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1970-12-07 第64回国会 衆議院 地方行政委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和四十五年十二月七日(月曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 菅  太郎君    理事 小澤 太郎君 理事 砂田 重民君    理事 山口 鶴男君 理事 小濱 新次君       亀山 孝一君    國場 幸昌君       中山 正暉君    中村 弘海君       野呂 恭一君    安田 貴六君       山崎平八郎君    豊  永光君       綿貫 民輔君    阪上安太郎君       華山 親義君    山本弥之助君       桑名 義治君    和田 一郎君       門司  亮君    林  百郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長)   荒木萬壽夫君  出席政府委員         警察庁長官   後藤田正晴君         警察庁交通局長 片岡  誠君  委員外の出席者         警察庁交通局交         通企画課長   井口 孝文君         大蔵省主計局主         計官      後藤  正君         厚生省環境衛生         局公害部公害課         長       山本 宣正君         通商産業省重工         業局自動車課長 大永 勇作君         通商産業省鉱山         石炭局石油業務         課長      斎藤  顕君         運輸省自動車局         整備部長    隅田  豊君         自治大臣官房参         事官      立田 清士君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出  第一三号)      ――――◇―――――
  2. 菅太郎

    ○菅委員長 これより会議を開きます。  道路交通法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。門司亮君。
  3. 門司亮

    ○門司委員 道交法の改正ですから、私は主管大臣にまず最初に聞いておきたいのです。  それはこの改正法の定義のところですが、定義のところには、御承知のように、二条で「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。」こう書いてあって、そして改正案のほうには、その二十二号に、「交通公害 道路の交通に起因して生ずる大気の汚染、騒音及び振動のうち総理府令・厚生省令で定めるものによって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。」、こう定義が改正されております。ここについてちょっと聞いておきたいと思うのですが、一体この公害に対する定義というものをどういうふうにお考えになっているかということです。これは基本的な問題でありまして、この法律の中にはどこにもこの基本的な問題が出てこない。そこで、私聞いておきたいと思いますが、これはそっちから聞いたほうがいいんだけれども、あまり時間もありませんので、私のほうから先にお話を申し上げておきます。  一体この公害の定義というものはどういうことかということなんですが、これは何かこういう条文だけではわからぬのですが、私ども従来公害というものに対するものの考え方は、大体公害には一つの発生源がある。その発生源から来るものが排出される。その発生源をかりに産業公害というなら産業にこれを求めて、あるいは社会公害であるなら社会の制度の中にこれを求めていく、こういう一つの発生源があるわけです。それはここの定義に少しばかり書いてあります。それからその次に、そこから出る排せつが一つある。発生源があって、排せつがなければならない。その排せつを運ぶ、運搬するものがなければならない。これは要するに、われわれのことばで言えば、環境だ。一つの環境がそこになければならない。大体排せつから運搬の過程においてどういうことになっているかといえば、これは希釈になっておる。出てくる排気ガスなら排気ガスが、出てくるところよりも運搬されてくる間においてかなり希釈されてくる。さらにそれが被害を及ぼすところまで来る、こういう状態である。したがって、定義というこの問題は非常にむずかしいのではないかと考える。ただ、こういうふうに書いてあったところで、一体公害とは何ぞやといわれたところで見当がつかないのではないか。したがって、この場合、定義というなら、やはり明らかにそういう順序をずっと書いて、そして産業公害あるいはその他の公害に対する認識というものをここではっきりする必要がありはしないか。その点に対してどうお考えになっているか。ただ、これだけ読んだのでは、これは公害の一番最後のいわゆる希釈されたときに、人命その他健康に影響を及ぼすときというのが出てきているのであって、全く公害の一番大きな発生源に対して何らの定義がない。これでよろしいかどうかということを最初に聞いておきたいと思います。
  4. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 御質問のように、私も、公害とは一体何ぞやという定義はたいへんむずかしいと思います。ただ、私どもとしましては、公害基本法で定めておるいわゆる公害、これを公害としてとらえて、そのうち大気汚染あるいは振動あるいは騒音といったような交通に起因するものを今回道交法でとらえて、それの防止をはかる、こういうことを考えておるわけでございます。  そこで、具体的にそれでは交通公害とは一体何ぞや、こういうことになりますと、やはりそれは今回の改正案にもございますように、一応総理府令、厚生省令でそれを定める、こういうことにいたしております。その定め方につきましては、やはり公害基本法で一応環境基準というものがきめられますので、それを目安に置いて総理府令、厚生省令できめてまいりたい、かように考えております。
  5. 門司亮

    ○門司委員 事務的にはそういう答弁になるかもしれない。そうすると、この法律を審議する場合に、先ほど申し上げましたように、要するに、発生源から排出されて、そして希釈するまでの間の一つの環境というものがございます。この間が環境でございます。そして、それがどういうふうに影響を受けているかということ、いわゆる被害というものがそこから出てくる、その被害の程度によってこれを定めよう、こういうことに解釈してよろしゅうございますか。
  6. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 さように解釈していただいてけっこうだと思います。
  7. 門司亮

    ○門司委員 そうすると、そう解釈していきまして、この法律どおりに読むと、全く公害基本法に基づいてただそれの経過処置みたいなものだ。これによって、独自の安全性というものは何もないんだ。私は、公害というものに対しては、一つの公害基本法というものがあっても、その法律だけが万全でないのであって、個々にとらえられた発生源に対する処置をどうするかというものがなければならないと思うのです。そういうことがないうちに、ただこういう法律があるからこれを受けるんだということになるなら、ほんとうの防止にはならない。現実に被害を受け、被害の環境を知っておるのはあなた方なんです。厚生省が知っていないとは申しませんが、通産省が知っているわけじゃないのです。こういう被害が起こる原因はどこから来ているかということを常時検討されるのはあなた方なんです。被害を受けている者、国民とさらにその環境整備との間にある皆さんの力なんです。  そこで、私は聞いておきたいと思いますことは、こういう一つの定義の中で、さっき申し上げましたように、いわゆる産業からくる排気までの一つの発生源は産業なんです。それから排せつされる、運搬されてくる道中、もう一つの先に今度は希釈の部分が多少時間的にある。これを俗に環境、こういっておるのである。それからその次に、環境が悪ければ当然被害が出てくる。こういう定義があたりまえだと思う。そこで聞いておきたいと思いますことは、産業公害が一番先である、こういう被害を国民に及ぼす原因はどこにあるかということを突きとめれば、これは産業に戻ってくる。それに対してどういうお考えなんですか。あなた方は、今日の排気ガスは、自動車があって排気ガスが出るから、おれたちはこれを取り締まればいいんだというお考えですか。一番最後の、この被害をいかに少なくするかという、ただ取り締まりだけの面でものを考えておったのでは、ものの解決はつかぬと私は思う。厚生省の受け売り、建設省の受け売りではものの解決はつかぬと思うのです。あなた方がほんとうにこの被害をなくそうとするならば、産業のところまでさかのぼって、そうしてどういうふうな品物をこしらえてもらいたい、どうしてもらいたいという意見があなた方にない限りは、どんなにここで議論しておったってものは片づかぬと思う。  そこで、私は、最初に申し上げましたように、定義のところでもう少し突っ込んで聞いておきたいと思うことは、こういう問題に対して何かあなた方の御意見がありますか。
  8. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 おっしゃるように、ここに書いてあります「生活環境に係る被害が生ずる」のを防止する。しかし、その防止については、いわゆる交通公害というのは、やはり私は、先般の委員会でもお答えいたしましたように、使用するガソリンの問題であるとかあるいは自動車のエンジンそのもの、これで被害の生じないようなものをつくっていく、これが基本であろうと思います。その基本がなくて、ただ単に、どんどん悪いガスを出す、だから警察で取り締まるのだといったような考え方では、私は、いわゆる公害防止ができるということは考えておりません。したがって、私どもとしては、やはりそういった根本にさかのぼっての政府の施策というものを先行してもらいたい、こういう率直な考えを持っております。ただしかし、そうは申しましても、それにはそれなりの時間の経過を必要とする。そこで、私どもとしても、私どもなりの交通の規制という手段によって公害防止に役立たさせていきたいというのが、この法律の基本でございます。
  9. 門司亮

    ○門司委員 そうすると、こう解釈しておいていいのですか。いまのお話は、目的のほうに戻るわけでありますけれども、ちょうど定義から目的にあと返ってきた答弁だと思いますが、発生源を防止することが必要だとは考えておるが、しかし当面は、それから来る被害を少なくしていくことのために努力するのだ、この目的にそう書いてありますけれども、そのとおりだと思う。  そこで、私はなお突っ込んで聞いておきたいと思うことは、そういう発生源に対するあなた方の御意見というものが、通産省なりあるいは運輸省にどう響いておるかということであります。これは運輸省や通産省に申し入れをされたことがあるならあるとして、いつ幾日こういう申し入れをしたということを示してもらいたい。あとで通産省と運輸省に聞かなければなりませんから。
  10. 片岡誠

    ○片岡政府委員 文書でもって正式に申し入れをしたことはございませんが、保安基準の改正については、口頭でもって常時申し入れをしております。
  11. 門司亮

    ○門司委員 文書であるなしは別にして、前のこの委員会でも、アメリカの規制とこっちの規制は違うじゃないかという議論がされたことがあります。それと同じように、それではそういう実被害に対して取り締まりをする、あるいはこれを緩和していこうとするのが警察の仕事なんです。これは実被害なんです。通産省や運輸省というのは実被害に対する態度ではないのですね。一つの法律のワクの中の規制なんですね。全体の産業の規制なんです。それで、いまの警察側からの申し入れで、通産省なりあるいは運輸省は何か考えたことがございますか。ただ申し入れがあったから、協議会などで話があったから聞きっぱなしだ、こういうことなんですか。
  12. 片岡誠

    ○片岡政府委員 たとえば軽自動車に車検制度が現在ございませんが、その車検制度についてやるように従来からも申し入れしておりましたところ、運輸省でもやる方向で現在検討しておるようでございます。
  13. 門司亮

    ○門司委員 はっきりしておきますが、通産省側も、アメリカで規制していることが日本で規制されないはずはないのであって、アメリカの人間が吸って悪いものを日本の人間が吸っていいという理由はどこにもないと思うのです。だから、いいことならば、話があればそれに準じてやっていただきたい。いまの運輸省の答弁なんかも、検討しているといっても、見当違いですよ。もう少し真剣に考えていただかぬとどうにもならぬところまで来ているのでしょう。道路が狭いとか少ないとか――建設省側の責任もありますよ。私はないとは言わない。日本の東京都も、たとえ道路にしても、もしロンドンと同じような面積を要求するとすれば、いまの道路の大体五割方くらい要求しなければならないのですね。だから、そんなことはなかなかできはしませんけれども、ロンドンは市域の約二〇%内外の道路面積を持っているのでしょう。東京都はまだ一三%になるかならないかでしょう。そういうことをいまここで求めても、とても追いつく仕事ではないのですよ。だから、手っとり早く排気ガスその他から来る公害をなくしようとするならば、やはりエンジン構造を変えるとか、あるいはそういう排気ガスをむやみに出す車を規制していくという方法以外にないのです。根本的な解決にはならぬが、とにかく一応何とかしなければならぬということが現実に起きている。ところが、一線の最も苦労しておる警察庁の諸君が話をしても、まだ検討しているということでよろしいのでしょうか。一体運輸省はどういう検討をされて、いつごろ実施しようとされるのか、それから通産省はそれを受けてどういうようにされようとするのか、その辺をはっきりここで聞いておきたいと思うのです。
  14. 隅田豊

    ○隅田説明員 お答えいたします。  ただいまの先生の、運輸省が規制をいたしますのに警察庁の意見をどの程度聞いているかということでございますが、これは常時いろいろ打ち合わせをいたしておりまして、いままで、たとえば四十一年度に新車につきまして三%の一酸化炭素規制を始めて以来、何回か改正をして強化をしてきておりますが、常にその際には警察庁へはもちろん、厚生省、そういうところの意見を聞きながらわれわれのこの規制の数値をきめているのでございまして、その点はわれわれとしても今後とも十分意見を聞きながら進めていきたいと考えております。  それから、先ほど片岡局長から御説明がありました、たとえば軽自動車に対する対策を検討しているという問題でございますが、現在のところでは、実行上にいろいろちょっと問題がございますので、行政指導の段階を経過しながら、最終的に法律でいつごろやるかということを目下鋭意検討しておる段階でございます。
  15. 大永勇作

    ○大永説明員 警察庁から御指摘があるなしにかかわらず、われわれといたしましてガソリンの組成の改善あるいはエンジンの改造等につとめることは当然だというふうに考えております。四十八年、五十年と二回にわたりまして運輸省のほうで排気ガスの低減化目標が掲げられておりますが、これを達成いたしますためには、相当前もって生産体制の整備、それから技術開発を進めなければならないということでございまして、先般産業構造審議会の答申も得ましたので、現在メーカーを指導いたしまして鋭意そういった生産体制の整備あるいは技術開発の促進につとめておるところでございます。
  16. 門司亮

