もっと出ておるのであります。いま開発許可はほんのわずかの面積しか出ない。  そうすると、これはどんどん金利がかさんでいくわけでしょう。情勢このとおりで、ぎゅっと押さえ込まれておるのであります。私ども昨年の国会で、国土利用計画法というものをつくった、こういうあれもありますし、最近、土地を投機対象にするということに対する社会的批判が非常に強い。したがって、いまじっとしておるわけです。しかし、買い占めた土地は、黙って動きをやめておくことは将来ともない。どこかでいろいろな動きをするに相違ない。その中に、私は、金融機関がどういう動きをするかということが非常に大きなかかわりを持ってくると思います。  私は、いま挙げました問題、さらに別の機会でもっと、農地法違反の問題、いろいろな問題を声明に解明するつもりでおりますけれども、先ほどの竹内ファミリーの問題、向こうも私に対して問題を問いかける、こう言っておりますから、それは私ども堂々とやるつもりでおります。(発言する者あり)何を言うのだ。
  198. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 まあ、どうぞ……。
  199. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 そういう状況であります。したがって、私がお伺いしたいのは、いま申し上げました幾つかの例の中で、金融機関は、法律に触れないでうまく立ち回りさえすればいいのだということにはならぬと思うのです。やっぱり社会的公正、モラル、こういうものも問われておると思う。いま幾つかの問題点を挙げましたが、土地の問題が、いまぐっと押さえ込まれておりますが、次にどう動くかということは大問題、こういう問題に対して、大蔵大臣並びに佐々木参考人、伊原参考人から御所見を伺っておきたい、こう思います。
  200. 大平正芳

    ○大平国務大臣 当時の状況におきまして、不動産とかあるいはレジャー産業というようなものが、将来日本の産業に持つウエートを考えて一金融機関もこれに魅力を感じて、相当程度融資する気持ちになり、あるいは現に融資を実行いたした事例があることは、御指摘のとおりだと思うのであります。そういうことがなかったと、私は強弁するつもりはございません。しかしながら、いまにして見れば、これは確かに相当の行き過ぎがあったのではないかという、金融界自体にも、反省があるようでございまするし、また、わが国の今後の経済のあり方といたしまして、これが残した問題をどのように処理してまいるかということは、阿部先生おっしゃるとおり、非常に重要な問題だと思うのでございまして、われわれといたしましては、この生んだ問題に対しまして、冷静に、かつ懸命に対処してまいりたいと思います。
  201. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  顧みますと、ただいま大蔵大臣もおっしゃいましたように、私どもも、一ころはレジャー用地の開発、こういったものにも融資をいたしましたことは確かでございます。今後大いに反省してまいりたいと思いますし、土地に関連いたしまして、金融機関がどの程度関係するか、当然そこには、私は越えてはならないのりがあろうということも考えます。その辺も慎重に今後やってまいりたいと思います。  北海道拓殖銀行さんの件については、私、承知いたしておりませんが、丸紅の、お話の岡山につきましては、前回国会でもたしか問題になりまして、丸紅の桧山社長も、これはいつでも必要があれば手放していいということを言明いたしましたはずでございますが、私も慎重にその行方を見守りたい、このように考えます。
  202. 伊原隆

    ○伊原参考人 お答えをいたします。  私どもの会員でございます十六銀行さんの具体的な問題につきましては、私、実は承知をいたしておりませんが、お尋ねの背景になります、金融機関が土地の融資に対して慎重に、また社会的に行動すべきであるということは、全く先生の御指摘のとおりでございます。ただ、地方銀行は、いい子になるわけでございませんが、不動産融資も九月末で一兆四千六百億ございますが、そのうち大部分の八千億は、土地の開発公社というふうなものに対する公共的な不動産の融資でございまして、一般の民間に対します融資につきましては、むしろ最近では回収になっておりまして、六百億を割っておるというふうな事情でございます。仰せのとおり、どうも土地が売れませんものですから、今後どういうふうな動きをいたしますか、私どもも慎重な態度に出たいと思います。  なお、時間のないところを申しわけございませんが、地方銀行がいい子になるわけでは決してございませんけれども、昨年ふえました三兆円のお金のうち、使い方は、個人の住宅ローンに対しまして約一三.五%、それから地方公共団体、これは非常に大事なものでございますが、一五%、それから中小企業の方に約五〇%というふうなことで、地域の金融機関といたしまして、社会的の問題につきましては、長いおつき合いとして、十分配意をいたしておる次第でございます。
  203. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 時間がありませんが、大蔵大臣いま慎重にと言われたが、いままで生み落としたこの土地買い占めの傷跡は、ずうっとまだ残っておる。しかも、そこには金融機関が、商社なり不動産なりいろいろなものに莫大な資金をやはり投入しておるわけであります。したがって、これをどうするかということについては、いま大蔵大臣がおっしゃいますように慎重にと言われても、私はなかなか、いまの大蔵大臣の立っておる立場等を考えますると、そういまの御答弁で安心だというわけにまいりません。今度は低成長下の、しかも土地だけは買い占められてある、金利だけは毎日ついていく、こういう状況になっておるわけであります。その動きをどういうふうに政策課題として解明していくかということは、非常に大きな問題だと思います。その解明の方途、これはいまの大蔵大臣の抽象的な御答弁では、私ども安心することはできないのであります。したがって、もうちょっと具体的に明快な答弁をお願いしたい。  それから、いまの十六銀行の場合で言えば、大蔵省の天下りの取締役支店長なのです。いまのようなことは明らかな間違いじゃないでしょうか。そういうやり方は許されてならないことなんじゃないでしょうか。その所見はどうですか。
  204. 大平正芳

    ○大平国務大臣 抽象的な感想で政策ができるとは、私も考えておりません。仰せのとおり、政策は肉づけがないといかぬと思います。しかし、この銀行政策の問題は、第一義的には、やはり銀行自体の責任と判断にまたなければならぬわけでございまして、政府がいきなり介入してできる仕事ではないと思うのでございます。したがって、そういう意味で、私は慎重と申し上げたわけでございます。決して責任を回避したり、あるいは仕事を怠ろうというつもりはないことを、御理解いただきたいと思います。仰せのように、この大きなショックの後をどのように処置してまいりますか、ひとり銀行の問題ということにとどまらず、国民経済全体にとりましてゆゆしい問題だという問題意識は、十分念頭に置いて対処してまいるつもりでございます。  それから、天下りの問題でございますが、大蔵省に職を奉じた者が、その経験と学識を買われまして、金融界等に第二の人生を開拓いたしておる事例は、ひとりいま挙げられた事例ばかりじゃなく、たくさんございます。私はそれ自体は結構だと思うのでございますけれども、それらの諸君が、あなたの言われる銀行自体の社会的使命に徹しまして、十分自重した仕事に終始していただきたいと念願いたしております。
  205. 阿部昭吾

    ○阿部(昭)委員 時間が参りました。そこで、なお残されております問題点、解明し切れなかった問題は、さらに別の機会に解明をしていきたい、こう思います。  以上で終わります。
  206. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。  伊原参考人、小原参考人、片柳参考人には、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。御退席を願って結構でございます。ありがとうございました。  次に、野間友一君。
  207. 野間友一

    ○野間委員 戦後三十年たちました今日、戦前の旧財閥にかわる新しい大きな企業集団が生まれて、現にいま活動しております。しかもこれが日本経済に大きな影響を持つに至っております。その特徴は、これは公取の報告にもございますが、銀行、これと並んで商社がその中心を占め、大きな比重を占めておる、このことであります。その中で、いま独禁政策も、この点から新たな検討を加えなければならない、こういう時期に来ておることは言うまでもありません。公取は、この点について第二次の商社の調査報告を出されました。もっとも、こういったことはテレビのコマーシャルでも、三井グループとかあるいは三菱グループ、こういうことは堂々と出ておりますし、また万博等でも、三井館等と、このように出展されて、企業集団の存在そのものは、いまでは子供でもよく知っておる、こういう現状であります。  そこで、初めにお伺いしたいのは、公取委員長、このような調査をされた目的、それからその結果、特徴、これらを、集団の中での商社の役割りを中心に、最初に簡単に御説明を願いたいと思います。
  208. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 調査の目的は、申すまでもなく、総合商社がその系列化を進めている徴候が強まっているのではないか、それから企業集団のあり方、これは銀行をおいては考えられませんけれども、銀行が金融の面で相当な力を持っておる、融資並びに株主としての力が強い。それと並んで、いろいろな事業のつながりという点では、商社みずからが認めますように、オルガナイザーというふうな言葉を使っておりますから、もちろん企業集団内だけではありません、時として集団を飛び越えたものでオルガナイザーということはありますけれども、その他いろいろな面で、業務の内容を通じて企業集団の形成、強化の方向に役立っているというふうな感じが得られました。なおそのほかに、商社がたくさんの企業の株式を保有しておる、株式の保有のテンポが急速であるということから、何のためにそういう株式を急速にふやしたのかというふうな点、これはまだ実は報告には突き詰めてまで書いておりませんが、しかしある程度表現しておるわけでございまして、そういった系列のものの中で、同格にある企業グループに対して、必ずしも優越的地位の乱用はありませんが、その系列下にあるおびただしい企業に対して優越的地位を利用するというようなことで、明らかに不対等な、不均衡の取引が進んでいるように思われる。一応の感じを申し上げますと、そうなります。
  209. 野間友一

    ○野間委員 いまお聞きしたわけですけれども、この報告を見ますと、確かにいま委員長が言われたように、一つは、商社等が企業の系列化を促進し、その中で独占禁止法の政策からいろんな問題が生まれておるということ、もう一つは、集団、この中での中核的な存在、これは社長会とか、あるいは株の持ち合いとか、あるいは役員の交流等々を中心に論じられております。このようにして、公取は、企業集団の存在と、その中核であるのは銀行と並んで商社である、企業系列を進めておる、こういうような、調査の結果、数字を挙げて分析をされておりますが、これに対して貿易会では、私もここに「報告について」と題する書面を持っておりますけれども、いわば真っ向から反対をされておるわけであります。  そこで、貿易会会長さん、ひとついまの報告書、それから公取委員長のいまの答弁に対してどういう御見解を持っておられるのか。とりわけいまお聞きしたいのは、企業集団の中核が商社である、企業の系列化を図っておる、こういう事実について、簡単に御説明願いたいと思います。
  210. 水上達三

    ○水上参考人 私がお答えできる範囲は非常に少ないと思いますが、一応お答えいたします。  日本貿易会の仕事は、実は戦時中いろいろな貿易関係団体がたくさんございましたが、戦争直後、連合軍の指令によりまして、全部これをやめて、一つの民間の日本貿易会というものをつくった、こういうことで、その仕事は、日本の貿易の政策、制度などを中心に、民間の意見をまとめる、それが使命になったのです。したがいまして、企業集団とか、そういうふうな問題につきましては、日本貿易会としましては、そういうことは直接関係しておらないのです。  ただ、私の感想を強いて申し上げますと、私の経験なり、あるいは私の最近見ておるところから察しまして、企業集団をつくって企業支配をしていこうというふうなことはない、というふうに考えております。
  211. 野間友一

    ○野間委員 いま集団について、直接それには関係していないという話がありましたけれども、その点について言いますと、公取とは全然意見が対立するわけですね。  それからもう一つ私がお聞きしておったのは、企業の系列化の問題ですね。これを促進されておる、こういう事実について、公取の報告に関してどうなのか、この点のお答えが抜けておりましたので、もう一遍。
  212. 水上達三

    ○水上参考人 私は、そういうことが促進されるとは思っておりません。
  213. 野間友一

    ○野間委員 されておるのかどうかということですね、商社が。
  214. 水上達三

    ○水上参考人 各商社がそういうことをしておるかどうかということは、日本貿易会としては、これはわからないです。わからぬですが、私の方で四十八年の五月に発表しております商社の行動基準というものの中には、そういうことはしないことになっております。
  215. 野間友一

    ○野間委員 それではその点について、私はここに資料がありますので、ひとつごらんいただきたいと思いますが、これを橋本参考人に渡してください。  橋本参考人にお聞きしますが、これは、あなたの会社の業務部営業統轄室長長谷川顕正さん、役員待遇の方ですけれども、この方が四十八年十二月二十日付で国内の営業各部店長にあてた、この文書があります。これについて、これは間違いないかどうか、まず御確認を賜りたいと思います。
  216. 橋本栄一

    ○橋本参考人 ただいま拝見いたしましたこの手紙につきましては、文体その他から見て、当社の手紙に間違いないと思います。
  217. 野間友一

    ○野間委員 いま橋本参考人は、これが本社の文書であることに間違いない、これを確認されました。ところで、先ほど水上参考人のお話では、集団には関係していない、あるいは系列化、これを促進はしていない、これが貿易会の方針だ、こう言われました。ところが、この文書によりますと、この中段からかけてどういうふうに書いてあるか。「就中、企業集団ノ中核トシテ強イ情報力ヲ持ツ当社ニ対シ、主要企業幹部ヨリ総合商社トシテノ当社ノ役割発揮ヲ期待スル声モ出テ居リ、当社ニトッテハ将ニ系列化ノ促進、商権拡大ノチャンスノ時期ニアリマス。」こういうことが堂々と書かれておるわけです。これは言ってみれば、昨年の二月に問題になりましたゼネラル石油のあの千載一遇のチャンス、これとまさに発想は同じなんです。ここで明らかに、商社は企業集団の中核であることを自認されている。しかも、まさにこの物不足の今日が系列化の促進、商権拡大のチャンスである、こういうことまで言っておられます。こういう文書をいま橋本さんが認められましたけれども、これを踏まえても、なおかつ水上参考人は、先ほどお答えになったお答えをさらに維持されるのかどうか、お答え願います。
  218. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 野間君に申し上げます。  日本貿易会の会長は水上達三さんですが、しかし商社全体の会長じゃありませんから、そこらは履き違えのないようにしてください。
  219. 野間友一

    ○野間委員 してますよ。
  220. 水上達三

    ○水上参考人 お答えいたします。  ここに行動基準というものの全文を持っております。そこで、これは野間先生もあるいはごらんになっていただいているかもしれませんが、これだけのものでございます。これだけのものでございますが、かってなかったものを、十七社の総合商社のトップの方に集まってもらいまして、大変長い時間をかけまして、一昨年の五月、まあいろいろな角度から、不十分なものもございますけれども、一応の行動基準というものをみんな申し合わせて、これを公表した、こういうことでございます。  その第三章に「関連企業・業界との協調」という章がございますが、ここでは「秩序ある競争の原理と公正取引きの原則を経営活動の基準とする。」こういうことになっておりまして、各社の経営方針によりまして、いろいろ経営のやり方は違うと思うのですけれども、一般的な指針としては、御心配のあるような向きには進まないようになっておるわけであります。
  221. 野間友一

    ○野間委員 それが、たてまえと本音の違いじゃないかと私は思うわけですね。堂々といま申し上げたように――これは三井物産でありますけれども、水上さんもかつて社長をされておった。こういう中に、文書ではっきり書かれてあるわけですね。ですから、これはいまいろいろ言われますけれども、実際には商社としてはこういう位置にある。これはまさに公取の報告、あの中身と合致する、こういうことになって、貿易会が出しておられますこの中には、集団の実態なんてありようがない、商社が中核でありようがないんだというこうに反論されておりますけれども、これはまさに偽りである、私はこう言わざるを得ないと思うのです。  こういう実態を踏まえて、今度は通産大臣にお聞きしたいわけでありますけれども、いまお聞きのとおりなんです。この高度経済成長の中で、大商社は急速に大きくなりました。たとえば、三井物産で見ますと、六〇年代の十年間に売上高を六倍にふやしております。これは政府の輸出最優先の政策のもとで、輸銀などで大商社にどんどん金をつけてやる、その結果、商社が豊富な資金をバックにして、中小企業の系列化を進める、そうして企業集団の中核となって大もうけをした、こういうことになる、と私は考えざるを得ないと思うのです。  政府は、三木内閣は、一応不公正の是正とかあるいは弱者救済、中小企業を守る、こういうことを言っておられますけれども、この五十年度の予算案を見ましても、たとえば大企業の海外進出を促進するための国際協力事業団、あるいは海外経済協力基金、これらを見ますと、ふえておる、あるいは多額である。こういうふうな莫大な経費を使っているわけですけれども、この点一つ見ましても、いままでの自民党の大企業優先の政治そのものは一向に変わっていないんじゃないか、こういうふうに私は思うのです。  通産省、いまお聞きしたように、大商社が急速に大きくなって、もうけを六〇年代に六倍にふやしている、いま申し上げたようなことについてどのような見解をお持ちなのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  222. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 日本の商社が非常に活発な企業活動をしておることは事実でございます。ただ、しかし、この前提条件として申し上げたいことは、わが国は資源が全然ないということと、それから人口が非常に多いという特殊事情があるわけです。資源の非常に多い国、人口の少ない国、そういう国々と比べまして、やはり一億一千万の人間が住んでおるわけでありますから、資源のない日本が生きていくためには、おのずから独自の活動というものがなければいかぬ、こう思うわけでございます。したがいまして、商社が日本の貿易活動の、または資源を確保するための活動の先端に立って活発な活動をするということは、私は大変結構なことである、こういうふうに思います。  ただ、そこにはおのずからやはりルール、限度というものがなければいけませんので、先般来、貿易会におかれましても、一つの企業の活動の基準というふうなルールをつくられまして、そのルールに従ってやっていこうじゃないか、こういうことを決めておられますし、さらにまた引き続いて、決められたルールが実際に守られておるかどうかということについてフォローアップしていく、こういう制度もできたようでございます。  さらにまた、本年は、通産省の管轄では、例のジェトロでございますけれども、海外で適正な企業活動を指導するための若干の経費も計上しておりまして、そういう面では十分気をつけてはおります。しかし原則的には、先ほど申し上げましたような商社の活動というものを、私は不当に評価すべきではない、かように考えます。
  223. 野間友一

