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1970-11-09 第63回国会 衆議院 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和四十五年十一月九日(月曜日)     午後一時三十六分開議  出席委員    委員長 吉田 重延君    理事 奥野 誠亮君 理事 久野 忠治君    理事 堀  昌雄君 理事 伏木 和雄君    理事 門司  亮君       島村 一郎君    田中伊三次君       阪上安太郎君    西宮  弘君       山本 幸一君    二見 伸明君       岡沢 完治君    青柳 盛雄君  出席国務大臣        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君         自 治 大 臣 秋田 大助君         国 務 大 臣         (国家公安委員         会委員長、行政         管理庁長官) 荒木 萬壽夫君  委員外の出席者         警察庁刑事局長 高松 敬治君         行政管理庁長官         官房審議官   浅古  迪君         厚生大臣官房長 高木  玄君         厚生大臣官房参         事官      山口新一郎君         運輸大臣官房長 高林 康一君         自治省行政局選         挙部長     中村 啓一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  公職選挙法改正に関する件      ――――◇―――――
  2. 吉田重延

    ○吉田委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
  3. 堀昌雄

    ○堀委員 先回の当委員会におきまして、来年の参議院選挙に立候補を予定されておる高級官僚の出身者である人たちの事前運動の問題について取り上げたわけでありますけれども、本日は、これらの問題についての取り締まりの問題あるいは官庁側におけるこういう問題に関連した綱紀上の粛正の問題等について、各大臣の御出席をいただいて、これを少し明らかにすると同時に、けじめをつけていただきたいというふうに思いまして、次の質問をいたしたいと思います。  まず最初に、先般私はここで前運輸省自動車局長でありました黒住氏の仙台における事前運動の問題を取り上げたわけでありますが、その後十月十七日の新聞によりますと、運輸省の現在の自動車局長、この人はかつて福岡陸運局長をしておったようでありますが、「疑惑九州宴会旅行」という見出しで新聞紙上に取り上げられておるわけであります。この問題については、福岡県警では事前運動として捜査を行なうということになっておるようでありますが、この点について警察庁刑事局長のほうからちょっと御報告をいただきたいと思います。
  4. 高松敬治

    ○高松説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、十月十七日の新聞報道されております。福岡県警としてもその事実につきまして調査をいたしましたが、そういう会合が行なわれたことは事実でございます。しかし、その会合の席上では、選挙というふうな問題については話は出ていないようでございます。自動車局長が自分の前任地でもあるところに行って、そこで関係の業者とパーティーが行なわれたという事実はございますが、そういうことで選挙の問題は出ておらない、こういうことで一応捜査を打ち切っております。
  5. 堀昌雄

    ○堀委員 確かにこの新聞記事を見ましても、特にその目的のためというふうには私ども理解いたしませんけれども、しかし疑惑が持たれる余地があったことは、私は間違いがないと思います。特に、この新聞に書かれておることを見ますと、「福岡陸運局の野村自動車局長の日程表によると、旅行目的は「各県陸運事務所などの視察、関係業界との打合せ」となっていた。ところが、実際は真島健福岡陸運局長らを連れて、十二日午後五時から福岡市天神・西鉄グランドホテル。十三日午前十一時から佐賀市原町、料亭「楊柳亭」。同日午後六時半から長崎市鍛冶屋町、旅館「白雲荘」。十四日午後六時から熊本市新町一丁目、料亭「おく村」。十五日午後六時から別府市田の湯町、ホテル「白菊荘」と、五回にわたって業界との宴会に出席した。福岡陸運局、各県陸運事務所の視察は二、三十分で切上げ、宴会場にかけつけたこともある。」こういうふうに、実はかなり具体的にこまかく報道されているわけであります。  私がこの問題を取り上げておりますのは、一体国民がなぜ高級公務員参議院全国区等に対する立候補に反対をし、選挙制度審議会がそういう答申をしたかという背景の問題でございます。私どもは、高級公務員というものが、その出身官庁を離れて、自分が単独に政治活動をするということについては、何ら問題がないと思うのでありますけれども、過去におけるこれらの一連の問題、特にこの前の専売公社における小林参議院議員の問題等につきましても明らかでありますし、その他厚生省の前環境衛生局長の選挙等におきましても、しばしばこれらの出身官庁がその当該候補者について各種の働きをしたというところに、実は非常に大きな国民疑惑があり、反対をしておる理由があるわけであります。  そこで、これは運輸省官房長にお伺いをいたしますが、「昭和四二年一月二日  自動車局長殿  運輸大臣中曽根康弘」という名前で出ております「官庁綱紀の粛正と執務態勢の能率化について」という欄の終わりのほうに、「供応、餞別等について」「業者の供応は辞退すること。」こういうことになっておるのでありますが、この通達の趣旨は今日も生きておりますか。
  6. 高林康一

    ○高林説明員 お答え申し上げます。ただいま先生御指摘の通達の趣旨は、もちろん今日も生きておるものでございます。
  7. 堀昌雄

    ○堀委員 運輸大臣にお伺いをいたします。  この通達は、当時の中曽根運輸大臣から自動車局長あてに出されておる文書でございます。このような文書昭和四十二年十二月二日に出されておる背景は、選挙の問題とは別個でございますけれども、しかし、少なくとも運輸省として大臣が直接自動車局長に出した通達を、自動車局長みずからがこれを破り、おまけに参議院全国区の選挙の問題にまぎらわしいような印象を国民に与えておるという事実については、運輸大臣はどうお考えになりますでしょうか。
  8. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 ただいま官房長から答弁がありましたように、もちろんこれは私が通達を出さなくとも、前の大臣が出したものは生きておると私も理解いたします。ただ、私、就任いたしまして以来、この種の、いわゆる綱紀粛正といいますか、この問題については強く関係局部長課長にも要望いたしてまいっておるわけでございます。ただ、運輸省というところは、御承知のように直接大衆あるいは大衆の関係する企業、こういう問題に関係いたしておりますので、なおさらこの点については十分に考えて、慎重なる態度をとらなければいかぬということはお話のとおりであります。ただ、もちろんこの供応等については自戒をいたさなければなりませんが、大衆関係の仕事をしておりますからして、国民大衆のいわゆる利害、要望といいますか、そういうものをできるだけ十分に把握して、いやしくも机上の監督行政であれば、それはかえって国民生活に対して、国民の皆さんの利便に対して無理解な点があっても困る。であるからして、企業者と会うことは、協議あるいは会議をするとかいうことについては、ある意味においては積極的に行なってもよろしいが、いやしくもそういうような誤解を受けるようなことについては十分に気をつけるように、この点は前々から私からも指示をいたしておるわけであります。その意味において、それを越えたとすれば、もちろんこれは大いに戒心をしなければなりませんが、官房長が聞いた点でありますが、私も本人に聞きましたが、従来のことを逸脱しておらない、こういうことであります。ただ、従来ということは、数年前と今日ではもっと考えを新たにする必要があるのじゃないか。そういう意味においては、新聞に出ました直後において本人を私が呼びまして、積極的にいわゆるそのような誤解を受けることのないよう、これはあえて自動車局長だけでありません、一般の局長あるいは部課長にしましても、協議は必要だ、あるいは会議をすることもけっこうである、しかしそれが一般から誤解を受けることのないようやってもらいたい、やるべきであるということを強く要望いたしてまいっておるわけであります。
  9. 堀昌雄

    ○堀委員 私がなぜこの運輸省にそういうことが問題があるかと申しますと、実は参議院全国区に関係をいたしますものは許認可権を持っておる役所が非常に関係が多いわけであります。特に運輸省は、御承知のようにタクシーあるいは運送業その他の免許を一手に握っておる役所でありまして、その免許を一手に握っておるもとは各陸運局長であり、同時に自動車局長がその中心になっておるということから見まして、私はこれは非常に上下の関係が緊密な、一種の組織体のような感じを受ける問題があると思うのであります。ですから、中曽根さんがこの通達を出された背景は、そういう問題にやはり関連があったわけでございますね。そういう業者との関係が、いろいろまずい点があるということで実は出されたわけで、四十二年の問題が起きたときはそのように守られておったかもしれないけれども、のど元過ぎると熱さを忘れるといいますが、まだ三年たってないのですね。二年半ぐらいしかまだたってないのですが、二年半たったら、大臣が出した局長あての通達が空文になっておるというようなことは、私は、これはまことに遺憾なことであるし、この際ひとつ大臣に、これは参議院選挙だけの問題ではございませんけれども、特に運輸省の出身者がもうすでに立候補のあいさつ状を、おまけに運輸省所管の部局を通じて配ったということが警告第一号として指摘をされておることにかんがみ、ひとつ運輸省内における各部署の者について、疑惑を受けることのないように、この通達の趣旨を生かしながら、厳重な規制といいますか指示をしていただきたい。そういうことによって国民疑惑を招かないようにすることが、私は、当然大臣としてもお考えになっておることであろう、こう思うのでありますが、その点についてひとつお答えいただきたいと思います。
  10. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 堀委員のお話、もっともであります。私もそのとおり考えておるわけであります。参議院議員選挙を来年七月に控えておる、お話のように、これだけではありませんで、いやしくも監督行政として、ことに許認可権を多く持っておる運輸省であります。そういう意味において、李下に冠を正さずということばもありますからして、お話のごとく厳重に、いやしくも今後はこれらのことの疑惑をこうむらないよう、かつまた、あるいは必要によってはあらためて関係局長にもこの旨を口頭もしくは文書で伝達いたしまして、今後あやまちのないように処したいと思いますので、御了承願います。
  11. 吉田重延

