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1967-06-08 第55回国会 衆議院 農林水産委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和四十二年六月八日(木曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 本名  武君    理事 仮谷 忠男君 理事 倉成  正君    理事 高見 三郎君 理事 長谷川四郎君    理事 東海林 稔君 理事 玉置 一徳君       安倍晋太郎君    小澤 太郎君       鹿野 彦吉君    熊谷 義雄君       小坂善太郎君    坂村 吉正君       田中 正巳君    丹羽 兵助君       野呂 恭一君    藤田 義光君       湊  徹郎君    淡谷 悠藏君       金丸 徳重君    栗林 三郎君       兒玉 末男君    佐々栄三郎君       柴田 健治君    島口重次郎君       美濃 政市君    森  義視君       神田 大作君    中村 時雄君       斎藤  実君    中野  明君  出席政府委員         農林政務次官  草野一郎平君         農林大臣官房長 桧垣徳太郎君         農林省農政局長 森本  修君         農林省畜産局長 岡田 覚夫君         農林省園芸局長 八塚 陽介君  委員外の出席者         農林省農政局植         物防疫課長   安尾  俊君         農林省畜産局衛         生課長     高村  礼君         参  考  人         (山梨県果樹試         験場長)    岸  光夫君        専  門  員 松任谷健太郎君     ――――――――――――― 六月八日  委員栗林三郎君及び芳賀貢君辞任につき、その  補欠として淡谷悠藏君及び金丸徳重君が議長の  指名で委員に選任された。 同日  委員淡谷悠藏君及び金丸徳重君辞任につき、そ  の補欠として栗林三郎君及び芳賀貢君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  農林水産業の振興に関する件(ぶどうの特定農  薬による効果等に関する問題及び動植物の防疫  に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 本名武

    ○本名委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  本日は、まず、ブドウの特定農薬による効果等に関する問題について参考人から意見を聴取することにいたします。  本日出席の参考人は、山梨県果樹試験場場長岸光夫君でございます。  参考人には御多用中にもかかわらず本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。参考人の御意見は委員との質疑応答の形で述べていただくことといたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。
  3. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ちょっと質問に入る前に委員長からお計らい願いたいのですが、実は、この問題は非常に大きな問題で、単に山梨県だけじゃなくて、大阪、石川、山形、その他数県にわたる大被害が起こった問題でありますので、参考人の方にはたいへんお忙しい中を恐縮とは思いますけれども、参考人の御意見を聞く前に若干農林省の基本的な問題に対するお考えを聞いておきたいと思うのでございます。参考人に差しつかえがないかどうか、委員長からお聞きを願いたいと思います。
  4. 本名武

    ○本名委員長 参考人に申し上げます。ただいまの淡谷君の発言に対して御異議ございませんか。
  5. 岸光夫

    ○岸参考人 ありません。
  6. 本名武

    ○本名委員長 では、さよう計らいます。
  7. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農林省の方はどなたが答弁していただけますか。
  8. 本名武

    ○本名委員長 農政局長です。
  9. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 本日議題になっております山梨県下のブドウの被害並びにこれと同じような性格を持った各地の被害については、おそらく農林省も非常に重大視していると思いますので、山梨県だけに限らず、その全般の概況をお聞かせ願いたいと思います。
  10. 森本修

    ○森本政府委員 お答えを申し上げます。  現在私どものほうでやや詳細に御報告をいただいておりますのは山梨県でございます。そういう問題を山梨県から聞きましたので、現在各県についても同種の事態があるのではないかということで調査をいたしております。具体的には電話等で県庁に照会して状況を調べておるわけであります。あるいは山梨県のことは参考人が来られておりますので詳細またお話があるかと思いますが、関係の府県としましては、大阪府、それから山形県、石川県、奈良県等数県にのぼっておるようであります。  発生いたしました事柄の内容は、御案内のような、いわゆるブドウの種を取る、それから発育を促進するという目的をもって販売をされておりますジベラ錠の使用をいたしましたところが、花房の伸長が通常の状態よりも不足しておる、それから開花がふぞろいであるというふうな現象があらわれておるようであります。  山梨県では、当該商品が三百三十ヘクタールくらい使用されておるようでありますが、そのうち約百ヘクタール前後、これは数字等がまだ必ずしも確定的ではないと県からは聞いておりますが、そういう面積についていま言ったような現象があらわれておるというふうなことでございます。  それから、大阪府のほうも、ある特定の地区、たとえば柏原市あるいは太子町等に同種の現象が発生をしておるようでありまして、県としては再処理を励行しておるという状況でございます。具体的な面積等についてはまだ確報が入っておりません。  それから、山形県のほうは、豊田農協地区にややそういう現象が見られました。二ヘクタール程度ということでありますが、そういう影響がございましたので、他の製品に取りかえて使用をしておりまして、影響としてはほぼその程度ではないかという県の電話による報告でございます。  それから、石川県、奈良県、広島県等につきましても、特定地区におきましてそういった現象が起こっておるという報告が来ております。  その他、和歌山県、徳島県等についても同種の現象があるようでございますが、これらについてもまだ面積その他必ずしも明確になっておらないところでございます。  目下県庁等に照会をいたしまして急速調べておりますが、概況を申し上げますと以上のとおりであります。なお引き続いて詳細については調査中でございます。
  11. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ただいまおあげになりました諸県のほかに、香川、広島、島根等でも若干この被害があるように聞いておりますが、その点はどう報告されておるか。  それから、もう一つは、この薬剤はジベレリン系統の薬剤で、植物の生長を促進する作用を行なうとともに、ブドウに対しては種なしの効果を出すということがおもなる使用の目的になっておるようでございます。ただいまの御説明では、この種なしに関する御説明がなかったようですが、この種の入っている状況はどうなっておるのか、その点のお調べはついていますか。
  12. 森本修

    ○森本政府委員 種を取ることについての効果はある一定の段階になりませんとよくわからないということでございまして、現在でもやや推定ができるようなところもあるようでございますが、もう少し時期を待たないと、種を取ることについての効果がどうなっておるか、必ずしも明確ではないというふうな状況だと承知をいたしております。
  13. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 参考人にちょっとお尋ねしますが、簡単でけっこうですが、このジベラ錠その他ジベレリン系の薬というのは、生長促進も大事でございましょうが、一番大事なのは、ブドウのデラ系のものの種を取るというところに農民の意欲が動いて使っておるように聞いておりますが、いかがでございましょうか。その点だけでけっこうです。
  14. 岸光夫

    ○岸参考人 第一回目の処理が適切な時期に行なわれる限り、大体九八ないし一〇〇%の種なしができます。
  15. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そとで、農林省にお聞きしたいのですが、ジベレリン系の薬剤というのは、武田のジベラ錠と、ほかに協和、明治という二つの薬品が山梨県には入っておりますが、その他このジベレリン系の薬剤で使用されております薬がございますか。
  16. 森本修

    ○森本政府委員 ブドウについて使用いたしておりますのは、御指摘がございました三種類ということでございます。
  17. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 武田ジベラ錠というのはいつ登録されている薬品か、それから、協和と明治はいつから農林省のほうでは許可をしておるか、その点をお聞きしたいと思います。
  18. 森本修

    ○森本政府委員 武田ジベラ錠は昭和三十九年の二月に登録をいたしております。あとの二種類、いまちょっと調べておりますので、引き続いてお答えを申し上げます。
  19. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その後この薬の内容の変化やあるいは調合のしかたを変えたような届け出はございましたか。
  20. 森本修

    ○森本政府委員 私どもが調べましたところでは、御案内のように、薬の成分としましては、主成分、つまり薬の効果を出す成分と、副成分といいまして、そのほか混入をする薬の成分、この二つになっておりますが、主成分については、その成分の性質並びに配合の割合等については変化がないようでございます。副成分については、若干いわゆる崩壊性といいますか、水に入れまして溶かして使う薬でありますので、従来溶け方がおそいという非難がありましたので、早く崩壊するようなぐあいに副成分については若干の変化をしておるというふうなことを聞いております。
  21. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農薬取締法によれば、内容が変わった場合はあらためて申請することになっているようですが、たとえ副成分にしましても、農薬の及ぼす影響というのは非常にデリケートなものを持っておりますので、発泡性の溶解をするんだといってだいぶ宣伝しておりますが、この副成分を変えたときにあらためて農林省のほうで許可をし直したのですか、それとも前のとおりでやっておったのですか。
  22. 森本修

    ○森本政府委員 登録の際に見ますのは、先ほどお答えをいたしましたように、主成分の性質と割合、それから副成分の性質と割合ということで見ておりまして、薬効に対して影響がまずないと思われるような副成分の変化についてはあらためて検査をするというたてまえにはなっておりません。
  23. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今度の被害は、現地で見たところによりますと、明らかに農民が最も関心を払っている種なしに対する影響なんです。これはもう現物をごらんになったでしょう。まだ現地の様子をごらんにならなければ、ここに持参しておりますからお目にかけますが、これは他の薬品を使ったブドウです。これは武田の製品を使ったブドウです。これは場所によって違うだろうとおっしゃるかもしれませんが、私の調べたところによりますれば、協和、明治のほうはほとんどこういう薬害を起こしていない。武田の薬品に限ってあざやかなこういう現象を呈しておる。どうぞ委員長、これを見せたいと思いますから局長に見せてください。明らかに違っております。  そこで、問題のある点は、去年まで武田のジベラ錠は効果をあげておったのが、どうしてことしになってこういう現象が起こったか、これが一点。これは気候、管理、樹勢等々の影響もあると言われるかもしれませんが、境を接している畑で、同一条件の畑で枝葉が互いにまじっている畑です。持ち主が違っているために、一方は武田のジベラ錠、一方は明治、協和を使っている。枝葉がまじっていながら、持ち主の区画を境にして画然とした違いをあらわしているというのはどういうことかという問題が一つであります。これは、御承知のとおり、噴霧機等によって散布する薬剤ではありません。しょうゆびんに薬を溶かしまして、それをコップに移しまして、一ふさ一ふさブドウにつける薬なんであります。したがって、薬が入りまじる心配はないのです。それが画然と武田と協和のほうとは効果が別になっているということ。こういう点など、一体どこに原因があるのかということを農林省はいままでお調べになっているのですか。現在こういう状況について武田のこのジベラ錠を分析・検討していると聞きましたが、どういう方法でこの薬の分析はなされているのか、その点もお聞かせ願いたいと思います。
  24. 森本修

    ○森本政府委員 抽象的に申し上げますれば、薬をかけましてある現象が起こったということになりますと、原因が薬に存在をする場合、あるいはその扱い方に存在をする場合、あるいはまたそのとさの気象条件その他客観的な条件等に存在する場合ということが考えられるわけでございますが、山梨県のほうの御報告を伺い、実は昨日私どものほうの係官も二名派遣をいたしまして、現地を調査させております。昨日行きまして、けさ帰ってくるはずでありますが、私自身まだ報告は聞いておりませんけれども、山梨県の方々の御報告を伺いますと、どうも原因は薬にあるような感じがするというふうな御報告でございます。したがいまして、私どもといたしましても、山梨県からも材料をいただいております。それから大阪からも材料をいただいております。そういうことで、農薬検査所で目下製品についての検査をいたしております。それから、製品だけの検査ではわかりにくいということもございましょうから、実際それを製造いたしました光工場に本日係官を派遣いたしまして、製造過程をつぶさに調査するというふうなことをいたしておるわけであります。したがいまして、原因がどこにあったかということは、現在調査中でございまして、まだ明確なお答えができない、結論を得ていない、そういう段階でございます。
  25. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 いずれにしましても、この被害は衆人の見るところことごとくこの薬剤にあるということが言われておりまして、また、武田薬品も最近になりまして若干その傾向を認めまして、大阪では六億の損害賠償に対して一億五千万の供託をしており、山形ではすでに先月の二十四日から五、六日の間に全製品の引き揚げをしておると聞いておりますが、この点、農林省押えておりましょうか。
  26. 森本修

    ○森本政府委員 私どものほうでも、山梨県からさような報告がございました。まだ化学的に十分解明はできていない段階でございましたけれども、何ぶんにも農産物の生産に対する重大な問題でございますので、万全を期すという考え方から、会社の責任者を呼びまして、問題になっておる製品については販売・供給を即時停止をする、しかるべく回収の方法を講じろということを行政指導として指示いたしました。それは六月三日であります。会社のほうでもその前から多少回収にかかっておるようでございましたが、私どものほうの指示もございまして、目下販売をいたしました各県から回収につとめておるという報告を受けております。
  27. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはいろいろ見方はございましょうけれども、だんだん原因がしぼられてきたように私は思っております。  一つここで非常に疑わしく思いますのは、きょうは参考人もお持ちのようでございますが、もうビニールハウス等でやりましたブドウは相当大きくなっているのです。その一ふさのブドウで、ある部分は種が入っている、ある部分は種が入ってない。圃場によって、薬によって違うのはわかりますけれども、同じ武田のジベラ錠を使ったブドウのふさが、一部分は種なしになり、一部分は種なしになっていない、こういう現象が起こっているのであります。ここに一つこの問題の非常に微妙なかぎがある。このジベレリン剤だけの分析・検討にとどまれば、このなぞは解けません。これは植物の生理に関する問題でございます。  まず参考人から簡単にお聞きしたいのですが、そのきょうお持ちになっておりますブドウは、私がこの間行って見たように、一つのふさで両方の玉が入っておるものかどうか、それをお伺いしたいのです。
  28. 岸光夫

