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1971-05-10 第65回国会 衆議院 決算委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和四十六年五月十日(月曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 菅波  茂君 理事 高橋清一郎君    理事 森下 元晴君 理事 華山 親義君    理事 浅井 美幸君 理事 吉田 賢一君       阿部 文男君   小此木彦三郎君       海部 俊樹君    仮谷 忠男君       佐藤 守良君    中村 弘海君       丹羽 久章君    綿貫 民輔君       北山 愛郎君    田中 武夫君       高田 富之君    鳥居 一雄君       瀬長亀次郎君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 植木庚子郎君         外 務 大 臣 愛知 揆一君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君         厚 生 大 臣 内田 常雄君         農 林 大 臣 倉石 忠雄君         通商産業大臣  宮澤 喜一君        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君         郵 政 大 臣 井出一太郎君         建 設 大 臣 根本龍太郎君         自 治 大 臣 秋田 大助君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      保利  茂君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)         (科学技術庁長         官)      西田 信一君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 中曽根康弘君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      佐藤 一郎君  出席政府委員         内閣官房副長官 木村 俊夫君         内閣法制局長官 高辻 正巳君         人事院総裁   佐藤 達夫君         総理府総務副長         官       湊  徹郎君         警察庁長官   後藤田正晴君         宮内庁次長   瓜生 順良君         行政管理政務次         官       黒木 利克君         防衛庁防衛局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         局長      江藤 淳雄君         防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君         防衛施設庁長官 島田  豊君         大蔵大臣官房長 高木 文雄君         大蔵省主計局次         長       竹内 道雄君         文部政務次官  西岡 武夫君         食糧庁長官   亀長 友義君         労働政務次官  大野  明君  委員外の出席者         会計検査院長  山崎  高君         会計検査院事務         総局次長    小熊 孝次君         日本国有鉄道総         裁       磯崎  叡君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十日  辞任         補欠選任   大橋 武夫君     海部 俊樹君   笠岡  喬君     仮谷 忠男君   中川 俊思君    小此木彦三郎君   中山 利生君     佐藤 守良君   中澤 茂一君     田中 武夫君 同日  辞任         補欠選任  小此木彦三郎君     中川 俊思君   海部 俊樹君     大橋 武夫君   仮谷 忠男君     笠岡  喬君   佐藤 守良君     中山 利生君   田中 武夫君     中澤 茂一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十三年度政府関係機関決算書  昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書      ――――◇―――――
  2. 濱野清吾

    ○濱野委員長 これより会議を開きます。  昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。  御承知のごとく、これら各件は、第六十三回国会に提出され、本委員会に付託されました。自来、第六十五回国会の今日まで長時間にわたり、予算が効率的に使用されたかどうかを中心といたしまして審査をいたしてまいりましたが、去る三月十日、各省別所管の審査を終了いたしました。  本日は、これより各省別所管の審査の経過に基づき、各件について締めくくり総括質疑を行ないます。  なお、念のため申し上げます。各党の質疑の時間は、理事会の協議により、各国務大臣に対する質疑時間は、日本社会党九十分、公明党四十分、民社党四十分、無所属二十分となっておりますので、御協力を願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  3. 華山親義

    ○華山委員 決算委員会の重要な事項といたしまして、予備費の支出についての審議がありますが、この予備費は、政府が出してしまえば事前に何らの審議もない、それで、出てしまったあとでここでそれを審議するというふうな過程がありますけれども、できるならば予備費の支出の予見される問題については、あらかじめ政府の考えをお聞きしていたほうがいいと私は思うわけであります。それで、与えられております時間も少のうございますので、この機会におきまして予想される予備費のことについてお伺いしたいと思うわけであります。  それで、まず大蔵大臣に伺いますが、今後予想される予備費の支出、あるいはこれが予備費でなければ補正予算になるのかもしれません。それにつきましては、一つは米のことであります。それからもう一つは、天皇の外遊に関する経費であります。もう一つは、これは急ぐと思われますので、沖繩におけるガス撤去に対する道路の問題であります。  米の問題につきましては、補正予算まで延びても差しつかえないというふうなことがあろうかと思いますけれども、われわれといたしましては、予備費の支出というものは極力押えるべきものであって、その前に国会が開会された場合には、これを国会で補正予算として審議するが当然だと思うわけであります。これらの見通しにつきまして、大蔵大臣どうお考えになっておりますか。
  4. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 予算編成後に生じました事由に基づきまして支出する予備費、これは数年来の傾向を見てみますと、従来の予備費の額では足りません。そこで毎年毎年補正予算を組む、こういうことになっておりますが、昭和四十六年度においてもそういう過去の趨勢を考えなければならない、そういうようなことから予備費を千四百億円に増額をいたしたわけであります。これで対処してまいりたい、かように考えております。  一方、予算編成後に生じました事由に基づき支出を要する問題、これは米価がまず第一であります。それからもう一つは、おそらく人事院の給与勧告が五%をかなり上回るものになるんじゃあるまいか、その際におきましては、予算編成後に生じた事由といたしまして支出を要する、こういうことになりそうであります。それから第三は災害でございます。これが例年災害はずいぶんある。予想外の大きな災害というようなことを考えなくとも、かなりの災害があるであろう、これも予算編成当時予見しない災害でありまするけれども支出はしなければならない、こういうようなものであります。いま御指摘の陛下の御外遊の経費、これは額はわずかなものであろうと思いまするけれども、これも支出を要する、こういうことになる。それから毒ガスのことにつきましては、私はうわさでいろいろ話を聞くんですが、まだ正式に承っておりません。  しかし、いろいろそういう支出要請が起こってくる、それを補正でやるのか、あるいは予備費でやるのか、これはこれからのいろいろな財政の推移を見ましてきめていきたい、かように考えておる次第でございます。
  5. 華山親義

    ○華山委員 私がお聞きいたしておりますのは、ことしは参議院の選挙後の国会あるいは沖繩の問題に対する国会等が開かれるわけであります。したがって、その国会においては、すでにきまった経費というものは、極力補正予算として提出して審議に付すべきであって、予備費にこれを回す、そういうふうなことは、議会の予算審議権の立場から避けるべきではないか、こういう趣旨でお尋ねしているわけであります。どうでございましょう。
  6. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 予備費にいたしましても補正予算にいたしましても、これは予算編成後生じた事由に基づく支出でございます。それを予備費で支出いたしますか、あるいは補正として御審議願いますか、これはそのときの諸般の情勢を勘案いたしましてきめたい、かように考えております。
  7. 華山親義

    ○華山委員 大臣は諸般の情勢だとおっしゃいますけれども、それは財政的ないろいろな諸般の情勢かとも思われますけれども、私は、予備費で出すか、補正予算で出すかは本質的に違うものである。補正予算でありますれば、事前に国会がこれにつきましてかれこれ質問をし、要望をすることもできるし、態度を決定することができますけれども、予備費は、出してしまえばそれだけのもの、あらかじめ国会の審議を経ないで出されてしまう、そういう性格のものであって、これはどちらでも同じなんだというふうなものの考え方は、私は、国会の予算審議権を考えますとおかしいのじゃないか。でき得るだけきまったものは、国会が開会されるならば、その国会で補正予算として審議をすべきものじゃないか、こういう原則論を私言っているわけであります。どうでしょう、大臣、ひとつその点。
  8. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 一つは財政上の事情、いま御指摘でありますが、そういうこともあるのです。補正を組まないで、整理、節約というようなことで財源を捻出するかというような問題もあります。しかし同時に、政治上その他の各般の事情があるわけです。国会を開会し得る事情であるか、あるいは国会を開会いたしましても、会期をどういうふうにするか、これは与野党間で十分慎重に相談をする、そういうこともあります。いろいろそういう財政上あるいは政治上の各般の事情を勘案いたしまして、補正予算にするか、あるいは予備費で支出するか、これをきめる、こういう考えでございますが、いずれにいたしましても、予備費といい、補正といい、予算編成後に生じた事由に基づきました緊急の所要ということにおいてはいささかの違いもないのでありまして、それを補正予算としてお願いするか、あるいは予備費でお願いするか、それはそのときの客観情勢から、広く、高い立場で判断すべきものである、かような見解であります。
  9. 華山親義

    ○華山委員 貴重な時間でございますからこれ以上論議いたしませんが、大臣と私とはものの考え方が違っている。政府としては、機会があるならば、できるだけ補正予算として出して国会の審議を経て支出すべきものだと私は思います。政府の都合によって、これを予備費にしたり、それから補正予算にするというふうなことは、これは国会の予算審議権に関係のあることであって、その点、大臣とは所見を異にいたしますが、時間もございませんので、押し問答いたしましてもなにでございますからその次に進みます。  補正予算、あるいは私は予備費で出る可能性が多いと思いますが、新聞でしか私は存じませんけれども、沖繩の毒ガス撤去の問題につきまして、これはどんなふうになっておりますか、総務長官から伺いたい。
  10. 山中貞則

    ○山中国務大臣 過去の御承知のような経緯で、沖繩の毒ガス撤去というものは一刻も早く急がなければならぬという前提のもとに、しかし住民の多数居住する地域を通りました第一のルートといわれておる最初搬出しました百五十トン分については、これは琉球政府もあるいは立法院議会もこれでは困るという意見が、相反する意見として解決を急がれておりました。  先般、琉球政府のほうで米側と交渉いたしました交渉結果によって、第二案と第三案の折衷案といわれる第二A案というものについてルートの双方の合意を見たわけであります。これは瑞慶山ダムの上のほうを通りまして新しい道路をつくって、最終的には同じ天願桟橋を使いますけれども、石川、具志川の東恩納部落と昆布部落においては影響は前と変わりはないというようなルートでございます。  これについては、琉政側において、まず第一には、前のマスタード・ガスと比べものにならない致死性のガスを含んでいるので、住民に対する安全対策をどうするかという問題で、米側との間に双方合意の上で、いろいろの専門家、学者グループによる研究班、対策班をつくりまして現在検討中であります。  ところで、琉政のほうから私どものほうに要請書が参りまして、こういう合意を見たけれども、しかしながらまず第一に、撤去経費について、仄聞するところによれば約二十万ドル、七千二百万円、正確に言えば十九万ちょっとでありますけれども、二十万ドル弱の経費について、これは米側が一方的に住民の知らぬ間に持ち込んできたものを撤去するのであるから、当然米側が負担すべきが一義的な前提条件であるというその要請を踏まえて対米折衝をしてもらいたいという要請がございました。これについては、さっそくその要請書の参りました翌日、吉野アメリカ局長と向こうの在日米大使館のスナイダー公使との間で話し合いをいたしましたけれども、現地の琉球政府主席とランパート高等弁務官との間において、その撤去の作業経費については持ち得ないアメリカの財政事情を説明されましたとおりの結果が、正式の外交ルートの結果としても出てまいりました。アリカ側としてはこれに対して金を支出することは困難である。その理由は、ジョンストン島の受け入れ施設に相当な金額、伝えられるところによれば、一千二百万ドルの金をつぎ込んで急遽突貫工事で完成をした。したがって、アメリカ側の予算の立場においても、対議会の姿勢においても、金額はわずかであっても、第一ルートという通れる道があるのに新しく道路をつくることについての支出は賛成できかねるし、支出は可能性がないという返答でございましたので、私と主席との間に電話で連絡をいたしておりますが、琉球政府態度としては、そのような折衝は、自分たちとしては――結果は予測されていたのでありましょうが、はなはだ心外である。しかしながら、毒ガス撤去というものは非常に急を要し、かつまた八月の夏休み等も考えてなるべく早くセットしなければならない。  そこで、現在までに本土政府のほうでいろいろと表明しておりますのは、私が一月にランパート高等弁務官と会談をいたしまして、アメリカ側が非常に渋い態度であったものでありますから、本土政府側の沖繩の住民に対する緊急の不安除去のための義務負担として半分は持とうということも、総理、大蔵大臣、外務大臣を含めて一応は表面に出しておりますけれども、全額を持つということについては相談をいたしておりません。  さらに、琉球政府側としては、かりに全額を本土政府に出してもらうにしても、現在、沖繩援助費の復帰対策費に組まれてある予備費といわれる調整費、この調整費の中から出してもらうことは困るのであるというような話がやはりございます。それについては若干見解を異にいたすわけでありますが、昨年までの調整費は、相次ぐ全軍労の解雇その他に伴いまして、本土並みの緊急な退職手当その他を差し上げなければならないという本土政府の立場において、予備費の性格を持つ調整費から出していたわけでありますが、四十六年度予算においては、これを、推測できる数を前提にいたしまして、おおむね本土並みの退職金、あるいは再就職特別給付金の雇用奨励金、全部一般予算に組んでございます。  そこで、予算編成の過程においては、大蔵省は見るべきものはほとんど見たので、その他の突発需要というものが予測される場合であっても、来年度は本邦換算五億円でいいじゃないかという意見もありましたけれども、これもやはり復帰前年のどのような事態が起こるかわからないときであるので十億、対前年同額を組んでほしいという要望に対して同意を得たわけであります。  そこで、私どもとしては、このような予算こそ調整費から支出すべきものである、七千二百万円のことでありますからということをいま申し上げておるのでありますが、いまのところ、本土政府に金を出してもらうについても、本土政府の一般会計予備費からの支出にしてもらいたいという要請との間に意見がまだ統一されていない、目下その話し合いをしつつあるということでございます。
  11. 華山親義

    ○華山委員 非常に急ぐ問題であると思いますが、いつごろまでにこれは移送を完了したい、あるいは移送を完了するという予定でございますか。
  12. 山中貞則

    ○山中国務大臣 おおむね第二A案のルートの建設を終わりますのが――突貫工事と申しましても、危険の少ないような状態のりっぱな工事でありますけれども、いわゆる米側の工兵隊が自分たちの力でやろうといっておりますから突貫工事ということばを使うのでありましょうが、それに大体二カ月要する見込みであります。そして、移送期間を二カ月と踏んでおりますが、これを危険ない限りなるべくひんぱんに運んでもらいまして、八月末にはジョンストン島に全量の移送を終わるようにしたいものであるということで、一応そのような目標を立てまして、現在対米並びに沖繩側との連絡に当っておるということでございます。
  13. 華山親義

    ○華山委員 この問題は、筋から申しまして、沖繩県民の知らない間にアメリカが持ち込んだものでもありますし、これを撤去してくれと言うのも当然なことでございますし、その本島内の運搬の過程における危険を島民が感ぜられることも当然でありますので、従来あそこに米軍はいたのでございますから、これはアメリカが負担するのが当然だという気持ちが私はいたします。このことは長官も御同感だと私は思います。ただ、時間の問題がございますので、それが強行できるかどうかというところかと思われるわけであります。そういうふうなことはございますが、筋といたしましては、日本政府あるいは琉球政府の持つべきものではないんじゃないだろうか、私はこんなふうに考えます。したがって、これはどうしても予備費で出さなくちゃいけないんじゃないか。予備費で支出決定の前には工事ができません。そういうふうなことがあって、予備費の支出によらざるを得ないんじゃないか。二カ月ということであるならば、あるいは参議院選挙後の国会に間に合うのかもしれません。この点を確かめておきたいと思います。  それから、長官にお聞きする機会がなかなかありませんのでついでにお聞きいたしておきますが、今度アメリカの基地が返ってくる。その基地が返ってくるということは、もとの所有者に返すことだと私は思うのです。そういたしますと、今後の沖繩の開発ということについて、琉球政府なり日本政府なりが土地をある程度持っておくということが非常に大切なことじゃないか。したがって、いま琉球においてはそういうことを目ざして不動産業者等が入り組んで、これを抵当にして金を貸すとか、いろいろなことで将来これを手に入れようとしておるという話を聞くわけであります。そういうふうになりますと、せっかく返ったいろいろな基地や土地が今後の沖繩の発展に障害を来たすのではないか。そういうことを考えますと、いまからそれらについて琉球政府なり日本政府なりが――間接には日本政府になりましょうけれども、どうしても手を打っておく必要があるんじゃないか。  時間がありませんので、結論まで申しますけれども、琉球政府に対して外債を認めるべきじゃないか。ドル建ての外債によっていまから土地を入手するという手を打っておく、その外債については、日本政府には米ドルがあるんだから、日本政府が出したらいいじゃないか、そして、その債権のあと始末については、琉球が返還されたあとでまた考えたらいいじゃないか、こんなふうにも考えますけれども、長官、いかがでございますか。
  14. 山中貞則

    ○山中国務大臣 第一の毒ガスの撤去ルート建設経費については、参議院選挙後の国会でという話もございましたが、これは非常に急がなければならぬと私は思いますので、できれば今週前半にも片づけたいと思っております。琉球政府との意見の調整が必要でございますから、あるいは今週一ぱいかかるかもしれませんが、今週じゅうには金の問題は片づけて、米軍に工事を始めてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。  第二の、今後逐次外交折衝もしくは米側の一方的な通報によって返還されるであろう旧軍用地の処理については、ばらばらの地主に返していい場所もありましょうし、またその要望の強いところもありましょうし、一方においては、市町村非細分割地みたいに、これはやはり町村にそういう土地の賃借料を払ってほしい、しかし所有は市町村の所有にしておいてくれというようないろいろな要望もあります。いろいろ複雑なものがございますが、要するに、琉球政府に先行取得という形で、地主の同意があった場合においては、これを将来の開発計画をつくりまする場合に必要とする土地を確保せしめておく、これは地主の同意も比較的得やすい一つのヒントを与えられる考え方だと思います。ただし、外債というのは、現在の琉球政府の立場からそういう意見が出てもおかしくはないのでありますが、これは本土政府の方針としては、現在の外貨事情その他から、大蔵大臣の御説明を待つまでもなく、外債を起こすような状態にはございませんので、むしろ本土政府が先行取得について財源上の措置を見てあげる、いわゆる先行取得債なりその他の財源措置を配慮すれば、琉球政府においてそれに対応できるものであると考えますが、ただいまの御意見はたいへん参考になりますので、検討をしてみたいと思います。
  15. 華山親義

    ○華山委員 私の申しますのは、先行すると言ったって金のかかる問題で、琉球政府にその金を出せと言ったって琉球政府はそれだけのドルは持っていないと私は思う。そうだとすれば、日本政府が見てやらなければいけない。日本政府が見てやるというふうにいたしましても、これはなかなかたいへんなことじゃないのか、土地は高いですし、広いですから。しかし、いま措置をするとすればドルでなければならない。借金を円でやれるかどうかという問題がありますが、借金を円でして、そしてそれをドルにかえていくという方法もあるかと思いますけれども、とにかく、いま長官は財政措置と援助と申しましたが、この点の財政措置は特に早くやりませんと、日本の内地と同じような状態になるのじゃないか。あれだけの膨大な基地でございますから、この基地を公用のためにとっておくということはたいへん必要なことじゃないのか。この点についてひとつ慎重に御研究を願いたいと思うわけであります。  沖繩についてはほかにもお聞きしたいことはありますが、その程度にいたしまして、次に天皇さまの御外遊について宮内庁に伺いますが、どれだけの準備ができておりますか。予算等につきましては大体どういう程度のものでございますか。簡単でよろしゅうございます。
  16. 瓜生順良

    ○瓜生政府委員 この秋の御旅行に関しまする予算関係の準備の状況でありますが、まだ御日程の詳細の点が関係各国との間でまとまっておりませんので、こまかい点はまだできておりませんが、いまわかっておりますのは、その御旅行には日本航空の飛行機を専用機としてチャーターをされます。そのチャーター料金が六千万円余りかかるということはいまわかっております。そのほかいろいろ御日程がきまりますと、御交際に必要な経費とかあるいは旅費とかその他の諸経費というものはわかってまいりますが、いまのところははっきりいたしておりません。
  17. 華山親義

    ○華山委員 陛下の御出発はいつの御予定でございますか。
  18. 瓜生順良

    ○瓜生政府委員 来たる九月の二十七日に御出発であります。
  19. 華山親義

    ○華山委員 これなどは予備費でなくとも補正予算で当然審議のできる問題だと私は思いますが、しかし、陛下のおいでになることにつきまして、いろいろな経費の内容等につきましてかれこれ私は言うわけではございません。ただ、それで特においでを願ったようなわけでありますが、私の気のついた点を一つ申し上げておきたい。  と申しますことは、陛下が外遊をなさるということについて、宮内庁当局のいろいろの談話が出たわけでありますけれども、新聞の扱い方にもよりましょうが、国民に与えた印象は、陛下があちらにおいでになるのが、何か非常にお楽しみであって、これを非常に喜んでいらっしゃるという印象を与えたのですね。それは宮内庁のお役人の方々は陛下の側近にいられることでございますから、毎日毎日のことですから長い間にはいろいろなこともお聞きになりましょうけれども、そういうことを言うべきではないと私は思う。陛下のおいでになるのは親善のためでしょう。国事なんですよ。国事と、おそれ多いけれども、私事と混同したようなことは、私は言うべきじゃないと思う。たとえば総理大臣が外国に行かれる。この任務は非常に重大だから、これをひとつどうしてもやってきたいと思うということのほかに、この国に行くのは初めてだからとか。二度目だからたいへんうれしいなんということを総理大臣が言いますか。私はそういうふうなことはたいへん残念だと思うわけです。さすがに陛下は、松江で、二十日でございましたか、記者会見をなすったその際、ヨーロッパに行かれたときにはどこにおいでになりますかと言われたときに、国際親善が目的なのであって、そういうことは二の次三の次だと言われておる。これが私は陛下のお心持ちだと思うのですよ。宮内庁の人は陛下の側近にいられますから、特に陛下の御日常のことなり何なりについてお気も使われましょうし、そういうことばの出てくることも、あるいはやむを得なかったのかもしれませんけれども、国民が一体何を考えているのかということについて十分な関心を持っていただきたい。今日テレビ等をごらんになりますと、何万円でヨーロッパに行けます、何万円でハワイに行けますというように、毎晩毎晩、外国に行く外国に行くの放送じゃありませんか。大蔵省はまた、今度は外国に行くときには小づかいをたくさん持っていってもいいと言ってきた。外遊奨励時代でしょう。みな行きたがっているのですよ。その際に、陛下がおいでになることについてああいうふうな発表をなされば、これは私、直接聞いた話ですけれども、私と同じ年齢のような思想からいえば比較的古い人でも、陛下というものはいいものだなあと、こうおっしゃる。私はこの気持ちがおそろしいと思うのです。ひとつ注意していただきたい。何か御返事があったならば承りたい。
  20. 瓜生順良

    ○瓜生政府委員 陛下がこの秋御旅行になりまするのは、国際親善のためにお出かけになるわけで、そのことに関連して、何か宮内庁が、陛下が特にお楽しみになっているというような発表をしたのはおかしいじゃないかという御意見でありますが、その点はごもっともだと思います。事実、私がどちらかといいますとスポークスマン的に発表いたしておりますけれども、そういうようなことは実は申したことはないのであります。しかし、第三者のいろいろ記事を書かれる方あるいはその他の方の談話の中に、お楽しみになさっておるでありましょうというようなことがあったのだと思います。したがって、報道のほうの関係で、時によるとそういうお楽しみにされておるような点を強く出しているものもあるように拝見しておりますが、宮内庁としては特にそういうような発表をしたことはありません。ただ、いろいろ記者会見なんかやっておりまする際に、陛下はこの国際親善のためにお尽くしになることについて非常にお元気で、俗なことばで申しますと、大いに張り切っていらっしゃいますというようなことを言ったことはございます。  そういうことでございますが、ただ、なおここでちょっと付加して申しますと、国内のいろいろ国体とか植樹祭なんかにお出かけがございますが、そういうようなときの御様子を拝見いたしておりますると、非常に明るいお気持ちでおられます。これはその機会に多数の方々にいろいろお会いになれるわけです。また、国民のためにお尽くしになれるという点で非常にお気持ちがよろしいのだと思います。したがって、この秋ヨーロッパにお出かけの場合、国際親善にお尽くしになれる、いろいろの方に会って仲よくやっていかれるという機会のくることは、これは私は想像いたしますると、お喜びになっているとは思います。その点は、そういうふうに思いますることはこの際申し上げておきまするが、しかしながら、いま先生のおっしゃいました御趣旨については、ごもっともだと思っております。
  21. 華山親義

    ○華山委員 それから、これは内閣でヨーロッパにおいでになることを閣議で決定なさったのですから、宮内庁の責任ではないのかもしれませんので申し上げますけれども、この間の記者会見でも、アメリカにおいでになりますかと新聞記者が聞いた。陛下は、それにつきまして、国際親善のためならばというふうにおっしゃっておりますけれども、私は、アメリカにおいでになるなどということは宮内庁といたしましては考えてもらいたくない。それは、ヨーロッパという国は王室に対するものの考え方が伝統的にある、アメリカにはない。また、イギリスの王室というものは旧英帝国としていろいろなところにおいでになる。またアメリカはアングロサクソンが主流ですから、この人たちは英国の王室に対しまして特別に親愛の感じがあると思うのです。それで、アメリカに天皇さまがおいでになるということについては――特に新聞等を見るというと、ニクソン大統領に来てもらって、そのあとで天皇さまが行くのだなどというような臆測まで出ておりますけれども、私はその点はよほど慎重に考えていただかないといけないと思うのです。  そういう意味で、このたびの天皇の御外遊につきまして、私はかれこれ決して申しません。けっこうなことだと思いますけれども、慎重なものの考え方をひとつしていただきたいと存じます。  それでは、この問題につきましては、予備費を出さなくても、その前に国会があるから補正予算には間に合うような気がいたします。  農林大臣、おいでになっておりますか。
  22. 濱野清吾

    ○濱野委員長 食糧庁長官が来ています。
  23. 華山親義

    ○華山委員 食糧庁長官に伺いますけれども、私のうちで米を買います場合に、東京の米屋でございますけれども、三つありますね。一番高いのが自主流通米、その次は米屋では自由米といっておる。その次の配給米、この三つのうちどれかを選ぶということになるわけです。いろいろうちの近所の様子を聞いておりますといろいろ違うようです。米屋で売っている自由米というのは一体何ですか。
  24. 亀長友義

    ○亀長政府委員 自由米というものは、食管法の上ではそのようなものは認められておらない米でございます。そういうものが出てくる源泉はどこかと申しますと、これはいろいろなルートがございますけれども、農家できめられた集荷業者へ出さないで直接売る、あるいは、中には政府から配給米でいったものが途中の段階で違法にそのような形になる、かようなものが自由米といわれておるものでございます。
  25. 華山親義

    ○華山委員 その数量はどのくらいあると推定されますか。
  26. 亀長友義

    ○亀長政府委員 数量的な推定は非常にむずかしいのでございます。私どもでは、農家段階で農家が保有するものの一部から流れるものが年間大体八十万トン前後でなかろうかと思います。
  27. 華山親義

    ○華山委員 それから政府米がこちらの自由米として流れるのはどのくらいありますか。
  28. 亀長友義

    ○亀長政府委員 その点に関しては、正確な推計を私どもも持っておりません。政府から売りましたものの量と末端の家庭で買っております量との比較ということになりますと、政府のほうは政府の売却量というものが明示されておりますが、末端の人がどの程度配給米を買い、どの程度自由米を買い、どの程度自主流通米を買ったかというのは、総理府の家計調査だけでございます。この総理府の家計調査もサンプルでございまして、もちろん地域等によって必ずしも十分に代表されない場合もございますが、これによりますと、大体配給米が五割五分、その他の米が四割五分くらいに相なっております。しかし、それをかりに国民全体に引き延ばした場合にはもっと配給量が多くなるはずでございます。その辺の正確な数字に関しては、資料の関係で正確に積算をしがたい面がございます。大体の数量と申しましても、全くの当てずっぽうでございますので、ここで御説明を控えたいと思います。
  29. 華山親義

    ○華山委員 この点につきまして、これは新聞の記事でございますけれども、業者の言うところによれば、政府から出た米が米屋に入るのを東京田んぼ、大阪田んぼといっているそうですね。それで農家の庭先から大体七十四万トン、配給米から化けるものが百五万トン、そういうふうなことを、これは業者が言っている。そうしますと、この合計は締めて百七十九万トン、百八十万トンになるわけです。百八十万トンが食糧管理の目をくぐって出てくるわけです。百八十万トンというと、政府管理米の大体四分の一です。そういう自由米が大体四分の一を占めている。そういうふうな事実があって米の管理ができますか。どうなんです。
  30. 亀長友義

    ○亀長政府委員 そのような数字に関しまして私どもいろいろな推計を行なっておりますのではっきりしたことは申せませんが、農家段階では大体御指摘のような数字ではなかろうかと思います。配給段階のものは、卸、小売りの段階までは食管法のルートで流れてきておる、それが末端の段階でいわば高いほうの値段で売られるというような形でなかろうかと思います。  いずれにしましても、食管法は現在非常に強力にあらゆる米について統制が及んでおるかというと、必ずしもそうでないということを私ども率直に認めざるを得ないと思います。何ぶん米の足りなかったときと違って、現在のように米が非常にゆったりしておる、こういうときでございますと、警察的取り締まりにおきましても、いろいろ国民感情も考慮して取り締まりをしなければならぬ、かようなこともございますので、私どもとして、もちろん法律を預かるたてまえからは、大量にあるいは不当に利益をむさぼる行為、こういうものにつきましては厳然たる取り締まりをいたしたいと思いますけれども、何ぶんにも全国各地区にわたることでございまして、また国民感情から見ても、法律の規則をきびしく適用することが必ずしも感情に合致しないという面もございます。御指摘のような点に関しましては、私どもも、非常に悪質なものにつきましては、今後とも警察当局とも十分打ち合わせをしながら遺憾のないように考えてまいりたいと思っております。
  31. 華山親義

    ○華山委員 農家の庭先から買い集めてくる、これは一応いろいろなことはあると思いますけれども、食管から出た米が米屋の段階でいわゆる自由米になるというのはおかしいじゃないですか。あなた方の系統の中でそういうことが行なわれる、こういうふうなことで、幾ら国会で論議してみたところが、あなた方がいかにがんばってみたところが何ともならないのじゃないか。その点、もっと、あなたのほうで認めているところの、免許しているところの米屋の系統が何とかならないのか。これはやむを得ない、こう思っていらっしゃるのですか。
  32. 亀長友義

    ○亀長政府委員 小売り屋の数から申しましても、全国に五万数千軒ございまして、私どもの手もなかなか届きかねるということは認めざるを得ないと思いますが、かような事態をそのまま私どもとして放置をするということは適当でないというふうに考えております。  したがいまして、御承知のように、本年秋からは物価統制を撤廃する、同時に、その末端価格につきましては、従来より値上がりしないようないんな方策を講ずるということもしばしば御説明を申し上げているわけでございまして、その際には必ずしも既存の業者ということでなく、新しく業者の参入も考慮をして、公正な競争ができる、また不当な利益がそれによって抑制される、かような方途を講じたいという考えで、目下いろいろ検討いたしておる次第でございます。
  33. 華山親義

    ○華山委員 とにかく政府の管理する米の四分の一が管理外の人から出てきている、こういうふうなことではちょっとだめなんじゃないか。あなた方がいま言ったようなことでも私はできないと思う。  それから伺いますが、昨年とことしでは、減反がことし多くなっている。減反が多くなったということは、ことしはまた去年の米が余るということを意味するのかどうか。ことしはどの程度になりますか。古米がふえますか。どうなんですか。
  34. 亀長友義

    ○亀長政府委員 昭和四十五年産米につきましては、御承知のように百五十万トンの減反を計画をいたしまして、百三十九万トンの実績が出ているわけでございます。四十五年に関しましては、生産調整と申しましても、初年度でございますし、どの程度やれるかということは、むしろ最初の段階としてはいろいろ行政上の諸問題を考慮しながらやらなければなりませんので、百三十九万トンの生産調整はいたしましたけれども、地域によってはかなり作がよかったということもございまして、四十五年産米に関しまして、私どもはこの十月末、米穀年度末に大体二百万トン四十五年産米が余るであろう、かように考えております。もちろんそのうち百万トンは予備的に貯蔵をして、四十六年産米、新米と一緒に配給をして食べる性格のものと考えておりますので、実質上余るものは大体百万トンであろう、かように考えております。
  35. 華山親義

