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1971-07-23 第66回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会公聴会 2号 公式Web版

  1. 昭和四十六年七月二十三日(金曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 床次 徳二君    理事 池田 清志君 理事 大村 襄治君    理事 中谷 鉄也君 理事 西中  清君    理事 小平  忠君       國場 幸昌君    正示啓次郎君       本名  武君    湊  徹郎君       山田 久就君    上原 康助君       楢崎弥之助君    美濃 政市君       安井 吉典君    渡部 一郎君       安里積千代君    瀬長亀次郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官       山中 貞則君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 増原 恵吉君         外務大臣臨時代         理       木村 俊夫君  出席政府委員         総理府総務副長         官       砂田 重民君         外務政務次官  大西 正男君  委員外の出席者         防衛庁参事官  鶴崎  敏君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         外務省アメリカ         局長      吉野 文六君         外務省条約局長 井川 克一君         沖繩及び北方問         題に関する特別         委員会調査室長 綿貫 敏行君     ――――――――――――― 七月二十一日  沖繩の本土並み返還に関する陳情書(愛知県議  会議長杉浦喜市)(第四八号)  沖繩県民の人権に関する陳情書(東京都千代田  区霞が関一の一の一日本弁護士連合会長渡部喜  十郎)(第八〇号)  沖繩の中部地区東部海岸の開発に関する陳情書  (沖繩那覇市久米町一の五二沖繩市町村議会議  長会長池原久吉)(第八一号)  沖繩先島の油脂燃料類運賃の国庫補助に関する  陳情書(沖繩平良市西里二二〇宮古青年会議所  理事長真栄城宏)(第八二号)  沖繩の軍用地解放後の復元補償等に関する陳情  書(沖繩伊江村長知念彦吉)(第八三号)  同外三件(沖繩浦添市議会議長与座三郎外三名)  (第一一九号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  沖繩問題に関する件      ――――◇―――――
  2. 床次徳二

    ○床次委員長 これより会議を開きます。  沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  この際、山中総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。山中貞則君。
  3. 山中貞則

    ○山中国務大臣 このたびの内閣改造にあたりまして、留任をいたすことになりました。現在の総務長官としての沖繩担当のままの留任でございます。これは、沖繩復帰が秒読みの段階を迎えまして、ここで大臣を交代させることは、沖繩県民のために申しわけないという総理のお気持ちであるように直接伺っておりますので、その意味で、私としては、沖繩復帰をもう明年に控えて、悔いのない内政上の万全の措置をとるべく目下昼夜努力をいたしておりますが、皆さま方も今日までの御協力、御支援あるいはいろいろの御意見、御要請等を、今後とも一そう密接にとっていただきまして、私たちの行なおうとしております沖繩を迎え入れるあたたかい施策というものが、県民全部の方々に了解をされ、そして相なるべくんば、県民すべての方々が喜んで心の底から祖国復帰の日を待望されるような状態をすみやかにつくり上げたい。そのために、次の予定される沖繩国会と俗に呼ぶことになりましょう返還協定承認、並びに国内法の整備に関して開かれる国会において、悔いのないものをつくり上げたいと存じますので、委員会の場ばかりでなく、普通の国会議員としての立場においても、今後一そういままで以上の緊密な御連絡、御意見の御開陳等をいただきたいと存じます。よろしく御支援のほどを願います。(拍手)
  4. 床次徳二

    ○床次委員長 砂田総理府総務副長官から発言を求められておりますので、これを許します。砂田重民君。
  5. 砂田重民

    ○砂田政府委員 このたび総務副長官に就任をいたしました砂田重民でございます。総務長官の意を十分身に体しまして、懸命に働いてまいる決意をいたしておりますので、当委員会の委員長をはじめ、委員の先生方の御指導をよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
  6. 床次徳二

    ○床次委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。
  7. 國場幸昌

    ○國場委員 沖繩祖国復帰も、去る六月十七日の日米の返還協定調印によりまして、予定どおりいきますと来年の四月早々には復帰もなるという見通しが考えられるわけでございますが、沖繩の復帰に際しまして、第一次、二次要綱はすでに御案内のとおりでございますが、三次要綱に対しましては、御案内のとおり一次、二次に比べまして、今日までいまだに発表の段階にはきておらないのも御承知のとおりでございます。この三次要綱というのは、沖繩百万県民が復帰に際しまして一番不安をかもしておるところの、物価問題に大きく影響する租税措置に対しての問題でございまして、この復帰要綱そのものに織り込まれる中身というのがまだはっきりしてございません。  御案内のとおり、沖繩は、長年にわたるところの異民族支配によりまして、あらゆる面に立ちおくれておるのも御承知のとおりでございます。  そこで、たびたび陳情を受けましてやっておる一番重要な点といたしましては、石油消費税、電気ガス税、そういうものに対しまして、これは基地が縮小していくにつれて、それにかわるべきととろの経済基盤、すなわち企業誘致問題に対して大きな影響を受けるわけでございます。電力そのもののコストにより工業が発展するかしないかということでございますれば――今日まで電力公社におけるところの石油税は、直接軍のほうから、カルテックスのほうから支給し、その消費税は一般民間の利用するものとは大きな開きがあったわけでございます。でありますので、今後復帰しますと、この租税措置に対して――工業を発展させ、基地経済から脱却して産業を勃興させるということに、この租税措置が大きく影響を受けるわけでございますが、それに対しまして、いかような措置をなさんとするのでありますか、御所見を承りたいわけでございます。
  8. 山中貞則

    ○山中国務大臣 まず、私の沖繩の――いまの質問は、主として税制でございますが、それに臨む基本的な姿勢としては、現在の制度が沖繩の一般国民生活にプラスである、本土に比べて有利であるというものは、最大限の努力をしてこれを残したいと思います。そして、本土の制度のほうがすぐれている、したがって、県民生活にも本土法の適用をしたほうがいいというものについては、本土法を適用するという基本的な姿勢で、いま作業を進めているわけであります。  なお、三次要綱策定の作業がおくれておりますことは、私の責任を回避するつもりは毛頭ありませんし、沖繩の世論調査等における復帰不安の大部分は、生活上の問題が主だと思いますが、その意味において、私の作業の遅延というものが、その責任の大半であると思います。しかし、これには、やはりそれ以前に琉球政府との合意ということをどうしても得たいと思いますので、琉球政府からの県民会議等も含めた意向というものを最終的にいただいて、それから後に――もちろん事前調整もきのう、きょうもいたしておりますけれども、最終的な発表という形にしたいと思っておりますので、幾ぶんおくれておりますが、これは、沖繩県民の意思を最大限に尊重するというところにあるという点で御了解を願いたいと思います。  そこで具体的な問題としては、石油消費税については、現在の沖繩における価格、それを据え置くための措置を税制上とるつもりでございます。いわゆる値上がりをしない措置であります。さらに電気ガス税については、これを本土法の税率七%というものを、一挙に新設の税金として設けますことは非常に問題がございます。しかしまた、市町村の固有財源としては、電気ガス税を創設しないということについては、やはり沖繩側においても創設したほうがいいという御意見があります。したがって、これを年率一%ずつ――ほかの特別措置は、おおむね五%と申し上げておりますが、復帰後もなおかつ七%の現在の電気、ガス料金の料率が続くものとすれば、七年後まで一%ずつの年次別の税率の段階を設けたい、それによって沖繩県民の方々の、電気、ガスは局地的でありますが、そういう日常生活に必需的なものに対して税金がかかるのかという異様な感じについて、できるだけの配慮をしたいと思っているわけであります。これは住民の生活のために必要なものとしての電気ガスというものと、それから市町村の固有財源としての電気ガス税というものを、やはり両立させなければなりませんので、そういう措置をとる用意でおりますが、これについても、現在意見の交換中であります。  さらに沖繩の電力については、これがどのような形態で今後運営されるのかという問題が、最終的にまだきまっておりません。一応七月一日に配電五社が合併すると言っておりましたけれども、これとてもまだ見通しのつかない状態でありますので、本土政府から無償で琉球側に渡すということはきめておりますけれども、どのような形態の場合に渡せるか、民間だったら無償というわけに――これは料金を徴収することになりますから、無償というわけにいかないという問題もございまして、この問題は現在調整中でございますが、問題は、電力に使う発電のための原料重油の価格の問題であります。これも本土と大きく異にしていることは承知いたしておりますが、沖繩の中でも公社の所有する電力会社と、八重山電力みたいに、一般の卸売り価格で市場に課徴金込みで出されましたものを使わさせているような例等もございますので、これらの問題については、やはり特別な考え方をして、同じように現在の公社で出しております原料重油の価格を、全島的に適用しなければならないだろうというふうに考えているわけであります。  以上、お尋ねの点だけお答えしておきます。
  9. 國場幸昌

    ○國場委員 それから開発庁設置問題に対してお尋ねいたします。  去る七月の十九日の読売新聞によりますと、開発庁設置につきましての報道がございますが、開発庁は総理府の外局として、国務大臣を長官として設置されることになっておる。そうしますと、北海道の開発庁長官は、独立して北海道の開発に当たっているというようなことを承っておりますが、わが沖繩の開発庁も、そういうような北海道と同一になるような、長官が独立した形態において運営をなされていくものであるか。  それから、その出先機関に対しましては、各省庁から出向により、沖繩振興開発特別措置法に基づき、総合的な調査機関として運営していくよう報道されております。このような総合的な出先機関として沖繩の振興開発に当たることは、多少の懸念があるようにも承っておりますが、その点大臣は、いかがなお考えをお持ちでありますか、お尋ねいたします。
  10. 山中貞則

    ○山中国務大臣 開発庁については、県民会議を含めた沖繩側の意向として設置すべしという意向でございますので、設置されることになると思います。それについて、内容、機構、その他権限、予算上のあり方等について詰めておる段階でございますが、北海道開発庁と異にするわけではありません、北海道開発庁もやはり総理府の中の大臣をもって長とする開発庁長官でありますから。ただこの場合には、大体総理府総務長官が兼任することになって、総理直轄の沖繩に対する開発振興を行なうということのほうが、総理の直轄する形のほうがよりいいという判断をしております。しかし、ここらに疑問な点がありますれば、またあらためて調整もしたいと思いますが、問題は、北海道開発庁長官といえども、北海道開発だけを担当する大臣がいるわけではありませんで、担当する大臣はほかの仕事も兼任をいたしておりますから、内容においては変わらないということでありますが、私は、やはり総理に直結した沖繩開発庁という形のほうがよかろうと思っているわけでありますが、これは最終的にきめておるわけではありません。  それから出先機関については、その出先機関の中のあり方あるいは機構の問題等について、県政の自主性をそこなうおそれはないか。この点は十分配慮をいたしております。したがって、県民会議からの要請、県民会議等の答申を踏まえて、琉政から意見のありましたものを最大限に尊重したいということで、ただいま各省庁と話を進めておるわけでありまして、結果的には、本省の政府間においては若干その中に入ることに異議を唱えていた役所等もございますから、これは琉球側の希望に沿えるように、私の責任においてまとめたいと考えております。また、それは主として行政のサービスや許認可業務やそういうものを前提といたしますけれども、特殊な、海上保安庁に代表されるようなものを除いては、おおむね沖繩県民のために、一緒の、建物も合同庁舎ならば、そこにおいて沖繩県民の方々が、あるいは琉球政府なり立法院の方々が、その建物で仕事の話し合いは全部相手方がいるという形にしたいという念願を持っておりますので、これもほぼ合意に達し得るものと考えております。
  11. 國場幸昌

    ○國場委員 質問はたくさんあるわけでございますが、時間がございませんので、いま陳情の件に対しましての、干ばつ措置に対してお尋ねいたします。  御案内のとおり、宮古、八重山におきましての干ばつは、すでに二月二十八日から今日まで降雨がほとんどない。農作物はもちろんのこと、家畜におきましてもすでに枯死状態に至っておるということは御案内のとおりでございます。宮古の生活としまして、いままでの収支は約二千万ドルあればという実績を持っておるようでございます。サトウキビだけで七百万ドルの損害を受けるということは、これはもうたいへんな問題でございまして、おそらくいまのとおりで干ばつが続きますと、一千万ドル全滅ということになるでございましょう。総理府長官におきましては、この干ばつ措置に対しまして、調査団も派遣されたということを承っております。調査団の報告そのものがどういうような結果であるかはわかりませんが、緊急対策としまして、目の前の宮古、八重山住民の立場を考えました場合に、天災によるところの不可抗力でございますので、これに対して、政府としましては、調査の結果がどうなっておりますか、あるいはまた、それに対するところの宮古、八重山からの要望のある緊急措置に対しての生活問題、また離島におきましては、飲料水に至ってもほとんど毎日のようにくり船その他の船をもって補給しておるということを聞いております。総理府長官におきまして、それに対する措置はいかようなお考えをお持ちでありますか。また、いかようなことをなさんとしておるわけでございますか。お伺いいたします。
  12. 山中貞則

    ○山中国務大臣 調査団は昨夜帰ってまいりましたので、本日は朝早くから閣議でございました関係もあって、まだ私その報告を直接受けておりません。でありますので、琉球政府より先般主席が携行されました六月三十日調査にかかる被害、あるいは対策を前提として、いままで一応の対策を立ててまいりましたし、琉球政府にも、そのやり方等について御相談をいたしてまいりました。本土政府のほうで、六月三十日付の被害に対する措置については、三億二千九百万円という一応の概算を持ってこられましたが、これは金額について合意することよりも、そのやる仕事について合意することのほうが大切で、不幸なことながら干ばつは進行中である、したがって、本日調査団から聞きますけれども、さらに被害総額一千万ドルも大きく上回るだろう、あるいは畜産の関係等も、このままでは非常に壊滅的な状態になるおそれがある等の事態が予測をされております。これらに対する緊急措置は、一応項目として琉政のほうで立てておりますので、これについて本土のほうで財源措置を行なえば、琉政としても乗り切っていけるというような話がありました。  その項目を念のために申し上げますと、本土政府のほうから資金援助をしてもらいたい、財政援助をしてもらいたいという事柄は、給水対策費、これは水道の架設事業やあるいは船で水を運んでいく経費だと思います。農作物対策費としては、サトウキビ関係で種苗の購入費の補助、それから肥料の購入費補助、さらにパイナップルについては肥料の購入費補助、さらに換金作物としてのバレイショを新しく植えかえるために、それに対する購入費の補助、それから農薬の購入費の補助、こういうものが農作物対策であります。家畜の対策については、牧草の対策について、草地用の肥料その他を含むわけでありますが、そういうものが要請され、さらに飼料作物及び牧草の種子、こういうものを購入する費用の補助をぜひめんどうを見てもらいたいということでございました。  私は、これらの項目については全部了承をいたしましたし、琉球政府の災害救助法によれば、政府の補助率が七五%ということになっておるようであります。しかしながら、本土のほうでは、災害の場合において補助率は三分の一から二分の一という状態でありますので、琉政については、この際、やはり特別の考え方を持たなければならぬと考えまして、この補助率についての意見はまだ大蔵と交換しておりませんけれども、要するに、沖繩のこの緊急非常の事態を乗り切るための措置については、あるだけの措置を全部とる。それについて、政府は援助できるだけのことはすべてやるということを、財源上も確保しなければならぬと思っておりますので、これらの項目について合意をいたしたわけであります。  さらにその際、要請事項ではありませんが、宮古島においては、伏流水があることは、すでに干ばつ後の昭和三十八年のあとのアメリカの調査で発見されたものがありまして、学校、生活用水等はすでに確保されておりますけれども、この伏流水に注目をして、ことしの予算で全額国庫補助による畑かんというものを試験的に行なう予算をつけたわけでありますけれども、ここまでまいりますと非常緊急の事態になりますので、何とか方法はないかということで、十一カ所の井戸からスプレーガン――スプリンクラーの巨大なものと思いますが、そういうものを設置して給水するというような、撒水によってほぼ助かるという計画があるようであります。ただ、これは完成に二カ月を要するということで、私も緊急の場合に間に合わぬというような気がいたしましたので、さしあたりは、ことし予想しておりませんが、実施設計調査費は認めよう。したがって、来年はそれを二度と繰り返さないためにそういうことを始めてください、こういうことを言いまして、これはいずれあらためて、水道関係のものも今回の調査団に入っておりますから、その意向等も聞いてみたいと思っておるわけであります。さらに、石垣島において表流水を五カ所ほどダムをつくってせきとめることによって、今後そういうことの起こらないような処理というものについては、これは琉政の見積もりでも、やはり完成に六カ月を要するということでありますので、これも一応とりあえずは実施設計にとりかかるということにいたしましたけれども、今年度予算には、そういう膨大な金額はありませんので、やはり来年度予算ということになるかといまのところ思っておりますが、今後公共事業等について、景気刺激その他の必要性から、公債発行等の処理が行なわれる場合においては、当然沖繩等についても、新しい公共事業としてそういうものを今年中にも着工するようなことができれば幸いであるということで、いまその試算等をさせておるわけであります。  なお、新城島あるいは黒島等についての、もともと水の絶対に出ない場所における今度の干ばつの被害というものは、人畜を含めて、もうたいへんなものであるということは私も想像できますので、長年の懸案であり、技術的に問題があるということを一応聞いておりますけれども、豊富な表流水のある、西表から新城を経て黒島に至る海中水道というものを布設することにできれば踏み切りたい。そういう悲劇は来年はなくなるようにしたいということを考えて、いま検討をいたしておるところであります。
  13. 國場幸昌

    ○國場委員 時間がありませんので、これをもって終わります。  ただ一点だけ。対馬丸の陳情もございましたが、これは遺家族になりますと、地元のほうで戦争の犠牲になった子供さんたちとか、家族はほとんど補償されて、その恩恵を受けている。ところが国家政策としまして閣議で決定されて児童疎開、これに付き添うところのいわゆる付き添い人の父兄は、補償も、何の政府の恩恵にあずかっておらぬというようなことでございますから、その点につきましても、現地沖繩本島に居残っておる人も、船で遭難された方たちに対しても、同じような恩恵にあずかるようひとつ御配慮していただきたいことを希望しまして質問を終わります。
  14. 山中貞則

    ○山中国務大臣 希望でありますけれども、重大な問題でありますから、一応お答えしておきます。  これは本土法によれば、そのような処理は一応もう済んだということになっておるようでありますが、しかしながら、現実に軍命令に近いものによって、本土への強制疎開の途上において、吐喝喇列島のそばで撃沈をされたということでありますから、それらの問題と、対馬丸関係の補償の残りと、さらに台湾に疎開する途中で難破して、沈没して、尖閣列島に流れついて助かった人もあり、死んだ人もあるという問題も残っておるようでありますから、ただいま厚生省援護局と連絡をとりまして、どのように処理したらいいか、少なくとも復帰の時点においては、こういうものをきちんとしておきたいと考えて努力しております。
  15. 床次徳二

    ○床次委員長 上原康助君。
  16. 上原康助

    ○上原委員 私は、まず最初に、先ほど今度の内閣改造でさらに御留任なさって、沖繩問題にこれまでもたいへん精力的にやってこられたのですが、悔いのない祖国復帰を実現していくために、さらに最善の努力を払うという総理府総務長官の決意のほどがありましたが、ぜひそのおことばを十分生かすように、一そうの御努力をお願いをしたいということを申し上げて、質問を続けたいと思います。  ただいまも國場委員のほうから、干ばつ被害についての質問がありましたが、また先ほど宮古島の平良市長の陳情の趣旨にもありましたように、現在の沖繩全地域にわたる干ばつというものは、宮古、八重山両先島、あるいは各離島、沖繩本島を含めて、ほんとうに真綿で首を絞められる思いをしながら生活をしなければいけない。天災と言える面もあるかと思うのですが、ある意味では、戦後二十六年の米軍支配下における軍事優先政策の中から出た人災であり、また政治の貧困だとも言えると私どもは思うのです。そういう意味で、やはりこの干ばつの問題は、当面する緊急対策をどう立てるかということと同時に、恒久的な対策というものも考えて、人間生活に一時たりとも欠かすことのできない飲料水さえも十分確保できないこの状態は、現代社会としてはあまりにも見るにたえない問題が現にあると思うのです。そういう意味で、先ほど緊急対策についてはいろいろ御説明もございましたが、どうしても当面の干ばつ被害に対処していくためには、それ相応の予算の裏づけがないといけないと思うのです。  せんだって、党の沖特のほうから御要請申し上げた場合も、琉球政府のほうから出された被害対策については十分な措置を講ずる、予算面を含めて講ずるということでございましたが、まず、具体的に予算措置として、どういうおとりはからいをなさろうとしているのか、政府の調査団もすでに調査結果をまとめたようでございます。宮古、八重山だけでも一千万ドル以上の被害が出ておる。沖繩本島を含めると、ますますその額というものは膨大になると思うのです。これらに対しては、当然本土政府の立場から、いろいろの施策というものを進めてまいらなければならないと思いますが、その裏づけとなる具体的な予算措置として、どういうおとりはからいをなさろうとしておられるのか、そこら辺についてできるだけ明確な御答弁を賜わっておきたいと思います。
  17. 山中貞則

