運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-06-08 第55回国会 衆議院 法務委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和四十二年六月八日(木曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 大坪 保雄君    理事 安倍晋太郎君 理事 大竹 太郎君    理事 高橋 英吉君 理事 中垣 國男君    理事 松前 重義君       内海 英男君    桂木 鉄夫君       千葉 三郎君    丹羽 兵助君       馬場 元治君    藤波 孝生君       加藤 勘十君    中谷 鉄也君       横山 利秋君    小沢 貞孝君       沖本 泰幸君    松本 善明君       松野 幸泰君  出席国務大臣         法 務 大 臣 田中伊三次君  出席政府委員         法務政務次官  井原 岸高君         法務大臣官房司         法法制調査部長 川島 一郎君  委員外の出席者         最高裁判所事務         総長      岸  盛一君         最高裁判所事務         総局総務局長  寺田 治郎君         専  門  員 高橋 勝好君     ――――――――――――― 六月八日  委員田中角榮君、中村梅吉君、山下元利君及び  下平正一君辞任につき、その補欠として内海英  男君、桂木鉄夫君、丹羽兵助君及び中谷鉄也君  が議長の指名で委員に選任された。 同日  委員内海英男君、桂木鉄夫君、丹羽兵助君及び  中谷鉄也君辞任につき、その補欠として田中角  榮君、中村梅吉君、山下元利君及び下平正一君  が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の  一部を改正する法律案(内閣提出第一三〇号)      ――――◇―――――
  2. 大坪保雄

    ○大坪委員長 これより会議を開きます。  下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  前会に引き続き、質疑を行ないます。中谷鉄也君。
  3. 中谷鉄也

    ○中谷委員 お尋ねをいたします。  下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、すでに国会においても、当委員会においても非常に詳細な質疑がかわされておりまして、特に四十六国会におきましては附帯決議も付せられているわけでございますので、その附帯決議の趣旨に従いまして一、二お尋ねをいたしたいと思います。  まず最初に、きわめてばく然とした、またある意味では裁判所のあり方に関するというふうな、非常に抽象的なお尋ねで恐縮ですけれども、次のようなことについて裁判所の御答弁をいただきたいと思うのです。  と申しますのは、御承知のとおり、公正取引委員会というのは一応準司法的な仕事もしている役所でございますが、その公正取引委員会のほうで「公正取引」というパンフレットが毎月出ているわけです。その「公正取引」という雑誌の中で、歴代の公正取引委員会の委員長さんの座談会で「公正取引委員会の将来に望む」という座談会の記事がございます。その中で、ただいまの横田長官も、かつて公正取引委員会の委員長であられたわけでございますが、同じく公正取引委員会の委員長であられた長沼さんが、これはある意味ではユーモアを含めてのお話ですけれども、次のような御発言があるわけです。職場の明朗化というようなことに関してですけれども、「これは横田さんに悪いけども、裁判所の建物見るだけでちょっと寒気がする。」こういうふうなお話があって、そこで、笑い声ということになっているわけなんです。これは長沼さんというりっぱな方の御発言でして、ユーモアを含めてのおことばだということはよくわかるわけですけれども、まあそういうふうに冗談にせよ、裁判所の建物を見ただけでも、横田さんには悪いけれども寒けがするというふうな、一面、民衆と申しますか、国民の一つの感じがこういう座談会の中にあらわれていると思うのです。要するに、そういうふうな裁判所のあり方、ことに簡易裁判所のあり方というようなことについて、質問そのものがきわめて抽象的で恐縮でございますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
  4. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 ただいま中谷委員からお話のございました問題、実は私、お話しの「公正取引」というパンフレットをまだ拝見いたしておりませんので、その詳細は存じません。いま先生から伺ったのが初めてでございます。ただ、お話にございましたような、裁判所というものが、何となく暗い役所であるという印象を世間に与えるということについては、私どもの耳にもしばしば入ってまいっておることでございます。これは決して長沼先生のような、いわば知識人と申しますか、上流におられる方ばかりでなしに、一般の国民の方々からもしばしばそういうお話を伺うことがあるわけでございます。その点につきまして、これはいろいろ私どもとしても考えてもおり、またくふうもいたしておるところでございますが、一つの問題の基礎には、どうもわれわれとしては非常に措けないことでありますけれども、裁判所というものがそもそも国家の中において、あるいはもう少しくだいて言えば国民生活の中において、どういう位置を占めておるのかという点が、いかんながらたとえばアメリカであるとか、あるいはイギリスであるというようなところと、少し違うような印象を受けるわけでございます。これは一つには私どものいわば努力と申しますか、つまり裁判所が真の意味での人権を守って戦ってきたという歴史というものが、どれだけあるかということの批判の面もあろうと思います。しかしながら、また同時に何と申しましても、たとえば英米にしても、あるいはドイツ等の大陸法系の国におきましても、やはり法律というものが国民生活に非常に地についておるわけでございます。そういうところから法を適用し、あるいは法律的に紛争を解決する機関である裁判所というものが、非常に国民生活に密着し、問題があれば裁判所にかけ込むという親しみというものが非常にできておるわけでございます。私どもの率直な気持ちとしては、裁判所の側にも努力が足りないが、また歴史的ないろいろな経緯もあってかようなことになっておるというような感じを受けるわけでございます。いまお話しの中の建物の問題につきましては、これは実は中谷委員もつとに御承知のことでございますが、たとえば大阪のような裁判所は、どっちかと申しますと非常に壮厳ではあるけれども、暗い感じの建物でございますが、それに比べまして、たとえば関西でも奈良でありますとかあるいは和歌山でありますとかいうところの裁判所は、非常にモダンな建物で、一部からは一体裁判所がああいうモダンな建物でいいのか、もう少しやはり威厳のある、壮厳な様式であるべきではないかという御批判さえ受けるくらいでございます。東京でも、家庭裁判所などは、御承知のとおり非常に明るい建物でございます。そういう点で、たとえば建物の点等につきましては相当にくふうもし、また改善もされつつあると思うわけでございます。何と申しましてもそこへ手錠のかかった人たちが出入りするというようなことから、どうしても暗い印象を与えるということも免れないわけかと思います。この点は私どももいろいろな面から努力もし、またPRもし、国民が一般的に法によって生活をしていく、法の支配と申しますか、そういうような意識が高まるにつれて、自然に裁判所の地位あるいは裁判所に対する考え方というようなものが変わってまいるのではないか、かように一応考えておるわけでございます。
  5. 中谷鉄也