    ○華山委員 それは米の足りないときに、米穀年度末に倉庫に米がなかった、がらがらだなんということは異例なことであって、やはり百万トン程度、そういう程度のものが常に持ち越されるようにしなければいけないと私は思っている。その点は賛成なんですけれども、私は、百万トンでも足りないのじゃないか、古米にしない二百万トンはあってもいいものじゃないかと思うのです。  それで私伺いますけれども、ことしどういう作柄になりますかわかりませんが、二割三分の減反をした、そして自主流通米にいい米は出ていく、先ほど言ったように、ますます庭先の売買が多くなってくると思うのです。そういたしますと、政府に集まる米というものは、わりあいに品質の悪い米が集まってくる。日本全体の収穫の余った分というものは、食管に、政府に残るのじゃないか――私がこの点を昨年の秋にも懸念いたしまして聞きましたところが、渡辺政務次官はそういうことはございませんと言った。どうなんだ、確かにありませんか。ことしの米作にもよると思いますけれども、それでもなお日本全体としてのことしの米の余った分は国が引き受ける、そしてこれが古米になり古々米になる、こういうことの結果にならないのか。その点の見込みをひとつ伺っておきたい。
  36. 亀長友義

    ○亀長政府委員 四十六年産米に関しましては、大体必要量を七百六十万トンと見込みまして、このうち政府買い入れが五百八十万トン、自主流通が百八十万トン、これで国民の需要は満たされる、かような観点でございます。もちろん四十五年産米の繰り越しがあれば、その分だけはまた貯蔵して翌年度に繰り越すということで、単年度は七百六十万トンの所要量だけ生産をするということでございます。これは二百三十万トンの生産調整と見合った数量でございます。ただ、二百三十万トンがうまくできないのじゃないか、必要量の七百六十万トン以上に生産をされるのではないか、その際には、結局いい米は民間に出て、政府のものが売れなくなって、政府はかりに予定どおり買ったとしてもそれが売れ残りになるのじゃないかという御指摘であろうかと思います。  私どもとしましては、結局全体として国民食糧に必要な数量以上のものが生産されれば、消費の増大がない限り、これはどこかに残るという点においては間違いないことだと思います。ただ、政府に残るか民間に残るかということでございますが、私どもとしては、やはりこれは民間の売り方、態度のいかんだ、政府はどうせ買ってくれるのだから、きまった数量までは政府にはまずい米を売るのだ、民間にはいい米を売るのだというような態度を生産者なり農業団体がとられるならば、御指摘のように政府にたまるということになるかもしれませんが、私どもとしては、政府はやはりひとつの安定した買い入れ先であるし、農協側としても必ずしもそういう態度をおとりになるということはないと思います。また、現在御承知のように、二百三十万トンはどうしても達成をしなければならぬということで各方面とも御努力中でございますので、政府にまずい米ばかり来て残るという事態は、もちろん希望もいたしておりませんし、そのようなことのないようにいろいろ努力をいたしておる次第でございます。
  37. 華山親義

    ○華山委員 これでやめますけれども、それでは結果を見ましょう。ことしどのくらいになりますか、私はそれを非常に心配している。あなたが農協ではそうしないと言ったって、農協だって商売でしょう。売れない悪い米を持っているものですか。売れるであろうところの米を自分のところで確保して、そしてこれを売るに違いない。また、あなた方のほうでも、いままで、自主流通米にはいい米が回るのだ、それがいいのだと言っていたじゃないですか。庭先で買うのも、やみ業者が行って買うのは、たとえば宮城県の北とか、山形県の日本海岸とか、新潟県とかあるいは岡山とか、そういうところに集中する。そこでいい米が買われるわけなんだ。残るのは、悪いとは言わないけれども、いい米でないことが大部分だということは事実だ。そんなことはないでしょうとあなたは言われますけれども、あなた、そういうことがないということについての渡辺政務次官と論理が違う。渡辺政務次官はあなたの言ったような理論は言わない。自主流通米なんというものは、全体からいえばきわめてパーセンテージが少ないのだから影響ありません、こういうように答えた。私は総括的に言うならば、食管というものの運営が、改善するとかなんとかいったって、いま最も悪い運営をしているのじゃないか。先ほど言った自由米の問題にしてもそうだし、そしてその管理の不手ぎわが全体として農民にしわ寄せされる、こういうことに私はまことに残念でなりません。  これで質問を終わります。
  38. 濱野清吾

    ○濱野委員長 田中武夫君。
  39. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まず防衛庁長官にお伺いいたしますが、きょうはきわめて時間の制約がありますから議論はやめて、聞きたい点だけ伺いたいと思いますから、そのつもりで御答弁をお願いします。  いま国会に提出になっております自衛隊法の改正法案がもし成立するならば、予備自衛官を三千三百人ふやすわけなんです。そして全体で三万九千六百人になることになるわけですが、まずこの予備自衛官を大幅に増員するところの目的あるいは理由、並びに予備自衛官の任務、性格、こういうものはどういうものなんですか、お伺いいたします。  それからついでに、地域ごとかどうかは知りませんが、何か予備自衛官を部隊編成する、こういうことも考えておられるようですが、これは巷間、かつてのいわゆる在郷軍人の制度の復活あるいはまた郷土防衛隊の編成、こういうようにも伝えられておるし、勘ぐっておるわけですが、それらの点についても一諸に御答弁願います。
  40. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 予備自衛官は防衛出動下令時に第一線部隊に補充するほか、事務量の増加が見込まれる補給、輸送、衛生等の後方支援部門に充当するための制度であります。  現在予備自衛官の員数は、陸上自衛隊にあって三万六千人、海上自衛隊にあって三百人、計三万六千三百人でございますが、四十六年度においては陸上自衛隊に三千人、海上自衛隊に三百人を増員し、わが国防衛力の厚みを増す必要があると考えております。これに伴う経費として約二千六百万円を計上しております。陸上、海上、航空各自衛隊の人的勢力に厚みを持たせるために、陸上、海上、各自衛隊の予備自衛官を増員しようとし、また航空自衛隊にも予備自衛官制度を新設いたしたいと思っております。  そして、ただいまお話がございました在郷軍人会組織云々ということはございません。現在自衛隊退職者約十万人で隊友会という親睦団体をつくっていますが、これは内閣総理大臣認可の社団法人であり、自衛隊を退職した方々の親睦団体であります。勅令で設立された旧帝国在郷軍人会のような特殊法人をつくる考えはございません。
  41. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この予備自衛官は自衛隊法六十八条の「任用期間及びその延長」等の規定によりますと、まず自由意思で志願をする、そして任命ということばを使ってありますが、任命する。そういたしますと、この予備自衛官と、政府というかあるいは総理府防衛庁との関係は雇用契約になるのでしょうか、いかがでしょうか。長官、法律によって長官が任命するんじゃないですか――だめだ、長官でないと。
  42. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その点は、政府委員をして法的解釈を御説明申し上げます。
  43. 田中武夫

    ○田中(武)委員 長官が任命するのに、それが雇用契約になるのかならないのかを長官が知らないようなことではだめですよ。私は政府委員の答弁は聞きません。わからなければ聞いて答弁しなさい。
  44. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私が任命するので、雇用契約の一種のものになります。
  45. 田中武夫

    ○田中(武)委員 雇用契約であるとするならば、三年の任期中に、いわゆる期間中でも自由意思によってやめることはできますね。すなわち雇用契約の解除はできますね。
  46. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 契約でありますから、両方の合意によって解除できるわけで、私が承認すれば解除できるわけであります。
  47. 田中武夫

    ○田中(武)委員 雇用契約なんでしょう。そうすると、双方の同意がなくちゃできないということはないでしょう。一方的な意思によってできるでしょう、その点いかがですか。
  48. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 契約は三年間という期間が明示されておりますので、その三年間というものがこわれる場合には、やはり契約の一方の当事者である私の承認が必要であります。
  49. 田中武夫

    ○田中(武)委員 やめたいといって、一定の期間を経過すればやめられるのじゃないですか――ちょっと待ってください。雇用契約ならば、あくまで民法上の契約とみなしていいのか、どうですか。
  50. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 三年間という契約期間がございますから、契約期間が終了すれば一方的にも必められますけれども、契約期間である間は、片方の当事者である私の承認を必要とする、こういうことになっておるようであります。
  51. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それはちょっとおかしいんじゃないですか。もしそうだとするならば、この自衛官を招集しますね、防衛招集とか何かに。それに応じなかった場合に罰則がありますね。体刑を科せられる。そういうことと憲法十八条の関係はどういうことになりますか。自由意思に基づくもので、それに対して体刑まで含むところの罰則規定があるわけです。ところが、憲法十八条では、もう読まなくてもいいと思いますが、後段のほうで「その意に反する苦役に服させられない。」こう述べておりますね。少なくとも出発が自由意思なんです。自由意思によって志願する、そして雇用契約で三年間の期間の間はできないというけれども、私はこれは法律的に問題があると思う。時間がないからこの法律の議論はやめますが、もしそうだとすれば、その間に防衛招集があって、正当な理由なくして応じなかったときには体刑があるわけです。それとこの憲法十八条の後段の規定、あるいは前半でもよろしいわけですが、この点はどうなんですか。
  52. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 一種の公法上の契約の由でありまして、法律的にいまのような若干の罰則その他も明示されております。したがいまして、その法律に違反した場合には法律が適用されるという関係になると思います。
  53. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それはちょっとおかしいんじゃないですか。自由意思に基づくものですよ。自由意思に基づいて任命される、いわゆる合意によって雇用契約が成立する。もちろんこれは公法的なものかもしれぬ。それにいたしましても、それに体刑をもって臨むということは、これは憲法十八条からいって納得できませんね。
  54. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 予備自衛官も一種の隊員という身分を持っておりまして、これは現役の自衛官も隊員でございますが、同じようにこれは志願をして行なわれるわけであります。そして現役の自衛官が法律できめられているいろいろな罰則を受けるように、予備自衛官も一種の隊員として同じような法的規制を受けるわけであります。具体的には政府委員をして答弁せしめます。
  55. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 ただいま長官からお答えいたしたとおりでございまして、予備自衛官といえどもやはり、非常勤でございますが、一応隊員でございますので、当然自衛隊法の適用を受けまして、防衛招集に応じない場合とかいう場合には罰則の適用がある、これは別に憲法の規定に違反するというふうには考えておりません。
  56. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私はやはり憲法十八条との関係においておかしいと思う。さらにこれは、労働省きょうは来てもらってないのですが、労働省は労働基準法七条の規定の適用にあたって、いわゆる公の職務ではない、こういう通牒を出しておりますね。予備自衛官は公の職務とはいえない。その程度でしょう。だからこそ、自衛隊法においても、これは七十三条ですか、自衛官に対して不利益な取り扱いをしちゃいけないという、労働法と同じような規定まで設けてあるのでしょう。これは、あなたが言うようなものだったら、七十三条というのは一体どういうことになるのです。労働省は、労働基準法の第七条による公の職務とは認めない、そういう通牒を全国に出しております。したがって、それをあなた方知っておるからこそ、自衛隊員に対して、いわゆる不利益の取り扱いをしちゃいけない、まるで労働法の規定のようなものが自衛隊法に入っていますよ。ということは、それほど厳格なものでないということですよ。それに対して体刑をもって臨む。それは、憲法の十八条は――法律によるとかよらないとかじゃないんですよ、意に反して苦役を受けることはないということなんです。あるいは、もう一つその前段を見ても、これは、私は自衛隊の防衛招集等々が奴隷的云々とは思いませんが、十八条では、法による以外は――犯罪による処罰以外は奴隷的ななにはしちゃいけない。体刑、奴隷的なことは絶対いけない。「犯罪に因る処罰の場合を除いては、」意に反して苦役に服さすことができないということになっているのですよ。  ちょっと私、先ほど前段と後段となにしたのでもう一ぺん言いますけれども、十八条の前段は、奴隷的な拘束は断じていけない。これは前段ですよ。それから後段のほうは「犯罪に因る処罰の場合を除いては、」その意に反して苦役を受けることはないと、こういうことなんですよ。どうなんです。これで説明つきますか。
  57. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 予備自衛官になる前に本人と防衛庁で話し合いまして、本人が予備自衛官になるということを希望しましたので――希望しましたといいますか、双方で話し合いがつきまして予備自衛官として任命するわけでありまして、ふだんにおきましては、もちろん非常勤の隊員でございますから、他の職業を当然主務としてやっておるわけでありますが、やはり予備自衛官として任命される結果そのような義務を負うということになっておりますので、具体的に罰則の問題は、防衛招集に応ずる場合あるいは防衛招集を受けてから自衛官として勤務する場合、その場合に隊員としての義務履行といいますか、そういう面からしまして一般公務員としての処罰規定があるということになるわけでございます。あくまで、これは防衛招集に応じなかったという場合に、あらかじめ契約と申しますか、そういう話し合いの上でできておる非常勤の隊員でございますのでそういう罰則規定が設けてあるということでございます。
  58. 田中武夫

    ○田中(武)委員 説明わかりません。いいですか。まず最初が自分の自由意思によって志願するのです。そしてそれは雇用契約だ。じゃ、その期間内の雇用契約の解除については、ここに問題があるが、それは民法上の契約なのか――公法上の契約だという。それにしたって、期間内に絶対解除できない、解約できないということはないと思うのですよ。そして、防衛招集に応じなければ体刑をもって臨む。ところが憲法においては、犯罪による罰則以外には苦役に服することがないということなんです。この規定でいった場合に、いまの説明で納得できますか。秀才長官、どうなるんです。
  59. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 法律できめられておりまするいろいろな条件を認識して、それを承知の上で契約が行なわれるわけであります。したがいまして、本人の意思に反したものでもないし、また、それはいわゆる苦役ではないと私は思います。
  60. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それじゃだめなんです、そういうことじゃ。それじゃ、本人が了承すれば、人身売買も許されるのですか、売春も許されるのですか。そのように発展しますよ。本人の自由意思でやるなら何でもできる――契約ができるなら、そういうところまで発展します。したがいまして、これはお預けにしておきます。法制局との間において十分討議して、文書をもって、なるべく早い機会に釈明を願いたい。いかがでしょう。
  61. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 もちろん公序良俗に反する契約は無効であると私は思います。自衛隊員及び予備自衛官になることが公序良俗に反することとは思いません。文書で御質問いただけば、われわれのほうもそれに対して精査の上、御返答いたします。
  62. 田中武夫

    ○田中(武)委員 文書で総理大臣あての質問をしてもいいのですが、私がいま言っているのは、私のこの質問であなた方の答弁は了承できない。したがって、法制局と話し合って、十分納得のいく答弁をしてもらいたい。そうでなかったら、委員長、一時間ください。十分な議論をします。
  63. 濱野清吾

    ○濱野委員長 それはだめだ。それはいいじゃないですか、文書であとで出してもらえば。
  64. 田中武夫

    ○田中(武)委員 文書で持ってきますね。
  65. 濱野清吾

    ○濱野委員長 局長、それでどうですか、このことは、あまり時間がないから……。
  66. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 なお法制局と協議をいたしまして、文書をもって御回答いたします。
  67. 田中武夫

    ○田中(武)委員 とかく防衛庁の購入する物品には問題が多いのです。先日も当委員会においてダッシュが血税のむだづかいだということが問題になった。そしてきょう最終的に行なわれる採決に先立っての決議にも特にこれが入ることになっている。ところが最近、これは新聞の記事で見ますと「防衛庁、また甘い見積もり」、一台一億円オーバーの世界一高い製作費、いわゆる六一式ですか、戦車、これの見積もりが一億円見積もりよりも高くなって二億三千万円、世界一の高い戦車になっておる。そして大きな見出しとしては、「血税食う国産戦車」、こういうことになっておりますが、この一億円も、いわゆる七〇%も値段が見積もりよりも違ったという原因、それはただ単に人件費だとかあるいは資材が上がったとか、そういうことだけでは許されない答弁だと思います。この事情を説明してください。
  68. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 新聞に報ぜられました値段は、必ずしも正しい報道ではございません。値上がりの大部分は、人件費や物件費、物価の値上がりに伴うものでございますが、また一面において、性能は非常にいい性能を持っておりまして、その性能に付随するいろいろな経費もまたかかってきているわけでございます。性能との対比を見ますと、むだ金を使っているとは考えません。具体的には局長より答弁いたさせます。
  69. 田中武夫

    ○田中(武)委員 長いこと要らぬから、一台二億三千万円でなくて、幾ら値上がりか、その理由、それだけでよろしい。
  70. 久保卓也

    ○久保政府委員 二億三千万円というのは違いまして、四次防で、新防衛力整備計画で考えておりますのは二億弱、一億九千八百万円であります。これは四十三年度及び四十五年度における試作に対しまして、そのうちの材料費、加工費それから人件費等の値上がりを算定した結果の、しかも四十九年度に購入する予定のものを基準にして算定したものであります。
  71. 田中武夫

    ○田中(武)委員 一億九千八百万円で最初の見積もりの何%アップになっていますか。
  72. 久保卓也

    ○久保政府委員 最初の見積もりといいますよりも、四十五年度に計算しましたときに約三億、それから一次試作……。
  73. 田中武夫

    ○田中(武)委員 一台の値段を言ってください。いま一億九千八百万円でしょう。それより高い三億だったのですか。
  74. 久保卓也

    ○久保政府委員 もちろん試作品ですから当初のものは高くなるわけです。ですから第一次試作品、四十三年度分が厳密に申しますと、二両で四億九千九百万円、四十五年度分が四両で十二億五千四百万円、約三億円です。それを量産いたしますので、新防衛力整備計画期間中二百四十両を調達することになっておりますので、これを四十九年度の予定単価に平均しますと、先ほど申し上げた一億九千八百万円になる、こういうことでございます。
  75. 田中武夫

    ○田中(武)委員 次に、事情変更ということもありましょうが、これよりさらに非常識な値上がりはありませんね。
  76. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それはもちろん合理的な基礎に基づくもの以外の非常識な値上がりというものはあり得ません。
  77. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この一億九千八百万円が妥当であるかどうか、私にはよくわかりませんが、防衛庁の入札にいたしましても、一たん話がついてからぐんぐん上がるというのが、いままでとかく問題になっておるのです。したがって、そのような血税のむだづかい、あるいは血税を食う、そういうことがないように十分心得てもらいたいと思います。いかがです。
  78. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 よく慎重に検討もし、御趣旨に沿って実行してまいります。
  79. 田中武夫

    ○田中(武)委員 次に、防衛施設庁長官にお尋ねをいたします。  これは先日、二月二十七日予算委員会の締めくくり総括質問のときに問題提起といったような程度で終わったやつなんですが、三重県の白山町、この白山町は町会議員等を特別に招待したということで問題になったところであります。そこのナイキ基地内の工事を進めているところに町道がある。その町道が一月二十日に総理府へ売却された。ところがこの町道を払い下げる場合、町長としては、道路法十条三項等によって、議会にはかつて町道の廃止ということをやらなければいけない、それをやっていない、こう聞いているのですが、そういう手続はいつしましたか。二月二十七日、私があなたに質問したときには、あれは町長の専決事項であった、こう答えられた。町道廃止は町長の専決事項でありません。そのときあなたは合法だといって、責任を持つとおっしゃいました。その答弁の続きとしてひとつ答弁してください。
  80. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 この件につきましては、すでに先生に御提出申し上げております資料の中にもございますように、昭和四十六年一月……。(田中(武)委員「その後何にももらってませんよ」と呼ぶ)資料を作成いたしまして、お渡ししているはずでございますが、そうでございますか。  それでは、本年の一月二十日に防衛庁が白山町の普通財産を航空自衛隊第四高射群の施設用といたしまして同町から買い受けたものでございます。この土地は、昨年の十二月五日に農林省から白山町に売り渡されました開拓財産であったものでございまして、登記上の地目は公衆用道路ということになっておりますが、町道にはなっておりません。あれは白山町としましては、過去においてこの土地を公共の用に供したこともないし、また現状がいわゆる原野の状態でありまして、これを利用しておらないということで、地方自治法にいう行政財産として扱わないで、また道路の認定も行なわないで普通財産として処理をしたということでございます。  そして、この普通財産を処分するにつきましては、これは自治法の規定に基づきまして、現地の条例で公有財産の売り渡し等についての規定がございますが、それによりますれば、議会の議決を経ずしてこれを処理することができる、こういう条例、規定になっておりますので、その規定に従ってこれを処理した、こういうのが実情でございます。
  81. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私はいま行政財産とか普通財産とかいう議論をしているのじゃない。したがって町長の専決事項であるかどうかということを議論しておるのじゃない。これが町道なのかどうか。いまあなたのお話では、町道ではない。ところが登記面は道路になっておるのでしょう。町道になっておるのでしょう。町内の人たちもいわゆる町道と認識しておるのですよ。じゃ、登記簿謄本を出してください。
  82. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 これは登記簿上の地目は公衆用道路ということになっておりますが、いま登記簿謄本ございませんけれども、これは町道ではございません。
  83. 田中武夫

    ○田中(武)委員 町道であるかないか、ここで押し問答しても私は始まらぬと思う。私もそこは知らないのです。しかし、少なくとも登記簿上が公衆用道路になっておるならば町道だ。国道、県道でなければ町道だ。そうでなかったら、なぜ地目変更しなかったか。  それじゃ、一体登記していますか。地目の変更を先にやって、一ぺん登記しておるのですか。どうなんですか。――ちょっと待ってください。したがって、ここで押し問答してもしかたがないので、登記簿謄本をつけて、町道でなかったという証明を出してください。できますか。できなければ、私のほうで登記簿謄本をとってもよろしいですよ。
  84. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 登記簿謄本をとりまして、その写しを御提出いたします。
  85. 田中武夫

    ○田中(武)委員 町道でなかったということについては、町民の代表もしくは町議会のしかるべき証明をつけておいてください。できますね。私のほうにはそうでないというのがきておるのですよ。
  86. 島田豊

    ○島田(豊)政府委員 公衆用道路といいますのは、登記法上の一応の分類でございまして、いわゆる道路法にいう道路になってないというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただいまの地元の方々のそれに対する証明と申しますか、それを調べまして御提出をいたします。
  87. 田中武夫

    ○田中(武)委員 防衛庁につきましては、いま二、三の点を申し上げましたけれども、必ずしもすべて満足する答弁を得られなかった。したがって、これは後日に持ち越したいと思います。したがいまして、これを論議していくなら本日の四十三年度の決算の採決は、どうもこれがはっきりするまで待ってもらいたいと言いたいところですが、どうでしょう。
  88. 濱野清吾

    ○濱野委員長 理事会の決定どおりですから……。
  89. 田中武夫

    ○田中(武)委員 じゃ、一ぺん貸しておきましょうか。委員長及び与党の諸君に一ぺん貸しておきますよ。これが了承できないなら、総括締めくくり質問は終わらぬことになる。それでなくて採決できるか、こう開き直ったらどうなりますか。そういうことは言いませんけれども、それだけ慎重に回答願います。長官、いいですね。  それじゃ大蔵大臣、国際通貨不安が再燃焼したというのですか、ヨーロッパなどで円買いといいますか、これが急ピッチで行なわれている。ということは、ある程度円の切り上げということを見越しているのではないかというようなことも考えられるのですが、私は、政府のやられることに対して、福田大蔵大臣のやられることに対してあまり賛成したことは少ないのですが、この間の閣議における、あくまでも円為替は堅持する、これはけっこうだと思うのです。  それならば、その上に立ってどのような対策をさしあたり考えておられるのか。新聞等にも出ておりますが、具体的な対策をひとつ、簡単にお願いします。
  90. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは少し経過を申し上げておいたほうがよかろうと思うのです。  去る五月の三日にドイツの有力五大経済研究所が連名で、マルクの変動為替制を採用すべし、こういう勧告を行なったわけです。どうもその勧告に対する当局の対応があいまいであったという節があるのじゃないか。いずれにしても、この勧告をきっかけとしましてマルク買いが始まってきた。これはその直後から始まりましたが、五日の日になりますと為替市場が開かれる。そうすると、三、四十分の間で数億ドルのマルク買いだ、こういうので、ついにドイツ当局はマルク為替市場の閉鎖を行なったわけであります。それに連動いたしまして、スイスオランダベルギー、これらの国々がまた為替市場の閉鎖を行なう、こういうことになりまして、通貨不安が起こってくる。それにどういうふうに対処するかというので、昨日EEC蔵相会議が開かれまして、これはまあたいへん重要な会議であったようであります。延々二十四時間にわたった。  そこで、その結論といたしましては、為替相場はこれを変えない、それから第二は、フロートやむを得ない場合もある、つまり短期資本が非常に多額に流入するという事態を救うために、一時的に期限を切りまして、また上限、下限を切りまして相場をフロートさせるということもやむを得ない場合がある、それから第三には、為替管理その他の必要なる短期資金流入に対する処置をとる、こういうことであります。  これを見てみますと、為替相場を変動せず、これはわが国が常に主張しておるところでありまして、まあこれはわが意を得ているわけであります。第二の、フロートやむを得ないという場合があり得る、こういうことはわが国としては好ましくない、こういう態度でありましたが、こういう緊急事態でありますのでこれもやむを得ないことであるかなと考えております。それから第三の為替管理等の短期資本の移動を制限する措置をとる。この点はつとにわが国がそういう制度をとっておるわけでありまして、日本の行き方、こういうものが参考にされた、こういうふうに見ております。  そういう経過をたどりまして、昨日からきょうまでの間に、EECに参加していないスイスで七%の切り上げを行なう、それからオーストリアで五・〇五%の切り上げを行なう、それからEECに参加しておるドイツにおきましては、これはフロートを行なう、こういうこと、それからオランダがこれに追随をいたす、こういうことでありますが、特にその中でドイツは、第一に為替相場のフロートを行なう、しかし、その一定時期それをどうするか、また一定限、これをどうするか、これは明らかにしておりません。それから第二に、これに伴いまして必要なる金融措置をとる。あるいはこれがEEC会議でいわれておる為替管理であるのか、あるいは金利その他の措置であるのか、これは明らかにされておりませんが、それからさらに財政措置、つまり予算の削減でありますとかあるいは公債発行額の減額でありますとか、そういう一連のデフレ措置をとる、こういうことを言っておるのでありますが、わが日本といたしますと、これらのヨーロッパ諸国と非常に違います点は、短期資金の移動を厳重に管理をしておる。今回の問題の発端は短期資金の移動でありますが、その移動につきまして、わが国はヨーロッパの国々と違いまして厳重な為替管理をしておる、こういう関係もありまして、これらの重大な動きがありましたが、わが国に対しましてはさほどの影響はありません。六日の日に多少の動きがあったようでありますが、これも多少のことでありまして、五日は休み、七日、八日と、この金、土、これには非常に平静な動きが見られるわけであります。  そういう間にありまして、わが日本といたしましては、つとに声明しておりますように、わが国としては為替相場の変動は行なわない、変動というのは、現実の問題とすると切り上げはこれは行なわない、こういうことで態度をきわめて鮮明にしておりますが、今後ともこの方針で国際通貨体制に臨んでいきたい、これでいささかの不安もない、かように考えております。
  91. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この平価維持、いわゆる円の切り上げをやらない、私も替成、同時に資本あるいは貿易の自由化、これにも私は反対なんです。できるだけやるなということ。虫のいいことを言っておる、こういうことになるかもわかりませんが、これに対して、もう国内の財界筋でもいろいろな意見が出ておる。あるいは外からのいろいろな意見というか圧力というか、出てくると思うのです。その中にあって平価は維持する、すなわち円の切り上げはやらない、そして自由化もあまり――どういいますか、無原則にやらないといいますか、できるだけやらない、こういう二つの線を貫くためには、私はよほどやってもらわなければいけないと思う。と同時に、円防衛というか、そういうような点から、たとえば外国銀行の日本支店に対する円転換の規制とか、あるいはまた証券投資、これも一定の規制はあるようですが、これに対しての規制とかいうようなことも具体的に考えるべきだと思うのですが、いかがでしょう。
  92. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 ただいま申し上げましたように、わが国は短期資本の移動を厳重に管理しているのです。したがいまして不安の起こる要因というものはないのです。通貨上はない。でありますから、外圧ということがよくいわれる。ドイツなんかは外圧があったのです。つまりマルクを買いましょう、こういう外圧があったわけです。それに耐えかねて今回の措置をとる、こういうことになりましたが、わが国においてはそういう事態は起こらない。  ただ問題は、そういう面の外圧じゃない、つまりトレードですね、貿易面における外圧、こういうものが起こってくる可能性というもの、これはもう私は非常に憂えておる。たとえば、いま繊維交渉に見られるがごとく、あるいは食器に見られるがごとく、その他のいろいろな商品の輸出についていろいろもんちゃくが起こる。これはちゃんとわが国として外国から一指もさされないのだ、こういうような体制を逐次――逐次じゃない、急速に整えておく必要があるだろう、こういうふうに思います。  それから外貨がたまる、それに対しましては対外経済協力を強化する、あるいは関税政策、これも積極的に自由化の方向へ進める。あるいは特恵関税、これはいま各国とも実施過程にありますが、わが国は率先してすみやかにこれを実施するという姿勢をとるべきである。それから輸入の制限問題、これはいろいろむずかしい問題があります。ありますけれども、それに対応する対策をとりまして、そして輸入自由化、これも着実に進めていかなければならぬ。それから資本の自由化の問題があります。これにつきましても、これは積極的にわが国はこの自由化の方向を進めるべきである。  そういうふうな一連の施策をとる。特に重要なのは、私はこの輸出のマナーという問題であると思うのです。わが国の輸出の状態を見てみますと、この商品は売れるというようなことがありますと、どっと出ていくのです。たとえば自動車輸出、これはことしになりますと、昨年の同期に比べまして実に二三%の輸出になっておる。二・三倍の増加、そういうような状態です。そういう輸出のマナーにつきましてよほど考えておく必要があるのじゃないか。そういうようなことを考慮いたしますれば、わが国は貿易について他の国から指弾を受けることはない、この通貨上実力をもってわが国を何というか、圧追する、こういうことはいまの体制で厳重にこれを阻止し得る かように考えております。
  93. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この問題でもまだ伺いたい点もあるのですが、時間ももうほとんどないので次に入りたいと思います。  次は沖繩の米資産買い取りといいますか、これについてお伺いをしたいと思っていろいろ用意しておるのですが、時間がないのでまとめて申し上げます。  新聞の報道によると、いわゆる沖繩における米資産の買い取りについて、何か事務ベースの話は終わった、大体四億ドル程度だ、こういっている。しかし私は、ものごとをさかさトンボに考えちゃいけない、初めに総額をきめてあとから理屈をつけるのじゃなくて、やはり必要なものは買い取る、必要ではないものは買わないのだ、こういう上に立って、何が幾ら、何が幾ら、何が幾ら、合計幾らということでなくていけないので、そうでなければ政治的に経済問題を片づけることで、沖繩返還協定の中で、たとえば総額何億というようなことをきめられる方向へいくことを警戒したいと思うのです。  なお、私の意見から言うならば、この沖繩の占領等について国際法的なことの議論をやめるといたしましても、少なくともアメリカは、日本の潜在主権を認めながら四分の一世紀にわたってともかく施政権を行使してきたわけです。したがってこれらの資産は施政権行使についての投資だったと思うのです。したがって、施政権を返還するにあたっては当然それに付随するものである、こういうことで、私は何も金を出して買わなくてもいいじゃないかという理論を持っております。と同時に、いま先ほどのキーカレンシーのいわゆる国際通貨不安の問題ではないが、アメリカは赤字で悩んでおる。日本は黒字でいまいい気になっておる。だから、金で済むことならということで、それがアメリカに対する援助とは考えませんが、そういう安易な考え方でこの米資産の買い上げ、こういうことを考えてもらっては困る。それが一点、米資産についての基本的態度、それを一つお伺いします。  それからもう一つは、これももう時間がないので一緒に伺います。  先日四次防が発表になりました。防衛庁官、もういなくなってしまったのですが、あれによると、大体毎年、この四次防達成というか、その期間においては一般会計で防衛庁予算というか、それが二〇%近い一八・八%とかなんとかいわれておりますが、それだけ自動的に上がっていくことになるのですね。それでなくても財政硬直化ということがいま問題になっておる。この四次防が財政硬直化の大きな原因になりはしないか、こういうことも考えられますが、これはあまりにも性質の違った二つを一ぺんに伺ったわけですが、時間の関係でこの二つについて御答弁願います。
  94. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 まず、沖繩の資産引き継ぎに関連いたしましての支払いの問題でありますが、これは田中委員のおっしゃるとおりです。  これは総額をきめて、そして当てはめをする、そういう考え方はとるべきじゃない。どこまでも払うべきものは払う、払うべからざるものは払わない、こういう見地に立ちまして積み上げて、内容を明らかにして国民の御了解を得なければならぬ、かように考えております。  それから第二の四次防の問題でありますが、これは過日防衛庁当局から防衛庁の原案が発表されました。この原案につきましては、近く大蔵省においても内容をよく防衛庁当局から承りたい、こういうふうに考えておりますが、基本的な考え方としては、この防衛計画が国力、国情に応じたものでなければならぬ、こういうこと、それから財政の中において他の諸施策と均衡のとれたものでなければならぬ、この二つを基本的な考え方といたしまして大蔵省の意見をきめ、国防会議においてきめていただきたい、かように考えておる次第でございます。
  95. 田中武夫