    ○山中国務大臣 初めに、党派をこえての今後の私の努力に対する激励がありました。心から感謝いたしまして、その激励にこたえる努力をする覚悟でございます。  干ばつ対策については、確かにこれがもし沖繩県として戦後本土と同じ生活をしていたならば、あるいは私たちの祖国の手においてこのようなことの起こらない措置がすでにとられていたかもしれないかと思う点がございます。その意味においては、ある意味の人災ということも私も否定できないと思います。  恒久策については、先ほど申し述べましたことが離島において完成しますれば、先島を含めた離島においておおむね何とかいけると思いますが、本島周辺においても津堅島における問題がなおございまして、これを本島から送水するか、あるいは浜比嘉島から送水するか、これらの点について、いま技術的に検討いたしておりますが、問題は最も人口の集中しておる地域の、本島中南部の方々の日常生活の実情に、想像を絶する打撃がいま加わっておる。断水時間のほうが供水時間の二倍であるということを考えますと、これはたいへん重要な問題でございますし、現在アメリカが計画しておりまして、援助費を放棄いたしました福地ダムの完成に伴う石川浄水場に運ぶための導水管というものについて、非常に膨大な資金を要しますが、これもやはり公共事業の繰り上げ等がもし行なわれるならば、年度内にでも、あるいは来年度予算においては、ぜひともそれは完成させなければ、再びまた本島において飲み水に事欠く、生活用水に事欠くという事態に人口稠密地域がなるおそれがありますので、これについては遺漏のないようにしたいと考えます。  そこで、問題は予算措置でありますが、緊急措置に対する予算措置は、さしあたりは調整費でもって支出をいたしたいと思いますが、しかしながら、本土においては、災害が起こりました場合においては、集中豪雨、台風あるいは干ばつ、降ひょう等の異常事項について、一般会計予備費というものを支出することにしております。この予備費の支出は、建設省なり農林省なり、そういう関係の担当官が現地に参りまして、そして災害個所の現地調査をして、原形復旧でよろしいか、あるいは改良復旧が必要か、そういうような査定等を行なった後にやるものでありますから、予算措置は非常におくれまして、早くて半年後に予備費の支出が行なわれる形になるわけでありますので、今回は、もともと貧乏世帯の琉政でありますから、緊急に支出をするとすれば、調整費が一番早く役に立つと思いまして、そういうことを申し上げておるわけですけれども、しかし調整費は十億で限られた金額でありますから、今後、復帰までの間に突発するあらゆる事態に緊急に対処するためにつけた予算でありますので、これに災害対策全部を食われるということは、あとが弾力を失う予算になるおそれがありますので、本来は、これは一般会計予備費で支出すべきものというように考えております。したがって、さしあたり調整費で実際上の支出はいたしますが、実際上その措置が進みましたならば、できるならば大蔵省と相談をして、これを一般会計予備費において、追加支出という形でもって、調整費の支出分はカバーしていきたい、そして調整費は、本来の機能を緊急に果たすために、毒ガス問題その他に使ったような、さしあたり緊急に必要だというような問題等に使用していきたいと考えておるわけであります。
  18. 上原康助

    ○上原委員 いまおおまかな御説明がございましたが、確かに調整費のほうから支出をして、緊急対策をおやりになるというのはけっこうかと思うのです。また、当然そうすべきであります。ただ、くどいようで申しわけがないわけですが、台風被害というのは、次年度予算で十分な措置を講ずるということでは事がおそ過ぎると思うのです。特に宮古から出ておる陳情書を見ましても、実際に畑仕事ができない、生活そのものができない状態になっている。そういう意味でも、緊急な失業対策なりいろいろ予算措置を講じなければいけない。そういう面を当面の調整費から充てるということは――すでに十億の予算です。しかしこれとても十分ではないと思うのです。そういう意味で、ぜひ予備費からの支出というものを十分お考えになっていただきたいし、できることなら、沖繩関係に対しての補正予算を組んででも、この災害対策に対しての十全な対策をおとりになる――もちろん現地側からの要望そのものが一〇〇%というわけにはまいらない面があるかとも思うのですが、少なくとも当面の被害に対しての急場をしのいで、次の生産性に意欲を燃やせるという体制だけは政治としてとるべきが当然だと思うのです。そういう意味で、十分な予算措置を、予備費からの支出というものを考えるということと、補正予算を組んででもやっていただきたいということを強く申し上げておきたいと思うのです。  さらにいま一つの問題は、この要望書にもございますが、現年度の予算にも、本土産米、いわゆる本土産米穀資金というものが三十億円でしたか、ございます。これは使途そのものが非常に制約を受けておる。これを干ばつ対策に充てようといっても、なかなかそれに同調していただけない面がいま現地においてあるわけです。これもこの要望にありますように、こういう緊急事態においては、サトウキビの芽出しの問題、肥料あるいはバレイショ、そういうような使途にも充てるように、弾力的な予算の運用というものも琉政におまかせしていいのではないか、この二点について、総務長官としてどうお考えなのか、御見解を賜わりたいと思うのです。
  19. 山中貞則

    ○山中国務大臣 先ほどは本土政府に対する資金援助についてのみ申しましたので、緊急就労対策費については落ちておりますが、これは琉政のほうで八千二百万円をさしあたり支出することになっておりますから、その点はカバーされると思いますが、本質的な問題として、先ほどの私の言い方をこう変えればいいと思います。災害対策については予備費で支出するつもりである、しかしながら、それを待っていたのでは間に合わないから、調整費から支出をいたしますということならば、御趣旨と同じだろうと考えます。さしあたり調整費でまかなっておきますということであります。  さらに米資金の問題でありますが、これは実は融資に回すわけでありまして、パイナップル等の統合のための資金等は別にして、ほとんどが零細企業その他の基盤整備に充てるものでありますから、これはそのままお使いになって、金が足らないから、あるいは緊急に出せないから米資金を回せという御要望であるならば、金については承知をいたしました、そして間に合わないからということならば緊急に支出をしてもらってもけっこうですということを言ってありますから、米資金は米資金のままお使いになることのほうが琉球のためになると考えて申し上げまして、その点は合意いたしております。
  20. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、端的に申し上げますと、米資金を干ばつ被害に充てないでも、干ばつ被害に対しての予算措置というものは十分お考えになっていただくというふうに受け取ってよろしいですか。
  21. 山中貞則

    ○山中国務大臣 そのとおりでございます。
  22. 安井吉典

    ○安井委員 関連して。いま具体的な対策について上原君からお尋ねがありましたが、私、そこの市町村の財政にも、これはもう手ひどい打撃になっているのではないかと思います。とりわけ緊急的な対策のための費用と、それから歳入欠陥との両面から問題があると思いますが、それについての対策だけをひとつ伺っておきたいと思います。
  23. 山中貞則

    ○山中国務大臣 この問題は、まだ琉政、市町村ともにそこまで手が回りかねておるという状態だと思います。しかしながら、現実にはおっしゃったとおり、歳入歳出両面の単独事業に伴う、あるいは歳入欠陥に伴うものが生じてくるであろうことは十分わかっております。でありますので、いま、昨年とりましたような交付税措置等がとれないかということを検討はしておりますが、国全体の歳入が法人税を中心にして、どうやら歳入欠陥になりそうであるというようなことから、先ほど来申し上げております、公共事業を対象にした国債の発行というようなこと等も議論をされておる過程でありまして、ことしの三二%の限られた三税の見返り分の交付税の中から措置することができるかどうかは、いまのところ疑問がございます。したがって、これらのものは、さしあたりは措置ができるわけでありますから、その財政問題については、今後の問題として十分相談に乗りたいというつもりでおります。
  24. 上原康助

    ○上原委員 この干ばつ問題との関連でいま一つ申し上げておきたいのですが、要するに、こういう干ばつというのは周期的に訪れるということも考えられるわけです。そこで、どうしても恒久対策というものを抜本的にやっていかなければ、また将来いつかは同じ悲劇というものを繰り返してくる。そういう意味で、恒久対策としてここにもいろいろ出されているわけですが、まず沖繩本島の飲料水確保の問題あるいは畑地かんがい施設等を、八重山を含めて、両先島を含めて十分やっていかなければいけない。そういう意味で、いまいろいろ復帰記念事業という立場で出されているわけですが、少なくとも私は、復帰をしてみんなが喜ぶ、あるいは復帰によって県民生活がレベルアップするというようなことを考えた場合に、こういう基本的な施設を整備していくということが一番大事だと思うのです。  そこで、次年度の予算において、一応提案としては、向こう三年以内に沖繩本島、両先島を含めてのそういった恒久的なかんがい、ダム施設をやるということ、これを復帰記念事業として総理府の対策として打ち出していくということが、沖繩県民全体にほんとうに喜ばれる予算措置にもなるし、また対策にもなると思うのです。そういう面の御計画もぜひ立てていただきたいということを要望申し上げながら提案をいたしたいわけですが、これに対してどういうお考えをお持ちなのか、御見解を賜わりたいと思います。
  25. 山中貞則

    ○山中国務大臣 三年以内といわず、できれば本年度の補正等の措置等においては着手をしたい。そうすると、ダムは六カ月で完成しますから、来年の――本来五、六月は沖繩は雨の降る時期なんですけれども、それが、ことしは台風等の関係で降らなかったという異常な状態で干ばつになったわけでありますから、そういうものにも十分間に合いますし、もしそういうことがことし財政上行なわれなかったという場合においては、来年そういうものを本格的に予算化してやっていこうということでありますから、先島に関する限りは、単年度完成を目ざして予算を獲得したいと思うのです。ほんとうの問題は、一応福地ダムから石川浄水場を経由して、泊に入って那覇市内というコースについて、単年度でいけますかどうかについては、ただいま技術的な問題として検討中でありますが、技術的な可能な範囲においては、予算上は、これは三年といわず、すみやかにやるということで、当然やるべきことをやっていないわけですから、本土政府がやれなかったということは先ほど申しましたけれども、大げさに復帰記念事業というような大上段な振りかぶり方をしないでも、当然やるべき県民生活の基盤のための整備事業ということで、積極的に予算化していきたい、そういうつもりでおります。
  26. 上原康助

    ○上原委員 たいへん前向きな御答弁がありましたが、三年以内というのは、ぜひ完備をしていただきたいという強い要求でありまして、一年でできるなら、それにこしたことはございませんので、ぜひいまの御答弁が実になるようにお願いをして、干ばつ問題に対する質問は終わりたいと思うのです。  次に、毒ガス問題についてお伺いをしたいわけですが、これは外務省との関係もあるかと思うのですが、担当大臣でございますので、二、三点お伺いをしておきたいと思うのです。  本土政府にもいろいろ御努力はいただいているわけですが、去る七月十五日から始まった第二次毒ガス輸送は、米軍が当初発表したように、スケジュールや日程そのものがそううまくいっていない、事故というものが相次いで起きているわけです。さらに、安全対策は万全だ、十分だと言いながら、現実にいろいろの事故というものが発生をしてきている、また輸送そのものも日程どおりいかない、積み残された物もすでに五百四十トンほどになっている、こういうことが美里、石川、具志川あるいは地域住民、沖繩県民に与えている精神的不安というものは、はかり知れないものがあるわけです。私が非常に奇異に感ずるのは、こういうかってに持ち込んだ毒ガスを、あたかも琉政の責任でこれを撤去しなければいけないような――側面的に協力をすべきはずの琉政や日本政府というものが主体になって、アメリカがほおかむりしているような印象さえ受けるわけです。こういうことに対して、単に資金面の援助をすれば事足りるというお考えではないかもしれませんが、もう少し米側に強く、安全対策の問題と地域住民が受けている精神的、肉体的損失、疲労度というもの、しかも今日のような干ばつの中で、早朝うちを出て晩帰らなければいけないという非常に不自然、不規則の生活をしいられている県民の実態というもの、これに対して、アメリカはもっと責任を感ずべきだと思うのです。そういう意味で、その後この毒ガス問題について、政府として、特に日程が十分消化できていないということに対して、何らかの申し入れなりあるいは新たな対策を講ずるということをおやりになったのかどうか。まだやっておられないとすると、今後もう少しこの問題について、日本政府としても米側に強く申し入れるべき筋合いのものだと私は受け取るわけですが、御見解を承っておきたいと思うのです。
  27. 山中貞則

    ○山中国務大臣 米側には、外務省を通じて琉政が一応現地において弁務官との間に交渉した結果、断わられたという事態に対処して、外交ルートを通じて、やはり一方的に持ち込んだ物の撤去に対しての経費は、本土政府で新たなるルート建設資金等も一般会計予備費から出してまかなったぐらいであるから、それらについては本来アメリカ側で考えてもらいたいということをやりましたけれども、これは、全然米側にはその意思がありません。このけしかる、けしからぬという問題を越えて、ないとするならば、目的は何かといえば、安全に一刻も早く沖繩から毒ガスをなくすることであると私は覚悟いたしまして、したがって琉球政府側の、本土政府に本来要求すべきことでないが、万やむを得ずこういう措置をとらなければ搬出ができない、同意が得られないという苦衷を察しまして、先般その御要請にこたえたつもりであります。現在、事故続出という表現もあるいは当たっているとも思いますが、しかし、ガス自体の事故というものが起こっていないことは不幸中の幸いであります。しかしながら、搬出作業の八時間交代の米兵の作業の進捗ぶり、あるいはまたクレーンがちょっと事故を起こしたとか、自動車がどうだったとかいう、そういうことにとどまっておりますことは不幸中の幸いである。しかしながら、問題はやはり安全第一である、絶対に、万が一、一万回に一回でも事故があってはならないということだけは、これは厳重に米側のほうにも申してありますし、米側もそのことを第一にする、したがって、台風でもちょっと来そうになったら、予定を一応取りやめるかもしれないということを事前に言うのだということも言っておりますが、搬出の予定がおくれていることは認めているようであります。しかし、これはやはり不可抗力の、いわゆる自動車やクレーンの問題等であって、あるいはまた、米軍の作業の進捗の状態が予想どおりでなかったというようなこと等があるようでありますから、私はまず安全第一であるということを考えまして、またそのために、おそらく輸送日数が場合によっては延びるかもしれないという状態が予想されるわけでありますから、こういう場合において、沖繩の周辺地区の住民の四部落の方々の日常生活に与える非常なる苦痛、心理的な苦痛というもの、延びた日数についての金額の問題もまた当然起こってまいりましょうし、休業補償等の問題も、実績を踏まえて今後相談することにしておりますが、これらの精神的な御苦痛に対しては、ほんとうに心から申しわけないと思っておりますし、身がわりになることもできない立場で、あせりも感じております。非公式な情報でありますけれども、琉政のほうでは、日本側、本土側のほうからもこの搬出に立ち会ってもらいたい、一ぺんそういうことを味わってくれというような意向もあるやに聞いておりますが、これらの要請がありましたならば、やはり米側とのなるべくすみやかに、しかも安全に予定どおり搬出ができるような折衝も含めて、本土側のそういう立ち会い人と申しますか、搬出作業の実施を点検するというような者を、場合によっては送りたいと思っておりますが、まだ正式な要請はないわけであります。  以上です。
  28. 上原康助

    ○上原委員 時間が来ましたので、あまり多く申し上げられませんが、とにかく安全が第一だということで、琉政もいろいろ努力はしているわけですが、実際問題として、特にGB、VXの輸送の場合は地域住民の八〇%、八五%が実質的に避難をしている。また、現実に生きたウサギを積んで輸送しているのを目の前で見ているわけですから、これは現場にいる人しかわからない。厚顔無知のアメリカがああいう態度をとることに対しては、やはり政府の外交ルートを通して、みずからまいた種はみずから刈るのが人間としても国としても当然の義務なんです。このことを強く申し上げて、日本政府としてもさらに努力をいただきたいと思うのです。  最後に一点だけ。たくさんあるのですが、時間がきましたので、軍港湾労働者の問題、これと関連する四種問題について伺いたい。  この件については、たびたび御見解をお伺いをして、いろいろ御努力いただいているわけですが、なかなか思うようにいっていない。特に軍港湾の場合ですと、五月の十五日以来無期限ストライキに入って、ほとんど解決のめどが立たない。確かに労使間の次元の問題であるといえばそれまでのことになるかもしれませんが、しかし問題の本質、労働争議に発展をせざるを得なかったその背景と、四種雇用員や軍港湾労働者が置かれている立場等を考えた場合には、政治的に解決をはからなければいけない問題がほとんどであるということ、そういう意味でこまかい点は申し上げませんが、前にも第四種雇用員の離対法適用の問題や、待遇改善の問題等を含めて、あるいは間接雇用移行への問題等を含めて、現地に調査団を政府として派遣をするという御予定なり御計画があるということも承ったわけですが、具体的にその問題がどうなっているのか。また軍港湾問題について、少なくともこの段階では、政府としても何らかの解決をしていくための側面的な御援助をすべきだと私は思うのですが、これについてどうお考えなのか承っておきたいと思うのです。
  29. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これについては、個別的にも上原君と話し合いをしているところでありますが、その後ランパート高等弁務官に対しまして、正常の外交ルートではありませんが、所管大臣として心配しておるから善処されたい旨の電報も打ちましたが、具体的な返電は、向こう側のそういうことに対する返事のしかたというものが、やはり外交ルートを通さなければいけないのかどうかよくわかりませんけれども、具体的には返電がありませんが、近く沖繩を訪れましたならば、直接話し合いもしたいと思っておることの一つであります。  それから、この四種待遇を受けておる問題の根底には、一つはやはり退職金の計算等における、一九五二年の軍労の受けておる一種、二種の待遇と同じ問題について本土政府が考慮をすべきだ、こういう要請が前提にあると思います。途中で退職して一応退職金をもらったような形になっておるとか、あるいは米軍直接の契約でないとか、いろいろの問題はありましょうが、基本的な姿勢はそのようなことを前提にして作業をしてみたい。そのためには、先般防衛施設庁長官、防衛事務次官等を私の部屋に呼びまして、すみやかに米側のほうの資料を掌握するように、琉球政府のほうではなかなかこれを的確に把握できないようだ、したがって、今後四種の分類区分等をする場合にも必要であるから、そういう作業をするようにということを言っておきました。現在沖繩事務局に二十名ほど一応あづかった形で施設庁からも行っておりますが、それらの諸君を含めて、防衛施設庁のほうで米側との間に話し合いをしてみましょうということになっておりまして、その結果はまだ報告を受けていないという段階でございます。
  30. 上原康助

    ○上原委員 これで質問を終えたいと思うのですが、復帰対策要綱の問題については、また後日いろいろお尋ねをいたしたいと思います。  きょう申し上げたことは、私たちの立場でもいろいろ努力をいたしたいと思います。要は、かかえている問題を一つ一つ解決をしていかなければいけない時点にございますので、ぜひことばのやりとりだけでなくして、お互いが置かれる立場で問題解決に努力をしていきたい。また、大臣もそういう立場で、きょう申し上げたことを早急に実を結ばすように、重ねて要望いたしまして、私の質問を終えたいと思います。
  31. 床次徳二

