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1966-06-22 第51回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和四十一年六月二十二日(水曜日)    午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 小笠 公韶君    理事 木村 俊夫君 理事 倉成  正君    理事 舘林三喜男君 理事 井岡 大治君    理事 兒玉 末男君 理事 村山 喜一君       小渕 恵三君    海部 俊樹君       竹内 黎一君    床次 徳二君       藤尾 正行君    伊藤よし子君       玉置 一徳君  出席国務大臣         国 務 大 臣 藤山愛一郎君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁国         民生活局長)  中西 一郎君  委員外の出席者         議     員 堀  昌雄君         議     員 春日 一幸君         農 林 技 官         (食糧庁総務部         長)      田中  勉君         農林事務官         (食糧庁経理部         長)      三浦 善郎君     ――――――――――――― 六月二十日  物価値上げ反対等に関する請願(林百郎君紹  介)(第五六三五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月十六日  物価安定に関する陳情書(山梨県議会議長中村  太郎)(第五六九号)  公共料金等引上げ反対に関する陳情書(滝川市  議会議長中島正雄)(第五七〇号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  消費者基本法案(春日一幸君外一名提出、衆法  第一六号)  物価安定緊急措置法案(堀昌雄君外二十四名提  出、衆法第四四号)  物価問題等に関する件  物価の安定に関する件      ――――◇―――――
  2. 小笠公韶

    ○小笠委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。児玉君。
  3. 兒玉末男

    ○兒玉委員 経済企画庁長官にまずお伺いしたいのでありますけれども、これは長官の諮問機関でございます物価問題懇談会が、さきに米価問題について意見書を出されたわけであります。この内容を見ておりますと、大体米価問題については、経済全体の立場から考えるべきであって、ただ単に米価だけに物価抑制のほこ先を向けるということは、決して公平妥当じゃないのじゃないか。と申しますのは、今日の物価値上がりの基本的な要因というものを考えてみますと、いままでのこの委員会でもそれぞれ質疑を通じて明らかにされましたが、今日までの経済の高度成長政策そのものに胚胎しており、しかも、過度の設備投資並びにそれに必要な信用通貨の膨張に基づく一つの上昇要因、さらには、日本経済の二重構造に基づく人手不足、あるいは労賃上昇等の構造問題に基因するコスト上昇、こういう点から考えますと、この意見書というものが、物価上昇の主因が農産物価格の上昇、特に米価引き上げに最大の要因があるような印象を国民大衆に植えつけてしまう。しかし、生産農民としても今日の諸物価の値上がり、肥料、農機具等、そしてまた労力不足に基づくところのいわゆる労働者の、生産に従事する人たちの人手不足から、高い賃金を払って農業生産に従事している。こういう点等から考えますと、やはりその前に、本年度は軒並みに各種公共料金の値上げ、あるいは大企業の管理価格等というものが、最近ようやく公取等からも問題にされておりますけれども、こういうものと並列的に考えていくべきじゃないか。この点について特に私は、この物価問題懇談会が、いわゆる生産米価をこういう形で抑制するということは、非常に理解しがたいわけですが、長官に対して、この意見書に対しての御所見を承りたいと思います。
  4. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 今日の物価問題が起こりましたのは、いま児玉委員のお話のありましたように、構造上の諸種の問題から一般的に起こってきたのでありまして、米価そのものもその範疇から除かれておる問題ではございません。したがいまして、農業の構造改革なりあるいは生産性の向上なりにつとめていくことによって労働賃金の吸収をするというようなことが、過去において必ずしも十分でなかったという点にも相当な問題がございます。物価問題懇談会のこの政府に対する建議も、そういうこと自体が前提になっておると私は思うのでありまして、各種の問題を取り上げられて、それぞれ新たなる観点に立って問題の提起をされておりますけれども、それは、いずれもやはり今日の、いわゆる過去における高度成長から来るゆがみが基本的な問題であるということの認識においては、私は、委員各位が同じような認識を持っておられて、そして個々の問題の取り扱いに当たっておられると思います。総括的には、まだはっきり私どもも御趣旨を承っておりませんが、最終的には、そういう一般の、広い経済基盤の問題について触れられるというような委員各位の気持ちがあるようでございます。したがって、私自身もそういうふうに考えておるのでございますが、ただ米価問題については、特に今日までいろいろ問題になっておるような点を率直、忌憚なく指摘された、そうして各方面の論議の上に立って問題の解決をはかっていったらどうだろうという趣旨で建議をされたように、私どもその場の空気を拝聴しておりましてそう感じております。
  5. 兒玉末男

    ○兒玉委員 最終的に、消費者価格等の問題については長官の御所見を承りたいと存じますが、本日は食糧庁からもおいでになっておりますので、この際、消費者米価との関連もありますので、米の問題について若干お聞きしたいと存じます。  現在、私たちが聞き及んでいるところでは、本年度の米の需給関係から、大体九十万トン以上の外米の輸入をしなければいけない、こういうふうに聞いておりますが、このように国内における食糧の需給体制が、外米に依存をしなければいけないような状態になってきた要因はどこにあるのか。この需給関係、その点について食糧庁の御見解を承りたいと思います。
  6. 田中勉

    ○田中説明員 お尋ねの件でございますが、昨年から本年にかけまして、御指摘のように外米の輸入が九十万トン台にのぼっておることも事実でございます。ここ二、三年来の国内の米の生産の状況を申し上げますと、大体昨年、一昨年と二カ年ぐらいが平年作を下回っておるわけでございまして、最近の平年作を千二百八十万トン程度ということで見ますと、一昨年の場合にすでに二十数万トン平年作を下回っておる。また、昨年の場合におきましては、約四十万トンから五十万トン近く平年作を下回っておるというような点からいたしまして、先ほどのような輸入量で、この一年間において約八十万トンないし九十万トン台にのぼっておるのが現状でございます。  この生産の停滞の原因を見ますと、ここ二、三年の生産状況は、国内の気象条件等による原因が大きいと思うのでございます。しかしまた、この数年間見ますと、昭和三十年ごろからかなり生産性が向上いたしたわけでございます。農薬による防除の発展とか、品種改良、その他技術の非常な高度化というようなことにささえられまして、昭和三十年以降三十七、八年ごろまでは、生産性が向上してまいってきておるわけでございます。大体、ここ二、三年の状況を申しますと、技術水準の浸透もほぼ一巡をしてまいっておることも事実でございますし、また、農村の労働力がここ数年間、御案内のように急速に減少しておるというようなことも、基調的にはやはり米の生産の停滞ということにも関連していると思うのでございます。先ほどの八十万トンないし九十万トンの輸入量の規模は、大きくは、ここ一、二年の国内の作況によりましての減産に基づく輸入量の増大ということだと私ども理解しておるわけでございます。
  7. 兒玉末男

    ○兒玉委員 部長にお伺いしたいのでありますが、この食糧庁の統計による外米の輸入状況というものを見ますと、三十九米穀年度から四十米穀年度にかけて、非常に急激に輸入がふえております。私は、やはり外米の輸入といいますか、世界の供給量というものは、そう無制限に期待はできないと思う。また、現在これだけの外米を輸入されるためには相当の外貨を払っている。農産物の輸入は約七千億ですか、その総輸入額の二四%近くを占めているわけですが、そういう点等から考えると同時に、現在輸入先というものを見ますと、比較的後進国といいますか、国民所得の低い地域から輸入しております。しかし、こういう状態がいつまでも続いて――安い米を外国から輸入しろという検討が、この前の物価問題懇談会の中でもやられておりますが、こういうふうな将来輸入に期待することももちろん必要でしょうけれども、国内の自給度を高めていくことが私は基本線ではないかと思うのですが、この点に対してどういう御所見かお伺いしたいと思います。
  8. 田中勉

    ○田中説明員 大臣からお答えするのが適当かと思うわけでございますが、農林省といたしましては、国内米というものが国民の嗜好に合致しているわけでもございますので、長期的には、生産性の向上をはかって国内の自給体制を進めていくという方向で、各種各般の生産対策を進めているところでございます。いま御指摘がございましたように、輸入地域等におきましてもかなり広範囲にわたっております。東南アジアはもちろんでございますが、台湾、アメリカ、それから中共、こういう地帯から準内地米の輸入を計画いたしているわけでございまして、もちろん海外の事情にそのままたよることも、将来的には量的におのずから限界のある問題でもございます。また、輸入の外貨等の問題から見ましても、御指摘のようなことがあるわけでございます。農林省といたしましては、もちろん国内米の生産というものをやはり国内需給の基調に置きまして、長期的には自給体制の確立をはかっていきたい、こういうことでやっておるわけでございます。  そこで、いま生産対策として特に私ども考えておりますし、またやっておりますことは、どうしても土地の生産性を高めることが必要であるわけでございまして、従来から優良品種の育成とか、あるいは種子の対策、地力保全の対策、また病虫害の防除というような対策を実施してまいったわけでございます。それから、労働の生産性をやはり改善をしていかなければならぬというようなことからいたしまして、土地基盤の整備、また農業機械化の促進、また大規模営農方式の導入というようなことを今日までやってきたのでございますが、最近におきましては、都市近郊等におきましての労働力の減少、栽培管理の粗放化というようなことが目についてきておるわけでございますので、今後におきましては、特に労働生産性の向上はもちろんでございますが、反収の増加、それから品質の改良、先ほども申し上げましたように、品種等いろいろな技術が一巡をしておるような現段階にもあるわけでございますが、特にこの際は、今後におきましては品質の改良、生産性の向上に重点を置きまして、高能率、高反収の経営の育成を通じて、国内の需要に見合った生産量の確保につとめてまいるという考え方を持っているわけでございます。そのためには、従来のような画一的な生産対策ではなくして、個別技術のみならず集団技術の普及というようなことを導入いたしまして、土地の生産力の積極的な増進、用排水の合理的な管理というようなことを考えておるわけでございます。  今後におきましては、特に生産基盤の基本的な環境の改善対策を強力に推進してまいるとともに、新しい技術の意欲的な導入をはかる必要があろうということでございまして、本年度からは、特に土壌の診断事業、また圃場整備の地区改善、稲作総合改善集約指導事業というようなものを実施する考えでございます。
  9. 兒玉末男

    ○兒玉委員 いまの答弁の中でわかりましたが、大体そのような施策を通じて、国内における一〇〇%の自給は不可能にしましても、昭和三十四、五年当時の状態まで、大体どの程度の年次で持っていく見通しがあるのか、この点ただしておきたいと思いますが、御所見を承りたいと思います。
  10. 田中勉

    ○田中説明員 三十五、六年ごろと申しますと、三十五年は史上第二の豊作に近い形になっておるわけであります。当時の輸入規模が、大体十五ないし二十万トンくらいであります。今後、先ほど申しましたこれらの施策がどのテンポで実を結んでまいりますか、これは実行に移っていく過程においてそれが実現されていくわけでございますので、いま直ちに今後何年というようなことで、大体のめどで三十五、六年ごろの状態が実現するということを確言するわけにもまいらぬわけでございますが、極力それらのテンポを早めて現在のような状態から脱却してまいりたい、こういう考えを持っておるわけでございます。
  11. 兒玉末男

    ○兒玉委員 次に、現在の米価問題策定にあたって、非常に新聞紙上の論争の焦点になっております食管の赤字の問題でございますけれども、この点、特に今年度の米価問題で、いま米審においてそれぞれ作業を進めていると思うのですが、今後の食管の赤字対策というものを、食糧庁としてはどういうふうに対処していく考えなのか、この点について御所見を承りたいと思います。
  12. 田中勉

    ○田中説明員 ことしの予算におきましての食管会計の国内米の赤字は、千三百五十六億円ということになっておるわけでございます。その内容は、あるいは御案内かと思いますが、国内米の生産価格と政府の売り渡し価格、売買差損として六百八億円、その他合計で千三百五十六億円、そういうことになっているわけでございます。ことしの生産者米価は、この月末から来月にかけまして米価審議会で御審議をいただきまして、政府として生産者米価を決定していくわけでございますが、ことしの生産者米価につきましては、まだ確たる資料が整備されておりませんので、どの程度の値上がりになるかというようなことは、ここで申し上げるわけにもまいらぬわけでございますが、いずれにいたしましても、現在の生産者米価の立て方が、生産費及び所得補償方式になっているわけでございます。この算定の内容といたしましては、物価、賃金の動向、それから生産性の動向というようなことが、この生産費所得補償方式の算定の内容になっているわけでございますので、この点からいたしましても、生産者米価がある程度上がっていくということは事実だろうと思うのでございます。その値上がりした結果によりまして、財政の赤字というものが、先ほど申し上げました本年度の千三百五十六億円に上乗せになっていくということになるわけでございます。その規模がどの程度になるかということは、一にかかって生産者米価がどうきまるかということによってきまっていくわけでございます。  そこで、この財政負担というようなことを農林省としてどう考えていくか、また、どういう対策を考えるか、こういうことでございますが、これは、生産者米価の値上がり幅の額いかんにもよる問題でございますので、いまからこうするのだというような対策はないわけでございますが、生産者米価が決定いたしました暁におきまして、よく財政当局とも協議の上、これらの措置について考えてまいる、こういう考えをとっているわけでございます。
  13. 兒玉末男