    ○岸参考人 ビニールハウスでの武田ジベラ錠の使用について現在の段階で調べた範囲では、三〇%前後の有核果がまじっております。それがこのふさでございます。その他の製品でやったのはオールシードレス、切った範囲では全部種なしでございます。
  29. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その点農林省で十分注意していただきたいと思う。さっきの御答弁では、主成分については非常にやかましくやるけれども、副成分については十分にやらないというお話があった。あるいは、変わりましても登録は変えないというお話があった。ここに問題があると思う。ブドウに限らず、くだものの表面には花粉がついていることは先刻御承知でございましょう。花粉というものは液体を受けつけない性格を持っておる。はね返すのです。そのために、果樹栽培者が非常に苦労いたしますのは展着剤の問題であります。薬剤にただ浸すだけではなくて、その実に展着するということが非常に重大になりますので、あらゆる果実について、薬剤散布の場合は主成分と同じような重要さをもってこの展着剤を考える。このジベラ錠並びに協和の製剤を見ますと、展着剤ということばは書いておりませんが、湿展剤ということばを用いておる。湿展剤と展着剤は一体どう違うのか、これは専門的な立場から農林省にお答え願いたいと思う。
  30. 安尾俊

    ○安尾説明員 ただいま先生の御質問のございました展着剤と湿展剤の違いでございますが、農薬専門の者は特に湿展剤ということばを使っておりません。この薬に入っておりますのはエアロールという界面活性剤でございまして、一般にいう展着剤でございますが、農民の方にわかりやすいという意味でそういうことばを使ったと思います。
  31. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農民のほうは、展着剤はわかりますよ、これを見た場合。聞いてみましたら、湿展剤なんということは農民は知っていないのです。展着剤が普通です。私、どうも――武田薬品というのは人間のからだに対する薬をつくるのがおもな営業だと思っておりますが、農薬製造はいつから開始しているのですか。協和並びに明治についてもお聞きしたい。
  32. 安尾俊

    ○安尾説明員 武田並びに協和のこの生長促進剤につきましては、昭和三十八年に農薬取締法が改正になりましてから登録が行なわれておりますので、それ以後に販売されております。
  33. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 溶解の薬などもそれの一つなんですが、確かにこれは、私も実験しましたが、八分で溶解します。これは参考人からお聞きしたとおりです。そして非常に気持ちのいいあわが立つんですな。しかし、この気泡というのは農薬に対して特別な薬効その他の効果はないように私思うのですが、これは、溶解度が早いということであれば、気泡なんか出ても出なくても、懸濁状に溶解するのが一番大事なんです。底にたまらないで、全体がコロイド状をなして溶解するのが一番大事なんです。気泡なんというのは、要するに人間の問題なんです。サイダーみたいなあわが立ちますから気持ちがいいように見えますが、植物の生長から言ってちっとも利点がない。一つは販売上の効能になっています。いまの一ふさのブドウが、ある部分は種なしになり、あとは全部種がある。このふぞろいなども、その一点から追及しますというと簡単に解けるなぞなんです。湿展剤が不満足の場合、一たんつきました水が展着する部面と展着しない部面とが起こりますというと、これは簡単に不均衡が起こる。つまり、薬のとき方が均等していない。  エアロールというこの展着剤、確かにいいでしょうが、武田薬品が数年前に展着剤について県でいざこざを起こしている事実があったはずです。これは参考人は言いたくないかもしれませんが、私は別な面で調べておりますから、この際これは全国の農民のためにも農政の上からもはっきりお答え願いたい。エアロールの展着剤について五、六年前に武田薬品が山梨県で起こした事件について、参考人からこれは詳しくお述べ願いたいと思うのです。
  34. 岸光夫

    ○岸参考人 この期日は、昭和三十四年の七月十七日に、種なしブドウが成熟したときに成功いたしました。同時に、会社としましては、次に発展する技術であろうということで製品の製造化を行ないまして、昭和三十五年に山梨県だけで大体八十ヘクタールの処理を行なわれました。その過程において協和と武田両社が製造して販売にかかったわけなんでございます。その試験はいま行なっているものそのままで、それが普及に回ったんであって、いま淡谷先生がおっしゃったような浸漬法によって試験が成功しております。そのときに、浸漬ということは散布と違いまして付着が相当悪かろうということでありますから、 エアロールOPという特定ないわゆる展着剤と申しましょうか、湿展剤と申しましょうか、そういうものを探したわけなんです。それがわれわれの試験のすみやかな成功にきわめて大きな貢献をしておるものだろうと私は思っております。その販売過程において、三十五年に武田薬品が売り出したジベレリンの中には、いわゆるエアロール展着剤が入っておらないものを売りました。それが、期日は忘れましたけれども、ビニールハウスのジベレリン処理は露地のものに比べて処理時期が約二十日くらいの相違があります。山梨県の勝沼町の藤井にあるビニールハウスの栽培者が、武田薬品のこの薬も使っていわゆる浸漬したわけなんです。その結果、コップの中の薬が減らないのです。これはつかないんだろうということで、急に私たちも来てくれというので見に行きました。同時に、それじゃ協和のものを使いましょうといって使ったら、大体三倍くらいの量がつくわけなんです。そういうことがあったものですから――当時、これは正確な数字ではございませんけれども、山梨県内で約三十ヘクタールばかり武田薬品の薬が販売されておるように販売のほうから聞いておりまして、そういうことが露地でもって行なわれますと、要するに、二分の一が種あり、二分の一が種なしになりますと、かえって種ありの果物よりも商品性は悪いわけなんです。そういうことが大問題でございますから、すみやかに試験場に持っておりましたエアロールOPを販売会社のほうに渡しまして、これをあなたたちの売った先へみんな届けてください、これは目薬のビンの目盛りのあるのを使って、これだけを二リットル入れてくださいということでやって、難を免れたと申しましょうか、たしか一、二反、十ないし二十アールのものが届かなくて被害をこうむった結果になりましたけれども、一応難を免れております。早い産地、香川とか徳島とか非常に開花の早い産地においてはそういうことで全面的な被害を受けたということを、われわれは漏れ聞いております。
  35. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そこで、もう一つお聞きしたいのですが、エアロールは、一体混合する場合でも非常に注意を要するパーセンテージがあると思うのです。普通の農薬だと展着剤と主成分の薬とが別々になっております。大量を使う場合には展着剤と別に加味するのです。カゼイン石灰を主成分としたときには大豆油なんかも使います。あるいはヤシ油などを使いました展着剤、さまざまありますが、私、最初これを考えました場合に、ひょっとしたらこれは農民の展着剤の混合の間違いじゃないかという感じもしたのですが、聞いてみますと、このジベレリンの中には、他の協和の製剤の中にも湿展剤と称して展着剤が入っております。そうしますと、主成分にせよ展着剤にせよ、原因はこの薬にあったんです。このエアロールというのは、われわれ百姓は使ったことはありませんけれども、特別な薬らしいのです。どのくらいのパーセンテージを持っておったらいいか、ひとつ専門的なお話を参考人からお聞きしたいと思います。
  36. 岸光夫

    ○岸参考人 現在皆さんにすすめておるのは、ジベレリンが一〇〇PPMで一万倍液、エアロールも同様に一万倍液の一〇〇PPMでございます。いままでの試験の中で、一〇〇PPMというのを厳密に守っていただかないと障害が起きる薬なんです。一五〇PPM以上になりますと、二回目の処理をいたしますときに果粒に傷が多くなります。したがって、商品性が落ちるために高くは売れません。低い濃度にしての研究は、試験場の関係でやったのはございません。ただ、農家の方のやったのがございまして、それを参考までに申し上げますと、八〇PPMが限界であり、八〇PPM以下になりますとどうしても付着性が悪くなるというのが農家の方がやられた実績で、試験研究のほうとしては常に一〇〇PPMというのを厳守してやっております。
  37. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ひとつ農林省にお聞きしたいのですが、いまお聞きのとおり、単に主成分じゃなくて、主成分が作用するかしないかは、これに含まれている湿展剤のパーセンテージがだいぶ影響するようであります。この許可をしました場合、あるいは登録がえをしました場合に、そういう点までの配慮があったのかどうか、もし配慮があったとすれば、今度の薬の分析にエアロールの分析も入っていいはずなんですが、現在のところ一体それがどうなっておりますか、お聞きしたい。
  38. 安尾俊

    ○安尾説明員 ただいま先生の御指摘のございましたジベラ錠につきましては、先ほど参考人から説明がございましたように、ジベレリンの一〇〇PPMとエアロールの一〇〇PPM、これは変わっておりません。それで、新しいものも全然入れたわけではございませんし、また、従来の薬剤から成分を抜いたものもございません。ただ、薬ができるだけ早く溶解するようにということで、先ほど先生のお話にありました発泡成分になります重曹とある種の有機酸がございますが、その比率を若干変えてございます。これも山梨県の果樹試験場並びに山形県の試験場の結果を十分見た上で変えております。
  39. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうすると、農林省は一体どこに原因があると思っているのですか。展着剤も十分だ。気泡が残るでしょう。気泡というのは、それは重曹と酸を加えただけじゃ何も成分そのものには影響しませんが、気泡というものの性格が展着を妨げることはおわかりですか。気泡が少しでも残れば、気泡内には薬剤はつきませんよ。この発泡性の溶解薬を入れた場合にそういう配慮があったかどうか。私は、どうもこの武田薬品の薬を見ておりますと、人間の生理と植物の生理を混同したきらいがあると思う。もしすべての配合が正しかったという観点に立つならば、この現実の被害は一体どこから出てきたと思いますか。いまじゃ再操作をやってももう追っつかないのですよ。この種なしの効果というのは一体ブドウの開花前のどのくらいの間まで効果があるか、参考人からお聞きしたい。
  40. 岸光夫

    ○岸参考人 花が咲くという、いわゆる処理をしない花が咲く日を一応基準に申し上げますが、十六日前から十日前くらいまでの間にやりますと大体一〇〇%近くなります。それが五日くらい前になりますと大体七〇%前後、開花期にやりますと約五〇%前後が無核果になります。
  41. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農林省、これからどんなにあたふたしても、一たん受けた被害はなくなりませんよ。あなた方のほうで理論上確かにこれでいいんだということで登録さしたかもしれませんけれども、現実の薬剤は、武田ジベラ錠に限ってこういう薬害が発生し、あるいは薬効のない事実が発生し、同じジベレリン系の薬であっても、協和、明治にはこれは出てない。やはりこれは登録されているのでしょうから、この三種の薬の中で武田ジベラ錠というものがこのような被害を起こしたという原因を農林省は一体どう判断されますか。必ずしも武田薬品の薬に欠陥があったとは思いませんよ。現実を見まして、一地方に限った現象ならばその地方的要因も考えられます。協和の製剤を使っておる中でも、点々として武田ジベラ錠を使った区域がある。それがぽちんぽちんと薬害を起こしておるのです。この事実は一体どうとらえたらいいか。私は、どうもこの展着剤の点に、あるいは発泡を生じる溶解剤の中に若干の原因があるのではないかというふうに考えますが、その点の御見解はどうですか。  これはかなり大きな問題で、大阪だけで六億の請求が出ておるといいますから、きょうは参考人は試験場の方ですからこれは聞きませんけれども、山梨県庁あたりではばく大な被害だと言っておるのです。数億の被害です。武田ジベラ錠が山梨県下で大体一万二千本でしたかな、ちょっと参考人に聞きたいのですが……。
  42. 岸光夫

    ○岸参考人 武田ジベラ錠のうち、全部が悪いということではございませんで、ロットナンバーのLHAの〇〇1というものがこの障害を起こしております。そのものは全部で――これは会社のほうから聞いた数字でございますけれども、十二万本製造した。そのうち六万本が、約半数が山梨県に入って、その他の半数はどこの県にばらまいておるか私は知りません。
  43. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 農薬取締法でもなければまた別ですが、農林省が責任を負って取り締まりをするはずの農薬取締法があって、しかも十二万本という薬効に疑いのある薬が出ておる。時期をずらしますと第二回の操作もやはりこの薬でやるかもしれない。これに対して分析・検討に名をかりていつまでも処理しないということは、非常に大きな影響を与えると思うのです。武田の製剤でも〇〇1というこの薬だけが、007ではありませんけれども、ばく大な農家に対する被害を与えておる。緊急的にどう処置をとられるつもりなんですか。
  44. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど来のお話で、そういった現象が起こりました原因がどうも薬にきわめて疑いがかかっておるということでございます。私どもといたしましても、そういう関係から、薬について、先ほど申し上げましたように、製剤になったものを農薬検査所で目下分析・検討を急いでおるわけであります。それから、製造過程にどういうことがあったかということをあわせて、先ほどお答えをいたしましたように係官を派遣して目下調査をしておるところでございます。別段じんぜん日を過ごしておるというわけではございません。できるだけ早期にそういうものについて調査をしたいということでございます。ただ、何ぶんにもそういった過程を経て出てくる製品でありますので、一定の日時を要するということは言うまでもないわけでございますが、できる限り早急に調査を進めていきたい、そういうふうに思っております。
  45. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これはいずれの点から見ましても薬剤に疑いがかかってきておることは事実ですが、この武田ジベラ錠にかりに重大な欠陥があったとしたならば、一体この責任はどこが負うべきものですか。つくった会社が責任があるのか、登録をさせて信用して農民に使わせた農林省自体が責任を負うべきものか、その点はどちらです。
  46. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど言いましたように、調査の結果を待ちませんと、どういうことでそういうことになったのか、実はよくわからないわけであります。もちろん、農薬の取り締まりについては私どものほうでやっておりますから、そういう面において問題があるということであれば、早急に私どもとしても改善の措置をとらなければいかぬというふうに思っております。ただ、製造過程あるいは製品のつくり方等について登録をいたしましたものと相違があるというふうなことになれば、また別途の問題が発生する、こういうふうに思っておるわけであります。
  47. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 〇〇1というこの製品は具体的に分析されたことがあるのですか。ただ会社の説明だけによって登録をせられたのですか。これはことしから使っておるのですね。去年まではないのですよ、〇〇1は。007に刺激されて〇〇1にしたのかもしれませんが、〇〇1が一番悪かったのです。これはことしからの薬でしょう。
  48. 安尾俊

