運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1975-06-18 第75回国会 衆議院 外務委員会 24号 公式Web版

  1. 昭和五十年六月十八日(水曜日)     午後四時五分開議  出席委員    委員長 栗原 祐幸君    理事 石井  一君 理事 鯨岡 兵輔君    理事 小林 正巳君 理事 水野  清君    理事 毛利 松平君 理事 河上 民雄君    理事 正森 成二君       加藤 紘一君    坂本三十次君       正示啓次郎君    住  栄作君       田中  覚君    竹内 黎一君       谷垣 專一君    戸井田三郎君       登坂重次郎君    福永 一臣君       山田 久就君    土井たか子君       楢崎弥之助君    三宅 正一君       松本 善明君    渡部 一郎君       永末 英一君  出席国務大臣         外 務 大 臣 宮澤 喜一君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 坂田 道太君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      佐々木義武君  出席政府委員         内閣法制局第一         部長      角田礼次郎君         防衛庁防衛局長 丸山  昂君         科学技術庁原子         力局長     生田 豊朗君         科学技術庁原子         力局次長    半澤 治雄君         外務政務次官  羽田野忠文君         外務省アジア局         長       高島 益郎君         外務省アメリカ         局長      山崎 敏夫君         外務省欧亜局長 橘  正忠君         外務省条約局長 松永 信雄君         外務省条約局外         務参事官    伊達 宗起君         外務省国際連合         局長      鈴木 文彦君  委員外の出席者         海上保安庁警備         救難部参事官  只野  暢君         外務委員会調査         室長      中川  進君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十八日  辞任         補欠選任   江田 三郎君     楢崎弥之助君 同日  辞任         補欠選任   楢崎弥之助君     江田 三郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  核兵器の不拡散に関する条約締結について承  認を求めるの件(条約第一二号)      ――――◇―――――
  2. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 これより会議を開きます。  核兵器の不拡散に関する条約締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。
  3. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 まず冒頭に、きょうソ連の方から、日中平和友好条約の問題について、いままではプラウダ等機関紙でいろいろと見解を出しておったわけですけれども、きょうは政府として注文をつけた、つまり覇権条項というものについて触れるべきではないという意味の見解が出されたということを聞いておりますが、正式にはどのような発表になっておりましょうか。また政府というのは、どういうセクションがそういう発表をやったのでしょうか、まずそれをお伺いします。
  4. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 去る六月の十二日であったと思いますが、ソ連のグロムイコ外務大臣がわが国の重光大使を招致いたしまして、ただいま楢崎委員のお話しの問題についてソ連の声明というものをつくったので、その趣旨を一応説明をするということで話がございまして、そして、これについてはソ連は近く声明をするつもりであるが、日本政府においてそれを望まれるならば、日本政府の立場で発表をされても別に差し支えはない、こういう趣旨の話があったわけでございます。  わが国としては、別段わが国の側からそれを発表する必要を認めませんでして、話を聞きました後、重光大使から、お話の趣旨は承ったが、わが国は中国との条約交渉を進めておるけれども、これは第三国との間を複雑にするというような意図を全く持っていないものであるという意味のことをとりあえず説明をいたしまして、それで帰ってまいりました。  伝えられるところによりますと、今日、ソ連がこの声明を新聞関係を通じて発表をいたしたということでございます。その内容は、通信関係を通じて知りました限りでは、先般グロムイコ外務大臣から重光大使に話のあったものと同じものであるというふうに考えておるわけでございます。
  5. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 その発表について外務大臣はどのような対処を重ねてされるつもりがあるか、お伺いいたします。
  6. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 御承知のように、申し上げるまでもないことでございますが、わが国はすべての国、ことに近隣諸国との友好関係を維持する、発展させるということが基本方針でございまして、ソ連との間には一九五六年以来国交が回復しており、両者の間は、ことにわが国からは田中首相も訪ソをし、また私も今年訪ソをいたしました。今年はグロムイコ外相の訪日が約束をされておるわけでございます。両国の関係は友好関係にあるものと考えております。  他方で、中国との間に平和友好条約締結交渉をいたしておるわけでございますけれども、これは日本中国との関係を一九七二年の共同声明の線に沿って発展させようということでございまして、ソ連との関連について、関係を複雑にしようというような意図を政府が持っておりませんことは、これは申し上げるまでもないことでございます。したがいまして、今回ソ連がそのような声明をされましたことについては、私どもとしては理解に苦しむところでございますけれども、ただいま申し上げましたような趣旨のことを、間もなく外交ルートを通じましてソ連に説明をいたしておこうと考えております。
  7. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうしますと、今回のソ連の声明は、現在交渉中の日中平和友好条約交渉に何らの影響を及ぼすものではない、そのように理解してよろしゅうございますか。
  8. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そのように御理解願いまして結構でございます。
  9. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そのようなソ連の声明を先ほど大臣ははなはだ遺憾であるとおっしゃいましたが、いわゆる日中の間の問題について一種の干渉をする、そういうふうに私どもは受け取れるわけですが、その点はどうお考えになりますか。
  10. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほど、私は理解に苦しむというふうに実は申し上げたわけでございます。で、これが日本中国との条約交渉あるいは関係に干渉をするものであるというふうには私は考えておりません。またそのようなことはソ連の意図でもございますまいし、また事実、干渉される筋合いのものではないわけでございますので、恐らく、ソ連としては、条約交渉の経緯を報道等で伝え聞きまして、ソ連としての懸念を念のためわが国に向かって表明をしたのではないか、そう考えておりますが、そのような御懸念にはもとより私どもとしては及ばないと、そういう意図は日本政府はもともと持っておりませんので、そういう趣旨のことを説明をいたしておこうと思っております。
  11. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 われわれから見るならば一種の干渉である、そのように見ざるを得ません。したがってこれは筋違いであるし、特にあの覇権条項はいかなる国のということで、特定国を指しておるのではない、一般原則を言っておるのだという説明でございますから、私はこのようなソ連の声明は無視をして、いわゆる条約本文の中に覇権条項を入れて、早く交渉を成立させるように要望をいたしておきたいと思います。その点はどうでしょうか。
  12. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 条約をどのような形でつくり上げてまいりますかにつきましては、交渉中のことでもございますので、詳しく申し上げることは御遠慮申し上げたいと存じますけれども、できるだけ早くこの交渉をまとめてりっぱな条約をつくりたい、全力を傾けたいと存じます。
  13. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そこで、われわれが訪中したときの感触でも、あるいは藤山さんが訪中されての感触でも、覇権条項を本文の中に入れなくてはこれはとても交渉は成立しない、そういう観測でございますが、外務大臣はいまでも、覇権条項を本文に入れること以外の方法で交渉妥結の可能性ありと、まだ思っていらっしゃいますか。
  14. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 いかにもその点は交渉の内容そのものに直接に触れる点でございますので、そのこと自身について申し上げますことは御遠慮さしていただきたいと私としては存じますが、わが国としては、わが国の考え方を中国に十分説明をするならば、中国側の理解を得ることができるであろう、そういう努力をなお続けたいというふうに考えております。
  15. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もう問題の本質はわかっておりますから、これ以上申し上げません。焦点は本文に入れるかどうか、そこに踏み切るかどうかであろうと、私どもはそのように見ておるわけであります。  次に、核防条約の問題に入りますが、まず、核防条約の批准問題と関連をして非核三原則が問題になっております。私は、非核三原則が果たして実効性があるのかという点について、まずお尋ねをしてみたいと思うのです。  「装備における重要な変更」と非核三原則との関係をまずただしたいわけですが「装備における重要な変更」の事前協議におきまして、三木総理あるいは宮澤外務大臣がしばしば言われております平時、有事を通じて常にノーと拒否する、そのくだりは「装備における重要な変更」の中の核弾頭の持ち込みだけに限定されるのですか。
  16. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この点は、従来国会におけるお尋ねに対して総理大臣がお答えになっておられますところは、いわゆる核兵器を持ち込ませずということについて、これはいかなるときにも持ち込ませずという答えをなすっておられるわけでございます。私どもは「装備における重要な変更」の中に核弾頭及び中長距離ミサイル、その基地の建設、これを事前協議の対象と考えておるわけでございますが、核弾頭を持ち込ませないということは、中長距離ミサイルあるいはその基地というものは当然に必要がないということに私は考えますので、いわゆる持ち込ませずということには全部が当るものというふうに私としては考えております。
  17. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは、いまはっきりしたことは、ノーと拒否する対象は核弾頭に限らず、中長距離ミサイルの持ち込み及びその基地の建設、すなわち「装備における重要な変更」の中のそれらについてはすべてノーと拒否する、そのようにお答えになったものと思いますが、それでいいですね。
  18. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいまお聞き及びのとおり、そういうふうに考えております。
  19. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 中距離ミサイルは射程どのくらいまでのミサイルを言うのですか。
  20. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 「ミリタリーバランス」によります分類によりますと、ICBMの長距離ミサイルは四千マイル、それで中距離につきましては一千五百ないし四千マイルということになっております。
  21. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうすると、中距離ミサイルに該当する代表的なアメリカのミサイルを具体的に挙げてみてください。
  22. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 アメリカにはICBMのほかにIRBM、MRBMに匹敵するものはございません。SLBMのポラリスそれからポセイドン、これが大体距離では中距離弾道弾に匹敵すると思われます。
  23. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 かつて第七艦隊の旗艦をしておりましたヘレナに搭載されたレギュラスが問題になったことがあるのですが、いま退役しておりますけれども、レギュラスというのは、例にとりますとどういうことになるのですか。
  24. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、退役しておりまして、手元にちょっと資料がございませんので、性能につきましてははっきり申し上げられません。
  25. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もしできますならば、私の質問時間は二時間近くありますから、私が質問が終わるまでに、中距離ミサイルに該当する代表的なミサイルをずっと挙げてもらって、そしてそれを搭載をしておる艦船名を挙げていただきたい。質問が終わるまでで結構ですが、お願いいたします。  外務大臣にお尋ねしますが、大体、アメリカの原子力法から来る基本政策である核の有無は明確にしないというこのアメリカの基本政策ですね、これからして、核の持ち込みについて相談をするということは、有無を明確にすることになるわけですね。だから私は、この基本政策から見て、核に関する事前協議はあり得ないと思うのですが、どうでしょうか。
  26. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 核の有無を原則として明確にしないというのがアメリカの方針でございますが、しかし、このことは条約上、アメリカが他国に負っておる義務を履行する妨げとなるものではないというふうに理解をされております。したがいまして、御設問のような場合、つまり事前協議を必要とするような場合は、それなりの情勢があるという状況であろうと思いますが、このときには、もう実は有無が問題ではなくて、現実にそれを場合によっては使わなければならないということになるであろうというふうに考えられますから、そのときにはもう有無というようなことが実は問題ではなかろうと考えるわけでございます。  いずれにしても、核の有無を明らかにしないという基本方針は、条約上の義務を大統領及び官吏が執行する妨げとなるものではないというふうに私どもは理解をしております。
  27. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それはすべてアメリカ側にかかっておるわけですね。外務大臣がそのように理解しておるだけでありまして……。それで結局、たとえば核搭載艦の領海通過の場合に問題にしたとおり、無害航行ではないとわが方が判断をして、当然、核搭載艦が領海を通過するときには、わが方の許可を求めるべきであると見解を出されましたが、向こうの方からそれを求めてこない限りはどうしようもないわけでしょう。この領海の核搭載艦通過のチェックについては、何か実効的なチェックの仕方がありますか。
  28. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほどの前段のお尋ねでございますが、もう少し詳しく念のため、ここに資料がございますので申し上げますと、この問題について昭和四十九年の末にわが国から米国に正式に照会をいたしまして、その点について米国政府が次のように回答をいたしてまいりました。途中を省略さしていただきますが、   合衆国政府は核兵器の所在を高度の機密性を   有する国防情報と看做している。   合衆国政府は、核兵器の所在を確認することも否定することもできないとの立場を種々の機会に明らかにしてきた。   かかる合衆国政府の立場は原子力法の規定を含め上記の情報を保護するための米国の国家安全上の要件と合致するものである。   しかし、一九六四年十月に合衆国政府が明らかにした通り、合衆国の原子力法又はその他の如何なる国内法も、正当に権限を付与された合衆国政府の官吏が事前協議に関する約束を履行することを禁止し又はこれを妨げるものではない。念のためお答えを申し上げておきます。  それから、後段のお尋ねでございますが、いわゆる核搭載艦が領海を通過する場合に、これを確認する方法はないではないかというお尋ねでございます。それにつきまして、これは核常備艦であれば確認をすることが本来は可能の筋合いでございますけれども、積載可能艦の場合には、積載しているか積載していないかわからぬではないかと言われますことは、私は楢崎委員のおっしゃいますとおりであると思います。確かにわれわれが軍艦に入ってそれを確認するということは、これは軍艦というものの性格上御承知のようにできないことでございますから、検証の方法が十分でないではないかと言われれば、私はそれはそのとおり認めざるを得ませんが、しかし、それはやはりこの条約そのものあるいは条約の実行というものが両国間の信頼関係に立っておるということを前提に考えるべきものであろうと思っております。
  29. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 アメリカとの場合はそれは言えるかもしれませんが、領海通過の場合はアメリカの艦船だけに限らないでしょう。日本に関して言えばソ連もあるし、だからそういうことは言えないわけでしょう。したがって、どんなにおっしゃっても、これは実効的なチェックの方法がおっしゃるとおりないのですよ。そういう点も含めて考えれば、いかに非核三原則ということを声を大にして言っても、実はこのチェックの仕方についての実効性がない以上、まことにこの非核三原則というものは、空疎と申しますか、空念仏と申しますか、そういうことになるのではなかろうか。したがって、やはりもう少し核のチェックについての実効性の方法を追求しなければ、真に非核三原則の実効性は生まれない、このように思いますが、どうでしょうか。
  30. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいまアメリカとの場合はともかく、その他の国の場合と言われまして、たとえばソ連の場合というようなことがあろうかと思います。わが国がそのようなものは無害航行とは認めないと申しておりますことは、これは内外にそれを宣明しておるわけでございますから、当然に各国ともそれを知り、また領海である以上それを尊重してもらわなければならないというのが、これは私はたてまえであろうと存じます。で、それをしもわからないからといって領海を通航するということは、これははなはだ遺憾なことであると申し上げる以外に方法は実はございませんで、各国ともおのおのの領海、領土というものは尊重するというのが、これが基本のたてまえでございますから、そういう原則が尊重されるというふうにわれわれとしては考えるべきであろうと存じます。
  31. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いずれにしても信頼関係ということしか出てこないわけですね。大体アメリカの場合に、国務省と国防総省、ペンタゴンは核問題についてどれだけの緊密な連絡をしておるのであろうかという疑問を私は持つわけです。たとえば、核積載艦はこれこれこれで、いまから日本に行きますとかなんとかいうようなことを一々国務省に連絡する仕組みになっておるんでしょうかね。その点はどのようにお考えですか。
  32. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 お答え申し上げます。  アメリカ政府の内部におきまして国務省と国防省の間がどういうふうな連絡体制になっておるかということはわれわれとしてももちろん十分知らないわけでございますけれども、国務省の中にもポリティコ・ミリタリー・アフェアーズを扱う部門がございまして、私の承知しております限りでは、核の問題についても緊密に連絡しているようでございます。  それから、具体的な艦船の動きに関しましては、これはどの程度の連絡が行われておるかということはわれわれもわかりません。ただ御承知のように、わが国に原潜が寄港いたします場合には、二十四時間前に通告してまいることになっておりますが、こういうふうな動きについてはもちろん大使館を通じてわれわれはすべて通告を受けておる次第でございます。
  33. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 七一年の例のサイミントン委員会の議事録を見ますと、いわゆる米軍がどのような基地を持っておるか、また基地の内容がどうなっておるのか、どういう部隊がおるのかさっぱりわからない、国会にも国務省にも。それが指摘されておる。そこで、どういう基地があり、どういう部隊があり、どういう機能があるか、そういうものを調べる一つの手だてとして、例の電話帳を利用して調べる以外になかったというのがサイミントン委員会の議事録で明らかになっておるわけですね。だから、あなたがいまおっしゃったように、単なる想像で言っちゃいけないと思うんですね。緊密に連絡しておると思いますというようなことは、これは答弁にならないわけですよ。一々連絡をしないとしたら――事前協議をやってくるとすれば、これは国務省関係でしょう。それとも、事前協議をやる相手というのはアメリカ側は一体どこになっておるのです。だれになっておるのです。それを明確にしてください。
  34. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 事前協議を行うチャンネルは、もちろん外交チャンネルでございますから、実際にそういうことが必要があります場合には、在京米大使館を通じてわが外務省に来るものと了解しております。
  35. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうすると、ペンタゴンからいろいろと国務省に連絡をしなければ事前協議にかけようがないですね。その点は、その核の問題について明確な連絡を一々やっている、ペンタゴンが国務省に。それを私は確かめてもらわないといけないと思うのです。思いますじゃ困るんですね。どうでしょうか。
  36. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 これはまあ、向こうのまさに内部の問題でございますけれども、国防省ももちろん日米安保条約の関係条項は熟知しておるわけでございます。したがいまして、この日米の信頼関係の上に成り立っております安保条約の関係規定を国防省が十分熟知し、そしてこれに従って、わが方に必要な場合には事前協議をかけてくるということは当然のことでありまして、われわれとしてはその点を疑う必要はないと存じます。
  37. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 何もあなたの想像だけでありまして、どのようにそれが緊密に連絡をとられているか、具体的にはそれを確かめられたことはないのでしょう。だからそういう点もまことにあいまいなんですね。いまの御答弁を聞きましても、非常に自信がないような態度でございますし……。だからそういう点も含めて、私は非核三原則というものの実効性について非常に疑義があるわけです。単なる日本の方の気休めではなかろうか。したがって非核三原則を実効あらしめるためには、それなりの努力を具体的にやる必要があるのではないか。これを私は申し上げておきたいと思うわけです。  それから非核三原則と核抑止力の関係は一体どうなっておるのか、どのように理解されておるのか。相関関係にあるのか、それとも全然ないのか。せんだって三木総理大臣は私の質問に対して、何の前提もありません、無条件でありますとお答えになりましたが、その辺はどうでありましょうか。
  38. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 わが国の地理的あるいは地勢学的に置かれました立場から考えますと、いわゆる戦術核というものがわが国に持ち込まれるということは必要のないことであろうと考えておりまして、したがいまして、核の抑止力と言います場合、私どもは概して戦略的な長距離のものを考えておるわけでございます。そういう意味では、われわれがいわゆる非核三原則を維持しつつ、なお戦略的な長距離の核の抑止力に期待をするということは、両者の間に矛盾はないものというふうに考えておるわけでございます。
  39. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 矛盾がないという言葉でございますが、では全然関係ないとそういう意味ですか、矛盾がないという意味は。つまり私が言っているのは、かつてわれわれが非核三原則の国会決議を要請したときに、亡くなられた佐藤元総理は新しく核四政策というものを出されて、一つはアメリカの核の抑止力である、二番目に核軍縮である、三番目に平和利用である、そして四番目に非核三原則だ、この枠組みの中から一つだけ取り出して国会決議をするわけにはまいらぬという態度であったわけですね。では、いまのお言葉で言うと、そういう枠組みを離れて非核三原則というものが総理の御答弁のように無条件、無前提のものである、そのように非核三原則の重みをさらにつけた、こういうことになるわけですか。
  40. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 お尋ねの意味をそんたくいたしましてお答えをいたしますが、わが国は非核三原則を持っており、それを堅持する。しかし世界の現状においては、両超大国を初め核を持っている国が幾つかございますので、わが国が核によるあるいはその他の武力による攻撃を受ける危険性というものはゼロではない。遺憾ながら今日の世界はそこまでまいっておりません。したがいまして、われわれは核兵器を持たない、しかしそういう世界の現状では他国の核の抑止力に頼らざるを得ない、そういう現状であろうと存じます。将来、核兵器が全く世界的に廃棄をされてしまうというわれわれの理想の状態までまいりましたら、これはもうそのことは入り用のないことになろうと存じますけれども、現状は遺憾ながらそこまでまいっておりませんから、この現状にかんがみまして、わが国の安全を全ういたしますためには他国の核の抑止力に頼らざるを得ない、こういうのが現状であろうというふうに政府は考えておるわけでございます。
  41. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 一九六六年でございましたか、外務省が日米安保条約の問題点についてという見解を出されました。その中で非核三原則と核抑止力の関係に触れられて、非核三原則を厳守しながら、しかもアメリカの核戦略に組み込まれることはないというような見解があったわけです。そこでお尋ねしますけれども、たとえば日本が侵略をされる、そういう場合にアメリカが核戦力をもって日本を救援をするということになっておるわけでしょう、核攻撃を受けたときには。  これは防衛庁長官にお尋ねしますが、そういう場合に、日本をアメリカの核戦略の中に組み込まないで、しかも日本を核戦力で救援できる、そういう器用な具体的な方法がありますか。あったらひとつ教えてください。
  42. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 アメリカの核戦略に組み込まないでという趣旨が私よくわからないのでございますが、わが国の核抑止力は、ただいま外務大臣の御答弁にございましたように、アメリカの核抑止力に依存するという国防の基本方針を持っておるわけでございまして、わが国みずからは核兵器を持たないということでございますので、結局日本において核抑止力が働くということは、アメリカの戦略核という一連の核のかさによって保たれているというふうに判断するわけでございます。
  43. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 その核の抑止力ということは、抑止力で守ってもらうということでしょうが、それはつまり核攻撃を受けたときはアメリカが核戦力で守ってやる、こういうことでしょう。私が言いたいのは、そういう場合に非核三原則があります、遠くの方からひとつやってください、そういう器用なことができるかということを聞いているのです。そんな勝手な器用なことがアメリカに対して通るのかということを聞いておるのです。それを聞いておるのですよ。
  44. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 少なくともアメリカが非核三原則という前提を承知をし、しかもアメリカはこの前キッシンジャー国務長官が外務大臣に言われましたように、核の攻撃であれ通常兵器の攻撃であれ、あらゆる攻撃から日本を守るというコミットメントをしておりますので、それができるというふうに私どもは考えております。
  45. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そういう点でアメリカと具体的に合意をしておるのですか。
  46. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 合意と言われます意味をこれもそんたくして申し上げますと、まずわが国の非核三原則あるいは事前協議というものは安保条約及び交換公文上の義務になっております。これは一つの合意でございます。それから、ただいま丸山防衛局長が言われましたように、私とアメリカの国務長官との間で先般四月に話をいたしました。これがやはりある意味で合意でございます。そういう二つのことの上に、いまのような御説明が私は当然に生まれてまいると思います。
  47. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 ではアメリカがいざというとき核で救援に来る、そういう保障があるのですか。何か条約的にあるいは交換公文書でもいいですが、その保障はどうなっておるのでしょうか。
  48. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これは当時も御報告をいたしましたけれども、まずアメリカの核能力が日本への攻撃に対する重要な抑止力であること。次に、日本への攻撃があった場合、それが核兵力であれ通常兵力であれ、米国は日本を防衛するということ。そのような日米安保条約に基づく誓約を引き続き守る旨キッシンジャー国務長官が約束をした、こういうのが私の四月にいたしました会談の結果でございますから、基本的に申せば、日米安保条約にそもそもそのような誓約がアメリカからなされておるということ、さらに四月にこの誓約を引き続き守る旨確言したということでございますので、これははっきりいたしました約束であると考えております。
  49. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 核戦力で守ってもらう、具体的には第七艦隊であろうしあるいは岩国の第一海兵航空師団等々であろうと思うのですが、そういう場合には当然、そうでなくても日米共同作戦をとる予定になっておりますので、日本がアメリカの核戦略の中に組み込まれるのは当然のことでありまして、組み込まれないでそれができるなんということはないわけであります。  ここでちょっとお尋ねをしておきますが、私は二年ほど前に対馬の建設中のオメガ局の視察に参りました。この対馬のオメガ局はいつから開局し、対馬を含めて全世界で予定をされておる八局はいつから稼働することになっておりますか。
  50. 只野暢