    ○床次委員長 安里積千代君。
  32. 安里積千代

    ○安里委員 山中長官が、内閣改造にあたりまして、沖繩問題担当の大臣とされまして留任をされましたことは、先ほど上原君も申されましたとおり、われわれといたしましても心から喜びますとともに、このことは、沖繩県民の大きく大臣に持っておる期待でありますとともに、また政府とされましても、こと重要な沖繩問題の処理ということに対する一つの決意のあらわれだというふうに私は受け取っているわけであります。大臣とされましては、あるいは個人とされましては、おめでとうと言われることは御迷惑かもしれませんけれども、重大な、沖繩県民にとっても政府にとっても大事な立場であると思いますので、どうぞこの上ともひとつがんばっていただきたいことをお願い申し上げておきたいと思います。  きょう開会前に陳情のありました宮古の干ばつの問題に対します陳情につきましては、國場委員、それから上原委員からもすでにお話がありましたし、また大臣といたされましても、応急並びに恒久的なお考えにつきまして御意見がございましたので、私はそれ以上触れる必要はないと考えております。ただ、結論的に、一体台風がある、あるいはこういう干ばつがあるというような災害というものは、自然の中に、特に沖繩の立場において、過去においてもまぬかれなかったことであります。したがいまして、これに対処しますところの対策というものは、個人個人でどうにもできるものではないので、当然それに対しましては、政府の施策あるいはまた財政的な政策的な施策というものがなければならぬと思います。過去におきまして、われわれは宮古の場合で申しますならば、たぶん一九五九年だったと思っておりますが、宮古台風、本土に渡りましてはこれは伊勢湾台風になったと思います。非常な災害が起こりまして、ことに台風によるところの被害というものは、貧しいところの、堅固なうちを持っていないところの気の毒な人々に対して、災害が大きい非常な矛盾した立場、そういう被害を受けまして、この台風の結果といたしまして根本的に建物を建て直さなければいかぬ、恒久的な建物にしなければならぬ。これが政策的にも取り入れられまして、堅固な建物がその後できておりまして、その後の台風の被害というものは家屋に対して非常に激減しておる、まぬがれておるということが言えると思います。また六三年にも宮古に干ばつがございまして、この場合にサトウキビの収穫は三割程度に減って、これも非常に大きな災害でございましたが、あのときは飲み水にも非常に困るというような状況でございました。そこで、その教訓を生かしてへ飲料水に対する対策というものが講ぜられました。今回の干ばつに対しましては、聞いてみますと飲料水にはまだ事欠いてない、こういうふうにいわれておりまして、そう考えてきますと、政府の施策によりまして、自然の災害というものは、これは最小限度に食いとめることができるということが言えると思います。災いを転じて福となすということがいわれますけれども、今度の災害を単に災害として考えずに、これに対しますところの恒久的施策というものが持たれるということが、政治の場における責任だと思います。これまでの御答弁の中からもそういうお話がございましたので、どうぞそれを実を結ばしていただきたいことをお願いを申し上げておきたいと思います。  その次に、國場委員からの御質問に関連してお話がございましたが、復帰要綱の中において、いま大臣の答弁からもまだ確定してないという大きな問題で電力問題がございました。電力公社の有償引き継ぎ、沖繩県に無償で払い下げるということについてはきまっておるけれども、その後どうするかという問題についてはまだきまらぬ、こういうことであります。私は、この問題が、いま政府が、あるいは琉球政府もあわせてでありますが、沖繩の復帰後における産業開発のための大事な大きな基盤をなもものだと思います。水の問題とともに。としますならば、これを単にいまの五社が統合して、それにまかすんだというようなことでは、はたしてこれが十分今後に対処できるかどうかということに疑問を持つわけであります。  そこで、こういうことはお考えのうちにはないだろうか。つまり沖繩におけるところのこの電力事業を、公益事業の公営という基本的な立場からとって、政府もあるいは沖繩県もあるいはまた一般民間も合わせた力でもって、あるいは本土にある制度であるかどうかわかりませんけれども、公社を設立するということによって、全硫、全沖繩的な立場における電力供給これから進出するであろうところの電力の要求に対して応ずるような、思い切ったところの施策というものが考えられぬか。そういった点は今後どうするかという問題についての御考案の中には、検討の中にはないであろうかどうか。これをお聞きしたいと思います。
  33. 山中貞則

    ○山中国務大臣 初めに、上原君と同じく御激励を賜わりまして、総理も、問題は、施策も万全でなければならないが、沖繩県民からの信頼が大事だということを申しました。やはり私のような新人を留任させました前提を、私はその意味で私なりに受けとめておりますので、その信頼にこたえる努力をいたしたいと存じます。  さらに干ばつの問題では、やはりこれは場合によっては、久高島のように、弁務官資金で天然水をためるような措置を講じてもらった島等もありまして、そういう意味では、本土政府の努力が、琉政も含めてやや恥ずかしいと思う点も島ごとについてはあります。伊計島等の水も弁務官資金でやられているようでありますが、これは局地的でありまして、全体的にはやはり本土の一県であったならば、こんなことにはなっていないだろうという感想には変わりません。したがって、宮古台風の惨害もよく承知いたしておりますが、問題は、作物にとって一番こわいのは台風よりもやはり干ばつだと思います。台風は折損、倒木等でまた立ち直ることもあります。しかしながら、干ばつは根から死んでいくわけでありますから、やはりこれほどおそろしいものはない。これは水のない島、地域に住んだ人間でなければわからない恐怖だろうと思うのです。その意味では、農民の台風あるいは昭和三十八年の干害、それらが累積したいわゆる借り入れ金の負債等の問題等も底辺にはございますし、復帰の年に農村は疲弊のどん底にあるというような状態で、復帰をほんとうに喜べるかどうか、私にとっても心配でございますので、それらのことも踏まえて、恒久策、緊急策に遺漏のないようにいたしたいと思います。  電力の問題は、現在のところ琉政も一応同意した形で、配電五社が一社に統一されて、発送から配電までを行なう、それについていろいろの条件、すなわち本土政府のそれに対する措置等についての要請があるわけであります。しかしながら、当初、やはり新しい沖繩には、発電等の施設を逐次開発していく要請があるわけでありますから、とてもこの民間五社ではやっていけないのではないか。そこで、現在、幸いにして工業用電力も含めて、沖繩電力は、本土料金とほぼひとしいところに本島においては置かれている。これを絶対に引き上げることをしてはならぬと考えまして、電源開発会社において新しい発電――現在の既存のものも含めて発電、送電は電発が行なう、そして配電のみについて、現地側でおやりになったらどうかということも申し上げた時期がございました。しかしながら、それらは一応受け入れられるところとなっておりませんが、琉球政府においては、この問題の処理の困難性にかんがみて、私の当初考えました案を、最近はまた検討をされているようであります。これは、配電五社の統一のもたつきというような問題が、復帰の時点までにはたして統一できるかどうかすら疑問である。そういう環境も踏まえてのあるいは意見かとも思いますが、ただいま御提案になりました本土も県も、いわゆる国も県も業界も参加した電力公社みたいなものをつくる意思はないかという御提案については、一つの検討すべき案として、私のほうでもまじめに研究させていただきます。
  34. 安里積千代

    ○安里委員 その問題につきましては、非常に大事な問題でありますので、よろしくお願いをしたいと思います。  もう一つ、いま沖繩に思わざるところの公害が押し寄せてきております。すでに新聞でも報ぜられておったわけでありますが、沖繩、これは沖繩本島、宮古、八重山、慶良間列島合わせまして、海岸が汚染をされている。おそらく航海をしているところの油船からの廃油だと思います。これが沖繩の全海岸に押し寄せてきております。先般、私、慶良間列島を歩いたのでありますけれども、きれいな浜べにくつでおりることができない。たいへんな汚染でございまして、まるっきりコールタールを塗ったところを歩いたというような状況でございまして、その後、これは先島を含めて沖繩に及んでいるようであります。これは沖繩におけるところの産業公害から出たものじゃなくして、沖繩外の、公海における廃油の問題がしからしめているのじゃないか、こう思います。本年度、通産省において、海洋万博の調査費も組んで調査をするといわれておりますし、その目ざすところは、沖繩のりっぱな自然あるいは海を生かすという点にあろう、こう考えるわけでございますけれども、このような状況でありますと、これは非常に考えものだ、こう思います。そこで、こういう海洋の汚染というものが押し寄せてくるのでありますけれども、これは国際条約とのいろいろな関係があるでございましょうが、この問題に対して、政府として何か打つ手がないのか、これを防止する手はないのであるか、あるとするならば措置を講じなければ――しかも、これは過去にはなかったことであります。最近に起こっている問題でありますので、原因は最近である、こう思うわけです。これに対しまして、政府とされまして何が原因で、どういうことからこういうことになっているのだというようなことに対して調査をされ、あるいは情報を受けておられる点がありましょうか。あるとしますならば、それに対する対策といったものに対してのお考えを承りたいと思います。
  35. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私は沖繩に造船会社というのが雇用需要に非常に貢献するものでありますから、業界に進出する方を懇請しましたときに、その一つとして、本土のほうにはCTS、貯油基地等が逐次建設されるであろう、これは開銀融資その他の国策もあるわけでありますから。その際に油をおろした巨大タンカーが、シンガポールあたりまでに達する公海上においてビルジを流していく、そういうことをどうしてもやめさせなければならぬ。その意味では、船舶修理も含めて、ちょうど沖繩というのはいい地域にあるから、その地点を利用して、そういう巨大タンカーの廃油処理なり改修なり補修なりのそういう造船所が進出をしたらどうだ、こういうことを言っていたのでありますが、最近はやや変わってまいりまして、その傾向が出てまいりましたけれども、一時は、いやシンガポールあたりでむしろやったほうがけっこうなんですということを言っておりまして、よくその事情を調べてみますと、やはり廃油、船内のビルジを処理するスラッジと申しますか、そういうものを処理する場合は、どうも公海上でいわゆるたれ流し的な処理をしているほうが金がかからなくていい、だから船体の修理やペンキ塗り等は、シンガポールあたりのほうがかえっていいのだということが背後にあることを実は知ったわけであります。そこで、沖繩については、廃油処理施設というものをどうしてもつくりたい、そうして、当初私の言っておりましたようなそういうタンカー等のドックもどうしてもつくらなければならぬということで、今後も強力にやっていきたいと思います。先般、沖繩の琉警が公海上に行きまして、現実に廃油をたれ流している船をつかまえてみたのですが、それが外国船であった、どうにもならなかったという報道等も一部あったわけでありますが、私としては、沖繩のみならず、奄美群島並びに鹿児島県の種子島あたりまでそういう汚染の状態が広がっておりますし、さらに小笠原あたりまでもそういうことがいわれている、このことは、先般の日米公害閣僚会議でも、太平洋は共通の海である、だから大切にしようということの中でこの問題を取り上げたわけでありますけれども、私どもの国は世界で三番目の海洋汚染防止条約の加盟国になりました。したがって、国内法は、すでに昨年整備をいたしましたので、本土においては海上保安庁に新しい役目を与えて、公海も含む日本近海において、そのような廃油投棄をするような場合における取り締まりについては体制ができておりますが、現在の琉球については、その体制が及んでおりませんので、復帰後は、もちろんその体制に入ることが可能なわけでありますし、十一管区の設置等によって、そういう状態の解消がすみやかにできるものと思っておりますが、それまでにも美しい海、美しい海岸線というものが、すでに慶良間列島までおかされているというお話でありますけれども、まことに重大な問題でありますので、復帰以前にはどのような措置がとれるのかという問題については、さらに検討を進めてみたいと考えます。
  36. 安里積千代

    ○安里委員 時間がありませんので、あと一問だけお聞きしたいと思います。  この問題は、おっしゃるとおり、これはもう対外的な問題もあると思いますので、ぜひともひとつ強力にその措置を願いたいと思います。  そこで最後に一問だけ。今度の返還協定の中からうかがわれますのは、覚え書きによりまして、返還されますところの土地というものは、非常にわずかな土地になっております。個所の数にかかわらず、その面積からいたしますならば、きわめてわずかなものでございまして、五十平方キロメートルに当たるのではないか、こう思っております。  そこで、私がお聞きいたしたいのは、沖繩の経済開発。いろいろなことが言われまするけれども、これは絵にかいたもちになってはいけないのでございまして、ほんとうに基地経済から平和産業の経済に切りかえていくという大きな構想のもとに、基本的な政策を立てられていきますためには、やはりどうしても土地が必要である。これは前にも申し上げたのでございますけれども、その土地は、新しく土地を造成するという、たとえば埋め立てだとかあるいは干拓というような新しい土地の造成とともに、大幅にとられておるところの軍用地の開放ということが大事であるというふうに申し上げておいたわけでございまするが、今回開放されたものはわずかであります。とともに、それらの目的のために使用されるにはふさわしくないような地域であります。  この問題については詳しく論ずる時間がございませんので、お聞きしたいのは、沖繩の経済開発と大幅な軍用地の開放という問題について、沖繩担当の大臣としてどのように考えておられるか。ことに、いま予定されておりまする返還協定の内容に関連をしてお聞きしたいと思います。  それとともに、開放される土地を一体どのようにするかという問題が私は非常に大きな問題だと思っております。地主にそのまま返す、あるいは地主があるいは資本家がこれを買い占める、あるいは自由放任にまかすのか。いろいろな問題があると思います。あるいは中には開放されて実際困るとういうよなものも出てくるだろうと思います。そこで、開放されるところの土地につきましての、政府の計画的な利用ということがこの際考えられないだろうか。開放される土地に対しての都市計画というものとの関連の利用もございましょう。公共の施設のために使うという目的もございましょう。そういった土地問題を、復帰の時点、ことに軍用地が開放されるにあたって、これらの土地を賃貸借であろうと買収であろうと、政府の政策的な立場から確保する。そして将来に対する基本的な計画樹立に充てる。都市計画なら都市計画、あるいは工業地帯なら工業地帯、こういった計画性を持った開発をするためにはやはり土地を確保する。そのためには、開放された土地を政府の措置によって何らかの方法で確保する。  先般、建設省で公共用地の先買い制度というものが考慮されておるということでありましたが、沖繩の場合におきまして、この復帰の段階において、こういった構想というものを、沖繩の軍用地の開放とこれらの沖繩の公共的な土地の利用というものに対しまして考える時期ではないだろうか。また、普通の場合にはできなくても、あるいは私権の制限という問題もあろうと思いまするけれども、公共的な立場から、沖繩の復帰段階において、そうした土地問題に対する抜本的、基本的な考え方を政府は持つべきではないかと思うわけであります。  時間がなくて詳しく申し上げられませんで非常に恐縮でございますけれども、開放された土地に対してどのようにするかという問題につきまして、もし御所見を承ることができれば、最後の質問として申し上げておきたいと思います。
  37. 山中貞則

    ○山中国務大臣 ただいまの御提案も、沖繩の経済開発の未来像を描きます場合、ことに沖繩振興開発計画というものを策定いたします場合に、非常な大きな前提条件になってくると思います。  一例をあげますと、牧港住宅街があのままに放置されていては、県庁所在地になる町である那覇市の都市計画も何もできない。県庁所在地としてのあるべき整備された町にもなれないという現象があるわけであります。  私は、返還協定の調印までの過程において、私自身がタッチする立場にはございませんでしたけれども、沖繩県の県民の意思、皆さま方の代表者の意思を体しまして、その折衝に対しまして最大限の要請をしてまいりました。したがって、A、B、Cのランクのほかに、牧港というものが、特別に私の要請によって、いずれの時期とも明示せず、問題点が解決をされれば返されるというふうに盛り込んでもらえたのも、私自身の皆さま方の意見を受けての努力が効を結んだものと私としては見ておるわけであります。  これの利用をいたします場合に、市長は、国が地主から一ぺん買い取って、市にいろいろ青写真があるようであります。その青写真はいいのですけれども、そのあとで市に渡してほしいような話もありますし、あるいは地主に渡す金を一ぺん市のほうに渡してもらって、国の金でもってそれが処理できるようにしてもらいたい等の意見もあるようでありますが、ここらのところは、先ほどおっしゃいました本来の持ち主であった方々に返還すべきがまず第一の原則でありますから、その私権の問題とぶつかりますし、そこらの話をしましたところが、その点については自信がないんだという市長の率直な意見もありました。しかし、市長の描いておられる県庁所在地であるべき那覇市の将来の都市計画、都市公園、そういうものは、牧港住宅街というものをおいては設計ができないということは私も十分わかりますから、これは今後話を詰めて、できれば復帰の時点においては、県庁所在地の那覇市が出発するときに、牧港が返ているという姿にぜひしたいものだという執念をいまだに燃やしておるわけでございます。  これは一例をとったわけでありますが、ほかにも、きのう参議院予算委員会で喜屋武君が指摘をされましたところがございましたけれども、ゴルフ場でありますが、アメリカの上院においても、沖繩の米軍がゴルフ場を四カ所も持っていることはむだであるという指摘が議員からなされておるように私は聞いておりますが、そのようなこと等が、現在の状態の中では、米側の駐留のための必要なレクリエーション施設として、返還の予定の中に入っていない。しかし、これらの地域の人たちは、自分の居住村を離れて、そうして賃貸料の倍以上の借料を払って生活をしておる実態等があるようであります。これらの問題は、返還協定そのものは動かせないとしましても、対米交渉の糸はまだ切れているわけではないのでありますから、今後共同の問題として引き続きこれの解決のための努力をしていきませんと、現在のままの状態では、私のほうで計画しようとする沖繩の明るく豊かで平和な未来を描くのにはなかなか支障があることを、担当大臣としては率直に認めたいと思うわけであります。なお努力をさせていただきたいと思います。
  38. 床次徳二

    ○床次委員長 瀬長亀次郎君。
  39. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 総務長官は、いま沖繩県民の信頼をかちとるということが一番大事であると言われましたが、復帰の問題はむしろこれからだ。だから非常に苦労されると思いますが、がんばってもらいたいと思います。  それで、いままでの質問でもありましたが、ガスの問題と水の問題。この問題は、基本的にはアメリカの基地があって、アメリカ軍が沖繩におるということの中にあると思います。こういった点で論争しようと思いませんが、最初にお聞きしたいのは、毒ガスであっても、核兵器であっても、アメリカが持ってきたんだ。持ってきたときにはもちろん県民はだれも知らぬ。だが持ち帰るときには、核兵器を持ち帰るには七千万ドル出すのだとかいうことになっておる。同じように、毒ガスの撤去の場合にも、またアメリカは出さないんだ、背に腹はかえられないから日本政府が安全のために出しましょう、こういったようなことは、基本的には日本の国民の主権を侵す屈辱的な態度だということになります。いま事故が相変わらず起きまして、予定どおり進んでいないということは長官はすでに御承知である。そうなりますと、それだけでも再びアメリカに折衝して、撤去する費用は一切出せという要求をすることは当然であると思いますが、この点に対しては、外務省とも連絡をとられまして、総理府でも極力その面を努力されることは当然過ぎるほど当然だと思います。まずそれが一点。  もう一つは、安全の問題でありますが、これは琉球政府の要請あるなしにかかわらず、アメリカがはたして毒ガスを完全に安全に撤去するかという監視と点検、この任務を帯びて、少なくとも日本政府から責任のある調査団を、あるいは監視隊を、点検団を早急に派遣していくということが当然考えられるのですが、この点についてはいかがでしょうか。
  40. 山中貞則

    ○山中国務大臣 毒ガス撤去に関する経費あるいは核を撤去させるための経費等について――核のほうは外交折衝できまったことでありますが、担当大臣の私としては、率直に言って不本意であります。不本意でありますけれども、先ほどもお答えしたとおり、何をしなければならないかということは、まずそういうものを持って出ていってもらうことなんだということを一番大切なことだと思っておりますので、そのためには、不本意ながらもしなければならないことはする。することについては、琉球政府に少なくともこれ以上心理的以外に犠牲をかけてはならぬというつもりでおります。  なお、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、正式な要請をやはり待ちたいと思いますけれども、ただいまの安全撤去のあり方、あるいはその具体的な搬出作業、積み込み作業等について、はたして付近住民は安心していいのかどうかの問題については、琉政では、今回はずいぶん前から琉球大学の専門家を中心に、その体制を整えてきておられますから、一応その心配もないとは思っておりますけれども、本土政府の責任においても、そういうものを派遣すべきであるということでありますならば、私のほうは喜んでその要請に応じたいと考えております。
  41. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 この件を申し上げますのは、きのう実は屋良主席に私会ったのです。屋良主席が行くのと行かないのとでは非常に違ってくる。それで副主席と交代して毎日行っているらしいのですが、監視されておる場合とそうでない場合と非常に違ってくる。そういう面でも、安全の問題についてと、さらに毒ガスがはたして彼らが言うように、全部撤去されているのかどうかという点検をあわせて、むしろ日本政府は責任を持って、金は出すが、何らの権限もないなどということになると、国民の血税をむだに使って、屈辱的な態度を堅持しなくてはいかぬということになるわけでありますから、この点は再び強力に要請いたします。  それから水の問題ですが、恒久対策としては二つになると思います。  一つは、先ほどから御答弁のあったような水資源の開発の問題であります。この点は触れません。  もう一つは、アメリカが基地を維持するために、現在本島の水資源を支配しておる。この水資源の支配を、沖繩県民を含む日本国民の手に返さない限り、いつまでも沖繩の水資源の開発はできないと私は考えます。きのう実は琉球水道公社に行って会いました。水道公社は資産の引き継ぎの中の一項目に入っておりますが、相変わらず琉球水道公社の財産とアメリカの水道局の財産が分かれております。ですから、この二つを含めて、いわゆる有償引き継ぎで無償で県民にやるということになっているかどうか、さらにアメリカの水道局に勤務している百五十名の第一種基地労働者がおります。非常に不安がっております。一体どうなるだろうか、はたして復帰後もいまのような状態が続いて、水道公社は移管されたが、相変わらずアメリカの基地を維持するために設けられておる水道局はそのままで、経営、管理はアメリカ自体がやるのかどうか、こういった点を明らかにしてほしいと思います。これはそうしませんと、いまの水資源開発の問題が片ちんばになります。要するに、沖繩県は日本のものなんです、アメリカのものではありません。したがって、日本国民が主体となって、水資源の開発に乗り出すという方向こそ基本でなくてはいけないと考えます。したがって、その意味で復帰後もいまのような状態でアメリカから水を買わされていくのか。いま一日に平均二十二万トンくらい消費しておる。この中でアメリカの使っている水の消費量と、さらに沖繩県民の使っている水の消費量、一人当たり幾らぐらい使っているかという調査が行なわれているかどうかの問題も含めて御答弁をお願いしたいと思います。
  42. 山中貞則

