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1969-03-19 第61回国会 衆議院 産業公害対策特別委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和四十四年三月十九日(水曜日)     午後一時二十六分開議  出席委員    委員長 赤路 友藏君    理事 天野 公義君 理事 田村 良平君    理事 橋本龍太郎君 理事 藤波 孝生君    理事 河上 民雄君 理事 島本 虎三君    理事 本島百合子君       久保田円次君    葉梨 信行君       加藤 万吉君    中井徳次郎君       浜田 光人君    古川 喜一君       岡本 富夫君    山田 太郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 斎藤  昇君  出席政府委員         防衛庁参事官  江藤 淳雄君         防衛施設庁長官 山上 信重君         防衛施設庁総務         部長      鐘江 士郎君         防衛施設庁施設         部長      鶴崎  敏君         法務省民事局長 新谷 正夫君         厚生政務次官  粟山  秀君         厚生省公衆衛生         局長      村中 俊明君         厚生省環境衛生         局公害部長   武藤琦一郎君         通商産業政務次         官       藤尾 正行君         通商産業省企業         局立地公害部長 矢島 嗣郎君         通商産業省鉱山         保安局長    橋本 徳男君  委員外の出席者         警察庁交通局交         通指導課長   竹岡 勝美君         法務省民事局参         事官      味村  治君         厚生省環境衛生         局公害部公害課         長       橋本 道夫君         通商産業省鉱山         石炭局石油業務         課長      斉藤  顕君         運輸省自動車局         整備部車両課長 景山  久君         労働省労働基準         局安全衛生部労         働衛生課長   伊集院兼和君         自治大臣官房企         画室長     近藤 隆之君     ――――――――――――― 三月十九日  委員米田東吾君及び岡本富夫君辞任につき、そ  の補欠として古川喜一君及び山田太郎君が議長  の指名で委員に選任された。 同日  委員古川喜一君辞任につき、その補欠として米  田東吾君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月六日  水質汚濁防止関連法の改正に関する陳情書外一  件(東京都港区赤坂一の九の一三汚水対策全国  漁業者協議会長安藤孝俊外二名)(第一八二  号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  産業公害対策に関する件(大気汚染及び水質汚  濁対策等)      ――――◇―――――
  2. 赤路友藏

    ○赤路委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
  3. 島本虎三

    ○島本委員 いわゆる公害関係二法が、大体政府案も野党案も出されて、もうすぐこれが審議の状態になろう、こういうような段階にあります。したがいまして、私は、いまここで、それに入る前に片づけておかなければならない諸般の案件があるわけであります。その件について、総まとめ的に大臣に伺っておきたい、こういうふうに思うわけであります。ひとつこの点をよろしく御答弁願いたいと思います。  まず大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、十年ほど前に起こった、有毒重金属類を流して、そのうち有機水銀によって水俣病が発生したという第一次の水俣病は、御存じのとおり、公式には患者百十一名、うち四十二名死亡、そのほかにも未認定患者の存在が公然の秘密といわれるような状態になって存在しておるわけであります。しかしこの患者を含めた家族の精神的、物質的な苦悩は耐えがたいものがある。しかしながら、もう十年たってもまだこういうようなものに対してはっきり決着がついていない。ましてこの問題は、もうすでに政府自体が公害病であるということの断定をしてしまった現在になっても、そのケリがついていない。こういうようなことでございますと、これはまさに仏をつくっても魂を入れないような、こういう行政措置をされちゃ困る。したがってこの水俣病の患者、死亡者を含めて、厚生省にその処理を一任され、二月中に結論を出すということになっておったものが、まだ出ていないということは、これはゆゆしき問題なんです。国のほうではっきりと公害病であると認定をしながら、そして二月中に委員会をつくって、また、それも金額の点と基準をあわせて発表しますと天下に断言しながら、参議院選挙でゆうゆうと勝っておりながら、そのあとでまだ何ら措置しない。こういうようなことがあったとすると、これは重大なことであります。水俣病に対してどういうような決定をなしておられますか、そのいきさつと経過と結果についてつまびらかにしてもらいたい。
  4. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 水俣病の有機水銀の中毒患者のお方の現状に対しては、非常にお気の毒だと思っております。いまお述べになりましたように、政府ではその原因をはっきりいたしたわけでありますから、その上は、被害者と加害者との間の補償問題の解決ということになるわけだと思います。そこで、原因の決定前に熊本県知事が中に入りまして、患者同盟の方と会社との間に約定があったそうでありますが、しかし、その約定ではだめだということになって、会社に要求をするけれども、なかなかいれられない。さりとて、裁判に訴えれば時日がかかる、できたら、ひとつ厚生省で補償の基準をつくってくれないかという陳情を、私が就任して以来受けたわけであります。同様に、会社側からも同様の陳情を受けました。私は、これは両者の側で話し合ってきめるか、話がつかなければ、これは民事の問題ですから、裁判によるなり話し合いによるなりで解決をしてもらう問題だ。補償の基準ということになると、そういう民事補償の基準を政府がきめるということは非常にむずかしい、たてまえからいってもおかしいし、事実上非常にむずかしい。民事賠償というものは、本人、相手方のそれぞれのいろんな条件で変わってくるわけですから、こういう病気に対してはこう、この程度の病気に対してはこうというような、それを補償としてきめるわけにはまいらないという話をしましたところが、ひとつ仲裁に入ってくれぬかという意味のお話があったわけです。そこで、公害に関する紛争の仲裁をするような委員会を、この国会で提案をして、そしてそれができればそこでやってもらったらどうだと申しましたところが、それができるまで待てない――お話を伺ってみればごもっともに思いましたから、私は思い切りまして、それでは、その法律ができるまで、第三者の事実上の仲裁の機関みたいなものを設けて、そしてそこであっせんをしてもらう、私のほうでそういう人たちをお願いをするということでどうだ、と話しましたところが、ぜひそうやってもらいたい。しかし、それには、大体そこでいろいろ両方の言い分を聞いて、これでどうだという妥当な線ができたらそれに応じるという態度を示してもらわないと困るがと申しましたところ、それはそういたしますということであったわけであります。そこで、会社側に対しても、その患者側の方々はこういうふうに言われる、そこでどうだという話をいたして、会社側は、初めは必ずしも気が進んでいなかったのでありますが、厚生省がせっかくそういう世話をするというなら応じましょうということになったわけでありますが、二月の終わりまでには委員の方をお願いをして、そして発足してもらうということを約束をいたしたことは事実であります。ところが、その第三者機関できまった事柄には従いますということは、ちょっとひど過ぎるじゃないかという議論が、患者側の中のほうで起こってきたようであります。それで、そんなところでやってもらったって、従うか従わぬかはかってだ、従うなんて誓約はできないというような議論が起こってまいって、とてもこれはまとまりそうもないぞという話があったものですから、そういうことになると、初めの話とは違うから非常に困るというので、こういうようなことで、そこできまった事柄には応じましょう、異議は申しませんという、少なくとも道義的な返事でももらわないと困る、団体の幹部の方々も、ああは申したけれども、患者の中でそんなものには従わぬという者ができてきたんでは困るという話もあって、そこで、患者の方々から、皆さん方におまかせするというものをいただこうじゃないか、そうすれば発足しましょう。そうでないと、私は第三者の方にお願いをする場合でも、一応はお願いするけれども、患者の中には従わぬという者もあるし、どうなるかわかりませんよということではお願いができないということで、いま進んでおるわけでございます。したがって、その御返事を待っておるというのが今日の現状でございます。
  5. 島本虎三

    ○島本委員 会社側の意向も私なりに調査してみました。いわゆる患者側といわれる人たち、この人たちの意見も聴取してみました。しかし明らかに、これは紛争委員会ということでありませんけれども、これに対する処理委員会を、二月中にちゃんと人選を終えます、そうして死んだ人並びに重症者や軽症者または一時金で打ち切られた人たち、こういうような人たちも、もう一回その意見を聞いた上で、そしてすべて厚生省のほうにこれを一任した。会社側では、民事上の和解もあるのだけれども、これはもう支払わなくてもいいことにはなっておるが、いわゆる協定書の五条も全部破棄します、したがって、もう責任を負ってこれに服しますと言っておるのが会社側です。ちゃんと私はこの耳で聞いてきておる。そして二月中に人選を終わり、そうしてこの補償の金額も基準もきめます、こういうようにはっきり言っておるのです。いまもうこれができているのかどうか。できているとすれば、委員は何名でもってできていますか。これは調停ですか。その補償の金額なり基準なりはどうなっていますか。これは当然もうできていなければならない。きょうは三月十九日でしょう。二月中といったら、二月はもう終わって、三月になってもできないということは、これは完全な背信行為じゃありませんか。これはどうなっておるかと聞いておるのです。
  6. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 先ほど申しましたように、会社は、おまかせをします、第三者機関におまかせをします。患者側は、一応おまかせしますと言いましたけれども、そういう段階ではございません、ちょっと待ってくださいというのが今日の段階で、したがって私は、患者側の方々の御回答を待っているわけであります。それがありませんと、委員会をつくってみましても、委員を引き受ける人もないかもしれないし、あるいはつくってみても、患者側のほうは、初めの話とは変わってきて、どうもおまかせしますと言うたけれども、そうもいかなくなりましたというのでは、私のほうでは出発はできないので、したがって、私は、患者側の方々が一日も早くおまかせをしますと言うてくださるのを待っているわけです。初めから患者側のほうから話があって、非常に御同情にたえぬと思いましたから、私は誠意をもって、ここらでどうだろう、実は少しこれは行き過ぎかなと思うくらい、私は決断をして、こういう方向でひとつどうだといって、事務当局にも伝達をさせて進んでおったところが、患者側のほうから、そういうちょっと故障みたいなものが入ってまいって進まないというのが今日の現状でございます。
  7. 島本虎三

    ○島本委員 患者が一任したと言えば、どういう構想でこれをやる意向ですか。
  8. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 構想とおっしゃいますのは、第三者機関のわれわれのほうでお願いをする人におまかせをするということで、おまかせをするというのをちょっと待ってくださいということになったから、私のほうは待っているわけです。したがいまして、先ほどおっしゃいました基準や何かというものは、第三者のところでつくっていただくわけです。それには患者の方々自身から聞く手もありましょうし、あるいは代表の方あるいは弁護する方々の意見も、会社の意見も聞く。では、こういう人にはこの程度、この人にはこの程度でどうだろうという最後の結論を出してもらうのだと思います。その委員会ができれば、われわれも裏面的に応援というか、意見を求められたら言い、患者側の方々のできるだけ満足のできる結論を得るようにいたしましょうという約束を、私は患者側といたしているのであります。しかし、それをつくるのを待ってくださいと言うから、待っているわけなんです。
  9. 島本虎三

    ○島本委員 二月の半ばころ、二月一ぱいじゃないとだめなんです、そういう約束があるし、もう進んでいるはずだけれども、どうだということで、十分われわれとしては余裕を置いて勧告している。必ずやりますからというのが、あなたの事務当局の意向です。いま聞いてみると、一カ月前と同じことをやっているじゃないですか。何もやっていない。一体そんなようなことで、公害に対する対処ということにはならぬ。こういうようなときに笑うもんじゃありませんよ、大臣、まじめなんだ。
  10. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 ちょっと私から補足をさせていただきますが、先生がただいまお話しになりましたような状況は、二月の中旬ごろの状況だろうと思います。その後、その前後に、実は患者のいわゆる十五人の代表の中の幹部の方、それから県、市、私で相談いたしまして、きのうちょっと問題になりました例の確約書の問題を相談しまして、そして大体これで患者の代表十五人の約束をとりつけましょうということの機運があったわけであります。それと同時に、会社側にもそのことをお話しいたしまして、ただいま大臣からお答えがあったように、会社のほうでは責任者が私のほうに返事をよこした。いざ患者の代表者の幹部の方が内部で相談しましたところ、一部の方が、二月の下旬に至りまして、いろいろ考えたけれども、そこまでいくのはどうもちょっと心配だというような御意見があって、患者の代表十五人がすっかりまとまり切れないという状況が三月の初めにわかりましたので、それではしばらく静観しようというような状況になったわけでございまして、その点の事情は御理解いただきたいと思います。
  11. 島本虎三

    ○島本委員 一カ月間もやっても前と同じような状態で、理解してくれ、こういうようなことを言っても、私は、そうですが、このようなわけにはまいりません。それでほんとうにやっているなら、成果というものが進んでいるはずです。さっぱり進んでおらないで、理解してくれ――あまりにも委員をなめるような行動をしちゃいけません。ほんとうにやるなら、もっとまじめにこれと取っ組んだらいいじゃありませんか。もうみんな完全な補償を受けたい人ばかりじゃありませんか。もしあるとすると、仲裁にしてほんとうに少ない額に押えられることに対して、どういうようなことになるだろうかという危惧じゃありませんか。それを解明してやったらいいじゃありませんか、おまかせ願いたいと、それをしないで、危惧があるから、まかせない。まかせないから、やらない。鶏が先か、卵が先かわからないようなこと、これじゃやる意思がないということになるじゃありませんか。いままでこういうようにはっきりした約束を取りつけたりしたことは食言だということになっちゃう。これではいけない。これはほんとうにやるなら、大体いつまでにやるというめどがあるんですか、ないんですか、これだけはっきりしておかないと、これは重大な食言になりますよ。
  12. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 患者側のほうから、大体おまかせしますからやってくださいというお答えがない限りは、やりません。
  13. 島本虎三

    ○島本委員 患者側を進んで説得し、自分の良心的な態度を理解してもらうための努力をしないで、答弁待ちであとはやらない、こういうようなことにするつもりですか。
  14. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 私みずから出かけてまいるわけにもまいりませんので、市長あるいは県の関係の者その他を通じていたしております。ところが、そんなものを承諾したらえらいことになるぞというように、むしろ反対に向けておられる方もおられるようであります。
  15. 島本虎三

    ○島本委員 反対の者は全然ないなんというような会議はどこにもないですよ。もう進んで説得し、また進んで理解してもらうように努力する以外にはないですよ。やってくるのを待っている。こんな態度では、私はもう百年河清を待つにひとしい。これはもう一カ月間、あなたを含めて、当局は私を完全に瞞着したものである。じんぜん日をかせいだものである。これが厚生当局の意向かと思ったら、まことに残念です。進んで打開する努力も示さないで、ただ患者側のほうが頼むと言ってこないとやらない、こういうのが厚生当局の意向なんですか。まことに残念です。進んで打開する努力をしないということは、これ以上の患者に対する侮辱はありませんよ。ほんとうに進んで打開する意思は全然ないのですね。
  16. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 たとえ全部でなくても、大部分の方でも、ひとつ第三者のところでやってください、それに一応おまかせしますからということがないのに、大体、頼む第三者だって、引き受ける人はないと私は思う。またやってみたってむだですよ。では、大体そういうところでおまかせしますからやってくださいと言われたら、法律で委員会ができるのに、それを待ってもらうのも気の毒だろうと思いますから、事実上それじゃひとつ早く設けて出発しましょうといって、そうしてあれやこれや人選も私は腹づもりをして、二月一ぱいには発足のできるように思っておったところが、そういう故障が入ってきたわけなんです。   〔島本委員「故障のないような会議はありませ   んよ。入ったからどうするのです。」と呼ぶ〕
  17. 赤路友藏

    ○赤路委員長 発言するときは、委員長の許可をとってください。
  18. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 きのうも、参議院の社会党の委員の方からも御意見がございました。ただいまの御意見とは違うような御意見であります。また、ある御意見の方は、そんなものは民事補償でやるべきだ、そんな第三者にゆだねるなんてけしからぬじゃないかというお方もおられるわけです。したがって、そこらを統一していただいて、そうして進んでいただかないと、私のほうは進めようがないというのが現状でございます。
  19. 島本虎三

    ○島本委員 こればかりこだわっているわけにまいりません。そうだったならば、二月中に委員会をつくって人選して、ちゃんと金額や、それをやりますなんて公言しなければいいのです。した以上は、やはりやらなければいけないということを言っているのです。方法や、それに対して私はとやかく言っているんじゃないのです。私はこの点はまことに遺憾であります。この点は、私は今後機会あるたびごとにこの問題を取り上げますけれども、この問題に対しては保留しておきます。  次に厚生大臣に、時間がありませんから、一つ一つ個々に尋ねてまいります。  いまのような状態で、もう公害病というようなものに認定された者に対して、いろいろな処置や研究に、厚生当局としての努力はしているのか、していないのか、私はしていると解釈したいのですが、おくれているのは事実であります。イタイイタイ病の場合だって、大正十一年に発見されたんでしょう。もう昭和二十一年にこれは問題化した。それで、これはもう二十四名も死亡しているでしょう。水俣病だって、これは昭和二十八年、三十一年に問題化して、四十一名も死んでいるでしょう。いわゆる第二次の水俣病といわれる阿賀野川の問題だって、三十九年じゃありませんか。こういうふうにしてみますと、国のほうで認定した公害病、あなた方認定しておりながら、これに対して対処する方法がまことにマンマンデーです。とろいのです。これはもう十年もかかっても、まだその治療方法さえ発見されていない、こういうようなことがあっても、苦しむのは患者だけでしょう。それで大臣にこの声だけは聞いておいてもらいたいということは、先般、私も富山の婦中町へ参りました。患者の人が治療中です。その人が言っていました。私は訴訟に踏み切りました。人にいわれるけれども、金をとりたくて私はやっているのではありません。私の母も死にました。嫁に来てしゅうともこの病気で死にました。いままた私もこの病気にかかって、からだが痛んでいるんです。私がこれを食いとめないでだれがやるのか、こう思って訴訟に踏み切ったのです。これを十分理解してもらいたいのだ。こういうようなことを悲痛な声で言うんです。罪のない人です。しかしながら国のほうでも公害と認定して、その対策というようなものは全然、いまだに完全な治療法さえ発見もされてない。国が公害病として認めた以上、対策は国が行なうのが当然じゃありませんか。四十三年の五月八日に認定しているイタイイタイ病は、政府が責任を持って治療方法の開拓を行なうのが当然だと思う。国がイタイイタイ病の研究開発をどういうふうにして行なっていますか。それも答弁願いたいと思います。
  20. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 イタイイタイ病の関係でございますが、四十三年度では二千万の医療研究補助金を組みまして、その一部はいわゆる医療研究費として富山のほうに流している。それでいろいろイタイイタイ病の治療の研究を専門家に依頼している。それからその一部を認定患者の方の自己負担分についてめんどうを見て、実際に患者の方が医療費を支出しなくて済むようにいたしております。そのほか簡易水道等の補助金も特に率を上げまして、当該地域の水を問題がない地域から引っぱってくることについて、婦中町等への援助をいたしております。
  21. 島本虎三

    ○島本委員 答弁は的確に聞いておいてやってもらいたい。だれも水道の補助をしたかどうかなんていま聞いているんじゃない。あとで聞こうとは思っていたけれども……。イタイイタイ病のこの治療の開発というふうなものを、どういうふうにして進めているのかと聞いているのです。何もやっていないじゃないですか。
  22. 橋本道夫

    ○橋本説明員 イタイイタイ病の治療の研究でございますが、四十三年度の予算で設けられました公害医療研究補助金という中におきまして、イタイイタイ病に対しまして、治療研究補助金を出して進めております。研究費としましては、いまちょっと正確な数字が私出てまいりませんが、純粋の研究だけで、これは医療費は別でございます。純粋の研究だけで約四、五百万のものを従来は出しております。四十二年度においては、それだけの経費を私どもは出すことができませんでしたが、四十三度におきましては、治療費以外にそれだけの金を出しまして、金沢大学、地元の病院とまた現地の開業医の方ということで、県が間に立ちまして、研究を進めておるというような状態でございます。
  23. 島本虎三

    ○島本委員 金沢大学へは百五十万円出していますね。現地の研究しているお医者さんに出しているというけれども、どこのお医者さんに出していますか。
  24. 橋本道夫

    ○橋本説明員 現地のお医者さん個人の形で、研究費を交付しているということではございません。県が研究班を組みまして、その中に入っておりまして、現地のお医者さんに対しましては、いろいろこまかな診断をするという道具の面について、県のほうとしてはめんどうを見るということでございます。医師個人に対して、研究費の形では出ておりません。全体を集めております。
  25. 島本虎三

    ○島本委員 治療法の研究開発、では、イタイイタイ病に対してどういうような方法によるのが妥当である、適当である、こういうような結論は出ましたか。
  26. 橋本道夫

    ○橋本説明員 最終的な結論につきましては、まだ私どもは報告に接しておりません。現在まで私が聞いております範囲内におきましては、従来行なわれておりました栄養あるいは内分泌関係、ホルモン関係の治療法、及びその中に入っております重金属を特殊の薬剤を用いて出すという方法で、この治療をするということが現在続けられておりますが、そのうち一部、この先生方の間に、治療の方法についての学問的な論議があるやに聞いております。
  27. 島本虎三

    ○島本委員 公害病と国が責任持って認定して、その完全治療の対策は、ではいまはないということですか。
  28. 橋本道夫

    ○橋本説明員 非常に症状の進んだ方を完全にもとのからだになおすという方式は、現在の段階ではございません。ただ、痛みをとるというようなことは、現在の段階では可能であるというように思っております。緩解ということのほうが適切であるかと思います。
  29. 島本虎三

