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1972-04-25 第68回国会 衆議院 運輸委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和四十七年四月二十五日(火曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 細田 吉藏君    理事 箕輪  登君 理事 内藤 良平君    理事 田中 昭二君 理事 河村  勝君       石井  一君    江藤 隆美君      小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君       佐藤 守良君    塩川正十郎君       關谷 勝利君    羽田  孜君       福井  勇君    古屋  亨君       山村新治郎君    井岡 大治君       勝澤 芳雄君    金丸 徳重君       久保 三郎君    斉藤 正男君       松本 忠助君    宮井 泰良君       内海  清君    田代 文久君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君  出席政府委員         運輸政務次官  佐藤 孝行君         運輸大臣官房長 高林 康一君         運輸大臣官房審         議官      見坊 力男君         運輸省海運局長 鈴木 珊吉君         運輸省鉄道監督         局長      山口 真弘君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 秋富 公正君         運輸省自動車局         長       野村 一彦君         運輸省航空局長 内村 信行君  委員外の出席者         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         日本国有鉄道常         務理事     長浜 正雄君         日本国有鉄道常         務理事     小林 正知君         日本国有鉄道常         務理事     原岡 幸吉君         日本国有鉄道常         務理事     原田 種達君         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正巳君     ――――――――――――― 委員の移動 四月二十日  辞任         補欠選任   井岡 大治君     華山 親義君   井野 正揮君     勝澤 芳雄君 同日  辞任         補欠選任   華山 親義君     井岡 大治君     ――――――――――――― 四月二十日  関西新国際空港の建設反対に関する請願(土井  たか子君紹介)(第二七八八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月十九日  国鉄の合理化案に関する陳情書外一件(青森市  長島一の二の二青森県農業議会長川村喜一外  一名)(第二〇〇号)  国鉄運賃の値上げ反対に関する陳情書(清瀬市  議会議長増田直夫)(第二〇二号)  潮岬測候所の業務縮小反対等に関する陳情書  (和歌山県議会議長妙中正一)(第二〇三号)  調布基地返還跡地に飛行場設置反対に関する陳  情書(調布市長本多嘉一郎外二名)(第二〇四  号)  船舶の原油流出事故対策等に関する陳情書外二  件(関東一都九県議会議長会常任幹事東京都議  会議長春日井秀雄外二十四名)(第二一二号)  国鉄阿佐東線の早期完成に関する陳情書(徳島  市幸町三の一徳島県町村議会議長会長橋口弟  三)(第二二九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進  特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出  第四二号)  派遣委員からの報告聴取      ――――◇―――――
  2. 小峯柳多

    ○小峯委員長 これより会議を開きます。  去る二十三日、二十四日の両日、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、第一班を福岡県に、第二班を北海道に派遣いたしました。  この際、派遣委員からの報告を求めます。宇田國榮君。
  3. 宇田國榮

    ○宇田委員 第一班、福岡班の派遣委員を代表して、委員派遣の報告を申し上げます。  本委員派遣は、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の審査に資するため、福岡に委員を派遣して、現地において、それぞれ各界の意見を徴しました。  派遣委員としては、団長であります私のほか、江藤隆美君、加藤六月君、細田吉藏君、久保三郎君、内海清君、現地参加として田中昭二君、田代文久君で参加されました。  福岡班は、四月二十三日日曜日、空路にて福岡空港に到着後、直ちに勝田線を視察し、途中無人駅の下宇美駅及び終着駅の筑前勝田駅にて現況を、続いて吉塚駅ホームにて新幹線建設状況、勝田線と篠栗線の高架化工事、博多港箱崎地区の埋め立て地にて国鉄の貨物輸送の近代化計画を聴取、天神地区の西日本鉄道の連続立体高架化工事、博多駅の新幹線工事の視察を行ない、翌二十四日月曜日、午前十時から午後三時まで福岡合同庁舎において、株式会社後藤組会長後藤肇君、飯塚地区住民の足を守る会会長野元勇吉君、西南学院大学名誉教授八田薫君、公認会計士松岡正一君、九州山口経済連合会企画部長前田研一君、福岡地方同盟書記長黒田澄人君、以上六名の方から参考意見を聴取いたしました。  まず、後藤君から、国鉄の実情は借り入れ金の増加による経営悪化、赤字を生ずる新線建設の負担増、経常合理化に伴なう労使間の紛争等が大きな問題である。貸物運賃の値上げは物価への影響もあるが、諸外国の実態を見ても高くなく今回の運賃改定はやむを得ない。借り入れ金の政府肩がわり、国鉄全職員の心の通う経営への協力、市町村納付金の撤廃など述べられました。  次に、野元君から、三月十五日のダイヤ改正による地域住民への不便、地方閑散線の廃止計画、無人化及び貨物駅集約等による過疎地域住民への影響、これらに対する大衆公共輸送機関としての国鉄のあり方、今回の運賃値上げ、さらに今後三回の値上げ計画が与えるすべての交通機関への影響と諸物価の高騰となり国民の一人として賛成しない。抜本的な再建計画、国鉄経営の民主化、旅客運賃値上げ分の国庫負担、政府の思い切った財政援助が必要であると述べられました。  次に、八田君から、利用する国民の立場から国鉄の努力が必要、国が適当な財政援助、近代化や合理化の促進、赤字の解消には収入の増加と経費の節約以外に方法はない。新財政再建計画にどのような具体的な経費節約の努力がなされるか、人件費の増加、十二万人の縮減計画、急激な利子負担増、地方閑散線の撤去計画に対する措置、新再建計画の完全遂行を期待し改定案に賛成の意見を述べられました。  次に、松岡君から、国鉄経営を分析すると高賃金と低能率がもたらす赤字、地方交通線の赤字、モータリゼーション発達による輸送分野の変遷、借り入れ金の利子増大等であり、運賃値上げの反対理由は、物価と他の交通料金への影響、私鉄運賃との格差の拡大、国民への還元が何もない。赤字解消の基本方策については、国鉄の企業努力、不用地及び未利用地の処分による赤字補てん、国の助成の拡大等について述べられました。  次に、前田君から、国鉄赤字の実態は毎年度の監査報告書等でりっぱな意見は出尽くした。注目の新財政再建計画も従来にない積極性が認められ、国の大幅な援助、合理化近代化計画、人員削減等目的達成のために全力をあげるべきであり、放浪経営への国民の不信感、赤字線廃止に対する政治の介入、政治の姿勢、国鉄の姿勢を改めることから再建への道が始まると述べられました。  次に、黒田君から、一般的に公共料金はただ単に押えるのみでは今日の経済社会において必ずしも当を得たものでない。場合によれば三方一両損的な解決も必要、重症的な国鉄の実情は本年度の助成ではいまだ不足、思い切った国の助成策が必要であり、今回の改正案は受益者負担を安易に考えているので反対する。新規工事の金利負担の軽減、政治路線の廃止、値上げによる他の輸送部門及び物価に対する影響、最後に国鉄の労使関係の正常化について述べられました。  以上の意見が述べられた後、各委員から公共負担の是正、地方閑散線の廃止問題、国の財政援助の必要の程度、借り入れ金の国の肩がわり、貨物輸送の確立、市町村納付金の問題、運賃と料金の意義、人件費の問題等の質疑がきわめて熱心に行なわれたのでありますが、その詳細につきましては、会議の内容を速記により記録をとりましたので、それによって御承知願いたいと存じます。  簡単ではございますが、以上をもって第一班の報告を終わります。  なお、会議の記録ができましたならば、本委員会議録に参照として掲載されるようお取り計らい願います。(拍手)
  4. 小峯柳多

    ○小峯委員長 徳安實藏君。
  5. 徳安實藏

    ○徳安委員 第二班の北海道班について御報告申し上げます。  派遣委員は、私のほか、小此木彦三郎君、唐沢俊二郎君、羽田孜君、金丸徳重君、宮井泰良君、河村勝君、現地参加として、箕輪登君が参加されました。  北海道班は、四月二十三日日曜日、空路にて、午前十一時五十分千歳に到着、まず、札幌陸運局長より、北海道の陸上輸送状況について説明を聴取した後、新線建設中のC線、追分線を視察、鉄建公団札幌支社長より道央、道東を結ぶ追分線、紅葉山線、狩勝線の新線建設の意義、建設進捗状況、完成後の営業係数等について説明を聴取いたしました。  次いで、札幌陸運局長より千歳線、苗穂-沼端間の線路増設計画及び大谷地流通業務団地の説明を聴取し、また国鉄北海道総局副総局長から、トラックターミナルに隣接する新札幌貨物駅の複合ターミナルとしての使命につき説明を聴取した後、同駅において、駅長及び国鉄北海道総局貨物課長より駅員の配置、一日のコンテナの取り扱い量、貨物営業のための誘致努力、将来の計画等について説明を聴取いたしました。  次いで、札幌市交通局長から、市営地下鉄についての説明聴取後、地下鉄大通り駅において無人駅としてのATC方式による運転司令室、自動出改札装置寺についての視察を行ないました。翌日十四日月曜日、午前十時より午後三時まで、北海道議会会議室において、札幌商工会議所副会頭佐藤健二君、北海道教育大学助教授三好宏一君、鹿ノ湯ホテル社長金川幸三君、札幌短期大学学長村岡重夫君、日本甜菜製糖株式会社札幌支社長小野宗一君、岩見沢市市会議員葛西正治君、以上の六名の方から、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部の改正案について参考意見を聴取いたしました。  まず、佐藤君から、運賃値上げは賛成である。今回の運賃改定は物価への影響も〇・四%と少ないのでやむを得ない、むしろ便乗値上げが問題である。国鉄再建には、生産性向上の努力、関連事業の強化、積極的な人員整理、国鉄経営に民間人の起用、道総局に運営審議会または運営委員会の設置、労使の休職、自治体への納付金の即時中止が要望される等の意見が述べられました。  次に、三好君から、連貨殖上げに関し、北海道の消費者指数は、大阪、東京に続き全国第三位である。これには、運賃が大きく関係している。また、石炭、木材等の輸送に関しても運賃の値上げは、大きく影響するので、今回の値上げには反対である。国鉄の再建問題は、石炭産業の合理化の経験から見るとよく似ている。今回の再建計画は旅客中心、新幹線中心となっているが、総合交通政策の見地から、貸物中心に考えるべきである。十一万人の人員整理の根拠について理解に苦しむが、経営上からの切り捨てであってはならない。慎重にすべきである。また、赤字線の廃止は北海道の第三期総合開発計画に大きな問題であるから、取りやめるべきである。すべて国民の納得のいくようにやるべきである旨の意見が述べられました。  次に、金川君から、運賃値上げに条件づきで賛成する。その理由は、今回の値上げは、国鉄の財政再建に必要であり、国鉄の公共的使命達成には国の財政援助を必要とするが一部を利用者が負担するのはやむを得ないからである。値上げ賛成の条件としては、新枠線綱の早期実現とその利益の沿線波及、特に、青函トンネルの早期開通と新幹線の札幌乗り入れ、復線化、電化の促進、本州と比べて見劣りする道内客車の近代化、切符販売などのサービスの改善、事故防止と労使紛争の解消、徹底した合理化推進が必要である旨の意見が述べられたのであります。  次に、村岡君から、北海道の経済は、道外に対しては原材料の補給基地であり、完成品の販売市場で、内地資本に依存する植民地的経済の域を脱していないので、貨物の割引制度の復活、青函連絡船の擬制キロの是正、道内僻地路線の撤去反対、新線建設の矛盾等について意見が述べられました。  次に、小野君から、運賃値上げについては、好ましくないが、他の公共料金との関係、並びに、人件費、設備投資との関係からのサービスの低下を考えるとき、政府の財政援助、国鉄の合理化とともに利用者のある程度の負担はやむを得ないと考える。値上げに伴う要望としては、コンテナ高速列車、冷蔵庫等の増強による輸送体制の改善と輸送力の増強並びにサービス・フロントの設置等荷主へのサービスの向上をはかるとともに、順法闘争による荷主への迷惑、国鉄への信頼を失わせることはやめてほしい等サービスの向上、経営の合理化、近代化を条件として賛成する旨の意見が述べられました。  次に、葛西君から、運賃値上げの前に当然なすべきことをしないで、安易な値上げは反対である。総合交通体系の中の国鉄の位置づけを明確にし、新線計画、政府の財政援助措置を再検討するとともに、労使の企業努力、国鉄内部の体制確立をはかることが、まず必要であり、これなくしては、国鉄の再建はあり得ない旨の意見が述べられました。  以上の意見が述べられた後、各委員から、運賃値上げの北海道経済に及ぼす影響、北海道における国鉄の労使の実情、新幹線網の建設、人員の整理、国鉄の赤字処理対策、モータリゼーションと貨物輸送、季節的混雑緩和対策等について、きわめて、真剣かつ熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細につきましては、会議の内容を速記により記録をとりましたので、それによって、御承知願いたいと存じます。  以上をもって第二班の報告を終わります。  なお、会議の記録ができましたならば、本委員会議録に参考として掲載されるようお取り計らいを願いたいと存じます。(拍手)     ―――――――――――――
  6. 小峯柳多

    ○小峯委員長 おはかりいたします。  第一班及び第二班の会議の記録が後ほどでき次第、その記録を本日の会議緑に参照掲載することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小峯柳多

    ○小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔派遣委員の会議の記録は本号(その二)に掲載〕      ――――◇―――――
  8. 小峯柳多

    ○小峯委員長 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄心財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
  9. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私は、ただいま議題となっております国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法に関しまして、二、三のお尋ねをいたしたいと存じます。  実は私は、この重大問題が提案されまして以来、乏しきを駆使しまして一生懸命勉強いたしてみたのでありますが、あまりにも事の重大さに一つは驚き、また、大いに憂慮いたしました。どうこれを解決してまいるかにつきまして、私自身もまた十分なる結論も得ておらないような始末であります。  この日本における、あるいは世界的に見ましても、最大の公共事業であり、過去百年間、その経営の円滑なるのゆえをもちまして、また、その熱心なる仕事ぶりをもって、他の企業の手本となっておられ、今回の運賃改定申請理由の中にもみずからうたっておられたのでありますが、国内交通の大動脈として国民生活の向上と国民経済の発展をささえてきたこの輝かしき歴史にかんがみますると、いま、にっちもさっちもいかなくなってとほうにくれるような状況におちいったということにつきまして、私もその利用者の一人とし、また国民の一人としてまことに感慨深いものがあります。そうしてだんだん思い詰めていきますると、結局はわが国におきまする総合交通体系がいまだ確立せず、確立しないままにおいて、国鉄に対抗するといってはいけませんけれども、同じような仕事で競争的立場に立っておるところの私鉄あるいは自動車関係あるいは船舶というようなものについての政策が、いかにも結果的には国鉄を圧迫するかの事態を招来したということに思い至らざるを得ません。そこで私は、やはりこの基本的なる交通体系が確立し、その完ぺきなる政策を基礎として、今後における国鉄の諸問題を解決していく以外にはなかろうかなどと思ったのであります。  ただいま御報告がありましたように、私も一昨日来、北海道札幌地区における現地事情の調査並びに参考人の意見の聴取に一緒になり、そうした中におきまして、なお一そう感じましたことは、現地における皆さんのいろいろの苦労を見るにつけましても、また六人の参考人が口をそろえて、できれば料金値上げなどということは避けてほしいのだというような基本的な考えを持って述べられており、そうして口をそろえて同じようにやはり総合交通体系の確立をこそ願うのだ、こういうような意見が強く私の心に響いたのであります。  そこで、私はあらためてお伺いいたすのであります。  いまのような現地調査、参考人の意見の報告を受けまして、運輸大臣はこれにつきましてどういうふうなお考えをお持ちになられましたか、まず承りたいと存じます。同時に、国鉄総裁からは、今日まで若き日より情熱を傾けて国鉄運営にこん身の力を払い来たった磯崎総裁といたしましては、この国鉄の状態に対し、また世間の要望なり世論なりに対していかなる感慨をお持ちになられましょうか。私はそれから承ってまいりたいと存じます。
  10. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいま国鉄の過去並びに現状につきまして、るる愛情のこもった御指摘をいただいた次第でございます。  御承知のとおり、国鉄が過去百年にわたりまして国民の陸上の大動脈といたしまして、あるいは国民経済の発展、あるいは国民生活の向上に対しまして、労使一体となりまして尽くしてきた使命にかんがみまして、現状の非常な窮乏、まことに何と申しますか過去の輝かしき業績に対しまして、それがあるだけに私はほんとうに心痛をしている次第でございます。  いろいろいま公聴会に諸先生方御出張いただきまして、親しく現地の皆さまの、利用者の皆さまの御意見を聞いていただきまして、感謝をしている次第でございます。皆さまのそれぞれの立場におきましての御意見、まことにごもっともの点もございまして、いろいろの理由につきまして肯定をする点が多々ある次第でございますが、何と申しましても、ほんとうに好ましい状態と申しますると、いわゆる人件費の増加あるいはその他の諸物価の物件費の高騰というものから来るいわゆる支出が、生産性の向上によりましてコストにはね返らないということが一番望ましいことでございます。あるいは機械化による、あるいは近代的設備によりまして、それらの上がるところの費用が、需要の増大と相まちましてコストにはね返らないということが一番に望ましいことでございまして、私といえども値上げということはできるだけ避けられることなら避けたい、こういう念願におきましては人後に落ちないつもりでございます。  しかしながら御承知のとおり、今日の実情にかんがみまして、この輝かしき業績がどうなったか、総合政策に欠陥があったんじゃないかという御指摘でございます。確かに交通政策の点におきまして、過去におきまして斉合性において欠ける点があったんじゃないかという点は、私も率直に反省すべき点が多々あると思う次第でございますが、また国鉄自体としましても需要の激変に応じまして、その需要の激変に対応するだけの国鉄自体のいろいろの近代化あるいはその諸施策の点におきまして、至らなかった点も多々あったろうと私は思う次第でございます。  たとえば、貨物輸送につきまして、その他の海上運送あるいはまた陸上トラック輸送というものに比較いたしまして、国鉄の特性を生かしたるところの大量長距離輸送等というような面におきまして、もっともっと早急にやるべき点があったのじゃないかというようなことも考える次第でございまして、先般の総合交通体系におきましても、各輸送機関の特性はもちろんこれを生かして、そしてその位置づけをする。しかしながら、やはり市場原理と申しますか、ある程度利用者選択による部分は残さなくてはいかぬ、こういうことでございますので、やはり国鉄自体としてもおのずから体質の改善、いろいろの輸送方法の近代化というようなものをはかっていかなくてはならぬわけであります。  これらのものを総合してまいりますので、今回はどういたしましても、国鉄がやはり国民の陸上の大動脈といたしまして国民の負託にこたえ、そうして国民の御期待に応ずるためには、まず第一番に国鉄自体の合理化、近代化、体質の改善というものは前提でございます。そしてそのもとといたしましては、あくまでも労使が一体となりまして、今日のこの大使命に邁進するということが一番基調でございますが、それとともにやはり国といたしましても国鉄に対してある程度の、いろいろ過去におきまして国鉄が健全経営を続けておりましたときの余波を受けまして、あるいは公共負担につきましても、あるいはまたいろいろの点につきましても、いままでにおきましては、企業採算性がとれていた時代はもう脱却いたしまして、今回は相当多くの国家助成もいたして、そうして再建をはかりたいということとともに、やはり利用者に適正なるところの負担をひとつぜひお願いをいたしまして、三者相まちましてこの際抜本的に国鉄の再建をはかりまして、そうして国鉄の本来の使命である良質なるところの輸送サービスを提供するという使命に邁進をしたいということを切実に考えておる次第でございます。まだまだいろいろ理想の到達には遠い次第でございますが、現実の問題といたしましてぎりぎりこの線よりないという点を考えまして、今日御提案をお願いをしている次第でございます。
  11. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいま金丸先生から、国鉄の過去の輝かしい歴史についていろいろお話がござりまして、また、先ほど現地においでになった諸先生方の第一班、第二班の御報告を拝聴いたしておりまして、私自身もしみじみ感じるところがございました。私は国鉄生活四十年、国鉄の盛衰とともにまいったわけでございますが、その最終の段階におきましてこの難局に当たりましたことは、私は人間としての本懐というふうに思っております。全知全能をあげてこの難局を打開いたしまして、何とか国鉄をあと百年、国民の公共機関として愛され、国民から利用される交通機関に立て直すのだ、これが私の使命であると深く感じた次第でございます。浅学非才を非常に恥じる次第でございますが、全力をあげてやらなければならないということを、しみじみ感じておった次第でございます。
  12. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 国鉄を再建しなければならない、これはだれしもが考えていることだと思います。しかし、そのねらうところの再建とはどういうことでありましょうか。かつての国鉄は、ここにもうたわれておりまするように、国内輸送の大宗として、根幹として、あらゆるその他の輸送機関の、言うなれば宗家としての責任を果たしておったのですね。今度の案を見てみますると、その重大使命を打ち忘れたかのごとくに、赤字線のゆえをもって、閑散線のゆえをもって、これをめくろうとしておるようであります。私は、めくるということばを、つい昨日、札幌でたびたび聞かされたのであります。いかにも深刻に響くことばでありまして、私の肺腑には残っておるのであります。この大事な国民の血税をもって、また大きなエネルギーを投じて敷いたところの国鉄の四分の一にも、もしさらに進むならば半分にも近いものをめくらなければならない、廃止しなければならないような状態の中で、そしてそれを是認しつつ、国鉄ははたして再建の方途を進め得ると考えておられるのでありましょうか。なるほど、そうすれば財政的には黒字となり、国鉄の経営はいいといわれるかもしれません。しかし、元来、国鉄の持つ使命というものは、財政問題以前の問題として、国内輸送の大宗であり、基幹であり、根幹であるというところにあろう、こう思います。これからの国鉄は、その歴史に残っておるところの重大使命からおりて、一中長距離の旅客輸送をやってみたり、都市近郊からの通勤輸送に血道を上げてみたり、それで満足なさるおつもりでありましょうか。それで国民は国鉄に信頼感を、なお持つでありましょうか。この点いかがでありましょう。  私は、総合交通体系につきまして、大臣のあらためてのお考えを伺いたかったのでありますが、先ほどのお答えからはそれが出てまいりません。国鉄の使命をどういうように認識をなさって、どういうように再建なさろうと、大臣はお考えになっておられましょうか、お伺いをいたしたい。
  13. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 国鉄の使命というものは、ただいま国民が期待をしておるところからも勘案をいたしまして、やはり日本の陸上交通の大動脈であるということに変わりないと私は思う次第でございます。その使命に向かって邁進しなければならないと思っておる次第でございます。  先ほどからお話かございましたし、私もたびたび委長会におきまして御答弁申し上げている次第でございますが、ただに、国鉄のいわゆる閑散線と申しますかあるいは地方線といったものを、赤字であるからというので使命終われり、私はそうは考えておらぬ次第でございます。要するに、鉄道としての特性を失った、ほかの代替輸送機関のほうが、国民経済から見ましてはるかに合理的である、しかもその地元の住民の方々に決して御不便をかけない、こういったようなものをあえて費用の高い国鉄に依存する必要はないのじゃないか、こういうふうに私ども考えている次第でございます。少々費用はかかりましても、そのときはまだ赤字でございましても、将来におきまして国鉄によりまして開発が非常に増進され、需要もふえてまいるということになりましたならば、これはやはり国鉄の使命は十分あると私は思っておる次第でございまして、その点は、私の申し上げているとおりでございますので、御認識を願いたい、こう思う次第でございます。
  14. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 国鉄総裁、ひとつ聞かしてください。
  15. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いまの先生の御質問は、事交通と申しますか、交通のみならず、国民生活全般の根本問題であると私考えます。  私どもといたしましても、百年をけみした鉄道というものは、そのある部分の使命をほかのものに譲り、そしてまた新しい使命に飛びついていくという一つの、急激なと申しますか体質の改善が必要であるということは十分認めなければならないと思います。したがいまして、鉄道という非常に大きな輸送力に適当しないものは、それを適当な交通機関に譲っていく。しかし、新しい交通分野を開拓していくということも鉄道の今後の使命であるというふうに考えます。したがいまして、百年前にわれわれの先輩がつくりました鉄道の使命とこれからの使命とは、抽象的には同じであると私は思いますが、具体的な事象としては違ってくる場合があるというふうに思います。  先ほどの第二班の御報告の中にも、石炭の例をお引きくださって、国鉄は石炭の轍を踏んではいかぬ、また踏みかかっておるというふうなお話もございましたが、私は石炭とは違うというふうに思っております。石炭は完全にと申しますか大部分を油に譲ってしまったわけでございますが、鉄道というものの使命は、まだまだ国民の交通機関としての使命を十分全うできるだけの資格を持っておると思います。それにはやはり古いものを捨て、新しいものを使っていくという態度がなければいけないというふうに思います。したがいまして、私は、あくまでも総合交通体系の中の鉄道というものの占める地位――航空機、船、鉄道、自動車という各種交通機関の中で、しかもその大宗として、またあらゆる天候に負けないで動くという意味のオールウエザー型の交通機関としてこれから伸びていくというところに非常に大きな使命があるというふうに感ずる次第でございます。
  16. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 その重大使命を持っており、また実績を積み上げてきたところの国鉄が、資料によりますと三十九年以来急に赤字になったということであります。そして、その急に赤字になったということだけをもって――としてはいけませんけれども、とにかく赤字になったということから非常に大きな問題を来たしておるのでありますが、急に赤字になったということがどうもしろうとにはよく理解できません。どういう原因で急に赤字になったんでありましょう。
  17. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 この点についてはたびたび申し上げましたが、実は非常にはっきりした数字がございますので、数字で御説明申し上げたいと思います。  昭和二十年代はまだ戦後の復旧で、いろいろそちらのほうに忙殺されておりましたが、昭和三十年代になりまして、おかげさまで鉄道も着々と前進してまいったわけでございまして、昭和三十年代からいまお説の三十九年までは、旅客におきまして年間平均大体七%、それから、貨物におきまして平均年率三%の非常に好調な輸送量の増加を示しておりました。もちろん、運賃収入のほうは、運賃値上げがございますのでこれは比較になりませんが、輸送量、すなわち旅客の人キロ、貨物のトンキロで申し上げますと、旅客は、一番いいときは対前年比約九%近い伸びを示しておりました。しかし、平均いたしますと、十年間で約七%くらいの伸びをずっとコンスタントに示しておりました。貨物におきましても、これは景気の関係で前年から減りましたこともございましたけれども、やはり最高は一割近い伸びを示しておったわけでございます。ところが、四十年代になりましてからこの伸びが急激に悪くなりまして、四十年になりましてから現在までの旅客の平均の伸び率は、残念ながら約二%でございます。貨物は一%ということでございまして、結局、輸送の伸びがとまった――とまったということではございませんが、この伸び率が以前より相当悪くなったということは、根本的に私は国鉄の財政問題の重大な点だと任じております。  すなわち、いままでは、三十九年ごろまでは、いわゆる三十年代までは航空機もあるいは自動車もあるいは船舶もそれほどの輸送量はなかった。先ほどのお話のとおり、三十八、九年ごろからそういったほかの交遊機関の基礎的な設備、すなわち港湾あるいは道路、飛行場等の基礎的な設備が非常によくなってまいりまして、そうして、そういった業者は単に輪転資材と申しますか、飛行機あるいは自動車、船、そういう動くものだけをつくれば輸送ができる。すなわち、基礎施設は国でつくる。その国の公共投資が三十六、七年ごろから海湾、道路、飛行場等に非常に活発に投資されました。それに対して、関係の業界は単に輪転資材を準備するというだけでもって急激に輸送量がふえてまいったわけでございます。その結果、私のほうの輸送量は、国全体の輸送の中におけるシェアを見ますと、三十年代の後期では旅客においては大体五〇%、貨物におきましても四〇%くらいのシェアを持っておりましたが、現在は旅客はすでに二〇%台に落ち、貨物は一〇%台に落ちているわけでございます。こういう根本的なほかの競争機関の急速な整備ということが第一。それから貨物におきましては、特に石炭の非常な減産、減収が響いてまいりました。実は、鉄道の貨物は四分の一が過去におきましては石炭でございました。最高五千万トン近い輸送をしたことがございましたが、現在は二千万トンを切って、千七、八百万トンというふうに落ちてまいりました。すなわち、石炭とともに生き石炭とともに発達してきた鉄道が、石炭の衰亡の相当大きな、深刻な影響を受けて、そして、貨物はもうほとんど四十年代の初めから二億トンという数字、ずっとほとんど横ばいに近い数字で今日まで来ております。そういう意味で、根本的には何と申しましても、鉄道か約九十年たって、そして陸の独占機関としての使命が完全に終わって、そして競争機関としての飛行機、船舶、自動車、これらについての国家の相当ばく大な公共投資がいよいよ実際の真価を発揮してまいりましたのが、ちょうど四十年代になってからだというふうに考えます。したがいまして、決して人さまに責任を嫁すわけではございませんが、非常に冷静に客観的に国鉄の数字を見ますと、やはり他の交通機関の発展によって輸送量が伸び悩んだ。したがって、ある時期には過剰な資材を持ちあるいは過剰な人員を持ってきたという形になったわけでございます。その根本がやはり国鉄財政を左右したということで、この現象はヨーロッパにおいても約二十年前から、アメリカにおきましては二十五年くらい前から同じような現象が実はあらわれておったわけでございます。他人事のように申してたいへん申しわけございませんが、冷静に、ただ客観的に見ますと、いま申し上げたような経過ではないか、こういうように存ずるわけであります。
  18. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 他の輸送機関が急激に整備されてきて、国鉄の分野が狭められてきたということのようであります。確かに三十九年からは港湾なり空港なりあるいは道路網の整備、非常に進んでまいりましたので、これらを土台といたしまして他の機関がどんどんと国鉄のシェアに食い込んできたということでありましょう。しかしこの傾向というものはこれからもなお一そう進められるものと見なければならないのではないでしょうか。そういたしますと、国鉄がいかにがんばりましても、その方面からの侵食作用というものはこれからなお続けられる、あるいは一そう拍車がかけられるやに思われるのであります。この点はいかがでありましょうか。料金が安かった場合においてもなおこの侵食作用は急激に増してきた。今回料金が上げられるということになると、なおその侵食に拍車をかけることになりはしないかをおそれるのであります。そういたしますと、いかに国鉄の使命を痛感せられ大いにこれに邁進しようといたしましても、他の条件がこれを許さないということになるのじゃないか、こう思うものであります。  そこで、さっき大臣のお答えの中で、今日までの総合交通政策の中に欠陥があったから、こういうことでありましたが、これとからみ合わして私のこの心配は大臣どういうようにお考になっておられましょうか、また総裁といたしましてはその使命にかんがみましてどういうふうにお考えになっておりますか。
  19. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいまのこの調子だと、ますます国鉄の輸送のシェアが低下してくるのではないか、こういうお話でございます。ことに、今度もし値上げでもあれば、ますますそうなるのではないか、こういう御質問と思う次第でございますが、ただいまの交通情勢から見てまいりますと、陸上輸送におきましても、道路の幅員の拡張というものももうすでに限界が来ておるという点も多多ございます。先般も御指摘がございましたように、道路を拡張する、それに対するところの付近住民のいろいろの環境破壊その他の面からいたしましてのいろいろの抵抗がございます。そういうことで、トラック輸送につきましても、ある程度の限界がくるのではないか。また、海上輸送につきましても、今回は工場の再配分ということが問題でございますが、ただいま御審議を願っております交通の一番ひんぱんな浦賀水道であるとかあるいは伊勢湾、瀬戸内というものにつきましては、もうすでに非常に過密になってきておる、こういうような状態ができておる。御承知のとおり、大都市交通、通勤通学にいたしましても、すでにもう乗用車による通勤通学というものは限界がきておる。どうしても高速鉄道によらざるを得ない、大量輸送機関はどうしてもやはり鉄道によらざるを得ないという時代に、また再び変わりつつあるということが現状ではないかと私は思う。それで、貨物の輸送にいたしましても、ただいま国鉄のほうで今回の近代化、またそれをねらっておりまするところの長中距離の直結輸送というふうに、大量輸送に切りかえてまいる、輸送の方法を変えていく。あるいはまた、いわれておりますフレートライナーとかいったような、定時性を保たせる、しかも非常に時間的に短縮ができるというようなものをつくってまいりますれば、必ず同じ競争裏におきましても、むしろそのほうがふえてくるのじゃないかというふうに私は思っている次第でございます。  お尋ねの、今回もし値上げが認められました場合に、また輸送が減るのじゃないかという点も具体的に国鉄当局におきまして換算をしているようでございまして、ただいま旅客においては六%でございますか、貨物におきましては七%でございますか、というような一時の輸送量の低減というものを見込んでおりますが、必ずそれは設備の改善その他におきまして取り返すというような考えで進んでいるように思う次第でございます。
  20. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私は、いままでのような交通機関に対する考え方が変わらなければ、ただいま先生のおっしゃったような運命をたどると思います。  私どもよく申しますのは、正確な数字ではございませんが、俗に七、五、三ということばを使います。七と申しますのは、船舶の全部の運営費の中の七割は国が負担している。それから飛行機は大体五割を国が負担している。自動車は三割を国が負担している。この七、五、三に対して、国鉄は、いまのところは大体一だ。ことしのあれを見ましても大体一だ。たとえば、私どもいま東京駅野前に地下五階の駅をつくっておりますが、あれはいわば日本航空が成田航空を自分でつくっているのと同じようなものでございます。したがって、もし飛行機会社が空港を自分の金でつくれば、これはたいへんな赤字だと私は思うのでございますが、空港は国がつくってやる。飛行機会社は飛行機を買って飛ばせばいいんだ。管制も国がやってやる。ところか国鉄は、御承知のとおり東京駅の地下駅を掘ることから保安設備から、全部やった上で、しかも車を自分で買って運転するということでございまして、競争条件の基礎が変わっております。したがって、国鉄の独占性が強い時分は、これはよくやれたわけでございますけれども、これから国鉄の輸送分野が総合交通体系ではっきりきまり、あくまでも鉄道というものは必要だということを前提としていたしますれば、やはりその間に政府としてと申しますか、交通機関に対する全体としての考え方が統一されなければならないというふうにおもうわけでございまして、いままでのままで国鉄は何でも自前でやれ、あとのものはみんな政府がめんどう見てやるということではやっていけないと思いますので、そこで私どものほうも今度約七兆の投資をしろというふうに政府からの了承を得ております。七兆と申しますと、いろいろ内容がございますが、その七兆の投資は、いままで百年使ってきた鉄道を近代化するための投資である。その七兆に対して、国が相当程度のめんどうを見てやるという御方針を今度御決定になりましたので、そういうことを前提として初めて今後の鉄道の生きる道があるのであって、いままでのように完全に野放しにして一人立ちで歩けとおっしゃっても無理ではないか。これは依存心、依頼心という意味ではなしに、客観的な交通機関の性格からいって無理ではないかというふうに思いますので、ただいま先生の御質問に対するお答えといたしましては、そういう政府の政策が前提であれば、私は十分にやっていけるし、またそういうことを前提としていただかなければ、鉄道は自滅する以外にないというふうに申さざるを得ない、こういうふうに考える次第でございます。
  21. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 磯崎総裁からいま、私が得たいと思いましたお答えをいただきました。私はそういうところに根本があろうではなかろうかと思います。まさに七、五、三、一であった。国は国鉄に対する責任を大きく与えておる。また国鉄はその使命にかんがみまして一生懸命がんばってまいる。しかし、独占経営のできる時分であったならば、一の国の力で間に合っておったかもしれぬけれども、いまや、そうではない。有力なる競争者が国の財政方面からたいへんなる援助を受けまして競争場裏に立ち向かってきている。こういうことなものですから、この事態を踏まえてあらためて総合交通体系の基本に触れて運輸大臣にも考えを進めてもらわなければならないのではないかと思うのであります。いわんや、この七、五、三の援助を受けておる他の輸送機関が、近ごろはとかく公害などをまき散らしております。国鉄にも若干の公害は出てまいるのでありましょうけれども、国鉄と比較いたしまして容易ならぬ公害をまき散らしておるというようなものをも踏まえて考えますと、国内交通の大宗であり基幹であるべき国鉄がこの危機に瀕したということからいたしますと、あらためて過去を顧みて考えを新たにして政策を立て直さなければならないのではないか。国鉄の再建は、その前提として国の交通政策のやり直しにあろうではないか、こう思いまして少ししつこくなったのでありますけれども運輸大臣にお伺いをいたしたのであります。一言でよろしゅうございますから、あらためて御表明願いたいのであります。
  22. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいまのお話でございますが、最近いいますところのイコールフッティングかと思う次第でございます。これは御承知のとおり、そういったような各企業の発展過程におきましても非常に違ってまいります。航空企業のごときは漸次育ってまいりましたので、最近は保安施設の利用料を取るとか、あるいはまた、つい最近今国会でもって御可決をいただきました航空機燃料税を取るというようなことで、それを財源といたしまして空港整備その他に充てさせる。またその点につきましては一部、いままでもそうでございますが、利用者の御負担を願う、こういうようなこともございます。  確かに国鉄は過去百年やっておりましたが、国の仕事としていままではやっていた次第でございまして、昭和二十何年でございますか、それから企業体として独立した次第でございますが、利子その他の点につきましては国でもいろいろ助成をしてまいった次第でございます。しかしそれだけではもう足りぬ。国鉄におきましてもいまはやはり思い切った国家助成が必要であるということを今回考えまして、いろいろ見方がございますけれども、現在においては最大限の国の助成ではないか。これだけでも、また来年になりますと国家の財政規模がふくらんでくる。私ども運輸行政に携わっておる者といたしましては、さらにさらにそういう点を伸ばしていく努力はいたしますけれども、現時点におきましては、そういう点につきましては政府もいわゆるイコールフッティングの点におきまして再検討を加えて、今回はいまお願いしておる。こういうふうに思っておる次第でございます。
  23. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 そういう考えに立って財政援助の道を開いたということでありまして、お気持ちはよくわかりました。  私はここであらためて確認しておきたいのでありますが、国鉄の使命は変わらない。そして今日までの国の財政の援助が薄きのゆえをもって、足らざるのゆえをもって、今日の国鉄の財政の危機を招いた、こう私は簡単に理解いたしたいのであります。料金をいろいろやってみたところでなかなか困難である事情は、これはあとでお伺いいたしたいと思いますけれども、さような前提に立つて、基本論は一応おさめることといたします。  そこで、財政再建のために国は思い切って出すことにいたした、こういう考えのようであります。しかし、先ほどの報告にもあらわれておりまするが、私もこの耳をもって聞いてまいりました。国がもっと持たなければ国鉄の真の再建はできないであろう、これはほとんど常識のようであります。といいますのは、先ほど触れたのでありますけれども、料金値上げということは、あるいは現段階におきましては悪循環の結果を招来する以外にはないのではないか。上げればお客が減る。お客が減ったのなら収入は増さない。ですから、これじゃだめなんです。競争者がある事業でありますから、競争者に負けるような料金を押しつけておいて、お客を取ってこいといってもだめなんです。貨物においてはいろいろと方策を練っておるようでありますが、ほんとうにいまの施策が、いまの投資がものをいってお客を吸収するまでにはなお今後何年間かの時間を要し、なお何兆円かの投資も必要とするでありましょう。そういうときにおきまして、三十九年以来急激に悪化したというこの情勢をとめるということはまずむずかしいのではなかろうかと私にも思われる。そして世間でもそういっております。問題は、大臣が思い切って出すこととしたという国の財政援助、財政の投入を、ほんとうに思い切っていまの段階において間に合うように出す以外にはなかろうではないか、急に救おうとするならば、こう思うのであります。私は、そういう意味におきまして、以下お尋ねをいたしたいのであります。  総裁にお伺いいたしたいのでありますが、国鉄は過去の輝ける業績の中から、国鉄財政の中から、国の財政に相当多くの貢献をしてきたやに思われるのであります。一番先に私は気がついたのでありますが、たとえば、米の輸送でありますとか、石炭の輸送でありますとか、木材の輸送でありますとか、その他国策上、国鉄といたしましてはコストを割ってもその国策に殉じたというものが過去におきまして相当あろうではないかと思われます。また、戦争中には現実に臨軍費に相当額を繰り入れた歴史も持っておると私は記憶いたしております。戦争中あるいはまた軍事輸送、軍需品の輸送などにつきましては、ずいぶんの無理をしながら定量輸送をいたしておる歴史も持っておったでありましょう。このようなものを一括いたしまして、長く百年の間におきましては、当初において若干それは国からの援助を受けたかもしれません。しかしながら、少なくとも総裁が国鉄に情熱を傾けられてから四十年、そのころからはおそらく国家財政に多くの貢献をなしたことはあっても、国から援助を受けたことはなかろうと思うのであります。この国への貢献というものはどれくらいになっておりましょうか、計数的にお伺いできればありがたいのであります。
  24. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私のほうが国へ直接間接にいろいろ奉仕するのは、これは当然なことだと思っております。ただ、その中ではっきり計量化できるものだけを申し上げてみますと、戦前、いわゆる陸上交通を独占しておった時代、非常に収益状態のよかった時代、昭和十一年から戦争終了の昭和二十年まで、ちょうど十年間に、いわゆる益金の繰り入れというものを一般会計にいたしました。昭和十一年と十二年は一般会計に繰り入れました。これが三千七百円でございます。十三年度以降二十年度まで、二十年度はごくわずかで百万円で、十九年度までがおもでございますが、昭和十三年度以降繰り入れましたものが約七億二千万でございます。これは法律に基づいて一般会計並びに先ほどおっしゃった臨時軍事費特別会計へ繰り入れたわけでございます。したがいまして、その累計額は合計いたしまして七億六千四百万円でございます。これが終戦までに昭和十一年以降国に繰り入れました額でございます。  この間に国からいただいたお金は全然ございません。ただ、国からあった一番大きな保護は、やはり独占性の付与と申しますか、それはもう非常に国の手厚い保護だったと私は思います。東海道線に民間が競争して電車を引きたいというときには許可しないというふうな、いわゆる独占性を付与してくだすったことは事実でございます。別にそれと関係ございませんが、終戦までに七億六千四百万円の繰り入れを法律に基づきましていたしました。この法律は昭和二十一年に廃止になっております。時価換算いたしますと四千億、終戦間もなくコーポレーションになりましたときに拝借いたしましたので、それと相殺したかっこうに大体なっております。  この繰り入れの法律は終戦の翌年の昭和二十一年に廃止されております。その法律には、もちろんこの金はいずれ特別会計へ返すのだということが書いてございますけれども、ちょうど戦後のインフレの関係で私どもが非常に財政が困難いたしましたときに、政府から相当なお金をただでいただきました、そのいただいたものと相殺したような事実上の形になっておるわけでございます。  それから、もう一つの御質問の運賃上の負担でございます。これもいろいろ計算のしかたがございますが、一応得べかりし収入というふうな計算をいたします。これは主として先生のおっしゃった文教政策あるいは社会政策あるいは物価政策等の関係上いたしたものでございまして、御承知の通勤通学輸送とかあるいは学割りとか、あるいは貨物で申しますれば国民生活に必要な物資の割引運賃というものでございまして、これをトータルの数字だけ申し上げますと、昭和二十四年度から三十四年度までで三千五百十四億、三十五年度から昭和四十七年度、一応ことしいま提案いたしております運賃の改正に基づき公共負担の是正ができたといたしまして、四十七年度まで含めますと、三十五年度から四十七年度まで八千四百六十八億、合計いたしまして、終戦後国鉄が公共企業体になりましてから昭和四十七年度までの運賃上の公共負担の果汁が一兆一千九百八十二億、これが二十四年度以降、すなわち国鉄が公共企業体になりまして、政府の手から政府機関になりましたときから今日までの運賃上の公共負担の累計でございます。  これは計算上、いろいろしかたがございますが、私どもなりの計算でございます。
  25. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 いまの戦前の財政の役人額七億六千四百万円、これは現代の金に直してでありますか、当時の金でありますか。できれば現代の金で計算して、現段階の金に換算したもので教えていただくとありがたい。同じように、この一兆一千九百何がしというものもそういうふうな形で出していただくとわかりやすいのであります。
  26. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 これは非常に計算のしかたがむずかしゅうございますが、かりに――かりにでございますね、戦前のものを、五百倍といたしますれば約四千億でございます。いまの七億が、約五百倍といたしますれば、端数その他は別といたしまして、約四千億でございます。しかしこれは五百倍がいいのか、千倍がいいのか、あるいは三百倍がいいのか、これはもう先生方の御判断だと思いますが、かりに五百倍だといたしますれば四千億でございます。  それから、終戦後の、いま申しました一兆二千億のものは、最近のものは最近の物価でございますけれども、昭和二十四年くらいのものを何倍にするか。これは全体としてマクロで見た場合に一兆二千億のものが、大体まあ昭和二十年代のものを相当割り増しいたしますれば一兆四、五千億になるんじゃないかというふうに計算いたします。しかしこれも、物価の倍率をどう見るかといういろいろ見方の問題はございます。
  27. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大臣、いまお聞きのように、まあおよそ戦前において安く見積もっても四千億、もしくはもっときびしくといいますか、計算しますと、あるいは五、六千億にも達するほどの財政援助を、いまの時代からは逆に、国鉄のほうから国に入れておるというのであります。そうして終戦後も、またことし現在までもやっておるようでありますけれども、いろいろな事情からいたしまして、国鉄は国に貢献しているのであります。ですから、私は国がいま、ことし六百何十億の利子補給といいますか、あるいは投資ですか、そういうようなことをやられる。たいへん思い切った財政の投入であるというように言われるのでありますが、この過去における国鉄が国原財政に貢献したものに比べますと、あまりにも思い切らないものであるように思われるのであります。この点、大臣はいかがお考えでありますか。
  28. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 国鉄は公共企業体でございます。国民の財産でございまして、またその目的からいたしまして、できれば国家財政に寄与するのは、これは私は当然である、こういうふうに思っている次第でございます。また、あまりそういうことを数字的にやりますと水かけ論でございますが、大体二十年間でそれだけの寄与を財政的にしたということでございます。私どもも、先ほども申しましたとおり、国鉄のいまの困窮の状態からいたしまして、できればできるだけ国家の助成によりまして早く立て直したいということにつきましては人後に落ちない次第でございますが、しかしいまの財政規模の限界がございます。それとまた、一般の負担論といたしまして、利用者――大体におきまして公共サービス、財またはサービスの提供につきましては、大体におきましてその特殊のそれによりまして利益を受ける人が負担をするということが原則ではないか。それがやはり社会生活上、あまり高くなってくる、また利用される人が、その負担能力が足りないというようなときに、やはり考えるべきでないか、こういう問題もございます。また一面、ただいま国が負担をするといいますか、国の財政というものは、もちろん国民の皆さまからの血税でやっておる次第でございます。利用者がどのくらい負担するか、一般の納税者がどのくらい負担するかという問題にやはりなってくる。現時点におきまして、私は、今回の、いま政府が予定しております、また御審議を願っておりますところが、いまそういうような比較をいたしまして、やはりいまが限界ではないか、こういうふうに思っている次第でございます。
  29. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 納税者が負担するからこの辺がよかろうというふうな基本的なお考えのようであります。しかし国鉄から受けた利益も、実は納税者だったんですね。過去の総額二兆円近いものを納税者が国鉄から受けておったということになろうと思うのです。そうとすれば、いまの段階で思い切って出すとするならば、これではあまりに――ゆっくり出してもいいという、ゆっくり方針がとれるならいいのです。けれども三十九年以来急激に落ちてきた。これからもなお何年かはこの状態から浮かび上がることは困難だと私には思われるものですから、思い切ってやるのならば、この際思い切らなければ、思い切るときはなかろうではないか、こう思ったのであります。しかしこれは押し問答になりますから、時間を空費してはいけませんので、この辺にいたします。  ただ、国鉄はこのように国の財政に貢献しておったがゆえに、その間やるべき減価償却をあるいは怠っておったかもしれないと私には心配されます。またなせばよかったであろうところの改良工事、あるいは新設などもそうであろうと思うのですけれども、これが財政的にできなかった。借金をしてくるというのもいかがかというようなことでできなかったということが積もり積もりまして、そして三十九年以来、あるいは保全対策、これは世間がやかましくなってきたものですから、それまではがまんしておった。世間が急にそれをやかましく言ってきたということで、国鉄も急にこれに力を入れなければならなくなり、したがって、またその他の面についても金がかかることになって、そして急に公債といいますか、債務をもってやらなければならなくなってきた。言うなれば、国鉄がいま一番悩んでおるところの利子の支払いのもとであった借金は、実は国がしぼり上げたというとことばはよくないかもしれませんが、国の財政に貢献したがゆえである、こう見てはいけないでしょうか。そう見ることが、むしろ私には正しいように思われるのでありますが、大臣、いかがですか。
  30. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 確かに過去におきましては、そういったような国鉄の増収によりまして、国の財政に符与したことは事実でございます。そう考えてもいいと私は思っている次第でございます。
  31. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大臣、そう考えておられるのでしたらば、ことしのこの予算に盛られたところの利子の補給でありまするとか、あるいはまた新設に対する資金の投入ですか、これはあまりにも思い切りなさ過ぎる、こういうことを先ほど申したのであります。いかがでしょうか。
  32. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 現時点におきまして、いまのが少な過ぎるという見解になりますと、また違ってくる次第でございまして、私は先ほどから申しましたとおり、現時点におきまして、国の財政援助というものはいまがこれ一番のところではないか、こういうふうに思っている次第でございます。  また、国の財政に寄与いたしましたのは、専売公社、これら非常に寄与しておるということもいえる次第でございます。いまございます三公社五現業のうちにおきまして、いわゆる国の企業の点におきましては、寄与したるものも非常に私は多いと思う次第でございます。これはやはりそれらの事業、事業の特性によりまして、またそのときの事情によりまして違うわけでございます。私は確かに国鉄が寄与した点は認める次第でございますが、現時点におきまして、これらの問題はただに国鉄だけで考えるべきでなく、やはり国の全体の財政規模のうちにおきまして、今日国鉄の置かれているところの地位、そしていまの財政全体における、財政規模のうちにおけるところの国鉄に対して一般の歳出をどのくらいにするかというような比較、あらゆる点からいたしていかなくてはいけない、こういうふうに思っている次第でございます。
  33. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ちょっと数字的に大臣のおっしゃったことを補足いたします。  ことしの予算でごらんくださいますと、私のほうの支払い利子が約二千億でございます。その二千億のうち、ことしは非常に当委員会の小委員会でいろいろ御議論願い、また大臣が非常にがんばってくださいまして、実際申しますと、二千億の利子のうち約千五百億くらいの資金手当ては一応政府の力でやっていただいたということになるわけでございます。  もう少し詳しく申し上げますと、ことしの政府の助成はこれはみんな利子補給でございますので、一応利子補給の三百億あるいは孫利子あるいは子利子等、全部合わせますと約千四百四十億ぐらいになりますので、すなわち資金的に申しますれば、二千億の利子の支払いのうち、千四百億は政府のお金で払う。自前で払いますのは資金的には六百億くらいであるということでございます。私どもから申しますと、利子はもちろん少ないほうがいいにきまっておりますが、利子補給としては、こういう相当急激にここまでふやしていただいたことは事実でございますが、今後の七兆という大きな投資に対する政府の御援助その他につきましても、一応十年間で一兆だけ出してやろうというふうなお話もございました。まあ七分の一を大体政府でめんどうを見ていただくことになったわけでございまして、その点私どものほうから申しますれば非常にいろいろございますけれども、相当思い切ってやっていただいたというふうに率直に思っております。数字その他は一応別でございますが、気持ちとしては非常に思い切ってやっていただいたというふうに思っております。
  34. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 当面の責任を持つ国鉄総裁がまあ満足なさっておられるということであれば、はたからどうということも申しかねるのであります。ただ、私はその結果が、料金値上げという、これこそ思い切った策に出ざるを得なかったので、問題にいたしておるのであります。財政の赤字を何とかしなければならない。財政の再建が国鉄の再建に通ずると私は実は逆に思っておる。国鉄に対する使命の再認識が国鉄の財政の再建に結果してくるべきであって、国鉄の財政の再建が国鉄の使命の再建にはならぬのではないか、こう思っておるのであるが、しかしこれは見解の相違になるかもしれません。どうか国鉄の財政が再建されるとともに国鉄の使命を十分に果たし得るような事態を一刻も早くかもし出してもらいたいと私は願うのであります。  そこで財政の再建の方法として、一つには料金の値上げ、それから一つには支出の減を願うというような意味において、赤字あるいは閑散線のめくりということになるのでありますが、この閑散線、先日来の審議の中にもたびたび問題になってまいりました。五千キロに及ぶと一応計算されている。あるいは一万三千キロでありますか、厳格になにしますとそれくらいになるとかいうことに承っているのであります。これは数字が間違っておったら、総裁からあとでお答えの中で訂正していただきたいと思います。私は頭を整理するために五千キロ、五千キロと記憶いたしておったのであります。さしむきこの五年間に千キロくらいを取りはずすということであるのでありますが、私はこれは国の財政支出以上に困難を伴うように思われてならないのであります。過去におきましても赤字線問題はずいぶん長い間論議されました。しかし実際にあたっては容易に実現できないばかりでなくて、いま国鉄のほうで御計画なさっておられるところの駅の事務の簡素化であるとかあるいは無人化であるとかいうことさえも、現地の人々は満足いたしておりません。賛成いたしておりません。それは国鉄の今日までの仕事に対する信頼感が先に立つのでありましょう。同時にこれからの地方経済への一つの希望として、土台として、やはり国鉄には働いてもらいたいと思うからだろうと思います。そうなってきますと、なるほど現段階においては閑散線であり、国鉄にはお気の毒ではあろうと地方民は思っておりましても、このめくり上げる、廃止するということには、社会的に、あるいはまたもっと言うならば政治的に大きな抵抗がからんで、実現困難だと思われます。この点についてはどういうふうな覚悟を持っておられるのでありましょう。大臣はこれまたどう御指導なさるおつもりでありましょうか。
  35. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 国鉄の使命から考えまして、地方鉄道の、国鉄の地方線の持つ意義も相当重要である、私はこういうふうに考えておる次第でございます。これはいま御指摘がございましたが、閑散線の認定、これを一応事務的にはいたしている次第でございます。私どもの考えといたしましては、たびたび当委員会でも御答弁申し上げましたとおり、やはり国鉄として特性を失ったもの、すでに大量輸送機関としての必要性がなくなった、人口が非常に減少している、輸送需要が少ない、しかもそれで代替輸送がきく、まあ一例をとってみますると、国鉄は三両か五両編成でもって走っているお客さんはほとんどない、ところが並行線のバスにはお客さんがうんと乗っている、こういうところですね。これは国民経済からいって非常に不経済ではないか。こういった点はやはりどうしても地方の方に御了解を得て合理的な線に変えなくちゃいかぬ。先ほど国鉄総裁も御答弁申し上げましたとおり、やはり需要に合った計画を立てていかなければ、国鉄としての使命は速成できない、私もこれはそう思う次第でございます。しかし、私はそれのもとがあると思っている次第でございます。これは非常にむずかしい問題でありますが、国が今日みたいな過疎過密現象をそのままにほっていくようなことでいいかどうか、こういう問題、要するに首都圏におきましては近き将来に人口の四割になる、太平洋ベルト地帯に七割になる、これで一面におきましては過疎地帯がうんとできてくる、こういうことでございますと、そのままで鉄道の輸送の形態というものもどういうふうになろうか。これはそれだけではございません。公害の問題その他いろいろの問題、私は昨日も御答弁申し上げた次第でございますが、東京都のごとき一千百万からではもう都市としての限界を越えているのではないか。こういう問題をいかにして思い切って――私はこの際、ほんとうに国会の枠さんとともに、過疎過密の解消と申しますか、国土再開発と申しましょうか、にほんとうに全力をあげなければならないときではないか。私はそれゆえに、先般御審議を願いました工業再配置、これもその一環でございましょう。私のほうでやっております港湾の整備の問題にいたしましても、あるいは空港の整備の問題にいたしましても、新幹線の問題にいたしましても、みなやはりその点に重点を置いて、いかにいたしまして現在の事情だけではなく、将来に向かって必ずそうなっていくのだというある程度の見通しをつけた、いわゆる新全総に基づきました国土再開発ということが一番必要になってくるのではないか。その線に乗りまして、そうしてやはり鉄道網も考えていかなければならないではないか。  そこで私はもう一ぺん、そういう点で閑散線の問題をやはり将来におきまして――現在はそうであっても、将来、たとえば具体的に中しますると、地方鉄道、地方線と地方線の間に短絡をすることによりまして一貫的に鉄道網が形成される、輸送需要が増大する、将来の開発も、その間におきまして非常に寄与するというような問題につきましては、これはやはり閑散線にすべきではないという問題がございます。私はそれらの点も十分勘案をいたしまして、そうして閑散線の認定もいたしてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でござにいます。
  36. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいま先生がおっしゃいましたとおり、ローカル線をやめるということは非常にむずかしいことでございます。先般もある県で、約十キロほどの線路をやめるのに五千数百回の会合を開いたというふうな例もございます。それほど鉄道に対して執着を持っていただくことはありがたいことでございますけれども、いま大臣もおっしゃいましたとおり、鉄道としての使命が実はもうなくなっていると申しますか、ほかの交通機関で十分やれるというふうなところは、やはり私は筋としてやめてもしかたがないのではないかというふうに思うわけでございます。その反面、新しい仕事はするというふうに中身を変えていきませんと、それは赤字とか黒字の問題でなくて、鉄道というものの持っている一つの物理的な、技術的な性格から申しまして、やはりある程度の輸送量がなければ鉄道輸送にならないというような客観的な事実から推してまいりますと、非常に輸送量の少ない地域につきましては、これは廃止することを考えるのはやむを得ないことであるというふうに思います。  いま、一応廃止の基準等は、運輸省で、政府においていろいろ検討中でございますが、三千二、三百キロの線路は計数的に申しますと廃止できるというふうに思うわけでございます。私ども一時、昭和四十四年度でございましたか、八十三線区二千六百キロというものを発表いたしたことがございます。これは私のほうの諮問委員会というところでいろいろ検討いたしまして発表いたしました。これのうちから現在までに廃止いたしましたのはちょうど、わずか百キロぐらいでございます。非常にむずかしいことは先生のおっしゃるとおりでございますが、鉄道としての使命のなくなったものはやめさしていただくということが合理的ではないかというふうに思うわけでございます。
  37. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大臣も総裁も、鉄道としての使命を失ったものは、ということであります。しかし、逆に新全総その他、あるいは過疎対策というようなもの、国土全体を普遍的に開発し、向上さしていかなければならないという大使命に立ちますと、いままでにおいても、必要とされて引いた国鉄線がにわかにその使命を失ったということはおよそ考えられない。それは例外的に、いまおあげになった百キロくらいのものはあるいはあるかもしれません。それはよりもっと効率的なものがあったということでもありましょうが、しかし五千キロに及ぶものが、いま三千何百キロだそうでありますけれども、そういう大部なものが使命を失って、はずさなければならないということは、国の全体の総合政策からいき、経済政策からいき、国土政策からいってあり得ないように思われるのであります。ただ現段階、何とか赤字を解消しなければならない、どこを調べてみたかというと、赤字線がたくさん金を食う、あるいは指数も一〇〇〇をこすのがあったということも承るのであります。そういう観点からばかり考えれば、あるいはそうであるかもしれません。しかし、しいて使命を失ったものだというふうに考えますことは、今日までの国鉄の使命、これからの国鉄の使命からいって、いかがかと思うのであります。非常にねらいに無理があり、計画に困難性があり、そして長い将来においてはかえって国のために後悔をもたらすことになりはしないか、こう思うのでありますが、この点はどうでありましょうか。大臣は、この計画を先に立って実行する牽引車として、国鉄の前に立たなければならぬわけですね。そして国鉄が過去の経験において、これについてはずいぶん苦労し、現に苦労されております。大臣の御決意はどうでありましょうか。ただそれだけうたっておればいいのだというのじゃ、料金値上げというせっぱ詰まった案をうしろに持っておるだけに、私は非常に心配なんであります。いかがでありますか。
  38. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 私も予ての点は同感でございます。利用者にある程度の今回の御協力を願うがゆえに、私は国鉄自体がやはり思い切った合理化、思い切った体質改善をしなくてはならぬとともに、近代に即応したような体制を整えなくてはならぬ次第でございます。そういう意味におきまして、先ほどから申しております鉄道としての特性を失ったものにつきましては、思い切った措置が必要である、それでなければ国民の皆さまの非常な御批判を受けるのじゃないかと私は考えている次第でございます。  しかしながら、これを行ないますのには、先ほども総裁が御答弁申し上げましたとおり、やはり国鉄に対して非常に御愛着をいただいている、それを御了解をいただくのは容易なことじゃございません。しかも、私らの立場といたしましては、あくまでも御了解を得つつこれを行なう。決していわゆる強行ということをいたしたくない。これは民主主義の原則でございますから、私らはあくまでもそういう点でもって御了解を得る。国民全体の経済からいいましても、国鉄の体質改善から申しましても、なるほど国鉄は需要の多い、これはどうしても必要だというところはどんどんやっているな、これは、非常にあれであっても少々省いてもしようがないというところは、勇敢にやっているじゃないか、こういう姿を見せることが私は国民の皆さまに、やはり国鉄は、ほんとに申しわけないけれども、苦しんでいるけれども、やることは一生懸命やっているな、こういう姿になるのじゃないか、こういうふうに思う次第でございまして、その点はぜひ私どもの趣旨を御了解いただきまして、御協力を願いたい、こういうふうに思っている次第でございます。
  39. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大臣の御熱意はよくわかる。しかし、過去の実績にかんがみまして、これは容易ならぬことである。ここでそうおっしゃっても、実際の場に当たりますと、これはあるいは画餅に帰するのじゃないか、こう思うのであります。もしそれについて、いまの大臣のお考えに確信がおありでありましたら、すでに計画としてはできておるはずですから、各線についてどういう理由でこれがその使命を失ったものとしてリストにのぼっておるかをお示し願いたいのであります。先ほどはまだ計画中であるということであります。どうもその点が心配でなりません。アウトラインだけでも、どんな基準でどういう方面のものをリストの中にあげておられるか。実は昨日も北海道におきましては、それを非常に心配しておりまして、現地の人としてはそうであろうと思います。現にあちらのほうには閑散線と称するものがたくさんあるようであります。しかしその閑散線は北海道という地域の特殊事情から、これからの土地柄なんです。そのこれからの土地柄に対して、いまの数字をもとにしてやられたのではたまったものではない、こういう心配、私はごもっともと思って聞いてきました。こういうことについてはどうでございますか。一々の線路について承ることができればなおありがたいのでありますが、大つかみでもよろしいから、その基準なり考え方をお示し願いたい。大臣の決意だけでは私は引き下がるわけにはまいりません。
  40. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 大体これは机上の計算でございますから、そういうつもりでお聞き取りを願いたい。具体的にはまだほんとうに全然決定しておりません。また具体的な検討はまだいたさせておりません。机上の計算といたしまして、大体ランニングコストで陸上のバスその他に比較いたしまして非常に合理性がないというのが大体五千キロくらいあるんじゃないか。しかしそれはいまお話がございました北海道、将来工業開発が非常に着目されているところ、人口をもっとどんどんふやさなければならないところといったようなものを勘案をいたしまして、これももちろん計算でございますが、そういったような代替輸送その他にいたしましても、少なくとも最小限度三分の一はだめじゃないかということで、大体その五千キロのうちの残りの三分の二くらいが一応の閑散線の目標になるのじゃないか。そのうちに、具体的に申しまして、並行道路があるとか、そうしてまた豪雪地帯ではないとかいろいろと条件がついてまいります。そういうのを勘案をいたしまして、これは慎重に決定してまいりたい、こういうように思っている次第でございます。
  41. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 慎重にいくということですから、これ以上あれですけれども、総裁、指数だけを基準にとってみますると、一、〇〇〇以上というものも相当数あるようであります。一、〇〇〇以上こすもの、あるいは五〇〇以上のものであるとか三〇〇以上のもの二〇〇以上のものがどれくらいか、その数だけでも、もう少しこまかく、わかっておりますれば承っておいて、それからいまの大臣の慎重にかまえるところの名線別がもし指数だけをとるならばどの辺以上を見当つけておられますか。いまの豪雪その他条件もあるのでありましょうが、それを一応抜きにいたしまして、指数だけで見たらどういうことになるのでありましょうか。
  42. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 全線にわたっての相当詳しい資料がございますので、お手元にお届けいたしたいと思っておりますが、これにはいわゆる幹線系と地方交通線に分けまして、そして昭和四十五年度の収入、経費、損益及びいま先生のおっしゃった指数、それから輸送量というものを全線全部出してございます。これはちょっと指数別に整理してございません。ずっと地域別に整理してございますが、五千キロで申しますと指数が三〇〇内外ではないかというふうに思いますが、資料をお手元にお届けいたしたいと思っております。
  43. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 それではそれを一々承っておりますと私のちょうだいした時間がなくなりますので、その資料を見せてもらいまして、後刻あるいは後日私がもし疑いを持ちましたならば伺ってまいりたいと思います。問題が非常に困難であるということがどうしても私には離れられぬものでありますから、あえてしつこくお伺いをいたしておるのであります。さような意味におきましてもし出せるところの資料、まとまっておるものがありますれば、私のようなしろうとにもわかるようなものとしてお示しが願えればありがたいのであります。  そこで私は問題の料金に入りたいと思います。いままで国鉄財政再建のためにとられた国の援助、その三方一両損のうちの国のほうからの一両は、これがぎりぎりだということである。私はぎりぎりでないと言いたいのであります。これから大臣にそう言ってもらうつもりで質問を続けます。  それから国鉄の努力、これは十一万人人員を減らすということであります。しかしこれにつきましては、現地のほうにおきましてもずいぶんと心配をいたしておることは、先ほどの報告の中にもはっきり出てまいりました。非常に慎重にかまえませんと、仕事がたいへん大事な仕事でありますだけに、問題であろうと思うのです。しかし政府が今回の案においてねらっておるところは、何といたしましても料金、私どもこれを一番心配いたしておる。そこで今度の料金の値上げによって、国鉄のほうとしては千八百億かの増収をもくろんでおるようであります。しかし過去の実績にかんがみまして、競争輸送体系といいますか競争輸送者がない場合においてはそういう数字も可能であるかもしれない。しかしいまのように空においても海においても陸上においても非常に強力なる競争者がもう準備を整えて立ち向かってきておる。先ほどもお話がありましたように、道路網は整備され、機材は改良されてきておるというときにおいて、いまの料金でさえもよそに持っていかれる中において、さらにこれを上げるとするならば、どういう結果を招来するのでありましょうか。もっとも国鉄が上げれば引き続いてその他のものも上げるであろうということになりますと、国の物価政策からいってたいへんなことになるわけでありましょう。われわれは、国鉄が財政百姓という重大事態に立ち至っておるだけに、他の方法がなくて、しかもそれが効果を生ずるということであればあるいは賛成できるかもしれない。しかしもしかすると料金を上げることによって、収入は若干の増はあるのでありましょうが、思うように増してこなかった、お客は逃げてしまうという事態を招来しないかどうか。これらについての見通しはどう立てておるのでありましょうか。
  44. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 過去におきましても運賃改定の際に一番問題になりますのはただいま先生の御質問の点でございます。競争機関がございますので、運賃が上がればお客は減る、お客さんは選択の自由がございますから、いろいろな理由で安いほうに流れるのは当然だと思います。したがって、三十二年以降の一応経済情勢が落ちつきましてからの過去の実際の運賃値上げの率と、それによって得た増収とを相当こまかく数学的に分析いたします。ちょうど一般商品を売る際に価格の弾性値というものがあるようでございますが、私のほうにも、学者にいろいろ研究してもらった運賃の弾性値というものがございまして、それを過去の実績によって検討いたしまして、そしてその弾性値がだんだんなくなってくると申しますか、いま先生のお説のとおり、上げれば、年が経るにつれまして、上げることによる減収がふえてくるということでございます。いわゆる利用の減がふえてくるということでございますので、今回におきましても、過去の四十四年、四十一年、三十六年等の運賃弾性値を詳細に旅客、貨物、また旅、客の中でも、私鉄との並行区間、私鉄との競争部分になっておりますところ、ことに定期の問題あるいは貨物につきましても、最近いろいろ二次製品が非常にふえておりますので、それのトラック運賃の問題等、いろいろほかの交通機関との比較などいたしまして、過去の弾性値を一応一つの自安といたしまして、今回またこれだけ上げればこれだけ落ちるというふうに計算いたしております。したがいまして、かりに一五%の収入を得るためには、一般では二三%、定期では二四%上げましても一二%しか収入がない。また貨物も最近のような情勢でございまして、やはり一五%の実収を得るためには二五%上げなければいけない、こういうふうに運賃の値上げの率とそれから実収の率とが非常に乖離してまいります。三十年代にはほとんどございませんで、運賃値上げがそのまま増収になったわけでございますが、三十年代の下半期から四十年にかけましての過去の運賃値上げの経験から申しますと、単に名目のアップ率と実収入のアップ率との乖離が、差がだんだん大きくなってまいります。したがいまして、今回もそれをカバーするものはもちろんサービスその他でカバーすることを考えなければいけませんが、数学的にいろいろ検討いたしますと、やはり四十四年よりもさらにその乖離がひどくなってくるということを前提といたしまして、名目の運賃のアップ率をきめるわけでございまして、その点が運賃改定に関しましての一番の大きな問題であるわけでございます。
  45. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 大事をとって二四%上げたけれども、収入面においては一五%でとめておいたという、その一五%が確保できるかどうか。過去における経験をもとにして慎重にかまえた、こう言うのでありますが、私は、どうも最近のようにバス、トラックが非常に――横行濶歩と言ってはいけませんけれども、道路の整備された、あるいは道路が短絡したというようなことからいきまして、非常に便利になってくるわけでありますから、旅客輸送におきましても、団体のごときは、あるいは貨物方面におきましても、国鉄の駅まで持っていくのがちょっと遠いところというようなところはこの機会にいっそのこと端から端まで持っていけというようなことになりはしないか。その傾向が非常に強くなるのではないか。かつての道路状況と違って、新しい条件の中できびしく計算していかないといけないように思うのでありますが、この点はどういうふうにお考えになっておられましょう。
  46. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 その点につきましては、ただいま申し上げましたとおり、旅客と貨物と相当性格が違っております。旅客の中でも一般のお客さん、それから定期とは非常にまた性格が違っております。たとえば、定期で申しますれば名古屋-豊橋間、これは並行区間でございますが、そういうところでは国鉄のシェアが一割以下になっておるところもございます。したがいまして、相当詳しく定期につきましてはいろいろな区間を検討いたしまして、そしてもちろん私鉄がすぐ上がるということは想定いたしません。いまのままで国鉄だけが上がるとこうなるだろう。もちろん私鉄と国鉄の並行区間については検討いたします。また一般の国鉄だけの区間につきましても、定期を上げれば会社が小さいバスでもって職員を輸送するというふうなことも相当やっておるようでございますが、そういうものにお客さんが逃げる、そっちへ行くということも検討いたしまして、いわゆる運賃の弾性値をきめてまいります。また貨物につきましても、これは品目別にいろいろございまして、中には、いま高い運賃のものはもっと上げてしまえという御説もございますけれども、これは上げれば上げるほど自家用トラックにいってしまうことはもう明白であります。したがって、貨物の等級につきましても、いろいろ検討いたしまして、等級と運賃の率と、両方からずっと攻めてまいりまして、結局一五%の増収を得るためには二五%の賃率を上げなければいけない。そのほかいろいろ等級改正――その中には含まれておりますけれども、等級の改正その他をいろいろ検討いたしました結果、一応いまの名目の運賃のアップ率でもって一五%、すなわち千八百億円収入は得られるという自信のもとに計算をやったわけでございまして、したがいまして、実際の実収千八百億に比較いたしまして、名目の上がる率が高くなります。したがって、その差というものがいわば利用の減となってあらわれるということで詳細に計算はいたしておるつもりでございますけれども、もちろん、そういう運賃アップだけではなしに、運賃の値上げと同時に、いろいろやりますサービスの改善は、ことに貨物につきましては、国鉄の貨物は運賃の問題よりもむしろ非常に不正確である。今度のストライキ等の関係におきましても、荷主が相当逃げたというような現状もございます。そこでそういう不正確さを除去する。先生のおっしゃったようにドア・ツー・ドアでトラックで運べば大体正確に何十時間で着くということは計算できますけれども、鉄道に頼んだのじゃいつ着くかわからぬ、正確さがないというようなことにつきましては、それを除去すべくコンテナ輸送あるいはフレートライナーというような新しい輸送方式を考えて、その正確さを確保するというふうな、いわゆる広い意味のサービスの改善を裏づけとして、しかもその利用減を上げる、こういうことでございまして、いまの私どもの計画から参りますれば、今度のアップ率と、それからサービスの改善をいたしまして、一応一五%、約千八百億の増収を得られるという見通しでございます。
  47. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私がお尋ねしなければならなかった理由は、前回の値上げのときにもそういうふうにずいぶん慎重に計算なさったことだと思います。にもかかわらず、予定の収入をあげるに至らず、今度思い切った案を出さなければならない事態に立ち至ったということであります。そしてその社会的な条件というものは増せばといっても減ってはおらない。国鉄にとってはますます冷たくなるように思われるから、この点どうであろうかということであります。まあ貨物なんかについては、不正確さが信頼感を失っておるというようなことであります。確かに時間がよけいかかってしまうとか、いつ着くかわからぬというような声も聞かないわけでもありません。しかし私は、それはずいぶん改善されるべきいろんな施設が進んでおるようでありますから、やがては直ってまいるだろうと思います。いわんやストライキというものは年がら年じゅうやっておるわけでもありません。一時的なことだけをもって不正確の原因になさるということは、これはいまの事態においてはいかがかと思うのであります。たまたまこれを口になさったのだろう、こう思うのであります。昨日も北海道のほうで聞いたのでありますが、いまの料金でも――これは日本甜菜製糖の支社長が言っておりました。国鉄に頼む気はせぬのだ、それはやはりドア・ツー・ドアのほうが、ああいうものについてはより何か鮮度を必要とするんだそうであります。あまり天日にさらしておくと糖度が落ちるからというようなことだそうであります。これでいまの料金をもってしても国鉄には頼めない。いわんやこれから上げられたんじゃ困ると、実は私の仕事に関する限りはそう思っておるんだということで、しかしまあ料金値上げはやむを得ないから広い心持ちになって賛成するんだ、こう言っておりました。それはほんとうのことだと思います。国鉄はそれを受けましていま輸送センターなどをつくっておられるようであります。この輸送センターが全国的に効果を発するまでには私はまだ相当時間がかかると思うものですから、その間にシェアが侵害されてくることを心配する。いまはたして料金に手をつけることのよしあしは、やはり相当考えてもらわなければならないと思ったのでありますが、この点さらにいかがでありましょうか。
  48. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 昨日現地でお聞きくださいましたとおり、確かに運賃の面だけから見ても国鉄は高くてだめだという荷主が村当ございますが、しかしやはり鉄道でなければ困る、鉄道がもっと正確に着いてくれさえすれば、鉄道を利用するんだという荷主も相当おられるわけでございまして、私ども持っておりますいままでの荷主の犠牲において鉄道の能率をあげてきたというのがいままでの鉄道輸送でございますが、それをそうでなしに、やはりお客さん本位の鉄道輸送をしなければ貨物輸送に幾ら能率があがってもだめだということを前提といたしまして、一応将来、たとえばコンテナにつきましては現在まだ一割くらいでございますけれども、全体の輸送量の五割くらいまではコンテナ輸送にしたい。コンテナにすればドア・ツー・ドアになりますので、そういう輸送改善を徹底的にやっていくということで今回の投資の中でも、七兆の中の約一兆五千億くらいは貨物関係に投資いたしたいというふうに思っておりますので、先生のお話のとおり、やはり輸送の改善をやらなければ荷主はついてこないということをよく肝に銘じておる次第でございます。
  49. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 その輸送改善をするためには金がかかる、金がかかるとまた料金を上げなければならないという悪循環をもたらしまして、なかなか国鉄財政の健全化、黒字というまでには容易ならぬ困難が伴うと思います。そうして、その困難の中にあるいは五千キロと計算されるところの閑散線の撤廃、これはもう一番大きな困難性をもたらすものだろうと思います。料金値上げについても心配がある。それからして経費の減を願って、閑散線の撤廃ということも困難性がある、こう私は思うものですから、残った問題としては財政の方面からの投入をそれこそことばだけではなくて、実際として思い切ってやらなければならないのではないか。そしてそれについては、過去の実績を考えればやはりやるべきいまの段階になっておるんだ、こう思います。  いままでお尋ねをいたしてまいったのでありますが、大臣は御決意を披瀝しながら、いまのことでやむを得ないというお考えのようであります。ただしかし、私はこれについては不満であります。なおもう少し私もさらに勉強をしてまいりまして、残る時間をもう少し大臣の考えを直してもらうために、ということは財政をもっと思い切って投入するための努力をしてもらうことのために論戦をしてみたいと思います。  そこで、時間がなくなりました。あと残りの問題は国鉄管理者及び職員の努力ということが残っておるのであります。これにつきましては、いろいろな角度からいままでも論議されておりました。私はただ一、二の点についてお伺いをいたしておきたいと思うのでありますが、この「運賃改訂申請理由」の中に、「要因規模の縮減」と伴いまして「管理機構の簡素化」ということをうたっておられます。私はたいへんこれあるかなという感を持ったのでありますが、具体的にはどういうふうにそれをお進めになっておるのでありましょうか、いままでの大きな問題と並んでこの点が入ってきたもんですから、具体的なお考えをこの際お示しおきを願いたいのであります。
  50. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国鉄の部内の管理機構は戦後非常に変わってまいりまして、ことに進駐軍がおりましたときはアメリカ式の機構に変えたりいろいろございましたけれども、現在は一応本社と管理局と現場という三段階に非常に簡素化いたしまして、すでにいま先生がお読みくださったことは、実は一昨年の八月に全国にございました支社を全廃いたしまして、これで約六百人ほどの人を浮かしたわけでございます。すなわちいままでは本社、支社、管理局、現場という四段階になっておりましたけれども、そのうちの支社を廃止いたしまして、これは一昨年の八月でございますが、まず管理機構を縮小しようということで支社を廃止いたしました。  その後、これから考えております管理部門の削減は、五十三年度までに現在約二万八千人おります管理部門の職員を一万五千人にしたい。すなわち、第一次の財政再建計画発足のときの人数が三万五百人おりましたので、それを五十三年度までに一万五千人に五〇%減らすという実に思い切った計画を立ててみたわけでございます。これは十年間に五〇%でありますので、大体年間七%ないし八%ずつ減らしていくという計画で、現在すでに四十六年度末で二万六千くらいに、四十三年度に比較いたしまして約四千名すでに人を減らしました。またその典型でございます本社――丸の内にございます本社でございますが、本社の職員も四十三年度二千五百名でありましたものを現在二千二百人に三百人ほど減らしました。すなわち一割以上すでに減らしているということで、やはり管理部門はついついふえる傾向がございますので、ときどき思い切って減らすという方法をとってまいると同時に、逐年減耗を補充しないということを原則としてやってまいって、現実に幸いにして大体予定どおり管理部門の人は減っておるわけでございますが、今後とも五十三年度五〇%に減らすということを目標に進んでまいりたいというふうに思っております。
  51. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 本会議の時間が迫っておりまして、私はこの問題につきましてはあと十分か二十分ばかりほしいのでありますが、やっておりますというと本会議の時間に間に合いかねます。話が中途になってもまずいもんですから、ここで一応休憩後再開のときにやらせてもらうことといたしてよろしゅうございますか。
  52. 小峯柳多

