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1970-04-10 第63回国会 衆議院 地方行政委員会 17号 公式Web版

  1. 昭和四十五年四月十日(金曜日)     午前十時二分開議  出席委員    委員長 菅  太郎君    理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君    理事 塩川正十郎君 理事 古屋  亨君    理事 山本弥之助君 理事 斎藤  実君    理事 岡沢 完治君       亀山 孝一君    高鳥  修君       中山 正暉君    山崎平八郎君       豊  永光君    綿貫 民輔君       井岡 大治君    細谷 治嘉君       和田 一郎君    青柳 盛雄君  出席国務大臣         自 治 大 臣 秋田 大助君  出席政府委員         自治政務次官  大石 八治君         自治省財政局長 長野 士郎君         消防庁長官   松島 五郎君  委員外の出席者         参  考  人         (全国知事会代         表)      加藤 武徳君         参  考  人         (全国市長会財         政分科会委員         長)      竹内 義治君         参  考  人         (学習院大学経         済学部教授)  恒松 制治君         参  考  人         (全国町村会副         会長)     徳元 四郎君         地方行政委員会         調査室長    川合  武君     ――――――――――――― 四月八日  ドライブインにおいて酒類の提供を禁ずる法律  制定に関する請願(川俣健二郎君紹介)(第二七  一九号)  同(山口鶴男君紹介)(第二七二〇号)  同(根本龍太郎君紹介)(第二八三四号)  クリーニング業の事業税軽減に関する請願外三  件(亀山孝一君紹介)(第二七二一号)  同(中山正暉君紹介)(第二七二二号)  行政書士法の改正に関する請願(塩川正十郎君  紹介)(第二七二三号)  同(中野四郎君紹介)(第二七二四号)  同(中山正暉君紹介)(第二七二五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会申し入れに関する件  地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提  出第七二号)  地方財政に関する件(昭和四十五年度地方財政  計画)  消防に関する件(大阪市のガス爆発事故)      ――――◇―――――
  2. 菅太郎

    ○菅委員長 これより会議を開きます。  地方財政に関する件について調査を進めます。  本日は、昭和四十五年度地方財政計画につきまして、参考人から意見を聴取することといたします。  参考人は、全国知事会代表、岡山県知事加藤武徳君、全国市長会財政分科会委員長、大阪府豊中市長竹内義治君、学習院大学経済学部教授恒松制治君、全国町村会副会長、徳島県板野郡藍住町長徳元四郎君、以上四名の方々であります。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本件につきまして、それぞれの立場から何とぞ忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。  なお、議事の順序でありますが、初めに御意見をそれぞれ約十五分程度に取りまとめてお述べをいただきまして、次に委員諸君からの質疑に対してお答えをお願いしたいと存じます。  それから御意見開陳の順序は、加藤参考人、竹内参考人、恒松参考人、徳元参考人の順序でお願いいたします。  それでは加藤参考人にお願いいたします。
  3. 加藤武徳

    ○加藤参考人 知事会地方制度調査委員長の岡山県知事でございます。地方行政委員会の皆さまが、日ごろ地方行政につきまして格別に心を配っていただいておることに感謝をいたしておるところでございます。また今回私どもの意見を御聴取願う機会を得ましたことに、謝意を表する次第でございます。  昭和四十五年度の地方財政計画につきましては、行政経費の効率化をはかり、また重点化を考えておいきになり、かつまた地方行政の節度ある運営を期待していられると思うのでございます。また地方交付税法の一部改正につきましては、地方道をはじめ各種の公共施設の推進なりあるいは地方公務員の給与改定の平年度化、あるいはまた各種制度の改定に伴いまする、これらに対応いたします単位費用の改定を行なわれようとしておるのでございます。また社会経済情勢が急速に進展をいたしておるのでございまして、これらに対応いたしましてのそれぞれの地域に対応いたします必要経費等について、処置をされようとなすっておられると承知をいたしておるのでございます。かような考え方のもとに、過疎対策や過密対策を強力に推進をされ、また広域市町村圏構想を推進する体制づくりをしておられるのでございますし、また生活環境を守っていき、住みよい環境づくりを行ないますために必要といたします各種の経費等についても、格段の配意をなすっておられる、かように承知をいたしておるのでございます。  そこで、これらのことを基本にしましての地方財政計画であり、また地方税法の改正であり、地方交付税法の一部改正を行なおうといたしておられるのでございますが、私はまず地方税法の改正方向について申し上げますと、地方税改正におきまして、個人の住民税やまた事業税につきましてこれが軽減合理化をはかろうといたしておられますことは、きわめて適切な処置であろうかと思うのでございます。  ただ一点、私どもが気にかかります点は、住民税の法人税割りについてでございます。法人税割りにつきまして、道府県税につきましてはその標準税率の引き下げを考えておられ、市町村につきましては引き上げの処置をされようとしておるのでございます。今日市町村の財政状況がきわめて逼迫しておることは、これまた事実でございますし、また地方税の伸びを見ます際に、都道府県の場合と市町村の場合はその伸び率が違っておりますこともよく承知をいたしておるわけでございます。しかし、これらの都道府県と市町村間におきます地方税の伸びの開きは、交付税交付金によりまして十分な調整が行なわれようといたしておるのでございます。私は、法人税割りの標準税率の引き上げなりあるいは引き下げがやむを得ないものであると承知いたしておるのでございますが、しかし、このような処置が、地方財政が好転しておる、地方は豊かである、なかんずく都道府県の財政は豊かであるという考え方に結びついては全く困るのでございまして、さような考え方が背後にあろうとは思わないのでございますが、この点が若干気にかかる点であるのでございます。  さらに私は、今日地方財政が豊かであるとの声が一部にありますことをきわめて遺憾に思っておるのでございまして、今日の地方財政は決して豊かではなく、地域住民の無限の要望に対しましてどのようにこたえていくかが、地方行政を担当しております私どもの最大の苦労でもあり、また悩みでもあるのでございます。たとえば道路の場合をとって考えてみましても、国道におきましてはその改良率や舗装率が大いに進んでおるのでありますが、地方道におきましては決してそうではないのでございます。これは改良においても非常な開きがございますし、また舗装においても非常な開きがあるのでございます。モータリゼーションの急速に進んでおる今日におきましては、地方道といえども、これをないがしろにいたしますことは、地方住民が決して許さないことであるのでございまして、今後道路網の整備を急速に行なってまいらなければならず、それも都道府県道や市町村道に最大の重点が置かれるのでございますから、かようなことを考えます際に、地方の行政需要は無限であると言えるのでございます。また、上下水道についてもそうでございますし、今後老人対策を進めてまいります上での、たとえば養護老人ホームについてもそうでございます。あるいは義務教育の面におきましても、あるいは警察の面におきましても、あるいは消防の面におきましても、あるいは乳幼児の問題等にいたしましても、公害問題等にいたしましても、地域住民の無限の需要に対応してまいらなければならないのでございます。なるほど、昭和三十年代の地方財政の状況と現在を比較いたしますと、何がしかのゆとりのできたことは事実でございますが、しかし、これは国家財政とても同様であるのでございまして、国の財政と地方を比較いたしまして、地方財政が豊かであるという議論には、私どもは全く賛意を表しがたいのでございます。地方行政の皆さま方におかれましては、この点を十分に御理解をいただいておりますことを感謝申し上げますと同時に、今後さらに御理解を賜わればありがたい、かように存じておるのでございます。  それから、交付税の性格なりあるいは税率の問題についてでございます。私どもは、交付税について、その性格で大いに論議のあることは承知をいたしておるのでございます。地方公共団体といたしましては、国税三税の三二%は地方固有の財源だ、かような意識を持っておるのでございますが、その議論の当否はさておくといたしまして、私どもは、交付税の性格を明確にいたす意味からいたしましても、特別会計に直接繰り入れる処置をとっていただきたい、このことをお願いをしてまいっておるのでございますが、いまなお検討されつつある最中である、かように承知をしておるのでございまして、ぜひ早い機会にこの処置をとっていただきまして、交付税の性格を明確にしていただきたいと思うのでございます。  それから、交付税の国との年度間調整の問題でございます。年度間調整につきましても大いに議論のあるところでございましょうが、私どもは、かりに年度間調整が必要であるといたしましても、それも国の一方的な判断によって事が運ばれるのではなく、地方行財政のワク内におきまして、自主的な判断のもとに調整が行なわれるべきだ、かような考え方を持っておるのでございまして、なお、今国会におきまして、交付税率の改定の論議が一部でなされておりますことは、私どものきわめて遺憾とするところでございまして、昨年の一月に自治大臣と大蔵大臣との間にかわされました覚え書き等におきましても、当分の間はさような処置を行なわないことが明らかにされておるのでございますから、ぜひ当分の間交付税率の操作等につきまして論議の起こらないことを期待いたしておるのでございます。  なお、予算編成を行なわれます段階におきまして、国民健康保険の給付額の助成につきまして、その一部を地方に肩がわりせしめるとか、あるいは教科書の無償交付につきまして、その一部を地方で負担せしめるような議論がありましたことも、私どもの残念に思っておる点でございまして、かようなことのないことを期待いたしておるのでございます。  次に、超過負担の問題についてでございます。超過負担につきましては、すでに昭和四十二年度、四十三年度において調査を行なわれ、そして四十三年度から年次計画をもって超過負担の解消につとめられておるのでございまして、四十五年度の予算案におきましても、事業費において四百五十三億、国費におきまして二百七十六億の超過負担がもくろまれておるのでございますが、ただ、実際の問題といたしましては、調査段階で的をとらえましても、その的はとかく動きがちなものであるのでございます。必ずしも十分な解消ができておらず、今後さらに御努力をお願いいたしたいのでございまして、私は手元に岡山県におきます超過負担の状況につきましての数字を持ってまいっておるのでございますが、昭和四十四年度の高等学校のプールの建設費につきまして、国におきましては標準単価を三百六十万円、かように考えられており、そしてその三分の一の百二十万円を国庫補助となさっておるのでございますが、しかし、実際の実績は、プールの建設に一千百八十二万五千円を必要といたしておるのでございます。もとより三分の一の国庫補助に対しまして県費三分の二を加えることによって、三百六十万円のかっこうはつくのでございますが、実際の建設費は、これをはるかに上回る、三倍近くの建設費が必要であるのでございます。文部省におきましては、プールを建設いたします際の単価は押えておりながら、建設をすべき設備につきましては、一定の基準を設けておるのでありまして、たとえば脱衣設備なりあるいはシャワーの設備等はもとよりでございますが、浄化設備等につきましても、その設置を義務づけておりながら、これらを対象に入れておらぬ、補助単価に計算しておらぬ、かような矛盾もあるのでございます。また、農業改良普及員の給与についてでございますが、国におきましては、四十四年度において、農業改良普及員の給与の単価を五万七千三百五十四円、かように算定をしており、この三分の二を国庫で見る、かような考え方でございます。しかし、一人当たりの実際の給与月額は七万七千十三円、かようなことでございますから、この間約二万円の超過負担が生じておるのでございます。また、交通通信機の場合について見ましても、これは四十五年度の場合でございますが、定周期多段式の新設がもくろまれてあるのでございまして、国におきましては、補助単価を六十八万円、かように算定をされておるのでありますが、実際は九十万円をこえる、かような単価であるのでございます。  私は、単価を低く押えますことが必要であろう理由も若干わからないこともないのでございますけれども、単価を押えて補助率を高く保たせるよりも、考え方といたしましては、単価は適正なものにいたしまして、やむを得ない場合には補助率を下げる等の処置をとってまいらなければ、ほんとうの意味における超過負担の解消は不可能だ、かように考えておるのでございます。  最後に、公害防止事業についてでございます。昭和四十四年度におきましては、千葉県と三重県と岡山県が、公害防除につきましての基本計画を策定し総理大臣に報告をする、かような義務を背負っておるのでございますが、実際の作業ははかばかしく進んでおらないのでございまして、これは公害防止事業につきまして、国と地方並びに企業間の負担区分が明確になっておらないのでございます。また、財源処置について全く見通しが立っておらぬということ、これが大きな原因であるのでございます。今後の地方におきます最大の課題は、交通事故の防除や、青少年の健全育成や、また公害防止施策の推進だ、かように考えておるのでございます。公害防止につきまして、ぜひ負担区分の明確化を行なっていただき、また十分な財源措置等を講じていただきたいのでございます。国におきましては、輸入重油につきまして、重油関税を課しておられるのでございますが、昭和四十四年度の収入額が九百八十二億円余、このうち石炭会計に繰り入れておりますものが七百四十四億円でございますから、二百三十数億円が一般会計に入っておるのでございます。また昭和四十五年度におきましては、二百七十八億円をこえますものが、重油関税として徴収いたしましたものが一般会計に入るかと思うのでございます。石炭対策といたしまして、その大部分を特会に繰り入れざるを得ない理由はわかるのでございますが、しかし、少なくも一般会計に繰り入れられておりますうちから、その相当部分を公害対策に向けていただきます措置をとっていただきたい。このことを知事会としてお願いをいたしておるのでございます。  かような措置をとっていただき、財源措置を十分にお計らいいただきますようにお願いをいたしまして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  4. 菅太郎

