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1975-07-01 第75回国会 衆議院 本会議 33号 公式Web版

  1. 昭和五十年七月一日(火曜日)     ―――――――――――――   昭和五十年七月一日     午後一時 本会議     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  自治大臣福田一不信任決議案(三谷秀治君外   三名提出)  大蔵大臣大平正芳不信任決議案(広沢直樹君   外三名提出)     午後一時三十六分開議
  2. 秋田大助

    副議長秋田大助君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 羽田孜

    羽田孜君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。  すなわち、三谷秀治君外三名提出、自治大臣福田一不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 御異議なしと認めます。     ―――――――――――――  自治大臣福田一不信任決議案(三谷秀治君   外三名提出)
  6. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 自治大臣福田一不信任決議案を議題といたします。  提出者の趣旨弁明を許します。三谷秀治君。     ―――――――――――――  自治大臣福田一不信任決議案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔三谷秀治君登壇〕
  7. 三谷秀治

    ○三谷秀治君 私は、日本共産党革新共同及び公明党代表して、自治大臣福田一君に対する不信任決議案について、提案の趣旨を説明し、同僚諸君の御賛同を得たいと思います。(拍手)  まず、決議案文を朗読いたします。     自治大臣福田一不信任決議   本院は、自治大臣福田一君を信任せず。   右決議する。以上であります。(拍手)  次に、提案理由の説明を申し上げます。  不信任決議案提案の第一の理由として、自治大臣福田一君は、憲法の精神にのっとり、公明かつ適正な選挙を実現さすべき最も責任ある国務大臣の立場にありながら、憲法二十一条で保障された言論、表現の自由と、国民基本的な権利である政治活動の自由を抑圧する公職選挙法の改悪案を作成した政治責任は、きわめて重大であります。(拍手)  すなわち、自治大臣福田一君が提案した公職選挙法改悪案は、政党政治団体機関紙誌活動に対して、重大な規制を加えるものであります。これは、国民知る権利、言論、表現の自由政治活動の自由を奪い、暗やみ選挙国民に強要し、まさに、知らしむべからず、寄らしむべしという自民党政治の体質を最も露骨にあらわしたものであります。これはまた、昨年十二月二十五日、本院における、選挙は正々堂々たる政策論争を通じてという、選挙の明正に関する決議精神にもみずから反するものであります。(拍手)  さらに、今回の改悪案には、政党機関紙だけでなく、労働組合、民主団体などの機関紙活動にも重大な規制を加えておるのであります。それは、選挙に関する報道、評論を掲載した労働組合機関紙を、選挙期間中に組合員以外に無料で配ることが一切禁止され、違反者は二年以下の禁錮または二十万円以下の罰金という重罰に処せられることになるのであります。しかも、違反かどうかの判断を警察当局にゆだねるという、まさに無謀きわまりないものであります。また、労働組合だけでなく、婦人、業者、消費者青年国際友好など、広範な団体機関紙にもことごとく適用される危険な内容を含むものであります。  こうした政党機関紙、一般紙誌に対する選挙中の規制は、国民主権議会制民主主義を根底から覆す暴挙であり、福田一君の政治責任はきわめて重大であります。(拍手)  その上、新たに、政治活動を行う団体なる規定を設けて、選挙中の労働組合青年、婦人、業者団体から住民組織市民団体、サークルに至るまで、一切の団体演説会、ビラの配布など、言論、政治活動を規制し、さらに、政治活動を行う団体であるかどうかの判断を、これまた警察当局にゆだね、警察にそのための調査や資料収集などを日常的に行わせるものであり、これこそ、国民に対する弾圧立法と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  また、福田自治大臣責任によって作成された政治資金規正法改悪案は、企業団体の献金を拡大し、奨励し、金権、腐敗企業ぐるみ選挙の根絶を求める国民の声に真っ向から挑戦するものであり、民主政治を願う国民の名において、断固として糾弾しなければならぬのであります。また、国民の浄財による零細な寄付に対して、匿名寄付禁止を名目とした事実上の制限不当罰則も、言語道断と言わなければなりません。  あまつさえ、福田一君は、審議の場で、しばしば小選挙区制を礼賛し、その導入を企図しておることは明白であります。論ずるまでもなく、小選挙区制の導入によってもたらされる結果は、自民党の国会私物化と永久支配化であり、これはとりもなおさず、国民意思国会の構成に反映させないという、議会制民主主義の根本的破壊をもたらすものであります。  第二に、福田一君は、両改悪案の審議に際しては、その主務大臣でありながら、不誠実、かつ欺瞞的態度に終始しておることであります。  その一つは、共産党が要求しておる前回衆議院参議院議員選挙における買収事犯の党派別内訳、並びに警察庁が内部資料としてまとめておる選挙関係質疑回答集の二つの基礎資料の提出を、何らの正当な理由もなく拒否した点であります。この二つの資料は、金がかかる選挙の実態を解明し、何が選挙犯罪となるかの法案解釈基準を示すきわめて重要な資料であり、今回の法案審査に欠くことのできないものであります。ところが、両法案の主務大臣は、これらの資料の提出に尽力すべき責任があるにかかわらず、これを拒否する態度は、国会の審議権をじゅうりんするものと言わざるを得ないのであります。(拍手)  さらに、福田自治大臣は、公選法改悪案の中心部分とも言うべき政党政治団体機関紙誌号外で、選挙期間中その掲載を禁止される選挙に関する報道、評論の範囲について、あるときは、号外は全面禁止と言い、またあるときは、その範囲が伸縮自在であるかのように答弁し、その矛盾を追及されるや、政府統一見解なるものを出し、さらにその後も統一見解について勝手な解釈を行うなど、支離滅裂、無責任きわまる態度に終始しておることは、国民国会に対する冒涜として糾弾されなければなりません。