    ○田中(武)委員 もう時間がないので、次に伺いたいのですがやめます。ただ、沖繩の資産買い取りについては筋を通すということ。私は、先ほど言ったように、施政権行使のために投資したのだから、施政権に付随して持ってくるのがあたりまえじゃないか、こういう議論もあり得るということです。  それから、もう防衛庁長官に伺うのに時間がないからいいですが、第四次防達成のためにそれが財政硬直化の原因にならないように、そういう意見なんです。  それから最後に、これはどうしようかと私、ちょっと考えたのですが、しかし一応こういう手紙をもらえば言っておいたほうがいいんじゃないか、こういうことで、この手紙を出した人たちについても、私はいろいろ何とか意図があるんじゃないかと思うのですが、一応そういうことでお伺いいたします。  これは大臣あるいは国会議員の諸君にも来ておると思うのですが、香港の索償協会と読むのですか、なるものから二回にわたって手紙をもらいました。それは中に軍票――第二次世界大戦のときに旧日本軍が使った軍票が入っているわけです。そしてまた、文章を一々読みませんが、軍票と戦火の被害とは同一視すべきではない、軍票の解決は償還であって賠償ではない、あるいは軍票がまだ存在する限り貴国、日本の体面をそこなうことになる、云々というような手紙がついておるわけです。これは講和条約を英国との間に結んだときに解決した、こういうことであろうとも思うのですが、もしそうだとするならば、このことについて、はっきりと私は日本政府の態度を言明しておくべきだ。ただ外国の人からこういう手紙をもらって全国会議員が握りつぶしておる、政府が握りつぶしておるということであってはいけないと思うので、あえてこの問題に触れたわけなんです。  この旧陸軍の使った軍票について、これは香港からですが、どのようにお考えになっておりますか。
  96. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 特に香港におきましてそういう動きのあることは私も承知しておりますし、私にも同じ手紙が実は参ったわけです。でありますが、いま田中委員の御指摘のように、この種の問題は平和条約を締結した際に一切決着済みでございます。  つまり、わが国といたしましては、それらの請求に対しまして一切責任がない、こういうことが条約上明らかになっておる。ただ、その種の問題につきまして権利を留保しておる国が一つあります。国民政府であります。国民政府との間はまだこれはペンディングになっておる問題でありますが、その他の平和条約締結国に対しましては、これは条約上非常に明らかになっておる問題でありまして、わが国といたしましては一切責任を持たぬ、かようにお答え申し上げます。
  97. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これで終わります。そうだろうと思うのです。しかしこれは全部に来ておるのですから、それは大蔵省か外務省か知りませんが、少なくとも国会議員にはそのことを明確にひとつ文書か何かで配るべきだ、説明すべきだ。同時に、いまのような議論を堂々と発表してもらいたい。     〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕 そうでなかったら、こういうようなことについてほおかぶりをしているんじゃないかという印象を受けてはいけないのであえてこの問題に触れたわけです。  それでは終わります。
  98. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員長代理 浅井美幸君。
  99. 浅井美幸

    ○浅井委員 私は、本日はまず天下りの問題をお尋ねして、その後、防衛庁関係についてお伺いしたいと思います。  まず、人事院総裁にお伺いいたしたいのですけれども、昭和四十五年度の公務員の営利企業への就職の承認に関する年次報告書が出ておりますが、ことしはどのようになっておりますか。まず概数の承認件数を御報告願いたいと思います。
  100. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 昭和四十五年の分は、承認件数百九十三件になっております。
  101. 浅井美幸

    ○浅井委員 これは昨年度よりは相当ふえております。二十人ばかりふえておりますが、ことしのこの承認の基準、あるいは申請の審査にあたって、どの程度、どの辺に留意をされましたか。
  102. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 この件数はいつも問題にされておりますけれども、私どもは、いま御指摘のように、承認基準というものを厳守してまいっておるわけであります。数年前から少し甘過ぎやしないかというような御批判がだいぶありまして、発足当初に比べますと相当基準を締めつけてまいりましたけれども、もう大体基準としては行くべきところまで行っておるということでございます。ただ、件数が多い少ないは、これはまさに人事は水ものと申しますか、減った年もありふえる年もあり、しょっちゅうでこぼこで不安定な数字となっております。
  103. 浅井美幸

    ○浅井委員 これは行くところまで行ったというお話でありますけれども、やかましくいわれて、国民の批判が強い。まして営利企業というのは、いわゆる行政と企業の癒着ということで強い批判がございます。それが、いわゆる人事は水ものであるということで、数がふえても、さらにもっと三百も四百も出てきてもこれはやむを得ない、こういうのでは、国民の批判にこたえてやっているとはいえないと私は思うのです。これは一昨年来からも私どもがしばしばこの問題を取り上げて総裁にもお聞きしたことがございます。  常に問題点は、いわゆる憲法の就職の自由と、そして、いわゆる私企業との隔離という接点の問題です。これをどのように判断をするかということです。あなた方が今回の審査にあたって、昨年いろいろと取り上げられた問題をどのように配慮したかということを私は聞いているわけです。そうでなければ、毎年ここで繰り返してこのことを押し問答しておる、それが国民に対して政府として前向きな姿勢でこたえたというその結果が出てこなければならないと思うわけです。ところが、昨年よりもさらにまたふえている、こういうことであるならば、いままで委員会で取り上げて、そしてお互いの主張について論議をかわし、あるいは追及されておる、そういう結果が出てきていないということになります。その辺はどうでしょうか。
  104. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 基本的人権との接点云々のおことば、まさにそのとおりでございます。したがいまして、私どもはこの本質の問題から、たとえば、ことしは百五十件になったから、もうあとは全部だめだよというようなことで、定数のワクのようなものをつけ得るような性格のものではない。これは申すまでもない。したがいまして、私どもの基準さえしっかり守っていくならば、その基準でふるい落とされるものは落とされる。これはいまのお話にもありましたようにたびたび御批判を受けておりますから、たとえばいろいろな複雑な経歴を持っておりますために、さあどっちにしようかと迷うような問題も確かにございます。そのようなときには、気の毒だけれどもアウトのほうになってもらうという意味で、われわれの心がまえとしてはきびしくということで一貫してまいっておりますが、毎年の、たとえば退職者の総数というもの自体が、これは不安定なものであります。たとえば四十四年に比べますと四十五年は、二等級以上の退職者の数はずっとふえておるということからいいましても、とにかく何人あったからもうだめだというようなことはいえない性格のものだというふうに御了承願いたいと思います。
  105. 浅井美幸

    ○浅井委員 繰り返し申し上げるわけでありますけれども、いわゆる私企業からの隔離には「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」この「密接な」ということの基準の薄い濃い、この「密接な」ということをどの程度に判断をするかということなんです。要するに、大蔵省関係の財務局にいながら銀行に行っている。大蔵省という省閥の中におって、それが銀行関係のところに就職しておっても、それは差しつかえなくて承認をされている。あるいは厚生省関係にいた者が薬関係の会社に天下りしておる。これが承認されておる。あるいは電波監理局の関係にいた者がいわゆる放送界の中に入っていく、これを密接な関係がない、あるいはまた密接なことではなくて薄い関係だというふうに判断しておるということは、実は非常に疑問に思うのです。これは私は、率直に申し上げて、国民も疑問に思っておると思うのです。それを密接な関係でないと判断をされるということが、私どもにはなかなか納得いかないわけです。その辺のことについての明確な基準といいますか規制というか、そういうものを従来から――ことし取り上げられている問題ではない。しばしば取り上げられてきておる。私は、そこに何らかの改善の措置を講じなければならないときが来ているのではないか、このように思うのですけれども、この辺はどうでしょうか。
  106. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 私どもも、なかなか各方面の御理解を得られないということについては、まことに残念に、むしろくやしいと申し上げたほうがいいかもしれないと思います。  この法の精神は、これは申すまでもございませんけれども、昭和二十三年にいまの条文ができましたときの政府側の説明そのものによっておるわけでございますが、要するにこのねらいは、公務員が在職中に不当にその職権なり地位なりを悪用して、特定の企業と情実関係あるいはコネをつける、癒着をつくって、そしていずれ自分がそこのいいポストへ天下っていこう、そういう魂胆で在職中に職権、職務を逸脱するということをチェックするための一つのからめ手からの規制であるという趣旨でこれはできておるものと考えております。したがいまして、これもこの条文ができましたときの政府側が明らかにした基準でございますけれども、要するに、その公務員が在職した過去五年間の職歴を見て、そのポストが、いずれ転出しようとする、あるいは今回天下ろうとするその会社との関係において職権、職務の乱用を生じ得るようなポストであったかどうか、これに着目いたしまして、それに該当するものであれば、これは承認できない。でありますから、たとえば大蔵省と銀行といえば、これは一口に言えば、大蔵省と銀行はまことに密接な関係がある。しかし、大蔵省の中にもいろいろなポストがございまして、いつも申し上げるのですが、たとえば印刷局長というようなポストがある。これはその職務の在職中に職権をいかに乱用いたしましても、銀行に対して情実をつくり癒着をつくり出すというべき職務の地位にはないわけであります。大蔵省の在職の経歴をたどってみて、たとえばそういうような銀行に関係のないポストであれば、われわれとしてはこれは承認せざるを得ない。そのかわり、銀行そのものに関係の深い、たとえば銀行局長というようなポストにちょっとでもおれば、いかにその人が誠実公正に職務を行なった人であってもこれは絶対にアウトで、承認まかりならぬというたてまえに徹しておるわけです。これが地方の部局になってまいりますと、管轄区域というものがみなきまっておりまして、職権は管轄区域しか及びませんから、管轄区域外の企業に行く場合においては、いまの場合と同様にこれはわれわれとしては原則として承認するということでいっておるわけです。
  107. 浅井美幸

    ○浅井委員 去年の答弁と同じだ。私が聞いているのは、在職中のコネを生かして就職をするというのではなくして、新たな、いわゆる入ったところの企業や会社の顔きかせに就職先は迎えているということなんです。根本的にあなたの言っているのと私の言っているのとは違うのです。在職期間中の地位を利用して就職をするのではなくて、就職した側が今度は在職中の地位を利用するのです。反対なんです。あなたの頭が去年と全然変わっていなければ、それは基本的に去年と同じであったという結論です。それでは改善された結果というものは出ていないということは明らかであります。  官房副長官にお伺いしたいのですけれども、公団、公社のいわゆる特殊法人であります。これも従来しばしばいわれておりますけれども、これの四十六年一月現在で、出身省庁別の在職状況をまずお知らせ願いたいと思います。
  108. 木村俊夫

    ○木村政府委員 昭和四十六年一月現在の数字を申し上げますと、まず内閣が四、人事院が三、総理本府が六、警察庁が九、首都圏二、宮内庁一、行政管理庁七、北海道開発庁一、防衛庁二、経済企画庁六、科学技術庁八、法務省一、外務省六、大蔵省四十四、文部省十二、厚生省十二、農林省三十一、通産省二十九、運輸省十八、郵政省六、労働省十五、建設省十二、自治省八、会計検査院十、合計して二百五十三名であります。
  109. 浅井美幸

    ○浅井委員 これまた在職者がふえております。昭和四十四年の一月現在で二百四十二名だった。四十五年の三月で二百四十七名、四十六年の一月では二百五十三名と、これまたふえているというのが今回の現状であります。  それから、四十六年の一月一日現在の常勤役員総数は七百四十七名ですね。ここでもう一ぺんお伺いしたいのですけれども、四十五年の一月一日から四十五年の十二月三十一日までに特殊法人の役員へ就職をした者、各省庁別に人数をお知らせいただけますか。
  110. 木村俊夫

    ○木村政府委員 まず内閣が二、総理府が二、警察庁が三、首都圏整備委員会一、行政管理庁四、経済企画庁二、科学技術庁二、外務省二、大蔵省十、文部省四、厚生省二、農林省六、通産省十、運輸省三、郵政省一、労働省四、建設省三、自治省三、会計検査院三、合計六十七名であります。
  111. 浅井美幸

    ○浅井委員 これまた四十三年度の就職は四十五名だったのです。四十四年度は四十二名、四十五年度、いま申された数字が六十七名、これまた大幅にふえている。これは官房副長官が過去、このことについては昨年、一昨年から何回も答弁に立たれて「公団、公社、事業団または一般の営利会社に対する天下り全部含めまして、これはいま最も国民世論の批判を受けておる問題だろうと思うので、政府としてはあらゆる面からこれを検討いたしまして、国民批判に十分たえ得るような措置をとりたい」、このように御答弁になったことがございます。そう御答弁になっていながら、これは、国民批判に十分たえ得るような措置をとられた結果がこういうふうな結果でしょうか。
  112. 木村俊夫

    ○木村政府委員 毎年この委員会で浅井委員からそういう御警告なり御注意を受けております特殊法人の役員人事につきましては、その運用に非常に注意を払っておりますが、これはたいへん弁解がましくなりますが、昨年は本四架橋公団あるいは農業者年金基金あるいは国民生活センターと特殊法人の新設がございました。その面から役員の数がふえたのと、たまたま役員の任期満了の時期にあたりまして役員の人事異動が多かった、こういうことになっておりますのでそういう数字が出ておると思います。  また、先ほど人事院総裁がお答えしましたとおり、営利企業へのいわゆる天下り、これも数がふえておりますが、これはいろいろ原因はありましょうと思いますが、やはり経済成長あるいは技術革新等から経済活況が非常に顕著であったということから、営利企業からの一つの人材不足状況、公務員に対するいろいろ求人の実勢が多かったせいもあります。しかしながら、私どもは、この数の問題より――数字的に申しますと、確かにいま御指摘のとおり改善のあとがございません。しかしながら、御指摘にありましたとおり国民の批判にたえ得るようなことを考えますためには、その質的方面と申しますか、公務員のいわゆる天下りの質的面の改善が何より必要だと思います。  実は、御承知のとおり昨年いろいろお約束した以後の状況について申し上げますと、まず公務員の特殊法人への就職につきましては相当改善のあとをお認め願えるかと思います。  まず昨年は、とにかく問題がありました特殊法人の役員の退職手当につきましては、その支給率を三割方引き下げました。またその中で、役員のうちで長期にわたって在職しております者につきましては、昨年、一昨年は三十六名でございまして、引き続き在職九年以上の者の数は三十六名でございましたが、本年一月にはこれを三十一名に減少しております。  また、いわゆる役員の渡り鳥が非常に批判を受けておりますが、極力これを押えました結果、三つ以上の渡り鳥、いわゆる経験者についていいますと、四十四年一月が十六名でございましたが、本年二月にはこれを十名に減少しております。  また、部内からの役員任用、これが非常にいろいろ御指摘を受けたところでございますが、四十四年度、一昨年は四十四名でございましたが、昨年度におきましてはこれが五十一名にふえております。そういうような状態で、公務員の特殊法人への天下り、確かに数字的には改善しておりませんのみならず、ふえておりますけれども、その質的な面ではいま申し上げたような改善のあとをお認め願いたいと思います。
  113. 浅井美幸

    ○浅井委員 質的な面についてというお話でありますけれども、これは退職金あるいは長期在職者あるいは渡り鳥の件、これはもっともでありますけれども、まだまだ数の問題については国民はかえって強い批判の眼を向けておるわけです。たとえば特殊法人の中の役員の人数が非常に多い。何名以上なんというずさんないわゆる内規を設けて、役員が職員に対して非常に多い、こういう批判もあったわけです。それはまだまだ改善されてないのがたくさん残っている。こういうことからいくならば、この天下りに対するいわゆる自民党政府の姿勢というもの、これは、日本はいわゆる官僚天国であるという官僚に対する考え方がまだまだ非常に甘い、こういうふうに思うのです。中でも大蔵省なんてのは天下りが非常に多い。大蔵大臣おられますけれども、営利企業への就職の状況も各省に比べて多い。特殊法人の数も圧倒的に多い。これは大蔵大臣、一体天下りに対してどういうようにお考えになりますか。
  114. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 いわゆる天下りにつきましては、浅井さんの御指摘のように弊害面もあることは私もそう思います。しかし同時に、人材の使い方、こういう観点から見ますと、大蔵省に例をとりますれば、長い間金融関係、財政関係で仕事をしてきた、その実績の上に立って、余生というか、退官後もまた社会に奉仕する、これもかなり重要視されなければならぬ問題か、こういうふうに思うのです。その辺をどういうふうに調和していくかということだと思いますが、いま、現状におきましては五年間の職歴を調べてみる、その職歴が新たに就職する職場と関連がある、こういうものにつきまして二年間その就職を停止する、こういう考え方、これなんかは一つの調整点ではあるまいか、そういうふうに考えております。
  115. 浅井美幸

    ○浅井委員 大蔵大臣はそういう答弁をなさると思いますけれども、これは弊害がある。弊害があるのと、いま言った人材を用いなければならぬという、これも先ほどの人事院総裁の言った一つの接点の問題なんです。弊害は私は排除しなければならぬと思うのです。ですから、そういう点について改善をし、国民の批判にこたえ得るものにしなければならぬということです。大蔵省に特に人材が集まっているのでしょうけれども、大蔵大臣はりっぱでありますから。しかしながら、大蔵省は特に多いということも、一つの権力のいわゆる象徴というふうに見ておる人もあります。したがって、その辺についての配慮、あるいはまた改善の措置を私はとってもらいたいということを要望しておきます。  最後に、この問題の締めくくりとして官房副長官にお伺いしたいのですけれども、こういういろいろなことが、いまあなたは質的には若干前進したとおっしゃいますけれども、まだまだ私たちが指摘しておる面についてはほど遠い。四十五年度はこういうふうに来たのですけれども、四十六年度、すなわち来年度においてどのように具体的に天下りということについての国民の批判にこたえて、そして改善の実をあげられますか。その辺をお答え願いたいと思います。
  116. 木村俊夫

    ○木村政府委員 四十六年と申されますと一年間ということになりますが、この問題は単にそういう短期間の問題として解決すべきではないと思います。まず根本的には、天下り現象が国民の批判を受けるということ自体、現在の官庁の姿勢そのものに非常に不信感があるということに根ざしていると思います。  まず、政府といたしましては、そういう現在の行政姿勢のあり方、そういうものから改善していかなければならぬと思います。また同時に、公務員が天下りをする先の特殊法人、それの整理は当然行政機構の一端として考えなければならぬ。同時にまた、天下りを要しない、すなわち特殊法人の中の部内の登用または民間からの人材登用、これをはかるべきである、こう考えております。  総じまして、公務員があるいは特殊法人または営利企業へ天下りせざるを得ない根本原因というのが、御承知のとおり、やはりいまの公務員制度自体の中に存在すると思いますので、もっと長期的に公務員制度のあり方自体を根本的に再検討する必要があると考えます。私どもとしましては、もう少し長期的に考えさせていただきたい、こう考えます。
  117. 浅井美幸

    ○浅井委員 官房副長官、いわゆる公務員制度を長期的にというのは、この問題はことし始まった問題ではない。長期的というのは、一体十年先のことなんでしょうか二十年先のことなんでしょうか。私がいま具体的にお聞きしておるのは、そういう基本的な問題をも含めて、早急にこれを改善していく必要性のあるものだと私は思うのです。確かに、公務員制度を基本的に変えていくことは非常にむずかしい、また退職の問題等がありまして、これに手を加えることは非常にむずかしいことには違いありませんが、その辺のことをすみやかに手を打たなければ、じんぜん日は延びてしまって、いつまでもこの問題が解決しないということに私はなると思うんです。したがって、長期的とおっしゃいますけれども、どのぐらいの計画ですか。
  118. 木村俊夫

    ○木村政府委員 その改善する内容によっていろいろあると思います。したがいまして、先ほどいろいろあげましたような質的改善につきましては、もうさっそく今日からでも手をつけなければならぬ。また公務員制度全般の根本的再検討になりますと、なかなかいままでのいろいろな積み重ねがございますので、これは行管当局でもいま研究しておりますし、また行政監理委員会でもいろいろ試案がございます。それにのっとりまして、できるだけ早く着手すべきものである。あとは政治の決断の問題であると思います。
  119. 浅井美幸

    ○浅井委員 特殊法人も全然減らない、行管から指摘されていながらなかなか減らないという、いろいろな事情があります。いまお述べになったようないわゆる決断をもってこの問題に当たっていただきたいことを私の最後の要望にして、天下り問題の質問を終わります。  そこで、防衛庁に伺いたいんですけれども、きょうはXT-2の開発、この問題についてお聞きいたしますが、時間も限られておりますので、ひとつ長官はじめ答弁に立たれる方は簡明にお述べになっていただきたいわけです。私の聞きたいポイントというのは数多くないわけです。したがって簡単にこの答えを申し述べてもらいたいと思います。  まず、XT-2の開発計画を簡単に述べていただけますか。どういう概略です。
  120. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 超音速戦闘機の操縦及び戦技の基本を習得するための超音速練習機の開発を四十二年度以降実施しております。現在、試作機二機の製作実施と並行し、共同試作機一機を試験中であり、試作一号機は本年四月完成し、目下地上試験を行なった後、八月末までには初飛行の予定でございます。なお、試作二号機は本年十一月ごろ初飛行を行なうとして、以降、四十八年度まで技術試験及び実用試験を実施して開発を完了する予定でございます。  そのために現在どの程度までの予算を支出しているかと申しますと、基本設計、細部設計及び試作機の製造のため、四十二年度から四十五年度までに支出した額は三十四億三千六百万円であり、これに四十六年度で支出を予定している二十五億九千八百万円を加えると、開発計画費の総額は約六十億三千四百万円となります。なおこのほかに四十五年度国庫債務負担行為で実用試験機二機を契約しており、この分を加えた場合の現在までの支出額は合計で三十六億八千九百万円でございます。  超音速高等練習機の検討段階におきまして、当初T38導入案もありましたが、国内開発することは、わが国航空技術上、超音速の分野に将来発展するための重要な第一歩となることを考慮し、またF104ライセンス生産により導入された技術を活用し、技術的にも開発が可能な分野であり、国内開発による装備をすることとしたものであります。
  121. 浅井美幸

    ○浅井委員 国内で自主開発にきまったいきさつというのはどういうことなんですか。いわゆる輸入にしたほうがいいのではないか、こういう案と、それからいまT38とあなたが言っておりましたけれども、このT38程度のあれならば国内で設計できる、当時は四億ないし五億くらいでできるのではないか、こういう試算で四十二年度あたりからこの設計行為に入ったということであります。自主開発に踏み切った理由というものをまず簡単に述べていただきたいと思います。
  122. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 現在使用しておりまするF86F戦闘機の交代時期がまいりまして、それにかわる代替機が必要な段階が見通されたわけであります。これは一面において練習機であって、パイロット養成に資するとともに、また一面においてF86Fは支援戦闘機でもあるわけです。両方の機能を兼ねるようなものが望ましい、そういう考え方に立っていろいろ検討を加えましたが、T38を買うか、あるいは国産自主開発でいくか、非常に慎重な検討がなされました。T38を買えば、その当時の値段で、たしか四、五億程度であろう、開発した場合には多少かかるけれども、F10を入れたライセンス技術能力等もあり、いまのように相当数の後続機を買い入れるという面から見ますと、国産自主開発でやったほうが、技術も残りますし、また補給能力という面から見ましても好ましい。そして値段につきましては、国産の場合は若干高くなるけれども、技術能力、そのほか全般を見た場合に、国産でいったほうがより合理的である、そういう判定のもとに国産自主開発に踏み切ったものでございます。
  123. 浅井美幸

    ○浅井委員 ところが、当初試算した四億から五億が若干高くなるのが、現在十億の四次防の試算になっています。それから、この間答弁で防衛局長は、石川島播磨重工ですかからの情報によれば、十四億ないし十五億かかるのではないかと言われております。一体この原因は何でしょうか。     〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
  124. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 T38の値段が四、五億であろうと当時推定しましたのは、当時の物価、当時の時点における価格の見通しであります。しかし、その後物価の上昇、人件費の上昇等もあり、これを導入する時期になりますと、それから七、八年くらいずれてくるわけです。その間における物価上昇等を見込みますと、ある程度の価格上昇はこれはやむを得ない、そういう考え方に立ちましていろいろ検討しました結果、いまのような結論になったものでございます。
  125. 浅井美幸

    ○浅井委員 だから、四十二年度あたりで四億ないし五億がいま十億になる、あるいは十五億というのは三倍です。そんなに物価上昇しておりますか。
  126. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 新聞に報ぜられました十五億程度になるだろうというのは、あれはどこから出た数字かわかりませんが、正しい数字ではございません。ロールスロイス・チュルボメカというロールスロイスのエンジンを製造しておる会社が、ロールスロイスが倒産いたしまして、そうしてこれがどうなるかということで非常に心配をいたしまして、佐藤空将を中心に調査団を派遣して、引き続いてエンジンの製造を継続するか、供給の保証はあるかどうか、それから値段の上昇ははたしてそうであるかどうかという点について、先般調査団を派遣してしさいに調査させました。その結果、この十五億円云々というのは、商社筋がそういう数字を目見当で、責任なくして言った数字のようであるということが判明いたしました。  それで、エンジンを製造して供給する保証はある、先方もこれで製造を中止する考えはないし、日本のような有力な国にそれを供給するということは、国家の信用上からも先方は非常に熱望しておる情勢であるということ、それから、価格についてはこれからのネゴシエーションで話をきめていく、それは両方の合理的数字をもとにしてきめていくという態度でありましたので、価格についてはこれから両方でネゴをやって妥当な価格をわれわれは策定していくようにしている最中でございます。
  127. 浅井美幸

    ○浅井委員 防衛局長いらっしゃいますね。――大臣はいま、新聞で十四億ないし十五億というのはどこから出た数字か全然わからぬと言うけれども、防衛局長は参議院の三月十九日の予算委員会の答弁で「十四億あるいは五億になる見込みがあるという情報をこれは得ておるわけであります。」と言っておるが、これは全然うそだったのですか。防衛局長、答弁してください。
  128. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは新聞で見たという意味だろうと思うのです。その正規の関係会社の責任者が正式に言ってきたという数字ではない、新聞で見たという意味のインフォーメーションという意味であろうと思います。
  129. 久保卓也

    ○久保政府委員 所管局長は装備局長でありますが、私がそのときにお答えいたしましたのは、私が当時得ておりました知識、情報でもって十四億近くになるという数字もあるというような趣旨でお話を申し上げたと思います。
  130. 浅井美幸

    ○浅井委員 ちょっとそこにいなさい。  あなたが得た情報はどこから得ましたか。
  131. 久保卓也

    ○久保政府委員 私の部下あるいはその他の筋であります。ただし、さっき申し上げましたように、当初の石川島播磨の数字である、それをもとにして、その他の情報からするとそういうような数字もあったということであります。
  132. 浅井美幸

    ○浅井委員 石川島播磨とその他の情報――その他とはどこですか。
  133. 久保卓也

    ○久保政府委員 私は局長でありますから、部下からいろいろな話を聞きます。したがいまして、担当者その他から話を聞いた数字だと思います。
  134. 浅井美幸

    ○浅井委員 長官、あなたは先ほど推察で答弁をなさったのですか。防衛局長は、石川島播磨重工やあるいは部下から聞いた情報だと言っておる。あなたは新聞からいった数字であろうというふうに推定されるのですか。こういう席上において、あなた推定の答弁をされるのですか。
  135. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 要するに、石川島播磨の社長とか重役とか、その責任者が防衛庁に正式に言ってきたというそういう数字でない、それは事実そのとおりであります。おそらくそういう責任にない連中が推定した数字であるとか、あるいは新聞でいわれている数字とか、そういうものを全部局長が聞いてみて、そしていまのような答弁をしたのではないかと思う、こういう意味であります。
  136. 浅井美幸

    ○浅井委員 それから、調査団ですけれども、佐藤空将以下三名が行きまして、四十六年の三月二十五日から四十六年の四月十日まで十七日間、訪問先はフランスあるいは英国。このアドーアエンジンの供給体制についての報告書が出ております。いわゆるこの報告内容をつくった相手、だれから聞いてきたのですか。
  137. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 この佐藤空将を長とします調査団は、フランス政府の関係機関とチュルボメカに行っております。それから、イギリスではイギリスの関係省、航空供給省その他の政府機関とロールスロイス・チュルボメカ会社と会いまして、そういう結論を得ております。
  138. 浅井美幸

    ○浅井委員 それは報告書で出ておるのです。その会社のだれと会って聞いてきたのですか。先ほどの長官の、社長や責任のある者の答えではなくて、それ以下の者であったなどということになったならば、この報告書の内容は信憑性がなくなる。したがって、この報告書作成にあたって、だれと会って話をしてきたのかということです。
  139. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いま会った相手方の名前、役職名についての資料を持っておりませんので、至急取り寄せますけれども、責任ある者と会っているという報告を受けております。
  140. 浅井美幸

    ○浅井委員 そんなだらしのないことじゃ私への答弁にならないぞ。いやしくも、ロールスロイス社が倒産して、そしてアドーアエンジンの供給体制について問いただしに行った、おそらく責任のある者から聞いたのだろう、そういう装備局長のずさんな答弁では困ります。  そこで、この報告書の中に、エンジンの性能についても特に問題はない、フランスのジャガーという戦闘機が試作機の試験飛行の最初の日に落っこちた。そこでこのエンジンは問題があるということで、二年間量産をストップしておる、こういう報告が入っておる。それにもかかわらず、エンジンの性能についても特に問題はないという簡単な一行で済ましておる。  これを私がなぜやかましく言うかというと、この間も決算委員会で取り上げられた同じ問題です。ダッシュの購入にあたってまことにずさんな購入をした。今度もこんな報告書の一片の、エンジンの性能についても特に問題はない――買った、問題があったらどうするか、それを聞いてきた相手はだれだと言っている。責任のある人に聞いてきたのでしょう。防衛庁のやり方というのは、常に調査団の報告書はあいまいである。真実が常に報告されていないみたいだ。それは今回だけではない。前回にも例があったからここで私はやかましく言っておる。
  141. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 だれに会ってきたかということは、私も佐藤空将から報告を受けたときに直接聞いており、私もただしております。それは、私も正確を期するために、追って御報告を申し上げたいと思います。  それから生産の継続性、性能等につきましては、同じくこれは技術的な専門家もやりまして先方と討議を重ねてきたものでありまして、われわれが報告書で得たとおりのものであるということを確認して帰ってきております。
  142. 浅井美幸

    ○浅井委員 このアドーアエンジンは当初の計画よりも購入価格は高くなる、このことは長官は認められますか。
  143. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 すでに契約の済んだエンジン、十二台でございますか、これについてはもう既存の価格で、たしか九千万円程度と一億一千万円程度になりますか、それはそれで完結して、お金の支払いも済んでおるはずであります。将来の分については、いまこれからネゴシエーションをやりまして、できるだけ合理的な値段に詰めるように努力しておるところでございます。
  144. 浅井美幸