    ○吉田委員長 関連質問を許します。二見伸明君。
  12. 二見伸明

    ○二見委員 運輸大臣に一、二点お尋ねいたしたいのですが、人事院規則によると、政治的行為定義として「政治目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。」これが政治的行為定義になっておりまして、国家公務員法百二条によりますと、「職員は、政党又は政治目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」とあるわけです。ただいまの警察庁の側の答弁によりますと、別に選挙については話し合いは出ないようだった、したがって捜査を打ち切ったというお話でございました。しかし朝日新聞の記事によっても、また前後のいろいろな事情から考えて、たとえば黒住さんが八月に向こうにあいさつ状を出した。十月に退任あいさつの名目で向こうで宴会を開いた。その直後に今度は野村局長のほうが現地へ行った。こう一連のことを考えると、あるいは具体的に黒住という名前が出たかどうかわかりませんけれども、新聞では「雑談の合い間に黒住前自動車局長立候補の件を含めて、参院選対策について話し合ったという業者もいる。」とここに出ております。あるいは黒住さんの話が出たかどうかは別といたしまして、そういう一連の流れを考えると、何だかそこに政治的行為定義にあるような「職名、職権、又はその他の公私の影響力を利用すること」に抵触するんじゃないか、こういう感じがするわけですけれども、その点大臣いかがですか。
  13. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 私が野村局長に聞きましたときには、その話は一切自分から出ておらないという話でございます。いま法文をお読みになりましたが、そのような事実があれば、もちろんこれは公務員法にも適用をされるのでありますからして、考えざるを得ませんけれども、本人を調べた結果は、そのような話は一切しておらない、かようなことでありますからして、その点は御理解願いたいと思います。ただ、堀委員からお話もありましたし、二見さんからも、たぶんそういう意味であろうと思いますが、いやしくも疑われるようなことは気をつけたらどうか、こういうお話であります。全くそのとおりであります。ただ、運輸行政、ことに自動車行政は、御承知のように非常な難関に当たっているといいますか、昨今においては人件費が高騰してきている、しかし、ある程度料金は抑制せざるを得ないという問題もありますので、業者と運輸省との間に、ある意味においては利害関係が衝突をしておる状態でありまして、恨まれておるというか、結果からいうと、業者のほうから見ると、なぜこれだけかかるのにかかわらず上げてくれぬかという問題がありますが、そういう問題も含めて、できるだけいわゆる日本の物価の問題等を含めて、そうして業者にもがまんをしてもらう、そうして物価抑制にもひとつ協力してほしい、こういう懇談の機会を持つことはやっぱり必要であろうと思うんです。ただ問題が、いわゆる従来といいましょうか、行き過ぎているようなことがあっては、これはいけませんので、私は言っておるのです、まあまあお茶菓子ぐらい、あるいは紅茶コーヒーを飲むくらいはやむを得ない、三十人五十人の人が集まるんですから。そうして十分に意見を聞くようにする。それ以外のことは、これは友人等特別の個人的な関係は別でありますけれども、慎むようにということを厳重にやってまいっております。いま二見さんのおっしゃったような事実が将来起きますれば、もちろんこれは処罰の対象になりますから、厳重に私は取り締まりますが、いま申しましたような事情で、野村局長は、前任地であったということばかりでなく、広く大衆の意見も聞きたい、また企業家の苦しい状態も知るという、こういう意図があって参ったのでありますから。しかしながら、今後誤解を受けるような行動は厳にこれを慎む、また慎むように私から命令をいたしておるわけであります。この点御了承を願いたいと思います。
  14. 二見伸明

    ○二見委員 大臣が今後誤解を生ずるような行為、行動は絶対にさせないという正直な答弁でございましたので、それはその点で了解しますけれども、またもう一点は、大臣が御答弁になりましたように、こういうときにお茶菓子程度で済ませるのが好ましい、私もそのとおりだと思います。しかし、こういう許認可権限を持っている局長が現地に出ていく場合、黒住さんの名前が具体的に出なくても、業者のほうでは、これはあれと関係があるんだなと当然思われるわけですね。思うのは向こうのかってと言ってしまえばそれまでですけれども、逆に言えば、そう思わせるような態度だってこれはとれるだろう、具体的名前さえ出さなければ。この間は黒住前局長が来た、今度は新しい局長が来た、この間はあいさつがあった、今回は具体的にあいさつはなかったけれどもねらいはそこだろうと、それほどばかじゃない限り、ぴんと感ずるのがあたりまえだと思うのです。そういう点では、これから局長クラスの行動に関しては厳重な注意も払ってもらいたいし、それは、名前は出さないから政治的行為にはならないということには決して私はならないと思う。その点も厳重に今後は御監督をしていただきたい。これだけ要望いたしまして質問を終わります。
  15. 吉田重延

    ○吉田委員長 関連質問を許します。西宮弘君。
  16. 西宮弘

    ○西宮委員 私も一点運輸大臣にお尋ねをいたしますが、こういう、局長が退任をし、あるいはさらに新任するという場合には、全国各地をあいさつに回るというのが慣例でございますか。
  17. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 お答え申し上げます。特別に慣例というわけではありませんけれども、従来、局長ばかりじゃありませんが、海運行政にしましても陸運行政にしましても、やはり現地を見る、現地の人に会って意見を聞く、話を聞くということは、こういうような企業体を相手に持っておる監督官庁としては必要な問題であります。したがって私も、あるいは造船所を視察もする、あるいは踏切を見るためにはその私鉄にも乗ってみる。そうしないと問題を解決する上にぴんとこないんですね、机上の空論だけでは。そういう意味でありますから、慣例として新任したから回るという意味ではありませんが、やはり時間の許す限りは現地に行って、ことに自動車行政になりますと、たとえば九州、大阪、名古屋東京全部違うのですね。料金制度も違う、あるいは実情も違う。たとえば、私はせんだって神戸に行ったとき陳情を受けたのですが、神戸で山の上に上がっていく。前には山の上に上がっていくためには特別料金があったんですね。それをこの前の料金の改定のときに撤廃してしまった。それがためにこれは与野党を問わず皆さんから私は陳情を受けた。そのためにそれを利用する人が全くタクシーを利用できなくなった。タクシーのほうで行かないわけです。前は坂道をずっと登っていったにかかわらず、いまはいわゆる深夜料金以外はないのですから。前は二割か何かあったんですね。それがために、たとえばいままでは二百五十円とか二百円とかで行かれたやつが、今度はハイヤーで行くわけですから八百円、千円とかかり、非常に個人的な負担が多くなる。しかもおそくはいわゆるバスは通わない。こういう実情を知らなかったためにそのようなことをしたのじゃないだろうか。たとえば札幌あたりの積雪寒冷地帯、こうなりますと、ここは冬になりますというとなかなか運転効率が悪い。こういう現状を、やはり場所によっては、特に自動車行政ですから、場所によっては見なければ、結局は適所適正の料金が定められない、こういう問題もあるわけです。したがって、特にかわったから慣例としてただあいさつに歩くのだということではなく、やはりいやしくも局長としてはトップですから、そのトップにおる局長は、現地を見て、そうして処理してもらわなければ、かえってこれは国民大衆に迷惑をかける場合が起こるわけですね。そういう意味ですから、慣例ではありませんが、つとめて、ひまがあれば現地を見て、適切な処置をとるように、こういう指示はいたします。
  18. 西宮弘

    ○西宮委員 私のことばが足りなかったと思うのですが、前の話の継続ですからお察しいただけると思って詳しく言わなかったのですが、私があいさつに回るかと言ったのは、いわゆるごあいさつと称してその業界の代表を呼んで懇談する、こういうことをやるのが慣例かどうか。いま大臣が言われたような寒冷地を視察するとか、こういうことは当然のことでしょう。しかし、いわゆるごあいさつと称して、やめた人、新任した人、この人が回って歩くのは慣例か、こういうことをお尋ねしたわけです。  それではついでに、この局長はどういう出張命令をもって出たのかということと、もう一つは、この局長はいつ就任をされたか。という意味は、もし就任間もない人ならば、むろん現地の視察も大事でしょうけれども、現地の問題があって特に視察をしたというのではなく、ただいわゆるごあいさつに回っている。私はそういう形での事務の引声継ぎその他もいろいろ問題が多いのではないかと思う。そういう点から考えてみて、どういう出張命令をもって出たのかということを聞きたい。
  19. 高林康一

    ○高林説明員 お答え申し上げます。野村自動車局長の出張は、十月十二日より十六日まで、九州方面に自動車行政事情調査視察のためでございます。なお野村自動車局長の自動車局長就任は六月十九日だったかと思います。日にちは多少不正確でございますが、六月十何日であったと存じます。
  20. 西宮弘

    ○西宮委員 もう一問だけお尋ねをいたします。大臣にさっき私がお尋ねしたいわゆる業界の代表を呼んで一席設ける、あるいは設けられる、そういう意味でのごあいさつ回りというのが慣例かどうかということについて、ぜひお答えいただきたい。  それからもう一つは、私の選挙区の問題でありますので、前回もお尋ねしたのですが、大臣に一言だけ伺いたいと思いますが、この黒住さんは私のほうの仙台管区気象台ですか、そこにあいさつ状を送っているわけですね。これはずいぶん非常識きわまると思うのですが、たしか退任のあいさつ状でありますが、「諸先輩並びに同僚友人各位から、たってのお薦めがあり、かつ、永年の運輸行政が培った知識と経験とを生かすため政界に進出せよと強い御推挙を賜わりましたので」云々というので決意をいたしました。「幸いこのほど自由民主党から来年の参議院議員選挙にあたり公認候補(全国区)の決定を得ましたから、この上は不敏をも」云々、「つきましては、何卒倍旧の御支援と御指導とを賜わりますよう伏してお願い申し上げる次第でございます。」こういうあいさつ状を出しているわけですね。これはもうだれがどう考えてみても疑問の余地のない事前運動なわけですね。この人はやめてしまったのだからしようがないというのならば、実はこのあいさつ状は仙台気象台に送られて、そこの現職の総務課長が各職員にこれを配っているわけですけれども、そういうことが差しつかえないのかどうか。この黒住さんという方は、私が職員録で見た限りにおいては、ずっと自動車関係に、今日までほとんどそれ専門に来た方のようです。気象関係などには全然関係がなかった人なんです。その人がこういうところに、これは気象庁運輸省の所管だからということでしょうが、こういうあいさつ状を、しかも小包で送っているのです。それを現職の課長が課員に配布する、こういうようなことが差しつかえないのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
  21. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 あいさつ状の内容はいまお読みになったとおりだろうと思います。ただ、それが法律上どういう地位になるか、私あまり法律のほうは強いほうじゃありませんので、お答えのしようがありませんが、われわれ一人の政治家として皆さんと一緒に考えてまいりたいことは、いまの議会政治というものはかなり専門化してきたという傾向はあります。これは何も役人が出ろという意味ではありません。民間人でもけっこうです。とにかく専門化してきている。単なる腹芸で政治はできなくなってきている。こういう時代でありますから、それぞれの専門知識を持つ人が出てくることは、これは議会政治の上からいっても好ましいことであろうと思います。ただ、このようないわゆる配布、あるいはそういう人がそういうような通知状を渡す渡さぬの問題は、法律をどう解釈すべきかということは、私自身が法律家ではありませんので、明らかに申し上げることはできませんが、もちろん先ほど来申し上げましたように、とにかくこの種の問題は十分気をつけて自戒して、そうしていやしくも誤解を受けないような行動をとるべきである、この点については再三申し上げたとおりでありまして、今後このようなことについては、本人ももちろん自戒しておることであろうし、われわれ運輸省側も、そのような問題があれば、それについては十分に注意を促して、そのようなことのないように処してまいりたいと思っております。
  22. 堀昌雄