    ○山中国務大臣 現在の水の使用区分は、米側が三分の一使うことになっておるようであります。しかしながら、沖繩県民の水道公社から受ける水の一人当たりの消費量に比べて、これは正確な数字はあとで必要あれば申し上げますが、数倍に当たる消費量ということに一人頭で割ればなるわけでありますから、三分の一米側が遠慮しているということは言えないと私としては見ております。したがって、今度は、やはり人間として同じでありますから、復帰後はみんな同じように、水は生活のための必要なものとして分配をされるというように努力をしたいと思います。  さらに、資産の引き継ぎの問題については、主として大蔵、さらに外務というもので当たっておりまして、私のほうはタッチをいたしておりませんが、しかし引き継がれる資産については、現在の琉球水道公社というものは全部引き継ぐということでありまして、これは一括して全部引き継がれるもの、水については引き継がれるものというふうに私は承知いたしておりますが、詳しい点は、折衝に当たった省の大臣にお聞き願いたいと思いますけれども、私のほうでもそういうふうに持っていきたい、もし違っておる点があるとすれば、それは直したいと思っております。  従業員の問題は、別段問題はないと思っておりましたが、しかし過程において、現在の配電五社の新しい会社を設立する計画の中で、本土政府に対する要請の別の問題として、従業員を二分の一減らすような案がありましたために、非常に不安動揺が起こったと思います。確かに本土の電力会社――これは電気とちょっと混同しましたけれども、従業員の不安がありますとすれば、その不安はなるべく解消できるように努力をいたすつもりでございます。
  43. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 この点はまだ総務長官おわかりにならぬと思いますが、現実に水道公社とアメリカの水道局、あれは陸軍のポスト・エンジニアのところにあるのですポスト・エンジニアの中に水道局があって、この水道局に所属するいわゆる専用のパイプがあります。これは水道公社の財産と言っておらぬわけなんです。ですから、有償で引き継がれる場合に残るわけなんです。それと、水支配というものが一貫してずっと行なわれているという不安、それと雇用員もやはり水道局に百名ほどいる、こういった問題でありますので、この点は十分調査されて、長官の言われる、県民の信頼を受けるようなということをぜひ実現してほしいと思います。  それから次に、これは上原委員からも出されました軍港湾労働者が、きょうで七十二日くらいになりますか、私、きのう参りましたが、ストライキをやっている。これは那覇軍港、ホワイトビーチ、天願棧橋、三カ所です。三千人ばかりおりますが、問題をしぼりまして、退職金の問題ですね。これはあの協定の第七条ですか、財政支出の項で三億二千万ドルの内訳で、そのうち七千五百万ドルは退職金に充てるという説明がありましたが、この軍港湾労働者の退職金も、そのような中に含まれているのかどうか、これだけお答え願いたいと思います。
  44. 山中貞則

    ○山中国務大臣 この退職金の問題は、先ほどもちょっとお答えしましたが、第一、基準年次、計算年次が違っております。これもやはり一種、二種の軍労の方々と同じように、一九五二年を起算とした計算に直さなければならない問題であると思っております。しかしながら、いまの七千五百万ドルの退職金の本土政府に移った場合に、米側が本来負担すべきものの負担増というものを本土政府が見てくれというものの中には、この四種扱いを受けております港湾労働者というものは入っていないというふうに私は聞いておるわけでございますが、詳細は、その方面を折衝いたしました大蔵、外務のほうにお聞き取りを願いたいと思います。
  45. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最後に、この前、長官が、前国会のこの委員会でのお話があって、沖繩の科学者に対して、学術会議に対する選挙権を与えてもらうような法案が、前の国会に提出される、また、する、努力すると約束されました。それで、私あまり追及もしませんでしたが、こういった約束を果たされていないので、これは一体どういうふうになっておるのか、さらにどういうふうにしようと思われるのか、これはお約束が実現していない一例ですからあげたわけなんです。
  46. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私が在任中に約束して実現できなかったものは、この学術会議と公害の無過失賠償法の二つであります。  この学術会議については、法案提出までの過程において、与党との間に、私との見解の調整がつかなかったということが、率直に申し上げて、私の政治力あるいはまた私の人間性の欠如した点において、若干人格的に与党のほうからの理解がなかったという点があってもいたしかたのないことだと私観念いたしております。しかしながら、行政措置をもって、それと同じように、沖繩の政府の立法によって参加させることはできないだろうかということも検討いたしました。しかしながら、これはやはり本土の学者全体を含めての選挙でございますので、別な地域の立法によって、それと同じ参加した形の選挙を行なわれることは、学術会議法を改正しない限りはやはり無理だということになったわけであります。  そこで、今後復帰されましたあとの学術会議に対する、本来琉球側において選出されたほうがいいという方々のオブザーバーとしての参加についての検討、さらにそれに対する予算措置その他について、現在検討いたしております。もちろんこれは正式会員としての参加でございますから、それについてオブザーバーとして総会に出席するということについての予算が要ります。さらに、一般の部会に分かれて検討いたしまする際は、これはもう法律で選挙された方々ではありませんで、専門の学者は日本じゅうからそれに選ばれて参加するわけでありますから、その方面についても予算上必要な配慮はしてみたいと考えまして、公約の実現できなかったととをそのまま断念をしないで、目的を達成するためにいま努力をして、予算その他において実質上処理されるようにしたいと考えて努力をいたしておるわけでありまして、結論を申し上げますと、たいへん申しわけのないことでございました。
  47. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間が切れましたので要望いたします。  いま問題になっている沖繩の毒ガスの問題にしても、これが撤去された暁に、今度また核が撤去されるのかどうかという問題が出てくるわけなんです。水の問題にいたしましても、さらに基地労働者やその他の労働者や農民の問題にいたしましても、ほとんど対米折衝が中心となっていく。ですから、どこまでも日本政府がほんとうに独立した政府であって、主権を侵されないという立場であれば、屈辱的な態度はやめて、堂々と、アメリカに国民の利益と権利を守るために対決してでも解決していくという姿勢がなければ、沖繩問題は解決しないと私は考えておりますので、そういった点で努力してほしいことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  48. 床次徳二

    ○床次委員長 これから防衛庁長官に御質問をいただくわけでありますが、参議院の会議が少しおくれておったので、まだ到着されておりませんので、このままでもってしばらくお待ちいただきたいと思います。――それでは防衛庁長官が見えましたので、引き続き質疑を続けたいと存じます。中谷鉄也君。
  49. 中谷鉄也

    ○中谷委員 長官にお尋ねをいたします。  沖繩返還問題の基本的な問題というのは、七二年核抜き、本土並み、こういうふうに言われていること、これはもう公知の事実でありますが、そこで、核抜きということについて、あらゆる角度から多くの人が疑問を提起し、問題を投げかけたわけであります。そこで、きょうはそういう、従来からしばしばというよりも、常に質問をされている問題について最初お尋ねをいたしたいと思うのです。  質問の前提として二つあります。現在沖繩では、まず第一点、毒ガスの撤去について安全対策というのが県民あげての課題になっている、こういうふうな事実があるという点が第一点。第二点は、前防衛庁長官は、沖繩の核の抜かれたことについて、何らかの形において確認することが望ましい旨の答弁があり、その後政府においても、核が抜かれたことについて、県民の納得のいくような措置、方法によって県民の納得を求めたいと言われてきたことは、政府の従来の答弁であります。そういう二つの前提があります。  そこで、核の撤去、核抜きは、返還までに核は抜かれる、撤去される、そうすると、核撤去に伴う安全対策、これは一体どのように相なるのか、県民の知らないうちに、すなわちX日に、ある道を通って核が運ばれたということで、核がなくなったのですよということで、はたして県民、国民は納得するだろうか。核の撤去にあたっての避難あるいは安全対策というものが、県民の知らないうちになされていいことなのかどうか。核確認ということについて、少なくとも政府の答弁が動揺してきたことは事実であります。核点検ということについて政府の答弁が動揺してきたことは事実。しかし返還までのX日に、核が撤去されるという日に、県民が知らない間に核が運ばれる、そういうことでは、核搬出についての安全性というものは一体どうなるのだろうか。毒ガスについては避難対策というものを講じている。核兵器の撤去については、そのようなものは講ぜられておらないというふうなことで済むのかどうか。この点についてはひとつ、従来の答弁の経過があります。したがいまして、防衛庁長官に、核抜きという観点から、この問題についてお答えいただきたい。
  50. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 核抜きの問題は、衆議院の本会議でも総理からお答えをいたしたところでございますが、前中曽根防衛庁長官が、何らかの方法で、核のなくなったことを確認する適当な点検の方法等をできれば考えてみたいというふうに言われているわけでございますが、この問題は、総理が本会議でもお答えをしたところでございますが、点検という問題は、もとより相手方の了承を得て行なわなければならない問題でございます。この了承の問題が現在まで適確に進められている状況ではないようでございますが、しかし、なかなかむずかしい情勢にあると思います。総理が本会議でお答えをしましたように、核抜きということをしっかり了承をし、確認をするのには、佐藤・ニクソン会談の共同声明あるいはこのたびの返還協定等の文言から見て、相互信頼に基づくこのたびの沖繩返還という基礎に立って、十分核のないことを確認できると思うので、その点についての心配はしなくてもいいと思うという答弁を総理がしているとおりでございます。したがいまして、ただいまのところ、中曽根長官からの引き継ぎも簡潔に受けましたが、核抜き点検の問題は、なかなか実行可能ないい方法がまだ十分に見つからないという状況でもあるということでございまして、したがいまして、もとに返ってと申しますか、核のないことを確認できるのは、共同声明及び返還協定の文言によって確認できるということで、その点を措置をしてまいりたいというのが総理の考え方、政府の考え方でございます。そうして、核を撤去する場合の安全の問題につきましては、これは沖繩・北方対策庁及び外務省等ともよく話を聞いてみたいと思うのでございます。   〔委員長退席、池田(清)委員長代理着席〕 いま私どものほうでは、安全対策の問題についての情勢の知識を十分に持っておらないのでございます。
  51. 中谷鉄也

    ○中谷委員 核抜き確認ないしは点検について、政府の答弁が動揺し、ある面で非常に後退をしたことは、各委員会における質疑を通じて十分承知をいたしているわけです。  そこで、質問は最後の長官の御答弁の点に限定をいたします。毒ガスの搬出について、県民あげて安全政策の問題に注目をし、避難措置が講ぜられる中で、毒ガスの搬出が行なわれている。核について、核兵器が返還までに撤去される、すなわち沖繩から搬出をされるということは、したがって当然のことでなければならない。それが、県民の知らないうちに核兵器が搬出、すなわち撤去される、それも核兵器についての秘密ということから、県民にとってはやむを得ないことなのだというふうなことで済まされることに相なるのだろうか。だとすれば、これは結局核確認――きょうは核を運びますよ、だから避難してくださいということは、ある意味での核確認の問題でもありますね。そういう問題について、従来からの答弁の経過があります、したがって、防衛庁としては、長官としてはどのようにお考えになっておりますか。質問を次のように限定をいたします。県民が知らないうちに核を抜かれるとおっしゃるのですね、政府は。県民が知らないうちに核が搬出されるということもあり得るのでしょうか。
  52. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 その問題については、ただいまちょっと私からお答えを申し上げるだけの資料、知識がないわけでございます。
  53. 中谷鉄也

    ○中谷委員 防衛庁の局長、政府委員にお尋ねいたしますけれども、毒ガスについては安全対策というものを講じておりますね。これは毒ガスの兵器としての特性、そうして毒ガス取り扱い規則等、そういうふうなものを基礎にして安全対策というものが立てられたことは、これは言うまでもないと思うのです。核兵器についても、アメリカが核兵器についての取り扱い規則、これは決してマクマホン法のことを言っておるのではない。保安についての取り扱い規則というものがあることは当然のこと。そんなものを十分に守る。その前提としては県民の避難、退避という問題も出てくると思う。そういうことが行なわれずに核が抜かれるというようなことは、これは全く核が抜いてないのだということのむしろ重要な反論に相なると私は思う。核についての保安、安全に関する取り扱い規則、基準等については、防衛庁としては確認、把握しておられますか。
  54. 久保卓也

    ○久保説明員 最後の点だけまず申し上げますと、私どもではまだ確認いたしておりません。ただ、この問題は、返還以前に核兵器を撤去するという問題でありますから、まず外務省あるいは北方対策庁で主導されて、米側とどういうふうな折衝をされますか、その場合にわれわれのほうでお手伝いできることがあれば、米側からいま仰せられましたような安全規則などを入手いたしまして、どういうかっこうで御協力できるか、これは今後そういうことをやってみないとちょっとわかりかねるような感じがいたします。  なお毒ガスの場合には、たとえば爆弾の形をしておりましたものについて、落としてもだいじょうぶなようになっておりますが、御承知のように、ドラムかんなどの容器に入ったものがありますので、これは第一義的には毒ガスのほうが危険性がある。しかし核兵器などにつきましては、私どもが聞いておりますところでは三重くらいの安全装置がついておるそうでありますから、おそらくそのままでどうこうということはありませんし、かりに避難ということになりますと、これは言うまでもなく核兵器でありますから、非常に広範な避難ということになりまして、実現性がどの程度ありますか。いずれにせよ、核兵器についての知識は私どもございませんので、もし返還以前に外務省あるいは北方対策庁あたりで協議をされれば、私どもなし得る範囲の御協力は申し上げたい、かように思います。
  55. 中谷鉄也

    ○中谷委員 防衛庁長官に対してひとつ――佐藤内閣の従来からの方針、答弁があるわけでありまするから、ひとつ大臣としてお答えをいただきたいと思います。  要するに、核兵器がほんとうに撤去されるのかどうかという点について、疑問が投げかけられておるということは言うまでもない。繰り返し繰り返しわれわれは疑問を投げかけてきた。そうしてそのわれわれの疑問に対する一つの反論としては、確認という問題があるじゃないですかということを私たちは主張してきた。それについて政府の答弁は、最近になって後退をした。そうすると、唯一の確認できる方法というのは、核兵器が搬出をされるときに安全対策が十分に講ぜられたのだ。この安全対策の関係者というのは県民だと思うのです。  もう一度重ねてお尋ねいたしまするけれども、安全対策上、要するに県民がかかわってくる部分については、県民が知らないうちに核兵器が撤去されるなどというようなことはあってはならないと思うのです。そういうことはないということを私は確言をしていただきたいと思う。それを核兵器は三重の安全装置があるからだいじょうぶですよ、県民が知らないうちに撤去されてもいいのですよというふうなことで済ましていいのかどうか、この点に私は疑義がある。だとするならば、核兵器が陸上で運送される、搬出されるならば、県民の一メートルはたを核兵器が通っていくということがあり得ると思う。そんなことではたしていいのかどうか。この点については、安全対策というふうなことはこれは常識ですから、確認の一つの手がかり、方法として、核兵器の搬出が県民不知の間、知らない間になされるというようなことはおかしいじゃないですか。しかも核兵器についての安全取り扱いについては、十分配慮されなければならない問題だと思いますが、これは県民の知らないうちに搬出されるというようなことはないでしょうねというふうに聞いているわけです。これは外務省、対策庁、いろいろなところにかかわる問題であろうかと思いますけれども、私は、これはひとつ佐藤内閣として、この機会にお答えをいただきたいと思います。
  56. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 その問題、ただいまここで防衛庁長官としてお答えを申すだけの判断資料をちょっと持っておりませんので、残念ですが、後刻お答えをすることにさしてもらいたいと思います。
  57. 中谷鉄也

    ○中谷委員 じゃ局長にお尋ねをいたしますけれども、搬出が陸送になるのか空送になるのか、それともとにかくある部分が陸送で、それからは海上輸送ということになるというふうなことについては、防衛庁としては、政府としてはキャッチしていない、確認していない。どのような輸送方法がいいのかということについてはよくわからない。同時に核兵器についての安全保障に関する取り扱い規則、基準等についても、防衛庁、政府は確認、把握をしていないということとして伺わざるを得ないのでしょうか。そういうふうな状態の中における核抜きというのは、一体何なのかという疑問を私は提起をいたしたい。
  58. 久保卓也

    ○久保説明員 御疑問は私も同感できます。しかし、条件としては、いまおっしゃったとおりの現状であります。
  59. 中谷鉄也

    ○中谷委員 長官、後刻答弁をしていただくと言われたのは、そうすると要するに県民不在の中において、県民不知の中において核兵器が搬出されるというふうなことはあり得ないのだ、それについての具体的な措置を講じます、この点についての御答弁があるという趣旨ですね。
  60. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 そういうふうにはっきりした形のものになり得るかどうか、ちょっといま私ではお答えができないという意味でございます。
  61. 中谷鉄也

    ○中谷委員 あとは議論になりますけれども、そうすると核抜きということは一体何なんでしょうか。核兵器がとにかく毒ガスよりも危険度において低いのだ、保安安全等の取り扱いにおいて容易なんだというふうなことの立証というものはどこにもないわけですね。そういう状態において、毒ガスについて県民があれだけ恐怖している、あれだけ避難対策を講じておる。全県民あげて毒ガスについては事故のないようにということを願っておる。核兵器は、とにかく核抜きなんだから、出しますよといっている。それについては、とにかく何ら政府においては核が抜かれるときの方法、措置、安全対策、保安等についての基準もわからなければ、措置についての具体的な心がまえも対策も持っていないというふうなことは、核抜きということ自体を疑わしめることに相なりませんか。日米共同声明、返還協定、そしてその中にとにかく核搬出の費用を計上しているのだから、だから信用しなさいといったって、これは私はなかなか信用できないと思うんです。核搬出の費用の中には、安全対策費を含んでいるのでしょうか。
  62. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 あの対策費には、核撤去費というものが含まれておると承知をしておりまするが、それが安全対策費というもので含まれておるかどうか承知をいたしておりません。
  63. 中谷鉄也

    ○中谷委員 局長にお尋ねをいたしますけれども、撤去のときに安全に撤去するということは、撤去の基本的な原則ですよね。安全な措置をもその中に含まれているということになれば、この安全というのはだれに対して安全かとなれば、これは県民に対してというのが大きなウエートを占めてくる。だから逆にいうと、県民の協力なくしてこの安全確保ということはでき得ない。それを県民が知らないうちに核が撤去されるというようなことは、はなはだ不自然なことだということだけは局長御答弁になってしかるべきだと思うのです。それについて、県民不在の核撤去などということはおかしい。県民不在、県民不知の核撤去などということは、確認とか点検という問題とのかかわり合いもありますけれども、非常におかしいじゃありませんか、不自然なことではありませんか、好ましいことではないと思いますがということ。これは、一つの私の議論ですから、長官からこの点についてもう一度御答弁をいただきたい。
  64. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 核の撤去ということにつきましては、何と申しまするか、アメリカにおける核の扱いについての考え方があるわけでございますので、そういう点について、いわゆる核抜きの点検ということが、これはやりますれば相手方の同意を得るという意味で、なかなか困難で、適確な方法がいまのところまだつかめてないということを先ほど申し上げたわけでございます。そういう問題全体とからめて、核の撤去という問題が考えられるわけでありますので、いまおっしゃったような意味合いの問題に、いまちょっと私は適確にお答えできないということでございます。
  65. 中谷鉄也

    ○中谷委員 では問題を整理さしていただきます。核撤去というのは、十あるうちの三つだけ撤去、搬出をして、あと七つ残っているかもしれないという問題は、疑問としてあくまで残りますけれども、核の撤去が、搬出が、県民の知らないうちに、しかもそれが県民の安全とかかわり合いがあるにもかかわらず、県民が知らないうちに撤去される場合は、あってはいけないと私は思うのですが、この点についてはどういうことに取り扱いとして相なるのか。これはとにかくアメリカのほうのマクマホン法その他の法律の壁があるのだというような問題だって、政府だから答弁されるかもしれないが、その点について、県民が知らないうちに核が撤去される場合もあるのかないのか。そんなことは私はおかしいと思う。県民の認識のもとにおいて、しかも、県民が承知した安全対策が十分に講ぜられた中において、撤去さるべきだということについての答弁は、後刻していただけるわけですね。
  66. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 そういう点、後刻お答えさしてもらいたいと思います。
  67. 中谷鉄也

    ○中谷委員 だから、私は核隠しじゃないかという疑問を、そういう点から持つわけですが、別の質問に移ります。  今度の国会の中において、久保・カーチス取りきめというのがずいぶん議論をされているわけですが、私は、この取りきめとのかかわり合いにおいて、観点を変えて防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思うのです。この取りきめによりますと、特に当初展開、追加展開、要するに自衛隊の配置等について、詳細な取りきめがあるわけです。詳細といっていい取りきめがあると私は思うのですが、そういたしますと、従来の内閣委員会あるいは沖特、すなわち当委員会等において、われわれが知ろうとしてなかなか把握できなかった、防衛庁もこの点については答弁をなかなかされなかった問題の中には、沖繩における特殊部隊の問題というのが、私、あったと思うのです。そこで、久保・カーチス取りきめによって、返還当初の展開と追加展開、すなわち部隊配置については、ここで両国政府間においてこういう取りきめができている。そうすると、現在の時点において、アメリカの軍隊の展開、配置、すなわち特殊部隊を含む配置については、どういうふうなことに相なっているのでしょうか。  質問をさらに整理いたしますと、この取りきめは、従来詳細に政府は答弁しておられますけれども、自衛隊の展開についての取りきめである。これの米軍の展開というものについては、防衛庁はどのように把握しておられるのか、どのように承知しておられるのか、これが一点であります。それを私は、こういう取りきめをされる以上は、本日この委員会において、特に本土にないところのいわゆる特殊部隊の内容について、御答弁をいただきたいと思うのであります。ことに今日のこの時点において、当初展開されるべき特殊部隊というものはどのようなものを想定しているのか、これをひとつ御答弁いただきたい。
  68. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 防衛局長からお答えをさせます。
  69. 久保卓也