    ○兒玉委員 食糧庁のこの資料の国内米の政府経費の推移というものによりますと、この中で金利というのがございます。これは、おそらく食糧証券に対するところの金利だと思うのですが、政府の管理している米穀需給関係の表から見ますと、大体昭和三十六年は五百三十六万五千トンが内地米の政府買い入れ、この推移をずっと見てまいりますと、四十一年度の計画によりますと六百四十二万トンが一応政府の買い入れ計画になっておるようであります。四十年度が六百八十万トン、この買い入れ推移というものを見てまいりますと、大体本年度で二割そこそこの買い入れ増でございます。ところが、この金利というものを見てまいりますと、昭和三十五年が百六億、三十六年が六十四億と大体ずっと推移して、三十九年が百六億、四十年度の見込み百九十億、四十一年度の予算では二百七億と、こういうふうに、政府の買い入れている米の数量に比較して金利が倍近くも高くなっておることは、どうも私理解に苦しむわけですが、これは一体どういうふうなからくりになっておるのか、この点お聞きしたいと思います。
  14. 三浦善郎

    ○三浦説明員 ただいまの食管の特別会計の金利負担の問題でございますが、これは先生ただいまおっしゃいましたように、食糧証券の発行に伴う金利の負担になっておるわけでございます。それでこの金利の負担は、もちろん買い入れの数量とかあるいは保管の期間の問題とかいうようなことで、運用に伴う食糧証券の発行残高の大きさに見合う問題でございますが、その場合に、食糧庁といたしましてはなるべく金利負担の軽減をはかるたてまえから、国庫余裕金の運用ができる場合には可能な限り国庫余裕金を繰り入れて、それで金利の負担の軽減をはかることといたしておるわけでございます。この国庫余裕金の利用率が、具体的に申し上げますと、たとえば三十九年では大体二二・五%ぐらいであったわけでございますが、これが四十年度の決算では、大体七%ぐらいになるのではなかろうか。つまり、非常に余裕金の利用率が落ちてまいっておるわけでございます。ことに、これが四十一年度になりますと、国債を発行しておるというような今日の財政の状況から見まして、現在のところ余裕金の利用があまり期待できないというような状況になっております。そういうような関係で、食管の金利負担額が増加しておるかっこうになっておるというような次第でございます。
  15. 兒玉末男

    ○兒玉委員 私は、この食管の赤字というのは、常に米価引き上げ抑制の原因になり、あるいは国民の税金が、不当に農家だけ保護するために使われているといわれているけれども、いま指摘いたしました金利の問題等については、少なくとも米というものは、国民の大体七〇%近くが米に依存しておるわけです。そういう点から考えますならば、むしろ国庫余裕金等は優先的にこういう食糧証券のほうへ回して、少なくとも二百億という膨大な金利の負担は、むしろ軽減するほうにこそ努力すべきだと私は思うのでありますが、この点は、特に企画庁長官にもお伺いをしたいわけなんですけれども、今後のいわゆる消費者米価の引き上げの一つの大きな要因になっておるという点から判断した場合に、長官並びに大蔵省当局としても、やはり金利の低減あるいは国庫余裕金の積極的な振り向け、こういう点に配慮すべきだと私は思うのですが、このようなものに対する御所見を承りたいと思うのであります。
  16. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 食管会計の問題については、いろいろな問題があろうと思います。そこで、いまお話の金利の問題についても、できるだけこれを軽減して食管赤字を少なくしていくということは、これは当然やらなければならぬ。したがって、いわゆる国庫の余裕金をできるだけ活用するというようなことを特に大幅に考えていくというようなことは、当然今後とも考えていかなければならないことでありまして、むろん政府あるいは大蔵大臣としても、それに対して努力しておられるでしょうし、いたずらに食管赤字がふえていくということを望んでおられるわけじゃないと思います。したがって、そういう意味で、今後とも十分な検討を加えながら努力していくということは非常に必要なことだと思うのでありまして、そういう面について政府が力を入れていかなければならないということは御同感でございます。
  17. 三浦善郎

    ○三浦説明員 食糧庁のほうといたしましても、ただいま御指摘のございましたように、金利負担というのはできるだけ節減をはかっていくということ、これはたてまえとして当然努力いたさなければならない問題でもございますので、絶えず大蔵省の当局とも連絡をとりまして、可能な限りの資金の活用をはかってまいるということで進めてまいりたいと思っております。
  18. 兒玉末男

    ○兒玉委員 次に、この食管の赤字の問題で、たとえば保管料とかあるいは運賃、こういうもの等が、総計で約二百二十億というかなりな数字を示しております。私は、この前この委員会でも指摘したわけでありますけれども、やはり現在のお米の保管の形態にしましても、いわゆるかますに一つ一つ入れて保管している。こういうような保管の形態なり、あるいは輸送等についても、パラ積みの輸送等がほかの企業においては相当行なわれて、そうして経費の節減が相当なされておるわけですが、このようないわゆる貯蔵方式の合理化なり輸送体制の改善ということにおいて、この赤字の内容というものが相当解消されていくんじゃなかろうかと私は思うのですが、それに対してはどういうふうな将来の構想を持っているのか、明らかにしていただきたいと思います。
  19. 田中勉

    ○田中説明員 中間経費の中の現実に特に大きな費目をなすものが、運賃、保管料ということになっているわけでございます。これはやはり政府が米を管理する以上は、当然に保管場所で政府がこれを保管し、また配給責任を政府が負うているわけでございますので、その配給操作上、生産地と消費地との間において政府みずからがこれを運送する、こういうことでございますので、これらの経費の合理化なり節減方法につきましては、私どもも従来とも努力を続けているわけでございます。ただいま御指摘ございましたように、農村の生産の近代化等に伴いまして、農村におきましては、例のカントリーエレベーターあるいはライスセンターというような大型なお米の保管あるいは調製、売り渡し体制というような設備がかなり普及してまいりました。そうなりますると、相当大量のものがバラ扱いができるというような条件が逐次農村にも出てきているわけでございます。こういうものに対応いたしまして、たとえば保管をどうするかということになりますると、いま農村にはカントリーエレベーター、これはもう二年間農林省も補助を出して整備しつつあるわけでございます。こういうものが進展してまいりますると、当然にそこからバラ扱いというような問題も出てくるわけであります。バラ扱い等に対しましては、これに伴う輸送体制をどうするか、また消費地における受け入れ体制をどうするかというようなことが当然に付随してくるわけでございます。こういう面においての今後の近代化の方向について、私ども努力をしてまいりたい。またそうすることによりまして、たとえば輸送賃等におきましては包装込みのままで運賃を支払うというようなことで、それはバラだけの運賃で済むわけでございますので、農村のそういう生産体制の近代化と相まちまして、輸送並びに消費地の受け入れ体制というようなものの改善をはかってまいりたいと思っておるわけでございます。これは、米についてはまだそこまでいっておりませんけれども、御参考までに申し上げますと、外麦の輸入をいたしましたものにつきましては、現在、港におきましてバラ保管をするケースが非常に多くなっておるわけでございます。こういうものを海岸から奥地のほうに運びます場合には、従来ならばこれをさらに袋に詰めまして、そうして貨車輸送をしておったということでございますが、最近、国鉄当局ともいろいろこれらの輸送体制についての近代化の話を進めまして、パラ貨車輸送というようなことによりまして大幅に経費の節減をはかることが可能でございますので、この辺はすでに実施の段階に移っておることも御参考までに申し上げておきます。
  20. 兒玉末男

    ○兒玉委員 そこで、長官にお伺いしたいわけですけれども、いままで説明を聞いておりますと、あるいは生産者価格、それから二重価格制による消費者への売り渡し価格というものの内容を分析してみますと、千三百五十六億のうちに、いま説明のあった運賃、保管、事務あるいは金利、集荷経費、こういうように国の政策上の一般の経費というものが七百四十八億予定をされておるわけであります。ですから、実質的には米そのものの価格の差というものは六百億そこそこであります。こういう点から第一点考えなければいけないし、さらにまた、食糧管理法が昭和十七年に制定されて以来今日まで、やはり生産農民にとっては生産費を補償する形で価格が維持され、また消費者については、米の買いあさり等を通じての米価の暴騰を防ぎ、常に需給の安定、価格の安定という面から果たしてきた役割りは非常に大きいと私は思うのです。しかもまた食糧管理法の第三条の二項に、「前項ノ場合ニ於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」、それから第四条の二項は、「前項ノ場合ニ於ケル政府の売渡ノ価格ハ政令ソ定ムル所ニ依リ家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」というように、その決定の基準というものが、全く異なった立場から明確に規定されておるわけです。そういう点から考えますと、先般の物価問題懇談会では、いわゆる消費者への影響は非常に大きいのでこの際抑制すべきだ、こういうことを言っております。ところが、本年一月の消費者米価の引き上げに対する政府の方向というものは、米が少々上がったところで国民生活に与える影響はきわめて少ないという逆の立場で消費者米価引き上げを国民に肯定させて、今度はうらはらに、消費者米価が上がるのはいけないから生産者米価も極力抑制すべきだ。この点は、特に長官が物価担当の責任者として考えて非常に矛盾した表現ではないかと思うのですが、これらの食糧管理制度がもたらした功罪ということと、それから、今後やはり食管制度をあくまで堅持すべきである、こういうように考えるわけですけれども、これらの点について長官の御意見を承りたいと存じます。
  21. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 結論的に申し上げれば、食管制度は現在においては維持すべきものだと私は考えます。そこで、食管の関係の中で合理化できるものは極力合理化をして、その経費の節減をしていかなければならぬこと、これまた当然のことでございまして、その点について政府も力を入れて、食管赤字における経費分、あるいはいまお話の利子分というものについて、できるだけそれを軽減していくということは当然やってまいらなければならないと思います。同時に、問題は、要するにこの赤字を税金で埋めるか、あるいは消費者がある程度分担するかというところに帰すると思います。したがって、原則から申せば、こういう点は消費者それぞれ個々の立場もございますけれども、経費をある程度消費者が分担することも、原則的には私は可能なことだと思います。しかし同時に、それらの税金で補てんさるべき赤字というものを社会政策的な意味に使って欠を補っていく、原則的にはそういう考え方もあり得ると思うのでありまして、それらについては、われわれも今後とも努力していかなければならぬ点だと思います。ただしかし、それではすべてをいかなる時期においても消費者に分担してもらうかということになりますと、やはりこれはそのときの経済状況あるいは国民生活の状況等によりまして考えていかなければならぬことで、こうした問題こそ、やはり原則的には、経済政策あるいは社会政策の大きな観点の上に立って、そのときの時点において判断をしていくべき問題ではないか、私はこう考えております。  そういうことでございますから、われわれといたしましても、米価の問題を、生産者は生産費所得補償方式でもってやって、十分農家の経営が成り立つようにするとともに、消費者が、そのために分担し得るものと分担し得なくなるものとあるという問題を十分に考慮していかなければならぬのじゃないか、かように考えておるのでございまして、そういう場合におきまして、やはり財政事情等も考慮に入れるということも、これまた考えていかなければならぬ点でございます。ですから私は、現状において、これを画一的にどちらかの方針でもってきめちゃって、その方針どおりに必ず進むのだということは、もっと日本の経済が安定して、そうしてある程度規則正しく運営されていくというような状況になりました場合には、一つの方針が貫けると思いますけれども、現状では、必ずしも私はそういうわけには参らぬと思います。したがって、食管の中におきます問題につきましても、原則として消費者の家計等を勘案しなければなりませんので、その範囲を越えて、かりに上げる場合でも上げるわけにはいかぬ、そうすれば、その分は政府が補給していかなければならぬということにも相なるわけでありまして、現在のような流動的な経済の体制におきましては、やはりそのときどきの実情に応じて、これらのものを勘案しながら、適当に国民生活への影響というものを考えながらやっていくのが適当ではないか、そうして食管制度は、今日いまなお堅持していくのが適当じゃないか、こういうように私は考えております。
  22. 兒玉末男