    ○堀委員 いまの運輸大臣のお話の中でちょっと私一点納得ができない点がございます。野村自動車局長はいまのお話ですと六月十九日に自動車局長になっておりますね。参りましたのが九月、四カ月しかたっておりません。この九州陸運局は、私つまびらかにいたしませんが、福岡陸運局というのはおそらく、各行政区が熊本を除いて北部と、今度は熊本は何か主として行政的なものがあって、南部、こういうふうに分かれているのじゃないかと思うのですが、福岡陸運局の所管というのは福岡県だけでございましょうか。どうなっているのでしょうか。
  23. 高林康一

    ○高林説明員 福岡陸運局の所管は九州一円でございます。
  24. 堀昌雄

    ○堀委員 いま大臣が、自動車局長は新しくなったら全国的にいろんな実情調査をすることは必要だとおっしゃることは私もわかります。しかし、九州全域を所管している陸運局長であった者が、自動車局長になって就任四カ月目にもう一ぺんその地域を調査しなければいかぬというようなことは、これはだれが考えてもいまの一般的慣例の処置だとは理解ができないわけでございます。おまけにそれが、さっきも申し上げましたように、夜の宴会というものが陸続と続いているわけでありまして、この二点から見ましても、私は今度の処置というものはたいへん大きな問題だと考えているわけでございます。さらに、さっき申し上げましたように大臣通達に反した行為をしておるわけであります。何らかの形において、この自動車局長に対しては、運輸大臣として適当な処置をお考えいただきたいと思います。中身は運輸大臣におまかせをいたしますが、これら国民疑惑を晴らすためにも、私は運輸省として適切な処置が必要ではないかと思います。いかがでございますか。
  25. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 六月になって九月で、三、四カ月たたないから行く必要ないのではなかろうかというお話でありますけれども、御承知のように、特に自動車行政は非常に動乱といいますか、料金問題は前に一応確定したわけですが、その後における御承知のようにタクシー近代化問題等いろいろあります。そういう意味がありまして、これは九州一円だけでなくて、非常に違った、たとえば北海道とか、その他本州のほうは大都会が中心であります。あとは大体同じようなものでありますけれども、こういう地域に対して、これは三、四カ月の間ということではなく、これからの新しい行政というものは、私は強くタクシー近代化ということを言っておりますから、そういう問題をもひっくるめてやはり自動車行政の調査及び懇談という意味で参ったわけであります。公務員として不適当なことが、今後本人に聞いた上、あれば、もちろん処分をいたしますけれども、私としては、従来の調べた経過から見ますと、われわれの考えておった措置をやっておったという意味で、口頭では本人に十分に注意を与えましたが、今後これは調べた上で、特別なものが出ればもちろんでありますが、現在のところ、私は十分なる訓戒と申しますか忠告によって今後本人が処していく、こういうことに考えております。
  26. 堀昌雄

    ○堀委員 ちょっと官房長に一点だけ伺いますが、この自動車局長は九州以外に他の地域に対してこれらの視察旅行をやっておりますか。
  27. 高林康一

    ○高林説明員 野村自動車局長は福岡陸運局長在任はたしか五、六年前のことでございます。その間に海運局の参事官次長をやっておりまして、自動車行政にはずっと離れておったという状況でございます。そこで、ことに九州管内におきましていろいろ過疎バス対策あるいは離島における自動車問題、こういうような問題が非常に山積しておりましたので、九州方面へいろいろ問題がございましたのでそれで出張したわけでございます。そのほかに、自動車局長就任以後に出張いたしましたのは、私の記憶では、首都圏の範囲内においてはよくいろいろ実情調査に行ったようでございますけれども、ほかに記憶は私しておりません。
  28. 堀昌雄

    ○堀委員 まあ、いずれにいたしましても、私ちょっと前段に触れましたような、供応を受けるなという大臣通達もありますし、局長みずからが大臣から局長あてに出ておる通達を乱すのは、これは威令が行なわれないと思うのでございます。その点、通達に違反した点もありましたので、十分ひとつ注意を促しておいていただきたいと思います。運輸大臣、御退席してけっこうでございます。  次に、荒木公安委員長にお伺いいたします。  これは個別問題としては、ちょっと刑事局長に伺いますけれども、同じく十月十四日の朝日新聞に「ビジョン・写真つきPR版  警察署内で配る  キャバレー業者大会で」という問題が報道されておるわけです。このことは、ややいまの問題とは趣きを異にしておるのでございますが、私どもこれは単に警察だという意味で特に取り上げるのではありませんけれども、いま申し上げたような官庁の出身者とそのうしろにある官庁との関係ということが、実は国民にとっては非常にいろいろと不審を抱きやすい問題があるわけであります。こういうことが起きますと、これはいまの全国区の問題とは違いますけれども、やはり選挙という問題について、警察庁の出身者が出ておるので警察が便宜をはかったんではないかなどという疑惑を持たれることは、私は警察側にとってもたいへん迷惑なことではないかと思うのですが、同時に、国民の側から見れば、最も公正であるべき警察でそういうことが起るのはいかがであろう、こういう感じを強くしたのではないかと思うのでございますが、これらの問題を含めて今後まず警察のあるべき姿と申しますか、参議院全国区のような場合でも、あるいはこういう場合でも同一でありますが、それらの官庁組織の出身者と官庁の関係においてやはり明確にしておかなければならない一点があろう、こう考えますので、公安委員長のほうから、この問題についての御見解を、これは個別問題ではございません。原則としてひとつお答えをいただきたいと思います。
  29. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 お答え申し上げます。警察がいやしくも不公平な扱いをしたという疑いを受けることは、それ自身警察としても不名誉であり、迷惑しごくのことであります。あくまでも執務態度としましては厳正公平を旨として、いやしくも違反事件があれば、事前といえども検挙するにやぶさかでない、疑わしいものは厳重に警告をするというふうな態度で臨んでおる次第でございます。
  30. 堀昌雄

    ○堀委員 刑事局長に伺いますが、新聞報道だけでは私どもも事実がはっきりわかりませんので、おそらくこの問題は、警察庁としても調査をされたことではないかと思いますので、この点についてちょっと警察庁からの御答弁をいただきたいと思います。
  31. 高松敬治

    ○高松説明員 新宿警察署における問題は、私どものほうでも調査をいたしました。警視庁自身といたしましても、厳重にその間の事情を調べました。その結果、この新聞を持ち込んだと認められる人が、一応新宿警察署防犯課長に、これを配布してよろしいかということを聞いたところが、言下にそれはいけないということで断わられた、それを受付のうしろの側に、断わられたので置いておいたところが、受付のほうが多少誤解をしてそれを配った。それを今度は署長が見つけまして、何だ、すぐやめろということで、そこでやめたようでございます。そういうふうな事情で意図の一つの食い違いのもとにこういう事案が発生した。また、もちろん警視庁としても、あるいは新宿署としても、そういうことを強要したということは毛頭ございません。そういうことについては、警視庁としても非常に遺憾の意を表し、署長に対しても、これは別の、新宿の町を明るくするために会場を貸したのでございますけれども、そういう際には厳重に注意すべきだということを強く署長に対して注意をしているところでございます。
  32. 堀昌雄

    ○堀委員 私は、この問題は偶発的な事故といいますか、行き違いの問題であったと了解をいたしますが、選挙の問題というのは、えてしてあとであれはどうも過失でありましたとか、予想せざることで起きましたというのですが、配ってしまった効果というのは常にあるわけですね。ここが実は選挙の問題で非常に重要な問題だと思うのです。やったものはやり得で、このことを私は言っているのではありませんが、一般論としてそういうことが起きやすいということで、実は選挙の一般的通例として起きているわけです。  そこで、先ほど公安委員長のほうではっきりした態度を御表明いただいて、たいへんけっこうだと思うのでありますが、特にこの際お願いしておきたいのですが、要するに、何か一つの意図がある、意図があるけれども、それは選挙のことでありますから、できるだけ法令その他をくぐって、しかし効果は同じようにしたいというやり方が、選挙では一般的にとられているわけであります。実はこの前の委員会で私どもが取り上げました黒住氏の場合、それから同じく渥美氏の場合、同じく小林参議院議員の場合、いずれも、これらの各組織なりいろいろなそういう官庁等に関係のある大会等を利用して事実はすでに物を配ってあるわけです。ですから、私どもこの際特に公安委員長にお願いしたいのですが、もちろん厳正公平でなければなりませんけれども、ただ普通の官庁に関係のない方が何らかそういう団体にやるときと、官庁の影響下にある団体官庁出身者がやるときとでは、私はおのずからその影響なりやり方の仕組みの問題が違う、こう思うのでございます。そういう点では、このたびも現在新聞が伝えているところによりますと、渥美前厚生省児童家庭局長、それから片山前林野庁長官、それから黒住前運輸省自動車局長、それから古賀前建設省建設技監、梶木前農林省建設部長等、まだそのあと農林次官なり大蔵次官であった前職の人たちも立候補をうわさされているわけでありますが、現在は地位利用ということになっておりますが、そういう個別的な地位利用というよりも、官庁という組織体を使ってその前任者が何らかの選挙運動にそれを利用するということに対して大きな反発を国民が持っていることは、公安委員長も御承知のとおりだと思いますので、これらの官庁組織を利用する高級公務員であった人たちの選挙運動については、この際国民側の気持ちを十分に了解をしていただいて、これらについては、各官庁側に対して、これは行政管理庁長官としてもお願いをしておきたいわけでありますが、そういう捜査その他の面におきましても、ひとつ格段の配慮をして、国民疑惑を招かないようにしていただきたいと思うのでありますが、この点についての公安委員長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  33. 荒木萬壽夫

    ○荒木国務大臣 お答え申し上げます。国家公務員について、少なくとも公務員について御注意の点はごもっともだと思います。十分注意をいたします。  なお行管長官としましては少し間接的でございます。ある公務員もしくは公務員経歴者がある行為をなしたから、その非違を摘発するという角度からは行政監察は発動しませんので、一般的行政監察のついでといっては何ですが、監察をすることから派生した非違あるいは不公正な取り扱い等が問題になるのでございまして、御指摘の案件等を取り上げて監察をするということはございませんので、御了承いただきます。
  34. 堀昌雄

