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1970-03-17 第63回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 4号 公式Web版

  1. 昭和四十五年三月十七日(火曜日)    午前十一時二十一分開議  出席分科員    主査 大野 市郎君       小澤 太郎君    小坂善太郎君       田中 正巳君    中野 四郎君       後藤 俊男君    楢崎弥之助君       平林  剛君    田中 昭二君       松本 忠助君    宮井 泰良君    兼務 久保 三郎君 兼務 田中 武夫君    兼務 武部  文君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 中曽根康弘君  出席政府委員         内閣法制局第一         部長      真田 秀夫君         防衛庁長官官房         長       島田  豊君         防衛庁防衛局長 宍戸 基男君         防衛庁人事教育         局長      内海  倫君         防衛庁衛生局長 浜田  彪君         防衛庁経理局長 田代 一正君         防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君         防衛庁参事官  江藤 淳雄君         防衛施設庁長官 山上 重信君         防衛施設庁総務         部長      鐘江 士郎君         防衛施設庁総務         部会計課長   高橋 定夫君         防衛施設庁施設         部長      鶴崎  敏君         防衛施設庁建設         部長      中村 典美君         防衛施設庁労務         部長      長坂  強君         外務省アメリカ         局長      東郷 文彦君         外務省条約局長 井川 克一君  分科員外の出席者         大蔵省主計局主         計官      原   徹君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 鮫島 泰佑君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月十七日  辞任         補欠選任   赤松  勇君     後藤 俊男君   矢野 絢也君     宮井 泰良君   麻生 良方君     竹本 孫一君   不破 哲三君     浦井  洋君 同日  辞任         補欠選任   後藤 俊男君     平林  剛君   宮井 泰良君     岡本 富夫君   竹本 孫一君     吉田 之久君   浦井  洋君     松本 善明君 同日  辞任         補欠選任   平林  剛君     赤松  勇君   岡本 富夫君     田中 昭二君   吉田 之久君     麻生 良方君   松本 善明君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   田中 昭二君     松本 忠助君 同日  辞任         補欠選任   松本 忠助君     矢野 絢也君 同日  第三分科員武部文君、第四分科員田中武夫君及  び第五分科員久保三郎君が本分科兼務となっ  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十五年度一般会計予算防衛庁所管      ――――◇―――――
  2. 大野市郎

    ○大野主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和四十五年度一般会計予算中、防衛庁所管を議題とし、説明を求めます。防衛庁長官
  3. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 昭和四十五年度防衛庁予算案につきまして、その概要を御説明いたします。  まず防衛本庁について申し上げます。  昭和四十五年度の防衛本庁の歳出予算要求の総額は、五千三百三十九億八千五百十三万一千円でありまして、これを昭和四十四年度の歳出予算額四千五百三十四億四千七百九十三万七千円に比べますと、八百五億三千七百十九万四千円の増加となっております。  このほか、継続費として、昭和四十五年度甲Ⅲ型警備艦建造費で百九億八千百五十三万二千円、昭和四十五年度乙型警備艦建造費で八十四億八千五百十一万九千円、昭和四十五年度潜水艦建造費で七十一億八千八百七十三万五千円、合わせて二百六十六億五千五百三十八万六千円を新たに要求し、さらに国庫債務負担行為として、航空機購入で四百五十一億三千百六十九万六千円、艦船建造で五十六億六千百五十八万三千円、装備品等整備で三百一億九千二百九十六万七千円、研究開発で三十三億八千五百十一万四千円、教育訓練用器材購入その他の事項で二百八十二億三千二百三十七万五千円、合わせて千百二十六億三百七十三万五千円を要求しております。  また、防衛本庁の昭和四十五年度の職員の定数は、自衛官二十五万九千五十八人、自衛官以外の職員二万五千三百八十三人、合わせて二十八万四千四百四十一人でありまして、これを昭和四十四年度の定数に比べますと、自衛官において九百八十四人の増員、自衛官以外の職員において二百三十人の減員、合わせて七百五十四人の増員となっております。  次に、防衛本庁の予算案の内容について申し上げます。  昭和四十五年度予算案は、第三次防衛力整備計画の第四年度にあたって、国の他の諸施策との均衡に配意しつつ、計画全体の着実、円滑な達成につとめることを目標に編成いたしまして、特に次の諸点に重点を置いております。  すなわち、まず、自衛隊員人間性尊重の見地に立った施策の強化であり、このため准尉制度の新設をはじめとして隊員の処遇改善、環境の整備、宿舎の増設及び退職自衛官施策を推進することとしております。  次に、未来性に富む事業の推進をはかることとして、特に研究開発の推進に重点を置き、新たに次期対潜機の調査研究に着手するとともに、前年度に引き続き、中型輸送機及び高等練習機等の研究開発を進めることといたしております。  また、第三次防衛力整備計画にのっとり自衛隊の装備の更新、充実、近代化を促進することとし、陸上部隊装備の充実、艦船建造の推進、航空機の増強、弾薬の確保、地対空誘導弾部隊の整備新編及び航空警戒管制組織の充実などに必要な経費を計上することとしております。  以下、機関別に内容を申し上げます。  陸上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして二千五百二十二億三千三百二十三万八千円、国庫債務負担行為におきまして百八十八億六千八百三十四万一千円となっております。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十五年度の職員の定数は、自衛官については、前年度と同数の十七万九千人、自衛官以外の職員については、定員削減の措置等により百六十三人の減員を行ない、一万二千七百十六人、合わせて、十九万一千七百十六人となります。また、予備自衛官の員数は三千人を増員して三万六千人となります。  次に、ホーク部隊の整備新編、戦車等部隊装備品の充実、更新、ヘリコプター航空機の購入による機動力の増強、隊庁舎等施設の整備などによって防御力の内容充実を一段と推進することとしております。  また、航空機につきましては、新たに大型ヘリコプター六機、中型ヘリコプター十一機、小型ヘリコプター十機、連絡固定翼機一機、合わせて二十八機の購入を予定しており、これにより、陸上自衛隊の昭和四十五年度末における保有機数は三百五十三機となる見込みであります。  海上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして、千三百九十二億八千百十九万一千円、国庫債務負担行為におきまして五百三十三億六千百三十六万五千円、継続費におきましては冒頭に申し上げたとおりであります。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十五年度の職員の定数は、自衛官については、艦船、航空機の就役等に伴い五百十人を増員して、三万八千三百二十三人、自衛官以外の職員については定員削減の措置等により十九人の減員を行ない四千七百四十人、合わせて四万三千六十三人となります。また、新たに予備自衛官三百人を設けることとしております。  次に、艦船につきましては、新たに護衛艦四千七百トン型一隻、同千四百五十トン型二隻、潜水艦千八百トン型一隻、掃海艇二隻、魚雷艇一隻、哨戒艇四隻、揚陸艦一隻、支援船八隻、合わせて二十隻、一万二千七百七十トンの建造を予定しております。これにより、昭和四十五年度末の保有艦船は、自衛艦で二百二十一隻、約十六万七千九百五十トン、支援船で三百十九隻、約二万五千四百七十トン、合わせて五百四十隻約十九万三千四百二十トンとなる見込みであります。  また、航空機につきましては、新たに対潜哨戒機十一機、対潜飛行艇五機、輸送機一機、対潜ヘリコプター六機、掃海ヘリコプター二機、教育用ヘリコプター一機、合わせて二十六機の購入を予定しており、これにより海上自衛隊の昭和四十五年度末の保有機数は三百九機となる見込みであります。  航空自衛隊につきましては、歳出予算におきまして千二百五十二億三千七百八十七万四千円、国庫債務負担行為におきまして三百六十九億八千八百九十一万五千円となっております。  その主要な内容について申し上げますと、まず、昭和四十五年度の職員の定数は、自衛官については高射群の増強等のため、四百七十四人を増員して四万一千六百五十七人、自衛官以外の職員については定員削減の措置等により、六十一人の減員を行ない四千九百六十人、合わせて四万六千六百十七人となります。  次に、ナイキ部隊の整備、航空警戒管制組織の充実など、防空能力の一そうの強化をはかることとしております。  また、航空機につきましては、新たに輸送機三機、救難用捜索機二機、実用試験用の高等練習機二機、合わせて七機の購入を予定しており、これにより航空自衛隊の昭和四十五年度末における保有機数は九百七十三機となる見込みであります。  内部部局、統合幕僚会議及び付属機関につきましては、歳出予算におきまして百七十二億三千二百八十二万八千円、国庫債務負担行為におきまして三十三億八千五百十一万四千円となっており、職員の定数は、自衛官については前年度と同じく七十八人、自衛官以外の職員については十六人の増員をはかるとともに、定員削減の措置等により三人の減員を行ない、二千九百六十七人、合わせて三千四十五人となります。  続きまして、防衛施設庁について申し上げます。  昭和四十五年度防衛施設庁の歳出予算要求の総額は、三百五十三億六千八百四十万八千円でありまして、これを昭和四十四年度の歳出予算額三百三億二千四百五十三万五千円に比べますと、五十億四千三百八十七万三千円の増加となっております。  また、防衛施設庁の昭和四十五年度の職員の定数につきましては、四十五人の増員をはかるとともに、定員削減の措置等により五十五人の減員を行ない、三千二百二十一人となります。  次に、防衛施設庁予算案の内容について申し上げます。  昭和四十五年度の予算案の重点といたしましては、いわゆる基地問題の発生を未然に防止し、防衛施設の安定的運用を確保するため、基地の実態に即応した諸施策を強力に推進することとして、基地周辺整備事業の強化、駐留軍施設の集約移転の推進、駐留軍労務者対策の強化及び組織の整備などを図ることとしております。  以下各項別に内容を申し上げます。  施設運営等関連諸費につきましては、自衛隊及び駐留軍の基地対策経費二百六十億五千七百九十九万二千円、その他合わせて二百八十三億五千二百六十九万七千円となっております。  調達労務管理事務費につきましては、離職対策費四億二千八百七十五万三千円及び駐留軍要員健康保険組合臨時補助金一億円など合わせて十七億百五十六万七千円となっております。  その他、相互防衛援助協定交付金一億一千六百八十一万五千円、一般行政事務に必要な防衛施設庁費五十一億九千七百三十二万九千円を計上しております。  以上をもちまして防衛本庁及び防衛施設庁予算案の概要の説明を終わります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛成くださるようお願い申し上げます。
  4. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 以上をもって防衛庁所管の説明を終わりました。     ―――――――――――――
  5. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 この際、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく、簡潔に行なうよう特に御注意申し上げます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮井泰良君。
  6. 宮井泰良

    ○宮井分科員 私は、山口県岩国基地について、最近地元で議論されている国際空港誘致並びに板付基地移転問題を中心といたしまして、防衛庁の見解を伺いたいと思います。  最初に、地位協定第二条第四項の(a)では、「合衆国軍隊が施設及び区域を一時的に使用していないときは、日本国政府は、臨時にそのような施設及び区域をみずから使用し、又は日本国民に使用させることができる。」とあるが、民間航空が定期的に離発着するときに、この条項に当てはまるかどうか、お伺いしたいと思います。
  7. 山上重信

    ○山上政府委員 板付等では二条四項(a)によりまして民間航空が使用することを認めておりまするので、その条項を適用するということはできると思います。
  8. 宮井泰良

    ○宮井分科員 さらにこの条項では、そのあとに「ただし、この使用が、合衆国軍隊による当該施設及び区域の正規の使用の目的にとつて有害でないことが合同委員会を通じて両政府間に合意された場合に限る。」とあります。現在岩国基地は、航空機がF4Jファントムジェット戦闘機三十四機を含め、計六十二機が配属されているが、民間機乗り入れの場合、使用の目的に有害であると思いますが、どのように判断をされますか、お伺いしたいと思います。
  9. 山上重信

    ○山上政府委員 先生の御承知のように、岩国基地におきましては、米軍の航空機が相当多数常駐しておりますし、かつまた使用頻度も非常に大きいので、これを民間航空に使用させるということについては、相当難色があるのではないかと私も考えております。  ただいま先生がお読み上げになりました条項、これは米軍側が使用頻度が少なくて使わせても差しつかえないというふうに了承し、そうして合同委員会において両政府が合意したときに使用させるということでございますから、先ほど私の答弁いたしましたのは、一般的なことを、そういう条項であるということを申し上げたのであります。  岩国においては、さような使用頻度が米側において非常に多うございますから、民間航空がいま直ちに使うということは、なかなかむずかしい問題ではなかろうかと思っております。
  10. 宮井泰良

    ○宮井分科員 そこで先ほどの話でも申し上げましたが、岩国基地の利用について、飛行場施設を国内空港――これはヘリポートを含みます。――及び近隣国際空港として誘致すると、市長が先頭に立ちまして総合計画を立てていることを御存じかどうか、お伺いしたいと思います。
  11. 山上重信

    ○山上政府委員 さような話があるということを私どもも伺っております。
  12. 宮井泰良

    ○宮井分科員 同じく運輸省航空局長にお伺いをいたします。  その計画についてどのように判断をされますか。
  13. 鮫島泰佑

    ○鮫島説明員 ただいまの岩国のお話につきましては、運輸省の航空局といたしましては、地元からそういう正式なお話を伺った事実は全くございません。  なお補足して申し上げますと、近くにございます広島の空港につきまして、運輸省は現在全力をあげて整備を行なっております。また山口県内におきましては、宇部の現在あります空港につきましての整備を考えていきたいと思っておりますのが現状でございます。
  14. 宮井泰良

    ○宮井分科員 次に、新滑走路建設による国際空港の設置を、先ほども申し上げましたが、岩国市では総合計画により取り上げております。そのような計画があるとすれば、これは米軍岩国基地の強化につながるのではないかと危惧する人もおります。これはまた、全国で在日米軍基地の返還が促進されておる現状に逆行して、基地の拡大、恒久化につながる懸念がありますが、防衛庁長官の明確な答弁をお願いしたいと思います。
  15. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 岩国の基地はアメリカの海兵隊及び海軍が使っておりますが、滑走路の延長ということについて、海のほうに延長するという案があるということは聞いております。しかし、それがいつ実現していくかということについては、まださだかに承知しておりません。しかし、いずれにせよ、あの基地は、アメリカとしてはかなり重要な基地でありますので、国際空港の基地となる可能性は非常に少ないと私は思っております。やはり米軍が専用で使うという情勢が当分続くと考えております。  そういう滑走路を延ばすとかなんとかということは、防衛力あるいはアメリカの安全保障力の強化につながるという危惧もあるいは理論的にはあるかもしれませんが、しかし、それは必要に応じてその必要の限度内においてやることでありまして、過剰にそういうものを特に強化しようというような考えはございません。
  16. 宮井泰良

    ○宮井分科員 昨年二月、板付代替地調査費用といたしまして国が五千万円を計上しましたが、これはどのように使用したのか、また、これは岩国基地に使用されているのではないかとの見方もございますが、いかがでございましょうか。
  17. 山上重信

    ○山上政府委員 板付飛行場の移転調査につきましては、昭和四十四年度予算において五千万円の調査費を計上いたしましたが、これは適否調査のための概略調査をいまいたしておる段階でございまして、したがいまして、現在候補地がどこになるかというような具体的なところまでまいっておりません。したがいまして、五千万円の予算につきましても現在までのところ使用いたしました金額はわずかでございます。
  18. 宮井泰良

    ○宮井分科員 次に、地元ローカル紙によりますと、九大の米軍機の墜落事件を契機といたしまして、板付基地撤去が大きく取り上げられた。そのときに岩国の一部の有識者が、国防の重大性より決起すると称し、国際空港建設の方途を含む板付基地誘致運動を決意したと述べ、この運動に地元の一部にあります良識取り返し国民運動本部も全面協力を申し出たとございます。このような板付基地の誘致の話を聞き、地元多数の住民は基地拡張になると心配し反対しております。岩国基地に板付基地が合併する考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
  19. 山上重信

    ○山上政府委員 先ほどもお答えしましたように、板付基地の移転ということについては、ただいま概略調査をしようということで、どこが適地であるかというような調べをいまいたしておる段階でございまして、したがって、岩国に持ってくるというような具体的な話には全然なっておりません。ただ、昨年地元の方が多数見えまして、ただいまおっしゃいましたような岩国に国際空港というような話、あるいはその際において自衛隊に協力するというような方々も含めまして、岩国に板付の基地を持ってきてよろしいではないかというような話があったことは承知いたしておりまして、そういうような地元のそういうお考えがあるということは、まことにわれわれ防衛庁のこの職務を担当する者としては非常に喜ばしいことではあるというふうに考えておったのでありまするが、まだ具体的にどこへどうするというようなところまでは全然至っておりません。
  20. 宮井泰良

    ○宮井分科員 それでは、先ほども防衛庁長官からちょっとお話が出ましたが、再度お尋ねをいたします。  岩国市総合計画によりますと、共同使用を前提として国土の有効的利用及び空港整備は国の責任であるという観点から、国の施策として滑走路の沖合い移設実現を要請したい、この場合、米軍による軍事基地としての使用が継続されているときは、防衛施設庁にも沖合い移設に同意協力を依頼するとございますが、これについてどのように考えるか、お答え願いたいと思います。
  21. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 施設庁長官から答弁させます。
  22. 山上重信

    ○山上政府委員 岩国の基地を沖合いに移転して、あわせて国際空港というような話をその当時から伺っておりまするが、ただいまも申し上げましたように、板付の移転先ということについてはまだ具体的にわれわれ決定いたしておりません。どこが適当であるかということを判断いたしかねておるわけでございまして、したがって、それについてただいまどうという御返事を申し上げる段階にないと思います。  なお、国際空港をどういうふうにつくるかということにつきましては、私どもが直接考えるべき性質のものではないと思います。運輸省のほうにおかれまして、国際空港の問題を処理されるというふうに考えておる次第でございます。
  23. 宮井泰良

    ○宮井分科員 再度お尋ねいたしますが、考えていないといういまの御答弁でございましたが、それでは検討しているかどうか、お伺いしたいと思います。
  24. 山上重信

    ○山上政府委員 板付の移転先がどこであるかということは、あの現在の板付の飛行場の条件というものとそう大きな差がないような範囲内において、いろいろ場所を検討いたしておりますので、さような意味合いにおいては全体の地域の中に含まれておるというふうに考えたいと思います。
  25. 宮井泰良

    ○宮井分科員 次に、話は変わりますが、岩国基地から飛び立ったジェット機その他の事故が続いております。そして住民は不安な生活を送っております。  すなわち、具体的に申し上げますと、昭和二十五年朝鮮に飛び立った爆撃機が岩国市旭町の民家に墜落、一人死亡、二人重傷、三十七年八月電波探知妨害用のすず箔が六千ボルトの高圧線に落ちて、市内大手工場が停電、三十四年二月、四十一年二月の二回、帝人岩国工場内に模擬爆弾が落下、四十年には宮島沖でF4Bファントムが墜落、同じく四十年同ファントムが山口県熊毛郡上関町に部品を落下した。その他の県におきましても、四十二年にはP3A対潜哨戒機が愛媛県の石鎚山に激突、昨年七月岐阜市の北東でF4Bファントムが空対空ミサイルを落とす事故があったと聞いております。そして、ことし三月、広島県の山中に米軍岩国基地のA6Aイントルーダージェット戦闘爆撃機が墜落した。これらの一連の事故に対しまして、どのように対処し、今後どのような対策を講ずるのか、その計画を示していただきたいと思います。  また、住民の生命を守る立場から、核兵器積載可能機の即時撤去要求が地元から出ておりますが、それについて防衛庁はどのように判断するか、お伺いしたいと思います。
  26. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 防衛庁としましては、これらの米軍機の事故の発生を知りますと、直ちにその原因についてそのつど米軍に対して詳細な説明を求め、あわせて再発防止対策の措置をすみやかに講ずるように要請しております。また必要に応じ、外務省を通じて日米合同委員会の付託を受けた同委員会の下部組織である事故分科委員会において事故発生原因を究明し、かつ再発防止対策につき検討し、その改善策を講じており、できるだけ地元の皆さんの不安を解消するようにつとめております。  具体的な問題につきましては、関係者をして答弁せしめることにいたします。
  27. 山上重信

    ○山上政府委員 ただいま大臣がお述べになりましたように、事故がありますと、そのつど米軍と連絡をいたしまして、事故原因の調査であるとかあるいは再発防止であるとかいうことについて、特段と基地の関係者並びに米軍府中の司令部のほうにも、事態によっては申し入れをいたして、そのつどそれらの防止対策を米軍自身も講じておるようであります。なお事故分科委員会も、航空機の墜落事故がありますたびに必要に応じて開催いたしておりまして、これは原因の究明それから再発防止というようなことについて、従来も相当な成果をあげておるというふうに考えております。  なお、核兵器という点については、私からお答えするのもいかがと思いますが、これは日本国内にある航空機は、さようなものは搭載していないというふうに私どもは信じておりますので、御了承願いたいと思います。
  28. 宮井泰良

    ○宮井分科員 岩国基地は岩国市の中心部に当たっておりまして、この基地の現状を申し上げますと、市を二つに分断し、さらに臨海工業地帯の分断、上空制限のために、高層建築、工場施設、煙突に制限がございます。また、既存企業の所有土地利用上支障があり、また新規企業の立地意欲を阻害しております。さらに航行制限により、航行船舶の時間的、経済的な損失は相当額にのぼり、重要港湾岩国港の発展が断たれておるという現状でございます。さらにジェット機の離着陸の際の騒音で、学校、病院、一般市民に与える影響は大きく、防衛施設周辺の整備に関する法律によりまして防音工事がなされておりますが、電波障害によるテレビ、ラジオ等の難視聴問題が発生いたしております。さらに、駐留基地将兵と市民では風俗習慣が違い、青少年の社会教育上好ましくない状態に至っております。これらにつきましてどう対策を講ずるか、お聞きしたいと思います。
  29. 山上重信

    ○山上政府委員 飛行場の周辺等からいろいろなそういった障害あるいは制限を受けるというようなことで、各種の影響を受けておるわけでございますが、これらに対しましては、いま先生がおあげになりましたような周辺整備法をできるだけ活用いたしまして、学校、病院はもちろんのこと、相当公共施設等につきまして防音の措置であるとかあるいは障害防止のためのその他の施設をいたしております。  ただいまお話のありましたテレビの難視聴の問題につきましては、テレビのアンテナの改善によって難視聴の問題を解決する方策を本年度からすでに検討いたしておりますばかりでなく、明年度におきましては、これの見えないということに対するテレビの受信料の減免ということも区域を拡大して、従来NHKがやっておりました区域をさらに距離を延ばして、五キロ程度の幅までこの減免をするために予算を計上いたしておるのでございます。  そのほか、工場その他のいろいろな騒音防止のために、基地の中におきまして騒音の規制をするようにということで、飛行場内に消音装置を設けるとか、あるいは飛行の方法、経路、時間その他についていろいろ制限するために、航空機騒音対策分科委員会におきまして、岩国基地につきましては、岩国基地の騒音を規制するための取りきめを日米間でいたしております。それによりまして、たとえばアフターバーナーの使用制限とか超音速飛行とかアクロバット飛行の制限であるとか、最小限の、高度人口稠密区域等の上空を飛行しないようにする飛行操作上の制限、あるいは飛行経路につきましても海側に反転するとか、搭乗員の教育をするとか、いろいろな騒音規制をいたしておるのでございます。  さような方法をもちまして事故が起きないように、かつまた騒音の影響が少ないようにということも努力いたしておるのでございます。今後のこれらの周辺対策につきましては、政府といたしましてもできるだけの配慮をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  30. 宮井泰良