    ○野間委員 私がここで問題にしておりますのは、系列の問題なんです。中小企業をずっと系列化していく、これがどういう弊害を持つかは、公取の報告にもあります。このように一方では中小企業を系列化していく、そしてもうけをどんどんふやしていく、こういうような商社の姿勢について、私はお聞きしておるわけです。政府はいま弱者救済とかあれこれ言われます。中小企業対策と言われます。しかし私は、いまのやりとりの中でも明らかなように、系列化して、そしてもうけて外へ出ていく、これが商社のいわば経営戦略ではなかろうか、こういうふうに思うのですね。社会的責任の問題とかあるいは行動基準の問題がありました。しかし実際にそのような基準に従ってやっているかどうか、こういう点について、さらに問題を進めていきたいと思うのです。  ここにまた、去年の四月十二日に三井物産の業務部長から内外部店長あての「当社基本姿勢ノ事」と題する――署名がありますけれども、これは橋本参考人、間違いないかどうか。
  224. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと待ってくれ。勝手に資料を出してはだめだ。よく理事会で協議しなければだめだ。
  225. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ、協議してください。
  226. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ここに委員長がいるんだ、許しを得て出せ。でたらめなことしてはだめだ。理事会でよく協議しないで資料を出して、だめですよ。
  227. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ出しませんよ。
  228. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 勝手にやって、何ですか。――よろしゅうございます。許可いたします。
  229. 野間友一

    ○野間委員 それじゃ、済みません、これをお願いします。  橋本参考人にお聞きします。  いま文書を特定して申し上げましたけれども、これは三井物産が出しておられる文書に間違いありませんね。これは業務部長のサインもちゃんとあります。
  230. 橋本栄一

    ○橋本参考人 このサインから見まして、当社の書類だと思います。
  231. 野間友一

    ○野間委員 これは去年の四月に出された三井物産の「当社基本姿勢ノ事」という文書であります。そこで、これに基づいて、通産大臣に、商社のいまの姿勢をお尋ねしたいと思うのです。  この文書によりますと、こういうふうに書いてあるわけですね。「当社モ世界企業ヘノ脱皮ヲ標榜シナガラ海外営業基盤ノ充実強化、海外店自主経営体制ノ促進ニ努メテキタ」、これが三ページのIIの(1)のところにずっと書かれております。(2)のところによりますと、このような世界企業への脱皮のための基礎として「海外ニオケル営業基盤強化ノタメノ諸施策展開ヲ支エテキタノハ国内商内ヲ含メテノ国内部店ノ収益力」である、こういうことが書かれております。つまり、世界に伸びるために国内で収益力をずっと強め高めて、そして出ていくというのが基本姿勢であった。ところが今回これを変えて、さらに国内でも一段と収益を強化させて外へ出ていく。この章は、外国と国内の商いの比率を変えまして、外国の商いの比率を六〇%にしたい、このためにはどうするかということが書かれております。それによりますと、国内の収益力を高めるためには、従来の豊富な資金力を武器として、取り扱いを伸張してきた、これを変えて、そして経営効率、収益性を高めること、こういうふうに転換するのだということが、この中には書かれております。  ここで私が申し上げたいのは、中でもうけて外へ出ていくその元手にする。いまの文書の中で明らかなのは中でどのようにもうけるのか、これが書かれております。つまり、いま申し上げた経営効率を高めるあるいは収益性を高めるためにはどうするか。私はこれを見て驚いたわけです。一つは、小口取引の整理であります。これは七ページのCのところに書いてあります。小さい商い、これをこれから整理していくということであります。それから二つ目は……。
  232. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと待ってください。その書類を通産大臣に質問するのなら、通産大臣に見せておいてでなければ、これはわかりませんよ。
  233. 野間友一

    ○野間委員 これは後で……。
  234. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 後でと言ったって、それは答弁できない。答弁できませんよ。先に書類を見せておかないで、勝手なことを言ったってだめだ。
  235. 野間友一

    ○野間委員 いま見せればいいのでしょう。
  236. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ええ。
  237. 野間友一

    ○野間委員 そういうことが書かれております。それから三つ目は選別投融資ということで、投融資をこれから選別していく、こういうことが書かれておるわけですね。私はこれを見て実は驚いたわけですけれども、こういうふうに、いままさに高度経済成長が破綻して、この中でどうするか。大蔵省も大口の融資を規制する、こういうことを言われております。  私がここで問題にしたいのは、世界的な企業へ大きく脱皮する、これは多国籍企業化へのいまの動向だと私は思うのです。ところが、中で収益力を高めるためには、いま申し上げた小口商いを整理したり、あるいは融資を条件として取り扱いに介入してきた。この中でもうけを、収益力を量から質へ転換する、こういうことで、もうけが少なくなったものは切り捨てる、あるいは選別投融資を行う。つまり、中小零細にしわ寄せをして、もうけて外へ出ていくというのが基本戦略ではなかろうかということが、私はこの文書からうかがえるわけです。  いま通産大臣お読みでありますけれども、こういう商社にいろいろの金をつけてやっておられます。確かに資源の問題とか人口の問題を言われました。しかし私がここで申し上げたいのは、こういう商社の姿勢なんですね。弱者をいじめて外へ出ていく、こういう姿勢がいいのかどうかということを、私はお伺いしたいわけです。
  238. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 この書類は非常に長文にわたっておりますし、いまいただきまして、部分的にだけ言われましても、やはり全体を読みませんと判断を間違うのではないか、こう思いますので、これについてのいまの御質問に対して直接お答えすることは、ちょっと差し控えさせていただきますが、私は先ほども申し上げましたように、貿易会としても各商社としても、行動の基準をつくりましてフォーローアップをしていく、そういうふうに姿勢を正しつつあるということでございますから、私は根本的には、いまおっしゃったように、弱者の犠牲において企業を伸ばしていくとか、中小企業の犠牲において海外へ出ていくとか、そういう精神はないのではないか、こう思います。いずれにいたしましても、正確な点につきましては、全文を読みまして、それから返事をさせていただきます。
  239. 野間友一

    ○野間委員 ただ、いま少しお読みいただいたらわかるわけですけれども、たとえば小口商いの整理、これについて要約していきますと、成約件数の中で小口が非常に多いと、パーセンテージを挙げてあります。しかも、件数は多いけれども一件当たりの取引高が非常に少ない、こういうものは整理していかなければならない、こういうふうに書いてあるわけですね。それから、先ほど申し上げた融資を条件に取引した。ここから、これを根本的に洗い直さなければならぬ、こういう幾つかのものがこれに出ておるわけですね。ですから、こういう姿勢では、私は問題だと思う。特に商社が批判にさらされて、社会的責任を自覚する行動基準まで設定された。ところが、この基本姿勢を見ますと、依然としてこのような金融でもうけて、しかもこういう行動をされておる、このことを私は問題にしたいわけです。  この点について、橋本参考人、何かお話がございましたらどうぞ。
  240. 橋本栄一

    ○橋本参考人 ただいまの野間先生の御質問の点につきましてお答えいたしますが、経営効率を高めるという問題につきましては、これは当社の海外商いであろうとあるいは国内の商いであろうと、商社として経営効率を高めることが私は当然のことであろうと思うのであります。したがいまして、この点は、国内の商いだけの経営効率を高めるというのでなく、国外に進出していくについては、国内も忘れておるわけじゃない、経営効率を高めることにも注意しろということを言ったものだと思います。  それから小口商いの整理の点でございますが、その次に、いま野間さんおっしゃいませんでしたが、「取扱商品ノ整理」という項目がございますがこれはかねて大商社がいろいろな細かい商品を扱うことについての社会的な批判があるわけであります。その問題と関連いたしまして、小口の商品を切り捨てていくことは、大商社としては社会的批判にこたえるきわめて当然のことであろうかと思うのでありまして、その趣旨において、大商社がみずから手を下してこういう小口の商いをやるということはなるべく差し控えて、別途のもっと適当な組織の中に移してやる方がよろしいのではないかということを、この文書で提案しておるわけであります。  また、融資先の選別につきましては、われわれも膨大な信用を供与しておるわけでありますから、信用の点から、なるべく安全確実なところ、あるいはもっと社会のためになるようなところというふうな一つの基準を置いて、そこに融資をしていくわけでありまして、先ほどからちょっと傍聴していましたときに議論が出ましたような、あるいは土地の問題とかあるいはレジャーの問題とかいうふうな、そういう関係に融資をしていくということは見合わせたらどうか、こういう趣旨であろうかと私は了解いたします。
  241. 野間友一

    ○野間委員 決して、私はそのようにはこの文書から読み取ることはできません。特に、いま中小企業関係との問題で言及されましたけれども、いまの不況の中で中小企業はたいへん困っておるわけですね。倒産件数は月一千百件というふうにずっと来ておる。しかも、これからますます中小企業が不況の中で苦境に陥っていく。いままでの高度経済成長の中でならともかくとして、いまこそ本当に商社が社会的な責任ということをおっしゃるなら、このような中小企業に対してはできるだけ手厚く保護する。たとえばいま投資したものを整理するとかあるいは小口を整理するとか、そうでなくて、いまこそ不況の中で苦しんでおる中小企業に対して厚い手当てをするというのが商社の当然の務めじゃなかろうか、こういうふうに私は思っているわけです。ところが実際にはそういうことでない。こういうところを私は問題にしておるわけです。  そこで通産大臣にお聞きしますけれども、いま橋本参考人の方から言われたわけですけれども、お答えのとおりなんですね。そしてこのような商社が、つまり世界企業へ、多国籍企業へ大きく脱皮しようとする商社が、外で一体どういうことをやっておるか。これは三井物産とは関係ありませんが、私が昨年の予算委員会の中で、三菱商事の社内報を指摘して、その中で、タイにおけるG・S・スティール、合弁会社ですね。これは一九六八年に操業を開始して、もう七一年には利益配当率を二〇%、七三年には四五%の利益配当なんですね。こういうふうに着々伸ばしておる。しかもこの社内報によりますと、これは前のときにも指摘したわけですけれども、スクラップを買い付けるのにピストルを腰に、こういうのもございます。さらに、わずかな間に、そのスクラップ、これは必要なスクラップの五〇%をタイで、現地で調達することができる。こういうことでどんどん伸ばしておるということですね。このことは、不公正な取引とかあるいは私的独占ないしはこの不当な競争制限というような独禁政策の点から考えても、やはり非常に重要だと私は思うのです。この三菱商事の問題については、私は予算委員会の後で、物価問題特別委員会の中でこれを指摘して、その中で通産政務次官の森下さんが、これはけしからぬ、こういうことを言われました。私きょう議事録を持っていますけれども、はっきりそういう発言をされているわけですね。ですから、中での商略がそうなっておって、外へ出れば、三菱の場合はそういうことまでやっておる。しかしながら、こういうものについての捕捉ができていない。これを問題にしたいわけです。  そこで、公取委員長にお聞きしますけれども、どうでしょうか。たとえば独禁法六条ですね、これでは国際的な契約とか協定、これについては届け出等々の問題がありますけれども、いま申し上げた国外へ出た企業のいろいろな問題について、いまの独禁政策上これが規制できるかどうか、この点について御見解を承りたいと思います。
  242. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 私どもの独禁法の解釈としては、そういう点については、大体属地主義でありますから、したがいまして、日本の会社の支店または子会社が海外において行った行為については、その行為が本社である日本の企業に、あるいは日本に、悪影響を独禁政策上もたらすという場合には、それは本社に対して措置ができますが、そうではなくて遮断されている場合、現地だけで行った場合――独禁法がない国がございますね。そういうことで、そういう独占的なことを行った場合、そのこと自体については措置できない、というのが現在の盲点になっております。その点については、OECD等で、多国籍企業の規制の問題について目下まだ検討中でございまして、相互の協調、連絡がなければできないであろう、こういうふうになっております。
  243. 野間友一

    ○野間委員 そうすると、公取委員長、国際的な契約とかあるいは協定の段階ではそれを捕捉できるけれども、実際そういうもので外へ出る。これは輸銀の融資をつけて出るわけですけれども、出てどういう活動をやっておるか。たとえばいま一つの例として挙げましたG・S・スティール、こういうのが実際タイ国の中でどういうことをやっておるかということを捕捉するそういう体制はない。いまの独禁法の法律の中でも、これは捕捉できない、こういうことになるわけですか、もう一度……。
  244. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 それを捕捉する能力もありませんが、捕捉したとしても、直ちにそれをもって日本の独禁法違反にはすることはできない。したがって、この問題について、まず捕捉することから始めなければなりませんから、相互の情報交換というものを含めて、そしてそれらの独禁法違反、独占的行為に対していかに対処すべきかということは、国際的な課題になっておる。しかし、何か国によっては、アメリカのように、自分の国の企業が海外において独禁法違反を行ってもいかぬ、こういう域外適用ですね。それを主張している国もございます。しかしこれは国際的に見ますときわめて少数でございまして、これにはやはり非常にむずかしい国際的な法律問題がからんでまいりますので、いままでのところは、私が先ほどお答えしたとおり、どうもいまのままでは、日本と遮断されている部分については手が出ない、こういうふうに申し上げるほかないのです。
  245. 野間友一

    ○野間委員 手が出ないということですけれども、その次にお聞きしたいのは、それは海外における企業の活動の実態を捕捉する必要があるというふうに私は思うのです。たくさんいろいろ問題を起こしております。たとえば、田中前総理がASEAN諸国へ行かれたときでも、反日感情デモがずっと起こってきた。たくさんいろいろ事例が報道されておりますね。ですから、これは捕捉する必要があるのじゃないかと思うのです。この点について、公取では捕捉する必要があるというふうに考えておられ、なおかつ、それに対して何らかの手だてがあるかないか、こういう御検討をされておるかどうか、これについてお伺いします。
  246. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 そういう日本の企業が海外に進出して、つまり現地民から非常にひんしゅくを買うような経済活動を行ったことについては、私はやはりそういう実態を何らかの方法で日本国として、わが国として捕促する必要があるのではないか。ただ、それが独占禁止政策としてやるべきか、そうではなくて、別途の国際問題として非常に悪い影響のあるようなことを――ことに国によって、独占禁止法がございませんから、その国で独占的な非常に排他的な行動を行いましても、直ちにその国から規制を受けない、そういう場合もありますが、しかしその国の国民から、外国民から、大変悪感情を持たれるということは、わが国全体としてはマイナスでございますが、それは私どもの所管というよりは、わが国全体の外交姿勢の問題ではないかと思いますので、私はこの程度の発言にとどめさせていただきます。
  247. 野間友一

    ○野間委員 いま、捕捉する必要はあるということは、御認識、そういう確認はされたわけですけれども、ただ、いまのお話でも、域外適用の問題ですね。こういう問題があるというお話でございます。  そこで通産大臣、いま多国籍企業の問題について、国際的にも問題になっておりますし、また、これについては捕捉する必要があるということの見解が公取から述べられた。これは通産省としても当然必要になってくると思うのです。これは大蔵省関係からいいますと、輸銀の関係では、それをチェックする場合に、輸銀のサイドで最初チェックされるだけで、ほかには何らチェックされておらない。     〔委員長退席、湊委員長代理着席〕  通産省にしても、これは行政指導というようなことはともかくとして、こういうものの実態、海外における活動の実態を捕捉するそういう法律があるのかないのか。そのことと同時に、通産省としてもこれを捕捉する必要がある、こういうふうにお考えなのかどうか。この二点にわたってお伺いします。
  248. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 先ほどもちょっと触れましたけれども、昭和五十年度の予算には、ジェトロでわが国の海外の企業活動を適正に行うということのためのいろいろな調査、指導、そういうことの経費を計上しておりまして、行き過ぎがないように指導していきたい、かように考えておるわけでございます。
  249. 野間友一

    ○野間委員 いや、私がお伺いしておるのは、その実態を捕捉するそういう法律上のいろいろな手だてがあるのかないのかということと、これは通産省としてもやはり必要だ。必要だとすれば、これは何らかの法律上のそういう手当てをしなければならぬ、こう思うわけで、そういう点からお聞きしておるわけです。
  250. 天谷直弘

