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1971-02-23 第65回国会 衆議院 本会議 10号 公式Web版

  1. 昭和四十六年二月二十三日(火曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第七号   昭和四十六年二月二十三日    午後二時開議  第一 預金保険法案(内閣提出)  第二 貸付信託法の一部を改正する法律案(内   閣提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  北陸地方開発審議会委員の選挙  日程第一 預金保険法案(内閣提出)  日程第二 貸付信託法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  自動車重量税法案内閣提出)の趣旨説明及び質   疑    午後二時五分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  北陸地方開発審議会委員の選挙
  3. 船田中

    議長船田中君) 北陸地方開発審議会委員の選挙を行ないます。
  4. 加藤六月

    加藤六月君 北陸地方開発審議会委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
  5. 船田中

    議長船田中君) 加藤六月君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  議長は、北陸地方開発審議会委員に坪川信三君を指名いたします。(拍手)      ――――◇―――――  日程第一 預金保険法案(内閣提出)  日程第二 貸付信託法の一部を改正する法律   案(内閣提出)
  7. 船田中

    ○議長(船田中君) 日程第一、預金保険法案、日程第二、貸付信託法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
  8. 船田中

    ○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。蔵委員長毛利松平君。     ―――――――――――――   〔報告書は本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――   〔毛利松平君登壇〕
  9. 毛利松平

    ○毛利松平君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、預金保険法案について申し上げます。  この法律案は、最近における銀行預金の大衆化の進展、経済の国際化に伴う経済環境の変化等の事態にかんがみ、預金者保護に万全を期するため、預金保険の制度を創設しようとするものであります。  すなわち、第一に、預金保険事業を行なう法人として、預金保険機構を設立する道を開くこととし、機構の資本金は、政府、日本銀行及び民間金融機関の三者がそれぞれ同額の出資をいたしますが、このうち政府出資については、四十六年度予算において一億五千万円を計上いたしております。  第二に、預金保険の対象となる金融機関は、普通銀行、信託銀行、長期信用銀行、外国為替銀行、相互銀行、信用金庫及び信用協同組合とし、保険金の額は、預金、定期積み金、掛け金並びに元本補てん契約のある金銭信託及び貸付信託について、各預金者ごとに合算した額としております。この場合、一般大衆預金者の保護という制度の目的から、一定額を限度とすることといたしております。  また、金融機関の納付する保険料については、金融機関の期末の預金残高を基礎とし、機構が大蔵大臣の認可を受けて定める料率により計算することといたしております。  本案は、去る二月五日政府より提案理由の説明を聴取、同十七日質疑を終了し、同十九日採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しましては、信用協同組合の検査、監督の充実、保険料を貸し出し金利の上昇に転嫁しないよう要望する附帯決議を付することに全会一致をもって決しました。  次に、貸付信託法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、  第一に、最近における産業構造の変化、資金需要の多様化に伴う国民経済的要請に即応するため、個人の住宅建設などのためにも融資を行なうことができるよう、資金の供給先に関し所要の改正を行なうこととしております。  第二に、貸付信託の信託財産の運用方法は、現行法では、運用上生じた余裕金等を除き、貸し付け及び手形の割引に限られておりますが、支払い準備の充実等に資するため、これに有価証券の取得を加えることといたしております。  本案は、去る二月五日政府より提案理由の説明を聴取、同十七日質疑を終了し、同十九日採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対しましては、個人、中小企業等に対しても貸付信託資金が円滑に供給されるよう要望する附帯決議を付することに全会一致をもって決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  10. 船田中

    議長船田中君) これより採決に入ります。  まず、日程第一につき採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第二につき採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  12. 船田中

    議長船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  自動車重量税法案内閣提出)の趣旨説明
  13. 船田中

    議長船田中君) 内閣提出、自動車重量税法案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣福田赳夫君。   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
  14. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 自動車重量税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  政府といたしましては、今次の税制改正の一環といたしまして、道路その他の社会資本の充実の要請を考慮し、新たに自動車に対して、その重量に応じ、自動車重量税を課税することといたしたものであります。  まず、課税の範囲等につきましては、道路運送車両法の規定により自動車検査証の交付等を受ける自動車及び使用の届け出をして車両番号の指定を受ける軽自動車を課税物件として、これらの自動車等の使用者に対し自動車重量税を課することにいたしております。  第二は、税率でありますが、自動車検査証の有効期間が二年とされる自動車については、乗用車は車両重量〇・五トンごとに五千円、その他の自動車は車両総重量一トンごとに五千円、二輪の小型自動車は三千円とし、自動車検査証の有効期間が一年とされる自動車については、乗用車は車両重量〇・五トンごとに二千五百円、その他の自動車は車両総重量一トンごとに二千五百円、二輪の小型自動車は千五百円とし、軽自動車については、一回限りの負担として、三輪以上の軽自動車は七千五百円、二輪の軽自動車は四千円とすることにいたしております。  第三に、自動車重量税の納付につきましては、自動車検査証の交付等を受ける際に、原則として、自動車重量税印紙を所定の書類に張りつけることにより行なうことといたしておりますが、特別の事情のある場合には、国税の収納機関に現金で納付した領収証書を所定の書類に添付することにより行なうことができることといたしております。  なお、自動車重量税の収入額の四分の一は、市町村の道路整備のための財源として、自動車重量譲与税法案の成立をまって、市町村に譲与することといたしております。  以上、自動車重量税法案の趣旨について御説明申し上げた次第であります。(拍手)      ――――◇―――――  自動車重量税法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  15. 船田中

    ○議長(船田中君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。藤田高敏君。   〔藤田高敏君登壇〕
  16. 藤田高敏