    ○菅委員長 次に竹内参考人にお願いいたします。
  5. 竹内義治

    ○竹内参考人 全国市長会の財政委員長をしております豊中の市長でございます。きょうは都市側のいろいろ御意見をお聞き取りいただきます機会を与えていただきましたことを、心から厚く御礼申し上げます。  昭和四十五年度の地方財政計画に関しましては、都市税源の充実、交付税の基準財政需要額の充実等、非常に画期的な御配慮を先生方に賜わりまして、都市側といたしまして特に感謝を申し上げておるところでございます。なかんずく人口急増地域におきまする基準財政需要額の充実あるいは公共用地の先行取得に対しまする対策あるいは過疎地域に対しまする総合対策、広域市町村圏の振興あるいは市民の日常生活に直結いたします道路、下水、清掃等の基準財政需要額の充実等、著しく拡充をいただきました点につきましては、私ども感謝にたえないところでございます。  ただ、先ほど岡山の知事さんもおっしゃいましたように、地方財政に余裕があるのだ、こういうぐあいに言われますが、実際の地方財政の現況はとんでもない話でございます。その一、二の事例を少し申し上げ、先生方の御検討を賜わりたいと思うわけでございます。  特に都市側におきましては、最近は人口が都市部に集中する傾向を示しております。したがって、私ども一番悩んでおります点は、第二の国民でございます義務教育の施設の充実の問題でございます。この点に関しましては、いろいろ御配慮を賜わっておるのでございますが、現状はどうにもこうにもならぬ状態になっておるということでございます。試みに私どもは、東京都市圏と大阪都市圏の五十八の大都市周辺の市について実態を調べてみました。明らかに出てまいりました点は、これは一部でございますが、首都、大都市は除いておりますが、その周辺市、いわゆるドーナツ現象を起こしております地域の五十八市の一市当たりの平均人口は約十二万でございます。この十二万ぐらいの市の平均値がどのぐらいになっておるかと申しますと、大体十二万ぐらいの市で毎年どうしてもこうしてもやっておるのが、一市当たり平均三十五教室校舎を建てておる。一市当たり平均三千三百坪の用地を買っておるということでございます。しからば、こういう義務教育施設につきましては、国庫負担法がきまっておるので財政的に安定しているではないか――御承知かもわかりませんが、実質的に五十八市を調べてみますと、国庫負担率は小学校の場合は三分の一でございますが、決算上は国庫負担は二一%より充足されていないわけです。中学校に至っては五〇%が国庫負担率でございますが、実際建設費に見合う補助金は二七%より当たっていない。約半分より充足されていないという点でございます。それは結局超過負担という形になってきておる、かように考えるわけでございます。  さらに、これからの問題でございますが、これらの五十八市の平均値で比べてまいりますと、今後昭和四十九年度までの五カ年間に大体生徒数が五〇%ふえるということであります。具体的に申し上げますと、小学校では昭和四十四年度を一〇〇といたしますと一五三・八%にふえる。小学校の生徒が五割三分ふえるということであります。中学校の生徒につきましては、昭和四十四年度を一〇〇といたしますと一四一・三%ふえる。四割一分ふえるということでございます。そういたしますと、単純計算でやってみますと、どういうことかと申しますと、人口十二万ぐらいの市では毎年小学校一つ建てていかなければいかぬということでございます。しかも、現在の地方財政の現況からいたしますと、補助金制度の不備もございますけれども、いろいろな無理をやっております。  一つは、学校を建てるのに補助金が間に合わない、あるいは起債等の充足が足らぬというので、プレハブを建てております。このプレハブの数が五十八市を比べてみましてどのぐらいあるかと言いますと、一千三百七十三教室ございます。一市当たり平均二十三・六教室ある。仮校舎がそれだけある。これでもまだ足りませんので、債務負担行為ということで、翌年度以降の財政収入を当て込んでやっておる分がございます。これが一市当たり平均三億八千六百万円、債務負担行為ということで先食いをやっておるわけです。こういうやりくりをせなければ生徒が収容できない、こういうのが現状でございます。  何でそういうことになるかと言いますと、結局これは、地方財政の中でなかなかそれだけのものが追っつけていけない。人口の伸びと学校の建てる数とが追っつけていかないというのが現況でございます。義務教育施設は私ども市町村の一番重要な仕事でございます。入ってこられた住民の方の義務教育だけはどうしてもやらなければいかぬ。これだけに追われておるわけです。したがって、それをやるためには、毎年一つずつぐらい学校を建てなければいけません。一校の敷地買収費が、坪当たり五万円で買えればいいほうでございまして、五千坪買いまして二億五千万円かかる。ところによっては十万円、五億の借金をする。その上校舎を建てる。校舎も、先ほど申し上げましたように、全部国庫負担の原則が守られていませんので、一般単独財源を継ぎ足さなければならぬ。そういたしますと、学校を建てるのとその借金を払うだけで、地方財政はきゅうきゅうというているのが現状でございます。そこに非常に大きな問題点がございます。  それともう一つは、都市部におきましては新しい人口が入ってきております。若い方が多い。そのために労働力の不足と相まちまして、婦人労働者の再起用の問題がございますので、保育所の要求が非常に高うございます。豊中市でも百二十人定員のものをつくりましたが、保育所を一カ所つくりますのに一億七千万円かかる。これで国から補助金をいただくのは一体幾らかと申しますと、百五十万円でございます。府県から六百万円ほどもらいまして、残りは起債をつけてもらいたいのでございますが、これも制限がございます。そうすると、一カ所一億ぐらい継ぎ足しをせなければならぬ、こういうふうな現状でございます。つくってもつくっても保育所は足らぬ。  さらにもう一つは、最近は幼稚園の問題がやかましゅうございます。幼稚園も国の補助金は一カ所五百万円、ところが、実際一カ所つくろうと思えば、基準に合わそうとすると、用地ともに一億五千万円から二億かかる。  こういうことで、これらの都市の住民の需要を一体どうしてまかなっていくかというのが、私たちの一番悩みでございます。余裕があるどころの騒ぎではございません。実はこういうことに毎日きゅうきゅうとしておるというのが現状でございますので、先生方よく御承知でございましょうが、こういう点はひとつ今後――このたびの地方財政計画では、人口急増地域に対しまする都市圏補正とかあるいは公共用地の先行取得、その他事業費算入等で御配慮を賜わっておりますけれども、当面緊急する問題としては、市町村の側でどうにもコントロールできない問題点を持っておるということをひとつ御理解を賜わりたい、かように存じ上げる点でございます。  私どもいろいろ地方の末端の行政をあずかっておりますと、まだまだ問題点があるわけでございます。たとえば主要な幹線道路が幾つか開発されますが、私はよく言うのでございますが、下水道の幹線はできた。幹線はできたが、枝管をつくらなければその効用は非常に薄いわけでございます。かえっていろいろ問題が生まれてくる。大きな道路ができたために、そこへ流入する車が、ある特定の市町村道その他に蝟集します。かえって交通事故が生まれる。やはり幹線ができれば、それに見合った準幹線、支線というものを整備せなければならぬわけです。幹線はどんどん整備されてりっぱになっていくけれども、枝線のほうは昔ながらのままである。そういうところから市町村道の整備ということがこれから非常に急がれると思うのでございますが、そういう面で、燃料課税のような問題につきましても御配慮を賜わりたい、かように考えるわけでございます。  なおもう一つだけお願いいたしておきたいと思うのでございます。電気ガス税が悪税だというので、廃止という声もあるやに承っておりますが、私ども地方財政の現状から見まして、非常に重要な税源でございます。どうぞそういうことのないようにぜひお願いを申し上げたいと思います。  以上、はなはだ簡単でございますが、地方の実情を申し上げまして、御参考に供したいと思います。ありがとうございました。(拍手)
  6. 菅太郎

    ○菅委員長 次に恒松参考人にお願いいたします。
  7. 恒松制治

    ○恒松参考人 学習院大学の恒松でございます。  いま加藤知事さん、それから竹内市長さんのほうから、地方団体側から見て財政がたいへん窮屈であるというお話をなさいました。私もそれは全く同感でございます。しかし、四十五年度の地方財政計画を見ますと、国の一般会計の伸びが一七・九%であるのに対して、地方団体のほうはたしかそれより一%くらい多くなっております。その数字だけから見ますと、地方財政が豊かであるとか豊かでないとかということは相対的な問題でございますので、少なくとも豊かになっているということは私は言えると思います。ただ、豊かであるか豊かでないかということは、その財政需要に対する問題でございます。したがって、これは国の経済あるいは国の財政全体が国民の要求するところの行政を十分に満たしておらないということで考えるほかにはないと私は思っております。  ただ、そういうふうに相対的に見ますと、地方財政は豊かになっていると言えるわけでございますけれども、それがいま御指摘のように、たいへん貧乏である、あるいは非常に窮屈であるというふうな実感としてとらえられているというところには、私は、この経済の急速な発展の中で、地方団体の運営をこれまでのような形でやっていいかどうかというような基本的な問題につながってくると思っております。人や物の移動の速度がたいへん早くなってまいりましたし、また移動の範囲が非常に拡大してまいりました。こういうふうな状態の中で、いままでのように共同体的な形で地方団体の行政あるいは財政を運営していっていいかどうかということは、私は基本的に考え直すべき時点に来ていると思います。  昭和四十五年度の財政計画の中の基本的な方針として、行政経費の効率化ということがうたわれております。私はまさにそのことだと思います。効率よく整備されておらないために、あるいは、効率よく行政あるいは財政が運営されておりませんために、地方団体の皆さん方はたいへんにその財政のやりくりに苦労していらっしゃるというのが、実態であろうかと私は思っております。したがって、これからの問題といたしましては、そうした人や物の移動が激しい、あるいは範囲が拡大しているという地域社会全体の変動の中で、一体行政事務や財源を中央と地方とでどのように配分したらいいかというような基本的な問題に立ち返って考えてみる必要があると思います。都市にいたしましても農村にいたしましても、中央政府は住民の要求を十分に満たすわけにはまいりません。それは先ほども申しましたように、国全体として政府資金の絶対額の不足という問題があると思いますけれども、しかし、他方では、そうした困難さの原因が運営の方法の中にもあるように私には思われます。今回の地方財政計画では、このような問題に何とか対処していきたいという政府の考え方が十分に私はうかがわれていると思います。  ただ、こうした地方財政計画を示されまして、それでは個々の地方団体がこれを一体どういうふうに満足に運営し得るかということになってまいりますと、私はその点では保証できない面がたいへん多いというふうに思います。この地方財政計画の性格については、もう皆さん方十分御承知のように、平衡交付金制度というものができましたときに、地方団体の財政需要と財政収入との差額を正確に見積もって、その足りない部分を補てんするという考え方から、この地方財政計画あるいは地方財政の見積もりというものが生まれてまいりました。しかし、現行制度のように、交付税が国税三税の三二%という一定の額が与えられております場合に、はたしてこうした地方財政計画が必要であるかどうかということについても問題はないわけではございません。しかし、私は、こうした地方財政の見積もりをお立てになるということ自身は、これから個々の地方団体が予算を編成してまいります場合に一つのよりどころになるものでございますし、一つの参考資料になるわけでございますから、決して無意味なものだとは思いません。したがって、こうした国の一定の方針に基づいて、地方団体がそれに協力するような形で地方財政の運営をしていくということはたいへん重要なことだと思います。  そこで、このたびの四十五年度の地方財政計画の策定方針といわれるものが、ここに資料にございますように、幾つか重点的な施策の方向が示されております。その一つは、私は税の軽減と配分の合理化という問題であろうと思います。このたびの財政計画の中では、住民税について総額約七百四十億円ぐらいの減税の規模になっておる、第二番目には、固定資産税の負担の調整がかなり大幅になされている、第三番目には、先ほども御指摘ありましたように、法人税割りの市町村への配分ということ、第四番目には、法人事業税の分割基準の改善、こうした非常に重要な問題が幾つか含まれております。私は、これらすべて、現在の地方財政の手当てとしては望ましい方向であると思っております。  ただ、この中で住民税の軽減につきましては、将来の問題でございますけれども、所得税との関連の中で住民税の問題をもう一度検討していただきたいと私は思っております。私ども納税者の立場から申しまして、税が重いか軽いかということは、国の税金と地方の税金を一緒にして重いか軽いかということを身に感じます。したがって、そういう意味では、同じ所得にかかる税金であるところの住民税と所得税とが違った基準でもってかけられるというようなことは、必ずしも望ましいことではないと私は思っております。今度の軽減によりまして、住民税の課税最低限が七十三万円に引き上げられました。しかし、これは国税の所得税の課税最低限の百万円に比べますと、なおその間には二十七万円の開きがございます。こうした開きが、私ども納税者にとっては実感として税金が重い、あるいは地方税が重いというような感触を与えるわけでございます。こういう点は、同じ所得にかかる税金として統一的に把握をしていただきたい、こういうふうに思います。  それから、財政の支出の面につきまして、非常に重要な方針は、街づくりあるいは地域整備と申しますか、そういうことについてかなり大きな配慮がなされているということでございます。たとえば都市化に対して、都市の財源を強化する、あるいは過疎地域の振興をはかるための過疎対策を推進する、こういった政策がかなり強力に打ち出されてまいっております。しかし、私は、この中で若干政策それ自体として混乱があるということも見のがせないと思っております。それは過密ということと、人口急増ということとが、いささかごっちゃになっているということです。私は、過密とか過疎という問題が、なぜ行政上重要であるか、あるいは地方行財政の問題として重要であるかと申しますと、過疎とか過密という現象は、財政の効率を非常に妨げる現象であるということでございます。それはいま豊中の市長さんからもお話もございましたように、過密の地域においては、いろいろな施策が非常に効率悪く行なわれているということでございます。したがって、そうした財政の効率の悪さを改善するという問題と、それから人口急増というようなある一時的な財政需要にどう対処するかという問題とは、私は分けて考えるほうが適当であろうかと思います。そういう都市化、いわば過密という問題と、それから人口急増という問題とは、性格が違うということの中で、この財源の手当てをしていただきたいと思います。たとえば具体的に申しますならば、都市化、言いかえれば、人口急増地域における一時的な財政需要に対しては、できるだけ地方債をもってその財源の手当てをしていただくほうが望ましい。なぜならば、そうした一時的な財政需要は、将来はその地方団体の税源となってはね返ってくるものだからであります。それに対しまして、過疎とか過密とかいう現象に対しましては、それは行政効率の悪さを何とかして手当てをしたいということでございますので、これはできるだけ交付税によって処置されるほうが望ましいと思っております。ところが今度の対策の中では、たとえば過疎対策については、辺地債といったような起債を非常に重点的に向けられております。もちろんその起債の元利償還については、地方交付税の基準財政需要額の中にその六割程度を算入するような措置が講ぜられておりますけれども、基本的な考え方として、こうした過疎地域に対して、地方債の拡充によって財源の手当てをするということには、私はいささか疑問を感ぜざるを得ないわけであります。そういうような意味で、こうした財政の方向あるいは財源の手当てについて、なお改善すべき余地は決して少なくないと思っております。  それから第三番目に、財政の効率化の一環として広域市町村圏に対する財源の手当てがなされております。二百八億円の財源を割り当てているわけであります。しかし、この広域市町村圏というものが、一体なぜ必要かと言いますと、私の理解では、行政の効率化に寄与するからだと私は考えております。したがって、行政の効率化ということを目標にいたします以上は、効率化ということは、総体的に財源が少なくて済む、言いかえれば、経費が安くて済むということでございますから、これに対して財源を割り当てるということは、いかにも論理、筋が通らない。むしろ行政の経費が安くあがるという措置に対して、なぜ財源を手当てしなければならないかという点は、私ども外側から見ております者にとっては、やや筋の通らない財源の手当てではなかろうかという感じがいたします。ただし、この広域市町村圏というものを一つの地域開発の母体として考える、言いかえれば、地域開発政策を強力に進めていくところの一つの拠点と考えますならば、この財源の手当ては決して不当なことではないとは思いますけれども、そこら辺の政策の方向がどうもすっきりしないという点に、若干の問題点があろうかと思います。  それから第四番目に、今度の財政計画の中では、地方道とかあるいは下水道、清掃施設等、住民の生活に直接関連する部分についての財源の充実という方向が打ち出されております。これは先ほど市長会あるいは知事会の代表の方がおっしゃいましたように、私、全く望ましい方向であろうかと思います。しかし、こうした地方道、下水道あるいは清掃施設につきましても、はっきりした国全体としての生活環境施設のレベルというものを設定いたしまして、そこまで行くためには、どうしても国がこれだけの財源の手当てをすべきだというような、はっきりした方向が打ち出される必要があると思います。先ほど岡山県の知事さんのほうから、公害の問題についての御指摘がございましたけれども、この公害の問題につきましても、公害という現象に対して国はどう責任を感ずべきかというところで地方財源の手当てをしていただかないと、地方財政の窮迫さというものは、非常に強く感ぜられるだろうと思います。  以上、幾つかの点に触れて申し上げましたけれども、これからの地方財政の問題として中央と地方がどのように行政事務を分担し合うか。そしてそのための財源の配分はどのようにするかということを、もう一度根本に立ち返って考えてみる必要があると思います。現在の地域社会の変貌というのは、非常に大きな変わり方をしております。したがって、いままでのような行財政制度の継ぎはぎだらけの改善工作では、私は間に合わないと思います。ここら辺で、少し抜本的にそうした問題を改善する方法を御検討いただければ幸いであると思います。  以上で終わります。(拍手)
  8. 菅太郎