    ○中谷委員 非常に詳細な御答弁をいただいたわけでございますが、簡易裁判所の沿革というふうなものは、言うまでもなしに憲法の三十三条、それから三十五条でございますか、令状発付という、そういう基本的人権の保障ということの要請、それからいま一つは少額事件についての、表現は適切であるかどうかわかりませんけれども、民衆的裁判の必要というふうなことから生まれたというふうに私承知いたしております。ところが、実は簡易裁判所のあるべき姿がそういうものだとすると、次のような指摘がございます。昭和四十年の十月号の「自由と正義」の中から、私いわゆるまた引きと申しますか、孫引きと申しますか、拝見をしたのですけれども、最高裁事務総局総務局の資料、「法曹時報」の第九巻七号という中に次のような記載があるそうです。それは「簡易裁判所も終戦後発足した制度であるが、発足後年を経るに従い次第にいわゆる区裁判所化して、今日では、民事の督促、和解、調停事件等、刑事の略式、交通事件等を別とすれば、その手続は、地方裁判所の手続等と実際上ほとんど異ならず、当初簡易裁判所のあり方として予想されていたところとはるかに遠ざかってしまったように思われる。」こういうふうな記載があるようでございます。簡易裁判所の事物管轄権であるとかの、いわゆる発足からの一応の法改正について、私若干承知いたしておりますけれども、裁判所自身この資料を――私、「自由と正義」の中からの孫引きでございまして、正確に全部を読んでいるわけでございませんけれども、こういうふうな現状指摘について、裁判所としてはどのようにお考えになっておられるか、この点について、ひとつ簡単に御答弁をいただきたいと思います。
  6. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまのお話の、「法曹時報」そのものをただいま手持ちはいたしておりませんが、おそらくさような記述があったであろうという記憶はございます。これは何か非常にむずかしい問題に触れるわけでございますが、要するに最下級裁判所をどう構成するかということは、各国が非常にくふうして苦心しておるところでございます。つとに御承知の問題でございますが、そしてそれが一面ではどの種の事件をそこに持っていくかという、つまり権限の問題と、それからどういう手続で処理するかという手続の問題とがからんでまいるわけでございます。「法曹時報」に指摘しておりますのは、権限の問題よりは、むしろ手続の面を強調しておるかと存ずるわけでございますが、たとえばアメリカのスモールクレイムスコートのようなものにつきましては、めんどうな手続というものを一切省略いたしまして、全く口頭でやるというようなことも行なわれている州がかなりあるようでございます。そして、そのかわりに、控訴しました場合には、いわば覆審的にやり直す。とにかく非常に低額の、日本でいえば二万円とか一万五千円とかいうものは、めんどうな調書とかそういうことを一切省略して、きわめて簡単な手続でやる、そういう窓口があるように聞いております。  それに対しまして日本では、簡易裁判所を当初設けましたときは、たしか五千円以下であったかと思いますが、その当時には手続面でそういう構想ができることを予想しておったのではないか。これは立法当時の、たとえば兼子先生などのお書きになったものを拝見しますと、いろいろ具体案が出ておるわけでございます。ところが実際に、たとえば民事の面で、民事訴訟法の簡易裁判所の訴訟手続に関する特則としては、これはとてもそこまでいかない程度の特則しか規定されなかったばかりではなく、実際にそれを運用するにはいろいろの障害があるわけでございます。その障害を一々申し上げますと、先ほどの簡単にという御趣旨に沿わなくなりますので、これは省略させていだきますが、何と申しましても日本はまだそういうものの受け入れられる土壊がないような印象があるわけでございます。裁判所がやることならば、多少手続が厳密でなくても、つまり裁判官に対する信頼でもって手続を進めるという感覚が、どうも国民の方々に必ずしもない。むしろやはり裁判官をいろいろ手続で縛る、それによって公正を期する、そういう意識のほうが一般的に強いような感じでございまして、そういう関係から、なかなか特則が十分活用されない面があるように見受けられる、そうこうしてきたものだと思われるのであります。
  7. 中谷鉄也

    ○中谷委員 臨司の意見書によりますと、一五八ページでございますが、簡易裁判所の整理統合の点に触れた中に、「簡易裁判所の裁判官一人あたりの平均事務量の二分の一に満たない事務量しかない庁」という記載がございます。そこで、一応この機会に簡易裁判所の裁判官お一人当たりの平均事務量というものについて、御答弁をいただきたいと思うのです。
  8. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまお尋ねのございました点は、前回、ちょっと申し上げました〇・三以下のものが二百庁足らずあるということと同じところに帰するわけでございますが、これはごく大まかに申し上げますと、その総件数を簡裁の総定員で割っておるわけでございます。それによって出てまいりましたものがその件数ということになるわけでございます。ただ、その場合に、調停とか支払い命令とかいうものは、非常に比率を低くして計算いたしますので、その件数として出てまいりましたのが一人年間九十件となりますけれども、これはいわば観念的な数字でございまして、つまり民訴を一とすれば調停は〇・幾つとか、そういうものを換算いたしまして、その換算の結果の数字ということで、具体的になまの件数ではないわけでございます。
  9. 中谷鉄也

    ○中谷委員 必ずしも私は、平均事務量ということについてそれほど強い関心と、どうしてもその事務量の内容を御答弁いただきたいというつもりはないのですけれども、そうすると、略式命令だとかいうふうなものについては、何か点数とさっきちょっと御答弁があったように思いますが、一件として御計算にならないというふうなことに相なっているわけでしょうか。たとえば仮処分とか仮差し押えの中にも、ずいぶんやっかいなものもたくさんあると私は思うのですけれども、別に詳しい数字はけっこうですが、何かそういうふうな非常に画一的と申しますか、仮処分の中なんかでも、ずいぶんむずかしい、裁判官が御苦労しなければならぬような件数もあると思うのですけれども、何か平均事務量というような出し方が、そういうことで的確なのかどうか、この点いかがでございましょうか。
  10. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 この点はまことに中谷委員のお話しのとおりでございまして、非常にむずかしい問題でございます。ただしかし、それにしても何かそういうことをいたしませんと、民事訴訟も一件なら一件だ、支払い命令も一件なら一件だということでは、これはとうてい問題にならないわけでございます。そこで、実はもういまから四、五年前かと思いますが、全国的な実態調査をいたしまして、それによりまして大体の事務量の基準を出したわけでございます。これは裁判官と書記官とでもまた少しは違うわけでございますが、たとえて簡裁の裁判官について申し上げますと、民事の訴訟を十とすれば刑事の訴訟は八とする。これは刑事のほうは人員建てになっておりますので、民事は件数建て、その点もありまして、これで大体対等になるわけでございます。それから調停の場合は二とする。それからその他の事件は〇・六とか〇・三とか、あるいは略式は一とか、いろいろございます。これもお話しのとおり、保全処分のようなものをとりますと、これはもう訴訟以上にむずかしいものもあれば、仮差し押え等で非常に簡単なものもございまして、ちょっとその正確なあれがなかなかむずかしいのでございますが、実態調査の結果では、この辺ならばということで一応出したわけでございます。そういう意味でございますから、この事務量というものを非常に金科玉条にはできないということは十分心得ております。
  11. 中谷鉄也

    ○中谷委員 附帯決議の中には「最高裁判所当局は、これらの定員の増加に努めるとともに、有資格者を可及的すみやかに判事、検事に採用して運用に遺憾なきを期すべきである。」こういうふうな記載があります。もちろんこの附帯決議の趣旨というものは、十分尊重されねばならないと私は思うわけでございます。ただ、私の最近の感じから申しますと、かなり改善されまして、いわゆる特任裁判官といわれているものの中の半分以上の方が書記官出身の方でございますけれども、最近ではずいぶん能力その他の面において向上していると私は思うのです。  ただ、次のような点についてお答えをいただきたいと思います。これも私、前々から実感として感じていたことなんですけれども、実は同じものを引用して恐縮ですけれども、「自由と正義」の四十年の十月号に、「簡易裁判所の実態」というアンケートがあります。すでに局長御存じでございますが、そのアンケートでございまして、これは必ずしも正確なものではありませんけれども、そのアンケートの中に、簡易裁判所が地裁に比して令状請求に対する却下数が少ないのはそもそも何を意味するのだろうか、これは一つの問題点なんだというふうな趣旨のアンケートがあるわけです。この点、一番最初の私の発言に戻りますけれども、要するに令状発付についての人権保障ということで簡易裁判所が発足したということとの関連があると私は思うのです。個々具体的なケースとも関連をしてまいりますが、簡易裁判所の令状請求に対する却下数と、地裁の令状請求に対する却下数は、何か感じとしては確かに簡易裁判所へ令状請求をすると通りやすいという感じが、私実感としてあるわけです。その実感だけでは統計の上でどうあらわれているかわかりませんが、また、そういうふうなことの御答弁を引き出すことが、はたしてどれだけ前向きになるのかどうかということについても、若干の疑問がありますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  12. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 まず、在野法曹であられる中谷委員から、簡裁の判事一般について改善のあとがあるというおことばをいただきましたことは、私どもとしてまことに愉快に、うれしく存ずるところであります。  問題の、令状の却下の問題でございますが、確かに「自由と正義」でもそういうのが出ておりましたし、私どもの感じとしても多少そういう面があるのではないかというふうに思っておるわけでございますが、その却下の比率、パーセントはただいま手持ちいたしておりませんので、数字を申し上げるわけにまいらないことはまことに申しわけない次第でございます。
  13. 中谷鉄也

    ○中谷委員 この問題は私、関心がありますし、簡易裁判所のあり方としてひとつできましたら資料を御整理いただきたいと思います。  ただ問題は、検察庁あたりから何かそういうふうな資料をそろえまして、あの裁判官は令状請求の却下が多いんだ、たとえばこの裁判所はどうもよその裁判所に比べて、令状請求の却下率が多いというふうなことをいかにも不服がましく言う向きもあるわけです。したがいまして、いろいろな微妙な問題を含んでおりますが、そういう資料が整備できるようでしたらひとつお調べをいただきたい。このことをお願いをしておきます。  質問を続けます。
  14. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 ちょっと……。いま調べましたところが、実はパーセントがございませんので、パーセントはあとでお届けいたしますが、件数が出ておりますから、これでも大体のことがわかるかと思いますので申し上げたいと思います。  昭和三十九年度でございますが、地方裁判所におきましては許可が約十八万件に対しまして、不許可が約三千三百件というのに対しまして、簡易裁判所では許可が約二十四万件に対しまして不許可が三百二十件という数字でございますから、これはやはり簡裁のほうが却下はかなり少ない、パーセントはちょっといま計算しておりません、そういうことでございます。   〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕
  15. 中谷鉄也

    ○中谷委員 では、しつこいようですけれども、もう少し質問を続けましょうか。  どういうことが原因だと思われますか。結局、殺人だとか、あるいはまたいわゆる大きな事件、そういう事件は、地方裁判所へ令状が請求される。これについては地裁のほうがその却下率が多い。パーセントから言うとずいぶん格段の違いがあると思うのです。原因は何でございましょうか。
  16. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 この点は、いずれ詳細に検討いたし、また所管局と連絡いたしまして、場合によりましては所管局長からお答えするほうが正確かと思います。私の感じといたしましては、確かに殺人事件等が地裁にあることは確かでございますが、また同時に、いろいろ涜職事件とか、その他むずかしい事件も地裁のほうは多いだろうと思います。簡裁のほうは、比較的はっきりした事件が多いという面もあろうと思います。しかし、それだけではないのかもしれぬと思います。その辺は、もう少し検討した上でないと、はっきりしたことを申し上げかねるわけであります。
  17. 中谷鉄也

    ○中谷委員 こんなことを局長さんに申し上げるのは恐縮ですけれども、勾留の要件というのはちゃんと法律できまっておるわけですから、あまりはっきりした事件というのは、むしろ勾留の必要がないんじゃないかということだって言えるわけでございます。「自由と正義」の中で「簡易裁判所の実態」というアンケートの中に出ているような例というのは、読んでみてこんな例があるのかというふうな非常にひどい例というのが出ているわけですけれども、私、実際それほどのひどいものを目撃しておりませんし、最近では、ことに書記官出身の試験も相当むずかしくなりまして、改善されているという前提でいまお尋ねをしているわけですけれども、この令状問題や、ほかのいろいろな問題について、申し上げたいことはありますけれども、その問題なんかからも私は若干の簡易裁判所のあり方、実態の問題があるのではないかという点を一つ指摘しておきます。  では、質問を続けたいと思いますが、次のような問題についてです。  要するに先ほど局長の御答弁の中で、裁判所が親しみと申しますか、法の擁護ということで、民衆からほんとうに信頼をされる、ことに簡易裁判所は、そういうものでなければならないというところの御答弁があったわけです。私もまさにそのようなものでなければならないと思うのです。したがって、この機会に簡易裁判所の調停の実態についてお教えいただきたいと思います。すでにこの法案に関連いたしまして、四十六国会においても詳しい質疑が調停の問題について出ておりますが、いわゆる調停委員さんの年齢でございます。六十歳の方が四一%くらい、七十歳くらいの方が二四%、要するに六十歳以上の方が六五%を占めている。したがって、裁判所のほうでも調停委員さんは年齢の若い方に出てもらう、そういうことについて努力をしたいのだ、努力をしている、考えているのだという御答弁がかつてございました。そこで、そういう点についてのお考えをいただいている非常にむずかしい問題、ことに若い人というのは、なかなか自分の仕事が忙しいというような問題もあると思いますけれども、これは簡単でけっこうですけれども、そういう調停委員さんの年齢が、三十歳以下の人というのもまた調停のあり方として問題はあろうかと思いますけれども、かなり若い人に調停委員さんになっていただくための措置というのは、前国会以来どのような配慮をされたか、この点についていかがでございましょうか。
  18. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 この点は、私どもいつも会同等の機会に、その点を十分連絡いたしておるわけでございます。通達等は出しておりませんけれども、ごく最近、たとえば昨日も実は部内の打ち合わせ会がございました席上で、いろいろそういうことが話題になりました。その際に、最高裁で統一的な方針をきめるということも一つの道ではあるけれども、やはりそれぞれの地方の実情に応じてやることがいいのではないか。これは選任は地方裁判所または家庭裁判所となっておりますので、そしてまた地裁も家裁とはやや面が違うと思います。もう一つ非常に大きな違う面は、たとえば弁護士の方の調停委員というのは、これは相当年齢というものにこだわらなくていいのではないか。まあ八十歳以上ということになると問題でありましょうが、七十歳以上の方で弁護士として活躍されておるような方は、少しも差しつかえないわけでございまして、一律にはまいらない。しかし、一般的には中谷委員のお話しのように、もう少し年齢を下げていくという努力をするということは、常に話し合って努力をしているわけでございますが、必ずしも改善の実が十分にあがっているとは申し上げられないような状況でありまして、まことに遺憾に存じております。
  19. 中谷鉄也

    ○中谷委員 一点だけ、私の思いつきですけれども、改善策としてこんなことができないのだろうかということを申し上げておきたいと思います。と申しますのは、調停委員さんの職業別の統計というのも「調停時報」等に出ておりますけれども、官公吏ですね、官公吏の調停委員さんというのは、大体二千人近くおられるというふうに承っております。そうすると、パーセントから申しますと、大体八%から九%でございますか、そういう官公吏の調停委員さんというふうな、官公吏の方に積極的に働きかけるということになれば、六十歳以上の方が先ほど私指摘いたしましたように六五%、七〇%近いというふうな実態は、かなり改善されるではないか、この点が一つ。  いま一つは、調停委員さんの中に、官公吏の中に入るのでしょうけれども、教師というのもありますが、こういう方で調停委員さんになっていただいておる方はかなり数は少ないように思いますけれども、こういうふうな点についてはかなりな意義――官公吏の中に仕分けとしては入るのでしょうけれども、私立の学校の場合は官公吏じゃありませんが、この点についてそういう配慮もあっていいのではないか。したがって、ちょっとお尋ねいたしますけれども、官公吏以外の、私立の学校の先生が調停委員さんになってくださっているというようなパーセントは出るでしょうか。  それからもう一つ、官公吏の調停委員さんの年齢というものは、大体どの程度なのか、質問がちょっとこまかくなりましたけれども、御答弁をいただきたいと思います。
  20. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 まず、教員が調停委員になっておるかという点でございますが、これは昨年度の統計でございますが、民事調停におきましては約二百三十名ばかり、一・一%、それから家事調停におきましては四百七十人ばかり、約二・六%になっておられるようでございます。  それから教員、官公吏の場合の年齢というのは、これはあるいは民事局関係の資料を詳細に調べれば出てまいるかと思いますが、ちょっと手持ちしておりませんので、お答えいたしかねます。
  21. 中谷鉄也

    ○中谷委員 話が、そういうふうな非常にこまかい話で恐縮ですけれども、特に大学の法学部関係の先生などが、かなり調停委員として御苦労いただいておる例もあるわけですけれども、こういう方といえば、まさに数が非常に少ないわけですけれども、そういう方々にかなり積極的にお願いをする、またそういう調停委員の方の交代をするときに、若い方になっていただくというようなことで改善をはかっていただくのが一つの方法ではないか、これは全くの思いつきでございますけれども、そういう点を申し上げておきたいと思います。  そこで、次に話がまたもとへ戻るわけですけれども、簡易裁判所が親しみやすいものでなければならないというようなことと関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、夜間調停の問題についてお教えをいただきたいと思います。夜間調停を行なっている裁判所というのは若干あるようでございます。その裁判所の名前はけっこうですけれども、実情は、件数でございますね、一体その夜間調停というのは制度としては非常におもしろい制度だし、飛びつきやすい制度だと思うわけです。しかし、この夜間調停の実際の件数についての具体的な資料はお持ち合わせでしょうか、お尋ねをいたします。   〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕
  22. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 夜間調停は、実は私が民事局の第一課長をしておりますときに初めて予算要求をいたしましてそれから始まった制度でございますが、どうも私どもがねらいといたしましたほどには、必ずしも十分に利用されていないような印象を受けるわけでございます。これがどういうところに原因があるかということが必ずしもはっきりしないわけでございますが、いまお話の件数という点は、ただいまちょっと手持ちいたしておりませんのでお答えいたしかねますが、いろいろ環境その他を改善することの努力も同時に必要ではないか。つまり、裁判所自体ではなしに、たとえば東京の場合などでも、裁判所自体は幾ら夜間明るいといたしましても、その近所が暗いと往復にいやがられるような面もあるようでございます。そういうようなところから解決していかなければならないというような点があります。件数の点は、後刻調査してお答え申し上げます。   〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕
  23. 中谷鉄也

    ○中谷委員 最近、京都の簡易裁判所で、夜間調停がかなり活発に行なわれているというふうなことを聞いております。ですから、従来行なわれている夜間調停については、考え方としても、どういう表現がいいでしょうか、おもしろいといいますか、適切なものとして、私も発足当時それを理解いたしましたけれども、   〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕 いまの局長の御答弁では、夜間調停がそれほど活発に利用されないことについての原因について、あまり明確な御答弁がなかったと思うのですが、それはそれでけっこうですが、京都の実情は最近どういうことになっておるでしょうか。これはいかがでしょうか。
  24. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 京都の裁判所では、中谷委員御存じの前の所長の沢裁判官が調停に非常に力をお入れになりまして、その関係で、一般的に調停事件というものの件数が非常にふえてまいっておるわけでございます。たとえば、昭和三十九年には、京都地裁骨内の簡裁の新受件数が千七百件ばかりでございましたのが、四十年には三千百件、つまり千三、四百件も増加したような実情でございます。ただいまここにその夜間調停のみの件数を手持ちしておりませんけれでも、こういうような状況で、これはいろいろ口頭受付でありますとか、あるいは夜間調停でありますとか、そういうことについて非常に力を注がれましたことの一つのあらわれというふうに聞いておるわけでございます。
  25. 中谷鉄也

    ○中谷委員 裁判所の仕事の中で、私は、ひとつ親しまれる裁判所というような立場から、法律相談というようなものを、どういうように取り上げるべきかということについて若干お尋ねをいたしたいと思います。  その機会に、その前提として、法務省の政府委員の方にお答えをいただきたいと思いますが、最近の出先の法務局のいわゆる人権相談ですね、これの件数は大体どのくらい実績があがっているでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  26. 川島一郎

    ○川島(一)政府委員 現在、数字を用意いたしておりませんので、お答えすることができませんが、実情といたしましては、非常にたくさんの件数にのぼっております。
  27. 中谷鉄也

    ○中谷委員 どうもすみません。突然そういうことをお尋ねして恐縮でした。  そこで、裁判所にお尋ねをいたします。  法務省の各出先のいわゆる人権擁護課での人権相談、こういうのがございます。それから、最近警視庁あるいは警察庁の一つの考え方として、何か民事不介入という考え方から一歩出て、何か困りごと相談所というようなものを設けて、かなり相談に応じてその実績をあげているようでございます。これも全く一夜づけで調べてきたわけでございますけれども、ジュリストの昨年の十二月一日号に、「困りごと相談はどのように解決されるか」というふうな、家事相談の特集の中に、そのようなものが出ております。そこで、裁判所として、まず簡易裁判所の法律相談――私は家庭裁判所の家事相談についてお尋ねするつもりはございません。簡易裁判所の法律相談というふうなものは、現状はどのように行なわれておるのか。それとまた、親しまれる裁判所、親しまれる簡易裁判所という観点から、どのようにあるべきか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  28. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、家庭裁判所では家事相談というのが相当行なわれておりまして、年間二十五、六万件にも達するようでございます。ただ、この家事相談につきましても、これは弁護士会その他からもいろいろ御意見があるわけでございますが、むろん、家事相談自体について、それがよくないという趣旨でもないと思いますけれども、やり方等については、裁判所の立場というものとの関連で、やはりいろいろ意見があるように承っておるわけでございます。そういう関係もございまして、簡易裁判所のほうで法律相談をやるということについては、やはりかなり考えなければならない問題があるのではないか。裁判所は、あくまで判断機関でございますので、そういう意味で、そこでいろいろなサジェストをするということが、はたしていかがなものであるか。たとえば、手続を教えてあげるとか、あるいはそういう窓口を指示するとか、あるいは費用を説明するとかいうことは、むろん当然すべきことでございましょうが、内容にわたっての相談に応じますと、今度それが正式の訴訟事件になりましたときに問題が起ころうかと思います。家庭裁判所は、何と申しましてもああいう後見的な裁判所でございますから、別といたしまして、やはり地方裁判所の系列に属する簡易裁判所で、そこまでやることは問題ではなかろうか、いまのところはさように考えておる次第でございます。  また、いろいろ御意見を伺いまして……。
  29. 中谷鉄也

    ○中谷委員 お尋ねをいたしますと申し上げますよりも、これは私、感じを申し上げたいと思いますが、非弁護士の追放、取り締まりということは、ずいぶん前から日弁連等でもいわれていたことだと思うのであります。それからいま一つは、示談屋の横行というふうなものに対する取り締まりの強化というようなこともいわれていると思うのですが、何か、裁判所のお立場はよくわかると思うのです。たとえば具体的な事件について、裁判以前に、裁判所が、これは勝ちですよとか、負けですよとかいうようなことのお話があったら、これはたいへんなことだと思うのでありますけれども、問題は、親しみやすい裁判所というような観点から、簡易裁判所などで、その節度を守りつつ、家事相談的な、いわゆる法律相談というのが行なわれてこそ、親しみ易い簡易裁判所ということになるのじゃなかろうか。裁判所というか、裁判官は非常に慎重ですから、その点についてはなかなか踏み切りにくいものもあると思いますけれども、私は、そういうことであってほしいと思うのです。特に、先ほど申しましたような、潜在的訴訟とか、潜在的事件というようなことで泣き寝入りするとか、妙な顔役の方が話をつけるというようなことではなしに、正当な法の支配のもとにおける法の救済を求めるという、こういう手続がいいのですよというようなことは、むしろ積極的に裁判所がお名ざしになるべきじゃないか。それが、簡易裁判所の統廃合というような問題が出てくる中で、それこそ地域住民と密着した裁判所ということに相なるのではないか。この点、いまの局長の御答弁はちょっと引っ込み思案の御答弁のような気がいたしましたので、もう一度御所見を承りたいと思います。
  30. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 御趣旨は非常によくわかるわけでございますし、また、いわゆる潜在的事件を裁判所に吸収して、いわゆる事件屋とか、そういう町の顔役とかいう人たちによる解決というものを防ぐべきだということのねらいも全く同感でございます。ただ、それをやります方法として、どういう形でやるのが裁判所の性格にふさわしいかというところが、かなりむずかしい問題で、私ども、まことに引っ込み思案的な意見になるわけでございますが、やはりまず調停というような形で、つまり両方に出てきてもらうというのが非常に好ましいことでございますし、さらには、たとえば訴訟の場合でも、いまのような形式的なやり方でなしに、たとえばもっと職権主義を強化するとかいうようなことで、つまり裁判所が実質的にもっとリードしていく、こういうやり方は十分考えなければいけないと思うわけでございます。形式主義は打破すべきだと思うのでありますが、そうかといって、一方当事者だけに来てもらって相談に応ずるということは、そこにまた弊害の問題が起こるような感じがいたしまして、なお慎重に検討せざるを得ぬのじゃないか、かように考えるわけでございます。
  31. 中谷鉄也

    ○中谷委員 同じことばかりお聞きして恐縮ですけれども、私のテーマは一つだけなんです。要するに簡易裁判所というものを、ほんとうに民衆と密着した、親しみやすいものにするという点が私のきょうお尋ねしているテーマなんです。  そこで先ほどPRというおことばが出ましたのですが、婦人会などに対する、簡易裁判所というのはこんなような仕事をしているのですよというふうなPRは、具体的に実際どの程度おやりになっているのでしょうか。また予算の面で、そういうふうな予算が組まれていると思いますが、たとえば裁判所へ見学に行きましたら、裁判所のしおりというものをいただきますけれども、裁判所に来たというのじゃなしに、一歩外へ出て裁判所というもののPRをする。PRすることの可否というものも問題があるでしょうけれども、私はやはり裁判所、ことに簡易裁判所が親しみやすいものであるために、そういうPRをすることが、統廃合の問題にもつながってくると思うのです。その点についてはいかがでございましょうか。
  32. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 簡易裁判所を、国民に親しみやすいものにしなければならぬという点、全く同感でございます。  そのPRの問題でございますが、これは広報課に若干の予算もございますけれども、しかし、お話のようなことは、必ずしも予算を要する問題でもないわけでございます。そうしてこれは大体は地方裁判所の所長、それから簡易裁判所の先任裁判官というような方々に、常時その点をお願いをしておるわけでございます。たとえば、一例でございますが、司法週間でありますとか、あるいは憲法週間でありますとか、そういう場合には、こちらのほうから出かけていって講演をしたり、あるいは座談会をしたりして、いろいろPRをしておるわけでございます。ただこの点も一般的に申しますと、非常に積極的にやっていただいている庁と、それほどでもない庁とございまして、先ほど御指摘の京都のような場合には、それをかなり積極的にやっていただいた効果があらわれておるわけでございます。今後そういう点を、できる限り各庁とも積極的にやるように指導はしてまいりたいと考えておりますが、いまのところ、確かにまだ不十分な面があろうかと思います。さように考えております。
  33. 中谷鉄也

    ○中谷委員 前回、総合配置という問題が出ましたが、要するに八十組、したがって百六十庁、こういう裁判所がある。この問題の中で、検察官からいえば令状の請求、被告人、弁護人の立場から申しますと、保釈の請求というような点について、ことに被告人の立場からいって、かなり困惑する場合があるわけなんです。とにかく本庁であれば一日で出れるものが、裁判官不在のために三日くらい、日曜日もはさめば四日くらいひどいときには勾留が続く。これは必ずしも不当勾留とはいえないでしょうけれども、私、問題だと思うのです。問題だというのは、決して、いけないというよりも、被告にとって非常に納得しないものがあると思います。そういう一つの問題の指摘の中で、総合配置ということについて、一体――これは前々からの委員会で指摘もされ論議もされている。要するに、総合配置ということはおかしいじゃないかという論議をされているのですが、私は実感として、令状の請求の面は検察官のお仕事ですけれども、被告人、弁護人の立場からいって、保釈の問題なんかで、被告人の人権保障の面から、若干の支障を来たしているということはいなめないと思うのですが、こういう面から、総合配置についてどういうようにお考えになるか、お答えいただきたいと思います。
  34. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 ただいまの中谷委員のおことばも、まことにごもっともな点でございます。理想的に申しますれば、むろん総合配置というものをなくして、各庁に必ず置けば一番好ましいかと存じますけれども、しかし、また他面、いろいろ整理統合等の問題の際に議論になりますことは、これは諸外国等との比較において、面積が大体どのくらいでこういう裁判所が一つあるのがふさわしいか、あるいは人口がどのくらいで一つあるのがふさわしいかというようなケースもあるわけでございます。そういう際に、たとえば整理統合をするのはよくない、それまではやるべきでない、しかし、たとえば巡回裁判的にやればどうかという議論が、臨時司法制度調査会等でもかなり出るわけでございます。また現実に、これはアメリカにおきましても、イギリスにおきましても、御承知のとおり、巡回裁判制度があるわけでございます。そういうようなものとの関連でまいりますと、つまり整理統合まではやるべきでないけれども、一種の巡回裁判的な運用ということにこの総合配置もなってくるわけでございます。一週に数回参るということでございまして、そういう面ではつまりこれを一つの中間的なステップとして、中には廃止の方向にいくべきものもあろうし、中には現実に置く方向にいかなければならないものがある、こういうことではないか。それが煮詰まりました上では、その庁についてはできる限り一名ずつ配置することが好ましいと思いますけれども、現在はその点はいろいろな面から、配置等も含めて検討の対象になろう、かように考えるわけでございます。
  35. 中谷鉄也

    ○中谷委員 あと二点だけお尋ねいたします。  裁判所を中心としまして、一審強化促進協議会が発足いたしまして、例の一審強化についていろいろな問題が協議されております。検察庁、弁護士会、それぞれ参加しているわけですが、私いつもふしぎに思うのは、一審強化ということになれば、簡易裁判所の強化ということもたいへん大事なことだと思うのです。簡易裁判所の事件一件が何カ月かかり、地方裁判所の事件一件が何カ月かかるということの統計は、私承知いたしておりますけれども、そんなこととは別に――何日かかるかというのは、一審強化とは必ずしも結びつかないので、一審強化ということは、文字どおり大事なことだと思うのですが、その協議会に、簡易裁判所の裁判官の方の御出席がないように私思うのです。御出席になっておられる裁判所もあるのかもしれませんけれども。最高裁に、一審強化協議会に簡易裁判所の判事さんが参加しないことになっているのかどうか、この点をひとつお教えいただきたいと思います。要するに簡易裁判官会同というのは、所長さんのほうでおやりになっているようですけれども、一審強化協議会というのは、検察庁もおいでになる、弁護士会からも参加するというものですから、当然簡易裁判所の裁判官も御参加になってしかるべきだと私は思うのです。このあたりにも何か簡易裁判所というものの問題点もひそんでいるのではないか。あまり深刻なことはこの機会には申し上げませんが、この点について、まず方針として、今後一審強化促進協議会の中に、簡易裁判所裁判官が参加されるようにされるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  36. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 現在のところは、おそらく多くの場合は直接には参加していないと思うのでございます。参加しているところもあるかもしれませんが、一般的には参加しない例のほうが多かろうと思います。私どもの考えとしては、何と申しましても地方裁判所が原則的な第一審裁判所でございますから、そこをまずしっかり固めるということでございます。  さらに、一審協議会に出ますのは全裁判官ではないわけでございますので、その一審協議会に参りました者は、それを当然他の裁判官にもそれぞれ伝達するということでございまして、それは地方裁判所の他の裁判官にも別の席で伝達いたすわけでございますし、それと同様に、いまお話のございましたように簡易裁判所の裁判官にも伝達する。つまり直接席へ出ますのは、ある程度の少数の人間でございますので、原則的に地方裁判所から出ている、こういう実情ではないかと思います。
  37. 中谷鉄也

    ○中谷委員 実情を申し上げておきます。地方の裁判所では裁判官全員が御出席になっているわけです。これはまさに文字どおり陪席ということで御出席になっているかどうかは別として、全員、判事補の、裁判官になったばかりの人だって出席するわけなんです。そういう実情の中で、理屈として一審のその主たるものは、地方裁判所だということじゃなしに、やはり簡易裁判所の裁判官の心情といいますか、お気持ちを考えてみても、私はやはり御参加いただいていいのではないか、こういうふうに思います。この点はひとつ御配慮をいただきたいと思います。その点についてお答えをいただきたいと思います。
  38. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 御趣旨よくわかりましたので、その点十分検討して善処することにいたしたいと思います。
  39. 中谷鉄也

    ○中谷委員 最後に一つだけ。この点は問題点ということのほどではありませんけれども、次のようなことを申し上げておきたいと思います。  簡易裁判所については同じことを何べんも申し上げて恐縮ですけれども、「自由と正義」の十月号に書かれているような、これはひどいと思われるような訴訟指揮であるとかが、かなりないとは言えないと思うのです、最近ずいぶん改善されているということは私は認めながらも、そういうことが言える。ところが、次のようなことを指摘している人がいます。局長さんもちろん御存じの青木英五郎さんですけれども、最近「誤判にいたる病」というのをお書きになりました。私自身読んでみまして非常に感心する点もあるし、私自身もこれについて批判的な面もありますけれども、青木英五郎さんが指摘されている点はこういうことなんです。「昭和四一年五月二三日、二四日開催の高裁長官、地裁所長、家裁所長会同における最高裁長官の訓示では、第一の問題として「判事補および簡易裁判所判事の指導育成」がとりあげられているが、その訓示の中で人権擁護ということについては、一言も言及されていない。これも最近の傾向として見逃がすことはできないであろう。」こういうような指摘があるわけなんです。そこで、きょうは親しみやすい裁判所というテーマで私はお尋ねしたのですけれども、何といっても裁判所、ことに先ほどの令状の問題一つをとってみましても、簡易裁判所、一番民衆と密着した中における人権擁護というようなことは、裁判所としてはこれをはずしたら裁判所の仕事はない、値打ちはない。これは裁判所の命だと思うのです。そこで、だからもうあたりまえのことなんだ、訓示をすることもないじゃないかといえばそれまでですけれども、昭和四十一年五月二十三日、二十四日開催の会同の中には、そういうことが少しも触れてないじゃないかと、かつて優秀な裁判官であった青木さんがそういう指摘をしておられるわけなんです。こういうような点について、ことに簡易裁判所のお仕事の中で、人権擁護といいますか、令状の問題一つとってみましても、こういう問題について万遺憾なきいわゆる簡易裁判所判事に対する指導、そういうものが行なわれなければならないと私は思うのです。これは全くそのとおりだろうというお答えをいただけると思いますが、この点について最後にお答えをいただきたいと思います。
  40. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 御指摘の会同の際の長官の訓示、私、正確に記憶いたしておりませんので、どういうことばであったか申し上げられませんが、あるいは人権擁護という表現がそこにはなかったかと思います。ただしかしながら、人権擁護ということはきわめて重要である。ひとり簡易裁判所判事にとどまらず、すべての裁判官について当然のことであり、これはもう常にそういうふうに長官もお話になり、また他の関係者も申しておりまして、今後ともそういう点は十分心がけてまいりたいと思います。
  41. 中谷鉄也

    ○中谷委員 終わります。
  42. 大坪保雄

    ○大坪委員長 沖本泰幸君。
  43. 沖本泰幸

    ○沖本委員 私のお伺いしたい点も、やはり先ほどの中谷委員の御発言になった内容と全くよく似た問題でございまして、裁判所の明朗化に重点を置いてお願いするわけですが、まず、昔は生活の様式とか、人格とか、あるいは道徳、あるいは素朴、こういうような点から、非常に人々の間が争いになるようなことが、比較的争わずに話し合いがついていった。ところが最近は、生活の近代化、あるいは人間疎外、そういうような点から生活がだんだんすさんできて、そして話のつくものもつかなくなってしまって、だんだんそれが争いごとに変わっていく。そういうために、民事事件、刑事事件が非常にふえてきているんじゃないか。そのために裁判所も非常に忙しくなってくる。ひいては交通問題にまでいろいろな問題が移行していってるわけですけれども、こういうことがおもな条件になってきているのではないか、こういうふうに私は考えるわけですけれども、大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。
  44. 田中伊三次

    ○田中国務大臣 あるいはお説のようなことにもなろうかと存じます。
  45. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そういう点を基準に考えていきますと、いわゆる裁判所も、検察庁も、あらゆる点においてそういうふうな時代の移行に従ったものの考え方、基準というものを置いていき、機構の改革、人員の配置、こういう点にもいろいろ参考にしていかなければならないんじゃないか。そう問題を考えながら、配置とか統合とかいう基準にもしていかなければならない。ただ、件数だけでどうこうということではないと思うのですけれども、ところが、非常にいさかいごとが多くなって、争いが多くなり、自然いままで裁判所や検察庁の門をくぐらなくてもよかったという人たちも、あらゆるさばきのところへたずねなければならない。ところが、私の体験する範囲内では、裁判所へ行きましても、ただ、守衛さんがぽっこりいらっしゃるだけで、そこで道を尋ねても、簡単にすぱっと言ってくれるだけ、何かのことで何とか相談したい、こう思って弱り切って行った人たちが、裁判所全部、地裁も家裁も簡裁も含めて、検察庁にもいえるわけなんですが、そういう窓口の暗さ、あるいは受付と書いた窓口しかない、あるいは地裁あるいは簡裁に行っても、事務所のドアがばっちり締まっている。それで呼び出しを受けても、ロビーでいすもないようなところでいる。このような現在のいろいろな裁判所の中身の状態だと思うのですけれども、これでは全く初めからショックを受けて、自分を有利にしていきたい、あるいは問題を解決したい、こういうように考えてもなかなかできないわけです。先ほど、中谷さんは、簡裁の法律相談とか、あるいは親しまれる裁判所になってほしい、こういうような御意見もあったわけですが、そういう点に関係して考えてみると、もっと裁判所の窓口とか、あるいは来た人たちが待たなければならない、こういうような状態の問題を解決していただかなければならない。あるいは地裁でも、相当大きな県の地裁へ行っても、法廷そのものにいわゆるストーブの煙突など取った窓がそのまま、とびらはがたびし、守衛さんのところに火ばちが一つあるだけで、ほかのところはさっぱりない。傍聴席にはクモの巣が張っている、このようなのはどこにでもあるわけです。地裁でさえこんななのですから、簡裁のほうに行くと、私の感覚では、まるで昔の代官中のあとがそのままあるような感じで、どこへ行ってだれに聞いていいかわからない。この間のお話ですと、二庁を一人で担当するような人員配置もしておる、こういうようなお話なんですけれども、そういう点が全く人に親しまれない裁判所ではないか、こういうふうに考えるのですが、こういう点の機構改革についてお考えを伺いたいと思います。
  46. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 お話しの点は、先ほど来いろいろ申し上げましたことにも関連するわけでございますが、私どもとしては、新しい建物では相当改善の努力をしておるつもりでございますが、不十分な点は、今後とも一そう努力いたしたいと思いますし、なお、配置の点につきましても、先ほど中谷委員のお尋ねの際に申し上げましたように、やはりどうしても必要なところへは必ず置く、そうでないところは、またそれによって考えるということで検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  47. 沖本泰幸

    ○沖本委員 具体的なことになりますけれども、まず小さな窓口があって、ただ受付とあって、そこにはだれもいないわけです。それで呼び出しを受けた人が、どこへいったらいいかわからない。ところが見ていると、弁護士さんとか、あるいはそこの事務員さんは、案内知っているから、どこだか行って解決してしまう。こういうところに国民自体が一番困っている問題が多いわけです。こういう点をもっと改善していただきたいわけです。それから傍聴に行くなりあるいは呼び出しを受けた場合に、冬なんか、予算の関係もあるのでしょうけれども、全く風の吹きさらしのところで、火ばちも何にもないところで、長時間、証人に呼び出されてすわらされて待たされる。こういうところも、非人権的な点がたくさんあるわけです。こういう点、もっと機構的に改革していただいて、もう裁判所というイメージが、先ほどお話しのようにならないようにやっていただきたいわけです。  それで簡裁に関する問題なんですけれども、裁判所法三十三条では、金額の点でいくと十万円以下のものが簡裁のほうで取り扱う、こういうことになっておるわけですけれども、現在の段階でいきますと、民事問題で十万円程度の争いを起こしているというのはもう非常に少ない。ほとんどそれ以上の金額でおもな争いになっているわけなんです。そうなってくると、地裁のほうに請求しなければならない。ところが、手続はたいへんである。弁護士さんにお支払いする報酬とか、いろいろな問題で、勝ったところでもともとになってしまうという点から、みんなその裁判を放棄するようなことをたくさん私は聞くわけなんですけれども、いまの十万円未満という点が、現在の段階で価額評価、貨幣価値というものから考えて、妥当であるかどうか、ここまでに至ったいきさつを、時間がありませんから簡単に御説明とお考えをお聞かせ願いたいのです。
  48. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 便宜、裁判所のほうから意見を申し上げさせていだだきますが、御承知のとおり、十万円になりましたのは昭和二十九年で、いまから十三年ほど前でございます。そのときには法案は二十万円ということで出たわけでございますが、国会で十万円に修正になったわけでございます。当時は、いろいろな上訴制度等との関連もございまして、単なる物価スライド以上に、大幅に簡易裁判所に事件を落とそうという一つの目的をもって、この改革が行なわれたわけでございます。それが、ただ十万円になりましたために、当初の政府提案の目的とはやや合わないものになりましたけれども、それにいたしましても、それ以前三万円でありましたときと比べますと、かなり簡易裁判所の権限の範囲が広くなったわけでございます。そうして、その後物価が次第に上昇してまいりましたので、その当時の基準からいけば、若干の拡張は、その物価の点だけからでも出てくるわけでございます。ただしかし、これも卸売り物価を指数にとりますか、あるいは消費者物価を指数にとるかによってだいぶ違うわけでございまして、卸売り物価を指数にとればおそらく十二、三万円程度にしかならないわけでございます。これに対しまして消費者物価を指数にとれば、十六、七万円くらいになろうかと思います。そういう点で、裁判所としてはつとに三十万あるいは二十万という引き上げを考えておりましたし、現在でも考えておるわけでございますが、しかしながら、先ほどお話のありましたように、十万円以下の事件はほとんどないではないか。そういうことでもございませんで、たとえば四十年度でも六万七千件、地方裁判所が九万二千件で、パーセントでいきますと地裁が約六割、簡裁が約四割ということでございます。この比率をどうすべきかということも一つのむずかしい問題でございまして、単なるそういう物価の変動だけからも出せない面がありますので、そういう面は弁護士会にもいろいろ御意見があるようでございますし、最終的には内閣のほうで法案をつくって、国会でおきめいただくということでございますので、私どももいろいろ意見は持っておりますけれども、今後の問題、かように裁判所としては考えているわけでございます。
  49. 沖本泰幸

    ○沖本委員 あとは、裁判に持っていく手続の問題なんですけれども、地裁では手続がたいへんむずかしい。簡易裁判所では手続がやさしい。こういう点で本人が訴訟を起こしたいときに、費用もかかりますから、こういう点の手続の問題もからんでくると思うのですけれども、もっとその手続を簡素化さして、本人が訴訟を起こしやすいような道を講じて、地裁へ持っていくものを簡裁でまかなえるような方向にしていけば、簡易裁判所も生きていきますし、地方裁判所のほうにたまる事件も少なくなっていくのではないか。こういうしろうと考えで申し上げるわけですけれども、いま係属事件の中で、三十万以下の事件は民事事件の何割くらいあるのでしょう。
  50. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 昨年度の統計によりますと、総件数七万七千件ほどの中で三十万までの事件が約三万四千件、こういうことでございます。したがいまして約四三%、かような数字になっております。
  51. 沖本泰幸

    ○沖本委員 相当数あるわけですから、これはぜひともそういう方向へ改革していただかなければならない、かように考えるのですが、裁判所のほうの御意見は……。
  52. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 簡易裁判所の管轄権限を広げるという点、それから手続を簡素化してしろうとの方でも直接おいでいただいておやりいただけるように持っていくという点、これらの点は実は裁判所としては一〇〇%同感でございます。むしろ裁判所は、常にそういうことをいわばいろいろな機会にお願いもし、申し上げてもおるわけでございます。ただ、しかしながらそれぞれの問題につきまして、やはり反対と申しますか、疑問にされる向きもあるわけでございます。そして、その疑問にされますことにもまたそれぞれにある程度の理由があるのでございます。そういう点で、一例をとりますれば、弁護士会等にもいろいろその点については難色をお持ちの向きもありまして、これはもう一年以上もいろいろお話し合いをしながら前進しておるわけでございますが、しかしながら、いろいろな考え方があることは当然でございますので、十分その話し合いをしながら仕事を進めてまいりたい、かように考えているわけであります。
  53. 沖本泰幸

    ○沖本委員 先ほど、中谷さんのお話の中に、特任裁判官の、こういう話が出たわけですよ。能力の点では非常に向上してきた。ところが、簡易裁判所には、この問題で地方裁判所との区別の点がいろいろある、こういうことで、この特任裁判官の資格とか、権限というものは、どの程度になるのでしょうか。
  54. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 これは裁判所法に規定がございまして、その規定に基づきまして最高裁判所の規則できめられているわけでございます。その簡易裁判所判事の選考、任命の資格といたしまして裁判所法四十五条に、「多年司法事務にたずさわり、その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者」かような条件になっておるわけでございます。そして最高裁判所の規則では、推薦委員会というものと、それから選考委員会というものを設けまして、その推薦委員会で推薦されました者につきまして選考委員会が厳重な選考、つまり筆記試験あるいは口頭試験というものを行ないまして、そして選任するとか任命する、かような手続でございます。
  55. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そうすると、裁判所のお考えになる資格は地裁の判事さんと何ら変わりはないわけなんですね。
  56. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 いわゆる地裁の判事、判事補等の有資格者と申しますのは、司法試験を通りまして、そして司法研修所で研修を経たものでございますから、これはそういう試験なりそういう研修は経ておりませんので、その意味では特任判事は違うわけであります。
  57. 沖本泰幸

    ○沖本委員 そうすると、そちらで判決になった場合には、やはり落差がついて考えられるということになるのでしょうか。
  58. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 その点がいつも指摘を受け、問題になるところで、私どもは、司法試験なり司法研修は経なくても、それと同じ能力を持つ人を選ぶようにいろいろ努力しておるわけでございます。たとえば、一例をとりますと、最近は簡易裁判所判事の選考試験に落ちた人が司法試験を通ったという例も、きわめて例外ではございますがあるわけで、そのくらい選考を厳重にする。それから同時にまた研修の点につきましても、研修所に、普通の修習生ですと二年まいりますが、二年は入れておりませんが、半年ぐらい入れましてやらせ、さらに大きな裁判所で実地について研修させる、そういう一年近いいろいろな修業期間を経て実際の仕事をやってもらうということで、できる限り同じレベルに達するように努力しておるというのが実情でございます。
  59. 沖本泰幸

    ○沖本委員 いまのお話ですと、やっぱりレベルの違い、活字になってあらわれたものの認定で違うのですか、名前、官職が書いてあるから考え方が違ってくるのでしょうか。先ほど中谷さんの御質問の中にも、特任裁判官の能力の点ではよほど向上した、こういうおことばの裏は、ほかの判事さんなんかとはだいぶ違うのだ、格段の差があるのだ、こういう考え方に立つようになっておるのですか。
  60. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 私どもとしては、経歴は違いますけれども、能力、識見その他なるべく同等にいくように努力しておるわけでございますし、それから先ほど中谷委員のお話のように、たとえば令状却下等の問題も、特任簡裁判事がどうで、その他の簡裁判事がどうということはございませんで、簡裁の中にもむろん判事なり判事補の資格を有する人もたくさんおるわけでございまして、そういう人のやったものも含めまして、先ほど件数を申し上げたわけでございますから、特任簡裁判事のやり方が、特にほかの簡裁判事のやり方と違っておるとは思っておりません。
  61. 沖本泰幸

    ○沖本委員 どうもその点が、何かレベルの点で違うということをすべての人がお考えになっておるということであれば、法律で定められて、先ほどちゃんとお読みになった条項に従っておやりになっていない。一つの頭の中でものごとをきめつけて、裁判所のほうも弁護士会のほうも一緒になってお考えになっておるということになれば、やめたほうがいいということになるのじゃないでしょうか。その点、もう少し変えていただいて、立場を尊重し、はっきりそこできめられたものは尊重していくというのが裁判所のあるべき問題ではないか、かように考えるのですが、その点いかがですか。
  62. 寺田治郎

    ○寺田最高裁判所長官代理者 これは、はっきり尊重してやっておるつもりでございます。
  63. 沖本泰幸

    ○沖本委員 以上で終わります。
  64. 大坪保雄

    ○大坪委員長 この際おはかりいたします。  本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 大坪保雄

    ○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     ―――――――――――――
  66. 大坪保雄

    ○大坪委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  67. 大坪保雄

    ○大坪委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、おはかりいたします。ただいま可決せられました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 大坪保雄

    ○大坪委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  69. 大坪保雄

    ○大坪委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。  次会は、明九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会