    ○島本委員 まことに官僚的な答弁であります。しかし部長も課長もまずいいです。大臣、私現地に行ってまいりました。いろいろな声を聞いてきました。その中で、イタイイタイ病というもの、すでに大臣も知ってのとおり、以前にはこれは業病と称されておったものだそうです。しかし大正十一年の初めに発見されたという事実があるようです。しかしこれが問題になったのは昭和二十一年以降なんです。問題にしたのが萩野という博士です。これは研究のほうも臨床のほうも両方やっている人です。それが私財をなげうってやっている状態です。私も二度ほど会いました。それが一生懸命やって、私財をなげうって公害病という認定をされた。その者に対しても、国が何らの手当てもしていないというのが現状です。それで一番いま研究の進んでいるのはその場所です。あなた方がやったといういわゆるあそこの富山の中央病院ですか、それからまた金沢大学の百五十万円の補助ですか、そちらのほうから出たデータよりも、いままで二十年間のこの研究のデータのほうが、いわゆる現行においてはすぐれておるものと思われておる。これに対してびた一文の補助もないということはどういうわけなんですか。本人はもう私財をなげうって、ぎりぎりまでやっているじゃありませんか。ようやくいま冨山県で、ことし百万円ほどの研究助成費を初めて組ましてもらえましょうが、この予算さえまだきまっておらぬそうです。こういうような段階だ。むしろ進んで国が公害病として認定し、国が責任を持つ、こういうような態度を示すならば、一生懸命やっている人にその補助をして、完全治療の対策を早く出させるのが、国としての立場ではありませんか。これは大臣どう思いますか。
  30. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 二十数年間ですか、一生懸命私財をなげうって研究をされたというお方の話、私初めて伺うのでありますが、よく検討をいたしまして、その方の労に報いるだけのことは――物的だけとは限らぬと思います。その功績をたたえる何らかの方策を、必要があれば講じたい、かように思います。
  31. 赤路友藏

    ○赤路委員長 ちょっと申し上げます。大臣質問のあなたの時間はもうあと六分、それで、大臣質問だけはひとつ約束のとおりやっていただきたい。
  32. 島本虎三

    ○島本委員 本人も、その問題に対して問わなければ語らない、こういうような状態ですが、問い詰めていったら、自分は褒賞もほしくない何もほしくないけれども、この問題は完全に研究したい、こういうような熱意を示しておられる。私はやっぱり頭の下がる思いがしてきた。いま大臣の答弁がありましたが、それは今後の問題として、十分実を結ばせるようにしてやってほしい、こういうように思います。  それと同時に、このイタイイタイ病患者に対する医療の補償についてちょっと伺っておきますけれども、この認定された者に対しては、現在県のほうで医療手帳を交付しておられるようでありまして、腐心されている状態に対しては、われわれも認識を新たにしてまいりました。しかし患者そのものにいろいろ伺ってみますと、医療はやはり公費負担の自己負担分を持ってくれるだけで、そのほかに何もないのだ。少なくとも国が認定した公害病にかかる者である以上は、これは積極的に治療対策を講じて、せめて身体障害者並みにしてほしいものだ、こういう切なる声が出ているのです。これも現在の自己負担分だけを認めてやる、これだけじゃなしに、国が認定したものは責任をもってやる。治療方法さえまだわからない。これに対して、せめて身体障害者並みの扱いをあたたかくやってやるのも国の当然の義務じゃなかろうか、こうも思うわけです。これに対して、大臣の決意を伺いたいと思うのです。
  33. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 いずれ公害による健康保障の法律のところで、いろいろと詳しく御審議をいただけることと思っておりますが、ただいまの身体障害者並みにという点につきましては、身体障害者に該当すると思われる方には、身体障害者手帳もすでに交付しているそうでありますが、なおいろいろ詳しく伺いまして、できるだけ御期待に沿うようにいたしたいと思います。  それから、先ほどのお医者さん、萩野さんとおっしゃる方ですか、昨年の十一月には大臣表彰をしたそうでありますが、なおそれで十分かどうかも、さらに検討いたします。
  34. 島本虎三

    ○島本委員 大臣、それは根絶するための研究を続けたいのだということなら、ようやくいま県が考えているという段階なのに、国が認定したから、国もそういうような方面に積極的に、他のほうでやっているというなら研究してもらうように考えたらどうなんですかということなんですよ。そこはもう考えますと言っておかないと、これはいけませんよ。急いで答弁してください。
  35. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 よくお医者の間の話を聞きまして、できたらそのお方にも参加をしていただく。すでに参加してもらっているのじゃないかと思いますが、特別の計らいをしたいと思います。
  36. 島本虎三

    ○島本委員 あとで、これは事務的にもやりますが、大臣よく理解してもらっておらないようです。これは、私はあらかじめ言ってあるのだけれども、何をやっているのだろうか、皆さんのほうでは。  時間がまだあと二分あるので、それでは、今度医療の問題についてあわせて伺いたい。  婦中町のほうではやはり要監視者、こういうのがあって、それに対しては保健婦をいまやって世話をさして見さしている、こういうようなことなんですが、その保健婦さえも十分じゃないというのです。そして本年はたった一名しか婦中町ではふやすことになっていない。これだけだったら、ほんとうに焼け石に水のようなもので、とまっておって、また本患者になってしまうおそれがある。せめてこの保健婦だけでも患者に対していろいろ手当てするに必要なくらいは、国で考えてもらえないだろうか、こういうような悲痛な声があるのです。保健婦ですよ。ですからこういうような場合には、特に普通の場合だったら県のほうにおまかせしますが、いろいろなことがあるでしょう。国が公害に認定した、こういうような立場ですから、せめてこの保健婦の配置くらい、治療と合わして、国は積極的に対処させるようにしてやるというぐらいは、これはやってもいいじゃありませんか。そのために皆さんいい機構を持っているのですから。もう悩んでいるのですから。だんだん死んでいっているのですから。せめてこのくらいやっておかないなんて、手落ちもはなはだしい。保健婦ですよ。
  37. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 ただいまの婦中町の保健婦の問題は、富山県とよく連絡をいたしまして、できるだけ貴意に沿うようにいたしたいと思います。
  38. 島本虎三

    ○島本委員 時間がありませんから、私はこれでやめます。ただ患者のほうからもいろいろな意見を聞いたのは、もっともっと切迫していますよ、大臣。これは、精神面のおわび一つもいままでないということに対するふんまんもあります。それから治療も完全でないというようなあせりもあります。それと経済的な打撃がまた大きいのです。それなのにまだ一回も、この問題に対しては、御苦労でした、どうですかという知事の見舞いもない。三井のほうから、社長や他の人は一回も来ない。まして厚生省が公害病と認定しても、どうですかというような風のたよりもないというのです。そうだった場合には、これはいろいろな問題もあるでしょうけれども、愛情というもので、もう少し人間的にことばくらいかけてもらえないだろうか。すまなかったなあということばくらいひとつ出ないだろうか、こういうようなことさえも出ているのです。これは裁判なんかと別にして、やはりこの問題はこの問題として、厚生大臣も、その中に人間的にあたたかみができたらまた別ですよ。それさえもないようなこの断層ができているのですから、そういうようなものもせめて厚生大臣、あなたが認定した公害病患者に対しては、そういうような措置くらいあたたかくとってやるようにすべきじゃないでしょうか。
  39. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 われわれといたしましては、できるだけあたたかい気持ちが患者、国民の方に通じるようにいたすのは当然であります。足らない点は私の不徳のいたすところでございますから、これからますます努力をいたします。
  40. 島本虎三

    ○島本委員 大臣に対しては、時間ですから、これで私の分は保留しておいて、あとに回してもらいます。
  41. 赤路友藏

    ○赤路委員長 本島百合子君。
  42. 本島百合子

    ○本島委員 厚生大臣に御質問いたしますが、その前に、四日市ぜんそくの惨状を、厚生大臣はよく御存じでいらっしゃいますでしょうかどうか、お尋ねいたします。
  43. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 私の郷里でございますので、ある程度は知っているつもりでございますが、しかし先生ほどは存じないかもしれません。
  44. 本島百合子

    ○本島委員 私どもがテレビ等により、またあるいは現地に参ってあの惨状を見ますときに、これが広範な地域にわたらないようにと心から願ってまいったわけでありますが、いまこのような現象が日本じゅう至るところに発生しつつあるということも、大臣は御承知であろうと思います。特に私、きょう大臣にお聞きいたしたいことは、四十二年六月七日のこの委員会におきまして、同僚の吉田之久代議士が環七ぜんそくについて御質問申し上げているわけであります。あの当時、これはひどいものだというような印象が強くあったわけでありますが、御承知のとおり、昨年の十二月にここの実態調査が行なわれて、当時質問をされましたとき以上の排気ガスによるところの一酸化炭素の充満ということになって、特に有名な大原交差点、また三軒茶屋の交差点、最近では東名道路ができまして、世田谷の瀬田というところ、これが放射四号で大体自動車を受けて立つというような道路になっております。こういうところをずっと調査されましたところ、非常な汚染度というものが明確になってまいったわけであります。こういう前もって汚染されるということがわかり、なおかつそのことのためにぜんそくのような症状が起こってくる、こういうことに対して事前に何らかの措置をとることができないのかということを、まずお尋ねいたします。
  45. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 ただいまの大原、三軒茶屋等の一酸化炭素の空中汚染の問題につきましては、当初、たとえば大原のごときは、ああいうように立体交差をしてやれば、むしろ車の動きがスムーズになって、そして汚染も少ないのじゃないだろうかというような考えであったかのようでもありますが、それが逆になって、車が非常に多くなっている。私もあそこの現地を見ましたが、周囲の住宅がもうすぐその近くに建っているというような状況から、あの環境のもとでは、これはひどいなという感じをいたしたわけでございます。したがって、今後車をどうするか、あるいは周囲の環境をどうするか、これは東京都と連絡をとりながら、そういった事柄の排除につとめていきたい。それよりもさらにもとにさかのぼりますと、一酸化炭素を排出する車を規制することが肝要であります。運輸省、通産省におきましては、いま一酸化炭素を排出することを少なくする装置をつけさせたり、ことしの秋からの新車には、一酸化炭素を何%か減らせるものでなければ認めないということにいたしまして、中古車に対しましてもそれぞれの措置をとらして、まず車から排出する一酸化炭素量を減少させるという方向に努力をいたしたい。そしてまた一酸化炭素の環境基準というものもきめまして、望ましい基準にまで早く持っていくような方策を考えたいというので、環境基準につきましては、いま専門委員会で検討いたしてもらっているわけであります。
  46. 本島百合子

    ○本島委員 前向きの御答弁があったわけでありますが、なぜ私がこれを申し上げるかと申しますと、今度東名道路から瀬田のほうで自動車を受けて立つ放射四号が通ります。この地域は現在の玉川電車をなくしまして、輸送が自動車にかわるわけです。同時に、現在でも予想以上の自動車が通行いたしておりまして、これが道路の工事と地下鉄の工事と両方重なって、おそらくいまの大原交差点以上に交通が渋滞になってくるだろう。そういたしますれば、一酸化炭素の排出量は、いまの大原交差点、環七等で見られるより以上のものが出てくるということで、沿道の者たちは非常な恐怖を持っておるわけです。ですから、それに対する措置がいまおっしゃるような形だけでは、とうてい防ぎとめられない。同時に工事がもう近く始まってくるのです。ですから、それだけに、こうした問題の配慮というものがなければならない。私が特に厚生大臣に申し上げたいことは、この環七ぜんそくについて質問をされた場合に、医師会の協力によっての調査に基づいて質問されたわけでありますけれども、それに対しての措置は何ら行なわれていない。同時に、聞きますところによれば、今回提出されるであろうところの健康被害の救済に関する特別措置法におきましても、こうした地域における救済ははずれるのではないか、またそういう具体策がないと聞いております。さすれば、今後大原ぜんそくでかなりの論議を呼びました二年前以上の広範囲にわたって被害者が出てくるわけですが、こういう点についてはどのようになさるお考えでいらっしゃいますか。
  47. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法案はもうすでに御提案申し上げておりますので、一日もすみやかに御審議をいただきたいと思っているわけでありますが、これによりますと、たとえば四日市ぜんそくのごときも、まあ十分とは言えませんが、ある程度の救済の足しになるものと思って、提案をいたしておる次第でございます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  48. 本島百合子

    ○本島委員 確かに救済の対象になりますね。その問題については、また法案が出たとき等に譲りまして、大臣も御承知であろうと思いますが、四十一年のときの調査によりまして、交差点から百七十メートル離れた地点におきましては、汚染濃度がかなり下がったわけなんです。ところが昨年暮れの調査でまいりますと、六百メートル離れておっても、交差点の濃度と同じ程度に広がっているという事実、これは四十一年度の調査のときには、新聞の報道によれば、点という形における汚染だったが、それが線に発展し、今日では面、広がりを見せてきた。あの大原交差点の沿道のちょっと奥に入ったところ、あるいは東名道路から受け入れるところは大体住宅地域であったわけですが、これもほとんどそういう状態になっております。三軒茶屋は商店街として発展しておりますけれども、三軒茶屋におきましても、あの中心から六百メートルも離れていきますと、大体住宅地域になっておる。こういうふうに汚染度合いがだんだん広がってきておる事実の中で、今後とられようとする措置、たとえば気管だけではなくて、私ども一番痛ましいと思うことは、小児ぜんそくというのが非常に多くなっているわけなんです。小児ぜんそくというのは、御承知でもあろうかと思うのですが、大体年ごろの年齢になるまでに根治することができなければ一生の難病といわれておるのです。こういうようなぜんそくが、小児ぜんそくというような形で非常に広範囲に、いま流行と申しますか、汚染されていく形の中から発生しておるということでございます。こういう点については、特に治療方法として何か新しい、また即効薬みたいなものといってもないかもしれませんが、とにかく年ごろまでひっぱっていかれなくても、ある一定の半年なり一年治療すればなおるという形の治療方法があるかどうか、こういう点をお尋ねします。
  49. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 ただいまの大原ぜんそくのお話ですが、一酸化炭素によって一体ぜんそくが起こるか起こらないかという問題につきましては、いま医学的にいろいろと研究をいたしてもらっております。詳細は政府委員から説明いたします。
  50. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いま御質問のございましたぜんそくについての完治の方法はあるかということでございますが、これは小児病院の国立病院がございまして、そこの方々と四十四年度は組んでちゃんとやりたいという考え方を持っております。従来は何にもしておらなかったわけでございませんで、実はアレルギーの専門の人と組みまして、四日市のぜんそくの問題に取り組みましたが、やはりある特効薬をやれば完全になおるという性質のものがございませんので、その点まだ現在の医学では、完全にきれいになおしきるということはなかなかむりでございます。  それからもう一点は、いまの大原ぜんそくというお話でございますが、マスコミに出ておることばでございまして、私どもは、純医学的に大原ぜんそくなるものがあるとは、まだ確認をいたしておりません。この点につきましては、東大の公衆衛生学科にもお願いして調査したこともございますし、医師会の方々が現地でいろいろおやりになったこともございます。確かに汚染の状態は呼吸器系の疾患を持っている人によくないということは、私ども重々存じておりますが、大原ぜんそくとして医学的にはっきり診断され得るものがあるということは、明確ではありません。
  51. 本島百合子

    ○本島委員 ただいまのような答弁は、はなはだ不服でございます。ということは、従前そういう気管支的な病気にかかっている罹災率と申しますか、そういうものは非常に少なかったのです。それが急速なる自動車の交通量によって、それ以後非常に多くなっているということは事実なのです。ですから、どういうところに調査を依頼されたか私ども存じませんが、とにかくせきをする子供、これが非常にふえておるのです。学校などを対象に一度お調べを願いたいと思うし、また小児等についても、至急にお調べいただきたいと思うのです。それは普通の書きやすい形でのアンケートを、あの沿線一帯にお出しになってみるとわかると思いますが、非常に数がふえておるのです。いまのような御答弁を住民の人たちが聞いたとしたら、これはえらい憤慨して、押しかけて参るだろうと思います。それくらいにあるわけでございますので、あなた方がおっしゃる、医学的にどうだとか、病理的にどうだとか、こういうことではなくて、現象的に起こっているこのものに対する措置ということ、これがまず政治の面では行なわれなければならないことではないだろうか、こう思うわけであります。  そこで、大臣にもう一点お聞きして、大体時間が来ると思うわけでありますが、もう、予測される地域におけるところの予防方法、いま自動車についての排気ガスの出る量を防ぎとめる措置をするとか、あるいは新車は三%以下に押えるとか、これは運輸省関係だろうと思いますが、そういうことだけによって行なわれるものではないだろう、こう思うのです。なぜかならば、日本の道路というものは、現在急増している自動車、そして幹線道路になっておるところ、これに向かってくる交通量というものを防ぎとめることができないのです。さすれば、必然的に、あらゆる地域における重要道路といわれるところは、一酸化炭素の汚染度合いというものが、日に日に濃度化していっているわけなんです。ですから、そういうところにおける病気にかからないためのPR、あるいはまたそれに対する予防措置、こういうことを医学的にやはりやっていくべきではないか。それを野放しにしておいて、そして大量に発生してきて初めて、これを大原ぜんそくと名前をつけます、そしてこれはこうしますといったときにはおそ過ぎるのです。こういう意味で、世田谷ばかりではなく、全国的に見て、そういう交通量の多いところに対しての厚生大臣のお考えを聞かせておいていただきたいと思います。
  52. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 都市における交通関係の規制あるいは計画というものを、いまおっしゃる見地から、さらに検討してまいらなければならぬと思っておりますが、それはそれでやりますと同時に、いまおっしゃいます、そういう病気あるいは公害に対する医学的な予防というような面につきましても、いまおことばのとおり大事なことだと存じます。これから前向きに進めてまいるようにいたしたい、かように思っております。
  53. 本島百合子

    ○本島委員 これで、大臣に対する質問は終わります。
  54. 赤路友藏

    ○赤路委員長 山田君。
  55. 山田太郎

    ○山田(太)委員 厚生大臣の時間が非常に制約された時間しかありませんので、直接大臣にお尋ねしたいことがありますので、まず要点をしぼって、厚生大臣の御答弁をいただきたいと思います。  そういう観点から、まず一つお伺いをしたいことは、私の地元にも新産都市の水島を控えております。多くの住民の方々が、大気汚染の問題については非常に悩んでもおりますし、また会社側との紛争も多々出てきております。そこで、その具体的なことについて大臣にお伺いをしようという意味でなしに、根本は、厚生大臣として、産業はやはり人間のためにある立場でございますから――こういうことを地方の出先機関から聞いたわけです。たとえば、このたびの公害紛争処理法の問題についても、県に対しては、総理府からは予算を用意しておけよ、そういうふうな通達あるいは連絡があった。ところが、厚生省からは何もない。あるいは厚生省からあって、そうして他の省からはないという場合もある。そのように、出先においては、あるいは県当局においては、政府の各省にまたがったこの公害に対する問題については、非常に困惑を感ずるときがある。片一方は予算措置をしておけ、片一方は何の連絡もない。このようなことでは、いま一番問題になっている点とも言えるこの公害の問題について、ことに国民の生命の安全を守る立場から、この点が一番心配なわけです。したがって私の言わんとするところは、厚生大臣は、ことに国民の健康については一番大切な責任と義務があるわけです。したがって、この公害に対する一元化の問題について、どのように構想を練られておるか、そしてどのようにしていこうとするか、この点をはっきりとお伺いしておきたいと思います。
  56. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、公害はいわゆる公害を発生せしめる公害源のほうと、それから公害をこうむるほうの側と、いろいろあるわけであります。厚生省は、国民の健康を維持していくという立場から、ことばをかえて言うならば、被害者というような立場でいろいろ施策をやっておるのでありますが、しかし、いわゆる公害を発生せしめるほうの側とも十分連絡をしてやらなければなりません。そこで、あるいは通産省、あるいは農林省、あるいはまた運輸省というぐあいに、非常に関係するところが広いわけであります。さらにもう一つ経済企画庁もあります。したがいまして、御承知のように公害対策会議というものを関係各省でいたしておるのでありますが、このメンバーは閣僚ほとんど全部を網羅するというような形にならざるを得ないような状況でございます。二、三の閣僚を除いては、全部この会議に参加をしなければならぬ。それほど各省に関係を持つというわけでございますので、できるだけ集約できるものは集約をするところへ集めたいと思っているのでありますけれども、その点は非常にむずかしゅうございますので、そこで公害対策会議、その幹事会等で連絡をはかりますと同時に、この事務局は厚生省が担当いたしておりますので、したがって、事務局を中心に、できるだけ連絡を密にしてまいりたい、可能な限りは機構の改正ということも考えられるわけでありますが、しかし、根本的に、一元化ということはなかなか困難なことである、かように考えております。
  57. 山田太郎

    ○山田(太)委員 いまの大臣の御答弁の中の、法の改正も考えるというのは、どういうふうな点についてですか。
  58. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 法の改正と申しますのは、各省の受け持ちをできるだけ一元化をしたいという意味から、どこかへまとめられないかというふうに思うわけでありますが、大きく申しますると、これは非常に困難だということです。それで、各省の中で公害を担当する部局をきめてもらうとか、厚生省におきましても公害の部局をもう少し強化をして、そうして各省への連絡を便利にするとか、厚生省自身の公害に関する事柄をさらに統一していくというようなことは、まだ考え得る余地があるんじゃなかろうかと考えております。
  59. 山田太郎