    ○兒玉委員 時間がないので、あと二点にしぼって御質問したいと思いますが、とにかくわれわれとしては、現在、何といっても国民生活の中を通じて米に依存する度合いというものは高いわけであります。それで現在の、たとえば税制等にしましても、大企業には大体かれこれ一兆円近くも減税の特別措置をやって恩恵を与えている。しかも本年度の予算は、七千億をこえる赤字公債まで発行して総体的なバランスをとっているという点から考えますと、実質的に米の売り買いにおける赤字が、新聞等でいう千三百億というのは、実際ほんとうは、私は六百億そこそこだと思う。こういう点から考えますならば、少なくとも今日六千五百万人近い人たちがすべて米食に依存している点から考えますならば、この消費者米価の引き上げが与える影響といのはきわめて大きいと私は思うのであります。どうしてもこの点は、長官が物価担当の最高責任者として、はっきり消費者米価の引き上げはやるべきじゃない、私はこういう御言明をいただきたい。  次に、これは若干問題が違いますけれども、時間がないのでまとめて御質問申し上げますけれども、これは先般野菜の生産出荷安定法案が出された際に、ぜひ長官にもお聞きしたかったわけですけれども、去る五月六日の閣議において、特に生鮮食料品の価格抑制のため流通部門の改善、あるいは生鮮食料品対策協議会等においても、輸送手段の改善、あるいは魚類などの冷凍の奨励、あるいは東京都の卸売り市場の増設、標準売り場の設定、こういうこと等が決定されております。同時にまた、行政管理庁が五月二十七日に、「生鮮食料品の生産および流通に関する行政監察」の結果について発表され、農林省に対しては勧告、さらにまた経済企画庁あるいは科学技術庁、運輸省等に対しましても、それぞれこの勧告に基づく要請がなされておりますが、中でも流通部門の改革ということは、今日の物価政策上きわめて重大な課題であります。これらの点について、担当長官として今後どのような施策を進めようとしておるのか、この点についてまとめて御質問申し上げたいと思います。
  23. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 本年の消費者米価をいかにするかということでございますが、これは私どもも非常に注意しておるのですが、たとえば、軽々に消費者米価を上げないという発言をすると、そういうことのために生産者米価を押えるのじゃないかというような印象を与えてもいけない。適当な生産者米価の算定方式によって、いまいわれております政治加算というものはなるべくやめていかなければなりませんけれども、そういうものについて私どもしいて押えようという考え方ではございません。ところが、消費者米価を押えるということになれば、すぐ生産者米価もそれに見合って押えてしまうのだという感触を持たれますといけませんから、私は、しいて発言を実は控えておるのでございます。いま物価問題を扱っております私の立場から言えば、そういうことを別にして、本年消費者米価を上げますことは、その金額の多寡にもよろうかと思いますけれども、私どもとしては、物価問題に影響する点が非常に多いのですから、できるだけ消費者米価が上がらないように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておるのでございます。  それから、第二の生鮮食料品の問題でございますが、生鮮食料品の価格を安定させてまいらなければならぬことは、これは生産面と流通面と両方ございまして、生産面については、現在、農林省が非常な努力をして、指定生産地その他の問題も取り上げておられますし、予算措置も、十分ではないかもしれませんけれども、ある程度ついております。ところが、問題は、流通過程の問題が実は必ずしもまだ十分手がついておらぬということで、その面について、もう少し積極的に問題の解決をはかっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。したがいまして、行政管理庁の勧告等いずれも要点をついた問題がございますので、われわれとしては、行政管理庁の勧告等について十分各省と協力しながら推進してまいりますと同時に、企画庁自身としても、物価問題の見地から、流通過程、輸送から始まりまして市場の改善、さらに販売経路の調整というような問題について、積極的にこれから取り組んでまいらなければならぬのでございまして、それらの問題につきましては、ただいま各省と案をつくりながら、実際に一日も早く具体的な手を打っていくという方向に進めてまいりますように努力をいたしておるわけでございます。生産対策と流通対策とが相互に進んでまいりまして、初めて生鮮食料品の物価対策というものが完成する方向に向かってまいるものだと思いますから、そういう面において、流通対策の問題は、いま現実の大きな問題として努力をいたし、また、具体的に実施をしてまいらなければなりませんから、具体的実施の方向について一つでも手をつけていきたい、こういうことでございます。      ――――◇―――――
  24. 小笠公韶

    ○小笠委員長 春日一幸君外一名提出の消費者基本法案、及び堀昌雄君外二十四名提出の物価安定緊急措置法案の両案を一括議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。倉成正君。
  25. 倉成正

    ○倉成委員 私は、社会党の物価安定緊急措置法案について、若干御質問を申し上げたいと思います。  今日、消費者物価の安定が国民経済の緊急な課題であり、この問題の解決のためには、与野党を問わず真剣に取り組むべきであると考えるわけであります。当委員会が終始この問題について熱心に討議してまいったゆえんのものも、ここにあると考えるわけであります。日本社会党また民主社会党におきましてそれぞれ法案を提出された御努力に対し、深い敬意を表する次第であります。  そこで、この法案をおつくりになる過程において、私どもも法律の立案をいたしました経験上、いろいろ御苦心があったと思うわけでありますけれども、いざでき上がってみますと、やはりいろいろな問題があるということは、提案者自身が御承知と思います。この提案理由にもいろいろお書きになっておりますように、総合的な物価対策というのは、国民経済全体にいろいろも関係あることであるから、とりあえずこの臨時物価安定緊急措置法案を出したという意味のことが書かれてあるわけでありますが、私どもの懸念しますのは、逐条について以下御質問申し上げたいと思うわけでありますけれども、率直に感じだけを申し上げますと、まず第一に、この法案は、今日の行政機構をそのままとしておるならば、屋上屋を重ねて行政上の混乱を来たしはしないかという問題があるわけであります。それから、後ほど触れますけれども、私企業である電力等について国会で議決するということが掲げられておりますけれども、これはわが党と社会党との基本的なものの考え方の相違といえばそれまででありますけれども、多少問題があるのではないか。また、今日物価問題に一番大きな影響を及ぼすと考えられております賃金の問題について、何らこの安定緊急措置法案の中で触れられていないというのは、いささか片手落ちではないか。特に、これだけの法案を出される以上、後ほどお伺いしたいと思いますが、おそらく世界各国のいろいろなものについても御検討なされていると思うのでありますが、そういう見地から考えますと、少し問題があるのではないか。そういうような点を頭に置きながらひとつ御質問申し上げたいと思います。しかしながら、私も、冒頭に申し上げましたように、非常に御苦心の存するところは承知しておりますし、あげ足取りで御質問しようというけちな考えは持ちませんから、ひとつ率直にいろいろお答えいただければ幸いであります。この法案を契機として、物価政策の前進を企図する意味で御質問申し上げたいと思います。  そこで、一番最初に申し上げましたように、現行法令によりまして、いろいろな物価対策につきまして、企画庁の中には経済審議会があり、あるいは企画庁長官の諮問機関としての物価問題懇談会があるとか、いろいろ物価対策については機関があるわけです。この上になお調査会を設けるということについては、やはりそれらの機関との関係をどうするかということが、非常にむずかしい問題ではないかと思うわけでございます。この点については一体どういうふうにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
  26. 堀昌雄

    ○堀議員 現在の物価のいろいろな問題を考えますときに、中心になります国の行政機構の問題というのを調べてみますと、一般的に申して、生産者の利益を代表すると思われる省庁が非常に多いのでありますけれども、残念ながら、純粋に消費者の利益を代表する省庁というのは、実は現在の内閣の仕組みの中にはありません。そこで、現在は経済企画庁がその任に当たっておられる、こういうことでありますけれども、現在の法制の仕組みからいいますと、経済企画庁はいろいろと意見をお述べになりますけれども、いろいろな物価問題についての決定権は、ほとんど各省庁にまかされていて、それについて意見を述べるという範囲のきわめて消極的な存在になっておるというふうに私どもは考えております。現在の物価上昇というものはまことに異常な状態でありますから、この各省庁にある程度ワクをかけてコントロールができるということにならない限り、現在の物価の上昇というのはなかなか押え切れない。そうしまと、その責任の所在は一体どこにあるかといいますと、現在は、やはり内閣に行政的には最終的な責任がありますから、まず責任の所在というものを明らかにするためには、内閣に直属するものであるべきであろう、こう考えるわけです。しかし、内閣に一つの新たな機関が設けられたとしても、それが他の省庁と同じ高さで並列的であります場合には、各省庁のこれらの物価の上昇に対する決定権に介入するというわけにはなかなか参りません。そこで、やはり純粋に消費者の立場を代表して、言うなれば内閣そのものが動くべきであるわけでありますが、内閣そのものが動くというわけにはまいりませんので、そこに現在私どもの提案いたしました調査会を設けて、そこを調整機関として各省庁に対して影響力を持つということで、総合的に現在の各行政機構の中にある程度介入することによって物価抑制の効果をあげていきたいという考えでございますので、この点は、現在の法制上、機構上の一つの盲点となっておるところの、消費者を純粋に代表してその側面から物価に関与する、そういう調査会を設けることがこの際は緊急に必要であろう、こういう判断に立っておるわけでございます。
  27. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの提案者の御意図はよくわかりました。  そこで、その問題につきましては、各条文についてもう少し具体的な問題でどう処理するかということでお答えをいただきたいと思いますが、話がちょっと前後いたしますけれども、現在の消費者物価上昇の原因をどういうふうな観点で提案者はとらえられているかということが、やはり議論を進めていく場合の一つの焦点になるかと思いますので、その点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  28. 堀昌雄

    ○堀議員 いま、私どもが見ております物価値上がりの一番大きな原因はどこにあるかと申しますと、これはやはり過去にとられた高度経済成長政策、これの全体としての余波が依然として続いてきておる、こういうふうに私どもは理解をいたしております。御承知のように、成長政策というのは、需要を拡大することによって供給を拡大しよう、こういう形になっておりますから、そういう形態がとられる以上、需要と供給のバランスから見れば、常に物価が上がるという方向で成長を押し上げていく、こういうのが成長政策の基本的な姿勢になっておるわけであります。現在は、一応そういう高度の成長政策にブレーキをかけたわけでありますけれども、そうなっても、その惰性と申しますか、それは低生産部門に次々と波が押し寄せてきておりまして、現状では、その波を食いとめるわけになかなかいかぬ。その中で今度は逆に、私どもは現状をそんなにデフレだと考えておりませんけれども、非常に高度の成長を続けてきた後においては、たとえば年率三%なり四%というモデレートな成長すらも、これがデフレ的な条件ということになって、さらにこれを七・五%に押し上げるためには、政府が有効需要をつくってまでもともかく成長を続けなければならない、こういう不可避的な条件に日本経済が置かれておる、そこからまたもや物価上昇の芽がさらに伸びつつある、こういうふうに考えておりますから、基本的には、経済政策のとり方の問題が物価の面に最終的に反映をする、こういうふうに理解をしております。
  29. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまお話の点、そう議論しようと思いませんけれども、成長政策が物価に大きな影響を及ぼすという点は私も認めたいと思います。しかし、御案内のように、昨年からの異常な反動と申しますか、成長に対するブレーキをかけて、金融引き締めから、デフレと理解するかどうかは別として、少なくとも経済の成長がダウンしてきたその中で、やはりなおかつ消費者物価が異常な上昇を続けるというのは、一体どこに原因があるというふうに御理解になりますか。
  30. 堀昌雄

    ○堀議員 高度成長政策をとっておりますときには、投資は主として民間設備投資に集中をいたしまして、その民間設備投資に集中をすることは、生産力を大きくするということで生産過剰という側面が出てきたわけですが、その反面、民間設備投資にのみ資金が重点的に配分をされたために、低生産部門であるところの中小企業であるとか、流通部門であるとか、あるいは農林水産業であるとか、こういうような低生産性の部分の生産性が非常に立ちおくれて、ここに異常なアンバランスが出てきた。片方はそういうことで非常に成長政策が行なわれたために、大企業の側、中企業くらいまでは人的要因を必要として、労働力の供給状態がだんだんと下り坂になるところで、しかしそちらに非常に大きな労働需要が生じてきた。そういう労働市場のアンバランスというものも、反面的に人件費の上昇という形で低生産部門にはね返って、それを吸収するだけの生産性がないものは物価にそれをはね返していく、こういう経過になってきた、こういうふうに私どもは考えております。
  31. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまのお答えの中で明らかになりましたように、やはり日本経済の本来の体質と申しますか、いわゆる二重構造、農業、中小企業というような低生産部門が存在するということ、また流通部門が非常におくれておるということ、このことが物価上昇の大きな要因になっておるということはお認めになっているわけですね。そういうことで、結局物価上昇の原因は、日本経済全体の体質と、また経済政策全体と関係しておる、こういうふうに理解してお話を進めていきたいと思います。  それでは、せっかくの法律案でありますから、ひとつ条文について問題を展開してまいりたいと思いますが、第三条で、「政府は、物価の安定を図るために必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。」ということをいっておりますが、物価安定をはかるために必要な法制上、財政上というのは具体的にどういうことでしょうか。
  32. 堀昌雄