    ○天谷政府委員 現在、日本企業の海外投資につきましては、為替管理法、これは国際収支等の目的で戦後できた法律でございますが、この法律の条項によりまして、許可制をとっております。これによりまして海外投資がコントロールできるというたてまえに、一応なっておるわけでございますが、この法律の施行につきましては、OECDの自由化コード等がございまして、国際的に自由化を進めるという方針でやってまいりましたので、現在は事実上自動認可というようなかっこうになっておるわけでございます。したがいまして、現行法制では、いまおっしゃいましたようなことをする体制には、必ずしもなっておりません。  次に、それで将来どうするかという問題でございますが、海外にあります日本系の企業でございましても、たとえばタイにございますG・S・スティールは、属地的にはタイの主権によってコントロールされるということでございます。ですから、そういう企業が好ましくない行動をした場合にはどうするかということは、第一義的にはタイ国政府の政策ということかと存じます。  他方、属人的には、やはり日本系の企業でございますので、これが著しく日本の国益を害するというようなことをやっておりますといたしましたならば、これを何らか制御する方法は考える必要があると思うわけでございますが、いま申し上げましたように、外国におります、法律的には外国の企業でございますから、非常にデリケートな問題がございまして、果たしてこれを立法措置によりまして制御することができるかどうかということにつきましては、いろいろ問題がございますので、検討をいたしておるところでございます。     〔湊委員長代理退席、委員長着席〕
  251. 野間友一

    ○野間委員 そうすると、いま検討されておる、これを補足する手当てをどういうふうにするかについて検討しておる、という話がありましたけれども、通産大臣、いまのこういう開発途上国とか、特にそこでいろいろ批判が起こっておりますけれども、こういう企業の実際の海外活動、こういうものの実態をつぶさに、やはり通産省は早く捕捉しなければ、それに対する適切な手だてがとれない。これは当然だと思うのです。  いまの話では、要するに投資をするとき、そのときは確かに窓口で若干の捕捉はできるかもわかりませんが、それから後は野放しである、これが実態で、いろいろと批判を生んでおる。これは通産行政としても当然必要になってくる、こういう関心をお持ちかということと、こういうものの実態を知る、捕捉する、何らかそういう法律をつくるということが必要であると私は思うのです。そういう意図があるのかないのか、お聞かせを願います。
  252. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 わが国企業の海外活動の実態を掌握するということは、いまの制度では必ずしも正確にできないのです。しかし、これから海外活動が非常にふえていくということになりますと、やはりその実態は、政府の方が正確に把握しておく必要があろうと思います。でありますから、それを法律によってやるか、あるいは別の行政的な手段によってやるかは別といたしまして、何らかの方法で正確な実態を掌握する、これは必要だと思います。
  253. 野間友一

    ○野間委員 何らかの方法と言われるので、そこでまた私はお聞きしたいのですけれども、法律がなければ、これは行政指導しかできないと思うのですね。そうでしょう。ですから、いままさに世界的な企業に伸びていく、あるいは多国籍企業化する、そして多国籍企業そのものがいま大変大きな問題になっておる。これは御承知のとおりですね。ですから、こういうものについて、実態をつぶさに捕捉するというような法律上の仕組みをつくるべきであると私は考えます。  通産大臣はそういうふうにお考えになりませんか。
  254. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 それは、法律をつくるかどうかということは、とりあえずもう少し組織的にこの実態を調べまして、その上で、私は判断してしかるべきでなかろうかと思うのです。実態を系統的に掌握するということは、私はそれは行政的に可能だと思います。
  255. 野間友一

    ○野間委員 しかし、それは行政指導でできれば法律なんか要りませんよ。しかし、たとえばG・S・スティール、タイの合弁会社の問題を出しましたけれども、これだって七一年の社内報ですよ。私がやったのは昨年ですから七四年、四十九年ですね。それまでわからなかった。しかもその後何のフォローもしてない。こういうのが実態なんですよ。しかも行政指導は限界がある。単に任意なものですね。実態を正確に把握するためには、やはり法律上の裏づけがなければできないじゃありませんか。先ほどからあなたも言われておりますし、私の方も指摘をしたように、いま日本の企業が外国へどんどん出ていく、しかも大きな批判に遭っておる。しかもさらに、これから世界へ伸びる企業ということで、問題が大きくなってくると思うのですね。こういう事態を踏まえて、なおかついまの段階でも何とかその実態を把握する、そういう根拠を法律に求める、そういう法律をつくりたい、こういう見解をお持ちじゃありませんですか。
  256. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 いや、いまも申し上げましたように、法律がなくても実態の掌握ができると思うのです。でありますから、現在の実態を掌握しました上で、将来そういう法律をつくるかどうかということを検討したいということでございます。
  257. 野間友一

    ○野間委員 それでは具体的に、たとえば海外進出した合弁会社あるいは子会社ですね、それなら、どうしてあなたの方で実態を捕捉できるのですか。
  258. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 突然の御質問でございますから、あるいは正確を欠くかもわかりませんが、たとえば一案といたしまして、わが国の企業で海外へ出ていっているものはもうわかっております。でありますから、それぞれの企業に現状はどうかということをとりあえず報告させて、その統計をとるということなども一案でなかろうかと思います。
  259. 野間友一

    ○野間委員 これはおかしいじゃありませんか。なるほど国内で、日本法人の場合にはそうですね。たとえば支店とかこういうものはそうかもわかりません。しかし、少なくとも多国籍企業的な世界企業、どんどん出ていって合弁会社をつくっていく、そういうものについて、実態を知ることができますか。
  260. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 それは、海外における企業活動といいましてもいろいろあると思うのです。たとえば日本の法人が一〇〇%株を持っておるような企業もあれば、五〇%以上のような企業もある。あるいはわずか三%、五%を出資しておるような企業もあると思います。そんな三%、五%までの企業に対して、正確なことを一々あるいは掌握できないかもわかりませんが、少なくとも日本の企業が支配できるような形のものは掌握できる、私はこう思います。  なお、この問題の技術的な問題につきましては、政府委員がおりますから、政府委員から答弁をさせます。
  261. 野間友一

    ○野間委員 これは現地法人ですよ。先ほど域外適用の問題がありましたけれども、これは合弁会社、現地法人でしょう。そういうものについて、何で行政指導で捕捉できるのですかね。これは何かいま言われましたけれども、それでは事務局に答弁させますか。
  262. 天谷直弘

    ○天谷政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、たとえばG・S・スティールはタイ国の法人でございます。したがいまして、このタイ国の法人に対しまして、日本政府が法律をもって、報告を出せというような規制をかけることは不可能でございます。したがいまして現在やっております方法は、現地の在外公館あるいはジェトロ、こういうものを活用いたしまして、法律ではないベースで情報の収集に努めておるということが一つ。それから、本店と支店の関係あるいは本社と子会社の関係を通じまして、情報の提供を求めるというような方法、そういうことで、実態の掌握に努めておるところでございます。
  263. 野間友一

    ○野間委員 それはあくまで任意なものであって強制はできない、こういうことですね。こういう多国籍企業に非常に関心が大きくなってきておる、しかも日本からどんどん伸びておる、これは独禁政策上問題があるんだ、こういうことでしょう。だから、その中で通産省が、通商産業の観点からだと思いますけれども、何らか実態を把握するという法律の手だてをするべきである。私はこれは何度も言いますけれども、そういうお気持ちはありませんか。
  264. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 それはないわけではありませんで、実態をよく調べた上で、よく研究して結論を出したい、こう言っておるわけなんです。
  265. 野間友一

    ○野間委員 そうすると、いまのお言葉で、まだ実態はわかっていないということでしょうか。いまでも仮に行政指導できるなら、しかも大きな問題になっているわけですから、そういうものは当然把握してしかるべきだと思うのです。それが行政指導の限界じゃありませんか。大問題になってからでは遅いわけでしょう。しかもこの多国籍企業の問題については、きょうやきのうの問題じゃありません。ずっと以前から問題が提起されておる。いまから実態を調べて検討したい、これでは遅いではありませんか。やっていないのでしょうか。
  266. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 いま天谷審議官がこの具体的な方法につきまして申し述べましたが、しかし日本の産業界の企業活動というものは毎年毎年盛んになっておるわけです。でありますから、一年前の調査でもそれは古くなる、半年前の調査でも古くなるということでございます。御指摘のように、実態の調査をできるだけ正確に掌握するということは非常に大切でございますから、できるだけ最近の時点においてどうなっておるかということを、総合的に正確に掌握してみたい、こういうことを申し上げたわけです。
  267. 野間友一

    ○野間委員 だから遅いわけですよ。系統的にそういうことをやられていない。これは行政指導しかないからそうなんですね。これはいまの時点では大変大きな問題だと思うのです。いま問題にして、これから実態を掌握したい、行政指導でやりたい、何か言えば、それでは調べますというようなことのずっと繰り返しではどうにもならぬと思うのですね。たとえばタイのある合弁会社でも、私が取り上げたのはもう一年前です。つまり、系統的にそういうものを把握することが、どうしても通産行政の上でも必要なんだということを強調したいわけです。  そこで、そういういまの通産大臣の姿勢では、まだ依然として、これだけ大問題になっておるにもかかわらず、何らこれを規制するというか、実態を本当に系統的に調べる、こういう根拠を持った法律をつくるという構えを見せません。  いままで申し上げたのは、日本の企業が外へ行く、こういうケースであります。今度、逆のケースもあります。たとえば、世界的企業と言われるメジャーとかあるいは一BMですね。こういうものがどんどん日本に入ってくる、こういう活動をしておる、日本は大変妙味があるそうです。たとえば、アメリカの商務省のレポート、雑誌がありますけれども、これによりますと、一九七三年で、アメリカの企業の海外直接投資の利益率が製造業では一五・九%、こういう統計が出ております。ところが日本では二四・一%。こんなにもうけておるわけですね。べらぼうに高い。日本に限って一体どうしてこんなに利益率が高いのか、これまた問題になるわけですね。これについて通産省は調査されておりますか、把握されておりますか。
  268. 天谷直弘

    ○天谷政府委員 存じております。一般的に日本に進出してまいります海外の大企業は、一流企業でございまして、しかも最新のすぐれた技術を持っておる場合に日本に来る場合が多うございますので、したがいまして、その利益率は平均よりも、あるいはアメリカ本国における利益率よりも高くなる傾向があるというふうに考えます。
  269. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっと待ってください。  岸田貿易局長はいるのかな。あなたがよくわかっているんじゃないのか。隠れていてはだめだ。さっきから私が聞いていると、海外で仕事をしているのはみんな悪いことをしているように聞こえる。悪いことをしているなら悪いように、いいことをしているならいいように、ちゃんと答弁しなければだめだ。貿易局長、わからないのか。しっかり答弁しろ。
  270. 岸田文武

    ○岸田政府委員 海外で企業が活動いたします場合に、現地に溶け込み、現地と調和することは、もちろん一番基本的に大事なことであると、私どもも承知をいたしております。その意味におきまして、現地の活動が不適正であり、現地に誤解を招きあるいは混乱を生ずることがないように、私どもの所管の範囲内では、ジェトロを通じまして各種の資料を集めております。また、在外公館ないし現地の新聞等の報道についても注意を払っておるところでございます。問題になりましたケースにつきましては、できるだけ現地で円満な解決を図るよう、それぞれの配慮をしてまいっておりますが、おのずからそれには限界があることは、御指摘のとおりでございます。  その意味におきまして私ども従来のケースを見てみますと、やはり現地の法制なり社会的事情についての認識がまだ不十分であるという点が基本的な問題かと思いまして、明年度予算以降におきましては、現地にその意味での専門家を配置し、現地における実情をよく調査し、また現地の法制、社会習慣についても勉強しました上で、実質的な意味で、相談に応ずるような体制をつくるということを準備しておるところでございます。  なお、現地に関する情報等につきまして、現地で解決できない場合におきましては、本国において、親元の企業と相談をしながら問題の解決を図るというような手段についても、別途準備を進める方がよろしいと思いまして、その間の体制についても、種々検討いたしておるところでございます。  法律として扱うかどうかというような点につきましては、先ほど天谷審議官からお答え申し上げたとおりでございます。
  271. 野間友一

    ○野間委員 天谷さん、日本に来るアメリカの企業がどうしてもうけが平均よりも上回っておるかという質問に対して、最新式の機械や設備を使うとか、あるいは大企業であるとか、こういう話をされました。これはとんでもないことだと思うのです。別に日本へ来る企業だけがそういう設備や機械を使うわけではない、どこでも同じなんです。ヨーロッパだって同じなんです。しかもたとえば、エクソンの会長があの石油危機の中でぼろもうけをした。西半球よりも東半球でもうけた。東半球の大得意というのは日本じゃありませんか。あの原油でもうけておるわけです。そうでしょう。原油をどんどん日本に売り込んで金をもうけておる、こういうのが実態なんです。いまに至るも、そういう発想しかされない。日本は本当にいい市場にされておる。しかも、先ほどから申し上げておりますように、日本から外へ出ていく企業の実態すら法律的な根拠でこれを把握するという、そういう構えばいまないということです。しかも逆に、今度は外から日本へ来る、これについても同じような問題が出てくるわけです。これまた、うらはらの関係ですけれども、公取委員長、メジャーとかIBM、これは日本に来ます。これについて実態を独禁法の上から掌握することができる仕組みがあるのかないのか、お答え願いたいと思います。
  272. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 外国企業が日本に、たとえば石油を売りつける、しかしそれが独占禁止法違反と――たとえば国内におけるそれらの営業の拠点、支店であれ、要するに日本法人の形をとったものでありましても、それがつまりカルテルなり、あるいはそのほかの行為によって独占禁止法違反になるという場合には、これは当然規制できます。しかしながら、そうならない場合に、ただ、いまおっしゃったように、石油のエクソンが非常にもうけたというだけではこれは対象になりませんから、その利益を追いかけてどうこうするということはいけませんけれども、外国の、たとえばエクソンの子会社が日本にあって、それが国内法に触れれば、当然排除の対象になります。
  273. 野間友一

    ○野間委員 私お伺いしたのは、外のメジャー等がどんどん出てくる、そして子会社、IBMでも日本法人がありますね、メジャーもございます。そしていま申し上げたように、西よりも東の方がようもうけておる。あるいは原油の価格についても、これは私、商工委員会だと思います。そこで取り上げました。ある民族系の日本の元売り会社に売るのと、それからメジャー系列に売るのと格差がある。これは公取違反じゃないかという点の指摘をしました。これについて吉田公取事務局長が、これはそういう点にかかるかどうか、一遍調査する、こういう答弁もされたわけですね。そういう意味で、これは通産大臣はがんとしていろいろ私の要求を拒否されるわけですけれども、私、独禁政策の上から考えても、やはり中から外へと同時に、外から中へ、それが一体、たとえば外の企業と中の日本の企業とどういうような関係でどういう実態なのか、こういう実態を知ることが必要だと思うのです。実態を知らなければ、これは独禁政策の適切な行政ができないし、また措置できない、こういうふうに思うわけですね。ですからこういう意味において、先ほどの答弁とうらはらの関係で、こういう場合についても、独禁政策上、やはり実態を正確に知る必要がある。  具体的に言いますと、この取引状況とかあるいは原価の問題、あるいは資金運用の問題から、人的あるいは投資の関係とか、取引関係ですね、こういう実態を公取が把握される、こういうことをやると、実態を把握した上で、今度はその独禁法上あるいは独禁政策上正しく対処することができる、こうなると思うのです。  植木さんもお見えになっておりますけれども、公取委員長、そういう意味で、やはり同じような関係で、外から中へ来る場合でも、日本の国内の経済、あるいは日本の法人とメジャーやあるいは世界的な企業との関係、こういう意味からしても、私は実態を正確に系統的に把握する、こういうことが必要ではないかというふうに考えているわけですけれども、どうですか。
  274. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 いまおっしゃっていることが一番むずかしい問題なんです。つまり世界的な、たとえばメジャーが国際的なカルテルをやったという場合、これは日本にそのまま及んでくれば、日本にある拠点をまずつかまえてこれを排除できます。しかし、完全な国際的なあれに対してどこまで排除の対象になり得るか。実際問題として、たとえばわれわれがアメリカのメジャーを、本社をどうこうすると言っても、それはできないわけですね。力が及ばない。呼び出して調べるという権限がないわけです。だから、調査能力が事実上法律的にないわけです。だけれどもそういう問題が、いまたとえば差別価格の問題、ヨーロッパでは安く売った、日本には高く売った、仮にそういう事実があったとした場合には、これはわれわれから言えば、少なくとも国際的な不公正な取引じゃないか。だけれども、国際的な不公正な取引があったと言っても、それだからこそメジャー問題や何かも含めて、まず国際的な協力体制をどうするかということを、目下OECDの課題としてやっているのだということでございまして、いわゆる域外適用にどこまで踏み切れるのか。お互いに協力して、それぞれたとえば国際協定ができればできるわけですね。そういう場合に、相手方がそれを認める、そういうものを、他国の者が外国企業に対してずばり独禁法違反である、こう言って追及できるかどうか、そういう問題です。これは相手がお互いに承諾し合えばできることだけれども、そうでなければとうていできないのじゃないか、こういうふうに思います。
  275. 野間友一