    ○宮井分科員 次に、私の聞いている範囲で、ニクソン政権のパッカード国防次官の基地についてのレポートによりますと、極東方面でも相当に米軍基地を整理するということを聞いておりますが、その後日合同委員会で検討されたかどうか。またその観点からも基地の返還また縮小の方向へ向かっていると思いますが、岩国基地はまだ返還の予定の中に入っていないと聞いております。どのような理由によるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  31. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 昨年の合同委員会でありましたか、五十カ所の施設を日本側に返還したい、そういう希望があり、日本側もそれを受けましてその引き渡しの調整を行ないまして、たしか二十七カ所の引き渡しが終わりました。そのほかの部面はまだいろいろ調整中でございます。  最近の情報によりますと、ニクソン大統領の予算節減の方針がある程度浸透してまいりまして、極東方面における陸軍の兵たん施設の集中化が行なわれるのではないかと予想されます。しかし、まだ現実にどこをどうするというふうな話もありませんので、合同委員会を開く段階には至っておりません。
  32. 宮井泰良

    ○宮井分科員 次に、基本的な考えといたしまして、わが公明党としては、早期に基地を撤去して、公害を伴わない優秀産業を誘致することを主張いたしております。岩国基地の早期返還は市民の悲願でもあり、現在岩国青年会議所がまとめたアンケートによりますと、岩国基地の存在について反対五一%、賛成二七%、わからないが二二%となっております。反対の理由は、工場誘致の妨げになるというのが四九%、その他移転二五%、非武装中立二〇%、その他六%となっており、工場誘致を望んでいるということがわかります。そのことにつきまして防衛庁長官の所信をお伺いしたいと思います。
  33. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 地元のこのような御趣旨はわれわれも了承をして、しかし、日本の防衛やあるいは日米安全保障条約の運用という面もまた一面に考えなければならないと思っております。できるだけいわゆる基地公害というものを少なくいたしまして、地元の皆さんに御心配や御迷惑をかけないように努力してまいりたいと思っております。
  34. 宮井泰良

    ○宮井分科員 いままで防衛庁の態度は米軍の言いなりになっている等のうわさも聞いております。今後前向きに積極的に返還、縮小をはかるべきであると思います。特に岩国基地にしても全面返還されることを、住民は待ち望んでおります。最後に、防衛庁長官に基地の返還交渉に積極的に取り組むことを期待いたしまして、その見解をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。
  35. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 一般論といたしまして、私は米軍の基地はできるだけ日本の自衛隊の管理に移管して、その基地の必要性に応じてアメリカ側とも協議して、これを共同使用にするとか、あるいは一時使用あるいは継続的使用、あらゆる態様について先方と協調しながら、日本の自衛隊移管ということを推進してまいりたいと考えております。これは一般論であります。  岩国基地につきましては、私の想像では極東における基地としてかなり重要な基地であると考えられますので、その点は慎重に対処しなければならない。私らは何もアメリカの言うなりになって、おそるおそるものを言うなんという根性は毛頭ございません。日本の自主的な防衛の立場に立って、日本の必要とそれからアメリカの極東におけるいろいろな努力、こういうものをうまく調整しながら日本の必要をまた満たしていく、そういう考えに立って処理してまいりたいと思います。
  36. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 速記をとめてください。
  37. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 速記を始めてください。  田中昭二君。
  38. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 まず最初に長官のほうに基本的なことをお伺いいたしますが、在日米軍基地の返還に関しまして、政府の基本的方針をまずお伺いしたいと思います。
  39. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ただいまお答えいたしましたような、できるだけ日本の自衛隊に移管して、自衛隊管理のもとに米側と協調して処理していく、そういう考えを進めていきたいと思います。
  40. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 先ほどから話もちょっとあっておりました米軍の板付基地でございますが、この基地と同じく福岡市内に雁ノ巣空港というのがございますが、この二つの米軍基地についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
  41. 山上重信

    ○山上政府委員 板付基地は現にこれは予備基地的なものとして米軍が、常駐の飛行機はほとんどいない、わずかな飛行機でおるということでございまして、民間航空が主体になって使われておるような現状でございます。したがいまして、板付につきましては、米軍としては、いろいろ事態が、重要な、必要のあるときに使うということはありましても、平生はあまり使わないというふうに考えておるのでございます。  もう一つ雁ノ巣のほうは、現在通信施設もございまするし、相当重要度の高い使用方法を用いておるのではないかというふうに考えておりますので、近い将来に返還とかそういうふうなことは必ずしも考えられないというふうに考えております。
  42. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 ただいまの発言の中には、私は大事な問題があるように思います。といいますのは、予備基地という解釈ですね。予備基地にするというようなことは、米軍からの何かはっきりした証拠でもあるんですか。それが一点ですね。  それからいまのお話の中には、予備基地としておるが、常駐する場合もある、緊急の場合飛んで来る場合もある、それが予備基地なんですか。まず長官のほうにお尋ねいたしますが、板付が予備基地というふうにいわれておりますけれども、現実に板付がそういう予備基地となったために米軍機が常駐しておると私は考えたくない。その実態についてどのように御認識なさっておるかお聞きしたいと思います。これは重大な問題ですから長官からもお聞きしたいと思います。
  43. 山上重信

    ○山上政府委員 私の発言に関連することでございますから、私から申し上げますが、私、予備基地的と申し上げたのは、簡単な事態の説明のために申し上げたのでございまして、これは一昨年の一月以前の状態にするというふうに米側からは発表されております。したがいまして、その事態が予備基地的であると申したのでございます。と申しますことは、常駐的な飛行部隊がおらないという現実をさしておると私ども考えておる次第でございます。
  44. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 大臣からもお答え願います。
  45. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 いま施設庁長官がお答え申し上げたとおりでございます。あの基地の管理権はまだ米軍が持っておる。それで、常時使用しないので、日本側がそれを使用しておる。それで、いざというときには米軍機が飛来できる、そういう余地を残してある。そういう意味で予備基地的と発言したのだろうと思います。
  46. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 私がお尋ねしたことに対してお答えがあっておりません。そういう予備基地的であるという米側の政府に対する正式な申し入れはいつですか。
  47. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 この板付基地が予備基地になるという問題につきましては、四十四年の三月三日に在日米軍の第五空軍の広報部がこの旨新聞発表をいたしております。この新聞発表のポイントのところだけ申し上げますと、最近の米国防総省の計画によれば、これはいままでいた中隊ですが、同中隊の離日とともに板付基地は一九六八年一月以前の予備基地の状態になる、こういうことを発表いたしております。  また、この問題につきましては、一昨年の暮れの日米安保協議委員会におきましても、米側から翌年の夏ごろまでには板付の飛行場はプエブロ以前の状態、と申しますのは、プエブロ事件が起こってから飛行機がたくさん来たわけですが、それ以前の状態に戻るであろうということを米側から予告を受けておったという状況でございます。
  48. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 私はここで予備基地的とか予備基地だということを実際は問題にしておるのじゃないのです。どうか長官にもわかっていただきたいのですけれども、実際そのように予備基地化となっておりながら、あの板付基地には米軍機が常駐しているのです。大臣も一昨年の参議院選挙のとき以来しょっちゅう福岡においでになっております。あの飛行場を通れば、右側にはっきりその常駐しておるのが見えると思うのです。偵察機はずっと常駐しておりますし、そのほかの戦闘機もあそこに並べられておる、こういう実態を大臣もよく知っていただいて、そうして御答弁願いたいと私は思うわけであります。  時間がございませんから次の問題に移りますが、この板付基地につきまして、私のほうで基地総点検をやりました状況から、私は大臣によく認識していただく上において申し上げておきたいと思うのですが、この板付基地は昭和二十年十月から四十三年三月の時点におきまして、わが党の総点検の結果によれば、墜落炎上が三十件、不時着その他が七十八件、人命の死亡と損傷と合わせまして三十三件、家屋、物件等の被害は三百五十六件と、このように周辺住民の生活に恐怖を与えております。そして、その恐怖の中で住民は犠牲の生活を余儀なくされておる。御存じと思いますが、このようなわが国の国民を犠牲にしてまでも板付基地というものを存続していかなければならないかどうか、こういうことについての大臣のお考えを聞きたいと思います。
  49. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 できるだけ日本国民に被害が及ばないように、また基地公害等をなくすようにいたしまして、米軍とも協力してやっていきたいと思いますが、原則として日本の国は日本人が守る、そうして外国の協力というものは必要最小限度にとどめるという方向に持っていきたいと思っております。そういうような方針の推進に応じて基地の態様も漸進的に変わっていく可能性必ずしもなきにあらずだろうと私は思います。そういうことを念頭に置きまして、今後とも政策を推進していきたいと思います。
  50. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 さらにその四十三年の時点からそれ以降現在まで墜落炎上が四件、七機の飛行機です。不時着その他が二件、その他人身、家屋の被害が三十七件、以上四十三件にわたる事故を起こしております。このような事故が今後起こらないという保証はどこにもないと私は思うのです。この板他基地の実態、いわゆる予備基地としての実態は占領当時と変わらない。そういう基地は私は撤去すべきではないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
  51. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 いま申し上げましたように、自主防衛を推進していきまして、その過程において相手側とも話し合いをいろいろ進めながら、基地の態様を漸次転換さしていきたい、このように考えます。
  52. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 同じことになるかと思いますが、実際板付基地の現状というものを見ていただいて、実態的には常駐しているということは、これは当然撤去の要請をすべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
  53. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ただいま申し上げましたように、いまのような方針をもってこれから推進してまいりたいと思います。
  54. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 今国会が始まって大臣のお考えをいろいろお聞きしておりますと、いわゆる自主防衛という名のもとに米軍との共同使用というようなことがうわさされておりますが、この板付基地については、そのようなお考えがあるのですか。
  55. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 基地の態様については、ケース・バイ・ケースで先方ともいろいろ話し合う必要があると思いますが、板付基地について具体的にどのように推進するかは目下検討中であります。
  56. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 この基地の被害でございますが、私のほうで基地周辺の数百世帯について実態調査をいたしました。そのときに、人身に危険を感じておるというのがほとんど全体の九四%を占めております。その中で、常に恐怖を感じて生活をさせられておる人たちが約六四%を占めておるのであります。さらに、この米軍基地はないほうがよい、こう熱望する人たちが全体の九六%もおるわけであります。すなわち、ほとんど全部の人たちの願いといいますか、この住民の率直な願望に対して長官はどのように対処していかれるお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
  57. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 地元の住民の皆さま方の御希望はよく承知しております。私も日本の政治家でございますから、日本国民の願望をできるだけ実現しつつ、また友好国との協力について調整していきたいと思っております。
  58. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 さらにこの基地の公害に対しまして、基地撤去、移転をする以外にこの問題の解決はできない、こう主張する人たちが九三%という、これまたほとんど全部の人たちであります。防衛庁はこういうことに対して、一切これを無視することはできない。まあ今後前向きでその検討をはかっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  59. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 あすこは九大に飛行機も落ちた、そういう前のこともあり、政府といたしましても、できるだけほかに移転するという考えもあって、適地をさがしている場所でもございまして、できるだけ御要望に沿うように努力したいと思います。
  60. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 できるだけじゃ困るのです。いわゆる政府基地対策といいますか、そういうものに、これまた全体の九〇%の人たちが不満を持っております。この不満が結局基地撤去の願いとなっておることは明らかであります。しかし政府は、昨年ですか、この移転のための調査費を五千万計上した。ところが先ほどから聞いておりますと、このことが有名無実になっていないか。せっかく五千万もの調査費を計上しておりながら、どうもその意欲も何もないような感じだ。これでは政府は住民をごまかすことになってしまいます。ですから地元ではあれは移転のためのゼスチュアだけだ、こういうことがいわれて、不満、不信を買っておりますが、長官、こういうことをお聞きになっておりますか。これに対してどのようにお考えになりますか。
  61. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 政府としましてもいろいろ努力したのでございますが、ここはどうだ、あそこはどうだというとみんな断わられる情勢で、それでなかなか適地が見つからないことはまことに申しわけない事態であります。住民の御要望をよくかみしめまして、努力していきたいと思っております。
  62. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 おことばを取り上げて言うわけでございませんけれども、大臣、あそことかこことか調べたと言われますけれども、どことどこを調べたのですか。
  63. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 九州の北部から山口県そのほか一帯にわたって調べたと聞いております。
  64. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 このことが私は住民を納得させる上において大事なことだと思うのです。でありますから、いま、いろいろ方面をあげられましたが、地元の防衛庁職員の人たちが、実際どのように大臣のそういうお考えに沿って移転のための調査を真剣にやったか、もう少し詳しくお聞かせ願いたいと思います。
  65. 山上重信

    ○山上政府委員 一昨年板付の移転という方針を御決定になっていただいて以来、昨年予算を計上いたしまして、各候補地についていろいろな検討をいたしておるのでございますが、これは御承知のように、現在の板付の基地の地勢、地域、それらからいま申されたような九州あるいは中国の西のほう、こういった範囲が考えられるわけでございまして、それらの範囲内から――実を申しますとこの方針が決定されたときから、ここへ来ては困る、あそこへ来ては困るという話が非常に強く出て、そこに調査に参りますと猛烈な反対が来ますので、具体的に、予算といたしましては、適地を見つけた場合にそこに対して測量あるいは航空写真等大きな測量費を計上しているわけでございますが、これの執行にまだ至らない。われわれとしては多数の候補地を物色いたしておるというのが現状でございます。それらのために係員を内々あちこちに派遣したり、調査をいたしましたりというようなことをいたしておるのが現状でございます。
  66. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 大臣、そのように実際は物色しておるとか、やっておりますというだけで、予算も何も使われてないのです。施設庁のほうからも何もやってない。予算はつけてもらったけれども、実際は五千万の予算も使ってない。現場に行って確かめてみましても、何にもやっておりません。こういうことはもう少し真剣に――何もやらないのに予算をかってにつけてしまうんだということになりますと、これまた問題でございますし、私はそのままではいけないと思うのです。今年度の予算にはまた千六百万という同じく移転調査費がついておるように聞いておりますが、そういうことを考えますと、私は何も調査もしない、費用も要らないような予算は――その予算も全部国民の血税です。そういうことは態度をはっきりしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  67. 山上重信

    ○山上政府委員 われわれといたしましては、できるだけすみやかに地元の要望に沿うような移転の場所を見つけ、そしてこれを移転できるように努力いたしたい、かように考えている次第でございます。
  68. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 その千六百万がことしついたことは間違いございませんね。それは板付基地に対して大体どれだけの調査費を見ているのですか。
  69. 山上重信

    ○山上政府委員 千六百万ではございません。水戸の調査費と合わせまして明年度の予算千六百万でございます。ただし本年度の予算使用できない場合には、これを繰り越して使用いたしたい、かように考えております。
  70. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 それでは前年の分とことしの分と板付基地についてどういうふうな計画がありますか、こう聞いておるのですよ。何も計画なしに調査費を増額するということができますか。
  71. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 四十四年度予算成立しております五千万の調査費は、概括調査さらには候補地を具体的にしぼってきた場合のボーリングだとかあるいは精密な航空写真とか、そういった経費を計上しておるわけです。先ほどから施設長官からも御説明申し上げておりますように、鋭意努力をしておるわけでございますが、まだ具体的な候補地をしぼるところまで来ていないということで、その執行状況としましては、金額的にはごくまだわずかな状況であるということでございます。さらに四十五年度で要求しておるものは、候補地をしぼってきた場合に、ボーリングとか航空写真をとる。そういったことの以外におそらく用地の取得という問題が出てくる。この点につきまして、用地取得に必要な具体的な調査費これをさらに追加して要求をいたした、こういうことでございます。
  72. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 あなたたちはそういうことばでいろいろ説明するけれども、私も説明は何回も聞いたのです。しかし、現実に調査なさったか、なさっていないかということが問題になっておるのです。  これは切りがありませんから、ひとつ板付基地の移転等につきまして、日米合同委員会なんかで何か御検討なさいましたか、そのことを最後にお聞きしてこの問題を終わりたいと思います。
  73. 山上重信

    ○山上政府委員 日米合同委員会におきましては、板付基地を移転先を見つけた場合においては移転に応ずるという米側の態度表明がかつてございました。その後施設委員会におきまして、米側の移転に関する一般的な条件と申しますか、私が先ほど来申し上げたようなそういったものにつきまして、施設委員会で話し合いをいたしております。そういう段階でございます。
  74. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 次に、この基地の騒音公害についてお尋ねしたいと思いますが、この基地はいわゆる基地周辺整備法の対象になっておりまして、聞くところによりますと、今年度は八千万円の国の補助が行なわれる、このように聞いております。これは基地周辺のテレビの受信料の免除ですね。これを拡大していくというようなことになって、その拡大分については施設庁のほうで八千万円の予算を計上して国が補助するというようなことを聞いております。そうしますと、板付基地も当然この適用地域の拡大がなされなければならないと思いますが、いかがでございますか、どのようなお考えがありますか、お聞きしたい。
  75. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 四十五年度予算でテレビの受信料減免に対して範囲を拡大するという部分につきまして、国から減免分の半額だけ補助したいということで要求しておるわけでございますが、板付の飛行場につきましてもこれは従来も減免を実施しておりました。したがいまして、今度範囲を拡大されることにつきましては、その減免額の半分について国のほうから補助をするという前提にいたしております。
  76. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 いまの答弁はよくわかりました。  そこで問題は適用地域の問題ですけれども、ほんとうはこれは国が被害を与えている立場でないかと思うのですね。NHKのほうは自主的に受信料を免除しておる。当然こういう補助は早くから行なわれなければならない。ところがようやく今年度からそれが実現した。この際私は、板付基地も、いままで長い間住民の困ったことを考えれば、当然防衛庁が中心になって、そういう適用範囲拡大ということに当たってもらいたいと思います。それはようございますね。
  77. 山上重信

    ○山上政府委員 明年度においてただいまのような地域の拡張をいたすことになっておりますが、今後ともこれらの施策については推進するように努力いたしたい、かように考えております。
  78. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 それから先ほど申し上げました雁ノ巣空港でございますが、これは地元では米軍から一部返還をされるということを聞いておるのですが、そういうことが日米合同委員会で話があったのかどうかというのが一点、それに対しましては市当局としましても、野外公園という計画を立てまして、それで青写真までつくりまして、市民はその一日も早く完成することを待ち望んでおるのです。ということを考えていただいて、ひとつ積極的な完成の促進をはかっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  79. 山上重信

    ○山上政府委員 雁ノ巣の施設につきましては、先ほども申し上げましたように、現在米軍が通信施設として相当重要性をもって使用しておるのでございます。したがって、近い将来に返還ということは見通しがございません。ただしかしながら、福岡市がいまおっしゃったような施設の一部を公園にしたいという希望があることは承知いたしております。これにつきましては、共同使用ということで米側に提案をいたしてほしいという要望がございます。われわれといたしましては、これを去る三月の十日の施設委員会に提案しております。今後これの共同使用ができるように、われわれといたしましてもできるだけ努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  80. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 その共同使用というのは、具体的にどんな取り扱いになるのでしょうか。できましたらお教え願いたいのです。  それから、雁ノ巣空港自体の実態というものを施設庁長官はよく御存じの上での御説明かどうか。あそこは地上には何にもないのですよ。共同使用ということは一歩前進だと思いますけれども、どういう形で共同使用というのがなされるのか。また防衛庁としてはどういうふうな技術的な方向をお考えになっておるのか、おわかりでしたらお答え願いたいと思います。
  81. 山上重信

    ○山上政府委員 共同使用と申しますのは、地位協定では二条4項(a)によるところの使用になると思います。  そこで、公園としてできるように、御承知のように相当広い空域が、地域があいておるわけでございまするから、その地域は現実に通信施設の障害とならないというような前提であれば、これを共同使用さしてもいいではないかというようなことから、そういった条件のもとに、公園等の設置ができるように、ただいま米側に施設委員会を通じて申し入れをしておるという段階でございます。
  82. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 運輸省の航空局のほう、おいででございますか。――それじゃ、板付基地が現在共同使用になっておりまして、民間空港としてだんだん発展していっておるわけですが、これに対しましていわゆる空港整備五カ年計画ですか、これが計画されまして着々整備がなされておるわけでございますけれども、この空港整備五カ年計画について防衛庁はいまその実施状況というものをどういうふうに把握しておりますか。わかりましたらお教え願いたいと思います。
  83. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 現在地元において板付の民間空港の施設を整備したいということで、いろいろ計画を練っておるということは承知しております。全体は私詳しく知りませんけれども、エプロンその他の施設を、現在共同使用しておる南側のほうに拡張する、その他格納庫の施設もいまよりも増設をしたいという計画があるようですが、これはまだ最終的に調整がついた段階ではないというふうに聞いております。もしこれが正式にきまりまして、当庁のほうに申し入れがございますれば、これは米側と交渉することになろうかと存じます。
  84. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 この整備計画の一端でどうということはないと思いますけれども、板付の滑走路を県の県道が横切っております。いわゆるオーバーラインになっております。こういうことで、たいへん住民の強い要望もあるわけです。この滑走路がいわゆる共同使用ということで、県道が横切ってたいへん不安もありますし、こういう問題はどのようにお考えになっておりますか、お聞かせ願いたいと思います。
  85. 山上重信

    ○山上政府委員 板付飛行場の北側の県道につきましては、三十七年度に南側の県道を含めまして県の迂回道路を新設いたしました。したがって、その後においては、この県道をできるだけ廃止していただくようにという希望を持っておるのでございまするが、地元の実情から、北側県道はまだ廃止に至っておりません。できればそういうふうにはからうことが一番いいのじゃないかと思っております。したがいまして、現在では、その間の暫定措置として、信号機等を設置いたしまして、危険のないようにいたしたいということで処置いたしておりますが、恒久的には先生のおっしゃるように県道を廃止していくという方向に持っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  86. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 以上で終わります。
  87. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 速記をとめてください。
  88. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 速記を始めてください。  松本忠助君。
  89. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 施設庁長官にお伺いするわけでございますが、先般の新聞記事によりますと、アメリカのレアード国防長官が、アメリカの軍事費削減の一環といたしまして三百七十カ所にのぼるところの基地を撤去する構想がある、日本におきましても、それが実現を見ましたときには七カ所くらいの基地が残るのではなかろうか、こういうことが新聞に載っておりました。そうなりますと、東京周辺にいたしましても朝霞あるいはすでに返還の決定しているグラントハイツ、こういう相当広い範囲の、住宅を建てるのには最もかっこうな場所が生まれる可能性があると思うわけでございます。そこでお伺いしたいことは、キャンプ朝霞の返還について、防衛施設庁としてはどのようにお考えになっているか。また、返還について具体的な話し合いを進めたことがあるかどうか。  もう一点は、グラントハイツの返還計画はどうなっているか、この点についてお伺いしたいわけであります。
  90. 山上重信

