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1971-07-24 第66回国会 衆議院 内閣委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和四十六年七月二十四日(土曜日)     午前十一時開議  出席委員    委員長 伊能繁次郎君    理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君    理事 塩谷 一夫君 理事 湊  徹郎君    理事 山口 敏夫君 理事 大出  俊君    理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君       阿部 文男君    天野 公義君       加藤 陽三君    辻  寛一君       中山 利生君    葉梨 信行君       上原 康助君    木原  実君       横路 孝弘君    東中 光雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 大石 武一君  出席政府委員         総理府総務副長         官       砂田 重民君  委員外の出席者         人事院事務総局         給与局長    尾崎 朝夷君         総理府人事局長 宮崎 清文君         防衛庁防衛局防         衛課長     伊藤 圭一君         外務省アメリカ         局外務参事官  橘  正忠君         厚生省医務局国         立療養所課長  野津  聖君         内閣委員会調査         室長      本田 敬信君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  行政機構並びにその運営に関する件  恩給及び法制一般に関する件  国の防衛に関する件  公務員制度及び給与に関する件      ――――◇―――――
  2. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 これより会議を開きます。  山中総務長官及び砂田総務長官よりそれぞれ発言を求められておりますので、これを許します。山中総務長官
  3. 山中貞則

    ○山中国務大臣 このたびの改造で現職のまま留任ということになりまして、その任務の重大さを痛感いたしております。私は、ただの新人閣僚でございましたから、格別残るべき理由もないと思うのでございますが、しかしながら、沖繩の秒読みの段階に入った復帰に備えての残留であろうと覚悟をいたしておりますので、それだけに責任が重大であるというふうにも考えておる次第であります。もちろん他の所管事項についても鋭意努力を続けることは当然のことでありますが、覚悟をいたしておりますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。(拍手)
  4. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 砂田総務長官
  5. 砂田重民

    ○砂田政府委員 総務長官に就任をいたしました砂田重民でございます。  大臣の意を体して懸命にやってまいる決意をいたしております。当委員会の先生方の御指導を、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――
  6. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  法務省設置法の一部を改正する法律案  行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案  労働省設置法の一部を改正する法律案  行政機構並びにその運営に関する件  恩給及び法制一般に関する件  国の防衛に関する件  公務員制度及び給与に関する件  栄典に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会中審査にあたり、現地調査の必要が生じました場合には、派遣地、派遣期間、派遣委員の選定等については委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――
  9. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 行政機構並びにその運営に関する件、恩給及び法制一般に関する件、国の防衛に関する件、公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
  10. 大出俊

    ○大出委員 時間がございませんから、簡単に、現時点における公務員賃金に関しまして、総務長官並びに人事院の尾崎給与局長お見えでございますから、承りたいのであります。  四月実施という問題が当面の非常に大きな政治的な意味を含めての課題になっておると思うのでありますが、この点につきまして総務長官に、去年、懸案であった五月という人事院勧告を完全実施をしたわけでありますが、実際の調査は四月調査をやっているわけでありまして、その意味では当然四月から実施すべきである、こういうことに理論的にはなろうと思うのでありますが、その辺についてのお考えをまず承っておきたいのであります。
  11. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これはもう私が申すまでもなく、人事院制度の存在そのものが、給与勧告の実態調査、勧告の時期、その内容等について、すべてが中立であり、自主性を持つものでありますから、人事院の立場において検討をされ、四月実施にしかるべき根拠ありという判断をなされた場合においてとらるべき措置を前提にしての話であると考える次第でございます。
  12. 大出俊

    ○大出委員 一ぺんにみんな聞いちまうというと趣がありませんから順番に聞いたので、きのう人事院の総裁は四月実施について、四月調査を長年やっているわけだから格差は四月から開くのではないかと言ったら、結論的にそういうことになるということでございました。かつまた四月調査をやっているというふうに言われました。そういうことになると、五月ということを佐藤総裁は就任して以来一貫して言ってきたのだが、五月にした理由というのは一体何だ、こういうふうに質問をいたしましたら、それまではできるだけすみやかにということになっておった、やはりいつから実施するというようなことをはっきりさせておく必要があると思って五月実施というふうにしたのだということでありまして、つまり特段の理由はないということになりました。これは念を押しましたが、特に理由をおっしゃらぬわけであります。とにかく、できるだけすみやかにでは困ると考えて五月にしたということでありました。そこで理由がないのなら四月実施のほうにそれなりの筋道、理由があるではないか、こういうやりとりをいたしました結果、人事院総裁の答弁は、四月実施については一理あるというところにまいりました。こういうわけであります。かつて公務員共闘の皆さんと尾崎給与局長とのやりとりの間には、四月実施という問題は院議の重要な課題である、つまり人事院の院議の重要な課題である、こういう御発言がありまして、昨日も申しましたが、と申しますと、これは多少なりとも政治的な配慮がそこに必要になってくるということになる、だから院議の重要な課題になる、こうだと思うのです。そこで総裁は、四月実施について一理あるというところへ来た、こう言うのだけれども、五月実施には特に理由がない、四月実施に一理ある、こう言うんなら四月実施をしたらどうだ、こう実は詰めたわけでありますが、新聞記者の皆さんに、四月実施と総裁が言ったと書かれちゃたいへんだというので、いろいろ重ねて取り消し理由の答弁をいたしましたが、なお詰めた結果として、これははっきり申し上げておきますが、四月実施には一理あるということになった。だからといって五月実施の理由を特にこれから見つけようという気はないと、こういうわけです。さらに突き詰めていえば四月実施というのが特にこれは間違っているなんというようなことを言う気は毛頭ない、こういうことになりましたから、そうなると四月実施が正しいということになるのじゃないかという実はやりとりまでして、新聞を配慮しておるようでありますからやめたというのがきのうの状況なのであります。  ですから、私はまず原則をいえば、使用者としての政府の責任というのがまずある。その上に今日の制度、人事院というものが存在しておる。これが私は筋道だと思っておるわけでありまして、そういう意味で政治的に院議で重要な課題にしなければならぬということにしないで、それに政治的な色彩があるとするなら、それはまずやめていただきたい。全くもって人事院の自主性をもって四月の是非論を決着づけるということにしていただきたいという前提が私にある。その上で人事院が四月実施に踏み切った場合に、これは当然給与担当の責任ある立場としての長官でございますから、いかなる困難があっても四月実施を行なう、こういうことをこの際明確にしておいていただければそれが決着だろう、こう思うのであります。
  13. 山中貞則

    ○山中国務大臣 きょうはそばに現物が――現物というのはあれですが、端倪すべからざる答弁をする可能性がある佐藤総裁がおられませんから、どういうやりとりが巧みな誘導尋問の大出委員の質問との問に行なわれたのか詳細を知るすべがありませんが、しかし、五月はなるべく早い時期である、四月はやはり年度、会計の始まりの時期であるということ、根拠のある月である、そういうことについては、おそらくそういうことを言われただろうと思います。  そこで私のほうとしては、総裁はよく開票待ちだという言い方をするのですが、やはり私のほうは開票待ちということでありますから、四月実施の答申がかりにあった場合も含めて、答申は完全に政府としては実施をいたします。昨年実施したというのは、実施できる財源状態だったからしたのではなくて、政治の姿勢として、答申は完全に実施するんだということをおくればせながらきめたということでありますから、これから後退することはありません。だから、それだけに人事院としても、勧告したものはすべて完全に実施されるのであるということが前提になりますと、その勧告の内容については、十分権威のあり、かつまた、この場合使用者側、労働者側という言い方はおかしいと思うのでありますけれども、政府全体として客観的に見て、なるほど人事院の勧告内容には一分のすきもない、理論的であると思われるものにしなければならない責任を、いよいよ負わされたものだと私は思うのであります。そこらの批判の話は別として、結論から申しますと、いかなる勧告であっても完全実施をしますということに尽きるわけでございます。
  14. 大出俊

    ○大出委員 人事院の自主性というものを尊重いただくという意味で、いまの一点の非のない、あるいは誤りのない勧告をという意味での責任というのは、使用者としての政府という立場であるいはお考えになったのかもしれませんけれども、私はそれならば、本来労使双方という形における使用者としての政府として責任というものはきめるというふうに制度を改めるべきであって、その意味で、人事院制度というものを前提にされるならば、これは非があろうとなかろうと人事院の開票待ちにしていただきたい。これは前提です。ちょっといまの御発言が気になりますから、つけ加えておくわけです。
  15. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私も要らざることを言ったのかもしれませんが、人事院のおっしゃるとおり、勧告されたとおり実施をするという政府の姿勢が定まった以上は、これが後退することはありません。したがって、人事院の決定されることにつきましては、今日までも私は正鵠を得ていないとは申し上げませんけれども、より客観的に正しいものを、しかも実態に即した勧告を行なうすべての責任は人事院にあるということを念のために申し上げたので、これは干渉その他の問題と全く関係ありません。
  16. 大出俊

    ○大出委員 念を押すようですけれども、人事院勧告が四月実施、こういうふうに開票の結果明らかになった場合は四月実施をする、こう受け取ってよろしゅうございますか。
  17. 山中貞則

    ○山中国務大臣 島根県知事のような異議申し立てをする意思はありません。
  18. 大出俊

    ○大出委員 もう一つ念を押しますが、関係団体との今日までの経過の中で総務長官が話をしている中身、これは非公式な部面があるのでございましょうから、その点はそれが非公式であったら御容赦をいただきたいのですけれども、福ちゃんを泣かせるのはたいへんだ――おれが閣内にもしとどまっていた場合に、四月実施ということに人事院勧告がなった場合、福ちゃんを泣かせるのはたいへんだよという話をされたのだそうでありまして、福田赳夫さんなる大蔵大臣がなかなかむずかしい、渋い、こういうところをおっしゃったんだと思いますが、あわせて、したがって蛮勇をふるわなければならぬことになりそうだということ、実はこういうお話があったということを間接的に聞いております。したがって、今回は福田さんではなくなりまして、水さんになったわけでございますが、それでもそう簡単にさいふの口があくとも思えぬ面が、沖繩問題その他をめぐってございます。したがいまして、あえて蛮勇をふるっても四月実施をするという決意のほどを御表明いただいておきたいのでございます。
  19. 山中貞則

    ○山中国務大臣 例年は、勧告がありましてから閣議の完全実施なり何月実施なりということを決定するのは、時間的に相当開きがありました。しかし昨年から、まず公務員の諸君が完全実施されるのだろうかどうだろうかという不安、中身の問題とは別にその不安をまず解消すべき政府の責任がありと考えて、翌週直ちに閣議決定をしました。ということは、大蔵も含め総理の意思も了承をとった上で閣議決定をしたわけでありますから、そのような好ましき慣習というものは今後もとってまいりますから、そのような困難は別な次元の問題だと思います。ことしの歳入の見通し等は、法人税を中心に数百億の赤字を生ずるかもしれない、そういうような環境等もありますし、それに対してどのように反面景気刺激策の予算を考えるかという、また別な次元の問題もありますが、財源等の問題と関係なく、政治の姿勢としてきめたことについての後退はしないということでありますから、大蔵大臣がおかわりになったことは何ら私にとって関係のあることではありません。ただし、私はあけっぴろげな人間でありますから、団体の諸君とお話をするときも、断ち割ってわが腹見せるスイカかなという話をしますので、ここらであまり公的に持ち出さぬようにお願いいたします。
  20. 大出俊

    ○大出委員 きのう、つい人事院総裁のところで持ち出しましたので、総務長官に言わないと――これは実はきのうお二人並んでおりますと、そうひっかからぬですらっといっちゃったと思いますけれども、その場の雰囲気がありますから、したがってきょうは、実は総務長官単身でそこにおすわりになっているので、まことに残念なんですが、四月実施ということについて確約をいただきましたから、たいへんありがたいと思っております。  そこで、尾崎さんお見えになっておりますので……。
  21. 山中貞則

    ○山中国務大臣 大出委員のひとり言と受け取ってもよろしいのですが、速記録に残りますから。  四月実施について、総務長官がそこに一人すわっているが、確約をしたからそこで人事院にという話の持っていき方については、いかがかと思うのでございます。すなわち、人事院勧告があったものについて完全実施をいたします。それは五月実施であっても、かりに四月実施という線で答申がされても、私はそれを完全に実施するということを言ったのですから、念のために申し上げておきたいと思います。
  22. 大出俊

    ○大出委員 中断をされないで、しまいまでお聞きいただけば、御理解をいただけたと思うのでありますが、山中総務長官はなかなか気が早いので、私のほうも気が早いところで決着をつけていただきたいと思うのであります。  きのう私は、人事院がなかなか踏み切らぬ、四月実施は院議の重要な課題である。これに対して私は、尾崎さんの名前をあげて、尾崎さんこうおっしゃったが、重要な院議の課題となると、背景には政治的なものがある、つまり政治的な問題になっている、さてそこから先、憶測すれば政府との関係がある、四月一日実施と書いた場合に、政府が五月実施だと言った場合に総裁の立場もある、そこらがあってやはり政治的にものを考えざるを得ないことになっているのだろうということで、きのう私も申し上げた。そこらは非常に微妙な表現になっておりますが、かつて総務長官は、人事院の勧告が四月実施になれば、昨年の閣議決定の線に基づいて、担当長官として完全実施をする、蛮勇をふるっても、水田さんになったけれどもと、ここまでおっしゃっているわけでありますから、そうすると、院議の重要な課題である政治的背景というのは、私は割り切っていただけると思うのであります。そうなると、一にかかって人事院の勧告が四月実施と出なければ、総務長官、蛮勇のふるいようがないということになる。これは、たいへん重大な責任がかかって人事院にある。総裁、給与局長にある。だから、四月実施が来年できないということになれば、それはすべてあげて人事院の責任だ、こういうことになるわけであります。そこらのところを、総裁ではございませんから、お答えをいただける範囲でお答えをいただいて、総裁にとくとお伝えをいただきたいと思うのであります。いかがでございますか。
  23. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 おことばでございますけれども、院議で重要な課題として検討するということは、政治的な関係で議論をするということではないわけでございます。やはり人事院といたしまして十分筋を立てた議論をする必要があるということだと思います。ただいま私どもとしましては、いろいろそういう――この関係は従前からの非常にいきさつのある話でございまして、最近になって、調査の結果四月からやるべきだという御議論も出ておるわけでございますけれども、長いこといろいろいきさつをもって現在に至っておる話でございますので、私どもとしましても、十分慎重に検討をいたしたいというふうに考えております。そういう意味で、ただいまの御質疑と御答弁をつつしんで拝聴しておったということであります。
  24. 大出俊

