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1966-05-26 第51回国会 衆議院 地方行政委員会 35号 公式Web版

  1. 昭和四十一年五月二十六日(木曜日)    午前十時四十九分開議  出席委員    委員長 岡崎 英城君    理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君    理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君    理事 秋山 徳雄君 理事 華山 親義君    理事 細谷 治嘉君       亀山 孝一君    小山 省二君       島村 一郎君    周東 英雄君       田中 六助君    田村 良平君       中馬 辰猪君    登坂重次郎君       藤田 義光君    村山 達雄君       森下 元晴君    山崎  巖君       大出  俊君    阪上安太郎君       重盛 寿治君    島上善五郎君       安井 吉典君    門司  亮君  出席国務大臣         自 治 大 臣 永山 忠則君  出席政府委員         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  委員外の出席者         自治事務官         (大臣官房参事         官)      鎌田 要人君         自治事務官         (財政局公営企         業課長)    近藤 隆之君         専  門  員 越村安太郎君     ――――――――――――― 五月二十五日  委員田村良平君及び藤田義光君辞任につき、そ  の補欠として船田中君及び重政誠之君が議長の  指命で委員に選任された。 同日  委員重政誠之君及び船田中君辞任につき、その  補欠として藤田義光君及び田村良平君が議長の  指名で委員に選任された。 同月二十六日  委員村上勇君及び久保田鶴松君辞任につき、そ  の補欠として小山省二君及び大出俊君が議長の  指名で委員に選任された。 同日  委員小山省二君及び大出俊君辞任につき、その  補欠として村上勇君及び久保田鶴松君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 五月二十五日  消火弾を簡易消火用具として採用に関する請願  (井出一太郎君紹介)(第四九一二号)  家庭用消火器具規制に関する請願(井出一太郎  君紹介)(第四九一三号)  地方公営企業の確立に関する請願(下平正一君  紹介)(第四九一四号)  同(吉村吉雄君紹介)(第五〇六〇号)  戦傷病者に対する地方税の減免に関する請願  (進藤一馬君紹介)(第四九一五号)  同(相川勝六君紹介)(第四九五三号)  同(加藤常太郎君紹介)(第四九五四号)  同(地崎宇三郎君紹介)(第四九五五号)  同外一件(増田甲子七君紹介)(第四九五六号)  同外一件(増田甲子七君紹介)(第五〇五七号)  同(佐々木義武君紹介)(第五〇五八号)  同(田口長治郎君紹介)(第五〇五九号)  地方交付税配分等の特例措置に関する請願(川  野芳滿君紹介)(第五一〇〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方公営企業法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一〇七号)  地方公営企業法の一部を改正する法律案(安井  吉典君外九名提出、衆法第三八号)  地方公営企業財政再建促進特別措置法案(安井  吉典君外九名提出、衆法第三九号)  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案  (安井吉典君外九名提出、衆法第四〇号)      ――――◇―――――
  2. 岡崎英城

    ○岡崎委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方営企業法の一部を改正する法律案、安井吉典君外九名提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案、地方公営企業財政再建促進特別措置法案及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案、以上の四案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。重盛寿治君。
  3. 重盛壽治

    ○重盛委員 一昨日に引き続いて質問をさしていただきます。  原価主義についての考え方をちょっと最初に聞いておきたい。制度調査会の答申は、営業費、支払い利息等、経営に要する経費が料金原価に含まれる範囲だ、こう言っておる。水道、地下鉄の支払い利息が相当巨額になっておるところがあるが、その額がどういうふうになっておるか、一応お聞きをしておきます。
  4. 近藤隆之

    ○近藤説明員 水道事業につきましては、利息が三十五年以降どんどんふえてまいっておりまして、三十九年では、料金収入に占める比率が二五・一%というような形になっております。元金の償還まで含めますと、三五%程度ということであります。  それから地下鉄事業につきましては、これも三十九年度の支払い利息総額は四十四億五千二百万でございまして、料金収入に対しましては五八%程度となっております。
  5. 重盛壽治

    ○重盛委員 いまの答弁にあったように、非常に巨額な利息を料金原価に含めたら、一体料金はどれだけになればいいのか、法外な高いものになってしまうと私は思うのだが、その辺の考え方をひとつ柴田さんからお聞きしておきたい。
  6. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 お話のように、現在の状態のまま放置しておきますと、料金収入に非常にはね返ってくるということになるわけでございます。したがって数年前から、これをどうして資本費を低減するかという問題につきましては、水道事業と地下鉄事業というものを重点的に考えまして、いろいろ手当てをしてまいったわけでございます。しかし終局的には、地下鉄事業につきましては、やはり負担区分の確立という考え方をとってまいらねばならぬだろうというように考えるのであります。また水道事業につきましては、やはり資金構成の健全化といいますか、あるいは良質化といいますか、そういう措置をとってまいらねばならぬだろうというように思うのであります。今回の法案を立案いたすにあたりましても、水道事業につきましては、特に公営企業債の金利の軽減という措置をとることといたしたのであります。しかしながら、これだけで十分かと言われますと、必ずしも十分ではございません。なお水道事業等につきましては、また地下鉄事業等につきましても、政府資金の導入なりあるいはまた公営企業金融公庫債の資金条件の緩和、これの長期化あるいは低利化といったようなことにつきまして努力いたしてまいらねばならぬというように考えておるわけでございます。
  7. 重盛壽治

    ○重盛委員 努力を惜しまないということばはよくわかります。これはまた、私は別なところでいま少しお聞きしましよう。  これに関連すると、いわゆる料金問題は、住民あるいは労働者への責任転嫁になると私は思う。料金については原価主義を原則とする。支払い利息を料金原価に含ませておる。本来、地方公営企業はその公共性の本旨に照らして、公営企業法の二十三条だと思うのですが、償還期限を定めない企業債、すなわち永久公債があるが、これは住民のために利子を料金に含ませない意味合いからこうなっておると思うのですが、今回の処置はあくまでも利用者負担、いわゆる受益者負担を中心にするような考え方であって、公共料金値上げをいや応なしに導かせる危険性を持っておる、こういうように私は思うのですが、この点どうですか。
  8. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 永久公債のお話がございましたが、永久公債というのは一種の住民の永久社債的なものでございます。この制度がとられておりますのは、言うならば、今日の日本におきます投資市場と申しますか、そういうものの中におきましては非常に進歩的な制度であります。そういう制度を取り入れておりますけれども、不幸にしてまだ十分利用されていない、十分と申しますか、ほとんど利用されていない。これをどうして利用させるかというのが私どもの一つの大きな課題でございますが、現在ではまだこの制度というものは十分生かされておりません。しかし、こういう答申の考え方が、すぐ物価にどう響くかという問題になってまいりますと、必ずしもそれがすぐに物価に響くというふうには私ども考えないのでございます。料金の本来の原則ということは、やはり必要な経費は、これはカバーするのがたてまえでございます。答申は、その趣旨を簡単明瞭に述べておるの、だろうと思うのであります。したかって、やはり合理的、能率的経営のもとにおける必要な経費は確保するという表現をとっておるのも、そういうことだと思うのでございます。そういうことから申し上げますれば、今日、先ほどお尋ねがありました資本炎等の問題につきまして、なお問題が残っておりますけれども、しからば経営面について全然問題がないかと言いますれば、やはり問題があるのじゃないか、こういうことになろうかと思うのであります。
  9. 重盛壽治

    ○重盛委員 わかったようでわからない御説明だと思うのですが、まあその程度にしておきます。  私は、もう一つ、経費の支弁に関して、さきのに関連して、国の負担及び補助についてのこの基準をもう少し明確にしなければ法律をつくった意味がない、このように思うのであります。この改正案によると、地方公営企業の経費の支弁に関しては、地方公営企業と地方公共団体の一般会計及び他の特別会計との関係についてのみ若干規定しているが、いわゆる国の負担及び補助、たとえば国土総合開発計画をする大規模な水資源の開発については、国が相当額の建設費を負担する等について明確な基準が立ってはおらぬと思うので、これは当然この法律をつくるからには、こういう面は、どう国家は負担をしていくのだというような明確な基準が出ていなければならぬし、その必要がある、こういうふうに思うのですが、この点をひとつお聞かせを願います。
  10. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 お話の問題は、大規模なダムその他の建設にあたりますアロケーションの問題だろうと思います。アロケーションの問題につきましては、今日明確な基準が明定されておりません。一つの基準はございますけれども、私どもの立場から申し上げますならば、必ずしも十分なものではございません。そこで現在では、経済企画庁が中心になりまして、関係各省の間に検討会を持っております。この検討会を通じてアロケーションの合理的な基礎を明確にしょう、それによって、今後多目的ダムの建設等に関しまする費用の分担構成というものを合理化しよう、こういうふうなことにいたしておりまして、現在いろいろと検討をいたしております。しかし、私どもがこの法案をつくりましたときの立場、考え方を申し上げさしていただきたいと思うのでございますが、やはり地方公共団体の経営する事業なのでございます。その最終責任は、第一義的にはやはり地方住民であります。したがって、負担区分の問題というものは、まず地方住民の租税をもって構成いたしておりまする一般会計、それと受益者負担原則に基づく企業会計というものとの間における区分けを明確にするというのが第一義的な立場ではなかろうかと考えたのであります。その上で、国家的見地から考えまして、必要なものには必要な援助措置を講ずべきであると考えるのであります。ただその場合でも、今日の公営企業関係の運営を考えてまいりますれば、やはり資本と申しますか、建設費その他のいわゆる資本費でございますが、この資本費というものでどこまで手当てができるかという問題を考えてまいらなければならぬだろう。これには資本費、資本市場という問題があるものですから、そう公営企業だけの立場を固執するわけにはまいりませんけれども、資本費の軽減という問題、もっと簡単に申し上げますれば資金の問題、この問題を取り上げていくべきだろう。その次に国家と公営企業との関係というものが出てくる、こういう順序ではなかろうかと実は思うのでございます。そういう意味合いで、そういう順序でものを処理しようと考えて法案を立案いたしましたし、この裏にあります諸般の措置は、そういう考え方に立っておるのでございます。
  11. 重盛壽治

