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1966-04-26 第51回国会 衆議院 法務委員会 31号 公式Web版

  1. 昭和四十一年四月二十六日(火曜日)    午後二時十分開議  出席委員    委員長代理 理事 小島 徹三君    理事 上村千一郎君 理事 大竹 太郎君    理事 田村 良平君 理事 濱田 幸雄君    理事 井伊 誠一君 理事 細迫 兼光君       鍛冶 良作君    佐伯 宗義君       四宮 久吉君    千葉 三郎君       中垣 國男君    馬場 元治君       濱野 清吾君    中嶋 英夫君       横山 利秋君  出席政府委員         法務政務次官  山本 利壽君         検     事         (民事局長)  新谷 正夫君  委員外の出席者         専  門  員 高橋 勝好君     ――――――――――――― 四月二十六日  委員森下元晴君及び山口シヅエ君辞任につき、  その補欠として鍛冶良作君及び中嶋英夫君が議  長の指名で委員に選任された。 同日  委員鍛冶良作君及び中嶋英夫君辞任につき、そ  の補欠として森下元晴君及び山口シヅエ君が議  長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  連合審査会開会に関する件  借地法等の一部を改正する法律案内閣提出第  一三五号)      ――――◇―――――
  2. 小島徹三

    ○小島委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため欠席されますので、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。  この際、連合審査会開会の件についておはかりいたします。  すなわち、法務行政及び検察行政に関する件について、地方行政委員会より連合審査会開会の申し入れがあります。この申し入れを受諾し、地方行政委員会と連合審査会を開会するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小島徹三

    ○小島委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、連合審査会開会の日時は、先ほどの理事会での協議のとおり、明二十七日午後二時といたしたいと存じます。追って公報をもってお知らせいたしますので、さように御了承願います。      ――――◇―――――
  4. 小島徹三

    ○小島委員長代理 次に、借地法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大竹君。
  5. 大竹太郎

    ○大竹委員 あまり時間がございませんようですが、基本的な問題について、まず一、二お尋ねを申し上げたいと思います。  それで、いただきました資料を拝見いたしますと、第一審の民事関係の事件のうち、借地、借家の関係の事件は二〇%以上にのぼっておる。一番大きな部分を占めているということでございますが、これはやはり私考えますのに、申し上げるまでもなく、土地あるいは建物というこの不動産は、私権所有権目的物でありますと同時に、物の性質上、最高度に社会的にこれを利用しなければいけないというものの考え方に立たなければならないわけでありまして、戦後民法の第一条に特に掲げられました「私権公共福祉ニ遵フ」というこの条文が一番対象になるものだというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、宅地、建物に対する所有権その他物権については、私権としてそれ相応の法律の上において保護すると同時に、いま申し上げましたように、社会的に物の効用を高度に発揮する、そこの調整がなかなかむずかしいことから、やはり争いが非常に多くなっているというふうに考えられ、そしてまたそれを何とか少しでも現在の実情に合わせてそういう争いを少しでも少なくし、できるだけなくしようということがこの法律の大きな改正のねらいでなければならぬというふうに思うわけでございます。  そこでお聞きいたしたいのは、いままで所有権としての保護と、それから社会公共の福祉のためにこれらに関する私権というものが制限され、裁判その他の上で制限されるとでも申しますか、調整されると申しますか、そういう面が現在の法律ではうまくいかぬ、うまくいってないからこういう改正をするんだということに解してよろしいのでしょうか。どうなんでしょうか。その点をまずお聞きいたしておきたいと思います。
  6. 新谷正夫

    ○新谷政府委員 土地建物に関しまするわが国の特殊事情と申しますか、特に戦後非常にこの利用が窮屈になってくるということから、いろいろ社会的な問題にもなっておりますし、何とか国民生活をより一そう安定したものにするためには、土地なり建物、さらに借地なり借家の関係につきましてよりよい制度に持っていって、紛争をなくするということが必要であろうと思うわけであります。先ほど大竹委員のお話のように、わが国の狭い国土の中でこの土地を最高度に利用しなければならないということも、これは当然のことでございます。そうかといって、所有権所有権として私権でございますので、これを尊重しなければなりません。また一方におきまして、現在のわが国の特殊な社会情勢から考えますと、私権である所有権、その他の物権といえども、やはり公共の福祉と申しますか、そういった観点からの調整を受けることも、これはまたある程度やむを得ない問題であろうと存ずるわけであります。そうあってこそ初めてこういった深刻な借地、借家の関係の問題も解決されるのであろうと思うわけでございます。ただ現在の法制下におきましては、紛争が起きまして、当事者間の法律関係の存否についての争いまで行ってしまいまして初めて訴訟になるわけであります。裁判所のいろいろの判決例を資料で差し上げてございますが、借地条件の変更を無断でやった場合、あるいは借地上の建物を無断で第三者に譲渡したために、賃借権の譲渡全体が無断で行なわれる、こういった問題が起きました後にその法律関係がどうなるか、貸し主の側からいたしますれば、これを解除して戻せという要求になってまいるわけであります。しかしながら、一方では土地の最高度の利用ということも必要でございますので、その辺に何らかの調整を加えることを考える必要があるのではあるまいか、かように考えられるわけであります。これを従前のような訴訟の形にいたしますと、法律関係がすでにあるかないかというところに争点が集中いたしまして、そこまでまいりますと、これはまさに法律上の紛争でございますので、一般の訴訟によって解決するほかはないわけでありますけれども、こういった事件が、現在の訴訟事件の中でも占める割合が非常に多いわけでございます。何とかこういった紛争をなくして、紛争をあらかじめ予防できるものなら予防し、しかも借り主と貸し主との間の利害の調整も十分にはかっていく方法がとれますならば、土地の利用も一期待できるのではあるまいか、こういう観点に立ちまして、今回の借地法等の一部を改正する法律案を提案いたすに至ったわけでございます。お説のとおり私権ではありますけれども、やはりそのときどきの社会情勢にこれがマッチするものでなければなりませんので、そういう意味で土地を合理的に利用するという目的のために、いろいろの措置を講じた次第でございます。
  7. 大竹太郎