    ○藤田高敏君 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案になりました自動車重量税法案に対し、以下、幾つかの観点から、佐藤総理並びに関係大臣に質問をいたします。  まず、第一にただしたいことは、この自動車新税は、佐藤総理が強調されている高福祉高負担とどのような関係にあるのかということであります。この自動車新税は、高福祉を犠牲にして、高負担のみを国民大衆に強要し、税負担の増大と、その不公平をますます拡大する代表的な施策だと思うのでありますが、佐藤総理の見解をまずただしたいのであります。  およそ、平年度において千二百五十億円にも及ぶ税負担の増大を新税に求める場合、責任ある政府のとるべき態度とその施策は、まず何をなすべきでありましょうか。それは、第一には、歳入面において、現行税制の合理的な改廃により、国民に新たな負担を加重しない対策があるかいなかについて、まず検討をすべきであります。第二は、歳出面において、生活向上と福祉増大に直結しない非生産的な財政支出は、これを大胆に削除、削減することでなければなりません。  しかるに、この新税はどうでしょうか。四十六年度初年度分においては、地方譲与分を含め四百三億円、四十七年度以降平年度分では一千二百五十一億円の財源は、以上指摘した立場からの検討はもちろんのこと、現行八種類に及ぶ自動車関係諸税との体系的な再検討も不十分なまま、しかも伝えられるところによれば、一見、政治的取引の手段に使われたとさえ見られる経過の上に提案されていることは、きわめて遺憾であります。  政府は、所得減税においても、口では減税を強調しながら、その中身は、一方では納税人員を百五十六万人もふやし、一方では税制調査会の指摘をまつまでもなく、自然増収一兆五千億円に対して、所得減税三千億円程度は、やろうとすれば十分やれるにもかかわらず、その半分の一千六百七十四億円のミニ減税しか行なっておりません。  この自動車新税の場合にも、現行税制の適切な改廃によって、自動車新税の財源に見合う程度のものは、たちどころに求めることができるにもかかわらず、それには十分な手を触れようとしないのは、一体どういうことなのか。税制上の具体策だけでもたくさんあるではありませんか。  その第一は、法人税の改正をやるべきであります。アメリカや西欧諸国に比較して平均五%も低い優遇措置を依然として存続しているが、これを欧米諸国並みの水準にまで引き上げるべきであります。  その第二は、大企業に対する至れり尽くせりの租税特別措置をやめるべきであります。たとえば、現在四十六億ドルもの外貨を保有する輸出振興税のごとく、その政策目的がすでに完了しているものや、期限が到来している特別措置はもちろんのこと、特に国会はもとより、社会的にも最大のひんしゅくと批判の的になっている、所得減税額の六倍にも匹敵する一兆円交際費に対する税制上筋の通らない特別優遇措置を、根本的に改革すべきであります。  一方では、まじめに働く勤労者が、血の出る思いで税金を納めているとき、会社の重役や一部の社用族は、ほとんど無税で料亭やキャバレー等で交際費課税の恩典に浴し、さらに、汚職政治の根源にさえなっている政治献金の根を断ち切るための当然の対策すら取り上げず、新税を創設するがごときは、一体これまた、どういうことなのか。どう考えても政治の良心が許しません。利子配当の継続措置についても、全く同じことが言えるのであります。  さらには、歳出面でも、防衛軍事予算を昨年よりも一千億円も急増さし、国庫債務負担行為と継続費を合算すれば、実質的には全国民の全社会保障費にも匹敵する、一兆四百億円にも及ぶ巨額の軍事防衛費を予算化しながら、新税を国民に向かっていかに弁明しようとも、国民はとうてい納得することができません。  政府は、以上指摘した諸税制度及び諸施策の総点検と洗い直しの上、この自動車重量税法案を撤回すべきであると考えますが、佐藤総理並びに大蔵大臣の見解をただすものであります。(拍手)  次に、私は、自動車新税それ自体の立場から考えても、この新税には、あまりにも問題が多過ぎると考えます。  自動車保有者には、現在国税、地方税で八種類の税金がかけられており、たとえば小売り価格五十万円程度の自動車を購入し、月平均千六百キロ程度走行させると、自賠責強制保険料を含め、五年間で新車購入費に匹敵する税金を取られております。五年間で購入価格に匹敵する税負担をしている耐久消費財は、ほかにはないのではないでしょうか。特にガソリン税の負担率五七・四%のごときは、清酒、ゴルフ道具、ダイヤ指輪、毛皮コート等々に比べても、相当高いものであります。  このような現状の上に、自動車だけをねらい撃ちする新税構想は、税負担公平の原則からも再検討の要があり、法制化とその実施は見送るべきであると考えますが、佐藤総理並びに大蔵大臣の見解をお尋ねいたします。  次に、私は、今回のこの新税づくりの財源計画の根拠とその政策目的がどこにあるのか、理解に苦しむものであります。  なぜなれば、政府の法案制定の数字的根拠は、第六次道路整備五カ年計画十兆三千五百億円に基礎を置いているようでありますが、この建設省の策定では、国費、地方債、財投を含めて約一兆円の財源不足になるので、この道路整備計画実現のために自動車新税をつくるといっております。  しかし、一方、政府が計画している新経済発展計画試算によれば、自動車保有台数の策定のしかたにも相違があると思いますけれども、財源は逆に二千三百億円の余裕があることになっております。また、新聞報道等によれば、通産省においても財源上の問題はないといっております。同じ政府機関でありながら、Aは不足するといい、Bは何とかなるだろうといい、Cは余裕があるというような無定見な見解の相違があるのでは、いずれを信頼してよいかわかりません。政府の統一見解は何を根拠にしているのか、福田大蔵大臣から明確に答弁してもらいたいのであります。  このように、計画策定上においても重大な問題点があると同時に、一体この財源を何に使うのか、その範囲はきわめてあいまいであります。  現行八種類に及ぶ自動車関係の税金は、国道、地方道を含む道路整備オンリーに使われています。この自動車重量税の財源は、道路その他社資本の充実という名のもとに、国鉄や地下鉄、らには空港や港にまでこの財源を使う計画を持ているようでありますが、だとすれば、現実に自動車を持ち、高い税金を取られている者は、とうてい納得できないのみならず、新税目的からしても、道路財源にしぼるべきだということになります。この点について政府はどのような見解を持たれておられるのか、承りたいのであります。  また、かりに総合交通政策の名のもとに、この限られた財源を道路を中心に、国鉄、地下鉄に回す場合、自動車や道路に直接関係の深い、たとえば今回の自動車新税創設にあたって、厚生省からは自動車公害防止対策費として、警察庁からは交通整備対策費として予算要求があったといわれておりますが、客観的には、これらの財源にこれを優先的に使うことのほうが、政策上新税目的に合致する場合、どこでどのように筋を通して限界線を引くのか、現在及び今後にわたって非常にむずかしい問題が発生し、かつ発生してくると思いますが、どうでしょうか。  このように、政策目的においても、財源使用のあり方においても、十分な論拠と交通整理のできていないままこの法案を国会に提出すること自体、不見識のそしりを免れませんが、総理並びに大蔵大臣の見解を承りたいのであります。(拍手)  次に、私は、この自動車新税の創設に関連して最も憂慮にたえないことは、新税創設の連鎖作用として、すでに、タクシー業界から料金の大幅値上げの要求が具体的に出され、これがひとりタクシーにとどまらず、バス、トラック等の公共料金の値上げに発展し、それがさらには、総合的な物価上昇につながるということであります。  ただでさえ、佐藤内閣の物価政策の無策と怠慢によって、年間七%以上にも及ぶ物価上昇により、国民生活は非常な脅威を受けております。さらにこの自動車新税を断行すれば、政府の音頭とりによる大幅物価値上げは必至だと断定します。佐藤総理は、責任をもってこれを抑制する具体策を用意しているのかどうか。これが見通しとその対策について答弁を求めるものであります。  また、運輸大臣は、タクシー業界の料金値上げ要求に対し、二月十九日の新聞記事によれば、当分の間はその値上げを認めないと言っておりますが、この発言のニュアンスからは、過去の実績が証明しているとおり、一定の期間を待って、近く値上げしますということに、残念ながら受けとめざるを得ないのであります。かかる公共料金の値上げは絶対に行なうべきでないと思いますが、運輸大臣の所見を承りたいのであります。  最後に、私は、もう一つだけ、どうしてもお尋ねしたいことがあります。  この自動車重量税法案は、佐藤内閣の全閣僚の一致したものとして政府が提案していることに、間違いはありませんか。そうだとすれば、お尋ねしますが、中曽根康弘代議士は佐藤内閣の閣僚ですか、それとも違いますか。  私たちの手元には、ここに持参しておりますとおり、昭和四十六年度の政府予算が決定したあとにおいて、昭和四十六年一月付の日付で、自動車重量税法案絶対反対の陳情書が届いております。この中には、社団法人全国自家用自動車協会会長中曽根康弘長官を先頭に、自民党の有力国会議員と目されている塚原俊郎代議士、伊能繁次郎代議士、細田吉藏代議士、金丸冨夫参議院議員等の名前が、各協会の代表者としてずらりと並んでおります。  佐藤内閣の閣僚が、公然と閣議決定に反対することは、たいへん勇気の要ることであり、さすがは防衛庁長官らしいところがあると考えますが、このようなことは、政党内閣制及び政党政治のたてまえから許されるべきことでありましょうか。政党内閣制のたてまえからいけば、閣議決定に反する言動をとる閣僚は、いさぎよく大臣を辞職して、堂々とその政策に反対するか、もしくはその団体の責任ある地位を退くか、二者択一の立場をとるのが常識ではありませんか。(拍手)二足のわらじをはいたまま、閣僚の立場と自動車協会の責任ある立場とは別個であるというがごとき便宜主義は、断じて許されません。先般の小林前法務大臣といい、今回の中曽根長官の態度といい、かかる無責任政治が平気で行なわれるところに、国民は、政治に不信を抱くのであります。  かくのごとき閣内不統一の重要法案を、佐藤総理は、あえて国民に押しつけるお考えなのかどうか。中曽根防衛庁長官の責任ある言明と同時に、佐藤総理の、これまた責任ある所信をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