    ○山田(太)委員 それはもうすでにいままでもやってきたことですし、ぼくはそのことから――いままでやってきたことから言っておるわけです。いまの大臣の答弁は、いままでやってきたことであるし、また現在やっているという答弁です。それでは、実際に公害対策に出先において当たっている人々――事実出てきているのです。一つや二つじゃないですよ。全部あげたら、これはたいへんなことですが。厚生省から流れてきたことが、あるいは総理府から流れてきたことが、またそれぞれ違っておったり、あるいは流れてきたり流れてこなかったり、そのような多元化されたもとにおいて、多くの人命を守る立場のこの公害対策が一〇〇%生きてこないというのは、これは理の当然です。船頭多くして船山にのぼらんというようなものです。このことでは、いままでやってきたことやあるいはいまやっていることでは、真の公害対策というものが完遂されないからこそ、いまの発言をしておるわけです。いままでやってきたことといまやっていることではいかぬというのです。それでは真に一〇〇%の公害対策の価値が出てこないということを言いたいわけです。それを厚生大臣が、そういう点について何も考えていない、ただ連絡を密にしてと――それは当然でしょう。ではいままで連絡が密でなかったのかと言いたい。また、事実このような結果が出るのだったら、これは連絡が密でなかった証拠です。幾ら口先で連絡を密にしてと言ったって、迷惑を受けるのは国民のほうです。いいかげんな答弁でごまかさないでほしい。真剣なんです。ことに被害を受けている住民の方々にとっては、これは大問題なのです。したがって、いまの答弁では答弁になっていないとぼくは言いたい。ただ連絡を密にしてという、連絡を密にしておったらこんなことにならぬのですよ。ではこれからひとつ連絡が密になるように気をつけます、こんなことはだれでも言うことです。しかしそれだけでは、この公害対策に対して、ほんとうに一元化的対策なりあるいは施策なりをやっていこうとしたって、これはとうていむずかしいことです。これはただその土地の住民の方々の考えだけじゃありませんよ、あるいは出先の機関だけじゃありませんよ、世上多くの人々の一番望んでいるところです、公害に対する一元化というのは。いまの御答弁では、てんで考えていないと言ったって差しつかえないと思います。もっと明確な答弁をしてください。
  60. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 おっしゃるとおり、私どもも、関係するところが多くてまことに困っておるのであります。そこで、いろいろと知恵をしぼっておるのですが、なかなかいい知恵が出てまいりません。たとえば大気汚染の問題にいたしましても、亜硫酸ガスをまず少なくする。そこで、低硫黄化対策、これは私のほうが注文をするわけです。もっと硫黄の少ない原油を輸入するようにしてもらいたい、また原油あるいは重油から硫黄をとるような施策を進めてもらいたい、煙から硫黄をとるような施策を進めてもらいたい。それをそれじゃ厚生省でやりますというたところで、やはりエネルギーの問題、石油の問題、いろいろな問題があって、これはエネルギーを担当している通産省で、厚生省の注文を聞いてやってもらうというのが、やはりまた一番いいのじゃないだろうか、かように思うわけであります。これはほんの一例でありますが、多々ほかの問題は、いろいろ公害源を受け持つところと、公害に対してこうあってもらいたい、あああってもらいたいと申し出るところとは、なかなかこれは一元化はむずかしいと思うのでありますが、こうこうこうやったらどうだというお知恵があったら、ひとつ拝借さしていただいて、できることはやってまいりたい、かように思います。
  61. 山田太郎

    ○山田(太)委員 もう時間がありませんので……。それは厚生省にも公害関係の役所がある、それから通産省にもあるでしょう、あるいは労働省にもあるでしょう、それぞれやっていいわけですよ。運輸省でやってもいいわけだ。だけれども、それぞれの現場ではこのような乱れがあるわけです。ほんの予算編成の問題一つ取り上げても、片一方は予算をつけておけ、片一方は、予算をつけぬでもいいとは言わぬけれども、何の連絡もない。一つ問題についてもですよ。ほかにもあります。だけれども、幾ら言うても同じですから一つだけあげればいい。こういうことではほんとうの公害対策の実施ができないということです。ただ、むずかしい問題です、むずかしい問題ですと――だから、それぞれの省に公害担当があったっていいわけだ。だけれどもそれを一元的に、たとえて言えば、あるいは公害庁なり――いま定員を減らそうとしているときでしょうけれども、しかし事人命に関する問題ですから、公害庁を設けるとか、閣僚会議だけでなしに、公害対策会議だけでなしに、真の実施を行なう上において、公害庁なり、これは仮の名前ですが、そのような一元化していく方策を考えなければこれはいつまでたったって、百年河清を待つがごとしという結果になる。こういう点について、厚生大臣の御意向はどうでしょうか。
  62. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 公害庁あるいは公害局というような点は、私は考えられると思います。今日の段階では、公害局一つ設けるについても、局の新設はまかりならぬというようなことで、なかなかむずかしいのでありますけれども、これは大事な問題でございますから、そういう方向では検討いたしたいと思います。
  63. 山田太郎

    ○山田(太)委員 では時間が来ましたので、大臣の、公害庁を設ける方向で考えていきたいという答弁を聞いて、これからの処置、いかに実施されていくかという点について、また後ほどお聞きしていきたいと思います。  以上です。
  64. 島本虎三

    ○島本委員 先ほどあまり急に時間を制限されたので、大事な問題を一つ、大臣に聞くやつを忘れましたので、特にこの問題は、大臣のほうに時間を都合してもらった。一問だけに限って、これは厳格な答弁を願いたい、こういうように思うわけです。  と申しますのは、経済企画庁のほうで、大臣も御承知のように、国土総合開発計画、これの第四次案を策定しております。私も見ました。これによりますと、今後の発展、四十年を基準年度として、六十年までの間に、工業の偉大なる発展の構想をちゃんとプラン化してあります。東京それから名古屋、大阪、広島、福岡、このベルト地帯をずっと縫うように。ここには異常な発展が見られる、こういうように思うわけなんです。いま現実の問題として、京葉工業地帯を見ても、その他裏日本の、いわば新湊のあの新産都市の指定を受けた現状を見ても、いまどうしても問題になってくるのは、臨海工業地帯の形成とあわせて、このばいじん、粉じん、こういうようなものを含めた産業廃棄物に対する第二次公害の処理の問題が、すぐまた問題になってきておるわけです。第一次産業の場合には、公害として、これはちゃんと補助もし、融資もするような制度になっておるけれども、第二次産業のいわば産業廃棄物というようなもあに対しては、通産省も厚生省も、これはえてしてわれ関せずえんというような態度をとっておるわけです。しかし、いま六十年をめどにして、せっかく経済企画庁が策定しているこの国土総合開発計画によりましても、これはすぐ現在の問題として対処しなければならない問題です。せっかく電気集じん機を使ったり、せっかく脱硫装置をしたり――まあ脱硫装置のほうはよろしゅうございます。粉じんを集め、いろいろな浮遊物まで集めて、それが何トンというふうにたまっています。幾らたまっても、それをどうして処理していいのか、処理に困っておるというのが現状です。こういうようなものに対しては、もうすでにどういうふうな計画があるのか。この計画について、六十年を基準達成年度にして――これは重大な公害問題が、第二次産業公害として、廃棄物の問題等を含めて、現在発生しつつあります。これは大事な問題です。これは大臣、ひとつ取っ組まなければなりません。
  65. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、いままで都市で一番大きな問題――あるいは都市に限りませんけれども、いわゆるじんあいの焼却とかあるいは家庭から出てくる廃棄物の焼却とかいうような清掃、これが非常に大きな問題でございましたが、これからは、ただいまおっしゃいますように、産業の廃棄物の問題、これが大問題になってくるとわれわれも考えておるわけであります。かねてそういう方面につきましてもいろいろと研究を進めている部局もあるのでありますが、先般日本都市センターに清掃事業近代化研究委員会というものが設けられまして、一年か二年か、いろいろ専門家の方が研究されて、そうして経済社会の変貌といわゆる清掃事業の近代化への道というような、一つの大きな、何といいますか、研究の成果をまとめてもらいました。これには産業廃棄物の問題が大きく取り上げられているわけでございます。ここだけではございませんが、こういったものをもとにいたしまして、政府といたしましても、計画的に産業廃棄物の処理の方法を今後力強く進めてまいらなければならぬ、かように考えております。
  66. 島本虎三

    ○島本委員 大臣、産業廃棄物の中でも、ばい煙、粉じん、こういうようなものはもう投げ場所も何もなくてどうにもならないといわれておりますが、せっかくこれに対して、これを精製して亜鉛の原料にしようとしておる会社さえできておるわけです。せっかく会社をこしらえて、廃棄物としてこれを埋没処理か何かしないで、産業の残渣、こういうようなものに対して、すでに資源として開発せんとしておる工場ができておるわけです。そういうのは日本で一カ所しかないと聞いているんです。千葉県にある。これは全部やっても関東地方だけのものの処理しかやっておりません。これが大きくなって、名古屋、大阪、広島、北九州、こうずっとなってみますと、こういうようなものを何カ所か建てて、これを処理し、第二次産業の廃棄物の中から、今度は資源として開発しなければならない。そうしたら、りっぱな亜鉛の原料になるのです。これに対して、全然もう認識しないで投げておる。公害に対する認識指導が厚生省もまた通産省も足りない。こういうようなものに対して、もっと融資すべきであるし、公害防止事業団あたりからしても、これは自分で積極的にやって売りつけてもいいし、やらしてもいいし、こういう事業の面はまだまだあるのです。これをやらなければなりません。公害防止事業団は、そっちのほうをやるのはだめだという、厚生省も通産省もお断わり申し上げておるようですが、はなはだ不見識である。これを検討してみて、そういうような善意の人には対処すべきだ。そしてこの公害だといわれるものからも、資源としてこれを開発する姿勢を積極的に企業家としてとらせるべきだと思うのですが、大臣の決意を伺いたい。
  67. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 産業の廃棄物からさらに有用な資源を取り出す、これはまことに、そういうことができるように検討していくことが必要なことだと考えます。したがいまして、そういう開発にすでに着手されているというようなものにつきましては、あるいは公害防止事業団でやりますか、あるいはほかのほうでやりますか、いずれにいたしましても、そういう事業の推進ができますように、あるいは補助金なり融資なりの面でひとつ検討をいたすことを答弁をしておきます。
  68. 赤路友藏

    ○赤路委員長 では、大臣は、参議院の予算委員会のほうへ、約束の時間が来ましたので、そちらに行っていただきますが、最後に大臣に、私のほうから一言だけ申し上げて考えていただきたい。答弁は要しません。  先ほど聞いておりますと、水俣関係ですか、公害病として指定したのは四つですね。その中で政府が、加害者はこれだと指定したのは水俣病。これはやっていますね。ほかの三カ所は、まだ結論は出ておりません、加害者の。水俣は出ておるのですね。――まあ私の言いたいのは、いろいろ事情はあるだろうが、そうして政府がこれを加害者と指定した限りは、これは相当やはり責任を感じてもらわなければいけない。ただ審議会とか委員会ができたからそれで、というのでなしに、もう少し積極的な取り組み、たとえば患者のほうから何かいろいろなことを言っておるなら、患者を説得するぐらいの誠意をもって、前向きでやってほしい。ひとつ検討してください。それだけです。どうぞ……。  島本委員。
  69. 島本虎三

    ○島本委員 では、自治省の関係の人、おられますか。――これは、先般私どもはイタイイタイ病の調査と、またその点検を兼ねて、富山県へ行ってまいりました。富山県の婦中町、これはもう御存じのように、イタイイタイ病の集団発生している地域であります。そこでは、富山地裁で現在イタイイタイ病訴訟が行なわれて、提訴されておりますけれども、これを町ぐるみで支援をするために、四十四年度予算に百万円のイタイイタイ病対策調査費を計上することになって、もうすでに町議会では民生費予算の中で対策調査費として決定されておる。これは傾向としては、やはり町ぐるみで公害裁判の支援体制を固める。ましてあそこは、ほとんどの、子供をたくさん生んだ婦人は、貧富の別なくかかっておりますから、それに対してやはり支援体制を固めるということは、これは全国的にも婦中町が初めてじゃないか、こういうように思うわけなんですけれども、この婦中町のイタイイタイ裁判の支援、まあこれは公害に対するいろいろな、一つの町を中心とした全国的な一つの対策というか、考え方というか、姿勢というか、こういうようなものを一歩前進させたものである、こういうようにわれわれは見て、早くこの訴訟による解決をこいねがった。ところがそこへ行って、いろいろな意見を聞いてみますと、富山市ではイタイイタイ病患者やまた遺族の住む一市二町でしょうか、それ以外の町もあったようですが、こういうあたりからも伺いましたが、しかし自治体にもいい影響を与えるものだ、これはいいじゃないか、進んで町ぐるみでこういうものはやったらいい、進んで決議をしようとする隣接町村もあり、決議もしている。支援決議です。この百万円というものは、町議会として検討して、イタイイタイ病の訴訟の助成金として支出して、使途については同協議会にまかせる方針だということをはっきり承ってまいりました。それで富山市のほうでは、同一歩調で患者救済のためには今後検討したい。それから大沢町、八尾両町でもこれに対しては検討し、前向きの姿勢を示しておる。これはもう町議会で決議したとも聞いておる。そういうふうになって、これはと思いましたところが、県庁へ行って聞いてみたところが、県庁では、援助する考えは全然ないという、知事をはじめ当局者の言動なんです。ことばなんです。これはもうはっきり断わってしまったということになれば、他のほうの市町村がそれに対して支援体制をとって一生懸命やってもらいたいというのに、県庁はそれに対して援助をする考えはないと断わってしまった。当然これは遺憾なことで、水をさすような行動じゃないか、こういうように聞いたところが、県では、自治省の見解でこれはどうにもならないのだ、そして自治省からの指示によってわれわれはこういうようにしたのだ、こういうように言っているわけです。患者を出した婦中町はじめ隣接町村は、町ぐるみでこれは早く解決したい。これは三井であって資力にこと欠かない。患者はもうすでにたくさん出てしまって、第一回目の印紙しか納められない、三十万円しか。しかしながら裁判は係属してやっている。全部無報酬で弁護団はこれに当たっている、これに対して国の手厚い医療保護さえもないのだ、こういうようなときに、せめてそれのためにというので百万円をやった。しかもこれはいろいろ支援ということでやった。合法的でしょう。ところが、県のほうに対しては、自治省のほうで、それは望ましくない、援助する必要はない、こういうようなことを言ってやった。これは重大なことだ。はたしてそういうような事実があったのかどうか、これを言明してもらいたい。
  70. 近藤隆之

    ○近藤説明員 具体的な内容につきましては、いま私初めてお聞きしたような次第で、自治省云々ということについては実は存じません。したがいまして、さっそく、そういう事実があったかどうか調べさせていただきたいと思います。  それから、なお、その公害の対策に要する経費というのは、御承知のように、一般的なものは普通交付税で見ておりますけれども、具体的なケースになりますと、これは特別交付税の対象になるわけでございますが、ただいまおっしゃいました具体的な内容は存じませんのでわかりませんが、訴訟費用の一部を公費で負担するのかどうか、あるいは普通のそういう協議会に対する一般的な補助金として、自治法で認められる性質のものであるかどうか、その辺について検討する必要があると思いますので、いずれにいたしましても、調査いたしたいと思います。
  71. 島本虎三

    ○島本委員 急にいま呼んだならば、いずれにしても調査するということばは、私は承りますが、以前から、この問題に対しては言ってあるのです。言ってあって、ちゃんと出てきて、これを承ってあとから調査する――もうすでに私どもは行って、小林副知事にわれわれは聞いているのです。電話で指示したそうです。なぜこれはそういうようなことをしなければならないか、する根拠があるのだ、これは重大な問題だと思うので、しているのです。電話で言ったのです。あなたにこの質問をしますということを、あなたは了解してきたのでしょう。あらためてこれから帰って調べますでは、わかりません。すぐに調べてきて、この問題を保留しておきますから、私の質問が終るまでに、やってきてください。
  72. 古川喜一

    ○古川(喜)委員 関連して。いまの問題でありますが、自治省のほうでは、昨年の五月八日に厚生省の調査班が政府発表として、イタイイタイ病は公害であるという認定をしたことを御存じなんでしょう。昨年の五月九日のこの産業公害対策特別委員会で、谷垣政府次官が発表した中に、「原因物質であるカドミウムについては、自然界に微量に」――微量ですよ。「微量に存在するものを除いては、神通川上流の三井金属鉱業神岡鉱業所の事業活動に伴って排出されたもの以外には見当たらない」という発表をしておるわけです。それから私の質問に答えまして、「現在のところ、法律上の定めはないわけであります。ただ企業活動によって起こったものだということの認定が、この際ここではっきりいたしたわけであります。」こう言っておられるわけです。したがいまして、国の決定として、これは明らかに三井鉱山のカドミウムの排出によるものであるということが断定されているわけなんです。したがって、いま県のほうへ参りましたところが、訴訟援助は行政府から立ち入るべきでない――ということは、先ほど厚生大臣もそのようなことを答えておったわけでありますが、それは法律というものはだれのためにあるのかというと、宇宙人のためにあるのか、けだもののためにあるのか。やはり日本の国民のためにあるならば、その政府が認定したことを行なおうとする法律が支障あるならば改正していくべきだ。一般の紛争、民事訴訟に対して政府が介入するということは好ましくないかもしれませんが、明らかに加害者が三井神岡鉱業所である。そのために日本の国民のたくさんの人が病気におかされ、あるいは死んでいっているという裁判が起きておるときに、民事訴訟に介入すべきでないという考え方で、いろいろ苦心しながら裁判の費用を捻出しているときに、そういうものを一切やるべきでないという考え方自体が間違いであるというぐあいに考えるわけです。たとえば直接訴訟に充ててくださいという補助でなくても、対策協議会というものがあるんだから、そこの協議会に対して助成をするとか、いろいろな形で行なわれると思うのです。現に婦中町では百万円の決定をいたしておるわけでありますし、いま島本委員がおっしゃいましたように、冨山、大沢野、八尾という市、町でも行なおうとしているのです。ところが県がそのような発表をする、そして県のほうから市町村に対して圧力がかかってくると、そういう費用が出なくなるということなんです。その大もとが自治省であるということになると、これはわれわれとしては、何のために国が、公害である、その加害者は三井神岡鉱業所であるという断定を下したのか意味ないというふうに受け取られるわけであります。したがいまして、島本委員のほうからあなたのほうに、こういう質問をしますということを届けてあるというにもかかわらず、いまのこのこ出てきて、これから調査しますというのでは、全く遺憾ではございますが、せっかく調査されるなら、私のこの意見をも十分しんしゃくしていただいて、何らかの形で訴訟援助というものが行なわれるように協力をしていただきたい、そういう見解を発表していただきたいということを申し上げる次第であります。
  73. 近藤隆之

    ○近藤説明員 内容を、実は申しわけございませんけれども、承知しておりませんでしたので、さっそく事実関係を調べたいと思います。
  74. 島本虎三

    ○島本委員 それと同時に、もう一つやはり県庁で言っていることばは、三権分立のたてまえから好ましくないのだ、県当局でそういうように言っているわけです。三権分立ということばを使っている。しかしいま古川委員が言ったように、裁判費用じゃなくて、困っている人たちの生活を含み運動を含む、その助成なんです。こういうのも三権分立のたてまえから好ましくないのだということは、はたして決定ができるかどうか。そうしたら、補助金を出してやるのは、みんな裁判に関係あったり公訴に関係あったりしたら、おそらく――これは少し行き過ぎであります。意図的にこれをやったとするならば、厚生省がせっかく公害であるという認定をする、いま委員長もおっしゃったとおりきまっている。国がやったそのものに対して、訴えられた側の原因者と思われる人を間接に援助することを教唆しているのが自治省だと思う。こういうようになってしまうことをおそれるのです。そんなことであってはいけません。そしてこのイタイイタイ病患者は、いまのところ三百名前後に及んでいる。しかしこれは、全部で四百二十七名の人がもうすでに訴訟に踏み切っておるはずです。そして第一次、第二次、第三次としてこれは行なっているわけです。これは鉱業法の百九条の無過失責任、因果関係を明らかにすればいい、こういうような裁判になっているわけです。国のほうも、もうすでにこれは公害病である、それでその原因者に対しても、カドミウム排出によるものであることははっきり言っている。それに対して、いま困まっている人と対等の裁判ができないし、せめて自分らが被害者であるのだから、町ぐるみでこれをやる。これはもうあたりまえだ。あたりまえ過ぎるほどあたりまえだ、こう思っているわけです。  その中にもう一つあるのは、これはいま言ったように四百二十何名の人がやっていますから、いまの冨山の法廷では六十名くらいしか入れないのだそうです。ですから、これは大法廷にしてやってもらいたいのだ。そしてこういうようなことに対して、各町では決議さえもしているのです。これに対しても、やはり三権分立のたてまえから、これは望ましくないのだという見解をもし自治省が持っているとするならば、これはとんでもないと思う。これは自治体に対する不当なる弾圧になります。こんなことは許されません。もうすでに例があるのだから、朝日訴訟でも松川裁判でも。しかしながらいま新しい公害、それも国がはっきり認定した病気にかかっている人たちのこれは裁判、あえて言うと、国がかわってやらなければならない性質の裁判、しかしこれは民事裁判ですから、国は直接関係していない。しかしながら、そういうようなたてまえからして大法廷にやってくれ、これさえ決議をするのがおかしいのだ、こんなことであるとしたならば、なかなかこれは認識の違いだけでは済まないと思う。これは重大な錯覚だと思う。こういうような指示をはたして何のためにしたのか、補助金の問題と大法廷の問題と。こんなのも、三権分立のたてまえからこれはいけないと言ったのだそうです。この事実もあわせて十分調べて、的確な答弁を願いたい、こういうように思う。この事実を知っておりますか。――これは調べないとわかりませんね。じゃ、これはあと一時間続きますから、その間にすぐ行って、やってきていただきます。それまでこれは留保させていただきます。
  75. 赤路友藏