    ○堀委員 私はこれで終わります。
  35. 吉田重延

    ○吉田委員長 西宮弘君。
  36. 西宮弘

    ○西宮委員 前回警察庁幹部が欠席をされましたので、ただ問題をお話しておいて、見解を聞きたいということにしておったのでありますが、その前に、いま堀委員が質問をいたしました点について一つだけ私からもお尋ねをしたいと思います。  例の新宿の警察署を会場にしたその会議の中でああいう印刷物を配ったという点でありますが、これはあとで気がついてびっくりしたという局長のいまのお話でしたけれども、新聞の報ずるところによると、会議が進行中にその受付の前を何回も警察官が行き来をしたということが書いてあるわけです。おそらくそれは事実だろうと思うのですね、小さな会場ですから。それは全く事実だと思うのですけれども、そこでなぜそれに気がつかなかったのか。配られた新聞はこういう大きな新聞なんですね。これはだれが見ても秦野さんの選挙運動であることはあまりにも明々白々ですよ。こういう新聞を配っているのを、しかもそこを何べんも往復しておって全然気がつかなかったというようなことは、私はちょっと常識的に考えられないと思うのですが、その点はどうなんですか。
  37. 高松敬治

    ○高松説明員 十月十三日に新宿署の講堂において、新宿明朗営業推進会という会の主催で新宿明朗営業推進決起大会ということで、ちょうど年末に暴力取り締まりその他を予定しておりまして、それらについての関係業者がこういう推進会をつくりまして決起する、そして新宿を明るくしょう、こういう趣旨の会合が持たれたわけでございます。当日はその会合の場所にも新聞社の記者なんかも招待して、中に全部いたそうであります。署長もその現場におりました。そういう状態でございまして、それを配り始めたときに気がついて、そういうものの配布はいけないということで押しとどめた、こういうのが実情でございます。
  38. 西宮弘

    ○西宮委員 これ以上繰り返しませんが、とにかくそういう警察署で、したがってたくさんの警察官がおるし、新聞記者のとった配っている場所の写真などもあるわけですね。ああいうところで、警察官もわきに立っているわけです。それを気がつかないで、相当数配ってしまって、やっとあとで気がついたというようなことでは、私は警察官としての任務を十分全うしていないという感じが強くするわけです。こういうでかいもので、全面を立候補の問題で埋めているわけですね。そういうものを配っているのを、相当数配ってしまうまで気がつかない、こういうばかなことは私はあり得ないと思う。その点はこの程度にしておきます。  この前にお尋ねをした点から、お答えをこの次の機会にということになっておりますので、渥美節夫さんが、これまた私の仙台でありますが、仙台文書を配ったという問題についてお尋ねをしたいと思います。  ちょっと話が前後して恐縮ですが、その前に警察庁としての見解を聞きたいと思うのですけれども、さっき私が朗読したような、これは前児童局長の話ですが、さっき朗読したような程度のああいう内容のものは、あいさつ状として配って事前運動にはならないのかどうかということと、それからその役所課長がそのあいさつ状を帰りに配布をする、こういうことは地位利用になるのかどうかというその二点を、私のさっきの質問の前にお答えいただきたいと思います。
  39. 高松敬治

    ○高松説明員 あいさつ状の内容、それから役所の系統の職員がそれの配布に当たったという点につきましては、いずれも事前運動の疑いがあると存じます。
  40. 西宮弘

    ○西宮委員 したがって警察庁としては警告を発した、こういうことになるのだろうと思いますが、これはただたまたまあらわれたのが私のほうでありましたので、社会党の議員が指摘をしたということから始まったわけですけれども、おそらく全国的にそういう点はいろいろたくさん同じようなケースがあるのではないか。十分注意をしてもらいたいと思います。ことにそれが、いま局長の答弁のように、明らかに事前運動になる、こういうことであれば、単に警告という程度で済ませられないことではないか。十分注意をしてもらいたいと思います。  それでは、さっきお尋ねをした点でありますが、渥美節夫氏が仙台で行なわれた社会福祉の会合において印刷物を配布をした、その問題については目下調査中である、こういうお答えであったわけですが、最後の処置はどういうことになりましたか。
  41. 高松敬治

    ○高松説明員 十月一日に宮城県の県民会館で身体障害者福祉法施行二十周年宮城県身体障害者福祉大会、これは宮城県宮城県身体障害者福祉議会というのがございまして、その両方の共催にかかる会合でございます。その席においてそういう写真、経歴入りの文書が配布されたということがございました。調べましたところ、配布をしたのは宮城県社会保障推進連盟事務局長の早坂という人がこれを配布をしたという事実がわかりました。それで、それにつきましては、この早坂という人とそれから宮城県身体障害者福祉議会事務局長である庄司という人に対して、この頒布事案について警告をして、自後このようなことのないようにということで処置をいたしてございます。
  42. 西宮弘

    ○西宮委員 結局警察はあとから警告をするということで終わっているということは、さっき堀委員の指摘のとおり、結局配ったほうが得だ、こういうことになってしまうおそれがある。そこで配られたのはこういうものですけれども、これに対して本人というか渥美節夫さんは、新聞の記事に、そのようなパンフレットが配られたことは私は知らなかった、こう言っておるけれども、これはそういう会議で配るためにつくった資料なんですよ。なぜならば、これだけのスペースを設けて、その会議のいろいろ必要事項を記入するようにつくってある。したがって会議用につくってあるのですよ。そうしてその中に経歴なりあるいはその他の詳しいことがいろいろ書いてある。こういう最初から全く計画的につくっておるもの、詳しい経歴なども載っておるし、あるいはまた家族関係なども、たとえばおかあさんは群馬県生まれである、奥さんは福岡県生まれである。御本人はどこで生まれたか書いてないのですけれども、全国のあちこちを転任して歩いたことなどを書いて、これは明らかに全国区で立候補することを意識をしてつくったものであることは疑う余地がないと思う。こういうものを最初から配る目的でつくっているわけです。そういうものを御本人はその配られたものを全然知らなかった、こういうことを言っているのだけれども、それでは私はそういうものを事前にチェックするというようなことはとうていできないと思う。この点はあとで、厚生省大臣が出られないというので、かわりの方に来てもらっておりますから意見を聞きたいと思うのだけれども、私は、そういう点について警察庁としてどういう方針をもって今後事前にそれをチェックをしていくということに努力をされるのか、いろいろ方針なり決意なりを聞きたいと思います。
  43. 高松敬治

    ○高松説明員 御承知のように事前運動の問題につきましては、いろいろ微妙あるいは複雑な問題がございます。私どものほうも、事前運動かどうかという判定については非常に頭を痛めることが多いのでございますけれども、法律的に違法であるかどうかという点については非常にむずかしい問題が存在しております。ただいまこれを事前にチェックする方法はどうか、こういうお話でございますが、事前にたとえばそういうパンフレットを配布されることを警察においてチェックをし、これを阻止をするということは非常に困難であろうと思います。いろいろな会合全部についてそれをやるということは、とうていできることではなかろうと思います。そこでまず、そういう疑いのあるものが配られたという事件が起きれば、それに対してすぐさま警告を発して、そういう事態が二度、三度と行なわれないようにしていくことにできるだけつとめていく、それから非常に悪質であり証拠の明白なものについては、事前であってもこれを検挙していく、こういう二つの方法しか現在はないと考えております。
  44. 西宮弘

    ○西宮委員 私はかなり悪質だと言ってよろしいと思うのです。最初から配ることを目的にしてこういうものをつくって、しかも本人は一向知らなかったとうそぶいているなんというのは、私はかなり悪質だと思うのですけれども、厚生省にお尋ねをいたします。  主として例の「厚生」という雑誌に載った広告についてお尋ねをしたいのですが、お尋ねの要点は、まずこの雑誌に載った渥美節夫さんの「母と子の幸せ」という書物厚生省の推薦図書ですか。
  45. 高木玄

    ○高木説明員 「厚生」という雑誌は、財団法人厚生問題研究会が発刊しておりますけれども、厚生省で相当部数買い上げて頒布いたしておりますので、厚生省広報誌的な役割りを果たしておると思います。ただいま御指摘のそれに載りました書籍の推薦は、厚生省の推薦というのではなく、省として正式に推薦の文書にしたというのではなく、その「厚生」という雑誌には従来からも厚生行政の普及に役立つ著書を推薦いたしておりますので、そういった趣旨で掲載したのかと存じます。
  46. 西宮弘

    ○西宮委員 いまの予算の関係等はあとでお尋ねいたしますが、私は過去一年間だけ調べてみたのです。そうすると、書物広告として載っておるのは厚生省の推薦図書である「家庭医学」、それから「医療金融制度と実際」「厚生の窓」、こういう三つの書物について広告が載っておるわけだけれども、そのおのおのは、たとえば「家庭医学」について、これはAの5判で九〇〇。ページ、定価が一千円、特価が八百八十円、こういうことで内容は第一部から第四部までそれぞれ詳しく紹介されている。あるいは「医療金融制度と実際」というのは、Aの5判で三〇〇。ページ、定価は八百円、送料が百円、「厚生の窓」はAの5判で一八一ページ、定価が三百円、送料が七十円、こういうことが広告の中に載っている。ところがが一つもない。何判で何。ページあって、定価が幾らで送料が幾らでということは全然書いてない。これを載せるときに、これは少しおかしいという感じはお持ちになりませんでしたか。
  47. 高木玄

    ○高木説明員 「厚生」におきまして、過去において書籍の推薦をいたしておる事例は、たとえば四十二年に「日本ワクチン」、「ウイルス実験学」、「細菌学実習提要」、四十二年九月では「近代家庭百科」、「放射線医学」、「人災健康」、「労働衛生学序説」、「環境衛生産業衛生」、それから四十三年には、「老人福祉の方向」、それから四十四年に、ただいま先生の申しました「家庭医学」あるいは「医療金融制度と実際」、こういったものをそれぞれ推薦いたしております。  今回の「母と子の幸せ」という著書は、一問一答式に母子保健について解説を加えた木でございまして、たまたま児童福祉審議会委員の安西愛子さんの推薦の文書が参りましたので、それを載せたわけでございます。載せた時期その他につきましていろいろ誤解を与えました点については、まことに遺憾に存じます。
  48. 西宮弘

    ○西宮委員 私がお尋ねしたのは、前の、いまたくさん読み上げられたのは、おそらく全部本の内容、少なくともそのページ数なり定価なり、あるいは内容がどうだというようなことをそれぞれ紹介した広告だろうと思うのです。それに比べて今度のものは、そういう点は何一つない。しかもむしろ著者を紹介しておるのですね。「この本の著者渥美先生は、前児童家庭局長として、厚生省で、明敏な判断力と、すぐれた企画性をどんどん実行に示してこられた方です」、こういうことで、著者を推薦しておるというのがむしろ主体で、その木の内容等については一言半句も書いてない。だから私のお尋ねしたのは、それを載せるときにおかしいなという感じを持たなかったかということをお尋ねしたのであって、その点だけ答えてください。
  49. 高木玄