    ○山上政府委員 キャンプ朝霞につきましては、一昨年の日米協議委員会におきまして、すでに一部を除きまして返還または共同使用という線が協議されておるのでございまして、その線に沿いまして、南地区、自衛隊が現在使用しておる地区でございますが、これについては一昨年八月に約七十三万平方メートルになりますが、返還を合同委員会で決議していただいて実施いたしております。それから、根津地区と申しまして、訓練場に使っておる地区でございますが、これについては使用転換をはかりたいということで、目下米側といろいろ協議中でございます。共同使用にするための施設の移転等についての条件がございますので、これの話し合い中でございます。まだ結論に至っておりませんが、できるだけすみやかにこれを実施いたしたいというふうに考えておる次第でございます。  ノースキャンプとそれから桃手地区については、いままでの折衝の経過から見て、近い将来に返還ということはむずかしいのではないか。その他の地区につきましては、ただいま申し上げたような状況でございます。  それからグラントハイツにつきましては、あそこに約千四百戸余りの住宅がございますが、これを米軍の他の基地の中に住宅を移設するということであのグラントハイツを返還を受け、地元の利用あるいは住宅の建設等に資するようにいたしたいということで、本年度においても特別会計に予算をお願いいたしておるのでございます。米側とそれらの条件についてもいま話し合い中でございます。
  91. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 その計上されている予算は幾らくらいですか。
  92. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 五十億円でございます。
  93. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 問題を次に進めますが、一昨年から昨年にかけまして大きな話題になっておりました米軍の王子キャンプでございますが、米軍は昨年末に病院としての機能を停止したままでございまして、事実上は返還されないで今日に至っております。この移転につきましては四十四年度に移転の費用が十億円予算化されているわけでございますが、返還されない理由、返還の見通し、これらの点についてお答えを願いたいと思います。
  94. 山上重信

    ○山上政府委員 キャンプ王子につきましては、本年度の予算におきましては、病院を移設するという前提で予算をお願いをいたしたのでございまするが、御承知のように、昨年末、病院を閉鎖するということに米軍の方針が決定され、すでに病院機能は停止いたしております。したがいまして、キャンプ王子の問題につきましては、現在ある施設、あそこに倉庫とかあるいは宿舎とかその他の付属施設等がございますが、これらの施設を移転させる。病院としてではなくて施設として、建物としての移転ということの条件で返還を求めるというような考えで話を進めております。したがいまして、多少内容は変わるのでございまするが、やはり移転返還の方向で話を進めておる次第でございます。
  95. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 その見通しの点はどうなんでしょうか。時期的にはどうですか。
  96. 山上重信

    ○山上政府委員 ただいま一部の条件について米側と話し合いをしておるのでございまして、われわれといたしましては、早急にこれの解決をはかって、明年度くらいには実現できるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  97. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 くどいようでありますが、明年度ということは、具体的には何年何月ということになりますか。
  98. 山上重信

    ○山上政府委員 ただいま私の申したのは、さような時期を目途としておるということでございまして、何年何月というところまでまだまいっておりません。
  99. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 そうすると、四十六年の三月末日までには何とかそれができるということですか。もっと前の時期においてそれができるという見通しでございますか。
  100. 山上重信

    ○山上政府委員 確たるところまで申し上げかねますけれども、できるだけそれよりも前にできるように努力いたしたいと考えております。
  101. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 それでは、時間の関係もありますから、それはいいとしましょう。地域住民にいたしますと、一体いつごろまでにこれが移転するのだろうかということが最大の関心事でございますので、その面をお伺いしたかったわけでございますが、慎重を期していらっしゃるようでございますので、一応この辺でとどめておきたいと思います。  そこで、キャンプ王子が移転したあと、これをどのように活用すべきか、この点について政府当局としてはお考えがあるか、伺っておきたいわけでございます。都民の希望、また地元の北区民の希望につきましては考慮する用意があるのかないのか。さらにまた、ここで具体的に地域住民の希望というようなものを申し上げてみるならば、第一番目に緑地公園として都民のだれもが親しめる風致地区にしたい。そうして一朝大震災とか大火災があったような場合には避難場所にすべきだ、これが皆さん方の声でございます。それというのも、この付近一帯は、先ほど申し上げましたような災禍がございました場合には、荒川の堤防が避難場所として指定をされております。ところが、これは遠過ぎてちょっと適当でないと思います。そこでこのキャンプ王子のあとを、平常は緑地公園、一朝そのような災禍があった場合には都民の避難場所にすべきである、これが第一の地元の希望でございます。  第二の利用方といたしましては、教育総合センターにすべきである。もちろん、これがすべてということではございません。一部を教育総合センターにするということでございます。私見ではございますけれども、北区の稲付西山町、ここに国立国語研究所という文部省所管の建物がございます。この敷地面積が一万三十平方メートルあります。建物は、本館、図書館、電算機室その他を入れまして三千四百一平米ございます。これなどはこのキャンプ王子のあとを利用して移転させるならば、現在の建物よりも数段上等の建物に入れる。あのキャンプ王子の建物は取りこわすわけではないと思いますから、そこへこの国立国語研究所を移転させる。それによって、現在国立国語研究所のある北区稲付西山町の地域は、非常に広い他の国有の未利用地と合わせて活用ができることになると思うのです。一石二鳥の方法ではないかと思う。この国立国語研究所を中心といたしまして、都立の図書館であるとか各種学校、そういうものを収容して、教育総合センターにしたい。これはあくまで私個人の考えでございますが、こういう声も出ておるということを知っていただきたい。  第三番目に、現在王子キャンプに隣接しまして、各種の都の養護施設がございます。都立の北養護学校あるいは都立の北養育院、こういう施設がございます。不幸な子供たちのためにも施設を拡充し、内容を充実せしめて、もっともっと収容力を増強して、苦しみ悩んでいる家庭を救うべきである、こういう声がございます。  これらの点を考え合わせましたときに、公共福祉増進のために一日も早く返還されるように所要の措置をすみやかにとっていただきたいわけでございますが、最初申し上げました、国としてこれの活用策を何かお考えであるのかどうか、さらに、都民の希望、北区民の希望については考慮するところの用意があるのかないのか、この二点をお伺いしたい。
  102. 山上重信

    ○山上政府委員 返還あと地の利用につきましては、私のほうで所掌いたしませんで、大蔵省の理財局のほうで所掌いたしまして、これらのあと地をどういうふうに処分するかということをおきめになるので、私どものほうはいわば返還をするということに重点が置かれまして、したがって、どういうふうにするかということについては、もちろんその担当の省におかれましても、地元の要望も入れてやられることと思いますが、一応われわれといたしましては、これは現在の施設の移転を特別会計ということでお願いいたしておりまするので、これが土地を一部有償で分譲するということになるのであろうと思います、全部になるかどうかは別といたしまして。したがって、その後どういうふうに使われるかということについては、施設庁といたしましては何も具体的にどういうふうに使いたいという目標はございません。また、自衛隊が使うということも聞いておりません。ただ、したがって、そういった財政的な面とからみ合わせて、地元の要望もいろいろ取り入れておやりになるというふうにわれわれ考えておる次第であります。しかし、これはいずれにいたしましても、大蔵省のほうで意見を入れておきめになるので、その辺をおくみ取りいただきたい。
  103. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 けっこうでございます。  次に、中曽根長官に伺いたいわけでありますが、北区の出井頭町、ここに通称TODの第二地区と呼んでおる土地がございます。これは現在十条駐とん隊の一部となっておりまして、防衛庁所管と思うわけでありますが、ただいま申し上げました隣接の稲付西山町、ここに国立国語研究所というものもございます。これらを、ただいま申し上げましたように王子キャンプのあとになど移転することができるならば、この辺一帯は広大な空地ができるわけであります。一部には、国際興業の赤羽車庫もございますが、このほかに何むねかのれんがづくりのこわれたあき倉庫などもございます。このあき地を国立競技場あるいは国立のサッカー場にする、こういう話がだいぶ以前から世間に流布されておりますけれども、この土地の利用方について、十条駐とん隊で使用していないならば、早く国有財産として移管し、さらに一歩進んだ利用方、言うならば、都内にも住宅用の空地がだんだんと少なくなっております。あけておくのはもったいない、あそこは何とかならないのか、こういう声がございます。住宅を建てて活用するのがいいと思うわけでございますが、この点に対しまして、大臣、どのようにお考えになりますか、伺っておきたい
  104. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 陸上自衛隊の十条駐とん地赤羽地区は、武器補給処十条支処整備部の車両整備工場、板金場等の施設、車両テストコース、ヘリポート、訓練所等が置かれ、重車両の整備等が行なわれており、御指摘のような遊休化された施設は目下ございません。しかしながら、本地区内にある訓練所につきましては、地元から野球、競技会等に利用したい旨御要望がございましたので、部隊の訓練に支障のない範囲内で北区の使用を認めることにいたしております。こういう基本的考えに立ってできるだけ地元の御要望を達するように努力してまいりたいと思います。
  105. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 私の言っておる土地は、そのお答えの土地でないのです。その土地でなくて、いま申し上げました出井頭町と申しますところにあき倉庫があり、広大な空地がある、そこなんです。  また、長官からせっかくいいお答えがございましたので、その問題も先に関連して聞いてしまいたい。  いま、地元の要望に従って野球場に使わしている。御好意をたいへん感謝しているわけでございますが、この土地に野球場をつくるについては、現在衆議院の内閣委員をしております鬼木勝利君、これがかつて参議院議員をしておりました当時に、たいへんな努力をいたしまして、ここの土地を開放して、野球場になって、子供たちの野球場として使用させてもらっているわけでございます。また自衛隊でももちろん使用しているわけです。共用使用というような立場でございます。この使用料が三十万円、この地元の区議会でも長官のことをこのように言っております。愛される自衛隊を標榜する中曽根防衛庁長官ならば必ずわかってもらえると大きな期待をかけている。子供の運動場に貸すのに金を取るのは情けない、何とかならないか。これが長官に対する三十万円の要望でございます。長官からそのお話が先に出ましたので、このお答えを聞いておきたい。  それからさらに先ほど申し上げました出井頭町のほうのお考えを伺いたい。もちろん国有財産でございますし、それを使用するのに無料ということはできませんけれども、何とか長官の御裁量で地元の要望を入れ、三十万円の線が何とか解決するならば望外のしあわせであります。ぜひとも御善処を願いたいわけであります。
  106. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 よく調べまして、できるだけ貴意に沿うようにいたしたいと思います。
  107. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 御指摘の施設は、十条支処のすぐ隣に隣接しております大蔵省所管の財産のことであろうと思います。これにつきましては防衛庁の管理の外にございまして、現在大蔵省のほうでその国有財産の利用につきましていろいろ検討いたしているのではなかろうかというふうに考えております。  なお、このグラウンドの使用料の問題でございますが、これはあくまで防衛庁の行政財産でございますので、これの使用につきましては、現在の規定から申しまして、どうしても有料でなければならないということになっております。しかしながら、地元の御要望の関係がございますので、できるだけ便宜を計らう意味におきまして、最小限度の使用料でまかなえるようにいろいろ検討しております。まだこの三十万という金が特にきまっておるわけでもございません。現在地元の区長と駐とん地司令との間でいろいろ、使用の条件なりあるいは使用料について協議いたしておるという段階でございます。
  108. 松本忠助

    ○松本(忠)分科員 大蔵省所管の土地になっているというお話ですね。そうすると私どもがいろいろ聞いたり調べたりしている点では、十条駐とん隊が管轄している土地だ、こう言っているわけです。その辺のところがちょっと食い違いがございますので、なおよく調べてみたい。またそちらでも調べていただきたいと思うのですが、われわれが調べました範囲では、十条駐とん隊がそこを管轄しているんだ、そして国有財産ではないんだ、大蔵省の管轄ではないんだ、こういうことを私聞いておるものでございますから、そこで先ほどお願いしたわけでございますが、なおよく私のほうも調べてみたいと思います。  いまの野球場の問題につきましては、先に長官からお話がありましたので、その善処方を――わずかの金額であると思うかもしれませんが、そういう希望が出ておりますので、あわせて御善処を願いたいと思います。  以上をもって質問を終わります。
  109. 小澤太郎

    ○小澤(太)主査代理 この際暫時休憩いたします。    午後零前五十一分休憩      ――――◇―――――    午後五時三十九分開議
  110. 大野市郎

    ○大野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  防衛庁所管について質疑を続行いたします。楢崎弥之助君。
  111. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 まず冒頭にちょっとお伺いをしておきたいのですが、せんだってはアメリカの上院軍事委員会でリーサー陸軍長官が、沖縄を太平洋全域にわたる補給基地にしたいという構想を発表した。それから十一日の下院の軍事委員会では、今度はチャプマン米海兵隊司令官がいろいろ証言をしておりますが、その中で、こういうことが述べられているわけです。ベトナムから海兵隊が本土あるいは沖縄に引き揚げてきている。引き揚げてきた者で第一海兵隊緊急派遣部隊というものを編成をした。この緊急派遣部隊という新編成は、これはどのくらいの規模のものであるか、防衛庁のほうでおつかみでございましょうか。
  112. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 お尋ねの部隊につきましては、沖縄に第一海兵遠征部隊司令部というものが、キャンプ・コートニーにできたというふうな話は聞いております。ただ、その部隊の規模等については詳細わかっておりません。
  113. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 新聞の報道するところによりますと、第三海兵師団と第一海兵飛行隊からなっておるのですが、こういうふうに理解しておっていいのでしょうかね。
  114. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 われわれの知っておりますのも、いまお話しのように、第三海兵師団と第一海兵遠征部隊司令部とがあるという程度でございまして、その規模がよくわからないわけでございます。
  115. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで、今日はまだ沖縄は返ってきていないわけですが、チャプマン司令官が証言をしているように、第一海兵緊急派遣部隊は太平洋全域を通じての非常事態に対処する任務を持っておるという発表をしておるのですが、もし沖縄が返還されたときには、こういう任務を持つ部隊は、安保条約第六条から見まして、置けないことになると思いますがどうでしょう、外務省。
  116. 東郷文彦

    ○東郷政府委員 先生のお話の置けないという意味がちょっとよくわからないのですけれども、沖縄の基地は先ほどお話しのごとく、補給あるいは通信、さらには前線のいかなる事態にも対処し得る基地という機能を持っておるわけでございまして、これが返還後において戦闘作戦行動に出る場合には事前協議がかかる、こういうことになりますが、その部隊の機能によって置けないということにはならないと考えます。
  117. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうですか。第六条で米軍が日本基地を使い得るのは、「日本国安全に寄与し、並びに極東における国際平和及び安全の維持に寄与するため、」米軍は日本の「施設及び区域を使用することを許される。」こういうことになっておるのです。だから、日本安全あるいは極東平和以外の太平洋全域の非常事態あるいは安全保障にかかわるような部隊は、第六条から見ると日本基地を使えないのではないですか。
  118. 東郷文彦

    東郷政府委員 極東平和安全に寄与するということが目的になっておりますが、いまの海兵隊がその能力からして、極東以外に行き得るということでありましても、それが安保条約目的、すなわち極東平和安全に寄与する、こういうことであれば、その範囲で米軍の目的の範囲内になるわけでございます。返還後の沖縄に来ることも条約上排除されるものではございません。ただ、これがどこへ行くか、外へ戦闘作戦行動に行く場合は、事前協議の対象になるということで、その能力からして、より遠くまで行けるということでありましても、それのみをもって施設、区域を使用できないということにはならない、こう考えます。
  119. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、太平洋全域の補給基地になるという場合はどうなんですか。
  120. 東郷文彦

    東郷政府委員 安保条約第六条の目的は、日本及び日本を含む極東平和安全に寄与するということでございます。
  121. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だから、太平洋全域の補給基地にはなり得ないのでしょう。
  122. 東郷文彦

    東郷政府委員 太平洋全域ということは、安保条約の六条の考えておる地域よりは広くなります。しかしながら、この極東平和安全を守る、日本を含む極東平和安全を守るという見地から、そのような部隊が駐留するということは、これは安保条約の範囲内でございます。ただ、それが安保条約の予想する以上の活動をするということになれば、これは条約の範囲を越えることかと考えます。
  123. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 よくわからぬのですがね。太平洋全域に補給責任を持つ基地にはなり得ないのでしょうと聞いているのです。
  124. 東郷文彦

    東郷政府委員 それはなり得ないということでございます。
  125. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それではっきりしたと思います。  それで、海兵隊の場合は、当然六条の日本安全あるいは極東平和以外の目的で行動する際は事前協議の対象になるから、そこでチェックされるというわけですね、海兵隊の場合は。
  126. 東郷文彦

    東郷政府委員 これは極東の範囲の定義にもございますように、米軍が日本を含む極東安全を守るために活動する範囲というのは、いわゆる極東そのものには限らないわけでございます。
  127. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 しかし、それにしても一応周辺ということになっておるでしょう。それを太平洋全域なんて、そんな拡大解釈をいつからするようになったのですか。
  128. 東郷文彦

    東郷政府委員 周辺の事態が極東平和安全に影響を及ぼす意味において活動の範囲に入ってくるわけでございます。
  129. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 フィリピン以北と一応なっておりますね。しかし、その周辺がそのフィリピン以北の範囲に影響を及ぼす場合には、その行動区域に入るということは、いままで答弁をいただいておるのです。その周辺というのは、どこまで広がりがあるのですか。太平洋全域の場合だってあり得るのですかね。周辺ということになるのですか。
  130. 東郷文彦

    東郷政府委員 これは太平洋全域が入るかどうかというのは、たいへんむずかしい御質問でございますけれども、要するに、周辺と申しますのは、極東に続く地域に起こった事態が極東平和安全にどういう影響があるかという判断の問題に帰着すると思いますが、したがって、太平洋全域どこへ行ってもいわゆる周辺に入るということは、また少し拡大し過ぎだということになると思います。
  131. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 じゃあ大体どの程度ですか、その周辺というのは……。
  132. 東郷文彦

    東郷政府委員 これは世界情勢あるいは防衛というような問題は、まあいわば生きものでございますので、ここまで線を引いて、そこから先は周辺でないというような定義を下すことは、現実的にはできないわけではないかと存じます。
  133. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、小笠原が返還されておりますから、その西太平洋は少なくとも入るということになりますか。
  134. 東郷文彦

    東郷政府委員 小笠原の返還の際の、極東の範囲の問題でございますが、これは小笠原が返還になったからということで、小笠原は極東にむろん入るわけでございますけれども、それ以上極東のいわゆる東の広がりと申しますか、これは小笠原が返ったからといって特に広がったというような考えではないわけでございます。しからば西太平洋はどこまで入るか。これも先ほど申しましたように、その事態が極東にいかなる影響を及ぼすか、そういう個々の事態に即して判断されなければならないと考えます。
  135. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、日本安全あるいは極東平和に影響があれば、地域的な制限というか、そういうものは大体ないというふうになるわけですね。
  136. 東郷文彦