    ○赤路委員長 ちょっと速記ストップ。    〔速記中止〕
  76. 赤路友藏

    ○赤路委員長 速記始めて。
  77. 島本虎三

    ○島本委員 通産省のほうにちょっとお伺いしておきたい、こういうふうに思うわけです。  それは、もうこれも冨山のほうに行っていろいろ点検してまいりました。実は前の公害対策特別委員会委員として、一回現地に入ったことがあります。今回二回目になる。そしてこれもイタイイタイ病の対策協議会、その人たちの意見をいろいろ聴取してみました。そのおりに、神岡鉱山の現状を調査するために、三月二十六日に鉱業所に入れてもらいたいというような申し入れをした。それは名古屋通産局の手塚部長さんを通じて、これを行なった。それに対して、会社側では、訴訟の原告と弁護士は参加させないということで、四名だけならばよろしい。それも国道沿いの場所三カ所を指定してよこした。国道沿いならば、だれでも行ってそれは調べられる。調べたいのは茂住という場所を入れて、構内の三カ所である、そういうふうに調査したいといってみたところが、それはできない。なぜかといったら、本省の命令だからどうにもなりません――通産局でそういっておる。本省とはどこだと言ったら、これは通産省だ。通産省のだれかと言ったら、これは本省の橋本さんという人だ。これは厚生省の課長にも橋本さんという人がいるけれども、あの人はそんなことを言うはずがないのだ、こういうふうに言ったところが、いや通産省の橋本局長だ、こういうふうに言うわけです。それならばあえてお聞き申し上げておきたいのですが、こういうようなことに対しては、もうすでにわれわれの調査でも、もう三十一年から様相は変えられてあって、水溶性のあのカドミウムでも、いまどこに行ってさがしてもあるかないか。これまでに完全に擬装してしまっておる。そこを、せめてこの場所に行きたい。すなおに入れてやっても、効果があがるかどうかさえ私は疑われると自分自身思っておる。それにもかかわらず、そういうような人が、弁護士と原告は入るべからず。あとそのほか四名だけならよろしい。そういうようなことで、本省の命令だからどうにもならない。それは橋本局長が言ったとするならば、これは会社側の代弁者だということになる。通産省はそんなことを言ってはとんでもないことだ。おそらく、私よりも古川委員のほうが言いたいのじゃないかと思うのだ、つらい目にあっていますから。こういうような問題はちょっと許されませんから、そういう事実に対して明確にしてもらいたい。
  78. 古川喜一

    ○古川(喜)委員 関連して。橋本局長に伺いますが、先日現地から患者を含む十数名があなたのところに陳情に来たわけですね。覚えていらっしゃるでしょう。そのときに、いわゆる工場側が立ち入り禁止で入れてくれない、だからぜひ工場内で採集したいものがあるのだということをお願いして、了解を得て帰ったはずなのに、いまも島本委員から申し上げましたように、だれでも入れるところだけ指定してきて、入れてくれない。約束が違うじゃないか、工場内に入れてもらう約束をしたのだということを、名古屋の通産局からの電話でありまして、連絡をとりましたら、いま言いましたように、本省からの連絡でこれ以上やむを得ないということを言うわけです。だからこれはおかしい。また名古屋へみんなで出かけていこうということだったけれども、待て、それは名古屋に行ってもだめだ。やはり本省に行って言わなければならないということで、きょうの機会を得て申し上げるわけでありますが、どういう連絡をされたのか、具体的にはっきりしていただきたいと思うのです。
  79. 橋本徳男

    ○橋本政府委員 これは経緯がありますので、若干かかると思いますが、御承知のように一月二十二日にイタイイタイ病対策協議会の人たちが見えられまして、そこでいろいろな話が出ましたが、最終的に二つの点が問題になったわけでございます。第一点は、今日でもまだカドミウムを含んだ汚染水が流されておるということ、それから第二点としましては、あそこの堆積場が崩壊してその影響がありはしないかということが心配である、こういうふうなことが問題になったわけでございます。その点については、監督的立場にあるわれわれとしましては、もう汚水は出ていないはずだ、それからまた、堆積場についても十分な保護施設ができているはずだというふうなことで説明はいたしましたが、しかしそのときに私つけ加えまして、それでも御安心なさらないのならば、これはやはり地元の人たちの不安というものはそれだけでは解決はできないでしょう、だから常時定期検査をやっておりますが、再度水の検査と、その堆積場についての構造その他その強度といったようなものを、担当の係官からはっきりとした御説明を十分させましょう、しかも現地において説明させましょう、というお約束をしたわけでございます。ただそのときに私さらにつけ加えまして、特に水の問題となりますればどの地点の水が非常に不安であるか。その点はむしろわれわれよりも、指摘された方のその場所において水を採取しましょう。それで、その採取したものがほしいと言われますから、それでは差し上げてお互いに分析したほうがもっとはっきりするでしょうというふうなことであった。そのときに、あまりたくさん押しかけてもいろいろ問題があるだろうから、何名程度にされますかということで、結局最終的に四、五名ということを言われたわけでございます。それで水の採取場所は、監督局のほうにおいて地元と相談してきめていただく。それから堆積場につきましては、これはむしろ堆積場をごらんになって、それがどういう構造であり、どういう強度であり、どういうふうにしてこれが構築されたかというふうなことを、監督局は十分調査しておりますので、会社側ではなしに、むしろ監督局のそういった説明を聞いて、十分な納得をしていただきたいというふうな話になっております。したがいまして、水の採取の場所につきましては、特に私のほうからも指示しておりませんし、かつまた、そういった一般的に入れるとか入れないとかいったような問題は指示してございません。問題は、この会社は、一般的には、そういった裁判にかかっておりますので、構内への入場を禁止しております。ただ今度の水の採取につきましては、したがって監督官が検査をする。そしてその監督官に、十分納得いっていただくために御同行していただくという考え方でございます。その水の採取の場所は、いま御指摘になった方のその場所の水を採取するというふうな話し合いになっておりまして、その線で進めておるはずだと私は思っているわけでございます。
  80. 古川喜一

    ○古川(喜)委員 いまほど局長から説明されましたが、われわれもそのように理解をして帰ったわけであります。人数も四、五名程度と了解していったわけであります。それから採取する場所、これは名古屋の通産局と地元、というのは、やはり陳情してきている人たちを言っているわけで、工場をさしておるのではないのです。そういう意味で地元には何ら相談がない。さらに、いまほど申し上げました採取した水は両者で分け合っておのおのの分析をやるということまで約束したにもかかわらず、いま申し上げましたように、だれでも行ける工場外を指定してきた。それで約束が違うじゃないかと言うと、すぐ、本省の指示だからやむを得ないと言うのですが、これは厳重に出先機関に言っておいてもらわないと、普通の一般の問題にしても、何か本省のほうでこういうふうに指示しているのだということで、わざわざ東京まで来るのをめんどうくさがって、問題がそのまま葬り去られる。だから、さっきの自治省のように、本省はこう指示しておるとか、そしてあなたのほうの名古屋の通産局のように、本省のほうでこう指示しているのだからこれ以上やむを得ません、こういう明らかにすぐ筋がほぐれてくることを平気で言うのですからね。これではやはり患者が役人に対する不信感を持つ。患者だけでなく、一般国民にしても、こういうことが重なってまいりますと、役人に対する不信感を持つと思うのです。でありますから、あるいは工場が聞かないなら、工場が聞かないのでやむを得ないとか言えばいいのに、本省からこういう指示だからこれ以上やむを待ないのだなどと言うのは、全くけしからぬと思うのです。  それで、あなたは神岡鉱業所のことに対して約束されたのだから、がんこに神岡鉱業所が拒否して入れないと言うのなら、それはわれわれは、あなたは努力されたけれども、やむを得ないということはあり得るということも考えられますけれども、あなた自身はそういう指示をしておらないと言うのに、現地のほうで、本省のほうからこういう指示をしているからこれ以上やむを得ないと言うのはけしからぬと思うのです。だから約束に従いまして、通産省の監督官と同道して、指定した場所で採取できるように、さらにひとつ御努力をお願いしたいと思うわけであります。
  81. 橋本徳男

    ○橋本政府委員 先ほど答弁いたしましたように、水の採取場所は双方納得するような場所、これは御指摘のとおりだと思います。ただ問題といたしましては、水の排出場所であるのか、それともその利水場所であるのか、こういった点につきましては、そのときに指摘された場所がつまびらかでございませんでしたので、それは双方でいろいろ十分話し合った上できめていただけばけっこうであると私は思っております。
  82. 古川喜一

    ○古川(喜)委員 ではお願いします。
  83. 島本虎三

    ○島本委員 こういうふうなことなんですよ、立地公害部長。あなたがいかに、公害のことに対しては通産省あげてわれわれは努力していますと言ったって、こっちのほうでは、いま言ったように、出先の間でそごを来たしている。これは完全に国家行政組織法第三条による強力な準司法的な機関で、立ち入り検査まで行なわないと、こういうふうな問題は解決しないのだ。いま局長のほうから、今後の紛争処理はこれでないとだめだということを暗に言っているようです。あんなへんてこな法律を出していてはだめです。しかしそれにしても、今度はやはり通産省も、これは企業側にのみ立っているのでは、公害の解決はできません。企業のほうがそうまで言っているならば、いさぎよくこれを見せるようにして、疑惑を晴らしなさいという態度に出るのが積極的じゃありませんか。それを、そうでないような行動を指導するということは、これはやはり現在の時世に合わない。こういうようなことをやっちゃだめですよ。
  84. 橋本徳男

    ○橋本政府委員 現在、神岡だけではなく、たとえば安中、対州、いろいろなところでそういった問題が実は起こっております。したがいまして、原則的には住民その他の不安を解消するために、住民の方が秩序を立てていろいろな不安の解消をしたいためにいろいろな施設を見たいということで、積極的に鉱山なり製錬所を見せてほしいということは、すでに指導しておるわけであります。ただ三井の場合は、訴訟に入っておるからということで、それについて三井のほうは必ずしも釈然とはしていない。またこれに応ずる態度が、必ずしも現在のところないというふうなことでございますが、そういう係争関係に入っているだけに、特殊なケースかと思います。したがってそれ以外の鉱山につきましては、たとえば安中につきましても、わざわざ社長に対して私そういう話をし、それ以外の鉱山につきましても、基本的にそういった住民感情というものは十分納得してもらった上で、対策をいろいろ立てるべきである。さらにまた先ほどの件でも、むしろ私のほうから積極的に、水の採取には立ち会ってほしいということを言い出したくらいでございまして、やはり納得のいったところで、納得のいった方法で、こういう問題は解決すべきであろうというふうに考えております。
  85. 島本虎三

    ○島本委員 今後そういうふうな態度で下部との間に断層のないように、ひとつ指導すべきだと思います  立地公害部長、こういうのがあって、いままであなたがいろいろ言っているのはうそであるということの証明をしたようなものです。これはいけませんよ。あなたは通産省の責任者で、公害の窓口なんです。こういうふうなことがないように、十分気をつけてやってもらいたい。この際ですから、あなたひとつ決意を言ってください。
  86. 矢島嗣郎

    ○矢島政府委員 先生御指摘のように、私は通産省の公害行政の窓口でございまして、微力ながら通産各局に対して、公害に対して前向きに取り組むように、常にあらゆる機会をとらえて連絡をしている次第でございます。  本件につきまして、私の承知しておる限りにおきましては、鉱山保安局長あるいは鉱山保安局が、一般人の立ち入りを禁止するように指導した事実はない、こういうふうに了解しておるわけでございますが、あるいは末端の連絡不十分で、そういうことも、あるいは誤解で、あったのではなかろうかと思いますが、いずれにしても、そういうような態度は、一般人の立ち入りを絶対禁止するというようなことを指導するような姿勢には、鉱山保安局もなかったものと思っております。こういうことに限らず、通産省の各局が総力をあげて公害行政に前向きに取り組むよう、さらに今後ますます連絡を密にしていきたいと思っております。
  87. 島本虎三

    ○島本委員 今後密にして、そういうようなことのないようにしてもらいたい。しかし、十分対策を講じているという点は、どうもいただけない。  これは冨山県高岡市に吉久という地区がありまして、これはいま工業地帯に指定されて、いろいろやっている。ここでは降下ばいじんと粉じんとばい煙がひどくて、いまでさえも――以前の月間八十トンからいま六十トンになり、三十トンの努力をしている。降ってくるばいじんが月に六十トンもある。これがまだあるのです。こういうようなことに対して、干しものは黒くなり、自動車は吉久地区というところから来たらすぐわかる、塗料が変わってくるんだそうです。そうして一見してそういうものはわかる。こういうようなことで、住民は気管支を痛めて、ぜんそくを起こしておる。もうすでに患者が出ておる。そこへは厚生省のほうからも調査に行って、ちゃんとやっている。そこには以前、いま委員長をやっておられる赤路委員長も一回調査に行って、住民の声を聞いてきたということを、私も承っておるのです。しかし、その後、それに対する対策は、厚生省も通産省も一つもしていない。この患者に対して、厚生省はどういう扱いをしてやったのか。それからそういうような、ばいじんを六十トンも降らしているような――いま三十トンになっているそうですね。こういうような企業をそのままにして、指導もしておらないなんということはおかしいじゃないですか。行ってごらんなさい。もうもうたるものですよ。私の顔でも黒くなってしまう。そんなところに四六時中いる住民のぜんそくはあたりまえです。こういうような点は、通産省としても、公害防止事業団やそういうような機関があるのですから、進んでやったならば、長期低利の融資も可能なんですと、これはちゃんと指導すべきではなかったのですか。当然やってしかるべきだ。患者の対策、それから企業への対策、この二つは、通産、厚生両省とも抜けています。この吉久地区の対策はどうしておるのか、両方ともはっきり言ってみてください。
  88. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 高岡市のいまの御指摘の問題でございますが、現在、高岡市に医療審議会というものが設けられまして、昨年の十月現在十二名がいわゆる市の患者の認定をされております。この点につきまして地元と打ち合わせましたところ、ただいまのところ地元で事務処理をするから、将来いろいろ御援助を願うときには、またそのときに御連絡するというようなことでありましたので、現在厚生省は、いわゆる予算的な点については、この問題については援助をいたしておりません。  なお、ばい煙規制法の指定地域としては、四十三年に厚生、通産両省で指定をいたしております。
  89. 矢島嗣郎

    ○矢島政府委員 いま厚生省から説明がありましたように、当地区は当時のばい煙規制法、それを引き継ぎました現在の大気汚染防比法の指定地区となっておりますので、大気汚染防止法に基づきまして、降下ばいじんであれば排出基準を守るべきことになっております。その具体的監督権限は全部冨山県にあるわけでございますが、先生御指摘のような事態があるとすれば問題でございますので、富山県に至急連絡いたしまして、遺憾のないように措置いたしたいと思っております。
  90. 島本虎三

    ○島本委員 通産省のほうはわかりました。厚生省のほう、この患者はそういうものが出て、わざわざ調査に行っても何らの措置をしていない、こういうふうな答弁なんですが、それはしなくてもいいのですか、政務次官。
  91. 粟山秀

    ○粟山政府委員 お答えいたします。  今後措置をするといたしますと、もっと綿密な調査をしなければなりませんので、それをやった上でやる、そういうことになっているようでございます。
  92. 島本虎三

    ○島本委員 初めてで、政務次官よくおわかりにならないと思いますけれども、もうすでに厚生省から調査に行って、もうすでにデータがあるのです。これは規模が小さいけれども、四日市のようなぜんそくなんです。規模が大きいところは指定されても、規模が小さければ指定されないということになりますと、れこはちょっといけない。こういうふうなことのないようにしなければならないが、どうだ、こういうようなことなんです。同じ病状なんです。もうすでに委員長も行って、住民と対話までして知っておるが、委員長は委員長の席から言えないから、私が言っておる。大量であれば措置できるが、少量であれば措置できない、こういうことでいいのか。
  93. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いまおっしゃった問題でありますが、私どもの職員が現地に行ったことはあります。現地の汚染データも存じております。ただ現地において患者があるということは、私どもがいたしましたような影響調査のはっきりきめられたものであるとは、私どもは考えておりません。ただ現地に対して今後どういう問題になるか、ひとつ国のほうとしてもどういうぐあいに考えようかということを、市に直接話をしたそうであります市のほうで、現地を地域指定をして、市としてこの問題を処理するから、また問題があればこれに対して協力をお願いしたいということでございますので、ばい煙規制法の地域指定を受けるということのみによって、現在対処しているわけでございます。
  94. 島本虎三

    ○島本委員 市のほうがそういうふうに言った、こういうふうに言うならば、これはまた私どものほうでは、市のほうから特に陳情も受けたし、市からそれは「古久地区住民について四十一年六月に健康診断を実施し、応急的医療措置を行なったが、徹底しなかったので、さらに四十二年九月に市保健婦による面接健康状況調査を実施したところ、他地区に比べ喘息、気管支炎等の呼吸器疾患が多いことが認められたので、四十三年五月一日より市単独による大気汚染健康障害者医療措置制度を発足させ、現在まで二十人が申請を行ない、医学的検査の結果十五人を認定し、通院によって治療中である。」「吉久地区の家屋は、降下ばいじんにより瓦の風化、雨樋の腐食が激しいので、自治省事務次官通達を根拠として、同地区を環境不良地区に認定し、住宅のみ五百七十五戸を対象として、固定資産税の評価額を四十二年度以降一率に一〇%を減額している。」「関係住民はなにを求めているか。」については、「被害者に対する救済措置や財産に対する金銭的補償は、いわば消極的対策であって、住民の真に求めているものは、発生源における公害防止施設の整備、充実による積極的対策である。」これは市当局からなんです。市当局は、これをやってくれ、住民も進んでやってくれ、しかし被害を受けている住民たちは、ここではすでに十五名が認定され、二十名が容疑者である、こういうようなことになっているのです。これに対しては、現在治療中である。地方ではこれに対する補助もあわせてお願いしたいということなのです。そうすると、やはりもう少し厚生省に考えてくれということじゃありませんか。この報告に対して、私はみずからこれをもらってきてチェックしながら、いまその答弁と市当局のとあわせているのです。これらの点はもっと地方のほうが積極的です。この点について、被害者はいるのだから、そんなことは知りませんという態度ではなく、進んで対処するのでなければならないと思います。
  95. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 先生の調査が最新版でございますので、よく県や市と連絡いたしまして、なお精密な調査を要するかどうか、それから現況についての、市なり県当局の意見等をさらに聴取いたしまして、御趣旨に沿って善処いたしたい、かように思います。
  96. 島本虎三

    ○島本委員 そういうようにしてもらいたい。初めて厚生省らしい答弁が、いまようやく出た。今まで謹聴ばかりして、だめです。  これはまた、通産、厚生両省ですけれども、あの高岡の新湊地帯は、新産都市に指定されて、いま続々と工場が誘致されつつある状態で、公害発生の可能性も高い場所だ。住友化学アルミ製錬所等々が予定されている。事前協定をするように、これは指導を的確にして、そうして予想される公害の予防措置を徹底させる。この点では完全に通産省は指導してやるべき場所だ、こういうように私どもは思うわけです。事前の予備調査、研究なんかもきちんとやっておいてもらいたい。それと公害防止装置の徹底をはかってもらいたい。それから関係住民の同意を完全に得るように指導してもらいたい、これは望んでいますから。この点等については、通産省は何もやっておらぬそうですが、どうですか。
  97. 矢島嗣郎

    ○矢島政府委員 富山高岡地区のような、新産都市であって、ちょうどいま工場が続々と立地するというような地帯につきましては、公害が将来起こらないように未然に防止するというために、いろいろな措置を講じなければならぬわけでございます。その観点から考えられますことは二つあると思うのですが、一つは、そこに行く大きな工場が、ただいま御指摘の住友化学のアルミがそこへ来るわけですが、そういう大きいものについては、比較的本省においても掌握が十分でございますし、それからその工場の生産設備、それに関連する公害防止施設というものについても、比較的詳細に承知しているわけでございますので、そういうものにつきましては、実際問題として、行政指導でもって公害が起こらないように十分にこれを指導するということを、個別、具体的企業、たとえば住友化学アルミというものについてやりつつあるわけです。特にアルミにつきましては、弗化水素等と関連して、各地において問題を起こしているわけですが、新しい工場であるだけに、新しい公害防比施設が可能でございます。そういう線で、ひとつ具体的に、大きい工場については指導するつもりでございます。  それからもう一つ、大気汚染は、これは複合汚染でございますので、こういう点につきましては、そういう個別企業だけでなく、全体として、この複合汚染がどういうことになるか、現在どういう事態になっているか、さらに工場の設備が完成した段階において、どういうふうになるかということを総合的に調査しなければならぬわけでございます。厚生省におきましては、昭和四十三年当時、富山火力というのが富山の北の海岸べりにできたのですが、その富山火力の建設に関連して、事前に拡散調査をいたしたわけであります。いずれ結果も出ると思いますが、そういう複合汚染に関する総合的な調査というものも、通産省といわず、厚生省といわずやって、遺憾なきを期してまいりたいと思います。  要するに大きい企業は個別にやり、すべての複合汚染については、第二の問題として、総合的な調査をやる、こういう対策を講じてまいりたいと考えております。
  98. 島本虎三

