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1972-04-11 第68回国会 衆議院 商工委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和四十七年四月十一日(火曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 鴨田 宗一君   理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君    理事 進藤 一馬君 理事 橋口  隆君    理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君    理事 近江巳記夫君       稲村 利幸君    鹿野 彦吉君       神田  博君    北澤 直吉君       左藤  恵君    坂本三十次君       始関 伊平君    塩崎  潤君       田中 榮一君    八田 貞義君       前田 正男君    松永  光君       岡田 利春君    松尾 信人君       川端 文夫君  出席政府委員         通商産業省鉱山         石炭局長    莊   清君         運輸大臣官房審         議官      見坊 力男君         消防庁次長   山田  滋君  委員外の出席者         参  考  人         (石油開発公団         総裁)     島田 喜仁君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   山田 久就君     鹿野 彦吉君   中谷 鉄也君     楯 兼次郎君 同日  辞任         補欠選任   鹿野 彦吉君     山田 久就君     ――――――――――――― 四月七日  中小企業の危機打開に関する請願(田代文久君  紹介)(第二二二四号)  同(東中光雄君紹介)(第二二二五号)  同(松本善明紹介)(第二二二六号)  同(小林政子君紹介)(第二二四七号)  同(津川武一君紹介)(第二二四八号)  同(土橋一吉君紹介)(第二二四九号)  同(浦井洋君紹介)(第二二八一号)  同(寺前巖君紹介)(第二二八二号)  同(林百郎君紹介)(第二二八三号)  同(山原健二郎君紹介)(第二二八四号)  同(山本政弘君紹介)(第二二八五号)  同(青柳盛雄君紹介)(第二三三八号)  同(谷口善太郎君紹介)(第二三三九号)  同(林百郎君紹介)(第二三四〇号)  同(不破哲三君紹介)(第二三四一号)  同(米原昶君紹介)(第二三四二号)  同(青柳盛雄君紹介)(第二三七五号)  同(浦井洋君紹介)(第二三七六号)  同(小林政子君紹介)(第二三七七号)  同(田代文久君紹介)(第二三七八号)  同(谷口善太郎君紹介)(第二三七九号)  同(津川武一君紹介)(第二三八〇号)  同(寺前巖君紹介)(第二三八一号)  同(土橋一吉君紹介)(第二三八二号)  同(林百郎君紹介)(第二三八三号)  同(東中光雄君紹介)(第二三八四号)  同(不破哲三君紹介)(第二三八五号)  同(松本善明紹介)(第二三八六号)  同(山原健二郎君紹介)(第二三八七号)  同(米原昶君紹介)(第二三八八号)  同(麻生良方君紹介)(第二三八九号)  同(西田八郎君紹介)(第二三九〇号)  同(吉田泰造君紹介)(第二三九一号)  鉱業政策の確立に関する請願鈴木善幸君紹  介)(第二三〇四号)  景気浮揚対策に関する請願鈴木善幸紹介)  (第二三〇五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  石油開発公団法の一部を改正する法律案(内閣  提出第三七号)  石油パイプライン業法案(内閣提出第一〇六  号)      ――――◇―――――
  2. 鴨田宗一

    ○鴨田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案及び石油パイプライン業法案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鹿野彦吉君。
  3. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 私は、この法案の審議にあたって、基本的な問題について簡単に質問をいたしたいと思います。  この法律の目的に、「合理的かつ安全な石油の輸送の実現を図り、もって石油の安定的かつ低廉な供給の確保に寄与し、」という目標がうたわれておりますが、これの目標は、特定の企業のための合理化を目標とするのか、国全体の国民に対して、低廉にして安定的なるところの石油の供給を目標とするのか、このいずれであるかを御答弁願いたい。
  4. 莊清

    ○莊政府委員 申すまでもなく、国民全体に対しての安定供給を目標にいたしております。
  5. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 国民全体のものであるとするならば、このパイプライン方式、パイプラインを引かれる地帯と引かれない地帯とにおいてどういう結果をもたらすか、あなたの知る限り御答弁願いたい。
  6. 莊清

    ○莊政府委員 パイプラインが将来におきますわが国の石油の内陸輸送の根幹にならなくてはならないというふうに考えております。ただ、東京、大阪等の過密地帯におきましては、石油の需要の年々大幅な伸びにもかかわりませず、従来の国鉄の貨車輸送あるいは道路を使いますタンクローリーの自動車によります輸送というものが年々非常な逼迫を加えてきておるという状況にございます。同時に、これは保安上も非常な災害を招きやすいというふうなことがございまして、政府といたしましては、とりあえず緊急の必要のあるところから計画を進めざるを得ないわけでございますけれども、石油の需要というのは全国的なものでございまするし、今後は特に地域開発というふうな点から、地方におきまする工場の分散等に伴いまして工業用それから民生用、いずれも石油製品は現在消費の少ないところでも将来当然に伸びていきましょうし、また伸びるような方向で全体の施策を考えるというのが方針でございますので、これは逐次全国的に主要な幹線パイプライン網というものをぜひ整備いたしたい、かように考えております。
  7. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 ただいま東京、大阪を中心とする過密地帯で輸送上の点からパイプラインの必要性が説明されました。ところが輸送上の点からのパイプラインの必要性というものは確かに存在するけれども、しからば、東京、大阪地帯がパイプライン方式によって輸送手段が合理化されて値段が安くなる。その場合に、値段が安くなった過密地帯の石油の値段と過疎地帯の石油の値段とをいまの自然のなりに、合理化された安い値段に対して合理化されてない過疎地帯では相変わらずそのままに置く、こういうことであるのかどうか。いま工場の分散というものを考えておるという話だが、工場の分散をした後にいわゆるパイプライン方式をやるということになるのか。パイプライン方式を過疎地帯も過密地帯も同様に置いて、同じような石油の値段がどこででも得られるという、こういう前提が置かれることによって工場の分散が立地される。こうした根本的な分かれ目があるんだけれども、そういう点の配慮がなされてこの法案が仕組まれておるのかどうか、御答弁願いたい。
  8. 莊清

    ○莊政府委員 全国各地の国民の各位に対します石油の安定供給と、それから価格の低廉化ということは非常に大切なことでございます。そのためにパイプラインによる輸送の近代化ということと並びまして、通産省といたしましては、過密の公害を避けるという見地も含めまして、今後におきましては石油精製工場そのものをなるべく地方に分散立地をはかっていくということをまず第一に従来から考えており、今後も推進するつもりでございます。それによりまして、従来東京、大阪等の一部地域から地方に送られておったという石油製品が、各地に製油所の基地ができることによりましてそこにタンカーが入ってきて、そこで精製したものを比較的近い距離で輸送することが、どうしても全国的な石油の安定供給と価格の全般的な低廉化ということから必要な第一の点でございます。  同時に、やはりそれでは内陸の輸送ということが残るわけでございますから、これにつきましては、先生ただいま御指摘ございましたように現在の過密の解消も大切でございますけれども、長期的な観点に立ちまして将来人口を分散し、工業も分散していくべき新しい地域に、先行投資的な意味でパイプラインというものは当然投資さるべきであるというふうに私ども考えております。  現在通産省では、昨年来逐次地域別にパイプラインのいかなるマスタープランを持つべきかということで予算がつきまして、鋭意勉強中でございますが、今年度、来年度、引き続き全国的にすべての地域についてこういう調査、検討を進め、基本計画を逐次つくりまして、それに基づいてパイプラインを整備していく、こういうふうに考えております。
  9. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 局長、なるべくよけいな返事じゃなくて、私の質問にだけ答えてください。そうでないと時間が長くかかってしょうがないから。  いま、将来の工場分散ということを言われたが、将来の工場分散というものじゃなくて、いまいまもう必要になってきているというこの事態を認識されるかどうか。私は、もうとっくにこうした工場分散が行なわれるような基本的な開発計画が計画的になされなければならなかったと思っておるのですが、それがいろいろな点で手おくれになったために、いまやここにきてこう薬ばりの繰り返しではどうにもならないから、将来じゃない、いまいま工場の分散をしていかなければならない、こういうことが必要である、こう思うが、この点どうなんです。
  10. 莊清

    ○莊政府委員 御指摘のとおりに考えております。
  11. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 そういう前提に立つならば、大阪とかあるいはまた東京とかいう過密地帯にパイプラインをやる。これは企業的にもうかるからだれでもやる。もうからない地帯にパイプラインをだれがやるのか。国鉄ですら独立採算制というような立場からいって閑散線の廃止が叫ばれておる。あるいはまたバス路線にいたしましても、各県において、各地方において、これはもうからないからこの線は通らないのだというようなことが国の人口分散の基本的な方式を邪魔しておるという事実からいたしまして、いま新しくこのパイプライン方式を発足するにあたって、頭の悪い人でも過去の実績ぐらいはわかるんだから、そういうことを勘案しないで目先のこの法案が仕組まれるということに問題がある、こういうことを私は申し上げておるんです。いまの国鉄の閑散線あるいはまたバスなどのいわゆる現在の過疎地帯におけるところの実情というものを勘案して、あなたの答弁を願いたい。
  12. 莊清