    東郷政府委員 そういうふうにおっしゃられるとたいへん困るのでございますけれども、地理的に線を引いてどこまでだということは、非常にむずかしい問題だと思うのであります。しかし、実際問題としては、極東平和安全にどういう影響があるか、この点から判断されるべきもので、先ほど申しましたように太平洋全域あるいはどこでも必ず周辺だというものではないわけでございます。
  137. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 たいへんあいまいで、六条の極東条項というものは、せんだっての当第二分科会の質問でも非常にあいまいであったわけですが、この問題は一応ここで打ち切りまして、次に進みたいと思います。  中曽根長官の、国会防衛委員会をつくってほしいという要望に関して、念のためにお伺いしておきたいのですが、いま防衛庁文書秘密事項の度合いを何段階に分けて、どういう名称になっておりますか。
  138. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 二つ種類がありまして、一つは機密、それからたしか極秘、それから秘ですか、もう一つは防衛秘密保護法というアメリカとの関係における法律の系統のものがありまして、これも大体機密、極秘、秘、それからあとは一般的に取り扱い注意という程度のものがございます。
  139. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると機密が一番上で、その次が極秘で、マル秘で、そして部外秘、取り扱い注意、こういうことでよろしゅうございますか。
  140. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 そうです。
  141. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 ちょっと補足して申し上げます。  機密、極秘、秘は大臣のお答えのとおりでございますが、その次にあります部外秘とおっしゃったのと取り扱い注意とおっしゃったのは事実上同じでございまして、われわれは取り扱い注意の文書と言っております。
  142. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると大体四段階ですね。
  143. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 取り扱い注意は秘密文書ではございません。秘密文書は三段階、こういうことでございます。
  144. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで米国を例にとりますと、国会の軍事委員会とか小委員会には、いわゆる非公開にして、機密度の高いものもそこに出して論議されているということを聞いておるのですが、長官の防衛委員会構想の中では、どの程度までその秘密事項を提出されるおつもりでしょうか。
  145. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは防衛委員会ができてからの話でもありますが、また議会側の御意見もよく拝聴し、尊重しなければならぬことであるとも思いますし、結局は国益をどの程度保護するために表に出してはならぬかという、責任者としての判断にかかってくると思いますが、その防衛委員会の内容が真に国民の意見を代表して国益を守るという態勢にあれば、ある程度出していいのではないか、そういうように思います。
  146. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 前回も申し上げたのですけれども、自衛隊というものをほんとうに知るためには、やはり相当の機密度の高いものも、もちろん非公開という条件のもとですけれども、出さないことには自衛隊というものの理解というものはいかぬのじゃないかと思うのですね。どうでもいいようなものだけ出して、ほんとうに国民が知りたいという点、そういうものはえてしてすぐマル秘とかマル機とか言われて隠されてしまう。だから、私は相当の機密度の高いものも、場合によっては非公開で出していただくような習慣をつくられないと、なかなかシビリアンコントロールというのはうまくいかぬのじゃないかと思うのです。
  147. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 国会がそういうふうに相互信頼のもとに民主的に運営される日が一日も早く近づくように私は祈念しております。楢崎さんにそういう文書を突きつけられて、こっちがうろたえるよりも、成規の手続によってみなで議論できるようなほうがはるかに望ましい、そういうふうに考えております。
  148. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 念のためにお伺いしたわけです。  次に四次防に移りたいのですが、現在の自衛隊は非常に巨大な武力集団になっておるのは事実です。この防衛力の限界とも関連をして、これが戦争抑止力になることを望まれますか、それが一つ。そこで抑止力とは一体長官はどういうふうに考えておられるか、明らかにしていただきたい。
  149. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本単独では、大きな戦争あるいは中ぐらいの戦争というものの抑止力になることは、今日の世界情勢からむずかしい要素もあると思います。現在の抑止力は、ある意味において集団保障体制とのコンビネーションの中において抑止力が生まれつつある。しかし、抑止力をつくる一つの素因にはなっている、そういうように思います。  それから、抑止力とは何ぞというお尋ねでございますが、これは侵略や攻撃を加えることによって、かえって災害や損害をこうむる、そういう観点から侵略や攻撃を差し控える力になるということだろうと思うのです。
  150. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、抑止力になり得るごとき戦力は、他国から見ればいわゆる脅威を与える程度の戦力であるわけでしょう。そうでないと抑止力にならないのじゃないでしょうか。
  151. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ハリネズミにちょっといたずらしたら、かえって針で刺される、あまりそばに寄っちゃいかぬぞ。防衛的なものでも抑止力になり得ると思います。
  152. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで、私は、抑止力になる戦力というものは、やはり他国に脅威を与えないという考え方と矛盾をするのではなかろうかと思うのです。そこで、「第三次防衛力整備計画の大綱」の中の「一、国防の基本」のところに「侵略に対する抑止力として有効な防衛力を整備」するとなっておるのですね。これは私は憲法上も非常に問題があろうと思うのです。抑止力になるというのは、やはり他国に脅威を与えるほどの力だと思うのです。この点もう一度お伺いしておきたい。
  153. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 攻撃的な場合も抑止力になり得るし、防御的な場合も抑止力になり得るということは、たとえば非常に微弱であるという場合に他国に野心を起こさせる、それを起こさせないという意味においては抑止力になる。あるいは誘発させない、そういうような一定の限界を守らせるという意味においては抑止力になり得る、こう思います。
  154. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 現在の自衛隊の持っておる自衛力と申しますか、われわれから見るともう戦力になっておると思うのですけれども、自衛力は第二撃力があると判断されておりますか。
  155. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 普通第二撃力という場合には長距離弾道弾及び核弾頭を想定して議論がいつもなされるのでございまして、日本のような通常兵力による場合には第一撃、第二撃というような概念はあまり成り立たないのではないか。もちろんそれは第二撃も第三撃も第四撃も、防衛的意味においてできます。そういう意味においてはあり得ますけれども、普通いわれるようなICBMや核弾頭を中心にした概念においてはございません。
  156. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私が申し上げておるのは必ずしも核の場合でなくて、いわゆるセカンドブローというやつですね。攻撃を受けた際にやり返すというこの第二撃力を言っているのです。そういう意味では、自衛隊の現在の自衛力は第二撃力を十分持っておるとお考えですか。
  157. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 他国に対して攻撃的性格を持っておるという意味において第二撃力はないと思うのです。しかし、たとえば本土に上陸してくるという場合に、一波、二波、三波、四波で連続して敵に打撃を与えるという意味においてはあります。
  158. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで四次防の構想に移るわけですが、昨年の十月十四日に、有田長官は事務当局に対して、防衛庁原案の作成着手を指示された。この作成方針として長官が示した考え方が文章となってあるわけでありますけれども、この中で、「今後も米国との安保体制を堅持して防衛力の足りない所を補完していく必要がある」というところがあるのです。「防衛力の足りない所」とは、一体具体的にいえば、たとえばどういう点でありますか。
  159. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本の本土を防衛するという場合に、まだ日本の自衛隊単独だけでは防衛力として完全になっていない要素がある、そういう意味において、その場合友邦であるアメリカの軍隊に期待する、しかしそういうところをできるだけ少なくして、できるだけ自前でやるという方向に持っていこう、そういう意味だろうと私は思います。
  160. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それで、この方針は長官もこういうことでいいという引き継ぎでございますか。
  161. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 前長官が出されました指示を、私も踏襲してやっておるわけです。
  162. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで、この中の四次防の特徴的な点の一つは、長期的な防衛計画をつくって、そしてその中で来たるべき四次防はどういう位置づけがなされるのか、そういう構想のようでございます。これは四次防の大きな、いままでにない一つの特徴であろうと私は思います。  そこで、この長期防衛構想でございますが、この長期防衛構想の柱と申しますか、原則みたいなものはどう考えておられますか。
  163. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 憲法の範囲内であるということ、つまり専守防衛力であるということ、それから国民生活を考えて、国力、国情に応じてバランスをとってやるということ、それからシビリアンコントロールを徹底させて、制服やあるいは軍事政策の暴走を防いでいくということ、それから平和外交政策というものを中心にものは動いていくということ、そして国連のような国際会議を非常に重要視するという考え方、そういう事々が柱になって、そしてできるだけ人間を使わないで機械化された精鋭な武器を持っておる防衛力を整備していく、そういうことだと思います。
  164. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 非核三原則というものは、その原則に入りますか。
  165. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 総理がお答えになったように、自民党内閣が続いておる間は、そういう原則は適用されていくだろうと思います。
  166. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、非核三原則も加えて、いま長官のおっしゃったことは、佐藤内閣の最高方針として意思統一がされておるのですか。
  167. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その方針で行っていると解釈されてけっこうだと思います。
  168. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこで長期防衛戦略見積もりというようなものになるのであろうと思いますが、それは大体十年で考えてよろしゅうございますか。
  169. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 この長期という考え方がどの程度がいいか。現代になりますと、科学技術の開発計画なんかは二十年、三十年くらいのロングレンジでものを考えております。しかし、実際問題として行政執行の面等から考えると、五カ年計画というものが内閣で至るところでとられております。ですから防衛力の場合も、ほかの各省の経費とのバランス等も比較考量する必要がありますから、一応五カ年計画というようなスケールが妥当ではないかと思います。しかし日本のGNPの成長がかなり早い。しかも大きい数量で行っておりますから、単に五カ年だけのものさしでものを見ないで、十年くらいの将来を見通しつつ五カ年計画の内容を策定していく、そういう考え方がまあ妥当ではないかと思います。
  170. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、一応この四次防作成方針の中にいわれておる「長期的展望にもとづく防衛力整備の目標」というのは大体十年である、そして、その十年を前期と後期に分けて四次防、五次防、こういうふうになるわけですね。
  171. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 単位は五年です。十年ではありません。ただし、その五年というものも、その十年間くらいに日本経済その他がどう伸びるであろうかということをバックグラウンドに考えながら、計画としては五年として切っていく、そういう考えです。
  172. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私が申し上げておるのは、先ほどからも言っておりますとおり、四次防作成方針の特徴は、長期の防衛構想を一応立てて、そしてその目標を見きわめつつ五年間の計画をつくる、こうなっておるのですね。だからその長期の防衛構想とは五年間じゃないですよ。この作成方針にいう長期の防衛構想というものは五年間じゃない。それは大体十年くらいですかとお伺いしておるわけです。
  173. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その長期の防衛構想という表現でございますが、構想というのは多分にイマジネーションや不安定な要素が入っていて、構想ということばが出てきて、計画というやや確定した内容は入ってこないわけです。したがって、計画として成立するのは五年。ただし先ほど申し上げましたように、経済の動向とかそのほかの大勢を洞察していく必要として、バックグラウンドとしては十年ぐらいのことを予想しながら五年を確定していく、そういう考え方でございます。
  174. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、長期の防衛戦略見積もりというようなものはつくられないのですか。
  175. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは、先ほど非常に抽象的に申し上げましたような諸原則、それから経済的な数量がどういうふうに動くであろうかというようなGNPの成長の見積もり、それに伴って日本のほかの諸元がどう動くであろうか、そういうことも考慮に入れるという意味においては、構想の内容の一つのファクターとしてはそういうものが入ってくるとは思いますが、しかし、計画として成立するのは五年ということであります。
  176. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 長期の防衛戦略見積もりというのはつくられないのですかと聞いているのですから、イエスかノーだけでいいのです。
  177. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 ある意味においてはつくると言えるでしょう。それは大体の傾向を洞察して、こういうラインでいくであろう――たとえば平和がずっと維持されていくであろうとか、あるいは極東情勢については大きな変化は起こるまいとか、あるいはアメリカソ連、中共との関係がどうなるであろうとか、そういう程度の非常に荒っぽい、何と申しますか、たたき台みたいな考え方というものは出てくるだろうと思います。
  178. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それは大体いつごろまでにつくられる予定でございますか。四次防作成の前につくられないと、この文書はおかしくなるのですが。
  179. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 いま、いろいろ私自分でも考え、部内でもそういう諸原則について検討を命じてあります。それで、でき得べくんばこの秋ぐらいまでに防衛庁としての四次防の計画を概成してみたいと思っております。したがって、その以前にそういう諸原則をつくり上げて、四次防の具体的策定に入っていきたいと思っております。
  180. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 その長期戦略見積もりらしきものは、出たら公開をされますか。
  181. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは部内の作業の一つの基準点でありますから、外へ公開すべきものではない、そういうように思います。
  182. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だから困るのですね。この文書でいくとこう書いてあるのですよ。お手元にあるでしょう。このとおり読んでみますと、「長期的展望にもとづく防衛力整備の目標をみきわめつつ、昭和四十七年度から向う五年間を目途とする四次防の原案を作成する」。そうすると、われわれが四次防の検討をさしていただくときに、こういう長期の一応の防衛構想の中の四次防だという位置づけを見なくては、四次防の正確な審議はできないと思うのですがね。そういうところから私は先ほども秘密事項云々を持ち出したわけなんですよ。
  183. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは四次防ができたときにはこういう原則でつくったということは皆さんに見ていただくことになると思いますが、つくる過程において、作業中のものを出すということは不謹慎だろうと私は思います。
  184. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 四次防における陸と海と空ですが、戦略構想、いま明らかにできますか。
  185. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私はしろうとでありますから、深い緻密な戦略構想というようなものはございませんが、ばく然と抽象的に申し上げられると思いますのは、日本専守防衛であり、そして平和外交を主にしている。そして国連の活動を非常に援護する。そういう基本的観念に立って平和維持ということを中心にして外交防衛というものを考えていく。そういう基本方針は確立されているだろうと思います。それで防衛力整備については、本土防衛についてはできるだけ日本の自主的な力でこれを行なう。外国に期待する部分はなるたけ少なくしていく。しかし、それ以外の攻撃的な要素や大きな抑止力――抑止力と申しましたが、核を含むそういう抑止力については、これは安全保障条約によって期待する。ですから私は比喩的に申し上げるのですが、ウサギのように鋭い耳と、それからハリネズミのように近寄れないような防御体制をつくって安全保障条約のパイプを握る。そういうような感じが日本のあり得べき防衛の姿だろう、そう考えております。
  186. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 まるで抽象的でつかみどころがないのですが、私のほうからこまかく入っていってみたいと思うのです。  この四次防作成方針の諸点の中の一に、まず「海上における防衛力を強化、充実する」、これが一番に出ているわけです。それで、この海上防衛力のいわゆる増強、強化という問題についてお伺いしたいと思います。  それで、有田防衛庁長官は、昨年十月の内閣委員会において、四次防で公海、公空上に出て洋上撃破体制をとる、そういう見解を明らかにされておりますが、中曽根長官もそういう構想を引き継がれますか。
  187. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 公海または公空において侵入する敵を撃破し、破砕するということは、防衛上必要であると考えます。
  188. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、海上防衛力強化の際に、航空自衛隊海上自衛隊の二つに分けて考えてみたいと思います。まず航空自衛隊から入ってみたいと思います。そこで公空、公海上に出るということであれば、制空権というものはどういうふうにお考えでしよう。
  189. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 本土防衛のために必要な制空権というものは獲得しなければ、本土防衛有効成立しない現代社会であると思います。
  190. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だれが制空権を確保するのです。
  191. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本防衛するために必要な範囲内において日本側が持つということです。
  192. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 制空権の範囲はどの程度まで考えられているのですか。
  193. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本防衛の必要の範囲内においてと申し上げたとおりです。
  194. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 地理的にいいますと、どういうことになりますか。
  195. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それは来襲する相手の態様あるいは日本のそのときの装備力あるいは科学技術兵器発達、そういう諸元によって相対的にきまってくると思うので、ここで一言で言うことは非常にむずかしいと思います。
  196. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、戦闘機によるパトロールということは考えられますか。
  197. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 考えられると思います。現にスクランブルをやっております。
  198. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 艦船攻撃機が必要になるのではありませんか。
  199. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 艦船攻撃機ということばの意味が不明確でございますが、たとえば侵入する船団を撃破するために、これを攻撃するための、それ専門であるかどうかは別として、そういう機能がある飛行機は必要であるだろうと思います。
  200. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どういう飛行機が考えられますか。
  201. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 たとえば上から爆撃するとか、あるいは魚雷が発射できるかどうか近ごろわかりませんが、昔、魚雷を発射して船を撃沈したりしましたけれども、そういう要素も必要であると思います。
  202. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 現在のF86Dはそういう目的に使用できますか。
  203. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 爆弾を落とす能力はあるようですから、日本に上陸してくる敵船団を爆撃でこれを破砕するという能力はあると思います。間違っていたら直させます。
  204. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 現在あるのはF86D対地支援機です。四次防はファントムを装備するわけです。ファントムにそういう能力をつけられますか。
  205. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その点は爆撃照準装置等の問題でいろいろ御議論があった点で、防衛局長から答弁させます。
  206. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 現在86Fの部隊が対地支援の訓練をやっていることは事実でございます。それから将来のファントムにつきましては、これは要撃戦闘機として整備するという予定でございます。86Fの後継機ではございません。
  207. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、四次防で先ほどから言っているように洋上撃破ということを考えておられるというのですから、具体的にはどの飛行機をもってその任務につかせますか。
  208. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 これは四次防の作業の中で具体的にきまってくると思います。86Fはもう古くなりましたので、第四次防を通じて全部機能を発揮するわけにはいかないので、その後継機を考慮しなければならないと思っております。現在作業中でございます。
  209. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それはXですか、それともファントムあるいは104Jを考えておられるのですか。
  210. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 昨年きまりましたファントムは要撃戦闘機としてきまりましたので、そのファントムを対地支援機である86Fの後継機にするということで、四次防で考えるわけではございません。それ以外の航空機で86Fの対地支援の後継機を考えたい、こう思っております。
  211. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だからそれ以外ということになると、現有の飛行機では104Jしかないでしょう。それとも新しく別に後継機を考えられておるのですか。
  212. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 まだきまっておらないわけですが、いまのお話の中の両者を含めて検討したいと思っております。
  213. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 ASMの技術研究開発はいつから入られますか。
  214. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 三次防末かと思います。四十六年ぐらいかと思います。まだ入っておりません。
  215. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 四十六年からASMの開発に入る、これは飛行機につけるために開発されるのでしょうか。
  216. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 三次防末、四十六年から調査を始めまして、今後開発を進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。ASMでございます。
  217. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 何のために開発されるのですか。
  218. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いま大臣なり防衛局長からお答えいたしましたように、進入する艦船を撃破するということに対しまして、爆弾その他有効な武器を使うという考えで勉強する問題ではないかというぐあいに考えております。
  219. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 大体どれぐらいで完成の見込みですか。
  220. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 四十六年度から調査をしたいということで、今後どういう方向でどういう勉強をしたらいいかということを勉強したいということでございます。
  221. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうすると、四次防の期間中にそれを完成さして、いわゆる対地支援の攻撃機に使うというお考えですか。
  222. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 いままでのミサイル関係の勉強の経過を見ましても、四次防期間中に結果が出るということはむずかしいと思っております。
  223. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 ファントムが戦闘爆撃機であるという論争をずいぶんやったわけですね。それで攻撃用の爆撃機ではないということのために、わざわざ爆撃装置をはずして腰だめで爆弾を落とすのだ、そんなことをおっしゃっておったのです。このASM開発はそのこととどうつながるのですか。もしASMを開発するぐらいだったら、どうしてファントムの爆撃装置をはずされるのですか。矛盾しておるではありませんか。
  224. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 要するに洋上撃破であるとかあるいは対地的に、もし万一敵が進入して上陸した場合に、その地点を奪回するために援護するとか、そういう場合が想定されるので、そのときの用意に調査研究する。ファントムの場合は足が長いというので、ややもすれば攻撃的性格に見られる危険性がある。そういう日本の専守防衛という観点から、わざわざいまのような措置をとったので、私はわざわざとったんだろう、そう思います。
  225. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 えらい不服みたいな印象を受けるのですがね。ASMは開発して必ずつけられるわけですね、開発が成功した暁には。
  226. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 現段階ではどういう目的を持ってASMがどんなものであるか、開発できるか、どういう方向でものを考えるかという調査に入ろうということでありまして、まだ結果がどうなるかにつきましては今後の問題でございます。
  227. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは次に移ります。  洋上飛行訓練はどの程度行なわれておりますか。
  228. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 海上自衛隊ではたくさん行なっておりますが、航空自衛隊では、先ほどお話しのございましたF86Fの対地支援の訓練程度でございます。それ以外に、もちろん104の要撃戦闘機が要撃そのものの訓練のために、陸の上でなくて海の上でやっていることはもちろんたくさんございますが、そのことをお尋ねではなくて、洋上攻撃のための訓練ということであれば、86F部隊が若干の訓練をやっている程度でございます。
  229. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 若干の訓練ということになると、たとえば陸上レーダーの届く範囲ということでしょうか。
  230. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 レーダーとは直接関係はございません。
  231. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どうしてないのですか。
  232. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 要撃訓練の場合にはレーダーと組み合わせて誘導を受けながらやるということでございます。対地支援の場合にはレーダーと直接関係なしにやるわけでございまして……。
  233. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 洋上です。
  234. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 洋上訓練の対艦、対地の攻撃は、直接レーダーと組み合わせなくてもできるわけでございます。ただ現在F86F部隊は能力がまだ不十分でございますので、また訓練もわりあいに初期の段階でございますので、洋上はるか出ていってやるというようなことをやっているわけではございません。海岸近くで対地攻撃の訓練をやっている程度でございます。
  235. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だからいわゆる本格的な洋上撃破ということになりますと、その洋上の訓練を必要とするわけでしょう。
  236. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 将来F86Fの後継機がきまりまして、訓練の態勢に入りました場合にはそういうことが必要になってくる、そういう段階には予想されると思います。
  237. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、四次防から五次防にかけての構想からいくと、かつての海軍航空隊と申しますか、ずいぶんその当時航空機関係では陸海争いがあったのですけれども、そういう海軍航空隊みたいなもの、つまり海上自衛隊がその種の飛行機を、艦船爆撃機、攻撃機みたいなものを持つ、そういう構想に移っていくのではないのですか。
  238. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 これも将来の問題でございますけれども、筋としてわれわれが考えておりますのは、いまのお話のようなことではなくて、航空自衛隊がそういう機能を持つというのが筋であろうというふうに考えております。
  239. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしますと、雷撃機みたいなもの、まあいまは当然ロケット式の雷撃機になると思いますけれども、そういうものを持つ構想はあるのですか。
  240. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 雷撃機というのは最近あまり聞かない名前でございますけれども、航空機から魚雷を攻撃のために撃ち落とすという意味でございましたら、現在の海上自衛隊のPV2とか、あるいはHSS2という大型のヘリコプター等が魚雷を積みまして、潜水艦攻撃をするという機能は持っておりますが、将来もその機能は維持するということになろうかと思います。ただ先ほど私が、主として航空自衛隊が持つことが筋であろうと申し上げましたが、第二次大戦のときのことを想像しまして、戦闘機的なものが低空で水上で船を攻撃するというふうなことのお尋ねでございましたら、戦闘機が非常に早いジェット機になりましたので、魚雷を積んで落とすというふうなことは、魚雷の機能からなかなかむずかしくなりまして、現在ではそういういわゆる第二次大戦型の雷撃機を持っている国はないようでございます。わが航空自衛隊なり海上自衛隊でも、そういう意味の雷撃機を持つということにはたぶんならぬだろうと思います。
  241. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 レーダー哨戒機は、何機持つ予定ですか。
  242. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 レーダー哨戒機……(楢崎分科員「AEW」と呼ぶ)AEW――早期警戒機でございましたら、現在持つ方向で調査、検討をしておりますが、まだ作業中でございますので、何機持つというところまで作業は固まっておりません。
  243. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは海上自衛隊のほうに移ってみたいと思います。  制海権はどのようにお考えですか。制空権と同じようにお考えですか。
  244. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 やはり日本本土周辺については、制海権というものは必要だろうと思います。
  245. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どういう要素を考えておられますか。
  246. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 やっぱりめちゃしてやってきたらあぶないぞ、そう思われる程度の防衛力、威力を持っておるということが必要ではないかと思います。
  247. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いや、そういうことではなしに、制海権の要素というものは、たとえば対潜作戦もありましょう、あるいは制空権もなくて、制海権はとてもじゃないと思うのです。そういうことを聞いておるのです。要件はどういうことを考えておられますか、制海権です。
  248. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私より楢崎さんのほうがよく知っておられるので、私のことばのほうがどうも不十分でありますが、やはりある程度航空兵力、つまり潜水艦を発見するにしても、PV2そういうような航空兵力が必要ですし、また海上兵力にしても同じように護衛艦その他必要でありましょう。それから陸上から撃つという場合もあり得るでしょうし、そういう意味において、本土周辺のある適当な距離くらいまでは、制海権という意味において寄せつけないという力を持つということは必要ではないかと思うのです。
  249. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 艦対艦ミサイルはどうなっておりますか。
  250. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それも大砲の発達したようなもので、やっぱり必要ではないかと思います。
  251. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 技術開発されるのですか。
  252. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 将来持ちたいという考え方は持っておりますけれども、まだ開発に着手するところまでいっておりません。基礎的な調査をしたいという程度の段階でございます。
  253. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 船団の護衛の任務というのは、自衛隊法でいうと、何条に根拠がありますか。
  254. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 主として第七十六条の「防衛出動」、付随的に第八十二条の「海上における警備行動」、こういったものが根拠になろうかと思います。
  255. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 海上交通路を護衛する能力をつけるという方針まで載っておるのですが、大体どういう場合を想定されておるのですか。
  256. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 おそらく敵潜水艦が出没して、そうして日本の周辺において、わがほうのタンカーであるとか、あるいは食糧そのほか輸送物資を撃沈する、そういう場合に日本の船団あるいは日本の船舶を護衛するという意味において必要ではないかと思うのです。
  257. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 制海権、制空権を考慮する場合に、空母というものはどう考えておられますか。
  258. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 攻撃的な空母は、私は持つことは適当でないと思いますけれども、対潜警戒のための空母とか、そういった意味の防衛的意味の空母というものは持ち得る可能性を持っておる、そう思います。いま持つという意味ではありません。
  259. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 四次防なり五次防にその構想は入ってまいりますか。
  260. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 これも全体が作業中ですから、確定的なことを申し上げる段階ではございませんが、筋だけ申し上げますと、多分入ってまいらぬだろうと推測をいたしております。といいますのは、もともといま長官のお答えのように、仮に持つといたしましても、対潜空母でございますけれども、これは実は三次防をつくるときに、すでに議論かありまして――これももちろん理論的には持ち得るという前提で議論があったわけですが、費用対効果における効果といいますか、現在DDHという、空母から見れば、ずっと小型の護衛艦に数機載せるのと、それから一緒に相当数のヘリコプターを載せるという、いわば対潜空母、その費用と効果を比べて、どちらが効果的であるか議論済みでありまして、議論は、空母でなくて、DDH、護衛艦に数機のヘリコプターを載せたやり方で運用するほうが効率的であるという結論になっておりますので、四次防以降においても、大体そういう推移であろうというふうに推測いたしております。
  261. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 次期輸送機XC1、これは国産化するのか輸入するのか、きまりましたか。
  262. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 XC1は現在開発中でございますけれども、(楢崎分科員「エンジンです」と呼ぶ)エンジンにつきましては、いま申しましたように、XC1自体が開発中なので、その結果を見てからの決定でありますけれども、当然防衛庁としましては、訓練なり、あるいはその運用なりにつきましての、補給なり整備を考えますと、国産化したいと考えております。
  263. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 国産化したいと……。
  264. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 はい。
  265. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いつまでにきめられるのですか。
  266. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 現在の計画ではXC1が、この秋には初フライトをいたします。その結果を見まして、四十六年度予算では量産の計画を考えたいということで、その作業を進めておりますけれども、四十六年度の予算の決定の段階で決定したいと考えております。
  267. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 プライムに決定した三菱重工は、たしか三月末にはプラット・アンド・ホイットニー社と技術導入の契約を取り結ぶというふうに聞いておるのですが、そうすると、その前に国産か輸入かをきめてやらないと、その契約はできないんじゃないですか。
  268. 蒲谷友芳