    ○菅委員長 次に、徳元参考人にお願いいたします。
  9. 徳元四郎

    ○徳元参考人 全国の町村を代表して、意見を申し述べます。  諸先生方には、日ごろ町村自治の伸展に特段の御高配をいただき、感謝申し上げます。特に本年度の国庫予算編成にあたりましても、交付税をめぐっていろいろとむずかしい問題がありましたが、いろいろ御尽力をいただきましてありがとう存じました。おかげさまで、地方財政もひとまず順調な推移を示しており、住民へのサービス行政も一段と前進し得る見通しにあることはたいへんありがたいことであります。本日は、すでに各団体代表から御意見が述べられておりますが、町村の立場から一言申し添えさせていただきたいと存じます。  その第一は、地方財政に余裕ができたと言われている問題についてであります。  確かに地方財政計画も七兆九千億円と大型化し、交付税、地方税とも順調な伸びを示していることと存じます。一ころの財政窮乏時代から見れば、確かに好転であります。しかしながら、財政の役割りは、当面する行政需要をまかなうということであり、黒字がふえたとか、積み立て金が増加したということではないと存じます。大きく動いている地域社会の行政需要を充足し、社会資本を整備していく重要性は、私が申すまでもありませんが、そのための地方財源はなお不十分であります。ことに町村は、財政規模が小さく、少々一般財源がふえましても、まとまった事業を行なうにははなはだ不足であります。やはり財源のやりくりに苦労しており、多くの町村は財政の好転を実感として受けとめるには至っておりません。この点は十分御理解をいただいておりますが、大切なことと存じますので、重ねてお願いする次第であります。  第二は、交付税の確保であります。税源に乏しい町村としては、交付税に依存する度合いがきわめて高く、その動向は重大な関心の的であります。私どもは、その配分について、傾斜配分という表現で、後進町村への重点的な交付税の算定を要望してまいったのもそのためであります。その配分の前提となる総額の確保について、毎年予算編成時に論議されることはたいへん心配であります。年度間調整ということも聞いておりますが、交付税をもって調整することは、貧弱な交付団体の財源を規制することになり、ますます団体間の格差を増大するものとして、町村関係者は重大な不安にかられております。交付税は、性格上も地方財源であり、後進団体の中心財源である現実よりしても、総額の確保と傾斜配分の推進について引き続いて御配慮をわずらわしたいと存じます。  第三は、交付税の配分ともからみますが、後進町村に対する財政援助強化であります。都市における人口急増対策や公害、住宅問題などはマスコミでも大きく取り上げられますが、青少年の大量流出の中で、しかも転換期の農業を主産業とする町村の悩み、苦しみもまた深刻であります。このような自力で解決する能力を持たぬ後進地域が国土の大半を占め、国が財政的てこ入れをしない限り、やがて自立能力を失うおそれもあります。この意味で、お骨折りをいただきました過疎地域対策緊急措置法の成立に大きな期待を寄せているのでありますが、これに限らず、あらゆる面からの後進地対策を国の施策の中心基調とされたいのであります。  いま一つ、当面の重要問題として町村における道路整備があります。過疎対策、広域圏行政など、すべての施策の中心は道路でありますが、特に、国、県道に比して市町村道の立ちおくれは申すまでもありません。本年度の地方財政計画でも、交付税の積算でも道路整備を重点事項としていただいておりますが、最近の交通量の激増は、このような財政対策を追い越していると思われます。一般財源では巨額の道路需要をまかなうことは困難と存じますので、ぜひ早い機会に市町村に対する目的財源の付与について積極的な御高配をお願いするものであります。  最後に、町村自治は大きな激動期にあると存じます。地域社会の動きも激しく、新しい行政需要が生じ、住民の要望も高度化しております。私ども自治体も、この際ますます行財政全般について節度ある運営につとめ、世論の批判を招かないよう心がけねばならないと存じます。国もまた、その姿勢として都市偏重の印象を与えないよう、あまねく農山漁村の住民に対して、国民生活優先の施策が浸透するよう特別の御配慮をお願いいたしまして、私の意見を終わります。(拍手)
  10. 菅太郎

    ○菅委員長 以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  11. 菅太郎

    ○菅委員長 これより参考人各位に対しまして質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  なお、質疑の際は、参考人の御氏名をまずお示しを願います。山本弥之助君。
  12. 山本弥之助

    ○山本(弥)委員 本日は、地方団体の加藤知事さんをはじめ関係団体の代表の方、また地方財政について非常に識見のあられる恒松先生とか、いろいろ地方財政につきまして、私ども参考になる御意見を伺いまして、まことにありがとうございました。まず厚くお礼を申し上げます。  お話を承りまして、私どもも懸念をいたしております、今日巷間に伝わっております、地方財政が豊かになった、一時赤字の状態で経理をしなければならなかった時代に比べますと、今日そういう意味においては好転したということは、私ども確かに言えると思うのであります。しかし、経済成長の中で地域住民の多様化し複雑化した各種の要望にこたえていくには、まだまだ財政的に困っておるというふうに考えられるわけでありまして、これらの点についていろいろ御意見を承りまして、しあわせに存じております。  そこで、各先生方にお伺いいたしたいと思いますが、まず加藤知事さんにお伺いいたしたいと思います。  先ほど、住民税の法人税割りについて、いわば国税のはね返りの関係について、税率の改正をして、これを市町村税に振り向けたということについて、多少都道府県側の不満の御意見を漏らされたようでございますが、私ども見ておりますと、今日都道府県と市町村の財政あるいは税収の伸びからいいますと、市町村のほうが伸び率が非常に鈍化しておる。これは税の性質にもよりましょうけれども、鈍化しておる。そのことは、安定的な財源を市町村に与えるということにもよると思うのです。しかし、いまの経済成長過程におきましては、何といたしましても市町村財源の充実をはからねばならない。しかも、府県税においても市町村税においても、住民税の軽減ということは、各先生ともお話しになりましたとおり、私どもこれは継続して考えていかなければならない、かように考えるところであります。そういたしますと、今日府県税の住民税について二段階というのをいつまでも継続してまいるということは、すでに適正を欠いているのではないか。国税あるいは市町村税と同じように、段階を多くするということは好ましくないにいたしましても、今日の二段階を五段階ぐらいにして、軽い累進税率を採用することによって税収を確保するという必要があるのではないか、かように考えますが、その点の御意見を承りたい。  同時に、岡山県等においても非常に税収が法人税として伸びておると思いますが、今日、税体系におきまして、個人税は事業税においてもあるいは住民税においても軽減をしていかなければならぬというときに、税収を確保するという意味においては、どうしても法人税に重点を置かざるを得ない。したがって、法人税のほうに重点を置くとなりますと、都市の財源、ことに大都市財源として本年度取り上げましたような税率の変更、府県から市町村に税率を〇・二%ずつ、一方を減らし一方をふやすという程度では不十分である、もう少し法人税は増徴してもいいのじゃないか、私はこういう考えを持っておりますので、これについての御所見を承りたい。この点は恒松先生からお伺いいたしたいと思います。  それからなお、今日の広域行政処理、これは府県制度の問題にもいろいろ問題がありますけれども、当面、広域市町村圏としての行政の効率化という意味においての指導が自治省でなされております。知事として、どういうお考えでこれを指導なさっておられるかという御所見。  あわせて、ちょっとこれは問題があるかと思いますけれども、さらに府県の広域行政としての道州制という論議も出たり消えたりしておるわけでありますが、地方制度調査会においても、今日大都市問題の検討をいたしております。財界筋から道州制という問題をあわせて検討してほしいという要望が出されまして、一応の説明を聞いたという実情でありますが、これらについてあわせて御所見を承りたいと思います。  もう一点は、先ほどもいろいろ超過負担の問題がありましたが、これらは私どももう一度洗い直す必要があろうかと思いますが、これに関連して、私は、公共投資と同時に、社会福祉の充実ということに関連いたしまして、各県におきまして社会福祉事業団というものをつくりまして、重要な社会福祉施設の経営を民間に委託する、あるいは施設の整備を委託するというふうな、いわば行政経費の節減、行政の合理化という意味で、そういう措置がとられておるわけであります。社会福祉施設は、身体障害者にいたしましても、精薄施設にいたしましても、施設といたしましては民間ではなかなかこれを実施しがたいという実情になってきておるのではないか。保育所等まだ相当民間委託がございますけれども、今日、保育所も公立で施設を持つということがふえてまいっております。これらにつきまして、ある程度まで公立というものは充実していかなければならない。これらがいわゆる行政の合理化の中で、そのしわ寄せが民間委託だとかあるいは経費の節減、そういうことで従業員あるいは保母さん方の負担が過重になっておる。そうしていろいろ事故が過去においても民間施設等で起こってきたと私は思う。これらについては、今後の社会福祉の充実の面からいきましても、しかも収容しております児童にいたしましても、非常にきめのこまかい配慮をしなければならぬ施設でありますので、単に行政の合理化という点だけでやるべきではないのではないか、かように考えておるわけであります。これらの点につきましての御意見を伺いたいと存じます。  それから、竹内市長さん、町村会の徳元副会長さんにも、ただいまの税をどういうふうに今後考えていくかということにつきまして、御意見を承りたいと存じます。  なお、豊中市等はちょっと事情が違っておりまして、広域市町村圏という問題につきまして、そういう事態になっていないかとも思うのでありますが、市長会の代表者、さらには町村会の代表者を通じて、お二方に広域市町村圏をどういうふうに考えていかれるのか、考え方は行政の効率化ということになっておりますけれども、いわばそれぞれの自治体が、地域の施設を充実するには不十分だという今日、ただ単に効率化という問題で、どういう問題が現実に――これは昨年から自治省の指導でありますが、どういうふうに取り上げられておるか、あるいは関係市町村はどういうふうにこれを運営していこうかという、それらの実態につきましてのお話を承りたいと存じます。  なおもう一点は、今日公営企業、都市交通、いわゆる交通事業で、中都市、大都市は非常に赤字を出して困っておるわけであります。ほとんどの市におきましては、上水道の問題あるいは病院経営の問題、国保の診療所の問題というふうな公営企業をかかえまして、赤字にどう対処するか。これらは独立採算制をとっておりますので、料金にはね返らせるのかどうかという問題がある。財政計画におきましては、一定の当該公共企業体が持つことが不適当であるというものを、一般会計から繰り入れることを認めておるわけであります。今後人口が急増する地帯におきましても、上水道の問題にいたしましても、非常に投資が増高しておるわけでありまして、これらにつきましては、私どもは、簡易水道と同様に、上水道には補助金を出すべきである、ある程度まで一般会計からの繰り入れを考慮すべきであるというふうな考え方を持っておるわけでありますが、この点につきましての御意見を承りたいと存じます。  なお、徳元さんには、過疎対策。これは非常にいろいろ問題を含んでおるわけでありますが、私どもの、昨日の本会議で衆議院は通過いたしたわけでありますが、過疎地域対策緊急措置法という法律を出したわけであります。過疎地域を一応限定しなければならぬということで、私どもは人口の減少率、あるいは財政力等に標準を置きまして、過疎地域を規定することにいたしたわけであります。農村によりましては、人口が単に減少するという、そういう現象のみに過疎対策というものを考うべきではない。今後の国の大きな政策、特に農業政策が中心でありますが、それらと関連いたしまして、どう過疎地域の資源を活用するか、あるいは地方団体が、そこに住む住民のためにどう配慮すべきかということを考うべきでありまして、単に人口減少率で考うべき問題ではない。広くその問題を根本的に究明すべきであるというふうに考えておるわけでありますが、これらにつきまして御所見を承りたいと存じます。  それから、先ほどの問題以外に、恒松先生にお聞きいたしたいと思っておりますが、確かに、今日の税制は、いわばその場限りの税制改正を行なってきておるわけでありますが、国と地方、あるいは地方におきましても、府県、市町村との間に根本的な改正を行なうべきであるということを、私ども毎国会におきまして強く要望をいたしてまいっておるわけでありますが、なかなか実現はしない。しかし、もうぼつぼつこれらの点につきましては、将来の長期税制に立っての検討を行なうべき時期にきておる、かように私は考えておるわけであります。確かに、それらの点につきましては、どう考えていくか、どう配分していくかということが、交付税等とも関連し、あるいは補助金行政とも関連いたしまして、今後の大きな問題になると思いますが、この方向等につきましてお教え願えれば、しあわせだと存じております。  なお、「税」という雑誌の四月号に、交付税の機能等につきまして、先生は論文を書いておられる。今日、交付税の性格が、財源付与とかあるいは財政の平均化とかいろいろ分かれてまいっておるわけでありますが、私どもの全体としての印象は、まず国の補助金の裏打ち財源として、交付税というものが一つの大きな機能を果たしておる。補助金をもらえば交付税もしたがって増額になる。したがって、地方公共団体としては補助金を確保するということに全力を尽くしまして、そしてみずからの住民がどういう施設なりあるいは行政を要望しておるかということが、毎年の予算編成期には二の次になるという傾向があるわけであります。これはやはり先生のお書きになっておるように、交付税の機能あるいは基準財政需要額をともかく地方公共団体に適正に算定をし、交付税をどう配分するかというような問題にも関連すると思うのであります。交付税というものが、できるだけ貧弱な団体の有力な財源となるように、一例を申し上げれば、皆さん方は市町村道の整備の必要を説かれております。私もそのとおりだと思います。しかし、市町村道の整備をあと回しにいたしましても、地域医療が整備していないということであれば、しかも、老人が万一病気になった場合には、医療の問題で非常に困窮するという地域社会におきましては、老人の十割給付に、国の制度になくても、踏み切らざるを得ないというふうな実態があろうかと思います。そういうのを達成するためには、そういった基準財政需要にそういうものを見込みながら、地域の住民にこたえるような財源付与ということが行なわるべきではないか。いわば補助金化するような交付税であってはならないという先生のお考えには全く同感でございます。  いわば今後の交付税というものをどういうふうに考えていくか。御承知のとおり、今日の交付税というものは非常に精緻をきわめまして、すべてをこまかく計算しながら適正に配分しようということに努力をしておられるわけであります。努力をしておることにつきましては、私どもは敬意を表しておるわけであります。しかし、あまりにこまかくやることに努力することによりまして、肝心の適正な基準財政需要額という算定が行なわれておるかどうか。一例を申し上げれば、土地の先行取得のような財源の付与も、これは確かにいまの府県あるいは大都市においては必要なことではあるわけです。しかし、特定の団体を指定してそういう財源付与を基準財政需要額に見積もるということ自体が、多少交付税の性格を逸脱しておるのではないかというふうな議論もしたことがあるわけであります。これらにつきまして、先生のいわゆる補助金化ではないのだ、もう少し純化をしなければいかぬのだというふうなお考えにつきまして、短時間ではございましょうが、御意見をお聞かせ願いたい、かように考えております。  以上であります。
  13. 菅太郎