(拍手)  また、福田自治大臣は、総評代表との会談で、公選法が改正されても、労働組合機関紙の頒布は従来どおりであるかのように欺瞞し、国会審議の場でこの点を追及されると、答弁を拒否するという奇怪な態度をとり続けてきたのであります。そればかりか、みずからの欺瞞をつくろうために、機関紙の購入を労働組合規約などに明記しておけば、たとえ金を払わなくても法を適用しないなどという、驚くべき脱法行為すら教唆扇動するに至っておるのであります。  このような言動は、悪法をごり押しするためには、詭弁や答弁拒否など、手段を選ばない卑劣な姿勢を重ねて証明したものであり、憲法第六十三条、第七十三条の精神に違反していることは明白であり、自治大臣としての適格性を全く喪失したものと言わなければなりません。(拍手)  第三に、地方自治を守り発展させるべき職責を担当した福田一君は、政府の高物価、インフレ政策のさまざまな悪影響から地方財政を擁護し、超過負担の解消などの緊急対策を実施しなければならない立場にありながら、今日の地方財政硬直化の最大の原因は、人件費の膨張にあることは何人も否定できない、人気取りのために、いたずらに金をばらまくような福祉の先取り行政も、地方財政の運営を困難にしておる原因の一つであるなどと発言し、政府責任にほおかぶりをして、その責任をすべて地方自治体と、そこで働く労働者並びに地域住民に転嫁するに至っておるのであります。  まず、福田自治大臣が行った反動的政策の第一は、政府責任に帰すべき不況、インフレ経済が、地方財政に及ぼしたさまざまな悪影響に目をふさいで、地方統一選挙の中で、自民党の地方財政政策の破綻が暴露されるのを恐れ、事もあろうに、地方財政危機の原因は高過ぎる人件費にあると、みずからの責任を巧みにすりかえる大々的なキャンペーンを実施し、政府機関を使って党略的な宣伝を行ってきたことであります。ラスパイレス指数という一面的な統計を用いて、地方公務員給与不当に高いとする意図的な宣伝を行うなどの行為は、きわめて異例かつ不当なものであり、まさに統計でうそをつくたぐいのものであり、労働者と住民に対する敵意をむき出しにしたものと言うことができるのであります。  さらに、福田自治大臣は、去る五月十六日に、事務次官名の通達を示して、直接地方自治体財政に対する介入と支配の意思を露骨に示しております。この通達の示すものは、深刻な地方財政危機に際して、政府は何らの積極的措置をとろうとせず、人件費の削減と福祉の切り捨てによって、その責任を、挙げて地方自治体と住民に転嫁しようとしておるものであります。ここに、地方住民と労働者を敵視する福田自治大臣の反動的な体質が、きわめて鮮明に示されておると言わなければなりません。しかも、通達のみにとどまらず、個々の自治体財政に立ち入ってチェックを行うための財務調査官を自治省に設け、さらに徹底して自治体締めつけを実施しようとしておるのであります。  今日の地方財政危機は、福田自治大臣が意図するような、労働者地方住民を犠牲にした反動的な政策で解決しないことはきわめて明白であります。財政危機打開の方途は、さしあたって、地方交付税税率引き上げや、超過負担の完全解消が必要であり、これは全国の地方公共団体がひとしく要求しておるところでありますが、福田自治大臣は、この切実な要求に対して、政府としては反対でございますと述べておりますように、大臣みずからが、地方財政危機を打開する何らの積極策をも持ち合わしていないことを示しておるのであります。  福田自治大臣のこのような地方財政に対する反動的な基本姿勢と諸政策は、公選法改悪と根本において同じものであり、地方自治体と住民にとって、断じて許すことのできないものであります。  以上、憲法違反のファッショ的な公職選挙法政治資金規正法両改悪案の直接の作成者として、また、両法案の審議に際しては、国民国会を欺き、愚弄する態度をとり続け、あるいは、地方財政危機に対して積極的な援助の手を差し伸べるどころか、逆に統制を加えて自治権をじゅうりんしようとする自治大臣福田一君は、もはや与えられた職責にこれ以上とどまることは不適切、不適格と断ずるものであります。  以上が、本決議案を提出する理由でありますが、満場の諸君がこぞって御賛同をいただきますことをお願いいたしまして、趣旨弁明を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  8. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 討論の通告があります。順次これを許します。村田敬次郎君。     〔村田敬次郎君登壇〕
  9. 村田敬次郎

    村田敬次郎君 私は、自由民主党代表して、ただいま議題となりました日本共産党革新共同及び公明党両党提案の福田一自治大臣不信任決議案に対しまして、反対の討論を行うものであります。(拍手)  この不信任決議案は、要するに、今回政府によって提出されました公職選挙法の改正法案及び政治資金規正法の改正法案が、党利党略的なもので認められないという立場から、その成立を阻む意図から、数点の理由を掲げ出されたものと考えられますが、両法案は、昨年行われた参議院通常選挙後、急速に高まってきた、選挙制度政治資金規制のあり方を改善すべしという国民世論にこたえて提出されたものであり、これに反対し、この成立を阻もうとする日本共産党革新共同など、一部の野党の言動こそ、党利党略的なものであり、国民の期待を裏切るものであると言わざるを得ません。(拍手)  特に、昨夜、参議院公職選挙法特別委員会理事会の開会を力で妨害し、暴力で議事を阻止しようとしたことは、良識の府にあるまじき行為であり、議会政治を否定することにつながる行動だと思うのであります。一部の野党は、今回の改正法案は、言論の自由を抑圧する危険な改悪だと誇張していますが、その言葉をそのまま、昨夜の行動をとった一部の野党の方々に返上しなければならないことは、きわめて遺憾なことであります。(拍手)  次に、本不信任決議案の提案者が、その成立を阻止せんとし、その提案の責任を追及している両法案について問題としている点について、総括的、具体的に反論をしてみたいと思います。  第一に、今回の両法の改正は、最近における金のかかる選挙の実情と政党政治の現状にかんがみ、金のかからない明るい選挙、心の通う公正な政治の実現を図ろうとする理想から行うものであり、公職選挙法の改正案においては、衆議院の定数是正を初め、選挙公営の拡充、寄付の規制、選挙の公正を害する機関紙等の頒布の規制、あるいは連座制の強化等を行うこととしており、また、政治資金規正法の改正案では、政治資金の量的、質的制限と、その公開の徹底化等を図ることとしております。  