    ○大出委員 その長い歴史的経過の上に立って私もきのう御質問申し上げたのでありまして、五月実施ができないといって公務員の諸君が非常に長年苦労されて、やっと五月になった。政府は自今完全実施をすると約束された。総裁は、その五月実施は数年来、就任以来言ってきたけれども、特に理由はない、四月実施に一理ある、そういうところに来た、こうおっしゃるわけですから、そうなると、これは自然な時の流れでございまして、昨年五月実施と言い続けた総裁の悲願が達せられて決着がついた。そうなると、さてここで公務員の皆さんの状況をながめてみて、逃げる方々もたくさん公務員の中にあるわけでありますが、そうなると、年十一カ月という計算をしてきたわけでありまして、さっき長官が、いみじくも四月一日というのは年度の初めなんだとおっしゃっておりました。理由があるとおっしゃっておりましたが、確かにその理由もございます。そういう意味で、ここで十二カ月、こういう計算をしていただいて四月から、これはまことに自然な筋道でございます。その自然な筋道を通していただきたいと申し上げているわけであります。  それから政治的なという点は、ここまで参りますと、承知でもってこれはあげ足をとるわけでございますけれども、総務長官もさっき、ひょっと口の端に、そうなると、完全実施を約束したのだから、その責任上一点の非の打ちどころのない、つまり四の五の言われない人事院勧告を出してもらうようにという責任ということをおっしゃったのでありまして、これはあとから一言ございましたから、その点をここでとやかく言うわけじゃありませんが、私どもからすると、立場が違うのでそうではないのだろうと思いますけれども、やはり政府というのはなかなか巨大な権力がございますので、任命権もございますから、そっちのほうをちらちらと見なければならぬことに、総裁がつい腹の中で何がしかの配慮がそこに出てくると気が弱くなる、こう考えております。きのうの言いっぷりからすると、私は四月実施を書くだろうと推察をいたしますが、それがもしそうでないと、そこに心配が残る。だから私はさっき山中さんに、ああいう御無礼なことを言ったわけであります。だから、総裁ではなく給与局長さんですからと、こう念を押しているのですから、だから、そこから先、政治的なことはございませんと言い切らずに、四月実施の線というのはあるという限度で、あとはひとつ総裁に――山中さんは、四月実施ということを人事院勧告の中で明記されれば蛮勇をふるう、福田さんが水田さんにかわっても、こうおっしゃっているわけですから、その辺のところ、あとはかかって人事院総裁の決断にある。四月実施を書かなかった、できなかったとなれば、かね太鼓で人事院を責めなければならぬ筋合いだということになったということを、とくにお伝えをいただきたい、こう申し上げているわけです。
  25. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 もちろん現在の問題は、非常に重要な問題になってきておるわけでございますけれども、いきさつ的に申しますれば、三月調査をしまして四月から実施してほしいというところから始まった問題でございます。そういう意味で、いろいろ経過もございますけれども、そういう関係を踏まえましてよく検討をいたしたいというふうに考えております。総務長官から勧告を尊重するというありがたいおことばをちょうだいしておるわけでございますけれども、もちろん勧告内容そのものは人事院の責任でございますから、私どもとしましては、よく慎重に検討したいというふうに考えております。
  26. 大出俊

    ○大出委員 政府を代表されて総務長官が、四月と人事院が書けば実施する、こう言っているのに、人事院は書かなかったなんということになると、ふざけるなということになる。ここらあたり一にかかって人事院の責任だ、こういうことになりますので、その点をお伝えをいただきたいと申し上げているわけでございます。やはりこういうところでこのくらい総務長官にお答えいただいてやりとりをしませんと、総裁も政治的なことは考えぬと言っていても、なかなかそうではないのでございまして、割り切りにくかろうと思いますから、ぜひひとつその辺の御配慮をいただいて、局長から総裁にお伝えいただきたいのであります。  あと一、二点簡単に質問して終わります。局長がお見えになっておりますから三つの点。  一つは、官民格差の調査をおやりになる段階で、看護婦さんであるとか先生であるとか、つまり公務員の側が数その他の関係からいっても高いという部分がございますね。これは総合格差のかっこうになっておりますから、どうしても全体の頭に響くわけでございます。やはりぼつぼつこの辺のことはおわかりになっているのだから、マイナス要因にしかならぬような形のもの、相手に比較対象が非常に少ないようなもの、これは本来比較すべき筋合いのものではないのではないかという気がする。これが一つ。  それから、中教審の答申が出ておりまして、関係の向きに賛否おのおの意見がありますが、相当大幅に先生の給与を上げろという中身がある。それをワク内操作でお考えになるとすれば、何割も上げたということになりますと、それだけがまた全体に対するマイナス要因になる。一つの箱の中をつかみ合っているのじゃ、これはたいへんなことになる。そういうことなどもございますし、あるいはお医者さんも、沖繩も返ってまいりますからというので、初任給調整手当一万円ぐらいになりそうだということになりますと、これだってやっぱり予算の面、つまり原資の面のからみ合いが出てくるなどということがありますから、その辺のことは別ワクでお考えになるのがいいのじゃないか。  それからもう一つ、三点目に期末手当あるいは年度末手当、年末手当、そういう意味の特別手当ですね。これを、先般の給与改定に基づいて次官、局長さんなんというところを二二・四%ぐらい上げたりしておられるわけでありますが、このときに、ボーナスと称するものもたいへんに民間が高いのだという言い方をされている。これは時間がないと議論としては詰まりませんけれども、へたな扱い方をここでおやりになると、これはまた平地に波乱を起こすかっこうになりますので、そういう火中のクリをあえてお拾いになる気があるならあるで、あらかじめ言うておいていただいたほうが、われわれとしても腹のきめようがある、こう思いますので、その三点を簡単に御答弁いただきたい。
  27. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 第一点は官民格差の計算の方法でございます。いままでの経過といたしましては、御指摘のようにたとえば行政職俸給表の場合には平均よりやや格差が大きい、あるいは看護婦さん、船員さんの場合には格差がむしろ公務員のほうが高目であるという関係がございます。そういう点がございますけれども、調査のあり方といたしましては、公務員のほうが高いものはやらない、低いものだけやるというのもどうかという問題もございますし、やはり公務員にもあり民間にもあるという代表的な職種につきましては調査をいたしまして、そして一応相互の均衡をはかっていくということもまた必要でございます。そういう点で、調査の対象そのものについてはいろいろ検討しておりますけれども、大筋と申しますと、やはり総合的に、それぞれあるところは比較をしていくということが適当ではないかというつもりで、現在はそういうことでやっておるわけでございます。  それから、そういう点は将来の沖繩の復帰の場合にどうするかという問題は、今後の問題でございますから、その点は今後また検討いたしたいというふうに考えます。  もう一つの特別給の問題でございますけれども、これは従来からいろいろ問題になってきたわけでございますが、それを去年調査の上で内容を一応明らかにいたしまして、この問題はほうっておけないということで、結果を明らかにして指摘をした検討事項ということにしてあるわけでございます。たてまえといたしましては、従来はいわゆる月給を民間と公務員とを比較いたしまして、その問を非常に低いところは埋めていくというたてまえで、いわば月給一本で追及をしてきたという点がございます。もちろん、そういう関係で問題があるところはさらに埋めるというようなことを考えていかなければいけませんけれども、それだけではやっぱり不十分でございまして、最近のように、ボーナスが年間を通じて月給の三分の一以上、半分に近いほど出てきている。いろいろ問題はございますけれども、現実には出てきておるという状況があるものでございますから、やはり年間の給与として官民比較をしたらどうか。その場合に非常に公務員が低いところにつきましては、やはりそれはそれで非常に問題があるのではないかというところが、問題の意識でございます。したがいまして、筋としましては、月給の比較、それから年間給与の比較という両面から非常に問題のあるところは、それはそれで考えていかなければならないのじゃないかというのが現在の検討の態度でございます。ことしもいろいろ調査をいたしておりますので、その点について実情の把握と、それからやり方そのものについてはよく検討して考えたいというふうに思っておるわけでございます。
  28. 大出俊

    ○大出委員 いまの点、つまり特別給は、民間会社が上のほうの方々が高い、だからやりたい、ただやり方は十分検討したい、こういうことですな。そういうことでいいですな。どうですか。
  29. 尾崎朝夷

    ○尾崎説明員 実情をよく把握いたしまして、どういう方法でやることが適当か、やる方法その他、いろいろ中の均衡の問題もございますから、よく検討いたしたい、こういうことでございます。
  30. 大出俊

    ○大出委員 ちょっとはっきりしませんが、わかりました。時間がありませんから総務長官に一つだけ承りたいのですが、長官、よろしゅうございますか。  沖繩の港湾の方々の件はその後どうなりましたか。政府側の措置を含めまして、ひとつ承りたいのです。
  31. 山中貞則

    ○山中国務大臣 この件は、現在沖繩の軍港湾労務者の諸君が直接雇用になっていない。形式上は軍との間において認められた民間の雇用者がいて、そのもとに雇用されていながら、しかし身分は同じように永続して軍の労務に従事をしておる。したがって、第四種の待遇しか受けられないで、一種、二種の退職金その他の待遇が受けられない。あるいはまた、現状から申しますと、そのような基本的な問題で、これには退職金の計算の期限の日にちを同じように一九五二年を起点とするかという問題等も踏まえた実質の問題と、現実は委員長以下、これは使用者側の立場で雇用者が首を切った形になっておりますが、背景は米軍ということは明らかでありますから、たしか二十三名の方々の首切り、あるいは米軍の軍隊によるロックアウト、こういうような現象が延々と続いておりますこと、したがって労務者の諸君は、現実の収入を得るための生活に追われて、そしていつ果てるとも知れない闘争を続けておる、そのことはよく承知をいたしておるわけでございます。  これについては、個別にも沖繩選出、ことに上原議員等と相談をし合っておるわけでございますけれども、沖繩における現在の一種、二種並びにその他の諸君の色分けが本土と異にいたしておりますので、これらの点を整理することが先決だ。そのためには、米軍の雇用台帳ともいうべき、きちんとした本人の雇用の実態等についての調査が必要でありますが、琉球政府の労働局長も、率直なところ琉政の手には負えない。いわゆる率直に言えば、見せてくれないということです。というような訴えがありましたので、これは施設庁長官に私の部屋に来てもらいまして、そして防衛施設庁の手によってこの実態を米軍から調査をしてもらいたい、それによって本土政府のほうと対比してみて、やらなければならないならば、現在米側との問で、返還協定の調印に際しての支払い総額の中で退職金の差が――本来これはアメリカが払うべきものでありますけれども、負担増はいやだということで、沖繩を復帰させるためには泣く子と地頭には勝てない式の金も払うわけでありますが、その外に置かれた問題でありますから、やはり私は、一時的な対外折衝は別として、めんどうを見なければならない所管大臣としての責任がある、こう考えておりまして、いま目下その件で連絡をとっておるのでございます。
  32. 大出俊

    ○大出委員 これでおしまいです。こまかい資料がありますけれども、多く申し上げる気はないのです、時間がありませんから。  ただ言えることは、やはり退職金と離対法を何とか目鼻をつけてあげたい。またそうしないと片づかぬのではないか。現地の空気も、関係の組合の方に聞いてみますと、ここまで来ると組合のほうも、何とか退職金、離対法の目鼻、ここに主眼を置いているというわけですね。これはごもっともな理由もございまして、もう長官もよく御存じのとおりに、ガリオア物資等の運搬問題等をめぐって足りないというので、それじゃ援助物資をやらぬぞということで集めたわけですからね、出発は。そのときの村長さん、みなと村をつくったのが国場幸太郎さんです。ところがその後見ると、つまり雇っているほう、根は米軍でございますけれども、国場組から一、二、三、琉球交運株式会社まで行って、さらにまた国場組に戻っているわけでありますが、これは御存じのとおり四種でありますから、一年雇用の形をとっているわけでございまして、そしておまけに、雇い主のかわるたびに退職金はゼロから出発するということでございます。しかし労働者のほうは大半はかわらない、こういうことなんで、確かに計算上これを見てみると、三種、四種の場合は一九六三年からですからね。片やケネディ声明がございましたから、片方のほうは一九五二年。計算上は十九年ということをとりますと、百万足りないのですね。これは決して小さな問題ではない。というのと、それじゃ復帰後どうなるか、施政権返還後どうなるかといったら、間接雇用かどうかという問題が残る。確かに総理府の立場もございましょう、あるいは施設庁の立場もあろうと思う。港湾運送事業法に基づく一般免許ということは確かに問題がある。ないはずはないが、確かにそれは先のことでありますから、どういう話をするかという問題ともからむわけでありまして、そういう意味で、どうしてもまずこれは早急に片をつけなければならぬ問題。まして先般の毒ガス輸送なんかでも、ある面の協力はしている。ところが、そのワク組みなんかについては、専門屋であっても実は陸送の方々が来てやったというようなことで、これから後続く毒ガス輸送等の問題等について、専門に使える方々が、最終の輸送場面で間違いがあっても困るわけでありますから、できれば早く片づけて、そちらの問題等を含めまして安心ができるようにしたい、こういう気は私も痛切にする。これ以上長官に言ってもしかたがないのかもしれないと思うのですが、私も現地に参らなければならぬ日程もございますので、琉政ともいろいろ話をしなければならぬと思いますけれども、連絡中というおことばでございましたが、なお一そうひとつ急いでいただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。
  33. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは一種、二種並みに退職金の、俗にいう差額支給ということに踏み切りますと、復帰の時点においては、本土と同じように間接雇用形式の中に入らなければならないことに理屈上はなるわけです。しかし、港湾労務者の方々のいわゆる団体としての考え方は、これまた大出君御承知のような、地元の労務局等がそうでない形で行なわれて、それがうまくいっているというようなこと等も本土団体と連絡の上よく知っておりますから、総評の市川君も同席の上での話ですから、そこらは若干微妙な点もありますが、それらは触れないことにしておいて、問題は、いま言ったような不合理というもの、作業の業務の実態というもの、しかもその労務者は、一種、二種の諸君と何ら変わらない実態のもとにずっと引き続き行なわれて、変わっているのは、米軍との中に形だけはさまった形のものが次々と交代しているという、それが労働者基本的な身分というものに不安を与えておるこの事実に変わりはありませんから、これはなるべく努力したいと思いますし、解決しなければならぬと思うのです。ランパート高等弁務官には、外交ルートとは別に私は直接電報を打ちまして、この問題は至急に解決すべき問題であると思うというように善処方の配慮を要望してありますが、近く沖繩に参りましたならば、その問題でさらに私自身の直接交渉の問題の一つにもしたいと思っております。
  34. 大出俊

    ○大出委員 わかりました。それじゃ終わります。
  35. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 上原康助君。  上原君に申し上げますが、他の質疑者の方々の時間の関係がありますから、簡明にひとつお願いします。
  36. 上原康助