    ○只野説明員 お答えいたします。  日本のオメガ局は、本年の五月一日から正式に業務を開始しております。  それから世界のオメガ局についてでございますけれども、アメリカのハワイとノースダコタ、ノルウェーはすでに開局しております。それから南米のトリニダードトバゴ、これはまだ実験局の段階でございますが一応電波を出しております。五番目の開局が日本対馬でございます。  以上です。
  51. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなたはよく質問を聞いておってくださいね。八局が全部稼働するのはいつかと聞いておるのです。
  52. 只野暢

    ○只野説明員 あと三局残っておるわけでございますけれども、アルゼンチンは大体本年の十一月ごろ開局する予定と聞いております。それから、フランスがラ・レユニオン島に建設中のオメガ局は来年当初という予定と聞いておりますが、オーストラリアについてはまだ具体的にいつという計画は聞いておりません。
  53. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 実はこのオメガシステムというのは、幾らあなた方が強弁しようと、アメリカの、特に原子力潜水艦搭載のSLBMを中心とした核戦略体制を質的に強化する、そういう体制をバックアップするものであることは内容的にどこから見ても間違いないのですね。これは私は時間があればその例を挙げますけれども、それはおくといたしまして、そこで、これは全世界航法システムと申しますか、これを確立することによって、安い費用、それから全地球規模、しかも全天候の航法の継続的な展開をすることが目的でしょう。しかもこれは水中わざわざ偏波方式も垂直にいく、海中でその電波を受けられる仕組みになっておりますね。これは超長波電波ですね。だから潜水艦にとって一番いいのです。いままでの潜水艦慣性航法だと、時間が経過すれば誤差が出てくる。誤差を直すためにいわゆる天測観測をやらなくちゃ誤差は直らない。一定時間が来ると夜間上に上がって天測観測をする。そうすると隠密性がなくなる、いままでの慣性航法だと。だが、このオメガシステムだと水中の一定の深さのところで受信できるから、潜水艦にとっては一番いいのです。だから、これは確実にアメリカのいわゆる原潜、SLBMを中心とした戦略体制の一つの大きなシステム、このオメガシステムから、さらに航法だけでなくて、P3C、オライオンに積んでおりますね。ずっとこれは応用されていくのですよ。これが完成されたら、やっぱりもしものときはこれをやっつけないと、全世界に散らばっておるたとえばアメリカの原潜等の活動が活発になるから、これは一番に攻撃目標になる。だからニュージーランドは断ったのでしょう。そしてオーストラリアへ行った。そういうしろもの。つまり大きく考えるならばアメリカの核システムの中の大きなウエートを持っておる。これが対馬にある。  そこで私は別の観点からお聞きをしますが、一九七四年に、二十九回の国連総会でございますか、これが一つの決議をしておりますね。国際安全及び人類の福祉健康の維持と相入れない軍事的その他の目的のために環境気候に影響を与える行為禁止、この決議案が二十三カ国から提出され、アメリカは反対したけれども可決された。この中で、海洋において連続する電磁場及び音響学的な場を人工的につくり出すことが禁止される。そうすると、さしずめオメガシステム、こういうものは非常に軍事価値が高い、したがってこの対象になると思いますが、これはどうですか。このオメガシステム決議に違反するのじゃないですか。――時間がありませんから調べて後で答えてください。  海上保安庁もわからないですか。どうですか。(「わかりません」と呼ぶ者あり)わかりませんじゃ済まぬでしょう。どうするのですか。
  54. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 これは条約そのものではありませんが、条約案の形にしまして、いまの御指摘の点も含めたものをひとつ軍縮委員会で検討したらどうであろうかという意味の決議案でございます。
  55. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これはこの決議案の対象になるかならないかということを聞いておるのですよ。
  56. 只野暢

    ○只野説明員 この表現から考えますと、オメガシステムは対象にならないと考えます。
  57. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 なぜですか。
  58. 只野暢

    ○只野説明員 電波は多少なりとも海洋あるいは水にもぐる性質がございます。たまたま超長波の場合にはその程度が若干多いということだけでございまして、現在われわれが航行援助に使っておりますロランにしろデッカにしろ、すべてこれは電波でございますので、若干ながらやはり海にもぐる、理論上はそうなりますので、ですからそういうものが一切禁止される、いわゆる海上における電波を使った航行援助が一切禁止されるということは恐らくありませんし、「海洋において連続する電磁場、及び、音響学的場を人工的に創造すること。」海洋というのは海の中でというふうに解釈しますと、ちょっと違うのではないかと思います。
  59. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 あなた確信を持って言っているのですか。これが対象になることは間違いないと言われておるのですよ。あなた責任を持って答弁しているのですか。
  60. 只野暢

    ○只野説明員 私の専門の分野から考えましてそういうことはないと存じております。
  61. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 連続する電磁場というものをどのように解釈するかによって決まるのでしょうけれども、これは対象になるということを言われておるのですね。だから私はここでこれ以上議論しませんけれども、これは検討されるべき事項だ、このように思うのですよ。この管理権はどこにあるのですか。日本側にあるのですか。
  62. 只野暢

    ○只野説明員 オメガ局の運用一切については海上保安庁責任を持って運用しております。
  63. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 発信手続はどうなっていますか。
  64. 只野暢

    ○只野説明員 これは国内法であるいわゆる電波法の監督許可のもとに運用されております。
  65. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうじゃないでしょう。発信手続はアメリカの管理局によって決められるのでしょう、そうじゃないですか。
  66. 只野暢

    ○只野説明員 そういう事実は一切ございません。
  67. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 じゃ、日本が勝手にやれますか、発信のいろいろなやり方を日本の法律で。
  68. 只野暢