    ○門司委員 いまの答弁を聞いておりますと、四十八年、五十年ぐらいに何とかというようなことが考えられるということですが、それでよろしいのですか。悪いところは悪いとして、政府がもし悪いということに気がついているなら、早くそういう問題を解決するためにやったらどうなんです。産業も大事ですよ。それから私どもも製造の工程がわからぬわけじゃございません。いろいろな無理な問題もあるかもしれない。しかし、たいしてむずかしい問題じゃないのです。排気ガスが悪い、燃料に悪いガスをたくさん含んでいるのだというなら、燃料を取りかえればいいのであって、現実にそうやっているでしょう。たとえばロンドンはスモッグがほとんどないといわれている。これは自動車でありませんが――自動車も含んでおりますけれども、家庭の暖房用に使うものにしても厳然たる規制をしているのですよ。モスクワでもそうでしょう。石炭をかりにたいても、ここは無煙炭以外は使わせないという規制をしている。産業も大事であろうが、産業が大事であるといったところで、これは規制の機械をこしらえる過程における一つのコストでしかないのであって、人間の命が大事かどちらかということです。人間の命が大事だと気がついたら、政府は思い切ってそういうことをやることが必要だ。どうなんです。五十年ぐらいをめどにしてといったところで、これから五年もあるのです。その間公害が出て、それは警察庁が取り締まればいいんだ――幾ら取り締まったってガスの出るのは出るのです。どうにもならぬのですよ。そういうことで一体通産省はよろしいかどうかということです。  もう一つ、これは運輸省のほうにも関係がございましょうが、通産省のいまのお考え方は新しい自動車のことだと思う。これから新しくできるものだと思う。いままでできているものがある。これはどうにもならないということで、これも官僚のなわ張り争いですから、悪いのなら両方一緒にやればいいのだけれども、そっちは運輸省だ、そっちは通産省だということで、なわ張り争いの議論がいまされているようです。なわ張り争いは一応認めるとしても、通産省のほうはどうなんですか。古い自動車について新しい装置を求めることが技術的にそんなにむずかしいものですか。その辺われわれしろうとでは技術的なことが一向わからぬので、はっきりお答えを願っておきたいと思うのです。
  17. 大永勇作

    ○大永説明員 先ほど申しました五十年の排出ガスの低減化目標を達成いたしますためには、エンジンの相当な改造のほかに、触媒式浄化装置等新しい技術の開発が必要でございます。特に一酸化炭素のほか、酸化窒素あるいは酸化水素の規制が生じてまいるわけでございますが、特にNOx、酸化窒素の規制につきましては、現在のところ、五十年の低減目標に即応した技術開発はまだでき上がっておりません。したがいまして、国といたしましても、工業技術院の試験研究所を通しましてそういった研究開発を進めますとともに、民間におきましても鋭意技術開発を行なっておるところでございます。なお、技術開発が早期に見当がつきましたならば、直ちに今度はそれの設計、設備の増強、整備等に入るわけでございまして、若干の時日はどうしても必要だというふうにわれわれとしては考えておるところでございます。
  18. 門司亮

    ○門司委員 運輸省のほうはどうなんです。
  19. 隅田豊

    ○隅田説明員 運輸省側から御答弁いたします。  ただいま先生御指摘の五十年目標の問題でございますが、五十年の目標を設定していることと、それから現在私たち規制を担当しておる運輸省の立場から御説明申上げさせていただきたいと思います。  現在のところ、私たちたとえば新車につきまして二・五%というような規制をやっておりますのは、いまのところわれわれの調査研究の範囲内で技術的にできる最大のところの規制を一応やっているつもりでございます。ただ、われわれのほうで規制をやるだけでほうっておきますと、メーカーの技術目標というものをどこまで持っていっていいかということに対しまして、国としてのある程度の方針を示しておかないと、やはり技術の進歩と申しますか、そういうものが十分国として政策的に引っぱっていけないという心配がございます。そういう意味で、運輸技術審議会にわれわれといたしまして委嘱をいたしまして、五十年を目標として、現在の自動車を使う限りはどの程度まで排出規制を下げていくべきかということを、関係方面の諸先生方に集まっていただいてきめたのが、ただいま通産省の自動車課長の申し上げました五十年を目標とした規制であります。これは一つの規制の目標でございまして、現在の規制の中身としては、そこまでいっていないことは御承知のとおりであります。  最後のお尋ねの中古車の問題でございますが、これはことしの八月から初めて規制の対象になりました。中古車に対しての問題としては、われわれとしても車両検査ということをやっておりますので、そのときにはかるという方法がございます。ことしの八月から適用になりまして、これから逐次下げていって、現状の車をできるだけ早い時間帯できれいなものに持っていきたいというふうに考えております。
  20. 門司亮

    ○門司委員 話を聞いていると、どうしようもないんです。結局、最大限あなた方のお考えが実施されるとしても、五年先だということです。車検などは、いま定めている二年に一回とか一年に一回とかいうような期間でなくても、人命に関係のある仕事をするのですから、あなた方のほうで準備さえあれば、常時車の持ち主はわかっているんだから、呼び出してつけかえさせるということも私は可能だと思うのですよ。その辺は一体公害をどう考えているかということなんです。人間の生命ほど大事なものはないということは、みんなそう言っているのです。総理大臣みずからが演説でしょっちゅうそう言っている。耳にたこができるほど人命の尊重、人命の尊重と言っている。ところが、あなた方のほうは一向人命の尊重をされない。機械が改善されるというような基本問題がありますから、その辺を目標にしておられる。それでは国民が災難です。  時間がございませんので私はこれ以上詰めませんが、こういう問題についてはもう少し政府は真剣になる必要があると思う。ことに道路を受け持っておいでになる、あるいは道路公害について受け持ちの大臣としては、ひとつあとで私は大臣の所信を聞きたいと思いますけれども、もう少しはっきりした態度をとってもらいたい。そのことはどういうことかといいますと、この法律の改正で公害がなくなろうとは私は考えていないからであります。ここに書いてあるでしょう。罰則のところに通行の禁止その他公安委員会と書いてあるでしょう。一体公安委員会がこういうものを検討する能力を持っていますか。何も能力は持っていないです。技術者一人持っていない、どこの公安委員会に行っても。公安委員会が認めたときなんというのは、どこでどういう調査をしてどう認めるのですか。私はこの法律はいままでとほとんど何の変わりもない法律であって、ただ、混んできて困る、あるいはたくさん車がとまっておって、そこから一時に飛び出すときの排気ガスがどうしようもないとか、あるいは交通を取り締まっているおまわりさんが一カ所に二時間以上立っていられないということはわかっているということです。それを幾らかでも減殺しようという考え方だけであって、これは公害を除去しようという考え方から出たものじゃないじゃないですか。公害をほんとうに防止しようというお考えがあるのなら、私は、前段に申し上げましたように、通産省なりあるいは運輸省なりがもう少し本腰を入れて、大気汚染の一つであります上から出る――煙突から出るのと下から出るのとの違いだけでありまして、大気汚染であることには間違いないのである。上からたくさん出るほうはある程度規制ができます。たとえば煙突をごらんなさい。従来発電所の煙突は五十三メートルだったものを、いまは二百五十メートル以上になっているでしょう。しかもそれを一カ所にまとめるということ、いままでは八本の煙突を持っている場合、大体五十三メートルから五十五メートルに規定されていたわけです。それを一つにまとめて二百五十メートルに持っていく、これはある程度希釈をする、いわゆる人体に被害を及ぼすまでの間のいわゆる公害が運搬されておる過程においてはある程度処置がとれるのです。自動車のほうは一番下ですから、これ以下にはできないのです。地下に排出しようなんでいったって、これはできない。そして人間は一番下の土地にいるのですから、一番最初に被害を受ける。こういう排気ガスの問題に対して、一体こういうことでよろしいかということである。公安委員会に付託されているが、一体公安委員会の機能はどの程度です。この公害に対して指図するだけの機能を持っているかどうかということです。公安委員会自身が機能を持たないで、各都道府県のほかの所管で測定をされたりあるいは現場におる警察の諸君が測定して、それが報告されて、ただ手続上公安委員会の指揮を受けるというような、これは手続法みたいなものであって、公安委員会、公安委員会と書いてあるけれども、何も力を持たぬ公安委員会がどんなことをしたって、受け売りをするだけでほんとうの仕事にはならぬ。だから、この公安委員会の機能に対して一体どういうお考えをお持ちになっておられるか、その辺をこの際ひとつはっきりしておいてもらいたいと思います。
  21. 片岡誠

    ○片岡政府委員 おっしゃるとおり、私どもは大気汚染なり騒音についての技術的なあるいは科学的な知識につきましては不十分だと思います。したがいまして、大気汚染の場合あるいは騒音の場合には、都道府県知事が常時観測する義務を負っておりますし、またその観測した結果を当然私どものほうに、公安委員会のほうに通報なりあるいは何らかの措置をとることを要請されることがあろうと思います。そういう場合に、大気汚染の場合をとりますと、一定基準に汚染が達した場合に、公安委員会としては、その大気汚染による公害を防止するためにいろいろな種類、できる範囲の種類の交通規制手段を検討いたしまして、それで交通規制をやっていくという筋合いになろうかと思います。
  22. 門司亮

    ○門司委員 この法律どおりに解釈すれば、それ以外答弁の方法はない。私が心配しておりますのは、公安委員会というものがあっても、ほんとうの経過だけであって、通り道にすぎないのであって、公安委員会が機能を持っていない。いまのお話のように、法律全体を見てみますと、知事に権限を与えるとかあるいは知事が測定するということになっております。しかし、公安委員会は独立をいたしておりまして、県の警察本部といっても、都道府県警察とはいっても、公安委員会という行政組織の中から、行政委員会でコントロールされていることはあなた方のほうがよく御存じのことです。したがって、ここに規定を入れるなら、そういうはっきりした規定を示して、そしてある意味においては公安委員会にも義務づけるというような立場がなければ、公安委員会がそのくらい動かなかったら、知事がどんなことをしてもどうにもならぬでしょう。その辺を私は心配するのである。したがって、ほんとうにこういう規定をあなた方が受けて、ことに交通規制というのは、産業をやっている人からすればたいへんなことです。道を一回り回っていかなければならぬとかなんとか、たいへんなことです。それをあえて規制していこうとするなら、公安委員会に十分なそういうものを測定する――たとえばこの法律で規定される大気汚染と排気ガスの問題、音がやかましいという騒音の問題だとか、振動の問題だとかいうことくらいの測定のできる公安委員会直属の、何かそういうものに対する権威のあるものがなければ、公安委員会にこれを委託することは私は無理だと思う。公安委員会といっても毎日開いているわけではございません。御承知のように、公安委員会というのは、一週間に一ぺんくらいしか開きはしません。ただ取り締まりだけすればよろしいという考え方がこの法律の中に一貫して流れておると思う。これは警察の本領で、おれたちは取り締まりなんだ、こういうお考えかもしれない。しかし、それではいまの警察はつとまらぬと思います。いまの警察は、罰則がついているからこれを犯罪と心得て、その犯罪をいかにしてなくするかということを警察が重点を置かなければならない。要するに、先ほど申し上げましたように、わかっていることなんだから、通産省にしても運輸省あるいは厚生省にしても、現場の警察官の体験からくるいろいろな問題はあなた方のほうが直接わかるんだから、これをおのおのの役所に文書なりあるいは厳重に通達をして改正してもらうという誠意がなければならぬと私は思う。この法律を見てまいりますと、ほとんど取り締まりだけに終始一貫しておって、内容は一体どうするのだろうという気がするのであります。こういう点に対して、ちょうど与えられた時間もございますので、大臣からひとつはっきりこの際答弁を聞いておきたいと思います。
  23. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 大体はお説のとおり、公害の発生源対策が万全の処置を講じられるならば、警察がおせっかいをやく必要はないと思います。ところが、実際問題としましては、たとえば自動車のエンジンの改良にしても、燃料の改善にしても遅々として進まない。公害を発生することのないように改善されることを望みますけれども、事実上は科学技術の発展過程において急速にその成果を期待し得ないということから、交通公害原因も発生しているかと思います。そこで、理想状態を現出すべくそれぞれの官庁においては努力されるでありましょうけれども、その発展過程において余儀なく排出する公害原因、これを押えて、人々の生命、環境の保全に有害であるというものは、交通規制をはじめ警察の担当する課題として受けとめざるを得ない、必要悪の行政を担当させられているというふうに心得ております。そこで、極力技術の開発等も努力してもらう一方、当面なし得る、警察機能を通じての交通規制等を通じまして、その害悪を最小限度にとどめるということを担当しているところかと思います。  繰り返して申し上げますが、発生源対策が根本であって、警察機能にまかせられるものは、結果的なやむを得ざる処置であるというふうに心得ております。そこで、機会あるごとに私どもの側からもそれぞれの関係官庁に要請をして、改善の時期が一日でも早まることを努力せねばなるまい、かように考えます。
  24. 門司亮