    ○堀議員 私どもがこのあとにずっと述べておりますいろいろな国会の議決の問題でありますとか、そういう問題は、いずれも法律によって定めなければなりません。そこで、これらを含めて法制上の問題と申しますのは、第六条で、「次の各号に掲げる価格、料金等は、別に法律で定めるところにより、国会の議決又は承認を経て定められなければならない。」、こういうふうになっておるもの等を含めて問題にいたしております。財政上の措置と申しますのは、いま私が申し上げたように、低生産部門というものに対して、やはり国として財政による投資その他あるいは財政による融資を含めて、そういう低生産部門の生産性を上げるためには、やはり政府みずからが資金の配分を考えないと、これまでのように大企業に片寄った、あるいは大企業の便益に伴う道路、港湾等のそういう公共投資ということのみに資金が流れていくのではこの問題は解決をいたしませんので、そういう意味で、倉成さん御承知のような低生産部門に対する財政的な援助というものが、これまで非常に少なかったし、これを急激にある程度ふやさない限りこの問題の基本的な解決にはならない、こういうことをここで申し上げておるわけであります。
  33. 倉成正

    ○倉成委員 それではいまのお話は、大体訓示規定というふうに了解いたして次へ進みたいと思います。  これは非常に重要な問題だと思うのですが、第四条で、内閣が予算を作成したりあるいは財投計画、地方財政計画をつくる場合に、物価に著しく影響を及ぼすものについては、安定調査会にはからなければならないとなっておるわけでありますけれども、御案内のように、予算というのは財政経済政策全体に影響を及ぼすものでありますので、その中から物価に影響を及ぼすというものだけを引き出すことは、技術的に非常に困難ではなかろうかと思うわけでございます。そういう点は堀さんも予算委員になっておられて十分御承知と思いますし、私も予算委員を経験いたしておりますので承知しておるつもりですけれども、ちょっと非常にむずかしいことをここに書いておられるのですけれども、何か具体的なあれがあるものでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
  34. 堀昌雄

    ○堀議員 実は、いま第三条について申し上げましたように、財政上の措置を講ずる、こういうふうに抽象的に書きましても、一体財政上の措置とは何か。具体的には、さっき私がちょっと申し上げたことでございますけれども、それを裏づけるものはやはり予算であり、同時に財政投融資計画、これが資金配分についての具体的な問題であります。そこで、本来私どもは予算そのものをこの臨時物価安定調査会にはかってもらいたい、こういう気持ちでありますけれども、しかし、物価という一つの特定なものを持っております調査会が、予算案そのもの全部を見るということについてはいかがかという考えも出てまいっておりますので、そこで、先ほども申し上げたように、低生産部門に対する補助その他の投融資、こういうものをよく調べて、これでは現在考えておるところの低物価政策ということに十分な効果が満たされない、こう考えた場合には、その部分については少なくともこれだけは必要である、こういうことを、この調査会の意見を付して具体的に、この程度の予算は必要であろう、財政投融資が必要であろうということを内閣に反映して、そこで、内閣としてはその意見に基づいて全体としてさらに再検討をしていただく、こういう考え方で措置をしなければ、いま私どもの考えておるような低物価の条件というものはなかなか開拓ができない、こう考えたわけでありまして、確かに「その内容が物価に著しく影響を及ぼす」という判断は、いろいろ程度の差がございますから、どこまでが及ぼすかということになれば、最終的には予算全体、財政投融資全体が及ぼすことになりますけれども、しかし、この際は一応「著しく」というふうに表現をいたしまして、特に低生産部門、あるいは流通部門、こういうものに対する問題を一つ提起をしたわけであります。
  35. 倉成正

    ○倉成委員 提案者の御趣旨はよくわかりました。しかし、いまお答えになりましたように、かりに低生産部門といたしますと、たとえば農業、中小企業、あるいは流通部門でありますと運輸関係、しかも、最近は非常に厚生的な経済の色彩が強くなってまいりましたから、社会保障的な問題であるとか、予算全体に関係することは明らかであります。したがって、やはり調査会にはからなければならないという義務づけを法律でするということは、政府の予算編成権の問題と非常に関係が出てくる問題で、この辺はもう少し検討すべきところではないかと私は考えます。同時に、技術的に非常にむずかしいのではないか。ということは、百歩譲って、いま提案者のお話のように、部分を限るといたしましても、予算編成の最終段階で、これを予算に反映させるということが事実上できるかどうか。かりに堀議員が大蔵大臣になられてできますか。その点どうです。
  36. 堀昌雄

    ○堀議員 私が大蔵大臣になればできるけれども、どうも現状ではむずかしいだろう、こう思いますけれども、問題は、私はいまの予算編成のあり方は、いまのままではよくないのではないか、こう考えております。いまの状態は、各省から概算要求が出てきて、この概算要求なるものは、実際に決定するものの二倍であったり三倍であったり非常に掛け値の多いものが出てきて、これを大蔵省でもうずたずたにぶった切って、要するに、大蔵省の主計局の初め考えておるワクの中に何が何でも押し込める、こういう式になっておるわけですね。しかし私は、そういういまの予算編成のあり方は、少し改められていいのではないか。やはり現在当面している一番重要な政策というものに、政策的なある程度の順位と評価がきまって、それをやはり内閣としては十分検討をしていただいて、そうして本年度の予算というものはこういう性格を持って、たとえば来年度予算ということを考えるときは、ここで問題になるのは、成長なのか物価安定なのかというような二つの二者択一的なところに政府が追い込まれると思いますが、しかし、それは追い込まれたとしても、やはりこの際物価安定をさせることのほうが国民のためだ、こう判断をするならば、それなりの姿勢で、項目的な処置が講ぜられて、そういう大綱として出てきたものについて、私はこの安定調査会にはかればいい。ですから私どもは、予算の最終的なこまかい計数を煮詰めたものをここではかっても、これはどうにもなりませんから、まずそういう予算編成の基本的な部分で、少なくともこの部分についてのウエートはこのくらいに考えるというような概数的な処置をする段階でこの処置をいたしておかないと、結局力関係で、最終的な予算の編成を見ておりますと、結局力の強いところが予算をぶんどっていく。私どもが最近ずっと予算を拝見しておりまして感じるのは、結局、予算に性格がないというふうに私は見ておるわけです。予算に性格がないということは、そのときの政府にほんとうの政策がないために、予算に性格がない。これはやはり官僚の皆さんがつくった予算になってしまって、政党内閣としてほんとうに国民に訴える政策というものが、予算を通じてはわれわれは理解できないというふうな予算が組まれておるという点を考えてみますと、私は、予算編成全体の問題から考え直していただく中で、この物価安定調査会が予算編成にかかわり合いを持つ場所もおのずから生まれてくる、こういうふうに考えておるわけでございます。
  37. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまのお話、だんだん承っておりますと、やはり予算編成のあり方自体に非常にウエートをかけておられるようですが、そうであるならば、私も現在の予算編成のあり方については疑問を持っております。したがって、予算編成の点についていろいろ考えていくということはよくわかるのですけれども、やはり政府が予算編成権を持って、そして予算編成のあり方について改むべきものがあるといたしましても、やはり調査会にはからなければならないという義務づけをすることは、これは技術的にも非常にむずかしいし、妥当でないと私は判断します。これは見解の相違でありますからその程度にとどめまして、次の問題に移りたいと思います。  第五条、ここでは物価安定のために講じた施策、それから物価の動向とか、そういうことについて報告を提出しなければならない、いわゆる物価白書と申しますか、そういう考え方のようでありますけれども、これも、実は今日のように物価が非常に複雑な要因によって動いている段階におきましては、やはり物価だけ引き出すということは非常に困難じゃないか。もちろん、現在の経済の年次報告であるとか、あるいは経済運営の基本的な態度であるとか、そういうものがややもすれば官僚の作文に流れまして、現実と非常に実感として離れておるということは私も認めます。しかし、これらの問題をもう少し改めていくという方向へ持っていったほうがいいんじゃなかろうか。物価だけ取り上げていくほど今日の経済が単純でないという見解を持っておるのですが、この点について提案者はどうお考えか、お伺いしたいと思います。
  38. 堀昌雄

    ○堀議員 いままで私が御答弁申し上げたように、確かに物価というものは、物価そのものだけを遊離をして現在の経済行為の中から取り出すことは、たいへんむずかしい問題でありますが、ただ、私どもがここでこういう提案をいたしておりますのは、そういう困難はありましても、なおかつ現在物価というものが国民生活に非常に大きな影響を与え、圧迫を与えておるという事実を見のがすことはできません。そうしますと、経済その他を含めて物価という側面から見ればどうなのかということは、やはり私はそれなりに報告できる問題であろうと思う。そこで、「卸売物価及び消費者物価の動向、その変動の要因並びに政府が物価の安定のために講じた施策に関する報告」と申しますのは、いまは経済企画庁がございますけれども、ここでお出しになるところのいわゆる経済白書なるものは、経済全般についての問題提起でありまして、それはそれなりに私は意義があると思います。しかし同時に、また物価という一つの側面から見た現在の問題提起ということも私は可能だ、こう考えております。同時に、一体政府は本年度の予算では物価のためには何をしたのか、財政投融資では何をしたのかというふうに、そういう講じた施策についても国民の前に明らかにする必要があるのではないか。私どもは、現在の予算案を見ておりましても、じゃ一体物価にどれとどれが関連をするかということを、こっちだけで引き出すことはなかなかむずかしいわけです。そうなりますと、やはり現状で非常に物価の問題が政治的にも大きな問題になっておるときには、政府は少なくともそのぐらいの国民に対する配慮があって当然ではないのか、こういうふうに考えるものでありますから、そういう物価の側面から見たいろいろな問題を整理をして、そうして要因と、安定のために実際に講じた施策というものをひとつ国会に報告し、国民に明らかにしてもらいたい、こういう意図でございます。そして、私それは可能だ、こう考えております。
  39. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの御説明を伺っておりますと、非常にりっぱな御説明でありますから、一応この点はこの程度にいたしておきたいと思います。  そこで、第六条に入ってまいりたいと思いますが、今日は自由な市場経済が行なわれておるということは、提案者もお認めだと思います。したがって、この段階において、こういう経済体制の中において、政府が価格形成に介入する場合に、どういう基本的な態度で介入すべきかという点、この点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  40. 堀昌雄

    ○堀議員 第六条に掲げておりますものは、現在でも国会の議決を要しますもの、あるいは政府の決定によりますもの、あるいは通商産業大臣が認めるもの、こういうものが実は第六条に全部並んでおるわけでございますけれども、私どもがここに書きましたのは、国民生活の一番基本的な部分にかかわり合いがあって、なおかつきわめて独占性の高いもの、これを私どもはここに並べたわけでございます。ですから、現在も国会の議決になっておるものもございますが、特に五号の、「米穀販売業者の米穀の販売価格の統制額」、これはただいま児玉委員が、藤山長官との間に論議をされておりました消費者米価の問題でありますけれども、私どもはやはりこれだけ重大な段階に対しては、国民の代表をもって組織されておるところの国会の同意があってしかるべき段階にきておるのではないか、こういうふうに考えますし、六号の電気事業の問題でございますけれども、電気事業というのはきわめて公共性も高く、さらに現在全国的に非常に家庭電化も進んでおりまして、電力の消費というものは、単に企業のみならず家庭においても、もう生活上欠くべからざる段階にきておるわけでありますし、そういう意味でこれはきわめて公共性が高く、なおかつ独占されておる企業でありますので、これらの措置については当然国が介入してしかるべきである、こういう判断に立っておるわけでございます。
  41. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまのお答えの、国民生活に非常に関係が深い、それから独占的な性格を持っておる、この点は私も全然同感でございます。しかし、かりにそうであるといたしましても、政府が介入する姿勢が問題です。国会が議決する、あるいは法律できめるとかりにいたしましても、どういう観点でこの価格に介入していくか、その基本的な考え方が明らかでなければ、いたずらにただ形式を論ずるだけになりますから、その点をお伺いしているわけです。
  42. 堀昌雄

    ○堀議員 この前も、生産性本部でございますか、その方から、何か社会党は物価を統制によって押えようとしておるが、物価は統制では押えられない、こういうようなことが新聞に述べられたことがありますが、私どもは、ここで一貫しておりますのは、力によって押えようという考えはないわけであります。力によって押えるのでなければどうするのかといいますと、やはりその物価の上昇の原因に立ち至ってものを考え、そこで必要な財政措置、投融資その他も考えて、やはり可能な範囲――しかし企業なりそういうところもある程度の負担はお考えをいただかなければなりませんけれども、ただ力だけで押えよう、こういう発想ではございません。ですから、ここで国にこういう権限を与えて押えようとするならば、当然前段の、政府が予算なり財政投融資の面をもって十分配慮をするという側面をあわせて国の責任を明らかにしながらやはり規制をしていこう、こういう考えでありますから、一方的にただ押え込もうというふうな発想で考えておるということにはなっていないわけでございます。
  43. 倉成正