    ○只野説明員 これは、国際的に電波をどういう時間割りでどの程度断続して出すかということは一つのシステムとして成り立っておりますので、その手続は各国が全部共通しておりますけれども、電波を出す出さないということは電波法によって規定されております。
  69. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 日本で勝手にやれないのですよ。そんなことをやったら八局世界にばらまいておるシステムが何にもならなくなる。つまりアメリカの管理局によってその発信手続は決められるわけでしょう。したがって、その建物、施設そのものは管理しているかもしれないが、その発信手続等の内容についてはすべて日本の管理権が及ぶというふうには私どもは解されないわけです。これも私は残しておきたいと思うのですよ。  いずれにしても私が言いたいのは、これがやはり核システムの一環であるということをここで明確にしておきたいのですよ。そうしなくては、あんな高い四百五十メートル東京タワーよりも高いような発信装置は必要ないんですよ。これは海にもぐらせなければいかぬからそうなっているんです、超長波で。つまり海にもぐらせるということは潜水艦が対象なんです。もともとそのために開発されたんですから。だから幾らあなた方が民用を強調されても、オメガシステムの効用は九九%が軍用なんです。残った一%が民間用です。これはもう覆い隠すことのできない事実です。たとえ防衛庁じゃなくて、海上保安庁が管轄しておろうと内容はそうなんです。これはまた別の機会に私は問題にしたい。その事実だけを明らかにしておきたいと思うわけです。  そこで、防衛庁長官お待ちかねですが、問題の日米共同作戦について、以下お尋ねをしたいわけです。  いろいろの審議経過を通じて、防衛庁長官は言葉をいろいろつくって答弁をされておる。その中で、防衛分担についてはいままで制服同士がすり合わせをしておったという言葉がありますね。すり合わせというのは一体どういうことですか。私はいままで余り聞いたことのない言葉ですが、どういうことを言うのですか。
  70. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 いわば研究という言葉が正しいかと思います。いろいろの場合を想定して、いまのところはきわめて技術的な分野でございますが、狭い分野ですが、わが方の機能と先方の機能とが著しく違う分野がございますので、その辺についてどういうふうに効果を発揮するかというような点についての研究というようなことでございます。
  71. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、なぜ研究と言わないのですか。わかりにくいすり合わせという言葉をなぜ使うのですか。単なる研究と違うからすり合わせということを使っているんでしょう。こういう言葉でごまかしては、いけませんよ、長官。防衛分担を話し合っているということでしょう。すり合わせということは一定の話し合いはできているということでしょう。単なる研究じゃないでしょう。だからすり合わせという言葉を使ったのじゃないですか。どうですか、長官にお尋ねする、あなたがお使いになったと思うから。
  72. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 その言葉はたしか私の方が使ったと思いますので、それは研究という意味合いでございます。
  73. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、そのすり合わせというのは一体どういう機関でやっておったのですか、いままで。
  74. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 各幕のそれぞれの担当とそれから在日米軍の陸海空、それに対応するところでございますが、これが大体年に四回くらい定期的にあるいは随時会っておるわけでございまして、その際の研究議題として、きわめて専門的な分野でございますけれども、施設の問題でございましたら施設分野でそれぞれやる、こういうことをやっておるわけでございます。
  75. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では別の観点からお伺いします。  日米の共同の軍事会同というのはいろいろあるのです。以下お尋ねをします。  昭和三十八年いわゆる日米の了解事項というのが問題になった。その中で明らかになったことは、FTC、フリー・トーキング・コミッティーですか、これは統幕レベルでやる。FTS、フリー・トーキング・サブコミッティーですか、これはその統幕レベルの下のレベルでやる。三番目に、FTG、フリー・トーキング・グループですか、これは各幕同士の会同である。これは存在をかつて海原防衛局長の時代に認められましたが、ずっとそれは続いておりますか。
  76. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 ただいまそういう名称では呼んでおりませんが、実体的にはいまその後継的な形で続いております。(楢崎委員「名称はどうなっていますか」と呼ぶ)特別に名称は付しておりません。  FTCと言われておりましたものは、ただいま御指摘がありましたように、統幕の議長、事務局長、先方が在日米軍の司令官、参謀長、こういったレベルでございます。  FTGと言われるものは、フリー・トーキング・グループという訳のようでございますが、これは各幕の各部長とそれに対応する米陸海空軍のそれぞれのスタッフということでございます。  FTSというのは、フリー・トーキング・サブコミッティの訳のようでございますが、これは統幕の事務局の各室長と、それから在日米軍の参謀スタッフ、こういうところのレベルでの話し合いということでございます。
  77. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 まあそういうところですり合わせをやっておったわけでしょう。  次に、これは例のサイミントン報告の中で出てきておる会同ですが、安保協議委員会小委員会、安保分科会と称しておる、こういうものがある。これは昭和四十二年です。日本側は外務次官のほかにどういう人が出ておるか明らかでない。米側は、在日大使、在日米軍司令官、太平洋軍司令官代理、ワシントンの諸機関、こういうふうにサイミントン報告では明らかにされておりますが、これはありますか。
  78. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 われわれはこういう会合を安保事務レベル協議と称しておりますが、大体平均して年一回程度、事務レベルの上の方のクラスの方が集まって、安保問題について非公式な意見交換を行っております。
  79. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、これも安保事務レベル会同あるいは会議として現存をしておる。  次に、これは昭和四十三年の十二月、第九回の安保協議委員会で問題になりました、つまり設置をされることになった日米幕僚研究会同、これはどういう出席メンバーになっておるか、これがずっと続いておるかどうか、どのくらい開かれておるかどうか。
  80. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 第九回の日米安保協議委員会の結果設置をされました幕僚研究会同、これは昭和四十四年の一月十三日が第一回でございまして、それ以後、本年の一月二十三日まで四十八回開催をいたしております。
  81. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それじゃ、いろいろなレベルの各種のユニフォームの会同があるという事実は明確になった。  次に、日米の共同作戦の実態についてお尋ねしたいわけです。共同作戦をやっておりますか。
  82. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 まだ具体的な防衛出動事案というのはございませんので、共同作戦はやっておりません。
  83. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 じゃ共同作戦と共同作戦演習とは関係ないんですか。
  84. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 日米の共同演習は大体一年に一回ないし二回実施をいたしておりますが、これはかつては掃海訓練それから対潜訓練をやっておったわけでございますが、掃海訓練はいま現在はやっておりませんで、対潜訓練が主になっております。これは当方の実力が下でございますので、アメリカと一緒に訓練をすることによって当方のレベルアップを考えておるということでございまして、いわゆる作戦を前提としたものではございません。基本的な対潜についての技術的な部門がいろいろございますが、こういう点が最近どんどん進歩しておりますので、こういう点をいわゆるマヌーバリングというものを通じて、当方が覚え込むというのが目的でございます。
  85. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そうじゃないでしょう。共同作戦演習を、そういう単なるすり合わせでなしに、実際にやっておるんでしょう。それはサイミントン委員会の付録にちゃんとあるじゃないですか。その演習の講評が出ておるじゃないですか。そして、両軍の共同作戦の努力は効率ある対潜能力を実際に示した、そういうふうに共同作戦の演習になっているじゃないですか。
  86. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 少なくとも、いわゆる共同作戦をやるというような形ではやっておりません。先ほど申し上げましたように、当方のレベルアップのために演習をしているということでございまして、サイミントン委員会でどういう評価をしているか知りませんけれども、当方はあくまで対潜技術の向上ということが目的になってやっておるものでございます。
  87. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そんなことじゃないでしょう。あなたはサイミントン委員会の付録を読まれましたか。そうなっていないですよ。どうですか、その点。読まれましたか。読んでおっしゃっているんですか。
  88. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 それは目を通してございますが、私どもの実態はいま申し上げましたとおりでございます。
  89. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そんな答弁したってだめですよ。アメリカの方がそのようにきちんと出しておるんですから。私の方はそういうつもりじゃありませんと言ったってだめですよ、あなた。  想定の一つを読みましょうか。日付は一九六九年。演習の名前は削除になっている。一九六九年の何月何日かも削除になっている。場所はハワイ北部の艦隊作戦区域とパーキング・サンズ戦術水中爆撃場。参加部隊は、アメリカの方は、第三対潜軍所属の重空母カサージ、ミサイル搭載戦艦スコフィールド、これは核搭載ですね。護衛艦ブロンステイン、駆逐艦カイエスほか三隻、潜水艦グリーンフィッシュ、合計八隻。日本側は対潜哨戒機P2V六機、ハワイまで行ってやっておる。  想定の内容は、第一段階は四月五日、ハワイ諸島北方における敵潜水艦との接触、追求開始から切って落とされる。移動中の対潜群は真珠湾への入港を阻まれている。敵潜水艦の追求を徹底的に行い、対潜群は敵潜の阻止を抑えて真珠湾に入港。第二段階は、アメリカの潜水艦を標的として水中射爆場で統合兵器発射戦術の演習。第二段階はともかくとして、第一段階は完全な共同作戦じゃありませんか。それを想定した演習じゃありませんか。そうして講評は、両軍の共同努力は効率ある対潜能力を実演、特に水中射爆場の使用は海上自衛隊に貴重な訓練を与えた。きちんと、こう評価しているんですよ。だから、アメリカはそう考えておるかもしれぬが、日本の方はそう考えてないなんて、そんなばからしい答弁はもうこの際やめたらどうですか。はっきりしたらどうですか。
  90. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 私どもはあくまで事実をもとにして申し上げておるのでございまして、もしそういう作戦をやっておるのでございましたら、作戦を当然やる必要があると思います。作戦演習を前提とした演習をやる必要があると思いますが、ただいまのサイミントンのは、アメリカのハワイにありますバースターを使っての評価演習でございまして、当然演習をやる場合にはいろいろな想定を使ってやるわけでございまして、わが方がP2Jがそれに参加しておったということですが、P2J自体といたしましては、国内にそういう評価装置がございませんので、現在年に一回アメリカにP2Jそれから潜水艦、こういったものを派遣いたしまして、このバースターを使って能力テストをやっておるわけでございます。
  91. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 余りそうあなた方は、共同作戦演習じゃないんだと言われない方がいいんじゃないかと思うのですよ。もう少し率直に国民の批判を仰いだらどうですか、国会を通じて。  きのう、何か衆議院の内閣委員会で局長はこういうふうに答弁をされたそうですね。これは私は聞いておりません。新聞で読んだんですけれども、「安保条約による日米共同作戦行動の範囲もわが国防衛のための自衛隊出動の範囲と同じであり、わが国周辺の数百海里を考えている」。間違いありませんか。きのうの内閣委員会。
  92. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 本日も大出議員からやはり同じ趣旨の御質問がございまして、私、お答えを申し上げたわけでございますが、本件についてはすでに楢崎議員が御質問になられた例のSCCという、事務レベル会議でございますか、この際のメモの問題で数百ないし千キロということを日本が日本サイドとして考えておるような話が出た経緯もあり、私もその当時の議事録を読んでよく中身を知っておりますので、昨日御答弁申し上げました際には、いわゆる周辺海域としてわが方が考えておるのは数百海里であって、航路帯を設定する場合には千海里以内ということで考えておるということを御答弁申し上げたわけでございます。
  93. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私が聞いているのは、日米の共同作戦の範囲は自衛隊の行動範囲、こうあなたはきのう答弁したと新聞に載っておるから、そのとおりですかと聞いている、自衛隊の行動範囲ではないのですよ。
  94. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 自衛隊が独自に行動いたす場合も、それから安保五条によって日米が共同して対処する場合におきましても、いずれの場合におきましても、わが方はわが国の防衛のために必要な限度で行動するという原則に変わりはないわけでございまして、その場合領海、領空というものから、必要な限度において公海、公空にも及び得るということを申し上げておるわけでございます。
  95. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 安保条約第五条の共同作戦の区域は領域に限るとわれわれは考えておったが、いまの答弁でいいのですか、外務大臣。――外務大臣に聞いているのです。
  96. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 ただいま私申し上げましたように、共同対処の場合におきましても、わが方はわが国の防衛のために必要な限度内において、必ずしも領海、領空に限られないという考え方を持っておるわけでございます。
  97. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はあなたに聞いていないのです。外務大臣に聞いているのです。
  98. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいまのお尋ねはこういうことでございますか。日本国に武力攻撃があったというときに、わが国の行動し得る範囲は領海、領空に限る、こういうお尋ねですか。
  99. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 日米の共同行動でも日米の共同作戦でもいいですが、それがいまのような領域外に及ぶと言うから、われわれが了解しておるのは、日米の共同作戦の区域はあるいは共同行動の区域は安保条約の第五条の範囲だと、つまり日本領域に限られると、そのようにいままでわれわれは了解してきた。ところがいまの御答弁だと、自衛のために必要の範囲、つまりその場合には必ずしも領域に縛られない、日米共同行動あるいは共同作戦の区域は公海、公空上に及ぶこともある、こういう防衛局長のお答えですが、それでいいのですかと聞いている、日米安保条約との関係で。
  100. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは五条に関係ないことではございませんか。私が申し上げるように、もし武力攻撃があった場合にわが国はどうするかということを五条に決めてありますけれども、それと関係ないお話でしたら、これは五条に関係がないことでしょう。
  101. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 丸山局長は武力攻撃があったときのことを言っているのですよ。
  102. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ですから私は伺っているのです。お尋ねの意味は、日本に武力攻撃があった場合に、わが国の自衛の範囲というのは領海領空に限る、こういうお尋ねですかと伺っているのです。
  103. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それでは逆に聞きましょうか。日米共同作戦ができるその根拠はどこですか。われわれが了解するところは安保条約の第五条ですがと、こう聞いてもいいですよ。
  104. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 おっしゃっている意味はわかりました。それはわが国の個別的な自衛権の範囲としては領海領空に限らない。
  105. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 わが国の自衛権はいいのですよ。日米の共同作戦、つまり集団的自衛権の発動と関連をしてきますが、それは五条の範囲内ではないかと、これを聞いておるのです。
  106. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 衆議院予算委員会並びに参議院予算委員会におきまして、法制局長官から、安保第五条に基づく日米の共同対処、この場合にいずれもわが国としては個別的自衛権に基づいて行動するのである、こういう答弁がございます。
  107. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 それは、いままでの安保特別委員会の議事録を見ても、五条に関するものでありまして、つまりそれは拡大解釈です。どうしてそのように拡大解釈をしなければならないか。それはいままさに課題になっている日米の防衛分担、これが従来は周辺海域の場合は数百海里、航路帯の場合は千海里、そこまで行かなくてはいけないから、日米共同作戦の範囲を五条から拡大せざるを得ないのでしょう。そのように解釈の方法を全部防衛分担に合わせているのですよ。私はそういう解釈は絶対に承服できない。  では聞きますが、数百海里の一番上限は、最大限は何百海里ですか。
  108. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 これは実際にその必要が生じたときにということでございまして、いままでの御答弁でも、数百海里という非常にはっきり区分しない数字で申し上げておるわけでございまして、具体的に問題が起きるのはもう千差万別でございますので、とてつもない先の距離のことを考えておるのではないということを申し上げておるわけでございます。
  109. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 九百海里も入りますか。
  110. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 大体、数百海里という数値で御説明をしておる場合には、九百海里というのは常識的には入らないのではないかと思います。
  111. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 八百海里はどうですか。
  112. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 そういうことで数値を詰めておいでになりましても、私の方は数百海里ということしか申し上げられません。
  113. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そういうことではだめですよ、こういう重大な問題を。これはいわゆる周辺の国に脅威を与えるかもしれない。そういう自衛隊あるいは日米共同作戦の区域を数百海里で、たとえ最大に行っても九百は行かないとこうなつている。ではどこまでか、答えたらどうです。そんなごまかしは許されませんよ、こういう重大問題で。それはだめですよ。それでは日本語で言う数マイルとかそういう場合の「数」は、日本語の常識ではどうなんですか。防衛庁長官の常識ではどうなんですか。われわれの常識では五、六百海里という感じがするのですけれども、どうなんですか。
  114. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 従来この点は数百海里ということで申し上げておるわけですが、その趣旨は、あくまでも個別的な自衛権の発動に基づいてやるということと、それからやはりわが国の防衛、わが国を守るためにやるということでございまして、一応領海領空ということだけれども、それには限定しませんよという意味の制約がかかっておるという意味において公海にも及ぶ、こういう意味に御了解を賜りたいと思います。
  115. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そういうような答弁を私は要求しているのじゃないのです。もうこの期に及んで、周辺海域といってもとてつもない先の海域までは考えられないから、数百海里と言っているのでしょう。ではその中に五百海里は入りますか。
  116. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 数量で言えばやはり数百海里ということでありますが、それは、他国にはなはだしく脅威を与えるというような程度のものであってはいけないという、やはり制約はあろうかと思います。
  117. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だから、それは数百海里のうちどの線ですかと聞いているのですよ。五百海里ですか、六百海里ですか、三百海里ですか。いま言ったのは全部数百海里の中に入りますか。
  118. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 いずれにいたしましても、実際に起きる事態というものがいろいろな状態で出てくるということが予想されるわけでございまして、ただいまから、いまの時点でそれが何百海里という確たるものを出せないというのが実情でございまして、大変にそれが大きなものか、大変に小さなものかということでなくて、数百海里ということで大体の一般的な御同意を得られるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
  119. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 わからないから聞いているのです。質問しているのは私なんです。だめですよ、そういうことじゃ。そういうことじゃもうだめですよ。はっきりしたらどうです、いままでそれで逃れてきたけれども。六百海里は入りますか。
  120. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 いずれにしても具体的な事態というのがはっきり決まりませんので、何海里でいいということを私から申し上げるわけにまいらないわけでございます。数百海里という幅で考えておくということでございまして、事柄の性質上、はっきりしたデータの積み上げで出てくるという性格のものでございませんので、その辺で御了承いただきたいと思うわけであります。
  121. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 了承できませんね。数百海里の最大限はどの辺なのか、はっきりしてください。だめですよ。
  122. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 いずれにいたしましても、何百海里というぴたっとした数字を申し上げられるような事情にございませんので、同じことを繰り返すことになりますけれども、数百海里という表現を現段階で申し上げられる以上のことはできないというふうに考えるわけでございます。
  123. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 全然それはごまかしですね。これは重大なところです。津軽海峡は幅が何海里ですか。宗谷海峡は何海里ですかね。
  124. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 お答え申し上げます。  津軽海峡は白神岬と竜飛崎との間が、つまり西口に当たりますけれども、西口は十・四海里でございます。それから汐首岬と大間崎、これは東口でございますが、これが九・六海里、それから宗谷でございますが、宗谷岬とサハリン、樺太の南端の間は二十二・七海里でございます。
  125. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 対馬
  126. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 対馬でございますか。対馬でございますが、対馬の棹崎と南兄弟島つまり対馬海峡のいわゆる北水道と言われているところでございますが、それは二十三・二海里でございます。ただ、このただいま申し上げました数字は、これは厳密な実測によったものではございませんで、海図上をはかったものでございまして、若干の誤差があるということは御承知おき願いたいと思います。
  127. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 数百海里というときの基点はどこに置くのですか。
  128. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 大体本州四国九州北海道といった大きな島嶼海岸線を考えておるわけでございます。もちろん北のソ連領あるいは日本海、こういうところがあるわけでございますけれども、ただいま御指摘の海峡その他ございますが、わが方が外国領空領土、こういったところに参れないことは、もちろん憲法の制約がございますので、したがいまして全部が丸く数百キロでこういう円が描かれるということではございませんで、ちょうど先生よく御存じのように防空識別圏、ADIZのような形になるのではないかというふうに思います。
  129. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 では、そのシーレーンの百海里あるいは周辺数百海里、この海域の中で自衛隊が守るべき対象は、日本の艦船あるいは航空機でしょう。そのほかに米軍あるいは他の同盟軍、たとえば現在まだ朝鮮国連軍がおります。そういうものも守るべき対象になるのですか。
  130. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 この安保五条の発動によります場合にも、先ほどから申し上げておりますように、わが国の防衛に必要な限度内においてという基本的な考え方がございますので、その場合何を守るかということは、結局わが国の防衛に必要であるかどうかというこの判断になってまいるかと思います。
  131. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 じゃ、防衛に必要だと思えば米軍の艦船、飛行機あるいは同盟軍の艦船、飛行機も場合によっては守る対象になる、こういうことになりますね。
  132. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 いま申し上げましたように、わが国の防衛に必要であるかどうかという判断になりますので、個々のものがなるかどうかは、そのときのいろいろな客観情勢その他のものをあわせて判断をいたさなければなりませんので、一概にアメリカの艦船が入るか入らぬかというお答えは、いまの段階ではやりにくいと思います。
  133. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だから、場合によっては含まれることもあると、こういうことでしょう。絶対に含まれないということじゃなくて、ケース・バイ・ケースによって含まれることもある、こういうことですね。
  134. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 わが国の防衛のために必要であるということが出てまいりますれば、そういうこともあり得ると思います。
  135. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 非常に問題が明確になっていったわけですね。そこで、日米共同作戦の作戦連絡調整機関が先ほど問題になったようですが、この機関は一体どういうものを考えておられるのか。たとえば先ほどいろいろ挙げた軍事会同がありますね。そのうちのどれを公然化するのですか。たとえば第九回の安保協議委員会で設置された幕僚研究会同なのか、あるいは昭和三十七年ごろの段階で問題にされたいわゆる軍事委員会みたいなものなのか、どうでしょう。
  136. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 まだ、いま内容を詰めております段階でございますので、どういうことになるかということがはっきりといたしておりませんが、いま先生がいろいろ挙げられましたような形のものになるのか、できれば、やはりこのシビリアンコントロールの趣旨を徹底する意味において、制服だけの機関でなくて、そこへシビリアンが入るというようなことが望ましいのではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、いまのところまだはっきりしたイメージをつくっておりませんので、その程度の御答弁で御容赦を願いたいと思います。
  137. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 核兵器の実験禁止なりあるいは核保有国の核兵器不使用協定締結について、保有国に積極的に働きかける意思がおありですか、どうですか、外務大臣。
  138. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 いわゆる核軍縮及び非核保有国の安全保障の問題は、この条約そのものが直接に触れている問題ではございませんけれども、もとより、この条約は核軍縮ということに進むための一つの方法を示しておるのであって、われわれとしては核軍縮あるいは非核保有国の安全について、従来も国連あるいは安保理事会あるいはこの条約に基づく再検討会議で叫んでまいりましたし、今後ももとよりそういう主張を強くいたしていくつもりであります。
  139. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 核兵器不使用協定はどうですか。
  140. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 その点につきましては、今回の再検討会議でも各国の間で議論になりまして、結局、核兵器あるいは在来兵器両方を含めまして、いわゆる武力によるところの威嚇あるいは攻撃はもとよりでございますが、それを慎しむべきであるという最終宣言が出ておりまして、これは、わが国の主張が入れられたことになったわけでございます。
  141. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いや、私は具体的に聞いているのです。あなた方はもう新聞でも御存じのとおり、われわれはやはりこの核防条約批准の問題と関連をしていろいろな条件が満たされることを要求しているわけです。そのうちの一つが核軍縮あるいは核兵器不使用協定の締結を核保有国に積極的に働きかける。だから、私は具体的に核兵器不使用協定の締結に対して、積極的に何か動かれますかと聞いているんです。
  142. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 わが国としては、従来からもそうでありますけれども、核軍備競争を停止をして、核軍備の凍結にとどまらず、核兵器の全廃ということに向かって努力をしてまいりましたし、今後もそういう呼びかけを続けていくつもりであります。
  143. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いや、そういう全般について呼びかけていくというよりも、私は具体的に聞いているのです。核兵器の不使用協定の締結について、何回も言います、積極的に働きかけられる用意があるか、これです。
  144. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 不使用ということよりは、この全廃ということの方が私は最終の目標であると思いますけれども、それに向かっていく道程においては、私どもはあらゆる努力をしなければならないと思います。
  145. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 済みません。ちょっといまの答え、いま話を聞いておったので、申しわけございませんが簡単にもう一回……。
  146. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 最終的には核兵器の廃棄というところまでいきたいわけでございますから、その道程においてはあらゆる努力をしてまいるつもりでございます。
  147. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 何回も言いますが、不使用協定というものについてどうお考えですか。私は、いまそれだけを聞いているんです。
  148. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 すべての核兵器保有国が一致をいたしますならば私はまことに結構なことでありますから、全部に向かってそういう呼びかけをしていくことは意味があると思います。
  149. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 これは本院でも何回も決議しておるのですよ。たとえば二十八回の国会決議あるいは四十回の国会決議核兵器の実験、かれこれずっとあって「使用禁止協定締結に努力し、政府が直ちに関係各国」つまり核保有国ですね。「に積極的に働きかけることを要請する。」となっておるのです。だからここの言葉にあるとおり、あなたは勝手にそういうことよりも全廃だと言っておるけれども、国会決議はそうなってないのです。具体的に並列しておるのです。その中に「使用禁止」というのがあるのですよ。こういう決議を受けてどのような努力をなさいましたか、逆にそう聞いてみましょう。
  150. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 このたびの再検討会議でもわが国はこの問題について主張したわけですが、結局核兵器保有国、ことに米ソとも、そういう形でなく核兵器と在来兵器とを総合した形での武力攻撃あるいはその脅威を行わないという形で最終宣言がまとまっておりますので、そういう点では米ソともそういう形の方が受けやすいということであったように思いますので、結局これは、核保有国に呼びかけることでございますから、結果としては今回そのような結論が出ております。
  151. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 防衛庁長官、時間があるそうですからちょっと聞いておきます、さっきと関連がありますから。日米共同作戦は必ずしも領域に限られない、脅威いかんによっては公海、公空に及ぶ。日米が共同作戦するときには、領域内であれば当然五条によって事前協議は必要ないわけですか。領域外に出るときは当然事前協議の対象になりますね。
  152. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ちょっと済みません。質問の意味を取りかねておりますので、もう一回……。
  153. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 日米共同作戦あるいは共同行動の範囲は必ずしも領域に縛られない。場合によっては公海、公空に及ぶことがあるというさっきの御答弁でしたが、領域を出るときは当然事前協議の対象になりますね、直接出撃について。それを聞いておるのですよ。
  154. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 安保解釈を私から言うのはどうかと思いますが、第五条には事前協議制度は御案内のようにございません。それで先ほどから申し上げておりますように、わが国をみずから単独で守ります場合と憲法上の解釈は同じでございまして、わが国を守るために必要な限度内において領海領空を越えることもあり得るということでございます。
  155. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いや、直接出撃は事前協議の対象になりますねと言っておるのですよ、そういう場合は。時間がないから的確に答えてくださいよ。
  156. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 ただいま申し上げましたように、第五条には事前協議制度がございませんし、したがって、事前協議の対象になりません。
  157. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 大変な答弁ですね、それは。五条をはみ出ておるから、領域外に出たときは事前協議の対象になると思うけれども、それを領域外に出ても直接出撃についても五条の範囲内と認めるのですか。それで事前協議は必要ないというのですか。
  158. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 私が申し上げておりますのは、日本の自衛隊の行動について申し上げているのでございまして、わが国を防衛するために必要な限度内において領海、領空をはみ出ることもある。わが自衛隊がはみ出るわけでございますから、事前協議の問題ではございません。
  159. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 だめですよ、何回私聞いていますか。時間がないんでしょう。  自衛隊に事前協議がないことはわかっていますよ。そんなばかなことを何で私が聞きますか。日米が共同作戦をするということをさっきから言っているじゃないですか。そのときに米軍が共同行動で領域外に出ることもある、安保五条をはみ出ることもある、そのときは安保五条の範囲内として事前協議を必要としないのか、それとも事前協議を必要とするのかというのをさっきから聞いている。自衛隊に何で事前協議がありますか、ばか。ばかなことです、そんなことは。何言っているのです、ふざけちゃいけませんよ。――もういいですよ、聞きませんよ、そんなばかな答弁をするんだったら。――そんな答弁だったら何ぼでもやりますよ、五十分になっておるけれども。
  160. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 日米安保条約上の解釈の問題でございますので、私がお答えいたします。  安保条約の第六条に関する交換公文におきまして事前協議の対象とされております事項の一つに、米国の軍隊が日本の施設、区域を戦闘作戦行動の基地として使用する場合というのがございますけれども、その交換公文に、第五条の場合を除くということが明記されております。  したがいまして、いま御設問の日米が共同して行動をするという場合は、先ほど来申し上げておりますごとく、日本に対する武力攻撃に対処して日米が共同して行動するという場合でございまして、これはまさしく第五条の場合でございます。したがいまして、アメリカの軍が日本の施設、区域から日本の防衛のために戦闘作戦行動に出るという場合には、この事前協議の問題は適用にならないということになるわけでございます。
  161. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もうこれでやめますけれども、質問の意味がわかっていないんじゃないですか。その安保の五条は領域内の問題、われわれはいままでそう了解しておった。ところが、きょうの丸山さんの答弁によると、日米共同行動で、五条の拡大として領域から外へ出ることもある。その際の米軍は日本の基地を使って出るんだから事前協議の対象になるではないかと聞いておるんだけれども、あなた方は依然として、これは日米安保条約五条の延長として事前協議は必要ない、そういう解釈のようですね。――それでいいですね。  それで、あと私はまだ、平和利用の問題とか、あるいは例の六九年の共同声明の韓国条項と日米安保条約あるいは米韓条約との関係も聞きたいし、平和利用の問題も聞きたい。しかし、ああいうように的確な答弁がなくて何回も同じことを繰り返す。後の人が防衛庁長官への質問があるそうですから、一応私はここで中断をいたしますけれども、委員長の方で、後で質問をする時間を与えていただきたいと思います。そういうことを要望して、一応これで中断したいと思います。
  162. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 政府の答弁は全く的確であります。すなわち、第六条による交換公文の事前協議には、「条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。」と書いてあるのでありますから、五条について、いまのような場合に事前協議の問題はないのであります。
  163. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 そう答えられればまた聞きます。  じゃ、領域外に出る場合でも事前協議の必要はないのですか。
  164. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは、はっきり申し上げておきますが、楢崎委員の御質問はこういうことでございます。つまり、日本がよそから攻撃を受けた、自衛のために自衛権を発動しなければならない、そのときに、日本におります米軍は確かに日本の領域を出ます。それが事前協議の対象になるかとおっしゃれば、そんなものは事前協議の対象になりません。
  165. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もうやめますけれども、後でもう一遍やりましょう。そんな解釈は私は初めて聞きましたよ。そんなことをすれば事前協議は包括承認じゃないですか。  これで一応中断いたします。
  166. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 松本善明君。
  167. 松本善明

    ○松本(善)委員 この核防条約といいますのは、日本をアメリカの核のかさにますます深く縛りつけていくということにもなりますし、それから、いま御存じのように、国際情勢がインドシナの完全解放ということを迎えまして非常に大きく変わっている。こういう中で安保条約の運用がどういうふうになされるかということは、日本の国民にとっては重大な関心事でありますし、核防条約については不可欠の審議事項であります。そういうことで、私は若干この安保条約の運用その他について伺いたいと思います。  いま同僚委員との質疑の中で出ました、安保条約五条の場合に公海、公空上に自衛隊が出ていくという問題でありますが、これは岸総理大臣が答弁をしたときには、わが国の領土を出て他国の領土に行くことは絶対にない、ただ、海と空の関係においては、領土や領空を出て、公海や公空の一部に出ていくというようなことは、実際問題としてはあり得ると思う、これは原則としてわが国の領土を出ていくということはしない、そして例外的に出ていくという趣旨に解されるわけであります。  ところが、きょうの答弁、内閣委員会でもしていた、わが国の防衛上必要と考えるならば、そのときによって判断をするということは、むしろ出ていくのが当然であるという趣旨に受け取れるわけであります。そうであるかどうか、もしそうならばいつ変わったのかということを明確にされたい。
  168. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 考え方は、わが国が単独で日本を防衛いたします場合と全く同じ考え方でございまして、わが国を防衛するために必要がある場合には必ずしも領空、領海に限られないという在来からの国会の御答弁があるわけでございまして、安保五条に基づきます日米の共同対処の場合にいたしましても、わが国としては、わが国が単独で守る場合と全く同じ考え方でございまして、わが国を防衛するために必要な限度内において領空、領海から公海、公空に及ぶこともあり得るということでございます。  それで今回の六月九日の衆議院の予算委員会におきまして、法制局長官から、「いざ戦闘状態に入った。日本国に対してある国の武力攻撃があって、それに対処するために、日本国に共同してアメリカ合衆国の軍隊も動き出したという場合においては、そういうことについて必ずしも日本の領空、領海に限らないではないか。その点はもう少し検討してみなければ一義的には言い切れないということは、昭和四十八年に内閣委員会において、政府側からお答え」をしたとおりであるという答弁があるわけでございます。
  169. 松本善明

