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1970-03-16 第63回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月十六日(月曜日)     午前十時五分開議  出席分科員    主査 田中 龍夫君       相川 勝六君    赤澤 正道君       奥野 誠亮君    西村 直己君       藤枝 泉介君    古内 広雄君       大原  亨君    細谷 治嘉君       小川新一郎君    小濱 新次君       鈴切 康雄君    中野  明君       西中  清君    松尾 正吉君    兼務 井上 普方君 兼務 北山 愛郎君    兼務 楢崎弥之助君 兼務 堀  昌雄君    兼務 沖本 泰幸君 兼務 青柳 盛雄君  出席国務大臣         自 治 大 臣 秋田 大助君  出席政府委員         警察庁刑事局長 高松 敬治君         警察庁交通局長 久保 卓也君         防衛庁人事教育         局長      内海  倫君         防衛施設庁施設         部長      鶴崎  敏君         林野庁長官   松本 守雄君         通商産業省化学         工業局長    山下 英明君         自治政務次官  大石 八治君         自治大臣官房長 鎌田 要人君         自治大臣官房会         計課長     胡子 英幸君         自治省行政局長 宮澤  弘君         自治省財政局長 長野 士郎君         自治省税務局長 降矢 敬義君         消防庁長官   松島 五郎君  分科員外の出席者         法務省刑事局刑         事課長     前田  宏君         大蔵省主計局主         計官      後藤  正君         国税庁直税部法         人税課長    窪田  譲君         運輸省鉄道監督         局民営鉄道部監         理課長     横田不二夫君         運輸省自動車局         業務部長    見坊 力夫君         自治大臣官房参         事官      立田 清士君         自治省行政局公         務員部長    山本  明君         自治省行政局選         挙部長     皆川 迪夫君         消防庁予防課長 高田  勇君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月十六日  辞任         補欠選任   西村 直己君     奥野 誠亮君   松尾 正吉君     西中  清君 同日  辞任         補欠選任   奥野 誠亮君     西村 直己君   西中  清君     鈴切 康雄君 同日  辞任         補欠選任   鈴切 康雄君     小川新一郎君 同日  辞任         補欠選任   小川新一郎君     中野  明君 同日  辞任         補欠選任   中野  明君     小濱 新次君 同日  辞任         補欠選任   小濱 新次君     松尾 正吉君 同日  第二分科員井上普方君、楢崎弥之助君、堀昌雄  君、沖本泰幸君、青柳盛雄君及び第五分科員北  山愛郎君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十五年度一般会計予算中自治省所管  昭和四十五年度特別会計予算中自治省所管      ――――◇―――――
  2. 田中龍夫

    ○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。  この際、政府から説明を求めます。秋田自治大臣。
  3. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 昭和四十五年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は、二千五百万円、歳出は、一兆六千八百七十二億八千七百万円を計上しております。歳出予算額は、前年度の当初予算額一兆三千八百三億六千七百万円と比較し、三千六十九億二千万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省一兆六千八百四十七億二千三百万円、消防庁二十五億六千四百万円となっております。  以下、この歳出予算額のうち、おもな事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。  最初に自治本省につきまして、御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、一兆六千六百二十八億七千二百万円を計上いたしております。この経費は、昭和四十五年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額から、昭和四十三年度において同年度の地方交付税に相当する金額をこえて繰り入れた金額及び昭和四十五年度において特例措置を講ずることによる減額分三百億円を差し引いた金額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、五億六千万円であります。この経費は、民主政治について国民の理解を一そう深めるとともに、選挙が明るく正しく行なわれるように、常時、選挙人の政治常識の向上をはかるために必要な経費であります。  次に、広域市町村圏の振興整備の促進に必要な経費でありますが、六億五千八百万円を計上いたしております。この経費は、広域市町村圏の振興整備を促進するため、広域市町村圏の振興整備計画の策定に要する経費及び振興整備計画に基づく事業の実施に要する経費について、補助するために必要な経費であります。  次に、奄美群島振興事業に必要な経費でありますが、その額は、二十一億七千九百万円であります。この経費は、奄美群島における主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業に要する経費等について補助するために必要な経費及び奄美群島振興信用基金の融資資金の増加に充てるための出資に必要な経費であります。  次に、小笠原諸島復興事業に必要な経費十億三千八百万円を計上いたしております。この経費は、小笠原諸島の復興をはかるため、同島の産業基盤施設、教育施設、保健衛生施設等の整備事業に要する経費等について補助するために必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費でありますが、八十七億一千二百万円となっております。これは、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を、道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し、交付するために必要な経費であります。  次に、小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、八億四千一百万円を計上いたしております。この経費は、昭和三十六年以降昭和四十四年までに発生した公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和四十五年度分の元利償還金の一部に相当する金額を地方公共団体に交付するために必要な経費であります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費十五億六千万円を計上いたしております。この経費は、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進をはかるため、建設事業債の特別調整分について、利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、地方公営企業再建債の利子補給に必要な経費につきましては、十二億一千五百万円を計上いたしております。これは、地方公営企業の財政再建を促進するため、再建企業を経営する地方公共団体が起こす財政再建債について、利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますで、二億六千万円を計上いたしております。これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業及び工業用水道事業に対する貸付利率の引き下げに関連し、同公庫に対し、補給金を交付するために必要な経費であります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費二億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、三億円を計上しております。これは、昭和四十三年度末における公営地下鉄事業債のうち、政府資金分の支払い利子に相当するものとして発行される企業債の利子相当額について、助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費につきましては、三十一億五千万円を計上いたしております。これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、三億円を計上いたしております。この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。  以上が自治本省はついてであります。  次に、消防庁の消防施設等整備費補助に必要な経費について申し上げますが、二十億五千八百万円を計上いたしております。これは、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ、防火水槽等の消防施設、化学車、はしご車、消防艇等の科学消防施設、救急業務施設等の整備に要る経費の一部を、地方公共団体に対し、補助するために必要な経費であります。  第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は、歳入一兆七千八百十一億四百万円、歳出一兆七千八百十一億四百万円となっております。歳入は、地方交付税交付金、借入金利子等の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額、借り入れ金の借り入れ見込み額等を計上いたしております。歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借り入れ金の償還財源等の国債整理基金特別会計一の繰り入れ等に必要な経費であります。  以上、昭和四十五年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  4. 田中龍夫

    ○田中主査 以上で説明は終わりました。
  5. 田中龍夫

    ○田中主査 この際、分科員各位に申し上げますが、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務もしくは交代して分科員となられました方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力を願いたいと存じます。なお、政府当局におかれましては、答弁はでき得る限り簡潔、明瞭にお願い申し上げます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野誠亮君。
  6. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 四十五年度国の予算を見てまいりますと、地方交付税交付金が一兆七千億に近くなっておるわけでございまして、社会保障関係費一兆一千億円余り、公共事業関係費一兆四千億円余りを大きく上回っておるわけでございます。非常に大きな金額になっておりますだけに、この運用は国民経済あるいは国民生活その他に非常に重要な影響を持つものになっている、かように考えているものでございます。地方交付税交付金が昭和二十九年に三税の二〇%足らずと定められてから、年々引き上げられまして、今日には三二%にも達しましたことから、このような比重を占めるようになったのだと考えるわけでございます。常に地方財政のことを心配する人たちは、地方財政の現状はなお苦しいのだからということで、若干の財源を国に融通するという場合だけでも、目くじらを立てて反対をいたします。反対に国の財政を考える人たちは、融通、貸し借り、そのようななまぬるいことをしないで、三二%を減らすべきだと主張しているわけでございます。私は、このような国の財政と地方の財政が対立を繰り返すのは嘆かわしいという感じを持っているわけでございまして、国の事務、地方の事務、それぞれ分担されておりますだけに、それぞれの事務が円滑に運営される、国民の立場に立ってこれらの問題を判断していかなければならないじゃないか、かように考えるわけでございます。  自治省に特に私がお願いを申し上げたい問題は、各省の施策を行ないます場合に、国の財源で行なうことが適当の場合、地方の財源で行なうことが適当の場合、両様あろうかと思うのでございます。地方の仕事、同時に地方の財源で行なうことが適当とするような施策につきましては、積極的に協力していただきたいと考えるわけでございます。またそのような気持ちで運用されているとは思うのでございますが、地方交付税法第一条に、この制度の目的をうたっているわけでございまして、特に「地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障する」とまで述べておるわけでございます。国が取り上げたい施策、それが府県の仕事であり、市町村の仕事である、それに必要な財源は府県や市町村の基準財政需要額に算入していただく、それだけの財源は地方交付税交付金をもって保障している、したがって、またそれぞれの団体がそれらの仕事をやろうとすればやれるのだ、こういうことを通じて地方行政の計画的な運営を保障するのだ、それが地方交付税制度の目的だ、こう書いているわけでございます。もちろんこのとおりやっているんだということだと思うのでございますが、たとえば今度文部省は大学については経常費助成を国費計上してもらいたいと大蔵省に要望した。また、高等学校以下の経常費助成については、府県でやってもらいたいということで自治省に要望してまいった。どちらもこの問題を取り上げてくれました。どちらも取り上げてくれたのでございますが、私がこの地方財政計画の説明を見、同時にまた地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案関係資料をしさいに調べてみましたが、どこにもこのことが書いてないのでございます。もう少し親切にされてはいかがだろうか、このような気持ちを持つわけでございまして、そのかわりに地方交付税一兆七千億にのぼるのでございますが、地方行政の計画的な運営を保障するためには必要なんだ、私は敢然とこの確保に邁進されたらよろしいんじゃなかろうか、こう思うわけでございます。反面、各省の施策に属するものだけれども、府県や市町村がそれを処理すべきである、地方費でまかなうのが妥当だと考えられるものについては、積極的に各省の意見に耳を傾けていただく。また、それを取り上げていただいたものについては、各省にもまた府県や市町村にも絶えず明確になるようなお示しのしかた、これを望みたいのでございます。もちろん、いずれこまかいことを地方に言うつもりだというお考えであろうと思うのでございますけれども、もう一歩突き進んだ各省への親切心があっていいのじゃなかろうかと私は考えますために、あえてこの点についての大臣の所見を伺っておきたいのでございます。
  7. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 予算書の書き方、あまりそのものずばり適切でないんじゃないか。せっかくやっておるのに、どこに書いてあるのかわからない。私もしろうとでございまして、その感を深くいたします。事ごとにそういう経験をいたしておりますが、これは多年にわたるいろいろな慣習等もあろうかと存じます。今後御趣旨を体して、何人にもわかりやすい予算書、それから説明書、これを心がけるべきだ。検討いたしまして、御趣旨に沿うように改善を加えたいと思っております。
  8. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 次に、自治省の施策として、広域市町村圏の整備に努力をされているようでございます。四十四年度に五十五の広域圏が設定され、四十五年度には七十の広域圏を設定することを見込まれていることが、予算書を通じてわかるわけでございます。また、地方財政計画を拝見いたしますと、四十五年度広域市町村圏の振興事業費として二百八億円が計上されておりますので、これを五十五の広域圏で除して得ました三億八千万円くらいのものが四十五年度に一広域圏当たりにかさ上げされる金額だろう、こういう予測もできるわけでございます。もちろんかさ上げするにいたしましても、国からの調査費や事業費に対する補助金もございましょうし、あるいはまた市町村が使います地方債資金の増額もございましょうし、あるいは地方交付税交付金をかさ上げしていくというような方法もあろうかと思うのでございます。そこで、これらの問題につきまして、まず第一に、一広域圏当たりの平均の市町村数と人口数、これをお教えいただきたい。  第二に、一広域圏当たり今後国庫補助金、地方債資金、地方交付税交付金などが、それぞれ何年間に幾ばくずつのかさ上げが行なわれる見込みであるか。したがって、全体として一広域圏当たり幾らくらいの財政的な援助が行なわれるのか、これを承知しておきたいのでございます。  第三に、広域圏の事業としてどのような事業が取り上げられる模様であるか。四十四年度に設定いたしました広域圏についてまだ計画が出そろっていないかもしれませんけれども、どのようなものが整備事業として行なわれていくものなのか。同時に、この広域圏設定によってどのような効果を今後に期待し得るのか。それらの見通しをこの際お尋ねしておきたいと思います。
  9. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 私から御答弁申し上げますが、まず一広域圏当たりの市町村数と人口でございますが、本年度の五十五カ所につきましては、平均をいたしますと、一圏域当たり十市町村でございます。それから人口にいたしますと、約十六万人になっております。これは広い狭いによってまちまちでございますが、平均をいたしますと、そういうことでございます。  それから第二番目の財政措置は後ほど財政局長から御答弁申し上げますが、第三番目の、いかなる事業が行なわれて、いかなる効果を期待でき得るか、こういうことでございますが、行ないます事業といたしましては、大体大まかに分けますと、二種類あると思うわけでございます。第一は、これは基本的になる事業でございますが、広域的なネットワークによります主として道路でございます。やはり広域市町村圏内の交通ないし通信、そういうようなものを改善整備をいたしますことが基本でございますので、そういうものがどの圏域におきましても基幹的な事業になると思います。それから第二の種類といたしましては、これはやはり土地によってさまざまでございますけれども、広域的な事務の一体的な処理と申しますか、共同的な処理が中心になるのがおもな事業でございます。これはたとえば消防を中心にいたします防災の事業でございますとか、あるいは糞尿処理なり、じんかい処理のような事業でございますとか、あるいは医療行政でございますとか、そういうような広域圏全般を一つのシステム化いたしまして一体的に整備をするような事業、こういう各分野にわたります事業が、おのおのの地域に即して根幹的な事業として取り上げられるだろうと思うわけでございます。  その効果は、いま申し上げたところで御了承いただけると思うのでございますけれども、個々の市町村が取り上げるのではなくして、圏域を一体的に整備することによりまして、地方団体が行ないますサービスが、単に中心都市ばかりでなくして、周辺全般にわたるような効果を生む、こういうことを期待をいたしておるわけでございます。
  10. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方財政計画では、広域市町村圏の関係につきまして、財源措置としましては大体二百八億程度のものを見込み予定にいたしておりますが、これは一圏域当たりにいたしまして約三億円ばかりのいわゆる生活関連関係の基幹道路と申しますか、そういうものを中心にして三億円ばかり、百六十五億円程度のものを考えております。  それから地方債におきまして、単独事業に広域市町村圏関係の事業といたしまして、来年度は三十億一応確保いたしておりますが、その他適債事業を中心にしてはそれ以外にも重点的に配分をいたすことにいたしまして、広域市町村圏の振興整備というものを進めてまいるということにいたしてまいりたいというふうに考えております。
  11. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 時間があまりありませんので、いま財政局長が言われたことは私から申し上げたのでして、そうじゃなしに、一広域圏、たとえば補助事業なら一千万円ずつ、二年間で打ち切るのだ、あるいは一広域圏当たり交付税交付金をことしは三億円くらいかさ上げするのだから、何年間続けるのだ、総額にして幾らになるのだと、ずばり答えていただきたいつもりでおりましたが、あとでお調べをいただいて、またお教えいただけばけっこうです。  その次に、この広域圏の問題ともからむわけでございますが、事務の配分とこれに対応する財源の配分、そういう見地から若干私、現状にかんがみ考慮すべき問題点があるのじゃないか、こう思うのでございまして、戦後民主的な処理をねらいとして、国の事務とされているものを府県の事務とし、府県の事務とされているものを市町村の事務とする努力が払われてまいりました。また反対に、ものによりましては、市町村の事務を府県の事務に、府県の事務を国の事務にされてきたものもございます。しかし、人口が急速に増加してまいってきております首都圏や近畿圏の市町村の模様をながめてみますと、やはり地域を一体として把握して必要な施設を設けていかなければならない。それを当該関係市町村の話し合いで解決させていく、そういうことではとても解決できない。そういうような問題がずいぶん多く出てまいってきておるのでございます。そういうようなものはむしろ従来市町村の仕事とされてきたけれども、根幹的な施設は府県が整備して市町村に利用させるという道を開くべきではなかろうか、かように考えるのでございます。そうであれば、そういう府県に対しては必要な財源を地方交付税の基準財政需要額に算入して府県に与えるべきだ、またそのような施策をやりやすいようにすべきだ、こう思うのでございます。私、先年上水道事業につきましても、府県が卸売りをし、市町村が小売りをする仕組みを考えるべきだ、こう主張をいたしました。今日ではそれがかなり普及してまいりまして、国の補助金制度までとられるようになってきてまいっております。また、最近では流域下水道、数市町村にまたがる下水道につきまして、幹線的なものを府県がこれを行なう、こういう仕組みもとられてきているようでございまして、この面については、府県の基準財政需要額を補正して、割り増しして財源を与えるという運用もされておるようでございます。私がこういう問題を取り上げたいのは、たとえば市町村が屎尿処理場をつくる、この位置の問題をめぐりまして、激しい争いが繰り返されております。私の県におきましても、大和高田市の市長が住民に襲われまして重傷を負いました。現在また橿原市が、その位置をめぐりまして、住民間に激しい争いが巻き起こっておるのでございます。こういうことは、県を見渡して、市街化がどんどん進んでいる地域については、むしろ広域下水道のようなことを府県が取り上げて、そして終末処理施設を設ける。この府県の終末処理施設に関係市町村の県尿をどんどん投入させたらいいのではないだろうか、これを認めてやったらいいのではないか、かように考えるのでございます。また、じんかい処理の問題を取り上げましても、私の奈良県では、イチゴの栽培が盛んでございます。畑の上にビニールの布をかぶせるわけでございます。草がはえないようにする。イチゴの実のところだけ穴をあけまして、イチゴのなっている実がよごれないようにするのでございます。毎年このビニールを捨てるのでございますけれども、市町村のじんかい焼却炉は破壊されてしまうものですから、そこでは処理してもらえない。やむを得ず川にどんどん投入している。川がそのためにふさがってしまうのでございます。あるいはまたこのごろでは、冷蔵庫が古くなる、テレビが古くなる、使えなくなると、自動車に載っけて人の見ていないところで捨てているのでございます。古い自動車もだんだん捨てられるようになってまいりました。こう考えてまいりますと、市町村が自分でじんかい焼却炉をつくって市町村のじんかいをすべて処理していくんだということ、もうその能力に余りあるものが出てきているのでございます。そうしますと、このようなものを処理する施設をやはり府県が思い切ってやってやり、それを市町村が利用する方向が考えられるのではないだろうか、こう考えるのでございます。  これらはいずれも一例でございますが、地域によっては、本来市町村が処理するとされておったものを、むしろ府県が土地の利用計画でも定めて、基幹的な施設はみずから行なう、市町村はそれを利用する、このような仕組みをとった場合には、府県にそれだけの財源を地方交付税制度の運用を通じて与える。財源が与えられるのだから、そのような市町村のめんどうも府県が見やすい。そうして地域の環境整備なり、あるいは文化生活の促進なりに資していくという方法が大切ではなかろうか、こう考えているわけでございます。先ほど広域圏のお話がございましたが、いま私が申し上げたようなことは、必ずしもそのねらいにはされていないようでございます。広域市町村圏は広域市町村圏として進めていただく。同時に、いま私が申し上げましたような首都圏近畿圏のような市町村の実情から考えますと、従来市町村の仕事とされておったものを、むしろ基幹的な部分は府県が積極的に取り上げていく、それだけの財源を府県に与える、そしてそれを進めやすいようにする、市町村にその処理施設を利用させる、こういう仕組みが、行政の能率化、効率化という点からも望ましいのではないかと思いますので、これらについてのお考えを承っておきたいと思います。
  12. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 ただいま屎尿施設なりあるいはじんかい処理施設につきまして、たいへん時代に即しまして、流動的に考え、かつ適切だと思われるお考えをお示し願いまして、たいへん参考になりました。従来、広域市町村圏でそういうものの処理が足るという考え方を主としておったのですが、すでに時代と社会の進歩はまたその上にいかなければならないということを示唆されたわけであります。今後国と地方団体、あるいは市町村段階におきましても、府県との関係等の事務配分処理につきましては、十分考慮いたしていかなければならないと考え、お考えを参考にして施策を進めてまいりたいと存じます。
  13. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 人口がどんどんふえてまいっております地域におきましては、学校の増設などで非常に悩み続けているわけでございます。学校の増設で一番苦労しておりますのが、土地の確保でございます。土地の確保は、学校に限らず、あるいは緑地をつくる、あるいは道路をつくる、いろいろなことで必要なわけでございますが、なかなか土地を売ってもらえない。しかし、市町村としては、積極的に土地を確保していきたい、そういうことで起債の申請もしている。地方団体の希望額まではいかないにしても、地方債計画額をはるかに上回って許可はしていただいているのだと思うのでございます。ところが、昨日も私、地元の町村長さんから四十四年度分の土地の購入の起債がいまだに許可していただけないんだ、だめなんでしょうか、こういうことでございます。調べてみますと、全体的におくれているようでございまして、私が尋ねられた特定の町村だけの問題ではないようでございます。なぜこれがおくれているのだろうか、なぜ政府はもっと市町村に土地を確保してもらうんだという姿勢がとれないんだろうか。政府資金を提供する。むしろそれよりも、縁故資金で地方債を起こしてもらう場合のほうが、ずっと金額的にも多いと思うのであります。いわんや、この縁故資金によるものは、資金の確保も地方公共団体が心配するわけでございますから、このような土地の確保に必要な地方債資金は、希望するとおりずばりずばり許可していけばいいのではないか、かように考えるわけでございます。いわんや土地というものは、火災によって燃えてしまうものでもございませんで、財産が形を変えるだけのものでございます。しかも土地の利用計画は、早く立てていただきませんければ、おくれればおくれるだけ土地の理想的な利用がはばまれてしまうわけでございます。どういうわけで土地の購入の地方債の許可がおくれているのか。もう年度もわずかでございます、ぜひ三月一ぱいには許可してもらわなければいけないわけでございますけれども、同時に、原則として土地の購入の地方債については許可するんだというたてまえで押していただくようにお願いをしておきたいのでございます。この問題についてのお教えをまず伺いたい。  それからもう一つは、自治省で今後の地方団体の財政需要に見合ったような基準財政需要額の算定をするということで、いろいろな補正方法を利用しておられるわけでございます。場合によっては、あまり複雑になり過ぎて、手品を使っているという感じさえされるときがございます。私は、社会増の市町村の用地の確保を先ほど例に上げたのでございますが、用地の確保ということになってまいりますと、市町村によって坪当たり単価も非常に差がございます。また市町村によっても、どういう地域の土地を選ぶかによって坪当たり単価にも非常な差がございます。またこれについては、国庫補助を行なうべきだという強い意見を持っておられる方々もございます。また、国庫補助が与えられるとしましても、残りの部分については、地方債資金に自分の財源を出さなければならないだろうと思うわけでございます。そこで、それらのものについては、積極的に地方債をお認めになって、その地方債の元利償還額の相当部分を当該市町村の基準財政需要額に算入していく、こういう方法がとられるべきではなかろうか。従来、そういうやり方は、個々の地方団体の財政運用に干渉することになるのだということで、忌みきらわれておった行き方でございます。しかし、実際問題として、手品みたいな補正を繰り返しながら、しかも現実に合わない結果をたどるよりも、むしろずばり地方債を許可する際に必要額を見定めて許可を与える、その元利償還額の一定部分を機械的に基準財政需要額に算入する、そうやって悩み続けている社会増の市町村の学校用地問題あるいはその他の財政需要の問題を解決していただくことが、ほんとうではなかろうか、こういう考え方を持っておるわけでございます。できますならば、たとえば学校用地の起債について、政府資金が三十億、五十億、八十億と四十五年度に増額されてまいったわけでございますが、私は、政府資金をもっとこれに充てるべきだ、そういうことを通じて、社会増に苦しんでいる市町村の学校用地の確保、これを国としてめんどう見てあげていくべきではなかろうか、かような考え方を持っておりますので、この点についての御所見を伺っておきたいと思います。
  14. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 教育施設の用地、これは事教育にも関係し、また問題は、過密地帯に多く起こっておる問題であります。市町村の責めに帰すべきものではないと存じます。したがいまして、この用地の手当てにつきましては、現在主として地方債によっておるのでございますが、国庫補助を考える、他は地方債による。地方債は、用地のことでもあり、りっぱな固定資産があとに残ることでありますから、これを十分認めていく。しかも時期を失しないようにする、これは当然の処置であろうと思います。この点につきまして、四十四年度の地方債がまだきまっていない各市町村に御迷惑をかけておるということは、近年の実情でございます。四十四年度わずかに旬日を余すのみで、しかもまだきまっていない。私も督促をいたして、大蔵省との折衝を促進いたしておるということでございますが、これらにつきましては、十分今後制度上もあるいは慣習上も考慮すべき多くの問題を残しておると思うのであります。しこうして、縁故債のひとつ十分なる承認、あるいはこれに対する元利償還の道を十分講ずること、あるいはこの地方債に政府資金を手厚く裏づけをするということ、これはみなごもっともでございます。しかしながら、実際に即して考えるときは十分でない、また時期も非常におくれがちだという実情は、遺憾ながら認めざるを得ませんが、これらにつきましては、ひとつ大蔵省ともよく話し合いまして、実情に即するように、地方、市町村に御迷惑をかけないように処置をいたしたい、いろいろ改善をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  15. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 昨年、同和対策の問題につきまして四党協議会が設けられました。私も、その関係者の一人となって話し合いをいたしまして、同和対策事業特別措置法が制定されるようになったわけでございます。その際に、住宅問題につきまして、地方団体の負担分についての地方債資金、これの元利をどうするかという問題がございましたが、住宅は、個人に利用させる、個々の人に利用させる施設だから、やはり特別な措置はとらないようにしよう、こういうふうに話し合いがきまったわけでございます。ところが、最近、その地方債についても特別な優遇措置をとってほしいという意見が、かなり出てまいってきております。特に全日本同和会の柳井政雄氏は、しきりにこのことを訴えておりまして、こういう文書も提示してまいってきているわけでございます。「全国同和地区の住宅は総理府の実態調査が明示している通り密集し且その三割は不良住宅であります。同和対策事業特別措置法制定に伴ない地方公共団体も住宅対策を推進すべく努力しておりますが、補助単価と実質単価(殊に宅地購入費)の差異著しく又交付税の対象とならぬため入居者の家賃は高額となり地区民も困却しており、又地方公共団体も交付税の対象とならざるため建設をためらっている現状であります。右御考慮の上低家賃で入居出来るよう御措置頂くよう懇願申し上げます。」ということでございます。  同和地区の改善事業の重点は、住宅を中心とする生活環境の整備が大切でございましょうし、そのうち、地域の環境の整備改善を行なう住宅地区改善事業が、同和対策事業推進のためには最も適当な事業である、かように考えもするわけでございます。住宅地区改善事業が、単に住宅建築にとどまらず、地区の環境の整備改善という幅広い事業であることも考えますと、この事業の用地関係の地方債につきましては、同和対策事業特別措置法で同和対策事業債とうたっております。すなわち、その元利償還額の八割を地方交付税の基準財政需要額に算入する特別な地方債としての指定が願えぬものだろうか、かように考えるわけでございます。いま申し上げました全日本同和会会長の柳井政雄氏が主張しておりますことも、このような趣旨であろうかと思うのでございます。  また、改善事業に限りませず、第二種公営住宅の用地でありますとかその他の用地もございますが、用地につきまして、幅広くその地方債の元利償還額の相当部分を地方交付税制度で何らかの配慮をする措置がとられないものだろうか。そして、せっかく全日本同和会の主張しておりますこのような要望にこたえてやっていただけないものだろうか、かように考えるわけでございますので、自治大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  16. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 奥野先生の御主張並びに全日本同和会からの陳情の御趣旨は、ごもっともであると思います。そもそも同和対策臨時措置法が制定されたゆえんのものは、十年間に同和問題を根本的に解決すべく、基礎の施策だけはやっておこうという趣旨であります。その趣旨の中心に環境の整備があり、またその中心に道路並びに住宅の整備があることはもちろんでございます。したがって、この住宅建設に関しまして、用地の問題が同和対策推進上の非常なネックになっていることも、また事実でございます。したがって、この用地の分につきましては、ひとつ基準財政需要額等に入れまして、起債の元利償還に資するということは、妥当な、しこうして適切な施策ではなかろうかと考えまして、せっかくいま検討をいたしております。できるだけ御要望に沿いたいと考えております。
  17. 田中龍夫

    ○田中主査 奥野君に申し上げますが、五分間以上超過いたしておりますので、この一間でよろしくお願いいたします。
  18. 奥野誠亮

    ○奥野分科員 これで最後にいたしたいと思います。  私たち政治に携わる者は、常に国民の血税をどのように効率的に使用して住民の安全や福祉に生かしていくかということを、最も真剣に考えていかなければならない、こう思うわけでございますし、行政府のあり方についても、常に批判を加えて、さきに国家公務員について三年間に五%の人員削減を目途とするような制度改正も行なわれたわけでございます。府県や市町村の行政組織につきましても、同様の努力が行なわれていると思います。立法府につきましても、そのような見地から反省がなければならない、かように考えるわけでございます。  その一つの問題として、府県や市町村で議会議員の定数が地方自治法に定められておるわけでございますけれども、その法律の中で、条例で定数を減らす措置を講ずることができるとうたわれており、またこの条例に基づいて多くの市町村では定数の削減措置をとっているように思うのでございます。私は別に少なければ少ないほどいいという意味で申し上げるわけじゃございませんが、人口がふえてくれば定数がふえてくる、そのような措置に従わないで、むしろ少ない人数で、できる限り経費を他の方面に回しながら自分たちは役割りを果たしていこうと努力を続けておられる団体もあるわけであります。府県では少ないと思うのでありますが、府県でも若干の団体があろうかと思います。そこで、まず府県や市町村において、幾つの団体が議員の定数を減らす措置をあえてとっておられるかどうか。同時にまた、その削減定数が何人になっているかということを教えていただきたいわけでございます。  このようなことを私がお尋ねしようとしますのは、先ごろ尾崎記念会館で各党の関係者が集まりまして、選挙のことの議論が行なわれました。その際に、衆議院や参議院の選挙区の定数是正問題がございました。多くの方々は、定数是正のために総定員が若干ふえてもやむを得ないと述べられました。私は、この姿勢がいいものかどうか、むしろ議会陣営からよりも、多くの世間の方々の御批判を仰ぎたい、こんな気持ちも持っておるものでございますだけに、ただ定数是正するのだ、先年衆議院の定数是正の結果、総定員が十九人増員されました、このような行き方を衆議院や参議院において繰り返していくことが、はたしてほんとうの道であろうかどうかということにつきましては、私は疑問を持っております。疑問を持っておりますために、あえてこのようなことを申し上げるわけでございます。わが国の国会議員の処遇につきましては、アメリカにならいましてかなり優遇されておるわけでございます。ここでくどくどしくは申し上げません。そのアメリカと比べてみましても、アメリカの人口は日本の二倍でありますけれども、日本の衆議院の定数が四百八十六人、それに対しましてアメリカの下院が四百三十七人であります。日本の参議院は二百五十人が定数でありますが、アメリカの上院は百人が定数でございます。こういうことをあわせ考えましても、まず総定数をふやさないのだ、この前提をとって定数是正の問題の議論に入っていくべきではなかろうか、こういう気持ちを強く持っておりますので、これらの点につきましても、自治大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
  19. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 まず、私から定数減の数だけ申し上げます。府県の段階におきましては、定数を減らしておりますのが五府県、二十八人でございます。これは四十三年の十一月現在です。それから市町村段階におきましては、昨年の一月現在で、団体数で、二千二百二十六団体減員をしております。数が一万一千三百七十四人でございます。
  20. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 国会議員の定数是正に関連して、総定員の数につきましての御意見がありました。御趣旨は私も個人的には賛成でございます。いたずらに国会議員の総定員をふやすということは、好ましくないと考えております。しかし、いろいろ現実の問題につきましては、ただいま御審議を願っております選挙制度審議会等の御答申等も聞きまして善処いたしたい。御趣旨は賛成でございます。
  21. 田中龍夫

    ○田中主査 以上をもちまして奥野君の質問を終わります。  次は細谷治嘉君。
  22. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 私は、時間を正確に守りますから、答弁のほうもひとつよろしくお願いしたいと思います。  まず、六日の日に昭和四十五年度の地方財政計画が発表されたのでありますが、その規模は七兆八千九百七十九億円となっております。私は自治大臣、よく国の予算でごろ合わせというのがあるのですけれども、この地方財政計画のごろ合わせば、七〇年代はやっぱり苦労で泣くよ、こういうふうに読んでおるんです。そこでお尋ねしたい点は、この地方財政計画というのは、何に基づいて出されておるのですか。
  23. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方交付税法に基づきまして、毎年この歳入、歳出の総額の見積もりなり見込みなりその内訳というものを内閣が国会に提出をいたしますとともに、これを公表する、こういうことになっております。
  24. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 地方交付税法七条に基づいて出されておるんですか。
  25. 長野士郎

    ○長野政府委員 そのとおりでございます。
  26. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 私は、地方交付税法七条に、地方団体の歳入、歳出の総額を国会に出さなければならぬと書いてあるんですけれども、あの法律を見て少し不自然だと思っているのです。なぜこれは地方財政法に――これは国と地方との財政関係を規定している法律なんですから、地方財政法に書くべきだと思うのですが、ぽつんと七条に出てきておるのです。ちょっと不自然だと思うのですけれども、どうお思いですか。
  27. 長野士郎