    ○菅委員長 質疑を受けられました方は四人の参考人各位でございます。それでは逐次お答えをいただきます。加藤参考人。
  14. 加藤武徳

    ○加藤参考人 私は、住民税の法人税割りの標準税率に触れたのでありますが、ただ、市町村、都道府県間の内ゲバがあるわけではみじんもないわけでありまして、このような標準税率の改正は方向としてはやむを得ないものだ、かような前提で申し上げたのでございますが、ただ、一般財源の都道府県そして市町村間の増加状況を見てみますと、昭和四十年を一〇〇といたしました場合に、都道府県の地方税は昭和四十三年度において一七九、かようなことでございますが、市町村の場合は地方税の伸びは一五二、かような数字にとどまっておるのでございます。反対に譲与税におきましては、都道府県の場合が一五八でございまして、市町村の場合は一六四、かような高い伸びであるのでございます。この間の調整を行ないますための交付税措置がなされておるのでありまして、交付税の伸びは、都道府県の場合は一四二、市町村の場合は一六八、かような非常な伸びでございますのと、昭和四十四年度で見ますと、さらにこの伸びは市町村の場合が非常に高いのでありまして、地方交付税の市町村の四十四年度におきます交付基準額は二四七、それに対して都道府県の場合は一七〇、かような数字にとどまっておるのでございます。私は、方向といたしましては、かような処置がやむを得ないと思うのでありますが、ただ、そのことが、地方財政が豊かになりつつある中で、都道府県の場合がさらに豊かになっておる、かような考え方がもしあるといたしますと、それは困ることでございます、かような意味で申し述べたわけでございますから、御了解をいただきたいと思うのでございます。  それから住民税の段階制についての御意見でございますが、現在の段階制をさらに幾段階かに分けるべきではないかという御指摘でございますが、私どもも、検討の要のある問題ではないだろうか、かように承知をいたしておるのでございます。  それから、法人税を増徴すべきではないかという御指摘でございます。私は、今後の大きな方向といたしましては、地域住民の無限の需要にこたえてまいりますためには、どうしても分厚いサービス、要するに高サービスが必要であろうかと思うのでありまして、そのためには当然負担が高からざるを得ないのでありまして、高サービス、高負担という方向へ行かざるを得ないかと思うのでありますが、ただ、その際、直接負担よりも間接負担に重きが置かれるべきでありましょうし、また個人の負担が軽減される方向に進みながら、反対に、法人税等につきましては、高かるべき方向が今後の姿ではないだろうか、かように思うのでございますから、さような考え方を前提にいたしますならば、法人税等につきましては、増徴が当然検討さるべきことだ、かように考えておるのでございます。  それから広域行政についての御意見でございましたが、政府が広域市町村圏を設定しますことを勧奨いたしまして、各都道府県におきまして、人口十万ないし三十万程度の広域圏を設定いたしまして、圏域づくりに懸命な指導を行なっておるのでございます。私は、この指導方向といたしましては、正しいと考えており、多くの都道府県におきましてそういう方向で指導をいたしておるのでございます。市町村の行政区域につきましては、かつては市町村数一万をこえておりましたものが、今日約三分の一に減少はいたしておりますものの、昨今の社会経済情勢の変遷あるいは交通網の整備、かような状況から判断をいたしまして、現在の限られた市町村の行政区域内では十分な効率的な行政は行ない得ない、かように考えておるのでございまして、したがって、数カ市町村が一体となっての広域圏づくりを行ないますことが、行財政の効率化という観点からも好ましいことである、かように考えておるのでございまして、今後さらに圏域づくりの強化に国においても御努力をいただきたい、かように考えておるのでございます。  それから道州制の問題でございます。現在の都道府県行政区域が誕生して九十数年ないし百年を経過いたしておるのでございまして、市町村の行政区域の場合と同様に、都道府県につきましても当然検討が加えられるべき時期にきておると思うのでございます。こういう考え方のもとに、何回か都道府県合併法案なるものが上程されており、私どもも賛意を表してまいったのでございますが、ただ、この法案は、今後の障害となるべきものを除去しようという消極的な意味にとどまっておったと思うのでございます。しかし、この法案も今国会には上程されない、かようなことに相なったと聞き及んでおるのでございますが、やはり今後、都道府県の行政区域が真剣に検討さるべき時期にまいっておると思うのでございます。ただ、その場合は、単に都道府県の行政区域云々あるいは道州制云々の議論だけでは決して十分ではないのでありまして、たとえば国におきまして、今日各省庁がほとんど出先機関を持っておるのでございますが、さような出先機関を全面的に廃止をいたします国の制度との関連において、当然考えらるべきことだ、かように思うのでございます。財界等におきまする案が出ておりますることも承知をいたしておるのでございますが、ただ単純に九ブロックに分けるというシンプルな考え方には、大部分の都道府県は賛意を表しかねておる、もっと実態に即した検討が必要である、かような考え方であろうかと思うのでございます。  それから、最後に御指摘のございました社会福祉施設の充実の問題でございます。今日、経済情勢が豊かになってまいりますと、恵まれない方々に対しまして最大の心配りをいたしますのが政治であり、行政であろうかと思うのでございます。さような観点からいたしまして、社会福祉施設にさらに力が入らなければならぬのでございますが、今日まで必ずしも十分ではないのでありまして、さらに端的に申しますと、最もおくれておりますのが社会福祉行政ではないであろうか、かようにさえ思えるのでございます。しかしながら、社会福祉施設を建設し、そうしてこの運営をはかってまいりますには膨大な経費を必要といたすのでございまして、にわかに強力に前進しにくいこともまた私どもは承知をいたしておるのでございます。そこで、公的な財源のみをもってしてはまかない得ないものにつきまして、たとえば還元融資の道を求めようではないか。そのために、公共団体みずからが社会福祉施設をつくりましては、さような処置がとりがたいのでありますから、事業団をつくり、その事業団で福祉施設を建設する、かような取り運びもいたしておりますのと、また運営の面につきましては、公共団体が直接運営いたしますよりも、事業団等によりまして運営いたしますほうがさらにメリットが高い、かようなことも考えられますので、各都道府県の多くにおきましては、さような事業団をつくって運営いたしておる、かような状況であるのでございます。それから社会福祉施設のうち、公的なものにつきましては、比較的整備が進んでおるのでありますが、民間施設につきましては、さらにおくれておるのでありますから、今後各面にわたりまして民間の社会福祉施設の充実強化が必要である、このことを痛感いたしておる次第でございます。  以上、山本先生の数点の御指摘にお答えした次第でございます。
  15. 恒松制治

    ○恒松参考人 私に対する御質問に対して意見を述べたいと思います。  最初に、いまの加藤知事さんと同じ問題で、法人割りの市町村への配分ということに関してでございますが、私は今回の法人割り、いわば法人税の増徴部分を全部市町村に配分するという方向は、非常にいいことだと思っております。これは府県というものに対する考え方にもよるかと思いますが、市町村の財政を充実するという意味では、望ましい方向であろうかと思います。それに関連いたしまして、法人税をもう少し取って、そうして財源を豊富にしたらどうかという問題は、これは地方財政の問題とは別個の問題で、法人税をもう少し引き上げるべきか、あるいは現状のままにすべきかということは、国民経済全体の動きの中で検討さるべき問題であると思います。  それから最後に、税の配分とか、あるいは行政事務の配分について、今後の基本的な問題をどういうように考えるかという御質問でございますが、私は、税の配分というものと行政事務の配分というものは、原則が違うと思っております。税の配分は、それぞれの税の性格によって、国税に適する税金と地方税に適する税金が、おのずから徴税技術等の関係もあって違っていると思います。したがって、税の配分は、できるだけそうした税の性格あるいは徴税技術あるいは徴税効果に基づいて国税か地方税にすっきり配分するほうが望ましいと思います。また行政事務の配分は、その財源の配分あるいは税の配分とは別個に、どの政府がどのような行政事務をやったら一番効率的であるかという形で、行政事務の配分をなすべきであろうかと思います。したがって、そうした税の配分と行政事務の配分がちぐはぐになり、言いかえれば、差が出てまいりましたときに、その差を交付税によって埋めるという基本的な考え方に統一したほうが望ましいと思います。  このことは、またもう一つの御質問でありますところの交付税の性格にも関係するところでございますが、私は、交付税というのは非常に静態的なものであって、現在行政事務をやってまいります場合に、財政収入が財政需要にとうてい及ばないという面を交付税によって補うのが、交付税の本来の性格ではなかろうかと思います。したがって、先ほど御指摘のございましたように、投資的な経費であるとか、あるいは公共用地の先行取得の資金等を交付税の中に含めるということには、私は基本的に反対でございます。賛成しかねるわけでございます。問題は、交付税というのは、経済発展の結果、地方団体間に経済力の差ができたものを埋めるということであって、経済発展そのものの格差を調整するというのが交付税の趣旨ではないと思っております。したがって、その意味では、交付税と補助金とは全く機能が違うと思っております。  したがって、先ほども御指摘がありましたように、補助金の裏打ちを交付税の財源によって交付税の基準財政需要額に入れるというようなことは、いささか交付税と補助金との混乱が現在の制度の中にあるのではないかというような気がいたします。これは制度が精密になればなるだけ、そうした混乱というものが非常により多く出てくる現象だと思っております。したがって、制度というのは非常に精密であるのはけっこうなんですけれども、その精密であるがゆえに、そうした混乱を起こさないように、むしろ逆にその簡素化の方向に向かうのが、私はいまの地方行政制度をすっきりさせる意味においては望ましい方向であろうかと思っております。  以上でございます。
  16. 竹内義治