    ○安尾説明員 ただいま先生の御指摘のございました〇〇1というものについて具体的に分析はいたしておりません。
  49. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは参考までにひとつお目にかけますから、このロットなんですが、どうぞ防疫課長に見せてください。――それでは、これは登録はしてありましょうけれども、分析をしないで使わせておるのですね。
  50. 安尾俊

    ○安尾説明員 この〇〇1というのは武田ジベラ錠の中の製造過程におきます一ロットの番号でございまして、特に違った薬剤として取り扱っておるわけではございません。
  51. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ますます重大じゃないですか。武田薬品の製法の中にあるいは問題があるかもしれないですよ。あと残る一点は、どの単位で混合するかなんです。その混合のしかたが不完全であれば、ある薬には多くの成分が入り、ある部分には成分が少ないということもあり得ますね。一体武田薬品と協和醗酵との間にこうした成分の混合――薬剤を調合する場合に方法上違いはありませんか。
  52. 安尾俊

    ○安尾説明員 先ほど農政局長がお話し申し上げましたように、ただいま係官を武田の光工場に派遣いたしまして製造工程等をさらに調査させておりますが、一般的には武田も協和も製造過程に特に違いはないと思います。
  53. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 と思いますくらいでは、これは解決がつかない問題ですよ。違っているんですよ。もうその操作をする単位が違っておるんです。これはよく調べてごらんなさい。しかも、〇〇1というのは武田のジベラ錠の一つの商標だというふうにしか見ておりませんが、この農薬取締法の罰則を見てみますと、表示と違ったものは非常な厳罰の規定があるでしょう。六カ月以下の懲役があるでしょう。表示をしております。成分はありますということを言っておきながら、実際に被害を起こしているということでは、どこかに狂いがある。これが登録と違った形では、武田薬品の社長は六カ月以下の懲役に処せられる。農薬というのは非常に影響が大きいのですよ。最近農薬の問題が各地にあらわれています。きょうも調査に行っておるようですが、水銀剤の問題もそうだし、有機燐剤は特にこれからまた出てくると思います。これはいわば薬の副作用なんですね。被害が主作用よりももっと大きい。人間に対する害毒だからもっとおそろしいけれども、今度の武田ジベラ錠の起こしました被害というのは、農薬そのものとしてのおもなる目的の違反なんです。目的に合っていないんです。その重大な農薬を許可・登録する場合に、検査もしないで、まず表示のとおりだからいいだろう、同じ工程だからいいだろうというくらいでやられたんでは、私はどうしても承知ができない。農薬取締法というものがある以上、もっと厳密な、もっと責任を持った許可なり登録をするのが本旨だと思いますが、農林省、いままでの態度でよかったと思いますか。
  54. 森本修

    ○森本政府委員 この武田ジベラ錠につきましては、先ほど申し上げましたように、昭和三十九年に登録をいたします際に、農薬取締法の規定に基づいて十分検査をして登録をいたしておるわけです。で、〇〇1といいますのは、先ほど言いましたようにロットの番号でございまして、本質的には登録をいたしましたものと製法において変わりはないという前提で販売を認めておるということでございます。しかし、先ほど来御指摘がございますように、現実には山梨県その他で同製品を使って先ほど述べられましたような事態が起こっておるということでございますので、農薬取り締まりの観点から言いますれば先ほど来申し上げたようなことでありますけれども、事態が起こっておりますので、私どもとしては製品と製造工程を再調査をいたしておるということでございます。
  55. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 いや、私が聞いておるのは、従来の登録のしかた、従来の許可のしかたがそれでいいと思うかということなんですよ。もう時がおくれておるでしょう。少なくとも新年度の農薬を分析・検討するくらいの余裕があってしかるべきじゃないですか。これはロットが違うと言われますけれども、ロットが違ったら違ったように、やはり違った原因がありますから、見たらいいのです。私は、そういう点配慮が足らなかったのではありませんかと言うのです。
  56. 森本修

    ○森本政府委員 従来からの運用によりますれば先ほど来申し上げたようなことでやっておるわけですが、製品を検査し、あるいは工程を調査いたしました結果、その結果によってどういう点がどうであったかということが判明をいたしますれば、それに応じてわれわれとしてはもちろん改善措置は考えなければならぬというふうには思っておるわけでございます。
  57. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 どうもその考え方が今度の事件の発端になっておるような気がするのですよ。農薬取締法というのは、農薬による被害や迷惑をこうむらないようにというのでつくった法律でしょう。できたものを取り締まるのじゃないですよ。できる前にそれをはっきり予防するのがこの法の精神だと私は思う。そうじゃないですか。単なる警報じゃないでしょう。農薬の重大性にかんがみて罰則もつけながら、そういう被害や損害が生じないようにするのが農薬取締法の精神じゃないですか。農林省どう考えておるのですか。起こった被害はどうにもならぬのですよ。
  58. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、ジベラ錠そのものについては、三十九年に登録をするときに十分検査をして登録をいたしたわけです。目下問題になっておりますものについても、先ほど来御説明をいたしましたように、製法といいますか、製品の内容としては、主成分、それから副成分についても、重要な部分については変化はない。ただ、崩壊性を高めるために若干の副成分についての配合の割合が変わってきておるということでございますので、取り締まりの一つのやり方としては、私どもとしては、登録をされておるし、成分についてもそういう状況であるから、事前のものとしては必ずしもそう落ち度があったというふうには思えないのであります。ただ、事態が起こっておりますから、そういう製剤を調べ、製造工程を調査いたしまして、その結果判明いたしました事態に対しては、しかるべき改善の措置は検討する、こういうことを申し上げておるわけであります。
  59. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 最終的に登録をしましたのが三十九年の二月ですか、そう聞きましたが、そうじゃないですか。最も近いときに武田ジベラ錠の分析・検討をしたのはいつですか。最も新しい登録はいつになっておるか。
  60. 森本修

    ○森本政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、三十九年に登録をいたしましたから、その際に十分検査をしております。その後抜き取り検査をいたしておりまして、四十年に同製品を抜き取り検査をいたしておるわけであります。
  61. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 発泡剤が入ったのはいつからですか。発泡剤が入ってからあとの分析をやっておりますか。
  62. 安尾俊

    ○安尾説明員 先ほども御説明申し上げましたように、成分は登録時以来全然変わっておりません。したがいまして、発泡剤ということばが出ておりますが、その意味では登録のときからということになります。
  63. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 発泡剤の入ったのは三十九年の二月ですか。重ねて聞きますがね。
  64. 安尾俊

    ○安尾説明員 さようでございます。
  65. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは参考人に聞きますが、私はどうも溶解薬を入れましたのが去年ないしことしだと聞いていますが、実際にはいつからこれを使っているのですか。
  66. 岸光夫

    ○岸参考人 たしか三十九年から発泡錠を武田薬品は出しております。
  67. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それじゃ、三十九年二月の段階では内容の検査をして異常はなかった。その後は全然検査をしなかった。一体製品は一ぺん検査をすればあとはあらためて検査をするという規定はないのですか。その同じ薬は五年でも六年でももうあとはやらない。抜き取り検査は四十年と言っていますがね。それじゃ、四十一年度も四十二年度も検査はしなかった、こうなりますね。
  68. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、三十九年に登録をして、四十年に抜き取りで再調査をしておるわけであります。それから、四十二年に再登録をいたしておりますが、その際には従来の登録の成分と変わりはないということを確認をいたしております。
  69. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 四十二年にまた再登録をしたのですか。さっきの御答弁にはなかったですよ。四十二年にどういう意味で再登録をしたのです。
  70. 森本修

    ○森本政府委員 農薬取締法によりますれば、登録をいたしまして三年ごとに登録を更改するということになっておりますので、その際に成分については従来と変わりはないということを確認をいたしたわけであります。
  71. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 押し問答は避けますけれども、そうすると、四十二年度の再登録の場合は、従来と変わりがないというので、内容検査をしないで再登録をしたのですね。これだけ確かめておきます。
  72. 森本修

    ○森本政府委員 四十二年度は、従来と成分において変更はないということを確認をいたした、そうして再登録をしたわけであります。
  73. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それは内容の分析をして確認したのですか。それとも、武田薬品のような大きい会社だからたぶん間違いはないだろうと思って確認したのですか。どういう方法で確認されましたか。
  74. 安尾俊

    ○安尾説明員 再登録の際には、武田の専門の者が来ましてその書類上十分説明をするとともに、一部のものについて再試験をして確認をいたしております。
  75. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ちょっとひっかかる答弁ですね。一部のものについてというのは製品の一部ですか。説明を聞いてオーケーを出したのじゃないですか。もしあなた方が分析して登録したとなってくれば、また問題は変わってくるのです。
  76. 安尾俊

    ○安尾説明員 必要なものにつきましては農薬検査所におきまして一部検査もいたしております。(「武田のやつをやったかやらないかと言うんだ」と呼ぶ者あり)武田のジベラ錠につきまして、再登録の際に書類審査を十分いたしますとともに……(「どういうふうにやったんだ」と呼ぶ者あり)書類審査が主体でございますが、必要な部分につきましては農薬検査所でその確認検査をいたしております。
  77. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 必要な部分というのはどういう部分ですか。
  78. 安尾俊

    ○安尾説明員 主成分等でございます。
  79. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 主成分だけで、この溶解薬あるいは湿展剤の検査はしなかったのですか。
  80. 安尾俊

    ○安尾説明員 主成分だけでございます。
  81. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それはあんたとんでもない答弁していますよ。さっきあんたは、このエアロール含有も同じだと言ったじゃないですか。問題はそこから起こっているんですよ。どうしてああいう答弁をされたのです。さっきそう言いませんか。エアロールの含有度は前と同じだった……。調べもしないで書類だけ審査したんですか、エアロールに関しては。さっきの答弁と違っていますよ。これはどういうわけなんです。確認しないままに、入っているだろうと思っただけですか。このエアロールはちゃんと一〇〇PPM入っていると言うから、私もまた新しい疑問に逢着して質問してみると、あなた調べてないじゃないですか。入っているか入ってないか。国会の答弁をそんな無責任なこと言っちゃいけませんよ。どうなんです、それは。
  82. 安尾俊

    ○安尾説明員 武田ジベラ錠の登録の際にはエアロールについても調査いたしておりますが、再登録につきましては、書類審査が主体でございまして、特にエアロールの分についてはしておりません。
  83. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうはっきり言ってくれれば問題はむしろ解決に近づくのです。この被害の起こった重大な原因に湿展剤があるのじゃないかという考えをわれわれは持っている。それがいままでと同じように含有しているとあなたが簡単に答弁するもんですから、こっちは迷っているんです。それで質問を続けているんです。  書類審査であれば確かに一〇〇PPMだろうけれども、実際調べなければ、入っているか入っていないかわからないじゃないですか。そこにやっぱり問題が発展する。これは、もしも書類どおりに調剤されていなければ農薬取締法によって刑事処分を受けますよ。責任はあんたのほうにあるだろうけれども、武田薬品としてもその責任を免れない。そう思いませんか。確認します。
  84. 森本修

    ○森本政府委員 登録を受けまして、そこで表示をいたしましたとおりの成分が入っていないということでありますれば、もちろん会社側にも責任があるというふうに思います。
  85. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それは当然責任はありますが、ただし、刑事罰にしましても、おそらくは十億をこえるだろうという農産物の被害に対する責任はどうなりますか。農薬取締法ではこれをやれますかやれませんか。
  86. 森本修

    ○森本政府委員 薬の側に先ほど言いましたようなことで成分上の問題があってそういった現象が起こったということになりますと、もちろん会社にも損害賠償の責任は発生するというふうに思います。
  87. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この被害事実が判明しました場合に、応急措置としてあなたのほうで指図されたのはどういうことですか。再操作ということが出たようですが、時はもうすでにおそかったらしい。あれから操作しましても、種なしの効果はあるいは発生しないかもしれない。けれども、第二期の操作がありますので、この操作に対しても適当な指示を行なったかどうか。これは会社が第二期の操作を妨害している例があるのです。県があぶないから使うなと言ったのに対して、販売員が農村に入ってだいじょうぶだから使えといって第二回目までやらせた例もあるのです。農林省はどういう措置をとられましたか。
  88. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、会社に対しましては、六月の三日に、武田ジベラ錠の供給を中止する、そうして出回り品についてはすみやかに回収するよう指示をしたわけです。ただそれだけではあれですから、他の代替製品についての供給の促進をしなければなりませんので、協和醗酵、明治製菓、これが同種の製品をつくっておる会社ですが、これに対しまして代替薬品の供給を促進するよう連絡をいたしたわけであります。  なお、各県に対しましては、先ほど申し上げましたように、被害といいますか、その実情を早急に調査をするようにということと、他の県においてこういうふうな状況が発生しておるのでその点について十分指導上留意をするように連絡をいたしております。電話でございますが……。
  89. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 まあ六月三日だと、早いとは言われませんけれどもね。ただ、現在ここの答弁では、薬による被害かどうかはっきりしていないということを再三言われるのですね。薬による被害かどうかはまだはっきりしません、分析・検討の末を見てという答弁でしょう、いままでは。じゃ、それまでの暫定措置なんですね。薬の欠陥がなかった場合は、また会社に対する責任が生じてくると思いませんか、あなたのほうで。
  90. 森本修

    ○森本政府委員 なかなかむずかしい点だと思います。薬に対してどういう問題があったかということは、先ほど申し上げましたように化学的に分析の結果が出ておりません段階でございますが、各県の状況、特に山梨県の状況を伺いますと、その疑いが相当あるということであります。一方、農家に対しては迷惑をかけてはまずいという農林省の行政的な立場もございますので、とりあえず緊急の措置といたしまして、そういう問題が生じておる薬については使わないということが農業生産を確保する上においては安全な措置であるというふうに判断をいたしまして、先ほど来の措置をとったわけでございます。化学的な結果が判明した以降の問題については、その事態によって検討をしていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  91. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 代替品の使用をすすめたと言いますが、明治の製品は私は見ていませんが、この協和のほうはジベレリン協和として売り出していますね。一方は錠剤であり、これは顆粒状です。または粉状のものもあるだろうし、液状のものもあるようですが、ジベレリン剤はほとんど顆粒状です。私はこの問題をまあ少なくとも商売競争の観点から見たくないのです。したがって、この協和のジベレリン協和というものに対しても、代替品として農林省が奨励する以上、最も最近の過程においてこの内容の分析・検討を行なっていたでしょうな。
  92. 森本修