    ○野間委員 植木長官お見えになっておりますけれども、いま政府の中で独禁法の改正の問題が提起されておる、そうしてそれが出されるとか出されぬとか、いま盛んに問題になっております。国民も関心を持っておる。そういう中で、いま一貫して取り上げてまいりましたのは、世界的な企業へと脱皮する日本の商社等の大企業、これは集団でも出ていく、あるいは外からどんどん日本に大企業、多国籍企業が入ってくる。こういうものが日本の経済との絡みで、行政上、これは通産行政上もあるいは独禁政策上も非常に大事な問題になってきている。  ところが、いまの独禁法でもあるいはその他の法律でも、こういう実態を把握することすら十分できない。実態を把握せずに、どういう対処の仕方があるのかということは、これは出てきません。そういう意味で、いまお呼びしたのは、独禁法の改正の論議をされておるそういう中で、このような多国籍企業あるいは世界的な企業、中から外へ、外から中へ、こういうものの実態を正確に認識する、正確にこれを知る、そういう手だてを、今度独禁法の改正をされるとしたら、この中に盛り込むべきじゃないか。公取委員長も、世界的なこの多国籍企業の問題は大きな関心だ、公取委員長自身までそう思われている。こういうのを踏まえて、ひとつ政府はこのようなものを、具体的に申し上げますと、たとえばこれは常時系統的に公取にいろいろな資料を出させる、そうしてこれを正確に把握することができる――私たち共産党は、いろいろこの改正案を出しておりますけれども、そういう意味での改正案を今度の改正法の中に盛り込む、こういうことがやはり当面私は大変重要な問題だ、こういうように思うのです。  これについて、いま中での論議、どのような骨子を持っておられるかはともかくとして、いまの私の問題についてどのようにお考えになるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  276. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 お答えいたします。  私どもは、自由主義経済体制というものの維持が必要であると考えております。したがいまして、公正で自由な競争が行われて、経済活動というものが一定のルールの中で健全に発展をしていくということが必要であろうと思うのでございます。  現在の内外の情勢を見ますと、資源の適正な配分あるいは経済の効率のより高い発揮というものが必要であろうと思うのでございまして、そういう観点から、ただいま独占禁止法の洗い直し、すなわち先日来独占禁止法改正問題懇談会におきまして、各界の方々の御意見をお聞きいたしまして、政府の素案づくりの作業に当たっているのでございます。この懇談会の中におきましてもいろいろな御意見が出ました。日本の企業あるいは経済の国際競争力の問題、あるいはまた、それに関連いたしますいろいろな御意見等が出たわけでございますけれども、いま申し上げましたように、ただいま素案づくりに取りかかっているところでございますので、この際、それぞれの項目についてどのような改正を考えているかということを申し上げることは、御遠慮さしていただきたいと思うのでございます。
  277. 野間友一

    ○野間委員 改正の検討をされる場合に、先ほどから論議しておりますような、私が提起さしていただいた大きな問題、この提起した問題を十分政府の中で議論していただきたい。そしてこれを入れるように努力していただきたい。これを要求するわけですけれども、これについて、私の意見をぜひ論議の対象にする、検討する、こういうふうにあなたのほうでしていただきたいと私は思うのですが、いかがですか。
  278. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 独占禁止法というものは、もう御承知のように、公正かつ自由な競争の原理によりまして、経済活動が活発に行われ、事業者の創意も生かされ、そしてそのことによりまして、消費者生活に寄与し、経済の発展に寄与していくということが目的でございますから、その第一条に書かれております目的に沿いますように、独占禁止法の改正問題に取り組んでいるのでございますから、ただいま仰せになりましたようなことにつきまして、私がこの段階でどういたしますということを申し上げることは、差し控えさしていただきたいと存じます。
  279. 野間友一

    ○野間委員 私がお伺いしたのは、こういう問題を提起さしてもらうわけですから、それをぜひ論議していただきたいということです。
  280. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 いまお話のようなことなども、懇談会の中に出ておりますいろいろな意見、たくさんございます。したがって、それらすべてを勘案いたしまして、私どもこの問題に取り組んでいるのでございますから、その点で御了解を願いたいと思います。
  281. 野間友一

    ○野間委員 時間が大分なくなりましたけれども、いま論議をするというようなお話がありましたので、私は前向にぜひこれを検討してほしいということを要求します。共産党はいま申し上げたように、すでに案を出しておりますけれども、その中では、たとえば多国籍企業あるいは企業集団、こういうものの原価やあるいは資金の運用あるいは人的ないろいろな株式の持ち合い等について、常時系統的に公正取引委員会に届けさす、こういうことも一つの重要な骨子として出しております。ぜひこれを検討していただきたいと思います。  それから最後に、参考人の方、本当にお忙しいのにお越しいただいたわけですけれども、冒頭に申し上げた基本姿勢、橋本さんにお聞きしたいのですけれども、あくまでこういう線を堅持してやられるのか、あるいは何らかの軌道修正はしなければならぬ――このままでいいと思われるのかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
  282. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 ちょっとお待ちください。  先ほど来委員長は、野間君の質疑についてよく研究し聞いておりました。しかし発言中、海外で活躍し、海外に会社を持ち、海外で貿易しているものはみんな悪いことをしているように、そんなふうに聞こえる。(野間委員「そんなこと言っていない」と呼ぶ)黙っていなさい。委員長発言中だ。(「委員長横暴だ」と呼ぶ者あり)横暴であろうがなかろうが、私が委員長です。  したがって、参考人が参りまして、参考人に対していま野間友一君からの質問がございました。どうぞ日本貿易会会長水上達三君及び三井物産株式会社社長橋本栄一君、両氏より貿易に対するお考え、またいままでの状況、今後考えること等を一言ずつお述べ願いたいと思います。水上達三君。
  283. 水上達三

    ○水上参考人 野間先生のお話を伺っておりまして、それに関連していま委員長の御指名でございますので、お話し申し上げます。  わずかの時間ではとても申し上げられない内容を含んだものでございますが、要するに、日本は一体どういう立場におるかということをわれわれははっきり認識して、その足場に立って、日本の将来を考えるべきじゃないかと思います。  具体的に申し上げますと、資源がほとんどない国にわれわれは生まれ住みついたわけでございます。この資源をいかに円滑に安定的にしかも適当な値段で確保していくかということが、従来もそうですが、日本のこれからの大きな課題である。そこで、先ほど来お話を伺っておりまして感ずることは、多国籍企業が悪いというふうに私は受け取りましたが、はたしてそうならば、日本が出ておる多国籍的企業活動のようなものをやっていろ会社が、ジョイントベンチャーの形のようなもので数々ございますが、これらはその地域におけろ地域開発なり何なりに大いに貢献しようとしてやっているわけでありまして、その結果、その地域の開発がおくれているために利益が生まれてくる。つまり向こうの既設の企業が非常に経営がよくない結果そうなるというふうにもとれるわけでありますが、そういう場合が非常に多いわけであります。先ほどタイの例もございましたけれども、一つの例だと思いますが、それにつきましては、私どもが商社の行動基準をつくっているのと同じように、海外投資に対する行動の指針というものを経済五団体でつくりまして、一昨年のことでございますが、それらを出して、それを英訳もして向こうにも配りまして、このとおりやってくれたら大変いいということになっております。しかしながらこれらを拘束するといいますか、これらに包含されている企業の数というものは、現状では出ておる企業の中で非常にわずかなものです。しかし、これは在外企業協会と称するのでありますが、これを経済五団体共通の合議でつくりまして、いませっかくやっております。したがいまして、民間の方から、法律がなくとも、私どもは法律があったと同じような効果を期待してせっかく努力しておる、こういう段階でございます。  それから多国籍企業に対する独禁法の問題とかいろいろなお話がございましたが、私ども民間の欧米を含めた国際会議でも、この問題はかねて討議した問題でございますが、これらは日本だけがそういうことを考えましても、まだまだ相当ほど遠いところではないかというのが、それらの討議を通じて得た現在の私の所感であります。  それから、委員長から御指摘の、日本の貿易の問題でございますが、貿易の基本は、先ほど申し上げましたとおり、われわれが日本の立場というものをよく理解して、それを国民の一人一人が本当に理解しそれを自覚して、将来のためにおのおのの立場において努力していくということ以外にないのでございます。資源のない国が資源のある国とのハンディキャップをどう埋めていくかということは、やはりわれわれの努力なりわれわれの知識をもってよその国よりも幾らかでも優位な地位に持っていくというふうな努力を重ねるほかにないであろう。私ども総合商社というのは、そういう意味で公正に考えていただきますと、世界的にも日本の国内にも大変な貢献をしているものと自負しております。しかしながら反面、いろんな問題のあることもよく承知しております。そういう点につきましては謙虚に、先ほどの行動基準でも一部申し上げたように、そういう点を実践躬行していくというふうな姿勢をもってやっておるわけであります。  貿易が日本にとって非常に必要であるということは、いまさら私がここで申し上げるまでもないことでございますが、この貴重な国会の論議を通じまして、そういう方向に持っていくことができますれば、日本の将来は、いろんな予言者の言うような言葉をかりなくても、国際的な水準で物事を考えていくという常識をもってやっていったならばいいのではないか、こう考えておるわけであります。どうもありがとうございました。
  284. 橋本栄一

    ○橋本参考人 先ほどの野間先生の私に対する御質問もあわせてお答えいたします。  まず最初に、いまの多国籍企業の問題でございますが、私は聞いておりまして、日本の各多国籍企業のマナーが大変悪いように受け取りましたが、ただいま水上会長の御説明のように、これはきわめて少数の例外であろうかと思います。大部分の日本の海外進出企業というものは、その国の法律に準拠して、きわめて正しいマナーをもって行動基準をとっておるというふうに私は了解しております。たとえば、私どもが豪州で、日米豪英の合弁をもちまして鉄鉱石を掘っております。これは典型的多国籍企業であります。これはわれわれとしては、なるべく安い価格をもって日本の欲するだけの鉄鉱石を供給したいというふうに考えておりますが、それは豪州の現在の政府の価格政策あるいは資源の輸出政策というもので大きな制約を受けておるわけでありまして、これは必ずしも、日本側からいろいろなことを申し出ましても、それの許可を得て、豪州政府の意思に沿わなければ、その企業は日本の希望どおりにはなかなか動けない、これが実情であります。そういう意味におきまして、われわれは十分先生の御意向は尊重いたしますが、しかし日本の側から海外に出ております多国籍企業を、日本の考え方、基準だけで律するということはむずかしいのではないか、私は率直に、さように思います。  それから、ただいま私に御質問がございましたのは、最初にお出しになりました手紙についての答弁だと、私は了解いたしますが、この点につきましては、私に一言弁解させていただきますと、長谷川君がきわめて個人的に単独のサインで出しておる手紙でございまして、しかもその趣旨は、なるほど企業集団とか系列化とかいう言葉を使っておりますが、石油ショックに関連して、各企業から、原料の不足に対する苦情あるいは悩みが殺到しております。これに対して、特に海外からの有利な原料の仕入れという問題については、流通を担当いたしますわれわれにとってきわめて重要な役割りのものでないかということがここに書いてあるわけであります。われわれはサービス業でありますから、そういうサービスをお得意先あるいは関係先に提供して、より有利な資材を提供することによって、日本経済の進んで行く道に対応するという形が、われわれのとるべき道でないかということを、この手紙でうたっておるわけであります、精神は。しかし、最近流行の企業集団とかあるいは系列化とかいう言葉がここで飛び出しておりますので、まことに不穏当な表現になっておると私は思います。私がこの手紙を書きますならば、重要取引先その他に十分なる情報上のサービスをして、いま私が申し上げるような商社の役割りについてのサービスをし、それによって取引先との関係を質量ともに密度の高いものにする、という考え方をここに書くべきでありますけれども、筆者ははなはだ未熟でございまして、表現がまことに穏当を欠いておると私は思います。そういう意味で、自今こういう手紙が出ないように、私どもとして最善の注意をしたいと思います。  なお、この筆者につきましては、この手紙を書きました直後におきまして、このポストからはずしまして、現在は当社におりません。その点で御了解いただきたいと思います。
  285. 野間友一

    ○野間委員 それでは、時間が参りましたので、これで終わりますけれども、いま一つありましたので、それに対して終わりの言葉だけ申し上げます。  私が問題にしたのは、この文書については、集団とか企業の系列化そのものを自認されておる、これが公取の見解の中身と一致するということで申し上げたわけです。基本姿勢の問題については触れられませんでしたけれども、それはそれとして、私はやはりそれと同時に、外へ出る企業の全部が悪いというふうに委員長はとられたという話ですけれども、そうじゃない。
  286. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 全部が悪いとは言いません。
  287. 野間友一

    ○野間委員 こういう事例があるから、そういう事例を、独禁政策上も、これの実態を正確に把握して対処しなければならぬ、把握する手だてをする必要がある、このことを政府に申し上げ、あるいはそれについての公取委員長の見解も聞いたわけです。  ただ、残念ながら、公取委員長のほかは、政府の通産大臣あるいは植木長官、まあ長官は何も言われなかったですが、通産大臣のあれを聞いておっても、なかなかこれについて実態を把握するということについて法律をつくらない。つくるというところまで、あなたのほうでは言われません。私たちは引き続いてこの問題について、これは独占禁止法、独禁政策の点から、これをさらに追及して、今後に譲りたいと思います。終わります。
  288. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて野間君の質疑は終了いたしました。  水上参考人、橋本参考人、御多用中のところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。御退席を願ってけっこうでございます。  なお、野間君の発言中、林理事が委員長のところに参りまして、委員長が何か暴言を吐いたようでと思われる節がありましたら、謹んで取り消します。  次に、広沢直樹君。
  289. 広沢直樹

    ○広沢委員 私はこれから、政府並びに金融機関の代表として出席された参考人の皆さんに、主として金融機関の社会的責任という立場から、若干の質問をいたしたいと思います。  社会的不公正の是正は、今日の政治の最重点課題であります。高度経済成長政策の中で最大のひずみというのは、土地やあるいは持ち家など資産を持てる層と、そしてまた、一生懸命働いてもなかなかそういうものを持てない層、この格差が拡大したことであります。その中で最も大きな問題は、やはり土地が暴騰し、そしてその原因をつくったこともこれは明らかであります。したがって、私は、土地問題をめぐる金融機関のあり方、こういうことについて、具体的にきょうは伺ってみたいと思うのであります。  まず最初に、大蔵大臣にお伺いいたしますが、経済政策の転換、これは三木内閣の公約であります。     〔委員長退席、湊委員長代理着席〕 しからば、やはり経済を支えている金融機関、こういったもののあり方についても、当然考え直してみなければならない。いわゆる経済の実体運営に関するいわば秩序法ともいうべき銀行法また保険業法、金融機関の関係法令、こういった経済の実体を見て再検討すべきであると考えるわけでございますが、大臣の考えをまずお伺いしておきたいと思います。
  290. 大平正芳

    ○大平国務大臣 銀行法は昭和二年に制定された法律でございまするし、日銀法は昭和十七年と記憶いたしております。いずれにいたしましても、戦前または戦時中の立法でございまして、その後の環境が一変した今日、このままの姿でいいものとは考えておりません。しかしながら、今日まで行政通達の姿で、時代のニードに行政を合わすべく努力してまいったわけでございますけれども、立法自体を再検討すべしという声は、ここのところ、私どもよく耳にするところでございますし、私どももそれを痛感いたしておるところでございます。したがって、なるべく早い機会に、関係審議会の首脳等と、この問題につきまして篤と御相談を始めてみたいと考えております。
  291. 広沢直樹

    ○広沢委員 これまでの高度経済成長の中で、都市部を中心とした開発等によって、土地はウナギ登りに急上昇いたしておりますが、三十年を一〇〇として見た場合に、四十九年度は全国平均で二十八倍、それから六大都市では四十一倍になっております。特に四十六年、四十七年、四十八年、過剰流動性の問題あるいは超金融緩和、こういった高度経済成長による開発促進の波に乗って、全国的に土地ブームが起こっておりますし、土地はこの期間に、これはまた爆発的な上昇をいたしております。  そこで、まず最初に国土庁長官にお伺いしたいわけでありますが、北は北海道から南は九州まで、日本全土にわたって、こういった爆発的な土地の値上がりということが起こっているわけでありますが、地方の方へ参りましても、各機関においては民間の主導の大開発といいますか、さらにはまた宅地開発、こういったこともお断りだという、あらゆる自然保護の意味あるいはいろいろな意味から、そういった問題が起こってきておりますが、やはり私は、この土地の問題については、商品ではない、いかなる理由があるにしても、土地の売買で相当な利得が上げられるのだ、投機や利得の対象にすべきではない、こういうふうに思うわけでありますが、国土庁長官、いかがお考えですか、簡単にお答えいただきます。
  292. 金丸信

    ○金丸国務大臣 土地というものは、福祉、公益優先というような考え方、また狭隘な日本の国土というものを考えてみますと、まことにとうとい資源であります。そういう意味で、この土地に対して、昨年、国土利用計画法というようなものができたわけでありますが、土地は買えば上がるというような考え方も、これは今後是正していかなくちゃならぬけれども、特別な商品であって、私はたびたび申し上げるわけでありますが、国土は国民の保有する領土だというような考え方で対処していかなければならぬだろうと考えておるわけであります。
  293. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこで、地価の暴騰は、政府の金融政策あるいは財政政策、いろいろな面から失政ということを挙げることができるわけでありますけれども、やはり金融機関の不動産に対する貸し出しが、こういった土地が急騰していく間にも相当多くなってきております。不動産会社を初め系列会社あるいは関連会社、あるいはまた一般的な商社、企業、こういった面におきましても、こういうことは明らかになっているところであります。こうした状況の中で、金融機関の融資のあり方についても、やはり率直に反省すべきではないか、こう思うわけでありまして、きょう金融機関の代表で御出席になった生保協会の会長さんと、それから銀行協会の会長さんに、こういった所見をひとつ伺ってみたいと思います。
  294. 佐々木邦彦