    ○小峯委員長 本会議終了後に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十分休憩      ――――◇―――――     午後三時十分開議
  53. 小峯柳多

    ○小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。金丸徳重君。
  54. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私は、午前の委員会におきまして、人事管理の面について、特に今回の料金改定申請理由書の中に管理機構の簡素化というものを高く掲げてきびしい合理化の一要素となさっておることを関心を持ちまして、むしろ率直に言わせてもらいますと、高く評価したのであります。どれくらいの管理人員を擁しておるか、またどれだけの簡素化の見込みかとお尋ねいたしたのに対しまして、総裁は二万八千人くらい現在は擁しておるけれども、これを将来二万五千、約半分近くに減らすということのようであります。たいへん思い切った考え方でありまして、これこそ生涯の総仕上げとして、磯崎総裁がこれまでやってきたことに対しての深き反省の中でこのような決意をなさったのかと思いまして、先ほど申し上げましたように高く評価いたした次第であります。  そこで、ほとんど倍近くも管理要因をふやしてまいりましたのはいつごろからでありましょうか。現に、もしうまく管理機構が整備され、うまく管理能力をあげておるとしまするならば、一万数千人の管理要員が、高級者は減らしてもよろしい状況を備えておると思われるのであります。そのような事態を招いたのはいつごろからでありましょうか。ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  55. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国鉄の管理部門につきましては、戦前、国鉄職員が二十万人だった時分がございますが、そのときに大体一割の二万人というのが私どもの常識だったようでございます。そしてその後大体その一割という程度でずっと推移してまいりました。戦後、ことに駐留軍の関係でいろいろ管理機構が複雑になりまして、そのときは一割をちょっとこしたことがあったかと思いますけれども、またもとの姿に近いものに戻しましたので、ずっと減ってまいりました。しかし、ちょうど昭和三十年前後に地方分権と申しますか、地方に権限、権力を分けてしまえということが非常にいわれまして、そして地方に相当仕事ができるような管理部門をつくったわけでございます。これが後のたとえば東北支社とかあるいは中部支社という名称でできたわけでございます。これは独立の機関として権限を持ち、仕事をいたしましたために相当膨大な、一時支社だけで千人をこすような人員を持っておりました。その後だんだん電話が発達してくる、あるいはコンピューターを導入してくるというふうなことで、主として事務の機械化、近代化によりまして、管理部門と申しましても、統計職員とかあるいは給与の計算とか、そういういままでそろばんや何かを使っておったような仕事の面がほとんど要らなくなったことと、それからもう一つは、やはり当時はまだ電話が不自由でございまして、一々東京へ――会議が非常に多いというふうなことでつい管理部門が多かったわけでございますが、電話を国鉄なりに全部即時通話にいたしまして、どこへでもすぐ電話がかかるようにしたというふうなことで非常に仕事の能率も早くなりました。そういうふうなことで主として昭和三十五、六年前後から事務の機械化、近代化を進めましてそういう部門の人を減らしてまいったわけでございます。したがいまして、趨勢から申しますと昭和三十年ごろをピークにいたしまして徐々に事務的に減らし、それから機械的に減らしてきた。これからやっていきます仕事は、もちろん今後大幅にコンピューターを導入する。たとえば、設計その他につきましても相当コンピューターを入れまして人の力による設計を少なくする、あるいは逆転管理にいたしましてもコンピューターによって運転管理するというふうなことで、主として事務の機械化、近代化によって人を減らしてまいる。と同時に、先ほど休憩前に申し上げました管理機構そのものにつきましては少し違った考え方を持っておりまして、必ずしも全国画一な管理機構でなくていいということを前提にいたしまして、北海道と九州と四国、この三つの島はなるべく独立させる。全国一律でなければいけないものは別といたしまして、極力九州と四国と北海道は独立した組織で仕事をしていくという意味で総局をつくりまして、本州のほうは本社がじかにコントロールするということによりまして、中間機構をやめてしまうというふうなことで、いわゆる地方分権と中央集権とを同時にやるという、画一的でない機構改正をやりましてちょうど一年になりますけれども、その成果いかんによりまして、今度は地方において同じようなことをやってまいりたいということで、単に機械化、近代化によって頭数が減るという仕事のやり方と申しますか、そういう統計等の当然減るものだけでなくて、仕事の流れと申しますか事務の流れと申しますか、その中でもって人を減らしていくような努力をしてまいりたいということで、いまその方面の研究のためのプロジェクトチームをつくりましてやっておる最中でございます。
  56. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 国鉄のように非常にたくさんの人を使っておられる――先般の質疑の中にも出てまいったのでありますが、何か七三%くらいの人件費の率になっておるというようなことでありまして、幾ら機械化してももしくは合理化してもやはり相当の人を擁してまいらなければならないというような仕事におきましては、管理体系といいますか管理組織といいますか、このじょうず、へたというものが仕事の能率にも非常に影響してまいるのでありましょうし、職場を明るくする、気持ちよくするという大きな条件の一つになってくると思います。  そこで、むやみに管理人員を減らすということを私は高く評価するわけでありませんで、いかにじょうずに人事管理をしてまいるかということに重点が置かれてまいらなければならないと思います。管理要員がふえていったからかえって職場の中にぎくしゃくが生じてくる、摩擦が出てくる、よけいなお世話をするようなものが出てくるということであってはならない。人事管理は人が多いものでありますし、また若い者あるいは成熟した者、熟練者というようなもの、いろいろのバラエティーに富んだ人員を擁しておるわけでありますから、そういう意味において管理要員がおってくれてやれありがたかった、とか、やれよかったと下のほうからも言われるようなことでなければならないと思いますが、いま総裁ごらんになっておって、いかがでありましょうか。そういう点について、あなたが念願されているような事態が生じておる、進んでおるとお考えでありましょうか。もし、二万八千を一万五千に減らすというようなねらいの中に、私が心配いたすような――少し多過ぎるから、かえってまずいんだというようなお考えがあるなら、この際ひとつ率直に私にお聞かせをいただきたい。
  57. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私のほうの仕事の特色は、非常に職場の数が多いということだと存じます。駅だけでも数千ということで、全体としては万を数える職場があるわけでございます。しかも、それが全国に散らばっているという、ほとんどほかの企業には類を見ないような、非常に散在した組織でございまして、しかも、その散在した組織の一つ一つが責任を持たなければいけないあるいは事故が起こらないよう管理しなければならない。そういう点で、管理要員が他の企業と比較して地域的にばらばらになりますので、若干多いことはいたし方ないと思います。したがいまして、数の少ない管理要員の場合にはやはり素質の問題になってまいります。素質につきましては、いろいろ私ども考え、また管理要員が特別に管理要員として養成されなくしてはならないと思います。下から上がってきて管理要員になるというふうな仕事のしかた、人事のやり方を検討しております。私といたしましては、いまの管理者がそれぞれ適当な資格を持ったものであるというふうに思っております。しかし、とにもかくにも、三万近い管理者がまだおるわけでございますので、一人一人の管理者が全部百点かということは申し上げかねると思います。しかし、やはり管理者というものは、よけいなことを言わず、しかも必要なことを言うという非常にむずかしい仕事でございますので、管理者の養成と申しますか、管理者が管理者の地位についたときの心がまえなりものの考え方というものは、やはりそのつど特別に教育しておかなければいけないというふうに思っております。私は、概していまの管理者はりっぱにやってくれていると思っておりますけれども、とにもかくにも、数の多いことでございますので、一人も残らずとは申し上げかねるかと思いますが、まあ全体がそういうふうになるように、それが私どもの仕事だというふうに思っております。
  58. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 国鉄のような職場におきまして、また国鉄のような仕事におきましては、職場における上下の関係だとか横の関係に友愛感、信頼感が満ち満ちておらないと、幾ら知識の高いあるいは技術の進んだ――あなたがいまおっしゃったような資格を持った者が管理をしても、それはほんとうにうまくいくいい職場にはなり得ないと思います。いい職場でないと能率はあがってこない、いいサービスは提供できないわけでありましょう。そういう意味においては、職場の一人一人の中にまたすみからすみまで信頼感で結ばれ、友情を持って相互に助け合うというような気分が満ちていなければならないと思うのであります。  その点につきまして、実は私はせんだっていやな話を聞きました。これは総裁の耳に入っておりますかどうかわからないのでありますが、私の郷里、甲府の職場において起きたことであります。それは、機関区の区長さんとその下に働いております者との間にもんちゃくが起きまして、とうとう告訴ざたになったのであります。この話をるる申しておると時間がかかりますから、簡単にこれを読み上げて――一番要点をついておるようですから、読み上げてみます。「告訴告発状、甲府市北新二丁目告訴人山本郁夫、告発人中巨摩郡敷島町中下条岡部信次郎、右告訴告発人代理人、弁護士寺島勝洋」という人でありまして、「被告訴告発人倉川好治」さんという人との間に起きたことであります。「告訴告発の趣旨、被告訴告発人の行為は、刑法第二百四条の傷害罪に該当するので刑事訴訟法第二百三十条、同法二百三十九条により、告訴人は被告訴人を告訴し、告発人は被告発人を告発する。告訴告発の事実、被告訴告発人は、国鉄東京西鉄道管理局甲府機関区長であり、告訴人は国鉄動力車労働組合甲府支部青年部長、告発人は同じく甲府支部執行委員長であるが、被告訴告発人は、昭和四十七年四月十一日午後零時四十三分頃、甲府市北口二丁目一ノ九番地動力車労働組合東京地方本部甲府支部事務所入口附近において、被告訴告発人に話しかけようとした告訴人の胸部をやにわに両手で突き、同人をその場に仰むけに転倒せしめ、よって同人に対し安静加療約一週間を要する頭部外傷工型、後頭部打撲、腰部打僕等の傷害を負わせたものである。」添付書類として診断書、目撃者等の陳述書が何通か添えられております。その陳述書――そこに居合わせた人たちや友人などからたくさんの陳述書が出ておるのでありますが、その一つだけを読み上げますと事情が一そうはっきりいたしてまいります。「陳述書」先ほど名前を読み上げました岡部信次郎という人が出しております。「一、私は日本国有鉄道に電気機関士兼気動車運転士として勤務し国鉄動力車労働組合東京地方本部甲府芝部(以下支部と称す)執行委員長をしています。二、昭和四十七年四月十一日十二時四十分頃有賀春夫という鉄道労働組合員が元支部に加入していたのですが、昭和四十六年九月十六日東京地方本部の定期大会に於て除名が決定しました。しかしそれまでの期間組合費及び臨時組合費の未納があり、早急に納入するよう前記時間に説得しました。」その未納組合費の詳細がここに出ておるのでありますが、これは省略いたします。「三、有賀は理解に苦しむとし再度話し合いをする昭和四十七年四月十五日とし、ザラ紙に自ら署名拇印して同四十三分頃支部を出て行きました。」ここから問題が起こるようでありますが、「四、ところが区長(倉川好治)は支部入口にきて有賀君怪我はないかと言葉をかけました。私が申し述べた通り組合員対組合員の話し合いをしたのに対し区長はそのような組合間の問題に対し不当介入してきたので、支部入口にいた動力車組合員に発言を取り消せ等抗議されたところであります。五、区長は大声で「うるせえ、飯ぐれえ喰わしてやれ」「早く釈放しろ」とどなりながら山本青年部長に対して力を入れて突きとばし転倒させ山本君の顔が真青に変るとさいさいと庁舎に帰っていきました。六、私達仲間は山本君をかかえ近くの病院にかつぎこんだところであります。現場長が自らこのように不当介入したり自ら暴力を持って職員に傷害をあたえた行為は許せないと思いますと同時に前回私が告訴告発人とし出した白石運転部長暴力事件が不起訴となり、管理者は少しばかりの暴力はいいんだとする思い上がりの暴行だと思い、ここに強く陳述します。昭和四十七年四月十四日、岡部信次一郎」として捺印いたしてあります。こういうことであります。その他にも何通かありますが、以下は省略さしていただきます。  私はこのことについての事実の状況、またこれについての理非曲直でありますとかあるいは是非善悪であるとかをここであげつらうつもりはありません。これは告訴されておりますから、いずれ司直のほうでそれぞれ裁きがあると思います。ただ私がここで総裁に耳に入れてお考えいただきたいと思いますることは、原因がどうあるにいたしましても、職場がこのように悪感情の中で進められておるということは決して好ましいことではないのではないかということが一つであります。  それからもう一つには、最近、こうしたいろいろな事故が起こるということを心配してか、とかく管理要員というものが現場のほうにたくさん出向いておりまして、不必要に摩擦をしでかしておる、刺激しておるというような傾向がありはしないか。管理者が被管理者、一緒に働く下僚、同僚に愛情を持って対し、信頼されるということこそを私どもは望んでおるのでありますが、かえって管理者がおるがゆえに職場が暗くなったり冷たくなり非常にかどばったりということであっては残念だと思います。この点、総裁はどういうふうにお考えになりましょうか。
  59. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私も国鉄の職場が管理者と被管理者の関係が冷たく、あるいはぎくしゃくするということはやはり事故のもとになりますし、業務の円滑な運営ができなくなるということになりますので、その点については先生と全く同じ意見でございます。ただ、いま先生のおっしゃいました事案につきましては、私も多少知っております。実は私、甲府の機関区長本人も直接呼びまして話も聞きました。若干事実に反する点その他もございますが、これはやめますけれども、残念ながら最近現場における職員相互間のいわゆる暴力行為あるいは管理者に対する暴力行為があとを断たないという非常に申しわけない事態が起きておりまして、これは先般もうちの副総裁と動労の委員長との間の話でお互いにひとつ不信感の払拭におのおのが全力を尽くそうじゃないかという申し合わせもせざるを得なかったような半旗が実は起きておったわけでございます。いまのお話もそのうちの一環で、時期的にもちょうどその時期の最中でございます。しかしいずれにしても国鉄の用地の中で起きたことであり、また国鉄職員同士の話であり、ひっきょうするに、これは私の責任でございますので、私は全力をあげて職場内の秩序の維持、ことに私ども考えますのは、やはり国鉄職員というものは国鉄に対して愛情を持たなければいけない、また利用者に対して誠意を持たなければいけない、この二つのない職員は職員としての資格がないと私は思います。しかし、そういうようなほんとうに職員としてりっぱに仕事をする人たちが安んじて仕事のできるような平和な職場をつくることに全力をあげたいというふうに思っている次第でございます。
  60. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間が過ぎたからという注意を受けましたので、この辺で締めますけれども、いま総裁おっしゃいましたように、私はこの国鉄の重大事態に際会いたしまして、何といたしましても国鉄内部における人的運営の円滑といいますか、気持ちのいい職場をつくり上げることにまず重点が置かれていかなければ、総裁としての責任が果たせないのではないか。いま自分の責任としてということばがございました。それを信頼いたします。  そこで私は最後に、ひとつこれは大臣にも御感想、所懐を承りたいのであります。特に総裁から承っておきたいのでありますが、日暮硯という小さな冊子があります。これは古い幕末のときに出たあれでありますが、これはお読みになっておられましょうか。あるいはこんな古いものですからお読みになっておられないかもしれません。幕末、信州松代藩、真田の藩が非常に財政窮迫いたしまして、諸政紊乱いたしました。そしていまやもう幕府からお家取りつぶしという寸前にまで立ち至ったのでありますが、その危急存亡の重大時に恩田木工というたいへんな器量人といいましょうか、誠実の廉直の人が出てまいりまして、いまでいう大蔵大臣とでも申しますか、総支配人とでも申しましょうか、その役を引き受けましてみごとに短時日の間にお家を再興してきたというのであります。これが日暮硯という実に薄っぺらな本に出されております。私は若いころからこれが好きで、たびたび読んでおります。きょうここへこのような古いものを題材として持ってくるつもりもなかったのでありますが、たまたまイザヤ・ベンダサンですか、「日本人とユダヤ人」という書が出されまして、これはたくさん方々で読まれておるようであります。あるいは総裁あたりお読みになったかと思いますが、あの中にこれを実にていねいに取り上げて書き上げております。そして日本人の特徴とでも申しましょうか、この恩田木工の事績を非常に高く評価しておるのであります。私はきのうも旅行の間にこのことを思い起こしまして、国鉄が際会いたしておりまするこの危機突破のためには、まさに恩田木工が持ったような決意、恩田木工がとったような行動がこの際断然必要ではなかろうか、こんなように思ったのであります。恩田木工はその紊乱してもうどうにも収拾つかないような藩政を引き受けたときに、民百姓に向かってたいへんむずかしい約束をいたしたのであります。自分はうそを言わない、自分はわいろを取らない、自分はいばりません、そしてそのことは自分の家庭にも、きょうだいにも親、子にもこれをいたさせます、それでよろしいか、むろん民百姓としてはそれでけっこうでございます、こんなありがたい殿さま、御家老はありません、こういうことになるでありましょう。そこで私もそう約束いたしますから、皆さんにぜひやってもらいたいことがあるのだ、それはひとつ皆さんも納めるべきものは納めてもらいたい、といいまするのはたいへん上納米がおくれております、もう納める人のほうがちょっとばかみたいに思われるけど紊乱しておりました。それは苛斂誅求いたしたものですから、かえって民のほうでは藩の役人を信頼しないで、滞納いたすことがあたりまえのようになってしまったんです。そうすると、今度に藩のほうではたくさんの役人を現地に派遣いたしまして、無理にまたこれを取り上げてくる。そこで民百姓のほうと、お役人さんたちのほうのいざこざが起こる。ずるっこしい名はわいろを出して免れる。正直な者は食うや食わずでまた持っていかれるということに立ち至って、まさに悪循環が案循環を重ねて、ますますもって紊乱の状況になってきた。そこで恩田木工は、これからは無理な上納米の取り立て方はいたしません、そのかわりには皆さんも納めるだけは納めてもらいたい、つまりうそを言いなさるなということであった。と同時に、役人のほうも無理な、役人が出てまいることがどれくらいお百姓さんにとってうるさいことであるか、困ったことであるかという、その状態から脱却することであったのです。思い切って、それこそ思い切って、たくさんの借金をしながら、その借金は別として、よけいに取ること、先納、先々納ということばを使っておるのでありますが、来年の米、再来年の米までも取り上げるというようないままでの無理なやり方を思い切ってすぽっとやめてしまった。そのためには群財政はたいへんやりにくくなったのでありましょう。しかしその分を役人をやめていった。一番の家老が、そういうふうな木綿の着物に麦めし一汁なんというようなことであるものですから、役人もすべてそれにならって簡素になっていった。そして藩のほんとうの仕事に精進していった。むだな、催促がましいこと、むだな取り締まりというような、言うところの管理人的うるささをなくすような方向をとってきたんですね。そのために恩田木工の業績は私どもの印象にまでたいへん残っておるばかりでなく、ベンダサンによってアメリカに紹介されまして、ベンダサン書いたところの「日本人とユダヤ人」によりますと、彼はこの小冊子をずいぶんたくさんアメリカに送ってやって友人知己に読んでもらったそうであります。もし何でしたら一時間もしますると読めますから、ぜひ読んでいただきたい。いま総裁は誠意と愛情を根幹として、この危機に瀕しておる国鉄財政の再建のために、いや国鉄財政ばかりでなくて、国鉄の百姓のために精進込めて働くということをおっしゃった。そうでありますると、私は恩田木工は参考になると思います。どうかあの心境に立ち至ってこの大事業に邁進していただきたいと思います。  同時に運輸大臣大臣は閣内におきまして、私は実は大蔵大臣がおりますれば大蔵大臣にももう一歩思い切った決意を要請したいのでありますが、機会がありません。もし後日ありますれば、またあるといたしまして、ただ運輸大臣はそのような国鉄の職員全体、国鉄一家がそのような体制に立ち直ることを前提として、その境地になるためのあなたの最善の努力を閣内においてしてもらいたいと思います。私は午前中からあなたに向かって、思い切ったと言うけれども、思い切った措置はあるいは閑散線のめくりの法であり、あるいは職員の減の法であり、そして一番思い切ったのは料金改正だ。あなたにとって一番楽な方法であるかもしれない。しかし、あなたにとって一番むずかしい、しかしあなたでなければできないのは、国の財政、国鉄がかつて国に尽くしたところの分を思い起こしていただいて、この際ほんとうにことばだけではなくて、ほんとうに事実をもって思い切った援助をなすべきであろう。そのためには今回の案ははなはだ不十分である、不満足であるということに立ち至らざるを得ないのであります。  時間が長くなるといけませんから、これを最後といたしまして私の質問を終わります。御両所から決意を承ることができますればありがたいと思います。
  61. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまいろいろ有益なお話をちょうだいいたしまして、私も全力をあげて邁進してまいりたいと思いますが、後ほどその御本を拝借に参りますので、よろしくお願いいたします。
  62. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 いろいろ適切な御忠告をいただきまして感謝している次第でございます。全力をあげまして恩田木工の精神を体しまして、微力ではございますが、国鉄再建のために邁進するつもりでございます。
  63. 小峯柳多

    ○小峯委員長 勝澤芳雄君。
  64. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 運輸大臣、私の友だちが、連休が始まるとだいぶ汽車がこんだりあるいは自動車がこんだりするので、連休前に家族連れで旅行したいということで、二十七日、二十八日関西に家族連れで行きたいというのですが、どうなんでしょうか。だいじょうぶでしょうか。
  65. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ぜひどうじょうぶにしたい、こう思っている次第であります。
  66. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 連日の新聞を見ておりますと、二十七日、八日交通機関ストライキがある、こういわれておりますが、その現状について、鉄道あるいは私鉄あるいはバスなりあるいは飛行機なり、そういう状態はどうなっておりますか。これは運輸省側からどなたかひとつ御説明願いたいと思います。簡単に要を得て御説明いただきたいと思います。
  67. 山口真弘

    ○山口政府委員 二十七日でございますが、国鉄労働組合及び動力車労働組合がいまのところストライキを行なうということを申しております。二十七日は国電中心のストライキ、それから二十八日は新幹線を中心とするところのストライキを行なうということを申しております。それから、私鉄総連傘下の労働組合でございますが、これは大手私鉄並びに中小私鉄が二十七日に二十四時間のストライキを行なう。それから二十八日には大手だけがやはり二十四時間のストライキを行なう。そういうような模様でございます。
  68. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、この交通機関、まあ大げさに言いますと、陸海空の交通ゼネスト、こう言われております。いまたいへん重大な段階にあると私は思うのです。実はこれを監督しているのがみな運輸大臣であるわけであります。運輸大臣は、公共機関としてこの問題を――やはり監督の立場にある者として、何らかの形でストライキを回避させるような努力をすべきだと私は思うのです。お祈りをしておったり、願っておったりしてはいけないと思うのです。やはり私はいま一番中心になっている問題は私鉄だと思うのです。ですから、この私鉄について、やはりそれの内部干渉的なことは何もできないと思いますけれども、監督者としての運輸大臣として、経営者に対して積極的にストライキを回避するという努力をするために、あなたはやはり何らか発言をすべきだと思うのですが、その点についてのお考えを賜わりたいと思います。
  69. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ストの回避ということは、ことに労使関係におきまして、民間の労使の関係はスト権は認めている、正当な争議行為でございますけれども、国民に及ぼす影響が非常に大きいということで、先般の日曜日のストもぜひ回避をしていただきたいということを念願した次第でございますが、不幸にして私鉄の一部、そういうところが入って、まことに残念に思っておる次第でございます。今回はそういう点におきましても、私といたしまして、運輸行政を総括をしております立場からいたしましても、ぜひストを回遊したい。しかし、ただいまそういったような労使関係の紛争に入っておるところでございますので、労働大臣とも十分連絡をとりまして、それの回避に全力をあげてもらいたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  70. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、先ほど言いましたように、お願いやお祈りや期待ではいけないわけであります。念頭や残念ではいけないわけでありますから、私は、やはり具体的に、大臣として、私鉄がストライキをやってけしからぬかどうとかいうのは別問題として、やはり政治を担当しておる監督機関としての大臣の発言というものを特に要望いたしておきます。  第二に、国鉄のストライキも二十七、二十八日に行なわれるといわれております。これがいいとか悪いという議論は抜きにいたしまして、これもやはり運輸大臣として――私鉄とからみ合わせで行なわれておるということはおわかりになっておるわけでありますから、ひとつこれも運輸大臣として努力をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  71. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 全力をあげて、回避に努力するつもりでございます。
  72. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで努力をしていただく具体的な問題といたしましていま三公社五現業の賃金紛争があって、それについての回答が昨日各公社、現業、個々にされたようであります。しかしその中で国鉄だけが自主的な回答ができないということになっておるわけであります。国鉄の経理の実態その他は後ほど、私は、この運賃法、財政措置法の中で十分議論をいたしてまいりたいと思っておりますが、今日の重大時点というものを考えて、私は、かつてない今度のストライキの状態だと思うのです、新幹線もとまるであろう、こう言われておるわけでありますから。とまることがいい悪いというのは、それは労使の問題でありますが、しかし監督者としての運輸大臣として、何としてもやはり耐えられないことだと思うわけでありますから、その点は、やはり自主的な国鉄の経営的なものがあるとしても、せめてやはりよそ並みにしなければ問題解決ができないという認識を持って、その衝に当たっていただきたいと思うのですが、その点いかがですか。
  73. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 三公社五現業のうちで国鉄だけが有額回答ができない。ほんとうに残念に思っておる次第でございます。国鉄の、三公社五現業の他の職員と同等あるいはまたそれ以上お働きになっておられる方々に対しましても、いまの現状、ないそでは振れないとはいいながら、その回答がいまの段階ではできぬということは、ことに私としては残念でたまらない次第でございます。しかしながら、現段階におきましては、どうしても、やはりあらゆる条件を勘案いたしましても回答できないということで、やむを得ず承認をした次第でございますが、将来の問題といたしましては、できるだけのことをしてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  74. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国鉄総裁にお尋ねいたしますが、国鉄の労使の現況につきましては、先ほど金丸委員からもいろいろと述べられました。いろいろ見方は違うといたしましても、とにかく経営をやっていく上には相互に信頼をしなければだめだということが言われたわけでありまして、相互信頼のないところに企業の発展あるいは能率の向上もないと思うわけであります。しかしその根本は、とりもなおさず国鉄の財政だと思います。よく貧すれば鈍する――まさに貧すれば鈍して、お互いにめちゃくちゃになっておる。これを少しでもよくしようという努力がことしの初めからお互いにされてきていると思うのです。お互いにされてきておる。しかし何とかもう少し努力しようじゃないかというところに来ておりますし、先ほど運輸大臣も、特に交通のストライキについてはできるだけ避けるように努力をしたい。中心になる私鉄についても、また国鉄についても有額回答ができなかったけれども、ひとつ前向きに努力をしよう、こう言われておるわけであります。私はやはりこういう点から考えてみて、国鉄総裁としてもこうしてくれなければ困るということを、この際運輸大臣あるいは政府に向かってきっちり言うことが、私は、必要じゃないだろうかと思うのです。政府は、いままで、予算が通らなければ、とこう言っておりました。しかし、現実にきょう現在まだ予算が通っているわけではございません。おおむね二十八日には参議院を通過をして成立するだろうということがいわれておるわけであります。その中で電電公社もあるいは郵政も林野も、これらはみな回答しているわけであります。国鉄としても、その予算も同様であります。ただ収入になる運賃の問題がまだ見通しがはっきりしない。こう言われておりましたが、初めがあれば終わりがあるわけでありますから、初めがあって、終わりがないわけではありませんから、それは五十歩百歩の理屈だと思うのです、運賃にかこつけることは。ですから、そういう点で、きょうここで運賃の審議をされておるわけでありますから、十分国鉄総裁として、やはりこの際積極的に紛争を解決する、これだけ総裁として努力をしたんだということを、やはり国民に向かってあるいは政府に向かって言うべきだと思うのです。組合に向かって言うべきことは、あなたも運輸大臣もいろいろ言われておるようであります。しかし、それ以上に私は、やはり問題解決の本質というのを、国民的の問題として、政治的な問題として解決する努力というものをいま一段と強めるべきだと思うのですが、見解を承りたいと思います。
  75. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私はたまたま紛争の当事者でございますので、ある程度申し上げることは制限があるかとも存じますが、率直にひとつ申し上げさせていただきます。  先ほども参議院で御質問がございましたけれども、私は、今般の、まあ先ほど金丸先生の御質問になった暴力事件の問題は、これはまた全然別でございます。いわゆる春闘問題でございますが、これは三月十二日に要求が出まして、今日まで五回の団体交渉をしてまいったわけであります。私どもといたしましては、いまのところ、支払い能力がないというような現況でございます。したがって、運賃法の問題について私どもが云々することは、これはもうできないわけで、国会の諸先生方にお願いをするだけでございますが、その問題を一応片つぼに置きまして、そして、給与問題をどうするかということになるわけでございますが、私のほうは、あくまでも民間賃金ないし公務員その他の二公社五現業とある程度のバランスをとることは、これはもうはっきり法律できまっておるわけであります。したがって、もちろん運賃法の審議。成立と関係ある、あるいは歳入予算の相当重要な部分をなしておりますから、会計は深い関係がありますけれども、賃金問題としては、私は、私どもの職員の大多数はまじめに働き、大多数が真剣に仕事に打ち込んでおるという確信を持っております。その確信の上に立って、私は賃金問題を解決しなければならないという気持ちであることだけをはっきり申し上げておきます。
  76. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 支払い能力がないと言われておりますけれども、四十七年度予算では、ベースアップについてはどの程度の予定をされておったのですか。
  77. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いま御審議願っております四十七年度予算につきましては、公務員あるいは他公社並みに五%の資金をベースアップの財源として組み込んであります。もちろんこれは、収入支出のバランスのとれた予算でございますので、収入欠陥があれば、しかも非常に多額に収入欠陥があれば、これは歳出の問題に、法律的にいろいろむずかしい問題があるようでございますが、収入欠陥がはっきりしていれば、それを見合いとしての支出がはたして可能かどうか、これは相当問題はあると思いますけれども、五%だけは組んでございます。
  78. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、これ、私は事務的な問題じゃないと思うのです。政治的な問題だと思うのです。それから、公務員と他公社並みに五%、ベースアップの予算を組んである。言うならば、当初予算の中で、五%程度のベースアップというものはとにかくやむを得ないであろうという方向があるわけでありますから、事務的に詰めてみて、回答が出せないとしても、政治的にこれを見るならば、この程度予算がありますから出したいと思いますぐらいのことは、私は言えると思うのです。これは大臣、まさに政治的なことですよ。大臣は事務屋じゃない、政治家ですから。ですから、そういうことを踏まえて、二十七日といっても、あさってなんです。しかし、現実にはあすからもうトラブルが起こるわけでありますから、これはやはり早い機会に、きょうじゅうでも私は、あなたも先ほど労働大臣ともお話をされる、こう話をしておりました。私も、先ほど労働大臣におかしいじゃないかというお話をいたしておきました。それは、政治家が見れば、おかしい、何とかしなければならぬとみな思っているわけでありますから、事務的なものはこの際事務の人たちにまかして、国民的に、政治的に見てどうすべきかという判断を早急にされることを特に要望いたしておきます。  それでは、国鉄財政の再建促進特別措置法でありますが、この財政再建促進特別措置法は四十四年にできたわけでありまして、これは、当時十年再建計画が行なわれたわけでありますが、四十四年、四十五年、四十六年と三年やられてきて、これで行き詰まって改定しようということになった。行き詰まった原因は何かといえば、自動車輸送の発達による輸送量の伸び悩みと、それからベースアップによる人件費の大幅上昇だ。これは私、しろうとでも、自動車輸送の発達による輸送量の伸び悩みとベースアップによる人件費の大幅上昇というのは、これはしろうとでもわかることなんです。しろうとでもわかることにかかわらず、四十四年に立てた再建計画がもう一回やり直さなければならぬというのは、これはまさに食言というかあるいは再建計画の粗漏というか、あるいは国民をだましたものというか、そういうものだと思うのです。まあ大臣でなくて局長でけっこうですから、ひとつこの四十四年に財政再建措置法をつくりながら破綻をした原因は一体何なのか、その原因をひとつきっちりと答弁願いたいと思います。
  79. 山口真弘

    ○山口政府委員 四十四年度からの新再建計画でございますが、これにつきましては、長期の十年間の見通しでございますから、したがって、その間におきまする輸送量の想定、その輸送量に基づくところの収入の想定というものをまずいたし、さらに、人件費その他の経費につきましての想定をいたし、さらに、国の助成というようなもの等をもそこに含めまして、そして十カ年間の一応の想定をしたわけでございます。  それらの中で、第一点の輸送量でございますが、これは特に旅客輸送の面におきましては、自動車の発進等によりまして、地方における普通旅客輸送あるいは定期旅客輸送というようなものが、予定と違いまして伸び悩みになりました。さらに貨物輸送におきましては、主として第一次産品が中心でございますが、第一次産品におけるところの輸送の停滞――石炭等の構造変化というようなこともございますが、そういったような面におきまする輸送量の停滞というものがございまして、所期の収入をあげることができなかったという点がございます。  それからいま一つ、人件費の面でございますが、これは再建計画におきましては、年率九%ということで人件費の上昇の見込みをいたしておりました。しかるに、実態はそれよりもはるかに多い人件費の伸びを示したわけでございまして、この点は見通しが甘かったという点は私ども反省をいたしておりますが、とにかくそういうようなことが一番大きな原因となりまして、そして今回のような事態になったわけでございます。
  80. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 実は、この前回の再建措置法についての議論というのが十分国会でないわけです。自民党の強行採決によりまして、十分な審議がないまま実はこの法律は通ってしまったわけです。ですから、再建論議というのは国会の中でされていないのです。ですから、この中身がいかに当時の情勢に合っていないものであったか、不十分なものであったか、今日こうなるのはわかっておったじゃないかということを実は言うだけで、残念だと思うわけであります。この当時十分な審議が行なわれているならば、こんな再建計画はだめだ、もう一回やり直ししろというのはあたりまえだと思う。当時、十分審議をされておりません。  いま局長言われました自動車輸送の発達による輸送量の伸び悩み、じゃ、今度の十カ年計画というものはこれを解消しているかというんですよ。解消しているか。ベースアップによる人件費の大幅上昇、九%を盛ったけれども、それ以上になった。今度の再建計画はこの二つの問題を具体的にどう解消したんですか。
  81. 山口真弘

    ○山口政府委員 今回の再建計画によりましては、現行再建計画が失敗といいますか、破綻を来たしました、根本的な収入の見通しとそれから人件費の上昇というものにつきまして、十分その点を考慮に入れて今回の再建計画は組むべきものということでございます。したがいまして、その収入の見通し等におきましては、長期の国の計画等にマッチをいたしましたところのものと、さらに最近までの実績というものを勘案いたしまして、そうして輸送量並びに収入の見通しというものをかなりかた目に組んでおるわけでございます。  さらに人件費につきましては、現行再建計画が九%ということでございますが、今回はとりあえずは一二・一%ということを人件費のアップの見込みといたしておりまして、これは新経済社会発展計画におきまして一二・一%の数字をとっておりますので、それを基準としておく。それから先のほうに行きまして、一一・一%、一〇・一%というような形で人件費を見込んでおりまして、前回の失敗の経緯というものも十分参考にいたしまして今回の再建計画を組まなければいかぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
  82. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この国内の輸送機関別の旅客の輸送状況それから輸送機関別の貨物の輸送量、この表で見てみますと、年々、たとえば旅客でも国鉄のパーセンテージは低下しているわけです。そしてバス、乗用車、それから航空機、船舶、こういう形で上昇しているわけです。それから貨物を見てみましても、同じように貨物の比率というものはトラックに、それから内航海運にかわっているわけであります。この比率を変える政策というのを、逆にやってこない限り、貨物はふえないし旅客はふえないわけですよ。ですから、数字の上ではじいているだけであって、具体的にそれでは道路網の整備をどれだけダウンをさせるのですか。あるいは飛行場整備をどれだけダウンさせるのですか。あるいは港湾整備をどれだけダウンさせるのですか。そしてどれだけの国鉄の貨物、旅客輸送になるのですか。その点、どうですか。
  83. 山口真弘

    ○山口政府委員 長期的に見まして将来の国鉄がどうあるべきかということは、結局は総合交通体系の中においての国鉄のシェアという問題とも関連をしてくるわけでございますが、その総合交通体系の中におきましては、各交通機関の特性に応じたもの、そういう分野を担当すべきものといたしまして、大都市交通あるいは地方交通あるいは全国交通ということで想定をいたしまして、そういう想定の考え方に基づきまして、そして国鉄なりトラックなりその他のシェアを考えております。そうしてそういう考え方のもとに立ちまして、具体的な輸送量の想定でございますが、たとえば旅客につきましては、定期といたしまして過去の実績と新全総計画の二、三次産業との相関関係というふうなものによりまして定期の輸送量を想定する。それから普通旅客につきましては、過去の実績値と新全総計画の個人消費支出との相関関係というようなものによって想定をする。あるいは貨物につきましては、過去の実績値と新全総計画のGNPとの相関というような関係によりまして、具体的な輸送量の想定をしてまいるという趣旨でございます。  なお、その際に国鉄の体質改善というものが当然の前提となるわけでございますから、したがって新幹線の整備というようなものもその中に考え、さらに貨物輸送その他につきましての設備投資というものも考えた上で想定をするという形にいたしております。
  84. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 局長、十年たったらどうなるということは私は聞く必要はないと思う。一年たって計画がもう変わっているでしょう。具体的に言いますと、四十四年から五十三年までつくった十カ年計画の設備投資は三兆七千億。十カ年計画は三兆七千億の設備投資ですよ。今度はどうですか。今度の設備投資は六兆五千億くらいでしょう。三年たったら今度は倍になったわけですよ。だから十年たったらなんという計画で、あなたがここで幾ら説明したって、説明しているあなた自体が自信があるかどうかわからないんですよ。それはなぜかといったら、一年でこの前の計画がくずれているわけですから……。くずれた原因が何かということの究明が何にもされていない。何にもされていないから、それは大臣に言っては申しわけないけれども、この程度の政府補助じゃだめだ。あなたは、そんなことを言うな、おれはこんなにやったんだと大臣は言いたいでしょうけれども、三年前の計画を見たら、それは自民党が単独で強行せざるを得なかった。ですからわれわれに十分審議さしたら、こんなのはでたらめだということになるわけです。あまり悪口を言うとあれが、とにかく三年前の計画で三兆七千億の設備投資でよろしいと言ったのが、二年たったらどうでしょうか。今度は六兆五千億だというのです。三年間で計画が倍になっているんですよ。これを見ると、一体財政再処というのはこれでいいのか悪いのか、ここをもう一回詰めたいと思うんですよ。そして、来年でけっこうですよ。来年たってみて計画とどうなんだ、またこんなに違ったじゃないか。この責任はだれにあるか。いや何とか何とか審議会です、何とか何とか会議でもってきめたものであって、これが責任のない政治のやり方だと思うのです。何でもいま言った運輸政策審議会にかけて、総合交通体系に関する答申、こんなことだったらたいしたことないですよ、これは。具体的事実のものの積み上げがない限り、問題は前進しないわけです。これだって来年たてば、もう書き直さなければならぬでしょう。ですから、そういうふうにものが動いているわけです。動いているほどまたつかみにくいものだともいえましょう。それから総合的な政策が変わっていないからこういうものになるでしょう。また総合的な政策もこれまたつかみにくいものでしょう。お客はどちらに乗るかという選択の自由もありますし、貨物もどこへどう送るかという選択の自由があるわけです。選択の自由があるところに持ってきて、片方は社会主義手法でもってやっているわけですから、当然問題になるわけだ。ですから、この問題はもう少し、一体四十四年のときの再建措置法というものはどこが問題だった、運輸省としてこうやりたかったのだ、国鉄としてはこうやりたかったのだけれども、それは大蔵省から財政的にこうなってこうなっちゃったんだ、こういう過去があるならともかく、ここで何でも、これでだいじょうぶです、だいじょうぶです、こう言われたら、これはだめになるのはきまっているわけであります。そこで大臣、これはあたりまえの答弁しか出ないと思うのですが、今回のこの財政再建措置で、今度はだいじょうぶでしょうかな、どうでしょうか。
  85. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 今回の財政再建は、この前、四十四年度の見込み違いと申しましょうか、率直に申しまして、改定をせざるを得なかったというような点の欠点を十分考えまして、先ほど道路計画、港湾計画その他の点にお触れをいただきましたが、国鉄に対しまして、いままでにはない発想に立ちまして、イコールフッティングの観点からいたしましても、国としても相半助成をしなければならぬという観点に立ちまして、これは赤字のための助成だけではございませんで、将来国鉄がほんとうに陸上の交通の大動脈として国民の負託にこたえるためには、国も大いにひとつその点は、ただに道路とか港湾だけでなく大いにやるという姿勢を示してきた次第でございまして、確かにいま輸送比率が漸次国鉄が減少しておることも事実でございます。まあそれらを今回は国鉄の企業体制におきましても、輸送方法、たとえば、私はしろうとでございます。先生のほうがくろうとであれでございますが、実際問題として輸送の方法の近代化を思い切ってやる、ことに貨物についてはやるとか、それから長距離大量輸送の鉄道の特性を生かすというようなことでひとつ思い切った近代化をやろうというところが十分出ている次第でございまして、もとより大きな十年計画というものは、国の財政規模その他のますます拡大に伴いまして、これはいい意味で変わってくるということはあるかと思う次第でございますが、そういう点で、いまの私どもの出しましたことで、国鉄が企業努力、それでサービスの向上というような点にいろいろ努力してまいりますれば、今回は御期待に沿えるものだと思っている次第でございます。
  86. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 四十四年の当時の国鉄に対する国の助成と今度の再建計画の国の助成、数字的にはどう違いますか。
  87. 山口真弘

    ○山口政府委員 前回の国の助成でございますが、第一点は工事費に対する補助がございました。その工事費に対する補助につきましては一応国鉄の工事費に対しまして五・五%までの利子補給ということでございます。当初は実はこれは六・五%までの利子補給でございましたが、後に改定をいたしまして五・五%の利子補給にいたしました。それを今回の改定におきまする再建計画におきましては四・五%までの利子補給にするということが一つの大きなポイントでございます。  その次に前回――前回といいますか、現行の再建計画におきましては、いわゆる過去の債務に対する利子負担というものの軽減をはかるという趣旨のもとに、四十二年度末の政府管掌債務につきまして、これを十年間資金運用部資金から借り入れをいたしまして、そうしてその借り入れをいたしますと当然孫利子が出るわけでございますが、その孫利子につきまして国が助成をするという方策をとったわけでございますが、今回はそれに対しましてその範囲を非常に大幅に拡大をいたしまして、四十六年度末の政府管掌債務並びに四十六年度末の政府保証債務、この両者の利子を全部資金運用部から再建債という形で借りまして、そしてそれに対する利子を全部利子補給をするという形にいたしました。その結果、国鉄の過去の債務、債務残三兆でございますが、三兆のうちの約二兆というものは十年間たな上げと同様の措置をするということに相なったわけでございます。  第三点に、従来国鉄につきましては国の出資というものは、発足当時の出資とその後若干の出資がございまして、八十七億円の出資しかなかったわけでございますが、それに対しまして実は四十六年度予算から新幹線につきまして若干の出資がついておったわけでございますが、再建計画のスタートのときにはそれがございませんでした。それを今回の新再建計画におきましては大幅にふやしまして、そうして四十七年度六百十六億円、そうして今後四十七年度から五十六年度までに十年間におおむね一兆円の出費をするということにいたしたわけでございます。  それから前回の再建計画にはございませんでしたが、今回の計画におきましては、地方の閑散線の撤去に関連をいたしまして、これが撤去しやすくするようにというふうに合理化促進交付金というものをいたします。これは搬入だけでなくあるいは駅の整備等にも使えるわけでございます。さらに地方閑散線につきましてこれを撤去するわけでございますが、それについて地元が存続を希望する場合に、これを若干の期間存続をせしめるということにいたしまして、その場合には国と地方公共団体からこれに対する補助をするという点でございます。  大体以上が、今回の再建計画におきまして政府のとるべき措置でございます。
  88. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 前回の場合は、金額的に十年間でどの程度の助成になるのか、それから今回は総計どの程度の助成になるのか。
  89. 山口真弘

    ○山口政府委員 前回の場合の国の助成でございますが、まず先ほど申し上げました工事費に対する利子補給でございますが、これが約九百五十六億円程度、それから先ほど再建債に対します孫利子でございますが、それが千五十三億円程度、したがって何方合わせて約二千億の国の直接的な補助でございます。そのほか再建債がございます。  それからその次に今回の直接的な助成措置といたしましては、財政再建に関する工事費の補助金が約六千八百億円、それから再建債利子補助金、先ほどの孫利子でございますが、これが約三千四百億円、それから政府の出資でございますが、これが約一兆円、それから先ほど申し上げました地方閑散線の運営費の補助金でございますが約五百億円、それから合理化促進特別交付金が約二百億円、合計いたしまして、国といたしまして約二兆九百億円程度の直接的な助成をいたします。さらに、先ほど申し上げました財政再建債といたしまして、おおむね七千億円程度の財政再建債を出すということに相なるわけでございます。
  90. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、いまお聞きになったように三年前の計画のときには政府から出てきたのは十年間で二千億、三年たっていま出てきたのは――一応数字はいろいろあるでしょうが、二兆九百億、三年ですよ。根本的な違いは、われわれ社会党がこれは第一次五カ年計画、第二次、第三次とやってきまして、そして再建計画になったわけでありますが、そのつど、運賃値上げのときに、運賃の値上げだけではだめですよ。これは国のために、公共企業としての負担している分があるのだから、国がもっと積極的に投資すべきですよといってきたわけだ。だからこれは失敗しますよといって失敗して、にっちもさっちもいかなくなってきて、そしてやられてきておるわけです。私はこれでもだめだと思うのです。二年たてばだめになると思うのですよ。大臣が幸いにもう二年も運輸大臣をやってくれればこれはたいへんいいと思うのですけれども、運輸大臣じゃない今度は大蔵大臣に二年たてばなられるでしょうから、その時分になればもっとよくなると思いますけれども、大臣、このように国の政策というものがこんなにおくれおくれなんです。ですから、国鉄の赤字の原因というのは何なのかというのが実ははっきりしないのです。そして貧すれば鈍するで、国鉄の総裁は自分が赤字をしょっているような気になって、何とか黒字にしなければならぬ、黒字にしなければならぬといって無理しておるから中がうまくいかないわけです。おまえたちはよく働いてくれている、しかし働く環境が悪いので、一生懸命やるからがまんしてくれといえばいいものを、やはり働きが悪いからということで――これは時代の違いだと思うのですよ。五十、六十過ぎの者が、私も仲間ですけれども、いまの二十歳の娘に話をしてみたら、これはまるっきり時代が違うわけでありますから、時代の違いなしに、おまえは働くのはあたりまえだ、こう言っちゃだめだ。働いてもらってありがとう、こうやらなければうまくいかない。これはどこも同じことですよ。そうさしている環境は何かといえば、国ですよ。国が国鉄にさしている。それがいま労使紛争となって、ごちゃごちゃしているわけですよ。ですから、大臣は精一ぱい努力をされたわけです。ここまで努力をされたことについては、いままでとは変わった目で見たいと思いますけれども、これでも不十分だということだけは承知しておいてもらわないと、また二年か三年たって、もう一回財政再建計画はやり直しですからね。これは間違いないと思うのです。私はそのときおりますから、間違っておったかおらないか、また議論をしたいと思うのです。  そこで、それでは財政再建計画はこれでいこうということになった。この中で、四十七年度を初年度として運賃値上げのおくれがあるわけであります。収入見込みの違いが出てまいりました。それから、今度は賃金の問題があります。そうすると、四十七年度の予算の中で収入見積もりの問題と賃金問題、これがどれくらいのものになるだろうかというのは、予想されると思うのです。私鉄に一つの例が出ておる、現実的には、大体どの辺だと。そうすると、四十七年度計画というものは、一体、再建計画を立てたこの数字のようになるのですか。これは局長、どうですか。
  91. 山口真弘

    ○山口政府委員 四十七年度の収支でございますが、これは現在御審議をいただいておりまする予算の中におきましては、収入が一兆五千七百六十四億、それから支出が一兆五千七百六十四億でございまして、資本勘定への繰り入れが約千七百億ございます。ただし、この中に財政再建債相当額が千百億ございますので、それを引きますと、約六百億程度が純粋の意味におきまする償却前の利益ということに相なるわけでございます。したがいまして、今後運賃改定のおくれがございますとしますと、その部分だけ穴があくわけでございます。一日大体五億の収入欠陥に相なりますから、一月間で百五十億、二月間で三百億程度の穴があくということになります。かりにベースアップがありますと、ただいま計上いたしておりまする給与改善費等によりましてまかなえるものはまかなえるわけでございますが、まかなえないものにつきましては、それだけの穴があくことになるわけでございます。そういう意味におきまして、運賃改定のおくれ並びに人件費のベースアップというものが、今後の収支の状況を左右することになるわけでございます。
  92. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまあなたが言ったことは、私が質問したことなのです。数字はどうなるかということを言っているわけです。損益計算がどうなるのか、償却後の損益がどうなるのか、これをそろばんをはじいて、ここで御説明願いたい、こういうことなのです。そうすると、「新財政再建計画による収支見通し」というのは、四十七年度当初で、一体見通しどおりになるのかならぬのか。四十七年から五十六年まではじいているけれども、これをもう一回計算し直してみてくれ、この表は当てにならぬじゃないか、こういうことになるわけですよ。
  93. 山口真弘

    ○山口政府委員 先ほど申しましたように、現在の予算におきましては償却前の黒字が約六百億、正確には五百八十五億だと思いますが、約六百億くらいの償却前の黒字が生じております。したがいまして、あと、ベースアップが幾らになるかという点が一つ問題でございますが、運賃の改正がかりに一月おくれたということになりますと、その六百億の中から三百億が足りなくなり、さらに一月半おくれるということになりますと四百五十億くらいが足りなくなる。そうしますと、百五十億程度の償却前の黒字が残るということに相なります。それに、今度は、ベースアップがございまして、そのベースアップの額が現在組み込んでおりまする給与改善費というものを上回ることになりまして、それがかりに五百億上回るということになりますれば、その段におきまして償却前の赤字が五百億足らずになるという計算に相なります。
  94. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 かりの話を私はしておるのですから、コンピューターに数字を入れればぴたぴたっと出てくるわけですよ。運賃のおくれはどれだけなのか、運賃のおくれを一カ月半と見るのか二カ月と見るのか、一カ月半と見た場合はこうなります、二カ月と見た場合はこうなります、それからベースアップの問題は大体昨年並みになるだろうということは、いま見通しとして出ているので、しょう、ほかの民間なり私鉄の相場を見てみますと。そうすると、それをかりに昨年並みとした場合、どうなるんでしょう。これはどうですか。国鉄のほうで試算をしたものはございませんか。大京かでいいんですよ。
  95. 山口真弘

    ○山口政府委員 かりに運賃のおくれが一月分あるといたしますと、三百億引きます……。
  96. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 一月じゃ上がらないですよ。だから、二月見てみてあるいは一月半見てみて計算してください。
  97. 山口真弘

    ○山口政府委員 それでは一月半見るということにいたしますと、約四百五十億……。失礼いたしました。ちょっと間違えました。かりに運賃改定が一月半おくれますと二百二十五億ダウンいたしますから、先ほどの五百八十五億から二百二十五億を引きますと約三百五十億の償却前の黒字が残ります。それから、かりに昨年程度のベースアップということに相なりますと、この点、現在の給与原資というものを考え合わせまして、ちょっと計算上いろいろの点で……。
  98. 小峯柳多

    ○小峯委員長 そうむずかしい数字じゃなさそうだが、すぐできないということか。
  99. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 局長でも課長でもいいから、わかる人が答弁しなさい。
  100. 山口真弘

    ○山口政府委員 実は非常にむずかしい点がございまして、給与改善費のほかに、たとえば予備費を幾ら使うかというような問題とも関連をいたしますが、大体におきまして給与の増が七百億程度というふうに仮定をいたしますと、先ほど申し上げました約三百五十億の償却前の黒字の中から……。昨年同様程度のものとすれば二百億ぐらいの不足が生ずるということに相なります。
  101. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 「新財政再建計画による収支見通し」ということで十年間書かれておるのですが、そこで償却前損益というのが四十七年度は五百八十五億の黒だといっている。いまのお話ですと、かりに一カ月半おくれた場合は二百二十五億、それからベースアップの差額の分が、昨年並みと見た場合、二百億というと四百二十五億、五百八十五億から四百二十五億を引く、こういう計算でいいかどうか。国鉄のほう、どうですか。
  102. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いま先生のおっしゃいましたとおり、運賃値上げのおくれがかりに二百二十五億といたします。二月なら三百億でございます。それにベースアップ、かりに去年どおりといたしますと、約三百億足りませんので、結局五百億ないし四百億、逆に申しますれば四百二十五億ないし五百億の不足ということになります。したがって、その五百八十五億の償却前の黒はほぼゼロになってしまう。――まあ、ゼロにはなりませんが、大体多く残って百億、少なければ二、三十億ということになろうかと思っております。
  103. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 運輸大臣、いまお聞きのように、ここに出されている新財政再建計画による収支見通し、この表自体が役に立たない表なんですよ。四百億から五百億の収支見込みの違いは出てきている。そうすると、今度それを逆算しますと、四十八年度は百三十三億の黒になっておりますけれども、四十八年度の見込みはどうなりますか。ちょっとその辺で計算してみてください。
  104. 山口真弘

    ○山口政府委員 償却前の黒字で四十八年度は百三十三億の黒字を見込んでおります。そうして、その黒字を見込んでおります前提としての人件費は、一二・一%のベースアップを見込んでおりますから、若干の、四十七年度からの繰り越し的な問題はございますけれども、大まかにいきまして一二・一%のベースアップなら四十八年度はそのとおりになる、こういう意味でございます。
  105. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、ことしの人件費はどれだけなんですか。いまの二百億というのはどれだけの見込みなんですか、そのパーセンテージは。どちらでもいいですよ。わかるところで答弁してください。
  106. 小林正知

    ○小林説明員 ただいまのお尋ねでございますが、ことしはただいま御審議いただいております予算案そのものを入れておりまして、ことしの人件費としては金額で八千八百九十七億、この中には大体予備費の二百億程度を取り込んでございます。いわゆる人件費としてきめておりますもののほかに、予備費を取り込んだ数字になっております。予算そのものでございます。したがいまして、先ほど鉄監局長から御答弁がございましたような意味で、あの数字よりも若干上回ります場合には、この数字はもう少しふえてくる、かように思います。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
  107. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 どうもわかったようでわからぬわけですが、わからぬのを幾ら詰めてもあれですから、ではこうしてください。  この表をもう一回検討して出し直してもらいたいと思うのです。それは、四十七年度で運賃が四十五日ないし六十日のおくれというものの見方をし、人件費がいま昨年並みのような調停の動きだと見た場合、この償却前の損益あるいは減価償却、あるいは償却後の損益がどうなるのか、それを引き継いで四十八年度を見た場合、一体ここの償却後の損益がどうなるのか、四十九年がどうなるのか、その四十九年までの三カ年だけひとつ試算してみてください。そうすると、この表と照らし合わしてみれば、この基礎によってこの再建計画ができているでしょうから、この基礎そのものが三年たつともう一回やり直さなければならぬというふうに私は思いますし――そちらのほうではそうは思わぬでしょうけれども。そう思うと言ったら、この審議ができないわけですから。ひとつその点を数字で詰めて、ひとつ資料として出してみてください。出てから、その問題はまた質問さしていただきたいと存じます。  そこで私は、再建計画というものがどこで問題になるかといいますと、この三年前といまたったものを比べてみると、もう投資規模がこんなにも違うようになっている。投資規模がたいへんな違いになってきている。これほど実は動いているわけです。そうすると、これをどこで補うかということになれば、当然また借金になるのじゃないであろうか、それはどうなるであろうか。あるいは物価の上昇はこんなに激しいわけです。インフレ傾向です。一体その分をどう見ておるのか。あるいはあとで申し上げますけれども、赤字線の問題で一体このとおりやれるかどうか。それから合理化の問題であります。こういう問題をあわせ考えてみると、一体この再建計画というものはあまりにもきれいに書かれておるけれども、もっと根本的にメスを入れるところが違っているのじゃないだろうか。しかし、三年前から比べればたいへんな前進ですけれども、われわれから見たらこれはまだまだ不十分だ。  そこで一体どこが不十分かといいますと、よくお話を聞いてみますと、三方一両損とかいって、政府の助成、それから内部の合理化、経営努力、そして運賃の値上げだ、こう言われておりますが、一体十年間のこの資金はどういうふうに考えられておりますか。政府の助成というのは二兆一千億、合理化の努力というのは二兆四千億、運賃値上げが六兆三千億、こういうふうに推定されますけれども、いかがですか、数字について。
  108. 山口真弘

    ○山口政府委員 数字につきましては大体そのとおりでございますが、若干こまかい点を申し上げますと、国並びに地方の負担といたしまして、直接的なものといたしましては二兆四百億、それから運賃改定等に関するものが六兆七千億、それから国鉄の合理化、土地の売却等の合理化でございますが、二兆四千億程度でございます。
  109. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、三方一両損というのはみんな一両ずつ損をしなければならぬでしょう。いまの話を聞いていますと、政府の助成が二兆四億、国鉄合理化が二兆四千億、それから運賃値上げが六兆七千億、これはまるきり国のほうは、この比率からいったら三方一両損じゃないのですよ、一両も損をしていないじゃありませんか。これは三方一両損とか、三位一体なんということばはぜひ慎んでいただきたいと思うのです。これは特に国鉄総裁にも言っておかなければならぬ、三方一両損じゃないのですよ。国民は運賃値上げでたいへんな損をしている。  そこで大体、政府の施策なり国鉄の合理化なり運賃値上げはわかりました。設備の投資規模は、前回のときには通勤輸送、新幹線、幹線輸送力、合理化、近代化ということで三兆七千億というのははじかれておりますけれども、今回はこういうふうに分けてみると、一体どういうような投資規模になりますか。
  110. 山口真弘

    ○山口政府委員 前回の設備投資でございますが、三兆七千億でございました。実はその中には新幹線につきましては山陽新幹線だけを取り上げておりまして、全体といたしまして、設備投資が不足なことが国鉄の体質改善を十分にすることができなかったということで、今回はおおむね七兆ということを考えておるわけでございます。おおむね七兆の設備投資の中身でございますが、今後法律が制定されましたあとで国鉄財政再建に関する基本方針でこれを決定するということでございまして、その意味では確定しているわけでございませんが、七兆の一応のめどといたしまして、在来線関係といたしまして四兆六千億程度、その中に山陽新幹線、その他の新幹線車両が八千億含まれております。それから東北新幹線に九千億、それからその他新幹線に一兆一千億、その他調整額として四千億ということにいたしまして、これは今後の設備投資の必要性等によりまして、新幹線あるいは在来線に振り向けていくということにいたしております。要するに新幹線を含みます在来線の整備につきましてこれを振り向けてまいりたいということでございます。
  111. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ちょっと数字がよくわからないのですけれども、在来線が四兆六千億で、あともうちょっと説明してくれませんか。
  112. 山口真弘

    ○山口政府委員 在来線四兆六千億でございまして、その中には、先ほどちょっと申し上げましたが、山陽新幹線その他新幹線車両約八千億というものを四兆六億の内訳として含んでおります。それから東北新幹線九千億、その他の新幹線一兆千億というものを一応予定しておりまして、あとの四十億というものは、今後の設備投資の動向とか必要性等を考えまして、在来線並びに新幹線に振り向けていく意味の調整額として保留するということで、七兆というものを設備投資に予定しておるわけでございます。
  113. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 七兆にならぬのですが、どういう計算をすると七兆になるのですか。
  114. 山口真弘

    ○山口政府委員 在来線が四兆六千億、東北新幹線九千億、その他新幹線一兆一千億、調整額四千億で七兆でございます。
  115. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 鉄道建設公団でやる新幹線の予算はどうなっているのですか。この中に入っているのですか、いないのですか。
  116. 山口真弘

    ○山口政府委員 鉄道建設公団が行ないまする新幹線の予算は、この中に入っておりません。これは国鉄だけの工事費でございます。
  117. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 鉄道建設公団でやる新幹線は、国鉄は一銭も出さぬ、そうですね。国鉄のほうは国鉄の中でやるのですね。この違いはないのですか。国鉄で行なう新幹線の財源の調達のしかたと鉄道建設公団でやる財源の調達のしかたとは、公平なんですか。
  118. 山口真弘

    ○山口政府委員 鉄道建設公団が行ないまする新幹線建設でございますが、これにつきましても利子補給をいたします。四・五%までの利子補給をいたしますし、国鉄のつくります新幹線につきましてもやはり四・五%の利子補給をいたします。
  119. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この再建の中身を見てみますと、新線建設の財源というのは国が全額出資すべき金じゃないだろうかという気が私はするのですよ。何か国鉄の中でまかないをせよ、まだそれが残っている。そのことがまた同じように問題として転嫁されると思うのです。そして新幹線ができると、新幹線と在来線との関係はどうなのか。まさか鉄建公団でつくった新幹線をただで貸せるわけじゃないでしょう。そうすると旧在来線の営業係数の下がった分だけ見るのですか。その辺まで考えられておるのですか。それはどうなるのですか。
  120. 山口真弘

    ○山口政府委員 御質問の趣旨でございますか、国鉄のつくりました新幹線と国鉄の整備いたしまする在来線の収支関係につきましては、まずこれは当然国鉄の収支の中において一緒に経理をすることに相なります。それから鉄道建設公団がつくりまする新幹線につきましては、先ほどのような資金のあれによりましてつくりまして、これを国鉄に対しまして鉄道建設公団が貸し付けることに相なります。したがいまして、それにつきましては貸し付け料という形で新幹線資本費が回収をされるというかっこうに相なるわけでございます。その意味におきまして、国鉄が自分でつくるものと、それから鉄建公団でつくってこれを貸し付けるものにつきましては、資金のコストが同じであれば同じ結果に相なるということでございます。
  121. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 十年間の中で国鉄は九千億の東北新幹線とその他の新幹線で一兆一億、二兆持っているわけですね。その二兆の十年間の新幹線の計画というものは大体どの程度のものなんですか。あるいはその十年間で改定されれば、当然ここにまたふくらましがくる、こういうことになるのですか。
  122. 山口真弘

    ○山口政府委員 七兆の内訳といたしまして、東北新幹線九千億、それからその他新幹線一兆一千億という一応の内訳をいたしておりまして、その他新幹線としてどの線をいま取り上げるかということは、まだ決定をいたしておりません。ここでは一応そういう金のめどにおきまして、国鉄の新幹線についての設備投資を進めていくという意味でございます。
  123. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 九千億はわかるのですが、一兆一千億のその他新幹線というものは大体どういうことなんですか。十年間の計画でこの再建計画になっているわけですね。ですから、その再建計画の中の十年間で大体何キロくらいの新幹線ができるだろう、そして国鉄は何キロ受け持つ、建設公団は何キロ受け持つ、こういうことになるだろうと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  124. 山口真弘

    ○山口政府委員 まず建設公団と国鉄との関係におきましては、この一兆一千億の数字の中には建設公団の担当すべきものは入っておりません。それから一兆一千をどこに使って、どの線を工事するかということにつきましてはまだ未定でございますが、現在の段階におきましては東北、上越、成田が工事をいたしておりまして、東北は国鉄がやっておる。その他の新幹線といたしましては、鉄道建設議会が建議をいたしておりまする線が三線ございます。これは盛岡-札幌、東京-富山-大阪、それから福岡-鹿児島、この三線ございます。それからその他につきましては、まだそういう建議その他の発動はございませんが、その点のどれをこのその他新幹線として建設するかということは今後の鉄道建設議会等の議を経まして具体的に決定をしてまいる、こういう意味でございます。
  125. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 わからぬものを聞いてもしようがありませんからあれですけれども、では次の話にまいりましょう。  国鉄の補助の問題につきまして、運輸審議会で清水教授が、地下鉄方式と国鉄の方式によると、建設の投資に対する交通部門の補助は国鉄のほうが上回るべきであるにかかわらず、公営企業の地下鉄のほうが上向っておるのは国鉄の性格からいっておかしいじゃないか、こういうことを述べておりまして、具体的にこの計画を見てみると、地下鉄方式でやった場合の投資は二兆四千百四十八億で、国鉄方式でいくと一兆八千八百四十九億で、その差は六千億も不足が出ている、これほど地下鉄方式の補助金より国鉄方式の補助金のほうが少ない、このことが交通投資における国の補助政策からいっておかしいじゃないか、こういうことを指摘されているのですが、この辺どうですか、おわかりになりますか。
  126. 山口真弘

    ○山口政府委員 地下鉄方式の補助のやり方と国鉄の方式の補助のやり方とは若干やり方が違っております。それで地下鉄方式につきましては、建設費の中から管理費あるいは利子相当分等を引きまして、そういったようなものについてその二五%を国が助成をする。それからあとの二五%を地元の公共団体が助成をするという形でございます。  それから国鉄につきましては、先ほど申し上げましたように約一兆の出資をするとともに、四分五厘までの利子補給をするという形での助成のやり方をいたしておりまして、制度が若干違っております。特に地下鉄のほうが右利であるというふうに私ども考えておりません。
  127. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これはあなたのほうの資料に基づいて、仮説ではじいた数字を公述人として運輸審議会で述べているわけであります。地下鉄に比べて国鉄が悪いと思いませんなんていばらなくても、よく公述を調べてもらって、地下鉄と国鉄を比べてみた場合、国鉄のほうが悪い、片一方は国なり公共団体とひっくるめておるわけですから、同じことですから、そして同じ競争になるわけですから、その国鉄のほうが悪いじゃないか、国鉄が悪いということはおかしいじゃないかと、こう指摘したわけでありますから、あなた、国鉄が悪くないなんていばっている必要はない。よくこれは検討してみて、悪いということになるならば、これは当然直さなければならぬわけです、競争として行なわれている同じ公共機関ですから。  それから、次にこれは大臣にお尋ねしたいのですが、「国鉄財政新再建対策要綱」というのがここにあるのですけれども、その最後に、大蔵大臣運輸大臣、自民党の政調会長、自民党国鉄財政再建懇談会座長とある、これはどういうものなんでしょうか。
  128. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これは、予算編成の際におきまして私が大蔵大臣と折衝いたしましたときに――四十七年度予算は御審議を願っておる次第でございますが、将来の、ただいま鉄監局長から御答弁申し上げておりますような内容、たとえてみますと、十年間で出資は一兆円を下らざること、それから工事費については利子補給を四分五厘まですること、いままでの国鉄の政府管掌債だけではなくて保証債までそれを拡大すること、そういったようなことを将来ともずっと続けるということを内輪できっちり約束しておいたほうがいいということで、これは内輪の問題でございますが、この約束を大蔵当局といたしておいた次第でございます。それにつきまして、政党内閣でございますので、党の政調会長、国鉄財政再建懇談会の座長をしておりました二階堂先生が加わりまして、自民党内閣が続く限りは将来とも最小限度これだけはあとあと引き継ごうじゃないか、こういうことで内輪の問題として出した次第でございます。
  129. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私は形式をあまり言うこともなにだと思いますけれども、閣議でこういうことをきめたというのなら話はわかるのですけれども、両方の大臣のところに自民党が入ってきめた。おかしなことがあるものだ。いままで見たことがないような書類ですけれども、この議論はやめましょう。  そうすると、この中の問題については自民党が引き受けた、簡単に言えば、こういうわけですね。大臣、頭を下げているようでありますから、それではまず三番目の、地方閑散線は五年以内に撤去する、これは自民党が引き受けた、これでよろしゅうございますか。
  130. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 大体そう御承知いただいてけっこうだと思います。
  131. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、五年以内に閑散線は撤去する。一体、どの程度の規模なんですか。あるいは距離なり、あるいは線区なり、あるいはことしの目標なり、その辺をひとつ……。
  132. 山口真弘

    ○山口政府委員 一応五年間に三千四百キロ程度のものを撤去したい。そして四十七年度中にはその中の二百キロ程度のものを撤去したいというふうに考えております。
  133. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、三千四百キロを相手にことしは二百キロ、早く話のついたところをやるというのでしょうから、ことしどこをやるかということを聞くよりも、三千四百キロという地方閑散線というのは、一体どういう線なんですか。
  134. 山口真弘