    ○長野政府委員 お話しのような御意見も確かにあろうかと思いますが、地方交付税法にありますのは、元来、この交付税制度が地方団体に対する財源の保障という面と調整という面と両方兼ねておるわけでございますが、そういうことで、最終的に毎年度の地方財政というものは一応、全団体についてでございますけれども、こういう姿になる、そうして財源の保障と申しますか、こういう措置も、これだけの見込みでこうなると、直接そういう意味での関連があるということから、従来からこの交付税法にその拠を持っておる、こういうことではなかろうかと思っております。
  28. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 これは詳しいことはまた主管委員会等でやってよろしいわけですが、私は不自然だと思うのです。地方交付税法六条までは特別交付税と普通交付税の割合をやって、それからぽつんと七条にきて、八条以下はまた基準財政需要額とか収入額という形で、ぽつんとそこにきておるわけです。ですからこれはやはり国と地方との財政関係を規定する地方財政法の中に書くのが筋であろうし、どうも自然ではないか、こういうふうに思っておりますから、御検討をいただきたいと思うのです。  そこで自治大臣、地方財政計画というのは、国の一般会計の予算のワクより小さくなければならぬのですか、お尋ねします。
  29. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 必ずしもそういうことはないと思います。地方の財政の要求に応じて、すなわち地方の行政のあるべき水準、これを指向しながら、それに対する必要な歳入歳出を見積もるわけでございますから、国の規模より、金額において国の絶対額より下でなければならぬということは必ずしも必要ではないと思います。
  30. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 そうだろうと思うのですが、過去に国の一般会計予算よりも地方財政計画の規模が大きかったという例がありますか、ないですか。
  31. 長野士郎

    ○長野政府委員 昔から規模が大きかった例はないようでございます。
  32. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 それは誤りじゃないですか。これは例があるのです。私はちょっと調べてきましたけれども、昭和三十一年と三十二年に、国の当初の一般会計予算よりも地方財政計画の規模が大きかった。ちょっと申し上げますと、国の一般会計予算は三十一年は一兆三百四十九億円、これに対して地方財政計画は一兆四百五十一億円、三十二年は国の一般会計は一兆一千三百七十五億円、地方財政計画は一兆一千四百六十一億円と、二回例があるわけです。三十三年以降は国の一般会計予算のほうが規標が大きいのです。これは例があるのです。私は一度かと思ったら、二度あるということに気づいたわけですけれどもね。こういうことからいって、大臣おっしゃるように、国の一般会計のワクにこだわる必要はない、こういうことなんでありますけれども、どうも地方財政は裕福になった、三割自治から四割自治になった、こういうようなことで――私は三割自治とか四割自治なんということばは、一体どういうことを根拠にして言っているのかわからぬ。おそらく国民が納める税金が、国が七割、地方が三割、これは府県と市町村一緒にしての話でありますが、その税の分け方が七、三であるから三割自治、こういっておるんだろう、今度の地方財政計画で税が少し、三二、三%になったから四割自治に近寄った、こういっているんじゃないかと思っておるわけです。そこでお尋ねしたいのでありますけれども、大臣、地方財政計画とその年の地方の決算の純計額というのは、どのくらいの違いがありますか。
  33. 長野士郎

    ○長野政府委員 四十三年度の場合におきましては、決算と財政計画の差は約一兆三千億というふうに聞いております。
  34. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 一兆三千億といいますと、パーセントにしますと二〇%前後でしょう。いま四十三年度の例をお話しになったのでありますけれども、私は四十年度と四十二年度の地方財政計画と純計決算額を調べてみたわけですよ。四十年度の場合には歳入において二四%の違いがあるわけです。歳出において二〇・八%の差があります。いってみますと、歳入については七五%程度である。歳出については八〇%程度しか財政計画は捕捉してない。四十二年度の決算を見ますと、歳入のほうで二一%違いがあるわけです。この四十二年度の場合は補正された計画でありますが、二一%大きくなっております。それから歳出のほうで一七%の違いがあるわけです。私は思うのでありますけれども、正確に歳入を捕捉しなければならぬ、もしその捕捉ができておらなければ交付税も減額するぞ、こういうふうに厳密に法律に書いてありながら、国が示す地方財政計画、いってみますとその年の地方財政運営の大黒柱というものが、決算と計画との間に二割以上の差が起こるということになりますと、まさしく計画ではない、こういうふうに申さなければならぬと思うのであります。こういう点はどこから出ているかといいますと、私は三十一年、三十二年と例外はありますけれども、国の一般会計予算の規模を上回ると、どうもいろいろ大蔵省からやっつけられる。マスコミのほうも地方は裕福になった、こういうことで困るので、四苦八苦して国の一般会計のワク内に地方財政計画をおさめようとするところに、今日問題が起こってきている、地方財政計画は財政計画になっておらぬ、こういうところに主たる原因があるのではないか、こう思うのであります。ずばり申し上げますと、国から二割五分から三割近い補助金とか負担金が来るわけであるが、そういうものが来るわけでありますから、地方財政計画が大きくなるのはあたりまえで、それを差し引いてみますと、純然たる国の一般会計の決算額と地方の決算額というのは、国が一〇〇に対して地方のほうはおよそ七五%程度なんですよ。     〔主査退席、古内主査代理着席〕 ただ、国からのそういう補助金がありますから、ずうたいが大きく見えるのでありますけれども、中身は国からのささえもあってできておる、補助金、負担金によってできておる、こういう実態なのであります。ですから表のことにあまりこだわらぬで、もっと実態に即した地方財政計画をつくるべきである、こう私は思うのでありますけれども、大臣、いかがですか。
  35. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 地方財政の計画と決算との差が、近年だんだん大きくなりつつある傾向が看取されます。これはいまお示しのように、国の財政規模より少なくないと都合が悪いという趣旨から出たものとは必ずしも私は思いませんが、いろいろ歳入歳出両面にわたりまして乖離を生ずる原因が、あらかじめ相当わかっておるものもございます、わかってないものもあるように思います。しかし、だんだん乖離がはなはだしくなるということは決していいことではないのでございまして、極力この乖離を縮めるように研究もし、努力もし、検討もしてまいりたい、また乖離を縮めなければいかぬ、こう考えております。
  36. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 縮めなければいかぬということであって、私もそうしていただかなければならぬと思う。そこで大臣、乖離は一体どこに一番激しく起こっているかといいますと、これは四十二年度の例をとりますと、地方税が一割違うのですよ。四十二年度は、地方税は当初計画では一兆九千二百六億、決算額は二兆一千四百九十五億でありますから、地方税が千九百五十八億円狂っておるわけですね。ちょうど一割強です。こういうふうに狂っています。それから、ずいぶん苦労なさっておると思うのでありますけれども、わずかながら国庫支出金の狂いもあります。それから、地方債がやはりワクを越えて、縁故債等が発行されるせいか知りませんけれども、これもかなり大きく狂っております。それから使用料、手数料、これもかなり狂っておるわけですね。それから、一番狂っておるのは雑収入ですよ。雑収入等、地方財政計画では千八百億です。ところが、雑収入が六千六百二十六億円も入っておるわけですね。これでは計画にならないですよ。千八百億円が当初計画で、雑収入が六千六百二十六億円というのですから、これは三倍以上です。  それから、歳出のほうを見てまいりますと、給与関係費が決算と一七・五%狂っているのです。それから、一般行政費が三八・八%狂っているのですね。それから、交際費ですらも狂っているのです。これも三〇%近く狂っている。維持修繕費、これは国の支出金が伴わないもので、軒並みふえているのに、これだけは減っているわけです。千百四十二億円というのが当初の計画でありますが、二百四億円減っているのです。それから投資的経費のうち、国庫負担を伴うものは計画より一六%程度ふえております。ところが国庫負担を伴わない、いわゆる純然たる単独事業というものは六千七百三十二億円であるのに、決算額は六千六百八十六億円でありますから三百三十五億円の減であります。軒並みに地方税はふえた、国庫支出金がふえておりますが、いってみますと、地方が単独でやるべき、維持修繕費とか投資的経費のうちの補助金を伴わない地方の単独事業というのが減っているわけですね。ずばり言いますと、地方財政計画よりも二割くらい決算は上回っておるにかかわらず、地方財政計画よりも単独事業は下回っておる、こういう状態が出ております。単独事業が下回るということは、住民の要求に応じた、住民に直結した仕事というものができなくて、国の計画に基づく事業だけが計画を上回って遂行されておる。いってみますと、自主性、地方自治というのはだんだん住民から遠のいていっておる、こういうことが四十二年度も示しております。四十年度の決算も同じような傾向が出ております。こういうことからいきまして、私はここに問題があると思うのです。いってみますと、地方税、地方債、国庫支出金、雑収入、これはギャンブルの問題があるでしょう、こういうところに大きな見込み違いがあります。それから給与関係費、一般行政費、投資的経費、こういうものが大きく移動があった。その中に注目すべき点は、地方の単独事業というのはどんどん削っていっておるにかかわらず、補助事業だけがふえていっておる、こういう現象が中に含まれておるということを注目しておかなければならぬと思うのですよ。ですから、大臣、これをはっきり捕捉しなければほんとうの地方財政計画にならないと私は思うのです。今度の地方財政計画を見ますと、これがおそらく国の予算と五百億円の差しかない。こういうことでありまして、地方は一八・九%、国は一七・九%の伸びであるけれども、地方はそれを一%上回った、こういうことをいわれておりますけれども、何のことはない、中身は国庫補助金がついたものが二重に地方の計画の中に織り込まれておるわけであって、見てみますと使用料及び手数料は前年比六%しか伸びておりません、雑収入は一一・一%しか伸びません、こういっておるのです。ところが決算になりますと、この雑収入というのが三〇〇%か三五〇%も伸びておる。こういう実態では、地方がほんとうに当てにしてたよりになる地方財政計画と言えない、私はこういうふうに申さなければならぬと思うのです。大臣いかがですか。
  37. 長野士郎

    ○長野政府委員 お話しのとおり、財政計画と決算との間ではいろいろ大きな差が出ておるという御指摘はまことにそのとおりでございますが、それについて大臣が先ほどお答え申し上げましたように、なるべくその乖離を縮めたいということでございますが、しかし、私どももその努力はもちろん御指摘のとおりしなければならないわけでございますが、やはり一定の約束といいますか、財政計画の立て方の中にも一つの現実の決算との間の差というものがある程度出てくるということも、これはよく御存じのとおりだと思いますが、出てまいります。それはどうしてかと申しますと、私が申し上げるまでもなく、いまもお話がありましたけれども、第一、財政計画は単年度の計画でございますから、前年度からの繰り越しその他の問題が入ってこない。それから当初の計画でございますので、そのほうの補正というものが入ってこない。その関係では、税等におきまして自然増収が出てくるものも入ってこない。また収入におきましては、標準的な収入で考えておりますから、超過課税その他現実にやっております団体のものが入ってこない。地方債におきましても、お話がございましたように、縁故債その他のそういうものが相当大きな額がございますが、これが入ってこない。雑収入について非常に差があるという御指摘がございましたが、この点につきましても、地方団体で年末に中小企業に融資をするとか、いろいろなことをやっておりますが、そういうものの返還方法というものが現実の決算には入ってこない、こういうようなことがいろいろありまして、歳出についても同じ問題がその裏書きとして出てまいります。そこで単独事業につきましても歳出は、そんなことを言うといろいろまた議論がありますけれども、給与費につきましては国家公務員よりも高いものがずいぶん出てまいります。あるいはギャンブルの収入による歳出も出てくる、あるいは維持修繕費等についても確かに問題があります。これはなるべく投資的な経費のところに振り込みたいという考え方が地方団体に非常にございまして、維持修繕費という形での支出をなるべく押えるという考え方も出ておりまして、単独事業についても同じような考え方で、なるべく補助を伴うものに優先的に当てたい、ほかの経費に回したいというようなことがございまして、四十二年度ごろまではそういうかっこうでございますけれども、最近におきましては、やはり社会公共施設の立ちおくれた水準の回復というような点から、単独事業も道路を中心といたしましては相当伸びを示しておる、こういう状況でございます。
  38. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 大臣、こういう計画をつくっておきますと、この計画に基づいて地方交付税にいう基準財政需要額、収入額というものが計算されていきます。いま言ったような点についての需要額が非常に少なくなってまいりますから、結果として、税が伸びるところは非常にいいわけですけれども、伸びないところは貧弱団体なんですね。貧弱団体は需要額というものはやはりどうしても損をしてくると私は思うのです。ですから、言ってみますと、やはり決算と地方財政計画というものは五%以内くらいに違いが起こらなければならぬ。いま長野局長は補正がありますからと言っておりますけれども、いままでの実績では当初にこの補正は三%程度なんですよ。ですから補正があるからという理屈にはならない。私はやはり当たらずといえども遠からずという、那須与一のような、扇のかなめに当たらぬでもいいですけれども、扇の紙の部分に当たるくらいまでのところは地方財政計画はありませんと困るし、貧弱団体に対する交付税の配分等は、いろいろ問題が起こってくると思うのです。ですから、大臣に私が言いたいことは――大蔵省にも意見を聞きたいのですけれども、国の予算の規模よりも上回ったって、これはよそからもらってくる国からの金によって規模がふえているのであって、実態は地方独自のあれは七割五分か八割くらいなんでありますから、財政計画ありのままを出すべきであって、大蔵省がおまえ裕福になったじゃないかというならば、これは森を見て木を見ない、あるいは木を見て森を見ないというたぐいにすぎないのであって、そんなことは大蔵省はおっしゃらぬと思うのですよ。マスコミもそんなことはいわぬと思う、内容を検討するのですから。そういう点でやはり実態に即するような計画をつくっていただかなければならぬということを特に申し上げておきたいと思う。  そこで今度の計画でも、地方公務員の職員の規模の是正ですが、さっきも申し上げたように、給与関係費というものが一七%か一八%くらい狂いができているわけですから、おっしゃるように、あなたのほうで毎年調べている給与の実態調査、それは国家公務員よりやや府県のほうが高い。指定市のほうがそれよりもやや上回っておる。ところが市町村というところは国家公務員よりも一割程度低い、こういう実態があるわけでありますが、あなたのほうの給与実態調査を見ますと、非常に大きく狂っているのですね。確かに規模是正が給与実態調査に基づいて二万五千八百六十一名、今度の計画では行なわれております。ところが四十四年の四月一日現在を見ますと、企業職員を除いた一般職の職員と臨時職員が二万五千人くらいおりますけれども、それと財政計画に盛り込まれてある人間との差を見ますと、二二%の狂いがあるのですね。ですから給与関係費が狂ってくるのはあたりまえです。一七、八%狂っている。あなたのほうの給与実態調査によって調べたものと、財政計画に織り込まれた人数との間に二二%、四十四年度で狂っておるわけです。これは一例であります。せっかくそういう実態調査もしているのでありますから、基準単価は国家公務員に準ずる以外にないと思いますけれども、きちんとそういうものを把握してやっていけば、給与関係費だって大きく狂わない。そういう基礎資料を持っておりながらやらぬというのはおかしいじゃないか。大蔵省に気がねしているのじゃないですか。あるいは、地方財政が裕福になったということをたたかれるという心配があるのじゃないですか。内容をさらけ出せば、だれもたたきませんよ。私はそう思うのです。この点ひとつ大臣にお答えいただきたいと思うのです。
  39. 長野士郎

    ○長野政府委員 職員数の関係につきましては、毎年規模是正をやって、現実の職員数に合わせる努力はいたしておるつもりでありまして、来年度におきましても、四十三年度の給与実態調査の結果に基づきまして、その規模是正をはかってまいりたい、こういうことで御趣旨の線に沿った形で合理的な職員の定員管理というものを考えていきたいということで努力はいたしておりますが、なお今後ともそういうことでやってまいりたいと思います。
  40. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 せっかく大蔵省がいらっしゃっておりますから、私の言ったことに誤りがあるか、大蔵省としては一般会計よりも地方財政計画の規模が大きくなってしまうのは困るのか一ありのままをやったほうが私は正しいと思うのです。地方はそれを尺度にしてやっていっておりますから、この辺どうか。それを受けてひとつ自治大臣、時間がありませんから一ほんとうはさっきの人が十二、三分よけいやったのですから、私もものを言えば権利があるのですけれども、私は時間を守ります。お答えいただきたい。
  41. 後藤正

    ○後藤説明員 国の一般会計の規模よりも地方財政計画が上回ってはいけない、そういうことは考えておりません。ただ計画がやはり標準的な歳入歳出ということでございますので、個々の、たとえばいまの地方公務員の給与単価でありましても、国家公務員なりせばというのに準じた単価をとっておりますので、いわば決算と地方財政との性格上、ある程度の間差は出てくるのはやむを得ないであろうというように考えております。
  42. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 間差が出てくるのはやむを得ないと思いますが、二〇%も二五%も狂うのはよろしくないだろうと思いませんか。
  43. 後藤正

    ○後藤説明員 それはそのとおりであります。
  44. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 大臣、ひとつ今後の方針をぴしゃっと言ってください。
  45. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 先ほど申し上げたとおり、はなはだしい乖離は、これは是正をすべきものではないか、そういうようにつとめたいと考えております。
  46. 細谷治嘉

    ○細谷分科員 終わります。
  47. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて細谷君の質疑は終わりました。  次に大原亨君。
  48. 大原亨

    ○大原分科員 私は都市計画税の問題を中心に、具体的な問題を例に引きながら質問したいと思います。  秋田自治大臣は新しく自治大臣になられたので、道義的には前の自治大臣の責任はないと思うのですね。しかし政治的にはあると思います。それですから、誤ったことは誤った、こういうふうに私は言ってもらいたい。それはこれから自治体行政のあり方、税金のあり方について具体的な問題を議論するということは無意味なことじゃないと思いますので、そういう点をひとつ率直に希望いたしておきます。  まず第一点は、私がこれから質問いたしますことは、昭和四十四年九月二十二日付で、広島県佐伯郡大柿町の議会議長有重勝という人が、自治省行政局の行政課長あてに、都市計画税を課することのできる事業に要する費用「関係歳入出の年度区分について」という質問書を出したわけであります。そういたしましたところが、なかなか自治省が答弁をしなかったので、町議会でいろいろ議論になりまして、議決をしたわけでありますが、昭和四十四年の十二月三日、自治省の固定資産税課長が、広島県の総務部長あてに回答を出したのであります。その中味と手続の問題があるわけですが、そういう地方の固定資産税や都市計画税に関係する地方財政に関する法規上の疑義の解明について質問があった際に、これは、答弁は直接やはり自治省が大柿町の町議会の議長にすべきではないか。というのは、私の考えでは、住民自治といいますけれども、市町村の自治体と県の自治体との関係もあると思いますが、市町村の自治体が中心ではないか。基礎ではないか。したがって、市町村の自治体からしかるべき人が疑義の解明について自治省にあった場合には、県を通じて答弁するというのではなしに、私は、直接すみやかに答弁することがいいのではないか。これは大臣でなくていいのですが、これは、住民自治のことからいいましても、自治省の態度からいいましても、私はそのことのほうが当然ではないかと思うのです。これは第一の問題。いかがですか。
  49. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 ただいまの御質問でございますが、自治省全体といたしましても、府県は、御案内のとおり、自治法の中でも市町村間の連絡調整をする機能を持っておるということでございますので、たてまえとしては、府県を通して市町村に御回答を申し上げるということを一般的な例としておるわけでございます。
  50. 大原亨

    ○大原分科員 直接回答したことはありませんか。
  51. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 それは局によっては、そういうことの例は全くないというわけではないと私は思います。
  52. 大原亨

    ○大原分科員 その点は、たとえば県を経過いたしますと、県が一度誤った指導をするということがあり得るわけであります、人間がやるわけでありますから。そういう場合に、自治省が是正するという点からいうならば、私は、自治省が市町村の自治体に対して率直に答弁をする、回答をするというふうな、そういう解釈上の疑義に答えるというようなことがたてまえじゃないかと思うのですが、それはいかがですか。
  53. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 いま申し上げましたとおり、たてまえといたしましては、府県の市町村の連絡調整という任務にかんがみまして、自治省全体としては、県を通して御回答申し上げるという例になっておるわけでございます。
  54. 大原亨

    ○大原分科員 どこに根拠があるの。
  55. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 地方自治法の府県の任務のところに、一般的に府県は市町村の連絡調整に当たるということになっておりますので、そこを根拠というと妙な話でございますけれども、法律の解釈あるいはその他指導につきましても、府県を通して市町村に御回答申し上げるというたてまえにしているわけでございます。
  56. 大原亨

    ○大原分科員 いつ広島県から照会があったの。
  57. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 広島県からございましたのは十一月二日でございます。
  58. 大原亨

    ○大原分科員 だから、九月に出したのが十一月広島県から照会が自治省にあるなんというようなことでは、実際上、法規に従って自治体行政をやる際に間に合わぬでしょう。いつまでも長くごたごたすることになるでしょう。だから、やはり自治省が率直にそのことについては答弁するということがいいのじゃないですか。こんなに、九月にやって、十二月に回り回って答弁するということになれば、その間やはり法律の解釈についてごたごたが続くということになりますよ。この地方自治法の有権解釈はどこがやるのですか。
  59. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 自治法の所管局は行政局でございます。
  60. 大原亨

    ○大原分科員 だから、行政局が市町村の疑義に対しては解明すればいいのじゃないですか。そういうことをあいまいにして長く引き延ばすから、ますます事態が紛糾するわけですよ。これはまたあとでやります。地方自治の否認になる。  それから問題はどういうことかといいますと、大臣にお聞き取りいただきたいのですが、昭和四十二年、昭和四十三年、昭和四十四年と、大柿町においては、固定資産税に付加されますが、都市計画税を取ったわけです。そして、その都市計画税を取りました中で、三年間にわたって、合計いたしまして、決算をみてみますと、三百四十五万円の超過徴収をいたしたわけであります。小さな問題はおきますが……。いうなればこれは明らかに過納金でありますが、その過納金を一般財源に流用したということが問題の中心であるわけであります。  都市計画税で取った税金を他の一般経費に充当することができるのか、できないのか、こういう問題が問題の疑義の一点でありますが、この点はいかがですか。
  61. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 都市計画税は、御案内のとおり目的税でございまして、法律におきましても、都市計画事業または土地区画整理事業の財源に充てるということになっておりますので、その他の財源に充てられないということでございます。
  62. 大原亨

    ○大原分科員 そういう過納金は、お話しのように都市計画税は目的税ですから、目的税として取った都市計画税が余った場合には、過納金の処置はどうするのですか。
  63. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 余った場合というのは、結局、事業と税収入の間で、事業が少ないという場合だろうと思います。  御案内のとおり、そういう資金の未使用分が生じた場合の処理といたしましては、事業とともに繰り越しの手続をとるというのが予算上一つの制度でございます。またあるいは、御案内のとおり、別にたとえばいまの問題でありますれば、都市計画事業の基金というものを条例で設定いたしまして、その基金に繰り入れて、そしてさらに事業を行なう場合に基金から繰り出して使用するというような予算上の処理のしかたがあろうかと思います。
  64. 大原亨

    ○大原分科員 問題となりました大柿町では、一般会計に繰り入れているわけですね。このことはどうなんですか。
  65. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 都市計画税を徴収いたしました場合に、一般会計の中で当然使用するわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいました繰り入れているという御趣旨がちょっと理解しがたいのでございますが……。
  66. 大原亨

    ○大原分科員 つまり、特別会計ではないから、繰り入れということはない。しかし、一般会計の中で、予算と決算が都市計画税については出ているわけです。  というのは、これは百分の二ですか……(降矢政府委員「千分の二です」と呼ぶ)千分の二の税率を固定資産にかけて、都市計画税を取った。収入が幾らで、支出が幾らで、計画の実行が幾らで、幾ら余っている。その余った財源は、あなたの言われたように、特別の基金にするとか、あるいは地方自治法に許された例外的な繰り越し、継続その他にしてやっているということではなしに、一般財源に入れておる。一般財源としてこれは収入の中に入って、一般の経費に使われておる、こういうことはいかがです。
  67. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 おそらく、決算の処理として、全体の決算の剰余金というかっこうで、都市計画税も含めて、都市計画の未使用分も含めて一般の決算の剰余金というかっこうで四十二年度に出まして、それを四十三年度のほうに繰り越して使用したというかっこうになっているのだろうと思います。  で、いま申し上げましたように、予算の処理としては、都市計画税の未使用分につきまして、事業繰り越しあるいは継続事業の設定をせずに、一般会計の中で会計の剰余金としてともに翌年度に繰り越しておるというかっこうで、翌年度もまた予算を編成した際に未使用分を明確に区分して充てておるということがなければ、やはり予算の処理としては適当でない、私はこういうふうに考えております。
  68. 大原亨

    ○大原分科員 つまり地方自治法で例外を幾つか設けていますね。地方自治法の第二百十二条から十三条にかけてずっとありますね。そういう場合には、特別会計ではなくても、これは目的税なんですから一般財源の中へ解消してしまうということは、あなたの答弁のように非常に不適当です。よろしくないわけです。そういうことをすべきでないというのが過誤納金の規定じゃないのですか。地方税法第十七条の過誤納金の規定はそこにあるのじゃないですか。
  69. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 目的税につきましては、先生御案内のとおり、当該年度に徴収した目的税が、事業が縮小されたために未使用区分になったというときに、直ちにそれは過誤納金と考えるかどうか、こういう問題だろうと思います。もちろんその事業につきましては、予算は単年度主義でございますから、継続事業の設定をしない限りは、どうしても事業は単年度でぽつぽつ切れるわけでございます。しかしながら、その年度で取りました目的税である都市計画税というものを、翌年度以降の都市計画事業というものに充当するということは少しも差しつかえないわけでございまして、要するに予算は単年度主義でございますから、その年度で事業はぽつぽつ切れるわけでございますが、その町村として事業を全然やらないならば――いま都市計画税を取っております町村というのは、御案内のとおり都市計画法に基づく事業計画の認定があって初めて取れるわけでございます。したがって、ある年度継続して都市計画事業というものは当然行なわれるはずでございますので、いま、一般の剰余金の中に繰り入れておる措置そのものはまことに不適当だと私は思います。思いますが、事業そのものの単年度主義ということからいたしまして、直ちに過誤納金であるというわけにまいらないと私は思います。
  70. 大原亨

    ○大原分科員 都市計画税を目的税として取るでしょう。それで会計は単年度主義です。しかし、それでやっても別の都市計画が、五カ年計画なり長期計画はあるわけですから、新しい年度からは、たくさん取った分については財源として都市計画の中に入れるというふうな別の計画がなければならぬわけです。それを便宜的に、都市計画として取っておいてはそうして一般財源に繰り入れていく、こういうことになると、これは都市計画税の精神からいったらおかしいでしょう。あなたは、それは適当でないと言ったんでしょう。明らかにそれは、厳密にいえば、会計単年度主義ですから余ったやつは返す。都市計画は返す。あるいは別のところに継続するという計画を立てる。あるいは別の計画がある。ない限りは返す。そしてまた新しい年度については別途な計画をつくっていく。それを五カ年計画でやるというふうな場合には、余った分については、一般財源に入っておっても、一般財源から、その分だけは都市計画については別に次の年度へ繰り越される、こういうふうな連絡がないと、これは固定資産税に対しましてさらに都市計画税をかけるということで、二重課税ということになるでしょう。そこを厳密にやらないと、都市計画の区域とそうでない区域との財源が、全く矛盾撞着を来たすということになるわけです。ですから、地方自治法の精神や税法の精神からいって、これはそういうトラブルが起きるのは当然なことではないか、私はこう思うのですよ。いかがですか。
  71. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 ただいま御指摘になりました大柿町の具体の問題につきましては、先生のおっしゃるとおり、予算の処理の手続におきましても、まあ私たちから言わせれば、地方自治法ができましてからもう二十何年になりますが、全く初歩的な予算の処理のしかたにおいて、しかもまた目的税である都市計画税の性格に徴しましても、手続上明確に、先生のおっしゃるとおり一般財源と区別いたしまして、目的税であるものをそのように予算上経理すれば――当然しなければならぬわけでありまして、まことに初歩的なミスをしているのではなかろうか、私はこういうふうに思うわけでございます。したがいまして、先生がおっしゃるとおり仕分けをして、そして事業に繰り越すなら繰り越すということでこれを処理すべきもの、こういうふうに考えておるわけでございます。
  72. 大原亨

    ○大原分科員 そういうことをぴしっと早く言ってやれば、この問題についてそういう処理のしかたがあるでしょう。新しい都市計画はできていますが、あの地方の自治体が――自治大学校編の「自治用語辞典」、これは大体各自治体がこれを見ながら法律の解釈をやっているんじゃないですか。この自治大学校編の「自治用語辞典」というのは、有権解釈とは言わないけれども、一応解釈のスタンダードになるんじゃないですか。
  73. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 ただいまの「自治用語辞典」というのはどのくらいの権威があるものか私からちょっと申し上げられませんけれども、一応一つの目安として地方団体でお考えになっているのだろう、こういうふうに思います。
  74. 大原亨

    ○大原分科員 あなたはミスを認められているわけですが、その自治大学校編の「自治用語辞典」の七三ページの「過納金」というところを私出してみましたら、「過納金、とは、納入義務者等がその納入に当たり、納入すべき金額をこえて納入した場合の当該金銭をいう。過納金には、賦課額の決定を誤り、または法令の規定によって後日減免したため過納額を生じた場合等がある。しかし、過納金については、その原因がいずれにある場合であっても、納入義務者等が法令上負担すべき額以上に納入したものであるときは、これを還付しなければならないことは理の当然である。」こういうふうに書いてあります。ですからずっと議論をしてまいりますと、これは明らかに目的外に流用されている。あなたはミスだということを言いましたけれども、これは明らかに、特に都市計画に関係のない地域の人からいいましても、あるいは二重課税というふうな議論が出ることですから、過納金は過納金として処理する、それで取るべきものは取る、こういうふうにしなければ、私は都市計画税を――初歩的なミスだけでは済まされないで、便宜的に都市計画税で何でもやってしまうということで、けじめがつないと思うわけです。税金の負担の上からいいましても、いわゆる住民の立場に立ちますと非常に不公平が出るというわけですね。それで、これらの問題は率直に過納金として返すべきものではないか。そうして、もしそうでないならば計算上明らかにするようなことをしないと、つまり当事者は、町長は、理事者は背任罪というか、厳密にいうならば、背任的な行為を犯したことになるのではないか、そう思うわけです。
  75. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 要するに、この問題につきましては、ただいま先生おっしゃったように、住民に対して明らかにしなければならぬ、これは当然でございます。したがって、昭和四十四年度の補正予算におきまして、三月の十一日と聞いておりますが、このいままで未使用に相なりました都市計画事業の分を全部、都市計画事業調整基金というものを設定いたしまして、その中に繰り入れをするということで、歳出を出して、これまでの未使用に当たるものを基金として設定をするということに議決をしたと聞いております。
  76. 大原亨

    ○大原分科員 それはいつやったのですか。
  77. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 条例で都市計画事業調整基金というものを設定いたしまして、これまで未使用であった額をすべてこの基金に繰り入れる措置を今度の四十四年度の補正予算でとりました。そこで従来の未使用にかかる部分がはっきりしたわけでございますが、われわれが聞いておりましたのは、二百八十一万一千円と聞いております。それを四十四年度の補正予算におきまして、条例で基金を設定するとともに、歳出予算におきまして、基金に二百八十一万一千円を繰り入れたわけでございます。ただいまさらに四十五年度の当初予算が議会で審議中でございますが、その予算におきましては、基金から当該二百八十一万一千円を歳出として繰り出しまして、そしてそれを歳入に向けて土木事業のうちの都市計画事業というものに充てるということで、四十五年度の予算を処理するということで、現在議会で審議中でございます。こういうことでございますので、先生おっしゃいましたとおり、いままでの過去三年間に、四十二年、四十三年、あるいはことしの補正におきまして、すべてのものについて基金というかっこうで明確に片をつける、こういうことで議会の御承認を経た、こういうことでございます。
  78. 大原亨

    ○大原分科員 それは、ちょっと聞いてみるのですが、四十二年の超過納入分ですね、余っている分、あるいは四十三年の余っている分、これも全部含めて補正で別途会計を設ける、そういうことは予算の手続上できますか。
  79. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 要するに、これは四十二年、四十三年の一般会計剰余金、それがまた四十四年にきているわけでございます。したがって、一つの剰余金の中でぐっとこういうふうにきているものでありますから、それを四十四年の補正におきまして、いまの地方自治法の規定にのっとり明確に処理をするといたしますれば、この基金というものを設定して、補正予算でこれに繰り入れるという形しか私はとりょうがない、しかもこれで十分じゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。
  80. 大原亨

    ○大原分科員 これは住民の立場で納得できればいいんですけれども、昭和四十二年のやつは、決算はこの収入支出については翌年度の五月ですか、リミットがあるでしょう。それを、四十五年の本年になって、補正で処理するというふうなことはできるのですか。金には境がないから区分けをするわけですけれども、しかしそれは、そういう初歩的な、全くだれが見たってでたらめな操作だけれども、初歩的なミスだとあなたが言っているとおりです。そのことをほおかぶりしてやろうとしたから、何でもないことが大ごとになったわけでしょう。それは、住民自治の点からいうと、非常に大きな問題だったから問題になったわけです。これは超党派の問題になって、議会の議決になったわけです。それに対して、あなたのほうが的確な解釈や指示を与えなかった。これは広島県の責任もある。だから、そんなことはやたらにほおかぶりできるものか、理事者だけの立場に立って自治省も県も行動するのか、こういうことになって、議会との関係になってきた。だからこれは大体そういうふうな金は、別に区切りがついておるわけじゃないけれども、しかし四十二年が四十五年になって、そんな財源操作ができるのですか。
  81. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 先生御案内のとおり、四十二年、四十三年の決算はもうすでに議会において認定されてしまっているわけでございます。したがって、認定された決算を前提にして、この理屈だけ通していきますと、それはもう認定された決算だからそれでしまいじゃないか、こういうことに相なるわけでございます。しかし、そもそも決算の前提になっている非常に初歩的なミスというものが残っているわけでございます。したがって、今回、いま先生のおっしゃる、住民の立場からすれば何が一体明確になる必要があるのか、こういうことであると思います。したがって私たちも、やはり一番はっきりしておる基金制度というものを設けまして、そこに従来未使用であった金額全部、総額を繰り入れてこれで二百八十一万一千円未使用分がございましたということで一応締めくくりをつけるのが、住民に対しても一番はっきりするのじゃなかろうか、こういうことでその点は議会のほうもおそらくすでに議決した点でございます。それを前提にして四十五年度の都市計画事業については、その基金から金を繰り出して都市計画事業を施行するという予算案をただいま提出して御審議を願っている状況でございます。
  82. 大原亨