    ○松本(善)委員 それでは根本の問題から進んでいこうと思いますが、第五条を発動することになるときはどういうときであるか、外務大臣、伺いたいと思います。
  170. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 第五条に書いてありますように、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、」行われるときでございます。
  171. 松本善明

    ○松本(善)委員 わが国に武力攻撃がされた場合に限りますか。わが国が攻撃を受けたということに限るかどうか。
  172. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 「いずれか一方」でございますから、わが国においてアメリカまたは日本が武力攻撃を受ける場合というふうに考えるべきであろうと思います。
  173. 松本善明

    ○松本(善)委員 攻撃を受けた場合というのはそれはどういう場合ですか。というのを聞きますのは、かつて高辻法制局長官が、攻撃の着手をしたときということを答弁をしたことがあります。この点についての、攻撃を受けたというのはどういう場合なのか、具体的にお答えをいただきたいわけであります。
  174. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 前に答弁申し上げてあると思いますけれども、ここで言います「武力攻撃が」云々という場合は、単に武力攻撃のおそれがある場合ということではいけないということで御説明申し上げてあると思います。  ただいま御引用になりました法制局長官の答弁は、そういう場合、じゃ具体的にはどういうことがあるのかということに対して、武力攻撃が着手された場合というふうに答えられたのだろうと思います。  いずれにいたしましても、この問題はやはりそのときの状況によりまして判断せざるを得ない問題だろうと思います。
  175. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務大臣に伺いますが、五条の場合はいまので済んだのですが、六条の事前協議でわが国から米軍が出撃するのを認める場合ですね。朝鮮半島についてはイエスもノーもあるということは再々答弁をされました。いま五条の場合は武力攻撃のおそれがあるという場合ではだめなんだということを条約局長が答弁をいたしましたが、わが国に対する武力攻撃のおそれがあるという場合には、この米軍がわが国の基地から発進することに対してイエスと言う、こういうことでありましょうか。
  176. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この安保条約の目的から考えまして、わが国の安全が脅かされるという場合にこれは事前協議の問題として考える、イエスと言うとは申しておりません、考える、条件はそういうことであろうと思います。
  177. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすると、わが国が攻撃されるおそれがある場合であっても、イエスと言う場合ばかりではない、イエスとばかりは言わない、考えるということを強調されたということはそういうことですか。
  178. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そのおそれというようなことはきわめてあいまいな言葉でございますから、客観的にわが国の安全が脅かされているという状況があった場合において、この事前協議の問題を考えるということでございます。
  179. 松本善明

    ○松本(善)委員 私が伺いたいのは、五条の場合と六条の事前協議でイエスを言われる場合との違いをどういうふうに外務大臣はお考えかということを伺いたいわけであります。
  180. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 五条に申します「武力攻撃」、これはもうはっきり武力攻撃でございますから、それによってわが国の安全が脅かされることは明らかだと思います。しかし、安全が脅かされるということは武力攻撃が現に起こったという場合には限らないと思います。
  181. 松本善明

    ○松本(善)委員 私が申しますのは、武力攻撃が実際にされる前、いわゆる着手されたという概念の場合も五条に入るということを先ほど言われたわけですから、そういう状態になる前でもやはりイエスと言うことが朝鮮半島についてはあり得る、こういうことですね。
  182. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 事は自衛権でありますから、明白かつ急迫した危険というものが条件として必要であろうと思います。
  183. 松本善明

    ○松本(善)委員 朝鮮半島でのわが国から米軍が出撃するときのイエスの条件ですか、急迫不正のと言われたのはそういう場合ですか。
  184. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 お尋ねは、第六条の事前協議というのはどういう場合に行われるかというお尋ねでございますから、それはわが国の安全が脅かされるという状況においてである。しかし、脅かされるおそれということはきわめてあいまいなことでありますから、そういうふうに拡張することは好ましいことではなく、わが国の安全が脅かされているということが客観的に明らかであり、しかも十年先とか二十年先ということでない、そういう状況のもとであろうというふうに考えます。
  185. 松本善明

    ○松本(善)委員 少し具体的にお聞きしますが、一応確かめておきたいのでありますが、日本の海外における財産に対する攻撃というものは五条の発動の場合に当たりますかどうか。
  186. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 御質問は、恐らく具体的には、たとえば公海にあります日本の船舶あるいは外国にあります日本の施設、財産が攻撃を受けた場合ということであろうと思いますが、そういう場合は第五条の問題ではございません。
  187. 松本善明

    ○松本(善)委員 先ほど来公海上での米軍艦船に対する攻撃の問題が問題になりましたけれども、私もこの点でちょっとお聞きしておきたいのですが、わが国は集団的自衛権を憲法で禁止されているわけですが、なぜ禁止をされているのか、それから集団自衛権というのはどういうものであるかということを、これは法制局に伺いたいと思います。
  188. 角田礼次郎

    ○角田政府委員 お答えいたします。  国際法上、国家はいわゆる集団的自衛権というものを持っているわけであります。  集団的自衛権につきましてはいろいろな定義がございますが、政府は従来次のように解しております。自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず実力をもって阻止することが正当化されるという地位であるというふうに考えております。この意味の集団的自衛権をわが国が国際法上持っていることは、主権国家である以上当然であると言わなければならないと思います。しかしながら、政府は従来から同時に一貫して、わが国は国際法上の集団的自衛権は有しているとしても、国権の発動としてこれを行使することは憲法の容認する自衛の措置の限界を越えるものであるという立場をとっているわけでございます。その点はいまの御質問にお答えするわけでありますが、次のような考え方に基づくものであります。  すなわち、憲法は第九条におきまして、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているのでありますが、前文におきまして、「全世界の国民が、」若干省略しますが、「平和のうちに生存する権利を有する」ということを確認し、また第十三条におきましては「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、」「国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ということを定めております。そのことからも明らかなように、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されないと思います。しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が右に言う自衛のための措置を無制限に認めているとは――無制限というのは多少言い過ぎだと思いますが、右に言う自衛のための措置について制約がないとは解されないのでありまして、それはあくまで外国の武力攻撃によって国民の生命なり自由なり幸福追求の権利が覆されるという急迫不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであると考えられますので、その措置としては、当然いま申し上げたような事態を排除するための必要最小限度の範囲にとどまるべきものと考えられるわけであります。そうだとすれば、わが憲法のもとで武力行使を行うことを許されるのはいまのような場合でありますので、他国に加えられた武力攻撃を阻止するということをその内容とする、いわゆる集団自衛権の行使は許されない、こういうふうに解しておるわけであります。
  189. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすると、他国に加えられた攻撃に対して対処するということはできない。  他国の艦船の場合どうですか。
  190. 角田礼次郎

    ○角田政府委員 端的にお答えいたしますとそのとおりでございますが、ただ若干補足させていただきますと……。
  191. 松本善明

    ○松本(善)委員 言葉でちゃんと言ってください。どういうふうに艦船の場合……。
  192. 角田礼次郎

    ○角田政府委員 艦船の場合も同様でございます。  若干補足させていただきます。よろしゅうございますか。――ただいま申し上げていること、それから先ほど防衛局長の答弁にもありましたけれども、自衛権行使の第一要件としてのいわゆる急迫不正の侵害があったとき、あるいは外国からの武力攻撃があった場合という場合の要件としていま私は申し上げているつもりでございます。
  193. 松本善明

    ○松本(善)委員 防衛局長に伺いますが、いま法制局の答弁がありましたけれども、原則として他国の艦船に対する攻撃を守ることはできない、これは憲法が禁止しているところです。先ほど防衛局長はそれがあり得るんだということを答えましたね。それは、私はいま法制局に聞いているんじゃない。防衛局長はどういう場合に、憲法の禁止があるにもかかわらずアメリカの艦船を守ることができるというふうに考えているのか。
  194. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 どういう場合にというのは、いまの時点で想定するのが大変むずかしい問題でございますが、先ほど申し上げましたのは、わが国を守るために必要最小限度の中の行為としてどういうものがあり得るかということで、それについては一々細かい想定を立てにくいということで申し上げたのでございますが、その中にいろいろな諸条件を含めてわが国を防衛するために必要な限度ということでアメリカの船が、諸条件が、いろいろ前提がございますが、そういうもので入ってくる場合があるかという御質問でございましたので、そういう場合もあるだろうということをお答え申し上げたわけでございます。
  195. 松本善明

    ○松本(善)委員 だから、憲法上は一般的には禁止されていることをなぜできると考えたのかということです。これは自衛のためだから憲法の制約を越えてやれる、こういうふうに考えているということですか。
  196. 角田礼次郎

    ○角田政府委員 先ほど補足して申し上げたと思いますが、自衛権行使の第一の要件として外国からの武力攻撃があったときというのが原則になるわけですね。その場合の要件としまして、私は、公海上にある外国の艦船というものに攻撃を加えられたからといって、日本自衛権というものは発動できない、つまり個別的自衛権の発動しかできないわけでございます、そのことを言ったわけでございます。(松本(善)委員「だからどうなんです。だからどうだというんです。それはわかっていますよ」と呼ぶ)防衛局長が日米の共同対処行動としてわが国の自衛権といいますか、自衛権の行使に必要な範囲内というかあるいはその限界内において行動する場合というのも、私が申し上げた、結局、個別的自衛権の範囲内においてあくまで行動するということでございますから、別に矛盾していないように思いますが……。
  197. 松本善明

    松本(善)委員 そんなことはないです。他国の艦船に対する攻撃、公海上でアメリカ軍の艦船に対する攻撃をわが自衛隊が守るということになればまさに共同作戦なんですよ。そういうことが無制限に認められていったら、これは大変なことですよ。個別的自衛権だと言うけれども、一たん五条が発動されたならば、そういう米軍を守るということは再々起こるというわけですか。そういうことがあってもいいということですか。それはもう重大な、大変な問題ですよ、アメリカ軍自衛隊が守るというのは。
  198. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 理屈の上で申し上げているわけでございまして、恐らくアメリカの艦船をこちらが守るということはない――ないというよりはきわめて少ないと思います。問題は、先ほどから私ども申しておりますのは、個別的自衛権、わが国はあくまでもわが国の防衛のために必要な限度において動くということでございまして、その尺度に合う場合においては、いろいろな対象が入ってくることもあり得るだろうということでございます。
  199. 松本善明

    松本(善)委員 ないということですか。さっきあると言ったのですよ。実際にはない、米軍の艦船を守ることはないというふうに訂正するのですか。
  200. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、わが国を守るためにわれわれは行動する。わが国の安全のために必要な限度内において行動するわけでございますから、結果としてアメリカの船がそのために救われる、その行動によって救われるということはあり得るだろうということでございます。
  201. 松本善明

    松本(善)委員 違うじゃないですか。結果としてなんていうことは言わなかったじゃないですか。アメリカ軍を守ることがあるということを、アメリカの艦船を守ることがあり得るということをさっき言っていたじゃないですか。そんないいかげんなことはだめですよ。訂正するなら訂正する、間違ったら間違っていると、はっきり言いなさいよ。
  202. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 アメリカの船を守るということが目的として動くということはないということを先ほどから申し上げているわけです。目的としては、わが国の安全を守るために行動するということが、われわれの終始一貫した行動でございます。その結果としてアメリカの船を守るということがあると思います。私は先ほどもそういう趣旨で申し上げているわけです。
  203. 松本善明

    松本(善)委員 わが国の安全を守るためにアメリカの艦船を守ることもあり得るというふうに言われましたよ。はっきりそう言っていますよ。
  204. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 それは、そうでございましたら訂正さしていただきますが(楢崎委員「だめですよ、私に対する答弁じゃないですか、勝手にくるくる変えちゃだめですよ」と呼ぶ)わが国を守るために、わが国の安全を守るためにアメリカの船を守ることもあり得るということでございます。それはいろいろな諸条件がございますが、あり得るというふうに申し上げたわけです。
  205. 松本善明

    松本(善)委員 あり得るのですか。(楢崎委員「そう言ったのでしょう」と呼ぶ)
  206. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 そういうふうに申し上げたわけでございます。
  207. 松本善明

    松本(善)委員 わが国を守るためにアメリカの艦船を、軍艦を守るということはあり得る――いいんですね。いまそう言ったでしょう。(楢崎委員「何も訂正じゃないじゃないか」と呼ぶ)
  208. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 わが国を守るために行動するわけでございますが、その行動がアメリカの船を守ることはあり得るということでございます。
  209. 松本善明

    松本(善)委員 これは大変な問題なんです。これは、わが国の自衛のためであれば外国の艦船を守るということになるですよ。これは私は、憲法上は重大な問題だと思います。これはとても容認できない問題ですけれども、この問題はさらにこの条約の審議の中で明らかにされなければならぬ問題です。そういうことを徹底的に明らかにしなければ、国民が一体どういうふうに米軍と共同作戦をするのだ、対潜訓練をやっていると言うのでしょう。それは米軍と一緒にやっている。先ほどは技術の向上というふうに言っておりますけれども、決してそうじ中ない。私はそういう疑惑があるので、これはこれで別に追及するということを申し上げて、これは重大な問題だということを申し上げて、もう一つ非常に重要な問題がありますのでお聞きしておきますが、外務大臣、五条の発動の場合でも、核の持ち込みはノーと言いますか。
  210. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この点は総理大臣が何度も御答弁をなさっておられるところでございます。さようでございます。
  211. 松本善明

    ○松本(善)委員 もう一度確かめるために聞いておきますが、そういう五条の発動の場合で、しかも緊急の場合もノーと言いますか。
  212. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 総理大臣は、平常時たると有事たるとを問わずということを言っておられますから、そう解すべきものと思います。
  213. 松本善明

    ○松本(善)委員 アメリカの核積載機が戦闘で日本に追われてきて、そして日本の領海に入るというその場合もノーと言う。これも確かめることになるかもしれませんが、はっきりそうですが。
  214. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そういう場合はイエスだというようなことを申し上げますと、まことに抜け穴ができてしまうわけで、いわゆる乱用されたり悪用されたりする心配がございますから、それはやはりノーというふうに解しておくべきだと思います。
  215. 松本善明

    ○松本(善)委員 わかりました。そうすると、この五条発動でまさに戦争になっているわけです。その場合に核を持っている限りは米軍の航空機それから艦船は一切日本の領海、領空内には入れない。     〔水野委員長代理退席、委員長着席〕 第七艦隊は横須賀を母港にしているわけですけれども、そういう有事の場合、第七艦隊は当然に核を持つ、核抑止力になるということは再々答弁をしております。そういう核を積載している、核抑止力になったアメリカの艦船や航空機は一切、五条発動のまさに戦争になったという時期に日本の基地を使えない、使わない、こういうことでありますか。
  216. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それですから従来から申し上げておりますとおり、わが国の地理学的あるいは地勢学的な観点から見まして、いわゆる戦術核というものがわが国に使われるとは思わない、戦略核であろうということを申し上げておりますのはそういう意味でございます。
  217. 松本善明

    ○松本(善)委員 それは結局私の言ったことを肯定した上でその理由として言われたのですか。正確に言葉でお答えいただきたい。
  218. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 戦略核に限ると考えられますから、そのような場合は私は起こり得ないというふうに考えています。
  219. 松本善明

    ○松本(善)委員 戦略核に限られるというのはどういう意味ですか。私はいま戦術核の話をしているのですよ。航空機や艦船が戦術核を当然持って戦闘している状況です。
  220. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 冒頭に申し上げましたように、わが国の場合、戦術核が使われるということはないというふうに私どもは考えているわけです。
  221. 松本善明

    ○松本(善)委員 戦術核が日本で使われることはない――日本からの部隊あるいは第七艦隊が戦術核を持って遊よくするとか、そういう状態になるということは十分あり得るでしょう。そしてあなたも、アメリカ軍は核と同居している、日本へ持ってくるときだけは外してくる、特別だ、私はとても信用できませんけれども、あなたはそういうふうに言っておられる。そのいざ五条を発動するという場合、まさに戦闘ですよ。そういう場合にこの核と同居している米軍は日本には入らないのですか、入るのですか。
  222. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 わが国の領土の、領海、領空の外において遊よくしている限りこれは問題になりませんが、わが国に入るということになればこれは事前協議の対象になり、その場合は総理大臣がしばしば言っておられるとおり、政府はイエスと言うことはないということでありますが、冒頭に申し上げているとおり、わが国には戦術核という問題は起こり得ないだろうと私どもは思っています。しかし、仮定の問題としてどうだとお尋ねであれば、それは総理大臣は、そういう場合もやはり排除すると言っておられるものと私どもは考えております。
  223. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすると、米軍はいま戦術核ですべて武装している、みんな戦術核を持っているというのが軍事上の常識であり、これは外務大臣もお認めになったわけですが、私はまことに奇妙な、いまの答弁で言うならば全く普通の軍事常識では考えられない事態であります。戦闘時に米軍は必ず核は持たないで日本の基地に入る。もし核を持っている場合は絶対に日本の基地を使わない、こういうことが一体軍事常識として考えられるのかどうか。防衛庁長官、いかがお考えですか。そういうことはそういうふうにあなたも考えておられますか。防衛庁長官に聞きましょう。そのくらいのことは軍事常識としておわかりのはずでしょう。それから防衛局長にお聞きしましょう。私はそれは防衛庁長官としての資格の問題だと思いますよ。こういう問題について答えられないというならば、私は防衛庁長官の資格はないのじゃないかと思います。どうぞお答えいただきたい。
  224. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 これはしばしば本委員会におきましても、本会議におきましても三木総理がお答えになっているとおりでございまして、われわれは非核三原則という政策をとっているわけでございますから、それにわれわれは従うわけでございます。
  225. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務大臣にお聞きしますが、これはアメリカは知っておりますか。いざそういう戦闘、五条発動というような事態で自衛隊と共同行動をするというときに、核を持っている限りは日本の基地は絶対に使わないのだ、こういうことで米軍は了解をしておりますか。
  226. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいまのようなことはあり得ないというのが私どもの見解ですけれども、したがってそのようなことは話題になったことはありません。ありませんが、その場合に事前協議の対象になるということだけはもう明らかに知っております。
  227. 松本善明

    ○松本(善)委員 で、事前協議にかけて日本がノーと言うならば、米軍はいざ一番大切なときに日本の基地を使えないということになるのです。あるいは日本周辺で行動するときは必ず核を外さなければならぬ、こういうまことに不可思議なことが起こる。平時は日本の基地を使う、戦時の最も使いたいときには使わない、こういうことが国民を納得させることが一体できるだろうか、そういうことをアメリカ政府は知っているのかどうか。私はそれを外務大臣に伺っているわけです。
  228. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ですから先ほども申しましたとおり、松本委員のような想定を私どもはしたことはございませんから、そういう議論をアメリカ側といたしたことはございません。
  229. 松本善明

    ○松本(善)委員 しかし、いかなる場合も非核三原則を守る、事前協議をかけられる場合は必ずノーと言う。緊急時であっても、五条発動時であっても、逃げてきたような緊急避難のときであっても、すべてそうだということになれば、その答弁を合わせればそういう結果になると思いませんか。外務大臣いかがですか。
  230. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そういう結果になると思うと申し上げておるわけです。
  231. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすれば、私はそういう結果になるということを本当に信じられる国民はほとんどないと思います。アメリカ軍がそういったときには絶対に日本の基地を使わない。それを誓約しているならまた別問題です。それは日本政府がそう考えているというだけではなくて、当然にアメリカ政府に通告をしてそれはそのようにする。いかなる場合も、戦闘時であっても日本に核は持ち込まない、核装備をしている、核積載可能の第七艦隊とか十八戦術戦闘航空団とか、そういうものは全部核を外して戦闘するか、それとも日本の基地は使わないということをアメリカ政府に対して誓約をさせる、それが国民が安心する一番いい方法とはお考えになりませんか。
  232. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そのように考えません。事前協議の制度があるということをもって私は十分だと思います。
  233. 松本善明