これらの内容には、長い間期待され、また国会にも提案されながら、今日まで実現を見なかった点を多く含んでおり、それは決して百点満点というものではないにしても、わが国の政治の現状から考えるとき、相当の前進であり、いままでの法律の内容に比べて、画期的な改正であると評価できると思います。  福田一自治大臣は、新しい政治上の課題を携えて出発した三木内閣の重要な閣僚の一員として、この二法案成立のため、与野党内のさまざまの意見の調整に積極的に取り組み、また、国会での審議の促進に日夜尽瘁されており、憲法第六十三条に規定する閣僚の議院出席の権利義務を忠実に行っております。また、現下の経済社会情勢に対応して、地方財政の硬直化を来し、深刻な危機下にある地方自治行政の運営推進のため、真摯な努力を傾注されておるのであります。  この自治大臣の活動を評価すべきところ、逆に不信任決議案を上程するなどは、自党に不利なことが少しでもあれは言いがかりをつけ、一切を葬り去ってしまうという党利党略に出た、まことに無責任な行動と申しますか、時代の流れ、世論の動向に逆行した態度と言わざるを得ないのであります。(拍手)  第二点は、公職選挙法改正案が、機関紙等の頒布を規制している点であろうと思います。  すなわち、提案者は、今回の機関紙誌等の頒布の規制は、政党政策の普及宣伝の手段や、国民がそれを知る権利を奪うものであり、憲法保障する言論、出版その他の表現の自由を侵すものであると非難していますが、国会の審議の過程でも明らかにされたように、今回の機関紙誌等の規制の措置は、最近における選挙の実情から、特定の候補者の写真や氏名等を大きく掲載し、投票依頼にわたる文言が記載されるなど、選挙運動用文書と何ら変わらないと受け取られるような機関紙号外等が選挙期間中に大量に発行され、各戸投げ込み、街頭での配布等により、無償かつ無差別に頒布されるなど、実質的には選挙運動に対する規制を無意味にしているような状況にあることから、真に選挙の公正を確保するために、必要最小限の措置を講ずることとしたものであります。  したがって、政党機関紙の号外の規制についても、言うまでもなく、一、選挙期間以外のときは、今回の改正案によって号外の発行は規制されないし、二、選挙期間中も機関紙の本紙そのものは禁止されず、また号外も、選挙に関する報道、評論を掲載していない純粋の政策の普及宣伝であるものは許されます。さらに、三、政党や候補者の政策、政見等を国民に知らせる手段としては、新聞テレビ等を初め、選挙公報演説会、法定ビラなど、さまざまのものがありますが、今回の改正案では、政党の行う新聞による政策広告を公営で実施することにしているほか、前向きの各種の方法を講じており、決して、提案者が誇大に宣伝しておるような、暗やみ選挙への道、言論抑圧法などというべきものでないことは、おのずから明らかであります。  今回の措置は、選挙の公正を確保するという見地から、必要最小限の合理的な規制を設けたものと考えられるのであって、決して憲法保障する表現の自由を侵すものではありません。  ある日刊紙の世論調査によれば、今回の公職選挙法改正案に対して、金のかからない選挙に改めることに賛成する人、全体の六五%、選挙期間中に、政党機関紙や号外などを、街頭あるいは家庭に無料で配ることを規制する措置について、当然だ、やむを得ないと答えた人が、全体の六三%に達し、しかも、共産党を支持する人でさえ五二%、公明党を支持する人は六三%に達するという事実をよく考えていただきたいと思います。(拍手)  第三に、政治資金規正法の一部を改正する法律案が、金権、腐敗選挙を温存、奨励さえするものであるという提案者の主張についてであります。  これについて、私は、今回公表された「一九七四年度の日本共産党中央委員会政治資金の内容について」によると、昨年一年間の同党本部だけの総収入は、百億七千万余円に達するという事実を想起していただきたいと思います。この百億七千万円という額は、公明党の四十九億五千万円、日本社会党中央本部の十一億三千万円、民社党の八億五千万円をはるかに超え、国会議員一人当たりの額においては実に一億七千万円、自由民主党本部の国会議員一人当たり四千六百万円の四倍近い額に達するのであります。(拍手)  しかも、いわゆる政治資金のガラス張り、透明度といわれる、収入総額中寄付の占める割合について、これが一億八千万円であって、全体のわずか一・八%、他の四大政党よりもはるかに低い比率になっているのであります。  しかも、その支出の面で明確でない点が幾つかあります。たとえば、選挙で問題になった党の選挙ビラ類の経費などについてでありますが、これについては、機関紙誌、書籍その他の発行費に含まれ、選挙の有償、無償の区分であるとか、定期、不定期の区分であるとか、そういったことは明確でなく、選挙のときに大変な紙爆弾が使われたという批判を招いているのであります。  こうした経理内容を持つ政党が、この政治資金規正法に対して、金権、腐敗選挙を温存、奨励さえするという指摘は、顧みて他を言うと申しますか、全く首肯することができません。その表現をそっくり提案者にお返ししたいと思うのであります。(拍手)  今回の改正案は、御承知のとおり、昭和四十二年に第五次選挙制度審議会の答申が出され、これを受けて、三回にわたり政府案が提出されながら、いずれも流産に終わった過去の経緯を踏まえながら、最近の政治資金の問題に対する国民世論の高まりにこたえるために提案されたものであります。  政治資金の量的規制は、わが国の歴史上初めてのことでありまして、このような大改革が行われようとしているにもかかわらず、この法案に反対されるのはいかなる意図に基づくものか、理解に苦しむのであります。  この法案にあくまで反対されるということは、結果的に、政治資金規正法については現行法のままでよいということでありまして、国民世論に何もこたえないことになります。  この法案の持つ新しい時代の背景と意味を十分理解され、その成立のために誠心誠意努力をされておる自治大臣福田一君の真摯な態度を、十分評価していただきたいと存じます。(拍手)  この両法案の審議を通じ、与野党議員の対話と協調を尽くして、議会制民主主義における新しい協力のパターンを築いてきましたことは、世論の高く評価するところであります。  多くの野党の同僚議員が、是を是とし、非を非とする良識ある立場に立って審議が進められたことは、今後の議会政治の進展に大きな一石を投ずるものだと思います。(拍手)  しかるに、日本共産党革新共同などの一部野党が、非を是とし、是を非とする是非非是主義ともいうべき態度をとり、今回の福田自治大臣不信任案提出といったような挙に出ましたことは、わが国議会制民主主義の発展のために、重大なる挑戦であると考えます。  以上、私は、公職選挙法政治資金規正法に関連して、三点にわたって所見を述べ、本不信任決議案に対する私の反対討論を終わります。(拍手)