    ○莊政府委員 パイプラインというものは基幹になる、根本になる輸送手段でございますから、長期的な観点に立って整備しなければならないというふうに考えております。したがいまして、とりあえずは、もう当面の輸送にもこと欠くというふうな過密地帯を無視するわけにはまいりませんが、国全体といたしましては、当然にそういう現在過疎地帯といわれておる地域でもこれからは大いに産業なり人口を分散すべき大切な地域でございますから、そういう地域の将来の開発計画というものを、通産省としても、今回の地域開発の公団というふうなことでこれから具体化をするという段階でございます。したがいまして、やはり全国的な見地に立ちまして先を見て、この法律での石油パイプラインのいわゆる整備基本計画というものをそういう地域についてもなるべく早い時期にきめ、そういう地域についてのパイプラインが促進されるようにするということが基本方針でございます。  そういう場合に、御指摘ございましたように、相当長期の投資になりますので、企業だけの力ではなかなか踏み切りにくいということが事実としてあろうかと思います。したがいまして、たとえば東北でございますとかそういう地域につきましては、政府の地域の開発金融機関等もあるわけでございまするし、今後政府としても金融、税制上いろんな助成策というものをさらに充実いたしまして、そういう地域についての先行投資というものを行なわせるように指導し、誘導していく、そういう手だてをつくるということを鋭意行ないたいと考えております。
  13. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 いま局長は東北地方ということばを特に出したが、私が東北地方だから東北地方というようなそうしたけちな考え方は一切持たぬでほしい。私は日本全体のことの立場に立ってこの質疑をしているんだから……。  パイプラインの必要性というものは申し上げるまでもありませんと言うておるが、私はそんなことは百も承知で、ずいぶん前からこうしたことがやられなくちゃならない、おくれておることが遺憾だと思ってきた張本人です。しかしながら、これに手をつけるに際して、準備のないままに過密地帯のもうかる線だけを手をつけて、そうして過疎地帯はだんだんとやっていくというようなことであるならば、過疎地帯をだれもやる者がなく、これは実際絵にかいたもちにひとしくなるのじゃなかろうか。日本の国土は狭いけれども、その狭い国土を広く使うということが現在のあらゆる根本問題を解決するところの基本でなければならない。ですからいままで間違った政治、間違った行政によってここまできたいろいろな弊害を参考として、いま新しく発足するところのこのパイプライン方式だけは、絶対必要だけれども、もう少しその点の準備をしてかかる必要があるんじゃなかろうか、私はこのことを申し上げるのです。ほんとうにお互い同士、口先の国会答弁や役人答弁方式をやめて、お互いに日本の国を考えるという点からそういうことを議論し合わなければならないわけです。  私は長々と君と議論をする気持ちは毛頭ないけれども、国土を広く使うということからいけば、過密対策さえ実施すれば自然と過疎という弊害がなくなってくるのです。ところがいまは大部分過密対策だけに終始するから――ようやくここ二、三年、過疎対策というものが浮きぼりにされてきたけれども、いままで過疎対策というものがほとんどないにひとしかったわけですね。過密対策というものを実施すればするほどますます過密になるのです。もちろん東京、大阪の輸送上の困難ということは、もう表現がむずかしいほどの困難なる状態になっておる。それだからといって、また無準備に、容易に東京、大阪の過密地帯におけるパイプラインをやって、そうしてこう薬ばりをしていくというこのことがまた将来に大きな悔いを残す。過疎地帯についてはだんだんといろいろな施策を講じて、パイプラインが設けられるようにするといったところで、どのような方法がありますか。いままでと同じように方法はないのです。国鉄ですら独立採算制という立場からいって閑散線の廃止という問題が大きな問題になっているのです。問題は、企業が行ったならばそこにおのずからパイプが引かれるのだ、政府がいろいろな施設を行なうのだということではだめなので、その準備として山間地に大きな道路が敷かれ、そしてここにパイプラインが敷かれて、どの土地に行っても企業が成り立つような基本状態をつくり上げる、さすればここに自然とそれぞれの企業がいろいろな利害得失を考えて移ることになるのです。あとは役人の介入はできるだけ少なくするほうがいいのです。役人の介入によって、国の行政の動きにあっては大部分悪くしているのです。ですから役人がこまかいこまかい問題にいかに口出しをしないで自由方式の基本がうまく運営されるような姿をつくるか、その基本をつくることが私は根本の問題だと思うのです。ですから私は決してパイプラインが必要でないんだということじゃないのです。だれよりも必要だということを私は痛感しておるのだけれども、このような姿で、一企業が都合のいいところだけを許可を得てパイプラインを独占する。さすれば道路の使用やその他のことも許可をする。そしてここには、そういうふうにしてはならないとか、この場合は許可し、この場合は何だとか、そんなことを数々うたっておるけれども、こんなことは何にもならない。さっぱり要らない。要らないような法律をつくることは必要じゃない、こういうことを私は言っているのですよ。だからせめて一年間延ばして全体計画を立てて、過疎地帯についてもパイプラインが、いま敷かれなくても将来敷かれるとき、敷く必要が生じたときに、簡単に容易に敷かれて、過疎地帯と過密地帯との石油の値段が同じような値段で供給される、こういう基本をつくることが大切なのじゃなかろうか、こう私は見るわけですが、これに対しての御意見を承りたい。
  14. 莊清

    ○莊政府委員 先生の全国的な見地に立って考えろという御指摘はまさに仰せのとおりであると存じます。それで、この法律では逐次パイプラインは整備されることになるわけではございますけれども、ただいま御指摘もございましたが、パイプラインというものを全国的な視野に立って、どういう長期的な基本的な計画をもって整備すべきであるかという基本計画を政府として定めることに実はいたしております。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 この基本計画を定めます場合に、もちろん関東地方のようなところも対象になるわけでございますけれども、より長期的に今後の日本の全体の発展ということを考える見地から、日本全体につきましてやはり長期的な立場から、今後この法律に基づきまして政府が責任をもって基本計画を定めていくということにいたしております。そしてその基本計画に即して重要なパイプラインというものを認めていく、かような考え方で実は考えたのでございます。  この法律の運用にあたりまして具体的にどうするかということが実は一番大切なことだと私どもも考えております。先生の御指摘のございましたような基本的な考え方を十分に体しまして、この基本計画の整備ということにまず誠心努力をいたすという考えでございます。
  15. 鹿野彦吉

    ○鹿野委員 重ねて言いますが、この法案によって過密地帯に許可された企業に、今度はもうからないところをやれあるいはまたどういというところの強制力を持たせることは、現在の社会情勢からいって絶対不可能だと思います。ですから、いまはこの法案でスタートしてあと運用でいくということを言われたが、この運用でいくということは私はたいへん危険性があると言うのです。運用上の役人の介入はなるべく少なくしなければならぬ。この運用上の役人の介入がいろいろものごとを複雑にしておる、こう私は考えるのです。  これはもっともっと詳しく質疑を繰り返したいのでありますが、一応立案者である事務当局の局長にこのことを言い、大臣にこうした質問があったことを伝えていただきたい。田中通産大臣は天才的な能力がある、そして非常にものごとを合理的に考えるすばらしい政治家だから、必ずこのことについて妥当なる適当なる判断をなすでしょう。あるいはまた、ここにおるところの商工常任委員会に所属する皆さま方に対しても、私は、賢明なる与党、野党の皆さま方が、日本の国民全体の、日本国土全体のことを考えて、こうした無準備な法案について大いに論議してくださることを希望いたします。  なお、私のこの意思は、国会議員鹿野彦吉という者がこの法案の当初にあたってこのような意見が述べられたという記録を残すことも大きな役割りだと私は考えますので、こまかいことには触れることを省略いたします。どうぞ日本国土全体のことを考え、そして工場分散というような政策が容易に、自然に行なわれるような基本的な法案を練り直していただく、このことを希望いたしまして、私の質問を終らしていただきます。
  16. 進藤一馬

    ○進藤委員長代理 近江巳記夫君。
  17. 近江巳記夫

    ○近江委員 まず石油公団法につきましてお聞きしたいと思います。  いろいろな問題点がありますが、まず初めに技術の問題をお聞きしたいと思うのです。特に先進諸国における石油開発の技術というものは、資金的におきましても、またその技術の内容においても、非常にすばらしい内容また規模でもって開発も進めておるわけでございますが、わが国のそういう技術の現状ですね、どの程度まで来ておるかということです。  それからまた、今後の石油開発技術者の確保あるいは技術の向上について、政府としてはどのように考えておられるか。この二点についてお聞きしたいと思います。
  18. 莊清

    ○莊政府委員 大きな問題でございますので、まず基本的な点についてお答え申し上げます。  外国の石油開発企業というのは長年の歴史、伝統を持っておりまして、技術者の数も一社で一千人以上というふうな豊富な人員を擁しておりますが、わが国の場合には全国で四、五百人という程度の現状でございます。これは開発に対するわが国の立ちおくれを如実に反映しておる数字だろうと存じます。  そこで、今後わが国におきまして石油開発が大切でございますので、どうしても中核になる技術者というものの育成に特に重点を置くべきであるというふうに通産省としては考えております。具体的な物理探鉱等を行なう作業員的な技術というものは、場合によっては外国のそういう専門の石油会社を使うことも可能でございまするし、欧米の大会社も現にそれを行なっております。ただ、経営の中核になるような、高級な判断のできる技術者というものが大切でございまして、これが日本では弱体でございます。そこで、今後におきましては、学校教育の強化の問題もございますが、特にやはり経験を積み、専門家を育成するという意味で、今回特別の措置といたしまして、石油開発公団に技術センターというものを設けて、特別会計からの助成金も出しまして、ここで、公団の職員のみならず、民間の職員も訓練を行なうということに実はいたしたわけでございます。情報収集体制というものを強化するということと並びまして、やはりわが国としては、この技術者のレベルアップと数の確保ということが今後非常に大切であると考えております。
  19. 近江巳記夫

    ○近江委員 このセンターでどのくらいの技術者を養成する計画をしておるのですか。
  20. 莊清

    ○莊政府委員 初年度でございますので、とりあえず四十七年度は三十名を対象に考えております。これは公団職員と民間からの研修生と両方含めた数でございます。
  21. 近江巳記夫

    ○近江委員 初年度ということもあるわけですが、全体の技術者の不足という面からいきまして、これを充実するという点において三十名というようなわずかな数で、今後のそういう急速に伸びていくと予想される石油開発のテンポから考えて、はたしてこれでいいかということです。また、そういう学校教育等において、文部省等とはどういう連携をとっておるのですか。
  22. 莊清

    ○莊政府委員 日本で現在石油の開発に直接関係ありそうな大学の講座の定員というのは、数だけでは千人近い定数が実はございます。その中でも特に新しい油田の開発に直結したような技術というものはその中の一部になりますが、今後はこの定員の増加ということも大切でございますけれども、やはり技術のレベルを大学教育においてもより一そう高めるということが望まれるわけでございます。それで、卒業した人については、また石油公団のようなところで、より具体的な例に即してより専門的な勉強を続けてもらうという二段がまえでやることがぜひ必要であると存じます。  そういうふうに考えまして、文部省と、これは専門的な事項でございますが、今後の石油開発公団の運営をどうするかということも、実は大学教育の問題もからむようでございます。それの一環といたしまして文部省とも十分打ち合わせを今後具体的に続ける。一般論としてはそういう要請はいたしております。
  23. 近江巳記夫