    ○松本(善)委員 それでは私はさらに御質問しましょう。非核三原則というのは岸・アイゼンハワー共同声明以来ですが、事前協議にかかる事項については米国政府は日本政府の意思に反して行動する意図のないことを保証する、こういうことになっています。事前協議をかける場合に日本の政府に、事前協議に関して日本政府の意思に反して行動しないということを保証する、一般的に核を持ち込まない、日本の領海、領空上に。このことを約束するということは、いままで一つもありません。アメリカ政府がそのことを日本に対して約束したということは全くありませんが、このことは外務大臣はお認めになりますか。事前協議にかかる場合ということは言っていますよ。事前協議のかかる場合以外を含めて、一切日本には核を持ち込まないということをアメリカ政府が約束をしたことがありますか。
  234. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 アメリカが事前協議の制度をこの問題に関する限り放棄したことがあるかというお尋ねならば、そういうことはございません。
  235. 松本善明

    ○松本(善)委員 そういう質問ではありません。アメリカ政府が事前協議に関して日本政府の意思に反して行動しないということは言っているけれども、事前協議にかからない場合も含めて、事前協議にかけなくてもいいというふうにアメリカ政府が考えている場合を含めて、一切日本の領空、領海内には核兵器を持ち込まないということを約束したことがあるかというのです。なければないというふうにお答えいただきたい。
  236. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 お尋ねの意味が論理的にはっきりいたしませんけれども、核弾頭、中長距離ミサイルの持ち込み及びその基地の建設は、すべてわが国の領土に関する限り事前協議の対象になるのでありますから、そういう場合で事前協議の対象にならない場合が私どもには考えられないわけです。
  237. 松本善明

    ○松本(善)委員 じゃ、私はもう少し明らかにしていきましょう。  核通過の場合です。核通過の場合についての疑点、事前協議にかからないでわが国を核兵器を積載した艦船や航空機が通過をするということがあり得るとするならば、いま外務大臣がお答えになっていることはみんな間違っているということになるのです。四十九年十二月二十五日の参議院の内閣委員会で、通過について統一見解が発表されました。  これについてまず伺いたいのでありますが、第一項では「一般国際法上の外国軍艦の無害通航の問題に関して政府が昭和四十三年領海条約加入の際明らかにした立場、すなわちポラリス潜水艦その他類似の常時核装備を有する外国軍艦によるわが領海の通航は、領海条約第十四条4にいう無害通航とは認めず、したがって、原則としてこれを許可しない権利を留保するとの立場には変更はない。」これが第一項ですが、この「ポラリス潜水艦その他類似の常時核装備を有する外国軍艦」これはポラリス潜水艦以外に何がありますか。
  238. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 ポセイドンを積みます潜水艦があります。
  239. 松本善明

    ○松本(善)委員 第二項は「日米安保条約のもとにおいて、米国軍艦は、一般的には同条約及び関係取りきめの規定に従って自由にわが領海通航を行なうことを認められているところ、核の持ち込みが行なわれる場合はすべて事前協議が行なわれることとなる。」核の持ち込みが行われない通航があり得るような文章になっています。現に、松永条約局長も四十九年の十月三十一日に参議院の内閣委員会で「核の持ち込みでない通過というのも当然これは法律的な理論的な問題としてはあるのじゃないか、」という趣旨を答弁をしていますし、それから、さらにこの問題について藤山外務大臣は、アメリカの軍艦が仮に核武装してくることがあっても、日本を目的としてこないというのであれば、必ずしも持ち込みにはならぬという答弁をしていることは御存じのとおりだろうと思います。昭和三十三年十月二十七日。  それ以来、三木外務大臣の答弁については、今国会でも最近たびたび問題になっているところで、公海から公海へ抜けていくときに、これは核持ち込みにならないという趣旨の答弁をしている。こういうことでいきますと、要するに、核持ち込みにならないで、アメリカの艦船や航空機が核兵器を積載をして日本の領海や領空を通っていくということがあり得るというふうにしか考えられません。この点については、政府はどういうふうに考えているか、伺いたいと思います。
  240. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 問題は二つあるかと思います。  まず、核の持ち込みに該当しない通過があるのじゃないかという点でございますけれども、そもそも安保条約のもとにおきましては、第六条に関する交換公文において一定の事項を事前協議の対象にしております。その中で装備の重要な変更についてはこれこれを言う、すなわち、核弾頭及び中長距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設ということで、それを事前協議の対象にしているわけでございます。  具体的な問題といたしまして、仮定として、たとえば核弾頭の持ち込みということについて考えてみますと、核弾頭の持ち込みが事前協議の対象になっておる、それが条約上の制度であろうと思います。私どもが通過の場合もこれに該当するということを申し上げておりますのは、これが通過であるから持ち込みに該当しないということになりますと、そこに著しい乱用が生ずる危険が非常に出てくるわけでございます。したがいまして、持ち込みが行われる場合には、通過であろうと一時寄港であろうと、いかなる場合でも事前協議の対象にならなければならない、それが条約上の解釈の常道と申しますか、当然の帰結であろうと考えるわけでございます。ですから、全く理論的観念的な問題といたしましては、持ち込みに該当しない通過というものはあり得ると言わざるを得ないと思います。しかしながら、通過であるから持ち込みに該当しないのだということにはならないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。  それから第二点につきましては、実は昨年十二月の統一見解、一般国際法上のいわゆる領海における無害通航の場合についての政府の立場を統一見解で申し上げたわけでございますけれども、藤山大臣の御答弁の当時におきましての領海の無害通航についての政府の考え方は、四十三年の領海条約を審議いたします際の国会における政府の統一見解において変更になったわけでございます。ですから、自後の問題といたしましては、領海の無害通航の場合に、常時核装備を有する軍艦の通航は無害とは認めないという立場を政府はとって今日に至っておるわけでございます。
  241. 松本善明

    ○松本(善)委員 いま私が統一見解を読み上げて最初に聞いたのは、その無害通航とは認めないということで変わったというのは、これはポラリス潜水艦と、先ほど御答弁でポセイドンを積んだ潜水艦ということに関しての部分ですね。私がお聞きしておるのは、そうでない、核積載可能の、しかも戦術核を常に持っていると言われておる米軍艦船です。それについていま条約局長は、理論的には核の持ち込みでない通過があり得るのだということを言いました。これはどういう意味ですか。どういう場合に理論的に考えられるのですか。
  242. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 私が申し上げましたのは、安保条約上、事前協議制度のもとにおいては核の持ち込みということで条約上の制度がつくられているわけでございます。ですから、そこでは通過であるとか一時寄港であるとか、あるいはさらに配備であるとか貯蔵であるとかというような観念の仕方でこの核の問題をとらえておりません。したがいまして、そこは概念が違っているのではないかと思うわけでございます。ですから、持ち込みすなわち通過ということは、言葉の問題でございますけれども、言えないのだろうと思います。したがって、観念の問題としましては持ち込みに該当しない通過ということもあり得るだろうと思うのでございます。これは全く観念的な問題だろうと思います。そういう意味で申し上げたわけでございます。
  243. 松本善明

    ○松本(善)委員 もし核を持って通過をする場合は全部核持ち込みだと言うならば、これは理論的にそういう余地はないじゃないですか。私は具体的にお聞きしますが、核を積載した航空機がわが国の領海の上を通って韓国へ行くという場合、韓国へ行くのが目的です、それは事前協議の対象になりますか。
  244. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 でございますから、領海を核を積載して通航する場合、あるいはいまの御質問のように飛行機が核を搭載して日本を通過するという場合も該当いたしますということを申し上げているわけでございます。
  245. 松本善明

    松本(善)委員 そうすると、核通過の場合は核の持ち込みに当たらないというのは、核常備艦のみならず、核を持っているすべての米軍艦船について、とにかくわが領空領海上を通る場合はいかなる場合においてもこれは事前協議の対象になる、こういうことですか。そういうふうに変わったのかどうか。
  246. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 いま核常備艦と核積載可能艦というものに分けて御質問になられたわけでございます。核常備艦についてそれが事前協議の対象になるということは当然のことであろうと思います。また、核積載可能艦につきましてはどうかと言えば、それもまた全く同じであろうと思います。ただ、軍の飛行機なり艦船であるという場合には国際法上の地位がございますから、核装備を持っているかどうかという事実の有無を検認することは、政府としてはできないという状態はございます。しかしながら、それは事前協議の対象になるべきものであるかどうかということになれば、それは当然事前協議の対象になるべきものであるというふうに考えるわけでございます。
  247. 松本善明

    松本(善)委員 そうすると、当時の三木外務大臣の見解は完全にいま変わった、こういうふうに言っていいですか。
  248. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 変わったとは私は考えません。  四十三年の統一見解におきまして、ポラリスその他類似の核常備艦、常時核装備を有する軍艦の通航は領海条約第十四条に言う無害通航と認めないということがそのときの統一見解でございますが、それは現在でもそのとおりでございます。
  249. 松本善明

    松本(善)委員 この点について三木外務大臣が当時言ったのは、「ある公海から公海へ抜けていくときに、そこをこう通っていくよりほかない、そういう場合に、日本領海をかすめて通るような場合が、持ち込みと言えるでしょうか。日本へ持ち込む意図はないのです。核三原則というのは、日本へ持ち込んじゃいけないというのですけれども、日本へ持ち込もうとするのではないのですから。」ほかへ持っていこうとするのだから、こういう意味ですよ。それを持ち込みだと断定するのは少し無理があると私は思います、この見解はそれでは変わっているんですか。この見解は完全に変わったというふうに考えているのかどうか。
  250. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 御質問の点、私必ずしも的確にとらえてないかもしれませんけれども、一般国際法上の無害通航の問題とそれから日米安保条約上の事前協議の問題と二つあるわけでございます。国際法上の無害通航の問題につきましては四十三年に政府の統一見解が出されまして、それまでは実は領海をかすめて通るような場合、これは無害通航に該当するから外れるのだという趣旨で御答弁を申し上げてきていると思います。それは四十三年の統一見解によって政府が立場を変えたということであり、そのことは先ほど申し上げたとおりでございます。
  251. 松本善明

    松本(善)委員 外務大臣、これはとんでもないんですよ。四十三年の統一見解を問題にしてわが党の内藤参議院議員が追及をして、そして今回の統一見解になったのです。その統一見解に基づいて私は聞きました。そうすると結局答えて言ったことは、核積載可能艦についても、あらゆる通過が核持ち込みに当たる、したがって事前協議の対象になる、こういうふうに答弁をしたわけであります。三木外務大臣がはっきりと核持ち込みに当たらない通過というのがあるのだということを答えている。藤山外務大臣も当時答えている。そうしたら、この見解は変わらないのだというならば、これは全くでたらめな答弁ですよ。これはもう一回統一見解を出さなければならぬですよ。ポラリスやポセイドンを積んだ潜水艦については第一項で無害通航とは認めない、これは変わった、これはよくわかった。第二項の方は変わってないじゃないか、変わったなら変わったということをはっきり言えばいいじゃないかということを言っているのですよ。変わったなら変わったとはっきり言って……。
  252. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 昨年十二月に参議院内閣委員会でございますか、において外務大臣が述べられました政府の見解、これはそのままそのとおりに現在でも政府の見解であるわけでございます。  事前協議に関しましては、これは安保国会以来、核の持ち込みについてはそれが一時的であろうと否とを問わず、事前協議の対象になるものだという御説明を一貫してずっとしてきておるわけでございます。変わりましたのは、一般国際法上の無害通航についての無害通航であるかどうかという基準、これについての政府の考え方ないし立場が変わっているということであります。そのことは先ほど御説明申し上げたとおりであります。
  253. 松本善明

    松本(善)委員 これはいつもそこへ行くと変えてしまうのだけれども、私はここをはっきりさしてほしいと思うのです。これは本当に核がごまかしがないかどうかということの試金石です。  当時三木外務大臣が言われたのは、核持ち込みでない通過があるということを言ったんですよ。ごく最近までそれでずっといって、松永条約局長自身もいまも、理論的にはそういうものがあり得ると言っている。ところが具体的には、どういう場合であっても一切わが国の領空領海を通る場合は事前協議の対象になる、全く違ったことを答弁しているんですよ。ここがもし変わったというのならはっきり変わったと言うべきだし、変わってないというのならば、それでは核持ち込みに当たらない通過というのがあるのだということを、はっきりどういう場合であるということを説明すべきだと思うのです。そういうことをやらないと国民はわからないですよ。外務大臣、わかりましたか。外務大臣、説明してください。ちゃんと説明できるかどうか。
  254. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほど条約局長が申し上げたところで明らかだと思いますが、要するに、それでは問題を整理いたすために事前協議の問題としてとらえた方がはっきりいたすかもしれません。  領海である限りはこれはわが国であるということは厳密に言えばそれ以外の解釈はあり得ないわけでございますから、どういう目的であれ、その領海に核が入るというときにはすべて事前協議の対象になる、これが政府のただいまの統一見解でございまして、先ほどの三木総理大臣の言われた答弁がこれと私は矛盾するとは思いませんけれども、領海というものを日本とはっきり認識しておられたのかどうかというあたりが多少あいまいなところがあったことは私にもわかりますので、この統一見解をもって政府の見解と御了承願いたいと思います。
  255. 松本善明

    松本(善)委員 これは変えたら変えたということをはっきり言ってほしいのです。それは大変大事な問題ですから。三木外務大臣は当時は、日本へ持ち込む意図がない場合は核持ち込みではない、単なる通過で、これを持ち込みというのはおかしいじゃないか、こういう答弁ですよ。いまの宮澤外務大臣の答弁とは全く違います。変わったということをはっきりお答えいただきたいと思います。
  256. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 三木さんが当時言われました日本へという観念ですね。恐らく三木さんは、日本列島、横須賀とか、そういう日本というものをお考えでそういう答弁をされたと思いますけれども、実は領海そのものが日本でございますから、そこはやはり厳格に解釈をすべきものだろう。それは答弁の変更ではないかと、どうしてもそう仰せられるのなら、確かに三木さんのかつての答弁にはその辺があいまいなところがございました。それを明確にしたものとお受け取りいただきたいと思います。
  257. 松本善明

    松本(善)委員 変更したものと受け取っていい、こういうことですか。
  258. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 統一見解によりましてあいまいな点を明確化したというふうに私としては申し上げとうございます。
  259. 松本善明

    ○松本(善)委員 なぜ変更したというふうに言われないのか、そこが疑惑になるところですよ。明白に、聞いていればだれでも違いはわかりますよ。なぜ変わったというふうには言えないのですか。
  260. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 変わったとどうしてもおっしゃりたいのなら、私はそれはあえて否定はいたしません。ただ領海というものと日本というものをちょっと三木さんがあの答弁で分けて考えられておったのは、厳しくついていきますと領海も日本ではないかということになりますから、あの表現はどうも不正確であるし、誤解も招きやすい、そういうふうに私ども思いまして、この統一見解を出しました。そういう意味で、三木さんの言われたことと非常に厳密な論理的な意味で変わっているではないかとおっしゃるのならば、私はあえてそれを否定しようとは思いません。
  261. 松本善明

    ○松本(善)委員 条約局長にもう一回確かめておきますが、理論的に核持ち込みでない核通過があり得るというのは大変国民にはわかりにくいです。あるならどういう場合だということをはっきり言ってほしい。ないならこの際はっきりと、それはないと、外務大臣が言われたように、核持ち込みでない通過というのはないということをはっきり言ってほしいと思います。どうですか。あるならどういう場合でどうだということを国民にわかるように、素人にも、私だけじゃなくてみんな国民が聞いていることですから、わかるように説明してください。
  262. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 それは先ほど御質問がございましたので私がお答えしたわけですけれども、持ち込みというものと通過というものとは、私はやはり法律的な概念が違うと思います。ですから、それは全く同じであるということを法律的に説明するということはなかなかむずかしいだろうと思います。そういう意味で私は申し上げたわけでございますが、実際にそれではどういう場合があるかと言われますと、やはりそれは考えられないということだろうと思います。
  263. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすると、結局持ち込みと通過というのは概念が違うということを言ったにすぎない、こういうことですか。ちょっとはっきりしておこうと思うのです、これはもう何遍も何遍も議論されていることですから。持ち込みと通過というのは概念が違うということを言ったにすぎない、実際には持ち込みでない通過というのはない、こういうことですか。言葉でちゃんと答えてください。
  264. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 事前協議の対象になりますのはあくまでも持ち込みでございまして、通過であるから持ち込みでないということは言えないということだろうと思います。
  265. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務大臣、それではもとへ戻って伺います。  あえて変わったということは否定しないというお考えであります。そうすると、少なくとも三木外務大臣が答弁をされているころまでは、アメリカ政府は核の持ち込みにならない通過というのはあり得るのだ、日本を目的としていない、先ほど例として挙げましたように韓国へ行くのだ、領空を通過するだけだ、あるいは領海をちょっとかすめていくだけだ、こういう場合には日本政府は核持ち込みとは考えていない、こう考えて行動していたことは明らかだと思います。国会答弁で三木外務大臣は二十遍もそういうことを言っている。アメリカ政府がそういうふうに考えたということは十分あり得ると思いますが、外務大臣はいかがお考えでしょう。
  266. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは、その当時のことはいまわかりませんけれども、ともかく、昨年の暮れに申し上げました政府の統一見解はアメリカ政府もよく承知をしております。
  267. 松本善明

    ○松本(善)委員 私がお聞きしますのは、三木外務大臣がそういうふうに答弁をしていたころは、アメリカ政府は核持ち込みに当たらない通過があるということを考えていたのは当然であろう。二十回も同じ答弁をしているのですよ。そういうふうに思うか思わないか、お答えいただきたい。
  268. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 あるいはそうであったかもしれませんでございますね、そうでないかもしれない、それは実際はわかりません。しかし政府としては昨年末の見解をアメリカ側にも周知をさせてございますから、仮に過去においてそのような疑いがあったといたしましても、現在そういうことはないと思います。
  269. 松本善明

    ○松本(善)委員 ところがいまここで論議をしたように、この統一見解では「日米安保条約のもとにおいて、米国軍艦は、一般的には同条約及び関係取りきめの規定に従って自由にわが領海通航を行なうことを認められているところ、」一般的には米軍艦は自由にやれる、「核の持ち込みが行なわれる場合はすべて事前協議が行なわれることとなる。」こうなっているわけです。「核の持ち込みが行なわれる場合は」というのがみそですよ。もし核の持ち込みが行われない通過があると考えているならば、それがあり得るということであるならば、依然としてこの統一見解があるにもかかわらず、核の持ち込みにならない通過というのはあるのだということになるのですよ。いままででは三木外務大臣はそう言っているのですからね。だから、この統一見解をアメリカ政府が見たから、知っているから、考え方が変わったということは、日本政府は考えが変わっているなというふうには思わないでしょう。きょう、変わったということをあえて否定しないというのは初めてですよ。いままでは変わったとも言わないのです。アメリカ政府がいまなお前の見解、核持ち込みに当たらない通過というのはあり得るのだというふうに考えている可能性は十分あるじゃないですか。いかがでしょう。
  270. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これは先ほどのところへ議論はまた戻ってしまうわけでありまして、領海そのものがわが国でございますから、そこへ入ってくるということに変わりはないのであって、条約局長自身も持ち込みというのには、つまり最終的な到着地点というものがある、それが持ち込みという観念であろうという意味でさっきのようなことを申し上げたわけです。しかし最終地点でなくとも、その領海そのものはわが国でございますから、そこを通るということは、そこに核がある瞬間でもあるということになりますから、やはりそれは事前協議の対象にしなければ、これは乱用されるおそれがあるというふうに私どもは考えておるわけです。
  271. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務大臣が先ほど、核持ち込みに当たらない通過があり得る、アメリカ政府はそういうふうに考えていたかもしれぬ、こういうふうに言われたでしょう。そうだとするならば、これははっきりと、そうではない、核持ち込みに当たらない通過というのはないのだ、どんな場合でも一切日本の領海、領空内には核を持って米軍は入ってくることはできないのだということをアメリカ政府に通告をする、事実上核通過については解釈は変わっているのですから、常識で考えればだれが考えても変わっていますよ。このことは通告しなければならないはずですよ。そう思いませんか。
  272. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほども申し上げましたように、昨年暮れにお示ししました統一見解はアメリカ側にも周知をさせてございます。
  273. 松本善明