    ○佐々木参考人 お答えをいたします。  ただいま広沢先生のおっしゃったとおりでございまして、私ども主に不動産関係の融資がふえましたのは四十七年まででございまして、八年からはずっと抑えておりますが、今後も慎重に対処してまいりたい、このように考えております。
  295. 新井正明

    ○新井参考人 私どもといたしましても、ただいま全銀連の会長のお話がございましたように、一時期、不動産の融資が多くなりましたけれども、最近においては、そういうことについては、総需要抑制その他の観点から、十分自粛しております。
  296. 広沢直樹

    ○広沢委員 金融機関の代表の方は、率直なる反省がありますが、この地価の推移、あるいは金融機関の不動産向けの融資の増加推移、これとはきちっと符合いたしております。生命保険会社の不動産向け貸し出し、この状況を見ますと、全体の貸付金額に対して、不動産向けに出したのは、昭和四十五年度で約二千三百億、四十六年度が二千八百億、四十七年度が四千八百億、四十八年度は五千九百五十五億。率にしまして六%から九%、一〇%とこの期間に上昇していることを見ても明らかであります。また、全銀会長さんがいまお話しになったことも、四十六年、四十七年は都市銀行を例にとりましても、一般の総貸し出し、それの対前期増加率を見ましても、一般貸し出しは四十六、四十七年で一〇%程度しか伸びていないところに、不動産業に対する貸し出しは四〇%、三〇%と伸びております。確かに協会長おっしゃるように、四十八年以降は総需要抑制、そういうことで通達も出ておりますし、自粛されているということは、この表によっても明らかであります。  いずれにしましても、私は、このような土地暴騰によって、結局庶民のマイホームの夢というものは破られておりますし、社会的不公正、こういったものが拡大し、その原因の一つは、やはり金融機関と不動産融資、なかんずく不動産会社との密着したこういうあり方にあると言わざるを得ないのであります。  そこで、私は、まず生保会社について、具体的にひとつ指摘しながら申し上げてみたいと思います。  生命保険会社は二十一社ありますので、全部を申しておりますと時間がございません。そこで大手八社、これを主体に実態を調べて表にいたしておりますので、すでにお配り申し上げておると思いますが、全部読み上げるのは時間がかかりますから、この表を見ながら、ひとつお答えをいただきたいと思うのであります。  この大手八社の中で、生命保険会社の子会社として、いわゆる持ち株一〇〇%の子会社を持った生保会社が六つあります。日本生命それから千代田生命、これは大手八社でありますが、一〇〇%でありません。日本生命については、これは一〇%、千代田生命も一〇%の持ち株の関連子会社を持っていられます。  そこで、公取委員長にまずお伺いしたいわけ外すが、いま公表いたしました表に明らかなように独禁法第十一条には、金融業は一〇%の株式保有制限がなされております。当然保険業も入るわけでありますが、公取の認可を受けた場合は一〇%を超えてもよい、こういうふうに十一条はなっておりますね。ところが、いきなり一〇〇%保有を認めた。これはちょっと極端過ぎるんじゃないかと思うのでありますけれども、いきなり一〇〇%を認めたその理由は何なのか、ひとつ御説明いただきたいと思います。
  297. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 これは銀行に限りませんが、金融業が本来自分ですべき業務とみなされるもの、それの一部を別会社にしてやりたいという場合です。ですから、たとえば自分自身の建物ですね、担保権など別に書いてありますから、そうじゃなくて、本来自分の管理部、通常ならば管理部として扱うべきものを別会社にしてやりたいという、これはもう本業と同じことである、当然、付随業務といいますか、付随業務でなくて本業である、こうみなされるものについては、一〇〇%まで認めておるということでございます。
  298. 広沢直樹

    ○広沢委員 念を押して、もう一度お伺いしますけれども、いわゆる本業と一体だ、こう見られるものについては一〇%以上超える場合は、即一体であるから一〇〇%認めるのである、その中間はないのだ、そうじゃなければ一〇%以下にすべきである、こういうことでございますか。
  299. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 原則的に全くそのとおりでございます。ただし、非常に軽微な度合いで、それとちょっとはずれたことが入っても、非常に軽微であればまあ大目に見る。しかしそうではなくて、それがかなりの割合に達する、本来の銀行業務の延長とは見られない場合には、これはいけないということにしております。
  300. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこで、生保協会長さんにお伺いいたしますけれども、協会長さんは、住友生命の社長さんでいらっしゃいますね。ちょうどこの表にありますように、住友生命は往生住宅、そして住生土地、この二つの会社は一〇〇%の持ち株でありますね。いま申された一体だということになるわけであります。そこで、これはどういう内容になっておるのか。具体的に申しますと、住友生命の不動産を運用するための子会社なのか、それとも資金を貸し付けて、そしてこの会社がこういう宅建業法の許可を受けて不動産業をおやりになるということなのか、単純に申せば、住生住宅が独立して、一般不動産売買というものをおやりになっているのか、その点ひとつ説明してください。
  301. 新井正明

    ○新井参考人 実は三十七年に保険審議会の答申がございまして、国民経済の動向、経済情勢の変化に応じて、不動産については多角的、弾力的に運用すべきだというような答申がございました。そこで、私どもの方といたしましては、生命保険の資産というのは、お客さんから預かって、長くお預かりしている金でございますから、不動産に投資をするということは法律でも認められておりますので、不動産投資をしてまいりましたけれども、一方では、当時、住宅それから土地というものを国策としてたくさん供給しなければならない、こういうような当時の行政方針といいますか、国策と申しますか、そういうことと、いまの三十七年の保険審議会の答申とに基づきまして、私どもとしては、この子会社をつくりまして、宅地の造成あるいは住宅の供給、こういうことに専念させておるわけでございます。したがいまして、必ずしも当社の不動産を管理するというわけではございません。その後、四十七年の保険審議会の答申で、投機的目的との批判をされないように、節度を守り、限度を守るようにというようなこともございまして、私どもの方としては、そのような方針に従いまして、低廉な、それからいい物件を一般の国民の皆さん方に供給するということをやっております。  以上でございます。
  302. 広沢直樹

    ○広沢委員 再々出たり入ったりさして、ちょっと申しわけないのですが、いま言われた趣旨というものは、後から私は提言したいと思っているわけなんです。これは住友生命を、いま社長さんですから具体的に申し上げているんで、あと、第一生命、朝日生命、安田生命、明治生命、三井生命、皆同じです。ですから、一つのモデルとして具体的にお聞きしますか……。  いま、住友生命の財産だけの運用ではない、住友生命の所有している不動産だけの運用ではないんだ、このあなたのおつくりになっている一〇〇%の子会社は。そこで、その会社が別に土地を購入し、またそれを分譲したり、あるいは家を建てて売ったりということをやらしていると、こうおっしゃっているわけですね。ある意味においては、それは住宅の供給という意味もありましょう。しかし、生命保険会社が資産を運用するに当たっては、利用方法はちゃんときちっと書かれているわけです。規則、法律によって決まっているわけですよ。その何の規則あるいは何の法律に基づいて、不動産業をやっていいということはあるのか、それをひとつ説明してください。
  303. 新井正明

    ○新井参考人 先ほど私は、私どもの会社の一〇〇%子会社について申し上げましたので、協会長としては、ほかの保険会社の一〇〇%子会社は、独自の建物についてその管理をしているのがあるかもわかりません、その点については、言葉が足りなかったと思います。  そこで、私どもがこういう会社をつくりましたのは、保険業法に「不動産ノ所有」ということがございます。その「所有」は、一体宅地を造成して、そして売っていいのかどうかという問題がございますけれども、当時の社会情勢あるいは国策としては、そういうことを拡張解釈したというぐあいに、私どもは解釈しておるのです。
  304. 広沢直樹

    ○広沢委員 それは、各生命保険会社が、拡張解釈を勝手におやりになったのでございますか。
  305. 新井正明

    ○新井参考人 いや、それは先ほどから申しましたように、なるべく多数の機関によって宅地を造成し、住宅を供給するというのが、当時の国策になっておりましたので、これは行政指導も受けまして、私どもはこういうことをやっておるわけでございます。
  306. 広沢直樹

    ○広沢委員 それでは、保険業法にある第十四条の財産利用方法書、これを大蔵大臣に届け出て、そして認可を受けて、財産の運用をなさるわけでありましょう。
  307. 新井正明

    ○新井参考人 そうでございます。
  308. 広沢直樹

    ○広沢委員 そうでしょう。あくまで、いま法治国家です。法律なり規則に基づいて、これをおやりになるのが当然じゃありませんか。そういう申し合わせだとか、社会の情勢だったからこれをおやりになるというのは、これは法の拡大解釈ですよ。  それから、いまおっしゃいましたけれども、確かにあります。施行規則第十八条には「不動産ノ所有」というものもあります。だけれども、売買をやっていいならば、不動産の売買をやっていいと書くべきです。あるいはそうでないならば、もっと規則なら規則で、あるいは通達で、売買をやれということになってもしかるべきじゃありませんか。  それともう一つ、時間がありませんので申し上げますが、あなたが大蔵大臣に財産利用方法書をお出しになって、こういうことをやりますと言うところに、そのことを明確に言って、許可を受けてやっているなら別であります。いかがですか。
  309. 湊徹郎

    ○湊委員長代理 発言を求めてからお願いをいたします。新井参考人。
  310. 新井正明

    ○新井参考人 私どもが子会社をつくり、そういう仕事をするということにつきましては、当時公取に申請いたしまして、許可を受けまして、監督官庁にもその旨お届けして、承認を得てやっているわけでございます。
  311. 広沢直樹

    ○広沢委員 監督官庁に届け出て許可を得て……。当然許可を得なければできないと思います。しかし、許可を得るについては、その根拠というものが、やはり法に基づき、規則に基づいてやっていかなければならないわけです。よろしいでしょうか。  そこで、あなたがそういうことでありますので、大蔵省にお伺いしますけれども、非常に根拠があいまいなんです。規則にもよっていないのです。法律にはもちろんありません。先ほど協会長さんの説明のように、その時代の背景からして、そういうふうな考え方で、これを申請を出してやってきたということなんですがね。そこで、先ほど国土庁長官は、やはりもうけの対象やそういうことに考えるべきじゃないと、一般論としておっしゃったのですが、だれでも皆そのことは当然そう思っているわけですね。こういうことで、財産運用だということで一体の子会社をつくって、そうしてその資産運用というのは、保険会社は利益を上げるために資産運用していくんですね、そうでしょう、一つは。ですから、そういうようなことをもって率先して土地を買う。ある意味においては供給になるのかもしれませんけれども、この当時の背景というのは、先ほど私、簡単に申し上げましたけれども、全国に幾らでもあるのです。住友さんにしても、ほかの一〇〇%の子会社は、その周辺だけを買って供給したというのではないのです。これは全国的にあるのですよ。ですから、そういうふうにして買っていったことが、土地が暴騰していった、そういったことに一役買ったと言っても、これは過言じゃないのです。そうじゃないですか。大蔵省、これはいまの協会長さんのお答えでは、根拠的には非常にあいまいです。この点、ひとつはっきり説明し、今後どういうふうな対策をおとりになるのか、明確に答弁してください。
  312. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  土地の投資に対しまして、社会感覚なり社会の認識がここ一、二年非常に変わってきておりますし、したがいまして、生命保険会社の一〇〇%子会社につきましても、いろいろな問題が出てまいったことは、先生の御指摘のとおりだと存じます。  ただ、生命保険会社の土地融資につきましてのいままでの経緯につきまして、一言御説明させていただきますと、これは先ほどからの御説明にもございましたけれども、保険審議会におきましては、生命保険会社の土地投資につきまして、昭和三十七年と四十七年、二回にわたって答申を出しております。その答申の内容におきまして、生保資産の運用は、国民経済の発展、国民生活の向上に寄与する方向に行わなければならない、不動産投資については、住宅等の建設を含めてその範囲を拡大することが望ましい、これが三十七年の答申でございまして、さらに四十七年の答申は、地域開発等の社会経済的見地に立って一層の拡充を図ることが適当である、こう述べられておるわけでございます。行政当局といたしましては、この答申を受けまして、生命保険会社を指導してまいったわけでございますが、その場合に、土地投資の効率化を図る見地から、子会社方式によることが望ましいとして、そのような指導を行ってまいったわけでございます。これは先ほど協会長からの説明もございましたように、生命保険会社が土地所有を行い得ることになっておるわけでございますので、それに伴う処分あるいは取得、それに絡みまして、このような処置が行われたわけでございます。  これらの生命保険会社の業務は、それぞれの時点においては、一つの社会的要請に沿ったものと考えられるわけでございますけれども、しかし、いまの時点において考えますと、先生御指摘のように、土地に対する社会的感覚、認識が非常に変わってきております。したがいまして、この際再検討すべき時期にあるのではないか、このように考えております。実は現在、生命保険審議会におきまして、この土地投資問題を含めまして、御審議を願っているところでございまして、そこにおきましては、生命保険会社の行っている不動産投資について、子会社を含めて、生命保険会社の公共性にかんがみ、その許容される範囲及び条件についてどのように考えるか、こういう諮問をいたしまして、いま御検討願っているところでございます。したがいまして、ただいま先生の御指摘の点を十分に踏まえまして審議が行われますように、事務当局としても取り計らってまいりたいと思います。  特に先生いま御指摘の一〇〇%子会社の処理でございますが、事務的にいま検討を行っておりますけれども、その方向といたしましては、まず第一に、一〇〇%子会社は現在、先ほど御指摘のように九社あるわけでございますが、このような会社につきましては、その業務は親会社の所有している不動産にかかわるものに限る、ということにいたしたいと思います。第二番目に、これらの子会社は今後独自で新規に不動産を取得することは認めない、これは原則として認めない、こういう方向に行きたい、このように考えております。
  313. 広沢直樹

    ○広沢委員 事務当局から、反省し改善するということでありますから、後からまたまとめてこちらで申し上げたいと思うのですが、ともかく、その審議会の答申があったから、規則にもあるいは法律にもないことを拡大解釈して、大衆から集まったお金を、それを一体の会社として、土地あるいはそういう宅地造成ということでおやりになるということは、これは一つ問題なんですよ。よろしいですか、協会長さん。  そこで次に、日本生命の社長さんに参考人としておいでいただいております。これは業界の代表者、日本生命というのは第一位でありますから、代表ということで、きょうおいでいただいたわけでありまして、最初にお断り申し上げておきたいと思います。  それで、先ほど申し上げましたように、確かに日本生命は、いま私が申し上げた一〇〇%の持ち株の子会社はありません、不動産会社にはですね。しかし、この表にありますように、日生ビル興業から始まって六社、これはほとんど一〇%の持ち株になっております。さらに役員を日本生命から出向させております。これもこの表に書いてあるとおりであります。こういう状況の中で、融資の関係、これはどういうふうになっているのか、簡単に説明してください。
  314. 弘世現

    ○弘世参考人 広沢委員にお答え申し上げます。  融資の方は、われわれといたしましては、根本といたしましては、コマーシャルベースでやっております。関係会社だから特に安い金利でやるということは絶対やっておりません。それからもう一つ申し上げますと、配当も実は一割に制限しております。そういう方法で、こちらもそれによってわれわれが得をするというリーズナブルな方法でやって、そのかわり良質で低廉なものを供給するということを根本的にしておりますので、その点は御了承願いたいと存じます。
  315. 広沢直樹

    ○広沢委員 公取委員長に、ここでもう一度お伺いいたします。  独禁法に基づく持ち株制限によって、持ち株がたとえ一〇%以下であったとしても、実質的に一〇%以上の場合、すなわちこういう子会社、系列とか関連とかいうよりもはっきりとした、分裂していった子会社、そういった子会社のグループを合計した場合に一〇%を超える場合は、どのようにお考えになるのか、まずそれから答えてください。
  316. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 御質問の趣旨がちょっと私わかりかねる点がございましたが、要するに形では一〇%になっておる、実質ではそれをはるかに超えておる、こういうふうな……(広沢委員「いや、グループ的に足した場合、一〇を超えておる……」と呼ぶ)ですから、金融機関が持っておる株は一〇%以内である、しかし同族的と言いますか、全く同じ系列と見られるものが相寄って持っている場合ですね。それは、ですから非常に判定困難ですが、要するにその影響が全く同じである、全く実質的に一〇%ではなくて、それよりはるかに、四〇にも五〇にもなるのだというふうに認定されれば、そういう会社は排除してもらいます、法に触れますから。そういう実質的に同じものが株主になっているということが確認された場合は、一〇%になるまで、ほかのものを処分してもらうということでございます。
  317. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこでもう一つ見解を伺っておきたいのですが、公取委員会は、企業のあり方を見て、いまのようにおっしゃるならば、実態に当てはめて考える、こういうことでございますよね。そういうことで、先般問題になりました独禁法の改正にいま取り組んでおられると思うのですが、グループ支配について、またそういうおそれがあるということに思われる場合は、どういうふうに今後はやっていくお考えなのか、これをちょっと簡単にお答えください。
  318. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 グループ支配、つまり、仮に処分をする段階になりましても、同じグループのまだ持てる余裕があるところへ行ってしまう、ですから同じことだ、結果的には、その集団としては同じ持ち株率になる、こういうおそれが出てくることは確かでございます。しかし、いま私どもの方の案におきましては、直接それを排除するという措置はちょっとないわけでございます。その点、遺憾でございますけれども、法人が処分して、また法人にはまった、それが実は同じ集団の中である。ですから、この間実は別の方の御質問に答えまして、これに対しては、わが方としてはいま直接の方法がないということです。競争会社なら、これは、問題ないですよ。競争会社ならば、これは所有禁止という案を出しておりますから。そういう考えを出しておりますけれども、そうでない限りは、どうにもやりようがない。ですから、別にとられるであろう証券民主化運動の線で、もっと個人株主の方も割合をふやすというふうな措置がとられれば、結果としてはうまくいくんじゃないだろうかということを申し上げた次第でございます。
  319. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこでまた、弘世参考人にお伺いしたいのでありますが、先ほどもちょっとお伺いしました日本生命の関連土地会社、子会社というのは、ここに表でお配りしましたが、これで間違いございませんですか。――そこで、日本生命が不動産会社に対して貸し付けたその残高に占めるこれら関係不動産会社の貸付残高というのは、パーセントで、割合で答えていただきたいのですが、どれぐらいになっておるでしょうか。
  320. 弘世現