    ○近江委員 そういう教育面というのは非常にむずかしい問題がありまして、それでは、ただその企業の要請だけに従っていいのかという根本的な問題があると思うのです。そういう点は行き過ぎてはならぬと思うのですが、今後の問題としてこれは非常に重要な問題ですから、一応提起しておきますから……。  それから、石油開発の状況を見ておりますと、非常に失敗が多い。これは世界的にこのリスクが多いのはあたりまえだという考えが非常に基本になっておるように思うのです。ところが、国民の血税を今回はこれだけ拡大して、今後石油開発というものに入れていくわけです。諸外国はそういうように失敗が多いのだから、わが国はまだ率がましだろう、こういう甘い考え、それは甘えてはいかぬと思う。やはりそういうことは、あり得ないことであるけれども、百発百中当たっていくのだというぐらいの気持ちでやってもらわなければ、これはやはり非常にロスが大き過ぎると私は思うのです。そういうことは無理でありますけれども、そういう点、成功のかぎはどこにあるか。いろいろと話を聞いてみますと、わが国は情報収集が非常に弱体である、首をかしげるようなところの鉱区を払い下げを受けておる、こういう状態であってはならぬと思うのです。情報収集について現状はどうなっておるかということが一点。  今後わが国としてはそういう情報収集のどういう体制を考えておるか。これはばく大な国費を使ってそういう資金を借りてやるわけでしょう。ただ職員だけを派遣すればいいのだ、それだってただで行くのじゃないわけですよ。一人の海外駐在費だってばく大な金がかかるわけです。人数だけをばっとふやすということだけでは、それも一つかもしれませんけれども、いろいろ出先の機関が一ぱいあるわけです。そういうところともっと連携をとって、やはり総合的な対策をとるべきではないですか。その辺がジェトロはジェトロ、大使館は大使館、有機的な連携がとれてないように思う。そういう今後のほんとうに真剣な皆さんの考えをひとつお聞きしたい。この二点についてお答え願いたい。
  24. 莊清

    ○莊政府委員 まず第一の点でございますが、百発百中は無理でもその精神を持って最大の努力をすべきであるという御指摘でございますが、まさにそのとおりであると考えます。わが国の場合にはいままで百本に十本くらいの割りで成功してきたということで世界の注目の的になっておるわけでございますけれども、やはり御指摘ございましたように的確な情報を十分に集めて、これをなるべく科学的に十分な分析調査をやるということが非常に大切だと存じます。そういう意味で技術力というものがやはりどうしてもなければならぬ。先ほどお答え申し上げました石油公団の技術センターにおきましても現在でも若干やっておりますが、コンピューターを十分に駆使いたしまして、諸情報なりデータというものを技術的に十分解明するという技術の練摩ということを一つの中心に実は置いてやりたいと考えております。  それではまず、海外の生きた情報をどういうふうに把握するか、駐在員の充実も考えておりますが、ジェトロにつきましても、現在ヨーロッパにありますジェトロのたとえばロンドン事務所等は、所をあげましてOPEC関係あるいはメージャー関係の情報というものを集めて、非常に優秀な情報を現に集めておりまして、わが国に送ってまいってきておる事情がございます。それから産油国ではジェトロ自体もまだ後進国のせいもあって十分な人員がおりませんが、大体一人か二人は少なくともおるわけでございますから、そういうところにつきましては、従来全くばらばらであったものを、私どもが石油開発公団の駐在員事務所といいますか石油公団のほうに併任するなり、とにかくそういう形できちんと組織をつくりまして、開発公団の技術の職員を駐在させておりますので、それとタイアップした形で情報収集に努力をするということによってそれを実施する方針でおります。  なお、これとは別に民間の会社も技術者を有しており、情報を集めておりますが、これにつきましても、ばらばらではなくて、なるべく系統別にまとめた統轄会社というものをつくって、そこで情報を全部統轄する、それから技術者を使うということで効率を高める、それが石油公団にすべてまた活用されて、お互いに情報が活用されるという形をぜひとらなければならない、かように考えております。
  25. 近江巳記夫

    ○近江委員 外国の場合を見ますと、これは情報収集という点については、やはりすごいそれだけの体制をとっているわけです。そういう点で特に石油開発という問題になってきますと、成否のかぎというのは非常にここに重点がある。こういうことで、最も効果が発揮できるそういう一つの体制づくりということに努力する必要があるのじゃないか。特にこの点も申し上げておきます。  それから、今日わが国においては、国民総生産はなるほど上がってはきました。だけれども、公害問題をはじめとしていろいろなひずみが起きておるわけですが、特に公害の元凶というのはこの石油ですね。空気を汚染し尽くしておる。しかもまた油は水質を汚濁させておる。そういう点で、これはほんとうに国民の健康生活という点から考えると非常に大きな問題なんです。ですから、今後の石油政策から考えていきますと、どうしてよ低硫黄の原油の確保、あるいはこれを確保していくにはどうすればいいか。もちろん低硫黄原油の輸入を促進をしていく、さらにはまた開発にあたってもやはり低硫黄というところに重点を置かなければならないんじゃないか。ところが、輸入にしろ開発にしろ、やはりこの辺のところをどれだけ重点を置いておるか疑問点があるわけです。そういう点、現状はどうなっておるかということが一つ。今後の輸入あるいは開発にあたっての低硫黄原油に対しての対策というものについてお聞きしたいと思うのです。
  26. 莊清

    ○莊政府委員 低硫黄原油の確保ということは、お話ございましたように、わが国にとってことのほか重要な、きわめて重要な課題でございます。現在はどれだけ輸入されておるかといいますと、約二億キロリットルの原油の中で二〇%、四千右キロリットル程度のものが輸入されております。主としてインドネシア、一部がペルシャ湾から参っております。  お話がございましたように、わが国としては石油開発公団を通じます開発ということが中心になっておりますが、その場合にも高硫黄のものではなくて、硫黄分一%前後ないしそれ以下の原油が出るということが現在までわかっておるいろいろなデータで予想がされるというものに重点を置いて、実は出資をしたり融資をしたりして推進をいたしております。現在までに成功いたしましたものが三つぐらいでございますが、東南アジアで二つ、中近東で一つでございますが、いずれも硫黄分が〇・〇幾らというふうな低硫黄のものでございます。おそらくこの三つのプロジェクトから、昭和五十年ごろまでには最低千万キロリットル、生産投資がうまくいきますれば一千万キロリットルないし二千万キロリットル程度のものが自主開発という形でわが国に導入されることになると思います。また低硫黄原油の賦存状態というのは、世界でも非常に少ないといわれておりますから、あらゆる機会をとらえてこれをわが国に結びつけるというために、現在問題になっておりますソ連のシベリアの原油というふうなものも、ほんとうに低硫黄のものであるということが今後の調査団の結果等でだんだん判明してまいりましたならば、わが国としてはこういう機会についても大いに前向きに努力をすべきであろうというふうに通産省としては考えております。
  27. 近江巳記夫

    ○近江委員 いま、昭和五十年一千万キロリットルと一応の目標を立てられたわけですが、現在でも二億キロリットル輸入しておって二〇%、四千万キロリットルが低硫黄、あとの一億六千万というのはこれは非常に高いやつを使っているわけですが、わが国の現状を見ますと、脱硫装置にしたって、どれだけやっておるか。工業技術院で若干のそういうプラントを完成したかどうか知りませんが、企業はそれだけの脱硫費だってかけておるかというと、ほとんど力を入れていない。そういうことで、ブルースカイ計画とかいろいろなことを各地方公共団体でもいろいろやっておるし、政府も公害やそうした環境保全ということで力を入れておりますが、今日のこういう二〇%ぐらいのことで、あとはハイレベルのそういう石油を使っておる、ここに大きな問題があるわけですね。それは皆さんも苦慮されておることはわかりますけれども、苦労するのは国民の健康から考えるとあたりまえであります。今後さらにこういうエネルギー、特にこれは石油にやはりまだまだ依存せざるを得ない状態ですよ。原子力発電だ何だといったって、やはり安全性という点で非常に大きな問題があるし、今日もうストップがかかってきておるわけです。原子力発電だって政府が真剣にこの安全性を考えなければ、これから進みません。何でも推進ばかり考えて、安全性ということを考えておらない。こういう点で、原子力だって、いまのような、政府が根本的にこの安全性ということに真剣にならなければ、あなた方の予想はくずれますよ。そうすると石油ということにまたなってくる。ところが、こういうことで公害をまき散らしておる。こういうことを真剣に考えないと、努力はしておりますけれども、あまり効果はありません、それじゃたいへんな問題です。そういう点で、開発ではなるほど力を入れるかしらぬけれども、輸入政策自体ももっと真剣に低硫黄原油――それはもちろん価格の問題もあるかしれぬけれども、この辺についてもっと真剣になって考えてもらわなければ困ると思いますね。もう少し掘り下げてその点についてお聞きしたいと思うのです。どう考えていますか、これは。
  28. 莊清

    ○莊政府委員 今後わが国がみずから開発に乗り出すという油田というものは、先ほども申し上げましたように低硫黄のものについて政府が助成をするという方針を実は確立してやっております。それから融資買油的なものも、いわゆるチュメニ油田その他あるわけでございますが、それについても何を考えるかといえば、それが低硫黄であるかどうかということをまず考えるという政策というものは、すでに確立をしておるということを申し上げたいと存じます。  それで、そうでございますが、世界における現在わかっておる情報では、低硫黄原油の賦存量というものはあまり多くないようでございますから、わが国としては、今後は、今回の法律改正でも考えておりますが、天然ガスの開発ということを、国内もございますけれども、主として海外に求めざるを得ないということで、原油と並んで超低硫黄であるところの天然ガスの開発ということをぜひ一つの重点として進めなければならないと思います。  それから、こういう資源面の手当てと並びまして、やはり御指摘がございましたように精製工場での脱硫をさらに促進するのと並びまして、重油を現に使うところの、特に大きな消費をする、大規模汚染源といわれておるところ、電力とか鉄鋼とか化学とか、そういう分野では、石油精製工場の脱硫一辺倒ではなくて、そういう消費するところでも、今後は目下進行中の排煙脱硫の技術というものを早期に完成をして、排煙脱硫をやる。あるいは最近研究が始まりました、重油をガス化しておいて、そこから脱硫を一回して、それを燃して、さらにまたそのガスを排煙脱硫にかけるというふうな、そういういろいろなあらゆる手を、研究を推進してそれを実施する。これができますとまたそれだけ、資源の乏しいわが国としては資源を開発するときにでも、その処理できるところの原油の幅というものが実は広がって、それが安全にもつながる、価格にもプラスになるというふうな関連がございますので、そっちのほうの前向きの努力ということは、御指摘のように非常に大切な課題だ、かように考えております。
  29. 近江巳記夫