    ○竹内参考人 私に御質問の点、率直にお答え申し上げます。  税をどういうぐあいに考えておるか、こういうことでございます。われわれ市町村というのは、行政の末端でございまして、極端に言えば、住民の要求には待ったなしに勝負せにゃいかぬ立場にございます。そうでございますから、いろんな問題がございます。たとえば住宅が建つ。直ちにそこには学校もつくらなきゃならぬ、あるいは道路を整備せなきゃいかぬ、下水は引っぱらにゃいかぬ。にもかかわらず、それに対応する財源というものはなかなかない。私は率直にものを考えますと、不動産取得税というのは、税源が府県税になっておるのはおかしいと思うのです。家が建てば下水が要る、道路が要る、学校が要る。こういう施策は市町村がやらなきゃならぬ。当然応益の原則から考えたら、なぜそれを府県に持っていくんだろうかというのは、私、疑問を持っておる一人でございます。  これは相対的ないろんな問題がございましょう。たとえばガソリン税でもそうでございますが、国道は非常に改良率が高こうございます。どこへ行ってみましても、りっぱになっておる。府県道もそれに準じて約半分くらいできておるが、市町村道に至っては舗装率は六・四%である。相も変わらず砂ぼこりのきたない道である。そこは車が通らないかというと、どんどん通るわけです。やはり市町村の道路の整備こそ住民に直結しておるわけです。幾らりっぱな国道ができても、やかましい、排気ガスがうるさいという市民の声があっても、市町村道を舗装することには、あまりそういう問題はないわけです。これができない。やはりこれは私は税源配分の上に問題があると思う。これなんかについては、多年要望しておる点でございますので、御配慮賜わりたいと思います。  また、法人税割りでもそうでございます。法人が出てまいりますと、やはりそこの労働者の問題、勤労者の問題は、直ちに住宅の問題あるいは保育所の問題その他等にはね返ってくるわけです。しかし、その法人税から受ける利益というものは非常に少ないというような問題もございます。  したがって、私ども末端行政をする立場から言えば、より多くの財源を合理的に配分願いたい。特に先ほど先生おっしゃいましたように、市町村の税源というのは、景気の変動には非常に弱うございます。固定資産税あるいは住民税、安定した税源でございますが、景気の変動に対応できない弱さを持っております。いわゆる月給取りの生活みたいなものでございます。そうでございますから、いろんな問題が生まれてきたことに対応できない弱さを持っておりますので、それを景気の変動に対応できるような税源に補強していただきたいというのが、市町村の偽らざる心境でございます。  それから広域市町村圏の問題。私は大都市の周辺におりますけれども、私は広域市町村圏というのは大賛成でございます。豊中もそういうことをやっております。現に豊中市は、大阪府と兵庫県にまたがって、五つの都市で下水道をやっております。流域下水道というのは、本来府県の仕事でございますが、二府県ございますから、どっちもやりようがないわけです。やむなく私のほうでやっておる。両府県から委託を受けて豊中市がやる。県を越えて百万の都市の下水道を現在建設中でございまして、もう通水もしております。どんどんやったらいいわけです。それのほうが安くつくわけです。建設費が安くつく、それから管理費が安くつく。合理的なことは自主的にどんどん私はやったらいいと思うのです。やるのをはばんでおるのは何かと言いましたら、いまの制度なんです。府県の壁というのは、私は国境より厚いと思う。いつも寄ればそういう問題が生まれる。私は、伊丹市との間に清掃工場の建設をやって、日量五百トンの処理の施設をやっております。大阪府は補助金があるけれど、兵庫県は補助金がない。両方の市会議員が寄ったらいつももめる。だから、なるべくそうさしとうないというのが、いまの制度なんです。許可をもらうのでも、あっち行きこっち行きせにゃならぬ。こんなものはどっかで一つの府県でやらせるような制度にしてもらえば、どんどん実態に合うてやっていけると、こう思うわけです。現に私どもはそういう幾つかの試みをやっております。たとえば養老院をつくるのに各市が五十人、百人というような施設をつくらないで、二百人くらいつくったらいい、これをやっております。非常に老人から喜ばれます。そういうものをどんどん自主的にやっておりますけれども、私は、広域市町村圏というものは、あくまでも行政の効率的かつ自主的に考えていく。ただ、ここで考えるべき点は、広域市町村圏というものは、ややもすると昔の歴史的とかそういうものにこだわりますが、私は豊中市がやっておる例を引くのではございませんが、河川流域を非常に重要視すべきだと思います。物理的な区域というものは非常に重要だと思います。水資源の問題あるいは農業用水の問題あるいは下水の排水問題、したがって、広域市町村圏の設定にあたっては、河川流域というものを無視することはできないであろう。その河川流域がたまたま二府県にまたがった場合は、広域市町村圏は二府県にまたがってつくってもよろしいという積極的な面を私は考えていただきたい、こう思うわけです。むしろ広域市町村圏の問題をどう受けとめるかというよりは、どういうぐあいに指導するか、やるほうの側がこれをすればどうなるかという計算づくでやれば、非常に効率的でかつ財政投資が少なくて済むのではなかろうか。  私のほうではまだまだ幾つかの問題を考えております。たとえば墓地なんかは数カ市町村が合同してやったほうが得だ、こういう考えをしております。その場合に、やはり各都市の財政状態が違いますので、過渡期におきましては、交付税あるいは起債等で補完をしていただきたいということをお願い申し上げたいのでございます。  それからもう一つ、一般的な問題といたしましては、市町村の連帯性を持たすためには、市町村道の充実をどうしても急速にやってやらなければならぬ。そういう面につきまして、広域市町村圏の道路の改良等につきましては、格別の御配慮をいただきたい。  それから広域市町村圏は、大都市へ集中する人口をむしろ還流さすべきような積極的な面で、たとえば公共投資を充実さす。したがって、当該市町村におきまする経済振興に寄与できるような基盤づくりのための投資を思い切って国でもめんどうを見ていただく。そうでないと、都市への集中人口がますます大きくなってしまう、こういう大都市の弊害が生まれてくる、こう考えるものでございます。集積の利益を求めて大都市へ集中してまいりますが、集積の利益どころか、集積の弊害すら現在できてきておりますので、むしろ適当な人口配分から考えると、広域市町村圏構想は、いま申し上げました点あるいは農業改善の事業等も含めまして、思い切ってやっていただきたいという感じをいたしておるものでございます。それからもう一つは、公営企業の問題でございますが、これは私ども全く頭を痛めておる問題です。上水道の問題は、今日では上水道の経営が成り立つか成り立たないかという問題以前の問題であります。どんどんふくれ上がってくる人口に水を供給するという、その使命に先に重点が行くわけでございますから、そろばん勘定を考えておったら、それはできぬわけです。大都市の周辺では人口が二倍、三倍になっていくわけですから、それをどんどん拡張していかなければならぬ。みな借金でいく。ところが、住民の側からすれば、何も好きこのんで人口を誘致しているわけでもないのに、人口がふえて、設備投資がふえた分だけみな住民負担だということは、割り切れぬものを持つわけです。そうでございますから、私どものほうでも、大阪周辺では、民間デベロッパーが開発したら水道管はおまえのところで持てと、向こうに建設費を全額負担させておるわけです。私は、これからの公営企業の面につきましては、料金の点についても公共料金の問題があり、むずかしい問題がございますから、開発者にある程度負担をさす負担制度を導入するほうが、むしろ合理的ではなかろうかという感じさえ持っておるわけです。そうでないと、前からおった住民は、ほかの人が来たから、結局水を分けて、その投資をした分をまた持たなければならぬ。その例が大阪の豊中市あるいは吹田市の場合は、昔、家庭用の水道料金は十トン二百十円です。それがニュータウンのところはファーストコストが高うございますから、十トン当たり三百六十円、地域別料金をとっておるわけです。ところが、住民からすれば、同じ税金を払っておるのに、何でニュータウンだけ高いんだ、こういう問題。私は、大阪府が建設しましたニュータウンについて水道を引き継ぐんなら、豊中料金並みになるように公共投資を入れなさい、こういう言い方をしておるわけです。公共投資を入れると、今度は家賃や地代が上がるから反対だ、こう大阪府から出てまいります。そこらのかね合いが非常にむずかしいと思うのでございますが、水道料金の算定については、いま申しましたような問題が一つ私はあると思うのです。大規模な開発をするものについては、それらの費用負担は当然開発者負担の原則を考えるほうが私は合理的じゃなかろうかという感じをしております。同時に、私どもは、新しい地域開発に伴って水道拡張をどんどんやっていかなければならぬ。ところが、それが全部政府資金でございませんので、ある程度高い金利のものもやむを得ない。そういう場合には、利子につきましては、一般会計がある程度地域開発に見合う――一万人ふえたから一万人の貯水場をつくったのでは、これは投資効果がまずうございますから、五万人分つくる。四万人はしばらく遊ぶわけです。そういう遊ぶものを料金にかけるということは不可能でございますから、公債元利金について、地域開発に見合うようなものについてはある程度一般会計が利子負担せざるを得ないだろう、豊中市の場合はそういう考え方をとりました。やむを得ない。そうでなかったら、べらぼうな将来の先行投資分まで水道料金にはね返ってしまいます。そういう問題も一つございます。  それから第二番目に、病院の問題でございますが、私は基本的に、病院がなぜ公営企業かという疑問を持っております。それは皆さん御承知のように、医療費というものは国がきめておるわけです。赤字になったから料金上げるわけにいかぬのです。それでそろばん合わせ言うたら、医者を減らすか看護婦減らすか薬を減らすかせなしようがない。それではしんぼうできないわけです。これは医療法に基づいて医者は何人、看護婦は何人ときまっておるわけですから、赤字が出るのはさまっておる、いまの状態であれば。これは私は残念なことでございますが、いまの状態はそういうことです。しかも、豊中市のような大都市近効におきます病院というものは、診療圏が非常に広うございますから、お客さんを断わるわけにいきませんので、豊中市の場合でも、病院を持ってない都市の患者をみな引き受けておる。四分の一が箕面の市民の患者です。そこは何も負担してない。豊中のまるがかえでそれを見ておるわけです。じゃ、そういう市民は断われ。医療は仁術ですから、断わることはできません。そういう負担があるわけでございますから、これはひとつ病院は――私はこういう考え方をしました。病院の建設費というものは税金でやるべきだ、元利償還金は全部一般会計の負担にする、医療器具の設備投資も一般会計の負担にする、救急関係は一般会計の負担にする、これは自治省もおっしゃっております。それから看護婦の養成費用は全部一般会計の負担にする。患者の払っていただいた医療費で薬買うて、お医者さんの給料を払えたらそれでいいという考えをした。それでも赤字です。いまの場合は、病院がいかに経営を合理化するかということより、いかに今日の医療を確保していくかということに重点を置かざるを得ない状態だ。ここまでまいりましたら、病院の経営を黒字にしなければけしからぬと言われるかもわかりませんが、黒字にできるはずがございません。これは思いきり医療費を上げてもらわなければいかぬ。医療費を上げますと、今度国民健康保険の保険料金はびっくりするほど上がってしまうわけです。これはたいへんでございます。  国民健康保険につきましては、これは別の問題かもわかりませんが、私は大きな疑問を持っております。現在の国民健康保険法は、ていよく言えば、市町村は保険料の集金屋です。一番いやなことだけ市町村に押しつけておるわけです。金を払うほうは、医療費は何ぼ何ぼ払えということを法律できめておるわけです。市町村は、財政が乏しいからといって、上げ下げできない。底をきめておるわけです。料金は、市町村が条例で、国保税でもよろしい、保険料でもよろしい。ですから、市町村ごとにこんなまちまちです。それですから、たいへんな問題が起こるわけです。そうでございますから、市町村が国民健康保険の事務を国の事務として扱うことには異存はございませんが、保険者たる責任は、当然国が持ってもらいたい。事務は市民のためにやりますけれども、保険者たる責任、赤字が出たら市町村の責任だと言われるのは、はなはだ私は心外にたえません。私たちも苦労して毎年保険料の値上げを市会にお願いしておりますが、これではもう住民税より高うなってしまっておる。一方医療費は国のほうで何%アップ何%アップときめつけてまいります。上がるのは、いつも保険料がきまってから上がりますから、いつも赤字になってくる。非常に残念なことでございます。国保の問題というのは、抜本的に国の制度として対処していただきませんと、市町村の財政運営の小手先でこんなものは解決できぬ。非常に無責任かもわかりませんが、こういう考えを持っております。  それからもう一つは、こういう公営企業の問題に関しまして、特に上水道の問題につきましては、私は、いまの段階であれば、上水道というものが個々の市町村の行政ではたしていいだろうかという疑問を持ちます。今日のように、非常に水資源の困難な場合に、少なくとも水資源を広域的に考えなければ、個々の市町村では、投資効果は非常にロスが大きくなってまいっております。ここらあたりで、上水道についてはいわゆる水源確保の問題と供給という問題とをもう一度考え直して、さらに広域的に安定した水源を確保しなければ、水資源の確保という面から非常に困ってきておるのが現状であろうと思います。  以上、意見を申し上げました。
  17. 徳元四郎

    ○徳元参考人 お答えいたします。  税の配分につきましては、先ほど豊中市長さんのお話がございましたように、地方住民に一番直結した基礎的町村団体でありますから、できる限り最重点に配分をお願いいたしたい。ただし、国と地方との税の配分等につきましては、それを先行すべきではないかと思います。  二番の広域市町村圏の問題は、行政の効率と地域開発の拠点としてぜひこれは推進していく問題だ、かように考えておりまして、豊中市長の御答弁と同じだと私は思います。  それから過疎の問題につきましては、先ほど先生から人口の問題もいろいろ出ましたが、基準としては、やはり財政支出なりあるいは人口の減少率をとるのもやむを得ないのじゃないかと思いますが、こういう地域は、自分の身の前も振れないような状態でございますので、昨日は衆議院のほうにおかれましては、私どもの願望でありました緊急措置法を通過さしていただきまして、非常に喜んでおるわけでありますが、できるだけ国の中心の政策として今後とも考えていただかなければ、そういった末端の貧弱な町村では、いまなすすべも知らないという状態でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  18. 菅太郎

    ○菅委員長 議事の関係上、おおむね十二時ごろに参考人の御意見聴取を終わりたいと思いますので、以後の御質疑の方、お答えいただきます参考人各位の方、なるべくこれから簡潔にお願いいたしたいと思います。和田一郎君。
  19. 和田一郎

    ○和田(一)委員 若干ではございますけれども、四人の先生方から御意見を聞かしていただきたいと思います。山本先生の質問と重複する点があるいはあるかもしれませんけれども、ひとつよろしくお願いいたします。  まず過疎に対しての問題でございますが、きのうは過疎法案が衆議院を通過いたしました。道路をよくしたり、または学校の統廃合をしたりというような問題、それだけで私は過疎の問題は解決しないと思う。これはひとつ加藤先生に、岡山県も非常に過疎が激しいところだと聞いております。それから徳元先生にも、実際にどうすればいいかという御意見を伺いたいのであります。  人口がどんどん大都市に流れてまいります。若い人たちが行きますので、人口はふえない。たとえそこへ道路をつくったり学校を統廃合して生活環境をよくしても、ふえなかったらどうしようもないじゃないかと私は思うのです。皆さん方の御意見として、どのような手を打てば過疎が直るか、または過疎をどうすればいいかという問題。このまま押えておくのか、または、あるいは捨てるところもあるかもしれません。具体的な問題からひとつ御意見を伺いたいと思います。それが過疎の問題でございます。  その次に、竹内先生と徳元先生にお尋ねいたしますけれども、交付税の、または税収等の伸びを見ますと、都道府県のほうが伸びておるわけなんです。この市町村と都道府県の関係でございますけれども、地財法等にも、建設事業に対しては都道府県から市町村に対して負担金を取ってもいいということになっております。現実にいろんな負担金が取られておりますけれども、市町村から都道府県に払う負担金ですね、その都道府県と市町村の間のいろんな財政の問題について、御意見を伺いたいと思います。  次に、恒松先生にお伺いいたしますけれども、公営競技の問題でございます。これは当委員会でも相当論議されました。公営ギャンブルの収益をいろいろな施策に使う。いままでは復興途上にありましたからやむを得ないという議論がございましたけれども、先ほど先生からの御意見でも、地方財政は好転しつつあるというようなことがございました。いろいろな皆さん方の御意見があるわけでありますが、先生、どうお考えになっていらっしゃるか。そういうギャンブル性の収益から、たとえば教育施設ですね、現実に学校に使ったかどうかわかりませんけれども、そういう数字が出てまいっております。そういうことでいいかどうかという問題、また今後どうあるべきかという御意見をお伺いしたいと思います。  それからもう一つ、恒松先生にぜひお伺いしたいことは、一番問題になっております地方交付税の問題でございます。地方交付税の年度間調整ということが叫ばれておりまして、いろいろな方面で論議を呼んでおります。地方自治体自身の年度間調整、これはもうきまっておりますけれども、国と地方との年度間調整、この措置の導入を検討してはどうかという問題。これはいろいろなやり方があると思いますけれども、先生の御意見としてどうかという、まことに簡単な質問でございますが、時間の関係上それだけにしておきますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。
  20. 加藤武徳

    ○加藤参考人 農村地帯から大量に人口が大都市に流出しておりまして、人口が減少しつつあるのであります。いわゆる過疎現象なるものは、人口が減少いたしますことが大きな原因ではございますが、減少それ自体を案ずるのではなく、減少の結果、行政が不可能になっていき、教育が停頓してしまい、そして地域社会が破壊されていく、このことが心配であり、これを防ごうというのが過疎対策の基本であると考えております。そういう観点からいたしますと、また逆に戻って、人口の流出を防止いたしますことが過疎対策の中心になってこざるを得ないかと思うのであります。そのためには、その地域の住民が他の地域に流出をしなくても、地域住民の需要に応じ得ます体制をつくってまいりますことに尽きるかと思うのでございます。  具体的にはいろいろなすべきことがあろうかと思いますが、たとえば公的な施設等を整備いたしまして、その地域で地域住民がある程度の水準の保たれた生活がなし得る状況をつくり上げていかなければならぬのでありますし、また万やむを得ず他の地域に出ざるを得ません場合には、交通網等の整備によりまして、きわめて短期間に他の地域と結び得ます体制をつくることによって、その地域に定着することが可能であろうかと思うのであります。さようなことを総合的に取り運んでまいりませんことには、過疎現象なるものはとどまるところを知らず、防止し得ないと思うのでありまして、具体的には、昨日でございましたか、衆議院を通過いたしまして参議院に送付されました特別措置法の内容に盛られておりますようなことを強力に今後推進いたしますことが、過疎対策になるであろうか、かように考えている次第でございます。
  21. 徳元四郎

    ○徳元参考人 過疎の問題につきましては、いま加藤知事さんからもお述べになりましたが、私は、やはりその地において、他の町村あるいは都市と比較して、生活が豊かになるということのないことが、流出を早める結果になっておると思いますから、その意味からいたしまして、できるだけそういう地域に見合ったような産業の振興を持っていくということ、そして魅力のある過疎対策事業を行なうことによって、ある程度食いとめていけるのではないかと思っております。そのためには、特にそういう地方は、御承知のように、第一次産業の地帯が多うございますので、できれば、そういう地帯につきましては、大規模なプロジェクトに基づくような実施計画を立てて、できるだけ住民が、若い人たちが所得がふえて好んでとどまるような施策を持っていくべきではないかと思っております。
  22. 竹内義治

    ○竹内参考人 市町村から府県への負担金の問題でございますが、この点に関しましては、自治省からも通達が出ております。府県の公共事業に対する市町村の負担金は早急にやめるように、こういう通達が出ておりまして、私は守られておるものと考えますけれども、各市町村の実態を見ますと、よく行なわれますのは、高等学校をつくるから土地を出せとか、何をつくるから出せということは、府県と市町村間によく行なわれる行為でございます。また、国との間にも行なわれる。たとえば登記所をつくるから土地を出せ、あるいは警察の場合にも、派出所をつくるから土地を出せ、こういう供与を言われる場合がございます。これはやはり財政秩序の確立の上から望ましい姿ではなく、漸次改善の御配慮を賜わっておりますけれども、これは受けとめる側の市町村のほうにも私は一つの責任もあると思うのです。誘致合戦をやって提供を申し出るというような場合もございます。これは府県と市町村の財政秩序を今後一そう守っていかなければいかぬ、かように考えます。私の大阪府におきましては、昭和四十五年から、こういうものは法律できめられたもの以外は全部廃止されます。漸次そういう方向に各府県でも措置を願えるもの、私はかように考えておるものでございます。
  23. 恒松制治