    ○門司委員 最後に一つ申し上げておきますが、もし御答弁があればと考えております。  この問題はもう少し警察は真剣にならなければならない。一番大きな被害者は警察官でしょう。あのどうにもならない、われわれが見ておってもたいへんだなと思うような混雑のところの整理をすることもたいへんな仕事でありますけれども、それからくる排気ガスを一番よけい吸うのは警察官なんです。通る人はだだ通るだけなんです。そこから出たものにしても、道路のまん中で測定したものと端で測定したものとはかなり違うのです。三百メートルも離れてごらんなさい。それほど大きいものではなくなってしまう。一番大きな被害者は警察官なんです。その警察官の総元締めである公安委員長が、いまのような必要悪だの何だのということでは済まされぬと思うのです。実際はみなあなた方の部下なんですよ。それが一番大きな被害者なんです。私は、こういうことはむしろ一般の住民が大騒ぎをする前に、まずあなた方のほうから、おれたちの生命を一体どうしてくれるのだということで火の手が上がったほうが、ほんとうだと思っているのです。これは私たちもしばしば聞かないことではない。しかし、一線の交通整理をやっているおまわりさんには、なかなか公安委員長のところまで意見というものは達し得ないと思うのです。だから、一番大きな被害を受けておる警察官の立場としては、大気汚染だけでなくて、そのほかの騒音にしましても何にしましても、みな苦情を引き受けておるのですから、それは運輸省に行って聞きなさい、厚生省に行って聞けというわけには、一線のおまわりさんとしてはいかないわけです。そんなことを言ってごらんなさい。住民から張り倒されてしまう。そういう点でやはりこういう法律をお出しになるならば、もう少し徹底した――私があとで申し上げました公安委員会等についても予算を与えて、機能をひとつ大きくして、そしてここが自発的に動ける態勢をとるべきである。私はそう考えている。知事だとおっしゃるけれども、それは行政の責任者は知事かもしれない。しかし、何も知事だけが全部の権限を持っているわけではございません。警察自体が動き得るという財政的な処置、同時に機能の拡充をはかる必要があると私は考えておるわけですが、との点についてのひとつ大臣の御答弁を伺っておきたい。
  25. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 御忠言ありがとうございます。及ばずながら、おっしゃるような意味合いにおいて受けとめて、四十六年度予算にいたしましても、立法措置にいたしましても、通常国会を目ざしてできるだけの努力をしたいと思います。
  26. 門司亮

    ○門司委員 ちょうど時間ですから、終わります。
  27. 菅太郎

    ○菅委員長 華山親義君。
  28. 華山親義

    ○華山委員 まず伺いますが、このたびの改正によって、いままでやろうとしてもやれなかったが、今度はこういうことがやれるのだということを、具体的の事実によっておっしゃっていただきたい。
  29. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いままでの法律は、御承知のように、道交法一条にもございますが、交通の安全をはかり、危険を防止する、そういう目的でございました。したがいまして、大気汚染の場合は、住民の場合なかなか客観的にわかりにくい場合があろうかと思いますけれども、騒音だとか振動の場合に、住民からいろいろ苦情なりあるいは要請なりが第一線警察署に出てまいります。そういう場合に、それなりに交通の安全という角度で合致する場合は、それなりの交通規制、たとえば車を徐行さすとか、あるいは迂回路があれば大型車、たとえばダンプカーを通さないようにするとか、そういう措置はそれなりにやってまいったと思います。しかしながら、騒音だとか振動だとかいう、そのこと自身のために、そういう交通規制をするということにつきましてはやはり疑義がございましたので、あらためて法律を直して、そういうこともできる、国民のためにできるというふうにしたい、そういう趣旨でございます。
  30. 華山親義

    ○華山委員 今度の法律の改正によって、公害ということがあるので、これからは騒音等の規制がもっと法律でできるというお話でございました。交通の制限等について、いままではやろうと思ったけれどもやれなかった。しかし、今度の法律によってこういうことは今度はやれるのだということがあったならば、具体的におっしゃっていただきたい。
  31. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いま御説明したことの繰り返しになろうかと思いますけれども、たとえば病院であるとか学校であるとか、道路の沿線にそういう施設がございました場合に、騒音が激しい、あるいは振動が激しいといった場合に、今度法律が改正されますれば、スピードを押える、あるいは徐行さすようにする、あるいは迂回路があれば大型車は迂回路のほうに回して、その道路につきましては大型車の通行を禁止する、こういう具体的な措置がとれるようになろうかと思います。
  32. 華山親義

    ○華山委員 大体私、考えるのですけれども、公道は何人も、いかなるときでも、どういう方法でも交通ができるということが原則だと私は思う。しかし、それでは多くの人に迷惑をかけたり、かえって交通が渋滞をするというふうなことから、この道路交通法ができている、こういうふうに私は考えるのでございます。それについては当然のことだと思いますが、どうでしょう。
  33. 片岡誠

    ○片岡政府委員 元来それが道路の利用についての理想だと思います。
  34. 華山親義

    ○華山委員 理想でなくて、それが本則なんじゃないですか。理想でなくて、道路というものは、何人も、いかなるときでも、いかなる方法でも交通ができるのだというのが、これが公道の原則なんであって、交通の自由という原則があると私は思うのです。それを制限するということは、やはり社会的な他の要請があって、やむを得ず規制するのだということに私はなるだろうと思うので、それが道路交通法の精神だと思っておるわけなんですが、道路交通法の根本的の精神といいますか、これができた要請というものはそういうところから出てきているんじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。それによって私のこれからの質問が変わってきますから、ひとつ教えていただきたい。
  35. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのとおりだと思います。
  36. 華山親義

    ○華山委員 それで伺いますが、これは公害というものが、おっしゃるとおり、また今度の基本法等にも書いてありますとおり、ある一つのものを定めているわけなんです。ここによって公害というものが全部を網羅しておるのじゃないと思うのです。広い意味でいうならば、基本法を提案した中にも、理由として、過密現象があるからこういうことになったので、というふうなことをいっているわけです。それだったならば、過密現象によって生じたところの、あらゆるものを全部というわけにはいかないでしょうけれども、そういうことによった障害というものは私は公害だと思う。その広い意味の公害の原因というものを、過密状態というものをどうして除去するかということについて何らのこともないわけです。これは警察には関係ないことかもしれませんけれども、そこに私は根本的なものの考え方の違いがある。ただ具体的に出てきたことだけをつかまえておる、こういうところに問題があると思うのでございます。  それで、そういう上からいうならば、私は、現在過密状態によって過密地域の多くの人たちが狭いところに押し込められて、そしてたいへんな人としての生活というものが圧迫されている、それを解放するということがやはり一つの問題だと思うのでございますけれども、新宿とか池袋とかというふうなところで、このごろある一定の日、時間を限って交通を制限している、あれは一体どこから交通制限ができるのですか。
  37. 片岡誠

    ○片岡政府委員 道路交通法の第七条に基づく規制でございます。
  38. 華山親義

    ○華山委員 それ以外はできっこないのですから、当然第七条だと思いますが、第七条を発動してああいうことのできる根拠はどういうことなんですか。
  39. 片岡誠

    ○片岡政府委員 結局「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認め」たということでございます。
  40. 華山親義

    ○華山委員 どういうわけで、池袋や新宿、ああいう人出の多いところで、一定の時間だけを限って交通を制限したのか。いままでだってあそこが、日曜日なんかはあぶなくてしようがないということはなかったわけなんです。しかし、現在の過密地帯における市民、そういう人たちをもっと広い意味の公害から解放しようということからああいうことが行なわれているのじゃないか。道路交通法によってあれをしばるというふうなことは無理があるんじゃないか。私はあのことは非常にいいことだと思うのですよ。ますます範囲も拡大してもらいたいし、時間も長くしてもらいたい。またああいう道路ばかりでなくて、日曜日等には小さな道等も、私は子供たちには開放してもらいたい、こういうふうに思うのですけれども、そういうふうなことは第七条から無理じゃございませんか。
  41. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私、先生のおっしゃる趣旨に全く同感でございます。ただ、現在の第七条をぎりぎりまで活用してああいう需要に応じた措置をととったということだと思います。したがいましてて、この次の通常国会には、疑義なくそのような施策ができるような法改正を御提案申し上げたいと思っております。
  42. 華山親義

    ○華山委員 ぜひそういうふうにしていただきたいのでございますけれども、私はそういう広い意味での公害、公害基本法をつくった理由としてあげてあるところの過密の状態、そういうふうなものからこうむるところの一般市民の人としての生活を解放する、こういうことに重点が置かれるべきであって、道路交通法はまたそうでなければいけないのじゃないか。この次には改正案を出されるということでございますから、ひとつ出していただきたい。第七条だけによってやっておりますと、私はそんなことは言いませんけれども、おかしいじゃないかというふうなことで訴訟でも起きたらたいへんですよ、これは。そういうふうに思うのでございますが、いまああいうふうなことで、何といいますか、いわゆる歩行者天国とかなんとかいいますけれども、ああいうふうなことはいままででも警察でやっていたわけです。たとえばいまではだんだん少なくなってきましたけれども、東京の盛り場で市が立つ、そういうふうなときには、その区域に限って交通の規制をしていらした。しかし、これは当然人が出てくるからそれを規制していた。やはりこれは第七条で私はできると思うのですけれども、いわゆる新宿や銀座のような場合は、とても出られなければ人が出ていかないというだけのことであって、私は意味が違うと思いますし、ひとつそういう点で過密地帯の人々にもっと自由な天地といいますか、そういうことを与える意味の法の改正を私はお願いしておきたいと思うのです。私はこれは広い意味での公害だと思いますので、お願いしておきたいと思うのでございます。  それから、そういたしますと、私はここでお願いしておきたいのですが、法を改正されるようでございますから、その際に考慮していただきたいのでございますが、この法律にも全般的にいえるわけですけれども、警察の必要によって市町村長なり知事なりの意見を聞く、あるいは状況についての報告を求めるということがありますけれども、市民をしあわせにしてやる。そういうふうになりますと、警察ももちろんそうですけれども、知事なり市町村長のものの考え方というものが大きな力を持ってくるわけです。あそこの道はひとつ小学校の生徒に日曜日だけでも開放してやったらいいじゃないか、あの道路はひとつ一般市民に日曜日だけでも開放してやったらいいじゃないかというふうな意見は、これは市民あるいはその地区の人々の意見が出てくるわけですから、これは警察のほうも当然そういうようなことは察知しなければいけないと思いますけれども、知事なり市町村長なりの考え方が、市民を代表する意味からも、市民の希望をまとめる意味からも、私は強いと思うのです。そういうふうなことで、その面につきましてはひとつ知事なり市町村長なりの意見が道路交通法に積極的に反映のできるようなものの考え方をしていただきたい、そういう法の改正をしていただきたい、こう思うわけでありますが、これにつきまして長官からひとつ。
  43. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 御質問の御趣旨は私もよく理解できるつもりでございます。ただ、そのやり方といたしましては、やはり知事なりあるいは市町村長なり、あるいはまた地元住民なりの意見を警察の運営に十分反映をさしていきたい、これは私は御趣旨のようにやってまいりたいと思います。問題は、それを法律的にどう考えるかということでございますが、私は行政上のやり方としては、ただいま申し上げましたように、そういった方々の意見を十分反映さしていきたい。しかしながら、警察権そのものの発動が他の機関によって義務づけられるということはよほど慎重でなければならぬ、かように考えておりまするので、その点は御了承を賜わりたいと思います。
  44. 華山親義

    ○華山委員 私も長官のおっしゃることはわかります。こういうことをしてほしいという指導的な立場は、そういう市町村長なり知事なりにあると私は思うのです。しかし、そういう指導があった場合に警察がそういうことを言われても――そうしますと、交通の面において他に障害が起きる、それから、この道をとめたために、他の交通を円滑にするための方法を考えなければいけない、それには非常な障害があるというふうなことであって、その面で警察の意見というものは私は無視するという意味ではありません。ただしかし、そういう指導力を、指導することを法律的にも明らかにしてもらいたい、こういうことを私は言っているわけですから、御了承を願いたいと思います。  それから、ちょっとこれは伺いますが、今後こういうふうになりますと、いろいろな面で、たとえばここに標識というふうな問題もございますけれども、いろいろな面で私は相当の経費が警察、したがって、市町村、都道府県にかかってくるだろうと思うのですが、これにつきましての御配慮はどういうふうになすっていらっしゃいますか。
  45. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私どもといたしましては、交通の安全と円滑、さらに交通公害の防止をするために、信号機、標識、標示を含めましてそれを一つのシステムとして考える。交通管理体制と申しておりますが、その整備をいたすために明年度から五カ年計画で約三千七百億くらいの予算を現在大蔵省に要求いたしております。それの獲得に努力いたしたいと思いますので、どうぞ御協力なり御鞭撻をいただきたいと思います。
  46. 華山親義

    ○華山委員 三千七百億の予算といたしますと、これは各地方は、市町村なり都道府県はどれだけの額になりますか。
  47. 片岡誠

    ○片岡政府委員 高速道路につきましては全額国費を考えておりますが、その他につきましては半額負担になろうかと思います。
  48. 華山親義

    ○華山委員 そうするというと、三千七百億だから一千七百億程度は今後五カ年間の地方の負担、五カ年計画ですから大体三百億から四百億というものが、物価騰貴等も考えますと、今後毎年の負担になる。三百億、四百億、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  49. 片岡誠

    ○片岡政府委員 初年度二百八十一億でございますので、初年度はしたがいまして百四十億足らずだと思います。――間違えました。失礼いたしました。国費分が二百八十一億でございますので、地方は二百五十億くらいの負担になります。
  50. 華山親義

    ○華山委員 地方は二百五十億。これは地方におきましては、主としてこれは府県にかかってまいりますから、私は相当な金額だろうと思うのでございますが、警察に関するばかりじゃございませんけれども、公害に関しましていろいろな問題が起きてくると思いますが、大蔵省からおいでを願っているかと思いますが、それにつきましてどんなふうにお考えになっておりますか。
  51. 後藤正

    ○後藤説明員 公害関係につきましては、先ほども門司先生もおっしゃいましたように、原因者負担ということが原則であろうと思いまして、いま御提案されておりますような事業者負担法が御審議願われておるわけでございます。  しかし、公害防止関係で、過去いわば公共関連等、あるいは監視とかあるいは規制とか、こういうものに関連をした国庫補助負担制度というのは、もうかなりのものが整備されておるのでございますが、四十六年度予算におきましては、ほとんど全省庁を通じましてかなりの新規の補助金、委託費等の要求がございます。これにつきましては大蔵省といたしましても、非常に真剣に前向きに取り組むべく現在の四十六年度予算編成を通じまして作業をしている段階でございまして、いまの段階でこれ以上お答え申し上げることができませんことをお許し願いたいと思います。  いまの地方負担等の問題でございますが、これにつきましては、やはり実際の公害防止事業なり、あるいは交通規制なりがどの程度集中的に実施されまして、それが当該地方団体にどのような財政負担になるかというふうなことを十分検討いたしました上で、支障のないような措置を検討してまいりたい、このように考えております。
  52. 華山親義