  17. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 藤田君にお答えをいたします。  自動車新税が高負担政策のあらわれと見ることは、妥当ではありません。国民所得に対する租税負担率におきましても、四十六年度は四十五年度のほぼ横ばいで推移するものと見込まれておりますし、先進諸国の負担率と比べても決して高負担というべき状態ではない、まずこのことをよく御認識いただきたいと思います。  私は、新経済社会発展計画でも指摘しているように、社会資本の充実、社会保障の拡充等、政府の施策に期待される分野が次第に拡大されていくにつれ、国民の税負担はある程度上昇せざるを得ないものと考えますが、その中心的にない手を自動車新税がつとめるものでないことは、これはよくおわかりだろうと思います。  次に、新税創設の前に歳入歳出面の合理化を行なうべきであるとの御意見でありましたが、政府としても十分の努力を払っているところであります。具体的に税制面において御指摘のあった幾つかの事項についても、現にこの一両年顕著な改善を加えているものばかりであることは、藤田君もよく御承知のところと思います。具体的には大蔵大臣からお答えをいたしますので、お聞き取りをいただきたいと思います。法人税あるいはその他の租税特別措置法、交際費課税等の問題は大蔵大臣からお答えをいたします。  私がかように申しますのは、税制の合理的改廃を決しておろそかにしているものではないということを十分御理解していただきたいから申し上げたのでございます。歳出面におきましても、定員、機構の拡大を防ぎ、冗費を節約し、最も適切な予算の配分を考えたものであります。その上に立って、今後より一そう社会資本の充実を進めていくためには自動車新税の創設が必要であると考えたものでありますので、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。  この際、提案したばかりでありますものを直ちに撤回しろ、こういうお話でありますが、これから皆さま方の御審議をいただくのでありますから、政府はどうか御審議のほどお願いをいたしまして、撤回する考えのないことをこの機会にはっきり申し上げておきます。  次に、物価への影響でありますが、新税がバス、タクシー等の事業にとって当面新たなコスト増要因となることは否定できませんが、その程度は軽微でありますので、これを直ちに値上げの理由とすることは認めません。このことをはっきりと申し上げておきます。  最後に、中曽根君の問題についてお答えをいたします。私が申し上げるまでもなく、行政の最高責任はあくまでも閣議にあります。新税は閣議の十分な討議のもと、全員一致の賛同を得て決定されたものであります。誤解のないようお願いいたします。  以上、お答えいたします。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
  18. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、高福祉高負担と自動車新税との関係いかん、こういうお話でございますが、私どもは高福祉はこれを大いに進めたいと思います。しかし、高負担はこれをねらっておるというわけではございません。しかし、高福祉政策を進める場合におきまして、どうしてもお金がかかる。そういうようなことで若干今後国民の負担が増加の傾向をとるということは、これはやむを得ない。こういうふうに考えます。  特に福祉社会を建設する上におきまして、社会資本の立ちおくれ、なかんずく交通関係の社会資本、この整備は喫緊の要務であるというふうに考えております。その立ちおくれを防止するために、今回総合交通体系の財源、そういうような意味において自動車新税を創設した、かように御理解を願います。  次に、この自動車新税をやる前に、いろいろ税の面において検討すべき諸問題があるのじゃないか、そういうようなお話でございます。  第一は、所得税につきまして大幅な減税をいたすべきじゃないかというお話でございますが、これは、ただいまも御審議願っておりますように、四十六年度二千億減税、四十五年度におきましては三千億減税、こういうことを実行しておるわけであります。なお、これから物価の関係、経済の状況は動いてまいります。また国民の蓄積が非常に乏しい、そういうようなことを考えますと、所得税の減税政策はなお進めていきたい。藤田さんがおっしゃるように、一挙に大幅にというわけにはまいりませんけれども、安定成長で進めていきたい、かように考えております。  次に、法人税を欧米水準へというお話でございます。今日、わが国の法人税負担というものはかなり高い水準にあるわけでありまして、欧米水準に比べまして決して低いということはありません。これをパーセントで言いますれば、地方税を含めますときに、わが国においては四五・〇四%、そういう負担です。ところが、イギリスは四二・五%でありますが、その他の国におきましては、フランス、ドイツ五〇%、アメリカにおきましては五一・六%、かなり高いところへ来ておる。しかも今年度増税をしたばかりなんです。臨時増税をしたばかりなんで、これの引き上げを行なうということは適当でない、かように考えております。  租税特別措置につきましては、これは藤田さんよく御承知のとおり、交際費につきましても四十六年度には是正をする、また利子配当につきましては、四十五年度税制において是正を行なった。また、輸出税制におきましても四十六年度で見直しを行なう、こういうことでありますので、ひとつ御了承を願いたいと思います。  それから、歳出面におきまして、防衛費がふえ過ぎるじゃないかというお話でございますが、しかし、防衛費は、一般会計の伸び率が一八・四%、そういう中において一七・八%の伸びであり、それから、予算の中におきましても七・一%のシェアである。また、GNPにいたしますれば〇・八〇という低さである。まあこの程度の自衛力はしょうがないんじゃないか、これは、国民大多数のものが御理解をしていただいておる、かように存じます。  それから、今回の自動車新税による収入を何に使うのかはっきりしないじゃないかというお話でございますが、これは一般財源に使うのであります。九兆四千億円の歳出に対する財源として、一般的にこれを充当する、そういうふうに御理解を願います。  それから、新道路計画の財源不足、これが、まちまちな意見があるがというお話でございますが、これは、どうしても建設省などの要求省になりますと、大きなことを言います。しかし、これは、政府部内でいろいろ意見がありましても、最終的には大蔵省が予算はまとめます。したがいまして、大蔵省の言う三千億余りの欠陥があるということは、ひとつ大蔵省の数字をお取り上げ願いたい、かように存じます。  この新税は、その新道路五カ年計画、その財源欠陥を補てんするというところから発想いたしましたが、しかし、道路のみならず、総合的に交通整備に充てたい、こういう気持ちでございます。これを撤回する考え方はございません。(拍手)   〔国務大臣橋本登美三郎君登壇〕
  19. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 藤田さんにお答え申し上げます。  ただいま総理から答弁がありましたように、この自動車新税に伴っての値上げの考えは毛頭ありません。御承知のように、自動車運送事業の原価への影響力というものは、せいぜい千分の五程度であります。あるいはまた収入の面から、自動車等の、ハイヤー事業から考えますと、年間二百万ないし三百万の収入から見れば、五千円の支出増でありますからして、問題にはならないので、これはいわゆる値上げの理由にはなりません。  また、最近タクシーの料金値上げの申請があるが、運輸大臣は当分の間上げない、こう言ったが、当分の間とは何だという御質問であります。当分は当分でありますけれども、ただ、いま御承知のようにタクシー事業というものは、なかなかむずかしい問題が内部にあります。皆さんもたぶん同情しておられると思いますが、タクシー事業は非常に楽な有利な事業でないことは、現在ではこれはもう皆さん御承知のとおりであります。しかしながら、事業自体が困難でありましても、これはいまの制度の上から見てどう検討していくべきかという大きな問題があります。と同時に、第二には、物価政策の上から、公共料金でありますからどう取り扱うか、こういう問題がありますので、慎重に、十分慎重に検討しなければ最終的な結論は出ない、かような意味で当分と申し上げたので、当分の間値上げする意思はありません。かように考えております。(拍手)   〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
  20. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) お尋ねの件は、団体の意見を会長名で伝えたものと思います。私は、自民党員として、党議及び閣議の決定に従うものであります。(拍手)     ―――――――――――――
  21. 船田中