    ○久保説明員 現段階で防衛庁として米側と折衝し得ることは、米軍の基地の中で自衛隊がどういうふうに展開をするかという、そういった関連のことでありまして、したがいまして、自衛隊を沖繩に配置するに関しての米側との手続関係、そういうものはこの取りきめの中に入っております。  ところで、それと別個に、いま御質問の米軍自身はどうなるかということは、これは防衛庁としてさしあたって今の問題ではございません。たとえば日米の外交関係の問題でありますか、あるいは基地の提供という意味で防衛施設庁の関係に将来なりますか、いずれにせよ、現段階では米軍の関係は問題になっておりません。
  70. 中谷鉄也

    ○中谷委員 はたしてそうでしょうか。そういうふうな御答弁でいいのでしょうか。この取りきめは条件にかかっているわけですね。要するに、返還協定がまず批准をされ、そうしてその後、自衛隊についての各法が改正をされ、そうしてさらに予算的な措置が講ぜられたときのという、そういういわゆる条件が整備されたときのことが前提としての取りきめでございますね。したがって、この取りきめは、返還当初における展開、すなわち配備と、追加展開について、すなわちその後における配備について、取りきめがなされておる。だとするならば、今日の時点において、返還後、米軍、われわれが知りたい特殊部隊が、どのような内容を持ったものが当初展開されるのか、すなわち返還時において配置されておるのかということは、当然このうらはらの関係において御答弁あってしかるべきだと思うし、そんなことがなしに、自衛隊の展開だけが取りきめされて、米軍の返還当初における展開、配備についてはお答えができないというのか、内容を把握してないというのか、その点も私は明確にしていただきたいと思いますけれども、そういうことでは、従来予算委員会等において多くの委員が質問したように、一方的な取りきめじゃないですか。主権の侵害だと言う人もおりましたね。そういうふうなことも私は当たってくるのではないかと思うのです。ある意味においては、米軍の当初展開について、今日の時点においてお話ができないということは、非常に片務的な、一方的な取りきめだという印象を免れるわけにはいかないと私は思います。  いずれにいたしましても、特殊部隊、そしてそれの持っておるところの内容については、今日の段階において、御答弁はいただけるのですか、いただけないのですか。
  71. 久保卓也

    ○久保説明員 自衛隊が配備する部隊は、そこに書いてありまするように、施設とか防空とか、そういった部隊であります。したがって、いわゆる特殊部隊に相当するものは、わがほうには含んでおりませんから、自衛隊の部隊を配備したからといって、特殊部隊がなくなる、あるいは特殊部隊をどうするということとは、ちょっと関係がないのじゃないでしょうか。
  72. 中谷鉄也

    ○中谷委員 そうじゃないのです。なくなるとかなくならないとかいうことを言っているのじゃないのです。  そうしますと、いわゆる特殊部隊といっているのは、SR71戦略偵察機隊とか、第七心理作戦部隊とか、第三海兵師団などというふうな、本土にないものが沖繩に展開、配備されておりますね。そんなものの内容、兵員数、それからとにかく持っている装備、そういうようなものがこの取りきめとの対応において、私は、当委員会等においても明らかにされなければならない、こういうふうに申し上げているので、特殊部隊そのものがそういうふうに展開されることの、安保条約との関係においての、許容されるかどうかの問題は別に議論いたしたいと私は思いますが、その点については明確にしていただきたい、こう申しておるのです。
  73. 久保卓也

    ○久保説明員 私どものほうの部隊配備と関係なくして御説明いたしますと、もちろん情報として申し上げるわけで、実際には、たとえば陸軍情報学校がなくなりますことは、外務省側と米側との協定で進んでおるようでありますから、そのほかのものについて申し上げますと……
  74. 中谷鉄也

    ○中谷委員 御答弁中ですが、よろしいですか。では、たとえばSR71戦略偵察機隊というのは一体どの程度の部隊だ、どの程度の機数を持っている、そういうことで答えてください。
  75. 久保卓也

    ○久保説明員 SR71はたしか三機常駐をさせる予定になっていると承知いたしております。
  76. 中谷鉄也

    ○中谷委員 第七心理作戦部隊……。
  77. 久保卓也

    ○久保説明員 いわゆる心理作戦部隊、第一特殊部隊群と申しますが、兵力で約千二百人程度、これは規定でありますが、五個中隊を編成しております。
  78. 中谷鉄也

    ○中谷委員 海兵師団は……。
  79. 久保卓也

    ○久保説明員 海兵師団は第一海兵緊急派遣部隊でありまして、歩兵の部隊が三個連隊それから砲兵の連隊がたしか一個あったと思います。それからあとは第七心理作戦群、これが総計で約六百九十名、沖繩には五百三十七人というふうになっております。その組織もわかっておりますが……。
  80. 中谷鉄也

    ○中谷委員 質問を続けますが、いまおっしゃったような、いわゆる特殊部隊の内容、防衛庁は情報として把握しておられるものについては、資料として御提出していただけると思いますが、あとでお答えいただきたいと思いますが、私は、われわれのほうの、自衛隊の当初展開、追加展開が取りきめの対象になって、そして返還後における米軍の展開配備が情報としてしか把握できておらないという点が、私は、むしろ非常に問題があるのではないか、こういう感じがするわけです。この点については疑問を提起しておきます。  そこで、次の質問に移りたいと思います。返還協定の関係においてお尋ねをするわけでありますけれども、協定の了解覚え書きの中に、いわゆる提供する施設及び区域についてのA表、B表、C表があることは、これはもうわれわれその表について分析、検討いたしているわけでございますけれども、施設及び区域の提供というものの相当部分の仕事が、防衛庁にかかわってまいりますのでお尋ねをいたしますが、A表は、別段の合意をしない限り、引き続いてとにかく返還後も使用させるということに相なっているわけです。そこで、この「別段の合意をしない限り」ということは、A表を引き続いて使用することが返還協定調印のときにおいて原則になってくるわけですね、「別段の合意をしない限り」ですから。そこで、私は防衛庁長官にお尋ねをしたいのですけれども、米中の会談、雪どけというふうなものの中において、「別段の合意」というものが、返還までにさらにどんどんなされるべきだというのが私の主張なんです。要するに、「別段の合意をしない限り」ということは、逆に言いますと、とかく米中の間においてどんどん冷戦の状態がなくなっていく、ベトナムにおけるところの戦争状態がとにかく終結をするというふうな状態にあるにかかわらず、むしろこの了解覚え書きというのは、A表、B表、C表ということで、沖繩の基地を、この激動する国際情勢、雪どけ状態の中において固定化するものだという批判は免れないだろうと私は思うのです。返還協定を調印して、了解覚え書きをつくって、基地をA、B、Cに分けて、別段の合意をしない限りはA表については提供するんだというふうにしてしまったということは、私は、基地を固定化することに相なると思うのです。これは米中の非常な接近という状態、すなわちアジアの情勢の変化というものに、硬直したかっこうで、容易に対応しないものを持っていると私は思うのです。本日は、予算委員会等において質疑があったような、返還協定の再検討とか、あるいは返還協定の結び直しというふうな大きな議論は私はいたしませんけれども、私は、少なくとも防衛庁においてしなければならないことは、A表、B表、C表の見通しというようなこと、すなわちA表におけるところの、引き続き提供されるものというものについて、その中において復帰までに返還さるべきもの、すなわち、C表の中に繰り入れらるべきものは一体何であろうかということについての検討というものが、精力的に進められなければならないと私は思うのであります。県民感情として、米軍が使っておるゴルフ場というような問題が委員会において発言をされておると思いますけれども、そういうふうな問題も私は大事だと思いますけれども、さらに沖繩の持っているところの基地の機能というものが、激動するアジアの情勢に正しく対応するものでなければならないと思う。私は、四月一日までに情勢が変わると思うのです。その中におけるA表の取り扱いについて、長官はどのようにお考えになっておるか、この点についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  81. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 現在の状況から考えまして、ニクソン大統領訪中決定というようなことを考慮いたしまして、沖繩返還時における米軍の基地の使用の問題は、そのうちのA表の考え方でございますが、これは、状況の変化に応じては別段の合意をするということになってくるわけでございまして、いまの段階で、この際、早急にこのA表の部分のものをCなりBなりに移していくということを考える必要はないのではないか、さように判断をいたします。もとより、他の委員会でも申したことではございますが、基地はなるべく縮小をされることをわれわれとしては大いに希望をいたしておるので、いわゆる本土におきましても、占領終結の際における基地が、その後の経過においてどんどん縮小をしてきておるわけでございます。そういう意味で、基地の縮小については常にわれわれも心がけ、そういう話し合いをしていく決意でございますが、いまの段階で、A表について再検討をして、米軍と包括的な折衝をやるということではないというふうに一応考えます。
  82. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 上原康助君。
  83. 上原康助

    ○上原委員 私は、まず最初に、昨年の十二月二十一日の日米安保協議委員会において、在日米軍の縮小撤退の問題が合意になって発表されたと思うのです。沖繩もそれと関連をいたしまして、米軍の縮小撤退計画というものが発表されたと思います。現段階まで在日米軍がどう縮小され、どの程度の在日米軍が撤退をしていったのか。また、沖繩においてはどうなっているのか、そこいらを数字をあげてできるだけ簡単に、また正確に説明をしていただきたいと思います。
  84. 久保卓也

    ○久保説明員 在日米軍基地につきましては、三沢、横田、厚木、板付、横須賀の一部ということでありますが、三沢の場合に、第四百七十五戦術戦闘航空団が韓国に参っております。したがいまして、F4戦闘機が約七十機でありますが、これがことしの六月までに移動を終了いたしております。それから、同じく三沢のRF4Cというのが一個スコードロン、一個中隊米本国へ参っております。横田がF4の三個スコードロンが約五十機ばかり、これは二個スコードロンに編成し直しまして嘉手納に移動しております。なお、RC130一個スコードロン、これはすでに米本国に帰っております。厚木については、各種の雑用機及び西太平洋海軍航空部隊が西太平洋の他の基地に移っております。それから、板付は従来飛行機はございませんでしたが、日本側に返還されているということ。それから横須賀につきましては、SRF、艦船修理施設を返還予定になっておりましたのが、一応来年まで延びておるということであります。  それから、沖繩につきましては、約五千名の兵員及び一般の職員がこの六月までに縮小されるということで、その中にF102の部隊、これがすでに解体されております。それから、F105の部隊が一個スコードロン残っておりますが、これも近くおそらく解体した上でなくなる予定になっております。私どもの承知しておりますのは大体そういうことであります。
  85. 上原康助

    ○上原委員 沖繩の五千名というのは、私の理解する範囲においては軍人、軍属を含めてなんですね。そのうちの純然たる軍人は何名なのか。数字をお持ちでしたら説明をしていただきたいと思うのです。
  86. 久保卓也

    ○久保説明員 私どもが聞かされましたのは、いまおっしゃったようなことで、軍人、軍属が約五千名ということで、兵員の内訳は承知いたしておりません。なお、部隊をもう少し詳細に申し上げると、沖繩の場合にF102の部隊一個スコードロン、約三十機、これとそれから輸送航空団、C130の三個スコードロン約四十八機、これが解体いたしております。ということで、五千名の内訳は私どもは承知いたしておりません。
  87. 上原康助

    ○上原委員 そこで、長官にお尋ねいたしますが、時間が限られておりますので、自衛隊の問題について見解を賜わりたいと思うのです。  これまで再三再四、沖繩に自衛隊を配備をすることに対しては反対をする。県民感情からいっても、戦争に反対をするという立場からも、まかりならぬということを強く主張してまいりましたが、政府としては、その計画を変更する意思はないということでどんどん進めております。   〔池田(清)委員長代理退席、委員長着席〕 特に、先ほどもございましたが、国際情勢が緊張緩和の方向に大きく向かいつつある現時点でも、政府としては、六千八百名の自衛隊を配備をするということになお再検討を加えずに、しかも県民の要求、意思というものを無視した形で、あくまで強行なさるお立場にあるのかどうか、この点ぜひ新しい長官という立場での見解を含めて賜わりたいと思います。
  88. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 沖繩が返還をされました暁には、われわれが第一義的に沖繩の防衛を担任をいたすのでございまするので、そうした見地に立っての沖繩への自衛隊の配備をいたしたい。これに対して、地元の皆さんがいろいろな意味において反対の意向を表明される向きが多いことも承知をいたしております。戦前、戦中、戦後のいろいろな沖繩における困難な事情に基づきまして、反対の意向のあること、承知をいたしておりまするが、これはわが国の防衛、沖繩の防衛、自衛隊というもののいまの性格、実態、そういうものをよく御理解を願うようにお話しを申し上げ、御了承、御理解を得て配備を全ういたしたい。何でもかんでも無理やりにでもやってしまうのだという、そういう考え方ではございません。十分に御理解を得て配備をいたしたい、かように考えております。
  89. 上原康助

    ○上原委員 それでは、復帰後六カ月以内に三千二百名、さらに七三年の七月一日までに合計六千八百名を配備をするのだという計画ですが、それだけ配備をしなければいけない根拠ですね。沖繩の局地防衛というわけなんですが、一体だれから沖繩の防衛をするのか。先ほどあげましたように、アメリカの軍人が純然たる撤退をしていったのはわずかに千五百から千七百ぐらいだと思う。二千名足らず。そこに三千二百名の自衛隊を配備をするという。現に沖繩には五万余りの米軍がおります。軍事的な機密の密度、兵隊の密度からいうと、自衛隊を配備をすることによってますます高くなっていく。これは決して本土並みでもないし、ただ、北海道や福岡に自衛隊を配備をするから、沖繩にも本土並みなんだ、そういうような言い方では県民というものはとうてい納得がいかない。それだけ配備をしなければいけないという十分な根拠というものは一体何ですか。それを具体的に明らかにしてください。
  90. 久保卓也

    ○久保説明員 自分の国は自分で守るのが当然のように私どもは思いますが、そういう観点からいたしますると、沖繩は本土から非常に離れております。いざというときに救援に行くのが非常に困難であるという関係もあります。したがいまして最小限度の防衛の単位、それは置いておきたいという考え方であります。したがいまして、計算といたしますると、たとえば陸上の部隊で普通科中隊を二個置いておりますけれども、これは人員の見地から申しますると大体本土と同じ密度に置いております。しかしながら施設の部隊、これは民生協力ができます。それから航空関係、これはヘリコプターが主でありますけれども、これも急患その他急病人の輸送その他に当たります。そういったようなことで災害などに派遣し得る最低限度、施設科の一個中隊、航空部隊、そういうものを陸の関係としては置く。それから空の関係で申しますると、最低の単位と申しますとやはり要撃機の一個飛行隊。それからナイキ、ホーク防空ミサイルのそれぞれ一個単位、そうしますと、それぞれ一個群が配置される。幸い米軍の施設もありますので、それが利用できるということになります。それから海上の艦艇につきましても、第一線の艦艇はせいぜい三隻くらいでありまするけれども、これも離島間の輸送その他に当たり得る。ですから一応最低限自活し得る――自活と申しますか、最低限防衛し得る単位のものをそこに配置をしておきたい。ちょうどわれわれの旅行用のセットの中に、いろいろなものが小さくまとまって入っておりまするけれども、そういったものを配置をするということになっております。
  91. 上原康助

    ○上原委員 いまの御答弁では納得できないわけです。納得できないというよりも、むしろ理解に苦しむわけですが、時間がありませんので後ほど議論いたします。ぜし理解をしていただきたいのは、現在の自衛隊、いろいろな訓練や演習などで相当沖繩に行っているわけですが、現在やっている。もちろん私は、自衛隊を沖繩に配備するということには基本的に絶対反対です。自衛隊がどういうことをしているかというと、二十六年間アメリカは金網の中で、青い芝生の中で、県民の生命や財産を踏んだりけったりして、ほんとうに厚顔無知な態度でやってきた。現在の自衛隊は何ですか。アメリカの施設の中で、PXの中で免税品を買ったり、あるいはアメリカが使っているゴルフ場の中やレクリエーションセンターの中でふんぞり返っている。こういう態度を沖繩県民はまのあたりに見ているわけです。こういう自衛隊が再び沖繩に配備をされる。戦争中は壕から友軍のために引っぱり出されて、戦争のたまのたてになっていった、こういう思い出の中にある、ほんとうに戦争に反対をしている県民心情というものをまたまた踏みにじる形で、いま自衛隊を皆さんは配備しようとしている。あなたが言うように、旅行かばんの中に、お互いが旅行に行く場合に薬を入れたりいろいろな対策をする、そういうような感覚で自衛隊の問題を見る限りにおいて、ベトナムの二の舞いを踏まぬとも限らない。根本的に自衛隊配備について再検討をなさる御意思があるかどうか、この点は長官のほうからしかと承っておきたいと思います。
  92. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 自衛隊を、沖繩返還後自衛のために沖繩に配備をするということは、私どもはやはりなすべきことであると考えます。  ニクソン大統領の訪中決定というふうな事態に処して、現在考えておる計画を再検討する必要があるのではないかという御質問に対しましては、私どもが沖繩に配備しようとする自衛隊は、防衛のための最小限度の一つの単位、本土と相当に離れておるということを考えましての単位であることは、いま防衛局長が申し上げたとおりでございまして、膨大な自衛力を配備をしようということではございませんので、ニクソン大統領の訪中決定という、たいへん望ましい緊張緩和の方向の事態があるのでございますが、そのために、沖繩の、いまの自衛隊の配備計画を再検討をするということにはならない、その必要はなかろうとただいま考えております。
  93. 上原康助

    ○上原委員 時間がきましたので終えますが、ぜひ、再検討をする。そうして、県民の理解や協力なくして、幾ら力や武力で押しまくろうとしたってそれが功を奏するものではない。そのあやまちというのをお互い、日本は繰り返すわけにはいかないと思うのです。そのことを強く申し上げて、長官として再検討していただくように要望申し上げて、質問を終えたいと思います。
  94. 床次徳二

    ○床次委員長 瀬長亀次郎君。
  95. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私は最初に、いまの自衛隊の問題でありますが、自衛隊を六千八百人も派遣される、配置される、そのうち、沖繩出身の自衛隊員はほとんど全部沖繩配置の部隊になると聞いておりますが、階級別、出身市町村別に、沖繩出身の自衛隊員の名簿、これを当委員会に提出することができますか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。これは秘密でも何でもないと思うのです、試験をして募集するのですから。
  96. 久保卓也

    ○久保説明員 私の所管ではありませんが、もしそういったことによって、本人が不利をこうむらないならばけっこうだと思いますが、庁内で検討させていただきたいと思います。
  97. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 検討していただいて、すみやかにその階級別、出身市町村別――沖繩出身だけでいいですから、名簿を提出してもらいたいと思います。  次に、長官にお伺いいたしますが、前の中曽根防衛庁長官から屋良主席あて、こういった親書が送られております。これは自衛隊の性格などをるる説明して、関係市町村、いわゆる配備予定地域の関係市町村に対する調査団を送ったので、これに協力してほしいということが屋良主席あての長官の親書でありますが、屋良主席から協力を受けられたかどうか、まずはっきりさせてほしいと思います。
  98. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 ただいまの御質問の、防衛庁長官から屋良主席あての書簡につきましては、私ども承知しておりますが、これに対する返書は、まだいただいてないというふうに聞いております。
  99. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 返書ではなくて、協力を得られたかどうかということの質問なんです。これは協力してほしいという親書なんです。一言でいいのです。協力を得られませんでしたなら得られませんでした、得られましたのなら得られました、それだけでいいのです。
  100. 鶴崎敏