    ○山口政府委員 三千四百キロの具体的な線名につきましてはまだ決定をいたしておりません。これは道路と鉄道との経済性というものをいろいろ考え、さらにその地域における開発計画なども考え、さらに質の状況だとかあるいは代替的な交通機関がそこに存在するかどうかというようなこと考えまして三千四百キロを今後選んでまいるということでございまして、現段階ではまだ決定をいたしておりません。
  135. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三千四百キロでは、大体どれくらいの節約になるのですか。
  136. 山口真弘

    ○山口政府委員 十年間でおおむね四千五百億円程度の節約が生じます。
  137. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 四百キロを対象にしている、節約は十年間で四千五百億ぐらいの節約額だ。三千四百というキロがきまって、四千五百億という金がきまったわけですから、ひとつ線名を発表願いたいと思います。
  138. 山口真弘

    ○山口政府委員 三千四百キロを選ぶということは、先ほど申し上げましたような基準でもって一応これを選びまして、そしてその平均的な損失というものが当然あるわけでございます。その平均的な損失が道路輸送に転換することによりましてなくなるわけでございます。そういうことによって国鉄が節約できるものが四千五百億と、こういう意味でございます。具体的な各線ごとの積み上げということではございません。
  139. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三千四百キロというのはどういうふうにして積み上げたのですか。やたら何キロあるから何キロぐらいと、こうやったのですか。やはりある程度、ここらはどうだろう、どうだろうと目星をつけたと思うのですよ。それで、三千四百キロ出て線路がきまったのを、じゃこれは幾らぐらい、幾らぐらい、それで四千五百億出たのでしょう。どうなんです。そこを局長、さっき大臣が答弁したように、自民党が責任をもって撤去すると判こを押してあるんだから、あなた遠慮しなくて説明したらいいじゃないですか。
  140. 山口真弘

    ○山口政府委員 三千四百キロでございますが、これは結局、道路と鉄道といずれが国民経済的に見て合理的であるかということを輸送量等から判定をいたしまして、そうしてそういうような一般的な基準の中から具体的な問題といたしまして、各線につきましては、国土開発あるいは地方的な開発というようなもので開発計画があるであろう、あるいは道路輸送へ転換するについては、当然代替的輸送交通機関というものが存在しなければいかぬわけでございますから、そういったような状況、それから、著しい積雪地帯というようなところには直ちにこれを転換するということも困難であろうというようなこと、そういうような各般の事情というものを考慮いたしまして、先ほど申しましたような全体として鉄道と道路との観点で、国民経済的に有利なものの中から選びまして、それが三千四百キロ、こういう意味でございます。
  141. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いまのお話、聞いていると私はよくわからないのですよ。二というのは一足す一で二になるわけですよ。三千四百キロというのは何か基礎があるはずなんでしょう。外務大臣じゃないけれども、答えられないなら答えられないでいいのですよ。だけれども、そこをはっきりせぬと。地方閑散線は五年以内に撤去する、予算裏づけもちゃんとこうきっちりしているのでしょう。だから、積算の基礎があるはずなんですよ。ですから、それは発表したらえらいことになるから言えないということなら、それでもよろしい。それでなかったら、一つ一つ詰めていってみて、地方閑散線ですから、それじゃ北海道の根北線というのは、これは閑散線に入るのですか、どうですか、営業係数に二〇三九ですよと、こう詰めざるを得ないわけですよ。これが財政再建計画の一つの大きなポイントになるでしょう。政府助成の一群の中心になるでしょう。ですから、私はきっちり聞いているわけです。大臣にもきっちり御答弁いただいたわけです。自民党の責任でやりますというんですから。これは国鉄でやれやれなんて言ったって、国鉄はそんな力があるわけないですよ。政治家が寄ってたかって陳情に来たら、総裁はその話を聞かなければ、どうも国鉄のめんどう見てくれないということになります。線路をめくれめくれと大きな声で言ったって、だんだん小さくなってしまって、めくった線はほんのわずかしかないわけですよ。今度は自民党が、大蔵大臣と二人も判こをついて約束しているわけですから、ここで堂々と遠慮なくこことここですよということを私ははっきりすればいいと思うのです。これは何年も前からの話でできてきたから、当然三千四百キロというのが出たと思うのです。大臣、どうなんですか。そうでしょう。
  142. 山口真弘

    ○山口政府委員 三千四百キロの基準でございますが、先ほど申しましたように、国民経済的に考えて、鉄道によるのがいいか、道路によるのがいいかということを判定いたします基準といたしましては、やはり鉄道輸送の性格から考えれば大量的な交通に適しているわけでございますから、その数量等を考えまして、ランニングコスト等で比較いたしまして具体的な経費を計算いたしました上で、鉄道と道路のどちらがいいかということを一応基準として考えるわけでございます。そういう基準で考えましたものがおおむね五千二百キロ程度でございますが、その五千二百キロ程度の中から、地方的な開発の計画、あるいは国家的な開発の計画、あるいは雪の著しい特別豪雪地帯等の関係、あるいは具体的な代替的な道路の事情というようなものを勘案いたしまして三千四百キロということにいたしまして、その三千四百キロにつきましてこれを五年間に撤去をしたい、こういうことでございまして、具体的な二千四百キロを下から積み上げているわけではございません。
  143. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いま具体的に、三千四百キロにまとめる中で五千二百キロという話が出た。じゃ、五百二百キロの対象をちょっと教えてください。
  144. 山口真弘

    ○山口政府委員 五千二百キロというのは、先ほど申し上げましたような形で輸送量を想定いたしまして、その想定をいたしたところのものがおおむね五千二百キロ程度であろうということでございます。
  145. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その想定した五千二百キロの線をどこだと言っているわけです。想定したわけですから。ここに、私のところに地方閑散線の表があるわけですが、どうなんですか、大臣。これは言えないなら言えないでいいのですよ。きまっているのに、何かきまっていないような、いるような言い方をする、そこがちょっとわからぬ。その点、きっちりしてみてくださいよ。
  146. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいま鉄監局長から御答弁を申し上げたとおりでございまして、これはもうすでに鉄道としての特性を失って、しかも、代替輸送もきいている、そういったようなもの、それらをやはり撤去しなくちゃいかぬというので、せっかく国鉄当局でいままで苦労してやっていた次第でございますが、これがなかなか容易なことじゃございません。それで、今回の財政再建は国からの助成あるいはまた利用者の御協力等々を仰ぐというときには、やはりある程度合理的な線を強く出さなければいかぬという観点で、この問題を取り上げた次第でございますが、先ほど鉄監局長から御答弁申し上げましたとおり、大体におきましてランニングコストで比較をいたしまして五千二百キロぐらいはあるのじゃないか、しかし、それはいろいろな事情があるからまあその三分の二をそういうふうにしてやって、しかも、ことし二百キロぐらい撤去できれば、あとの三千二百キロについて、一キロについて七百万の赤字、これを六分の五ですか、六分の五を国と地方でもって持つ。この一キロについて七百万ということで一応試算をいたしましたものが百二十五億、こういうことになっている次第でございまして、具体的の線につきましては、いよいよこれらの問題が御協力をいただきましたときに、私ども慎重に検討いたして、それで線名をそれらの事情を勘案いたしましてきめてまいるというつもりでございます。
  147. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 撤去するということがきめられて、そして撤去せずに残しておくものについてはこうする、こういうことですね。そうすると、地元から存続を希望する意思表示がなかったときは、これはめくっちゃっていいということになるのですか。どうですか、その点。
  148. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 私どもでもう鉄道の特性を失ったと認定をいたしまして、しかも地元で存続の希望がないものは、直ちにこれを撤去したい、こういうことでございます。
  149. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで、地元で存続を希望するものは、銭を出せ……。
  150. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これをその間どうしてもいますぐにやめてもらっちゃ困る、こういうものにつきましては、五年間に限りまして、国とその地方団体で六分の五補助しよう、こういうことでございます。
  151. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは五年だけなんですか。五年たったらどうなるのですか。
  152. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 五年後までに、ぜひ地元の方に御了解を願って、それで撤去したい、こういうことでございます。
  153. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、五年たったら三千四百キロというのは、これは撤去する、こういうことですか。
  154. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 私どもがいま試算の過程でございますが、それらの点がそういうふうに三千四百キロにきまりましたならば、そういうことでございますが、具体的の線路のあれになりますと、それにはやはりある程度の伸縮があろうかと思っておる次第でございます。
  155. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三千四百キロというのは、地方閑散線の対象はいつまでにきまるのですか。
  156. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 この財政再建計画が御協力をいただきましたら、その後できるだけ早い機会に検討いたしまして、きめたいと思っておる次第でございます。
  157. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私どもは撤去に賛成しているということじゃないのですよ。自民党が約束して、自民党がこれを撤去するといっておるのですから、撤去するところはどこだ。法律が通ったら、それは三千四百キロの路線を運輸大臣がきめる、自民党の政調会長と懇談会の座長と相談してきめる、こういうことになると思うのですよ。めくるほうは自民党でやるから国鉄は安心せよ、こうじゃないのでしょうけれども、責任の分野がこれではっきりしたわけですから、それでもしそれをめくらなければ、その分だけ再建がおくれるわけですから、それはやはり政府の責任で措置しなければならない、これは責任があるわけですから。  そこで、次に建設公団のほうの進めている中ではどうなるのですか、これは。
  158. 山口真弘

    ○山口政府委員 鉄道建設公団が建設している線は、いろいろございまして、一つはA・B線と称しまする地方閑散線、それからC線と称しまして、これは主要幹線、それからD線と称しまして、これは大都市交通線、それから青函線、それから新幹線というものを鉄道建設公団が建設をいたしております。その中で、A・B線につきましては、これは地方閑散線でございますから、これはできるだけ重点化して、重点的に建設をやってまいる。投資効率の高いものにつきましては、重点的にやってまいる。それからC線は主要幹線でございますから、これは幹線交通といたしまして、既定計画に従いましてこれを促進をしてまいる。それからD線、大都市交通線でございますが、これは大都市の通勤輸送あるいは貨物輸送上喫緊のものでございますから、これも既定一向どおり進めてまいる。それから青函隧道でございますが、これは北海道と本州との関係でございまして、これも積極的に進めてまいるわけでございます。それから最後に新幹線でございますが、新幹線につきましては、現在上越、成田につきまして整備を急いでおるところでございますが、これも既定計画どおり大いに進めてまいりたい、このように考えております。
  159. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは特に運輸大臣に申し上げておきたいのですが、鉄道線路をつくってくれというのは、どこでも運動としてあるわけなんですね。それからわれわれ政治家として、地元でつくりたいと言えばいい。ただ、これは道路と違うところは、鉄道の場合は、全部鉄道のほうが土地も買ってくれるし、線路も敷いてくれるわけですね。道路の場合は、ある程度地元の協力を求めたり、お金を出さなければならぬわけですね。ですから、新線をつくることは運動だけでいいわけです。地元がそんなにかぶって、負担をしなくてもできるわけですね。それでどうしても鉄道には政治家がみんな目を向けてやる。赤字になろうかどうしようが、そんなことは関係がない。だからその場合には、道路との関係を特に建設省との関係で十分やはり連携をとって、省が違うのだとかなにが違うのだとか、極端に言えば、建設公団の金を建設省に移しかえてもいいわけです。ですから、全体から見れば、そのくらいのことを考えて、やはり大英断をしていただかないと、片一方で赤字線、閑散線でそういうようなところを取っていこう、片一方は政治の強いほうがやはりそれをやっていこう、こういうことになってしまうわけですから、ひとつその点は、特に私はこの中では申し上げておきたいと存じます。  それでは次に、政府助成については、私は不十分だと思っております。今回は大臣、一生懸命やられたようですが、三年前の計画から見ると、これはほんとうに画期的なものだけれども、中身について詰めていけばいくほどこの再建計画というものはまだ不十分さが出てくる。しかも今日すでにもう収支見通しについても少し甘い。現実離れをしている。二年か三年でもう一回やり直さなければならぬというときがすぐ来るだろうと思います。そういうような情勢からいって、結局この再建計画で、まあ一、二年見ようなんということはせずに、来年は来年でもう一回やり直して、もっと大幅な政府助成というものをしなければならぬ。政府助成をするにはどこに問題があるかということは、私は先ほど地下鉄の方式、国鉄方式のことを申しましたが、そういう地下鉄の方式と国鉄と比べたら、これは建設、補助が不足なんだ、こういう意見があったら積極的に意見を調べてみて、これはおかしいじゃないか、こういう、やはり飛びつく前にもう少し三方一両損だといったって一両じゃないわけですから、そういう点はしっかりと私はやっていただきたいと思うのです。  そこで第二の問題は、今度は国鉄の合理化という問題にかかります。合理化の中で具体的にここに十一万人縮減をする、こういうことが書かれておるわけでありますけれども、この前の四十四年のときの再建計画の中で実施されたものは何か。二つです。一つは設備投資を計画どおりにやったということ、一つは合理化を計画より上回るように努力をした、そのことだけなんです。あとの問題というのは、もう一回やり直しをされた、見直しをされて、これではだめだということになったということになってみると、今度のこの合理化を見ると、この前のときには合理化というのは、なんですか五万か六万人の合理化だと思ったのですが、今度は十一万人、こうふえてきたわけであります。これは私はたいへんなことだと思うのです。しかもいまの投資計画を見てみれば、相当大幅な投資をいたしますし、新幹線がまたどんどんできていくということになれば、当然私は、この十一万人の合理化というものについては、これは国鉄当局だけできめるわけではございません。当然労働組合と話し合いをしながら、そうして円満な話し合いの中で解決をし、能率をあげていくということをしなければならぬわけでありますから、そういう点で、私は、この十一万人の合理化について具体的に態度をお聞かせを願いたいと思うのです。
  160. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 前回の再建計画の中で、ただいま先生おっしゃいましたように、約二万二百人合理化によって減らしました。これを十一万人と申しますのは、この二万人を入れてでございます。したがって、今後四十七年度から五十三年度まで九万人ということが目標でございまして、十一万の中に二万が入っております。五十四年度から先は、一応今後の週休二日制の問題あるいはその他の時間短縮の問題等もございますので、五十四、五十五、五十六の三年間はまだ数字を詰めてございません。これは検討中で、横ばいにして計算をしてございます。  その九万人の内訳でございますが、こまかいことを申し上げますと項目がたくさんございますが、いま一応いろいろ予見しておりますものの中で、おもにこれを四つに分けて御説明申し上げますと、一つはいままでも相当御協力願っておりますいわゆる営業体制の近代化の推進でございます。これは従前は地方交通線あるいは閑散線等の合理化を主にしてやってまいりましたが、今後はそうでなしに大きな駅等につきまして、相当やはり人間を生み出す余地がある。これは部外の方も相当強くおっしゃっております。こういったものを考える。  次に、車両とかいろいろな部品の近代化。ことに手をかけないで部品ごと取りかえてしまう、ちょうどいま飛行機でやっておりますような使い捨ての思想――修繕をしないで悪い部分を全部取ってしまうというふうな思想による合理化。いままで非常に検査、修繕に手を食っておりましたものを、検査方式を簡素化するあるいは周期がおのずから延びてくるというようなことでございます。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕  それから三番目に、これは固定施設でございますが、いわゆる保線の人間です。これは労働需給が非常に困難でございますので、あまり手をかけないで済む線路をつくるということで、過般山陽新幹線にも三カ所ほどテスト的に、いわゆるスラブ軌道と申しまして、まくら木のない、路盤と線路を直結した軌道をつくりまして、これはほとんど保守が要らないという軌道でございまして、これをいま根本的に岡山以西の山陽新幹線に使うつもりでおりますが、これが大体成功する見込みでございますので、このスラブ軌道を根本的に導入する。あるいはトロリー、いわゆる電気関係の設備の近代化をやる。すべていわゆるメンテナンスフリーと申しますか、とにかく保守をしないでいい、それをある一定期限が来たら全部取りかえてしまう、こういう新しい方式の鬼気、軌道等を考えてまいりたい。  それからもう一つは、先ほど金丸先生から種々御質問のございました管理部門の合理化、並びに先生御承知の、いま運転指令その他で非常に人をたくさん使っておりますが、それらを極力コンピューター化したいということで、最近新幹線のCTCの中に入れましたけれども、コンピューターによって自動的に列車制御をするというものを大体成功に近いまでに開発いたしまして、現在実用化いたしておりますが、これによって相当程度に各管理局にございます当直指令員の業務を機械化する等、管理部門と申しますか非現場部門の合理化、これらを、項目別に申しますと詳しくなりますので省略いたしますが、合計十万人ほど縮減できると思っております。  その財源といたしまして、四十四年度から五十三年度までの――一応五十五歳の定年で見ておりますが、五十五歳といたしますと、そのほかに途中で病気でやめる者等も含めまして約十四万八千人ほどやめるという見込みでございます。これは年齢その他で自動的に出てまいります。多少の病気、若年退職等は推定で入れておりますが、一応十四万八千人の自然減、そのうちに約四万人を採用する。いわゆる技術の温存あるいは労務職等でそのときまでに機械化できないであろうというものを約四万人ほど採用いたします。そういたしますと十万八千人の縮減ができるわけでございまして、この十万八千人を補充いたしませんで、先ほど申しましたいろいろこまかい作業によりまして、配置転換によって埋めてまいりたいと思っております。その裏づけといたしまして、先ほど鉄監局長から申されました約五兆の在来線の投資の中で、合理化等で約一兆七百億ほどを一応見込んでおります。これはとことんまで詰めた数字ではございませんけれども、大体一兆前後というものを合理化あるいは改良、取りかえ等に充当いたしたいと思っておりますので、一応設備投資に対する金の裏づけは、先ほどの四兆六千億ないし五兆の中に含まれているというふうにお考え願ってけっこうだと存じます。  これらは私のほうなりの計画で、一応いろいろ紙の上でまた技術的な検討を経た上でつくったものでございますが、今後これはもちろん、労働条件の内容が非常に変わってまいりますので、組合と団体交渉の対象とするわけでございます。そして、そのうちでさしあたり去る三月二十幾日に二十四件ほど申し入れをいたしましたものは、この中で含まれているのは約四件ほどございます。あとはまた前のものをそのまま再度申し入れをしたわけでございますが、このうちの四件だけは、まだ話は全然詰めておりませんが、新しい申し入れとしてやっておるわけでございます。  これらを全部毎年毎年やってまいりまして、一応現在では紙の上で十一万人の人員削減ができるという自信はございますけれども、それにいたしましても、昭和五十三年でございますと、まだ年齢構成が非常に頭でっかちでございます。四十歳以上の職員が四八%ぐらい残ることになります。現在五九%おりますが、それが四八%に減ってくるということでございまして、まだ人員構成の非常に不規則な形は残りますけれども、いまよりは多少人員の形がピラミッドに――ピラミッドにとは申せませんが、多少上のほうの肩の張った部分が減ってくるということになるわけでございます。  以上でございます。
  161. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、合理化の中身についてはよくわかりましたけれども、その合理化を実施するについてはやはり組合側と十分な話し合いをしていかなければいかぬと思うのです。それがかりに管理運営の事項であろうが経営の事項であろうが、及ぼす影響というものを考えてみれば、そういう入り口の問題でなくて、事実問題として国鉄の再建をどうするのかという点で十分な話し合いをして、円満な解決の中に問題というものを進めていかなければいけない。そのことが、先ほど金丸委員も言われたように、今日の労使問題の一番重要な問題だと私は思うのです。話し合いをし、納得をし、その中からものを進めていく、そこに能率増進というものが出てくると思うのです。無理無体におまえはこうするのだと押しつけたときには、必ず反発がくるわけであります。それは私は時代の違いもあると思うのです、ものの考え方の違いもあると思うのですけれども、同じところで仕事をしている以上、そんなに無理のないような形で話し合いができ得べきだと思います。ですからこの点は、特に合理化の問題については、やはり組合との関係というものを十分重視をしてやっていただきたい。このことを特にもう一言明確にしておいていただきたいと思うのです。
  162. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 その点は全くお説のとおりでございまして、いわゆる労使対等の場でこの問題を話し合いしながら進めていくという形をくずしたくないというふうに思っております。と同時に、やはりなるべく前広に話をいたしまして、一月以内に返事をよこせというようなことでなしに、全体の展望の上に立って、実施時期等についても十分余裕のあることを頭に置きながら、そういう方法論的にもいろいろ検討した上で、労使一体となってこの問題に取り組んでまいりたいという気持ちでございまして、あまりごね押ししたり無理押ししたりという気持ちは目下のところ全く持ってないということを申し上げておきます。
  163. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、いま大臣お聞きになりましたように、国鉄というのは五十五歳を一つのめどに退職するという慣行といいますか、そういうものが、実はみんな暗黙の中でお互いに理解し合いながら進められているわけです。五十五歳というとこれは働き盛りです。しかも、そのために今度は、国鉄自体は、おやめになった人について、いわゆる何らかの別の退職後の生活を保障するための職場のあっせんというのは行なわれているわけです。結局、そのために別の、私は、最近見てみますと、業務の委託、鉄道でやるべきものだけれども、まあ、できるならば外の人にやってもらおうということで、客車の清掃だとか、あるいはまたいろいろな清掃業務だとか、洗たくだとかいうようなものが行なわれているわけです。昔、私が三十年前に鉄道におった時分から、鉄道本来であった仕事が部外委託になっている。結局、国鉄自体は、それは人は減っている。人は減っているけれども、委託をしていますから、その分だけお金は出ているわけですから、差し引き計算をすれば、私はそうたいしたことはないと思うのですけれども、まあ国鉄はそうは思わないでしょう。しかし、そのために、このごろでは五十五歳でもおそいというので、五十四歳ぐらいでどうだろうといって、実はやめさせることがやられているわけです。  いまここに、私のところの静岡管理局のことしの年度末の退職者が二百五十七名なんです。そのうち五十五歳でやめたのが百七十一人です。そして五十四歳で三十二人、五十三歳で九人、五十二歳で三人、こういう形で、五十四歳というのがだいぶ多く出てきたわけです。そのことは、やはり国鉄自体が、助役さんどうだろう、駅長さんどうだろう、一年早いけれど、そのかわりこっちを世話するから、こうやられておるからです。これは、私は、今日五十四歳でやめているという企業というのは、どうも官公庁の中では、国鉄だけではないだろうが、運輸省のほうのパーセンテージを見てみますと、五十五歳以上のパーセンテージが一四・三%です。国鉄の場合は一一%です。こまかい数字が、年齢がわかりませんから、大まかに申しますとそうなんです。ですから、国家公務員と比べて、ほかの業種と比べても、国鉄の五十五歳でやめて次の人生に移るということはちょっと早過ぎるんじゃないか。せっかくの働き盛りだから、せめてという必要が私はあると思うのです。  そこで、これは大臣、たとえば運輸省でも、どこの省でもそうですが、毎年天下りということが新聞で問題になります。私は、天下りがなぜ起きるかといえば、今度大臣、運輸省でも、何か最近の情報によると、町田次官がおやめになる。そのあとを官房長か、海運局長か、海上保安庁長官のうちでなって、あと二人は同じ年次だからやめる、こう書かれておるわけです。それで、あとがどうとかいろいろいわれておるわけですけれども、一年や二年やった次官がしめしがつくわけがないわけですよ。それは、大臣だってそうだと思うのです。一年運輸大臣をやってみて、これは自分の言うことを、自分の思うとおりに各局が動くかといって動きっこないわけですよ。大臣かわるまで待とうじゃないかという抵抗があるわけですから、やはり二年か三年やって、初めてそこに、その省の中で自分の言うことがわかるわけであります。ですから、農林といえば昔は河野一郎さん。河野一郎さんが言えば、ぴんと下までいきます。それは農林でずっといたからですよ。それは大蔵省の中でも同じことだと思います。各省同じことだと思うのですよ。いま運輸省は大臣に頼むよりもこの人に頼んだほうがいいよということは聞きませんけれどもね。聞きませんけれども、そういう形になっていることを考えてみると、大臣が一年ごとにかわる、次官が一年ごとにかわる、あるいは半年ごとの交代だ、これでは、私は政治はとれないと思うのです。ここに天下りの問題があるわけです。ですから、海運局長やったなら、海運のところに行かなければ、この人は使い道はない。あるいは、建設省の役人で技術屋が、ほかへ持っていったって使い道ないから、土建屋に天下りをされるんですよ。だれでも、給料は安くてもいいと、使命感に燃えて官庁に入ってきているわけでしょう。給料が安いというのは、いばる分だけ差し引いてあるわけだから、これはしかたがないと思ってあきらめてもらわなければいかぬ。だからせめて、役人になった人を五十五歳なんて言わずにやはり六十歳ぐらいまではつとめさせる、業界との結びつきをなくし、天下りをなくして、せめて、国家公務員でも民間の七、八割の月給は出せるようなことにしなければいかぬ。これはやはり局長クラスになると、四十七、八歳からもう自分の省の仕事をするよりも、自分の行く先のことばかりを考えてやっているじゃありませんか。これでは国損ですよ。  そこで私は、やはりこの国鉄の合理化の問題のことを聞きますけれども、その前に、ひとつせめて――これはあなたにできることなんです。あなたにできることは、今度は運輸次官はやめさせないということになれば、これで一年ずつ、えらい人の年数が伸びるわけです。天下りがそれだけ運輸省としてはたたかれぬわけでありまして、業界との結びつきというのはそれだけ薄くなってきて、実は公平なことができるわけであります。ですから、天下り天下りということでたたかれて、しかられて、申しわけないと言っているだけでなくて、その原因がどこにあるのかという点で、どうでしょうか、この際、町田次官を留任をさせる、その同じ年次の人もやめさせないというぐらいのことをやって、ひとつ国鉄の五十五歳でやめるやつを、隣にいる総裁に、五十五歳じゃ無理だから六十歳にせよ、せめて五年計画ぐらいで国鉄も六十歳くらいに持っていって、外にやらしている仕事をうちの中でやることをもう一回再検討してみたらどうだ、こういう点、大臣いかがですか。
  164. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 非常に御卓見を承りまして、非常に参考になった次第でございます。  実は、一般論でございますが、私はきょうこっちへ参りますときも、秘書官に、どうも役人はちょっとなれたらやめたり、かわってしまう、これは非常に困ることだという話もしてきた次第でございます。自分の具体的の問題はさておきまして、いま勝澤先生がそれらの点につきまして非常に、ほんとうの適切な御発言をいただいたと私は思っている次第でございます。それをよく心にとめて、いろいろ私はこれから処してまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
  165. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私の言っているのは、これは大臣、あなたができることを言っているのですよ。あなたがやろうとすればできることです。ただ、下のほうが順番がおそくなるから困ると言うかもしれない。やがておまえもなるんだからがまんせよと言えばいいわけなんですから、これは順繰りなんですからね。そして、五十二、三歳でやめさせて、そしてまた結びつきなり、公正な行政ができないというのはよくないわけでありますから、これは大臣、まあ運輸大臣だけではないと思うのです。あと見て見ますと、いや大蔵大臣のところでも、鳩山さん今度やめそうだということで、私は各大臣にみな一人一人聞いてみようと思うんですよ。そのことができることで、よくなることですから……。  それから国鉄の五十五歳というのも、これは総裁、時代に合わないですよ。あなたのところは、上のほうが多い多いと言っているけれども、平均を六十歳まで持っていってみれば、別にそんなに多くないわけですから、それはいまここであなたに、いやこのごろ五十五歳じゃおそ過ぎるから五十四歳でたたき始めたやつを、もう一回五十六歳にしようというのもそれは無理かもしれませんけれども、私はやはり国鉄としても、そんなに背伸びをして、無理をしてやることのよしあしというのを考えてみなければいかぬと思うのですよ。いまとにかく、もう五十三歳ぐらいになるとやめることばかりを考えておるわけですよ。だけれども、それはもったいないと思うのです。使えない人は別ですよ。からだの悪い人は別ですけれども、いま五十五歳というのがくずれてきて、五十四歳になってきたということですから、ひとつその辺をもう少し、経営の問題というものも大事ですけれども、やはり人事管理という問題、人の問題は一番大事じゃないかと思うのですが、ちょっと無理でしょうけれども、ひとつ何かお聞かせ願いたいと思うのです。
  166. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ちょうどこれから五十五歳でやめる諸君が、終戦直後二十歳前後くらいの連中でございまして、ずいぶんその年代の人はいろいろ苦労し、また昭和二十四年にはその同年代の人約十二万人やめてもらったといういきさつがありますが、なおやはりそこにしわが寄って人数が多いわけでございまして、いまの計画で五十五歳でやめる、しかもさっき申し上げました十一万人減ったといたしましても、どなたか先生から御指摘がございましたけれども、昭和五十三年度の人件費がまだ七〇%でございます。もしこれをかりに、実は試算もしたものがございますが、かりに六十歳まで延ばすと、そうしてそれはもちろんベースアップがございますからベースアップするとなりますと、実に人件費が五十三年度は八割以上になるというふうな計算になるわけでございます。  そういう意味で、いまの五十五歳でやめる連中は、先生おっしゃったとおりまだまだ働き盛りでございますし、子供も教育盛りでありますし、やめさせるに非常に気の毒な連中がおりますけれども、ここしばらく、国鉄の人員構成が平常になるまでは、残念ながらいまの定年制を続けざるを得ないというふうに思っておるわけです。しかし、そのかわりできるだけ、財政に負担をかけない限度で再就職の道も世話をいたしまして、五十五歳で就職をいたしますれば、七十はちょっと無理でございましても六十五歳以上までは大体いま働いているようでございますので、そういったことも考えまして、もうしばらくいまの定年制の制度を続けてまいりたいと思っています。
  167. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、合理化の問題まだいろいろ意見がありますけれども、別の機会にいたします。  次のもう一点は、対策要綱の三番目に運賃の改定ということが考えられているわけですね。運賃改定で考えることは、一体運賃とは何だろうというところを詰めれば詰めるほど実はよくわからないのですよ。いまの運賃の実態というものがよくわからないわけです。そこで、私はいろいろな資料を見せていただきましたけれども、たとえば新幹線が営業係数が四〇台、売り上げの六割もうかっている。たいへんいいもうけだと思うわけでありますけれども、今度はその反面、新幹線に増収になるような実はシステムが組まれているわけです。たとえば静岡から東京まで来るのに、朝は東京まで来る在来線がありますけれども、もう昼ごろになったら東京までは新幹線でなければ来れないようになっているわけです。新幹線に乗らなければだめだということです。列車のダイヤ改正がこの間ありました。列車のダイヤ改正、あれは便利になるのが昔の考え方、今度は不便になっているわけですよ。一つの駅をとってみると、いままで四十往復であったものが今度は三十八往復しか、二往復減っちゃったといっているのですよ。ダイヤ改正で不便になったというのです。お客さんに聞いてダイヤをきめたわけではないのです。国鉄が無理に当てはめてこの汽車に乗せよう、この汽車に乗らないやつはだめだ、こうきめているわけでありますから、お客のほうは安くて便利ならみんな乗ります。だけれども、不便になれば乗らないのはあたりまえなんです。お客の選択ですから。ほかに交通機関がないならいいのですよ、ほかに交通機関があるわけですから。ですから、ほかの交通機関にまかせるなら、極端にいえば国鉄はやめてしまえばいいのですよ。そういう暴論は言いませんけれども、とにかくそういう形で国鉄というものの収入というものがつくられている。新幹線の増収についても、そういう反面、片方では不便になってお客が外へ流れている。それが数字的に出てしまっているわけです。あるいはまた、こういうばかなことをやっているのですよ。お客のこむときは、シーズンには割引をしている。夏山の割引をしてお客に乗れ乗れと――シーズンオフに割引をするんならわかるけれども、そうでしょう。こんでいるときに割引をしているのですよ。夏は夏山でしょう、それから海水浴でしょう。逆にシーズンオフ割引ならいいわけですけれども、そういう点から考えて運賃というものは一体どうなっているんだろうという点で実はたいへん疑問になるわけであります。  今度の運賃を見てみましても、たとえば東京周辺を見てみますと鉄道よりほかの私鉄のほうが安いという現象になっているわけです。だから、再建計画の中を見てみると、国電はお客が減少、これはあたりまえですよ。お客が減少するようにしているわけですから、運賃政策の中で。ですからそういう点で、やはり貨物の場合でも同じことですよ。貨物の場合でも不便になるから鉄道で荷物を送るよりも郵便で送る。私もこの間駅で荷物を出そうと思ったら、大体一週間か十日ほどかかるわけです。郵便で送れば二日か三日で着いているわけですからまことに不便になったものだ、昔に比べれば。昔のほうがなつかしくなるわけですね。昔はそれでけっこうやっていたのですから、いまはなぜそうなっているのだろうかという疑問を掘り下げていけばいくほど疑問が出てくるわけであります。私はそういう点でこの運賃の値上げをし、それだからこれだけ増収になるのだという、その保証というものがないような気がします。  そこでたとえば、自動車、航空、海運、それぞれ来てますか――ひとつ個々的に私鉄の場合の運賃のきめ方と自動車のトラック料金なりそういうものの貨物との関係のきめ方と、それから海運なりあるいは飛行機なりのこの関連がどういうふうになっているか、各局長さんから順次御説明願いたいと思うのです。
  168. 山口真弘

    ○山口政府委員 それでは、私鉄運賃の改定のしかたについて申し上げますと、私鉄運賃改定につきましては各事業者からの申請に基づきます。それで申請に基づきます収支の計算といたしましては、一応基準的な年度をとりまして、その基準的な年度によりまして能率的な経営を行なって収支が償い、そうして適正な利潤というものをまかない得るという程度の収支試算をいたしまして、それによって運賃をはじき出し、それを運輸審議会の議を付した上で運輸大臣認可をして定めるという形でやっておるわけでございます。
  169. 野村一彦

    ○野村政府委員 自動車の運賃につきましては、貨物と旅客と大きく分ければ二つあるわけでございますが、旅客のバス運賃につきましては全国を三十五のブロックに分けまして、そうしてそのブロックごとにおける平均的な企業を選びまして標準的な原価計算の数字を求めます。そうして、そこで収支を考えるわけでございますが、その基本的な考え方といたしましては、道路運送法にありますように「能率的な経営の下における減価を償い、且つ、適正な利潤を含む」という、いわゆる適正な原価主義という方針に基づいてブロックごとの運賃をきめておるわけでございます。  それからトラックの場合、特に鉄道との関係が問題になりますが、路線トラックにつきましては全国を一本の運賃にいたしまして、そして基本運賃と、それからそれに付加いたしますところのいろいろな料金あるいは割引、割り増しという制度がございますが、これも全国の路線のトラック業者の中から標準的な企業を選びまして、やはり能率的な経営のもとにおける合理的な原価プラス適正な利潤というものを加えて出すということで、その間たとえば遠距離逓減制というようなことで重量別、距離別の運賃をはじき出しておる、こういうわけであります。
  170. 内村信行

    ○内村(信)政府委員 航空関係の運賃のきめ方を御説明申し上げます。  航空につきましては航空法によりまして運賃認可の基準がきまっておりまして、その認可の基準といたしましては、「一 能率的な経営の下における当該事業の適正な経費に適正な利潤を含めたものの範囲をこえることとならないこと。二 当該事業の提供するサービスの性質が考慮されているものであること。三 特定の旅客又は荷主に対し、不当な差別的取扱をするものでないこと。四 旅客又は荷主が当該事業を利用することを著しく困難にするおそれがないものであること。五 他の航空運送事業者との間に、不当な競争をひき起すこととなるおそれがないものであること。」こういった基準によりまして適正な運賃認可するということになっております。
  171. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 お答え申し上げます。  内航海運につきましては標準運賃制度というのがございまして、鉄鋼と石炭とそれから石油の三品目につきまして七つの標準の航路がございまして、その航路での運賃を算定しております。それはやはり適正な企業規模におきます適正な、合理的な、能率的な経営ということに適正利潤を加えたもの、いわゆる原価主義で計算しております。その標準運賃をいわばモデルにいたしまして、今度実際には各海運組合と荷主との間で実勢運賃をきめておる。それにつきまして監督官庁である地方海運局が認可する。海運はこういう形式をとっておる次第でございます。  その場合に、国鉄のたとえば同じ品目である石炭運賃について、たとえば同じ区間でございますが、そういったものとの比較というのはやっておりません。  それからちなみに、問題は石炭等でございますけれども、現在内航で運んでおりますのは、もう内航に定着しておりまして、非常に大量に出るものでございます。したがいまして、国鉄の貨物輸送とは重複しないものが大部分でございます。そういうような観点からいたしまして、適正な原価主義というものから算定しておる次第でございます。  以上でございます。
  172. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まず海運局長からお尋ねいたしますが、これは鉄監局の関係ですけれども、こういうことがあるわけです。清水のある会社が旧鉄で新潟まで輸送しているんです。ところが船のほうが安いということで、会社をおやめになった人が船会社をつくって、清水港から新潟へ送っているわけです。半分で行くというのですよ。運賃実態というのは大体そんなものなんですか。
  173. 鈴木珊吉

    ○鈴木(珊)政府委員 こまかい点はちょっと現在わかりませんけれども、大体内航運賃のほうが、国鉄運賃に比べて非常に安いということはいえると思います。
  174. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ですから、国鉄で清水港から新潟へ送っていたものが、会社をおやめになって船会社をやる人があれば、そっちのほうがいいということになって、船になっているわけです。国鉄はそれに対抗するために急送品の列車の指定で、できるだけ短縮しようとやっているわけですけれども、それでも実は計算が合わないわけです。ですから、国鉄の貨物が当然船に流れているわけです。  それから今度、航空局長にお尋ねしたいんですけれども、東京-大阪間というのは、だいぶこれは飛行機はドル箱くらいにお客が多いようですけれども、これは飛行機に乗せるのですか、新幹線に乗せるのですか、どっちか。これもお客の選択だというのですけれども、こういうものはどうなんですか。飛行機のほうがいいんですか、新幹線のほうがいいんですか。お客の選択というかっこうでいいんでしょうか。航空局長という形で答弁させるのは無理かもしれぬけれども、運輸省ですからね。運輸省ではどういうお考えになりますかね。
  175. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいまそういったような料金の斉合と申しますか、これの問題が一番大きな問題じゃないかと思っている次第でございます。しかし、いま現在、料金政策は、先生御承知のとおり、私から言うまでもなく、専業別適正原価主義ということをとっておりまして、事業者の収支を大体勘案をいたしまして、それが適正な利潤でもって経営がやっていけるような、こういう主義をとっている次第でございます。したがいまして、海運であるとかあるいは航空であるとかあるいはトラックであるとかあるいはまた汽車であるとかいうような料金の間の斉合がほとんど行なわれてないような次第でございます。この点は運輸委員会でもしばしば御指摘いただきまして、先般も御指摘をいただきまして、西独のレーバープラン、ああいったものをどうしてまだ活用しないのか、長距離につきましてはトラックを禁止して、あるいはまた列車輸送ばかりにしたらどうか、いろいろなことがございます。また、先ほどお話がございましたような国の助成にいたしましても、むしろ港湾のほうが非常にいいと申しますか、海運のほうが非常に多いじゃないか、またトラック輸送のほうが非常に多いじゃないか、いろいろなことがございます。これらの問題は、やはり全体の計画といたしまして、それゆえに、昨年の暮れに閣議できまりました総合交通体系におきましても、台輸送機関の特性をいかにして位置づけるか。そうしてそれらの斉合性をいかに持っていくかということが一番の問題になっておりますが、具体的な問題といたしましては、なかなかにまだ具現化を見ていない次第でございます。もとより自由主義社会でございますので、それらの利用者の選択ということは、やはりこれは持たなくちゃいけませんが、私は、やはりある程度の斉合性を持っていくことが必要ではないかと思っている次第でございます。  海運の問題にいたしましても、大体昔から海洋の自由――通るところは海でございますから、これはいろいろな費用はかかりません。灯台あるいはまたそういったような航路標識というようなものは国の費用でやっております。また港湾につきましては、大体におきまして公共団体がこれを負担している次第でございますが、その見返りとしては、やはりとん税を取っている、こういうようなことでございます。道路はやはり天下の大道であるということで、いままで特殊の道路、有料道路、ああいった自動車道路以外はみな国あるいは公共団体でやっているというのが例でございます。それをどのくらい修正をしていくかということ、そうしてまた先ほどから御指摘になりました国鉄なり――これは国鉄だけじゃございません。私鉄も含めまして、ことにいま過密過疎の問題がございます。先ほどございました地下鉄の敷設費の半額を出す、そのほうがずっとよけい出しているじゃないか、あるいはそうかもわかりません。ところが実際の具体的な問題になりますると、まあ地下鉄は地価の非常に高い、工事費の非常に高いところであるからというような一応の理由づけをしている次第でございますが、それらの点につきましても、まだやはりそういったような陸上輸送、鉄道輸送、これは国鉄、私鉄につきましても、私は、やはりこれから国として考えていかなければならない問題が相当あるのじゃないか。それらの斉合性の問題、いまお話しになりましたとおりでございまして、そういった面を、具体的にどういう処置を講ずれば一番効果的であるか、いろいろお話がございます。たとえばすぐに実行するのは、トラックで過重貨物に対して適正な取り締まりを十分やって、それでそれらの過重貨物についてはこれを厳重に取り締まって、そうして適正な料金と、そうして適正な労働条件でやるというのがいいじゃないかというようなお話もあります。それらの点を早く総合いたしまして、いま時代の要求しているような料金政策を早くとっていく。そうして交通の、運輸機関の位置づけをきめてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
  176. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは私が質問するよりも、大臣よく知っているじゃありませんか。大臣、いまおっしゃること、私たちは十年も前から言ってきたんです。やるかやらぬかということになっているんです。それだけなんですよ。やるかやらぬかということなんですよ。去年、北海道から東京に豚や牛をみんなトラックで持ってきました。その帰りに、私の地元の由比とか蒲原とかへ来まして、みんな帰りにミカンを積んで北海道へ帰りました。だからミカン輸送というのは、あの辺では全部なくなっちまった。それはトラックのほうが安いんですよ。だから再建計画でこうなってこうなって増収になると言ったって、乗るお客さんや乗る貨物さんは政府政策に従って安く便利なほうに行くわけですから、おそくて不便で高ければ乗らないのはあたりまえじゃありませんか。運貨の基礎が違うのです。ですからこれは、自動車局長の話を聞いていますと、貨物の問題も、いま大臣言われました長距離トラックなんか規制すべきだ、私もそう思うのですよ。九州から東名高速道路を走っているのが列をなしているわけですよ。こんなののおかげで東名荷送道路は大混乱するわけですよ。だから、そういうことはやめさせるわけにいかぬですか。ある程度、ここまでぐらいはトラックでいいけれども、あまり長くなるようなトラックというのはやめさせることはできないですか。どうですか、同じ運輸省ですから、そっちのほうはトラックでなくて鉄道で送るという調整はできないのですか。
  177. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これはいまの早急の検討目標といたしまして重量制限、容積制限でやる、多量貨物というのは列車でやるというようなことは検討するべきことじゃないかと思っておる次第でございます。ただこれらのことは、やはりできるだけ利用者の自由選択の余地は残していきたいということも一つございますが、また具体的の問題といたしましては、先般御審議をいただきまして、昨年からトラック、乗用車につきましても重量税を設けまして、これらもやはり一つのイコールフッティングのあらわれでありまして、これらの財源の一部を鉄道建設に充てていくということも、これはやはりそれらの斉合性を具現化する一つのあらわれ、こういったことを積み重ねてまいりまして、そういう点におきまして斉合性の問題の具体化をはかってまいりたい、こういうように思っておる次第であります。
  178. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大臣、鉄道にも線路を敷いて国が全部やって、鉄道は機関車だけ持って商売するようにしたらいいじゃないですか。それなら競争相手として原価計算が成り立ちますよ。ですから、いま飛行機の場合でも自動車の場合でも海運の場合でも原価計算という計算を言っていました。国鉄は原価計算なんという計算はできませんよ。国鉄の問題を、一人で赤字をしょっているようなかっこうを総裁はしていますけれども、そうじゃないのですよ。競争基盤が違うでしょう。片方はトラックだけ持っていればいいわけです、道路はどんどん国がやるわけですから。片方は、港や飛行場をつくってくれるわけですから。ですから国鉄も同じレベルでやって、国鉄からうんと税金を取ればいいじゃないですか。国で線路を敷いてやってそれで汽車をどんどん走らせればいいわけです。それでもうかったやつはどんどん税金を取る。いまあなたから自動車重量税の話があって、何とかの税金の話があった。それと同じように取ればいいわけですよ。そうすれば同じ原価計算で自由競争でけっこうですよ。国が、運輸省という役所が統括してやって、片方は公共企業だと締めていて、三方一両損だと言いながら片方は二で、運賃の値上げは、合理化はこれだけやってこんなに差をつけて再建です、再建ですといっても、これは再建できないです。いまあなたも総合交通体系についての説明をされました。こんなのは十年前に社会党が、久保運輸部長が中心となってつくった案と大差ないわけですよ。あとは実施するかしないかの問題なんです。大臣、実施するかしないかの問題ですよ。ですから、いまからできる鉄道を全部国がつくって、それからあがる上がりは税金で取り上げろというような極端なことはできないかもしれませんけれども、そこが基本だということをやはり知っていただいて、国鉄の現況がどうなっているのかということにしなければいけないと私は思うのですよ。  そこで、国鉄のほうが運賃が高くて私鉄のほうが運賃が安くなるというのはどういうわけでしょうか。この間、私はタクシーに乗っていたら、今度鉄道運賃が上がれば私鉄のほうが安いんですね、小田急なんか国鉄の三分の一ぐらいですね、これは一体どういうわけなんでしょうかと聞かれた。まことに答弁のしようがないですよ、大臣大臣、答弁されるようですから、どうぞ。
  179. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これは釈迦に説法みたいではなはだ恐縮でございます。間違っておりましたらお直しを願いたいと思う次第でございます。  御承知のとおり、国鉄は国策のために必要な、地方におきましていわゆる経常収支におきましても赤字ではありましても、これをどうしてもやっていかなくちゃいかぬという線を相当かかえておる次第でございます。これは悪いというわけではございません。これは国鉄の国家的な企業であるという使命から申しまして私は当然だと思う次第でございます。また、必ずしも需要者ばかりが非常多いというような線を選んでいるわけでもございません。また国鉄といたしましては、関連事業におきまして非常に制限を受けておる。これは先生も、私が言うまでもない、そういうような制約がございます。しかもここが非常に問題だと思う。あとでまたいろいろ御専門の知識も拝借したいし、私どももそれを将来の参考にいたしまして、私どもが政府をとっております間は、ぜひそういうふうに直してまいりたいと思う次第でございますが、いま総合原価主義をとっております。これに、どのくらいの個別原価主義を修正して入れるか、こういう問題があろうかと思う次第でございます。少なくとも大都市間の交通、並行路線の料金の問題、これらはどういうふうにしていけばそういう点ができるかということが、これから具体的の一番の大きな問題だと私は思う次第でございます。これらの点がただいまのところは調整できていない。調整できないままに皆さまに御協力を願う、まことに心苦しい話でございますが、御協力を願いたいというのが現実でございますので、それらの点につきましては、またいろいろ御専門の御経験がある先生方の御教示をいただきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
  180. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まあ、大臣もよくおわかりになっているようでございますからこれ以上の質問をよしますけれども、大臣、いま私も言いました、あなたも説明されておりましたように、国鉄としても国家的な使命があるからどうしてもやっていかなければならない、これは当然のことです。しかしそれに応じた体制をしなければならぬ。再建計画でやはり一つの再建方式をとったら、それに基づいて、やはりその関連にあるものが、道路の問題でも、それに基づく自動車、トラック、バスの問題でも、あるいは航空の問題でも、あるいは海運の問題でも、総合的にものを見てやらないと、どこかだけがひずみを食ってしまって、その中だけがごちゃごちゃ、いつも陰惨な状態になっている。明るさ、夢がないわけですよ。会社がよくなる、経常がよくなるという夢ではなくて、何か別の夢になってしまうということではいけないと私は思うのです。  そこで、きょうはわざわざ航空局長も自動車局にもそれから海連局長も来てもらって、まあ運輸行の中だから全体的にやはり交通政策はどうしたらいいのかということを考えともらわにゃいかぬと思ったのです。個別企業を見てみれば、個別企業の原価主義でいける。しかし国鉄も一つの個別企業として見れる見方をしなければいかぬ。バスに三十五ブロックに分けて運賃というものを考えているということから見れば、いま国鉄運賃を上げるためにいろいろなアンバランスが出てくること、そのアンバランスが出てくることによって、当初の予定以上のお客が乗らない。当初の予定のお客が乗らないから無理をして休みの日に、あるいはつとめを明けたその帰りに、ひとつ鉄道の切符を買ってくれ。あなた、団体に行かないかと涙ぐましい努力をしているわけです。努力をした結果、万国博の、あれだけ予想以上のものを売ったわけです。私のところにまで回数券を売りにくるわけです。買いましょう、どうせ乗るのですから。涙ぐましい努力をしているわけです。その努力をしているのは、みんなことばでは知っているというけれども、現実に総合的なものになっていないわけです。だから、貨物輸送も同じことですよ。鉄監局長がこれだけ見通しができますなんといっても、それではひとつ道路計画を見てみよう。それに合わせてみたら、一体ここのトラックはこっちに乗るのか乗らぬのか、少し乗ったと思ったら、やあ自動車のほうが安いといって向こうへ逃げていく、逃げないためにどれだけの努力をしているか。そしてそれが結局しかたがない、おつき合いだから運賃高くてもあきらめよう、こういう形では長続きしないわけですよ。ですから、交通政策全体というものが、運賃問題から幾らながめてみても、お客は、荷物は選択の自由になっているということなんです。北海道からわざわざ東京まで来たものが、静岡まで流れてきてミカンを持っていく。昔は考えられないようなことが実は行なわれているわけです。そのために貨車が余っちゃっているということで、そういう現象というのはいろいろ出ている。だから、結局今度は国鉄は、それではそんな貨車やめてしまえということで、ますます不便になる。不便になるから、しかたがない、今度は高くてもひとつ便利なものを、こう選んでいるわけでありますから、そういう点をひとつ総合的にもう一回考えられて――それは三年前に比べたら財政再建措置というものは相当飛躍的なものができた。大臣たいへん御努力されたと思うのです。しかし、いま一つ一つかみ砕いていけばまだまだ不十分だ。それは先ほどから言っておりますように、三年前に自民党が強行採決したために、一年前の再建計画についての十分な国会の中での議論がされていない。いないからまた同じことの蒸し返しになっておる。今度はこれだけの十分審議をしております。また自民党は独行採決をしない、十分とにかく質問をして、そしてとにかく慎重な審議をやろうということでありますから、まだまだこれから審議が続くでしょうが、われわれはことさらものを延ばしておるわけではない。本来的なものをかっちり突き詰めて、そして十分な対処をすることがわれわれの役目だ、こう思うわけでございます。ぜひ大臣の一そうの努力を要望しておきまして、私の質問を終わります。
  181. 小峯柳多

    ○小峯委員長 午後六時五十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後六時二十二分休憩      ――――◇―――――     午後七時二十一分開議
  182. 小峯柳多

    ○小峯委員長 休憩前に引き続き会談を開きます。  質疑を続行いたします。内藤良平君。
  183. 内藤良平

    ○内藤委員 今度の法案につきままして私も先般本会議で大臣にもお尋ねいたしました。この運賃値上げ、いままでも毎回運賃値上げはあったわけでありますけれども、今度もまた十カ年計画というものを策定しまして、その上での四十七年度の運賃の値上げ、こういう進め方と理解しております。四十四年に始まり五十三年度に終わるべき十カ年計画がくずれ去りまして、新たに今度四十七年度を第一年度にして五十六年度まで十カ年にする新たな計画、こういうことになったわけであります。過般の本会議では、時間もありませんでしたが、どうも前回の十カ年計画はいつの間にかだめになっちゃった、そういうことでこれをもう少しはっきり国民の皆さまにも知らしむべきじゃないか、しかじかこれこれの理由でこうなった、そこでまた運賃を上げなければならぬ、こういうぐあいになっておる、こういう点が非常に少ないということを申し上げたのでございます。私も先ほど来、理事役もやっておるものですから、あれこれこまかいことの折衝で先輩の皆さんの御発言御質問の内容を聞き漏らしておりますので、この点もし重複しておりますればまことに恐縮でありますけれども、前回の計画がおじゃんになり、今回の新たな計画を立てざるを得ない、かいつまんでその要点だけも大臣からお話を承りたい。あるいはもし大臣がその点なかなかお答えにくかった場合には専門の局長なりでもお答え願いたい。まずこれから質問したいと思います。
  184. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 御専門の内藤先生から御質問いただきまして、御指摘いただきましたとおり、四十四年の計画がわずか三年間で目標がくずれまして、新しい改定をしなくちゃいかぬ、見通しが非常に甘かったのじゃないかということでございまして、率直にそのとおりでございまして、ほんとうに何とも申しわけない、こう思っておる次第でございます。  その原因といたしましては、最近の輸送需要の大きな激変に伴いまして、それに対する国鉄の輸送体制が完備しておりません。その一番の原因といたしましてはモータリゼーションと申しますか、陸上におきましては自動車輸送が旅客、貨物両方におきまして非常に伸びていくに従いまして鉄道の輸送量が非常に減少してきた。したがいまして、運賃収入がうんと減ってまいりました。それと、あそこで大体九%にベースアップを見ていた次第でございますが、それが相当大幅にアップになりまして、それらの見込み違いということが一応の原因でございます。その他いろいろの原因がございますけれども、四十四年につくりました十カ年計画の具体的な増収の収入と見込まれるものの減少、それから支出増、一群大きなものはその二つでございます。
  185. 内藤良平

    ○内藤委員 十カ年計画が四十四年に運賃値上げとともに提案になりました際にも私は議論をいたしました。今日国鉄を中心としまして、根幹になりますけれども、各種の交通機関、交通業務があります。お互いにその分野を侵し合って、しかも渋滞という欠陥を来たしております。あるいは安全というものをおびやかしておる、こういう状態でございまして、しかもまた交通、運輸の分野でそれぞれ五カ年計画、三カ年計画、急増する需要にこたえて投資を行なう、あるいは改良を行なう、こういうことを行なっておりました。それは海運、航空、あるいは自動車、民鉄、カーフェリーいろいろあるわけであります。そういう状態の中で国鉄だけ十カ年の長期にわたって計画を立てること自体おかしいじゃないか。四十四年当時もそういう議論がございました。国鉄だけ十カ年立てましても他の交通機関との関係をどうするのだ。これがなければ絵にかいたもちじゃないか、こういう議論であったわけであります。当時橋本運輸大臣であったと思っております。あるいは原田運輸大臣であったかもしれません。そういう議論の中からわれわれは反対をしました。しかし強行採決のような状態のもとにあれがきまったわけであります。今度はそういうことはあってはならぬ。国民の皆さまにとっては何が何だかわからぬうちに運貨が上がる、あるいは十カ年計画の内容もわからぬうちに上がってしまう、そういう国会であってはならない。これは正々常々と審議をして反対であれば反対の議論を展開し、賛成であるなら賛成の議論を十二分にお示し願って、その上にきめるものはきめるべきであろう、こういうことで、今回の運輸委員会はこのように慎重審議をしかも夜間もやっておるわけであります。事ほどさように世の中に変わってきておると私は思います。同時に、橋本運輸大臣の時代に国鉄だけ十カ年の長期の計画を立てまして、他の交通運輸の機関がまたそれぞれ立てておる。しかも、現実におきましては、いま申し上げたとおり、それであってはならぬ。ここで総合的な交通の体系的なものがなくてはならぬというので、いわゆる総合交通体系なるものが必要になって、運輸省なりあるいは経企庁でそれを策定して、関係閣僚会議におきまして昨年の年末でございますか、十二月には一応きまっておるわけであります。図面のようなものがまだできておりませんけれども、一応思想的なものはできたわけでありますね。ところで、大臣、あなたの所管の運輸省で総合的な交通体系というものをいま画策しております。これからいろいろ青写真をつくるといいますか、あるいはいろいろ政策を進めていこう、こういうわけでありましょう。それと今度の十カ年計画との関係はどの程度つき合わせておるものか、どの程度青写真のようなものをつくって、その上で国鉄はこれでいこう、こうなっておるか。自動車関係はこうしよう、バスはこうしようじゃないか、大都会の民鉄はこういたしましょう、あるいは地方鉄道の場合は、鉄道とバス、これをどういうぐあいに選択したらいいかとか、航空はどういたしましょう、こういうものとっさ合わせて、総合的な原則を一応ずっと策定された上で、この十カ年の長期計画ができたものかどうか。これがなければ、また前回同様に、二、三年たちますとおじゃんになる、御破算にならざるを得ないというぐあいに私は心配するわけであります。その点をひとつどのように運輸省内で検討されておられるかどうか。
  186. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいまいろいろ内藤先生から御指摘をいただきましたが、御説ごもっともでございます。今回は先生方の御協力をいただきまして、深夜まで御審議をいただいておりまして、私ども当局といたしましても心からお礼を申し上げている次第でございますが、何と申しましても、この国会審議を通じまして、政府が意図しているところの国鉄の再建計画、これを十分に国民の皆さまに了知していただく、それからまた、議員の皆さまからその欠点を忌憚なく指摘していただく、そしてこの計画を国民の御了解のもとにひとつ御可決を願いたい、こういうことが私の念願でございまして、いま深夜まで先生方御協力をいただきまして、その点を非常に厚くお礼を申し上げる次第でございます。  それからまた、総合交通政策につきましては、これは確かに御指摘のとおりでございまして、各種陸海空、また陸上におきましても、各種運輸機関がどういうふうに相寄り相助けて、そうしてお互いがむだなく斉合的にこれが発達していくかということが一番の根本でございます。率直に申し上げまして、私も運輸省に参りまして、非常にまだ短い、非常に未経験なものでございますが、参りまして、これはまあ運輸行政ばかりじゃございませんが、最近の非常な社会経済状態の激変に対処いたしまして、それらの施策というものが後手後手になっておることは事実でございます。それゆえに、このように国民の皆さまにも御迷惑をかけておるところも非常にある次第でございます。それを早く斉合していかなければならない。ことに日常の生活の足といわれるところの交通機関、これらの斉合ということが一番急務である。できるだけ早くそれをいたしたいということでせっかく苦慮しておるところでございまして、またこれをどうしてもやってまいりませんといけないことは、昨年の暮れ総合交通体系を閣議で決定いたしましたが、それによりましても、各運輸機関の特性を生かしまして、それをどういうふうに位置づけるかということを具体的につくっておる次第でございまして、また、運輸政策審議会におきましても、総合交通政策というものを位置づけをいたしておる次第でございますが、これを具体的に肉づけするということが私どもの仕事でございます。それが十カ年計画になったりあるいは五カ年計画になってあらわれると思う次第でございます。私鉄におきましては五カ年線路整備計画、いろいろございます。また海運におきましては港湾五カ年計画、航空におきましては航空五カ年計画――十カ年は長すぎるじゃないかというお話も先ほどからございました。確かに十カ年計画をいたしておりますのは、私の承知しておりますのは、今度の沖繩開発計画、これが十カ年、それから奄美大島開発計画が十カ年、そういうものがございますが、大体は五カ年でございます。しかし、国鉄はやはり公共企業体としての企業でございまして、将来にわたって永続をしていかなければならぬ、ある程度の見通しはやはり相当長期に立てていかなければならぬ。ことに非常に膨大な全国網に対する規模でございますから、これは非常にむずかしい。新全総におきましても手直しもしなくてはならぬ、こういうような次第でございますから非常にむずかしいことでございますが、ある程度の見通しをつくって、そしてこの程度ならいいのじゃないかという基礎に立ちまして御審議を願わなければならぬというので、今回つくった次第でございます。その内容におきましては、あるいはいろいろ御指摘を受ける点もあるかとも思う次第でございますが、そういう点もよく私ども承りまして、直すべきところは直し、そして再検討すべきところはさらに検討することを勘案をいたしまして、そして御審議を願いたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  187. 内藤良平

    ○内藤委員 私は計数的なことは省略しまして、理念、考え方として、私は大臣のお考えではだめだと思うのです。私、言いたいのは、運輸省で総合交通体系というものに踏み切ったわけでしょう。これはわれわれから見ますと、自由経済の中ではたいへんな仕事だと思っております。すでにはびこっているのですから、根が張っているのですから。それを快刀乱麻を断ち切って、そしてそれに斉合成を与え、総合的に組み立てることでしょう。これは私たちのような社会党なら、計画経済なんということを唱えておりますから、あるいは幾らか考えておるかもしれませんが、自由に徹し平和を愛するですか、佐藤総理のもとあるいは歴代の自由経済を標傍される皆さんのもとでは総合交通体系なるものは難事業だと思っております。簡単にできないことじゃないか。そういうものに踏み切ったわけですから、その上で十カ年計画を出してきたのですから、そうであるならば、私は、少なくとも、青写真であっても、全国的な総合的な交通体系的なものができた上でこれを出されておるものと理解せざるを得ないわけです。そういうものを示していただきたいのです。それがなければ、これはまた架空の十カ年計画といわざるを得ません。なぜならば、四十四年にきめたものがもろくもくずれ去っておるわけであります。つい最近のことです。私が国会に出てからまだ五年ですけれども、私が国会へ出てからの話です。だから、大臣のお話では、これはなかなか私はそうですかと引き下がるわけにはいかぬわけです。そういうものをお示し願いたい。いかがですか。
  188. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 大体、御承知のとおり、新全国総合開発計画は、昭和六十年を目途としており、いまから十三年あとを目途といたしまして、そのときの人口の配置状況、そのときの経済の伸びぐあい、そのときのいろいろ産業構造の変化というものを土台にいたしまして、それによりまして、その点において交通網はいかにあるべきか、あるいは港湾整備はいかにあるべきかというような構想をいたしておる次第でございます。それにのっとりまして、私どもといたしましては、あらゆる交通網というものを一応考えておる。その点におきまして、あるいは新幹線網の計画であるとか、あるいはまた航空網の問題だとかというようなことを、一応勘案をしてやっているつもりでございます。しかし、これの具体的の問題になってまいりますると、これは実際にそのときの現実の問題の需要関係、そしてまた現実の問題のそれを整備できるかどうかというような社会情勢その他やはり勘案して具体的にきめていかなければならない、こういうように思っておる次第でございます。
  189. 内藤良平

    ○内藤委員 私は過般の本会議でも言っておりますけれども、やはり、過密の地帯と、それから過疎の地帯と、その中間の地帯ぐらい、大ざっぱにいいましてこの程度のものを全国的に見まして、ここの総合的な交通はこうやるのだ、ここはこういうぐあいにやるのだ、そういうものを荒削りなものでもつくった上でなければ、こういう国鉄の十カ年計画ができぬじゃないか。それでなければ、もろくもくずれ去る。財政の問題だけを取り上げて、そのために計数的に合わせるために、あるいはその三兆円の借金を返すためには、三年、五年じゃとてもたいへんだから、十年なら三千億円平均でいくの、じゃないか、そういう感覚でやったとするならば、これはまた直ちに崩壊してしまう、こういうことなんですよ。そういうものがあるかどうかということです。
  190. 山口真弘

    ○山口政府委員 今回の再建計画でございますが、これは先般から運輸省並びに内閣において検討しておりました総合交通政策の考え方にのっとったものでございます。それで、その内閣並びに運輸省でやっておりました総合交通政策の基本的な考え方というのは、結局は従来のように鉄道は鉄道、自動車は自動車、海運は海運というようなばらばらな政策ではなくて、これを全体として見て、そして均斉のとれた交通体系というものをつくり上げなければいかぬ。そのためには各交通機関の特性に応じたところの交通の手段の選択ということにしなければならぬということで、第一に設備計画につきまして問題を言及いたしまして、そしてその設備計画におきましては全国的な交通体系、それから大都市交通体系、あるいは地方におきまする交通体系というような各般の交通体系に分けまして、そしてあるべき設備投資計画というものを考えておるわけでございます。そして、その中身といたしまして、たとえば全国的な交通体系といたしましては、たとえば新幹線だとか、航空だとか、その他高速道路も一部入りますが、そういったようなものを使って全国のネットワークを形成するというような考え方。あるいは大都市におきます交通、旅客輸送につきましては、高速鉄道を中心といたしまして、これにバスを補完的に使い、その他の交通機関を細み合わせてこれの交通を形成する。地方交通におきましては、これは道路輸送の優位性というものを認めまして、そしてそれによって全体としての交通体系というものを組み立てていくというような設備投資計画が一つございます。それから、今回の再建計画におきまする設備投資計画というものも、こういうような観点に基づきまして、七兆円にのぼるところの投資を国鉄に対してやろうというのがその内容でございます。  それからその次に、国鉄自体のあり方の問題に関連いたしまして、これは価格体系との関連におきまして、運賃その他は価格の一種でございますから、したがって、利用者の負担ということが基本的な原理であるけれども、しかしながら、国鉄自体のやっておりまする仕事の公共的な性格、その他の点等を考え合わせれば、単なる価格体系のみによってこれを解決することができないので、これに対しては国等の助成というものも十分に考えていかなければならぬということで、それに対応いたしまして、今回の再建計画におきましては、運賃の改定とともに国の大幅な助成というものを打ち出して、今回の計画にいたしておるわけでございます。そういう意味におきまして、基本的には総合交通体系の線に沿いまして、今回の再建計画は打ち立ててあるわけでございます。
  191. 内藤良平

    ○内藤委員 鉄監局長がべらべらしゃべっていますけれども、あなたの考えだけでして、それだけじゃならぬ。具体的に設計図のようなものをつくるべきじゃないかというのですよ。あなたと毎回運輸委員会でも話しますけれども、あなたはいつもそういう調子でお話しになるけれども、私の具体的に心配しておりまするのは、一つの例ですけれども、岩手県へ参りましたら、岩手県ではこの十カ年計画に関係あります赤字線の撤廃問題があります。しかも五十一年ですか新幹線が通ります。ところが花巻に約百億円の金をかけて飛行場をつくろうという話がある。その際に第三種空港だから半分は地元で持たなければならぬ。すると五十億円は県費で出さなければならぬ、こういう問題がある。新幹線の場合にも利用債という地元負担がある。しかも花巻の飛行場については、仙台にも飛行場ができました。ジェット機が仙台にもおりておるはずです。花巻と仙台は目と鼻の先でしょう。そこに百億近い金をかけて飛行場をつくらなければならぬということをいっておる。そのために貴重な県の費用を五十億も出さなければならぬ。新幹線も間もなく五十年に通る。飛行場はいつごろできるか、私、そこまで聞いておりませんけれども、しかも地方線はまたはずしておる、こういう状態なんですよ。岩手県をとっただけでもこれは直ちに困難になるじゃありませんか。新幹線ができた場合、花巻に停車するかどうかわかりませんけれども、花巻の近所から乗った場合、東京までは二時間くらいじゃありませんか。それにまた東京に飛行機で来るわけですか。これはジェットならば三十分くらいじゃありませんか。これがいわゆる今日の総合交通体系というものを必要とする現状ではありませんか。お互いに投資をして、お互いにお客さんを奪い合って、むだな金じゃありませんか。もう現実そういうのが目の前にあるのですよ。こういう例が全国にあると私は思うわけであります。そういうのを運輸省がとらえて、それを十二分に総合的にこなして、その上でこの国鉄の十カ年計画があるならば私は理解する、了解すると言ったわけです。一つの例を取り上げてもそうでしょう、どうですか。これは大臣はなかなか無理でしょうから、鉄監局長どうですか。四十六都道府県、少なくともどういう交通状態になっておるか、どういう投資がいま進んでおるか。しかもセクトに、運輸省内でも航空局がそういうことをやる、国鉄はこうなる、それから自動車馬の過疎のバスは岩手県内でもやめておるところがあるでしょう。そういうのをそれではだれがいまから総合的にやるのですか。そういうことを踏まえた上で国鉄の十カ年計画をやっておるかどうかということだ。もうお互いに花巻に百億の投資をし、新幹線に利用債を出して、五十年に飛行機も飛び、新幹線もできた。ところがそのあげくは、どっちもお客さんが来ないということで、また赤字、赤字になるのじゃないですか。ただその場合にこれは国鉄だけを考えると、あるいは空港を考えますと、金の出しようなり、あるいは違いますから、国鉄の場合には新幹線そのものを全部つくってしまう。空港の場合は第三種空港になると地元で金を出して国から助成をもらってつくる。飛行会社の場合はただ飛べばいい、こういう関係がありますね。そういう意味でイコールフッティングというか、そういう問題もありますけれども、それ以前にどうも各県単位に考えても、すでに総合交通体系なるものがいまからまたますますこんがらかるような状態ができておると思うから、この十カ年計画というのは非常に根拠が薄弱じゃないか、また二、三年で失敗してしまうのではないか。それでは審議ができないというところまで私は言いたいわけだ。いま私が言ったような実例をあなたはとらえておるかどうかだ。鉄監局長どうですか。
  192. 山口真弘

    ○山口政府委員 具体的な設備計画、たとえば東北新幹線なら東北新幹線というような設備計画をいたします場合に、それによるところの輸送需要並びに必要とする輸送力というものを算定をいたします。それでそういう算定をいたす前提といたしまして、特定の距離等におきまして航空と鉄道とのシェアがどうあるべきであるかということを算定いたしております。これは運輸政策審議会が算定をいたしました総合交通体系の中におきまして、昭和六十年時点における国鉄の輸送量、航空の輸送量というようなものを想定をした上で、そういうマクロ的な考え方のもとに、新幹線等につきましてはこの程度の整備をするという基本的な考え方にのっとりまして、そして具体的に先ほど申しましたような輸送量、輸送力の想定をした上で新幹線鉄道網をつくるならつくるというふうな建設の方針を立てておるわけでございます。具体的に各県の飛行場についてどうかというお答えにならぬかもしれませんが、そういうわけで総合的な考え方をいたしておるわけでございます。
  193. 内藤良平

    ○内藤委員 それは私の質問の答えにならぬじゃないですか。いま私が言ったことはあなたはわかるでしょう。岩手は一つの例だけれどもそういう実態がある。もう一ぺん言いますか。いま空港五カ年計画の一環として県の金を五十億も出して、国から金をもらって、ジェット機の発着できる飛行場、二千メートル以上の滑走路もあるところだと思います。相当の金をかけてつくろうとしておる。新幹線もつくろうとしておる。お互いに金をつぎ込んでおる。そういうことをやった上に、またお客さんが奪い合いになるわけです。奪い合いといいますか、そういうような状態がある中で、十カ年計画ということで進めていくことが、国鉄の場合はたしていいのかどうか。私が言いたいのは、少なくとも四十六都道府県一とおりにわたって、いまどういう交通状態でどういう要望があるのか、あるいはどういうぐあいに投資の計画があるのか、これをどういうぐあいに調整していくのか、その上でこういう国鉄のシェアといいますか、国鉄の分野というものが成り立って、その上で十カ年というものが成り立って、積み重なっていく、こういうぐあいにやっておるかどうかということなんですよ。そうやっておるのですか、やってないのですか。
  194. 山口真弘

    ○山口政府委員 個々の具体的な飛行場について、その飛行場の存在というものが、たとえば東北新幹線の建設のときにどうかということは考えておりませんけれども、総合的に空港の整備というものを総体として考え、それを前提といたしまして、鉄道の整備というものを考えておるわけでございます。その意味では運輸省として総合的に考えておるということになります。
  195. 内藤良平

    ○内藤委員 考えておるけれども、実際に運輸省でそういう計画をどこかで立てているんですか。総合的にここはこうやっていこうなんということを、何か青写真でもつくっておるのですか。総合的に考えておるということはわかるけれども、国鉄にとってこれほどの十カ年計画、これはたいへんなことですよ、合理化の問題でも。国の金だってたいへんですよ。国民の皆さんには六兆円も負担させようという計画でしょう。そういうものを出す際に、いま運輸省では考えはもうきまったわけだ。その考えのもとに、私は四十六都通府県と言いましたけれども、そこまでいかなくても、関東地方とかあるいは東北地方とか、そのくらいの広さでもいいですけれども、国鉄の十カ年の計画を中心に考えた場合、その間にどういう交通の総合的な体系的なものができたらいいのか、あるいは逆に言いますと、総合的な交通体系を一応考えて、青写真ができた上で国鉄の十カ年計画、これをひとつやりましょう、こうきたものが、それがあるかないかというんです。考えはわかります。考えはわかったけれども、そういう作業をしておるかどうか、どうです。
  196. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 先ほどから鉄監局長が抽象的なお答えばかりして恐縮でございますが、実は運輸省では、官房に企画審議官がおりまして、その下に政策課長その他の具体的のそのほうの担当がございまして、それで各局のそういったような問題を総合調整することとなっておる次第でございます。具体的な問題としますと、ややもするとそういった総合調整におきまして、過去においては非常に欠けるところがございまして、私、非常に注意しておる次第でございますが、いま具体的な御指摘もございましたそれらの点は、今回の総合計画におきましても十分これは検討さしているつもりでございますけれども、なお一そう調べさせてお答えしたいと思います。
  197. 内藤良平