    ○上原委員 いろいろお尋ねしたいと思っておったのですが、時間がございませんので、簡単に二、三点だけお伺いをしたいと思います。  まず最初に総理府総務長官にお伺いをいたしますが、第三次復帰対策要綱はどういう作業進行状況になっているかという一点と、さらに新聞報道その他で報じられておりますように、沖繩開発庁設置法案、沖繩振興特別措置法案、その他いろいろございますが、沖繩の本土復帰に伴う暫定特例法案というのが、かなり煮詰まったように承っております。そういう面についての現段階における作業の進行状況について、特に沖繩の本上復帰に伴う暫定特例法案にはどういう種類のものが主体となっているのか、またこれにかかる法案が一体幾つくらい予定されているのか、そこいらのことを承っておきたいと思うのです。
  37. 山中貞則

    ○山中国務大臣 まず現在の進捗状況でありますが、これは琉政との合意ということを前提にしておりますので、私自身のほうの作業というものは、一方的にやればもう終わっているわけであります。しかし、これは合意を必要としますし、琉球政府のほうでは、立法院のほかに県民会議という場を通じてさらに一般県民の意向も反映させたいようでありますから、それの手続を待っておりますために、だいぶおくれてまいりました。しかしながら、あと残っておるものは、税制だけがまだまいっていないという状態で、ただいまの開発庁やそれに伴う出先の問題等については、ほぼ合意に達した内容の県民会議の答申並びに琉球政府、議会の意向というものが届いてまいりましたので、これはもう合意に達したわけでありますから、あとは中の仕組みについて話し合いを進めておるところでありまして、ほとんど問題点はなくなりつつあります。  さらに、税制の問題については、一部既存企業の保護ということで考えました。復帰後本土から沖繩に移出する消費物資について、移入数量割り当て規制をやるというようなことをちょっと考えたものでありますから、これについては、消費者の方々が小さくは選択権を奪われる、あるいはまた、本土の消費者よりも高い物資を買わされるという、当然の非難が起こるわけであります。これについて、県民会議の場においてやはり議論が集中してまとまらないということも聞きまして、この問題は私自身も非常に疑問に持っていた点もありました。すなわち、企業の存立のための保護と、一般民衆のそれが犠牲に供せられるおそれがある。この点はどちらか一方を犠牲にするというわけにいきませんので、この移入割り当て、数量規制というものはやめまして、したがって、このトラブルはもう解決をしたと思いますから、近く税制についても合意に達すると思うわけであります。この基本的な考え方は、きのうも沖特で述べましたように、沖繩の制度のほうが税制についてすぐれているものは、沖繩のものを残すことに全力を傾けます、これは国民生活の上において。そして本土の制度ですぐれておるものはそのまま適用する。ただし、沖繩にはない、いま現在ない税制というものも、地方財政の自主財源等において、電気ガス税なりあるいは町村税である事業税を県に移したり、いろいろそういう作業がありますから、そこらのところは、できる限りのいわゆる段階的な配慮をして、ショックが及ばないようにする。総体を通じて、県民生活が復帰によってよくなりこそすれ、それによって苦しくなるような分野のないようにということで、小さくは粉ミルクの本土から持っていく分、沖繩の特別に安いものをどう確保できるかという問題まで含めて、いま全部努力しておりますから、ほぼ安心できる体制が整うのではないかと思います。  さらに、法案の数その他は、それらの仕組みが最終的に落ちついたときにきまるわけでありますが、廃止する法案、その他の手続法案等も含めて約六百一件ぐらいになるであろうと申しましたより、法案の出し方のていさいにもよりますが、ややふえる。むしろ七百に近い件数になるのではないかという見当でいま作業いたしておりますので、なるべくこれらのものは、単なる設置法の改正とかなんとかいうように一本一本にしないで、まとめて審議の便に供せられるように整理をしたいと思いますから、最終的には何本になるかということは、現時点ではまだ煮詰まっていない段階であるということを御承知願いたいと思います。
  38. 上原康助

    ○上原委員 こまかい中身まで入る時間がございませんので省きますが、特に本土復帰に伴う暫定特例法案の問題というのは、県民生活なり制度の一体化あるいは改廃等に相当影響しますので、これがどう取り扱われるかということは、内政面における大きなウエートを占める重要な件でございますので、いまお答えになった点等を十分御考慮いただいて処置するように御配慮を願いたいと思います。  税制の問題ですが、これは私のようなしろうとが申し上げるよりも、大臣とっくに御案内のことですが、特に消費者物価に影響する主要品目なり、いろいろございます。あるいは地場産業に影響のある主要品目等、もちろん消費者保護一辺倒ということにもいきませんでしょうが、また現在の税制だけの企業保護というような面も是正されなければいけないと思うのです。やはり、本土復帰をした場合に新しく出てくる県民税なりその他関税の取り扱い等によって、県民のふところから出ていく税金の額というものが重くなる可能性は十分あると思うのです。所得税だって、個々にばらしてみると、本土のほうがいろいろ軽いということですが、なかなかそう言い切れない面も実際問題として数字が出てきております。そういう面も、先ほどおっしゃいましたように、県民が負担過重にならないということを原則にして、特に第三次要綱における税制問題を御配慮いただきたいと思います。  時間がありませんので、次にたばこ産業の件ですが、これは第一次の要綱の中でも触れられておりますし、さらにこれまでも御答弁いただいたのですが、その後なかなか具体的に前進をしていない。現在の三社の私的営業というものがどうなっていくのか、あるいはそこで働いている労働者の保護というものがどうなるかというようなこと。  さらにいま一つ、第一次、第二次の中にも全然触れられてないし、残念ながら、琉球政府の第三次要請に対する中身を見ても、この点はどういうわけか抜けているような気がするのですが、製塩業者の保護対策、これはおそらく総理府に現地の関係者から要望が行っていると思うのです。製塩業者の問題はどうお取り扱いになるのか。第三次要綱の中で、ぜひこれも現地の要望をいれた形でお取り計らいをいただきたいということ。  さらに、時間がありませんから質問だけいたします。いま一つは、厚生省もお見えになっていると思うのですが、特にハンセン氏病の問題について、これは第一次要綱の中で南静園及び愛楽園を国立療養所に指定するということだけが打ち出されて、実際にいまのハンセン氏病の置かれている立場というのは、職員やあるいは医師、看護婦、そういった面で本土の半分以下、四八%程度の水準にしか達しておりません。強い要望が出されておりますし、南静園のごときは、担当医もいない、専門医もおらない、そういう中でいろいろ関係者の方々がお困りになっている。このことは、総理府とも関係いたしますが、一日も早く片づけていただきたい問題でございますので、こういうことについてどう対処していかれようとしているのか。さらに、国立の精神病院をぜひ設立していただきたいという要望も強く出されておるのですが、こういう問題の取り扱いがどうなっているか、御見解を承っておきたいと思うのです。
  39. 山中貞則

    ○山中国務大臣 まず第一点のたばこ会社の問題ですが、これは現地の三社の補償請求と申しますか、製造業をやめるためにはどういう条件でやめたいという要求のしかたが、少し計算のしかたその他においてばらばらでございましたので、私の手元で統一するように、そうしてまた、三社それぞれの独自の案がなければならない。営業実態がありますから。これについては、またその面について三社別の計算をするようにという指導をいたしまして、大蔵省の窓口である官房の沖繩対策室の審議官の手元で、専売公社監理官並びに専売公社、主として実務は佐々木副総裁になると思いますが、さらに、最終的に金を出す立場にある主計局、そういうものを集めて協議するように指令がしてございまして、大蔵省でもその作業を開始しておりますから、これはあとは残されたものは措置をとることが明記されておりますから、それらについてはどのような計算方式で補償がされるのか、従業員はその際どうなのか、退職金のほかの問題としてそういう問題が現実の問題として残るわけでありますから、その問題について遺憾のないように処理したいと思います。  それから製塩業の問題は、昨年の閣議において、別途大蔵委員会経由の法律でもって、国会で、国内においては一般の流下式塩田の製塩は廃止する、したがって今後は全部企業のイオン交換膜による製塩法に変えられる。今日まで専売のもとでやってきた諸君には見舞い金と申しますか、補償金を出すという法律が通りました。その閣議決定にあたって、私のほうで特に発言を求めて、沖繩の問題はこの中に含まれておらない、したがって沖繩については後刻つけを回すからということは閣議の席で申しております。表現が少し穏やかでないのですが……。そういうことで、製塩業の方方のなさっていらっしゃる業態は本土とやや違う。すなわち、塩田製塩ではない。主として台湾から原料塩を輸入してやっていらっしゃる業態でございますから、大蔵側に若干の異見がありますけれども、これについては私の責任で調整して、やはり本土の人たちに対する補償と同じような方法でもって補償をしたいということで、いま、同じようなこれも専売関係でありますから、先ほど申したようなルートでもって相談を進めているところであります。  さらにハンセン氏病の問題は、ただいまの国立移管の問題は明記されたがということでありますけれども、その内容の充実、これは厚生省とも相談をして進めたいと思いますし、さらに本土における強制収容と言うとことばが悪いのでありますが、要するに、みんなハンセン氏病の人は、国立の病院で無償で治療してもらえるという制度から見ますと、沖繩には未収容患者というものが非常に多うございます。これらのことも考えますと、やはり非常な社会問題でありますから、この国立移管に伴って、さらに病院の収容能力その他についても抜本的に考え直さなければならぬと考えまして、これらは厚生省とよく相談をいたしたいと思います。  それから国立精神病院についても、沖繩における精神病患者の、本土に比べて異常な数の多さということは黙視できないところでありますし、国立病院が沖繩にはない。琉球大学の付属病院は、これはまあ国立移管に伴う――ある意味では国立病院でもありましょうが、一般に考えられている国立病院がないということになりますと、やはりその意味からも、まず沖繩においては国立の精神病院というものをつくる必要があるということを考えまして、これは来年度予算において予算要求をするという姿勢でおります。これも厚生省とよく相談をいたします。
  40. 上原康助

    ○上原委員 医師の派遣についてはどういう御計画ですか。南静園の……。
  41. 野津聖

    ○野津説明員 いま御指摘ございましたように、現在の段階では本土から専門の医師を入れかわりで派遣いたしている状態でございます。ただ、明年度の復帰という時点に対処するために、できるだけ早く、将来とも南静園の園長という立場で仕事をしていただける方を現在鋭意選考中でございまして、復帰前からその先生に行っていただいて、あとは非常にスムーズにいくようなということでいま検討いたしておりまして、本土の療養所と沖繩にあります療養所の格差は、医療面でもできるだけ早く埋めていきたいというつもりでございます。
  42. 上原康助

    ○上原委員 ぜひ早急に専門医の派遣ができますように御配慮をいただきたいし、その他、これは本土のハンセン氏関係者を含めてのいろいろな問題があるということも重々理解をいたしておりますが、特に沖繩の場合、医療施設の不十分さその他の面でおくれをとっておりますので、せめて復帰の時点までに本土の水準には引き上げるように御配慮をお願いをしておきたいと思うのです。  あと一点、公務員の身分引き継ぎの件なんですが、これも第一次の要綱で大綱がきまっております。しかし、実際の中身の問題として、たとえば国家公務員に引き継がれる数とかあるいはその取り扱い、あるいは県職員になるもの、市町村職員に移転をするというようなものも一%程度あるようなんです。給与の問題、身分保障の問題がきまらないと、現に働いておる琉政の職員というのが非常に不安定な中にいま置かれている。こういう具体的な問題も早急にきめていかなければいけない筋合いのものだと思います。特に、復帰準備をいろいろ進めていく中で実際に仕事をやる職員そのものが、精神的あるいはいろいろな面で不安定の中では十分な職務も遂行できないというような面もございますので、この点、特に総理府の関係になると思いますから、どう進めておられるのか、承っておきたいと思います。
  43. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは上原君自体からも機会があったら伝えてほしいと思うのですが、公務員の諸君は、復帰後、国家公務員に分類されるワクの中に入る方も、県の職員に残る方も、いずれも現在の処遇というものを下回ることはありません。また、それに対して首切りその他整理等の行なわれることもありません。この点は基本でございます。  さらに、本土の制度になりますと、現在、沖繩事務局、私どもの出先に比べて、沖繩の現地の方たちが給与が低い。これは海外勤務みたいな形で加給があるものですから。これは逆に言うと、復帰後は沖繩事務局の諸君も、国内ですからなくなるというデメリットになるわけですけれども、沖繩の方々はほとんどが全部、人事院で定められたいわゆる隔遠地手当というものをもらう対象が一番大きいと思いますし、ただし最初の初任給等において若干本土よりも高い傾向等も幾ぶん見られますけれども、これはしかし、それによって復帰後本土の給与の体系に引き戻してそれを下げるというつもりはございませんので、自然になだらかにいけばよろしいと思います。  なおまた、所得税等に関する限りにおいて、現在の沖繩の減税その他の勧告がおくれ、実施がおくれておる実情等から考えて、その意味においては、減税その他が、基礎控除その他も本土のほうにならったほうが非常によくなるわけでありますから、実際上の問題としてもあまり不安はないということを、これはここで公的にも申し上げておきますが、その方面の御理解に協力をしていただきたいと考えます。
  44. 上原康助