    ○重盛委員 御答弁にあるように、これから研究するというのは、そしてまた準備中だということばは、たいがいの場合につけ加えられる。しかしおよそそれらは、法律をつくって実現したためしは、従来の経験からいうとあまりない。むしろ小規模のものであってもよいから、地方自治体がこうしてくれぬか、国もこうしようじゃないかということは先に押し出すくらいの形がなければ、私は法案を提出する段階ではなかろうと思います。  これに関連して、国の政策の影響を受けて非常に料金に減収を生じた分、こういうのも国の補てん措置を私は規定をすべきだと思う。  あと二、三続けて申し上げます。  地方公営企業制度調査会の答申の中では、国の措置として政府が政策的に「合理的な料金の改訂を抑制する場合においては、それによって生ずる収入の欠陥を補うため、国において適切な措置を講ずべきである。」これは明確にうたってありますね。私どもは、いわゆる調査会の答申を全部よいとは考えないが、若干進んだ面もあるということを申し上げたが、こういうところはなかなか進んでおる、こう思っています。地方公営企業は、料金収入が事業収入の大半をなしており、経営収支に重大な影響を与えることとなるので、いわゆる国の低物価政策等によって生じた料金の減収というものは相当の額になる。これは当然私は国が措置していくことでなければ、いかに独立採算制を叫んでもできないのではないか、このように考えます。  もう一つこれに関連して申しますならば、地方公営企業に対する起債許可制度というのがありますね。何度か足を運んで、自分の金を分けてやるような形で最後に許してもらったのが起債のワクということ、いわゆる借金をする許可を与えることになる。地方公営企業法のたてまえとしては、企業債の発行については国の許可は必要ないものとしておる。この法律の制定の二十七年当時は、経済事情が非常に悪かった。そういうことのために、著しく不安定であったために、その附則で当分の間は許可制とするということが規定してあるように記憶しております。この附則は、今回の改正案においても削除されておらぬのでありますが、地方公営企業法の原則に戻り、事業経営の経済性、自立性を確保するため、企業債に関する国の許可制は、新しい法律を出すときを契機として、この附則なるものは廃止すべきである、このように、私は考えます。  再建計画についての国の関与は、地方自治体の自主的運営に支障を来たさないように、最小限にこれをとどめていき、低利の再建債の発行を当然認めていくべきである、このように考えます。  一応ここまでひとつ御答弁を願います。
  12. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 料金抑制の問題につきましては、もう私から申し上げるまでもなく、当委員会におかれまして設けられました小委員会におきましてもたびたび御論議のあった問題であります。またその御後援もあっていろいろ措置を講じてきたのであります。答申の趣旨も、補てんということばではなくして、むしろ必要な措置を講じよといったようなことばがあるわけであります。政府資金を輸送力増強のための資金として長期資金を特に配分いたしましたり、あるいはまた今回再建団体に対しましては再建債の発行、利子補給等の特別援助措置を講じようというのも、それの一端の措置というようにお考えをいただきたいのであります。  それから起債許可の問題でございますが、起債を許可制にいたしておりますのは、やはり資金量が十分ではございませんので、これを公平にかつ合理的に配分いたしますためには、今日の状況におきましては、形は許可でありますけれども、実質は資金の配分という形をとることが望ましいのじゃなかろうかということで今日まできておるわけでございます。資本市場が非常に育成されまして、潤沢な資金がありまして、どんな弱小団体でも金が借りられるという条件が満たされ、同時に地方公共団体が常に合理的な経営に専念してくれますならば、お話のようなことが可能かと思うのでございますけれども、今日の状態におきましては、私は両方の条件は満たされていないというように考えるのでありまして、起債許可の附則を廃止することは、時期尚早というように考えるわけでございます。
  13. 重盛壽治

    ○重盛委員 ここ二、三年来というものはあまり援助をしてくれずに、理屈だけたいへんいろんな面から出しておる。命令だけして、実は援助はしていない。やれ合理化をやれの、やれ料金の改正は当分待ての、いろいろなものを出してたいへん御指導は願っておるけれども、公営企業を経営する者の立場に立つと決してありがたいことではない。少なくともこういう場合については自主再建債の発行は認めてやるべきである。これはひとつ申し上げておきたい。  それから今度の改正案によれば、再建債の発行の前提となる再建計画の運用については、予算の調整、業務の執行等に国の関与する面が非常に多く、いままで、あまりいろいろやっていただかなくても、かなりめんどうなことを言ってきて、特に合理化をしなければめんどうを見てやらぬと言う。これは言い方としては当然であるかもしれぬが、そういうような押しつけがかなりあった。今度の法律から、企業の自主的運営が著しく阻害されてしまうのではないか。さなきだに運営がかなり悪化しておるものに対して、しろうとという言い方はたいへん失礼かもしらぬが、しろうとである上級官庁からいろいろな注文がつけられたとするならば、私は、この中における独立採算制はもとより、運営自体が行き詰まってしまう危険があるのではないか、このようにまず考える。したがって、再建計画の運用については国の関与をできるだけ排除する。地方自治体の自主的再建計画に基づく自主再建債の発行についても、これはどうしてもあわせてここで規定しなければならぬ。また再建債の利子は、こんなことを申し上げるとえらい恥をかかせるような一つこうになるのだが、改正案には年六分五厘とし、これをこえるものについて年一分五厘を限度とし国が利子補給を行なうこととしておる。これは何度か私が申し上げておるけれども、こういうことでは、あなたは、一億五千万くらい、それは半年だと言うけれども、それじゃ倍にしても三億。九百億という赤字を持つ公営企業に三億を出して、一体どういう再建ができるとお考えになっておるか。こういう法律だけつくれば、形だけ整えればよろしいというような形では、いまの公営企業は断じて維持できない、このように思っています。特に最近の金融一般情勢、いわゆる金利の実勢にかんがみますならば、少なくとも年三分五厘をこえる部分については全額国が処置していこう、こういう一点だけでも出たとするならば、その他の部面で若干無理した部面があっても、あるいは財政部面における再建は一歩前進するのではなかろうかと思いますが、こういう点について、いま一度大臣と局長から明確な答弁をひとつお願いしてみたいと思います。
  14. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 再建にあたりまして自主再建をというお話でございました。私どもは、再建に関しますこの法案に当りました考え方の基本は、やはり赤字企業というものは、会社でいえはつぶれかかった会社であると考えておるわけでございます。つぶれかかった会社に対しまして、民間の場合でございますれば、会社更生法その他の措置がございます。この場合に、一体どのような関与が行なわれておるかということをお考え願いますれば、この再建に関します措置はむしろ甘いくらいだという御批判を受けるかもしれぬくらい、実は自主性を尊重しておるつもりでございます。人間にたとえますれば、赤字企業というのは一種の病人ではなかろうかと思うのでございまして、病人が入院をいたしますれば、一切医者の指示に従うのがあたりまえでございます。しかしこの法案では、病人は自分で療養生活の計画を立てまして、医者に診断を仰ぐ、日本には自治大臣という医者しかいないわけであります。この医者にかかる以外に方法はないわけであります。その医者は、しかも患者が自分で書いた療養計画に対してイエスかノーかを言うだけでありまして、それも入院したくなければ別に入院していただかなくてもけっこうだという法律の仕組みになっておるのであります。ただ私どもは、公営企業の再建を願い、その立ち直りを深く期待いたしますがゆえに、こういう法案を書いて、ぜひ重い病人については入院をしたらどうかということをすすめるぐらいの権限を自治大臣が持ってもいいのではなかろうか、こう考えて、この法案を書いたのでございます。しかし運営にあたりましては、あるいは行き過ぎになる面があるのじゃないかという御心配、これはむしろありがたくちょうだいをいたすわけでございますが、私どもも、運営にあたりましては、無用な干渉にわたりませぬように、十分注意してまいるつもりでございます。  なお金利に関しますいろいろなお話がございましたが、この前の委員会でもお答え申し上げましたように、一般会計と企業会計の場合は若干違うんじゃなかろうか。私ども、一般会計の場合には六分五型超の部分について利子補組をするという案で出しましたところが、当委員会でいろいろ御批判がございまして、三分五厘超を段階的に利子補給の度合いを強めるということに修正をされたのであります。しかし公営企業の場合を考えてまいりますと、やはり一般会計とは違うのではなかろうかと思うのでございます。私どもは、六分五厘超の利子補給、言いかえますれば、政府資金を融通したと同じ軽度の財政援助といりことでほぼいいんじゃなかろうかというように考えて、こういう案にまとめた次第でございます。
  15. 永山忠則

    ○永山国務大臣 執行にあたりましては、局長の申しましたように、独善を排除いたしまして、地方の自主性を尊重いたしていくのでございまして、権力的な干渉等は一切いたさないように、お説のような自主性尊重でいくようにするのでございます。しかし、やはり企業の健全化をはかる意味におきまして、国の財政的援助等も伴っておりますので、国と地方と一体になりまして、この健全化に向かってやるという筋は通しておきたい、こう考えておる次第であります。
  16. 重盛壽治

    ○重盛委員 たいへん財政局長は乱暴なことを言うもので、つぶれかかっておるのをこれから病院に入れたりなおしたりするんだ、そういう形で公営企業というものはよいと考えておる。公営企業の中の赤字の問題だけをとらえて議論するならば、それでいい。しかし、少なくとも公営企業は、どういう実態になっても、国の政策として、都市の政策として、当然守っていかなければならぬ性格を持っておる。あなたのような言い方をしたならば、つぶれかかっている――つぶれるならつぶれていいのですか。つぶれますよ、六分五厘ばかりのあれをしようとすれば。大臣は、ことばの上ではたいへんいいことを言う。事業の健全化をはかろう、そのとおりであろうと思うが、こういう内容と、たとえばいま一つだけを出したんだが、三分五厘ということにならぬのかというと、六分五厘が変えられないというような考え方ならば、これは事業の健全化はできないのです。ただ法律をつくったにすぎない。そしてかえって窮屈になった。私はいやなことを言うようだけれども、だからこそ、おととい、一体公営企業の定義というのはどういうことだ、あまり私の納得するような答弁はしてもらえなかったけれども、そういうことにこだわるよりも、委員会全体が一体になって、内容をもっとよりよくすることのほうがよいだろう、理論闘争のようなことはなるべく避けたい、このように私は考えておったんだが、いまのようなあなたのお考え方で、つぶれかかっておる――本来いうならば、みんな病人なんです。七大都市を中心にすれば、軽症という程度のものが京都とかあるいは幾らかあるかもしれないが、おおむね病人なんです。その病人をみんな病院に入れて、一体どうなりますか。同時にいまのような考え方で、先ほど言うように、その他の官庁との関連性をいま努力中だというが、その努力が実ったならばどうか知りませんが、この姿でいくならば――それじゃ意地の悪い聞き方をするが、これは一応五ヵ年計画ですけれども、何年かかったら病気だけでもなおると思っていますか、抜本的な立ち直りは別としても、こういう形でいまおっしゃるように、六分五厘がまず妥当だというようなことを言っておるとするならば、何年かかれば、どういうケースをとれば再建ができるのか、ひとつ私に教えてもらいたいと思う。質問じゃない。
  17. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 私は基本的な考え方を申し上げたのでございまして、少しことばが過ぎたかもしれませんが、しかし同じような議論は、一般会計におきます再建の場合にも、るる繰り返されております。公営企業の場合におきましても、同じような考え方であってしかるべきだと思うのであります。財政再建に関します再建計画の立て方といたしましては、一応おおむね五年ということにしてあるわけであります。それは、やはり企業でございますので、早く立ち直ることが望ましいという意味合いから、五年という目標を一応置いたわけでありまして、一般会計の場合におきましても、これは七年でございます。それが実際問題としては百年かかるような団体もあったわけでございます。団体、団体によって事情が違うわけでございます。地方の小さな団体の水道でありますとか病院でありますとかいうところでは、あるいは三年もたてば事が済んでしまう団体もございますし、お話しのように、五大市のような大きな団体の交通事業になってまいりますれば複雑な要因が多々ありますので、それはとても五年では済まぬだろうというふうにわれわれ考えるのであります。法律では一応の目標を置く程度にとどめて、あとは具体的な団体の実態に応じて、再建計画を適宜定めていったらいいだろうという考え方をとったのでございます。
  18. 重盛壽治