    ○倉成委員 私が御質問申し上げておるのはそういう意味じゃなくて、自由な市場経済のもとで、公共料金でありましても価格でありますから、どういう原則できまるべきか。そのきまるべきものが、カルテルであるとかあるいはいろいろな要因によって妨げられておる、したがって、これを取り除くべきである、そういう考え方を伺っているわけです。私から端的に申し上げますならば、自由な市場経済のもとで、市場の原則が働いたならば実現すべきである価格水準、すなわち能率的な経営のもとにおける適正原価、適正利潤が介入の基準でなければならない、さように考えておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
  44. 堀昌雄

    ○堀議員 私は、第六条に関してだけの御発言のように理解をしておりましたから。いまの一般的な御議論でありますれば、私どもは、いま倉成委員のおっしゃったように、この調査会をもって各種の価格については厳密な原価計算を行ないたい。そうしていまお話のように、その当否は別としても、現在資本主義の世の中でありますから、その企業の中に利潤が設けられることは当然でありますから、やはりそういういま倉成委員のお話のように、適正なる利潤というものは当然考えなければなりません。だから、この適正な利潤の範囲における原価というものが私どもの価格の一つの基準であるという点については、倉成さんの御意見と私も全く同感でございます。
  45. 倉成正

    ○倉成委員 私の意見と一致していただいて非常にうれしいのですけれども、そこでちょっとお尋ねしたいと思いますが、適正な原価、適正な利潤というとこの定義が非常にむずかしいと思いますけれども、何が適正な原価であり、何が適正な利潤であるかということを認定するということは、事実認定の問題であるわけです。そうすると、この事実をこういうふうにして認定するというのは、いわゆる行政の仕事でないでしょうか。いわゆる立法府が事実認定のために立ち入ってこうだと言うことは、三権分立の今日の時代において少し行き過ぎじゃないかと考えますけれども、この点はどういうふうにお考えになりますか。
  46. 堀昌雄

    ○堀議員 国会でいきなり価格を幾らにしたらいいかという問題の前に、私どもが政府にこの調査会を設けた理由は、まず調査会がいろいろな調査をいたしまして、そこで、適正な価格というものを当然調査会がいろいろの面で出すわけでございます。その出したものに基づいて国会が当然きめられるべきであって、その点について、私どもは調査会にかなり大きな権限を与えて、原価計算その他に介入をするという考え方を持っておるわけでございますので、その点は、確かに国会でいきなり幾らの価格が適当かということは、いろいろな立場の中では簡単にいかないかもしれません。だから、その点は、調査会が一応当然原価計算を行なって、その原価計算に基づいたものが出るけれども、それに基づいたものが、必ずしも政府なりその他でそのとおりになるかどうかという点については、やはり問題が多少残ろうかと思います。ですから、そういうものが一つの基準になって、国会において論議がされた結果やはりそういうところに落ちつくということになるべきではないか、こういうふうに私は国会の問題については考えております。
  47. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの点については、多少私とニュアンスが違うようでありますけれども、次の問題に移りたいと思います。  電力料金、これは確かに独占的なものであり、公共的な色彩が強いわけですけれども、これに国会の議決または承認という他のものと同じウェートをかけられておりますが、電力事業は御承知のように私企業でありますね。いろいろな政府の融資その他を受けておるにしても、私企業であることは間違いない。これに、他の国営の事業であるとかそういう国の独占事業であると同じようなウェートをかけることについては、非常に問題があるのじゃなかろうか。それは、範囲はどこまでにするかという問題にも関係いたしましょうし、基本的に、私企業についてそういう態度をとるべきでないというのが私どもの考え方であります。この点どうですか。
  48. 堀昌雄

    ○堀議員 私どもは、いまの私企業、公企業の問題については、現在の憲法は、公共の福祉のためにはかなりそういう私的財産にまで介入ができる、こういう考え方に立っておるわけでありますし、同時に、ちょっと角度は違いますけれども、現在、電気事業は非常に公共性が高いということで、ともかく電気事業関係はストライキその他の点についても非常に強い規制が加えられておりまして、その点は、国や公共企業体とほとんど変わらないような条件に置かれておるという側面は、一つのやはり公企業にきわめて近いものだという認識が存在しておるのだ、こう考えておるわけです。ですから、所有の関係における私的かどうかという問題よりも、やはりその機能なりその他の面において公的な要素が大きいものは、この際は、たとえ国が介入をしても問題がないであろう、こういうふうに私どもは考えております。
  49. 倉成正

    ○倉成委員 国鉄の料金や郵便料金、電話料金、たばこの価格、こういうものは、国の独占事業であるという性格だけではなくして、やっぱりわが国における沿革的なものがあると思うわけですが、諸外国その他の事例を調べてみますと、御案内のように、だんだんそういう政府機関から公正な第三者の機関に移りつつあるというのが大体世界の趨勢であります。したがって、これらの点については、私ども多少意見を異にするということを明らかにいたしておきたいと思います。  そこで、ちょっと児玉委員も触れられましたが、消費者米価の点がこの第六条に掲げられておりますが、消費者米価はどう考えられますか。もっと時間を節約するため端的に御質問いたしましょう。たとえば、消費者米価は現在の物価の安定の立場から押えるべきだ、生産者米価については、社会党の皆さん方は、農業団体が御要望になっているように二万一千円くらい、生産費所得補償方式を固執している。そういうことでだんだん進んでいきますと、財政負担というのは、これはかなり無制限に大きくなっていくことは明らかです。そうしますと、その点がやはりインフレ要因になっていくということも明らかであります。こういう点、責任政党として将来政権をとられるという御意図があれば、私はいまの米価等についての考え方は非常に無責任じゃないかという感じを抱いておるのですが、物価の専門家である堀議員から、ひとつどうお考えになっているかお伺いしたい。
  50. 堀昌雄

    ○堀議員 先ほども当委員会で論議がありましたように、生産者米価と消費者米価の問題は、いまの日本の政治上の非常に重大な問題だと思います。私どもが党として、いまの農業団体その他の生産者価格の問題を支持いたしておりますのは、これは倉成委員御専門のことでありますけれども、現在の農業労働者の実態というものは、やはり非常に恵まれざる労働条件の中で家族ぐるみで労働しておられて、そういう意味では生産費所得補償方式というものは、この人たちの、他の物価上昇との関連で見まして、生活を維持していくためにはやはり欠くぺからざる一つの柱ではないか、こう考えておりますから、生産者米価の上昇というものは私どもある程度避けられない、こう考えております。しかし、反面消費者米価というのは、やはり日本の物価の一番土台をなすものであると私どもは考えておるわけであります。ですから、この消費者米価を、多少ドラスティックであっても安定をさしていくというかまえなくしては、物価政策というものの一番大きな柱がくずれるのではないのか。そこで、私どもが現在の食管法を活用したい、こう考えておりますのは、やはりこの中にある程度社会保障的な要素を含め、物価安定のための施策を含めて資金を投入すること自体は、私は、その面で多少予算が膨張したということはインフレにはつながらない、こう考えておるわけであります。ですから、インフレということばの定義はいろいろありますけれども、現在のインフレの姿というのは、何と申しましてもディマンドプル型のインフレが一つの側面にあるわけでありますから、そういう意味でも私どもはできるだけ価格を、多少ドラスティックであってもどっかで規定をして、そこをスタートとしてその次に持っていきませんと、やはりここが動きますと、すべてに連鎖反応が起き、それがアクセレーションを伴って賃金上昇にはね返る。先ほどお話になった、私どもがこの中で賃金上昇に触れていない点については後ほど御質問があろうかと思いますが、やはり賃金上昇を避けるためには、消費者物価というものは、少なくともある程度物価が安定するまでは、多少ドラスティックであっても押えていく、その負担は一般会計で負担をしても可能であろう、私はこう考えております。
  51. 倉成正

    ○倉成委員 米価についてあまり論争しようと思いませんけれども、若干申し上げておきたいと思います。ただいま社会保障的というお話がありましたから申し上げますが、生産者米価についてそういう要素があることは確かであります。しかし、もしそういう考え方を強くしますと、お米の価格の上昇によって影響を受ける農家というのは、階層によって、地域によって非常に違うわけです。米どころと、たとえば鹿児島県あるいは私の郷里の長崎県というようなところにおきましては、米の上昇よりもイモの上昇のほうがはるかに所得は上がるわけですし、それからまた米の供出農家というのは、全体から考えますとわずかであります。そう考えてくると、そう簡単に社会保障的というようなことばは使いにくいと思うのです。性格が明確でない。こういうふうにただ高いほうがいいというようなことは、責任政党として少し無責任じゃなかろうか。また価格というのは、生産者価格と消費者価格とは、法律のいかんにかかわらず、長期的に見ればやはりある程度結びつかざるを得ない宿命を持っている。もしそれが永久に乖離するものとすれば、結局その間のギャップは財政負担で埋めなければならぬということになってまいりますから、この辺のところはもう議論はいたしませんけれども、ひとつ堀さんのような専門家がそういう点については十分指導的な立場で、もっと明確に将来のビジョンを描いていただきたいということを、このことに関連して御要望申し上げておきたいと思います。  それでは次の問題に入りたいと思いますけれども、第七条――第六条を含めてでありますが、ここに地方鉄道法による私鉄の料金等について閣議決定、これは従来各省で大臣の許可、認可事項であったものを閣議にかけるということにしてあると思うわけですけれども、ただ、ここで最初に技術的な問題で一つ御質問いたしておきますが、この閣議決定をするのに臨時物価安定調査会にはからなければならない。そういたしますと、たとえば、この私鉄あるいは国鉄の運賃につきましていろいろな審議会等にかけて各省大臣がいままで認可しておった。ところが、今度さらに閣議の議を経なければいけない、さらに臨時物価安定調査会にはからなければいかぬということで、非常に煩雑であるだけでなくして、その各大臣の権限あるいは大臣によっていままで諮問されておった機関の権限というのと非常にダブってくる。最初に申し上げましたように、屋上屋を重ねることになる。従来の機構をそのままにしておくということになれば、非常に変なことになりはしないか。あっさりほかの審議会やそんなのを全部やめてしまって、そうしてこの調査会だけにたよるとなれば多少はすっきりいたしますが、それにしてもこの調査会は二十人の調査会で、これだけいろいろのものについて審議するという能力が一体あるかどうか。事務局でも三十人でしょう。そういうことを実際お考えになったかどうか。形の上においてはある程度整っておりますが、実際行政の経験を多少いたした者から考えますと、非常にこれは実現不可能なんじゃないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
  52. 堀昌雄

    ○堀議員 実は、私どもがフィルターを幾つもかけましたのは、御承知のように、各省庁に設けられております審議会は、ややもすると、価格決定のためと申しますよりも、事業計画なりそういうものとうらはらの形で、結果として価格が出るという形に現在なっておるわけでありますから、物価だけの問題でこの問題を処置するのはなかなかむずかしい問題が一つございます。それは十分承知の上でありますけれども、やはり各省庁は、先ほど一番最初に申し上げましたように、どちらかというと、生産者側、企業者側の立場に立っておる省庁でありますから、そこから出てまいりますいろいろな価格の問題というのは、消費者の側から見ますと、必ずしも十分納得のいかないものが出ているのが実はどうしても多くあるわけであります。簡単な例を申しますと、この間私が、藤山経済企画庁長官もおいでいただいて予算委員会で論議をいたしました電信電話料金の問題等考えてみましても、電信電話調査会というのが電電公社の中に設けられておりますが、その中は、ほとんどが実は企業の代表者をもって委員が任命をされておりまして、消費者を代表する者というのは、主婦連か何かの方が一名いるだけで、ここでは、物価の問題を側面から議論をするようになっていないわけです。しかし、そこが答申をするのは何かというと、料金の問題を答申しておる、こういう形になります。ただ、電信電話公社としては、料金の問題の前に事業計画その他の問題がありましょうから、事業計画その他を論議する結果として出てきた料金というものを、もう一ぺん今度は料金の面から裏側へいって、この料金でやれる範囲にしてもらいたい、こういうことにするためには、やはり消費者を代表する調査会というフィルターを一回かけて、そうして所管大臣だけではなくて閣議によって、現在の経済情勢の中でこの料金はかくあるべきだということで確認をされる手続がこの際は必要ではないか。ですから、ここでちょっと申し上げておきたいのは、私どもは現在の物価の上昇というものを異常な状態と見ておりますから、そこで緊急の措置法案として、時限立法として五年間に限っておるわけでありますから、これは、ずっとこれでいこうと考えておるわけではございません。さっきの米価の問題についても、私どもは多少生産者と消費者の間が乖離しても、当面これをやって、そうして安定をさした後には、これはまた別途の措置があってしかるべきだ、こう考えておりますが、何はさておき、私どもは現在の異常な物価上昇を押えるためには、多少手数が煩瑣であったりいろいろしますけれども、各段階において消費者の意向が的確に反映されながら、その責任を内閣なり閣議が負っていただくという形をとる以外には、なかなか現在の情勢では、これを規制することはむずかしい、こういう発想に立っておりますので、おっしゃるように、いまの所管権限上の問題等については、多少異論があろうかという点を私ども感じないわけではありませんけれども、その異論以上に物価に対する国民の要求というものは強い、こういう判断に立っておるわけでございます。
  53. 倉成正