    ○弘世参考人 お答え申し上げます。  ただいま御質問のあった分でございますが、日生不動産の方の残高が四十九年十二月におきまして二百六十六億九千三百万、それから日生土地住宅の方の残高が三百三十六億六千七百万、西大和開発の残高が百一億五千八百万、それからビル興業の残高が十三億七千九百万、こういう数字がいま出ております。よろしゅうございますか。
  321. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこで、その合計したものが全体の不動産会社に貸し付けたものとの割合はどうなっているかということを聞いているのです。日本生命が不動産会社に貸し付けた合計がありますね。細かい数字になりますから、大ざっぱに言って、日本生命さんはいま言う関連のこういう会社に対して貸し付けは、私の持っているデータでは約半数を超えているわけです。それはそうですか。それだけ確認しておきます。
  322. 弘世現

    ○弘世参考人 お答え申し上げます。  本社のシェアは、日生不動産会社が四七・四%、それから日生土地住宅が六二・五%、西大和開発が七五・九%、それから日生ビル興業が九三・四%、こういう形になっております。
  323. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこで、公取委員長にお伺いいたしますが、持ち株におきましては、これは日本生命の場合を例にとっているわけですが、確かに十一条の一〇%であります。そしてその表の隣に書いてありますように、関係会社を含む持ち株というのは、ここに六八%、五九%と書いてございますね。これはどういう仕組みになっているかといいますと、西大和開発については、日本生命が九・八、日生不動産が二一・五、それから日生ビル興業については、日本生命が一〇、日生土地が二〇、この当時でいえば日生住宅、これは四十九年に合併しておりますが一〇%、日生ビル管理が五%、あるいは日生不動産が二八%、それから日生不動産については日本生命が一〇で、日生土地が一八・五、日生住宅が一〇、日生ビル興業が一〇というふうに、全部持ち合っているわけです。よろしいですか。それを合計したものがここに書いてあるという意味であります。こういうふうになっておりますし、それからいまの融資にしても、シェアをいま述べておられましたが、非常に高いわけであります。それから役員派遣もここに書いてありますとおりですが、読む時間がありませんから省略いたします。  そういうふうに考えていきますと、人事においてもあるいは融資においても、あるいはグループ的な同じ不動産グループの、そして一つの保険会社が一〇%ずつ持って全体を掌握している、そういうふうに持ち合っている。こういうかっこうに、独禁法的には、いまの十一条には当てはまらないかもしれません。先ほどの一〇〇%というのは、これはあなたはお認めになっているけれども、私はあとから言いますけれども、問題があるのです。よろしいですか、こういったような場合については、一〇〇%の、集団化して変形したものじゃないか、こういうふうに見られるわけでありますが、これも一体という考え方、あるいはそれを変形だという考え方で見られませんか。いかがですか。
  324. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 幾つかある日生の一〇%保有しておる会社が、お互いに株主になり合っている。しかもその会社の実体は、日生の資金が非常に重要な部分を占めている。ですから、言ってみれば日生の子会社に等しいといいますか、非常に近いものであるというふうに、いまの数字でこれは確認されていますから、私そう感じました。これについて、やはり実質的に子会社とみなされるようなものが、相互に株を持ち合うことによって、一〇%の枠を超えているということになるのではないかという疑いを私は持ちます。疑いを持ちますが、さらに実態調査を詳しくしまして、そうして委員会でどう扱うか、これはここでいま私、断言することはできませんが、どうも、早く言えば脱法的な措置と疑われないことはない、こういうふうに思います。
  325. 広沢直樹

    ○広沢委員 そこで、もう一つ申し上げますと、これは一九七三年の不動産年鑑にも出ておりますし、ほかにいっぱい資料はありますけれども、日本生命さんは、この広告に「日本生命の日生土地株式会社」、こういうふうに堂々と出していらっしゃいます。これは御存じでしょうか。ちょっとこれ見てください。いいですか。この宣伝文の中にも、「みなさまの身近で暮らしを守ってきました日本生命が、暮らしを豊かにするために設立した日生土地」というのは、ここにあります一〇%持っている日生土地株式会社であります。ですから、こういうふうに社会一般に対しても、われわれは一体でございます、こういう説明をなさっていらっしゃるわけでありますよ。先ほど公取委さんは実態を見てということをおっしゃいました。ならば結局、やはり一〇〇%ではありませんけれども、一〇%、こういうふうに分割されておった。形式は法に合っておったとしても、この実態から見るならば、これは行き過ぎではないか、こういうふうに見られる。先ほど大蔵省は、一〇〇%についてはこれは改める、こういうふうに言っておられるわけでありますが、私は一〇%でも、生命保険会社のこういった不動産に対する持ち株というのはこれは大きい。公取試案にもありましたように、金融機関の持ち株はいま制限が一〇%です。それを五%にというのがあるわけですが、それ以前に、銀行に対しては、大蔵省は、不動産業に限って持ち株は五%以下にしなさい、あるいは派遣している人員がおったら二年以内に引き揚げなさい、紛らわしい名称を使っておればこれをやめなさい、こういったことを通達で出しておられるわけでありますけれども、また、そのように行政指導なさっておるわけでありますが、生命保険会社については、こういう実態から考えてどういうふうに改めていこうとされるのか、お答えいただきたいと思うのであります。
  326. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  生命保険会社の不動産関連会社につきましては、いま御指摘のようないろいろな問題点があるわけでございまして、これにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、いままでの生命保険審議会の答申その他もありまして、一般の金融機関とは別個な取り扱いをしていたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、諸条件の変わりました現在では、従来の方針に再検討を加えるべき時期か、このように存ぜられます。この点につきましても、先ほど申し上げましたように、審議会でいま御審議を願っておるところではございますが、現在事務当局で考えております方向といたしましては、このような保険関連不動産会社につきましては、特ち株を五%以下に抑制する、これは、先ほど先生御指摘のような疑わしい実質的な面も含めまして、五%以下に抑制するということにいたしたいと思います。それから名称につきましても、親会社と密接に関連するような、そのようにとられるおそれのある名称については、これは速やかに改めさせたい、このように考えております。それから融資につきましても、適正化を図る、このような方向で処理してまいりたい、このように考えております。
  327. 広沢直樹

    ○広沢委員 時間の関係で、大ざっぱにいまの問題点を指摘いたしました。私は確かに保険業には余り詳しくありません。しかしながら大蔵大臣が冒頭におっしゃったように、やはり経済を変えるというなれば関連法令というものも考え直してみなければいかぬ、こういうことで、私ども社会的公平を守るためには、これは考え直すべきであろうということで、ざっと洗ってみたわけです。ところが、先ほど申し上げましたように、規則にも法律にもない、その規則を読んでいけば、これは拡大解釈じゃないかと思われるようなことを、政府も認め、また公正取引委員会もそのときの状況で認めておられる。私はこの「保険業法の解説」という本をずっと読んでいきました。この中にこうあります。  「いわゆる資本的関与については私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第一一条のほか保険業法施行規則第一九条によって制限されているが、実質的に保険会社が他業を営むと同様の結果になる場合には他業の制限に反する」とあるのであります。いわゆる第五条、銀行法にも五条があります。あるいは保険業法にも五条があります。規則で決められ、あるいは政令で決め、あるいは法律で決められているならば結構ですよ。不動産会社をやっていいという法律はどこにもないのであります。これをいままでやってきたわけです。しかも、私はこれを見て唖然としたわけでありますけれども、公取が認可した。公取さんは大蔵省と相談して認可したと思うのですが、あの四十年から土地はものすごい値上がりを示しているのでありますよ。     〔湊委員長代理退席、委員長着席〕 この一〇〇%の不動産会社をつくることを認めたのは、一番上のほとんど大手八社のやつは、四十年代に入ってからじゃありませんか。それも四十四年、四十五年が一番多いです。こういうふうに、政府はあいまいな見方をしてきている。また生保会社の方は、確かに協会長やあるいは日本生命の社長さんがおっしゃるように、低廉な住宅も何も供給していきたい、これは結構ですよ。それならそれとして、やる方法があると思うのです。土地会社をつくって、実態はどうかと言ったら、時間がありませんから言えませんけれども、全国にわたっての資料を調べてみました。九州の方にも買いに行っているわけです。仙台にもあるいは金沢にも、いっぱい資料があります。そういうようなやり方をして、いまだに売れずに持っているところもあるのですよ。きょうの「週刊現代」に出ているじゃありませんか。資産運用をなさるということがいいということであれば、昨年一年の倒産はどれだけあると思いますか。一万件を超えていますよ。トップは建設業じゃありませんか。その次は不動産業じゃありませんか。この二つとも、資産運用を適切にやっていかなければならぬという生保の方が、力を入れていくというのは何事です。その中の融資しているところが倒れたらどうするのです。契約者にかわってなにをしているとするならばですよ。だから、これがもうけていくということで、利回りがいいから、あるいは大義名分はどうあれ、こういうことをやっていくということは、重大なる反省をしていただかなければなりません。これについて当局からは、これを改める旨の具体的な検討なり指示なりするということでありますが、責任官庁であります大蔵省、これについて最後にどういうふうに考えておられるか、お答えいただきたいと思うのであります。
  328. 大平正芳

    ○大平国務大臣 土地に対する社会的な認識、社会的な評価が大きく変わってまいりましたことは御指摘のとおりでございまして、生命保険会社、金融機関の土地投資のあり方がこれまでのようなことであっていいかということは、確かに問題をはらんでおると思うのでございます。  すでにきょうの御答弁にもありましたように、保険会社側におきましても、それぞれ節度のある対処の仕方をしていただいておるようでございますけれども、私どもといたしましては、保険審議会に、土地投資等のあり方について、保険会社の運営上の問題全体の立場から、どうあるべきかということについて、御相談を始めておるわけでございますので、先ほど事務当局から御披露申し上げましたような方向で、できるだけ早く成案を得て、事態に対処いたしたいと考えております。
  329. 広沢直樹

    ○広沢委員 それでは、十分にそれを改めるということでありますから、時間の関係で、次に参ります。  第一勧銀の頭取さんにお越しをいただいておりますので、時間がありませんので簡単に数点お伺いいたします。  まず、第一勧銀さんが、日本土地建物――まあ第一地所というのもありますが、これは時間の関係で後回ししますが、日本土地建物ですね。これとの関係についてお伺いします。  これは、昭和二十九年五月、日本土地建物株式会社が設立されて、それ以来、本店事務所が四十九年八月、現在の霞が関の場所に移転するまで二十年間、第一勧銀の本店内または本店別館ですか、ここにあったわけでありますね。この間、第一勧銀は同社に対して賃貸料は取っていらっしゃったんですか。
  330. 横田郁

    ○横田参考人 賃貸料は取っておりました。
  331. 広沢直樹

    ○広沢委員 そうしますと、どういうことになるかといいますと、横田さん、銀行法第五条の、先ほどの兼業の制限というのがありますね、御存じのように。その趣旨からいきますと、「其ノ他ノ銀行業ニ附随スル業務」ということになっているのですが、その「附随」ということは、たとえば、大目に見ても、食堂をつくったりいろんなものを貸したりして利便を図るという意味、そこまでは私わかると思うのですが、土地会社に貸したり、あるいはほかの企業にどんどん貸していくということは、これはこの法に違反というか、逸脱していると思うのですが、どうですかね。
  332. 横田郁

    ○横田参考人 御指摘のように、そういう意味では、確かに若干逸脱していると思いますが、ただ銀行としまして、不特定多数の人に業として賃貸しをしておったというわけではないので、これは本社ビルを建設するまでの過渡的な間、一時貸しておったということでございますので、御指摘の点は確かにございますので、今後そういうことのないように、大いに自粛したいと思っております。
  333. 広沢直樹

    ○広沢委員 確かに、現在は取りこわしておりますから、四十九年八月以降はそういうことはありません。しかし二十年間そういう形でやってこられたということは、やはりこれはまずいんじゃないかと思いますね。  それから、今度はその土地建物というのは、この経歴をずっと見てみますと、役員は第一勧銀にいらっしゃった方々、その出身者で構成されております。それから、持ち株の問題につきましては、これは四十八年の四月の銀行局の指導によって、一〇%から五%になったり、名称も変更されているということであります。ですから、その点につきましては改善されておりますが、融資については、私これは決算書を見ましたら、相当、短期についてはもう九〇%近く、それから長期については五〇%、六〇%近くをまだ貸していらっしゃるのですよ。こういう偏った貸し方というのは問題があろうと思う。ですから、形は変わっていても、やはりこういう子会社的な系列的な考えを持たれるということは、銀行の行政上よろしくない、これはよく検討すべきじゃないか、これは申し上げておきます。  それから、きょうは時間がもういっぱいになりましたけれども、建設大臣に出席をいただいております。そこで、二点だけ私は言いたいと思うのです。  その一つは、確かに保険会社が――先ほど提案すると言いましたから申し上げますけれども、保険会社がこういうような不動産業やいろいろおやりになるのですけれども、そうじゃなくて、やはり私は住宅ローンを拡大すべきじゃないかと思うのですよ。諸外国と比べましたら、アメリカは、保険会社は総貸し出しの中で六九・五%でしたか、ちょっといま資料が見当たりませんが、貸している。西ドイツは、保険会社が四〇数%住宅貸し付けのほうに入れているわけです。わが国は、その時点においては、ということは四十八年の三月ごろです。これをとってみますと、わずか三・七%しかいっていない。土地の方には、先ほど言ったようにぐんぐんふえているわけです。ですから私は、住宅ローンをふやす、あなたが先ほどおっしゃった趣旨を生かすならば、もっとふやしたらいいんじゃないか、このことを聞きたいということと、建設大臣、住宅政策を行うにおいては、住宅ローン、片一方の金融関係では住宅ローンをふやせふやせと言って、建設省の方は住宅十年計画、こう言っておられる。これと合わなければ、ちぐはぐじゃ何にもならないと思うのです。どういうようにお考えになっておられるか。  そこの参考人には、いま言ったこと、それから建設大臣にはそのこと、それから大蔵省には、その生保に対する住宅ローンの問題をどう指導するか、その三点を伺って、終わりにしたいと思います。
  334. 新井正明

    ○新井参考人 お答えいたします。  先ほど来、私ども不動産会社のことについて御注意がございましたけれども、要は、国の住宅政策に協力するというのが私どもの根本的な考えでございます。  そこで、住宅公団に対しても初めから融資をしておりますし、それから住宅ローン会社にも融資もしておりますし、それから提携ローンもしておりますし、今後ますます住宅ローンについては拡充していきたい、こう思っております。御承知かと思いますけれども、四十九年から五年間に、住宅関係に純増一兆円のお金を出して、国の住宅政策に御協力申し上げたいというのが私どもの業界の方針でございますので、今後もその線で進みたいと思っております。
  335. 仮谷忠男

    ○仮谷国務大臣 広沢先生の御質問の趣旨は全く同感であります。したがって、そういう意味では、私ども今後努力をしていかなければならぬ大きな責任を感じておるわけでありますが、ただ若干経過的なものを申し上げますと、御承知のように、わが国の民間住宅金融というのは、欧米と比べますと歴史も浅いし、制度的にもまだ不十分であります。そういう意味で確かに見劣りがしますが、最近はかなり伸びていることは事実であります。たまたま四十九年度、金融引き締めといったことでまたダウンをしましたけれども、これも大蔵省と相当折衝しまして、三・四半期から、大体前年同様に一応引き上げてくるところまで持ってきました。したがいまして、お説のとおり、今後もさらに民間資金の活用については、これは関係機関とも十分相談の上で十分に検討していかなければならぬ重大な問題であると考えております。
  336. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  本来、生命保険会社の資金は、国民生活の向上に寄与するように運用することが望ましいことでございますし、それからまた、生命保険の資金は一般大衆の零細な資金の集積でございますから、これはまた一般大衆に還元することが最も望ましいわけでありますので、住宅融資につきましては、今後もさらに積極的に行うように指導してまいりたいと思います。  具体的には、先ほど協会長の申し上げました、今後五年間で一兆円という線を確実に推進させる方向に行きたいと思います。それからまた、各生命保険会社は、直接一般大衆に融資を行うような店舗網あるいは職員構成が、必ずしもできておりませんので、それを補うために、生命保険会社の間で住宅金融を行う会社をつくるというようなことも、一つの方法として検討したい、このように考えております。
  337. 広沢直樹