    ○重盛委員 まあ言いかえると、一応これでやってみて、五年の間にあらわれてきた事態をその時点に立ってさらに新しい方向づけをしよう、こういう結論になるわけですね。当面現状はいかぬということは十分知っておる。これは知っていますね。そこでまずこの法律をつくって五カ年間経過を見て、その段階において、病人がなおったかあるいは自滅をしていくような状態になるのか、そういう事態においてまた考えよう、こういうふうに聞こえるわけだ。やはり局長の感覚と私の感覚とだいぶ違うようだから、とり方が悪過ぎるかもしれぬけれども、一応はこういうことになるね。
  19. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 少し意地悪く御理解になり過ぎているようでございます。そういうものではございませんで、一応五年間という目標を置いておるのは全国を通じての目標でございます。したがって具体的には個々の団体によって違うわけでございますので、三年で済むところも実は考えられ得るのでございます。しかしお話しのように、大きなところではとても三年や五年では片づきません。十年、十五年かかるところもございます。早い話が、東京都の例を考えてみまするならば、現在の段階では、交通事業だけつかまえました場合は、現在のこの再建計画だけではおそらく再建できないだろう。この前の委員会でいろいろ御質問もございましたが、やはり地下鉄との一体化とかあるいは路面電車、バスとの統合問題とかいったような問題が片づいてまいりませんと、ほんとうの意味合いにおける再建はできないのじゃないかというように考えられるものもあるわけでございます。したがってそういうものにつきましては、重盛先生がおっしゃいますように、とりあえずカンフル注射を打っておいて、そうして病状を見てまた新薬をいろいろ投入していくという考え方もとり得ると思うのでございます。しかし全般的に法律でもって再建措置を定めます場合にとるべき目標といたしましては、まあ一応五年くらいがよかろうと考えましてこういうような措置をとりました。したがいまして、おおむねということばをかぶしておりますのはそういう趣旨でございます。
  20. 重盛壽治

    ○重盛委員 だいぶ考え方が違うから、そうぴたりくるとは私も考えていないけれども、五年でやろうということにはもう無理がある。これは申し上げておきたい。  それから、お聞きしてもむだなような気もするのだが、関連をして財政再建計画について二、三点お聞きをしておきたい。地方議会の議決を経て財政再建計画を自治大臣に申し出る、そういうことになっていますね。財政再建計画の四つの事項は、いずれも労働条件に非常な関係を持つことになる。この場合、管理運営事項であるという判断、あるいは管理運営事項と労働条件として団交の対象事項と競合する事項、あるいは本来当然団交事項であるべき事項がある。これらを五年もの将来に向かって、あなたのほうの法律でいくと拘束してしまうという意味になる。そういうことが一体できていいであろうか。これはもうちょっと続けますが、当初は管理運営事項と判断されていたものが、自治大臣に申し出た後あるいは議会の議決を経た後に団交事項であると判断された場合、そういう場合に団交権や団体協約権と財政再建計画の関係は一体どうなるのですか。この法改正によって財政再建計画優先ということにより、本来の権利である団交権、団体協約権が制約を受けるということはないのですか。私はあると思う。関係がありますから、もうちょっと申しましょう。団体協約は大体三年をこえる期間にわたっての締結はやらないようになっておると思う。最近のものを私は全部調べてないからわからないが。すると財政再建計画のほうは五カ年との関係において、期限の問題で不都合な問題がいろいろ起きてくる危険性はないのかということが一つ。それから財政再建計画を議会の議決を経て自治大臣に申し出た場合、自治大臣は、その財政再建計画による財政の再建が合理的に達成できるように必要な条件をつけて承認をすることができると、こうなっておるが、この場合、事前に団交によって労使の合意に達した部分の修正を条件にしたり、議会で議決した事項に条件をつけるというようなことはあるのかないのか。いままでの自治省の考え方からいくと、けっこうそういうところにもいろいろやるのですね。もしそういうことがあるとすると、その場合団交のやり方をやり直さなければならぬ、あるいは議会の再審議というようなことが行なわれるということになるのか。こういう点、一体どうなるのか。そのような場合における労働権の権威あるいは議会の権威、さらに進んで自治体の自治というものについてどう解釈するか。いわゆる自治体に対する大きな圧力が加わって自治体の自主性が喪失される、こういうふうにも考えられる。どうも何か私が自治体の代表者で、あなたがどこかの敵みたいなものの言い方でたいへん悪いが、この法律を読んで考えていくと、私どもの考えがえらく違わなければそういうふうになってくる。これを、近藤さんと両方で御相談の上でけっこうですから、わかるようにひとつ答弁をしてもらいたい。
  21. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 この法律をつくります場合に非常に苦心をした点でございます。労働協約で定められることになっております給与その他の勤務条件等につきましては、財政再建計画に抵触するといったようなことがかりにありました場合におきましても、労働協約そのものの効力には直ちに影響はございません。法律上はそうなるわけでございます。しかし私どもといたしましては、再建計画を立入るという場合におきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、やはり企業そのものとしては一体として財政を再建するのだという立場に立って、つまりその了解のもとに、全企業一体となって再建するということがやはり前提であろうと思うのでございます。それに対して私どもといたしましてはできるだけ協力をする、こういう立場が本来の財政再建についての基本的なあり方だろうと思うのでございます。そういう意味で、その間の、財政再建計画というものと労働協約との間の矛盾というようなものの解消と申しますか、そういうものにつきましては、そういうような関係を前提として合理的に処理されることを予想しておるわけでございます。むしろそういうような前提のもとに初めて再建ができるのでございますから、管理者側と労働者側との間にその再建計画の樹立について、あるいは実行について、いろいろともんちゃくがある上において強行せられた再建計画というものは円満に実行される保障はないわけであります。そういうことのないように、一体となって再建計画をつくってもらう、それを自治大臣が承認する、こういうやり方をとっていきたい、かように考えまして、その間におきましては特別の規定を置いておりません。それは、そういう関係が前提となって初めて再建ができるのだという考え方に立つからであります。したがってまた、再建等につきましても条件をつける場合はあり得ますけれども、しかしそれはそういう一体性が確保されてない場合におきましては、おそらくはそれを条件つき承認というよりか、むしろそのもんちゃくが解消するまで再建計画の承認を保留するという立場をとってまいりたいというふうに考えます。
  22. 重盛壽治

    ○重盛委員 私は、そういうところはあまりお考えにならずに法案をおつくりになったように思う。一体となるかならぬかということは、法律の上にも非常に大きな問題がある。これは別な項でお尋ねしましよう。いまの現状で、いまのようなやり方をしておって、そうして経営を管理する者と働く者とが一体となり得るかどうか、その点は別な面で質問します。  最後に、財政再建計画をおおむね五カ年計画とした。これはいままでかなり悪口を言ったが、よくないと思うし、できないと思うが、一応はあなた方が出したのだから、その実現をはかる、そういうたてまえをとっている。それを六分五厘をこえるものについて一分五厘の限度において利子補給をする、財政再建債の発行によって財政再建をはかる、こういうようなことを言っておるが、いままでお聞きすると、経営赤字の原因追究に大きなあやまちをおかしておる。もっと露骨に言うと、つかんでおらぬと言うことがいいのではないか。本質的な財政再建は期待できないと考えておるが、政府自身は、この法律によって地方公営企業の財政再建がほんとうにできるというように考えておりますか。さっき大臣にお聞きをしたとき、特に、六分五厘というようなことではどうにもなりませんよということを私は申し上げて、健全な再建をするためにというようなおことばがあったのだが、最後に、財政面ではこのことだけ、もう一ぺん、六分五厘でなければならぬということは、他との関連性でこうあらなければならぬのか。何も私は、社会党が三分五厘を出したからそれにしなさいというものの言い方や詰め方はしたくはない。社会党のものに対しては別な角度で質問をいたします。いま政府のものに対して質問を申し上げているのだから、そんなけちなことは言いたくないけれども、しかし、だれが考えても六分五厘程度で財政再建が、あなたのおっしゃるように五カ年でもできるところはないのではないか。その点いま一ぺん、ひとつ大臣と御相談をなすって、かえなければいかぬところがあればかえてもけっこうですから、最後に御答弁を願いたいと思います。
  23. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 先ほどからるるお答え申し上げておりますように、やはり私どもは、現状におきまして最善と信ずる案をつくりまして御審議をわずらわしておるわけでございますが、六分五厘で絶対いかなければいかぬということは、正直申し上げまして、理論的にはっきりするような理屈は持ち合わせておりません。しかし、一般会計等のかね合いから考えまして、今日の状況から考えますと、再建債に関しまする援助といたしましては、まあまあこの程度でよくはなかろうか、こういうふうに考えたのでございます。  いろいろおしかりやらお教えやらがございましたが、全体といたしましては、これは一般会計の場合もそうでございましたが、やはり健全な経営をしておる企業も、少ないかもしれませんけれどもあることはあるわけでございます。しかし、それではそういう企業が非常に外的条件がいいかといいますれば、必ずしもそうではない。そうなってまいりますると、先ほど来御指摘がございました外的条件の整備その他の問題は確かにあるわけでございますけれども、これはやはり全企業を通じての措置じゃなかろうか。これは赤字、黒字を問わず、政府といたしましても必要な措置を講じてまいらなければならない部面ではなかろうか。しかし一方、その中で特に重症にあえいでおる赤字団体がある。この赤字団体に対しましては早く赤字をたな上げをして、そうして不安定債務を安定債務に切りかえる必要がある、こういうことだと思うのであります。したがって二面あるわけでございまして、全般的な企業全体を通じまする健全化の基盤というものは、なおあらゆる角度から努力して、これを健全化する方向に私どもは持っていかなければならぬ。その中でも、特に赤字団体についてはやはり特殊療法をやらなければならぬ、それが財政再建である、こういうふうに考えているわけでございます。
  24. 永山忠則

    ○永山国務大臣 六分五厘の関係につきましては、局長が申しましたように、一般会計の関係の再建整備が三分五厘でございます関係でありまして、これは企業でありますので、やはり六分五厘のほうが妥当ではないかということを折衝の結果考えたわけでございまして、御説のように、最初は三分五厘の線でいくべきでないかという折衝は一応はいたしてみたのでございますけれども、大蔵当局と相談した結果、これは企業である、一般会計とは違うのだから、やはり六分五厘ということが最も妥当だろうということで、その方向に決定いたしたわけでございます。
  25. 重盛壽治