    ○高木説明員 定価の記載もなかった点、その他従前の取り扱いと違っておる点ございますけれども、私どもは、ただ善意厚生行政の普及に役立つ著書、さように考えて載せたというふうに考えております。
  50. 西宮弘

    ○西宮委員 それでは、これを載せた時期には、この人は全国区の候補に出るということを承知をしておったかどうか。
  51. 高木玄

    ○高木説明員 これの載りました「厚生」八月号の編集の過程を申し上げますと、この広報につきましては、厚生省の関係部局の人間が参画いたしまして編集委員会というものを開いておりますが、それが開かれたのが六月八日でございます。六月三十日から七月六日までの間に原稿の締め切りを終わりまして、七月二十一日から三十日の間に校正を終わり、八月十八日に発送いたしたわけであります。したがいまして、編集に着手した時点におきましては、六月八日でございますが、その後七月九日に渥美さんが自由民主党の公認にきまったというようなことに相なりましたので、発送の時点におきましては、まことにこの点まぎらわしい印象を与える結果に相なったのでございますが、編集に着手いたしました時点においてはさようなことは全然考えていなかったわけでございます。
  52. 西宮弘

    ○西宮委員 当時の新聞を見ても、この人は去年の八月にはやめておるわけですが、そのときに、来年の選挙に出るのだということが当時の報道に書かれておるわけです。その公認になったのは七月九日で、ここに書いてあるのによれば、「厚生」は印刷したのが八月一日、発行が八月十五日、こういうことになっておって、これは少なくとも印刷は八月一日なんです。自民党の公認は七月九日なんです。当然発行までには明白にわかっておるわけです。公認以前に、次の選挙に出るのだということだけはわかっておる。それには気がつかなかったのですか。
  53. 高木玄

    ○高木説明員 渥美さんが児童家庭局長を退任されたのは、先生おっしゃるとおり昨年の八月でございますが、参議院の全国区に立候補されるかどうか、私どもは確認しておりませんでした。
  54. 西宮弘

    ○西宮委員 すでに何回となく新聞等には、来年の予定者はだれだというようなことは記事に出ておりますから、あとで見てください。もしなかったら私がお目にかけてもけっこうです。そういう人を、全然そういうことに気がつかなかったというのはまことに無責任きわまると思うけれども、さらにこの本そのものも、これは明らかに選挙用につくった本ですよ。こういう写真入りで経歴その他を書いて、これは私はおそらくたいへん内容がりっぱな本だと思いますけれども、しかし選挙目当てにつくったということだけは、私は少なくとも良識のある常識人ならばわかると思う。この雑誌によると、この編集については、「毎月一回開かれる編集会議には、省内各部局から数人の委員が出席」をし、「編集内容を一つ一つ検討する。」こういうことで、「読者は本誌によって、厚生省の方針なり、中央の動静なりを知り、また、各地方厚生行政の現状と動向とを知って、己が資とするわけである。」この本は、さっきお話しのように、何とかという団体がつくっておるのだけれども、しかし、それは団体というのは名義なんで、厚生省がそれに請け負わせておることは明らかなんです。したがって、その編集人というのは、国立公園部の久保田竜象、公衆衛生局の酒井義昭、児童家庭局の高城義太郎、保険局の平山行克、医務局中沢幸一、社会局の森幹郎、そのほかに広報室から室長ら三名、合計九名と、こういうことが明らかに書いてある。こういうもっぱら役人だけでつくっている雑誌なんですよ。児童家庭局の高城義太郎さんという人も、出席したかどうか知らぬが、これに加わっておる。その人が何とかして自分の先輩のために役に立ちたいというふうに考えたことは、私もその気持ちは了解できるけれども、この時点で、こういう式のもの――この本だって、さっき申し上げたように、私は選挙目当てにつくったとあえて言って差しつかえないと思う。それも表には秋山ちえ子さん、裏には安西愛子さんの推薦のことばがあるけれども、これもほとんど全部さっき言った雑誌に書いたのと同じように著者の推薦ですよ。「渥美さんが厚生省児童家庭局長時代、心身障害児問題をはじめ厄介なことを持ちこんだ時、ピシピシど処理された仕事ぶりは、私にとって感謝と同時に人間としての魅力を感じさせられた。本書はそのエッセイです。」と書いてある。要するに人の宣伝、人の推薦、人の推奨、こういうことだけしかほとんど書いてない。だから、この本自体がどういう目的で書かれたのだろうというようなことぐらいは、そういう役所の役人であるならばおわかりのはずだと思うのだけれども。  それじゃお尋ねをいたしますが、この発行のために国ではどれだけの金を出しておるか、あるいは全体としてどれだけかかる中で、どれだけ出しておるか。
  55. 高木玄

    ○高木説明員 この「厚生」の発行部数は六千四百部でございまして、このうち厚生省の買い上げ部数は五千部でございます。一部五十五円で買い上げておりますので、二十七万五千円を毎月所要額として出しております。
  56. 西宮弘

    ○西宮委員 六千四百部の発行の中で五千部を厚生省が買い上げる、こういうことになれば、これはほとんど全部国で発行しておる雑誌ですよ。少なくとも経済的には国がほとんど全部を負担しておる雑誌ですね。いわば国民の税金。国民の税金で特定の候補者の宣伝をされる、こういうことでは、全くわれわれ国民としては納得できないと思う。私は、きょうは官房長だけお見えですから、いずれまたあらためて責任者の明確なお答えをお聞きしたいと思うのですけれども、こういう明らかに選挙を目当てにして、そのための宣伝をしかも国の経費で行なうというようなことに対して、それに参画をしておるりっぱな役所の人たちが九人だけで編集をしておるわけですから、そういう人たちがそういう点について関係を持つということは、私はそれ自体たいへんな問題だと思う。厚生省は、実は地位利用という問題でも、この前もずいぶん苦い経験をしておるわけですよ。そのために犠牲になった厚生省の先輩は、厚生省というか地方庁を含めて全国的にたいへんな犠牲者が出た。そういう問題がかつてあったので、それをまたもう一ぺん繰り返そうとしておるのではないかという気がするので、私は重大な警告をしたいわけです。  自治大臣にお尋ねをいたしますが、こういうやり方が地位利用に該当はしないのかどうかという点について、御見解をお尋ねしておきたいと思います。
  57. 秋田大助

    秋田国務大臣 高級官僚地位利用と公職選挙法抵触との問題は、具体的事例に即しまして検討さるべき問題であると思います。しかし御質問の趣旨は、それが具体的に公職選挙法の条項に触れるかいなかということを問わず、政治的、道義的責任といたしまして、高級官僚地位利用による公職選挙法違反のおそれをいやしくも世人をして感ぜしむるような、疑惑を起こさしむるような行為は、えりを正してこれは慎むべきものであると私は考えております。
  58. 西宮弘

    ○西宮委員 いま自治大臣から決意をお聞きをいたしましたので、私の質問はこれで終わりますが、単に自治大臣の考えだけにとどまらないで、これはぜひ実施に移してもらわなければいけないわけですね。現に先ほど来指摘をされておるような、もう時間がありませんから申し上げませんけれども、古賀雷四郎という前建設技監ですか、あの方の問題があってみたり、あるいはまた防衛庁政務次官が再度にわたって選挙区で一種の選挙運動を、しかもきわめて非常識なやり方で選挙運動をやっておるということが再度新聞にも報道されておる。そういうことがほとんど相次いで行なわれておるわけであります。私は、単に自治大臣だけがそういう考え方であっても、その他がこれに共鳴しなければ何にもならぬ、しかもそれだけではなしに、それが具体的な成果としてあらわれてくるということでなければ意味がないと思うのです。さっき警察庁が、事前に取り締まる手段はないのだ、こういうことで、ただ、そういう問題について、一ぺんそういう事態が発生したときに再度それが繰り返されないように厳重なる警告を発する、こういう点について警察庁はそういう方針以外にはない、こういうことを言われたのだけれども、自治大臣にもう一ぺん最後に一点だけお尋ねいたします。そういう点で、事前にそういう問題を起こさせないように、自治大臣として、ないしはいまの内閣として、どういう態度をもってそういう事前の指導に当たるかという点をお尋ねしておきます。
  59. 秋田大助

    秋田国務大臣 なかなか有効適切な具体的なこれが対策ということになりますと、むずかしい問題であろうと思いますが、自治省選挙機構につきまして格段の予算の概算要求をいたしましたのも、そこに思いをいたしておるわけでございまして、国民一般が公職選挙法精神維持につとめるよう、今後いろいろと施策をもって、少なくとも有効適切な方法と思われる方法を逐次講じてまいりたいと考えております。
  60. 吉田重延

    ○吉田委員長 二見伸明君。
  61. 二見伸明

    ○二見委員 大臣に参院の地方の定数是正について二、三こまかい点をお尋ねしたいと思うのですが一最初にこれは確認でございますけれども、六日の参議院の公選法特別委員会で、定数是正について大臣は、「人口に動きがあり、たとえば岡山と熊木の両県は逆転する心配も出てきた。定数是正を考える際の基礎になる人口は、最新の国勢調査によるべきだと思う。参院の場合、統一地方選挙と違うのだから、人口概数が明確になればそれでいいわけだ。今年十二月中に概数が出る予定なので、これをみたうえで合理的な措置をとりたい。その場合審議会と違った結論が出たとしても、答申無視とはいえないと思う。」こういう御答弁をされたという新聞記事がありますけれども、御答弁の内容はこのとおりでよろしいでしょうか。
  62. 秋田大助

    秋田国務大臣 大体そのとおりでございます。
  63. 二見伸明

    ○二見委員 その中で「合理的な措置をとりたい」ということについて、具体的にどういうふうにお考えになっているのか。たとえば岡山熊本人口が逆転をした場合、答申ですと岡山が二名定数削減でございますね。それを岡山のほうの定数はそのままにしておいて、熊本のほうを減らすというのを「合理的」の解釈にするのか、それとも熊本のほうの定数はそのままにしておいて、岡山のほうも削減をしないというふうに考えるのか、その点はいかがでしょうか。
  64. 秋田大助

    秋田国務大臣 具体的にはいろいろの方法、組み合わせが考えられるかと思います。しかし少なくとも定数を減らしたところは実は減らす必要もないくらいほかの県の定数とその点交錯しておって、減らしたということ自体がおかしいじゃないかということが考えられる際に、なお原案どおり踏襲していくということはいかがかと思われる。それはひとつ全体を見て、またそのほかにもいろいろ問題が出てくるかもしれません。そうして全体をながめてみて、答申の趣旨をそんたくして考慮をしてみる必要があろう、こういうことでございます。
  65. 二見伸明

