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1957-03-06 第26回国会 衆議院 予算委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和三十二年三月六日(水曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 山崎  巖君    理事 江崎 真澄君 理事 川崎 秀二君    理事 河野 金昇君 理事 小坂善太郎君    理事 重政 誠之君 理事 川俣 清音君       柳田 秀一君       今井  耕君    植木庚子郎君       宇都宮徳馬君    太田 正孝君       大橋 武夫君    小川 半次君       荻野 豊平君    上林山榮吉君       北村徳太郎君    小泉 純也君       河本 敏夫君    坂田 道太君       周東 英雄君    須磨彌吉郎君       中曽根康弘君    楢橋  渡君       野田 卯一君    橋本 龍伍君       福田 赳夫君    船田  中君       古井 喜實君    松本 瀧藏君       三浦 一雄君    南  好雄君      山口喜久一郎君    山本 勝市君       山本 猛夫君    石橋 政嗣君       井手 以誠君    井堀 繁雄君       今澄  勇君    岡  良一君       勝間田清一君    河野  密君       小平  忠君    島上善五郎君       辻原 弘市君    成田 知巳君       西村 榮一君    古屋 貞雄君       森 三樹二君    横路 節雄君  出席国務大臣         内閣総理大臣  岸  信介君         法 務 大 臣 中村 梅吉君         大 蔵 大 臣 池田 勇人君         厚 生 大 臣 神田  博君         農 林 大 臣 井出一太郎君         通商産業大臣  水田三喜男君         労 働 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局長)  森永貞一郎君         厚生事務官         (引揚援護局         長)      田邊 繁雄君         食糧庁長官   小倉 武一君  委員外の出席者         会計検査院長  東谷伝次郎君         専  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 三月六日  委員橋本龍伍君、福田赳夫君、片島港君、北山  愛郎君及び田原春次君辞任につき、その補欠と  して荻野豊平君、木村文男君、井手以誠君、石  橋政嗣君及び横路節雄君が議長の指名で委員に  選任された。 同日  委員木村文男君辞任につき、その補欠として福  田赳夫君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十二年度一般会計予算  昭和三十二年度特別会計予算  昭和三十二年度政府関係機関予算     ―――――――――――――
  2. 山崎巖

    ○山崎委員長 これより会議を開きます。  昭和三十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  質疑を続行いたします。山本勝市君。
  3. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 経済、財政の重要な問題について、外務、大蔵、通産の各大臣にお伺いをいたしたいと思うのでありますが、外務大臣がほかに御支障があってあとになるそうですから、順序を変えてまず池田大蔵大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。  第一に伺いたいのでありますが、これは私個人が伺いたいということよりも、国民の多くの方が聞きたいという問題を伺いたいと思うのであります。方々へ行ってよく聞かれることは、神武景気、神武景気という言葉がはやっておるけれども、どうも一向に農村あるいは農村周辺の小さな都市には神武景気の風が吹いてこない。そこで自分らの方へも吹いてくるのだろうか、吹いてくるならいつごろ吹いてくるのだろうかというようなことが、これは半分は冗談まじりの、半分は真剣な問題になっております。神武景気が地方の小都市や農村へも吹いてくるものか、私はいずれは吹いてくる、吹いてくるがだいぶなまぬるくなって吹いてくるだろう――冗談に聞かれては困るのでありますが、不景気のときもだいぶおくれて、少し弱くなって吹いてくるが、好景気もだいぶおくれて、少し弱くなって吹いてくるというような話をしてきておるのですけれども、池田大蔵大臣は真剣に、まじめに考えて、神武景気が全国の中小都市や農村方面へも吹いてくると考えられるか考えられないか、これを第一にお伺いいたします。
  4. 池田勇人

    ○池田国務大臣 ずっと以前におきましては、好景気、不景気とジグザグにずっと進んでいくのが例でございました。これは自由国家群を言っておるのであります。最近の状況は、どちらかといえば世界的にずっと好景気が続いてきている状況であります。これを日本でみますと、敗戦後におきましては非常なインフレ時代でごさいましたが、これを克服いたしまして、徐々におしなべて国民所得も上り、生産もふえ、貯蓄も増加して徐々に健全な方向に行っております。ここ三、四年の間は、世界を通じまして、これは自由国家群でございますが、大体好景気を持続している状況でございます。私は神武景気ということを聞きますが、どういう意味かはっきりわからない。第一次世界大戦当時の日本の景気は相当よかったと思います。それをこえておるかどうかということは問題でございまするが、私は少くとも敗戦後におきましては、今、日本の景気は最もいいときである、生産も伸び国民所得もふえておる、こういうことは言えると思います。しかしこれが全般的にお話の農村あるいは中小企業に回ってくるかと申しますると、これは今お話の通り、じわじわ回って参りましょう。まず景気が最もいいのは、産業によって違いまするが、大企業が早くよくなってくる。しこうして昨年から今年にかけましてその余波が中小企業にも相当回ってきつつあるのであります。農村の方に参りますと、これが戦後一番景気がよかったのは――まず景気を受けたのが農村でございますが、その後農村の方は米価も上らないし、やみはなくなりましたし、こういうことで他の業種よりもそう好景気とは言えますまい。しかし一国の経済というものは、大企業も中小企業も農業も一体としてなるのであります。これが順次に好景気が他に回ってきて、循環していくのが望ましいことと考えておるのであります。
  5. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 そこで、大臣も景気というものは一時に全国に吹きまくるものでないということはお認めになっておるのですが、新聞には造船景気とか、輸出方面の景気とかいうことが載るものですから、農村ではどうも自分たちは景気がよくない、かえって悪いということを言っておるのですが、税の面でよほど注意をされないと、ことしは全体として好景気だということから、これは大臣は直接そこまで関与しておられないかもしれないが、各税務署では、このくらいはふえておるはずだというので、全国に一つの標準的に、所得の調査、所得の査定の場合に、ふえておるという予想で、一種の税務署ごとの割当をやっておる。そういうことはやってないということをよく言いますけれども、実際に税務署によりましては、たとえば同じ農村の割当の状況を見ますと、工業の多い景気のいいところ-の中にある農村の所得の査定と、それからそういう好景気に恵まれていないところの農村の所得の査定とが違うのです。その違う原因をだんだん調べてみると、大体一列に所得が一割はふえておるはずだ、一割五分はふえておるはずだという一つの基準を示したことが、実際の場面になっていって機械的に査定をするようなことになった。これは私は否定のできない事実だと思う。ですから、たしかに神武以来の景気ということは間違いはないと思いますけれども、やはり業種により、地方により非常に違っておるということを強く念頭に置かれて、そうしてただいまやっております所得税の申告に当っての査定というものは、よほど実情に沿うたようにやらないと、一千億減税と言われても、所得が実際に上ってないのに上ったものとして取り扱われるという不満が起ってくるのでありまして、この点について、大臣は実際徴税の上で注意をしておられるものと思いますので、お考えを聞きたいと思います。
  6. 池田勇人

    ○池田国務大臣 最近におきます税務署の調査は十年、二十年前よりもよほど合理化されていっておると思います。少い人員で数多い納税者の調査をするのでございますから、それは完全とは申し得られますまいが、少くとも苛斂誅求のそしりを受けるようなことはさしていないつもりでございます。一応各業態を通じましてどの業態は今年は非常に景気がいい、あるいは少しくらいいい、あるいは悪い、こういうふうな一応の調査はいたしまして、各税務署の考え方の統一をはかることはやっております。しかし業態だけでやるのではなく、もちろん地域別に最近はやっております。そうして建前は申告納税制度でございますから、あくまで納税者の申告をもとといたしまして、課税の適確を期するようにさしておるのでございます。
  7. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 よくわかりますが、ただ申告のときにこれだけよりないといっても、税務署の若い連中が、示された一つの基準で、一割くらいはふえておるはずだということが頭にあるものですから、現実にはかなりそういう不満があるということを御記憶願いたいと思うのです。  そこで次に私は重大な問題をお聞きしたいと思うので、今まで申し上げたことはその前置きであります。この予算審議に現われておるインフレ論議についてでございます。野党の質問を承わり、また政府の答弁を聞いておりまして、この予算がインフレ予算だと野党の方では言われるし、政府の方ではインフレにはならない、こういう答弁を繰り返してきておりますが、私の承わったところでは、結局必ずインフレになるという確信も得られないが、しかしインフレにならないという確信も得られない。そうなると結局なるかもしれぬという一つの不安が残っておると思う。ですからインフレになるかならぬかという議論だけをしておったのでは、結局なるかもしれぬという不安が残るので、私はその不安を解消する意味で一つ大蔵大臣に伺いたい。  私はインフレ論議でどうも一つ欠けておると思うのは、インフレの本質に触れた質疑応答が聞かれなかった。たとえば歳入の見積りが甘過ぎる、あるいは輸出貿易の見通しが甘過ぎる、だからこれはインフレになる、あるいは鉄道運賃の値上げ、ガソリンの値上げというようなこともインフレ要因で、インフレになる、こういうふうに一方では言われるし、政府の方ではいろいろ材料をあげて、歳入の見積りは甘くないんだ、また貿易の見通しも甘くないんだ、全体として均衡がとれておるんだからインフレにはならない、こういうふうに答えておられるようでありますが、私はインフレにするのかせぬのかということを聞きたい。インフレにしないと言ったってなるじゃないかという議論があるかもしれませんが、しかしインフレの要因、デフレの要因というものがありましても、インフレになるかならぬかではなしに、インフレにするかしかないかということの決意いかんで、デフレにすることもできればインフレにすることもできると思う。たとえば歳入の見積りは甘くないのだということを政府で言っておられますが、万一歳入の見積りが甘いということが実際にわかってきた場合、あるいは貿易の見通しでありますが、歳入の見積りにしても、貿易の見通しにしても、結局不確定な要素というものがある。たとえば天候がわからない、技術の変化がわからない、また外国の経済についても、アメリカの経済について好景気が続くのだという議論もあれば、いやもう天井をついたのだという議論もある。ですから外国に起るいろいろな事情というものが貿易に影響しますけれども、今から予測すると言ったって、野党にも与党にも厳密に言えばなかなか予測できない。つまり予測できない天候だの、技術の変化だのあるいは外国のいろいろな事情だのというものをやはり含んでおるものですから、甘いとか辛いとか言ってみても現実にわからぬものだと思う。そこで万一貿易やあるいは、歳入の見積りが甘かった場合に、結局予算で予定しておる仕事をあくまでやり抜くために通貨を追加していくということになれば、インフレになる。しかしそのときに一方には金融政策もありましょう。金を引き締めるとかあるいは政府で予定しておる道路を途中で半分に減してしまうというふうに、仕事の量を減らせばインフレにしないこともできる。ですから実際にやってみた結果、そういうインフレになりそうだという場合に、仕事をあくまで遂行するために多少インフレになっても仕方ないという考えなのか、いやそうじゃない、インフレには絶対にしない、万一そういう場合がこれは万一の場合なんですけれども、不測の事態が起ったときには、実行予算を組んで、仕事を減らしてでもインフレにはしないというのか、一つ大蔵大臣の決意を聞きたい。
  8. 池田勇人

    ○池田国務大臣 最近は世界の情勢もよくわかりますし、国内の統計も十分ではございませんが、相当整備せられまして、あらゆる手が財政的にも金融的にも打てるように相なっております。従いまして二十年前、三十年前のような世界の非常な不景気等は私は相当予防できると考えております。従いまして各国の為政者は、常に世界の情勢を見ながら、そうして自国の実態を把握いたしまして、適当な措置をとっていっておるのであります。こういう観点からいたしまして、世界並びに国内経済の動きを見て大衆の最も被害をこうむる、いわゆるインフレにはしないようにしていかなければなりません。その場合におきましては状況によりまするが、あらゆる手は使い得ると思います。それを便って物価の安定、経済の拡大発展をはかっていこう、こういう考えでございます。
  9. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 昨年の予算の速記録を読んでみましても、その前でも同様でありますが、やはりインフレ論議というものはいつでも繰り返されております。昨年の論議で、たとえば社会党の西村栄一君の質問を読んでみましたけれども、やはり貿易の見通しは甘いということを述べております。ところが実際やってみたら甘いのじゃなくて辛過ぎて、予定は八%何ぼというものが二十数パーセントも輸出が伸びた。ですから昨年などは、これはもう政府の予想や野党の予想、とにかく初めの予想の方が辛過ぎて、実際はそれよりはるかに伸びたという事態が起っておる。一昨年の秋に五カ年計画を立てたときに、予想した見積りが非常に辛過ぎて、実際は五カ年の分が半分くらいで達成できるというようなことになってきておることは御承知の通りであります。またいろんな生産計画にいたしましても、五カ年先に達成しようと思ったものが一年で達成したものもある。ですから私は、今度の予算が同じように辛過ぎるというのではありませんが、しかし実際に不確定要素というものがあって――それは前よりもいろいろな予測は可能になってきておりますけれども、しかしそういう現実に昨年度の生産や貿易を見ましても予測が狂ってきておるということは、不確定な要素があるからです。人間の力で予測できない前提が幾つかあって、それをかりにこうとすればこうなるという以上には言えない。ですから私は、今度の政府の予算の前提になっておるいろんな歳入の見積りにしましても、辛過ぎるか甘過ぎるかということはやはり厳密にいうとわからないの、がほんとうだと思う。ですから問題は一たんきまってしまった場合にあとの処置であります。実際やってみて歳入見積りが甘過ぎたかあるいは辛過ぎたという場合にぶつかったときに、やはりインフレにしないという決意が牢固としてあるかどうかということで、インフレになるかならぬかということが起ってくると思う。今大蔵大臣のお話では、断じてしないという――まあ断じてという言葉は使いませんでしたが、通貨の安定、生活の安定というようなことを言われましたけれども、しかし実際に当ったときに相当断固たる決意がなかったらいけない。金融政策にいたしましても、あるいは実際に政府が予定しておる仕事を締めてでも、インフレにしないという筋道を通す、あるいはせっかくやりかけたものだから、ちょっとインフレになっても金を出して続けていこうということになるかということの場面にぶつかると思う。だから、断固としてしないという意思なのか、少しはインフレになってもいいという考えなのか、そこをもう一ぺん一つ伺いたい。
  10. 池田勇人

    ○池田国務大臣 お話にありました、やりかけた仕事だからインフレになってもやろうといっても、これは仕事ができない、インフレになったら予定の仕事ができないのでありますからそういうことは出てこないと思います。私は断じてインフレにはしない、これははっきり申し上げておきます。インフレになったときに、やりかけた仕事だからやろうと思ったって、やりかけた仕事ができないのじゃないか。かるがゆえに私はインフレは国民ほとんど全部――全部とまでは申しません、インフレで喜ぶ人も千人に一人あるかもしれませんが、国民の大部分がインフレというものは断じてやるべきでないという気持を持っておると思うのでありますから、私も政治家としてそうありたいと思います。しかしこれは何と申しましても、大蔵大臣、日銀総裁一人や二人ではできません。国民全部がその気持になっていただかないといけないのでございます。
  11. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 それでだいぶわかりました。政府自身がやるべき仕事をやりかけてたとえば百里の道を作るつもりのものを五十里でやめてでも、インフレになりそうならやめるという意思だと思います。政府の仕事はそうでしょうが、民間の場合には、金融政策というものが大きく影響してくると思う。その金融面でインフレを防ぐ一つの具体的な構想といいますか、たとえば日銀公定歩合を引き上げるとか、あるいは政府の短期の公債の利子を金融市場で自由にするとか、いろいろな構想があるのだと思いますが、もしあったら私はやはり今のうちから早く手をつけて用意をする必要があると思うのですが、そういう構想があれば一つ承わりたいと思います。
  12. 池田勇人

    ○池田国務大臣 インフレ、デフレ調整の金融施策はいろいろございます。私は今の情勢から金融政策についてどういう方向をとるということを責任者として申し上げるわけに参りません。金融の動きにつきましては日夜見ておりまして、もし必要がありとすれば、これは主としては日本銀行の方のあれでございますが大蔵大臣としても適当な措置をとるつもりでおります。しかし今どういう措置をとるということはここで申し上げられません。
  13. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 もう一つ伺いたいのですがどうも日本の経済で資金の散布超過の時代と引き揚げ超過の時代というものが季節的にやってくる。たとえば今ごろは引き揚げ超過になり、四月からあとは散布超過になる、こういうふうに財政資金の関係で引き揚げ超過と散布超過とを季節的に繰り返すということですね。それを補うために、結局日銀の貸し出しが逆にふえたり減ったりする、これは私は何とかもう少し工夫して――もうきまりきって毎年散布超過の時期と引き揚げ超過の時期、その裏に日銀の貸し出しがふえたり減ったりということが裏合せにいくということに対して、もう少し何か調節する方法がないか。これは先般たしか大蔵委員会で小山君が意見を述べたようでありますが、税金で取った金をすぐ日本銀行へ持っていってしまわないで、全部が全部というわけにいかぬけれども、ある程度そこに引き揚げ超過の傾向のときには、少し普通銀行で残しておくというような方法をとれないものかどうか。そうしませんと、引き揚げておいて今度は預託するというようなことになるが税金でとったときにすぐ日本銀行へ持っていくということのために、金融が逼迫して、今度は逆に日本銀行からの貸し出しが超過する、この現象に対して何とか調整方法を考えられぬものか、一つ大蔵大臣の見解を聞きたい。
  14. 池田勇人

    ○池田国務大臣 これは日本経済の宿命と申しまするか、それか財政制度からする当然の帰結と申しまするか、やむを得ぬ実情だと考えます。それはまず第一に、お米が非常な金額に上り、これが集荷統制制度になっておりまするから、どうしても十月から十二月までは非常に散布超過になるのであります。それから税金の方がやはり十二月から一月、二月にぐっと入ってくる、こういうふうな関係でこれは仕方がないのであります。しこうしてその季節的な払い超、引き揚げ超過は、日銀の貸し出しがふえたり減ったりしても原因がわかっておるのですから、そう気に病む必要はないと思います。ただ、それがいたずらにいわゆるコールの市場に非常な悪影響を及ぼすというふうなことは、できるだけ避けなければならぬ。そういう場合は、財政資金その他の制度の運用によってやるべきだと思います。しこうして今お話の通りに、税があがってきたときに、これを銀行にしばらく置いてやっても、その置く期間もやはり一週間なり十日なりというふうに区切らなければなりません。そういたしますと、ずれが一週間か十日だけの問題であって、散超、引き揚げ超過の問題には大して影響ないと思います。そこで散超、引き揚げ超過の原因がはっきりわかっていけば今の制度で特に変えなければならぬとは私は思っていないのであります。
  15. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 先ほど大蔵大臣は、昔と違ってこのごろは好景気、不景気を宿命的に繰り返すものとは思わない。これを調整する方法があるという御意見でありましたが、私も同じように考えるのであります。景気と不景気が必ず宿命的に交代にくる――若干のことは仕方ないでしょうけれども、昔のような大きな変動を防ぐことができるということは、私もそう思うのです。それについて大蔵大臣はこういうふうにして防げるのだということを、大臣の考えをお聞きしたい。
  16. 池田勇人