    ○重盛委員 この問題は幾ら論議をしてもすれ違うから、そう論議をしません。しかし、お二人の答弁の中からほんとうの腹が出たように思うが、そのほんとうの腹がどこだという、そこまで私は詰めません。(発言する君あり)少なくとも、審議をしている過程を通じて、いま島上君が言われるように、たとえば党派の別を私は言いたくはない。こういうものには別に党派はあるはずはない。たくさんの参考人がおいでになって、その大部分が、六分五厘云々というようなことであってはできませんと明確に言っているわけです。実益がない。同時に、大臣も、当初は一度でもそういうふうに、三分五厘ぐらいでひとつがんばろうということで、がんばっていただいたことは私は非常に敬意を表します。柴田さんも、これでは満足ではないということを何回か言っているように思うわけですから、せっかく法律を改正するのですから、みんなで満足できるようなものにするよう、この点はひとつ努力を願いたい。これを申し上げる以外にはないのであります。  同時に、これはこの問題だけではありません。いろいろ法律をつくる場合に、政府は、ややもすれば最も優秀なもの、たとえば赤字ならば赤字の最小限のものを例にとって法案をつくる。それをまた答弁の唯一の方法としている。水道事業を問題とすれば、近県の千葉県の、あとでつくって、非常に経費のかかった、高くなったようなところを例にとって答弁なさるのだが、もうそういう時代は過ぎ去ったように私は思う。ほんとうに公営企業を生かそうとするならば、これはどこが一番困難な実態にあるのか。私ども東京都に関係があるから東京都のことをどうしろというようなことは申し上げませんが、少なくとも首都であり、政府のあらゆる機関があり、そうしてそのおひざ元であり、世界の唯一の大都市であるということならば、そこに重点を置き、そこの重病をなおすには一体どうあるべきかということが、こういう法案をつくる中にまず最初に入らなければならぬ。最初に入ったとするならば、いまおっしゃるようなことでは再建はできない。あなた方が足で、からだで体験し、目で見ているわけです。この点は特に答弁をいただかなくても私はけっこうですが、やはり再考を促しておきたい、このように思います。  それでは、続いて企業の職員の問題について若干お聞きをしておきたいのですが、企業職長の未分を地方公務員とし、給与決定の基準を民営企業の従事者に求める。そうですね。しかしながら、労働関係についてはおおむね現状でよろしいという考え方は、どうも私は一貫性がないように思う。これは一体どういうことなんですか。このことをひとつ伺いたい。
  26. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 給与の問題につきましては、現行法におきましても身分は地方公務員でありまして、その労働関係につきましては特殊の法的規制措置を講じておるわけであります。今回この給与に関しまする規定を改めましたのは、いままでの指導方針と申しまするか、この給与に関しまする規定の解釈というものにつきまして、規定上いろいろ誤解を生ずる向きもあったわけであります。しかし企業の職員の給与ということを考えてまいりますると、企業の健全化を進めてまいります上におきまして、やはり従来のようなあいまいな形でこの問題を処理すべきではなかろう、むしろ従来の解釈をもっと明確に打ち出すべきであるという考え方に立ちまして、答申の御趣旨も尊重し、給与に関しまする規定を明らかにしたわけであります。企業の職員でございますから、やはり企業の職員としてふさわしい報酬というものが支払われるように体系をはっきりさせたい。従来のように「その他の事情を考慮して」といったような不明確な形でなくして、従来「その他の事情」としていろいろ言われておりましたことをはっきりいたしました。そういう趣旨に立って給与に関します規定を改正しました。労働関係等につきましては、そういう趣旨でございまするので、従来の扱いを全然変更いたしていないのでございます。
  27. 重盛壽治

    ○重盛委員 頭のいい柴田さんにしてはちょっと私はおかしいのではないかと思う。従来より今度のほうがずっとあいまいですよ。従来はまだよかった。給与は地方公務員扱いをして、赤字が出れば赤字が出たように、まあ賃金の引き上げがおそくなるとかなんとかということがあったけれども、一応公務員扱いをしておった。今度のは民営企業の従出者に求めるというのだが、これはそういうことになると若干申し上げなければならないが、企業職員の給与は年功序列型賃金の体系から職務給に改める。年功序列をなくして、一体どういうことになりますか、長い間つとめた人は。企業の経営状況を考慮して給与を決定しろ、こう言っておる。また職階給制度もうたっている。そこで、職務給、職階給、経営状況の考慮の三つの問題を具体化してひとつ考えてみましょう。これは卑近な例ですが、公営バスの運転手というものが現実に働いている労働の実態、これは一口に百人から百五十人の市民を乗せてやっておるわけです。そういう多数の人を輸送しておる、しかるに経営状況が悪いために賃上げが不可能になった、こういう立場にかりに立たされるに至ったと仮定をいたしましょう。ところが一方、同じ地方公共団体の一般会計に働く自家用運転手、いわゆる知事さんを乗せたり副知事を乗せたり、あるいは局長や次長を乗せてあるく運転手、あるいはもっと別なのを言ってもいい、清掃車の運転手、こういう人たちは人事院勧告や人事委員会勧告に基づいて賃上げが実施される、そういうことになるのですね。このような場合に、一人の高級職員を運ぶ自動車の運転手の職務の責任と、多くの市民を運ぶバス運転手の職務の責任度合いというものは、一体どういうふうに判断をしますか。具体的にこういう問題を解明をしてもらいたいと思う。現実的な問題として、自家用運転手のみ給与改正をして、バス運転手の給与を改定しないということが、あなた方のようなこの考え方からいくと起こり得る。その場合、三つの問題の結びつきということは非常に大きな矛盾を生ずることになるのではないか。しかも一方、身分は同一の地方公務員である、こういうことを考えた場合に、その矛盾というものは非常に大きな問題になってくる。どうも意地の悪い聞き方で相すまぬが、こういう形があらわれるのを御承知だと思うのだが、それでもなおこれで答申を忠実に尊重するたてまえである、こういうことになりますか。
  28. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 やはり企業に従事する職員であります。したがって地方公務員といういろいろな職種が混在しておるものについて一本の給与の規制しかないという、また地方公務員というのは一本の給料表であってしかるべきであるという議論は私どもはあり得ないと思うのであります。同じ地方公務員の中でも、その従事する職務によって給与表が現に違っておるわけでございます。一般職の場合でも違っておるわけでございます。ましてや企業ということになってまいりますれば、それは別個の体系というものをとって少しもおかしくないのじゃなかろうかというふうに思うのでございます。具体的に運転手の例がございましたけれども、この運転手というものの例でございましても、普通の行政事務に従事する運転手というものと、たとえば交通事業に従事する職員である運転手というものとの職務の内容その他につきましては、やはり逢うのじゃなかろうかというように思うのでございまして、私どもといたしましては従来からもそういう考え方をとっておったわけであります。今回この給与規定を改めまして、その間におきましては何ら考え方におきまして相違はないわけでございます。
  29. 重盛壽治

    ○重盛委員 だんだんとおかしくなってくるのですが、その問題になると労働組合のほうの問題にまで入り、いまやっておるILO国内法との問題とも関連してくる。そういうことなら、これはあとで質問をし、さらに御答弁を求めましょう。ここで関連していますから一つ申しますが、年功序列型の給与体系を職務給に改めたい、こう言っておる。賃金は生活保障の基本条件である、そんなことは申し上げるまでもなくおわかりのことです。物価の高騰しておる現状において、生活給ということに対する考慮を払う必要はない、こういうようにお考えですか。また給与体系の移行という非常に困難な問題に対して政府はどのような制度を考え、指導しようとしておるのか、地方公務員という身分であるにもかかわらず人事院勧告やあるいはまた人事委員会勧告と切り離して給与問題に対処することによって生ずる労働関係の新しい困難性、そういうものが問題になってくるということは一体どのように処置をするか、そのことをひとつお聞きしておきます。
  30. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 生計費に関します考慮が全然あっていけないというようなことではございまいません。やはり給与をきめます場合には生計費に対する考慮というものはあらねばならぬということは、改正法の三一八条の第三項に明らかにいたしておるつもりであります。しかし一般職員の場合と企業職員の場合はやはりたてまえを変えて考えるべきだというように、非常にえこじと言われるかもしれませんけれども、考えるわけであります。そういう態度を従来からもとってまいりました。今回もそれを変えるべき必要は考えなかったのであります。また答申の御趣旨もそのように拝読いたしましたので、このような改正規定を設けたのでございます。
  31. 重盛壽治

    ○重盛委員 あるいは財政通の柴田さんの専門ではないのかもしらぬが、ちとわかりにくい。職階制をどうするか。利潤追求ということばをわれわれは使うが、金もうけのためにやる事業ならば、年とったのやら家族の多いのをどんどん強制退職させたりぶった切ったりして、若い男を入れていけばいいという転換もあるかもしれませんが、現実に置かれておる公営企業というものの中では、そういう理屈は成り立たない。現実を無視した法律や考え方では、これはいかにどういう御答弁をなさっても再建できない。だから悪口を言わなければならない。赤字ができたといえば、料金の引き上げをすることと合理化以外に何もしないんじゃないか。これははなはだ失礼な言い方でありますが、経営やら国内の情勢やら労働条件やらすべてを無視して、ただ赤字を埋めていけばよろしいんだという立場にのみ立つ論法にすぎないのではないか、私はこのように考える。  それで、地方公営企業の職員の労働条件について、もうちょっとお伺いしましよう。一般行政職からの切り離しをするという考え方になるわけですね。それから、職務給、能率給の採用、ノルマでやろう、こういうタクシーの運転手みたいなやり力をやろう。しかし、そうやってもできない現状だということは別に説明します。都電や都バスを、乗客手当をよけいやるから、あるいは走行キロ手当をよけいやるから能率をあげなさいといっても、走りたくても走れない現状にいまあるわけです。だから、能率給の採用なんということは、いま考えてもできない。むしろ実質的に労働君の自責によって処理していくという方向づけをしていく時代に移行しておる。給与は経営成績に順応させる。これは一応言うことはよいが、あくまで同一産業の民間経営と並べてみるんだというような見方というものは、均衡をとるというようなものは、一つの考え方としてはいいが、労働基準法にも触れるし、ドライヤー勧告にももちろん反するし、世界的な労働条件に反してくることになる。定年制をまた検討しよう、こういうふうに考えているようだが、一般行政職の切り離しは、かえってあなたのほうで迷惑します。いままでは、たとえば東京なら東京、大阪なら大阪、市労連というような形で一緒になって交渉し、一本で話がついてきた。これを切り離しをするとするならば、労働組合に対する弾圧というか分裂作戦でもあると同町に、ほんとうに事業の経営をしようとする場合に市が非常に困難になる。水道は水道、交通は交通、病院、区役所すべてが別々に交渉しなければならぬというような形になる危険性があるわけです。これはやはり統一交渉をしてもらったほうがやりいいわけです。こういう考え方をだんだん進めていくと、それが統一交渉の拒否となり、労使慣行の無視になってくるというように私は思う。給与を経営成績に順応させるといっておるが、地方公営企業に一体もうかるところがありますか。これはどこがどれだけもうかって、と同町に、もうかったから給与を引き上げたという例があるならば、そのデータを近藤課長でもだれでもいいからそういうものを――私の質問と同時に、地方公営企業はいままでどれだけもうかって、これはもうかったからこれだけ給与を引き上げたという例がどういうところにあるか、これをひとつ出してください。そうでないと、これの考え方は、赤字、賃下げ、合弁化ということになる以外の何ものでもない。民間企業を見習え、民間企業と同じようにストライキ権を認めていくということですか。身分は地方公務員として拘束をする、待遇はほかの低賃金を見習えという身がってな理論は、私は成り立たないと思うのです。私一人だけであまり時間をとるようだが、そういう重要な問題ができ上がらないうちに、どうこの点を考えて出したのか。いままでの点をひとつ説明してもらいたい。
  32. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 いままでの実例をいろいろお話しでございましたが、いままでのたてまえと一向に変わっていないのであります。むしろ、いままでの法律のたてまえそのものがいま御指摘にありましたような状態であるべきものとしておるのでありまして、実態が不幸にしてそのように行なわれていなかったというだけの話だと私は考えるのであります。管理者と従業員との間の団体交渉というのは、それは現行のたてまえでも管理者との間において行なわれるものである、そういうたてまえであります。別にその間交渉を統一してやらなければならぬということは法規的になっていないのでありまして、ただ便宜上そういうことをいろいろやっておったというだけの話であります。私どもといたしましては、いままでのたてまえと一つも変えておりません。ただ、企業職員であります以上は、その企業職長の給与というものは、企業の特性から別途の配慮がなされてしかるべきものだというように考えるのであります。  能率の問題をいろいろおっしゃいましたけれども、これは何も企業職員だけが能率的でなければならないということではないのであって、おおよそあらゆる行政といえども能率的に執行しなければならないのは当然であります。しかし企業の場合はその能率というものがより明確な形で反映されるだろうという考え方に立ちまして、その間の事情を明確にするためにこういう改正規定を置いたのでございます。  また、いままでもうかった例があるかといったようなお話でございました。地方公営企業の実際の料金のきめ方その他を考えてまいりますならば、利潤、資本報酬的なものを料金の中に加算することは、実際問題としてなかなかむずかしいといったような事情もございますが、資本報酬的な考え方を取り入れるようにという答申もあったわけであります。そういうような配慮を料金決定の場合にすべきだということも改正規定の中にうたったわけでございます。しかし、公営企業でございますので、実際に利潤と申しますか、余剰が出てまいります場合は、お話しのように少のうございます。だからといって、能率があがって、そのためにほかの建設費のほうに回る財源が出てきたといった場合は多々あるわけであります。そういう場合に、それを建設費に回すかあるいは企業の職員に還元するかという問題につきましては、これは団体交渉できめていきたい、こういうことであります。いままでそういうことがなかったのは、あるいは逆に言いますならば、企業経営のあり方として正しい姿でなかったのだということさえ言えるのでありまして、本来のたてまえに立ち返りますためには、そういう場合は、ただいま申し上げましたような方向で企業経営というようなたてまえを明確にすべきじゃなかろうかというように考えまして、こういう規定を置いたのでございます。  いろいろ御指摘がございましたけれども、従来のたてまえを大きく変えておるわけでもございません。従来のたて交えがありながら実態が違っておったということでありまして、違った実態に基づいて法律を直すというのでございませんで、いままでのたてまえはたてまえとして、望ましいたてまえであると考えますがゆえに、そのたてまえのしに立って、いままでの不明確な点を明確にするという態度をとったのでございます。
  33. 重盛壽治