    ○内藤委員 大臣の真撃なお気持ち、ぼくらも理解しております。ただ、私、議員として前回も審議に加わり、体験を経ておるわけでございますけれども、そういう、ある意味では非常にこまかい計画があって、その上で国鉄の十カ年計画が成り立たなければ、しかも長い十カ年でございますから、これは識者から見ますと、物価の問題も、物価がどの程度上がるかという、それのとらえ方によってだいぶ違うわけでありましょう。あるいは賃金だってどういうぐあいにこれから動いていくか、ある意味ではこれは、ある推定でございますね。しかしながら、この交通の状態は、今日の時点になりますると、ある程度国鉄あるいはバス、あるいは民鉄、あるいは船舶、あるいはある意味ではハイタクまで含めて、各地方ごとに一つの総合的なものはこれはできると私は思うわけであります。ただ私は危惧するのは、これをやる際には非常なる強力な政治力がなければなかなかできぬじゃないか、そう思います。思いますけれども、やはり総合交通体系もある長い期間の間にやろうということでしょうから、そうしますると、やはりその長期の総合的な地域ブロック程度の一つの交通の理想的なものでも立てて、それにこの国鉄の十カ年計画が組み合わされておる、そういうようなものが今回はなければならぬじゃないか、そうでなければまた三年前の、四十四年のあれと同じような結果になるのではないか、これを私は心配して言っているわけであります。心配がない、それは内藤君おいおいやっていくんだ、こういうことであれば私は何をか言わんやになるわけでありますけれども、その点いかがでございますか。
  198. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 実際問題といたしまして、これは、先生が御指摘になりましたとおり、具体化は容易ならぬことと私も思っている次第でございます。また、ただいまのあれは、大体におきましてそういったような総合交通の具体化の問題におきましては、いま御指摘ございましたけれども、大体、古都圏であるとか、近畿圏であるとか、中京圏であるといったような、大都市周辺をおもにいたしておりまして、各やはり全国的にそういう点では御指摘のとおり非常に足りなかったじゃないかということを、いまの御指摘によりまして私強く反省している次第でございます。それらの点も早急に、いま国鉄の鉄道網のこれから七兆円の策定ということは、これ御審議を願いましてからでございますが、それらの策定に関しましては、いまのご趣旨を体しまして、十分総合体系にかなうような各いままでの既設輸送網、それらのターミナルの整備その他等、十分それらの点を総合的に勘案をいたしまして、そういったようなむだの競合のないように整備をさしてまいる、こういうことを申し上げます次第でございます。
  199. 内藤良平

    ○内藤委員 私は、今度の政府の総合交遊体系の問題も、やはり、都市計画じゃありませんけれども、一つの図面、交通の図面をつくってみるべきだと思います。たとえば、総合交通体系をやる場合、交通関係の投資の問題、金の問題等もこれはございましょう。いろいろそれはありますけれども、一つの理想図といいますか図面をつくる作業も、大臣、やはり鉄監局長のお考えだけではなくして、いまから日本全体にわたる総合的ないろいろな交通機関の、特に内陸の場合、国内陸上の場合の道路を含めた、図面のようなものを、私はつくるべき段階じゃないかと思うわけであります。都市計画の図面と同じでありまして、やはりそういうものを持った上でこの国鉄の問題も初めて十カ年計画というものが根拠が非常に濃くなってくるのではないか、こういうぐあいに考えております。この点は、この問題だけにこだわっておりますとなかなか進まないと思いますけれども、やはりそういうぐあいに考えなければこれは二、三年のうちにまたくずれ去るようなことがあるのじゃなかろうか、そういう心配から私は申し上げている次第であります。  そこで話題をかえまして、国鉄というものはどうも、私も国鉄におりましたけれども、戦前はいわゆる国鉄でございますから、国で一切これをやっておりました。しかし占領軍が参りまして占領下に、いままでは県単位でございました管理部というものも、これが御破算になりまして、線区単位といいますか、県などのいわゆる区分けは問題外になりまして、羽越線であるとかあるいは東海道線であるとか、こういう線区単位のそういうものが中心になりまして、国鉄内部の機構も改革されまして、またいわゆるパブリックコーポレションといいますか、公共企業体ということになりましてがらりと変わった。さらに独立採算制というようなことが言われてまいりました。今日になりまして、あるいは昭和二十四年ごろでございますか、二十年以上たっているわけでございますけれども、国鉄は公共性、それから企業性――独算制といいますか、この二つがある、こういわれておる。ところで、公共性を持っておる、また独立採算制だ、こういうことのためにどうもこの二十年といいますか、今日までまいりました国鉄というものがなかなかうまく進まないような感じがしてならぬわけであります。どちらが中心なのか。日鉄法を見ますと、公共の福祉のために貢献しなければならないということでありますから、そういう意味で公共性というものがある。あるいは利潤を追求するものじゃない、商事会社じゃないということは日鉄法にあります。ところが、独立採算制というものはどこにあるのでしょう。独立採算制ということばは私も聞いて長いわけでありますけれども、この独立採算制というものの法的根拠のようなものは、あるいは日本国有鉄道法の法律の中に独立採算制という文字があるのかどうか。私寡聞にして今日までわからないでおるわけでありますが、これは大臣もおわかりかどうかわかりませんが、大臣でなくてもよろしゅうございます。法律上の根拠のようなものはどこらへんにあるのか、専門の局長なりからまずこれをお聞きしてみたいと存ずる次第でございます。
  200. 山口真弘

    ○山口政府委員 国鉄の公共性と企業性の関係につきましては、日本国有鉄道法第一条がそれを示してあると思うのでございまして、そして要するに鉄道事業等を能率的な運営で発展させて、公共の福祉を増進するということを目的として国鉄を設立する、こういうことがございます。したがいまして、いわば公共性の発揮というのは国鉄の本来の使命でございまして、その使命を達成するための手段としての能率性の発揮ということが掲げられておるわけでございます。  それから、その次に独立採算制ということばにつきましては、これは法文上どこにも書いてないように思います。ただ従来独立採算制的な考え方を表現したものといたしましては、日本国有鉄道法四十一条に利益及び損失の処理のしかたが書いてございまして、その場合には利益が出た場合にはこれは利益積み立て金として積み立てる。損失を生じたものにつきましては、これは繰り越し欠損金として整理をするという規定がございます。直接独立採算制を意味している条文であると私どもは考えておりません。ただ利益、欠損の処理のしかたとしてそういう独立的なやり方をするということだけがここに書いてあるというふうに私どもは考えております。
  201. 内藤良平

    ○内藤委員 公共性の問題は法律的には明文化されておると理解しでいいわけですね。局長のおっしゃるように独立採算制の問題はどうも法文上あまり明文化されておらない、そういうことですね。そうですね。
  202. 山口真弘

    ○山口政府委員 公共性ということばでございませんが、要するに能率的な経営によって発展させ、そして公共の福祉を増進するということは国鉄の使命であるということが、法律上明記されております。
  203. 内藤良平

    ○内藤委員 だからそんな言い回しじゃなく、ぼくもちょっと法律を見ましたけれども、そういうことやら、それから民法によるところの商事会社でないとか、もうけ本位のものじゃないとか、こういうことでしょう。公共の福祉のために貢献するのを目的とする。これは第一条でしたか、これははっきりしていますね。ところがあまりはっきりしない独立採算制のほうが非常にこのごろ強調されておるような感じがするわけです。だからそのときの政治、経済の情勢によって国鉄の性格というものがしょっちゅう変わるようでは、私は国鉄の十カ年計画というものもたいへんなものだと思っているわけであります。私の言いたいのは、公共性というものが法律上もこれははっきりしており、しかも国鉄という名前からして国民のあるいは国の国鉄、そういうものであるならば、公共性というものが第一である。独立採算制というのはどうも法文上もあまりはっきりしない。ただ独立採算というのは、帳じりを合わせるといいますかあるいはそういう気持ちで能率をあげなさいとか、親方日の丸なんてことじゃなく、やはり採算を合わせるためにやるんだ、そういう意味の考え方できたのかどうか。私はそうじゃないかと思ったわけだ。私は二十何年前を思い出してみますと、パブリックコーポレーションとかといわれたころ、やはり公共的なものである、公共事業だ、ただ気持ちの上では独立採算的ないわゆる商社的な気持ちでやらなくちゃならぬ、こういうぐあいに私はよく言われた記憶があるわけだ。それならそれで一貫していかなくちゃならぬわけですよ。ところが最近は独立採算のほうだけが強調されまして、公共のほうがどうも忘れがちになってしまっている。ここら辺を、この十カ年計画を立てる段階ではっきりしなかったならば、この十カ年というものは、ときによっては公共のほうが大きく出て、ときによっては独算だ、こういう曲がりくねった十カ年ではたいへんなことだと私は思うわけですが、この十カ年計画を審議する段階で、時の大臣である丹羽大臣、あなたがはっきりこれを明言されてしかるべきものだと私は思います。これは私は重大なことだと思っているわけです。いかがでしょう。
  204. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 私はあまりそういう方面の知識がないのでございますが、たしか国有鉄道が公共企業体に変わりましたときに、そのときの初代の総裁の下山さんですか、あの人が職員にいろいろの訓示をしております。それを私最近読んだことがございますが、それにはやはり公共企業体になったんだ、その点で、いま先生御指摘になりましたいわゆる独立採算制みたいなことを盛んに強調いたしました。これはいままでのあれとは違うんだ、自分たちの責任で、自分たちでもって企業をやっていく。もちろん公共であるけれども、企業の収支自体は自分たちのあれでやっていかなくちゃというようなことを相当長く述べられたのを、私最近読んだことがございます。そういう点で、やはり独立採算制というものはずっと強く言って、いままではきたのじゃないか、こういうふうに思う次第でございます。しかし今回の国鉄の再建計画は、先ほどからも御論議がございましたとおり、これは見方でございまして、確かに多いほうが多々ますます弁ずでございますし、また非常にいままでの、過去のことからいいまして、御承知のとおりそれがゆえに、二十三年から今日までの間にわずか出資は八十七億、こういうようなことでございました。今回は出資におきまして、一年でもって、その点は見方でございますが、六百十六億も出す。その他工事費補助でもって三百十数億出すというようなことで千百八十四億の政府助成をする。全体におきまして、これは将来のことでございますけれども、政府部内で確約しておりまして、大体におきまして出資一兆、それからその他の助成が一兆五百億で、二兆五百億の金を出す、これは公共性を私は強く打ち出したものだ、こういうふうに思っておる次第でございます。そういう点におきまして、政府としても国鉄の見方につきましては、発想につきまして大転換をした、私はこういうふうに受け取っておりまして、これが当然である、私はそういうふうに思っておる次第でございます。
  205. 内藤良平

    ○内藤委員 これはやはりだめ押しでございますけれども、大臣、公共企業体だ、公共企業体に間違いない、ただ独立採算の気持ちでやるべきだ。商社じゃないからもうける必要はないということになるのでしょうけれども、しかし帳じりは合わさなければならない、そういうことですね。公共企業体である、公共性が第一だ、しかし運営に当たっては、独立採算の運営というものを考えなくてはならない、精神的といいますかね。そういうぐあいに理解してよろしゅうございますか。重ねてひとつ……。
  206. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 収支を合わさなければいかぬ、もうける必要はない、私もそのとおりだと思います、公共企業体でございますから。その点で、やはり公共性というものは強く認識すべきだ、私はこういうふうに思っております。
  207. 内藤良平

    ○内藤委員 ではもう一ぺん大臣、くどいようですが、公共性が第一だ、こういうことですね。一言で言ってください。
  208. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 そのとおりと思います。
  209. 内藤良平

    ○内藤委員 その点はわかりました。  そこでまた、話を変えてまいりますが、私はこの国鉄の赤字問題はいろいろ観点がございます、角度がございますけれども、しかし、何と申しましても、むだ使いではありませんけれども、四十六年度の末になりますと約三兆円の借金がある、こういうぐあいに私は理解をいたしております。これは急増する輸送の需要に対処するために国鉄が独自に金策しまして、そうしてそれが年次年次の工事になっておるわけでありましょう。線増なりあるいは複線電化、あるいは通勤地獄を解消する、こういうようなことでがんばったわけだと思います。しかし、いつの間にかそれが三兆円にもなってしまった。支払い利息だけでも一千何百億円だ、こういうことでしょう。私はこれがやはり国鉄の赤字の最大の原因であると思っておるわけでありますけれども、その点は大臣いかがでありましょう。この認識の当否性はどうでしょうかね。
  210. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 その利子の負担が非常に重くなっておる、やはりこれが国鉄には非常に重荷であるということは事実だと思います。ただ、まあ三兆円になる。しかし、この負債が適当に施設に変わり、そしてそれから収入を得るということになりますれば、その額というものは、あれだけの大事業をしている次第でございますから、それほどの問題ではない。それは利子は多い。その利子を消化するだけの営業と申しますか、そういったような需要増加ということが見込まれておりますれば、いろいろの企業経営におきましても、ただに無利子の金だけでやっているというところもない次第でございますが、収入と見合った負債でございますれば何ら差しつかえない、またそういうふうに持っていかなくてはならぬ、私はこういうふうに思っておる次第でございます。
  211. 内藤良平

    ○内藤委員 そこが問題なんですね。そこで国鉄にも責任があり、監督官庁の運輸省にもこれは責任があったのじゃないか。私は何もさかのぼって問題をかき回すわけじゃありませんけれども、やはりこれからの十カ年計画というものをやる際に、赤字の最大の原因は何か。その原因を突きとめて、それから初めて正しい対策が出ると思うわけであります。  そこでこの三兆円の借金、国鉄総裁は借金ということばはいやかもしれませんけれども、これは工事になっているわけでありますから、施設に変わっていますから、これは決して恥ずかしいことじゃないと思います。支払い利息も、国の政策で行なわれておる造船なりあるいは海運なりあるいはまた例をとりますと農業関係の長期低利の資金から見ると、やはり高利のものであろうと思います。あるいは償還期限も短いものであろうと思うわけであります。そこで国鉄のような、こういうばく大な投資を必要とするそういう企業に短期直利の融資を受けざるを得ないままに今日まで放置したのは、これは直接の管理者である国鉄の総裁以下が責任があるのか、それとも監督官庁の運輸省が責任があるのか、ここら辺は、今日までの段階であなた方はこれをどのようにしておるものかと思うのです。そこら辺、これは一種の責任問題だと思うわけです。その責任をはっきりしなければ、私はこれからものごとは進まないと思うわけであります。この点は大臣並びに国鉄の総裁お二人から御所見を承りたい、こう思っているわけであります。
  212. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 なかなかむずかしい、お答えしにくい問題でございますが、これは確かにそういったわりあいに利子の高い、しかも短期で借りているかどうか、私具体的にはあまり知らないのですが、もし短期とすれば、非常に困ったことでございます。やはり設備投資あたりはできるだけ低利な、長期の資金の活用が必要であると思う次第でございまして、これは国鉄にもいろいろ、独立採算で相当の成績をあげていただいていたものですから、そういう点であまり強く要求もなかったかもしれませんし、また私どもといたしましてもその点は看過した点が多々あったかもわからぬ、こう思う次第でございまして、ともかくも現時点におきましては、それではいかぬということで、御承知のとおりことに四十六年度からは、工事費につきまして四分五厘まで利率を引き下げるというための助成金をやる、それからまた政府管掌債だけでなく政府保証債合わせまして三兆のうち二兆を、いわゆるたな上げ方式によりまして、十年間据え置く、こういう方式をとった次第でございます。その点で過去の、いままでのことでは国鉄が非常に苦しいということは痛感をいたしまして、今回政府の処置となった次第でございますので、御了承願いたい、こう思う次第でございます。
  213. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いまの先生の御質問でございますが、これはやはり金を借りた私のほうの責任だと思います。御承知のとおり、先ほどおっしゃった独立採算性で昭和三十九年までは約千六百億の繰り越しの益金があったわけでございますが、それはもちろん工事に使いましたが、その後急激に悪くなりました際に、たしか昭和四十二年度だったと思いますけれども、もうこれじゃ、七分の金を借りたのじゃやっていけないということで、ある程度政府の出資をお願いしたことがございます。この根拠は、初めは通勤輸送についてぜひ政府の出資をお願いしたい。一年目にそれがだめになり、翌年はたしか、それでは線路の、ちょうど道路と同じように、線路の下部構造だけをひとつ政府に出資していただきたいというふうなお願いを四十二年、三年と続けていたしたことを記憶をいたしておりますが、もちろん政府出資はそう簡単にいかないということで、それが徐々に利子補給に変わってきたわけでございまして、私どもといたしましては、降りかかってくる火の粉を払う意味で、あるいは私は高利とは申しませんが、七分、十年の償還期限でもって公共事業をやるということは非常にむずかしいことでございます。新幹線のように、三年、四年目にすぐ利益があがってくるという特殊な事業は別でございますけれども、たとえば東京駅の前の例をとりましても、もうすでに工事を始めて十年でございますが、あのときに初め借りた金でももう返しております。しかし、ことしの七月になってやっと稼働し出すというふうに、金を入れてから実際に動き出すまでに十年近くかかる。こういう場合に、一般の財投のように、十年で三年据え置き、七年償還というふうなもので無理やりに仕事をしたこと自身にも非常に私どもの責任があると思います。そういう金ならば要らない、やらないからごめんこうむると言うべきだったかもしれませんけれども、やはり降りかかる火の粉は払うという意味で、しかたがないから借りてしまったという現状だと思います。その後、政府の出資がだんだん利子補給に姿が変わってまいりまして、大臣が非常なお骨折りで、十年間で一兆というお約束もしていただいたわけでございますが、そういう意味で、先ほども御議論の公共性ということが相当強くなり、非常に端的に、いまの私のほうの予算をごらんくださいますれば、むしろ独立採算といえるかどうか。全体の経費の約一割以上のものを政府の援助に仰いでいるということで、はたして独立採算かどうかという――ことばの問題になるかもしれませんが、実質的にはある程度独立採算はもうくずれたというふうにいってもいいのじゃないか。しかし、営業的精神を、営利的精神を失ってはいけないと思いますが、あくまでも企業体的精神を持って公共性を追求するのが私どもの仕事であるというふうに思うわけでございます。
  214. 内藤良平

    ○内藤委員 政府の代表である、運輸の代表である大臣と国鉄――あえて政府と言いませんが、国民から預かっておる国鉄総裁のお二人のお話を聞いて、私、やはりそこにある意味では、われわれのことばで申しますと、反省といいますか、そういうものも含まれているというぐあいに聞いておりますけれども、私はそこら辺まで考えをさかのぼっていただかなければ、今度の十カ年計画もまた同じようなことになるのではないか。  私は記憶しておりますけれども、いまから何年前か知りませんけれども、ある雑誌に、磯崎さんが副総裁時代、こういうことを書いたのであります。それは過密の例の通勤地獄であります。東京でございましょう。国電だと思いますあるいは国電につながる中央線なり総武線なり、そういうものだと思いますけれども、簡単に言いますと、三倍の混雑を線増して一・五倍に減じた場合、入る金は何も変わらないというわけであります。ところが、金は何百億の金をかけて線増しなければならぬというわけであります。これは、私は大臣に向かって申していませんけれども、大臣、おわかりでしょう。実質三倍詰め込んでいるわけです。とにかくあのとおりの騒ぎでございますから、そこで緩和して半分にしよう、それでも一・五倍にしょう。そこで線増する。ところが、お客さんは変わらないということになると、増収はゼロなんですね。増収はゼロだけれども、何百億、何千億の金を投資しなければならぬ。私は、いかに独立採算といっても、公共性といっても、これはやはりそういう仕事に取りかかること自体がほんとうはおかしいのではないかと思うわけであります。これは極端な例ですよ。いわば収入がゼロの場合に、何百億の投資をする。しかも金が余っているのじゃありません、いまの日本のようにドルが余っているのじゃありません。借金をしてその利息を払って、その金でばく大な投資をして、しかもさっぱり水揚げがないというようなこんな商売をやること、これはどういうことだろうと思う。だけれども、その当時のことを国鉄総裁は、取るものもとりあえず、また、あるいは降りかかる火の粉は払わざるを得ないという表現で言ったと思いますけれども、しかし、これは私は大きな問題だと思っているわけであります。そういうことが今日の国鉄の赤字の大きな原因じゃなかろうか。元来であれば、独立採算制ということもいわれておりますし、また商事会社じゃないけれども、とにかくつじつまを合わせなければいかぬわけでしょう。私の言いたいのは、もうけも何も全然ないようなところにばく大な金をかけてやるのですから、いかに国民的な要望があっても、そういう場合に、政府と国鉄との間に、われわれのことばで言いますと相談ということがなかったかどうかですね。そういうめちゃくちゃな状態というものがわかっておりながら、国鉄だけでなぜやらなければならぬか。大臣、これは過去のことですよ。だけれども、いま東京駅の地下駅の場合、これはまだできないそうですが、現在につながっておるのです。そういう状態ではいかにこういう十カ年計画をやっても、そういう断絶の状態であるならば、これは何にもならぬと思っておるわけであります。これは何も国鉄総裁なりあなたを責めるわけではありませんけれども、これから総合交通体系をやろうという中でありますから、その過去のような実態というものあるいはそういう状態を予測、予見して、その際に国鉄の要求というものを国鉄も遠慮なく要求する、政府もそれに対して適切な手だてをする、財政、長期低利の金とか。そういうような相関関係といいますか、そういうものがこれから非常に必要じゃなかろうかと私は思う。特にこの間もある方に話したのでありますけれども、国鉄の十カ年計画をこれから遂行する際に、逆にいいまして現在の運輸省のスタッフで間に合うものかどうかということなんですよ。鉄監局長以下の局員だけで間に合うものかどうか。いままでのような指導監督で事足りるということになるものか。しかも国でばく大な金を今度出すわけでありましょう。だから、私は過去のことを振り返ってみて、しかもそういうめちゃくちゃな仕事のようなもの、商売のようなものをやる状態に二度と再び国鉄をならしめてはならぬ、してはならぬ。また国鉄総裁やる気もないでしょうけれども、そういう状態というものを再現しないような一種のシステムが必要じゃないかと思うわけであります。ちょっとこれは私は具体的なことを考えておりませんけれども、そういうものがなければ、いかにいろいろあっちこっちをこまかくやっても、もう国鉄は動いておって、一日でも休めない、休んで考えようったってできぬわけでありますから、時々刻々適切なしかも政策的なものが国鉄の現実と要望と相マッチしてどんどん進んでいかなければならぬ。いままでのいわゆる運輸官僚的な鉄監的な、申請に対して許認可の判こを押す程度のそういう行政じゃなく、ある意味では一体になったといいますか、単なる監督じゃなくして、やはり政府の政策というものをどんどんつぎ込んでいくような、こういうものが必要であろうと思うわけですけれども、この点は大臣いかがでありますか。これは一つの所見になるでございましょうけれども、お考えでもいいですけれども、お聞かせ願いたいと思います。
  215. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 全然同感でございます。私もそのとおりだと思っておる次第でございます。省がただ許認可行政で済んだ時代ともう時代が違っておると私は思っております。先ほどから先生が御指摘になりましたような、どうしても総合交通体系を具体化する時代になってきております。ただ、国鉄を除きましては、一般の交通機関は私企業がやっております。それに対する適正な認可だけやっておるという時代ではなくなってきておると私も思っておる次第でございます。また、先ほどお話がございました国鉄が三倍を一倍半にする努力、これは営利採算からしますと非常な矛盾でございますけれども、やはり公共性、公共企業体としての使命は当然だろうと思う次第でございます。ただ私は、そのときに、三倍のお客さんが乗るというのを一倍半にする、ならしてみんな一倍になってくれれば非常にありがたい、こういうふうに思っておる次第でございます。そういう点で国鉄のこれからの線の配置、それからいろいろの需要関係、先生のお話がございましたような、要するに斉合性の問題がこれから一番必要な問題だ。先生のお説のとおりだと私も思っておる次第でございます。
  216. 内藤良平

    ○内藤委員 これは希望になりますけれども、国鉄だけでさばいていいものかどうか。その際に国鉄だけ、ある意味では一文の収益もあがらないような商売を続けなければならぬような状態が二度とないように、やはり総合交通的なものが必要でなかろうか。線増する場合も、国鉄の隣接の複々線、二線を四線あるいは六線にする場合、土地の問題等も含めてばく大な投資になるわけであります。そういう問題も過去の失敗等を見て、私はそういうものがなければこの十カ年計画等はなかなかうまく進まぬじゃないか、こういうことを申し上げたいと思ったわけであります。  それから、十カ年計画は先般の本会議で私も言いましたが、水田大蔵大臣は、三兆円の借金のうち、二兆円は政府管掌とか政府保証は何とか手配した、しかしそれ以外の一兆円の民間のほうには手が届かないというようこなとを大ざっぱに言っていました。私は、これは民間の一兆円というのが問題だと思うわけであります。大臣、これはいまの水田大蔵大臣の答弁でおさまっていいものじゃないと私は思っています。本会議の質疑でございますし、答弁も限られた時間ですから、こういう一兆円の、いわば政府で助成を全然考えてない、この点につきましては、このまま投げていいというお考えじゃないと思います。これはいま申し上げたように、国鉄自体が非常にたいへんな、ある意味では国民的な要望にこたえて、間に合わないことでもかなりやらなくちゃならぬということでやっておることもあるわけでありますから、そういう問題についてもこの際――これは民間の関係でしょう。そういうものに対して大臣はどういうぐあいに処理されるか、この機会にひとつお聞かせ願いたいと思っております。
  217. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 現時点におきましては約六千億でございますか、伸ばしまして二兆にいたして、政府保証債まで拡充して、それを四分五厘にするということでやむを得ないと思った次第でございますが、将来の問題といたしましては、先生が御指摘になりましたように、ぜひともそれらの方面の利子の軽減をはかってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  218. 内藤良平

    ○内藤委員 この点は、今度の国会が終わったらまた手を抜いてしまって、二、三年でパアになるようなことがないように、こういう問題はいま申し上げたようなことで、秋田弁で言いますと、がりっと変わってもらわなくちゃならぬ。そうでなければ、この十カ年計画は単なる運賃の値上げだけで終わってしまう、こういうぐあいに私は指摘したいと思うわけであります。幸い大臣から積極的な御発言がありましたので、これはぜひ要望しておきたいと思う次第です。  そこで、今度は運賃問題を少しくお話ししてみたいと思います。今度の運賃値上げは二三・四%とか、二四・六%とか、あるいは約二二%というぐあいにいわれております。ところが実収は一五%だ。また将来のことにつきましても、大体実収一五%の運賃の増収を見込んでおる、こういうことです。わかりやすく二三にいたしましょう。二三%上げる。ところが実収は一五%だ。その八%というものは、からの値上げかどうか。二三%マイナス一五%、差し引きの八%は何を意味しているのか、これをまず簡単にお伺いしたい。
  219. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 大体旅客、貨物で実収一五%の増収をあげるためには、やはり値上げによりまして旅客の減、貨物の減を見込まなければならない次第でございます。当分の間は見なくてはならないというところで、旅客においてはたしか六%でございました。貨物においてはたしか七%くらいの需要減を見込みました。それで名目二三・四、二四・六ということにいたしまして、それで大体一五%だ、こういう計算と承知している次第でございます。
  220. 内藤良平

    ○内藤委員 それじゃ、国鉄は実際は一五%より実収がない。ところがお客さんは二三%の値上げを取られる。それはどこに流れていくのか。お客さんは二三%だ、国鉄には一五%より入らない、このからくりをもう少しわかりやすく教えていただきたいのです。
  221. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これは専門の先生ですから、私から言うよりおわかりと思いますが、値上げによりまして旅客、貨物通じまして需要が減る。お乗りになる方が減ってくる、荷物が減ってくる。その目減りがちょうどあるということでございます。
  222. 内藤良平

    ○内藤委員 これは大臣、目減りじゃないでしょう。お客さんが逃げていくのです。目減りというのはだんだん減っていくのです。それじゃこれは鉄監局長と問答してもいいのですけれども、お客さんから見るとおかしいですね。赤字だ、赤字だというので国鉄に協力しようと、かりに二三%の値上げをオーケーした。ところが国鉄には一五%より入らない、こういうことでしょう。それなら一五%値上げしたらいいじゃないですか。だれかがピンはねしているのか、こういうぐあいに一般の方は疑いたくなる。ところが大臣のおっしゃるのは、おそらく大都会の競合している線がある。並行線がある。さっきも勝澤先輩が言いましたが、国鉄と並行している民鉄がある。小田急線だ。定期券の場合、片一方は一万幾らになっちゃう、小田急は三千円だ。三倍になっちゃう。そこで一万円払うのはばかくさいから小田急のほうにお客さんが流れる。そういうのを一応そろばんに入れて考えてこういうぐあいになったのであろうと思うわけですけれども、その点は鉄監局長いかがですか。私の考えは間違っておりますか。
  223. 山口真弘

    ○山口政府委員 大臣が申し上げましたように、運賃改定をいたしますと当然利用減がございます。利用減がございますと、それによりまして減収がございまして、その減収を差し引きまして実収を生ずるということでございます。結局どういう点で利用減が生ずるのかということになりますと、その点は実は従来何回かの運賃改定をいたしました。その運賃改定をいたしました過去の実績がございます。その過去の実績から利用減の割合というようなものを算定いたします。これは私どもの専門的なことばで恐縮でございますが、運賃弾性値というふうに言っております。その運賃弾性値を算定いたしまして、これと値上げ率との関係を見まして減収率というものを算定いたします。その減収率を算定いたしました上で減収率から減収額を求め、それから実際の実収を求めるというかっこうにいたしたわけでございます。したがいまして、二三・三%程度のものが実収としては一五%くらいになるということに和なるわけでございまして、かりに一五%の名目改定といたしますとそれよりも下の実収率になる、こういうかっこうになります。
  224. 内藤良平

    ○内藤委員 それをもっと国民の皆さんにわかりやすく言ってください。私いま言ったように、簡単に言うと、国鉄が高くなったら小田急に逃げていく、こういうことでしょう。そうでしょう。あなたあまりむずかしく言うからわからないので、簡単に言うとそうじゃないですか。もう一ぺんひとつ……。
  225. 山口真弘

    ○山口政府委員 ごく大ざっぱに言えばそういうことに相なると思います。
  226. 内藤良平

    ○内藤委員 それじゃ私も大ざっぱに聞きますけれども、これはどうなんでしょうか。これは全国一律に上がるわけですね。今度五百キロを六百キロとか、四円を五円にとか、ほかの小田急に逃げれる方はいいけれども、国鉄より線がない方はどうなるのです。二三%まるまる取られるわけですか。ほかへ行き場がないわけだ。国鉄も独占のあれがだいぶなくなったけれども、まだ国鉄でなくちゃならぬところがあるわけでしょう。そういう方々は逃げ場所がないわけだ。そこら辺はどうなんですか。これは非常に庶民的な考えなんですよ。ひとつこの私の考えについてどうですか。
  227. 山口真弘

    ○山口政府委員 先ほど申し上げました運賃の弾性値は、結局は過去の値上げにおきまして、その価上げのときの名目改定率と実際の収入というものの傾向値を基準といたしまして、そういう基準から指数をとってやったものでございます。したがいまして、ごく現象的な問題といたしましては、各地各地によって違うわけでございますが、そういうものをマクロ的に考えまして、そうしてその減収率というものを算定いたしました。したがいまして、利用者自体につきましては、もちろん二三%なら二三%の値上げ率でございます。しかし国鉄としての収入はそういう利用減率並びにそれによる減収率を見まして実収率一五%、こういうことに相なるというわけでございます。
  228. 内藤良平

    ○内藤委員 だからそれはあなたは専門家的にいえばそうだけれども、現象的に、簡単に庶民的に見ると、さっきの小田急のあれでしょう。だけれども、小田急のような乗りかえ線のないところはどうなる。そこは最初から二三%取られてしまう、結局のがれる場所がないから。だから、結局小田急もだんだんまた運賃が上がった場合には国鉄のほうにお客さんが戻ってくる、そういう人間の流れを見ると、そういうことじゃないですか。そういうことで、むずかしく言いますと、減収率なんかが統計的に出てくる。そこでそれをかける、こういうぐあいになると私は思うわけだ。ところが国鉄だけでそれ以外にないところの方はそういう余裕がないわけだ。そこら辺は私は一般の方々にしてみると一五%なら一五%でいいじゃないか、二三%なら二三%でいいんじゃないか。何か国鉄の場合は都会地の方だけが優遇されているような感じを持たないかと思うのだけれども、私の考えは間違いですかどうですか、ひとつ鉄監局長……。
  229. 山口真弘

    ○山口政府委員 そういう考え方を持つのは当然だと思います。名目の改定率が二三%でございますから、当然それを利用なさる方につきましては二三%程度の値上がりが生ずるということでございます。ただ国鉄の収入の面から見ますと、先ほど申しました減収率がございまして二五%に相なるということでございまして、したがって利用なさる方につきましては二三%の値上がりということになるわけでございます。
  230. 内藤良平

    ○内藤委員 それではまたこういう話もしてみたいと思います。今度の値上げで約千八百億円の増収になるわけですね。大体貨物は二四・六%ですか、それから旅客は二三・四%、こういう通貨を上げて、それで大ざっぱに千八百億円ですね。こうなるわけだけれども、そこで入ってくる金がいろいろ作業があるのだけれども、貨物のほうは比較的安いかっこう、いわゆる負担が少なく、旅客のほうが負担が多いという話があるのだけれども、そこら辺をもう少しく私たちにわかるようにお話し願えないものか、こう思うわけであります。
  231. 山口真弘

    ○山口政府委員 貨物、旅客ともに一五%の実収を得るということを目標といたしております。ただし先ほど申しました運賃の弾性値の相違が、旅客と貨物の違いがございます。したがいまして、名目的には旅客よりも貨物のほうが運賃の改定率が高いということに相なっておるわけでございます。
  232. 内藤良平

    ○内藤委員 それじゃ、貨物の関係で少しくまた聞いてみたいと思いますけれども、大企業の貨物運賃は安く、別扱いになっておるということがよく聞かれるわけだけれども、この点について私は、大口の荷主であるたとえば大企業と、それから小口の荷主である零細企業の値上げの幅は必ずしも公平にいっていないような感じを持つわけであります。たとえば、小口扱いの貨物は新たに今度設定されたコンテナ貨物通貨とそれから小荷物運賃に分けられることになっているのですね。いままで貨物輸送については車扱い貨物運賃と小口扱い貨物運賃とに分かれてきました。今度はこれを――つまり車扱いの貨物の荷主は大企業、小口扱いの貨物の荷主は零細企業というふうに私は一般的にいえるのじゃないかと思うわけであります。そこでこの小口扱いを廃止するということがどういうぐあいになるものか、従来の小扱いの中でも比較的大口な荷主にとってはコンテナで送ることができますけれども、町の小さな零細な荷主にとってはどうしても小荷物運賃制度を利用する以外に方法がないようなぐあいはなってくる、こういうことをわれわれは思うわけであります。そこで小荷物の運賃制度はいままでは三十キロ以下の荷物を扱うことになっておったわけでありますけれども、今度はそれを五十キロに拡大しましてそして基本運賃をきめて、さらに五十キロ増すごとに割り増し運賃を加算していくことになっております。そこで参考のために五十キロ貨物運賃がどれだけの値上げになるか、こういうことを申し上げますと、東京から名古屋は現行の百八十円が二百七十円上がって四百五十円、これは小荷物の関係、手小荷物の関係ですね。こういうぐあいになっていきます。これはたいへんな値上がりになる。また東京と大阪は現行三百八十円が二百九十円上がって六百七十円になる。これは七六・三%の値上げになる、こういうふうなことで、いわゆる小口の扱いがなくなって、小荷物のほうに今度移らざるを心ない、こういう関係で庶民といいますか、個人の方々の負担というものが非常に高くなるように私は思うわけですけれども、こういう点は今度の運賃の値上げの中で、あるいは料金の改定の中でやはり零細な方々から多く負担がとられて、そうして大口の方々が比較的安い運賃になる、こういう考え方が成り立つのじゃないかと私は思うのですけれども、ここら辺につきましてはどういうお考えであるのか、これをひとつ聞きたいと思っているわけであります。
  233. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いまお尋ねの小口貨物、小荷物、これを私たちは小量物品といいまして庶民生活になくてはならないものでございます。ただ御承知のとおりいわゆる小荷物というものは旅客列車で送っております。それから小口貨物貨物列車で送っておりまして、最近小口貨物が非常にコンテナ化しまして、非常に数量も減ってきております。この際小口貨物と小荷物を統合いたしまして、一つの輸送制度にする、そして速達をはかるというような考え方で、これは昔からの国鉄の懸案でございましたが、この際ぜひ両方一本にしたい。幸いコンテナ化して小口貨物がずっと減っておりますので、一本にいたしたいということで統合を決心したわけでございます。ただその際、いま先生のおっしゃったような具体的に小口貨物につきまして相当値上がり幅のひどいものもございますので、これはいま具体的に調整することを考えております。  たいへん技術的なこまかいことになりますので、担当の原岡から御説明させていただきます。
  234. 原岡幸吉

    ○原岡説明員 いま総裁から御説明申し上げましたように、小口と小荷物をこの際輸送方式としてもそれから運送制度としても一本にする。これに伴いまして、単純に一本にすることによって具体的なケースとして非常に高くなる、また具体的なケースとして逆に安くなる、こういう場合もあるわけでございます。したがいまして、一元化しなければならないということを前提といたしましてそれを実行するに伴って、具体的にいろいろなケースが出てきますので、それに対しましては急激な値上がりにならないような運送制度についても考える。あるいはまた先ほど総裁の説明がございましたように、小口扱いは非常にケースが少なくなっております。むしろ例外的な輸送方式、こういうことになっておりますので、個々の輸送ケースを対象といたしまして別途の便宜な、もっと合理的な、経済的な輸送方式はないかということで、個々の問題としてとらえながら、目下いろいろ対策を検討しておりますが、輸送方式の面において、あるいはまた運送制度の面において両方の方策で具体的なケースに対処していく。そして急激な値上がりにならないように対処していきたい、このように考えております。
  235. 内藤良平

    ○内藤委員 これにまた関連しまして、話が飛び飛びになりますけれども、結局こういう貨物の集約の問題等も重なってまいりまして、なかなか営業収益というものも上げることがむずかしいじゃないか。いわゆる増収対策ですね。これからまた多少、二、三の変わった観点からもお話をしたいということで省略しながら話をしますけれども、今度の運賃改定の中でも増収対策が当然出てくるわけであります。いままでの増収対策というものは、やはり貨物の場合におきましては扱い業者は日通、あるいは旅客の場合におきましては交通公社あるいは旅行業者、こういう方々を通じてやっておられる。その増収対策について私たちがいままでの話を聞いた中におきましても、これは現実にやっておるわけでありますから、旅客の場合は旅行センターあるいは貨物の場合は日通関係というぐあいになるわけでありましょう。例を旅行関係にとりますと、旅行センターを扱っている方々に業者の方々が入っている。そういう方々がいろいろ国鉄に協力して旅客を集める、あるいは日通関係も貨物を集める、こういうぐあいになるわけでありましょう。ただその際にどうも国鉄に協力はしたいけれども、みずからの方面の仕事が赤字になってくるような状態になる。すると、国鉄の増収対策のいわば手足が細ってくるような状態になるんじゃないか。私、これも聞いた話でありますが、旅行センターなんかに係員を出しておりますが、交通公社なりあるいは日本旅行会なり、こういうところも、一生懸命やればやるほどそのもの自体の仕事がマイナスになっていくような傾向がある。言いかえると、拝んでどんどんお客さんなり貨物を集めてくるような、そういう状態にないというわけです、扱い量の関係になりますから。そこら辺につきましては、話がこまかくなりますけれども、どういう状態にこういう増収対策なりを考えて、しかも関係の方々にどういうぐあいな対策を立てておるか。これらも、原岡さんなり総裁なりからもお聞きしたいと思っております。
  236. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 今後十カ年の計画をやります際にやはり増収問題が一番大きな問題だと思います。それには国鉄がどういう手足を使って増収をするか、あるいは自分でもってどのくらい増収をはかれるかという問題にたってくるかと思います。  もともと、大体百年の歴史を振り返ってみますと、国鉄というものは窓口にすわっていてお客さんの来るのを待っているというような体制でいままで商売してきたわけでございまして、とてもこれではこれからの世の中に追いついていけないということで、先生のおっしゃったような旅行センター、貨物センター等をつくりまして、一応外に進出する体制をとっておりますけれども、生まれつきの武士の商法的なところがございまして必ずしもうまくいってないということで、民間の方々と一諸にやっているわけでございますが、問題は、非常にこまかいことになりますけれども、手数料の問題などに若干問題があると思います。たとえば同じ一万円の切符を売っても、国鉄からの手数料の場合と日本航空からの手数料の場合と非常に率が違うというようなことがありまして、そうすると高いほうのものを売りたがるというのが人情かと思います。   〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕 それを、いやそれを売ってはいかぬ、あくまでも国鉄の切符を売れということが窓口のトラブルになっておるようにも私は聞いておりますが、これは私どものほうから申しますれば、ぜひそういうふうに申したいところでございますけれども、やはり商売は商売だと思いますので、その辺は今度の問題とからみまして、そういう業者に対する手数料率を、一つの歩合制、と言うことはちょっと適当ではございませんけれども、単に何%ということでなくて、もっともっと歩合制を含めた、よけい売ればそれだけ収入になるといったふうな制度にぜひ変えてまいりたいということと、それから貨物のほうは、先般も久保先生から御質問がございましたけれども、うちで直接荷主さんと窓口を接触してやってみている面もございますけれども、やはり限界があろうと思います。いろいろな商取引の習慣もございまして、必ずしも私どもの係員が習熟しておりませんので、やはりもち屋はもち屋で、通運業者が第一線の集荷をやったほうが適切な場合も相当ございます。しかしことに貨物運賃は、金は現金でなしに大体手形で払うというのが常識のようでございますので、私どものほうは手形を受け取るわけにまいらないというふうなことで、結局じかにやろうとすると決済の手段の問題と関連してくるということがございまして、通運業者の能力をフルに活用するのが一番増収につながるのではないかというふうに思っておりまして、それやこれやいろいろ私どもの手足自体の問題あるいは全体のかまえとして、幾ら増収しようと思っても、売れる商品を考えなければいけないと思います。もっといまのよりもいい商品を売る、たとえば貨物で申しますれば、先般も申し上げましたが、もっと適切なきちっとした、正確な輸送のできるものを売らなければいけない。いつ着くかわからぬということでは、お客さんは買ってくれない。旅客のほうはそういうことはないにいたしましても、車がきたないとか時間がおそいとかということもございますが、やはり商売といたしましてはいいものを売るということが一番大事だと思います。その意味で今度は相当ばく大な投資をお認め願い、また在来線でも約四兆数千億という金をつぎ込めるようになりましたので、思い切って在来線の旅客、貨物の輸送のやり方の改善あるいはターミナルの設備の改良等に力を入れまして、そうしていい商品を、うちでなければ売れないということに徹してまいりたいと思う次第でございます。
  237. 内藤良平

    ○内藤委員 話をまた進めてまいりたいと思います。  その輸送力増強も、増収対策としていろいろやっておられることであります。そのこと自体はけっこうなことです。ただそこで、私大ざっぱに言いたいのは安全問題ですね。貨物の場合ももちろんですけれども、旅客の場合は人身の問題でありますから、安全問題と輸送力増強、いわゆる増収問題、これはやはり相関関係があるわけですね。そこでやはりこれもあまり抽象的な話をするだけの時間もないと思いますので、一つの例として申し上げたいのは、いまの東京都内における過密の輸送、そこでいわゆるATS問題がありましたし、船橋の事故がありました。船橋の事故なども、私は、お客さんにサービスしよう、どんどん運ぼう、快適なしかも敏速な輸送をしようという発想からいろいろ考えておると思います。そういう中からああいう過密なダイヤ――秘書ということはと過密ということばといろいろあるそうですけれども、とにかく多く運ぼう、こういうことでやっておるわけです。ところが、やはり安全問題というものが必ずこれに伴ってまいる。その例が船橋の一枚であり、ATSという問題でいま関係の組合の諸君ともなかなか合意に達していないというぐあいに聞いております。そこで、これは運輸大臣に、国鉄の労使の問題にからんでまいりますけれども、しかし、発端は増収問題あるいは輸送力増強、それから発して安全の問題になりまして一つの事故が出てきた。ところで、安全問題について、まだ管理者側とそれから実際に車を動かしている働く皆さんとの間に、安全に関する合意点に達しない点があるわけで、それが今日まだ全国で貨物列車何百本運休、あるいは旅客列車が何時間の遅延ということになっているわけです。お互いに一生懸命に国民にサービスしようということから出たわけでしょうけれども、あるいは経営を改善しようということから一人乗務とか、そういうことでいろいろがんばっている。ところが、たまたまそういう事故が出てまいる。そうして安全問題につきましてはいまだに合意点に達しない。だから、今日しまいには国民の皆さんが必要な生鮮食料品だとか貨物列車もいま停滞をしておるような状態、こういうぐあいに転化してきている。悪化してきているといいますかね。これはいま話し合いをつけておるということじゃなくして、国鉄十カ年計画の、十カ年の中には全部これは関係あることですけれども、この問題については、やはり大臣としても黙って見ておることはできぬじゃないかと思うわけであります。輸送の問題、しかも安全の問題、また事故の問題、人身事故の問題、こういうことでありますから。  そこで、いま労使間のトラブルのことをこまごましく申し上げませんけれども、やはり双方で早急に安全の合意、施設なりあるいは就業の内容なり、これが旅客に対する国民に対する安全の合意点だ、これがあればいいのだ、こういうものを求めるために、やはり私は大臣が乗り出さたくちゃいけない段階ではないかと思うわけです。そういう点がないものですから、いまだに、今日の順法闘争という名前ですか、そのことについて何だかんだはありましょうけれども、輸送全体なり国民的な立場から見ますと、いろいろマイナスの面があるわけです。やはり安全問題をできるだけ早く双方が合意点に達するような、そのことを大臣がお声がかりでやらなくちゃならぬ問題だと思うわけです。これは春闘のストライキなんかと全然違う問題であります。輸送力増強、増収、合理化、節約、安全、ところがトラブルですね。こういうぐあいになっている。こういうことで、単なる労使の問題でなくして、やはりそういう観点から、私は、大臣がこの場合は乗り出して、国民の安全のためにも輸送の安全のためにもやるべきではないかということですが、この点ひとつ大臣から御所見あるいはお考えを聞きたいと思うわけであります。
  238. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私からちょっと先に申し上げさせていただきたいと思います。  実は安全問題につきましては、数回にわたりまして大臣からも直接私にいろいろ御叱咤がございまして、私どもといたしましても、安全問題はもう労使問題以前の問題であるというふうに考えまして、ATS問題は、昨夜も副総裁と動労の幹部と話をいたしまして、両方とも実はくろうと同士でわかっている話でございます。これはもうわかりながらの話でございまして、要は、とにかく国民に御迷惑をかけない、安全な輸送をすることが第一であるということを前提といたしまして、おとなの立場でこの問題は解決してまいりたいというふうに思っております。これ以上国民に御迷惑をかけることがないように、私も全力をふるってやりたいと思っております。  ただ、ATSの問題はともかくといたしまして、いまやっております順法闘争と申すのは、ちょっとおかしな話でございますが、たとえば六十キロで制限というところを五キロで走るというふうなことは、これは順法かどうかという問題もございまして、闘争手段としてやることのよしあしは別といたしまして、これは安全問題とは関係なしに、むしろ輸送力士皆さまにたいへん御迷惑をおかけしているという問題でございまして、これは春闘の問題とからんでやっていることだというふうに思いますが、私どもといたしましては、いずれにしても一種のサボタージュであるから、これはやめてほしいということを強く申しておるわけでございます。  安全問題につきましては、かねがね大臣から非常な厳格なお話もございますので、私も事故のないように、労使問題以前の問題としてこれからも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  239. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 安全の問題は、私、運輸大臣就任以来、陸海空三方面におきましてほんとうに申しわけない事故が発生いたしまして、安全の問題は運輸行政の一番根本であると私は考えておりまして、それゆえに、今回の予算の措置につきましても、あらゆる問題をまず第一番に安全の問題につきまして私は取り組んでいるつもりでございます。したがいまして、要するに国鉄の輸送の過密の問題、これも私は非常に問題にしている次第でございますが、先般来も、いわゆるATS闘争と申しますか、それをめぐりまして私も非常に心配をいたしまして、そういったようないろいろの労使間の不調のときに、万一また事故でも起こったら国民に対して何として申しわけがつくかということで、国鉄総裁に対しまして強く注意を喚起いたしまして、ことに技術的の問題であるということでございますから、両方でよく話し合って早急にこれを解決するように、再三その指導をしている次第でございます。不幸にしてまだそれらの点につきまして解決を見ませんが、私といたしましては、私が出てある程度済むことならば、何でも私はいたすつもりでございますが、私より練達四十年の経験を持つ磯崎総裁が一身を賭して、今日国鉄のあらゆる内部の問題の解決に当たっている次第でございますので、磯崎総裁を督励鞭撻いたしましてそれらの早期解決に持ってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。  しかしながら、要は、何と申しましても、労使一体となりまして、国民の足という自覚に立ち返ってもらいまして、そうしてお互いが信頼感を持ちまして国鉄の危機を突破するということに一刻も早く返ってもらうことを、私は心から念願をしておる次第でございます。
  240. 内藤良平

    ○内藤委員 これは大臣、うしろのほうで専門家があまりこういうことを聞くなと言いますけれども、率直にあれですけれども、やはり運賃を上げるけれどもまたけがされては困るという、これは庶民の声なんですね。これは端的に、何も減収率だとか二三・四%が一五%とかそういう問題じゃなく、率直な声は、運賃は上がるしまたけがをさせられては困る、船橋のようなことは困る、こういうことなんですね。   〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕 単純明快なんですよ。それをいつまでも投げておかれないわけですよ。これだけでも運賃を上げることはできないということになってしまうわけです。だから、大臣の気持ちはわかりますし、磯崎さんにまかして四十年のあれで云々と言いますけれども、これはやはり運賃審議のいまのこの段階で、しかもああいう例が、万一と思われたことが――それは従業員が万全でなかったかもしれません。しかし関係者の中には納得のできない、安全に対する合意点に達しなかった。それは国鉄の最高幹部とそれぞれの組合のほうの最高幹部との間で合意点に達しないのですから、これはお前が悪い、こっちが悪いと言ったって水かけ論になる点もあるでしょう。そういう点を考えると、私はやはり大臣がこの際乗り出して何かのことをしなくちゃならぬのじゃないか、それが国民に対するサービスじゃないか、国民に対する大臣の責任じゃないかと思うわけであります。いまたいへんな状態だと思いますし、これはこのまま、磯碕国鉄総裁の管理運営の範疇の問題であるということだけじゃないと思うわけですね。そういう意味で、もう一歩突っ込んでひとつお考えなり、あるいは御処置を願いたいものだ、こう思います。くどいようですけれども、一言だけひとつお答え願いたい。
  241. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 確かにそういった問題は早期に解決をしなくちゃいかぬ、私もあの問題が起こりましてからすぐにそれを感じた次第でございますが、御承知のとおり磯崎総裁、山田副総裁をいたしまして、連日深夜おそくまでその問題でも折衝いたしている次第でございます。日々私のほうにも報告をして連絡を密にとりましてやっておる次第でございまして、私が出ますことによりまして解決するという機会がございましたら、私いつでも出る、その点は私の心がまえは十分総裁もわかっておるはずでございまして、時宜よろしきときにぜひその点をいたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
  242. 内藤良平

    ○内藤委員 今度は話題を変えまして、別の問題に入ります。国鉄の問題は多方面にわたります、大国鉄でございますから。  黄害の問題ですが、これは最近どうも国鉄の問題からほとんど消え去ったような感じでございまして残念なんですけれども、これはやはり十カ年計画という画期的なことをやる中で、乗客の排せつ物――これは一ころ盛んに論議されたのです。そうして中曽根大臣も、年間五百億円程度の金を投資してこれは早急にやらなくちゃならぬということでございましたけれども、黄色のほうが赤に消されちゃって、赤字赤字ということでいつの間にかこの問題は国鉄の関係者の皆さんもあまり言わなくなってまいりました。しかし、これはいまだに、例の黄色い外は全国の線路の周辺に、これはもう国民大衆の皆さんから見るとあまり目立たない、一時うんと騒がれましたが、その声がなくなりましたために、最近は国鉄も黙っておるというような状態なんですよ。しかし、こういう問題こそ運賃値上げなどという段階で、国民に対するサービスといいますか、あるいは乗客に対するサービスといいますか、そういう面からこれは真剣に取り組まなくちゃならぬ問題だ。ところが、これは、私の記憶では、いまから二、三年前非常に論議になりまして、そのころはいろいろ計画なんかも私たちも聞いていますけれども、その後どういう経過になっているか、これは国鉄の総裁が担当じゃないと思いますけれども、これは担当の方から聞きたいと思うわけでございます。
  243. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 この問題は私が担当しても決して差しつかえない問題と思っております。実は、特にこの問題につきましては常務理事のうちから一人黄色いほうの専門の担当を置いてございます。しかし、きょうは時間の関係もございますので、私から総括的な答弁を申し上げますと、実は昭和四十四年からこの問題が本格化したわけでございまして、当時の計画で約八百億ぐらいかかるだろうということを申し上げたことがございます。いままでの経過から申しますと、八百億はともかくといたしまして、問題が二つございます。一つは車でございます。一つはその車にためたものを処理する地上の設備でございます。この二つあるわけでございまして、いままでの経過、過去の実績を申し上げますと、車につきましては、その後、昭和四十四年度以降、新しくつくる客車並びに長距離電車は、全部タンクの中で汚物を処理できるような構造にいたしております。これがすでに千七百両ございます。それから、そのほかに、いまある客車、電車――これは長距離電車だけでございます。この付近の通勤電車は入っておりませんが、客車並びに電車につきましては改造をいたしております。これが二千百四、五十両の改造をすでに終わっておりまして、これは地上設備ができればすぐにでも簡単にタンクを取りつけて、ちょうど、いま新幹線で使っているような処理対策でございますが、これができるような設備に改造いたしております。すなわち、両方合わせまして三千七、八百から約四千両の車がすでに新生並びに改良でタンク式の汚物処理ができるようにいたしたわけでございます。実はあと残っておりますのがまだちょうど半分ぐらいございます。しかし、これも予定どおりちゃんとやってまいるつもりでございます。  問題は地上設備のほうでございまして、地上設備と申しますのは、この付近で申しますと品川に、ちょうど家庭の汚水処理場のようなものでございますが、それをつくるわけでございますが、現在、品川、田町、それから京都の向日町、大阪の宮原、北九州の南福町、千葉の幕張、この六カ所に総計約二十億でもって地上設備をつくっておりますが、問題は、地方自治体との話がなかなかスムーズにまいりませんで、実はこの間、岡山の新幹線開業のときも、その問題で非常に自治体との間でいろいろあったこともございますが、結局、地方自治体としてはそういう汚物処理はかなわぬ、金をもらってもいやだというふうにおっしゃられまして、自分のほうの住民だけでさえ手一ぱいなのに、よそから持ってこられちゃ非常に迷惑千万だというふうなこともございまして、いろいろお話いたしました結果、いま申し上げました六カ所は、大体ことしから来年にかけて使えるようになると思いますが、現実にその処理場をつくりましても、それを下水に流すこと、その下水からさらに海に出ること等にいろいろ問題がございまして、実は車の上での処理済みのものをさらに下水に流すこと自体にいま問題が出ておりまして、その点は実は処理に非常に困っている次第でございます。しかし、何とか地方自治体にお願いいたしまして、地方自治体の汚物処理と一緒にやっていただくという方向で進めておるわけでございますが、幸いこの六カ所ができ、車両がもう少しどんどん進みますれば、大体東海道、山陽のおもな列車は全部これができるようになります。引き続きまして、いま東北あるいは裏縦貫というところ――とても全国一斉にできませんので、そういう主要幹線の列車回数が多いところから地上設備を現在つくっているわけでございまして、一カ所大体二、三億かかるわけでございます。これは土地は大体ございますが、問題は金で解決できない問題がございまして、いろいろ現地で苦労しておりますが、そういう方向で、この問題は私ども決して忘れておりませんで、全力をあげてやっておるつもりでございます。その意味で、きょうは経過報告でたいへん恐縮でございますが、方向といたしましては、決して初めの気持ちをくずさないでやっているということだけを申し上げておきます。
  244. 内藤良平

    ○内藤委員 何しろ大国鉄ですからいろいろな面で問題がある。運輸大臣もこの話は初めて聞かれたと思います。やはり黄害は国鉄が今日まで膨大な投資をやってまいりました。しかしながら、こういう方面にはなかなか手が届かないということでしょう。国民の皆さんの要望、輸送の需要が多くて、なかなかこういう問題には手が届かない、こういうことだと思います。しかし、これはさっきの安全の問題と結びつけるのはちょっと妙な感じでしょうけれども、こういう問題あるいは安全の問題、これは手抜きができない問題だと思うのです。安全も、これは万一ということで、めったにないからということで、往々にして安全問題の手が抜かれちまう。黄害問題も話題になると、これはわあっとなるけれども、声が消えるといつの間にかまき散らしておる。しかし、住民の皆さんもこれは案外気がつかないといいますか、こんなようなことで私は一つの問題点、相似点があろうと思うわけであります。国鉄も合理化問題簿でいろいろ内部的に一生懸命やっておる、そういうことはわれわれもわかります。わかりますけれども、やはり住民に対するサービスなりあるいはまた安全なりをないがしろにする、あるいはおかしてまでも合理化という問題には限度があろうと思うわけであります。こういう点などは、十カ年計画を進める中で往々にして黄害問題等は見のがされる問題かもしれません。しかし、こういう問題もやはり十二分に対策を立てて、これからぎっちりやっていただくようなことがなければ、安全問題と同様に思わざる場合に国民の皆さんから指弾をされることになろうと思うわけであります。  私、いろいろな角度から御質問してまいりました。時間もあまりないものと思います。また、きょうは深夜まででございまして、それも中朝からの審議で同僚の諸君もお疲れと思います。そういうことでできるだけ早くやめたいと思いましたけれども、まだまだということでここまでまいりましたが、とにかく今回われわれ一群心配をしましたのは運賃の値上げ問題でございます。これは反対でございますし、運賃の値上げをしないで、今回は国の大幅な助成によりまして、とりあえず国鉄の財政に引き当てして、そして冒頭申し上げましたように総合的な交通体系が確立される、これらとあわせてこの十カ年計画というものをりっぱに立てて、前回のように二、三年でまたくずれ去るようなことを今度はやってはならぬ。やった易合にはたいへんな責任問題だ、そういう決意をもってこの問題に対処願わなければならぬじゃないか。そういうことで私は本会議でも申し上げましたが、この法案は撤回をして、いま申し上げたように、とりあえずは国の大幅な助成で、今日の国鉄の、四十七年度の財政を処理して、そして根本的に徹底的に検討を加えて、ゆるぎない十カ年計画を立て、国民の皆さんの期待にもこたえ、また愛される国鉄にもすべきじゃないか、こういう意見でございます。  時間は、私の考えでは五分ぐらいありますけれども、ここで一たん終わりたいと思う次第でございます。
  245. 小峯柳多

    ○小峯委員長 田中昭二君。
  246. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 きょうのこの委員会、たいへん夜おそくなりまして、予定の質問も、私、同僚にかわりまして行ないます関係上、通告もしておりませんし、そういう面で満足した質問の答弁ができないものに対しましても、ひとつ親切丁寧に、簡単に答弁していただきますことをお願いしておきます。  そこで、この国鉄の再建という問題で、当局も政府も言っておりますことは、順序は違いますが、国のいわゆる財政援助、それから次に国鉄の企業努力といいますか、そして国民の協力というふうに聞いております。これは政府も当局もそういう御答弁をなさっておりますが、私は、この三つの中で、当局としては国鉄の企業努力がまず優先されなければいけないのではないか、このように思いますが、このことにつきまして、大臣なり総裁の御確認をいただきたい、こう思うわけであります。
  247. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 いま田中先生の御指摘のとおりでございまして、まず第一に必要なのは、国鉄の企業努力である、私もそう思っている次第でございます。
  248. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私のほうといたしましては、利用者に多大の御負担をお願いし、また政府から、と申し上げても、納税者、国民でございますが、また多額の援助をいただくということに相なる以上、もちろん前提として国鉄自体としての企業努力――ことに百年たちまして、率直に申しまして相当古ぼけたところもございます。そういう点についての思い切った合理化あるいは企業努力をしなければならないということを肝に銘じておるつもりでございます。
  249. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そのような国鉄の企業努力が優先されなければならないとしまして、その企業努力にもいろいろなものがある。まず、いつもどこでもいわれます国鉄のマンモス化のためにか、いままで役所であったためにか、親方日の丸だというようなことをよくいわれます。こういうのは体質の改善だ。そのほか総裁を最高の責任者として末端の現場までの意志の疎通、そのほかの経理の面も、国の予算と合わせてやるために、たいへんな、まだ改善しなければわからないようなことがあるようです。そういうものが改善されなければ、国鉄がどのような財政援助を受けましても、平凡なたとえでざるに水というような、そういうことの繰り返しがなされてきたような感じがしてならないのです。この問題はまたあとで少し掘り下げるとしまして、そういう中で今回また実収一五%というような運賃値上げをして国民に負担をかけるということで、ほんとうに国鉄の再建ができるか、おそらくできないのではないか。こういう点を私たちもいままでいろいろな質疑の中で明らかにしてこようとつとめてきたつもりであります。  そこで、私いまくどくど申しましたが、まず国の財政援助をすることによりまして、その援助する趣旨といいますか目的といいますか、現在のやり方では国鉄が真に再建の道を歩み出すというふうにはちっとも思えない。この問題は政府に強く迫るべき問題だ、こう思います。何か一つでもけっこうでございますから、この国の財政援助について、基本となるものはいかがなものがあるか、大臣からお聞きしておきたいと思います。
  250. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 再三私から御答弁申し上げましておりますとおり、今回の財政援助で一番大きな特徴は、資本出資を大幅にふやしたことでございます。十年にして一兆、今年は六百十六億、いままでの国鉄財政に見られない大きな助成を見た次第でございます。  また利子補給の点におきましても大幅にふやしまして利子の負担軽減を大いにはかった、これが大きな特徴であろう、こういうように思っている次第でございます。
  251. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣、これは私が言うことがあまり単刀直入で無理だったかもしれませんが、いまの長期債務の利子にしましても、そういうこのくらいの援助というようなものが、先ほど言いましたように、国鉄の再建のためにほんとうに歩み始めて、それがそのままどんどん再建のほうにプラスしていくかというと、いままでそうではないようですね。そのほか、今度の運賃改正を見ましても、物価政策の上からも米とか麦とか、そういういわゆる生活必需品、農林水産物も同じでございます。そういうものに対する公共割引ですか、公共負担、そういうものを現状のままにして、そしてその値上げ分を国が補助するというようなこともあったと思うのです。こういうことは、国鉄の再建というものと国民の生活を守っていくという意味においてははなはだ疑問である。国鉄財政の再建につきましてはいろいろな方法等が述べられまして、わが党としましてもこの問題の、やはり国鉄の合理化、企業努力といいますか、そういう問題を取り上げてきたわけでございますが、私はいろいろな計画なりいろいろな、ここでこういう答弁をいただくなりすることもそれなりの効果はあるかと思いますが、いわゆる合理化、企業経理ですね、企業経理なら企業経理というものをはっきりさせるという段階でいますぐできるものはないだろうか。先日からこの再建十カ年計画がいろいろ論議されておりますが、これは数字を並べてああでもないこうでもないと言っているような感じがしてならないのです。その再建計画ができたときの状況もいろいろお聞きしますとはなはだ不明確である。先ほどの質問を見ましても、前回の再建計画も審議を十分しなかったために三年目にして破綻せざるを得なかった。ですから私はそういう計画も必要でございますけれども、いますぐその企業努力があらわれてくるというような問題を考えてみた場合に、いわゆる国鉄の遊休資産、未利用地というような問題を取り上げてきたわけです。そのほか関連事業の問題、サービスの改善とか関係法令の改正、こういうものをまず国鉄では行なうべきではなかろうか、このことに対して総裁と大臣から御所見を伺いたいと思います。
  252. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 国鉄再建の一番の具体的問題といたしまして、国鉄自体の企業努力、そしてまた合理化の一環として、部内のわれわれといたしましてなすべき遊休資産、遊休土地の早期の利用、あるいはまた早期の処分について、強く田中先生からも先般御指摘を受けたところでございます。またそれらがあるいは固定資産にあるいは納付金にはね返っているのじゃないかというようなお話でございました。ごもっともなお話だと私は承知をしておる次第でございまして、国鉄といたしましても、後ほど国鉄当局から御答弁ございますが、それらの点を十分勘案をして、それらの点につきましてはこの十カ年計画をつくりまして、そうして、御指摘にこたえるようにやってまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。その他具体的の合理化計画につきましても、十分先般の先生の御指摘のことを承知しておりまして、具体的には国鉄当局から答弁をさせるつもりでございます。
  253. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 国鉄のなすべき合理化の中で、普通の民間会社なら一番先に手をつけるのが、先生のおっしゃったような未利用地あるいは遊休地の処分であると存じます。この問題につきましてもいろいろ御注意を賜わりまして、大部分調査をいたしまして、すでに、現在事業計画のないもの、そうして将来とも利用価値のないものは、売るだけが能ではございませんけれども、とにもかくにも当座の補いとして売却するという方針をきめまして、実はいま現在もう東京付近だけでも十数件の公開入札をやっているところでございます。しかし将来、十カ年計画をごらんくださいましても、十年間で六百億の資産を売却することになっております。平均いたしましても年六十億でございまして、昭和四十六年度、すなわち前年度は、年度当初田中先生から、いろいろほんとうに六十億売れるかというような御質問を予算委員会で私いただきまして御答弁したことがございましたけれども、幸い一億くらいちょっとオーバーして売った実績が出まして、いま安心しております。しかしことしまた六十億売らなければいかぬということで、全国の私どもの用地関係者を徹底的に総動員いたしまして、もう一ぺんひとつ事業計画を、あるものはきめる、ないものは売るという方針でまいります。とかく私ども親方日の丸のせいか土地を持っていたがるくせがございます。その中で、しかし不用なものは売るという明確な一線を画しまして、そうして年度割を大体きめまして売却してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  254. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 未利用地の問題はまたあとで論議するとしまして、私まず最初に、先ほどから指摘しましたように、国鉄の赤字経営という中で国鉄の収入面の増加の問題、これもまた後日に譲るとしまして、いわゆる支出の中でたいへん不合理といいますか、国鉄としてはかんべんしてくださいというようなものがある。これは先日も私、大臣にお聞きしましたんですが、あのときの答弁がよく理解ができておらない点もありましたから、その問題から先に入っていきます。  いわゆる市町村に支払います市町村納付金――固定資産税も含めてけっこうでございますが、固定資産税ははっきり一つの規定を設けて払ってあるようでございますから、納付金の問題についてお尋ねしていきたいと思います。  この納付金の問題は先日来の予算委員会でも同僚議員から総理にその考え方をお尋ねいたしました。そこで何か総理がちょっと勘違いをされたような御答弁もありましたものですから、私がこの問題を取り上げたのは、先ほどから何べんも言うようでございますけれども、国鉄の経理がきちっとならなければいけない。払うべきものは払う、払えないものについてはこういうことで払えない、これについては援助を受けよう、簡単にいえばまあそういうことでございますけれども、そういうようにはっきりしなければいけない。先ほどから、そういう問題がはっきりしないようでは、再建もおぼつかないではないか、いわゆるざるに水を入れるようなことはいけないと寄ったのはそういうことでございます。そういう意味で総理に質問しましたのですが、ああいうように何か総理は先をお考えになって、私たちの考えておる納付金の問題とはたいへん違った答弁をされました。ところが、いま申しますように、この国鉄の納付金は、これを避けて通るわけにはいかない、そういう感じもするわけでございます。そうすると、現実に納付金を納めるという問題と、私たちが取り上げましたものは別の次元の問題なんです。そこで、そういうことがございますから、やはり納付金を払う以上は明確にする必要がある。またその反面、明確にすることによって過大な負担を受け取るとするならば、それも直すことがさらに明確にすることである。それはすなわち地方財政の問題においては、これまたどちらにしても大事な問題である。こういうふうに考えるわけでございます。  そこで、先日お尋ねした中からもう一ぺん確認しておかなければならないのですが、私が先日お尋ねしたのは、国鉄が赤字財政でたいへん困っておる。困っておる中で、いま申しましたようにいろいろな問題がございますが、いまの納付金の問題にしましてもいろいろないきさつというものがあります。当然、政府の援助してあげようという大臣は監督者であるならば、そういう問題をどうなさったんですかと、こういうようなお尋ねもしたわけです。ところが、大臣のお答えでは、現時点ではしかたがないというような御答弁をなすっておるようでありますが、現時点でしかたがないということは、現在納付金の法律があるものに対して、あまりにも無責任な言い方ではないか。現時点ではしかたがないというようなことで事を処理するのであれば、これは貧乏人は麦を食えというようなことと同じになってくるような私は感じがいたします。違いますか。まず御所見をお聞きしましょう。
  255. 山口真弘

    ○山口政府委員 市町村納付金でございますが、国鉄の固定資産に対する課税につきましては、国鉄法創設当時は課税をしていなかったのでございます。その後、国有鉄道法から地方鉄道法に移りましても、当時は課税をしておりませんでした。その後、国鉄の宿舎用地その他そういうふうな資産につきまして固定資産税がかけられておりましたが、国鉄の本来の事業の用に供するものにつきましては、固定資産税ばかけられておりませんでした。それが、昭和三十年でございましたか、当時の地方財政の非常な窮迫の状況にかんがみまして、市町村納付金をかけるということになりました。そして、国鉄の本来の事業の用に供するものにつきましては、課税標準といたしまして、固定資産税の課税標準の二分の一の課税標準で市町村納付金をかける、こういう制度になったわけでございます。  しかしながら、ただいま先生御指摘のように、国鉄が三十九年度以降、毎年非常な欠損赤字を計上いたしておりまして、極度に逼迫した状態になっております。それで、市町村納付金をかけるに至りました経緯が、先ほど申しましたように、市町村の窮迫した事情に対応するものでございますから、今度は国鉄の側でめんどう見てもらいよいというような気持ちになっていろいろと折衝を重ねているのも、またやむを得ないことだと私どもは考えておるところでございます。そういうことでいろいろと折衝を重ねておりまして、昭和四十四年度以降この軽減措置が着々ととられておりまして、その軽減措置に従いまして、毎年若干の軽減をした姿で市町村納付金を納めているということでございます。しかしながらこの問題は、先生御指摘のように、国鉄にとって大きな負担でございますから、私ども、毎年その市町村納付金の軽減につきまして関係各省とも相談をいたしまして、少しずつ軽減につとめているところでございます。
  256. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 鉄監局長、せっかく御説明になりましたけれども、その程度のことなら、私もそれなりに存じておるつもりなんです。私が先日大臣にいろいろとお尋ねしたときにお答えになったことがまだよく御理解できてないのじゃないか。いわゆる納付金の法律がありながら、先ほど言いましたように、現時点ではしかたがないというような答弁でございましたから、そのあと具体的に、それでは国鉄のいわゆる未利用地等につきましても、そういうものに対して納付金を納めておる、納めるということとその納付金がどういう性質のものでそれに対してどういう手を加えるかということは別問題だと、私は先ほど申し上げたわけです。それで、最終的に大臣は、そういう未利用地に対して、納付金を納めるか納めないかということについては、このお答えからいきますと――ちょっとそこのところを読んでみますと、初めのほうはちょっと意味がわかりませんが、「具体的の事例を知りませんが、」と断わっておりますが、「当然当たってきめているものと思っている次第でございます。」こういうようにおっしゃっているのです。これを推察して言いますと、国鉄の未利用地は国民の足の確保等には実際使われてないところなんですから、本来の国鉄の業務には関係のない土地でございます、そういうものに対する出費がありますよと、こうこちらが指摘しました。それでは、ここでおっしゃっています「当然当たってきめている」ということは、何らか自治省とも話し合いをしておりますというように私受け取っておったのですが、これはいかがでしょうか。大臣、自分でお答えになったのだから、自分でお答えくださいよ。そうしなければ話が進みません。
  257. 山口真弘

    ○山口政府委員 現在の市町村納付金に関する法律によりますと、国鉄の事業用の資産に現に供しておりものにつきましては、市町村納付金に関する法律によりまして、課税標準が二分の一ということに相なります。それから、現にそのようなものに供していない施設につきましては、地方税法の適用ということになるわけでございます。その意味におきましては固定資産税のほうに転換をしていくという形に相なるわけでございまして、私ども、当該未利用地は国鉄の用に供するものということで、これは固定資産税でなく、市町村納付金のほうの対象といたしましてこれを処理していく、そのほうが税額の点で有利であるということで処理をいたしておるわけでございます。
  258. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 要するに、あなたがいまおっしゃったことを要約して言えば、納付金で納めたほうがいいのだから、使ってない土地は、固定資産税を取られては困りますから、そのままにしておりますと、そうでしょう。そういうこそくな手段をとってはいけませんよ。私はそれがいけないと言っているわけですよ。国民の足を確保するために国鉄が使っておった土地が使われなくなった、それに対しては納付金を納めておりました。ところが、それを使ってないような未利用のほうにかえますと固定資産税を納めなければなりません。ということは負担する部分はふえます。だからそれをふやしてもらわぬでもとのままにしております。こういうことですね。違いますか。
  259. 山口真弘