    ○華山委員 いつでもおっしゃるようなお答えですけれども、私はたとえば道路標識を五カ年計画でやるなんということはおかしいと思うのですね。公害という問題が起きている。何としてでも規制しなければいけない。現在のいろいろな障害、交通事故だって、これは大きな意味の公害ですよ。こういうふうなものを防止するのに、私はなぜ五年間もかけなければいけないのか。何とか年計画ということがありますから、それに見習ったのかもしれませんけれども、道路五カ年計画とか下水道五カ年計画というのはわかりますけれども、人命に関するような、そうして人間の健康に関するような緊急の状態を五年間でやっていこうというのは、一体どういうことなんですか。もっと短い時間でやらなければいけない。金がないからというのかな、どういうことなのか。なぜそういうふうに警察のほうは遠慮なさるのですか。
  53. 片岡誠

    ○片岡政府委員 全く私どももできるだけ予算が多いことを期待しているわけでございますけれども、何ぶんいままでの投資額が年額百億、今年度でございますが、ぐらいの額でございますので、それとの対比においてはあまりにも多い額――私ども絶対額は決して多いとは思っておりませんけれども、いままでの投資に比較して多い額でございますので、逐次一番問題のところからやっていくという態勢をとらざるを得なかったわけでございます。
  54. 華山親義

    ○華山委員 いまおっしゃった額の中には、横断歩道は入っておりませんね。入っておりますか。
  55. 片岡誠

    ○片岡政府委員 横断歩道も入ってございます。
  56. 華山親義

    ○華山委員 しかし、横断歩道は――これは警察の所管ですか。あれはここにつくれ、ここにつくってほしいということは言えますけれどもね。――私は間違えました。横断歩道と言ったのは、歩道橋のことでございます。  じゃあ、取り消しますが、歩道橋のほうはどうなっていますか。それはこれに入っていますか。
  57. 片岡誠

    ○片岡政府委員 歩道橋は道路管理者の所管でございますので、入ってございません。
  58. 華山親義

    ○華山委員 しかし、道路標識もあんまりたくさんつくりますと、歩行者にとってはいいかもしれませんけれども、これはまたたいへんなことになりはしないかと思うし、むずかしい問題だと思いますけれども、しかし、ほんとうに住民の安全を保護するということになりますと、これは地方にも責任がありますから、地方の仕事でもありますから、半分持たせるということもいえるかもしれませんけれども、こういうふうな状態をもたらしたということについては、あまり地方の官庁は責任はないのですね。大体において、よしあしの問題は別ですけれども、こういうふうな交通障害が起きたというふうなことは、これは国のやり方が、間違いだとかいいとかいうんじゃないのですよ、そういうことから出てきたのじゃないかと思う。よかれあしかれそうだと思う。私は半分は地方なんだというのは、ものの概念を間違えていると思うのですよ。そういうふうなこともありますが、とにかくそういうことで、大蔵省にお願いをいたしておきますけれども、大蔵省は何とか言えば地方交付税だとかなんとかいって逃げるけれども、地方交付税も金持ちのところには行かないのですからね、あれは。そういうふうなこともありますし、今度の公害の、これは交通ばかりでなくていろいろな問題を、地方交付税でということを第二番目くらいに口にされるということは、私はこれは考え直してもらわないといけないと思う。きょうは主計官だけがおいででございますからその点追及しませんが、よく考えていただかなければいけないように思います。  先ほど、さらに積極的に市民の生活を保護するためにいろいろな道路について別に法律を改正してやっていくというふうなことは、私は新しいことを言われたとも思いますが、どうぞひとつそういうことで、この苦しんでいる、小さな住宅に蟄居して苦しんでいる過密の人々をできるだけ警察の面でも救っていただきたい、このことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
  59. 菅太郎

    ○菅委員長 桑名義治君。
  60. 桑名義治

    ○桑名委員 先ほどからお話が出ておりますように、交通安全施設に対する五カ年計画が発表されておるわけでございますが、今回は道交法の一部改正がなされるわけでございますが、それについての、いわゆる施設の試算がどの程度になっているか、まずその点から伺っておきたいと思います。
  61. 片岡誠

    ○片岡政府委員 先ほど御説明いたしました三千七百億のこの予算の中で処理するように考えております。
  62. 桑名義治

    ○桑名委員 交通安全施設五カ年計画が発表され、また試算された時点におきましては、当然今回の道交法の改正ということはなかったわけでございます。その後五カ年計画が一応発表され、試算した後にこういった法改正が行なわれたといういきさつから見れば、当然五カ年計画というものはある程度手直ししていかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございますが、いまのお話によりますと、この五カ年計画の中でくみ上げていく、こういうお話でございますが、どうもその点多少無理が出てくるのじゃないか、こういうように心配するわけでございますが、その点御心配はないのですか。
  63. 片岡誠

    ○片岡政府委員 交通公害を防止する、たとえば大気汚染を取り上げました場合に、交通が渋滞することによって排気ガスがたくさん出るというのが実情のようでございます。したがいまして、交通の円滑をはかるということが同時に大気汚染防止にもなるというような場合が多いのではなかろうか、かように技術的にも考えております。したがいまして、大体現段階ではあの予算の中で処理していけるんではないか、このように考えております。
  64. 桑名義治

    ○桑名委員 局長のお話はわからぬこともないわけでございますが、こういった一たん公害の防止に資するというような法律ができた場合におきましては、現在の、いま局長のお話の中でありますように、あるいは今後の交通対策の方向としましては、いわゆるコンピューターシステムというのが盛んにいわれておりますが、このワクを当然広げていかなければならないところも出てくるのじゃないかと思います。こういった場合、これだけの予算の範囲内ではたしてまかなえるかどうか。いままでそういうコンピューターシステムにするところは特別な過密な場所に限っておったと思うのですが、そういった特別な過密な場所以外にまだこういった公害の起こり得るという、そういう可能性を含んだ個所もずいぶんあると思う。そうすると、当然それに伴って施設の拡大をやっていかなければならない。そういうことを考えてみますと、これだけの試算の三千七百億円というこのワク内ではたしてまかなえるかどうかという心配も当然出てくるわけでございます。そういった面も考えた上でこのワク内で処理ができる、こういうふうにお答えなのかどうか、その点についてお答えを願いたい。
  65. 井口孝文

    ○井口説明員 事務的な点がございますので、私からお答えいたします。  交通管制システム整備の五カ年計画を立案いたしました時点で、直接交通公害のみに必要な信号機、道路標識、道路標示といったようなものは試算をいたしておりませんでした。ただ、交通管制システムというものは、一番根本的には交通事故を大幅に減少することに役立つ、さらに交通の円滑化に役立つということでございますが、当時から念頭にございましたのは、交通管制システム、いわゆる都市部におきますコンピューター制御あるいは幹線道路におきます交通円滑化のための自動感応系統化というような処理を進めますことによりまして、同時に大気汚染の減少にも役に立つ。このことはたとえばニューヨークの最近できましたクィーンズ地区のコンピューター制御でございます。これによりましてCO-一酸化炭素が約三五%減少したという事例も出ております。東京ではまだそういうデータをとっておりませんが、この五月に完成いたしました東京都心部の区域におきますコンピューター制御、これによりまして通過交通量も二、三割はふえておりますし、通過速度もふえております。何よりも大事なことは、発進、停止の回数が相当大幅に減っておるわけでございます。したがいまして、そういった点から見て、停止回数が減っておることなどから、やはり大気汚染については相当効果があるだろうというふうに考えますので、公害対策としては相当大きなものであるというふうに考えております。  ただ、御指摘のように、具体的な場所にある問題が起こったというような場合に、何がしかこれとは別ワクのものが将来必要が生じてくるということもあろうかと思いますが、何せ現在の予算とはけたはずれに大きな三千七百億という予算を要求しておりますので、これと別の予算を要求するよりも、五十億でも百億でも削らずにそっくり認めていただくことのほうがよほど効果的であるということから、極力お願いをしておるような次第であります。なお、将来必要な方面につきましては、基準がはっきりきまりました場合、総理府令とか厚生省令とか、そういう規制実施の基準がきまりました場合に、獲得した予算の中で処理できないものがあれば、さらに要求いたしていく、こういうことになろうかと思います。
  66. 桑名義治

    ○桑名委員 三千七百億円を五カ年で割りますと、年間が七百四十億円になるわけでございますが、四十五年度の予算が九十九億円であった。ずいぶん大幅に差が出てきているわけでございますが、はたして財源の見通しはどうかという問題と、それから、たびたびいろいろな面で五カ年計画というものが打ち出されるわけでございますが、その時点その時点、その年度その年度で試算をしている関係で、必ずしも計画どおりの達成率が達成できないというのが、いままでのほとんどの経過でございます。そういった面から、これは五カ年計画で打ち出されても当然手直しをしなければならない。この五カ年計画が達成されたときには、どの程度のいわゆる目途を持ってこの五カ年計画を立てていらっしゃるか。当然この五カ年計画というものはいわゆる交通事故の場合を一応の想定にして立てておると思いますが、はたしてこの交通事故がどの程度減少するのか。それにあわせて今回の道交法の一部改正に伴う交通公害の問題も一応減少させるのだ、こういう意気込みであるように先ほどからのお話でございますが、それをどのくらいに押えていこうとされているのか、その目標を明らかにしていただきたいと思います。
  67. 井口孝文

    ○井口説明員 確かに従来何がしかの行政目標を出しまして、それがそのままなかなか実現しないということであったように思います。しかし、交通安全関係の問題につきましては、なかなかその域までも行っていない従来の状況でございまして、いわばあと追いのための安全施設と申しますか、具体的に申しますと、現在第二次三カ年計画の交通安全施設整備計画ができております。その考え方を見ましても、事故多発地点を選んで、あるいは事故多発の路線だけを抽出いたしまして、そこに施設をつくるという考えでございますから、その点でいえば、事故がすでに起こっているところについてだんだんあとからやっていくというような考え方でございます。いろいろ検討しました結果、そういうあと追いの対策では事故は全然減らない、だんだんふえるばかりであるという認識に立ったわけでございます。  そこで、そういうことではなしに、五年後の状況というのを、なかなか人間の想像力に限度がございまして十分ではないかもしれませんが、五年後の知り得る状況というものを総合的に把握いたしまして、そこに全部必要な施設を投じたら幾らになるかという考え方で、この経費を試算したわけでございます。もとよりその直接の目標は、五年後における死亡事故を大幅に減少させるということでございます。私どもの試算いたしましたところは、試算方式といたしまして、昭和四十四年におきます各種信号機であるとかコンピューター化であるとかあるいは各種交通規制の実績、これによります死亡事故の減少率というものを掛けまして、そういった施策が、四十四年においてこの五カ年計画で考えているように施策ができておったら幾らになったか、死者は幾らになったかということから試算いたしまして、死亡事故について申しますと、昭和五十一年、五カ年計画の終了した翌年の時点では、死亡事故は約九千七百件で押上えるというような試算を出しているような次第でございます。同時に、交通公害の減少にも大幅に資するということは考えておりましたが、いかんせんわが国ではまだ大気汚染の状況等を測定しておるデータがございませんので、先ほど申しましたようなニューヨーク等の状況から試算いたしまして、大都市におきましてはやはり三、四〇%程度の大気汚染の防止の効果があるであろうというように考えておるような次第でございます。
  68. 桑名義治

    ○桑名委員 大蔵省は来てないですか。――じゃ、大蔵省は来てないようでございますので、大蔵省の考え方をただしたかったのでございますが……。  いずれにしましても、この五カ年計画を達成する場合に、交通事故の絶滅をはかると同時に、今回の道交法の一部改正にもうたわれておりますように、交通公害の絶滅をはかるという一つの項目を新たに強固に持ち出しまして、そして実施面において強力な施策を講じていただきたいということを最後に要望しておきます。  次の問題でございますが、今回の道交法の改正におきまして、振動についても規制が行なわれるようになっております。そこで、この振動についていままでどういう方向で測定をするのか、あるいはまたどういう基準で取り締まるのか、あるいは取り締まり方法はどういうことになるのか、あるいは事実関係の認定をどういうふうにするのか、いろいろな問題がまだ未確定になっていると思うのです。私のほうではまだ未確定だ、こういうふうに判断をしておるわけですが、はたしてどういう方法で、この振動の場合、取り締まるのか、その点について伺っておきたいと思うのです。
  69. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのとおり、未確定でございます。できるだけ早い機会に、厚生省とも協議いたしますし、専門家の意見も聞きまして、何らかの基準を設けて、ある程度数値的なことも研究もしたいと思いますし、数値的な基準がどこまで煮詰まるかということについて現在検討中でございます。
  70. 桑名義治

    ○桑名委員 大気の場合には大気汚染防止法がありますし、あるいは騒音の場合も騒音規制法という本のがございます。そうすると、振動の場合には、やはり厚生省としては何か法制化するという方向はあるわけですか。なければ、こういうふうにせっかくこの法案の中に織り込みましたけれども、これは法案に実際にうたっているだけの話で有名無実になる、こういうことがいわれるわけでございますが、その点について伺っておきたいと思うのです。
  71. 片岡誠