    ○松本(善)委員 その統一見解ではあいまいだということを言っているではありませんか。先ほど説明したとおりですよ。  私は外務大臣にもう一つ伺いたいのは、先ほどアメリカ側は核持ち込みに当たらない通過があるというふうに考えていたかもしれぬ、こういうふうに答弁をされました。もしそうだとするならば、いままでの間にアメリカ側がそういう場合もあり得るのだということで、核兵器を積載した艦船や航空機が、事前協議なしにわが国の領海や領空に入ってきたということもあり得るということではありませんか。
  274. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 思っていたかもしれない、思っていなかったかもしれない、それはわかりませんと申し上げております。現在そういう疑いはないということもはっきり申し上げたわけでございます。
  275. 松本善明

    ○松本(善)委員 現在そうでなくても、当時ですよ。過去において考えていたかもしれない、考えていなかったかもしれないと言う以上は、事前協議なしに核兵器を積載した艦船や航空機が日本に入っていたかもしれない、入っていなかったかもしれないということになるではありませんか。そこはわからないということになるではありませんか。どうですか。
  276. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 もう少し詳しく申し上げれば、つまりそういうケースは、事前協議の対象にはならないとアメリカ側が解していた可能性はあるだろう、こういうことをおっしゃっているのだと思います。そういうことがいま問題になっているわけでございますね。それは私は、あるかもしれない、ないかもしれないと申し上げるよりほかはないだろうと思う、過去に起こったことでございますから。それはしかし事前協議の違反とかなんとかいう問題ではありませんで、いずれにしても非常に微妙な――微妙と申しますか、かなり極限的なケースでございますから、それを事前協議の対象と考えたか考えないかということは、そこに考えなかったかもしれないということはあり得るではないかとおっしゃれば、それはあったかもしれない、なかったかもしれないと申し上げるしかほかはないと思うのです。
  277. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうすると、アメリカの艦船や航空機が核を積載して日本の領海、領空に事前協議なしに入ってきたことはあったかもしれぬ、ないかもしれぬがあったかもしれぬ、しかしそれは事前協議制度には違反しないのだ、こういうふうにお考えだということでありますか。これは大変なことですよ。いままですでにそういうふうな形で核通過があり得たかもしれない、日本人はだれも知らない、外務大臣もわからない、そういうことですか。
  278. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 少なくとも松本委員の御主張によれば、それは事前協議の対象になるものであるかならないものであるか、当時の外務大臣の国会における答弁そのものからはっきりしないではないか、こうおっしゃるのですから、そうであれば、そのような御主張であれば、あるいはそれは確かにはっきりしていなかったと考えるものがあるかもしれない、しかしなかったかもしれない、これはわからぬことだと申しておるのでございます。
  279. 松本善明

    ○松本(善)委員 そうするといままで、それは違反であるかどうかは別として、いままで核兵器を積載した米軍艦艇やあるいは航空機が日本の領海、領空に入ったことがあるかもしれない。それは日本人だれも知らないわけですよ。きょう初めてそういう答弁ですよ。これは当然のことだというふうに外務大臣はお考えなのですか。
  280. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これとは何ですか。
  281. 松本善明

    ○松本(善)委員 核持ち込みに当たらない通過というものがあり得るというふうに米軍が考えて、アメリカ政府が考えて、そして核積載をした航空機やあるいは艦船が日本にいままで入っていたかもしれない。そのことについては外務大臣もわからない。外務大臣がわからないくらいですから、もちろん日本国民もわからない。しかし入っていた可能性は十分ある、これは重大な事態とは考えられない、こういうことでありますか。
  282. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これというのがトリックのあるところだと私は思うので、私はそういうことがあったということを言っていないわけです。
  283. 松本善明

    ○松本(善)委員 もう一度御答弁を願いたい。ちょっとやかましかったので答弁が聞こえなかったのです。
  284. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これとおっしゃいますと何か事実があったように聞こえますけれども、私はそういう事実があったということを認定していないわけです。
  285. 松本善明

    ○松本(善)委員 事実はそれは調べないと、あなた方は米軍艦船の中に入っていって調べるということをしないわけですから、わかるわけがないわけですよ。しかし、そういう可能性があるということは重大なんですよ。  それからこの統一見解によっても、はっきりと核持ち込みに当たらない通過はないのだということは言っていないでしょう。これを米軍が知ったからといって、核持ち込みが行われる場合はということです。核持ち込みに当たらない通過があり得るという考えに米軍が立つならば幾らもできることです。しかもそれは軍事常識にかないます。宮澤外務大臣は核と米軍は共存していると言うのですから、日本だけは別だ、日本に来るときだけは外してくるとは考えられない。これはだれでも考えることです。これは岸元総理大臣が、はっきり印刷物になるものでそういうふうに言っているのです。だから、核通過や一時寄港は認めるべきだ、こういう議論が自民党の中にたくさんあることは御存じのとおりじゃないですか。それが自民党の総務会やその他で問題になったじゃないですか。この点が解明されなければこれはだめですよ。この問題については、この条約の審議の中で絶対に解明さるべきことです。そしてアメリカ政府の明確な回答をとるべきことだ、こう私は思います。この点が明らかにならない限りは、この条約の審議は終わったということに絶対にならないと思います。  私は、その他の点についても質問を保留して、きょうはこれで質問を終わりたいと思います。
  286. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 午後七時三十五分再開することとし、この際休憩いたします。     午後七時五分休憩      ――――◇―――――     午後七時四十分開議
  287. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。渡部一郎君。
  288. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 まず、防衛庁長官が昨日、公明党の鬼木議員に対しまして、日米間の軍事担当者の協議のシステムというのをつくり上げるという御発言がございました。確認のためでございますが、どういう構想であり、両国間にどういう位置づけを行うのか、まず防衛庁長官の方からお聞かせをいただきまして、次にアメリカ局長からお答えをいただきたい、こう思っております。
  289. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 日米安保体制を有効に機能させるためには、いわゆる有事に際しまして自衛隊と米軍が、整合のとれた作戦行動を実施しまして、そうして効果的な対処行動がとれることが必要でございます。このため日米の防衛の責任者同士、つまり防衛庁長官と米国の国防長官が直接意見を交換いたしまして、率直な対話を絶やさないようにするということ、それとともに、自衛隊にできることとできないことを明確にするということ、要すればこういうようなことについて何らかの合意の形を得たいというふうに考えておるわけでございます。     〔委員長退席、石井委員長代理着席〕 しかしながら、このことにつきましては、憲法の制約下にわが国が置かれておるということ、あるいはまたシビリアンコントロールと申しますか、政治優先の原則に沿って、シビリアン同士においていままでいろいろ研究をやっておった、そういうようなこともわれわれ政治レベルあるいは事務レベルにおきまして、シビリアンにおきましてオーソライズされたものにいたしたい、こういうことでございます。  それならば、一体その内容はどういうことを話し合い、どういうようなことを合意するかというようなことにつきましては、いま実は検討を命じておることでございます。  現在考えられるものとしてちょっと申し上げますと、有事の際の作戦調整機関の設置であるとかあるいは作戦協力の大綱であるとか、米国に対しましては核抑止力のほか、戦略攻勢作戦、自衛隊が実施いたします防勢作戦の補完等、俗に申します、やりの機能面を期待しておるわけでございます。こういうことが挙げられようかと思いますが、その内容につきましては、いましばらく検討させていただきたいというふうに思います。  また、その形式はどうか、この点につきましては、別に協定とか取り決めとかいった形に私たちこだわっておるものではございません。しかも三木総理からは、国民の権利義務というようなものを含んだ協定というものはやらないということは明確にお答えになっておるわけでございまして、日米両国の防衛の責任者の間で何らかの合意を得ておきたいということでございます。またこのような合意のための一つのステップといたしまして、とりあえず両政府間で何らかの協議機関なりあるいは研究の場といったものの設置を認め、政治のコントロールが徹底されたもとで日米の事務当局がこの種問題につきまして研究することも一つの方法であろうかというふうには考えておるわけでございます。この形式等につきましては、今後、各省庁間におきましてよく協議をいたしまして、最終的に判断して決めたいというふうに考えておる次第でございます。
  290. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 アメリカ局長にちょっとお伺いするのでありますが、このような有事の際の軍事連絡会議を日米制服組で創設するというようなことは、外務省から見て好ましいことであるのかどうか、まず伺いたい。これは安保条約の中に取り決められている随時協議に当たるのか、どういう部分に当たるのか、またいままでの安保運用協議会、そうしたたぐいとどういう関連として考えなければならないか、その辺を伺いたい。
  291. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 お答えいたします前に、現在日米間で安全保障問題に関してどういう仕組みで話し合いが行われているかということを申し上げたいと思います。  これはいずれもいわば随時協議の一態様だと思いますが、一番正式のものといたしましては、安保条約ができましてから毎年平均一回開かれております日米安保協議委員会というものがございます。当方の代表は外務大臣及び防衛庁長官、先方は駐日大使及び太平洋軍司令官でございますが、これが安保条約が締結されましたときの交換公文で設立されたものでございます。ここでいろいろ一般に安全保障の問題について意見の交換が行われ、さらに最近では在日米軍基地の整理統合の問題についても重要な協議が行われて、その結果が発表されていることは御承知のとおりであります。  それから、それと、一つレベルを落としまして、日米事務レベル安保協議会というのがございまして、これは双方大体次官クラスで集まりまして、これはきわめてインフォーマルな自由討議をやっております。これも平均して大体一年一回ぐらい行われておるわけであります。  それからさらに昭和四十八年に、これはたしか第十四回安保協議会であったと思いますが、そのときに設立されました安保運用協議会というものがございまして、これは双方の事務レベルで、安保条約の具体的な運用の問題について、東京におりますそれぞれの関係者が平均月一回集まりましていろいろな話をいたしております。そういうふうに、安保条約の運用についてはいろいろなフォーラムがあるわけでございますが、しかし一方、そういう従来から制服レベルで行われておりますような話し合いがさらに防衛庁のシビリアンコントロールのお考えのもとに取り上げられるということは、それ自体としては大変結構なことだと存じます。ただその内容につきましては、現在防衛庁の方でも鋭意いろいろと検討しておられるということでございまして、外務省としてはまだ具体的には固まったものとしては承っておらない次第でございます。
  292. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 少なくともこの安保条約の運用に関して、安保条約の仕組みというものを事実上覆してしまう、むしろ非常に危険な体制の中に組み込んでしまって、事務的レベルで日米両軍の共同作戦行動が実施されるような危険性を含んでいるプランであります。したがって私は、こういうものに関しては少なくとも外務省は十分チェックする必要がある、そうしてその問題については、日米安保議会あるいは日米安保協議委員会もしくは安保運用協議会などで十分の詰めが行われることが当然だと思いますが、どうですか。
  293. 山崎敏夫

    ○山崎(敏)政府委員 現在この問題に関しましては防衛庁の方でいろいろな角度から御検討中と承っておりますので、その一応の考えが固まられましたらもちろん外務省の方にも御協議があるものと了解しております。その上で、この点はその問題の性質に応じて、一番高いレベル安保協議委員会とか、あるいは安保問題の事務ベルの協議とか、あるいは若干細かい問題になりましたら東京で開かれております安保運用協議会とか、それぞれのレベルにおいてアメリカ側と話し合っていくことになるだろうと思います。
  294. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 私は、ちょっと古い話になりますが、一九七三年ハワイにおきましてアメリカ太平洋軍総司令部を訪れまして、参謀長であるコーコランさんに会いました。そのとき驚きましたことは、日本軍隊というものは太平洋軍に関連する一個部隊として十分評価され、その実力が評価され、そして作戦計画の中に十分勘案されているということであります。これは平然として向こうが述べ立てるものであって、私はその資料をごらんに入れても結構です。そういう形でくる。ところが、わが国の方は、日本国戦闘あるいはそうしたようなとんでもない事態に巻き込まれるということは当然日本内閣の所管する問題であると思っているのに、軍人は平然としてその壁を突き破ってしまう。早い話を言えば、日本国の周辺で行われるスクランブルというのは太平洋軍総司令部にちゃんと報告されておる。そしてスクランブル緊急事態に対する指令は、明らかに太平洋軍総司令部の非常態勢の判断は日本自衛隊の方に伝えられておる。そういったことがわが国主権の範囲を超して行われているということは非常にけしからぬことではないか、こう私は思うわけなんですね。その辺をいいかげんになおざりにして軍事連絡会議をつくるとなれば、これはまさに日米両軍の実質的な統合作戦であり、日米両軍の統合作戦本部をつくることになるではないか。それを防衛庁がそういう方針をすぱっと外務省にもろくろく相談もなさらないでいきなり述べてしまう。私はその辺は非常に不穏当ではないかと思いますよ。少なくともわが国の国権の一番大事な部分を侵してしまう。そういうことをそのまま認めておいてよいのかどうか、この辺はしかと承らなければならないと思います。
  295. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 従来、米国及び日本海上自衛隊の幕僚間におきましていろいろな研究が行われておったということはあるわけでございます。私、防衛庁長官になりまして、やはりこういうようなものも、シビリアンといいますか、われわれの目の届く限りにおいて行わるべきではなかろうかというのが私の考えでございまして、むしろそういうことをほうったらかしておくということがいけないことであって、日本の現在の憲法のもとにおいてはどういうことまではやれる、どういうことはやれない、そういうことをはっきり明確にして、しかもそれは政府間同士でも認め合うものにしたいというのが私の考えなんで、今日、実力部隊たる自衛隊をシビリアンコントロールするという意味は、やはりそういう意味があろうというふうに私は考えまして、そしてその前提といたしまして、とにかく防衛の衝に当たっておりまする責任者同士が忌憚のない意見を交わすということが、日米両国の国益のためになるのではなかろうかということでシュレジンジャーさんをお呼びをしたい、そしてこういうようなことにつきましてお話をいたしたい、こういうことなんでございます。  しかもその中におきましてもし合意されることがあるならば合意に達したい、こういう願望を私は持っておるわけでございまして、やはり日米安保条約というものが結ばれておりまする以上は、そういうようなことをちゃんとそのままにしておくといいますか、避けて通るというようなことはむしろ好ましいことじゃない。避けて通るべきものではないんじゃないかという私の実は認識なのでございます。
  296. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 いま防衛庁長官の御発言を聞いているとますます重大なんですね。ということは、いままでの間、自衛隊が勝手に米軍との間でいろいろな打ち合わせをした形跡がある。長官は明らかにそれをシビリアンコントロールのもとにおいて、政府間において認められるという形のものを憲法の条項に照らしても調べて確立をしたい、こういう行き方です。ということは、いままでいかにでたらめに勝手なレベルで交流が行われているかをこれは示している。私はこれはもってのほかだと思う、自衛隊が勝手なことをやるというのは。こういうやり方はわが国の国家公務員法違反ですよ。公務員が自分の公務の上で知り得た情報を勝手に他国と打ち合わせをしてそれを漏洩する、どの程度まで漏らしていいか許可も得ないで勝手にしゃべる、そんなことはもってのほかじゃないですか。これは重大問題だ。ただごとじゃないよ。私はいまの大臣の御苦心の答弁を聞いてあきれてしまった。これは仕方のないことといえば仕方のないことかもしれないけれども、どのくらい漏洩しているのか、どれくらい勝手な打ち合わせをしているのか全部資料にしてこの委員会に出していただくように私は要求したい。ひど過ぎる。自衛隊幹部が打ち合わせする、建設省の例では、建設省職員アメリカと打ち合わせするというなら、あらかじめちゃんと打ち合わせをして、そしてどの程度の話をどうするかというのを打ち合わせをするでしょうが、防衛庁だけでどうしてそんな勝手なことを片っ端からやってきたのか。フランクに話すどころの騒ぎではないじゃないですか。そんなことは忌憚のない交流じゃない。忌憚のない交流じゃなくて、それはもう警戒心の全くなくなった、アメリカの言うことなら何でも聞いて正義だと思っている愚かなところを示している。国益がどれくらい侵されているかわからないじゃないですか。その点どうなさるのか。そしてその関係をいままでどういう関係でどういうふうに交流していたのか、資料として御提出を求めたい。
  297. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 日米間の制服の交流につきましては、まず一つは幕僚研究会同というのがございます。これは安保協議委員会第九回のときに設置が認められましたものでございまして、当方は統合幕僚会議の事務局長、それから先方は在日米軍の参謀長、これがそれぞれの代表になっております。これについては、在日の米軍基地についていろいろ社会的経済的側面でいろいろの検討がございますけれども、軍事的な側面についての検討ということがおろそかになっておりますので、この幕僚研究会同でやるということになっておりまして、ただいままで四十八回開催をされております。  それからあとは統幕とそれから各幕、これは客幕はそれぞれ在日の、たとえば陸上幕僚監部でございますれば在日米陸軍、それから海上自衛隊でございました場合には在日米海軍というそれぞれのカウンターパートの連絡でございまして、これは大体年三回ないし四回でございます。これは情報の交換が主になっておりますけれども、そのほかに技術的な面についての研究というようなことも行っておるわけでございます。それで、いずれにいたしましても、これらは皆全部私どもの方で、どういう会議が行われ、どういうことがあったということについては、十分シビリアンコントロールの趣旨を徹底しておりますので、野放しになっているという実態はございません。
  298. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 それでは何で今度の軍事連絡会議なんか必要なんですか。必要ないじゃないですか。いままでそういう会合でちゃんとやっていて、シビリアンコントロールのもとにちゃんとやっていたら何で新しいものをつくる必要があるか。しかも、ここにあるように日米制服の会議じゃないですか。シビリアンコントロール下にあるとは思われないじゃないですか。
  299. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 これはいま申し上げましたようにそれぞれの立場で、非常に限定された立場でやっております関係で、基本的な日米の共同対処という場合に相互にどういう分野を担当するかというような、つまり政治が決定しなければならないような問題についての決定権というものは、たとえば在日米軍はいわゆる出先の機関にすぎないわけでございましてそういう権限がございませんし、当分はまたいわゆる制服の専門家という立場でいろいろ研究しておりますので、そういう政治が決定すべき問題についてはタッチできない、そういう限界があるわけでございます。
  300. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 あなたは政治が決定する範囲を非常に小さく考えられているけれども、衆議院というのは国権の最高機関で、全部決められるのですよ。あなた、それは話が違いませんか。それでしかも、先ほどの大臣が読み上げられた文書の中には、明らかにアメリカ側の戦略攻勢に対して日本側の防勢作戦について、両者の補完を協議するということにお話し合いがなっているではありませんか。それは明らかに政治の関与する問題ですよ。そうでしょう。そんなものをどうしてこういうふうにして勝手にやろうとなさるのですか。しかもただの話し合いという形でこういう既成事実をつくるということは、国会にも持ち出さないでやる、質問されたらやってやるというのはもってのほかじゃありませんか。だから、いままでも何をやっておられるかわからない。私は明らかにこの二つ以外のいろいろなものが打ち合わせあるいは交流が行われておることを知っておる。だから私は、日米間の打ち合わせているものは全部一遍に資料として提出せよと言っているのです。どうですか。
  301. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 開催しております日時、場所、それから集まりましたメンバー、こういったものについては御提出できると思います。大体の内容については、議事録とか、そういう正確なものをとっておりませんので、当時の関係者から大体どういうテーマであったということぐらいは御提出できると思います。
  302. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 あわせて、今回問題となっておりますこの制服組の連絡会議に対してどういう構想を持たれるか、これも資料として当委員会に提出していただきたい。
  303. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 この問題につきましては、昨日も御答弁申し上げましたように、まだ本当に構想の卵ぐらいの存在でございまして、具体的にどういうふうにするかという問題についてはまだはっきりいたしておりませんので、きのう申し上げましたのは、制服ばかりでなしにやはりシビリアンも入って考えるというようなことも考えておるけれどもということを申し上げたわけでございます。
  304. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ですからこういう危険な、ある意味では非常に危険性のあるもの、もちろんあなたが悪意を持ってやっていると私言っているわけじゃ全然ありませんけれども、少なくともこういうものをやるときには慎重でなければならない。国家と国家の関係というものは非常に微妙なものがあって、あるときには非常に仲よく組んでおっても、あるときには非常な敵対になることは歴史を見ればおわかりのとおりです。政治はそういうものを心配するのが政治であるはずです。ですからそういう構想を持たれたときに討議の材料として御提出になるのが当然ではないか、私はそれを申し上げているわけですね。しかも外務関係では安保条約の運用に関しては幾つかの非常に厳格な、安保条約の運用に関し日米間のつき合いに関しルールがあるわけです。ところがそのルールを外れて制服組がいきなり話を始めてしまう、それはその方が便利なのかもしれない、めんどうくさくないのかもしれない、それは明らかにあるだろうと思う。しかし日本国の百年の大計から言えば、明らかにその辺を明快にしていくことが、厳格にしていくことが、それがわが国として非常に重要なことではないか。だから私はこういう構想については片々たるお話ではなく、構想もやがてもう少し煮詰まってこられるでしょうが、十分御協議の上、煮詰まったところで資料を提出されたらいかがだろうかと申し上げているわけです。
  305. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 先生のおっしゃることはよくわかるわけでございまして、もう少し煮詰まりました段階におきまして、皆様方の御批判を仰ぎたいというふうに思っております。
  306. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 大臣、それは資料なり何なりにして当委員会に提出していただけますか。
  307. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 これはやはり日米間の協力の問題でございますから非常に重大な関係を持つと思いますので、国防会議等にも諮りまして十分検討いたしまして、皆様方にもお諮りいただくようにいたしたいというふうに考えております。
  308. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 私はそれが正解だと思うのです。国防会議にも諮らない話がいきなり話が出てきて、そうして既成事実のごとく思われてどんどん進んでいって、アメリカ側ともう打ち合わせの電話がかけられてというのでは私はいかぬと思う。それは私は正解の答弁だろうと思う。したがってそれが行われてから当委員会に対して当然御説明があってしかるべきだし、期待しております。  次に私が申し上げたいのは、前回の委員会の審議の途中、この大事な核防条約の中身そのものについて議論をいたしておりました際に、核兵器及び核爆発装置とは何かという点が問題になりました。また核軍縮というのはどういう内容を含んでいるのかという点が問題になったわけであります。ところがその問題に対して的確なお答えがなく、政府としては関係省庁御連絡の上統一見解をお出しになるということで、委員会で一応そのお話は持ち越されてきているわけであります。この問題について、この条約の本質ともからんで、この定義は非常に難点をたくさん含んでおりますが、御協議いただいたようでありますから、当委員会でそれを改めて御説明をいただき、その内容をお尋ねをしたい、こう思っておるわけであります。
  309. 鈴木文彦