    ○森本政府委員 明治と協和の製品は昭和四十一年に抜き取り検査をいたしております。
  93. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 協和のほうは四十一年にやって、武田のほうは四十年にしかやらないのですね。(「毎年やればいいんだ」と呼ぶ者あり)これは毎年やるべきものですよ。これは起こったあとの問題じゃないのですからね。起こる前にあなた方のほうで注意しなければならない問題なんです。それで、いままでのやり方でいいかどうかと私は念を押している。一体この分析の結果はいつ出るのです。結果を待つ、結果を待つと言っても、わかりませんではしようがない。わからせる義務がある。登録を許した以上ははっきり真因を突きとめる義務があなた方にあります。いつまでにこれを出しますか。
  94. 森本修

    ○森本政府委員 生物検査といいますか、実際に植物にかけましてその状況を調べるというふうなこともやっておりますので、現在のところでは今月の二十五日ころに結果が判明するというふうに報告を受けております。
  95. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 参考人の方にこの際お聞きしておきたいのですが、この後のブドウの被害に対する措置が何か適当なものがあるかどうか。いまのままでいくとかなり大きな被害が起こると思います。そういう一般的な被害状況について、最後に試験場としての見解をお聞きしたいのであります。
  96. 岸光夫

    ○岸参考人 五月二十三日に発育が悪いということで発見したときは開花直前でございました。したがいまして、この時期に再処理をいたしますと種ありが混入しないという一つの見解で、かなりの面積を他の武田以外の製剤によって再処理を進めました。その面積が、まだはっきりわかりませんけれども、かなりございます。そのほうは、ふさは小さいけれども種なしとして売れるものであろうという対策を打ちました。ただし、開花、いわゆる最盛期、満開という時期になりますと、事後には処置をいたしましてもそれを救うことはできませんから、これは手の打ちようがない。したがいまして、現在では第二回目の処理期が最盛期でございますので、少々被害があってもなくっても再処理をするように技術指導としてはやっております。さらに、被害があろうがなかろうが、薬剤散布、施肥、そういうことにつきましては気を落とさないで最善を尽くすように、悪いながらも最もいい収益をあげるような技術指導をいまいたしております。一部には落胆している方もあって、畑に行ってぼおっとしている人もあるということも耳に入っておりますけれども、そういう方に対しては、普及員なり農協の技術員を通じて、いわゆるりっぱな管理をして来年に備えなければならぬということで指導しております。基本的には、種ありを種なしにするということは、もう時期的にはできません。
  97. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私の与えられました時間ももう終わりますから、最後に一点農林次官にお聞きしたいのです。  いまお聞きのとおり、このジベレリン処理の問題は、思ったより被害が多い。聞いてみますと、農林省の農薬に対する取り扱いの方法についてもかなり問題点があるようであります。これは、農薬の必要が大きくなれば大きくなるほどこういう問題の発生は間々あることを覚悟しなければならない。すでにもう出ているのがあります。農薬取締法などを見ましても、会社に対する罰則があり、あるいは薬剤、病虫害防除の違反に対する制約はありますけれども、その最終責任に対する規定、特にまた賠償の規定などは非常に抜けているのです。幾ら製薬会社を懲役にしたところで、受けた農民の被害はどうにもならない。さっきの農林省の答弁では、当然これは賠償責任は生ずるだろう、もしも会社のほうに責任があったということが判明しますと賠償責任が生ずるだろうと言っていますけれども、それをさらにまた会社と折衝をしたり訴訟を起こしたりすると、これは農民としては非常な苦痛なんです。取締法を設ける以上は、そういう点においても時代の一つの流れに即応していくべきものだと思いますが、農薬取締法というものをそういう観点から改正をする御意思はありませんか。もっと時代に即応したものにしていくようなお考えはございませんか。お聞きしておきたい。
  98. 草野一郎平

    ○草野政府委員 今回の被害は非常に広範であり、かつ深刻であります。いままでのところ、昭和三十九年以来これで安心だというような、安心感の中にどこか一つの間違いが起こっておるのでございます。その間違いを前もって予測しなかったこと、発見しなかったことは粗漏ではないかと言われれば、なるほどそれはそうかもしれませんが、いませっかくこれは真剣に検討もいたしておりまするし、今後に備えなければならぬのは当然であります。ただ取締法等で会社の社長に罰金を科して国が罰金を取り上げてみたところで、農民の被害が助かるわけではありません。さらに、ぶち込んでみたところでどうにもなるものではありません。それはそれとして法のたてまえにおいてなすべきことはなさねばなりませんが、その被害に対する方法、それらは今日のところいかに運用を完全になしていくかということについて考えねばならぬと思っておりまするが、その被害をどうするか、この問題に対しては、今後のあらわれ方等についてひとつ真剣な努力を続け、そうして、出てくる問題、いま検討しておる問題をすみやかに掘り下げながら、その所在を明らかにしながら、よって来たるところの影響に対していかなる対策をとるか、万全の方法をとりたい、さように考えております。
  99. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 最後に一点参考人にお聞きしておきますが、武田ジベラ錠あるいは他の薬品の使用書にも書いてあるかもしれませんが、ブドウの品種はデラウェアとマスカット・ペリーA、ヒムロッド、キャンベル・アーリーに使うということを書いてありますが、全部こんなふうに使ってかまわない薬品ですかね。私の聞いたところでは、デラウェア以外は被害がないまでも効果が薄いということを聞いてきたのですが、この点はいかがですか。
  100. 岸光夫

    ○岸参考人 デラウェアは御承知のとおりでございます。マスカット・ペリーAは、地方によって種なしのできぐあいがかなりズレがあります。そのズレは八〇%から九七%くらいのズレでありまして、そういうことから、普及には乗り出しておりません。ヒムロッドについては、もともと種なしブドウでございまして、果粒肥大のために第二回目の処理だけをやるわけですが、しかしながら、それをやりますと、粒がふくれるので熟期がややおくれるものですから、ヒムロッドにはほとんど使っておりません。キャンベル・アーリーについての使い方は全然目的が違いまして、芽がほけてから、枝がこのくらいのとき、ふさがせいぜい三センチくらいのときに非常に薄い濃度、一〇PPMもしくは五PPM程度のものをかけまして、ふさをほかす、さような効果がございまして、その辺はデラウェアと目的が違います。
  101. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 最後に農林省にひとつ要望しておきますが、薬なんというものはいいかげんなものだというのが世間の常識です。人間の薬というものは直接に害を及ぼさなければまずいいと思っておるかもしれませんけれども、農産物の薬というものは、きかなければそれで徹底的な打撃なんです。いまお聞きのとおり、この適用作物についても、これは相当ズレがあると思います。少なくとも農薬取締法がある以上、いかなる大会社といえども、これははっきりした取り締まりの方針を立てて、自後こんな迷惑が起こらないような十分なる措置をとってもらいたい。特に、人間のからだに使う薬を製造しておる会社はそのほうの薬の製造はうまいかもしれないけれども、人間の生理と植物の生理との間には若干違いがある。これに使う薬なんですから、少なくともそういう会社の農業に対する知識、植物に対する知識の点も十分勘案しまして、今後このような誤りを繰り返さないように十分に御配慮願いたい。あえて答弁は求めませんが、私の質問をこれで打ち切ります。ありがとうございました。
  102. 本名武

    ○本名委員長 中野明君。
  103. 中野明

    ○中野(明)委員 ただいま相当詳しく質疑があったようでありますが、最初に、種なしと種ありの価格のことについてお尋ねしたいのです。大体種ありと種なしでどれくらいの差があるものか、お伺いいたします。
  104. 岸光夫

    ○岸参考人 昨年、四十一年の山梨県産の東京市場に出荷いたした大体総平均の四キロ当たりの仕切り相場は五百八十円そこそこかと思います。はっきりした何円までは記憶もしておりませんし、ちょっと統計もはっきりしません。   〔委員長退席、高見委員長代理着席〕 種ありのほうは、ほとんどないものですから、大体東京市場に送るよりも観光的に使われておりますけれども、それの価格はだいぶ違います。種ありの東京市場の価格をその前から見ますと、大体四百円から四百二、三十円が山梨県産の東京市場における総平均。その差はその程度でございます。
  105. 中野明

    ○中野(明)委員 参考人に重ねてお尋ねしたいのですが、先ほどもちょっと話が出ておったようですが、はっきりした被害を感じだしたのはいつごろからでしょうか。
  106. 岸光夫

    ○岸参考人 五月二十三日でございます。
  107. 中野明

    ○中野(明)委員 そのときに薬が悪いというふうなことを直感されたのでしょうか。それともほかに原因があるように思われたのでしょうか。
  108. 岸光夫

    ○岸参考人 直感的には薬が悪かろうと思いました。ただ、それにきめるのにはあまりにも面積が小さいと申しますか、全県的な問題じゃないものですから、そのときにはまだ直感的なものでございます。
  109. 中野明

    ○中野(明)委員 今日現在において相当多方面に広がっているようですが、参考人として、原因は何にあると思っていらっしゃいますか。
  110. 岸光夫

    ○岸参考人 先ほどお見せしましたビニールハウスの中の有核果の混入――現在悪い薬を使ったものの有核果の判明はまだありませんけれども、処理いたしまして、花の咲くまでの間にふさがかなり伸びるわけなんです。花が咲いてからのふさの伸びというのは、ほとんど差がないといいますか、あまり伸びないのでございます。そういうことから、花の咲く直前におけるふさの相違が大体二センチ程度でございました。要するに、普通に伸びておるものと、それから武田の〇〇1を使ったものとの間に約二センチ程度の相違がございました。また、一センチの相違のものもございます。これは全く変わらないのもございます。そういうことで、いろいろ調べていったところ、やはり悪いものがまじっている。全部が悪いとは言い切れない。ということは、一番問題は処理直後の降雨の問題でございます。二十ミリぐらいの雨が降りますと、やはり薬が流されるものですから、効果は落ちます。そういう条件がことしは全然ございません。それから、先ほど申し上げたように、これには時期が相当重要でありますが、晴天が続いたために処理時期にミスというものがないのです。労力的にも計画どおりいったというわけです。そういうことからいたしますと、考えられる要因を全部考えても、薬が最もくさいというようなことで、まず薬であろうと思います。
  111. 中野明

    ○中野(明)委員 農林省に聞くのですが、先ほど、再処理を励行している、このように言われましたが、再処理を励行すれば被害が防げる、このように考えておられるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
  112. 森本修

    ○森本政府委員 実際の薬を用いましてどのように農家に対して指導するかということは、各県におきます普及員あるいは試験場等でお骨折りをいただいておるわけであります。私が先ほど申し上げましたのは、どうも武田の薬がいろいろ問題を起こしておるようだということで、武田の薬について供給を停止するということと、それから、かわるべき薬について供給を促進するということを農林省としてとりあえずやっておるということを御説明申し上げたわけでございます。
  113. 中野明

    ○中野(明)委員 私の聞いた範囲では、この種なしブドウは、第一回の処理が種あり種なしの致命的な要素になるようでありまして、第一回に失敗すると、これは幾ら再処理をしても、もうおそらく種なしは望めないだろう、そういう状況のようであります。私もちょっと現地へ行ってまいりましたが、先ほど農林省が話しているのを聞いていますと、もう少し時期がたたないと種あり種なしの区別もわからない、こういうような話も出ておったようですが、現に農家ではビニールハウスでやっているところもありますし、私もビニールハウスの中に入って見てきましたが、ふさにおいて明らかにこれくらい差が出ているわけです。完全にこちらは種が取れております。しかし、こちらのほうは種が取れておりません。これが薬品のメーカーによってはっきり一つのビニールハウスの中で差が出ている。こういうことを見ますと、将来のことを見なければわからないというよりも、ビニールハウスはどんどん進んで、もう出荷間ぎわになっているのでありますから、当然相当の被害が予想されるし、特にあの方面の農家の生活費の七割近くをこれが占めておりまして、農家にとっては死活問題として大きな事件に発展しております。  それで、重ねてお尋ねするんですが、登録番号の001の六〇〇一号、これはいつ許可になった番号なのか、それをちょっとお尋ねしたい。
  114. 安尾俊

    ○安尾説明員 ただいま先生から御指摘のございました番号は登録番号でございますので、登録の際の番号がついておるわけでございます。先ほどの〇〇1というのは、登録番号でなくて、製品の会社の中のロット番号でございます。
  115. 中野明

    ○中野(明)委員 六〇〇一というのは……。
  116. 安尾俊

    ○安尾説明員 これは三十九年の登録時の登録番号でございます。
  117. 中野明

    ○中野(明)委員 それでは、先ほど質疑がありましたように、登録番号はもうそのままでずっといっているわけなんですね。内容はその後主成分以外に変更があっても、登録番号は変更なさってない、そういうことですか。
  118. 安尾俊