    ○大原分科員 それでその四十二年、四十三年にいたしましても、予算や決算、決算も含めて議会は承認している。手続上は議会も責任があるというふうなことだと思うのです。しかしそれでは済まないとぼくは思う。理事者側がそういう予算の編成をし、そして一般財源に混同いたしまして使った、こういう法律違反の措置を年度を越えてやっているという事実、あるいは政治的な責任というものを免れることはできぬと思うのです。そういうものが不明確なものだから、長くがたがたしたわけですね。法律の解釈で初歩的なミスをおかしている。これをミスだという点を権威ある自治省が当初から的確に指摘をして、早く是正させるならば、こんな問題にはならぬわけであります。全くそれは自治省も怠慢である、県も怠慢であると思うのです。これは全く住民自治ということを、幾らあとから気がついたからといいながら、去年の八、九月ごろからずっとこれは紛争になっているわけですから、そういう点について的確な指導を与えないで、どたんばでそういう処理のしかたを四十五年度からするというようなことは、もってのほかだと思うわけです。そういう場合には、私はもとへ返りますが、そういう自治体、市町村から出てきた法律の解釈その他の疑義については、有権解釈は自治省がするのでしょう。それは県を乗り越えても直接、解釈については的確に指示を与えるべきものである。あなたは原則は県を通じてということを言うけれども、円満に処理するということはわかるが、県にもその旨を連絡すると一緒に――事実を確かめる等については県を通ずることも必要でしょう。一々出張する必要はないでしょう。しかし有権解釈は、自治体の基本的な組織である市町村に対してやはりすみやかになすべきである。そういうことをやらないで、あとでこの問題を研究をし、議論になるということがわかって、そしてこの問題を処理するというようなことは、もってのほかであると思うのです。今後はその点については、そういう取り扱い方のすべてを含めて是正してもらいたい。これはあなたが答弁をしたのではだめだ、一段階上のほうでひとつ……。
  83. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 ただいま一連のいきさつを聞いておりますと、原則は原則、ときを遅滞なく機宜の措置をとるべき点について遺憾がなかったとはいえないように見えます。したがいまして今後はその点に関しまして、この種の問題については指導を一そう徹底してまいりたいと存じます。
  84. 大原亨

    ○大原分科員 終わります。
  85. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて大原亨君の質疑は終わりました。  次に沖本泰幸君。
  86. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 私は火災事故につきまして、それから消防艇の問題についてお伺いしたいと思います。  最近火災事故はだんだんふえてきておりますが、特にプロパンで事故がたくさん発生しております。いわゆるガス漏れがあって、それで一度に爆発して火災を起こした。それが人身事故に多く結びついておる。こういうことをよく新聞紙上でも見受けますし、最近もマンションで事故がありましたし、ホテルでも大きな事故があった。こういうことがあるわけですが、この問題につきまして、現在のところ自治省あるいは消防庁としてはどういうふうな対策を講じられておるか、それからお伺いしたいと思います。
  87. 松島五郎

    ○松島政府委員 プロパンガスの施設がたいへんふえてきています。それに伴いまして、御指摘のとおり事故の件数もふえてきておりますので、消防としても早くからこの問題について対策を講じてきておるわけであります。昭和四十三年の三月に液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律という法律が出まして、主管は御承知のとおり通産省になっておりますが、消防の見地からも安全確保のために関与する必要があるということで、LPガスの製造所、貯蔵所、販売所の許可または届け出があった場合には消防機関に通報をするということによりまして、その施設の所在を明らかにするという措置を第一に講じております。  それから、第二点といたしましては、LPガスの販売所または一般消費設備に関する技術上の基準を定める通産省令――通産省が所管しておりますので全部これは通産省がきめることになっておりますが、この通産省令を定めます場合あるいは改正いたします場合には、あらかじめ消防庁長官と協議をいたすことにいたしておりまして、その協議の段階を通じまして火災予防上の問題について意見を述べる、こういうふうにいたしております。  それから第三番目には、LPガスの販売所の許可を受ける際には消防長――消防長と申しますのは市町村の消防本部の長でございます。市町村消防本部の長の意見書を添付させるという手続をとっております。  さらに第四番目には、LPガスの販売施設の位置、構造、設備につきまして、技術上の基準に適合しないと認められるものに対しましては、消防機関から知事に対しまして改善命令を出すように要請することができるというような形をとっておりまして、こういった主管の通産省あるいはその委任を受けました知事というものの取り締まり行政に対しまして、消防の面からも必要な関与をするという形で安全をはかっていきたい、かような方向で進めております。
  88. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 そうすると、四番目に述べられました技術上の問題で改善命令を知事がその関係者にお出しになった具体的な内容と例がありますでしょうか。簡単でけっこうです。
  89. 松島五郎

    ○松島政府委員 この法律が施行されましてからまだ一年余ばかりでございますので、いままでのところそういう具体的な事例を承知いたしておりません。ただ、プロパンガスの事故は、昭和四十三年に入りましてから従来に比べましてかなり減ってきております。人口十万人当たりで見てまいりますと、それ以前の昭和四十二年にはたしか十万人当たり一・五件ぐらいの割合で発生をいたしておりましたが、昭和四十三年には〇・九件に減少しているということで、この法律による効果、すなわち消防機関の関与等によって多少とも効果を発揮しているというふうに考えております。
  90. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 御承知のように、このLPガスは空気と比べて比重が重たいわけです。そういう点から、ガス漏れがあると部屋に滞留してくる。そういうことで事故が非常に突発的に起きてくる。こういうことで、結局その密閉された部屋の中で、偶然外の人が気がついてあけたりすると、とたんに事故になる、こういう例が新聞なんかで見受けられるわけです。そういう問題に対しまして、一応ガスの施設が十分行き届いていないところにこのプロパンガスの使用という問題が起きてくるわけですから、その一つ一つがみな独立しておるわけで、結局そういうものを取り扱う人自体の警戒心とか、あるいはそういう器具の内容とかいうものの中にこれは問題がある、こういうふうに私は考えるわけです。と同時に、LPガスにはにおいがついているわけですけれども、もっと強力なにおいをつけて外へわかるようにするとか、当人たちが事故にあわないですむような方法はとれないか。まして最近は、セントラルヒーティングとかいろいろな方法によって快適な生活をするための家庭の機械化がどんどん進んでおるわけですから、したがって使うガスの量も多くなってきておる。こういうことを考えていきますと、いまのところ何かもう一つもの足らないというふうに感じるわけです。ですから、ガス器材の中に、最近テレビなんかでガス漏れについては警報装置があるとか、こういうことで警報装置を売ったりするようなコマーシャルなんかが出ておるわけですけれども、実際に見ていきますと、ボンベそのものは外に置かれておりますけれども、室内に引いてきているそういうボンベとガス器具との関連性、そういうところにまだまだ問題があるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけです。ですから、温度がある一定の温度から低くなってくるとガス漏れの危険が起きるんだ、そこでこういう警報が鳴るなり何らかの方法で使用する者に注意を喚起するような内容の技術的な改善はないものか、そういう御研究はしていらっしゃらないのか、この点についてお伺いしたいわけです。
  91. 松島五郎

    ○松島政府委員 御指摘のとおり、事故が減ってきているとはいえ、まだかなり事故がありますし、また、事故がありますと、先生からお話がございましたように、滞留したガスに火が一挙につくために爆発事故という形であらわれ、それがまた人命の損傷につながるというような問題になりやすいものでございますので、私どももいろいろとその対策を講じているわけでございます。昨年の秋ごろにも、こういうプロパンガスの事故というものはどういう場合に起きるのかというようなことについて、説明書のようなものをつくって、報道機関にも機会を見てPRしていただくようにお願いしたり、そういうこともやっております。いままで事故が多かった一つの原因といたしましては、需要が非常に急速に伸びてまいりました。昭和二十八年ごろからわが国ではプロパンガスを家庭用に使うようになってきたようでございますが、たしか二十九年度ではLPガスの生産量は五千トン程度でございましたが、それが昭和四十二年には二百七十八万トン、約六百倍くらいに生産量がふえてきているわけであります。もちろんこれは工業用に使う分もございますけれども、家庭用が大部分でございます。このような急速な発展をいたしました関係上、販売業者のほうにも、家庭での安全使用ということについてのPRなりあるいは安全防護のための施設の整備なりというものが伴っておらなかった面もあるように考えられます。それらの点につきましては、ただいま申し上げましたLPガスの保安、販売の適正化に関する法律でかなり改善をしてきております。  なお、いま御指摘になりましたような問題につきましては、消防庁にあります消防研究所でも、この保安対策等につきまして各種の研究をいたしておる状態であります。
  92. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 まだ研究段階ではっきりした具体的なものはあまり出てないわけですね。これはおっしゃるとおりに急速に使用が伸びておりますし、また最近は、アルミサッシとかそういうものによって室内の密閉ということが急速に進んでいるわけです。したがって、爆発事故の内容というものも大きくなってくる。マンションあたりの建築の内容も完全な密閉が基本で出ておりますし、暖房という立場の上から、こういう問題につながることが多くあるわけですから、これはもう十分に早急な検討を加えていただいて、新しい対策を立てていただかなければ、無防備状態である、こういうことになりはしないかというおそれが出てくるわけです。これは小さな問題ですけれども、いままでプロパンガスをお扱いになっているところが、取り扱いに対しての技術的な問題、内容について十分でない炭屋さんなんかが扱っているんじゃないかということがあるわけですね。そういう点についても、やはり危険性を伴うものですから、取り扱いについての技術指導あるいはこれからの器具の改善により安全性を高めていくような内容に研究して、早急に対策を打ち出していただきたいわけですが、これについてお答えください。
  93. 松島五郎

    ○松島政府委員 御指摘の点、私どもも従来からも努力をいたしておるところでございますが、ただ研究だけしていていつまでも結論が出ないようでは役に立ちませんので、世の中のほうが御承知のように進んできておりますから、それにおくれないようにさらに努力をいたしたいと思っております。
  94. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 次に、これは大臣もちょっとお聞きになっておっていただきたいわけです。質問は消防庁が主体になるわけですけれども、去年私は琵琶湖の大津市のほうへ行っていろいろ調べてきたんですが、一昨々年琵琶湖で観光旅館が火災を起こしてまる焼けになりました。ちょうど陸地から張り出した地面で、三方が湖に囲まれておる観光旅館が完全に焼けてしまった。目の前に水を十分に見ながら焼けたわけです。いろいろ事情を調べてみますと、大津市の消防は消防車が消火に当たっておる、こういうことで水をとるのは水道せんからで、その旅館にまでホースが足らなかった、こういうことが原因で全然消火ができずに、湖のどまん中で旅館が焼けた。もう全くナンセンスな話が現実にあったわけです。そういうところから、いろいろと事情を聞いてみますと、大津市の消火は全部消防自動車がやっているわけですが、消火については全部水道の水を使っているということが実情だ、こういうことなんです。それで大津に雄琴温泉というところがありますが、普通大津市内の中心部から車で行って二十分かかるわけです。ところが、これが交通量が激しくなって北陸へのつながりが出てきて、しょっちゅう交通停滞だらけですから、雄琴温泉で火事が起きた場合は、消火に消防ポンプが行くまでに約一時間かかるというのです。行ったときにはもう火事が終わっている、こういうことが現状で、どうにもならない、こういうことなんです。目の前に水をたくさん見ながら、どこに火事が起きても、市内中心部にはなかなか消火の力を発揮しない、こういうことが現状なんですが、この点について消防庁長官、どの程度事実をつかんでいらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
  95. 松島五郎

    ○松島政府委員 ただいま御指摘のございました大津市の旅館の火災については、まことに申しわけございませんが、私、詳細承知いたしておりません。
  96. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 たとえて言いますと、琵琶湖は海上保安庁の所管にも入っているわけです。ところが、ただ管轄を海上保安庁が握っているだけであって、そこに何にもない。御存じのとおり、あそこはどんどん開発されていって観光地化されていっております。そういうホテルとか旅館とか、夏になれば海水浴の利用とかヨットとか、それからモーターボートとか、これからますます琵琶湖を中心にして使うものが多くなっていくんですが、それに対する対策が何もできていない。こういうことが現実なんです。そこで大津市は、何とか消防艇をつくろう、こう考えるけれども、湖を使うには市町村ではどうにもならない。公有水面の関係で府県の関係が出てくるわけです。ところが、消防に関しては市町村であるということが理由で、県のほうからは手を差し伸べてもらえない。十分消火能力を発揮するような消防艇をつくるには相当な金がかかる。大津市の財政ではなかなかむずかしい。あるいは府県とタイアップしてやっていかなければならない。また、消防艇ですから琵琶湖内で活動が十分できるような方法も考えていきたい、こういうことで、滋賀県のほうも何らかの方法は考えておるらしいのですが、そこのところに隘路があって、実現化がなかなかできない、こういうことなんですが、消防艇について何かお聞きになっていらっしゃらないでしょうか。
  97. 松島五郎

    ○松島政府委員 消防艇について、大津市から、あるいは滋賀県から具体的なお話をまだ伺っておりませんけれども、現在消防艇につきましては、石油類等の危険物施設を多く持っております町村、特にこういう地帯でいわゆるコンビナート地帯につきましては、できるだけ科学消防力を充実するという見地から、陸上では化学車あるいは高発泡車というようなもの、海上からは消防艇というようなことで整備を進めてきております。補助金は交付いたしておりまして、三分の一の補助をいたしております。  いまの大津市のお話でございますけれども、具体的な必要性について地元からのお話がございますならば、その点等についてもまた検討いたしたいと思いますが、補助金だけでは、三分の一と申し上げましたので、消防艇はかなり金がかかりますから、あとの三分の二の始末がつきかねるという面もございますので、それについては起債等の処置もまた検討いたしたいと考えております。ただ、こういう特殊な消防施設と、その消防施設によって防御される対象との関係については、私どももいろいろと検討いたしておりますが、なかなかむずかしい問題がございます。ただいまおあげになりましたように、旅館なり何なりが湖の上に張り出して一軒できた。そうすると、その旅館に泊まられる方の立場から申しますならば、火災が起き得る、それに対して安全でなければならないという要請が起こるのは当然でございます。しかしながら、市町村の側から見ますと、そういう旅館がたまたまできたからすぐに何千万円という消防艇を整備するということになると、これまたなかなかたいへんな問題で、最近私ども頭を痛めております問題は、同じような問題で、最近高層建築がいなかのと申しますか、中小都市にもどんどんできておりまして、そこに一軒できたらすぐ何十メートルというはしご車を備えなければならぬのかどうかということになりますと、何か特定の施設のために特定の消防施設を備えるという場合のその負担というものは一体どうなるのかという問題がございます。これらについていまいろいろ検討いたしておりますけれども、しかし、いまお話のございましたように、それがたくさんの旅館ができ、その危険性がその地域に広く存在するということでございますならば、やはり公共団体としてそれに対応する消防体制を整えていかなければならないわけでございますので、大津市とも十分御相談いたしまして、そういう面等につきましても検討いたしてまいりたいと思います。
  98. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 先年も北陸の温泉地で火災が起きまして、道路幅が狭くて消防車が十分活動できなかった。それで大火に至ったということがあるんですが、新聞の指摘の上からも、これが湖の上から消火が可能であれば、ここまで火は至らなかっただろう、こういうことを指摘しておりますが、それから相当日にちはたつわけですけれども、これはもう新聞でずいぶんやかましくいわれたところなんですが、そういう点について長官どうなんですか。
  99. 松島五郎

    ○松島政府委員 片山津温泉の火災の問題は、いま御指摘がありましたが、二つの問題があるかと思います。ほかにもいろいろございますけれども、消防の水利の面から申しますと二つの問題がある。一つは、道路幅が御指摘のとおり狭くて、消防車の活躍ができにくかったという問題もう一つは、大きな湖を控えながらその水が十分利用できる体制になかった。この二つの問題を考えてみますと、道路幅が狭かったという問題は、これはやはり都市計画上の問題になると思います。それから、水利が悪かったという問題も、あれだけの大きないわば貯水池を持ちながら、町の中に十分防火用水として必要な水を引いてなかったということ、これもある面では、消防の問題であると同時に、都市計画上の問題であるというふうに考えます。だんだん大きな建物ができたりしてまいりますことを考えますならば、消防というものを、単に消防車と消防というような形だけでなくて、都市計画全体を含めた町全体の防災体制をつくっていくという方向に進んでいかなければならない、このように考えております。片山津におきましても、その後その経験にかんがみまして、都市計画事業をさらに推進し、消防水利も増強をするというような方向で進められていると承っておりますので、まず第一番目にはそういう方向で進められるべきであろうと考えます。  それから、消防艇の問題は、御承知のとおり、ああいうふうに旅館が湖にせり出して建ち並んでおりますようなところは、湖のほうから消火をするというようなことも必要な場合が多いわけでございます。これもまた、地元の御要望というようなものも十分承りまして検討いたしたいと思います。
  100. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 聞いていると、何か都市計画上の問題である、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、まあポンプ自動車で水をポンプアップして放水するという力ですね、馬力、そういうものに比べると、船のエンジンでポンプアップして放水するということの能力というものは、もっと強さが違うと思うのですね。こういう点について御認識が薄いのじゃないかと思うのです。ですから、こういう事故があれば、当然消防上の防災の上からもこういうことを考えたらどうかと、こういうことで自治省のほうにもおっしゃっていただくし、あるいは関係市町村、県に対しても、こういう技術的な指導とか、そういう問題を消防庁のほうから話しかけていって具体化されていくほうが、もっとその問題の解決は早いと思うのです。ただ、道路幅が狭くてこれは都市計画上の問題だ、こういうことで、都市計画的なことからこの問題を開いていくことよりも、いま直ちに火災事故があったら大火になるというような問題をつかんで考えていくときには、そういう方向から当然御指導なり何なりあってしかるべきと思うのです。ただ地元からの要望があるとかないとか、こういうことで済まされる問題ではないと私は考えるわけです。ですから、琵琶湖の問題につきましても、ただ大津市の観光旅館ということにとどめられるわけではなくて、琶琵湖の沿岸の各市町村に大きな問題がかかってくるわけですから、消防艇であれば、行動力も十分ありますし、また水難事故に対しての救助の方法もとっていける。先ほど海上保安庁という話を出したのは、こういうふうな湖の上でヨットなり何なりがこれから先いろいろな事故を起こすわけです。ただ箱根の湖がどうであったということではなくて、海上保安庁も、この琶琵湖は自分の所管の中にあるわけですから、そういう点を考えていくと、もっと救助体制なり何なりを持つべきだ、こういうふうに考えるわけです。その点について長官、どうですか。
  101. 松島五郎

    ○松島政府委員 片山津の問題について都市計画上の問題に触れて申し上げましたのは、あそこの旅館街は湖に面しまして非常に高層な建物が建ち並んでおります。ところが、御承知のとおり、それだけの町ではございません。湖から離れたところにも火災は起きないという保証はございません。それら全体をひっくるめて考えなければなりませんので、その場合には、やはり消防水利の問題を湖の水を引いて解決するという考え方が必要ではないか、こういうことで申し上げただけでござます。  ただ、湖岸に並びました旅館の問題等につきましては、御指摘のとおり、消防艇の整備というようなことについても、私どもも積極的に地元と御相談を申し上げていきたいというふうに考えております。  それから、琶琵湖の問題につきましても、大津市とよくお話をいたしまして進めていきたい、かように考えております。
  102. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 時間がなくなったんですが、自治省のほうでこの問題をつかんでいらっしゃるでしょうか。いまのやりとりに対しまして、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。解決の方法をひとつ見出していただきたい、こういうふうに考えるわけです。
  103. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 消防及び防災の体制は、実際のところまだ施策がたいへん手薄だと私は思います。私、就任いたしまして、この点は非常に心配をし、心を痛めております。ただ、いろいろこまかな問題がございまして、一挙に解決できないうらみがございます。しかし、災害なり火災なりは、注意はいたしておってもいつ発生してくるかわからないものであります。こういう点を考えますと、まことに心が痛むのでございますが、ただいま御指摘の消防艇の問題にいたしましても、ある程度こまかに気を配りますれば、地域が案外特定されておると思います。そういう面については、やはりきめこまかに施策をするということが、人命を尊重する七〇年代の内政充実の施策にかなうべき問題と考えますので、十分ひとつ検討をいたしまして、おくればせながらも、時におくれないよ4に適当な措置を講ずべく配慮いたしてみたいと考えております。各方面とも打ち合わし、予算等の措置につきましても十分検討、配慮をしていきたいと考えております。
  104. 沖本泰幸

    ○沖本分科員 時間が来たわけですが、ちょうど四面を海に囲まれまして同じような問題はいろいろなところに出てくると思います。そういうところから、少し角度を変えてこういう問題をお取り上げになっていただきますと、解決の道がわりかたとれるんじゃないか。ただ、いま交通停滞を起こす道路上の消火、こういうことだけにとどまらずに、地元のいろいろな業界なり、あるいは町の人たちなり、あるいは市町村あるいは府県と御協議をいただければ、もっともっと開けた道ができてくる、こういうふうに考えるわけです。大型船の火災が起きた場合は、港にある消防艇ですと、シュノーケルなんか使うと相当な威力を発揮した消火能力を持っているわけですから、水難救助と両方あわせて、こういう湖にはどうしても必要だ、こういう点が考えられるわけでございますから、大臣のほうとしても、この点を十分ごしんしゃくいただいて、この問題を解決するようにお取り計らいいただきたいことをお願いいたしまして質問を終わります。
  105. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて沖本泰幸君の質疑は終わりました。  この際、午後一時十五分に再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時二十八分休憩      ――――◇―――――     午後一時十八分開議
  106. 田中龍夫

    ○田中主査 休憩前に引き続きまして会議を開きます。  自治省所管に関する質疑を続行いたします。井上普方君。
  107. 井上普方

    ○井上分科員 私は、まず最初に過疎問題についてお伺いいたしたいのであります。  秋田自治大臣も御承知のように、私らと国を同じくしておるのでありますが、山間部における過疎問題が非常に大きい問題になっております。特に私はここで指摘いたしたいのでありますが、那賀川の上流あるいはまた海部川の上流というような地帯に過疎問題が非常に激しく起こってきております。どういうふうな問題が起こってきておるかといいますと、あの地方には大山林地主が、しかも村外地主がほとんど山を所有しておる形態が見られるのであります。そして、その村外地主はどういうことをやっておるかといいますと、ほとんど京阪神あるいは都市へ出て行ってしまいまして、残っておる人たちはほとんど村内に――木沢村あるいは木頭村、こういうような地方においては、大体八五%は村外地主である。村内地主は一四、五%しかいないというような現状になっておるのであります。しかも、その村外地主は実は木を切らない。伐採期になりましても木を切らないために、そこに働く労働者は仕事がなくて困る。ために村内におきましても、労働者の安い賃金がさらに足を引っぱられて、都市へ都市へと流出しておるのが現況ではないか、このように考えられるのであります。したがいまして、いままでのように、木材取引税というような形じゃなくて、むしろ私は、樹齢に達した木を切らないこの大山林地主に対しましては、立木税というものをひとつ考える必要があるのじゃないか、これが、いま日本の建築資材にしましても非常に値上がりしておる現状を打開する道ではないか、このようにも考えられるのであります。大臣も御存じでございましょうが、上那賀町におきましても、製材業者がひいております木というのは外材なんです。そういうようなひどい状況になっておるのでございますから、この際、固定資産税――土地だけにかけております固定資産税というのは非常に安いものでございます。むしろこれは大山林地主に木を切らすためには、税金の面で考える必要があると思うのでございます。大臣、いかがでございましょう。
  108. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 立木税の構想、過疎問題と関連をされましてお述べになりました。一つのアイデアだと思いますが、よく検討をし、研究をしてみたいと思います。
  109. 井上普方

    ○井上分科員 徳島県だけではなくて、奈良県におきましても、吉野町というところがございますが、あそこの製材業者まで実は外材を製材しておるというのが実情なんです。と申しまのは、大きな山林地主が、しかも村外に住んでおる地主が木を切らない、そのために働き場所がなくて村外へ出ていく。これが一つの大きい原因なんです。このことをひとつ御理解になっていただきたいと思います。  特に全国総合開発計画の四国の地図を見ましても、剣山を中心としての総合的な植林を行なうということを政府はきめておるのです。ところが、実際にはあの美林である那賀川地帯あるいは奈良県の吉野地帯、あそこでも木を切ろうとしないのです。全国総合開発計画にも、「剣山周辺および四国西南部における森林を総合的に開発するため、林道網を整備し、大規模な造林を行なう。あわせて、関連産業の開発や生活環境条件の整備を通じて、山村における過疎問題に対処する。」ということを書かれてはおるのでありますが、現在のままの形では、大山林地主、しかも村外地主、これが木を切らないために、総合的な造林計画などもできない実情にある。この点に対して、私は、これをなくするためには、立木税というものはぜひともこの際必要ではないか、それがまた、木をたくさん切らすことによって、国内の木材の価格も安くするゆえんであると思うのです。大臣はいま検討してみようというお話でございますが、いままで木材取引税という税金はありますが、これは流通過程における税でございますので、むしろ材木の値段をつり上げる意味を持っております。しかし、これよりも押し出すといいますか、プッシュをかけるためには、材木の値段一つを考えましても、安くするゆえんでもあるし、大量に出回らすゆえんでもあるし、また、村内における職場を広げるゆえんでもあろうか、このように思いますので、ぜひともこの点はひとつお考え、御研究になっていただきたい、このように考える次第なのであります。  それから、もう一つの問題といたしましては、何と申しますか、大きな山持ちが木を切らないのと、同時に、実を言いますと、法人でございますと法人税の所得配分、町村への配分は従業員の数によって配分されておりますね。ところが、材木に限っては、山で切りまして、町へ出た製材工場のあるところで初めて従業員としてこの法人税の還付が行なわれるわけです。でございますので、町村の財政にもかなり大きい影響を及ぼしているのです。しかも村外地主というような人たちは、ある役場の村長さんなんかに聞いてみますと、消防車をひとつ寄付してくれぬかと申しましても、いや、そんな寄付行為はいやだといってやらないような山持ちもたくさんあるわけなんです。しかも、その地主は、千町歩、二千町歩というような大きな山を持っている。山火事が起こったならば出て行く消防車に対しても寄付をしない。しかも固定資産税は非常に低くやられているので、村としては大きな持ち出しをせざるを得ないというようなことすら申されております。したがって、何と申しますか、こういうことに対して大臣のお考え方、今後の進め方としましてどういう方向に進められるか、過疎問題あるいは町村の法人並みにやはり木を切った場所において町村に税の収入がかかるようにする必要があろうかと思うのでございますが、どうでございますか。
  110. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 ただいまの御議論、法人税の配分の問題、帰属の問題でありますが、いま先生のおっしゃる、木を山の中で切った場合、その切ったところにもというお話でございますが、やはり法人の分割をする場合に、本店、支店というところの従業員数を使わないと、この問題だけでなしに、必ずしもその他の分割基準が明確にならないので、いまお話しのような、活動したそのところところのその場所に応じてそれを分割基準の中に加えていくということは、実際問題として非常に困難だ、こういうふうに思っておりますし、また納めるほうの側からも、これは便宜の問題でございますので、したがって、過疎問題の一環として法人税割りの帰属の分割基準について、御趣旨のようなことをすることはむずかしいのではなかろうか、私はこういう気持ちを持っています。
  111. 井上普方

    ○井上分科員 しかし、局長さん、こういう考え方はできませんか。いま法人に一つ例をとりましょう。年間何立法メートルかの木が動いたとします。そういたしますと、その木が動いたとき、木が材木になったときに、一体伐採に幾ら人件費が要るのだろうというような計算からするならば、大体出てくるのではございませんでしょうか。
  112. 降矢敬義

    ○降矢政府委員 この村外法人の所得の計算において、山を伐採した経費を山の伐採の各市町村ごとに区分けをするとか、それに見合った所得の配分をしていくということは、実際問題として納める側の問題もありますし、経費を一々木を切った市町村ごとに全部配分を考えてみるということは、また、それに応じた所得の配分その他、従業員とは別に――結局言わんとするところは経費配分というようなことだと思うのですが、これを林業だけに限ってそういうことをつかみ出してやるということは、私は課税の実務から見ましても困難だ、こういう感じを申し上げたわけでございます。
  113. 井上普方

    ○井上分科員 技術的にむずかしいというお話のようでございますが、技術的にむずかしいというのは、これは研究をされればもう少しできるんじゃないか、私はこのように考えられてならないのであります。特に過疎地帯の村長さんあたりでございますと、この問題は非常に真剣に考えられておるようでありますので、技術的に困難だからというような考え方だけじゃなくして、過疎地帯の町村の自主財源を多くするためにも、大いにお考え願いたいと思うのであります。まだこういうことはおそらく御研究になったことないだろうと思いますが、しかし山村の方々にしますと、あの会社は山を持っておるだけじゃないか、しかも火事が起こったりあるいは事業がなにするときには、いつも負担というものは村民にかかってくるという非常な不満を持っておるわけであります。したがいまして、そういうような点においてももう少し御理解を願って、ぜひとも、めんどうくさいことではありましょうが、ひとつ配分をやるようにしていただきたい、これを強く要望いたしたいと存ずるのであります。  続きましては、過疎問題につきましては、実は先般も厚生大臣にお聞きしたのでございますが、医者が非常に少なくなっておりますので、自治省としては、過疎地帯の医療問題にどう対処するおつもりか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
  114. 長野士郎

    ○長野政府委員 医師につきましての、特にこれは僻地の関係におきましては、お話しのとおり、医師の確保ということが第一たいへんな問題でございます。その医師の確保の問題につきましては、僻地だけで考えることはなかなかむずかしい。そこで、中央の医療機関等におきましても、僻地に診療していくためのそういう準備なり体制なりをとらなければならない、こういう面が一つございます。それから、巡回診療等につきまして、巡回診療がそういう面でできやすいようにしていくということも一つでございます。さらに、いわゆる不採算地区と申しますか、そういうところの病院の経営等につきましては、これは医師が足りないというところからも出てくるのですが、同時に、その他の原因でも採算がとれないという場合がございますから、そういうものにつきましては一般財源で繰り出す、そういうことを地方団体側ではやむを得ずやっておるわけであります。これにつきましても、私どもとしても、財政計画及び交付税措置で、そういうものの必要な財源措置を逐次充実をさせるように努力はしてまいっておるところでございます。
  115. 井上普方

    ○井上分科員 大臣、あなたも御存じでしょうが、木沢村の例を申しますと、あすこの予算規模が大体一億五千万円なんです。ところが、医療費に――あすこは診療所を置いておりますが、それにかかる経費が大体千六百万円かかっているのですね。村の経費の大体一二、三%が実は医療費にかかっておるというような実態すらあるのです。これは、一般財源において特別に過疎対策においての財源措置を考えてやる必要があるんじゃないか、こう思うのですが、どうでございますか。
  116. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 交付税の配分等につきまして十分考慮すべきものであろう、過疎対策といたしまして、この点は特に配慮をいたしていきたいと考えております。
  117. 井上普方

    ○井上分科員 局長、どれくらいのなにを財政需要額において考えられておりますか。
  118. 長野士郎

    ○長野政府委員 一つは、先ほど申し上げました僻地の関係におきまして、中核となります病院、それは地区によっていろいろ事情が違うと思いますが、そういうところに巡回診療を行ないますために医師を確保したいということで、大体五人くらいの医師は財源的にぜひ確保したい、そこで、財源は十七億程度の措置をできるように交付税にも算入していきたい、こういうように考えております。それから、不採算地区の病院経費の増高の問題もありますが、これには大体十億円くらいの措置を考えてまいりたいというようなことでございます。  それから、一般論になりますが、病院の建設に伴う元利償還等の経費が、起債を起こしましても出てくるわけであります。これらの点につきましても百六十億程度のものを考えていきたいというようなこと、それ以外に僻地の診療は、いまお話がございましたように会計上非常に赤字がございます。そういうことでございますので、現在も個々の町村の実情等を見まして、特別交付税等の措置をとっておりまして、不採算地区の病院につきましては、一般的な病院に対する以上に大きく割り増しをやって算定をしてその対策に当たりたいというようなことをやっておるところでございます。  医師の確保全体の問題になりますと、これはどうも財源対策ということだけでは片づかないいろいろな一般的な条件がいろいろございますから、これはどうも全体としてやはり医師確保のための措置といいますか、制度的な整備を私どももぜひはかっていただきたい、こう考えております。
  119. 井上普方

    ○井上分科員 私も、実は過疎地帯に入りまして一番困っておるのは何だと言いますと、どの村長さんも、全部医療対策をおっしゃっております。しかも山間における医療の実態を見てみますと、一般財源から一二、三%も持ち出しをやっておるというような実態を聞きまして暗然とせざるを得ないのです。しかもそれは局長さん、病院じゃないのですよ。診療所ですよ。医師一人で千四、五百万円もかけておるというような実態を見まして、実は医者のモラルも一つは問題がありましょう。これは重々存じておりますけれども、そのほかにももう少し村当局に対する特別交付税なり、あるいはまた過疎地帯に対する財源を与えてやる必要があるのではないか、このように考えられてならないのです。したがいまして、いま数字を言われましたけれども、特に過疎地帯における医療対策という面において格段の御配慮をお願いいたしたい、このように考える次第であります。  続いて、一般にいわれておりますが、過疎地帯はなぜ起こるのか、あるいは自治省で考えられておる広域市町村対策といいますか、こういうのが一応構想としてあがっておるようでありますけれども、実際、広域市町村ではたして成果があがるだろうか、大きな疑問を持たざるを得ないのです。と申しますのは、自治省でお考えになっておられる広域市町村というのは、全国に網をかぶせておる。しかし、御承知のように、昨年の六月から新都市計画法ができた。新都市計画法ができて、都市計画の網がかかる部分は、都市計画法と広域市町村の構想が両方重なり合うのですね。これをどういうように調和させていくのか。むしろ私は、自治省としては、都市計画区域は全部それにまかしておいて、広域市町村というものは都市計画にかからない地帯ばかりに網をかければ、むしろ稠密な計画ができるのではないかと考えられてならないのですが、都市計画と広域市町村計画とのからみ合い、これはどういうふうにお考えになっておられるのか、ひとつお伺いいたしたいのです。
  120. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 都市計画と広域市町村計画の関係でございますが、広域市町村計画は、関係市町村を一体といたしました整備計画でございます。都市計画は、そのうちの一部の都市地域の計画でございます。したがいまして、広域市町村計画では、都市計画のほうはいろいろ都市地域につきましてきわめて細部につきまして定めるわけでありますが、そんな細部にまでは至らない計画であろうと思います。  それでは、この辺がどういうふうに調整をされるか、こういうことでございます。都市計画は、これも御承知のように、地方自治法で各市町村が市町村の開発整備についての基本構想を定めることになっておりますが、この基本構想に従って都市計画を定める、法律制度ではそういうことになっております。  それから、広域市町村計画も、関係市町村を一帯にした計画でございますが、各市町村の基本構想に即しながら、それと調整をとりながら定められる計画でございます。  それから、事実問題といたしましても、手続的な問題でございますが、都市計画のうちで、井上委員御承知のように、知事が定めますものと市町村が定めますものとございます。知事が定めます都市計画につきましては、広域市町村圏の計画自身市町村が定めます場合、知事と協議をいたしまして、そこで十分調整をとるように指導をいたしておるわけでございます。  それで、結論的に申しますと、ただいま井上委員御指摘のように、広域市町村圏の計画は、都市計画区域を除いたものにしたらどうか、そういうお説でございますけれども、やはり圏域全般の振興整備の計画でございますので、除くというわけにはまいらないと思いますが、両者、十分調査のとれたものにして、しかも都市計画は、都市地域についての非常に細部にわたる計画である、こういうふうに私どもは理解をいたしておるわけであります。
  121. 井上普方