    ○鈴木政府委員 いま核兵器その他の核爆発装置とは何かという点についての統一見解を申し上げます。  この「核不拡散条約における「核兵器その他の核爆発装置」とは核分裂又は核融合による爆発を利用するすべての装置をいい、平和目的の核爆発装置まで同条約の対象としている。」といたしております。  第二の「核軍備」とは何かという御質問がございました。これに対する統一見解を御説明申し上げます。  「核軍備」の語は、核兵器不拡散条約においては、「核軍備競争の早期停止」「核軍備の縮小」という形で使われているが、これらについては、核兵器の全廃を究極自標とするという理念のもとに、主として核兵器自体の削減、核実験の停止及び検証、核兵器の研究開発の停止、核兵器の運搬手段としてのミサイル及び爆撃機の凍結及び削減、ABMの基地の縮減及び限定等の問題が諸国間の検討の対象とされております。以上でございます。
  310. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 さて、そこで「核兵器その他の核爆発装置」という、この核不拡散条約においては非常に総括的な名称で核分裂、核融合による爆発を利用する装置全体に綱をかぶせようとしているわけであります。いま統一見解がようやく出たわけでありますから、補強する意味で数点御質問をいたします。  まずこの核不拡散条約において規制されている核兵器その他の核爆発装置は、この統一見解によれば「核分裂又は核融合による爆発を利用するすべての装置をいい、平和目的の核爆発装置まで同条約の対象としている。」となっております。この規定の仕方は、平和目的の核爆発装置すべてを対象としていると日本政府は見るわけでございますか。
  311. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 お答え申し上げます。  先生ただいま御質問で申されましたとおり、この条約は平和目的であると軍事目的であるとを問わず、すべての核爆発装置をこの条約第一条、第二条におけるいわゆる禁止の対象としているものでございます。
  312. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 そうすると、すでに当委員会で問題になったクラ地峡における地峡掘削のための核爆発力の使用などということは、わが国としては当条約の規制範囲内であると理解するわけでございますか。
  313. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 お答え申し上げます。  いま先生が例に挙げられました、クラ地峡の運河の開削に核爆発を利用いたしましてこの工事を図る、この運河を開削するということ自体はこの条約の禁止するところではございません。ただこの条約の禁止しておりますのは、たとえばただいまの場合はタイ国でございますから、例にタイ国を引きますが、タイ国がアメリカから核爆発装置の管理権を取得いたしまして、ないしは自分が所有権を持って自己の意思において引き金を引くということは、これはアメリカも他に提供してはいけないし、他へも、この加盟国でありますれば、アメリカから取得ないしは移譲を受けてはいけないということが定められているものでございます。
  314. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 わが国においては、これと同じようにアメリカから核爆発装置の提供を受けて日本のあるところで湾を掘るというようなことは考えられない、こういう意味ですか。タイでは許されるが、日本ではだめだ、こういう意味ですか。
  315. 半澤治雄

    ○半澤政府委員 お答えいたします。  昭和四十二年に原子力委員会の決定がございまして、わが国では核爆発装置が軍事目的と平和目的で区別できない、その間は平和核爆発といえどもやらないという決定をいたしております。それは変わっておらないのでございます。
  316. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 伊達参事官はその辺変わっているようなニュアンスの御答弁をさっきからなさっていますが、いまの御答弁でよろしいのですか。
  317. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 いまの御答弁のとおりでよろしいわけでございまして、私が申し上げましたのは、この条約の禁止している事項に限って申し上げたわけでございます、
  318. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 いま非常にひっかかりやすいことを聞いているわけでありますから……。そうすると今度は、核爆発装置という「爆発」という用語自体が問題になりますが、軍事用に使われる原子力潜水艦は、わが国においてはこうしたものは開発しないというニュアンスの御答弁はすでにいままでございました。原子力潜水艦でなくて、こういう原子力を利用して大きな油運送船をつくる、こうしたことは本条約の規制の対象になるかどうか伺います。
  319. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 原子力を推進力として使う場合に、ただいまのような油運送船に推進力として使うということはこの条約の禁止しているところではございません。
  320. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 防衛庁の方に伺いますけれども、原子力潜水艦はこの条約の規制外と認められているか、規制内と認められているか伺います。そして日本ではどうなさるおつもりか伺います。
  321. 伊達宗起

    ○伊達政府委員 前段は条約上の問題でございますから、私の方からお答え申し上げます。  原子力潜水艦の推進力として原子力を用いる場合もこの条約は禁止いたしておりません。
  322. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 原子力推進の艦艇を保有するということにつきましては、在来の国会答弁で申し上げておりますように、原子力推進機関というものが日本並びに国際的な常識として一般の船舶の推進機関として普遍化した場合においては、自衛艦の推進力として使うことも考え得るということを在来御答弁申し上げておるわけでございます。本条約との関係、特別の関係は、いまございましたように、この条約の適用外になっておるようでございますので、その点については変わっていないということでございます。
  323. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 そうすると、この間の外務省の答弁から大幅に後退していますかな。大幅に逸脱しておりますから伺いますが、そうすると防衛庁は近々原子力潜水艦をつくる用意がある、とこういう意味なんですね。この間と全然違うんですよ。さあ言ってください。問題ですよ。
  324. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 一般船舶に原子力推進が使われるようになった時点においてということでございますので、とても近々という話にはならないと思います。
  325. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 近々でないというのはどのくらいのところを目指しておられるのですか。防衛庁ははっきり答えてください。
  326. 生田豊朗

    ○生田政府委員 原子力の利用の問題でございますので、かわりましてお答えさしていただきます。  現在、世界の原子力船、これは原子力軍艦を除きました平和目的の船が四隻でございますが、ソ連の一隻を除きましては実験船でございます。  今後の見通しでございますが、早くとも一九八 ○年代から実用船がぼつぼつつくられるのではないかという見通しが現在国際的に強いわけでございますので、船腹の大部分の推進力が原子力に置きかわる時期ということになりますと、恐らく来世紀以後、相当先のことになろうかと考えております。
  327. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 防衛庁に伺いますよ。いま防衛庁が持っている兵器は、核兵器を使うための兵器ではないというお答えですね。いまのところ、ずっとそうです。ところが防衛庁のお答えは二通りあるのです。防衛に関して兵器群が他の国より非常に落差が生じてきた場合には意味がなくなってしまうから、これをある意味で近代化する必要があるという御答弁が一方ではあるわけです。一方では、核兵器を使わないと言う。ところが、いまと同じ論法を使うと、核兵羅が普遍化して、核爆発装置が普遍化して、周りの国が核兵器をみんな持ち始めたといたします。現実、相当持ち始めているわけですね。そうすると、防衛庁は近代化という名目で核兵器を、あるいはその他の核爆発装置を使う御予定が近々ございますか。どのくらいの近々にあるのか。
  328. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 これはちょっと先生のあれと私ども違うのでございますが、まず一つは、わが国は核兵器を使わないということがもう確固たる施策として出ておるということがございます。それから、全般的な、軍事常識というとまことに口幅ったいのでございますが、結局戦術核にいたしましても核兵器というものは使えない兵器である。使うためには相当の決断をしなければ使えないということで、そのために通常兵器の整備ということに、米ソとも再び力を注ぎ始めてきておるわけでございます。通常兵器によって、核を使うその敷居を高くするというのがそういう基本方針になっております。  一方、通常兵器につきましては、最近よく言われておりますように、精密誘導兵器というような、PGMというようなものが将来出てくる。ピンポイントで目標を正確に撃てるというようなことになってまいりますと、必ずしも核は必要でないということになるわけでございまして、今後通常兵器による軍備と言いますか防衛力と言いますか、これがやはり世界趨勢ということになってまいるというふうに考えるわけでございまして、そういう意味で、周りが仮に核を持ちましても、通常兵器で普通の戦争であれば十分対処できるような体制をつくってまいりたいというふうに私ども考えておるわけでございます。
  329. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 防衛庁長官、くどいようですけれども、この核防条約を維持することは防衛庁長官として、自衛隊の代表者として、これは自衛隊の防衛政策にかない、かつこれを堅持するおつもりがあるということでしょうか。そして非核三原則を守る、そういうことでしょうか。
  330. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 私どもといたしましては非核三原則を守るつもりでございます。
  331. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 外務大臣、最後にちょっとお伺いするのでありますが、いまこうして私がずっと伺っておりますのは何を伺っておるかというと、防衛と核兵器との関連において、この条約は設立の当初から非常な大きな難点というか問題点がたくさんあります。つまり抜け道もあれば横丁もあるというぐあいにして、いろいろな議論が行われておるわけであります。そして、それを堅持するために明らかに関係各省庁の合意あるいはかなり明確な意思統一が必要であろうかと思うわけでありまして、本条約については意思統一がときどき欠ける危険性を感じておるわけであります。この条約の実施に当たって、そういった点は十分考慮され、関係各省庁とのお話し合いをされるかどうかについて、もちろんしていただかなければならぬわけでありますが、その辺のことを少し明確にお述べをいただきたいと思います。
  332. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 憲法の規定を申し上げますまでもなく、わが国がこの条約に加盟をいたしますと、これは当然わが国を拘束いたすものでございますから、政府全体が心して誠実にこの条約の内容を履行するということでなければなりません。幸いにして今日までわが国は、いわゆる非核三原則を持っておりまして、そのうち持ち込ませずについては、この条約に別段の規定がございませんけれども、これは総理大臣がはっきり国会で言明をしておられますし、また三原則の前の二つにつきましては、これは条約そのものが禁止をいたしております。したがいまして、わが国の場合には、この条約に在来の体制が非常に近いものであって、むしろわが国の体制の方が一歩進んでいる面すらございますので、この条約の規定を遵守することは、わが国の場合、きわめて自然の、そうすることが困難のない問題であろうと考えますけれども、確かに、複雑な条約でございますから、過失によりまして条約の規定に反するような結果になりませんように、これは政府関係各省庁十分気をつけてまいるつもりでございます。
  333. 石井一

    ○石井委員長代理 永末英一君。
  334. 永末英一

    ○永末委員 防衛庁長官に伺いますが、最近ソ連が二回目のオケアン演習というものを行いました。これの規模、特に日本近海における行動について、この際御報告を願いたい。
  335. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 本年の四月の中旬から約一週間ぐらいであったと思います。私、手元にいま資料を持っておりませんので、不正確になるかと思いますが、太平洋、インド洋、地中海、大西洋、こういった地域、大西洋は特に北海地区が中心であったようでございますが、ここで動員されました艦艇が約二百二十隻、航空機はベア、バイソン、それからバジャー、こういった中長距離爆撃機全部で約五百機であったと思います。これで大々的な演習が行われたわけでございますが、特にこれをオケアン七五というふうに称しておりますのは、NATO諸国がそういうニックネームをつけておるわけでございまして、前回、つまり五年前にオケアン七〇が行われましたときには、ソ連政府は大々的に海外に宣伝をいたしましたけれども、今回は演習があるということを海外放送いたしまして、終わったことを知らせた以外は特に顕著な例はなかったわけでございます。ただ、いま申し上げましたように、動員されました艦艇それから航空機の数に至りますと、前回よりは上回っているというふうに判断をされるわけでございます。  そこで、大体どういう目的でこの演習が行われたかということでございますが、これはいろいろ専門家筋の分析もあるわけでございますけれども、大体御案内のように、ソ連におきましては五カ年の防衛計画を持っておりまして、本年度がちょうどその完成の年に当たるわけでございます。そういう意味で行ったのではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。動員されました艦艇約二百二十隻のうち、特に最新鋭のミサイル巡洋艦カラ・クラス、それからクレスタⅡクラス、こういったものが今回参加した中では優秀な最新鋭の船でございます。問題のモスクワ・クラスのヘリ空母二隻がございますけれども、これは演習に参加をいたしておらないようでございます。  それから、今回の訓練の中身でございますけれども、大体対潜水艦戦、対潜戦、それから空母部隊の攻撃、それから自国商船の保護、それから水陸両用戦、特に外洋への通路の確保というようなものが大きな中身でございまして、これらの演習を通じまして、大体どういう目的を持ってやられたかということでございますが、まず新しいウエポンズシステムのテストの評価、それからコマンド・アンド・コントロール、特に衛星通信を使いまして全世界に対するコマンド・アンド・コントロールのテストを行ったような趣がございます。それから、洋上におきます後方支援の実施、それから一九七〇年の演習以後の訓練成果の総括というようなことが大きな目的ではなかったか。特にこの際大変強調されておりますのは、従来どちらかと言えば、沿岸主体の海軍であったわけでございますが、外洋に対する進出力というものを非常に誇示しておるように思われるわけでございまして、この辺でソ連海軍の性格が在来のタイプから外洋中心という大きな型へ変転を遂げておるように思われるわけでございます。  簡単でございますが……。
  336. 永末英一

    ○永末委員 特に日本近海での演習の状況を御報告願いたい。
  337. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 日本周辺におきます状況でございますが、四カ所で実施されております。カムチャッカ半島の南東地区、それから本州の東岸沖、それからフィリピンの東の海洋、それから対馬海峡と日本海の中、こういうことで、四つのグループに分けてそれぞれ演習を実施しております。本州東岸沖のグループは駆逐艦、商船、海洋観測船等で構成されておりまして、数十機のベア、バジャー、これらの中長距離爆撃機が攻撃目標として使ったように推定をされます。それから、対馬海峡と日本海グループはLST、駆逐艦で構成されておりまして、これもまたベア、バジャーの攻撃目標、及びLSTがおりますので、両用戦訓練も実施したのではなかろうかというふうに思われます。それから、そのほかイリューシン38という対潜哨戒機がございますが、これが相当活動しておりますので、対潜水艦戦が実施されたものというふうに推定をされるわけでございます。  太平洋におきます航行危険区域は、先ほど申し上げましたように、四月十六日から二十五日の間、沿海地方沖、カムチャッカ東岸、タタール海峡、べーリング海、この各海域に設定されまして、いま申し上げましたそれぞれの訓練が実施されると同時に、ミサイル発射、射撃、爆撃訓練が行われたようでございます。
  338. 永末英一

    ○永末委員 四カ所にわたりましてそれぞれ護送、上陸作戦、そして護送に対しては襲撃訓練、さらにまたそれは空中から海中からそれぞれやっておると判定できますね。
  339. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 大体先生のおっしゃるとおりのことが判定できます。
  340. 永末英一

    ○永末委員 ソ連原子力潜水艦は使われましたか。
  341. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 潜水艦の行動についてははっきりわかっておりませんが、恐らく参加したのではなかろうかというふうに推測しております。
  342. 永末英一

    ○永末委員 潜水艦の行動がはっきりわかったのでは潜水艦の効用がございませんからね。ただ、原子力潜水艦わが方の海上自衛隊が捕捉をし、そうしてこれを無能力ならしめるためには、わが海上自衛隊はどういうものを使うのですか。
  343. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 特に原子力潜水艦専門の対潜兵器というのは私ども持っておりませんで、結局現在水上艦に搭載しておりますアスロックであるとか爆雷がございますが、そういうものと、それから潜水艦あるいは水上艦の使用いたします魚雷でございますが、こういうものを、これは通常型の潜水艦と同様に使うということでございます。
  344. 永末英一

    ○永末委員 私が申し上げているのは、その爆雷とかアスロックとかというのを申し上げているのではございませんので、原子力潜水艦の水中速度というものを考えた場合に、それを捕捉するためには空中から追っかけるか、それとも速度の速いわが方の潜水艦で追っかけるか、こういうことになりますね。
  345. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 大体原子力潜水艦速度三十ノット以上でございまして、一方当方の潜水艦の水中速力というのは大体二十ノット程度でございます。したがいまして、当方の潜水艦で先方の原子力潜水艦をということは大変至難のわざでございます。したがいまして、水上艦のアスロックあるいはP2Jによります爆雷の投下というようなことで対応せざるを得ないというふうに思うわけでございます。
  346. 永末英一

    ○永末委員 私の申し上げておるのは、わが方の水上艦も速力は三十数ノットである。あなたがおっしゃったように相手方、どこの国かわかりませんが、水中速度三十数ノット以上の原子力潜水艦を追っかけたって追っかけられない。だから、あらかじめ居どころがわかり、連絡がつくならば、わが方も水中速度を三十数ノット、同程度の潜水艦ならこれは対応できるはずである。アメリカのポラリス潜水艦を中心とした攻撃型潜水艦とのチーム、それは同じことをソ連もやっていると思いますけれども、結局水中速度を同じような程度にして初めて対抗できる、これが潜水艦による対潜水艦作戦の法則ですね。
  347. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 潜水艦に対しましては、水上艦、航空機それから潜水艦自体を使うという方法があるわけでございますが、現在ポラリス型の弾道ミサイルを持っております潜水艦に対しましては、攻撃型の原子力潜水艦、スタージョンクラスとかあるいはパーミットクラス、こういったものが使われるのが大体いまの常識になっております。
  348. 永末英一

    ○永末委員 私は別にポラリス型潜水艦の攻撃のことを申しているのではなくて、その原子力潜水艦というものに対してわが方の対処の仕方を伺ったのでありますが、あなたの答弁の中で、いまわが方の持っている通常型潜水艦では速力上何ともならぬという話だった。先ほどの話では、一般の船舶原子力エンジンをつけたときにはわが方も考える時期が来るようなことを申されましたけれども、わが方の海上自衛隊保有の潜水艦が原子力エンジンをつけるのは、一にかかってその相手方が原子力エンジンを持ったときでしょう。どんな船でも一般に船舶がなるまで待つのですか。それとも、対応すべきものが一般に原子力化した場合、それに対応する潜水艦を持たなければ対応力はないのでございまして、古びた機械を持っていたって役に立たぬのでありますから、そのときに考えるのか、御答弁願いたい。
  349. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、従来から原子力推進につきましては、一般の船舶に普遍化する時点において検討するということになっておりますのでい私どもはそういう考え方でおるわけでございます。
  350. 永末英一

    ○永末委員 そうしますと、原子力潜水艦に対応する対応策というものは、わが方は船ではもう考えない、こういうことですか。
  351. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 全く手足が出ないという状態ではございませんので、非常に成功率が低いということでございますけれども、水上艦それから航空機それから潜水艦でございますが、これで何とか対応していく方法を検討いたしたいということでございます。
  352. 永末英一