    ○上原委員 確かに現在の処遇を下回ることのないような方法で対策を立てていかれるというのが基本的なお考え方だということは、また当然そうあるべきであるし、理解をいたしますが、反面、配置転換とかいろいろなポストがきまらないということでいろいろ問題があるようなんです。そこいらについても、なかなかそう思うようにいかない面もあろうかと思うのですが、ぜひ早急にひとつ対策をお取り計らいいただきたいと思うのです。  あと外務省にもいろいろお尋ねしたかったのですが、一言、二言で済ませるような中身でございませんので、時間がないようですから、これできょうの質問を終えたいと思います。
  45. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 伊藤惣助丸君。
  46. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 総務長官に伺いたいのです。きょうはたくさん聞きたいことがあったのですが、時間もありませんので、大事な問題二、三を質問したいと思います。  まず第一に、核兵器撤去の問題についてであります。すでに発表がありますように、沖繩返還協定の第七条に、施設買い取り等の予算として三億二千万ドルが計上されております。これは政府の説明によりますと、そのうちの七千万ドルは核撤去及び一部の特殊部隊の撤収費に充てられる、こういうふうに予算委員会等においても答弁をなされております。この折衝または予算の問題については外務省、大蔵省ではありますが、ただ、総務長官は、住民福祉の立場から、住民の生命と安全を守る立場から、これは大蔵省そして外務省の問題であるという形で済ますわけにはいかぬと思うのです。私はこの問題について重大な関心を持っているわけでありますが、まず第一に、現在核兵器というものが戦略核兵器は何発あって、あるいはまた戦術核兵器は何発あるという実態すらわかっていないのであります。一説には一千発とか、一説には三千発とかいろいろいわれておりますが、明らかでないわけであります。  そこで、まず長官に伺いたいのですが、現在の段階でいわれている、いつの日にか米軍が、しかも安全に撤去することができる、こういうふうに考えているのかどうか。現在のまま米軍にまかせておいただけで住民の福祉また生命や安全をはかれるのかどうかということです。その点いかがですか。
  47. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これはよく御承知のことで、前提としての御質問でありますから私から繰り返しませんが、外務、大蔵の折衝にゆだねられたわけでありまして、私としては、撤去費に金を出さなければならぬのかどうかという問題も含めて、毒ガス撤去等の費用についても担当大臣としては疑問のあるところでありましたけれども、しかしそうでなければ核撤去を完全に保証できないというようなおそれがありましたので、それならば一番何をなさなければならないか。毒ガスならばすみやかに一個残さず持ち出してもらいたいというのが目標だ。核ならば一発残さず持ち去ってもらいたいというのが目標だ。それに対しては、忍びがたきをある場合においては忍ばなければならぬこともあるのだろうということで、私ももちろんそれに対して、やむを得ないものとして同意をいたしております。したがって、今日の時点において批判をしておるものではありません。しかし、そのようなことがありましても、撤去にあたっては、場合によっては私は毒ガスほど危険ではないと思います。それは私もよく知りませんが、核兵器というものは、それを起爆させる装置を撤去すれば、たとえ飛行機から落ちても爆発はしないようになっておるようなことだそうであります。これは専門家の意見の受け売りでありまして、よくわかりませんが、もちろん米軍自体も、自分たちが運ぶわけでありますから危険なことはしないでありましょうし、当然の常識は実行してくれると思います。しかしその際においても、やはり撤去に際して最大の安全措置をとるように、私としては、沖繩県民あるいは関係住民のためにそのようなことを今後も要望していきたいと思います。
  48. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 ここで一つ問題は財政上の問題です。核兵器のあることは大体公然の秘密でありますが、ただそれが何発どのような形でどう撤去するのかということを全く知らない――知っていて知らないと言っているのか、その辺はわかりませんけれども、いわれているわけでありますが、そういう不明な形で七千万ドル、約二百五十億円ですか、こういう大金を大蔵省が出すということは財政上まずい。いままでにないことでありますね。ですから、こういった点については、まず国民の前にはっきりとさせる必要があると思うのです。  そこで、核兵器について、いま長官が、知らないけれども毒ガスよりも安全だというお話をなさっておりますが、これはたいへんな誤解なわけです。たとえば私の調査によりますと、確かに核兵器の核そのものは、これは安全弁がいかなる戦術核兵器といえども七つ以上ついております。ですから、それを落としても爆発はしないわけであります。ただしかし、その核融合反応をさせるにはどういう爆薬を使うかということであります。これは私ができる限りのいろいろな角度から検討もし、アメリカに行ったときにも調査したわけでありますが、その核融合反応をさせる、記号で言いますとHEとかいう高性能爆薬があるわけであります。この高性能爆薬のほうをアメリカはきわめて重大視しているわけです。核兵器そのものについては安全であるけれども、核融合反応させる高性能爆薬の取り扱いについては、これはたいへんな扱いをしているわけであります。たとえばこれはある程度の熱にも強烈な爆発をする。ショックでも爆発をするわけであります。この高性能爆薬が介在して核融合反応させるわけであります。したがいまして、戦術核兵器あるいは戦略核兵器といえども、別々に取り扱っております。しかしながら、核兵器が撤去されますと同時に、その高性能爆薬もともに移すことになります。たとえば毒ガスのように何発も一ぺんにトラックに積むことはたいへん危険なことであります。したがいまして、私は、核兵器のその核融合反応に使う高性能爆薬というものの取り扱いを非常に重視するわけであります。これを、たとえばいままでありましたメースBというのがありますが、これは三十二発撤去をしたようであります。しかし私は、メースBの撤去にあたって、核はどういう形で持っていったか、それは問題にしませんけれども、高性能爆薬はどのような形で撤去されたか。あるいはまだあるのではないかと思います。これを夜中こっそりだとか、あるいはまた非公開のもとに運ばれるようなことがあった場合、付近の住民に対する影響または生命の安全といいますか、こういう問題についてたいへんな問題である。もしショックでも、たとえば車が故障した、あるいはまた衝突をしたとか、あるいはその車がパンクをして荷物が落ちたとかいうようなことでも、そのHEといわれる高性能爆薬は爆発するわけであります。この取り扱いは米軍の消防士はよく知っております。したがって、もしこの高性能爆薬の事故が起きたときには消火する必要はない、とにかく逃げるだけだ、こういわれております。もう一千フィートというもの全速力で逃げろ、こういわれております。しかも、それが消えたからといって、決してそのそばへ行ってはいけない、ショックで爆発するからと、こういわれております。これは米軍消防士による消火対策の中にはっきりと出ております。したがって、私が申し上げたい点は、この核兵器の撤去については、非公開でやったりあるいは大量に輸送することは、たとえ安全だといわれるようなことがあったとしても、きわめて危険だ。したがって、毒ガスより安全度が高いなんという認識に立って米軍と折衝する、これはとんでもないことだと私は思います。したがいまして、この問題については、総務長官は、核兵器の撤去についてはそういう一つの問題があるわけでありますから、これは毒ガスより以上に、しかもその高性能爆薬を運ぶ場合にはきわめて量を少なくして、しかもこれは毒ガスより以上に神経を使って運搬さるべきだ、このように私は思うわけでありますが、その点いかがでありますか。
  49. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私は、前置きしましたように、このことについてはしろうとであります。したがって、安全装置が七つあるとか、あるいは起爆剤のことでありましょうが、それが非常に危険である、そこらについても常識を持っておりません。危険といえばニトログリセリンでも非常に危険なわけでありますから、そういう意味のものかとも思うのですけれども、私は、安全ということを言っているわけではないので、致死性毒ガスを運ぶときに想像されるような状態とは違うんじゃなかろうかということを、しろうととして申したわけでありますから、もちろんこれを究明してみて、専門家の分析によって危険な分野があるとすれば、当然それに対応する措置はとられなければならぬと思います。今回の毒ガス輸送についても、アメリカ側自体も、これは負担をしなかったわけではありませんで、ジョンストン島の基地をつくるだけで、収容施設だけで千二百万ドルかかっておりますから、アメリカ側に気持ちよくと申しますか、さっさと撤去してもらうためにどうしてもそういう収容施設その他をつくらなければならぬ。特殊な兵器でありますだけに、やはりある程度の金を要求したという根拠もそこらにあったと思います。したがって、それの前提はまず安全に運ぶことだと私は信じておりますけれども、それらの御注意の点等については、私も住民の安全を所管する立場から今後十分に検討してみたいと思います。
  50. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 現在の段階ではまだ総理府内には予算がないわけですね。そこで七千万ドルの中でやるだろうという一つの見方があるわけであります。住民の生命安全を守る立場から、総理府長官に米軍に対して、一つは、メースB撤去のときはどうしたのだ、どういう方法で撤去したのか――たとえば飛行機で運ぶ場合がありますね。それから船で運ぶ場合があります。ですから両方でやるでしょう。しかしながら、七月一日か、あるいはまた返還時には核はないという状態にしなければならぬわけです。ですから撤去するにあたっては、まず短い時間に最大限の輸送をしなければならぬと思うのですね。ですからこれはたとえ秘密でやっても、非公開だといっても住民にわかってしまうわけです。それでただ単に輸送の安全については何ら公開される資料もなく非公開で、しかも何千発というような核兵器を、夜中だとかある日突然にやったということでは、これは大問題だと思うのですね。ですから、輸送についてはちゃんと事前に、こういうコースでやる、そして高性能爆薬については特に大量に輸送しない、こういう形の申し入れ等をしていくことが大事ではないかと思うのです。その点どうお考えになりますか。
  51. 山中貞則

    ○山中国務大臣 アメリカ軍というのは案外あっさりしたところもありまして、メースBを撤去したあと私も行ってみたのですが、それを見せまいとするような空気も何も全然なくて、がらんどうになって自動的に開閉できるふたが残っているだけでありました。したがって、これは私、直接折衝はできませんので、外務大臣のほうへ、外交ルートで、そういう撤去作業についてのただいまのようなことも踏まえた慎重な配慮というものを、沖繩住民の担当大臣としての立場から申し入れておきたいと思います。
  52. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 ここに「核兵器の特徴」というのが米軍の発行したものにあるのです。これを読んでみますが、「一般的に核弾頭は普通円筒形で、後尾部にひれのある容器入りの通常弾薬に似通っている。ロケットやミサイルの弾頭として使われている場合は、核弾頭は普通の爆発性弾頭に酷似している。すべての核兵器はそれぞれ異なった量の核物質と通常型高性能爆薬HEを含んでおり、激しい衝撃を与えたり火気の影響を与えたりすると爆発を起こす」、これなんです。その激しい衝撃とはどういうことか。たとえば足で踏んだ場合にも爆発を起こすということを言っておりました。「一回の爆発における高性能爆薬の量は、少量のものから数千ポンドのものまである」、いわゆる戦術核兵器あるいはまた核兵器の大きさによって、その核兵器と同じ量のHEが貯蔵されているわけであります。もう少し先を読みますが、「事故が起こった場合のおもな危険要因となっている」、このHEがですね。それで「衝撃のために容器が破損し、ある種の放射能性の危険が生ずる」、こういうこともいわれております。  これが全部そうです。これは秘密文書でしょうから、あまり読むとまずいので私は申し上げませんけれども、もしこの爆発が起きた場合には、消防士はこのHEの爆発については消火してはならぬ、そしてとにかく逃げるだけ逃げよというのです。どこの道路を通っても、何百メートルに人家があるわけでありますからね。このHEの通常高性能爆薬がもし爆発したときには、消防士は全部逃げちゃうわけであります。そういうふうに訓練されているのですから。そういうような危険な爆薬を輸送するのに非公開でやるとか、あるいはまた核兵器は存在をはっきりさせないほうがいいんだということを一つの前提にしてひそかに運ばれることがあったのでは大問題だ。核兵器を撤去する場合、少なくともHEという高性能爆薬を運ぶときには、消防士の訓練にあるように、少なくとも沿道から一千フィート以上外に住民を避難させた上で、しかもこれが最高の安全であるというものを考えた上で撤去するということが私は常識であろうと思うのです。  きょうは時間が三十分といわれておりますから、このことについてはもっともっと言いたいことはたくさんありますけれども、次の沖繩国会でまたとくと問題点を明らかにして申し上げたいわけでありますが、ただしかし、このままでいきますと七千万ドルの中のものは外務省や大蔵省で検討して、総理府に関係なく、また住民の生命、安全に触れることなく行なわれることになった。しかも行なわれてしまって途中で事故なんか起きた場合に大問題になるということを私は憂えるから、きょう短い時間でありますけれども、総務長官に考える資料として私申し述べるわけでありますが、その点いかがですか。
  53. 山中貞則

    ○山中国務大臣 要するに物騒な兵器であることは間違いありませんから、不測の事態が起こらないようにするということは、私の立場においても当然のことであります。でありますから、そういう事態の起こらないような措置をとることについては、ただいまのお話も聞きながら、場合によっては日米安保協議委員会等の議題に供せられることになるのかもしれませんけれども、私はそのメンバーでもありませんし、要するに外務大臣に、対米的に沖繩住民の立場をよく考えて絶対に安全ということだけは守ってもらいたいという旨、申し入れたいと思うのです。
  54. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 外務省で大臣が答えた以外に事務的なことでこの問題について何か聞いておりますか。
  55. 橘正忠

    ○橘説明員 ただいまの山中大臣からのお話以外に、お答え申し上げることはございません。
  56. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 防衛庁はそういう点についていかがですかね。この核兵器撤去の問題なんかについていままで話し合いがなされましたか。
  57. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 いままで話し合いはいたしておりません。
  58. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 具体的な輸送方法について話し合いをする考えはありませんか。
  59. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 私どものほうは、いまのところそういう考えは持っておりません。
  60. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私が申し上げたい点は、核兵器の撤去は公開すべきである、そうして公開した場合に、核兵器の事故は放射能による放射能汚染の事故が一つ考えられます。それからもう一つは、いま申し上げました核融合反応させる高性能爆薬HEというものの移送ですね。通常型の高性能爆薬であります。これの通常型による爆発の危険、これに対する一つの安全というものを確認した上で撤去すべきである。しかも、返還と同時に核はない状態にするということを条約上からも言えるわけでありますから、短期間に、しかも大量に扱われるということになるわけであります。したがいまして、先ほど長官おっしゃったように、これが毒ガス兵器よりも安全だという感じで、一つのトレーラーに何発分もの高性能薬を一緒に運ぶようなことになった場合には、きわめて危険な問題となる。したがって、米軍のこのような弾薬庫の消火にあたる消防士についての規則には、もし事故が起こった場合には、消火しないで最低限安全と思われる場所に一千フィートは逃げろと書いてありますけれども、輸送道路わきの住民は避難させた上で当然撤去されるべきである、私はそのように申し上げたわけであります。その点いかがですか。
  61. 山中貞則

    ○山中国務大臣 何べんも申し上げておりますとおり、私はしろうとでございますから、核兵器についてよく知りません。したがって、どの部門が安全なのか、どういう点が危険なのかということも、御意見は承っておりますが、私としては、確信を持ってそれならばという問題ではないわけであります。やはり外務大臣のほうで、これはマクマホン法等の問題もアメリカとしてはあるわけでありますから、それらについてどのように外務省で折衝が願えるのか。要するに、沖繩の住民の危険というものが万が一にもないように、運ぶ者は米軍の軍人連中でありましょうから、米軍の連中も、自分たちがあぶないかもしれぬという運び方はよもやしないでありましょうけれども、しかし、そこにひょっとして無神経なことがあって行なわれても困る、こういうふうなことも私は十分懸念して心配しておりますので、その点は、やはり繰り返しますが、外務省にも十分話をしたいと思います。
  62. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 前段にいまお話しなさった点については、外務省や大蔵省やるからこちらは関係ないというようなニュアンスのお話だったものですから、私はそれでは長官としてきわめて無責任だなと思ったのですが、後段で長官の話はわかりました。私が申し上げたい点は、そういうような危険なものであるという認識をまずしていただきたい。そして総理府長官からも、住民の福祉または生命の安全を守る立場から、撤去については公開で、しかも十分な避難計画を立てた上でやるべきではないか、こういう申し入れを当然すべきだと思いますが、いかがですか。
  63. 山中貞則

    ○山中国務大臣 繰り返しておりますように、外務大臣にその旨を十分話をしまして、外務省からアメリカ当局と折衝してもらうというルートしかないと思います。
  64. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 外務省いかがですか。いま局長もおりませんし、なんですけれども、長官のおっしゃったような方向でいくべきじゃないかと私は思います。  防衛庁もいま聞いたとおりですが、その点について見解を聞いておきたいと思います。
  65. 橘正忠