    ○井上分科員 どうも、お話承りましても、ぴんとこないんですね。それじゃ、都市計画は非常に緻密なものだけれども、、広域市町村ではそう緻密なものではない、こうとらざるをえないんです。  市街化区域と市街化調整区域とあれでは分けることになっております。しかし、私は、市街化区域についてはあまり問題はないけれども、市街地調整区域と広域市町村圏とのからみ合いというものが出てくるんじゃなかろうか。村が認定するんでございましょうが、しかし、このからみ合いを一体どうしていくのか。しかも、都市サイドからものを見る場合と、あるいは農村側からものを見る場合と、市街化調整区域については大きい問題を非常にはらんでおると思います。しかも、その上に持ってまいりまして、この広域市町村計画なるものが出てくる。その町村はどれをとればいいのかわからなくなってしまう。縦割り行政の弊害がここにはなはだしく出てくるんじゃなかろうか、このように考えられてならないんです。したがって、せいぜい、この広域市町村構想もけっこうでございますが、都市計画区域設定以外の土地に重点を自治省としては置く必要があるのじゃなかろうか、このように考えるのです。それがまた、過疎対策の一つの大きいポイントにもなると期待するのでございますが、どうでございましょう。
  122. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 お示しのように、都市地域につきましては、まさに都市計画のものが非常に細部にわたる計画でございます。広域市町村圏は都市地域を除くというわけにはまいりませんで、御承知のように、都市地域におきます道路の整備なりあるいは土地利用の形態というものは、広域市町村圏全般の計画にやはり関係をしてまいりますので、そこを除くわけにはまいりませんけれども、それ以外の過疎地域という御表現があったわけでございます。これは広域市町村計画が、市街化区域なり市街化調整区域のあり方と十分調整をとりながらやる領域、こういうふうに私どもは考えております。
  123. 井上普方

    ○井上分科員 この都市計画との関連において、縦割り行政の弊害と申しますか、これをひとつなくするようにさらに御努力願いたいと思うのです。末端市町村へ参りますと、どっちをとったらいいか、どうしたらいいんだというようなことを私ら自身聞かされますので、ひとつそういうようなことのないようにお願いいたしたいと思うのであります。  続きましては、土地開発基金が九百七十億円ぐらい大体出るようでありますが、この土地開発基金というのはどういう目的を持ってつくられるものですか、ひとつ伺いたいのです。
  124. 長野士郎

    ○長野政府委員 土地開発基金につきましては、最近の状況におきましては、公共用地の確保ということが非常に困難になってきております。そういう実情でございますので、本年度から土地開発基金を設置して、そうしてそういう対策をとりたいという要求も非常に強いわけでございますので、この基金の設置に必要な財源の確保という意味で、普通交付税において、土地開発基金に要する経費を算定して算入いたしておる、こういうことでございます。
  125. 井上普方

    ○井上分科員 私は、土地開発基金というのは、地価の安定のためにつくったものだと考えておったのです。衆議院あるいは参議院において、土地開発基金を設定しろという附帯決議を一昨年つけましたが、これは全く地価安定のための土地開発基金制度であったわけなんです。それは、一つの構想としては、中央に土地開発基金というのをつくって、縦割り行政の弊害に伴う、あるいは建設省、運輸省、農林省、あるいはまた公団関係の土地の取得が、各個ばらばらに土地を買いますので、地価が値上がりしているのを、中央において一本化していく。同様に、地方においても、公用地を増大させる目的で、国会においては議決になったわけなんです。ところが、公共用地の確保のためだけにこの土地開発基金を使われるということは、最初の発想とは非常に異なってきております。この点いかがですか。
  126. 長野士郎

    ○長野政府委員 おっしゃいます地価の安定のために、国としての土地政策と申しますか、そういうことでやっていくという考え方は、これは確かにあると思いますが、地方交付税なり、地方の関係におきますただいま申し上げております土地開発基金というのは、これはそういう大きな全体の目的の中では非常に小さい存在かもしれませんけれども、やはり公共用地の取得というものが現在のような状況でございますと、非常に取得が困難になっておりまして、公共事業の推進、公共施設の整備ということに対する非常な制約になっておるような状況でございます。そこで、やはりこのためには、事業が確定してから土地の手当てをするというのじゃなくて、むしろ先行取得ということで進めていくことがどうしても必要になってくるということでございます。もちろん、それは、地方団体自体から考えましても、また、公共施設の整備ということから考えましても、土地の入手の困難なものを、早めに手当てすることによりまして円滑に事業の実施をはかる。そのことの一つの中には、地価の安定というか、公共団体の側から見ますというと、そういうことで進めていくという副次的な効果はあると思いますけれども、直接の目的は、公共用地の確保のためにいたしておる、こういうことでございます。
  127. 井上普方

    ○井上分科員 私は、地価安定については、これは数々の提言がなされております。その一つには、やはり公共用地の確保もありましょうが、さらに、国民生活にとりましては、やはり住宅用地の確保ということが非常に重要な問題なんです。したがいまして、地価の安定のためにもう少し自治省といたしましても、あるいは政府全体として取り組まなければならないと思うのです。  イギリスの例を申し上げますと、これは御存じでしょうが、一九四八年に三億ポンドの土地基金を設立して地価の安定をはかり、労働党あるいは保守党の政権交代も、地価が四年間に二〇%上がったというので実は保守党から労働党に政権が移ったともいわれております。  こういうようなことを考えますと、どういたしましても日本の土地の高騰の異常さというものには真剣に取り組まなければならない。しかも、それにはやはり先行取得というのじゃなくて、公用地というものを拡大さす必要がある。このために土地開発基金というものを活用しなければならないのじゃないか、このように考えるわけなんです。現在、あなたのおっしゃる土地開発基金というものはどういうような方向に使われるかといいますと、あるいは公共用地の道路とか、あるいはまた河川の先行取得に使われることは非常に少なうございまして、むしろ工業用地の先行取得に使われるケースが非常に多いのです。こういうようなことを考えますと、むしろ私は、この土地開発基金の性格を工業用地の先行取得じゃなくて、道路であるとか、あるいはまた河川であるとか、こういうような用地を取得するのを目的として、同時に、公用地をさらにさらに拡大さすような方向に持っていくべきだと思うのですが、大臣のお考え方はいかがでございますか。
  128. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 道路あるいはその他公共用地のために、主として――またそれを獲得するための代替地を取得をしておくために、こういうものが主体となりまして公共用地等の取得には先行要素を十分取り入れまして土地開発基金というものを設けておる。副次的効果として地価安定の効果がある。同時に、その点は十分政策的に考慮しなければならない、こういうふうに考えております。
  129. 井上普方

    ○井上分科員 いろいろとまだまだ申し上げたいこと、あるいはお聞きしたいことがあるのでありますが、時間がまいりましたのでこの程度におきます。  どうか自治省といたしましても、特に現在国民が困っておるこの地価の高騰に対処するために、さらに一そうの御研究なり対策をとられんことをお願いいたす次第でございます。
  130. 田中龍夫

    ○田中主査 以上によりまして井上君の質問は終わりました。  次は、西中清君に質問を許します。
  131. 西中清

    ○西中分科員 私は、自治大臣及び選挙部長に質問をいたしたいと思います。  ここに時事通信社が発表しました昭和三十八年度及び四十年度の学力調査の資料がございます。これによりますと、文教県として一般に認識されております京都府の学力が全国平均から見て低位に置かれていることがわかります。すなわち、中学三年生における総合学力を見ますと、昭和三十八年、四十年、両年ともに全国四十六都道府県の中で二十八位、六大都市を含む府県でまいりますと、その中で最下位、また進学状況を見ますと、四十三年度の公立高校卒業者の大学進学率は全国平均二一二・八%、京都府は一九・八%、その中で国立大学への進学率は一二・五%、これまた全国平均の一九・二%より低い。いずれも文教県としてのイメージを裏切る結果があらわれております。  一方、教育条件は一体どうなのかといいますと、たとえば木造校舎のうち老朽、危険建物の割合は、小学校では全国平均二三%、京都府は三八%、中学校では全国平均一二%に対して京都府は二三%、高校は全国平均一六%に対し京都府は一九%と全国平均より非常に高いわけであります。すなわち条件が悪いということがいえると思います。  そこで、教育費は一体どうなっておるのか、このように見てまいりますと、総歳出に対して全国平均が二八・八%、ところが京都府は三五%と非常に多い。数字も全国第一位になっております。また、その中で人件費も全国第一位になっております。学力という問題は、教育の上ではすべてでないかもしれませんけれども、このように学力が低くて教育費が全国でも最も高い。そうした矛盾を尋ねてまいりますと、教育行政をあずかる教育長、責任者である教育委員会、そしてその委員を選んだ知事の姿勢というものが問題であるのではないかと考えるのであります。このような背景に立ちまして、いわゆる教職員組合の活発な政治選挙運動について選挙部長にお尋ねしたいと思います。  まず、十二日の予算委員会第一分科会で小川委員から京都市立花園小学校の教師や児童に蜷川当選頼むと書いた通達を発せられた事件について質問をいたしました。これに関連してお尋ねいたしたいと思います。  京都教職員組合が、たぶん二月と思われますが、出した通達がここにございます。その一つは「京発一〇九」このように銘打ってありますが、「知事選挙の必勝をめざしてたたかいのすすめ方」というものでございます。これは「京都府知事選挙闘争は、もうはじまっています。」とか「ニナ川氏を必ず当選させるために、京教組は、全組合員が、つぎのような行動に一日も早くとりくまれるよう指示します。」とあります。その指示事項の中には、「教え子の名簿を整理し、知事選の話し合いを積極的に行ない、」とあり、また「特定の知人、教え子の自宅を訪問することは「個々訪問」といって、公選法の「戸別訪問」 (不特定多数の家を無差別に訪問すること)と、厳格に区別され充分できます。」こうあります。さらにまた「あなたの票よみ目標を決定し、計画的に一日も早く票よみにとりくみましょう。」「1によみ、2にひろげ、3に固めて、また伸ばそう。」こうあります。さらにまた「選挙活動を妨害したり、中傷したりする校長や地域反動には、断固として全組合員の力で反撃しましょう。」また「学年末と新学期が最激戦期ですので、学校内での仕事を早く整理し、計画をたてて、知事選を大いにたたかえるように準備してください。」このような文章が印刷されております。この事項が選挙活動の指示に当たるのではないかと考えるわけであります。  また通達「京発一一〇」では、これもほぼ同じ時期に出たと思われますが、「京教組および支部からの各種資料を活用しながら、つぎのような行動にとりくんでください。」こうあります。その一、二を申し上げますと、「票よみ目標は、府下で平均教職員一人当り二十票位です。」三月四日京教組定期大会までに、目標の半分以上を達成し、公示までに、目標をよみきります。」また「教え子の名簿」、「退職教職員の名簿」地域の名簿を整備して、票よみにそなえます。」その他、「“柴田暴言”に対する抗議を集中し、校長会としても抗議声明をだすよう申し入れます。」  以上のことがこのパンフレットにあるわけでございます。非常に前置きが長いわけでございますが、これらの京都教職員組合から組合員に出された指示は、明らかに知事選の事前運動の指示である、具体的な行動を教唆するものであると私は考えざるを得ないのておりますが、選挙部長の御見解をお伺いしたいと思います。
  132. 皆川迪夫

    ○皆川説明員 個々の行為が選挙の犯罪条件に該当するかどうかという判断になりますと、これは事実認定を伴いますので、抽象的にお答えもむずかしいかと思いますが、ただいまお話がありました中で、たとえば校外の教科として生徒の家庭を訪問する、その際に投票の依頼をするということは個別訪問に該当しない、こういうようなことが書いてあったようでございますけれども、これは個別訪問に該当する場合が十分あると思います。それは昨年の東京高裁の判決にも同じような事件を有罪にしたものがございますので、そういう点は誤解のないようにしていただきたい。  それから、そのほか文書活動等について、直ちにそれが違法行為を構成するかどうかということについては、ここで判断をいたしかねますけれども、そういうおそれも多分にあるんじゃないかというふうに感じます。
  133. 西中清

    ○西中分科員 過日、小川議員の質問いたしました花園小学校の事件につきましては、当該事件関係教職員の行為が公職選挙法第百二十九条、第百三十六条の二第二項第四号、第百三十七条、第百四十六条第一項に違反し、かつ地方公務員法第三十五条にも違反するものと解され、二人の教員が三月六日に告発された。その成り行きが注目されているわけでございますが、さきに申し述べました教職員組合の通達が教職員の具体的行動となった場合、通達の内容が選挙活動と特定の候補の必勝を目的とした票の獲得準備を教職員の組織活動として行なう限り、公選法第百三十七条の「教育者の地位利用の選挙運動の禁止」事項に抵触するのではないかと考えますけれども、この点、選挙部長はどうお考えでございましょう。
  134. 皆川迪夫

    ○皆川説明員 この点につきましても、同じように抽象的には判断しかねると思いますが、教育者の地位利用に該当すると総体的に判断される場合もあろうかと思います。
  135. 西中清

    ○西中分科員 次に、自治大臣に御質問をいたします。  京都府は、全国的に見まして、人件費の歳出合計に対する比率が非常に高いことで有名でございます。これを昭和四十二年度決算で見ました場合、歳出合計六百三十億二千七百八十五万二千円に対し、人件費は三百二十八億七千六百六十四万三千円で、五二・一六%を占め、歳出合計が京都府と非常に近い山口県とか愛媛県の当該人件費の比率は、山口県の場合は三九・八五%、愛媛県は三八・八一%と大きな差があるわけでございます。  この人件費につきましては――当然給与は高いほうがけっこうでございます、私も大いに上げていただきたいと思っておりますが、なぜこれだけ大きな差が京都府についておるのか、やはりこれは一つのふしぎな点でございます。  ここで私が一つ申し上げたいのは、京都府の職員には通称やみ専という専従員以外の活動員が大ぜいいる、このようにいわれております。まあ何人いるか、やみ専従ですからつかむことは不可能でございますが、いま私の手元に手紙がまいっております。御承知のように非常に複雑でございますので、残念ながら名前はあかすことはできませんけれども、この中にありますある職員は、この二月中に出勤した日にちが二十五日、出勤しても一日じゅうどこへ行っているのかわからない。とにかく、本務についた日は一日もありません。同じ部の職員でございますが、二月中一日として全時間本務についたことはない。電話をしても、出張で不在だといつも言うようになっております。ところで、彼は出先事務所に一これは所属外の事務所でございますが、よくおりまして、おそらく兼務の辞令でも出たのではないかと広報等を調べましたが、そうした発令の出た事実はございません。  さらにまた、例を申しますと、同じ部の所属の者でございます。二月中に二十日程度外に出て部屋にはいない。その他類似のケースが、ここへまいっておりますのは八人ございますが、中には赤旗を配るのが専門だ、こういうようなうわさをされている職員もあるようでございます。全く勤務らしい勤務をしない。それどころか、上司も非常に気を配っているようで、いま都合がよいかと、そのやみ専に伺ってから話をするというような状態でございます。  なお、人数はさだかではございませんが、この手紙にありますのは、企画管理部では八課のうち一課を除いた他の全部にこのやみ専がいるそうであります。総務部は五課及び九府税事務所全部にいるそうであります。民労部は九課一室のうち、福祉労働室を除いた全部にいるそうであります。以下、衛生、農林、土木建築、商工部、ほとんど同じようなケースになっております。それぞれ類似した職員がその中にいるわけです。これがやみ専の実態について私の手元に手紙がまいった要旨でございます。これはあくまで手紙でございますが、私どももうわさはたくさん聞いております。  このような状態で私が憂えることは、ほんとうに心ある職員や、また税金を納める府民というものが、何とたいへんな場所であろうか、また作業能率の低下、またお役所の仕事に対する府民の批判、そういうものを心配するわけでございます。ここに、組合の専従でない、これはある個人の毎日の日程がございます。これも全部時間中に行動したことが明白に示されているわけでございます。地方の府庁において、また役所において、いま申し上げましたような専従でない一般の職員が、勤務時間に公然と、組合活動という名目か、政治活動という名目か、選挙運動という名目か、いずれにしてもそういう実態があって、管理職員も放任している、このように聞くわけでございます。これは地方公務員法上はたして許されることなのかどうか、自治大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
  136. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 先ほど西中先生おっしゃいました地方公務員法三十五条には「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」という規定があります。ただいまおあげになりましたような事実があるといたしますならば、それはこの規定の違反である。また、これらの職員を監督すべき上級の職員においては、そういうものを放置しておるとすれば、それは当然職務上の義務を十分履行してないわけでございまして、これまた義務違反である、職務違反であると申さなければならぬと思います。ただ、おあげになりました、個人名はあげませんが、京都府庁においてそういう事実があるかどうかということの事実認定は別問題として、かりにそういうことがあるといたしますならば、それは三十五条の違反であり、地方公務員法全体の精神に反するものであるといわざるを得ないと思います。
  137. 西中清

    ○西中分科員 ただいま御回答をいただきましたが、この、私があげました事実については急に始まったわけではございませんので、おそらく自治省のほうとしても何回かこういう類似のお話をお聞きになっておるのではないかと思いますが、その点どうでございましょうか。
  138. 山本明

    ○山本説明員 そのような事実は当省ではまだ聞いておりません。
  139. 西中清

    ○西中分科員 いずれにしましても、先ほど申しましたように京都府の財政のあり方、それからまた公務員につきましては、これは特異な状態であるということはしばしば指摘をされております。そういう点で自治省としてはどのような監督をなさっておるのか、重ねてお伺いしたいと思います。
  140. 山本明

    ○山本説明員 お答えいたします。  先ほども申しましたように、まだその事実をつかんでおりませんので、調査をいたしまして、もしそういう事実がございますれば、地方公務員法に違反のないように指導してまいりたい、このように考えるわけでございます。
  141. 西中清

    ○西中分科員 いま御回答をいただいておりますが、このほかにいろいろと、庁内におきましては、選挙用のビラ等が置かれておったり、また張られておったり、また教師が子供を使ってビラを配布する等の事例が現在出ておるわけでございますので、なお一そう、選挙の公平を期する上においても十分なる行政指導、監督を行なっていただきたい、このように念願いたしております。  以上で私の質問は終わります。
  142. 田中龍夫

    ○田中主査 西中君の質問はこれで終わりまして、次は青柳盛雄君に質問を許します。青柳君。
  143. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 私は公務員の給与に関してお尋ねをいたしたいと思いますが、最初に、佐藤内閣はここ両三年来、いわゆる総合予算主義というものを予算編成の基本原則のようにしておられる。そして四十五年度の予算についてもこれを貫いているようでございますが、この総合予算主義というのは簡単にいってどういうことであるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  144. 後藤正

    ○後藤説明員 お答えいたします。  非常に問題が大きい問題でございまして、主計官の私がお答えするのはどうかと思いますが、考えておりますのは、できるだけ歳入歳出について、あらゆる年度間の予定のものを歳入については見積もるし、歳出につきましてはいろんな施策のバランスを考えながら盛り込んでいくということを原則にする主義だと思います。
  145. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 普通予測できないような事態が起こらない限りは補正予算を組むなどということをしなくて、そして当初の予算をそのまま貫いていくというようなものではないかというふうに考えるのでありますが、その予測できない事態というようなものをどういうものとして考えておられるのか、それもお尋ねしたいと思います。
  146. 後藤正

    ○後藤説明員 当初予算の見積もり以降に起きました災害であるとか、あるいは年度途中におきます特別ないわば施策というふうなものと考えております。
  147. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 まあ天災地変のようなものはちょっと予測できないということは考えられるのでありますけれども、たとえば総合農政をやっていく、食糧管理特別会計の検討をやっていく、あるいは公務員の給与のベースアップというようなことは、ある程度予測できるものでないかと思うのでございますけれども、そういう事態が起こったときに備えるようなことがいわゆる総合予算主義でも貫かれているのかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。
  148. 後藤正

    ○後藤説明員 いまお話のございました公務員給与の問題等につきましては、御案内のように五%という人事院勧告の一応の最低の基準でございますが、そういう程度につきましては給与改善費として組んでございます。ただ、人事院勧告がどの程度になるかというとはなかなか予測が非常にむずかしゅうございまして、いわば民間の春闘のアップ率等も関係いたしまして非常にむずかしい問題でございますが、できるだけその他のものにつきましても予備費の充実等をはかりまして、補正を組まないで対処できるようにという体制はとっておると思います。  なお、食管等につきましても、これはやはり米の買い上げ数量、これもなかなか災害とかいろいろむずかしい問題でございまして、できるだけ的確な数量を見込みながら当初から盛り込んでいくという努力を積み上げておるというふうに私は解しております。
  149. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 しかし現実には、四十三年度あるいは四十四年度においても、そういういま申し上げた不慮の災害といったようなものでない、たとえばベースアップの問題もそうでございますけれども、それが当初予算ではまかなえないということで補正予算を組んでおられるわけであります。したがって、いまのお話のように、予測できないものだけを補正予算でやる、大体予測できる程度は当初予算に組んでおるのだ、こういうお話ですけれども、現実がそうなっていないのはどういうわけでございましょうか。
  150. 後藤正

    ○後藤説明員 それは、いま公務員給与の問題でございますが、これあたりにつきましても、ほんとうに人事院勧告というのは勧告が出る寸前まで大蔵あたりにも感知できませんし、それから、なるほど当初の見込み計上をこえまして、ことしの場合一〇・二でございますか、そういうふうないわば間差につきましては、庁費の節約とかいうふうなことをやりまして、できるだけ当初予算のワク内でまかなうということで、今度の補正予算につきましても給与改定財源等は組まれておるわけでございます。ただ補正の場合に、食管の買い入れ数量とかあるいは古々米の処理とか、医療費の改定とかあるいは交付税の問題とか、こういうふうなものにつきましては当初に見込めなかったものとして補正で措置しようというふうな事情でございます。
  151. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 ベースアップの問題にしぼってお尋ねするわけでありますけれども、ここ十年来、いわゆる春闘というのが労働組合によって行なわれておりまして、最近の趨勢では五%などという低いものではなくて、毎年十数%、五千円、六千円などという要求は低いほうでございまして、一万円以上のベースアップを求めている。本年もそのとおりでございますけれども、こういうふうに民間の労働者の要求が高く、かつそれがある程度の妥結に到達しているという状況は国としても十分知っておられるわけでございますから、もし総合予算主義というものを貫くならば、当初に先ほどお話しの五%程度だけ見ておくというようなことでは――いつでも人事院勧告が五%程度出るということではなくて、今度のように一〇%を上回るということは予想できるわけであります。そういう予想を無視して当初予算で五%程度でとめておくということの意味、その目的はどこにあるのでございましょうか。
  152. 後藤正

    ○後藤説明員 給与改善費として、いわば給与費の系統で幾ら組むかということ、それからさらに予測を上回った場合に予備費で措置するという二つの問題があろうかと思うわけでございますが、やはり給与そのものの改善ということになりますと、国家公務員の給与水準なりアップというものが民間に与える影響とかいろいろな問題がございます。それと同時に、やはり国の予算の性格と申しますか、いわば給与費としてはっきりこの程度ということを組み込む場合の限度というふうなものもあわせ考えながら、給与費そのものの改善としては一応五%というものが組み込まれておるものというふうに解しております。
  153. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 財界などでは、公務員の給与が上がると民間のほうにも悪い影響を及ぼすといいますか刺激をして、ペースアップの要求が過大になってくる、だから公務員の給与はなるべく国のほうで押えておいてもらいたい、そういう強い要求があるようでありますけれども、やはりそういう点を配慮して、あえて五%にとめておくということでございますか。
  154. 後藤正

    ○後藤説明員 公務員の給与につきましては、御案内のように人事院勧告が基礎になっております。人事院勧告につきましては最大限の尊重をするというのが政府のここ数年とってきた態度でございますし、昨年も当初から給与改善としては五%、七月、四十五年度の場合には一応給与改善そのものといたしましては五%、五月完全実施という形で予算を組んでおりまして、特に経団連とか民間の団体の意向を反映したものとは考えておりません。
  155. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 人事院勧告を尊重して五月実施を目ざすということでありながら、四十四年度におきましては五月実施は行なわないで六月から実施する。しかも期末手当ですか、六月支給されるものは除外するというようなやり方を閣議で決定されたのでありまして、これは人事院勧告を必ず尊重し、実施するということとは違うように思うのでございますけれども、いかがですか。
  156. 後藤正

    ○後藤説明員 勧告の取り扱いそのものにつきまして、基本的に最大限の尊重をする姿勢は変わらないと思いますが、財源的にいろいろな施策にどの程度割り振りをするかということは、これはやはり非常に広い高い見地から、大所高所に立ってバランスをとりながら判断をされた問題というふうに私は感じております。
  157. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 この人事院の勧告という制度は、戦後日本が連合国の占領管理下にあった当時、特徴的には昭和二十三年政令二百一号、それに引き続く国家公務員法あるいは地方公務員法あるいは公共企業体等労働関係法、そういうようなものでいわゆるストライキ権を奪って――当然労働者として団体交渉権を持たなければならない、憲法二十八条にそれを保障しておるのでありますけれども、それを奪ったかわりに人事院制度によって、また地方自治体の場合には人事委員会の制度ですけれども、それで勧告をさせる、きわめて欺瞞的なやり方だと思うのでありますけれども、そういう制度を設けておきながら、そしてまた人事院の勧告というものも労働者から見れば非常に不十分なものであって、要求を満足させるに足るものではないのでございますけれども、それすらなおかつ守らないというようなことがいままで行なわれてきたということについてはどう考えておられるのでございますか。
  158. 後藤正

    ○後藤説明員 できるだけ尊重しながら完全実施に努力をいたしたいという政府の気持ちは変わらないと思いますが、いままでそれが完全にできなかったことはまことに残念で遺憾に思っております。
  159. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 来年度、四十五年度予算においても従来どおり五%程度の見込みを予算の上にあらわしているわけですか。その点もお尋ねいたしたいと思います。
  160. 後藤正

    ○後藤説明員 給与改善費として給与費の中に改善分を織り込んでおりますのは、五%、五月実施という形で織り込んでおります。
  161. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 それは四十四年度の予算との対比だと思いますけれども、補正予算を今度組まれたわけでありますが、それとの対比からいったら何%くらいの増になるわけでしょうか。
  162. 後藤正

    ○後藤説明員 四十四年度の給与改定の平年度化は十分四十五年度に織り込んでおりまして、そのほかにそういう平年度化の上に立ちましてさらに五%というふうな形で給与改善費に織り込んでおるように承知しております。
  163. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 そうすると、大体平均してどのくらいの額が四十五年度のベースアップになるか、その試算はおやりになったことございますか。
  164. 後藤正

    ○後藤説明員 全部金額的にはじいておりますが、ちょっと私担当でございませんで、いま手元に金額を持っておりませんので、後ほど先生のお手元に差し上げたいと思います。
  165. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 この地方公務員の給与の改善について、自治省としてはどのような方針を持っていらっしゃるか。いま国家公務員に関するお話がありましたが、これと同じような立場をとっておられるのかどうか。地方財政計画などもおつくりになっているわけでありますから、それをお尋ねしたいと思います。
  166. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方財政計画の上でも、いま国家公務員について主計官から御説明がありましたと同じような考え方におきまして措置をいたしております。
  167. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 今度発表されました地方財政計画を拝見しますと、給与費の伸び率は、四十五年度は前年度比で一四・八%になっておりますし、四十四年度が四十三年度との対比では一五・二%増になっておりますが、こういうふうに減らしたのはどういう理由に基づくわけですか。
  168. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方財政計画の上におきましては、給与関係費の見込み方と申しますのは国家公務員に準ずる措置ということでございまして、国家公務員に準じた給与の関係経費というものを財政計画の策定上は用いておるわけでございます。したがいまして、ベースアップ等につきましても国のやり方に準じてやっておるわけでございまして、その結果、歳入歳出の構成におきまして、給与関係経費の割合が四十四年度と四十五年度では多少下がっておりますけれども、それは他の行政項目におけるところの経費の増減等が影響しておることでございまして、四十四年度の給与関係経費について、ベースアップ等含めて考えましたものと同じでございまして、内容的には変わらないのでございます。四十四年度におきまして、もうすでに来年度考えておりますような意味での給与関係の経費というもので、ベースアップ等のある程度の経費を組み込んだわけでございます。そういう意味で、四十四年度と四十三年度では、財政計画上の割合も相当上がってきたわけでございます。四十四年度で初めてそういう措置をしたからでございますが、四十四年度と四十五年度は同じやり方をやっておりますから、他の関係経費の増加というものによって構成比は多少下がっておりますが、内容的にはいま申し上げたとおりの国に準じた措置はいたしております。
  169. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 お話でございますけれども、歳出の構成比という欄を見ますと、給与費は四十三年度の三四%から四十四年度は三三%、一%下がり、さらに四十五年度は三二%、一%下がっている。地方投資的経費のほうは四十三年度は三六%、四十四年度は三七%、四十五年度は三八・五%というふうに上昇しているわけですね。これを見ますと、地方公務員の給与を上げるという方向ではなくて、むしろ給与を押える、そして投資的経費のほうに重点を置くというように考えられるのでありますけれども、この点はいかがですか。
  170. 長野士郎

    ○長野政府委員 この歳入歳出の構成比の関係におきましては、お示しのとおり給与関係経費が全体に占める割合が来年度において下がっております。それは先ほども申し上げましたとおり、他のいろいろな需要との相対的な関係でございまして、この構成比が多少下がったということが直ちに給与費を押えるとか職員数を十分見込まないとかいうわけではございません。四十五年度におきましても、四十三年度の給与の実態調査結果等に基づきまして、定員の関係におきましても規模是正を行ないまして、相当定数もふやした算定をいたしました上で検討をした結果、また来年度は五月実施ということが国の方針としてきまっておりますので、ベースアップにつきましてもその方針に従いまして積算をいたしました結果がこのようになっておるわけでございます。  構成比の下がったり上がったりというのは、そ、ういう意味で他の経費との関係でございます。今回の場合には確かに投資的経費は非常に伸びておりますが、これは国庫補助金その他の増加というものも影響しておりますし、公共事業の関係におけるところの伸びというもの、また地方の単独事業の増加の必要も非常に出ておりますので、その点での需要を見込みまして計算をした結果でございます。  他に構成比で下がっておりますものは、たとえば維持補修費でありますとか一般行政関係経費も下がっておりますけれども、それだからそれを非常に少なく見たというわけではございません。特に給与につきましては来年度の平年度化いたしました上でベースアップ五月実施ということで見ておりますから、その点は特にそれを制約しようとか切り下げようとかいうようなことでこういうような構成比が変わってきたということではございません。
  171. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 昨年十二月の臨時国会でほとんど論議せずに通過をいたしました昭和四十四年度分の地方交付税の特例等に関する法律、これによりまして単位費用を、当初予算を通すときにきめた額よりもおおむね値上げをしておるわけであります。これは地方公務員のベースアップを実施するために、いわばちょうど国の補正予算に類する、地方自治体のベースアップをカバーする意味でこれをやられたと思うのでありますが、こういうことがやはり地方自治体の公務員についても自治省としてはやらなければならない状況になってまいったわけでございまして、当初の予算で国に準じてというようなことを先ほどおっしゃいましたけれども、こういうやり方をやらざるを得ないということは、これからも当然考えられるわけでしょうか。
  172. 長野士郎

    ○長野政府委員 給与改定が人事院の勧告を中心にいたしまして国家公務員、地方公務員について行なわれてくるわけでございますが、来年度におきまして勧告がどういう内容に相なりますか、いまから予測ができないわけでございますので、政府としてきまっております方針は、五月実施ということはきまっておりますから、そこで最低限度の改定に要する経費としての財源分を一般的に給与関係経費に見ておるというようなことは、国と同じ措置をいたしておるわけであります。そこで給与改定の内容があるいは高い率になってまいりまして、財源対策としての措置が不足をいたすというようなことがかりに生じました場合には、これは既定経費の節約その他もまた考えてまいらなければならないという点もございますが、場合によりますと、本年度措置をいたしましたような意味で、この財源不足額に対して必要な措置を講じなければならないということも出てくるかもしれないということは、ことしもそういう例が起きておりますから、来年は絶対にそういう例はないということも、これは申し上げるわけにはまいらないわけでございます。一にかかって勧告の内容によるということを申し上げるよりいまの段階ではいたし方ないかと思います。そういう事態になりました場合には、そういう意味での必要な措置を、適切な措置をまた講じてまいりたい、このように思っております。
  173. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 先ほどから承っておりますと、総合予算主義というものが――公務員、これは国家も地方も含めてですけれども、公務員の給与のベースを上げるということは予測ができるわけであるけれども、具体的には勧告がどう出てくるかでわからないから、その場合には措置するということで、何か総合予算主義というものがこの点ではもう全然貫かれていないようにも見えるわけであります。したがって、総合予算主義というのはもう公務員の給与については関係がないというように理解してよろしいんでしょうか。
  174. 後藤正