    ○片岡政府委員 この二十二号、交通公害の定義そのものが、総理府令、厚生省令で、共同省令で定めることになっております。したがいまして、厚生省の技術的な知識も借りながら協議をして考えていきたい、このように考えております。
  72. 桑名義治

    ○桑名委員 それはわかっているのです。この法令の中にちゃんとうたい上げているのですからわかっていますが、しかし、実際の問題として、大気の場合あるいは騒音の場合は、そういう既成のものがあるわけです。今回は、もう国会に出されてあるからそれは一応待てば何とか出てくるという時点まではわかりますけれども、振動については、何にも各省とも触れていないわけです。だから、その触れていない問題をこういうふうにうたい上げていますが、実際に実効をおさめるためには、どういう方法で皆さん方は実効をおさめようと考えていらっしゃるのか、その点が伺いたいわけです。
  73. 片岡誠

    ○片岡政府委員 できれば、私、数値でもってある一定の基準をつくりたいと思います。しかしながら、その数値でやる方法が未開発の場合には、何らかの客観的なとらえ方で基準をきめていくことを現在検討いたしております。
  74. 桑名義治

    ○桑名委員 どうもその点があいまいで、今後の問題としてしっかり研究していくという、研究課題のような感じがするわけです。しかし、もうこの振動の問題は、大気の汚染あるいは騒音の問題と同じように社会的な大きな問題になっているわけです。それがいまからの研究課題であり、また各省どの省にしても、この問題はいま検討の段階ではないというような印象を私は受けざるを得ない。現実に法律はない。では、今回の法改正によって、この公害国会にこの問題が出されたかというと、それは出されていない。その時点で、あなたのほうではこの問題も取り上げて、規制の一項目に加えると、こういうふうにいわれている。これはただ一つの文章を飾るにすぎない、こういうふうにいわれても、私は決してこれはもう過言じゃないと思うのです。  だから、じゃ、あなたのほうでそういうふうに言われるならば――各省、専門のところはとこになりますか、厚生省ですか。厚生省ならば、どこまで作業が進んでいるか、それを確認したことがございますか、その点について伺っておきたいのであります。
  75. 片岡誠

    ○片岡政府委員 仰せのとおり、振動につきましては、公害対策基本法に基づく環境基準というものはつくる仕組みにはなってございません。したがいまして、私どもとしましては、厚生省の技術的知識を借りながらやっていきたいと思っておりますが、何分環境基準そのものの制定のほうに厚生省自身の努力が集中しているというのが現状でございます。したがいまして、私どもといたしましては、この法律施行までにぜひ振動についても、この法律がから振りでないような何らかの基準をつくってまいりたい、現在そのように考えております。
  76. 桑名義治

    ○桑名委員 そうすると、いまのあなたの御答弁によりますと、条文の中にはうたい上げてあるけれども、振動についてはいまの段階ではこれはから振りにすぎない、その考え方でいいですか。
  77. 片岡誠

    ○片岡政府委員 法律が施行されるまでには、から振りでないようにいたしたいと考えております。
  78. 桑名義治

    ○桑名委員 では、その考え方の方向について、いま素案として考えている方向について、個条的でもよろしゅうございますから、こういう方向で考えているということをお話し願いたいと思うのです。
  79. 片岡誠

    ○片岡政府委員 私、技術的専門家でございませんので、その点御了承いただきたいと思いますが、たとえば振動の数値をとる場合に、その振動の幅あるいは速度、加速度といったような形で数値をとらえる方法があるやに聞いております。そういうことで、できれば何らかの客観的な数値をとらえていくという検討をいたしたいと思っております。
  80. 桑名義治

    ○桑名委員 何らかの方法、何らかの方法で、あまりはっきりしませんが、とにかく振動の問題は、ただ単に振動が起こるから測定をし、交通量を制限するという方向だけで考えたのでは、ものごとは解決しないと思います。これは一切の問題がそうでございますけれども、たとえばいわゆる超大型の車を製造することを制限する、あるいは認可制にするとか、あるいはバスの場合はその住民の住まいの程度に応じて大、中、小に分けて運行させるとか、あるいは道路の積載量、これを制限するとか、こういった多角的な面からこれをとらえていかなければ、これは解決ができないのではなかろうか、こういうふうに思っているわけです。この点については、これは通産省の問題になるかと思うのですが、通産省の方、来られていますか。――そういうことがはたして可能であるかどうか、あるいはまた検討事項の中に入れていらっしゃるかどうか、その点について伺っておきたいと思います。
  81. 大永勇作

    ○大永説明員 制限は私のほうの問題ではございませんが、現実には、ある一定の大きさ以上の車につきましては、道路運送車両法上特別の許可を得なければ運行できないというふうな制限があるように承知いたしております。
  82. 桑名義治

    ○桑名委員 私が言っているのは、超大型な自動車をつくる場合には、それに認可が必要だというような方向でできないかということをお伺いしているわけですが、これもおたくのほうの関係じゃございませんですか。
  83. 大永勇作

    ○大永説明員 私のほうでは制限する法的な根拠はございません。道路運送車両法上、先ほど申しましたように、一定の大きさ以上のものについては、かりにつくりましても、道路運行の用に日常供するわけにはいかない、特別の、個別の許可を得なければできないというようなことからいたしまして、おのずからそういった非常に大きなトラック、バスというものは、現実にも生産が行なわれていないという状況でございます。
  84. 桑名義治

    ○桑名委員 そのほかに、私は先ほど申し上げたように、積載量の順法ということがやはり大きな振動をなくする上におきましては大事なことだろうと思うんですよ。現実にトラックあたりですと、六トン車に十二トンくらい積んでぼんぼん走っていますから、現在の道路の状況から考えれば、これは当然そこに振動が起こるのは考えられることでございますし、ここら辺になりますと、警察の権限として、ある程度の規制はできるわけでございますので、とりあえずそういった法制化あるいは振動の測定、あるいは基準、取り締まり方法、事実関係の認定、こういった事柄が明らかになるまでには、そういった外部的な方向からも全力をあげて、いわゆる規制をしていただきたい、こういうふうに要請をするわけでございます。  さらに、ここで一つ関連してお尋ねしておきたいことは、振動と同時に騒音の問題あるいはまたCOの問題、いろいろな問題が含まれて、柳町ですか、あるいは大原交差点だとか、また地方各地にこういった交通公害によって悩まされてノイローゼになったというお話も聞いておりますし、そういった人々に対するいわゆる救済の方法、これはおたくのほうとちょっと関係はないかもしれませんけれども、警察としてのお考えをただしておきたいと思って、この問題を提起するわけでございますが、実際に、もしこの基準を全部守ったとする。守っても、現在の道路の状況やあるいはその地勢の関係から、当然振動やあるいは騒音というものは発生をすると思うんです。そうすると、善意の大多数の人々が集まって、それがいわゆる累積されたものがこういう公害を起こしたということになってくれば、当然加害者がいないわけです、善意の者ばかりですから。そうして、加害者のいない被害者という問題が起きて、これが人的に起こっているのがいまの問題でございますが、これがさらに発展していきますと、当然家族がみんなノイローゼになって、もうこういうところに住まいを持ちたくない、どこかに移転をしなければならないような状況に追い込まれる。そうすると、これは間接的に、その人の持っている不動産あるいはその人の持っているいわゆる物件に対して、間接的な被害を及ぼしたというかっこうになるわけでございます。そうした場合の補償関係をどういうふうに取り扱うことが適当であろうか、こういうふうに私たちは考えるわけですが、それかといって、これは全然放置するわけにはいきません。これは大きく問題をとらまえて、さらに間接的な問題をずっと追及していきますと、国の施策が悪い。そうすると、国に責任があるんだということになるわけでございます。こういった人々に対する救済の方法をどういうふうに考えられているか。これは大臣もしくは長官にお願いをしたいと思います。
  85. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 そういった被害を受けて家をかわられなければならないということにならないように、今回の公害防止対策が進められている、こう思います。しかし、現実には、お話のように、そういった被害があるじゃないか、加害者がわからぬじゃないか、だからどうだ、こういうことでしょうが、先般来の新聞等でも、無過失賠償責任というようなことがやかましくいわれておりますが、しかし、これは加害者がはっきりしている。お話しの、加害者がわからない――加害者がわからぬものは私は今日の政治としてはいたし方がない。したがって、そういうような加害者のわからぬような被害を出すようなことのない行政をする、これが私は基本だろうと思います。
  86. 桑名義治

    ○桑名委員 その方向で今回の法改正がなされたことはよくわかります。しかしながら、現実にそういう問題が起こっておりますし、それから現実にこういう問題が、はたして法改正しただけで――総理も今回の答弁の中でよく言っています。法律ができたからといって必ずしも公害がなくなるとは限らない、問題は今後の法の運用上の問題である、こういうふうに総理は盛んに言っているわけですが、しかし、運用上の問題ということになれば、これはやはりあなたたちの計画されたその計画にのっとって完全に予算措置がなされなければ、これは運用上の問題とはいえないのですね。運用上の中で一番大事なものは予算措置だ。そうすると、先ほどの問題にちょっと返っていきたいと思うのですが、いわゆる五カ年計画を立てたならば、それを絶対に予算を確保し、そして実施をしていくという方向がなければ、これは実効をおさめることができない。そこで、私が先ほど申し上げたように、予算というものがこういうふうに出されておるけれども、五カ年計画が立っているけれども、予算は、はたしてこれは確保できるのかどうか。確保できなくて半分に削られたということになれば、その間に、そういうおそれのあるところは当然出てくるということになるわけです。そうした場合の救済は一体どういうふうにするかということなんですよ。いわゆる加害者がはっきりしておれば賠償という問題が出てきます。しかし、善意の不特定多数の人々の、いわゆる累積されたものがこの現実の公害という姿であらわれていますから、これは賠償ということにはいきませんので、補償という形にしなければならない。そうすると、その補償責任はどこにあるのか。だからといって、それはだれも加害者がいないのだからこれはしようがないのだ――それじゃ私は政治じゃないと思うわけです。だから、そこら辺の方向、考え方についてお伺いをしているのであって、皆さん方がこういう法律を出されたということは、そういうことがないように出したのだという意味は、それは当然わかり切るほどわかっておりますので、それから先の話をちょっと伺っておきたい、こういうふうな質問でございますので、よろしく。
  87. 後藤田正晴

    ○後藤田政府委員 どうも答えようのない御質問だと思います。私どもとしては、先ほどお答えしましたように、三千数百億、従来の予算の規模から申しますと七・何倍という膨大な予算を要求いたしております。しかし、それもやはりいずれにしろ一億国民が出す金の中からいただくわけですから、それに制約ありということになるならば、これは私どもとしてもがまんせざるを得ない。しかし、私どもの努力の目標は、あくまでも三千数百億の予算をもらいたい、それをいただけるならば、私どもが目標としておる行政を完遂する決意である、ここまでしか私は言えないと思います。
  88. 桑名義治

    ○桑名委員 この問題は、警察庁の問題とは最終的にははずれましたので、この程度にしておきたいと思うのですが、次に、こういうふうに改正が行なわれましたが、はたして、運転者に対する徹底ですね、この徹底をどういうふうになさろうとしておるのか、このことについて伺っておきたい。
  89. 片岡誠

    ○片岡政府委員 いろいろの手段があろうと思いますが、マスコミを通じての徹底あるいは更新時の講習その他事業所を通じての徹底とか、あらゆる手段を動員いたしまして徹底いたしたいと思います。
  90. 桑名義治

    ○桑名委員 結局は、法律ができても、それが実際実施する上においては、運用上の問題もございましょうし、あるいは法律ができた以上はこれを守らせるという、その努力がやはり大事だと思います。そのためには法律の中身をよく知らしておくということも大事なことだと思いますので、積極的な方向でこの問題にも取り組んでいただきたい、このように思います。  さらにお尋ねしたいことは、第百十条の二の問題でございますが、大気汚染防止法あるいは騒音規制法、こういった法律に該当する場合ですが、そういったことで該当する「交通公害が発生したことを知った場合」には云々とありまして、最後のほうに「必要があると認めるときは、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し、当該交通公害に関する資料の提供を求めることができる。」、これはいいとしまして、ここで問題になりますのは、こういうふうにうたい上げた場合には、都道府県、地方公共団体は必ずこの大気汚染の程度あるいは騒音の程度、これを常時調査しておかなければならないのか、そういう義務づけになるのかどうかということなんですが、その点について伺っておきたい。
  91. 片岡誠

    ○片岡政府委員 大気汚染と騒音につきましては、大気汚染防止法それから騒音規制法で知事に監督する義務が課せられていることになっております。振動につきましては、そういう義務は課せられておりません。その点若干相違はございますが、いずれにしろ、知事が常時測定している個所につきましては、資料を求めれば得られましょうし、常時測定していない場所につきましては、臨時に測定していただくように公安委員会のほうから知事のほうに資料提供を求めたい、そのように考えております。
  92. 桑名義治

    ○桑名委員 義務づけられてきますと、非常に地方公共団体は財政的な負担を余儀なくされるわけでございます。その点について自治省はどういうふうにお考えでございますか。
  93. 立田清士