    ○山口政府委員 事業の用に供するものにつきましては納付金でごごいます。したがいまして、私ども、事業の用に供する施設につきましては納付金でお納めをするということにいたしておるわけでございます。
  260. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまその先があったじゃないですか、固定資産税が云々。――ほんとうにこういう議論をしていきおりましたら、これは何十時間でも私はきょうは納得しませんよ。いまあなたがおっしゃったように、事業の用に供しておるから納付金という、幾らか固定資産税よりも軽い方法で国鉄は納めておるのです。それも赤字経営でふうふう言いながらやってきているのです。しかし、そういうことをあなたは、鉄監局長として国鉄に助言を与え、監督をする意味で、私から言われる前になぜ気がつきませんでした。そういうところに気がつかないからだめなんです。私は納付金を納める問題を言っているのじゃないのです。その気がつかないところは一つも反省をしないで、固定資産税と納付金の法律でうまいぐあいに逃げようとしておる。もうきょうは私は納得するまで逃がしませんよ。
  261. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 先般先生のせっかくの御質問、私もちょっと御質問の意味を取り違えておりまして、いま承りますと答弁にちぐはぐな点があったかと思う次第でございます。いま承りますと、当然納付金にするべきものはしろ、そうでないものはそのままでもいい、しかしその根本は、なぜ米利用地をそのままにほうっておくのか、米利用地について何らかの処分なり、何らかの利用方法なりを早く考えることが合理化の一つのあれじゃないか、こうおっしゃっているんじゃないかと――私わかりましたです。それはもうそのとおりでございまして、そういうものがたくさんございましたらほんとうに遺憾でございますので、そういうものはあるいは国鉄の利用に供することができるか、あるいは処分するかということを早急に検討させまして、できるだけそれらの御趣旨に沿うようにきっちりとさせたい、こう思う次第でございます。
  262. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣のほうがわかりが早い。そこで、これはもう追及しません、いま言われたこととことばが違いますけれども。いまは早急に手を打つとおっしゃったのですが、このときの御答弁では早急に手を打っておりますというような御答弁になっておるわけです。そして、そのことにつきましては責任は十分に感じておりますとまでおっしゃっておるのですね。ですから国会答弁というものも、まあそれは私がよく理解させなかったのが悪かったかもしれませんが、よくひとつ、きょうのように時間があるときにはゆっくりとお互いに理解をし合って、自分の言ったことをここでお互いにかみしめていくというような意味で、いま申し上げたわけであります。  そこで国鉄総裁にお尋ねしますが、たとえば未利用地に対する納付金に対して、今度は納める問題からいきますが、そういう実際国民の輸送、国民の足を確保するという面に使われていない未利用地の納付金は、納付金の法律があればそれに従って納めておるのだけれども、その本来の用に供していないということにおしてはどういうお考えですか。
  263. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いま大臣がおっしゃいましたように、そういう土地を、もしほんとうに将来とも事業計画がないならば、持っていること自身がいけないというふうに私は思います。したがって、いま先生が御心配くださるように、米利用地ならば当然これは雑種財産になり、そして固定資産税がかかるものでございますので、そういうむだな出費のないように、未利用地を持っていること自体に問題があるというふうに考えなければならない、私はそういうふうに思います。
  264. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そのむだな出費は政府に相談しなさいよ。どうせ政府の予算で仕事をしておるのですもの。また、政府の命令で、法律で収入に制限をされ、払うべき人件費も何だかんだで、毎年毎年予算に計上する人件費と実際決算での人件費の問題ではお困りになっているのです。ですからそういう問題を、総裁の立場としては政府に相談しなければいけないと思うのです。それはそうしたほうがいいと思われますか。
  265. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 その点は固定資産税に限らず、納付金、全部を含めましてそういう問題は政府にお願いをし――私のほうから自治省に申しましてもなかなかこれを聞いてもらえませんので、やはり政府部内で御処置願うように、私どもがもっともっとしつこく運輸省にお願いしなかったことにミスがある、こういうふうに思います。
  266. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 それでは一応この問題は、大臣いまの総裁の苦衷を察して、自治省と話し合いをなさる場合には、そのなさる場合の一つの材料を私は与えたわけです。それをどうするかはまた話し合いの結果されていいと思いますが、そういうふうにひとつ、ぜひやっていただきたい。そういうことがかりに国鉄に対して、金は残らないかもしれませんよ、どうせ援助をするのですから。その援助が、国鉄の経理が明確になって、そして非難を受けないような立場に立って、その金がかりに市町村にいくとすれば、私はこれは了解せざるを得ないです。そういう意味においてぜひひとつこの問題は進めてもらいたいと思います。  そこで私、先ほどの未利用地の問題に今度は入っていきますが、国鉄総裁は先ほど、四十六年度は不用資産の売却はいままでの経過もこれあり、予定どおり売れたというようなことでございますが、まあ売ることがいい思いは別としまして、過去そういう予定のものが売れなかったこともあろうかと思いますが、その辺私ちょっと調べてみますと、国鉄の不用資産の売却についても――まあ四十六年度は別ですよ。四十年度からさかのぼって二十年間ぐらい、売却資産の予算額と決算額を見てみますと、たいへんおかしいような数字があったと私記憶しております。ですから、まず、それが私の記憶間違いであれば事務局のほうから訂正してもらって、三十五年までぐらいですか、とにかく予算額よりも決算額が多かった時代が十年ぐらいずっと続いているのがかりに三十五年までとしますと、そのあとは予算額よりも決算額がずっと少なくなっているのです。ですから、かりに私の記憶の三十五年が間違いであれば、その境から以前はどういう数字になっておったか、それ以後は予算額と決算額がどうだったか、数字をお教え願いたいと思います。
  267. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私ちょっといま記憶がございませんけれども、資料がございますから、すぐ調べてお答えいたしますけれども、たしか三十四、五年までだったと記憶いたしておりますが、先生のおっしゃったとおり、ちょうど私どもが現場におりましたときには相当実は売れ売れという本社の指示がございまして売った覚えがございますが、その後御承知のとおり新幹線その他の問題が出てくる、あるいは線増その他の問題が本格的になってくるということで、むしろ用地を売るなというようなことを言ったような気がいたします。したがって、それからあと大体予算が三十億くらいに対しまして決算が二十億以下であったというふうなちょっと数字の記憶がございます。これは数字は調べればすぐわかりますが、たしかいま先生のおっしゃった時点というのは三十四、五年ではなかろうかと思いますが、あのときなぜ変わったかつまびらかにいたしませんが、たぶんあのころから急に工事費がふえまして、そうして土地をむしろ持っていろ、うっかり売ったらあとから困るぞというふうな指示でもってむしろ売り控えをした。それまでは積極的に売ったというような経過をたどってきたような気がいたしますが、それがずっと続きまして昨年になったというふうに思っております。数字はいまここにございますればすぐに申し上げますが、ございませんでしたらばすぐまた調べてお答え申し上げます。
  268. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 せっかく具体的にここで数字を聞いてはっきりしようと思っているのですから、数字を出していただきたい。では出してもらえますか。
  269. 小林正知

    ○小林説明員 お答えいたします。  非常に古い二十年代のほうはちょっとわかりかねますが、手元に三十二年からの、これはただいま先生、土地についての御指摘でございますが、土地とその他にちょっと分かれておりませんで、はなはだ恐縮でございますが、予算といたしまして、当初、不用施設売却収入ということで、いわゆる資産充当として計上いたしましたものと決算との対比の数字を申し上げます。  三十二年が三億八千六百万円に対しまして決算は大体同額でございます。それから三十正午は三億七千三百万円、これに対しまして五億三千五百万円、先ほど先生御指摘がございましたとおり多くなっております。それから三十四年が八億一千百万円に対しまして十四億五千四百万円、これも相当にふえております。それから三十五年でございますが、これは予算が八億五千万円に対しまして十二億八千八百万円、それから三十六年、十六億九千二百万円に対しまして決算が二十九億四千八百万円、それから三十七年、十七億の予算に対しまして三十一億二百万円でございます。それから三十八年、三十億二千万円に対しまして二十六億二千九百万円、ここで約四億ばかり減り込んでおります。三十九年度、四十一億に対しまして二十六億六千九百万円、それから四十年、三十九億四千八百万円の予算に対しまして、三十三億二千七百万円、それからずっと実績が下回りまして、四十一年度では二十九億六千八百万円に対しまして、決算が十五億九千万円と、約十三億のショートになっております。それから四十二年度が四十七億八千八百万円に対しまして十三億九千七百万円、それから四十三年度、これが予算額四十八億三千三百万円に対しまして二十五億三千八百万円、それから四十四年度、予算が四十億一千八百万円に対しまして二十億一千万円、四十五年度が四十億四千四百万円の予算額に対しまして決算は四十六億六百万円と、かような決算になっております。
  270. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大体概略的には合っておるようですね。そこで、三十七年までの、いまの三十二年からでいいですから予算額と決算額の合計を出して、それ以降三十八年からもそういうふうにちょっと合計の数字を出してみてください。どれくらい差があるか――出しておいてくださいよ、あとで聞きますから。そろばんをはじくだけでいいんですよ。  そこで総裁、いろんな工事用の土地を取得するために不用財産を売るなという指示をされた。売るなと指示をされたところが、このように予算と決算額が急激にある年を境にして、いままでは倍近く売ってきたものを翌年からずっと半分とか今度はそういうふうに少なく売ってきた。まず、その予算と決算を、そういうふうに工事用の土地を確保したいということによってそうできるのですか。私はどうもそこがそれだけでは納得できないのですが、いかがなものですか。
  271. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 もちろん極力予算の数字に近い実績をあげるのが当然のことだと思います。私、実はその当時担当しておりませんでしたけれども、本来ならば予算の数字を画して、ちょうど新幹線の工事の始まるときでございました、あるいは東北線の複線電化等のときでございましたので、非常に土地がほしいというときで、買えないまでも換地に使うというような関係で少し売り控えをしろというふうな指示があったんではないかというふうに思っております。そして実際に売れなければ予算を翌年度縮小しようということをすべきだったと思いますが、それをしてなかったのは非常に予算上のミスだったというふうに思うわけでございまして、予算できめられたことは極力それに従う実績をあげるのが当然だというふうに思います。
  272. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 予算を減額すべきものをミスで減額してなかったというのです。これはどうでしょうか大臣、どう思いますかこれ。そんな簡単なものですか。
  273. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 やはりそういったようなことはあってはならぬ、こういうふうに思う次第でございます。いま承りますと過去にそういう事実が確かにあったようでございまして、まことに遺憾に思っておる次第でございます。
  274. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 総裁も大臣もすなおに認められますから、ほんとうはあとの追及がしにくくなるのですが、しかしそういうことがいままでの国鉄の経理の中で行なわれてきたということに私はたいへん国鉄の官僚性といいますか、そういう欠点が感じられてしかたがないのです。  それと一つは、日本国有鉄道の前の鉄道省の時代から、国鉄の用地といえどももともとは国民のものなんです、国民の財産をそのような操作をすること自体がどうだろうか、国鉄にはそのような国民の財産をお預かりしているという考え方がないんじゃないか。これは口では、ありますと言っても、現実がこうなんです。こういうことを踏まえて、ひとつその辺をはっきりしておきたいと思いますから、御答弁をお願いしておきます。
  275. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 確かに、土地などに対する感覚といたしまして、いま先生のおっしゃったように、何と申しますか、親方日の丸的な感覚がなかったとは、私率直に申し上げまして、なかったとは申し上げません。確かに人まかせと申しますか、下まかせでやっておった事実があったというふうに率直に私は認めざるを得ません。しかし、もうこれからはそういうことを言っておられない時期でございます。徹底的に土地につきましても実情を究明し、そして今後それの始末を十分考えるという、貴重な財産の利用のしかたについて、もっともっと積極的にやっていかなければならないというふうに思うわけでございます。
  276. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 ただいまの御指摘に対しまして国鉄当局も非常に反省している次第でございます。私も監督上、そういうことが再びないように、必ず厳重な監督をしてまいりまして、国民の皆さまの御信頼をつないでまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
  277. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 もう少し未利用地のことでお尋ねしますが、一昨日も地方公聴会、現地調査の九州のほうに私も現地参加いたしましたが、たまたま派遣委員の皆さんからも、このいわゆる未利用地が十年近くそのまま放置されておることにつきまして、いろいろ意見も聞きました。はっきり申し上げまして、こちらからもう大体の、あまりくどくどしい途中のことは省略して申し上げますから、その意味で答えていただきたい。  具体的に申し上げまして、福岡県の志免炭鉱のあと地であります。これが大臣、当初約三十七万坪ぐらいあった、まだ生産されて、国鉄の事業としてなさっておったときに。その三十七万坪の中で、廃止と同時に約二十万坪ぐらいは処理されておる。これはまあそれなりのいろいろな事情があるようであります。ところが、十七万坪ぐらいはまだ未処理になっておる。その十七万坪の未処理の不用地について、私はもう二、三年前からこの問題についてはいろいろ指摘もし、またそれが有効利用され、そして国鉄の財政にも寄与するならばというような面で、いろいろな助言といいますか、話し合いも聞いたこともございます。  そこで私、形式的なことを言うようでございますけれども、この十七万坪の不用地を、私のほうから今度いわゆる未利用地の調査をするときに、こういう未利用地があるが、これについてはどうなっていますかと再度お尋ねしたわけです。ところが、この十七万坪のうちに十万坪だけは提出されてきたのです。これは一体どういうことですか。これ、ひとつ事務当局のほうからもう少し大臣にもわかるように、いまの私が質出したことの趣旨をはずさないように、要らぬことは、もう途中のことはようございます。問題があれば全部聞いていきますよ。どこの業者がどう入って、どういうボタを掘って、どういう契約がなされてどういうことがあった、そういうことを全部聞かなければならなくなりますから、そういうことはいいですから、いま私が言いました、十七万坪の未利用地があるのを指摘して、なぜ十万坪しか出さないのですか、その点だけでけっこうです。
  278. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いまの十七万坪は、たしかボタ山のお話だと思いますが、私も具体的なことを承知いたしておりませんので事務当局から答えさせますけれども、たしかあのボタ山は、洞海港の埋め立てに使うとか、あるいは九州の縦貫道に使うとか、最近はまた知事のほうから払い下げしてくれとか、いろいろな話があったことは事実でございます。  ただ、先生の御要求の資料の十七万坪について、十万坪分の資料しかお出ししなかったという御質問に伺いましたけれども、その七万坪をどういうふうにして落としましたか、ちょっといま係のほうから答弁させます。
  279. 長浜正雄

    ○長浜説明員 志免炭鉱のあの土地の未利用地は、ボタ山の部分を売却予定ということで出したのでございますが、その残りにつきましては、宿舎なり運動場等で使っておりましたので、一応これはまだ使っておるということで提出しないでおったものでございます。ところがいま総裁が申しましたように、最近各沿線の町が中心になりまして、知事が一緒になって譲ってほしいという話もいま出てまいっておるような状況でございます。
  280. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 常務、あなたは現場を見てのいまの説明ですか。あなたたちの答弁は、全部現場のことは何も知らなくてそういうことを言うのですよ、土地の問題では。これは私はまだたくさん出してもようございますよ。ほんとうにあなたが現場を見てないのに、見てから答えろというても無理ですから、それはそれにしても、そんな簡単なものではないのです。  大臣、私から少し説明しますと、その十七万坪のうち約十万坪ぐらいが現在ボタ山になっているのです。あと七万坪ぐらいが宿舎が建ったり、いまおっしゃったように運動場もあります。それではいま使われてないのですから、十七万坪ありますと出していいのじゃないですか。それを十万坪出すからこういう疑問が起こってくる。そうして答弁を求めれば、現場を知らない適当な答弁で、ごまかす意味じゃないでしょうけれども、そういうことでされるのであれば、私が調べた土地の問題で、これは法務大臣もそれから検査院も来てもらわなければ解決しない問題があります。いまからでも直ちに来てもらってこれは人の土地を黙って国鉄が使っている問題ですから、簡単にいきませんよ。志免の用地の十七万坪の提出について、もう少しわかった、はっきりした答弁、すっきりした答弁をお願いします。
  281. 長浜正雄

    ○長浜説明員 志免の用地の提出方につきまして先生にそういう誤解を生じましたこと、まことに私の不行き届きでございまして、さっそくきちんとした資料をそろえまして先生のところに提出さしていただきたい、こう思います。
  282. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 どうも私これでは納得がいかないのです。委員長、いま私はたった一つの実例を取り上げて――十七万坪という膨大な土地ですよ、十万坪も七万坪もあれば、いまのこの住宅の困難なときに、もともと先ほど総裁が言われたように国民の財産ならば、そのまま提供してもいいじゃないですか。そういう話も現地調査に行きますと出たのです。しかしそれはまた考えていただくとして、私はそこまで触れてないのです。その十七万坪の不用地の提出のしかたにしろ、疑問を持たれるようなことをなぜされますかというのです。それがはっきりしなければ、ただここで前の答弁はどうも実情を知らなかったからというようなことのおことばの答弁では、納得できないのです。十七万坪ありますよといって処分方も大体の方向も示されたものが、何で今度不用地の調査のときに指摘すると十万坪しか出せないのですか。こんな子供でもわかるような、おこるよりも疑問を持たざるを得ないですよ。いかがですか。
  283. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私、その資料の提出を熟知いたしませんので、たいへん申しわけございませんでしたが、何らお隠ししたり隠蔽したりする必要のないことでございます。ちゃんと用途がきまって極力公共団体に使ってもらいたいという思想は、先ほど先生おっしゃいましたようにボタ山以外のところでも全部そういうふうにしているわけでございます。たぶん担当の者は、たまたまそれを学校用地その他に貸しているので、これは不用地じゃないと思ってお出ししなかったと思います。その点は私さっそく先生に提出いたしました資料を見まして、なぜいまほかに貸しているところを出さなかったか、それを取り調べますから、その点は私は何ら、何と申しますか故意にお隠ししたりした問題ではない。何か担当の者が、すでにこれはほかの人に貸しているんだから、ことは公共の用に大体使っているからというようなつもりでもってお出ししなかったのではないかというふうに思いますので、その点、明日でも私はさっそく先生にお出ししました資料を調べまして、そして御納得のいくようにいたしたいと思っております。
  284. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 大臣何かありますか。
  285. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 いやしくも国会に御提出する資料におきまして、そういった疑問を持たれるような提出のしかたは非常に私も残念に、遺憾に思っている次第でございます。ただいま国鉄総裁がさっそくそれを、何ゆえにそういったような十七万坪のうちの七万坪を脱落して御提出申し上げたか、その事情も十分調べると言っております。しばらく御猶予を願いたい、こう思う次第でございます。
  286. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 委員長、こういう簡単なことが――これは国会に資料を提出しただけじゃありません。こういう問題はただほんとうに簡単な、一ぺん出したものをまた出すときには違うものを出したとか、こういうことで議論したくはないのですけれども、これが国鉄の基本的な姿勢の中にあることを私は嘆くのです。国鉄だけではないかもしれませんけれども、しいてここでいま問題にすればそういうことになります。  私がこの先の質問をさらに続けていくためには、先ほど言いましたように会計検査院なり法務大臣なり大蔵省なり、できれば共通の責任者であられる総理大臣の御出席がなければ、次の問題はまたそういうことで逃げられたらどうしようもないのです。そういう問題があるということは、総裁、お聞きになっていますか。まずそれだけでも聞いておきましょうか。
  287. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 先生のおっしゃっているのはたぶん古賀の問題ではないかというふうに思いますが、大体の話は聞いております。
  288. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これは重大な問題ですね。国鉄が個人の所有の土地、法人の所有の土地を、簡単に言えば不法占拠というでしょう。よく国鉄は不法占拠されておりますということをいままで国会の答弁の中で聞いてきましたけれども、国鉄が不法占拠しているという問題は、これははっきりそのものを出してもらわなければ正しい議論をするわけにはいかない。私のほうも内々事務当局のほうとお話しして大体国鉄総裁は御存じだというのです。いかがなものでしょうか、大臣
  289. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私もその話は、現地のことは現地に当たって存じておりませんけれども、登記の漏れその他の関係等々関連いたしまして、たぶんこれは明治時代の国有地からの問題と関連しているというふうに聞いておりますが、登記漏れの問題と関連している問題ではないかというふうに承っております。
  290. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これはやはり現地の現場の写真でも示したり、登記簿でもとって登記書類でもそろえてやらなければ、いまのように登記の問題だということで逃げられたら困りますよ。これはいまわが国の国土の中で、その所有権を争う場合に、登記によって所有権というのは第三者抵抗ができるのですよ。それが登記ができてなかったとかそんなずさんなことで私は国鉄が国民の財産を預かっておるという問題には入れない。論議できませんよ。  もう少し言っておきます。国鉄はこの名義のことをいえば、それは昔から、鉄道院の時代からある、そういうことは全部私はお聞きしております。またこの名義変更することにおいて大問題ですよ。かってに名義をどんどん変えていって自分の所有物になるとするならば、これこそ先ほど私が言った国鉄の納付金の問題も固定資産税の問題もあるでしょう。それはいま国鉄には用地台帳があって、用地台帳にはちゃんと載っておりますけれども、名義だけが別な名義でございます、大体こういう答弁になると思う。そういうことになりますと、こういう問題は現物を提示しなければ大臣もわかりにくいでしょう。  それから、この際申し上げておきますが、いま古賀駅というところですが、九州の小さな町の駅です。この古賀駅は古賀駅のホームを中心にして何がしか用地があるというのですね。この用地は大体きまっておるという、はっきりしておるというのですね。中ははっきりしていない。ということは、大臣も御存じかと思いますが、土地の表示には何々町大字何々、その大字の中の字何々何番地という区分がちゃんと図面の上においてもはっきりしておるはずなんです。それがはっきりしてない。大ワクだけきまっている。大ワクがきまるということは、小さなものがきまっていって大きなワクがきまるのです。私はそういう理解をしている。どうかこの問題は、そういう問題を大臣もわかっていただくためには先ほどから言いますように、委員長、これはどうでしょうか、このままじゃ進められません。しかるべく取り計らってください。
  291. 長浜正雄

    ○長浜説明員 担当のほうから御説明をさせていただきたいと思います  いま先生御指摘の古賀の駅を不法に占拠しているのじゃないか、国鉄が不法に使っているのじゃないかという土地の件でございますが、たぶん先生がおっしゃっておられますのは、古賀の貨物駅の門を出たところに近路がございますが、そこの国鉄の川地と道路の間にはさまれました三坪ないし十坪というふうにいま言われております土地の権利ではなかろうかというふうに私考えております。  これは先生御承知のように、昭和二十六年にその御本人がお買い取りになった模様でございまして、その当時十坪ということでお買いになったやに、その後いろいろ伺いますと、聞いております。ところが登記簿上は三坪であるというような話もありまして、それでそれを国鉄がその部分について使用料も払わないで通路なり貨物用地に使っておるというようなことでトラブルがございまして、昨年の秋、現地でいろいろ関係の方々と立ち会いしまして、そういう状態になっておるんならきちんとして、国鉄が必要なら売っていただくし、あるいはそうでないならきちんと用地境界をつくりましょうというような話をいま進めておる段階でございます。  それからその次の、登記をかってにいろいろ変えるというお話の件でございますが、これは先生も御承知の、この土地は鉄道院時代に古賀の駅をつくりまして、その当時は鉄道院でございますので、国の所有でございます。したがいまして、大蔵省名義の発記になっておるわけでありまして、国鉄の用地台帳にははっきりと国鉄の土地として載っておりますけれども、大蔵省の土地はそのまま国鉄の土地に継承されておることになります。したがいまして、事務処理上は登記簿のほうを大蔵省名義を国鉄名義に承継しなければいけない、こういう事務処理が必要でございますが、これはその大蔵省から国鉄にかわりますときに、そのままで国鉄の用地として認められるという法律上の措置がございますのでそのままになっておるわけでございますが、正式にいうならば、これは先生の御指摘のように、国鉄の名義に書きかえなければいけなかった、こういうふうに考えております。これにつきましては逐次そういうふうに書きかえておるわけでございますが、本件につきましても、先生御承知のように、最近整理をしたような段階でございまして、この点われわれとしてはもっと早くこういう事務処理をしておかなければいけなかったというふうに考えております。  なお、土地の、財産がはっきりしていないという点につきましては、これは先生もいま御指摘のように、土地の区画は外側はきちんとしておるのでございますが、中の筆といいますか、それぞれの筆についての登記はきちんとしてあるわけでございますが、それを図面にあらわすときに、国鉄の用地図にあらわしますときに、その筆はもう現時点では線路があったりあるいは貨物ホームがあったりして、なかなか終戦後、書類整理のときにそういう筆をきちんと図面にあらわすことができなかった。また全体の用地面積がはっきりわかっておれば、それでも国鉄の用地図としては一応財産保持上はできるということでそういう処置はしてございました。全体の中の区割りにつきましては、何といいますか、周囲の状況を見ながらそこに線を入れていって、その筆の整理をした、こういうかっこうにいま用地図がなっておる、こういうことでございますので、全体の整理につきましては間違いなくやっておるわけでございますが、そういう内部の筆の分け方について、図面の表示の方法について必ずしも正確にその図面にはあらわしてないというところに先生の御指摘があるんじゃなかろうか、こういうふうに思う次第でございます。
  292. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 はなはだ、いまの話を聞いておると、私はさらに納得できなくなりました。いかがですか。そういう答弁をなさるようであれば、これはやはりはっきりしなければいけないんじゃないですか。全国に何万とある駅の用地が――ほかにもたくさんあるかもわからぬ、これは。どうしてそういういいかげんなことをおっしゃるんでしょうかね。これは一局長さんとか、管理局の局長さんとか、総裁ですか、一番上は。その指示によってそういうことをなさったということになると、これはまた問題がさらに私ははっきりしていかなければならないと思うのです。  大臣、いまお聞きになっておって、土地というものはそんなものですか。私ははっきり、土地台帳なり実測図なり、土地の所有権を確定する場合には実測図という、わざわざ小さい問題まで線引きをやりますよ。そういう問題がいいかげんになっている。総ワクが合っておればいいんだ、そういう答弁では納得できません。一坪であろうと十坪であろうと、他人の土地を使っておった。使っておったということがわかりましたから、それから先、買いましょうとか、話を一方的に進めていこう、そんな話が通りますか。いかがですか、大臣。これは進められません、これ以上は。
  293. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 具体的の問題は、私もただいまここで初めて聞いた次第でございますので、判断はつきかねる次第でございますが、もし不法に占拠していたということになりますれば、やはりそれに対する賠償方法その他を十分に講じまして、その相手方の御納得を得るような処置を講じなければならぬ、こういうふうにいまお話を通じて考えている次第でございます。具体的のことを私承知しておりません。いま先生の御指摘、それから国鉄の答弁で、そういう問題が起こったのか、こういうふうに承知した次第でございます。
  294. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 いま大臣がおっしゃいましたとおり、いまの問題、先生の御指摘の問題、二つあると思います。もちろん具体的な問題はこういう席で申し上げるべき筋合いではございませんが、前の貨物駅に入ります道路の一部に個人の所有地があったという問題でございますが、これは先生の御指摘で、はっきり昨年づけでいたしまして、先生御承知のとおり私のほうで買わせていただくなり何なり適当な方法を講じたいということでお話し合いをしているように聞いておりますが、その点は、まあいままでの損害賠償その他の問題、これはもちろん別でございますけれども、何も買えばいいんだろうという意味ではございません。それは誤解のないようにお願いいたしとう存じますが、そういう土地の不明確の問題があって、いままで実はその御本人からどういうふうなお申し入れがあったか、その点はよく知りませんが、いままで、昭和二十八年以来あまり問題になっていなかったのに、最近問題になって、私ども気がついて、確かに個人の所有地であるということがわかった以上、これはしかるべき始末をさせていただきたいということに思っているわけでございます。またあとのほうの、いわゆる駅という相当広い、何万坪あるいは何十が坪という土地になって、しかも非常に古い、明治時代からのものでございまして、その分筆が必ずしも何丁目何番地何の何号ということは正確でないという、この点も御指摘のとおりだと思います。まあ駅のような広いところになりますと、何筆にも分かれておりまして、登記簿と実測図とが、また実測しにくい線路あるいはその他固型物がございまして、なかなか実測しにくいという点がございますが、少なくとも財産台帳と登記簿とは合っていなければいけない。これは当然の理論でございます。ことに私のほうは、大蔵省から財産を受け継いでおりまして、当時は承継登記をしなくてもいいような規則があったようでございますが、その後承継登記をしなければいけないということになりまして、全国の何万の登記が完全に済んでいないという事実、これも私、財産台帳のほうはちゃんとしているはずでございますが、台帳と登記簿が合っていないということにつきましては、これは事務的に非常にたいへんでございますが、ひとつできるだけ人間をそちらにさきまして、登記簿と台帳の整理、ことに大きな駅あるいは操車場、何万坪、何十万坪あるところ、しかも非常に古くから国鉄の用地だったところ、しかも官有地から国鉄用地になったというようなところ、それらの登記のしかたにつきましても、十分法務省とも御相談申し上げて善処してまいりたいというふうに思っております。
  295. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 もうこの問題は、やっぱり先ほどから何べんも言っておりますが、国鉄の体質といいますか、そういう問題も影響しておると思います。これ以上具体的な事実を云々といま総裁もおっしゃいましたし、私も問題提起をする以上は、この問題はもう少し詰めなければなりません。ですけれども、この問題は先ほどから言いますように、国の財産については、また公社の財産については、検査院の検査によるところの国有財産の報告というものもなされてきます。そういう問題、それから土地台帳の問題は、これは法務省の関係ではっきりしていかなければならない問題、そういう問題をあれしまして、あとまだ増収問題、それから今度の再建問題等の質問が全然このままではできない状態です。もう時間もだいぶ進んでおりますが、委員長においてその辺ひとつ、私もこの土地の問題については、現場のいろいろな資料を、いままで当局とやり取りもしておりますから、そういうものをもう一ぺん突き合わせをしまして進めていくように取り計らっていただきたいと思います。まだ再建の問題については一言も触れておりませんし、これがはっきりしませんと、先ほどから言っておりますように、国鉄の企業がざるに水のようなことでは国民の協力も政府の援助もできないという観点を考えるならば、私はまだまだ詰めていかなければならない。質問をし、答弁いただきたいことがございますから、委員長においてその私の趣旨をお考えいただきまして取り計らっていただきたいと思います。
  296. 小峯柳多

    ○小峯委員長 速記をちょっとやめてください。   〔速記中止〕
  297. 小峯柳多

    ○小峯委員長 速記を始めて。田中昭二君。
  298. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 御答弁をいただいていくそうでございますから、もう少しこの問題を進めなければ次に入れませんから、進めてまいります。  まず、私がはっきり福岡県の古賀という駅を指摘しました。そして具体的な事例もある程度概略的に指摘しました。ところが、その指摘事項に対する問題は、私は全然納得できません。いまの当局からのお答えで、ある個人の土地について国鉄が黙って使用しておったという問題、これに対する国鉄の、その原因の出発はどこにあるのか、それに対する責任というものをどのように考えておるのか、それをまずお聞かせ願いたいと思います。
  299. 長浜正雄

    ○長浜説明員 古賀駅のいまの争いになっております、この登記上は三坪になっております土地の件につきましては、これは道路とそれから貨物の用地の出入り口のところとの三角形になったところの用地でございまして、こういう道路わきの貨物のところとの境でございますので、もちろん面積もそういう程度でございますので、はっきりしなくて、それでこれをはっきりしなければいかぬということでいろいろやっておりましたやさきに、その土地の所有者の方から土地の侵害があるのではないかというようなことで、いろいろ調べましたらそういうふうに無断使用のようなかっこうになっておるというようなことで、これは申しわけないから早急に解決をしたいということでお願いをし、申し入れをいたしまして、いろいろ関係の方々と御相談をして、土地を売っていただけるなら貨物通路としてわれわれのほうも使用したいから売っていただきたい、こういうことで整理をしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  300. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 いまのお話を聞いておりますと、何か道路わきに用地があったものを争いが起こって調べたというようなことですね。事実と全然違うのです。私はそういうことじゃ納得できません。争いとは何事ですか。国鉄が争うなら争いなさい。私は黙って問題を進めていっているのに対して、争いがあったとは何事ですか。
  301. 長浜正雄

    ○長浜説明員 私が争いと申しましたのは、私のことばの使い方の間違いでございまして、そういうことではなくて、この土地の使用法につきまして、私たちのほうがこの土地が御本人の土地であることに気づかずに無断使用しておったということで、土地の所有者の方からお話がありまして、それでそういう意味の争いと申しましたので、私が争いと申しましたのは、全くことばの使い方の私の間違いでございます。そういう点で、この点が問題になっておるという意味で私は申し上げたことでございます。  そこで、この土地につきましては先生も御承知のように、なるべく早く解決をしないと申しわけないということで御連絡申し上げておる次第でございます。今後ともなるべく早く処置を済ませたい、こういうふうに考えております。
  302. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 争いでないならば、どういうことばが適当で、どういうことをやったのですか。
  303. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 私は現地を存じませんが、いま地図を見ましたところ、一般のところから貨物駅へ入る道路の、いわゆる貨物通路、これは一般荷主が使う貨物通路でございますが、その貨物通路のそばに、坪数はよくわかりませんが、三坪か十坪くらい、ちょっと正確にわかりませんが十坪前後以内くらいの土地、あき地のようでございます。それをある方が昭和二十八年に原所有者からお買いになって、あいておったようでございます。それを私のほうで貨物通路として無断で使用しておったということでございまして、争いと言ったのは長浜の誤りでございまして、私のほうがあいておったので使ったということで、無断使用したことは私のほうの責任でございます。
  304. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 そういうことで現場を知らないで、そしてそういう、答弁を求めるたびに非常にいいかげんな答弁をされておるから、私はできないと言ったのです。どうしますか。その三坪か十坪だとかいろいろ言われますけれども、三坪か十坪だというなら、実測するとか何かなければいけませんよ。そしてそれが現場とどう合致するものか、そういうことが確認されておらないのです。だからほんとうなら総裁も確認してきたらどうですか。不法占拠されるものはあっても不法占拠したものはないという確信だったのでしょう。そうしませんと、この土地というものは、一坪でも二坪でも、個人の土地の所有問題はそんな簡単に、現場を知らずには問題解決できません。
  305. 長浜正雄

    ○長浜説明員 この土地は先生御承知のように登記上は三坪になっておるらしいのでございますが、私も登記簿をもちろん見ておりませんし、現地も見ておりません。ところが御本人は十坪ということでお買いになったようでございます。そういうふうに承っております。それをお買いになった御本人と、それから国鉄側といろいろその他の関係の方入っていただきまして、正確にこの土地何坪ということでいま御相談のまとまるような段階にまでいっておるというふうに私承っております。そうなりましたら、なるべく早急に、御本人がお売りになる意思があるならば国鉄で買い取らしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  306. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 問題が解決する話し合いが進んでおるということですね。それも私は納得いかないのです。  先ほどあなたはこの古賀駅の問題につきましては、この問題とそれから承継登記の問題をおっしゃった、それだけでもないでしょう。それだけでもありませんと指摘しておるものをまだおっしゃらないのです。これじゃどうして進めていけますか。それじゃ日本全国の、日本国有鉄道の敷地を一々当たらなければこれは――それじゃそうしますか。
  307. 長浜正雄

    ○長浜説明員 先生のお話しの件は、事前に先生と私どものほうといろいろお話し申し上げておりますので、私、その件承知しております。  その件と申しますのは、私から申し上げますと、この古賀駅から分岐をしておりました、パルプ会社だったと思いますが、そこに行きます専用線がございます。その専用線が最近廃止になりましたので、その専用線が使っておりました土地をどうするか。その土地が国鉄の古賀駅の用地の中に入り込んでおります。これは、その土地は現在線路として使っておりますので、その土地を国鉄はその会社から借用しております。そういういきさつがございますが、この土地がなぜ国鉄の貨物駅の中に入り込んでおるかと申しますと、これも先生先刻御承知だと思うのでありますが、専用線をこの会社が引きますときに、国鉄用地以外の土地はその専用線を引きます会社がその土地を購入いたしまして、専用線を引いておる間は無償で国鉄に使わせる、というよりも、無償で専用線あるいは自由線として使う、こういう契約になっております。それで、専用線がもうなくなりましたので、これは無償というわけにまいりませんので、その土地を正式に国鉄が借用する、こういうかっこうになるわけでございまして、それまでは無償で国鉄がその自由線を使わしてもらった。これはそういう契約条項になっておるわけでございます。その件を先生御指摘じゃなかろうかと思うのでありますが、そういういきさつでございます。
  308. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 もう聞けば聞くほど、私は納得いかぬですよ。いま、何の話をされたんですか。ほかの方はわかりますか。私も、それは話し合いは聞いておりますよ。総裁、いまの常務のお話で、あなたは総裁ですから、自分の部下が育ったことはわかるとおっしゃるかもしれませんけれども、はなはだ現実の、私が話し合いを聞いたものとは――それは国鉄の都合のいいような説明をなさっておるんです。だから気に食わないのです。わからないのです。一つ申し上げましょうか。  専用線を廃止したと言われたんでしょう。専用線を廃止したということは、専用線を使っておった――これは大臣にわかっていただくように、かりに推定ですよ。専用線というものは、昔国鉄が使っておって、それでその専用線を使わなくなった。使わなくなったならば、その時点で廃止するというんならば、これは自然です。だれでもわかることです。ところが、その専用線は使わなくなった、いつかある日突然廃止した、そういう形になっておるんです。だから納得いかないというんです。総裁、まだおわかりになってないようですね。専用線というのは、本線からある何か、パルプ工場とおっしゃっているが、パルプ工場で専用線があるわけでしょう。それは、ある時期は使われておったというわけですよ。使われておりましたが、ある時期から使われなくなったんでしょう。だからそのときに廃止するんでしょう。それはその時期が一年か半年かずれる、それはあるでしょう。それならば自然ですよ。しかし、いまその日にちをおっしゃらなかったけれども――いいですそれはわかっておりますから。話し合いをしておりますから。ところが廃止、実際はその使用しなくなったそのままほっぽってあった、ある日突然廃止した、こうなっているから、私がわからないと言っているんです。いま言いましたように、専用線を使わなくなった、それでこれは当然廃止。その時期が半年か一年かおくれることはあり得るでしょう。それならば自然だ。総裁、聞いておってくださいよ、あなたがわからぬから説明――大臣はわかってうなずいておられますから、もうやめようと思いますけれども、常識的に、また、真実を、現場、現実と合致しながらものごとを判断するのが私は正しいと思うんです。それを、いま私が言ったように、専用線を使っておった、ところが使わなくなったんだから、その使わなくなった日以後、まあ半年か一年か、三年でもいいでしょう。そのときに廃止するんでしょう。それならばわかるというのです。ところがある日偶然廃止した、こういうような――おそらく求められたらそうされますよ。何月何日、それは何月何日というのはそこが問題ですよ。そういういわゆる国鉄の立場に立った説明をなさるから自然の状態と違うんだ、こういうことなんですよ。ですから、これは現場の写真なり先ほど言いましたように土地台帳なり検査院の検査報告なり、そういうものによってやる以外にないのです。どうですか。
  309. 長浜正雄

    ○長浜説明員 この専用線は確かに昨年の十二月七日限りで専用線の国鉄との契約を廃止しております。したがいまして、契約上は十二月七日をもって専用線廃止でございまして、実際はもっと前から使わなくなっておったようでございます。ところが実際の契約の廃止は十二月七日でございます。したがいまして、十二月七日までは私たちのほうとしてはその専用線の一部の国鉄用地内に入っております部分、この部分で会社の持っております土地は契約条項によりまして無償で使用させてもらっておった。しかし廃止をいたしました時点からはこれは契約がなくなりますので、有償で借用した契約にする、こういうことに書類上はなるわけでございまして、そういう契約書で現時点で整理をしてございますということを申し上げておきます。
  310. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 総裁、大臣いかがですか。こういう議論をしておりましたら、一つ一つやっていったら――まあやっていかなければならないでしょうね。  いまの常務のお話では、ずっと以前に無償で使うようにしておった。そこで、実際はいつ廃止になったかわからぬけれども、ある期間があって、昨年の十二月に実際はそういう廃止の契約をした。それから有償で借り賃か何か払った、こういうことですね。こういうことで、専用線の廃止の問題について私は現場の状況を知って、タッチしている者としてさらにそういうことでは了解できないのですよ。大臣これはいかがですか。
  311. 長浜正雄

    ○長浜説明員 先生御指摘のように十二月七日で専用線の使用契約を廃止しております。ただ実際の専用線を使わなかったのはもっと前からのようでございますが、契約上は十二月七日まで専用線の契約がございますので、その間会社としてはあるいは使う予定もあったのかとも思いますし、あるいは使わないことはもうわかっておったけれども、まだその契約書をそのままにしておったのかもしれません。この点はさだかではございませんけれども、契約上はそのようなことでございまして、専用線の契約をしております会社はその間用地を無償で使うということは契約上はっきりしております。そういう契約で専用線の契約をしております。その契約書を廃止いたしました時点で有償で国鉄が借用する、こういう契約になったわけでございます。
  312. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これはやっぱり現場の状況を明らかにしなければ、ほんとうに両方とも納得いかないと思うのですよ。総裁、この現場を少し説明しますと、現在は鹿児島本線の線路が通っているのですよ。上り下り両方ですね。複線で通っているのです。その側線のあるところは、現在の線路のある部分だろうと推定されるのです。そうなりますと、そういうところに専用線の側線なんというものがあったということは現場では考えられないのですよ。これは私、現場を見て、門鉄局にも行きまして、門鉄局の用地台帳なり用地図なり見て、そしてその指摘をしてみますと返答ができないのです。大体専用線というのは本線から分かれていくのでしょう。その専用線というのは、かりに本線から分かれて、ここで分かれたとするならば、ここからある工場まで行くのが専用線でしょう。それは用地図で――どこからが専用線かということがまず問題ですけれども、その専用線のある部分がそうならば私は理解できるのです。だからくどいようですけれども、私もわからない、現場の責任者もわからない。しかし現況はいま私が言ったように、鹿児島本線の線路の敷かれているその辺だろうというのです。それはそうでしょう。先ほど説明のあったように全体はわかっておるけれども、中の一筆一筆はわからぬというようなことくらいですからね、これはそこだろうという以外にないのです。どうですかれ大臣、こういうことじゃ議論を進められますか。
  313. 長浜正雄

    ○長浜説明員 この専用線の用地といいますか、専用線への授受のための用地でございますが、この専用線の授受のための用地は、契約によって国鉄に無償で提供する、こういうことになっておりますので、この用地を国鉄がいままで無償で使っておったことには何ら問題がないと私は思うのでございます。ただ会社としては、あるいはもっと早く、もう将来使わないなら使わないから、専用線の用地をやめるということになれば、貸借の契約をしなければいけなかったあるいは国鉄がこの土地を会社から買い取るということをその時点ではしなければならないということになる、こう現時点では感じますけれども、将来とも借りておくかあるいは買い取ったほうがいいのかというのはまた別の問題で処置していきたい、こう思っております。
  314. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 これはもう聞いている方がそうだろうと思うのですよ。私がそれだけ説明しても、大体答弁要旨であるものを読んでいるようなことでは解決できない。なぜかというと、いわゆる現場がわからなくなっているのですよ。いま専用線の授受線と言われましたけれども、授受線というのは何ですか。私は、それですから常識的なお話をしておるのです。その常識的なお話が現実から推定できるような説明でなければ何で了解できますか。
  315. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 どうも私は頭が悪くて一〇〇%よくわかりませんが、たぶん先生が御立腹になっている点は、実際上は専用線を使わなくなって線路を撤去したにかかわらず、専用線契約が残っていたために、その土地を国鉄がただで使っているのはけしからぬじゃないか、こういうことじゃないかと思うんです。違いますですか。どうもいまここで聞きましてもよくわかりません。  それならば、先ほどの話をよく聞いておりまして、いわゆる専用線の契約解除が、これはしょっちゅうおくれることございますが、おくれているまでの間事実上専用線として使っていない、すなわち私有地に戻っている。私有地に戻っているのに、それをいま先生がおっしゃった国鉄の鹿児島本線の線路敷に使っているのはおかしいじゃないか、不法の占拠じゃないか、こういうことじゃないかと思うのでございますけれども、それでも違いますか。どうも私頭が悪くてよくわかりませんが、そういう意味の、結局専用線の解除をする契約が事実上おくれたために、その専用線敷を、授受線でもどちらでもよろしゅうございますが、それを国鉄が自分のものとして使ってしまった。そして去年の暮れに正式に契約が解除になったので、その後の借地料を払っておる、その十二月八日以前の状態、しかも専用線の作業、使わなくなってから十二月七日までの時点の使い方がけしからぬ、こういうことではないかと思うのでございますが、そうじゃございませんですか。
  316. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 いろいろお話を承っておりますと、これは具体的の問題につきまして先生非常に御不審の点がありますので、いろいろほんとうに審議の過程におきましてこういうことではと、こういうお話ごもっともだと思う次第でございますが、しかし具体的な問題でございまして、きょうおまけに、事前にその問題につきましてお話がございませんので、当局といたしましてもその答弁にやはり非常に欠けるところがあったのじゃないか、こう思う次第でございます。これは早急に先生の御意見をひとつ伺わさせまして、さっそく具体的の回答をさせるように指示するつもりでございますので、御了解願いたいと思います。
  317. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 やはりこれは現場の土地の問題をよく知って、そして議論をしなければ結局わからないのですよ。私はだから土地の問題は初めから言っているわけですよ。現場の写真であれば、現在の現実の姿というものが出てくるわけです。そうしますと、そのいわゆる専用側線、授受線だったといっておるところが、大体どこだろうと推定ができるわけです。その推定される場所があやふやですよ。これが一つです。やはり土地の問題は、現場の状況というものをここに提示しなければ納得できないです。  私はそれはそれでおくとして、先ほど言いましたね。ある日偶然廃止になった、十二月七日ですか。もう一回説明しますと、ある専用線があってそれが廃止になったわけでしょう。廃止になったら、半年か一年か、それは国鉄と廃止されたたとえば会社と合意といいますか話し合いができて、そこで廃止をしましょう、そういう時の流れ、現実になっておれば、私はこんなにくどく言わないのです。ところが、昨年十二月七日というのは、私が指摘したあとのある日なんですよ。そういう姿勢だからいけないと言っているのですよ。どうですか。
  318. 丹羽喬四郎

    ○丹羽国務大臣 これはやはり先ほど国鉄総裁がお話しいたしましたような法律上の問題でなくて、そういったような廃止時期をおくらしたかどうか、こういう問題でございますので、それは具体的に調べさして、御納得のいくような御答弁をさしたい、こう思う次第でございます。
  319. 田中昭二

    ○田中(昭)委員 この問題につきましては、一応これだけ申し上げまして、やはり現地というものをよく認識した上で議論しなければいけないと思います。私がさっきから言っておりますように、国鉄の用地の中に未利用地もあります。いろいろな問題を申し上げましたが、それと、たまたまこういう問題があって、これは国鉄と個人という場合は、たいへんそこに、いろいろ押しつけられるといいますかそういう問題もございますからね。ですから、この問題はこれ以上議論しようとは思いません。  ただ私は、国鉄の経営姿勢といいますか企業の経営姿勢というものを先ほどからいろいろ申し上げましたが、こういう問題と関連して、この問題を提起しました以上はもう少し明らかにしなければいけないと私は思いますから、後日、明らかにできる状況になったときにこの問題の処理をつけたい、こう思います。委員長において、この問題についてはまだ保留しておくということで御了解いただきたいと思います。  その次の問題はまた後日に譲るとしまして、きょうはこれで質問を終わりたいと思います。      ――――◇―――――
  320. 小峯柳多

    ○小峯委員長 この際、連合審査会開会の件についておはかりいたします。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会、大蔵委員会、社会労働委員会、農林水産委員会及び物価問題等に関する特別委員会からそれぞれ連合審査会開会の申し入れがありますので、これを受諾するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  321. 小峯柳多

    ○小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本連合審査会の閉会の日時は、関係者委員長と協議の上決定いたしますが、明二十六日午前十時から第一委員室で開会する予定でありますので、念のためお知らせいたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後十一時十八分散会    派遣委員の福岡における意見聴取に    関する記録 一、期日   昭和四十七年四月二十四日(月) 二、場所   福岡合同庁舎会議室 三、意見を聴取した問題   国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建   促進特別措置法の一部を改正する法律案に   ついて 四、出席者  (1) 派遣委員    座長 宇田 國榮君       加藤 六月君    江藤 隆美君       細田 吉藏君    久保 三郎君       内海  清君  (2) 現地参加委員       田中 昭二君    田代 文久君  (3) 意見陳述者         株式会社後藤組         会長      後藤  肇君         飯塚地区住民の         足を守る会会長 野元 勇吉君         西南学院大業名         誉教授     八田  薫君         公認会計士   松岡 正一君         九州山口経済連         合会企画部長  前田 研一君         福岡地方同盟書         記長      黒田 澄人君      ――――◇―――――    午前十時八分開会
  322. 宇田國榮

    ○宇田座長 これより会議を開催いたします。  私は、衆議院運輸委員会派遣委員団長の宇田國榮でございます。私がこの会議の座長をつとめますので、よろしくお願いを申し上げます。  この際、私から派遣委員を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。  皆さま御承知のとおり、ただいま本委員会におきましては、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして審査を行なっているところであります。  当委員会といたしましては、同法律案の審査にあたりまして、国民各層から意見を聴取すべく、本日、北海道札幌市と御当地におきまして、この会議を催し、各界の代表者から忌憚のない御意見をお伺いしようとするものであります。  御意見をお述べいただく方々には、本日はまことに御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、感謝申し上げる次第でございます。厚く御礼を申し上げます。  まず、この会議の運営につきまして申し上げます。  会議の議事は、すべて衆議院における委員会運営についての議事規則及び手続に準拠して行ない、議事の整理、秩序の保持は、座長であります私が行なうことといたしております。発言をなさる方々には、必ず座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。  なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方は、派遣委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知をお願いいたす次第であります。  次に、会議の順序につきまして申し上げます。  まず、午前中に各意見陳述者から順次御意見をお述べいただき、午前再開してから、派遣委員から質疑が行なわれことになっております。したがいまして、時間の関係上、御意見陳述の時間は、一人十五分程度にお願いをいたしたいと存じます。  それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。  自由民主党から加藤六月君、細田吉藏君、江藤隆美君。日本社会党から久保三郎君。民社党から内海清君。なお、現地参加委員として、公明党から田中昭二君、日本共産党から田代文久君の方々が出席されております。  次に、本日各界を代表して御意見を述べていただく方々を御紹介申し上げます。  株式会社後藤組会長後藤肇君、飯塚地区住民の足を守る会会長野元勇吉君、西南学院大学教授八田薫君、公認会計士松岡正一君、九州山口経済連合会企画部長前田研一君、福岡地方同盟書記長黒田澄人君。以上の方々でございます。  それでは、まず、後藤肇君から御意見を述べていただきたいと存じます。
  323. 後藤肇

    ○後藤肇君 ただいま御紹介にあずかりました、実は、後藤組となっておりますが、私は大分鉄道管理局の貨物協会大分支部の支部長を二十一年間、始まって以来いまだにいたしておるものでございます。私は、きょうおいでの先生方に対しましても、発言中にあるいは非礼なことばがあるかもわかりません。この点は、どうも教養のない私でございますので、お許しを願いたいと存じます。  まず、私が協会設立当時から入ってみまして、終戦直後には荷主はみんな鉄道に対しまして、荷物を送ってもらう、貨車を出していただくと、これにもうきゅうきゅうとして、ごきげんをとってまいったのであります。そのときから、私は鉄道当局に対しまして、大事なお得意さんではないかと、いまにあなた方も、やはり時代が変わるときが参りますよ、道路の改善、それから、トラックが大型化する、そういうことに対して、やはりいまから考慮を払ってはいかがですかというようなことも、たびたび申し上げまして、そして、あなた方得意に対するサービスというものが、われわれが見ておると、サービスじゃない、地方の業者が考えると、これはまるでもう主客転倒をしておるんじゃないかと、私は口が悪いので、よく若い鉄道の職員の方から、うしろのほうにすわってる方から、それとなくおしかりを受けたことが、たびたびございました。しかし、年をふるにしたがいまして、国鉄も順次その経営方針、また旅客、荷主に対しましても、サービスは徐々に改善をしてまいったことは、皆さまも御承知のとおりであります。ところが、驚き入ったことには、この国鉄がいま政府から及び公社債と申しますか、これを借りておる金が三兆円をこしておるんじゃないか。詳しい数字は、私はよく調べておりませんが、三兆円をこしておる、これはもう驚き入った私は借財じゃないか、これが普通の市中の事業会社であれば、とうにもう倒産しておる、倒産会社である、こういうことを私は常々考え、また、国鉄にも申しておるのであります。それが原因は何かと申しますと、まあ、鉄道の経営方針にも、またいささかの責任があると思いますが、やはり、これをずっと私が二十幾年間見てまいりますと、赤字路線と申しますか、先生方のうちにはそういう方はありますまいと思いますが、やはり地方における一つの自分の勢力を保持するためか、投票選挙のためかは存じませんが、最初から赤字とは知りつつ、やはり鉄道を敷かしておる。そうして政府の指令により、命令によってやったこの鉄道は、もう国鉄は赤字ということはとうにわかっておる。しかしそれを断わりきれない。私は歴代の総裁に、なぜあなた方は国会でもう少しはっきりしたことを申し上げませんか、こう言うてきたのであります。ところが、もう一つ驚くことがあります。これは皆さんは小さいことですから、御承知じゃないかと思いますが、地方に資産税を納めております。これが大体年に百億円であります。これはたいへんな、まあ赤字経営から見ると、数字じゃないかと思うんです。ところが、新聞や、皆さん御承知のとおりに、赤字線であるから無人駅にするとか、あるいはここを駅をのけるというようなことになりますと、もう村をあげて、付近の町村まで誘って反対運動をやっておる。ところが、まあ町村や何ならいいですけれども、国鉄の労組と申しますか、こういう人たちもこれに入っておる。これはちょっと私ども年をとった者が考えますと、これはほんとうだろうかというようなことがよくあります。それから、もう一つ、労組のことが出ましたから申し上げますが、本日も相当おいででないかと思っております。いまどきの事業経営に経営合理化というものを考え、これと真剣に取り組まんで、会社が継続さえむずかしい。繁栄なんかなおむずかしい。こういうときに、経営合理化に労組の人々が反対しておる。そしてストを起こしておる。これはどうも私ども考えますと、何かそこにこう、新聞の書き違いじゃなかろうか、新聞社の扱い方が違っておるのじゃなかろうか。これに対しましてある政党は、やはり陰に陽にそういう人を援助しておるんじゃないかというような、いなか者が考えてみますと、新聞上で見ますと、そういうこともあるんじゃないかと、かように思っております。これでどうして国鉄が黒字を出されるか。私ども貨物の運賃値上げは、これはもうたいへんなことだと思っておるんです。さっそく物価の高騰を来たし、国民の生活に直接影響があるのは、もう目に見えたような、何かの口実で販売の価格をつり上げようというのが、商売人のこれが考え方ではないかと思うんであります。そういたしますと、やはり、われわれは、値上げには、これはもう絶対反対と実は申し上げたいんです。けれども、これもいまの現状を見ますと、さようなことも、たとえ荷主でありますけれども、申し上げられないのじゃないかと。ある程度は、これはもうしようがないというようなことで、私はそういう考えを持っております。  それから、私はいまの北九州市長の谷さんが、西部支社長時代に評議員をいたしておりまして、ときどき運営に対する意見の交換等がありました。そのときに、谷さんに、国有鉄道というが、外国の鉄道は、国がどういう方法をしておるか御調査の上、何か調査資料をこしらえてくださいと申し上げたところが、一カ月か二カ月たちまして、その資料を送っていただきましたが、幸いにして今度見ましたところが、それが出ております。これがありましたので、現在はまた幾らか変わっておるかもしれません。しかし、これはもう四、五年前のことと思いますが、一キロ当たりの平均運賃であります。日本は四円八銭となっております。それから、イギリスは八円二十八銭、西ドイツが七円八銭、フランスが五円九十六銭、イタリアが四円十八銭、これが日本と十銭違います。イギリスは六円になっております。それから、トン当たりの貨物運賃のこれでございますが、これは日本が三円九十七銭、アメリカは三円六十銭、西ドイツは八円七銭、フランスが五円六十四銭、イタリアが六円十六銭、イギリスが七円三十二銭、こういうふうになっておるのを見ましたときに、これはちょっと高いとか、安いとかというのが無理じゃないかなという、口では上げてくれるな、上げてもらっては困ると言いつつも、この資料を見ますと、これはどうも、ちょっとあまり無理も言えぬという、実際はそのときに考えを起こしたのであります。  それから、もう一つ、そのときに、国鉄が、これは皆さんもすでに私より資料は来ておりましょうと思いますが、諸外国における国鉄と名がつくものは、ほとんどが赤字を政府が補償しております。政府がもう九〇%補償しておるような実態でございます。そうしてまいりますと、日本は逆に金を貸した、何兆円かのこの利息を取り上げておる。ちょっとどうもあまり諸外国と比べまして、けたが違い過ぎる、やり方が違い過ぎる、こういう私は考えを持ったのであります。今度でも貨物が石炭、石油、それから、鉱石、こういうものは特殊な資材でありますので、やはり二三%ぐらい引いておった。これが今度は逆に上がりまして、六〇%になっております。これはもうたいへんな上がり方じゃないかと思います。大体詳しく数字的に申し上げますと、十五分でありますので、もう時間も参ったようでございますが、ひとつ本日御列席の諸先生方が、どうかひとつ、ほんとうの外国との比較もよく御検討になりまして、そうして、日本の国の国鉄が、何かといえば値上げと言うけれども、近ごろは貨物は実際は値を上げていないようです。そういうぐあいでございますので、どうかひとつ、値上げに私は絶対反対するものではありません。貨物もある程度はやむを得ないといえ、考えも持っております。  それから、労組の方がきょうはおいでじゃないかと思いますが、これは新聞の書き違いかどうか知りませんけれども、先ほど申しましたように、合理化反対、そして、ストをやる。これはまあどうしたことじゃろうか、私どもあまり学もないので、何かの間違いじゃなかろうかというような考えを持っております。私は大分県の九州保護委員長をしておりますが、裁判長、検事正その他の方々が参りますが、ときどき私は裁判長にも裁判長さんあんた方の、まあこれは部下というわけにはいきますまい、裁判所は。判事に、裁判長となれば、どんな権限ももう与えられて、干渉ができない。しかし、法は最高の常識でないかと思うが、その常識を逸したような、われわれしろうとが考えてはわからんような判決がたびたび出ておる。それも労働法違反というようなものに対して出ておるというようなことを、まあ冗談半分に申し上げておるんでありますが、私ども若いときから、鉄道員というような、鉄道職員を鉄道員と言っておりましたが、これはもう実に国民の一つの尊敬の的でありました。鉄道員に嫁に行くと言えば、これは一つの誇りを持っておるように見受けたのであります。  それから、私はあるときに、私の一番末っ子が大分で結婚式をあげましたが、夫婦とも向こうの学校を出ておりますので、向こうでひとつ披露宴をしてくれぬかというので、私ども夫婦で参りまして、帰りに伊勢神宮を女房を連れてずっと通って参ったんです。もう四年前です。ところが、指定席券というのを二百円ずつ車掌さんが取りにまいります。それで、二百円ずつ出しまして、そのときに、専務さんどうですかと。あなた方はすぐストとか、合理化反対とか言うが、あれは本心ですか、こういうことを申し上げましたら、いや、それは違います。われわれはあれに賛成はいたしません。ところが、これに反対の意見でも申し上げようものなら、それこそもう言論の暴力によって、たいへんな圧力を加えられる、こういうことを聞きまして驚き入ったのであります。私はやはり、労組の職員の方々も、鉄道がよくいって黒字を出して、そうしてすれば、私は地方労働委員を六年ちょっとしておりましたが、これは親牛を肥やして乳が出れば、その乳を私は子供が飲むのは当然じゃと、権利はあると。だから、やはり親牛を肥やさにゃいかぬ。だから、鉄道の者は鉄道の人を、やはり国鉄を肥やす、黒字経営に持っていく。これには一つの、みんなが、上から下まで協力が要ると、私はかように思うんであります。  そして、私はあるとき鉄道の方に、あなた方は労組の方々と肩をたたいて話し合ったことがありますかと、ところが、これが不幸にしてないようであります。私どもこういう小さないなかの商売をしておりますけれども、おい元気かと、ぐあいよういってるかと、どうか、みな都合がええかというようなことで肩をたたいて、そうして、若い連中とほんとうの心の通う私どもは経営をしておる。そうしないと、やはり、一家のうちが離れ離れで繁栄した会社というものは、地方でもありません。みな倒れております。どうかひとつ、鉄道の方々も、やはり、自分の後輩である。子供である、そういうような気持ちから、愛情を持って職員と接する、労組の方々と接する。労組の方々も、やはり、国鉄を愛するためには、一つの少々なことがありましても、それは話でぐあいよくやっていく、こういうような方法をとってもらいたいと思います。  たいへん長いこと時間を経過したようでございますが、私は最初に申し上げましたように、国鉄のこの倒産会社のなには、どこでも借り入れ金その他についてはたな上げで、残務整理あるいは更生会社というもとにやっておる。だから、政府もどうかひとつ、この三兆円近い、あるいは政府が直接出したのは二兆幾らとか聞いておりましたが、これもたな上げです。たな上げにしてもらいたい。このなにを見ますと、五十七年には黒字経営になるというが、私は口が悪いほうですが、何ということをしておるのか、とてもそれじゃいきますまい、またひょっとすると、いまよりももっと悪くなっとりゃせぬかというような気持ちさえするのであります。だから、一応借金のたな上げと、それから、先生方の決議によりまして、市町村における固定資産税の即時撤廃、こういうようなこともひとつ、たいへん失礼なことを申し上げましたけれども、これは私から申し上げまして、運賃の値上がり、貨物の値上がり、こういうことから考えますと、何か抜本的な策を立てなければいかれぬのじゃないか、かように思います。たいへん失礼を申し上げ、また、至らぬことを申し上げましたけれども、どうかひとつ、先生方なら必らずこれができると、私は思います。どうひとつ皆さんで、政党、政派を超越しまして、国の、われわれのものじゃ、われわれの鉄道じゃという気持ちから、鉄道のほんとうの再建に御努力を願いたいと思います。  私は大反対を申し上げたいのですけれども、いまの鉄道のこの赤字経営を見ますと、実は、反対もあまりできません。反対は、ずいぶん私は、お調べくださればわかりますけれども、ずいぶん鉄道の人にも私ほど思い切っていろんなことを言うた者はないと思います。どうぞひとつ、たいへん長いことつまらんことを申し上げましたが、ありがとうございました。(拍手)
  324. 宇田國榮

    ○宇田座長 実は、十時十五分から開会いたしましたので、五分超過いたしましたが、なるだけ十五分間の原則を守っていただくように、お願いを申し上げます。  次に、野元勇吉君。
  325. 野元勇吉

    ○野元勇吉君 先ほど団長のほうから御紹介と御指名を受けましたので、ただいまから、本公聴会にあたりましての御意見を述べさしていただきたいと思います。  私は、飯塚地区の住民の足を守る会の会長をつとめさしてもらっております野元と申します。本日の公聴会に御意見を申し上げる立場から、一応事務局のほうから送付されました関係資料を、一通り読ましていただきました。しかし、私は、法律やあるいは国鉄運賃の仕組みなどについては、全くしろうとでございます。理解しかねる点も多々あります。したがいまして、私が本日申し上げる意見が当を得ているかどうか、その辺についてははなはだもって自信を持ち得ないところであります。しかし、私は、三月十五日からの国鉄のダイヤ改正に関連をしまして、地域住民の足を守る会の世話役をさせていただいている関係から、国鉄当局や、あるいは運輸省、そして通産省、それらの関係官庁に対しまして、いろいろと陳情行動を行なってまいりましたし、また、自治体や、あるいは地域住民との対話の中から、いろいろと国鉄問題に関して得た経験があります。したがいまして、それらの経験の中から率直に意見を申し述べさしていただきたい、このように考えておるところでございます。  今回の国鉄再建十カ年計画、これが提案をされておるわけですけれども、その提案説明にありますように、国鉄をして将来ともにわが国の基幹的公共輸送機関としての使命を全うさせることができると、提案説明の中で政府並びに国鉄当局は、自信を持って信じている、このように提案説明の理由の中で申しておられておるわけですけれども、はたして信じてよいものかどうか。残念ながら私は大いに疑問を持つところでございます。この改正理由の中に、地方閑散線に対する補助の新設等がうたってあります。しかし、私は次のような事実や計画からは、全く期待できないのではないか、このように考えておるところです。さきの三・一五のダイヤ改正で、御承知のように、九州全体で百十二本も列車が間引きをされました。そのうち私が住んでおります筑豊地区からは、その約半分に近い五十九本ものダイヤが、実は、間引きをされました。もっとも地元のはげしい陳情や、抗議行動で、その後八本は臨時列車として復活をさしていただきましたが、地方閑散線に対する補助の問題が、このような現実の中から、はたして期待されるのかどうか。さらに、今後国鉄が行なおうとする計画の中には、地方のローカル線、これが三千四百キロも五年間に撤去しようという計画があると聞いております。さらに、地元が路線の存続を希望するものは、地方自治体に赤字線の三分の一を負担させるという、いわゆる第二国鉄論というものも計画がされているというふうに聞いております。このように、ローカル線切り捨て計画や、あるいはこれは筑豊だけではないと思いますけれども、おそらく国内全般の過疎地域における国鉄のいわゆる小駅、それらの小駅については、ほとんど無人化にしたり、あるいは委託化と貨物取り扱いを廃止する、それらの計画が、実は組まれておると聞き及んでおります。もしこれらの計画が今後再建十カ年計画の中で推し進められるとすれば、一体過疎地帯といわれる地域住民の足は、だれがめんどうを見てくれるのか。その辺を私は非常に疑問視し、はたして今回のこの改正案の内容というものが、政府やあるいは国鉄当局が自信を持って述べられておる提案説明の中にマッチするかどうか、非常に疑問を持つところであります。  さらに、私はさきに述べましたダイヤ改正に伴う復活のため、地域の代表の皆さんと一緒に運輸省に陳情に参った経験があります。そのときに、面接をされた運輸省当局の責任者に対しまして、一体政府の交通政策の中で、大量大衆輸送機関としての国鉄への指導はどうなのか、こういう質問をいたしてまいりました。御返事としまして、国鉄といえども、赤字の不採算路線を維持することはできない、赤字線は私鉄あるいは民間経営のバス等の代替輸送機関にする、こういう御返事が返ってまいりました。国鉄が不採算路線となり、赤字線になったものを、バス企業がかわっても、バス企業そのものが営利企業であり、営利事業である限りメリットはあり得ない。行き着くところは路線の休あるいは廃止となることは、これまた時間の問題ではないか、このように私は考えます。結局は自分の足は自分で確保しろ、こういう結果になるのではないか。つまり、もうかるときは国鉄で、もうからなくなったら私鉄、バスで、それでもだめなら、自家用車を買え、これが今日の政府の過疎地域住民に対する交通政策ではないか。実に私は貧困きわまりない政府の交通政策でしかない、こういうふんまんを実は感じたところであります。  今日の交通機関は住民の足としてこれを使わなければ、生活できないものであります。過疎地帯の住民はどんなに生活が苦しかろうと、マイカーを買わなければ生活そのものの維持ができない、それだけに、国鉄というものは国民の国鉄でなければならないと考えます。しかるに、今日の国鉄は、赤字を理由にその公共性をかなぐり捨て、収益中心主義を柱として、旅客運賃値上げや、ローカル線切り捨てで乗り切ろうといたしております。国民が運賃値上げや、ローカル線廃止で生活を脅かされている現実に、振り向こうとさえしません。現に筑豊では、三月十五日のダイヤ改正の後、こういう状態がさらに十月度のダイヤ改正を考えるときに、一体筑豊はどうなるのだろうか、ひとつみんなで集まって、今後は筑豊地帯に住む住民の足をみんなで考えようではないか、こういう立場から、実は筑豊の足を考える公開討論集会というものを計画をいたしました。そして、陸運局や国鉄あるいは私鉄、そしてまた、自治体や地元の諸団体に出席をお願いをいたしました。ところが、ただひとり国鉄当局だけがその討論集会に参加を拒否をしてまいりました。結果的にはその集会自体を中止せざるを得ない羽目に追い込まれました。このように、国鉄当局は住民を全く無視して、国民の足を守ることについて一片の誠意もないことを私たちに証明をいたしました。国鉄再建の基本がこのようである限り、私は今回の新十カ年再建促進特別措置法の手直しを国会の中でされても、結果はまたまた国民に犠牲を強要するばかりでなく、またもやこの措置法に基づいて運営をされる経営そのものが、破綻を来たすのではないか、このように私は考えます。現行の再建促進法ができて三年になるように聞いておりますが、この提案理由説明の中にも、政府並びに国鉄当局が財政再建対策を鋭意推進してきたと申し述べてあります。その鋭意推進してきたにもかかわらず、わずか三年目にして憂慮すべき事態に立ち至った。このように全く相矛盾することを提案理由説明の中に明記してあります。一体このことは、現在の措置法に欠陥があったのか、政府並びに国鉄経営陣の責任に帰するものがあるのか、その辺は明らかにする必要があると私は考えます。  次に、運賃法改正についてでありますけれども、いま申し上げましたように、最も権威のあるべきはずの政府が、強力に推進をしたいわゆる現在の法律、再建十カ年計画が、その十年のうちの三分の一にもならない、いわゆる三年目においてすでに破綻をした。しかも、憂慮すべき事態に立ち至った。といって、国鉄経営の失敗にあるのか、政府の責任であるのかわかりませんが、いずれにしましても、今日は国鉄は赤字だ、国鉄の危機だ、こう言って、実は運賃値上げという形で国民に転嫁しようとしておる。このことは私の納得できないところであります。しかも、今回は二四%という大幅な値上げであり、過去十年間にさらに三回から四回の運賃値上げが、すでに組み込まれているというふうに聞かされております。それであればなおさら、私は今回措置法の一部改正とあわせて、運賃価上げを実施することについては納得しがたいし、反対をせざるを得ないというふうに考えます。  しかも、この国鉄運賃の値上げというものは、すべての交通機関の値上がりを認めることであり、これがまた諸物価の値上げを誘発する元凶でもあります。言うまでもなく国民生活をいやおうなしに圧迫をいたします。値上げについて多くを申し上げる必要は私はないと思います。国民一人として賛成する者はいないでしょう。あえて賛成をする者があるとするならば、私は、国鉄の経営陣と政府だけが運賃値上げに賛成をするんではないか、こういうふうに考えます。  時間の関係がありますので、最後に、私の意見を要約をして申し上げてみたいと思います。大体四つの点に集約をして意見を御披露申し上げておきたいと思います。  まず第一には、特別措置法の改定の必要がもしあるとするならば、まず、現行の営利主義になる独立採算制を再検討してもらわなければならないのではないか。いわゆる国民の国鉄、国民の利益になる国鉄、これが私は本来の国鉄の使命であろうというふうに考えます。したがいまして、公共性、大量大衆輸送機関のこの性格を明らかにまずしていただかなければならない。営利会社ではないんだということを明らかにしてもらう必要がある。そして抜本的な再建策を検討すべきであろうというふうに考えます。私が申し上げます抜本的とは、単に国鉄の財政再建というとらえ方であっては困ると考えます。国鉄そのものの再建、言うなれば国民の足をどう確保するかという見地から、私鉄あるいは民営バス、過密過疎を含めた総合的な交通政策を確立をしていただいて、その中での国鉄のあり方を検討すべきだ、このように申し上げておきたいところであります。  第二には、国鉄経営の民主化をはかることが大切ではないかと考えます。官僚機構の弊害というのは、いまさら申し上げるまでもありません。徹底した上意下達の官僚化は、ますます反国民的、反住民的立場に立った経営に傾くことを、私は否定できないのではないか、このように考えます。今回私たちがダイヤ改正に伴って、門鉄局や国鉄本社にそれぞれ陳情に参りましたが、面接をしていただく方々は、自分の主観ももちろん気にはされない。上司に向かって意見を具申するのをただお伝えをする、全く上司に対して、陳情者の地域住民のその心境がわかったという一言さえ口にされない。全く上部からの指示、伝達、命令以外に、問題に対処する姿勢を持たない。この硬直化した姿勢というものは、先ほど申し上げましたように、これから先の自分たちの足をどう考えようか、国鉄の経営者の皆さんお力を貸してほしい、そういうことで討論会を開催し、要請したにしても、わずか手紙一本で参加拒否の通告をしてくる、こういう状態になるのではないか。また同時に、このような硬直した官僚化というものは、労使間の、不信感をさらに深めてまいります。年じゅう争議の絶えない状態となってまいります。がたびしがたぴしの終戦直後の列車に乗った錯覚を、今日の国鉄は与えておるのではないか。これが昨今の国鉄の、私は実にぶざまな状態だろうというふうに考えます。この際措置法が検討される段階で、国鉄経営陣の猛省を、私は期待をしてやまないところであります。  第三には、運賃価上げの問題でございます。先ほども述べましたように、革に国鉄運賃だけの値上げにとどまりません。これが私は非常に重要な問題だと思います。すべての物価高騰の元凶になる。したがって、私は運賃値上げをしなければならないんだという絶対至上命令があるとするならば、せめて旅客運賃値上げ分については国庫負担とすべきである、このように考えておるところです。  第四には、国民のための国鉄であるならば、再建に必要な財源、これらについては、政府が思い切った投資が当然必要だ、このように考えます。また、先ほどの陳述者の方も申し述べておられましたように、今日まで国鉄がかかえている借金、これについては、この際国が肩がわりをすべきだ。膨大な金利を運賃で支払っていく、こういう不合理性を排除すべきだ。国が即刻肩がわりをして、精算をしていくべきだ。それらの、いわゆる国が積極的な財政援助を行なうその限度ですが、先ほどの陳述者も申し述べておられましたように、せめて私は西欧の西ドイツやフランス並みの、国鉄に対する財政援助を、わが国も当然とるべきだ、このように考えます。  以上四点に私の意見として集約をして申し述べましたが、会期の押し詰まった今国会の中で、国民生活に決定的に重要なこの法案が、私は、政党や政略のかけ引きの道具に利用されることのないよう、お願いをしたいと思います。私は、次期国会に引き継いででも、慎重審議をしていただきまして、そして、国民の納得のいく法が制定されることを、特に今公聴会に御出席していただいております諸先生方にお願いをいたしまして、私の陳述を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
  326. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に、西南学院大学教授八田薫君にお願いします。
  327. 八田薫