    ○安尾説明員 そのとおりでございます。
  119. 中野明

    ○中野(明)委員 現実に農家にずっと当たってみましたが、この薬品に農林省の登録番号が記されて、農民としては全面的に農林省の登録済みだということで信用しているわけです。それが今回のようなこういう問題を起こしますと非常にショックは大きいわけですし、農林省の責任に対しての非難といいますか、その間の事情のよくわからない農民の人たちも非常に不信を持っているわけです。これは一例でございますけれども、ある農協におきましては、昨年まで三社の製品を使っておったのが、本年幸か不幸か、結局結果から見て不幸だったわけですが、問題の製薬会社の薬一本にしぼった。ところが、この事件が発生いたしまして、その農協はほとんど全滅に近いような被害を受けているわけです。そこから、当然農協幹部の責任問題にまで発展している、あるいは農民の中でいろいろなうわさが出るわけであります。去年まで三社であったのがことし一社にしてしまった、何かそこら辺に変なものがあるんじゃないか、そんなことまでささやかれて、非常にごたごたしているわけであります。  そういう点について参考人にお尋ねするわけですが、薬品を選定するにあたりまして、去年まで三社の製品を適量入れて農協で一本で取り扱っておった、ことしから一社だけにまとめるということについて、やはり農協も独断でやるんじゃなしにどこかと相談すると思うのですが、そういう点相談を受けられたことがあったでしょうかどうでしょうか。
  120. 岸光夫

    ○岸参考人 いままでにそういう例はございません。どこの製品を使いましても同じ結果を及ぼしておりましたから、いままでに相談を受けたことは全然ございません。
  121. 中野明

    ○中野(明)委員 これは参考人には関係ないことになりましょうけれども、農林省のほうにお聞きしますが、薬の価格、これは幾らくらいしておるのでしょうか。実際の公定価格というのは当然あると思いますが、実際に取引されておる価格はそれよりも低い、こういうようなこともちょっと聞いたのですが、その点両方に分けて、おわかりになっておれば知らせてもらいたいのです。
  122. 安尾俊

    ○安尾説明員 価格につきましては、公定価格というものはもちろんございませんので、私どもの聞いておりますところでは大体四百二十円程度と聞いております。
  123. 中野明

    ○中野(明)委員 それは一応の表示価格で、実際はそれよりもずっと低い価格で取引されておる、そういうことをお聞きになっておるでしょうか。
  124. 安尾俊

    ○安尾説明員 そのような単協段階における価格まで私ども実情をよく聞いておりませんので、先ほど申し上げました価格以下で売っておるというふうな実態はよくわかっておりません。
  125. 中野明

    ○中野(明)委員 これは相当大きな問題になってきておりますので、農林省のほうとしても今後調査してもらいたいと思いますが、実際は現地ではこれはだれも知らぬ者はございません。知らないのはあなた方だけじゃないか。ここで知っておると言えばぐあいが悪いので返事を避けておるのかもしれませんが、実際は現地ではだれ知らぬ者はございません。そういうところから最近農協でいろいろと不明朗な話をうわさされますが、そういうことにも発展しないとも限りませんので、この点、なぜ一本の会社にしぼるようなことになったか、直接関係ないようですが、農林省のほうとしても調べられたらいいのじゃないかというような気がします。  それで、お尋ねしたいのは、先ほどから原因については相当詳しくお話がございました。被害を受けた農家、特に私参りましたところは非常に篤農家のところでありまして、意欲的な気持ちから、ことしから六戸がビニールハウスに踏み切りまして、改良資金を借りて、そして普及所あるいは県の指導も受けながら、成功だ、非常によくできた、このように言って希望を持ってやっておりました。回りからも、それは一つのモデルケースとして相当大きく注目されておった。ところが、いま言ったような事件にぶつかりまして、非常なショックなんです。農業のことにつきましては、農林省としては、当然改良事業その他、わずかな土地でたくさんの収益をあげるという方向にどんどん指導しておるやさきでございますが、本人たちは、せっかく借りたお金の返済も不能になってしまうということのほうが頭に来てしまって、非常に苦しんでおる。価格の問題からそういうことも発生する可能性は多分にあるわけであります。全体に及ぶ被害の点については、先ほどの次官のお話でも、実情がわかり次第万全の処置を講ずるとおっしゃっておりますし、薬がいいとか悪いとか、そういうことも今後の調査に待たなければならぬこともあるでしょうけれども、現実に生活の大半をこれでささえておる農家が生活上大きなショックを受けておる。今後そういうことについての農家の救済処置、また、改良資金なら改良資金なんかを借りておる人に対する返済の延期ということについて、農林省としての考え方をこの際ちょっとお聞きしたいのです。
  126. 森本修

    ○森本政府委員 先ほど来申し上げましたようなことで、会社に対しても問題の起こった善後処理については十分考えるように指示をいたしております。会社側としても、そういう点については誠意をもってやりたいということを私のほうに言っております。また、われわれとしても、そういったことで減収等の影響のありました農家に対する諸対策については、実状を調査した上、できるだけのことはしたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  127. 中野明

    ○中野(明)委員 その点は、いま一応局長から御答弁がありましたが、私も、これは農家にとりましては非常な生活に影響のある問題ですから、今後責任をもって善処されることを強く要望するわけでございます。  これがたまたまブドウ相手の薬で、それにしても被害がこう出て大きな問題になっているわけですけれども、先ほどから話がありますように、農薬の取り締まり法ということについては今後真剣に考えていただいて、もしも人体に影響があるということになると、これは大きな社会問題に発展してくる可能性のあるのが農薬ですから、そういう点、この問題を一つの大きな参考にされまして、将来法改正まで持っていくように努力してもらいたい。これは先ほどの方と同じ意見でございまして、次官にもその点強く要望を申し上げたい、このように考える次第でございます。  最後に、参考人の方にわざわざおいでいただいて恐縮でしたが、今後こういうことにつきましてあらゆる能力を発揮されまして、少しでも被害が少なく済むように、そしてまた農民が希望を失わないように、極力各方面と連絡をとっていただいて処置をしていただきたいことを重ねてお願い申し上げまして、今後の対策について私のほうも強く要望して質問を終わりたいと思いますが、三社の薬品のことにつきまして、この錠剤とそれ以外のものにつきまして、効果その他については参考人の意見はどうでしょうか。
  128. 岸光夫

    ○岸参考人 現在問題になっている〇〇1につきましては、会社の言でございますけれども、四十年に試験を完了しました。その試験の一端はうちのほうでもやっておりまして、その試験に使ったもののとおりのものをおつくり願えば、こういう問題はなかったろうということでございまして、いままでにこういう問題が起こっておりませんから全面的に信頼してやったところが、こうなったんだということなんでございます。
  129. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、もう薬の成分としては錠剤であろうと何であろうとそうたいして関係はない、こういうことですか。
  130. 岸光夫

    ○岸参考人 そういうことでございます。
  131. 中野明

    ○中野(明)委員 最後に農林省に申し上げておくのですが、ほんとうにこういう被害が起こっているんだということが農林省に報告されたのはいつごろなんでしょう。
  132. 森本修

    ○森本政府委員 山梨県のほうから報告がございましたのは五月の三十日、大阪のほうからは六月の初めというふうに聞いております。
  133. 中野明

    ○中野(明)委員 何か非常に報告がおそいような感じを受ける。いま参考人のほうからも話がありましたように、すでに五月の二十日過ぎにはもう実際に問題が起こっているわけであります。それが農林省のほうへ五月の末あるいは六月の初めぐらいでないと入ってこない。やはり農家のことを一番真剣に考えてあらゆる面から指導もし手を打っていくのが農林省だと思います。そういう点、今後も内部の連絡を密にされて、こういうことがたびたびあってはかないませんが、あらゆる事故に対して時期を失わないように少しでも早く施策を講じたらもっともっと被害も少なくなるのではないか、あるいはまた、分析の結果も早くわかるようにして、安心するところは安心してやれるようにする、責任は責任としてこれは今後の問題として処置していけるわけですから、そういうように願いたいと思うわけであります。その点少し何かしら手ぬるいような感じがいたします。もう今日では通信網も発達しているわけでありますから、電話さえかければ、いま起こったことがいまでもわかるのが今日の社会情勢です。今後の農林省のあり方として、そういう点を厳重に下部にも通達されますように、ことしは何かしら私たちも天候の上からも非常に不規則な変な年だというふうな予感を持っているわけでありますから、そういう点を特に注意されて今後の処置を取られるようにお願いしておきます。  以上で私の質問は終わります。
  134. 高見三郎

    ○高見委員長代理 金丸徳重君。
  135. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私は、この問題の発生地とでも申しますか、この中心地であります山梨県の出の者といたしまして、実は最後にお願いを申したい。といいますのは、現地の生産農家では、このような思いもかけない事件にぶつかってしまいまして、ある者はもうぼう然自失畑の中にすわり込んで泣いている、またある者は、当局の処置の手ぬるさに対してふんまんやる方なく、現地視察の私どもに対してさえかみつくような状態で今後の処置を迫っているというような状況でありますので、農林当局に対しましては、このような問題についてぜひともすみやかに、また生産農民の信頼感を高める中において今後の処置をお願いいたしたい、こういうことで若干の時間をちょうだいして立ち上がったのでございまして、したがって、そのお願いを申せば私の気持ちは済むのでありますけれども、先ほどから諸委員との間の質疑応答を聞いております間に、実は私は、はらわたの煮えくり返るような思いに迫られました。  といいますのは、新しい農業時代を迎えまして、耕作面積の少ない日本においては、反当収入をしげる、そういうこと以外には生きる道はありませんので、生産農家におきましては、何らかの方法をとって反当収入を上げなければならないということで、ある人々は作付け品種の選択に苦心しております。また、ある人たちは、その作付けた品種の中に何とか技術的なくふうをこらして反当収入を上げたいということで、もう一生懸命であったのであります。その一つのあらわれが、ブドウ栽培農家にとっては救いの種ともいうべきジベレリン処理でありまして、その念願がかなったように、ここ数年来ブドウ生産農家においては、ジベの処理、さらにそれにビニールハウスなどを加味しまして、もう反当三十万なり五十万なりあげて、五反百雄でも三反百姓でも生きる道を発見し、開拓していこうということでございました。私は、日本の農業の新しい道はそういう方面の努力にあろうと思っておりましたから、その一つとして、薬剤を使用することによってきわめて技術的に楽にその目的が達成できるような方法が講ぜられるとするならば、農林省はそれに向かって非常な熱と力を注いでおらるべきだと思っておりました。ところが、先ほどから伺ってみると、このような新しい事態に処して進んできた道程において起こった事件についての対策としては、いまお尋ねの中にもありましたが、あまりにも手ぬるかったのじゃないかと思わざるを得ない。   〔高見委員長代理退席、委員長着席〕 ことばは少し当たらないかもしれませんけれども、農業の薬剤時代を迎えたとしまするならば、その薬剤の使用のしかた、薬剤の効果と同時に、薬剤によって起こった問題などについては、まるで打てば響くがごとき対策を練り、検討もしていくことが、私は新農業時代を迎えた日本の農林省のとる態度であったと思っておったのであります。  しかし、何事であるか。この問題が起きたのは、県においては十六日、十七日に現地において処理をして、そうして早い人は二十一、二日ごろに、これは少しおかしいぞということに気がついて、あたりの同僚ともその情報を交換しながら、どうかということでやっておった。二十三日に至って、これは事は重大だということで問題にしておったのであります。農林省に対して公式な報告、情報が三十日に届いたということであれば、そしてそれによって動いたということであれば、何ともいたし方ないことでありますけれども、現地の新聞は大きく一面に取り上げてこの問題を報じておりました。だから、電話情報なりその他をもってしても、農林省関係のほうには通じておったと思います。もし薬剤を使って新しい日本の農業を切り開くということについて重大な関心を持っておるとするならば、かりに現地県当局からの公式な報道がなくても、それに向かって積極的なる情報の収集なり、打てば響くような対策の発見なり指導なりということが進めらるべきではなかったろうかなと思うのでありますが、いかがでありましょうか。  こうした問題が全国的視野に立っていままでにあったかどうかということをも、あわせてお答えをいただきたいと思います。
  136. 森本修

    ○森本政府委員 確かに、きわめて通信の発達した時代でございますから、そういった事態が起こりますれば、速急に連絡がかわされて、しかるべき対策を講ずべきだ、そういうふうに私どもは思います。公式の連絡といいますのは先ほど申し上げたとおりでありまして、今後の問題としては、そういった問題が起こりました際の連絡のとり方等については、打てば響くといいますか、迅速に連絡がとれて事後の所要の対策がすみやかに行なわれるように考えていきたいと思います。  本件につきまして、私どもは、そういった情報を得まして、先ほど言いましたように、各県にも同種のことがないかということを電話で即刻照会をして、先ほど来中間的な御報告を申し上げた実情をつかんでおるということであります。なお、農薬の供給の中止なりあるいはかわるべき性質のものの供給の促進等につきましても、先ほど申し上げましたように六月の初めに手を打っておるというふうなことで、事態に対する処置としてはできるだけ迅速に手を打っておるつもりでございますけれども、客観的に言いますれば、こういった通信の発達した時代であるからもう少しすみやかな手を打てぬかという御指摘は十分わかるわけでございます。私どもとしても、そういうふうなあり方について今後十分検討して対処していきたい、そういうふうに思っております。
  137. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私がお尋ねいたしたいのは、こうした新しい問題などについて常ふだんから重大な関心を持ち、アンテナも高くして全国的に情報を集めておるべきではなかったかと思うのです。その積極的体制がないように思われたものですから、そのないのは関心の度合いが低かったからか、それともあなたのほうのそうした体制が整っていなかったのか、あるいは、体制もできておった、関心も十分持っておった、にもかかわらずこの問題についてのみ不幸にして十分時間的に処理ができなかったのかどうか。これはジベ処理でありましたけれども、あるいは養蚕対策について、あるいは果樹について、あるいはその他の野菜、園芸などについて、薬剤でこのような突発的といいますか、思いもかけない事件を起こした例があったかどうかということを前提としてお伺いしたのは、それについてのかまえをお聞きしたかったからでありますが、もう一度お答えをいただきます。
  138. 森本修