  10. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 林孝矩君。     〔林孝矩君登壇〕
  11. 林孝矩

    ○林孝矩君 私は、公明党代表して、ただいま議題となりました自治大臣福田一君に対する不信任決議案について、賛成の討論を行います。(拍手)  以下、賛成する理由を重点的に申し述べます。  政治資金規正法の改正は、昨年七月の参議院選挙における自民党の目に余る企業ぐるみ金権選挙を非難する、国民世論にこたえるべきものでなければなりません。また、三木総理自身、企業献金の禁止は金権政治をなくするための重要な要素であると、国民に公約してきたのであります。  ところが、今回提出の改正案は、改正法の施行後五年を経過した場合においては、その施行状況を勘案して、企業献金に検討を加えるとしているだけであります。これは国民的要求と期待を完全に裏切ることであり、また、自民党政府がみずから求めた第五次選挙制度審議会答申以来の至上課題に対する、国民への回答を逃避したものであります。  このように、企業献金を堂々と存続させ、個人献金への全面移行を求める国民世論を葬り去った直接の当事者である自治大臣福田一君の責任は、まことに重大であります。(拍手)  また、政治資金規正法は、言うまでもなく、政治資金の授受の規制と収支の公開にあります。しかるに、今回の改正案は、この点についても国民の期待に全くこたえておりません。  まず、金を出す側について言えば、いままで行われていた献金額をはるかに上回る、実質的には無制限に等しい意味のない限度額を設け、金を受け取る側について言えば、総額規制のない全くのざる法であります。さらに、収支の公開については、個人の会費等は寄付とみなされず、公開の対象からはずされているのであります。これでは、寄付を会費として出所を不透明にしている国民政治協会等の、いわゆる献金隠しの現状は、一向に改善されないのであります。  また、派閥等に対する寄付は、百万円までは公開しなくてもよいとした改正案は、規制を強化するどころか、明らかに現行法より後退したものであります。  福田一君は、政治活動の公正を図り、選挙腐敗を防止して、公正かつ清潔な選挙を実現する立場にありながら、政治腐敗を温存させるのみならず、金権選挙を奨励さえする改悪案を作成したことは、党利党略のみしか考えない思考であり、自治大臣としては、きわめて不適格と言わざるを得ません。(拍手)  また、政治資金規正法改正案附則十条では、市民団体文化団体青年婦人団体、その他すべての団体が、政治活動をその目的としなくても、一時的にも政治活動とみなされる行為を行った場合には、特定選挙期間中は政治団体と同様にみなされ、その活動をも規制されるのであります。政治活動の定義規定もないにもかかわらず、その行為だけで、直ちに政治団体とみなされ、処罰されるということは、自由市民運動を抑圧するものであり、基本的人権をじゅうりんする以外の何物でもありません。  このように、市民団体など、一般の団体自由政治意思の形成を抑圧し、警察の取り締まり強化をもくろむ改正は、まさにファッショ的策謀と断ぜざるを得ないのであります。  また、公職選挙法については、国民基本権利である言論、表現の自由政治活動の自由を規制し、審議の過程においても、選挙区割りについては飛び地をつくり、また、小選挙区制導入の発言をするなど、担当大臣として、わが国の政治史上において一大汚点を残すとともに、民主政治に挑戦する暴挙を行ったことは、きわめて重大であると考えるものであります。(拍手)  現在、金権、腐敗選挙が続いている中にあって、公職選挙法改正の目的は、選挙区間の定数の不均衡の是正並びに議会制民主政治基本である選挙に対し、その公正を確保するための連座制の強化等であります。それにもかかわらず、自治大臣は、衆議院の定数是正と選挙の公営化の拡大を表看板に、不均衡のはなはだしい参議院地方区の定数是正を見送ったのであります。  特に許されないことは、憲法保障された言論、表現の自由を抑圧する、機関紙及びその号外等を規制し、国民知る権利を抑圧し、自由政治意思の形成を封殺しようとするなど、民主国家においては全く考えられない改悪をしようとしているのであります。しかも、その理由として、足腰のある政党と、ない政党とのバランスを是正するということを挙げていますが、この論議は、民主主義国民世論の盛り上がりによって成り立つものであるという、最も基本的な原則すら否定する、全く次元の低い発想と言わざるを得ません。(拍手)  また、選挙区の分割は、人口比のバランスと、自然的、地理条件行政区の歴史的経緯という三つの条件を満たしたものであることを前提に、各党合意のもとに、公職選挙法委員会は、この条件に合った区割りを自治省に依頼したにもかかわらず、自治大臣は、一部の選挙区においては、この条件を全く無視した、ゲリマンダーともいうべき区割り案を提出したのであります。  この不合理に対する指摘に対し、自治大臣は、何でも政府はそのとおりやらなければならないとは思わないと、全く国会無視、国民無視の答弁をなし、小委員会設立の意義をも破壊したのであります。  しかも、公選法に対する答弁においては、ビラの内容の最終判断を司法当局にゆだねることを明かすなど、司法権の介入を許す危険な発想を暴露したのであります。これはとりもなおさず、法それ自体の欠陥をさらけ出したものと言わざるを得ません。(拍手)  また、機関紙号外の配布規制に関する具体的問題に対しても、政府の統一見解に対して解釈も定まっていないなど、まことに支離滅裂、不誠実きわまりない答弁と言わざるを得ません。  その責任は、直接の担当者である自治大臣福田一君の怠慢以外の何物でもなく、この点においても、福田一君は、自治大臣として、きわめて不適格であることを示しているのであります。(拍手)  次に、最近のインフレ、物価高によって、地方財政財政需要が増大している一方、総需要抑制による景気の不況は、地方税、交付税の落ち込みという結果をもたらし、地方財政は決定的な危機に陥っているのであります。  かかる現状にあって、自治大臣は、一体住民の立場に立った行政を行おうとしているのかどうか。その実態は、むしろ住民をますます窮地に追い込み、さらには、民主主義の基盤でもある地方自治制度を、行政面からなし崩しに形骸化しようとしているのであります。  