    ○蒲谷政府委員 こういう問題につきましては、あくまで条件がついてまいりまして、XC1の開発が成功し、それの国産化が、われわれ政府の予算原案をつくる段階でその方向づけができ、国会でその予算が成立するという条件があって、それができた場合にはある社にやらせるという条件づきでそういう作業は進んでおるわけでございます。
  269. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 XC1の点は後ほども通産省関係でやりますから、最後に二点だけお伺いしておきます。CBのことが質問できませんでしたけれども、一点だけお伺いをしておきます。  例のメリーランド州のフォートデトリック米陸軍化学戦部隊生物戦研究所ですね、ここで日本の大学の先生がここの研究に現在従事しておりますか。
  270. 浜田彪

    ○浜田政府委員 私、よく存じておりません。
  271. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 昨年からことしにかけて四人行かれておるはずです。これは早急に調べて、次に私が質問する機会があるはずですから、二、三日うちにそこで御報告いただきたい。お願いしておきます。
  272. 浜田彪

    ○浜田政府委員 調査いたします。
  273. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それからあと一点です。町田市の市会議員の選挙がせんだって終わったわけです。当選した社会党の市会議員の中に、元自衛隊の人がおったはずですが、おわかりですか。
  274. 内海倫

    ○内海政府委員 ことしの二月ごろでございますか、自衛隊におったとこのある人が市会議員の選挙に当選したということは、私聞いておりますけれども、それ以上の詳細は承知いたしておりません。
  275. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 小川金治という人ですが、たしか自衛隊に三年ほど入っておったと思う。そして自衛隊をやめて社会党に入党されて、社会党の活動をして、そしてこのたびめでたく市会議員に当選されたわけですが、中曽根長官、こういう事実をどう思われますか。最後に感想を聞いておきます。
  276. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それはおめでとうございました。
  277. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 ありがとうございました。自衛隊もだんだんそういった傾向が出てくるのではなかろうか。われわれも自信を持って今後もやりますけれども、ひとつあまりチェックしないようにしていただきたい。  終わります。
  278. 大野市郎

    ○大野主査 田中武夫君。
  279. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 まず最初に身近な問題からお伺いしたいと思うのですが、近畿地区でナイキ基地を設置する、そういうことで目下候補地を調査中といいますか、物色中といいますか、そのようなことを聞いておりますが、事実はどうなんですか。
  280. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 近畿地方は、日本の政治経済あるいは交通の要衝にも当たっております中京、阪神地区でもありますので、その対空防護を行なうために第四高射群を配置をする予定でおります。
  281. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 その候補地については、どのように考えておられますか。
  282. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 第四高射群につきましては、五個中隊からなるわけでございますが、その五個所の候補地のうちで現在ほぼ内定いたしておりますのは、航空自衛隊の岐阜の飛行場並びに陸上自衛隊の饗庭野演習場でございます。その他の三カ所につきましては、昨年以来鋭意調査いたしておりますけれども、まだ現在全然決定、内定もいたしておりません。
  283. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 私は、この種の問題はあまりよく知らないので、そういう答弁をもらっても、一体何県の何市かということがわからぬです。ずばりとこちらから申しますが、兵庫県の青野原は候補地に入っておりますか。
  284. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 現在のところ、まだ候補地として内定も決定もいたしておりません。
  285. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 そこで、もしそのナイキ基地を設置をするとするならば、どのくらいの広さの土地が必要であり、まわりに与える影響というのはどの程度のものなんですか。
  286. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 具体的にナイキ基地を取得する場所によって異なります。いろいろな山岳地帯でありますとかあるいは平たん地等によって違いますが、保安距離を含めましておおよそ二十万坪、六十万平米ぐらいの土地が必要になります。
  287. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 長官にだめを押しておきたいと思うのですが、いま政府委員の御答弁によると、ずばり言って兵庫県の青野原はそういうことも考えていないし予定地にも入っていない、こういうことでございます。しかし、どこから伝わったのか知らないが、現地ではもう相当騒いておるわけです。そうして現地でいろいろな団体等も入りまして反対期成同盟ができておる。また、先日兵庫県の県会の予算委員会といいますか、県会では予算特別委員会というのだと思うのですが、そこでこの問題についての質問が出ておりまして、兵庫県の金井知事は、青野原は入っておりませんと明確な答弁をいたしております。また、これに関係する二市二町だと思うのですが、それぞれの地方議会においてもこれの反対の決議等々の動きがございます。これに対して市長等は、まだそれは入っていないんだからいいんじゃないですか、こういったような状態であります。  そこで、明確に、いま入っていない、こういう御答弁があったんですが、それははっきりとひとつ長官、確認をしていただきたい。それでなければ、どうも関係の市長、町長あるいは兵庫県の知事がそれぞれの議会等に対してうそを言った、こういうことになるわけでございますので、地方的には大きな問題になろうと思いますので、明確な長官からの御答弁をいただきたい。
  288. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 青野原は、目下のところ候補地には入っておりません。
  289. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 目下のところということは、将来は入ることもあり得るということを意味していますか。
  290. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 できるだけ地元のそういう声を尊重してやっていきたいと思っております。
  291. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 これはへたをやると長沼の二の舞いどころでないことになろうと思う。別に紛争を好むわけではございません。と同時に、関係の二市二町では青野原開発計画、こういうのを進めております。県もこの問題で前に、実は昨年のことですが、具体的に言うと加西市側はこれをベッドタウンというか住宅地区にしたい、小野市側では工場を誘致するというようなことで、公害問題等をめぐって――工場といっても養鶏場のようなものであったと思うのですが、とにかく企業誘致をする。それでトラブルがありまして、県が中へ入って両方ともその計画をやめる。そして関係者が県の指導というか、県を含めて開発計画をつくろうじゃないか、こういうことで目下そういうことが行なわれておるはずであります。私も若干の相談を受けております。そういうこともありますので、これはそういう地元の、県が指導しあるいは仲介をとりながら進めておる開発計画をむだにしないように、ひとつ十分に考えてほしい。そのことを重ねて要望いたしておきますが、長官よろしいか。
  292. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 御意見を尊重しまして、できるだけ地元の御意見を考慮していきたいと思います。
  293. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 昨年の、これは長官が就任せられる前なんですが、決算委員会で私が若干取り上げた問題に関連をするのですが、当時、というと昨年の十月の末あたりでは新聞等で騒がれました、一千万円の家四千戸を日本の負担で在日米軍軍人軍属のために提供してくれ、こういう申し入れがあって、施設庁では相当頭を悩ましておる。こういうことで当時私これを決算委員会で取り上げておるのですが、その後この問題につきましては交渉が進められておるのか、進められていないのか、どのようになっておるのか、あるいはこのことに対して来年度予算においてはどのような予算計画を持っておられるのか、お伺いします。
  294. 山上重信

    ○山上政府委員 昨年米側から在日米軍軍属住宅をつくってほしいという申し出がございました。その後われわれのほうといたしましてもその詳細な事情を聴取いたしたいということでおったのでございまするが、現在までのところこれらについてはまだ具体的に何ら進展をいたしておりません。そういう状況でございます。
  295. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 当時私申し上げたと思うのですが、行政協定ですか、施設提供のことについて協議することができる、こういうことであって、何も一方的な義務ではない、こういうことを申し上げたのですが、そういうような上に立って交渉が進められておることであろうと思いますし、まだいまのような御答弁のようですが、今後交渉が進む中でどのように考えておられますか。
  296. 山上重信

    ○山上政府委員 先ほどの御質問のうち一つ申し落としたのを加えて申し上げたいと思いますが、来年度予算には、それに関連する予算は何ら計上いたしておりません。  この米軍住宅の要請に対しましては、それが具体的にどういう事情であるかということを聞いてはおりまするが、当方といたしましては、これはやはり当然日本側の同意がなければもちろんいたさないものでございます。事情を十分聞いた上で、納得いたすような筋合いになればまた考えなければならぬ問題だと思います。現在のところまだそこまで至っておりません。したがって、まだ提供するともしないともきめておらないということでございます。
  297. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 今日日本国民が、ことに都市生活者が住宅の問題で困っておることは御承知のとおりであります。そこに暖房つきあるいはシャワーつき一千万円の家四千戸、こういうことになると、これは庶民感情としてちょっといただきかねる、こういうことが言われており、そのこと自体が、今後のいろいろな問題に対して国民感情として残り、また政府自体のいろいろなこと、大きく言うならば先ほど来楢崎委員も質問しておったいろいろな防衛計画等々についても大きな支障になる、あるいは米国との間の感情的な問題までそれは発展するおそれが、大げさに言えばあるのですね。そういうことがあるので十分注意していただきたい。と同時に、現在の在日米軍人及び軍属住宅の現況はどのようなことであるのか。これに関連して四十五年度の予算ではどのように予算を計上しておられますか。簡単でよろしいから……。
  298. 山上重信

    ○山上政府委員 家族住宅の新設提供の要求につきましては、国民感情その他も十分考慮に入れた上で今後対処してまいりたいというふうに考えております。  なお、現状がどういうふうになっていますかにつきましては、施設部長から……。
  299. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 お尋ねの家族住宅の現状でございますが、まず提供しております区域外にどういうものがあるかと申しますと、これは米軍による規格がきまっておりまして、米軍の検査を受けて承認を受けておるものが七千二百戸ばかりです。それから承認を受けてないもの、要するに不合格のものが約六百戸、合わせまして約八千戸の住宅施設区域外にございます。それから施設区域内には、日本政府が提供しておる建物が約八千四百戸、それから米政府が独自でつくったものが約二千戸、それから米軍人個人の負担で建てたものが千百戸、こういうような状態でございまして、この区域外にある建物は全体の大体四〇%くらいになっております。  そこで問題は、この区域外に住んでおる者で官舎に入る資格があるという者がその中におるわけですが、これが四千九百戸でありまして、これが四千戸ばかり日本政府でつくってもらいたいと向こうが言っている根拠でございます。そこで予算的には、この四千戸の問題につきましては全然来年度要求をいたしておらないということは、長官からもお答えしたとおりでございます。
  300. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 そして結論を申しますと、四十五年度予算において提供施設等の借り入れ料として、借地借家も入るのか知りませんが、四十億八千万円というものが出ていますね。これだけが、いわゆる米軍人軍属に対する家屋、住宅等に関する日本の負担ですか。四十億八千万円、提供施設等借料。
  301. 山上重信

    ○山上政府委員 いまお述べになりました提供施設等の借料といいますのは、これは建物であるよりも主として土地の借料でございます。中に一部建物の借料も入っていると思いますが、多くは土地の借料でございます。それからまた提供施設の中には、かような借料は払わなくても、国有財産で提供しておるものがございます。それが提供施設の中に相当あるわけでございまして、それらについてはこの予算に特に計上いたしておりませんが、土地あるいは建物を含めまして提供の中に入っている、かような次第でございます。
  302. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 長官、実はここに私の地元の神戸新聞の一月三十一日の記事を持ってきております。これはもう調査をされたらおわかりのことだと思うのですが、見出しだけ読み上げますと、「タコ部屋同然の自衛隊」、これは北海道で起こったことです。おどかされ、やめられず「応募時の約束も守らぬ」、そういうことで、三隊員が救いを法律事務所に求めた、そういうことを書いてある。どうも人集めに相当無理をしておられるんではないか、このような感じを受けるのですが、いかがでしょうか。
  303. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その事件も調べてみましたが、無理をしているというようなことはないようでした。まあ現代の青年のことでございますから、やめたいというのに対して、本人のために、もう少しがまんしたほうが身の修養にもなる、一たん志をきめてやったら、ほかの人も一生懸命やっているんだから、ほかの人並みにがまんしてやったらどうだ、そういう意味で、本人の身を思っていろいろ助言したり、忠告したりしたことはあるようですけれども、昔の軍隊にあるように、なぐったり強制を加えたりするということはなかったようです。しかし、万が一にもそういうようなものがあってはなりませんから、ひとつよく戒めます。
  304. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 虐待といえばどうかと思いますが、そういうのにも、昔の軍隊のように物理的なものもある。同時に、そういうなぐったり、けったりはしないけれども、精神的にじわりじわりといじめるというか、耐えかねるということもあると思うのですがね。いずれにしても、こういう新聞記事が出るということは問題である、これはやはり何かあるんだな、こういう印象を受けるのは当然じゃないですか。もし、そうでないとするなら、明確なお答えを出される必要がある、このように思います。いかがです。
  305. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 そういう新聞記事が出ることは、われわれとしても戒心しなければならぬことでございまして、そういう点もよく私考えまして、着任以来、特に自衛官の人間尊重ということを言いまして、自衛官は自衛官である前に、人間であり、市民であり、国民であり、憲法上の保障を受けている存在である、それが先行しているんだ、そういう観念に立って自衛官を扱わなければいかぬ、こういうふうに戒めているところでございます。
  306. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 はしなくも長官から、自衛官も日本の国民である、憲法等に定められた人権は守らねばならない、保障してやらねばならない、こういうことは私も同感なんです。  そこで、一つお伺いいたしますが、自動車事故でなくなったり、あるいはけがをしたり、そういうような場合に、一般には自動車損害賠償保障法、自賠法によって、これがいま五百万円まで上げられておりますね。ところが、自衛隊員にはこれが適用にならない。もし、自衛隊員が交通事故あるいは自分の運転する自動車事故によってなくなったときは百万円だそうですね。いまは、長官がおっしゃいました、自衛官の人権も守らるべきである、こういう点に立って、こういう点をどうお考えになるか。
  307. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 自動車事故の件は、自賠責に入っているかどうか、私よく存じませんが、そういう点もございますし、それから、自動車事故のようでない場合の公務によって殉職した場合でも、一般から見ますと、非常に手当やお見舞いは薄いのであります。いろいろ加わって三百万ぐらいというのがいままでの平均じゃないか、あるいはもっと低いという情勢でもあります。こういうことは、至急改善しなければならぬと思っております。
  308. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 ここに労働省関係の人は来てもらっていないんですが、自動車損害賠償保険が上がった、こういうことで、たとえば労災についてもアンバランスが出てきておる。そういうことで、すべての公務あるいは産業上の災害等々については、自衛隊だけでなく、全般に再検討の時期ではなかろうか、こう思うわけなんです。この点については、いまの見舞い金とかなんとかいうようなものまで入れたかどうか知りませんが、私が聞いているところでは百万円だそうですよ。これは長官の言われる自衛官の人権も守らるべきである、そういうことについてはいささかどうかと思います。御検討願いたいと思いますが、いかがです。
  309. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 まことにおっしゃるとおりだろうと思いまして、検討いたします。
  310. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 これもやはり昨年の秋に、当時の有田防衛庁長官にお尋ねしたわけなんですが、たしか当時は、定員に対して自衛官の欠員が一万六千幾らですか、あったと思います。その上に、強行採決で押し切った、そういういやなことは言いたくないのですが、いわゆる防衛二法で定員が七千七十一人ですか、七千人余りふえた。合わすと、二万四千か五千の人が自衛官として必要なんです。その募集についてどう考えておられるのか。現在若手労働力が不足しておる。大企業が、かねや太鼓といえば大げさかもしれませんが、相当な給料、そうして福利施設等々をもって人さがしをやっても、十分に若手の労働力が集まらないんです。現在の自衛官の給料、待遇等々で一体それだけの人が集まりますか。現在、定員に対して、陸海空それぞれ何名ぐらいの欠員があり、それを満たすためにはどのような募集方法を考えておられるか、お伺いいたします。
  311. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 大体概算で、三軍入れまして九〇%弱の充足率でございます。その中で、陸が約八八%、海が九四%、空が九六%ぐらいでございます。しかし……(田中(武)分科員「何名という人数を言ってください」と呼ぶ)人数はあとで申し上げます。  そこで、まさに御指摘のとおり、これからの日本の経済成長やあるいは若年労働者層の減少という人口の趨勢等を考えてみますと、この充足については憂うべき事態であると思いまして、何といっても自衛官の待遇を向上するということは非常に大事であります。給与にいたしましても、警察官と比べてみますと、食費とかそういうものを差し引かれまして均等ということになっておりますけれども、私は、警察官よりも落ちているだろうと思います。そういう面を早く直しませんと、ますますこの率は落ちていく。それから、自衛官をやめて会社その他へ入った場合に、同じ高校卒でありながら、先に入った人たちと比べて、自衛隊へ行って苦労してあとで入った人たちが、千九百円から、多いのは三千数百円の給料の差がもうできてしまう。そういう不公正な取り扱いは直してもらわなければならぬ。そういういろいろな改革すべき点があると思いまして、第四次防にかけてこれを是正していきたいと思っております。  人数につきましては、陸が二万二千人、海が二千人、空が二千人、計二万六千人でございます。
  312. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 定員に対する欠員がですね。
  313. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 そうです。
  314. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 そうすると、昨年のいわゆる防衛二法を審議したころ、あるいは私が決算委員会でこの問題を質問したころに比べてまた人数がふえたということですか。
  315. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 これは十七万九千に陸がふえたから、その関係で空間がまた広がったのではないかと思います。
  316. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 いずれにしても、現在でも足りないのになぜ定員をふやすのかということが、昨年の防衛二法についての一つの焦点だったと思います。そういうことで当時の有田防衛庁長官にいろいろただしていった中で、有田長官はこういうことを言ったんです。もうやめた人のことばを私は繰り返して、それを言質にと考えてはおりませんが、おっしゃるとおりに欠員はございます、しかしながら、下士官以上ですか、曹以上には欠員はありません、十分訓練をした将校あるいは下士官がおり、装備が整っておるならば兵はいつでも集められる、こういう答弁をしたんです。一たん有事に際しては兵はいつでも集められる。それじゃ有事に際して兵はいつでも集められるということはどういうことなのか。その考え方の裏には、言いたくはないが、徴兵制度とかその他のことが考えられておるのではないか。いわゆるナチス方式あるいは赤紙方式を考えておるのじゃなかろうか、そういうことで論争したことがあります。まさか中曽根防衛庁長官は、有事に際しては兵はいつでも集められる、そういうような御答弁はなされないと思いますが、具体的にひとつ、若手労働力の不足の今日、どのようにしてこれらの欠員を充足しようとせられるのか。あるいはこれが充足せられないままで、今後定員だけふやそうとするような方法はとられない、私はとるべきでないと思うのですが、いかがでしょうか。
  317. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 質のいい日本の青年に自衛隊にできるだけ多く入っていただこうと考えておりますが、私は質の悪いのまで採ろうとは思いません。この間の北海道の三人の一人は、知能指数等を見るとかなり程度の低い人である。名前は言いませんが、そういう事実があったのでありまして、そういう質の悪い人を採るということに努力するということより、ほかのいい人を入れる方向に集中していきたいと思います。それから有事に集められるというような考えは持ちません。また徴兵はいたしません。これは前から申し上げたとおりです。やっぱり一番大事なことは、現代青年にとっては待遇とか魅力という問題であると思いますので、そういう点をこれから逐次改善していきたいと思います。それから、やはり精神的要素もあるのでありまして、自衛隊員として胸を張って町を歩けるような社会的雰囲気ができることがまた非常に大事な点であります。そういう点についてもわれわれも努力しますが、どうぞ御指導をお願いいたしたいと思います。
  318. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 質がいいとか悪いとかいうことは、どういうことできめるのかと、こう反論したくなるわけです。それから魅力あるということで、私はよく知らないのですが、何か制服がかっこいいのにかわるのですか。そういうようなことはいかがですか。そういうことも含めて、かっこいいということで服をかえられる、そういうお考えなんですか。
  319. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 いままでの制服は米軍から渡されたか買ったかした被服材料を使ってやったので、実際のところあまり能率的でもないし、またかっこうがいいともいえない。そういう点はこの際思い切って改革して、もっと思い切って能率的でスマートな制服に切りかえよう、色やその他デザインにしても専門家の意見を聞いて、できるだけ安上がりで、しかもいいものをつくろう、そういう考えでことしの秋から実施いたします。現代青年というのは、田中さんやわれわれとちょっと違うところもありまして、かっこがいいというのも大事な要素であります。かっこうというものは、そういう要素も考えてやらぬといけないと思います。  質のいい悪いというのは、一番よくわかるのは試験のときの知能指数ですね。あの知能指数を見てみると、あまり芳しくない人がおりました。これなどはとうてい人並みについていけないという程度の知能指数の人まで入れたのは、入れた人に責任がある、実はそういうふうに私思います。そういう程度の無理をしているということはよくない、そういうふうに思ったわけです。しかし、私行って自衛官と一緒に話をしてみましたら、入るときはもう町のあんちゃんみたいな青年であった人でも、ばく然として手に職を得たいとか、あとで金をためて社会へ出たいとか、そういう気持ちで入った人もかなりおるようですが、やっているうちに、やっぱり国を守るということは大事だ、だれかがやらなくちゃいかぬ、ほかにやるやつがいないならおれがやろう、そういう気分に非常に徹してきている人が多いようです。これはやっぱり環境とか教育の力もありまして、そういうふうにナイーブなところも現代青年にはあるので、なかなかいいところもあります。ですから、当局のほうの誠意とか、そういうものも非常に大事であると思っております。
  320. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 時間が来たのでこれでやめますが、質のいい青年を集めるとするならば、ますます募集難になろうと思います。  そこで、ここで約束をしろと言ってもできないかもしれませんが、欠員があるままで、それをほっておいて増員するような考え方はお持ちにならないでしょうね。いかがでしょうか。
  321. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 陸については当分このままでいいと思います。増員の考えは持っておりません。しかし、海、空についてはかなり充員率はいいのでありまして、新しい艦船ができるとかあるいはファントムができるとか、そういう装備の更新につれてやはり人間もふやしていかなければならない、そう思っております。
  322. 田中武夫