    ○近江委員 私がいま原子力のことを申し上げましたが、原子力も、まあ私もずっと科学技術をやっておりますから、きょうはその点については言いませんけれども、これだって、繰り返して言いますが、安全性をほんとうに真剣に政府として考えないとこれは進みませんよ。きょうは原子力の人は別に呼んでおりませんけれども、これは、同じ政府の最高首脳の皆さんとして頭に置いてもらわなければ進まない。これはわれわれ野党としても一致しておることです。原子力にあってはそうなのです。石油にあっては、いま申し上げたようにこれからウナギ登りでしょう、エネルギーという点から考えれば。いま二億だけれども、このままのペースでいけば、八〇年には何ぼ使うんですか。おそらく倍以上行くでしょう。そうなってきた場合、真剣に、ほんとうに公害対策という面からもこの低硫黄あるいは脱硫化装置、これは真剣に考えなければ、いま皆さんが考えておるのは、開発促進だ、入れるというようなことばかりを考えている。エネルギー政策という点から考えて、それはエネルギーが必要であることはわかりますけれども、そういう公害問題ということを真剣に考えないと、これは非常に大問題であるということです。ですから、これだけの開発促進をやっていくならば、それと同じだけの公害問題、特に低硫黄にいかにしていくか。私は、ここに真剣にそれ以上の対策をもって進んでいくのはあたりまえだと思う。いまあなたはおっしゃったけれども、政府としてはそれだけの真剣なウエートをかけてますか。ひとつ政府としての考えを聞きたい。
  30. 莊清

    ○莊政府委員 この脱硫問題というのは、わが国としてはいかに努力をしても足りないといわれるくらいの重要な課題であるというふうに私どもは考えております。  それで、まず製油所関係の脱硫装置について何をしておるかという点ですが、現在製油所につきましては石油業法がございまして、設備の許可をする際に、脱硫装置がなければ許可しないというはっきりした石油審議会の答申というものが以前からございまして、現にそれで全部やっております。  それからユーザーの手元の排煙脱硫装置ということが今後非常に大切になると申し上げましたが、これは現在電力、鉄鋼等で、それぞれ国あるいは県の基礎研究の結果を、大規模な形でいま最終段階の研究を鋭意やらしておるところでございまして、石炭火力についても政府の助成のもとで最近実は始めております。そういうことで、研究面でございますが、これを一日も早くやりまして、これを設置するときにはまた開発銀行とかあるいは公害防止事業団といろいろございますので、そういうところから金融等もつけ、税制上の助成措置もやってこれを普及させる。現に火力発電所の場合には、新しい発電所の場合には排煙脱硫装置をつけるだけの余地を――まだ技術はできておりませんが、しばらくあき地になりますが、それだけのあき地を前もって確保してなければ、電気事業法でも発電所の許可をしないというふうなことをすでに運用上やっております。  そういうことで、真剣に、まじめに取り組んでおるつもりでございますが、片方、脱硫なりあるいは低硫黄の原油の輸入というものは経済的な負担も相当ございますので、三年ほど以前から、御案内のように脱硫なり低硫黄原油の輸入につきましては原油関税の還付制度というものを行なっておりまして、一種の政府の補助金と御了解いただけるかと思います。これは四十六年度では百億弱でございますが、四十七年度は二百億に近い線になるということでございまして、開発にも金はなるほど使いますが、そちらのほうにも一種の税の戻し、補助金ということで政府としては努力をしておるということでございます。
  31. 近江巳記夫

    ○近江委員 私は、いずれ公害の面についてもう一ぺんまたいろいろお聞きしたいと思いますが、きょうは、あなた、そちらのほうの専門でもないと思うし、しかしまあそうであっても、いま申し上げたようにこれは政府として真剣に、今後のそういう公害対策を考えなければ、もう幾ら石油開発だ何だといったって、これはほんとうにストップしますよ。それだけ申し上げて、私は、この問題はまた別の機会に徹底してやりますから、またいまからいろいろと対策等についてもっと詳しくお聞きしたいと思っております。  それから、天然ガスのことを先ほどおっしゃったわけですが、これは重要であるということはわれわれも承知しておるわけです。これの輸入なりあるいは開発促進、今回の法案でそれを開発していくということになっておるわけですが、これは比較的輸入の面においていままではそう積極的でなかったように私は思うのです。今後その輸入面においてはどう考えておりますか。
  32. 莊清

    ○莊政府委員 御指摘のございましたように、天然ガスは今後やはり国内資源がなかなかございませんし、地盤沈下等の問題もありますので、主として海外からの開発輸入ということにたよらなければならないと思います。現在のところではまだ量は非常に少のうございますが、アラスカとかそれからブルネイ等から、主として電力、火力発電用として輸入が現に開始されておりますが、量はまだ少のうございます。五十年ころまでにはブルネイ等のものも相当増量になりますし、あるいは最近新しいプロジェクトで、マレーシアのボルネオ島でございますが、マレーシアのサラワク地区とかあるいはさらにイランというふうなところで新しいプロジェクトの具体化がいま進行中でございます。豪州等にも相当豊富な天然ガスがあるという情報がございまして、企業がいまいろいろな調査に乗り込んでいっておるという段階でございます。これはやはり非常に重要な良質の天然ガスでございますから、ぜひ開発に乗り出して、単純な輸入というかっこうにまた天然ガスがならないように、わが国も最大のユーザーでございますから、出ていって一緒になってその開発に取り組むということで、最初からその努力をしなければいかぬと考えております。
  33. 近江巳記夫

    ○近江委員 島田参考人が来られたのでお聞きしますが、先ほど私がいろいろ何点かにわたってお聞きしたわけですが、この開発促進ということはエネルギー政策からいってわかるわけですが、しかし一面公害という点から考えますと、いまのような硫黄分の高い原油がどんどん入ってくるようなことであると、これはもうほんとうに、幾ら政府がブルースカイ計画とかいろいろなことを言っておりましても、なかなかこの絶対量が急激に上がってきますと公害対策というのはむずかしい。したがって、今後の開発にあたっても低硫黄の原油の確保ということがこれは一番大事だと思うのです。ところが、この石油開発というものは、皆さんも苦労されていると思いますが、非常に確率が低い。どうしても業績を上げたい、少々硫黄分が高くてもしようがないんじゃないか、出るだけでもこれは一応ありがたいことだというような、どうしても業績ということが頭に来るんじゃないかと思うのですね。しかし公害面から考えると、やはり低硫黄の原油を最重点にやっていかなければならない。しかし、そこは地域的にもいろいろなむずかしい問題、いろいろな困難がさらに伴ってくると思う。その点、あなたも最高責任者として公団の業績第一に考えて、そういう低硫黄の確保というそちらのほうがやはり従になるんじゃないか、その点を心配しておるのです。その点あなたとして、今後の基本的な御決意というものをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。
  34. 島田喜仁

    ○島田参考人 ただいま先生の御質問がございましたように、日本にとっておそるべき公害といわれている現情勢下におきましては、低硫黄原油の確保が最重点であることはお話があったとおりでございます。  ただ、ひとつここで私の私見をちょっと申し述べさしていただきたいと思いますが、世界の埋蔵量の中で、一%までの低硫黄原油というのは大体二割でございます。その中で、現在一番圧倒的に多いのはアメリカでございまして、アメリカは自分の国内でこれを使っております。一%から一・五%くらいの毛のを入れましても三割かそこらが、要するに限界でございます。ところが日本は、御承知のように、現在大部分は中東を中心にしましたハイサルファの原油と一部中サルファの原油を入れておるわけでございます。したがいまして、ここで一番大きな問題は、いつも、エネルギー政策の基本が量の確保にあるのか、言いかえれば安定供給にあるのか、低廉な原油を確保するのかというような問題がございますけれども、少なくとも最近の状況の推移をたどりますと、もうこれからは量の確保に邁進せざるを得ないということは必至でございまして、一例をとりますと、アメリカでももう十年を出ずして五割の輸入国になるということは、もう多数説でございます。アメリカも、その問題につきましていろんな角度からそれを検討しているような状況でございます。したがって、私どもエネルギーの立場から考えますと、――公害の問題は、もちろんこれを解決するために原油の面からこの問題の基本を直していかなければならぬということは当然ではございますけれども、私は、おそるべき公害の次の問題といたしまして、世界的にエネルギーの不足時代が来るということは必至だと考えております。  そういう意味におきまして、私ども現在政府の政策に沿いまして開発をいたしておる地点は全部低硫黄地域でございます。しかし国際的に見ますと、各国では、日本は世界にない低硫黄だけを買いあさり、開発をして、一体今後日本の膨大なるエネルギーを、石油をどうするのだという意見が圧倒的に多いことをここで申し上げておかなければならぬ。といいますと、やはり公害問題はもちろん重要な問題でございますけれども、同時に石油の量を確保するためにどうしたらいいかという問題がもう世界的に問題になっておる状況を考えますと、やはりサルファを原油から除くという問題に、政府も民間も最重点を置いて、そうしてエネルギーを確保する、石油を確保するという問題も同時に考えていかなければならぬ、私はこういうふうに考えます。石油を使わなくてこれにかわるエネルギーというものが近き将来において見出されればいいわけでございますが、いまの科学技術をもってしても、まだ石油にかわるべき大宗のエネルギーはないわけでございますので、そういう点を、私ども、非常にむずかしい問題と実は考えております。ただ、そう申しましても、これは私の考え方でございますが、――私の考え方のみならず世界の一致した考え方だと私は確信をいたしておりますが、現段階におきましては、政府の方針に沿いまして私ども開発を手がけておる地域というのは、要するに低サルファであり、現在試掘に成功した油田は全部低サルファの鉱区でございます。
  35. 近江巳記夫