    ○恒松参考人 第一番目の問題は、公営競技、言いかえれば、ギャンブルの収入の利用ということですが、この問題は実は一つモラルの問題もございまして、ギャンブルというか、賭博が一体いいかどうかという問題が基本的にあるものですから、たいへんむずかしい問題だと思います。ただ、もしそうしたモラルの問題とは別に、ある程度のギャンブルはいたし方がないという前提に立ちますならば、公営競技、言いかえれば、ギャンブルの収入を公共施設に利用するということは、いわば遊休資金を有効に利用するという立場で私はけっこうなことだと思っております。よく言われますように、競輪、競馬、競艇、こういったことにかけ金を出す、そういうことに遊ぶ人たちのお金が遊休資金であるか、言いかえれば、遊んでいる資金であるか、あるいは生活に食い込む資金であるかということは、これはもうそれぞれまちまちだと思いますので、一がいには言えませんけれども、私ども経済学者が公平に見る限りは、やはり余っているから金を使うのだ、遊ぶのだというふうに理解せざるを得ないと思います。そういう意味では、遊休資金を有効に利用するということで、公営ギャンブル収入の一部を公共施設に振り向けるということは、私はむしろ望ましい方策だろうと思います。  それから第二番目に、交付税の年度間調整の問題でございますが、これはたいへんむずかしい問題でございます。現在国税三税の三二%というふうに固定されておりますけれども、現在、経済が発展をいたしまして、国税三税の伸びが多いから比較的問題は起きないのでございますけれども、もし景気が悪くなって、国税三税の伸びがじゃなくて、国税三税の収入そのものが逆に減ってくるような事態になりますと、三二%の交付税が減るということは、地方財政にとってはたいへん大きな影響を持ってまいります。したがって、現在の経済の発展という状態だけを考えて固定するということは、私はいささか問題があろうかと思います。したがって、年度間調整の方法として、一つは、先ほども御意見出ましたけれども、これを特別会計に入れて、そしてその特別会計の中で年度間の操作を行なうということが一つの方法、それからもう一つの方法は、景気のよしあし、言いかえれば、国民所得の伸び率に応じて交付税率を自動的に変えていくという方法もあろうかと私は思います。たとえば交付税率を、一応三〇%という一つの水準に基準を置いておきまして、景気が二〇%をこす、国民所得の伸び率が二〇%をこすというような場合には、交付税率を二八%に引き下げる、逆に国民所得の伸び率が一〇%以下になりますような場合には、それを三二%に引き上げる。こういった自動的な調整の方法もあろうかと思います。私自身は、この第二番目の国民所得の伸び率の大きさに応じて交付税率を弾力的に運営するほうが望ましいのではないかというような気がいたしております。
  24. 和田一郎

    ○和田(一)委員 ありがとうございました。
  25. 菅太郎

    ○菅委員長 追加の質疑として、中山正瞳君より竹内参考人に対して質疑の申し出がございましたので、これを許します。なるべく簡潔にお願いをいたします。中山正瞳君。
  26. 中山正暉

    ○中山(正)委員 それではひとつ、せっかくの機会でございますので、お伺いを申し上げたいと思います。  それは、先ほど豊中の竹内市長さんのおことばの中に、広域市町村圏まことにけっこうであるというお話がございました。行政の能力の同等またはそれ以下の広域市町村圏――私は実は、力のないというと語弊がありますが、力のないもの同士が幾ら集まってもしょうがないんじゃないかと思う。なぜ大都市周辺ということで――大阪市あたりの総合計画、二十五カ年計画あたりを見てみましても、大都市周辺の十市を対象にして将来の二十五カ年計画を立てています。たとえば教育の問題一つとりましても、周辺の地域にどんどん夜間人口がふえていく。大都市には、大阪の例でございますが、昼間百万人余りの流入人口がある。ところが、学校の先生の質も非常に違う。大都市のほうは非常にりっぱな先生がいるが、周辺の都市では、非常に語弊がありますが、質として低下する先生方がおられる。市内でもうけた方々が周辺に出て行って家をつくり、教育の問題でたよりないところがあるから、越境入学をする。広域市町村圏がけっこうとおっしゃるならば、なぜ行政の機能としてより大きいところと一緒になって、大都市と一つになって、道路にしても下水にしても水道にしてもそうです。立ち寄るならば大木の陰ということばが昔からございます。一ダースなら安くなるということばもございます。なぜりっぱな職員をかかえておる――たとえば豊中市と大阪市の一区の行政区が大体匹敵するような人口規模でございますが、片っ方のほうでは区役所の人員は三百名程度、それが豊中市では同じ人口規模でもうんとたくさんの職員をかかえていらっしゃる。その辺に非常なむだがあるのではないかということを感じるわけでございます。  ですから、大都市周辺の市長さんとして、大都市と一体化する、広域行政をするということに関してどういうふうな御見解をお持ちでございましょうか。大阪市長は、周辺都市に対して広域行政を実施したいということを、あまり外に向いては言いませんが、内側では常に言っております。時間がございますれば、恒松先生にも、大都市周辺の中都市と大都市との関連で、広域市町村圏けっこうとおっしゃるならば、その理論をもっと大きく伸ばしていただきたい、かように思っておりますので、簡単にひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
  27. 竹内義治

    ○竹内参考人 広域市町村圏構想といいますのは、私は、大都市圏構想とは別な意味で自治省はお考えになっている、かように考えております。むしろ言いかえれば、大都市への都市人口の集中をどう歯どめするかということを全国の総合開発の中からひとつ考えていこうという私は発想であって、この広域市町村圏を大都市周辺の問題に適合しようとすることは、これは私は無理であろう、こういう考え方をしております。地方制度調査会の答申を見ましても、大都市制度については、もっと抜本的な掘り下げの問題がまだこれから残されておる、こう理解をしております。  御質問の要点は、なぜ大都市と一体となった行政をやらないか、こういうことでございますが、私はこれには大きな国政上の問題も含んでおると考えます。一体国は、現在の東京あるいは大阪のような二大都市圏を将来どのような姿にしようかということが国自身でも定まっていないと私は考える。しいて言いかえれば、大都市をさらに拡大して、大都市の区域をもっと拡大して大都市制度というものを打ち立てようというお考えなのか、あるいは大都市という制度はこれ以上過大にしてはならぬので、もう少し規制して考えようというのか、そこらのところが国の方針ですら定まっていない、こういうことです。われわれ衛星都市側からいえば、大都市は大都市のエゴイズムがあるから、周辺都市はついていけないということです。  たとえば例を申しあげましょう。この周辺都市の人口は、ほとんど昼間は大阪市民であります。お説のとおりであります。しかし、現在の通勤輸送の現状をひとつお考えになっていただきたい。大都市は大都市の中の地下鉄は考えても、周辺に対する地下鉄は考えないではございませんか。それは全部私鉄におぶさっておる。言いかえれば、大阪都市圏でもそうでございますが、大阪都市交通公営と五大私鉄とのふしぎな妥協によって大都市と周辺の都市が分離されておるというのが、いまの現状ではございませんか。こういう問題すら打破できないで、周辺の都市を抱きかかえて一体大阪市は何をしようと考えているのかということは、私たちは大きな問題でございます。  いま教育の問題も言われましたが、中山先生、大阪市御出身でございますから、大阪市の現状をよく御承知でございましょうが、一体いま周辺の都市と大阪市内の学校の格差をお考えになってみてください。教員の質とおっしゃいますけれども、施設の状況から考えたら、はるかに衛星都市のほうが充実しているでございましょう。だから、私たちは――越境だ、こう言われますけれども、結局大都市の中心にはいい高等学校がたくさんありますから、どうしても越境の問題というのは起きてくるわけです。もっと周辺部に、市内に存在する名門校のような高等学校がどんどん設置されるならば、そういう問題は一挙に解消するんではなかろうか。大都市と周辺都市の問題を一体となってやるべきなら、むしろ現行地方制度をはるかに越えた新しい大都市制度というものが確立されない限り、私たちは、いまの状態で大阪市と一体になって、はたしてそれで行政が大阪市の中心並みになるだろうかという疑問を持たざるを得ない。これはむしろ、大都市制度というものは、広域市町村圏の問題とは別に、私は、やはり国会の場で御論議を賜わって、行くべき道を御明示いただきたいと思います。
  28. 中山正暉

    ○中山(正)委員 いまいろいろお話がございましたが、大阪市に市民税を払っていられる人たちの負担によって地下鉄を建設しております。それを市域外に延ばすというのも、これまたエゴイズムとおっしゃいますが、まあ反論をするわけではございませんが、私は政治上のエゴイズムがあるのじゃないか。市会議員さん方が一緒になると、市会議員に出られないとか、そういう政治上のエゴイズムが逆にあるのではないか。大阪市人口集中とおっしゃいますが、戦前三百二十余万あったのが、もう三百万を割ろうとしている。名古屋が日本で第二の都市になろうとしておりますが、それは広域行政を終戦後すぐに実施したからです。私は、実は広域市町村圏的傾向という話と大都市と一緒にならないという話は、非常に矛盾点があるのではないかというふうにいまいろいろ考えておりますわけでございますが、そういう意味で、いろいろ反論といいますか、私の意見を申し上げておりましてもいたし方ございませんので、何とかひとつ――市民は、おれは豊中の市民であるとか大阪の市民であるとかいうエゴイズムは持っていません。私は、大阪市とか府とかいうことばをつけない大阪都市圏ということでものごとを考えるという意味から申しましたら、何かさっき府県は国境であるとおっしゃいました。それでは大都市と中都市とが、いまの市長さんのおことばによりますと、何か国境があるような印象を私は逆に持ったのでございますが、これは私の主観でございますが、いま大都市周辺の中都市の市長さんの考え方というのが、私はいみじくも浮き彫りされたような気持ちが、いまお話を聞いておりまして、いたしました。そういうことも考えまして、ひとつ恒松先生に御意見を伺いたいと思います。
  29. 恒松制治

    ○恒松参考人 広域市町村圏というのは、先ほど竹内市長さんがおっしゃいましたように、確かに発想は、農村地域のことであって、大都市についてのことではないというふうに私も理解しております。しかし、広域市町村圏というこの政策は、そういう配慮はございましても、やはり一つの制度となる以上は、大都市圏についても私は当てはまる問題であろうかと思います。おっしゃいましたように、大都市と周辺都市との関係は、確かに経済的にもあるいは人の動きにいたしましても、一体的でございます。したがって、大都市が周辺都市と一緒になることが行政能率を高める面もあることも事実である。しかし、ただ財政――先ほどおっしゃいましたように吏員の数が少なくなるとか、言いかえれば、行政効率が高まるとかいうこと、そういう数字といいますか、お金の面だけでの財政効率なりあるいは能率ということではなくて、やはり自治体にはもっと別の能率の面もあると私は思います。それはたとえば、市民感情といったようなものだろうと思いますけれども、したがって、大阪市と豊中市が一緒になる、一つの都市になるということには、能率の面から申しましても、私はやはり疑問があるわけでございます。したがって、むしろ広域市町村圏は農村だけのことではなくて、大都市と周辺都市の間でも、こういう広域市町村圏的な意味で、行政を相互に補完し合うとか、あるいはいろいろな施設を共同でつくろうとか、あるいは水道なりあるいは地下鉄なり一緒にシスティマチックな、いわば体系的な交通網を相互に協力してつくろう、こういうふうな広域圏の行政協力体制というものは私はあってよかろうというふうに思っております。したがって、この広域市町村圏構想に盛られましたあの思想、言いかえれば、これがたとえば過疎を防止するとか、そんなことは私は期待はいたしませんけれども、できるだけ大都市にも当てはめて、広域的な形で行政を処理することによる効率化ということには十分期待をしてよろしい問題かと思っております。したがって、大阪市と大阪市周辺の間でもこうした広域市町村圏的なものができまして、相互に行政を能率的に運用する道が開ける余地は、私は十分お考えいただいてけっこうだと思います。
  30. 中山正暉

    ○中山(正)委員 ありがとうございました。
  31. 菅太郎

    ○菅委員長 参考人の方々には貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――
  32. 菅太郎

    ○菅委員長 この際、連合審査会の開会申し入れに関する件についておはかりいたします。  日航機乗っ取りに関する問題について、運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 菅太郎

    ○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、開会日時につきましては、運輸委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたします。      ――――◇―――――
  34. 菅太郎

    ○菅委員長 次に、消防に関する件について調査を進めます。  大阪市のガス爆発事故に関する問題について、消防庁から報告を求めます。松島消防庁長官。
  35. 松島五郎

    ○松島政府委員 大阪市大淀区のガス爆発火災の概要について御報告を申し上げます。  事故の発生いたしました場所は、大阪市大淀区長柄国分寺町十五番地先、大阪市地下鉄第二号線延長工事現場でございます。   〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕 この事故に対しまして、大阪市消防隊のとりました消火及び救急活動の概要について申し上げます。  消防本部は、十七時二十七分、一一九番によりまして、いま申し上げました地点においてガス漏れがあるという通報を受け、直ちに北消防署及び浮田出張所に対して出場を指令いたしております。  北本署及び浮田出張所の消防隊、消防車各一台でございますが、十七時三十二分に現場に到着をいたしまして、直ちに付近の住民に対し火気の使用停止と避難の呼びかけを行なっております。  ところが、十七時三十九分に大阪瓦斯の修理車が火災を起こしましたので、消防署員はガス会社の社員とともに、この消火作業に当たったのでございますが、この間に消防本部のほうは、車両火災の発生の通報を受けまして、十七時四十一分第一次出場を指令いたしました。消防車六台でございます。  その後、十七時四十九分に至りまして、消防本部は、ガス爆発による死傷者が多数発生している、並びに道路の北側の民家にも延焼しているという通報を得まして、十七時五十三分に第三出場を指令いたしております。さらに死傷者多数発生ということに備えまして、十八時一分には市内におります救急車全車両二十二台の出動、担架隊五隊の出動の指令をいたしております。さらに火災拡大に対応いたしまして、十八時十八分第四出場を指令いたしまして、特殊車を含めまして六十四台の消防隊を事故発生地点に集中をし、火災鎮圧並びに救急活動に当たったのでございます。  なお、この事故に際しまして出場いたしました消防車両は、いま申し上げましたとおり六十四台でございますが、消防隊員の数は六百名に及んでおります。  ポンプ車隊は主として北側の延焼民家の消火活動に当たりまして、十八時五十五分には一応延焼火災の鎮圧に成功いたしております。完全に鎮火をいたしましたのは二十一時三十八分でございます。この火災によりまして消失いたしました家屋は、二十六棟、消失面積二千百七十平方メートルでございます。  一方、救急隊は、負傷者の病院搬送、いわゆるピストン輸送によって繰り返し行なっております。  またガス管からの火災は、二十一時五十四分に鎮火いたしましたが、地下部分の捜索につきましては、他のガス管からガス漏れがあってはならないということで、しばらく様子を見まして、零時三十分に至りまして、地下への掘さく溝の両端より署長の指揮のもとに署員二十名、作業員十名づつ入りまして捜索を行ないましたが、発見できず、一時零分一たん打ち切り、その後再度にわたり捜索を行ないましたが、行くえ不明者等の発見をするに至らなかった、こういう経過でございます。  なお消防庁といたしましては、事故発生の八日、予防課長、消防研究所の係官を派遣して、現地の調査に当たらしてまいりました。  以上、御報告を申し上げます。      ――――◇―――――
  36. 古屋亨