    議長船田中君) 古川雅司君。   〔古川雅司君登壇〕
  22. 古川雅司

    ○古川雅司君 私は、公明党を代表して、ただいま提案された自動車重量税法案について、総理並びに大蔵大臣に対し若干の質問をいたします。  私は、この自動車重量税法案ほど不明朗きわまる財源調達の方法はないと思うのであります。すなわち、一昨年自民党の一部からいわゆる自動車新税構想が提唱されました。その意図するところは、新道路整備五カ年計画の財源補てん及び国鉄、地下鉄建設などの財源とすることにあったことは周知の事実であります。  その後、建設省、運輸省、自治省などから、それぞれの思惑を含んだ自動車新税案が提唱されたものの、最終的にでき上がった今回提案の法案は、最初の意図どおり、自動車の使用者から新たに税金を徴収して、道路建設、整備以外に、国鉄の赤字対策などにも充当できる可能性を含んでいるものであります。自動車の使用者から徴収する税金で道路整備の財源をまかなえばよいということに対してさえ異論のあるところでありますが、その上、国鉄の赤字対策にも充当できるとした含みがあることは、一体どういうことなのか、全く理解に苦しむところであります。この点いかがでありましょうか。  また、この新税創設に際して議論されたことは、まず総合交通対策の確立が前提とされなければならないということでありました。昨年暮れの新聞報道によれば、大蔵省は、政策としての総合交通体系が確立されていないことを理由に、この新税創設には難色を示していたとのことであります。  しかるに、今回あえて法案の提案に踏み切ったことは、とりもなおさず、政策よりも財源調達が先行したことを、そのためには、大衆課税の強化に何のちゅうちょもないことをあからさまに物語っているのであります。こうしたやり方が、はたして正常なものであるといえるのかどうか、総理並びに大蔵大臣の所見を伺いたいのであります。  さらに、法案提出理由の要綱に、「道路その他の社会資本の充実の要請を考慮し、」として、自動車重量税を課することとしたとしておりますが、「その他の社会資本の充実」とは具体的に何をさすのか、また財源をどのように振り向けるのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。  ところで、私は、わが国の社会資本が欧米に比較して立ちおくれていることから、早急にその充実をはからなければならないこと、そしてそのために財源の必要なことも十分に理解しているつもりであります。しかし、今回のように、自動車の使用者をねらい撃ちにした、小羊をねらうオオカミのごとき、安易な財源調達の手段が許されるものだとは思えないのであります。(拍手)必要な財源を生み出すためには、新税を創設する前に、まず財政収支の適正合理化をはかり、租税特別措置という減税措置を十分洗い直さなければならないと思うのであります。  政府は、昭和四十六年度予算案作成の中で、財政収支の適正合理化にどれだけの努力をしたのか。租税特別措置についても、多少の入れかえが行なわれただけで、実質的な改革は何ら行なわれていないではありませんか。政府は、過日の本会議で、租税特別措置について、その四五%は中小企業及び一般大衆のための措置であると答弁をされました。これは裏を返せば、五五%が大企業のための減税措置であることを明らかにしたものであります。こうした点に何ら手を加えず、新税の創設に踏み切ったということは、とりもなおさず、財源調達にあたっては取りやすいところから取れという、国民大衆不在の姿勢を示すものであります。(拍手)こうした政府の姿勢が正当化されるならば、今後これが前例となって、取りやすものから次々と課税の対象とされていくおそれが十分にあるといえるのであります。総理は、この点どう考え、政治責任をどう感じているのか、お伺いするものであります。  次に、自動車重量税が課せられた場合、一般大衆がいかに過重な負担をしなければならないか、私は総理に深刻に考えていただきたいのであります。  十年ほど前までは、勤労者、庶民にとっては車を持つことは夢でありました。しかし、今日では約四世帯に一台の割合に至るまで普及をいたしております。乗用自動車所有の所得階層を見ても、年間所得百五十万円以下が七二%も占め、中小所得のサラリーマンや農民が生活費を切り詰め、割賦販売によって購入しているのが現状であります。  同時に、税などの負担はかなり重く、ちなみに五十万円前後の小型乗用車を購入して五年間ほど保有する間に、およそ四十四万円程度の高額な税の負担を負うことになるといわれております。この上さらに自動車重量税が課せられるならば、国民の重税感は一そうつのるばかりであり、大衆課税の強化につながる以外の何ものでもありません。(拍手)  さらに、私たちが危惧することは、この自動車重量税という新たな負担がバス、トラック、タクシーなどにも課せられる以上、それらを口実に輸送料金の引き上げが画策され、ひいては価格高騰となって国民生活にしわ寄せされることは十分に考えられることであります。先ほど答弁で、そういった点は全く考えられないということでありましたが、すでに全日本トラック協会などの反対陳情の中にも、貨物運賃の高騰を刺激し、物価上昇の直接的原因になると述べられております。政府はこれらの動きについてどう考え、どう対処するのか、はっきりと見解を示していただきたいのであります。  ところで、政府は自動車重量税を創設するにあたって、その理論上の根拠が乏しいために、総合交通体系の樹立を急いでいるようであります。現在、輸送手段の基盤である鉄道、空港、港湾、道路について、それぞれの計画がきめられておりますが、総合交通体系の中で、これらのすでにある計画はどう位置づけられるのか、それとも無関係なのか。あるいは新たにいかなる内容を盛り込もうとするものなのか、当然お示しいただけるものと思いますが、いかがでありましょうか。  また、総合交通体系に伴って、四十七年度に特別会計を設ける方針を明らかにされております。その特別会計が創設された場合、自動車重量税を目的税とするのかどうか。さらに、特別会計にした場合には、その財源を、自動車ばかりでなく、航空機、船舶にも求めるべきだなどとの意見も政府部内にはあると聞いております。政府はどう考えているのか、この際、明らかにしていただきたいと思います。  最後に、自動車新税の構想が提唱されたとき、八種類にわたる自動車関係諸税を簡素化すべきだとの議論がありました。政府はこの点はどう考えているのか、示していただきたい。と同時に、こうした議論の中には、この際、自動車関係諸税を一本化して、すべて国の財源とするため、現在地方の財源となっている分を国に吸い上げる意図のようでありますが、あわせて政府の考えを示していただきたいと思います。  私は、今回の自動車重量税の創設こそ、いわゆる高負担へのはしりであり、大衆課税強化への第一歩であると痛感せざるを得ません。くどいようでありますが、総理が、この法案の提案を、断じて大衆課税の強化につながるものではないと言い切れるものであるならば、特にその点をはっきりとしておいていただきたいのであります。  以上の諸点について明快なる答弁を要求して、質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