    ○重盛委員 いままでの不明確な点を明確にするというのは、どこに出ておるのですか。
  34. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 従来から私どもは、企業職員の給与について、「その他の事情を考慮して」ということばがございましたが、その他の事情というものにつきましては、改正法のような考え方をとって申してまいりました。したがってまた、例年ありますところのベースアップ等の問題につきましても、公営企業に対します態度も先生御承知のような態度をとってきたわけであります。したがって、その点が非常に不明確である、そのためにいろいろ問題が起こる、混乱が起こるといったようなことを避ける意味合いからも従来の考え方を明らかにしたわけでございます。
  35. 重盛壽治

    ○重盛委員 これは全く考え方の違いという以外にないし、驚くべき御答弁だと言わなければならぬわけであります。いままでならまだよかった。それを、公営企業に従事する者の給与を民間企業の同種のものと見られている、こういう言いあらわし方というのは、全く角度の違ったものになってくるんです。だから、私が言った民間企業では、私はストライキをやれというのではないですけれども、ストライキ権もちゃんと認められておる。だけれども、地方公務員は拘束されておりますね。そうでございましょう。そうすると、先ほどからいろいろな御説明があったけれども、同じ公務員であり、同じ運転手であって、給与の引き上げは人事院勧告でできた、しかし、公営企業に従事するがゆえに給与の引き上げはできないんだ、これでは不満だ。もちろん労使が相協力して、労使ということばがいいのか、経営者と労働者が相協力して公共企業に当たるということは原則であるし、そのつもりでやっておることもまた当然であります。けれども、いまのような法律がつくられ、そしていわゆる無理解な管理者が四年も居すわって、ただ赤字を克服するだけにきゅうきゅうとして従業員の生活を顧みないということが、あり得ないことではあるが、あり得ないことがちょいちょいある。そういう場合に労働者が団結をし、あるいは労働者の持つ権利を出す、これを実行していく、そういう場合にどういう形でやりますか。あなたがおっしゃるのは――もっとその前に、それではドライヤー勧告についてどういう考え方を持っておりますか、その点を先に聞かしてください。
  36. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 ドライヤー勧告につきましては、もちろん私の専門でございませんけれども、政府部内におきましてはいろいろ検討中でございます。
  37. 重盛壽治

    ○重盛委員 いまあなたのおっしゃるように、もちろんあなたは専門家でないことはわかっておる。だから、あなたをいじめようとは思わぬが、あなた方のお考えになっていることだとするならば、いまILO条約問題で国内法をどう扱うかということで、御承知のように一生懸命に別のところで御相談を願っておるわけであります。そういうものが出なければ、こういう法律は出してはいかぬですよ、それがきまらぬ限りは。ドライヤー勧告は、私がいまさらあなたに説明する必要はないが、たとえば、地方公務員に対してもこういう制度をつくるならば当然スト権を与えるべきだ。ストをやりたいからということじゃないですよ。ストをやってはいかぬ。だけれども、権利は与えておかなければいかぬ。それからもう一つ、一番大事なことは労使間の信頼が欠けておる。日本の労働者と日本の経営者は非常にあたたかみがない。もっとも、いつも合理化で締めつけられているとあたたかみがなくなるだろう。けれども、いずれにしても世界的な立場に立って労働慣行を確立していこうというときには、もう日本などはその第一線に立っていわゆる世界の見本をつくっていく、このくらいのことにしてもいいような経済状態にあるのではないか。かなり困難な経済状態に追い込まれておるが、しかしあっちこっちで戦争をしたり、戦いをしておる、あるいは軍備を推し進めておる、そういう国に比較するならば、労働関係ぐらいは世界的なものをつくって、少なくとも労働関係では平和的なたてまえをとっていって、日本の法律を見習え、日本の労使関係を見てやったらどうだというようなものにしていくのがいまの政府の責任ではないか、当然また考えるべき絶好のチャンスに来ておるのではないか、このように私は思うのです。この問題が解決がつかない、いわゆる身分の保障ができないような状態においての法の改正というものに私はどうしても納得がいかない。いまあなたがおっしゃるように、専門ではないからというのだが、若干その内容に私が触れたのだが、その点どういうようにお考えになりますか。
  38. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 ドラヤー勧告の取り扱いの問題につきましては、ただいま申し上げましたように、単に地方公営企業だけではございませんで、一般の国、地方を通ずる公務員全体の問題でありまして、そういう意味合いで別途政府部内でいろいろ検討しているということを申し上げたのでございます。給与の問題そのものにつきましては、やはりドライヤー勧告の問題とは別個の問題であるというように私どもは考えておるのでございます。民間企業の問題はいろいろ御指摘がございましたけれども、脱行法の点におきましても、民間企業の従事者の給与を考慮してきめなければならぬというふうに書いております。私どもは、改正規定によりまして、「同一又は類似の職種」ということばを入れただけでございます。それは本来そうあるべきだと考えたからそういうことを入れたのであります。また、経営状態の考慮の点につきましても、三公社五現業の給与の決定方式等につきましてもそういう配慮がなされておるわけでございまして、私どもはそれとの均衡を考えましても、経営状態を考慮して定めなければならぬという規定を置くことは別段ふしぎだとは考えていないのでございます。
  39. 重盛壽治

    ○重盛委員 あなたはドヤイヤー勧告は別のものだとおっしゃる。これは大きな間違いだが、それは一応そのように聞いておきましょう。しかし、労使間の信頼性がないということは、これはもうドライヤー勧告の中で一番大きな筋ですね。これはこの事業に当てはまらぬということではありまんけれども、労働関係はいまから別に説明します。労使間の関係をよりよくしなければならぬということは、むしろほんとうに利潤を追求するというか、金をもうけていくのだという事業でなくて、公営企業というようなところでより模範的なものを示していく、そうして民間企業も金もうけだけを考えないで、国民全体の生活、国情、文化的な国家のあり方、そういうものを考慮の中に入れながら、みにくい戦いはしないでやっていけというものをこういう部面から押し出していくということでなければならぬ。非常に失礼な言い方でありますが、若干の赤字を克服するために簡単にこんなような案をお出しになったと思う。出さぬよりはあるいはましであるかもしれない。出していただいたことのためにいろいろの事情がわかってくるということもたいへん効果があったように私は考える。そういう部面は別としても、ドライヤー勧告におけるところの労使間の関係というものは、もう少し煮詰めてお考えになっておく必要があるのではないかと思います。これは御答弁はなくてもよろしいです。  それからいま触れたことに関係しますが、民間企業の賃金は一般的に低いとされており、それに見習えという。私はこれは低くはないと思う。低いというからそれに見習えというのは――先ほど言った生活給であるとかなんとかいうことは別ですよ、年功の古い人で、苦労して年功のあるというのは別にして、もしこっちが商いというならばそのデータをお出し願いたいし、そうでなければ、何もかも賃金を引き上げてそれに見習えということで、賃金引き上げということになっていきます。これもひとつよく考えてもらわなければならぬ。地方公営企業に従事する職員も地方公務員と変わりがないと言いながら、賃金体系について一般公務員といま差別しようとしておる。どうしても差別されるのです。これは労働協約締結権を含む地方公営企業労働者の労働基本権が全く否定されてしまうという結果になると思う。あなたはたいへんいいことをさっき言った。従来の慣行をくずす必要はない、もっとも従来の慣行も正しい形ではないと言ったが、なかなか抜け道はじょうずで、従来の慣行でよろしいならよろしいだけでけっこうなんであります。よけいなことを言ってくれなくてもけっこうでありますが、知り過ぎていてかえってまずい結果になった。あなたがそういう考え方であるとするならば非常に危険なんです。従来の慣行でいい、これだけおっしゃればいい。従来の慣行も基本的に正しいものではないような言い方をする。私どもは労働者だから――私自身は労働者であるかないかは別として、労働者の立場から都合のいいようにというようなことではないのです。いまの日本の労働者はだれ一人として――中には例外はありますよ。あるが、みずからの事業を繁栄させて、その中でみずからが生きていく、生活をしていく、そういう考え方を持たないような者は日本民族の中にはもうおりませんよ。遊んでいてもいいから、時間がたてば金だけもらえばいいということになったら、どんなに大きな独占資本さんでもつぶれてしまう。そんな考え方を持つ者は一人もいない。だから、協力すべきものは協力をし、やるべき責任は遂行しながら、なお当然の権利として生活は確保していきたいというのが一つの考え方になっておるわけです。だから、いまのようなことでいくと、赤字になった、赤字になったのはまるで従業員がよけい金を取っていったから赤字になっていったことに押しつけられようとしておりますが、こういう問題に対して一体どのように考えますか。具体的にいえば、地方公営企業に限らず現在の公務員制度の問題にもなるわけです。現在、御承知のとおり人事院で民間企業の賃金を基礎にして勧告を出しておる。この間も五現業に民間の私鉄のやつを基準にして勧告が出ておるわけですね。諸種の条件を加味して幾分差し引いたが、いままで民間企業の賃金を基礎にして出してくる。しかしそれはそれなりに出してこないです。だから、ここでいう、民間企業に見習え、見習えというけれども、民間企業よりはむしろ低い。低いから、民間企業を基礎にして、いろいろな条件をつけて幾らかそれより差し引いた残りが人事院勧告としてあらわれる中身ですね。しかも、民間企業の賃金と一口に言っても、やはり現状がストライキを背景とした労使間の力関係できまるものであるから、交通の場合を取り上げてみると、同種の民間企業といえば、一部を除いて私鉄総連に加盟しているわけです。そのために、日常組合員に対する風当たりも強く、賃上げのときも、これは必ずストライキ権を確立し、ストライキをやっていく。こういう場合、公営企業は何が何でも賃上げができない、こういうことになる。そこで考えることは、ストライキ権のある各組合の内部としては、ストライキ権が確立できないというような問題が残るかもしれない。しかし、地方公営企業の労働者は、直接その問題に触れられずに、その影響を受けることになるわけだ。自分の賃金が自分たちで解決できない不合理な点についてあらためてどうしていくか、これだけはひとつ答弁をしておいてください。
  40. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 民間企業の給与との関連のお話がございました。民間企業の給与との関連の考慮ということは、先ほども申し上げましたように現行法にもあるわけでございます。改正法につきましても、この点につきましては特段の改正をいたしておりません。ただ、「同一又は類似の職種」ということばを明確にしただけでございます。  また、給与についていろいろ心配だというお話でございます。しかし、給与に関しましては、御承知のように団体交渉によりまして協約を結んできめるたてまえになっております。そのたてまえも今回の改正におきましてはいささかもくずしておりません。したがって私どもは、そう先生が言われるようなとんでもない改正だというようには少しも考えないのであります。非常に不明確な点を明確にしたのでありますから、そうそれによりましてお話しのようなとんでもないことが起こるのだといったようには少しも考えられないのであります。
  41. 重盛壽治