    ○古屋委員長代理 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。岡沢完治君。
  37. 岡沢完治

    ○岡沢委員 最初に、いまの御報告とも関連してちょっとお聞きしたいと思いますので、消防庁長官、できたらおっていただきたいと思います。  いま御報告のありましたガス爆発事故は、指摘するまでもなしに、大阪市の市営の地下鉄工事に関連して起こったわけでございます。この事故はいわゆる人災だという立場から責任追及が行なわれている向きもございます。私は、必ずしも人災でないとは、もちろん申し上げるわけではございませんけれども、しかし、大きな観点からした場合に、今度のような大事故が大都市においていつでもどこでも起こり得る可能性があるという見方は否定できないのではないか。ある報道は、大都市はガス火山帯の中に存在しているというような見方をいたしておりますし、現実に地下埋蔵物の複雑さと地下鉄工事をはじめとする都市再開発、建築、地下街の設置等を考えました場合に、今度の場合、単に偶然にあるいは特別の過失からこの事件が起こったと見るよりも、いまわが国が当面しておる社会、経済の著しい変化と、それに対応する体制の不備と申しますか、よくいわれます経済発展に伴う社会的なひずみの一つのあらわれが、特に大都市問題がかかえております課題のひずみの象徴が、今度の事件だということが言えるのではないかという感じがするわけでございます。それだけに今度の事故を大きな教訓として、再びこういう事故を繰り返さないという対策を講ずることが、政治的な課題であり、責任ではないかと思うわけであります。  よく、労働問題の立場から、安全なければ労働なしということが言われます。同じような意味で、安全なければ工事なしという原則のもとに、すべての国の事業にいたしましても、また地方公共団体が行ないます事業にいたしましても、民間の事業にいたしましても、行なわれる必要があろうかという感じがいたします。  昨日、私自身現場に行ってまいりました。つぶさに現場を視察いたしました。大阪はあたかも万博の開催時期でもございます。この事業が万博関連の事業でもあるわけでございますが、幸か不幸か、万博に間に合わすために急ぎ過ぎたという結果でもないようでありますけれども、ある一面は、万博が無事に開催されてほっとした、その気のゆるみが今度の事故と結びつくということも言われております。工事の場合に、いつまでに完成するかということが最大の眼目のように言われまして、またそういう立場からマスコミ等も取り上げまして、往々にして安全が犠牲にされるという傾向がいままで見られなかったとは言えないと思うわけであります。せっかく都市を再開発いたしまして、住みよい、暮らしよい街づくりをするための手段とは逆に、こういう工事が貴重な多数の人命を犠牲にし、負傷者を出す、非常に皮肉なものでございますが、いわゆる万博のテーマが進歩と調和というのでありますのと同じように、せっかくの再開発、経済発展が不調和の結果をもたらす現実の日本の都市構造あるいは工事のあり方について、大臣並びに消防庁長官等の御意見を聞きたいと思います。
  38. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 今回の事件、まことに遺憾でございまして、不幸この犠牲になられましたとうとい犠牲者の霊に対しまして、つつしんでお悔やみを申し上げると同時に、また一命は取りとめられましたが、重傷、軽傷を負われた方に対しましても、心からお見舞い申し上げる次第でございます。  さて、いつもこういう事件が起こりますたびに、再びこういう事故を繰り返さないようにと政府当局者が申しておるわけでありますが、今回の事件に関しましては、いろいろ特別の感慨なきを得ないのでございます。  経済、社会の急激な変化、それに対応いたしまして、防災に対する考え方がいかにも薄かったのではないかということを痛感させられるのであります。たとえば、ガス事業と消防との間にどういう法規上の関係があるかということを考えてみましても、従来は何もなかった。くしくも四月八日、両院を通過しましたガス事業法の一部改正法律案によりまして初めて、簡易ガス事業者の工作物標準規定を制定するにあたって、消防庁長官の意見を聞くとか、あるいはそういう施設を許したときにそれを地方通産局長が消防関係に通報をするとか、法を改正いたしましても、その程度でございます。これでいいかということは、やはり考えさせられるわけでありまして、これら人災に属する大都市の再開発に関連をいたしまするいろいろの工事施工に関しまして、防災という関係、消防という関係から、消防庁あるいは消防署との連絡ということにつきまして、何らかの整備を法的に、あるいは実際上においてもしなければならないのではなかろうかということが考えられるのでありまして、これら大都市、あるいは大都市ばかりでない、ガス、水道、電気通信設備等々と関連する工事施工の場合には、これらに関する保安上の配慮を十分するとともに、消防との関係における防災体制におきましても、今後、十分配慮しなければならない問題があろうと思います。場合によっては、法の整備も必要かと存じますが、これらの点につきまして、関係方面と、部内はもちろんのこと、十分検討をして、体制を整備する必要がある、こういうことを痛感いたしております。
  39. 松島五郎

    ○松島政府委員 経済の発展に伴いまして、都市におきましては、いろいろな火災危険その他の危険をはらむ施設あるいは物資というものが多くなってまいっております。そういったことから、消防におきましても、予防行政ということに最近は大きく力を入れてまいっておるわけでございます。  消防の任務は、もちろん、発生しました火災等の災害に対処して、その被害を最小限度に食いとめることではございますけれども、しかし、今日の火災を見てまいりますと、単に火災によって家屋と財産を焼失するというにとどまらず、多くのとうとい人命が失われるという災害を伴いがちでございます。したがいまして、出た火を消すというよりは、出さないようにするということに、もっと徹底をしていかなければならないわけでございます。そういう意味から、いま申し上げましたように、建物、施設等におきます消防設備の強化あるいは消防査察の徹底というような面で、予防行政の推進に力を入れてきているわけでございますが、今日の都会の状況を見てまいりますと、単にガス爆発のみならず、多くの危険があることは御指摘のとおりでございまするので、一そうこの面に力を入れて、災害を未然に防ぐという方向に、消防行政の重点を置いてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  40. 岡沢完治

    ○岡沢委員 いまの大臣と長官の御発言に異議はございませんが、特に長官のおっしゃいました災害の予防ということが、消防の最も必要な、また要求される対策であろうかと思います。今度の被害を見ました場合に、一般市民がこわさを知らなかった、あるいは直接の担当者であるガス会社の職員までがそのガス漏れあるいは爆発についての甘さがあったというようなことが、非常に大きな被害をもたらした一つの原因のようにいわれております。やはりわれわれ自身も、あの事故以後、安全、防災の面でいかに都会がこわい存在であるか。ことに、日本は地震地帯に該当しますし、大都市は大体地震地帯に位置しているわけでございますが、もし地震が起こった場合には、いまの地下の埋設物の実情を見た場合に、特にガス布設の管類は明治生まれのものも少なくないというようなことを考えました場合に、非常な危険をようやく知りまして、うっかり工事中の道路も歩けないんじゃないかというような気分に、おそらく大都市の市民は感覚を持ったと思うのです。いままでこわさを知らなかったことも非常な大きな――ある意味では、その予防についてのPRの不足ということが指摘されるんではないかという感じがいたすわけでございます。  ハイジャック事件は、世の注目を集めて、百人の命を救いましたけれども、一瞬にして七十名をこえる命、実際は重傷者の中には、非常に命のあぶない方もおられるので、まだまだ人命の被害はふえるようでございますけれども、せっかくの人命尊重が、いわゆる世界的な注目を浴びた事件の場合は、非常に大きな扱いをされますけれども、今度の災害等については、きのうきょうは大きく取り扱われても、いずれまた国民の関心からは薄れていくということが、非常におそろしいわけで、公害等も同じ性質を持っておると思いますけれども、私は、現在の高度社会のガンに相当する、いわば一番人命にとって、あるいは人間生活にとっておそろしい病害が、大都市には至るところに存在している。その一つの象徴が今度の事件だというふうに考えました場合に、これを一つの大きな戒めとして、前車の轍を踏まないように、対策について、法律上のあるいは担当者に対する教育上の対策だけではなしに、市民に対するPR等も非常に必要ではないかと思うわけでございまして、そういう点に私は、刑事上の責任追及以上に大切な政治上の課題があると感じまして、万遺漏なきを期していただきたい。  ことに、この事故も、地下鉄工事と結びついて起こったというところに、これは自治大臣に特に聞いていただきたいわけでございますけれども、大都市がかかえております行政需要、財政需要の不備が、あるいは財政上の不備が、この事故と結びつかないという見方はできないと思うのです。よく言われておりますように、共同溝がもう少し整備されておったら事故が防げたのではないか、また、今後こういう事故を防ぐためには、共同溝がぜひ必要だという見解があるようでございますけれども、共同溝の一番の難点は金がかかるということでございまして、そういう点からいたしますと、この交付税とも大きく結びついてくるわけでございます。この辺についての、特に共同溝の今後の設置についての自治大臣の御見解あるいは消防庁長官の意見を聞きたいと思います。
  41. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 共同溝の必要性につきましては、いまさら申し上げる必要もございません。しかし、これには非常に金がかかる。それに対して、地方公共団体に対する交付税上の措置の必要のあることも当然でございまして、今後、これらの点につきましても、十分留意してまいりたいと思っております。  ただ、やや余談にわたるかもしれませんが、きょうも閣議でいろいろ話が出ました。ただ共同溝をつくればいいというものだけでもあるまい、また共同溝内に設置されるガスと電気、通信設備、水道等々との間隔及びそれらの間のいろいろ断絶関係等につきましても、緻密な配慮が必要である。すなわち電気によるスパーク、これがガス漏れに対する影響等を考えまして、一つの共同溝の中に埋設するにいたしましても、これらの間のある程度の隔絶装置等についても十分なる配慮を要すべきものだと考えられるのでありまして、こういう点についても緻密な配慮をいたしつつ、共同溝の新規増設について配慮をすべきものである、こう心得ております。
  42. 松島五郎

    ○松島政府委員 共同溝というものがいろいろな意味で、安全の上からもまたその他の面から考えても、合理的なものであると私どもは考えております。ただいま大臣からお話がありましたような方向で進めてまいりたいと考えております。
  43. 岡沢完治

    ○岡沢委員 本題の交付税の質問に入りたいと思います。  前回の委員会で、大蔵大臣の御列席の場所でも指摘し、また意見を聞いたわけでございますけれども、佐藤総理自身が、一九七〇年代の課題として、六〇年代は外交あるいは経済の年という基底をおそらく前提にされた上で、七〇年代は内政の年だという表現をなさいました。またこの四月三日の参議院の本会議でも、国民生活の場を整備する時期はいまだという御発言もございました。私は、一昨日のこのガス爆発事故とも結びつけて、ほんとうに外交政策、防衛政策以上に大切なもの、これはやはり内政の充実じゃないか。その内政の充実を具体的に示すのは、やはり国民生活に最も密接した安全の問題をはじめとして、住宅あるいは教育、土木工事あるいは公害、交通災害対策、こういうことではないかと思います。口でいかに内政の年と言いましても、それを具体的に裏づける財政措置がなければ、これは絵にかいたもちでございますし、国民の不信を招くだけだし、また政治不信をも招くと思います。実際問題として、その具体的な内政の課題を直接解決しこの施策を担当するのが、先ほど参考人の意見等からでも聴取されますし、大臣も十分御承知のとおり、いわゆる地方自治体でございます。そういうことを考えました場合、大蔵大臣は前回の委員会で、地方財政はよくなった、隔世の感があるとおっしゃいましたけれども、これは比較の問題でもあるし、仕事をしなければ健全財政となるのはあたりまえであります。しかし、なすべき非常に多くの課題を現にかかえておるのが地方自治体であり、地方行政だと思うわけでございますけれども、その点についての大臣の見解を聞きます。
  44. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 多くを申し上げる必要はないと存じます。先生と同じ認識を持つものでございます。
  45. 岡沢完治

    ○岡沢委員 そうすれば、貸借の問題あるいは交付税率の問題等を通じまして大蔵省から自治省がいじめられておるということは考えられないわけですね。私は、総理の年頭の所感なり施政方針演説なりを聞かれた場合、自治大臣としては最大の援軍を得たようなかっこうで、逆に大蔵省から借りてでも、自治体行政あるいは財政の体質をよくするために、先行投資的な財源の余裕があるような方向で折衝に当たるべきが当然だと思うわけでございますけれども、結果は、最もたくさんの内政上の仕事を負担すべき地方財政が、逆に国に貸しをつくるという結果になっているわけでございますが、その辺についての自治大臣の見解を聞きます。
  46. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 御趣旨は賛成でございますし、また私も先生と同じ考えをもちまして、大蔵省との交渉に当たったわけでございますが、今日の時点における大蔵省側と申しますか、国の財政上の関連からああいうことになりましたので、まことに遺憾ではございますが、諸般の事情上、万やむを得ないと考えたものであります。しかし、引かれ者の小うたになるかも存じませんが、漸次事態は改善されておる。そして今後においては、ああいう事態を再び繰り返さないようにいたしたいと考えておるわけでございます。
  47. 岡沢完治

    ○岡沢委員 今度の交付税に対する国、特に大蔵省の態度等を見ました場合に、私は善意に解釈すれば、大蔵省としてはうっかり地方自治体に金をまかした場合に、それをよく使い切るかどうか。たとえばデラックス庁舎とかあるいは自治体議員の歳費のお手盛り値上げ等を見まして、大蔵省の自治体に対する不信が一つの原因になっているのではないか。放蕩むすこに金をまかして、せっかくの血税を乱費されたくないという気持ちが大蔵省にあろうかと思います。先ほど参考人に見えられました加藤知事なり竹内市長なりはすばらしい発言もし、能力もお持ちであることをわれわれもこの席で看取できましたけれども、これはいわば例外でございます。大多数の自治体の理事者なり議会なりあるいは職員に大蔵省がそういう見方をしてもやむを得ないような実態があることも、私は否定できないと思います。しかし、また一方で、実際に国民の暮らしに密接した諸施策を直接担当するのが自治体であることは言うまでもありません。  そこで、一つの大きな課題は、いかにしてまかされた仕事を完全に果たす能力を自治体につけてやるかということではないかと思います。安心して大蔵省が自治体に金をまかすという信頼感を持たせるような自治体をつくり上げるということも、また一つの課題ではないか。自治体からしかられるかもしれませんが、率直に私は感ずるわけであります。そういう点からして、地方自治という大原則がございますけれども、自治省として、いま申しましたような意味で、自治体の人間的な体質を強化する、これに対する行政指導なり職員の養成なりあるいは訓練なりあるいは研修なりについて、やはり自治省がそれだけの役割りを果たされるということが、実際問題として必要ではないか、自治体側から見て批判されることを十分承知しながら、私は実感としてそういう感じを持つわけでございます。そういう点で、重要な行政内容を負担することを課せられた自治体に、どうすればそれにふさわしい行政能力を与え得るかという問題について、大臣並びに財政局長、いかにお考えになるか、お尋ねいたします。
  48. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 確かに、先生の御指摘のような面もあろうと存じます。要は、各地方公共団体の行政能力の水準を向上せしめるとともに、また広く住民の政治並びに行政に対する意識の向上をはかるように、自治省といたしましてもいろいろ配慮、指導をしてまいらなければならないと存じます。このことにつきましては、平素事件のあるたび、あるいはおりに触れ、時につれまして、いろいろ文書あるいはテレビ等のマスコミ等も通じまして、自治省の意思を伝えるとともに、またいろいろ会合の機会等におきましても、この趣旨を申し上げ、あるいは地方公共団体の職員につきましては、ただいま御指摘のありましたことを自治大学等その他の教育機関施設を通じましてあらゆる機会、あらゆるチャネルを通じまして、地方における行政能力、水準の向上に今後つとめてまいりたい、こう考えております。
  49. 長野士郎