    ○八田薫君 ただいま西南学院大学教授と紹介されましたけれども、この四月から私は西南学院の名誉教授になりまして、新しく第一経済大学の教授にいまなっておりますので、ちょっと訂正しておきます。  初めにお断わりしておきますけれども、けさの新聞を見ましたら、私が自民党推薦ということになっております。しかし、私は特定の政党の見解を支持する目的で公述人を引き受けたのではありません。私は平素大学で財政学と公企業論の講義を担当しておりますので、国内の一重要な財政問題であるところの国鉄の赤字、あるいは健康保険の赤字、あるいは食糧管理の赤字の問題に関する新聞の報道には、特別の関心を持って読んでいる者であります。それで、こういう場所で私の考えを述べさしていただく機会を与えられたことは、ありがたいと思ってお引き受けしたような次第であります。  今次の運賃値上げに限らず、すべての公共料金の値上げについては、これを利用する国民の立場からは、だれも無条件に賛成する者はないと思います。賛成か反対かをきめる場合には、まず、国鉄経営の実情を十分に知った上でなければ、的確な判断はできないと思うわけです。この実情を国民に知らすために、従来国鉄あるいは政府の努力が十分になされたかどうかということに、一つの疑問があると思うわけです。何となく親方日の丸式な安易な空気があるのではないかという感じを持っております。以上のことを前置きにしまして、私の考えを述べたいと思いますが、時間が短く制限されておりますので、ごく大ざっぱなものになるかと思います。  昨年八月に発行されました国鉄監査委員会の監査報告によりますと、昭和四十五年度一カ年の国鉄の赤字は一千五百十七億円で、累積赤字は五千六百五十四億円の巨額に達していることが述べられております。四十六年度の決算はまだできておりませんけれども、国鉄から発表された資料によりますと、四十六年度の赤字見込みは二千四百三十二億に達するそうで、前年度からさらに約九百億円増加することになり、累積赤字は八千八十六億円に達するという見込みのようであります。国鉄発表のその資料によりますと、国鉄の収支は、昭和三十九年度以後赤字に転向して、そして、昭和四十五年度までは毎年二百億前後の赤字の増加でしたけれども、昨年度は、いま述べましたように、一挙に九百億の赤字の増加が見込まれるという状態であります。こうした赤字が累積して、現在八千億をこえるに至ったということについては、もっと早く手を打つべきではなかったかと考えるわけです。その是正に対して、いままでに国家も、それから政治家も、また一般国民も、国鉄の経常に対してはなはだ冷淡であったと、こういうように考えざるを得ません。国家がもっと早くから公益企業であるところの国鉄に対して、適切な財政援助をなし、また、政治家や一般国民が、国鉄経営の近代化あるいは合理化にもっと協力的であったならば、こうまで国鉄経営が悪化しなかったであろうと思うわけです。  次に、赤字を解消する方法としては、経費の節約をはかることと、それから、収入の増加をはかることの、二つの手段によることになるわけでありますが、政府は昭和四十四年五月九日に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法というものを制定して、そしてその年度から、つまり昭和四十四年度から五十三年度までの十年間に赤字を解消しようという再建計画を樹立いたしました。そして同時に、同じく四十四年に国鉄運賃法を改正して、一五・九%の運賃値上げをやっております。ところが、その後の三年間の経過によりますと、右の再建計画はまだ甘かったというか、ともかく実情に沿わないことがはっきりしてきたものですから、今年度右の二つの法律を改正して、再建計画を立て直して、そしてこの四十七年度を初年度とする昭和五十六年度までの十年間に単年度赤字を解消しようとするもので、国鉄運賃は、料金の種類によって違いますけれども、旅客運賃の基本賃率では、六百キロまでは二一・四%、六百キロをこえる地帯には二二%の引き上げ、それから貨物運賃は約二五%の引き上げを行なおうとしております。これは四十一年の改定に次ぐ大幅な値上げであります。もとの再建計画が実情に合わないことが明確になった以上、今年度から新しい再建計画を樹立することには賛成でありますが、新しい計画の中にどの程度の経費節約の努力がなされているかということが問題であります。経費のうちで最も大きな割合を占めているのは人件費で、運輸収入に対する割合は六三%ということになっております。四十一年度に大幅な運賃改定が行なわれましたときには、前年度からその割合がちょっと低下したのでありますけれども、その後短年一%ないし三%の増加をしております。しかし、職員数は昭和三十五年以降十年間ほとんど増加しないで、職員数一人当たりの生産性は上がっておりますので、合理化の努力が行なわれていると思います。さらに、国鉄の新しい再建対策要綱には、四十四年度以降五十三年度までの十年間に要員を十一万人縮減するというふうに計画されております。今後国鉄当局は、労働組合の協力を得て、一そう経営の近代化、合理的の促進に努力されることを望むものであります。  次に、経費のうち昭和四十年以降急激に伸びてきたのが、債務に対する利子費であります。昭和三十八年度末における債務の残高は、六千八百九十億円でありましたけれども、四十年度末におけるその債務残高は一兆一千億をこえ、さらに、昭和四十五年度末には二兆六千億という巨額に達しております。したがって、運輸収入に対する利子費の割合は、三十九年度は六・七%にすぎなかったのでありますが、四十年度には一〇・六%になり、それから、四十六年度には二五・一%に達する見込みであります。四十六年度における国鉄の利子支払い額は一千七百十九億円であります。債務の利子は運輸収入で支払うのは原則でありますけれども、国家も国鉄のような公共的な建設事業に対して、財政援助を行なうべきであると思います。国は昭和四十三年以降、財政再建助成金を支出するようになりましたけれども、金額は少額でありました。しかし、この四十七年度からは十カ年間に工事費の一部に充てるために、約一兆円の出資を行なうということが計画されておりますのは、これはけっこうでありますけれども、債務額の増大を防ぐために、できるだけの出資の増額を望みたいと思います。  それから三番目に、全国鉄が約二万一千六百キロに現在なっておりますが、その中には、営業系数のよい路線と営業系数の悪い路線とがあって、両者がほぼ相半ばしておる。少し営業系数の悪い路線のほうが多いように、統計には示されております。今度の新しい再建対策要綱には、今後五年以内に地方閑散線を撤去すると述べております。ただし、それにはただし書きがついておって「地元が存続を希望する路線については、地元公共団体がその赤字額の三分の一を補助するものとし、国は地方公共団体の支出に応じ、その金額の一・五倍を支出するという、」そういうただし書きがついております。私もこのただし書きの措置を妥当なものとして賛成したいと思います。国鉄は企業でありますから、能率的に運営して経済的に自立するのが原則でなければならない。しかし、国営の公益企業でありますからして、国家の政治的な、あるいは行政的な、あるいは社会政策的な立場からの、いろいろな規制を受けて、これに従わねばならぬということもやむを得ないと思います。したがって、そういう規制からこうむる損害、あるいは収入不足に対しては、国家が補償するのが当然であると思うんです。そういう補償はすでに英国の鉄道公社、西ドイツの国有鉄道、あるいはフランスの国有鉄道でも行なわれているわけであります。地方閑散線の廃止については、いまの公述人の意見の中にもありましたけれども、地方住民の抵抗が強くて、計画どおりの遂行が非常におくれているのが現状であります。元来私は日本人の鉄道に対する執着が少し強過ぎると思います。鉄道の特色は長距離を大量輸送するという点にあるので、その特色を十分に発揮するように体質の改善が行なわれねばならぬと思います。しかし、閑散線の廃止された短距離は、道路を改良してバス輸送にかえる必要がある。そういう努力が国鉄側に行なわれねばならないと思うのです。その他、経費の節約すべき点は多々あると思いますけれども、大きな問題はその三つに期すると思います。  最後に、結論を申しますと、以上私は現在の国鉄財政をながめながら、二、三のことを述べてきたのでありますが、本年度から始まる新しい再建計画が完全に遂行されることを期待して、それに協力する意味で、今度の運賃値上げには賛成するものであります。ただ、一言申し添えたいことは、今度の値上げには負担力主義が十分に加味されているとは思われませんので、今後改定の場合には、負担力の大小によって運賃の引き上げを考慮するということを要望して、私の陳述を終わりたいと思います。(拍手)
  328. 宇田國榮

    ○宇田座長 続いて松岡正一君。
  329. 松岡正一

    ○松岡正一君 ただいま御紹介にあずかりました松岡です。今般衆議院運輸委員長より、国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、意見の陳述方の依頼を受けましたので、以下の三点につきまして、きわめて概括的ではありますけれども、意見を述べたいと思います。  まず、第一番に国鉄の経営の分析、第二点は運賃値上げの反対の理由、三番目は赤字解消の基本的方策について、意見を申し述べたいと存じます。  国鉄経営の分析についてでございますが、国鉄の財政は昭和三十九年度に赤字に転落いたしまして以来、四十五年度末までの七年間に、累積赤字を五千六百五十四億円出しております。借入金は資本金の八十九億一千六百八十三万円に対しまして、その約二百八十八倍の二兆六千三十七億となっておるわけでございます。さらに、四十六年度末には償却前の赤字が一千七百億円、累積赤字は八千億円に達すると見込まれておるようでございます。国鉄は四十七年度から大幅な運賃料金の値上げを行なおうとしておるけれども、その理由は、一口に言いまして、この膨大な赤字をかかえた財政の立て直しにあるとしておるのであります。それではなぜこのような膨大な赤字を出すまでに至ったかを、国鉄の経営を分析しながら、赤字が発生する根源となっている主たる五つの問題点をあげてみたいと思います。  第一番が、高賃金、低能率がもたらす赤字についてであります。国鉄は明治五年開業以来、わが国で唯一の大量陸上交通機関として、独占的な地位を確保して、歴代の政府もその発展に努力し、第三次大戦後の一時期、その再建も危ぶまれましたけれども、昭和二十三年十二月二十日法律第二百五十六号で、日本国有鉄道法が施行されて、それまで鉄道者の事業であった国鉄が、公法上の法人として公社となり、日本国有鉄道が誕生したことは御存じのとおりであります。その公社として発足した時期に、終戦に伴う大量の復員者の収容が行なわれ、これが現在四十六万人もの従業員をかかえ、世界一の大企業になる原因をつくったと言っても過言ではありません。加えて急速な経済社会の発展は、輸送力の確保を要求し、鉄道施設の急増とともに、事業費に占める人件費の比率は年々増加して、昭和四十五年度決算におきましては、人件費が事業費の七三%を占めるようになった。他方運輸収入に対する人件費の比率も六二・八%を占めるようになったのでございます。従業員一人当たり平均賃金は、一カ月約十二万五千円、従業員二カ月平均運輸収入は約十九万九千円。他の企業と比較して、決して低い平均賃金ではないと思われます。一人当たり一カ月平均収入は、一人当たり能率として企業採算面から見ますと、まさしく低能率タイプに属するものと考えられます。すなわち、収入に占める人件費の比率を五〇%に持っていくべきであります。一人当たり一カ月平均収入を少なくとも二十五万円以上確保しなければ、今後国鉄の企業採算はとり得ないものと考えられるのであります。単純計算ですけれども、約九万人が、経営能率面から積算いたしまして、過剰人員と考えられるのでございます。この過剰人員に相当する年間支払い人件費は、約一千三百五十億円と推計されるわけです。これは四十五年度の決算赤字一千五百十七億円の約八九%に当たるのでございます。現状では四人分の仕事を五人でやっている勘定となるので、低能率過剰人員即赤字となっておるのでございます。  次に、地方交通線がもたらす赤字について申し上げます。経済社会の発展から、国土開発の必要が迫られ、地方鉄道の復興整備が行なわれ、これと同時に、国鉄においては、政治主導の地方路線の新設が活発に行なわれて、いわゆる政治路線が誕生したのでございます。それが現在の赤字路線となっていることを見のがすことはできません。いわゆる赤字線の経営成績がどのようになっているか、だれもが疑問するところであります。そこで、方面別に著明な線区を抜粋いたしまして、線区別に経営成績を見てみますと、全国二百九十三線区のうち、百円の収入を上げるのに、経費が五百円以上かかる線区が四十五線区、同じく千円以上かかる線区が七線区、二千円以上かかる線区が五線区もあるのであります。そこで、この赤字線をどうするかについては、しばしば論議が重ねられているけれども、依然として赤字線の建設が続行されようとしているところに大きな問題があるように思われます。特に、昭和四十七年度予算において、鉄道建設費が前年度より五億円増の二百億円が計上されているので、その成り行きを慎重に見守りたいと思います。なぜならば、新設路線の建設が党利党略の具に供せられ、結果として国鉄の赤字を累増することになっては、かえって国鉄の再建を著しく阻害することになるからであります。  次に、輸送分野の変遷がもたらす赤字について申し上げます。戦後十五年を経過した昭和三十五年ごろから、国鉄の担当してきた輸送分野に、大きな変遷が訪れてきたのであります。それは、モータリゼーションの急激な発展により、国内至るところに自動車道路が発達、自動車生産の進展にマッチして、貨車よりトラックへ、汽車旅行よりドライブへと移り変わって、多年にわたって陸上交通機関の一方の長として占められてきた国鉄の地位が、徐々に失われてきたのであります。  旅客輸送の期間別シェアを簡単に申し上げますと、昭和三十五年国鉄五一%のシェアが、四十四年には一七%ダウンいたしまして、全体の三四%。逆に乗用車は昭和三十五年五%であったものが、昭和四十四年には二七%と、二二%アップいたしておるわけでございます。これにも増しまして大きな変化を見せたものが貨物輸送です。昭和三十五年の国鉄三八%、トラック輸送二五%が、昭和四十四年度では国鉄が一九%、ちょうど半分になりまして、一九%ダウンしておるわけです。逆にトラックは三十五年の一五%が、四十四年には三八%となり、二三%の伸び率を示しておるわけです。三士五年に比較しまして、トラック輸送の伸び率は、大体二・五倍の伸び率を示しておるわけです。また、大都市への人口流入が激増するにつれまして、通勤通学輸送の増強が必要となって、その反面過疎地域では利用者の減少から、収入は減少の一途をたどっているのであります。その所要経費は年々人件費の増大に伴って高騰を続けておりまして、勢い赤字路線がふえて、国鉄の赤字額も増大する一方となっているのでございます。  四番目に、借入金利子の増大がもたらす赤字について。国鉄は輸送分野の変革に対応していくための手段として、昭和三十二年から輸送力増強五カ年計画を策定して、毎年その推進に力を入れてきたのでありますが。その計画のずさんさから資金の行き詰まりを来たし、ほぼ二年ごとに計画の練り直しを行なわざるを得なかったのであります。しかも、その間の投資額は三兆円にものぼり、そのほとんどが借入金であったため、利子の支払いに追われる始末となったのでございます。もともと国鉄の資金が過小過ぎる点は問題となっていたのでありますが、日本全国を営業基盤とし、四十六万人の従業員をかかえ、年間収入一兆一千億円の企業として、八十九億一千六百八十三万円では、あまりにも資本金が少額であります。このため輸送力増強のための投資は、すべて借入金にたよることになったわけでございます。その支払い利子は、四十年度六日四十五億円、四十二年度一千十二億円、四十五年度には一千五百二十二億円と、一口当たり四億一千七百万円にも達する支払い利子になっておるわけでございます。運輸収入に対する支払い利息の割合は、先ほど八田先生が申し上げましたので、ここでは省略いたします。けれども、昭和四十年度から大体一〇%を突破いたしまして、四十五年には一三・八%というふうに、借入金の金利のウエートが非常に高まってきておるわけであります。もし、これが民間企業であれば、すでにとっくに倒産してしまっておるところであると思います。  以上のように、国鉄の経常の分析を要約してみますと、人件費の増大、赤字線の増加、輸送分野の変遷に対応する施策の欠除、借入金利子の増大等、多くの赤字原因をかかえているのであります。これに対して政府はいかなる施策を持っていたかというと、全く無為無策で、手をこまねいて赤字増大をながめ、ひたすらその負担を国民に転嫁したと言っても決して過言ではないと考えられるのでございます。かくして、昭和四十五年度決算においては、一千五百十七億円の赤字を計上し、累積五千六百四十五億円という膨大な赤字をかかえている状態となったのでございます。  さて、それでは、三月三十一日に終了した四十六年度決算はどうなるのか。その見通しはまことに悲観的で、国鉄始まって以来、最初の償却前赤字を計上することになるであろうと推測されているのでございます。  次に、国の施策の欠除がもたらす赤字につきまして申し上げます。国鉄が国及び国民にとって、不可欠の公共企業体であるとしたならば、国と国民の要請による輸送力の増強、そのための設備投資については、国が資金の援助をはかることが当然であると思われます。にもかかわらず、政府は国鉄が独立採算制であることを理由としまして、また、受益者負担の原則をたてにして、利用者である国民に対し、運賃値上げを強要して、財政的援助に積極性を欠いているのでございます。それのみか、政府は総合交通政策の立案を公約しながら、少しも努力をせず、また、国鉄が総合交通体系の中において占める位置づけを検討することすら怠ってきております。時代の趨勢に対応できる国鉄をつくり上げずにおいた国の責任は、まことに重大であると言わざるを得ないのであります。政府は、昭和四十四年になって初めて国鉄再建計画案を策定し、国鉄運賃を二〇%値上げする国鉄運賃法の一部改正案と、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法を国会に提案したのであります。かくして政府は、再建再建法によって若干の財政再建助成の処置を講じましたけれども、この再建計画が、国の助成不足、総合交通政策の立場から見た国鉄の抜本的再建政策という基本的理念に欠けておりますので、初年度から計画に狂いを生じまして、三年にして画餅に終わったのであります。しかるに、政府はその失敗にも何ら反省するところなく、昭和四十七年度を初年度として、新たに再建十カ年計画を立案したのであります。その内容は、財政援助のワクを広げるほか、四十七年、五十年、五十三年の三回に、平均約二四%の運賃改定のほか、五十六年度にも約一〇%の運賃値上げを見込む新再建案で、これと国鉄運賃法の一部を改正する法律案を、二月二十八日に国会に提出しているのでございます。  次に、運賃値上げの具体的な反対の理由を申し上げます。一番、物価と他の交通料金に他上げをもたらすので反対をいたします。今回の運賃値上げによる消費者物価指数に占めるウエートは一・五四%といわれております。経済企画庁でも、消費者物価指数の上昇を認めざるを得ないので、物価上昇の寄与率を〇・五%としておるけれども、はたしてその程度で済むか、はなはだ過去の実例から見て、疑問と思われるのであります。それのみか、国鉄運賃の値上げが他の交通機関の運賃値上げの主導的役割りを果たしていることは、衆目の一致するところであります。すなわち、営団地下鉄は二キロ四十円と、三八・二%の値上げを、航空料金も国鉄運賃に見合う申請をしております。その内容は、幹線ルートを二〇・六%、ローカルライン二二・六%と、はなはだ高率であります。六大都市のタクシーはすでに二月五日より、福岡市は四月十日より、それぞれ大幅値上げを断行し、市民のひんしゅくを買って、利用者の激減をもたらしていることは御存じのとおりであります。その他大都市の直営交通機関も一斉に値上げに踏み切り、この秋までには、全交通機関の値上げが実現するおそれがあると考えられるのでございます。このように、諸物価の値上げとともに、他の交通機関に値上げの口実を与える等、国民の経済生活に直接悪影響を及ぼす今回の国鉄運賃の値上げには、強く、反対するものでございます。  次に、私鉄運賃との差が拡大するので、反対をいたします。私鉄は昭和四十五年十月、世論の猛烈な反対を受けながら運賃値上げを行なったので、目下のところは鳴りをひそめております。しかしながら、国鉄運賃の値上げが実現すると、必らず値上げ攻勢に転じてくることは、過去の例を見てもきわめて明白であります。一例をあげてみましても、一カ月通勤定期で、現行国鉄運賃より私鉄が安いところは軒並みでありますから、国鉄が大幅値上げをすれば、さらにその差は拡大するわけです。国鉄値上げ案によりますと、一キロ当たり五円十銭になるのに対しまして、私鉄は平均賃率が四円一銭でありますから、私鉄の値上げ攻勢が行なわれることは明らかと考えられるのでございます。これでは被害者は常に国民であり、国民生活に及ぼす影響はけだし甚大と言わざるを得ません。  次に、今回の値上げによって、国民に還元されるものが何もないので、反対をいたします。今回の運賃値上げによって、国民に何が還元されるでありましようか。サービス改善や、輸送力の増強が、はたして実現するであろうか。答えは、残念ながらノーと言わざるを得ません。私ども国民の間にも、国鉄財政が悪化している程度の理解は持っております。しかし、国鉄財政悪化の原因は、さきにも申し述べましたように、国鉄の無謀な借入金政策、放漫な経営姿勢、赤字線対策の欠陥、国の総合交通政策の欠除等にあるというべきで、あげて政府と国鉄にその責任が帰せられるべき性格のものであって、国民が背負うべき原因は皆無であろうと思われるのでございます。新国鉄再建計画は、当初、赤字線の整理を一つの柱としていたけれども、地方自治体の合意がなければ赤字線の整理は認めない方針に変わりました。そのため、国鉄の再建が根底からくずれる結果となったと聞き及んでおるのでございます。したがって、今回の大幅運賃の値上げは、単なる赤字補てんのためであって、われわれ国民が強く期待しているところのサービスの改善、輸送力増強は不可能であると考えられるのでございます。それのみか、国の総合交通政策が欠除のまま、国鉄運賃の値上げを行なうことは、かえって貨客ともに自動車輸送に転移する傾向を助長することになると思われ、その結果、道路交通の悪化を招き、交通災害を誘発するばかりでなく、他の交通機関に及ぼす影響も軽視できないと思われるのでございます。  次に、赤字解消の基本的方策について申し上げます。国鉄は企業努力に徹すべきである。国鉄がまず第一に手をつけなければならないことは、国鉄自身の体質改善であり、企業努力に徹することあでります。よく国鉄一家といわれるように、外部に対しては鉄の団結を誇っている国鉄も、一皮むけば全く自己意識の強い、自分の立場さえ守ればいいというエコイズムの体質を、そのまま持っておるものと思われるのでございます。石田前総裁は、前だれ商法を説いておられました。それは長年財界人として商売に徹してきた根性がそうさしたものと思われます。前総裁が口を開くたびにそれを唱えても、ついに国鉄の体質は変わらなかったのでございます。国民のための国鉄として、公社という公共企業体として、どう日常業務に取り組むべきか、石田前総裁は苦心したけれども、結局だめだったのであります。それは国鉄九十四年の歴史が、国鉄マンの体質を型にはめてしまっていると言えるのでございます。しかし、膨大な赤字をかかえている国鉄が、このままの体質を持続するとしたならば、幾ら政府から財政援助をしてみても、ざるに水のたとえの言うとおり、いまこそ国鉄は、総裁以下全従業員が火の玉となって再建に取り組むという姿勢を、国民の前に示さぬ限り、国民の理解と協力を得ようとしても、とうてい国民の理解は得られないであろうと思われるのでございます。累積赤字を解消するための一つの手段として、国鉄所有地のうち、不用地、未利用地が、全国で七百五十四カ所あるというふうに聞いております。これをまず換金処分することだと考えるわけでございます。このいわゆる不用地を処分いたしまして、累積赤字の補てんにまず回すべさではないか。さらに、福岡市の郊外の志免炭鉱のあとの用地にいたしましても、あるいは北海道にあるところの国鉄の土地にいたしましても、もうすでに用途廃止がきまっておるにもかかわらず、そのままにしておる。先ほど陳述者の方からも言われましたけれども、固定資産税の納付をそのまま続けておるわけですけれども、市町村納付金という形におきまして、これに対して国鉄の赤字経営の現状から見て、納付金の減免の申請をするなどの努力が、はたして行なわれたかどうか。国鉄はまずみずから部内の総点検を実施して、むだを排除して、企業経営に対する真剣な取り組みを実行すべきであります。国の助成の拡大につきましても、先ほど申し上げましたように、四十七年度の助成は一千九十七億円と記憶いたしますが、これとても現在の赤字から見ますと、焼け石に水とさえ思われて、特効薬とまではいかぬように思われます。  われわれ国民が値上げによって余分に支払う金額は、一日当たり四億九千万であります。一年間で約一千七百八十八億円であります。したがって、政府の助成より約七百億円、国民が負担する金額のほうが多くなっておるのでございます。政府は国鉄に対して大幅な財政援助をすみやかに実施すべきだろう、こういうふうに考えております。  私の考えは、先ほど反対反対と申し上げましたけれども、国鉄のほうで当然払うべき努力を怠ってこの値上げをすることについては反対であります。したがって、結論から申し上げますと、条件つぎ反対と、こういう形でございますので、結論を申し上げまして終わりたいと思います。(拍手)
  330. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に、前田研一君。
  331. 前田研一

    ○前田研一君 私は、国鉄財政の新しい再建のために、その一環としての今回の国鉄運賃の値上げは、将来を含めた国鉄の使命の重大性ということを考えますときに、やむを得ない措置として、条件つきの賛成の意見を申し述べたいと思います。  申し上げるまでもなく、深刻化していく国鉄の赤字財政の問題は、私にとっては、言うなれば、もう古くて常に新しい問題だというふうに考えております。しかも、現在ではおよそ企業としては考えられないような、膨大な赤字の実態を示しております。国としても、もはやこれ以上放置できない非常事態であろうかと思います。このような危機の様相につきましては、毎年度の監査報告あるいは各地の委員会、あるいは審議会というようないろんな場ですでに明らかにされておりまして、そのつど危機が訴えられ、その対策についてもりっぱな御意見や御提案はすでに出尽くしているという感じがするわけでございます。しかしながら、問題はその対策の実施にあたって、どういうものか国鉄自身も真剣に努力されておるようでございますけれども、残念ながらその実際の効果というものは、納得して見受けることが少ない。のみならず、経営内容は、かえって逆に、最近ではますます悪化するというような状態になっておることでございます。このたび昭和四十七年度の予算編成にあたりまして、きわめて注目すべき国鉄財政新再建対策要綱というものが作成されておりますが、緊急事態に対処する当然の処置とはいいながら、私は関係各位に対しまして深く敬意を表するものであります。この新しい再建要綱を拝見いたしますと、政府・自民党、国鉄、それぞれのお立場から、もはや猶予を許されないきびしい認識の上に立って、従来に見られなかった姿勢と意欲が見られ、なみなみならぬ決意を持って国鉄再建にあたられる積極性が、大筋として伺われるというものだと思います。すなわち、画期的な大幅な財政による援助措置、国鉄自身を主体とする合理化、近代化の推進、こういうものはすべて一歩前向きの態勢が出ておるものと思うのであります。今後財政援助は当然拡充されていくでありましょうが特に、私はこの対策要綱の中でも、地方閑散線の整理の問題、国鉄要員の大幅な縮減の問題、これは国民が注目するその焦点であろうかと思います。その円滑な遂行ができるかどうかということは、この再建計画自体の成否を握る柱であり、かぎであると私は思うのであります。私はここで非常に大事なことは、このたびの対策をいかに見るかということでございます。この再建対策そのものは、まさか単に従来の計画、あるいは対策の更新、あるいは単なる改定版というような安易な理解では、もはや済まされない性質のものであろうかと私は思います。これこそ私は、まさに国民の前に示され、国民にお約束する国鉄再建最後の非常対策ともいうべききびしい理解が、政府並びに国鉄当局、今後の推進の中における大前提でなければならないと、このように考えるのでございます。特に国鉄当局は、みずから労使一体となって、意識改革というものに徹し、非常措置としての基本線を、今後この要綱に基づいて具体的計画をつくられる中で、この基本線を貫徹せしめること。総力をあげてその目的完遂に率先して邁進されることを、特に私は切望するものでございます。こう申しますのも、今日のような財政危機を招いたいままでの国鉄をめぐる環境、あるいは国鉄の体質、内容をしろうとなりに率直に概観してみますと、常識では考えられないような大きな矛盾が、現実問題として混在、雑居、錯綜して、国民に対してまことに複雑怪奇な存在として、印象づけられているような感じがあることでございます。片っ方では、世界に冠たる新幹線というものを持ちながら、一方では多くのローカル赤字線をかかえておる。しかも、この赤字線は廃止という方向にありながら、一向にその進捗を見せておらぬ。しかも、新しい赤字承知のローカルラインが、現在なお次々に建設されているという現実がございます。  また、国鉄列車の運行の正確性、あるいは安全性というものに対する強い信頼感があるかと思えば、一方では貨物輸送の立ちおくれから、貨物がトラックに逃げていく、あるいは労使紛争による利用者が犠牲になるというような、信頼感とともに、また一方には強い不安感、不信感というものもあるわけでございます。また、地方ローカル赤字線の建設には、政治に弱い国鉄の主体性に欠けるところが見られる。国鉄の公共性がいささか政治的に逆用されておりはせぬかという気配も、われわれは見せつけられるのでございます。このように、発展性と採算性というものが一方にありながら、大きな非採算性あるいは衰退の分野というものを持ち合わせておる。強い信頼感があるかと思えば、根強い不信感もある。国鉄に対して同情すべき点があるかと思えば、絶対に同情できない点がある。国鉄百年の長い歴史の中で、輝かしい栄光の功績とともに、惰性として国鉄の体内に累積された多くの矛盾が、結局現在の瀕死の状態をつくり出したというふうに思わざるを得ないのでございます。言うなれば、いまの国鉄という世帯は、公共性と企業性のいずれにも徹しきれなかった。中途半ぱなままで、マイナスだけを集中的に背負い込んでおるということに対して、国民の一人として多くの疑問を与えておるのでございます。したがって、この点につきましては、政治にあずかる方々、あるいは国鉄当局、政府は、反省すべきところは十分この際反省せられて、このたびの国鉄再建の第一歩を踏み出すに際しまして、いままでの姿勢をまずまずということが非常に大事ではないか。また、今後の実行にあたって、特に赤字線の整理、廃止、その方向につきましては、政治、行政が、むしろそのブレーキになりはせぬか、あるいは壁になりはせぬかという懸念さえも、私は持つわけでございます。したがって、こういう放漫な経常をこれまで許してきた国鉄の周囲というものに対して、法律並びに制度上でぜひ必要な改正すべきところがあれば、この際徹底的に再検討されることが、私は必要であろうと思います。また、国鉄自身も、名実ともに労使一体となって、協調の姿を一日でもいいから、国民の目の前に見せていただきたい。そういう責任のある自覚を持って、いままでの異常な肥満体というものを、みずから分析あるいは改造して、国民の目に映る疑問というものを一掃していただきたいと、私は念願するものでございます。  このようなことが前提になり、あるいは修正されることによってのみ、実質的な国民の理解と協力というものが得られるのではないかと思うのでございます。  今回の国鉄運賃値上げの問題は、経済的あるいは社会的に見て、あるいは国民生活上における心理的な影響は、決して軽々しく扱うべきものではないと思います。しかしながら、長期的に見て、国民にとって必要な国鉄の再建を目ざすその第一歩を形づくっていく、あるいはその基礎づくりの一環として役立つことであれば、可及的すみやかに本格的な国民へのサービスが向上するものであろうということを切願し、期待してやまないものでございます。以上をもって私の条件つき賛成の意見を終わります。(拍手)
  332. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に、黒田澄人君。
  333. 黒田澄人

    ○黒田澄人君 御紹介にあずかりました福岡地方同盟の書記長をやっております黒田でございます。  すでに五人の陳述人の方々から、かなり多岐にわたって、それぞれの意見の開陳がございました。私も、その中にかなりの部分重複する部分がございますので、若干重複を含めまして、次のように、今回の公聴会において陳述を求められました、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道の財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、反対の立場から意見を述べたいと思います。  まず、私は、一般的に公共料金はただ単に押えるのみでは、必ずしも今日の経済社会情勢において当を得たものではない、こういうふうな考え方は持っております。しかし、そしてまた、場合によりましては、三方一両損的なことも必要かとも思っておるものでございますけれども、今回のこの法案につきましては、先ほど来者陳述人から述べられましたように、全く重症的な国鉄の実情、すなわち、昭和四十六年度の末においての累積赤字が八千億円をこえておる。同時にまた、長期債務が三兆一千億にも達しておる。こういった実情からいたしますれば、私は単に先ほど申し上げたような立場から、これに賛成するわけにはまいらないのでございます。特に、先ほど来言われておりますように、本年度の助成金が一千百八十億円、工事費の政府補給金が六百十六億円とかいわれておるようでございますけれども、こういったことも、国民の足と貨物その他を基幹的に確保するという立場からは、いまなお不足であるというふうに考えておるわけでございます。先ほど来言われましたように、この不足金の問題等につきましては、当然西独あるいはフランス等のごとき助成があってしかるべきではないかというように思いますと同時に、先ほど来の、いわゆる累積の赤字等につきましては、当然この責めを持っております政府の肩がわりが必要であるというふうに、主張するものでございます。このようにいたしませんと、先ほど来述べられておりますように、私は、とても今回の国鉄の再建はおぼつかないであろうというふうに考えておる者の一人でございます。  同町にまた、先ほど来から言われておりますように、国鉄は確かに過去百年間、国民のいわゆる足となり、それから、輸送の動脈として今日までの役判りを果たしてまいりました。しかし、漸次その役割りから遠ざかろうとしておることは、私は国民の一人としてはなはだ遺憾に思うわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げますように、累積赤字の肩がわりと、政府の大幅な助成によりまして、早急にこの国鉄が再建されますことを、私としては強く要求いたしまして、そういったことができました暁には、必要によってはそれぞれの受益者負担的な立場から、これを負担する改正があっていいと思うわけでございますけれども、現時点では、いま申し上げましたような立場から、反対をするものでございます。  第二の問題といたしましては、新規工事に関する問題でございます。先ほども言われましたように、今日の政府は、私どもから言わしめますれば、全く無為無策といいますか、総合的な交通政策については、国民に理解と納得をさせる施策を講じていない、こういうふうに断じるものでございます。そういった立場から、各種の交通政策は混乱いたしておりますし、それぞれの施策は後手後手になっておるということを私どもとしては言わざるを得ない立場にございます。特に私鉄、トラック、航空、さらに海上輸送、こういった各種の交通運輸政策等が、いわば若干ばらばらになっておる。そして、国民の足と、それから、それぞれの幸福を維持、改善できる立場に必ずしもなっていない、こういうふうに思うわけでございます。したがいまして、こういった総合的な対策を、私どもとしては早急に望むわけでございます。そういった中におきまして、新幹線あるいは都市周辺等に対します新しい工事などが行なわれておるわけでございます。これはおそきに失したとはいえ、それぞれの必要な部分であるわけでございますので、そしてまた、この新枠線並びに都市周辺の新規工事とは、いわば採算ベースを中心にいたしまして、総合的な立場から必ずしもやられていないように、私どもとしては感じるわけでございます。したがいまして、いま申し上げますような新幹線や、都市周辺の工事の問題等につきましては、いわば総合的な立場という点から、政府の助成をさらに強く求めるものでございます。たとえば、私がお聞きしましたところによりますれば、現在新規工事等に対します金利の補給を、四。五%以上について行なっているというふうに伺います。この分につきましては、少なくとも三・五%以上について、これを政府の補給とすべきではないかというふうに思うわけでございます。  さらに、次の点でございますけれども、先ほども言われましたように、政治路線の徹底的な廃止、停止でございます。いわゆる政治路線は、すでにマスコミなり、国民から非常に強い批判を受けておるにもかかわらず、まだまだなかなかその影をひそめていないように思うわけでございます。このことは先ほども触れましたように、いわば党利党略、あるいはまた、一部の政治に携わられる方々等の、いわば票集め、あるいはその地元に対しこびを売る、こういった点からなされておる節があるわけでございまして、このようなことは、厳に国民の名において停止し、やるべきでない、こういうふうに感じるわけでございます。そしてまた、赤字線の問題について若干触れますならば、実は、四十三年九月に国鉄に対しまして八十三路線二千六百キロ程度を廃止するように、答申があったというふうに承っております。しかし、今日まで現に廃止されたものは、わずかに九線というふうに承っておるわけでございますが、先ほども触れられましたように、野元さんからの御発言がありましたが、特にこの福岡地区等におきましては、いわば筑豊その他が今回の三月十五日以降の、いわゆる新幹線の岡山乗り入れということに関係いたしまして、大幅にローカル線の、実は、廃止がございました。このことにつきましては、私どもも、働く者の立場、あるいは地域住民の方々との関係等もございまして、門鉄当局に陳情あるいは要請、さらに抗議、こういったことを続けてまいりましたけれども、残念ながらこのことについては十分の聞き入れがございませんでした。多くは差し控えたいと思いますけれども、そういったことで、ローカル線の廃止がいわば地域開発などとの関係で十分にいかない。同時にまた、この地域開発とローカル線の廃止等については、総合的な立場から行なわれていない。地域住民か反対する理由は、代替線の具体的な実現がないために、私は起こってきておるというふうに思います。したがいまして、具体的には、地域ローカルを廃止してもいい条件をまずもってつくって、そのあとにローカル線その他を廃止する、あるいは間引きするということが必要ではないかというふうに思うわけでございます。具体的には、総合的な交通政策をいち早く、具体的に実現をしていただきたい、こういうふうにこの席を借りて陳述をするわけでございます。  さらに、第四点でございますけれども、物価との関連について述べたいというふうに思います。先ほど来各陳述人から、この点について言われておったわけでございますが、今日単にこの国鉄料金のみでなく、物価の問題につきましては、内政的には最も大きく国民が希求し、そして解決を望んでおる問題であるというふうに考えておるわけでございます。このような中におきまして、今次の法案につきましては、いわば二四%も大幅に値上げをするという案のように承るわけでございます。そうなりますれば、先ほど企画庁の試算等についての数字の指摘もございましたけれども、過去の経験からいたしまして、国鉄の料金が値上げされれば、私鉄その他諸物価の騰貴を見るということは、全く火を見るよりも明らかであるというふうに思うわけでございます。まして、今後三年ごとにこの料金を改定するということになりますれば、全く安易に、私ども国民に対する物価問題及びこの経営責任等を国民に転嫁するものである、こういうふうに断じるものでございまして、この点についても強く反対をするものでございます。  第五の点について申し上げたいというふうに思います。今日日本は、いわば政府も、それから、地方自治体も、与野党を問わず、国民福利の増進、人間優先の政治を唱えておるわけでございます。私どもこのことについて全く同感でございます。しかしながら、今回のように国鉄の料金が値上げされるといたしますれば、たとえば、レジャーその他も含めまして、経済、文化、私どもが人間的な生活を営んで、よりよい生活を返りたい、こういうふうな希望を踏みにじるものではないかというように思います。私今回の陳述に参りますために、ホテルその他の御意見等も若干聞いてまいりましたが、この料金が値上げされるとすれば、かなりの旅客その他が減るのではないか、こういうふうに言われておるわけでございます。私も同感でございます。今後は人間優先の政治をするということになりますれば、この点についても、十分の配慮が必要ではないかというふうに思うわけでございます。  最後になりましたけれども、若干国鉄の労使関係について触れたいというふうに思います。実は、先ほどの松岡陳述人のほうから、若干労働組合の、あるいは働く者の賃金についての御意見がございました。実は、そのことを直接意識して出てまいりませんでしたけれども、働く者の代表といいますか、そういった立場から出ておりますので、少しく反論を述べて、明らかにしておきたいというふうに思います。実は、私どもの調査によりますれば、高卒で二十五歳の人、勤続七年でございますけれども、この人の賃金が四万五千円、四十歳、勤続二十年で七万八千円程度になっているという調査になっております。こういった立場から、先ほども申し上げます、政府の、いわば無策の結果、諸価物が上がっておるわけでございまして、私どもが、家庭を含めて、働く者の立場を十分改善向上させるという立場からいたしますれば、今回の賃金はよりよく、より高く上げていかなければいけないということで、今日交渉を持っておるわけでございます。しかしながら、残念なことには、国鉄当局、その他国も含めてでございますけれども、まだ国鉄の経理状態がきわめて悪くて、支払い能力がないから、他の公社、現業並みのものを払う必要はない、あるいは具体的に今日まで回答があっていないという状況にございます。けさほどの新聞を見ますならば、実は、昨日の、いわばストライキその他の影響も含めまして、三億八千万の払い戻しがあったということが伝えられておるわけでございます。こういったことは、私どもからいたしますれば、全く自主性を欠いて、政府並びに当局者が具体的に働く者の賃金、その他労働条件に対する解決案を示すべきで、あろう、こういうふうに考えるわけでございます。私どもの立場に立ちますれば、今日、いわゆる過密のダイヤの中で、人命と財産その他を、いわば国の基幹的な輸送部門として引き受けて、かなりきびしい労働条件の中で労働をいたしております立場からいたしますれば、当然適正な賃金が支払わるべきでございましょうし、同時に、他の部門同様の労働条件の改善、向上が必要であるというふうに思います。こういったことがなからなければ、私どもとしては、国民の希求する国有鉄道の運営はできないというふうに思うわけでございます。こういった中におきまして、若干労使間のトラブルがあるというふうにいわれておるわけでございます。私もそのことについては、立場上いささか承知しておりますけれども、私どもは、今日国鉄当局が十分その労働組合の主張に耳を傾け、そしてまた、事前協議その他を自信と確信を持ってやることによって、先ほど言われました技術革新なり、企業の合理化等については責任持って提案をされ、臨まれて差しつかえないのではないかというふうに思います。具体的に職場管理の徹底と、職場秩序の維持の問題等につきましては、実際国鉄の職員の中にも、多くそのことを受け入れる要素のある人たちがいらっしゃるというふうに、私どもとしては判断をいたしております。先ほどから述べられましたように、そういった労使間の、いわゆる正常化、管理の確立と同時に、職場秩序を維持されるように、そして、維持ができるような姿勢と提案を、国鉄当局等に望むものでございます。そういった立場から、国鉄の労使が心を一にいたしまして、国民のためのサービス、国民のための国有鉄道として今後運営されることを、強く望むものでございます。そういったことができますれば、私どもが希求いたします今後の国有鉄道が、実現するものというふうに考えるわけでございますが、以上内閣提出の第四十二号の法案に対しましては、反対の立場で私の陳述を終わりたいというふうに思います。以上でございます。(拍手)
  334. 宇田國榮

    ○宇田座長 以上で御意見を述べられる方々の意見の開陳は終わりました。  なお、午後一時まで休憩をいたします。     午後零時十分休憩      ――――◇―――――     午後一時開会
  335. 宇田國榮

    ○宇田座長 休憩前に引き続き会議を開きます。  派遣委員の質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
  336. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 本日は陳述者の皆さま方、たいへんお忙しい中を、われわれの国鉄問題に対する公聴会といいますか、現地調査会に対しまして、それぞれの皆さまがそれぞれの立場から非常に貴重なる御意見をお述べいただきまして、私たちたいへん得るところがありました。今後東京に帰りまして、国会で審査いたします場合に、皆さま方から陳述いただきましたそれぞれの線をさらに一そう中央で掘り下げていきたい、このように考えておる次第でございます。ありがとうございました。  恒例によりまして陳述者の皆さま方からいろいろ詳しく御意見をさらに聞かしていただきますわけでございますが、その前に、私は御存じのように自由民主党でございます。きょうの陳述された多くの皆さま方の中でわれわれの胸を非常に強く打ちましたのは、「政府与党はいままで何をしておったか」ということばがそれぞれの皆さま方から出ました。おっしゃるとおりでございます。今日、国鉄をこのようにいたしました大きな責任を痛惑いたしております。また、それであるがゆえに今回の再建案というものにわれわれもいまだかつてない努力と馬力をかけてきたわけでございます。  考えてみますと、昨年の六月から二百時間になんなんとする、自民党内だけでのそれぞれの大激論を展開してまいりました。また、国会内におきましては、半運輸委員会の中に国鉄問題小委員会をつくりまして、これははっきりした数字は出しておりませんが、四、五十時間にわたりまして、各党の先生方と円卓会議を開いて問題点を浮き出させ、そしてその問題点に対する各党の考え方を出していただくという方法で国鉄再建問題等もやってきたわけでございます。そして昨年の十一月ごろに各党の国鉄再建に対する考え方、あるいは自民党の場合は加藤六月私案、私個人の案として国会へ出し、それを各党でそれぞれ議論し合うというかっこうを取ったわけでございます。たとえば、先ほど来出ました三兆一千億になんなんとする国鉄借り入れ金の内訳を詳しくやりました。政府関係一兆四千億、その他一兆七千億というように分けて、この借り入れ金の増大をどうやって防ぐかといった問題あるいはまた地方閑散線の問題、あるいはまた建設線の問題、あるいは国鉄の企業努力、合理化の問題、十数項目をあげまして、それに対し真剣に議論してきたわけでございますが、本日の皆さま方の御意見等承って、われわれも非常に足らなかったという点も思うわけでございますが、これは先ほど松岡さんからも具体的数字をあげて御説明いただきました。感謝しておるわけですが、私たちが今回の再建案をつくる場合に一番苦慮しましたのは、はたして五十六年までに完全な意味での再建ができるかできないかという点と、昭和四十四年に作成しました再建計画がなぜ失敗したかという問題と、両方から掘り下げていったわけでございます。  まず申しますと、四十四年の再建案が最大の失敗であったと加藤六月、私個人が判定いたしましたのは、収入が思ったよりか伸びがない、少ないということが一点でございます。また第二点としましては、国鉄職員のベースアップというものが、大ざっぱに申し上げまして四十四年の再建案では九%にしまして計算いたしております。御存じのように一円%、一五%の職員のベースアップが行なわれてきたわけでございます。念のために申し上げますと、一%のベースアップを国鉄職員が行ないますと新しい財源として八十五億要ります。一人あたま千円のベースアップを行ないますと百三十五億要るわけでございます。昭和四十四年に実収一五%増を目標としまして、運賃改正等も再建案と同様に行ないましたけれども、その増収は年間千三百五十億でございます。ベースアップ分が年間大体一千億円ずつふえてくるわけであります。しかも、ベースアップは来年は複利計算としてその上にさらに十数%のベースアップというのが重なってまいります。運賃収入は六%ないし五%前後しか年々伸びておりません。そういうところにも私は大きな破綻があったと思います。またあのときにも言われましたように、政府の財政援助が少なかったという点も強く反省します。四十四年のそういう多くの反省のもとに立ちまして、今回やってきたわけでございますが、われわれが国会で議論し、また党の中で議論しました場合に、きょう陳述者の諸先生方からあまり触れられなかった点で公共負担という問題がございます。先ほどの陳述の中に石田前総裁のお話しがございましたが、石田前総裁は日本国有鉄道法が昭和二十三年に成立して以来、国鉄は一兆八千億という公共負担をしておる。これは本来なら国が応援すべきものである。それを国鉄に一方的にかぶらしておる。御存じのように通勤通票の定期、学割りを中心とする多くの問題、あるいは後藤さんからお話しございましたが貨物問題、こういうところに国鉄は多くの公共負担を実施しておるわけであります。私たちはどうやってこの公共負担を是正するかという問題も実は議論いたしたわけでございますが、これに対しまして、きょうあまり陳述の中に出てこなかったので、承っておきたいと思うわけでございますが、後藤さんと野元さんにひとつ簡単に、国鉄が本来は法律できめてある料金あるいは運賃をそのままもえらばいいのに、それ以上に割り引きをしておる。これがたとえば通学定期でいいますと、年間二百八十億円割り引きをいたしております。通勤短期でいいますと年間八十億ほど、きょう私、資料も何も持ってきていないんで数字が若干狂いがあるかもわかりませんが、通勤定期で申し上げますと八十億ほど割り引きしておる。学生割り引きを例にとりますと、これなんかも十二、三億円割り引きをしておる。これは本来国鉄がもつべきものでなくして、国かあるいはそれを解消する方法としては受益者と国と両方が負担していくべきではないか。その累積が一兆八千億に実はなって、これは数字にあらわれておりません。今日、出てきておるところの借り入れ金、あるいは累積赤字にその一部分があらわれてきておるわけですが、これはどういう方法で今後解決していったらいいだろうかということにつきまして、もし御意見ございますなら、後藤さん、野元さんにちょっと承りたいと、こう思うわけです。
  337. 野元勇吉

    ○野元勇吉君 学割りの問題で御意見をということでございますが、いわゆる教育の問題と関連がありますし、この問題については当然文教予算の中で考えなければならない問題ではないのかというふうに私は考えます。国鉄自体がきめられた運賃を割り引きして単割りをしておる。ただ考え方は、私は運賃を一〇〇%徴収をするという前提に立たなければならないとするならば、今日実施されておるこの学割りの八十億にもなるということでございますが……。
  338. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 二百八十億、年間。
  339. 野元勇吉

    ○野元勇吉君 二百八十億ですか、これらの金額については当然国の教育予算の中から助成をすべきである。こういう考え方を持っております。以上でございます。
  340. 後藤肇

    ○後藤肇君 私はちょっと、いまと違う考え方を持っております。大体、大学等にやるところの家庭は、ある程度私は地方におけるやはり裕福な家庭、そうばかりはいきませんけれども、裕福な家庭も多いのじゃないかと思います。ところが、いままでの学生割り引きというのは、これはちょっと常識で考えたときに、私は先ほど申し上げましたが二十幾年貨物協会に関係しておりますが、あるときにこういうことを言ったことがあるんです。まあ皆、笑い出しましたが、あれは「割り引き」でないで、「引き割り」じゃないか、ということばを使ったのでございます。割り引きというようなものは、おおよそそれに対する引くパーセンテージというもの、これが割り引きの根源をなすものじゃないか、こう思うのです。それがパーセンテージも何もない、頭からもう、あれは何十%ですか……。
  341. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 八三%。
  342. 後藤肇

    ○後藤肇君 八三%ですね、これは割り引きなんかという問題じゃ私はないのじゃないかと思っております。そうすると、若い人からお叱りを受けるかもしれませんけれども、私は出すべきことは、やはりある程度のことは出す。そしてなおかつあれなら国が補助もする。これが私は割り引きに対する当然の行き方ではないかと思っております。  それからもう一つ、先ほど私ははっきり今度の値上げに対する賛成も反対も申し上げておりませんが、これは私は再びたしか言うたように思いますけれども、年を取って少しもうろくしたんじゃないかと思うんですが、私はこれはもう万やむを得ないのではないか。かように思っております。  それから私ども、いなかにおりまして、見るのはもう新聞あるいはテレビにおいてこれを知るだけでございますが、私は国会がほんとうに国のため、国民のためを思ってくれておるんだろうかという疑問を抱くことがたびたびあるんです。だから、きょうとは関係がないようにありますけれども、やはりこの運賃改正におきましても、そういうことをひとつ皆さんお考えを願いたい。私は万やむを得ないのではないかと思います。  それから本日は新聞記者の方々も大ぜいお見えのようでございますが、私の若い自分には新聞記者というものは天下の木鐸なりと……。私は、昨日、二十二日に東京に、御手洗辰雄氏が私の友人ですので、金婚式で行ってまいりました。大ぜいまいっておりましたが、私はそこでは申しませんでしたけど、いつも話すんですが、どうも新聞が少し片寄り過ぎとるんじゃないかな、というような、しろうと考えですよ、そういう気もいたすんです。今度の議会におきましても、外交問題が問題になりましたけれども、これもどれを見ましても言論の自由、報道の自由、知る自由ということを申しておりましたけれども、いまになってみるとまたいろいろ様子が違ったようなことを、これは私の読み違いか、聞き違いかわかりませんけれども、出ておる。そういうぐあいでおりますので、どうかひとつ、もう私も七十五歳です。あまり長くはないと思いますが、せめて死ぬるまで日本がほんとうにいい国じゃと、いい国になったということを知って私は冥途の旅立ちをしたい。こういうぐあいに思っております。どうかよろしくお願いいたします。
  343. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 ありがとうございました。その次に、きょう、各陳述していただきました皆さま方から、総合交通政策あるいは総合交通体系という問題についていろいろ御意見を承りました。自民党並びに政府は昨年総合交通体系をつくり上げました。ただ、つくり上げましたけれども、党の分と政府の分は若干違うわけでございますけれども、これもわれわれの苦衷を申させていただきたいと思います。  たとえば、昭和六十年度におけるわが国の自動車保有台数は幾らになるかという問題が出てくるわけであります。昭和六十年度のわが国の輸送体系における鉄道の占める分野、バス、トラック、自動車を含めた自動車の占める分野、航空機の占める分野、船、いわゆる海運の占める分野の想定を出すということにいたしましても、大激論がこれまた数十時間を通じて行なわれたわけでございます。たとえば、自動車の保有台数の想定にいたしましても、経済企画庁と建設省と運輸省、自動車の生産を担当いたす通産省、この四つの役所から出てくる数字に実は開きがある。ある役所は四千二百万台という。ある役所は三千八百万台という。ある役所は三千九百万台という。それぞれその自動車台数の査定一つにつきましても、それだけの違いがある。これは政府の統計上の出し方に問題もあるわけでございますけれども、これはまたある面では役所のセクショナリズムも働いておるわけであります。これを調整し打破していくのがある面でわれわれ国会議員の責任でございますが、昭和六十年を目途としてのそういう想定をやり、鉄道の占める分野ということ、道路の任務という問題、それぞれにつきましてやっていきますと、これまたたいへんなことであります。言うはやすくしてなかなかむずかしい。われわれはつくるほうでございますから、批評するほうじゃございません。そこでそれを一つずつ俎上に上げ、道路建設費がキロ当たり幾らするか、あるいは用地費が、一億円の金を出した場合、東京都内で道路建設をやる場合には九六%が用地費に消える。全国平均でいくと五四%が用地費に消える。こういった問題まで出してきて、総合交通という問題に取っ組んでやってきたわけでございますが、その中できょうの陳述の皆さま方は国鉄の占める問題、特にローカル線の総合交通分野における任務というものについて、だいぶ御意見をお聞かせいただいたわけでございます。私たちはこの総合交通体系の中におきましては、鉄道の任務というものは、先ほど来いろいろ出てきておりましたが、長距離大量輸送というのに第一の大きな任務、第二は大都市における都市通勤対策に鉄道の大きな任務、そして中都市対大都市の交通をどうやって結ぶか、あるいは中都市周辺をどうやって結ぶかということについてはいろいろ計算しまして、自動車が一番いいんじゃないか。たとえば、幅十二米の県道のキロ当たりにおける年間の維持管理費は幾らだ。鉄道の場合は幾らだという数字まで出して議論いたしたわけでございますが、決して総合交通政策を政府やわれわれが怠っているものではございません。発表した内容は三、四十ページのものでございますが、その裏づけをとった場合には数千ページの膨大なる資料を一つずつ丁寧にこなしてやったということを、ひとつは御恥解いただきたいと思うんです。そしてその中から具体的には地方交通線あるいは閑散線という問題を取り上げなかったわけでございますけれども、国鉄再建につきましては地方閑散線問題を非常に大きく議論しました。そしてまたそれに関連しますところの、日本鉄道建設公団が今日建設中のいわゆるA・B線、これにことし二百億の予算をつけるという問題もはげしい議論があったわけでございます。  そこで、われわれの苦衷をまず先に申させていただいたわけでございますが、地方閑散線問題、ことばをかえて言いますと、赤字線問題でございます。陳述していただきました皆さま方の中で野元さんは、「地域住民の足を守るために、そういうことはいけない」と言われます。松岡さんやその他の方々は「なるべくならはずしたほうがいい。」こういうお話しでございます。国会内におきましても各党の間でこれに対して八、九割は意見が一致いたしておりますけれども、若干ニュアンスの違いもあるわけでございまして、私たちは国鉄再建のために各政党の最大公約数を出していかなくてはならないというんで、これまた議論いたしたわけでございます。  実際、いざ閑散線に取っ組もうといたします、思い切った大なたを振おうといたしますときに一番大きな問題になるのは、市町村長さんを中心とする地域の住民の皆さま方の大きな反対連動が起こってくることでございます。これに必らずからんでまいりますのは、党利党略とおっしゃいましたけれども、特定の政党がこれにからんで出てくる。この問題はたびたび私たち経験いたしております。したがって、先ほどの陳述で八十何線あるうち廃止しておるのはわずか九線だけじゃないか、けしからぬというお叱りもいただいたわけでございますけれども、ただここに誤解があってはいけないので申せていただきますが、閑散線の問題につきましても、先ほどの陳述者の中からも出てきましたが、私たちは多くの条件を出しております。代替輸送の問題その他、国民経済的に見てプラスであるか、マイナスであるかという問題をはじめあるいはその鉄道の利用価値というもの、その鉄道の軌道敷を道路に改めた場合の経済効果、こういった具体的に一つずつにつき二十数時間ぐらいのきびしい議論を重ねて一つの基準というのはつくっていきつつあるし、また今日つくっておるわけでございますけれども、先ほど私が申し上げましたように自動車というものを無視して閑散線というものを考えられない。今日、わが国に二千七百万台、自動車がある。一つの閑散線があって一日に五往復しかしてない。乗っている人はわずかに五百人である。これを自動車道路に変えた場合にはどんな効果があるかという具体的な計算等も実はいたしたわけでございますけれども、この問題につきましては、ひとつ八田先生と松岡先生にお聞かせ願いたいと思うんですが、閑散線問題を最も合理的に、しかも地域住民に納得をしていただいて撤廃するための条件というものは、ギリギリどういう条件があるだろうかということにつきまして、もしよろしかったら簡単に御説明いただきたいと、こう思うわけでございます。
  344. 宇田國榮

    ○宇田座長 ちょっと陳述人各位に申し上げます。時間の関係で答弁はなるべく簡潔にお願い申し上げます。
  345. 八田薫

    ○八田薫君 先ほどその問題に関連して陳述の中でも触れたわけでありますけれども、公益性という立場からどうしても廃止することのできない線路もありますので、そういう場合には公共団体が補助をして、そしてそれの存続を認めるということも必要だと思うのでありますが、この閑散線を廃止する場合にやはり代替輸送の問題を十分考えた上でやっていただきたいということを考えます。
  346. 松岡正一

    ○松岡正一君 私の考えのを申し上げますと、赤字線の存廃につきましては、できるならば各線区ごとに協議会を設けまして、この決定をすみやかに行なうべきではないか。協議会の構成は一応五つを考えておりますが、国、それから国鉄、地方自治体、学識経験者、利用者の代表、これらが均等に参加することにしてはどうか。  赤中線が地域社会と住民福祉の立場から存続を必要とする場合は、赤字分については国が負担すべきであると思われます。先ほどの陳述者の意見の中に、これは国と地方自治体が何か分割して負担するようなことに言っておりましたけれども、私の考えは、やはり全額国が負担すべきである、また廃止する場合は代替交通機関を設置いたしまして、適切な管理運営を行なうべきであろうかと思うわけでございます。  なおその場合、廃線敷地その他の財産の処分につきましては、地元が有効に利用し得るように特別に配慮をすべきではないかというふうに考えておるわけでございます。大体そういう考え方でございます。
  347. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 ありがとうございました。国鉄の合理化、国鉄自体の努力ということがよく言われるんでございますが、そしてまた陳述していただきました皆さま方から国がもう少し応援しなければならないということもおっしゃるわけでございます。もちろんことしの予算でいきますと、大ざっぱに申し上げまして国が一千一百億、国鉄を応援するようにいたしております。ところが運賃改定案でいきますと、その実収は千七百億ほどふやしたい。こういうふうになっておるわけでございますが、実は私たちの、これまた一番の悩みといいますのは何であるか申しますと、きょう陳述者の一部の皆さん方も述べていただいたわけでございますがせめて国鉄が旅客、血においてのシェアが五〇%以上であるならば私たちはもう少し思い切った応援ができる。しかし先ほどの陳述の皆さま方からも申されましたように、旅客においてすでに三〇%を切らんといたしております。貨物においては一割、一〇%を国鉄シェアが切らんといたしております。国が応援しろということばは非常にいいことばでございますけれども、国は本来一銭の金も持っておるのではございません。すべて国民の税金でやっておるわけです。そこに三〇%のシェアを持っておる国鉄にどの程度の国の応援をしなくてはならぬかというところに、またわれわれのほんとうの苦しみと悩みがあります。  そこで私たちは、先ほどちょっと触れましたように赤字線については日本鉄建公団をつくってこれにやっていかそうとか、あるいは国鉄と同じような任務をしておる私鉄につきましては、日本鉄建公団に特殊な事業部をつくって同じような国の応援をしていこうとか、先般衆議院を通過させましたが、日本鉄建公団法の一部改正というのは、これは私鉄に対する応援であります。しかしながら、私鉄といい国鉄といい、国として援助をする限界がそういった一つのシェアからながめてあるわけでございます。  そういう点で九州山口経済連合会の企画部長の前田さんですか、ひとつ前田さんと黒田さんに簡単に、私の与えられた時間がまいりましたので、質問しておきたいと思いますが、国の援助、皆さま方はフランスの話、ドイツの話、イギリスの話をされました。もちろんわれわれはヨーロッパや、あるいはアメリカの鉄道に対する動向、あるいは援助のしかた、これはもう相当勉強いたしました。勉強に勉強をした末、今度の再建案の中に十年間で一兆円を国から出資しよう、いままでの国鉄の資本金八十九億、これを十年間に一兆円資本金をふやして差し上げよう。この配慮もまたいろいろあるわけで、時間がないのでこういう席で詳しく申されませんが、国と受益者と地方公共団体その他との、こういった関連というか、国の援助というものの限界についてどうお考えであるか。いままではやっぱり少ない、やっぱり三分の一ぐらい持てという御意見、あるいは何分の一ぐらいがいいと、率直に言いまして国の財政援助はいままでで、今回は一兆円出資するようにしたわけですが、一年間に一兆円、この程度であとは国鉄の努力とか合理化でいいとか、もうちょっと国が応援せないかぬとか、そういった簡単でけっこうですが、感じをひとつお教えいただきたい。こう思うのです。
  348. 前田研一

    ○前田研一君 今度の再建要綱の中で従来にない画期的な財政援助が初めて出たということでありまして、また十カ年計画の中で一兆円というように数字が一応出ておりますけれども、私は従来の経緯にかんがみまして、とにかくこの十カ年であの計画を実際に目的を達成するんだということをお考えになるならば、一兆円といわず、国鉄がほんとうの安定した経営体となるまでは財政援助というのは拡充することはあっても減らすことは絶対ない。パーセンテージいかんはこれは長期計画の試算という中身ではじかれるでしょうけども、私は財政援助はとにかく黙ってこの十カ年は、自立し、経営が安定できるというところを確かめるまでは財政援助の手をゆるめてはならないという気がいたします。
  349. 黒田澄人

    ○黒田澄人君 私も全く同感でございます。実は国鉄の輸送量が全国的な他の輸送機関の中に占める割合の問題は、私どもも労働組合の立場から若干検討をいたしました。そして御指摘のように単に国の補助だけで解決するかどうかということにつきましては、これも税金でまかなわれるという立場できびしくこれを監視をしております。しかし、先ほど述べましたような実情からいたしますれば、まだまだ国鉄の財政に対する助成は不足しておる。もっとも、いま輸送中に占める割合の低下等の問題は、サービス並びに管理、及び労使間の協力に基づいての再建に対する意欲、そういったことが前提になることは当然でございますけれども、そういうことをしてもなおかつできない分は、もっと多額の助成をしていいのじゃないか。こういうふうに思います。以上です。
  350. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 どうも貴重な御意見ありがとうございました。
  351. 宇田國榮

    ○宇田座長 それでは自由民主党江藤隆美君。関連質問。
  352. 江藤隆美

    ○江藤委員 時間がございませんから、簡単に松岡先生と前田先生に。先ほどの御意見で承っておりますと、一様におっしゃったことは、国の財政援助が足りないんじゃないか、こういうこと。国鉄の赤字の原因は三兆一千億になんなんとする借り入れ金にある。その金利負担が二千億をこえる。こういうものを解消しないと再建はできない。こういう中から、赤字の原因になっておるこの借り入れ金を国が全部肩がわりをすべきだ、こういう意見があったわけでありますが、このことについてお二方はどのようにお考えになるか。三兆円というとこれはたいへんな金額でありまして、下水通の五カ年計画が今度二兆七千億でできました。それから治水五カ年計画が四兆五百億でできたわけですから、これはたいへんなものであります。三兆円というものを全額国が肩がわりするということは国の財政に及ぼす影響も大きい。また税金から支払うわけでありますから、それはほんとうに適切なことであるのかどうか。そのことについての御意見をちょっと簡単に聞かしていただきたいと思います。  それから黒田先生に一つお尋ねいたしますが、いま国鉄の人員は大体四十五万人ちょっとあると思います。十年間かかって十一万人の合理化をする。こういうことでありますが、一年間に約二万人と、こういうことになりますと、約二%の人件費の節約、計算上から見ますとですね。ところが、十数%ずつ人件費が上がります。一三%上がれば五年でもう倍になる、こういうことです。ですからたいへんこれは単刀直入で酷なお尋ねであるかもしれませんけれども、四十五万人という人間を十一万人十年間で整理をして、そしてその間に一〇%以上のベースアップと定期昇給が行なわれていった場合に、はたして国鉄はいまの人件費の負担から抜け切ることができるのかどうか、これに対するお考えがありましたらお開かせをいただくとたいへんしあわせだと思います。
  353. 松岡正一

    ○松岡正一君 国鉄の負債の一兆円を全額国が肩がわり負担すべきかいなかということについての質問でございますからお答えいたしますが、結論から先に申し上げますと、三兆円にのぼる全額の負債を国が肩がわり負担すべきということについては私は反対でございます。なぜならば、まず第一番にこの国鉄という経営の器がいろいろ問題があるわけでございます。十分な経営努力を、企業努力を傾けた結果の累積の赤字であるならば、これは私どもは十分納得がいくわけでございます。けれども、先ほどからいろいろ経営の分析の段階でも指摘いたしましたように、私どもから言わすならば、十分な経常努力は払っておらないと、こういうふうに考えておるわけでございます。四人の仕事を五人でしておるようなことが計数で出ておるわけですから、その辺のまず基本的な問題から、あるいは先ほどちょっと時間になってしり切れトンボになったんですけれども、全国に七百五十四件からの不用地、それから未使用地、東京、大阪だけでも六万六千坪からのいわゆる遊休地がある。しかも新宿の南口の京王デパートのすぐ隣のほうに七百七十坪からのさら地が約八年間も野ざらしになっておるというふうなことを聞き及んでおるわけですけれども、こういうものに対して国鉄は一体何をやっておるのか。まず国鉄の経営の姿勢を基本的に改めるべきではないか。頭から三兆円の負債を国が肩がわりするといえば、おそらく国鉄の企業努力はいまの段階でさらにゆるんでくるんではないか。またいわゆる累積赤字を出したならば国が負担してくれるというようなことで、いつまでたっても自立できない子供が次々と親に甘えるようなことを繰り返すんではないか。こういうふうに考えますので、私はかりに、先ほど加藤先生から言われましたように、過去の割り引きによるところの国鉄の公共的要素の負担が一兆八千億円あるというふうなお話しでございますが、やはりこれは当然国鉄が公共的な負担をやっておるわけですから、その分をやはり国が肩がわりすべきではないか。けれども、それ以外のものについては当然これは国鉄自身が企業努力によって、すべての力をあげて企業効力の成果によって返済していくべき性格のものであろう。こういうふうに考えております。
  354. 黒田澄人

    ○黒田澄人君 いまの御質問について私は次のように考えます。実は四十五万人を直ちに約十一万名ほど減らしていいかどうかにつきましては、まず先ほどから書っておりますように、国鉄が現在やっておるような、外向けにも内向けにも、態度でいいかどうかということが大きく起因すると思います。少なくとも従来から国のいわば根幹的な輸送網を担当しておったものが年々減っておるということにつきましては、それなりの役割りを果たしていないからそういうことになるということも指摘できるというふうに思います。同時にまた、最近他の企業、廃業等でもとられておりますように、技術革新、それから正しい意味における合理化、そういったものが労使間のほんとうの確固たる、心を一にする取り組みの中からできますれば、若干の減耗その他は私は事実上出てくるのではないか。したがってそのことは労使間の協議、理解の上でできる問題ですから人員が減ることもこれはまたあり得るという姿勢を私は持っております。  それから賃金の問題でございますけれども、一〇%ずつどうかという問題でございますが、私はこの賃金をどうしても大幅に上げていかなければならない理由の一つにいわゆる物価問題があるというふうに思います。物価問題がもう少し具体的な解決ができますれば、皆がかなりの反対がございます大幅の賃上げはしなくても私どもの生活はできるわけでございますけれども、物価問題がいまのようになっておれば、残念ながらかなり大きな賃金を上げなければ私どもとしては生活の安定がない。したがいまして、物価問題を適当にすることができれば、御懸念になるかどうかの問題は考えの差でございましょうけれども、それほど私は、圧迫しないような状態になさなきゃいけないし、なるというふうに思います。
  355. 前田研一

    ○前田研一君 私は先ほどの長期負債の三兆円の問題でございますが、基本的には先ほど松岡さんがおっしゃったとおりでございます。しかしながら、この中身はもう少し、全額というわけには決していけない。しかし先ほどの財政措置と同じようにやっぱり国鉄の企業努力というものが中心になることは、これはだれが考えても私はそのとおりだと思います。しかしながら、これも先ほど私が申し上げました、今後、あの要綱に基づいて長期計画が作成される。その段階の中でいろんな長期負債の取り扱いについては、いままでの負債に対してはどうか。これからのまた借り入れ金に対してはどうか。あるいは利子補給の問題についてはどうか。またそこにはパーセンテージの組み方、割合の組み合わせ方、あるいはどういうかみ合わせでそれを実現させていくかという技術的な問題がいろいろあろうかと思います。  したがって、基本的には私は松岡さんのおっしゃったとおりでございますけれども、もしやるとすれば、そういう長期計画の中でその割合なり、あるいは利子補給のしかたなりというようなものをいろいろ組み合わせたものを考えていただきたい、そのように私は考えます。
  356. 江藤隆美

    ○江藤委員 ありがとうございました。
  357. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に、社会党を代表して久保三郎君。
  358. 久保三郎

    ○久保委員 限られた時間でありますので、全部の方にお尋ねできませんので、二、三の方にお伺いしたいと思います。ここは議論する場所じゃございませんので、お話を伺っていくということでありますが、ただてまえどもが考えていることをちょっとだけ申し上げて御参考に供したいと思うんです。  いままでお話がありましたこの三兆一千億に及ぶところの長期の債務についてでありますが、これは国が持つかあるいはこれから利用者が持つか、それは別として、三兆一千億の、言うならば長期債務というのは単なる食いつなぎで借金してきたわけではないんでありまして、これに見合った施設が班に存在しているわけでありますから、その点は別な考えをしなきゃいかんだろう。こういうふうにてまえどもは考えております。  それから累減赤字八千六十八億の問題でありますが、これも先ほど来お話がありましたように、一兆何千億に及ぶところのいわゆる公共負担、そういう国の施策の代行によって、そういうものがあったということであります。だから見方もいろいろございましょうが、そういう前提を貫いてやっぱりわれわれは見ていくべきだという立場にいま立っているわけです。一言よけいなことでありますが、てまえども考えていることをちょっと申し上げたわけであります。  そこで最初に後藤さんにお伺いしたいんでありますが、後藤さんは貨物協会の役員でいらっしゃるそうであります。冒頭お話がありましたように、終戦直後のお話が出て、国鉄の職員の連中にそういうことではいかぬということでいろいろお述べになったそうでありますが、国鉄の経営をいま客貨別で見ますと、御承知のように、貨物はずっと伝統的にこれは赤字であります。最近でも赤字の大半は貨物が背負っているというかっこうであります。もちろん最近では旅客も多少赤字を背負っているんでありますが、計算の問題についてはいろいろ議論もあるところでありますが、一応そういう形ですね。  それからもう一つ。これの話とうらはらになりますが、いまこれから国鉄を財政的にも経営的にも、あるいは総合交通体系の中でも再建していくという場合には、客貨の観点から取り上げるならば貨物の輸送をどうするかという問題になります。当然新しいこれからの経済の発展の中で一番心配なのは、必要な物資の輸送をどうするかという問題がございます。そういうことでありまして、さっきもお話が出ましたように、総合交通体系の中では中長距離の大臣の貨物は国鉄か分野を担当すべきだというふうになっております。国鉄の再建についてそういう二つの面をかみ合わせて考えた場合に、本来ならば再建計画というものの中には総合交通体系の中でいうところの貨物輸送をやはり確立する方策がきちんと確立されなければいけないだろうと思うんであります。ところがいまのままだと、ただ単に総合交通体系の中で国鉄の貨物の分野はこれであるというだけを示しただけでは、残念ながら問題は解決しない。トラックとの関係、あるいはカーフェリーとの関係を考えましても、もはや野放しでおく手はないんでありまして、これは言うならば政策的にも、あるいは制度的にも、トラックで輸送する分野と国鉄の輸送分野とこの辺で画然と確立をする必要があると考えているわけなんであります。こういう点について専門象である後藤さんはいかようにお考えでありましょうか。これが一点であります。  それからもう一つは、話が前後して恐縮でありますが、戦後の国鉄の経営について苦言を呈されたようでありますが、いまでも貨物輸送というのは後藤さんがそういう苦言を呈したときと同じであるのかどうか。進歩があるとするならば、どんな点で進歩しているのか。  それから、この際お聞かせいただきたいのは、貨物輸送について何か特別な御見解があればこの際承っておきたい。こういうふうに思っております。
  359. 後藤肇

    ○後藤肇君 お答えを申し上げます。実は私は鉄道当局あるいは日通に対しましても、十年前から、このままでは鉄道の貨物輸送には支障を来たすのではありませんか、その理由は道路がよくなり、トラックが大きくなる、それから門口から門口へという便利な輸送があるもだからよほど気をつけないとこれは行き詰まる時代が来るんじゃありませんかということは、協会の総会のとき等で申し上げております。ところがやっぱり幸か不幸かそういうことが当たりまして、現在のような状況になっております。しかし、私はただこれをパーセンテージが少なくなったから貨物が不必要とは絶対に思っておりません。やはり鉄道によって輸送すべきものがあると思うんです。これはトラックでなくして鉄道の貨物でなければならないというような一つの荷物があるんじゃないか。  これからもう一つは、これも近ごろ非常にいいことが私自体であったのですが、てまえのことを申し上げてはなはだ失礼ですけれども、せがれが仙台のほうにつとめておりました。これをもうやめさして私のほうに引き取るようにしたのです。ところが私のほうに送ってきた荷物を見ますと、ほんとうに町から門へというようにコンテナのなにが非常に今度はよくなっております。これを見まして、私は実は鉄道にまいりまして、いままで悪口ばかり言ってきたが、これを見るとなかなかよくなったな、いいものができましたね、こういうことからやはり研究をなさって、国民のためにやっていただきたい、こういうことを実は申し上げたのです。それで私は今回の値上げもただ絶対反対ということを申し上げないのです。  それともう一つ忘れておりましたが、私は鉄道が借金を棒引きにしてくれと言いはせぬだろうと思うのです。私の考えでは、もう普通なら倒産会社ですから、この鉄道の借金と申しますか、この金を一時たな上げと、そうしてこれが営業成績がよくなれば順次に償還していく。鉄道に補助じゃなくして、たな上げして、そしてこれをよくして順次に償還していく、そういうことにお願いしたいと、こういうぐあいに考えております。
  360. 久保三郎