    ○森本政府委員 即刻連絡をとるというふうなことは、私どもとしても決して関心がないわけでございませんで、先ほど来御指摘がございましたようなことで、農薬の問題はきわめて重要でありますので、深く関心を持って平生やっているつもりでありますが、何ぶんにも各県の地域において起こる問題でありますので、県としてもある程度の見きわめをつけた上で中央に連絡をするというふうなこともあり得るかと思うのであります。そういうこともございまして、起こった即日こちらに来るというふうなことでは必ずしもないわけでありまして、県としても、大体どういう事情で起こったかとか、あるいは程度というものはどうであるかというふうな点、若干見当をつけた上で私どものほうに連絡が来るというふうなことでございます。なお今後の連絡の方法等につましては十分迅速に行なわれるように連絡をしていきたい、こういうふうに思っております。
  139. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私がお伺いいたしたい、他にこの種の問題があったのかどうかということについてはお答えがないのでありますが、どうでありますか。
  140. 森本修

    ○森本政府委員 植物の生長剤についてこういう事件が起こった前例はございません。ただ、御案内のように、農薬につきまして、あるいは魚に対して被害があるというふうなこととか、また、農薬を使用いたしまして使用者に各種の急性的な影響があるというふうな事態が前例としてはございます。前の例によりましても、やはり、先ほど言いましたようなことで、県でほぼ見当をつけた段階で連絡が来ておるようでございます。個々の事例につきましての、発生をいたしました後何日で私どもの手元に情報が届いたかということは、いまちょっと的確に資料はございませんが、そういうふうな形になっております。
  141. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 ほかにこれほど重要な問題は起こらなかったようであります。としてみますると、これが初めての例。これからも、植物の生長促進でありますとか、あるいは生長抑制でありまするとか、その他の品質をよくするための薬剤というものは、どんどん研究し、使用さるべきだと思います。そういう時代にもうすでに入っておる。そういう時代であればあるだけ、その中心となってこれを指導し、その責任をとるべきところの農林省では、それに相応すべきかまえというものがなければならないと思うのでありますが、十分にないようであります。ことに私が残念に思うのは、この001に問題があるのだということは、先月の二十五日ごろにはすでに現地の定説になっておりました。そうして、製薬会社のほうでも、それまでは一生懸命言を左右にして逃げたい態度も見えたのでありますが、それ以来というものは、この責任は、薬そのものの成分か、もしくは混合過程における何かの手抜かりか、どっちかにありそうだということで、武田のほうでも、先ほどもお尋ねの中に出ておりましたように、山形などに対しては配った001を引き揚げたという事実もあるのです。それから、大阪地区においてはもう損害賠償のための用意までしてかかったということであります。肝心の責任ある製薬会社さえもそういう態度をとるほどに顕著に問題の焦点はしぼられてきておったのです。そういうときにおいてもなおかつ、農林省のこれに対して責任をとる中心部の動き方が、三十日に情報を受けた、今月初めに情報を受けたからということで、先ほどのお答えによりますというと、六月三日ですか四日ですか、ようやく会社に向かって調査に出かけられた、現地にきのうかおととい出かけて、まだ帰ってこないというようなことであります。こういうことであっては、こんな大きな初めての問題に対して、あまりにも手ぬるさということを、くどいようでありますけれども、私は言わざるを得ないのであります。  といいますのは、それでは困るということであります。現地ばかりではございません。果樹園芸農民などは非常に積極的な研究心を持ってがんばっております。しかし、その生産農家の積極的な生産意欲、研究心をかき立てるものは、国の対策に対する信頼感なんですね。薬などにおいてはことにそれがあらわれておる。農林省が認定しておるのだからという信頼感の上に立って自分たちの生産意欲をかき立てて、今度の場合などにおきましても、いままでジベレリン処理をしなかったところの畑にまで、ことしはということで全能力をあげてジベレリン処理の反別をふやしております。その関係で、ビニールハウスなどについても、農林省の御援助を得て、近代化資金の中でたいへんな金をかけてやっておる。そういう対策を練る基本は何かといえば、あなた方を信頼しているからなんです。あなた方の薬に対する監督なりというものを信頼してかかっておるからなんです。だから、その信頼にこたえるようなものがあってほしいと私は思うのですよ。それを裏切るようなことがあったのでは、今後、ブドウの生産家ばかりではありません。その他の果樹園芸、蔬菜の人たちだって、どんなに困惑するかわからぬと思うのです。  これに対して、この事件を契機として農政局長は今後どういう対策を基本的に練っておりますか。こうするから、この基本的な考え方については安心して信頼してくれよということを、これはどういう方法で言ってくださるか、ひとつお答えをいただきたい。
  142. 森本修

    ○森本政府委員 たいへんおしかりをいただいて恐縮をしております。私どもとしましては、先ほど御指摘がございましたように、まず事態を早期につかむというふうなことについて、できるだけ体制を固めていくということにつとめたい。それからまた、先ほど来申し上げましたように、必ずしも原因がいまの段階では十分わかっておりません。何ぶんにも化学的な製品でありますので、そういったものを究明するにいたしましても、一定の時間と手順が要るわけでございます。そういうものができるだけ早くわかるようにつとめますとともに、わかりました結果に基づきまして、先ほど来御指摘がございましたように、農薬の問題はきわめて重要な問題でございますので、農家の信頼なり期待を裏切らないように所要の対策を検討してやってまいりたいと考えております。
  143. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 私は、冒頭に申し上げましたように、実は本席をお借りして被害農家の切実な訴えを農林当局に申し上げてお願いをいたしたかったのでありますが、いま農政局長は、私がしかったかのような御発言であります。私は、しかるということではございません。できれば、新しい農薬時代を迎えた日本の果樹園芸・蔬菜農業時代に対処すべき農林省のかまえを、これを機会にしっかりと立てて置いていただきたいということをお願いするために、どうなさっておられるかということをお伺いいたしたのであります。これにつきましては政務次官のほうからでも最後にお答えをいただきたいと思うのであります。  それで、委員長、私はあまりこの問題について長く時間をかけますことは恐縮でありまするが、ただ、私どもにとりまして、ことに被害農家にとりましては、もうあすの暮らしさえも困るような状況でありまするし、借金が返せないというばかりではございませんで、今後こうした農法をとるかとらないかの重大な問題にさえぶつかっているようなときでありますから、一刻も早く強力なる有効な対策をお願いいたしたいのであります。  そこで、もう被害はすでに起きております。問題は、被害の程度がどうであるか、原因がどうであるかということを究明しながら、何とか被害農家の心配を少なからしめるというところに当面の対策のねらいがなければなりません。したがって、いまお話しのように、原因を究明して、賠償すべきものは賠償させるということであります。また、生産農家の信頼感を高めるための農林省のかまえも進めてくださるということでありまするから、ぜひひとつそれに対しまして御配慮をいただきたい。実はこれが初めてのケースなんです。初めての薬剤事件なんです。しかも全国的に起きた薬剤事件であるということをかまえの基底に置かれて、今後の日本の薬剤農業時代の出発点を誤らしめないように、心配させないような万全の策を講じていただきたい。製薬会社に対しても、私はそういう意味におけるきついひとつお達しを農林省のほうからやっていただきたいことが一つ。それから、ことしは被害を免れたとはいいながら、幸いにして免れただけであって、たまたまジベラ錠を使わなかったから免れただけであって、絶対に安心がならないという事実がここに出てきたわけですから、絶対に安心できるというようなかまえをこしらえておいてもらう、こういうことが私の願いの筋であります。これについて、政務次官、ひとつ農家を安心させるような意味における御答弁がお願いできればありがたいのでありますが、いかがでありましょう。
  144. 草野一郎平

    ○草野政府委員 非常に御心痛いただいておりますことに対して、私たちも、責任がどこにあったというようなことをいまさら申し上げることより、これに関与しておった者がすべて責任を深刻に感ずべきときである、さように思っております。何しろ、ブドウに種がないということは、人間がブドウを食べ始めてから初めてのこれは大異変であります。いわゆる高度の技術によって近代的な農業経営が行なわれる途上における突然変異以上の最大変異とさえ私は思っております。したがって、これだけの高い技術の農業経営をやるにつきましては、そこには何万分の一秒の誤差があってもいけないほどの、ちょうどロケット発射のような細密な態度がなければならぬ。その点において、何かの不注意と言っては問題があるかもしれませんが、細心の注意のどこかに一点欠けておったところがあるのでないか。こうした農政の新時代、いわんや果樹園芸の変異的な大躍進を遂げる、人間の知恵によって自然を変えていくような農業をやる時期でありますから、そこにこうした問題の起こったことは、大きな鉄槌でもあり警告でもあります。それを私たちは警告と受け取りながら、今後の問題に対してあとう限りのことをなさねばなりません。しかも、今後のこの種の果樹園芸の発達のために、これに従事していただいておりまする農民の方々に安心しながらさらに来年、再来年の生産にいそしんでいただく方法を講ずることは当然でありますが、当面の問題に対しても、またあとう限りのことをして御安心のいただけるような方法を講じたい、さように感じております。いろいろ御心配いただきましたことを、ありがたく存じます。
  145. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 何ぶんよろしくお願いいたします。  じゃ、終わります。
  146. 本名武

    ○本名委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  岸参考人には御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。     ―――――――――――――
  147. 本名武

    ○本名委員長 引き続き、農林水産業の振興に関する件について質疑の申し出がありますので、これを許します。佐々栄三郎君。
  148. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 今朝来各委員の方々から非常に御熱心に質疑がありましたブドウの農薬被害の問題につきましては、私の出身県でありまする香川県におきましても相当の被害を生じておりますので、これについても若干のお尋ねをしたいと思ったのでありますが、先ほどからたくさんの委員の方々が論ぜられましたし、私はほかに若干予定をいたしております質問がありますので、これを省略いたしまして、別の問題についてしばらくの間お尋ねをいたしたいと思うのでございます。ただ、私がこのブドウの農薬被害に関連をいたしまして非常に痛感をいたしておりますことは、いわゆる衛生行政あるいは農薬行政と申しますか、あるいは防疫、こういうような面について農林省そのものが非常に軽んじておるのでないかということであります。言うならば、これは一担当課長のミスというよりは農林省全体のこういうような方面に対する姿勢そのものの中に今度のような問題が起こった大きな原因があると私は考えておるのでございます。きょうの私の質疑は、このブドウの問題は一応別にして、実は畜産局と農政局に対し、特に農政局の中の先ほど来矢面に立っておられます植防課長に非常に関係がある問題でございまして、きょうはあなたにとっては非常な厄日というようなことになったわけでありまするが、植物防疫と動物防疫に問題をしぼりましてお尋ねをしたいと思うのであります。私は、これらの問題と先ほど来論議をされました今度のブドウの農薬被害の問題とは、農林省のこういうような問題に対する姿勢の問題として非常に大きな関係がある、こういうふうに考えておるのでございます。これが私がこの問題について質疑をいたしまする一つの立場であります。  私がきょう植物防疫と動物防疫につきましてお尋ねをいたしまするのは、この問題がこれから非常に重要な問題になってくるということを感じておるからでございます。言うまでもございませんが、貿易の自由化によりまして、外国から日本に入る動物、それから植物の数は、最近非常にふえてまいってきておることは御承知のとおりでございます。そこへもってまいりまして、この間妥結をしましたあのケネディラウンドによりまして、好むと好まざるとにかかわらず外国からこういう農畜産物が日本へ多数入ってくるということになるのは、これは言うまでもないところだと思うわけであります。こういうような情勢に対して、これらの植物や動物に付着して外国から入ってくる疫病の防止について、はたして今日農林省として十分な体制が整えられておるのかどうかということを考えてみますると、残念ながらそれができておらないように私は思うのであります。  そこで、まず私はひとつ畜産局長にお尋ねをしたいと思いますが、この間ニューカッスルが非常に流行いたしまして、このために屠殺されまたは死んだ鶏の数が実に百十七万羽というような多数の被害を出しておるわけであります。これにつきまして畜産局長は、このニューカッスルは今度外国から動物検疫所を通り抜けて日本へ入ってきたものであるか、あるいはまた、すでに入っていて定着しておったものが再発をして蔓延したものであるかということについて、科学的な根拠に基づいた答弁がおできになるかどうかということをまずお聞きしたいと思うのであります。
  149. 岡田覚夫

    ○岡田(覚)政府委員 ニューカッスルの問題でございますが、従来昭和二十六年から、終戦後わが国におきましてニューカッスル病が流行いたしたわけでございますが、当時のニューカッスル病は、ビールスの型から申し上げますとアメリカ型と称せられるものでございます。四十一年からはいわゆるアジア型と称せられるビールスの型になっておるわけでございまして、四十一年を境いにいたしましてビールスの型が非常に変わってまいっております。アジア型のニューカッスルがどのようにして入ったかということにつきましては、感染経路を追いまして原因を探求しておるわけでございますけれども、どのような形で入ったかということにつきまして的確なデータを得るには至ってないわけでございます。御承知のように、外国から入ります鶏につきましては、動物検疫で一定の期間検疫をいたしておるわけでございまして、ニューカッスルのような特に急性のものにつきましては十分な検疫をいたしておるつもりでございますけれども、今回のアジア型のニューカッスルにつきましては原因が必ずしもさだかではないわけでございます。
  150. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 私が予想をしておったような御答弁でございます。それで私は、先ほど冒頭に、今度のブドウの問題にいたしましても一課長、一局長の問題ではない、農林省の姿勢の問題である、こう申したわけです。  そこで、このニューカッスルがどういう経路で入ってきたかということがわからぬと言われますが、動物検疫の現在の体制はどうなっておるかということをお伺いしたいのであります。時間を省略いたしますために、私が調査をいたしております数字を申し上げますから、これをお認めになるかどうかということをお答えいただきたいと思います。  御承知のように、動物検疫は畜産物と生きておる動物の二つに分かれておるわけでありますが、まず畜産物について見ますと、その中の肉類は、二十八年にわずかに百十九トンであったわけであります。これが十三年を経過いたしました四十一年には十三万八千五百五十四トンになっておるのでございます。この間に実に一千一百五十倍の数量になっておるわけであります。そのほかに、皮類、骨類、毛類、こういうものもありますが、これは大体三倍くらいにふえております。それからまた、もう一つの種類であります家畜の輸入検疫状況はどうかと申しますと、初生びなが二十八年にわずかに二千七百五十羽であったものが、四十一年には実に二百六十二万一千羽が検疫所の門をくぐって入ってきておるわけであります。これは実に九百五十倍という数字でございます。そのほかに、豚が十五倍、犬が四倍、そういうふうになっておりますが、これは実数が少ないからほとんど問題にはなりませんけれども、こういうふうに、とにかく初生びなあるいは肉類というものがこんなに増加してまいってきておるのであります。  それならば、これに対応するところの動物検疫所の陣容、要員の状況はどうかというのを見てみますと、昭和二十八年に事務官が三十九人、防疫官が三十三人、合計で七十二人であったわけでありますが、これが四十一年には事務官六十人、防疫官五十六人、計百十六人ということになっております。つまり、これは二十八年に対しまして一・六一倍ということになるわけでありますが、大体これに間違いはないかどうかということをまずお尋ねしたいと思います。
  151. 岡田覚夫