    ○近江委員 実際の当事者としての真意といいますか、非常に正直な所信の表明であったと私は思うのですが、しかし、公害問題という国民の、これは重大な健康に関する問題であります。したがって先ほど局長からも、低硫黄で、そちらを最重点にやっていくというお話がありました。いま島田参考人のお話を聞いておりますと、やはり量も質も、これは質のほうが大事であるけれどもと、非常に複雑な、そういうお話でございました。しかし、政府がそういう方針を出しておるからそれに従う。それは従うというのではなくして、これは国民の健康という点から考えて、そちらを最重点に考えていただく。やはり、いまほとんどはこれは輸入しておるわけですからね。それは、今後開発していくという意欲は私も買いますけれども、しかし一番の根本の部署にいらっしゃる皆さんが、やはりどうしてもこれからのエネルギー政策では量が大事だというそちらのほうに傾斜していくと、公害問題から考えると非常に心配であります。その点、先ほど局長も、これはもう低硫黄に最重点を置いてやっていくということをおっしゃったわけでありますので、その点はひとつそういう方針で、腹の底からひとつそういう姿勢でやってもらいたい、これを申し上げておきます。
  36. 島田喜仁

    ○島田参考人 重ねて申し上げさしていただきますが、かりに私どもが低硫黄の原油の開発に最重点を置くといたしましても、日本がこれだけの油を、将来ふえる油を使っていく場合には、どうしてもハイサルファの原油を買わざるを得ない。この点をひとつとくとお考えをいただきたい。したがいまして、私ども政府の方針がそうだからしかたがないというよりも、政府に対して私どもが要望いたしますのは、そういう実態を前提にいたしまして、どうして公害なき油を使うようにするかという問題を考えてもらいたいということを私は政府に要望いたすわけでございます。同時に、国会におかれましてもその点をお考えの上で、――ハイサルファの油を使わなくてもいいというそういう前提に立ち得るならば問題は簡単でございます。そうでない限りは、このハイサルファの油を、しかも公害なき油としてどうして使っていくかという問題と、それから石油の問題というのは、要するに開発を手がけましてから、ある程度の大きな油田というものを考えますと、大体十年かかっていよいよその油を輸入することができるわけでございまして、七、八年から十年というのが原則でございますから、いつも十年、二十年先のことを私どもは考えておるわけでございます。したがって、そういう問題を考えますと、いまからその石油の問題を総合的に考えて、そうして政府もあるいは国会等におかれましても、そういう問題についての大きな政策を打ち出していただくということをぜひお願いをいたしたい。重ねてお願いをいたします。
  37. 近江巳記夫

    ○近江委員 確かに、政府のいままでのエネルギー政策というものは、やはり必要量の確保という点が非常に重点にあったように私正直に申し上げて言えると思うのです。先ほど申し上げたように、原子力においても、安全性を考えてはおるけれども非常に軽視しておった。こういうような点でわれわれもチェックをしてきたわけでありますが、いま島田参考人からも政府に対して要望したいということがあったわけです。それに対して、局長としてはどのように思われますか。
  38. 莊清

    ○莊政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、良質の原油を確保するということと並びましてやはり、積極策と申し上げましたが、使うほうで、製油所も脱硫をする、それから燃焼させる側でも排煙脱硫等の技術を早く開発して、これを徹底して実施するということが何より大切であると考えております。これによりまして若干硫黄分の高いものもわが国の資源として活用することができるようになる。それが結果としてわが国のエネルギーの安定にもつながるし、あるいは価格の面でも一つの有利な材料になるということでございまして、積極的に硫黄の問題には対処していくというしか、わが国としては消費が伸びるわけでございますから、打開の道がないわけでございます。これは国をあげてそちらのほうへ努力をするということで、総合策で努力をするということが必要だと存じます。もちろん、エネルギー多消費型の産業というのは立地の限界もございましょうし、後進国の強い要請もあるわけでございますから、これは適正な国際的な立地ということも含めて今後は考えるべきでございますけれども、全体として消費はやはり国内で非常に伸びますので、積極策でこれは対処するということが根本前提だろうと思います。
  39. 近江巳記夫

    ○近江委員 脱硫の、そちらのほうに積極的に力を入れていくということをいまおっしゃったわけですが、しかしそれはことばだけであって、それじゃ実際上脱硫にどれだけ力を入れておるかというと、私は前に予算委員会で申し上げたことがあるけれども、火力発電所にしても、それはあき地は用意してある、それじゃ何カ所設置してあるのか、こう言いたいわけです。これは数字を申し上げるまでもなく御承知のとおりです。したがって、それをやらさなければならぬ。やらさなければならぬけれども、技術にしても、まだ心配な点がある。経済的にも非常に大きなコストがかかる。したがって、そういう点はやはり政府が、いま工業技術院でもいろいろ力を入れているけれども、それをほんとうに国のビックプロジェクトとしてやっていく必要があるのじゃないか。原子力にしてもあるいは宇宙にしても海洋開発にしても、かなりの力が入っておるけれども、脱硫という問題についても、四本柱としてやっていくべきじゃないか。それは今後あなたが、一局長としてではなくして、ほんとうに政府の方針として情熱をもってこれを推進していこうという決意がありますか、その点をお聞きしたい。
  40. 莊清

    ○莊政府委員 鉱山石炭局長として公の立場でも、また個人といたしましても、全く御指摘のとおりであると私は考えております。通産省の中でもこれはもう正直な話、二、三年前に比べますと全く認識が新しくなっておる、前向きになっておるということは事実でございます。鋭意技術の開発にも今後政府全体として努力をして、これを実施させる、実行するということを私はここではっきりと自分の方針として申し上げたいと存じます。
  41. 近江巳記夫

    ○近江委員 それで、もう一点くどいようですが重ねて聞きますけれども、それは今後の開発について量の確保ということも、ほんとうに苦しい心境を先ほど私も聞かしてもらったわけです。その点はわかります。だけれども、そういう中を乗り越えてやはり低硫黄原油の開発に最重点を置く、これについては変わりはないわけですね。それだと局長に再確認をしておきます。
  42. 莊清

    ○莊政府委員 そのとおりでございます。
  43. 近江巳記夫

    ○近江委員 それから、石油開発会社をプロジェクトごとにつくるというそういう現在の企業体制では、国際的に競争力のある企業というものが育たないのじゃないかというような声も聞くわけでありますけれども、政府としてはそういう体制の整備ということについてはどういうような考えを持っておりますか。
  44. 莊清

    ○莊政府委員 グループごとの統括会社構想というのがございまして、それをいま実行に移して去る段階でございます。若干の成果が最近あらわれつつあるという初歩の段階でございますが、今後これを一そう推進する、それができました暁には、さらにやはり極力――これは長期的な課題でございますけれども、わが国の石油産業は、国内で精製だけして物を売るというふうなかたわの石油産業として歴史的にまいったわけでございますが、これらが海外にも出ていって、みずからの所要原油のある程度のものは開発もするというところにまでいくということが、やはり長期的な目標でございます。そういう方向に向かってこれは努力しなければいかぬだろうと思います。当面のプロジェクトがたくさんあるということは、これはある程度危険の分散という見地からやむを得ない点もございますけれども、ここまで数が二十、三十とふえてまいりますと、それぞれのプロジェクトごとの会社では、自分のプロジェクトだけにかまけておって、ほかの情報収集でありますとか、新しいプロジェクトの開発ということは職務じゃございませんから、どうしてもそちらのほうは消極的にならざるを得ないという弱点がある。これを何らかの方法で修正ないしは補強をやっていくことが必要であるという段階にまでようやくきたわけでございます。先ほど申し上げましたような方針で今後努力をいたしたいと思います。
  45. 近江巳記夫

    ○近江委員 それから、海外開発ということは私、非常に重要だと思いますが、最近、新潟沖等でわが国の大陸だなからも非常に優秀な石油が出ておる、こういう現実の姿もあるわけです。そういう点で大陸だな資源等が非常に注目されてきておるわけですが、政府としては、今後こうした大陸だなの開発等にどういう姿勢でいかれるのか、基本的なことをひとつお聞きしたいと思うのです。
  46. 莊清

    ○莊政府委員 大陸だなの石油の開発ということは非常に重要なことでございます。一つには、先ほど来御指摘のございました非常に低硫黄のものが日本近海には多いということが、いろんな調査あるいは最近成功した例でも非常にはっきりしてまいりました。そういう点から、第一に非常に希望が持てるわけでございます。さらに運送距離が短い、したがってコストが有利である。さらに近いことから、輸送上の不安といいますか、安定供給という意味を持つ一種の備蓄的な効果もあるという、三拍子そろった貴重な石油資源でございます。したがいまして、石油開発公団でも現在出資等徐々に行なっておりまするが、今後それを一段と強化して、大陸だなを一つの開発の重点に置く、こういうことで行ないたいと思っております。
  47. 近江巳記夫

    ○近江委員 大陸だなの開発について確かに有利な点は、石油の硫黄分も少ないし輸送距離も短い、いろいろあるわけです。しかし一たび公害面から見ますと、もしも原油がまた流出したら一体どうなるか。あの新潟沖のジュリアナ号事件でも、あれだけの石油でも処理できなかったような状況である。一たび事故が起きたら、これはたいへんなことになりますよ。これは漁業との関連はどうするかということです。大陸だなを開発していくんだ何だと言っておりますが、私は、これは海洋開発の大きな柱になるんじゃないかと思う。ところが一たび法体系を見たときに、それじゃ一体それに即応した法整備もできておるかということなんです。そういう手当てもなく、むやみやたらに有利な点ばかりを強調して進んでいっていいかということなんです。ですから私たちは、海洋開発についてのそういう基本法なりあるいは振興法なり、そういう諸問題を含めた法整備をやるべきであると申し上げてきた。通産省もそういうことで考えなければならぬということでやっておりましたが、いつの間にか立ち消えになっておる。そうして開発だけは進んでおる。そういう根本を押えるのが皆さんじゃないですか。そういうつぼを押えることなく、開発だけやっていけばいいのだ、これはけしからぬと私は思う。こういうことについて基本的にどうしますか。このままでいたずらに開発だけに走っていくということについては問題ですよ。こういう法律をいつ出しますか。どう考えていますか。
  48. 莊清