    ○鶴崎説明員 まだ正式の返事はいただいておりません。
  101. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 回答はできないということですね。  次に、それと関連いたしまして――屋良主席には防衛庁長官からの親書です。さらに、当該市町村長あてには内海次官からの親書が出ております。これに対しまして豊見城村長――この豊見城村は、目玉商品、かように宣伝されている那覇空軍基地、このミサイルサイトになっている瀬長島というのがあります。四万坪、これはほとんどが村有地である。これに対して、自衛隊が使うので協力を要請するということであった。これが六月二十五日の親書、これに対して七月一日に又吉豊見城村長は、これは村民のための土地にぜひしたいからお断わりするということで答弁書が出ておるはずであります。さらに七月十五日には、那覇市長も同じような立場から、都市計画、市民のための土地の開放を要求して、自衛隊の配備まかりならぬ、き然たる態度をとって答弁しております。こういったような広範な、県民が、しかも市町村長自体が立ち上がって、自衛隊が使う基地は絶対に提供しないという態度を示しておる。これに対して、自衛隊をあくまで力をもって配備するつもりであるのか。その場合、土地は市町村自治体並びに個人の所有地である。この所有権をも否定して、国家権力をもってこれを押えつけるという措置をとるのかどうか非常に不安に思っております。この点は、特に長官から答弁をお願いしたいと考えます。
  102. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 返還後の沖繩に自衛隊を配備いたしますことは、前々申し上げますように必要なことであり、いたさなければならないことと考えておりまして、あるいは長官の書簡、次官の書簡等でそれぞれの向きにお願いをしたのでございますが、いまお述べになりましたところについては、協力できない、反対であるという御返事をいただいておること、承知をいたしております。しかし、やはりさらにしっかりと私どもの真意、お願いを申し上げまして、御了解を得て、自衛隊を配備するようにさせていただきたいと切望をいたしております。力づく、無理やりにでもやる、そういうたてまえではございませんが、御了解をぜひともいただくように、われわれとしてなお一そうの努力をいたしまして、御理解、御了解を得て、自衛隊を配備させていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  103. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 私が申し上げておるのは、もう御了解、御理解の域は抜け出しております。すでに意思表示しております。しかも、市町村、自治体の長が、いかない、拒否する、これは皆さんすでに言われるように、安全、生活の保障、民主的権利、自治権、いろいろな問題を含んで、自衛隊にやるよりは、やはり開放させて、市町村民のためにこの土地を使ったほうがいいという断定に基づくものなんです。したがって、考えられることは、国家権力をもってやるといっても、法律がない。どういう法律をつくって、これを開放しないで、宿借り自衛隊とよくいわれておるような、アメリカの基地をちょっと譲ってもらって、そこにしばらく宿借りするというような方向でいくのか、あるいは自衛隊が使うという方向で、この土地は、自衛隊用のものにするということで特別立法がされるのかどうか。もし特別立法がなければ、あの返還の時点では憲法が適用されます。そして再契約ということになる。再契約はしない。契約権、これは憲法に保障された権利である。こういったような権利は、日本国民としての沖繩県民にももちろん与えられる問題である。こういったような憲法にも違反して自衛隊が配置されるとなると、そこには沖繩県民の望む返還ではなくて、むしろ基地を防衛するために自衛隊が行くということになる。  したがって、質問は、どういう法律をつくって土地をいままでのように使うか、強奪ということになる。この問題と、もう一つは、六月二十九日に日米協議委員会が行なわれて、その合意事項として、むしろ専守防衛などといったものはくつがえされて、アメリカの基地を防衛するということがはっきり出されておる。施政権返還前になぜこのようなことが行なわれなければならないのか。先んじて、そういった日米安保条約に基づく協議委員会で、自衛隊が基地を防衛する、いわゆる共同作戦、共同防衛という方向をなぜ打ち出さなければならないのか、この二点について、特に長官の答弁をお願いしたいと思います。
  104. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 繰り返すようで恐縮でありますが、私どもは、返還後の沖繩にはやはり自衛隊を配備をいたしたい、させてもらいたいという考えを持っておりまするので、いま協力できない、お断わりをするという御返事をもらった方面についても、さらにわれわれが条理を尽くしまして、御理解を得るということをやってまいりたいというふうに考えます。そうして、理解を得て配備をするようにいたしたい。  その次の御質問として、憲法に基づいてやる契約の問題をどうするんだというお話の点は、われわれが米軍に提供をいたしております土地も、返還後は、借りかえて提供をするということになるのでございまして、そういう点について、どうしても必要であり、合理的に考えても許容していただくことができそうだと思えるものについて、どうしても同意を得ることができないというふうな場合に、最後の一線として、法律的には、やはり特別の措置を考える立法をいたさなければならないこともあるかもしれない、そういう問題については、憲法に基づくものとしての措置をとることも検討をいたさなければならぬというふうには考えておりまするが、基本的には、あくまでもよくお話をいたして了承を得て自衛隊を配備させてもらう、米軍への土地を提供するということにさせてもらいたい、こう考えておるのでございます。
  105. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 もう一つ残ってますよ。日米協議委員会の問題、合意された件です。六月二十九日に行なわれたでしょう。なぜ一体、施政権返還前に、そういう安保条約に基づく基地防衛の合意をしたのか、ここです。
  106. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 これは、基地防衛の協定をしたという性質のものではありませんので、いわゆる久保・カーチス取りきめでございますね。これは沖繩が日本に返還をされましたときに自衛隊が配備をされる。現在はそういう仕事を米軍がやっておるわけでございまするので、米軍がいままでやっておったところへ、かわってと申しますか、かわるということばがちょっと語弊があるようでございますが、自衛隊が自国防衛という立場でここへ入っていく。従来は米軍がそれをやっておったわけでございます。その移りかわりの調整というものをやらなければならぬという意味で、この取りきめを行なった、こういうことでございます。
  107. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間が切れましたので、最後に、自衛隊六千八百人も配置されるという場合に、一カ年間の予算は幾らぐらいであるのか、四次防とも関係すると思いますが、この点が明らかにされなくてはいかぬ。それだけあれば沖繩県の経済復興というのはむしろ保証されるんだがという点は、県民の一致した意見なんです。したがって、六千八百人を配置するに必要な一カ年間の経費は幾ら組まれておるのか、あるいは組もうとするのか、この点を明らかにしてほしいと思います。
  108. 久保卓也

    ○久保説明員 年間約二百億、五カ年を通じて約千百億であります。
  109. 床次徳二

    ○床次委員長 次に、外務大臣に対する質疑に入ります。大村襄治君。
  110. 大村襄治

    ○大村委員 全日本国民の悲願である沖繩の祖国復帰は、先ごろ調印されました沖繩返還協定の国会による承認と効力発生なくしては実現しないのでありますが、この協定への反対とか、あるいは再交渉せよとかの主張が、わが国の一部にあるようでございます。このような主張のとおりとすれば、沖繩の返還が不可能となるか、あるいは大幅におくれて、沖繩県民を含む全日本国民の悲願とは全然逆に、異民族支配がこれからも続くということになるおそれがございます。  そこでお尋ねしたいのは、ニクソン大統領の中国訪問の声明が発表されました昨今の情勢下におきまして、沖繩の返還がいつまでも実現しなくなるということになるとすれば、日米両国のみならず、アジア全体としても好ましくないと思うのでありますが、外務大臣の御所見をお尋ねいたします。
  111. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 お答えをする前に、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、全くはからずも、外務大臣の臨時代理を仰せつかりまして、皆さまとこうしていろいろおつき合いをすることになりました。どうかひとつよろしくお願いいたします。  ただいま御質問の点でございますが、ニクソンの訪中、これは極東の緊急緩和にとってまことに望ましいことでございまして、かねてから、すでにもう調印が済んでおります沖繩返還協定によい影響はあっても、悪い影響は考えられないと思います。したがいまして、この協定調印後における両国間の立法手続がまだ残っておりますので、その立法機関の審査を経て、できるだけ早い時期に、わが国民全体の悲願である沖繩返還が実現される日を、われわれとしては大いに期待しておる次第でございます。
  112. 大村襄治

    ○大村委員 政府の沖繩返還交渉のいわゆる三原則の筆頭である核抜きの点につきましては、一部には種々疑念が表明されておる様子でありますが、ニクソン訪中声明の発表に見られますとおり、対中国関係の改善を目ざす米国としては、日本政府への約束に反してまでも、沖繩に復帰後核を隠し持っていると思われますかどうですか。外務大臣といたしまして、核抜きがはたして協定どおり実現するかどうかにつきまして、所信をお尋ねいたします。
  113. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 もうすでにいま述べられましたとおり、沖繩返還についての三つの基本がございます。その中でも国民の最も懸念するところの核抜き返還、これは、もうすでに御承知のような共同声明第八項で両国政府の最高責任者が確約し、それに基づきまして、今回調印されました協定にその明文がございます。条約文として規定されております以上、この核抜きが何らの疑惑なしに実施されるということについては問題はないと思います。
  114. 大村襄治

    ○大村委員 次にお尋ねいたしたい点は、核抜きと並んで三原則の重要な原則でありますところの本土並みの点についてであります。  この本土並みの点につきましては、すでに調印のときまで担当されました愛知前外務大臣から、現在米国の施政権のもとで自由自在に米軍が使用している沖繩の米軍基地が、復帰後は安保条約の適用を受け、事前協議制のもとに置かれ、本土にある米軍基地と全く同じ地位に立つことが本土並みである、そういう意味であるという説明がなされ、私もそうだと思うのでありますが、米国政府といたしましても、中国との関係改善にあたりまして、沖繩の基地を本土並みとすることが、ニクソン声明に見られる新しい米国政府の方針下における趣旨にも沿うゆえんであると思うのでありますが、外務大臣、その点はどう思われますか、御所見を承りたいのであります。
  115. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 施政権が返還されると同時に、日米安保条約及びこれに関連する取りきめが完全に沖繩に実施されると思います。したがいまして、そういう意味において、本土並みは何ら疑うところがございません。ただ、よく本土並みの意味合いにつきまして、本土と基地の規模、密度が異なるから、本土並みの実現でないというような御意見もございます。私は、沖繩の県民の方々及び国民の心情からすれば、まことにもっともな御意見だと思います。これは、本土における基地が、二十年以後において現在の規模、密度に減少したことを考えまして、返還実施の当初においてはまだ実現されておりませんけれども、施政権が返還された後において、わが国の積極的な努力によりまして、米政府とその面についての実現を重ねていきたいと考えております。
  116. 大村襄治

    ○大村委員 沖繩における基地の量的な問題あるいは密度の問題につきましては、後ほどまたお尋ねいたしたいと思います。  そこで、次に三原則の一つの柱でありますところの一九七二年内の返還の問題についてでありますが、ニクソン訪中発表後の新情勢において、政府のいう一九七二年返還の方針に支障を来たすようなことは、私は万々一にもないと思うのでありますが、はたしてそうでありますか、外務大臣の御所見を承ります。
  117. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、ニクソン訪中によって沖繩返還の実施時期に何ら影響ない、こういうことを確信しておりますが、これは私の私見でございますけれども、こういうニクソン訪中によって生ずる緊張緩和が、むしろ沖繩返還の問題にいい影響があるのではないかということを考えております。
  118. 大村襄治

    ○大村委員 先日も当委員会におきまして、返還の実施の時期については、日本政府としては明年の四月を強く要望していると申しますか、要請しているというふうなお話があったわけでございますが、これは、両国の今後の国内の国会における手続の進行状況、その他関連するいろいろな準備にまつ面があると思うのでございます。  重ねてお尋ねいたしますが、ニクソン訪中発表後の新情勢下において、日本政府としては四月を中心に進めておる、その点については何ら変わりはないと解してよろしいかどうか、お尋ねをいたします。
  119. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 たびたび政府から申し上げておりますとおり、一九七二年中のできるだけ早い機会に返還を実現するということに変わりはございません。しかしながら、この協定についての両国側の立法手続もございますので、ただいまのところ、いずれの時点を目標にして――もちろんわが政府側ではできるだけ早い機会というので、来年の四月一日を目途として、国内の手続あるいは日米間の交渉を進めておることは当然でございますが、いまだその時期について確たるめどを申し上げる段階ではございません。
  120. 大村襄治

    ○大村委員 いずれにせよ、協定はすでに両国政府によって調印されたのでありまして、それぞれの国会の審議を控えている現段階でございます。ただ、協定発表後の国内世論の状況を見ておりますと、一部には反対の向きもあるようでございますし、また変更論もなきにしもあらずのようでございまするが、概しては協定そのものをすなおに受けとめ、民族の悲願である早期復帰の実現を強く期待するという点では、一致を見ているのではないかと思うのでございます。ただ、沖繩の米軍基地の合理的な整理縮小を引き続いてやってもらいたいという声は強いように思われるのであります。また、屋良主席が協定調印の発表をしました声明書を見ましてもいろいろ不満足の点を述べられておりまするが、一番重点を置いているのは、やはり米軍基地の合理的な整理、縮小をさらにやってほしい、こういう点に重点が置かれておるように見られるわけでございます。  そこで、幸か不幸か、協定調印後、ニクソン大統領の訪中声明というふうな、調印当時においては予想されなかった新しい事態が生じておるのでございます。一番大切な相手国である米国政府のアジア外交の大きな転換も見通されるのでございますので、政府といたしましてもそういった情勢を踏まえまして、米軍基地の合理的な縮小という点にさらに努力をしていただくのは当然ではないか。何も一たん調印された協定なりその付属文書を、いますぐ書きかえろと私は申すのではございませんが、付属交換公文のA、B、Cの項目を見ましても、返還後も引き続き提供するもの、それから少したってから返されるもの、直ちに返還されるもの、それぞれ分類されてリストがあがっている。それによれば、直ちに返還されるものはそれほど多くないようでございますが、次第次第に必要のなくなったものから返していくという考え方はうかがわれるのであります。協定調印当時の時点においては、それでやむを得なかったのかもしれませんが、さらに新しい情勢の展開に伴い、返還が実施されるまでのときにおきまして、そういったものが、さらに現地島民なりあるいは日本国民全体が希望するような方向に進むことが望ましいと思うのでありますが、そういった点につきまして、外務大臣の御所見を承りたいと思うのであります。
  121. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 沖繩の本土並み返還、本土並みという意味、内容にいろいろ広がりがございます。日米安保体制上の本土並み、これは確かに共同声明と今回の日米間における沖繩返還協定によって明示されておりますからこれは実現し得た。しかしながら、これは沖繩県民の方々のみならず、私ども全国民の当然の希望としまして、沖繩の基地が、密度といい規模といい、本土と同様な縮小過程をたどるべきだということについては私どもも同感でございます。しかしながら、現在置かれた沖繩の立場から申しまして、これを直ちに実現することは言うべくしてなかなかむずかしいということも御理解のとおりでございますが、ただ、今後このニクソンの訪中が、アジアにおける緊張緩和と申しますか、インドシナ戦争の収拾に大きな一つの促進的効果をもたらすということは一般的にも考えられます。そういうような国際環境の改善の中で、沖繩の基地機能というものを一体どういうふうに見ていくべきか。これは、いずれ米国政府も米軍も当然これは考えてまいるであろうと思いますから、そういう意味合いにおきまして、われわれ日本側が考えております沖繩の基地の整理縮小ということは、ニクソン訪中によって、これはある意味においては非常にいい結果をもたらすのではないか、こういうふうにさ、え考えておる次第でございます。
  122. 大村襄治

    ○大村委員 私も日米安全保障条約が存続する以上は、沖繩に必要最小限の基地が復帰後も存続することは当然であると考えるのでございますが、その必要最小限の認定の範囲が、時勢の推移によって、弾力的に変動があるということも当然ではなかろうかと思うのでございます。そういった事柄をも踏まえまして、今後政府としましては、返還協定の実施に至るまでの間におきまして、さらに基地の合理的な整理、縮小また返還される基地のうち、沖繩の復興にあるいは民生の安定、産業の振興に寄与するものが少なくないと見受けられますので、そういった点につきまして、一そうの努力を払われんことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  123. 床次徳二

    ○床次委員長 上原康助君。
  124. 上原康助

    ○上原委員 まず最初に外務大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、すでに議論されておりますように、米ニクソン大統領の訪中の正式決定が報道されて以来、国際情勢、特にアジアの緊張緩和、目まぐるしく変動しつつあります。  そこで、これまでもいろいろ本会議あるいは予算委員会等での政府の御見解は出ているわけですが、特に中国問題についてなぜここまで――米国側が米中の国交正常化に向けて接触をする、あるいは大統領の未承認国訪問という正式決定を打ち出すまで、非常に奥深く話し合いが進められておった。日米協力関係、日米の友好関係ということをことさら強調してきた日本の立場からすると、あまりにも頭越しといいますか、無視された。なぜそういう情報なり、適確につかんだ日本政府としての外交というものをおとりになれなかったのか、一体外務省としてどういうところに一番欠陥があり、また問題があったのか、そこらについて。私はまだ政府の見解というものは出ていないと思うのです。その点が一つ。こういう対米従属といいますか、あまりのアメリカ一辺倒の外交姿勢というものを今後改めていくにはどういう姿勢で、外務省として、担当省としてやっていかれるお立場なのか、そこらからまず質問を始めていきたいと思います。  最初にその二点についての大臣の御所見を賜わっておきたいと思います。
  125. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 率直なところ、このニクソン訪中の知らせを受けましたときに、やはりアメリカはアジアの国でないということを感じました。そう申しますのは、わが国と中国との関係、きわめて近接の、地理的にもまた歴史的にもつながりが多い関係でございますが、一方アメリカは、確かに朝鮮戦争、それと、これに続くベトナム戦争の結果、米中間は断絶をいたしておりましたけれども、しかしながら、わが国と違って、かつて戦争状態になかったという点から、御承知のように百三十六回にわたる米中大使同士の接触すら続けられておった。いわばわが国は、経済的あるいは人的交流においては、アメリカに十歩あるいは十数歩進んでおったにかかわらず、アメリカは、経済、人的関係においてはおくれてはおりましたけれども、そういう政治接触の面については、すでにわが国より先にそういう関係が継続されておったというような基礎的な面はございます。しかしながら、いずれにいたしましても、中国問題に対する日米両国政府の連絡協議は、当然密接に行なわれてしかるべきものでございます。今回のニクソン大統領の訪中は、率直に申しまして、私自身もきわめて遺憾に存じます。しかしながら、今回のニクソン訪中がきわめて隠微のうちに、最高の機密をもって行なわれなければならなかったというその事情も、よく私どももわきまえておりますが、いずれにいたしましても、このニクソン訪中が、アジアの緊張緩和、特にベトナム戦の収拾にたいへん大きな役割りを果たして、それが、アジアにおける緊張緩和、また、わが国の各方面の外交政策にいい影響をもたらすということは、これは確実でございます。そういう面におきまして、十分このニクソン訪中のこのニュースを今後は活用いたしまして、なお、今後における日米協調の線は、この根本だけはゆるがせにしないで、今後も続けていきたい、こう考えております。
  126. 上原康助

    ○上原委員 いま政府のかなり苦しいお立場の御見解があったわけですが、一つには、私はやはり日中の国交正常化の問題というのは、今日までの日本政府のとってきた外交姿勢にあると思うのです。あまりにもかたくなな反社会主義、反共産主義政策をとってきた、そこに大きな原因があると思うのです。たとえ社会主義国であろうが、あるいは主義主張の違う国家であろうが、アジアの近隣諸国という立場で、絶えず強調なさる国益の問題、そういうことをほんとうに的確かつ正確に考えた場合には、もっと積極的な社会主義近隣諸国との国交正常化の問題、緊密化というものをとるべきだったと思うのです。それをやらなかったがために、今日のおくれといいますか、国民が非常に大きな衝撃を受ける結果になっている。したがって、一口に言いますと、そういう従来の反社会主義、反共産主義国的立場に立った外交姿勢というものを、根本的に改めることが、私はやはり今日日本のとるべきほんとうの外交のあり方であり、政治のあり方だと思うのです。この件について再検討なさるお考えがあるのかどうか、次の議論と関連いたしますので、見解を賜わっておきたいと思います。
  127. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 わが国の外交の基本といたしまして、政治信条または社会体制の異なる国とも同じように仲よくつき合っていきたい、これが外交の基本的態度でございます。したがいまして、社会主義体制をとっております東欧共産圏諸国その他とも、御承知のような緊密な外交関係を結んでおります。そういう意味において、いま御指摘になりました近隣の共産圏、たとえば中華人民共和国政府あるいは北鮮人民共和国政府との現在のあり方は、いろいろな歴史的経緯はございましょうが、今後わが国としては、そういう面においても、先ほど申し上げました外交の基本方針にのっとって、その打開を進めていきたいという方針に変わりはございません。
  128. 上原康助