  23. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 古川君にお答えをいたします。  まず、今回の新税について、課税の方法、税収の規模あるいはその使途等について種々検討いたしました結果、最も妥当な結論として、いま御審議を願うように提案した次第でございます。  また、総合交通政策の樹立が先決であるという意見も有力にありました。率直に申しまして、私も理想的にはそのように考えるのでありますが、一方において、道路を中心とする交通問題は年々深刻化し、その社会資本の充実は緊急の課題として国民一般から強く要望されている状況にあり、税制調査会におきましても新税を支援する意見が大勢を占め、政府としても新税創設に踏み切ったものであります。  また、新税は、自動車の所有者に対して、自動車のもたらす社会的コストに対する応分の負担としても適切な措置であり、単に財源調達の必要性から先行したものではありません。十分この意義を考慮され、よろしく御審議のほどお願いをいたします。  次に、新税のカバーすべき範囲として、道路整備計画以外のものとしては、交通安全施設、新幹線鉄道の整備などが考えられるものと思います。これは、現在の交通問題は、単に道路だけでなく、鉄道その他の異なる交通手段によって統一的な観点から対処していく必要があるから、近く策定される総合交通政策の一環として考えたからであります。ただ、来年度予算の編成にあたりまして、その使途を特定しているものでないことは先にも申し上げたとおりであります。御了承いただきます。  次に、新税創設の前に現行税体系の矛盾を洗い直すことが先決だとの御意見でありましたが、そのとおりであります。租税特別措置法につきましても、新しい政策目的を取り入れ、実情に即した適切な改正を予定したものであります。  また、新税は、普通の乗用車で年間五千円という負担でありますから、大衆課税の強化というほどのものではないと私は考えます。既存の自動車関係の各種税金と合わせても、諸外国に比較して決して過大な負担とはなっておりませんし、自動車そのものが道路の建設、修繕をはじめ、道路混雑、交通安全、交通事故問題等、社会に多くの費用をもたらしていることから見ましても、自動車所有者の十分の御理解と御協力を得られるものと確信している次第であります。  また、物価に対する影響も、さきに社会党の藤田君にお答えしたとおり、極力そのはね返りを抑制してまいります。私は、むしろ長期的には、新税の創設によって道路その他の社会資本の整備が進めば、流通コストの低減を通じて物価問題に寄与するところも大きいものと期待するものであります。  次に、総合交通政策についてでありますが、道路、鉄道、海運、航空などの相異なる交通機関が一体として機能し合い、便利性、効率性、安全性等が確保されるよう、統一的な観点から最も望ましい総合交通体系を樹立すべく、目下鋭意検討中であり、長期にわたる交通需要の的確な見通しのもとに、総合的な交通機関別分担の考え方、交通機関別整備の方向を明らかにするためにただいま作業中であります。  次に、新税は、当面目的税としては考えておりませんが、今後の問題として、総合交通政策とその財源調達のあり方との関連のもとに、どのような形で育てていくべきか、なお十分検討したいと考えております。  その他の問題については、大蔵大臣からお答えいたします。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
  24. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 古川さんにお答えいたします。  いろいろ古川さん疑問を提起されておりますが、この税のできましたいきさつから申し上げたほうがよかろうかと思うのです。  この税は、昭和四十五年度予算におきまして、新道路五カ年計画が発足したわけであります。その新道路五カ年計画におきましては、この五年間を見通しますと、一般財源において三千億あまりの不足を生ずる、そういうことの御指摘もありまして、そこで、政府は、昨年の国会におきまして、四十六年度予算編成の際に、その対策を明らかにするということを皆さまにお約束を申し上げたわけであります。  そこで、一年間にわたって検討を続けた。ところが、いま御指摘のように、この問題を考えるにあたりましては、まず、先だって総合交通体制というものを打ち立てることが必要であろう、こういうふうに考えまして、この問題にも取りかかりましたが、これは残念ながら、ついに成案を得るに至らなかったわけであります。しかしながら、国会に対するお約束を、これを果たさないわけにもいかぬという考え方から、この自動車重量税という形のものを打ち出す、こういうことにいたしたわけでありまするが、さような関係から、今回御提案をいたしました自動車重量税は、この段階では、あるいは特別会計方式でありますとか、あるいは目的税でありますとか、そういう具体的な考え方を固めておりません。それらは今後の検討問題といたしまして、一般財源としてこれを受け入れる、こういう考え方に落ちついた次第でございます。  道路なんかにいたしましても、自動車が非常に損壊率が高い、いわゆる社会負担をかけておる。そういう実態を見まするときに、軽微な自動車使用税というべきものをお願いする。これは先ほど総理からお答えがありましたが、これから道路政策を進めていく、その他の対策を進めていく、そういうふうになりますることを長期的に見るときには、かえってこれは大いに裨益するところがあるのではあるまいか、さように考えております。  それから古川さんは、この税を提案する前に、特別措置その他諸問題について洗い直しをすべきではなかったかというお話でございますが、これは先ほど藤田さんにもお答えしたところでありますが、逐次洗い直しをやっておるわけでありまして、四十六年度予算におきましても、関連して税法の改正案を御審議願っており、これで御了承を願いたい、かように存じます。  次に、自動車税等による収入を、鉄道など他の目的に充てるのかというお話でありますが、気持ちといたしますると、これは新道路五カ年計画のためのというところで発足をした、そういうようなことなので、道路その他の交通ということを考えております。おりまするけれども、先ほど申し上げましたように、今日の段階におきましては、これを一般財源として受け入れる、今後総合交通体制を策定した上におきまして、その帰属をなお慎重に検討する、かように考えておるのであります。  次に、複雑な自動車に対する諸税を統合すべきではないか、こういうお話でございますが、確かに自動車に対する税、これは非常に複雑でございます。これは今後の検討問題である、かように存じ、鋭意勉強いたしたい、かように考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  25. 船田中