    ○浅井委員 試作機の一機のエンジンの価格は、あなたがおっしゃったように九千三百万円です。ところが、実用試験機一機のエンジン価格は一億一千四百万円です。それからXT-2は双発でありますから、一機当たりのエンジン価格は一億一千六百万円、実用試験機で二億二千八百万円、それが、今度一機当たりのエンジンが三億円以上に引き上げられる、予備エンジンも買わなければならないので五億円ぐらいにかかる、こういうようにいわれております。これは事実ですか。
  145. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いま御指摘の試作機二機の分のエンジンが九千三百万円とおっしゃいましたけれども、大体九千四百万円でございます。それがもちろん二台要ります。それから実用試験機のエンジンが一台一億一千五百万円、これも二台要ります。その四十五年度の契約時点を基礎にしまして、今後の輸入価格なりあるいは国内の人件費、物価なりの値上げを組みまして現在四次防のXT-2の価格を試算しておりますけれども、これが先生おっしゃるように、エンジンとしまして一台大体一億六千万円近いものを組んでおります。それが二機になれば三億二千万円、もちろん予備  エンジンも要りますけれども、予備エンジンは必ずしも一機に一基ということではございませんので、全体として必要な予備エンジンを持ちますけれども、そういうような構成になることは御指摘のとおりでございます。
  146. 浅井美幸

    ○浅井委員 そこで、そのような問題があって、いま防衛庁の中においてはロールスロイスの代表と秘密に会っておる。これはいつ、どこで、どういう話し合いをしていますか。いま長官はネゴシエーションをやっておると言いますけれども、最近極秘に会っているじゃないですか。どのような話し合いをしておりますか。
  147. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 ロールスロイスのエンジン問題につきましては、二月四日にロールスロイス社が倒産しまして、その供給体制なり、あるいは倒産した理由であると思われるイギリスの経済問題なり労働問題を含めまして、価格にどういう影響があるかということで、至急ロールスロイス社の重役を呼びまして、それで説明を聞きました。その後、佐藤空将調査団が向こうへ行ってロールスロイスと交渉しております。その後向こうからも参りまして、交渉は続けております。合計、向こうから二回参りまして、こちらから一回行っておりますが、そのほかに、石川島なりあるいは伊藤忠なりという関係商社がそれぞれの立場で折衝しております。現在も折衝を続けております。
  148. 浅井美幸

    ○浅井委員 その内容は、あなた、いまなかなか申しにくいのでしょうけれども、言わなかった。  そこで、この価格は、アドーアエンジンが高くて購入できない場合、私が三点にわたっていろいろなケースを想定した場合、新聞等に報じられておりますけれども、アメリカのゼネラル・エレクトリック社のエンジンに切りかえる、こういう話が出ております。これをやった場合には、いまの機体設計が全然間に合わないので、全部機体改造しなければならぬ、こういうふうな考え方をいま持っておりますかどうか。
  149. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 われわれは、先ほど大臣が御説明しましたように、XT-2の開発に全力を尽くしております。その意味で、その点での最大限の努力をし、いま言ったような不安定要素の解明に当たり、価格問題についても今後とも交渉を続けるという態度でございます。  ただ問題は、ロールスロイスの倒産というたいへんな事件でございますので、フランス政府とイギリス政府の共同開発しておりますジャガーという航空機の開発計画はどうなるのか、それに使われるアドーアというエンジンの供給体制はだいじょうぶかという問題についての検討は必要でございますし、もしそれが、一国でございませんで二国の共同開発でございますので、うまくいかぬ場合には相当な影響がございます。その場合の対応策としては理論的な勉強はいたしております。
  150. 浅井美幸

    ○浅井委員 だから、そのときの対応策としてアメリカのゼネラル・エレクトリック社のエンジンに切りかえることも検討しておるのかどうかということを聞いておるわけです。
  151. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 具体的にそういう検討はいたしておりません。現在、そういう場合にどういうような対応策があるか、どういうような候補エンジンがあるかという問題についての一般的な調査はいたしております。
  152. 浅井美幸

    ○浅井委員 それから二番目に聞きたいことは、もし高くてこれは価格が合わないというならば、アドーアエンジンを取りやめて、XT-2計画、これを全面的に中止するか、こういう私の問いなんです。全部やめてしまうか、いま言ったようにGE社に切りかえるか、あるいはまた、もう一つ第三のケースとして、このXT-2の国内開発計画を取りやめて、アメリカのF5を輸入し、そしてFS支援戦闘機の分についてはこのアドーアエンジンをそのままにして使う、いろいろのケースが考えられるわけです。これはあなた方がこのロールスロイスだけに一方的にしがみついているというようなお話でありますけれども、いわゆる防衛庁内部においてこのことについていろいろのケースで検討しておるはずであります。またこれは二段がまえ、三段がまえであらゆるケースを想定して検討をすべき問題であると私は思うのです。あなたがいまおっしゃったように、ロールスロイスという会社が倒産をしたという重大な問題が起きてきた、それを当てにして設計をしておった、その価格が高くなってきた、あるいは供給の見通しが立たない等々のいろいろな不測の状況があって、あなた方の四十二年当初計画よりも大きく変わってきた、こういうことから、いろいろなケースというものを想定しなければならぬと思うのですけれども、どうでしょうか。
  153. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 防衛庁といたしましては、一応は既定計画を推進するという体制でいま進めております。しかし、価格の問題がどうなりますか。相手が合理的な価格を提示しないというような場合には、われわれとしては対応策も考えなければならぬと思いますが、現在はそういうネゴシエーションをやりつつある段階でございまして、そういう現体制で進んでいるという方針のもとにあります。  その対応策につきましては、一般的、抽象的にいろいろなケースを研究させておりますが、それはここでまだ申し上げるような段階には至っておりません。
  154. 浅井美幸

    ○浅井委員 最後に、このXTは一体幾らのめどで――この十億とかいうのは四次防の試算の中に入っておると言いますけれども、はたして十億でできるのか、あるいは十二億になるのか。このエンジンの価格をめぐって、防衛庁としてはほんとうにどういう価格でこれを購入しようとしているのか、これをはっきりお示しを願いたいと思うのです。非常に流動的な、ネコの目のように最初の計画から変わっておる。さっきも田中委員から指摘がありましたけれども、戦車においても、いわゆる世界最高の価格の戦車を購入しようとしておる。長官は、性能がいいから、これは何もむだな金を使っているのではないとおっしゃった。練習機において一機十億以上もの飛行機を使っておる。そういうの諸外国には全然例がない。日本がもし十億をこすようなそういう練習機を使うというならば、これは世界最高の価格の練習機である、このようにいわれております。われわれはこの予算の効率的運用といいますか執行というか、われわれ自身はこの防衛力増強について認めておるものではございませんけれども、この限られた防衛予算の中において非常にむだづかいが多い。われわれが考えてみて認められない。そういう中において、これまた再びXT-2という高価なおもちゃというか殺人機というか、そういうものを買おうとしておる。われわれはこれについては基本的に反対でありますけれども、予算の効率化からいえば、こういう高いもの、十数億もかかるというような練習機が一体必要なのか、こういうことになってくるわけです。ですから、あなた方はこの練習機を一体どの価格で押えようとしておるのか、その点明確に言ってください。
  155. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 第一点の、幾らのめどかという問題でございますけれども、われわれとしては現在ロールスロイス・チュルボメカというイギリス、フランス二社を相手にし、しかも国内では三菱重工、石川島を中心とする関係会社と折衝をするわけでございます。何といっても、相手方は相当な企業でございます。これからの折衝を最大限尽くしまして、その結果得た数字で当然庁内で最終の検討がされるということで、特にめどを設けてやるということについては、かえって交渉の問題があると思います。  第二点は、XT-2というのが十億の予算を組んで高いのではないか。確かに、現在国際的にありますのはT38の後継機のF5Bという航空機しかありません。あと現実に超音速練習機としましては、日本のいまのXT-2と、フランスとイギリスが開発しておりますジャガーしかございません。  ただ、われわれとしましては、先生御存じのように、いまのXT-2というのは、練習機として開発しながら、それをXT-2改としてFSにも活用したいということで、両面から現在の検討というか開発を続けております。そういう面では、確かに安いとは申せませんけれども、その両面からわれわれは最終的な検討をし最終的な結論を出したい、こう考えております。  それから、先ほど御指摘ございました、だれと会ったかという問題でございますけれども、ロールスロイス・チュルボメカという当面の交渉相手につきましては、社長であり、しかもロールスロイスの取締をやっておりますヒンクレーという方と会っております。それからチュルボメカ社ではシトロフスキーという社長に会っております。それからイギリス航空供給省では、国際担当次官補のアンダーソンという方に会っております。それからフランス国防省では兵器本部技術開発部長のアルノー中将に会っております。その他、もちろん二週間ほどのことでありますから相当な人と会っておりますけれども、おもなるものはそういう方々から聞いておるということでございます。
  156. 浅井美幸

    ○浅井委員 この報告書については、私は文書でもっと詳細にいただきたいと思います。これは提出を求めておきます。  あなた方は、めどはなくて交渉をなさっていると言うのですけれども、それならば相手側の言い分どおりになってしまう。十億なら十億、九億なら九億をめどにして、最初試算したときには四億ないし五億であったのですから、その計算をきちんとして交渉をしなければ、ほんとうの価格の交渉にはならぬと私は思います。  時間の関係で、最後に私は予算のことについて大蔵大臣に伺いたいのですけれども、防衛庁が発表しております第四次新防衛力整備計画、これについては大蔵省について折衝がありましたか。あるいはまた、いまのようなずさんな計画がしばしば見られるわけでありますけれども、大蔵省としての考え方はどうですか、その辺を簡単にお答え願いたいと思います。
  157. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 四次防につきましては、これから事務当局で防衛庁当局の説明を聞く、こういう段階に入るわけです。  しかし、基本的な考え方といたしましては、四次防は大きな計画でございますから、これが予見し得る将来五年間において国力、国情との間でどういう均衡をとるか、こういう角度の問題、それから財政全体の中で防衛費が他の諸施策と均衡のとれた形が望ましいわけでありまして、その均衡をどういう点に求めるか、そういうようなことを踏んまえまして十分精査してみたい、かように考えております。
  158. 浅井美幸

    ○浅井委員 この防衛力整備計画は三次防の二・四倍、GNPの〇・八%くらいだということでありますけれども、軍事費が世界で第七番目になりますし、軍事大国になってしまう、これがアジアの諸国に対して緊張を増すということはわれわれの持論でありますけれども、しかもことしの防衛費は七千億をこえて、前年度に比べて一七・八%の伸びになっている。ところが新防衛力整備計画では年間一兆円をこえて一八%以上の伸び率になってしまう。そうすると、いまあなたもおっしゃいましたけれども、防衛白書にある、諸施策との調和をはかりつつ防衛力を整備するという基本的な方針を私は踏みにじるのじゃないか、このように思いますけれども、いかがですか。
  159. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 私は防衛力のわが国の現状、これはなお整備する必要がある、こういうふうに考えているのです。つまり、ただいま日米安全保障条約がありまして、これの条約に基づいてわが国に米兵がずいぶん駐留しているという状態でありますが、とにかく経済力がここまできますと、他国に自国の安全の保障をお願いをするというような状態はよろしくない、こういうふうに考えている。ただ、他面におきまして、わが国は専守防衛、つまり他国に脅威を与えない、また憲法上からもまた政策上からもそう考えておりますので、その辺の調和をどういうふうにするか、こういうことが問題だろう、こういうふうに考えますが、そういう基本的な考え方の上に立ちまして、この四次防、これは国力、国情とつり合いをとる、また国の諸施策の間においてもまた調和をとる、こういうことを基本として考うべきものである、かように考えております。
  160. 浅井美幸

    ○浅井委員 社会保障費は一四%ぐらいなんですから、それに合わせてもらいたいと私は思いますけれども。  それから、最後に私は言いたいことは、この自主開発によってかえって輸入するよりも高くなっておる。現在産軍協同ということがよくいわれております。したがって、開発費もいまのXTだけでも六十八億ですか、それらの巨大な金額をかけて開発をする、平和産業ではなくて、かえって軍事力の強化になっていく。財界の要請にこたえての自主開発もけっこうでありますけれども、私が大蔵大臣に言っておきたいのは、安いものが入るのです。ですから、安いものを輸入してきて何ら差しつかえはないと思う。日本の産業を発展させるためには、何も防衛産業を発展させなくても、平和産業の発展でこと足りると私は思います。したがって、そういう面の予算の効率化の上においても、大蔵大臣がこの四次防の予算計画というものを慎重に審査をし、協議をしてもらいたい、このように要望して、私の質問を終わりたいと思います。
  161. 濱野清吾

    ○濱野委員長 吉田賢一君。
  162. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 第一に、企画庁長官に伺います。時間の関係がありますので、簡潔に要点だけお願いします。  去る一月二十二日、当院の本会議におきましてあなたは経済演説をせられました。そのうちの大きな柱といたしまして物価問題をお扱いになっております。これは佐藤総理以下、この内閣がしばしば約束をいたしました重要政策であることは間違いございません。  そこで、当日のお述べになりました内容等によって見ましても、とりわけ生鮮食料品については抜本対策を立てねばならぬ、長期安定的生産体制、流通機構の改善等にわたりまして、あるいは公共料金の抑制方針、消費者米価、農地、地価、競争制限の緩和、また輸入政策の重要性を強調しておられます。特に農業、中小企業、流通機構等の低生産性部門につきましては構造改善の政策を強硬に御主張になっておる。これは何も今回に限りません。この点につきましては、幾たびか国会とも約束し、あるいはまた国民とも約束しました。内閣の物価対策の筋であることは間違いございません。  そこで第一にお伺いいたしますことは、とりわけ重点は何に置くのだろうか。もしくは、これは全面的に相当各省庁の協力のもとに推進しつつあるのであろうか。これは来年また同じことを繰り返すようなことがないのであろうかということを伺っておきたい。  といいますのは、たとえば昨年の四月におきましても、十六項目にわたりまして、野菜価格の安定あるいは輸入規制の緩和その他等々、たくさんに安定対策が立てられております。あるいはまた本年の一月二十八日におきましては、物価担当官会議におきましても幾多の申し合わせがあります。これもまた生鮮食料品を強く打ち出されておりますし、地価その他等々、いま述べましたようなことと類似のことが相当並べられてあるわけであります。こういうふうに幾たびか繰り返されておりますので、いま申しましたような趣旨におきまして、何か重点的に、もしくは一斉に他省との連携のもとに成果をあげつつあるのだろうか、見込みいかん。この辺をひとつはっきりしておいてもらいたいのです。
  163. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)国務大臣 いま吉田さんから御指摘がございましたように、昨年の六月にいわゆる閣僚協議会によりまして、おおよそ考えられる当時としての物価対策の総点検といいますか、政策を一通り提案をいたしました中には、それ以前の各種の会議においてすでに提言されたものもございます。そういうものも含めまして、一通り物価対策を総括的に見てみる。したがいまして、もちろんそれ以外にもいろいろございますけれども、いわゆる政策の看板というものは一応出そろった。問題は、それを実施に移す、こういうことであろうと思います。  ただ問題は、その中でわれわれも非常に重点を置いています自由化の問題一つとりましても、御存じのように、一ぺんに全部これを実行するというわけにはなかなかまいりません。できるだけ急ぎながらも、やはり国内との調整等の問題もはかりながらこれを進めてきておるようなわけでございます。そういう意味におきまして、問題の所在ははっきりしておるわけでございますけれども、これについては今後もわれわれは一そうの努力をはかってまいりたい。自由化につきましては、御存じのように、百二十品目の輸入制限の品目がございましたものを、とにもかくにも本年の九月にはこれを四十にまで減らしてまいる、こういう大きな方針が決定しております。それを逐次目下実施を進めておる、こういうことでございます。  それからまた、自由化が直ちに困難なものにおきましても、これをできるだけ輸入のワクを拡大いたしまして、そして輸入数量の増加をはかる、これによってできるだけ国内の物価の鎮静に資する。これにつきましては、御存じのように、国内の消費量の二%を無条件でもって輸入をする、こういう方針を立てましたが、その後、この二%をさらに引き上げよう、こういうことで、物資によりましては実際それを引き上げておるものもずいぶんございますが、これはさらに輸入量のワクを拡大してまいろう、こういうことで、自由化あるいは輸入政策の弾力的な活用を逐次推進しておるようなわけでございます。  そのほか、行政介入をできるだけやめて条件を自由化するというようなことで、御存じのように、流通関係の機構におきましては、お米の販売、その他各種の制限をできるだけ自由化していこう、こういうようなこともあの提言に基づいてやっておるようなわけでございます。  そのほか生鮮食料品につきましては、御存じのように、例の中央卸売市場法の改正が実現する見込みになっておりまして、いまそれをどういうふうに運用していくかということを農林当局が具体的に検討をしておるわけでございます。  なお、農産物につきましては、流通機構のほかに、何といいましても、基本的にはいわゆる需要と供給のアンバランスということが物価高の大きな原因になっておるわけでありますから、そういう意味において、御指摘のように生産体制を整備する、そのために、四十六年度としては予算的にもその計上に相当努力もしたわけでございますし、いわゆるかんがい施設の整備であるとか、施設園芸の拡充であるとか、その他指定産地の拡充であるとか、各種の生産体制の整備のために、いま農林省においても方針を進めておるわけであります。  総じて、物価対策はどこに問題があるかということは、私は大体出尽くしておると思うのでございまして、問題は、それを実施に移す移し方であろうと思います。一方においていろいろと抵抗もあり、障害もございますことはわかっておりますだけに、それらの調整をはかりながら、できるだけ早くそうした政策の推進をはかってまいる、これがやはり基本であろう、こう思っております。
  164. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一体物価安定ということはほんとうに可能であるのかどうか、また、ほんとうにやる気があるのかどうか、そこに問題があると思うのです。たとえば、いまの経済の実情はインフレなのかどうかということになりますと、国会審議のあとを顧みましても、衆参両院とも政府と委員との間にすれ違いがあります。平行線をたどっておる。政府はインフレーションにあらず――インフレーションを前提にした議論が展開されておりますけれども、結局逃げてしまって、どこをつかんでおるかわからぬということになります。  そういうことでありますが、あなたは、欧米のごとくにスタグフレーションではないと言う。日本はそういうことになる危険があるかのような考え方もありますけれども、いずれにいたしましても、物価論争などは意味のないことだ、こういう説もございますね、下村治氏のごときを先頭にいたしまして。何のために物価論議をやるのか、経済が成長するならば物価はしかるべく上がるのが当然じゃないか、しかるに物価安定なんて、そんな論議をすることはおよそ無意味だというような議論さえあるのでございますが、肯定するがごとく否定するがごとく、そして物価安定は、重要内政施策といたしまして毎回お述べになっておるわけなんです。まだ実績はあがらないといって、次から次へとどんどん上がりっぱなしであります。最近のごときも、タクシーのストで東京都民の足が相当奪われたということも事実です。そういうようなこともありますので、一体物価安定というのは可能なのかどうか。安定論議というものは意味のあるものかどうか。あるいはまた、インフレーションということばは定義もはっきりしないらしいのですけれども、いずれにいたしましても、わが国といたしましては、どういう姿勢をもって日本の将来、特に経済について考えていけばいいのであろうか、こういう点、経済の成長一本にたよっておりました過去を省みる段階にきておると思います。七〇年代は反省期だということが一般にいわれておりますが、それにいたしましても、成長を土台にいたしましてあらゆる福祉を充実していく――福祉の内容として物価問題等もあるのです。教育、交通、公害、みな入るのでしょうが、そういうような問題のつかまえ方もあるようでございます。つまり基本的な姿勢はどうとっておられるのであろうか。この内閣の姿勢として、これは総理、大蔵大臣も関連することでありますから、物価問題も突っ込みまして、あなたのお考え方をちょっと聞いておきたい。
  165. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)国務大臣 御指摘のように、いわゆる経済の成長と物価というものの関係はなかなか簡単ではないと私も考えます。何といいましても、高い成長には高い物価がつきものである、これはやはり理論的にも大体例証されつつあるものと思われます。しかしまた、それはやはり程度の問題でもあろうと思います。  そこで、どの程度ならば、一体成長を維持しながらも物価の安定を期することができるか、こういう点も私は非常に問題だと思います。率直にいいまして、わが日本の成長というものは、いささか過度にわたるというか、超高度ともいうべき高い成長がこのところ続き過ぎたと思うのでございます。労力の関係からいいましても資源の関係からいいましても、その他いろいろな観点からいいまして、この超高度成長の継続というものは、何といってもあらゆる面での需給の逼迫を来たす、そして経済を過熱に導いてくる、これはいなめない事実でございまして、そのことが結局物価高を刺激する、こういうことでございますから、私どもは、従来の超高度とも申すべき成長政策については、これの訂正を求めております。できるだけいわゆる安定成長、あまり物価その他に無理のかからない程度の成長に持っていく、そして、あとは政策的な努力によって安定をしていく、したがって、やはりそこには限界があると思うのでありまして、非常な超高度成長のもとでは物価はなかなか押えにくい、この基本をまず変えたい、こういう気持ちをもっていま努力しておるわけでございます。幸いに、最近は不況ということとも多少からんでおりますけれども、こうした機会に――私たちは軌道修正と言っておりますが、やや安定したところの成長軌道へこれを乗せかえていきたい。これは今回のような事態がやはり一つの契機になるであろう、こう思っております。しかし、それにしてもわが日本の成長というものは、諸外国に比べてまだまだ相当高い成長でございますから、そういう意味において、欧米が騒いでおりますように、成長率がゼロであるとかマイナスであるとか、こういうような事態ではございません。したがってまた、そういう事態におけるところの高物価、いわゆるスタグフレーションとは性質が違う、そういうふうに私たちは考えております。  申し上げるまでもないことでございますけれども、もともと成長論者の中には、卸売り物価が低いということで、物価問題についてわりあい楽観をする気持ちがあるように思われます。ただ、成長論者の言うように、すべてが自由な条件を与えられた上での経済の状況というものを前提にすれば別ですが、現実の日本の場合においては、御存じのように高生産部門と低生産部門の格差の問題がございます。こうしたことから、卸売り物価が比較的安定しているにかかわらず消費者物価が安定しないという問題があるわけでありまして、私どもとしましては、消費者物価が安定しない限りにおいてはやはり物価の安定とはいえない。特に、いわゆる高度成長の線に乗り切れない人々の生活の問題というのは、何といっても、消費者物価がずうっと、あまり高度に打ち続いて上昇いたしますと非常な社会問題にもなるわけでございまして、そういう見地からも、政府としては、どうしても消費者物価の安定ということを経済政策の重点に置かなければならない、これは政治として当然の御要請であろうと思われます。  そういう意味におきましても、今後、一方において、安定成長という背景のもとにおいて各種の対策を併用いたしまして消費者物価の上昇をできるだけ防いでまいる。率直にいって、ただいまゼロにするというところまでの考えはありませんけれども、できるだけ上昇率を押え、安定的な低成長を実現してまいる、こういう考え方に立っておるわけであります。
  166. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 経済の伸び率を一〇・一%に押える、こういう御主張もあるようでございますが、この成長率とあらゆる福祉関係、そのうちに物価も含めまして、それを正三角形で表現するというか、そういう構想をある学者が発表しておるようでございますが、おもしろい着想だと私は見たのでございます。  いずれにしましても、経済の成長というものがなければならぬ、しかし度合いは適正でなければならぬ。不景気にすることは許されない。完全雇用のもとに進んでいこうとするわが国におきましては、成長は必要であるが、適当なものでなければならぬ。  そこで、他面、広い意味における物価、公害、交通一切含めまして、福祉の関係などをそれぞれと均斉のとれた関係に置くということについてもっと具体的に全国民の協力を求めるというような姿勢にするまで、政府は各省庁とも一致いたしまして総合施策を進めていく、国民に理解せしむる、こんな認識を一そう深めてもらう、こういうことを努力しなければ、私は、この問題は議論ばかりいつもから回りしていくことになるのじゃないかとおそれます。ですから、ここで三%にする、不景気の襲来、浜口内閣の再現ということになりましたら――日本はとてもそんなことはできはしますまい。けれども、やはりその両者の関係をもっと積極的に合理的に国民に知らしめて、かくすることによって経済の成長を続ける。物価も安定するし、その他福祉全体がそれぞれと充実していく、社会資本も充実するというような関係を、各方面にもっと数字、実績等々から知らしむるという努力をしなければいかぬのじゃないだろうか。あなたのお考えになっているそれが正しいといたしましても、正しいというものの、最重要政策は物価問題なりと、こう押えつけていこうとするのですが、だからそこで議論はなかなか尽きないことになって、そして弊害も次から次と起こってくるのではないだろうか。こう考えるのですが、そういう努力がこの内閣といたしまして一そう必要ではないだろうか。それはどうでございましょうか。
  167. 佐藤一郎