    ○重盛委員 その不明確な点を明確にした、えらい突っ放したごあいさつをなさるけれども、どこが明確になったのですか。  それから私鉄との関係は、あなたは私が聞いたこととまるで違う答弁をしている。私鉄の労働者は同じ労働関係であって、同じ交通事業に携わる者――交通だけを取り上げた形になるが、賃金が気に食わぬ、引き上げをしょう、のまない、のまなければそれはスト権を発動してストライキをやる。これがいい悪いは別ですが、そうして基準を定めていく。そうですね。そういう場合に、公営企業の人たちはそういうような場合に、追い込まれたときにどういう処置をすればよろしいのかというのがあなたに対する質問なんです。
  42. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 ちょっと私が誤解をいたしておりまして失礼をいたしました。やはりたてまえは団体交渉であります。したがって、企業の管理者との間におきまして団体交渉を持っていくのであります。ただ、それに対してストライキ権をどうするかという問題は、団体交渉というものに対する一つの手段でありますが、これは公営企業の持つ公共性と申しますか、そういう立場から禁止されておるというのが現状だと思います。それをどうこう言われましても、これはひとり公営企業のみならず、いわゆる三公社五現業も含めましての政府並びに地方公共団体の行ないます企業体というものに対しまする団体交渉のあり方という大きな問題でございます。地方公営企業の分野だけで片づけるべき問題でもないと思っております。やはりお尋ねの場合は、片づくまで団体交渉をやってもらわなければしょうがないというように考えます。
  43. 重盛壽治

    ○重盛委員 どうも同じようなことを繰り返して済まぬけれども、この点は立場の違いというのか、まだ納得ができない。同種の民間企業に見習えとある。そういう見習い方にもいろいろある。人事院にしても、相当調査の上でき得る限り正確に出そうとしているが、いわゆる多種多様の公営企業にそのような権威ある機関が事実上置けるかどうか、その機関の構成等はどういうふうに考えるのか。民間企業と同じようにして団体交渉はする、団体交渉はうまくいかなかった、そういう場合がありますね。そういう場合にはそれを調整していく機関として、事実上どういうものを置いてどういうふうに処理をしていくつもりであるのか、これをひとつお聞きをしておきたい。
  44. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 現行法制では、この場合には地方労働委員会があるわけでありまして、その処理機関は今日でもあるわけでございます。それが適当でないといったような御批判かとも思うのでありますが、その点につきましては、今日の地方労働委員会の処理のしかたが適当でないということでございますれば別個に検討しなければならぬだろうと思うのであります。しかし、いままで私どもの知っております限りにおきましては、そういう問題について今日の地方労働委員会の処理のしかた等につきましてのいろいろな批判というのは、そういう形では聞かない。むしろ御質問の逆のような形で聞きますが、御質問のような形では、今日の処理機関の地方労働委員のあり方というものについての批判はあまり聞いておりません。したがって、私どもは今日の処理の方法で一応いいのだろうというふうに考えておるわけであります。
  45. 重盛壽治

    ○重盛委員 くどくなるけれども、この法律の中に民間企業に見習えということがなければそれはいいです。いいが、あなたの言うように、私も何度も言ったからそうくどく言いたくないが、賃金は民間に見習え、そして身分は地方公務員である、そうすると、どういうことになってくるか。先ほど幾つか例をあげたが。二人運転手がいて、一人は局長さんの運転手、一人は乗客を運ぶ運転手である。そして一方は地方公務員で、人事院勧告でどんどん給与の引き上げができるが、片一方は赤字財政であるがために、そこに拘束されて賃金の引き上げができないというような事実があらわれてくる、そういうときに一体どうするのかということに対するいままでの議論なんですね。幾ら言っても堂々めぐりだといえば、そういうことになるかもしれませんが、そうならば、さっき言ったように、ドライヤー勧告ならドライヤー勧告が国内法の中で言っておるように、あれが通るのはいまの状況では困難だろうと私どもは思うが、しかし、そういう中でストライキ権ならストライキ権も与えましょう、やるだけはひとつみんなにやってもらおう、こういう形をつくらぬと法律の体系が、私はしろうとだけれども、成り立たないと思う。だからこの法律のいままで私のお聞きしたらち内では――ほかにたくさん聞くためにお待ちになっている方があるから、私はそういつまでもお聞きしません。しかし何回かの御答弁を聞いておる中で、あなた方自身も大臣も、必ずしも満足ではない、もうちょっと、たとえば再建債の問題に対しても三分五厘を主張したんだが、こういうことを聞くし、閣議決定までの過程における多くの事情の発生あるいはその後における反対の動きやそして要請、あるいはまたたくさんの参考人の意見、そのほとんどが遺憾ながらわれわれの言うことと、一、二の例を除けば相一致しておる。そうだとするならば、この法律に対しましては率直に私は考え、再検討をする必要があるのではないか、こういう意味から、私はまだたくさん質問が残っております。残っておりますが、私の質問を一応保留をいたしまして、そして他の方に順次御質問を願い、私はきょうのところでは保留をさせていただきます。  いまの最後のことに対して柴田局長、それから大臣からもうちょっと突っ込んだ、かなりいいところまで御答弁があったんだから、もうちょっと突っ込んだ答弁を聞かせていただきたい、こう思っています。
  46. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 法案をつくります場合には、こごで申し上げるまでもなく、もう先生おわかりのとおりいろいろやりとりがありまして、交渉もあるわけでございます。初め立案者が考えたとおり、ものがなかなか運ぶものではございません。その間には妥協もございましょうし、また取引みたいなものもあるわけでございます。私どもといたしましては答申をいただきまして、この答申を基礎にいたしまして、そして極力法案の取りまとめに努力をしたのでございまして、結果的にはこういう法案になり、いろいろ御批判をいただいておるようなわけでありますが、政府全体の法案の取りまとめに対しましては、るる申し上げましたように、答申を基礎にいたしまして、極力答申の線に沿って取りまとめるように努力したつもりでございます。しかし結果的に見ますならば、いろいろ御批判を受けるような点もないとは決し申し上げません。しかし、ローマは一日にして成らずと申します。この公営企業を取り巻く環境は非常にむずかしいのであります。そう一挙にできぬものである、だから少なくとも今日の段階でできるものはできるだけやろう、こういう態度でやってきたわけであります。
  47. 永山忠則

    ○永山国務大臣 やはり本法案をつくる基本原則は企業で、公益性はもちろん非常に強いのでございますが、同時にまた企業体であるという観点に立っておりますので、一般会計でやる分とはおのずから趣を異にするというような観点でこういうような案になっておるのでございます。
  48. 重盛壽治

    ○重盛委員 私の質問は一応保留しておきます。
  49. 岡崎英城

    ○岡崎委員長 大出俊君。
  50. 大出俊

    ○大出委員 まことにしばらくぶりで永山さんと質疑応答などやるわけなんですが、内閣委員会時代、大臣はずいぶん地方公務員の立場に立って、地方公営企業の立場に立って検討された永山さんですから、政治家というのは、ところが変わりましてもおそらく違ったことはおっしゃらないだろうと私は思っておるわけでございます。学者なんというものも、場所が違って学説を変えると自殺でございますから、おそらく大臣は当時の考え方と違ったことは言わないだろうということをまず念を押しておきますが、その上に立って質問をいたします。  だいぶ長い提案理由の説明でございますので、大臣から、ねらいはこうだということを端的、簡明直截にひとつ御説明を賜わりたいと思います。
  51. 永山忠則

    ○永山国務大臣 現在の地方公営企業は、非常に経営上から見ましても不健全な様相を呈しておりますので、これが健全化をはかって事業を安定しようということが目的でございまして、それの柱は、やはり公益性ということを非常に強く打ち出すと同時に、企業であるという点で、受益者負担ということをも取り入れまして、さらに能率化ということをも含めて、総合性を持つ企業のあり方を進めていこうというのが大体の趣旨ではないかと思うのでございます。
  52. 大出俊

    ○大出委員 念を押しますが、いまのお話はより端的にいえは、公営企業は健全でない、だから健全化ということをねらいとして、中身は何かといえば受益者負担と能率化だ、こういうわけですね。もう一ぺん言いましょう。企業は健全でない、だからこれを健全化しなければならない、ここまではいいですな、ところで何をやるかといえは、いまの御説明からすれば企業の受益者負担、これが一つ、それから能率化、これが一つ、これで健全化しよう、こういうわけですね。念のために聞いておきますが、受益者負担と能率化で健全化するということは、具体的には何と何をやるのですか。
  53. 永山忠則

    ○永山国務大臣 さらに先刻申し上げました企業の公益性というものの総合調和によって進んでいきたいということでございます。したがいまして、受益者食掛の考え方ということは、結局非常に公益性が強いのではございますけれども、やはり赤字が出ればすべて一般会計で持つという、受益者以外の国民全部で負担する、あるいは地域民全部で負担するという原則ではない。要するに公益性という部分に対しては一般国民、地域国民が全部負担すべきである。けれども同時に、企業であるという点から見れば受益者の負担もこれをやるへきだという、この関係をやはり――能率化の問題は、結局それはどこの事業部門においても、一般公務員におきましても、企業の能率をよくする、事務能率をよくしていくということは、これは一般の原則でございます。
  54. 大出俊