    ○池田国務大臣 あまり経験はないのでございまするが、戦後におきましても、インフレ時代には超均衡予算を作ってインフレをとめました。そうして朝鮮事変後におきましては、一たんインフレをとめて安定恐慌であったのでありまするが、朝鮮事変によりまして世界の好景気が出まして、私はいわゆるディス・インフレ、こういう考え方でインフレにならないように、そうしてできるだけ物価騰貴その他も徐々にして、国際経済にマッチするような方法を講じていったのであります。私は財政政策、ことに金融政策等によりまして過度の投資の起らないように、しかも縮小経済にならないように、いろいろな調節の仕方があると考えるのであります。今回の予算におきましても、国力に相応した財政規模を作り、そうして民間産業の手の及ばないところをできるだけ財政資金でやっていって、これを調整する。そうして昨年来相当投資が進んで参りました。私の見るところでは昭和二十九年は別でございまするが、過去六千億ないし七千億、八千億、こうきておりましたが、三十一年度の設備投資は一兆一千億と私は踏んでおるのであります。この一兆一千億が本年三十二年になりましたら相当働いてきまして、私は予想通り、あるいはそれを越える経済活動ができる、こういうふうに見ておるのであります。予算もさることでございまするが、民間の経済を見ながら、予算とマッチした金融政策をやっていくようにいたしておりますので、徐々に経済規模も拡大し国民生活の安定向上もはかれると確信を持っております。
  17. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 私は財政は池田さんにまかせておいて大丈夫だというふうにかねがね思っておるので、安心しておるのですが、なおもう一つ聞いておきたいのは、先般税制調査会は、農業に事業税をとらなければ他の事業との間が不均衡だ、農業事業税を起せという答申があったことは御案内の通りであります。ところが農業事業税はとらないということに今度はきめられた。それで農村でもだいぶ安心しておるようでありますが、将来とも農村で事業税を起すということは事実上もできない。かりに理論上そういう主張があっても、できないとすれば、中小企業、農業以外の商工業その他の事業においても、将来事業税をなくしていく方向にいくべきじゃないか。そうして均衡問題の起らぬようにやっていかないと、農業以外だけ事業税をあくまで維持して置いておけば、農村の方面においてはいつ何どきまた農業事業税が起ってくるかもしれぬという不安もあるし、また現に事業税が中小企業、農業以外にかかっておるということについて、中小企業者の不満も一方にはあるのだし、そういういろいろな不安を解消する意味で、大蔵大臣は将来の見通しとして、農業に事業税をかけていくという見通しか、むしろ農業以外の事業税もやめていくというような見通しか、これはだいぶむずかしい答えのようですけれども、現実にことしだけは農業に事業税がかからなかったといってほっとしておりますけども、このままほうっておけば、この不安は消えないと思う。いかがでしょうか。
  18. 池田勇人

    ○池田国務大臣 税の理論といたしましては、農業も事業でございますから、事業税をかけるという議論も出て参ると思います。しかし最近の農業事業税の問題は、そういう税の理論ということでなしに、農業県における歳入不足ということから起っておるように私は聞いておるのであります。従いまして私は税の理論からすれば、そういうことも考えられぬことはないけれども、今の実情から申しまして、ことに主食の統制をしております場合に、農業事業税をかけるということは、私は賛成できないと思います。ただ農業においても、主食の問題以外に、果実を作っておるもの、これはその性質が相当事業税をかけていいというふうな状況であるのであります。しかしこれもやはり農業は原始産業でございますから、今直ちにこういうものに課税するということは適当でない、私は理論を離れまして、こういう気持を持っております。しこうしてそうした場合に。中小企業の事業税はどうか、こういうことになりますが、これは私は現状から申しまして事業税自体は、私はもっと減税すべきじゃないかという気持を持っております。従いまして今回の地方税制におきましても、事業税は中小企業の方に特に意を用いまして下げておるのでございます。方向といたしましては、私は農業事業税は今課税すべきにあらず、そうして事業税につきましては、できるだけ法人、個人を通じてもう少し安くすべきじゃないか、しこうしてそれによって地方財政の不足する場合におきましては、今の地方財源の偏在の点から申しまして、交付税の方で考えていくべきじゃないか、こういう方向で進んでいこうと自分は思っております。
  19. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 外務大臣はまだ見えないですか。
  20. 山崎巖

    ○山崎委員長 今呼んでおります。
  21. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 それでは通産大臣にお伺いいたします。日本の経済が戦後非常な勢いで復興して参ったことは、御承知の通りでありますが、ちょうど西ドイツの経済が非常な復興をしたということは、西ドイツのエルハルト経済相のもとに、できる限り自由な経済体制をとったということに西ドイツの復興の根本原因があると、先般稻葉秀三君までもそういうことを言っておりましたが、日本の経済の復興もいろいろ理由はありますけれども、大きな原因は、やはり経済を個人の自由と創意に基いて、できる限り自由にやらしたというところに復興の原因があると私は考えるのですが、通産大臣はどう思いますか。
  22. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 ドイツはそういうことがあると思いますが、日本も同様でありまして、戦後のあの統制経済というようなものを長く持続するということは、大企業だけではなく、中小企業の振興には致命的なものである、こういうことから戦後の日本の政策も徐々にそういう経済統制、権力が産業に介入している形のものを解いて今日まできて、ようやくここまで復興したということになりますので、日本の産業復興も基本的にはやはり経済自由の原則に基いて今日まできたのだろうと考えております。
  23. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 通産大臣も同様そういうように考えておられるようでありますが、今度は自由経済になって参りますと、業者の間の競争が非常に激しいということで、業者自身としては、競争の激しさに、何とかもう少しその競争を避けたいという気持が起るのは当然だと思うのです。そこで最近の傾向としては、なるべく競争を避けて安定を得たいという動きが非常に起ってきているようであります。しかしこの動きが限界を越えて、公正な競争までもなくしてしまうというところまで行きますと、私は自由な民主主義の経済体制というものは、これはもう死滅してしまう、崩壊してしまって再び統制経済の体制に入って、昔のような買いだめだとか、あるいはやみだとか、あるいは行列だとかいうふうなものが避けられない現象になるということを憂えておるのであります。確かに自由経済にはそういう競争の激しさという面がありますが、しかしその公正なる競争というものが、やはり自由経済の真髄であって、破滅的な共倒れになるような競争というものは、これは公正な競争とも言えないのだから、そういう場面が具体的に起った場合には、これに対していろいろ対処するということは必要ですけれども、しかし原則として競争がなくなるような体制をとった場合には、再び自由経済が死滅して統制経済に入ってしまう。そこで私は通産大臣に最近の傾向、これは二月十六日の朝日新聞にも、社説で「カルテル化の傾向の風潮を恐れる」という標題で、そのことを論じて、時代の逆行であるということを述べておる。また一昨日の産経時事の社説にも、再び昔の統制を繰り返すのか、こういう副題で、やはり相当心配しておるようであります。自由経済というものをくずさないで、中小企業対策を十分に私はやるべき余地がたくさん残っておると思うのです。もし自由経済をくずしてしまえば、今の中小企業が日本の産業の上で果している大きな役割というものも――これは本人たちが猛烈にたくましい競争をしているところに、実はこれだけの役割をしておるのであって、競争そのものをなくしてしまうようになってしまえば役割も果せない。ですからどうしても、この自由経済の体制はくずさないで、しかも中小企業対策をとらねばならぬ。そうするとそこに一定の限界がやはりある。その限界をどういうふうに考えておられるかということを私は聞きたいのです。どこを越えたら自由経済というものはくずれてしまうか。ここまでは大丈夫だ、ここを一たび越えたが最後、もう自由経済体制というものは動かなくなるという境目がやはりあると思う。それは私の考えではやはり競争というものがあるかないかということ、一口に言えばそこが境目だ。ですから任意カルテルを作って、業者がお互いにいろんなカルテルを作って統制をするというようなことは、これは私は民主主義の原則にもそむくことでない。自由に集まって相談してやるということ、しかしそれが強制カルテル、つまりその約束が本人がいやだというものまで国家権力で強制的に入れていくというようなことになったり、あるいは組合の規約が組合員だけを拘束するのでなくて、組合員以外の者も拘束するというようなことは、よくよくの場合にはやむを得ぬ場合もあると思いますけれども、これはもうまれなる例外でなければ、原則的に組合の規約が員外者を拘束する、あるいはいやな者を強制的に国家権力で加入させるというようなことになれば、そうしてその生産数量、販売数量、あるいは購入数量、購入価格、営業方法といったようなものまで組合できめて、それが組合員だけを拘束するのでなしに、員外者を拘束する、こういうことになったら、自由経済の一つの推進力と申しますか、自由市場の需給調節機能というものはなくなってしまう。足らぬときには価格が上ってくるから、それで需要が押えられていくという作用があります。価格が高くなるから需要が押えられる。そういう作用は、価格が膠着化して一つにきめられてしまえば、もはや価格そのものが需要を押えるという働きはなくなる。また需要がふえてきたからすぐに電話で仕入先に注文を発するということで、品切れという現象がなくてだんだん売れていくが、ほうっておけば品切れになるから、すぐ仕入先に電話をかけて品物を取り寄せるということができれば、需要供給はそこで均衡していきますけれども、販売数量が割当で限定して、お前のところの店はこれだけの数量より売れないのだと、すぐ電話で仕入先に注文を発するということができないような状況になったら、もう需給の調節ということはできなくて、必ず品切れが起る。品切れが起るということになれば、必ず買いだめが起る。見つかったときに買っておかなければならぬというので買いだめが起る。そういうことが単なる危険ではなくて、最近の立法には、次々にそういうものが出てくる傾向にあるということは、これは私一個の考えではなしに、先ほど申しました一流新聞がそれを憂えておる状況であります。通産大臣も御承知だと思う。これは先ほど言った通り、日本経済の復興、西ドイツ経済の復興も、基本的には競争というものが公正に行われるというところにあるということを認めておられる通産大臣として、最近の傾向をどう見ておられますか。私が今申し上げたようなことに同感されるかどうか。
  24. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 お説のように、自由競争というものは資本主義経済の本質的なものでございまして、公正な競争によって産業を発達させる、そうして業者の自由な競争に対して権力の介入を避けるということによって、経済全体を発展させるというのが、私どもの産業政策の基調であることは間違いございませんが、その自由競争の結果どういうことになるかと申しますと、やはり資本主義の本質的な問題であるだけに、ここにいろいろな問題が出てくると思います。やはり大企業の集中主義、独占主義というものが当然起ってくるのですから、まずこれをとめなければならぬ。産業の民主化とか、公正な自由競争を確保するというためには、この傾向をとめなければならぬというところから、独占禁止法というようなものが出て、大企業側はそういう形で押えて公正な競争をさせようという法的な制度ができておりますが、中小企業となりますと、これはもうそれ自身本質的に弱いものであって、これの自由競争による振興ということになりますと、各中小企業自体の健全化ということによって、競争力をお互いにつけさせるという方向をとって競争するよりほかに仕方がないと思うのです。ところが、日本経済の特質から見まして、今の日本の中小企業というものはあまりに弱過ぎる。これを振興するためにどうしたらいいかというのが、政治上の問題にもなってきていることは、御承知の通りであります。従って昨年の夏以来、政府は中小企業の振興をどうしたらいいかという審議会を持って、各方面の権威者を集めてこの検討をして参りました。結局中小企業の振興のためには、企業自体の健全化をはかって、競争力をつけることが一番本質的な問題だ。そのためにはまず税制問題を考慮しなければならぬ。税金の部面によってどういう公正な競争力を中小企業につけてやろうか、この問題が論議の中心でした。その次の問題は、中小企業の税とあわせて、金融をどういうふうにしてやったらいいか、金融問題も論議の焦点でした。それから第三番目は、中小企業の労働問題をどういうふうに解決してやったらいいかという労働問題でした。第四の問題は、中小企業自体の力をつけるために組織を考えてやらなければならぬという、組織の問題がまた論議の中心でしたが、その四つの問題のうちで、組織の問題に一番関心が向けられたのですが、それはどういう意味かと申しますと、企業の健全な競争力をつけようといういろいろな手段をとっても、現状の日本の中小企業というものを見たら、あまりにもひどい過当競争をやっている。この結果中小企業自体がこれによってだめになってしまうという危険性があることが現状であって、これに対処するためには、中小企業問題はここで組織化を考えることが一番重要な問題だというのが、大体各方面の意見でございましたが、特に中小企業は、さっき申しましたように、競争に弱いから、協同組合というものを作って、自分自身の競争力を増していくように協同組合というものを認めて作らせる。これは今まで中小企業の組織体として法的に作られたものでございますが、それでもまだ足らぬというので、過当競争を是正するために、調整組合というものを安定法に基いて作らせる、こういう措置が現在とられてきておりますが、この二つだけではとても足らない。両方の機能をあわせ行えるような新しい組織がほしいという要望も、中小企業の中から非常に強く主張されてきましたし、またさらにわれわれが先年作った安定法というものは商業部門を一応除外しておりますが、除外しているために、問屋とか小売商が調整的な仕事というものはやれない。従って乱売の競争をやって、そうしていろいろな事態を起すことに対して有効な手段を持たないから、こういう部門にも調整的な仕事ができる機能を立法的に与えるべきだというような意見も非常に強く出てくるというふうに、最近の傾向は、競争によってお互いが生きることは、これはもう根本的な問題で、いいが、その競争があまりに現在ひど過ぎる、この過当競争を押える手段を自主的に講ずることが、中小企業自体を守ることだという傾向が現在強く出てきておりますので、私どもとしては、そういう事態に対して何らかの措置をここでとらなければならぬ、こういうふうに考えて、今この問題を研究しているところでございますが、自由主義経済理論というものについて、これは全く私どもは同感でございますが、日本の中小企業の現状から見て、自主的な発意によってお互いが団結して、この不当競争を是正しようという方向に対しては、政府は法律的な保護を与えて、できるだけそういうことを許容していくという方向に行くことが、今の段階としてはやはり中小企業を守る一つの方法である。ですから、さっきおっしゃられましたように、まだ限界がきているという段階ではなくて、あまりにこの過当競争がひど過ぎるので、これをどうこれから少しずつ擁護していこうかという段階が、今始まっているというふうに私どもは解釈しております。従って、従来そういうことを考慮しても実際に効果がなかったというのは、やはりさっき、よくよくの場合という言葉を申されましたが、このよくよくの場合というときになったら、ある程度員外の規制を政府がしてやるとか、あるいは員外規制というようなものを法律的にやることは非常に問題だというのでしたら、場合によったら強制加入を命令して、そうしてお互いにきめさせるという体制をとらせるということにすれば、まだこれは員外規制というよりも、権力の発動としては弱い形になりますので、よくよくの場合というようなものも考えた措置をとっておかなければ、従来の措置だけでは実際の効果がないということが、あらゆる層からも指摘されておりますし、中小企業自体からもそういう要望を受けているというのですから、よくよくの場合というくらいの考えまで盛った措置をとるくらいのことが、今の中小企業の現状から見て必要じゃないか、私どもの考えとしてはそう考えておりますが、しかしその基調としては、依然としてこの自由競争の体制をくずさない、そうして統制経済というようなところに持っていかない範囲内で、そういう組織化の考慮をしなければならぬだろうと考えておりますが、さっき申されましたように、傾向としては、そういう傾向であるということは、はっきり認めますが、必要によって生じた傾向であって、この傾向に対処する一定の策をとるということは、今あなたの言われるような本質的な問題に触れる問題とは考えておらない、こういうことでございます。
  25. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 今の問題は一つ通産大臣によく御研究願って、弊害の面からずっと押していきますと、結局競争がいかぬ。角をためて牛を殺すということがありますが、やはりそこが非常に危険な点です。これまでの統制の傾向を見ましても、弊害の面だけから押していって、しまいには肝心の命を取ってしまうということになりますから、これは御研究を願いたいと思う。  外務大臣がお見えになったから、外務大臣に簡単にお伺いしたい。これはごく平たい気持でお答え願いたいと思うのですが、外務大臣は、就任以来、経済外交をやるということを非常に強く主張しておられます。一体その経済外交というのはどういうことを指しておられるのか。まさか政府が商売するという意味でないことはもちろんですし、また商売人のあと押しをするということを外交の主眼とするという意味でもなかろうと思う。経済外交というのはこういうものだということを、もう少し御説明願いたい。
  26. 岸信介