    ○二見委員 そういたしますと、岡山熊本が逆転した場合は、岡山の削減ということは考えられないわけですね。熊本のほうの人口が少なくなった場合は、岡山のほうの定数を減らすということはちょっとこれは考えられないことになるわけですか。いろいろとあるでしょうけれども、基本的にはそういう方法になるわけでしょうか、熊本のほうは別といたしまして。
  66. 秋田大助

    秋田国務大臣 片一方が減らないで片一方だけが減っておるということはおかしいことになろうと思いますので、しかし岡山を減らさないでおくか、減らすか、そこはまたほかの関係等も十分にらみ合わせる必要もあろうと思います。ただ熊本岡山との関係を見ますと、熊本をそのままにしておいて、より大きい人口のある岡山だけを減らしていくということは、だれが考えてもおかしいことになろうと思いますから、再検討をして合理的な措置を講ずることが必要であろう、それは決して答申の趣旨にもとるものではなかろうと考える、こういう見解を申し上げた次第でありまして、具体的にどういう措置をとるべきかは、全体をながめてみて再検討すべきだと思っております。
  67. 二見伸明

    ○二見委員 もう一点は、定数の問題を考える場合に、現在の定数総ワクですね。総定数はそのままで、その中で検討していくのか、あるいは衆議院がやったみたいに、総定数のワクそれ自体を広げていくということも考えられるのか、これは二通りどちらかですね。大臣としてはどちらのほうで考えたほうがやりやすいとお考えになっているわけですか。
  68. 秋田大助

    秋田国務大臣 前回の答申の趣旨は、沖繩の参議院に関しましての二名増加分は別にいたしまして、内地の分においては全体をふやさないという趣旨においてプラス・マイナス関係の三県二名ずつ六名という趣旨であったわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、その答申の趣旨は尊重していかなければならないという一つのワクはあろうと存じます。そのワク内においてどういう配分をするか、なかなかむずかしい問題だとは思いますが、とにかく岡山県とたとえば熊本県人口の逆転が予想される場合に、それを従来の答申のまま置いておくということは、決して答申の趣旨に沿うゆえんでもないのではなかろうか。少なくとも再検討をしてみる必要がある。そのときには全体のワクとしての数はふやさないというのがやはり答申の趣旨でございます。しからばこのワク内でとどまり得るかどうかということは、全体の国調の結果を見ていろいろ判断をしていきたい、こういう考えております。
  69. 二見伸明

    ○二見委員 総ワクをそのままにしておいて中をいじるということになると、私は減るほうの話で問題にいたしましたけれども、大臣の「合理的な措置」の場合ふえるほうですね、東京、神奈川、大阪は二名ずつ定員増になりますけれども、そのほうについても手を入れるということになるわけですか。
  70. 秋田大助

    秋田国務大臣 まだ具体的にはどうとも考えておりません。とにかくあのまま踏襲を形式的にすることが必ずしも答申の趣旨ではないと考えられますので、参議院においてこの点は再検討を加うべきものである、こういう見解を申し上げた次第でございます。
  71. 二見伸明

    ○二見委員 公選法の改正案は通常国会に出すという大臣再三の御答弁がありました。固い決意が披瀝されているわけでありますけれども、一部の報道によれば、定数問題については非常に情勢がこんとんとしてきたので、実現できるかどうかわからないというちょっと悲観的な報道も一部あるわけですね。党内でもいろいろな思惑もあると思いますけれども、そういう思惑は一切排除して、少なくともこの答申の線にのっとった改正案を出す。それは合理的な措置は加えられるとしても、基本的にはこの答申の精神にのっとった改正案は、どのような思惑があっても、あるいは反対があっても、通常国会には必ず出すのだ、大臣がこういう決意をもってこれからこれに対処されるのかどうか、その点最後にお尋ねしておきたいと思います。
  72. 秋田大助

    秋田国務大臣 答申の趣旨を尊重いたしまして改正案を出したいと考えております。
  73. 吉田重延

    ○吉田委員長 門司亮君。
  74. 門司亮

    ○門司委員 私はほんとうに一つだけ聞いておきたいと思います。先ほどから話のありましたように、選挙制度審議会が新たに発足をする、こういう発言がなされておりますので、その諮問される内容について一つだけお伺いしておきたいと思います。  従来から、選挙の公正、あるいは選挙費用はできるだけ安くして、そして公正な選挙が行なわれるようにということが主張されておりまして、したがって公営のワクを広げたらどうかという意見があるわけでありまして、この前の審議会テレビを使おうという議論が出て、これが費用その他は公営でということで、一応あの面だけは公営のワクが広げられたといえば広げられたということが一声えるわけであります。したがって今度の諮問事項の中に、そういう公営についてというようなことを特に入れられるかどうかということを、この際明らかにしておいていただきたいと思います。
  75. 秋田大助

    秋田国務大臣 いかなる点について答申を受くべきか、第七次選挙制度審議会の発足にあたりまして、そのテーマとすべき内容につきましてはいろいろ考えております。公営の範囲を拡張すべしということずばりでお願いすることになりますかどうかは別問題といたしまして、公正にして自由意思の表現による、しかも金のかからない選挙のあり方はどうあるべきであるか、こういう点は少なくとも今後御審議を願い、御答申を願いたい主要な議題になるものである、こう考えております。その点につきましてどういう表現をしたらいいか、またその他についてもどういうふうにこれを表現したらいいかという点は別問題といたしまして、とにかく金のかからない選挙、公正な、しかも自由意思の表現のできる選挙、こういう点は少なくとも今後御審議を願う中心課題ではなかろうかと考えております。
  76. 門司亮

    ○門司委員 それに関連してもう一つだけ聞いておきます。  それは、そういう制度をしようと公営を広げれば広げるほど選挙管理委員会事務が重要になってまいりまするし、したがって、いまのような各都道府県選挙管理委員会を見てみましても、大体管理委員会に所属された職員というようなものはほとんどいないと言っていいくらいです。地方課長さんが兼任をして、そうして選挙のときにそこいらからみなかき集めてきて、何とか事務だけは遂行していくという、いわゆる事務処理の感じの深い選挙管理委員会だ。したがって、公営が一方に広げられるということになりますと、片一方におきましてはこれの充実をはかっていかなければならないことは当然であります。したがって、来年度の予算要求に対して、こういう選挙管理委員会の費用等の増額を要求される御意思があるかどうか。大体私は要求されていると思いますけれども、一応念のために大臣に意向を聞いておきたいと思います。
  77. 秋田大助

    秋田国務大臣 御承知のとおり選挙部を選挙庁に昇格ということを考え、これを中心に予算増額強化の措置を考え、また地方選挙管理委員会におきましては、交付税等の措置を通じまして、これの強化及び近代化、あるいは投開票事務の機械化等を考えるとともに、また各地方におきましては、人的構成なりまた事務に当たられる方等の人選等につきましても十分配慮をされたい旨を、従来もお願いをいたしておりましたが、今後ますますその点に留意をして措置をしていただくよう、いろいろと考慮をしてまいりたいと考えております。
  78. 門司亮

    ○門司委員 私がそういうことを聞きますのは、一方に公営がずっと広げられていって、そして選挙がきわめて公正に行なわれて、費用のかからないように、いわゆる今日のようなどろ沼のような選挙を排するということが一つと、それと両輪のようなもので、やはり投票する選挙民の選挙に対する公正というようなものについても啓蒙運動が必要だ。この啓蒙運動のためにも、やはりどこから費用を出すかといえば、選挙管理委員会が担当する以外にないのであります。したがって、それらの問題を勘案して、来年度の予算等については十分考えていただきませんと、いまの選挙管理委員会が単に事務処理だけで終わっておるというようなことでは、私は、たとえ自治省の中に選挙庁を一つこしらえて大臣が一人ふえたからといって、選挙はきれいにはならないと思うのです。その辺はひとつぜひお考えをいただいて、予算措置等については当たっていただきたいということをお願いをしておきまして、きょうの質問はこれで終わります。
  79. 吉田重延

    ○吉田委員長 青柳盛雄君。
  80. 青柳盛雄

    ○青柳委員 私はこの臨時国会に提出されるといわれている選挙運動の自由に関する改正問題について自治大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、最初に、やや政治哲学的な問題について政府態度をお尋ねしたいと思うのです。  政治人間がその幸福を追求する自然的な欲求から生まれたものでありまして、政治はすべての人間から尊重され、その自主的な欲求によって合理的に実践し発展させるべきものだと思います。ところが、政治不信とか、政治をきらうあるいは政治をおそれるというような感情が人類をとらえつつある状況が生み出されております。まさに政治が本来あるべき姿から人為的に歪曲された結果でありまして、それはそのような状態を生み出した人々に対する罰とも言うべきものだと考えます。それは政治の堕落であって、人類の英知と努力によって是正されなければならないものであることは申すまでもありません。一わが国は一八六八年のいわゆる明治維新から百年余りたち、資本主義社会体制に入って、資本主義的な政治制度としての議会制民主主義を採用しましてからすでに七十年余を過ぎております。男性だけの普通選挙が実施されてから四十余年、男女同権の民主的な政治制度が実施されてからも二十五年を経ております。ところが、なお政治的な無関心、政治的な不信頼、政治嫌悪、政治運動に対する恐怖というようなものは、日本人の多くの心を押えつけている。  これはなぜか。第一番目には、個々の政治家、その集団である政党国民の国政参加権を悪く利用いたしまして個人的な営利、栄達、立身出世、または党利党略的な国民不在の政治をしてきたからではないかと思います。政党歴史も七十年を経過しているのでございますけれども、党費を納め、日常的に党活動、政治活動をしている党員数が一億の人口の中の一体何%を占めているか、有権者の中の何%を占めているか、これもきわめて不明瞭であります。私どもの日本共産党は、最近ようやく党費を納め党活動を何らかの形でやっている者の数が三十万人に達しております。しかしこれは有権者の約〇・四二%にすぎません。他の諸政党でこのような意味での党員の数を幾ら持っているか、おそらくは共産党とあまり変わらないのではないか。人類の理想とする政治活動、人類全体の幸福平和な暮らし、あらゆる恐怖と不安から解放された安定した暮らしを実現するために、自己犠牲的に献身する人々の数が少ないということこそ、政治不信、政治的無関心の端的なあらわれではないかと思います。  この現象はだれを一体喜ばせるのか。政治を私物化し、政治を悪用し、自己の個人的な野望、一部の党利党略にのみ狂奔している人々に都合のいい、圧倒的多数の国民の犠牲の上にあぐらをかいている人々にだけ都合のいいことではないでしょうか。これをいまの政治家政党人はいいことだと思っているかどうか、その政治的な良心というものが問われる時代だと思うのです。  私は、政治の要諦は、よらしむべし、知らしむべからずではなくて、知らしむべし、よらしむべからずでなければならないと思います。知らせることによって真の正しい政治というものが生まれてくるのではないかというふうに考えるのでありますが、このような点について自治大臣はどうお考えであられるか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
  81. 秋田大助