    ○田中(武)分科員 それでは終わりますが、充足をしないのに、入れものばかり大きくするということについては、私は賛成できかねる。反対です。これだけ申し上げておきます。
  323. 大野市郎

    ○大野主査 後藤俊男君。
  324. 後藤俊男

    ○後藤分科員 いま田中代議士のほうからお話がありました問題に関連するわけでございますが、先ほど話がありました中京、阪神地区のミサイル基地の問題です。先ほども説明がありましたように、岐阜県の各務原と滋賀県の饗庭野、ここにつきましては大体決定だというような説明であると私聞いておったわけでございます。そういう決定であるとするのならば、饗庭野の問題につきましては現在も自衛隊が駐とんしておるわけでございますけれども、大体これからの着工と申しましょうか、計画があると思うのです。あるいはいつごろ大体完成させようというようなねらいであるか、あるいはどれぐらいな部隊が饗庭野に駐とんすることになるのだろうかというような、決定されましたこれからの方針なり、具体的な進め方につきまして御説明をいただきたいと思います。
  325. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 饗庭野につきましては、まだ最終的に決定いたしたわけではございませんが、大体用地確保もほぼ見通しがつきましたので、現在一応の内定をいたしております。今後これが地元の協力と理解が得られますならば、今後用地取得を終わりまして、大体四十五年度ないし四十六年度中に工事を完了いたしたいというふうに考えております。この饗庭野の部隊は第四高射群の一個中隊であります。配置される人員は約二百人程度というふうに御理解願いたいと思います。
  326. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そうしますと、いまの説明ですと、最終的には決定しておらぬけれども、内定をして、用地確保に努力をしておる。そこで用地確保が終わりましたら地元の空気も十分考えて最終決定をしたい、こういうことだろうと思うのです。それじゃ饗庭野にミサイル基地をつくるという理由と申しましょうか、なぜ一体あそこにつくらなければいけないか、その理由をお尋ねいたしたいと思います。
  327. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 第四高射群は阪神並びに中京地区の政経の中枢地区を防護するために配備するのでございますが、そのためには、その防御地区に対する一定の距離を持って配置する必要があるわけでございます。その一定の距離を考え、あるいは実際に配置した場合に、ナイキの作動の効率をよく確保できるとか、あるいは用地取得が可能であるとか、あるいは工事が比較的やりやすいとか、工事費がわりあいにかからないとか、その他補給支援上非常に便利がいいとか、そういうようないろいろな面を検討しまして、その結果饗庭野が第四高射群の一個中隊を配置するのに適当な地区であるというふうに判断いたしまして、一応の内定を見ておる次第でございます。
  328. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そうしますと、その前の説明で、現在のところ用地確保をやっておる、こういうお話ですけれども、用地確保をする以上は饗庭野にミサイル基地をつくるという方向は、これは間違いないと思うのです。そうなりますと、先ほどの説明で四十五年か四十六年ごろから始めたい、こういうふうなまことに抽象的な説明ですけれども、現在は用地確保に努力をしておる、さてそれが終わって一体どういうふうな計画になっておるのか。ただばく然とこれから進めるということではないと思うわけなんです。防衛庁としても一応の計画なり方針なりがあると思うのです。その辺のところをもう少し詳しく御説明いただきたいと思います。
  329. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 現在この用地確保と申しますのは、ナイキの主要の陣地は演習場の中にあります。しかしながら、これに必要なレーダー施設が演習場外になるわけでございますが、その用地取得を現在地元と話し合いまして進めております。できれば六月末くらいまでに取得を完了いたしたいというふうに考えております。  なお、工事のほうは昭和四十五年度予算に工事予算を要求いたしております。これは必ずしも饗庭野にというふうに限定しているわけではありませんけれども、第四高射群の工事費を要求いたしております。これが成立いたしました場合に、具体的に現地の測量、調査等をいたしまして、秋から具体的に工事計画が実施されまして、大体一年半程度でおおむね工事は終わるというふうに考えますと、四十六年度末くらいまでにはすべての工事を完了いたしたいというふうに考えております。
  330. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そこでミサイル基地の問題ですけれども、聞くところによりますと、ハーキュリーズJというのですか、というようなことで正式に政府のほうなり防衛庁の発表ということは私まだ聞いておらぬわけですけれども、一月の新聞で大綱が発表されたと思うのです。一体このミサイル基地というのはどういうふうな中身のものか、この点についてお尋ねいたします。
  331. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 中身と申されますと装備のことでございましょうか。
  332. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そうです。
  333. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 まず一番大事なのは、ミサイルの本体がありまして、それを発射するためにランチャー、発射台を設けます。それを機動いたすためのいろいろな機材もつきます。それから敵といいますか、相手の航空機を見つけるためのレーダー、あるいはそれを追跡するための各種のレーダーがそれに付随して装備される。  大体そういうふうな装備を用意するわけでございます。
  334. 後藤俊男

    ○後藤分科員 核弾頭の関係はどういうことになるのですか。
  335. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 核弾頭は全くつけられないように改修をいたします。と申しますのは、御承知かと思いますけれども、アメリカのものは同型のものがございまして、ナイキハーキュリーズのもとはアメリカのものでございますが、これは核、非核両用の構造になっております。しかし、わが国で装備いたしますものは、それに改修を加えます。具体的に申し上げますと、ミサイルの本体がありまして、その先っぽの部分が弾頭をつける部分でございますが、アメリカのものは通常弾頭も核弾頭も両方つけ得るような構造になっております。しかし、わがほうのはそれに改修を加えまして、大きさが核弾頭と通常弾頭と違うわけでございますので、狭くいたしまして、通常弾頭はつけられるけれども、核弾頭は絶対につけられないように、まずいたします。それでまず核弾頭はつけられないわけでございますけれども、念のために、起爆用のバッテリーがございます。詳しく申し上げますと三つございまして、二つは通常弾頭用、あとの一つが核弾頭用というふうになっておりますが、その核弾頭用のバッテリー、起爆用のバッテリー、これをはずします。ただ全体のバランスを取るために、同じ大きさのもの、同じ重さのものをそこへはめ込みますけれども、バッテリーの用はなさないようにいたします。そうしますと、最初に核弾頭がつけられないようにするわけですが、かりに核弾頭を間違ってつけても起爆をいたしません。そういう改修もいたします。さらに発射機とミサイル本体がつながるわけですが、間違って核を持ったミサイルが乗っても、発射機からいろいろなケーブルその他のコネクターがございますが、その中で核を発射するような機能を持った回線があるわけですが、それをつけない。したがって、かりに間違ってわがほうの発射台に核を持ったミサイルが乗っても発射不能であるというふうに、二重にも三重にも改修を加えたものを装備するということで、核には全く縁がないというものがわがほうに装備される、こういうことになります。
  336. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そうしますと、この第三次防の中でアジャックスをハーキュリーズに全部改造する、こういうような計画だと私は聞いておるわけなんですけれども、これはどういう理由でそういうふうに変更されることになるのでしょうか。
  337. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 お話しのとおり、最初につけましたのはナイキの中でもアジャックス型でございますが、これを逐次ハーキュリーズ型に変えていきたいという計画にいたしております。  理由は、ハーキュリーズ型のほうが性能がいい、したがってわがほうの防空能力が向上する、したがっていわば広くいえば抑止力に役に立つという理由でございます。  やや具体的に申し上げますと、たとえばナイキアジャックス――古い型のアジャックスですと、射程は約四、五十キロでございますけれども、新しいハーキュリーズ型でいたしますと百数十キロの射程を持つというふうに、性能がだいぶん違います。これだけ防空能力が向上する、こういう理由で変えたいというわけであります。
  338. 後藤俊男

    ○後藤分科員 ただ、これは確実なことではございませんけれども、核弾頭を取りつけるところのボルトの位置なりボルトを変えれば、いずれもつけられるようになっておるのだ、さらにもう一つは、核弾頭のついたミサイル、これを持ってくれば、ランチャーから発射することができるんだ、こういうふうな説明のたくさんなプリントと言いましょうか、記事が出ておるわけなんです。防衛庁としてはいま言われましたように、核弾頭とは全く縁がない、間違ってつけたところでこれは飛んでいくものではない、それくらい念が入っておるんだという御説明でございますけれども、まだまだその辺のところがあいまいなような気がするわけなんです。その点はいかがですか。
  339. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 実際にこれを饗庭野その他でPRいたしております。各自衛隊、特に中心になりますのは航空自衛隊でございますが、あるいは施設庁方面の協力も得てやっておるわけでございますが、私が先ほど申し上げたようなことは、航空自衛隊の人たちは十分過ぎるほど、専門家でもございますしよく知っているわけで、私どもが扱っておりますいろいろなパンフレット等にも、私が先ほど申し上げたのと筋は同じことが書いてあります。お話しの、ボルトをちょっとかえれば核がつくとか、発射機に間違って載せれば発射できるとかいうようなことを――少なくともわがほうがそんなことを言っているわけはもちろんございません。かりに言っているとしますと、そういうことを知らない人が間違って言っているとしか思えないわけでございますが、そういうお話でございましたら、わがほうの説明のしかたがまだ不十分といわざるを得ません。やはりこれから努力いたしまして、そういう誤解のないように一そう説得をいたす必要があろうかと思います。
  340. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そこで、話を進めますけれども、このミサイル基地ができた場合、どういうような地元に対する影響があるか、被害――と言うとこれは語弊があるかもわかりませんけれども……。さらに、一朝有事の際にはお使いになる気持ちでおつくりになるのだと思うのですが、そういうときの地元に対する被害というのは一体どういうことになるのか、その点の御説明をいただきたいと思います。
  341. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 まず置きます理由は、先ほど申し上げました防空能力を向上さして抑止力になる、役立たせるということでございますので、日本全体必要なところにナイキ陣地が必要な数だけそろえられれば防空上の抑止力に働き得ると思います。それで、かりに一朝有事ということになりますと、不幸なことでございますが、敵の爆撃機等が本土を侵略しているという事態が仮定されるわけで、その場合には、このミサイルが働いて――不幸にして抑止力が破れた場合ですけれども、昔の高射砲よりははるかに性能のいいこのミサイルが働いて敵を撃破する、こういう効能を持つ。なければ、地元にしろ日本本土が爆撃にさらされるわけになりますが、それが相対的に数が少なくなれば撃破し得るチャンスが多くなる、こういうことになろうかと思います。
  342. 後藤俊男

    ○後藤分科員 こまかい話になって恐縮でございますけれども、このハーキュリーズというのは、ブースターというのですか、四本の電柱がついておるような形になっておる。だから、これを一朝有事に使った場合には、電柱四本が、どこへ落ちてくるかわからぬけれども、とにかく落ちてくる、こういうような危険性なり心配というのは、いま計画されておる地元等にもあるわけなんです。そういう点はいかがですか。
  343. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 ブースターは確かに相当大きなものでございます。全体が約十二メートルでございますが、その推進するためのブースターは約四メートル程度の長さを持っておりますから、相当大きなものでございます。しかしこれは、先ほど申し上げましたような百数十キロまでのものを撃破するための能力向上のためにそういうものが必要だったわけでございます。平時はこれは全く撃ちませんから、御心配は全く付近においてもないわけで、絶無でございます。実射をいたしませんので、実射をいたします場合は不幸にして有事になった場合でございます。有事ということは、つまり先ほど申し上げたような場合である、こう申し上げるほかはないわけです。
  344. 後藤俊男

    ○後藤分科員 そうしますと、いまの説明ですと、ふだんは使わないのだ、有事のときになるとそれはそういうことになる、だから有事ということはもう非常事態だからそんなことは考えておれぬ、どこから電柱が四本落ちてくるかわからぬけれども、そんなことは問題じゃない、有事だからと、こういう御説明でございますか。
  345. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 第二次大戦の末期に、東京でも、大阪でも、B29がわんさと参りましたが、わがほうの高射砲がそれを一生懸命撃破しようと思って撃ちました。あまり成績がよくなかったかもしれませんが、飛行機も、落とせばわれわれは喜んだわけで、その飛行機そのものが本土に被害を与えます。爆弾のほかに、落としたことで被害を与えます。しかし落とす必要があったわけです。さらに、いまと同じようなことで申し上げれば、高射砲の破片も、屋根の上に落ちてまいります。人の上に落ちてまいります。しかし、やはり撃つ必要があった。こういうことと同じことではないかと思います。
  346. 後藤俊男

    ○後藤分科員 非常に詳しいような、わからぬような御説明でございますけれども、大体非常事態になればそんなことはやむを得ぬのだ、一口にいえばそういう説明だと私思うわけですけれども、そこで、先ほども田中代議士のほうからいろいろお話があったのですが、地元におきましては、郡民共闘会議とか県民共闘会議とか、とにかく岐阜と饗庭野におけるミサイル基地はもう確定したらしい、来たらえらいことだ。たとえば、いまの話じゃございませんけれども、いざというときには電柱が燃えて落ちてくるぞ、大きなやつがどんどん頭の上に落ちてくるぞ。これは、あなたの説明だと、落ちてくるのは非常事態だからしようがない、こういう御説明でございますけれども、そういうことでかなり強い反対の空気が多いわけなんです。  しかしながら、先ほどの計画のように、六月には用地を買収する、終わる。それから、おそくとも四十六年度中には饗庭野のミサイル基地の完成、こういうような方法で進めていく。こういうような計画でございますけれども、この地元の強い反対に対していかように対処されていくのだろうか、どのような方針でこれから話し合いなり納得させる方法で進められていくのだろうか、この点につきまして、ひとつ防衛庁長官のほうからお聞かせいただきたいと思います。
  347. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 万一不幸にして日本が戦火に巻き込まれるというような事態になりますと、爆弾とかあるいはそのほかの被害が起きて、非常に甚大な被害が日本の場合は起きる可能性があるわけでございます。そういうものをできるだけ未然に防ぐという意味において、ナイキはそのとき効果を発する。そういう場合に、薬きょうのような大きなものが落ちてきて、一部の人が被害を受けるということは絶無とは申しませんけれども、ほかに受ける日本全体の大きな被害から見ると、防衛という面から見ますと、まことに遺憾なことではございますけれども、大多数の国民を守るために、まことにやむを得ない措置である、そう思うわけでございます。しかし、その付近の皆さま方にできるだけ御迷惑がかからないようにすることがわれわれの責任でございますから、よくその辺の事情を申し上げ、また物的に済むことは最大限の努力をし、御理解を願うようにして努力するということであると思っております。
  348. 後藤俊男

    ○後藤分科員 いま長官のほうから話があったわけですけれども、私いまお尋ねいたしましたのは、そういう抽象的な御意見ではなしに、現在つくられようとしておる滋賀県の饗庭野を中心に県民の強い反対の空気があるわけなんです。これが、先ほどの説明じゃございませんが、六月一ぱいには用地の買収を終わる、着工する。四十六年には完成させるというような方向へ日一日とたっていくにしたがって、反対の空気はますます強まる一方だと私は考えておるわけなんです。  聞くところによりますと、あの辺の町会議員の人あたりあるいは町長さんあたりは、現在できておるところのミサイル基地の見学でございますか、飛行機で運んでもらって、向こうで十分見せていただいて、さらに飛行機で帰ってきて、ああ、りっぱなものじゃった、何にも被害はないというような宣伝はやっておられるにように聞いておるわけでございますけれども、先ほども長官が言われましたように、地元の空気というのは十分尊重してやっていきたい、これは田中議員にも御説明があったようなわけでございますけれども、ただ私は、これだけ地元が強く反対しておるミサイル基地の問題につきまして、町会議員なり町長さんなり、そういう関係者だけの見学で終わるということでは、なかなか県民としてよくわかったというような方向へ進むということは考えられないわけなんです。それならば防衛庁として、その当該地区なり当該県に対して一体どういう具体的方法で、先ほど言われました方針に従って進められるような計画を立てておられるのか、そういうような具体的のことがあればひとつお聞かせいただきたい、こういうふうに考えておるわけです。
  349. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 饗庭野の場合は、防衛庁で候補地として内定する前に新聞で広く報道されましたので、確かにPRがおくれていることは事実でございます。その後用地取得もほぼ見通しがつきましたので、一応候補地として内定いたしております。その後、具体的に饗庭野になぜ高射砲陣地を設置する必要があるか、あるいはナイキの性能はどういうものであるか、あるいはその設置によりましてどのような公害があるのかないのかというようなことにつきまして、住民代表である町当局なりあるいは町議会議員の方々に十分御説明いたしております。すでに設置されておりまする第一高射群なり第二高射群の実態も見ていただいております。しかしながら、これだけではもちろんPRが十分であるとは考えておりません。地元の十分な理解と御協力を得ますためには、町民の各位に会って、直接現地で説明いたす必要もあろうかと思います。その意味におきまして、さしあたっては先般十日に安曇川町の町民全員に対してその説明会をいたしました。大体二百五十人ばかり参加いたしておりますが、このような会合を各町において実施し、あるいは必要とあれば各部落会でその趣旨を十分説明してまいりたい。それによりまして、そのナイキ陣地の建設が地元の十分な御理解と協力を得てスムーズに進行するように私たちは考えておるのでございます。
  350. 後藤俊男

    ○後藤分科員 長官にぜひひとつお願いいたしたいのは、先ほどからもいろいろ言われましたように、ミサイル基地の問題につきましては、十分宣伝されておらないという点もあるかと思いますけれども、設置されるその県といたしましては、その郡としては、その町としては、非常に心配をしておるわけでございます。えらいものが来る、これは反対せなければいかぬというようなことで、先ほどから何べんも申し上げましたように反対の空気が非常に強い。しかも、さらに日がたつに従って強くなってくると思うわけでございますけれども、こういう地元の空気、こういうような点につきましても十分考えられまして、先ほどから御説明がありましたけれども、とにかく地元というものを大事にしていただいて、地元の空気を十分勘案した上で方向というものを決定していただきますように、ぜひこれはお願いをいたしたいと考えておるわけです。いかがでしょうか。
  351. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 地元を大事にいたしまして、できるだけスムーズに事が運ぶように今後とも努力してまいるつもりでございます。
  352. 後藤俊男

    ○後藤分科員 最後にもう一つでございますけれども、先ほど田中代議士の質問の中で、現在自衛隊としては二万六千人の欠員がある。陸軍が二万二千人、海、空が二千、二千ですか。ところがこれから第三次防が終わり、第四次防、第五次防と――聞くところによると、第四次防では五兆円から六兆円とかなり膨大な計画だと思うわけです。この自衛隊の不足の補充につきましては、先ほど長官からいろいろ説明がありました精神面の問題、さらには待遇の問題、その他いろいろ問題があるから、そういう点を考えて、欠員の補充については考えていきたいのだ、こういう説明を私は聞いたわけでございます。そういうように長官が言われましたように、待遇も改善した、さらには精神面、その他あらゆることをやったけれども、自衛隊の募集をしてもどうしても補充することができないということになった場合には、一体どういうふうなお考えだろうか。この点先ほどの長官の御説明を聞きまして気になりますので、最後にお尋ねいたすわけです。
  353. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本の経済成長とか社会の変動あるいは教育程度の進行、そういうあらゆる条件を考えまして、その時代に合うような政策を適切に生み出していくということは非常に大事であると思います。かたくなにならないで、非常に弾力的に適応力を持つということが大事であると思います。特にいろいろな待遇面において改良を要する部面が非常に多いと思いますので、そういう点については、第四次防にかけて大いに努力をしてまいりたいと思います。  もう一つは、やはり精神的満足ということが非常に大事な条件でもございますので、隊員の要望等をよく聞き、また国家における防衛の必要性ということも、国民の側からもまた十分御理解を願って、充員につとめてまいりたいと思っております。
  354. 後藤俊男

    ○後藤分科員 ちょうど時間ですから、終わらせていただきます。
  355. 大野市郎

    ○大野主査 平林剛君。
  356. 平林剛

    ○平林分科員 私がここで取り上げたいと思うのは、アメリカ海軍の厚木航空基地を中心にしての最近の動きについてであります。長官の御見解を承ってまいりたいと思っております。  御承知のように、アメリカ海軍の厚木航空基地は、神奈川県大和市というところを中心にいたしまして、周辺の座間、海老名、綾瀬などの人口の急増地帯であります。神奈川県首都圏におきましても最近人口が非常に増加しているという点で特徴があります。最近の資料によりますと、昭和三十五年を一〇〇とした場合、神奈川県人口増加率は一四一であります。全国平均は同じく昭和三十五年を一〇〇とした場合に一〇六の増加でありますから、一四一の増加率は異常な人口増加と見ることができる。東京都でも最近は人口の疎開などが行なわれておりますが、その増加率は三十五年を一〇〇として一一四の割合。このように神奈川県は最近とみに人口が急増しておる。そしてその急増する一つの中心にただいま申し上げました厚木の航空基地存在しておるわけであります。そこで、当然首都圏を中心とするいろいろな都市計画というものがこのために障害となり、都市の中の基地として今日市民生活に重要な影響を与えておると考えておるわけであります。このため地元におきましては、早期返還を切望するとともに、もしこれが不可能、なかなか実現が困難である場合には、その基地の一部であるイーストキャンプはすでに久しく遊休化しており、現に利用されていないものであるから、せめてこのイーストキャンプだけは早期返還できないか、この要望は政府としても御承知のとおりだと思うのであります。昨年の当予算分科会で私はこの問題を取り上げました。当時の防衛庁長官からは、実情を調査してアメリカ側と強力に折衝したい旨の答弁があったわけであります。その後防衛庁及び防衛施設庁におきましては、昭和四十五年度の特別会計に所要経費を計上して措置する旨の回答を大和市基地対策協議会、市長がその会長をやっておりますが、その協議会に出されたと聞いておるわけでありますが、なぜか予算要求の段階で除外をされました。これはいかなる理由によるものであるか、これをまずお尋ねいたしたいと思います。
  357. 山上重信

    ○山上政府委員 厚木の飛行場のイーストキャンプの返還につきましては、先般来、この移転について米側とも相当話し合いを進めてまいりまして、米側におきましては、この施設については、あそこにある施設をキャンプの中に移設するというような方向であるならば、これに応じ得るような意向を内々得ておりましたので、その返還の実現をはかる方針のもとに、実は特定国有財産整備特別会計という、その土地を処分することによって移転の経費を捻出する方法、そういった予算措置を講じたいと思っておったのでございまするが、これらにつきましてあと地利用の計画がまだ不明確でございます。したがって、これに伴うところの国有地の処分計画を立てなければなりませんので、さらにこれを詳細に詰めていく必要があろうということで、そういった詰めをもう少しいたした上で予算等の計上をいたそうということで予算がおくれたのでございます。今後これらを十分に詰めまして、できるだけすみやかにこういった施設が移転、返還のできますように、今後とも努力してまいりたい、かように考えておる次第であります。
  358. 平林剛