    ○橘説明員 御存じのとおり、ただいまのところは、返還のときまでに核抜きをはっきりきめるというところが日米間の折衝の焦点でございます。それがきまったわけでございます。あとそれをどうやって実施時期を確保し安全保障するかという話でございます。これは山中長官からもいろいろお話がございましたように、その実態もはっきりいたしません点もございますので、そうしたところからよく検討して、総理府あるいは防衛庁のほうともよく連絡をとりながら、さらに検討を進めていきたいと考えております。
  66. 伊藤圭一

    ○伊藤説明員 私どものほうも、いま先生おっしゃいましたようなことを、米軍とは接触がございますので、沖繩の県民の方々が核兵器危険性についてはたいへん心配しておるということを伝えます。そういうことはできますけれども、交渉その他はやはり外務省のほうにやっていただく問題であろうと思っております。
  67. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 時間がありませんから最後に一言。ここにアメリカ国家消防協会認可の防空用ハンドブックというものがあります。この中にある核兵器を含むすべての弾薬庫に対しての消防士の消火に対する訓練と、そういう事故が発生した場合の避難方式が全部載っております。この中にある避難基準といいますか、避難計画といいますか、そういうものにのっとった上で、きめられた短い期間で大量に核兵器移送する場合には、そのことを十分順守してやる。こういうふうに、この撤去については外務大臣総務長官も含めて日米合同会議等があると思いますが、そういうときには米軍に提示してもらいたいと要望しますが、長官その点いかがですか。
  68. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私をメンバーに入れた会合は、その問題については存在しないわけです。ですから私どもは、沖繩県民の不安なりそういうものを代表して、一方的に申し入れしてその実現をはかるという立場にございません。したがって、よろしかったら、そのコピー等がありましたら、いずれ後刻私のほうへいただければ、それも添えて外務大臣のほうへ話しておきたいと思います。
  69. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 終わります。      ――――◇―――――
  70. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 この際、大石環境庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。大石環境庁長官
  71. 大石武一

    ○大石国務大臣 環境庁長官の大石武一でございます。  去る七月一日環境庁が発足いたしましたが、この際、産みの親である委員各位に一言お礼のことばを申し述べたいと思います。  申すまでもなく、公害の防止と自然環境の保護整備は、現在最も緊急かつ重要な社会的、政治的課題として、広く国民各位から解決を要望されているところであります。このため政府としては、公害行政の一元化と自然保護行政の推進をはかり、もって環境保全対策の抜本的な充実強化を行なうため、委員各位の御協力と御援助によりまして、前国会において環境庁設置法の成立を見、ここに環境庁を発足させるに至ったのであります。  御承知のように、この環境庁におきましては、従来各省庁に分散していた各種基準の設定、監視測定、取り締まり等の公害規制に関する権限を集中し、公害行政の一元化をはかるとともに、自然公園行政、鳥獣保護行政等の自然環境の保護整備をも行政の対象とするほか、さらに、これらに関連する各省庁の事務及び経費の見積もり方針等について、強力な総合調整権が与えられているのであります。  環境庁の組織としては、設置法で認められました長官官房と企画調整局、自然保護局、大気保全局及び水質保全局の四局をもって構成され、そのもとに、審議官一、参事官二のほか十九課一室が設けられております。さらに、職員構成を見ますと、特別職を含めて定員五百四名となっており、いずれも各省庁から特に選抜された環境保全行政に対する熱意と意欲の高い職員であります。  環境庁にこのような権限と組織が付与されたことにより、今後、公害の防止と自然環境の保護整備に関する施策の総合的かつ強力な推進が十分に期待できると考えます。  私としても、この新環境庁において環境保全行政の推進に誠心誠意努力をいたし、もって国民各位の御期待に沿う覚悟であります。  終わりに、委員各位の今後における一そうの御支援、御協力をお願いいたしまして、お礼のことばといたします。(拍手)      ――――◇―――――
  72. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 引き続き質疑を続行いたします。和田耕作君。
  73. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 長官に伺います。長官は前の内閣から引き継ぎされた数少ない大臣でございまして、たいへん御苦労さまでございます。特に沖繩県民の輿望をになってというような報道もありますので、この際、長官に特にお聞きしたいと思いますのは、今度のニクソン訪中、あのニュースを十五日にお聞きになったときに、長官は率直に考えて、ああよかったなとお思いになったのか、あるいはこれは困った、めんどうだなとお思いになったのか、どのような感想を持っておられたかということです。
  74. 山中貞則

    ○山中国務大臣 たいへん答弁しにくいのですが、国務大臣としての立場と沖繩担当の立場と両方から考えまして、まずやはり尖閣列島の問題で、中華人民共和国がみずからの領土であることをつい最近から主張し始めたという問題が一つありましたし、その問題との関連で、米国は、施政権は返還すること、その区域は緯度、経度で別表で示す、しかし領有権論争についてはタッチしないというような言い方を最近わざわざしております。これらのこととの関連があったのではないかということをちょっと思いました。  それから、私はたまたま日米公害閣僚会議でアメリカに行きまして、ニクソン政権下のアメリカというものを病める巨人という感じでいろいろ見てまいりました。失業率六%を上回る実態、あるいはまた黒人問題その他、ニクソンの、これは次元の低い話ですが、次の選挙で横たわるあらゆる課題というものがアメリカには一ぱいある。しかも、アメリカの国民に新しい国家目標を与えようとしたケネディ、その試みというものが、やや国家的なコンセンサスを得かかっているときに不幸な事態で世を去った。その後の歴代大統領は、失礼ながら、これは一個人の立場と言ってもいいのですが、そのような意欲がなかった。そういうことで、今日のアメリカの病める巨人とも言えるような国内状態があるのではないかと見てまいりましたので、それらの要素等も前提として、ニクソンとしては相当な大ばくちを打ったなあという感じはいたしました。しかし、日中問題に関する私の見解を述べよということではありませんでしょうから、日中問題について私がどう思ったかということについては、この場における答弁は遠慮させていただきたいと思います。
  75. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 私いま質問申し上げましたのは、この問題がどういう背景を持っておるか、重要な懸案についてアメリカと中国とのどういう話し合いになっているのかさっぱりわからないのですね。わからないけれども、沖繩の返還という問題についてはかなり大きな影響を持っておるということはわかります。これは、いまの安全保障関係の問題だけではなくて、その他の民生あるいは経済の問題についても大きな影響を持っておるということはわかるわけでございますけれども、私、昨日も防衛庁長官にお伺いしたのですけれども、この問題について衆参両院の予算委員会での佐藤総理大臣の答弁を拝聴しておりますと、さっぱりわからないということですね。政府は、総理大臣は、十五日でしたか、ニクソン声明があったあれから一週間以上にもなるのに、まだどういうような態度で交渉しようとしておるのかということについて、はっきりした情報をつかんでいない。ここは私は非常に問題だと思うのです。たとえばキッシンジャーさんがまあ劇的な形で北京に飛んでいって、そしてこの交渉はまとまるかどうかわからない、海のものとも山のものともわからないという段階では、事前に日本をはじめ友好諸国との接触ができなかったというのは当然だという感じがいたします。したがって、日本政府がこの重大な声明の事前の伝達を受けなかったということについては、了承できるような感じがいたします。しかし、これが発表されて一週間もたつのに、そしてまた、外務省のルートを通じて牛場さんなりその他がいろいろ交渉されておるようですけれども、肝心の点がよくわからない。ベトナムの問題につきましても、台湾の問題についても、国連の問題についても、日本の政府がそういう新しい事態に対して対応できるような情報を得ていないという問題について、私はたいへんこれは遺憾なことだと思うのです。またこれはたいへん重大なことだと思います。アメリカは日本を最大の友好国だ、こう言っている。日本の死命を制するような安保条約の相手国である。こういうことだけ考えても、この一週間のうちに何ら政府として基本的な態度がとれるような情報を得ていないというこの関係は、私は重大な問題だと思います。この問題について、きのうも特に防衛関係は関係がありますから、防衛庁長官に対してただしたのですけれども、長官はほとんど御存じない。また、自分が何とかしてこの問題について、どういうふうな変化になろうかということについての積極的な意欲を持っておられない。これでは日本の安全保障の責任を持つ防衛庁長官としての責任が果たされますかということさえ、きのうは申し上げたわけですけれども、同じように、沖繩という重要なこの課題をかかえておる担当大臣として、この問題がどういうふうに変化するかということについて、私は深い関心を持っていると思うのです。きのうも私、いま外務大臣が御病気ですから、外相代理ということでもいいと思いますけれども、しかるべき人をアメリカに出して、そして、おまえさん、どういうふうに考えておられるのかということについてただすという気持ちはないのか、あるいはまた、総理に対しそういう進言をなさるというお気持ちはないのかということに対して、防衛庁長官は、そういう気持ちはありませんということをおっしゃられたんですけれども、総務長官は、この問題についてどういうふうにお考えになっておられるか。
  76. 山中貞則

    ○山中国務大臣 たいへんむずかしい話ですが、私は、中華人民共和国が核兵器を開発し、実験をし、そして輸送手段、すなわち弾道弾等もすでに開発をしたのではないかという情報が昨年の初めごろにございましたときに、当然、日本の戦争の発達の歴史から考えても、武器は刀からやり、鉄砲というふうに、とにかく遠くから相手を殺傷する武器を持ったほうが勝ったわけでありますから、したがって中共の弾道弾の開発の過程においては、日本列島、沖繩を含む距離には到達できるだろうけれども、まだ米本土というのは無理だろう。しかし、アメリカはもちろん大陸間弾道弾を持っているわけでありますから、対中共だけについて言うならば、アメリカは、沖繩のキーストーンの地位の中で、そのような、どちら側からも届くというようなところにいつまでもいるようなことはしないんだ。戦略的にはずっと後方に、中共の持っておる核爆弾、核兵器は到達しない地域で、米側が持っている兵器は到達できるという地域に当然戦略的には展開し直すだろう。そうするとアメリカは、沖繩からは相当のスピードで撤収するだろうなという気持ちは持っておりました。したがって今回の訪中は、一そうそういうことに、具体的に米軍のもっと後方への展開ということに結びつくのではないかという観測もあるいは当たるかもしれないと思っております。  それから日米の友好の問題ですが、これは私も、アグニュー副大統領も知らされなかったというようなこと、あるいはキッシンジャー補佐官のなぞの三日間ということで、外交の秘密というものは、あるとすればそういうものなんだなというようなことを考えました。私は日本の外務省に皮肉を言っているわけじゃないのです。外交上の秘密というものがあれば、そういうものを秘密というんだな、いわゆる国家としての一大転進でありますから。しかしながら、まだ世界に明らかにされていないことは、周恩来首相のほうからは、アメリカに対して、台湾問題でも五、六項目を含めた具体案をすでに非公式に明らかにしておるようでありますが、これらのことを踏まえてアメリカが行くのか、あるいはその後中共側が、招待と同時に、そういうことが条件だぞということを追いかけて言ったのか。そうするとアメリカは、それに対して準備をして、あるいは場合によっては北京でキッシンジャーと話を詰めた後招請を受諾したのか、ここらのところがまだ私は明らかにされていないように思うのです。  まあしかし問題は、佐藤総理の答弁がはっきりしないと言われるのは、そのような問題のほかに、台湾問題に対する態度がはっきりしないという、ある意味でははっきりしては困ることを言っておるからでもありましょうが、そういう意味のことも含めてかと思いますが、これは私の論評する限りではなく、佐藤総理が内閣を組織しておりまして、とる行為あるいは考え方、方向というものが現在は国策になるわけであります。私どもの一応の政府の方針になるわけでありますから、これはやはり総理自身の決断した方向に進むべきだ。現在は、その内閣のもとで構成された者は、そういう方向で、総理の意向に反対ならば辞表を出せばよろしいわけですから、一応そういうことになっていると思います。しかしこれに対して、日本側からアメリカの真意を確かめに行くというようなことについても、これは総理府というものの長は総理だという立場からいえば、内政上は確かにそういう意味では、私も意見を持っておるならば進言すべきだと思いますが、やはり事外交の問題でありますので、私としてはいま、総理はどのようにされるべきである、外国に、アメリカに外務大臣を派遣すべきであるというような具体的な進言はいたしかねますが、私はアメリカに参りまして、キッシンジャー氏とも五十五分ほど、内容は相当な激論にもわたりましたけれども、議論をした感触から考えて、日米外交のあり方というものについては、私はふっと疑念を抱きました。その点は率直に総理に進言をしてございます。その中身はいろいろなことがありますが、それ以上は申し上げるのを遠慮させていただきたいと思います。
  77. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 総理が北京に行くとかなんとかいういろいろな野党側の注文があるようですけれども、つまり事態がはっきりしていない。先ほど申し上げたとおり、事前の連絡は、こういうふうな場合はこれは無理だったというふうなことはよくわかります。外交上の秘密があるとすればこういうものだなと長官がお思いになるのもごもっともだと思います。しかしこの問題は、日本にとって死活に関する重要な問題なんです。その問題について日本がこのように大騒ぎをしておる。しかも、当のアメリカは中国とどういうふうな話をしたかということについて、その推測すらできないという状態に置かれておる。これがつまり、日米パートナーシップという関係で共同声明を発した佐藤総理の責任として、私は国民として納得できないという感じがするのです。したがって、国務大臣としての山中長官、総理を補佐し、あるいは必要があれば進言をする立場にあると私は思うのです。こういう問題はもっと政府としても真剣に考えなければならない。特に長官の立場は、先ほど申し上げたとおり、沖繩という一つの焦点に立たされておる問題に責任を持っておられる。こういうことですね。  というのは、私いまのニクソンの訪中を聞いたときに、初めこれはたいへんなことだという感じのあとですぐ感じたことは、ひょっとしたら四年前のジョンソンの北爆停止、あのときもこんなにでっかい活字で全世界の新聞は報道したと思います。同じような騒ぎをしました。そして、もう一月もすれば、ベトナムの問題については平和的解決が行なわれるだろうというようなことになって、パリの会談が始まりました。しかし始まってみると、何ということなしに拡大するような傾向になってきた。今度の問題も、私そういうことを望んではいませんけれども、台湾の問題について、ニクソンさんは、友好国の利益を損ずるようなことはしません、こういう発言をしておられる。これらの予想される方向と、北京が原則的にいままで主張してきた方向とは、必ずしも一致したものとは思われない。ベトナムの問題についても、北ベトナムからいろいろな情報が伝えられてきておる。それもいろいろな状態で送られてきておる。こういうことをいろいろ考えてみると、大騒ぎをしたけれども途中でまだどう変わるかわからぬという問題もあろうかと思う。キッシンジャーさんが、これは非常に落とし穴の多い峠を越えるようなものだという表現をしておられるくだりがありますけれども、そういうような問題については、私は単に大使の接触ということではわからないと思います。しかもそれを、日本としてはできるだけ早くキャッチしなければ、当面日本としての打つ手は間違ってくる、こういう問題を含んでおると思います。長官、こういうような一つの私の認識に対して、どういうようなお考えをお持ちでしょうか。
  78. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私の答弁する範囲を、先ほどからはるかに越えておるわけでありますが、しかし、やはり沖繩問題にも影響があるということでの御質問でございますので、御答弁をいたしておるわけでございますけれども、私は、このことは沖繩問題にマイナスになる要素はないんだ、しかしながら現在の事柄については、日米友好という問題について、やはりこれは、最高の総理あるいは外交ルートの問題としてこのままでいいのかという問題は、明らかに一方的に提起されたと思います。私が日米交流閣僚会議に行って感じたことは、経済問題については日米友好という問題は存在しないなと思いました、率直にいって。それらが政治的な友好という問題にまでひびが入ったのか。ここらの問題は、あるいはいかなる手段かをもって確認する必要があるかもしれない。その点は、私もおっしゃろうとすることについては同じような気持ちでございますが、しかし、何ぶん責任ある地位にございますので、ちょっとこれ以上申し上げることはお許し願いたいと思います。
  79. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 先ほど長官がお話しになりましたような尖閣列島の問題等についても、これは非常に重大な問題になる。いろいろいま野党が集中的な質問をしておりますような、たとえば事前協議の問題、あるいは自由発進の問題、核基地の問題、こういう問題については、おそらく、いまの報道されておるような状態が進行すれば、非常にいい条件ができると私は思います。しかし、そういう条件のもとで、これが途中でストップをしたり、あの前の北爆停止のようなことになれば、よくなる条件がまた逆に輪をかけて悪くなるということがあり得る。いずれにしてもこの問題は、日本の政府として、日本の国民に責任を持ち、あるいは沖繩担当大臣として沖繩県民の民生その他の問題について責任を持っている大臣としては、これはまあしばらく様子を見ようとか、総理に対してとやかく言うまいというような問題ではないと私は思います、特に関係の大臣としては。この問題についてはこういう強い質問があったということを、もし大臣がその相当部分について同感だというお気持ちであれば、総理大臣に強く私は問題を提起してもらいたい。できるだけ早い機会に、北京へ行くことはまたおそくしても、とにかく責任のあるものを政府の代表として派遣して、高度の政治的な問題について話し合いをする機会を持つようにすべきだ、沖繩の処理の問題についてもこれは必要であるという趣旨の進言をしてもらいたいと思います。その点についてどうでしょう。
  80. 山中貞則