    ○上原委員 大臣、お時間になったらどうぞ、いいですから。  いま、外交に対しての基本的な姿勢というのは、主義主張の違った国とも仲よくやっていくのだ、そういう面で努力はしてきたが、過去の経緯があるので、朝鮮民主主義人民共和国あるいは中華人民共和国との関係がまだ十分でなかったということですが、ことばの上ではそういうお立場でやったかもしれない。しかし現実に日本政府がとってきた対米一辺倒の外交姿勢からして、たとえばベトナム問題あるいは台湾問題、そうして沖繩問題、そういうところに、中華人民共和国やあるいはアジアの近隣諸国から大きな不信と疑惑というものを持たれてきた。そこらをやはり改めていかなければいけない段階にあると私は思うのです。これはあえて質問とはいたしませんが、御見解があれば賜わりたいと思います。  そこで、ニクソン大統領が訪中を正式に発表なされて以来、アメリカは次々と新たな手を打っております。すでに御案内のように、米上院の外交小委員会では、台湾防衛決議というものを廃棄する、あるいはまたけさの報道によりましても、中国の国連加盟の問題についても、代表権の問題にしても、中国に常任理事国のポストを与えなければいけない、そういうことまでいま進行しつつあるわけですね。これらの問題については、発表されて以来、政府としてはどのように日米の接触を保っておられるのか。また、いま報道されておる諸問題について、特にこの九月に予定をされている国連総会において、中国の代表権問題あるいは常任理事国のポストへの問題等について、どういう立場で政府としては自主的、主体的にお考えになっておられるのか、この点について御見解を賜わりたいと思います。
  129. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 ニクソン訪中発表以来、ワシントンにおきまして、わが牛場大使とロジャーズ国務長官との間に連絡が行なわれておりますが、この国連代表権の問題についての政策決定は、アメリカ側でもまだ結論が出ておりませんようです。わがほうではいろいろこれに対する対案は目下外務省で行なっておりますけれども、まだまだそれについての結論を出すに至っておりません。当然のことながら、主体的に自主的にこれに関する政府の政策決定を行なうべきものでございますが、いずれにいたしましても、国連という多数の場で行なうことでございますので、国連の場において、それにたえ得るような案でなければならないということは当然でございます。この国連に対するいろいろな方式につきましては、友好諸国と目下連絡協議中でございます。できるだけ早い機会に、国連における中国代表権の問題についても結論を得たいと努力中でございます。
  130. 上原康助

    ○上原委員 現段階で中国の国連代表権問題についての政府の御見解というのはまだ結論を出していない、あるいはまた、報じられているアメリカの言い分も結論じゃないんだ、在米大使館を通しての接触では。そうしますと、政府としてはいつごろまでにこの問題に対しての御見解をおまとめになる御予定なのか、そこいらはどうですか。
  131. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、これは多数の場における決議案でございまするので、その決議がどういう表決の結果になるかということも含めて、慎重に検討しなければなりませんので、まだどういう時期にその政策決定をするかについては、ここで確かな見通しを申し上げることは差し控えたいと思います。
  132. 上原康助

    ○上原委員 そこで、いまの日中国交回復の問題とも関連をいたしまして、沖繩問題に触れてみたいわけですが、ニクソン大統領の訪中という、いわゆる緊張緩和といいますか、やはり平和的な話し合いでしか国際的問題やすべての問題が解決しないという、まあアメリカにとってはベトナムでの敗退、いろいろ背景はあるでしょうが、アメリカみずからがベトナムで苦心をした、敗戦をしたそれを私はアメリカが悟ったと思うのです。そういう観点から考えた場合に、当然、沖繩問題というものも、先ほどもいろいろ議論がございましたが、今日の時点でもっと大局的、平和的な立場から問題の解決というものをはかるべきだと私は考えます。特に一昨年、六九年の十一月の共同声明というものは、沖繩の軍事基地の必要性、その重要性というものを大前提にしている。第四項においても明らかであります。台湾、韓国の防衛と安全はわが国にとっては重要な要素なんだ、そういう前提での沖繩問題、日米の沖繩のとらえ方、さらに六月十七日に調印された返還協定といたしましても、共同声明を基礎にした、上に立っての確認で協定を結ぶんだというふうになってきております。そういう面から考えますと、県民が現在の返還協定のあり方や、共同声明路線下に反対しておる。このことは当然再検討なりあるいは新しい角度、観点から考えて、沖繩問題を政府としてはおやりになっていかなければいかないという、新しいアプローチというのが出てくると私は考えるわけですが、その点に対しての大臣の御所見なりあるいは御見解、御意見というものは、どういうお立場をとっておられるのか、承わっておきたいと思うのです。
  133. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 共同声明路線というおことばをお使いになりましたが、共同声明の中で、いわゆる韓国の問題、台湾の問題に触れております。これは当然、日米安保条約の体制におきまして、特にまた、日本自身の防衛の立場に立ちまして、朝鮮半島における緊張、または台湾海峡おにける緊張が、わが国の平和と安全に関係ないとは言えない、これは、現在も私ども考えを改める必要は認めておりません。ただ、御承知のように、共同声明といい、あるいは条約といい、日米安保体制といい、すべてこういう条約機構というものは、それを取り巻く国際環境というものが前提になっております。したがいまして、たとえば今回のニクソン訪中によって、ベトナム戦がきわめて急速に収拾されて、それがアジアにおける緊張緩和をもたらすことになれば、そこから生ずる日米間の共同声明の意味合いまたは日米安保体制の実質面における運用も、おのずから異なってくるものが出てくると思います。そういう意味におきまして、私は、重点を置くべきことは、そういう共同声明の文脈あるいは条約の条文でなしに、それを取り巻く国際環境を改善する努力、これが一番重要なことだと私は思いまして、今後も政府の外交方針の基本に、緊張緩和というものを置いていかなければならぬと思います。
  134. 上原康助

    ○上原委員 考え方、御見解としては理解できないわけでもございませんが、しかし、両国間の取りきめというのは、やはり条約ですから拘束される。私が申し上げたいことは、特に共同声明の第四項においては、ちょっとだけ引用いたしますが、いわゆる「韓国の安全は日本自身の安全にとって緊要であると述べた。総理大臣と大統領は、中共がその対外関係においてより協調的かつ建設的な態度をとるよう期待する点において双方一致していることを認めた。」ここに、そのあとに、まだ台湾の問題がございますが、朝鮮半島、台湾海峡の問題と中国の国際社会における日米の見方というのは、はっきり出ているわけですね。国際情勢がこれだけ大きく変わった。はっきり言いますと、日本の総理大臣とアメリカの大統領の国際情勢の判断さえその時点では誤っておったといっても過言ではないと思うのです。これだけ大きく変動している中で、沖繩の軍事基地の過去の経緯というものを大臣も重々おわかりでしょう。一九五〇年の朝鮮戦争の勃発によって、あれだけの軍事基地というものが恒久化されてきた。そういう面からすると、やはり単に政治的な考え方なりことばの上でのことじゃなくして、ほんとうに沖繩県民の要求している復帰というものを実現していく、そういう立場に立ったならば、現時点で取りかわした条約そのものを直ちに廃棄をするとか、あるいは改めるということはいろいろむずかしいでしょう。しかし、進展しつつある情勢の中で県民の立場というもの、国民の要求というものをいれる外交、政治というものを考えた場合に、共同声明や調印された協定にこだわりなく、沖繩問題に対しての新たな解決方策というものを探求していく、また積極的に進めていくというのが、私は、政府のとるべきほんとうの沖繩に対しての償いであると同時に、国民に対してのいろいろ疑惑を持たれている問題を解決する姿勢でなければいかないと思うのです。この点についてはどうお考えですか。
  135. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 やはり沖繩返還、これはもう当然、施政権が返ることでございますから、施政権を返してから、今後における沖繩基地整理縮小を含めて、沖繩の実態の改善ということは、当然政府としても取り組まなければならぬ問題であると思います。ましてや緊張緩和、国際環境の改善ということになれば、たとえば日米共同声明にうたっておりますベトナム再協議、あの条項はいまや有名無実になっております。これもそういう環境改善を通じて、共同声明なり条約のある条項が、ある意味における死文になりつつあるということの証左ではないかと思います。
  136. 上原康助

    ○上原委員 時間がまいりましたので、返還協定の中身やその他に触れるゆとりはございませんが、少なくとも県民の世論調査を見ても、七一%、ないし七五%は基地の撤去ないし反対をしている。なぜそういう県民の強い要求があるかということと、現在の沖繩の実態というものを十分御理解をいただいて、沖繩の問題が県民の立場に立って、あるいは国民のほんとうに求めている平和の方向での解決策というものを強くやっていただくように要望申し上げて、私の質問を終えたいと思います。
  137. 床次徳二

    ○床次委員長 中谷鉄也君。
  138. 中谷鉄也

    ○中谷委員 二点だけ整理をしてお尋ねをいたします。  ニクソンの訪中が沖繩返還にいい影響を及ぼすというお見通しを大臣はお持ちであります。なお、そのいい影響の具体的内容については、先ほど若干御答弁がありました。そこでお尋ねをいたしますが、いい影響というのは一体どのようなものでしょうか。そして、それは単に基地の区域の整理縮小ということにとどまらず、現に沖繩の米軍、いわゆる特殊部隊等の撤去というふうなものにも、いい影響として見通しさるべきではなかろうかというのが私の質問の第一点であります。それに関連をいたしまして、米中の会談というふうな事態の中において、米軍の特殊部隊の撤去を日本のほうからあらためて求めるというふうなことは、日中の関係にむしろプラスすることではないかというふうな感じも私は持つわけです。この点について御答弁をいただきたいのが質問の第一点。  第二点でありますが、第二点は、いわゆる核抜きの問題であります。核が抜かれたということを国民、県民に少なくとも納得のいくような措置をとるということは、政府の答弁として一貫した御答弁であったと私は思います。これは防衛庁長官にもお尋ねしたのでありますが、現在毒ガス搬出について、県民に対する安全避難等の措置について、関係者ずいぶん努力をいたしております。核が撤去されるにあたって、そのような安全保安の対策というもの、要するに県民が知らないうちに核が撤去されるということはおかしい、これが私の考え方、これは確認にもつながっていくではないか、納得のいく措置にもつながっていくではないかというのが私の考え方であります。この二点について、たいへん残念でありますが、再質問ができませんので、お答えをいただきたいと思います。
  139. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 まずニクソンの訪中が沖繩返還にいい影響があるではないか、こういうことを私も申し上げましたし、中谷議員もそういう御指摘、まず一般的に申して、緊張緩和が実現するのですから、それがいい影響をもたらすことは言えると思います。具体的にしからばどういう影響があるか、これは先ほど上原議員の御質問にも答えましたとおり、もうすでに共同声明のベトナム再協議の事項が空文化しておるということ。  それから、これは政府として言うべき筋ではございませんけれども、これは私の個人の推測としてお聞き流し願いたいのです。米議会におきまして、沖繩返還協定の批准について、いろいろ反対の意向があることは十分察せられますが、その中で、この米中関係の緩和とともに、沖繩の基地の地位、機能が一体どの程度強く主張されるかということは、米議会の軍事委員会の方々の御意見であったようでございます。そういうような一つのトーンといいますか、それがやや下がるのではないか、これは私個人の推測でございますが、そういう意味で、この返還協定の米議会における審議がはかどるのではないかというようなことを、少し言い過ぎではございますが、申し上げたいと思います。  また、それによって、今後沖繩における特殊部隊の撤去が進むのではないか、もちろん安保条約関連取りきめに反するような特殊部隊は、返還と同時に撤去されます。したがいまして、たとえば中国を指向しておるような特殊部隊、これは私はあえてそういうことは申し上げられません。それはわれわれの言うべきことではないのですが、もしそういうような特殊部隊がありとすれば、それはこの米中緊張緩和によって、米軍の判断によってある時期にその機能が減少されるであろうということは、当然予想されると思います。これは政府の見解としてはお聞き流しを願いたいと思います。
  140. 中谷鉄也

    ○中谷委員 御答弁が残ったようですけれども……。
  141. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 ちょっと一点申し上げるのを忘れました。核抜きの問題、これはもうすでにたびたび申し上げましたとおり、共同声明の八項、それに基づく条約文の明記によって、私どもは確信を持っておりますが、ただその際に、いろいろ国民感情等もございましょう。その面についてどういうような措置をとられるかということは、今後日米両国政府間で公式に取り上げるべき問題ではございませんけれども、今後いろいろ相談をしてまいりたい、こう考えております。
  142. 床次徳二

    ○床次委員長 西中清君。
  143. 西中清

    ○西中委員 ただいまの各委員の質問に関連いたしまして私も質問をしたいのですが、先ほど大臣も沖繩の基地の地位というか役割りというものが低下した、そういう希望的観測をお述べになったわけです。そういうお立場というものは、私もわからないことはないわけでございますが、一面、午前中の質問でもありましたが、七二年核抜き、本土並みの返還ということについて、先ごろの予算委員会で質問がありまして、政府の答弁が、どうもやはり国民の納得できるそういう線がはっきり出てこない、こういう感じが強いわけでございます。一応いまおっしゃったことをそのまま受け取ったとして、地位の低下というか役割りの低下というか、そういうものは大臣も認めていらっしゃるわけでございます。その一面、今回の返還協定できめられました米軍基地の撤去というものは、非常にささやかなものでございますが、その論議はさておいて、これから返還時までに――A、B、Cのあの振り分けですね。基地の返還に関して、なお一そう今後とも返還の個所をふやす、また積極的にこの基地の低下に合わせて交渉する、こういうようなお考えがありてもしかるべきじゃないかと私は思っておりますが、その点大臣はいかがでございましょうか。
  144. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 協定におけるA、B、Cリストの取り扱い、これは交渉当時における結果でございまして、返還実施までに諸情勢と見合わせまして、なお一そう返還されるべき基地の数をふやすということは、当然政府がやらなければならぬ努力でございます。
  145. 西中清

    ○西中委員 その点を十分お願いしておきまして、先ほど核抜き、本土並み、そして七二年返還ということについて委員のほうから御質問があって、おくれないという確信を述べられたわけでございますが、これに関して、国民は実際いままでの政府の御答弁を聞いておりまして、核抜きは信頼する以外にない、米側の信義の問題として納得する以外にないんだというようなニュアンスのお答えしか出ておりませんし、本土並みは機能のほうの問題を強く申されて、数的な問題、量的な問題については十分お答えになっていないわけでございますが、いま返還交渉を進めるより基地の撤去を進めるというお話でございますが、それはそれとして、こうした二つの面は、どうも目に見えにくい部分が多いわけです。ですからこれは政府も最後まで押し切られればそれで済むと言っては悪いが、われわれとしても信用する以外にないわけだ。しかし七二年返還ということは、これははっきりとする問題でございますから、おそらく政府もこれは守られるであろうというように認識をいたしておりますし、ジョンソン証言の中等でも、確約を米側がしているようなニュアンスの発言がございます。そこで、この点、七二年返還ということは、政府としてほぼ絶対的に確信のあることであるかどうか、もう一度確認をしておきたいわけであります。
  146. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 これはもうすでに共同声明でも確約したことで、絶対にそれを実現することを確信しております。
  147. 西中清

    ○西中委員 そこで、私はサイミントン小委員会の議事録を見まして、沖繩の返還がおくれる可能性の項目におきまして、確かにいま政府の御答弁のとおりに、おくれない、確約である、しかしそこには条件がついております。それは、「一定の条件に従ってである。条件とは正確な表現に基づいていえば、「立法府の必要な支持をえて具体的取決めが締結されることを条件」にしている。」これは政府の今日までの答弁のとおりであると思います。しかし、この七二年が目に一番見える部分でございます。それだけに政府はどうしても守らなければならぬ、こういう立場に立ちますと、むしろこの返還交渉において、各種の問題において、先ほどから、午前中からいろいろな問題が、県民の要求とはかけ離れた姿ではないか、各委員から追及がありましたように、非常な県民の不満もあるわけでございます。それがおそらく日本政府が弱腰ではないかというような議論の根拠であろうと私も思っております。  そこで、この次の同じ項のジョンソン証言におきまして、もう一つのおくれる条件がございます。「もしも米国が満足するような、細部にわたる取決めを締結することが出来ない場合には、返還が一九七二年後にまで遅れることもあり得るであろう。」こういうような一項があるわけでございますが、今回の返還協定及び今後の交渉において――今後の交渉はよくわかりませんが、米国が満足した状態であると、このように言い切れるわけでございますか。どうでしょうか。
  148. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 こういうものは両国のお互いの話し合いでございますから、そこに米国政府として不満の点も残っておりましょうし、またわが国政府としても不満の点も交渉過程ではございました。しかしながら、事調印をいたしました上は、そういうことは一応別といたしまして、今後の実質的な運用について緊密に連絡して、沖繩県民の方々の御満足のいくような今後の改善をはかっていきたい、こういう考えでございます。
  149. 西中清

    ○西中委員 当然交渉の経過においてはそういうこともあると思います。私が言いたいのは、目に見える七二年返還をどうしてもやらなければならぬから、政府が後退した部分が非常に多いのじゃないか、こういう疑念でございまして、そこで私は先ほど冒頭に質問いたしました。今後の情勢に対して沖繩基地の内容、返還協定の内容の変更とかそういうもの、いろいろいわれておりますが、要するにニクソン大統領が中国を訪問したことはいい条件だという一面と、これも裏返して言ったならば、ニクソン・ドクトリンを中心とするところの、アジアの日本の肩がわり、ないしはアジアのことはアジア人でやれ、こういう基本的な概念の上に立って訪中というものをしたと考えた場合には、沖繩ないし日本、また台湾、韓国の軍事的機能はそのままにして、ないしはより機能を強化した上で米中はやるんだ、握手をしていくんだ、こういう作戦も考えられないこともないわけです。先ほど木村さんも、アメリカはやはりアジアの国ではない、このようにおっしゃいました。こういう外交上の失敗、と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、今日こうした困難な状態にきておる。アメリカはアジアの国でないという先ほどの御感想からいっても、アジアのことは台湾、韓国、日本に、こういう基本姿勢に立って、米中が仲よくしたって何ら矛盾はないわけです。こう私は心配をいたしております。これが単に老婆心に終わればそれでいいわけでありますが、ここでもう一歩、先ほどのお話に関連いたしまして、突っ込んでまいりますが、一九六九年の共同声明の第四項に協議の問題がございます。先ほど再協議は問題なくなったとおっしゃったが、先ほど私が言った論法からいって、沖繩の基地がいままで以上に、ないしはいままでと同じく大事だという概念からいけば、ベトナム戦争がもしも返還期に終わっておらなければ、これはやはりアメリカ側としても相当考えなければならぬ。終わっているか、終わらないかということはわかりませんけれども、もしも終結していない、こういう場合にはこの協議はなさるんですか、なさらないんですか、その点はどうなっているか。いままで政府の答弁も聞いておりますが、あらためてお聞きをしておきたいと思うわけであります。
  150. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 共同声明第四項における再協議、これは先ほど申しましたとおり、日米両国政府間の同じ見解で、その必要なしということに認めております。したがいまして、その際に返還実施時期におきまして、ベトナム戦争が終わっていないときにどうするかというお尋ね、その際においても再協議の必要がないと、日米両国政府で認めております。その心配はございません。
  151. 西中清

    ○西中委員 日米両国政府で認めておるというのは、いつどこでどのようにして認められたのですか。
  152. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 当然、返還協定のお互いの交渉中に認めておりますが、この再協議のよって来たる理由は、ベトナム戦争がまだ終結しておらないときに、沖繩に、返還後においても、日米安保体制及び関連する取りきめの例外があるいは必要になるのではないかというような、米国政府の杞憂に基づいて入ったともいえますので、そういう点がいまやないということの事実認識に基づきまして、そういう心配がないということを両国政府で認め合ったわけでございます。
  153. 西中清

    ○西中委員 それならば、沖繩県民が最も重大な関心を寄せておるベトナム戦争のことでございますから、明文化をされてもよかったのではないかと思うのですが、その点はどうなんでしょう。
  154. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 これは当然のことでございますから、日米安保条約及び関連する取りきめがそのまま適用されるということの反面、そういう再協議の必要は認めないということは、しいてこれを明文化することはかえってどうかと思いまして、明文化いたしませんでした。
  155. 西中清

    ○西中委員 協定が調印をされた時点では、訪中ということがあってないわけですから、そこまでどのような根拠で断定されたのか私はわかりません。時間もございませんからこれ以上進めませんが、ここで、このジョンソン証言の中で「返還後のヴィエトナム戦争継続と米国の沖繩基地の使用」、「次に第四項で言及するのは」これは共同声明の四項ですが、沖繩返還時に至るも平和が実現していない場合には両国政府は十分協議する、「沖繩返還時」とあります。ですから、まだこれから返還時まで時期がございますし、またその返還時に戦争が終わっておらなければ協議する、このように載っているわけです。この再協議の必要はないとおっしゃっておりますが、このようにジョンソン証言では、返還時と明らかに時期を明記しておるわけです。これでもやらない、ジョンソン証言の証言はうそだ、このように考えてよろしいのでしょうか。
  156. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 その共同声明の中における再協議の条項がうそであるということではございません。必要がなくなったということです。したがって、両国の調印いたしました協定の中で、本土並みという日米安保条約関連取りきめを完全に実施することを約束した以上、そういう再協議の必要は全然なくなったというふうに御解釈願いたいと思います。
  157. 西中清

    ○西中委員 必要がなくなったというようなことでございますが、もしも情勢の急変があって、ベトナムが行き詰まったとしたら、やられますか、どうですか。
  158. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 これはある意味におきまして、調印いたしました協定を変更することでございますから、これは一切考えておりません。
  159. 西中清