    ○平林分科員 そのあと地の利用計画について、私は、もし政府並びに防衛庁長官に積極的な姿勢があるならば、昨年のある程度のお約束に従って一般会計からの支出その他を考慮しても、これを実現することができたのではないかと思うのであります。一歩譲って、特別会計で処理できない主たる理由、また詰めができないという理由はどこにあるのです。
  359. 山上重信

    ○山上政府委員 特別会計で計上いたしまするために、あと地利用の計画をもう少し明確にして、そして国有地の処分計画を立てよう、こういった計画自身を詰めた上で特別会計を構成したいということで、もう少し詰めをするために予算を見送った、こういうことでございます。
  360. 平林剛

    ○平林分科員 私はその詰めを聞いておるわけです。市長のほうからは、国有財産の譲渡については無償払い下げは考えない、国有財産の譲渡については適正な価格で購入する、国有財産の譲渡代金の支払いについては市が責任を持って国に迷惑をかけない、これを前提にしてイーストキャンプあと地利用計画がすでに図面によっても提出をされているはずです。どこに問題があるのか、その詰めを私はいま聞いておるわけであります。御見解はいかがですか。
  361. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 ただいまお話しのイーストキャンプのリロケーションの問題につきましては、長官からもお答えしましたように、特定国有財産整備特別会計というもので、これを何とか処理いたしたいという考えのもとに大蔵省のほうとも折衝いたしたわけですが、この問題について、米側から前向きでひとつ考えようという話がありましたのは、すでに四十五年度の予算の概算要求時をかなり過ぎた時点でそういう意向がもたらされたというようなことから、この復活要求のときに飛び込みのような形でお願いをした。そこで、いまの利用計画の問題、あるいはそれに伴う国有地の処分計画というものにつきまして、もう少し詰めなくてはこの特別会計にはなじまないというようなことで一応見送りになったということでございまして、お話しのように、市長からは適正価格で払い下げてもらえばいいのだ、無償は考えていないというような文書もいただいております。しかしながら、国のほうとしては、やはり一般的な処分の原則といいますか、そういうものがございますので、たとえ市長さんがそうおっしゃっても、他との均衡の問題もございますし、必ずしもそれでいけるかどうかというような問題もございまして、何せ時間的に余裕がなかったということで見送りになった。しかし、今後この問題については鋭意検討していきたい、このように考えておるわけでございます。
  362. 平林剛

    ○平林分科員 ただいまのお話を聞きますと、予算の編成のとき時間的余裕がなかった、したがって、鋭意検討するというお話に承りました。しかし、昨年の暮れ、政府のほうでは、現在使用していないが、将来は必要があるので遺憾ながら貴意に沿えないという回答もされておるのですけれども、いまの回答が正しいとするならば、将来イーストキャンプも使用する計画があるというのは、われわれの誤解ですね。
  363. 鶴崎敏

    ○鶴崎政府委員 現段階におきましては、米軍としては、建物等を飛行場地区内に移設すれば返還してもよろしいということは意向として変わっておりません。
  364. 平林剛

    ○平林分科員 この問題の理由、大体のことはわかりました。実は私は、次の問題と関係がありはしないかという点で、防衛庁長官にお尋ねしたいと思うのであります。  最近、在日米軍司令部が日本政府に対して、在日米陸軍はほぼ全面的に引き揚げる、横田、三沢、板付、岩国、厚木の各飛行場と、横須賀、佐世保、横浜ノースドッグの合計八基地は最後まで確保したいが、このうち米海軍厚木飛行場は予備基地化し、比較的早い時期に自衛隊の所管に移す、この整理縮小が行なわれる時期は七月以降で、アメリカの七一会計年度中に完了することになろう、こういう非公式の連絡があったと伝えられておるわけでありますけれども、公式か非公式かは別にして、こういう事実はございますか。
  365. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 公式にも非公式にもそういう情報はまだございません。あの新聞記事を読みまして、これは推測記事だ、そういう事実はわれわれのほうへ向こうから伝えられているということはないので、そのようにお答えしておきます。
  366. 平林剛

    ○平林分科員 情報によりますと、この連絡は、ことしの初め以来外務省、防衛庁幹部と在日米軍首脳との間で、在日米軍基地の整理縮小について非公式の折衝を続けてきた席上、米軍が日本政府に伝えてきた、こういわれておるのですが、そういう事実も推測記事と片づけられておるわけですか。
  367. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 それも推測記事であります。
  368. 平林剛

    ○平林分科員 これが現在の段階では推測記事と片づけられましても、これだけ詳細に情報が伝えられているというのは何らかの根拠がある、火のないところに煙は立たぬ、架空の事項を日本の商業新聞といえどもつくり上げることはないと私は考えておるのですよ。それでもなおこれは推測記事だ、こうおっしゃられますか。
  369. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 推測記事であります。
  370. 平林剛

    ○平林分科員 かりにこれが推測記事であるといたしましても、こういうような動きがあったときに、防衛庁としてはどういう対策をお持ちですか。
  371. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私はかねがねアメリカの基地群は日本の自衛隊の管理に移し、これを共同使用または一時使用あるいは継続的使用あるいは民間に対する返還、そういう基地基地のケース・バイ・ケースによって米当局と話し合いをしながら態様を変換していこう、変えていこう、そういう構想を持っておるので、もしそういう考えをわれわれのほうへ通知してきたら、さっそく協議に入って具体的にいまの考えを実現していきたいと思っております。
  372. 平林剛

    ○平林分科員 二月二十三日の予算委員会で、在日米軍基地の自衛隊管理については、現行の地位協定では、共同使用の場合、継続的に米軍に使用させるには規定がないので追加規定を検討中であると長官が述べておられる。今後、この問題に積極的に取り組む意向を示唆したものとも受け取られるわけであります。また防衛庁では、基地の自衛隊移管について長期的展望に立った管理計画をまとめておるともいわれておりますけれども、この点はいかがですか。
  373. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 米軍基地につきましては、各基地、基地についてどういう態様であるか、もし私の構想を実現するについて向こうと協議する場合には、当方としてはどういう考えを持っていったらいいか、そういうことでケース・バイ・ケースについて検討をさせております。
  374. 平林剛

    ○平林分科員 その構想をまとめ、ケース・バイ・ケースについての結論が出ましたならば、いつごろアメリカとの折衝に入りますか。
  375. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 これはまだ向こうからどの基地をどうするというような意向も示されておりませんので、そういう現実的な話し合いが出てきた場合にそういう話し合いに入ると思うのです。しかし私は、機会があれば向こうの人に私のそういう考えを伝えまして、できるだけ私の考えを取り上げてやってくれ、そういうことを非公式に言ってあります。しかし、いずれは日米安保協議委員会ですか、ああいうものも開いて話し合わなければならぬと思いまして、国会が終わり次第いろいろ準備をして、そういうかまえに入っていこう、そう考えておるわけです。
  376. 平林剛

    ○平林分科員 かりに長官、厚木の米空軍基地を自衛隊に移管することが適当であるというような結論に達した場合、ケース・バイ・ケースの検討をなさっての上、あるいは長期的展望に立っての上、同時にまたアメリカ側の意向も折衝しての上でございますけれども、かりに自衛隊に移管をするというような場合、今日までの折衝経過で御承知のとおり、ほとんど公約になっているイーストキャンプの返還については、可能性はいかがですか。
  377. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 まだ向こうからそういう具体的な話はないのでありますから、具体的なそういうケース・バイ・ケースの内容に立ち入った話はまだ軽率であると思っております。
  378. 平林剛

    ○平林分科員 先ほど私は長官に地図を示しました。アメリカ海軍の航空基地の東側に突出しておるかなり狭い地域のイーストキャンプであります。アメリカ側におきましても、その施設を移したならばこれは返還をしてもよろしいという配慮がうかがわれるし、先ほど私との質疑応答でお聞きのとおりでございます。地図をごらんになって、そういう場合には、このイーストキャンプについては、先ほどの施設庁で考えておられるものとあわせまして、これは何とかすべきだという御判断はできないものでしょうか。
  379. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 そういうような場合には、いままでの交渉の経緯というものは考慮に値すると思われます。
  380. 平林剛

    ○平林分科員 交渉の経緯は考慮に値するということは、私がいま申し上げた点について大体同意であると承ってよろしゅうございますか。
  381. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 完全に同意したわけじゃありませんが、しかし、いままでの交渉の経緯というものは、ものを処理する場合に一応考えておかなければならぬ、そう思います。
  382. 平林剛

    ○平林分科員 私の質問は、これで終わります。
  383. 大野市郎

    ○大野主査 武部文君。
  384. 武部文

    ○武部分科員 私はまず最初に二つ、三つ具体的な問題をお伺いいたしたい。  島根半島頂上にあります高尾山レーダーサイトの指揮命令系統及びここにおる航空自衛隊及び米軍の数、これを最初にお伺いしたい。
  385. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 高尾山レーダーサイトには第七警戒群というのが所在しておりますけれども、この指揮命令系統は、九州の春日基地にあります西部航空警戒管制団という部隊の隷下部隊になります。  指揮命令系統は、一番上は航空総隊司令官、それから西部航空方面隊司令官、それから西部航空警戒管制団司令、その次にいま高尾山にあります第七警戒群司令、こういうふうな指揮系統になります。  所在するアメリカの軍人の数はたしか六名程度と記憶いたしております。
  386. 武部文

    ○武部分科員 航空自衛隊の隊員の数は幾らですか。
  387. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 航空自衛隊の隊員は約二百九十名でございます。
  388. 武部文

    ○武部分科員 いま一つ、美保基地へバッジ学校が開設されたわけですが、バッジ学校の指揮命令系統及びこのバッジ学校の隊員の数は幾らでしょうか。
  389. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 美保基地にありますバッジ学校は、愛知県にあります窮五術科学校の分校になっておりますので、その第五術科学校の校長の指揮監督を受ける、こういうことでございます。この分校には約百七十名程度の人員を持っております。
  390. 武部文

    ○武部分科員 私の承知いたしますところでは、このバッジ学校第三分校、これが開設されましてから定員が配置をされたのは、先ほど申し上げた高尾山のレーダーサイト、ここに実施部隊が約四、五十名、さらに美保基地の中に、これは整備その他で大体百六、七十名、合計二百十名ないし二百二十名がここに駐とんしておるというふうに聞いておりますが、間違いございませんか。あなたのほうは百七十名……。
  391. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 私どもの資料では、分校の全体の人員が約百七十名でございまして、そのうちの約四十名程度が先ほどお話しの高尾のレーダーサイトのほうに行っております。合わせまして約百七十名、こういうことでございます。
  392. 武部文

    ○武部分科員 わかりました。  先ほどの高尾山レーダーサイトには米軍は五、六名おるんだということですが、全国にはたくさんのレーダーサイトがありますが、そのうちで米軍が駐とんしておるところはそうたくさんあるとは思われないのですが、この高尾山レーダーサイトには米軍がおる。これは全国何カ所くらいありますか。
  393. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 全国に二十四のレーダーサイトがありますけれども、レーダーサイトの機能にいろいろ種類がございますが、やや上といいますか、一番末端のサイトの少し上に、これは普通ADDCといっていますが、防空指令所が七カ所ばかりありますので、ここに米軍の連絡員が数名ずつ詰めております。全国で約七十名程度だったと記憶いたしております。
  394. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと、結局二十四のレーダーサイトのうちでちょっと上の部になると米軍も一緒におるんだ、こういうところですね。  そこで第三の問題は、現在の美保は御存じのように輸送航空団の本部がございます。C46がおるわけです。第三次防衛計画の際に、わずかの金でしたが、この滑走路が非常にいたんでおるというので、調査費を計上して滑走路の調査をたしかおやりになったはずですが、結果は出ましたですか。
  395. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 現在の滑走路はたいへん老朽化いたしておりますので、本年度の予算におきまして、調査工事を実施いたしております。  第一次の調査は昨年の八月二十三日から十一月三十日までの工期で地形測量、滑走路現況調査、周辺障害物の調査等を実施いたしております。予算は大体百三十五万円でございます。これらの調査資料を検討の結果、現在の滑走路をそのままの位置で更新するよりも、滑走路の方向のみをおおむね三十度南北に偏向するほうが得策であるとの結論を得まして、現在第二次の調査として本年の三月四日から三月末日までの工期で土質の調査並びに舗装配合試験等の調査を予算約百十五万円で実施いたしております。
  396. 武部文

    ○武部分科員 かねてこの問題は何回か内閣委員会でやりとりいたしましたから、あまり詳しいことを申し上げませんが、結論からいうと、防衛庁が当初からお考えになっておったように、滑走路のいたみが非常にひどい。そこで調査の結果これを南北に三十度振る。その振る理由はきょう述べませんが、四つ五つあったようです。真下に国鉄の駅があるとか、あるいは計器誘導が片一方しかないとか、そういうような点から南北三十度振るということはすでに皆さんのほうで、もし滑走路の補修をしなければならぬ場合には考えるというような話があったわけですが、調査の結果三十度振るということが得策だというふうにお考えになった、これはわかります。  そこで、南北に振る場合には、私の承知するところでは、何かもうすでに三億四千四百万円ですかの予算でもって二年間でこの滑走路を振るという工事もすでに皆さんのほうで御計画になっておるというようなことを聞いておりますが、間違いありませんか。
  397. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 そのとおりでございます。
  398. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと、昭和四十五年と四十六年の二カ年で三億四千四百万円の金を使って滑走路を三十度南北に振ってつけかえをする、こういうことになるわけですか。
  399. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 ただいまの三億四千数百万円の金は、四十五年度に必要な工事の予算でございます。
  400. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと、滑走路を三十度振りかえた場合には、前の内閣委員会でのやりとりの際には、大体八億くらい要るのじゃないかという話でしたが、四十五年度で三億四千数百万円、四十六年度でどのくらいですか。
  401. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 約三億円でございます。
  402. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと大体七ないし八億円の金が要るわけですね。  そこで今度は具体的にお伺いいたしますが、三十度南北へ振った場合、現在の美保基地の滑走路は全長千八百二十四メートルあるはずです。これは着地点をずっと下げておりますから、現実に使用する滑走路はオーバーランを含めましても千五百メートルくらいしかありません。あそこはそういう飛行場なんです。それを三十度南北に振った場合には、基地の態様からいって滑走路はいまよりも非常に短くなる。これは当然この地図の上から出てくるのです。三十度北に振れば、突端が一体どこに行くかということはおわかりのとおり。大体推定で千五百メートルくらいにしかならぬのです。千八百二十四メートルが千五百メートルの滑走路に縮むということになるのです、いまのまま振れば。そういう計算はできておりますですね。
  403. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 大体この三十度横に振るというのは、従来の旧軍の設計そのものが風向等の関係で必ずしも適切でなかった。三十度振ったほうが現在の科学的な検討の結果正しいということになりまして、そういう理由で振るのでございますが、その結果ある程度滑走路が短くなります。でございますけれども、現在の輸送航空団に配備されております部隊の実際の飛行機の滑走路の長さから申しますと、千五百メートルでおおむね間に合うというふうに考えております。できれば若干の保安用地等も考えたほうがいいのではないかということは現在検討いたしております。
  404. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと、滑走路が短くなるというケースはあまりないですね。長くなるというなら話はわかるのだけれども、短くなるというケースはいままで聞いたことがないですね。それですでに地元の皆さんからは――地元の皆さんといってもこれは大空友の会というのですがね、二千四百メートルの滑走路にしてくれという陳情は皆さんの手元にあったはずです。これは御承知のとおり。そういう二千四百メートルくらいの滑走路をつくってくれ、そういう飛行場にしてくれという陳情が皆さんのところに実業団体等からある。そこへ持ってきて、三十度振っていまよりも約三百近く滑走路が短くなる、現状のままでいくとこういう結果になるわけですね。これは御否定になったのですが、防衛庁の中で、それでは困るから、振った三十度の突端が全くの砂地の平たん地であるから、これを買収するというようなことも一説にはあった。そういう事実はどうかと言ったら、いや、そういう事実はいまのところ考えておらぬという話でした。  そこで、いま一つお伺いいたしますが、あの基地の北側に四万平米の弾薬庫のあとがございます。これは全然使用されておらない全くの休閑地だ。何にもないのです。約四万平米の弾薬庫のあとがありますが、そのあとに何か地元のほうからこれを払い下げをしてほしい、こういうような要請がございましたか。
  405. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 ただいま御指摘の地区につきましては、地元のほうで払い下げてほしいという要望がございました。しかしながら、航空自衛隊におきましても官舎用地が不足いたしておりますので、その予定地として一応考えております。しかしながら、地元のほうでいろんな計画があって、それを払い下げてほしいということでありましたならば、十分双方で協議いたしたいというふうに考えております。
  406. 武部文

    ○武部分科員 私、お伺いいたしたいのは、この四方平米の土地は基地から、特に滑走路から相当離れたところにあるわけですから、これは基地の使用としてはほとんど必要性のない、基地の拡張とかそういうものにはほとんど可能性のない地域にある弾薬庫のあとです。  いま一つお伺いしたいのは、三十度振った場合に滑走路が短くなる、その突端の平地、砂地、そこに畑があるわけですが、その皆さんから、ここの四万平米の弾薬庫の土地と、いま私が申し上げた三十度振った最北端の延長の土地と同程度のものについての交換ですね、滑走路が短くなるわけですから、この弾薬庫のあととその突端の土地と交換をしてくれというような要望はございませんか。
  407. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 ただいまそのような御要望は参っておりませんが、もしそのような御希望がございましたならば、われわれとしましては十分検討いたしたいと思っております。
  408. 武部文

    ○武部分科員 私が希望しておるわけじゃないのですね。あなたのほうでたまたまいいところに四万平米あるんだ、そこの滑走路が短くなるんだ、その端っぽのところとこうやったらうまくいくんじゃないかということを考えておられませんか、こう言っているのです。
  409. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 現在のところは、現在の老朽化しておる滑走路を整備する、更新するというのが目的でございまして、したがって、必ずしも千八百五十メートルなければならないというものではございません。大体千五百メートルあれば、現在の使命を達成するのに一応目的を達し得るわけでございます。しかしながら、できれば保安用地等も少しでも多くなったほうが望ましいのでございまして、その意味におきましては、できれば農地を買収するということも考えないわけではございませんけれども、現在のところまだそのような決定をいたしておりません。また、さらにこの御指摘の四万平米の国有地との交換につきましても、別に正式に地元と話し合いをいたしているわけではございません。
  410. 武部文

    ○武部分科員 そういたしますと、大体四十六年末にはこの基地の滑走路は南北三十度振って、そうして両側から計器進入で離着陸できる、そういう飛行場にしたいということで皆さんのほうではすでに計画をお立てになっておる。  重ねてお伺いいたしますが、千五百メートルになっても、いまのC46の飛行機ならば離着陸にあまり差しつかえがないから、しいてその北端の延長地域の買収等については考えていないが、でき得れば長いにこしたことはない、保安のためにそういう土地を少しくらいは整備したいという意向がある、この程度に理解してよろしゅうございますか。
  411. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 滑走路を三十度振ることによりましてGCAが中海のほうにも設置されますので、したがって、飛行場の機能としましては、距離は短くなりましても、機能そのものは非常によくなるわけでございますので、直ちにこの滑走路を従来どおりの長さでなければならないというふうに考える必要はないと思います。しかしながら、要望としましては少しでも保安距離が長いほどいいのでございますので、その意味におきましては、ある程度農地の買収も、もしできれば一部買収いたしたいという考えを持っておりますけれども、現在のところ決定はいたしておりません。
  412. 武部文

    ○武部分科員 ここのところが大事なので、もう一ぺんお聞きいたしますが、そうすると、千五百になるが、千八百とか二千とか、そういうような滑走路にするということではないのですか。
  413. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 三十度を横に振りましても、現在の滑走路のように、千八百五十メートルとかというふうにはあれはならないと思います。しかも、さらにこれを二千メートルに延ばすということになりますと、鉄道線路にさしずめひっかかります。その意味におきまして、現在の施設面におきまして滑走路をさらに延長するというような考えは持っておりませんけれども、先ほど来申し上げますように、できれば保安用地は少しでも十分確保するほうが望ましいのでございますから、その意味におきましては、できれば危険性のないように、少しでも長く持ちたいという希望は持っておりますけれども、具体的に農地の買収をどのようにやるというようなことを現在決定はいたしておりません。
  414. 武部文

    ○武部分科員 いま一つ、このことに関連して地元の知事が、この空港の整備について防衛庁にいろいろ陳情しておるようでありますが、そのターミナルが、御承知の方はよくおわかりのように、非常にお粗末なもので問題にならぬというので、ターミナルの整備を地元としてやりたい。それで、その用地を確保するために現在防衛庁と折衝中だ、用地のめどがつき次第に道をつけかえるということを知事が帰県をして発表をしたわけですが、このターミナルの用地の借用を知事のほうから申し出た、そういう事実があるかどうか、あったならばあなたのほうではどういう態度をおとりになるか。すでにあったと思うのですが、どうですか。
  415. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 現在の民航ターミナルが、もしこの滑走路を三十度横に振りますと、これが非常に障害になります。したがって、適当な場所に移転する必要を生ずるわけでございますが、その際に、現在の位置でございますと、どうしても移転する場合に民有地の買収をしなければならないことになりますので、できれば国有地の中で御協力できないであろうかというような申し出が出ております。現在のところ運輸省等とも話し合いいたしまして、飛行場の南東地区のほうであれば私のほうの飛行場の運営にそれほど大きな障害がないであろうというような考え方で、運輸省なり知事なりと相互に協議いたしております。
  416. 武部文

    ○武部分科員 それはどのくらいの坪数ですか。
  417. 江藤淳雄

    ○江藤政府委員 坪数は、まだ現在具体的に民航ターミナル設計等ができておりませんので、具体的な数字はきまっておりません。しかしながら、できるだけの御協力は申し上げたいというふうに考えております。
  418. 武部文

    ○武部分科員 長官、ちょっとお聞きいただきたいのですが、私がこれから申し上げることについて防衛庁態度をお答えいただきたいのです。  航空自衛隊は第四次防で飛行基地の配置を検討し直すことになった。現在全国に十八カ所あるが、都市化が進んで、都市近郊の基地使用安全の面から制限されたり、パイロットの養成が限界にきておるので、基地の再配備を検討することとなった。北日本では手薄のため北海道八雲町の補助飛行場を拡張するか、あるいは北海道東部に新しい飛行場をつくるかして千歳と二カ所確保したい。中部日本では石川県小松の第六航空団のほかに、鳥取県美保基地を拡張して迎撃戦闘機を配置したいと考えておる。さらに美保輸送航空団、これを他に移す必要がある、その際は入間、小松が受けやすい、こういう防衛庁の見解を私は聞いておるのですが、間違いございませんか。
  419. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 まだそういう方針を私は責任者から聞いておりません。
  420. 武部文