    ○岸国務大臣 経済外交という言葉自体は、内容的に定義を申し上げるということはなかなか困難なことでありますが、私の考えは、日本の経済というものは国際経済の一環としてあることは言うを待たないのであります。そこで日本の経済の繁栄をはかるのには、ただ単に国内だけで日本民族の持っておる経済能力を発展せしめようとしても、これはなかなか十分に発展の余地がない。そこで国際的の分野において、日本民族の持っておる経済能力を発展せしめることを考えてみると、まず第一は、日本人が産業経営、技術の点においてすぐれた能力を持って、いい品をできるだけ安く作って、そして海外市場を開拓して、海外におけるこれらの需要にも応じていく、いわゆる貿易拡大の問題にもなりましょう。それから、ただ単に作った物を売るというだけではなしに、今度は、日本人の持っておる技術、経営能力というものを、その国々において経済の開発なり、経済の進展上、要望されておるところの地域が少くない。そこへ出かけていって自分たちが協力するということも、経済外交の一つの内容をなしておる。また広い未開拓の土地を持った国があって、日本の農業者の農業技術なり、農業労働というものに対して、これを期待しておるというところには出かけていって、この開拓に協力し、同時にそこにおける移民の問題が内容をなす。私は特に東南アジア外交を推進していく上から考えてみますと、これらの国々はいずれも経済的基盤がまだ薄弱であり、しかも、未開発の資源も持っておるし、また広大な土地のあるところもありますし、その他工業化の上におきましてもおくれておる。これらのところにおいて日本人の持っておる技術なり、経営能力なり、あるいは各種の経済的活動を要望しておる。またこれに協力するならば、その国の経済発展に資することができるという地域が非常に多いと思う。従ってそういうような全体の需要に応ずる意味におきまして経済外交という言葉を申しているわけでありまして、従来の外交というものが、あるいは何か特別の領土的な関係であるとか、あるいは特殊の権益をそこに持とうとか、あるいは政治的な意図から外交が見られておったということに対して、日本がこれから進んでいく平和外交の中心は、今申したような経済外交を推進すること及び文化外交にうんと力を入れるというところに主眼を置きたい、こういう意味において経済外交ということを申しているわけであります。
  27. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 時間がないそうでありますから、なるべく簡単にお伺いをいたしますが、経済外交という、今大臣がおっしゃるねらいはよくわかりましたが、経済というものは御承知の通りそろばんの上に乗ってやっていくものですから、あまりそろばんづくなとこへ外交の中心を置き過ぎると、信といいますか、ほんとうの信頼関係というものが失われるような場合が起るのではないか、これは今の御説明で、特に外交面からも日本の貿易その他の振興に努力していくんだという意味でわかりましたけれども、しかし外交というものの基本が経済に置かれるようになると、あまりそろばんづくになってしまって、信というものが失われていくと、外交の本質を誤まるというような誤解を生じはせぬか、現にきょうの新聞を見ましても、中国の台湾政府のだれかが朝日新聞でありましたか、岸さんの経済外交としいうものに対して同じような趣旨の疑問を出している。これは御参考までに読んでおいていただきたいと思う。  それからこれはくどいことは申しませんけれども、外務大臣は先般来の議会で、自分は厳粛に反省をして、民主政治家としてやっていくことに一ぱいだということを申されました。私はそのことを岸さんの本心から出ていることと思います。ところが民主政治家というのは、御承知の通りロシアの方でも――これは平たい気持で聞いていただきたい、与党の総理に対して私はそんなむちゃな質問はしません。国民の不安に思っている点だけを聞くのです。これは共産圏でもやはり民主政治と言っているし、アメリカその他の自由主義国も民主政治と言っていることは御承知の通りです。もちろん岸さんのお考えはロシア的なああいう民主政治ではなしに、アメリカその他自由主義国の言う自由を基調とした民主政治に徹していくという考えだと思うのであります。そこでこれは一つ平たく考えていただきたいのですが、伺いたいことは岸さんは満洲事変以来、日本の経済の、いわゆる統制経済が進行していった時代のリーダー・シップをとってきたというふうに世間で認められてきている。これはどこまでほんとうか知らぬけれども、世間ではそう見ているのです。そこで日本の自由な経済、それが全体主義的な経済に変っていったときにリーダー・シップをとられたということは、これは争えない事実です。今後アメリカヘも行かれて、特にアメリカと親密な関係も結んでいかれるという場合に――アメリカのいわゆるアメリカ的様式の二つの柱は、地方自治と自由経済なんです。これは昨年も私は社会党の諸君とアメリカに行って至るところで聞かされて、アメリカ的生活様式、アメリカンウエイ・オブ・リヴィングというのは何かという説明を方々で聞いたが結局自由経済を経済の基礎にしておることと地方自治ということでした。この自由経済というものに対して、ここで私は岸さんにはっきりした信念を聞いておきたい。自分の言う民主主義の政治というのは、あくまで経済の面では自由経済を基礎としていくのか、そうではないのか。通産大臣はやはり自由経済ということを言われました。岸さんもそうだと思いますけれども、何しろかつてそういう御経歴を持っておられるし、それから最近の傾向において、やはり岸さんが満州時代に親しい盟友としてやっておられた方が、私から見ると日本経済の統制化への推進力となって進んでおられる。党内にも、やはり岸さんがかつて統制が進行した時代に部下で使っておられた方がたくさんおりますが、そういう方々の動きを見ておって、自分たちは苦い経験をなめたのだから、二度とああいうことは繰り返さぬという意気込みが、どうも私は感じられない。ですからほんとうに岸さんが厳粛に反省されて、私が予想するように経済の上でも自由を原則としていくのだ、この態勢はくずさない、戦争と同じように、自分は苦い経験をなめただけに、二度とああいうことはさせないという決意でしたら、お忙しいでしょうけれども、最近の傾向に深く注意を願って、一々の法案に目を通すことはもちろんできないでしょうけれども、党内におけるかっての部下の方とか、あるいは通産大臣とかいうような方に対しても、そういう傾向に対しては特別なる注意をしていただくことができれば、非常にありがたいのじゃないか。霜を踏んで堅氷に至るというので、今は初期の段階だと申しましても、これをやればあれがくる、これがくるということは私が申し上げるまでもなしに、岸さんこそ苦い体験を持っておられるのだ。その点についての信念を伺って、私の質問を終りたいと思います。
  28. 岸信介

    ○岸国務大臣 私が戦時中のことを厳粛に反省して、民主政治家として努力するということの信念を申し上げておりますが、民主主義という私の内容は平和と自由とを守るものは民主主義である、またこれがなければ真の民主主義ではないという気持でおります。従って一方におきましては、戦争に日本が巻き込まれるようなことを絶対にしないような政策を進めていく必要があると同時に、あらゆる面においてわれわれの自由を確保する。これは私自信の体験を申し上げてはなはだ恐縮ですが、私自信が三年有余一切の自由を奪われた生活をいたしまして、自由こそ人類の生活に絶対に必要であるということを私自身が痛感をし、これを政治の上に現わしていくには、真の民主主義政治を完成するにありというのが、私の信念でございます。  経済政策の面につきまして戦時中におけるあるいは戦争の直後における私が商工大臣もしくは商工次官としてやりました政策が、統制経済主義であったことは御指摘の通りでありまして、ずいぶん戦時中から山本君とはこの点について論戦をしたこともございます。私の当時の考えから申しますと、ああいう戦争経済を遂行する上から申すと、相当に自由を制限した統制経済をやらなければならぬと思って、ああいう政策をとったわけであります。私はそれの禍根は戦争にあると思っております。従って戦争経済というもので、どこの経済を見ましても完全な自由主義経済を行なっているところはございません。しかし経済の主義として自由主義経済が人類の発展、経済の発展には根底をなすべきものであるという考えからいたしますと、私はああいう統制経済をやらざるを得ないような戦争状態とか、あるいは戦争に類似したところの方向に絶対に国を持っていかないことが必要であるという考えを持っております。ただ言うまでもなく、自由経済と申しましてもそれは野放図の自由でいいかというと、自由ということは、その人の個人の自由であると同時に全体的の調和も必要であります。自分が自由だから他人の自由を幾ら妨げてもいいということではないわけでありましょうから、そこにおのずから調整というか調和が必要になってくるのではないか。最近、中小企業についての組織法等につきまして、そういう問題が論議の対象になっております。すでに通産大臣から申し上げたことであると思いますが、私自身も過去において中小企業に非常に深い関係を持っておりました関係上、今日におきましても、その政治生活におきましてこの中小企業の日本の実態というものには、常に深い関心を持って見ておりますし、またこれの維持、安定、発展をはかるということは、日本の経済から見てもまた日本の社会から見ても、きわめて重要なことであることは、私がここで申すまでもなく山本君よく御承知の通りであります。ところがこの実態を見ますと、ずいぶん無節制な、過当な競争のために、ある場合においては共倒れ的な事態も起っておるようなことが少くない。ことに輸出方面を見ますと、先ほど私は経済外交において日本の市場を開拓しなければならぬということを申しましたが、輸出振興の上から見て、日本の業者自体が不当なる乱雑なる競争をして値段を下げて、そして市場を荒しているような事例も少くないのであります。こういうものを放置しておくことが自由経済であるか、あるいはそれに適当な調和が必要かということは、私は考えなければならぬと思います。しかしそれは戦争当時私が行なった統制経済というような一つの理念とか、あるいは全体的に自由を制限するというふうな考え方でないことは言うを待たないことでありまして、これは経済の発展の上から見て、日本経済の繁栄の上から見て根本が自由経済主義であることは、私ども保守党としては一貫しておるところであります。ただそういう点についても、やはり調整を考えなければならぬ部面もある。しかしそれは決して統制経済とかいうような考え、あるいは社会主義政党が考えている経済とは違うということを御了承願いたいと思います。
  29. 山崎巖

    ○山崎委員長 古屋貞雄君。
  30. 古屋貞雄

    ○古屋委員 私は外務大臣である総理大臣にお尋ねしたいと思うのですが、外務大臣は二月の四日に外交方針の基調について本会議で述べられておりますが、これはまことに重要でありまするから私読み上げますが、お聞きを願いたいと思うのです。「わが国外交の基調として政府が重視しておりますことは、アジア隣邦諸国との関係の強化であります。わが国とアジア諸国とは、あらゆる面にわたり、きわめて密接なきずなによって結ばれていることは、今さら申すまでもないところでありまして、政府は、これら諸国との懸案を解決して、各国との友好協力の関係を一段と強化することを、ぜひ必要と考えております。」云々という御発表をなされておりますが、これを実践をする、実行をする御決意があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  31. 岸信介

    ○岸国務大臣 お答え申します。私が外交方針で述べておることは、私、外務大臣として、責任を持ってこれを実現したいと考えておるのであります。
  32. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そこで、その日の御発表になっていまする中に、日本と従来歴史的にも非常に密接な関係を持っておりました朝鮮の問題につきまして、簡単に韓国の問題をお触れになっておるわけでございまするが、朝鮮問題の根本的な解決をする意思があるかどうか。ことに、朝鮮の諸君がわが国に七十万も在住しておりまするので、非常に日本の政治経済の上に重要性を持っております。この問題を根本的に解決する意思があるかどうか。もしおありになるならば、どういう御方針でおやりになるのか、御答弁を願いたいと思います。
  33. 岸信介

    ○岸国務大臣 朝鮮と日本との関係は、私が今さら申し上げるまでもなく非常な深い関係でありまして、特にこういう状態になりました戦後におきましていろいろむずかしい懸案事項のあることは御承知の通りであります。私どもは、韓国との間の懸案事項でまず解決しなければならぬ緊急な幾多の問題がございますので、韓国との間にまずこの懸案の事項を解決するという考えのもとに韓国と交渉をいたしておる次第であります。
  34. 古屋貞雄

    ○古屋委員 韓国との関係の懸案と申しますが、懸案の問題は、むしろ、韓国にあらずして、日本におりまする朝鮮の諸君の問題が重要性を持っておるわけです。経済の面におきましても、あるいは思想の面におきましても、その他幾多の面で重要な関係を持っておるわけなんですが、この点をどうお考えになられるかということが一つと、その日本におりまする朝鮮の諸君の七十万の八割までは北鮮の国籍を希望をしておるし、北鮮の方であります。従いまして、北鮮に対する緊急事項としてのあらゆる問題について、在住朝鮮人の諸君から政府の各方面に強い陳情を数年間やっております。あるいは、職が与えられていない問題についてはその職を与えるように、あるいは、自分の祖国に帰りたいので帰してもらいたいというように、あるいは、教育の問題についても、大学に進学して一人前の人間になりたいという面について、あらゆる諸般の事項について政府に強い要望をしておるはずであります。その問題につきまして、相手の北鮮におきましては、日本との間にすみやかに国交の正常化をはかって、これら諸懸案の問題をまず解決したいという希望を強くお持ちになっておるのでありまするが、これに対する総理大臣並びに外務大臣の根本的解決に対する所見を承わりたい。
  35. 岸信介

    ○岸国務大臣 日本内地に居住しておる朝鮮人に対しましては、やはり、日本国内において生活が安定し、それぞれ所を得ていくように努めていくことがこれに対する根本の考え方だと私は思います。具体的の問題がいろいろ未解決でありますし、またこれら在留の朝鮮人の人々の要求と必ずしも合致し得ないものもございますけれども、今申した根本の趣旨においてやっていかなければならぬと思います。ただ、御承知の通り、朝鮮が三十八度線でもって北鮮と韓国との二つに分れておるという事態そのものから、いろいろ問題が複雑になっておりまして、解決されておらない、解決を非常に困難ならしめておるという実情にあるわけであります。私どもは、韓国と朝鮮が民族的に統一され、そして国として秩序ができ、安定していくということが一番望ましいことであります。しかし、それは現在の状態においてはまだなかなか望み得ないという状況であります。そこで、私どもは、南の方で特に日本と関係の深い、また日本との間にいろいろな現実の問題を起しており、緊急に処理しなければならない問題を提供しておる韓国との間に、先ほど申したような折衝をいたしておる、こういうことであります。
  36. 古屋貞雄

    ○古屋委員 朝鮮との問題が、南北統一されていない複雑な関係にあることは、これはもう議論の余地のないことだと思います。しかし、北鮮に国籍を有する人で朝鮮に帰りたいという人々の問題につきましては、人道的な立場から自由に帰すべき方法を講ずべきではないか。今総理大臣から御説明がありました韓国における緊急の問題については、具体的にこれが緊急だという御説明がありませんから、私はよく存じませんけれども、かりに、抑留されておりまする日本人をすみやかに帰すのだ、――私はこの気持はよくわかります。当然帰すべきだと思います。しかし、これと同じように、これに数十倍する朝鮮の諸君の北鮮に帰りたいということをお考えにならなければ、人間的な立場から考えましても、道義的に考えましても、国際道義から、推察いたしましても、私はどうも理解がつかない。日本の数十万に及ぶ北鮮の国籍を有する人たちの祖国に帰りたいという希望と、どちらに重点を置かれるのか、それとも、両方一緒に私は解決すべき問題だと思うのですが、これに対する御意見を承わりたいと思います。
  37. 岸信介

    ○岸国務大臣 韓国の釜山に多数の漁民が抑留されておって、これを釈放して日本に帰還せしめようということは、これらの留守家族の人々の強い要望であり、また国民的な要望でもございます。それと同時に、大村に収容しておる韓国人の釈放の問題も私ども考えて、同時に釈放するということによってこの問題を解決したいと考えて実は交渉をいたしておるわけであります。北鮮に帰りたいという希望を持っておられる方は、適当な――日本の船で帰すというわけにもいかないけれども、外国船によって帰るということは、これは従来も許しておるように私は承知いたしておりますが、なお非常にたくさん帰りたいという希望があるということであれば、私は、原則として帰られることは差しつかえない、こういうふうに思っておりますけれども、なお事情を少し調べてみたいと思います。
  38. 古屋貞雄

    ○古屋委員 どうも、そういうような御説明で、私実は驚くのですが昨年、祖国に帰りたいという朝鮮の諸君が、しかも日本におっては女、子供で働く能力を持っていない、生活ができない、生活保護法が窮屈になってきて、どうしてもこれでは人間的生活ができないから帰りたいというので、日赤の前に数十日間居すわりをして、日赤に頼んで、人道的問題であるから帰してもらいたい、そういう要求をされた事実は、しばしば新聞に報道されておる事実であります。また、それらの人々をついに最後に私ども議員団の一部やその他の有志の者によって金を集めてお帰し申したという事実がございますが、これも半年以上かかったわけなんです。政府に釜山に抑留されております日本の人々をすみやかに帰したいという熱意と友情一がございまするならば、やはりこれと同じような立場に置かれておりまする朝鮮の諸君、日本において生活ができない、祖国に帰りたい、この人々を帰してやるというだけの熱意を持ち、それに対する計画と施策をすみやかにすることが、私、冒頭に読み上げました隣邦との友愛を深めアジアにおける平和的な国交調整をいたしまする最も近道であると思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
  39. 岸信介

    ○岸国務大臣 今、私申し上げましたように、十分に事情を検討いたしまして、私としては帰りたいという人は帰した方がいい、こう思っておりますから、それの支障をなしているような事態を十分検討いたしまして、そういう方向に進みたい、こう思います。
  40. 古屋貞雄

    ○古屋委員 その点、もう少し熱意のある、誠意ある方策を講じていただきたいと思います。  さらに私はお尋ねを申し上げたいのですが、それ以上に人道的立場から断じて許すべからざる行為が行われておるわけです。かつて日本が戦争を、あなたたちが大東亜戦争をお始めになりましたおかげで、朝鮮からたくさんの徴用工を日本に強制的に連れて参りました。当時の朝鮮の諸君は、日本の国民として、強制的に戦線に送られる徴兵に徴集をされておりました。それらの人々が戦争によって戦死され、あるいは徴用工を解除になりましてから後に祖国に帰ります途中で海のもくずとなりまして、数万の遺骨が日本にとどまっておるはずなんであります。しかも、それが今日まで十数年の間、たしか佐世保と呉の援護局の倉庫の中に積まれておりまして、朝鮮の諸君が、これに対して、人間の立場から、残された人の立場から、同胞の立場から、ある場合におきましてはこれを拝ましてもらいたい、保管をさしてもらいたい、しかも日本の仏教徒におきましても決議をいたしまして、その遺骨を保管したいからという申し出を政府にしておるはずなんです。こういう問題について、総理大臣兼外務大臣は、すみやかにこういう要望をいれて、これら遺骨に対して尽すべき礼を具体的に行うべきものだと私は思うのでありますが、この点に対する所見を承わりたいと思います。
  41. 神田博

    ○神田国務大臣 遺骨の方の処理は厚生省で所管しておりますので、担当の私から先にお答えいたしたいと思います。  今お述べになりましたように、戦時中に約二万の戦死者がございまして、そのうち約一万の遺骨が戦地から内地に護送を見たのであります。そこで、政府におきましては、そのうちの七千柱を当時の連合国の司令部を通じまして朝鮮にお送りいたしたのでございますが、残余の数につきまして、ただいまお述べになりましたように、福岡県の佐世保の世話課あるいは呉の世話課でございますか、安置いたしておりまして、これを朝鮮に引き渡すことができないのを遺憾に思っておりますが、しかし、この保管につきましては最善の処置をいたしておる次第でございます。
  42. 古屋貞雄

    ○古屋委員 最善の保管と申しておりますが、私は、さような御答弁がありますと、承わります。厚生大臣、あなたは、たとえば死んだ方の命日あるいは先祖の法事ということをおやりになっておらないのでしょうか。十一年間拝みたいと言っている。拝ましてもらいたいと言っている。それを今日までほうっておいて、それで一体最善の努力をしたというお答えができるかどうか。即時引き渡しをする決意があるかどうか、拝んでもらうような方法を講ずる決意があるかどうか。もっと申しますならば、少くとも戦争の犠牲になった人たちでありますから、日本のお互いの同胞の犠牲になった方と同じ処遇をすべきだと私は思う。そういう処遇をされたかどうか。
  43. 神田博

    ○神田国務大臣 お答えいたします。  安置いたしております遺骨の遥拝等につきましては、お盆であるとかあるいは適当の機会にお祭りをいたしおりまして、関係の方々には参拝していただく、こういうような処置をとっております。  そこで、この遺骨の本国への送還でございます。これは、できるだけ引き渡す方針のもとに処理をしておるのでございますが、何しろ外国のことでございますので、引取人を正確に把握するということがなかなか困難の事情等もございまして、これらの点が確認し次第、逐次お引き渡しする、こういうような処置をとっておる次第でございます。
  44. 古屋貞雄

    ○古屋委員 どうもあまりでたらめの御答弁をなさいますと、あとで問題になりますよ。一体どこでいつ関係者を呼んでお祭りしたか、お聞かせを願いたい。数年間、日本の仏教徒会議まで開いて仏教徒から申し出があったはずです。厚生省には、まとめてお祭りして自分たちが拝みたいから引き渡してくれという陳情書が、請願が出ておるはずです。そういうようなことの切ない要望をしておるにかかわらず、今日まで放置されております。倉庫にそのままあるんですよ。どこでどういうときにやったか、具体的に説明して下さい。それじゃ、いつ幾日どこでどういう人を集めてお祭りしたか。一部の人ではだめですよ。何万とあるのですから。しかも朝鮮の総連ではそういう申し出を正式にしておるのです。具体的に御答弁して下さい。
  45. 田邊繁雄

    ○田邊政府委員 お答えいたします。昨年の秋、福岡県で保管しております朝鮮関係の戦没者の遺骨につきまして、朝鮮人関係の団体の方の御出席を得まして、福岡県で慰霊祭を行なった次第でございます。
  46. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そんなでたらめの、わずかばかりの、形式ばかりのことでは相済まぬと思うのです。さらによく調べまして厚生大臣ははっきりした御答弁を願いたいと思うのです。毎日陳情も出ているはずですよ。引き渡してくれという請願も出ているわけです。しかも、一応引取手のわからない者がたくさんあるだろうから、自分の方で保管して、自分の費用でお祭りいたします、そうしなければ、日本の遺家族や日本の英霊に対してだけで、同じように戦争に召集されて同じように死んでおる、同じように戦いに倒れておるのに、区別するのは困るというのが彼らの非常に強い要望でありまして、これは正しい要求だと私は思うんですよ。こういう問題を解決しなければ、隣邦民族とのほんとうの心からの融和というものはあり得ないと思うのです。どうです、総理大臣。
  47. 岸信介