    ○後藤説明員 やはり総合予算主義というものの考え方は、大蔵省としてはあくまでも持ち続けてまいりたい。給与につきましても、当初織り込んである給与改善費そのほか、それが五%をこえるような場合につきましても、できるだけいわば既定経費の節約であるとか、あるいは予備費の幅を大きくしておりますので、そういうもので対処していくという姿勢は変わらない、このように考えております。
  175. 青柳盛雄

    ○青柳分科員 時間がまいりましたから、これで終わります。
  176. 田中龍夫

    ○田中主査 以上をもちまして、青柳君の質問を終わります。  次は鈴切康雄君、質問を許します。     〔主査退席、古内主査代理着席〕
  177. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 きょう私は、消防行政について少しお尋ねいたします。  まず、火災を起こして消すよりも、起こさないということに力を入れていくということは当然であります。その消防行政に力を入れるにしても、今日過密化あるいは都市化する現在の社会情勢に対して、何もかも不足づくめで、近代化消防としてのおくれが目立っている現状でありますが、政府として、消防の広域化対策、あるいは消防力の増強、消防の常備化、施設の機械化、消防団の再編成等、差し迫った問題があろうかと思うのでありますが、近代化消防に対して具体的にどのような御見解をお持ちであるか、お伺いいたします。
  178. 松島五郎

    ○松島政府委員 消防の近代化をはかっていきます、あるいは充実をはかっていきます、第一の方途は、ただいまお述べになりました常時出動体制を整えていくということで、常備化という問題が一つあると思います。常備化につきましては、毎年市町村の努力によりまして進められてきておりまして、現在は消防本部を置いております市町村が、昭和四十三年度でございますが、七百になっております。さらに昭和四十四年にも相当数ふえておりますので、現在はたしか七百三十四に達しております。このうち、市が現在五百六十四市ございますが、そのうち五百三十九市に消防本部が置かれておりますので、市の常備化というものはほとんど終わってきているということでございます。現在さらに町村の段階について常備化が進られているということでございます。そこで、町村の段階について常備化が進められることに伴いまして、やはり小さな規模の消防本部にはなかなかいざというときの対応ができないということから、町村が集まって消防本部を置き常備化をはかっていくという、ただいま御指摘がございました広域化の方向に向かって進んでいるというのが現状でございます。このような方向で私どもも今後常備化を進め、広域化をはかりながら消防力の充実をはかってまいりたいということを考えております。  また、消防力を充実してまいります第二の点は、消防が持ちます施設の充実の問題でございます。特に最近の火災の状況を考えてみますと、通常のポンプ自動車というようなものだけでは対応できない状態になってきております。ここにいわゆる科学消防施設というものの必要性がだんだん大きくなってきております。昭和三十八年か九年ごろから科学消防施設整備補助金というようなものもつくられまして、化学車、はしご車あるいは高発ぽう車、消防艇といったような新しい近代的な消防施設に対する補助の道も開かれ、年々この補助金の交付によって充実をはかってきているわけでございます。  そのほかの問題といたしましては、最近のいろいろな施設につきましては、こういうふうに一方消防側でも設備の近代化をはかっていくことが必要でありますとともに、新しい施設におきましては施設自体で、そこに入られます方の安全をはかるということが必要でございます。そのために消火、避難等のための消防用設備の設置の義務が強化をされ、進められてきている、かような現状でございます。
  179. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 いま長官は、施設並びに設備というものが非常に大切であるというお話でございましたが、ますます過密化する中心都市東京の場合に例をとってみますと、まず第一に消防署、出張所の施設に対してはその充足率が七八%、ポンプ車は六三%、化学車は八一%、はしご車に至っては六七%、消防艇は五六%、そして消防士は五九%の充足率で、自衛隊の尉官に次いで悪いのが消防士の充足率である、そのように聞いております。なお、消防費の全国市町村一般会計の決算額に占める割合は、四十二年度で三・八%、おそらく四十三年度もたいして変わらないと思いますが、東京の場合においては消防費の予算の中で占める割合が二・八%であります。これは外国に比べますとまことにお粗末な消防費であるわけでありますが、私はおそらくどの行政よりも一番おくれが目立っているのは消防行政ではないかと思うのでございます。消防士の充足率の悪さ、そしてまた消防車の不足並びに消防費の貧弱さ等、何が原因をしているかという問題。消防費は都市構造によっていろいろ状態は違うのではないかと思いますが、一般会計に占める率を大体どのようにお考えになっておるか、その点についてお伺いいたします。
  180. 松島五郎

    ○松島政府委員 消防力の基準というのが出ておりまして、いわばその関係市町村の消防力充実の努力目標を示したものでございます。それに照らしますと、現状は御指摘のとおりまだかなり低い段階にあります。ただ、この消防力の基準につきましては、その後世の中がだいぶ変わってきておりますので、近く改正をしなければならぬということで検討をいたしております。一つは、やはり中小都市に至るまでだんだん高層建築物というようなものがふえてきているというような状態の中で、はしご車というようなものの整備はいかにあるべきかという問題について再検討する必要があるという問題がございます。一方においては、この消防力の基準のつくられました当時の消防機器の能力というものが、その後の技術の進歩に伴いましてかなり改善されてきておる。したがいまして、たとえばポンプ一台ということにいたしましても、その当時の一台と今日の一台では能力においてかなり差があるという問題もございますので、そういう意味の改定も必要かと考えてただいま検討いたしております。いずれにいたしましても、御指摘のとおり現状は非常に低いという状態でございます。  消防予算が全体の中でどれだけあればいいのかというお尋ねでございますけれども、それは幾らあればよいということを率でもって、これならだいじょうぶだとかこれならだいじょうぶでないということをきめることは、なかなかむずかしいと考えております。
  181. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 なぜこのように消防行政がおくれているかといえば、しょせんはやはりかなりの予算が伴うということが大きな問題ではなかろうかと思うのであります。それにまた、消防士は非常につらい仕事のわりには金にならないという待遇問題等が、私は大きな問題になってこようかと思うのであります。それにまた、地方自治体に対して国は三分の一の補助しか出していない。これはますます過密化する都市構造についていかれない現状ではないかと思うのです。各地方自治体において財源の格差、そしてまた火災の起こりやすい地域的特色等を加味して、個別的な指導、充実をはからなければならないのではないか。その点、自治大臣は行政面の長として、消防力増強のための消防の常備化あるいは消防の広域体制、消防団の近代化、消防力の基準の改正を含めて総点検をする必要があろうかと私は思うのでありますが、その点について自治大臣の御見解をお伺いいたします。
  182. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 午前中も申し上げましたが、消防予算の貧弱と申しますか、近代化、広域化、常備化その他ただいま先生御指摘の要求に対しはなはだおくれておる点は御指摘のとおりでございまして、私も心配しております。これはやはり消防に対する認識が足らない結果ともいうべきでありまして、この点は予算措置等について十分改めてまいりたい。今後消防力に対する予算の裏づけについては格段の配慮をいたしたいと考えております。
  183. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 ことしもずいぶん犠牲者が出ているわけでありますが、その中においても特にマンモスビル地下街における火災、これは都市構造の過密化が火災の様相を複雑なものにしているわけであります。その超高層建築物及び地下街に対する防災対策はどのようになっていますか。
  184. 松島五郎

    ○松島政府委員 高層建築物や地下街につきましては、消防の面から見ますと、これらの建物は従来のものに比べまして外部からの消防活動というのが非常に困難になってきております。窓のない建物がありましたり、また窓がありましても非常に高いというためになかなか消火しにくいというようなぐあいでございまして、外部からの消火活動が非常に困難であります。第二の点の問題といたしましては、迅速な避難活動がしにくいという問題がございます。  そういうことに対応して消防のあり方についても検討をし、十分改善を加えていかなければならぬということでやっているわけでございますが、そこでまず第一の主眼といたしましては、建物内部の燃焼の拡大をできるだけ防ぐような方向に持っていくということでございます。具体的な措置といたしましては内装制限の問題がございます。カーテンの防炎化、燃え上がらないようにするというような問題を取り上げて規制をいたしてまいっております。それから避難の問題に関連いたしまして、できるだけ早く火事を発見して早く避難するという、早期発見、早期避難の必要がございます。そのために建物自体の中に消防用設備、すなわち火災報知器あるいは警報器というようなものの設置を義務づけまして、あるいはさらにたとえば避難用の階段というようなものを義務づけまして、そういうものに対処していく。  一方消防の体制の側といたしましては、先ほども申し上げました、これらの建物が一たん火事が出ますとなかなか消えにくいという問題がございます。その一つには煙を出すというような問題もございますので、排煙車というようなものの整備、あるいは高層建物等の場合にははしご車の整備をいたしまして対応していこう、こういう施策を講じてきているわけでございます。
  185. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 はしご車の届くようなところであれば問題もあまりないわけでありますが、それでも問題はあります。しかしそれよりも、超高層の場合においてはそれではどういうふうな消火活動をしていくかという問題でありますが、きょうはあまり時間がありませんので長々と申し上げるわけにいきません。私のほうからいろいろお話を申し上げますが、まずスプリンクラーの問題でありますけれども、十一階以上に設備する規定をしたとしても、たとえば十階以下において火災が起きた、そしてしかもスプリンクラーのところまで水を持っていく装置にもしも火が移って、そこから水が吹き出してしまった場合には、もはやそれ以上の階におけるところの消火活動はできなくなってしまうわけであります。なお、不特定多数のキャバレー、集会所、デパート、旅館、病院等には、各階にスプリンクラーの設置を規定するとしても、いま現在できているところの建物に対する設置というものはほとんど不可能になってしまうのであります。そういうことで消防法施行令第十二条のスプリンクラー設備の基準と運用方法にも問題があろうかと思うのでありますが、その点について長官の御意見を伺いたい。
  186. 松島五郎

    ○松島政府委員 スプリンクラーそのものだけで火事が消えるということには御指摘のとおり問題があろうと思います。特にスプリンクラーの場合には、火災が初期の段階にありますときに大きな役割りをする。大火になってまいりますと、なかなかスプリンクラー程度の規模では消えないという問題がございます。もちろんスプリンクラーだけで火災を解決しようということでは十分でございませんので、建物の内部に連結送水管を設置する義務をつけて、それに消防ホースをつないで消火活動をする。さらに、現在建築基準法の改正で考えておりますのは、建物に非常進入口でありますとか非常用エレベーターというようなものをつけてもらって、それによって消防隊の進入を容易なものにするような方策を講じながら問題の解決に当たっていきたい、かように思っております。
  187. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 私はスプリンクラーだけを問題にしているわけじゃありませんが、スプリンクラー一つだけでもそういうふうな大きな問題があるわけであります。  この間、巣鴨のマンションで一人が焼け死に三人が重軽傷を負った事故が大きな話題を投げているわけでありますが、これは非常に大きな問題点というかあるいは法の抜け道というか、もう少し充実をしなければならない問題が新聞の中にも出ておりました。それは消防法施行令三十二条に基づく特例基準によると、公団住宅やマンションのように、各戸ごとに完全に防火区画されていれば、建物の総面積にかかわらず一戸の住宅とみなされる。このため、この特例基準により、消火器については三階以上の各階で二月当たり七十平米以上の場合に取りつける。消火せんは、一般アパートは四階以上の各階が三百平米以上の場合必要とするが、特例により防火区画の場合はつけなくてもよい。非常ベルは五十人以上居住者のある場合必要とするが、この特例により必要としない。同じように火災報知器、避難器具、誘導灯も必要としない。このような問題が提起をされておったわけでありますが、これら特例基準にある高層建物に対して、法律的にも一応検討の余地があろうかと思うのでありますが、その点についてお伺いいたします。
  188. 松島五郎

    ○松島政府委員 御指摘の問題、ただいま検討はいたしております。従来の共同住宅は、ただ単に共同住宅であれば特例が適用できるというのではなくて、一戸一戸が防火壁等によって完全に他の住居への延焼が防知るようになっている、あるいは共同の廊下との間は防火壁等でもって区切られている。共同の廊下、階段等自体も防火構造になっているというようないろいろな条件のもとに考えられたものでございます。こういうものにつきましては、いま御指摘になりましたような設備を備えましても、実際問題としてなかなか運用が困難でございます。たとえば消火器を何十平米かに一つといっても、二月ごとにあるわけではございませんので、いざというときにはたしてそれが役に立つかどうかという問題もございます。また屋内消火せんにいたしましても、これはかなり訓練を受けた方々でないと、いざというときにそれを持ち出してホースをつないでというようなことがむずかしいわけでございまして、特に普通の住宅でございますと、昼間等は御主人がおいでにならぬというような場合が多いわけでございますから、いざというときの利用がどれほどできるかという問題がございます。  それから火災報知器等につきましても、これは主電源と申しますか、全部のものが一たん共同的なところに集まってきて、そこからまたさらに各戸に戻っていくというような仕組みが必要でございまして、ことに最近いろいろ検討いたしておりますけれども、分譲住宅のように、売ってしまってだれも共同の管理者がいないというような場合には、そういう施設があったところで管理ができませんと役に立たないという問題もございます。そういった問題もいろいろございますが、この前のような事例も起こっておりますので、具体的にいま検討いたして、必要なものはさらに整備をするという方向で進めていきたいと考えております。
  189. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 高層ビルにおける人命救助は、煙有毒ガスの発生、火災等、悪条件下に迅速に適正に行なわなければならないわけでありますが、人命救助する、たとえばはしご車の場合三十メートル、すなわち十階がせいぜいで、超高層の場合役には立ちません。また例の開幕の万博エキスポランドの事故によるはしご車の使用不可能な現実、また都内団地、マンションの過密化によってはしご車が入れられないという、そういう場所、強風下におけるところのはしご車の強度の限界等考えると、やはりはしご車についても多くの問題を残すわけであります。  また避難救助器具について、たとえば救命袋でありますが、消防法の条文によれば十階まで使用を認めているわけでありますが、使用している救命袋がテトロン、洋服が化繊等、摩擦による静電気等の発生、勾配と迅速を要求されるこれら救命袋にもまた大きな問題があろうかと思うのであります。またなわばしご、これは三階まで認められているわけでありますが、訓練のときとはおのずと違う状態にある。裏返しになったりあるいは焼き切れたりという状態、あるいは恐怖感が伴う問題等、いずれも問題だらけではないか。いざというときに人命を救出するということを先決問題として考えるならば、これら科学的避難救助器具の研究開発、これを考えていかなければならない時代になってきたのではないか、私はそのように思うわけでありますが、具体的にどのようなことをされておりますか。
  190. 松島五郎

    ○松島政府委員 御指摘のとおり高層建物からの避難ということはたいへんむずかしい問題でございます。救助袋のようなものも、上下共同で使いませんと使えませんので、いざというときに上からつり下げただけでは使えるわけでございません。それからまた高いところから避難するという場合には心理的な恐怖の問題等もございまして、救助袋のようなものはなかなか利用しにくいという問題がございます。いずれにいたしましても、いま先生御指摘がございましたように、避難のしかたそのものにも問題があり、またそれにいま使われている避難器具についてもなおいろいろ改善すべき問題点がございます。根本的にはやはり避難階段を多くするということが現在では一番安全な対策であろうというふうに考えておりまして、そういった問題を含めまして、今後の建築行政なりあるいは消防行政の運営上検討を続けていきたいと思います。
  191. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 そのほか、消防法第二十一条の二第二項の規定に基づいて緩降機の技術上の規格を定めておりますが、それはいずれにしても昭和二十三年に制定された法律に基づいているわけであります。現在の高層化したビルにおいては、このような規格ではほとんど無用の長物になっているのではないかと思うのであります。緩降機は人体をベルトで締めて一本のロープとともに降下させる。人間一人一人の重量は一定しないので降下速度にもむらがあるし、婦女子の場合においては使用できない状態ではないかと思います。また、しんに細い鋼線を使い、その外部を線糸によって被覆、そのため降下途中窓から吹き出される火によって切れるという心配もあります。私は、この緩降機による火災現場の救助の実例がはたして今日まであったか、このような状態のもので役に立ったかということについてお伺いいたします。
  192. 松島五郎

    ○松島政府委員 予防課長からお答えさしていただきますことをお許しいただきたいと思います。
  193. 高田勇

    ○高田説明員 お答えいたします。  緩降機につきましては、規格の基準を庁令で設けておりまして、この基準に適合したものを検定協会という特殊法人において認定しております、こういうたてまえになっております。その規格につきましては、昭和四十年に新しく規格基準の庁令を規定いたしまして、それに基づいて現在の緩降機の販売等を認めているわけでございます。その場合に、それによって設置されました緩降機につきましては、その安全性というものは相当程度高い。だから検定に乗せて十分だという観点から、それの検定をいま実施しているわけであります。したがって、緩降機の設置というものはかなり安全性が高いものとして、それはかなりの普及がはかられております。現実にも、設置があったために人命救助がはかられたという例は、多くはございませんが、ございます。
  194. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 これが制定されたのは二十三年の法律でございますけれども、実際に緩降機自体には私はかなり不備な点があろうかと思うのであります。決して、あなたの言うように緩降機がそういうすばらしい規格のもとにあって、今後十分活用に供するというそういう状態ではないということ、現に三鷹にある消防研究所では、人間によるところの緩降機の実地試験はほとんどしていない、分銅を取りつけてやっているとのことで、検定技官が、この緩降機では人間を安全に避難させるということの自信はない、こういうふうなことも言っている状態であります。そういう観点から考えるならば、少なくともこの緩降機の問題についても、今後技術的に法の改正も含めて考え直さなければならない状態に来ているのではないか。現実に、あなたがそう言うならば、緩降機によって助けられたという実例を何件か私はあげていただきたいと思う。実際にはそういうふうなものは実用に供されていないということを考えても、あらゆる点においてこの問題は今後相当研究の余地があるのではないか。また、私はいま時間がございませんので何点かしか指摘をしなかったわけでありますが、こういうふうな問題を含めて、自治大臣は今後消防行政に対してどのような姿勢で取り組んでいかれるか。さもなければ、高層化する都市構造についていかれない消防体制になってしまうおそれがある、私はそのように思うわけでありますが、最後に自治大臣からその見解をお聞きしたいと思います。  なお消防庁長官、この緩降機について、実際にあなたはその職にありながら、この緩降機があまり用に立っていない、そういう観点を含めて、すべて人命を主体とする救助器具に対してもっともっと研究をする必要があろうかと思いますが、その点についてお伺いします。
  195. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 消防、防災の面につきましては、たいへん問題が多岐にわたり、かつ深刻なものがございます。設備の点、組織の点、体制の点、精神面等、これらの面にわたりまして予算措置を今後十分講ずるとともに、各関係官庁とも連絡をとりまして、できるだけ早くその措置を講じてまいりたい、意欲的に施策を進めたい、こう考えております。
  196. 松島五郎

    ○松島政府委員 御指摘のございました緩降機を含めまして避難器具の問題は、建物の高さ等によってそれぞれ使い分けなければならないものでございます。三十階も四十階もあるものからは、救助袋でありますとか緩降機でありますとかというものは、これは私は役に立たないと思うのです。今後技術開発によって新しいものができれば別でございますが、現状においては役に立たない。おのずからそういうものを使うにいたしましても限界があるというふうに考えますし、また、現在そういう限界のもとに使うといたしましても、改善すべき点は御指摘のとおりなお多いと私どもも考えておりますので、引き続き研究を進め、できるだけ安全なものをつくっていくという方向で努力をいたしたいと思います。
  197. 鈴切康雄

    ○鈴切分科員 きょうは実は塩素ガスのことについて、通産省の山下化学工業局長に来ていただいておったわけでありますけれども、時間の都合上またの機会に質問させていただくことにいたしまして、きょうはどうもたいへんに御苦労さまでした。
  198. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて鈴切康雄君の質疑は終わりました。  次に、楢崎弥之助君。
  199. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私は、地方自治法第二百五十二条の十九、いわゆる指定都市の問題にしぼってお伺いをいたしたいと思います。  そこで、昨年、地方制度調査会の答申も出ておるわけですが、自治法二百五十二条の十九のいわゆる政令指定都市の考え方あるいは方針をどのように自治省はお立てでございましょうか。
  200. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 従来の五大都市の例にもよりまして、近代都市としての内容あるいは地方における中心的な地位等々を考慮いたしまして、法規的には人口五十万以上ある都市につきまして政令をもって指定をすればいわゆる政令都市になるわけでございますけれども、あくまでも従来の五大都市の実態と懸隔のないようなある程度の態様、近代都市としての態様を持つようなものが出まして、かつ、その都市及びその都市を含む府県の意思等を尊重し、御異存のないものについて指定をしていく。大体、形式、内容にわたりましてそのように考えております。
  201. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 条件に合えば進めたいと積極的にお考えなんですか。
  202. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 条件があり、かつ、当該都市及び府県において異存のなき、かつ、御希望のあるものについては進めたい、こう考えております。
  203. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 五大都市と言われましたが、六大都市でしょう。  そこで、いま指定の条件らしいものをすでにおっしゃったわけですが、そうすると、指定の場合の条件というのは大体五十万以上になっておるけれども、実際の考慮の対象になるというのは、六大都市並みということであれば、大体百万前後ということでございますか。
  204. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 常識的に申しまして、そういうことになろうかと存じております。
  205. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それで、いまもお話にありましたが、その指定の条件の場合に、関係の市と県あるいは市と道、そういうところの意思の統一と申しますか、意見が一致することが一つの条件である。そうしますと、自治省が、大臣が判定される場合に、具体的にはたとえば県、市の意思統一というものの客観的な判断は、たとえば市会の決議、県会の決議あるいはそれに準ずるような意思表示みたいなものがやはり必要なんでしょうか。
  206. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 そういうものも必要でありましょうし、またケース・バイ・ケースで、それに類するような社会的意向の一致というものも必要でなかろうかと考えますが、要は、常識的にケース・バイ・ケースで決定されるものと考えます。
  207. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それじゃ、必ずしも県会、市会の決議あるいはそれに準ずるようなものは必要としないわけですか。
  208. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 少なくとも、いま楢崎先生御指摘のような、県会、市会の意思の一致、これは最低限必要であろうと存じます。
  209. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで、現在指定都市として考慮の対象になり得るのはどういう市がございますか。
  210. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 ただいま具体的に考慮の対象になりつつございますのは、札幌と川崎と福岡でございます。
  211. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 大体ことしの十月でまた確定した人口がわかるでしょうが、大体ことしの十月でその三市はどの程度になる見込みでございますか。
  212. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 国勢調査の結果はちょっとまだ予断を許さないわけでございますが、ただいま申し上げました三市は、これは四十三年三月三十一日現在の住民の基本台帳で申しますと、札幌が九十二万、川崎が九十一万、福岡が八十万でございます。しかし、三市ともに最近の傾向はかなり急激にふえておりますので、おそらくこの数字はかなり大きいものになるか、こういうふうに予想しております。
  213. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、三市について、三つですからひとつ親切な御答弁をいただきたいのですが、その三市のそれぞれの指定都市化への動きの状況について御説明をいただきたい。
  214. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 これまで私どもが受けております大体の印象を申し上げますと、福岡市につきましては、これはかねてからかなり強い要望がございまして、県の間ともいろいろ意見調整をいたしているような段階だ、こういうふうに聞いております。それから川崎市につきましても、これも福岡にやや準ずるような大体の空気になっている、こういうふうに聞いております。札幌につきましては、御承知のように札幌はオリンピックを控えておりますので、少し前まではオリンピックが済んでからでもという気持ちがかなり支配的であったようでございますけれども、福岡なり川崎なりがもし指定市に早い機会になるというならば、自分のほうも仲間に入りたい、こういうことで、ややスタートはおくれておりますけれども、ただいまそういうようなことでいろいろ市のほうでも検討いたしておるように聞いております。
  215. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 市のほうはわかったのですが、県あるいは道のほうの関係はどうですか。
  216. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 これは県なり道なりの正式な見解とはまだ言えないと思うのでございますけれども、福岡県につきましては、福岡の県知事も、議会等の質疑応答の過程を通じて、その方向については格別反対をすべきものはない、こういうような意向を表明しているようでございます。それから神奈川県と北海道につきましても、おのおのの知事は、その各市が指定市になりますことについては、原則的に了解をいたしているように聞いております。
  217. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いまの三市の今日の状況に照らしてみて、大臣は、その条件を満たしておるとさっき言われました。いまの状況を判断して、県及び市の統一された意思というふうにみなされますか。
  218. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 いま直ちに指定市に踏み切っていいというあらゆる条件が全部成熟しておるとは言いかねる状況ではないかと承知をいたしております。いろいろ情勢等において、伝えられるところを聞きますと、そんなような判断を結論的にいたしております。
  219. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 三市とも一生懸命になっておるから、具体的にたとえば例をあげていただきたいのですよ。たとえばどういうところが足らないのでしょうか。
  220. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 私どもまだそうつまびらかにいたしているわけではございませんけれども、たとえば福岡の場合に例をとって申し上げますならば、おそらく福岡市が指定市になるということにつきましては、先ほども御答弁を申し上げましたように、これについて積極的な反対というのはきわめて少ないのではないか。しかし、これがいつから施行されるか、いつから実施に入るかということにつきましては、なおいろいろな意見がある、こういうふうに承知をいたしております。
  221. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 たとえばその三市のうちのどの市かが条件を整えるのに非常に熱心で、その条件が大体満たされたというようなときに、三市のうちたとえば一市なら一市、そういう条件が満たされたところから指定されていく方針なのか、あるいはこの際は三市ともセットに考えて、三市出そろうのを待って一緒に指定する方向を考えておられるのか、大臣にひとつ御答弁をいただきたいのです。
  222. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 必ず三市一緒でなければいかぬということは理屈の上ではないと思いますが、できましたら、ほぼ足並みがそろうなら三市一緒にしたほうがいいのじゃなかろうかと常識的に考えております。
  223. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 行政指導としてはそういうことだと承っておきます。  そうしますと、これは何か市から自治省に、指定してくださいというような意思表示がなくてはできぬのですか。それとも、そういうものは全然要らずに、ただ大臣の判断でなさるわけですか。
  224. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 手続的には、法律上は先ほど大臣が申しましたように、政令で指定をするということで終わりでございますけれども、ただいま地元から申しますと、先ほど市会なり県会なりの議決が要るか、こういうようなお話もございましたけれども、私ども事務的に考えますれば、やはり県の意思、市の意思というものが外部に、正式に私のほうとしても読み取れる、こういうほうが望ましいと考えております。
  225. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは確認をしておきますが、大体指定の条件としていまはっきりしておるのは、少なくとも県なり市の決議ぐらいは必要だということが一つ。それから実際問題としては、三市そろってというふうに考えられておるということ。そこで大体の時期でございますが、もし指定が行なわれるとすれば、年度のかわり目だと思うのです。そうすると、一番早い時期だと来年の四月一日、こういうことになるのですが、そういう時期を一応めどと考えておっていいわけですか。
  226. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 まず大体事務的なことから御答弁申し上げます。  先ほど申しましたように、地元の意思というものが一つ中心になるわけでございます。同時に、私どものほうの中央におきます多少の事務的な問題といたしまして、指定市になりますと、御承知のように仕事が移ってまいります。したがいまして、その関係をいたします各省と一応相談をするということも必要であろうと思います。それから先ほど、地方制度調査会でもそういう議論があるのではないかというお話がございました。地方制度調査会にも、政府としてはこういうふうにやりたいけれどもどういう意向であるかという見解を求めることも一つ必要であろうかと思います。ただ、これらのことは時間的にそんなに長い時間を必要とする、こういうふうには考えておりません。したがいまして、地元の機が熟するのがいつかということが一つのポイントになろうと思います。それから、いたします場合は、先ほどもお話しのように、財源も移ってまいりますので、なるべくならば年度の開始のときというのが理想であろうと思います。  それからもう一つ、申し忘れたわけでございますが、地方自治法上は政令で指定をすることで足りるわけでございますが、ちょっとほかの法律関係で、多少法律改正を必要とするものもあるように私どもただいま見受けておりますので、そういう点、法律改正のタイミングとの関係もございますので、結論的に申しますれば、いままで申し上げました要件がもし全部充足するということになるといたしまして、しかも地元のほうとして、たとえば来年の四月からぜひやってほしいというような意思の一致が見られるといたしますならば、最も早い時期は来年の四月というようなことも考え得るわけでございます。
  227. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで、次に聞こうと思っておったのですけれども、もし三市を指定すると仮定した場合に、関連法規で改正を要する法律はどういう法律がありますか。
  228. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 ただいまいろいろ私どものほうで検討いたしておりますが、警察法につきまして改正を必要とするのではないかと私どもは考えております。そのほかの法規につきましては、現在検討を進めておりますけれども、現在のところはおそらく改正の必要はないのではないか、こういうふうに考えております。
  229. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 警察法と言いますと、警察法の三十八条の二項ですか、「都道府県公安委員会は、都及び地方自治法第二百五十二条の十九第一項の規定により指定する市を包括する府県にあっては五人の委員、道及び指定府県以外の県にあっては三人の委員をもって組織する。」、大体この項だと考えておっていいのですか。
  230. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 お示しのとおりでございます。
  231. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どういう点を、もし改正するとしたらしなければなりませんでしょうか。
  232. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 現在の警察法のたてまえは、一つの府県に指定市が一つだけしかない、おそらくそういうことを予定をして立法をいたしております。したがいまして、指定市を含む県の公安委員会の委員は、指定市の市長が推薦する者二人というふうに規定をしてございまして、たとえば神奈川県で申しますれば、現在五人おります者のうちの二人を横浜市長が推薦をいたしております。ここでもし川崎市が指定市に入るといたしますれば、現在の警察法の規定では、新たにどう推薦をするのかということがたいへん読みづらいわけでございます。その点私どもは法律改正の必要があるか、こういう見解に立っております。
  233. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 公安委員の数がふえるということでございますか。
  234. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 警察法は、警察の主管でございますので、私どもその辺まだ結論的にどうするか、最終的な打ち合わせをしておりませんけれども、しかし現在のところは指定市を含む県は、公安委員が五人でございますから、五人のうち指定市から二人出す、こういうことになっておりますので、まあ指定市が一つの県で二つであれば、たとえば一人ずつ出すとか、おそらくそういうことになるのじゃなかろうか、こういうふうに想像をいたしております。
  235. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、大体改正すべき点は警察法ぐらいだ、簡単なことですが。  そこで、政令の公布と申しますか、指定と、それから政令の施行ですね。それは当然分離されるわけですね。ずれるわけですね。
  236. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 お示しのとおりでございます。指定をする政令を出しますことによって、政府としてその市を、いずれある一定の時期に指定市にするという意思が明確になるわけでございます。明確になりましたあとで、いろいろ各種の準備がございます。したがいまして、かなりの期間を置く必要があるわけであります。
  237. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 たとえば来年の四月一日に指定をした場合、来年の地方選挙があるわけですね。そうすると、四月一日に指定をして、施行をたとえば六月なら六月ということにした際は、その来年の地方選挙は従来の地方選挙のとおりに行なわれるわけですか。
  238. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 ただいまのもし御設例のような事態がございますれば、そのとおりでございます。
  239. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、もし地方の場合、たとえば県と市がうまく意思が最終的にぴったりいっていないというような場合に考えられるのは、来年の地方選挙があるからだ、実際問題として。そうすると、それは指定をして施行を選挙後にずらせば、問題はその点に関する限りはなくなるわけですね。
  240. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 さようでございます。
  241. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこでこれは大臣の方針として、とにかくこれらの三市は指定都市にしたほうが好ましいともしお考えになるならば、指定というものを早くやることが諸準備を促進する関係になるのだと思うのですね。だから、要は大臣の方針なり考え方が非常に大きな影響を持つと思うのです。それでこの三市については、なるたけできれば早く指定したいところならところというようなお考えなんでしょうか。その辺を承りたい。
  242. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、当該市なり府県の意思の御一致ということがやはり重要な指定の実施要素になると思います。したがいまして、自治省はこう考える、自治大臣はこう考えるから、その方針でひとつ上からずばりとやっていこうという考えは、いまのところ持っておりません。あくまでも地方の御意思を尊重して、そうして措置をいたしたい、こう考えております。
  243. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは促進の条件に合いそうなところに対して、促進の行政指導というのはなされないわけですか。
  244. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 積極的に促進の指導をしたいとは考えておりません。あくまでも地方の御意思を尊重して、積極的にこうしたいということで意見が合えば、それに従いたい、こう思っております。
  245. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 時間前ですけれども、これで打ち切りたいと思いますが、大体早ければ――もちろん大臣のおことばのとおり、関係三市の進展ぐあいでしょうけれども、条件が整えば来年の四月一日でも指定するに障害はないわけですね。
  246. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 さようでございます。
  247. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて楢崎弥之助君の質疑は終わりました。  次に、小川新一郎君。
  248. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 自衛隊と地方公務員との関係についてお尋ねいたします。  最初に、市町村の技術者の充足関係はいまどのようになっておりますでしょうか。
  249. 山本明

    ○山本説明員 市町村におきましては、特に町村等におきましては、技術者の確保に困難をしておる実情にございます。
  250. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 大臣、ただいま御答弁があったように、市町村の技術者に対しては、非常に困難になっておるそうでございますが、それに関して自治省では市町村に対してどのような配慮、対策等をなさっておりますでしょうか。
  251. 山本明

    ○山本説明員 県によりましては、できるだけ個々の町村でこれらを採用試験をするということについて全権一任をするとか、あるいは県に技術の研修に来るというような方法によりまして技術を身につけるように指導をいたしております。
  252. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これは現に埼玉県の東秩父村ですか、に起こった件なんでございますが、今回、技術者が、いま御答弁があったように非常に不足しておる。そのために集まらない。そのために村の採用試験に仮採用をさせて、技術を習得させるために自衛隊に入隊させることを計画しておりますが、このことは関知しておりますか。
  253. 山本明