    ○大出委員 なおわからなくなったのですがね。さっきの答弁は、健全化をはかりたい、つまり企業か健全ではないから健全化をはかりたい。――柴田さん、一々言わぬでもいいですよ。あなた黙っていなさい。うしろの鎌田さんも黙っていなさい、大臣に聞いているのだから。あとであなた方に聞くから……。あなたの言うのは、企業が不健全だから健全化しよう、こういうのが一つ。そうでしょう。そこで企業の受益者負担、能率化、この二つ言われている。さらに再答弁では、公益性の総合調和と、こう言っておる。公益性の総合調和の中身は、赤字が出れば一般会計で負担をするということではなくて、企業の中身、つまり能率化ということで処理をしてもらう、こういう言い力なんですね。もう少し端的にいえば、これは確認をしたいのですけれども、そうなると、企業の受益者負担というのはつまり料金恒上げということになる。そうですね、受益者負担というのですから。それから能率化というのは合理化を含む、こうなりますね。それから次の問題、公益性の総合調和と、こういうことで、赤字が出れば一般会計で持つというのじゃなくて、多少何とかしてもらわなければならぬ、これは同じことだと思うのですね。つまり一般会計で持たないとすれば料金の値上げと合理化、こういうことになる。突き詰めていうと、そういうことですな、この法律のねらいは。
  55. 永山忠則

    ○永山国務大臣 公益性の関係を、公益性と受益者とそうして能率の関係の総合調和でいこうというわけなんです。そこで公益性ということは、結局これは受益者だけでなしに一般の人が負担すべきものは負担する、こういう意味でございます。
  56. 大出俊

    ○大出委員 そうすると大臣、公益性ということは、受益者だけでなくて一般の人も負担する、こういうことをいま言われるのですが、それはたとえば都市交通を利用しない人つまり――もう一ぺんよく聞いていただきたいのですが、いまの御説明からいうと、公益性という意味は、受益者負担つまり利用する人以外の一般の人にも負担してもらう、こういうことになるのですか、いまの御答弁だと、そういう意味ですか。
  57. 永山忠則

    ○永山国務大臣 さようでございます。結局それがいわゆる一般会計で持つべきものは持つ、また国が財政援助すべきものはする、こういう意味でございます。
  58. 大出俊

    ○大出委員 そうしますと、さらにいまのやつを要約すると、企業の受益者負担というのと能率化を言われましたが、そのほかに一般会計で持つべきものは持つ、これが一つ加わったというわけですね。国が持つべきものは持つ、この四つになるわけですね、いまの御答弁でいくと。つまり受益者負担というのは料金値上げということになる。受益者つまり乗る人ですからね。間違いないですね。それから能率化ということは、企業ですから、能率をあげろという意味は、合理化ということが当然入ってくる。それから一般会計で持つべきものは持ち、国で持つべきものは持つということでこの企業を再建したい、こういうことになりますか。
  59. 永山忠則

    ○永山国務大臣 さようでございます。
  60. 大出俊

    ○大出委員 そこで大臣に、いままでの経緯等の中から御質問申し上げたいのですが、いまのお話の中には、今日公営企業なり地方自治体なりが、昭和二十七、八年ごろの地方財政の危機と叫ばれた時代から、昨今またそれ以上の危機といわれるわけでありますけれども、なぜ今日このように地方公営企業を含む自治体の財政的な危機といわれる現象が起こったかという根本原因について触れられていないのですけれども、そこのところを一体大臣はどうお考えになりますか。
  61. 永山忠則

    ○永山国務大臣 やはりいろいろございますけれども、公益性の点に対して一般会計で持つべきものを持たずにおる、たとえば病院あたりで看護婦養成というようなものは、これは病院会計で持つべきではないし、また診療所等の辺地にあるようなものに対しては、やはり受益者だけではやっていけない、こういうものに対しての援助措置もやらなければいかぬ、また水の使用に対しても、公的の使用関係の料金をこれは一般会計で持つべきものを持ってないとかというような状態で、要するに公益性に対して一般会計やあるいは国の財政的援助が足らなかったのじゃないかということが一つですね。それから合理化の点に対しても、もっと合理的に推進すべきではないかと考えられるものがあるわけです。これはいろいろな要素がありますけれども、よく御存じのような交通機関等に対してもっと総合性をやっていく必要はないか、それからいまの公益性の分では特に地下鉄なんかというのは、これは何といっても国の道路みたようなものですから、国費で相当援助していくようなものでなければならぬじゃないか、そういうものができていない。したがってまたその次は、政府の施策で公共料金の値上げを押えた、これは内閣委員会で私も大いに主張したのです。弱いものの料金値上げを押えてしわ寄せをやろうということは思わしくないではないかということまで言ったわけでありますが、そういうようなものに対して物価の体制で値上げを押えておきながら、財政的措置が必ずしも十分でなかったのではないかというようなこと、あるいは受益者が負担すべきものに対しての負担もこれが十分でない、また負掛をせぬ場合には財政的援助が不十分であったというようなものが総合して、この経営を困難にさしたのではないかというように感じておるわけであります。
  62. 大出俊

    ○大出委員 たいへん親切な御答弁なんですがね。まず一つ承りたいのは、いま言われている筋からいたしますと、国が持つべきものは持つ、かつ一般会計が持つべきものは持つ、その上で合理化すべきものはする、こういうふうにいま説明をされているのですが、そうしますと、この法律のねらい、こういうことで私は聞いておりますから、国が持つ、一般会計が持つ、かつ合理化をはかる、こういうわけですから、一体どのくらい国が持ち、どのくらい一般会計に持たせる、こういうおつもりなんですか。
  63. 永山忠則

    ○永山国務大臣 これらの点に対しましては、まず水道事業等に関しましては政府資金の期限が短かったのではないかというような関係から、これに対しては二十五年を三十年に政府資金はいたしたのですが、公庫資金は十八年を二十三年にしております。ところが、金利が七分三厘では公庫資金は高いではないか、したがいまして本年度は水道のほうを七分にしようというような関係で、いまお説のように公庫出資の二億を回す、それから今度地下鉄のほうの関係におきましては、詳細は局長のほうでやりますけれども、やはり四億の補助金を出しておりましたが、ことしはとりあえず八億にして、さらに国がどれだけ持つことが適当かということで運輸省、政府と十分検討して、将来は国庫負担をどうするかということもきめなければいかぬ。とりあえず本年は補助を四億増して八億にしていこうというような関係と、さらに再建整備の問題等もあわせて国の財政援助を考えたわけであります。
  64. 大出俊

    ○大出委員 いまのお話によりますと、一番冒頭におっしゃっている国の補助は水道の二億、地下鉄の四億だけ、そういうことになりますね。ところで再建整備計画に基づく起債のワクの問題は、一般論として言えば、利子補給というものは自治体の借金に変わりはないわけですね。だからそうなりますと、国が援助するとおっしゃるが、二億と四億合計六億、これだけだということになるのですか、違いますか。
  65. 永山忠則

    ○永山国務大臣 数字ですから、間違いませば局長から答弁いたさせますが、大体さようでございます。しかしこの法案の審議が進むことによりまして、地下鉄関係等においてはやはり国が相当出すという方向で検討するものであると思います。さらにまた水道の関係も、今後の過密都市再開発の関係とあわせまして上水道の建設その他の費用が非常に多額に上るとか、あるいは標準的な原価をはるかにオーバーするような場合においては、これに対して相当国がやらねばならぬというような問題へぶつかるかと思うのでございますが、とりあえず前進することによって国の財政援助が考えられる。病院のほうももちろん、御存じのように辺地病院に対する処置を国が多少考えておるというようなことでございます。
  66. 大出俊

    ○大出委員 予算折衝の大詰めの段階で私は何回か鎌田参脚質に電話をいたしまして詳しく内容を聞きましたから、私もそう間違った把握はしておりませんけれども、さっき言われるように二億と四億、これが形の上で言えること、あとは将来一つの制度を軌道に乗せればふえるであろう、ないしはふやさねばならぬ、こういう気持ちだと思うわけです。したがってこの法案を提案するにあたって、冒頭に覆われるいまの国の補助というのは、くどいようだが二億と四億の増額ということになる。ところで二番目は一般会計から入れるというのですが、これは特に国が一般会計に何か補助金を出すのですか。
  67. 永山忠則

    ○永山国務大臣 これは国がそれに対して特別にこれということはいたしませんけれども、やはり御存じのように地方財政の健全化のために一般的に交付税その他の税源関係に関して確立をはかるように漸次に努力をしておるわけであります。
  68. 大出俊

    ○大出委員 そうしますと、自治体の一般会計から援助をすると二番目におっしゃったのですが、その限りでは国とは関係ないですね。つまり今日あるがままの自治体の姿、財源の中で一般会計から援助しろと言っているだけであって、したがって、いま大臣は国が特段のことはしないとおっしゃるのだから、自治体に対して、かってにおやりくださいということにすぎないことになる、こういうふうに受け取るのですが、そこのところはどうですか。
  69. 永山忠則

    ○永山国務大臣 たとえば看護婦養成の問題等についても、地方交付税の基準財政需要額等でも見るようにし、さらに、病院のことだけ言うようでありますが医療関係においても財政的処置が伴うておるわけでありますし、一般地方財政の健全化ということに向かっては、交付税を上げるとかあるいはたばこの売り上げ税をもって一般財源にするとか、こういうような一般財源の確立、地方財政一般財源の確立に対して国が相当税源の移譲とか、あるいは起債関係、あるいは金利の問題、こういうようなことをやりまして一般会計の健全性を保つというような方向で進んでおるわけであります。
  70. 大出俊

    ○大出委員 それは、今日地方財政の危機が叫ばれている、どうするかという問題とはからむけれども、この法案を提案する云々ということと関係はないですな。公営企業法を一部手直しをしようということで提案をされておるこの法律からいたしますと、いま言われる税源配分とはからむけれども、交付税率をどうするとかこうするとかはまた新たな問題になります。したがって、先ほど御答弁がありましたように、一般会計から援助をするというんだけれども、国は公営企業ということになると、それに対して特段の援助はしない、こういうことになる。まあ柴田さんがおそらくいまそこで言われていたのだろうと思うけれども、看護婦さんの養成だとかなんとかを基準財政需要額の中で見るという、あるいは幾らかの起債をつけるとかなんとかいうことをやるという、それがいま言われた答弁の中ではせめても私の質問に対する答えだろうと思う。私は小林厚生大臣の時代から、看護婦さんの問題はずいぶん長い時間をかけて質問してきておりますけれども、これも一般行政の面から見てやらなければならぬことをやるというにすぎない。してみると、これもまたその意味では今回の法案提案には関係がないということになる。ということになりますと、大臣、ここのところを聞いていただきたいのだが、私はこの法律を提案したねらいを聞いたのですけれども、政府の側では、国の自治体への補助というものは何ら責任を負っていない。してみると、いよいよもって、冒頭に大臣がお述べになった企業の受益者負担というものと能率化つまり合理化、この二つの柱で企業の再建をはかろうということになってしまう、こういうふうに思うのですがね。ここのところを大臣どうお考えになりますか。
  71. 永山忠則