    ○長野政府委員 地方財政の運営につきまして、御指摘のありますようなそういう面からいたしまして、種々非難を受けるといいますか、心得が違うような運営が私どももないとは申せません。そういう点ではいろいろと指摘も受け、反省もするわけでございますが、同時に、この点につきましては、財政問題というだけではなくて、やはり地方自治行政全体が一つの目標を持ちまして、そして住民全体がその目標実現に向かって進んでいくというような一つの方向指示と申しますか、そういう構想がどうしても必要だろうと思います。そういう目標に向かって計画を立て、計画的、合理的な自治体の運営を進めていく、こういうことを住民の理解を得ながら進めていくようなかっこうで考えていかなければならない。その上で、経費の効率化なり重点化という問題にはきびしい態度で臨んでいくということが必要ではなかろうかと思いまして、そういう意味での計画的な運営ということにつきまして、今後とも私どもも十分地方団体に対しましても指導を加えてまいりたい、こう思っております。
  50. 岡沢完治

    ○岡沢委員 いまの財政局長の答弁は、私の質問とはピントがはずれていると思うのです。私は、むしろ具体的には自治体職員の人の問題、まかされた大きな行政内容なり、あるいは財源なりをいかに有効に使い切るかという人をどうしてつくるかという問題についての自治省の見解を聞いたのです。しかし、時間の関係で先に進みます。  いま財政局長が御答弁で触れられた問題とも関連するわけでありますけれども、自治体がかかえております土木、教育、民生、衛生、あるいは水の問題、具体的な道路の問題、公害の問題、住宅の問題、ことに問題のあります安全対策の問題、なべて大蔵大臣も御指摘になりましたような社会資本の蓄積ということが非常におくれている日本の現状を考えました場合に、地方行政は長期的な見通しのもとに計画的な整備が必要だ、こう思うわけであります。しかし、これは計画だけでは話にならないので、その財源が年度間を通じて安定的に確保されるということが必要だろうと思うわけです。そういう意味で、地方財政計画について、いま局長がお答えになろうとした長期ビジョンに立った計画の策定が必要だろうと思います。こういう点について大臣の見解をお聞きいたします。
  51. 秋田大助

    ○秋田国務大臣 りっぱな地方行政を遂行し、かつ、適切な施策を講じていくのに、やはりこれに応じました地方財政力の裏づけの必要であることは申すまでもないのでありまして、この点についてどうするかという点につきましては、やはり国及び地方を通ずる行政事務の配分の合理化、また各都道府県・市町村間、地方公共団体間におけるところの事務配分等の合理化を十分考慮しつつ、これに見合ったいろいろの財政力の付加、すなわち地方の自主財源である税制の整備、あるいは交付税の配分、あるいはこれら税の潤沢性という点を十分考慮しなければなりません。これらについてはいろいろ多くの問題をかかえておりますが、ただいま問題になっております交付税におきまして、これが地方の固有、自主財源であることを十分認識をいたしまして、これにふさわしい制度の整備あるいは慣行の確立をこの際打ち立てることの必要であることは申すまでもありません。同時に、地方税財源の確保につきましては、過疎、過密の両政策を行なうに適当な税配分あるいは税源の潤沢性について考慮し、ことに都市問題の解決のためには今後、いろいろ問題を持っております道路の問題、過密都市におけるところの小中学校、義務教育機関に関するいろいろ経費の配分、財源の裏づけ、あるいは問題になっております水道等の問題につきましても、十分財政上の措置を講ずるようなことが問題点でございまして、将来これらの点をひとつ重点的に考慮いたしつつ、わが国の地方行財政の健全化に対しまして適切な手を順次打ってまいりたいと考えております。
  52. 岡沢完治

    ○岡沢委員 自治大臣、お忙しいから頭がぼうっとされるのはわかりますけれども、私の質問は、長期的なビジョンに立った計画が必要ではないかという質問をしたので、まあお答えが間違っておるとは思いませんけれども、的は射ておられないので、財政局長といい、自治大臣といい、質問をよく聞いていただかないと、私の質問のしかたが悪いのかもしれませんが、あとで速記録を見て反省していただきたいと思います。  四十五年度の予算編成に関連して、新聞報道等によって承知したわけでございますけれども、国庫補助、国の負担金等の整理、合理化が大蔵当局から提議されたということが報じられておりました。そのいきさつ、その結果について財政局長に聞きます。
  53. 長野士郎

    ○長野政府委員 先ほどの先生のお答えに十分答えられなかったように思われますが、実は私はこう考えております。職員の能力という面は、確かに研修その他必要でございますけれども、しかし、それは私は相当な水準まで達してきたと確信を持っております。ただ、それがなぜそういう不心得な運営が起きるかということになりますと、やはり住民の意向というようなものに非常に左右されまして、それがとんでもないデラックス庁舎となりましたり、いろいろな問題として出てくる。決して事務当局なり理事者全体は必ずしもそれを全部満足したいい運営だとは思っていないと私は思っておりますが、しかし、それがどうしてもそういうことになる。その点ではやはり理事者とか議会とかいうだけではなくて、住民全体が一丸となって高い理想を追っていくという、そういうものを目標として掲げるということがどうしても一番必要ではないか、こう思っておりますので、先ほどのようなお答えを申し上げたわけでございます。  それから国庫補助金等の特例等につきましては、四十五年度の予算編成に際しまして、補助金等の合理化をいたしまして、そういう見地から地方財政に対しまして六百五十億円にのぼる協力を求めてまいりました。それは、一つには、市町村民税臨時減税補てん債の元利補給金の地方交付税への振りかえ、これが百十七億円、第二番目は、特別事業債償還交付金の地方交付税への振りかえ百一億円、第三番目は、沖繩財政援助金の一部の地方交付税に充当約二十億円、四番目が、交付後の給付費補助金への都道府県負担の導入、これはいわゆる四五%の国庫負担の中の五%分を県に振りかえて持ってほしい、この関係が三百六十五億円、それから義務教育の教科書の無償配付、半額府県負担、これが五十億円でございまして、合計いたしまして大体六百五十億円。そのほかに公共事業費の国庫負担率あるいは補助率の引き下げというようなことも加えまして、特に地方財政に対しての協力の申し出と申しますのは、いま申しました六百五十億円が中心になっておったのでございます。
  54. 岡沢完治

    ○岡沢委員 いまの局長の最後の公共事業費、道路、河川なんかの国の負担率の一部引き下げがあるわけです。これで関係地方団体の財政運営に支障を来たさないような財源措置をとられておるかどうか、その辺をお尋ねいたします。
  55. 長野士郎

    ○長野政府委員 公共事業費につきましては、その後の経緯から申し上げますと、いろいろ折衝がございましたが、どちらかと言いますと、建設省なり運輸省なりの事業官庁との間で主として予算当局が折衝をいたしたということでございます。その結果、大体百五十億円程度の国の補助負担率の引き下げに国としては成功したということに相なります。したがいまして、その点につきまして、地方財政の側におきましては、それだけの負担がふえるということに相なりますが、この点は起債、交付税等によりまして、財政計画上は事業の実施に支障のないような措置を考えていかざるを得ない、こういうことで準備はいたしております。
  56. 岡沢完治

    ○岡沢委員 時間の関係で次に進みますけれども、交通安全対策、これも地方自治体がかかえた大きな課題だと私思うのです。一挙に百名の命が失われたとなると大問題になりますけれども、交通事故で年間に約二万人死亡していっているわけでございます。一日四十名前後といわれますが、日航機の乗っ取りの三分の一ぐらいずつが毎日交通事故で死んでいっているわけでございますね。交通による傷害関係につきましては、昨年は百万近い数字が出ております。私はたいへんな課題だろうと思います。この交通安全対策に要する経費、これについても第一線の負担は地方自治体にかかってくるわけでございますが、これについて交付税上どういう措置をやっておられるか、これに対する対策、自治省としてどうお考えになっておられるか、お尋ねいたします。
  57. 長野士郎

    ○長野政府委員 交通関係につきましては、まず警察におきまして、交通関係の問題の中で、いわゆる交通巡視員の増員という話し合いがありました。現在の実情からいたしまして、二千五百人を主として十万以上の都市に、交通安全の実際の住民に対する指導というような形で増員をいたしました。その関係についての財政計画上の措置、交付税上の措置もいたしたわけでございますが、それを含めまして交付税上の措置といたしましては、交通安全施設整備費あるいは交通安全運動の推進関係、それから交通事故相談所の経費等について措置をしておりますが、本年度は新交通安全施設整備事業の三カ年計画の二年度に当たるわけでございます。そういう関係事業費等を充実いたしますために、府県分といたしまして交付税上は二百五十四億、市町村分といたしまして二百七億、合計四百六十一億の需要額を算入いたしておりまして、これは昨年度に対しまして約百十億程度の増額になっております。
  58. 岡沢完治

    ○岡沢委員 予算は政策を数字で示したものだといわれております。交通安全対策等につきましても、口でいかに叫ぶよりも、その政策を肉づけする意味で、財政措置がほんとうに必要だと思います。それなりの努力はされているようでございますが、先ほど地方行政の大切な一つとして人の問題を指摘し、それについての局長の御答弁もございました。職員だけであるいは議会や理事者だけで解決する問題じゃなしに、主権者としての国民の協力も理解も必要だという御答弁がありました。交通安全対策につきましても、やはり同じように、市民、府県民、国民の協力が必要だと思いますが、この交通安全についての国民の安全教育あるいは特に小学校、中学校段階における教育関係についても、当然経費的な裏づけを今後検討されて、実際の効果をあげられる時期に来ていると私は思うわけでございまして、質問はいたしませんけれども、ぜひ御留意いただきたいと思います。  時間の関係で簡単にお答えいただければけっこうでございますが、いわゆる税外負担の現況、税外負担を解消するための努力、これについての指導をいかになさっておられるか、お尋ねいたします。
  59. 長野士郎

    ○長野政府委員 四十三年の決算の調査でございますが、その関係での地方団体の予算に計上されております税外負担は、約七十三億円というふうに私どもは見ております。  そこで従来からの関係を少し申しますと、三十九年度に百十七億円、四十年度百五億円、四十一年度八十八億円、四十二年度七十七億円というふうに次第に減少はしてきておるわけでございますが、その税外負担の解消のためには、毎年度地方財政計画上におきまして所要の措置を講じ、同時にそれは地方交付税にも算定をいたしております。四十五年度におきましても、税外負担のための解消措置八十億円を含めまして、一般の行政経費の中に財政健全化のための保留資金百億円を増額いたしまして、その解消のために充てるというかっこうにいたしております。
  60. 岡沢完治

    ○岡沢委員 最後に、一昨日の大蔵大臣列席のもとの委員会でもお尋ねをしたわけでございますが、自治省の御見解は聞きませんでしたので……。  いわゆる徴税機構の合理化、簡素化、一元化、これにつきましては、一昨日も申し上げましたように、総理自身が二月二十六日の衆議院の予算委員会で、所得税と地方税を一括課税の方向で検討したいという言明があるわけでございます。大蔵大臣は非常に慎重ではございましたけれども、地方行政委員会でそういう意見があるなら前向きで検討したい。まあ自治省の立場は微妙なものがあることは十分承知をいたしておりますけれども、前回も指摘いたしましたように、国民は、同時に市民であり県民であり町村民であるわけでございまして、住民の立場からいたしましたら、納税者としての便宜あるいは納税意欲というような点から、むだな徴税、二重徴税ということに対してはやはりあき足らない、納得できないものがあるわけでございます。そういう点で、徴税機構の問題についての自治省の御見解を、政務次官せっかく御在席でございますので、大石次官の御見識を聞きたいと思います。
  61. 大石八治

    ○大石政府委員 徴税が非常に複雑になっているということについての批判的な御指摘がだいぶ出てきていると思うのです。まあ私どもそれに対して受けとめていく必要はあると思うのですが、実は私もけさ新聞を見て、大蔵大臣がきのう大蔵委員会でだいぶ突き進んだような見解を述べられたということで、その内容がまだほんとうによくわかりませんが、私どもも簡素化の方向というものは当然とらなければならないと思います。何かその表現では、税金をどこか一カ所でみんなやってしまうような表現のように見える。これが私ども実はできないのじゃないかというふうに思いますし、いまたとえば国税、所得税を住民税の資料にそのまま使うようなやり方等はやっておりますしするので、なお簡素化する方法はあり得るのではないだろうかと思いますが、ただ一カ所でやるというふうに言いましても、標準税率でやっているようなものをどういうふうにやるのか。町村ごとに違うようなことをどこか一カ所でやっちゃうというふうなわけにはいかないじゃないかと思いますが、まあ御指摘もありますし、同じものを課税標準をいろいろのところでそれぞれ別に見るというふうになれば、これは非常に不信が出てくるという問題もございますので、私どももう少し具体的に検討して、税制調査会なりその他の関係機関によくおはかりをしていきたい、こういうふうに考えております。
  62. 岡沢完治

    ○岡沢委員 財政局長のこの問題についての見解を聞いて、終わります。
  63. 長野士郎

    ○長野政府委員 私は税金はしろうとでございますのでよくわかりませんが、この前の大蔵大臣のお話を聞いておりましても、国でまとめて取るということも考えられるけれども、地方で取って国に持ってきてもらうというのもある。これはいろいろな種類等もお考えの上でいろいろとそういうお考えをお述べになったのじゃなかろうかと思いますが、結局は、事務の簡素化、合理化という点からいきますと、同じようなデータを出しまして、そして二重、三重の手続を踏んでいくということは、それは確かに国民にとって非常に迷惑きわまりのないことでございますから、この合理化をするという点では、私どもは、いい合理化案さえできれば、それはいいのだろうと思いますが、一面、地方自治という原則というもので、私どもやはり多少ひっかかる点が生じてまいります。と申しますのは、自分が苦しんで自分が苦労して税金を取るということの中から、自治体の運営というものにも税金のとうとさといいますか、重さというものを感じながら、関係者が財政の運営をしていくという一面を失ってしまいますと、どうもそれが運営の中に非常なゆるみを起こさせるということになり過ぎてもいけない。まあその辺との心配といいますか、かね合いをどういうふうにしながら、おっしゃいますような合理化を実現していくかということも、一つは考慮の中にぜひ加えて検討していただきたいものだと私は思います。そういう意味では、税制調査会その他でいろいろ御研究になることは、私も非常に賛成でございます。
  64. 岡沢完治

    ○岡沢委員 終わります。
  65. 古屋亨

    ○古屋委員長代理 この際、暫時休憩いたします。    午後一時四分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は会議を開くに至らなかつた〕