    ○倉成委員 ただいまの点は、この調査会の委員の人選の問題とも関係するわけです。堀議員のお話によりますと、消費者的な色彩が非常に強いということでありますけれども、これだけ複雑な物価問題について、この料金が適正であるかどうかということを判断するのは、単に消費者だけの立場からでは判断できないのではなかろうかと思うわけです。そうなってまいりますと、いまお話の中にありましたように、いろいろな委員会あるいは調査会等が各省庁に付属しておるのが、その審議会の委員その他の構成が適切でないという点は、やはり御指摘のように改めていくべきだと思いますけれども、しかし、これを全部その網をくぐった上に、また閣議にかけて、委員二十名でこれだけのものを判断するということは、実際問題としていかがであろうかという疑問を持っておることだけで、一応この点はおいておきたいと思います。  なお、この中にあります私鉄あるいは国鉄等の問題でありますけれども、やはり消費者の立場から考えますと、私鉄料金も上がらないほうがよろしい。また、堀議員もそうだと思うのですけれども、毎年、毎年春になりますと春闘が行なわれる。そうしてその春闘のトップバッターには、この私鉄総連その他がなりまして、賃金上昇の基本ベースをつくっている。そういたしますと、余力のない、先ほどからお話がありましたような低生産性部門に働く人々は、どうしても労働力の問題から賃金を上げざるを得ない。いわゆるコストプッシュ、賃金上昇が原因になってコストが上がっていくという現象は、まぎれもない事実だと思うわけですが、これだけのことをやられようとする以上は、賃金についても、所得の問題についても、イギリスでやっているような所得政策とか、そういう問題についてお考えになっているかどうか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
  54. 堀昌雄

    ○堀議員 所得政策は、イギリスでもフランスでもいろいろと考えておりますけれども、これはなかなか成功いたしません。たとえばイギリスの場合には、御承知のように物価上昇というのは先進諸国の中では一番低いほうでありますが、なおその低いイギリスでも成功しないというのは、私は、所得政策という政策のあり方そのものに問題がある、こう考えておるわけです。私どもは、ここで賃金に触れておりませんのは、いまの議論の中に、非常にこれは立場の相違、見解の相違があろうと思いますけれども、一体物価が先なのか、賃金が先なのか、まあ卵と鶏のような議論が生まれてくる可能性があると思います。私は、ちょっとここで具体的に申し上げておきたいのは、最近の平均賃金の上昇というのは、現在では大体年率九%くらいになっておるわけです。ところが、物価の上昇率が大体七%近くになっておる。そうすると私どもは、やはり現在生活をしている中で、文明文化の前進とともに生活内容が向上しないような生活をしておるということでは、これは私ども生存をしている意味がないのであって、私どもが生存をしておる以上は、だんだんと私たちの生活内容が改善をされてくる、所得がふえるんだということにならなければ、これは私は政治としては全く前途が暗やみの政治になると思うのです。そういたしますと、何はさておき私どもがここでかなりドラスティックな提起をいたしておりますのは、まず物価を安定させることによって、賃金が伸びなくても、なおかついま私が申し上げましたような内容的な生活の充実もあって上昇ができる。こうならないと、ただ賃金を押えたから物価が安定をする、私はそういうふうな角度では、これはもう倉成さんも御承知だろうと思いますけれども、国民生活に夢も希望もなくなってしまう。だから、私どもはやはり国民に夢と希望を与えながら、しかし、なおかつ生活が無理なくいけるようにするという範囲であろうとするためには、何はさておき物価を安定させるということが第一だ、私はこういう考え方でございまして、このことは、単にそういうふうな賃金の問題を越えて、やはり経済政策全体が、いまのような物価上昇の中ではうまくいかないということになってくるわけでありますから、私たちは基本に立ち返って、まず物価の安定するような経済政策、その中で国民生活が安定をしていけば、いまのような異常な賃金上昇をしなくても全体がバランスがとれるようになるだろう、こう考えておりますので、あえて私どもが賃金上昇に触れておりませんのは、賃金よりも物価のほうが先だ、物価が上がることが賃金上昇を引き起こしておる、こういう基本的な判断に立っておるということでございます。
  55. 倉成正

    ○倉成委員 私も、賃金が上がることを悪いとは全然考えておりません。生産性が上がっていく範囲において賃金が当然上がって豊かな生活が保障されていく、これはわが党の基本的な態度であります。確かに、物価が異常な高騰をしておるから賃金は上がらざるを得ないという状態にあることも、私も率直に認めます。しかし、ここに掲げられておるような、非常に公共的な色彩が強いし、しかも、ただいままで議論しておりましたようないろいろな行政上の権限の問題を越えて煩瑣な手続をとり、閣議決定をしなければならないような中の企業が、春闘のトップバッターとして賃金相場をつくっていくというのはいかがであろうか、この点についての堀議員の御所見いかんということをお伺いしているわけでありまして、これはまあお答えしにくいでしょうから、この程度にしておきたいと思います。  そこで、だんだん時間も過ぎてまいりましたので、私は締めくくりをいたしたいと思いますけれども、物価政策というのは、堀議員もお触れになりましたように、やはり総合的な見地から、財政金融政策あるいは労働政策、あらゆる政策を含めて判断しなければならないものであり、この調査会ができたからといってすぐ物価が安定するものでもないし、また、この運営についても非常にむずかしいということは十分御承知の上で、物価政策の一つの一里塚としての御提案と思うわけでありまして、いろいろと疑問の点について私どもの態度を明らかにいたしましたけれども、この提案されました御努力に対してあらためて敬意を表し、質問を終わります。
  56. 小笠公韶

    ○小笠委員長 村山喜一君。
  57. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 私は、民社党から提案をされました消費者基本法案につきまして、質問をいたしてまいりたいと思います。  民社党さんがここに消費者基本法案をお出しになって、今日欠けております消費者保護政策というものを遂行していかなければならないという意味において取り上げて提案をされました、その趣旨なりあるいは内容につきましては、われわれが賛成をいたすことができる点が多いのでございます。たとえば、消費者の保護政策といたしまして、計量の適正化であるとか、あるいは表示の適正化、さらに消費生活における危害防止の問題であるとか、あるいは消費者金融の問題、あるいは消費者教育の問題、こういうような一般的な消費者保護政策というものが掲げられております。これらの点につきましては、当然このような措置がとられなければならないものだと考えているのでありますが、ただ、物価というのが、経済の集中的な表現であるというとらえ方をいたしてまいりますると、一体民社党がここに提出をされましたこの消費者基本法案の位置づけというものが、党の総合物価政策の中において明らかになっていかなければならないかと思うのであります。そういうような意味において、ここに提案されましたこの法案は、私は氷山の一角であろうと思うのでありますが、それには党としての物価政策というものをお持ちになった上で、消費者基本法案というものが提示されておるものだろうと考えるのでございます。そういうような意味において、一体民社党の総合的な物価政策というものはどういうような考え方をお持ちであるのかという点を初めに、民社党の中でも最もベテランである提案者の春日さんからお伺いしておきたいのでございます。  そこで、今日私たちは、忍び寄るインフレーションあるいははい寄るデフレーションということばにあらわされておりますように、物価上昇の原因というのは、日本の資本主義の病にあるということを伊東光晴さんも指摘しておられますが、まさにそういうような状態にまで来ているのではなかろうかと思うのであります。世界の資本主義の国家すべてをながめてみましても、物価が上昇していない国はございません。卸売り物価にいたしましても、消費者物価にいたしましてもそのとおりであります。そういうような中において、日本はまた日本なりの特殊な現象というものをかかえながら、今日政府も物価対策に取り組む姿勢はだんだん高まりつつありますけれども、実際のところ、その取り扱いには苦慮していると言っても過言ではないと思うのであります。私たちも、そういうような意味において、社会党としての総合物価政策というものを明らかにいたしまして、その中の一環として先ほどの緊急措置法案を提案いたしたようなわけでございます。  そういうような意味から、この物価政策全体の体系を逐一説明を願うということになるならば、非常に膨大なるものになろうと思いますので、時間の関係もありますので、提案者のほうから、どういうふうにこの党の物価政策の中で位置づけてこれを提案したのかということについて、まず概要を御説明願っておきたいのでございます。
  58. 春日一幸

    ○春日議員 ただいまの村山委員の御質問は、この消費者基本法案をおとらえになりまして、これは物価政策の一環としてとらえられておると思うが、という御質問であるかのごとくに受け取ったのでありますが、実は私どもは、最初は、クリーピングインフレーション、おそるべきこの忍び寄るインフレ対策として、物価対策として政策研修を行なったのでありますが、それを研修してまいりまする過程の中において発見をいたしましたことは、とにかくわが国の国民経済の中におきまして、その総消費量の半分以上程度のものが、結局は国民の個人消費に充当されておるものである、こういう立場から、国の政策の現状をいろいろと検討を加えてまいりますると、消費者保護政策というものは、ほとんどと言ってもいいくらいいまだ施行されてはいないというところに逢着をいたしたわけでございます。したがいまして、われわれのこの法案の根本的な理念となりまするものは、すなわち、政治の究極の目的は国民福祉の増大にある、また、経済活動の究極の目的も消費者の需要を満たすことにあるのである。したがって、その満たし方というものは、くだけて言うならば、いい品物を安く供給する体制をつくり上げていくことである。こういうような基本的な理念の上に立って考えまするとき、当然、現在のこのインフレーション、物価抑制対策といたしましては、社会党から提案されておりまするような衝撃的政策効果を与えるような、時限立法によって大なたをふるうようなやり方もあるではあろうが、同時に、その前に政策の基本、すなわち消費者の消費活動、消費生活、これを国としてその利益を守っていく立場において、国の施策の基本を定める必要があろうではないか、こういう意味で、消費者基本法を制定しなければならぬ、かくのごとくに発想した次第でございます。言うならば、経済活動というものは生産者があり、販売者があり、そこに消費者があるのだから、国はこの三者に対して政策の重点を等分に配分していかなければならない。いままでの経済政策の重点は、ともすれば生産第一主義であった。数年前から流通部門についても政策の焦点の一半のものがさかれたけれども、これも完全無欠のものとは言いがたい。いわんや、その三等分の重点目標でありまする消費者の利益ということについては、ほとんど皆無にひとしい。言うならば、盲点に置かれておったのではないか。このような政治的盲点に置かれておったものを政策の焦点に導き出してくる。こういう意味で、まずもって基本法の制定をはかろうではないか。このような基本法のいろいろな基本的宣言、こういうものからそれぞれの特別法が制定され、これに基づいて行政措置が講ぜられていくならば、あわせもっていま御質問のありましたような、いわゆる物価政策としての実際的効果も確保していくことになるのではないか、こういうふうに考えておるのでございますから、そのようにひとつ御承知を願いたいと思うのでございます。
  59. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 お説のように、今日まで生産政策あるいは行政というものはあっても、消費者行政、消費者政策というものは不十分であったということについては同感であります。しかしながら、いま説明をお聞きしておりますると、当面の措置としてこの問題をお出しになったわけでありますが、次に各条にわたりまして質問を申し上げてまいりますけれども、それには、やはり今日の物価というものが消費者の生活に及ぼす影響というものをとらえて、とするならば、その物価上昇の経済的な原因なり政治的原因、こういうようなものをとらえて、これをいかにして保護していくかという基本的な問題をとらえる中で位置づけをやらなければならないかと私は思うのであります。  それはしかし一応触れないことにいたしまして、この内容に入ってまいりますが、消費者基本法案の内容を一読いたしまして私たちが感じますのは、訓示規定というものが中心になっておるわけでございます。その訓示規定によりまして消費者の保護というものが守られるような形というものが、今日の日本の政治なり経済の体制の中で生まれてくるであろうか。このことについて私は疑問視いたしておるわけでございますが、その実効性が期し得られるのだという一つの見解というものがありましたら、お示しをいただきたいのでございます。  その具体的な一つの問題を申し上げますが、第七条で、商品または役務について規制が加えられておるのであります。しかしながら、それらの完成をいたしました商品なり役務というものが消費者に提供をされるまでの過程といたしましては、その第一次産品なりあるいは第二次製造品に至ります過程の中において、原材料等の製造原価の問題というようなものが当然出てくるわけであります。したがいまして、最終末端価格を規制するということだけでは、消費者の生活の保護ということにはなり得ないと私は思うのであります。したがいまして、鉄製品でありましても、初めに、鋼材等について卸売りの段階においてとられているような今日の共同行為というもの等についても、これを規制しなければならないであろうと思うのでありますが、その共同行為の規制というものにつきましても、消費生活に直結をしたものをここでは取り上げておいでになるように見受けるのであります。といたしまするならば、消費生活に関係のある商品の生産というのは、主として中小企業者の手によってつくられているのでございます。あるいは食料品等は、もちろん農林漁業という第一次産品によってつくられて、それを加工いたしましたのが中小企業の手によって供せられるということになろうかと思うのであります。といたしますると、そういうようなものについての共同行為については、これを規制するということが打ち出され、片一方において大企業等が生産をいたします完成品に至らない、そういう半製品等についての規制というものが、この点では抜けているのではなかろうかという点を見るのでございますが、どういうようなふうにしてそれらの大企業生産品等については措置をされるという考え方をお持ちなのか、その点について承りたいのでございます。  それから、時間の関係もございますので、私、次に同時にお答えをいただきたいと思いますのは、十八条関係でございます。これは、消費者団体の整備をやるのだということでございます。消費者団体の整備の中には、当然消費生活協同組合というものが入ろうかと思うのでございます。私、先般福島に参りましたが、福島の生活協同組合の運営を実際にやっている消費生活協同組合の人にお会いをいたしました。そこで、その生活協同組合運動をやっている担当者が言っていることばの中からわかったのでありますが、七世帯に一軒の割合で商店があり、こういうような状態の中に今日零細な商店街があるときに、生活協同組合運動というものが進んでいくならば、それらの零細な、ほんとうにそれで生活を営むのではなくて生活の不足を補うというような、そういう生業的な商店との間には、やはり競争が行なわれていくというかっこうが生まれてくる、とするならば、これらのいわゆるレギュラーチェーンなりボランタリーチェーンに救済をされないようなそういう零細な商店というものについては、どういうふうな取り扱いをしたらいいのかということについで、実際生活協同組合運動をやっているわれわれとしては大きな悩みとジレンマに立たされているのだ、こういうことを私に述べておりました。そういうような点から考えてまいりますと、消費生活協同組合というものが消費者団体の整備の中に入るとするならば、そこには零細商店との競合の問題が当然出てくるわけでありますが、それをどういうふうに調整をしようとお考えになっているのか、この点についてもお答えを願いたいのであります。
  60. 春日一幸