    ○武部分科員 長官はお聞きになっておられないようですが、ほかの方どうでしょうか、第四次防です。
  421. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 四次防につきましては、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、目下作業中でございます。いまお読み上げになりましたようなことがきまっている段階ではもちろんございません。
  422. 武部文

    ○武部分科員 もちろんきまっておる段階ではないことはわかりますが、こういうようなことが防衛庁の第四次防の計画の中で一応話題になっておるという事実はございましょう。
  423. 宍戸基男

    ○宍戸(基)政府委員 飛行場全体のことについていろいろ議論をいたしております。三次防のままでいいというわけでもございません。飛行機の種類もいろいろ変わってまいりますし、数も変わってまいります。関連いたしまして飛行場のことにつきましてもいろいろ議論はいたしております。しかし、具体的にいまお話しのようなことがまだきまりつつあるという段階ではございません。
  424. 武部文

    ○武部分科員 どうも歯切れが悪いのですが、私がいまこれを読み上げたのは、相当具体的にこの内容を、たとえば現実に北海道の八雲町に飛行場の基地がございますね。そういうものを拡張をして北海道に二カ所設けたいとか、こうした点。さらには小松の基地が、現実に日本海の防御のためには、あそこだけでは困るのだというようなことは、すでに内閣委員会で何回か皆さんのほうから、前の防衛庁長官からもお話がありましたよ。ですから、たとえばさっき申し上げましたような武山のレーダーサイトが外国の国籍不明の飛行機を発見した。そのときにはスクランブルは築城だ、小松だ。これではちょっと距離が遠くて困るのだというような話はもうすでに何年も前にあったのですよ。そういうようなことを受けて私はいまこれを言っているのですよ。ですから、何にもないところに言っているのじゃない。そういうことがあった。さらにこの美保基地というのは過去十何年のうちに二回も三回もジェット戦闘機基地にしたいということで、防衛庁からわざわざお見えになって地元を説得された。そして計画を立てられたりした経緯があるのですよ。そういう経過の中で四次防の中で具体的にこの輸送航空団なんというものが、C46なんというものが、大体いまごろ飛んでおるのがおかしいのです。そういうような非常に危険性のある、いつ落ちるかわからぬようなああいう飛行機を飛ばしておるわけだけれども、輸送航空団なんというものを一カ所に置いておくというのはおかしいではないかという意見すら私どもは与党の議員の皆さんから聞いておるのですよ。そういう中から、具体的に第四次防の中で北海道と美保基地に、いわゆる裏日本側に二カ所の迎撃戦闘基地を設けたいというような点はすでに何年か前から私どもは論争しておるのですよ。それは一たん立ち消えておったが、輸送航空団をどこへ持っていくかというところまで話が出ておる。全然火のないところに煙は立たないわけなので、あなたのほうでそういう構想をやっておるならやっておると言われればいいのです。全然やっておらぬ。あなた方ほんとうに第四次防でこういうことは毛頭考えておらないということなら、はっきりそうおっしゃってください。
  425. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 私は、まだそういう内容は聞いておりませんが、私は自分個人で考えてみるに、小松とか美保という基地は非常に重要な基地であろうと思います。それで将来あの基地は日本としても活用すべき基地であるだろう、そう思います。  それから、いまの北海道とかなんとかいうことは聞いておりませんが、米軍の航空基地も自衛隊に移管してもらって共用するとかなんとかという構想を私は言っておるので、これをぜひ実現していきたいと思っているわけです。そういうふうな事態になれば、やはり航空基地全般について一回レビューしてみる必要がある、日本全体について。そういう新しい事態が起きてきた場合には、当然これはわれわれの職責上からも総合的に運用するという考え方に立ってレビューするということはあり得ると思うのです。そういう事態が四次防の中に出てくるが、出るとすればいつごろ出るか、そういうことは当然研究すべきであると思っています。しかし、いま八雲がどうだとかいろいろ具体的なことをおっしゃっておりましたけれども、そういうことは庁の話として私らのところまで届いているという状態ではございません。
  426. 武部文

    ○武部分科員 少しわかってきましたから、大体四次防の中で、小松とか美保とか、そういう裏日本の基地は非常に重要なので検討に値するところだと思うという長官の考え方はわかりました。ただ北海道の八雲町の具体的な問題等については、もちろん長官は御存じない。ただ、いま防衛局長の話のように、全然ないというような、そういうことじゃなさそうなんですよ。そういう考え方があるとするならばあるとおっしゃっていただけばいいし、全然ないというなら、これはないとはっきり言ってもらえばいいのです。いまの長官の考え方で、美保というものを皆さんとしては相当重要視しておられる。しかし、四次防の中においては、これから検討するのだ。しかし、私がいまここで読み上げたこれについては、全面的に否定されていないと思うのです。ただ当面この基地の滑走路の角度がちょうど三十度変わるのです。変わった場合に、常識からちょっと考えてもおかしいぐらい短くなるのです。長くしてくれという地元の人たちの大空友の会もある。それを短くする、このことについて、私ども若干問題があると思っていたのです。ですから、その向こう側に十六万六千平方メートルの土地を買収しようという一件が防衛庁の中にあったことも承知しているのです。それが表面に出ないまま済んでおるけれども、そういう点があるから、たまたま私はこういう情報を耳にしたわけです。ですから防衛庁として、このことについて真相はどうだということをお尋ねしたわけです。大体わかったようなわからぬようなことですが、少しわかりました。どうもこれに似たようなにおいがするということだけわかりましたので、これで終わります。
  427. 大野市郎

    ○大野主査 久保三郎君。
  428. 久保三郎

    ○久保分科員 私は基地公害についてちょっとお尋ねしたいのですが、その前に私どもの地元であります水戸の射爆場の撤去というか、移転について、前の長官の時代に、地元に時間を切って約束されたようでありますが、あらためてこれはどういう約束をされましたか。
  429. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 その点は有田長官から私も引き継ぎを受けております。また閣議できめたことは、それを実現するように誠心誠意努力していきたいと思っております。
  430. 久保三郎

    ○久保分科員 中身はどういうことでありましたか、期限。
  431. 山上重信

    ○山上政府委員 これは昨年の七月の段階で決定いたしたのでございますが、閣議におきまして水戸射爆場は三ないし四年の間にこれを移転させるということを御決定いただいたわけでございます。
  432. 久保三郎

    ○久保分科員 そこで三、四年以内というなら、最大四年ということだと思うのですが、これは何か意味があるのですか。三年ないし四年というのはどういう理由があるのですか、中身は。
  433. 山上重信

    ○山上政府委員 これは閣議において特別の理由を付してはおらないのでございまするが、三、四年の間に移転に伴うところのいろいろな諸準備、こういうものがありまするので、その間に移転させる、こういうことであります。
  434. 久保三郎

    ○久保分科員 どんな計算ですか。
  435. 山上重信

    ○山上政府委員 これは特別の計算がどうということではございませんが、代替施設の候補地をさがす。そしてそこに移転の工事をするというようなリードタイムというようなものを含めまして三、四年、これだけはどうしても必要である。しかし、その間に必ず移転させよ、こういう御趣旨であると了承いたしております。
  436. 久保三郎

    ○久保分科員 そのリードタイムというのは、いつから始まっていつ終わるのですか。
  437. 山上重信

    ○山上政府委員 これは昨年の七月決定の段階であります。
  438. 久保三郎

    ○久保分科員 そうしますと幅は一年ですね。幅が三年ないし四年というのは、短ければ三年、長くても四年、こういうことですね。そうしますと、候補地をさがすことは、去年これを言明したときからやっているのですね。そうですね。それはおやりになっているのですか、どうですか。
  439. 山上重信

    ○山上政府委員 候補地をさがすことは、現在も引き続きやっておるのでございます。
  440. 久保三郎

    ○久保分科員 どうですか、ぐあいは、うまくいきそうですか。
  441. 山上重信

    ○山上政府委員 まだ決定には至っておりません。
  442. 久保三郎

    ○久保分科員 決定に至っておれば問題ないでしょう。発表するでしょう。幾つかはさがしているのですか。
  443. 山上重信

    ○山上政府委員 数カ所について、現在図上の検討あるいはそういった調査を相当進めておる段階でございます。
  444. 久保三郎

    ○久保分科員 そういうさがす段階で、アメリカ側との話をしながらさがしていらっしゃるのですか。
  445. 山上重信

    ○山上政府委員 当然アメリカ側とは、現在の水戸射爆場の移転に関しまする従来の条件というものを相当緩和していただかなければいけませんので、そういった意味合いにおいて条件を緩和する話し合いをいたしております。ということは、現在までの最初の新島に候補地を予想しましたときには、候補地の範囲内はおおむね横田付近から二百キロ以内というような条件がございました。これらの条件につきまして、逐次条件を緩和しつつ話し合いをしておる、こういうことでございます。
  446. 久保三郎

    ○久保分科員 あなたの感じとして、こういうことを聞いちゃどうかと思うのでありますが、大体可能性がありますか。
  447. 山上重信

    ○山上政府委員 現在のところまだ決定いたしておらないということは、非常にむずかしい問題を含んでおるということであると思いまするが、われわれといたしましては、最善の努力を尽くしたいというふうに考えておる次第でございます。
  448. 久保三郎

    ○久保分科員 新島の問題が出たころと同じような答弁だと思うのです。それは、むずかしいことはむずかしい、しかし何とかなりそうだということでやっておるのですか、それとも当てはないけれども、しかたがない、やってやろうかということですか、どっちですか。
  449. 山上重信

    ○山上政府委員 移転し得るものというふうに考えております。
  450. 久保三郎

    ○久保分科員 そこでこれは大臣にお伺いするのですが、防衛計画というか、そういうものとのかね合いで米軍の演習態勢なんかも今後変わるだろうというふうに思う人もいます。ついては、そういうものも含めてこれは三年ないし四年ということでしょうか。
  451. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 有田前長官のお話しでは、日本側の努力、それから米軍側から得た感触、総合的に考えてみて三年ないし四年ではいけるだろう、そういうことであると私に言っておりました。
  452. 久保三郎

    ○久保分科員 どうもこれは私もそういう感触だろうと思うのです。あなたがリードタイムで三年ないし四年と言うのは、そういう感触のリードタイムであると私は思っている。あなたがさがしていることはむだじゃないかと思っているのですよ。大体さがしても可能性はほとんどないだろうと思う。だからこれは期待待ちですよ。アメリカの出よう、期待待ち、こういうように考える。それが感触じゃなかろうかと私は見ているのですが、あなたはもっとも当面の責任者というか、おやりですが、あまり熱心にやってないんじゃないですか。
  453. 山上重信

    ○山上政府委員 移転の候補地をさがすということと米軍の各種の感触からしてその期限をきめたということとは、総合して、われわれといたしましてもできるだけ移転のできるように、すみやかにやれるようにということを考えております。しかし、三、四年の間の移転ということは、これはただいま大臣からお答えがありましたように、全体としての判断、これらを含めて時間をきめておる、こういうふうに承知しております。
  454. 久保三郎

    ○久保分科員 時間もありませんから、最後に大臣に要望を申し上げたいと思いますが、この射爆場というのは、もう毎日、いまでも困っているのです。ついこの間は高校の入学試験がございまして、これは県のほうの手落ちだそうでありますが、試験の最中に、実は英語のヒヤリングの時間だそうでありますが、たまたま反復やられたので、とうとう湊一高では試験はなかったことにして急場をしのいだという話がある。その前にもどこかにまた何かが落ちたという話もあるわけです。地元の者としては、いずれにしても一日も早く何とかしてほしいというのは、いまでも変わりがないのであります。三年ないし四年のうちには何とかしてくれそうだという話で、期待を持ちながらも一日も早くというのは、これは当然だと思うのです。そこで私は、その感触の問題を含めてぜひ努力をしてほしいと思うのです、さがすことも一つかもしれませんが。むしろ感触に期待する以外に地元の人々は方法がないのじゃないかと私は思うのです。だから、単に施設庁において候補地をどうする、こうするということもやらにゃいけませんでしょう。しかしながら、むしろ私は大臣の政治力というか、そういう力に期待したほうがまだ可能性がありそうに思うのです。私は、そういうことをぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでしょう。
  455. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 日本側が自分で努力をしないでそういうことが実現するはずがないのでありまして、やはりわれわれは第一義に全力をふるって代替地を見つけ、誠心誠意努力しつつ、それと同時に、外交的な努力をあわせて、所期の目的を実現するようにしたい、こう考えております。
  456. 久保三郎

    ○久保分科員 まあ筋書きどおりの御答弁でありますが、いずれにしても、施設庁長官の手元ではなかなかむずかしいんじゃないかと思う。もっとも、あなた四年後にはおらないかもしれませんからね。しかし、われわれは射爆場と一緒に住んでいるのですからお忘れなく。  そこで、次に基地公害を一つのサンプルで私は申し上げたい。これも地元で近くでありますから。――この間じゅう、百里の航空基地の周辺の十カ所の部落を対象にして百人ほどの住民にいろいろ現地で聞いてきた結果をお伝えすると同時に、対策をお願いしたい、こういうように思っている。時間がありませんから、こまかく申し上げません。  一つは、もうおわかりのとおり、ジェット機の発進基地というか、そういう飛行場でありますから、その騒音によるものが一つあるわけですね。そこで夜間でも、これはスクランブルのために要るのかどうかわかりませんが、地上においてエンジンテストをやっているわけですね。だから、このエンジンテストをしているときにはかなりの騒音で眠れたもんじゃないのであります。それで、安眠ができないという者は六三・六%なんです。夜ぐらい静かに寝せてやってほしいというのがわれわれの要求なんです。夜間のエンジンテストはひとつやめてほしい。夜間だけは、ふかすのは猛烈な音でありますから、ひとつやめてくれということでありますが、やめられるかどうか。  それから、基地にいる者が基地周辺の住民に対して無関心では、すべて公害というのはなくならぬのでありますから、これは前提になります。同じ演習をやるにしても、同じ飛行機を飛ばすにしても、付近の住民に対して、住民が住んでいるなということを頭に置かない限りは、なかなか公害なんというのはなくなるはずはないのであります。だから、そういう姿勢でいま自衛隊というか防衛庁というか、そういう末端のほうでは受けとめて教育をしているのかどうかです。話は前後しますが、いま言った、せめて夜間だけは眠れるようにしてくれということだが、この要求にこたえられるかどうか。  それからもう一つは、話が聞こえないと言う。話が聞こえなければでっかい声を出せばいいのでありますが、電話はそういうわけにはまいらぬ、こう言う。そうでしょうね、電話は。拡声機じゃありませんから、大きい声を出してしゃべれといったって、そう電話には大きく声は出てこぬと思うのですね。この電話が調子がうまくいかないというのが七五・三%あるのです。何かうまい装置はないものか。  それからテレビの視聴が困難である。ちらつく。これは御承知のように一つの基準があってやっているようでありますが、この基準だけでは、意外なところにたくさんあるというのです。だから、これもせめて見よくしてもらうには、どういう方法かがあるのじゃないですか。アンテナをどっか遠いところから持ってくればいいというような、何かあるのじゃないですか。なければ、その基地の一番近いところにいる者と同じように聴視料についてはひとつ減免をしてほしい。もっともテレビだってラジオだってそうですが、十分間の放映があるときに、まん中の三分間しか見えなかったから、じゃ三分の一だけ取ろうといったって、そういうわけにはいかないと私は思うのです。どうされるか。ところが、いまの場合、そういう計算で――計算というか、料金の問題は別として、大体この近所はその程度だから少しは見えなくてもこの辺はだめ、こういうふうになっておるようですね。これは一ぺん現地を見て調査すればわかることでありますから、これはそれに応じた手配をとってもらえることが必要ですね。  それからもう一つ特異な存在としては、いなかでありますから、自衛隊が千人以上おられるのか知りませんが、朝晩の通勤時には危険しごくだと思うんです。自家用車、いわゆるオートバイというか、バイクも入れてでしょう。これがある一定の時間に基地に向けて全部集まってくるのでありますから、通学時に大体一緒になるそうであります。非常に危険だというんです。交通事故の心配が毎日たくさんあるんです。しかし、この交通整理は自衛隊が行ってやるわけにはいかぬだろうと思うのですね。交通警察というのは警察の権限ですから、なかなかむずかしいでしょう。しかし、自衛隊と警察は親戚みたいだから、話のしようによっては――自衛隊には何か昔の憲兵のなりかわりみたいなのがいるのでしょう。やっぱりそういうものでも出して交通整理するとか、これは何かやってもらわなければ困る。  それから、もう二、三ありますが、農業の災害というか、公害というものがまた多いんですね。乳が出ないなんというのは、はかってみなければわらぬということで、これは役所の仕事では手に負えぬことだと思いますが、朝から晩までやられる騒音で乳が出なくなるという公害がどのくらいあるのかというと、約五割三分くらいあるというのです。  それからもう一つあるのは、ネズミがたくさんふえてきたということですね。繁殖の根源はどこかといったら、食料、残飯その他のたくさんあるその基地だというんですね。野鼠が出てくるものですから、作物も荒らされる、たまったものじゃないということですよ。これもやろうとしない。  それからもう一つは雑草だ、基地が広いですから、そこに草がぼうぼうはえてくる。草の実が飛んできて付近の農地に全部ばらまかれる、だからそういう被害がある。これらに対して対策を講ずることは当然の義務だろうと思うんです。だが、はたしてどうなのか。  これは私はいわゆる百里基地だけを調査したので、こういうことを申し上げたが、よその基地も大体大同小異であることは、もうおわかりのとおりと思います。だから、たとえばいままでの基地交付金というのはどういうところにいかなる目的のために交付するのか、基地交付金だって地元の住民はどういうふうに使われているかわからぬ。もっとも住民も悪いのですが、そういうしかるべきところへ行って調査すればいいのですが、これは全然わからない。基地交付金というのが基地周辺の住民にもっと明確にわかるようにすることも一つのつとめではなかろうか、こういうふうに思うのです。  いま幾つか言いましたが、時間があれですから、まとめて御返事をいただきたい。
  457. 山上重信

    ○山上政府委員 騒音その他のいろいろな被害に対しまする措置として、われわれといたしましては、基本的には騒音を起こさないように、できるだけその飛行場において、特に夜間の飛行規制であるとか、あるいはエンジンのテストの規制というようなことは、米軍の場合でもこれを協定いたしておるのでございます。したがいまして、自衛隊の場合においても、そういうようなことは当然考慮いたさなければならぬことではないかと考えておる次第でございます。  そして、これらの周辺対策のいろいろな問題につきましては、御承知のように、周辺整備法というのがございます。この法規を活用して今日までいろいろな対策を講じてきております。学校防音であるとか、あるいはその他公民館、図書館あるいは庁舎等にもそういった騒音の被害がないようにいたしておるのでございます。  いろいろお話のございました中で、テレビの問題につきましては、ちらつきも何とか見えるようにするためにアンテナの検討ということは調査をいたして、これができるかどうかをいま確かめるような手配をいたしております。現にそういった種類のアンテナがすでに開発されているそうでございますから、これをどういうふうに組み合わせたら最も効果的かというようなことで、来年度もそういった予算を計上いたして実現に持っていきたい。しかしながら、なお見えないところがございます。また聞こえないという問題もございます。したがって、これらのテレビ、ラジオの受信料の減免というようなことにつきましても、これは従来NHKが一定の区域の範囲内をやっておりましたが、これをさらに区域を拡張する、そのために、政府が拡張する区域に対するところの減免の費用の半額を負担する、NHKと両方負担でもって区域を拡大するというふうなことを考えておるのでございます。  いろいろございましたが、自家用車の問題につきましては、これはそれぞれの基地におきますところの自衛隊の管理者におきまして、そういった被害のなるべく減少するような方法をくふうすることになるのではないかと思っておるのでございます。  農業被害につきましては、これは当庁といたしましても、そういった被害の実態、いまお話のありましたようなことは、もっとよく調査いたしまして、因果関係が明確であれば、それに伴うところの補償なりあるいは対策なりということを考えてまいりたいというふうに考えております。  基地交付金の問題につきましては、これは自治省の所掌でございますので、私が申し上げるのはいかがかと思いますが、これは大体基地のございます市町村に対して交付いたすのでございまして、個人に行き渡りませんので、市町村におきまして、交付を受けました金を前提にいたしまして、いろいろな事業をやるなりあるいは財源の負担なりということにいたすことになると思っておるのでございます。
  458. 久保三郎

    ○久保分科員 これはあなた、何も結論が出ないじゃないですか。私が聞いているのは、具体的にお聞きしているのですよ、だからお答えは具体的にいただきたいのです。  ただ、エンジンテストについては、米軍についても協定しているから、当然自衛隊についても協定するのがあたりまえだ、じゃこれに答弁してください、あなたは自衛隊のほうじゃないから、施設庁だから、これは答弁してください。  それからテレビのほうは、あなたの答弁では、いままでの区域にとらわれることなく、実態に応じて対策を講じていきたい、こういう返事ですね、そうですね。
  459. 山上重信

    ○山上政府委員 区域を拡張する。
  460. 久保三郎

    ○久保分科員 これはいい。  それから交通安全については、これは基地の管理者においてやるであろうなんて――もっともあなたは命令する権限はないようでありますから、そうかもしれませんが、これは命令する権限のある者はどなたか、しかもこういう基地には、地元住民との、いろいろ問題を持ち込んでくるいわゆる窓口がないようでありますね。そうすると、もう相談にあまり乗らない、基地ができるときに反対があったからということだけではなくて、何か自衛隊はやはり鉄砲づくりだけに専念して、地元の住民との窓口などあまり関心ないのではないかと思いますが、これはそういう窓口を置いてやっていくことが一番いいのではないかと私は思うのです。  だから、これは山上長官ではお答えができないようでありますから、エンジンについては、これはどうなのか。それからテレビのほうはいま長官から話があったからよろしい。電話はどうか。それから交通問題についてはどうなのか。そういう幾つかの問題、答えてください。
  461. 山上重信

    ○山上政府委員 電話の問題につきましては、これは電話の騒音によるところの聞こえないという問題を防止するためには、いまそういったような装置が開発されておるようでございます。われわれといたしましても、この問題については今後検討してまいりたいというふうに考えております。  その他については私では答えられないということでございますから……。
  462. 中曽根康弘

    ○中曽根国務大臣 いまお話がありましたエンジンをふかす問題、それから交通の問題や、野鼠の問題や、あるいは雑草の問題とか、そういう諸点につきましては、私のほうから地区地区の責任者に指示をいたしまして、最大限に注意してやるように示達をいたします。
  463. 久保三郎

    ○久保分科員 それでは長官からはっきりしたお話がありましたので、その結果を期待したいと思います。よろしく。  終わります。
  464. 大野市郎

    ○大野主査 明日は、午前十時から開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。     午後九時二分散会