    ○山本説明員 先般、東秩父村におきます問題につきましては、埼玉県の議会でも問題になりまして、埼玉県のほうからその実情の報告は受けております。
  254. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これは自治大臣、ちょっと基本的な問題なので、大臣のお答えをいただきたいのですが、山間市町村では技術者が集まらない。そのために技術者の充足に対して非常に困難を起こしておるということはただいま答弁にあったようなんですが、そのために苦肉の策と申しますか、自衛隊に入隊させて、そして技術を習得させて、そして採用するというような事件が起きたわけですが、これは地方公務員法、またそういう問題には抵触しないのですか。基本的な問題なので、どうしても大臣に……。
  255. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 地方公務員法第十九条の趣旨に反する措置であると思います。
  256. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これは防衛庁にお尋ねいたします。この事例に対しては、私はいろんな意見があると思うのですけれども、防衛庁ではどう考えておりますか。
  257. 内海倫

    ○内海政府委員 私、途中で参りましたので、前後の関係からあるいは方向違いの答弁をいたしました場合は、あらためて答弁をさせていただきますが、自衛隊におきまして、たとえば技術習得だけを目的として入隊するというふうなことは、特に法律で定めておりますような特別な場合は別でございますが、いわゆる一般隊員として一定の技術を習得することを目的として入隊するというふうなことは、自衛隊においては考えておりません。したがって、一般的に、一般の手続によって自衛隊に入隊した人がその入隊しておる期間二年間、あるいは海上自衛隊、航空自衛隊のように三年間の任期の間に、それぞれがその任務の間にいろいろな技術、技能を習得して帰る。それが帰ったあと評価される。そういうことが入隊する前にいろいろ期待されるということは、私どもたいへん自衛隊が評価されるという意味では喜ばしいことと思いますが、そういうことを目的として入隊をどうこうするというふうなことは、私ども別段目的的に考えておるわけではございません。
  258. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 ただいまの御答弁のように非常に好ましくない事態なんですが、私埼玉県の出身なんですが、秩父村というところは非常にへんぴな山間なので、こんなところには優秀な技術者が集まりませんので、総務部ではこう言っているんです。山間の当村のような村では技術職員が思うように集まらないので、技術習得者が受験してくれれば問題ないが、それができないためやむを得ず自衛隊に入隊させることにした。ねらいはあくまでも技術職員確保にあり、村当局、村民も理解しているんだ、地方公務員法についても違反していないと思う、こういうことを村の役所の総務部では言っているんですが、地方公務員ですね。そうしてかりにこの村役場に就職しているんです。そして二年間は国家公務員として自衛隊に行って訓練を受けていらっしゃい。自衛隊の目的にも反しますね。自衛隊がまるで技術を習得させるための道具になったんじゃ、これは何のための自衛隊かわからない。そういう国家公務員と地方公務員法との関係、なぜこのような事態が市町村の間に起きているのでしょうか。
  259. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 ただいまお話しのありましたとおり、地方自治団体において適当な技術者の獲得が非常に困難なために、苦肉の策としてこういうことを案出されたと思うのでございます。しかしながら、自治省といたしましては、これは十九条の法律の趣旨に反するので、こういうことをしないように指導をしたと聞いております。
  260. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 そうしますと、この東秩父村の事件については、大臣としては指導して、こういうことを起こしては困る、こういうふうになって、何らかの答えが出ているのですか。
  261. 山本明

    ○山本説明員 県を通じまして、今後かかることのないようにということを村のほうに連絡をいたしております。
  262. 内海倫

    ○内海政府委員 ちょっと補足いたしますが、私ども隊側の事情を聞いております限りでは、現職の地方公務員が現職の身分をもって入隊しているというような事実はございませんで、入隊する時点におきましてはそういうふうな身分関係は全くないはずでございます。なかったと聞いております。  なお自衛隊としましては、たいへん妙な言い方かもしれませんが、自衛隊のそういう入隊中における技術習得というふうなことが評価されておるということについては、私どもは自衛隊としてはむしろたいへん喜ばしいこと、こう思っておるわけでございます。その点一応つけ加えておきたいと思います。
  263. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 それでは、この問題は明らかに地方公務員法に抵触する、またそういう自衛隊に入隊することを前提条件として採用することは公平の原則にも反しておりますね。こんなことは絶対に起こしてはならないし、また起きてはならない問題として理解してよろしいですか。
  264. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 私どもはそのように理解をいたしております。
  265. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 防衛庁にお尋ねいたしますが、たとえば一部の市町村で採用されていますね。すでに採用されている職員を自衛隊に技術習得のために仮入隊というのですか、そういう事例はあるのですか。
  266. 内海倫

    ○内海政府委員 先ほども申しましたように、自衛隊が、特に必要があるということで技術習得の要望に応じ得る場合というのは、自衛隊法及びこれに基づく政令で定められておるわけでございますから、それ以外の場合でありますれば、自衛隊はそういう現職の公務員が自衛隊に技術習得のために入隊するというふうなことはございません。ただ実例を申しますと、たとえば消防庁の消防官が救急業務を習得するために自衛隊の衛生学校に短期間入校して救急法を習得してくる、こういうふうなことは法律に認められておるところでございます。そういう例はございます。
  267. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 そうすると、そういう消防官の場合はいいけれども、一般の市町村公務員、地方公務員が技術習得のために何日間か自衛隊に行って何らかの技術を習得することは今後させないし、またそういう事例はなかった、こういうふうに理解していいんですか。
  268. 内海倫

    ○内海政府委員 先ほど申しましたように、法律の範囲について申し上げますと、この法律には一応「教育訓練の受託」ということで自衛隊法の第百条の二というのにきめておるわけですが、その中に「政令で定める技術者の教育訓練を実施することの委託を受けた場合において他に教育訓練の施設がないと認めるときは、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、当該委託を受け、及びこれを実施することができる。」云々とこうありまして、それに基づいてその法律に基づくところの技術者の範囲とは次に掲げるものとするということで、「航空機の操縦及び整備に従事する者」「落下さんの試験降下に従事する者」「潜水艦の試験航走に従事する者」「救急に従事する者」「砲の操作に従事する者」こういうふうに限定列記してございますので、法律上こういうふうな範囲の者であれば受託を受けることは差しつかえないと思います。
  269. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 まあそういうところが誤解されたんだと思うのですね。その点、ないようにひとつ十分御配慮をいただきたい。特に自衛隊の充足の問題について市町村にいろいろな問題が起きておるということはもう御存じのとおりで、私ここで議論いたしませんが、どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから小笠原観光に関して、これは知事の許可が要るのでございますが、民間ではもう待ち切れなくなって、ことしの夏は小笠原ヘレジャーに行きたいという申し込みがあると聞いております。これらの事例はいま自治省のほうではキャッチしておりますでしょうか。
  270. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 まだ聞いておりません。
  271. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 東京都のほうへ問い合わせましたところが、こういう事例があるというのでございます。これは東京都から自治省のほうへはまだいっていないと思うのですが、小笠原青年連盟約二百人から五百人、これらが一般の観光客を募集して小笠原へ行きたいと言っておるのですが、このことは、事実であればどう考えますか。
  272. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 私どもは中身をよく存じませんけれども、もしそれが事実であればと、こういうお尋ねでございますが、おそらくまだ現地におきましてもいろいろな施設その他が整っていないと思います。そこに多数の人が行くことにつきましては、私のいまの判断ではあまり適当ではないだろう、こういうふうに考えます。
  273. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これは新聞に出ていた記事なんですけれども、こういう事例があるということで。これは船をチャーターして、食べものも寝るところも全部船の中でやる、絶対御迷惑をおかけしない、それから病人が出たときには船の中でやる、ただし向こうへ行って遊ばしてくれ、こういうことなんです。これが一船ならず二船、三つ四つとだんだんふえていくと思うのですけれども、ただいまのような御答弁だと、そういうことは禁止する、こういう理解をしていいですか。
  274. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 法律上は禁止するすべもございません。したがいまして、事実上の指導として、まだ陸上の施設その他も十分整っておりませんので、そういうことは私はいまの判断では適当ではないと思っております。
  275. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 大臣、この問題いまお聞きになったようなやりとりなんですけれども、まだ大臣もよく御存じないと思うのですが、こういう問題が民間でも出てきておりまして、好ましくない。私も小笠原へ行ってきましたからよく存じておりますが、ほんとうにあそこは水も何もないです。お医者さんはおりますけれども。食糧といっても、あそこにマーケットが一つあるっきり、そこに二百人も五百人もの青年がどんどん押しかけたら困る。こういう問題が起きてくるので、政府としては何か考えられましょうか。観光ということで、旧島民の青年連盟とかがそういう問題を起こしておるのですけれども、こういう問題としては、逆に政府のほうで一自治省としては、そうか、じゃうちのほうでチャーターしてちゃんとしてあげるという計画等は、逆に一歩先手を打つような考えはございませんか。
  276. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 いまのところ、お示しのような具体案は考えておりません。しかし全体として、小笠原が返ってくるにつきましては、ここを平和の島とし、観光事業等の整備その他小笠原の振興には意を尽くすべきであるので、この点に関しましては予算措置等もさらに十分にいたすべきことを念願いたし、またその実現を期さなければならぬと思いますが、いまさしあたっての問題につきましては、そこまでの御便宜をはかるということは自治省としては考えておりません。
  277. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 そうするともしも強行した場合にいろいろな事件が起きたときの責任範囲といいますか、そういう問題は、しようがないのだ、法律じゃとめられないのだ、行きたいならかってに行け、野放しの状態みたいになってしまいますが、いかがでしょう。
  278. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 純粋に法律的に申しますとそのとおりでございます。しかし先ほども御答弁を申し上げましたように、まだ陸上の施設も十分整っておりません。先ほどのお話のように水も飲みますし、人間何百人も参りますと自然現象等も出てまいります。その処置の問題もございます。したがいまして、指導方針としてはそういう設備ができるまでは行ってくれるなという方針で都を通じて指導いたしたいと思います。
  279. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 まことにはっきりしないことなんですが、こういう問題が起きているということで、この辺で――きょうは予算分科会なんで小太いことを聞いてほんとうに恐縮なんでございますが、こういうところにも政治の配慮を行なわないと、若い人たちがそういう問題の欲望を押えたために、またそういうことによって向こうで事件でも起こしたときには非常に大きな問題になりますので、十分東京都ともこれは御配慮を願って何らかの形で善処しないと法律上は押えられないんだ、しょうがないんだ、好ましくないが行ったものはしようがない――行ったものはしようがないじや済みませんので、どうかひとつよくその点もお願いしたいと思います。  それから、私、埼玉県でございますので、過密人口急増地帯に住んでおりますが、ひとつグラントハイツの返還状況について、これは鉄道関係ともあわせてお尋ねしたいんですが、大臣、このグラントハイツの返還というものは、もうはっきりしてきているんでしょう。
  280. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 グラントハイツの移転の問題につきましては、かねがね地元からこの地域を返還してもらいたいという強い要望がございまして、米側ともいろいろ折衝をしまして、基本的には、現に米軍に提供している他の施設区域の中にかわりの建物をつくれば返還してもよろしいということで、原則的な了解を得ております。そこで、この具体的な実施につきまして現在米側と調整を進めておるわけですが、まず手初めとしまして、昭和四十五年度には特別会計におきまして約五十億の予算を要求しておりまして、これによって約三百戸の住宅とこれに付随する施設をつくる計画を立てております。こういうことで、この問題につきましては現在逐次具体化を見つつあるという状況でございます。
  281. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 具体的には、どれくらいの人がここで住むようになりますか。
  282. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 あと地利用の問題につきましては、現在関係の向きでいろいろ検討しておる段階でございまして、まだはっきりと具体的にこういう形になるというところまでは申し上げかねるわけですが、一応東京都のほうで考えております――これはまだほんとうの素案でございます。きまったとかそういうものではございませんが、この素案によりますと、この地域の二万三千戸の住宅、人口にしまして約八万人のものを建てたいということでございますが、これについてはまだ大蔵省等も一応説明を聞いたという程度でございまして、まだこれは素案の段階でございます。
  283. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 素案の段階でございますが、東京都なんですけれども、自治省としてはここに――素案の段階で議論するわけですが、ここに約八万人から十万人の人たちが住む、いまの職住近接の原理からいって離れておりますが、いまこの線を利用するのは成増の東上線一本でございます。埼玉県は御存じのようにものすごい過密でいま一ぱいなんですが、この人たちが東京都内もしくは県内の就職ということになりますと、これらの方々の足の問題はどうなるんでございましょうか。ただ東上線一本だけにしぼるんでございましょうか。これは運輸関係で、ちょっと地下鉄八号線と関連しましてお尋ねしたいと思います。
  284. 横田不二夫

    ○横田説明員 お答えいたします。  ただいまのところ明確な計画はございません。しかしながら都市交通審議会で四十三年の十月に答申されましたものに、成増まで営団地下鉄八号線が建設されることになっております。そのほかに、これは枝線でございますけれども、西武線の中村橋とそれから護国寺をつなぐ八号線のさらに分岐線がございます。これらの二つを将来延ばすということも一つの考え方かと思います。ところで都市交通審議会におきましては四十三年の十月にそういう中間答申を出しましたけれども、その後だいぶいろいろな事情が変わっておりますし。中も変っておりますし、外のほうも変わっております。したがいまして、今月の末でございますけれども、都市交通審議会を再開いたしまして、それから東京問題についての小委員会と申しましょうか、そういうものを設けまして、根本的に再検討する、こういうことになっております。その中でこの延伸線について必要があれば考えていきたい、かように考えておるわけでございます。
  285. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これは大臣、たいへん部分的なことでおそれ入りますが、いまの東上線のラッシュというものはものすごいものがあるんです。大臣も御存じだと思いますが、大和町、新座、足立、それからずっと来まして川越まで、この沿線の急増というのはおそろしいものがございます。いま言ったように、グラントハイツに八万、これは素案で、私どもの計画では二十万人はここへ住むのじゃないかと計算しているんですが、そうなりますと、ただいまのように都市交通審議会の、四十三年十月ですかに中断して以来、新しくいま練るというのですが、四十五年からただいまのお話によりますと逐次返還がきまってくるということになっているのです。そうなってきますと、家は建ちました、人は入りました、依然として足の問題は解決しないということになりますと、そこまでで東上線はパンクしてしまう。そこでいまお話があったように営団八号線の問題等が出てくるのでございますが、この問題については自治省としてはどういうふうにお考えになっているのか。大臣、過密都市にはいろんな問題があるけれども、私一つの問題を提起しているのですが、この問題についてのお考えをちょっとお聞かせいただきたいのでございますが、いかがでございましょうか。専門的で申しわけないのでございますが……。
  286. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 過密都市の交通問題の対策といたしましては、本年四十五年度予算から地下鉄建設に対する特別措置を財政上講じたことは御承知のことと存じます。いまお示しの具体的な事例に対しまして、交通機関の整備が至急望まれる次第で、それには地下鉄営団線の延長ということはもちろん一番妥当な案だと思いますが、さらにこの点につきましては関係方面とも十分連絡をいたしまして、時期的に、あるいはもう多少時期を失しておる感なきにしもあらずでございますが、ひとつ同グラントハイツの開放とスケジュールを合わせまして、その点交通機関の整備については一そう差しつかえのなるべくないように打ち合わせ、検討をいたしまして、地方住民の御要望に応じたい、こう考えます。
  287. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 この問題につきましては、原田前運輸大臣がいろんな面で答弁しておりますが、特にこの地下鉄七号線の場合なんかは、目黒-赤羽間なんですが、埼玉県内まで延長は三月までに発表すると言っておるのです。この地下鉄七号線の発表すらまだ大臣、行なわれておりません。京浜東北線がもう飽和状態でございますので、当然七号線の埼玉県内導入ですね、こういう問題を解決しないで――これは三十キロ圏五十キロ圏の土地対策というものがはっきりしてない。ただただ首都圏の安いところ安いところへ、六百七十万戸住宅五カ年計画の建設省の上半身の計画だけにのっとって、宅地開発五カ年計画にしろ、また脳外科専門病院、この交通対策の五カ年計画整備にもせよ、ただいま申し上げましたような土地に関連した住宅に関連したこの住宅に付随する市民の足の確保の五カ年計画にもせよ、こういうものが一体化されてないところに私はいろいろな問題が起きてくると思う。  そこで、もう時間がございませんので具体的にお尋ねいたしますが、地下鉄七号線の県内乗り入れ問題は、延長線はどこまで行くのですか。
  288. 横田不二夫

    ○横田説明員 七号線につきましては、まだ埼玉県までは足を入れる線になっておりません。と申しますのは、先ほど申し上げました四十三年十月の中間答申で、赤羽付近となっているわけでございます。これは将来埼玉県方面へ延伸することも必要かと思いますが、先ほど申し上げましたように、首都圏内の全体の鉄道網の一環としまして再検討するということになっております。特に七号線の場合には、都心部におきましていろいろと工事の技術上問題点がございます。そういうこともありますので、それらを含めまして再検討する、こういうことになっております。大体都市交通審議会の今度の再検討期間は約一年ちょっとくらいで一応の結論がいただけるものと、かように考えております。  それから、先生先ほどおっしゃいました人口が八万人になりますグラントハイツでございますけれども、八万人でございますと、東京都への通勤、通学輸送量というものは約その六分の一強、まあ一万人ちょっとだと思います。としますと、現在の東武東上線は、いま相当激しゅうはございますけれども、混雑率が大体二二〇%でございます。さしあたりはこれを少し改良いたしまして限界輸送力まで輸送力をつけますと、徐々にこれはふえてくるわけでございますが、十分間に合うのではないか、かように考えておるわけです。
  289. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 あなた東上線で通勤してごらんなさいよ、たいへんなものですよ、乗り残しがあるのですから。それを限界点だのどうだの言っていますけれども、東上線もまたわれわれは問題があると思う。あまりいい顔をしていない。そこでこういう問題が起きてくるんですよ。われわれは豚じゃないんですからね、人間なんですから。豚だって五十頭しか運ばないのですよ、十五トン車で。馬だったら二頭、牛だって十頭しか運ばないのに、人間は三倍も四倍も、限界以上にいま国鉄は運んでいる。それで運賃とっている。東上線はもっとひどいんですから。それをまだ限界点に達しないからいいんだなんという答弁。そこで審議会にもこれをいつも私たちは言っているのです。埼玉県民は乗れないから心配している。どうかそういう冷たいことを言わないで、ひとつよろしくお願いします。
  290. 横田不二夫

    ○横田説明員 いま私の発言について十分でございませんでしたので訂正いたしますと、限界輸送力と申しますのは、現在あります現在の編成車両数を伸ばしまして、それに伴ってホーム延伸をして、現在の線路で運べるまで一編成の車両をふやすようにすれば、いまよりもまだ輸送力がつきますので、したがって少々ふえましても、徐々にふえてくる段階では何とかたえられる、こういうことを申し上げたわけでございます。
  291. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 まあ地下鉄が限界線に切りかえられちゃって上へのぼっちゃったんですけれども、じゃ具体的にもう一つお尋ねします。  地下鉄六号線、これは許可が現在三田どまりになっておりますね。これは一体どの方面に延長するのですか。
  292. 横田不二夫

    ○横田説明員 六号線はただいま三田どまりになっておりますが、先がちょうど一号線と競合しまして桐ヶ谷方面に行く形になっております。しかしながら将来のことを考えますと、南のほうには、大体五十五年ぐらいから六十年ぐらいになると思いますが、港北ニュータウンその他の大きな団地計画もございます。ニュータウン計画もございます。そういう場合に備えまして、先ほど申し上げました都市交通審議会で南のほうへ延伸すべき都心並みの地下鉄として残してある、かようにお考えいただきたいと思うのでございます。今度の審議会でやはりそれらを踏まえまして、たとえば川崎を通じ横浜の港北方面に行く線の一つの候補といたしまして六号線あるいは七号線、こういうものが考えられ得る、こういう形になっておるわけでございます。したがいまして現在のまま、六号線は三田どまりにしたままで終えるということを最終的に決定しているものではございません。
  293. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 七号線と八号線との重複の問題はどういたしますか。
  294. 横田不二夫

    ○横田説明員 先ほどもちょっと触れましたように、飯田橋の前後におきまして、飯田橋から平河町へ来る間、非常に狭い道路でございます。そこを先に免許になっております八号線と重複して通るわけでございます。その場合非常に道路の幅が狭うございまして、いろいろと技術的に調査もいたしたわけでございますが、現在の八号線も場合によっては平面で二線並べるのでなくて、上下に二線並べないと工事ができないのではないか、かような見込みがあるわけでございます。したがいましてここへもう一本七号線を入れるということになりますと、場合によっては四階建て方式に地下においてしなければならない、これではたいへんなことになってしまうということで、この部分につきましても技術的にもう一度再検討をする、先ほど申した都市交通審議会の再開部会でやることになっておるわけでございます。
  295. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 何を聞いても審議会待ちなんでございますけれども、これは四十三年以来騒いでいる問題なんです。三十九年の埼玉県議会においてこの問題は決議している。これは三十八、三十九、四十、四十一、四十二、四十三、四十四、七年間依然として審議会待ちというようなことでは、私ども首都圏内南関東一千万住民が滞足できない状態なんです。そこで、私こういうことを予算分科会で御質問しているのでございますので、どうかひとつ前向きにどんどんやってもらわなければ困ってしまうのですね。だいぶんきょうは明快にいろいろな点もはっきりしてきました。その点ありがたく思っておりますが、最後に時間がございませんから一問。都市交通審議会東京部会、これは東京都知事がやっておりますが、埼玉県、神奈川県、千葉県の三県知事がこれに参加することはできないのですか。
  296. 横田不二夫

    ○横田説明員 都市交通審議会におきまして、一つの都市圏についてその都市圏内の交通網について議論いたします場合には、その圏域内にある公共団体の首長、すなわちこの場合でございますと埼玉県知事、あるいは神奈川県のほうのものを取り扱います場合につきましては、神奈川県知事に臨時審議委員として入ってもらうことになっております。したがいまして、県のほうからいろいろな御計画資料、そういうものについても詳しくお聞きしました上で結論を出す、かようなシステムになっているわけでございます。
  297. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 これで終わりますが、そうすると、埼玉県知事及び千葉県知事、神奈川県知事は各方面の臨時審議委員としてはいれる、こういうふうに理解してよろしいですか。
  298. 横田不二夫

    ○横田説明員 けっこうでございます。
  299. 小川新一郎

    ○小川(新)分科員 以上をもって終わらせていただきます。
  300. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて小川新一郎君の質疑は終わりました。  次に北山愛郎君。
  301. 北山愛郎

    ○北山分科員 過疎問題、過疎対策について若干お伺いしたいのですが、今度の地方財政計画を拝見しますと、過疎対策の事業費が六百四十一億載っておるわけです。この内訳はどういうふうになっているか、まずこれをお伺いしたいのです。
  302. 長野士郎

    ○長野政府委員 財政計画の上では、過疎対策といたしまして、一つは生活関連施設等の整備ということで六百四十一億、昨年度は四百五億でございましたが、六百四十一億に増額をいたしたいと考えております。  それから第二番目には、過疎対策事業債制度の創設。過疎対策事業債として、来年度は地方債計画の上で百三十億円予定をいたしております。それから辺地対策事業債六十二億円でございましたのが、来年度七十億円に相なりますので、都合そういうもので地方債として事業をいたします地方債の充当は、二百億円ということに相なるわけでございます。  それからその次には、医療確保等の関係におきますところの対策といたしまして、僻地診療所等につきましての需要の現状にかんがみまして、この対策の充実をいたしたい。それから、また同時に、病院事業等につきましても、巡回診療その他あるいは一般会計におけるところの行政対策としての措置というものを考えまして、そういう一般会計の負担についても基準財政需要額のほうでも繰り出しの関係を措置したい、こういうものを含めております。
  303. 北山愛郎

    ○北山分科員 その六百四十一億のうちで国の予算で計上されているもの、それはどれくらいになるのですか。
  304. 長野士郎

    ○長野政府委員 六百四十一億は、実は単独事業として考えております。生活関連施設といいますのは、たとえば道路でありますとか社会福祉的な施策でありますとか、そういうものは需要が非常に多うございますので、そういうものを中心にいたしまして、単独事業としてふやしてまいりたいと考えております。
  305. 北山愛郎

    ○北山分科員 財政計画の上では六百四十一億計上してみたが、これは見込みであって、国の予算としては、財源措置としては地方債が二百億ですか、あとは特別に一般会計等においてこの過疎対策としての費目はない、単独事業として地方団体がやるのだ、こういうことですか。
  306. 長野士郎

    ○長野政府委員 ただいま申し上げましたように、単独事業として六百四十一億でございますが、過疎対策事業は過疎債を中心にいたしましてその他の事業を行なうということでございますので、大体百三十億円は先ほど申し上げましたように過疎債でございますが、その他過疎地域におけるところの国庫補助の新設というようなことで、僻地診療所の関係、僻地の巡回診療、無歯科医対策、国立病院の医師の派遣の協力、あるいは僻地の交通対策ということで、不採算バスの運行に対する助成あるいは老朽代替車両の購入関係、そのほか道路関係についても助成措置もあるようでございますし、また、土地改良事業等につきましても、補助事業としての採択基準を引き下げまして、そうして過疎地域にそういう助成措置が国としても行なわれるような措置というものも、相当あるようでございます。
  307. 北山愛郎

    ○北山分科員 あるようでございますでなくて、そういうふうな項目のものを締めくくって、まずどのくらいになるか。六百四十一億のうち二百億じゃないですか、過疎債は。百三十億と言われましたけれども……。あとは一般財源でそのような医療なり交通なり道路なりあるなら、それはどれくらいになるかということを聞いておるのです。
  308. 後藤正

    ○後藤説明員 過疎関係につきましては、先ほども申し上げましたように、道路の関係であるとか、あるいは文教の関係であるとか、厚生関係であるとか、それから過疎バスとか、農業のいろいろな基盤整備とか、もろもろの補助金が出ておるわけであります。特に今度の過疎立法に関連しまして、保育所とか教育施設とかあるいは消防施設等は、補助率が通常よりかさ上げされております。そんな関係で、いろいろな点で相当の助成をやっておりますが、ちょっといま先生お話しの過疎地域としてどれだけの金額になるか、集計はいまのところやっておりません。
  309. 北山愛郎

    ○北山分科員 そこで、いま過疎立法というお話があったのですが、それはそれに応じた立法措置をおやりになるのですね。
  310. 立田清士

    ○立田説明員 ただいま過疎立法というお話が出ましたのは、現に昨年から議員提案でいろいろお話し合いが進んでおります立法のことをいま大蔵省のほうからお話しになったと思いますが、それで先ほどお話しがございましたとおり、来年度予算について一応そういうことがある程度期待されて所要の予算措置が講ぜられておりますし、先ほど財政局長が申しましたとおり、辺地債を含めまして、過疎債も合わせて二百億ということで、地方債のほうも準備がなされておる、こういう状況でございます。
  311. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうなると、大臣、いまの立法ですね。これは去年の国会でも問題になったわけです。それで会議録を見ましても――やはり当然これほどの問題ですからね。農村にとっては、片方の過密の、非常にいまの高度成長のしわ寄せを受けた重大な問題ですね。社会問題でもあると思うのです。それについて、これは当然政府として対策を持ち、必要な立法措置をすべきではないか、こういう要望が去年の国会でもあったはずなんです。いまだに将来出てくるであろうような議員立法に期待するとは、一体何事ですか。
  312. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 しばしばその御非難を受けるわけでありますが、もちろん議員提案といいましても、その背後におきましては政党内部と十分連絡をとりました上での立案でございまして、このいきさつ上から議員提案を受けて立つといういきさつになっておりますので、その方針を踏襲した次第でございます。しかし過疎対策の時代的な必要性については十分政府としても認識をいたしておりますので、この議員立法の御成立、実施の暁によりまして、また措置すべきものがありますならば、積極的にこれが対策を立てまして措置する考えでございます。
  313. 北山愛郎

    ○北山分科員 どうもさっぱり納得を得ないのです。それは去年なら去年で、急いでひとつ議員立法で立法措置をまとめようというような情勢、そういうならば議員立法としてもわからないことはないのです。しかし、それから約一年たって、この問題の意味は自治省よく御存じのとおりだと思うのです。それをいまだに政府としてはその対策をまとめないで、そして出てくるかどうかわららぬような議員立法を当てにしてやっているというのは、どういうことですか。何で一体政府提案できないのです。議員立法ができるものが、何でできないのですか。私はこの問題は、単に議員立法では実に不満足なんです。単に山村振興法みたいに、人口が減ったところの市町村を指定して、そして医療機関が不便だったら、それに補助を出してやるとか、あるいはバスに援助をしてやるとか、そんな対症療法ではいけない問題だと思うのです。というのは、農村の生活は、かりに人口が減らない場合でも、生活の実態、生活の形態が変わっている。もう農村といっても農業は半分です。あとは通勤、通学が非常に多いという生活の形態であるということは、御承知のとおりだと思うのです。ですから、いま交通のラッシュの話がありましたが、ある意味じゃ、むしろ地方の農村圏の地帯のほうにひどい通勤ラッシュのところがあるのです。そういうふうに農村の生活形態が変わったということも踏まえながら、一方において都市計画があるならば、あるいは都市再開発があるならば、一方において農村の計画があってしかるべきじゃないか。そういうサイドからこの問題と取り組まなければいけないのじゃないかというふうに考えるわけです。ことにその解決の中心は、去年の委員会でもいろいろ指摘があったようだし、地方の団体の代表者なども意見を述べているはずでありますけれども、やはり集落の再編成の事態にきている。もうこれは現実の問題として、地方の自治体の長なんかはそれをはだ身で感じておるのです。だから私どもは、この過疎という問題は、単に人口が減った、それに対応した貧しい問題についての対症療法でなくて、やはり根本から集落再編成を柱にして農村の改造に取り組むという姿勢でなければならぬ、こういうふうに思うのです。ですから、そういう角度からするならば、政府がもっともっと熱意を持ってこの問題と取り組んだならば、一年たっていまだにあのような不完全な議員立法に期待して、わずかばかりの予算をつけたのだかっけないのかわからないような、ただ地方財政計画に六百何十億乗せている、政府が負担するものはほとんどないというような姿勢は、決してこの問題と積極的に取り組む姿勢じゃないのですよ。私は腹の底からそう思う。どうですか大臣、いまでもおそくはないのですよ。もう一ぺん考え直して、この国会で不十分でも政府が責任を持って法案を出す、そしてこれをもっと完全なものにしていくという姿勢にならぬですか、そういうことをされぬですか。
  314. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 北山さんの御趣旨は、十分わかります。また、われわれもその気持ちでおりますが、いきさつ上、せっかく議員提案がありまして、かつ、これは議員と政府との間にある程度の連絡があり、互いに意思相通じた点もあります。そういう関係で出ておりますので、実際上はこれを御提案願うことも明瞭でありましたので、そこから入っていくことがかえて実際的で、そしてその不備あればこれを直すというほうが結局は効果をあげ、早いのじゃなかろうか、こういうふうにも考えましたので、この措置に出たわけでありまして、過疎対策の必要、この立法の必要に関しましては、認識において自治省としては欠くるところはない。ただ、実際上の方便と申しましては多少語弊があるかもしれませんが、実際の措置の面から、その考慮からこういうやり方をとったということを、どうぞ御了承願いたいと思います。
  315. 北山愛郎

    ○北山分科員 何としても納得ができないですよ。まあ意思の疎通などは、何か話し合った経過もある、それはわかりますよ。だって、政府が責任を持ってもっといい案を出すのに、だれが反対する人があるのです。与党だって、いやそれは困る、議員提案でなければならぬ、こうは言わないだろうと思うのです。むしろそういうものに自分の責任を負わないで、議員提案に依存しているところに、私は消極的な姿勢があると言うのですよ。そんな姿勢では、この過疎問題の解決はおぼつかないということを心配するのです。政府がもっといい案を出しなさいよ。そんな議員提案を当てにして予算を組んだり財政計画を組むなんということは、私は聞いたことがない。政府の権威に関することですよ。まず珍しい例だと思うのですね。何で自分でできないのですか。どこか非常な障害があるのですか。何としても政府が法案を出すことができないのですか。去年からもう一年もたっているのですよ。去年だったら、それは急だから、各省の合議も必要でしょうし、その時間がなかったとかなんとかいうこともあるでしょうが、それからもうずっとたっているのですよ。今度の国会でもまた去年と同じ方式でやろうなんということは、私は納得ができないし、あのようなちゃちな過疎対策では、とてもじゃないけれども、現地の実態に合わない。私のほうの県のある市長は、その地域の過疎部落を市が条例を出して二十万円ずつ金を貸すとか補助金を出して、それで部落の再編成をしようという条例を出しているのですよ。現地ではそういうふうにせっぱ詰まって、なけなしの財政の中から金を出そうというのですよ。そういうときに、政府がそのような姿勢では、私はどうかと思うのです。  そこで、財源の問題ですが、四十四年度に御承知のとおりに、地方交付税の中から、県とかあるいは大きな市の土地の先行投資に六百億ワクをとった。これは明らかに地方交付税法の原則違反ですよ。地方交付税というのは、地方自治体の貧富の差を調整する財源でしょう。それがはっきりと交付税法の原則に書かれておる。しかもひもつきになってはならぬということも書いてある。それを、交付税をもって六百億も土地を買うのに別ワクとして県や十万以上の市にやるなんということは、おかしいと思うのですよ。それだけの金があるなら、なぜ貧弱な過疎地帯にこの交付税を分けないのですか。そういうものが交付税なんです。  それでお尋ねしますが、一体この土地取得の地方交付税の分というのは、たしか四十四年度の分としても六百億に追加になったでしょう。四十五年度は幾らを予定しているのですか。
  316. 長野士郎

    ○長野政府委員 四十四年度におきまして、その補正予算に関連をいたしまして、交付税の措置といたしましては、さらに基準財政需要額の上で府県に対しまして三百四十五億の追加の財政需要を算定をするということにいたしております。  来年度におきましては、市町村に対しまして約六百億の開発基金費を交付税法上基準財政需要額として算入をいたしたい、このように考えております。
  317. 北山愛郎