    ○立田説明員 ただいまのお話の大気汚染防止それから騒音の関係の測定の関係でございますが、御承知のとおり、都道府県あるいは地方の市町村等において常時監視等の問題が出てまいります。今回の法律でも、大気汚染防止法等については都道府県で測定をするということが今回の改正案には入っております。それから権限的にも都道府県等から委任される場合が出てまいります。そういたしますと、現在測定関係の経費については、御承知のとおり、測定機器等については国庫補助金等もございますけれども、一般的な測定経費については地方交付税等の財政措置において現在措置されているわけでございますが、今後の問題といたしまして、そういう測定関係の経費等についてもますますそういう機能の充実をはかっていく必要がある、そういうふうに私たちは考えております。
  94. 桑名義治

    ○桑名委員 充実をはかっていかなければならない方向づけは、だれでも考えることです。はたしてそれを具体的に交付税で措置するとか、あるいは所要の測定費は一応国庫補助がつくようになっておりますが、振動関係についてはどうですか。あるいは騒音関係の測定費については、補助はつくようになっていますか。
  95. 立田清士

    ○立田説明員 騒音関係、振動関係は厚生省関係ではございますが、必ずしも私ども詳しくは知りませんが、聞くところによりますと、振動、騒音関係については測定機器についても現在ございまして、それに対しましての国庫補助等についても厚生省のほうでいろいろお考えになっておるよりでございます。ただ、その振動関係でございますが、先ほどお話がございましたとおり、振動の測定ということは現在の段階では非常にむずかしい問題があるようでございますが、先ほど答弁もございましたけれども、現に地方団体で条例等で振動を対象にして、若干の府県でございますけれども、規制基準をきめているところもございます。したがいまして、いずれにしましても、騒音、振動は、いまお話のございましたとおり、なお今後いろいろそういう技術開発が必要ではないのかというふうに考えております。
  96. 桑名義治

    ○桑名委員 機械器具をそろえていくこともさることながら、常時測定ということになれば、人件費や施設の完備ということも当然必要になってくると思うのです。そういった面について、自治省は先ほど、予算措置をしなければならないというふうには発言なさったわけですが、現実やるのですか、やらないのですか。その点が一番聞きたいわけです。方向づけとしてはやることは当然なんです。やるかやらぬかということが一番問題なんです。その点についていまどこまで煮詰まっているか。なぜこういうことを言うかといいますと、ただ単に今回の法改正によって、いろいろな公害法の関係から見ますと、地方自治体に対して権限が非常にたくさんの問題について委譲されているわけです。だから、これはまたほかの機会にいろいろな面で質問したいと思っているのですが、とりあえずきょう道交の問題が出てきておるので、これに限定して一応お話を伺っているわけですが、そういう意味で、どこまで煮詰まっているか、その点について伺っておきたいと思います。
  97. 立田清士

    ○立田説明員 来年度の各種の地方財政関係措置とも関連いたしまして、それから公害全般についてはわれわれのほうとして積極的にいろいろ考えておるわけでございますが、国でいろいろ措置されるものと、それから地方団体で、地方財政のほうで措置をしなければならないもの、いろいろあろうかと思います。私たちのほうといたしましては、公害全般について、県でいろいろお考えになる面についてはお考えいただいて、地方財政については必要な地方負担となるものについては所要の措置を積極的に講じていきたいというふうに考えておりますので、現段階ではここまで煮詰まっているという段階までは行っておりませんで、これからの問題というように私たちは、来年度予算とも関連いたしまして、そういうように考えております。ただ、気持ちといたしましては、前向きに、そういう意味で措置をしていきたいということでございます。
  98. 桑名義治

    ○桑名委員 この問題について警察庁としても測定はやっているわけですか。
  99. 片岡誠

    ○片岡政府委員 振動についてはいたしておりません。
  100. 桑名義治

    ○桑名委員 ほかの三つですね。
  101. 片岡誠

    ○片岡政府委員 大気汚染と騒音につきましては、知事の権限に委譲された市町村の測定結果を踏まえてやってまいりたいと思っております。
  102. 桑名義治

    ○桑名委員 踏まえてやっていきたいということは、やるということですか。測定を各地方自治体におまかせをするのか、あるいは警察庁としても、この法律をこういうふうに改正された以上は、ある程度自分独自で調査もやる姿勢があるかどうかということです。
  103. 片岡誠

    ○片岡政府委員 行政効率上、その知事の測定結果を踏まえてやりたいと思っております。
  104. 桑名義治

    ○桑名委員 最近の交通状況から見まして、道交法というものは、ただ単に交通規制をするという考え方だけでは意味合いが少し変わってきたのではないかと思うのですが、この点について道路交通に起因する諸問題を同時的に解決する必要がある。こういうことで、こういう法案の改正がなされたと思うのですが、さらにまた新しい事態に立ち至った場合のことを想定しますと、道交法の位置づけというものをいわゆる対公共対社会の確立というような、そういう方向づけが必要だと思うのですが、道交法の今後の位置づけをどういうふうに警察庁としては考えておられるか、その基本的な姿勢をちょっと伺っておきたいと思うのですが。
  105. 片岡誠

    ○片岡政府委員 道交法そのものが御承知の、いままで道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑をはかるという目的でございました。しかし、今回の改正で、道路の交通に起因する障害の除去というような目的も入りまして、従来よりも幅の広い目的になったわけでございます。私どもといたしましては、道路の利用者全体をとらえて交通の管理が円滑に、そして安全に、また交通公害の発生しないような広い意味で、総合的にとらえてまいりたいと思っております。
  106. 桑名義治

    ○桑名委員 次の問題に移りたいと思いますが、騒音防止法の中では音量規制ということは一応行なっているわけですが、いわゆる音質規制という問題がやはり問題になるのではないかと思います。たとえば普通車とオートバイの音量はほとんど変わりがない。しかしながら、オートバイのほうはずいぶんとうるさい音を立てるわけでございます。また小さな音でも、ガラスに金属類を当てるとぎいっといういやな音がする。そういうふうに考えてみますと、ただ単に音量規制だけをもって騒音防止法で規制をしたところで、これは解決はつかない。こういうふうに思うわけですが、音質規制の問題について警察庁としてはどのように考えていらっしゃるか、伺いたい。
  107. 片岡誠

    ○片岡政府委員 非常にむずかしい問題だろうと思いますが、環境基準として、ただ単に音量だけでなくして、音質についても何らかの客観的な規制のしかたができる、あるいは測定ができるというような事態になりますれば、当然考えていくことになろうかと思います。
  108. 桑名義治

    ○桑名委員 次の問題でございますが、こういった確定的な問題でない問題は、また所管でありませんので、幾ら尋ねてもこれ以上は無理だと思いますから、警察庁の考え、方向だけをいまお尋ねしているわけでございます。  次に問題になりますのは、先日の委員会におきましてわが党の和田議員の質問の中身で、軽自動車の車体検査を現在はやっていないが、昭和四十八年から実施をする、こういうようなお答えでございます。しかしながら、現在の自動車のいわゆる種類別の統計を見ますと、約三分の一が軽自動車であるというふうに伺っているわけでございますが、この点について間違いございませんか。
  109. 隅田豊

    ○隅田説明員 間違いございません。
  110. 桑名義治

    ○桑名委員 そうしますと、軽自動車の起こした事故の割合から考えてみますと、当然車体検査をしなければならないという結論が起こってくるわけですし、それから、現在のいわゆる自動車の排気ガスによる大気汚染の中心になっているのは軽自動車ではないか、こういうふうにもいわれている現状であります。にもかかわらず、昭和四十八年まで引き延ばしたというそこの理由は、どういう理由があって昭和四十八年まで引き延ばしたのか、その点について最初に伺っておきたいと思います。
  111. 隅田豊

    ○隅田説明員 先ほど申し上げましたとおり、車両数が大体現在の三分の一を占めているわけでございます。私たちといたしましては、できるだけ早くやりたいのでございますが、引き延ばしたというつもりではないのでございます。実行上といたしましては、現在の五割増しの車両数になる全国に分布しておる車両の検査をどういうふうにやっていくかということの問題を解決するためにいま努力中というのが現状でございます。四十八年を一応目標として、現在いろいろ実行計画な検討中でございます。ただ、いつまでもこのままこれをほおっておくというつもりではございません。一方におきまして、業界の状況を踏まえながら整備状態の向上をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
  112. 桑名義治

    ○桑名委員 ことしは昭和四十五年でございます。四十八年に規制するということになると、ずいぶん長い間お考えのようでございます。そんなに長い間考えて規制しなければならないのでしょうか。そこのところは、そういうふうな話ではなくて、こういう具体的な事情があって、昭和四十八年までは車体検査はできません、実施する段階に入りませんというお答えならば、話はわかるのですけれども、非常にむずかしい問題でございましてでは、どうも納得できないわけです。実際にこの排気ガスの問題も重要な問題でもございますし、あるいは事故件数から見ても、そういったブレーキやその他の故障等によって起こす事故も相当数あるわけでございますので、事故を絶滅する、人命を尊重するという立場から見るならば、当然こういった軽自動車に対しても万全の措置を早急にとっていくというのが姿勢でなければならないと思うわけでございます。昭和四十八年からでなければできないということですが、その具体的な、なるほどとだれもが納得するような御答弁を願いたいと思います。
  113. 隅田豊

    ○隅田説明員 先ほどの繰り返しになりますが、現在の車両数が約五割の増加になりますので、受け入れ体制の機械的な設備、全国に分布いたします車検場の設備あるいは人員の増強、こういうものの手当てをしていく上で考えますと、早急に私たちもやりたいのでございますが、すぐにやるだけの能力を現在持っておりません。したがいまして、できるだけその間におきましての埋めくさをするために、それまでに業界に対しての行政指導をやりたいというのが、われわれの現在の考え方でございます。
  114. 桑名義治

    ○桑名委員 それでは、とにかく、おたくの方向づけというのは、業界の言ったとおりにやっていくということでございますね。そういうふうにしか私には聞こえないのでございますが、あなたのほうでこれで努力をするという一つの方向づけをきめて、もう少し短期間のうちにおいて実施をすべきことが、政府としての大きな任務じゃないかと思うのですが、行官長官にお願いします。
  115. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 運輸省の実施計画に基づいての、たとえば増員等については、必要なものは認める考えであります。
  116. 桑名義治

    ○桑名委員 長官の話では、すぐできるというお話でございますね。それじゃあ、あなたの答弁と長官の答弁と違うじゃないですか。どういうことなんですか。
  117. 隅田豊

    ○隅田説明員 人員の増でございますが、たとえば増員を例にとりまして、車両の検査ができる人間と申しますのは、ある程度のレベルが必要でございます。技術的な能力が必要でございます。現在われわれのほうで、非常に採用難と申しますか、増員要求を認めていただいた人員を埋めるのになかなか苦労している現状でございます。いきなり五割増しの人間を増強するということは、おそらく現在の日本の状況ではなかなかむずかしいだろうと考えております。それからもう一つは、先ほど申しました機械設備の問題でございます。それらを含めまして考えているわけでございます。
  118. 桑名義治

    ○桑名委員 だから問題は、こういうふうな状況になって初めて騒ぎ出すのじゃなくて、なぜいままでやらなかったか。そこら辺の問題はやはり明快にしておかなければならぬと思うのです。公害問題がこんなに騒がれ始めたので、これにも車体検査を義務づけていこうというような方向でなくて、なぜいままでやらなかったか。こういったいわゆる交通事故の状況やいろんな面から見れば、交通問題は、交通公害という問題を取り上げる前に、いわゆる交通地獄という時点でもうすでに取り上げておかなければならなかったはずの問題なんです。それをいままでなぜ取り上げなかったかというところに一つの問題がある。この問題がこういうふうな事態に落ちて初めて計画を立てたのか、いままで徐々に計画を立てておったけれども、発表が今回になったのか、そこら辺の状況を明確にしてもらいたいと思います。
  119. 隅田豊

    ○隅田説明員 軽自動車がスタートいたしましてからかなりの年月がたっております。ごく最近、公害の問題が起きるまで、私たちも車両検査をするという立場から、軽自動車の事故の原因の中で車両整備に起因する事故がどのくらいあるかということに常に着目してまいったわけでございます。軽自動車の事故の中で、きょうちょっと手元に数字を持っていないのでございますが、車両整備に起因する事故のパーセンテージは、普通のそれ以外の車と比較いたしましてかなり低かったというのがいままでのわれわれの認識でございます。しかしながら、高速道路その他ができましてから、軽自動車につきましてもいろいろと事故の問題が起きております。  もう一つは、御指摘のとおり、公害の問題が非常に大きくクローズアップされてまいりました。公害の問題については、軽自動車も同列に見ることが適当と考えますので、軽自動車についての車両検査の必要性をわれわれも認識しておるわけでございます。
  120. 桑名義治

    ○桑名委員 いずれにしましても、今度の法改正によりまして実際に効果をあげるためには、先ほどからたびたび申し上げておりますように、予算措置というものがやはり重点的な問題になってまいりますし、そのことによって地方公共団体の財政を圧迫してはならない、こういうふうに思うわけでございますし、さらに先ほどからたびたび指摘しておきましたように、振動の問題は公害基本法の中にも入っておりませんし、今回の公害法の中にも含まれておりません。こういった法の中にうたわれても、現実には法律ができていないので、実施が非常に困難になる。たとえまた、警察庁のほうである一定の基準をきめたといたしましても、どれほどの規制力が出てくるか。そういった問題を考えてみますと、実効をおさめるにははなはだ道遠しというような感じもしますし、あるいは厚生省令あるいは総理府令がいつごろになって出てくるのか、中身がどうなのか、この問題は、そういった問題もあわせてさらに検討を加えていかなければならない多くの問題がある、こういうふうに考えるわけでございます。そういったことを踏まえながら、皆さん方のほうでも運用上の問題で最大の努力を払うことを要求いたしまして、一応私の質問を終わりたいと思います。
  121. 菅太郎