    ○広沢委員 終わります。
  338. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて広沢君の質疑は終了いたしました。  佐々木参考人、横田参考人、弘世参考人、御多用中のところ御出席をいただきまして、長時間ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。どうぞ御退場願って結構でございます。  次に、小沢貞孝君。
  339. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 生命保険や郵便年金、そういうものの目減りが大変進んでおるわけであります。これはゼンセン同盟が、大阪で貯金の目減りについて裁判を、国を相手にしてやっているわけですが、それ以上に大変な目減りがあると私は思います。そういうことについて、若干のお尋ねをしたいと思いますが、その前に、これは郵政大臣、大蔵大臣、頭にしっかり入れておいていただきたいが、生命保険と名のつくものは、郵政省の所管の簡易生命保険が約五千万件、契約高が二十兆円、平均契約額が四十万円、これが郵政省の簡易生命保険であります。民間の生命保険の方は約一億四千万件、百八十二兆、平均で約百万円。これをトータルいたしますと、一億の国民が大体二億件の国の保険、民間の保険に入っておって、その契約額は約二百兆、こういうことであります。だから一人当たり平均二件、一件の契約額は百万円、これは郵政省も民間もみんな含めてであります。だから、五人家族とすると、二件平均ですから、十件で一千万円の簡易か民間の保険かに入っているんではないか。総平均であります。  そういうことを頭に置きながら、これから世にも不思議な物語みたいなことを、郵政大臣等にお尋ねしたいと思います。事務当局に言わせれば、むずかしくてできません、こういうように答弁するに決まっていますから、私は、政治家として初めての大臣であります、ずばっと答えていただきたいと思います。  最初に、私は先般文書質問をして、昭和二十四年五月以前の、月に掛金が四円七十銭、死んだり満期になったら九百八十円もらえるものが約二百五十万件ある、これを早く解約しなさい、こう言ったら、解約いたします、こういう答弁があったので、これは一歩前進だと思います。これは事務的に、局長あたりから答弁していただきたいと思いますが、そのときの文書の中には「保険金及び分配金の繰上支払金のほかに特別付加金を含めた特別一時金を支給して、」とあります。この付加金だか特別一時金は、平均でいいですから、幾らでしょう。それだけ一点。
  340. 北雄一郎

    ○北政府委員 お答え申し上げます。  保険金繰上支払金と申しますのが、全部平均いたしますと九百八十三円、それから分配繰上支払金と申しますのが、平均いたしまして一千二百六十二円。なお、特別付加金というのが平均二千円、こういうことでございます。
  341. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 これは大変前進だと思います。とにかく、いま、死んだり満期になって九百八十円ばかりもらうような保険金が二百五十万件もあるわけです。それに一千二百円足して、三千円足して全部解約してしまおう、これは大変前進だと思います。そのときに私が質問をしたのは、そのあとの昭和二十四年六月以降にも、そういうことをやりなさい、こう言うのに対して、ノーという答弁であります。昭和二十五年の契約の掛金が月平均百八十九円であります。小学校の子供だって、こんな小遣いじゃ喜ばないような月掛金であります。そのときの保険金が平均三万六千円であります。二十六年だと月の掛金百八十一円であります。死んだり満期になってもらう金は四万一千円であります。二十七年では、二百三十一円月に掛けておって、死んだり満期のときは四万六千五百円であります。これはもう満期のときにこういうものであります。  こういうものが一体どのくらいあるかというと、これはなかなか郵政省はそういう資料を出したがらないが、私たちが調べたところによると、昭和三十年までにそういうものの合計が約二百万件。契約満期時、死亡時にもらうのが五万円以下のものが、約百五十万件から二百万件ある。昭和四十一年以降は、そういう少額の掛金がなくなったから、契約金がなくなったから、昭和四十一年まで合計すると約四百万件から五百万件あるわけであります。死んだり満期になったとき五万円以下というものは、一体、保険の価値がないのではないか。郵政省の持っているのは五千万件、そのうちの約一割というものは保険としての機能がなし。こういうものを解約するなりなんなりしてやることが、事務の簡素化にもなり、国民に親切でもあり、特別一時金なり特別付加金を目減りのために出してやる、こういうことが親切な行政ではないか、私はそう思います。  全然無拠出の老齢福祉年金、今度は月に一万二千円ですよ。年間十四万四千円無拠出の老齢福祉年金をやろうというときに、延々と苦労して掛けて五万円以下のものを、郵政省は何で後生大事に五百万件も持っていなければならないか。政府はこれに対してノーという答弁をしたから、私は、こういうものをやることが政治だ、こういう観点に立たなければならない、こう思います。郵政大臣の答弁を……。
  342. 村上勇

    ○村上国務大臣 本件につきましては、さきに同様答弁申し上げましたとおりに、昭和二十四年六月以降の契約につきましては、同年同月以降、保険金の最高制限額が引き上げられたばかりでなく、事務の機械化による効率的な事務処理も進めでおりますので、現在のところ、昭和二十四年五月以前の契約に対するような特別の措置を講ずることは、いまのところ考えておりません。
  343. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 昨年の一月一日から施行になった簡易生命保険法の一部を改正する法律によれば、改正事項の第二項に、保険金額の最低制限額は、簡易生命保険契約一件につき五十万円とする。最低はこれまでに押えようというのが、昨年からの法律の改正であります。今期国会にまた郵政省が出そうとするのは、保険金の最高制限額を八百万円まで上げよう、こういう法律も今期国会に出されようとしております。  また、郵便局が貸付制度を去年かおととしつくりましたが、最初は十万円の貸付、その次に二十万円の貸付、今度の国会においては、三十万円の貸付を郵便局の窓口でやろう。こういうようなことで、郵政省がみずから、最低制限額を五十万、最高八百万まで上げよう、それから郵便局の窓口で三十万円までは貸し付けよう、こういうときに、いまどき、死んだり満期になったときに五万円以下というような保険があるということ自体が、私は、これは夢物語みたいな、世にも不思議な話だ、こう言うゆえんであります。  これは、事務当局は、むずかしいとか機械化によって事務が楽になりました、そういうことを言っているが、こんなばかなことは許されるはずはない、こう思います。だから、速やかに……。  私のところに、実はこういう投書が来ているわけであります。  死亡しないと下がらない保険を何とかしてもらいたい、こういうことであります。二十七年五月十日に二万円の保険に加入した。月に払っている額が百十五円であります。二十年で二万三千円になりました。それで四十七年五月十日に、高齢者のために掛金が免除になりました。何とか下げてもらえないものだろうか。いまの二万円であります。  もう一件、二十七年五月十日に、奥さんと一緒に二万円の保険に加入した。月払い九十円であります。二、三年前に二万七千円になった。昭和四十九年十二月三十日に、高齢者のために掛金免除、これも終身保険のために下げてくださらない。どうしても現在解約をしろというならば半額にしろ、こういうわけであります。先ほど来言うように、老齢福祉年金は年間十四万四千円を、無拠出で、ただでくれようという時代に、こういうものをいまだ温存しておくという態度が政府にあってはならない。こういう人は物価の値上げで大パンチを食い、そしてまた解約のときに半額にしようというダブルパンチを、こういう人に食わせるようなことをやっていいだろうか、どうでしょうか。  さらに、よく考えて答弁をしてもらいたいから、もう一つ世にも不思議なお話を申し上げたいと思います。  実は、郵政省の中に郵便年金法というものがあるわけです。昭和四十一年だか二年のときに、法律で、特別措置でもって昭和二十二年以前のものを解約しようというわけです。五十五万件あったのが四十何万件だか、五十万件近く解約になって、いまこれで残っているものが二万二千件ある。その年金額が百三十円であります。その後も続いておるのが十六万件ある。その年金が――月じゃないですよ、年金ですよ、平均二万三千二百二十九円。これらを合計すると、いま郵政省の郵便年金法という中で約十八万一千件で、年金平均二万四百十二円、こういうものがあるわけであります。これは大臣、まだ御存じないかもしれない。とにかくその人はかつて契約をした。このインフレに遭ってしまって、いま三文の価値もないわけであります。くどいようだが、老齢福祉年金、無拠出のものが年間十四万四千円もらえる時代に、一生懸命で老後のことを考えてやった、その整理の残りが十八万一千件ある。これをなぜ整理をしないか。これは、お役所というものは、こういう仕事を取っておきたいと思っているのだ。法律があるものだから、まだこういうことだ。  これもまた不思議な話で、昭和四十四年以降にこの年金に入った者が、制度があるのでぜひ入りたいと言ってきた者が、四十五年に定期郵便年金一件、終身九件、四十六年度が定期一件、終身年金九件、四十七年度が、定期年金はなくて終身年金十三件、四十八年度は終身年金十一件ある。まあ一億の国民がいるんだから、こういう制度を利用するという者が出てくるだろうと思うけれども、制度を存続しておくために、こういうことがいまでも起こってくるわけです。  郵便貯金だって、十年間貯金通帳から出し入れをしなければ、何か一回か二回催告をすれば、みんな国で没収してしまう、こういう制度になっているわけです。だから、それと全く変わらないこの簡易保険の五万円以下、こういう問題をこうやって残しておくというのは、これは博物館に、昔こういう制度があったぞよといって飾ってある文化財か何かだ。それなら、どこか博物館にでも持っていって飾っておけばいい。何でこういうものをいつまでもとっておかなければいけないか。これはもう事務当局の意見は要らぬ。大臣から、こういうものは解約します、ずばっと一言。
  344. 村上勇

    ○村上国務大臣 先ほどの保険につきましては、十分検討しなければならないと思いますが、郵便年金につきましては、先生の御指摘のとおり、その存廃について目下検討いたしております。何とかその御期待に沿うようにしていきたいものだ、こう思って、いま検討いたしております。
  345. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 長年主張してきたこういうものを整理するということで、大臣が前向きに存廃について検討をしょう、こういうことなので、速やかに検討をして、速やかに廃止して、制度そのものをなくしてもらう、こういうことによって、やはり事務の簡素化が図られる、こういうふうに私は信じます。それから、簡易生命保険の五万円以下、これも速やかに検討してもらうように私は要望をして、次に進みたいと思います。  今度は、一般の生命保険についてお尋ねをしたいと思います。  先ほど来、広沢委員が生命保険のその金の扱い方について、いろいろ議論をされたようでありますが、まあみんなが保険を掛けたものだから、預かった方としては、なるべく利回りがよくなるようにということのために考えれば、なるほどこれはそれだけの価値があろうかと思います。ところがこの生命保険は、昭和二十年代の前半の契約の保険金が大体十万円、昭和二十年代の後半は二十万円ぐらい、こういうようなことになっておりますが、その当時と物価を比較してみると、これは大蔵省自体が出した表でありますが、貨幣価値の逓減状況は、昨年の九月ごろと比較して、昭和二十二年では九百四十倍、九百五十倍ぐらい、二十三年では五百二十倍前後と、こういうぐあいに、五分の一から十分の一ぐらいに貨幣価値が落ちてしまっているわけであります。したがって、いま簡易生命保険においては、少額ではあるが、昭和二十四年六月以前のものには約五倍つけようというわけであります。九百八十円に、一千二百円に、三千円ですから、約五倍にして返そうというのだから、まあ少額だからそういうことができるかもしれませんが、国の保険さえそういうことをやっているわけです。先ほど来お聞きするように、不動産に投資し、利回りを最高にしてやってきた生命保険会社としては、こういう昔のものについて、目減りの補償をするという対策が当然講ぜられなければならない。これが社会的公正のゆえんではないか、こういうように私は考えます。
  346. 新井正明

    ○新井参考人 お答えいたします。  生命保険会社がお預かりしている保険料は、保険会社の資産として、そのうちのおおよそ三分の二は貸付金に運用されておりますので、たとえば十年間の約束で貸し付けた十億円は、その間の利息は別として、十年後にはやはり十億円で償還されてまいりますので、その間のインフレによる目減りがあれば、生命保険会社の資産もそれだけ減額していることになります。したがって、金融資産一般のインデクセーションが行われない限り、生命保険契約についてもインフレの目減り補償ということは、本来的には不可能なのでございます。     〔委員長退席、小山(長)委員長代理着席〕  しかしながら、せっかく将来のために備えた生命保険契約がお役に立たない、ただいま先生の申されましたように、インフレによってその価値が減ってしまうということでは、私どもとしてもまことに不本意でございますので、これに対していろいろの方法でもって、保険会社としては対処しております。  その第一は、普通の契約者配当でありますが、御承知のように、保険契約は三年目ぐらいから配当金がつきますが、これを保険料と相殺しないで、保険会社に積み立て、利息をつけたりあるいはその配当金で保険金額を買い増ししたりする等の方法によりまして、契約の消滅するときには、結果的に最初の契約金がかなりふえることになります。  第二は特別配当でございますが、これは昭和四十七年から加入後十年以上経過した契約に対しまして、資産面におけるその貢献度、つまり、経過年数や積み立て金額に応じて、特別の配当を乗せてお払いすることを始め、以後年々これを充実させてきております。これは十年以降の毎年付加するものと、満期、死亡、解約等の契約の消滅時に付加するものとの二つから成り立っており、その財源としては、主としてキャピタルゲインが充てられております。これを総合して、仮に三十歳で三十年満期の保険金額百万円の養老保険に加入して、配当金で保険を買い増ししていくとして、ことしの配当率で計算いたしますと、支払う合計が七十八万三千円の保険料でございまして、三十年後の満期時には、二百七十三万余の保険金を受け取れる計算になります。これを配当金による保険の買い増しによらず、毎年の配当を払い込む保険料と相殺する方法でやっていきますと、払い込み保険料の合計は三十二万円で、満期時に受け取れる保険金は百六十四万円になるわけでございます。これは継続しておられる方々にはよくおわかりいただいておりませんけれども、満期で保険金をお受け取りになる方には、非常に喜ばれております。もっとも先ほど先生のおっしゃったように、貨幣価値が大分下落しておりますので、いまごろ百何十万もらってもどうかという、この間も帝人の大屋社長の記事が新聞に出ておりましたけれども、しかし八十何歳まで、満期まで御丈夫でおられて、その間不幸にして亡くなられた方々には、やはり保険金が支払われるということが保険の使命でございますので、この点も御了承願いたいと思うのです。  第三番目には、先生、先ほどおっしゃいましたように、二十年代の契約に対する支払い金額の増額でございますが、これはさきの保険審議会におきまして、終戦直後のインフレと今回のオイルショックのインフレと、二回にわたる大幅な物価上昇を経験している昭和二十年代の契約に対しましては、今回限りの特別措置として、支払い金額の増額について特別の配慮をしてはどうかとの御意見をいただきましたので、保険会社としましては、いま申し上げました特別配当制度を拡充強化いたしまして、契約が間もなく終了する昭和二十年代、つまり二十九年までの契約に対しまして、契約消滅時に支払う金額をさらに一層ふやし、昭和五十年度においてこれを実施することを考えております。この方法につきましては、目下検討中でございます。したがって、今日まだ具体的にはっきりと申し上げられませんけれども、恐らく最高は、当初の契約金額の二倍程度の額が支払われることになると存じております。  最初に申し上げましたとおり、他の貯蓄手段と同様、生命保険にも、直接目減りを補償する機能はございませんが、経営努力をすることによって、以上申し上げたような方法で、配当金をよりふやし、最終的にはお支払いする保険金をより多くするよう、極力努めてまいる所存でございます。  以上が旧契約に対する、まあ古い契約は、私どもの会社が今日まで各社とも大きくなった大変功労のある御契約でございますので、そのようにさせていただきたいと思います。  終わります。
  347. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 大蔵大臣にお尋ねしたいが、先ほども広沢委員の質問があったように、なかなか資産の運用の妙を得て、積極的な意味においてはそういうことだと思いますが、生命保険会社は昭和二十四年からしか資料がないわけですが、昭和二十四年の生保二十社の総資産残高は百六十一億円、それが四十九年三月における同じく総資産残高は十兆三千六百五十四億円、二十四年に比べて約六百四十四倍であります。これは金の運営のよろしきを得たり、まだそのほかに含み資産もあると思いますから、そういうように話を発展していけば、これはなかなか切りがありませんが、単純に見ただけではそういうふうになっておるわけです。先ほど来質問のあったように、たとえば日本生命の総資産残高は、二十四年三月のときに三十三億であったものが一兆八千七十七億、約五百五十倍、不動産がいまどのくらいあるかというと、当時二億八千万ばかりしがなかったものが一千七百八十八億、約六百二十三倍。これは例を一、二の会社にとってみただけで、そのトータルは総資産約四百三十二倍、不動産は四百六十二倍、こういうようになっているわけです。  そういう中で、先ほど申し上げたように、貨幣価値は昭和二十二年と比べると九三〇対一〇〇、二十三年なら五三〇対一〇〇、こういう状態だと思う。いまは最高で、二十年代の十万円のに対して、最高で二倍というんだから、その後だんだん減っていって、一・一倍になるのか、一・二倍になるのかわからぬが、これに対してはもっと大蔵省が強い指導で、これだけの資産とこれだけのあれがあるんだから、もっと目減りのためにできるはずだ、郵政省のさっきのは五倍にするわけであり、だからできるはずだ、こう思います。その強い指導をお願いをしたいことが一点。  今度は生保会社にお尋ねしますが、昭和二十年代に一時に掛けて、ずっと捨ててあるのがあるはずであります。これは毎年毎年掛けていったんではないから、最近の貨幣価値からこういう曲線にならないで、もういまから十倍あるいは五倍、三倍、こういうような貨幣価値の逓減だと思います。こういうものについては二倍と言わず、三倍、四倍、こういう配慮をするかどうか、その二点を大蔵大臣と生保にお尋ねします。
  348. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  現在、生命保険会社の資産は、戦争直後に比べますと非常に大幅に増額しているわけでございますが、他面契約金額も非常にふえておりまして、百五十兆円に上がっているわけでございます。それでございますから、この資産の相当部分は現在の契約者の見合いの分がかなりあるわけでございますが、しかしながら、先ほど協会長から申し上げましたように、二十年代における契約者はインフレによってかなり大幅な目減りをしている。したがって、これに対して向らかの救済措置を講ずべきではないかという保険審議会の答申もございまして、この線に沿いまして、大蔵省といたしましても、積極的に保険会社を指導しているところでございます。  先ほど、大体の姿につきましては、協会長から御説明申し上げましたが、いま、一応事務的にも考えております線といたしましては、昭和二十年代の初期の契約につきましては大体二倍にしてお返しする、それから二十年代の後の、二十八、九年ごろの契約につきましては一・四倍ぐらいの線を考えております。合計で、支払う特別な配当金額は千億円を超える金額になるのではないか、このように考えております。
  349. 大平正芳