その一つは、今回、地方財政危機の原因を究明し、自治体財政運営の助言指導をするとの理由から、地方財務調査官を発足させようとしていることであります。さらに、去る五月十六日の地方財政に対する事務次官通達では、自治体財政運営の細部にわたってまで指示しているのであります。  これら財務調査官並びに通達は、ようやく育とうとしている地方自治確立の芽を摘み取る結果となることは明らかであります。しかも通達で、地方自治体職員給与抑制を実施したところには、地方債の増額を検討するというに至っては、行政の公平さを欠くとともに、自治体に対する不当介入であり、ひいては、再び中央集権化の道をたどるレールを敷こうとする姿勢は明白であります。(拍手)  今回の財政危機の原因が、単なるインフレ、不況だけではなく、戦後二十数年にわたって叫び続けられてきた機関委任事務の廃止や、超過負担の解消等の行財政の抜本的改革を怠ってきたことに対し、自治大臣は何の反省もなく、みずからの責任自治体に転嫁しようとする姿勢は、無責任以外の何物でもありません。  しかも、この通達の中において、地方公営企業の料金、公立高校の授業料などの各種手数料の引き上げを勧告していますが、これは、公約の後退を続けている三木内閣にあって、最後の頼みの綱ともいうべき物価政策をも完全にないがしろにしようとするものであり、国民意思を欺くものであります。  自治大臣は、住民の生活と権利を守るために体を張って闘ってこそ、その資格があるのであります。国民を苦しめ、自治を形骸化しようとする福田一君の姿勢は、自治大臣として失格と言わざるを得ません。  以上、一連の理由から、福田一君は自治大臣として資格を喪失したものであり、わが党は断じてその職責にあることを容認できないとの立場から、福田自治大臣不信任決議案に対して賛成するものであります。(拍手)
  12. 秋田大助

    副議長秋田大助君) これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  13. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 採決いたします。(退場する者あり)  本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  14. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 起立少数。よって、自治大臣福田一不信任決議案は否決されました。(拍手)      ――――◇―――――
  15. 羽田孜

    羽田孜君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。  すなわち、広沢直樹君外三名提出、大蔵大臣大平正芳不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  16. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 羽田孜君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 御異議なしと認めます。     ―――――――――――――  大蔵大臣大平正芳不信任決議案(広沢直樹君外三名提出)
  18. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 大蔵大臣大平正芳不信任決議案を議題といたします。  提出者の趣旨弁明を許します。広沢直樹君。     ――――――――――――― 大蔵大臣大平正芳不信任決議案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔広沢直樹君登壇〕
  19. 広沢直樹

    ○広沢直樹君 私は、公明党及び日本共産党革新共同を代表して、ただいま議題となりました大蔵大臣大平正芳君の不信任決議案について、その趣旨を御説明申し上げます。(拍手)  まず、決議案を朗読いたします。  大蔵大臣大平正芳不信任決議案本院は、大蔵大臣大平正芳君を信任せず。右決議する。     〔拍手〕  当面するわが国の経済危機は、政府・自民党の長年にわたる産業経済至上主義による高度経済成長政策の失政によるものであり、いまこそ、経済的、社会的ひずみを是正して、国民生活の安定のために、これまでの経済政策の抜本的転換を図らなければならないことは、いまさら論をまつまでもないことであります。大平大蔵大臣も、去る財政金融政策についての所信表明演説の中で、わが国の経済社会は、今日、物価の騰貴、資源の制約、環境の汚染等、数々の問題に直面している一方、国民精神生活において、世代の断絶、老後の不安など、不満と焦燥の念が高まっているとの認識に立って、政策基本から改めて見直すことから出発しなければならないと述べておられるのであります。しかるに、大平大蔵大臣は、高邁な理想だけは掲げながら、その実行は全くこれに逆行しているのであります。したがって、あえてここに不信任決議案を提出するものであります。(拍手)  不信任の第一の理由は、不況と物価高が併存する中で、国民生活は、政府統計にも明らかなように、拡大した社会的不公正が是正されないばかりか、低所得層ほど、将来の生活不安に備えて、消費を切り詰め、貯蓄をするという自衛手段に訴えざるを得ない現状にあります。また、中小零細企業においても、健全な経営を行う中小企業に対し、不当なしわ寄せが生ずることのないよう、きめ細かい対策を講ずるとは言いながら、不況対策金融政策等は大企業中心に進められ、その実態は、相変わらず月平均一千件前後の倒産が続き、加えて、政府失業統計でも明らかなように、約百三十万人と言われる完全失業者を出すなど、経済的、社会的不安の増大する中で、これに対応する具体的、かつ実効ある対策を積極的に講じようとしないのは、まさに国民に対する背信的行為と言わなければなりません。(拍手)  不信任第二の理由は、こうして国民生活がますます苦況にあえぐ中で、酒、たばこの値上げをしようとしていることであります。  これは、三木内閣の公約である社会的不公正の是正並びに大平大蔵大臣の当初の財政演説の趣旨を、みずから放棄するものと言わなければなりません。インフレによる所得や資産等の格差の拡大による社会的不公正の是正に当たっては、まず第一に、現行の不公平税制を抜本的に改革すべきであるにかかわらず、これを一部手直し程度にして、逆に、みずからの失政によって招いた財政危機訴え、歳入欠陥の責任を大衆課税の強化に転嫁し、大衆負担の強化という、国民に犠牲を強いることによって対処しようとしているのであります。  