    ○菅委員長 林百郎君。
  122. 林百郎

    ○林(百)委員 本改正案によりますと、現行法に交通公害を加えたという点で一歩前進だと思いますが、交通公害を有効に防止するということからいきますと、幾つか不十分な点があるように思います。道交法の範囲だけでは解決できない多くの問題がありますが、まず交通公害を防止するあるいは除去する上で根本的な問題は、現在政府が進めている大企業本位のモータリゼーションを改める、そういう問題もございます。またそこまでいかないにしても、すべての有害物質についてきびしい環境基準、排出基準を設ける、あるいはすべての自動車に排気ガス除去装置をメーカーの責任でつけさせる。そういうことをやらなければならない。それでなければ、根本的に交通から発生する公害を除去することはできないと思います。これらの問題は、本法案の審査とは直接関係ないと思いますけれども、非常な大事なことでありますので、この担当の方に、CO以外にも排出基準を設ける、あるいはすべての自動車に排気ガスを除去する装置をメーカーの責任でつけさせる、こういう政策についてはどう考えているか、まずお聞きしたいと思います。
  123. 片岡誠

    ○片岡政府委員 先般来申し上げておりますとおりに、個別発生源対策が先行すべきだと思います。したがいまして、大気汚染の場合にも、エンジン構造の問題、それから燃料の問題、それの規制基準がまず先行すべきものだと思っております。私どもの立場で交通規制をいたします場合は、環境そのものの汚染状態がある一定限度に達した場合に交通の規制をやるという、いわば集積した公害のほうを問題に取り上げているわけでございます。
  124. 林百郎

    ○林(百)委員 自動車自身にそういう排気ガスを除去する、そういう環境衛生を害するような量の排気を出すことを発生源で阻止する、そういう政策を将来について考えておらないのですか。
  125. 隅田豊

    ○隅田説明員 現在、道路運送車両法の保安基準で、一応発生源としての自動車の排気ガスに対して有毒ガスの規制をやっております。ただ、ガスの種類といたしまして、現在やっておりますのは一酸化炭素だけでございます。これを将来御指摘のようなほかのガスにも広げていきたいと考えております。
  126. 林百郎

    ○林(百)委員 そこが大事なところで、大気汚染で交通に起因するものを見ると、一酸化炭素のほかに炭化水素、窒素酸化物、鉛化合物、浮遊じんあるいはディーゼル車による黒煙、こういったものが非常にたくさんあるわけですね。これらが人の健康に直接被害を与える、あるいは他の物質と化合して被害を与えているわけです。いずれにしても除去しなければならない有害物質がこのようにたくさんあるので、したがって、これらの有害物質全体についてきびしい環境基準、排出基準がきめられて、発生源でできる限り押えていく、こういうことが本筋だと思います。  ところが、現状では交通に起因する大気汚染で排出基準がきめられているのは、先ほどの答弁でもありましたように、一酸化炭素だけだ。この排出基準についても非常に甘いと私は思いますけれども、一酸化炭素だけで他の有害物質、たとえば炭化水素、窒素酸化物、鉛化合物、浮遊じん、あるいはディーゼル車による黒煙、こういうものを一体将来どうするのですか。COだけで交通公害として規制していけば、それで足りるとお考えになっているのですか。いつまでにどうするか、はっきり答弁を求めたいと思います。
  127. 隅田豊

    ○隅田説明員 御指摘のとおり、一酸化炭素だけが有毒ガスではございませんで、それ以外にも炭化水素その他数あることはそのとおりでございます。現在の規制が一酸化炭素だけではございますが、今後われわれとしては次のような状況でこれを規制していきたいと考えております。すなわち炭化水素につきましては、現在ブローバイガス防止装置をつけるというまでは入っておりますが、排出規制、それから蒸発規制と申しますか、車全体から蒸気になって発生するもの、この両方はまだやっておりません。これにつきましては現在のところ排出規制を七三年から始めたいと考えております。それから窒素酸化物でありますが、これにつきましても同じように七三年から規制を始めたいと思います。いずれも私たちのところで、運輸技術審議会で専門の先生方にお集まり願いまして、これからの規制の強化につきましていろいろと御答申を願ったわけでございますが、その線によりますと、一応昭和四十八年と昭和五十年と、この二段階に分けまして、最終的には昭和五十年を目標にして規制するようにということで、ある程度の数字をいただいております。その線に沿って強化をいたしていきたい、こういうふうに考えております。
  128. 林百郎

    ○林(百)委員 これは非常に重要なことで、結局、政府が公害防止のためには世界に冠たる法体系だといいましても、至るところでしり抜けが行なわれている。四日の本委員会で厚生省の答弁を聞いてみますと、いま私が申しました一酸化炭素以外の公害物質がどのような化学反応で有害となるか、技術的に水準がきめられていない、こういう答弁ですね。また運輸省によれば、炭化水素、窒素酸化物、あるいは鉛などは防止、除去のための技術的開発が十分ではないので基準がきめられないということだ、こういう答弁をしているわけでございます。しかし、たとえば炭化水素あるいは一酸化炭素を含めて窒素酸化物の排出をふやさないでかなり押えることができるという技術的な証明もあります。またそうした装置もあるはずであります。たとえばアフターバーナーとかあるいはきびしい排出基準を設けて、その基準を達成するために、こうした有毒ガス除去装置をつける、これをメーカーに義務づける、こうしたことをやれば十分、一〇〇%とは言わないにしても、発生源で押えることができる。ところが除去装置をつける、こういうことを義務づけることさえないために、一酸化炭素以外の有毒ガスが事実上は野放しになっている。どうしてメーカーにこういうものを、いまの技術の範囲内で押えることのできるものをつけるという義務づけをさせないのかどうか、私はその点がわからないので、はっきりお聞きしたいのでありますが、また鉛の問題でも、いますぐ無鉛化とまでいかないにしても、加鉛量をもっと引き下げるとか、あるいは加鉛量がレギュラーガソリンに比べて多いハイオクタン・ガソリンは製造販売や使用をする必要はないので、これを中止させるとか、いまでもすぐとれる措置がある。にもかかわらず、技術的にまだ水準がきめられないとかあるいは防止、除去の技術がまだ十分開発されないとかということで、こういうものを押えているというのはどういうわけなんでしょうか。いますぐでもとれる措置があるのじゃないですか。自動車局長は九州へ行ってだいぶ業者とお話に相なったということが朝日新聞に出ておりますので、もう少しきびしい態度で臨まなければいけないと思いますが、どんなものでしょうか。
  129. 隅田豊

    ○隅田説明員 少し技術的な御説明をさせていただきたいと思います。  炭化水素とそれから窒素酸化物の規制の問題だと思いますが、炭化水素の規制をやってまいりまして、現在ロサンゼルス地方といいますか、カリフォルニアでは炭化水素の規制をやっております。この炭化水素の規制をやりました結果、日本の輸出車でもエアポンプというものをつけまして、あとで炭化水素を燃やす装置をつけさせております。しかし、アメリカの経験をわれわれ見ているわけでございますが、この方法をとりました結果出てきましたことは、窒素酸化物はかえって増加するという現象が出てまいりました。結局この炭化水素対策として、あとで燃すという問題を解決しようといたしますと、窒素酸化物に対する規制を並行して行なわない限り、いわゆる光化学スモッグと申しますか、そういうものの対策をしても、炭化水素、窒素酸化物の対策が十分に行なわれないで、場合によってはマイナスになることさえあることが、現在世界的な学会あたりでも議論されております。したがいまして、われわれといたしましても、炭化水素対策を取り上げる場合に、ブローバイガス対策というようなものを、――燃すほうでないほうの対策からスタートをしたわけでございまして、技術的云々と申しますのは、以上のようなことでございます。  鉛の問題につきましては、通産省のほうからお答えいたします。
  130. 斎藤顕

    ○斎藤説明員 お答え申し上げます。  ガソリンの中に含まれております鉛分につきましては、当面の対策といたしまして、ガソリンの中の鉛を減らすよう、本年六月に通達をいたしました。その結果、ガソリンの中の加鉛量は従来の約四〇%減っております。しかしながら、長期的観点に立った場合には、ガソリンは無鉛化すべきであるということから、本年、産業構造審議会自動車公害対策小委員会の答申によりまして、四十九年四月から発売されるすべてのガソリンについて、これを無鉛化するという方針をきめております。この方針に従いまして、現在、無鉛でありながらオクタン価を維持するための設備、すなわち分解――ちょっと専門的になっておそれ入りますが、ガソリン精製の際の分解設備とか、あるいは改質設備の建設を進めております。また、これに必要な資金等についても、通産省としてその手段をとりたいと思います。
  131. 林百郎

    ○林(百)委員 厚生省にお伺いしたいのですが、この大気汚染防止法の厚生省の原案の中には、最初、自動車の排気ガスについての設備の基準、燃料の基準、こういう設定をするということが入っておったのでありますが、厚生省が最初考えておった設備の基準、燃料の基準というのは、どういうことを考えておったのですか、ここで説明していただきたいと思います。
  132. 山本宣正

    ○山本説明員 現在法案になりました中では、私ども当初考えておりますことと、ほとんど同様でございまして、設備につきましては、炭化水素、あるいはCOにつきましてはブローバイガス装置をつけるということを考えておったわけでございます。
  133. 林百郎

    ○林(百)委員 それがどうしてその基準を削るようになったのですか、最初そう考えておったのに。
  134. 山本宣正

    ○山本説明員 私ども技術的な問題につきましては、通産省並びに運輸省のほうと十分相談をいたしまして、この法案をつくったのでございまして、その過程で、技術的にはむしろそちらの方のほうが専門でございますので、その議論を経て、こういう形になった、こういうことでございます。
  135. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、厚生省としては、そういうものを入れておいたほうがいいと考えたが、通産省や運輸省と相談したら、技術的にむずかしいと言われたから除いた。ということは、公害を除去するためにこうしたほうがいいと思ったけれども、通産省や運輸省が技術がそこまで行かないから、それは削りました。こういう解釈をしていいのですね。
  136. 山本宣正

    ○山本説明員 やはり技術的な専門官庁のほうの御意見を尊重すべきだ、かように考えたわけでございます。
  137. 林百郎

    ○林(百)委員 時間がありませんので、次に法案に入っていきたいと思いますが、そういうように厚生省がかりに公害防止のために考えたことも、通産省から横やりが入り、運輸省から横やりが入るというようなことになって、だんだんしり抜けになっていくということになれば、実際は公害の防止にはなりません。役に立たないことになる、若干は役に立ちましても。そういうことを私たちは憂えるから、いまの質問をしたわけです。  そこで、荒木国務大臣にお尋ねしますが、この法案の第一条と、それから第四条にも関係しておりますけれども、「交通の安全と円滑を図り、又は交通公害の防止を図るため必要があると認めるときは」――この法案の中で一番問題なのは、この交通の安全と円滑ということと公害防止のための規制ということが、ちょうど経済との調和ということと同じ役割りを果たすのではなかろうか。公害が発生しておるけれども、道交法の目的の中には、交通の安全と円滑ということもあるから、この点から考慮して規制することはできないのだ、こういうことになりはしないかということを私たちは憂えるのでありますけれども、この点について大臣はどうお考えになりますか。
  138. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 あり得ると思います。
  139. 林百郎

    ○林(百)委員 えらいあっさり答えられたのですが、そうすると、交通の安全と公害の防止とどちらをとるかという判断の基準は、どのようにしておとりになるのですか。
  140. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 本来の現行法によりましても、交通の安全と円滑ということは、人の生命にも関することも当然想定しておるわけでございます。公害の防止は、人の生命、環境保全という目標を掲げておりますが、ともに同じ次元のことを掲げておる意味において、双方の調整をとるという課題は、当然出てくるという意味合いにおいて申し上げたのでありまして、具体的なケース・バイ・ケースの問題ではございますが、一般論としては、比較考量、調整を加えねばならぬ、かように思います。
  141. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで私は、この百十条の二に関連して質問をしたいのですが、交通公害防止のための交通規制の権限ですけれども、これは、私たちは、公害防止に関する限り知事に持たせるべきではなかろうかと思う。ということは、測定と警報の発令だけを知事がして、規制は公安委員会が知事の要請に基づいて必要ありと認める場合は行なう。しかも大臣の答弁によりますと、交通の円満なる運行を考えるということになりますと、知事のほうは、地域住民の生命に関する重大な公害が発生しておるからといって、測定し、警報を発する。ところが、公安委員会のほうは、必ずしも交通規制が義務づけられておらない。必要がありと認める場合、それからまた、大臣の先ほどの答弁にもありましたように、交通の安全と円滑をはかるということがある。とすれば、とこで測定と警報と指示、監督、これを一貫して知事の権限にするということにすべきではないかと思いますけれども、この点について、これは、事は非常に重要な問題でありますから、国務大臣である荒木国務大臣にお尋ねしたいと思うわけであります。要するに、任命し、監督する立場にある知事が――要するに、公安委員は都道府県知事が任命する。その知事が任命し、そして監督する立場にある知事が、それを公安委員会に要請する。こういうことは、これは法体系からいっても、また行政の筋からいっても違筋ではないか、こういうように思うわけですけれども、この点については、大臣、どういうようにお考えになりますか。
  142. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 知事は公安委員会を指揮、監督する立場にはないと思います。一方、公害問題については、基準の設定、運用等に立脚して、公害を一般的に指摘するという立場にございます。それが、交通に関することについては要請する権限がありまして、要請された公安委員会は、当然それを尊重せねばならないという立場にあると思いますが、その結果、交通規制をするとならば、本来、不偏不党の立場に立って公正な判断のもとに交通規制をやっておる経験者である公安委員会の独自の判断に基づいて取捨選択をするということが必然のことだと思います。
  143. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、大気汚染防止法等によって知事が公安委員会に要請をした場合にも、必要があると公安委員会が認めない場合は、知事の要請があっても、公害のための交通の規制をしないということは、論理的にあり得るということですね。
  144. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 論理的にはあり得ると思います。そのことが、さっきお答え申し上げましたように、交通の規制という立場は、公害の防止ということも必要ですけれども、同時に、交通の安全と円滑という問題も果たさねばならない。その調和点を考えて、取捨選択することあり得べし、まれにではありましょうけれども、知事の要請と必ずしも一致しないことがあり得る、かように思います。
  145. 林百郎