    ○永山国務大臣 やはり公益性の関係の国の財政的援助や、あるいは一般会計の支出というようなものも総合してこれを進めていくということでございますので、ひとつ本案の成立を見まして、今後の運営等を考慮して将来一そう健全化に向かうものである。なお詳細は局長のほうから答弁させます。
  72. 大出俊

    ○大出委員 二年も内閣委員会で一緒にやってまいりました永山さんのことですから、私は何もこまかい数字を聞こうというのではないので、この法案のねらいというものを明らかにしたいと思って聞いているわけですから、どうかこまかいことにこだわらずに御答弁いただきたいのですが、私が申し上げたいのは、結局国が水道あるいは交通に対して二億、四億とこう害われるけれども、今日の赤字から見るとスズメの涙以下ですね。さらにまた自治体の一般会計からと言われることも、いまのお話からすると、国は特段の補助をしないのでありますから、そうなると残る問題は、冒頭の御答弁にありましたように企業の受益者負担、つまり料金の値上げというものと企業の能率化、合理化というもの、この二つで今回再建をはかろう、これに利子補給という問題がくっついておりますけれども、こういうことになるわけでありまして、ここのところを明らかにしていただきたいと思って質問しているので、ずばりお答えをいただきたいと思います。
  73. 永山忠則

    ○永山国務大臣 やはり公益性による地方財政的援助、まあその金額等につきましては基準財政需要額で、たとえば消火せんのような関係、これらは受益者負担のうちへ入らずに一般会計で持つ、こういうようなものに対してもやはり基準財政需要額で見るとかいうような状態で、起債の関係においても、できるだけ今度は起債の充当率を上げておるわけであります。そういうようにして、全般的には公益性に即応する国の援助や地方財政一般会計の繰り出し等を総合的に本案は見るように進んでいるわけであります。
  74. 大出俊

    ○大出委員 これはおことばを返すようで恐縮なんだけれども、消防の問題なんというのは、皆さんおのおのの選挙区がございますから御存じのとおり、どこの地方の自治体でも問題になっておりまして、いま地方財政が非常に窮屈ですから、消防団その他がいろいろなことで金の捻出に苦労して走り回っているわけですから、これは基準財政需要額で見て、多少何か要求があればつける、これはあたりまえのことで、一般行政です。私の質問しているのは、今回公営企業と限ってその再建をということで、公営企業法の一部手直しを出しているわけです。そうなると、公益性ということを大臣しきりに言われるのだが、国は補助、援助というもの、これを一体どう考えておるかということ、それから一般財源からと言われるのだが、それは一体どういうふうに公営企業の再建のために使おうとなさるのか。国の責任という意味で私は大臣に聞いているわけですが、いまの消防云々というのは、これは一般行政、当然なことで、あたりまえのことですから、特に関係があるわけじゃない。そうなると私は中心になるものは、先ほど来申し上げておりますように、受益者負担つまり料金の値上げ、能率化プラス合理化、こういうかっこうで、あわせて企業の健全化、これをはかっていきたい、こういうことに詰まっていくと思うのです。将来の問題は別として。ここのところをあっさり大臣お認めいただかぬと、この法律の論議をしていく上にいろいろ混乱をいたしますから明確にしておいていただきたい、こう思っているのです。
  75. 永山忠則

    ○永山国務大臣 国の関係におきましては、いま申しました以外に、御存じのように再建整備の関係で利子補給も入れておりまして、借りかえをするようにいたしております。また、地方の関係で、いわゆる消防せんなんかも一般会計で持たずにおるような体制もあるのでありますので、こういうようなものは一般会計で持たなければいかぬ。また病院の関係等に対しては特別交付税等も見ておりますし、なお県立病院に対しても国の援助処置を考えるとか、先刻申しました看護婦養成機関等に対しても基準財政需要額で見るとか、そういうような状態で、やはり一般会計で見るべきものについては今後さらに政令等でも検討いたしまして、十分ひとつ財政的処置は交付税その他の財源処置でやる。また起債等の関係につきましても、できる限り政府債の安い金を、長期のものを出していくというように、水道関係の起債のワク等も相当なものを政府のほうで今回は充当率もよくしてやる。ですから国の財政的援助は全然ないのだという議論にはなりかねるわけであります。
  76. 大出俊

    ○大出委員 大臣、いまの話で今後ということを言われて、それからまた国の充当率をよくしたということを言われるわけなんですが、さっき答弁がありましたように四億、二億ということになりますと、地下鉄の場合四億を考えた場合に、私の持っておる「都市問題講座」の内容に詳しく書いてありますけれども、どう考えたって、キロ当たり三十五億ぐらいかかるでしょう。そうすると四億で何メートルになるか、しかもこれは地下鉄のある全都市を対象にしておるわけですね。そうなりますと、あなた、充当率をよくしたと言ったって、よくしたことにならぬのですよ。そうなりますと、いまいろいろ言われることは、将来に対して考えたいということはわかるのだけれども、この法案を提案するにあたって、国の責任ということでこれだけの責任を負ったという中身というものは四億であり二億でありしかないのであって、利子補給六分五厘以上八分まで、一分五厘ですよ。これだって東京都の副知事鈴木さんが来られて参考人でしゃべっておる内容を読んでみると、三カ月の短期債を回している、五分五厘というわけですよ。それで回しているから、いろいろ資本質的な諸経費が出てくるのを加えたって六分、六分五厘以上だったら東京都の場合縁もゆかりもない、関係がないということになるのです。そうなるとこれは話にならぬ、だから三分五厘でなければだめだということで、東京都の副知事さんがここでもって参考人としてものを申しているわけですよ。そうなると全く東京都にとっては実益は何もないのです。大臣、そういうことになりますと、これは確かに一般会計のほうは三分五厘ですから、東京都の副知事さんが言われるとおり、これもまた大都市東京都にとって何の実益もないのであって、意味がない。  それからもう一つ、いま言われた今後政令で、こういうわけでありますが、しからば一体政令の内容を大蔵折衝その他を含めて具体的に出していただけますか。
  77. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 いろいろ財政措置等についてお話がございましたが、数字の問題でございますから私がお答え申し上げます。  地下鉄の援助というのは、言うならば利子補給的な意味においての短期債、したがって端的に建設費と利子補給額とを比較いたしますとお話のようになりますけれども、そういう意味ではございません。しかしそれでは八億が十分かと言われれば、かねがね私は十分であるとは申し上げていないのであります。やはりそこには負担区分の確立を見るべきだと考えますけれども、先般来お答え申し上げましたような事情でことしはできなかった。しかし一年の検討期間を置くということになっておるということでございます。  それから一般会計との問題は、いろいろ御指摘がございましたけれども、やはり私どもは、地方公共団体の経営する企業でありますから、その責任はだれかといえば住民であります。したがって負担区分なり国の援助というものを考えます前に、やはり企業体とこれを維持する一般住民との関係というものに基本を置くべきであろうということで、一般会計との負担区分というものを明確にする立場をとったわけであります。どういうものを一般会計の負担にするかという問題につきましては、過般資料要求もございましたので、資料として御提出申し上げたいと思いますが、詳細は各省との間で十分な話し合いはつけておりません。まだ話し合いを進めておる段階でございます。この法案が通過する見通しが明確でございますれば折衝を急ぎますけれども、いまの段階では、私どもはこうしていただきたいということで折衝中でございますけれども、まだ話し合いをつける段階には至っていない。しかし私ども考えております段階におきまする段階で、資料として御提出申し上げたいと思います。しかし基本的な考え方といたしましては、そういう意味合いで一般会計からどれを出すということをまず第一に考える。したがって、それもいままでのような形ではなくて、財政計画におきましては出資金は従来と比べまして非常にふやしております。出資金を財政計画においてふやせるというのはどういう意味かといいますと、それは財源を調整的に配分いたします場合に考慮に入れるということでございます。いままでは看護婦だとか養成所だとか、病院の一部を経費を見ておりましたけれども、今度はそれを少し範囲を広げて、計画的に出資の健全化、増額というものをはかっていこう、そういう配慮でありまして、私どもといたしましては、満足ではございませんけれども、できる限りの措置はしておる、決して、御指摘のように、何にもやらずにただ再建だけというような態度をとったわけではございません。
  78. 大出俊

    ○大出委員 財政局長とのやりとりは、きょう時間がないので、私は大臣をお引きとめしたてまえもあるので、どこかへお出かけになるというのを、わがほうの国対が、大臣がいない場合には即座にやめて帰ってこいという指令を出しておりますから、それで引きとめたわけでありますから、大臣にしぼって質問したわけで、あらためて、明日も呼ぶだろうと思いますから、柴田さんともゆっくり討議をしたいのでありますが、いまのお話を聞きましても、なおかつ問題なのは、また多少私は納得しかねるいまの御答弁なんですが、この法案が通る見通しであれば、私ども各省折衝を急ぎますけれども、こう言われると、これは柴田さん、リーチをかけてマージャンするんじゃないですよ、この席では。冗談じゃない、とんでもない。あなたの性格は、再三やりとりしていますから、私はよく知っているから、がまんもするけれども、そういう言い方はないでしょう。通らぬなら投げますというなら投げてください、けっこうな話だから。とにかく通る見通しならば私ども各省折衝は急ぎますと言われると、通る見通しがなければ急ぎませんよ、まずもって政令なんというのは皆さんの前に出せませんよ、こう言われることになる。政令を出せと言われるならとにかく通せ、こういう裏がとれることになるので、いまの御発言は私はいただけない。これだけは申し上げておきます。あとからやり直します。  ところで大臣、ここでひとつあなたに承りたいのは、地方財政はきわめて困窮の極に達しておるわけでありますが、その根本原因は一体何ですか、端的にお答え願いたい。
  79. 永山忠則

    ○永山国務大臣 根本原因は、一口にいうならば、地方財政の財源が十分にないということでございます。が、国の今回の方針が、大幅な減税をして、そして公債を発行して経済の安定成長へいくという方向でいきましたので、ますます地方財源の伸びが悪くて、また事業をやるために事業費が要るというような諸種の要素で地方財政が悪い。その中で一般会計の繰り入れ等も、ある程度やはり地方財源を悪くする要因にはなっておる。たとえば国保であるとかあるいは地方公営事業についても繰り入れなければならぬものがあるとかいうことであると思います。
  80. 大出俊

    ○大出委員 これも私は全く納得できない。なぜならば、冒頭に私、念を押しましたとおり、あなたがかつてから主張し続けてきていることがあって、何べんか私はこの質問をしておりますが、あなた答えておる。それをこの席上でいまのようにごまかして別なことを言われるのは、まことにもってけしからぬ話だと思う。  読み上げますと、昨年、昭和四十年の十月一日に、私は内閣委員会で、あなたに対して、詳細に地方財政の困窮の原因を述べて……(「定足ないぞ」「委員長、点呼、点呼」と呼ぶ者あり)調べてください。定足数不足じゃ委員会は成立しない。   〔「国会正常化は定足が前提だ」と呼び、その他発言する者あり〕
  81. 岡崎英城

    ○岡崎委員長 ただいまの委員会の実情によりまして、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会