    ○議長(船田中君) 竹本孫一君。   〔竹本孫一君登壇〕
  26. 竹本孫一

    ○竹本孫一君 私は、民社党を代表して、ただいま趣旨説明のありました自動車重量法案について、佐藤総理並びに関係大臣に若干の質問をいたしたいと思います。  およそ税金は、国民の負担と犠牲を要求するもので、すべての新税は悪税であると言った学者もあるくらいでございます。シャウプ税制創設のシャウプ博士は、わが国税庁のある高官に、あなたはパブリック・エネミー・ナンバーワン、公衆の敵第一号であるという呼びかけをされたこともあるそうであります。したがいまして、新税の創設は、この国民大衆の敵意と反感と恨みを買わないように、きわめて慎重でなければならず、断じて思いつきであってはならないのであります。  しかるに、今回の自動車新税は、租税の大原則であります公正の原則、すなわち課税の普遍性と平等性の原則をじゅうりんし、全く安易なる財源対策に終始したものと断言せざるを得ないのであります。  まず第一は、新税の反社会的性格であります。  御承知のように、今日自家用車は、国民生活の必需品であります。自家用車を保有する勤労者は、年所得百五十万円以下の者が所有者の七十数%を占めておりまして、自家用車はいまやぜいたく品ではなくて、国民大衆の足であり、生活必需品であります。しかも、これらの人々は、現在すでに、先ほどもお話のありましたように、八つの税目に及ぶ税負担をしいられておりまして、大衆車クラスでも年間約十万円の負担をいたしておるのであります。わが国経済の高度成長をささえておるまじめな勤労大衆にとって、これは国家権力のひとつの挑戦と言っても過言ではないと思います。(拍手)「信なくんば立たず」と申しますが、私は、政治への不信感をいよいよ拡大するこうした悪い税金を、一部の政治家の思いつきによって創設せんとする佐藤内閣の政治的姿勢に、国民大衆の名において抗議したいと思うのであります。  また、中小企業におきましても、自動車を保有する企業は全体の八〇%以上を占めております。中小企業の企業活動にとっては、自動車は必要不可欠のものであります。いま御承知のように、金融引き締め、労働力の不足、重税、大企業の圧迫、自由化と特恵関税等々、中小企業を苦しめる悪条件が山積をいたしております中で、これらの中小企業のための新しい予算はわずかに五百七十九億円。しかも、いまここにその企業活動の足を押える自動車新税を創設するということは、全く中小企業に対しては愛情と誠意の片りんをも認めることができないのであります。政府はいかなるお考えでございますか。  さらに、旅客の輸送や物資の運送のいずれの面におきましても、自動車による輸送が年々増加してまいりまして、鉄道輸送を大きく上回っており、内陸では輸送部門の第一位を占めておることは御承知のとおりであります。およそ経済は生産に始まって消費に終わりますけれども、いずれも流通過程を通じてのみその目的を貫徹するものであります。したがいまして、流通過程の簡素化、合理化、能率化は、いまや経済政策最大の課題であります。それだけに、この流通過程に新税をもって臨むということは、確かに一つの思いつきではありましょう。しかし、それこそ一理あって九理足らざる単なる思いつき以外の何ものでもないといわなければなりません。これが輸送コストの上昇を招き、ひいてはその他もろもろの物価の上昇をも引き起こすことは、火を見るよりも明らかでありまして、このような自動車新税の持つ数多くの矛盾と反社会性について、政府はいかにお考えになるか、お伺いいたしたいのであります。  第二に、現在の自動車につきましては、すでに保有と消費と、その両方から課税をされておりまして、新税を創設する余地は全くないのであります。  つまり、自動車保有については、自動車取得税、自動車税、軽自動車税、消費につきましては揮発油税、石油ガス税、地方道路税、軽油引取税といったようなものが課せられておりまして、これに物品税を入れますと八税目の多きに及んでおります。  およそ物品に対する課税には、物品の保有もしくは消費のいずれかに課税をするのが常識であります。政府は、今回の新税の創設は、現在課税されておる八つの税目と重複しないと説明されておりますけれども、こうした政府の態度は、明らかに同一の納税者に対する過重負担を求めるものでありまして、課税公平の大原則に反するものであります。今日必要なことは、この八税目の多きに及んでおります自動車の関係諸税を、中央、地方を通じ、保有と消費の両面にわたって交通整理をして、より簡素、明快な税体系に整理することでなければなりません。税の種類を多くして、税の体系を複雑怪奇にして、知らないうちに大衆から多額の税を取るということは、常に非民主的な悪政の始まりであると思いますが、政府のお考えはいかがでございますか。  また、こうした新税を考えるひまがありましたなら、政府は今日の課題でありますところの、アメリカの自動車資本ビッグスリーが日本本土上陸作戦を前にしておりますが、この大きな脅威に対して、わが民族産業を守るために、また優秀なる自動車の中小企業の下請関係のものを守るために、必要かつ大規模なる政府の施策を講じなければならないのでありますが、その外資乗っ取り対策はすでに十分といえるかどうか、政府のお考えを伺いたいと思います。  第三は、新税の目的がはっきりいたしておりません。  地方税分は道路整備財源としておりますけれども、先ほどもお話のように、国税は一般財源とされております。その結果、新幹線、地下鉄、国鉄赤字線などへの配分も行なわれようといたしております。  今日、自動車関係諸税の税収額は、昨年度で見ましても、国と地方を合わせますと一兆二千億円の巨額に達しております。このことは、有料道路を除いた道路建設資金の大体全額を、すでに自動車関係者は負担しておるということであります。自動車利用の関係者の税負担は、おおむねこの辺が限界であります。もしそれ以上の財源を求めようとするならば、それは一般財源からこれを補うべきでありましょう。わが国は、昨年度でも、全体の道路財源について一般財源の占める割合は、わずかに一二%であります。これは欧米並みの二〇%くらいまでに引き上げることが必要であろうと思いますが、政府のお考えをお尋ねいたしたいと思います。  第四番目は、建設公債の問題であります。  政府・自民党は、昭和四十七年度以降においては、自動車新税の規模の拡大に伴う総合交通特別会計の設置をもくろんでおられるようであります。そしてその財源の半ばは、道路以外に使おうというお考えのようであります。しかしながら、道路建設、鉄道、新幹線などの社会資本の充実を、今日の自動車の利用者のみに偏して負担をさせるということは根本的な間違いであります。  一体、政府の総合交通政策というのは、いついかなる形でまとめ上げるお考えでありますか、政府の基本的な構想を伺いたいと思います。また、これらの基本構想や総合政策があってこそ、その財源措置が考えられるべきでありますが、今回は基本構想よりも先に財源措置が考えられておる。これでは順序が逆ではありませんか。目的と構想ははっきりしないけれども、取れるだけはとりあえず取っておこうというがごときは、政府の態度としてまことに遺憾に存じます。これは大政治家の態度ではなくて、単なるタックスコレクター、徴税官吏の行政措置的発想であるといわなければなりません。まず七〇年代の総合交通政策のビジョンを強く描くべきであります。そのビジョンを受けとめる財源措置として、むしろ建設公債を発行すべきであります。政府は、この際、七〇年代の豊かな日本、住みよい社会建設のために、社会資本を思い切って充実するお考えはないか。その考えを実現するためにはうしろ向きの赤字公債や、思いつきの新税方式ではなく、堂々と前向きの建設公債の発行に踏み切るべきであろうと思いますが、お考えはいかがでありますか。  同時に、この建設公債は、特別有利な条件をつけることによって、その消化を日銀引き受けによるのではなく、国民大衆の協力を仰いで、一方には国民の貯蓄と蓄積を増大して昭和元禄の惰性を一掃するとともに、他方には大衆の巨大なる購買力を建設的に方向づけることによって、今日の困難な問題である物価の安定にも資するお考えはないか、お伺いをいたしたい点であります。  最後に、以上の観点に立って、今回の自動車重量税法案は私どももやはりこれは撤回すべきであると思いますが、政府はその意思を先ほどもお述べになりましたけれども、撤回する意思はないというお話でございましたけれども、さらに重ねてお伺いをいたしたいのであります。特にこれからの国会審議の過程を十二分に尊重するお考えはあるかないか、お尋ねをいたしておきたいと思います。  「偉大なりとは方向を与えることである」ということばがあります。七〇年代は、六〇年代の延長線上においては、物価の問題も、公害の問題も、財政硬直化の問題も、何一つ解決ができるとは思われません。政府は、いまこそ思いつきの政治をやめて、哲学と理想に基づく雄大なるビジョンを打ち出すべきであります。このビジョンを裏づける財政の抜本的改革に取り組むべきであります。こうした高い次元の政治の観点から見るならば、三百億円の自動車新税はまことに片々たる思いつきにすぎません。もしこれが、またやがては一兆円にもなんなんとする大衆課税をねらうものであるとしますならば、それこそ初めは処女のごとく、きわめてしとやかな形で出てまいりますけれども、最後には一兆円の大衆課税をねらうということであれば、全く国民をだまして行なおうという大衆欺瞞の悪い政治であるといわなければなりません。(拍手)  私は、佐藤内閣が、この際高い精神と雄渾なる構想のもとに、この思いつきの自動車新税を撤回して、大きく出直されんことを切望いたしまして私の質問を終わるものであります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
  27. 佐藤榮作