    ○春日議員 まず、第七条の関係でございますが、これは訓示規定であまり効果がないではないかというように述べられておりますけれども、これはもう少し格調高く、われわれは国家の宣言規定というような気魄でそれぞれの基本を述べておるわけでございます。由来、憲法といい、農業基本法、中小企業基本法といい、基本法たるものは、国の施策の基本を国民に向かって宣言する、こういうことでございまして、この基本的な政策の基準についてそれぞれの特別立法なり特別施策が実現せられることを期待するというよりも、国にこれを命じていくということでございますから、これを誠実に政府が生かしていく、あるいは今後国会がこの宣言に基づいてそれぞれ所要の立法を行なっていくというところにあるのでございまして、現に、各基本法に基づいて特別法が逐次制定を見つつありますように、われわれも、これがもし制定をされますならば、この精神に基づいて幾つかの特別立法を用意いたしておるわけでございますので、この点もひとつ御理解を願っておきたいと思います。  なお、御指摘のありましたところの、物の生産原価の中には何といっても生産原材料がそのコストの大部を占めることにかんがみまして、やはり第七条においては、単なる日常生活に直結した商品価格、いわゆる小売り価格というようなものをとらえるだけでは効果があがらないのではないか、原材料についてはいかに、ということでありますが、これは申し上げるまでもなく独占禁止法が、カルテル行為については消費者の利益を保護する立場において許認可事項になっておりますので、そこに強い期待をしながら、なお今後、この法案の中にも書いてありますように、公取との密接なる連携、協議会等の結成がここに期待されておるのでありますから、あくまで不当な価格のカルテル行為は厳に容認しない、あるものはこれを排除していく、こういうところにつながるのでございます。  なお、農産物、水産物等そういうようなものについてはどうであるかというのでありますが、もとより消費者が消費者価格によって消費生活を行なっておるのでございますから、特に農産物その他魚介類というようなものについては、不当なカルテル行為、カルテル価格が形成されるというようなことは、当然これを排除してかからなければなりませんので、それが第七条の対象になることは当然のことでございます。ここにいう「国民の日常生活に直結した特に重要度の高い商品」と申しますものは、やはり国民の消費生活の現実の中において、その購入の頻度の高いもの、それから価格が消費生活に相当のボリュームを占めるものということが念頭に置かれておるわけでございまして、一年に一ぺん買うか買わないかわからないようなもの、それから単価もきわめて軽微なもの、こういうようなものについては、第七条の機能はさほどの期待が持たれてはいない、こういうことでございまして、実際消費生活者が生活必需物資を調達するその過程の中において、いい品物が安く買えるように、すなわち、商業者が利潤を追求することのあまり不当な価格によってこれを売りつけることのないよう、すなわち、団体法にいうあの協定価格等の許認可の中においてこの七条を生かしていこう、こういう考え方を持っておるわけでございます。  第十八条の問題でありますが、生協対策と申しますものは、これは小笠委員長も、かつて、例の団体法その他商店街振興組合法制定のときに、私も当時社会党におりまして、生協対策についてはともに深く論じ合ったわけでありますが、この生活協同組合と一般商業者との競合をどの程度で調整をはかっていくかという問題は、非常に困難かつデリケートな問題でございます。けれども、これは現在の法律をお互いが厳守して、そこの中で経済秩序の調整をはかっていこう、こういうことでございまして、具体的に申しますならば、員外利用の規制というものをある限界において行なっていかなければならぬのではないであろうか。御研究願っておると思いまするが、スカンジナビア三国においては、生協活動が消費活動の中において大きな分野、度合いを示しておる。したがって、生協に対してはやはり組合員中心主義であり、員外利用については、例のウエーティングサークルというような制度を設けて、大体全体の中に占める度合いを二割内外のところで押えておるというような行政指導並びに自主的な運営と申しましょうか、そういうことで商業者との競合が調整されておるわけでございます。  問題は、生活協同組合は税法上とにかく国の保護を受けておるのでありまするから、税法上特殊の保護を受けていないところの商業者と、員外利用が無差別、無制限に行なわれますと、これは、そのような立場において他の商業者を圧迫することは当然でございますから、その圧迫をせざるよう、すなわち、生活協同組合というものはやはり組合員重点主義であり、員外利用というものについては一定の限界を設けて調整をはかっていく。なお、消費者団体の中には消費組合、職域購買会、いろいろなものがありますが、大企業のする職域購買会等は原価販売をし、あるいは特に人件費を会社経理の中から負担し、そこから発生する損失を会社経理の中に埋没せしめていく、こういうようなこと等があるのでございまして、このことは、その会社自体の従業員に対する福祉厚生施設としては、労働政策上効果のあるものかもしれませんけれども、しかし、本来的には、全日本の経済活動の中において、全国民が筋を通して、そのいずれかの部面に立って、そしてみずからの収入をはかっていくという経済秩序を確立していかなければならぬという立場から申しますと、この制度は若干疑問があるわけでございます。すなわち、会社が納むべき税金を少なくするために、特に購買会の経営を赤字にして、そうして全体の会社経理の中でカバーしていくということについては、これは何となく不公正な経理の立て方のように考えられますから、こういうものはできるだけ生活協同組合に組織がえをせしめていく、そうして商業活動は純然たる商業活動のワクの中で、自由にして公正なる競争の範囲を守らせていく、こういうふうにしていくべきであるということが念頭に置かれておる次第でございます。  以上でございます。
  61. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 私が取り上げましたのは、大企業等が行なっている購買利用組合というようなものではなくて、地域生協の現実の中からの悩みを披瀝申し上げたわけであります。昭和三十五年から三十七年までの間の、労働省の流通段階とサービス分野の調査の資料がありますが、これによりますと、三十五年から三十七年までの間に、消費者物価の上昇が一二・八%ということになっております。生産者段階で六一・七%上がっておりますが、その中の賃金の占める割合は一四・八%、運賃が三・一%、それに卸、小売りのマージンが三五・二%、うち賃金が〇・八%、こういうような数字を点検をいたしてまいりますと、この流通段階で賃金が上昇をしたための物価に対する寄与率というのは〇・八%であります。そういうような立場から、これらの流通段階やサービス分野における生産性上昇の分野余地というものがあるのかどうかということを点検をしてまいりますると、生産性上昇の余地というものはあるのだと私たちは思うのであります。三十一年から三十五年までは商店数が増加になっておりますが、三十五年以降三十七年までは減少の一途をたどっております。ところが、三十八年ごろから小売り店がまた増加の傾向に移っておるのであります。それはなぜかというと、零細な小売り店であっても、それだけのマージンに依存をすることによって生存が成り立っていくという形が生まれてきておる。そこに七軒に一軒、ひどいところの消費地になりますと四軒に一軒の割合で商店が存在をするというが、これは日本でなければ見られないような実情であります。そういうようなものが、今日やはり物価上昇の一因にもなっているということを考えなければならないと私は思うのでありますが、それらをどういうふうにやるかということは、単なる消費者の生活保護の問題だけではなくて、あるいはまた中小企業対策の分野だけの問題ではなくて、これを全体のスケールの中においてとらえていかなければならない問題であるということを私も考えておりますので、そういうような点から、これらの調整の問題、競合の問題につきましては、さらに御検討をわずらわしておきたいと思うのでございます。  そこで、時間もございませんので最後にお尋ねをいたしてまいりたいと思うのでございますが、なるほど、さっきからお話をお聞きしますと、これは基本法であって宣言法的な性格のものであるということがわかりました。そこで、そうであるにいたしましても、今日そのような宣言法あるいは基本法という性格のもとに出発をいたしますこの消費者保護の基本法がつくられてまいりました場合に、国は何々をしなければならないという規定が非常に多いわけであります。そこでこの消費者政策の体系の整備というものを、行政組織上どういうふうにしようとしておられるのか、それがどうもはっきりつかめないのであります。というのは、提案理由の説明の中にも、経済企画庁には国民生活局があり、農林省あるいは通産省には消費経済課が設置をされておる、しかし、全体のものは各個ばらばらであってつかめていない、こういうような提案理由の説明がなされております。まさしくそのとおりであろうと思うのでありますが、この基本法が制定をされた暁においては、その行政の上において、行政組織法の形態の上の立場から考えてまいりますと、それを一体どういう対応のしかたをしようとしておるのか、この点について、やはり権限関係、あるいは調整とか、所掌事務とか、そういうようなものが存在をしなければ、そのものを達成することはできないと思うのであります。とするならば、民社党が出された消費者基本法案の背景には、経済企画庁あたりに消費者庁というようなものでも行政機構の上からつくって、それを一元的に処理していくような方向というものをお考えになっておるのかどうか。これを各省に現在のような形でやらせるとなりますと、やはり各省設置法の関係を整備していかなければならないという問題が派生をするだろうし、経済企画庁にそれらの統一ある調整をやらせようということになったら、経済企画庁の設置法改正という問題が当然生まれてくるであろうと思うのでありますが、それをどういうふうに考えておられるのかという点であります。  それから、藤山長官にお尋ねをいたしておきたいのでありまするが、この前から物価担当官というものを設置されて、物価担当官会議等も行なわれておるようであります。生活に非常に関係の深い各省庁のそれぞれの担当官が集まりまして、国民生活局を中心にそれらの調整をやっておいでになるわけでございますが、現在の消費者保護行政というものが、現在のような形の中で行政組織上行なわれることが望ましいのか、もっと基本的にそれらの点を考え直さなければならないのではないかと私は思うのでありますが、それらについて検討をしておられたら、その説明を願いたいのでございます。  それと、最後に、国民生活審議会に大きな責任を持たせようとしておいでになるわけであります。これの六月二十一日現在の活動状況を調べてみたのでございますが、ことしは総会が一回、部会を五回やっているようでございます。四十年度は総会が五回に部会を十四回開いて、わりあいに活動をしているというのが目につくのでございます。しかしながら、この国民生活審議会にこういうような責任を持たせるという考え方があると同時に、春日さんも御承知のように、臨時行政調査会では消費者行政評議会というものをつくるべきだという改革意見が出されているのでございます。これについて、消費者行政評議会というようなものはどういうふうにしようとお考えになっておいでになるのか、ここに国民生活審議会に責任を持たせようという立場で草案が生まれておりますので、それとの関係を説明を願っておきたいと思います。
  62. 春日一幸