また、酒、たばこの値上げは、他の物価に及ぼす影響はきわめて大きく、ただでさえ上昇機運にある諸物価にはずみをつけ、政府主導型の物価高を再現することは必至であります。これは、大蔵大臣があれほど公約された物価抑制に対して、明らかに相反するものであると同時に、政府の言う物価抑制とは、国民大衆を犠牲にするものであることを証明する以外の何物でもありません。このように、国民大衆の犠牲を強いることを断じて容認することはできないのであります。  次に、これまでの大きな社会的ひずみをもたらした高度経済成長型の税財政金融政策を変えようとしていないことであります。  すなわち、これまで高度経済成長政策のてことなってきた大企業優遇の租税特別措置、これをそのままにして、中小企業よりも軽い大企業法人税の不公正を是正しようとせず、また、土地投機等による資産の増価など、インフレによる不当な資産格差の拡大を放任するなど、不公平税制を温存し、社会的不公正の拡大を放置していることは、断じて許すべきではありません。(拍手)  さらに、低成長経済への移行の中で、大平大蔵大臣は、高福祉、高負担、また直間比率の手直し、さらに、税金で負担するか、公共料金の引き上げかといった、税金を最も取りやすいところから取るという姿勢で、大衆に負担を転嫁しようとしているのであります。こうした考えは、これは現在の不公平税制に、さらに大衆重課という、二重の不公正をつくり上げる結果となるのであり、国民の期待を裏切る税制といわなければなりません。  次に、金融政策についても、大企業経済的強者に甘く、経済的弱者である中小零細企業倒産に追い込んできたことは、政府発表の経済指標が余すところなく雄弁に物語っております。総需要抑制や金融引き締め政策を通じて、わが国の経済体制をますます大企業本位の独占体制をつくり上げることに努力してきたことは明らかで、これでは、社会的公正を確立できる金融政策に転換などできるはずがありません。  企業倒産が非常に激しいにもかかわらず、金融緩和のタイミングを誤り、公定歩合の引き下げ時期が遅きに失し、しかも、公定歩合の引き下げ幅を小出しにし過ぎた結果、五十年度の日本経済を完全に失速させ、四十九年度に引き続き、とても政府経済見通しが実現しないばかりか、経済の自律回復は当分望みなしという状態に陥れた大平大蔵大臣金融政策の失敗は、厳しく追及されなければなりません。(拍手)  次に、三木内閣の看板は、社会的不公正の是正であったはずであります。狂乱物価とインフレで、国民大衆の預貯金が大きく目減りしたことは、大平大蔵大臣もこれを認め、特に四十九年度国民生活白書は、この点を大きく取り上げておりました。そして、目減りを補償すると、しばしば国会の質疑を通じて政府国民に約束してきたところであります。しかるに、今回、実施された貯金目減り措置は、福祉年金の受給者に限り、しかも限度五十万円、金利は年一割という、非常に矮小化した形でお茶を濁したにすぎません。国民生活白書が指摘した、一世帯二十一万九千円、世帯数は三千二百万の預貯金目減り対策は、一体どこに消えてしまったのでしょうか。  大平大蔵大臣がやられた目減り措置は、金融機関による福祉対策であって、決して、国がインフレによって生じた預貯金の目減りの施策を行ったのではありません。国民が期待したこの預貯金目減りを全く放置して、あえて省みない大平大蔵大臣は、国民の損失で大企業債務者利益の擁護に回ったと言ってよく、われわれは国民とともに、こうした事実を糾弾せざるを得ないのであります。(拍手)  最後に、四十九年度、約八千億にも及ぶ膨大な歳入欠陥に伴う責任であります。  これは、政府が四十九年度の税収見積もりについて、四十八年の年度内自然増収二兆数千億円という異常な事態を基本とした結果であり、また、四十九年度の税収は、四月の年度初めから、対前年同月比の伸び率が非常に落ち込む傾向にあったし、このことは、税務当局がだれよりも一番よく知っていたはずであります。いかに税収見積もりがずさんであったかを示すものであります。また、この税収不足の補てんを、五十年度の歳入になる税収の繰り上げや不用額、国庫納付金等で埋めることにしておりますが、このように、本年度の歳入になるべき分を繰り上げて計上するというやり方は、余りにも安易過ぎると言わなければなりません。  国会は、五十年度予算の歳入は、そうした操作をすることはないということで了承しておりますが、実質的な予算修正を、大蔵省省令の変更というようなやり方は、憲法八十三条違反のやり方であり、許されるべきことではございません。少なくとも国会の事前承認を受けることが、財政民主主義及び国会行政府財政処理のたてまえからいって当然であります。さきの稻葉法務大臣の欠陥憲法発言といい、大平大蔵大臣の措置といい、憲法九十九条違反のやり方であり、こうした大蔵大臣を信任するわけにはいかないのであります。(拍手)  さらに、昭和五十年度予算編成における主務大臣としての責任であります。  予算編成時において、経済の指標ともいうべき実質経済成長率、消費者物価指数等の見通しを、従来の高度経済成長下と同様に行った結果、今日のような状態では、四十九年度に引き続き、五十年度はいまだかつて見ない大幅な歳入欠陥、慢性的不況、政府主導型の物価上昇機運が予想されているのであります。この点については、わが党を初め野党各党の要求の結果、緊急に予算委員会を開催し、その対策国民に明らかにするように要求したにもかかわらず、あくまで予算編成時における見通しに固執し、主務大臣として的確な見通しを持たないばかりか、国民に対して明確な見通しを示そうと努力さえせず、国民生活を不安と焦燥の中に置くことは、三木内閣はもとより、財政金融を所管する主務大臣としての責任はきわめて重大であると同時に、その責任を免れるわけにはいかないのであります。(拍手)  以上、大要申しました理由により、ここに不信任案を提出した次第であります。  何とぞ、各位の全面的御賛同をお願い申し上げ、私の説明を終わらせていただきます。(拍手)     ―――――――――――――
  20. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 討論の通告があります。順次これを許します。山下元利君。     〔山下元利君登壇〕
  21. 山下元利