    ○山中国務大臣 進言する、しないは、私の国務大臣としての判断であります。しかしながら、民社党和田議員からこのような意見があったということは、私は伝えたいと思います。伝える価値のあるものだと考えます。
  81. 和田耕作

    和田(耕)委員 私、沖繩の問題について、私どもいま無所属の安里議員がきょう参りまして、特にこういう点についてただしてもらいたいという問題をお聞きしたいと思っておるのです。  沖繩復帰対策要綱(第一次分)という中に、雇用対策という問題がございます。この雇用対策の中に載っておる項目として、「復帰後の雇用事情の変動に対しては、沖繩振興施策として行なわれる各種の公共事業および新規立地企業等への就労」云云ということばがあります。つまり長官として、復帰される沖繩の今後の産業の開発計画という問題については、現にもう実施案的なものができておりますか。あるいはどういう状況になるか。この問題についてお聞きしたいと思います。
  82. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは、第一次要綱をつくりましたあと、いろいろな事情がさらに加わってまいりました。一例をあげますと、那覇空港アメリカの輸送部隊が引き揚げたため、ランドリー業者が、アメリカの要望するような基準でなければ認められなかったために、外国製の巨大な高価なものを据えつけさせられて、そうして、かといって一般市民から受注しようにも、これは普通のランドリー業者がいるというようなことで、非常なショックを受けられたわけでありますが、これは一例であります。これに類するようなことが、一般の民間の関係にもこれからどんどん出てくると思いまするし、したがって、その当時はただ全軍労解雇騒ぎの最中でもございましたから、主として念頭にはそのようなことが中心になっておりましたけれども、その後やはりこれは沖繩全体が一つのパニック状態におちいらないようにする手段を特別立法で考えなければならぬだろう、そのために本土法で参考にするものがあれば何だろうか。私、考えました。結局は、かつての基幹産業が、固体エネルギーから流体エネルギーへの革命の中において、膨大な直接の従業員、あるいは関連産業、商店街まで含めたそういう地位を失っていくために、われわれは石炭に対する炭鉱離職者臨時措置法的なものを一ぺんやっておるわけでありますが、そのこと等は非常に参考にしなければならぬ。沖繩全体がいままで置かれていた姿、すなわち本土各県並みであったならば、おそらくもう流出して過疎県になってしまっていたであろう。しかし幸か不幸か、その意味では施政権の壁によって人口もふえ続けて、県内の地域的な過疎、過密はあっても、沖繩県内に人がとどまっておる。そうして、基地に対する完全撤去の要望は一方で持ちながら、そのためのまた収入増、所得増も、一人当たりの県民所得等に直せば、全国最下位ではないというようなところまでこぎつけておる。この二十七年にわたる努力というものが、本土になって一県になったら、かえって各県並みになったということによって急激なショックを与えられるということは、沖繩県を石炭産業の産炭地と同じように考えていいのじゃないかというようなふうに考えを改めた、というよりももっと深く考えてみました。  そこで、やはり労働省等にもいま知恵をかしてもらっておりますが、炭鉱離職者臨時措置法に準ずるような沖繩が本土の県に戻ってくることに伴うもろもろの、そのような失業から、あるいはまた再就職、あるいは転業、その他資金面、職業訓練、あっせん一切をひっくるめて特別に扱う。それにはなるべく幅広く、場合によっては、世帯更生的なものまで含めて考えていかなければならないんじゃないかということで、その立法の準備を実はいま進めておるわけでございます。これにどこまで包含できますか、私の考え方が間違っているか、あるいはそういうふうにすることが正しいかも含めて、なお今後慎重に詰めてまいりたいと思います。
  83. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 長官、現在日本の中小企業、大企業もそうですけれども、特に中小企業は労働力不足で非常に困っている。だから、中小企業のいろいろな部面で、沖繩の青少年を日本にどんどんと流入したいという動きがすでに起こっております。私、その一、二の動きを聞いております。こういうようなことでありますので、沖繩が復帰するということについて、いまの長官のおっしゃるような問題、また、ここにはっきり書いてあるような問題について至急に具体的な対策を立てないと、私は、半年、一年のうちに沖繩の事情は変わってしまう、そういうような危惧感を持つのですけれども、その点についてどういうようにお考えになりますか。
  84. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私も全く同感でございます。それも、普通の計画と夢、ことに若い者たちが、きちんとしたもので生活の道を場合によっては本土に求めることもあり得ると思いますが、できれば沖繩において、夢も希望も、そして人生の設計も生活設計もできるような環境をつくり上げることが優先するんだ、そういう信念を持っております。先般ラジオの「ワイド・ワイド・サンデー」という番組でございましたが、沖繩の青少年という感じの年配の高校生やそのOB、浪人中の諸君などと、じかに話し合いをいたしました。私が申しましたことは、近くカラーテレビなんかも生で行くようになるけれども、テレビの画面なんかで見て、東京とか大阪というところはパラダイスだ、もうこんな島はいやだという気持ちは絶対に起こしちゃいかぬ。一ぺんそういうところで働いてみたいと思う、そういうことはいいから、行っても自分の郷里というものを忘れてはならないし、そして東京にはモクセイの花も咲かない町だというようなことなんかもよく知ったならば、美しい故郷に帰って、いまから自分が設計する青写真のにない手になってほしいということも申しましたら、高校生や浪人中の諸君たちも、そういう気持ちを持っておるような空気でございました。今後、ことばだけでなくて、そういう環境が沖繩現地においてつくり上げられることによって、どうにもならない流出というものは、これは避けられないかもしれませんが、その面は十分に配慮したいと思いますし、復帰前においても、本土の求人というものが、正式なルートを通さないで、甘いえさによって求人しているような傾向等もございまして、これは琉政とも相談して厳重に正式の認められた機関による求人でなければ絶対にこれを締め出すというような方向で、いま相談をして実施しておるところでございます。
  85. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 そのためには、これにもはっきり書いておりますように、沖繩の県民が沖繩の土地で喜んで働けるような、ビジョンとかいう段階じゃないと思います、もう具体的にそういうふう開発計画の措置を次々ととっていく時期にあると思います。四月一日といえばもうすぐです。四月一日といま予定されておるようですけれども、この問題については、いろいろなこまかい問題も大事でございますけれども、積極的な手を政府はもうすでに打っていかなければならない、こういうように私は思うのです。ぜひともひとつ、精力的な山中長官ですから必ずやれると思いますけれども、それを強く要望しておきたいと思います。  それからもう一つ、これは先ほどの御答弁で大体わかりましたけれども、具体的なこまかい――こまかいといっては失礼ですけれども、製塩業の問題ですね。現在二十四くらいの小さな団体ではあっても、沖繩にとっては相当重要な塩をつくる産業があるようでございます。この問題については、本土に復帰するに関連して、本土並みということですから、これを個別的な自由な企業にしないで、政府が専売の一環としてやっていくということになると思いますけれども、伝えられるところによると、暫定的には現在の状態をしばらく認めようというような意見もあるようです。そういうふうな意見は多分ないと思いますけれども、どういうふうになっておりますか。
  86. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは本土並みになるのであるから、残るのではなくて、本土のほうでは、昨年の法律で、そういう塩田製塩とか小さいものは認めない、一定の規模以上の工業製塩というようなことになりまして、それの補償が予算も組まれて行なわれたわけでありますから、沖繩については、先ほども申しましたとおり、閣議で私のほうで留保してございます。沖繩においては、塩田をやっている人は一社しかありませんが、その人も実は塩を取るのではなくて、とうふのにがりを取るためにやっているということで、全然塩業の形態が違います。しかしながら、戦前は沖繩もやはり専売の中の製塩ということをやっていたわけでありますから、占領中に形態が変わったといっても、返ってまいりましたならば、当然、専売法の中でその営業が続けられる人たちがもう続けられない状態が、本土専売法が塩については変わってまいりましたから、業者の方々の意向としても、業界の意向としても、復帰と同時にやめたい、そのために従業員問題も含めて補償してもらいたいという正当な要望でありますから、担当大臣としてこの問題を大蔵に取り次いであっせんをしつつあるという過程でございます。したがって、これをいまのままで残してみても、台湾から原塩を持ってきて、普通の家庭塩にするのでありますから、コストも高こうございますし、本土製塩のほうが安いわけですから、そういう意味でも、自分たちに五年くらい残してほしいという要望は全くありません。したがって、御要望もないことを押しつける気持ちもありません。したがって、びしっとこれは処理したいと思っております。
  87. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 ぜひともそういうふうなお考えのもとで、十分な補償の問題もお考えになっていただいて処理をしていただきたいと思います。  もう一つの問題は、電力の問題ですけれども、沖繩のアメリカ軍が公社というような形でやっておったこのものを政府が一応買い取ることになると思いますけれども、それを硫球発電に渡していくというような形だというふうに聞いておるのですが、沖繩に沖繩電力というものができた。しかし、本土には九電力があります。九州電力があの近くにはあります。とりあえず沖繩電力ができるとしても、将来の問題として、九州電力との統合等の問題については、起こってくることが予想がありますか。あるいはそういう予想はありませんか。その問題について……。
  88. 山中貞則

    ○山中国務大臣 九州電力はこれに対して早々と、だれも尋ねてないのに記者会見で、返ってくる沖繩の電力を引き取る意思は全くありませんという態度を表明しておるわけであります。これはおそらく奄美大島のことでこりたんだろうと思うのですが、私も政治家として、奄美大島の昭和二十八年に返りましたときの議員立法の筆頭提案者でございました。しかし、その際に私、今日まで後悔いたしております手落ちをいたしました。それは現在でも奄美大島では、電力の九電引き取りなくして祖国復帰は終わらないという、これは広く広がっておりませんが、奄美大島においては絶えず言われておる抗議のことばであります。したがって、もちろんそれをほうってありませんで、九州電力が引き取れるような水準に到達するように、町村営の電力にして、そうして起債を起こしながらやがては合併、奄美大島本島と周辺のそういう離島電力とを統合させました後、九電で引き取るというところまでこぎつけたのであります。  しかし、沖繩においては、これからの未来像を描きますときに、水は当然でありますが、電力というものをどのように計画するかということを考えますとき、やはりこれは企業形態をどうするかという問題に一番つながってくると思うのです。一番の原則は、資産を評価して本土政府が引き継いだにしても、沖繩側に渡すときには無償であるというこの原則であります。しかし県に渡す場合には無償は何でもありません。法律上も何でもございません。しかしながら、現在琉球電力ができたようなお話でございますが、実は七月一日にできる約束のものがなかなかできないで、いまの状態だと復帰までに一体できるのかなと思うような状態で、いま民間の配電五社もこんとんとしておりますし、また電力供給公社に含まれてない八重山電力等は、燃料等についても、一般の課徴金のかかった燃料を使わされているような離島の格差等もさらにあるわけでありますから、これらを踏まえて、いま配電五社が統一をして一社でやろうという場合における条件、すなわち、離島のことは知りませんが、従業員は半分、千人やめさせてもらいます。そしてただでというわけにはいかぬでしょう。すなわちそこが問題ですが、民営でやりますと、いわゆる公営企業でも、企業は企業でありますから、採算に乗るための電気料金を取るわけでありますので、ただというわけにはいかぬでしょうから、四千万ドルは払ってもいいですというような言い方をしておりますが、その金は今度は本土政府のほうに、長期間据え置きのさらに長期の低利融資をしてくれ、こういう言い方があるわけです。私どもはそれを全面的に是とはいたしておりません。やるならばやはり離島電力も一緒にめんどうを見る、そしてまた新規の開発、発電等についても、発送電まで全部できるんだという計画が立ちませんと、いまのままでは困難であるという気がしております。しかし、かといって琉球政府のほうでは、復帰後県営電力という気持ちを実は持っていないということでありまして、この点、非常に苦慮いたしております。これは目下毎日のように調整中でございますので、民間の人たちが配電事業のみでよろしいということであれば、当初私のほうでたたき台として投げかけました卸売り価格を、幸いにして本土並みの電力料金でありますから、据え置くことが可能であれば、それは配電五社が一緒にやられても、五社であっても今度は料金を統一させられるわけですから、採算はとれるでしょう。したがって、そこまでの段階で小売り価格をいまより上げない、本土並みにするということでやろうとするならば、電力の卸売り価格というものをどうしても現在の時点の価格に据え置かなければならぬ。そうすると、完全に赤字でございますから、それは新しい発電も含めて電発でやろうじゃありませんか、電源開発会社でやって、そこで政府が予算措置をして、赤字を沖繩県民のためにそこで食いとめるという構想を示したことがございますが、配電五社の全部民営でやりたいという御希望がございましたので、これは一応いま消えた形にはなっておりますけれども、何らかのそのような配慮をしなければ、ことに秒読みの段階に入っておる問題の中で最も大きな問題の一つである電力問題について、いつまでもこれをきめないということはできないわけでありますので、県民のためにどのようなあり方が一番よろしいか、近く未来を展望しながら最終結論を出したいと考えております。
  89. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 それでは、沖繩電力という発送電を統一した民営の会社をつくるというのは、方針としてきまっておるのじゃないのですね。
  90. 山中貞則