    ○春日議員 御研究相なりましたとおり、この臨調の答申の中にも、消費者行政が不在である、全然ないわけではないけれども、あるものが不統一である、したがいまして、これを統合して強化するためには、いま御指摘のような消費者行政評議会を設けるべしと答申されておるわけでございますから、わが党も、当初は、実はそのような法案を作成いたしたわけでございます。村山委員御同情願いたいのでございますが、実はわが党といたしましては、当面、国会法上予算関係法案の提出がちょっと困難な状況にございますので、いずれ次の総選挙で党勢力が拡張いたしますれば、そのときには、予算に関係を持ちますものを何ら顧慮することなく提案ができるのでございますけれども、現状においては、現在の機構をできるだけ援用していく、こういう態勢をとらざるを得ないという事情もございまして、したがって、現在の国の行政機関としてあるこれにふさわしきものと申しますと、結局、この附則に書いておりますような国民生活審議会がよろしからん、こういうことでこれを活用する方針を定めたわけでございます。しかしながら、御指摘のように、せっかく設けられたこの審議会が、開店休業状態であるというのか、惰眠をむさぼっておるというのか、これはまことに許しがたきことでございまして、こういうような機関に対しては、国会論議を十分反映せしめて、その覚せいを求めていくということでありたいと思うわけでございます。結局は、この現在の審議会でも、その気持ちになって、ほんとうに本法が負託するその使命を痛感して活動されますならば、これらの諸問題を消化することは決して困難ではないと考えておる次第でございます。  大体、以上のような考え方の上に立っておるのでございまするが、あくまで将来の行政機構のあり方としては、村山さん御承知のとおり、現在共産主義諸国でも、その政治の方式も経済政策も次第に民主化されつつあるのでございます。資本主議諸国でも、経済の体制は社会化されつつあるのでございまするから、したがって、現在の自由経済、日本の資本主義経済も、すでに相当部分が社会化されておりまするが、世界経済の動向に適応してさらにこれが計画化されていくということは、好むと好まざるとにかかわらず世界経済のメカニズムの当然の帰結であろうと思うのでございます。そうなってまいりましたときには、すなわち、生産、販売それから消費と三つの段階に分けて、経済政策の重点、焦点というものが分かれてまいるでございましょうから、そのような中においては当然消費者保護省、消費者保護大臣というようなものが設置されて、その国家的責任を全体的に、統合的にになってまいることになると思うのでありますが、現在の経済情勢の中でもやはり漸進的に、段階的にそのようなターミナルを念頭に置きながら行政措置を講じていく、すなわち、消費者保護行政を強化していく、こういうことになるでございましょうから、したがって、当面は、大体において臨調が答申をいたしておりますように、経済企画庁の藤山長官がひとつその敏腕とバイタリティーをもって、強力な消費者保護行政を統括していただく、こういうことを念頭に置いておるのでございまして、各省が持たれておりますいろいな機構がいまあるようでございますけれども、こういうものは逐次これを調整、統合していってもらう、こういうことでございます。すなわち、現在ではサービス行政として運輸省の旅客課、貨物課等があるようでございますが、こういうようなものもやはり郵政省につくっていかなければならぬではないか。郵政省には利用者課というようなセクションでも設置してはどうか。それから通産、農林、厚生には消費者保護行政機構ができてはおるけれども、これは非常に弱体である。そうした各省にまたがる全体的統合と調整は、ぜひとも経済企画庁でこれを統合、掌握してもらいたい、こういうことをこの基本法の中には含蓄いたしておるわけでございます。よろしく御賛同願いたいと思います。
  63. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 物価問題が重要でありますと同時に、一般的な国民生活問題が非常に重要であることは申し上げるまでもございません。両方あわせまして、行政の上に生産行政等とあわせて強く打ち出してまいらなければならぬことは、もう今日この時代におきまして当然のことであります。ただ、それをどういう機構でやり、どういう考え方でやるかということについては、臨調の答申もございますし、あるいは各国の実例等もございます。それらのものについてわれわれも十分慎重な検討をして、将来の問題として現実にいま私どもが扱っておる経験も生かしながら考えてまいらなければならぬ。特に、当面緊急な物価問題の処理としては、その要点をつかみ、あるいは指摘するという意味において、物価問題懇談会を開きまして、その率直な御意見をお願いしておるわけであります。そこで、やや恒久的な立場に立ちましてこの問題を扱ってまいります意味においては、国民生活審議会が中心になってやっておるのでございまして、これを活用するという――春日さんのことばからいえば惰眠をむさぼっておる、しかし、これを村山さんの見地からいえばわりあいに活動しておるという両方の御意見を承ったのですが、両方ともある場合には当たっているところもあろうし、当たらぬところもあろうと思いますが、いま国民生活審議会は、相当活発に取り組むつもりでやっておられます。そうしてまた、今回つくりました各省との連絡であります各省の物価担当官というもの、これが各省内の物価問題あるいは国民生活に直結しておる問題について、それぞれ各省内の意見を取りまとめ、あるいは各省の意見をリードしてもらうという立場に立って、一応現状の形においては進んでまいっておるので、この物価担当官の考え方そのものが、あるいは示唆というものが国民生活審議会に反映し、あるいは国民生活審議会の意見が、ただいまの段階では物価担当官に反映していくという形でただいまの問題を運営してまいりたい。緊急の問題についての特殊な御意見等については、物価問題懇談会でもってひとつ出していただいて、それを討議の対象にして、他のそれぞれの各省その他でもって議論をするその方向を示していきたい、こういう考え方で鋭意努力をいたしておる次第でございます。
  64. 村山喜一

    ○村山(喜)委員 これで終わりますが、私が先ほど国民生活審議会の活動の形式上の内容についてちょっと触れたのですが、行政組織法上の八条機関として設置されておる審議会がたくさんあります。その中にも、地盤沈下対策審議会というものも経済企画庁にありますが、これなどは去年一年間に一回総会が開かれただけで、ことしは総会も部会も開かれていない。活動をしていない審議会の部類なんです。中には数年審議会が開かれていないような、そういうようなものもございます。それから見たらわりかたやっているように見えたので、そういうふうに申し上げたのでありますが、いずれにいたしましてもこの消費者基本法案は、考え方としては、われわれも趣旨には賛成でございます。しかし、物価という現象をただ消費生活という部面だけからながめるだけではなくて、生産構造の部面がありますし、また流通機構の部面からもこの問題はとらえなければならぬ。そういうような意味において、多面的な検討を必要とするということを私たちは考えておりますので、そういうような点からも、今後さらに検討させていただきたいと考えるわけでございます。  以上で終わります。
  65. 小笠公韶

    ○小笠委員長 午後四時から再開することとし、この際休憩いたします。    午後一時十三分休憩      ――――◇―――――    午後四時十六分開議
  66. 小笠公韶

    ○小笠委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際おはかりいたします。  今国会におきまして本特別委員会が設置されまして以来、委員各位の御熱心な御協力によりまして、物価問題等に関する件について種々検討を加えてまいったわけでありますが、ここに物価の安定に関する件といたしまして、委員会の調査を通じて問題になりました点を取りまとめました案文があります。  この際、この案文を朗読いたします。     物価の安定に関する件(案)   今日の物価上昇には、産業部門内におけるたちおくれた部門をかかえていること又不況に直面して安易な共同行為への依存、更に社会環境や消費生活の変化など幾多の原因がある。   政府は経済の安定成長政策をとり、物価を安定させるべく努力をしているが未だ十分なる効果をみるまでに至っていない。   本委員会は、物価安定の重要性に鑑み、物価対策について慎重に検討を加えてきたが、此の際政府は次の措置をただちに講ずるよう要請するものである。  1、大企業など生産性向上の著しい企業が、生産性向上の成果を賃金及び利潤にだけでなく、積極的な価格の引下げにより消費者に回すような気運と環境をつくり出すこと。  2、公正競争条件の積極的整備をはかること。このため、独占禁止政策の適正な運営特に不況カルテル等に対しては飽くまでも臨時緊急の避難的性格に徹しその運用の厳正化に努めるとともに、公正取引委員会の機構の充実を図ること。    なお、技術の進歩に伴い、かつ、国際競争力強化の点から、生産の大規模化は必然であるので、大規模企業相互間において、技術進歩と国民福祉を阻害しないように、健全競争の原理が確立されるべきであり、仮に現行の独占禁止法に違反しないまでも、国民的視野よりみて好ましくない事態が生じ又は生ずるおそれがある場合には、それに対処するための調査、勧告などの必要な措置をとり得るよう考慮すること。  3、国営、地方公営企業等における放漫な経営については、監視を強め、非効率的な投資を規制し、運営等を合理化すること。    経常経費については独立採算制の中でまかなうことが当然であるが、投資的経費については、実情に応じその実態を明かにして国又は地方公共団体よりの支出、利子補給等を考慮すること。  4、農業については、技術進歩の可能性と圃場及び草地など生産基盤の整備の見通しを樹て、国内農産物の価格及び供給可能量の動向並びに食料の国際価格及び国際的供給量の動向を考慮し、将来の食料需要の変化に適応し得るよう、主要農産物について、長期的な需給見通しを行ない、自給に依存すべき量と輸入に依存すべき量についての見通しに即応して長期的構想に立って善処すること。  5、中小企業についてはその構造的要因にかんがみ、各業種毎の技術水準と規模の利益を取り入れた近代化計画を強力に推進するとともに速やかに健全な競争を導入することによって、企業の創意と経営努力を活かし得るような環境をつくること。    この見地に立って、中小企業団体法その他の法律に基づく不況カルテル等が長期にわたっている業界については、早急にその実態を調査し、速やかに健全なる競争状態に復帰するよう業種毎に計画的配意をなすこと、なお、不況カルテルは概ね三年間以内とし、この期間以内に事態の収拾が困難なる部門については特に根本的なる構造改善対策を実施することとし、財政投融資等を集中的に行なうこと。    なお、理容業、クリーニング業等のサービス事業については、分割料金制度、業種に応じた合理的経営および料金体制の整備を行なうこと。  6、再販売価格維持契約についての現行制度には種々の弊害が現われているので、この際、例外的に認める必要のあるものについては、消費者の利益を侵害することのないよう所要の措置をとること。  7、大都市又はその周辺の地域における物資の適正かつ円滑な流通を確保し、これらの地域における流通機能の向上及び交通の円滑化を図るため、都心、副都心及びこれらの周辺の地域に現に立地し、又は今後立地さるべき流通業務施設の整備に関する基本方針を早急に策定すること。    特に、大消費地における既存の中央卸売市場の狭隘化、施設の不備等の現状にかんがみ、長期の展望に立脚して、増大する流通量を適正円滑に処理できる施設の整備に関する構想を樹立し、その実施を推進すること。特にその機能の刷新に留意すること。  8、地価の著しい上昇は、住宅建設にとって重大な障害となっているのみならず、農業の近代化、流通の合理化、公共投資などを進めるうえにも大きな支障を及ぼしているなど、物価の上昇に直接間接に大きな影響があるので、公共の福祉の観点に立って、開発利益を合理的に還元し得るための諸制度の整備等に着眼し、土地の有効利用及び地価安定のための諸方策を速やかに検討し、実施すること。  9、都道府県及び政令指定市の行政部局の適当なところに消費者行政の総合調整に関する事項を新たに所掌させるとともに、これに要する費用を地方交付税の基準財政需要に算入するよう措置すること。    都道府県ならびに市町村を単位として、消費者、業者、行政担当者等で構成される消費者懇談会を設置するなど、消費者の意志、要望が行政に十分反映するとともに、消費者行動の合理化に資するような組織を整備すること。  10、なお、財政金融政策が物価の動向に至大なる関係をもっていることはいうまでもないので今後の財政金融政策の運営に当っては慎重なる考慮を払うこと。 以上であります。  案文の内容につきましては、委員各位がすでに御承知のところでありますので、その詳細な説明は省略することといたします。  物価問題の多様性から見まして、案文に列挙した事項以外にも多々措置すべきものがあることは言うまでもありません。案文に列挙せる事項は基本的事項に属するものであり、その解決に相当の努力を要するものであります。物価問題の解決にあたって特に感ぜられることは、何をおいても着実適確な一歩一歩の行動と情熱が必要だということであります。  この際、おはかりいたします。  ただいま朗読いたしました要請文を、本委員会の決議とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 小笠公韶

    ○小笠委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本決議の関係当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 小笠公韶

    ○小笠委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、ただいまの決議に対しまして、藤山経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。藤山経済企画庁長官。
  69. 藤山愛一郎

    ○藤山国務大臣 物価問題特別委員会が非常な熱心な御討議の上、今日の物価問題の来たっております原因等を究明され、さらに、その解決策に対して示唆をされました御意見を満場一致をもって御決定になりまして、政府に建議されることになりました。私どもこの趣旨を体しまして、今後物価問題の解決に全力をあげて努力してまいりたいと思います。
  70. 小笠公韶

    ○小笠委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、散会いたします。    午後四時二十七分散会