    ○佐藤(一)国務大臣 おっしゃいます点は私たちもよくわかるつもりでございます。できるだけいわゆる国際的に安いものを輸入すること、そうしてその輸入数量をできるだけ増大することが消費者物価の安定に役立つ、あるいは関税を引き下げるということが物価安定に役立つ、しかし、それにはやはり日本の農民の理解を取りつけなければならない。あるいはまた、賃金にいたしましても、野放図にどんどん上昇していくのを、経済の成長とバランスをとりながら考えていく、これにはやはり労働組合の理解というものが必要でございましょう。  そういうことで、各般の物価対策を総合的にやっていく上におきましては、私は各方面の理解が必要であろうと思います。それだけに、物価問題というものは、あらゆる階層の利害が非常に結びついた問題でありますだけに、今後もそういうような理解の促進、これはやはり政府としてはどうしても行なってまいらなければならないと思います。  実は私も、そういう意味におきまして、ちょうどそのことがまた逆にいいますと、政府部内においても経済企画庁だけが物価問題を担当し、それを叫んでもしかたがない、やはりそれぞれの部門を担当する各省と一体となってやらなければならぬ、こういう認識を持っております。それだけに、閣僚協議会というものの運用のしかたもできるだけそうした立場でやってまいりたい。また最近、昭和四十六年度の予算に計上していただいたのですけれども、各省自身がそれぞれの消費者に直接にぶつかって、そうしてその意見を聞く、それに対する対話を直接行なってもらう、そのことが、やはり生産者の立場を消費者にも理解させ、そして消費者の気持ちというものも、いわゆる生産者の体制というものを代表しておる各省にもわかってもらう、こういうようなことで、この四月から消費者団体との接触というものをできるだけ各省にもはかってもらって、そしてその立場を理解してもらう、こういうようなことも今度実施をしたようなわけですが、今後もやはりそうした気持ちから行ないたい、こういうわけであります。
  168. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 大蔵大臣、見えていますね。時間の関係がありますので、大蔵大臣に伺います。  いま企画庁長官に伺いましたこの物価問題でありますが、これもあなたも本年二月五日の本会議におきまして、相当物価政策は重要施策として強調しておいでになります。これは総理以下、みな同様でございます。  そこで、大蔵省のお立場といたしましては、物価上昇というものが財政に与える影響がかなり大きく響いていくのではないだろうか。たとえば公共事業の投資にいたしましても、これは資材関係があります。賃金関係がある。あるいは建設費の関係がありましょう。地価の関係もございましょうし、各官公庁におきましても、物品とか印刷費とか、調達一般の物件関係がございましょう。あるいは公社、公団等の郵政、専売等におきましても同様でございましょう。したがいまして、この物価が値上がりになるということが財政に与える影響はかなり深刻になってまいりました。したがって、そういった方面から当然増が出てまいって、必要施策であってもそれでも財源なし、こういうことに帰着するのではないか。多分にそんな影響から被害を受けるのは、一つは日本の財政でないか、こういうふうに思うのですが、この点どうですか。
  169. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 まさにそのとおりに思います。これは財政ばかりではなくて、個人の家庭でもそうだと思いますが、一番困りますのは、長期的な計画が非常にやりにくい、こういうことなのです。しかし、そういう財政だ、あるいは個人の家計だという立場ばかりではございません。物価が上がるということ、これは各般に影響する問題でありますので、財政自体の中におきましても、この物価対策というものには厳格に取り組んでいかなければならぬ、かように考えております。
  170. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ことに成長下日本経済におきましては原材料の国外からの確保も必要でございましょうし、深刻な労働不足のおりからでございますので、そういう面に対処する諸問題、これもすでにあなたが指摘しておいでになるところでございますが、こういう点から考えましても、この物価問題につきましては、世論、学者、いろいろと説はありといたしましても、やはり国民の実感としまして、日々生活における被害、圧迫というものはいなみがたいところでございますから、この素朴な国民の実感というものを尊重するという立場は、これは財政の管理の省といたしましては非常に大事なことであろうと私は考えるのであります。この点は日本国策の運営の上にも影響することでございますので、学者、評論家がいろいろ議論している、そんな問題ではございませんので、一々毎日家庭に響き、生活に響き、ひいては教育その他のあらゆる方面に波及していくのはもちろんでございますので、物価問題は特にその点におきまして重視せられて、予算関係におきましても、あらゆる関連経費の予算は去年が九千億円をこえたと思いますが、さらに本年も相当増額をいたしておるように思われます。  こういうふうでありますから、したがいまして、一兆円に近いこの物価対策予算はどう実効をあげておるであろうか、こういう点につきましても十分にあとを検討していくというぐらいなことが必要でないであろうか。この点は行管とも連絡をおとりになり、あるいは検査院の報告も御参考になり、当委員会における決算審査も御参考になっておると思いますけれども、いずれにしましても、物価対策が重要であって、一兆円近い関連予算を使っておる以上は、ほんとうに実効をあげておるのだろうか。けれども、結果として毎年どんどん上がっていくじゃないか、上がって、天井知らぬというようなことだというのでは、国民が納得しないのでございます。この点は特に留意せられて、物価対策費はほんとうに効率的に使用されたかいなやということは厳重に今後見定めておかれたい。そして次の予算編成には十分に御参考になってしかるべきでないだろうか、こういうふうに考えるのでございます。一般的なお話ですけれども、この点についてはいかがお考えになりましょうか。
  171. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 物価対策が国民感情に触れて進められなきゃならぬ、そういう面からいいますと、生鮮食料品の問題とかそういう問題、多々あると思います。しかし、基本的には、やはり国の予算が総需要の中で適正な規模できめられているか、こういう問題、それからもうら一つは、個々の対策として、生産性の向上という問題があろうと思うのです。何といっても、物価の上がる根源は、低生産性部門の売り値、これが大きな影響を持つわけでありますので、生産性を向上する、おくれておる産業部門の生産性の向上をはかる、こういうことに予算としては非常に大きなウエートを置いております。その他、流通の面はどうだ、これを改善しなきゃならぬ。また価格形成、つまり競争条件を整備しまして価格形成を適正にする、こういう問題、まあいろいろ努力しますが、なお、多額の予算でありますので、その効果の追跡、これにも十分配意していきたい、かように考えます。
  172. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 物価問題が長年論議され、対策の提案はせられて、そして物価問題は解決せず、まだ論議の焦点になったまま今日おる、こういうこと。物価のみならず、公害問題にしましても、交通戦争の問題にしましても、教育にしても、福祉の不備な問題にいたしましても、内政上の問題は、日本経済の発展のすばらしい状態にかかわりませず、あまりにも複雑にして問題が多過ぎるのでございます。  このことを顧みまするというと、われわれ国会の立場といたしましても、前にも四十三年度決算が上程されましたときに私はちょっとお尋ねしたのでございましたけれども、いずれにしましても、基本の問題に対するもっと真剣な取り組み方が必要になってくるのではないだろうか。そうしないと、末梢に振り回されていくというのが現状でございます。さっきも触れましたように、末梢に振り回されていくというようなことであるならば、現象を追っかけていくということになって、これは政策ではございません。少なくとも国が国民に望むべき、もしくは奉仕すべき、こたえるべき政策ではございません。政策は一日先に先行しなくちゃならぬ、でなければ、国民が何を求めておるか、これらの諸般の問題が深刻にして解決しない、次から次にと問題を起こしていくというようなことが、幾らでも生活上あるいは考え方、社会秩序を混乱に追い込むほかございません。  そういうことを思いますと、国政のあり方について反省をする必要があるであろう、そういうことになり、国政のあり方の反省ということになると、政府はもちろん、国会みずからも省みまして改むべきことは改める。現状最善なりというような思い上がった気持ちを持っては、これはとんだことになります。したがいまして、そうなってくると、さらに具体的に、しばしば総理とも問答しており、約束もいただいておるわけでありますけれども、やはり行財政の改革につながっていかなければいかぬ。行財政の改革というものは、これまた言いやすくしてなかなか行ないがたい。阻害因は幾らでも強い力で妨げていく、こういうのでありますから、政局を担当する以上は、やはりその勇気がなければ責めを果たすことができませんということになってまいります。時間もございませんので、いまそれの内容について論議を展開することはできませんが、ただそのうちの一点としまして、かねて問題になり、両三年来、企画庁を中心として大蔵省も非常に熱心に導入を進めつつありますところの例のPPBSの実施の問題でございます。  これもやがて国際会議の議題にもなるようにも仄聞いたしておるのでございまするが、いずれにしましても、政策の選択というものがもっと聡明に、賢明に、時期をはずすことなく行なわれるということが大事な問題でなかろうか。科学的な合理的な手段を用いる、これがいまの時代に適当な方策であることはもう申すまでもございません。そこで、財政審議会にもお問いになった実績もあるようでありまするが、困難ではあろうけれども、作業は一歩も後退をしない、前進する、やがて実現する、こういうかまえと実績について、これは何べんもくどいようでありまするが、ひとつ明らかにしておいていただきたいのでございます。
  173. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 PPBSにつきましては、吉田さんからも前々からずいぶん強い御意見が開陳されまして、そういう御意見を尊重いたしまして、政府においてもただいま鋭意これが実現に向かって準備中であります。  二つの準備が要るのです。つまりデータの整備、それからもう一つは要員の育成、こういうことでありまして、この二つの仕事をただいま鋭意進めておる。なるべくすみやかにこれが国政の上に活用されるようにと、こういう念願をいたしておるのです。ただ、これができましたらばPPBS万能だ、こういうわけにはまいらぬ、こう思うのですが、国政が科学的、合理的に処理されるという上において、とにかくかなり大きな貢献があるであろう、かように考えております。
  174. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 国民に対して、政策の選択についてはかくのごとく合理的に筋を通して選択したのであるというような理解を求め得る姿勢が政府にしゃんとしておりまして、そしてそれが説得力を持っておるということになりましたら、私は、いまのごとくに予算のぶんどり合戦で、予算編成期になりますと、全国的に続々と陳情団が東京に押しかけてくる、一人でも代議士をつかまえて公約さす、そして適当にこれを努力してくれるならば次の選挙にはプラスになるというような、さもしい気持ちもそこに働かぬこともないのであります。こういうことも考えますると、私はやはりこういう機会に、そのような弊害をなくする点から見ましても、できるだけすみやかに、いかにこういう問題が重要かということを国民に知ってもらう必要がある、知らす必要がある。研究を長らくしておられる、分析調査などもずいぶんとやっておいでになることは存じておりますが、そういう努力にもかかわらず、案外国民ははっきりしない。何でしないのかということになりましたら、これは説得力がないのではないか。アメリカで事業別予算制度が実施されますときに、また、フーバー委員会がいろいろと勧告を実現いたしますときにおきましては、例の市民委員会が全土に行なわれたというふうに承っております。このくらいに民衆の協力を求めるというような、こういうぐらいにせなければ私は今後の政治はやっていけないと思うのですね。ということでありますので、この分析手段の開発、導入ということやら、しかるべき要員の養成ということなども大事なことでございますが、何かこれは積極的にこの点をお進めになるようなことを一段とくふうはできないものなのか、この点だけを聞いておきます。
  175. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは積極的に進めております。御審議願いました予算案でもそのための費用をお許し願っております。それらを用いまして、できる限り早くこれが実現できるようにと、こういうふうに努力したいと存じます。
  176. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 農林省に伺います。  農林省は物価問題のうちの生鮮食料品、野菜等につきましての総元締めでございますので、かねてあなたは非常に御熱心にこの方面にも努力なさっておることと存じておりますが、ところで、最近行政管理庁の行政監察を受けましたこの野菜の指定産地の問題でありますが、行政管理庁の報告によりますと、ことしの五月の報告でございますが、全国五百九十一の産地、今回の調査は百七十三、これだけ実施した、こういうことになっておりますのですが、いろいろな角度から、現地の実情が伴わないものがあったとか共同出荷体制の不備であるとか、あるいは指定野菜の生産出荷が有効に利用されておらぬ等々、幾多の弊害、不備な点が指摘されておるわけでございます。  生鮮食料品、ことに野菜の生産というのは物価対策において重要な基幹になっておることは、これは申すまでもございません。東京都民が大根一本二百円したというのでびっくりしたような、こういうときすらあったのでございまするので、そんなときでございますので、この行政管理庁の監察というものは、これは相当重視しておかなければいくまい。単にこれのみならずして、この種の野菜栽培、生産等との関連がございますので、いかにして生産を充実し、そして生産体制を整えていくべきか、相当な補助もいっておるわけでございまするし、また、行政庁といたしまして御指導になるべきお立場にあるのですから、これはどういうふうにこれを受けとめておられるか、この点をひとつはっきりしておきたいと思います。
  177. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 お話のございました行管の指摘につきましては、私どもも謙虚な態度でよく拝見をいたしております。  そこで、今回御指摘のありました指定産地の実態につきましては、御指摘のとおりまだ成果をあげておらないところも確かにございます。そして、そういうようなことにつきまして、実は私どものほうでも野菜の対策本部を先般設けまして、一々追跡調査をいたしておるわけでございますが、ただいま五百九十一あります。それからさらに本年は六百四十ほどに指定ができるわけでございますが、どうもその育成中の指定産地が、吉田さん御存じのように、これは育成指定いたしましても大体三年くらいは諸般の準備にかかってまいるわけでございまして、その間に都市化が進んできて、農地の改廃が行なわれましたり、それから予定どおりならない。つまり労働力の不足、それから地方需要がそのために非常に増大してまいるというようなことで、せっかく私どもが指定消費地とうまく関連をつけまして指定をいたしましても、そういう期間の間に思うように効果があがりませんことにつきましては、私どもといたしましても、御指摘のことについて十分謙虚に反省をいたしておるわけでございますが、そこでそういう点の欠陥を補うために鋭意努力を継続いたしております。  先ほど来物価のことについてお話がございましたが、季節的に、私どもの所管であります生鮮野菜というものは、特に日常生活の物価に関する大きな影響を持ってまいっておりますので、ただいまお話しのございました行管の指摘等も十分に考慮に入れまして、私どもが予定をいたしております成果のあがるようになお指定産地につきまして十分な監督をいたしてまいる。そして、やはり御存じと思いますが、最近の状況では、非常に都合がよくなりますと、その場で、指定された地域に出さないで売却してしまうという例もたまさかございます。そういうようなことで、私どもの予算を投じて育成いたしておる指定産地が私どもの指示に従わないような場合には、これを取り消すという処置もいたしたりなどいたしまして、なお成果のあがりますように、ひとつ全力をあげて指導をいたしてまいるつもりであります。
  178. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 生鮮食料の問題につきましてはいろいろな角度から検討しなければいけませんし、また、特に瀬戸内海の魚類などのごときは、東京に持ってきますと四倍半になっているものが事実あるのでございます。それは流通機構の関係かと思いますが、まあ、いろいろな角度からこれは十分に検討するだけでなしに、やはり積極的に地方の実態に即し、地方自治体並びに団体等との間におきましても、農林省はひとつ主体的なお覚悟をもってこの辺の総合調整をしながら成果をあげるように、物価対策の一環といたしましてやっていかなければいくまい。ことに、農林行政政策の見地からいたしましても、やはりともすると都市近郊の農家は地価の高騰で農業を放棄する、事実上は空閑地のような実情で、地価の値上がりを待つというようなことにすらなっておるわけでございます。  そういうことになりまして、そのような農業意識を失ってしまうという傾向さえ相当見える際でございますので、できるだけいろいろなものの要請に応じられるような条件にありながら、十分に使われないというのが現状でございますから、これは広い意味における物価対策の関係から関連してこの辺は指導していかなければならぬと思いますけれども、これもやはり農林省といたしましては、農業それから生鮮食料の生産対策あるいは流通関係、価格等、いろいろな関連もございますので、この際積極的にひとつ指導があってしかるべきだと思います。これはわかり切ったことでありますから、もう申しません。  時間の関係がありますので、少し市場関係に触れたいと思いましたけれども、これは別な機会にしたいと思います。これは市場関係につきまして、中央市場を中心にいたしまして、これも相当新しい改善の手を差し伸べなければいかぬ時代に入っております。交通関係やらがございます。交通もちろんでございますが、これはあなたの省だけではいけませんので、運輸、建設全部に関連がございますし、それは別な機会に私は譲ることにいたします。  それで伺っておきたいのは、ちょっと角度が違った問題なんですけれども、これは畜産の問題なんです。畜産は、先般二月でございましたか、私は畜産局長にもいろいろなことを伺ったのでございますが、それは主として生乳、酪農問題であります。私は、やはり日本人の健康を守るという意味におきまして、酪農問題について根本的に考える、視角を別の角度に置くことも一つの方法ではないかと、こう考えております。  なぜかと申しますと、これは少し脱経済の世界なんでございます。したがいまして、企業利益追求の経済、それのみにおる人にはなかなかわからぬ問題でございますけれども、最近の一つの傾向といたしまして、やはり酪農の行き詰まり、これは最近は公害問題がいろいろある際でございますので、BHCの残留したわらを食った牛、それからまた牛乳にそれが流れていって残留するこの公害、こういったようなことも世上伝わってまいりまする際でありますので、公害の起こらない方法で、したがいまして、これはいまからいえば原始的ではございません。科学的なものでございますが、やはり公害のないえさを与えまして、えさ、ふん尿ともに土壌に還元できる、そこでまた牧草地帯にする。これはいわゆる草地開発でもよし、あるいは未墾の畑でもよろしい、山でもよろしい、どこでもいいのですが、それはまあ適当になさる。そういたしまして、やはりそこで経済を離れました一つの世界ができぬもんだろうか、こういうことを企画している人があるのであります。先般ノルウェーの、これはキリスト教的な面からでございますけれども、若干関係いたしまして、岡山、鳥取の間の高原地帯で酪農地帯を設けたのでありますが、これは御承知かどうか存じませんけれども、これは少し世界が違います。違いますけれども、国内の青少年がそういうことに相当熱心な人がちらりほらり出るのであります。  でありまするので、私は、農業政策といたしまして、酪農というやつをつかまえて、酪農の基本的な考え方に少し違った角度からつかまえる方法はないであろうか。そうして、いまの経済を離れました脱経済の世界として取り組む方法、ただ青少年の遊覧、いこい、レジャーまがいみたような、そういう場をつくるんじゃなくして、心身ともに、ことに精神を重視するという面からこれはいくべきでないだろうか。精神を重視するという面からいきますと、また別の酪農経営ができる、私はこう思うのであります。こういう点は、財団法人にすべきか国の補助ですべきか、これは具体的な問題でございますけれども、私は、やはりそういった風潮を起こすということも、新しい農民、青少年に夢を与えることになりゃしないか、こういうことを思うのです。  これはひとつ別の角度から、いまの国政の論点とはやや離れたことになるかわかりませんけれども、やはり経済問題に終始いたしましたら、百姓はただ金がほしい、物がほしいということに終始してしまいます。農業政策もそうなってしまいますから、それからまた離れた面に一つの立場がある。精神面を重視するということ、青少年に何か夢を与えることを重視するということ、それを酪農に結ぶということ、公害のない酪農経営可能なり、日本の国土あるいは気候風土に適するのである、こういうふうに思うのです。北海道の黒澤君などは北海道独特の考え方を持っておりますが、これは別といたしまして、内地におきまして十分可能である、こういうふうに思うのでありますが、そういう点について、大臣としまして、あなたは専門家でもあるし、その辺の造詣が深いのでありますから、どういうふうなお感じになっておりましょうか、ひとつこの際伺っておきたいのであります。
  179. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 最近ちょっと牛乳の消費が減退いたしましたのは、ただいまちょっと御指摘がありましたように、BHC等の関係がございました。そこで、私どもといたしましては、酪農振興近代化方針を立てまして、さらにこれを育成してまいる、しかも、米の生産調整によって五十万ヘクタール余りの水田を転用いたすべく考えておるわけでありますが、その中でも酪農、畜産関係の飼料作物に最も多くの部分をさこうといたしております。  ただいまの吉田さん御指摘の点につきましては、実は農林省においても最近いろいろなことを考えておるわけでございます。たとえば、先年来実行いたしておりますのは、政府の国有林の中に放牧をいたしまして、いま十数カ所だと思いますが、かなり肉牛を飼っておりますが、私は、それが一つの経済的な考え方でありますが、外国などでは、御存じのように都会地の人々が一つの地域を指定いたして、そこに自分の考えております農業を育成してやってまいるという傾向があります。私どもはただいま国有林等の活用等についても考えておりますのは、やはり青少年にそういう自然と親しみながらいろいろな精神的面の育成と同時に、酪農というふうな、あるいはまた森林を経営するというふうなそういう傾向を助成していくことが必要ではないだろうか。都会地の人にもそういうような考えを持っていただいたら非常におもしろ味が出てくるのではないだろうかというふうなことを考えております。ひとりレジャーに限らず、ただいまお話しのような国家的な考え方、民族意識的な考え方で、やはり日本の若者たちに多くのいろいろな夢を持たせるという意味で、ただいまお話しのようなことにつきましては大いに傾聴に値する御意見でもあると思いますし、私どもまた考えておりますことに合致いたしておると思いますので、そういう点も十分ひとつ研究をして進めてまいりたい、このように考えております。
  180. 濱野清吾

    ○濱野委員長 吉田君、ちょっと申し上げますが、大蔵大臣が……。大蔵大臣に瀬長君も質疑したいのだから、大臣が大蔵委員会から要請がありますから……。
  181. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 せっかく通産大臣おられましたので、私、大蔵省はいいのですが、瀬長さん待っておられますので一点だけにいたします。あなた、御多忙のところ相すみません。  先般、三月の八日でございましたか、例の日本繊維産業連盟の自主規制の宣言がございまして、そしてやがて三カ月経過の後ということになりますから、七月からになりますか、これを実施するということになっておるのでございますが、したがいましてこの間におきまして私は伺っておきたいことは、中小企業に属しまするメーカーなどが続々として倒産するおそれがあるというような実情でございますので、これに対する資金計画は十分できたのだろうか、あるいは買い上げとか融資とか、そういうものが千億円前後も要求しておるというふうにその後聞いておりますけれども、その辺が手当てできたかどうか。年度内に手当てをしなかったらとても間に合わないというような実情もあったのでございますが、その辺がどうであろうか。やがていろいろと、これは特恵の問題も迫ってまいっておりまする際でありますので、その辺は通産省としてはどういうふうに最近進められておるのであろうか。予算の分科で若干あの時点で聞いたのでございますけれども、あれから相当な変化をいたしまして、むしろ傾斜しておるというような現状でございますので、その点はいかようにお扱いになっておるか、見通しはどうか、これだけ聞いておきます。  それ以外は別の機会にやります。
  182. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 繊維産業の現状にかんがみまして、本年三月にいわゆる年度末融資をいたしましたことは御承知のとおりでございますが、その後、業界におきまして七月一日規制を目途にいたしまして、かなり作業が進んでまいりました。  それと同時に、救済策の具体化につきましてもほぼ作業は順調に進行いたしておりまして、大まかに申しまして、織機等々、機械類の買い上げ部分それから長期融資の部分、構造改善の一そうの促進といったようなほぼ三つの部分から対策の具体化を進めておるわけでございます。それに必要な資金につきまして、買い上げ分、融資分等々、通産省並びに大蔵省関係者の最終的な意見の一致はまだ見ておりませんけれども、ぼつぼつ七月一日規制の内容も固まりつつございますので、あまり遠くない時期に救済の内容につきましても最終段階の検討を出そう、かように考えております。業界の希望そのものは、当初実はかなり大きな数字でございました。それにつきましても、お互いに寄り合いまして内容を詰めておるところでございます。ただいま全体の資金量につきまして申し上げる段階まで至っておりませんが、財政当局、私ども及び業界でやがて、まずまずお互いにまあまあというような結論に達し得るものというふうにただいま考えております。
  183. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 終わります。
  184. 濱野清吾

    ○濱野委員長 瀬長亀次郎君。
  185. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最初に大蔵大臣にお聞きしますが、沖繩の返還協定が進められる中でいろいろの問題が出ております。広範な県民の要求は、核も基地も自衛隊もいない平和な、そして豊かな沖繩、これが統一された要求になっておると思います。百歩譲って、核抜き本土並みがはたして文字どおりいくかという問題で、本土並みに関して大蔵大臣の御意見をお聞きしたいと思いますが、本土並みという場合、政府の統一見解は、安保条約やそれに基づく地位協定、さらに関連取りきめが何ら変更なく沖繩に適用されるものだといったようなのが本土並みというふうに説明されておりますが、その範囲内でも非常に疑問に思われるのは、アメリカの資産の有償引き継ぎ――沖繩ではこれは基地の買い取りという表現でやっております。この中に、大蔵省のほうでいわゆる三公社あるいは琉球政府の建物や文化会館、そういった四つの対象があげられておって、だんだん基地内における縮小とも関係して、アメリカの施設を引き揚げる場合の費用までどんぶり勘定でこれをやっていくんだ、計算していくんだというようなことがいわれておりますが、まあ、それはいずれにいたしましても、その資産有償引き継ぎといい、あるいは基地の買い取りの問題は、どういう法の根拠に基づいていま行なわれておるのか。私の読んだ範囲では、安保条約でも地位協定でも、むしろ地位協定の第四条は、これは否定的な答えをしておると思います。法の根拠がなければ、日米両政府の政府間折衝での政治的な配慮に基づくのか、その点を明らかにしてほしいと思います。
  186. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは一これはと申し上げますのは、いわゆる引き継ぎ資産に対して金を払う、こういう問題は別に法律があるわけじゃありません。これはこれから日米間で合意しまして、そして協定をつくる、その協定に基づきまして支払いを行なう、こういうことで、いずれ国会の御審議を経ることにいたします。
  187. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それでは、いまのところ安保条約や地位協定などに法的根拠を求めておるのではない。ただし、そういったものを示唆するような日米共同声明の九項の中には、経済的、財政的云々というのがありますが、そういったものが基礎になって、政治的配慮に基づいて資産の引き継ぎをやられようとするのか、この点を明らかにしてほしいと思います。
  188. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは政治的配慮のもとに総額をきめて、そして中身を理由づけをする、こういうのじゃありません。これは私どもが払うべきものは払う一べきものというのは、これは社会通念です。通念として払うべきものは払う、払うべからざるものは払わない、こういうたてまえで一つ一つを積み上げまして、そして総額をきめたい。その総額につきましては、日米で合意した上、協定といたしましてこれを国会で御審議願う、こういうふうに考えております。
  189. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 では、いま本土並みといわれている安保条約あるいは地位協定、関連取りきめが何ら変更されることなく適用するといった問題とは関連なしに、いわゆる払うべきものは払う、払うべからざるものは払わぬということになりますと、基本として、姿勢としてやはり政治的の配慮というのがここから出てくると思うわけなんですが、そう理解していいのですか。
  190. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 払うべきものは払う、払うべからざるものは払わない、こういうことでございますが、その額を政治的にきめるという考えはありません。これはどこまでもそういう考え方で積み上げをいたしまして、そうして総額が出てくる、こういう性格のものであります。
  191. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 この問題につきましては、そういったような対米折衝に基づいて煮詰まったところを返還協定の中に打ち込んでいくといったような経過をたどって一応支払われるというふうに理解していいのですね。
  192. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 そのとおりでございます。
  193. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 もう一点、特に琉球政府に対して、これはぜひ、政治的配慮とかという問題とは越えて、沖繩県民が日本国民であるということには間違いないわけで、もう琉球政府が創立されてから――この琉球政府なるものは県庁とは違いまして、アメリカの占領支配を強化するため下請機関としてつくられて、政府という名前がつけられておる――十九年になります。その間九カ年間はほとんど日本政府は一文も援助は払っていないで、やっと六二年から、最初はわずかに五万五千ドルしか援助なるものは出しておりません。そうして七一年度までに約二億四百万ドル程度の援助金が出ております。これは特に沖繩が、沖繩県庁であり、さらに日本国憲法が適用されていたとするならば、国政、いわゆる国家事務費、これは当然国が払うべきであったということは、沖繩県民はほとんど理解しております。この額は、いま申し上げました六二年日本政府が援助を始めてから七一年度までに、いわゆる琉球政府の予算総額に占める国家事務費、これで二億七千二百万ドルに達しております。これはたとえば警察費の問題、国警、さらに裁判所全額、それから郵政省、そういったような、国家が行なうべき事務、事業を琉球政府が負担しているだけに、県民の税負担が大きくなったことは当然であります。その意味で、六二年の日本政府からの援助が始まってから七一年の予算額に占める国家事務、事業費を私は二億七千二百万ドルと申し上げましたが、琉球政府が創立された一九五三年から見ます場合には、これは当然のことながら約四億ドルぐらいに達している。この問題についての数字は別といたしまして、実に巨額な国家事務費を琉球政府は負担しております。で、復帰の時点には、当然のことながら国がそれを補償するということでなければならないし、特にいまアメリカの資産の有償引き継ぎは四億ドル内外と新聞報道されておりますが、日本の財政から見れば、四億ドルという問題は大した額じゃないと私は思います。だが、琉救政府に対しては大きい額であります。こういったようなものを国が当然支払うべきものであったが、占領下なるがゆえに支払うことができなかったということになっておる。こういった国家予算総額に占める、いわゆる出さなければならなかった国家事務、事業費について、大蔵大臣の基本的姿勢について御答弁をお願いしたいと思います。
  194. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 沖繩は、これは申し上げるまでもなくアメリカの施政権下に長い間あったわけです。ですから、財政的にもアメリカが責任を持つ、こういう立場にありまして、アメリカから補給金が支出されておったという状態です。ですけれども、だんだんと本土復帰への過程を歩む、こういうことになってまいりまして、事実上わが国が沖繩政府の行政費を負担する、こういうことになってきたんです。なってはきましたが、これを、アメリカが完全に財政的にも行政的にも責任を持っておった占領以来十数年分にさかのぼって日本政府が責任を持つ、こういうふうには私は考えておりません。それよりはむしろ前向きに事を考えておる。これから沖繩の復興、開発、これはずいぶん金が要るだろう、そういう方面には、アメリカから完全に施政権が返ってきた暁におきましては十分な手配をいたしたい、こういうふうに御了解を願いたいのであります。
  195. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 大蔵大臣については、この点をもっと深めたいと思いますが、時間がありませんのでこのくらいにいたしまして、防衛庁長官に今度お伺いいたします。  防衛庁長官は、新聞記者会見でも、最初述べられましたが、いわゆる核抜き本土並みと関連いたしまして、核の総点検を復帰の時点前にやると言われておりましたが、その後政府では、どうも核の総点検はやらぬような、やりたくないような意見が相当述べられております。中曽根防衛庁長官は、いまでも、核の総点検をやるんだと前に発表されたとおりの姿勢で核抜きの問題を解決していかれたいと思うかどうか、この点を最初に明らかにしてほしいと思います。
  196. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 前の考えと変わっておりません。
  197. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それでは愛知外務大臣は、特に沖特委での答弁の中で、核はいわゆる返還のX時点には不存在ということが予定される、不存在の点検はできないんだ、あくまでも共同声明第八条に基づいて大統領が確約したので、それを信ずるんだといった意味のことを言われて、中曽根長官とは意見が食い違っておるようでありますが、やはりいま御答弁のあったように、返還の時点までには、核があるかないかを明らかにするための基地の核の総点検をやる意思をはっきりここで約束されるわけですね。
  198. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本国総理大臣とアメリカ合衆国大統領が世界の見ている前で約束したことでありますから、返還の時点において核のないことは、これは間違いない、確信していいことであると思います。しかし沖繩の皆さん方は、かつてメースBがあったとか、いろいろそういう情報もあって御心配されている部分もあると思うので、われわれ本土の者と違う感情もありますから、念のために、ないということを確認するということは、政治として適当なことであるだろうと私は思うわけです。そこで返還後先方と合意の上で、たとえばナイキをわれわれが接収するということがありますれば、そのときに核弾頭ありやなしやということがすぐわかるわけで、たとえばそういうふうなぐあいで先方と合意の上で技術的な方法を検討して、そういう、ないということを確認するということをやってみたい、これは念のための仕事であります。米側は、毒ガスについても、ああいう公正な態度で中身まで見せて沖繩の皆さんに誠意を披瀝しているところでもありますから、ほかの部分についてもそういう技術的方法ありやなしやよく確かめて、できたら実施したい、こう考えておるわけであります。
  199. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それでは、返還される時点の前ではなくて、返還協定が発効されて返還されたあとの問題なんですか、いまの点検の問題は。
  200. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 もちろんそうです。私は、国会で答弁しているときから返還後ということを明言しております。また、点検ということばは使わないで、確認ということばを使っておるわけです。不存在の確認……。
  201. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 次に、沖繩には米軍専用の娯楽施設がありますが、これは当然のことながら、本土並みということとも関連して、基地の縮小という表現も私は当たらないと思います。本土には沖繩にあるようなアメリカの軍専用の娯楽施設はほとんどないと思います。これについて、基地関係は防衛庁関係で主としてやっておられて、さらに、もちろん外務省も関係しておりましょうが、一例でありますが、米軍専用のビーチ、いわゆる海浜保養所が四カ所あります。これは特に石川ビーチにいたしましてもあるいは屋嘉ビーチにいたしましても、すぐ住民地域である。わずか道離れたところにあって、琉球人は入るべからずということまで書かれている。沖繩県民の感情を激発するようなものが四カ所もあって、まっ裸になって、夏だけではなくて冬までそれを使っているという状態である。こういったものは即時開放されなくちゃいけない問題だし、ゴルフ場にしましても七カ所にあります。これはもちろんもっとあるかもしれませんが、私のいま申し上げたのは最低であります。ボーリング場が十四カ所にある。さらにプールが二十二カ所にあります。さらにスケートリンクが四カ所に施設されておるし、劇場は十五カ所にあります。さらに乗馬クラブが二カ所にあるという状態であります。ゴルフ場に至りましては、もうほとんど基地外に広大な芝を植えつけて遊んでおるということを県民は実に苦々しく思いながら、なぜこのようなことまでやらなくちゃいかぬのかということを考えております。むしろ怒りをだんだん爆発させつつあるというのが現状であります。  いま開放の問題で、那覇市におけるアメリカの空軍、いわゆる飛行場を開放するとかVOAの問題、いろいろ出ております。ところが、まだいまアメリカ軍専用の娯楽施設、たとえばいまはっきり申し上げますと、那覇の都心にばくち場といわれるハーバービュークラブ、こういったものもある。これは無税地域になっておる。琉球政府の徴税人は入ることすら拒否されておるという状態の賭博場もある。いわゆる社交場と彼らは名づけておりますが、こういったものを含めて、当然のことながら、これはむしろ返還の時点前に撤去さるべきだと思うわけでありますが、返還後であれ返還時点であれ、こういう米軍の専用娯楽施設は一日も早く撤去して住民に返すべきだというふうに考えていますが、この点について防衛庁長官のお考えはどうか、お聞きいたします。
  202. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 異境に相当数の米軍の若い人たちが駐とんしておることでございますから、ある意味においては、住民との不測の事故を防止したり、あるいは健康管理のためにレクリェーション施設も私は必要であろうと思います。ただ、本土に復帰後はわが日本国の主権が通用する地域にもなりますから、やはり県民との感情ということもよく考えて、摩擦その他を起こさないように、両方がお互いによく相談し合って調整していくという心がまえが必要であろうと思います。それらの具体的な内容や数字につきましては、本土復帰後、われわれとしても先方とそういう住民を著しく刺激するような問題については話し合っていきたいと思います。
  203. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これはもちろん御承知であると思いますが、昭和二十八年六月二十四日付で東京地裁で、いわゆる東宝劇場事件なるものが起こりまして、その判決で、東宝劇場の施設が駐留軍に劇場として娯楽のために使用されているのであるから、その使用が遅延することによって、安保条約第一条に規定されている目的の達成に著しく支障を及ぼすおそれが生ずるとはいえないとして、緊急使用許可を違法として取り消した判決があります。この判決の中には、裁判所は、本件物件を駐留軍のこのような用途に使うことは、特別措置法第二条でいっている「適正かつ合理的」な使用には当たらないと考えるということでもって、いま中曽根長官が言われたことも書かれております。  重ねて言うが、軍人にも娯楽ないし慰安は必要である。そして合衆国の軍隊の駐留を許容する以上、その娯楽ないし慰安の施設を好意的に供与することは、日本政府の措置として望ましいことである。ところが、それはどこまでも合衆国に対する日本国の対外的責任の問題に属する。このことのために、日本国内において特別措置法をその目的を逸脱して適用し、日本国民の犠牲において強制的な使用を甘受させることを正当化することはできないということが明確に規定され、財産権の侵害ということばも使って、このアメリカの東宝劇場使用を拒否している裁判の判決が出ております。返還の時点では憲法が適用され、財産権、契約権、これは当然のことながら憲法で保障されるということである以上、こういったような判決もあるし、いま中曽根防衛庁長官のお話を聞きますと、そういった娯楽施設をすみやかに撤去する問題とか開放させる問題については、まだ折衝が進められていないような感じを受けますが、これについては積極的に直ちに交渉を進められて、そして県民の要求にこたえるのが日本政府の責任ではないかというふうに考えますが、いかがなものでしょう。
  204. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 復帰に際しましてどのような交渉が行なわれているか、私はまだ外務当局から聞いておりませんが、その点は外務当局に確かめてみたいと思います。  いずれにせよ、日本の主権下に入ったという場合には、いままでとステータスが違うわけでありますから、両方で十分話し合って、住民感情を尊重しつつ、合理的に調整することが適当であると思います。
  205. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最後に、那覇飛行場の問題についてお伺いいたします。  那覇飛行場、那覇空軍基地、これはアメリカの空軍基地でありまして、どうも印象といたしましては那覇のいわゆる飛行場として使われている滑走路の問題じゃないかといったようなことがだんだん明らかになりつつありますが、那覇空軍基地には、御承知のように対潜哨戒機の基地もあり、さらに航空機修理を専門とする大きい工場もあり、さらに瀬長島基地にはミサイルサイトがあるというふうな状態であります。こういったような全体を含めて、いわゆるアメリカの空軍基地の開放を要求されておるのか、それとも、那覇飛行場、いわゆる滑走路としていまアメリカも使っておる、そういった滑走路だけの問題であるのか、いわゆる那覇空軍基地全体、いま申し上げました接続してミサイルサイトもあります。こういった全体としての理解で那覇空軍基地の開放を求めておられるのか、そこら辺をまず明らかにしてほしいと思います。
  206. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 那覇航空基地につきましては、外務当局にお尋ねを願いたいと思います。  わがほうといたしましては、米軍基地全般の取り扱いとの関連で目下検討中でございますが、今後他省との使用計画とも調整しなければならないので、現在申し上げる段階ではございません。いずれ政府全体として態度をきめなければならぬ問題であると思います。ただ、自衛隊といたしましては、施政権返還後、那覇航空基地にF104J要撃戦闘機部隊一個隊、P2V対潜哨戒機部隊一個隊及び小規模のヘリコプター部隊を置きたいと考えております。
  207. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がありませんので、最後にもう一点お伺いいたします。  自衛隊の沖繩派遣についてでありますが、中曽根防衛庁長官は、主席が自衛隊の派遣について反対しているという問題とか、あるいは那覇市長も自衛隊の、特に那覇地域内において自衛隊の来ることに反対するといったようなことがあって、総じて、沖繩県民のほんとうの心の奥底には、戦争はもういやだ、あの戦争によって十数万の命を失って、しかも日本軍隊からスパイ扱いまでされるというふうなことまで味わっております。自衛隊なる軍隊、この軍隊に対する姿勢は憎しみ以上のものを持っていて、これは他府県とは違った反戦、平和のこの念願は熾裂な要求にまで高まってきておる。いわゆる核も基地も自衛隊もいない平和な沖繩ということは、ほとんど統一された要求になりつつあります。これは、この前の国政参加の選挙における票数でもあらわれておりますし、県民の多くは、自衛隊を歓迎するのだというふうなことは、どこを押しても沖繩の現地では出てこない、これは事実であると思います。  私お聞きしたいのは、いままでの沖特委でもそうでありましたし、いろいろな委員会で防衛庁長官は、いわゆる返還のX時点以後に自衛隊を幾ら幾ら派遣すると言われましたが、そういった県民感情をやわらげるために、返還のX時点前に特に沖繩出身の自衛官を派遣するとか新聞報道にありますが、そこら辺はどういうふうなことになっておるのか、お答え願いたいと思います。
  208. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 沖繩が本土に復帰いたしますと、わが日本国憲法の通用する地域にもなりますし、当然防衛責任を第一義的にわが国が負うのは当然でありまして、自衛隊の沖繩配備を県民の皆さんの御了解を得て進めることにいたしたいと思います。  自衛隊がまだ沖繩にはございませんので、自衛隊が昔の軍隊とどういう点が違うかという点について、必ずしも十分御理解を得ていないところもありますから、そういう昔の軍隊との相違や自衛隊の使命について、もう少し県民の皆さんに御理解をいただくような積極的努力をいたしたいと思っておりますが、その一環といたしましても、自衛隊の中における沖繩県民の自衛官に対して、適当な者につきましては、帰郷制度というのがございまして、故郷へ帰って自衛隊というものの理解を深めてもらうということを本土におきましてはいままでやっておりました。今度は沖繩のほうにもそれを拡充いたしまして、適当と思う時期に、適当と思う数についてそういうことを実施して、理解を深めるように努力していきたいと思っております。
  209. 濱野清吾