    内閣総理大臣(佐藤榮作君) 竹本君にお答えをいたします。  現在の自動車交通問題との関連、あるいは今後ますます増大する交通関係の社会資本の充実のために、自動車の重量に着目した新税を創設することが最も適切であることは、各方面の御審議の過程で、期せずして一致した結論であります。私は、交通問題の深刻さと重要性は、自動車の所有者が最も痛切に感じておられることと思いますので、その十分な御理解と御協力を得られるものと確信いたしますが、この制度の発足を十二月一日としたのも、この間、さらに国民各位の御理解を深めることが必要と考えたからでもあります。  また、申すまでもないことながら、新税法は、十分この国会において御議論願うことでもあり、国家権力の乱用などは決してあり得ないことをまず申し上げておきますから、御遠慮なしに御審議のほどお願いいたしておきます。  また、新税は、自動車使用社会的にもたらしている社会的コストに着目したものであり、既存の自動車関係の各種制度では、御指摘のようにカバーできないものであります。決して課税公平の原則に逆行するものではないことを御理解願いたいと思います。  次に、新税は大衆課税ではないかとのお尋ねでありましたが、さきに公明党の古川君にお答えしたとおり、大衆に重い負担を課するものとは私は考えておりません。交通問題の現状から見て、新税の創設こそ最も公平であり、かつ、その負担は、必要最小限度の適切なものであり、勤労者の方にも、中小企業の方々にも、十分御協力の得られるものと考えております。  また、物価高を誘発しないかとの御質問も、すでにお答えしたとおり、新税が物価高につながることは厳に抑制してまいります。  次に、道路財源は一般財源から調達せよとの御意見でありましたが、一般会計として応分の負担をすることは申すまでもありません。また、建設公債についても、最終的には一般財源の負担に帰するものであり、道路財源を特定財源にのみ期待するものでは毛頭ありません。しかしながら、新しく発足する第六次道路整備五カ年計画等の巨額の財政需要をまかなうためには、新税の創設がどうしても必要であるとの結論に達したものであります。  新税は、本来総合交通政策が樹立されてから創設されるのが理想的ではありますが、道路整備計画の財源問題は、すでに四十二年度以来の懸案でもあり、また、第六次道路整備計画の財源措置も、緊急に固めていく必要があることから、今回関連法案を提案申し上げた次第であります。総合交通政策については、古川君にもお答えしたとおり早急に検討を進めてまいります。  なおまた、すでにお答えをしたことではありますが、重ねて撤回を要望するとの御意見でございましたが、まず今日からどうか御審議なさいますよう重ねてお願いをいたしまして、私、撤回はしないということを、はっきり申し上げておきます。  以上、お答えいたします。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
  28. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) 竹本さんにお答え申し上げます。  今度の新税は、自動車に対して各種の複雑な税がかかる、自動車を税でがんじがらめにするのではないかという批判は免れぬというお話でございます。確かに自動車に対する税は非常に多様でありまして、あまりかっこうはよくないと思います。今後これが簡素化につきましては検討をいたしたい、かように考えておりますが、今回の自動車新税は、さらばといって重複をいたしておるものではないのです。今度は初めて重量に対して課税をする、こういうようなことに相なりますので、重複はないということだけを御承知おき願いたいと思います。  また、自動車や、自動車に関係するガソリン、こういうものに対する課税が非常に過酷ではないか、こういうようなお話でございますが、これは国際水準から見まして、わが国の自動車やあるいはガソリンに求めるところの税負担、これは決して高いわけではございません。まあ中どこぐらいなところになっておるわけでございまして、今回の新税も、自動車、大体平均いたしますと約年五千円、また貨物自動車におきましては、これが一万円という程度のものでありまして、これで交通総合対策が大いに進むということでありまするので、国民も御理解を賜わるものである、かように存ずる次第でございます。  また、新税の使用目的は道路に限るのか、それ以外のものにも及ぼすのかというお話でございまするが、これは先ほども申し上げましたが、一般財源としてこれを使用するつもりでございます。ただし、総合交通体系が整いました上は、それに見合いまして、あるいは目的税といたしますとか、あるいは特別会計制をとりますとか、さようなものについて検討をいたしたい、かように考えておるのであります。  最後に、竹本さんは、御持論の建設国債論を展開されましたが、公債は、これは最も安易な財源調達の方法だと私は考えます。いま竹本さんは、新税はばかに安易な方法だといって批判されましたが、公債こそ最も安易な財源調達の手段であります。公債につきましては、私は、これはもういつも言っているのです。これは劇薬である、使い方によってはいい効果も発生いたしまするけれども、この使用方法をあやまちますると、日本経済を壊滅させるようなことになるかもしらぬ、こういうことを言っておるのでありまするが、これは、そういう意味合いにおいて、絶対に反対だというような考え方ではありませんけれども、この公債政策の運用は、それをいかなる時点で、いかなる方法で執行するか、これは慎重の上にも慎重を期さなければならぬ、さような考えをとっておるのであります。(拍手)
  29. 船田中