    山下元利君 私は、自由民主党代表して、ただいま議題となりました大蔵大臣大平正芳不信任決議案に対し、反対の討論をいたすものであります。(拍手)  御承知のとおり、大平大蔵大臣は、わが国の財政金融政策責任者であり、内外の多事多難な情勢に対処しつつ、物価の安定、景気の回復、財政硬直化の打開に全力を挙げて取り組んでいるところであります。同大臣の高邁なる理念とヒューマニズム、これらに基づく確固たる信念と不屈の努力は、われわれ与党のみならず、広く国民の支持を得ているところであると信じております。(拍手)  昨今、狂乱状態と言われた物価はようやく鎮静し、国際収支は改善され、景気も次第に回復に向かおうとしているのは、まさに、同大臣の卓越した手腕によるところが大であると言わなければなりません。このときに当たり、たとえ政治的立場を異にするとはいえ、同大臣の不信任を唱える者があることは、まことにわれわれの理解に苦しむところであります。(拍手)  以下、不信任決議案に掲げられた理由が、いずれも、いかに当を得ていないものであるか、それを明らかにいたしたいと思います。  不信任決議案は、不信任の理由の第一として、経済政策の問題を取り上げております。しかし、わが国経済は、石油ショックによる困難を克服し、いまや着実に回復に向かっているのであります。  すなわち、消費者物価につきましては、本年三月の対前年同月比を一五%以内にとどめるという目標はみごとに達成され、さらにこの六月には、前月比マイナス〇・一%と、二十カ月ぶりのマイナスを示すに至ったのであります。卸売物価は、本年に入り連続して前月比マイナスとなるなど、鎮静化の傾向が目立っており、このほか、国際収支も大幅な改善を示しております。  この間にあって、政府は、政策の遂行に伴うひずみや摩擦に対処するため、きめ細かい配慮を行ってきたところであり、本年に入っては、数次にわたる景気対策を講じ、景気を着実な回復軌道に乗せるため、当面講ずべき対策を決定したところであります。最近の経済動向を見ると、これまでの諸施策の効果もあって、景気は底入れし、回復への過程にあるものと考えられます。  以上のような経済運営は、国際的に見ても、他の先進諸国に先んじており、このような好結果を導いたわが国の財政金融政策については、諸外国においても高い評価を受けているところであります。(拍手)  不信任決議案は、不信任の理由の第二として、大企業優遇の租税特別措置等、不公正な税制度の温存を挙げております。しかし、これは次のような税制の表面的な理解に基づくものであり、誤った立論と言わなければならないのであります。  まず、大企業優遇の租税特別措置により、中小企業より大企業法人課税が軽くなっていることが指摘されておりますが、租税特別措置は、大企業のみならず、中小企業についても、一定の政策目的を実現するために、租税の持つ誘引的機能または抑止的機能を活用しようとするものであります。大企業向けの、しかも、租税軽減措置のみを取り上げてその廃止を迫るのは、余りにも一面的な主張と言わねばなりません。  次に、インフレによる不当な資産格差の拡大を放任しているとの主張でありますが、物価の抑制は、政府としても最も力を注いできているところであり、しかも、地価上昇に伴うキャピタルゲインについては、今年度の税制改正において、課税を格段に強化したことを忘れてはならないのであります。  最後に、不信任決議案は、不信任の理由の第三として、財政金融政策の問題を取り上げております。  財政金融政策は、諸般の施策がバランスのとれた、調和のある整合性の上に立って運営されるべきものであると考えます。そして、当面の財政金融政策は、物価の安定を定着させつつ、景気を着実に回復軌道に乗せることをもってその基本としており、これは、まさに、国民の要望にこたえた適切な施策と言わなければなりません。  同時に、財政の健全な運営を確保することは、国の経済運営にとって基本的に重要であります。今日、財政に対する各般の需要はきわめて大きなものがあり、財政がこれにこたえて、福祉を充実し、国民生活を向上させんとするからには、またそれに必要な財源の確保を図るべきことは当然の理であります。財源の確保なくして福祉なしと言わなければなりません。  今回、政府から提案されている酒、たばこの税率あるいは小売定価の改定は、今日の経済情勢の変動の中で、実に四十三年以来据え置かれてきたものであって、嗜好品である酒、たばこについての真にやむを得ない必要最小限度の調整措置であります。これらの改定による消費者物価への影響は、酒税について〇・一%、たばこについて〇・六%と計算され、これらは、いずれも政府見通しの五十年度中消費者物価上昇率に織り込み済みのものであり、物価への新たな不安要因とはならないのであります。また、清酒二級などについては税率を据え置き、等級の低いたばこの値上げ幅を小さくするなど、所得の少ない人々にもできる限り配慮したものとなっているのであります。  以上申し上げましたとおり、この大蔵大臣不信任決議案は、いかなる面から見ても、全くいわれのないものであり、かかる議案に反対することは、まことに当然であります。  以上をもって、自由民主党代表して、反対討論を終わります。(拍手)
  22. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 増本一彦君。     〔増本一彦君登壇〕
  23. 増本一彦

    ○増本一彦君 私は、日本共産党革新共同を代表して、日本共産党革新共同及び公明党の提案に係る大蔵大臣大平正芳君に対する不信任決議案に賛成の討論をするものであります。(拍手)  私たちが、大平大蔵大臣を信任できない理由の第一は、大蔵大臣が物価の安定と、国民生活擁護という今日の政治の第一義的課題を全くないがしろにして、酒、たばこ、郵便料金、消費者米価などの大幅な値上げの指揮棒を振っているばかりか、ビールを初めとする大企業製品の軒並みの値上げを弁護し、慫慂していることであります。(拍手)  一級酒の一五%、ビール、特級酒、ウイスキーの二二・三%の酒税の大幅引き上げによって一千百億円、また、平均四八%のたばこの値上げによって二千五百億円と、今年度だけでも合計三千六百億円にも上る巨額の税収を、勤労者国民から収奪することに何らの反省もない態度は、反国民的であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  近く諮問される米価についても、財政硬直化を理由に、生産者米価を低く抑え、消費者米価を大幅に引き上げることをもくろんで、生産者米価と消費者米価の同時諮問、同時決定を公然と主張して、生産者と消費者を対立させて、食管制度を崩壊に導こうとさえしているのであります。  