    ○岸国務大臣 私は、今御指摘のような点は、民族的の感情から言って非常に重要な問題であると思います。いろいろ事情はあると思いますが、これはやはり十分に事情を調べまして、特に引き取るというようなことになりますと、引き取る人が正当な遺族であるかどうかということもはっきりしないというと、あとからまた問題が起ってもいけませんから、十分に検討いたしまして、誠意をもってこういう遺骨等に対する弔意また方法を講じたい、かように考えております。
  48. 古屋貞雄

    ○古屋委員 なお、これは、前に私御質問申し上げたときに、戦争によってなくなられた遺族の方については、日本の遺族に対する関係と同様なお取扱いをしておるという御答弁を願っておりましたのですが、その具体的な事実がございましたら、政府委員でもよろしゅうございますから、一応簡単に御説明を願いたいと思います。
  49. 田邊繁雄

    ○田邊政府委員 朝鮮、台湾出身の軍人、軍属の方で戦没された方々の遺族の処遇につきましては、今日恩給法及び遺族援護法におきましては処遇をいたしておらないのでございます。御承知の通り、恩給法におきましても、また遺族援護法におきましても、遺族の範囲として、要件といたしまして、日本の国籍を持っているということが一応の、要件になっております。従いまして、この法律では処遇いたしかねるのであります。この問題は別途の問題として処理するほかはないのではないかと考えております。
  50. 古屋貞雄

    ○古屋委員 今の問題は重要な問題でございますので、外務大臣におかれましては、特にすみやかに日本の遺家族と同じような処遇をすべき御計画と実践をしていただきたいと、私は要望を申し上げます。  そこで、さらに進んで私が承わりたいことは、朝鮮の人で祖国に帰りたいという方が多い、しかしこの帰す方法がないということでございましたけれども、北鮮の赤十字は、日本の政府に対して、さような人々の世話をして北鮮に帰すために赤十字の代表を日本に送りたい、こういうことを昨年申し出ておるはずであります。しかるに、今日まで日本の政府はこれを拒否しておるように承わっております。これは、人道的な立場から考えまして――しかも、日本におります朝鮮人の諸君が日本の生活保護法のお世話になっておるその生活保護費の金額から考えましても、その数少くとも二十億になんなんとする生活保護費をもらっておるような状況でございます。この日本の貧乏の国において、――われわれの税金でこういう負担をすることもやむを得ないとは存じまするけれども、それらの人々はすみやかに、祖国に帰りたいと言っておるのです。これを帰す方法をふさいでおいて、そういう無駄なことをしておることが、一方においては感情を破壊し、一方においては国の予算を消極的な方面に使うというようなことになっておりますので、その点を考慮しまして、北鮮の赤十字の代表を日本に入国することをお許しを願って、世話をして、そしてこれらの人々を帰す、もしそれができなければ、韓国との関係で工合悪いというならば、韓国の赤十字の代表も日本に招致して、日本の赤十字の代表と北鮮の赤十字の代表と三者相協力をいたしまして、これらの人々を帰すということ自体が、私は人道的立場から考えましてもまことに当を得た施策だと思いまするが、外務大臣のお考えはどうでございましょうか。
  51. 岸信介

    ○岸国務大臣 朝鮮の問題につきましては、今日の朝鮮が二つに分れていることに非常に問題解決を困難ならしめている一切の禍根があるように思います。今のお話のように、三国の赤十字が人道的立場から話し合ってこれらの問題を処理するというお考えにつきましては、十分一つ研究してみたいと思います。
  52. 古屋貞雄

    ○古屋委員 それでは、もう一つお尋ねしますが、北鮮の政府におかれましては、日本における朝鮮の学生諸君の学費が足りない者に自分の方から送ろう、また生活に困ってる人に対して補助金を送ります、こういうことを申してきておるのでありますが、外務大臣は、この金をすみやかに送らして、そうして日本におります生活に困っている朝鮮の人々の生活費に充て、学費に充てるということについての御決意はございましょうか。
  53. 岸信介

    ○岸国務大臣 そういうはっきりした事実については私どもまだ承知していないようですが、しかし、今のような意図で北鮮の政府が日本内地にいる人人に送金をするということは、これを妨げるべき何らの理由はないと思います。またそういう法規もありませんし、またそれを妨げなければならないという扱いは私はないと思います。ただ、私、そういう事実がはっきりあるかないかということを今外務省の事務当局に尋ねてみましたけれども、そういうはっきりした事実は承知しておらないということでございます。
  54. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そういううかつさでございますから、驚くべきですが、私ども直接交渉したのです。日本の赤十字にもその交渉は私どもいたしました。向うから電報で言ってきております。外務省も知ってるはずです。それでは、今後そういうような具体的な申し出が北鮮の赤十字からあった場合、外務大臣はこれを即時お許しになって、これをあっせんするかしないか、それを承わりたい。
  55. 岸信介

    ○岸国務大臣 今申し上げた通り、はっきりした事実があれば、お断りする理由はないと思います。
  56. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そこで、私は、その問題はその問題といたしまして、韓国との関係で承わりたいのでありますが、韓国の代表者が日本にいらっしゃるということを聞いておるのですが、それは韓国代表者としていらっしゃるのでしょうか、その点承わりたい。
  57. 岸信介

    ○岸国務大臣 日韓の間の協定によりまして、日本に代表者を置いております。
  58. 古屋貞雄

    ○古屋委員 協定で置いておるのでありますが、日本はあちらにそれと同じように公平に代表部を置いておりますかどうか、置く意思があったが断わられたのかどうか、その点承わりたい。
  59. 岸信介

    ○岸国務大臣 これは、置いておりません。その置いておらない理由は、まだ韓国政府の方でそういう代表部を韓・国に置く時期にあらずとして受け入れないというために置いておりません。
  60. 古屋貞雄

    ○古屋委員 もう一つ承わります。韓国側は日本に韓国銀行の支店や貿易商が駐在しております。そうして、商売をやったり、いろいろやっておりますが、日本ではあちらに置いておらないが、隣国との友好を深めるという熱意のある外務省は、これに対して、これを置く意思があるかどうか、置く意思はあったけれども断わられたのかどうか、お尋ねします。
  61. 岸信介

    ○岸国務大臣 私は、韓国との関係がこういう状況にあることは非常に両国のためによくないというので、日韓両国の間の国交を正常化す意味におきまして、いろいろと内交渉をやっておるわけでありまして、従いまして、日本としてはもちろんそういうものを置き、さらに進んで国交を正常化して、正常な外交関係を開きたい、こう考えております。
  62. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そういう関係ではなく、あちらに日本の商社を置いたり、日本銀行の支店を置いて、そうして商売をさせる意思があるかどうかということが一つ。もう一つ承わりましょう。韓国の人々が日本に来て自由に旅行しております。日本の人は絶対に断わられています。これはどういう理由なんでしょう。その点を承わりたい。
  63. 岸信介

    ○岸国務大臣 これは韓国政府が日本に対してそういうことを許可しないし、またそういう取扱いはしないということでありまして、そういう状態自体が非常に遺憾な状態である。従って、今申したような交渉によってそういう状態をなくしようというのが私どもの考えであります。
  64. 古屋貞雄

    ○古屋委員 もう一つ承わりたいのですが、韓国の通信機関とか報道機関は日本で自由に活動をして報道をいたしております。ところが、日本の報道機関やあるいはこれに類する人たちが韓国に行かれてそういう報道活動をすることは禁じられていると承わっておりますけれども、どういうわけで、こういう工合に日本ばかりが義務づけられたような、一生懸命こういうものを認められて、やらせられて、日本が向うに行って情報を集めたり、将来文化の交流のために報道をする機関を置くことができないか、この点も承わりたいと思います。
  65. 岸信介

    ○岸国務大臣 今申し上げましたように、日韓の間の関係はきわめて不公平な、また日本から考えまして望ましくない状態であると思います。これにはいろいろな事情があるかもしれませんけれども、今の韓国政府そのものが、日本に、いろいろな問題を解決するにあらざれば、そういう問題についても日本と同様には扱わないという方針のもとにきておりますので、私は、そのもとである日韓の間の国交正常化・それにはいろいろな懸案問題を解決しなければならぬと考えますが、そういう関係になっておると思います。
  66. 古屋貞雄

    ○古屋委員 重ねて承わりますが、今総理からお話しになった抑留者の問題ですが、勝手に李ラインを作って、勝手に日本の漁夫を拿捕しておる。こういうことは日本の完全なる行政法権が及ばないということなんです。こんな姿では一体政治をしていると言えるかどうかということを私は疑うのです。これをどういう工合に是正し解決するかということについて明快な御答弁を承わらなければ、国民は安心して漁労に出られないと思うのです。総理大臣、外務大臣としてのお立場から明快な御答弁をいただきたいと思うのです。
  67. 岸信介

    ○岸国務大臣 私は、現在韓国との間の交渉におきまして、まず第一に人道的立場から、あらゆるものに先立って、抑留されておる漁夫を釈放し、同時にこれに対して向う側の要求である大村収容所に収容されておる者を釈放するという相互釈放によってまずこの問題を解決し、さらに進んで日韓会談を再開して、そして日韓の間に存しておる幾多の問題、このうちには今の李ラインの問題も当然重要問題として解決しなければならない問題でありますが、そういう問題を解決する日韓会談を再開して、これらの問題を公正に現実に即して解決をしまして、そうして日韓関係の正常化をはかる、こういうふうに進んで参りたい、こう思っております。
  68. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そういう考え方は私は驚くべきことだと思うのです。現象形態だけを片づけて、根本問題に対する施策は何もないじゃないですか。正常化をはかると申しますが、李ラインを侵せば何べんでもひっぱられますよ。それでは、私、承わりますが、平等互恵の立場に置かれておりまするわが国が、まるで韓国の属国のような姿じゃないですか。今私がお聞きした具体的な事実は何一つ認められていないじゃないですか。これで平等と言えますか。占領下にいるのと同じじゃないですか。日本は韓国の占領下ですか。違うでしょう。私はそう思うのですよ。全くこの点については、国民がおそらくあなたから承わりたいのは、今まではこういう不平等な勝手なことを韓国からされたのだけれども、この内閣だけは少くもこういう問題の根本解決をする施策がある、こういうことを承わりたかったから私は質問しておる。それでなければ、今までのようなこんなへっぴり腰で解決がつくと思うのですか。国民もおそらく信頼しないと思う。その点について、少くも独立国とおっしゃるあなたたちの信念において、徹底的に平等互恵の立場から交渉を始めるという態度をおとりになれないか。現象形態の一千や二千の人を帰す帰さないという問題は、わずかの一時的な事案としての解決方法です。根本的な正常化――最初に申し上げたいことは、平等の立場に立って交渉するところの資格をかちとらなければならぬということになるんじゃないでしょうか。ただいま私が具体的に御質問申し上げたのは、全部不平等な、占領下におけることと同じことばかりです。少くも独立国家として、たといこれがどこの国にどういう関係がございましょうとも、韓国と日本との間においては平等でなければならぬと私は思う。しかも、これは、国際法上の正しい立場から正しい主張をするのが正しいと思うのであります。しかしながら今のような人道問題を片づけることにきゅうきゅうとして、根本的な不平等の立場を改める意思があるかどうか、この点について具体的な方針があったら聞かせてもらいたい。これはおそらく日本国民があなたから承わりたい要望の一つだと思います。御答弁願いたい。
  69. 岸信介

    ○岸国務大臣 日韓の関係を正常化して両国の長い友好関係を作り上げなければならぬというのが究極の目的であることは言うを待ちまちません。しかし、それを解決するのに、長い間の国民的感情、特に留守家族等の人々の気持から申しましても、われわれから言えば不当だと思われるような釜山に多数の漁夫が抑留されております。そうして、平等の立場から話をしようとしても、いわゆる心理的に言えば一種の人質的な形において交渉するということは、いわゆる平等なる立場において公正に話し合うということの基礎ができないと思います。そこで、両方とも、そういう人道的問題、国民感情に非常に強く響いているところの問題をまず解決して、そうして両国の関係を互いに独立国として公正な立場からいろいろな懸案問題を――李ラインの問題や、財産権の問題や、いろいろの問題がございます。これらの問題を平等な立場で話し合って解決する。そうして、歴史的に言うても、民族的に言うても、地理的に言うても非常に深い関係のある日韓の間がこういう状態にあるということを一日も早く除いて、そうして平                     等な立場で友好的な関係を作り上げていくことが、日韓両国のために必要である。しかし、それには、今非常に感情的になっている人道的な問題をまず解決する。そうして続いて日韓会談をやって根本問題を解決する。根本問題と今の問題をからませてすべて一挙にやろうとすると、今のなにから言っても、国民感情から言っても、感情的な問題があり、また考えようによっては一種の人質的な交渉をしなければならぬというふうな結果になるのであります。従って、そういう意味において、今の抑留者の問題をまず解決して、続いて日韓の間の懸案問題を公正にかつ現実に即して両者が平等な立場で話し合って、そうして永遠なる友好関係を作り上げる、これが私の考えであります。
  70. 古屋貞雄

    ○古屋委員 くどいようですが、私から申し上げますならば、人道問題は、これはほかのことを言わないでも片づけるべき問題ですよ。人道問題が片づかないからほかの問題は不平等でもいいという理論は成り立たない、私はそう思います。しからば、根本的な問題が片づかなければ何人でも何百人でもまたつかまってしまうじゃないですか。そんな連鎖的な、わずかばかりのできごとの感情問題を解決することにきゅうきゅうとして――私は根本的な両国の正常化問題を解決してもらいたいと思う。それにはもっと根本的な施策を持たなければならぬと思うのです。もっと独立国家としての態度をはっきりしてもらいたいと思う。こんなようなへっぴり腰で、しかも日本民族がほとんど韓国から侮辱されているような立場に置かれておりますことがこのままでは、私は根本的に解決がつかぬと思うのです。と申しますのは、何と考えましても不平等の扱いを受けておることを認めたことになっておるじゃありませんか。人道問題についてその問題を解決することにきゅうきゅうとするばかりであって、根本的に不平等だという抗議な申し出ていない、これを是正する努力を政府はしていない。こういうことならこれらはもうすでに韓国から侮辱された、圧迫された国の姿だと私は思うのです。これを直さなければだめです。と申しますのは、李ラインの問題につきましても、竹島の問題につきましても、その他の問題についても、この問題を片づけなければ、今の問題は副作用的に起ってくる問題です。李ラインがあるから抑留されているのですよ。その李ラインの問題の根本を解決する方針や努力を持たなければ、その結果の方を何とかしょうと、根本を片づけずに裏の草を刈っても草は幾らでも生えますよ。この根本問題、竹島問題、李ライン問題、これをほんとうに片づけるだけの決意と態度と方針を私は聞かしてもらいたい。人道問題は当然片づく問題です。だからその問題について施策がありますならば、これは聞かしてもらいたい。なければないということであって、国民からほとんど無能の内閣である、無能の外務大臣であるというそしりをあなたは受けなければならない。その点をお聞かせ願いたい。
  71. 岸信介

    ○岸国務大臣 古屋君もよく御承知でありますが、人道上の問題は自然に解決するというが、簡単にこれは解決しておらないのです。それからもちろん李ラインの問題は、これを解決しなければならぬことは言うをまちませんが、李ラインの問題にしましても、竹島の問題にしましても、われわれはそういう問題に対しては強くわれわれから抗議を申し込んでおることも御承知の通りであります。ただ抗議を申し込んでおってもそれを聞かないというのが現状でありまして、そういう状態をなくするために、われわれが日韓会談を過去においても数回やっておりますが、これが解決しておらない。そうして現在はやはり人道上の問題で、これはほおっておいても解決するかというと、そうでないので、去年以来この問題だけを解決しようとしても、これが解決されておらないという状態で、遺家族その他これの関係者からこの問題については非常に熱烈な要望をしていることも御承知の通りであります。私はこの問題さえ解決すればあとはどうでもいいというような考えではもちろんありません。この問題をまず解決して、そうして続いて日韓会談を再開して、李ラインの問題や竹島の問題やいろいろなむずかしい問題がございます。これを平等の立場から、また日韓両国の永遠の友好関係を作り上げる上からこれを解決しよう、こういう考えでありまして、その方へ先に取り組んで、釜山のものはほおっておいても自然に解決するのではないか、こういうお話のようでありますけれども、私はこういう事態ではないと思う。この問題は、釜山の抑留者の問題はまずこれを一日も早く日本に帰して、そうして続いて日韓会談を再開して、今の根本問題に取り組んでこれを解決するそうして永遠の友好関係を作り上げるというのが私の考えであります。
  72. 古屋貞雄

    ○古屋委員 どうも私と総理の意見は、私は根本問題を解決しなければ、派生的な副次的なできことは何ぼ解決してもいろいろあとから生まれてくるという意見を申し上げているのですが、しからば私はこういう工合に質問申し上げましょう。これまで韓国側は日本に対する要求を、私どもが知っております範囲では、久保田発言を取り消せ、日本の韓国にあるところの例の財産の請求権を放棄しろ、韓国の日本に対する各種の賠償請求権とこれを相殺しろ、李ラインを承認しろ、竹島の領有等、いずれもこういう問題を承認してくれば日韓会談に応じるというふうに伺っておるのですが、こういう問題に対する外務大臣の対処すべき御方針はどうでしようか。この問題について私は具体的に承わりたいと思う。
  73. 岸信介

    ○岸国務大臣 韓国側の要求は今お話の通りであります。われわれはこれに対して反対の提議を従来いたしております。従いましてこの両者の意見がまとまらずにおるというのが、会談の現在までの段階であります。しかし私はこれらの問題を解決するのに、必ずしも従来の主張にとらわれることなく、現実に即して公正な見地からこれらの問題を解決したいということを申しております。具体的に一々私はこの席で、久保田発言をどうするのだ、財産権の問題をどうするのだ、李ラインはどうする、竹島はどうするということを結論的に申し上げますことは交渉の前に当りまして私は適当ではないと思います。しかしこれらのむずかしい問題を、両国の永遠の友好関係を作り上げるというこの両方の了解のもとに、公正に現実に即してこれを話し合おうじゃないかという提議をいたしておるわけであります。両者の従来の主張はま正面に対立しておることは御承知の通りでありまして、従って今日まで解決を見ておらないというのが現状でございます。
  74. 古屋貞雄