    ○山中国務大臣 そういう希望は、民営五社、いまの配電五社にございます。それは発電、送電、配電まで全部自分たちでやりたい。しかしその条件にいろいろな問題がございます。しかも、無償で沖繩に渡すということが、四千万ドルか幾らかは別にして、民間であれば、これは無償というわけにいかなくなる。そこの点において根本的な疑問がございますので、一ぺん琉球政府で引き取りませんかということも言っておるわけですが、どうも県営電力はいやですというようなことで、目下押したり引いたりしているということでございます。
  91. 和田耕作

    ○和田(耕)委員 これは理届からいえば、発送電を一緒にしてということになると思いますけれども、いまのコストの問題等があるし、無理に配電と発電を一緒にするなどということを考えなくてもいいじゃないか。特に従業員の整理なんということは、とにかく復帰措置としてはとんでもないことであって、そういういろいろな問題を含めて沖繩住民の福祉の面から慎重に御検討をいただきたいと思います。  以上で終わります。
  92. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 東中光雄君。
  93. 東中光雄

    ○東中委員 給与担当相としての山中長官にお聞きをしたいのですが、いま公務員労働者は、御承知のように一万五千円、一万八千円の要求を出しています。特に配分については、最低額を一万円から一万二千円というふうにいっておるわけです。政府との交渉もいろいろやっておるようでありますけれども、長官この要求に対してどういうようにお考えになっているか、お聞きをしたいと思うのです。
  94. 山中貞則

    ○山中国務大臣 要求はそれぞれの組織体としての要求でございますから、これに対する批判は差し控えたいと思いますが、それは結局人事院勧告がどのようになされるかということにかかってくるわけでありますから、先ほど来お聞き取りいただいておりますように、人事院勧告の完全実施ということを給与担当大臣としてはまず確約するということが前提であろうと思っております。
  95. 東中光雄

    ○東中委員 いまの法制上、結局そういうところへ逃げられることになるわけですけれども、やはり給与の実態をよくつかんでもらうのが使用者としての政府責任だと思うのであります。そういう点で、きのうも人事院総裁にちょっとお聞きしたのですが、公務員が給料日になると憂うつだというようなことを言っているというのが現状です。自分の値打ちがこれだけしかないのかというふうな気持ちになるということを言っておる人がずいぶん多いというのが現状ですが、特に私、長官に申し上げておきたいのは、生活保護基準よりも安い賃金の人がずいぶんいるということであります。これは全司法労働組合の近畿地連が調べた数字ですが、ずいぶん多いので私もびっくりしたわけです。行(二)表の適用を受ける電話交換手あるいは庁務員、あるいは行(一)の五ないし七等級のタイピスト、事務官、こういった人たち三百七十七人を対象に、四十四年十一月分の給与手取り額と年間総手取り額について、生活保護費との関係を調べてみたようです。それによりますと、四十四年十一月分の手取りについては、三百七十七人中の百六人、実に二八・一%の人が生活保護基準よりも下だ。一時金や超勤手当などを加えて年間総手取り額について見ても、十一人は生活保護より下だという状態が起こっているようであります。しかも、生活保護基準自体が非常に低いという状態の中で、一般給与の平均の半分ぐらいだというのが今日の常識となっていますけれども、それよりも下回っている人がずいぶんいるということについて、これは何としても改善せねばならぬ問題ではないかというふうに思うわけです。人事院総裁も、理論的に下になる分もあり得る、実際にもどうもあるようですということをきのう言われているわけです。これは何とかしないといかぬのじゃないかと思うのですが、御所見をお聞きしたい。
  96. 宮崎清文

    宮崎説明員 御指摘の点は、昨日も本委員会で御議論のあったところでございまして、私たちといたしましては、その点につきまして、人事院が個別的にチェックをいたしておりまして、その改善に鋭意努力をしている、こういうぐあいに理解をいたしております。それから公務員全体を見ます人事局といたしましても、そういう状態が一日も早くなくなるように、今後人事院とも密接な連絡をとりまして、努力いたしたいと思います。
  97. 東中光雄

    ○東中委員 もう例をあげるのはやめますけれども、ずいぶんたくさんの例を調べてみて、数字が出てきているわけです。生活保護の場合はほかの収入があったら打ち切られるけれども、給料の場合はそういうことはないのだからというふうなお話もありましたけれども、しかし公務員は兼業禁止がたてまえですし、たとえば、ここにあがっている例を見ますと、神戸で勤務しておる二十六歳、勤続年限五年十一カ月という人、交換手ですが、扶養家族は幼児一人の女性です。この人の四十四年十一月分の手取りは、行(二)の四の六で二万三千九百六十円、生活保護費が三万四百十二円、こういう状態が起こっているわけです。幼児をかかえて、おそらくどこかへ預けているのだろうと思いますけれども、どうして生活できるのかということであります。こういう状態だと、これはもう労働意欲というか、勤労意欲というものだって出てこないのはあたりまえです。ただ、生活保護なんかを受けるのはいやだということ――その考え方自体、私はもっと権利意識を持てばいいと思うのですけれども、しかしそれにしても、現に働いている人がこれより少ない。これはやはりどう考えても解決つけなければいけない問題じゃないか。大きくそういう点での見方を、給与担当相としてぜひ考えてもらいたいと思うのですが、ひとつ長官の御意見をお聞きしたいと思うのです。
  98. 山中貞則

    ○山中国務大臣 いままで国会では、恩給受給者であって生活保護を受けている人がいる、これをどう思うかという議論があったわけです。これも私はやはり、恩給受給者というものは、勤務年限やあるいはそのときの勤続年数、そういうものによって差があって、時にはそういう人が出るかもしれませんという問答をしたことを覚えております。ちょっとしかし、現職の公務員給与が一これは正規の職員ですね、賃金職員その他でなくて。あなたの対比された表のとり方その他は、いずれ私どもの人事局に御指導なり資料等をいただきたいと思うのですが、正確な対比であって、なおかつ生活保護のほうが上回っているのだという事態は、私は正常でないと思うのです。公務員身分を持ちながら、いわゆる国民の奉仕者としての義務を半面負わされて働く者が、生活保護であったならばという計算をした場合、それより低いということは、これは明らかに不正常だと思います。これはむしろ私どものほうとしては、正常でない状態が存在することについて、私どものほうから人事院を動かすわけにいきませんが、給与担当大臣として、国家公務員全体の上から見て、たいへん好ましくないことが存在するのですから、このことをなくしてもらう努力をしてもらうように、これ自身特別な事項でございますから、私のほうで人事院のほうに申し入れをしても――科学技術者の処遇を優遇してくれと科学技術庁長官人事院総裁に申し入れるのと同じ目で見ていただければ、いわゆる人事院の中立を侵すような発言じゃないということであれば、私は、この分野についても人事院に申し入れをするべき事柄だと思うのですが、いずれ相談をしてそのような措置をとっていきたいと思います。
  99. 東中光雄

    ○東中委員 先ほど申し上げましたように、全司法労働組合の近畿地連が大阪、神戸、京都、大津、和歌山、奈良の六支部について、電話交換手、庁務員、タイピスト、事務官について調査した、しかもこのあと追跡調査をしておりますが、これは人事院のほう、あるいは人事局のほうに行っておるのじゃないかと思うのですが、必要ならばあとで出しますから、ひとつぜひそういう点で――要するに底上げということが、これが非常に大切なんで、生きる権利といいますか、ぎりぎり一ぱいのことですから、そういう点で特別にひとつ対処をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから次に、別の問題ですが、この七月九日に総理府人事局のほうで、いわゆる公務員のリボン闘争について各省の人事担当官を集められて指示を出されたというふうに聞いていますが、どういう指示を出されたのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  100. 宮崎清文

    ○宮崎説明員 総理府の人事局といたしましては、各省庁の人事関係の総合調整の立場から、各分野にわたりまして常時連絡会議を開催しております。たとえば人事管理官会議でございますとか、厚生課長会議等がございますが、そのうちの一つとして人事管理の直接の担当者の会議を定期的に開催しております。たまたま七月九日が定例日でございまして、その会議を持ったわけでございますが、当時は、新聞の報道その他によりまして、公務員共闘が七月の十二日にスト宣言を発するのじゃないか、あるいは七月十五日に統一行動をとるのじゃないかという情報もすでにございましたので、これに対しまして、政府側の統一的な対策につきましていろいろ協議をしたわけでございます。その中の一環といたしまして、ただいま御指摘のように、最近、公務員が統一行動をとりますときに、組合等の指令に基づきまして、たとえば勤務条件の改善等の要求を書いたプレート、リボン等を胸につけて勤務する、こういう事例が若干従前見られましたので、これをどう扱うか、こういうことも当然議論したわけでございますが、この点につきましては、いまことさら新しく取り上げたわけではございませんで、すでに昭和四十四年の十一月十三日でございましたか、あの統一行動の際にもたしか問題になりまして、政府といたしましては、自来、勤務時間中にそういう要求事項等を書きましたリボンをつけて勤務するということは国家公務員法に違反する、こういう考え方で対処いたしております。その点につきまして協議したわけでございます。
  101. 東中光雄

    ○東中委員 その国家公務員法に違反するというのは、どこに違反するのですか。
  102. 宮崎清文

    ○宮崎説明員 まず第一に、これは私たちの考え方でございますが、組合等の指令によりまして、公務員が勤務条件の改善等の要求事項を書きましたプレート、リボン等を着用して勤務いたします場合には、国家公務員法の百一条第一項の職務専念義務に違反することになるのではないか、かように考えております。またこれはリボンの態様その他若干ケース・バイ・ケースになろうかと存じますが、同じく国家公務員法九十九条の公務員の信用失墜、義務違反にも当たる場合があり得るであろう、このように考えております。
  103. 東中光雄

    ○東中委員 そうすると、リボンやプレートをつけること自体で、業務の遂行あるいはいわゆる労務提供といいますか、そういうことに支障を来たすというふうなことは考えておられないわけですね。
  104. 宮崎清文

    ○宮崎説明員 業務の遂行の支障と申しましても、いろいろの場合があるわけでございまして、むしろ先生のほうが御専門かもいれませんが、不作為による業務阻害ということもあり得るのじゃないか、こういうことも考えられます。しかし、一般的には私たちは、百一条の職務専念義務は、業務阻害があるとないとにかかわらず、それのみで違反があり得るのではないか、このように考えております。
  105. 東中光雄

    ○東中委員 プレートをつけたからといって不作為による業務阻害行為になるということはあり得ぬわけで、業務阻害行為あるいは職務遂行上具体的な支障が起こってくるということではないというふうにいまお聞きしているわけですが、ただ信用失墜ということを言われるのですけれども、プレートをつけたから、あるいはリボンをつけたから信用失墜になるというのは、これはちょっと理解できないのですけれどもね。たとえば国会だって参考人で来るときに、みんなつけてきますね。あれは信用失墜になっていますか。腕章だってそうですよ。公務執行中に腕章をつけたり何かして案内するとか、係でいろいろ仕事をやりますが、それが信用失墜になるのですか。国民常識からいっても、法感情からいっても、信用失墜というような問題ではないのではないか、こう思うのですが、やはり参考人のっけているあれは信用失墜になるというふうにお考えですか。
  106. 宮崎清文

    ○宮崎説明員 その前に一つ、ちょっと先ほど御説明が足りなかった点を補足させていただきたいと思います。  不作為の業務阻害は、リボンをつけたから直ちになるというふうに申し上げたわけではありません。むしろリボンをつけますことが、私たちの解釈によりますと、組合員が団結を誇示し、あるいは要求貫徹のために勤務時間中に一種の組合活動をやっているのではないか、このように解しております。そうだといたしますと、御承知と思いますが、百一条の職務専念義務の中には、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用いなければならない、こういう趣旨が書いてございますので、おのずから、そういう意識を持ってリボンをつけて勤務しているということはこの条文に違反することになるのではないか、このように申し上げたわけでございます。  それから信用失墜の点は、先ほど私が申し上げましたようにこれはケース・バイ・ケースでございまして、すべてが信用失墜に必ず該当するとまでは考えておりません。リボンの態様でございますとか、あるいは周囲の状況等によって、そういう場合もあり得るであろう、このように申し上げたわけでございます。
  107. 東中光雄

    ○東中委員 普通つけているリボンというのは、ここで参考人がつけるリボンよりも、もうちょっと小さいくらいですね、よけいなまるいものがないから。それ以外のリボンというのはつけたことがないし、ぼくも見たことがないのです。だから、態様によってと言われるけれども、リボンなんというのは、五十センチも一メートルもあるようなリボンをつける人はおりはせぬので、リボンということばそれ自体で示されている態様というのはさまっているわけですから、これは問題にならぬと思うのです。  それと、職務専念義務、組合活動との関係でつけているからこれはぐあいが悪いのだというのだったら、勤務時間中たばこを吸ったらどうなるのですか。自分の嗜好を満足させる、これは職務専念義務違反だ、そんなものじゃないでしょう。組合員であるから、団結権は保障されているわけですから、団結活動を示す、あるいは団結をお互いに確認し合うという活動は、業務に支障を来たさぬ限りはいいんじゃないですか。最高裁だってそういっているでしょう。そういう点は、もし組合のことが頭の中にある――私はプレートをつけているぞということを一々考えておって仕事ができない、そんなばかなことはないわけですけれども、そういうことまでおっしゃるのでしたら、それはまさに団結行動そのものを否定している、団結権そのものを否定しているという問題になってくるのではないか。団結権は認めているわけでしょう。そこらの点の考え方を聞いておきたいのです。
  108. 宮崎清文

    ○宮崎説明員 いろいろ御意見はあろうかと存じます。いま先生最高裁の点をお触れになりましたが、御承知のように、昭和四十四年の九月でございますか、最高裁事務総長が部内の職員に対して通達を出しております。裁判官会議の議を経て通達を出しておりますが、この通達におきましては、これはやはり国家公務員法の規定に違反する、こういうことをいっております。この点につきまして、これは一次的には裁判所の職員を拘束するだけのものでございますが、趣旨としては私たちも他の公務員も同様であろう、このように理解いたしております。
  109. 東中光雄