    ○莊政府委員 かつて通産省で海洋開発に関しまして法律案の検討が行なわれたわけでございますが、その場合には、たとえば陸上の鉱区に比べまして海底油田の鉱区の場合には面積が非常に広うございますので、鉱業法できめておる一鉱区の制限面積というものを拡大するとか、あるいは政府としても助成策を特に考えるべきであるとか、いろいろ省内で議論があったことは私も承知いたしております。その後日本近海の大陸だなの開発というものは、もうすでに調査と並行して実際にボーリングをして企業化していく、投資の段階に入ってきたということもございまして、石油開発公団を通ずる開発の助成強化を通産省としては一つの柱として推進していこうということにいたしたわけでございます。  それと同時に、いま先生からお話のございました海底油田から油が漏れないかとかいうふうな保安の問題、公害防止の問題というのはきわめて重要な問題でございまして、現に日本の大陸だなで石油の物理探鉱をやるあるいは実際のボーリングをやるという場合に、すべてそこの漁業組合等と、従来から一年も二年もかけた慎重なお話し合いをした上ですべてが行なわれてきておるという事実がそれを明白に物語っておると思います。それで、たしか昨年であったと存じますが、従来非常に貧弱でございました石油の海底における採取、採掘の場合の保安上の法的な規制、これを鉱山保安法に基づいてやっておったわけでございますが、細部の具体的な規制のやり方というものは省令で定められております。それがまだ非常に粗雑であったものを、一年以上の長期間かけて、あらゆる点から審議会で検討して、昨年それの抜本的な修正を行なったということが事実としてございます。現在はその基準に合格するような採掘のしかた、井戸の掘り方、抜き方ということをすべて厳正に行なっておりまして、そういう意味での事故というのは――海外でも最近技術が発達いたしまして、海底油田から吹き出してどうしたということは、私実はあまり知らないのでございますが、これはいかに注意しても注意し過ぎるということはないわけでございますから、今後あらゆる技術の開発も大事でございますが、規制面でも十分これを徹底させる。要すれば技術、時代の進歩に応じて最善の規制であるように、前向きに制度なども今後引き続き整備するということを通産省としては考えております。  以上でございます。
  49. 近江巳記夫

    ○近江委員 省令で充実していく、それは今後責任をもって皆さんが努力されることについては私はやぶさかではないわけです。しかし、たとえば漁業とのそういう調整を考えても、補償だけすれば済むのだという、それじゃその漁業者だけが補償してもらったらいいのか。海は漁業者だけのものじゃないのです。一たん汚染されてその海が生きるのか。要するに汚染された海はなかなかもとへ戻らぬわけです。国民全部の財産ですよ。そういう点からいって、いろいろと心配される点等については、法的にも陸のそういう資源の開発とはあらゆる状況が違うわけですから、そんな省令だけでいけるかというと、やはりいろいろな問題があるわけです。水産庁との兼ね合いもあるでしょうし、あるいは鉱区の広さにしても違うわけですから、技術の面においても違う。したがって、当然省令だけではできないところがたくさん出てきておるわけです。したがって、当然法律もつくらなければならぬ。省令で何でもできるんだったら法律は要らぬわけですよ。三本柱だけつくっておいて、あとはみんな省令でいいのか、それは行き過ぎだと思うのです。ですから、個々において法律も考えていかなければいけないのじゃないか、このように思うのですが、その辺については全然考えないのですか。もう一度お聞きしたい。
  50. 莊清

    ○莊政府委員 先ほど省令と申し上げましたが、これは鉱山保安法という御案内の法律がございまして、省令が三つございます。一つは、石炭のほうの爆発等の危害防止のための石炭関係の規則、省令でございますし、一つは、カドミウム等のメタル山の規制をしている省令がございます。もう一つは、石油鉱山というものに対する規制内容を具体的に詳細にきめた省令でございまして、これが、従来海底油田の開発ということはあまり真剣に、当面した緊急課題として考えられておらなかったせいもございまして、粗雑であったというのが実はございます。鉱山保安法に基づく厳重な法的規制というものはすでにかかっておりまして、そのもとで石油を掘る場合、特に海底で掘る場合に、どのような具体的な基準なり何なりをきめて規制するかという細部の規制が省令にゆだねられておりまして、それが粗雑であったものを相当検討して、現在では一応完ぺきと考えられる程度のものに昨年整備をいたしたということでございます。今後はこれに基づく実際の監督とそれを励行するということが大切でございまして、そういう意味で引き続き努力をいたしたいと考えております。
  51. 近江巳記夫

    ○近江委員 保安面ばかり言っておりますけれども、もちろんそれは一番大事なことなんですよ。しかし、今後の海の開発ということを考えていったときに、通産省だけのサイドでいいかということなんです。これは当然縦割りの行政だけではだめだ、やはり横の連携、それに基づく法整備、いいろなことがあらゆる部門でいわれておるわけです。ですから、硬直した考えというのはやはり持つべきではないのじゃないか。ですから、これは当然今後の大きな問題として各省と協議をして考えていくべきものじゃないか。その辺の柔軟性のあるお考えを、えらい何回も重ねてなんですけれども、もう一度お聞きしたい。
  52. 莊清

    ○莊政府委員 一般的に鉱山保安に関する行政のあり方の問題として、ただいま御指摘のございました問題は、石油に限らず、メタル山でもそういうことが非常に時代の要請になっている緊急の課題だというふうに、私ども生産を担当している人間としても思っておりますので、御趣旨をよく体しまして省内でも努力をいたします。
  53. 近江巳記夫

    ○近江委員 それは十分検討していただいて、今後の時代に合ったそういう法整備なり、そうしたことについて考えていただきたい。これは特に要望しておきます。これ以上答えは出ないと思いますから、よく検討して、実りあるものにしてもらいたいと思うのです。  それからジュリアナ号事件を見ますと、あれはたしか一万六千トンくらいの船だったかと思うのですが、あれでも日本国じゅうの中和剤全部をかき集めても解決しなかった。沖合いにもかなり流出しておるという問題がある。これから二十五万トン、三十万トン、さらには五十万トンというタンカーが――これは国会でもいろいろな論議があったわけですが、やはりこれだけ船舶も大型化する、あるいは数もふえてくる、あるいは自然現象としてのあらしもあれば、いろいろなこともある。そういう人為的なもの、あるいは天然のそういう災害、いろいろなことを考えても、これはもう十分過ぎるだけの体制をとる必要がある。この辺について政府がいかに貧弱な考えをし、対策しかとってなかったかということは、はからずも新潟沖ではっきりしたわけですが、その後政府としてどういう反省をして、この種の問題についてどういう対策をとろうとしておるか、それについてひとつお聞きしたいと思うのです。
  54. 莊清

    ○莊政府委員 ジュリアナ号事件が起こりました際に、石油精製産業も、通産省及び海上保安庁当局の指示に従いまして人間も出しましたし資材も出すということで、全国の社会が新潟のあの事故のために最大限の努力をいたしたということがございますが、その後海上保安庁が中心になりまして、通産省あるいはその他の官庁の連絡協議会という形で、それでは国として一体どこまでやるか、それから、関係のそれぞれの企業体がとりあえずどれだけの資材なり消火剤というふうな体制を整えるか、さらに専門の人間を常時訓練しておきまして、いざというときに相互に応援するような体制を地域ごとにどういうふうにするかということが目下検討されております。  石油連盟の中では、実はジュリアナ号事件の以前から、不幸にしてこういうことが今後あるかもしれないということで特別の委員会をつくりまして、地域別にはこうする、全国的にはある地域で起こったものをこう応援するというようなことを半年ばかり検討しておった最中でございましたので、その後、申し上げましたように、海上保安庁の御指導のもとでさらにそれをいま練り直しておるという実情にございます。  さらに一方、政府として問題を大きく取り上げまして、今国会に提案になると私ども承知しておりますが、大型のタンカー等につきましては一定の交通の規制を行なうような新しい立法というものを過密地帯の海域については行なうようなことに実は相なってきております。  将来の方向としては、タンカーの大型化等もございますし、一定の海域では、湾の中に入ってくるタンカー等のさらに一段と強い規制等がだんだん問題になっておりまして、運輸省等も相当突っ込んですでに御検討になっておりまして、私どものほうにも内々いろいろなお話がまいっております。したがいまして、こういうものに対応するためには、やはり地域全体として石油をどう受け入れ、どう運び、どう消費するかということをきちんときめてやりませんと、個々の精製工場だけでほんとうの対処はできないということでございます。船舶そのものに対します規制ということが大事でございますが、申し上げましたように、原油をどう受け入れ、どう始末していくという地域全体の体制というものがいまのところ非常に不備でございます。通産省でも、これは今後非常に必要なことであるという認識を持っておりますので、運輸省ともよく御相談して進めたいと考えております。
  55. 近江巳記夫

    ○近江委員 運輸省でも、海上交通の点についてもいろいろと交通規制を考えておるというお話でありましたが、結局、小型漁船の締め出しをするのじゃないかというような声も上がってきておりますし、非常にむずかしい問題があるわけです。あの新潟沖の件でも右往左往して、まさに醜態を世界じゅうにさらけ出した。私はあれを一つの深刻なケースとして反省して、心配ない体制を充実してもらいたいと思うのです。  それからもう一つ、新潟沖での大きな教訓は、中和剤による二次公害というものが大きな問題になってきている。これはなかなか消えてしまわないわけですよ。実際、これを食物連鎖でプランクトンがどういうような摂取をし、あるいは魚が食べる、また大型の魚が食べる、人間が食べていくといういろいろな問題もあるし、そこの海域のいろいろな自然状況というものが、環境が破壊されてくる、こういうことについても、二次公害を起こさない中和剤の開発ということを考えなければいかぬわけですよ。そういう化学製品の公害ということを意識した開発というものが非常におくれているように思うのです。いまだって、保安面からとにかくやらなければならぬ、大量生産やれ、そういうことがすべて二次的なものになってきておる。それであってはならない。やはり開発する以上、当然そういうことを最重点に考えながらやっていく。それが、政府がやっておることはすべて、とにかく体制だけは早いことやれ、問題が起きてからまたそっちをやらなければならぬ。そういう後手後手を踏むようなことではいかぬと思うのですね。ですから、これだけ公害問題がいわれておるわけですから、そういう中和剤の研究開発公害のない中和剤を開発してもらわなければ困るわけです。これについては、通産省としてはどう考えていますか。
  56. 莊清