    ○古屋委員 総理大臣は施政演説の中で、日本の青年の民族自決の精神の振興とか復興とかを非常に強調されて、青年が将来の日本を背負って立つ責任感に燃えて熱烈に立ち上らなくちゃならぬということをおっしゃっておりますが、こういうへっぴり腰な政府のやっていることを見せつけられる青年はまじめな、はっきりした民族自決の強い精神、民族に対する自覚の強い精神をもって立ち上ろうということを、先頭に立って模範を示すべき方たちがこういうへっぴり腰でありますから、どうも私はぴんとこないと思う。そういう意味においてまことに残念でございますけれども、どうかただいま私が申し上げましたような、不平等な取り扱いを受けておりますところの韓国に対する基盤の是正に努力すべきだと思う。   そこで話を変えまして、それじゃ承わりますが、これと一緒に同じように、わが国といたしましては考えなくてはならぬ立場にいる北鮮に対しましては、北鮮の政府は喜んで日本と自由な往来、自由な貿易、国交の正常化をすみやかにしたいということを申し出ております。声明をしております。従いまして、韓国のこういう問題がなかなか見通しのつかない困難な状態に置かれておりますならば、北鮮の方とはすみやかにできる状態にありますから、北鮮と国交正常化の交渉をやる御意思があるかどうか。向うでは日本に呼びかけてきている、文化の交流もいたしましょう、貿易もいたしましょうといっている。特に北鮮にはわが国に最も必要な大事な生産物がたくさんあるように心得ております。黒鉛であるとか無煙炭であるとか、すぐ日本の経済の上に非常に役立つものがある。しかも向うでは日本に売りましょうといっている。こういう貿易の再開、北鮮に対するところの国交正常化、回復の御意思があるかどうか。北鮮から申し出がありますならば、これを受けて立つだけの御決意があるかどうか、これを承わりたい。
  75. 岸信介

    ○岸国務大臣 私は今最も現実の問題として、いろいろな懸案をたくさん控えております韓国との間の国交正常化を、先にすべきものであるという立場に立っております。今北鮮とそういう交渉をする、もしくはそういう方向に進んでいくということは、現実にわれわれが懸案を解決しなければならない重大な必要に迫られている韓国との関係を処理する上からいうと、望ましい結果にならないと思います。従って今日のところにおいては今御提議になったようなことの意思は私は持っておりません。
  76. 古屋貞雄

    ○古屋委員 その点は私ども通念的に考えて、お前の方がやらなければ北の方とやるぞというような態度をとることが、南の方との不平等関係を是正する一つのいい示唆になりはしないかと思いまして申し上げたのでありますが、私はそう思うのです。両方一緒に、南北両方同じような態度をもって同じように交渉することが、将来の統一された朝鮮民族に対して、日本が隣邦として最も友好親善を深めるゆえんであると思いますので、少くとも南に交渉するならば北にも交渉するというような平等な立場から、朝鮮問題解決の基本的な線を出していただかなければならぬと思いますが、南北両方をくるめた統一朝鮮としての立場から、朝鮮民族に対する根本的な、総理大臣、外務大臣の施策をお聞かせ願えればけっこうだと思うのですが、いかがでしょうか。
  77. 岸信介

    ○岸国務大臣 朝鮮の統一は、隣国として望ましいことだと私は思いますが、これは朝鮮民族の問題でございますし、朝鮮自体の問題でありまして、私どもがいかんともすることのできない問題であることは言うまでもないことであります。私は先ほど来申し上げましたように、自分としては現実に問題になっていることを処理して、御指摘のような不平等な関係にあるものを是正することが、この際内閣として最も力を入れてやらなければならぬことだと考えておりますので、今両方に平等に交渉するという考えは持っておりません。
  78. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そうしますと、冒頭に申し上げました総理、外務大臣の外交政策については、韓国との交渉について不平等な取扱いを受けまして、今問題は壁にぶつかっておる、今後これに対する解決の見通しはないということに承わっておけばいいのでしょうか。それとも見通しはこうだということを国民に御発表なさり、私の質問に御答弁ができるかどうか、この点も承わりたいと思います。要するに、朝鮮問題並びに隣邦に対する日本の外交政策について、最も近い、密接な関係を持った韓国の問題は、ただいま私が御質問申し上げたような不平等な立場に置かれたままで壁にぶつかっておる。この打開については政府には具体的にこうだという施策はない。それで当分の間は、日本の政府といたしましては、努力はするけれども、この状態ではやむを得ないとお考えになっておるのか、この点をもう一度お伺いしたいと思います。
  79. 岸信介

    ○岸国務大臣 私、外務大臣に就任以来、韓国の当局側の代表者と直接に、この韓国との問題について、先ほど申しましたような方針において、まず抑留漁民を即時釈放するという話を進めてきております。続いて日韓会談を再開して、日韓の間の懸案を解決するという話し合いを続けておりまして、韓国の代表者もその間本国に帰って政府と打ち合せもして参っております。今いつまでにどうなるということを申し上げることはできませんけれども、今の努力を続けていくならば、これらの問題の解決の糸口を見出し得る、こういう考えでおります。
  80. 古屋貞雄

    ○古屋委員 今の御答弁によりますと、昭和二十八年からやられております韓国交渉と一歩も出ていないと私は思うのです。これは二十八年からです。もう四年も五年もたっておる。そこでもう少し待てと言われましても、日本の漁民の生活は非常に苦しくなっておりますし、この問題の解決は日本の国民生活安定に非常に重要な影響を及ぼすものでありますが、やはりただいまの御答弁以外には確答をいただくわけにいかないのでございましょうか。四年越しの問題がいまだに解決しない、見通しもつかないということになると、国民の立場から申し上げますならば、政府の重大なる責任を追及せざるを得ないということに相なるわけでありますが、いかがでありましょうか。
  81. 岸信介

    ○岸国務大臣 私、誠意をもってこの解決に当っておりまして、今申し上げましたように、まだいつにはどうなるということをはっきり申し上げる段階に達しておりませんけれども、しかし、私が就任以来の交渉の経過にかんがみてみますと、解決の方向に相当進んでおるということだけは申し上げ得ると思います。
  82. 古屋貞雄

    ○古屋委員 まことに残念でありますけれども、もうこれ以上御質問申し上げても御答弁いだたくわけにいきませんから、この点は切り上げまして、今度は在外財産の問題を承わりたいと思うのです。  岸総理大臣は、かって幹事長のときに、在外財産の問題について引揚者団体全国連合会の諸君とお約束をしておるはずなんです。誠意をもってこの問題は片づけるというお約束をしておるのでありますが、この問題を具体的に解決をするところの案がおありになったのかどうか。新聞で拝見しますと、前には四百五億を出す、今回は五百億を出すということが見えておりますけれども、果して政府は五百億で解決をする御意思であるかどうか。もう一つ、この問題につきましては、従来国会の両院の会議におきまして決議されておることであります。しかも超党派的に審議会において全会一致答申が出ておるはずであります。従いまして新聞に発表されておりますような問題について、政府の御意向であるのか、それとも明確に政府はこれをお出しになる決意が行われたのであるかどうか、その点をまず承わりたいと思います。
  83. 岸信介

    ○岸国務大臣 詳しいことは厚生大臣からお答え申し上げますが、私は、今御指摘がありましたように、自民党の幹事長をいたしておりますときに、引揚者の代表者とこの問題の解決に与党として誠意をもって当るということを申しました。それに基いて内閣に在外資産問題の審議会ができまして、これは超党派的に、また在外財産を持っておる引揚者の代表者も入れまして、その答申ができましたので、石橋内閣の施政方針の中に、この答申の線に沿うてこれを解決するということを国民の前に明らかにいたしております。しこうしてこの問題には誠意をもって政府も解決に当りまして、この予算審議に間に合うように結論を出すという考えのもとに、今日まで努力をいたして参りました。その結論的なことは厚生大臣から申し上げることにいたします。
  84. 神田博

    ○神田国務大臣 お答え申し上げます。海外同胞の在外財産等に対する処遇の問題でございますが、ただいま総理大臣からお答え申し上げました方針に基きまして、政府といたしましては、給付公債によって五百億円十ヵ年賦、それから六分の公債を発行して給付公債として支給いたしたい。それからそのほかに海外引揚者の生業資金と申しましょうか、そういう用途に充てるというような意味をもちまして、市中公債を担保にして、あるいはまた対人担保等をも勘案いたしまして、年間二十億円、約五ヵ年間で百億円というような予想を立てまして、これを生業資金に充てたい。それからまたさらに、御承知のように、引揚者の住宅環境が非常に悪いのでございまして、これを第二種住宅といたしまして、五年間に二万戸程度の住宅を建設して、引揚者の用に供したい、こういうような方針をもちまして昨日その方針を決定いたしております。交付の内容等につきましては、詳細目下検討いたしておりまして、成案のでき次第法案を国会に提案したい、こういうふうに考えております。
  85. 古屋貞雄

    ○古屋委員 なお私は総理に承わりたいのですが、総理はこの今の金はこれは新聞で拝見しますと、涙金であるというようなことが新聞に書かれておりまするが、これは涙金ということのお考えでやられておるのか、それとも補償というような意味でやられておるのか、それとも総理が戦争を引き起した当時の責任者でもあるし、その戦争の結果日本の軍人が原住民に与えたいろいろの残虐な行為に対するその報復を、終戦後残されて外地におりました日本の同胞が、日本の八千万国民にかわってその報復を身をもって体験をして参りました。そういうような気の毒な立場に対する一つの贖罪というような意味でこの金が出されておるのか、この点を承わりたいと思うのです。というのは少くも総理が戦争中なさった行為について心から反省し、贖罪の決意があるということを御答弁なさっておりますので、そういうような強い意思のもとにこの金を出されるようなことになったのかどうか。全連の諸君とそういう立場で心からのお約束をしたのかどうか、この点も承わりたいと思う。
  86. 岸信介

    ○岸国務大臣 引揚者のこの在外財産のいわゆる補償問題の扱いにつきましては、従来も審議会においていろいろと研究をされてきた問題であります。相当長い歴史的な問題でございますが、私は昨年これらの人々と話をして誠意をもって解決するということを申し上げて、そうして内閣に審議会を置いたのであります。この審議会におきましても在外資産の補償をすべきであるかどうであるかという法律論につきましては、いろいろ専門家なりあるいは各方面から論議を尽されたことも御承知の通りであります。その結果といたしまして、とにかく今お話の涙金とかなんとかという意味ではございませんけれども、国家が補償するというのには法律的に補償の義務があることが明確でなければ、国家として補償すべきじゃないことは言うを待たないのであります。その点については議論が分れまして、結論が出なかったのであります。そこで給付金という問題があり、またさらにこの引揚者のいろいろな生活環境その他を見て、この問題を解決するためには給付金の問題と、それからあわせて生業資金や住宅問題も解決するということが、答申になっておることは御承知の通りでありまして、私はその答申の御趣旨に忠実に沿うて、そうしてこの問題を解決するというつもりで、今の結論を出したわけでございます。
  87. 古屋貞雄

    ○古屋委員 最後に一つ承わりたいのは、この問題は超党派的に今までやってきた問題でありまして、今御説明の通りであります。従いまして今後これが立法化す場合に、やはり社会党その他の各政党ともしっくり相談の上でおやりになる意思があるのかどうか。ことにこの五百億という金は、社会党の昨日の官房長官に対する申し出に対する御返事として御決定になったのかどうか、それとも社会党はかまわない、自分たちはこれで勝手にきめるのだというような御意思であるのかどうか、この点をお尋ねしたいと思いますのは、この金を出しまする経過並びに今日までの事情から申し上げまして、超党派的にいずれもこれは決定して参った事案でございます。従いましてこの金の問題につきましても、もちろん政府が予算の問題については責任を持っておりまするけれども、最後の決定をいたしまする場合には、従来の超党派的な立場から、社会党その他の政党にもよく御相談をして決定をすべき筋合いだと私は思うのです。それからまたこの立法化につきまして、やはり共同提案の立場で立法化をはかるべきだと思いますが、この点に対する所管大臣の御説明を承わりたい。お心がまえを承わりたいと思います。
  88. 神田博

    ○神田国務大臣 お答えいたします。政府提案の法律案として御審議を願いたい、こういうような現在の考え方でございます。
  89. 古屋貞雄

    ○古屋委員 それからもう一つ厚生大臣に承わりたいが、さっきの二十億のまかないとかなんとかいうのは、この問題はニュアンスからいきますと、いかにも金を出すようなものですが、これはことしの二十億の予算の中で融資をするということであって、今後の問題についてはただそう考えておるということであるかどうか。住宅問題についても、二万戸というものを将来引揚者のために何とか世話しようということであって、ことし具体的に何戸をどういう方法でやるかということについて御説明がないようですが、一体五百億のほかに何か引揚者に対する政府負担となるべき支出をするようなお考えがあるのかどうか、この点も承わりたい。
  90. 神田博

    ○神田国務大臣 生業資金等による貸付につきましては、国民金融公庫を通じまして、今年すでに二十億予定いたしております。交付公債を担保として借りる、あるいはまた無担保で借りる。これは無担保では他の一般方法に準じて借り得るわけではございまするが、給付公債の担保なしの財源があった場合には、その方面にも使ってもらう。これは今年同様の程度の処置を、今後今年をもととして五年間継続いたしたい。それから住宅の建設の問題は、この三十二年度では引揚者用といたしまして第二種住宅に一千戸計上いたしております。それをさらに三十三年度以降四ヵ年をもちまして一万九千戸、すなわち二万戸を目標として予算化していきたい、そういうことを政府の方針としてきめたわけでございます。
  91. 古屋貞雄

    ○古屋委員 さっきの私の質問は、これに対する立法の問題については、表面上は政府提案ではございますが、ところが従来の慣例は、やはり与党と社会党と政府と一体となって相談をした形において、そうして立法化す、提案する、こういうことに行われておったのですが、そういうような御意思のもとに行われておる政府の御提案でございましょうか。
  92. 神田博

    ○神田国務大臣 ただいまお答え申し上げましたこの五百億の給付公債を支給するということに関する法律案の立案、提案等につきましては、政府といたしましては超党派的に御審議願った、斯界の権威も加えて御審議を願った審議会の答申の線の通りにいたしていきたい、こういう考えでございますので、審議会が政府に答申されたわけでございまして、そのまた内容も今申し上げたような線が加わっておったのでございまするから、政府がこれを立案して、そうして御審議を願う、そういうふうに現在考えております。
  93. 古屋貞雄

    ○古屋委員 今私の方から承わっておるのは形式じゃないのですよ。その内容についてさようなお考えを持っておるかどうかを聞くだけなんです。その点いかがでしょうか。
  94. 神田博

    ○神田国務大臣 お答えいたします。審議会の答申の線を尊重して、そうして立案するのでございまするから、それは何といいましょうか、超党派の、いわゆる野党の意見も入っておった、またおまかせ願っておったのだという私は考えを持っておりますので、政府といたしまして、それを尊重して立案御審議を願うような方途を講ずれば、それでよろしいのではないか、こう考えておったのでございますが、御納得はいきませんか。
  95. 古屋貞雄

    ○古屋委員 そういうことをそういうように開き直ると、こっちも開き直りたくなるのです。そういうことは実はこういうことなのです。わが党からもこの問題について案が出ておるのです。わが党から案を出しまして、そうして最後決定をするときはやはり全連の代表者に対する政府の御意向は社会党その他の政党とも相談して決定いたしますということを約束されておる。だから私は聞いているのです。従ってわが党は今日まで政府並びに自民党から五百億を決定したということについての御相談や通告を受けていないのです。だから私はしつこいようですが承わっておくのですが、この問題はやはり重要な問題でございまして、相当論議の過程においてたくさんの疑義を包蔵しながら片づけようとする事件でございますか、そういう意味において、私はこれは総理に承わりたいのですが、五百億を決定する前に社会党に相談する意思があったかどうかということ、そうして他の政党とも協力の上に超党派的に相談をして、最後の決定をするというような態度をおとりになっていただかなければならぬ筋合いでありますが、そういうようなお考えがあったかどうかを承わりましょう。
  96. 神田博

    ○神田国務大臣 要綱を審議会の線に沿って決定いたしたわけでございますから、ただいまの御意見もございますので与党にこの立法化を相談する際に、一つ社会党の方にも要綱を提示いたしまして、そして御納得をお願いいたしたい、提案は政府としてやはり提案いたしたい、こういう所存でございます。
  97. 古屋貞雄

    ○古屋委員 法務大臣に一つ承わりたいと思うのですが、今日まで日本におりまする朝鮮の方たちの登録の問題なんですが、これは一般の外国人と同じような取り扱いを受けておるわけでありますが、この日本におりまする大部分の朝鮮の方たちは、先刻も申し上げましたように、日本の国民として日本に在住をされた、そうして日本の国民としての納税の義務も徴兵の義務も果して参りました。しかるに終戦の事実によりまして外国人ということに相なったわけであります。でありまするから、外国の人たちが日本に旅行をされ、日本に在住しておりまするところの管理の必要上なさっております登録の問題といたしましては、私はその歴史とその経過の事実について、普通の外国の人と同一視するわけにはいかない問題であると思います。従いましてこれらの人たち、いわゆる生れてから今日まで、あるいは数十年にわたって日本におって日本の国民であったものが、外国人になってしまったというこういう歴史的な経過の事実がございますので、この登録というような外国人管理の根本的な適用を受けなくても、この点の管理は十分にでき得ると思うのでありますが、この登録法の例外規定を設けて、これらの人々を例外的に取り扱うところの意思が法務大臣にあるかどうか、この点を承わりたいと思います。
  98. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 お答えいたします。お話のように台湾関係、朝鮮半島人関係の人たちは他の外国人とはなるほど歴史は異なっておりますが、終戦後日本の領土から独立をして分離をいたしましたので、従って本質的に外国人であることは御異論がないと思うのであります。かような前提に立ちまして、昭和二十二年に御承知の通り外国人登録令がしかれ、さらに昭和二十七年講和条約の発効の際に、国会の議決を経て外国人登録法が制定されまして、この法律の運用に基いて登録制度をいたしておるのでございますから、多少歴史の上に移動はございましても、外国人登録を実施いたしておりまする以上は、これに対して特殊の例外を設けるということはかえって取り扱いを困難ならしめることになると思いますので、私どもとしてはそういう例外を設けることは至難であろうと思います。従いまして現在の実施されております外国人登録法に基いて、外国人である以上はすべて同じ平等の取扱いにおいて登録の制度を遂行して参りたい、かように考えておる次第であります。
  99. 古屋貞雄

    ○古屋委員 以上のような事情でやむを得ないといたしますならば、今度は取扱いの実施方法についてはなんとか手かげんができないかどうか、こう申しますのは、登録令違反の現在の数字は、すでに全国で数千に及んでおるように私どもは聞き及んでおりますので、これらに対する処罰の関係、制裁の関係につきましては、前の事情を相当くまれてこの取扱いをしていただくことができるかどうか、その点をお尋ねしたい。
  100. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 御指摘の点につきましては、なるほど外国人登録法が実施されまして、ちょうど昨年の十月、十一月にわたった時期が、主として一斉に登録制から登録法への登録がえをいたしました期限になりましたので、昨年の十月ないし十一月の登録がえが多かったわけでございます。ところが初めての切りかえでもございますので、その期限より三十日以内に登録がえの申請手続をすることになっておりますが、期間を遅滞をいたしたものが相当ございまして、これがそれぞれ告発の手続を受けております。これは実は御承知の通り登録の手続は各市町村の窓口でいたすものでありますから、その期間内に登録を遅滞いたしたものに対しては事務的に同列に告発が行われておるわけであります。従ってその告発されておるものを今後どう処理するかということにつきましては、古屋議員お話のように、できるだけそういうような事情を勘案いたしまして、告発があったから必ず処罰をする、あるいは処罰は執行猶余も与えないで罰金を徴収するというのでなしに、できるものについては起訴猶予をできるだけ行う。またどうしても性質が処罰に値するものと判断をされる場合におきましても、直ちに徴収をしないで、罰金の執行猶予の決定をするとかいうようなことにつきましては、できるだけ円滑な登録法実施の運行ができますように、私どもとして考慮を払っていきたい、かように考えております。
  101. 古屋貞雄