    ○北山分科員 こういうやり方は間違いじゃないですかね。これだけの交付税の余裕があるなら、私は、過疎地帯の市町村に対しては、その事業費についてはむしろ交付税を、そういうふうな財源を回すべきだと思う。地方債といったって、借金じゃしようがないほど財政力のない市町村なんですから。多少の利子補給をするとしても、借金で事をまかなわせるのでなく、交付税をそういうふうな形に使わないで、むしろ過疎地帯の事業費に交付税を分けてやる。四十四年度で一千億でしょう。一千億もの金を土地を買う資金として、むしろ大きな富裕な団体に分けてやる、そして過疎地帯には過疎債だ、地方債だ、借金をして事業をやれ。そんなことは、いまの交付税法の精神にも反するし、私は、自治省というのはむしろ大きな団体のほうに味方をする、小さな、いわゆる過疎地帯の市町村なんというのはかまわないというような姿勢だと思うのですが、その点大臣はどのようにお考えですか。
  318. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 いろいろ御指摘がございましたが、政府が過疎立法をしないということについてどうしても理解されないというお話でございますが、私のほうといたしましては、過疎立法ということはなかなかむずかしい幾多の面がございまして、ああいう議員立法という過程でようやく議が合ったわけでございますから、その時点をとらえ、やはりそれを基礎にして出発したらどうだろう、こういう気持から議員立法にお願いをしたわけでございまして、これに対する考え方の基本におきましては、決してないがしろにしていないということは御了承願いたいと思う。  そこで、土地基金に対するああいう補正措置ができ、また四十五年度でいろいろな措置ができるならば、その分を少なくとも過疎対策に回すべきであるという御趣旨と承りました。もちろん過疎対策につきましては、地方交付税の中でも、地方債の中でも、また政府の施策そのものの中にも考えておるのでございまして、要は土地開発基金に対する措置はまたそれなりの考え方から出たのでございまして、政府の施策全体から考えまして、決して過疎対策をないがしろにしているものではないと私どもは考えておるのでございます。なお、この過疎対策臨時措置法の施行経過に徴しまして将来機宜の処置をとってまいりたいと考えております。
  319. 北山愛郎

    ○北山分科員 私は、いま申し上げたとおりで、過疎問題というものを単に一部の特に人口が減ったというところからくる現象だけにとらないで、もっと農村社会の生活の内容が変わってきている、これに対応する村づくりをするんだという姿勢にひとつ考え直しを願って、前向きの姿勢を政府はとってもらいたい、このように要望するのです。  時間がありませんから、もう一点だけ。広域市町村圏に対してはまことに御熱意があるようでございますが、去年は五十二地区を指定したわけですか、ことしは全体で幾つになるのですか。
  320. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 本年度は五十五カ所でございます。来年度は七十カ所という予定でございます。
  321. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうすると、四十五年が過ぎますと、百二十五カ所ですか。
  322. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 さようでございます。
  323. 北山愛郎

    ○北山分科員 全体最終的にやると何カ所になるのですか。要するに私の聞きたいのは、このように一つの府県なら府県の中のある一部だけをとって順次やっていくという行き方は、私はよくないと思うのです。やはり地域的な産業文化圏で、それを単位にした一つのブロックといいますか、地域の一つの行政単位というか、連絡調整の単位というか、そういう単位をつくるならば、そこに漏れることのないようにしなければならぬと思うのです。そうでないと、その地域に人口が集中したり、あるいは不公平が同じように起こると思うのです。ですから、同じやるなら――このやり方についてもいろいろ問題はありますし、われわれとしても検討しなければならぬ点がありますけれども、何というか、順次やっていくのじゃなくて、一つの県なら県を全部、十なら十というブロックに全部一つの絵をかいてみる。そうでないと、その地域からはずされたところはどうなるかということにもなる。なぜそういうことができないのですか。私はそのほうがほんとうだと思う。どういう見通しですか。
  324. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 お示しのように、はずれるところが出ては困るわけでございます。ことし五十五カ所と申しましたのは、予算の関係もございますし、また各地方におきます準備の事情もございます。広域市町村圏の指定は、関係市町村が相談をいたしまして、また知事とも相談をいたしました上で、自治省と相談をして指定をいたしているわけでございます。本年度の五十五カ所は、おそらく各県においても、ただいまお話しのように漏れるところがないようにという非常に大ざっぱなデッサンは描きながら、準備の整ったところから自治省と相談をして私どものほうで指定をしていく、こういうことになっております。最終的には、おっしゃいますように漏れるところがないようにという考え方であることには間違いございません。
  325. 北山愛郎

    ○北山分科員 これは常識的に考えても、将来そういうふうな地域、地方的な産業文化圏でみんなこういうふうに分けていくとするならば、全体を割ってみなければだめだと思うのです。ある一部だけこそっと二つなら二つというものを指定してまたやっていくというようなやり方では、いびつなかっこうになりますよ。全体をこう見ながら、その中で全体を描いて、その中で事業の進度とか、そういうものもあるでしょうけれども、これは一斉にやるべきだ。県で計画をする場合においても、少し手間がかかっても、一斉にやるべきだと思うのです。そうでないと、ほんとうのブロックはできないのではないかと思うのですが、いまのように五十五をやり、七十をやる。何年で終わるか。予算としたって大したことはないでしょうが、五億五千万円つけたでしょう。そんなものを少しぐらいふやすことは何でもない。ほんとうの事業をやるということになれば、金がかかるでしょう。しかし、調査をし、一つの産業文化圏をつくるというなら、一斉にやるべきだ。こういう過疎でもそうですが、みんな地域指定主義ですね。この地域指定主義というのは、よくないのですよ。全体をやはり将来の活動圏として、県なら県というものを幾つかのブロックに想定するという全体の見取り図をつくるのが非常に大事なんで、片っ端からぼつぼつやっていくというのはおかしいじゃないですか。どう思いますか、大臣。
  326. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 お説はよくわかります。お気持ちもわかります。しかし、これまた実際上それでは全国一斉にここで幾つかに分けてぱっと当たれ、その予算措置をせよ、大したことはないじゃないか、こういうことでございますが、なかなか実際は困難な面が一面にはあろうかと存じます。現に五十五と七十――七十の問題につきましてはわずかに数億円でございますが、なかなかこれも苦労をしておる実情があるのでございます。その点、多年の経験をお持ちの北山先生にひとつ御了承を願いたいと思うのでございます。しかし、お気持ちは十分わかっておりますので、おのおのの広域市町村圏を設定する場合には、十分全体のことを配慮しながら、考慮しながら事務当局においても措置に当たっておると考えられますので、そこらの点は十分御了承を願いたい。実際上はなかなか言うはやすくして行なうことはむずかしい点があると考えられますので、気持ちはそれで進んでおりますことを、どうぞひとつお含み置きを願いたいと存じます。
  327. 北山愛郎

    ○北山分科員 時間がないからこれで終わりますけれども、それはことしの広域市町村圏五億五千万円でしょう。何しろ六百億も千億も土地を買う金をばらまける自治省が、政府が、一体広域市町村圏に対して五億や十億の金を出せないというのは、私は話がちょっとわからないのですよ。それと同時に、こういう問題は、実を言うと、これこそまた立法措置が必要なんですよ。将来の地方制度にもつながる問題だ。そういう点で、立法措置をしながら十分検討を加えた上で、将来の自治体のあり方、あるいは地方の活動圏、あるいは文化圏行政圏のあり方というものを想定してつくり上げていくというような、非常に重大な問題ですから、それを何か片っ端から指定をして、じりじりやっていくという自治省のやり方について、どうも賛成できないということを申し上げて、時間が来ましたから、これで終わります。
  328. 古内広雄

    ○古内主査代理 これにて北山愛郎君の質疑は終わりました。  次に中野明君。     〔古内主査代理退席、主査着席〕
  329. 中野明

    ○中野(明)分科員 ただいまも過疎の問題でいろいろ御意見があったわけですが、私も過疎地域のバスの輸送、この問題について二、三お尋ねをしたいと思います。  御承知のように、人口の過密と過疎というのは、非常に大きな政治問題になってきて、大臣もよく御承知だと思いますが、四国には、いまだに循環鉄道もありません。そのために、地域住民の足というのは全部バスになっております。ところが、過疎地域に対して赤字路線の維持費が国から補助費として出ております。きょうは運輸省も来ておると思いますが、非常にそういう点も早くから感じて手を打っておられると思いますけれども、事実上過疎地域の現状というのは、赤字バス路線を維持していくということを通り越して、もうすでに会社の経営が成り立たないで、バス路線を廃止しなければどうすることもできない、こういうきびしい条件に追い込まれているのが事実でございます。そこで私、きょう申し上げたいのは、廃止路線、これに対して代替バスを運行しなければならぬ、こういう現状になっておると思うのですが、この新年度の予算、これは幾らくらいつけておられるか、最初に伺いたい。
  330. 見坊力夫

    ○見坊説明員 廃止代替バス路線車両購入費は来年度予算に入れてございますが、金額にいたしまして八百三十七万円ということございます。
  331. 中野明

    ○中野(明)分科員 それは台数にして何台分を考えておられるのか、そうしてまた補助率、これは幾らになっておりますか。
  332. 見坊力夫

    ○見坊説明員 購入見込み車両数として二十両、補助率は三分の一を考えております。
  333. 中野明

    ○中野(明)分科員 これは四十五年度の予算ですね。
  334. 見坊力夫

    ○見坊説明員 さようでございます。
  335. 中野明

    ○中野(明)分科員 全国で二十両、国の補助で考えられるものとしては二十両ということは、どういうお考えからこれが出発したのかと私ども理解に苦しんでいるわけですが、現状はいまも私申しましたように、赤字バス路線をとにかく維持するということをもうすでに通り越して、会社の経営が成り立たなくて、バス路線を廃止しなければならぬ。一つの例をあげてみましょう。具体的に申し上げたほうがよくおわかりだと思いますけれども、私の県ですが、高知県ではバス会社が二社ありますが、一つは高知県交通といいまして、これは県下全域にバスの路線を持っております。百七十一路線、約二千キロ持っている会社です。この会社が、昭和四十三年ごろから赤字の累積でいよいよどうすることもできなくなりました。先月で大体十億の赤字、おそらくことしで十三億というような現状になっております。このたび百七十一路線の中で七十九路線を廃止し、キロ数にしまして約一千キロに近い、全体の半分を廃止する、こういうふうな問題が起こってまいりまして、非常に大きな社会問題になっておるわけです。これにつきまして、いま非常にあわてて対策をとっているのですが、国のほうとしては、いまお話がありましたように、二十両分だけとりあえず補助金を出そう、こういうふうなお考え、あまりにも現地の実情と食い違っているのではないかと私どもは思うわけです。なぜここでこういうことを言うかといいますと、おそらく過疎地域はいまのようなことが最初でありまして、これからずんずんこういうふうな形でふえてくる。このように私どもは見ます。ですから、ぜひこれは真剣に検討していただいて、補助率も三分の一というよりも、少なくとも二分の一くらいは補助をしてもらいたい、私はこういう考えです。  それからこの点につきまして、きょうは自治大臣もおいでになっています。自治省の関係で、こういう現状、当然これは赤字バス路線を民間の営利会社が廃止いたしますと、地域住民の足は完全にとまりますから、何とかしなければならぬということで、おそらく市町村段階で代替バスを購入してでも住民の足を確保しなければならぬという大きな政治的な問題になってきております。こういうことについて当然考えられることは、赤字バス路線ですから、当然地方公共団体が代替輸送をするにしましてもそれだけの赤字は背負わなければならない、こういうことになります。この点について、自治省のほうとしまして、代替バス輸送で市町村が赤字を背負ってくる、それについての穴埋めというのですか、こういう点、地方交付税とかそういう算定の基礎あたりで何とかお考えになる考えがあるかどうか、この辺を最初にお聞きしたい。
  336. 長野士郎

    ○長野政府委員 不採算路線の維持につきましてま、確かにお話しのような点がございまして、これは地域住民の立場からいえば唯一の交通機関でございますから、不採算路線である、ないにかかわらずそれを継続するというようなことになりますと、いろいろと措置が必要になってまいります。そういうことがございまして、いまお話しのような財源対策というものは、これは国としても予算上の措置もいろいろしていただいているようでございますが、交付税の措置等におきましても、今年度もその関係におきまして路線の維持というような点、つまり、それは地方団体がある程度赤字分を肩がわりしているという実質を見まして、今年度も交付税措置としましては、特別交付税を中心にいたしまして約四千八百万円程度の措置はいたしております。それからなお、通学対策というような関係も考慮をいたしております。これは交付税措置といたしましては、四十四年度におきましても十九億円程度のものを基準財政需要額に算入いたしておりますが、四十五年度はさらに二億円ばかり増加をいたしまして、二十一億円程度の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。なお、それで十分だとも言えませんけれども、今後もできる限りの措置をしながら、また個々の団体につきましては、その団体の状況、特に自治省としましては財政状況等も見ながら措置をし、またその要求になるべくこたえていくようにいたしたい、こう考えております。
  337. 見坊力夫

    ○見坊説明員 ただいま高知県交通のお話がございましたが、非常に切迫した問題といたしまして、逐一私ども報告を受けております。われわれのほうといたしましては、長年、保安の面あるいは運行管理の面でなれてきたバス事業者ができるだけ存続をしてもらいたいという基本的な考え方がございます。  まず、先ほどお話しのございました廃止路線、代替バスの購入補助金は四十五年度からでございますが、乗り合いバスの路線維持費につきまして、補助金を四十四年度から組んでございます。高知県交通につきましては、これはまだ確定額ではございませんが、一千百万円ちょっとというような補助金を交付する予定にいたしております。これは地方公共団体が二分の一、国が二分の一ということでございまして、県並びに関係市町村が非常に積極的に協力されまして、その同額以上の予算を計上して、市町村においてはすでに可決をしたところもございます。その補助金は近く交付できるのではないかというふうに考えております。  それから補助の要件でございますが、来年度におきましても、たとえば乗り合いバスの車両購入費補助とか路線維持費補助につきましては、要件の緩和ということをいたしまして、たとえばいままで車両購入費補助は、保有車両七十五両以下のものに限るというような要件がございました。これをはずすというようなことで要件緩和をいたしてございます。  将来、御指摘のような点も含めまして、この補助金の充実について検討してまいりたいというふうに考えております。
  338. 中野明

    ○中野(明)分科員 いまお話がありました、幾らかいままでも国のほうできめられている赤字バス路線の維持費、この補助金はあるんですが、先ほどもちょっと申しましたように、もうすでにことしの二月から給料は遅配、組合から立てかえてもらっているというような形、おそらく三月もこのまま遅配が続いております。このままでいきますと、会社更生法適用はもう必至だろうと思うのです。そうしますと、どうしても向こうが言っているところの七十九路線、約五割はもう廃止になる。そこからくるところの代替輸送ですね、これについて、いま自治省のほうからも答えが出ておりましたが、ほんとうにこれは地方自治団体もどっちかといいますと、財政の関係で逃げ腰です。喜んで引き受けて、それじゃそのバスを代替で輸送しましょうというような過疎地域の市町村は、私は少ないのじゃないかと思います。ですから、何らかの形で補助金を出して、民間のタクシー会社にでも何とかこれをやってもらわなければたいへんだというような状態、今後全国的に過疎地域にはこういう現象が起こってくる、このように私は見ておりますので、きょうここで問題にしているわけです。ところが現在の制度では、これは運輸省のほうの関係でしょうけれども、代替バスの補助の対象が市町村に限定されているんじゃないかと思いますが、おそらくいまの現状では市町村がしり込みをして、少しでも補助金を出してタクシー業者か何かにマイクロバスでも購入するのに国のほうからでも応援があれば頼んで、そうしてお客をたくさん乗せるという運転の免許をとって運んでもらおう、そこまで深刻な事態になってきておるわけです。こういう点について、どこまでもこれは市町村でなければだめなのか、一般の民間業者は国の補助の対象にならぬのかどうか。ここのところが将来大きな問題になってくると私は思いますので、あらためてお尋ねしているわけです。  それから自治省のほうの先ほどの御答弁で、私聞いておったんですが、やはり地方交付税の算定基準の中にそういうことも将来含めて、基準の中にひとつ過疎地域の住民のバス輸送、赤字バス路線が廃止になったあと代替するというふうなことも算定の基礎の条件にお入れになって、今後地方交付税をきめていかれるかどうか、そこのところをもう一度はっきりお尋ねをしておきたいのです。両方から……。
  339. 見坊力夫

    ○見坊説明員 バス会社に維持してもらうということは一番いいわけです。それがどうしてもできないという場合にはどうするか。これはお話のように、高知県交通はその段階にだんだんなっておるわけですが、私どもとしましては、方法がいろいろあるわけでございます。たとえば貸し切りバスの乗り合い許可をとってやらせていく、あるいはタクシー業者の貸し切り免許をとって乗り合いを許可をする、あるいは自家用自動車の共同使用の許可あるいは自家用自動車の有償行為の許可あるいは市町村が免許をおとりになって運行する、方法はいろいろあろうと思います。ただ高知県交通の場合におきましても、範囲が非常に広い、一つの方法だけで間に合うのだというわけにはなかなかまいらないわけでございます。したがいまして、関係市町村並びに県のいろいろな御意向も加味して、それぞれ当該地域の実情に合わせまして、どういう方法がいいのか、その方法がきまりました場合には、道路運送法の運用等につきましては、弾力的にこれを考えていきたいというように考えております。  それから廃止の代替バスは、予算上は地方公共団体ということになっておりますが、将来これを実際に交付する場合にあたりまして、その実施要領等をこれから詰めるわけでありますが、たとえば地方公共団体が自家用車を買う、その自家用車を、バス会社等にあるいはタクシー会社等に運行の管理を委託するというような形態もできないだろうかということで、実は私どもも、その検討項目の中に入れて現在考えておるわけでございます。実際の運用にあたりまして、なるべく取りました補助金が有効に使われるように検討してまいりたいというふうに考えております。
  340. 長野士郎

    ○長野政府委員 過疎地域の足の確保という問題で、先ほども申し上げましたように、自治省としましては、従来国がそういう路線の維持のために補助を出しておりますが、それに関連いたしまして、交付税措置等もいたしております。これは、さらに先ほど申し上げました通学対策等でも、スクールバス等の関係では措置をいたしておりますが、先ほどのお話にもありましたが、いままで自動車事業の経営ということになりますと、スクールバス等は市町村で動かすことについて別に差しつかえないわけでございますけれども、実はスクールバスをやりながら、その中でほかの人の輸送もあわせてできるというようなことができますと、さらにその点が現実のものとして、一般の交通確保にも役に立つだろうと思います。それにつきましても、運輸省にもいろいろ御検討いただいておるわけでございます。そういういろんな状況の扱い、その他も考えていただかなければならぬ点が多々あると思います。  それからまた、自治省としまして考えます場合には、公営企業との関係というようなものもいろいろ調節をいたしまして、それで一般会計として持つもの、企業会計として持つもの、いろいろくふうをこらさなければならないと考えております。そういうこともございますが、さしあたりまして、過疎地帯の実際の実情に即しまして、財源措置の充実という方向で考えてまいりたい、こう考えております。
  341. 中野明

    ○中野(明)分科員 この機会にもう一度申し上げておきたいのですが、先ほどお話がありました二十台分ですか、これはもうほんとうに実情にほど遠い、とんでもない数字であったわけです。現在どうですか、要望はどれくらい出ておりますか。
  342. 見坊力夫

    ○見坊説明員 これは、予算のときの一応の算定根拠の程度でございます。要望は、まだまとめておりませんので、手元にはきておりません。これからということになります。
  343. 中野明

    ○中野(明)分科員 おそらく実情は、いま私が例をあげました高知県だけでも、もうすでに県から何十台も補助金を先に出して、とりあえず県民の足を奪わないようにという実情ですから、全国的に見れば、もう話にならないのではないか、私はこのように見ております。おそらく新年度の予算でことし初めてこういう制度をおつくりになったのですから、当局としては、ある程度実情を見て先になすったように思っておられると私は思いますが、現実は、とてもとてもそんな状態ではなしに、赤字バス路線を維持するためにこれ以上補助金を出してくれれば、もう何も言うことはないのですが、そんななまやさしい状態ではない。たいへんな問題になっている。そこら辺も考えて、今後予算措置にあたっても実情を把握してもらいたい、こういうことです。おそらく、それではとうてい及びもつかない、私はこのように考えております。  なお、この機会にもう一点聞いておきたいのですが、国鉄バスが、やはり廃止あるいは減便になる、こういう計画があるようにちょっと聞いたのですが、その辺どうでしょうか。
  344. 見坊力夫

    ○見坊説明員 承知いたしております。高知県におきまして、国鉄バスが廃止、休止、減便ということがございますが、廃止は一件、これは池川町の大字大屋と同じく池川町の大字樫山との間一・ニキロ、これは地元との話し合いが済んでおります。それから休止でございますが、一件ございます。別府-北川間九・三キロ、これを徳島バスからも申請がございますので、地元もやむを得ないということで、これも実施すること自体については円満にいくというふうに考えております。そのほか減回でございますが、国鉄の事業につきましては、路線ごとに重要な路線を指定いたしておりまして、それ以外の重要でない路線につきましては、道路運送法の適用の除外になっておりますので、それについては、国鉄は自由にやめることができる、回数を減らすことができるような制度になっておりますが、その減便をしたい路線が現在二十三件あるようでございます。そのほか重要と指定されている路線につきましては三件、これはことしの三月二日に申請が出されて、現在検討中でございます。
  345. 中野明

    ○中野(明)分科員 大臣、いまお聞きのように、国鉄バスですら減便をしたり、廃止をしたりするような状況、これは私から申し上げるまでもなく、大臣も出身が四国ですから、よく御存じだと思いますが、こういうことで過疎問題というものが、あらゆる面に出てきているわけですが、特に足を奪われるということは、もうそのの地域の住民にとっては致命的なものであります。いま大阪では万博も開かれて、世界的な人類の未来の夢まで描いたすばらしい行事が日本では持たれているわけですが、その反面で過疎地域の実情というものは、もう足まで奪われて、おれたちは、どうして生活していったらいいのかというような現状、こういうことについて、地方公共団体が、全部これについて、小さな財政の中からすべてをかぶって苦しんでいるというのが実情です。こういう面からも、ぜひ地方交付税その他におきまして、この地方公共団体に余計なことで負担がかからないように配慮をしていく必要が当然生まれてきた、私は何はさておいて、地域住民の気持ちを考えたときに、たとえ一カ月に一回しか利用しない人であったとしても、いままで長年の間あったバスというもの、自分たちの足がもう全然とまってしまった、バスがなくなるんだということは、心理的に与える影響というのは非常に大きなものがあると思います。こういう点、ぜひ自治省におかれても、財政的な面でも、運輸省ともよりより合議もなさいまして善処方をお願いしたい。これは、いまの高知県のようなところは御承知のとおりです。鉄道も、県の長さで言ったら三分の一も通っていないんじゃないか、あとはもう全部バスにたよる以外にいままで足がなかった、そういうところで、現在運行しているすべての路線の約五割は廃止をしなければならぬというのですから、これはまことにもってたいへんなことです。会社もまさにつぶれるかつぶれぬかということで、給料はもう二月からずっと遅配が続いているというような現状から、この会社に、バスで運べというのも無理でしょう。そうしますと、やはり地方公共団体、そうしてこの公共団体が何とか協力を依頼して民間の業者にも頼まなければならぬといったような状態。おそらく補助金の何ぼかでも出さなければ動いてくれないでしょう。そういう点、大臣として、今後のあり方について、ぜひ所信を聞いておきたいと思います。
  346. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 過疎地域における不採算のバス路線の維持につきましては、ただいま政府委員から御説明がありましたとおり、運輸省並びに自治省におきましても、ともに協力いたしまして、これが維持に当たっておるわけでございますが、なおその施策を強化するとともに、さらには地方公共団体等においてこれが適切な対策を講じ得るよう、自治省といたしましては、交付税の算定基準についてさらに考慮をするとか、あるいは地方債の配分について考慮する等、過疎対策の一環といたしまして、またその基礎の重要な要素を占めますバス路線の維持につきまして、地方住民の御意向に沿うよう、せいぜい検討、努力をいたしてまいりたいと存じます。
  347. 中野明

    ○中野(明)分科員 時間が参りましたが、いま私一つの、高知県の実情だけ取り上げたわけですが、過疎地域でバスを運営しているところは、おそらくこれと同じような現象が必ず近き将来起こってくることは間違いないと私は思います。それだけに、ぜひ自治省も運輸省も、現状をよく把握していただいて、そうして大きな社会問題になる以前に何とか手を打つというふうな方向に努力をしていただきたい、このことを特に要望いたしまして、時間が参ったようですから、私の質問は終わります。
  348. 田中龍夫

    ○田中主査 以上をもちまして、中野明君の質問を終わります。  次は、堀昌雄君に質問を許します。
  349. 堀昌雄

    ○堀分科員 最初に、消防庁の長官にお伺いをいたしますけれども、いま市の常勤の職員による消防があると思うのですが、全国的に、町以下は非常勤職員による消防しかいないんじゃないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
  350. 松島五郎

    ○松島政府委員 市は現在、五百六十四市のうちで五百三十九市が、いわゆる常勤消防によって消防体制をとっております。町村は、現在、二千七百二十のうち百九十四の町村が、いわゆる消防本部を設置して消防署を置いている、こういうことでございますが、最近市の段階は、いま申しましたように、ほとんど常備化が終わりまして、町村の段階で常備化を進めたいというところが非常にふえてきております。
  351. 堀昌雄

    ○堀分科員 私きょう取り上げる案件について調査に参りましたときに、その非常勤の消防団員は一体給料を幾らもらっているのですか、こう聞いてみました。そうしたら、千二百円です、こういう答えなんです。一カ月千二百円ですね、こう言いましたら、年千二百円だ、こう言うのです。一体、いまごろ、給与というか、何の名称で支給されておるのかわかりませんが、一年間に千二百円か何かの報酬を支払っておる、それも重要な消防などという仕事に携わる者に行なわれておるというのは非常に異様に感じたのですが、これはたまたま私がきょう取り上げる兵庫県津名郡淡路町の特別の場合なのか。一体町の非常勤の消防職員という者には、どの程度の報酬が支払われておるのか、最初にお答えをいただきたいのです。
  352. 松島五郎

    ○松島政府委員 消防団員につきましては、出動手当すなわち火災等がございましたときに出動した場合の手当、それから年報酬と二つの報酬が支払われております。出動手当はこれも団体によってかなり幅もございますが、一応交付税の算定にあたりましては、出動一回につき五百円という計算にしております。それから団員の年報酬のほうは、昭和四十四年度では交付税算定上、一年間一人二千円という計算でございますが、この団員報酬の問題にいたしましても出動手当の問題にいたしましてもいろいろ御意見もございますので、私どもで検討いたしました結果、出動手当につきましては、四十五年度の交付税の算定上は一回につき七百円、団員報酬のほうは五千円にいたしたいというふうに考えております。
  353. 堀昌雄

    ○堀分科員 実はいまの当該町では年報酬千二百円、火災出動は一回二百五十円だ、こういうことなんです。私はいまの物価情勢から見まして、一体これは何ごとかと思っておったのですが、いまの交付税の基準から見ると、だいぶ町は上前をはねておる感じがするわけです。  これはいまの常勤職員との関係で伺いたいのですが、常勤の消防はおそらく年功によっていろいろ違いはあるのでしょうけれども、平均的に団員ということになれば年報酬は、常勤の場合幾らになるわけですか。
  354. 松島五郎

    ○松島政府委員 常勤の職員は全く、市町村の一般職員と同じような給与体系になりますので、それぞれ初任給あるいは昇給ということで進んでまいりますが、俸給表といたしまして大体警察官等が使っております公安職の俸給表によっておる者が多いと思います。またそれによってない場合は一般職の俸給表に一号ないし二号プラスしたものをもって俸給表として使っておる、こういうことでございます。
  355. 堀昌雄

    ○堀分科員 ですから、火災が起きてそこに出動するための義務といいますか、あるいは責任といいますか、同時にその危険の程度といいますか、あらゆる点で非常勤消防団員と都市で常勤消防のあるところにおける消防団というものはこれは別の問題だと思いますけれども、しかし常勤消防のない町村にある非常勤消防というものは、常勤消防とやることは同じだと思うのですが、常勤消防と同じことをやらしておいて、片方は公務員一般的な給与体系において、片方は引き上げたといえども年報酬五千円で一回七百円、これはちょっと消防という問題をまともに考えるに足らない給与の体系じゃないかと思います。  そこでちょっと自治大臣、これは政治的なことですから……。これはやはり消防というのは、重要な業務の一つだと思うのですが、日本は御承知のように木造家屋が多いですから、そのためには少なくとも常勤の消防のないところの非常勤消防員については、やはり常勤消防と業務の内容においてあまり程度の差がないとするならば、権衡をとる給与の問題というものがあるのが、私は政治的な判断ではないか、こう思いますけれども、自治大臣の御見解をちょっと承りたい。
  356. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 常置されている消防団員、それから非常勤の消防団員は、火事になって出動するときはやることは同じだろうと思います。しかし全体的には完全に同じともいかないと思います。ここにその職務内容に応じたある程度の権衡、常勤の消防団員を基準に考えまして、その職務内容の多少の差異に準じましたる権衡のとれたある程度の給与を差し上げる、これはもう当然だろうと思うのです。しかし今回私就任をいたしまして、特にその点を注目いたしまして、五百円を七百円、二千円を五千円に上げたわけでございまして、はなはだどうもみみっちいという御批評もありましょうけれども、その意のあるところだけはどうぞおくみ取りをいただきたい。将来さらにこれを改善をしていきたいと考えております。
  357. 堀昌雄

    ○堀分科員 私、この話を聞いて実は全く驚いたのです。いまの物の値段と比較をいたしまして、ちょっとこれは正当に人を使うことになっていない。こういうことをしておけば、私は逆のいろんなものが問題として出てくる可能性が十分にあると思うのですね、ややこれは労力奉仕的になっているとすれば。労力奉仕に対するバックペイを求めるという風潮が起こるということになれば、これはたいへんなことになると思うのです、消防という性格上。ですから、いま確かにおっしゃったように、常勤職員と同じにしろとは私は全然言っていないのです。ただ、常勤職員の場合には、いまの公務員の初任給が幾らかよくわかりませんが、いくらなんでも二万円やそこらは出されるだろうと思うのです。そうしますと、年間に約三十万円の年俸を取る者と、片や年間五千円ではこれはちょっと権衡がとれているとは思えませんので、これはどうかひとつ自治大臣、消防庁を含めて自治省当局は来年度は交付税の算定の基礎の中にもうちょっと大幅にこれを入れてもらいたいと思うのですよ。だって、いま大蔵省とあなた方の地方交付税のやりとりを見ていると、とにかくあなた方は巻き上げられる一方で、まことにその点はだらしがないと思うのです。だからこういうものは、これはきちんとやるべきものを地方交付税の算定にして、これをやるからにはこれだけ要るんだといって、やはり取るものを取って、そして全国の非常勤の消防団員が、少なくともようよう人並みに扱ってくれたなという感じのする程度にやらなければ、これは政治上重要な問題だと思うのですね。どうか自治大臣、消防庁長官以下、自治省幹部は、来年度はひとつはち巻きを巻いてやってください。私も協力をしますから……。これは私は、こんなばかなことが、重要な消防問題について行なわれているということは、ナンセンスだと思いますので、特に要望をしておきます。  そこで、一つ例を申し上げますと、ことしの一月二十八日の午前九時ごろに、兵庫県津名郡淡路町、これは淡路島の北端にあります岩屋というところにあります親和マッチ岩屋工場というところで火災が起きました。その火災が起きたときには、一階のところ――建物は鉄筋コンクリート四階建ての工場でありますけれども、その一階の家庭箱というのですか、これは大きい箱だろうと思うのです。その家庭箱詰め機作業場付近から出火をして、この建物の延べ四千平米が全焼したわけですその結果、九人の人が焼け死にました。この九人の人の中身をちょっと申し上げますと、死亡者九人のうちのただ一人の男性は、これはろうあ者でありまして、山市輝夫さんという人でありますが、五十歳余りの人でありますがこの人は火災が起きると同時に、奥さんの千江子さんというのを、これもやはりろうあ者でありますけれども、この人をまず戸外に連れ出して、そうしてあと残っている人を救出しようと思って中に入って、そして一階の窓にしがみついたままで焼死をしておるわけです。ところがその他の八人は、四階のエレベーターの入口のところで、折り重なって全部焼死をしておったのです。その八人の人たちというのは、島本けいさんというのは六十四歳、後藤こよしさんというのは五十九歳、東根すえのさん五十八歳、橋本絹枝さん五十五歳、西岡つやのさん四十八歳、大野みきさん五十八歳、西谷うめのさん六十六歳、橋本りえさん六十二歳、いずれもおばあさんといわれる年齢に達しておる人たちだけが、四階のエレベーターの入口で折り重なって焼死をしておるという事件なのであります。あと三人の重傷者と十四人の負傷者があるという一つの事件でありますけれども、私は、この事件をここで取り上げるのは、個別案件として取り上げておる面もありますけれども、非常に問題があるわけであります。それは、まずこの親和マッチの会長の大谷長五郎さんというのは、いま私の指摘をした淡路町の町長であります。そこで、現在の法規上は、その町の町長がその町の消防長を兼ねるということに一般的にはなっているようですね。ちょっとこの点について、消防庁の長官のほうからお答えをいただきたい。
  358. 松島五郎

    ○松島政府委員 消防本部を置きます場合には、消防本部の長として消防長を置くということになっておりますが、常備消防を置かないところ、そこでは市町村長が消防の行政の責任者になる、かようなことになっております。
  359. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで親和マッチ株式会社のいま会長でありますが、実はこれは一昨年の四月に出火をして、その際脱税事件が起きておるのですね。大蔵省国税庁、入っていますね。この四十三年四月のときの脱税の模様を簡単にちょっと報告をしてもらいたいのです。
  360. 窪田譲