    ○大平国務大臣 いまお話を申し上げたような検討の段階でございますが、なお一層努力いたします。
  350. 新井正明

    ○新井参考人 ただいま、二十年代に一時に支払った保険契約者に対する保険金の増額はどうかというお話でございますが一この点につきましては、先ほど申しましたように、いま部長も申されましたが、最高二倍というより以上にやらなければならないんじゃないかという意見もございまして、この点についても、積極的に検討していきたいと思っております。  終わります。
  351. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それは過去のことについて、これからお尋ねしますが、今後のことについても、物価指数保険、要するに物価の上がると同時に保険金額も上がっていくようなインフレ対応の保険をつくれ、こういう保険審議会からの答申があったはずだ。これについてはどう考えるか、それが一点。  それから、既契約分についても、中途増額、自動車で言うと下取りみたいな保険、こういうものもつくれという答申があったはずだ。これについてはどうお考えか、この二点。まずそれをお答えいただきたい。
  352. 新井正明

    ○新井参考人 お答えいたします。  ただいま先生のお話のように、指数保険につきましても審議会でお話がございました。私どもはそれをなるべく早くに発売するように、いま準備をしておるところでございます。これはしかし、保険金が物価指数につれて上がりますが、保険料もまた上がるわけでございますから、配当金があれば、その配当金で保険料に充当いたしますけれども、いままでの保険と違いまして、保険料が一定でございませんから、その点は十分にお客様にPRをして、誤解のないようにしなければならない。だからこの点は、何もしないでただ上げてくれと言うお客さんに対しては、十分この点を納得して入っていただかなければならないと思います。  それから、旧契約で中途で増額する方法につきましても、従来、生命保険の加入金額を中途でふやすことは、年齢が高くなって保険料が違ってくることとか、健康状態も加入の体況と違って逆選択のおそれがあるところから、契約金額をふやしていただく場合は、その時点で新しい契約を追加するということになっておりましたが、これをもとの契約のままで保険金をふやしていただく方法、これは多少条件がございますが、これを採用しようとすることに決めまして、もうすでにやっておるところもあるわけでございます。終わります。
  353. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 生保の協会長には、後でまたお尋ねしたい点もありますが、損保の協会の協会長も参っておりますので、お尋ねをしたいと思います。  損害保険の掛金の料率については、独禁法の適用除外になって、昭和二十三年の法律で、損害保険料率算出団体に関する法律、これによって損保の会社が協議をして、料率を相談して、一定の料率でと、こういうことで、損害保険については、火災保険でもその他の保険についても料率の相談をして、これは共同行為を実際はやっているわけであります。そのころの損害保険の審議会の答申その他を見ると、昭和二十三年時分の経済界の状態、あるいは損害保険会社の資産の状態、あるいは損害保険に対するいろいろの経験の資料、こういうものがなかったがために、そういうことをやっても仕方がないと、当時の社会情勢では認められたと思いますが、いまは、当時と比べれば、損保会社も大変な資本金、資産時間の関係でこれも一々申し上げられませんが、これはトータルでは三百倍、四百倍、こういうような状態になっておりますし、それから、いま申し上げたように、損保の審議会においては、自由化によって、各社の企業内容に応じて料率を競争して、こういうような答申がなされているわけであります。しかるにいまだに独禁法の適用除外、こういうことになっておるのだが、そのことについて、まず公取委員長あるいは大蔵省、それから損保の協会長、それぞれこの自由化に対する対応はどういうようにしているか、させるべきか、お答えいただきたいと思います。
  354. 高橋俊英

    ○高橋(俊)政府委員 ただいまおっしゃいましたのは、各社の規模が大きくなっている、そういう点で自由化がいいのじゃないかという答申もあるのじゃないかというお話でございますが、その問題は、結局は大蔵省の保険の方の政策で、料率を自由化するのが果たしていいのかどうかという問題からスタートしなければならぬと思います。私の方は、どちらかといいますと、こちらから言い出して、現在もう独禁法適用除外をやめるべきだというまで言い切れないのです。それは実は私のうろ覚えでありますが、上下のピンとキリの会社の格差が余りにも大き過ぎる。恐らく、第一位の会社に対して一番ビリの会社の資産内容は、一%に満たない〇・何%だと思います。ですから、百分の一よりもよけい開いているのじゃないか。私、確実には申しません、これはむしろ大蔵省から答えていただきたいのですが、そういう状態において自由化をしたらどうなるのかということを考えるべきじゃないかと思います。その点、私どもは政策担当でありませんから、大蔵省の検討を待って、むしろこちらは受け身の立場で、直すなら直したい、こう考えます。
  355. 徳田博美

    ○徳田説明員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の損害保険料率の問題でございますが、ただいま公取委員長から御指摘がありましたように、確かに現在の損害保険会社二十社の経営格差というものはかなり大きくなっておりまして、最上位の会社と一番下の会社では三十九対一の差ができているわけでございます。ただも、しかし、中位あるいは下位の会社におきましても、一般あるいは大衆向けの少額の保険を対象といたしまして、いわゆる大衆物件を主体にして、それぞれ特色を発揮している会社もあるわけでございます。しかし、いずれにしても、これらの各社間には相当経営効率の差があるわけでございます。このような状態を前提といたしまして、一律の料率を、独禁法の適用の除外を受けまして行われるということについては、確かに問題があるわけでございまして、これはただいま開催されております保険審議会におきましても、損害保険料率についての独禁法の適用除外をどのように考えるか、各社の経営効率の差異をできる限り反映するよう弾力化することを考えるべきではないか、こういう事柄を諮問いたしまして、審議を願っているところでございます。確かに先生の御指摘の点を踏まえて、今後とも審議を願いたい、このように考えております。  しかしながら、現在損害保険料率が独禁法の適用の除外を受けておりますのには、損害保険の特殊事情がございまして、その一つは、現在、損害保険料率の算定上の技術的な問題でございますけれども、保険料率と申しますのは大数の法則を基礎といたしまして、過去の損害とそれから将来における損害の可能性、これを勘案いたしまして、合理的に算定されるわけでございますが、特に損害保険の場合には、その対象となります物件が船舶、飛行機あるいは家屋、同じ家屋にいたしましても、工場あるいは普通の住宅等非常に多岐に分かれておりますし、またその構造あるいはそのケース等によりまして損害率も違いますので、非常に算定がむずかしいわけでございます。  そこで、各保険事業者が相互のデータを相持ち寄りまして、多数の経験を集積することによって保険料率が算定されることが望ましい、こういうことがまず一つあるわけでございます。  それから二番目に、損害保険につきましては、最近、御承知のように非常に巨大なリスクが生じておりますが、損害保険料の基本といたしましては、このようなリスクを平均化し分散化することが基本でございます。そのためには、共同行為あるいは再保険ということが損害保険の場合には不可欠となりますが、特に再保険につきましては、国内のみならず国際的にも広く行われているわけでございます。したがいまして、保険料率が国際的にも信頼される料率でなくてはならない、また、できれば均一でなくてはならない、このような条件があるわけでございます。このような条件を踏まえながら、しかし先生御指摘の線に従いまして、弾力化、効率化、各保険会社の効率の反映に努めてまいりたいと考えております。  なお、その具体的な方法でございますが、これは非常に技術的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、現在損害保険料率には、一定料率と範囲料率と標準料率がございます。一定料率と申しますのは、一定の料率しかない料率でございます。範囲料率と申しますのは、上下にある程度の幅――を設けまして、その範囲内で決定し得るような料率でございます。また標準料率と申しますのは、中心となる料率を認可いたしまして、それを中心に上下任意の料率を設定し得る、こういう仕組みになっておりますが、なるべくこの一定料率の適用の範囲を狭めまして、範囲料率あるいは標準料率に移行させていく、こういうことをまず考えたいと思っております。  それから二番目に考えておりますのは、保険料の中には、損害保険会社の事業費が入っているわけでございますけれども、この事業費率につきましても、極力経営効率を中心といたしまして、努力目標を加えたものにしていく、このように指導していきたいと考えております。  それから三番目には、保険料率の検証を頻繁に行いまして、これはたとえば火災保険などは最近四、五年でも数回の引き下げが行われておりますけれども、こういう料率の検証を頻繁に行いまして、実情に即したものに変えていきたい、このように考えております。  このような方法で、経営効率の反映なりあるいは料率の弾力化を推進してまいりたい、このように考えている次第でございます。
  356. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 損保協会長の答弁の前に、もう二、三点だけ。  いまの答弁の中で、範囲料率のウエートを高めよ、こういうことです。これは、われわれは素人なりにこう考えるわけです。一千万円の保険金にまあ一〇%の料率で百万円の掛金、それが一〇%のアローアンスということは、百十万円の保険料あるいは九十万円の保険料を取ってもよろしい、こういう範囲料率だと思うのです。ところが、それが実際に行われているかというと、そうでなくて、九十万から百十万の範囲の中で、みんな九十万円になってしまっているということは、これは一定料率とちっとも変わりないことをやっている、こういうことにしか理解ができないわけです。だから、そういうことを含めて、ひとつ損保の協会長から御答弁をいただきたい。  また、過日の水島の製油所の事故、一体保険金は幾らだったか、一体損害はどのくらいだったか、それを事務的に御報告いただいて、これから石油の備蓄ということは大変重大な問題になってくるのだが、こういうものに対して、大蔵省あるいは保険協会等においては、どういう対応策を講じようとしているか。伝え聞くところによると、保険は二億、実際の損害は百億になっている。こういうようなのが出てくるので、これは大蔵大臣、一体今後どういうようにやっていこうとするか、それもお尋ねしたいと思います。  それから、生保の協会長にお尋ねをしますが……。
  357. 小山長規

    ○小山(長)委員長代理 ちょっと小沢さん、もう時間が来ているのですよ。
  358. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 わかりました。  三十万人も外務員がいて、毎年三十万人も外務員が入ってきて、それで三十万人もやめていってしまって、ことしの掛金百件あったうちで二四%くらいは、みんな一年掛けて捨ててしまう、こういうことをずっとやって、保険会社は大きくなってきた。  それで、きょうは委員長にお願いをして、資料を出していただきたいのだが、ことし契約をしたうちで一体何%が解約になってしまったか。四十五、六、七、八、できたら九年まで、各社別に資料を出していただきたい。御婦人の使い捨てみたいな外務保険制度をやっているので、こういう事態が起こってきたと思いますから、これは答弁は要らない。あとで、資料をまた、委員長から要求して出していただきたい、こう思います。  以上で、質問を終わります。
  359. 菊池稔

    ○菊池参考人 御質問にお答え申し上げます。  最初に、損害保険料率の独禁法適用除外の問題につきましては、その背景、現実、先ほど保険部長から御説明がありましたが、全く私自身も同感に思っております。  ただ、私ども保険会社は、独禁法適用除外があるからといって、それになずむのではなくて、先ほど部長のお話にもありましたが、保険料率というのは、将来に向かってだんだん下げていくものだ、その前提で、これは経営努力を伴わなければいけませんけれども、努力をしている途中でございます。現に、大分古いことでございますが、昭和二十三年当時の火災保険の料率が、千円についての料率でございますけれども、これを一〇〇といたしますと、現在では一四ぐらいになっております。そういうふうに引き下がっておりますが、この努力は今後とも続けていきたいと存じております。     〔小山(長)委員長代理退席、委員長着席〕  それから、やや専門的な問題で、範囲料率のことについて御不審がございましたけれども、もともとこの範囲料率というのは、経営効率の差異もあり、また保険をつける側からいっても、いろいろな事情――事情というのは、細かい点で、料率で一律に規制して適当でないものもありますから、その中で現実に即した料率の運用ができるような意味で、範囲としたのでございますけれども、先生御指摘のとおり、実際には競争という意識が働きますから、自然、下限にへばりついてくる、これは現状でございます。御指摘のとおりでございます。  次に、第二に御質問がございました、この間の不幸な水島における三菱石油精製工場の油の損害事件でございますが、これは瀬戸内海を汚したのでございますが、三菱石油側の自分の資産に対する火災保険の問題のことは、先生の御質問外のことだと理解いたしまして、省きまして、そういう周りに迷惑をかけたということにつきましては、私どもは、技術的でございますが、施設賠償保険というものを賠償保険の一つとしてやっておりますけれども、あの場合二億円しかつけてないわけで、結果から見ればまことに低いわけでございますが、しかし、施設賠償保険というものの私ども予想しておりましたのは、あるいは企業サイドでも需要がございましたのは、一つの工場なり企業が施設を持つ、その隣近辺に迷惑を及ぼすかもしれぬ、これは間々ありがちでございます。御想像がつくと思いますが、両隣に迷惑をかける、あるいは近隣の一般の民衆と申しますか、町の方々に迷惑をかける、そういうことを予想していたわけでございます。ところがこの間の問題は、結果としては、あれは陸上から油が流れ出まして、御案内のように数十キロ、場合によっては数百キロと申しますか、延々と流れて、非常に巨大な損害が起こっているようでございます。その賠償問題に企業サイドは当面しているわけでございますが、そういうことを企業側も保険会社側も予想しておりませんので、あの場合も二億円、まあ一般に施設賠償保険は、一億ないし二億円の補償限度額でやっているのが実情でございます。  しかし、この間ああいう問題がございましたので、保険会社サイドとしましても、これは何とか考えなければいかぬということ、また企業サイドからも、そういう事情が当面たくさん出てくると思いますから、それに対処するために、そういう相当額の補償を与えられるような制度をつくりたい。  ただ、これは先ほどの共同行為のことではございませんが、一つ一つの会社ではとても対処できる問題ではございませんので、できれば全社を挙げて、これをこなすための一つの共同機関をつくり、それをもとに、外国、保険先進国であるヨーロッパ諸国あるいはアメリカ諸国に呼びかけて、技術的にわれわれは再保険というものを出す技術がございますので、それを利用しまして、相手方の了承を得られますれば、日本側の保険会社二十社の担保力はこれこれしかない、かりに十としてあるいは百として、百しかなくても、さらに外国からそれに対する再保険が百得られれば二百になる、二百得られれば三百になる、こういうことでございますから、そういうふうに努力しておりまして、金額は、いまのところどれぐらい、われわれであるいは国際的な再保険市場を通じてかき集められるか、まだはっきりしたことは申し上げられませんが、この間のように二億とかそういうものではなく、けた一つ多くしたものをいま予定して、目下努力中でございます。  以上、お答えします。
  360. 新井正明

    ○新井参考人 答弁は要らぬというお話でございましたけれども、ただいま御要求のございました継続率、失効、解約でございますね、あれは各社別でなく、業界別でひとつ御了承願いたいと思います。  それからいま一つ、外務職員が三十万入って三十万いなくなるという、これにつきましては、私どもも十分に自戒いたしまして、昨年の七月から、新しい教育制度、新しい外務員の専業外務員制度というようなものを、各社共通に真剣に取り組みまして、試験制度を厳にするということでもって、今後は、先生御指摘のように、使い捨てというような言葉を使われて、私ども従業員に対しましてまことに申しわけございませんので、そういうことのないようにいたしますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
  361. 荒舩清十郎

    ○荒舩委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。  新井参考人、菊池参考人には、御多用中のところを御出席願いまして、遅くまでまことに御苦労さまでした。厚くお礼を申し上げます。  これにて本日の質疑は終了いたしました。  次回は、明十八日午前十時より開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十一分散会