    ○濱野委員長 どうですか、もうだいぶおくれておりますから……。
  210. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 結論的にあと一分くらい……。  いま各県の話をしておられましたが、沖繩は施政権が返るまでは各県とは異なると思うのです。法的には外国といわれているはずなんです。それを各県と同じように、沖繩に、返還される前に帰郷制度があるのでということで自衛隊を派遣されるということは、法的にも何か根拠があるのですか。それとも、いまおっしゃっているように、自衛隊だけに関する限り本土並みということにいまなっているのかどうか。これは実にふしぎなことだと思うのです。最後に一点。
  211. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 故郷に帰る希望を持っている者につきましてはそういう制度があるわけでありまして、そういう希望者が自衛官の中でありますれば、沖繩県出身の人を差別する理由もございません。希望者につきましては、同じように故郷に帰るという便宜を与えるということをやっていいのではないかと思っております。
  212. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 時間がありませんのでこれで閉じますが、いまの米軍専用娯楽施設の問題、その他那覇空軍基地の問題などについてはあとで外務省にお聞きすることにして、質問を終わりたいと思います。
  213. 濱野清吾

    ○濱野委員長 この際、午後三時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後二時五十六分休憩      ――――◇―――――     午後三時三十二分開議
  214. 濱野清吾

    ○濱野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  なお、内閣総理大臣に対する質疑時間は、理事会の協議により、自由民主党十五分、日本社会党四十分、公明党二十分、民社党十五分となっておりますので、御協力をお願いいたします。  森下元晴君。
  215. 森下元晴

    ○森下(元)委員 昭和四十三年度決算は、四十五年一月本院に提出されまして、三月十日決算委員会に付託されました。そして種々審議されてまいりましたが、本日、総括締めくくりをしまして、審議を終了する運びになりました。私は、与党自由民主党を代表いたしまして、総理に次の事項を質問いたします。御答弁、御所見をお聞かせ願いたいと思います。  決算の重要性につきましては、いまさら申し上げる必要はございません。憲法第八十三条に「國の財政を處理する権限は、國會の議決に基いて、これを行使しなければならない。」とあり、財政民主主義の原則を掲げております。ゆえに、決算は予算とともに車の両輪のごときものであります。すなわち、国家財政の事前の審査が予算であり、事後の審査が決算といわれております。特に、国民の税金でまかなわれる国の収入支出の結果を国民の前に明らかにすることは、当然のことであります。  決算委員会は、過去約一年間、会計検査院の提出報告書その他を参考として慎重に審査を行なってまいりましたが、決算委員会としては、ただ単に会計上の不法支出、不当支出につきまして監査的に指摘するのみの機能でなく、将来国の財政支出に対する警告はもちろん、国家国民の今日より未来への安全と繁栄のための長期国家経営の指針を確立するための機能を有するものであるべきと思います。  そこで、総理に決算の重要性と過去決議された政府への要望事項の処置状況について御所見をお伺いしたいと思います。
  216. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 森下君のいまのお尋ね、その中には御意見もまじえてお述べになりましたが、私も、決算というものは予算の審議に対応するきわめて重要なものだ、かように思います。ことに予算が政策目的、はたしてそれと合致し、あるいは目的を達しておるかどうか、こういうことを十分検討し、次の予算編成に役立ち、さらにまた執行におきましても遺漏なきを期する、こういうことでなければならない、そういう意味で、決算はまことに重要な問題でございます。  いままでも皆さんから御指摘になりました事柄あるいは会計検査院から指摘された事柄等につきまして、それぞれ所要な措置をとって、それぞれ各省で十分目的に沿うように努力する、かような指示をしておるような次第であります。
  217. 森下元晴

    ○森下(元)委員 次に、私は食糧管理特別会計の政府所有食糧の過剰米の処理方針、国土の治山治水、緑化等対策、国有林野事業特別会計についてお尋ねしたいわけでございますけれども、数字的な具体的な内容よりも、これらの問題に対する大局的見地よりの総理のこれに取り組む姿勢をお伺いをしたいと思います。  ところで、ただいま総理から、この決算の重要性について、またその機能について御所見を承りまして、私もわが意を得たりの感がしております。  繰り返すようでございますけれども、決算は過去の実績を検討して、国家国民の現在より未来への平和と繁栄を守る安全保障の基盤であると申しても、私は過言でないと思います。  ところで、この目的を達成するために人間生存のための必須条件である衣食住の問題、これの需給問題は、政治最大の課題でもあるし、また人類生存の安全のかぎを握る重要問題であると思います。しかも、いまや食糧と森林資源の問題は、大きな政治的危機の上に立たされておるといっても過言ではございません。日本人の主食としての米の過剰に基因する在庫米の処理問題等々、またはパルプ原料材や木材を生産して、衣と住の供給源となっております森林に対する問題を大局的見地より検討を願いたいと思うのであります。特に森林の持つ機能は、衣食住の問題のみならず、国土保全、水の供給、さらには緑の環境を提供する等、広い意味での日本人の生活環境の保全に大きな役割りを果たしているのであります。この過剰米の問題と、国民需要の約半分を外材でまかなわなければいけない、いわゆる絶対不足の森林資源の問題は、まことに対照的でございます。しかしながら、一時的な供給の過剰とか、また不足という現象に目を奪われて、短期的な小さな視点に立って処理することは、はなはだしく危険でございます。国家民族百年の大計にかかわる大問題として、長期的、大局的視点に立って取り組んでいただきたいと思います。特に最近のわが国経済の高度成長、国民生活水準の上昇に伴いまして、森林の持ついわゆる公益的機能、すなわち国土保全の機能、水資源涵養の機能、また緑と光の合成による大気の正常化の効用等、いわば森林の緑の効用というべき役割りが、強く要請されております。この森林の緑の効用につきましては、われわれは、日本民族子々孫々、長く伝えるべき民族的財産でありまして、その効用のより完全な発揮と維持こそは、われわれ国民全体の責務として、世代を越える世紀的な課題として考えなければならないと思います。  しかしながら、最近のわが国の森林、林業の現状は、木材需要の増大にもかかわらず、木材生産は停滞し、価格の低迷と賃金水準の上昇等によりまして、危機的な様相を呈するに至っております。  このような林業の全般的な危機の一つのあらわれといたしまして、国有林野の事業が非常に経営的に不況に立たされております。国鉄の問題、米の問題、健康保険の問題、いわゆる三Kといわれておる問題の上に、また国有林の問題が赤字として課題にのぼってきたわけでございます。国有林特別会計も、四十六年度予算におきましては当初から五十億円の赤字を見込むなど、異常な事態に追い込まれるに至っております。その他、同じく外国産物である石油から製造される木材代替品の大量進出、たとえばプラスチックまた発泡スチロール、こういうような代替品が非常に多く生産されまして、わが国の国民生活の基盤であるいわゆる森林資源を席巻せんとする情勢でございます。木材は外国から輸入することができますし、それで事足りるわけでございますけれども、緑なす美しい環境は、絶対に輸入はできないのでございます。国栄えて山河なしでは困るわけでございます。自由経済、開放経済、また国際分業の時代でございますけれども、世界経済戦争がますます激化する今日、衣食住の民族資源の保護については、十分考慮を私は願いたいと思います。あり余っておる米の問題、いわゆる食管会計の慢性的赤字問題、それに対照的な森林国、山林国でありながら絶対数において足らない森林政策について、総理の御見解を、また御所見をお伺いしたいと思います。
  218. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 森下君からいま、米と同時に森林資源を一緒に話されましたが、それはたいへんな実情の相違があります。ひとしくわれわれの生活に緊要、肝要な、大事なものだという、そういう点では同じように、食糧もまた緑も、自然もこれは大事でございますが、しかし、片一方はあり余っている、一方は不足しがちだ、そこにたいへんな相違があるということであります。  そこで、その二つ分けて、あり余っているから米の問題はどうでもいい、こういうわけにはいきません。これは、もう申すまでもなく食糧、われわれの食糧は何としても確保しなければならない。いままでも米が不足するという主食不足、こういう状況から特別な対策をとってまいりました。その効果をあげた、かように自慢をするわけでもありませんが、とにかく食糧のうち、主食である米、その点では十分保有することができた、これは食べ切れないほどある、こういうことですね。しかしながら、総体のいわゆる食糧、こういうことになると、飼料をも含めると、わが国の国産ではまかなえない。そこに必要な総合農政の展開、これがどうしても必要だというように思います。私は、ただいまの、米だけは余っているが、食糧そのものとしてはなお不足しておる、総体で八〇%にもならない、自給はその程度のものである、このことに十分思いをいたして対策を立てなければならない、かように思っております。  いずれにいたしましても、米の問題は、いま生産者の立場に立てば、この米作農家、農村、農業をささえておる、そういう関係から、その収入確保の点でもよほど気をつけなければならない重大な問題だ。しかし、われわれは、国民の支払う税、それを十分効果があがるように使わなければならない、そういう政治的使命もありますから、ただいま大事だからというだけではものごとは解決しない。そこで、積極的な農政の転換というような、総合農政の展開をはかっておるという状況であります。この点では、おそらく何らの誤解なしに納得がしてもらえるだろう。生産者自身といたしましても、収入の大部分を米の収入に依存しておる、そういう実情にあるだけに、消費者も生産者も満足がいく、納得がいく、こういうように国費が使われなければならない。ここらにむずかしさがあるのじゃないだろうか、かように思っております。私は、ないときにふやすということ、これも大事なことですが、いまあり余っておる、そういう状態においてこそ、初めて改善ができるんじゃないか。積極的に総合農政を展開するだけの余裕もできているのだ、かように考えまするから、この時期をのがさぬようにして、農業の均衡のとれた発展を期したい、かように思っております。  ところで、いま森林資源についてお話がありました。これはもうお話しのとおり、森林資源の持つ意義はこれはたいへんなものです。経済的に木材の供給、こういう点だけではなく、さらに国土保全、あるいは水資源、あるいはまたレクリエーション、あらゆる面から見まして森林を大事にしなければならない、私もその点では、御指摘になった点、完全に賛意を表し、また力強く考える次第です。私も、そういう意味からいわゆる春の植樹祭というようなものも計画されたんじゃないだろうか。どうもあの植樹祭をもっと有効に使えないか。過日も農林大臣にお話ししたのですが、せっかく植樹祭というようなお祭りまでしている、造林、植林にもっと積極性を持つわけにいかぬか、森林資源を大事に活用するような方途はないか、ただ林道をつくるというだけでは、どうも不十分に思う。積極的に森林資源の増大をはかるべきじゃないか、かように私は思っておる次第でありまして、これらの点についていろいろ具体的な案も必要だろうと思います。そういう意味から、積極的に具体的な指示があれば、また御意見があれば、十分聞かしていただきたい、かように思っております。
  219. 森下元晴

    ○森下(元)委員 共感いただきましてまことにありがとうございます。  最後に、会計検査院の機能の充実、向上について、御所見をお伺いしたいと思います。  近代国家において、国が積極的な財政支出を行なって社会の発展と国民の福祉向上につとめており、わが国においても、国家財政は年々増大し、政府関係機関その他国の出資団体の事業もあわせ考えるときは、その規模は膨大なものとなっています。このような膨大な支出について、国民にかわって監督を行なっている会計検査院の職員は、検査対象の支出が、社会、経済、技術の著しい進歩を反映して、きわめて広く、かつ複雑な内容になっているのに対応し、常に高度の知識を研磨するとともに、またその職務の性質からして、常に清潔な生活態度を求められており、さらには現場検査等に際しては、生命の危険にさらされる場合さえあるといわれております。しかるに、その待遇を見ますと、一般公務員と何ら変わるところがなく、このような状況では、国民が期待するような検査の適切、徹底は期しがたいうらみがあるのではないかと考えるのであります。  ついては、政府当局においては、会計検査院の機能の充実向上をはかるために、人員の増強、機能の拡充を真剣に考慮すべきであると考えられるが、行政機構不拡大の現下の方針のもとにおいては、とりあえず会計検査院職員の職務の特殊性を認識して、待遇を改善する措置を講じて、国民多数の要望にこたえるべきであると思いますが、御所見をお伺い申し上げます。
  220. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 会計検査院を質、量ともに充実しろというお説には、私ども政府も賛成であります。政府はやかましいことばかり言う、人員を減らすことばかり言う、あるいは予算を削ることばかり言う――そうでもありませんので、会計検査院の質、量、これを充実するということ、その立場に立ちまして、大蔵省も、会計検査院の要求に対しては十分理解ある処置をとっておるようであります。また、今後もそういうような態度で臨むつもりであります
  221. 森下元晴

    ○森下(元)委員 終わります。ありがとうございました。
  222. 濱野清吾

    ○濱野委員長 田中武夫君。
  223. 田中武夫

    ○田中(武)委員 総理にしぼって御質問を申し上げます。きわめて時間的な制約がありますので、そのつもりでひとつこちらもお伺いしますので、御答弁をお願いします。  現在、総理も御承知のように、司法権の独立ということが大問題になっております。ある意味では司法の危機ともいわれております。  そこで、総理は、この司法権の独立ということを、法的な問題としてではなくて、為政者として、総理として、ひとつどのように把握しておられるか、お伺いいたしたいと思います。  さらに、いま最高裁のとっておりますところの、あるいは石田長官の発言等を見ましたときに、私は独立と独善を取り違えておられるのじゃなかろうかと思いますが、もしそのような点についても御所見が伺えるならば幸いだと思います。
  224. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 田中君はたいへん法律通だから、法律論は私よりも大先輩だから、なるべくそのほうはおまかせしますが、わざわざ断わられて、法律論ではない、政治的な立場からどういうように考えるか、こういうお尋ねのようです。  私が申し上げるまでもなく、憲法で保障された司法の独立、これはもうそのまま評価すべきであり、またそれを守っていく、こういうことで私ども努力しなければならない、かように思っております。今回の裁判官任命についての意見も、いろいろ各方面から私自身聞かれております。どういうように総理は考えるか。司法の問題には私はなるべく介入しない、これは司法自身で十分公正な努力が払われる、かように思うから、とやかくは言いません、言えば誤解を受けるだけだ、こう言って報道関係には断わっております。しかし、大事な国会でどう考えるかと言われるのですから、私の所見をはっきり申し上げる。  ただいま申し上げるように、憲法が保障している、そういう意味から、ただいまの状態は石田最高裁判長官の独善ではないか、こういうような御批判でございますが、私は、憲法の条章にまことに忠実に努力をしておられる、かように確信をしておるわけです。
  225. 田中武夫

    ○田中(武)委員 みだりに司法権に政治権力が介入することは、厳に慎むべきである、これはそのとおりであります。ところが、あなたが総裁をしておられる自民党の中に司法制度調査会というものができて、法学博士、弁護士の肩書きを持つ田中伊三次君が会長をしておられます。これはそういうことではなくて、研修制度をどうするのか、あるいは司法試験をどうするのかということの研究だ、こうおっしゃると思うのですが、しかしこの調査会の存在、これは一般世論はやはり政治的な圧力を加えるのじゃなかろうかという危惧を持っております。同時にまた、われわれがどうかと思うような、最高裁の問題あると思われる一連の行為というか、発言等々が、これに相前後して行なわれてきたということは重要だと思うのですが、この自民党内における司法制度調査会の存在について、総裁としてどのように把握しておられますか。
  226. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いま別に圧力を加えるとか政党がどうこうするとか、こういうことがあってはならないと思う。これは厳に戒めなければならない。しかし、政治の分野から、広範に国内の制度そのものがどういうふうにあるべきか、こういうことは、いまこの機会にこの決算委員会の席でも田中さんが私にお尋ねになるように、政党とすればいろいろのことを検討する、これは私は当然ではないだろうか、かように思います。やはりそういうことは平素から検討もして十分研究しておらないと、いわゆる公正なものを欠くというおそれなきにしもあらず、かように私は思います。そこで大事なことは、お話のうちにもありましたが、圧力を加える、こういうことがあってはならない。これは私、総理でもありますが、同時に総裁としても十分注意するつもりであります。
  227. 田中武夫

    ○田中(武)委員 時間の関係で議論は避けたいと思います。  総理も御承知のように、五月八日に日本弁護士連合会が臨時総会で、最高裁は姿勢を正せ、新任あるいは再任の拒否についてはその理由を明らかにせよ、こういう決議をいたしております。私は、単なる団体ではなくて、在野法曹というものは、在朝法曹とともに車の両輪のようなものであり、ことに弁護士会及びその連合会は、弁護士法四十二条二項によって建議権を持っております。もちろんこの建議権についても、法制局長官はまたつまらぬことを言うだろうと思いますが、そういうことは別として、建議権を持っております弁護士連合会の意見というものは、私は相当重要視しなければいけないと思いますが、総理はこういう一連の動き、ことに弁護士連合会のこういう決議に対して、どのように考えられますか。
  228. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いろいろの意見が私の耳にも入ります。しかし、それについて一々、これは正しいとかこれはよくないとか、かように批判することは、いかがかと思っている。まして、この席におきまして、在野法曹界がどう言ったとか、弁護士会がどう言った、それはそのままで受け取っていいのではないですか。ただ、それを了承したとか、あるいはたいへんいいから賛成だとか、こう言って力み返ると、そこにいろいろな問題が起こる、かように思っております。そういうことを聞きながら、やはりいろいろな意見があっていいことなんで、それをとやかく言わないことが大事じゃないか、かように思います。
  229. 田中武夫

    ○田中(武)委員 意見はありますが、次に行きます。  裁判官の任命は、憲法八十条によって、最高裁が作成した名簿といいますか、指名した名簿によって内閣が任命するということになっております。  そこで、この任命行為ですね、これは一体どのようなものなのか。と申しますのは、この提出せられた名簿について、総理あるいは内閣は拒否権があるのかないのか、あるいはもし拒否権があるとするならば、それは個々についてできるのか、一括なのか。もしそうだとするならば、逆に、なぜこれを名簿からはずしたのか、こういうことが言えるのか言えないのか。と申しますことは、従来最高裁のつくる再任名簿というものは、大体においていままで、病気その他でもう職務に耐えないからやめさせてもらいたいとか、何回か部内処分を受けたり等して、一般から客観的に見て不適格であると、こう思われる人を除いたということはあり得ても、いままではほとんど形式的に名簿が提出せられたのだと思います。今度はそうでないわけなんですが、これらの点につきまして、総理はどうお考えになりますか。これは法制局長官でなくて総理から……。
  230. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いままでの実際を申し上げると、最高裁から出てきた書面どおりやっている、内閣はただ事務的な処理だけをしている、そのとおりでありまして、別に修正しろとか、あるいはこれはどうとか、こういうようなことはしておらない、これが実情でございます。  なお、その任命権が、修正権があるかどうとかいうようなことは、これは法制局長官にゆだねるとして、実際のあり方をそのまま申し上げて答えといたします。
  231. 田中武夫

    ○田中(武)委員 法律論はけっこうです。あらためて行ないます。  そこで、これも総理の感覚を伺っておくわけなんです。法律論じゃありません。憲法七十八条のいわゆる裁判官の身分保障と、八十条のいわゆる十年の任期制、これを見た場合に、どちらが優先すべきか。同じ憲法の条章であるからこれは一緒だ、こういうことですが、私は、やはり裁判官の身分保障ということが優先すべきである、したがって、八十条の任命というものは、いま総理言われたように、いわゆるそういったような、あまり私情をはさまない、そういうことだと思うのです。裁判官の任期制の問題と身分保障の問題について、総理は総理としてどのような感覚をお持ちでしょうか。
  232. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私は、いわゆる任命権者というものは、これは適当なりやいなやということで自分が判断をしてきめる、そして裁判官は任命されたら十年間は身分が保障されている、かように考えます。そうして、十年たったときにもう一度審査する、そうして、引き続いて裁判官をやってもらうかもらわないか、それは新しい問題だ、かように私考えております。
  233. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まあいろいろと議論はしたいのですが、もう時間が……。  そこで、司法権の独立ということと司法行政、これをどのようにお考えになっておるのか。また人事というものは、司法権の独立に入るのか、それとも司法行政に入るのか、こういうことについて、どのようにお考えになっておりますか。
  234. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 司法権と司法行政、これをどう関係があるかとお尋ねなんですが、非常に密接なものですから、ここまでは司法権で律する、これからは司法行政ですと、こうなかなか分けにくいのじゃないでしょうか。どうもそこらが、どういうようなお尋ねなんだろうかと私がつかみかねながらいまのように申し上げるのです。非常に密接な関係で、ここまでは司法権だ、これは司法行政の範囲だ――ものによっては非常にはっきりしたものもあります。しかしなかなか区別がしにくい、かように思っております。
  235. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私の考えから言うならば、司法権の独立というのは、いわゆる裁判である、裁判に対していかなる人も云々すべきじゃない。しかし、人事というものは司法行政ではないか。したがって、これはいわゆる厳格な意味の司法権独立の外にある、私はそう考えるわけです。  そこで、憲法七十六条三項を読んでみますと、「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」これだと私は思うのです、司法権の独立とは。したがって、いわゆる人事の問題は少し話が違うのじゃないかと思う。と同時に、それについての御所見と、もう一つは、「その良心に従ひ独立して」という、その良心とは一体どんなものなのか、総理はどう把握せられますか。
  236. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 ひとまず私から答弁させていただきます。  御指摘の司法権の独立についての憲法上の規定は、まさにおっしゃった規定だと思います。そうして、その独立を保障するためには、それはとりもなおさず、裁判官がやはり独立に職権を行使するということがなければならないので、いわゆる司法行政、特に人事権の問題は、やはり司法部門の権限にこれを属させる、いわば司法権の独立の保障措置の一環であるということがいえると思います。  それから「良心に従ひ」というのは何であるかというお尋ねでございましたが、これは最高裁の判例にもあったと思います。要するに、外部からの有形無形の圧迫ないし誘惑に屈しないで、自己の内心の良識と道徳観に従って事を処理するというのが、「良心に従ひ」という意味であるように理解をいたしております。
  237. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 まあ私の答弁だから、法律論もあまり――じゃないですがね。(田中(武)委員「あれはオミットだ」と呼ぶ)そう言わないで、やはり法制局長官は権威のあるものだ、かようにお聞き取りいただきたいと思いますが、裁判の独立、これはやはりわれわれは、裁判が公正に行なわれるということが一番大事じゃないか、かように思います。それが法律の条章に基づいて、そうして公正だ、そういうのがわれわれの期待する裁判である、それが独立を保障した、かように私は考えております。
  238. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まあ言いたいのですがね。反論をしたいこともあるのですが、次に参ります。  自民党内の憲法調査会が、事もあろうに五月三日の憲法記念日に際して、いろいろ改正要綱なるものを――要綱というか、改正の意図等について、あるいはそのプロセスについて発表したと思うのです。こういうことは、私はどうかと思うのです。その点、総裁としてどう思われますか。少なくとも、憲法を守らねばならないというのは、憲法九十九条による国務大臣及び国会議員の一番の任務なんです。義務なんです。いかがでしょうか。
  239. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 憲法は、現在ある限りにおいてそれを守らなければならない、お説のとおりだと思います。ただ、自主憲法を持ちたいという非常な強い主張があるわけです。したがいまして、私どもの政党、これはやはり自由民主党では、自主憲法と、こういう考え方で憲法改正のいろいろの調査、検討をやっておる、これは確かです。しかし、いま何か具体的にどうこうというようなものがあるかどうか、これは実は、総裁をしておる私自身が知らないのです。しかし、過日の憲法記念日に際して自主憲法の会合があったということは、新聞で見ております。しかし私、やっておる諸君が、ただいまの状況ではまだ私自身にも相談をしておらないのですから、その点ではあまり気になさらなくていいんじゃないか。私自身が知っておる、そうしてそれが憲法違反というようなことになると、これはたいへんですが、しかし、憲法の条章に基づいて改正すべき点は改正するだろう、かように思いますから、私はまだその手続を云々する前の段階じゃないか、かように思っております。
  240. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それは、それぞれが自由な研究をすることはとやかく言うべきでなかろうと思いますが、政府与党である自民党の中に憲法調査会なるものがあって、年内にも改憲草案要綱をつくる、それが五月三日に発表になっておるのですね。――発表したのかどうか知りませんが、五月の三日の新聞、各紙に出ておるわけなんです。これなんか、私どうかと思うのですがね。そして同じ五月三日に、これもいまの総理の論法をもっていけば、それはそれでいいじゃないかということになろうかと思いますが、自主憲法制定国民会議ですか、議長は元総理の岸さんなんですが、神田の共立講堂で集会をもたれております。その集会で、勇ましく岸さんなりあるいは稲葉君なりがぶっております。  これはともかく、かってだといえばいえるのですが、私、疑問に思うのは、憲法記念日に、先ほど申しました憲法九十九条で、一番国会議員としては守らねばならない義務として憲法を守る、こういうことが憲法に規定せられておる、それに対してそういうことをやったという。それについて、総理はどのような感覚でこれを受け取られますかということ、さらに法務大臣植木さんは、いわば法の元締めであります。憲法を守るということについても、一番関心を持ち、またそうでなくてはならない法務大臣。ところが、いままでの法務大臣が、かえって守らなかったりこれを無視したような発言があったことは遺憾ですが、あなたも出席せられましたね。どういう気持ちで出席せられ、あなたが何か言ったというようなことはあまり報道に出ておりませんが、何か言われたのか、言われなかったのか。その出席せられた動機及びその感想、これを伺いたい。総理と法務大臣からお伺いいたします。
  241. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いまの五月三日の会合、これは私の耳にも入っております。けれど、これが党の会合ではなかったようですが、まあそんなことはどうでもいいですが、とにかく憲法を守らないとか、無視するとか、こういうようなものと憲法改正の意見とは、これはまた別なものじゃないだろうか、私がしいて言うならそういう気がします。したがって、憲法改正即憲法違反だ、こういうことは、非常な論理の飛躍じゃないだろうか、かように思いますから、そこは誤解のないように願いたい、かように思います。
  242. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 お答えいたします。  去る五月三日の自主憲法制定国民大会、その大会に私も出席いたしました。それはおそらく田中先生も御承知だと思いますが、わが党並びにわが党党派を越えて、かつて緑風会があった時分から、自主憲法期成議員同盟というものがございました。私もその一員に加わっておったのであります。  たまたまその後になりまして、自主憲法制定促進の大会が、ことし三回目が開かれたわけであります。前二回とも、私は出席してみたいなと思いましたけれども、いつも連休のときに行なわれますので、当時国に帰っておって、いまだ一度もその国民大会に出たことがございません。今回はたまたま東京におったものですから、三回目の大会、その大会どんなふうに行なわれるものだろうか様子を見たい、こう思いまして、私は衆議院議員植木庚子郎という自分の気持ちでその大会に出席いたしました。それだけのことでありまして、ただいまお尋ねの何らかの発言をしたかどうかというようなお話し等は、私はどなたからも特別に発言を求められませんでしたし、また私も、もし求められても避けようという気持ちで、とにかく大会の模様を見たいというので出席した次第でございます。
  243. 田中武夫

    ○田中(武)委員 護憲というか、憲法を尊重するということと、あるいは憲法に対して改正論を持つこととは別だといったような意味の答弁がありました。しかし私は、少なくとも憲法九十九条に国務大臣、国会議員等とあり、これはいわゆる憲法尊重及び護憲が大きな義務だと思うのです。尊重だけではない。九十九条を見ますと、憲法を尊重し、擁護する義務を持つ、少なくとも国会議員あるいは国務大臣は、尊重と同時に護憲でなくてはならない、そのように私は思います。個人としての意思は別です。いかがでしょうか。
  244. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いまお読みになったとおりでしょう。それからやはり改正の手続は手続として別にある、かように私は理解しております。
  245. 田中武夫

    ○田中(武)委員 もうこれ以上は、論議をしてもすれ違いになると思います。私が申し上げたいのは、国務大臣及び国会議員、これは憲法尊重と同時に護憲が義務なんです。そのことをあくまで私は考えてもらいたい。同時に、法務大臣がのこのこと出ていくようなことは、これは慎んでもらいたいと思うのです。何か御意見があったらお伺いいたします。  さらに重要な、先ほど予算と決算は車の両輪という与党の意見がございました。この重要な決算の総括締めくくりにわずか二十分というような時間しか論議ができないということ自体に問題があると思います。したがって、今後もう少し、委員長においてもあるいは理事会等においても、ことに与党の理事諸君、さらに内閣におかれましても十分に考えてもらって、少なくとも一日、二日じっくりと論議をする時間を与えてもらいたい、そのことを要望いたしまして、もうちょうど時間が参りましたので終わります。
  246. 濱野清吾

    ○濱野委員長 浅井美幸君。
  247. 浅井美幸

    ○浅井委員 まずお伺いいたしたいのは、総理にお伺いしますが、オホーツク海の抱卵ニシンの全面禁漁ということでございます。  先般七日、代表者が官邸に陳情に来られて、そしていろいろ窮状を訴えております。今回、「これまでの例からニシン漁の規制が強まることは予測していたが、抱卵ニシンの全面禁漁という思いがけない結果に憤りさえ感じる。約七千人のニシン漁関係者の不安は言葉でいえない。サケ、マス、カニの犠牲になったと考えざるをえない。出漁が間近に迫ったいまとなっては、代りの漁業もないので、今年だけでも抱卵ニシンをとらせてほしい」、こういうふうに陳情いたしております。官房長官が会って陳情を承ったそうでありますけれども、これに対するいわゆる漁業交渉あるいは外交交渉、これらについてどのようにお考えですか、まずお聞きしたいと思います。
  248. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いま抱卵ニシンの禁漁というか、とってはいかぬというたいへんな問題だ、かように私も思います。ことに、これが中小業者であるという関係から、何とかそれを妥結できないかということで赤城特使と電話交渉、あるいは電報を打つ、あるいはいろいろのあらゆる手を尽くしたわけです。しかし、どうもソ連側の要望というか、主張として、最初から漁業交渉がたいへんむずかしくなっていたのはニシン漁の問題だった、かようにとれるのです。いわゆるサケ、マス、カニ、こういう問題じゃなくて、ニシンが主体だった、かように解釈せざるを得ない、こういうことでありまして、あらゆる努力はいたしましたが、中小業者に対してたいへんな迷惑をかけた、かように私は思っております。したがいまして、いわゆる抱卵ニシン、これはとにかくもっと魚がふえるまではとらないようにする以外にない。産卵後のいわゆるあぶらニシン、これはとれるのですが、どうもカズノコはとにかく貴重なものになる、かように私考えざるを得ない、かような状態であります。
  249. 浅井美幸

    ○浅井委員 これに対する具体的な救済措置はどうなさるんですか。
  250. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 これについては具体的措置をもちろん考えなければならぬ、かように思いまして、農林当局にも大蔵当局にも私自身発言している。ただいま事務当局において対策、対案を立てつつある、かような状態でございます。
  251. 浅井美幸