    ○大竹委員 次にお聞きしたいのは、この提案理由の説明を拝見いたしますと、終わりのほうに、「現行の法律制度を実情に即して改める必要がある」、こう書いてあるわけでございますが、もちろんいまの御説明で、今度の改正案というものは一応わかるのでありますが、私はやはり現在の借地、借家の紛争を解決するためには、ただ今度の改正案だけではだめなのであって、たとえば家賃地代統制令とか、そのほか宅地造成法、いろいろ関係あると思うのでありますが、それらの法律もあわせてやはり改正しないとうまくいかないのじゃないかと思いますが、それらの点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  8. 新谷正夫

    ○新谷政府委員 現在の土地の利用を最高度にやっていくというふうな観点から考えますならば、確かにお説のように、単なる借地法の部分改正のみでこれができ上がるものではございません。現在の実情に即するように、もろもろの施策を総合いたしまして、初めてこれはなし得る問題でございます。考え方といたしましては、このように当事者間の法律関係を規制する借地法なり借家法の改正によりまして、その間の利害の調整をはかって、法律関係を合理的にしていくということがまず必要でございますが、そのほかに、こういった私法の関係のみではなくて、公法上の措置も確かに必要でございます。狭い国土を利用するために、単なる借地法、借家法のみで、その目的が達成できるものではございません。したがいまして、宅地造成に関するもろもろの施策、あるいは地価に関する施策、さらに現在ございます地代家賃統制令をどうするかという問題も、これは総合的に検討をする必要はあるものと考えるわけでございます。政府としましても、それらの点についていろいろの施策をとりつつあるわけでございますが、法務省の所管といたしましてなし得ます最小限度のことと申しますと、この私法の関係における法規を整備いたしまして、当事者間の紛争を防止し、土地が合理的に利用できるような方向へ持っていくということを考えたわけでございます。
  9. 大竹太郎

    ○大竹委員 いま一つ、今度の法律に関して問題になりますことは、もちろん紛争が起きる前に、今度の非訟事件による解決ということは非常に望ましいことであるわけでありますが、しかし、現在でもこれらの土地、建物についての紛争については、解決の方法があるわけでありまして、たとえば調停によりますとか、また、場合によっては訴訟によるという問題があるわけでありまして、ことにこの調停――いままでは大部分調停によって解決されている部分が多いと思うのでありますが、そういうようなことから考えますと、今度の改正はいわゆる屋上屋を架するものじゃないかという批判もないわけではないわけでありますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。
  10. 新谷正夫

    ○新谷政府委員 確かに土地、建物に関しまする法律上の紛争につきましては、調停和解の方法もございますし、また、訴訟によって解決するという方法もございます。しかし、これらはいずれもすでに当事者の間におきまして法律関係の存否について争いが生じたあとの解決方法でございます。たとえば、無断で借地条件を変更して借り主が独断的行為に出ましたために、貸し主のほうで契約解除した、しかし借り主のほうは、いや、その解除無効であるということから争いが起きまして、賃貸借関係があるかないかということに争いが向けられておるわけでございます。そのようなことは、むろん訴訟、あるいは調停和解で解決すべき筋合いのものでございますけれども、今底の改正によって考えておりますところは、そのような法律上の紛争に至ります前の段階で、何とか円満にこういった問題を解決する方法はあるまいかということで、紛争の予防ということを考えまして、特殊な場合に、非訟事件手続法によって、裁判所公権的な関与によって法律関係を形成、確保していくという措置を講じたわけでございます。したがいまして、従来の訴訟等によって解決されておりました方法とは趣を異にいたしますので、そのねらいどころもまた従来の紛争とは違うところにございますので、両者相待って、借地、借家関係の法律関係についてのいろいろの問題が解消されていく、このようになることを期待しておる次第でございます。
  11. 大竹太郎

    ○大竹委員 二時三十分から本会議が開くそうでありますので、この程度にとどめまして、次に続行させていただきたいと思います。
  12. 小島徹三

    ○小島委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十七分散会