    ○東中委員 それは全然違うのですよ。あの通達を出した最高裁の立場というのは、使用者としての最高裁です。政府も使用者としての政府の行動がいま問題になっているわけで、最高裁が示した見解というのは――裁判所としての見解というのは判決の中で示すわけです。四十四年の四月二日の判決を見てごらんなさい。公務員については一切の争議行為を禁止したのではないということをいっている。もし一切の争議行為を禁止したものだとすればそれは違憲の疑いを免れない、こういう判示をしております。しかも、きわめて短期間の同盟罷業または怠業のような単純な不作為のごときは、直ちに国民全体の利益を害し、国民生活に重大な支障をもたらすおそれはないのだから禁止される争議行為にはならない、こういっておるわけです。これはもちろん条文は違います。条文は違いますけれども、潜在的に団体行動権が憲法二十八条で保障されているという前提に立ってこれはいっているわけです。ところがいま問題になっている団結権の場合は、これは憲法だって公務員法だって認めているわけでしょう。団体行動権は公務員法で禁止をしておってさえこういうふうに判示しているわけです。だから使用者としての政府の立場というものと、行政行為をやる政府の立場というのとは、明らかに違うわけです。人事局だって労務対策について協議されているわけでしょう。これは明らかに労務対策なんですから使用者としての立場であって、国の全体の行政機関としての立場じゃないわけです。だから使用者としての立場に立った最高裁がそういう方向で動いているということが大きな問題になっているわけです。司法行政ということをいっておりますけれども、司法行政ではない、むしろ実際は労使間の使用者としての政府の立場あるいは最高裁の立場で動いているのです。だから、いま引用されているのは全く違うのであって、信用失墜にしたって、あるいは気持ちが組合のことを考えてつけているから、それが業務に支障を来たすか来たさないかはとにかく、それを組合の決定でやっておるからいけないということになったら――活動をやっているわけじゃないのです。つけているだけなんですから。それと同じようなものをつけたって、ほかの場合は何にもない。ということになれば、団結のためにつけているからいけないのだということは、団結権の否定になってくるのではないですか。この点、理論的には説明がつかぬことですからこういう行為はやめるべきだ。むしろこれはもう慣行になっているといってもいい一つの組合活動の行動ですから。その点どうです。
  110. 宮崎清文

    宮崎説明員 もちろん私たちといたしましても、団結権を否定するというような考えは毛頭ございません。ただ、私が申し上げましたような前提で行なわれた場合には、結果としてそれが勤務時間中の組合活動とみなされるのではないか。そういたしますと、やはり百一条の専念義務に違反するおそれがあるのではないか、こういうことを申し上げているわけでございます。  それから最高裁の事務総長の出しました通達判決でないことはもちろん御指摘のとおりでございます。それを判決として私どもが引用しているわけでは決してございませんで、法解釈については私たちも同じような解釈である、こういうことを申し上げただけでございます。
  111. 東中光雄

    ○東中委員 プレートやあるいはリボンをつける、そういう行動の内容は、要するに組織内の連帯意識を強めていくということ、あるいはその要求を接する人に知ってもらう、そういう意味では表現の自由だということになると思うのです。さらに一つの団結の示威ということを持つとしても、これもやはり表現の問題であります。だから明らかに団結権の範囲内あるいは憲法二十一条の表現の自由の範囲内の行動で、その行動で何か具体的な支障が起こっているかといえば何にもない。頭の中が組合のことだからいかぬのだというだけですから、それなら、職場に行くときに券を持っていって、帰ったら映画を見にいこうと思っている、そうしたらもう専念義務違反になるのか。そうなりますよ。何か支障を来たすというのだったらそれ自体問題がありますけれども、支障を来たすというのだったら話はまだわかるけれども、こういう行動についてやるというのは、これは団体行動の歴史から見たって、団結権というのは初めはやはり犯罪視された。しかし今日、団結権を犯罪視しないことはもちろんですけれども、争議行為についてさえ、いわゆる市民法的な感覚よりももうちょっと幅を広げた権利として認めている。単に団体行動をする自由ではなくて、権利なんだ。だから市民法的にいえばある程度相手の自由を制限するようなことがあっても、あるいは阻害行為があってもそれはいいんだというのが憲法二十八条の根本的な趣旨だと思うのです。そういう点からいえば、これはもう全く、支障を来たすということでなくて、後退している。そういう意味では非常に反動的な態度になってくるわけです。そういう点で、プレートをつける、あるいはリボンをつける、その心情は団結化するからいけない、ほかのことだったらかまわないということになれば、ほかのことであっても、専念義務からいえばまさに違反しておると形式的には言えます。人間をそこまで規制できるものじゃないわけですから、行動であるいは職務の上で具体的な結果が出てくるということになった場合に、なるほど百一条もその中から出てくるということはあっても、こういう問題で規制をし、組合の団結権否認するといいますか、あるいは介入していくというふうなことは許されないんじゃないか、私はこう思うわけですが、ひとつ長官、どういうふうにお考えであるか。単なる労務対策だけでは済まぬですよ。あまりにも組合行動に対する不当な介入になってくるんじゃないか、こう思いますので、ひとつ今後こういうことはやめる、当然団結権は尊重していく。団体行動権については、国家公務員法上の規定があるからずいぶん議論はあるでしょうけれども、こういう行動についてまでやるということはしないというふうに当然やられるべきだと思うのですが、所見をお聞きしておきたいと思います。
  112. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは団結権のことを否定したとは局長も言っておりませんから、要するに勤務中にそういう具体的なものを書いた、あるいは同じような統一したものをつけることは好ましくないと言われたら、それはしなければいいのじゃないですか。それをわざわざなぜしなければならぬのか。要求はほかにもできるわけですから、公務員として勤務時間中は遠慮してくれということであれば、そう目にかどを立てて言う必要のないことじゃないかと私は思っているのですが、やはりむずかしい問題ですかな。
  113. 東中光雄

    ○東中委員 それは全く逆ですよ。参考人が同じものをつけてきますね。それを、これは違法か、威信を傷つけるか、そんなこと考えないでしょう。何も起こりはせぬのに、わざわざ各省の事務担当官が集まって、あれはやめさせようというふうなことをきめるのがいかぬじゃないか、こう言っておるわけですよ。なぜ目くじら立ててそういうものをやってはいかぬというのか。わざわざ職務命令を出せとか、それに従わなかったら処分せいというふうなことまで目くじら立てるのは、むしろ政府のほうなんですよ。そういう状態が起こって、そういうことはやめなさい、こう言っているわけですから。長官、どうですか。
  114. 山中貞則

    ○山中国務大臣 私は、公務員の身分、給与、そういうものを擁護する立場ですから、したがって、リボンをつけた人の月給は一号俸ダウンするとか、そんなことは全然関係のないことなんですから、そしたらやはり公務員として、お客さまというのは悪いですが、国民にいろいろ接触したりなどする場合において、特別に公務員としての服装以外のものを何かつけてはいかぬというようなことについて、一応人事管理者が集まって勤務中はやめてくれということだったら、それはすなおにやめたらいいのじゃないかと思うのですけれども、やはりいかぬですかな。
  115. 東中光雄

    ○東中委員 それは全く逆で、公務員としての服装というのはきまっているんですか。別にきまってないわけでしょう。御婦人がチョウのリボンをつけておっても別に何ともないわけでしょう。ところがあの小さいリボンをつけたら、そこに書いてある内容が政府に好ましくない。それはそうでしょう。使用者としても好ましくない。好ましくないからといって、専念義務違反だというのは、百一条を持ってきて、それこそ目くじら立てて、職務命令でそんなものはやめなさいということを言って、それに従わなかったら処分するというのでしょう。これは処分された人は給与に関係してきますよ。そういう事態が起こっておるのですから、これはむしろ長官の言われるように、たいしたことないじゃないですかというんだったら、なぜそんな態度をとられるのか。むしろそれは全くこっちが言いたいことです。法則的に労使関係というのはそういう方向へ向いていくわけですから、そういうことをしてはいかぬぞというのが憲法二十八条の規定だと思います。やはりそういうことはやめるべきだというふうに思うのですが、どうでしょうか。
  116. 山中貞則

    ○山中国務大臣 これは私は別段こだわってもいませんし、そう四角四面に考えていないわけですけれども、勤務中にネクタイをつけていなければいかぬとか、あるいは上着を脱いじゃいかぬとか、公務員の服装の基準が定まっているとは私は思いません。しかし、だからといって、みんなが一斉にある日同じものをつけて、そして目的を何か書いてやるということは、場合によっては、窓口事務あたり等において、公務員としての正常な服装に何かがくっついているなということは一般国民は思いますよ。そういうことのいい悪いということをそう肩ひじ張って議論しなくても、そういうことは勤務時間中はやめようじゃないかということなら、それでいいんじゃないかと思うのですがね。
  117. 東中光雄

    ○東中委員 処分したり何かすることはどう思いますか。
  118. 山中貞則

    ○山中国務大臣 それは、おれたちはおまえたちの言うことなんか聞くものかというようなことで、かえってぎすぎすしてそういうことまで発展していくのでしょう。その前にもっと穏やかに、勤務時間中というのは公務員だから、これはどの団体に所属しようとそれは別だというようなことで割り切ることはできぬものだろうかという気持ちを私は持っております。
  119. 東中光雄

    ○東中委員 時間があれですが、問題は組合が組合としてどういう行動をとるかということについて、山中長官がそれがいいとか悪いとか、もっとほかのことをやればいいじゃないかというようなことを言われることはないわけです。そういう行動をとったという段階でその行動が業務に支障を来たしてくるというなら別です。それはそれ自体として問題はあるけれども、それは別の問題です。私がいま申し上げておるのは何も業務に支障を来たさぬでしょう。これをつけておったら窓口で一般国民が何かやりにくいというようなことが起こるか、社会常識からいって起こりはせぬですよ。むしろこれは、こういう一つの組合行動のスタイルというのは普遍化しているといってもいいわけです。判決なんかでもそういうことをいっている。下級審判決ですが、ずいぶんあります。そういう状態でことさらに職務命令でやめろというようなことを言う。あるいはそれに従わなかったら処分するというようなことを警告するというのは、たまたまそれが組合の行動だから言っているので、そのこと自体を言っているのではないわけです。一斉であってもどっちにしても、そういう状態、具体的な支障を来たさない状態ではこれは当然やめるべきだ、こう思うわけですが、これはたいしたことじゃないとおっしゃるのだったら、そういうことを感情で問題を処理されているわけじゃないでしょう。やめておけというのにやめないから職務命令を出した、職務命令を出して聞かぬから処分するのだ、こんなことを感情でやっているのだったらたいへんなことです。やはり事柄の筋道をはっきりさせるという点でひとつ大いに反省してもらって検討していただきたい、こう思うのです。
  120. 山中貞則

    ○山中国務大臣 おっしゃることもわかりますけれども、一時官庁街に、俗にふんどしと称せられたものが、農林省のビルとかなんとかに、要求の長いたれ幕などが下がっていたものです。そういう時代もありました。しかしそれは何としても、組合員であろうとなかろうと、公務員としてそういう国の庁舎に、不特定多数の人が見るような外側にふんどしをたらすなんというのはよくないという常識が――ふんどしというのは使用するほうじゃなくて、俗称のふんどしですが、そういうものはいつの間にかやはりみんなやめた。やめたからといって、公務員の給与がその分だけ圧迫されて安くされたとも私は思いません。だから、なるべくそういう問題はぎすぎすしないで、意見の対立があるものならば、勤務時間中くらいはではやめるかというくらいのところで、あっさりいったらどんなものかということを思います。
  121. 東中光雄

    ○東中委員 問題をそらしてしまったらいかぬです。勤務時間中のことをいま問題にしているのです。勤務時間外のことは初めから問題にならぬ。勤務時間中のことでぎすぎすと、こういう職務命令とかあるいは処分とかいうようなことは、それはずっとやってきたことですから、いますぐどうという回答はできないと思うのですけれども、いま言われているような立場だったら、そんなものをぎしぎし、まさに職務命令とか処分とかいうようなことはやるべきじゃない。もしその戦術がおかしいんだったら、それこそいま言われているふんどしの例じゃありませんけれども、広範の批判があるなら、かえってそういう戦術はとらぬでおこうということになるので、それは組合自身がきめることです。へたな戦術ということになるのですから。そういうことを組合がやっているからといって、当局側が職務命令とか、要するに法規あるいは国家公務員法違反というふうなかっこうで問題を出してくるのはそれはよくないんじゃないか、こう思いますので、そういう点ひとつ、いますぐの結論でなくても検討するということをぜひやっておいていただきたい、こう思います。
  122. 山中貞則

    ○山中国務大臣 ものには裏と表の考え方があって、あなたのほうはよくないという立場、今度は国家公務員を管理する立場からは、その服務のしかたについて問題ありという立場を管理者としてはとっているということですから、それについてはやはり、一方的な立場だけを両方言っているわけじゃなくて、そういうことをされなければこんなことも言わないわけですよ。だから、そうしなければ月給をみんな一人一万円以上上げろ、四月実施だということが実現しないのかといえば、リボンをつけなくたって実現するときは実現するわけですよ。リボンをつけたからじゃ実現するかといえば、そういうこともない。だからそこらのところは、もうみんなの常識じゃないですか。なるべく公務員同士でぎすぎすしないようにしようというのが私の気持ちですよ。だから私は、だれとでも会うし、いろいろな意見も聞きますけれども、あんまりとげとげしくないようにしましょう。
  123. 東中光雄

    ○東中委員 これはちょっと結論が出そうにないのですけれども、使用者としての政府なんだということは、そういう考え方というのは、これは国際的に異論を言う人はないと思うのです。言う人がおるとすれば、それは特殊な暴論だということになると思うのです。だから使用者と労働者との関係で対立する問題というのは、個人的な対立でなくて、もっと社会的な、法則的な問題があって、だからこそストライキとか団体交渉権とかいう問題が起こってくるわけで、長官の言われているような考え方でいけば、憲法二十八条なんというものはナンセンスだ、要りやせぬ、そんなものぎすぎすせぬで話し合いでやればいいじゃないか。ストライキやったって、上がるものは上がるんだが、上がらないものは上がらないんだというところへいっちゃいます。そういうものでないんだというのがいまの法制のたてまえなんですから、そういう点でこれは団結権に対する不当な介入になっている。裁判所の判決で示されている。要するに、論理的に法解釈の内容として説明されている立場からいっても、これは非常によくない状態になっておるということをはっきり申し上げて、ひとつ処置を強く要請しておきたい。どうもここではらちがあきそうにありませんし、時間がありませんので、そういうことで終わります。
  124. 伊能繁次郎

    ○伊能委員長 次回は、来たる八月十日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十四分散会