    秋田国務大臣 よらしむべき、知らしむべからずという為政者の態度は好ましいことでない、当然その逆で、十分国民に知らせて、国民とともに、国民のための政治をしていく、こういう考えでなければならないと思います。不断に、われわれの政治活動は、それ自身がまた同時に国民全部に対する政治教育にもなり、ともにこの国、この社会の発展と幸福とのために努力をしていく。国民には何も知らさない、こういう態度であってはならないと思っております。
  82. 青柳盛雄

    ○青柳委員 それでは、そのような立場から、いま私が申し上げたような、政治不信とか政治的無関心、場合によると政治をおそれる、それに近づくことが何か悪いことであるというふうに思わせているようなことは、政治制度の中に問題が残っているのではないかというふうに考えます。その最大のものは、議会制民主主義のもとでは選挙制度ではないかというふうに考えるのです。選挙権は、この制度のもとでは法制的に最も権威の与えられた権利であります。それは、国民政治思想の表現であり、社会的要求の反映として制度的に最大限に保障されなければならないものであります。それが、発達した政治制度としての民主主義でありましょう。  ところが、この選挙権の行使に対してあらゆる形の制限と規制が設けられてきているのが現状でございます。選挙権の行使が、ある天気のよい日、きめられた投票日に、多くの有権者が買収や義理という物質的、精神的な圧迫によってかり出され、特定の候補者に投票しているというのが現状ではないかというふうに、私は、いささか極端でありますけれども、考えざるを得ないのであります。  選挙権の行使は、参政権の行使、主権者としての国の政治のあり方をきめる意思表示であります。それは、それぞれの国の政治的状況の特殊性によって、あるいは武力闘争やゼネラルストライキやデモンストレーションなどと並んで、政治の動向を決定する行動として有効適切なものでなければならないと思います。それはお祭りでもなければレクリエーションでもありません。社会活動として考え抜かれた理性的行動であり、まじめなものでなければならないと思います。同時に、それは最大多数の国民によって自主的に行なわれるものであろうと思います。  そのためには、候補者や政党がその政策自由に広く宣伝する可能性を最大限に保障することが不可欠の前提条件であります。また、それだけでは不十分であって、候補者でもなく、特定政党に所属している人々でもないより広範な人々、それは有権者としての資格を与えられていない人々、すなわち、ある程度の思慮分別をわきまえた青少年を含め、自己の政治的要求を実現するために、他人にその政治的見解を発表し、ともに選挙権行使をするという訴えをする自由制度的に保障するものでなければならないと思います。  しかるに、現実はどうでしょう。金権政治、買収選挙が横行し、政治選挙腐敗堕落させている反面、あらゆる種類の制限を設けて選挙自由を規制し、しかも罰則をもってその違反を取り締まろうとする結果、警察権力選挙干渉に道を開き、候補者も政党も、自由政治活動、選挙運動を手控えざるを得ない。一般の有権者は、選挙はこわいもの、近づかないほうが無難であると考え、選挙運動員の働きかけをさえ、選挙違反に巻き込まれるかもしれないということで忌避している状態であります。  国の主人公である国民政治をおそれ、政治から遠ざかる原因をつくっているのが現行の選挙制度ではないのか。このような状態を放置していいかどうか。政界の浄化の励行、また選挙運動の自由化を徹底させるべきだというふうに私は考えますが、この点についての政府大臣のお考えを承りたいと思います。
  83. 秋田大助

    秋田国務大臣 選挙制度に関連して、いろいろ現象的に御批評は御自由であろうと思います。しかし、少なくとも現行選挙制度をしいておりまする政府の意図するところは、あなたがただいまお述べになったような点ではなくて、公正な、そうして国民とともに進む、国民に親しまれる選挙そのものを行ないたいという意思をもって貫かれておると私は確信をいたしております。  要は、言論、集会あるいは思想表現の自由、これに関連しての政党並びに政治に志す人の自由なる政治活動が基本的に許されておるかどうかという点にかかわる問題であろうと思います。その点につきましては、もとより政府といたしましてはそのことを期しておりまして、いやしくもこの原則に背馳をしないよう十分考慮をいたし、行動しておるつもりでございます。
  84. 青柳盛雄

    ○青柳委員 それでは、今度新聞などでも報道されておりますいわゆる公職選挙法の改正の意図というものについてお尋ねをするわけでありますが、伝えられるような改正の意図というものは、いま大臣がおっしゃったようなものに逆行するものではないのかというふうに考えざるを得ないのであります。  せっかく第六十一国会で、それまでの選挙制度審議会から、また世論から要求されている選挙運動の自由化、特に言論の自由化ということにつきまして一定の改善が見られたわけで、それからわずかに一年余り、数回の選挙、昨年の衆議院議員選挙と、その間の知事選挙などが行なわれたというわずかの実験を経ただけで、たちまちこれを廃止してもとの状態に戻ろうとしている。そればかりではなく、長年にわたって地方選挙都道府県議員あるいは政令都市議員選挙などで実施されてきた政党活動の自由までをも道連れにして、さらに深く選挙を不自由なゆがんだものにしようとしていると考えざるを得ないのであります。  その理由とされているものは、私から言うならば、きわめて欺満的であり、反動的であり、非民主的であるといわざるを得ません。第一に、金がかかるという理由がございます。選挙に金がかかるというのはもう常識のようになっておりますが、それが買収、供応による結果であることはほとんどの人の認めているところでありまして、この前、この特別委員会参考人としてお出になられた土屋さんでさえも、そのことは、自分はあまり選挙をやったことがないけれども、世間でそう言われているのでそうだと思うということも述べられているくらいでございます。こういうことに金がかかるのであって、政策を宣伝する言論、出版自由保障するために一体幾らの金がかかるのかということをお調べになったことがあるかどうか。現行法で認められておりますテレビ新聞、その他いわゆるマスコミというようなものでコマーシャルをするとか、あるいは無料のパンフレットを配布するというようなこと、これには相当の金がかかることは事実であります。しかしそれは、政党活動といたしましても、財界からばく大な献金を受けている政党ができることであって、広範な国民のカンパや浄財によって政治活動や選挙運動をしている政治団体政党にとってはとうてい及びもつかない状態であります。これに反しまして、政党政治団体機関紙やビラなどによって政策宣伝に金を使うというのは一体どのくらい金がかかるのか、調査したことがおありになるでしょうか。戦後の紙の不足した時代から、豊富な紙が生産され、印刷も高度に技術化された現在においては、これに要する費用は買収供応費に比べたら比較にならない僅少なものであろうと考えるのであります。五当三落ということばが依然として現実を反映するものとして使われ、それが何千万単位から何億単位までエスカレートしているというじゃございませんか。それは何に使われたか。言うまでもなく買収供応費であります。金がかかる選挙という口実は政策宣伝とは全く無縁であろうと考えます。  それから第二番目に不公平であるという口実がございます。これは力のある者と力のない者とを平等に扱おうとする配慮により出てきたというふうに、一見民主的な装いをもって迫ってくるものがありますけれども、はたしてそうでしょうか。政治活動は、本来政治思想の相違、対立があることを前提として、その競争を基本としているのであります。民主主義というものはそういう本質を持っております。だから政治的に力のある者が政治的に力のない者にうちかっことが現在の政治であり、選挙ではないでしょうか。それを選挙制度によって調整し、できるだけすべての国民に機会均等を保障しようという試みは、それが合理的であるならば当然実施されなければならないことは言うまでもありません。優勝劣敗を野放しにしてならないことは当然でございます。だれも異論はございません。しかし、その野放しにするとは一体どういうことか。それは金のある者が金のない者に対して金の力で勝利することに何らの制約、規制をしないという、それを野放しというのだろうと思うのであります。単にこの買収、供応を禁止しているというだけではなくて、これを行政的に励行する、厳格に実施するということが重要でございます。完全に公営が行なわれるというような状況ならばいざ知らず、そうでない状況のもとにおいて政策宣伝の力の強弱を無理に公平に扱おうとするのは、いわゆる悪平等というものであり、悪貨は良貨を駆逐するという反動的なやり方ではないでしょうか。進歩ではなくて退歩であろうと思います。社会をいいほうに発展させるのではなくて、悪いほうに逆行させる、すなわち知らしむべからずという方向に持っていく結果にならざるを得ません。政策宣伝の力のある者、そういう力のある政治団体は大いにその自由保障され、その結果が勝利となってあらわれる、これは国民政治意識を高めることであって、政治をその本来のあるべき姿に近づける理想的なことではないでしょうか。ただ、宣伝手段の利用にばく大な金がかかる、さきに申しましたばく大な広告費のかかるコマーシャルあるいは無料パンフレット、そういうようなものは一定の規制を行なうのが当然でございますけれども、政党機関紙あるいはビラなどを取り締まるというのは、これは全く逆行といわざるを得ません。  それから声なき声を聞くということがよく言われます。これは政治活動、選挙運動を金にあかしてお祭りのような状態にしていることに対する反省から出ております。真に声なき声に聞くというためには、真の政治宣伝を徹底的に自由にするとともに、まじめな政策宣伝とは認められない退廃的な宣伝、商品の誇大広告のようなコマーシャルのような、カッコづきの政治宣伝を規制することにつとめなければならないと考えます。こうすることによってほんとうの意味の平等が生まれてくると考えるのであります。  その次に、行き過ぎを是正するという口実がございます。真の政策宣伝には行き過ぎということはないと思います。デマを飛ばし、競争者を中傷し合うこと、いわゆるどろ仕合いこそ行き過ぎであって、真の政策宣伝とは全く無縁であります。京都知事選挙はよく引き合いに出されるのでありますけれども、いわゆる反共反動連合勢力によってそれが誘発されることはまぎれもない事実でございます。裁判所によってその配布が禁止されたのは、一体だれがやったことであるか。「よど号」乗っ取りを共産党のしわざとデマ宣伝をしたのはだれだったのでしょうか。無用なビラ合戦をつくり出したのはだれでしょうか。デマ、中傷がなければ、これに反発する行動も不必要であります。このような弊風をつくり出した勢力のやったことこそ行き過ぎではないでしょうか。このような非政治的な、非民主的な宣伝を厳重に取り締まることによって行き過ぎを是正すべきものであります。それを、みそもくそも一緒にするという形でみそをやめさせてしまうというような試みを一体何と理解していいのか、私どもは理解することができません。反動と逆行とは、そういうことをいうのではないでしょうか。  さらに、選挙民に迷惑をかけるという口実がございます。政策宣伝が国民に迷惑をかけるのであるというのは一体どういうことか。それは国民を愚民化する口実ではないでしょうか。国民は経験を通じて賢明であり、政策のない宣伝、感性にのみ訴える騒々しい宣伝こそ迷惑でありますけれども、文書による政策宣伝、説得による政策宣伝は、国民政治意識を高め、国民から喜ばれ、歓迎されておるのであります。政策宣伝を法制化して一般的に規制しようとすること、迷惑だからやめてしまえというのは、いかに時代逆行であるかは言うまでもございません。  私は、今度の改正の意図は、率直に申しまして政府与党側の党利党略であって、政治的謀略であると断じてもよろしいのではないか。国民は絶対にこれは容認しないだろうと思うのであります。幾つかの新聞論調を見ても、そのことは明らかでありますし、また良心的な選挙管理委員の人々や国会の幾つかの調査によって、全国各地また京都のあの知事選挙のあとの参議院の調査などによりましても明白であります。そしてまた良心的な学者の意見などを聞いても明瞭であります。  そこで私は最後にお尋ねいたしますけれども、新聞報道によりますと、自治省は、与野党とこの問題で打ち合わせをして、そして意見の一致するところで臨時国会に改正案を提出するというようなことが報道されております。三十日の閣議自治大臣がそういう趣旨のことを言われているように十月三十日の東京新聞報道しております。「与野党間で現在、選挙時における政党政治活動中、機関紙、パンフレット、シンボルマークなどの乱発などについて、ある種の自主規制をする話し合いが進められており、調整がなれば、臨時国会にこのための選挙法の改正を提出することになろう」と報告されたというふうに出ております。  そこで、自治省が与野党の方々と十分打ち合わせをしたのが十月二十六日及び本日、共産党を除く与野党の方々がお集まりになって、そして政府の案などについていろいろと御相談があったように聞いております。これについて政府はどのような案を提示され、またこれに対する各党の御意向などがどのような形であらわれ、大臣が三十日の閣議で言われたように、調整がなる状態、すなわち臨時国会に提出することのできるような状態がいまや現出しつつあるのかどうか、私どもは全くのつんぼさじきに置かれておりますので、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
  85. 秋田大助