    ○西中委員 そうしますと、ジョンソン次官がこのように証言しておることが、後ほどまた問題になる可能性もないとは言い切れないという要素は私はあると思う。しかも、その次にございます「協議とは、日米安全保障条約に規定されている協議ではなく、沖繩返還時以前に行なわれる協議を指すものであることを注意しておきたい。」こうありまして、返還の時点において「米国が現に沖繩から発して行なっていること、」いま現在行なっているここです。あるいは、これから行なうことを欲することがある場合には、日米間で合意ないしは取りきめを作成するという意味の証言がございます。このようにはっきりしておる内容でございますが、先ほどからこの必要がなくなったとおっしゃっておりますので、私は強くは追及いたしませんけれども、ニクソン訪中がなかったとしても、ない時点において政府はしばしば再協議の必要はない、このように繰り返し言明をしてこられたわけでございますが、こういう話し合いをやったのかやらないのか、その点をもう一ぺん。  ということは、政府の答弁とこのジョンソン証言とは大きな食い違いがあるわけでございますから、国民の疑念を晴らし、沖繩県民の心配を晴らす上から、明快にしておかなければならぬ問題だと思います。こういう調子でいろいろな問題が残っておれば、ほかに何かあるのじゃないか――よく秘密協定があるのじゃないかということが巷間いわれております。私はよく存じませんけれども、確かにこのような文書を見ておりますと、相当な食い違いがあるということは明らかになったわけでございますから、政府はこれまでこういうようなお話し合いをされたことがあるのかないのか、その点はどうでしょうか。
  160. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 ベトナム再協議の条項につきましては、サイミントン委員会におけるジョンソン次官の証言もすでに一年半以上も昔のことでございます。したがって、その後、交渉を続けておるうちに、ベトナム情勢も変化いたしました。したがってその必要を認めない、また必要を認めないという事実の基礎の上に立って返還協定の交渉が進められる。したがって、その結果今日のごとき調印が行なわれたのですから、いますでにそのサイミントン委員会におけるジョンソン次官の証言を裏づける事実がなくなったということに御解釈願いたいと思います。
  161. 西中清

    ○西中委員 時間も終わりになりましたのでこれ以上できませんけれども、そのようにおっしゃるわけでございますが、たとえば「日本の基地に関する米国の行動の自由」についての項では、「わが国の行動は、」――これはアメリカですね。「沖繩については制限を受けているかも知れないが、」確かに基地の返還もしているわけですから制限を受けるかもしれない。「本土の基地については、わが国の行動は理論上は拡大されている。そこで、これらの諸点を比較衡量しなくてはならない。」これはまことに重大な点を含んでおりまして、いわゆる本土の沖繩化ということがいわれておりますが、アメリカ側では、理論上わが国の行動は日本では拡大されておるのだ、本土の基地では拡大されておるのだ、このようにいっております。これは米軍の行動が理論上拡大されたということでございますから重大な意味を持っておる。  私はもう時間切れで、これ以上はこの次の機会にまたあらためてお話をしますけれども、先ほどの証言とあわせまして、政府が言うような簡単なものじゃないのだ。国民が疑惑を持っている諸点について、いろいろとこういうようにアメリカでは証言をしておる、この点を強く感じております。ですから核抜き、本土並み、七二年返還といっても、政府はアメリカを信頼して今日まで対米外交というものを展開されて、あのように抜打ちに頭越しにやられたというそういう実績からも、先ほどの話のような状態からも、これはやはりほんとうの自主的な外交というものを展開する、そういう強い決意がなければならぬ。その上で沖繩返還協定をながめた場合には、先ほどからも若干のお話がございますが、それこそ再協議する、ないしは付属文書できめるべき点はきめる。たとえば基地の使用の問題、さらにはまた核の撤去の問題、こういう点で明快に、より具体的にやっていくことがなければならぬじゃないか。木村さんは大臣をおかわりになって、積極的にお話をしていただいておるようでございますので、私は期待をしておりますが、最後にその点について、先ほどの基地の撤去と、さらに核に対しての具体的な国民の納得できる取りきめをするとか、また基地の使用について、より一そう明快にするという点についての交渉を正式に開いて、強力に推進する御意向があるかどうか、最後にお伺いしておきます。
  162. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 先ほども事前協議の運用についていろいろ御注意がございました。事前協議の際に、それについての判断を下すのはわが国でございます。したがいまして、わが国の安全にいかなる影響があるかということを自主的に判断を下して、当然ノーと言うべきときはノーと言います。そういう意味において、わが国外交の主体性を持つ上においては、あらゆる面において、今後もこれを堅持してまいりたいと思います。
  163. 床次徳二

    ○床次委員長 安里積千代君。
  164. 安里積千代

    ○安里委員 返還協定の内容について少し伺いたいと思います。  その制に、先ほどからのお話にありましたとおり、今度の返還協定並びに覚え書きによりますと、沖繩返還に対しまする提供する土地、A、BCのいろいろな表がありますが、アメリカの中国問題もニクソンの訪中ということで非常に緩和されて、したがって、沖繩の返還の問題についても非常に有利になるというようなお話もあったのでございますが、問題は、今度協議されましたA表というものは、返還されるものとの比較におきまして非常に膨大なものであって、むしろ返されるものは、数字的にあげる時間もございませんけれども、一割程度しかないということになっております。そこで、先ほどもお話がありました返還までにあるいは返還後におきましても、場合によりましては、この沖繩の基地の提供の部分に対しましては――おそらくいまのA表も、日本政府がこれだけ置いてくれといって置かれたものではなくして、アメリカの要求によって置いたものだと思います。したがいまして、基地の縮小、返還というと問題につきましては、場合によりましては、アメリカが中国との問題の緩和の一つの実績を示す上においても、沖繩の基地を自発的に撤去するというところまでいかないとも限りません。そこで、そういうアメリカの考えでもって撤去をする、縮小するというようなときを待つのであるか、それとも積極的に政府とされまして、これを縮小あるいはまた撤去するということに対する姿勢というものをお持ちであるかどうか。それともあなたまかせで、アメリカのほうでもって、もうこれは要らなくなるから返すというようなときを待つのであるか。まず、そういった基本的なお考えからお聞きしたいと思います。
  165. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 返還時におきましても、沖繩の基地の規模、密度がたいへん本土とかけ離れたものである。これは沖繩県民の方々の利益にもたいへん反することでもあるし、当然政府といたしましては、返還後はもちろんでございますが、返還前におきましても、日米協議の中で積極的に基地の整理、縮小について協議を進めていきたい、こう考えております。
  166. 安里積千代

    ○安里委員 返還協定の第四条の第三項についてお聞きしたいと思います。これには「この協定の効力発生の日前にその使用を解除されたものの所有者」に対しましては、「土地の原状回復のための自発的支払を行なう。」ということが示されております。そこでお伺いしたいのは、返還協定によって、返還時に返されまするところのC表、この土地に対しまする原状回復はどこがやるということでございましょう。これは、当然日本政府において考えるというところの立場でありましょうか。
  167. 井川克一

    ○井川説明員 返還までに返される土地につきましては、布令二十号に基づきまする契約によりますものはそれによりまして、またそれが講和前のものでございまするときは、第四条三項の規定に従いまして、米側が復元補償に関する責務を行なう、こういうことになっております。
  168. 安里積千代

    ○安里委員 C表によって返還されるものに対するところの復元補償は全然ありませんか。
  169. 井川克一

    ○井川説明員 C表は返還前に返されるわけでございまするから、米軍が責任を負っておるわけでございます。その中に二通りあるということを申し上げたわけでございまして、布令二十号とそれから返還協定第四条三項の適用があるもの、この二種類になると思います。
  170. 安里積千代

    ○安里委員 そこで「原状回復のための自発的支払」ということが示されております。これはどういうことを意味しておりますか。
  171. 井川克一

    ○井川説明員 先生御存じのとおり、これは講和前補償の一態様でございますので、講和前のものにつきましては、平和条約第十九条によって放棄されていることになっておりまするし、御存じのとおり、すでにアメリカで約二千万ドル払いました講和前のものにつきましても、法律的な義務ではないというたてまえでやっているわけでございます。今度の第四条三項も講和前のものでございますので、法律的義務がないものである。したがいまして、アメリカ政府がこれを法律的義務を離れて自発的に支払うものであると、こういう意味でございます。
  172. 安里積千代

    ○安里委員 まことに時間がなくていろいろお聞きするあれがございませんので残念でございますが、もう一つ、A表の(注2)のところに、「この表に掲げる施設及び区域のうちには、これらに接続する制限水域の提供を必要とするものがある。」ということが示されております。これは具体的にはどういうことを意味するのでしょうか。
  173. 吉野文六

    ○吉野説明員 お答えいたします。  これは具体的には、軍用地に接続しております制限水域、その中には干がたのごときものも含まれております。
  174. 安里積千代

    ○安里委員 特にこれは返還された場合には、現在ありまするところの安保約条並びにこれに基づきまする関連取りきめが、そのまま有効に適用されるということがありますので、これはそうしますと、地位協定に対する第三条の問題をさすのでありますか。
  175. 吉野文六

    ○吉野説明員 お答えいたします。  これは、いま先生がおっしゃられたように、結局アメリカの、米軍の施設の一部になるわけでございます。  で、問題は、それに接続する土地自身がまだ提供が終わっておりませんから、すなわちこれから返還と同時に、われわれが先方によく施設、区域をはっきり合意いたしまして提供するわけでございますから、それまでにその水域についても確定いたしまして提供する、こういうことになるわけでございます。
  176. 安里積千代

    ○安里委員 どうもちょっと歯切れが悪いと思いますが、私は、これはまた前々から、干がた管理権の問題についてしばしば質問いたしましたが、当局からは明確なお答えがなかったわけでありますが、安保条約並びにそれに関連しまする諸取りきめ、その中にはもちろん地位協定の問題も入るわけですが、第三条によりまして、軍事施設に接続しまするところの水域あるいはそれに近隣するところの地域については、その施設に出入りするに必要なところの地域は提供され得るということが第三条で示されておるわけです。ですから、沖繩の返還にあたって本土並みの返還、適用がありますならば、こういう条項はなくても、これによりまして、施設に隣接するところの制限水域の問題なんか当然含まれてくると思うのです。特にここに入れられているというところに非常に疑問を持つわけであります。これから見ますと、地位協定におきまする第三条の例外をなすような感じも受けるわけであります。この点につきましては、時間もございませんので私は論を進めるわけにいきませんけれども、御答弁からはまだ明らかになりません。どうかなお明快な御答弁を願いたいと思います。  もう一つ、関連をいたしまして「制限水域の提供を必要とするものがある。」というふうに書かれてあります意味がよくわからないのです。「必要とするものがある。」という意味がわからないのですが、これはどこが必要とするものがあるという意味なんですか。
  177. 井川克一

    ○井川説明員 御存じのとおり、内地におきましても、施設、区域として提供している部分は単に陸上ばかりでなく、領海内の水域を施設、区域として提供しているわけでございます。したがいまして、その領海内の水面を施設、区域として提供いたします場合には、これは完全な地位協定上の施設、区域でございまして、別段第三条による出入の便をはかるというところとは直接の関係はございませんで、施設、区域そのものでございます。そのA表に書いてございますのは、これはただいまアメリカ局長の御説明のとおりでございまして、これからはっきりと陸上のものをもっと詳細にきめていく。その場合に、その陸上のものがちょうど海面に面した部分があって、その海面の部分も施設、区域として提供しなければならないものが出てくるであろう。しかし現在の準備段階ではそこまでいけなかったわけで、これから取りきめによりまして、本土並みに、本土と全く同様の提供の方法をとる、こういうことが書いてあるわけでございます。
  178. 安里積千代

    ○安里委員 その「必要とするものがある。」ということが、英文によりますとウィル・リクエアーということばが使われております。受けまする感じは、アメリカがこれを要求する権利がある、あるいはそういうアメリカの要求するというよう立場をこの英文からはうかがえるのでありまするが、必要とするというものがあるということは何となく歯切れの悪いことばで、リクエアーということばが使われており、また非常に強く感ずるのです。アメリカがそれを要求するのだというような感じを受けるわけなんですが、何か特別そこに意味があるわけじゃありませんか。
  179. 井川克一

    ○井川説明員 実はそういうことではございませんで、この英文にもございますけれども、これらの施設、区域の中には、それらの施設、区域がウィル・リクエアーというふうになっておりまして、陸上、海面に面した部分については、同時に海上の面を施設、区域として提供しなければならないものがある。それを必要とされるものがあるというのでございまして、アメリカが必要とするわけでは全くございませんし、ことに地位協定がこれから全面的適用になるわけでございまするから、日米両国の合意によりまして提供するということになるわけでございます。
  180. 安里積千代

    ○安里委員 時間がありませんから、いずれまた議論は残したいと思います。
  181. 床次徳二

    ○床次委員長 瀬長亀次郎君。
  182. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最初に核抜きの問題について質問しますが、この制、愛知前外務大臣にこの件について質問したら途中から逃げられてしまって、きょうは逃げぬようにお願いします。  協定の中で三億二千万ドル財政支出で出すという中で、愛知前外務大臣の説明では、そのうち七千万ドルは核並びにいやなもの、これを抜くための費用だと言っております。そうなりますと日本政府は、沖繩に現在核があるということを確認されていますね。
  183. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 政府としては確認をいたしておりません。
  184. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 あるかないか確認いたしておりませんですか、おりますですか。
  185. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 確認をいたしておりませんが、ありとすれば、その核を撤去してもらいたいということは、当然の要求として政府間の交渉の対象になっております。
  186. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 国民の血税が七千万ドル使われる。支払いの方法も書かれておる。ない場合にはどうなるのですか。この費用は要らぬわけだな。
  187. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 米側では、共同声明あるいは今回の返還協定の中に、明確に核撤去費用ということばを使っておりますので、事実として政府として確認はしておりませんが、そこにそういう実体があるということは、米政府の言明を信用する以外にないと思います。
  188. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 米政府は、核の実体があるということをはっきりさしておりますか。
  189. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 御承知のように、かつてメースBの撤去をいたしましたし、また当然常識上考えられる戦術核が沖繩に存在するということは推測されますが、政府として確認と申しますと、やはり事実確認でございますから、そういう点検をしたこともございませんし、そういう立場におらないことは御理解のとおりでございます。
  190. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 核問題だけでも、いまの答弁では、この協定はやり直すべきだという理由が出ております。  もう一つ、時間がないのでまとめますが、いまの協定の付属文書の中に出ておるリストです。A、B、Cに分かれておりますが、特にAリストの中で、従来アメリカが基地の数を幾つとはっきりさせておるものが九つあったのが、一つにまとめられておるというのがあります。これは外務大臣おわかりだと思いますが、たとえば一例ですが、嘉手納基地一つにまとめられていて、この中には嘉手納弾薬庫、波平弾薬庫、読谷合同廃弾処理場、知花弾薬庫、陸軍混成サービス群弾薬庫などと呼ばれ、陸海空軍の九つの基地に分かれておる。これはいままでの発表である。これが一つになっておる。その今度逆があります。これまで米軍基地でなかった施設、これがリストの中に入っておる。これはしかも那覇軍港のすぐ手前にあるいわゆるシーメンズクラブ、これであります。これは基地などといわれるような性格ではないが、ところがユナイテッド・シーメンズクラブというものがあって、これが那覇サービスセンターということで基地リストAの六十五番に載っておる。これは沖繩県民はインチキだと言っております。ところがインチキどころか、これは民族に対する侮辱である、欺瞞である。この点おわかりですか。さらにつけ加えて言えば、最近、石川市、ここに伊波観光ホテルというのがある。この観光ホテルを、アメリカの独身将校宿舎及び保養地センターとして、年間二十三万ドルで借りたことを発表されておる。こういったようなリストの中に含まれておるインチキ性というのですか、実に県民や国民を侮辱した形でこのリストが作成されて、あたかも基地は縮小されましたという印象を与えんとしておる。これがわからぬと思ったら大間違いである。国民の英知は、そういったものをちゃんと点検して、反撃する用意はできておると私は考えます。その点についてどうお考えですか。
  191. 吉野文六

    ○吉野説明員 お答えいたします。  最初の嘉手納弾薬庫地区につきまして、もと九つあった基地を一つにまとめておるのではないか、こういうことでございますが、実は今度の交渉の過程におきまして、基地を整理縮小する交渉の際、アメリカ側の提供したリストは、従来わが国が内地において使っていたリストとそのシステムは違うわけでございます。そこで、減らしたり整理したりするのに非常に困難がございましたので、そこで種々の観点から彼らの基地を一応全部整理し直して番号を振りかえたわけでございます。その結果、嘉手納の弾薬庫地区につきましては御指摘のような結果になったわけでございますが、しかしながら、実態面といたしましては、基地の平方面積によって減ったかふえたか、こういうことが判明することになっておりますから、この点について、何もまやかしをやったわけではございません。  その次に御質問のシーメンズセンターの件でございますが、御存じのとおり、沖繩は、返還前の状況にありますと、ほとんど全地域が基地のごとく取り扱われていたわけでございます。われわれといたしましては、実態的に基地の性格であるものはこれを基地としてわが国が提供し、将来さらにその基地の必要がなくなればこれを撤去してもらう、こういう態度で交渉をしたわけでございまして、御指摘のとおりシーメンズセンターにつきましては、現在の彼らの使用方法は、基地としては使っておりませんですが、彼らのクラブの中で行なっておるいろいろの業務は、いずれにせよ、普通の国内法が適用しないような状況になりかねないものばかりでございますから、むしろこれを基地として取り扱ってもらって、将来その必要がなければこれを撤廃したい、こういうことで、将来いわゆる那覇サービスセンターというような形でわがほうが提供する、こういうことになったわけでございます。  それから第三の伊波観光ホテルにつきましては、今年六月三十日、米軍地区工兵隊との間に、ホテル全体の賃貸借契約を締結したものでありますが、復帰に際し、施設、区域として提供さるべき米軍設備用地となるものでないことは、基地外の一般の家屋等の賃貸借の場合と何ら異なるところはない。政府といたしましては、同ホテルの実態に照らしまして、右を了解覚書A表の提供予定設備に加えることはできないと考えております。
  192. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がまいりましたので、あと一言、特にこれは外務大臣から説明してもらいます。  いまの説明でも、ますます屈辱的なものだなということははっきりわかっているんです。ユナイテッド・シーメンズクラブなどというのは、これは民労働立法が適用されていたところである。これを基地の中に入れて六十五という番号まで打たれておる。こういったようなことを見ましても、さらに、一番最初に、外務大臣が、ニクソン北京訪問に関連して、ニクソン北京訪問が緊張緩和であるかどうか、いいかどうか、これは別として、この基本的なものは、いままでの歴代アメリカ政府のアジア侵略の政策、特に核政策、この政策が完全に償うことのできないような破綻に追い込まれているという事実、さらにそれは別といたしまして、外務大臣が、このニクソンの北京訪問の結果、アジアにおける緊張が緩和される。非常に大きい問題なんです。なぜかというと、アメリカが沖繩に基地を持っている理由は、アジアにおけるいわゆる不安、緊張、これがある限りおるんだとずっと言い続けてきました。この緊張が緩和されるならば、当然アメリカは基地を撤去すべきだということになる。そういう意味からもこの返還協定、私は日米沖繩協定と言っております。決して返還ではありません。そういう意味で、再交渉をするということが、当然のことながらこっちから出てくると思います。この協定を最終的な協定にせずに、こういったような屈辱的な、侵略的な協定ではなくて、ほんとに沖繩県民と日本国民が要求する全面返還の協定にすべきだ。したがって、再交渉する腹があるかどうか、この点を最後にお聞きしたいと思います。
  193. 木村俊夫

    ○木村国務大臣 結論から申しますと、この沖繩返還協定はすでに調印もされておりますし、これについて再交渉する考えはございません。しかしながらこの沖繩返還協定は、わが国に沖繩の施政権がアメリカから返ってくることですから、返ってきた後において、この沖繩というものをどういうふうに、一体今後わが国民全体の力によって守っていくかということは、当然考えなければならぬ問題だ。その中にいろいろ問題はございましょう。民生安定の問題もございましょうが、私が最も考えなければならぬと思いますのは、ほんとうの意味における本土並みをなるべく早い時期に実現すること、そのためには、沖繩の基地機能の点もございますが、それを取り巻くアジアの緊張緩和というもののために、日本が自主的な努力によって、ニクソンドクトリンの受け身的な態度でなしに、これをどうして実現していくかということに今後の外交の基本方針が置かるべきだと思います。      ――――◇―――――
  194. 床次徳二

    ○床次委員長 この際、御報告いたします。  今国会、本委員会には請願の付託はございません。  なお、今国会において、本委員会に参考送付されました陳情書は、沖繩の本土並み返還に関する陳情書外五件であります。  以上、御報告をいたします。      ――――◇―――――
  195. 床次徳二

    ○床次委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  沖繩及び北方問題に関する件について、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 床次徳二

    ○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になり、現地調査の必要が生じました場合は、委員長において議長に対し委員派遣の申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 床次徳二

    ○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、委員の派遣地、派遣期間、人選等につきましても、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  198. 床次徳二

    ○床次委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時八分散会