さらに、大平大蔵大臣は、大企業の製品価格が原価を割るようなことがあってはいけないなどと口実を構えて、すでに七〇%以上の大企業が、軒並み製品価格の大幅値上げを強行しようとしつつあるとき、経済対策閣僚会議の主要メンバーでありながら、大企業の大幅値上げを肯定し、慫慂しているではありませんか。  特に大蔵大臣は、ことしの四月十六日の大蔵委員会で、わが党議員質問に対して、ビールの値上げに反対するのは一つの暴力だとまで発言したのであります。このような大蔵大臣の言動は、かつて、貧乏人は麦を食えと言った大蔵大臣の先輩と全く変わらないものであって、国民は、とうていこれをを許すことができないのであります。(拍手)  大平大蔵大臣を不信任とする第二の理由は、今日のインフレと深刻な不況のもとで、従来の大企業優先の財政金融制度の仕組みを温存しているばかりか、さらにこれを拡大して、その犠牲をすべて勤労者と中小企業に押しつけていることであります。  今日の深刻なインフレと不況から国民生活を防衛することは、政治の最も優先すべき課題であります。そのためには、財政金融政策においても、大企業の横暴を抑えて、国民消費支出をふやし、中小企業に仕事と資金を保障することであります。ところが、大平大蔵大臣のやったことは、勤労者の所得税減税を抑え、さきに述べた酒、たばこの大幅な値上げと勤労者の賃金抑制、地方財政中小企業に対する圧迫であります。  しかも、大企業や大資産家に対する優遇税制は、わが党などのたび重なる追及にもかかわらず、これを存続するばかりか、新たに省エネルギー設備に対する特別償却などを創設し、探鉱準備金や新鉱床探鉱費の特別控除制度をさらに拡大しているのであります。  三次にわたる不況対策においても、そのやり方は、大企業優遇、中小企業冷遇という、露骨きわまるものではありませんか。(拍手)  財界の要求による二回の公定歩合の引き下げは、大企業中心の短期貸し出しの金利を下げただけで、政府関係中小企業金融機関の普通貸付や一般貸付の金利は、依然として年九・四%にとどめられ、住宅ローンの金利にも何ら手をつけないのであります。さらに、大企業の利用する日本開発銀行には、新たに五百億円の資金を投入しながら、国民金融公庫などの中小企業向け金融機関には、貸し出しの繰り上げ実施にとどまっているのであります。  公共事業契約の繰り上げも、大企業中心、であって、中小企業の官公需の受注の確保の配慮は、全くないと言わなくてはなりません。  その結果、中小零細企業倒産は増大し、勤労者に対する首切り、一時帰休などによる雇用不安は、ますます深刻な社会問題になっているではありませんか。  財政金融責任者としての大平大蔵大臣責任は、まことに重大なものと言わなくてはなりません。  不信任案に賛成する第三の理由は、昭和四十九年度七千六百八十六億円の税収不足を生み出し、今年度は九千億円もの税収不足見込み額をつくり出した、いわゆる歳入欠陥の重大な政治責任の点であります。  この歳入欠陥の原因は、単なる政府大蔵省当局の経済見通しの狂いから来たものではありません。それは前に述べたとおり、大企業の優遇税制を存続させ、土地、株などの資産のインフレ利得を吸収せず、法人税負担も大企業には軽く、中小企業には重い逆累進を是正する措置もとらずにきた、大企業優先の自民党政治の積年の弊害にこそ、その原因があると言うべきであります。  しかも、勤労者の賃金やボーナスを抑えつけ、中小企業の経営を破綻させてきた三木内閣国民生活じゅうりん政策そのものから生まれたものであります。ところが、大蔵大臣は、みずからこれまでの施策を厳しく反省するどころか、かえって一層大企業を擁護し、国民に対し犠牲を押しつけているのであります。  その主張する歳入欠陥対策は、財界の三兆円にも上る赤字公債の発行を肯認し、消費者米価、国鉄運賃など、公共料金の大幅引き上げと、生活関連物資を中心とする間接税の増税など、そのすべてが国民に対する犠牲と負担の転嫁ではありませんか。わが党は、このような国民無視の政治を絶対に認めることができないのであります。  さらに、われわれが厳しく指摘しなくてはならない点は、大平大蔵大臣が田中金脈問題において国政調査権を踏みにじり、その疑惑の解明と田中前総理に対する責任追及を妨害して、金権、金脈政治をあくまで弁護してきた点であります。(拍手)  大蔵大臣は、田中氏も一般納税者と変わらないなどと言って、一国の総理大臣に対する重大な脱税や資産隠匿の疑惑を、市井の庶民のささいな問題のごとく強弁をし、わが国政治史上類を見ない政治疑惑事件を、国民の目から隠そうとしてきたではありませんか。しかも、国会における追及に対しては、みずから進んで国民疑惑を晴らし、自民党の根深い金権政治の体質を改めようとする何らの誠意も努力もなく、守秘義務を盾にとって、田中金脈に関する一切の資料の提出を拒否してきたのであります。  田中前総理と、その幽霊企業に対する国税庁の調査においても、本人からの事情聴取さえも全く行われず、幽霊企業による資産取得を合法化し、その所得申告も、計算上のミスなどと称して、公正な税務行政を確保すべき職責すら放棄をしてきたのであります。これは、明らかに田中金脈の弁護ではありませんか。  このような大平大蔵大臣の金権政治擁護、国民生活圧迫の姿勢は、断じて認めるわけにはまいりません。(拍手)  以上述べたとおり、私は、大平大蔵大臣の施策が、物価の安定、勤労者や中小企業家や農民を初めとする国民各層の生活と経営の擁護、金権、金脈政治の問題など、どれをとっても、国民の切実な要求と全く相反したものであることを厳重に指摘し、大蔵大臣大平正芳君に対する不信任決議案に対し、全面的に賛成をするものであります。  同僚諸君の御賛同を期待して、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  24. 秋田大助

    副議長秋田大助君) これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  25. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 採決いたします。(退場する者あり)  本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  26. 秋田大助

    副議長秋田大助君) 起立少数。よって、大蔵大臣大平正芳不信任決議案は否決されました。(拍手)      ――――◇―――――
  27. 秋田大助

    副議長秋田大助君) この際、暫時休憩いたします。     午後二時五十五分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕      ――――◇―――――