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1967-06-13 第55回国会 衆議院 農林水産委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和四十二年六月十三日(火曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 本名  武君    理事 仮谷 忠男君 理事 倉成  正君    理事 長谷川四郎君 理事 森田重次郎君    理事 石田 宥全君 理事 東海林 稔君    理事 玉置 一徳君       安倍晋太郎君    小沢佐重喜君       小澤 太郎君    鹿野 彦吉君       金子 岩三君    熊谷 義雄君       小坂善太郎君    小山 長規君       坂田 英一君    坂村 吉正君       田中 正巳君    丹羽 兵助君       藤田 義光君    湊  徹郎君       粟山  秀君    伊賀 定盛君       角屋堅次郎君    佐々栄三郎君       實川 清之君    柴田 健治君       島口重次郎君    芳賀  貢君       美濃 政市君    森  義視君       中村 時雄君    斎藤  実君       中野  明君  出席国務大臣         農 林 大 臣 倉石 忠雄君  出席政府委員         農林政務次官  草野一郎平君         水産庁長官   久宗  高君  委員外の出席者         水産庁漁政部長 池田 俊也君         水産庁漁政部協         同組合課長   関根 秋男君         水産庁生産部長 亀長 友義君        専  門  員 松任谷健太郎君     ――――――――――――― 六月十三日  委員栗林三郎君辞任につき、その補欠として角  屋堅次郎君が議長の指名で委員に選任された。 同日  委員角屋堅次郎君辞任につき、その補欠として  栗林三郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  中小漁業振興特別措置法案(内閣提出第六九  号)  外国人漁業の規制に関する法律案内閣提出第  九六号)  漁業災害補償法の一部を改正する法律案内閣  提出第六八号)  漁業協同組合合併助成法案内閣提出第二九  号)      ――――◇―――――
  2. 本名武

    ○本名委員長 これより会議を開きます。  中小漁業振興特別措置法案を議題といたします。  本案に対する質疑はすでに終局いたしております。  この際、東海林稔君外三名から、自由民主党日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる中小漁業振興特別措置法案に対する修正案が提出されております。
  3. 本名武

    ○本名委員長 提出者から趣旨の説明を求めます。東海林稔君。
  4. 東海林稔

    東海林委員 私は、自主民主党日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表して、中小漁業振興特別措置法案に対する修正の動議を提出いたします。  修正案文はお手元に配付いたしてありますとおりでありますので、朗読は省略して、以下簡単に修正案提出の趣旨を御説明申し上げます。  中小漁業振興特別措置法案は、農林大臣が定める中小漁業振興計画の円滑な実施をはかるため、低利な公庫融資と税制上の優遇措置を講じて中小漁業近代化を促進し、その振興をはかろうとするものであって、この振興計画こそは、本制度の根幹をなす最も重要な施策であることは御承知のとおりであります。  したがいまして、農林大臣が振興計画を定め、またはこれを変更しようとするときは、広く学識経験者の意見を聞いて、民主的に適切な計画を定めることがぜひとも必要な措置であると考えられるのであります。  このような観点から、振興計画を定める場合等にあっては、事前にこの法律案の母法である沿岸漁業等振興法に基づく沿岸漁業等振興審議会の意見を聞かなければならないことを追加法定しようとするものであります。  このことに伴い、この法律案第三条に新たに三項を加えて、沿岸漁業等振興審議会権限を拡大するとともに、附則総理府設置法を改めて、沿岸漁業等振興審議会の設置の目的を整備しようとするものであります。  以上が修正案提出の趣旨及びその概要であります。何とぞ各位の御賛同をお願いいたします。     ―――――――――――――
  5. 本名武

    ○本名委員長 本修正案について別に質疑の申し出がありませんので、これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、東海林稔君外三名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   「賛成者起立」
  6. 本名武

    ○本名委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   「賛成者起立」
  7. 本名武

    ○本名委員長 起立総員。よって、修正部分を除いて、原案のとおり可決いたしました。  これにて本案修正議決いたしました。     ―――――――――――――
  8. 本名武

    ○本名委員長 この際、ただいま修正議決いたしました中小漁業振興特別措置法案について、玉置一徳君外三名から、自由民主党日本社会党、民主社会党及び公明党の四派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、その趣旨説明を求めます。玉置一徳君。
  9. 玉置一徳

    ○玉置委員 私は、ただいま修正議決されました中小漁業振興特別措置法案に対し、自由民主党日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     中小漁業振興特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、特に左記事項の実現に留意し中小漁業の振興に努めるべきである。          記  一、かつお・まぐろ漁業及び以西底びき網漁業の指定に引き続き、中小漁業の指定業種を拡大すること。  二、指定業種の指定にあたっては、関係漁業者の意見を十分きくこと。  三、経営の近代化の目標の設定については、指定業種の実情に即して、農林漁業金融公庫からの融資効果的かつ弾力的に運用できるよう措置すること。  四、農林漁業金融公庫資金の融資枠を拡大するとともに、利率の引下げを図ること。  五、労働条件の改善及び労働環境の整備等労働関係の近代化に努め、優秀な労働力の確保に遺憾なきを期すること。   右決議する。  この決議案の趣旨につきましては、法案審査の過程で十分明らかにされておりますので、省略いたします。  何とぞ各位の御賛同が得られますようお願いを申し上げます。
  10. 本名武

    ○本名委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  別に御発言もないようでありますので、直ちに採決いたします。  ただいま玉置一徳君外三名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  11. 本名武

    ○本名委員長 起立総員。よって、中小漁業振興特別措置法案に附帯決議を付するに決しました。  この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。倉石農林大臣
  12. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、この法律案成立の上は、決議の御趣旨を十分に尊重いたしまして、運営について万全を講じてまいりたいと存じます。      ――――◇―――――
  13. 本名武

    ○本名委員長 次に、外国人漁業の規制に関する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑はすでに終局いたしております。  これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  14. 本名武

    ○本名委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――
  15. 本名武

    ○本名委員長 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 本名武

    ○本名委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  17. 本名武

    ○本名委員長 引き続き、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法案の両案を一括議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。熊谷義雄君。
  18. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 ただいま議題になりました法案に関連いたしまして、幸いに大臣が見えておりますので、水産業に関しての基本問題について、二、三お伺いをいたしたいと思います。  まず、水産庁長官から事務的な面を一言お伺いしまして、それに関連して大臣の所見を伺いたいと思います。  一般的に農業に対しては農政の各面から国としての保護施策といいますか、援護施策といいますか、きめのこまかい施策が行なわれているのに対して、水産に対してはその点いささか消極的な感じを与えている、これが実相であると思うのでございます。米価をはじめ農産物に対する価格政策、また輸入制限、そうした面を通して保護政策的な措置が行なわれている。その関係が水産業との比較においてどのようなことになっているか、まず、その対比について、水産庁長官から簡単にお伺いしたいと思います。
  19. 久宗高

    ○久宗政府委員 御承知のように、農林漁業の振興につきまして、それぞれ農業の部面、林業の部面、水産業につきましては沿岸漁業等振興法基礎にいたしまして一連の体系があるわけでございまして、沿岸漁業等振興法によりましては、沿岸漁業並びに中小漁業近代化と合理化をあの体系に従いまして私ども処理をしておるわけでございまして、以上のような体系で一連の施策が行なわれているわけでございます。それぞれの業種としての特質性はございますが、基本的な考え方には違いがないというふうに理解いたしております。  なお、お尋ねの具体的な場面におきます価格政策なり輸入の規制等によりまして、方法の違いないしはその保護の度合いについてどういうことだろうかという御質問かと思うわけでございますが、御承知のように、農業漁業ではやはり性格が多少違うと考えられますのと、産業構造的にも若干の違いがございますので、一応手段といたしましては若干の違いが当然出てこざるを得ないわけでございます。農業の場合におきましては、管理価格制度、最低価格保障制度あるいは安定帯価格といったような行き方、あるいは不足払いといったものが組み合わされまして、一連の価格政策が講じられておりまして、総生産額におきますウエートといたしましては、七〇%程度のものが確保されておるというふうに一応言っておるわけでございます。これに対しまして漁業の場合におきましては、例の魚価安定基金制度及び水産物流通調整事業といったような形の施策があるわけでございまして、カバーしております生産額といたしましては、魚種が限定されておりますので、七%程度にすぎないということでございます。しかしながら、御存じのとおり、これは直接的な価格政策でございまして、産地におきますたとえば冷蔵庫なり加工施設の問題、これらの一連のものは、やはり生産者の価格暴落を阻止する意味におきましての施策でございます。また、根本的には、繁殖保護といった体系の許可制度でございますとか漁業権制度におきましても、やはり生産の安定的な増大ということが一番の基礎になってこのような施策がやられております。また、さらには、今回御提案申し上げております災害補償制度にいたしましても、漁業の場合におきましては、農業と違いまして、価格まで入れまして漁獲金額という形でこれを取り扱っておるわけでございまして、漁業者の所得の確保という点を相当はっきり浮き彫りにしておるように思います。  それから、輸入規制でございますが、こまかい点は抜きにいたしまして、大ざっぱに申し上げますと、輸入制限品目たる農産物の産出額は農業総生産額の約三分の二になっておると思います。   〔委員長退席、森田委員長代理着席〕 漁業の場合におきましては、価格で申し上げますと三〇%程度でございますが、数量で見ますと約五〇%程度のものが、いまの具体的な品目によります輸入規制の対象になっているわけでございまして、特に沿岸におきます多獲性魚類で、一般漁民大衆に直接影響を及ぼすようなものにつきましては、御承知のとおり、輸入の規制そのものをいたしておるわけでございます。かようなことで、若干の違いはありますけれども、これはやはり業種の特殊性に基づくものと理解しております。
  20. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 いま長官からの答弁は、はなはだ残念ながら御了承を申し上げかねるという一語に尽きるわけであります。農産物の価格対策あるいは輸出制限措置、そうした面に対しての割合はおおむね七〇%と言われるわけでありますが、実際的には八〇%台にも及ぶというような分野にわたってその措置がとられておる。ところが、水産製品、水産関係につきましては、長官は数量と金額で幾らと言われましたか。
  21. 久宗高

    ○久宗政府委員 金額では三〇%、数量で五〇%程度でございます。
  22. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 金額で三〇%、数量で五〇%程度の価格政策あるいは輸入制限による保護政策がとられておる、こう言っておるのでございますけれども、これはいわゆる形式的な概念的な考え方、範疇での問題であって、実際的には価格の関係については、生鮮食料品が高い、したがって、これを押えるというような考え方が非常に強いわけでございまして、多獲性魚種、大衆性魚類に対しての価格政策がとられている、こう申しますけれども、その運営の実際を見ますと、その法律規定の発動を見るような、価格が低下した場合の状況は、食料品ではなしにそれを肥料に落とさなければならないような限界になった場合に、初めて発動されるというていのもので、実際的には効果がない、かようなことが実態であるわけでございます。要するに、農業に対してはきめのこまかい施策が講じられておるのにかかわらず、水産に対してはそれがきわめて薄い。しかも水産については、かん詰め類あるいは冷凍その他の製品の輸出による外貨獲得額が相当額に達しておるのでございまして、こうしたような関連を考えましたときに、農業水産業に差をつける政策、こういうことはとるべきではない、考えるべきではない、かように考えるわけでございます。大臣は、農政と同じように、水産の関係についても、これに対しておくれを取り返すていの考えによって今後施策を進めていかれるというようなお考えがあるのかないのか、その点を伺いたいと思います。
  23. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 お話しのように、水産というのは、わが国の全体の生産の中で大きな部分を占めておりますし、また漁種は遠洋あるいは沿岸それぞれ異なっておりますけれども、わが国の国民がとっておりますたん白の中で、魚類からとるたん白は欧米人に比べて非常に多いわけでございます。それからまた、お話しのごとく、外貨獲得のためにもかなりな努力をいたしておる水産業でございますからして、これにつきまして、私どもは、御承知のように、ただいま御審議を願っております共済はもちろんのこと、あるいは新しい漁場を開発するなり、企業近代化をはかるなり、労力を省くための施設等について政府はできるだけのことをしなければならない、こういう基本的な考え方は持っておるわけでありますが、何にいたしましても、ただいまも熊谷さんのお話の中にございました、物価といえば、しろうとにわかりやすい生鮮食料品が直ちに取り上げられる傾向でありますけれども、私どもは、国内の物価を安定するということは必要ではございますけれども、その間において生産費を償わないような価格が出、消費者が喜んでいくということは、これは間違っていることでありまして、やはり生産と消費が調和のとれた、バランスのとれた状態で安定的に供給されることが望ましいわけでございますからして、その意味において、生産者である漁業のほうに向かいましては、やはり適正な価格で供給のできるように、また中間におけるロスをどうして省いていくかという流通機構の改善等にも力を入れまして、そして妥当な価格で消費者供給でき、しかも水産業が維持されていくような方法をとることがわれわれの責任であり、義務であると考えておるわけであります。したがって、財政上の制約等で十分とは申されますまいけれども、いま申し上げましたような趣旨で水産業を確保して、今日のわが国の世界的に持っておる水産業としての位置をひとつ確保してまいることに全力をあげてまいらなければならない、こういうたてまえで対処してまいるつもりでございます。
  24. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 大臣の生産を確保するていの価格対策、また漁家経済が立つための施策、そうした面に対しては、農業水産業も区別なしに対策を進めていく、こういうような答弁に聞いたわけでございますが、私もさように考えるわけでございます。  そこで、ただ残念ながら、現状はそうしたようなことになっておらないということを、一つの実例、しかも直面している、きわめて深刻な問題を投げかけている一つの事実を申し上げて、さらに大臣の所見を伺いたいと思うわけでございます。  サケ・マス漁業につきまして、百日交渉といわれるような日ソ漁業交渉が毎年行なわれているのは御承知のとおりでございます。そのソビエトは現在年五百万トン程度の漁業生産をやっている、こういわれるのでございますが、最近のソビエトは、漁業生産に対して積極的な意欲的なものをもちまして進めておりまして、ここ数年で日本の七百万トンを凌駕して八百五十万トンの生産額を確保しよう、こうしたようなことを進めている、これは隠れもない事実であるわけでございます。その関連におきまして、一昨年以来北海道あるいは三陸沖合いにまで船団組織をもって出漁してきている。その対象となる魚種が、日本沿岸漁業者の生活をささえている大衆魚、すなわち、イカ、サバ、サンマ、こうしたようなものを対象にしてその漁業を遂行しているわけでございます。最近における日本のサンマ漁業は低調でございまして、過去に比べますと、年生産四、五万トンの不漁、減産になっている。ところが、伝えられるところによりますと、ソビエト北海道及び三陸沖合いで漁獲しているサンマの漁獲量は、くしくも四、五万トンというように、結局日本で減産になっている量に相当する部分が、ソビエトの船団出漁によって北海道及び三陸沖合いでとられている、こうしたようなことがいわれているわけでございます。ところが、そのサンマに限らず、今度は最も沿岸漁業と密着しておるイカ釣り漁業に対してもまた手を染め始めてきている。これはすでに昨年もそうしたような徴候が見えたわけでございますが、本年になりまして、イカ釣ります釣り針が函館から六十万本ソビエト輸出されている。これはとるための釣る道具でございます。そのことは、直接的に漁業生産に影響を及ぼし、そうしてまた、価格その他の関連におきまして漁業者に対して多大の不安を与えておるわけでございますが、さらにこれを原料とする製品に対しての施策が積極的に行なわれておりまして、イカを原料とするさきイカという珍味加工の中心の加工品でございます。これのブラント輸出がこれまた実現いたしまして、ソビエトにおいてさきイカを大量に製造して、そうしてその製品はソビエト人が食べるわけではございませんから、その対象はそっくりと日本に対して輸出という形態で入ってくる、こういうことでございます。このことは、結局漁獲即製品化、輸入というような循環によりまして、零細な漁業者を脅かすとともに、零細な加工業者に対して非常な不安を与え、そうしてまた、その製品に対する価格の面に非常な動揺、不安を醸成する、こうしたようなことから、加工業界におきましては異常な不安、懸念におそわれているのが実情でございます。これに対して、先ほどもお話しの輸入に対しての一つの規制、制限といいますか、そうしたようないわゆる政策的な措置によりまして、これを押えるというような考え方をとらなければならない、こう思うのでございますが、その面に対して従来水産庁当局に沿岸漁業者からの陳情がしげく行なわれておるにもかかわらず、水産庁におきましては国内法に何か抵触するものがあるとかなんとかいうようなことで、これに対する対策が何ら行なわれておらない、これが従来の経緯でございます。こうしたようなことをそうしたささたる理由によって放任しておく、そうして事態は非常な深刻さを増していっている。これは何としてもこのままではならない、必要であるならば法の改正等の措置をとってもこれに対する対策はとらなければならない、かように考えるのでございまますが、水産に対しても積極的な意欲政策をやろうとする大臣のお考え方をひとつ伺いたい。
  25. 久宗高

    ○久宗政府委員 いまお話のございました点について、私から若干の事実関係だけ先に申し上げさせていただきたいと思います。  御指摘のように、ソ連におきましては相当膨大な意欲的な生産計画を立てまして、前回も申し上げましたように、太平洋海域におきます依存度は相当大きなものと予想されるわけでございます。したがいまして、従来、日ソにおきましてはサケ、マス、カニといったようなものが中心の問題でございましたが、おそらく今後の問題といたしましては、御指摘のございましたようなサンマなり、イカなり、さらに他の多獲性魚類が、漁業の操業における競合問題も含めまして、若干の規制が要るような段階になってまいるというふうに考えられますので、それらに対処いたします基本的な準備はいたしたいと考えておるわけでございます。具体的にお話のございましたイカ釣りその他の問題でございますが、日ソ交渉をいたしております過程におきまして、三月下旬の段階だったと思いますが、ソ連新聞紙上に出ました問題といたしまして、極東におきますソ連の生産計画が相当大きくそごしているのではないか、つまり、漁船その他は非常にふえたけれども、それがとってきたものが処理加工される関係が計画に伴っていないために、相当漁獲物をむだにしておる、かつ、ソ連国民におきましては国内のたん白資源供給という意味で相当な期待があるにかかわらず、加工技術その他が十分でないために、その期待にこたえていないのではないかという指摘が実は向こうの新聞に出ておったわけでございます。そこで、私どもといたしましては、そもそもソ連がさような生産計画を立てられるについては、国内のたん白資源の需給関係を頭に置いて、太平洋地域でとりましたものを自国の国民加工して供給するというのが本来の趣旨かと思うのでありますが、たまたまその過渡期におきましてまださようなPRができていない、またそのような技術が確立してないうちに魚がとれてしまった、こういう問題がこのイカ釣りの背景にはあるのではないかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、現実には個々の商売の動きによりましてイカ輸入問題が出ておりますけれども、大筋から申せば、これはどこでイカを釣るかによりまして、日本漁民と漁場における相当の競合問題も起こるわけでございますし、さらにそれを冷凍なり、あるいはさらに製品として持ち込んでくるということになりますれば、わがほうの零細漁民大衆の直接的な漁場における問題価格における問題、あるいは零細な加工業者の生活問題という重大な問題にかかるわけでございまして、単なる貿易問題ではないし、またその相手は、本来極東の向こうの貿易関係者を相手の話でないはずではないかというふうに考えておるわけでございまして、事態の推移によりまして、政府間におきます協議その他の場面において、この問題につきましては突っ込んだ考慮も払っていただきたいし、また必要があれば漁場におきます協定といった問題につきましても、これと関連して考える必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  26. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 事実関係は、ただいま水産庁長官が申し上げましたとおりでありますが、本年の日ソ漁業条約交渉の過程にかんがみまして、おそらく来年は御指摘のような多獲性魚についての話し合いをやらなければならない状態になってきておるのではないかと考えまして、私どもといたしましては、そういう方向で検討をしておるわけでありますが、何にいたしましても、御承知のように、相手方は統制経済の国でありまして、賃金その他のことについても国の管理で自由に処置のできる相手方で、そういう面から申しますと、その漁獲のコストにつきましては、あるときには非常に安いものが生産されるようになるでありましょう。なかなか私どもにとってはむずかしい相手でありますが、私どもは、いまここで水産庁長官も申し上げましたように、そういう方向について両国との間にさらに将来とも話を進めまして、わが国の漁業を守るためには最善の努力をいたさなければならぬ。来年を期して私どもはそういう方向でいろいろ検討いたしておるわけであります。
  27. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 大臣、問題は明年というような問題ではなしに、本年これから漁期に入るイカ釣り漁業に対する影響がきわめて大きく深刻である、そうした事態に対処して、私は伺っているのでありまして、御承知のとおり、魚類の国内輸入についてはこれを押えて、そして外貨運営に関連してその運営よろしきを得るような措置をやる、ところが、加工品目は自由品目だ、こういうようなことで、先ほど水産庁長官が言われているような、何ら措置がとれない、こういったようなことが事実であるわけであります。そこで、相手が漁業交渉を持っているソビエトだから、日ソ漁業交渉のその関連においてという、そうした問題とはおのずから違う問題で、いわゆる漁獲物の魚類輸入を規制する、それに関連しての、いわゆる大衆魚類、こうした零細漁業者、零細加工業者に重大な心理的影響を与え、経済的な影響を与えるものに対しての関係は、その魚類と同じ範疇においてこれを規制するという措置がとられてしかるべきだ、こう思うわけです。いわゆるプラント輸出によって大量にさきイカが入ってくるというのが目前に迫っておるのに、明年度の日ソ漁業交渉の場合にという考え方では、大臣らしくない措置だ、こう思うので、これは即刻事態を調査されて、これに対処する措置をすみやかにとられるということが当然の措置でなければならぬ、かように考えます。もう一ぺん大臣の所信を伺います。
  28. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 先ほど申しましたのは、一般的に最近の傾向を見ますと、ソ連日本の間には、ことしはサケ、マス、カニ等でありましたが、来年は違った方向でさらに問題がむずかしくなってくるだろう、それに対処しなければならないという基本的なことを申し上げたのでありますが、いまのお話しのように、現実に行なわれているものは、これは熊谷さん御承知のように、なかなか輸入規制というのもむずかしいことでありますが、われわれといたしましては、このことを放置いたしておくわけにまいりませんので、それぞれ検討をいたして対処いたしてまいりたいと思っております。
  29. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 大臣の答弁のように、即刻調査を始められて、これに対しての対策をとるように重ねて要望いたします。  それで、さらに大臣に一言お伺いします。  農業水産業には差をつけた考えは政策的にとっておらない、こういうお話でございました。その振興策の基本になります基本法漁業においては沿岸漁業等振興法と名前に変わっておりますが、農業基本法林業基本法、一次産業の農林漁業にはそうした基本法があるわけでございます。そうして条文の字句、表現等には差はあるわけですけれども、私が考えるには、条文に差はあろうとも、表現に差はあろうとも、その法の精神、趣旨は同じだ、こういうふうに考えるわけでございます。また同じように、災害に対する補償法、これもそれぞれ三つの補償法がございますが、これまた同じように多少字句が変わったり、表現が変わったりはいたしておるわけでございますが、これまたその法の精神、趣旨は同一でなければならない、同一である、こういうふうに考えますが、この点に対して大臣のお考え方はいかがでございますか。
  30. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 私どもそれぞれの法律国会で審議いたしましたとき、それからまた、法文に書いてあります趣旨から申しましても、いずれを厚く、いずれを薄くという考え方は出ておりませんし、行政の面でもそのような決意でやらなければならない。ただ、今日まで実績が力及ばないところがあったかもしれませんけれども、政府としては大いにそういう点に努力をしてまいりたいと思っています。
  31. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 いま大臣の言われるように、農林漁業、一次産業に対する施策としては等差をつけるような考え方ばとらない、こういう大臣の言明であるわけでございます。  そこで、問題になっております漁災法の内容に入ってみたいと思うわけでございますが、そういう基本的な考えにもかかわらず、はなはだ残念ながら、いま取り上げられている漁災法の内容は、改正という措置がとられているにもかかわらず、農業災害林業災害補償対策に比べますと、何とはなしに、農業及び林業に対しては国は積極的に取り組んでいるけれども、漁業についてはつけたり的な措置という消極的な感じを受けるわけですが、所管の水産庁長官として、これに対してどのように考えておられるか、まずお考え方を伺いたいと思います。
  32. 久宗高

    ○久宗政府委員 漁業共済制度の発足の経緯を見ました場合に、まさに御指摘のような感じをお受けになるだろうと思うのであります。政府といたしましては、当初この漁業共済制度の問題が起こりました場合に、これは技術的に非常に困難な問題がございますために、試験実施の相当長い期間におきましても、正直に申しまして、一体これが組み立てられ得るかどうかといった不安が常につきまといまして、相当の時間を経過したわけでございます。また沿振法のバックによりましていよいよ三十九年に実施いたしました際におきましても、まだはっきりした自信が持てない関係もございまして、その当時附帯決議でいろいろ御注意をいただきましたような多くの欠陥を持ちながら実はスタートしたわけでございます。その点やや消極的であったということはいなめない事実であったと思うのでありますが、実施いたしましてからの経過から見まして、関係の漁民の方々の非常な努力と、特にこの制度に直接携わっておられます団体の方々の非常な努力によりまして、一応この段階におきまして、現在御提案申し上げておりますような改正によって欠陥を補正いたしまして、本格的な動きに乗せられるというところまでまいったわけでございます。年期が古いという問題と、技術的に非常に困難だという二点におきまして、従来多少そういうような御批判を受けてもお答えのできないような場面があったと思うのでございますが、やっとここまで育ってまいりまして、いよいよこれから本格的な漁業経営の裏打ちということで進めたいと考えておるわけでございまして、政府のかまえといたしましては、程度の差はございますけれども、漁業災害制度につきましても、農災と全く同じようなウエートにおきまして、これを漁業生産の基礎といたしまして、いよいよ本格的に打ち出すというところまでまいったわけでございまして、この点、御了承をいただきたいと思うわけでございます。
  33. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 漁災法の目的は、中小漁業者の災害によって影響をされる漁業再生産の阻害を防止するという点が一つの柱であり、一つは漁業経営の安定という方向を目ざす、それが一つの柱、いわゆるこの二つの柱でささえられていると思うわけでございますが、結局再生産の阻害を防止するという方向と経営の安定、これに対して法の整備をやっていく、あるいは法を改正していく、こういうようなことでなければならないと思うわけでございます。したがって、これを裏返しに言いますと、その対象になる中小漁業者に、法の改正、整備によって不利益な状態が浴びせられるというようなことがあってはならない、中小漁業者に不利益になるような措置であってはならない、こう考えられるわけでございますが、今度の改正によりましてまず重大な点は、国が共済保険事業を行なうことになったことで、これについては各方面から多年要望されてきた問題だけに、その努力に対しては敬意を表するわけでございます。しかし、この関係を末端の漁業者あるいは漁業組合、そうした面からしますと、直接的に今度の改正は影響がない。むしろ悪い影響、たとえば保険料が高くなったというようなこと、いずれあとで触れたいと思いますが、そうしたことだけが直接的に影響していって、いい面については直接的には関係がないということだけに、今度の改正についての関係が、末端漁業者並びに組合に対しては相当複雑な影響を及ぼしている。この点は、この事業を実施する今後の関連においても非常に重大な関係だ、こう思うわけですが、これに対して長官の考え方を聞きたいと思います。
  34. 久宗高

    ○久宗政府委員 御指摘のように、漁業種類によりまして、あるいは地域によりまして、漁民の方々の保険事業に相当の相違があるわけでございます上に、従来制度が必ずしも十分でございませんために、普及ないし加入の分布を見てみますと、相当片寄っておりました。地域によりましては、本来のこの機能が動いておったかどうか、若干疑問がある程度のような問題もあるわけでございます。さような点で、今回の改正におきましては、御質問でも御指摘ございましたように、やはり、こういうような自然災害でございますので、団体がどのような設計によってやろうといたしましても、団体プロパーではどうしてもしょい切れない問題があるわけでございまして、それを政府保険するという形におきまして、危険の分散につきまして一応の制度が整備されたわけでございます。従来その点に欠けるところがございましたので、加入の促進におきましても若干じくじたるものがあって、これがために加入の促進が必しも十分でなかったという点があったわけでございます。今度はその点の骨組みがしっかりできましたので、さような不安はなくなったわけでございます。ただ同時に、御承知のように、非常に不備な制度でスタートいたしましたのと関連いたしまして、しかし、漁民の方々は、政府はまだへっぴり腰であるけれども、われわれはどうしてもほしいんだということで、三十九年の打ち出しをいたしたわけでございますので、今日までは補償の限度、先ほどお話の出ました再生産をするに一体足るのかどうかといった問題につきましても、限度額が非常に低いにかかわりませず、おつき合い加入で、いつの日かこの制度がもっと本格的に動くであろうということで、期待していただいておったわけでございます。今度の改正によりまして、ただいまのような保険制度ができますと同時に、危険の分散に一応自信が持てますので、限度額の引き上げという問題を打ち出したわけでございます。と同時に、これは当然掛け金の分野で負担がそれだけ、給付が十分になります関係上、ふえるわけでございますので、この分につきましては、掛け金の補助につきまして、特に零細な方々の負担の問題を考慮いたしまして、一応の努力をいたしまして国庫補助もふやしましたので、これら三つのものを組み合わせてみますと、少なくとも制度といたしましては一応体をなした、こういうことが言えると思うのでございます。ただ、いままでがいままででございますので、ある地域のある特定の漁種をとってみますと、どうも制度はきちんとしたようであるけれども、現実の自分の掛け金は上がったという問題も漁種あるいは地域によっては起こり得る問題でございますが、何と申しましても、この制度が全体としての加入を促進し、そうして早くこういう制度を確立するということが、この段階における第一義的なものであろうというふうに考えますので、団体の関係におきましても相当練った上で、これでいこうということで政府団体も一致しまして、今日のこの改正を御提案いたしておる次第でございます。
  35. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 今度の改正で、共済団体の負担する部分と国の負担する部分のその線が明確になった、あるいは特別会計の設定というその結びつきによって、大きな災害に対しての相当な対措置ということになるわけでございます。一定額以上は国がこれを負担するということになったわけで、その点非常な改善だ、こう考えるわけですけれども、しかし、一般的に考えられる面は、通常災害については漁業者の責任においてこれを行なう、そうして異常災害については全面的に国の責任において行なう、こうあってこそ保険体制が安定したものになる、こういうことが考えられて、この点を強く要望されているのでございますが、今度の改正においてはその点がいまだ実現されておらない。これに対しては今後その基本的な考え方に基づいて、なるべく早い時点においてそういう措置をとる、こういうことが望ましい、こう考えられるわけですが、これに対する見解をお伺いいたします。
  36. 久宗高

    ○久宗政府委員 この制度が生まれます段階でも、相当この御議論があったように承っておるわけでございますが、私どももさような観点で、先輩でございます農業共済の方式その他もいろいろ検討してみたわけでございますが、御承知のように、農業共済の場合には県段階で危険の分散をいたしますし、それからまた、当然加入と申しますか、むしろ全体の機構をまず固めまして、その中でもそれぞれの段階で危険を分散いたします場合に、データのとり方にもよりますけれども、一応県段階をめどにいたしまして、いわゆる通常の災害、異常災害といった切れ目をつくって全体の設計をしておるわけでございます。漁業共済におきましては、さような仕組みをまずきめてしまって、その中で危険を分散するという考え方もございますけれども、何と申しましても、やはりこれは漁民の保険需要を自主的に打ち出されまして、それを組み立てて全体の設計をはかろうという体制をとっておりますので、さような料率計算なり危険の分散をあらかじめすることができないわけでございます。しかし、逆に申しますと、さような形態をとらなくても、これを全国段階でプールいたしまして、さらにそれを保険する、その超過部分を保険するという形式をとれば、漁業の形態から申しますと、それでも危険の分散ができるというふうに考えられますので、必ずしも通常被害は団体で、それを飛び出すものは国でといったような農災のような形をとらなくても、漁業の実態から申しますと、保険設計上、今日のような形で、国がある部分につきまして団体の負えない最終的のところを保険するという形で、むしろこのほうが適合するのではなかろうかというふうに思うわけでございます。もっといろいろデータがそろいました場合におきましても、やはり異常、通常というふうに分けてそれの責任を負うという形をとりますよりも、やはり全国的なプールによりましてそれを保険するという形のほうが、弾力的で、かつ漁業には適合するのではなかろうかというふうに、少なくとも現段階では考えておるのでございますが、前々からの懸案でもございますし、これをやりながらさらに検討はしてまいりたいと考えております。
  37. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 通常災害漁業者の責任で、異常災害が国でということの考え方の基本は、これはそのとおりだと私は思うのですが、長官のいまのお話だと、全国プールによって云々ということで、それも一つの行き方ではあろうが、最終的な問題は、異常災害の場合のその災害部分までを漁業者の負担に転嫁されるというようなことは、いわゆる災害によってこうむる影響を防止し、再生産を確保するという方向に対しての国の施策としては、これは何としても考えなけばならない、こう思うわけです。時間もございませんから、その点はひとつ今後十分に検討をされて、異常災害災害部分が漁業者の方に転嫁されないような措置を検討するということを希望いたしたいと思うわけです。  次に、掛け金の問題が、大きく末端の漁業者あるいは組合に強い反響を呼んでいるのが実情でございます。今度のこの掛け金の改定は、法の改正とは直接的に関係がないわけですけれども、事実問題としては、漁業者に強くその影響を与えているという点で看過できないわけでございます。大体掛け金の改定が平均で五〇%程度の引き上げになっているというようなことが、まずどきりとくる問題。ところが、さらにこれを内容的に部分的に検討してまいりますと、はなはだしいのは三倍以上に上がっている部分もある、こういうようなことでございます。先ほど申しましたように、二つの柱を達成するためには、法の改正あるいは体制整備をするたびごとに漁業者の利益が確保され、増進されていかなければならない、これが当然の考え方であるわけでございますが、こうしたような料金の三倍にもはね上がるような措置をなぜとらなければならないか、こうしたようなことに対しては、政府の掛け金補助の措置をもう少し積極的な考え方でとる等の措置によって、漁業者に与える不安を押えるべきだった、こう考えるわけですが、これに対する考え方を伺いたいと思います。
  38. 久宗高

    ○久宗政府委員 先ほどの御質問に対しまして、私の答えが不十分でございまして、誤解があってもいけませんので、ちょっと補足させていただきますと、考え方は御質問の趣旨と全く同じでございます。農業の場合には、やはり個々の農家なり団体の仕組みで負い切れない分をどこかで線を引くという場合に、農業のような構成をとっておりますと、一応県段階で計数的に――これも私は、十分ほんとうに理論的にそうかということになりますと若干問題があると思いますが、一応の仕組みといたしましては、通常の被害というものの線が引けますので、非常に巧緻な構成をとっておるわけでございますが、考え方といたしましては、個々の農家なり組織だけではこういう自然災害の場合負い切れない部分があるのをどういうふうにカバーするかという技術問題になるのだろうと思います。水産の場合も同様でございまして、個々の漁民なり共済組合あるいは連合会で負担し切れない異常な部分というのが出てくるわけでございまして、何がどの程度に異常かというものが農業の場合と異なる、あるいはそれの把握のしかたが異なるというにすぎないのでありまして、御承知のように、そのような民間だけでは負い切れないものについて、初めてその部分を政府保険いたしますという組み立てになっておりますので、御趣旨の線は、手段は違いますけれども、同様にそれを盛り込んで保険事業が成り立っておるとお考えいただいてよろしいのではないかと思うわけでございます。  なお、掛け金の問題でございますが、私ども今回一番苦慮いたしましたのはこの点でございまして、三十九年にああいう形で発足したわけでございますが、何ぶんにも十分な完ぺきなデータというわけにもまいりませんでしたので、実行してみますと、ある部分には相当予想に反しました赤字が出てくるわけでございます。もちろん、これとてもまだ発足して一年、二年といったところでございますので、長期の均衡の中で偶然そこに大きな山が来たというふうに考えられないこともないわけでございますが、いかにも予定しましたものと実施部面の数字の違うものがございまして、かりにこれを放置いたしますと問題になりますので、御承知のとおり、経過的にも料率改定を補足的にいつもやっているわけでございます。そこへ補償の限度を引き上げましたり、なお給付の内容をよくいたしましたものを盛り込みましたので、そのままはじきますと、ある種の漁業につきましては、従業よりも相当大きく掛け金部分がふえるものが出てくるわけでございます。理論的に言えば、それは当然被害が多かったのだからふえるのはあたりまえだということになるかと思いますけれども、何と申しましても、まだわずかな経験でございますし、もとの計算がほんとうによかったのかどうかということも吟味の余地がございますし、かつ、この際に本格的な加入の促進ということをこの制度の基盤といたしまして、そこへ最重点を置こうということになりますと、そのままほうり出したのでは、どうも受けられる漁民のほうも釈然としないで無理があろうということで、できるだけの調節をいたしまして、かつ、特に零細な方々につきましては国庫補助の部分をふやしまして、そのショックをできるだけ緩和することにいたしまして、せっかく給付がよくなるのでありますから、応分の協力はいただかなければならぬと思いますけれども、あまりひどい形でのはね返りはできるだけ避けたつもりでございます。しかしながら、ある種の漁業につきましては、従来の掛け金より負担が実額では相当多くなるという問題がございますけれども、給付の内容を御承知のとおり非常に引き上げておりますので、これで差し引き漁民にとっては有利であると御理解いただいてもよろしいのではないかというふうに思います。
  39. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 今度の改正で、従来懸案とされていた面に対して相当程度の措置が講ぜられた、いわゆる改善された、これはそのとおりでございまして、この点、業界のためにも非常に受ける影響がいいということになるわけでございます。しかし、今度の改正をもってしても、なお残されている問題が相当あるわけですが、その最たるものは漁具共済が残されている。この問題は、何としても災害による影響を再生産から守る、こうしたようなことのため、また漁業経済の安定のため、そうしたことからいたしますと、その部分が大きいだけに、この問題は何としても一日も早く解決しなければならない問題である。残されたこの部分を民間の団体共済制度に残してある。当局からすると、まだデータがはっきりしない、あるいはある意味で危険性が強い、こうしたようなことでこの点を残したということであろうかとも思いますが、危険性が強ければ強いほど国がこれに力を入れてやるということがその施策の方向でなければならないと思うので、この点は何としても今後の問題として一日も早くこれを解決して、完全な共済制度の体制を確立してもらいたいと思うわけです。しかし、それをただ国の施策にのみ期待して実現するという考え方は私はとらないのでございまして、これに対しては法的にいろいろな面で多少の疑義があるといわれるような義務加入制度の採用の問題、あるいは不漁準備積み立て金制度の問題、こうしたような問題を取り上げて解決して、こうしたことと並行してこの残されている漁具共済を実現する。そうして同時に、いま民間団体で行なっております普通共済事業もあわせ行なって、一本体制においてこの事業を推進していく、こうしたようなことを考えるべきだ、こういうふうに考えるわけでございます。しかも、何といってもこの保険体制の安定強化のためには、加入者が多い、普遍化するということが絶対条件であると思うのでございますが、しかし、零細漁業者に掛け金の負担が容易でないという部分も相当あるわけでございまして、これに対しては今後共済掛け金の補助率をアップするというような措置をあわせ講じて、そうして繰り返すようでございますが、この保険体制を一日も早く完全なものにすべきだ、こういうふうに考えるわけでございますが、長官のお考え方をひとつ伺います。
  40. 久宗高

    ○久宗政府委員 いろいろ残された問題があるわけでございますが、最初に御質問のございました漁具共済でございますが、御指摘のとおりなことでございまして、実は加入の内容が非常に片寄っておりまして、データといたしましても、これですぐ全体の漁具共済のめどをつけるには相当問題があるように考えられますので、この際の問題といたしましては、大事をとりまして、保険と直ちに結びつけることを断念いたしまして、今年度も予算の中に調査費を組ましていただいておりますので、もう少しこの問題を吟味さしていただきたいと思っておるわけでございます。生産手段の中で重要な意義を持っておりますので、漁具共済もぜひものにしたいと考えるわけでございますが、ちょっとこの段階ではそこまでまいっておりませんので、割愛したわけでございます。  その他、いろいろ残された問題についての御指摘があったわけでございますが、これはまたそれぞれにつきまして詳しい御議論のあるものと思いますので、この際は概括的に申し上げますと、この段階での取り上げといたしましては、まず加入を本格的に進めるということを第一義的に考えまして、その意味におきまして、保険制度の一番欠陥でございました異常災害についての本来的な裏打ちがないというところを固めますと同時に、給付内容をよくして、それに伴う掛け金の増高のところを補助を多くして、一応のバランスをとったということでございまして、何と申しましても、現在のような片寄った加入の内容では、制度の大わざと申しますか、本式な運営はできませんので、この段階はまずそこに最重点を置いて、制度の基盤をここの数年の間に固めてしまいたい。それができますと、今度はまたいろいろなことが可能になってくるわけでありまして、農災におきましても、あるいは他の保険におきましても、どういう段階としていまを認識するかという問題であろうかと思うわけでございます。したがいまして、私どもも、懸案としていろいろ御指摘のありましたものを全部盛り込んでみたいものと思って、努力はいたしてみましたものの、どうもそこまで手を伸ばしますと、一番根幹のところがごたごたいたしますので、今回はこの程度にとどめまして、その点、関係者団体とも相当長い期間御相談いたしまして、まずこの体制をしいてみよう、いわば、体制と申しますよりも、これからいよいよ本格的に初めてこの制度を始めるくらいの意気込みで、まずこれを浸透させてみよう、その力の中で個別にそれを裏づけるような一連の施策を次々に乗せていったらどうだろうかというのが現在の段階でございますので、いろいろ残された問題があるわけでございます。  なお、個々について詳しい御説明が必要でございますれば、繰り返し御質問いただきますれば、お答えいたしたいと思います。
  41. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 時間も迫ってまいりましたから、この程度にとどめたいと思いますが、いわゆる保険体制の整備のための義務加入制度の採用の問題、また不漁準備金の積み立て金の制度の問題、この問題については、今後十分に検討をしてもらいたいということを重ねて要望しておきたいと思います。  最後に、漁業共済団体の負債処理の問題でございますが、これは漁災法が三十九年に制定されたときに、本委員会において附帯決議が付されておりまして、国の保険事業が実施されるまでの間において出た赤字、それは国が処理する、こういうことが約束されてあるわけでございますが、これに対してどのような処理をされることになっているか、また、もしも未済部分が残った場合には、さらに将来どのような措置をとるか、その点を明らかにしておきたいと思います。
  42. 久宗高

    ○久宗政府委員 御承知のとおり、本制度の発足にあたりまして、それ以前試験段階でやっておりました場合の赤字をどう処理するかという問題がまず問題となりました。これはお約束どおり先般最終的な処理を完了したわけでございます。ただいまの御質問は、おそらくそれではなくて、試験実施が済みまして、本格的な実施に入って以後現在まで若干の赤字が生じておるわけでございますが、それを今度の制度の改正と関連いたしましてどう処理するかという問題であろうかと思います。実施する感じといたしましては、この際すっきりしてもらえば非常に身軽ですっきりできるという感じがいたします。しかし、どうもこの種の構成から申しますと、現在までの赤字につきましても、一応はそれについての料率計算をいたしまして、めどをつけてやってきたわけでございますので、これはごく形式的な理論ともお感じになるかもしれませんけれども、やはり長期的な観点に立った処理が本筋であろうかと思うのであります。そこで、私どもといたしましては、この際直ちにこの段階でいままでに累積いたしました赤字を処理するのではなくて、料率も改定いたしますし、制度も改正いたしまして、保険の収支が見合うように新たにここで構成をとったわけでございますので、もう少し長期的な観点に立ちまして、今日までの段階で生じました赤字の処理は慎重な検討が要るのではないか。これは決してそういうことによってこの問題はもう解消ということで何もしないのだということではないのでございまして、この段階ですべきものではないだろうという考え方でございます。赤字がございましても、一応運営上は基金がございますので、運転には直接は差しつかえがない。そこで、今度料率の改定もいたしますし、保険設計も変えましたので、これによってどの程度にこの制度安全に運転できていくかというその実施の過程におきまして、これをやっぱり長期的に今後の料率改定も含めて検討すべきではないだろうかというふうに思うわけでございます。しかしながら、何ぶんにも発足当時のことでございますので、また制度としても不十分な点がございましたために、これが本制度の根幹をゆさぶるような形、あるいは運営を非常に阻害するような形でございますれば、それは経過的にもそういうことが放置できない段階にかりになれば、私どもといたしましては、やはりその問題の具体的な処理に取り組まなければならぬというふうに考えておるわけでございます。他の制度におきましても、いろいろ前例を見てみますと、この種の改正がございました場合に、その当時の赤字をやはり一応はそのまま残してまいりまして、それで、あとでそれを振りかえて、どうしてもそれが異常な部分として、前の制度におきましても、あるいは改めた制度におきましても、これは本質的にはこの計算の中では無理があったのだなというときに、初めて処理ができるのではないかというふうに考えるわけでございまして、大体そういうような先例にならいまして、今回の処置といたしましては、特別にこの段階で赤字の解消という問題を取り出して処理することはいたしてないわけでございまして、もう少し長期的な保険数理の理論と、またその実施の中で検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  43. 熊谷義雄

    ○熊谷委員 いまの問題は、国の委託によって試験実施した、こういうことのあと始末の問題であるわけでございますから、いつまでもそう不安を与えているような状況は好ましいものではない、こうしたような考えに立って、この問題はなるべく早い時期において解決する、また、その解決の具体的な方向を打ち出すというようなことで、不安を一掃するような措置が望ましいということを申し上げておきたいと思います。  まだたくさんお聞きしたいところがありますが、あとは野党質問に時間をお譲りします。
  44. 仮谷忠男

    ○仮谷委員 熊谷さんの質問に関連して、一点だけお伺いをいたします。  今回の漁業災害補償法の改正にあたって、政府保険事業の実施に踏み切ったということは非常な前進でありまして、しかも関係業者の長い間の懸案でもありました。私はその間の政府の努力を多とするにやぶさかでございません。ただ、これに伴って特別会計が設置されるのでありますが、今回の政府案は、この特別会計が既存の漁船再保険特別会計に統合といいますか、これを改めて、漁船再保険漁業共済保険特別会計、こういうふうにいたしておるのであります。   〔森田委員長代理退席、委員長着席〕 この間の事情もわからぬわけではありません。たとえば事業規模の問題とか、あるいは公社、公団等の新設が規制をされているといったような情勢等からわからぬではありませんけれども、この間の経緯、さらに独立した会計にできなかった事情、そういった面をこの際ひとつ明確に聞かしてもらったらと、かように思うわけでありまして、まずこの点をお伺いをいたします。
  45. 久宗高

    ○久宗政府委員 この点が私ども立案過程で非常に面くらいまして、本来全然別の特別会計でございますので、別扱いでつくるつもりでおったわけでございます。ただいま御指摘のございましたようなある一定規模に並びませんものにつきまして、無理に独立の形をとらなくても経理の区分が完全であれば問題がないではないかという御議論が出まして、一般の特別会計の規模その他を見てみますと、そういう前例もございますので、実は独立な形をとりませんで、同じ屋根の下に入ったわけでございます。ただ、これにつきましては、前にもいろんな経緯がございますために、漁船保険の関係の方から非常な不安がございまして、何か一緒になってしまった場合に経理の混淆が起こるのではないかといったような御不安があったわけでございます。もちろん、特別会計のたてまえから申しましても、勘定の立て方からいたしましても、全くこれは関係のない形になりますので、その点は、国会での御審議の際にも、はっきり政府委員として明らかにしようというお約束で実は今日に至ったわけでございまして、それがここに至りました経緯でございます。
  46. 仮谷忠男

    ○仮谷委員 その事業の伸展とともに将来独立会計にするかどうかという問題でありますが、いますぐそれについて明確な御返答はできないかと思うのでありますが、ただいま長官の御答弁の中にもありましたように、関係業者に一まつの不安を持たしておるわけであります。確かに経理区分は分けてはおりますけれども、会計そのものは一つということになっておりますから、あなたがおっしゃったように、漁業共済勘定に将来欠損でも生ずるといったような場合に、あるいは漁船保険勘定から補てんをするのじゃないか、こういうことが心配をされております。だから、そういった面は絶対そういうことはないのだということを明確にしておく必要があると思います。  それから、将来独立するのか、あるいは独立はしなくても二つを一元化するといったようなことが起こってはたいへんだと思うのですが、そういうことはあり得ないのか、そういう面についてもう一度明確に聞かしておいていただきたいと思います。
  47. 久宗高

    ○久宗政府委員 勘定そのものにつきましては、お尋ねのとおり、これは全く独立のものでございますので、彼此融通するようなことは制度的にもあり得ないわけでございまして、この点ははっきり申し上げられるわけでございます。  なお、両制度の将来の問題につきましてのことでございますが、従来の経緯もございますので、これを一本にするということを政府といたしましては少なくともこの段階では考えておりません。
  48. 本名武

    ○本名委員長 伊賀定盛君。
  49. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 私は、今回一括上程されました漁業災害補償法の一部を改正する法律案漁業協同組合合併助成法案に関してでありますが、主として漁業災害補償法の一部を改正する法律案に関係してお尋ねいたしたいと思います。  ただいま御質疑を伺っておりますと、大体業界その他から指摘されております問題点はほぼ出たようでございますが、さらに私はこれを掘り下げて、具体的にひとつお尋ねしてみたいと思います。  大体この保険制度というものを考えてみますと、加入者、漁業者のほうからいいますと、なるべく掛け金が安くて、そしてもらう共済金はなるべく多いほうがいいわけであります。国のほうはできればなるべく知らぬ顔をしておったほうがいいわけであります。しかし、そうはまいりませんので、以下、私は、一つは加入条件に関するもろもろの問題、それから二番目は、いまお話がございましたが、義務加入か任意加入かという問題でありますが、要するに保険対象の漁業に関する問題、それから一つは、共済金の支払いに関する諸条件の問題、もう一つは、これらに関連しての国の果たすべき役割り、こうした点に大体大別をいたしまして、以下具体的にお尋ねしてみたいと思います。  まず、加入に関する諸条件の問題でありますが、水産庁資料の十二ページに加入率に関する資料が出ておるのでございますが、最高はノリ養殖業の五六%、最低は二十トン未満漁船漁業と定置漁業のおのおの二%ということで、最高がわずかに五六%で、最低は二%、その他、加入率は必ずしも好ましい状態ではないわけでございますが、このように加入率が好ましくない理由を水産庁としてはどのように分析しておられますか。理由についてお尋ねしたいと思います。
  50. 久宗高

    ○久宗政府委員 共済の種類によりまして若干異なるかと思いますが、やはり根本的には、三十九年に制度が発足いたしましたときに、いわばこの種の自然災害でございますので、当然に団体としては負い切れない面があったわけでございますが、それに対する保険制度が同時についておりませんために、かまえといたしまして、十分受けとめられるという体制が制度的に十分でない。そのことが、実際にこの共済制度を担当されます団体におかれましても、いざという場合を考えますと、どうも加入は促進したいけれども、被害をかぶった場合に、それが安定的に処理できるかどうかという自信のなさと申しますか、そういうこともございまして、加入の促進にあたりまして、それが相当迫力のある普及ができなかったところに根本的な原因があろうかと思うわけでございます。  なお、それとうらはらでございますが、さような設計でございますので、いざ被害が起こりました場合の補償の限度と申しますか、これもある程度しぼらざるを得ないし、また、そのような普及の状態におきまして、十分な掛け金についての考慮を国庫に払わすということもできかねるまま進行いたしましたために、加入状況がただいま御指摘のように非常にまちまちでございまして、ごく一部の地域におきまして非常に熱心な普及によりまして加入が伸びている。この場合でも、内容を当たってみますと、そういう実績と比較いたしましても、補償の内容をやや縮めまして、いわばおつき合い加入といったような問題と受け取れるような加入の状況になっておったわけでございまして、そのような点は、附帯決議におきましても非常に御指摘を受けた点でございましたので、今回はその辺の分野に一番重点を置きまして、とにかく正常な形で、自信を持って漁民に普及できるような体制に持っていこう、また、それに伴う一連の必要な措置に限定いたしまして、今回のような改正をしたわけでございます。
  51. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 確かにその理由はわかるのでありますが、結局いまお話のございました保険設計ということもございましょう。しかし、結局加入を促進するためには、冒頭に申し上げましたが、できるだけ個人の負担、漁業者の負担を少なくすることが、加入を促進する最大の条件、もう一つは共済金が多額であること、この二つになろうかと思うのでありますが、掛け金はなるべく安いほうがいいということでありますけれども、そのような事情から、掛け金もそうむちゃくちゃに安くするわけにいかない。ところが、いまの掛け金と加入率とを比較してみますと、採貝、採藻業等におきましては三六%の加入率を見ておる。それを今回の掛け金補助率の改定によりますと、現行二分の一が百分の六十五というふうに一五%のアップを見ております。九トン未満、それから十トンから十九トン、これはおのおの加入率が二%であります。これは現行二分の一の補助金が百分の六十ないしは五十五ということになります。しかも、百分の六十五ないし五十五という掛け金補助率は上がっておるのでありますけれども、その五%というものは暫定措置である。このように考えますと、お話がございました、できるだけ零細な業者には掛け金の負担を重くしないようにという配慮はわかるのですけれども、残念ながら、その人たちが加入が促進されましても、一方において多数の加入率を見なければ、言いかえますと、比較的安定しております二十トン以上ないしは五十トン以上、あるいは大型定置といったような漁業者に加入をしてもらわなければ、保険財源というものの安定というものはあり得ないわけであります。そうしますと、御趣旨の零細漁業者に負担をかけないという意味はわかりますけれども、今度は保険財源というものを確保するという意味からいいますと、もちろんこの零細業者にもそれだけの手当てを施さなければなりませんけれども、いま加入率の非常に悪い、しかもそれは安定したここら辺にも、加入促進のための措置を講ずる必要があろうかと思うのでありまして、こういう点はどういうお考えをお持ちなのか、ひとつお尋ねしたいと思います。
  52. 久宗高

    ○久宗政府委員 私ども、いま御指摘の問題のところをとつおいつ、一番吟味したところでございます。何ぶんにもいまの加入の状況が、平均の数字で申しましてもあのような形をしておりますし、さらにこれをもう少し個別に県別についても整理してみますと、どうもあまり体をなしてないという分野もあるわけでございます。さようなこともございますので、この段階の問題といたしましては、先ほど御指摘もございましたように、やはり漁業種類によりまして、相当の負担はかかってもいいけれども、補償内容があんなことじゃ非常に困るし、また、それを高くした場合にも、ほんとに払ってもらえるかどうかといったような御心配も、実は相当上のほうにはあるわけでございまして、そういうようなことで、今回は保険設計についての不安をまず除去いたしますと同時に、給付内容をよくすることによりまして――従来、実はお話を申し上げても、制度全体の必要はわかるけれども、自分の漁業として考えてみると、とてもこのような制度では自分の保険需要を満足させるものではない、こういったようなことで、お入りにならなかった分野が相当漁船分野にはあり得ると思うのでありまして、そういうようなことにつきましては、今回の制度によりまして、そういう方たちの御不満も一応解除していると思いますので、外のほうでは、掛け金の負担が高いという問題よりは、むしろ給付の内容が不十分であったり、あるいはそれを十分にした場合に保険がだいじょうぶなのかといったような御不安のほうが、むしろおもではないかと思いますので、今回の改正におきましては、限度額率のほうで、むしろそういういわば企業的な、相当安定した方につきましては考慮いたしますと同時に、一番基盤でございます零細漁民のところにおきましては、なまで料率をはじきますと相当上がる分野もございますので、掛け金の国庫負担によります恩恵というものはなるべくそこに集中するような形に一応してみたわけでございますが、ただ、これは全体の設計でございまして、個々の県あるいはそういうものに当てはめました場合に、はたして適当かどうか、これはやはりやりながら、その運営の中で十分注意をしてまいりたいし、また次の段階であるいはそういうところに手を入れなければならぬかとも思うのでありますが、一応この段階の考え方といたしましては、個々の漁業種類と階層によりまして、現在の制度に対する御不満の内容も違いますので、ほぼ団体その他の方からお聞きしためどによりまして、なるべくそれぞれの漁業種類で、実際にどこを押せば一番この制度に興味を持ち、また加入していただけるのかというところの最大公約数をとったという形になっておるわけでございます。
  53. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 長官の御答弁でございますと、当分この姿で見て、なお将来にわたって改正の用意がある、言いかえますと、比較的安定した、むしろ保険財源からいうと入ってほしいところにも補助率を上げていくという、そういう改正の用意があると、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  54. 久宗高

    ○久宗政府委員 補助率の問題は、個々の漁業者について最終的に個別化すれば一番よろしいと思うのでございますけれども、制度の組み立てといたしましては、やはり危険の度合いとか漁業の種類で、いまの設計の中で一くくりをいたしますので、いまのようにお聞きいただきますと、そういたしますというふうにお答えできないのでございますが、考え方といたしましては、補助の掛け金の負担と受けられる給付内容とのバランスの問題になるわけでございまして、漁業種類によりましても、その漁業者の方がこの制度に期待する内容もそれぞれ違いますので、できるだけ私どもといたしましては個別化してまいりたい。補助にいたしましても、給付の内容にいたしましても。しかし、おのずからやはりあるワクでの限度がございまして、個々の漁業者の方にぴったりするような形にまで負担と給付を個別化することは非常にできにくいかと思うわけでございますが、ただ御心配の、そういうことでやって、相当負担能力のある方が入りませんと、全体の設計に無理が来やせぬかという御心配は、私ども自身もしたわけでございまして、このような制度によりましてどの程度の普及率をどの時期までに期待できるかということも、一応試算をしながら考えたわけでございます。ただ、繰り返し申しましたように、今回の改正におきましては、従来の、ごくわずかでございましたけれども、実施の過程で出てまいりました経験を一応集約いたしまして、手直しをしたわけでございますので、これで完ぺきという性質のものではございませんし、本来この種の制度はやはりいろいろな試行錯誤を経てだんだん整備されていくものと、こういうふうに考えておりますので、将来ももちろん検討を続けたいと思うわけでございますが、ただ、私ども今回の提案をいたしますについて、団体の方等とも腹を打ち割って話をしておりますのは、改正を考えますとこれは切りがないわけでありまして、少しずつ部分的にも直していく分野が相当ございますけれども、やはりこの段階が一つの切れ目になって一応の体制が整備されましたので、若干の期間はこれで徹底的にやってみよう。また、そういうふうにいたしませんと、ほんとうにその制度の欠陥が、チビチビ直したのでは実はわからぬということもございますので、若干の期間は、せっかくここまでお認めいただきますれば、新発足したくらいのつもりでまず徹底的に普及をいたしまして、その運営の中で、今度の新制度のまた持っております欠陥も出てまいると思いますので、そういうのをまた適当の時期に総合的に御検討いただいて、次のステップに行く、大体そのような段取りで考えておるわけでございます。
  55. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 第二番目には、無事故戻しの問題でありますが、これもやはりいまの加入率を促進せしめ得ない大きな理由になろうかと思うのでありますが、先ほど来申し上げますように、災害の起きる業種なり地域の方々はたくさん入りますが、いわゆる安定した地域ないし業種においては、ほとんど掛け金が掛け捨てというかっこうになっておるわけであります。承りますと、団体のほうでそのような措置をしておるというようなことも聞いておるのですけれども、団体でそういうことをやるということは、法の精神からいいましても、むしろ反するということにもなるわけでありますし、はっきり法的な根拠を無事故戻しということに与えるべきではなかろうかと思うのでありますが、この点について御意見を承りたいと思います。
  56. 久宗高