    ○莊政府委員 中和剤の問題が大きな問題になりまして、その後通産省でも、これは化学製品でございますので、そちらのほうで検討がなされておるということは承知いたしておりますが、実は、私詳細はまだ存じておりません。御指摘のございましたように、火を消すために水を注げばそれが害をなすというふうな意味で、悪循環になって公害が広がっていく、あとまで公害が残るということが、いままででもしばしばあったわけでございまして、やはりあのときには、油の拡散を防ぐフェンスなども、少々波があって使えなかったというふうなことも教訓として実は残っております。薬品のほうも、機材のほうも、これはやはり今後の石油消費の多量化に伴いまして、通産省としても重要な課題として、民間にもやらせるし、工業技術院あたりでも科学の研究所がございますので、薬剤の問題などを取り上げて研究をしてもらうように、私ども省内でも、今後もっと積極的な努力をするということをここではっきり申し上げておきたいと思います。
  57. 近江巳記夫

    ○近江委員 そういう中和剤も研究していると思うけれども、詳しくは承知してないと、正直に局長はおっしゃったわけですが、それはそれぞれの専門があるから無理はないと思うけれども、しかし、石油を入れておるのは、管轄はやはり通産省なんです。特に局長のところなんです。ですから、専門分野でなくても真剣にあらゆる総合対策という点から、そのフェンスの問題にしても、あらゆる点を充実できるように勉強し、推進してもらわなければ困ると思うのです。こういう問題は、一度あったことですから、あらゆる準備をしてもそういう大きなことがまたあるかもわからぬわけですね。ですから、備えあれば憂いなしでありますし、そういう点で、これからさらに原油の輸入が拡大してくるわけですから、これはひとつ、検討中ということよりも、一日も早く最大の努力を払って充実をしていただきたい。この問題でも私はいろいろなお聞きしたいことが山ほどありますけれども、きょうは時間の関係でそこまでは聞きませんけれども、ひとつ十分な対策を立てていただきたい。これは強く要望しておきます。  それから、石油の備蓄の問題ですが、政府の方針としては、少なくとも六十日ぐらいは持ちたい、ということをおっしゃっておることも聞いておるわけでありますが、六十日ぐらいでいいかどうかという点、これについてどう考えていらっしゃるのか。また、法律に基づいた、民間石油企業等にもそういう備蓄の義務づけとかいうことについては、どのように考えていらっしゃるのか。この二点についてひとつお聞きしたいと思うのです。
  58. 莊清

    ○莊政府委員 何日備蓄すべきかというのは、非常にむずかしい総合判断を要する問題でございますが、とりあえず六十日ということを通産省として目標に掲げましたのは、消費国が大ぜい入っておりますOECDの石油委員会で、かねて最低六十日は加盟国はお互いに持つべきだと思うという勧告もあって、ヨーロッパではドイツが最低の六十日のようでございますが、その他の国はこれより若干多い線で現にやっておる。それからOECDでもその後なお内部で検討が続いておりまして一六十日からさらに九十日ぐらいまで上げたほうが適当なのではないかというふうな意見が相当あって、いま検討がなされておるという状況でございます。わが国はまだ四十五日にすぎないという状態でございましたので、とりあえず六十日にふやそうということであって、六十日あればもう完全に安心だというふうなめどがあってのことでは実はございません。ただ、これをいたずらに一年分、二年分ふやすといっても、これはまた別途の問題もいろいろございましょうし、必要かつ十分な備蓄量というものについてはいま総合エネルギー調査会の中で御検討いただいておる最中でございまして、その結論として、あと一月でも二月でもぜひふやすのが正しいという結論になりましたならば、石油製品の値上がり等につながらないような形で政府も思い切った助成をするということが基本前提だと思いますが、これは今後も前向きに考えなければならぬ。必要かつ十分な量というものは慎重に目下検討されております。  それから、法的に義務づけと申しますか、命令が出せるようなことにしたらどうかというお話でございますが、ヨーロッパの一部の国ではそういう制度が現にあるようでございます。わが国の場合には、幸いに石油業法の運用と申しますか、そういう行政指導の形で、石油精製産業自体もエネルギーの供給者であるという認識のもとに、OECDの勧告の最低六十日ぐらいはほとんど自己の負担で行ないましょう、ただ一部については政府としてもひとつ適切な助成をやってもらいたいというふうな、行政指導に基づく石油精製産業の自主的な理解と協力の意思表明がございました。それでいまやっておるというわけでございます。まあこれは一種の、国民の安全確保という見地から、将来どうなるかわからない事態に対してやっておるわけでもございまして、直ちに罰則つきで強制するかどうか。日本はヨーロッパと違いまして石油製品のマル公とかカルテル価格というものは認めておりません。その中で、ヨーロッパでは全部消費者に転嫁するという形がございまして、そのかわりに義務づけもするというふうな面もあるそうでございますが、わが国はわが国で、やはり全体としての事情もございますから、この程度のものは、現在程度の政府の助成のもとで石油精製産業自体がエネルギー供給者として努力をする、国策に協力をするという形で行なうということで考えたわけでございます。
  59. 近江巳記夫

    ○近江委員 局長も、こういう備蓄コストが製品価格の引き上げにつながらないように配慮していきたいという、その辺の意向は私も十分に感じ取ったわけですが、これは今後備蓄が促進されると思うけれども、備蓄するからということで石油製品を上げてくれ、これは国民の生活サイドからいって容認できる問題ではない。したがって、これは私は大きな問題点であると思うのです。これはもう政府において厳重な監督をひとつしていただきたい。これについてもう一度お聞きしておきたいと思うのです。
  60. 莊清

    ○莊政府委員 今後備蓄をさらに相当量増加しなければならないということになりました場合には、お話のように、これは相当金のかかる問題でございます。しかも、年々同じだけ負担がかかっていくわけでございますから、うっちゃっておけば、石油精製産業が赤字になるか、消費者が半分かぶるか、全部かぶるかということは明瞭でございます。今後さらに大幅に増加する場合には、政府としては、申し上げましたとおりこれはエネルギーの安定かつ低廉な供給のための政策でございますから、この辺は十分に考えまして助成する。現在以上によほど強化するということを同時にきめなければ、安定かつ低廉な供給に寄与する形での備蓄ということにはならぬと思いますので、よくその点は心得て進めたいと考えます。
  61. 近江巳記夫

    ○近江委員 それから、石油以外の資源等の備蓄ということも問題になってきておるのですが、これについては政府としてはどのように考えておりますか。
  62. 莊清

    ○莊政府委員 石油以外の備蓄としていま当面問題になっておりますのは、非鉄金属の関係が一つございます。非鉄金属につきましては、実は原油とは少し事情が逆でございまして、長期契約なり自主開発した鉱石が届いてくるのが、国内の不況の関係もあって、さばき切れないというふうなところから、大きな問題になりかねないと考えまして、そこで、鉱石の引き取りが円滑になるように、それによりまして国内の将来性ある中小鉱山等がやみくもな閉山というような、国民経済的なむだな結果にならないようにという配慮も含めまして、今回鉱石引き取りの特別措置が講ぜられたわけでございます。  ただ、今後の課題といたしまして、これは外貨の活用問題ともからむわけでございますけれども、実は輸入された鉱石から出る地金というのが、しばらくの間は在庫としてあまり減らないで、若干はふえていくということが予想されますので、こういう地金を何らかの形で備蓄ができるような形を考えまして、政府としても所要の助成策等について検討しようということに、すでに通産省では決定いたしております。いま検討を行ないつつある段階でございます。  あとの備蓄の問題としては、常に問題になっておりますウランの問題等もあるわけでございますが、昭和五十五年ごろまでの原子力発電に必要なウランというのはすでに手当て済みでございますが、ウランの鉱石の開発ということもなかなかむずかしい問題でございますし、将来のエネルギーということで、やはり長期的な観点からこの点についても課題になっております。まだ具体的な結論は出ておりません。  非鉄金属につきましては、当面の差し迫った問題でございますだけに、通産省としては早急に結論をつける方針でおります。
  63. 近江巳記夫

    ○近江委員 それじゃ、局長も来られておりますから、パイプラインのほうもちょっとお聞きしておきたいと思います。  パイプライン計画、これはいままで特に通産省と運輸省となかなか調整がつかず、非常に問題になってきたことでありますけれども、将来のビジョンはどういうものを持っておられるか。この法律を制定する以上、やはりパイプラインというものは一体いかにあるべきかというビジョンというものは大事じゃないかと私思うのですが、政府としてはどのように考えておられるか。この問題が一点です。  それから、当面予想されるパイプライン事業の計画、これについて、どういう問題がいま大きなことになってきておるか。具体的な計画に伴う、政府として把握されておる問題点をお聞きしたいと思うのです。以上、二点です。
  64. 莊清