    ○浅井委員 それでは、ここで農林大臣あるいは大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、いま、総理はこれに対する指示をなさった、このように伺いましたけれども、具体的にどのような対案を練っておられるのか、御答弁願いたいと思います。
  252. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 まず、これらの方々の実態をいまよく調査いたしております。したがって、その実態は、やはり漁協もございますし、それから個人個人もございますし、その準備をされました状況等も詳細に調査をいたしまして、その上で財政当局と相談をして、できるだけのごめんどうを見ることに努力をいたしておる、こういうことでございます。
  253. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 まだ農林省から話は聞いておりませんが、十分心得ております。対策はとりたい、かように考えます。
  254. 浅井美幸

    ○浅井委員 昨年度も、この抱卵ニシンは約三万トンで約七十五億円の水揚げがある。それに対する加工業者等を含めまして、約百億くらいが収入のめどになるのではないかといわれております。ことしは船舶の改装をやったり、あるいは網の整備をやったり、あるいは新規購入をしたり、あるいはまた、船員の確保のために前渡し金として一人当たり二十万円ずつ渡しておる等々、いろいろございます。  これに対して、農林大臣に伺いたいのですけれども、全面的な補償をするという、そういう考え方でしょうか。十八日までに回答がなければ、強行出漁するということであります。これに対して、十八日までには出るというあなたの確信でしょうか。その点どうぞ……。
  255. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 いま申し上げましたように、詳細に実態を把握することに全力をあげてつとめておるわけでございますので、今週中にはその実態を把握いたしまして、対処のできるようにいたしたい。実は、先般関係業者数十名がおいでになりまして、私もきわめて長時間お目にかかりました。その上で、十分実態を把握することにつとめてこのようにいたしたいということを申し上げておるわけであります。
  256. 浅井美幸

    ○浅井委員 そこで、海上保安庁の関係になるのか、外務省の関係になるのか、よくわかりませんけれども、もし十八日にいわゆるニシン漁業者の死活問題だとして強行出漁した場合、ソ連拿捕されるおそれもある。こういう場合に対するところの安全保障といいますか、漁民の安全については、海上保安庁はどのように処置されるのですか。
  257. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいまのような問題が起きますと、これは私どもにも関係ありますが、そのほかの関係もあるわけでございますが、いま私どもは今回のニシンの条約のことにつき一これは御存じのように、日ソ条約の中でカニと離してやっておるわけでございますので、これはやはり条約関係の問題でございまして、ここで強行出漁というふうなことがありますとたいへんなことになりますので、そういうことのないように、全力をあげて当事者とも御相談をいたしておりますし、また、関係の方々の救済にはできるだけのことをいたして、強行出漁というふうなことはないようにただいま御相談をいたしておる、こういうことでございます。
  258. 浅井美幸

    ○浅井委員 農林大臣の言われることはわかるのですけれども、もし強行出漁した場合どうするかということを聞いておるわけです。これに対して、もし御答弁なかったら、総理から御答弁いただくよりしようがないですね。
  259. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 ただいま農林大臣からもお答えがありましたが、これは外交問題といたしましても、強行出漁ということになりますと非常に憂慮すべき事態になることが憂えられますから、政府の立場としては、全力をあげまして、今回の交渉がこういうことになりまして、まことにお気の毒な立場になられました関係の方々に御納得のいくような処置をとることをどうしてもやっていただかなければならないと考えております。
  260. 浅井美幸

    ○浅井委員 その関係者の納得のいく補償というものは、全面補償でなければならないし、また今後のこのニシンの漁獲に対しての見通し等も明らかにしなければならない。これは非常に困難な問題でありますけれども、総理、ほんとうにこれは前向きで取り組んでもらわなければ、あなたも先ほどおっしゃったように、中小企業の人たちであります。非常に零細な人たちが多いために、死活問題になっておる。このままでは死ぬんだから、海に出て死んでしまおうというような悲壮な決意であります。これに対して全面的な措置をとってもらいたいのですが、どうでしょうか。
  261. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 私も、この問題はなかなか簡単な問題じゃない、かように思っておりますし、これは零細漁民の死活の問題だ、かように思って交渉さしたのであります。しかし、交渉は結果的に見まして不調に終わった。全体の交渉を見て、ソ連ではこれが中心だったのです。中心であれば、そういうような対策をわれわれは立てなければならない。だから、抱卵ニシン三万、あぶらニシン二万トンという、こういう過去の数量についても、妥協するような気持ちも多分に持って交渉に当たったのですが、それが成功しなかった。全面的にとにかく排除された。したがってこれから勉強ですが、在来のしかたでなしに、これから、やはりこれはサケと同じように人工ふ化その他のことも考えてしかるべきじゃないだろうか、かようないろいろの方法を考えるべきだろう。だから、基本的にはやはり漁業調査が基礎になります。  しかし、そんな基本的なことは政府でやれ、しかしおれたちの生活はどうしてくれるんだ、こういうのがいまの零細漁民の気持ちだろうと思いますので、根本的な対策もさることだが、短期的にただいま当面しておる問題、先ほどお話しになりましたように、修理はした、あるいは特別な前金は払って労働力も確保した、そういうものは一体どうしてくれるか、こういう問題もあるだろうということで、その実態についての実情を十分農林省で調査して、しかる上で対策を立てよう、こういうのであります。そして、それについてただいま御指摘になりましたように、どうしても政府が対策を立ててくれなければ強行出漁、そこまで決意している。こういうようなほんとうに差し迫った気持ち、追い詰められた気持ち、これもわからないではございませんが、しかし、外交交渉の結果かような結果になって、最初から全然われわれが中小業者の立場を無視して交渉した、こういうことではなしに、その点を十分にわかっていながら、どうもカニ交渉だけやっていると、そのカニ交渉の犠牲になったとか、あるいはサケ、マスの犠牲になったとか、こういう中小企業の方々の気持ちがあるだろうから、全力をあげてくれろ、こう言ったので、それらの点はもう理解してくれておると思います。したがって、あとの対策、これをことし何とか早い目に実情に則した対策を立てる、こういうことでありたい、かように思っております。  そこで、あまり強行出漁とかいうようなことにならないように、どうか中小企業の方々も漁労の方々も、政府の苦しい立場にも理解があって、円満に、国際問題にならないようにこのままでひとつ進めていただきたい、御協力願いたい、かように私は思う次第であります。
  262. 浅井美幸

    ○浅井委員 では、この問題はこれでおきまして、YS11の問題でありますけれども、日本航空機製造株式会社が中型輸送機、すなわちYS11を米国等に販売した際に、販売の実績をあげなかった米国の代理店に十六億余円の手数料を支払った事実がございました。過日のこの決算委員会において取り上げられ、このようなずさんな販売契約も重なって、日航製が現在までに百五十四億円の累積赤字を計上しております。赤字に対する会社首脳部及び政府は、国民に対してどのような責任を感じておるのか。すなわち、いわゆる日航製というのは、国策会社として生まれて、国産機をつくるということではなばなしく宣伝された。しかしながら、親方日の丸という財政措置によってこのような赤字が生じておる。これらについて、政府としてどのように責任を感じておるか、あるいは日航製の赤字処理問題についてどのように検討されてきたのか、また抜本的な経営改善対策についてどのような考えを持っておるか、総理と通産大臣にお伺いしたいと思います。
  263. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 昭和四十一年当時、日航製が初の国産機を米州に売りますために、ふなれもあり、またあせり等もあるような点もございまして、万全でない契約、ことに解約の手続について万全でない契約を結びました結果、会計検査院の指摘するような不当支出となりましたことは、まことに遺憾でございます。私ども監督の責任のある者として申しわけないことに考えております。会社側に不正があったのではもちろんございませんけれども、やはり契約等についてふなれ、万全でなかった点がございましたことは認めざるを得ません。  そこで、航空機工業審議会の中に日航製の経営改善委員会というものを設けまして、累積赤字がどのくらいであるか、それをどのように処理をするかということにつきまして、ただいまここ数カ月の間検討を続けております。結論がまだ出ておりませんけれども、見通しといたしましては、ともかくYS11の仕事を最終的に手じまいをいたしますまでの欠損額を、まずほぼ推定をする必要がございます。その後に、それを株主、債権者等々の間にどのように負担をしてもらうかという問題をきめてまいらなければならないわけであります。その結果によりまして、日航製というものを、将来に向かってわが国の航空機製造のにない手として新発足させるか、あるいはまた別途の方法を考えるか、これはいずれにいたしましても、間もなく経営改善小委員会の結論が出ますので、それをまちまして決したいと思っております。
  264. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 ただいま通産大臣から申しましたが、まず最初に、監督の衝にある政府といたしまして、まことに私は遺憾であり、残念でたまりません。ことにYS11、発足した当初におきましては比較的評判がよかった。そういう飛行機ができるようになったか、かような評判まで持っていたもの、それがただいま御指摘になりましたように、非常な不始末があった、そういうようなことで赤字もだんだんかさんできた、これは意外な結果になっている、かように思います。まことに残念しごくであります。  ただいま航空機工業審議会と申しますか、そこでいろいろ審査し、また対策も立てておる、かように思っておりますが、いずれにいたしましても、はっきりすることが、いま国民に対してもわれわれのなすべきことじゃないか、かように思っておるような次第でございます。
  265. 浅井美幸

    ○浅井委員 いまのお答えで大体いいわけですけれども、今後の問題としてYX開発計画等もしておりまして、このようなことが再び繰り返されるようであってはならないと私どもは思いますし、また、わが国の航空機産業の発展においても慎重に考慮してもらいたいと思います。いま航空機工業審議会のほうでいろいろと結論を急いでいるわけでありますけれども、総理としても、今後のわが国の航空機産業の発展のために一段と留意をされて、そしてこういうようなことのないようにお願いしたいと思います。  それから最後に、農林省所管の国有林野事業特別会計所属の林産物品売り払いということであります。これは「林野庁上松運輸営林署において、林産物品を一般競争契約によって売り渡す際の入札の方法、経理処理等について、種々遺憾な点があったことが、過日の当委員会の審議の結果明らかとなった。  すなわち、同営林署においては、毎月定例日を設けて、連合入札によって売り渡しを実施している。この場合の入札書を契約担当官が、錯誤等の取扱いをして無効と判定した事例が多々あった。その無効とした入札書はすべて廃棄されている状況であった。  およそ、国民から信託された財産である国有財産、物品の処分その他公の経理を行なうにあたっては、経理行為の事蹟を国民の前に明らかにするため、適切に整理保存する必要があることはいうまでもないところである。  会計検査院が、計算証明規則第十七条で、すべての入札書を提出すべきことを定めているのも、落札者の決定が適正であるか否かを確認することを目的としているものである。  しかるに、冒頭において述べたように、無効とした入札書をすべて廃棄しているため、入札を無効として処理したものについて種々の疑惑を生じ、関係者が国民にその適確を立証する物的証拠が全くない状況になっている。」こういうことについて、いわゆる農林省所管でありますけれども、林野庁から一時的な経過措置として指示は出したのですけれども、農林大臣並びに総理、これに対してどのようにお考えですか。
  266. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいまお話しのございました上松運輸営林署の事件でございますが、お話しのように、一番札を無効として二番札を落札いたしましたのは、一番札が応札者の物件違い、計算違い等によるものと認め、無効の入札として処理いたしたもののようでございます。その結果、一番札については保存の必要がないものとして破棄いたしたようでありますが、このような入札に関する事務処理は厳正な取り扱いとは認められがたいので、今後はこのようなことがないように厳重に処置いたしてまいりたいと思いますし、また、そのことを十分当方より指令をいたした次第でございます。
  267. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 この上松営林署の事件というのは、聞けば聞くほど奇々怪々なものだ、かように思います。  ただいま農林大臣からお答えをいたしましたが、私自身も、かようなことが重ねて起こらないように、無効なら無効でも、そういう関係書類はちゃんととめ置いて、あとで説明がつくようにあるべき筋のものだと私は思うので、そういうものは無効だから最初から保管すべきものじゃないのでその責任なしと、かようなことでは、これは国民に対して申しわけのないことじゃないか、かように思います。十分気をつけまして、これから同様なことが起こらないように十分気をつけてまいります。そればかりではなく、この営林関係については、払い下げについていろいろとやかく言われておる際でありますだけに、一そう徹底するように私自身も十分気をつけたい、かように思います。
  268. 浅井美幸

    ○浅井委員 以上で終わります。
  269. 濱野清吾

    ○濱野委員長 吉田賢一君。
  270. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 総理に伺いますが、きょうは決算の締めくくりの質問の日でございますので、ひとつ総括的に日本の財政運営のあとを顧みまして、基本的な問題点について、大事な点だけ二、三伺ってみたい、こう思います。  かねて自民党の川島副総裁が在世中、たぶん昨年九月二十一日ごろかと思いますが、例の行政改革につきまして一つの試案を発表されたようであります。この試案は、かなり賛成者もあったようでございました。けれども、その後一般には杳として消息がわかりませんですが、これは現在なお検討でもされておるのでしょうか。ちょっとその点を一点明らかにしておきたい、こう思うのであります。     〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
  271. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 行改整理、行政の簡素化、そういうような問題と同時に定員の問題二つがあるわけであります。片一方の定員のほうは、いま総定員法ができておりますから、そこで総定員法の範囲内における融通というか、積極的な増員はそのほうで片づけるという基本的な方針があります。また、機構も新しくつくるということについては、万やむを得ないものだけに限る、こういうことであります。最近公害の関係で環境庁をつくった。これは最も大きな問題ですが、これあたりも皆さんの賛成を得てできたのであります。別に皆さんに責任を分けるという意味じゃございませんが、とにかく時勢の必要からそういう制度を設けた、こういうことでありまして、総体といたしましては、川島さんの考え方、それが生きておる、それを貫いてただいまも守っておる。また権限の分配あるいは許認可事項等も、積極的に整理の方向で取り組んでおる、かように御理解いただきたいと思います。
  272. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 川島さんの提案せられた非常に大事な骨子といたしましては、現在の行政が各行政機関の分担管理のたてまえになっておるようでありますが、ところが、社会の進展等に伴いまして行政の需要の内容が非常に変化を来たしておりまして、この変化、複雑化したのに応じるというためには、どうしてもそこに相当問題を明らかにせにゃいくまい。要するに、従来も指摘されたとおりでありますが、各省には、言うと言わずと、相当セクショナリズムがございます。各省の大臣は同時に長官でもあります。したがいまして、長官の立場でものを言われる。長官のお立場は相当強く御主張になる。しかし一方、内閣の閣僚といたしまして大臣の責任もおありになる。とかく各省の長官の立場にとらわれがちでないだろうか。これはいろいろな原因もあるでしょうけれども、任期が短いということもありましょう。そういう点につきまして、これは非常に大きな弊害のもとになる。  たとえば、いま高度成長に伴いまして、社会のひずみといわれておりまする公害、物価問題、交通問題、教育等々の問題にいたしましても、やはりこれは私も申し上げましたように、行政改革というものと伴っていくのでないと、なかなか実現、実行は困難な問題が多いんでないだろうか、こういう点。そこで川島さんといたしましても、内閣の、行政権の主体でありまする内閣総理大臣の統率下の各省の総合調整機関というものを一そう強化する必要があるんではないだろうか。専任大臣を置いてもよろしい。そのもとに一種のシンクタンク的な役割りを持つ事務官も必要であろう、こういうふうに、そこの総合調整機関を強化する必要があるのじゃないか、こうおっしゃっておられます。  これは私どももかねて主張した面でございまして、この点を相当思い切って前進さすというのでなければ、そしてそれは名前は長官であろうと、またそれが主管大臣になろうとそうでないとは別といたしまして、いずれにいたしましても、総理大臣としまして、統轄、統制の実をあげ得る重要機関としてこれを置く必要があるんじゃないであろうかと強く主張しておられたのですが、この点につきましては、この際に明らかに、もしできますれば御答弁をいただいておいたらと思います、方向づけでありますので。     〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
  273. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いま吉田君自身の御意見の中にもあったように、いまの大臣の任期が短いということ、これがやはり官僚が同時に先生であるが、その官僚に長官が振り回される、こういうことになる一つの原因でもあるんじゃないか、かように思います。やはり国務大臣は国務大臣らしく働けばいいが、同時に行政の長である、そういう意味でようやく仕事になれたころにかわるということでは、勉強だけが大臣だ、こういうことでは、いま言われたようなことにならない。比較的現在の閣僚諸君は、もう相当任期が長いというか、したがいまして、大臣らしい働きをいましてくれている、かように私は考えておりますが、そういう点が一番の欠陥ではなかったろうか、かように思います。  これらの点も、よほど気をつけていかなきゃならない。同時にまた、気分を変えるというか、こういうことも必要だろう、かように思いますので、そこらが適当に組み合い、かみ合って初めて仕事らしい仕事ができる。だから、ただいま吉田君の御指摘になりました点は、十分われわれとしても気をつけていかなきゃならぬ、かように思います。
  274. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで、やはり行政を運用するものは、申すまでもなくこの担架者はすべての公務員でございますので、勢い公務員のあり方、姿勢、公務員の憲法並びに法制等々からくる持たされた責任、これを完全に果たし得るということは、上は大臣から下は一般の公務員に至りまするまで、非常に大きな課題になると思うのです。そのほうが、極端に言うなら能率があがるというようなことでありましたら、これはせっかくの膨大な組織も功を奏しない、こういうことになります。ただし、そうかといって、公務員制度の改革というとすぐ首切りにつながるといった誤解も、世間でないではございません。私の申し上げるのはそうではないのでありまして、やはり公務員は公務員として、ほんとうに魅力とそして働きがいのある場、働きがいがあり、魅力があり、将来の希望も持ち得る場である、人生である、こういうふうな立場になるということができましたならば、公務員の志望者は戦前もしくは以前と同じようにだんだんとふえていくと思うんです。特殊なエリートコースのみが公務員で大きな幅をきかすことになりましたら、全体の成果はあがりませんです。これはたいへんなことでございますので、すべてがそういうふうにならなければいかぬ。したがいまして、職場に働きがいを与えるという、こういう対策をどうすればいいのか。それからまた、幹部諸君などにおきましても、一括して採用するという手はどうだろうか。これは、一つは天下りの原因をなくするということにも通じます。同時にまた、後々の行動につきまして、モラルの低い公務員、ばらばらになって断層がある、これも避けることができるだろう、こう思いますので、そういうことにも通じます。もう一つは、民間の企業筆に比較いたしまして劣らぬところの内容を公務員に与え、待遇もしなければならぬ。また退職後の生活の保障であるとか、信賞必罰であるとか、あるいは適当な任務につくという配置ですか、そういうことも必要であるというように、一括いたしまして公務員制度につきましても大胆に再検討していく、前向きに再検討していく、これがあなたに課せられた一つの大きな使命であるのではないか、なくなられた川島さんの魂をほんとうに入れていくことになるのではないだろうか、日本の前進のためにも、七〇年代の一つのあかりを与えるゆえんではないか、こう思いますが、この点いかがでしょうか。
  275. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 総理大臣は前歴も官僚出身だ、同時にまた、現在は行政の長、官僚の一番最高の地位だ、こういうような意味でいわゆる行政官、それをどういうようにしたら働きがいがあるようになるか、それを考えろ、こういうお話です。  しかし、日本の場合にどうも官僚独善ということばで批判され、いつも官僚は行き過ぎるという――閣僚でも、かつて官僚だった者、これはやはり特別な地位のように考えられている。どうも官僚内閣というようなことばまで出ております。どうもそこらにも、いまのお話を聞きながら、みんな吉田君と同じような気持ちになってくれると、官僚に対しても非常な理解が深まるのではないだろうか、そうなると、みんな働きがいができるのだろう、かようにも思っていまのお話を聞いた次第であります。  とにかく、いずれにいたしましても国民にサービスする、それが公務員の仕事だ、その点にやはり徹すること、さようにならなければ、ほんとうに国民のための公務員ということにならぬのじゃないだろうか、そうなったときに、初めて役所の能率もあがり、国民からもいい役人がいた、こういうことにもなるのじゃないだろうか、かように思います。そこらに、これから見るところ、見方を変えてもらう。ましてやわれわれのように、かつて公務員であった、こういう点から、おれは公務員の出だから一そう公務員については何でも話ができるのだ、こういうような立場で、いま言われたような点を、ほんとうに公僕としてそのつとめをすることができるようにこの上とも努力したいものだ、かように思っております。
  276. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから行政並びに財政を改革する。行政は、裏を返せば財政に通じ、財政は、同時に行政によって管理、運営されていくのでございますから、行財政はうらはらの関係だと思います。行財政の合理化推進というような趣旨に従いまして、これはやはり総理を頂点としまして相当有力な機関を総合いたしまして、これが合理化推進本部を設ける、こういうふうにいたしましてこれを推進していく、各省ともに集まっていく閣僚協議会から、さらに強化したものになっていく、一つの実行、提案する団体になる、こういうふうにあってしかるべきではないか、こういうふうに思うのですが、この点いかがでしょう。
  277. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 いま吉田君から具体的な提案がございました。本来そうあるべき、そのための次官会議あるいは関係閣僚協議会等々の会議を持っております。持っておりますが、なかなかそういかない。また、総務長官なども、そういう意味で各省の連携を緊密にするように努力はいたしております。しかし、やはりそれぞれの役所にはそれぞれの役所かたぎがありますし、そういうものを打破しないと最近の要請にはこたえ得ないのではないだろうか、かように思っております。  しかし、せっかくただいま具体的な御提案がございましたので、いまやっておりますいろいろの各種協議会の上に、その種のものが必要なのかどうか、十分ひとつ検討することにしたいと思います。
  278. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで、一方におきまして、国政の運営は国会につながりますし、財政の監督権もあるし、国会議員はそれぞれ立法権を持っておるわけでありますので、国会における審議の高度化、あるいは立法、情報などどう利用するかという体制を充実していく、これが非常に大事だろうと思います。いまのところ各調査会、委員会等々におけるそれぞれの任務を持っておりますけれども、同時にまた国立国会図書館もありますし、非常に有能な人がみなそれぞれとおるわけでありまして、広範な客観的資料もあるわけでありまして、アメリカあたりのように、必要とあるならば東洋にまで行って調査をする、そうして政党あるいは議員の要請に応じて資料を提供する、こういうことになりますので――たとえば、一般にわれわれが審議する資料にいたしましても、国会自身が資料収集をすることは、いまの段階ではなかなか困難でございます。したがいまして、それぞれ諸官庁に資料要求をするというのが実情でございます。これは主客転倒だと思います。さにあらずして、国会みずからが、審議機関といたしまして独立してみずから資料を持っておる、こういうふうにしなければほんとうの審議の体制が整わぬ、こう思うのであります。それにはやはり行政及び財政の執行につきまして、絶えず情報がキャッチされなければいかぬ。国会で、しかるべきところで、あるいはまた財政につきましては現在の大蔵省、あるいは行管等にも、そういうふうにいたしまして、そこでそれぞれと集め、分析していくということになるのではないか、そういうふうにしていくのではないか、こう思います。これが一点でございますが、これは国会の関係であります。  そこでこの際、時間の関係もありますから、もう一点ぜひ伺っておきたいのでございますが、その点が行財政改革の点――もっとも財政改革はこの際触れません。これはまた別の機会にいたします。  そこで、いま私が朝から問題にしておりましたのは物価問題でございますが、これは物価問題中心にしておりましたけれども、経済第一主義という現在の物価に対する考え方、とらえ方、したがいまして生産第一主義、こういうことになるのではないだろうか。同時に、こういう考え方で物価を考えていきますということになりますと、勢いGNP優先主義は脱却できません。経済第一主義を脱却することなく、ほんとうの物価問題の考え方、とらえ方、結論はあり得るだろうか。言うならば、もっと広い意味におきまして精神的な面、あるいは文化的な面、教育とか福祉とか、そういう面を広く取り上げていくことは困難ではないだろうか、こう思いますので、経済第一主義から脱却する、そうして一億総経済アニマルにならぬように、個人的な欲望、そういうものを充実することをもって終始するというような一種のアニマル的な企業家心理にとらわれぬようにしなければいくまい、こういうふうに考えるのであります。したがいまして、内閣総理大臣といたしまして、施政演説にも物価問題その他が非常に重要であることをお述べになっております経済第一主義という考え方から脱却いたしまして、新しい日本人の将来を展望したところの、ほんとうの精神文明的な面をさらに強調する、日本人としての国民的なモラルは何かというものを強調する、そこに立脚いたしまして、福祉あるいは教育、新しい文化の創造というところから人の健康が守られ、教育を充実していく、私はこういうことになっていくのではないかと思いますので、こういう考え方につきまして、施策の基本姿勢としてこれをお持ちになるということが非常に大事なことではないか。したがいまして、これがまた四十三年のみならず、毎年の決算のあとを顧みましたときに、私どもが反省すべき一つの立脚地になるのではないか、こういうふうに考えますので、その点について強く御要請もしながら御所見を伺って、私の質問を終わります。
  279. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 ただいまの御意見、しごくもっともだと私思います。  ただいま、いわゆる経済第一主義あるいは生産第一主義、こういうものはもうすでに私どもは清算した、かように実は思っておるのです。生産第一主義は清算した、いわゆる福祉なくして成長なし、そういう発言をしておりますので、単純な経済、あるいは生産第一主義、こういうものはいま考えておらない。また政治そのものも、高度の政治という点から、御指摘になりましたように、精神の面を取り上げなきゃいかぬ、あるいは教育の問題さらにまた福祉の問題にいたしましても、さような方向にわれわれが力をいたさなければならない、かように実は思っております。  したがいまして、ただいま発言された事項、これは方向として私も賛成でありますし、具体的にわれわれが今後、ただいま御指摘になりました点――どうも約束はするけれども、そのままやっておらないじゃないか、最初の川島君の所論にいたしましても不徹底じゃないか、こういうおしかりがございましたが、いまの記録に残りますから、それらの点もあわせて、十分実効があがるようにこの問題と取り組む、いわゆる生活の実態に触れていく、そこに今後の経済のあり方もあるのじゃないか、かように思いますので、いわゆる福祉なくして成長なしという観念に徹する考えでございます。
  280. 濱野清吾

    ○濱野委員長 華山親義君。
  281. 華山親義

    ○華山委員 時間がもうありませんので、簡単にお伺いいたします。  先ほど、今後の予備費の支出に関係がございますので、天皇の御外遊についていろいろ伺って、私、宮内庁に御注意を申し上げたこともあります。  私は、いま属している党は違いますけれども、教育を受けた過程、また長い間役人をやっていたというふうなこと、そういうふうなことにかんがみまして、皇室あるいは天皇に対するものの考え方は、根本的にはあまり違っておらないと思うのであります。その前提でお伺いするのでございますけれども、天皇が御外遊になりますというと、新聞、テレビその他を通じまして広く報道されまして、天皇に対する関心、天皇の地位に対する関心というものは国民に広まってくるだろうと思うのであります。  時たまたまそのころに、自民党の憲法調査会ですかが、憲法改正の要綱を研究した上で発表する、こういうふうに言っておるわけであります。その際にどういうことが出るのか私はわかりませんけれども、天皇の地位について何らかのことが出るということは、私は、ここに論議が集まって、現在の皇室に対するものの考え方に大きな影響を与えるのじゃないか、そういうふうに考えます。私は憲法第一条の規定というものは、きわめてよくできておると思う。とにかく天皇の現在の地位というのは、民族の長い間の伝統から出てきたところの総意に基づくものであって、形而上の問題、それを法律論で解釈はできないと思う。それにつきまして私が心配いたしますのは、何か民間に団体がある、その団体の会長は、元海軍大臣、海軍大将であります。その顧問は、戦時内閣の大臣であります。その会が過日発表したところの要綱によるというと、天皇の地位は、これは昔の憲法と同じで、天皇は国の元首であって、国政を総攪する、しかし、政治上の責任は政府が負うのだ。昔の憲法と同じだ。これについて、先ほど言った顧問の一人は、当然のことだと、こういうふうに言っておるわけであります。こういうふうなことから、自民党の側でそういう節の憲法改正要綱が出るようなことがありますと、私は非常に心配な事態を生ずるのじゃないかと思う。  それで、総理に伺いたいのでございますけれども、憲法の問題について、憲法第一条にどういう考えを総理は持っておるのか。また、総裁といたしまして、この憲法第一条を変えるようなことが出るということについては、心配すべきものではないのかどうか。その点を総理に伺っておきたい。
  282. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 華山君にお答えをいたしますが、いま陛下が外遊なさるという、これは初めてのことであるけれども、国民あげてお祝い申し上げる、そして御無事でお帰りになることをほんとうに国をあげて願っておるのじゃないか、かように私は実は思っております。これは華山君自身も、天皇制というものについて別にそう変わってはおらないはずだと、かように言われたその気持ちから申しまして、おそらく国民がひとしく御無事で御外遊なさるように願っておるのじゃないかと私は思っております。その事柄といわゆる憲法改正の議論と、これを一緒にすること、これはまことに残念だと私、思っております。  先ほど田中君からもお尋ねがありました。私は、自民党自身が基本的に自主憲法を持ちたいという主張はございますけれども、また、そういう意味からも絶えず検討しておること、これは御披露したとおりでありますけれども、しかし、この陛下の御外遊の機会に一つの案を出すとか、こういうことは、実はいま初めて伺ったのであります。そういうことはおそらくないだろうと思いますし、また、私の耳に入れば、総裁として、さようなことは時期にあらずとはっきり言うつもりであります。したがって、私はそれで事足りるのじゃないかと思っておりますし、また誤解のないように、こういう事柄で皇室に累を及ぼさないようにするのが私どもの心からの気持ちでありますから、この問題はもうそれで事足りるのじゃないか、かように思っております。  ただ、具体的に憲法第一条を一体どう思うか、こういうお話ですが、これはもうただいま憲法があり、そしてそれを変えなければならぬ、かように私は考えておらない、このことだけはっきり申し上げておきます。
  283. 華山親義

    ○華山委員 時間がないので簡単に申し上げましたので、誤解があるといけませんから申し上げますけれども、私は、天皇が御外遊なさることについて、かれこれ一つも申しておりません。総理と同じである。それから、天皇が御外遊になるから自民党が憲法改正の草案をつくる、要綱をつくるというふうなことを言っているのではありません。たまたま天皇に対する国民の認識が深まるようなときに、偶然ではございましょうけれども、自民党が天皇の地位についていろいろ論議をし、発表をされるということは、慎むべきことじゃないか、そういうふうなことを申し上げたので、総理の言われることと私の言っていることとでちょっと違うようでありますけれども、決してそういうことでございません。  申し上げますまでもなく、憲法第一条は、もう日本民族のどこからともなしに出てきたところの形而上の問題、この形而上の問題を政治という最も形而下の問題でものを考えるということは、私は禁物だと思っておるわけです。  それからもう一つ大臣に伺いますが、この間米価に対しまして、生産者米価をお上げになった。それで、そのときの新聞等を見ますと、総理大臣が施政方針で演説して、米価は据え置きの方針であると言ったのは、あれは予算の説明だ、こういうふうなことを言っているわけです。予算でああなっているんだ、こういうふうなことを言っている。その説明を総理がしたんだ。予算米価なんだからたいしたことはないんだ、こういうことを言われたと言われるのでございますけれども、あのときの総理の演説は、総合農政の一環として米価を据え置く、消費者米価も据え置く、こういうことを言われたんじゃないのか。単に予算の説明をなすったんじゃないと思いますけれども、いかがですか。
  284. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 華山君も米どころの御出身ですから、生産者の気持ち、これはよくおわかりだろうと思います。私どもその気持ちをそこなわない、また害さないで、そこで日本の米の需給調整をうまくやろう、これが趣旨でございます。したがいまして、施政方針演説では、米価の水準は据え置く、こういう表現をいたしております。昨年度は一体どうしたのか。これは二百三十八億やはり上のせをしております。したがいまして、今回の生産者米価を決定するのに、それがそのまま据え置きに入っただけでございます。これは私は当然のことだろうと思う。  何か言っておることに御疑問があり、あるいは生産者のお気持ちから申しまして、米どころの方で別な考え方でもありますか。あったら聞かしていただきたい。
  285. 華山親義