    ○古屋委員 もう一つ、永住の許可を受けております朝鮮の諸君で、従ってこちらで出生をいたしたような場合がございます。この出生の場合に対しての取扱いが、地方におきまして出生をいたした場合におきましても、中央に出て参りまして諸般の手続をしなくちゃならぬというような関係がありますので、非常に複雑と費用がかかるわけであります。この点につきましては、今ここで御答弁をいただかなくてもけっこうでございますから、私御要望申し上げたいのは、さような手続に関する簡素化、努めて在住朝鮮人の諸君の負担が重くないような御処置を考慮されまして、御解決をいただきたい、こう考えます。  以上要望申し上げまして私の質問を終ります。
  102. 山崎巖

    ○山崎委員長 午後二時二十分より再開することといたしまして暫時休憩いたします。    午後一時二十分休憩      ――――◇―――――    午後二時五十九分開議
  103. 山崎巖

    ○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。川俣清音君。
  104. 川俣清音

    ○川俣委員 私はこの際大蔵大臣に主として食糧管理制度並びに食料特別会計についてお尋ねをいたしたいと思うのでございます。  まずお尋ねする前に、先般本委員会において同僚勝間田委員の質問に対する答弁は、この際あらためてお聞きいたしたいと思うのでありますが、今日もなおあの答弁で十分であるというお考え持っておられますかどうか。この際補足説明をするなりあるいは訂正をするような用意がごさいますかどうか、この点をお尋ねいたしたいと思うのでございます。この食管会計の赤字補填の問題は、消費者米価の値上りにつながる重要な問題であり、国民生活に重大な影響を持つものであります。減税よりもむしろ及ぼす影響は広範であり深刻であります。また一面日本の農業政策の根幹に触れる、重要な問題でありますために、あらためてこの際お聞きいたしておきたいのであります。
  105. 池田勇人

    ○池田国務大臣 勝間田さんの御質問に対しましてお答えしたのは今正確に覚えておりませんが、もし不足でございましたり御疑問の点がおありならば、再度お答えいたしてもよろしゅうございます。
  106. 川俣清音

    ○川俣委員 この答弁はだいぶにわか勉強であろうと、とにかく勉強されたようにも思えますし、また一面あなたの持ち前が出たようにも思われるのでどうしてもこれは一度ただしておきたいと思う。今訂正されるあるいは補足説明される積極的な用意がないと理解してよろしゅうございますか。
  107. 池田勇人

    ○池田国務大臣 勝間田さんの御質問に対しましてのどの答弁か、もし正確なあれであったら、速記を見ましてお答えをしてもよろしゅうございます。
  108. 川俣清音

    ○川俣委員 時間を省略いたしました私の方から申し上げます。「もともと、特別会会計の赤字につきましては、これは一般会計から補給するとはきまっておりません。」「食管会計の赤字につきましては食糧管理特別会計法の附則第二項によりまして、決算上の赤字は当分のうち一般会計から補てんすることができると書いてあります。」また「三十一年度の補正予算で組む場合におきましては特別の法律が必要であるという点から見ますと、」云々「本則は、附則に規定しておりますごとく決算確定して一般会計から補てんするのが本則でございます。しこうして、お話のように今やるとすれば新たに法律を設けなければならない、こういう点を勘案いたしますと、」云々「それは、従来の例からいたしまして、たまたま三十年度で見込みでやったことはございますが、」この点でございます。
  109. 池田勇人

    ○池田国務大臣 お答えした通りでごさいますが、一番しまいの「たまたま三十年度で」……語尾がちょっとわかりませんが。
  110. 川俣清音

    ○川俣委員 「三十年度で見込みでやったことはございますが、」。
  111. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十年度におきましては、決算上の確定を見る前にやったのでございます。
  112. 川俣清音

    ○川俣委員 そこでお尋ねいたしますが、「特別の法律が必要であるという点から見ますと、」または「お話のように今やるとすれば新たに法律を設けなければならない、こういう点を勘案いたしますと、」という点は、訂正の要はございませんか。
  113. 池田勇人

    ○池田国務大臣 訂正の要はないと思います。
  114. 川俣清音

    ○川俣委員 それではお尋ねいたします。食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律、二十五年三月二十九日法律第二十八号というのがございます。これを改正いたしまして二十五年十二月、法律二七四号、第一次改正をいたしております。二十六年三月三十一日法律第六十九号、これをもって改正いたしております。従いまして三十一年の繰り入れの場合はこの法律を適用してやっておるわけであります。あなたの説明にある前内閣の三十年度の補てんの場合にはこの法律を適用してやっております。これはおかしいじゃないですか。あなたは新しい法律を設けなければやれないんだ――どこからきたのです。附則の二項というわざわざ法律まであなたは持ち出しているのですよ。持ち出さなければ別です。大臣がこんな附則の二項というものまで持ち出したからには、これを知らないとは言わせない。御答弁。
  115. 池田勇人

    ○池田国務大臣 ただいまのお話の点はよく調べてお答えいたしまするが、私がせんだってお答えいたしましたのは、食管会計の附則第二項には、当分のうち本会計において決算上の赤字が生じた場合には一般会計から補てんする、こういう原則を定めてあるのであります。しこうして昨年度におきまして決算を待たずに補正予算を組んだ場合には、法律をもってやったということを記憶いたしておりますので、以上のように答えた次第でございます。伴いまして、二十五年にそういう法律があるのは、私は記憶にございませんから、後刻調べてお答えすることにいたします。
  116. 川俣清音

    ○川俣委員 ですから私は補足説明の必要がないか、わざわざ尋ねたじゃないですか。補足説明の必要がありませんかとお尋ねしたでしょう。新たなる法律を設けなければ、こう言われている。これは法律があるのですよ。ないなら別です。しかもこれは一回じゃないのです。二十五年、二十六年、三十一年と、三回、四回にわたってこの法律が適用されておるのです。だから勝間田君に対して、さも附則の二項をもって人をなぐりつけるようなわざわざ附則の二項を持ち出して、できないのだというようなことを答弁されたことについて、みずから反省される必要はないか、この点あらためて勉強なさい。  次の問題に移ります。本則だとあなたは言われます。けれども、このほかに一般会計から繰り入れる手がありますよ。附則の二項は持ち出されたから附則の三項はどうです。附則の三項は、「政府ハ本会計ノ負担ニ属スル証券ノ内四十五億円ヲ限り一般会計ノ負担ニ移スコトヲ得」とある。これも一般会計からの実質上の繰り入れです。附則の二だけではありません。まだあります。六条の二項「前項ノ一般会計ヨリノ繰入金ハ予算ノ定ムルトコロニ依リ輸入食糧ノ価格調整補給金トシテ繰り入ルルモノトス」一般会計からの繰り入れ方は附則二項だけではありません。これだけよりないような答弁は牽強付会の答弁です。そう思いませんか。
  117. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私があのときに答えましたゆえんのものは、補正予算で繰り入れるのが本則かあるいは決算を待って繰り入れるのが本則か、こういう問題についてお答えしたのであります。しこうして附則の第二は、当分のうち決算確定を待って、確定によって繰り入れることができると、こう規定がございまするから、決算確定の場合には別に法律は要らないのでございます。しかし決算確定を待たずに当該年度の補正予算で出す場合におきましては、昨年もそうでございましたが、幾ら幾らを入れるという法律が要るのでございます。今お話しの第三項、六条の二項につきましてもやはり法律が要ることになっておると思います。
  118. 川俣清音

    ○川俣委員 これはもう一度よくお調べの上御答弁願いたい。大臣よくお調べになって下さい。おそらく六条の方は問題があると思います。これは価格差補給金でありまするから、価格差補給金の生ずるようなものに対すると、こういう考え方であろうと思いますが、今通産大臣おりませんから、これはあと回しにいたします。補給金に対する考え方、この法律の考え方は必ずしも大蔵省の方で従来とってきたものだけが補給金かどうかということにつきましては、問題がありますから、これはあとに延ばします。  そこでさらにお尋ねいたします。決算上の赤字というのは、二十八年度までとって参りました決算の仕方と、二十九年度からは異なっておりますことは御承知ですか。この点をお尋ねしたい。
  119. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三月三十一日の在庫についての価格評価につきましては、計算の仕方が二十八年までと二十九年からとは違っているように記憶しております。
  120. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますれば、どちらも法律上妥当な評価の仕方であった、こう理解してよろしゅうございましょうか。二十八年までの評価の仕方は間違いであり、二十九年が正しいのだ、こうはならないと思いますが、いかがでございますか。
  121. 池田勇人

    ○池田国務大臣 そのときどきの会計の状況によりまして適正な方を選んだと思います。前と最近のとは変っております。どちらがいいということは、現在の状況に合うようにしていったので、前の分は悪いからだめだというふうなことは言えないと思います。
  122. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、あなたは、大蔵大臣時代は食管会計の健全化ということを強調されております。これはお忘れではありますまい。食管会計の健全化ということになりますと、三月三十一日現在における市価の評価というものは、従来とって参りましたのは、食管会計健全化の方向として取得原価主義をとっておる。買い入れた値段を帳簿に載せるという取得原価主義をとったはずであります。従いましてその後に起って参りまする諸経費は次年度の経費として見込むということになりまして、会計年度からいうと、次年度に経費がかさまっていくことは出て参ります。しかしながら買い入れました年度内の三月三十一日における評価は、健全主義でありまするから、いやしくも高く見積って帳簿に載せるようなことをしなかったのをもって健全財政なりとあなたは称しておられたのです。そうなって参りますと、この赤字の問題が、だいぶ異なってこなければならぬと思う。御承知の通りこれは修正評価主義というのか、あるいは修正売却主義というのか、どちらでもいいと思いますが、これをとっておる見込み評価なんです。しかも三月三十一日における市価でありますが、今は一般市価はないといいましても、この市価で評価することに非常にあいまいな浮動なものがあるのです。あえてあいまい浮動なものを基礎にするから、あなたの確定しなければいけないということを言われるのは、おそらく基礎そのものに不確定要素を多分に持っておることを指摘されているのと同じことだ、この点どう思いますか。
  123. 池田勇人

    ○池田国務大臣 食管の三月三十一日の在庫品の評価につきまして、原価主義と修正売価主義と二つございまして二十八年までは原価主義をとっておったようでございます。しかしその後の政府におきまして修正売価主義の方が一そう適実であるという考え方のもとに変えられたと思います。従いまして私は今政府で昭和二十九年以来とっております修正売価主義によることにして今まで答弁いたしておるのであります。
  124. 川俣清音

    ○川俣委員 そこでこの赤字というものは、原価主義をとるのかあるいは修正売却主義をとるのかによって赤字の存在が違って参ります。形式が違って参ります。あなたが先般三十二年度の予算または三十三年度で、これを一般会計から繰り入れる、こういう言明をなさったことは今もその通りでございますか。
  125. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十一年度の決算が確定し、またその分の処置といたしましては、今の附則の趣旨に従いまして一般会計からこれを補てんする考えでおります。三十二年度の問題につきましては御承知の通り特別調査会がありまして、その結論を待って処置いたしたいと思います。
  126. 川俣清音

    ○川俣委員 もしも三十二年度あるいは三十三年度で一般会計から繰り入れるという考え方がほんとうにあるならば、三月三十一日現在におけるいわゆる食管会計健全化の建前からして、三十一年度は赤字なし、黒字に転じ、三十二年度においてこれを売り払う場合に赤字が生じたということで、三十二年度の赤字を補てんしたらどうなんです。
  127. 池田勇人

    ○池田国務大臣 もう一回おっしゃって下さい。
  128. 川俣清音

    ○川俣委員 これは原価主義でいきますと、買い入れ値段でありますから、内地米におきましては黒字が出て参ります。一般配給、希望配給、業務用配給等が出て参りますと、原価取得主義で参りますと、輸送費及び倉庫料を加えましてもなお黒字が出てくる。従って三十一年度においては赤字を埋める必要はないということになる。ところがもし三十二年度、三十三年度において埋めるというならば、原価主義をとって黒字にしてもよろしいのじゃないですか。
  129. 池田勇人

    ○池田国務大臣 原価主義をとるとらぬは、今までの方針が修正売価主義をとっておりますから、私はこの際それを変えるという考えは持っておりません。従いまして内地米につきましてはあなたのような計算になるかもわかりませんが、外米は仕入れ価格よりも売り渡し価格の方が高うございますから、そういうことになりますと、原価主義をとると今度はまた赤字がふえる、こういう場面も考えられるのであります。
  130. 川俣清音

    ○川俣委員 それは大蔵大臣、詭弁ですよ。今問題になっておるのは、少くとも自民党においても問題になったのは、この赤字を補てんすることによって内地米の消費者の価格を上げるか上げないかというわけです。問題はそこなんです。閣議決定をされましたのも、三十一年度において赤字を補てんするかわりに消費者価格を値上げしよう、こう決定したのをもう一度取り消しになっておるわけです。従って問題は、すべての赤字を内地米の操作においてやろうというのは、あなたの考え方だったのじゃないかと思います。従って私はその観点から聞いておるのです。あなたがそう外米のことを言うならば、外米は別な問題がありますから…。あなた自身が閣議で主張されて井出君を強要したか知らぬけれども――去年の暮れの国会におきましては、前農林大臣河野君が私の質問に答えて、消費者価格は絶対に上げませんという言明をいたしておるわけなんです。内閣が変ったのだというならこれは別問題です。解散をしないで継続されたのでありますから、少くともその方針は踏襲されてあるものと思う。それを無理々々に三十一年度の赤字を消してやるから三十二年度においての消費者価格を上げようという提唱をされたのはあなたじゃないですか。それは内地米のことでしょう。外米のことは計算に入れての話なんです。すべてを内地米の価格におんぶさせて解決しようとしたのはあなた自身じゃないですか。この点をお尋ねします。
  131. 池田勇人

    ○池田国務大臣 米価の問題は直接私の問題ではございません。私の食管会計についての関係大臣としての問題でございます。閣議において私が上げようというふうな発言をしたわけではございません。閣議全体の問題でございます。しこうして今の内地米だけにかけようというのじゃございません。これは食管会計全体としてどういうふうにしたら赤字がなくなるかということで議論をしておるのでございます。
  132. 川俣清音

    ○川俣委員 それは農林大臣が在野時代から消費者価格を上げないことの急先鋒でおられた。おそらく閣僚に入られたら、急に変るような節操のない方だとは私は思いません。私どもは長年農林委員会において、お互いに論議をかわして参りましたけれども、一度だってかつて消費者価格は上げた方がよろしいなんという提唱をされたことはない。私はその信念は変らざるものと信じておる。今聞くには及びません。それを農林大臣になったがゆえに、消費者価格を上げなければならないということになったからには、何かの原因があるということは、これは何人も認める。あなたの党内自体においても、池田大蔵大臣が強引でなかなか聞かないのだから容易じゃないという話が世間でも流布され、あなた自身も新聞でたびたび消費者価格を上げなければならないのだということを声明されておるじゃありませんか。直接の関係大臣でなければ、なぜあんな声明をするんです、どういうわけであんな声明をされたんです。
  133. 池田勇人

    ○池田国務大臣 米価の問題につきましての井出農林大臣の心境につきましては、私はとやこう申し上げません。私が予算編成方針として閣議にかけました原案には、米の値を上げるとは書いてございません。これははっきり申し上げます。
  134. 川俣清音

    ○川俣委員 原案には米の値を上げるとは書かなかった、提唱しなかった、新聞には声明を出した、こう理解してよろしゅうございますか。
  135. 池田勇人

    ○池田国務大臣 閣議決定後、新聞に出たと思います。
  136. 川俣清音

    ○川俣委員 それじゃさらにお尋ねいたします。食管会計というものに対する大臣の、心がまえと申しますか、態度を聞きたいのです。大蔵省はたびたび特別会計の乱立を押えようということを、省議できめたりいたしておられるようであります。そこで食管特別会計については、たびたび大蔵省が省議でいろいろきめられておるが、昨年三十年度の赤字決済のときにおきましても、あるいは二十九年のときにおきましても、食管会計の健全ということを打ち出して、しこうして独立採算制をとらせるような方向で強要されておったこともあるようであります。このことは別にいたしまして一体特別会計という中に、これは企業的な特別会計と、行政事務を取り扱うような特別会計と、保険事業の特別会計と資金運用の特別会計と、このくらいに分けられると思うのです。ところが保険事業の特別会計は別にいたしまして食糧管理特別会計というのは、これはやはり・企業会計だというふうにあなた方はお認めになっておられるのですか、どうですか。
  137. 池田勇人

    ○池田国務大臣 大きく分けますと事業会計でございまするが、実質的には食糧統制をやっておりますし、また農産物価格安定法の仕事もこの会計でやっておりますので、行政的の場面も含んでおります。
  138. 川俣清音

    ○川俣委員 そうすると、どのくらい一体行政的な面を含んで、どの程度含んでないと見ておりますか。
  139. 池田勇人

    ○池田国務大臣 これは米の統制ということを主にした場合におきましては、それが行政であるという考え方ならば、大部分が行政でございましょう。
  140. 川俣清音

    ○川俣委員 この食糧管理特別会計は、食糧管理法並びに飼料需給安定法あるいは天災等の臨時措置法、あるいはその他の農産物価格安定に関する法律に基く行政を、当分の間特に担当せしめられておって、重荷を背負わされておるのだということをお認めでございますか。
  141. 池田勇人

    ○池田国務大臣 それは認めております。従いまして当分のうちは、決算上の赤字は一般会計から負担することに相なっておるのであります。
  142. 川俣清音

    ○川俣委員 この食管会計の赤字というものは、どこから出てくるというふうにあなたはお考えになっておりますか。食管会計については非常な関心を持たれていろいろ農林省へも常に忠告を発せられておるはずです。どういう点に一体赤字が出てきた理由があるか、この点、どういうふうに思いますか。
  143. 池田勇人

    ○池田国務大臣 生産者の米価と消費者の米価の違いが、運賃、輸送費、倉庫料あるいは人件費等々をまかない得ないことが一つの原因でございましょう。そしてまた最近の状況では、内地米の赤字を外米、外麦で相当埋めておったのが、市価の関係その他で予算通りいかなかったことも、今回の三十一年度の相当の赤字になった原因と思います。
  144. 川俣清音

    ○川俣委員 それはあなた、とんでもない考え方をしておられますよ。倉庫料や運賃や管理費やあるいは事務費がかさんで、買い入れ価格と売り渡し価格との閥において差異が生じたから赤字が出た――米を安く買って高く売れば赤字が出ない、こういう考え方ではないですか。あなたの今の答弁はそうじゃないですか。
  145. 池田勇人