    ○莊政府委員 パイプラインの将来の全国的なビジョンでございますけれども、大体パイプラインについて国が特別の法律までつくって計画的にこれを行なおうというふうに考えましたゆえんのものは、今後国内の石油の消費量がどんどんふえる、しかもこれを内陸部に輸送する場合に、従来の輸送手段だけではもう限界が見えておる、大きな事故も起こりかねないという結果、結局石油製品の供給の安定あるいは価格という点に望ましくない影響が予想される、これを打開するためには、やはり大規模なパイプライン網をつくりまして、これを合理的かつ安全に輸送する体制を整えることが必要だという認識でございます。  そこで将来のビジョンにつきましては、そういう見地に立ちまして最近予算措置が講ぜられておりますので、全国的に、逐次ブロックごとにマスタープラン等の調査研究が行なわれております。北海道でございますとか、関東それから中部地方、近畿地方、瀬戸内、九州等について昨年来行なっておりますが、今年、来年、また引き続き、申し上げましたような地域について具体的なマスタープランを検討することにいたしております。パイプラインと並べまして、同時に今後の課題といたしまして、やはり石油の備蓄の問題ともからみますが、CTSの問題が当然あります。こういう問題につきましても予算措置が幸いに講ぜられまして、現在基礎的なビジョンの研究を行なっております。  当面のパイプラインの計画でございますが、これは、石油製品の消費の量も一番大きく、かつ伸びも目下大きい関東地方につきまして具体的な計画が三つ詳細に検討されております。一つは国鉄公社が行なうパイプラインで、神奈川から当面埼玉県まで輸送するパイプライン計画でございます。これは鉄道の路線敷を使う計画です。もう一つは、千葉港から成田空港まで、公団がパイプラインを敷設してジェット燃料を運ぶ計画が、御案内のとおり具体的に検討されております。もう一つは、民間が共同で行なう計画でございまして、千葉県の各製油所から北関東まで、パイプラインを敷設して輸送するということでございます。これらの計画によりまして、少なくとも県境を越えて大きなタンクローリーや貨車が走り、帰りにはからっぽのまま、またむだな形で東京湾の製油所まで戻ってきて、非常に混雑する、危険もあるというふうな、保安及び経済面からの問題が相当合理化されるだろうと考えております。  こういうプロジェクトの具体化に伴って実際どういう問題が発生しておるかというお尋ねでございますが、私どもは今後この法律に基づきまして、保安の面に対しての事前及び事後の十分な規制ということを考えておりますが、わが国として初めての大きなパイプラインが内陸に出現するということでございますから、当然のこととして、地元では、どういうことになるのか、事故はないかという御心配があって、これが当面の一番大きな問題になっているということは十分認識しております。この法律案でも、保安の面では万全の措置をとり得るよう十分配慮したつもりでございますが、具体化に伴いまして、この法に基づいて保安面で十分のことをやりたい、かように考えております。
  65. 近江巳記夫

    ○近江委員 エネルギーの中でも、石油というものについては非常に大きなウエートがあるわけです。そういう点で、経企庁がいま新全総の見直しをやろうとしておるわけですが、パイプラインの問題はどのように位置づけておるか、これは当然連携をとっておられると思うけれども、この点について一点。  それから、これだけ公共性のあるものでございますから、一社独占というようなことになってくると、これは非常に大きな問題があると思うのですが、この辺の考え方、公共性ということを最大のウエートに置いて、今後の許可等についてどういう基本的な考えを持っておるか、この二点についてひとつお伺いしたいと思います。
  66. 莊清

    ○莊政府委員 先ほど申し上げたことと関連もございますが、全国的な見地に立ってパイプラインというものを今後整備する方針でございますから、経済企画庁の新全総の検討にあたりましても、これは通産省だけではなくて、運輸省も建設省も全部パイプラインには関係いたしますが、従来のパイプライン構想についてのマスタープランの検討結果、今後も引き続いて検討しますが、そういうものは十分企画庁のほうにも持ち込みまして、新全総の見地からまたよく検討していただく、こういうふうに考えております。法律の上でもそういう面は実は配慮したつもりでございまして、基本になるのが、地区別のパイプラインの基本計画というものをきめることにいたしておりますが、関係行政機関と十分相談をしてやる、意見を聞いてやるということを条文にも明記してございまして、地域開発官庁としての経済企画庁というのは当然その中に入れて考えております。  それから公共性の確保ということが当然重要なことでございますが、道路の使用権等法律でも明記してございますので、特に幹線のパイプラインでございますから、法律上も、これは許可段階からこれが一社独占というふうなものではなくて、やはりその地域におきます需要の大部分というものを各精製会社なり関係企業が共同で、安全に合理的に輸送するきわめて公共性の高い事業でなければならぬという見地から、まず基本計画できちんとその点は事業の規模なりあるいは路線の概要、時期というふうなものは押えておきまして、それに適合しないものは認めない、特権も付与しない、こういう考え方できちんと整備をしておりまするし、許認可にあたってもすべてそういう点の配慮ができるようにいたしております。また、その後の業務運営面におきましても、いろいろな監督規定もございまするし、あるいは料金等についても規程をつくらせて認可制にする。公の立場から、主務大臣がそれに対して監督、指示、すべてできるような法律上の手だてというものは実は十分に整備して、これを監督よろしきを得てやっていくという方針でおります。そういう見地から、公共性についても万全の配慮をいたしたいと思います。
  67. 近江巳記夫

    ○近江委員 この間私は、経企庁の人にこの新全総の見直しのポイントというのをお聞きしておったわけですが、パイプラインというようなことは一回も出てこなかった。したがって、その辺はひとつ通産省から経企庁とよく話し合って、これは非常に大きな問題でありますから、十分そういう点を配慮できるようにやっていただきたいと思うのです。いまその辺については、今後よく経企庁と連携をとるということをおっしゃっておりましたから、重ねてこの点は要望しておきます。  それから、特に保安上の問題ということがあったわけですが、地震あるいはその他によるパイプライン災害の発生、これは一体どういう態様になるのかという問題点です。  それから二点目は、この技術上の基準の策定、保安基準の認可、その他本法において保安対策というものがいろいろ講じられておりますが、最も重点とすべきポイント。  それから三つ目は、鉄道敷のそうした施設あるいは密集地帯の保安対策、これが一番心配になるわけです。きょうは関係各省も来ておられるわけですから、各省からひとつ、通産を含めてお答え願いたいと思うのです。
  68. 莊清

    ○莊政府委員 私からまず全般的に答弁させていただきます。  地震の場合、地震に対してどういう配慮をしているかというお尋ねかと思いますが、実はロスアンゼルスの地震がありましたときに、古い鋳鉄管等を使いました古い石油のパイプラインが二カ所ほど事故を起こしたようでございます。直ちに送油を停止したために大事に至らなかった。片一方、ガスとか水道の管は、当然歴史が古うございますからもうちょっと多い事故が出たと聞いておりますが、これから考えましても、日本の場合にはこれは欧米と違って地震国でございますから、最も地震対策ということは重点に考えなければなりません。そのために、第一には路線の設定そのもののときに、軟弱地盤のところは極力避けるべきであるという消防審議会の答申も昨年実は出ておるようでございますが、材料の点でも強力なスチールパイプを必ず使わせるように技術基準でも義務づけをはっきりするということ。それから溶接部分がやはり地震の場合に問題になるようでございますから、溶接は必ずアーク溶接をさせる。それから検査でございますが、エックス線等を使って最も進歩した溶接部の検査を義務づけるというふうなことが、これは消防審議会の答申でもぜひ必要なポイントであるということを御指摘になっております。その他、地震で一部に不幸にして事故が起こった場合に直ちに自動的にそれを検知いたしまして、根元のところでコントロールしておって、それを検知したならば弁を締めるとかあるいは送油を停止するというふうなオートメーションの保安装置というものを必ずつけなければならぬというふうなことがございます。これらのことはすべて技術基準の中で明確に規定すべく、現在関係各省の間で具体的な詳しい内容について検討を進めております。  それから保安規程についてもお話ございましたが、このポイントは自主保安体制というものを企業に義務づけ、それを確立するということでございまして、抽象的ではなくて保安規程の中で具体的にその自主保安、自主検査、そういうことをいかにするかということを明確にきめさせて、それを認可にかからしめ、必要ならばこれを命令によって改善させるということでございます。国の技術基準によって完成検査等と並びまして自主検査の面でももう一つこれを十分なものにするというのが主でございます。  鉄道の保安の問題は相当専門的でございますし、国鉄のほうで昨年来種々技術的な御検討も進んでおるようでございますので、そちらのほうから答弁をさせていただきます。
  69. 見坊力男

    ○見坊政府委員 お答えいたします。  鉄道敷にパイプラインを布設する場合の保安上の問題でございますが、国鉄が現在建設を進めようといたしておりますパイプラインにつきましては、運輸省から土木学会に諮問いたしました結果、また国鉄が土木学会に相談いたしました結果等によりまして、運輸大臣から建設基準を指示いたしまして、またそれに基づいて国鉄は建設規程を作成いたしておりますが、具体的に布設の方法等を申し上げますと、こまかい点は別にいたしまして、パイプラインを線路敷に布設する場合には、線路の中心から四メートル以上離したところに埋設をする。さらに一メートル二十以上の土かぶりを行なうということにいたしております。また、線路を横断する場合であるとかあるいは四メートルを確保できないというような場合には、パイプラインの上にコンクリートのさや管をつくりまして、その中にパイプを通すというような布設方法をとりますので、通常の運行の方法であれば列車の振動等は関係がない。またかりに脱線転覆というようなことが起こりましても、直接パイプが破れるというようなおそれはないというふうに考えております。ただ鉄道の場合に一番問題になりますのは、電化区間をパイプラインで布設する場合に電食の問題がございます。電流が流れることによって、その金属のパイプが腐食をするという問題がありまして、これは、国鉄が電化されることに伴いましてかねてから研究を進めておったわけでございますが、特にパイプラインの建設にあたりましてはその点を重視いたしまして、土木学会にパイプライン研究委員会等をつくられました、そこに安全性等の問題を検討してもらったわけでございます。  その結果、絶縁特性のすぐれたアスファルトのおおいをするというようなこと、さらに流電陽極法とか外部電源法あるいは排流法というような方法がございますが、それらの方法を組み合わせることによりまして、電食を防止することは十分――完全と申し上げてもよろしいと思いますが、電食を防止することができるというふうに考えておるわけでございます。
  70. 近江巳記夫

    ○近江委員 もう本会議がきますので、私はこれで一応中断して保留しておきたいと思います。きょうは各省も来られておりますが、こういうように本会議が開かれますので、この次にまた来ていただいて続行したいと思います。  一応これで中断して終わっておきます。
  71. 進藤一馬

    ○進藤委員長代理 次回は、明十二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十二分散会