    ○窪田説明員 先生御質問の件は、兵庫県津名郡淡路町の株式会社親和に関する問題ですが、この会社につきましては、四十年、四十一年、四十二年――これはそれぞれ事業年度が一月から十二月まででございますが、その三年度につきまして四十三年六月に調査を行なっております。調査の内容につきましては、個別の事案でございますので、ここでは御容赦を願いたいと思います。
  361. 堀昌雄

    ○堀分科員 しかしこれは脱税事件として新聞にも報道され、当時の岡下洲本税務署長がいろいろと発表しておるわけです。新聞で発表された程度でいいですから、ちょっとその内容を言っていただきたいと思います。
  362. 窪田譲

    ○窪田説明員 私、新聞にどの程度発表されたか存じておりません。そこでどの程度の問題が出ておるかわからないのでございますけれども、個別の所得金額その他については発言を差し控えたい、こう思っております。
  363. 堀昌雄

    ○堀分科員 法人税の脱税のあったことは間違いがないですね。その点、ちょっとあなた答えてください。
  364. 窪田譲

    ○窪田説明員 一応四十三年六月に三期分の調査をいたしたという事実はございます。さらにそれによって更正を行なったという事実はございます。
  365. 堀昌雄

    ○堀分科員 実は大蔵委員会ならこんなことじゃ済まさないのですが、分科へ来ているのだから、きょうは大目に見ておくけれども……。要するに、これは火災が起きまして、その火災が起きたときに損害を過大に出して、脱税が行なわれたというのが事実明らかになっておる。そこでここは大谷マッチといっておったのを、その責めをとって、社長である大谷町長は会長に退いて、名前を親和マッチと変えて、むすこの本年二十八歳になる禎誉さんというのが社長になっておるという会社なんです。そこで実はこの火災が起きたわけです。  ここで一つ私が問題を提起したいのは、こういうようなマッチというのは危険物だと私は思うのですが、そういうマッチ工場でひんぴんと火災が起きるものだから、非常勤の消防団員であるけれども、立ち入り検査をしたいといって会社を訪れたところが、その消防団員の人が私に話したところによれば、消防長はおれだから立ち入り検査の必要はない、心配するな、酒の五本も持っていけといって、酒を五本渡して帰したという事実がある。こういうふうに消防団員は述べているわけですね。危険な工場の立ち入り検査をしに行ったところが、おれが消防長だからおまえは帰れ、そのかわり酒の五本もやるということが行なわれておる。一体消防長の立場として適当な行為かどうか。消防庁、答えてもらいたい。
  366. 松島五郎

    ○松島政府委員 立ち入り検査を拒否するということがあったといたしますならば、それは不適当な行為であるといわざるを得ないと思いますが、ただ私どもの承知しておる限りにおきましては、親和マッチ工場に対しては、この四年間に、昭和四十一年十一月二十六日と昭和四十四年十一月二十六日の二回にわたり、火災予防運動週間中に立ち入り検査を実施しているという報告を受けております。なおその際に、消防団員の立ち入り検査を拒んだという事実はないという報告はいただいております。
  367. 堀昌雄

    ○堀分科員 それはだれから報告がきておるのですか。
  368. 松島五郎

    ○松島政府委員 県から報告がきております。
  369. 堀昌雄

    ○堀分科員 その県は、だれからその報告のもとを求めるのでしょうか。
  370. 松島五郎

    ○松島政府委員 県はおそらく現地で調査されたものと思っております。
  371. 堀昌雄

    ○堀分科員 そうすると、現地で調査をした場合に、答えるのは、その町の消防長が答えるということになるんじゃないでしょうか。
  372. 松島五郎

    ○松島政府委員 そこでだれが答えたかまでまことに申しわけありませんが、調べてありません。町長が答えられたのか、あるいは役場の職員に聞いたのか、あるいは消防団長に聞いたのか、その辺は私は承知いたしておりません。
  373. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこまではいいですけれども、話の筋道からすれば、私は直接その消防団員から聞いたわけですから、おそらく間違いがないと思う。その人たちがうそを言う必要があることではありませんから、間違いがないと思う。特にその火災が起きましたときに問題なのは、その消防団の人たちがこういうことを言っているわけです。このマッチ工場はしばしば火災が起きておって、ことしになってからも、二、三回起きておるようだ。ところが警察に知らせる前に内部で消しとめると、もうそのままで処理をして、実は出火処理にはなっていない。そこでマッチ工場でありますから、温度がある一定度に上がったら火災を知らせるベルが鳴る仕組みがつけてある。ところがこのときはそのベルが鳴らなかった。なぜ鳴らなかったのかというと、実はひんぴんと火災が起こるものだから、そのベルのスイッチが切られていたという事実があるということを、その消防団員たちが私に話をしておるわけです。これが一つ。  それからもう一つは、出火はどうも八時三十分ごろ起きておったようだけれども、警察のサイレンが鳴ったのは九時十分であった。消防が出動して現場に着いたのは九時十五分であった。ところが着いてみると、一階その他からマッチを盛んに搬出をしておる。煙はどんどん出ておるけれども、マッチを盛んに搬出しておる。その消防団員たちはその建物の中にはもう人はいないんですかと聞いた。そうしたらその工場の管理者たちは、いるかいないかわからないが、たいていみな逃げたと思う、こう言ったというのです。この工場には一体何人入っていたんですか、それについても何らの答えができなかった。それで、結局いまの八人の人は四階に取り残されて、救出されないでそのまま焼け死んでしまったという事実があるわけです。これらをずっと調べ、さらにもう一つちょっと伺っておきたいのは、こういうところは防火訓練のようなものをするようにある程度義務づけられているんじゃないでしょうか。その点は私もちょっと消防のことはよくわかりませんから伺いたいと思うのです。
  374. 松島五郎

    ○松島政府委員 こういうところでは、消防計画を立てまして避難訓練を実施するように義務づけておると申しますか、訓示的な規定ではございますけれども、慫慂をいたしておるわけでございますが、この工場では会社全体としての避難訓練は実施していなかったということでございます。
  375. 堀昌雄

    ○堀分科員 過去において避難訓練その他は全然行なわれていなかった。そうしていま申し上げたようなたいへんなお年寄りを、それも四階に上げて避難訓練もしないで使っていたというような事実があるわけです。  そこで私はこの問題の中で問題として一つありますのは、消防長が、そういう危険な何回か火災を起こし、それからまた脱税事件に発展したというような会社の責任者である場合に、町長が消防長であるということの事の適否が問題であると思うのです。これは制度上の問題ですから、やはりそういう可能性のあるところで、その会社の責任者がたまたま町長であった場合に、それが消防長を兼ねて、いま私が申し上げたような立ち入り検査については、もういいじゃないか、帰れというような話になったり、鉄筋コンクリートの四階建てで、その四階に六十歳代のおばあさんたちを就業させて、本来行なうべき避難訓練もしていなかったり、あるいはそのところは調査の対象になるのでありましょうけれども、火災通報ベルのスイッチが切られていたとか、いろいろなことを考えますと、私はこれはきわめて大きな過失か、注意の不行き届きといいますか、問題があると思うのです。刑法百十七条ノ二には「業務上過失・重過失」という中で、「第百十六条」、これは失火ですね、「又ハ前条第一項」、激発物破裂、「ノ行為カ業務上必要ナル注意ヲ怠りタルニ因ルトキ又ハ重大ナル過失二出テタルトキハ三年以下ノ禁錮又ハ三千円以下ノ罰金二処ス」、それから刑法第二百十一条では「業務上過失致死傷」として「業務上必要ナル注意ヲ怠り因テ人ヲ死傷二致シタル者ハ五年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金二処ス重大ナル過失二因リ人ヲ死傷二致シタル者亦同シ」、こういう規定があるわけです。私は当然これらの問題に関係があるように思いますので、警察庁のほうではこれらについて現在どのような調査を進められているか、お答えをいただきたいと思います。
  376. 高松敬治

    ○高松政府委員 私のほうでは火災の原因究明のために、所轄の岩屋警察署のほかに県本部から捜査、鑑識両方の課員を臨場させまして、引き続き業務上失火あるいは業務上過失致死傷、消防法違反、こういうような容疑について取り調べを実施いたしております。まずは火災のほんとうの原因は何であるかということの解明が必要でございます。それから責任の所在のいかんについては、出火の日時、場所あるいは作業体制、作業状況、危険物の貯蔵、取り扱い状況、そういうふうなものを明らかにいたさねばなりませんので、関係者からいろいろ事情を聞き、取り調べを行ない、あるいは必要な鑑定を行なうということで仕事を進めております。ただ、現在のところまだ全部終わっておりませんで、検察庁に送致いたしてございません。具体的な内容はちょっと差し控えたいと思いますが、そういう状況でございます。
  377. 堀昌雄

    ○堀分科員 みな現在捜査中でありましょうし、個別案件でありますから、私もこれ以上伺いませんけれども、やはり私がいま申し上げましたように、制度上にも問題があるし、過去においてもいろいろと問題がある事実でありますから、ひとつ慎重な捜査によって、少なくともいま私が申し上げましたように、おばあさんたちが、本来避難訓練もされなければ、四階に上がっていて火事が起きたときに一体どうやって逃げたらいいのかわからない。エレベーターの入り口に殺到して、そこに折り重なって死んでいるということは、私は全く悲惨なことだと思うのです。それがたまたま町長であり消防長であった者の工場で起きた事件であるということについては、私はいまの条文に照らして何らかの問題が起こる可能性が十分にあるという判断をしておりますので、どうかひとつ公正な捜査によって処置をしてもらいたと思います。  そこで最後に法務省にお伺いをいたしますけれども、いまの問題と離れまして、一般論になるわけでありますけれども、一体刑法二百十一条なり百十七条ノ二の中に書かれておる――「業務上必要ナル注意ヲ怠りタルニ因ルトキ」ということと、それから「又ハ重大ナル過失二出タルトキハ」というのが百十七条ノ二にある。片方で、「業務上必要ナル注意ヲ怠り因テ人ヲ死傷二致シタル者ハ」「重大ナル過失二因リ人ヲ死傷二致シタル者」、ここのところは同じ形で法律が書かれておるわけですね。ですから、私はいまの「必要ナル注意ヲ怠りタル」ということは、火災を起こす問題もありましょうけれども、要するに火災が起きたらどうやって逃げるかというようなことは、これは私は当然「必要ナル注意」だろうと思うのです。そうすると、その人たちが過去何年かにわたって避難訓練もしないで、鉄筋コンクリートの四階建ての四階に上げられて、その下で発火物の作業をやっていて、逃げられないような条件ということがもしあるとするならば、これは一般論でありますけれども、私はやはりこれは「業務上必要ナル注意ヲ怠りタル」ような感じがしてしかたがないのですよ。ですから、一体この「業務上必要ナル注意ヲ怠りタル」ということはどの範囲までを法律は期待をしておるのか、これを、法律論としてちょっと法務省の立場から答えてもらいたいと思います。
  378. 前田宏

    ○前田説明員 いま先生お尋ねの事件は、先ほど警察庁のほうから御答弁ございましたように、まだ警察の段階で調査中でございまして、検察庁はまだ受理しておらないわけでございます。  そこで具体的なことはまだ申し上げかねるわけでございますが、いま一般論としての御質問でございますのでまあ一般的に申し上げるわけでございますが、特に先生のおっしゃいましたことは被害者の方がなくなったという関係について、いまおっしゃいましたような不備があったというためにそういう悲惨な結果が起こったという点をとらえておっしゃっておるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。そういうことになりますと、当然そういう結果を生じないようにするための義務がある場合、それを怠っておればいまおっしゃいましたような業務上必要な注意を怠ったために死の結果を招いたということに一般的にはなるかと思います。具体的に本件がこの場合に当たるかどうかということはさらに警察庁捜査結果を待ちませんとわからないわけでございまして、十分警察庁のほうでお調べいただいておると思いますし、また検察庁のほうもその結果に基づきまして適切な措置がとられる、かように考えております。
  379. 堀昌雄

    ○堀分科員 まだ捜査中でありますからこの話はここまでにいたしておきますけれども、そのうちには捜査も一段落して何らかの措置があると思いますから、その時点でまた地方行政委員会でこの問題を取り上げることにいたしまして、本日の私の質問を終わりますが、ただ最後に一つ、本日私が問題提起をした非常勤消防団の給与の問題と、それから町長が消防長を兼ねる場合にはある程度の例外規程が必要なんじゃないか、普通のやつはいいですよ、ただし危険物その他の問題については問題があるということと、それからもう一つだけちょっと伺っておきたいと思うですが、水の便の悪いところにマッチ工場のようなものを認めるというのは、これは消防庁としては何か爆発物、危険物ですかの処置で、そういうところへ工場を建てちゃいけませんという規制はできるのですか、どうですか。
  380. 松島五郎

    ○松島政府委員 ただいまの御質問のうちの一番最後からお答えいたしますと、場所について水がないからつくっちゃいかぬという制限はできません。ものによっては水路とか消火設備を行なわなければならないという義務づけはできますけれども、たしかそうなっていたというふうに記憶いたしております。  あとから二番目のお尋ねでございました消防長と申しますか消防の責任者である市町村長の問題でございますが、これは非常にむずかしい問題でございます。そもそも消防というのは地域社会安全を地方自治団体が確保していくというたてまえから出発いたしておるわけでございます。したがいまして、かりに消防長という専門家を置きましても、これはどこまでも市町村の職員でございます。市町村自体の仕事として地域社会の安全を確保していく、そのための消防ということになっております。したがいまして、その責任者である市町村長が除外されるということになりますと、組織として成り立たないという問題も出てくるわけでございます。ただ、いまお尋ねのありましたような具体的な危険性を持つ施設についての予防上の諸権限の行使という問題を現在どおり市町村長にやらせるのがいいのか、あるいは府県段階でやらせるのがいいのかという問題については、法律上なお検討の余地があろうかと思います。ただ、この問題を私どもいろいろ検討いたしておりますけれども、何ぶんにも今日の消防は市町村消防という発展過程をたどってきておりますので、およそ市町村の権限に属する消防の仕事を府県の段階に移すということについては、別の意味で非常に強い抵抗もございますし、また考えなければならぬ問題もございます。それらの問題もあわせまして検討をいたしたいと考えております。  それから報酬の問題でございますけれども、御指摘のとおりこれをいわゆる報酬と見ますには常識に合わないという考えも成り立つだろうと思いますが、ただ先ほども申し上げましたように、市町村の消防はそもそもは地域社会の安全はみずからの手で守っていくのだという、いわば市町村住民の手で守っていくんだという考え方から出発をしてきておりますので、自分たちの手で安全を守るんだということ、したがって、これはお互いの共同奉仕だ、こういう考え方で出発したものと考えられるのでございます。しかし今日御承知のように、一方においてはまあ専門家の職業としての消防というものが成り立ってきて、一方においては無報酬、奉仕としての消防というものとの関係が出てまいりますと、それだけで割り切ることができるかどうか、なお検討の余地があろうと思います。いずれにいたしましても、消防団の処遇の改善ということにつきましては努力をいたしたいと思っております。
  381. 堀昌雄

    ○堀分科員 終わります。
  382. 田中龍夫

    ○田中主査 以上をもちまして堀君の質問を終わります。  次は、小濱新次君に質問を許します。
  383. 小濱新次

    ○小濱分科員 私は、自治大臣とそれから交通局長来ておられますか、お二人に交通人身事故対策についてお尋ねをしてみたいと思います。  昨年の交通事故死は十二月二十七日現在で一万六千人、こういうふうに出ております。さらには十一月の末で負傷者が八十六万九千二百四十一名、こういう数字になっておりますが、本年の二月十九日までにはすでに二千十七人、こういう事故死のデータが出ております。ことしになってもうすでに二千人以上も突破している、こういう現状をやはり国務大臣として自治省をあずかる立場からぜひともこの対策には努力していただきたい、このように思いますが、いろいろといままでにたいへんな努力をしてこられたこともよく私もわかります。わかりますが、この問題についてどうしてもまず交通安全の最も基本となすもの、これは何であろうか。交通管理体制は一応整ってきたように私どもも聞いておりますが、安全施設、教育体制はいまだ不備であるとも伺っております。早急に安全施設の改善拡充をはかっていかなくちゃならないかと思いますが、この安全施設のことについてはあとでお伺いいたしますが、交通安全の最も基本となすものは何か、これは大臣からひとつそのお考えをお聞きしておきたい、こう思います。
  384. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 交通安全対策の基本は何か、これは一律には論じ得ない、やはり施設面それから精神面、それからまた全体の施策という多方面から論ぜらるべき問題と思いますが、交通の問題となれば、また道路上の問題もあるし、陸上ばかりでなく海上の問題もございましょうし、また航空上の問題もございましょう。要は施設、それからその施設を十分バックアップする予算上の対策、それからいろいろ交通組織体制上の整備の問題もございましょう。それから交通機関に従事する人あるいは交通機械を運転する人、また陸上においては通行者の心がまえという精神上の問題もあろうと思います。これらを総合的に施策することが必要ではなかろうかと思っております。
  385. 小濱新次

    ○小濱分科員 総理大臣も人間尊重ということを強調しておられます。その基本方針に沿っていろいろと各省庁が努力をしておられることと思いますけれども、やはりいろいろといままでの事故内容を検討してみますると、最近は大都市ばかりじゃなくして郡部にも相当の被害状況が大きく拡大されていく、こういう傾向が出ております。住民の福祉を願う立場から、自治大臣の決意といいますか、その基本方針というものがはっきりと打ち出されていかなければ、この問題の解決はあり得ない、こういうふうに私どもは考えておるわけであります。今回聞くところによりますと、道交法の一部も改正されるというお話を聞いております。さらには最近総理府の長官が事故の半減を目ざしてと、大いに方針を述べておられます。こういうことで、建設省としても各関係省庁がこの問題と真剣に取り組んでおられるわけですけれども、公安委員会あるいは道路管理者ということになっておりますが、自治大臣に課せられた使命もたいへん大きいものがある、私どもはこういうふうに考えておるわけです。ですからその具体的な内容についてはいまお話を承りました。よくわかりますが、やはり人間尊重、生命の尊厳という立場からも、もっとかたい決意の披瀝があってしかるべきだと思います。大臣としては慎重にお考えになっておられるかと思いますけれども、年々更新をしていく事故の内容をよくよく見詰めてまいりますと、これはなみなみならない決意が必要であろうかと思うわけです。私のほうのデータですと、昭和三十五年から十年間で死者は十二万六千人、負傷者は実に五百万人を突破している、こういう交通戦争といわれるいまわしい悲惨な事実が起こっているわけです。もっと期待に沿うような抱負、また決意なりをお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  386. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 申すまでもなく人間尊重の政治を標榜しておる政府でございますので、特に交通戦争といわれる今日の時代に、この社会情勢を見まして、交通安全対策に力を尽くし、人命を尊重するということは申すまでもありません。これに対しましてはできるだけの努力を重ね、検討の上に万全の措置を講ずべく各省相協力一致の体制をもって当たっておるのでございまして、この点は申すまでもございません。私といたしましても交通安全の対策に万全を期したいと考えております。
  387. 小濱新次

    ○小濱分科員 交通局長にお尋ねしたいのですが、いまの問題に関連して、安全施設の中でも最も基本をなすものは何であろうか。これはいろいろあると思いますが、交通局長の立場からお答えいただきたいと思います。
  388. 久保卓也

    ○久保政府委員 交通安全施設の基本は人と車の分離でありますが、これを具体的に申しますと、道路管理者の場合には歩車道の区別、つまり車の通るところには必ず歩道をつけてほしいというのがわれわれの最大の願望でありまするし、公安委員会の関係で申しますると信号機であります。ただし信号機と申しましても、これが非常にふえてまいります場合には、交通の渋滞につながってまいります。そこで主要な都市につきましては、電子計算機でこれをコントロールし得るような、そういう高度化された信号機というものが基本であろうかと考えます。
  389. 小濱新次

    ○小濱分科員 これは大臣にお尋ねしたいのですが、国及び地方自治体の安全施設に対する予算が、道路建設費などに比較してまことに少な過ぎる、こういうふうに私は見ておりますが、この問題については、自治大臣としては具体的にこの内容についてお示しいただけましょうか。
  390. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 自治省関係の交通安全対策上関係する施設は、主として信号機であろうと思います。この点に関しましては、交通反則金からなる交通安全対策特別交付金によっても処置されておりますし、また交付税等の算定の基礎によっても処置されておるのでございまして、この点はある程度できておるように伺っておりますが、詳細は財政局長のほうからお答えさせたいと思います。
  391. 長野士郎

    ○長野政府委員 昭和四十五年度におきましてもただいま大臣がお答え申し上げましたように、計画といたしましては補助、単独ございますが、交通安全対策特別交付金のほうは単独事業でございますが、両方合わせまして五百二十二億ということになっております。過去の実績におきましても、従来からこの交通安全施設整備事業の計画は、地方公共団体におきましても当面の非常に大切な事業でございまして、実績を十分計画どおりと言いますか、計画をある程度上回って満たしておるという状況でございます。
  392. 小濱新次

    ○小濱分科員 私どもが道路を走ってみて感ずることは、不親切な道路標識、こういうふうに思える地点が非常に多いわけです。まだまだ不足している。あるいは全然ない。四つ角に行ってどちらに行っていいかわからない。こういうことから運転ずる者がまごまごする、こういうことで相当不足をしておるように見受けられるわけです。どういう計画をお持ちになっているのか。今後どのくらい設置をされようとするのか。あるいは不足をしている予算はどういう内容になっているのか。いまのお話で四十五年度は五百二十二億、これはわかりました。いま不足しているそういう面、将来計画、予算措置の問題等について、おわかりならばお教えいただきたいと思います。
  393. 長野士郎

    ○長野政府委員 この交通安全施設整備事業につきましては三カ年計画というのがございまして、御承知のように、それは四十四年度から四十六年度までの三カ年でございますが、一応計画ができておるわけでございます。これによりますと、補助事業において七百九十六億、単独事業におきまして三カ年間に八百五十四億というようなことで、合計いたしまして千六百五十億ということになっておりますが、これらの計画は、それぞれ具体的には市町村から積み上げてまいりまして、そして、県、国というかっこうで全体の計画ができておるわけでございます。したがいまして、この計画そのものは、架空なものではございませんで、実際の市町村の必要という観点からつくられておるものを内容といたしておりますが、個々の施設でどういうものが一番要求されているかという点になりますと、ちょっと手元に詳細な資料はございませんが、それにいたしましても、そういうことの実質を持っておる計画でございます。また実績におきましても、その計画を十分実現をしておるというのが現在の状況でございます。なおしかし、それでも交通事情というのは、たいへん計画後におきましても変わってまいりますから、なお充実の必要があるということは一般論としては申し上げられると思います。  一般的に申しますと、先ほど交通局長のお話がありましたように、いわゆる歩車道の分離といいますか、歩道の設置とか、あるいは横断橋とか、学童の通学路の安全のための通学路の確保というようなものが中心になっておると思いますけれども、具体的な個々の事業の個所数でございますとか内容は、いま手元に資料を持ち合わせませんので、詳細なことの御返答はできないわけでございますけれども、また、わかります範囲におきまして後刻御連絡をさしていただきたいと思います。
  394. 小濱新次

    ○小濱分科員 私のほうの記録ですと、七つの都府県、その他の道県、こういうふうに分かれてデータが出ておるわけですけれども、この七つの都府県で大体三分の一くらい、ちょっと多いくらいの構成率になっておる、事故の内容です。したがって、市内と郊外ということで、郊外の事故が非常に多くなってきた傾向が出ております。私は、三十八年からずっととってみたわけですけれども、死者の構成率と負傷者の構成率をずっととってみました。負傷者のほうは、大体五〇%、半分くらいになっておる。こういう内容から、なるほど、私の地元をこう見詰めてみますると、神奈川県には四十一の警察管下がございますが、その中で上位の五カ所、六カ所くらいは、いわゆる横浜とか川崎市あるいはまた横須賀方面、ここを抜いた郊外のほうの中小都市に、非常に上位の事故死と不傷者の内容が多くなっている傾向が出ているわけです。一番多いのは、神奈川では小田原になっております。それから大和市、それから相模原、あるいは藤沢、平塚、こういうふうになっておる。非常に郊外の事故内容が多くなってきておる、こういう傾向があるわけで、しかも、この市内と郊外という問題と、もう一つは裏通りです。五メートル道路ぐらいの裏通りにはほとんど施設が見当たらない。裏通りの不備ということがはっきり出ているようでございますが、この問題については、やはりこれは自治省で、道路管理者の立場から真剣にお考え願わなければならないかと思いますが、現状はとてもそこまでは手は回らぬ、こういうふうにおっしゃるかもしれませんけれども、この問題も力強く対策を講じてまいりませんと、この人身事故対策の半減あるいは絶滅を期することは非常に困難である、こういうふうに私どもは考えるわけですが、このことについて何かお考えをお持ちになりましょうか、お答えをいただきたいと思います。
  395. 長野士郎

    ○長野政府委員 この交通安全施設につきましては、先ほども申し上げましたように、個々の市町村の段階におきましても、交通取り締まり当局、道路管理者、地元の住民の代表というような人たちが集まりまして、そして計画を立てるということで協議をした末にきめて、ずっと積み上げてきておるわけでございます。そこで、御指摘のような点につきましても、やはり、警察関係、交通規制の関係とか、実際の実情とか、事故の発生というようなものを考えながら、実態に即するように調節をしながら実施するということに相なると思いますから、関係機関との協議の上で、個々の市町村におきまして、どこから必要な施設整備をはかっていくかというようなことは、もしいま御指摘のような点がございましたならば、関係方面とも十分協議の上でそういう措置をとるということを現地としてもいたすと思うわけでございますが、なお関係機関ともそういう点についての検討をこれからも続けさせていただきたい、こう思っております。
  396. 小濱新次

    ○小濱分科員 交通局長にお尋ねしますが、この裏通りの不備ということで、五メートル以上の道路には歩行者と車の安全のための道路標識を完備していかなければならないと思います。そこで、やはり歩行者の安全ということを主目的にしてこの計画もどんどんと進めていかなければならぬと思うのですが、ひとつ局長の考えを聞かしていただきたい。
  397. 久保卓也

    ○久保政府委員 交通安全施設緊急整備三カ年計画によりますものは、総理府令と建設省令で道路が指定されております。これは一定の基準があるわけでありますが、大ざっぱに申しますると、大体五・五メートル以上の道路について、歩道をつくったりあるいは安全施設をつくったりという計画になっておりますが、お話しのように、まず五・五メートル以上でありましても、安全施設が十分でないという面がまだ残ります。これは三カ年計画が終了いたしましてもまだ残っている。いわんや五・五メートル以下のものにつきましては、この緊急三カ年整備計画の対象になっておらないということで、裏通りがなおざりにされておるということとが昨年来強調されているところです。  そこで、私どもの立場からいたしますると、五・五メートル以下でも歩道もしくはそれにかわる施設を道路管理者につくってもらいたいという問題が一つ。これは今後の問題でありますが、さらに私どもの立場から、つまり公安委員会の立場からいたしますると、狭い道路についての信号機、これは少し実情に合わないと思いまするけれども、一時停止のラインでありますとかあるいは特に交差点を標示する標識類、こういうものを設置する。それから、さらに、特定の道路について自動車の速度を制限すること、あるいは一時的に時間を限りまして車の進入を禁止、制限すること、場合によっては、きわめて狭い道路については、車を通さないようにするということ、こういうような問題につきまして、昨年の後半来、各県に指示をいたしておりますので、逐次そういうような方向で進んでまいっているように思います。ただし、この裏通りにおける施設につきましては、公安委員会が車の制限あるいは禁止をするというだけではとどまらないのでありまして、標識、標示をしなければいけません。そうしますと、裏通りにおける交差点だけをとりましても、無数の数があるわけでありまして、これは相当な経費を伴う仕事であるということで、今後大蔵省なり自治省なりとも協議をしながら、そういった経費のくめんをしなければいけない、そういう問題は残されていると思います。
  398. 小濱新次

    ○小濱分科員 さらに局長にお尋ねしますが、信号機、道路標識、道路標示、これはやはり交通安全施設の最も基本となるものではないか。それは道路のいろいろな内容についてはわかりますけれども、この問題が最も基本となるものだと私は見ているわけです。  なぜかというと、きょうは時間がありませんから、いろいろとデータを示しませんが、このデータの上から見てみると、施設を施したために、あるいはまた半減した、あるいは三分の二減った、あるいは京浜第二国道あたりは四倍以上も減ったという、そういう記録も出ているわけです。こういう点からどうしてもこれの長期整備計画を立てていかなければならぬと思いますが、これは警察ですから当然お持ちになっていると思いますが、こういう経費概算、こういうものがどのくらい必要になっていくのか、大体目安はございますか、その計画についてお聞きしたいと思います。
  399. 久保卓也

    ○久保政府委員 通常の事務ペースによりまして予算を取得してまいりましても、なかなか大幅な増加ということは期待しにくいのであります。しかしながら、その程度ではまたいまの非常に膨大化しつつある交通事故を押えるということもきわめて困難であります。そこで、総務長官ではございませんけれども、相当数の事故を抑止するというためには思い切った投資が必要である。私はいろいろなことを考えましたけれども、結局金であるという結論に達したわけでありまして、そのために従来警察というものはわりと貧乏根性でありまして、与えられた金でやるくせがついておりますが、こういった一種の事業的なものについては相当大幅な金が要る。そこで、従来の考え方よりも相当思い切った転換をいたしまして、安全施設についての数なり質なりを向上させるという観点に立って各県の要望を取りまとめ、ある程度私どもで整理をいたしますると、これはまだ警察庁として検討した数字でもありませんし、いわんや各省と御相談した数字でもありませんので、公の数字ではありませんが、私どもの中での試算ではそういった安全施設関係だけでも三千数百億くらいはかかるのではなかろうかということを見込んでおります。
  400. 小濱新次

    ○小濱分科員 三千数百億円。いままでは与えられたそういう予算の中で計画を立ててきた。しかし、計画の中から予算を請求するとするならば三千数百億円かかる、こういうことですね。そうしますと、いつでしたか、六日の閣議ですか、大臣、公安委員長が何か要求をされました。このくらい安全施設に必要だという金額を要求されたそうでございますが、内容は私詳しく知りませんが、いろいろ報道されているところによりますというと、建設省のほうで建設大臣が道路財源として十兆三千五百億円計上をした。その三分を安全施設費にということを要求されたと聞いておりますが、その金額はいま局長の言われた、大体自分のほうの概算額はこのくらいになるのだという額と大体同じのようでございますが、この点については大臣いかがでございましょう。そういう事実をお聞きになったことがございますか。またこれが促進のためにはどういうお考えをお持ちになっておられるか伺いたいと思います。
  401. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 過般の閣議で公安委員長から安全施設の関係について御発言がありました。歩道橋それからガードレール等については建設省関係の道路予算にこれを見ているということでございます。  なお、道路標識、信号施設について自治省で十分考えてほしいという要望もあわせございました。その際に金額の具体的な表示はございませんでした。しかし、この点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、大蔵省ともよく検討いたしまして連絡をいたしまして、交付税の基準財政需要額にこの点を考えるなり、その他国との関係において、この安全施設に関する拡充整備については事欠かないようにいたしたいと考えております。今後十分関係官庁と連絡をいたしまして、その点万全を期したいと考えております。
  402. 小濱新次

    ○小濱分科員 最後にもう一点だけお尋ねしておきたいと思いますが、この安全施設の効果判定ということですが、これは現在警察庁及び建設省の一部の者が研究しているように聞いておりますが、この問題について専門的に研究する機関をもう設置していく必要があろう、こう思うわけであります。この安全施設、信号灯にしても、ああ信号灯がこうあったならばなあ、あるいはこの辺でこう見れるような信号であったならばなあ、あるいはこれをこの辺にこうつけたらいいのではないかと、いろいろ私町を歩いてぴっと感ずるものがあるわけですが、もちろんやっておられるようですが、十分でないということで、この安全施設効果判定ということについての専門的な研究をする機関の設置については警察庁はどういうふうにお考えになっておられますか。
  403. 久保卓也

    ○久保政府委員 お話しのとおりと思います。現状におきましては事故分析官というのを各県に全部置いております。そうして県のほうからも技術者に来ていただきまして、警察の職員と兼務となっていただいて、警察側と道路管理者から派遣されておる人と共同して事故分析図その他を調べまして、警察側の原因あるいは道路側にある原因というものを調べて、それぞれの関係官庁に連絡をしております。しかしながら、いかにも人数の面それから技術的な面がまだ不十分であります。そこで、少なくとも警察庁レベルにおきましては、学者方及び警察の中にあります科学警察研究所の職員と共同の事故分析を近く進めさせたいという計画を持っております。そこで、将来の問題としましては、やはりこういった技術部門の部というものを警察庁交通局の中に設置すべきであろうと思いますけれども、組織なり人員なりの非常にむずかしい今日でありますので、希望としては持っておりますけれども、実現はなかなか困難であろう。しかし、実態的にはそういうような方向で進んでまいりたいと考えております。
  404. 小濱新次

    ○小濱分科員 安全施設の問題については、特に真剣に取り組むべきである、こう私は考えるわけであります。  そこで最後に、いまの問題で大臣の見解をお尋ねしておきたいのですが、この安全施設の効果判定ということ、これについてはやはり相当力を注いでまいりませんと、専門的に研究する機関の設置はなかなかむずかしかろう、こう思うわけですが、自治大臣としてこれが促進のためにぜひ強力な助言を私は要望したいのでございますが、この点いかがでございましょう。
  405. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 安全施設の効果判定ということは大事なことであろうと思います。それによりまして、安全施設の整備拡充ということもさらに強まり、事故の絶滅に大きな貢献をすることと思います。その点につきましては、ひとつさらに関係方面と十分打ち合わせもし、検討をいたしてまいって、できますならば、御趣旨に沿うような機関等をつくってみたいと思いますが、十分検討させていただきたいと思います。
  406. 小濱新次

    ○小濱分科員 以上で私の質問を終わります。たいへんどうもありがとうございました。
  407. 田中龍夫

    ○田中主査 以上で小濱君の質問は終わりました。  これにて昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中、自治省所管に対する質疑は一応終了いたしました。  次回は明十七日火曜日午前十時から開会いたし、厚生省所管について審査を行なうこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十分散会