    ○島本委員 法務省来ておりますか――これは先ほどお聞きのとおりなんですが、おもにイタイイタイ病裁判に関する問題であります。これも三井金属鉱業を相手にして六億八千万円の損害賠償の請求、これは内容としては、死んだ人には五百万円、病気にかかって生存している人には四百万円、それから患者は症状に応じて三百万円から百万円、こういう段階を設けております。これには第一次が二十二名で六千百万円、第二次が三百五十九名で五億七千三十万円、第三次が四十六名で五千三百万円、印紙代はそれぞれ、第一次は三十万円、第二次は二百八十五万円、第三次は二十五万円、こういうようなことになっておりますけれども、このような貧乏な、生活に困るような状態の人たちなものですから、印紙代だけでも三百四十万円以上かかる、こういうようなことになっておりますが、第一次の三十万円はようやく納められたけれども、二百九十九名の弁護団の報酬や滞在費や会議費、これは全部自分持ちです。町では全面的にこれを援助するように決定された。こうなっているわけであります。しかし依然としてここで大きいのは、相手が三井金属鉱山であるというような点で、いま裁判の費用に関する問題では、いわば永久に負けるような状態にあるのが原告側なんです。費用が不足だ、こういうような状態をそのままやっては、法の平等の原則にのっとって行ない得ないこのようなおそれがある。さらに公害病というのは、国のほうで指定しているけれども、その治療法さえもまだはっきりとしためどが立たないような病気です。ただし、国は認定している、こういうふうになっている。しかしながら裁判になったら、もちろんそれ以上にまた長くなる。そうすると、これは裁判費用の問題でいろいろ行き詰まってくる。こういうような状態であるから、減免の手配をしてやったらどうだというようなことで、以前この問題は予算委員会等でやったおりに、これはすぐ善処するような方法がありますから、その方法にのっとって、被害者に負担をかけないでも公正な裁判ができるように指導したい、こういうような答弁があったようであります。現在、いわゆるイタイイタイ病をはじめとして、水俣病、四日市、こういうようなのが争われております。他のほうと比べてみて、このままにしておいては、やはりかわいそうな情勢がここにあるわけですが、民事局長は善処すると言っておりましたが、その後どのように善処をされたか、ひとつお知らせを願いたいと存じます。
  99. 味村治

    ○味村説明員 前回でしたか、予算委員会の分科会で、島本先生の御質問に対して民事局長が、この件について、公害に関する訴訟費用が非常に被害者にかかって困るではないか、これでは公害の救済にいろいろな支障があるではないかという御質問に対しまして、私の承知しておりますところでは、現行法では訴訟救済という制度もあるし、法律扶助という制度もある――法律扶助は制度ではございませんけれども、そういうことがある。しかし公害に関して特別に必要があるという御趣旨は、裁判所にも伝えて、検討するという答弁を申し上げたと私は承知しております。  ただいまの、問題になっておりますイタイイタイ病でございますが、これにつきましての具体的な事件は、私は存じておりませんけれども、ごく抽象的に申し上げまして、この民事訴訟法の百十八条に「訴訟費用ヲ支払フ資力ナキ者二対シテハ裁判所ハ申立二因リ訴訟上ノ救助ヲ与フルコトヲ得」という規定がございまして、この条文によりまして、申し立てをしていただきますと、資力があるかどうかということを裁判所が判断いたしまして、それで訴訟救助を与えるという決定をいたしますと、これはその後は印紙は不要。初めから訴訟を起こされるときにこのような申し立てをされて、裁判所に認められれば、訴状に貼用する印紙も必要でないということになっているわけでございます。さらに法律扶助協会という財団法人もございまして、弁護士の費用等の扶助もしておるというようなこともございます。前回の島本先生の御質問に対しまして、私のほうの民事局長が御答弁申し上げましたとおり、裁判所のほうに連絡いたしておりますが、こういう制度等もございますので、現在裁判所においても、実態等を調査中であるというように聞いております。
  100. 島本虎三

    ○島本委員 なお、こういうような実情を十分知っておられるということでありますから、今後やはり患者側の、いわば原告側が、この費用の問題で――あたかも有利な条件であり、これだけは、公害病、それと同時に相手が三井金属鉱山であるというような点で、天と地ほどの格差がある、こういうような現状である。こういうようないろいろな情勢を合わせましても、これは世界的に注目されている裁判である、こう思いますので、ひとつ公平にして平等の原則を曲げないように、これは大いに指導してやってほしい。このことは私からも強力にお願いしておきたい、こういうように思うわけです。この問題はこれで終わりたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  101. 味村治

    ○味村説明員 訴訟救助の制度とか法律扶助の制度が、なかなか一般に周知されていないというようなところから、こういう問題解決の困難性が一部にあるかと思うのでございますけれども、そういう制度があるのだということを周知させるように努力するよう、検討はいたしたいと存じます。
  102. 島本虎三

    ○島本委員 次は防衛庁おりますか――これは簡単に言いますけれども、もうすぐ審議にかかりますが、公害紛争処理法案から軍事基地のこういう問題を除いたという基本的な考え方を明確にしてもらいたいと思います。
  103. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 公害紛争処理法案から基地関係、防衛施設関係を除きました理由につきまして、私から申し上げますが、御承知のように、自衛隊並びに米軍施設は、わが国の平和と安全を守るという防衛の目的を持った施設でございまして、かような施設は、先生も御承知のように、一般産業等とは、いわゆる通常的に言いますと、営利を目的とするこういう施設とは、これまた本質的に差がございます。また国の行為の中でも、防衛というものは特異な存在と私ども考えておるのでございます。これを実際問題として、そういうものから起きる障害等につきましても、これが原因をいろいろ探究した結果、取りやめるようにとかあるいは原因を除くようにということを第三者から申されても、なかなかそうはいかないという場合もございましょうし、また、その制限を緩和しなければならぬ、あるいは障害の起こらないようにしようということもなかなかむずかしい事態が生ずるものもございます。したがいまして、こういうような問題につきましては、国みずからがかような障害を与えないように極力努力するのがもちろん当然でございます。またそのようなものにつきましては、その趣旨から、障害が起きました場合の防止の措置、障害を防止する措置、これらにつきましては、御承知のように、騒音の対策としては、学校の防音工事であるとか、あるいは病院であるとかいったようなたくさんの防音関係の施策を講じておるのでございます。そのほか、防音だけでなくて、障害の防止であるとかあるいはまだ障害に至らない場合でも、周辺の民生の安定とかいったようなことも積極的に国みずからが講じて、そしてそういうような紛争が生じないようにしたいというのが基本的な考え方でございます。またかりにそういった損失が生じました場合には、損失補償の制度もございますし、またこれらにつきましては、異議申し立てというような事後処理の方法もございます。かてて加えまして、われわれといたしましては、防衛施設庁、施設局あるいは県、市町村等と協力いたしまして、かような紛争を未然に防ぎ、また障害を防止するということで、極力努力してまいるというふうに考えておるのでございます。したがいまして、かような立場から、防衛施設関係の問題につきましては、公害紛争処理法案からこれは一応別立てとして、基地周辺整備法その他の活用等によりまして十分に対策を講ずるようにすべきであるし、またわれわれいたしたい、かように考えて除外いたしたのであります。
  104. 島本虎三

    ○島本委員 公害対策基本法の二条にはっきり、「公害」とは、ということで規定してあるのです。これは基本法です。一般法の上にあると言えば表現が悪うございますけれども、実施法は基本法によっていろいろ策定されていく。「事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁」云々と、こうずっとある。これはいかに何だって、事業活動その他人の活動に伴って起きる、この範畴に入るならば、これでやって差しつかえないではありませんか。米軍の基地だけは重視しなければならないとか、また自衛隊のこの機能だけは優先であるとか、こういうような考え方を優先させてはならない。これはやはり基地周辺の住民の人権を侵害することがあってはならないから、基本法は基本法としてちゃんとなっているのですから、その中で対処する。やれといったならば、公害紛争処理法案はそのままにしておいて、方法としては、いろいろ考える方法の一つとして、とっておいたっていいではありませんか。一体公害紛争処理、これは国民を対象にして、第一条に健康と生命が何よりも優先するということをうたっているのです。どこにも、軍事基地を重要視しなければならないとうたっているのじゃないのです。これに対して、あなたは何かいろいろなことを言って、そっちのほうが大事だ、いつの間にかこの第一条が変更されたのですか。何と言ったって健康と生命が何ものにも優先するのですよ。それだったら、現行のままでいいじゃないですか。なぜ軍事基地の分だけ除外しなければならないのですか。この私の見解が間違いならば、ここでおさとし願いたい。
  105. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 先生の御意見まことにごもっともでございますが、私どもといたしましては、防衛施設関係のさような被害、障害が起きます場合につきましては、それを防止する方法を国みずからが積極的に講じて、そういう紛争が生じないように、国みずからが最善の努力をいたすということを、先ほどからるる申し上げておるのでございます。かような方法といたしましては、防衛施設の周辺整備法、これらの法律の適用によりまして、紛争を未然に防ぐ、障害を未然に防ぐ、こういうところに最重点を置いておる。これが防衛の特殊性を考えまして、さような施策を講じておりまするので、御了解をいただきたい、かように考えております。
  106. 島本虎三

    ○島本委員 その程度のものは私はわかっています。ありきたりの答弁ではなしに、そういう被害があったならば、処理機関も、いわゆるいろいろな機関を経なくても、自動的にそれは全部対処されるようになっていますか。
  107. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 障害が起きましたときには、障害防止の施策を講ずるという考え方でございます。また騒音等のものにつきましては、騒音を防止するような施策を積極的に講ずる。また損失が生じました場合には、損失補償の制度を設ける。これはもちろん市町村等を通じまして、施設庁において処置するという、機関も明示してあるということでございます。
  108. 島本虎三

    ○島本委員 おそらく来週提案される予定になっております公害紛争処理法案、この中に盛られているものは、基地周辺整備法の中に全部入って事なきを期せますか。
  109. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 われわれといたしましては、さような問題の処理は、この整備法を活用することによって紛争がないようにでき得ると考えております。ただ運用上将来またいろいろ問題が起きますれば、その際は十分にまた前向きで検討してまいりたい、かように考えております。
  110. 島本虎三

    ○島本委員 現行の基地周辺整備法でこのままだいじょうぶやっていけるという確信がありますか、それとも、これを改めて将来適用させるようにしたいのだ、このいずれですか。現行法のとおりでもだいじょうぶなんですか。
  111. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 われわれといたしましては、周辺整備法の現在の法律をじょうずに運用することによって、これを防ぎ得るというふうに考えておるのでございますが、これは今後いろいろな問題も生じ得るでございましょうから、その際はまた十分に検討いたしてまいりたい、かように考えております。
  112. 島本虎三

    ○島本委員 調べるために立ち入りをして検査をしなければならないというような場合には、現行法によってはそれは可能ですか。
  113. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 私が除外する理由の一つに申し上げたのは、防衛施設が特異なものである。したがって第三者機関からの立ち入り、あるいは物件の提出というようなことは、防衛施設としては好ましくないというふうに考えますので、しかるがゆえに、これまた除外する理由の一つとして考えている次第でございます。
  114. 島本虎三

    ○島本委員 国家行政組織法第三条による準司法的な性格を持った委員会によるところの立ち入り検査ではないのですね。第八条の附属機関的な、こういうようなゆるい立ち入り検査を認めてうたっているだけですね。拒否されたならばそれ以上できないですね。あと罰則をつけたからといって、いまの基準法みたいに、罰金を払ったらあと何回でもやっていいというような、そういうゆるい状態にしておいて、それすらも拒否するようなことで、住民の意向を全面的に吸い上げてやるなんて、うそもいいかげんにしなさい。こんなことがどうしてできるのですか。第三条委員会ではないのですよ。あなたの考えはちゃんともうすでに米軍基地重視だとか、あるいは基地機能の優先であるとか――基地周辺の住民の人権をこれによって守るということばだけで、結局は基地重点主義の考え方です。基本法の一条にある、生命と健康は何ものにも優先する、これをはっきり言った佐藤総理のこのことば以上のものですよ。私ははなはだ、これは残念です。あなたのほうでいろいろ言っておりますけれども、板付の飛行場でも九%進学率が周辺の人はほかよりも下がっているというデータが出ているのです。また千歳の進入口に当たるところでは、中学校、小学校が移転しなければならないような危険な状態にあっても、何んだかんだといって、まだそのままになっている。現行の周辺整備法があるのに、そのままにしておいて、これ以上の公害のいろいろな複雑な機構の中でそれに対処していけますなんて、どこでそんなことが言えるのですか。こういうようなことは、正式に出たときにやりますけれども、そういうようなうそは、まことに私は聞くに耐えません。ここでやるならばもう少し気のきいた答弁をしてもらいたいのです。いまの立ち入り権の問題で、私の言っていることにうそがありますか。
  115. 山上信重

    ○山上(信)政府委員 立ち入りあるいは物件の提出等につきましては、もとより物件によりましては提出でき得るものもあるかと思いますが、第三者が立ち入って調査するというようなことを法律上認めるという制度は、われわれの考えている防衛施設につきましては、独特のものであるから好ましくないということを申し上げた次第でございます。  なお、先生がおっしゃいました、学校等の騒音に悩まされるというようなものにつきましては、われわれといたしまして、周辺整備法を活用して防音の措置あるいは学校が、必要ある場合には、移転されたり新設をされる場合には、これに対する助成というものにつきましては最大の助力をいたしてまいるつもりでいる次第でございます。
  116. 島本虎三

    ○島本委員 現に法律はあるのに、現にそういうような苦情が出ているのに、これからやりますなんて、現にできてから何年たちますか、不完全なんですよ。不完全なものにだけ頼って、それで救済措置をやっていく、こんな考え方が間違いだと言っているのです。あなたの答弁は全面的に私は了解できませんが、いずれ日を改めてやりますから、いまは帰ってください。  自治省が来ているようですから、先ほどの懸案の答弁をここではっきり出していただきます。
  117. 近藤隆之

    ○近藤説明員 先ほどの御質問の件、事実関係を調べましたところ、数日前、富山県庁から、電話で、地方自治法の解釈といたしまして、公益の必要上補助金というものは出せるわけでございますが、民事訴訟の当事者の訴訟費用について公費を支出することができるかという照会があったそうでございます。それで、一般的にいいまして疑問があるという旨の答弁をした、そういう事実関係があるわけでございます。
  118. 島本虎三

    ○島本委員 これは民事訴訟じゃないでしょう。言っているのは、イタイイタイ病対策協議会に対する補助でしょう。
  119. 近藤隆之

    ○近藤説明員 ただいま申しましたのは、富山県庁から、民事訴訟の当事者の訴訟費用について公費でもって支出できるかという質問がありましたので、自治法の、公益上の必要という場合には、一般的には、そういう場合は疑問があるという旨を答えたということでございます。  なお補助金が支出できるかどうかは、当然のことながら、その地域における公益上必要があるかどうかを、地方公共団体が個々具体的なケースについて判断すべきことだと思います。
  120. 島本虎三

    ○島本委員 りっぱな答弁です。  自治体の県民の健康と生命を守ることが、これが公益でなくて何でありますか、そのとおりでいいのです。したがって、自治体も、これは住民を含めて被害者なのです。そしてそれぞれ自分らが運動を起こす、また運動に対して補助する、これはあたりまえです。それが訴訟に限っては、それならばだめだといっても、こういうような協議会に対する援助は、これは当然差しつかえないものである。したがっていま婦中町やその他の町が行なっているこれに対して、富山県知事が何やかや言う性質のものでない、こういうようにはっきりさしておきたいと思います。そうでしょう。
  121. 近藤隆之

    ○近藤説明員 先ほどもお答え申しましたように、県のほうから、その民事訴訟の費用を公費で持ってもいいのか、地方自治法の解釈としてどうか、という御質問があったらしくて、それに対しまして、電話照会でございますから、一般的にはこういうものは疑問がある、という旨の答弁をしたということでございます。  それで、この具体的なケースについて、そういう協議会に対して補助金を支出するかどうか、それがその地域において公益上必要であるかどうか、当然のことながら、これも先ほど申し上げましたとおり、当該地方公共団体の議会がきめるべきことだろうと思います。
  122. 島本虎三

    ○島本委員 したがって、もうすでに当該公共団体がそれぞれ動いておることを、県庁が別にとやかく言う何らの根拠もない、そのことだけはっきりしておけばいいのです。そうですね。
  123. 近藤隆之

    ○近藤説明員 時間の関係で、県庁と市町村の間に具体的などういう事実、どういうやりとりがあったかということは、短い時間で御紹介する余地がございませんでしたけれども、一般的にはそうだと思います。
  124. 島本虎三

    ○島本委員 それで、自治省のほうはせっかくですから、あと二つばかりで私やめたいのです。  国が認定をした公害病患者に対して、税の減免は当然考えるべきではないか、こういうふうに私は思っておりますが、県民税や市町村民税、地方税については地方段階でできる。所得税その他については、やはり全額何らかの手段を講じて、公害病患者のために、いたわりあるあたたかい措置が必要なんじゃないか。自治省だけじゃないと思いますが、しかし、これはあなたせっかくいらっしゃったのですから、あなたの貴重な答弁を願いたいと思います。
  125. 近藤隆之

    ○近藤説明員 地方税の場合には、御承知のように、税条例でそれぞれ減免の措置があり、必要に応じてそれが発動できると思いますが、国税関係はちょっと所管でございませんので、答弁を控えさせていただきたいと思います。
  126. 島本虎三

    ○島本委員 地方税の件については、そういうような状態を十分加味して善処せいということを、あなたのほうから言ってやっていいじゃないですか。余分なことは言わぬでも、こういうのは進んで言ってやってほしい、これは私のほうから要望しておきます。  それと合わせて、今度は富山県自体の基準財政需要額が、公害行政に関するものは何か二百四十八万円だ。しかし実際は十倍の二千五百二十二万円支出されておるのが現状だ、しかし、これはあまりひどいじゃないかということなんです。これに対してはやはり自治省も、こういうような困っている公害県に対する援助は十分やってやるべきではありませんか。
  127. 近藤隆之

    ○近藤説明員 ただいまの数字、どういう数字かわかりませんが、先ほどもちょっと触れたと思いますけれども、一般的な公害対策費は普通交付税で措置いたしますが、具体的なイタイイタイ病について富山県が支出した分については、特別交付税で数千万円見ております。その分が最近きまりましたもので、おそらく先生の数字に入っていないのじゃなかろうかと思っております。その場合、県がイタイイタイ病でどの程度使ったかということを十分聞き取りまして、それに対する措置をいたしております。
  128. 島本虎三

    ○島本委員 四十二年度は特別交付税は二千百万円でしょう。それから四十三年度は二千七百万円でしょう。しかし、やはりこういうような点からして、普通交付税として若干措置されていても、これは大幅に見てやる必要は当然ある。それから、普通交付税では全く措置されていない部分に対しては、基準財政需要額に算入させるように公害の場合には十分取り計らって、県当局やこういうような自治体に対しての財政措置の点は、これを少しやったって国がつぶれるわけはありませんから、国がわざわざ認定した病気ですから、それに対してこれくらいの対処をしてやったほうがいいのじゃないか、こういうようなことです。当然でしょう。
  129. 近藤隆之

    ○近藤説明員 公害関係の普通交付税措置も、仰せのように、必ずしもいままで十分ではございませんで、四十三年度では六億程度でございましたけれども、四十四年度は、現在提案いたしております交付税のほうでは、その倍額程度を一応見込んでおります。ただ、公害の関係はいろいろな地域的な関係もございますので、普通交付税のルールで措置できない部分が相当ございますから、それはお説のように、できる限り特別交付税で、実態に合った措置をやっていきたいと思っております。
  130. 島本虎三

    ○島本委員 当局の善処を要望して、これで終わります。
  131. 赤路友藏

    ○赤路委員長 本島君。
  132. 本島百合子

    ○本島委員 先ほど厚生大臣に質問いたしますときに、一点だけ抜いておいたのです。それは厚生大臣はおわかりにならないと思ったので、はずしたわけですが、やはり四十二年のときに吉田之久議員が御質問いたしました、いわゆる排気ガス等によるところのぜんそくにかかっておる方、あるいは四日市ぜんそく等によって酸素吸入などをしておるその機械、この機械を厚生省は認可されておるのですか、その質問に答えて、役に立ちませんという御答弁があったので、沿道の人はびっくりしたわけなんです。御承知だろうと思いますが四日市ぜんそくの場合には病院で使わせられておるようですが、簡単に口をふさいで酸素吸入をするというようなものが多く使われておったと思います。世田谷の大原付近におきますところの酸素吸入の機械はかなり大きなものなんです。その当時の値段が、町会その他での補助金がありまして、一個当たり大体一万五千円くらいについておる。家族の多いところでは、一器では間に合わないから二器なり三器なり使っておる。これに対する補助金等を考えられないか、こういう御質問をされたわけなんです。それに対して、全然そういうものは役に立ちませんという答えで、ほんとうに沿道の人はびっくりしてしまったのですね。そういいながらも、呼吸器、気管支等が痛むものですから、やはりわらをもつかむような気持ちで酸素吸入をする人もあるし、全然役に立たないものならばもうやめたという人もあるわけなんです。こういう点について、認可をされる厚生省としては、一体どういう基準で認可をされておるのかお尋ねします。
  133. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いまおっしゃいました認可の基準の問題は、薬務行政のほうでございますので、私準備が不足いたしておりますが、酸素吸入の問題について若干お答えさせていただきたいと思います。  この点につきましては、四日市の病院の中で酸素吸入をしておりますのは、純粋の医療器具として病室の中の医療状態としてやっておるわけであります。それから大原の交差点で交通警官が曝露されておりますのは、五十から百PPMという濃度を曝露されておりまして、マスクで圧力がかかる形でやっております。私は交通警官がやっておられるものは意味があると思っておりますが、あの問題がございまして、公衆衛生及び臨床の専門家に集まってもらいまして、はたして大原の交差点のまわりの家で酸素吸入をするのが意味があるかということを伺いましたら、どの専門家も、あれは意味がないということをはっきり申されたわけでございます。そういう意味におきまして、一軒の家の中でこの酸素吸入をされるということは意味がないと私どもは申し上げたのでありまして、四日市の酸素吸入といいますものは、病院の医療施設の中で、テントを張りまして、圧をかけましてやる。そして交通警官のほうはマスクで圧がかかってやられる。一般住民の十倍くらいの濃度をかぶっております。そういうためにやられるものだということでありますので、私どもは、いまでも、屋内で酸素吸入をやられるということについては意味がないと思っております。
  134. 本島百合子