    ○池田国務大臣 他の政策的目的を除外いたしまして、決算上赤字が出ますのは、その差が少くてそして経費がたくさん要るから赤字が出る、私はこう心得ております。
  146. 川俣清音

    ○川俣委員 これもとんでもないことですよ。内地米の場合はまた別にいたします。それじゃ外米を買うときに、もっと安いところから買えるのになぜ高いところから買ってくるのです。大麦など明らかに損をするのに、なぜ一体予算以上の買付を行うのです。これは赤字が出ることは明瞭ですよ。予算で組んである以上のものを、実行予算でさらに大蔵省と協議を遂げたり、あるいは通産省と話し合いの上で、赤字が出るものをわざわざ買ってくるのはどういうわけなんです。また小麦にいたしましても、もっと安いところがあるのにわざわざ高いところから買ってこられるのは一体どういうわけですか。あなたは赤字を解消するというからには、そのことも考えていかなければならぬ。ただ安く買ってきて高く売ればいい、こういう考え方であれば、外米にいたしましても、あるいは外麦にいたしましても、そういう方針でやられたらどうなんです。
  147. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は、農林省はその方針でおやりになっておると思います。安いものが買えるのを高く買う、こういうふうなことは、特別の事情があれば別でございますが、それはお話の通りに安いものを買うに越したことはございません。
  148. 川俣清音

    ○川俣委員 そこで、通産大臣にお尋ねしなければならぬ。通産大臣は先般の予算の第三分科会において、予算の説明書にもありますごとく、現在貿易の競争が激化してこれに対応しなければならぬためには、ときにはたとえばオーストラリアから高くても小麦を入れなければ貿易振興にならない場合も起きてくる、貿易振興の上にはこうしたこともとらざるを得ないということを言われておる。大蔵大臣は、安いところから買ってくるのは当りまえなのになぜ高いところから買ってくるか、こういうおしかりを受けた。(笑声)あなた、どう考えられますか。
  149. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 もちろん安いところから買うべきであって、そうしておりますが、先般私が言いましたのは、そこから買うことが、よそよりも高くて損であるということがわかっても、こちらの輸出を伸ばすために、向うから物を輸入するという双務協定の中で取りきめがしてあるというものはこちらの義務として買う場合があると申しましたが、そういう場合は現在でもたくさんあります。
  150. 川俣清音

    ○川俣委員 今通産大臣の答弁のように、これは買い付けについては、農林省と通産省と必ず打ち合せをしながらやっている。これに大蔵省も関与しておる。外貨の上から協議しておられる。あなた方も一枚入っておるのですよ。農林省だけでやっておるんじゃないのですよ。農林省は食管会計からいえば安いところから買ってきたいというのに、いつでも高いところから買うように勧めておるのは、大蔵省と通産省じゃないですか。貿易振興のためには、今までは高くても、この国からこっちのものを買ってもらわなければ貿易振興ができないから、外貨の割当はそちらの国からでなければ割り当てない。安い方へ割当がありますか。ときたまないことはありませんが、高い方に外貨の割当をして、農林省は高いのを買ってきてけしからぬというようなことを、あなたはこれを聞いてもなお言えますか。
  151. 池田勇人

    ○池田国務大臣 先ほどのお答えにも、特別の事情がない限り、こう言っておるのであります。
  152. 川俣清音

    ○川俣委員 その点まじめに答えて下さい。特別な事情といっても、全部特別な事情じゃないですか。特別な事情でないのが一つでもありますか。みんな貿易を主体にしてあなたは外貨割当をしているのじゃないですか。日本の商社も貿易振興の建前から、わざわざ二十五社の指定に当りましても、貿易振興という建前をとって、食糧の輸入のためよりも、貿易振興上役立つような商社を使っておられるのじゃないですか。かなり食糧の輸入については貿易の犠牲になっておる。私は必ずしも貿易の犠牲にして悪いというのじゃないのですよ。悪いというのじゃないけれども、あなたはさっきのように、安いところから買ってくるのは当りまえじゃないか、そうしないで出てくる赤字は農林省の責任だ、こういうような答弁をされるから、それでは外貨の割当はどこでやっておられるのですか。
  153. 池田勇人

    ○池田国務大臣 内閣に関係閣僚懇談会を作ってやっております。ただいまお答え申し上げましたのは、原則として安いものを買うのは当りまえだ、しかし特別に事情があるときにはやむを得ません。しこうしてわれわれはできるだけ安い方のを買おうといたしておるのであります。
  154. 川俣清音

    ○川俣委員 これ以上あなたに質問したくない。外貨割当の閣僚会議があるということは知っている。それの主管はあなたのところじゃないですか。原案を出すのはあなたのところじゃないですか。そういうことで一時をごまかそうと思いましても、それはごまかし切れるものじゃありませんです。そういう態度で予算の内容をはっきりしないで、不明瞭にしておいて、そうして通そうというようなことになりますと、われわれは重大な決意をしなければならぬ。もう少しまじめに、その場限りでなく――安いものを買ってくるのは当りまえでしょう。その通りやってもいないで、外貨の割当はどうだ、閣僚会議だ、その原案はあなたのところから出るのじゃないですか。それでいながら、安いものを買ってくるのは当りまえだというような答弁で、この予算の審議を進めていこうというお考えですか。もう一度はっきりした答弁を聞きたいのです。
  155. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は誠意をもって答えておるのでございます。答弁の上で何か不備がございますれば、いつでも補足いたします。外貨予算の問題につきましては、もちろん大蔵省も当然関係しておりまするが、物の輸入あるいは輸入先のことをどうするということは、通産省あるいは農林省がやっておるのであります。
  156. 川俣清音

    ○川俣委員 もう一言。予算以上に規模をふくらまして外米等を買う場合は、農林省がやつているのでしょうか、あなた方は関与しておられませんか。
  157. 池田勇人

    ○池田国務大臣 外貨予算を作ります場合には、関係各省がみな寄って相談して作ります。
  158. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、ここでお尋ねしたいのは、会計検査院にお尋ねいたします。三十年度に指定外米――普通準内地米といわれておる指定外米を、予算以上の規模で買い付けましたために、=十三万数千トンの持越しができ、そのために金利だけで四億数千万円の一赤字ができてきたことを指摘されたことがございませんかどうか、この点をお聞きいたします。
  159. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 お答えいたします。予算以上にといいますか、私どもの方で指摘いたしましたのは、業務用の需要量を過大に見積って買いましたために、これが十万トンの外米をわずか二千トンだけを配給いたしておる。なお一般消費量の在庫量を相当過少に見ましたために、十一万トン余りを買っておる。これらは買う時期としてはあまりに早きに過ぎたといいますか、買い過ぎておる。そのために買いましたときから三十一年の十一月まででしたか、四億五千万円ばかりの倉庫料を払っておる。それはむだではなかったか、そういう批難をしたことはございます。三十年度の決算でございます。
  160. 川俣清音

    ○川俣委員 大蔵大臣今聞かれた通りであります。昭和三十年度に口綿実業ほか二十五社から台湾、中共、イタリア、スペイン等より外米六十五万二千トンを四百六億八千九百余万円で購入し、多量の在庫品を生じ、長期に保管することとなり、多額の保管料と多大のロスを出しておる。従いまして遂に売りさばくことができないで、保管したのが二十三万二千トンの在庫が生じ、三十一年十月までの保管料四億五千八百万円の損となっておるというのが、批難事項にある。これはなぜこんなに急いで買いあさらなければならなかったか。これはやはり貿易のために、相手方から買ってこなければ売りにくいということで買ってきたということで、問題になった。必要があって買ってきたのじゃないですよ。貿易振興のために、買い付けないと品物が輸出できなかったからやった、こういうことになっておる。不必要なものまで買っておる。売りさばきのできないものまで買ってこの赤字を出しておる。これもやはり日本の消費者が負担しなければならぬ赤字だというふうにお考えですか。
  161. 池田勇人

    ○池田国務大臣 不必要なものまで買って、そうして損をして消費者に負担していただくというようなことは、これは慎しまなければならぬと思います。今後におきましては、そういうことにつきましても十分検討を加えていきたいと思います。
  162. 川俣清音

    ○川俣委員 そこでお尋ねしたいのですが、三十一年度にも同様なことがあります。こういうものは決算を待たずにはっきりいたしておるものがございます。これもなお補てんできないのですか。こういう行政的な失態から起ってくるもの、または貿易の犠牲になつて生じたものまでも、ひっくるめて調査会にかけなければ補てんできないというのですか。みずから行政上から起った失態、貿易振興のために犠牲になったものまでも、決算じりを見なければ補てんできないのだ、こういうの・ですか。
  163. 池田勇人

    ○池田国務大臣 赤字の出る原因はいろいろあると思います。しかしひっくるめて、決算確定を待って一般会計から埋めることが適当と考えたのであります。
  164. 川俣清音

    ○川俣委員 赤字の原因はまだあります。ことに大蔵省に関係する部分だけでも、大蔵省と農林省の間に協議がととのわないために、高い利子を払った例もございます。この三十年ですか、いわゆる証券発行限度高を国会に提案すべきのを、大蔵省が、まだ早いということで、提案者であります大蔵省の事務上の手違いのために、証券発行ができないで、高いお金を借りて操作したことがございます。こういう点はどうなんですか。
  165. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私はそういう事例は就任早々でよく覚えておりませんが、大蔵省といたしましては、できるだけ食糧会計において金利負担を少くしようというので、今も相当の政府のお金を回しまして、利子負担の軽減をはかっておることは記憶いたしておりますが、今お話のような点は、就任早々でございましてまだ聞いておりません。もしあったとすれば、今後はそういうことのないように努めなければなりません。
  166. 川俣清音

    ○川俣委員 ないように努めるのではなく、もしあったらば三十一年度のうちにこれらのものむ補てんしておくべきじゃないか、こういうお尋ねなのです。それも全体をにらみ合さなければ補てんできないこういう考え方ですか。
  167. 池田勇人

    ○池田国務大臣 先ほどお答え申し上げました通りにいろいろな原因がごさいましょう。そうしてまた今後におきましていろいろないい知恵も出てくると思います。従いまして先ほど来申し上げておりますように、三十一年度におきましては食管会計法附則第二項の趣旨によって、決算の確定を待って、そうして一般会計からこれを補てんしようという考え方でございます。
  168. 川俣清音

    ○川俣委員 民間人の知恵を集めたならば、いい案も出ようか、こういうことですか。
  169. 池田勇人

    ○池田国務大臣 食管会計の合理化施策を見まして、そうして決算確定によってやろう、こういうつもりでおります。
  170. 川俣清音

    ○川俣委員 昭和二十八年十二月に、内閣に各界の有識者を委員に委嘱し、食糧対策協議会を作って食糧管理制度の再検討を行なって、これから答申が出ております。食糧管理制度の再検討の問題は、たびたび出ている問題であり、内閣もたびたびこれに対する調査会などを作っておる問題であります。その後民主党の誕生と同時に、昭和二十九年十二月に食糧対策協議会を廃して、新たに各界の有識者の十三名を委員に委嘱し、この中には今委員になっている人が三人か四人おられます。有力なる会長は三回にわたってこれに関与されておる。指導的役割をする人が三回同じ人でございます。十三名で、米穀懇談会を設置して、慎重審議食管制度の再検討を行なって、答申案が出ております。常に問題になっておりますのは、政府が当然とるべき処置をとらないで、民間の学者に責任を負わせるようなことはまっぴらだというのが、いつもこの委員会に発言される言葉であります。おそらく今大蔵大臣の言うように、これらの赤字の処理もこれらの委員会に方針はまかせるということになりましたならば、おそらくこの委員の中の有力なる人々は辞任するのではないかと私は思いますが、この点どうですか。
  171. 池田勇人

    ○池田国務大臣 二十八年のことはよく記憶いたしておりません。しかし政府といたしましては、今回は食管会計の合理化につきまして民間の方々の有力な意見を参考に聞いて、それから処置する考えでおるのであります。
  172. 川俣清音

    ○川俣委員 昨年予算編成のときに、食管特別会計における損失は昭和三十年度において処理し、昭和三十一年度においては厳に収支の均衡を確保する、こういうことをよく説明されておる。これができないのはどこにあるのですか。十分検討しないでどこに欠陥があるかわからないでおって、問題の解決をはかろうとしても私は無理だと思う。赤字の出てくる根源はどこにあるのだということです。赤字でないものもあるのです。今申し上げたように、内地の大麦よりも損するようなよけいな大麦を買ってきて――しかも内地の大麦というものは、御承知の通り、近年農産物の中で一番反当収入が増加しておる。年々非常な反当上昇率を持っておるものは大麦なんです。国内でできる大麦があるにかかわらず、今度の予算を見ましても、またふやしておる。去年の当初予算とことしとを比べますと、大麦を多く買うごとによって四億の赤字をあなた方は見ておるのです。なぜ自分の方でやれることを、こんな赤字を出すのですか。指定外米についても同じです。最近高くなってきておるので、外米の買付は相当手控えをいたしておりますが、これらから生ずる赤字、しかもこれはあなたが独立採算制をとるとかコスト主義をとるとか申しましても、食管会計自体というものは資本は持っていない。全部借入金でやっておる。従って事務費からあるいは人件費からすべて金利のかかった金で事務運営をし、管理運営をしておるというのが実情なんです。従って特別会計が負担すべからざるものまで負担さしておいて、その責任をのがれて他に求めようといたしましても、これは解決つかない問題だと思う。この点どう思いますか。
  173. 池田勇人

    ○池田国務大臣 個々の問題につきましては意思に反して損しておる場合もございましょうが、三十年度におきまする内地米あるいは外米、外麦につきまして見込みを申しますと、国内産のいわゆる内地米での損が三百十二億円、内地麦の損が六十八億円、そして外米による利益は三十五億円。大麦ではお話のように損した場合もあるかもしれませんが、外国から輸入する麦につきましては百六十億円の黒字、また農産物安定法で二億円、テンサイ糖で六億円、飼料で二億円合計十億円の赤字になっております。そこで外麦、外米の利益が百九十五億円、内地米の損が三百十二億円、内地麦が六十八億円、こういうことになっておるのであります。これは結果でございまして、そこにいくまでの間におきましてはいろいろな事情で個々の点について損をしておる場合は相当あると思いますが、結果的にはこういうふうになっておるのであります。従いましてそういうふうな個々の問題もありますし、いろいろの点がありますので、特別調査会で合理化健全化をはかってその結論を待つて今後の処置をしようというのであります。
  174. 川俣清音

    ○川俣委員 全くのしろうと議論です。これは民間人がやれることじゃないのです。全部法律に関係せざるものはないのです。特別会計の中においては、あなたが先ほど一番先に申されたように、法律の根拠なしにはこの関係は動かせないものでありますために、外部の人が法律を変えてどうしようという決定のできない問題である。たとい地位がありましても、能力がありましても、国会議員とならざる限りにおきましては、そのものは反映できないものなんです。そこで、別な点をお尋ねします。あなたは、金利などを合理化して、三十二年度においては金利を一銭五厘から一銭四顧五毛に引き下げて健全化をはかって安くする、こういうことは農林省も言っているし大蔵省も言っておられる。金利負担を軽くして合理化するのだという説明に、説明書によるとなっております。そうでしょう。そういう説明でございませんか。この点をちょっとお尋ねします。
  175. 池田勇人

    ○池田国務大臣 金利もできるだけ安くいたしたいと思っております。しかしそれよりももっと大きい問題は、政府の余裕金をもって食糧証券をできるだけたくさん持ちたい、こういう方針でおるのであります。
  176. 川俣清音

    ○川俣委員 そのことは金利を引き下げるということでしょう。そうじゃないんですか。
  177. 池田勇人

    ○池田国務大臣 政府の余裕金で食糧証券を持ちますと金利はかからないのです。ただになる。できるだけたくさんそれを持ちたい。
  178. 川俣清音

    ○川俣委員 総体に金利を下げるということでしょう。
  179. 池田勇人

    ○池田国務大臣 全体の金利としては負担は下ります。
  180. 川俣清音

    ○川俣委員 私は驚くべきことを聞いたのです。私は全体として金利が下るという説明を今聞いた。予算を見ますると、二十五年からの金利を見ますと二十五年は金利負担が石当り百七円二十五銭、二十六年が九十四円七十九銭、二十七年が百十七円、二十八年が百六十九円、二十九年も百六十九円、三十年は百四十円、三十一年は百八十一円、今度あなたは下げましたと言いながら、内地米における金利負担は二百四十六円でございます。去年は百八十一円、下げたとあなたは今言明されたのにかかわらず、予算を見ますと二百四十六円。声明と全然合ってないじゃないですか。これはどうしたんですか。
  181. 池田勇人

    ○池田国務大臣 その数字の根拠はわかりませんが、私の見るところでは、食糧証券の金利もできるだけ下げたい、そうしてまた政府の方の余裕金でできるだけたくさん食糧証券を持って、食管会計の負担する金利を将来できるだけ少くしていこう。全体としての金利負担というのは在庫の状況等によって違いますが今の数字につきましては、農林省と打ち合せまして、検討してみたいと思います。
  182. 川俣清音