    ○久宗政府委員 無事戻しの問題がいろいろ議論されておるわけでございますが、御承知のとおり、もし無事戻しをするといたしますと、無事戻しをしなければならないような危険がどれだけあるかということを料率の中に織り込むのがたてまえになってくると思うのでございます。そこで、勢い、そういうことをやるといたしますれば、掛け金の負担がそれだけふえる。そうしないとつじつまが合わぬという問題が根本的にあろうかと思います。それからもう一つ、この問題が出てまいりますについては、先輩であります農業共済のほうでこれは非常に議論された問題でございますので、保険制度をやるとすれば、当然無事戻しの問題が常識的にも出てくるということのように思われるわけでございますが、御承知のとおり、農業共済におきましては、いわば当然加入ということで広く網をかぶせまして、大きな組織をまずつくって、その組織の中で危険分散をするというたてまえをとっております結果、しかも災害が毎年の農産物の収穫――クロップ・インシュアランスという形をとっておりますので、全体に網をかぶせざるを得ない結果、そこに保険の片寄りが出てきた場合に、無事戻しというような形を組み合わせないと、当然加入という形がくずれる、こういう問題がありまして、無事戻しの問題が非常にやかましい問題にならざるを得ないと思うわけでございます。本制度におきましては、そういうふうに全体に網をかぶせてしまって、それによって危険分散をするというよりは、保険の需要をできるだけ個別化いたしまして、個々の漁民の意思に従って加入を勧誘していって、この制度を固めていく、こういうやり方をとっておりますので、いわば無事戻しの必要性というのは、農災の場合とはちょっと質的に違うのではないかというふうに思うわけでございます。しかし、御指摘のように、個々の漁民から見れば、掛け金は掛けて、そして毎年掛け捨てになった、何とかならぬかなという気持ちは当然起こるわけでございますので、私どもといたしましても、これをこのような形で推し進めてまいりまして、相当加入が普及し、この制度がいわば磐石な形になりました場合におきましては、剰余金の配分の一つの形態といたしまして、この問題はやはり検討しなければならぬ、こう思うのでございますけれども、現在の段階におきましては、無事戻しを同時に組み込んでいくほどの必要性は必ずしもないと思いますし、また、それをやろうといたしますと、掛け金の負担関係において無理が出るのではないかというふうに一応判断をしておるわけでございますが、ただ、多少農作物に似ておりますようなものにつきまして、漁業共済の中にもさようなものがございますので、そういう分野におきましては、掛け金の割引というような形で、その御要望の一部にこたえていくやり方をとっておるわけでございます。先ほど無事戻しをどこかでやっておるじゃないかという御質問がございましたけれども、それはむしろ掛け金の割引の問題を漁民の方が無事戻しと間違えてお話を申し上げたのではないかと思うわけでございます。制度として無事戻しできる体制にもなっておりませんし、また法的にもできませんので、やっておらぬはずだと思っております。
  57. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 無事故戻しの問題は、長官のお話によりますと、無事故戻しにすると、それが直ちに掛け金を上げなければならないという、こういうふうに非常に大きく考えていらっしゃるようですけれども、漁民の心理的な影響というものから考えますと、掛け金を上げなければならないほど無事故戻しすべき額なり率というものを上げろとは、私は言うてないのでありまして、これは心理的な影響が非常に強いと思いますから、掛け金に響くほどの無事故戻しの率ないしは金額でなくとも、何ぼかは返してくれたんだ、こういうことで、漁民の心理をやわらげるということに大きく役立つと思いますから、制度化することができないとすれば、やはり団体等の実際の運営措置として、十分にひとつ御配慮をいただきたいと思います。そのように行政指導等お願いをしたいと思います。  それから第三番目は、中小漁業の単独契約をする場合に、やはり加入奨励措置として何らかの措置を講ずることが、加入促進の一助ともなろうかと思いますが、そういう点についてのお考えを承りたいと思います。
  58. 久宗高

    ○久宗政府委員 確かに御指摘のような問題があるわけでございますが、端的に申し上げまして、現在の加入状況は、先ほど数字ごらんいただいたような形になっておりまして、制度を発足したとはいうものの、はなはだどうも体をなさない現状でございますので、この段階といたしまして、私どもは、やはりもう少し多数の漁民の方が組織的に入ってこられまして、この制度が中途はんぱにならぬように、せっかく制度内容を改正していただきますときに、最小限度の体制はしきたい、それにまず最重点を置きたいという考え方に徹してきましたので、もちろん個々の方の御加入は歓迎するところでございますが、そこのほうにまで援助を拡大いたしましてやりますと、中途はんぱになりますので、実は目をつぶってしまったわけであります。個々の方の加入にいたしましても、先ほどちょっと申し上げましたように、むしろ個別に入ってこられる方は、掛け金の負担の問題よりは、いざというときの補償の内容がこの制度では十分ではないではないかということが、少なくとも企業的に考える方の中心的な関心事であろうというふうに考えますので、このほうはむしろ補償限度の引き上げでございますとか、あるいはそういうお引き受けをいたしました場合に、保険によって確実に裏打ちができるのだということで、加入の促進に当たりたい、したがって、掛け金率、掛け金の補助のところでは、そういう方たちよりは、一番そこがネックになる零細漁民のほうに全体としてウエートを持っていったということでございます。
  59. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 先ほどと同じような理屈のようでありますけれども、これもやはり加入促進の一方法として、制度ができなければ、たとえば掛け金の値引きその他の措置をとるというわけにはまいりませんか。
  60. 久宗高

    ○久宗政府委員 掛け金の値引きの問題は、養殖共済のような形の場合には、これは被害の態様から見ましてできるわけでございますが、他のものにつきましては保険技術的に非常にむずかしい問題があろうかと思うのでございます。ただ、御指摘の点は、先ほどの掛け金の補助の問題も含めまして、この種のものにつきまして、漁民の心理的問題を非常にウエートを置いて考えろとおっしゃる意味は、私どもよくわかるわけでございまして、その点現在までの制度でございますと、その辺が実ははなはだ弱い点、またそのために普及が十分でなかった点もございますので、制度の仕組みは仕組みといたしましてさような意味の漁民の方々の心理的な問題は、今回の普及にあたりましては、非常に大きなウエートをもって考えたいと思うわけでございます。少なくとも現在の段階におきましては、直ちに補助問題あるいは無事戻し問題も含めましてやることには、この制度としてまだそこまで踏み切ることにはなっていないと考えますので、一応最低限度の体制を整えまして、負担その他につきましては、従来最も強い形で出ておりました御不満に直接こたえる形に限定いたしまして、第一段階の整備をいたしたい、こう思うわけであります。御指摘の点は、私どももあるいは団体も、そのことで非常に苦しんでおりますので、運営の中でどの程度制度にひびを入れない形でそのような漁民の心理にこたえることができるかという問題につきましては、検討をしてまいりたいと思っております。
  61. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 次は、第五番目でありますが、共済掛け金の補助限度率が、むしろ加入促進のための障害の役目を果たしているような結果になっておるようでありますから、この際、制度利用をもっと高度化する意味で、この補助限度率を撤廃するという気持ちはございませんか。
  62. 久宗高

    ○久宗政府委員 今回の国庫補助をふやします場合に、この辺はだいぶ財政当局とこまかい議論をいたしたわけでございます。財政当局といたしましても、補助によってこの制度加入促進なり制度の体制整備に資することは、非常に、よかろうということで、現在私どもが駆使できます資料から見れば、相当思い切って私どものふところへ飛び込んでまいりまして、この制度が中途はんぱにならぬようにできるだけの補助はしようという形で予算その他の折衝をいたしたわけでございますが、この補助をいたします場合の限度につきましても、御指摘のように、これは加入と非常に関連がございますので、私どもといたしましては、そこはあまりぎしぎししないでいいんではないかという感じは率直にいって持ったわけでございますが、しかし、現在の加入の状況を見ました場合に、いま御提案しておりますような補助の限度率を設けましても、今度のような改正の内容になって、その御説明が徹底すれば、必ずしもそれが加入の障害になるとは思わないわけでございます。現在までのような必ずしも十分でない制度におきまして、おつき合い加入というような形をとりました場合でも、ある程度の水準になっておりますので、その給付の内容もよくなり、そして掛け金の国庫負担もあのような形で解決されるとするならば、私どもとしては、もう少し本式にこの制度に飛び込んできていただきたいということを御説明しても、十分御納得いただけるものと考えましたので、補助の限度率をのむことにしたわけでございます。それをのむことによりまして必要な補助がある分野に確実につくということと引きかえにさようなことを考えたわけでございますが、ただこれはあくまでこうでなければならぬ、あるいはいまの数字で考えるべきだという性質の問題とも考えられませんので、実行してまいります過程におきましてよく検討はいたしたい。また必要があれば改正の問題について折衝もしてみたいと考えておるわけでございます。
  63. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 第六番目は、同じく掛け金の分割払いでありますが、これは一部実施しておるところもあるようでありますが、また考え方によりますと、掛け金を払わないうちにすでに共済金をもらわなければならないというような事態も発生したりするので、なかなか分割払いがやりにくいんだという説がありますけれども、たとえば、もっとも制度その他が違いますけれども、民間の生命保険とかその他の保険でも、掛け金を全部払わなくても、事故が発生した場合にはちゃんと共済金がもらえるような趣旨もあるわけでありますし、やはりこれも加入促進の意味から分割払いを全面的に認めるべきだと思いますが、御見解を承りたいと思います。
  64. 久宗高

    ○久宗政府委員 さっきも御質問の中で一部これに触れてお答えをしたわけでございますが、操業の期間がどうなるかによりまして、また保険の内容、業態のいかんによりまして、テクニカルにこれがやれるものとやれないものがあるようでございます。たとえばこれも御承知と思いますけれども、養殖共済のような場合におきましては、当然共済責任期間の開始日から全損危険があるわけでございますので、こういうものにつきましては、やろうとしてもできないという問題がございますので、その他のものにつきましては分割払いが加入の促進に役立って、しかもモラルリスクその他が起こらないという保証がございますれば、私どもはこれに取り組んでまいりたいと思うわけでございますが、どうもものによりましてはそういう形がとれないものがございますので、たとえば養殖共済の場合なんかには、これはどうもこの分野では無理ではないかというふうに考えております。
  65. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 以上、私はこの加入条件のこまかい問題についてお尋ねいたしました。  本日はこれで打ち切りまして、次の機会に続けたいと思います。
  66. 本名武

    ○本名委員長 次会は、明十四日十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会