    ○本島委員 この点で、先ほど厚生大臣に、最後に質問なり要望のような形になったことばが出たわけなんです。病院に入っておるからこういうものは非常に効果のあるものが使われておるが、一般の人々が不安にかられて使用しようとするときに――厚生省が認可したからこそ、それを住民は安心して使うわけなんですね。しかも町会等であっせんなどをしてきた、こういうような状態で、いまのような答弁ということになれば、厚生省の認可というのは、そういう機械ばかりでなく、薬その他についてもなさっておるわけですが、一体それは効果のあるものかないものか、こういうことにならざるを得ないのです。こういう点の責任というものは全然ないものですか。
  135. 橋本道夫

    ○橋本説明員 もしも誤っておりましたら、またあとで薬務局にはっきり聞いてお答えいたしたいと思いますが、あの時点において私ども薬務局に聞いてみました。そうしたら、酸素が出るということは間違いない、この機械そのものではあぶないことが起こるものではない、ということだけでその機械を認めておるものであって、それをあの場所に使って有効かいなかということについて、この医療機械の審査のときにあれしておるわけではないというようなことでございます。
  136. 本島百合子

    ○本島委員 それではお尋ねしますが、大体あの種類の機械がどのくらい認可されておるのか。いまおわかりにならなければ、また後ほどでも御報告願いたいと思います。いろいろの種類が出ておる。いろいろ勧誘されておる。いろいろに宣伝をされておる。そしてまた、そういう病気にかかろうとする状況の人々というものは、わらをもつかむような気持ちで、そういうものを買い求めて身を守ろうとしている。これは人間の心理で、あなたもお認めになると思います。そういうときに、その基準も明確でない、ああいう場合にはそれが効果がないんだなんて、じゃどういう場合に効果があるのか、こういうようなことで、現在全国的に見まして、この一酸化炭素によるところの被害というものは非常に広範になってきておるわけですから、そういうときに住民にほんとうに役立つようなもの、こういうものはどういう種類があるんだということをはっきりされたらどうだろうか。もちろんメーカーものについて、これがいいんですという宣伝はできないはずです。したがって、この認可をするときに、はっきりこういうものがどの程度にきくのかということを明確にされて、あまり役に立たぬようなものは認可しない方針をとってもらいたい、こう思うわけですが、こういう点いかがでしょうか。
  137. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いまおっしゃいました点の認可の問題につきましては、ひとつ薬務局のほうに、間違いのないようにもう一度聞いてみたいと思います。  ただここに、法律だけの条文を読みますと、「医療用具」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器具器械であって、政令で定めるものをいう。」というような法律の定義でございまして、この機械を売るという場合に「厚生大臣の承認を受けた医療用具であって、その性状、品質又は性能がその承認の内容と異なるもの」はいけないとか、あるいは、規定により基準があって、その基準に合っていなければいけないとか、あるいは不潔、変質、そういうものがあってはいけない、あるいはその使用によって保健衛生上の危害を生ずるおそれがあってはいけないというようなことになっておりますので、先ほど御質問がありました酸素吸入――酸素が出ますということだけでいった場合には、これは出ないということはできませんで、酸素がすぐさま毒になるかということになりますと、やはりその場合に毒になると言うことは実はちょっとできません。小さな赤ん坊の場合は酸素吸入では問題が起こることがございます。そういうことでございますので、一度薬務局のほうにはっきり確かめていたしてみたいと思います。
  138. 本島百合子

    ○本島委員 いつの場合でも、非常な被害が出て初めて是正をされる厚生省のそうした行政について、国民は非常な不安を持っておるわけなんです。ですから、いま一度そういうものについての検討をされて、どの程度かの基準をやはりつくり直す必要があるんじゃないでしょうか。私があのときそういう話を提供いたしたものですから、業者がさっそくやってまいりまして、これは外国へ輸出する、何千台とか何万台とか契約している、そのやさきに厚生省があまり役に立たないということを言われたので、全然だめになったというわけで、まっさおな顔をして飛び込んでこられました。私はそのときに、あなた方業者を守るために議員は発言しているのではなくて、多数の国民の健康のためにやっておることであるから、あなた方の言い分は聞きません、もし不服ならば厚生省にいってください、こう言って突っぱねたわけですが、その業者にしてみても、気の毒だという気がしみじみとしたわけです。そういう点、日本の外貨獲得のために一助となろうとして一生懸命やった業者、それが厚生省のいいかげんな基準、また厚生省の、役にも立ちませんというような簡単な答弁の陰には、そういう犠牲もあったということ、これをひとつ銘記しておいていただきたいと思うわけであります。  そのあれはどのくらい種類があるか、あとで出してくださいますね。  次に警察庁のほうにお尋ねいたします。昨年十二月の調査のときに、大原交差点その他の交通量その他を検査されたと思うわけでありますけれども、大体見込み違いであった。あの大原交差点の立体交差ができたので、非常に自動車は緩和されるだろうと思ったのに、どっとあそこに自動車が予想以上に集まってきたから、そういう意味で汚染度合いも強くなった、こういうようなこともいわれておるのですが、大体どの程度に見込まれて、交通量がどれだけふえたか、おわかりでしたら御説明願いたいと思います。
  139. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 昨年の秋に、警視庁で全面的な交通量調査をやりました。大原の交差点で、昼間十二時間、交通量が九万六千台という交通量にのぼっております。その前までは四方向で約七、八万台といったところであったのでありますけれども、やはりあれだけの立体交差ができますと、交通量がいまおっしゃるとおり吸収されまして、九万六千台という、われわれが予想しておりました以上の、相当高い数字の交通量を示しております。
  140. 本島百合子

    ○本島委員 先ほど厚生大臣に質問したとき、あなたは聞いておられましたですか。
  141. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 おりました。
  142. 本島百合子

    ○本島委員 ではお尋ねしますが、東名道路が完成して渋谷を突き抜けてまいります場合、これがどのくらいと予想されておりますか。現在が幾らで、それが完成した場合幾らか。  それから、現在の状況の中でのいわゆる一酸化炭素の量はどの程度になっていると思いますか。
  143. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 御承知のとおり、現在の放射四号、上り下りで、単線で十二時間交通量約四万五千台でございます。ただし、御承知だと思いますが、あの上馬とかあるいは三軒茶屋、こういう交差点になりますと、特に上馬あたりは十二時間十一万台の交通量。それから、これから工事が御承知のとおり始まります。工事が始まりますけれども、まん中の五・五メートルの工事部分を少しでも助けるために、歩道の切削をしておりますので、交通量の流れそのものはそう支障はない。ただし二十カ月くらい先になります三軒茶屋の立体交差のときには、これは非常な交通渋滞が起こりますので、そのような場合には交通規制を考えざるを得ない、こういうふうに考えておりますが、しかし将来の交通量がどのくらいになるかということは、残念ながらいま数字を出しておりません。と同時に、現在東名におきます排気ガスの一酸化炭素の含有率がどのくらいの量かということは、警察のほうでは残念ながら資料を持っておりません。
  144. 本島百合子

    ○本島委員 それでは厚生省にお尋ねいたしますが、一酸化炭素の人体に対する許容量といいますか限度と申しますか、どの程度までは無害でどの程度以上になったら有害かという度合はどの程度ですか。
  145. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いまの御質問の許容量ということで申しますと、現在の労働衛生では、八時間で一〇〇PPMということであります。これを少し下げてくるという論議がありまして、約その半分くらいのところまで下げられるのじゃないかという議論が現在あるやに承っております。一酸化炭素につきましては、慢性の低濃度の長期の影響というものは、現在の学問の中では明らかになっておりません。一回暴露されて、そのときどのくらいのガスをこうむるかということであります。ただ私どもが影響調査の結果明らかになっておりますのは、長時間一〇PPMをこえますと、一酸化炭素ヘモグロビンが大体五%になるということでございます。五%ですぐさま危険なことは何も起こりません。一〇%をこえますと、これは何らかの自覚症状があらわれてきます。労働衛生では、一〇%をその目安として、今後規制していこうというようなお考えが、学界にもあるようでございます。それに対して、安全率をもって五%以上には上げたくないというようなことを頭に置きながら、現在私どもはやっております。そういう意味で、この五%といいますのは許容限度ではございません。常日ごろそれ以下に置いておきたいということでございます。そういう点でいきますと、長時間一〇PPMくらいをこえてまいりますと、大体五%をこえる人がまわりにあるということでございますが、直ちにそれで障害が起こるという性質のものではございません。
  146. 本島百合子

    ○本島委員 過日新聞の報道では、いまおっしゃった五%程度でも、病人または子供の場合相当影響がある、こういうふうに報道されておったのですが、それはどうなんですか。
  147. 橋本道夫

    ○橋本説明員 その点につきましては、私どもは、子供や病人がいるということを念頭に置きまして、、安全率の二分の一の五%ということを極力保とうということでいっておりますので、よいことはないと思いますが、ただそれによってどういう障害が、それでは五%になったら子供や赤ん坊に起こるかということにつきましては、現在の段階では不明でございます。この点につきましては、専門委員会で環境基準の検討をいたしておりますので、いずれ今秋までには結論が出されるものというように考えております。
  148. 本島百合子

    ○本島委員 いまのは、秋までに研究された結果がわかるということですが、今回公害二法案が提出されるわけですね。健康救済というような法律案も出る。こういう場合に、どの程度でどうなるかわからぬなんて、そういうちぐはぐな話はないと思うのですがね。そういうことによって今回の法律案が組み立てられているとするならば、あれはあまり信頼ならないようなものじゃないですか。役人さんとして、そう言えますか。私はそう言えると思うから言うのですが……。
  149. 橋本道夫

    ○橋本説明員 気持ちの上では、先生のおっしゃることを私はもっともだと思いますが、公害面では非常にわからないところが多うございまして、私どもはやっと亜硫酸ガスやそういうところのものを現在踏み切ったということでございます。そういうことで、極力追いつくようにいたしたいと思っておりますが、現在の段階ではっきりわかるところはどこか言えといわれたら、これは労働衛生の限度をいう以外にはない、私どもはこういうぐあいに思っております。
  150. 本島百合子

    ○本島委員 そういう点が多々あって、住民に大きな被害が出てから初めて騒ぎ立て、それから問題の解決までに十何年もかかっちゃうなんというようなことになるのじゃないでしょうか。先ほど社会党の島本先生が一生懸命御質問されておった。あそこを見ても、そういう感じがするわけなんです。ですから、これは特段の配慮というか、予算が足らなければ大蔵省からふんだくってでも、早くこれをきめていかなければ、一体何を基準に、自分たちにどのような影響があるのかということが、住民には全くわからないわけなんですね。役所でわからないのですから、専門的な研究機関を持っていてわからない、こういわれる場合、これは非常な不安が出てくるわけなんです。そういう意味で、秋までといわないで、わかり次第、ある程度の報告を国民にしながら、そしてそれに対する予防措置というものを、また啓蒙していっていただかなければいけないのじゃないか。先ほど厚生大臣に、最後の質問のところで申し上げたのはそれなんです。どういう場合でも、被害が起きてから初めて取っかかるような行政であってはならないのです。そういうことで、今後とも、急いでそういう研究、またある程度信頼のできる程度の発表をやっていただきたいことを要望しておきます。何かおっしゃりたいことがあったら言ってください。
  151. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 一酸化炭素の問題でいろいろ先生から御提案でございますが、私どもとしましては、あらゆる国内の学者を動員いたしまして、いろいろ調査をやっておるわけでございます。そのほか、世界各国の情報をできるだけ集めまして、いろいろの環境基準あるいは許容限度その他の問題の検討をいたしたいと思っておりますが、何せいろいろ先ほど公害課長から話がありましたように、公害問題について、特にたとえば許容限度とか、そういう問題については、いろいろ各国等においても意見の相違があり、また未解明な問題がございます。しかしながら、先生おっしゃるように、わからない場合でも、やはり未然にある程度安全率を見て予防的な措置をすることが必要でございますので、そういう点につきましては、できるだけ先生の御趣旨に沿うように、いろいろな行政施策の目標、あるいはかっちりとした排出基準等ができなくても、指導的な基準あるいは暫定的な基準、そういうものをいろいろ設定いたしまして、前向きで処理していきたい、かように考えております。
  152. 本島百合子

    ○本島委員 その点は、それこそ予算を多く取ってでも、早急に取り組んでやらなければならぬことですから、大臣と御相談の上、秋なんて言わなくて、研究が済み次第逐次報道されるということを私要望しておきます。  運輸省にお尋ねいたしますが、この秋から、自動車について、新しい車から排気ガスの排出量を三%以下に押えるつもりだ、こういうようなことで、新聞に大々的に報道されておったのですが、大体新車というものは三%以下しか出ないということを一般でいわれておるわけなんですね。そういうものに力を入れて、中古車というもの――この中古車というものが排気ガスを出す量が多いわけで、たとえば自家用車で二年使って三万五千キロ走った。そういう場合に、たとえば運輸省の十六項目の指導基準で、きびしくその基準を守って整備をした車でも、一〇%増というような形で出るのだ、こういうことが報道されておるのですが、その中古車というものに対して、なぜこれを急いでおやりにならないのか。
  153. 景山久

    ○景山説明員 お答えいたします。  先生のおっしゃいました、まず新車の問題でございますが、これはことしの秋から二・五%にする。実はいまの車は全部三%くらいに入っておるじゃないかというお話でございますが、これは一昨年の九月から、すべての新車につきまして三%という規制をいたしておりますので、実は全部の車がそうなっております。これは引き下げます数字がわずか〇・五%ということで、非常にわずかのようでございますけれども、だんだん薄くしてまいりますと、技術的には非常にむずかしくなる、こういう傾向にございますので、この〇・五%というのはなかなか技術的にはたいへんなものだというふうに考えております。  それから、先生御指摘の中古車といいますか、使用過程の車についてでございますが、私どもも、こういった車につきましては、大いに規制をしていかなければいけないというふうに実は承知いたしております。これにつきましては、やはりこういったものは技術的にいろいろ準備が要ります。来年度予算におきまして技術的な準備をいたします。各国のいろいろな技術情報も仕入れなければいけませんし、また検査の施設も要りますので、それをやっていきます。そして四十五年度から検査をしようということでございますが、検査をいたしますのには、やはり車の数も多うございますので、検査官の要員の確保ということが一番大事でございます。これにつきましては、先ほど来先生からもいろいろ励ましのことばをちょうだいしておるわけでございますが、私どもといたしましても、できるだけの努力をいたしまして、検査実施の体制を整えるようにいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
  154. 本島百合子

    ○本島委員 この間大雪になりましたときに、ちょっとした坂はチェーンをつけなければ通行できない。箱根山なんかチェーンをつけないものは絶対通さない、こういうわけですね。この場合の保護ということになると、車と運転をする人、それからその周辺にいる人にぶつからない、こういうことの配慮だろうと思うのです。排気ガスを出すということは、不特定多数の人たちに多くの迷惑をかけておる、こういう状態の中で、なぜこの規制ができないのか。これは機械の名前を私よくわからないけれども、アフターバーナーというのですか、これをつければ排出量を調整することができるし、少なくすることができる。こういうものをなぜ強制的に取りつけさせることができないのか。いままで強制的でないから、これを実行しているものは非常に少ないと思うのです。現在実行していられるのは役所関係で、一般ではほとんどこれはしていない、こういっているのです。さすれば、一体この機械はどのくらいの値段がして、どうしてこれを強制的に取りつけさせることができないのか、またこの機械を取りつけるチャンスというのは、自動車の種類によって違うでしょうが、大体二年すれば車検を取りかえるはずなんですね。そういうときに、さっきの十六項目の指導要項でもって整備をしろ、こういっているけれども、これは強制的なもあがないものですから、そういうふうにされているかどうかわからぬことですわね。こういうときにこの取りつけというのはできないものかどうか、こういうことなんです。
  155. 景山久

    ○景山説明員 中古車の使い方の問題でございますが、交通規制とかそういった問題につきましては、アメリカのある州におきましては、大気汚染度の程度に応じまして、三段階の規制をしているというところもございます。  それから、アフターバーナーの件でございますが、先生お話しのように、各官庁で試験的にいろいろやってみております。また私どものほうの、交通公害を担当いたします専門の研究所がございまして、そちらのほうで、アフターバーナーの実用研究と申しますか、使っていくとどういうふうになるだろう、効果はどうなるといったような研究もいたしておりますが、現在までのところでは、じょうぶで長持ちをするというぐらいのものに実はなっておりません。むしろこれは役所とかそういった特定のところで試験的に使いながら、ぐあいの悪い点を出して、これから技術的に開発をしていくという段階にあろうか、こういうふうに思っております。大ぜいの方にこれを強制して使っていただくというところまで、技術的にはまだ来ていないということでございます。  そしてまた、一酸化炭素の排出防止という点につきましては、エンジンのもとでよくしていくということが、車を使っておりますときに一番手数がかからず、またあとできれいな状態がずっと維持できるというふうに考えておりまして、現在のところエンジンのもとから直していくということでやっておる次第でございます。私どものほうといたしましては、非常にいいものができますならは――別にどういうものを使ってきれいにしなければいけないということではなくて、結果においてきれいになればいい、こういうふうな考え方で、大気汚染防止対策を進めていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  156. 本島百合子

    ○本島委員 また、たとえば新車から二・五%程度に押えるということでありますけれども、いま排気ガスを出すものの中にいろいろあると思うのですが、軽自動車とかオートバイだとかバイクというような単車、そういうようなものはどういうふうになさるのか。  また、これは排気ガスと別に、自動車もそうですが、スポーツカーなどは、わざわざ製造元が音に対して、雷族がやるような大きな音を出せるようにして売っているのですね。それからまた、スピード等についても、日本のどの道路をとっても、制限外というか、ものすごいキロ数で走りますなんていう宣伝などをして売られておるようですが、こういうようなのは、大体運輸省で規制をされ監督をされていっているものなんじゃないでしょうか。そういうのはどこでやっていらっしゃるんですか。
  157. 景山久

    ○景山説明員 御質問の最初の、小さい自動車につきましての排気ガスの件でございますが、エンジンが小さくなりますに従いまして、技術的に排気ガスの対策が非常にむずかしくなるというのが一点ございます。それからもう一つ根本的な問題といたしまして、たとえば東京都でございますと百二、三十万台、これは昨年の三月の数字でございますが、特別区内の数字がございます。そのうち小さい自動車は約二十数万台でございます。大体五分の一くらい、そしてまた一酸化炭素の排出量は、実際の問題として、濃さといいますよりも、これは実際に出てくる量が問題でございますから、その量についてあたってみますと、やはりエンジンの小さいものからは少ししか出てこないということでございます。たとえば普通の自動車でございますと、千五百ccとか二千ccとかエンジンの大きさがございます。いまお話しのバイクでありますとか軽自動車でございますとかいう車になりますと、百二十五cc、三百六十ccくらいでございます。平均いたしましてかりに二百とか二百五十という数字でエンジンの大きさだけ考えましても、大体八分の一というふうなことになります。車の数と両方掛け算いたしますと数十分の一になりますので、現在のところ、そういった技術的にむずかしいものを追いかけるということよりも、もちろんそれに対しましてもできるだけのことはやらしておりますけれども、規制その他につきましては、普通の自動車について、たくさん走ってたくさんガスを出すという車について規制をしていくほうが、技術的には非常にむずかしいことでございますし、日本じゅうにもそういった関係の技術者がたくさんいるわけではございませんので、そちらのほうに重点を置いて推進していくというふうに考えているわけでございます。  それから音とか速度のお話がございましたが、これにつきましては、昨年末以来そういったことは私どももいろいろ気がつきまして、何とかしなければいかぬということで、先般来関係の方面に強力な指導をいたしまして、たとえば特に音がするマフラーというようなものは販売しないように、あるいは故意に速度が出るといったような広告宣伝はしないようにというような措置を講じてきているわけでございます。  以上でございます。
  158. 本島百合子

    ○本島委員 その場合においての罰則規定というのはないのですね。ただ勧告だけですね。
  159. 景山久

    ○景山説明員 いまの先生のお話は、広告のほうでございますか。
  160. 本島百合子

    ○本島委員 はい。後段の点です。
  161. 景山久

    ○景山説明員 説明員それは罰則はございません。
  162. 本島百合子

    ○本島委員 産業公害、またいろいろの公害等が問題になっているこういう時勢でございます。製造するときから、公害を広めるような形のものが生産されておる。これに対しての監督が十分に行なわれない。こういうようなことで、雷族の被害なんていうのは、東京では御承知のとおり大騒動しているんですね。いまでも夜間におけるあの雷族の移動性というか、とにかく追っかけるととたんにあくる日はどこかにかわっているという、あの組織も、とてもじゃないけど、警察としてどうしようもないんじゃないかと思うのですが、一体その点、警察庁のほうではどういうふうに指導され、取り締まろうとしていられるのでしょうか。
  163. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 騒音はまことに憎むべき車の違反だと思うのですが、これは御承知の道路交通法の六十三条にきまっておりまして、しかもその音の基準が一応保安基準できまっております。それで、立件します場合には音の基準というものは明確にしなければいかぬということでございますので、実際上は私のほうで騒音指示計というものを全国で百個ばかり持っておりまして、年間四万五千から五万件の検挙をしておりまして、これには三カ月未満の懲役、三万円以下の罰金という罰則がついております。その場合に騒音指示計を一々持っていない場合もありますので、こういう場合はパトカーあたりが飛びまして、あとで直してこいということで取り締まるということで、これは取り締まりの重点に置いております。今後一生懸命やります。
  164. 景山久