    ○久保委員 ありがとうございました。いま、貨物輸送について前進があったというお話でありますが、まだまだ国鉄の貨物は、輸送することはじょうずになったかもしれませんが、荷物を集めてくることについてはまだ赤ん坊のようにも思うのであります。そういう点もやっぱり考えてもらわなければいかぬだろうと私どもは考えているわけです。ただ、これには国鉄だけが一人じめにというわけにはまいりませんで、やはり共同して総合的に日本の国内におけるところの荷物をうまく荷主のためにというか、国民のために運んでやるという立て直しが私どもは必要だと思うのです。  それからもう一つ、これも私どもの考え方をひとつ、よけいなことでありますが申し上げておきたいのは、先ほど人件費と収入との関係のお話がありました。この人件費についてもいろいろありましたが、この比率についてでありますが、人件費を押えることも一つであります。しかしながら、もっと前向きで考えた場合に、貨物の例一ついまの話のとおり引き合いに出しても、収入をいかに増すかということも考えなくてはならぬ。これは当然そのほうが私は前向きな施策だと思うんですね。だから、収入を増すということは本来の仕事が十分にできるということだと私は思うのです。ところが最近、この関連事業といって何か別な、国鉄の輸送と直接関係のなくて、多少関係のあるような仕事もやれば金がもうかるんじゃなかろうかという考えをする向きもありますが、私どもはこれに対しては多少疑問を持っております。やはりもち屋はもち屋に徹してかせいでいくというか、発展していくのが一番いいと思うのでありまして、そういう点からいって、何でもいいからやればいいのだという考えはこの際とらぬほうがいい。むしろいま申し上げたように貨物輸送について問題を展開していったほうが一番いいのではないかと、こういうふうにも思うわけであります。  続いて八田さんにお伺いしたいのでありますが、御案内のとおりいま国会に出されている再建計画というか、財政再建措置法は今年度から十カ年計画、前も十カ年計画だったんですが、十カ年計画であります。計画の中身は、説明では、正式には、言うならばあんまりはっきりしておりません。たとえば、一兆円投資するとかいうようなこともこれは話であります。話というか、国会における答弁の中でそういうのが出てきております。再建要綱というのも、これも政府の関係の大臣と与党自民党の役員との閥のこれは覚え書きであります。もちろん、その形式についてとやかく批判することではありませんけれども、前回の失敗したもとは何か。四十四年ばかりじゃありません。三十二年以来今日まで国鉄のいわゆる改良計画を含めるところの再建計画の失敗した原因は何だろうかということを考えてみると、四十四年に法律をつくりましてやったことは一歩なり二歩の前進ではありますけれども中身は何もないのであります。抽象的な文言に終わっているだけであります。そういうことでいわゆる金が中心の問題に対して抽象的な文句の羅列の法案が山ほどあっても、これは残念ながらものの用には立たないのであります。しかも、十カ年計画というのは私はずいぶんこれは疑問があります。これはひきょうなやり方じゃないかというふうに半面とっております。ことばは悪いけれども。十年後の保障をだれがするかという問題ですね。しかも、約束がきちんとできているものは何かというと、四十七年、ことしの値上げと、それから五十年、五十三年、五十六年、いずれも今年度値上げの中身と大体同じ実収一五%、五十六年度は一〇%ぐらいでひとつ検討してみようかといまから考えているんですよね。それじゃ五十六年以降ずっと経常的に償却後黒字になる見込みがあるかというと、その先は何も、いわゆるペンディングになっているわけですね。しかもこの十カ年計画の数字自体を見ても、だれかこれを保障するものがあるかというとこれは何にもないのです。そういうことは国民としては望んじゃいないのであります。これはいわゆる何カ年計画でもいいけども、とにかく国鉄が国民の足として十分効用を達成すること、財政的にも立派に立ち直るということであります。これはもちろん十カ年でできるか、三年でできるか、五年でできるか、やってみにゃわからぬということです、はっきり言えば。というのは、先ほど言った総合交通体系の中で国鉄が輸送すべき貨物の分野をきめながら、これに具体的な制度的な、強制的なものは何にもいまだないのでありますから、これは今後つくるほかないでしょう。つくるとするならば、今日時点におけるところの輸送量からさらに変わった輸送量が出てくるわけですね、そうでしょう。そういうものを計算の中に入れたかというとあんまり入れてないんです。どれだけ入れているか。しかもそれの前提になる、たとえば新全総あるいは発展計画、こういうものはいま練り直しの最中なんですね。そういう中で十カ年計画を立てること自体が私はナンセンスじゃないかというふうにこの間も国会で実は主張したんでありますが、ついては私の言いたいことは、すべて五カ年計画でやろう。空港整備五カ年計画、通路もそう、住宅も、それから港湾も、すべて大体五カ年でやります。しかも五カ年も、先ほどどなたかが陳述なさったように、二年か三年で練り直しをどんどんやっている。そういうふうなのが本当の計画なんですよ。何で国鉄だけが十カ年計画なのか。しかも、中身は何もないということでありますので、こういうことについて私どもは少なくとも運賃値上げを与党なり政府が予想している五十年というものがあるならば、四十九年までのいわゆるの三カ年実行計画を出してきなさいと、こう言っているんです。少なくとも五カ年計画で、前半三年の計画をひとつもっときめこまかに提案して国民の合意を得るようにしたらばどうだろうかというふうに私どもは思っているんですが、お考えはどうでしょうか。
  361. 八田薫

    ○八田薫君 八千八十億に達する見込みの赤字を早急に解消するということは非常に無理な計画を立てなくちゃならぬだろうということが考えられるわけです。そういう意味において十カ年で解消するという一つの案が立てられたと思うのです。しかしながら、十年先のことは実際やってみないとわからないんですが、やはり可能性のある、確実な計画を立てられていると私は考えますので、それでこの十カ年計画の完全な遂行のために今後努力されることを期待すると、こういうことをさっき述べたわけであります。
  362. 久保三郎

    ○久保委員 じゃ、次に前田さんにお伺いしたいのでありますが、先ほどお話の中では、国鉄は公共性にも企業性にも徹し切れずに今日に来たのが、言うならば、つまづきというか、こういう結果になったというんですが、あなたはどちらに徹したらいいとお考えでしょうか。
  363. 前田研一

    ○前田研一君 私はどちらにも徹したほうがいいと思います。と申しますのは、やっぱり日本国有鉄道でございまして、公共企業体という性格を実際は持っておるはずでございます。したがって、国民の足という、そういうりっぱな使命をお持ちであればやっぱり公共性もあるでしょうし、また企業性も当然やっていかにゃいかぬというふうに私は思っております。
  364. 久保三郎

    ○久保委員 重ねてお伺いしますが、具体的にはどういうことでありますか。どんなふうにお考えでしょうか。
  365. 前田研一

    ○前田研一君 一つの例としてローカルの赤字線について申し上げましょう。先ほど来この問題が非常に問題になっておりますけれども、私はいまの赤字路線の問題は国鉄自身が最初から赤字線を廃止するということを出しておいて、それをしたらその地域の交通はどうなるんだと、そういう不安を先行させたというところに私は大きな疑問が出てくるし、この廃止線の問題の発端はそういう不安感から出てくる問題というものが非常に事態を紛糾さしているんだというふうな感じがするわけです。したがって、いまの地域を実際に考えてみますと、もはやそういうローカルラインをはずしてバス輸送に代替していったほうがいいのかどうか、あるいはそれ以外にまた交通施設として何ものかが必要なのかどうかというようなことを各地域ごとに、きめのこまかい総合交通体系の中から選んであげて、それを地域住民の方々の合意を求めるというスタイルがやっぱり一番必要ではないかという感じがするわけです。  したがって、問題の提起のしかたが、どうもいままでのやり力は間違っておる。不安感を先行さしてはできない。またその地方のローカルラインにしても大都市の近郊からいえば、赤字といわれる国鉄のローカルラインというものはつくり変えれば都市交通ラインとしてむしろ生き返ってくる。そういう場合も実際問題としてはあるはずです。したがって、そういうローカルラインについては、スクラップ・アンド・ビルド方式といいまずか、生かすべきところは生かす、廃止すべきところは廃止する、代替すべきところは代替する、そういう新しいビジョンを先に出した上でのローカルラインの整理ということをやらにゃいかぬ。そこに私は公共企業体としてのほんとうの使命が生かされてくるという感じがいたしております。
  366. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に公明党を代表して田中昭二君。
  367. 田中昭二

    ○田中委員 私は公明党のこの福岡一区から出ております田中でございますが、ただいまの国会でこの国鉄運賃法につきまして論議をしておりますこの忙しいさなかに、国会から現地派遣として、衆議院の委員を派遣していただき、さらにまたこうやって福岡で初めてこういう公聴会を開きましたところ、たいへんお忙しい中をこのように貴重な時間をさいて、貴重な現場の御意見等をまじえてお聞かせいただきましたことを、私はまず団長並びに公述人の方に厚く御礼申し上げたいと思います。たいへんありがとうございました。  先ほどからも委員から話しがあっておりましたが、私、特に現地参加ということで参加しておりますが、いずれにしろ各委員からのお話しも内々雑談的に聞いておりまして、たいへん貴重な御意見であったと、そういうことを話し合っておるわけでございますが、その中できょうはその御意見をもとにしまして公明党としましては、今度の運賃値上げにつきましては、基本的に反対の立場をとらざるを符ないという判断に立っております。いろいろ議論なり、計画なり、予想なりというものはできるかもしれませんけれども、先ほどから皆さまの御意見を聞いておりましても、ほとんどの方が、このような物価で国民が困っておるときに、実収一五%といいましても、二三から二四%の員賃値上げは心の底では反対したいということは、各御意見者の全部の方の御意見のように私は拝聴いたしました。  そこでこのようなことを繰し返してきた、いままでの国鉄並びに政府のとるべき態度がどうあるべきかということにつきましては、これもまたすべての御意見者のとおりにやっぱり公共機関として、国民の足として確保するとするならば、政府の援助をまず考えなければならない。これも大体同じ御意見であったと、このように思います。そういうことを私、基本にずっと置きながら御意見をお聞きしておりましたわけでございますが、結局そういう基本的な問題が私は今度の運賃法の改正についても大もとにおいてなされてない。また、いまの社会党の久保先生のお話でも、いろんな議論をするけれどもそれがほんとうに国民の具体的な要望にこたえてない、また十カ年計画なんかナンセンスである、こういうお話がありましたが、私も今月の十八日以来、この法案がかかりましてから与党議員の方、また野党議員の質問に対する大臣答弁等も聞いておりましても、その事実は確かにそのように思われます。  まず、この運賃法の改正が出ました出発点から考えてみましても、昨年の年末から四十七年度の予算が政府において話し合いが進みまして、その段階でことしになりまして、総理をはじめ大蔵大臣もサンクレメンテにまいりましたが、その段階では大体大まかなものはきまっておるはずでございますが、その予算のきまったものに対していわゆる再建十カ年計画は当然重大な関係があるわけなんであります。そういうものがその時点では明らかにされずに、つい二、三日前の十九日の委員会で私たちに初めて明らかになった。こういうことを考えていただきますと、たいへんにこの出発点において問題がある。運賃値上げを先にきめて、そしてそれがもとになって十カ年計画というものがある程度、これは頭のいい方がつくられるんですから、そういうことを言うては失礼でございますけれども、つじつま合わせみたいな結果になっておることを私は考えなきゃならない。この十カ年計画にしましても、いま八千億の累積赤字があるものが十カ年たって一兆円の財政援助をしましても、さらに九千数百億の赤字が残っておるんです。そうしますと、五十六年のその中に途中で四回の値上げ、さらに節約もするでしょう。合理化もしていかれるでしょう。増収もはかられるでしょう。だけども、さらに十年たったのちに九千数百億の赤字、五十六年度、単年度では黒字になるという大臣の答弁もございましたけれども、いずれにしろ現在までの八千億近くの累積赤字と、十年後にさらに九千何百億の赤字が加わるというようなことから、これはこの運賃値上げの基本になっております、政府の援助と、国民の負担の協力と、国鉄の経営努力というこの三木柱を国鉄はいつも言うわけでございますが、そういうことを考えてみますと、税金といえども国民の負担であります。結局は全部国民が負担しなきゃならない。こういう問題を考えてまいりますと、当然反対せざるを得ないわけでございますが、そこで私たち公明党としましては、いろんな問題もございまして、いまから先輩のいろんな方から教わりもしましてやっていく。審議もさらに進め、できれば、きょうのこの御意見を堂々と国会の中で審議を進めていきたい。ここにおられます委員の方はほとんど運輸委員会の、私も公明党の代表をしておりまして、毎日この審議をめぐって理事会等を開いておりますが、与党の立場の方は別としまして、野党で共闘してやっておりますが、その中でも特にそういう問題について、私はまず過去のあやまち、政府の援助が足りなかったということを最初に加藤委員のほうから御発言がありましたが、私はその政府の援助がおそ過ぎたとの反省の上に立つならば、おそ過ぎないように、ほんとうに国鉄のためになるような援助をいますぐやらなければ、これはまた同じことを繰り返す。そして受け入れるところの国鉄が、その援助をほんとうに再建のために役立つような体制になっておるかといいますと、これがまた大いに疑問であります。これは先ほどから人件費の話、借金の利子の話が出ておりましたけれども、国鉄が政府の援助を受け入れる企業経営の面におきましてたいへんにずさんである。私はそういう具体的な、いますぐでもやらなければならない問題をまずやることが一番最初ではなかろうか、このように思うわけであります。  たとえば幾つもございますが、一つ申し上げれば、三兆円の累積の借り入れ金の利子を国鉄は毎日、一日平均にしまして四億円近く払っております。そこで国鉄の毎日あがります収入が、三十五、六億の口銭が入ってくるわけであります。それに対しまして政府は一日四十億までの金については利子は一つもつけてくれないんです。払うほうの利子は全部払わなきゃならない。国庫に入ります国鉄の収入は四十億を、三十六年からだったと思いますが、その前は二十億でございますが、その四十億の金についてはびた一文の利子もつけない。これは大蔵省の筆の先でできることなんです。普通の経営であるならば金には利子、かりに預金があればそれに利子がつくし、借りた金には利子を払うというのは、これは当然でございますけれども、そういう面が大蔵省の、ただ、いままでやってきたことについては変えないというようながんこな姿勢のもとに、前は二十億だったと思いますが、最近は、三十六年からですか、四十億ではま利子をつけない。  それからサービス問題でも、運賃を上げればサービスがよくなるかといいますと、逆な状況のほうが多い。このサービス問題等でも国会の中でずっと私たち取り上げてまいりましたが、小さなようなことですけれども、金のかからないそういう国民に対する利便の提供ということもできない。  さらに先ほど松岡先生から、私のほうの同僚議員が予算委員会で指摘しました、いわゆる不用地の問題についてお述べになりましたから、私はこれが誤解されますと困りますから、そういう観点からこれをまた一つの例をとってみますと、先ほどお話しがありましたように新宿の駅の近くに七百坪ぐらいのさら地がありますが、これがあの辺の時価で坪四百万円ともいわれております。東京のことではあまりぴんとこないとすれば、この粕屋郡志免町に志免炭鉱のあと地、いわゆる鉱山がやまりまして、三十九年に廃山になりまして、その当時、約三十七万坪の川地が二十万坪処理されまして、あと十七万坪残っております。この十七万坪がもう十年になろうというその期間、何も手をつけられておりません。いまわれわれの国民生活の中には大事な問題で住宅の問題等がございます。私はこういう、国鉄がやろうと思えば、いわゆる経営者の立場に立てばそういう有効活用のできるようなものをほっとくというような、そういうところをまず手をつけて、そしてざるに水を入れるようなことでなくて、政府の援助を受けてそれがそのまますぐ再建につながったり、また、いま申し上げましたように不用な土地であるならば、国民の困っておる住宅の提供にもできるでございましょうし、そういう観点から全国の不用土地を調べております。この問題は今後また論議していきたいと思っておりますが、いわゆる経常というものが、国鉄が昔お役所の時代から独立採算だ、何だかんだといって経営のことを考えるならば、やはり私は収入を上げていくという問題はまず考えなきゃならない、こう思います。  私もしょっちゅう国鉄を利用さしてもらって九州から東京まで十二時間列車に乗りまして、大阪までの長距離列車の中でいつも思いますことは、何とかこの列車の中で収入をあげることができないだろうか。たとえば、あの大阪までの長距離列車の中には広告がほとんどかかっておりません。広告収入でもあがるんじゃなかろうかといって本社に広告収入の係を呼んで聞いてみますと、それはできないことはありません。それはできるんだったらいますぐやらせますかと言うと、いやそれはできません。いわゆる何かそこにあるものが介在しておりまして、そこでないと、そういう収入をあげることでもやらない。こういうこともございます。  そこで、私たちは何といいましても、いま申し上げましたようにすぐやれることを、サービス問題をはじめいろんな問題で、今度の審議に当たりましても、まず何といいましても受ける側の国鉄のりっぱな経常姿勢なり、やるべきことはやらなきゃいけない。こういうことと同時に、つい二、三日前もこの運賃問題で大臣にいろいろ聞いてみましても、先ほど言いましたように十カ年計画にしましてもたいへんあいまいな態度でございます。昨年きめたことがもうことしはそれが奥行できないというようなことがたくさんございます。納付金の問題も先ほど松岡先生からお話しがありましたから、こまかい問題でございますけれども触れておきますが、私たちは国鉄が納めておる納付金というものは、国鉄が国のものであり、公共的なものであるという考えに立つならば、それはそういうものがさらにまた地方に税金を納めるという問題は問題がございますけれども、しかしその納付金にしましても、収入を得られる地方団体につきましては固定財源として、これはいまの地方財政もたいへん苦しゅうなっております。そういうことを考えますと、そういう国鉄の納付金のようなものこそ、私は国鉄がりっぱな経営姿勢に立ったならばその分を政府が援助する。ただばく然と年に千億ぐらいの援助をしましても、いま申し上げましたようにそういう国鉄が困っておるものに、合理的なものに、当然形があるものに政府が援助をするということは、これは言われなくても自分のほうからやるのがほんとうである。こういう考えで納付金の問題につきましても、たいへん不公平な、もらう地方団体におきましてはたいへん不公平な扱いを受けております。それを公平に戻して、そしてその公平な分については政府が援助すべきである。こういうふうな考え方で取り上げておることを申し上げておきたいと思います。  結局、全体的に私はお一人、お一人の方にいろいろお聞きするということよりも、皆さんの御意見を十分きょうは聞かせていただきましたし、その聞かせていただいた現場のなまの声々、現在のこの運賃法の改正にどう取り入れていくかという問題をまずこちらがやらなきゃならない、こういうふうに思っております。ぜひひとつ、そういう面につきましてはさらにこういう機会、また別な機会等につきましてもお教えいただきますようにお願いいたすつもりでございます。  時間をいただいておりますから、できますれば時間の許す範囲で、いま私が申し上げたことで、私も国鉄問題ではそんな専門家ではございませんから、皆さんから何か御意見があればさらにお聞きしたいと思うわけであります。
  368. 宇田國榮

    ○宇田座長 どなたか、御感想ありますか。
  369. 田中昭二

    ○田中委員 どうぞ時間があれば、いま私が申し上げたことでお答えできることだったらお聞きしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  370. 後藤肇

    ○後藤肇君 いま先生のお話を承りますと、地方納付金はやはりいままでどおりに国鉄は出すがいいというお考えでございますか。
  371. 田中昭二

    ○田中委員 国鉄が出すか出さないかということは、これは政府が考えるべきでございまして、私はそういうふうな国鉄が困っておる時期にそれをだれが助けてやるか。これはやっぱり政府が助けてやらなきゃならない。こういうふうに私は基本的には思います。ただどうするかという問題については……。
  372. 宇田國榮

    ○宇田座長 ちょっと座長から御注意申し上げます。陳述人は質問者に対して質問できないことになっておりますので、よろしく。  田中昭二君に申し上げます。答弁を求められる方を指名するようお願いします。
  373. 田中昭二

    ○田中委員 それじゃ、そのようにいたしたいと思います。  私、これはざっくばらんな話でございますが、この国鉄問題で、国鉄の本社の幹部にいろいろ聞いてみますと、四十五万人ですか、四十六万人ですかのマンモス企業だということで、この国鉄の会計等についてはなかなかわかりにくい。こういう問題をいろいろ議論してみますと、国鉄に二十年以上おられる幹部の人でもこの国鉄の中の経理の問題がわからない。こういうふうに言うんですね。そういうことでございますから、私たちもいろんな面でこまかい問題を取り上げてみますが、先ほど八田先生の御意見の中で、日本の国民は鉄道に執着をし過ぎるんじゃないか、こういうお話がありましたが、これはどういう意味のものでございましょうか。具体的な問題じゃなくて、精神的な問題かと思いますけど、お聞かせ願いたいと思います。
  374. 八田薫

    ○八田薫君 具体的に申しますと、従来わが国は鉄道中心時代ということになっていたわけなんです。そこで鉄道の駅をあっちこっちに増大された。そして駅と駅との間隔が非常に短いということなども、いわゆるこの鉄道にあまりに国民の依頼心が強いというところからそういう現象が起こってきた。そのことがこの赤字にも影響しているんじゃないかということ。  それから赤字線の廃止ということについても非常に地方住民の反対が強いわけなんです。私は代替的な、いわゆるバス輸送とか、そういうことで補えるならば、短距離の鉄道路線は廃止されてもいいんじゃないかという考えを持っておるわけです。そういう路線の廃止についても非常に反対が強いということは、鉄道に対する執着が強過ぎるんじゃないかというふうに考えるわけです。具体的に申しますと、そういうところから私はそう述べたわけであります。
  375. 田中昭二

    ○田中委員 最後に黒田さんにお尋ねいたしますが、いわゆる労使の問題ですね、先ほど御意見の中に人件費の問題が取り上げられたわけでございますが、先日も委員会で国鉄総裁が言っておりましたことは、いまの国鉄のいわゆる職員の構成といいますか、そういうものがたいへん高年齢の人が高賃金であって、これが具体的に申し上げれば、四十歳から五十歳ぐらいの、中には管理職が相当あると思いますが、こういう面の賃金が、低い層に比較してわりあいに高い。この状態が大体今後十年ぐらい続くだろう。総裁がこういうふうな答弁をしておりましたが、こういうことにつきまして、大体いまどこの官庁でも中ぶくれというような問題ございますけれども、それに対しましてどういうふうな御所見をお持ちでございましょうか。お聞かせ願いたいと思います。
  376. 黒田澄人

    ○黒田澄人君 労使間の問題で賃金が非常に高いになるということは今日の日本で避けられないというふうに思います。いま、田中先生の御指摘の分で、国鉄の職員の平均年齢が高いということは、先ほども述べましたように、一つは国鉄が過去百年間、国民の基幹的な足と輸送部門を持ってきた。そういったことで歴史的に長いということが一つあると思いますし、同時にまた、国鉄職員が比較的優秀で、かつ国鉄に対する愛着を持っておったということも指摘できるというふうに思います。私どもとしましては、今日五十五万といわれます国鉄の職員が、ただいま現在ではたして妥当であるかどうか、これは先ほど述べましたように今後の近代化、合理化、あるいはこの企業運営の問題にかかわってくるというふうに思います。いまの時点で、たまたま今日までおりました職員を急に人件費率が経常収益との関係等で少し圧迫をするということで人員が減らされたり、あるいは賃金が抑制されるということは私どもはとらるべきでない、こういうふうに思います。先ほど述べましたように、今日非常な大きな勢いで物価が上がっておりますので、そういう中でこの賃金問題を見なければいかぬのじゃないか。いま御指摘のように、国鉄の職員の賃金が他に比較して高いということは、それは平均賃金のことであろうと思いますし、いわゆる個別の賃金、日本の賃金体系は比較的年功序列的になっておりますので、同じ立場の人との賃金は私どもの資料ではむしろ低過ぎる。こういうふうになっております。したがいまして、賃金問題は平均的に見るべきでない。現在の国鉄の職員は平均年齢が高いのでそういうふうに見えるかもしれぬけども、個別賃金は私どもはその職務実態からして低過ぎる、こういうふうに理解をいたします。
  377. 田中昭二

    ○田中委員 どうもありがとうございました。
  378. 宇田國榮

    ○宇田座長 次に、民社党を代表して内海清君。
  379. 内海清

    ○内海(清)委員 私は民社党の内海清でございます。きょうは福岡と札幌で地方公聴会が開かれまして、公述人の皆さんから、それぞれの立場におきまする貴重な御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございます。今後さらに中央公聴会がございますので、それらの御意見も拝聴いたしまして、最終的にこの法案の審議に入るわけでございます。  私は基本的にはまず、私どもの党も今回の運賃値上げに対しましては反対の立場をとっておるわけでございます。しかしこれはいろいろ理由を申しますのは、時間の関係がありますので省略いたしまするが、いずれにしてもいまわが国の経済の問題を中心にして考えますならば、時期的に非常に問題があるときである、かように考えておるわけでございます。ことにこのドル・ショックによりまする経済界の非常な不況もございます。あるいは物価の上昇による国民生活の圧迫もございます。こういう点から考えまして、私どもはそういう立場をとっております。しかし、国鉄というものがわが国の交通運輸政策から考えまして、その中心的なものであるという立場から申しますならば、いずれにいたしましても国鉄の再建というものは必要であるということは考えておるわけでございます。しかし、政治というのはやはりすべて総合的に考えてまいらなければなりません。ただ国鉄のみを中心に考えるわけにもまいらないわけでありまして、そこらに非常なむずかしさがあるということを考えておるわけでございます。そういうふうな観点から申しまして、いろいろ考えておりましたことを、すでに多く問題がございましたので、それらは省略いたしたいと思いますが、最初に、後藤さんにひとつお伺いいたしたいと思いますのは、いわゆる納付金――固定資産税にかわるものでありまするが、これは即時撤廃すべきであるという御意見があったように記憶いたすのであります。しかし、これは先ほどもお話がございましたように、地方自治体といたしましては、かなり重要な固定財源として見られておる点もあるわけであります。したがって、私どもはこれを国鉄にかわりまして政府が交付税か何かの形でこれを肩がわりいたしますならば、それが最もいいと思いますが、この際、それなしにこり納付金をすぐに撤廃ということは地方自治体の財政を圧迫いたします。このことはさらに地方に対する住民の負担が増加いたすわけでありますから、これをやることによって、いわゆる運賃の値上げと、そのほうの負担ということで、二重の負担に相なるのではなかろうかと、かように考えておるのであります。その点につきましての後藤さんの御意見をひとつお伺いいたしたいと思います。
  380. 後藤肇

    ○後藤肇君 これはいまに始まったことではありません。石田総裁のときに、石田総裁に、あなたは議場においても相当な御発言をなさって、おるが、これはどう思いますか。――これはたしか三十八年ごろでしたでしょうか、地方財政が非常に苦況におちいったことがございます。そのときから鉄道が、国といいますか、このなにを見ますと国有鉄道ですから、これは国が出したか、鉄道が出したか、これはなんですけれど、結局国鉄として出しておる。ところが、今度赤字路線を廃止する、あるいは無人駅にするとか申しますと、そういうことはさておいて非常に反対をしておるというのがあります。そうすると、これは市町村でそれだけのなにじゃない。いまかりに、私ども別府におりますが、別府の駅を廃止したら、これはたいへんな問題であると思うんです。そうしますと、これは非常に市が利益を受け、市民としても観光地として非常な利益を受けておるのに、またこの上に固定資産税をよこせというようなことは――私は大分も別府も市長さん方も知事さんもよく懇意にしておりますので、こういう性格ですからこれはもう直接言っております。そんな虫のいいことを言うなよというようなことを私は言っておるんです。だから、これはあなた方から申されますと、一般市町村に対する同情の結果ではあるとは思いますが、しかし国鉄がいまのような苦況におちいっておる時代には、あの昭和三十七、八年ごろの地方財政の逼迫時代とはまた違ったことが考えられるのじゃないか。こういうように考えて、して実は私はもうずっと石田総裁の時代から総裁に直書しておったような次第でございますので、決していまに始まったわけじゃございません。
  381. 内海清

    ○内海(清)委員 御意見は御意見として承っておきまするが、別府のごときところはそういうところもございましょうが、これはそういう御意見を伺いますると、あるいはその地域地域によって考える方法があるのではないかという気もいたします。御意見として承っておきたいと思います。  それから先ほど来、公共負担の問題がいろいろ出てまいりましたが、この問題は確かに国鉄経営が困難になればなるほど、いろいろ問題になります。元来、国のやるべきことを肩がわりして国鉄がやっておるという性質のものでございます。これにつきましては、いろいろ社会情勢、あるいはその他の総合的な政治の立場から意見のあるところでございます。これにつきまして、ひとつ八田さんの学者としての御意見をお伺いしておきたいと思います。
  382. 八田薫

    ○八田薫君 公共負担の問題ですけれども、これは社会政策的な規制から出てきている面と、もう一つは通学者あるいは通勤着の負担力が小さいという、そういう点から来ていると思うわけです。そういう社会政策的な規制、つまり国家の政策から収入に影響しているわけですから、その点は当然国家が補償すべきではないかというのが私の考えなんです。
  383. 内海清

    ○内海(清)委員 それからいま一つ、八田さんにお伺いしたいと思いますが、この国鉄の運賃法によりますと、これは運賃と料金ということになっておるわけであります。運賃というのは輸送の対価であるということで、これは国内の審議を要することになっております。料金は国会の審議を経ないで、いわば使用料的な意味を持っておるもんだと思うのであります。たとえば、グリーン車の料金、これらはそれでありましょう。ところが東海道新幹線が開通いたしましたのを契機にしまして、運賃と料金というものはいわば存在意義はなくなったと申し上げてもいいと思うのであります。ダイヤの改正ごとに特急、急行がどんどんふえていっております。増発されております。これは事実上運賃の値上げの側面を持っておると、私はこういうふうに考えておるのでありまして、これを抜きにいたしまして、基本運賃だけの改正を議論することには、いささか私は問題が残るような気がいたします。しかしいま法的にそういうことになっておりまして、料金のほうは大臣の認可を得ればいいということに相なっておるのであります。そういうふうな形になっておることにつきまして、これまた八州さんの御意見をお伺いいたしたい。それが妥当なものであるか、もっと法律的にこの両者は考えるべきであるかどうか、そういう点をひとつお伺いいたします。
  384. 八田薫

    ○八田薫君 国鉄経営上、非常に重要な問題は料金の問題であると思うんですが、運賃を含めた広い意味の料金の問題と思います。そういう料金をきめる場合の根本原則というのは、この公共性と企業性をいかに調和するか。その調和する点にきめなくちゃならない。ところか実際にわれわれ部外者にとって、あまりこの経営の内容に立ち入って調べるということは困難なことで、国鉄自身が責任をもって経営されておるということを前提にして、そういうこまかい点は私は経営の責任者にまかすべきではないかというのが基本的な考えなんです。それでよろしゅうございましょうか。
  385. 内海清

    ○内海(清)委員 いまの運賃と料金の問題につきまして、このことはおそらくあまり論議されていないと思いますので、ほかの方でだれか、これに対する御意見があればお伺いいたしたいと思いますが――じゃ、ないようでございますので、次にお伺いいたしたいと思いますのは、野元さんでございますけれども、陳述の中で現行の再建特別措置法、これがいま三年目だけれども、その効果があまりあがらなかったということ。それは法の欠陥か、あるいは経営の失敗かということでありますが、これはどちらをおとりになりますか、町元さんとしては。
  386. 野元勇吉

    ○野元勇吉君 私は大半はと申しますより、四分六ぐらいの責任があるのではないかというふうに考えます。一つは、法案の審議というものに対するいわゆる審議のあり方、この辺にも若干問題があると思いますけれども、国鉄というものが今日時点でいわゆる破産状態に到達をするまで放置をされておった。あらゆる形で借り入れ金を使って国鉄の、高度経済成長に見合った形での輸送体系を確立をする。それが一企業、いわゆる独立採算制という名のもとに借り入れ金という形でいつまでも放置をされておった。その辺に対する政府の怠慢さというものが一つあるだろう。  それからもう一つは、ほとんどの陳述者の方も申し上げておられましたように、私は今日の非常に怪物化しておるこの国鉄一家といわれる形の中で、特に国鉄経営者の放慢経営というものが今日のこの状態をかもしておるんだ。こういうふうに考えております。  したがいまして、どちらに責任があるかということにつきましては、先ほど与党である加藤先化のほうでもその責任の一端をはっきりと名言をされておりましたので、私は政府だけでなくて、その法律を踏んまえて経営に努力しなければならない義務を負わされた国鉄経営者の放慢がさらに輪をかけて、わずか三年足らずでさらにこういうぶざまな状態に追い込んだんだ。こういうふうに判断をしておるところです。
  387. 内海清

    ○内海(清)委員 次に、後藤さんにもう一つお伺いいたしますが、この交通政策上から申しまして、現在の再建特別措置法も十年の目安をもってやっておる。今回新たにできますのもそういうことでありますが、これに対応しましては先ほど来御意見もございましたので、省きまするが、要は、この経済と社会の変革に対応できるようになければならぬということがございます。ところが、そういうことから運賃問題を考えてみますと、いまの運賃の中にはいわゆる原価主義といいますか、普通運賃がそうでございます。貨物のごときは競争運賃ということなんです。他の輸送機関との関係でいままで貨物は比較的押さえられてきた。これは久保委員からも御指摘があったとおりであります。この点につきまして、貨物が競争運賃になっておるということ。そこらにいわゆる普通運賃の原価字義との関係が出てくるわけでありますが、それに対しまする後藤さんの御意見がございましたら、お伺いいたしたいと思います。
  388. 後藤肇

    ○後藤肇君 貨物も上がれば、私は最初に申し上げましたように、これは物価に第一番に影響するということで、ここだけではありません、あらゆる機会にこの貨物運賃値上げには反対をしてまいったのであります。しかしながら、現在のこの大きい赤字経営を見ますと、これはただ過去を責むるだけではいかないんじゃないか。これからどうしたらいいかということを考えますと、もうそれは、私がここでこういうことをを言うて新聞でも載りますと、私はひょっとすると道路を通っていても石を投げかけらるるかもわからぬけれども、それはそれ、これはこれとしまして、やはり国鉄経営上から見ましたときに、それから先ほど私が谷北九州市長からいただいた資料が残っておるので持ってまいりましたが、これを見ましても、日本の運賃は特別に安過ぎるというような考えもいたします。しかし、それかというて安いのに越したことはない。もう安い、皆が喜びそうなことを言えば、国民は拍手をしてくれることは、これは私ももうこの年になりゃよく知っております。しかしながら、ただそのときに、大向こうをうならして、そしてはたしてこれが国鉄の再建に役立つのかどうか。再建ができるかどうか。これを私どももう二十何年関係しておりますと、やはりそういうことも考えるのであります。  ちょっと余談にわたりますが、書記長の黒田さんに先ほど会いまして、そして、もっと仲よくしてはどうですか。一家が乱れれば、それはもう繁栄せぬのはきまっております。ところが黒田さんに会って話をしましたら、私は実は黒田さんを目の前に置いて申し上げるのははなはだ、これはおべんちゃらじゃありません。けれどもほんとうに温厚な人で、りっぱな話しをしてくれたので、私はそうかと、こんなりっぱな人がいるのに、どうしてあんなことを言うのか、するのかというような気持ちが実はしたんであります。  だから私は最後のお願いは、どうかひとつ国鉄一家という名のもとにこれは手を取り合わぬと、実はこういう例もあるんです。私は貨物協会をしておりまして、総会があります。そのときに国鉄の幹部を呼ぶということを四、五年前通知したことがあります。そしたら国鉄の幹部は、労組と一緒におれたちを並べるのか。こういう話があって実は私がたんか切ったんです。何を言うんですか、あんた方がそんな気持ちでこれはどうしますか、と言うて、とうとう私のようなわがまま者の言うことが通って、労組の幹部の方にも同席していただいて意見も承るし、こちらの意見も申し上げたことがあるんです。だから私は国鉄の皆さんも幹部も、やはり九州なら九州が、こういう人たちがいるんだから、話せばわかるんだから、やはり肩をたたき合って、そして手を握り合って、賛成してくれぬか。これは無理だろうが、きみたちも賛成してくれないか。これを私は鉄道の幹部諸君にお願いしたい。  それからまた労組の方々も、これもいま申し上げたように話してみれば決してわからぬ人じゃない。私の家には共産党の九州地区委員がいま入っております。これは非常に成績がようて、いま熊本の支店長をさしております。だからこういう人だからといって決して悪いことはないというようなことで、ひとつこれは一家がね、夫婦仲が悪けりゃその家はあまりよくありませんわ。だから、どうかひとつ組合の指導者は、あんた方もですね……。それから国鉄です。国鉄の幹部も労組と手を握り、肩をたたき合って、そして相談するように、それをひとつどうぞお願いいたします。  たいへん失礼なことを申し上げました。
  389. 内海清

    内海(清)委員 時間だそうでございますけれども、次に黒田さんにちょっとお伺いいたしたいと思いますが、まさにいま国鉄も技術革新、これはもう他の交通運輸事業との競争をいたします上にきわめて重要なものであります。しかし、この技術革新はわが国の国鉄は世界的に見ましても、これはかなり進んだものであると私どもは信じております。ところが、経営の合理化あるいは職場秩序の維持というふうな点につきましては、先ほどお話がございましたように、いささか問題があるのではないかという気がいたします。いまの後藤さんのお話のように、両者でいきますると、これはそういうものも解消するかもしれませんが、しかし、これには長年の経過があるわけです。その辺に非常にむずかしさがあるわけであります。  したがって、ひとつ黒田さんは、いわゆる労働運動の専門家としまして、そこにどういうふうな問題がひそんでおり、これを除去するのには、両方で労使においてどういうふうに考えるべきであろうか、進むべきであろうかというようなことにつきまして、ひとつ御意見がありますれば、お伺いしておきたいと思います。
  390. 黒田澄人

    ○黒田澄人君 時間がないようでございますので、簡単に回答申し上げたいと思います。まず、いま御指摘のように、私どもとしてはどうしても国鉄当局と、それから国民、地域の方々と相提携して国鉄を再建しなければいけないと、基本的にまずそう思っております。そこで、労使関係の問題が若干国鉄ではトラブルが起こっておりますけれども、私どもの立場からしますと、まず管理者は具体的に国民のための国鉄を再建するという立場を理解されるならば、それをほんとに身をもって組合員に、あるいは組合の役員にやはり提起されるべきであるというふうに思います。そして自信があって提起されたものにつきましては、やっぱりそれを途中から腰砕けすることなくねばり強く話し合いをしていただきまして、少なくとも不信感を持たせないようにされなければいけない。今日私どもが属しておるところでは、そういうことは比較的謙虚に実は取り組んでおるというふうに私は思っておりますけれども、こういった問題をともすれば、たとえばいろいろと俗にいう突き上げがあるので、途中で腰砕けになる。そういたしますと、せっかく正しく、そして確信をもってやっております労働組合側もそういうことではいけんじゃないかということになりますし、同時にまたその態度を理解される、たとえば組織が違うところの方々もいらっしゃるかもしれませんけども、そういった人たちに対してまた疑心暗鬼、ものの考え方の中に混乱を巻き起こす、こういったことでは私は国鉄の正常な労使関係はないというふうに思います。たとえば、最近マスコミをにぎわせましたマル生運動の問題でございますけれども、これは私ども労働組合の立場として当然このいわゆる不当労働行為は厳に戒めなければいけないというふうに思います。少なくとも労働組合であります以上、そうした不当労働行為的な、つまり組合に対する支配介入はごうもあってはならない。しかし、今日いままさしく議論されております国鉄の再建について、正しい意味の生産性の向上なり、あるいは労使の協議等につきましては、いささかもちゅうちょされることなく信ずるままに労働組合に提起していただくならば、今日の労働組合の紛争はもう少し私は前進すると思いますし、その中で国民の理解を得ることができるのではないか。以上のように思います。
  391. 内海清

    内海(清)委員 ほかの方にもちょっと考えておりましたが、もう時間がまいりましたので……。たいへんありがとうございました。
  392. 宇田國榮

    ○宇田座長 続いて共産党を代表して田代文久君。時間の関係上、十分間にお願いします。
  393. 田代文久

    ○田代委員 ただいまお聞きのように時間がないから十分間でというようなことですから、端的にまず松岡さんに御質問申し上げます。  この国鉄の赤字の根本原因について、政府もまたこの案をつくる基本の中にも非常に大きくうたっておるのは、人件費が多過ぎるという提起なんですね。この問題について非常に私は誤った方向での政府並びに国鉄の宣伝がなされておるんじゃないかというふうにも思いますし、先ほどの御意見を承る中でもいろいろ疑問の点がありますので、質問いたしたいと思うのでありますが、大体私どもは、現在国鉄が赤字だ赤字だと言っている問題は、人件費が非常に多い、あるいはもう一つ言っているのは輸送量の伸びが不十分だというような点にしぼられてきておるようでありますけれども、私どもが実際にその中をいろいろ数字など当たってみますと、必ずしもそうではない。たとえば、国鉄自身が出した監査報告の資料によりましても、昭和四十四年度をとりますと、人件費が三十五年度を一〇〇として、四十四年度における人件費はどれぐらいの割りになっているかというと二六七ですね。したがって二倍と六・七、人件費が三十五年度に比べてそれだけふえているんですね。ところが、経営経費の総額というのは二九五ですから、約三倍近く上がっておるんです。その中で最大の上がりはこれは人件費でも何でもなくて、利子及び債務取り扱い費というのが何と五七六です。したがって、この三十五年度における一〇〇に対して五七六という倍率になっているわけですね。それからまた修繕費なるものが三六五ですね。それから減価償却費、これが非常にやっぱり問題なんですが、これが三一七ということになっておりまして、これは国鉄当局自身が出した数中ですから、これによって言うわけですが、この点を見ましても、人件費の営業経費総額において占める割合比は一般にいわれているような、そういう人件費が上がる、だからこんなに赤字になっているんだというようなものではないということははっきり言えると思うんですね。私どもは大体、人件費とは一体何かということをはっきりさせなければいけないと思う。人件費が高いという理由になるならば、国鉄で働いている従業員は食うや食わずで、あるいは腹を干してもええかと、赤字を解消するために。そういうばかなことはあってはならないということは当然なんですね。人件費というのはその国民なりがその社会における平均した、現在でいえば日本における高度成長というこの社会水準の平均数個に対して、労働の報酬として働く人たちが当然受くべき性格のものであって、赤字が出たからこれは人件費を下げるとか、上げるとかということにしぼるべき性格のものではない。赤字になっておるからあんた腹を干して死んでもええじゃないかというような理論になりがちになっておるのが、いまのあれだと思います。ですから、そういう点で私は非常にこれは問題があるし、それからまた国鉄の労組の賃金が非常に商いようなお話もありましたけれども、決してそうではないと思うんです。年齢が高いから人件費が高い、あたりまえじゃないかという理論が成り立つわけでありまして、実際において今度の政府の出しておる法案からいいましても、これは十年後における労働者の人件費の値上がりをどう見ておるか。大体一二%前後、あるいはそれ以下というんですよ、十年後に。それから昨年あるいは一昨年などの労働者賃金の値上がり率を民間から比べると、御承知のようにはるかにこれは低いわけですよ。実際に低い。現在の物価高、あるいは現在の民間の賃金に比べても実際アップ率が低い。それからまた、それも十年後における物価、これははるかに上がることは見通されるわけですから、それを大体一二%なり、あるいは一〇%前後に抑えるという計画そのものが実際私は非常にこれは正しくないと思わざるを得ないのであります。したがって、こういう意味で、人件費が高いから赤字になっているということで全労働者のほうに責任を持ってくるというような計画の立て方、この法案自体が根本から私は間違っているんじゃないか。  それからまた一般に赤字だ赤字だといわれている中に、貨物運賃あるいは旅客運賃の問題があります。同じ運賃といいましても、実際に国鉄が赤字を出しておるのは貨物運賃が大きな赤字を出しておるわけなんです。これは四十五年だったと思うんですが、大ざっぱに申しまして、大体貨物運賃の赤出というのは千八百億、旅客運賃は黒字を五百億ぐらい出しておる。その差の千三百億円ぐらいが、これが赤字だというふうに出ておるわけですね。ですから、実際におけるこの赤字の元凶は何かといえば、これは全体的にいいますと貨物運賃だ。しかも、この貨物運賃をまた分析してみますと、いわゆる大手筋、大企業の運ぶ運賃の比率が大体六〇%を占めているわけで、たとえば野菜とか、あるいは鮮魚とか、こういうものは今度の法案によりましても、非常に差別ができておって、そしていままで四等級であった貨物運賃を、今度は三等級にするという中での操作がやられて、そして非常にこれは大企業に有利な形での操作がされておるわけなんです。ですから、大企業の輸送貨物については平均が二四・数%といいますけれども、実際におけるその等級を上げるとか、そういうことによって出てくる操作によって、私たちの計算によると大体六・八%ぐらいしか、そういう大企業における貨物運賃の値上がりというやつはない。むしろいま言った零細な小荷物とか、あるいは私たちの生活に直接に関係のある物資の輸送については三〇%以上の大きな値上がりになっている。こういう実態になっているわけですね。  それから時間がありませんから申し上げませんけれども、減価償却費ですね、これが三百幾らになっているというような上がり方の中にも、これもやっぱり操作がされておるんですね、たとえば、減価償却の二十七年度で償却するというやつは今度は二十三年度に切り上げるとか、いままで一年後に償却を始めるというやつを、もうすぐ翌月から償却を始めるというような、非常に減価償却率を高めることによって、そこに蓄積が行なわれるというような、そういう点が非常に明確さを欠く中で、ただ赤字だ赤字だという形で、しかもこれが一般の旅客や、あるいは零細企業のほうへ持っていかれるという形になっておるところに非常に大きな問題があるということで、私どもはいま国会でこれは腰を据えて審議しなければならない、こういうことになっておりますが、先ほどのお話で非常に人件費が高いんだというふうな点がどうも納得がいきませんので、その点を質問申し上げたいと思うわけでございます。
  394. 松岡正一

    ○松岡正一君 田代先生の御質問に対してお等えいたしますが、私は国鉄の赤字の原因につきましては、五項目をあげて説明いたしました。  第一番が、いわゆる人件費の増大の問題でございます。次が地方交通線、いわゆる赤字線のもたらす赤字。その次が輸送分野の変遷がもたらす赤字。借り入れ金の金利の増大からもたらす赤字。それから国の施策の欠除がもたらす赤字。というふうに五つをあげまして、赤字の原因を分析いたしましたわけですけれども、この人件費の問題につきましては、先ほど説明いたしましたようなわけで、単純計算からいたしますと、そういうことになるわけですけれども、これは発生の歴史的な事実を私どもは御説明いたしましたけれども、戦後、大量な復員の人員をかかえて、そのまま国鉄が経営をやっておるというようなことから、そのまま定着いたしておりますので、そういうふうな形になっておろうかと思います。ただ、能率面の問題からしますと、単純計算ではやや問題があるようですけれども、必ずしもこの赤字の原因は人件費だけではないわけでございます。地方の赤字線のもたらす赤字の金額にいたしましても決して少額なウエートではないわけです。  さらに先ほど田代先生もおっしゃいましたように、この貨物輸送のもたらす赤字、これはやはり先ほど例をあげて説明いたしましたけれども、輸送分野の変遷ですね、要するに貨物輸送のシェアが三十五年度に比較いたしますと、四十四年度が半分の二〇%を割っておる。三十五年度で三八%のシェアがあったものが四十四年度には半分の一九%に落ち込んでおる。こういうふうな点にやはりこの赤字が大きく出ておるわけでございます。御指摘のようにこの貨物運賃によるところの赤字が約千八百億、旅客のほうは逆に黒字の五百億で、差し引き千三百億が赤字の原因になっておるというふうなことがあったわけですけれども、これはやはり輸送分町の変遷がもたらす赤字ではないか。  次に借り入れ金の金利の増大の問題ですけれども、これはもう先ほどからずいぶん言い尽くされた問題でございますので、ここであらためて話すまでもないわけですけれども、借り入れ金の金利が大体千五百億をこえておるというふうな形から見まして、四十五年度の運賃収入が一兆一千億、それに対しまして四十五年度の利子の食指率が約一四%、こういうふうな形になっておるわけです。普通、企業の場合六%をこえますと、大体、賃金の遅配、欠配が起きてくる。一〇%をこえれば大体倒産と、こういうふうに常識線としていわれておるわけでございます。これが何と一四%をこえ、さらに先ほどから説明を伺ってみますと、四十六年度は一五%を上回っておる。これでもまだ息があるわけです。そういったところにやはり根本的に問題があるんではなかろうか。こういうふうに考えるわけでございまして、この赤字の解消対策は一朝一夕に単純な問題でできるものじゃなくて、いろんな問題をいろんな要素別に分けて、それを複合形式でいろんな角度からやはり実行していかなきゃならぬのじゃないか。単純に割り切れるものではない。先ほどどなたか委員の方が言われたんですけれども、国鉄一家というのはまことに複雑怪奇だと、こういうふうにおっしゃっておられましたんですけれども、まさにそのとおりで、いろんなところにそういうふうな数字の片りんが出ておるわけです。したがって、この赤字の解消の問題については一朝一夕にできる問題じゃございません。お尋ねの赤字の原因の要素の問題につきましてお答えしておるわけでございますが、その程度でよろしゅうございましょうか。
  395. 田代文久

    ○田代委員 もう時間があれで、どうもありがとうございました。赤字の原因は、利子とそれに対する返還の問題ですね、これが一番最大と思いますけれども、時間がありませんから一応これで、どうもありがとうございました。
  396. 宇田國榮

    ○宇田座長 これにて質疑は終わりました。以上で会議を終わります。  この際、ごあいさつ申し上げます。  意見陳述者の方々におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見を述べていただき、まことにありがとうございました。拝聴いたしました御意見は、国有鉄通運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の審査に資するところきわめて大なるものがあると信じます。厚く御礼を申し上げます。  また、この会議開催のため格段の御協力をいただきました関係各位に対しまして、深甚の謝意を表する次第であります。  これにて散会いたします。     午後三時十三分散会    派遣委員の北海道における意見聴取    に関する記録 一、期日    昭和四十七年四月二十四日(月) 二、場所    北海道議会会議室 三、意見を聴取した問題    国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建    促進特別措置法の一部を改正する法律案に    ついて 四、出席者  (1) 派遣委員    座長 徳安 實藏君      小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君       羽田  孜君    金丸 徳重君       宮井 泰良君    河村  勝君  (2) 現地参加委員       箕輪  登君  (3) 意見陳述者         札幌商工会議所         副会頭     佐藤 健二君         北海道教育大学         助教授     三好 宏一君         鹿ノ湯ホテル社         長       金川 幸三君         札幌短期大学学         長       村岡 重夫君         日本甜菜製糖株         式会社札幌支社         長       小野 宗一君         岩見沢市市議会         議員      葛西 正治君      ――――◇―――――    午前十時十二分開会
  397. 徳安實藏

    ○徳安座長 これより会議を開催いたします。  私は、衆議院運輸委員会派遣委員団団長の徳安實藏でございます。  私が、この会議の座長をつとめますのでよろしくお願いを申し上げます。  この際、私から派遣委員を代表いたしまして、一言ごあいさつ申し上げます。  皆さま御承知のとおり、ただいま本委員会におきましては、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして審査を行なっておるのでございます。  当委員会といたしましては、同法案の審査にあたりまして、国民各層の意見を聴取するため、本日、福岡市と当市におきまして、この会議を催し、各界の代表者から忌憚のない御意見をお伺いすることにいたした次第であります。  本日、御意見をお述べいただく方々には御多忙中のところ、この会議に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。  まず、この会議の運営につきまして申し上げておきます。  会議の議事は、すべて衆議院における委員会運営についての議事規則及び手続に準拠して行ない、議事の整理、秩序の保持等は、すべて座長である私が行ないます。発言をなさいます方には、必ず、座長の許可を得て発言していただきたいと存じます。  なお、この会議におきまして御意見をお述べいただく方々は、派遣委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知をお願いいたしておきます。  次に、会議の順序につきまして申し上げます。  まず、午前中に陳述者から順次御意見をお述べいただきまして、午後再開してから、派遣委員から質疑が行なわれることになっております。したがいまして、時間の関係もございますので意見陳述の時間はお一人十五分程度にお願いいたしたいと存じます。  それでは、まず本日の委員出席者を御紹介いたしたいと存じます。  自由民主党、小此木彦三郎君、唐沢俊二郎君、羽田孜君。日本社会党、金丸徳重君。公明党、宮井泰良君。民社党、河村勝君。現地参加委員自由民主党、箕輪登君であります。  次に、各界を代表して御意見を述べていただく方々を御紹介申し上げます。  札幌商工会議所副会頭佐藤健二君、北海道教育大学助教授三好宏一君、鹿ノ湯ホテル社長金川幸三君、札幌短期大学学長村岡重夫君、日本甜菜製糖株式会社札幌支社長小野宗一君、岩見沢市市議会議員葛西正治君。以上の方々でございます。  それでは、佐藤健二君から御意見をお述べいただきたいと存じます。
  398. 佐藤健二

    ○佐藤健二君 御指名にあずかりました佐藤でございますが、公述申し上げます。  今回の運賃改正はやむを得ないものと判断します。理由としまして、総括的に申し上げるなら、物価に対するはね返りは約〇・四%足らずぐらい、昨今の物価上昇は、国鉄運賃の改定とあまり関係を生じないものと思います。特に、昭和四十一年に貨物運賃の改定をし、現益の物価上昇と関係は生じないし、また、今回改定される運賃についても、物価上昇に拍手をかけるような結果にはならないと思います。むしろ、国鉄運賃を改定したら、これに便乗して、運賃が上がったからといったことを理由に流通機構等において便乗して物価を上げることこそ警戒を要するものと思います。以上、運賃改定には賛成します。  ただ、私としまして、以下申し上げる七項目につきまして国鉄当局に御要望したい次第でございます。  一つ、生産性向上に関する提言。二つ、国鉄関連事業の設置強化。三つ、人員整理に関する中身について。四つ、国鉄の経営に民間経営者を任命することでございます。五番目、地域にある国鉄総局に運営委員会をつくることでございます。六番目、労使休戦を数年間提言したいと思います。七番目、自治体に対する納付金の即時中止をお願いしたいと思います。この七項目につきまして私の意見を申し上げます。  生産性の向上に対する指導及び施策を強化することでございます。生産性向上を強力に展開するべきことでありますが、これについては議論する余地はありません。国の資金が投入されているからといって生産性向上運動に反対するがごと弄印象を与えておりますが、事実とするならば、国の資金といえども国民の税金ではなかろうかと思います。したがって、利用者を無視したことになるものと思います。国鉄といえども、一企業である以上、生産性向上への努力は怠るべきではないと思います。昭和五十三年まで、今町を含めて三回の運賃改定を計画しておりますが、これについて抜本的な措置が考えられなければならぬと思います。  二番目、関連事業の強化措置につきまして。関連事業を新たに国鉄組織の中に設けるよう国鉄の所有する不用に等しい土地及び建物もあるから、積極的にこれらのものに投資をして効果を生み出し、特に、都市周辺においては土地等を住宅供給等に協力してほしいと思います。たとえば、当礼幌を例にとってみますと、現在、その機運になっておりますが、新幹線高架それから駅前の再開発を目途とする交通センターの問題なんかは、その一例でございまして、これも一助になるものと思います。過疎地域にある、その地域にふさわしい投資効果を生み出し、国鉄の経営合理化に貢献することも緊要と思います。  三番目、合理化計画書の中身についてでございます。昭和五十三年まで十一が人の人員整理をすることになっておりますが、これは自然減耗をみており、このような消極策では再建策には疑問を生ずるものでございます。民間企業ならば数年前に倒産しているはずでございます。したがって、手ぬるい計画と私は申します。第二項で申し上げましたごとく、関連事業の積極的計画を立案して、職員の配置転換等を考えるべきではなかろうかと思います。最近、一例を申し上げますと、民間商社の観光産業等への投資、北海道には大型の投資がされておりますが、これなどについても国鉄は目を向けるべきだと思います。  四番目、国鉄の経営に民間人の起用でございますが、いまや国鉄は病人にたとえるならば危篤の病人であり、専門医にのみにまかせることはできないと思います。したがって、国鉄経営の中に民間より経営者のエキスパートを投入しまして再建合理化に参画させるべきではなかろうかと思います。いわば社外重役というような形のものでございます。  五番目、国鉄総局に運営審議会または運営委員会を設けていただきたい。国鉄の合理化についてどうされるるべきであるという意見で提言しております。合理化と協力、もって国民からは遊離されないことを方向づける必要があります。言いかえるならば、一段と国民に協力の要請をすることが必要であります。  六番目、労使休戦の提言でございます。例年利用者に多大の迷惑をかけ、したがって、利用者を無視している争議行為が続行されております。このようなことを繰り返すなら、運賃改定しても再建合理化実施計画が根底から破壊するものであることを強調するわけでございます。その危険がないとは申しません。国鉄、労働者側にも反省すべき点があります。また、国家資本といえども国民の税金であり、利用者の立場に立ち返って、労使ともに反省し、肝に銘じて毎歳を繰り返さぬこと、そのためには労使休戦を可能な限り実現さしていただきたいと思います。  七番目、自治体における納付金の件でございます。自治体に対する納付金、これは現在、国鉄の財政からして納付することを中止し、即刻実施されたい、われわれが考えてみても、政府と自治体は一体であり、そういう形が至当と思われるならば、このような国鉄経営をされた投資額は、昭和三十一年より昭和四十六年まで一千四百億円以上になっておりまして、一年に百十四億ほど自治体に納付されておりますが、この資金を、合理化に条件つきにて投資させるべきだと思います。自治体は、この納付金を当てにしないで自治行政の運営をすべきではないかと思います。  以上申し述べまして、国鉄当局、労使ともに利用者の立場を直視して、再建に倍旧の努力を重ねることを願うものであります。  以上、公述人として運賃改定には賛成をもって、この七項目を付帯条件として私は申し上げます。終わります。
  399. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありがとうございました。  次に、北海道教育大学助教授三好宏一君。
  400. 三好宏一

    ○三好宏一君 まず、国鉄運賃が北海道の物価に対する影響から述べてみたいと思います。  御存じのとおり、北海道の消費者物価指数は全国のブロック別の地域格差からみますと、大阪、東京近辺に続きまして、大体全国で第三位の高物価となってあらわれてきております。これは御存じのとおり、物価の中の運賃が大きく関係していることは否定できないのでありまして、道内などの利尻を例外といたしますが、稚内、根室、浦河、江差等は、この一、二年をみましても、二・五%から六・四%の格差となってあらわれておりまして、いずれもこの運賃の影響はかなり大きいのであります。これは食料品関係の価格でありまして、北海道は、中間加工産業が一切欠落しておりますから、すべて本州からの移入をもって行なっております。してみますと、食料品以外の消費者物価に対する影響は、地域格差からみまして、これよりもっと大きいと思わざるを得ません。この点、経済企画庁あたりの物価流通費に占める国鉄運賃が二・二%といったものでは、一律に地方は論ずるわけにいかないのであります。同時に、同じく企画庁の数字の五・六%に達しております商社流通関係の旅客運賃であります。つまり、セールスマンその他に要する運賃がございますが、これもやはり単なる運賃と違いまして、かなり大きな影響を地域が広がるにつき、与えるものと思わざるを得ません。試みに、昭和四十年、四十一年は、かなり消費者物価の上昇が激しかった年でありますが、北海道はこのときにかなり大きな全国水準よりも高い数字を示しておるのであります。この点からみて、よほど運賃引き上げは慎重を要するものと考える。  もう一つ、北海道経済に関することを申しますと、この北海道は鉄道貨物による輸送の比率は全国よりもかなり商いのでありまして、これは北海道の経済白書が示すとおりでございます。比率にしますと、おそらく二倍ぐらいになっておるかと思います。ところが、輸送しておる品物でありますが、石炭が千三百万トン、木材三百八万トン、紙が百四十万トン、農産物の米が三十六万トン、豆が二十二万トン、てん菜が六十四から二十八万トン、その年度によって違います。鉱石が七十三万トン、ほぼこれをもって尽きるのであります。コンテナ輸送を見ましても、コンテナ輸送の約五〇%は、乳製品と単板、合板、ベニヤ板のたぐいであります。それから水産品に馬鈴薯、タマネギという、これをもってコンテナ輸送の五〇%に達しております。  以上、これらの産業を見ますと、一九六〇年以降の貿易自由化の中で、かなりきびしい経済競争にさらされて苦闘しておる分野なのでございます。輸送コストによるハンディキャップというものは決して今後の競争に小さなものではございません。まして、北海道の死命を制すると言われた石炭産業に至りましては、九州に比べまして、内陸輸送費が最大のハンディキャップとなっております。今後の石炭産業のためにも容易ならざる運賃引き上げは、影響を与えるものと考えざるを得ないのであります。  以上、地域の実態を申しましたが、これによって、私は、運賃値上げには簡単に賛成するわけにいかないと申し上げざるを得ません。これが第一点であります。  第二点は、物価と異なりまして、国鉄の再建に関して、地方の住民の目からひとつ意見を述べさせていただきたいと存じます。特に、石炭産業の合理化という深刻な経験を持つ北海道の人間として申し上げてみたい。  第一点は、今回の計画は、四十三年の脇村義太郎先生や、都留先生あたりが参加されました、およそ国鉄再建の憲法というべきものと呼ばれた意見書に基づきました計画が、わずか二年をもって破綻に到達したということが国民の前にさらされているのが現実かと存じます。してみますと、国鉄の再建は、昭和三十二年の第一次合理化計画以来十数年にわたっておりますが、そのたびに赤字の破綻と累積赤字が激しくなってくるということが事実かと存じます。この点まことに石炭産業とよく似ておるのでありまして、国民の前に、何がゆえにこのような破綻が生じておるのか、もう少し事実を明らかにして、国民参加の上でこの事態は収拾しなければならないかと思うのであります。特に今回の場合、私の不勉強かもしれませんが、前回の計画に明らかに明示されておりました、保安、安全対策の問題と、いま一つは都市の過密化の大型通勤都市輸送の問題がどうもはっきりはしておらないのでないかという気がしてなりません。この点、もしも計画に変更があるとすれば、一体、国民に前回約束した問題はどのようになるのか、まことに理解に苦しんでおるのであります。これが第一点でございます。  第二は、石炭産業の崩壊を反省いたしますと、何と申しましても、総合交通政策の欠如が、国鉄の場合そうでありますが、総合エネルギー政策というものがついに最後まで明示されなかったのであります。言ってみますと、石炭産業の独自の分野の確立とセキュリティーの確保というものがほとんど問題にならずに、競争と価格の波に翻弄されて今日に至ったのが事実かと存じます。私、専門ではありませんけれども、いろいろな官庁関係の資料を見せていただきましても、今日、日本に総合交通政策が立てられて、その上で国鉄問題がみごとに論ぜられておるかというと、どうも私には納得できません。たとえば、今回の改革と申しますのは、旅客中心であります。ヨーロッパの鉄道その他見ましても、貨物輸送中心の大再建計画でありますけれども、悲しいかなこの旅客の新幹線中心、言ってみますと、スクラップ・アンド・ビルドでございます。  おおよそこの十年計画という限り、現在の日本ではモータリゼーションの問題をどうするのか、あるいは鉄道と道路コストの比較検討といったものはよほど慎重を要する問題かと思うのであります。特に、昭和三十二年以降の国鉄の大きな赤字なり経営の困難に立ち至りましたのは、私は貨物輸送の問題ではなかったかと存じます。言ってみますと、高度成長生産力の発展に対応する体制を今日の国鉄が十分とれなかったところに旅客運賃の問題やら新幹線方式しかとれなくなってきておると思う。この際、日本の国民の国鉄であるならば、いま一ぺん十年計面を真剣に取り組んでいただきたいというのが気持ちであります。  石炭産業を振り返ってみますと、赤字の山は切り捨てる。採算のとれるだけは掘りまくる。あてにしておった美唄や奔別という、西ドイツに匹敵する縦坑の掘った山さえも、しまいにはどうにもならなくなるという、スクラップ・アンド・ビルド方式というのが、先ほど申しました総合エネルギー計画をよほど明確にしたしでなければ、簡単にをうけてならないものではないかと存ずるのであります。  第三点を申し上げます。第三点は、十一万人の人員整理の問題でございます。国民の一人として、この十一万人の数字というのは、いかなる技術士の根拠から算出されたものか私どもにはわからないのであります。試みに、昭和三十五年には四十五歳以上一万人ということをおっしゃっておられた。第二次計画は三万人であります。四十二年の前期計画で五万人、四十四年にはいわゆる十六万五千人ということを言われております。今回、十一万人というこの数というのは、一体ほんとうに国鉄輸送の技術上の問題からはじき出されたものであるか、全く逆に経営上の問題からはじぎ出されたものであるか、この辺、私どもには何とも理解できないのであります。試みに、石炭産業の反省を申しますと、石炭産業は、将来一千二百円の単価引き下げをもちまして、五年後の総売り上げから資本、諸経費を一切を差し引いた残った人件費をもって当時の平均賃金を割りまして人員を算出いたしました。つまり、技術上からの人員ではなくて経営上からの人員は、その当時五万人首切りございました。私は専門でないから、これ以上の疑問は出すわけにいきません、この問題には。しかし、どうみてもこの十二万人という数字は国民の前に明らかにしていただきたいのであります。  つまり、石炭産業が、そのような合理化を進めた結果、労働災害の続出、労働力の逃散でございます。続いて一ぺん大きな災害が出た場合には、その山はつぶれてしまうというみじめな運命をたどりましたのは、一にかかって生産の重要な構成要素である労働力に対する慎重な配慮を欠いた再建だったかと思われてなりません。私は、少し人情をからんで申しますが、国鉄労働者の顔を見ておりますと、私はやはり灯台守の顔が浮かぶのであります。この真剣な精神によって、日本のレールを守ることによって日本の経済をささえておる。決して経営採算から、この数は、問題にしてはならないものだと思うのであります。この辺よろしくお願いしたいと思います。  最後の問題は、北海道における赤字路線の切り捨てでございます。  御存じのとおり、赤字路線の切り捨てはどの程度にとどまるか。これも今後の問題で明確ではないのかと思いますけれども、およそ日本の国鉄が、約一万キロ程度の基幹線を中心にして運営するということが基本構想かと思いますが、一万キロと申しますと、大体、大正九年ごろの基本的な構造であります。他のところは、かなり浮動した問題に陥らざるを得ません。  御存じのとおり、北海道の場合、総合開発計画の第三期という、現在進行中の計画によりましても、新線四百五十億円というのが切り捨てどころか、線路の延長をもって北海道は考えておるようであります。ところが、今回のこの切り捨てによりますと、これがだめどころか、現在公団で建設中の十一線、六百十一キロがつくっている最中の片っ端から、新聞のことばによりますと、めくられるという問題となっておるのであります。  一体、北海道の長年開発のために僻地でもって暮しました人間の目の前でこのように行なわれるということは、北海道の将来の生産と郷土の建設のためには、まことにゆゆしい人心の問題として私には映ってならないのであります。  おそらく、この赤字線の切り捨てによりまして、どれほどの金が浮くかは、おそろしい政治的な問題かと思いますけれども、何といっても将来の社会の展望を失うような、見るも無残な、与えたものをすぐに取り戻して投げてしまうということは、とうてい私は政治の行なうべきことではないのかと思うのであります。  大体以上でありますが、以上によりまして、私は今回の国鉄運賃の値上げには反対をいたします。もしもどうしてもおやりになるというのであれば、しばらく国民の間に時間をかけて、国民の総力をもって再建を求めるというのがきわめて普通のことかと思っております。このために、当面国鉄運賃の値上げは保留し、一般会計からの資金をもって行なう。十一万人首切りと赤字路線の廃止は、当面中止をし、全国民の前に国鉄の実態が十分に明らかになるような監査機関を設けて行なっていただきたいと思います。およそ国民の税金は国民のものでありますが、納得のいくものであれば、それでけっこうだと思うのであります。よろしくこの国鉄の再建のために努力いただきたいと思います。  以上でございます。
  401. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありがとうございました。  次に、鹿ノ湯ホテル社長金川幸三君。
  402. 金川幸三

    ○金川幸三君 私は、今回の運賃値上げにつきましては、条件づきで賛成いたします。  わが国の国内輸送の現状を見ますると、自動車あるいは航空機、船舶等の目ざましい発展がありますけれども、この狭い国土におきまして、一億人以上の人がひしめきあい、しかも高度に工業化されようとしておりますわが国におきましては、これがいかに充実されましても、その輸送能力には一定の限度があるものと存ずる次第でございます。狭いこの日本の国土を活用するためには、最も効果的な交通体系を確立することが必要でありますけれども、その際、中心となるべき輸送機関は、やはり高速であり、かつ大量輸送である鉄道である。それゆえに、なお国民の期待するところはきわめて大きいものがあると、かように信じておるものでございます。  しかるに、聞くところによりますと、現在の国鉄の経営状態は、昭和四十六年度末に八千億円にも及ぶ赤字が予想されております。まことに暗たんたるものがあると感じられるわけでございます。このようなときに、今回の運賃値上げの問題は、国鉄財政の根本的な再建をはかるためにぜひとも必要なものであると考えます。  また、私は国鉄の赤字のすべてを税金でまかなうことは、むしろ不公平であると考えます。国鉄がその公共的使命を達成するためには、国の大幅な財政援助を必要とすることはもちろんでございますが、同時に、その一部を利用者が負担することはやむを得ないものであると、かように考えます。  以上のように、私は基本的に賛成意見を申し上げましたが、これは国鉄がわが国の経済発展に大きな役割を果たし、かつ国民の期待に十分こたえてくれるであろうと確信しているからであります。この機会に国民の一人といたしまして、あるいは一利用者といたしまして、国鉄に次のことを強く要望したいと存じます。  先ごろ発表されました全国新幹線網整備計画は、それが完成された暁には、わが国の経済の発展並びに国民生活の向上にはかり知れない利益がもたらされるものと存じます。特に、北海道につきましては、第三期北海道総合開発計画におきまして、特にこの雄大な大自然を背景といたしまして、魅力ある国民の保養地の場を形成するということが要請されております。近年、北海道を訪れる観光客は急激に増加しておりまして、これについて観光消費額も大幅にふえております。地域差業の育成や道民生活の向上に大きく寄与しておることは、すでに数字で発表になっております。これらの観光需要、さらには経済活動の高度化によるビジネスの動き等も考えますと、世紀の事業といわれます青函トンネルの開通と同時に、ぜひ北海道新幹線の札幌乗り入れを実現していただきたいと、かように存じます。この計画につきましては、もちろん巨額の資金を投入することになっているようですが、このような国家的な大プロジェクトを完成させる以上は、できるだけその効果が沿線の外地にまで波及するということをあわせて配慮していただきたい、かように存ずるわけでございます。  次に、単線を複線に直すことによりまして、列車の本数が非常にふえます。また同時にスピードアップされます。過日の交通新聞でも私は見ましたけれど、非常に国民は優等列車であるとか、あるいは高速列車というものを大きく希望しておるように出ておりましたが、このようなスピードアップが単線が複線化されることによって可能となり、また電車を入れることによりまして、さらに旅行が快適なものへとなることは周知の事実であります。現在、小樽-札幌間に電車が運転されて沿線の住民が非常に好評を持って迎えておりますけれども、今後さらに、この電車を増発させるとともに、他の主要線区にも早急に複線電化の計画を促進していただきたいと、かように考えております。  また私の感じたところでは、道内の客車は本州に比べて見劣りがしております。この点につきましては、私はホテル業の関係もございまして、観光客からももちろん聞いておりますし、また私自身も列車に乗りまして見劣りする客車であるということを感じております。また、決して料金は安くはありません、同じです。この点についても、新しいよい車両を入れて、楽しい北海道旅行ができるようにぜひしていただきたいと、かように考えます。  次に、サービスについて申し上げます。最近は忍の窓口ができまして、以前に比べますと、非常に切符の購入も簡単にはなりましたが、しかし相変わらず時期によっては、なかなか切符がすぐ手にはいることは困難なことであります。このようなことも、設備面での改善とともに、利用者に対するサービスについてまだまだ改善の余地は多分にあると存じます。また、国鉄の乗車券を買うことによって、同時に到着地におけるホテル、旅館の予約もでき得るという将来の構想もぜひお持ちいただきたいと、かように考えるわけです。  次に、最近発生いたしました各種の事故あるいは利用者を無視したような労使紛争等は、国鉄への信頼感が揺らぐ思いがいたします。私ども部外者にとりましては、その原因が何であるか、詳しくはもちろんわかりませんですけれども、このようないがみ合いを一日も早く、ひとつやめていただいて、利用者本位の国鉄にぜひなっていただきたいと、かように考えるわけでございます。  次に、国鉄当局に対しましては、さらに徹底した合理化を強い決意で推進されるよう要望いたします。国鉄が近代的な企業として発展するためには、能率的で、しかも合理的な運営を行ない、コストの安い輸送をしなければならないと思います。われわれ部外者が考える以上に、国鉄当局は真剣に、もちろん取り組んでいられることとは存じますが、一日も早く、これらの合理化を達成すべきものであると考えるようなわけでございます。  以上、いろいろ申し上げましたような条件を満たすことを前提といたしまして、今回の運賃値上げはやむを得ないものと考え、賛意を表するものであります。  最後に、国の関係機関におかれましても、国鉄再建のための諸施策を強力に実施されるようお願いを申し上げまして、私の公述を終わります。
  403. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありがとうございました。  次に、札幌短期大学学長村岡重夫君。
  404. 村岡重夫