    秋田国務大臣 われわれは、政党政治活動の自由ということは、民主政治の健全な発達の上に欠くべからざる基本的な要件として、重大な問題として尊重をいたし、いやしくもこれが原則にもとることのないように期しておるわけでございます。しこうして、現実の事態におきまして、しからばどの程度が自由の原則に合致し、こういう態度自由の原則に合致していないかという個々の判断になりますと、いろいろ問題があり、またいろいろ御主張があろうと存じます。私は、少なくとも言論、表現の自由は守られておるが、これが発表される態様、回数等におきまして、そのときの客観的情勢からいって、健全な政治活動からは行き過ぎであり、それはそこまで以上はその必要もないと思われる点につきまして、多数の合意を得ました点について、いろいろ措置をいたすことは、決して自由の原則をじゅうりんするものではないのではなかろうかと考えておるわけであります。御承知のとおり、京都の府知事選挙の実例におきまして、いろいろ社会一般の通念から見て、ここまでやる必要はないではないか、それにはこういう不都合がある、ただいま先生お述べになりましたようないろいろな点が指摘をされまして、自治省につきましてもいろいろ検討を促された方々は、決して政府与党だけではないのでございまして、それ以外におきましても、この点を指摘されまして、自治省の善処を求める声も各所、各方面にあったわけでございます。したがいまして、自治省といたしましては、自分の案を持ってこうすべしというよりは、皆さまの御意見を十分拝聴いたしまして、全部が全部文字どおり一致するということは至難なわざでございますけれども、大体世論が一致する帰趨を見まして、帰一するところが大体において考えられるならば、その点をもってひとつ今後の政党政治活動に処したい、こういうふうに考える次第でございます。そこで、与党方面の御意見も承り、また当委員会の諸先生の懇談会等の御意見もいろいろ承りつつ、これが措置をいたしたい、こう考えておる次第でございまして、その点を閣議に報告をいたした次第でございます。  なお詳細の点につきましては、必要があれば事務当局からお答えをさせていただきます。
  86. 青柳盛雄

    ○青柳委員 私どもは新聞報道の範囲を出るわけにはいかない、知り得ないのでございますから、もし事務当局からでもお話があれば、正式にお答えいただきたいと思うのでありますけれども、今度の公職選挙法の一部改正に関する打ち合わせをされた内容というものの概要をお聞きしたいと思うのです。そして各党の態度がどんなものであられたかもお知らせ願いたいと思います。
  87. 中村啓一

    中村説明員 ただいま各党が御論議になっております問題は、大臣からお話のありましたように、極端に選挙時の政党活動をめぐって行き過ぎがあるという面があれば、これを手直しをしようというのが大体共通したお考えのようでございます。  具体的には四点出ております。  一つは、機関紙の扱いでございますが、選挙を間近に急増されましたような政治団体のいわゆる急増機関紙的なものは、これは本来の政治活動から見て、普通の政党機関紙誌と同じように扱うのはいかがであろうか、そういう機関紙誌になりますと、頒布につきましても、通常の頒布の方法というものがないわけでございますので、おのずから大量の物量作戦に通ずるということで、ある程度頒布の態様を明確にしたらどうかというのが第一点でございまして、普通の機関紙までには及ぼす必要がないのではないかということが現在いわれておるようでございます。  それから二番目がいわゆるシンボルマークの問題でありますが、これも最近の情勢から見ますと、いわゆる政治活動用のポスターと同じ役割りを果たしておりますので、政治活動用ポスターの一般的なワクの中に入れて考えることにしたらどうだろうかというような動きになっております。  三番目には、いわゆる政治活動用ビラの扱いでありますが、あまり極端に物量作戦にならないように、一つの選挙について二種類か三種類程度にしたらどうだろうか、もとより枚数制限ということになりますと、いろいろな議論があるけれども、少くとも種類について合理的な回数の限度をとってはどうだろうかというふうな動きになっております。  それから四番目の問題は、特に知事候補を持たないような政党が、県会議員選挙になりますと、知事候補を持っていないために、確認団体になれないということで、政治活動ができないような形になっておりますが、知事候補を持っております政治団体と持っていない政治団体、そういう区別がいいんだろうか、アンバランスではないだろうか、これは調整してはどうかという点が問題点に出ておりまして、申し上げましたような四項目について、申し上げましたような内容で論議がされておる段階であります。
  88. 青柳盛雄

    ○青柳委員 大体の骨子はわかりました。それは一部の新聞などでも大体そんなことではないかということで報道されておるようでございますが、これについて共産党は、このような規制の原案をお出しになったのが与党自由民主党であることは歴史的に明白でありますので、他の野党の方々に対しては、これは重大な問題であるから慎重にお考えおき願って、むしろせっかく改正されたものを逆行させるというようなことのないように、共同して防止いたそうということを提案をしているわけでございますけれども、いまのお話では、論議された程度であって、まだそう話がまとまってしまったわけではないのか、これでいまおっしゃられたことを法文化して臨時国会に提出する、そうすると、あまり審議もなさらずに通過をする可能性があるというような状況が出ているのかどうか、ここはいかがでございましょうか。
  89. 中村啓一

    ○中村説明員 政治活動の選挙時における問題につきましては、ただいまのところは、各党の間で問題だなとお考えになっております点が大体出そろった、また、問題として共通にお取り上げになるという点が明確になったという段階でございます。各党のほうでは、そういう論議を基礎に、政府の側で具体的な案の作成というような形で検討をするように要請されておるところでございまして、これからいろいろと検討しなければいけないであろうというふうに存じておるわけであります。
  90. 青柳盛雄

    ○青柳委員 最後に一点お尋ねいたしますけれども、六十一国会で改正――正しくこれは改正でございますが、改正されるに至った歴史的な経過を見ますと、これは選挙制度審議会第六次あるいは第五次等の一般的な答申の線が盛られたわけでございますので、これをさらにもとのような状態に復する、完全にではありませんけれども、さらには、地方議会の選挙にまで及ぼすというような大改革ともいうべきものでございますので、第七次選挙制度審議会がもはや発足する段階に来ているというようなお話もございます。そういう中で一応諮問をいたしまして、答申を待って、しかもその答申は、なるべく六十一国会から現在までの実績の科学的な分析の上に立って答申されることが望ましいわけでありますが、そういう答申を聞いて、また新聞論調も非常に重視しておるわけでありますし、国民も注目をしておるわけでありますが、そういう慎重な態度をとっておやりにならないで、与野党が一致するからそれでいいだろうというようなことで、政党レベルだけで、あるいは政府だけの考え方でおやりになるということは、きわめて民主的でないというふうに考えますが、この点はどうお考えになっていらっしゃいますか。
  91. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 この問題は、先ほどからも申し上げておりますとおりへ政党の政治活動自由の大原則のワク内での処置ございまして、このワクを不当に狭めたり、あるいはそのうち外に出て制限を加えるという趣旨では毛頭ございませんので、実際の自由の原則の具体的適用の問題についての改正でございますので、あえて選挙制度審議会に御答申を願う必要はないのではなかろうか。しかしながら自治省だけの専意でやるということは、これは事の性格上慎重を期さなければいけませんから、国会の実際を選挙によって御承知の方々の大方の御意見を聞きまして、その大体の帰趨を待って処置をすれば足りるのではなかろうか、こういうふうに考えております。  したがいまして、いまのところ選挙制度審議会、再発足のその制度審議会にお尋ねをするという必要はないものと心得ております。
  92. 青柳盛雄

    ○青柳委員 最後に、その点についての意見だけ申し上げて終わりにいたしますが、政党の政治活動の自由のワクの中で一定の手直しをするのだから、あえて大改革ということでもなかろうという御趣旨のようでございますけれども、しかし、これはいいように直すということであれば、大体いままでの答申の線、世論の線に沿うわけでありますけれども、それが行き過ぎであるとかなんとかということによって後退していくということは、ワクの中とはいいながら、これもやはり国民不在のやり方、世論無視のやり方におちいる危険性があるというふうに私は考えます。どうも政治家はかってなことをやる、選挙というものは自分たちだけのもののように思ってやるのじゃなかろうかという、そういう疑念というものは払拭されない結果におちいると思いますので、より一そうこの問題は与野党ともよく御相談いただきまして、慎重に扱われるように希望して、終わりにいたします。
  93. 吉田重延

    ○吉田委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十七分散会