    ○林(百)委員 非常に事は重要だと思います。ということは、データを収集し、警報を発令しているのは知事であり、知事はこの時点で公害除去のための交通規制をしてもらいたい、こう考えているときに、公安委員会のほうは、道路交通法には他の問題もいろいろあるので、知事からそういう要請があったけれども、それを認めるわけにいかないということがあり得るということになりますと、これは重大なことになると思うのですね。  じゃ、公安委員会は、必要があると認めるというこのデータを、公安委員会独自がこれを持つという、そういう権威とそういう施設とそういう人的な配置があるのですか。これは必要があると認めるというデータは、どこから求めるのですか。
  146. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 残念ながら、施設その他のことが十全ではございませんけれども、必要があると認めるときには、知事の権限に属するところの基準に基づいての観測、そのデータを示してもらうことを依頼いたしまして、それに基づいて、さっき申し上げたような過程を経ての判断をするということになろうかと思います。
  147. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、観測は都道府県知事が行ない、それから警報は都道府県知事が行ない、そしてデータは都道府県知事から出してある。しかし、必要があると認めるかどうかという基準に基づいて、公害除去のための交通規制をしないということが論理的にあり得る、こういうことになるわけですね。データは、公安委員会は、やはり百十条の二に基づいて、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し提供を求めることができる。だから、ここから求めるのだと私は考えていますけれども、そうすると、観測はしておる、警報は発令しておる、データは出した。しかし、公安委員会のほうは、最初の字句にある「交通の安全と円滑」のために交通規制する。公害防止のための交通規制はいたしかねます。こういうことが論理的にあり得るということになるわけですか。
  148. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 論理的にはあり得ると思います。
  149. 林百郎

    ○林(百)委員 非常にあっさりあなたは認めておりますけれども、事は重要じゃないですか。たとえば光化学スモッグが発生して、ばたばた人が倒れておる。知事のほうから何とか早く規制してくれという。しかし、あなたのほうは、交通の安全と円滑のために、いや私のほうはそうするわけにいきませんというようなことが起きたら、これはどういう事態になりますか。
  150. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 設問のような場合を考えましても、致命的な事故が起こりそうだということにつきまして、比較考量して、より重大な事故が起こりそうだというときには、論理的にはあり得ると申し上げたわけでございます。  なお、具体的条文の適用等に関しまして、政府委員からお答えいたします。
  151. 片岡誠

    ○片岡政府委員 たとえば大気汚染の場合を取り上げてみますと、先生御承知のように、大気汚染防止法第二十条と二十一条に基づく交差点など交通が非常に渋滞しておるというようなところで、大気汚染が激しい場所と時間を観測しておる、こういうケースの場合、それから二十二条、二十三条の、いま御指摘のありました光化学スモッグのような相当広範にわたって、しかもある程度瞬間的に、しかも汚染の程度が非常に激しいといった場合、重大な被害を人員に与えるという場合、大気汚染の場合二つのタイプを考えておるようでございます。おそらく後者のほうは、ほんとうに切迫して人の健康に問題があるといったときの問題につきましても、論理的にはあり得ると思いますけれども、そういう場合は人命にかかわることでございますから、そういう知事の要請を尊重して、どういう手段があるかということを詰めて、有効でありかつ適切な手段があれば、当然私ども公安委員会の立場として交通規制はいたすものと思います。しかしながら、論理的には、そういう有効適切な手段があり得ないときにはあり得る、そういう御説明かと思います。
  152. 林百郎

    ○林(百)委員 あと二点だけで終わりにしたいと思います。  第九条の二項になると思いますけれども、「交通公害の防止を図るためやむを得ないと認めるときは、その管理に属する都道府県警察の警察官の現場における指示により行なうことができる。」だから、都道府県警察の警察官の現場における指示ですらこの公害の防止ができるのに、都道府県知事が全県的な視野から公安委員会へ要請した場合に、できない場合があるということは、これはあまりに不公平じゃないですか。これではまるで警察万能で、逆に公害防止を理由にして警察が権限を強化した、この機会に警察の権限の強化をねらおう、こうはかっているとわれわれには思われるのですけれども、これは一体どういうことなんですか。現場における指示によって、交通公害の防止をはかるために規制ができるということはどういうことなんですか。
  153. 片岡誠

    ○片岡政府委員 この九条は、公安委員会が交通規制をいたします。判断をしてきめるのは公安委員会でございます。その交通規制を道路利用者、特に運転者に知らすためには、通常は標識を設置して知らすというたてまえになっております。ただし、交通公害の防止をはかるために、先ほど申しました大気汚染防止法二十三条のような緊急な事態には、標識が間に合わないときがある。そのときにはいわば標識のかわりに警察官の指示で、公安委員会の決定した規制を運転者に徹底をはかる、そういう趣旨の規定でございます。
  154. 林百郎

    ○林(百)委員 ですから、公安委員会が現場の警察官にそのような公害を防止する強力な権限を与えることができるということは、これに規定されているわけです。できるわけですね。しかもそれは非常に局地的な現象でしょう。この判断は公安委員会はどこでするんですか。現場のそこだけでも規制しろという指示を、どういう判断からなさるのですか。
  155. 片岡誠

    ○片岡政府委員 これは個々の警察官に権限を付与した規定ではございません。公安委員会の決定を、標識が間に合わないときに、標識のかわりに、個々の警察官のとまれとか、こちらへ回れとかということで、一定の汚染地域に入ってくる車を制限するという現場の措置を書いた規定でございます。
  156. 林百郎

    ○林(百)委員 では、その点はそう聞いておきましょう。しかし、この条文自体を正面から解釈していくと、標識がわりに警察官が動くということだけではないようにとれますので、これは後ほどまた研究してみたいと思います。  それから最後に、荒木さんにお尋ねしたいのですが、やはり百十条の2の「広域にわたり道路における交通に著しい影響が及ぶおそれがあるときは、都道府県知事」今度は都道府県知事ばかりではなくて、「関係地方行政機関の長その他政令で定める者の意見をきかなければならない。」とある。「その他政令で定める者の意見をきかなければならない。」というのは、通産、農政、運輸等の出先機関ではないかと私は思いますが、念のために確かめておきます。それはそうですか。
  157. 片岡誠

    ○片岡政府委員 そうでございます。
  158. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、都道府県知事、関係地方行政機関の長、それから通産、農政、運輸の出先機関、こういうものの意見を聞いて、そして意見がそれぞれ異なった場合は、公安委員会はどういう判断をするのか。そしてその判断をする基準、権威というものはどこから求めてくるわけですか。みずからがデータを持っておらない。これをどうするのですか。
  159. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 政府委員からお答えいたします。
  160. 片岡誠

    ○片岡政府委員 事柄が広域に及ぶ場合に意見を聞くという仕組みにしてございます。事柄の性質上、広域に及ぶ場合に、そういう関係の知事、行政機関の長の意見を聞きまして最終的に判断をいたしますのは、都道府県の公安委員会が判断をして決定いたしたいと思っております。
  161. 林百郎

    ○林(百)委員 そういうそれぞれの意見がそれぞれ異なった場合に、最後の判断は公安委員会がするとなっておるけれども、そういう都道府県知事あるいは関係地方行政機関の長あるいは通産、農政、運輸の出先機関、そういういろいろの者の意見が異なった場合に、公安委員会が決定をするという、その権威というものは一体どこにあるのですか。みずからのデータは何もないわけでしょう。だから、そういう者の意見を総合して判断するというにすぎないのに、そのあなたが収集されたデータや意見がそれぞれ異なっている場合に、公安委員会はこう判断しました、そういう公安委員会の判断の権威づけというものはどこから出てくるのですか。
  162. 片岡誠

    ○片岡政府委員 知事のほうからいただくデータは、大気汚染の程度についてのデータだと私は思います。それから都道府県公安委員会は常に管内の道路交通の全般が安全であり、かつ円滑である、あるいはさらに今回の場合加えられました公害防止ということもございますが、そういう角度で交通全体を管理している立場にあると思います。したがいまして、その知事のほうからもらったデータは、それは健康にかかわるデータとして踏まえ、それから関係行政庁のほうからは、ある一定の交通規制をやろうとした場合に、それが社会、経済にどういう影響を及ぼすか、そういうことも意見を聞きながら、最終的な判断を、交通全体をいつも管理しておって一番実情に詳しいと思います公安委員会が判断いたしたい、こういう仕組みに考えておるわけでございます。
  163. 林百郎

    ○林(百)委員 公害に対して一番切実な地域住民の要請を身に受け、そしてそれに対して一番権威ある調査もし、警報も発令したり、データを持っている都道府県知事の意見、それからさらには関係地方行政機関の長、市町村長だと思いますが、これもまた地域住民の切実な要求が反映されているように思うのです。それに持っていって、さらに通産、農政、運輸の出先機関の意見も聞く。しかし、さっきあなたの御意見によりますと、それにもかかわらず公安委員会は独自の判断で、経済上の事情あるいは交通の安全と円滑のために、公害のための規制をしないこともあり得る。ということは、これはもう公安委員会オールマイティーじゃないですか。しかもそのオールマイティーである公安委員会は、こういう通産、農政、運輸、都道府県知事、地方行政機関の長のいろいろのデータにもかかわらず、私はこう判断するという、その独自のデータを持つ機能も何も持ってないじゃないですか。だから、私は、当然この問題に関しては都道府県知事に公安委員会に指示、命令する権限を、公害に関する限りは与えるべきだ、こういうように考えているわけなんです。判断をする何らのデータを持たない者が、データだけは他人から求めておいて判断だけをおれがやるなんて、そんな非科学的な行政政策というものはないと思うのですよ。大臣、この点どう考えますか。そして最後にこれは関係いたしますので、通産、農政、運輸の関係の人たちからも、こういうように公安委員会がオールマイティーの権限を持っていいのかどうか、私はお聞きしたいと思います。まず大臣から。
  164. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 今度の道交法の改正によって、公安委員会の権限を広げる意思は毛頭ありませんし、広げた結果が起こるわけではないと思います。冒頭の御質問に対してお答え申し上げましたように、知事は公害防止の見地に立ってデータを常時検討し、そして要請をするということは、公害問題だけに限って考えたならば、その必要があると思うという意思表示であると思います。公安委員会は、交通公害のみならず、一般交通に関して人の生命に関するような交通の安全ということも考え、交通の円滑化も考え、及ぶべき規制の結果の地域的広がり、それに広じてどういう副次的な被害が起こるかもしれないということを総合的に判断する立場はもともと持っておりまして、そういう意味合いにおいて、独自の判断と申し上げましたが、意見をそれぞれ聞いて、帰趨の決定しかねるような議論が行なわれましても、総合的に判断して最終的な結論を出すという立場に本来あるものと考えます。
  165. 隅田豊

    ○隅田説明員 運輸省の立場でお答え申し上げます。  運輸省といたしましては、おそらく地方出先機関の長としては、その地域の輸送機関が円滑に動くかどうか、それが地域住民にどういう影響を与えるかどうかという観点から御意見を申し上げることになるだろうと思います。
  166. 林百郎

    ○林(百)委員 通産省、農林省はいませんか。
  167. 菅太郎

    ○菅委員長 おりません。
  168. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、私、結論を申し上げますが、いまの大臣の答弁にもありますように、公安委員会は一般交通ということも考えておる。それは私も、考えるなとは言いません。しかし、一般交通ということも考える。それから、運輸省の出先機関は交通が円滑に行なわれるかどうかという観点からの意見を出す。こういう意見をいろいろ総合してみますと、公害というのは、もうばたばたそこで人が倒れている。これは東京の光化学スモッグの立正のあの学校の実例からも明らかなわけですよ。しかし、それにもかかわらず、最終的な判断の権限を持つ公安委員会は、一般交通ということもその中に考えなければならない、交通の安全と円滑ということも考えなければならないということは、結局、公害基本法の中から経済との調和という条項が除かれましたけれども、これと同じ役割りが交通の安全と円滑という名のもとに公害が次の次元に置かれる危険を私は非常に感ずる。  したがって、私は、結論として申しますけれども、事交通公害に関する限りは、監視、警報、それから公安委員会への指示権あるいは命令権というものは都道府県知事に与えるべきである。そうして、いま現に発生している公害を、その場で直ちに公害を中心として阻止するような道を開かなければ、これは公害基本法の経済との調和と同じ役割りを、交通の安全と円滑という名のもとに公安委員会がおかす可能性を十分私は憂慮せざるを得ない、このことを私は最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
  169. 菅太郎

    ○菅委員長 この際申し上げます。  本日午後二時から、当委員室において交通安全対策特別委員会との連合審査会の開会を予定いたしております。  次回は、明八日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時十四分散会