    ○村岡重夫君 私は、今回の値上げ案というものに対して反対するものです。  そのことのために、まず北海道の経済の状況を述べていきたいと思う。  北海道経済の特質は、開発以来百年たっております。で、第一次拓計、第二次拓計、戦後において第一期、第二期、第三期と、今回にまで至っております。非常に近代的な計画が進んだようではあるけれども、本質というものがやはり脆弱であって、過去からいわれておるところの植民地の本質というものはいまだ脱していない。非常に脆弱な経済構造の上に立っておるのではないか。そういうことが考えられるのであります。第一次産業といわれる農業、林業、産業はどうであるか。  まず農業においては、酪農が盛んにいわれておる。また畑作では、馬鈴薯をつくれ、ビートをつれと。また水田は品種改良をしたといわれておるけれども、依然としてわが国の農業政策の行き届かない事柄によって、農民というものは、非常に混迷を続けておるのではないか。  また、工業はどうであろうか。第二次廃業の統計、ちょっと古いのですけれども、四十二年の北海道工業統計調査によりますと、北海道の特性としまして食料品製造業が三六%、木材木製品が一四・九%、これは中小企業の生産の形であります。これは零細を含んでおります。鉄鋼は一二・七%、紙バルブが一二%、合計しまして二四・八%、これの生産の集中度は非常に高い。巨大資本によるところの生産の形をとっておるというのが、北海道の一つの一貫した生産の構造であります。  それからまた、本州資本が北海道にはいっておる。これは工場数でいいますと、これもその統計によるわけですけれども、四十三年当時で三百七十七、今日ではもっと多くなっております。全道単位では二・九%というわずかなものである。しかし、生産額はどの程度であるか、約半数に近いところの四六%というものを占めておるではないか。そうすると、九七%からなる零細ないし中小企業が半数少し越したぐらいの生産であり、わずか三%に満たないところの内地資本が四六%から占めているという、こういういびつな工業の形というものが北海道に見られておる。そしてさらにまた統計を見ますと、北海道移出入白書というのが昭和三十四年と昭和四十年に行なわれております。  これはさっき三好さんが言われましたように、北海道から本州のほうへ出て行くものの大部分は原材料と燃料、そういう生産材からなっておる。これの百分比を見ますと、井出額全体の六四・六%、約六割五分に当たっている。入ってくるものはどういうものであるか、これは道民の生活必需品である消費材のものである。  それからもう一つは、北海道の工業に要するところの機械類その他の機械生産に要するところのものであって、これも加工度の高い最終製品である。これが全体の六八・四%になっておるわけであります。そうしますと、北海道の特徴は、どういうものであるか、北海道は道外に対しては、原材料を補給する供給の基地である。同時に、道外で生産されたところの完成品の販売市場として北海道が、ことばは悪いけれどもねらわれておる。札幌にお出でになったらすぐわかると思うわけです。駅前から薄野に至るところの、あの内地資本がとうとうとして現在入り込んできておるでないか、そうして見ると、北海道の経済というものは、決して北海道自体で立っておるものでなく、内地資本というものに依存して北海道経済が成り立っておるのではないかと、そういうふうな事柄がいえるのでないか、これが北海道の特徴であろうと、そういうふうに思うわけです。  そういう北海道経済の基点を踏んまえまして、私は今回お出でになりました衆議院の運輸委員会へ四点の要望事項を申し上げたいと思うわけです。  本道経済のこのような単純にして底の浅い経済構造の中において、本邦運輸交通政策の発展とはうらはらの消極策については納得せざるものがあり、即、私は反論したい。  一番目としまして、割引制度の復活であります。公共政策割引のうち、暫定割引と特別措置割引の割引率を、四十六年十月五日から半減するということと四十七年一月から全廃することが閣議で決定され、割引半減措置については公示し、実施されております。この事柄によって、北海道は十五億四千万円の影響を来たしております。全国では五十一億円。割引全廃の処置はいまさっき申しましたように、道内各産業に与える影響が非常に大きい、そしてまた、その弊害がはかり知れざるものがありますので、私は割引制度の復活に対しては、強く要望いたしたいと、そう思うわけであります。それが第一点です。  第二点としましては、国鉄運賃改定につきまして。政府におきましては、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律が、もし実施されるものとするならば、北海道民、またこれは日本もそうですけれども、産業及び経済に及ぼす影響が強いので、これは反対すべきである、反対します。  その中の一番として、普通旅客運賃の値上げは、現行の二割から二割七分に高騰することになる。ほかの公共料金軒並みの値上げに関連しまして、国民産業及び経済の耐えるところではない、だから、これは反対すべきである。  それから、二番目としまして、貨物運賃改定の本道産業へ与える影響としましては、先にも言いましたけれども米、麦類、生鮮食料品などにおいては二九・六%のアップである。それから石炭、原木、鋼材などでは二九・二%のアップである。それからまた本州のほうから精製品として北海道に入ってくるものが、非常にまた、これは多いわけであります。全体の統計から見ますと、これはちょっと余分に入るわけですけれども、移出と移入というものを比べてみますと、昭和三十四年においては移入超過なんです。出ていくよりも入ってくるものが多い。それが四百三十億のものが入ってくるわけです、たくさん入ってくるわけですね、差として。それから四十年になりますと、二千四百二十七億円のものが移入超過になっておるわけです。そうして見ると、五六四%というものが三十四年に比べて四十年度は、非常に大きいというふうに、移入超過がだんだんだんだんとふえてくる。これは先に言いました札幌市内の、いわゆる内地資本が入ってくるということから見ると、それにつれて物品が入るから、それははっきりするだろうと、そう思うわけであります。そういう事柄で大きい観点から見て、私は運賃値上げについては、これは反対すべきである。  もう一つは、過去二十年にわたりまして北海道は、青函間の擬制キロの是正というものを要求してきました。で、これは百十三キロが実際の営業キロではあるのだけれども、それを現在では三百キロとして計算しておるわけです。それによって高くつり上げられておる運賃ははかり知れないものがあるわけです。なぜこういうようになったかといいますと、昭和十八年に戦争中航行船の一部を民間に切り換えた、そして積みかえ作業を民間に委任したと、そういう事柄が擬制キロを生じたのであって、その当時から昭和三十年に至るまでは、そのキロ数というというものは非常に大きかったわけですね、四百五十キロであった、それが昭和三十年のときには三百キロに少なくなっておるわけです。しかし三百キロでも、これは不当であるということは、これはまた事実であるから、早くこれを直さなければならない。しかも昭和三十二年のときには船が非常にふえまして、積みかえ作業というものはやめておるわけです。それならば正当の百十三キロの線でもってやるのがほんとうでないか、もしこれを三百キロとするのは、道民を瞞着するもはなはだしいのじゃないかと、私はそういうふうに感じるわけです。一方で値しげしようとしながら、片一方で、なぜ擬制キロというものを改定しないか、そういう政治問題すら私は考えざるを得ないと思うわけです。  最後に、道内の僻地路線の撤去の反対であります。私は、道内各地を約二十年間にわたりまして所々方々回っておるものでありますけれども、この各地において道民が、そこの地域に鉄道ができるということは干天に慈雨を求めるがごとき態度で臨んできたのであります。そしてそれができると、非常にその地域がよくなったと、喜んでおったのであるけれども、国鉄経営という一つの考え方によってこれが撤去されるならば、北海道開発政策というものは那辺にいくのであるか、そういうことを叫びたい。それに、一点矛盾することは、これに連結して新線計画があり、またその一部分は現存建設中であるということを聞いておるわけです。一方で取りはずし、またそれに連結して片方で足をつけたと思えば片方の足を取ると、こういう矛盾した政策が、これが世界でも有名な日本の国鉄のやるべきことであるが、これは国民を隔着するのもはなはだしいのでないかというふうな事柄を考えるわけであります。で、新しく計画中また建設中というのは道内において十一線あるということを聞いておる。また現在既設線であって、そして赤字路線と認定されているものは十二線である。すでに撤廃されたものは一線あるわけです。片方できたと思ったら、それに連結するものが取りはずされたと、こういうことでどうして道民感情というものががまんできるであろうか、そういうことを私は感じる次第であります。  最後に、日本は、昭和四十五年から新全国総合開発計画というものを立てておるわけです。日本全体を九ブロックに分けたわけであります。いわゆる太平洋ベルト地帯においては、ネットワークによりまして流通通信は非常に密なる方面をもってやる、周辺においては、それぞれの役割りであると。北海道においては、広い土地と豊かな資源を生かし、大規模な畜産基地、工業基地として発展し、北方ですから、これはソビエトだろうと思います。あるいはまたアメリカのほうのカナダであろうと思う。そういう諸国との交流の拠点をなす。またこの中の文面には、環境改善に力を入れるのが目立つ、人間尊重を強調したのが新全国総合開発計画であるということを聞いておるわけであるけれども、一方では、そういうふうな谷間にともしびをともし、またばら色の計画というものを国民には示しながら、一方では無残にも赤字路線であるからといってぶった切り、そしてまた北海道の脆弱な経済を顧慮せずして、経営一本でもって運賃価上げをするというふうなことは、とうてい忍び得ざるものがあろうと、私ははそう考える次第です。  そういう事柄によって、私は反対意見を述べたいと、そういう拠点に立つものです。
  405. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありがとうございました。  次に、日本甜菜製糖株式会社北海道支社長小野宗一君にお願いいたします。
  406. 小野宗一

    ○小野宗一君 ただいまご紹介いただきました小野宗一でございます。  今回の運賃の値上げにつきましては、私としては特に食物関係に重きをおきまして条件つきで賛成という立場をとって申し上げたいと存じます。  わが国の経済は、昭和四十五年のかげりに引き続きまして昨年のドル・ショックが加わり、現在なお低迷状態にございます。このような時期に、国民生活にきわめて影響の大きい国鉄通貨が二五%見当値上げされますことは私が、いまおります会社の立場からいたしましても、また個人感情といたしましてもほんとうは賛成いたしかねるのでございます。  しかし、国鉄運賃が公共料金であるがために他の料金に比し、低い水準で抑制し続けていることは、国鉄の財政を圧迫し、結果的には人件費の吸収や経町変化対策を含めました設備投資の不足を来たします。また、利用者に対するサービスの低下を招くことになりまして、これをマクロ的に見る場合は、国民経済にとって決して望ましいことではないと存ずるのでございます。国鉄の財政を健全化することは、結局国鉄の体質を健全なものにすることでありまして、国鉄がいよいよ第二世紀にはいるこの際、新しい国鉄への脱皮を意味するものと考えるのでございます。国鉄の公共的使命を遂行する性格からしまして、政府におかれましては、大幅な財政援助を前提としていただきたいことは申すまでもございません。  しかしながら、現在、承っておりますところでは、国鉄が背負っている累積赤字が八千億でございますから、これを解消し、一日早く体質を改陣するためには、政府に十分の御配慮もしていただく、他方、国鉄側も一そうの合理化をしていただく。そして、運賃については、ある程度の値上げを利用者が負担するということはやむを得ないと考えます。  また、今回の値上げによる物価へのはね返りが〇・三四%見当だと承りました。この程度の値上げならば利用者としてしかたがあるまいと存ずるのでございます。ただし、現存発表されております国鉄の財政再建計画を拝見しますと、今回の値上げに引き続きまして、昭和五十年及び五十三年に運賃の値上げを行なうことになっておりますが、私といたしましては、できるだけ抑える施策を考えていただきたいものでございます。今後、政府と国鉄当局は、国鉄の進むべき方向を確定されまして、このことを前提として交通網の整理や国鉄に対する財政援助の方策などについて総合的に再検討を願い、極力運賃の再仕上げは抑えるように御考慮いただきたいと存じます。  さて、今回の運賃値上げはやむを得ぬものとしまして、この値上げに関連して国鉄への要望事項を申し上げてみたいと存じます。  第一としましては、荷主へのサービスの向上をはかっていただきたい。貨物運賃は、昭和四十一年三月に値上げされましてから六年間を経過いたしました。今回、二五%の大幅の引き上げ案となっており、当然値上げに見合うサービス向上が望まれてしかるべきかと存じます。  これに関連しまして、順法ストと称してしばしば運転の取りやめや遅延を生じておりますが、このようなことは荷主に迷惑をかけることになり国鉄に対する信頼感をなくしまして、他の交通機関に切りかえることになります。国鉄は扱い量がそれだけ減少して、収入減となりまして、ひいては企業を赤字に導くことになりましょう。  次に、輸送の体質を改善していただきたい。トラックは、ドア・ツー・ドアの特性がございます。船舶には大量輸送と運賃が低廉であるという特性がございます。国鉄の特性は何であるか、これは貨物の場合、中長距離の両拠点間を大量にかつ敏速に輸送しなくてはならないという点にあるかと存ずるのでございます。このために、輸送体質を、この線に沿って一日も早く改善する必要がありまして、最近コンテナの高速列車ができました。冷蔵車等の設備も逐次進められておるようでございます。まだそのテンポは、他の交通機関に比べておそいと考えられます。私の会社の例を申し上げて恐縮ですが、たとえば原料ビートの輸送は、畑からなるべく早く工場に運ばないと、輸送途中で寒風にさらされまして、それが日がたつにつれて糖分が低下いたします。このようなケースでは、鉄道輸送は、まことに日数がかかり過ぎるのであります。今回の値上げを契機に大いに改善を考えていただきたいと存じます。  次に、北海道にポイントを絞りまして二、三要望いたします。  まず輸送力の増強をはかること。先ほどもちょっと触れましたが、コンテナ車、冷蔵貨車あるいは冷蔵コンテナの増車が必要であります。特に青函の連絡航送力が不足でございまして、いわゆる秋冬繁忙期には輸送制限が常套のことになっており、この解消は喫緊のことでございます。  次に、仄聞いたしますと、東京-北海道間に海上バイパス配船の計画があるとのことをございまするが、ぜひ早期に実現をおはかりいただきたいと存じます。  なお、青函トンネルの計画が具体化されつつありますし、また新幹線の構想も次第に濃厚になっておりますが、これらについても北海道開発のためぜひ早めに実現されますよう希望いたします。  さらに営業を行なうには、サービスフロントが必要でございます。貨物の場合、近代的なサービスフロントがほとんどない状況でございます。新札幌には近代的なレイアウトによるトラックとの共同輸送が可能な設備とか、また流通団地との一体化などがはかられておるそうでございまするが、このようなシステム化された機能を持った駅を道内に考えていただきたいものでございます。  以上、国鉄は、輸送のサービス向上をはかりながら、従来の国鉄カラーを脱皮して、もっと企業性を発揮し、徹底した合理化を行なって、コストダウンをいたすべきでありましょう。民間企業においてはまさに血のにじむ努力で合理化をはかり極力収益の確保をはかることに力を注ぎます。経営者として赤字を出すことは不名誉のことと私どもは受けとめております。これに比べ、国鉄は、それなりに努力をされておるようでございまするが、国鉄の性格上やむを得ぬ点もあって経営という立場から見ますと、いまだしの感が深いのでございます。政治性や公共性もさることながら、要員の合理化や輸送の近代化等に一そうの御努力を期待したいのでございます。  なお、政治性や公共性については、諸先生方もおられることであり総合交通体系の中で善処していただきたいものと存じます。  繰り返し申し上げますが、以上国鉄のサービス向上や経営の合理化の実現を条件としまして、今回の貨物運賃の値上げには賛成いたしまして、私の話を終わります。
  407. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありがとうございました。  次に、岩見沢市議会議員葛西正治君にお願いをいたします。
  408. 葛西正治

    ○葛西正治君 私は、この資料として渡されました、この中で、第一として提案をされておりますところの、国有鉄道運賃法の一部改正に反対をいたします立場から、その理由について申し上げたいと思うのであります。  その第一点として申し上げたいことは、値上げをする前に当然なされなければならないはずの問題が何らなされないままに、ただ安易に値上げをするという姿勢は、私は問題だと感ずるのであります。何よりもまず、総合交通体系を確立をいたしまして、その中での国鉄のあるべき位置づけというものが明確になされなければならないのではないかと、このように私は考えます。  日本の交通事情の現況はどうでありましょうか。国鉄は閑散になる一方で道路という道路は自動車であふれ、都市及びその近郊では重大なる交通障害を起こしつつあります。公害のない社会を建設するということが、これからの政治にとって最も重大なる使命であるとするならば、このような現状は、一日も早く改善がなされるべきであると思うのであります。そのためには、現在のような各省バラバラの行政のあり方を改め、道路、鉄道、航空など、それぞれの総合的な見地からのあるべき位置づけというものを明確にして、むだな投資をやめ効率的な総合交通体系を一日も早く確立しなければならないのではないか、このように考えます。このような明確な方針も立てないままに、その場その場の、いわゆる場当たり的な対策では国鉄の再建は不可能だと思います。  例を申し上げますならば、国鉄は、先ほどから何人かの方からも話が出ておりますような、地方閑散線に対しましては、これを大幅に撤去する方針のようでありますが、その反面、地方閑散線の中でも、超閑散線になるであろうと思われるような、北海道で例を申し上げますならば、美幸線、白糠線あるいは興浜北線などというような営業計数から申しまして、本道随一と思われるような線を新設しようとされております。  このような、全くむだと思われる投資をするほどの余裕があるとするのであるならば、値上げの必要は私はないのではないかというような感じがいたします。これは国鉄の経営方針に全く一貫性や計画性がないことと、これからの国鉄のあるべき位置づけというものが全然なされていないことに、その原因があると思うのであります。したがいまして、政府は、一日も早く総合交通体系を確立し、その中での国鉄の位置づけを明確にし、全国において四十カ所をこえるこれらの不要不急線の建設計画は、運賃値上げをする前に、まずもって再検討すべきではなかろうかと、このように思うのであります。  第二点といたしましては、政府の財政対策についてでありますが、たとえば、今回の値上げが実現をいたしたとした場合を想定いたしまして、現在でも乗車人員はもとより、貨物などのトラックに乗りかえられておるものが、相当毎年累増しておるわけでございますけれども、この運賃の値上げに伴いまして、貨物はさらに大幅にトラック輸送に切りかえられるのではなかろうか、このように考えます。したがいまして、値上げをした分だけ貨物輸送は減り、結果といたしましては、値上げによる収入増というものはほとんど期待できないのではなかろうかというように推察をいたすわけであります。その反面、道路における交通公害は一段とその猛烈さを増してまいりますし、そのことによっての交通陣容というものは、現在でもかなりその渋滞が顕著になっておりますことから考えますと、ますます重かつ大な状況になるのではなかろうかと考えるわけであります。狭い日本の国土の中で、大量の人員や貨物を安全にかつ迅速に輸送する手段といたしましては、国鉄にまさるものはないと、私は考えるわけであります。したがいまして、輸送の中核としての国鉄の機能の改善向上というものにつきましては、もちろん私といたしましても、当然、早急にその措置をはからなければならないと考えるわけであります。したがいまして、これには当然膨大な資金を必要とするわけでありましょうが、国鉄の経営は従来、独立採算をたてまえといたしております。また、この中にも、将来、企業として成立でき得ることをめどとして、運賃改定というものがなされておるわけでありますが、私はこの独立採算という考え方について全く否定をいたすつもりはございません。しかしながら、これからの国鉄に対する投資は、単に国鉄の経営を改善するということだけでは、はたしてこれが改善というものがことばだけではなしに、実現できるのかどうか、この点についてわれわれは深く考えなければならないのではないか、交通公害のない総合交通体系としての中核としての位置づけの中で、国の重要な政策として実施されるべきであろうと考えるわけでありますが、そういう点から見まするならば、国の財政措置というものは、新たな視野から国の総合交通体系を抜本的に改正するという大きな見地からの財政措置というものが、さらに再検討されなければならないというように私は考えるのであります。この点から現在なされておるところの政府の財政措置というものにつきましては、さらに再検討の要があるというように私は感ずるのでありまして、この点についての御検討をさらにお願いを申し上げたいと思うわけであります。  第三点といたしましては、国鉄の内部体制についてであります。今回の財政再建特別措置法によりましても、相当多額の国家資金が国鉄再建のために投入されることになっております。しかしながら、これも言ってみれば国民の血税であります。さらに利用者負担という形で大幅な運賃値上げによる負担増という、こういうことと国民は二軍の大幅な負担をしいられるわけであります。このような国民の多額な負担の中で国鉄を再建しようということになってまいりますと、一番重要な問題として、国鉄の労使は一体この問題にどう対処しようとしておるのか、これが一番重要な問題だと私は感ずるわけであります。今回の国鉄再建十カ年計画というものが、たとえどのようなりっぱなものであったといたしましても、これを実施する側の国鉄労使に、これを真剣に実施する意欲がなければ、どのような国家資金を多額に投入いたしましても、どのように運賃値上げをいたしましても、決して国鉄の再建というものは期せられないのではなかろうか、このように感ずるわけであります。したがいまして、国鉄の労使はいまこそあらゆる苦労に耐えて、徹底した合理化、でき得る限りの企業努力をいたすべきは当然だと思うのでありますが、その当時の責任者である経営陣にほんとうにその気魄が見られるのかどうかという点につきましては、残念ながらそのように感じられないというのが私の実感でございます。したがいまして、私はこの運賃の値上げをいたす前に、まずもって国鉄の経営陣が心から事の重大さと責任を深く考え、絶対にやり抜くという決意をもって対処する、このことをまず明らかにすべきではなかろうか、このように考えるわけであります。  昨年、新聞紙上等にも、いろいろとにぎわした問題の一つに、国鉄のマル生運動というものがございました。しかしながら、いま民間の企業の中で生産性向上という問題について、労働者側に特別の犠牲をしいるということがない限り、企業の中で生産性向上するということは当然として受け取られております。こういう中におって、国鉄のみがなぜ生産性向上というものが問題になるのかということを私なりに考えてまいりますと、十年も三十年も前から民間企業でなされておった生産性向上というこの運動が、いままで何ら国鉄においてはなされておらなかったからではなかろうか。そういうような安易な姿勢でおったから、今日、八十億を越えるという赤字を抱えるまでのほほんとしてこられたのではなかろうかというような感じがいたします。こういう点から考えますと、まず運賃の値上げをする前に、国鉄の内部の体制を確立をする。そうして経営者は、この国民の負託にこたえて国鉄を再建するためには、国鉄の内部におけるあらゆる企業努力を徹底してやるという決意をまず持つべきである。そうして、その決意のもとに労使間で十分に話し合いをして、この問題について土壌を同じにならして、労使がともに真剣に国鉄の再建に立ち向かう、こういう姿勢のない限り、その前段のような問題をいかに今回審議をしたといたしましても、私はむだなような気がいたします。このことが、今回私が申し上げる反対理由の一番大きな理由として、特に強く申し上げたいわけでございまして、まずこの点についての国鉄経営者における責任の感じ方、こういうものについて国民が理解をし、国鉄の内部における企業努力というものについて、国民が理解をする状況の中で、はじめてこの問題をどう取り上げるかというようなことになるべきであるというような観点から、以上の三点の理由をふまえまして、私は、今回のこの第一に示されておりました国有鉄道運賃法の一部改正については、賛意を表しがたい、このように意見を申し上げる次第でございます。
  409. 徳安實藏

    ○徳安座長 ありことうございました。  以上で御意見の開陳は終わりました。  各位とも時間を厳守されまして、まことにありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。  それでは午後一時まで休憩をいたします。    午前十一時三十分休憩      ――――◇―――――    午後一時一分開会
  410. 徳安實藏

    ○徳安座長 休憩前に引き続き会議を開きます。  派遣委員の質疑を行ないたいと存じます。  なお、委員諸君に申し上げますが、午前中御意見を述べられました金川幸三君は、二時より所用のため退席したいとのことでございます。この点お含みの上質疑を行なっていただきたいと存じます。  では、質疑の申し出がございますので、順次これを許します。小此木彦三郎君。
  411. 小此木彦三郎

    ○小此木委員 私は、佐藤副会頭、三好先生、村岡先生にお聞きしたいと思います。率直に申し上げますので、もし失礼な表現がございましたらお許し願いたいと思います。  まず、佐藤副会頭から七番目の注文があったわけでありますけれども、その中の一、二、三を総合いたしまして、国鉄に対する積極的な経営努力、あるいは経営姿勢を求めるものとこれを解釈いたしました。実は、私たち昨日、新札幌貨物駅などを視察していろいろ勉強いたしたんでございますけれども、現在の国鉄が販売面において非常に積極的な姿勢を示している。たとえば、この新札幌駅に関して集荷の努力を非常にやっている、いわゆる販売努力をやっている、セールスを行なって一人これが年間一千万の額にも達しておるというようなことであったわけでありますが、一千万という額は確かに大きいのでございますけれども、今日の民間企業の努力からいえば、必ずしも大きな額とはいえないわけでございます。しかし、現在の国鉄というものが、従業員が四十五万人いる、収入が一兆円である、これから考えれば一人二百二十万円の努力である。それとこれとを比較すれば、四倍強あるいは五倍弱の数字となってかなりセールスの努力となるではないかというようなことも考えられるわけでございますけれども、しかし、そこで商工会議所の大幹部としての佐藤さんにお伺いしたいことは、コストの出し方その他にもいろいろ問題もございましょうけれども、この国鉄のセールスの働きぶりと申しますか、あるいは働き高と申しますか、そういうものについて民間企業との比較の上でどう思われるかということをまず一点。  第二の点は、土地の狭い本州に比べまして北海道は事情は異なりましょうけれども、今日、日本の大都市の中でもって、国鉄の用地であるとか、あるいは施設がその都市の中心部にある、そのために大都市が非常に困惑している事実は、いくらでもあげられるわけであります。自分のことを言って恐縮でございますけれども、私は横浜市の選出でございますれけども、横浜市のまん中にも一ぱいそのような用地あるいは施設があるわけでございます。これをもっともっと土地柄に協力してもらう、あるいは立体的に活用してもらうということで、都市の再開発というものがいかに促進されるかということは非常に大きなものがあるわけでございます。こういう点に関しまして、本州の各大部市と札幌ないしは北海道の場合はどういう違いがあるのか、あるいは札幌において国鉄にそういう都市再開発について求めるとすれば、どういう点があるか参考までにお聞きしたいと思うわけであります。  そして、さらに関連事業について、投資効果の中で住宅云々のおことばがございましたけれども、もしできればこの点についていま少し詳しくお聞きしたいと思います。  次に、三好先生にお聞きいたしたいことは、今回の改正措置というものは旅客中心である、もっともっと貨物中心であらねばならぬというような御意見があったと拝聴いたしましたけれども、確かに国鉄というものは、旅客の黒字をもって貨物の赤字を埋めているという一部の考え方は、それを証明する事実はかなりあると思うのであります。しかし、いまの国鉄で貨物駅を集約することによって荷扱いの複雑性を単純化し、あるいはスピートドップすることによってコストダウンにつとめているという努力は、私は率直に認めてやってもらいたいと思うわけでございますが、たとえば新札幌駅の貨物駅、この点に関しましても、非常にたいした設備、たいした機能であるということを感じたわけでございますが、しかしそのような機能、そのような努力について先生はどのような御意見、御批判を持っておられるか、できたらこれをちょっとお聞かせ願いたいと思います。  さらに、札幌短期大難の村岡学長に対しましては、いろいろ御要望があったわけでございます。そういうおことばの中で率直に言って私は、先生が私たちの感ずる北海道経済というものに対してむしろ過小評価なすっておられるんじゃないかというようなことを感じたわけでございます。たとえば、国は昭和二十六年に北海道開発に関する港湾工事の補助率というものを十分の十ときめた、これを十分の九・五にしたというようなことは御存じのことと思います。そういうような一つの例が示すように、国の基本的な方向というものが今後基本的にはこのようになっていくんじゃないか。とすれば、たとえば貨物割引制度の復活、もちろん北海道だけにこれを望まれるわけではございませんでしょうけれども、そういうような考え方というものが、あるいはここまで成長した北海道経済というもののいわゆるたくましいバイタリティというものを失わしめる結果になってしまうんじゃないかというようなことを、私は客観的な立場で考えてもおそれるわけでございますけれども、このような点について先生のお考えを聞かせていただきたいと思います。
  412. 佐藤健二

    ○佐藤健二君 ただいま先生から御指摘されました三つの件でございますが、アウトラインより申し上げられませんので、専用的に数字は私は勉強しておりません。その点御了解願いたいと思います。  まず、先ほど先生が申されました四十五万人の国鉄職員のパーヘッドの二百万以上ということは、これは私は決して否定というものでもございませんし、一例を申し上げますと、自分の私企業から申し上げます。私のところには私を含めて三百二十名の従業員がおりますが、月間の売り上げが約六億でございます。そうしますと、御承知のとおり国鉄さんよりもちょっと高いパーヘッドの製造販売をやっております。そういう点から見まして、国鉄さんの努力は私は決して否定するものではございません。昨今、国鉄札幌総局においてもいろいろな面で企業努力しているのは、目のあたり見ております。ただ、パーヘッドが高いから、あるいは低いからといって、企業そのものの体質に貢献度が高いということも私は申されないと思います。この点は御了解願いたいと思います。そのような企業は、民間企業においてもそういう生産性向上を目ざしてパーヘッドを高くするということは、枚挙にいとまのないほど例がたくさんございます。そういう点御了承願います。  それから、再開発の問題でございますが、私は札幌で都市再開発協議会の会長もしておりますが、都市再開発の会長の立場から、現在札幌市の都市再開発にいろいろなことを申しております。たとえば、札幌駅前の交通緩和のための荷開発、これは御承知のとおり、札幌駅前の北五条線の西一丁目から七丁目まで、一日二万五千台の車が通っておりますが、これは札幌の都市構造から見ましても、都市計画から見ましても非常に大きいネックになっておりますので、三番目の関連事業とも関係ありますが、ただいま国鉄が再開発に協力してくださいまして、駅前に交通ターミナルビルの立案中でございます。こういう点につきましては、私は商工会議所の剛会頭並びに都市再開発の面から、札幌市の都市計画について満腔の協力をしておるんでございます。その点、再開発について一言申し上げたいとお願いして、お耳に入れておきたいと思います。  それから、関連事業の住宅の問題でございますが、これはかねて国鉄総局さんのほうにも、正式じゃなく、ちらちらと申し上げておりますが、苗穂工機部のうしろのほうの相当の敷地に、札幌市にふさわしくない国鉄の官舎がたくさんございます。あの敷地は膨大なものでございまして、あれを集約してあるいはマンションにするなり、余剰敷地を札幌市に提供して住宅の問題を解決してあげるなり、こういう方法も見出されますので、私は、国鉄としては関連事業について特に強調したわけでございます。  はなはだお答えがなにで、先生、御満足になられぬかもしれませんけれども、この程度で御回答申し上げます。
  413. 三好宏一

    ○三好宏一君 国鉄が旅客の輸送を中心にして行なっておる、これは貨物の赤字を旅客で補うという意味もありますけれども、私はむしろそれよりも、この十年間ほどの国鉄の輸送の統計を見ておりますと、貨物は何ほども伸びておらない。旅客は大体約六倍近いものかと思います。十年間くらい。つまりそれが今後の、現在の計画を背景にいたしましても、新幹線の増設、そして旅客の輸送というものを中心にして一つは大きく柱が立てられているだろうと思います。もちろん中距離あるいは遠距離の貨物輸送ということも計画にお書きでございますけれども、これが一体投資計画なり、あるいは労働計画で具体的にどのようなことをお考えになっておられるのか、ちょっと私の見た資料でははっきりしないのであります。特に申し上げたいのは、そういう意味で日本将来の国ウエートを相当考えない限り、実は経営再建もめんどうなものになりはしないかということを申し上げたかったのであります。その辺もはなはだ口は悪かったけれども、炭鉱の例をあげましてスクラップ・アンド・ビルドの例を申し上げましたのは、あたりそうなところをかすめ堀るようなことをして幾つか捨てましても、しょせんは行き詰まったということも考えていただきたいと、こう申し上げたわけであります。  そこで、私が貨物のことについて気になっておりますのは、おそらく現在のとの十年計画というものは、政府の新経済社会発展計画を一つ大きく基礎にしなければならなかっただろうと申しました。したがいまして、日本のあの計画によりますと、生産量の増は当然貨物輸送量の増となることは明らかでありまして、問題は、そういった膨大になる経済生産量をいかに輸送するかというときに、新社会経済発展計画を背景にいたしますと、やはり貨物輸送に関してはかなり自動車輸送というものの伸び率を三・何倍、約四倍近いものに考えておりまして、国鉄輸送その他はあまり大きく考えておりません。これは筋だけではなはだ恐縮でございますけれども、やはりヨーロッパあるいはそういうところを見ましても、国鉄の斜陽とか困難な問題というのは、モータリゼーションとの競争の問題であった、こう思います。したがいまして、今後の十年間の一本の経済計画で、モータリゼーションの問題を現在のテンポでそのままいくのか、あるいは先ほど申しましたように、少なくとも主要な物資の流通に関する基幹的な部分に対しては、鉄道ということで大量の投資をもってしても長期安定的な輸送計画を持つか、私はこの辺が実は総合交通政策の一つの基本だろうと思っておりますが、どうもその辺が私の印象では、モータリゼーションの野放しといったような印象を免れることはできないのでありまして、そのことを申し上げたかったのであります。  ついで、私がことにこの貨物のことで気になりますのは、昭和三十二年、大体あの辺で日本の国鉄は当時の日本経済の復興なり成長の早さと国鉄貨物輸送能力が問題になりまして、あの辺から次々の問題が出てきたと思います。あのときにもちろん国鉄当局は相当な努力をされまして、デイーゼルカーに切りかえる、まあ動力の改編を中心にして経営を再建されたように思いますけれども、惜しむらくはあの時期に、やがて始まりました所得倍増計画なり高度成長の時期にきわめて思い切った貨物輸送重点の経営なり政策を立てるべきではなかったかというのが、私は常々考えざるを得ないことなんであります。その辺がしかし今後の十年間一体どうなるのかとなりますと、やはりそこのほんとうの問題はいかがなっておるのか、まことに不安にたえない、そういう意味で申し上げたのであります。  なお、現在、まあ念のためにといいますか、心配だから申しますけれども、モータリゼーションでありますけれども、これはどう考えても、現在のトラック運輸労働者その他のきわめて過酷な労働条件を基礎にしてでき上がっているものだと私は思います。つまり勤務の時間にいたしましても、賃金にいたしましても、かなり労働力摩滅の激しいおそるべきものを基礎にしている。ですから、モータリゼーションの内容といいますけれども、実はそれとの競争といった問題ではないか、真実はそうなっているんでないかと思います。してみますと、今後十年、社会経済発展計画の示すところの国民の生活水準なり、あるいは労働者の週二日休暇といったことも目の前にはぶら下がり始めてきているという時代を前にしたときに、はたして日本の現在のすさまじいトラック運輸労働者を基礎にしたモータリゼーション野放しといったことが可能であるかどうか。おそらくこういった問題は早晩大きな矛盾となってあらわれてこざるを得ないだろう。その辺やはりどうしても国鉄中心の一つの大きな貨物輸送体系のかなり大きな投資計画その他が必要だろう、そのように思って申し上げたのであります。  以上でございます。
  414. 村岡重夫

    ○村岡重夫君 ただいまの御指摘は、私が北海道経済の構造というようなものが非常に脆弱である、そういう中で現在の流通機構というものはなされておるのではないか、そういうふうに申し上げたわけです。これは北海道の開発政策から考えてみましたときに、北海道の開発が戦後において、昭和二十七年から第一次の計画というものはなれさておるわけです。そのときには、本州方面の余剰人口を北海道に吸収する、北海道はフロンティアスピリットであり、また宝庫である、ホープであるというふうな事柄で、どんどん北海道に入ってきたわけです。そのときは産業基盤の整備、いわゆる道路とか、あるいはまた河川工事、電源開発とか、そういうことで第一次の五カ年計画が出発しておるわけです。いかにもそのときは各河川というのはバージンリバーであって、洪水というものはあった。また、港においても整備されていない。道路においてもよくなかった。そういうところで資金が投ぜられて、第一次五カ年計画が済むころには、いわゆる昭和三十年ころ、中谷宇吉郎さんですけれども、文芸暮秋に、八百億をどぶに投げ捨てた、というふうな表現があったわけです。それは、どぶに投げ捨てたように八百億はむだであったというふうなことばであったわけです。それに対して北海道遊民は非常に憤然としたわけです。北海道は、投げても投げてもまだまだ足りぬぐらいにやはり開発ということはやらなければならない、そういうことで反撃しておるわけです。それからまた一方では、北海道に投下するよりも、もっと本州のほうの進んだところに資本を投下すべきだというふうな意見は、また一方で起こっておるわけです。そして、国民経済研究所の稲葉秀三さんですけれども、その人が、北海道はだいぶん進んできたんだから、中通県的な考え方を持たなければならない、そういうところから、漸次北海道に対する公共事業費の補助金が、全額直轄であるものがそれから九割になり、あるいは八分五厘になるというふうな状態で今日に至って、まあ私詳しいことはわからぬのだけれども、ぼつぼつそういう形のものが出かけておるわけです。  しかしながら、北海道の現状を見る場合に、やはりそれほど進んだものは何もないわけです。農業そのものにしても、水田政策は一体どうであるか。いわゆる政府のほうから減反政策を出した場合に、政府の政策を上回るような減反をやっておるのではないか。また酪農政策にしても、いわゆる酪農製品の価格というものは安定していないために、農民というものは酪農にはたして突き進んでいったならばよいのであろうかという疑念を持っておるということも、私はいろいろな書物からうかがうておるのであって、いわゆる第一次産業においてもこれは確かに進んでおるとはいえないわけです。漁業においては一体どうであったか。漁業においては、確かに大型船は持っておるけれども、その根本的な労働力というものは東北諸県のほうによっておる。しかし、漸次労働力というものは北海道に来る者は少ない、そういうことのために漁業そのものも先細りになり、また日ソ交渉の結果によってなかなか困難をきわめているというのが北海道の状態であろうと思われるわけです。それから、体質的に工業の面においては、先ほど申しましたように、大企業というものはあるけれども、それは半数ほどの生産額を占めており、そして工場数に匹敵するならば、あまたの中小企業に比べるならば非常に少ない。そして中小企業そのものもそれこそいまさっきから話になっておるようなドル・ショック、いわゆる木材であるならばベニヤ板は一体どうであるか、繊維工業がどうであるか。そういうことから感じるならば、やはり北海道経済というものは不安定な状態であって、これは第一次産業、第二次産業を通じて、生産者はやはり苦悶の状態を呈しておるのでないか。そうするならば、国鉄の経常によるところの賃金値上げというものについては、やはり格段の御考慮を願わなければならない、私はそういうふうに考えた次第です。
  415. 徳安實藏

    ○徳安座長 唐沢俊二郎君。
  416. 唐沢俊二郎

    ○唐沢委員 本日は有益な御意見を聞かしていただきましてありがとうございます。三点について簡単にお伺いいたしますので、簡単にお答えいただければ幸甚であります。  まず第一点は、三好先生に伺いたいわけであります。  従来の国鉄再建計画がわずか二年で破綻を来たしましたことはまことに遺憾である、今回提出された十カ年計画は、これはもう絶対ペーパープランで終わらしてはいけない、そのためには国鉄労使とも従来にない非常な真剣さと勇断を持って臨むべきである、というのが大体私は伺いました最大公約数のような気がいたすわけであります。  国鉄の合理化にもいろいろあるでありましょう。遊休土地の売却でありますとか、赤字線の問題とかいろいろあるのですが、その中の人員整理であります。三好先生は、人員整理は慎重にしなければいけないとおっしゃいました。その理由といたしまして、具体的な根拠がわからぬというお話でありましたが、それ以外に国鉄の場合は非常にこれは慎重を期すべきだという理由がありましたらお聞かせいただきたい。と申しますのは、昨日私は御当地の地下鉄に乗りました。非常に驚いたわけでありまして、非常に人が少ない。これからの運輸業務を象徴しているような気がいたすわけでありますので、ひとつ伺いたいわけであります。  次は、村岡先生に伺いたいのでございますが、外国でも陸上輸送というものが非常に問題になっている、もう何十年も前に私鉄が全部手をあげてしまったところがある、国鉄もどこでも赤字に悩んでおる、そして駅を廃止したり、赤字線を廃止したり、もう国によっては特急か急行みたいなのしか走っていないところもあるわけであります。そうやっても大体営業収入は経費の七〇%から八〇%だということも聞いているわけであります。そうすると、いろいろ国鉄が合理化しても、どこかでその足らざるを補なわなければいかぬという場合に、考えられるのは財政の援助であり、一つは運賃値上げだと思うわけであります。ところで、財政と申しましても、原資はといえば葛西先生言われたように、国民の血税なわけであります。その中には、あまり国鉄を利用しない人も中にあるでありましょう。したがいまして、このような問題が出たときに一般の国民がどの程度負担すべきか。また受益者と申しますか、利用者の負担がどの程度か、これがやっぱり今後の非常に重要な問題だろうと思うわけです。まあ物価へのはね返りが〇・三ならいいとか、〇・四ならいけないとか、いろいろな基準があると思うのでありますが、もしその点御意見があれば聞かしていただきたいと思うわけであります。  最後は、金川社長に伺いたいのでございますが、いろいろ国鉄のサービス改善についての御要望を承ったわけであります。旅客輸送に限りますと、サービス向上、いろいろあるでありましょうが、私はやっぱり混雑緩和が第一だ、交通安全は刑であります、これは当然のことでありますから。混雑緩和だと思うのですが、その中には朝晩の通勤混雑の緩和があるでありましょう。それからもう一つ重要なのは、季節的な輸送人員の増加による混雑緩和、これが重要だと思うわけであります。御承知のように非常に所得水準もふえ、有給休暇もふえておる今日、非常にレジャーというものは重要になってきた。非常に高密度実働社会でありますから、従来のように遊ぶことはいかんというわけにはいかぬ。あすの労働力再生産のためにどうしても必要なことでございます。私も観光地に住んでおる者なんでございますが、非常に季節的に混雑をする。そして中には、ずっと立ちっぱなしでもって夜汽車に乗ってきて、着くとすぐ山に登る、これは私は非常に危険だと思うんですね。それからまた、季節的に混雑しているときには、地元の方が切符が買えないということもあるわけです。国民の皆さまにはすべてコンフォタブルな旅行をしていただきたいと思うわけであります。  また、北海道のいろいろな今後の発展ということでは、いろいろあるでありましょうが、公害を伴う企業を誘致するよりは、日本にほんとうに数の少ない、またスケールの大きい自然を活用された観光というものが、非常に私は重要だと思うわけであります。その点で、季節的なそういう混雑緩和と申しますか、サービスについての御提言があれば承らしていただきたい、かように思う次第であります。  以上であります。
  417. 三好宏一

    ○三好宏一君 先ほど人員整理について申し上げましたことは、国鉄という産業は、炭鉱とよく似ていると私は思っておりますが、つまり、原料資材費なしの産業、極端に言いますとそうでございます。一人当たりの売り上げをはじく場合でありましても、他の紙パルプなどでしたら、木材であるとかということが売り上げ生産云々になりますけれども、郵便事業あるいは国鉄というのは、どうしても労務費の比率が高くあらわれざるを得ない産業でありますから、この合理化の場合に、おそらく経営を担当される方々は何といっても目を向けたいだろうし、もっとも手早い魅力あるところとして着目するだろうということは、これはこの産業の一つの問題だと思っております。  しかし、私が先ほど申し上げましたことは、十一万人ということが、ほんとうに十年間の人員配置や労働強度、作業の内容等々が具体的に明瞭になった上で十一万人という数をお出しになっておられるのかどうか、これが私は非常に心配なので申し上げたのであります。言ってみますと、まあ少し露骨に申し上げて御憤慨されるかもしれませんが、どうもこれは国が出してくれる金と運賃のあげる見込みと、その辺のかね合いみたいなところでかなり弾力性があって、十一万人という数が逆に出てきたのではないかとさえ私は心配するのであります。  それが、先ほど申しましたとおり、石炭産業の場合には五年後の一千二百円コスト切り下げということで、総売り上げの減少を見込みまして、利子であるとか減価償却費等々を予想売り上げから差っ引きまして、残ったのが人件費でございます。この人件費を一人当たり平均の賃金で割りますと、削減しなければならない人間が出てきたというのが、全く経理の数字から人間の首があらわれたということでありまして、これは国鉄と私は同じとは申しませんし、現在貴委員会が出されているこの案というのは、そういった軽率なことはゆめ毛頭ないとは思いますけれども、どうもその辺が心配になるわけです。もしもこういったかつての石炭産業と同じような走り方をいたしますと、そこでは労働者の人命といた問題やら災害の頻発というものは、輪に輪をかけたものとなってあらわれてきていることは現実の石炭産業をごらんになれば明らかなとおりでございます。その辺のことを申し上げたのであります。ですから、私はあえてさらに慎重ということでもしつけ加えるといたしますと、単に労働者の生命その他の問題でございませんで、国鉄の場合でありましたら、どう見ても安全性の問題というのがまさに国民的、国家的責任の問題として、石炭産業以上にシビアーに問題は登場してござるを得ない、ここにやはり特に慎重を求めた理由があるのであります。  それで、いまもう一つ申し上げますけれども、この十一万人ということをお考えになるときに、今後十年間の傾向でありますけれども、この間日本の働く者の権利はやはり国際的水準にはどうしても到達せざるを得ない。その辺のところもよほど展望を持って、労働者の労働時間なり労働密度等々をよく考えていただきたいというのが私の意見でありました。
  418. 村岡重夫

    ○村岡重夫君 ただいまの御質問は、世界の各国は、国の経営するところの鉄道がおよそ赤字である、だから困っておるという事柄と、一般国民もこれを負担しておる、わが国においてもやはり運賃値上げというものはある程度考えるべきではないか、こういう御意見だと思うわけです。  私の考えておるのは、やはり北海道の産業が非常に構造的に脆弱である。で、独立していくのにはまだ距離が遠いのでないか、そういう事柄に出発しておるわけです。それから、一般国民はどういうように負担するか、これなかなか私はむずかしい問題だと思うわけです。これはやはり受益者負担のものの考え方でありまして、やはり国民は税金として払っておるけれども、しかし税金でまかなわないものは、たとえば水道料金でも下水でも、まあ何かわからんけれどもこれも受益者負担だから払え、これも受益者負担だから払え、これも受益者負担だから払え、しかし税金はわりと世界各国に比べて安いのでないかというふうなものの考え方も成り立つだろうと思うわけです。しかし、税金ですらみんなふうふう言うてやっておるわけです。特に、高額所得者はまた高額所得者で非常に手取りというものは少ない、小さい者は小さい者で洗いざらい持っていかれるというような状態の中で、受益者負担の原則というのはなかなかこれは貫きにくいものだろうと思うわけです。最近、札幌市で水道料金値上げの問題が起こりまして、市会においてこれの賛否を問うたところ、奈良の中でわずか一人の差で水道料金値上げというようなことになったということが新聞紙上に出ておるのであって、これは受益者負担の原則というのも、相当な批判というものが私はあるのでないかというふうな気がするわけです。  それともう一つは、やはり北海道の廃業の進展と新全国総合開発計画というふうな一つの豊かな計画ということを考えるならば、毎度運賃値上げというものは考えていただきたい。特に青函連絡の問題なんか、過去二十年間にわたってこれは北海道知事が叫び続けておるわけです。田中知事のみならず、町村さんもそうだったし、現在の堂垣内さんもおそらくそうであろう。だから、そういうことで物価を何とかして下げる、特に本州に比べるならば北海道は植民地的価格といって、日本でも一番か二番のところにあるというふうに聞いておるわけです。そういうところで何とかして下げるべきでないかという私の悲願から、そういうふうな理論が成り立っておるわけです。
  419. 金川幸三

    ○金川幸三君 私の話は、みどりの窓口で切符を買う場合に、ある時期的に買えない問題があると、こういうような問題から飛躍いたしまして、北海道には季節的に特急券あるいは寝台券、こういうようなものが買えないという時期がある、こういう問題でございますけれども、これは特に東北、北海道――北海道は特にひどいんでございますけれども、一般的に二季型のシーズン性から、北海道は特に一季型の、夏型のいわばシーズンである、すなわち六月から八月までが特殊的に集中的な混雑を来たすというのが北海道の現状なわけでございます。したがいまして、この季節的な波動をいかに平均化するかということがこれからの努力になるんではないか、かように考えます。  その点では、幸い三年前から国鉄の総局においては、花の北海道というキャンペーンを全国的に張りまして、季節前の五月を、すばらしい北海道の国立公園地帯にあります花を売っておる、これは私は実に時宜に適したものだ、かように考えておりますが、単に花の北海道だけでなしに、今後は秋の北海道の味覚も非常にすばらしいし、また紅葉もすばらしいものがございます。また、ことしはいま冬期オリンピックが終わったばかりですが、北海道の雪、スキー、山、こういうようなものも非常にすばらしいものだ、こういうものの個性のある観光開発をすることによって、もちろん国鉄、あるいはまた地元の公共団体あるいは民間団体等の協力によりまして、そういう観光開発をすることによって、もちろん国鉄も企業採算制でございますから、一季的なところには冬になればやはり相当数間引き運転も行なわれる、こういうようなこともある。そういうような、開発によってこれが平均化され、かつそれが混雑緩和に結びつくんではないか、こういうぐあいに考えて申し上げた次第でございます。
  420. 徳安實藏

    ○徳安座長 羽田孜君
  421. 羽田孜

    ○羽田委員 先ほど来皆さまから、いわゆる北海道の特殊性をもとにしまして御示唆ある御意見を賜わりましたこと、私からも厚く御礼申し上げたいと思います。  それで、私からは一点だけ、三好宏一先生にお尋ね申し上げたいと思うわけでございます。  先ほどどなたかのお話の中にも、全国新幹線網の与える経済進展は、はかり知れない、特に雄大な観光資源を持つ当道にあっては、青函トンネルの開通、そして新幹線の乗り入れを希望しておるという御意見があったわけでございます。しかしそれと同時に、政府としましても過疎過密の解消、また国民経済並びに生活の格差是正ということを考え方の基本にいたしまして、いわゆる全国新幹線網というものを進めておりまして、いま北海道のほうに向かいましてもその案というものがどんどん練られておるわけでございますけれども、これに対しまして、先ごろ東京都の美濃部先生でございますか、なんかの御意見もございました。この力の場合には、東京都をすべてが通過するということで、いわゆる東京都の建設公害というようなものももちろん背景にあるわけでございますけれども、もう一点見のがせませんのは、この狭い日本の国土にそれほどスピードを要する新幹線網なんか必要じゃないんじゃないかというような御意見もございます。そういったことが、美濃部さんを代表といたしましてあちこちでそういう意見も私ども聞かされるわけでございますけれども、非常に遠隔地でありますこの北海道の特殊性、この地域におきましてお住まいになり、またお仕事もなさっておりますお立場といたしまして、いわゆる新幹線というものに対するお考え方を承ればと存じます。  以上でございます。
  422. 三好宏一

    ○三好宏一君 単に交通の便宜、あるいは生活上の利便から申しますと、確かに北海道まで新幹線が導かれるということは、何ら反対することでもないんであります。北海道の総合開発計画を見ましても、旭川まで新幹線を引きたいというのが計画のようですから、北海道の道民はそういうことを考えておると言ってよろしいかと思います。  ただしかし、先ほど申しましたように、くれぐれも国鉄が新幹線をやることによって赤字再建を乗り切るといったような考えは、かなり私は心配であるということであります。ことに北海道の場合、まあきょうも昼休みに各公聴人で話が出ましたんですが、去年ちょっと雪が降りましても新幹線はとまりました。おそらくこれは盛岡以北はシェルターをかけた万年トンネルにならないと、冬は動かぬのではないかという話も出ておりまして、そうなりますと一体どういうことになるんでございますか。確かに飛行機から比べるとややサイドの時間が違いますから、まあほぼありますけれども、ほんとうにしかし私は、新幹線そのものよりもむしろそちらがついてよくなるかもしれぬけれども、あとのところで切られるめちゃくちゃな北海道の状態。戦争中及び戦後にこれまで伸びた国鉄網が切られるのは何としても、まあ簡単に言いますと、新幹線をつける金があったら、私はこちらで何とかならぬのかなというのが率直な気持でございます。
  423. 徳安實藏

    ○徳安座長 金丸徳重君。
  424. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 諸先生方からたいへん有益な御意見を承らしていただきまして、ありがとうございます。  実は御意見を承りながら、全部の先生方になお時間があるものならば御開陳をいただくような場を持たしていただければありがたいと思ったくらい、たいへん参考とさしていただくことができまして、お礼を申し上げます。  この機会に、佐藤先生と三好先生、村岡先生、そのほか小野先生、葛西先生にもお伺いをいたしたい、金川先生は時間がないようでありますから。ですけれども時間が制約されておりますので、佐藤先生、三好先生、それから村岡先生にお伺いをさしていただきます。  佐藤先生の御意見を承っておりまして、実は私は先生から、特に北海道の実業界に及ぼす今回の料金値上げというようなことについて、これは決して望ましいことではありませんけれども、きわめて地域擁護とも聞こえるほどのきびしい御意見が伺えるのかと思って参ったのであります。しかし、たいへんお気持の広い立場からの御開陳でありましたし、また、料金も、値上げもこの程度であればがまんできるというお話しでございました。  私は、今度の料金値上げにつきまして、実は反対の立場をとって国会の中でがんばっておる者の一人でありますけれども、それは、なるほど国鉄料金が面接生活面に及ぼすものはわずかなものであるかもしれない。ただ心配になりますことは、この国鉄料金の値上げを機会といたしまして、一斉に便乗値上げといいますか、がまんにがまんをしておるものが値上げの方向をとってくるということではないかと思っております。直接のものは〇・四%というものでありましょうけれども、さらに及ぼすところの全般の影響がかなり大きいものと思われるのでありますが、佐藤先生、どういうふうにこの点についてはつかんでおられましょうか。ことに北海道は先ほどからの御意見の中にもありましたように、いろんな面において物価の影響をきびしく、また非常に神経質的に受けるいままでの経験を持っておるのでありますが、そういう立場からいままして、北海道の物価が日本全体の諸物価に先んじてこの機会に急に上がってくるようなことがあっては、土地柄が土地柄だけにたいへんなことになりはしないか、こう思うものでありまするが、いかがでございましょうか。  そして、今回の問題を私どもは非常に重大視しておりまするのは、何とか国鉄の赤字を解消しなければならない。ただそう思いましても、いつどのような方法でこの問題解決をするかということであるのであります。いま政府のほうから提案されておりまするのは、政府も助成いたしましょう、それから国鉄内部におきましても大いに企業努力を発揮しよう、そしてその上で国民の理解と協力のもとに料金の値上げもしてもらおう、こういうことで、そのゆえにいま、まあぜい肉とも見られるような閑散線の撤去も、思い切って強行しなければならないような事態となっておる。よくわかるのでありますが、その中において線路の撤去などということはなかなか容易なことではない。で、わりあいに打ち出していけるのは料金値上げ、こういうことにあるようであります。確かにそうであろうとも、しかしながら、いまのこの事態において料金値上げというものを再先端に押し出していくことのよしあしだろう。国民経済全般に及ぼす影響を考えますというと、むしろこれをあとのほうに回したもらったほうがいいのではないか。いつかは上げなければならないと思われるにいたしましても、この機会としてはどうであろう。特に北海道の皆さんといたしてはどうであろうか、こういうことでありまするが、もう一度御意見を承らしていただきます。  それから、三好先生、村岡先生にお伺いいたします。いままでの御意見の中で、広い立場から、特に新全総、あるいは交通体系の再編成、むしろ基本的な出発ということを基本にして御意見の御開陳があり、そういう立場に立っても、特に北海道においてはその影響が大きいことを申されました。私は、交通も新しい体系を根本的に立て直さなければならないという立場に立って、国鉄料金の基本はどうあるべきでありましょうか。どうしても企業ということが先になりまして、収支均衡というようなことがいわれております。そのために、もしかすると、料金が全体としてはあるいは不公平になってきておるのではないかと思われます。ことに国土の総合的開発をしなければならないいまの時期におきまして、そしていままでの経済政策がとかくどうも都会中心になってきて、したがって僻地のほうがいよいよ僻地化するというようなことになりまして、これを何とか切りかえなければならないというときにおきましては、ただ単に形式的なる料金の公平ということではなくて、政策を加味したる料金の公平さがはかられなければならないように思われてならないのであります。そういう意味におきましては、基本的には収支均衡するような企業会計であることが理想といたしましても、現段階の現情勢、現在の要請からいたしますると、均衡を先に押し出すことは料金のかえって不公平になりはしないか、こう思われるのでありますが、この点は学者としての広い立場からお考えになっていかがでございましょうか。  そういう意味におきましては、先ほどから繰り返してお聞かせいただいたのでありますが、特に北海道の経済状況について御心配をなさっておられるにつきましても、どういうふうに今度の料金改正についてさらにお考えをお強めになられるのか、この点を承らしていただきたいと思います。  なお、小野元生、葛西先生にお伺いしたいのでありますが、持ち時間が短かいものですから、あるいは時間がありましたならばあとでまた一言お伺いをさしていただきたいと存じます。  以上でございます。
  425. 佐藤健二

    ○佐藤健二君 ただいま金丸先生よりの御質問ございましたことに、満足に答えられるかどうか私自体も疑問を持ちますけれども、その点御了承願いたいと思います。  今度の運賃改定が北海道の産業に及ぼす影響ということでございますが、御承知のことと思いますが、昭和四十五年度末の統計によりますと、北海道の一次産業、農林、水産、漁業、これを含めますと北海道の総出荷額が五千億足らずでございます。それから、工業総出荷額が約一兆四千億こえているわけでございます。これは、私は商工会議所の立場上、常にこういう数字を握っているわけでございますが、四十六年度の統計資料は御承知のとおり三月末でまだ出ておりません。四十五年度末の統計を見ますと、工業出荷額、これはインダストリアルばかりではございませんけれども、含めましてもう一兆五千億こえていると私は想像しております。したがって、一次産品は五千億以下ということになっておりますので、こういう数字から見ましても、運賃の値上げが一兆五千億近い北海道の工業出荷額に与える影響は、決してないとは申し上げません。他の企業別に申し上げても、私はそういう資料を持っておりませんので、まずわが社の例で申し上げたいと思います。  私のほうは、国鉄現地総局にやっかいになっておるものが毎月一万一五千トンございます、入ってくるものと工場から出ていくものとで。しかし私は、これで〇・四%足らずという運賃はね返り、これを企業内でどうして吸収するか、そういう問題でございますが、私はあくまでも社内に向かって、最近は特に運賃も上がるのであるから、しかしこの程度のことなら生産性を向上して吸収しなきゃいかんということで、私どもの会社の社内にとっては、そういう体制を整えてあります。したがいまして、私は可否は別としまして、北海道の産業に与える影響という御質問に満足な答えはできませんけれども、先ほど申しました工業出荷額、あるいは農業出荷額、あるいは林業出荷額、水産業の出荷額から見て、やっぱり与える影響は、工業出荷額に与える影響が大きいと思います。しかし、〇・四足らずのものであるならば、いかに北海道の産業経済が全国の三%経済、あるいは四%経済と申されておりますけれども、企業努力するならばこのぐらいの吸収はできるであろうというのが私の考え方でございます。  それからもう一つ、先生の質問以外のことで、これはちょっとどうかと思いますけれども、昭和三十五年に池田首相が所得倍増論を出しましたとき、おそらく四十五年が最終年でございますが、昭和三十五年の給与所得者でございます。これはわれわれの給料も入っている、給与所得者でございます。この分類は的確に労働者の推移統計で出ておりますが、昭和四十五年度現在で約四・八倍になっております。これは、諸先生方調べてくださると一番わかるのでございますが、私は労働省の賃金審議委員を十年やりまして、そういう資料の中からも現在ピックアップしたものでございますが、四・八倍の所得になっておりますので、特に貨物運賃につきましては、よけいなことでございますけれども、昭和四十一年に改定されて以来約六年間据え置かれていますので、現在の所得から申しましても、今度の運賃改定に与える影響は、私はさほどないというような考え方に立っております。  むしろそれよりも、先ほど三好先生が申されましたモータリゼーションによりまして、国鉄の貨物のシェアがどんどん減っております。これに注目をするべきことが一番大事じゃないかと思っております。先生の答えに満足できなかったかもしませんが、御了解願います。
  426. 村岡重夫

    ○村岡重夫君 収支均衡料金と言われまして、そしてそれが不均衡である、僻地はいよいよ悪くなる、その中にやはり政策によるところの料金の公平が大切じゃないか、こういうふうに言われておるわけです。  それは、私はやはりそういうふうに考えておるわけなんであります。先ほどから申しますように、農業並びに、まあ林業のほうは国有林が北海道は非常に多いわけです。民有林というのはほんのわずかであって、それも農業の兼営事業になっております。やはり農業と水産に限ったほうがよいかと思うわけです。両方とも経営そのものは非常に農業政策が新聞紙上であるように不安定である、そして本州のほうに引き揚げていくものも見られる。それで、水産関係のほうにおいても、非常にはでなように見えておっても内実は火の車であるというのは、本州のほうのいわゆる培養漁業とは違いまして、北海道はやはり大きいやつは沖合い漁業とか、それからまた遠洋漁業、そういうようなものである。しかし、これは専門に入るわけですけれども、九十六トン型の船であるならば、これは採算とれないわけです。ところが、北海道においては九十六トン型の船が非常に多い。やはり採算とれるのは三百六十トン型の船でなくてはならない。ところが、それをとるのにはなかなか権利を獲得できない。そういうことのために、いわゆる中経営君であるところの船主たちの苦しみというものは非常な状態であろうというわけでありますが、そういう点が第二次産業の工業あたりの生産が、やはり機械によってつくり、そして出されるものは、漁業並びに工業のような、まあ危険性はあるでしょうけれども、危険が全く性質の違った状態のもとにおいては、同日にはやはり論じることはできないのでないか。そういう事柄がやはり北海道の経済の基点であろう、農業であるとかあるいは水産であるとかいうようなものにおいては、やはり考えなければならないのでないか、そういうふうに思います。工業の中においては、これもやはり内実に立ち至って資本の階層別に考えるならば、先ほど言いますように大中小と考えた場合に、中小の階層が非常に多いのであって、これまたそう楽なものではないだろう。  こまかい私は数字は持っていないのですけれども、そういうことから今回の運賃値上げというようなものは、それこそ経営が一つの百貨店が経常であるならば、国鉄も一つの経営である。一経営の存廃ということのために道民全部がその犠牲をこうむらなければならないということは、よくよく考えるべきじゃないか、私はやはりそういう見解を堅持したい、そういうふうに考える次第です。
  427. 三好宏一

    ○三好宏一君 どうもお答えになるかどうかあまり自信がございませんが、いま村岡さんがおっしゃいましたように、北海道の産業の場合、先ほど申しましたように、石炭あるいは畑作農産物、酪農品等、昭和三十五年以降の自由化なりエネルギー政策の中でかなり相当悪戦苦闘しておりまして、その価格差がかなり遠距離にある運賃コストということが、まあたいしたことはないとおっしゃいますけれども、石炭などは九州に比べてかなり大きなハンデキャップをしょうようなことになっております。したがいまして、地域ごとの何か特殊なこと、ということはぜひともこれはお考えいただきたいものだと私も思ってはおります。  それから、もう一つ申しますが、先ほどから私自身ちょっと疑問に思って、諸先生方、どういうことか教えていただきたいとも思っておることですが、国鉄運賃の値上げが物価に〇・四%のはね返りという数字でございますが、私は、おそらくこれは経済企画庁の流通経費の数字が、国鉄週貨が多分経費の二・二形、したがって今回二九%なり三〇%近い値上げをやれば、おそらく〇・四という影響をお考えになった数字かと私は思っております。  ただしかし、問題になりますのは、これは貨物運賃だけでございまして、問題は、一たん流通過程に入りますと、セールスマンが売ったりするための旅費が相当ございます。おそらくこの旅費は、経済企画庁の数字によりましても五・六%という数字でございますから、国鉄運賃だけではなしにその含まるセールスの汽車賃、これを考えますともうちょっとふくらむようなことになりはしないかというのが実態だと私は思っております。  その点で申しますと、北海道というのは御存じのとおりかなり広い地域に人口が存在しておりまして、この基礎は村岡さんがたびたび申しましたように、一つは、漁業に依存しているために地域がそれに制約されます。もう一つは農村でございますが、御存じのとおり北海道の農家の場合、北方農業のためにどうしてもかなり経営規模を大きくしなければ生活ができません。内地が一町前後といったころ北海道は三町前後といった数字が出ております。したがいまして、部落の形成、文化の中心地はかなり広い地域につくらざるを得なくなっています。したがって高校の配置、学校の配置を見ましても、相当な広い範囲に他府県から比べますと置かざるを程なくなって、つまり町と町の距離が遠いのであります。御存じのとおり、全国の僻地学校の七二%が北海道にございまして、この辺から見ましても、商品の流通からいいまして相当運賃が大きなものになってあらわれてくるわけでありますから、こういった点からもその点は確かにお考えいただきたいことだとは思っております。ただしかし、いまそのことをすぐにお考えいただくよりも、むしろ北海道の人間としては、いま一時運賃値上げをストップしていただきまして、もっと長期的な問題の中で明らかにさしていきたいというのが、おそらくすべての人の考えではないかと思います。  最後に、収支均衡でございますけれども、このごろ、すべての公共事業その他が収支均衡を看板にしております。その中に含まれておる人情とかその他はすべて切り捨てられまして、一切合理主義、経済主義をもって進んでおりますけれども、それでは一体、まあ健康保険などもその例かと存じますけれども、国民がたよりにしておる政治というのは一体どういうことであろうか。確かに国鉄の赤字の問題は、野放しにできない問題かもしれませんけれども、事の起こりはやはり私先ほど申しました昭和三十二年、日本高度成長のときのスタートに、一体いかなるスタートを切ったということから始まった問題だと思いますので、その辺はやはり均衡ということがはたして原則になるのかどうか、もっと社会政策的なものが加味されるのがこういう国鉄というものの一つの意味ではなかろうか、日本人はすべてそう思って期待している、私はそう思っております。  以上でございます。
  428. 徳安實藏

    ○徳安座長 宮井泰良君。
  429. 宮井泰良

    ○宮井委員 本日は貴重な、お忙しい御予定をさいてこのような時間を持っていただきまして、また貴重な御意見をお伺いし、心からお礼を申し上げます。  皆さんそれぞれ御意見があったわけでございますが、大筋におきまして値上げということについては反対といいますか、そのお気持である、まあ賛成の方でも条件つきで、やはり国の努力あるいはまた国鉄自身の企業努力というものを望んでおられる、このように受け取ったわけでございます。特に、北海道の公聴会に私、参加いたしまして非常に有益であったことは、北海道の特殊性という、産業経済、このようなものを無視して、いわゆる言うところの国鉄の新全総に基づくところの財政再建計画というものはないということを強く感じたわけでございまして、その辺が大いに論議されるべきである。また、私自身も運輸委員の一員として今後国会で、きょうの御意見というものは政府に対しても言い、私は絶対皆さんの御意見は無にしないという気持を深くいたしておるものでございます。そういう基本的な考えに立ちまして、お二人の先生にお伺いを申したいと思います。  まず、商工会議所の佐藤さん、それから続いて日本甜菜製糖の小野さんにお伺いしたいと思いますが、あるいはまた先ほどの金丸先生などとも重複いたす点もあると思いますが、何と申しましても、先ほどから論議されております貨物運賃についてどのようにお考えになっておるか。先ほどからもお話に出ておりましたが、公共料金の割引制度というものにおきまして、全国で五十億、北海道においては十四億五千万がこのことをこうむっておるということでございまして、これが全廃をされるということにおきまして、特に北海道という遠隔地という問題も加味いたしまして、いわゆる今回の値上げ幅というものが、貨物においてたしか二四・六%でしたか、ということでございますけれども、割引制度の全廃と、そして今回の運賃値上げとのこれをプラスいたしますと、詳しいデータは私持っておりませんが、やはり公共的な、特に消費者に対してのお米でありますとか、畜産、農産物というものは、そういう公共的な輸送ということで割り引かれておるという点が、およそ品目別に見ましても五〇%以上値上げされる分もあるということを承知いたしております。新全総でも政府の言うところの位置づけは、北海道というものは大規模の農畜産というものを展開して、そして今後発展を遂げていくというような位置づけから見ましても、政府の経済政策からいままして、いまの感じではどうも逆行しておるような感じである。特にまた、農産物の自由化に伴う競争というものは、非常に御当地においては激しいものであるということを感じておりますが、こうなりますと、先ほどは会社の例をとってお話しされましたが、全体的な北海道経済というもの全体のお立場で今後、まあ極端なことばで言いますと、破綻を来たすような方向へも行きかねないというふうなときにおかれまして、どういうそういった面においてお考えを持っておられるか、広いといいますか、大局観に立った上での御意見を伺いたいと思います。  また、次に小野さんにお尋ねいたしますことは、条件つきで賛成をされたわけでございまして、企業が負担するのもやむを得ないというようなおことばがあったと聞いておりましたのでございますが、この点は具体的にどのようにお考えになっておるか。先ほども受益者負担の議論も出たわけでございますが、国民の声を聞きましても、やはり一般財源から国鉄の赤字というものを繰り入れていくということももちろんございますが、あるいはまた、たとえば大企業にあてられておりますところの租税特別措置法、そういった数々の優遇的な措置も緩和し、あるいは廃止するというふうな方向へもっていって、そのような税収入と申しますか、そういうようなものもこの赤字にあてていくという、そういうお気持もあるのかどうかという点をお尋ねしたいわけであります。  そして、ただいまも申し上げましたように、諸物価に与える影響というものが今後、まあ結論から言いますと、生産者というものが切り詰められていくということと、あるいは生産者が切り詰めなかった場合には、消費者にこれがはね返ってくるということ。特に、大幅な貨物運賃の値上げということが実現いたしました場合に、生産者が切り詰めるか、それとも消費者のほうへそれを影響を与えていくかということになっていくと思いますが、なおそれでも諸物価に対しては、こういうことではね返ってはいかないのだというふうなお考えを持っておられるかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  430. 佐藤健二

    ○佐藤健二君 宮井先生の御質問で、非常に北海道全体の多岐にわたる産業経済に与える影響ということでございますが、不肖、そのような立場に実際ありませんので、その点御了解願います。そういうような立場ならば、北海道商工会議所の会頭が出てきてお答えするのが至当かと思いますが、一札幌地域だけでございますので、よろしくお願い申し上げます。  産業全体に及ぼす影響でございますが、私は先ほど金丸先生のお答えに申し上げましたとおり、決して影響はしないということを申し上げておるのではございませんので、むろん影響すると思います。影響しますけれども、一番影響を受けるのは、企業で見ますと小規模企業じゃないかと思います。この小規模企業に与える影響は決してないとは申しません。はっきり申し上げましてやっぱり小規模企業に対するはね返りは出てくると思います。それも同時に、先ほど金丸先生の御質問に私は答えなかったんでございましたが、この国鉄運賃の値上げに便乗しまして流通機構において、運賃が上がったから、上がったからといって不当に物価を上げる取り締まりというものを並行して考えてもらいたいと思います。これが小規模企業に対する一つのきめのこまかい配慮じゃなかろうかと思います。したがいまして、小規模企業といえども、これは産業構造の一分子でございますので、これに対するはね返りはないとは申しませんけれども、ややもするとこういう小規模企業に対して、国鉄運賃が上がったんだ、上がったんだといって消費者にはね返すということは、国鉄運賃の改正に伴い、同時に諸先生方の配慮が必要じゃないかと私は思うのでございます。  北海道全体の定業経済に及ぼす影響は、先ほど三好先生も申されましたように、遠隔の非常に広域な土地でございますから、なかなかこれはつかみずらいと思いますけれども、生産経済の現存の動向な見ますならば、先ほど申し上げましたように、工業出荷額が一番商いので、それにはね返るものは決してないということは私は申し上げられないのでございます。したがって、企業努力をして吸収するものは吸収し、政府当局に考慮してもらうものは考慮してもらう、これ以外より私は申し上げられないと思います。  満足な御回答でございませんけれども、あしからず御了承願います。
  431. 小野宗一

    ○小野宗一君 宮井先生の御質問にお答えいたします。  企業者として、運賃が上がればどうなるんだということでございますが、私も先ほど申し上げましたとおり、上げてもらっては困るということは根本にあるわけです。  それから、こういう公聴会に私が出るという話を会社でいたしましたときに、私、いま常務取締役支社長をしておりますが、役員の立場でそういうことを言われちゃ困りますねって社員にからかわれたくらいなんです。しかし、もっと広い視野でものを考えるときに、この程度の値上げというのはまあやむを得ないんじゃないか。それはこういうこともあるわけです。  話がちょっと飛びますけれども、たとえばいま公害問題というのは非常にやかしいわけです。それで、私どものほうも河川汚濁の元凶の一つになっているわけです。これはカドミウムとかああいう性質の悪いものではなくて、一種の有機質のものが出ていくわけなんですけれども、それをたとえばどこどこの河川のどこの橋のところで三PPMで抑えなさいということになりましたので、ことに道の上乗せ基準条例というのが出たわけです。それに対する施設というのもやらなくちゃならないわけです。私のほうはおかげさまでもうずっと前からその施設をやったものですから、今度の道の上乗せ基準に対しても、私のほうはそう驚かなかったわけです。すでに十数億円の金をかけております。  そういうふうに、企業で吸収しなくちゃならぬとおっしゃれば、企業で吸収しなくちゃならぬわけです。今度の問題にしましても、われわれが吸収しなくちゃならぬと思えば、そういう態度でまたやらなくちゃいけないと思います。ただ理論的には、運賃が上がれば物価へはね返ってくるだろう、こういうことはあるわけです。ところが、砂糖業界というのはまことに奇異な業界でありまして、現在もっと値段が高くてもいいはずなのに、いまそのあるべき値段より安いんです。それで、これは御案内のとおり糖価安定法というのがございまして、これで私のほうの砂糖は政府買上げというか、事業団の賢い上げになっております。そして、それをすぐブックして