    ○岡田(覚)政府委員 お話の点、間違いございません。
  152. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 その次に、植物防疫の担当の方にお伺いをいたします。  第一は木材でありますが、これは昭和二十七年に六十三万立米入っておりました。これが四十一年には千九百六十八万立米と、約三十倍にふえております。それから雑穀、これは米、麦を除いてえさと油、豆類だけを計算したわけですが、これが二十七年に四十万トン入っておりましたのが、四十一年には千百七十万トン、約二十五倍にふえておるわけです。そのほかに青果物、球根、種子等、いずれも増加しておりますが、これは省略します。  こういうような輸入物資に対しまして、植物防疫所の要員はどうかと申しますと、昭和二十七年に防疫官、職員を合わせて二百六十四人であったものが、四十一年には三百六十人、この間にふえたのがわずかに一・四倍ということになるわけでありますが、これは間違いないかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  153. 森本修

    ○森本政府委員 ほぼそのとおりでございます。
  154. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 いままでお答えをいただきましたところを総括いたしますと、動物検疫所、植物防疫所ともに、この十三、四年の間に二、三十倍から一千倍にその仕事量がふえておるわけであります。ところが、人員の点は、十三、四年の間にわずかに一倍半にしかふえておらない、こういうようなことになるわけであります。こういうようなことを見まして、私、人をふやせば能率が上がるとは必ずしも考えないわけですけれども、この数量とこの人員というものの間にはあまりにも大きな懸隔があるように思うのであります。これでは幾ら担当の課長なり所長が熱心に仕事をしようといたしましても手が回らないというのがほんとうじゃないかという気がするのですが、これらの点について、畜産局長並びに農政局長から、これをどういうふうにお考えになるかということをお答えいただきたいと思います。
  155. 岡田覚夫

    ○岡田(覚)政府委員 経済の発展につれまして防疫の事務量が増大してまいるというふうに私は思っておるわけであります。家畜の防疫はきわめて重要な問題でございますから、国内につきましてももちろんでございますけれども、輸入につきましては、特に外国からいろいろな病気が入ってくるおそれがありますので、この防遏ということは非常に重要だというふうに思っております。このために、組織だとか施設の整備というものに力を尽くしておりますし、また人員の増加もはかってまいっておりますが、今後におきましても、できるだけそういうことで進んでまいりたいというふうに考えております。
  156. 森本修

    ○森本政府委員 畜産局長が答えられましたこととほぼ同趣旨でございますが、私どもとしましても、輸入量が激増しておる、したがって植物検疫の業務が非常にふえておるということは、御指摘をまつまでもなく感じておるわけでございます。従来、そういうことに対しまして、たとえば検査を能率的にする機械を導入する、あるいは消毒の方法についてもなるべく能率的に行なえるような消毒方法に改善をする、あるいは機動力を強化いたしまして、できるだけ移動等については時間を節約するというふうなことでやっておりますけれども、何ぶんにも量的な増大が激しいということで、片方人員の増大についても許す限りの努力をはらってきておるわけでございます。ただ、実情をごらんいただいておるかと思うのでありますが、現地の植物防疫所におきましては、かなり事務あるいは検疫の業務が多くて多忙であるということも十分承知をいたしておりまして、今後人員の増強等につきましてもできる限り予算編成のつど努力をしていきたい、かように思っておるわけ  であります。
  157. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 現地の方が非常に苦労をして合理化に努力しておられるようでございますが、それにもかかわらずこのようなアンバランスが検疫業務に大きな支障を来たしておるということはお認めになると思います。私が言うまでもありませんが、この防疫業務は、抜き取り検査というものをまず前段に行ないまして、そのあとで消毒や廃棄処分、こういうようなことが行なわれる段取りになっております。私実は神戸の防疫所にも二回ほど視察にまいりまして、あちらこちら御案内をいただいて見てまいったわけですが、この消毒作業にしましても、検査の作業にいたしましても、防疫官とか職員が腰を落ちつけてじっくりと仕事をするという時間的余裕は全くないようでありまして、言うなれば忍術使いのように、ここへあらわれたかと思うと、はやもう次へ行ってしまうというような状況になっておるようでございます。これを私はひとつ政務次官にごらんをいただきたいと思うわけです。   〔佐々委員、草野政府委員に資料を示す〕
  158. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 それは神戸の植物防疫所の作業個所の配置状況を示す図面でございます。神戸では、年間に木材が四十五万立米、食糧が六十五万トン、飼料が百万トン、油類が七十一万トン、くだものが二十二万トン、豆類が十二万トン、こういうような膨大な数量のものが外国から入ってまいりますのを検査し消毒いたしておるわけでございます。これだけのことをするのにどれだけ作業場所があるかと申しますと、そこに書いてありますのをごらんいただけばおわかりのとおり、金色の紙が張ってあるのが輸出検査所でございます。防疫所は輸入のほかに輸出のほうもやっておるわけですが、その輸出検査所が十カ所あります。紺色のところが木材でありまして、これが十五カ所であります。黄緑のところが青果物の検査所で九カ所、桃色のところが携帯品の、つまり外国から持って帰る動物とか植物の携帯品の検査をするところ、これが三カ所、緑色のところが種苗の検査所、これが二カ所、赤色が雑穀の検査所で、これが八十六カ所、黄色のが、これは薫蒸倉庫でありまして八十三カ所、合計いたしまして作業場所なり倉庫が実に二百八カ所あるわけです。その二百八カ所の作業場所で仕事をしている人間は、所長以下のわずかに四十九人であります。これが全部総動員いたしましても、一人の人間が四カ所担当しなくちゃならぬわけですから、忍術使いのように、あらわれてはすぐ消えてなくなるのですね。これはもう当然のことだろうと思います。仕事の盛りの時間に事務所へまいりますと、事務所の中には課長さんがただ一人電話連絡なんかやっている。その他の人は全部現場へ出ていってしまっている。しかも、その人たちは、先ほど申しましたように、次から次へと、ここへあらわれたかと思うとあちらというふうに飛び回っておりまして、見たところ落ちついて検査や防疫に取り組んでおられない状況です。  まず初めの抜き取り検査の状況を見てみますと、バナナなんかは、これは大体一回に三万かごぐらい入るそうですか、現在では三万かごの中からわずかに十かごぐらいしか抜き取りをされておらない。農林省の告示では、これは〇・五%抜き取りをしなくちゃならぬことになっておるように承っております。三万かごの中の十かごというのは、農林省の告示にある〇・五%の十五分の一にしか当たらぬわけです。それから、米や麦は、農林省の告示というか、内規といいますか、それによりますと、これも千分の一の抜き取りをしなくちゃならぬ、また大豆は千分の三を抜き取り検査しなくちゃならぬ、こういうようになっておるわけですが、実際やっておるのは百万分の一ぐらいです。人がおらないのでできないわけです。  材木はどうか。これは大阪の港の材木の検査状況ですが、あそこには年間二百万立米の材木が入ります。約二百万本であります。その二百万本の中で八十万本の抜き取りをしなくてはならぬということになっておるようです。検査日数を、休日や雨の降る日がありますから大体年間二百日といたしますと、一日当たり四千本の検査をしなくてはならぬ。ところが、その一日当たり四千本の検査をするためにどれだけの人がおるかと申しますと、ここでは木材の担当官はわずかに二人しかおりません。そうして、その一人の人間は、これは調査をしたり帳簿を書いたり、そういう仕事をやっておりますので、実際に木材をひっくり返して穴の中を調べてみたりいろいろなことをして検査をやっている者は四千本についてわずかに一人。一人の人間が一日に四千本の検査をしなくちゃならぬということになっております。これは一本当たり一体どれだけの時間をかけておるかというと、現場への往復時間などを除いて計算をしてみますと、一本当たり三・六秒です。これは、くしゃみをしたり、あくびをしたりする時間は入っておりません。それ以上の生理的な要求を満たす時間も入れておらぬのです。そういう時間を入れますと、一本当たり一秒間ぐらいしか時間をかけておらぬ。つまり、一分間に六十本、あの輸入された大きな材木を見て、虫がついておるかどうかということを検査しなくてはならぬという、こういうことに実情はなっておるわけです。これはお考えいただいたらわかると思いますが、一体これではたして防疫ということができるかどうか、私はできぬと思う。  そうして、検査の結果不合格になったものが消毒され、あるいは廃棄されるわけですが、大体、私の聞いたところによりますと、穀物では七割ぐらい、それから木材では三割五分ぐらいが不合格になって薫蒸しなくてはならぬ率だそうです。これは相当大量のものであります。この薫蒸あるいは消毒については、防疫法の第九条によりまして、一般に与える危害を予防するためと殺虫効果を見定めるために防疫官が立会しなくてはならぬことになっておる。はたして立会ができるかというと、これがまたできておりません。そういうことのために、この防疫所の検疫網をくぐって新しい害虫がどんどんと日本へ入ってくる。それで、例年のようにあの防疫法第四章の緊急防除という措置をやっておる。これは要するに、昔、関所を破って凶悪犯人が入ってまいりますと、役人が十手取りなわでこれを追っかけ回して大騒ぎするという、そのたぐいです。毎年毎年こういうことを繰り返しておるというのが実情です。私が一番初めに、ニューカッスルの問題につきまして、はたして外国から入ったものか、従来から日本内地に潜伏していたものが再発生したものかということについて局長の答えを予想しておったと申しましたのは、こういうような検疫の状況を見ておるからです。消毒のためにはずいぶん激毒を使っておるようでありまして、そのために、専門家の検疫官が立会しておらぬとこれは非常に危険であるようであります。それが立会できないために、ここ五年間に約五十五名の中毒患者を出したということを私は聞いております。それだけでなしに、わずかの期間でこういう大量の仕事をさばいていかなくてはならない防疫所の職員の苦労というものはたいへんでありまして、過労のために公務傷病となる人が農林省の中では一番多いということを私は承っておるのでございます。  こういうような状況を見ますと、私は、この防疫業務についてほんとうにいま真剣に農林省そのものとしてお考えをいただかなくてはならぬのではないかと思います。同時に、この問題は、単に農林省の部内の問題だけでなしに、通関業務の前提としての検疫がはかどらぬと通関もしてくれないというので、輸出入業者や一般消費者までが非常に迷惑をすることになってくると思います。  そこで、こういう状態をこのまま放置しておいていいかどうかということについて、これはお二人の局長さんに答えていただくよりはひとつ政務次官にお答えをいただいたらと思います。
  159. 草野一郎平

    ○草野政府委員 神戸港の色紙の張ったのをいま拝見しましたが、これはほかのところからもそういう非常な不便を感じておるという御要請は相当受けております。私も、農林省へ行ってそういうことを聞いて、農林省の役人まる遊びをしておるのかと思ったら、これはえらい目にあっておるのだということを聞いてびっくりしているようなわけですが、一ぺんに人間をふやすということもなかなかむずかしいことでしょうから、実情に合うというまではいかぬにしても、だんだん人数をふやしていくように努力していきたいと思いますから、農林省の人間がふえるということにつきましては、そういう観点で高い御理解をいただきたい、また、われわれも努力いたしていきたい、さように考えております。
  160. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 皆さんおなかがすいたようですから、先に早う進んで早う終わりたいと思います。  ただいまの政務次官のお答えでございますが、私が承りましたところによりますと、税関のほうから、すなわち大蔵省のほうから、防疫業務を農林省から税関へ移管せよ、引き渡せという要求がいままでしばしば出たように聞いております。それから、ごく最近も、昭和四十三年度以降試験的にでもよいから税関のほうへこの仕事を引き渡せ、こういう要求が出ておると私は承っておるのでありますが、はたして事実かどうか、お伺いしたいと思います。
  161. 桧垣徳太郎

    ○桧垣政府委員 私からお答えを申し上げます。  動植物検疫というのは、昔税関業務の一環としてやられておったのでございます。これが、昭和の初めと記憶いたしておりますが、それぞれ専門の税関業務、防疫業務に分離をされて、動植物検疫は農林省所管の出先で行なうということに相なったのでございます。最近、輸出入貿易の量的な増大等がございまして、輸出入関係業界等から港湾行政の一元化をはかってほしいという陳情が行なわれました。そういうことで、港湾行政ということになりますと、農林省と税関との関係のみならず、あるいは厚生省の関係、あるいは出入国管理の問題等々があるわけでございますが、これらのことを税関長の指揮下に入れたらどうかという意見が出たことは事実でございます。ただ、私どもといたしましては、単に異質の行政を一元化するだけで業務能率が上がるとは思えない。しかも、御指摘がございましたように、動植物の検疫は、ともに税関のような机上行政では済まないものでございますから、なまじっか一カ所に集めることによってむしろ行政の停滞あるいは非能率を招くというおそれもあるということで賛成をいたしてないのでございますが、ただ、民間輸出入業界の便宜ということは官庁としては当然考慮すべきでございますから、書類の受け付け等については税関の庁舎の一部等で一つの窓口で受け付けることができるというようなことを、実験的に実施をしようということでございます。
  162. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 そこで、私がお伺いしたいのは、一体、税関なり大蔵省側が農林省に対してそういう要求をした理由は何かということです。これは考え方によればずいぶん失礼な話なんです。人のやっている仕事をこっちによこせというのですから、それ相当の理由がなければならぬと思うのですが、その理由はどういう理由でございますか。
  163. 桧垣徳太郎