    ○景山説明員 先ほど罰則につきまして御質問あったわけでございますが、広告につきましては申し上げたとおりでございます。それから車が生まれてまいります時点でございますけれども、生まれてまいりましてから町へ出ますときには、私どもで行なっております検査がございます。これに、警察庁のほうからお話がございましたけれども、保安基準がございまして、一定以下の数字に規則をいたしておりますので、生まれてまいりますとき、あるいは私どもの検査いたしておりますときには、そういった雷族というものはないわけでございます。これが町へ出まして、いわゆる市販の部品を買うなり、あるいは所要の装置をはずすなりといったようなことがございますので、こういったことで個々の使用者がされることは、規制がたいへんむずかしゅうございますが、整備工場あたりではそういうことをしないようにということは、厳重に指導監督いたしております。
  165. 本島百合子

    ○本島委員 先ほど、単車等については排出量が非常に少ないからとおっしゃっておりますけれども、交差点に立ってごらんになるとわかりますが、自動車がとまって、そしてブーブーといってふかして出ていくとき、まっ黒い煙をどの自動車からも出しておるわけですね。単車の場合でも出しておる。あのまっ黒い煙と排気ガスをまともに受けた歩行者というものは、これはたまったものではない。微量で少ししか出ていないからといっても、それは車の話であって、大体公害ということになってくれば、やはり交通量の多いところで生まれてくるわけですから、そういう点、台数が多いし、小さい排出量のほうはあと回しだなんて、そういうことはおっしゃらずに、これは警察庁ともどもにやろうと思えばできるのではないですか。これは必ず年月が来れば免許を取りかえに来るわけですから、そのときにはちゃんと車両の検査をするわけでしょう。小さい車でも大きい車でも、検査をして免許証を渡していらっしゃるのでしょう。それは片方は取り締まりのほうだから、機械のほうは関係ないとおっしゃるかもしれないけれども、その場合に出張っていって調べたらいかがです。できないはずはないと思うのです。現在でもやっていらっしゃると思うのですね、危険な状態であれば、免許を交付されるはずはないのですから。こういう点はどうでしょう。
  166. 竹岡勝美

    ○竹岡説明員 役所のなわ張りを申し上げて恐縮なんですけれども、警察のほうは、おっしゃったように三年に一度免許の更新をやっております。これはあくまでも人でございますので、車を持ってくるとかこないという、そういう義務づけは全然ございません。適性の検査はやっております。いま御指摘のほうは、あとで運輸省のほうからお答えになると思いますけれども、陸運事務所で行なう二年に一ぺん、三年に一ぺんの車両検査のときにチェックするという方法はございます。そちらのほうでやっていただければけっこうだと思います。
  167. 景山久

    ○景山説明員 先生のお話にございましたように、車両検査の際に十分やってまいりたい、こういうふうに考えます。
  168. 本島百合子

    ○本島委員 これもまた急いでやっていただかないと、なかなか一酸化炭素によるところの被害というものは全国的に広がり、その数を増してきておる、また自動車が年々、方々にふえてきている日本の国ですから、まずその自動車なり単車などからそういうものを出させない基礎をつくる、こういうことでやっていただきたいと思います。  最後に厚生政務次官がおられますので、いま要望とお尋ねをいたしますが、これは全国的な傾向でございます、日本の産業として世界一だといわれる大増産をしておるところの自動車、また日本人といたしましても、日々その使用者がふえてきておる。これから出しますところの害、こういうものについて、厚生大臣からはそれぞれの御答弁をいただいたわけですが、自動車が激増しておる、そして道路幅が狭い、そしてその交差点等における排気ガスの濃度というものがますます強まってきておる。こういうことに対して何とか早くこれを規制していく。またそれによる病気などにがかった場合、その原因であるかないかということは、先ほどの答弁でも、わかりませんとおっしゃっておるようですが、いずれにしても、その沿線の人々の気管またはぜんそく的な、そういう病状を呈してきたときには、大体一酸化炭素のせいだとわれわれは思うわけなんです。そういう場合における広範なる医療の救済、そういうことを考えていただけるかどうか。近く法案も出ることですが、多分そう広範には入っていないはずですから、そういう意味で、政務次官はどういうふうにお考えになりますか。またそういう点について、役所を督励して広範な救済の制度をつくっていく、そういう意欲を持っていただけるかどうか。この点お尋ねいたします。
  169. 粟山秀

    ○粟山政府委員 御意見のとおりに、いまの自動車、あの排気ガスは、住民に対する非常な災難だ、そう思っております。したがって現時点においては環境基準というものを早くに制定いたしまして、それから、これは関係各省にまたがっておりますので、そういう各省での自動車対策などというものも総合的にやりたいですし、早くできるものは早急にいたしますし、またその網の目から抜けるものもございますから、今後にわたっていろいろ研究もし、やはり早急にそれを償ってやっていく、そういう姿勢でもって、何とかこういう公害がこれ以上住民を悩まさないようにということは、研究もし、対策も立てるように一生懸命やりたい、そう思います。
  170. 赤路友藏

    ○赤路委員長 山田君。
  171. 山田太郎

    ○山田(太)委員 きょうは一番しんがりの、しかも時間が相当たっておりますので、できれば短時間に終わりたい、そういう気持ちでおります。  そこで問題点を二つにしぼって、最初、世間でいう赤いガソリンの件と、それから二つ目はスモン病の件でございます。  もう御承知かと思いますが、最初に赤いガソリンの件について、簡単にするために、一応朝日新聞に載っている記事を読ませていただきます。「赤く着色したガソリンは、人体に非常に危険なので、取扱いにはくれぐれも注意を――と労働省が十五日、印刷業、自動車整備業、ガソリンスタンド、マイカー族などに警告した。さきごろ大阪の印刷工場でインキの洗い落しにガソリンを使っていた工員たちが死亡、発狂する事件が起きたことを重視しての警告である。」「町のガソリンスタンドがふえ、赤いガソリンが生活に身近なものとなっているが、危険さを知っている人は案外少ないようだ。それだけに、この有毒ガソリンが新しい“公害”のタネになる可能性も強い、と同省は指摘している。」このような記事が載っております。  この事件について、まず労働省関係の方にお伺いをいたしますが、もう少し具体的にこの件をお調べになっていると思いますが、どのような状況であり、どのような結果であったか。またもう一つは、この新聞には四アルキル鉛混入とありますが、これまでここ数年間において、このガソリンの被害を受けた事実がどのような統計で出ているか、あわせてお伺いしたいと思います。
  172. 伊集院兼和

    ○伊集院説明員 まず、あとから御指摘の被害の状況につきまして、私ども把握していることの報告からさせていただきます。四アルキル鉛につきましては、ただいま御指摘のように相当強い毒性を持っております。また、それによりまするところの、それを使用いたしまする作業者への危険性につきましては、かねてから私ども重視をいたしております。それに関連いたしまして、特に四アルキル鉛中毒予防規則の制定をいたしております。ところで、ただいまから申しますと一昨年でございますが、瀬戸内海航行中の船の船倉の油タンクの清掃作業に従事しております際に、その清掃作業従事者が八名死亡という事案がございました。それから最も最近では、御指摘の昨年の八月の事例でございますが、具体的には九月、十月と患者が続いて出ましたが、ただいま御指摘になりました、印刷工場におきまする、インクの洗浄用に加鉛ガソリンを使用いたしますことによりまして起こったと思われる中毒事例を把握いたしております。それは四名の中毒症状を疑わしめる患者が出たわけでございます。一名は八月の末に死亡いたしております。他の三名につきましては、その後治療を続けまして、いずれも今日退院いたしております。それから一昨々年であったと思いますが、印刷工場におきまして、同様の、これは四アルキル鉛中毒ではないかと疑われる事例がございました。以上のような経緯で、実は一昨年までの経緯から、先ほど申し上げました四アルキル鉛中毒予防規則の全面改正をいたしまして、その対処をいたしてきておったのでございます。具体的に私どもが把握をいたしておりまする、作業中における中毒事例は、ただいま申し上げたのが、ここ三年間の中での経緯でございます。そういった事例の数は少ないのではございまするが、いずれも四アルキル鉛についての毒性を関係作業者がよく知っていないということから死亡に至った経緯がございますので、規則を改正いたしますとともに、先般の印刷工場の事例にかんがみまして、関係業者に対する警告措置並びに加鉛ガソリンに四アルキル鉛が入っていることを知らないで、機械油を洗い落とします作業に使うことから起こる危険性を防止するためには、洗い油が一般のガソリンスタンド等で手軽に入りますことが先決問題と存じまして、それらに関する協力方を関係業者に要請いたしたのでございます。それについての関連記事をただいまお読み上げになったのではないかと存じております。以上でございます。
  173. 山田太郎

    ○山田(太)委員 そこで、これはどこの工場でもそうですが、洗い油よりも、ガソリンを使って洗浄するという場合が非常に多いわけです。ことに中小企業等においてはよく見かけてもおりますし、私自身もその経験があります。そこで、この四アルキル鉛が一リットルあれば百人を殺すことができる。それが飛散すれば百人を殺すことができる、それほどの毒性があると書いてあります。また私が聞いたことによっても、それに劣らない、それ以上の毒性がある。中にはその蒸気を吸っただけでも、小量でも脳や肝臓、じん臓などが中毒におかされてけいれんあるいはふるえあるいは幻覚、記憶障害が起きて、そして発狂に至る。厚生省の公害課長にお伺いしますが、その点についてはどのような見解を持っていらっしゃいますか。
  174. 橋本道夫

    ○橋本説明員 いまの御質問の四アルキル鉛でございますが、いまの御心配は、おそらく自動車のガソリンの中に入っているので、それが自動車のエンジンから放出されるではないかというような御心配であろうと思います。これはエンジンの中で燃焼いたしまして、四アルキル鉛という形で鉛は出てまいりません。酸化鉛の形で、もう一つはハロゲン化した一部の鉛が出てまいっておりまして、その四アルキル鉛が直接自動車のエンジンから空気中に放出されることはないというふうに、これは国際的にもそういう理解になっております。そういうことで、大気汚染の上におきましては、一般の都市の粉じん中に、鉛としてどれくらいのものが入っておるかということを、厚生省は昭和四十年以来ずっと調べております。これを調べた結果によりますと、現在までのところは〇・一オーダーのものから、高いもので四マイクログラム一立方メートルというところあたりでございまして、大原の交差点での調査も四マイクログラムでございます。国際的なデータをいろいろ調べてみますと、道路の交通のひどいところでは十マイクログラムくらいのものもよくある。都市の空気として三ないし四程度のものは非常によく見られるものであるということがつい最近出ましたWHOのレポートの中にございまして、これらに対しては、将来の問題としては、十分私どもは長い経過を見ながら警戒すべきものだと思っております。現段階で、これはこの鉛が危険だからあぶないというような考え方には立っておりません。要するに、純粋に学問的な問題として、また常時その状態を把握しながらやっていこうということで、研究プロジェクト等ではやっておりますが、直ちに環境基準の数値をきめられるということにはならないものと考えております。
  175. 山田太郎

    ○山田(太)委員 私は、その排気ガス云々のつもりで聞いたわけではなかったのですが、しかしその点についても十分調査されているということについては、敬意を表しておきます。  そこで、いま申し上げたのは、蒸発したこの四アルキル鉛、これは排気ガスからはわずかで、いまの段階ではあまり危険視する必要がないかもしれません。したがって、その自動車の排気ガスでなしに、この操作、使用しておるときに、たとえばよくマイカー族の中には、ガソリンかんから口で吸って、それで一つの容器へ移すとか、これは武藤公害部長も経験があるのではないか。自分でガソリンを吸った覚えがあるかどうかわかりませんが、ゴム管を入れて、そうしてそれを口で吸って、口に入る前に容器に移す、サイホンの役目をさせておる。これはよく町ではやることです。これは公害部長も御承知だと思うのです。それで、このような毒性の強いということを知らずに、私自身もやってきております。また世間の多くの人も知らないようです。特に赤いガソリンだけに四アルキル鉛があるのではなく、普通のガソリンでさえも一・五cc、あるいはハイオクタンの場合には三cc、そのような混入率があると聞くに及んで、いままでの対策が何かといえば後手後手に回っているわけです。前もって十分な対策が講ぜられておるならば、この人は死ななくて済んだだろう、また他の人は発狂しなくて済んだだろうということは十分考えられることです。あたら若い命を、死なせたり発狂させたりしなくて済んだものを、後手後手に回ったために、いまさら驚いて通達を出す、このような後手後手のことをやっておったのでは、真の公害行政というものは心配この上ないのです。したがって、厚生省のほうにもう一度聞いておきましょう。これに対してどのような手を打つか、どのような対策をとるかということを御答弁願いたいと思います。
  176. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 ただいまの先生の御指摘の問題につきましては、これは私の直接の所管でございませんけれども、毒物及び劇物取締法施行令で、四アルキル鉛につきましては、運搬その他のいろいろな取り締まり規定が書いてあるわけでございますが、この点につきまして、薬務局のほうで、もっといままで以上にいろいろな指導なり注意を、使用者の方に徹底する必要があろうかと思います。この点につきましては十分連絡をした上、いろいろな事故が起きないように今後ともやる必要がある、かように考えております。
  177. 山田太郎

    ○山田(太)委員 公害部長さん、厚生省関係の施行令もあります、それから労働省関係の予防規則もちゃんとありますよ。ぼくはこれを言っているのじゃない。このことでもう死なしてはいけないというのです。それには、もっと適当な措置を考えれば、もっと熱を入れたいものです、そういうことで終わるべき問題じゃないのです。これは通産省の関係もあるのでしょう、厚生省の関係ももちろんあるでしょう、あるいは労働省の関係もあるでしょう。この点について、再びこのようなことがあってはいかぬ、このなくなった人をむだ死にさせてはいかぬ。これはただ口の上だけで言うのではなく、切実な願いです。またそうでなければならない。ここの答弁を済ませさえすればいいという問題じゃない。  そこで、厚生省のほうにはあとでもう一ぺんお尋ねするとして、通産省の方にお伺いします。矢島公害部長さんですか。  通産省としては、この毒性のある加鉛ガソリン、普通のガソリンにも入っておるしハイオクタンにはなおさらたくさん入っている。このガソリンについてどのような措置を、メーカーと、それからメーカーから出るときに、あるいは消費者の手に渡ったとき、どのようにしてこれをしていくか。  時間がないから先に申し上げておきます。ぼくは、ぼくがあとう限り全部調べてみました。きょうはお見えになっておりませんが、運輸省関係にも通じることでございますが、マイカーを運転している人々にあとう限り聞いてみますと、それから自動車の教習所にも聞いてみますと、教える人ですら知らない――教える人ですら知らないのですよ。ハイヤーの運転手さんも知らぬ。いまはLPが多くなったから。とはいえども、ガソリンのハイヤーを運転している運転手さんも知らない。ぼくの聞いた範囲では、一人としてそれを知っておった人はいなかった。したがって、このガソリンを機械を洗うために使う場合は非常に多いわけです。したがって通産省としてどういう予防措置をしたのか、その点をひとつ明確に簡単に答えを出してもらいたい。
  178. 斉藤顕

    ○斉藤説明員 ただいまの御質問、二つに分けて考えたいと思いますが、一つはいわゆる赤いガソリン、これは普通の自動車用ガソリンでございますが、自動車用ガソリンを溶剤とかあるいは洗浄用にして使ってはいけない。こういうことの周知徹底をする問題が一つ。そのほかに、溶剤あるいは洗浄用のための無鉛ガソリンというのがございます。これこそそういう目的に使われるべきガソリンです。したがいまして、赤いガソリン、いわゆる染料で染めてあるエンジン用のガソリンをエンジン用以外には絶対に使わないということの周知は、われわれのほうですでに、それを扱っております製造元と、それからそれを販売しております業者の団体のほうにそれを徹底するように、もちろんこれはほかの仕事の関係もございますので、そういう人たちにも徹底しなければいけませんけれども、さしあたりそういうふうな団体、業者に具体的によくそれを徹底させるようにということを言ってございます。  それからもう一つは、先ほど申し上げました無鉛ガソリン、いわゆる白いガソリンでございますが、これをそういうふうな特殊用に使う方々が容易に入手するにはどうしたらいいかということをいま研究させております。そういう製造及び卸の団体のほうに、両方の販売を誤らないような方法を研究さしておるわけであります。
  179. 山田太郎

    ○山田(太)委員 矢島公害部長さん、いま現在如実に――それが公害とは言い切れないかもしれない。だけれども、通産省の立場として、これは具体的にもっと予防措置を講じなければ、いまの答弁だけでは、これはまだまだ出てくるおそれがある。したがってガソリンスタンドであろうとも、あるいはガソリンやあるいは灯油を売る業者、そこにほんとうに周知徹底してあるかというと、周知徹底してないわけです。幾ら口をすっぱく言われたって、周知徹底してないです。ガソリンスタンドを歩いて回ってみた。如実にこの耳で聞いてきた。この目で確かめてきた。そこが知らないくらいですから、それを買いとって帰る人が知るはずはないのです。御答弁がなければ、こちらから言わしてもらいますよ。具体的に言えば、ガソリンあるいは灯油の店なり、あるいはガソリンスタンドなり、そこに、だれが見てもはっきりわかるような表示をまずする必要があると思う。どこにもありません。これは全部見る人ばかりじゃないかもわからぬ。だけれども、それがあるとないとでは非常に大きな違いがある。あるいはそのほかにガロンかんで買う人もあるでしょう。そのガロンかんにもやはりちゃんとその表示がないと、知らないうちに――口で吸ってサイホンの役目をさせて、ゴム管で、あるいはビニール管でほかのものに移して使っておる。これは依然として使っております。口の中に入らないからいいようなものですね。これが口に入って、もし中でも入ったらたいへんなことです。したがってガロンかんにもちゃんとその表示をする。これがないと、ただ通達や、あるいは石油連盟の業者を集めて講義をしたり訓辞しただけでは、これは周知徹底しません。そこまでの具体的なことを考えていったほうがいいんじゃないかと思うのですが、どうですか。
  180. 矢島嗣郎

    ○矢島政府委員 先生のおっしゃるように、単なる通達とかあるいは説明会だけでは不十分であります。実際問題として通産省では、ことし三月一日付をもって石油精製業者あるいは石油の販売業者あるいはスタンドの連中に対して、いまの問題につきまして関係法令を徹底的に守るように、それから特に加鉛ガソリンについて表示の徹底ということについて、厳重に通達はしているわけでございます。しかし私、本件を直接担当しているのじゃないですけれども、ほかの類似の行政の経験から言いますと、そういう通達だけではだめであります。やはり具体的にこういうものを徹底するような方法を講じてまいりたい。そのためには、やはり末端の取り扱い機関、スタンドならスタンドの若い連中に十分徹底するような方法として、たとえば短期間でもいいから講習会などをやる、あるいは需要者に対してパンフレットをやる、あるいはもっとわかりやすくするように、いかにこれが危険であるか、いかに問題であるかということについて、目にすぐわかるように、映画その他でやっていく必要がある。場合によってはテレビその他のもの、こういうようなことは、私はほかの行政の経験からいって必要だろうと思います。不幸にして、現在のところそういう予算措置もまだ講じられていないわけでございますけれども、将来の方向としては、その問題に真剣に取り組んで、先生の御指摘のように、具体的に徹底するということを考えるためにも、そういうPR関係の予算、あるいは取り扱い業者に対する講習その他の徹底の予算というものを取って、それでまじめにこの問題に取り組みたい、かように考えておる次第であります。まことに徹底しておらないで申しわけない次第ですが、将来の方向としては、そこまでやらなければならぬ、かように考えております。
  181. 山田太郎

    ○山田(太)委員 では次に、労働省のほうでどのような具体的な措置を講じるか、いまの御答弁ではまだまだ周知徹底はできません。いま通産省の部長の話にありましたように、やはりパンフレットにしてもチラシにしても、ただ取り扱い業者でなしに、消費者のほうもわけがわかるようにしていかないと、また再び同じ結果を繰り返す。この点について、労働省それから厚生省、両者からひとつ御答弁願いたいと思います。
  182. 伊集院兼和