    ○永末委員 重ねて伺いますが、一般船舶というのは、軍用船であれあるいはまた商船であれ、全部を含めた船の水準が、どの船にもこの船にも舶用エンジンとしては原子力を使っておる、こういう状態を言っておられるのですか。
  353. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 原子力推進機関としての安全性が確立され、しかも次期の油にかわるエネルギーとしてそれが一般化するような状態になった時点、そういう意味でございます。
  354. 永末英一

    ○永末委員 そういう時点が来なければ、わが方は原子力エンジンを持った潜水艦はつくらぬ、こういうことですな。
  355. 丸山昂

    ○丸山(昂)政府委員 さようでございます。
  356. 永末英一

    ○永末委員 核防条約というのは、わが方はある意味では、よその国の持っている力をみずから縛って持たないということを天下に約束をするわけである。原子力潜水艦については、先ほど条約上、舶用エンジンだけならば、これが禁止せられているのではない。いわゆる核爆発を伴う、人、器物を破壊する兵器を積まないのでありますから、そこまで縛る必要は私はないと思うが、防衛庁長官、あなたはこれから新しい防衛を考えようとしておられますけれども、そこまで縛って物を考えるのですか。これは核防条約の審議をしておるのですから、お答え願いたい。
  357. 坂田道太

    ○坂田国務大臣 ただいままで防衛局長がお答えしましたとおりでございまして、この推進力が一般化した暁にやるというのがいままで政府が一貫してとってきました態度でございまして、私といたしましてもそのとおりに考えておる次第でございます。
  358. 永末英一

    ○永末委員 科学技術庁長官、この核防条約を審議している背景に、核というものに対するいわれなき恐怖感といいますか嫌悪症といいますか、そういうものがあると思うのです。したがって、私はいま防衛庁長官なり防衛局長の話を聞いておりまして、こういう答弁でございましたら、通常の電池で走る潜水艦の予算を要求せられましても、国民は、余り役に立たぬようならやめようじゃないか、船体は涙滴型になっているけれども、電池でぼそぼそと二十ノットくらいで走るのかということになりますと、予算をつける気がしない。その背後には核というものに対するいわれない恐怖感、いわれない嫌悪、これがあるのではないか。われわれ新しい核時代に入ろうとするならば、まず第一にこの核というものを正当に評価する、そういう機運をつくらなければいけませんね。「むつ」が漂泊している状態も私はそうだと思うし、原子力発電所がつくられようとすると反対運動が起こり、結局つくられなくて推移しておる。そういうことについてあなたは原子力の親玉として何をすべきだと思いますか。
  359. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 日本は世界で唯一の核兵器による被爆国でございますので、本能的にと申しますか、核に対して嫌悪感を持っておることは国民感情として事実かと存じます。しかし核爆発というものに対する嫌悪、いわゆる戦時利用に対する嫌悪のみならず平時利用、平和利用に対しての安全感に対する不信、不安と申しますか、平和利用の面の不信感、不安感もまた日本には他国以上に実は強いのでございまして、前者の方は、この核防条約等で明確に日本は国内の三原則のみならず、核の軍事利用はやらぬのだという声明を宇内にするわけですから、これを批准することによって、私は大変その面では効果が上がってくるのだろうと思います。  後者の平和利用に対する不信、不安の問題は、これは安全性に対する問題でありまして、これも安全というものの理解の仕方、たとえば軽水炉などは絶対に機能的に爆発などするわけがないのであります。ですけれども、いかにもこれが爆発するやに誤認をしたり、あるいはささいな故障がすぐ大きな事故になって、第三者あるいは環境を汚染するというふうな恐怖を持つわけでございまして、それはそうじゃないのです、いま起きているのはどこでもありがちな故障でございますから、どうぞその点は御心配ないようにという啓蒙があるいは私どもにまだ足らぬのかもしれません。しかし順次体制を整えたり、あるいは安全研究等もりっぱにいたしまして、不安感を逐次なくしていくように努力いたしますので、だんだん改善されていくものというふうに考えております。
  360. 永末英一

    ○永末委員 科技庁長官はわが国に放射能の温泉が何ぼあるか御存じですか。
  361. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 数ははっきり幾つということは知りませんけれども、しかしラジウム温泉などが相当たくさんあることは事実と存じます。
  362. 永末英一

    ○永末委員 皆繁盛していますね。
  363. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 そのとおりでございます。
  364. 永末英一

    ○永末委員 そのラジウム温泉、放射能温泉というものは皆飲んでいるでしょう。いかがですか。
  365. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ええ、飲んでございます。
  366. 永末英一

    ○永末委員 放射能も、何とかと何とかは使いようで何とかという話がございますが、日本人は何も放射能を恐れたり嫌悪したりしているわけではないのであって、たまたまそれが人工の放射能に類した爆発をやって制御できるかどうかということ、漏れている放射能に対しては非常な嫌悪心や恐怖心を抱いておる。やはり政府が腹を決めて、平和利用については積極的にその安全性というものを知らせていくということがなければ、わが国の原子力の平和利用なんかはできませんわな。これはせっかく御努力を願いたい。日本人はもともと放射能をこわがっているのじゃないのです。こわがっていれば放射能の温泉なんかに行きやしませんよ。  さて、動力炉・核燃料開発事業団ができましてすでに八年ほどたっているのでございますけれども、その二十三条の一項五号には「核原料物質の探鉱、採鉱及び選鉱を行なうこと。」となっていますが、八年間何をしてきましたか。
  367. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 動燃の前身は燃料公社でございまして、これを改組して動力炉並びに核燃料事業団となったわけでございます。したがってその職務は大きく分けまして二つございます。一つは核燃料に関する面、もう一つは新型動力炉の開発でございまして、燃料に関しましては、これは大きく分ければまた三つくらいあるわけです。  天然ウランの問題は、国内の天然ウランの探査あるいは処理等にただいま当たってございます。  それから海外の天然ウランの探査、これは米国、豪州、カナダ等で動燃が主になって共同調査、探査等に努めてございます。それからプルトニウムをつくるいわゆる使用済み燃料の再処理の問題ですけれども、これはただいま炉の設備が完成いたしまして、そのいろいろな実験にかかっている最中でございます。  それから濃縮ウランでございますけれども、この方は二つ種類がありまして、ガス拡散と遠心分離とあるわけですけれども、動燃の方では遠心分離の方法をただいま研究中でありまして、それのパイロットプラントと申しますかあるいはカスケードといいますか、いわば実用化のための前段階の仕事をしてございます。  それから新型動力炉に関しましては、御承知のように、ファーストブリーダーとかETRといったような新しい炉を建設中でございます。
  368. 永末英一

    ○永末委員 原料ウランについてよその国との共同開発をやってきたという報告だけでございますが、もともとこれができましたときに、わが国におけるウラン原鉱というのは少ないのだ、だから積極的に外国へ出かけていってわが方が資本を出し、技術を出して開発をして輸入するのだ、これがこの事業団の大きな目的であるかのように政府は宣伝をされた。実際はどれぐらい成果が上がったのですか。
  369. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 海外から輸入しようとしてただいま手当て済みのものは、天然ウランにいたしまして大体十三万トン、これは六十年に六千万キロワット発電をするといたしまして、それに必要な濃縮ウランをつくるその原料である天然ウランのまず日本の手当てでありまして、この天然ウランを日本で手当てをいたしまして、これを米国の濃縮ウラン工場に提供して加工していただくわけでございますが、ただいま十三万トン手当て済みでございます。この海外から天然ウランを手当てするのは、実は動燃ではないのでありまして、各商社またはその商社が主として手当てをする随意契約でございます。ただ、さっき申しましたように動燃の方は探査、探鉱の方が主務でございますので、そちらの方は先ほど申しましたように米国とか豪州、カナダでやってございます。ただいまそういうふうに海外からの天然ウラン、濃縮ウランの手当ては動燃じゃなしに各商社あるいは九電力会社がそれぞれ向こうの業界と契約をいたしまして入手してございます。
  370. 永末英一

    ○永末委員 だから、そういう意味では商社や電力会社の買い付けに任してしまって結局何もしなかったのですか。
  371. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ですから探査等はここでしていますし、それから国内のプルトニウムの生産あるいは濃縮ウランの生産のために、先ほど申しましたような設備をつくりまして研究しております。
  372. 永末英一

    ○永末委員 われわれが一番心配しておりますのは、原子力時代に入ろうという場合に、その原料の確保というのは一体安定してこれからあるのかどうかということです。そのためにすでに国家機関をつくってこれを専門にやりますと言っておきながら、結局私企業の商行為によってやってきておる。濃縮ウランの施設だってまだ十五年くらいかからなければよくわからぬのだというような話を聞くのでございますけれども、一体国はどれだけ真剣に原料の確保とそれの精製に取りかかっておるのか。そのことがはっきりしなければ、新しい時代が来たっておくれるばかりじゃございませんか。御答弁願いたい。
  373. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ごく大ざっぱにお話ししますと、昭和六十年すなわち十年後に六千万キロワット仮に発電いたしますとすれば、それに必要な天然ウランあるいは濃縮ウランは手当て済みでございます。その後さらに六千万キロワットがふえてまいりましたときに、一体その手当てはどうするかという点に関しましては必ずしも十分だと言えません。それをどうするか、ただいま総力を挙げて動いている最中でございますけれども、濃縮ウランに関しましては各国との間でこういう協定、契約をつくりつつあるとか、あるいは天然ウランに対しては三分の二は大体その後も商行為として輸入できるけれども、あとの三分の一はいわゆる開発輸入ということでこちらで海外の山を開発して、そして単なる商売として輸入するのではなくて、自分の参加した企業としてその製品を輸入する、こういうかっこうにいたしたいという目途でただいませっかく準備中でございます。  なお、御所望でありますれば、濃縮ウランの海外の計画にどういうふうにいま参加しつつあるか等はひとつ……
  374. 永末英一

    ○永末委員 伺いたいのでございますが、時間が限られておりますから。  いま、すでに十年間は手当て済みであって、あとの十年がと申されましたが、核防条約を批准して核防条約の締約国になることによって、いまの点についてはわが国にどういうメリットがありますか。
  375. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 一つ一番大きい問題は保障措置の問題でございまして、これは従来の二国間協定で燃料を供給していただいた場合には、それに基づく査察は、古い国連機関の査察方式でございまして、これはもう全然制限はございません。秘密保持もなければあるいは立入機関、立入の対象も無制限でございます。また査察するのは国連の機関でございますから、わが方としては発言はございません。というようなことで、実際に原子力の平和開発をこれからやろうという際に一切そういう制約を受けたのでは、日本の開発はできないというのが原子力開発に携わっている全部の意向でございまして、これを何とか簡素にして、秘密も保持でき、また日本が主体になって検査をして、それに対して国連側が立ち会うという程度にはできないだろうかということで、実は五年前に調印をしまして、調印すればその立案に参加できますから、わが方としては五年間、五回にわたりましてウイーンに行って、そして交渉の結果、ほとんどわが国の希望どおりの査察条件になったわけでございますから、これはよそから燃料を受けても、これであれば安心して開発できる、こういう状況になったのが私は一番大きいメリットだと存じます。したがって、いままでありました保障措置とこのNPTに基づく保障措置とはうんと偉いますから、これでぜひやっていかぬといかぬということ、これはわが国が自分で指導してつくったようなかっこうなものですから、どうしてもこれは早く批准してやってもらいたいということ。  もう一つは、やはり燃料供給に対する一つの……(永末委員「燃料確保のことを聞いているのですよ。保障措置のことを聞いたんじゃないの。そこを言ってください。」と呼ぶ)メリット全般と申しますから。それから燃料の確保の問題に関しましては、今度のレビュー会議でも、御承知のように、やはりこの条約に加盟したところを優先しようじゃないかという空気は、米国も、カナダ、豪州もひとしく承知しておるわけでございまして、あからさまに言わぬにしても、それが明瞭にわかるように主張していることは事実でございます。したがって、長い将来を考えますと、長期にわたりますと、これに加盟しておらぬと非常に不安な状況に置かれるのじゃないかというふうな感じが私はいたします。
  376. 永末英一

    ○永末委員 時間が参りましたから終わります。
  377. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 楢崎君。
  378. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 再質問を許していただいてありがとうございました。申し合わせの時間の範囲内で再質問をさせていただきます。  一番最後のくだりのところで、私考えてみまして、どうも私の質問の趣旨が通ってないようでありましたので、ちょっと暴言みたいなことを吐きまして申しわけなかったと思います。それで、あのくだりはこういうことなんです。つまり、安保条約の五条は、領域内でいずれか一方、アメリカとか日本とかに武力攻撃があったときは発動する。ところが、それがいままでの政府答弁ではだんだん拡張されておるのではないか。つまり、領域外であっても、たとえばいずれか一方の、特に問題になるのはアメリカの艦船等が武力攻撃を受けて、それが日本の安全に直接結びつくというような事態のときには、それは五条の延長線上、つまり五条の範囲と考えられるのですか、こういうことなんですね。
  379. 松永信雄

    ○松永(信)政府委員 その点について申し上げますと、日本の領域外にあるアメリカの艦船が武力攻撃を受けた場合に第五条が発動されることにはならないわけでございます。したがいまして、もしそういう事態が発生いたしまして、日本の施設、区域を使用するアメリカ軍が施設、区域を基地として作戦行動に出るという場合には、事前協議の対象になるということでございます。
  380. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 私はこういうことを質問したのは、きのうの丸山局長の内閣委員会における答弁が新聞に載っておりまして、五条の範囲内でその日米共同作戦が領域外に出ることもあり得るというような答弁だったから、私は念を押したわけです。  それで、外務大臣の時間もあるようですから……。わが党としては、この核防条約の批准に対する党の態度を決めるに当たりまして、御案内のとおり幾つかの条件を出しておりまして、それで私はその判断の材料にするために、わが党が出しております諸条件について、外務省としての正式な回答という形でひとつ御答弁をいただきたい。  質問の方を先に申し上げます。  まず第一番に、核防条約はわれわれ一番批判しているのは、いわゆる核保有国を固定化するのではないか、その点について七十一国会あるいは七十二国会の国会決議を見ますと、すべての国の核兵器の製造、実験、貯蔵、使用に反対し、全面的な禁止協定が締結されるよう努めるという趣旨になっておる。これと矛盾はしないか、この趣旨に反することにならないか。決議の方はすべての国に対してそれを要望しているのに、核防の方は核保有国の存在をそのまま認めるということになっていますから、それが一つ。二番目、非核宣言というものを決議でりっぱに生かし得るかどうか。三番目に、核軍縮あるいは核兵器不使用協定の締結に対して積極的に政府が努力をするか。具体的にどのように努力をするか。そして最後に、たとえ安保条約はあっても、矛盾しない形でアジア・太平洋地域における非核武装地帯の設定ということはできるわけですから、しかも、私は時間がないから多くを述べられませんが、その可能性は出てきた。問題はやる気があるかどうか、その日本の決意にかかっておろうと思うのです。  以上のわが党の条件あるいは要望についてどのような見解をお示しになるか。それを材料にしてわれわれは党の態度を決めたい、このように思っておるところであります。
  381. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私も先ほどの楢崎委員の御質問の趣旨を十分理解いたしませんで、大変失礼を申し上げました。  ただいまのお尋ねでございますが、第一点は、すべての核兵器国に対する問題でございますが、わが国としては、もとより、文字どおり、すべての核兵器国に対して核軍備競争を停止すること、そして核軍備の現状を凍結することからさらに進んで、核兵器の全廃に向かって核軍備の削減、縮小のためにわが国として誠実に努力をしなければならないと考えております。  第二点でございますが、これはいわゆる非核三原則でございますが、これは総理大臣からすでに明白にお答えを申し上げておりますが、国是として政府は忠実に守るべきものであると存じます。いわゆる核持ち込み等につきましても、総理大臣がお答えになっておられますとおりでございます。  第三点は、いわゆる核軍縮等の問題でございまして、わが国は唯一の被爆国でございますから、現在までいかなる国の核実験にも反対するという立場を堅持してまいりまして、実験がございますたびに、わが国の反対を表明してまいったわけでございますけれども、核兵器を全廃いたしますという先ほどの目的に向かいます第一歩としては、包括的な核実験の禁止が必要であると考えております。これはもとより地下核実験禁止を含むものでありまして、これについて検証の問題がございますれば、わが国の持っております地震学上の知識なども役立ててもらいまして、あらゆる核実験を禁止するためにわれわれとしても実際に貢献をいたしたいと思いますし、また、核兵器国に対しては、核兵器あるいは通常兵器たるとを問わず、それをもって武力攻撃をすることはもとより、他国を脅威することについても慎んでもらいたいということを強く前回の再検討会議でも主張をいたしたわけでございますが、今後とも一層の外交努力を続けたいと存じます。  第四は、いわゆる非核地帯の設定の問題でございまして、これについては、楢崎委員も御承知のような現在の事情がございますが、しかし、もともと核兵器を使用しないということを主張するわが国の立場として、検証の方法があり、現実の情勢をつくりつつ、そういう状況の中で、核兵器保有国に対して道徳的な説得を行いまして、そうして非核地帯というものを設定をして、行く行くはこれを世界に広げていくという構想は、やはり外交の大きな目標としてわれわれが常に忘れてはならない一つの構想であるというふうに考えております。
  382. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 一番最後の、アジア・太平洋地域における非核武装地帯の設定は、わが党としても重要な政策の一つであります。それで、私は予算委員会でも時間がなくて質問の中には入れなかったが、すでにその可能性が出てきておる。その内容についてはすでに外務省へ文書でやっておるわけですね。たとえば中南米地帯における非核武装地帯の問題も、いまや中国も賛成をしたし、もちろん米英はそうだし、残されたのはソ連だけだ、ソ連もいずれこの国際情勢の中で賛成に踏み切らざるを得ないであろう。あるいはまた、ASEANのクアラルンプール宣言も御承知のとおりであります。非核地帯の設定を目指して大きな前進が行われつつあることを認める、こういう宣言にもなっておる。あるいはインド洋平和地帯案については、すでに日本も中に入って、七一年国連総会でスリランカの主張によって採択をされた、こういう情勢であります。そしていま申し上げたとおり、日本や中国やインド、そういった国々を含むアジアを中心とした国連加盟の約十五カ国の特別委員会によって、検討されるめどもついておる段階であります。で、こういう情勢がずっと進んできておりますから、私はやはりいまの答弁、目標としてやるということでございますが、これはひとつ具体的に、やる気で取りかかっていただきたい。その点について再度、どのように具体的な努力の方法があるのか、お示し願えればと思います。
  383. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 わが国は、もうよく御承知のとおり、みずからが非核の体制をとってまいっておりますから、わが国については最も問題がございません。  次に、仰せのとおり、東南アジアの国々も、いわゆるクアラルンプールにおいて非核地帯という構想について、基本的に賛意を表しておるわけでございます。したがいまして、非核保有国にとりましては、このアジア地域はラテンアメリカに次ぎまして非核地帯というものが可能になる条件が、私はやはりあると思うのでございます。そこで問題は、具体的なこれからの外交的努力といたしましては、先ほどラテンアメリカの非核地帯についてお述べになりましたように、国によりましてこのプロトコルにまだ署名をしていないという国もございますので、そういうようなことでは困る、やはり核保有国に対してわれわれが道徳的説得に努力をするという点と、もう一つは検証の問題についてその方法を発見する、そういう具体的な努力をしてまいりまして、常に外交的な目標としてそちらの方に向かっていきたい、これはわが国にとっては大変大事なことであると考えますので、そういう決心でございます。
  384. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 非核三原則の宣言の決議については、沖縄国会のときにやられたわけですけれども、しかしあれは不正常な形でやられた。つまり社会党と共産党は参加していない。本来国会決議というものは各党の賛成が得られなくてはやらないのが通例になっている。したがって正常な形で、もう一遍今日の事態を踏まえて、非核三原則宣言の国会決議というものについてどのようにお考えですか。
  385. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これは原則として政府がとやかく申し上げるべきことではないかと存じますけれども、確かに、前回の決議が多少正常な状態においてでない形で生まれておることは、そうであったと存じますので、国会において改めて御決議がございますれば、もとより、政府としてはその御趣旨を尊重してまいるつもりでございます。
  386. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 いままでの御答弁、まだ時間があれば詰めたいのですけれども、やむを得ません。いままでの御答弁をひとつ参考にして、私どもは党の態度を最終的に決めることになろう、このように思います。  以上で終わらせていただきます。
  387. 栗原祐幸

    ○栗原委員長 これにて、本件についての宮澤外務大臣、坂田防衛庁長官及び佐々木科学技術庁長官に対する質疑は、一応終了いたしました。  本日はこの程度にとどめ、次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。     午後九時十六分散会