    ○桧垣政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、港湾におきます輸入諸手続あるいは輸出諸手続が各省の所管に分かれ、それぞれのオフィスが相当距離のあるところに分散をしておるというようなことからすこぶる不便である、したがってこれを統一的な官庁で一元的に処理してもらうことが望ましいという民間の要請に対しまして、中核的な輸出入業務の官庁は税関であるから、税関に統合する、ないしは税関長の指揮下に置くことはどうであろうという大蔵省の言い方でございまして、要は港湾におきます輸出入の諸種の行政が民間に著しい不便を与えることなく行なわれるということが眼目でございますので、大蔵省ないし税関としても、しいて、われわれのほうがやればうまくいくんだというようなおこがましい言い方はしていないのでございます。これは今後も、本来の目的でございます輸出入手続の簡素化、便宜という点は検討を要するかと思うのでございますけれども、異質のものが合体するということについては、私どもは、ただいまのところ同調できがたいという態度をとっておるのでございます。
  164. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 そういうことでしたら、先ほど聞いておりましたからわかっております。しかし、私は、もう少しはっきり言ってもらったらどうかと思うのです。というのは、表面はそういうきれいなことばですが、その本心はどうか。検疫業務が済まぬと通関業務ができない。それでお客さんや荷主に対して非常な迷惑をかける。すなわち、こういうことを農林省のほうにまかしておいたのでは通関業務がスムースにいかないということが一つと、それから、それが結局また消費者に迷惑をかけるということ。つまり、税関側の立場と、輸出入業者や一般消費者のことを考えた場合、それから、もう一つは、農林省にまかしておいたのでは、私が先ほど言ったように、とにかく事業量が三十倍から一千倍くらいふえておるのに、人は十三、四年の間にわずかに一・四倍か一・六倍ぐらいにしかふえておらない、ふやすことができない、このようなしょうたれな農林省にまかしておいたのでは、いつまでたっても改革はようしない、それならもうおれのほうでやるからこっちへよこせというのが本心じゃないか。これは、これ以上御答弁いただかなくても、あるいは水かけ論になるかもわかりませんので、私の見解だけ申しておきたいと思います。  それから、こういう問題は皆さん御承知かどうか知らぬが、食糧事務所の人たちもやはり言っております。食糧事務所は、御承知のように、船が入りますと、穀物の品質の検査とか数量の検査、それから倉庫への収納、こういう事務をやるわけですから、税関と同じようにこの問題に大きな関係を持つわけです。この人たちがどういうことを言うておるかというと、とにかく防疫所は人が少のうて仕事も間に合わない、非常にマンマンデーでどうにもならない、こういう不平をこぼしておるのを聞いておるのです。  いろいろな事情があるかと思いますけれども、先ほど私が冒頭において申し上げたように、ケネディラウンドの妥結によって、好むと好まざるとにかかわらず農畜産物が日本へどんどん入ってくるということになりそうです。そこで、こういうような陣容をもっていたしましては、いついかなる疫病が入ってくるかもわからない。これに対して防御の体制が十分できておらない。こういうことを考えると、私はこの際農林省として十分にお考えをいただかなければならないと思うわけです。  なお、この際あわせてお伺いをしておきたいことがあります。それは、先年来臨時行政調査会におきまして、「行政機構改革答申」というので、「行政需要に応じるよう農林省は機構の改革をすべきである」、こういう答申が出ておるように承っております。これほど大蔵省が問題にし、税関あるいは消費者が迷惑をこうむり、食糧事務所の人たちまでがそういうことを言う防疫の問題について、行政調査会が知らぬはずはないと私は思う。必ずこの答申の中に防疫の問題が入っておると思うのですが、入っておるかどうか、またこれに対してどういうお考えでおられるかということをお聞きしてみたいと思います。
  165. 桧垣徳太郎

    ○桧垣政府委員 臨時行政調査会の行政改革に関する意見につきましては、共管競合事務の改革に関する意見についてというところで、動植物検疫に関する問題を取り上げておるのでございます。これは先ほどもちょっと触れました港湾における通関関連行政に関する改善案ということで言っておりまして、通関関連諸検査の能率的実施をやれということでございまして、ただいま触れました税関長に対する権限の付与というような問題、あるいは合同庁舎の設置でありますとか、担当官の増員等についての勧告をいたしておるのでございます。
  166. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 そこで、こういうような、ずいぶん多年にわたって実際の必要に対して人員が充足されない、そのために各方面が迷惑をこうむっておるというこの問題について、政務次官の御答弁によりますと、一度にはいかぬからぼちぼちやっていこうということでしたが、率直に言わしてもらうならば、農林省の内部各局あるいは外庁、こういうようなところに、一方でこの防疫所のように人がいなくて困っておるところがあるかと思うと、それとまた別の方面には、だぶついていると言うと語弊があるかもしれないが、これと比べればゆとりがあるところがあると思います。この間の配置転換というか、人事の交流というか、これがなぜ行なわれないか。私をして率直に言わしめるならば、各局庁間のセクショナリズムとでも申しますか、割拠主義があって、よそへは人をやらぬ、こういうような空気があるのではないか。しかも、大臣や政務次官はよく更迭いたします。したがって、こういうようなことにつきましてまで目が届かない。届くまでにもう次の大臣になったり次の政務次官にかわっていくというようなことになっているのではないか。それについてもう一度政務次官から、私のこういうような質問に対して、あなたがお考えになっておること、あなたの決意というものをひとつお聞かせいただけたらと思います。これは各局庁の解決できる問題ではありません。大臣、政務次官、こういうような人たちが政治的に解決しなくてはならぬ問題だと思いますので、私はその御決意をひとつ承りたいと思うわけです。
  167. 草野一郎平

    ○草野政府委員 決意と申し上げるまでに、おっしゃったとおりかもわかりません。といいますことは、一年かそこらくらいでかわってしまいますし、各役所・役所がそれぞれセクションで自己の陣地を固めてしまっておるというような関係もありますし、したがって、ただいまの税関関係のことですが、非常にたいへんな不便を感じておられるところがあるのです。これはもう事実聞いております。そこを二人ほど人間をふやすとかいうことさえも非常にむずかしいことなんですが、その反面に、ただいまおっしゃったように、全部の人間が全部それほどきりきり舞いをしておるかどうかということになると問題であろうかとも思います。したがって、これは農林省全体というよりも日本の官庁全体にも関係する問題でもありましょうが、しばしばこれは再検討する必要があるのじゃないか。よほど高い目でながめて、そして適正なる配置を考えて、みんなが忙しいときには忙しいなりに働けるようなかっこうにし、そして不便のないような形にしていくことが必要なのでありまして、せっかくそうした御忠告もいただいておりますので、農林省といたしましては、各部署、各局庁、それらのものに対する再検討をひとつやってみる、――忙しいところと忙しくないところと若干あるかもしれません。それらの問題を考えながら、御不便をかけておるところに対してはとりあえず何とかその問題を解決するようにしなければいかぬ、さように考えております。
  168. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 ただいま次官は、全部が全部きりきり舞いをしておるわけではないだろう、こう言われた。しかし、あなたは就任してまだ日が浅いと思うのですが、一ぺん横浜なり神戸なり、こういうところに行って現地の状況をごらんになったらよいと思う。みんながきりきり舞いをしておる。きりきり舞いをして仕事がさばけるならいいのですが、先ほど私が言うたとおり、忍術使いのようにあっちへあらわれたかと思うとこっちへあらわれたというようなことで、ほんとうの防疫業務というものが行なわれる体制にないということをあなたにおわかりいただかなければならぬと思うのです。そして、これを解決できるのは、大臣、政務次官、そういう政治的な立場に立っておる方、行政官でなく政治家がこの問題を解決しなくてはならぬと思います。先ほど申したとおり、行管からもああいうような勧告が出ておるような状況でありますし、ケネディラウンドの妥結によってこれからますますこの方面の仕事が多忙になってくる時期でありますので、まじめに真剣にこれを取り上げて、検討して善処していただきたい、こうお願いしておく次第です。  最後にもう一点だけ申し上げまして終わりたいと思います。  今日、日本で問題になっておる問題の一つに、都市に人口が集中して、いわゆる都市の過密化という問題、一面、これに対応するものとして、地方の過疎化と申しますか、人が少なくなる、こういう問題があります。この問題につきましては、政府のほうでも、あるいは新産都市の指定であるとか、あるいは地域の開発であるとか、いろいろ力を入れておられることはわれわれも承知をいたしておるわけです。ところが、地方で、たとえば外国から材木を輸入し、それを原料にして工場を興す――小さな町でも三百人、五百人というような人を使う合板工場をつくるということになってくると、外国から材木を原料として入れなくてはならぬ。そういうような工場を建設して、いなかで働きたい人に働く仕事場を与えるというような地域開発をする場合に、現在の防疫制度というものが非常な障害を与えておるということをこの際指摘して、善処をお願いしたいと思うわけです。  それはどういうことかというと、一言で申しますと、外国から材木等を入れるためには、その港に防疫所の出張所があるか、またはその港が特定港でなければならないのですが、防疫所の出張所を設ける、あるいは特定港として指定を受けるには一定の条件がなければならない。その中の一つの条件は、関税法による開港であるということが前提になっておる。ところが、こういうような条件を満たせるところはそうたくさんはございません。そこで、何とかしてここへ工場を建設して、外国から材木とかその他いろんなものが輸入できて、工場の資材として、原料として使えるようにしてもらいたい、そういう熱望からいろいろ要求が地方の植物防疫所のほうへまいっておるわけですが、その条件が満たされぬために応じることができない、こういうような状況になっておるわけです。  私が先ほど申し上げたように、地域の開発、いわゆる都会の人口集中に対して、農村で仕事を興し、今日の兼業農家、百姓だけで食えぬ人が仕事を求めておる、そういう人に仕事を与えるというたてまえから申しますならば、この防疫業務をもう少し時代に即応したように改めていく必要があると私は考えます。つまり、結論として一口に言うならば、防疫所の出張所やあるいは特定港というようなものを、ひとつもっと条件を緩和して、地方にもたくさんできるようにしてもらいたいと思う。それから、施行規則の十三条ただし書きの問題ですが、やはり、地元のそういうような立場と、また日本の政治の現在指向しておるところの地域の発展、こういうような政策の立場から言っても、この十三条を拡張解釈と申しますか活用して、出張所のある港や特定港でなくても輸入し検疫できるようにしてもらいたい、こう思うわけですが、これに対する御答弁をいただきたいと思います。
  169. 森本修

    ○森本政府委員 御指摘のように、いわゆる工場の地方分散あるいは地域開発といったような観点から各地に工場が建設をされるという趨勢でございまして、私どもといたしましても、そういう点から、できる限り地方のそういった産業の開発に伴う植物防疫の体制を整えていきたいということで努力はいたしておるわけでありますが、何ぶんにもそういった趨勢が御指摘のようにきわめて急激であるということで、それに応ずる体制を整備するのにきわめて苦心をしておるというのが、ざっくばらんに言いまして現状でございます。四十二年度にも特定港、指定港を合わせますと八カ所ふやすというふうなことでありますが、なお、地方の要望なり実情等を考えますと、そういった点については数をふやしていかなければならぬというようなことであろうと思います。  指定港あるいは特定港につきましての基準のお話がございました。確かにいろいろな話を私どもも現地から伺っておるわけでございますが、ただ、植物防疫といったような業務の性格からいたしますと、やはり、ある程度の量がございまして能率的に検査ができる、また、施設にいたしましても、検疫の施設が港湾において整備されておる、あるいは消毒の施設もそれに伴って整備されるといったような、検査業務に伴う一定の要件というものは設けざるを得ないということでございます。その点を御理解いただきたいと思うわけであります。  なお、十三条のただし書きの運用につきましての御意見なり御指摘がございました。法律のたてまえは十分御存じいただいておることと思うのでありますが、ただ、先ほど言いましたような実情と、それに即応する体制、あり方というふうなことを考えあわせまして、これらの点についても実態に即応した運営について今後検討していきたいと思っております。
  170. 佐々栄三郎

    ○佐々委員 ただいま農政局長から御答弁がありました。善処する、努力するというふうに私は解釈をいたします。いろいろ、防疫施設の問題であるとか設備の問題、そういう問題があります。しかし、実情を見てみますと、これは政府が全部施設をするというわけではない。問題は、やはり現在の防疫機構における定員増、人間をふやすということが問題解決の道であろうと私は考えておりますので、この点について一段の努力をいただいて、幸いにしてこういう地域開発を熱望する地元の要望におこたえくださらんことをお願いしたいと思うのですが、最後に、善処するとか努力するとかいうおことばを政務次官からいただいて、私はこれで質問を打ち切ります。
  171. 草野一郎平

    ○草野政府委員 ただいま防疫関係の人員の問題についてるるお話しいただきましたが、人員を増加するという要求については大蔵省なんかとの折衝のところで非常にむずかしいらしいのです。それでも省内でできるだけのことはやって御不便をかけないように努力しておるそうでありますが、それでもなおかつなかなかうまくいきません。今後ひとつ真剣に努力しながら、さらに、地域的な格差の是正といいますか、辺地発展のための考え方の一つとして、これにもまた努力しなければならぬ、まあ善処いたしたい、このように考えております。
  172. 本名武

    ○本名委員長 次会は、来たる十三日、十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十八分散会