    ○華山委員 御質問ですから私お答えしておきますが、その点だけはなにしてください。私は考えるんですよ。農林大臣は、米が余っていてそれを調整をしようというときに、米の値段を上げるというふうなことは、何か――ですか、そういうふうにおっしゃった、ことばの問題ですから取り上げはしませんけれども。私は別に考える。とにかく買う米はきめた。減反をするものはきめた。そうしてこれが実現するであろうと、こう言っているわけです。それであるならば、農民の収入が減ることはわかっているんだから、それだったならば、米価はこれだけ上げますよ、ですからひとつ協力してもらいたいというのが、一つのものの考え方じゃないのか。私はそういうふうに考えている。どちらが――なのか、ひとつその点は問題があると思いますけれども。  ただ、私伺ったのは、総理大臣、まともに答えていただきたいのですけれども、政策を言っておるのではなくて、あなたの演説は、あれは予算説明演説かということです。そうじゃないでしょう。総合農政の一環として言われたんでしょう。それが新聞等の報ずるところによると、総理大臣の言ったことは、あれは予算のことを言ったんだ、こういうふうに言っているわけですね。そういうことであるならば、大蔵大臣の演説は要らなくなる。どうなんです。あのときは、大臣は予算の説明をなすったんですか、総合農政の一環としての方針をお述べになったのですか。
  286. 佐藤榮作

    ○佐藤内閣総理大臣 予算の問題は大蔵大臣が説明します。私は、いま言われるように、基本的な総合農政、これを展開すべきだ、このことを所信表明、施政方針演説でちゃんと言っております。
  287. 華山親義

    ○華山委員 農民の集まり、大会等におきまして、あれは予算米価だということを言っているのですね。総理大臣の施政方針演説は無視されていて、むしろ大蔵大臣のほうが上になっちゃっている。そういう国民を愚にするような、そういうふうなものの言い方というものは慎んでいただかないと、私は施政方針演説なんというものの値打ちがなくなってくると思うのです。――その点よくわかりました。  それから、もう一つ伺いますけれども、これは総理も聞いていただきたいのですが、先ほど農林省当局にお聞きいたしますと、ことしも二百万トンの米が余る。百万トンは、これは端境期に残った米として引き継いでいくそうですからこれは当然のことといたしまして、もっと多いと思うのですが、それは時間がありませんからやめますけれども、そうすれば、まず百万トンの古々米ができるわけです。  それで、この点はひとつ農林大臣に伺いますが、昨年は四月一日から前年度の米を配給した。その前々年の米は配給に入れなかった。ことしはいまでもまだ配給の中に古い米を入れている。どういう都合でこうなっているのか。国民に対してできるだけおいしい米を食わせようということが、米の需要を増すゆえんなんです。去年は四月から古米の配給をやめたのに、ことしはまだいつまでもやっている。どういうことですか。いつから全部新米にされますか。
  288. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 午前中事務当局からお答えいたしたと思いますが、四十五年には、御存じのように、年末に新米を配給してもらいたいという要望が各方面からたくさんございました。それもお答えいたしたと思いますが、結局毎年百万トンぐらいは古米を新米に混入して配給いたしておることも、御存じのとおりであります。したがって、ことしまだ古米が少し配給の中に残っております。というのは、いま申し上げましたように、配給の順序で月々の量が少し違うというだけでありまして、総体の量においては変化はございませんです。
  289. 華山親義

    ○華山委員 いつから新米だけにされますか。
  290. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 これはいまも申し上げましたとおりでありますが、十一月が六十万トン……。
  291. 華山親義

    ○華山委員 ことしはいつから新米だけに切りかえられますか。
  292. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 六月から全部新米にいたします。
  293. 華山親義

    ○華山委員 六月から――去年よりも二カ月おくれて、六月から全部新米にする。どういうことでございますか。六月というのは、米が悪質になるもう一番最後のときですよね。もう五月にもなったんだから、六月の、もうちょっと米が悪くなるときまで新米は配給しないで、それから配給するというのでは、少し不親切じゃないのか。これは私はおかしいと思うんですよ。どうせ古米が余るんだから、古米は古米として処理して、米全体の量は違わないのだから、できるだけ早く新米――いまじゃもう新米じゃないんです。それを六月まで延ばしておくなんというのは、少しどうかと思う。まあしかし、ぜひ早く新米を食わせてください。  それから、先ほど申し上げましたけれども、大臣はおいでにならなかったから申し上げますけれども、政府の管理している米の四分の一程度のものはやみ米なんです。そのやみ米はどこからくるか。これは農家の庭先で買うのもありましょうし、政府の管理米が流れていく場合もある。それで、米屋で売っている値段の高い順から言いますと、自主流通米が第一、その次が自由米、これはやみ米です。その次が配給米、東京ではこうなっておる。そういうふうに、食糧管理法がとにかくあって、米というものは政府で管理するというもとで、四分の一ものものがわけもなく流れておるというふうな実態、これを考えたら、政府がそれをきちっとしないで食管法改正だの、食管法の運用の改善だのと私は言えた義理じゃないと思うのです。その点についてはきちんとした態度をとってから、やり方をしてからやっていただきたいと私は思うわけです。この点、簡単でよろしゅうございますから、ちょっとおっしゃっていただきたい。
  294. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 いまお話しのございましたようなことも含めて、この運用を研究いたして、合理的にやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  295. 華山親義

    ○華山委員 次に、私も理事でたいへん責任があるのですけれども、理事のほうから御注意もありましたので、ちょっと外務大臣に伺いますけれども、今度沖繩返還について、日米の協定、これは条約になりますかどうですかわかりませんが、結ばれるわけでありますけれども、これにつきまして、佐藤・ジョンソン会談におけるところの外務大臣の説明と、それから国務次官のアメリカ新聞記者に対する説明が同じ日に行なわれたわけでありますが、これを読み合わせてみますると、いろいろな点で私は首をかしげることがある。日本は日本向けの放送ができるように、アメリカはアメリカ向けの放送をする、こういうふうなことは、日本の運命に関する重大な問題でもありますので、極力これはやめなければいけないんじゃないか、そういうふうに思うわけです。もし万一、両方がかってに放送ができるように文面をぼんやりさせておこうなどという意図でこの条約を結ばれては困る、また秘密協定等があっては困る。そういうふうなことを考えますけれども、外務大臣の御所見を伺っておきたい。
  296. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 沖繩の返還についての協定という名前になりますか、条約という名前になりますか、これはまだきまっておりませんけれども、いずれにしても、実質的に条約の形になる、これはもう明白でございます。  そして、私は共同声明の解釈に両方の違いがあるとは全然思っておりませんけれども、しかし、ただいま華山さんのような御疑問を持たれる向きもあるようですから、条約につきましては、これは両国の立法府で十分御審議をいただくことでもございますし、両国の条約の上においては、全然解釈の相違というようなことはあり得るはずのないように、念には念を入れて作成することにいたすべく、いま最大の努力をいたしております。  それから秘密協定というようなものは、全然予想いたしておりません。  以上、お答え申し上げます。
  297. 華山親義

    ○華山委員 一分だけ。お答えがなくてもいいのでございますけれども、ジョンソンの説明の中には、こういうことがあります。緊急の場合における核兵器の持ち込みのことにつきまして「それはたんに沖繩に関して適用されるだけでなく、日本本土南東部の米軍基地に関しても同様に適用されるのであって、」これからあとが重大です。「この点でなにがしかの変化があります。」こう言っております。「なにがしかの変化があります。」ということは、何かそこに日本の人にはわからない何かの約束があったんじゃないか、こういう疑いを持たざるを得ない。そういうふうなことのないように、ひとつ両方ともきちんと説明の合致するように、詳細の面についてもできるだけはっきりした条約――あるいは交換公文になるかもしれませんが、それはわかりませんけれども、そういう点には気をつけていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
  298. 濱野清吾

    ○濱野委員長 田中君から、法務大臣に一問したいという申し出があります。五分間これを許します。田中武夫君。
  299. 田中武夫

    ○田中(武)委員 実は総理にお伺いしたかったのですが、時間の関係でその点を省きましたので、法務大臣に御所見を承りたいと思います。  実は、現在最高裁がやっていることは、先ほども申しましたように、独善に走り過ぎているという感じを私は受けております。  そこで、最高裁裁判官には民間から学者だとか弁護士を起用いたしております。ところが、それ以外の裁判官、これはほとんど内部というか、判事補あるいは判事そのままを――今度は例外があったようですが、やっておるわけなんです。先ほども申しましたが、在朝在野法曹は車の両輪のごとく、こう言われております。しかも、裁判所法四十二条以下に裁判官の任用資格について触れております。それには、学者とか弁護士とか等等にも任用の道が開かれているわけなんです。したがって私は、もっと民間からの裁判官を最高裁以外の裁判官にも採用すべきではないか、このように思うのです。すなわちこれは法曹一元化の問題として論議されておりますが、この法曹一元化について実は総理の御所見を承りたかったのですが、時間的にやむを得なかったので、かわって法務大臣の御所見を承りたいと思います。
  300. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 法曹一元化の問題の一つとして、ただいまの御質問は、民間の弁護士をしておられる方々あるいは学者等の中から判事のほうに採用するような方法はいかがか、こういうことでございますが、実はこの問題につきましては、そういうような方法は、法曹一元化の問題として、かつて臨時司法制度調査会等がありました際にいろいろ論議に出たということは承っておりますが、それが実際問題としてどういうようなことに行なおうとする議があったのか、あるいは、それは議論に出ただけで実行に移すような段階までいっていなかったのか、この点については、私はまだ何も承知いたしておりません。しかし、その議論があったことは私も承知はしているのでございます。
  301. 田中武夫

    ○田中(武)委員 過去にこういう議論があったとかということでなくて、私はいま問題になっておる司法権の独立とかあるいは司法の危機とかいわれている問題の中に、多く、私に言わしめるならば、最高裁といいますか、あるいは司法部内の独善がある、こういうことなんです。言うならば硬直化した姿勢がある、それを直す一つとして法曹一元化の問題を提起しておるわけなんです。  しかも、先ほど申しましたように、裁判所法四十二条以下に、たとえば大学において三年以上これこれした者とか、あるいは弁護士だとか、こういった者がずっと列記してあるわけですね。一一申しませんが、各号に有資格者を書いております。そのことは、法律自体はそういうことを予定して書いておると私は思うのです。ただ、いままでのように、裁判官は判事あるいは判事補だけというような硬直したことを考えるならば、こういう裁判所法の規定は要らないと思う。そういうところから、今日こういう問題が起きているときにあたって、過去にどうあったかということでなくて、法務大臣、あなたは法曹一元化についてどうお考えであるかを伺っているわけなんです。しかも裁判所法は、そういうことを予定して規定がしてある。むしろそれが民主主義下における司法権ではなかろうか、こう思うわけなんです。
  302. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 お答えを申し上げますが、そうした問題について、判事補あるいは判事等を任用する場合、従来の手続から考えますと、やはり最高裁当局がそれを名簿に載せて、そうしてそれを内閣に出される。そうすると、内閣はこれを認めるかどうかという問題になってくると思います。ところが、その問題についていままで私の承知しております範囲では、最高裁でそうした方々を指名というんですか、名簿に載せて持ってこられた例を、私は実は承知しておりませんということをお答えしたのであります。
  303. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いや、大臣はそれについてどう思うかということです。
  304. 植木庚子郎

    ○植木国務大臣 一つの方法だと思います。
  305. 田中武夫

    ○田中(武)委員 まあいいでしょう。じゃ、どうも。
  306. 濱野清吾

    ○濱野委員長 これにて、昭和四十二年度決算外二件についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  307. 濱野清吾

    ○濱野委員長 昭和四十三年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしております。  これより議決案を朗読いたします。      議   決(案)   昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、同年  度特別会計歳入歳出決算、同年度国税収納金整  理資金受払計算書及び同年度政府関係機関決算  書につき、左のごとく議決すべきものと議決す  る。   本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効  率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り  返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、  依然として、改善の実があがっていないのは、  まことに遺憾である。  (一) 昭和四十三年度決算審査の結果、予算の効   率的使用等、所期の成果が十分達成されてい   ないと思われる事項が見受けられる。   左記事項は、そのおもな事例であるが、政   府はこれらについて特に留意して適切な措置   をとり、次の常会のはじめに、本院にその結   果を報告すべきである。   (1) 防衛庁において、昭和四十年度から購入    しているダッシュ(潜水艦攻撃用無人ヘリ    コプター)について、その開発供与国であ    る米国が予期したより低い性能及び不経済    等の理由から、一九六六会計年度限り新規    購入を中止したにもかかわらず、わが国は    これに即応して十分な調査を行なうことな    く、昭和四十三年度まで十四機を購入して    いる。なお、防衛庁は昭和四十五年度まで    に五機を購入し、更に三機の購入契約をし    ており、かくの如き措置は納得できないと    ころである。政府は、今後これらの調達に    ついては一層慎重を期すべきである。   (2) 政府管掌健康保険事業の財政の悪化をも    たらしたものの一つは、医療給付費の増加    であり、そのうち、薬剤費の増加は近年著    しいものがある。すなわち、医療給付費に    しめる薬剤費の割合は、昭和四十三年は約    四十%に及び、英国の約十一%、西独の約    十七%と比べてみてもきわめて高い。     これは、各種の新規薬剤が開発され、医    療面に投入されたためと考えられる。こと    に、注目すべき医薬品のなかには薬効を期    待し得ないものが多数に及んでいることが、    決算委員会に於ける学者専門家等参考人の    意見聴取によって明らかになった。     かくの如きは国民の生命と健康とに直接    かかわりをもつもので、まことに遺憾なこ    とであり、しかも、また、これら医薬品の    使用増加が、保険財政に大きな影響をあた    えておることにかんがみ、政府は、薬事行    政のあり方を再検討して、速かに適切な措    置を講ずべきである。   (3) 食糧管理特別会計の国内米は、昭和四十    二年度以降引続き大量の過剰米を生じてい    る。これを、このまま保有するときは、い    たずらに金利、保管料等の経費が増嵩する    ばかりでなく、品質も低下を来たすことに    なる。政府はこれらのことを考慮し、極力    その需要の拡大をはかり、一般原材料用、    飼料用など食用以外の他用途への処理を急    ぐ一方、国内米の輸出の増大に努めるなど    して、食糧管理特別会計の損失をできるだ    け軽減するよう一層の努力を行なう必要が    ある。   (4) 国有林野事業特別会計の林産物品を各営    林署が競争入札等で売り渡す場合、業者間    にいわゆる談合なるものが行なわれ、営林    署がこれに介入している疑いをいだかしめ    る事例がみられる。また、保管すべき証拠    書類を廃棄したなどの悪質な事実もある。    例えば上松運輸営林署の失態の如きその一    例といえる。     今後この種の国と民間との契約等につい    ては、いやしくも国民に不信感を与えるこ    となく、国の利益を保持し得るよう厳粛な    態度でのぞむべきである。   (5) 日本航空機製造株式会社が、中型輸送機   (YS-11)を米国等に輸出するに際し、    全く販売の実績をあげなかった米国の代理    店に十億余円の販売手数料を支払った事実    がある。この手数料の積算と手数料の一部    として引き渡した中古機の評価等の根拠も    明確とは認められない。今後、販売代理店    契約の締結に当っては、事前に十分な信用    調査等を行ない、慎重に対処すべきである。     なお、同社は、現在までに百五十四億余    円の累積損失を計上しているが、これは、    当初の見通しに反し、製造原価の増大など    のため、多額の借入金に依存してきたこと    などに主な原因がある。     政府は、速かに、同社の長期経営方針を    確立するとともに、当面、適切な対策を講    じ、もって、わが国航空機工業の健全な発    展をはかるべきである。  (二) 昭和四十三年度決算検査報告において、会   計検査院が指摘した不当事項については、本   院もこれを不当と認める。    本院は連年、政府に対して不当事項の根絶   について、注意を喚起してきたのであるが、   同様の事例が跡をたたないのはまことに遺憾   である。    政府は、これら指摘事項に対し、それぞれ   是正の措置を講ずるとともに、行政管理庁の   勧告等を尊重して、制度、機構の改正整備を   はかり、綱紀を粛正して、今後再びこのよう   な不当事項が発生することのないよう万全を   期すべきである。    また、会計検査院は、検査を行なうにあたっ   ては、厳正を期するとともに、機能の拡充、   強化に努めるべきである。  (三) 決算のうち、前記以外の事項については異   議がない。   政府は、今後予算の作成並びに執行にあたっ  ては、本院の決算審議の経過と結果を十分に考  慮して、財政運営の健全化をはかり、もって国  民の信託にこたえるべきである。以上でありま  す。     ―――――――――――――
  308. 濱野清吾

    ○濱野委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。高橋清一郎君。
  309. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま委員長御提案の昭和四十三年度決算議決案に賛成の意を表示するものであります。  昭和四十三年度の決算は昨年の三月本委員会に付託され、同年の五月以来、各省庁及び政府関係機関等につき順次審議を続けてまいり、是正改善を必要とする事項については、そのつど政府当局に善処を求め、また委員長からも要望、警告を発してまいったものでありますが、特に防衛、厚生、農林、通産等の各省庁等において予算が効率的に使用されず、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられることは、まことに遺憾であります。  また、会計検査院の指摘による不当事項は、昭和四十三年度においても百八十二件、十二億六千万円にのぼり、件数において減少はしておりますが、金額においては多少昨年を上回り、依然としてそのあとを断たないのはまことに遺憾と存じます。これらについて、政府は本委員会における決算審議の経過と結果を十分に考慮され、それぞれ適切な是正措置をとるとともに、その根絶を期されるよう要望するものであります。  また、最近の動向として、公務員の綱紀の乱れがますます多く、日々の新聞等に報道されるものは枚挙にいとまがない状況であります。公務員の姿勢の乱れは行政の不信を招くことにもなるのでありますから、政府においては、綱紀の粛正につき格段の注意を払われるよう要望いたしまして、ただいまの議決案に賛成の意を表する次第であります。
  310. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、華山親義君。
  311. 華山親義

    ○華山委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま委員長から提案されました議決案につき、賛成いたしかねる旨を申し述べたいと存じます。  議決案は、(一)において、政府に対し特に留意して適切な措置をとることを求めた諸事項をあげてありますが、社会党は賛成であります。これらにつきましては、政府は誠意と勇断をもって実現されるよう特に要望いたします。  (二)において、議決案は「会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。」とありますが、これは明治憲法以来の決算委員会の審議は、重点を会計検査院の報告に置かれたものであり、きわめて重要な項目と思われます。しかし、会計検査院の実地検査は全部にわたるものではなく、抽出検査であって、検査院の報告は不当支出の氷山の一角ともいえるのであります。したがって、この議決は、決算については全部として是認しないものであることを意味するものでありまして、賛成であります。  日において、「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」とあることについては、賛成いたしかねます。  今後、四十三年度の決算についていかなる不当の事項が出るかもしれない。これを今日「異議がない。」とすることは、将来の審議を拘束することになります。また、決算の中には、わが党が四十三年度の予備費につき承諾を与えることに反対した数項目も入っておりますから、この点からも反対せざるを得ないのであります。  また、政府に対する要望事項については、(一)に掲げられたものに尽きるものではありません。たとえば、政府の地価対策は不十分なものであって、このことが地方及び公団の住宅建設にそご、渋滞を来たし、公共事業は用地費が多額にのぼって実質的な効果が低下していることは決算上明白であり、政府はすみやかに予算の効率をあげる点からも、土地政策に勇断をもって臨むべきであります。  また、国有地の払い下げられたものが、所期の目的に使用されることなく、その後間もなく数十倍の価格をもって別荘地として売却されている事実は、土地利用の変遷に順応する行政措置を欠くものとして是正さるべきであります。  また、新四ツ木橋橋脚工事の労働災害について、建設省の調査団は不可抗力の結論を出したのに対し、警察当局は過失があるものとして送検し、さらに証拠隠滅の疑いで送検している。これは建設省の労働災害に対する認識の低いことを示すものであって、十分反省さるべきものであります。  また、米の食管制についても、いわゆる自由米が多量に流通し、米の管理はしり抜けであって、これを放置して食管法の改正や運用を論ずることは無意義であって、まず食管法による食糧の管理を完全に行なうことを強く政府に求めたい。  わが党はこれらを要望するものでありますが、政府に対する要望中には今年は入っておりません。これらの点から「前記以外の事項については異議がない。」とすることについては、直ちに賛成しがたいのであります。  この(三)の項目に賛成いたしませんので、議決案の全体については反対の立場をとるものであります。
  312. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、鳥居一雄君。
  313. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算外三件に対し、不承認の意を表明し、以下そのおもなる理由を述べるものであります。  ただいま委員長より朗読されました議決案のうち、第三項の「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という点については、第一項、第二項の指摘事項以外にも数多くの問題点があったことは容易に想像され、議決案は、その一部代表的なものを指摘したにすぎないのであります。  しかも、四十三年度決算審議が終了したとしても、限られた審議日程の中において、各省の全支出項目にわたって審議したのではなく、また将来において指摘事項が起こらないとは限りませんので、この項の「異議がない。」という議決案につい  ては、承認することはできないのであります。  第二に、会計検査院の指摘した不当不正事項についてでありますが、会計検査院の報告によれば、昭和四十三年度決算の結果、不当事項は、収入関一係で五十件、約八億四千九百万円、支出関係で百二十七件、約三億八千五百万円、不正行為五件、約二千五百万円、合計百八十二件、約十二億五千九百万円が指摘されております。  当決算委員会において、不正不当が起こらないように、毎年注意し喚起しても、一向に改まらず、増加している現状であります。  なお、会計検査院は、憲法及び会計検査院法に基づき、独立機関として財政監督のお目付役である以上、検査を行なうにあたっては厳正を期し、今後、不正不当事項が起こらないよう厳重にチェックし、検査実施を拡大し、予算の執行が効率的に使用されるように、なお一そうの努力を払うべきであります。  第三に、高級公務員の天下り人事の規制についてであります。公務員は、すべからく国民の奉仕者であり、国民の負託にこたえ、厳正公平に職務を遂行しなければなりません。にもかかわらず、高級公務員が汚職事件を起こしたり、また、在職中に密接な関係にあった営利企業へ天下りする例が多いのであります。  営利企業へ就職する公務員の承認件数は、昭和四十三年に百三十七件、昭和四十四年百七十七件、四十五年百九十三件とメジロ押しに増加し、四十五年度においては、人事院の承認制度発足以来最高の承認件数となっているのであります。そのため、公務員の私企業からの隔離を国家公務員法百三条の規定で定めているのであります。つまり、職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた国の機関と密接な関係にあるものにつくことはできないと規定しています。ただし、天下りが認められるのは、各省庁の長の申し出により人事院が承認したものに限られているのであります。  天下りの規制をチェックする人事院の承認制度は、過去五年間の本人の在職ポストと私企業との関連か深いかどうか、審査するだけで、役所と企業との密接な関係まではチェックされていないのであります。高級公務員か営利企業へ天下りすることについては、憲法で保障されている職業選択の自由、勤労の自由など、基本的人権を侵害しようとするものではないのでありますが、天下り横行の弊害は、役人が将来の天下りを見越して企業に密着し、しばしば情実関係か生まれてくるといわれています。また、特殊法人への天下りも増加してきております。国民の強い批判にこたえるためにも、内閣及び人事院は、天下りの審査を厳格に行ない、国民の疑惑、不信を招くことのないようにすべきであります。  第四に、国有林野事業特別会計所属の林産物品売り払いか適正に行なわれていなかった点であります。  林野庁上松運輸営林署において、林産物品を一般競争契約入札によって売り渡す際に、当然落札となるべき一番入札者を無効扱いとし、二番入七者に落札せしめ、落札後において、その物件は、無効扱いになった一番入札者の手に渡っていたという不正入札と見られる事例が多数判明したことであります。しかも、無効とした一番入札書がすべて廃棄されているため、このような不正入札によって受けた国損が、はたしてどの程度の額になるのかさえわからないという実情なのであります。国民から信託されておる財産を処分するにあたっては、その経理行為の事績を国民の前に明らかにするために、すべての書類は適切に整理保存する必要があるのは当然であります。  このことは、会計検査院が定めた計算証明規則第十七条に、すべての入札書は、入札者の氏名及び入札金額を明らかにした関係職員の証明書を添付しなければならないことになっているのであります。したがって、無効とした入札書をすべて廃棄していることは、会計法二十九条違反及び計算証明規則十七条違反であり、また、契約担当官は、予責法第六条に抵触すると思われます。  今後、関係者が適正な入札方法と経理処理を行なうと同時に、農林省、林野庁においては、指導監督が不十分であったことを反省し、再び同種の事件が起こらないよう十分注意し、適切な措置を講ずべきであります。  以上、おもな理由を申し述べ、不承認の意を表するものであります。
  314. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、吉田賢一君。
  315. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいま上程の昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算につきまして、民社党を代表して以下数点を指摘し、その実行、実現を強く要請しながら、本案件に賛成します。  一九六〇年代の経済成長の時代は過ぎまして、七〇年代の福祉時代に入っております。こういったときに、ほんとうに均衡ある社会発展のためには、公害とか物価とかあるいは交通、教育、都市問題など、各方面におけるひずみを是正すべく、国民の要望、実態に即しましてこれが実現、充実を期さねばならぬことはもちろんでございます。そういった点をかんがみまするときに、経済は、これは国民の福祉と幸福に奉仕すべきものでありまして、もちろんその逆ではありません。したがいまして、人間中心の経済、人間中心の財政が行なわれねばならぬのが、これが七〇年代の財政の実態になるだろうと思います。この大きな反省に立ちまして、私どもは、国民福祉のために、政府もあるいは国会も国民とともに努力を傾けねばならぬ、こういうふうに考えるのであります。  こういったときに、われわれが直面しまするこの種の幾多の問題につきましては、行財政の改革なくしてはこれらの諸問題の改革はあり得ない。これほど重大な課題でありまするので、これはぜひとも勇断をもって行財政の改革というものに取り組むべきでないだろうか。この点は昭和四十年度の決算の国会審議の辞月頭から私はだんだん申し上げ、かつまた、幾多の審議の過程を通じましてみましても、それらの点につきましては、まざまざと現実にその実態を見る次第でございます。  こういう趣旨からいたしまして、私は、この機会に大きな反省をもって政府は行財政の改革にぜひとも乗り出していかねばなるまい、こう考えます。もちろん、財政面におきましては、かねてわれわれが主張し、また大蔵省、企画庁が中心になりましてそれぞれと調査、研究の課程にありまする例の事業別予算制度の導入と確立、PPBSの積極的導入、こういう面を通じまして、公害、物価、消費者行政、交通・輸送体系の再編成等、それぞれとこれらの手法を通じまして、その適切なる政策の選定もして、そして国民の血税を大切に、効果的に使っていくという道を開くべきではないだろうか、こういうふうに考えるのでございます。  そこで、こういったことを実現するために、財政を総合的に掌握し得るところの情報管理のシステムの確立が必要ではないであろうか。各省庁におきまして、公社、公団、政府関係機関等、そういうものも電算機なども利用いたしまして、ネットワークで結んで、予算執行状況であるとか決算の状況などにつきましては、短時間にこれが実態を把握する。大蔵省は主計局において、あるいは別に設けるべき総合企画庁という仮称のものにおいて、あるいはまた検査院等におきましてこの情報を処理したり、分析して、そうして総合政策の立案、財政政策の立案、予算の編成、管理をしていく、そういったところに予算のむだづかい、あるいはまた綱紀素乱等の起こらない道が見つけられるであろう、こう考えるのであります。また、事務レベルにおきましても、大蔵省、検査院やらあるいは企画庁等におきましても、常設の研究委をもちまして、改善の計画にあたっていく。こういうような努力が必要でないか。  特にまた、反面におきまして、膨大な予算が流れていきます地方公共団体の財政状況、行政状況におきましても、同様に、自治省あるいはまたその他の機関におきましてこれが情報をキャッチするセンターを持ちまして、そしてそれぞれと委任事務は関係行政庁に指令したりあるいは報告を受けたりしながら連絡をとっていく、ことに地方財行政におきましては、赤澤大臣のときでありましたか、百人にアンケートを出しました。この行くえすらまだ明らかにならず、こういう次第でありますので、幾多の行財政の懸案がそのままになっていることを思いあわせねばならぬ、こう考えるのであります。  さらに、中央におきましての管理機構は強化しなければならぬことは、これはもちろんでございます。要するに、総理府を中心といたしまして、中央におきまして財行政の一切を総合的に指導する、あるいはまた、広い意味におきまして、管理するその体制を強化するということが、ばらばら行政、分断行政、財政の使い方、これを是正するゆえんの道が開けるんじゃないか、こう考えるのでございます。そうして、ここにおきまして、やはりあらゆる意味におきまして官民の有能なスタッフを集めまして、総合財政情報管理システム、これをつくりまして、性能の高い分析も行なっていくというふうにすべきではないか、こう思われます。  特に前回の四十二年度のときにもこれは強調したのでございますが、やはり公務員制度の改革というものは強く要請する次第でございます。要するに、これは公務員の整理問題ではないのでございまして、職場を生きがいのある場にしていくということが一つの大きなねらいでございます。また、十分にその成果をあげまして、国民の負託にこたえる、あるいは退職後の生活の保障であるとか、再就職の場を与えるとかいうことにつきましても、大手を振って世の中に出ていけるように、ただし、もとおったところの事業などへのくされ縁というものは断じて思い出すことをせず、公明正大に国民の立場また公務員の立場を理解し合うという政治の努力をしなければならないというふうに思いまして、新しく需要が複雑多岐にわたってまいりまする公務員の行政需要に対応せしめ、能力を発揮せしめることが必要ではなかろうか、こういうふうに考えます。  さらに、これと関連いたしまして、国会みずからもその姿勢を一そう正しまして、そして審議の能率をあげ、また組織につきましても反省をしながら、これらの問題の解決、あるいはまた諸般の懸案の解決についての体制の整備に当たるべきではないか、こう考えるのであります。  こういうようなことを、いずれも実現の方向に向かって、政府は勇断をもって一そう適切にその態度を是正するというぐらいな反省があってしかるべきでないか、こういうふうに思う次第でございます。そこで私はこのような問題点について提案をいたしました。  ただし、この場合に、わが国の決算制度は、申し上げるまでもなく、財政の運用は法律上有効なんでございまするので、これを否定いたしましたところで意味がないことになります。したがいまして、この場合、別の議案ならともかくといたしまして、使いました金の行くえにつきましては、これは無効ならしむる手段はございませんので、検査院の指摘する当、不当の趣旨をもっと拡大して解釈すべきだと思いますけれども、国会においてしばしば要請しております効率的使用につきましても、格段の注意をしていくということによりまして、国民の血税の行くえを明らかにして、大きな責任を果たしていくということが政府の責任のあるべき姿でないか、こう思いますので、そういう趣旨を明らかにいたしまして、私はそのゆえをもって賛成する次第であります。
  316. 濱野清吾

    ○濱野委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  317. 濱野清吾

    ○濱野委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決しました。  次に、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の両件について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに両件を一括して採決いたします。  両件はいずれも是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  318. 濱野清吾

    ○濱野委員長 起立多数。よって、両件は是認すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  319. 濱野清吾

    ○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  320. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、各国務大臣から順次発言を求めます。まず、福田大蔵大臣。
  321. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましては、これを尊重し、関係各省緊密な連携のもとに、万遺憾なきを期したいと存じます。ありがとうございました。(拍手)
  322. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、内田厚生大臣。
  323. 内田常雄

    ○内田国務大臣 ただいま御決議のありました次第につきましては、政府といたしましても、十分これを尊重して、今後善処をいたす所存でございます。(拍手)
  324. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、倉石農林大臣。
  325. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいま議決のございました食糧管理特別会計における過剰米の処理に関しましては、十分その御趣旨を体し、早期かつ計画的に行ないまして、食管経費の軽減につとめる所存でございます。  なお、国有林野事業特別会計における林産物の販売につきましては、平素から各営林署において厳正に実施いたしておるわけでありますが、今回、上松運輸営林署において入札事務処理に厳正さを欠きまして、御指摘を受けましたことは、はなはだ遺憾に存じます。今後なお一そう厳重に実施いたすよう徹底を期してまいりたいと存じます。(拍手)
  326. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、宮澤通商産業大臣。
  327. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、善処いたします。(拍手)
  328. 濱野清吾

    ○濱野委員長 次に、中曽根防衛庁長官。
  329. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 御決議の趣旨を尊重いたしまして、さらに慎重を期してやる所存であります。(拍手)
  330. 濱野清吾

    ○濱野委員長 以上をもちまして、各国務大臣からの発言は終わりました。  次回は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時六分散会