    ○伊集院説明員 それを使います事業場にはいろいろの種類のものがございますが、御指摘の関係の業種といたしまして、私どもが一番留意すべきものと感じておりますものは、自動車の整備関係、それからその他の機械器具を取り扱いますもの、それから各種の印刷工業関係におきまして、洗浄用のガソリンを、いま御指摘のようなことで、作業者が四アルキル鉛の毒性を知らないために洗浄用に使う場合の検査が焦眉の急であると存じております。したがいまして、それらの業界につきましては、先ほど触れましたように、それぞれ関係業界の全国の関係団体を労働省に来てもらいまして、何度か具体的に対策について措置をいたしました上で、先ほど申し上げましたような警告並びに協力の要請措置をとりました。それによりまして、印刷業関係では、昨年の十一月の下旬だったと思いますが、全国の関係支部にポスター、パンフレット、並びに指示をいたしております。しかしながら御指摘のように、業界は全国に多数ございます。また関係労働者も多数おるのでございますので、労働省といたしましては、地方の各県にございます労働基準局長に通達を出しまして、それらのそれぞれ関係事業場の業界団体の集団指導等、個々の事業場における臨検監督の際に、そういうことを一々具体的に指摘し、指示するように通達をいたしておる次第でございます。そして先生御指摘のように、なお、個々の従業員について、まだ知らない人がおるのは残念でございますが、目下鋭意そのことにつとめておるような実情でございます。  なお、これに関連いたしまして、先ほどちょっと触れたことでございますが、洗浄用に使います洗浄油が、末端の消費者へ小口で手に入りやすいということが非常に重大なことだと存じますので、石油連盟並びに各スタンドに、このことの協力要請方をお願いいたしておる次第でございます。またその過程におきまして、先ほど通産省のほうからお答えがございましたように、各スタンドで、それらについての取り扱いの注意力、並びに販売をいたします場合に、事業場の関係者が自動車燃料以外に使います場合には、四アルキル鉛の入っていない無鉛ガソリンあるいは洗い油、灯油等でございますので、それらの販売をいたしますように、協力方をあわせて要請いたしておる次第でございます。
  183. 武藤き一郎

    ○武藤(琦)政府委員 厚生省としましては、保健所におります薬事監視員等に、こういう問題についての衛生教育を徹底するようにということが一つの方策だと思います。しかしながら、先生御指摘のように、あるいはいま各省で、通産、労働、あるいは私ども等いろいろそれぞれの分野でできることもあるわけでございますが、この点はひとつ各省で、たとえばいま警察庁の方いらっしゃいませんけれども、たとえば運転のいろいろな講習会あるいは免許の義務講習会等におきましても、やはり一つの総合的な教育として徹底することも、ひとつ必要なことだと思います。したがいまして、こういう点につきまして、各省でひとついろいろな案を持ち寄って、総合的に実施できるようにする必要があろうか、私どもはそういうふうに考えております。
  184. 山田太郎

    ○山田(太)委員 各省でその案を持ち寄って、そして至急に緊急措置を講じていただくよう要望しておきます。そしてただ工場の場合、先ほど労働省の課長さんの御答弁がありましたが、私の友人の工場を三軒当たってみましたが、どこも聞いておりません。ガソリンを使っております。無鉛ではありません。あるスタンドから買ってきたものです。このようなことがあっては、また同じ犠牲を繰り返すような心配が現在のところあるわけです。  そこで、もう一度最後に、各省ほんとうに協議した具体的な案を緊急措置としてすぐ実行してもらいたい。その結果は、また後ほどでけっこうです。もちろんきょうじゃないです。あとで知らしてもらいたいと思います。  では次に、スモン病のほうに移らしていただきます。このスモン病は、もうテレビやあるいは新聞等で、最近に至って国民の多くの人々に周知された病名になりました。しかし、まだまだ原因がわからないということで非常な不安を感じているということは、これは事実ですが、この原因が、農薬であるとか、あるいは栄養障害であるとか、あるいはアレルギー性の疾患であるとか、あるいはビールスの伝染的なものであるとか、そのような非常にいろんな説があるわけです。その点について、農薬説、これは現在はもう立ち消えになっておるのかどうか。まずその点から、公害委員会ですから、その農薬説云々をひとつ教えてもらいたいと思います。
  185. 村中俊明

    ○村中政府委員 お答えいたします。  ただいま御指摘のように、幾つかの原因説があるわけでございますが、まだこれも確定的な結論には至っておりません。農薬の問題が出ましたが、私の知る範囲におきましては、現在の段階で農薬説というものはあまり強調されていないように承知しております。
  186. 山田太郎

    ○山田(太)委員 先日、予算委員会でしたか、やはりこのスモン病が問題になった際に、村中局長の答弁では、専門家の人々に集まっていただいて云々、善処したいというふうな意味の御答弁でありました、そのとおりのことばではありませんが。実は、きょうは後藤課長さんがそのほうに急遽出かけられたという話も聞きました。きょうスモン病が取り上げられるためにそういうことになったのではないと思いますが、それについて具体的にどういう点が具体化されておるのか、あるいは、どういう計画でどういうふうに具体化しようとするのか、その点をまずお伺いしてみたいと思います。
  187. 村中俊明

    ○村中政府委員 スモンの調査研究についてでございますが、これはただいま御質問のように、実は新年度予算の案の中に研究費を若干計上いたしております。これが御審議、御決定をいただきますれば、早急に新年度で専門家による調査班の活動を開始したい、こう考えておりまして、ただ、ぶっつけ本番でというわけにもまいりませず、準備段階として、実は本日準備委員会を開いております。これはごく内輪の会合でございまして、若干触れますけれども、実は伝染病予防調査会というものが、私どものほうの仕事の中にございます。これは大臣の諮問機関でございます。この調査会の中にウイルス・リケッチア部会というのがございます。ここでこの問題についてどういう方に責任ある立場をとっていただいたらよいかというふうな御相談を申し上げまして、その結果、予防衛生研究所のウイルス部長が研究班の班長として適当ではないだろうかというふうな御内意を得まして、甲野部長を中心にいたしまして、きょう数名の専門家を派遣いたしたわけでございます。計画、内容等については、まだおそらく申し上げるような話にはなっていないのじゃないかというふうに考えております。
  188. 山田太郎

    ○山田(太)委員 その準備委員会の点は、先ほど申し上げたように、承知申し上げております。ただ、それから後に向かってお伺いしたかったわけです。したがって、次の質問にあわせて答えていただきたいのですが、いま全国で、一説によれば約五千有余名の患者がおるのじゃないかということです。もちろん潜在しておる患者を入れてだと思いますが、いま厚生省で把握されておる患者――どのような人も、完治した人はいないと聞いております。完全になおった人はいない。どうしても足の裏にしびれが残ったりあるいは指先にしびれが残ったりして、完治した人はいないと聞いております。これは医者自身が――ここで感染ということばは使えないかもしれませんが、医者自身が感染めいた病気になっております。したがって、いま現在把握されておるのは何名くらいですか。
  189. 村中俊明

    ○村中政府委員 いろいろ推定があるようでございますが、私どもが把握しております数は、御承知の岡山県の五百九十名も含めて、たしか千九百二十五名と思います。この基礎になる数字は、昭和三十九年でございますか、日本内科学会でシンポジウムがございまして、このときに出された数字、それから以降、多発地区は北海道で相当出ております。これに岡山県の発生数を加えた、そういう総計でございます。
  190. 山田太郎

    ○山田(太)委員 そこで、先ほど申し上げた具体化ですが、きょうは準備委員会をやっておる。だけれども、その方向がわからなくてはだめで、これはきょうの委員会によって初めて方向をきめるのですか。あるいは厚生省として、もうすでに方向、一応のプランはできておるのかどうか。失礼ですが、局長は患者に会われましたですか。その点まずお伺いしてみたいと思うのです。
  191. 村中俊明

    ○村中政府委員 私、公衆衛生局長をやる前に、北海道で三年衛生部長をやりました。約三百数十名の患者を扱っております。
  192. 山田太郎

    ○山田(太)委員 三百数十名の患者を扱っていらっしゃれば、その悲惨な状況は一番よく知っていらっしゃるはずです。もう言うまでもありませんが、知っていない方々も多いでしょうが、足先からだんだんしびれてきて、ひどい人はここまできております。事実私は、岡山の井原市民病院でその患者にも会ってきました。後藤課長もおいでになったようですけれども、たいへん悲惨なものです。しかも目も見えなくなってしまう。お医者さんがあの明るい懐中電灯で目をやったって、てんで見えないのです。あの悲惨な患者をそのまま――また広島県に多発しやしないか、あるいは四国に多発しやしないか、そういうようなおそれさえあります。もっと具体的に申し上げれば、この患者が出ている地帯、ことに多発地区、集積発生の地区ですね、そこからはむこももらえない。嫁ももらえない。そのような状況になっております。もうすでに個人の防衛能力は越えておるわけです。このような状態でありながら――厚生省は特別研究班をこの前は結成されておったわけですね。何年に結成して何年にやめられたんですか、この点お伺いします。
  193. 村中俊明

    ○村中政府委員 いろいろ御指摘がございましたが、一点気がかりになる点があるのでございますが、現在専門家でいろいろ診断基準をつくりまして、これに基づきまして、いわゆる俗称スモン病の診断をいたしておりますが、この基準によりますと、一応足の先からしびれが参りまして、上がってまいりますのはへその部分だ、ここが限界というふうな判断を、この基準の中で出しております。あるいは上肢までというふうなケースが、きわめてめずらしいケースで、あるのかもしれませんが、基準ではそういうふうな設定をいたしております。  それから、いつごろから研究を始めていつまでやったかという点でございますが、これは昭和三十九年から四十一年まで、京都大学の前川教授を班長にいたしまして、厚生省で研究を続けてまいりました。四十一年から四十三年までは、国立の療養所の中に研究班をつくりまして、これも現在続けているわけでございます。
  194. 山田太郎

    ○山田(太)委員 ここにこのような記事が載っております。「本症は外国の発生は知られていないのであるから、本邦特有の病気と考えられる。しかも多数の人々がこれに苦しめられているのである。本症の臨床所見、病理所見は本質的に確立されたと見てよい。残るのは成因の解明、予防と治療法の発見である。これを是非早急に行なわなければならない。昭和四一年までは厚生省が研究助成を行なって、研究班が結成されていたが、昭和四二年以降はこれも解散した。」――この点についてはどうですか。
  195. 村中俊明

    ○村中政府委員 ただいまお読みになった点、先ほど申し上げましたとおり、昭和三十九年から四十一年まで研究班をつくり、四十一年から四十三年まで、あるいは四十四年もたぶん続く見込みでございますが、国立の療養所に研究班を設けて、引き続き実施をいたしたい。これは臨床家を中心とした調査でございます。
  196. 山田太郎

    ○山田(太)委員 私がもう一つ申し上げたいのは、この研究班が四十二年以降は解散された。ところが、その四十二年からまた御承知のように多発してきたんです。ことに岡山県においては非常な多発です。三十九年も含めますと約十倍です。三十九年のあの当時シンポジウムがありましたね。それが現在患者が約十倍以上です。なぜ厚生省はこの研究班を解散したのだろう。先見の見通しがなかったんだろうか。あるいはこれでおさまるだろうと思ったのか。あるいは予算措置、金が足りなかったのだろうか。この点はほんとうにしろうとの私でさえも怪しまれます。厚生省は何をやっていたんだろうか。不見識にもほどがあるじゃないだろうか。まだまだどこで多発してくるかわからない。済んだことを追って問題にするわけではありませんけれども、これから後のことが大切ですから、過去のことも言わざるを得ないわけです。この点どうですか。
  197. 村中俊明

    ○村中政府委員 御指摘のとおり、この四十二年、三年の中断したことには、いろいろ原因があるようでございますが、一つは、私の記憶が正しいとすれば、たしか研究班長をお願いしておりました前川先生がおなくなりになったということも大きな原因だったと思っておりますが、過去は過去といたしまして、四十四年にはぜひいい調査、研究ができるように、私ども、専門家の協力をいただいて努力をしてまいりたい、こう考えております。
  198. 山田太郎

    ○山田(太)委員 何も私の目的は、局長を責めようあるいは窮地におとしいれようとか、そんな意味で言っておるのではないのです。その点はわかっておいてください。しかし、前川教授がなくなったからといって、それで研究班を解散する――おそらくや研究班がそのままいっておったならば、一そう世間の周知も早かっただろうし、あるいは全国的な視野に立ってもっと早く手が打たれただろうし、そういうことが残念でならぬわけです。しかしきょうはその点はこれでとどめておきます。それをもって、これから後の処置に対して、いかに厚生省が処置していくかということが一番大切な問題になってくるわけです。  そこで、幾らかの予算をつけていただいて、そういうお話もありましたが、この前の議事録を読ましていただきますと、三百万円という金額が出ております。また予算書を見てもそうなっていると思いますが、予算書を見ておりません。その点はどうですか、スモン病対策に三百万円。その点もう一度確認しておきたいと思います。
  199. 村中俊明

    ○村中政府委員 御指摘のとおり、新年度で計上いたしております予算案の中には三百万円となっております。
  200. 山田太郎

    ○山田(太)委員 その三百万円で何をしようとするのか。調査班が結成されるということはもちろんでしょうが、ある大学の教授にもお会いして長時間教えてもいただきました。また話も聞きました。また現地の病院にも行き、患者にも会ってまいりました。ところがこの三百万では、ほんのいわゆる疫学調査が十分できればいいほうであって、結局これだけならば書類集めに終わるのじゃなかろうか。こんな金では、ことに岡山県においては、厚生省が全国の患者を把握された数の四割近く、そのような状況で、住民は非常に不安におののいております。これが三百万円で何ができるのだろうか。専門家の医大の教授でさえもそう言っております。この点についての御見解はどうでしょう。
  201. 村中俊明

    ○村中政府委員 私も三百万円で十分だとは考えておりませんが、貴重な予算でありますし、もしも御決定いただければ、十分効果のあるような活用をくふういたしてまいりたいと思います。
  202. 山田太郎

    ○山田(太)委員 それはあまりにもありきたりの御答弁です。これは十分効果あるように活用してまいりたい――効果がないように活用するわけがない。だけれども、私が言いたいのは、三百万円ではてんで足らないのじゃないかということを言っておるのです。書類調査ぐらいのもので終わってしまうと、専門家の人は言っております。これでもし足りるとするならば、これはもってのほかです。まだまだその原因がわからぬと厚生省でも言っておりますが、原因をわからせないようにしているのは、厚生省じゃないですか。ある意味においてはそう言いたい。このスモン病の病原因がわからない、これは厚生省ですとさえも言いたくなる。もっと予算措置をやるならば、研究費であろうが、もっと費用をいただけるならばもっと早くできる、こう専門のお医者さんが言っております。いままで厚生省としてはほとんどしていなかったと言っていいぐらいです。三百万円ではどうにもならぬ。これは三百万円で足りると、よもやお思いじゃないでしょうね。
  203. 村中俊明

    ○村中政府委員 ただいま申し上げましたとおり、私は十分な予算だとは考えておりませんが、貴重な予算でありますし、執行にあたっては、十分効果のあるように努力をして、くふうをしてまいりたいと考えております。
  204. 山田太郎

    ○山田(太)委員 そんなことを言っていたのではオウム返しです。それではどうしたらいいか。予算措置三百万円で、このスモン病が解決できるはずはないですよ。なぜもっと予算措置を講じようとしないのか、この三百万円がなくなったときにはどうなるのですか。あるいは竿頭もう一歩を進めて、次の具体的措置は何をやろうとするのか、それもあわせてお伺いします。
  205. 村中俊明

    ○村中政府委員 私どもが予算案に計上しました積算の基礎は、全国的な患者の把握と疫学調査をいたしたい。これは原因物質の究明につながる、したがって必然的に予防対策にも関連してまいるわけであります。ただ治療、臨床的な面につきましては一応除外した形での、とにかく原因を究明したいというような考え方で、予算を組んでおります。
  206. 山田太郎

    ○山田(太)委員 その原因を究明するのには、専門家の教授に聞いても、てんで足らない、少なくともこの十倍は要るという計算になるそうです。この十倍、三千万円は要る。ただ一応の名目で三百万円つけただけだとさえも、その方はおっしゃっておりました。  そこで、私の申し上げたいのは、ほんとうに厚生省としてもスモン病と取り組むつもりがあるならば、この予算措置について、もう一歩前進した考え方があっていいのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
  207. 村中俊明

    ○村中政府委員 ただいま繰り返して申し上げておりますように、まだ研究班の発足を見ていない段階でございまして、御指摘のように、三百万円という額で、専門家にお願いして研究する計画を立てる場合に、一体どの程度の研究調査ができるのかというふうな点についても未知でございます。しかし、一応私ども考えました全国調査の積算の基礎としては三百万円というふうな計算をして、これで全国調査をいたしたいということでございます。
  208. 山田太郎

    ○山田(太)委員 私の言うことがよくわからぬように思えるのです。この前の議事録にも、足らないときにはあと措置をするという答弁があります。それじゃ、あとの措置はどのように具体的にやるのかということを聞いている。
  209. 村中俊明

    ○村中政府委員 これは予測的なことで、ここで確定的な事柄として申し上げるのには多少間違いのような感じもいたしますが、従来、予算が編成されたあとにいろいろな問題が出てまいりまして、どうしてもこれは行政的に何らか手を打つ必要があるというふうなことのために若干の保留があるように私ども聞いておりまして、もしもさの研究の計画あるいは実施の過程の中で、そういう場面が出てくるというふうなことが予測されれば、私どもも、そういう保留されている予算の確保については努力してまいりたいと考えております。
  210. 山田太郎

    ○山田(太)委員 きょうは大臣がいらっしゃいませんので、ひとつ政務次官の粟山さんにお伺いしますが、科学技術庁のほうですか、二省にわたる研究の場合は、科学技術庁のほうからもそういう予算措置ができるように聞いております。その点をひとつ厚生省として、大臣から、あるいは政務次官から具体的に働きかけてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
  211. 粟山秀

    ○粟山政府委員 仰せのとおり、三百万円ではたいへん少ないと思います。それでこの研究の班が出発いたしまして、と同時に、その金の問題も出てきましょうし、当然科学技術庁のほうに、そのことについては要望を出すということになると思いますし、当然そうしたいと思います。
  212. 山田太郎

    ○山田(太)委員 次にお伺いしたいことは、このような手紙が来ております。「昭和四十三年七月二十三日午前二時三十分井原市民病院に入院以来九カ月の月日がたちます。その間にはだれにも考えられないほどの苦労をしてきました。病人はスモン病です。近所の人々からはいろいろとうわさされて、また親類一同も、うつるからといって来てくれません。私はただ一人で九カ月も病人と一緒にいて、働くこともできません。たよりの収入は一銭もないので、現在では病院の支払いもできないのです。家財道具は申すまでもなく、家を売って金にかえました。そうして病院の支払いをしていかなければ入院もしていられないようになりましたのです。足が立たない、目は見えなくなっている病人をこのままにしてはかわいそうで見ていられません。付き添いをしていては働くこともできず、毎日思案にくれております。この後どのようにしたらいいかと戸惑っております。」これは患者の御主人の方です。また先日、十日の山下昌寿さんという親一人子一人の御家庭です。そうして昌寿さんの発病、その後間もなくおとうさんが発病されています。両方ともスモン病におかされている。そして先日の十日に若い二十七歳の昌寿さんは首をつって死にました。そして七十幾つのおとうさんだけが残っております。このような家族が非常に多いわけです。どちらかというと、井原方面においても現在では生活程度の低い人が多いわけです。ことに治療費が毎月二十万円要るわけです。国民健康保険だったら、その三割の六万円は要ります。その六万円をかせぎ出すために死ぬ思いをしている人が非常に多いのです。悲惨な状況です。またこれは私が行ったときに……。   〔山田(太)委員、粟山政府委員に写真を示す〕 これが患者です。これが二十歳代の青年。こちらのほうが三十代。これはてんで動かないんですよ。顔は写りませんでしたが、めくらです。  月に二十万円かかって、しかも三割の六万円をどうにも払えない家庭、この方たちに対してどのような救済措置を考えられておるか。この点を政務次官並びに担当の方から御答弁を願いたいと思います。
  213. 村中俊明

    ○村中政府委員 医療を受けておられる患者の方々の医療面及び生活の面につきましては、ただいま御指摘のように、なかなか自己負担分も、保険にかかっていても、支払いが非常にたいへんだというふうなことを、私自身も承知いたしております。ただ残念ながら、原因物質が明らかにされていないいまの段階において、どういう形でこれを救済するというふうな手だてがないわけであります。したがいまして、たとえば生活保護法の弾力的な運用とか、あるいは保険でも濃厚診療というふうなことではなくて、かかった経費は、比率はございますけれども、査定することなく、保険で見られるというふうな措置も講じられておる実態でございますし、私どもといたしましては、現行の医療並びに生保のそれぞれの制度の十分な活用によって処理をしてまいりたい。この上とも原因の究明については全力をあげるような努力をあわせていたしたい、こう考えております。
  214. 山田太郎

    ○山田(太)委員 もちろん原因の究明は当然早くやってもらわなければいけません。したがって、先ほどの予算措置の問題、政務次官にもお願いしたことでございますが、その点は早急に進めていただく。それから救済策、医療に金がかかるために、一家が全部離散してしまったり、また首をつったり、自殺したりする人が次々に出てくるおそれがある。これを心配しておりますと、市民病院のお医者さんがおっしゃっておったが、これがないように、先ほどの局長の御答弁を一歩進めて――原因が不明であるがために、非常になおさら不安を感じておられるわけです。同時にその土地の住民が全部不安を感じております。したがって、この委員会での答弁が済めばいいという問題じゃないわけです。その点について特別の措置というものを考えてもらいたいわけです。要望と同時に、お考えを御答弁願いたいと思います。
  215. 粟山秀

    ○粟山政府委員 先ほどから局長がお答え申し上げているように、一つの障害になっているのが、原因がわからないということですが、そうすると、いま早急に考えられることは、社会保障的な面で、何かそういうお気の毒な方たちのよりどころになるようなことで、現行それ以上のことをなお考えたい、そういうふうに思います。
  216. 山田太郎

    ○山田(太)委員 では、それ以上の特別の方法も考えていくという御答弁で、きょうのところは終わりにしたいと思います。どうも長時間御苦労さまでした。
  217. 赤路友藏

    ○赤路委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十八分散会