    ○議長(船田中君) 小林政子君。   〔小林政子君登壇〕
  30. 小林政子

    ○小林政子君 私は、日本共産党を代表して、自動車重量税法案について若干の質問をいたします。  政府は、この新税について、激増する自動車の交通や新たな全国的な交通対策のための新しい構想であり、また、自動車利用者が道路整備のための費用を負担するのが当然であるといたしております。  しかし、この新税で第一に問題なのは、これが国民生活にどのような影響を及ぼすかという点でございます。  周知のように、現在、自動車に対して、物品税、自動車取得税、自動車税等が一台当たり自家用車八万円から九万円、営業用トラック約五万円が課税され、さらにガソリン税六一・七%、軽油引取税五〇・九%、これらが道路財源としてかけられております。その上にこの新税が加えられるのでありますから、これは現在、自動車が一千七百万台をこえ、国民生活に必要欠くべからざるものとなっている状況から、明らかに大衆課税であると同時に、重税であるといわなければなりません。(拍手)本年度の所得税減税は、一千六百億円といわれますが、物価の上昇と名目所得の増加によって、かえって増税になることはこれは明らかでございます。しかも、四十六年度に、この新税で四カ月間で四百億円、平年度千二百六十億円の大衆課税が行なわれるのであります。  その一方では、たとえば、現行の石油開発投資損失準備金制度を資源開発投資損失準備金制度に拡大し、石油をはじめ、銅、亜鉛、ニッケル、鉄鉱石、ウラン、原料炭、木材など、大企業のための海外資源確保に特別の減免措置を強め、大企業への特権的減免税をますます手厚いものにしようとしています。  総理は、先ほどの答弁の中で、国民に重い負担を課すものではない、したがって大衆課税ではないと答弁をされましたけれども、このような、大企業に減税し、国民には大衆課税を新たにかけることを、総理は当然だと考えておられるのかどうか、まず伺いたいと存じます。(拍手)  さらに、この新税のために、バス、タクシー、トラックなどの料金が一そう引き上げられることが予想されます。政府は、すでにバス料金の大幅な引き上げを認めましたが、この新税は、いま大問題になっている石油輸入価格の上昇と相まって、バス、タクシー、トラックの料金を一そう引き上げる口実をつくり出すおそれがあります。  現在、バスの年間旅客輸送量は、全交通機関の輸送量の約二〇%、トラック輸送量は、消費物資、原材料輸送の三六%に達しております。したがって、この新税は、運賃や消費物資、原材料の価格引き上げの要因となって、結局一般国民の負担に転嫁されることが明らかであります。まさに間接税大増徴への道を切り開こうとするものにほかなりません。  そこで、佐藤総理にお伺いいたします。この新税の負担を、バス、タクシー、トラックなどの料金に転嫁し、料金を引き上げるということを許さないと保証できるかどうか、明確な御答弁をお願いいたします。(拍手)  次に、新税と関連して、政府の交通政策について伺いたいと思います。  いま国民は、事故のない、安全で快適な、安い料金による交通機関の充実、強化を強く求めています。  ところが、都市への人口と資本の集中が進む中で、国民の足の確保については、ほとんどおざなりにされてきました。運賃は絶え間なく値上げされる中で、殺人的なラッシュは続き、その上、東京をはじめ、公営の電車やバスは、政府の方針によって撤去せざるを得ないように追い込まれてきました。また、住宅難のために、職場から遠く離れた郊外に住まざるを得なくなった勤労者は、居住地と駅を結ぶバスが全くないか、あっても長い時間待たされたり、会社の一方的な運行計画等によって悩まされております。  過疎地域でも例外ではありません。赤字を理由に、国鉄ローカル線の撤去、小駅の廃止や無人化が進められています。また、高知県の南部で営業している高知県交通株式会社が、経営上の行き詰まりを理由に、会社の解散をきめようとしていることにも見られるように、農山漁村住民の足も奪われつつあります。  こうしたことが、都市、農村を通じて、勤労者にマイカー保有を余儀なくさせているのであります。勤労者に、借金や月賦で高い自動車を買わざるを得ないようにしむけた上、今度は新税で新たに重い負担をかぶせる。これはまさに勤労者の生活を破壊するものといわざるを得ません。  わが党は、このような国民無視の交通政策を改め、国鉄や地下鉄、バスその他の大量輸送機関を中心とした、便利で安い料金の公共交通機関を維持し発展させることを強く主張するものでございます。(拍手)こうして初めて勤労者がマイカーにたよらなくてもよいようにできることは明らかでございます。  そこで、総理にお尋ねいたします。総理は、このような公共交通機関を充実し、勤労市民の通勤、通学、買いものなどの便利をはかる考えがあるかどうか。そのため、地方自治体の公営交通機関や中小民間交通企業を援助するため、国家財政による適切な助成を行なう意思がおありかどうか。また、公共交通機関としての国鉄ローカル線の撤去や小駅の廃止、無人化をやめるお気持ちがあるかどうか。さらに、地方の中小バスなどの経営困難を国の大幅援助で解決し、地域住民の足と暮らしを守る意思があるかどうか。以上の点について、明確にお答えを願いたいと思います。  最後に強調しなければならないことは、この新税が、新全国総合開発計画に基づく交通ネットワークづくりの財源をすべて国民の負担で生み出そうとする新たな企てであるということでございます。  この新全総とは、十四年後の一九八五年には、市街地に全人口の七〇%を集め、また、青森県のむつ小川原湖、周防灘など全国十二の地区に、新たに巨大な規模の工業基地をつくり、一九八五年の工業生産を六五年の五倍をこえるようにするという計画であります。まさに大企業の大膨張のための産業基盤整備を基本としたものにほかなりません。こうした政策こそ、これまで交通事故を激しくし、大企業が全国に公害をばらまくのを許す原因をつくり出したといわなければなりません。このような計画に基づく交通網の建設が、大企業奉仕を目的にしていることは言うまでもございません。実際に、たとえば道路についても、昭和四十六年度予算で見ると、新税による財源の過半二百億円以上が高速幹線道路、産業道路の整備に充てられる一方、市町村道の整備には百億円が予定されているにすぎません。こうした大企業優先、自動車優先の道路政策は、四十五年度から始まった十兆円をこえる巨額な投資を予定する第六次道路整備五カ年計画の基本になっているものでございます。  ところが、地方自治体が管理している地方道の整備については、都道府県道の舗装率は二〇%前後、市町村道に至ってはわずか六%前後にしか達しておりません。しかも、自動車の急激な増加と市町村道などへの進入によって、住民が日常歩く道路での交通事故や排気ガス公害も年々ひどくなっているのでございます。総理は、盛んに国民の福祉や交通安全対策、公害対策などを強調しておられますが、住民の足元の道路、生活道路にではなくて、新全総に基づくこのような産業と自動車のための道路、これに重点を置き財源を回すということは、一体、福祉ということが言えるのかどうか。また、交通事故や排気ガス公害の大きな原因をなくしていくことができる自信がおありなのかどうか、明確な御弁答をいただきたいと思います。  わが党は、国民にひどい災害をもたらす新全総と、それに基づく交通ネットワークづくり、新税による高負担の押しつけをやめることを強く要求するとともに、市町村道を含む地方道の整備のために、一般会計からの支出の増額や、ガソリン税の配分を根本的に変えるなど、財源の確保について検討すべきであると考えますが、その点について総理の見解をお伺いいたします。  わが党は、政府に対して、国民の足と生活を守るために必要な道路の整備、公共交通機関の充実、強化のための抜本的な対策を強く要求いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
  31. 佐藤榮作

    ○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 小林君にお答えいたします。  まず、自動車新税の国民生活に及ぼす影響でありますが、今回の新税は、自動車の使用者の負担を必要最小限にとどめるよう十分配慮を払ったものでありますので、国民に多大の負担をかけたものとは私は考えておりません。物価に及ぼす影響にいたしましても、コストアップの要因となることは否定いたしませんが、その程度はきわめて軽微であり、直ちにバス、タクシー、トラック等の運賃引き上げの理由とはならないものと考えております。むしろ新税による社会資本充実の効果に着目していただきたいものと考えます。  次に、新税の用途についてお尋ねでありましたが、来年度予算の編成にあたりましては、目的税あるいは特定財源のように、その使途を特定したものではありません。しかしながら、新税が道路その他の社会資本充実の要請にこたえるために創設されたという経緯を勘案して、歳出面において、特に陸上交通関係の社会資本の充実がはかられたものであります。  なお、四十七年度以降の問題として、新税の使途を特定するかどうか、特定するとした場合にどのような方法をとるかどうかは、総合交通政策との関連のもとに、今後の検討課題と考えております。  具体的に、僻地の交通機関はどうするかとか、あるいは無人駅の処置はどうしてくれるかとか、いろいろお尋ねがありましたが、いまのような基本的態度によりまして、それぞれの問題と取り組む考えでございます。  以上でございます。(拍手)   〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
  32. 福田赳夫

    ○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。  私に対しましては、新税収入の使途いかん、この一点のようでありますが、これはいきさつから見ますると、先ほど総理からも申し上げましたように、道路などの交通政策に使用するということでございますが、結論におきましては、これを一般財源として受け入れたわけであります。つまり九兆四千億円の財源、歳入の一部といたしまして九兆四千億円の支出に充当する、こういうことでございます。(拍手)
  33. 船田中

    ○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  34. 船田中

    ○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十七分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君         国 務 大 臣 中曽根康弘君      ――――◇―――――