    ○川俣委員 それは、あなた方でちゃんと打ち合せして今度の予算を組む場合にこれは協議をととのえたものです。手数料は石当り百四十八円、政府運送費百八十三円、保管費二百三十七円、事務費百九十七円、金利二百四十六円、ロス六十三円、これで赤字が百四十二億出る、こういうことで出しておるのでしょう。あなたは、三十二年年度の赤字見込み百四十二億というものは、この金利二百四十六円で見られておる。ここに問題があるのです。これは、一体、内地米の金利なのか、事務費の金利なのか、外米の金利なのかということは、帳簿は区別されていないのです。総額証券発行、借入金で見ておりますために、外米では幾らの金利だ、あるいは内地米では幾らの金利だ、あるいは農産物価格では幾らの金利だと見ていないのです。総体の運営であって、食管会計というものはいろいろなものをぶち込んで一つのパイプの中を通してやっているだけであって、これはあるときに切断してその切断面を見たからといって内容がわかるものではないのです。これはおそらく食糧庁長官を、二年やったって食管会計の内容がわかる人はないと私は思う。食管会計が大正十年に始まって以来、大蔵省の主計局の局長がかわること十数人、歴代の優秀だと称する局長がこれに当っておって、どこに一体赤字が出てくるかわかりもしないで、外の人に頼むといったところで、これは解決できる問題じゃありません。そのことで飯を食っておる主計局長が十数代かかって解決できなかったものを、一月や二月で解決しようったって、できるものじゃないですよ。食糧庁長官を二年やってきた人がここにおられたら聞きましょう。全然内容はわかりません。おそらく歴代の食糧庁長官でようやく内容がわかるような者は二人ぐらいでしょう。それほど複雑なものじゃない。単純なものです。あまりに単純過ぎるんです。あらゆるものをみなぶち込んでおいてパイプの中を通しているのですから、どこが一体米の金利であり麦の金利かということはわからない。事務費の分担だってわかりません。金額で米は幾ら買ったから、事務費はおそらくこのくらいだろう、あるいは麦はこのくらいだろうと言っている。輸送費についても同じです。輸送費だって金額で見ている。ところが、輸送費というものは金額で見るべきものでなくして重量、数量で見なければならないものを、簡単なパイプの中に入れているものでありますから、金額で推定している。こういうことなんです。  従って、ほんとうに内地米に一体これだけの金利がかかっているかどうかということは疑問なんです。一体五分何厘という――ロスを入れますと六分以上の全判利がかかっている。一万円の計算で、金利が六分、七分かかっている計算です。ロスを見ますと、現物の米に対しては六分以上の金がかけてある。こんな高い金が一体ありますか。国民生活の必需品であるところの米に年五分も六分もかけるというようなことで、その責任を負わないで民間の諸君に頼むと言ったって解答が出るわけがありません。大体政府の予算書がそうじゃないですか。食う人に対して一石当り年利五分、六分の負担をかけているんですよ。これは政府の操作の金としてはあまりに高利です。それから出てくる赤字というんでしょう。これをかけないことにすれば赤字が出てこないのです。みずから赤字の出るものをたくさん詰め込んでおいて、赤字が出たから、お前これを負担せい、決算を見なければわかりません、――見なければわからないというようなことも一応言えないことはない。いろいろなものをぶち込んである。本来から言えば、米穀年度で見なければ、会計年度ではほんとうはわからないのです。本来であれば、これは米穀年度で精算しなければ絶対わかるものでない。それほど激しく動き、激しく幾つもに細分されている。この日常生活に関係のあるものだけに、三月三十一日をもって切って見るということは非常に困難なことはわかるけれども、会計法からいけば無理でもこれに従わなければならないというところに、これは問題があるんです。  本来ならば、米穀年度でなければ、精算できましたと言うのはうそです。会計年度は無理にこれを切断している。従って、これらのことは民間人にわかるわけはありません。一人ぐらいわかるでしょう。わかる人は問題の人でありまして、東畑四郎君、これが問題の人なんですが、詳しい。なぜ問題かというと、これは食管特別会計から年四億以上の補助を受けている団体の会長なんです。しかも正式に補助を受けているんじゃない。日通の運送費の中に、検定料として、政府が輸送賃を多く見てやって、それから頭をはねて検定協会に行って四億ばかりもらっている。その会長がこの内容の審査をいたしましたと言っても、これはりっぱな人ではあるけれども、やめない限りにおいては適任でないのです。四億からの補助をもらっておる会長が、しかもその存在理由が怪しいといわれる外郭団体の会長が一番詳しい人だということになりますと、推して知るべしであります。それでもなお調査会の意見を尊重するのですか。
  183. 池田勇人

    ○池田国務大臣 お話のように、食管会計は特別会計の中でも最もむずかしいものでございます。金利負担、事務費等、どれだけを種類別に持たせるかということも問題でございましょうが、これは会社経営なんかでもやはりそうでございます。管理費、金利というものはどの会計でも起ってくるわけでございます。お話のように非常にむずかしい問題でございますから、あくまで現政府の責任において合理化の結論を出しまするが、その前提として学識経験者の意見を聞くことも私は必要であると考えまして、特別調査会を設けて一応研究してもらい、その意見を参考としてわれわれとして案を決定いたす、こういう仕組みにいたしたいと思います。
  184. 川俣清音

    ○川俣委員 またおかしいのです。将来の三十三会計年度、三十四会計年度の特別会計においてはこうやらなければならぬ、それには立法措置を講じてこうやる、これはわかりますよ。すでに国会が開かれておって国会が済んでから結論が出るであろうところのものをさかのぼって評価がえをするような材料は出ないはずなんです。三月三十一日現在における市価の評価を、これらの委員の人によって評価がえできるような、あなたの期待するようなものができるとあなたは思っておりますか。
  185. 池田勇人

    ○池田国務大臣 どういう結論が出るかわかりません。しかし、その結論を待って食管特別会計法附則第二項による処置をとることが適当であると考えたのであります。
  186. 川俣清音

    ○川俣委員 さらにお尋ねいたします。三十年度は豊作の年であります。三十一年度も続いて作柄がよかったのであります。こういう、せっかく農民が努力して作柄がよかった場合には、消費者もまたこの恩恵に浴することが私は普通だろうと思うのです。豊作の喜びを日本国民全体が受けなければならないものだと私は思います。ところが、豊作であるというと、金利がかさみ、保管料がかさんで、安く食うべきものを高く食わされたことは、何といっても国民が納得できない。豊富にできた年で、しかも余裕があるにかかわらず、いたずらに消費者に食わせないでおってロスを出し、保管料を払い金利を払って食わせないでおったからお前高く買えでは、国民は納得しないと思う。この点はどうです。
  187. 池田勇人

    ○池田国務大臣 それが今の食管制度の持ちまする望ましくない結果でございます。従いまして、豊作のときには金利、倉敷料等がたくさんかかります。そういう場合についてどういう措置をとるかということも、私は研究の題目だと考えます。従いまして、これが特別調査会の必要なるゆえんと思っておるのであります。
  188. 川俣清音

    ○川俣委員 これはとんでもないことなんです。問題だというのは、あなた自身に問題なんですよ。なぜかというと、なぜ一体早く食わせないのだ、なぜ配給を増量しないのだ、こういう叫びがあるでしょう。その要求に応じないでいるのはだれなんです。国民じゃないのですよ。配給量をふやせ、二日でも三日でもいいからふやせというのが国民の意向じゃないですか。それをやらないのは一体だれなんです。内閣じゃないですか。それが問題だとは、自分が問題なんじやないですか。国民が問題じゃない。国民は、二日でも三日でもいいから早く食わしてくれ、希望配給よりも配給量をふやしてくれというのが願いじゃないか。それをやらないでおいて、それが問題だとは何ですか。やっておいて問題なら別です。やらないでおくところに金利のかさまりがあり、保管料があり、ロスが生じておる。やらなかったのはだれの責任なんです。これは食管の責任じゃありませんよ。食糧管理から言えば早く売りたいのです。早く操作してしまいたいのです。政府が将来を見越して、行政上来年に持ち越さなければならない米などを考えるから、無理に持たしておく。食管は早く処理したい。食管の方からはたびたび早く処理したいという願望が出ている。食管の内部の事務当局から言えば、早く処理したい。一般国民から言えば、早く食わしてもらいたい、増量してもらいたい。これを拒んだのはだれです。これを明瞭にして下さい。
  189. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十年、三十一年の豊作によりまして在庫量が多くなりました。従いまして、従来にはなかった希望配給というのも行われたと思うのであります。しかして、今お話の希望配給の分をふやすかふやさぬかという問題は、直接農林大臣のお考えになる問題で、われわれももちろん相談を受けます。しかし、私は、今希望配給をこれ以上ふやすということについての考え方をまだ農林大臣より聞いておりません。私は、もしそういう御意見があるのならば、今後それは研究すべき問題でございましょう。私が申し上げたのは、今言っている三十年、三十一年のような豊作のときに、非常に金利、倉敷料が必要以上にかさまってきた場合については、消費者米価について相当の問題だ、――そういう点は調査会で研究されると思うのであります。
  190. 川俣清音

    ○川俣委員 それは実に詭弁ですよ。希望配給よりも、配給量をふやしてほしいという願望が一般大衆の中から出ている。早く売ってほしいという希望に対して、報いたのはあなたのところだけなんです。酒屋へだけは業務用としてふやした。あとはふやしておりません。なぜ一体酒屋へだけふやしたのか。一般の人は食いたいというのは食わせないでおいて、酒屋へだけはふやした。これはあなたが相当運動された結果じゃないですか。明らかにそうです。一般の国民は、そんなにたくさん持っているならば一般配給に乗せてくれという要望をしきりに出している。陳情も来ている。それを押えておいて、業務用の酒屋にだけ増量している。これもまた、早く処分するというのはいい方法だろうと思わないわけじゃないけれども、それと同様にもっとこれを早く出したら、金利、保管料が食わなかったと思いませんか。
  191. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は酒屋側ではございませんが、酒造米の増石方の運動がございます。私は当時大臣ではございません。個人といたしまして、酒造米の増加を望むことは反対だ、こういうことを公開の席上で言っております。とにかく、売れるだけ作るようにしなければ、乱売したら大へんだ。私は、六十万石とか八十万石程度のときには、酒造米をふやさぬと密造になってしまうと言ったが、しかし、百万石にふえましたときには、私は酒造米をふやしてくれということを個人として陳情したことは絶対にございません。酒造大会では常に反対をいたしているのであります。その点は御了承を願っておきます。  なお、ただいま金利の問題がございましたが、三十一年度では金利は百四十億円の負担になっております。しかし、三十二年度は、百四十億円が百二十二億円に減っております。こういう数字でございますが、もし御不符合ならば、後ほどこれは突き合せてけっこうだと思います。
  192. 川俣清音

    ○川俣委員 酒の問題は派生の問題だ。しかし、ふえたことは間違いないでしょう。あなたの運動であるかどうかということは別問題にして、酒屋にふえたこと、あなたが大会へ出られてふえたことだけは間違いない。統計において明らかである。あなたがどんなに反対されても、これは表面だったか裏面だったか知らぬけれども、ふえたことには間違いない。事実は事実です。  次に、あなたは今金利が減っておると言うが、総体の金利は減っておりながら、なぜ一体米価だけ上ったのか、これが問題なんです。金利の総額は減っていながら、一石当りの金利が上ったのはおかしいじゃないか、こう言っておるんですよ。それは、一銭五厘が一銭四厘になり、証券の政府負担ということになって下ったことになっておる。下っていながら、あなたが予算を組んだのは上っているから、そこが問題だ、こう言っておるのです。
  193. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 数字の問題がございまするので、私から補足的に申し上げておきます。ただいま承わりました数字につきましてはなお検討を要しますが食糧庁におきまして一石当りにつきまして試算いたしました金利負担は、三十年が二百七十七円、三十一年が三百二十七円、三十二年が二百四十六円、そういう数字を私どもは食糧庁からもらっておるのでありまするが、なおふつき合いの点は、後ほど資料につきまして検討いたしたいと思います。
  194. 川俣清音

    ○川俣委員 問題は、総体の金利が減ったことになっていながら、石当りの金利が上っていって、これが消費者にかぶさるというところに問題がある、こういうことなんです。この総体の金利というものの分配は、米に対する分配、あらゆるものに対する分配から起ってくる問題なんです。従って、赤字を出さないというふうにこしらえれば、三十一年度は赤字が出ないで済むんです。そのかわり三十二年度において片づけなければならぬということになる。安い米を三十二年度に引き継いで、経費をかけて、そうして経費のかかったものを安く売った、従って三十二年度の赤字になります。これはそうなんです。  それから、もう一つの問題は、今評価がえをあなた方はなさるのですが、三十一年三月三十一日の市価において評価をするという。これはほんとうの評価じゃないのです。三月三十一日にあった米は、六、七の上り工合、経費のかかり工合を見て、それを差っ引いて三月三十一日の原価というものをきめている。翌年度の経済情勢なり輸送なり運賃の値上りを見なければ評価がえができないというところに問題がある。翌年の会計年度に起ってきたものを逆に計算をして、これらの経費がこれだけかかるのであるから、それだけ安く評価しよう、こういうところに問題がある。そのものずばりの評価じゃないのです。これはお認めでしょう。
  195. 池田勇人

    ○池田国務大臣 それは、先ほど来御議論のありました、原価主義によるか修正売価主義によるかの問題でございます。私は、昭和二十九年以来修正売価主義をとっておりますので、今回もその修正売価主義でいこうといたしておるのであります。
  196. 川俣清音

    ○川俣委員 それは違うんです。会計法によれば、三月三十一日における市価ですよ。その翌年度に起ってくるものを見ての評価ではありません。会計年度ですべての支払い義務というものは一応切れるのですから、従って、火事が起きて物が焼ければ、それだけは安く評価する、そういう操作をするんです。七月に上げるか八月に上げるかによって、赤字が違う。三月三十一日における赤字が違うというのはそういう点です。翌年度に起ってくる状態を見なければ三月三十一日の評価ができないというところに会計の不明朗さがある。会計年度というものをきめた、この制度に対する反逆が出てるわけです。問題はそこにある。結論から言うと、あなたは一体消費米価を上げるつもりですか上げないつもりですか。
  197. 池田勇人

    ○池田国務大臣 この問題につきましては、特別調査会の結論を待って、その結論によりまして閣議で決定いたしたいと思います。
  198. 川俣清音

    ○川俣委員 これはおかしい。自民党の中には、絶対上げないんだ、上げないんだから、百六十一億の赤字は今埋めなくても、決してそれが影響を与えて米価値上げには使わないから、何とかしてくれぬかという要望があります。そうすると、あなたの話と自民党からわが党に折衝のありますものとは異なる、こう理解してよろしゅうございますか。
  199. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は、内閣の一員として、先ほどお答えした通りでございまして閣議決定に従うことにいたしております。
  200. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、百六十一億を埋めないということは、将来値上げの含みを持っておる、少くともあり得ることを予想するというと、軽軽に百六十一億は補てんできない、こう理解してよろしゅうございますか。
  201. 池田勇人

    ○池田国務大臣 米の値上げあるいは据え置きを前提としてはおりません。
  202. 川俣清音

    ○川俣委員 値上げを前提としていないという。上げるのか上げないのか聞いたら、調査会の決定を見てから閣議できめる、こういうんでしょう。これが補てんされておりますというと、値上げの材料が薄くなります。あなたが値上げしようともくろみましても、調査会もこういうものを背負ってるというとなかなか苦しいでありましょうが、背負わせられなければ、上げないと決定することは火を見るよりも明らかであります。背負わせられればどれをこれを背負って何とかしろと言われれば、上げざるを得ない。そうすると、これを解決しないということは、調査会に圧力を加えて値上げの方に持っていこうとするというわけでしょうか。
  203. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は米価の問題につきましては全然白紙でございまして、結論を待ちまして閣議において決定されることと思うのであります。
  204. 川俣清音

    ○川俣委員 おかしいじゃないですか。一体あなたはほんとうに消費米価を上げるつもりですか上げないつもりですか、もう一度伺いたい。これは、この予算審議の上に、この審議がすみやかにいくかいかないかという重要なる答弁であります。これは政党の中における話ですよ。政府も関与しておりますけれども、この予算が上るか上らないかは、政府にも関係しますけれども、国会における審議中でございます。予算に対する態度決定の前でございます。従って、小手先の言葉でこれを濁すことは許されないのでありますから、もしもあなたが答弁が困難ならば、休憩いたしまして、自民党とよく打ち合わせの上で、あらためて答弁願いたいと思います。――委員長、休憩の動議を提出いたします。    〔発言する者多し〕
  205. 池田勇人

    ○池田国務大臣 将来の米価の問題につきましては、先ほどお答えした通りでございまして、特別調査会の結論を待ち、その結論を参考といたしまして、内閣で決定するのでございます。
  206. 川俣清音

    ○川俣委員 この予算の説明書によりますと、損失の処理も調査会の意見を聞く、こういうことになっていますね。「三十二年度においては、その合理化について全面的に検討し、米価その他食糧管理特別会計の基本問題を処理するため、特別調査会を政府に設置し、損失の処理、価格体系等についてはその結論をまって措置することとしている。」、こういうことなんです。そうすると調査会の決定で上げるまたは上げないということをきめる、こうなるのですね。
  207. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十二年度予算の説明書には、お話の通り、特別調査会を政府に設置し、損失の処理、価格体系等についてはその結論をまって政府において措置する、政府は抜けておりますが、措置するというのは政府において措置する、こう考えております。
  208. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、上げないもあるいは現状も結論の結果だ、こういうことになりますか。ところが、世間では、消費米価は上げないと自民党の議員総会はきめた、こう理解している。自民党の総会が消費米価は上げないときめたというのを信用していいのか、今の・大蔵大臣の答弁を信用した方がよろしいのか、大蔵大臣の御意見を伺いたい。
  209. 池田勇人

    ○池田国務大臣 自由民主党の議員総会の米の問題に対しまする議決は、私は聞いておりません。しかし、政府といたしましては、ただいま申し上げた通りでございます。   〔「何を言っているのだ」「そんなとぼけた答弁があるか」「政党内閣でそんなばかなことはないよ」「休憩しろ」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
  210. 池田勇人

    ○池田国務大臣 ただいまの御質疑は、自由民主党の議員総会で米の値上げは反対だと決議したことがあるかという御質問でございます。私はそういう決議は知りませんとお答えしたのであります。ただいま聞いてみますと、党の大勢はなるべく米の値は上げないようにという御意見が強かったということは聞いておるのであります。決議はしていないのです。そうして、米の問題につきましては今後党と政府と十分連絡してやる、こういうことに心得ております。
  211. 川俣清音

    ○川俣委員 それではおかしいのです。いやしくも一度石橋内閣が閣議で決定したことを変更しなければならないという。閣議の決定ということは、重要なことがなければたやすくは変更できないことだと思う。これは常識です。閣議決定がそう簡単に変更できるというのは、責任内閣の上からこれは許されないことだと思う。従って、変更しなければならなかった重大な理由がなければならぬはずだ。どういうわけですか。
  212. 池田勇人

    ○池田国務大臣 それは閣議で一応は決定いたしましたが、党の勢は今値上げをきめることについては反対の意向が強いという申し入れが石橋総理のところにあったということは聞いております。従いまして、その意向をくんで、閣議を開きまして、一たんきめたのでございますが、それではしばらくこの問題は未決にしようということになったのであります。
  213. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、閣議決定を変更するからには、やはり党の重要な決定があったと見なければならぬ。それはそうです。閣議決定の変更を求めるということは、与党の重要な進言が行われたと見なければならぬ。ただ二、三の人がそういう意向であるとか希望であるとかということによって簡単に閣議決定が変更されるのだとは何人も認めない。石橋総理をもわずらわしたというからには、党の意向というものが、議員総会であろうと総務会であろうと別にいたしまして、やはり一つの党の意思表示と見なければなりません。議員総会であろうと総務会であろうと、党の意思決定があったからとりやめたというからには、あなたがそんなことを知らなかったというのはおかしい。
  214. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私が知らなかったと申し上げたのは、議員総会の決定があったかどうかを知らなかったということでございます。しこうして、党の空気は値上げ反対という意向が非常に強いという申し出があったことは知っております。それに基いて変更いたしたと心得ております。
  215. 川俣清音

    ○川俣委員 私のお尋ねした一番先は、党の意向が値上げ反対だということであるにかかわらず、あなたは上げるような上げないような話であるから、どちらをとるのだとお尋ねしたのです。そうなんですよ。党の意向は値上げをしない、こういう意向であるのに、あなたは上げるような上げないような答弁であるから、どちらをとるのだ、こうお尋ねしておるのです。官僚出とはいいながら政党内閣出身の大蔵大臣でありますから、党の意思というものを十分尊重されて行政をやられるものと信用してお尋ねしておるのです。そういう信用の上に立っておる。御答弁願いたい。
  216. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私も政党に籍を置いておるのでございます。従いまして、閣議は一応値上げということにきまりましたが、党の意向がそういうことになれば、閣議の決定を取り消すことに署名いたします。しこうして、私は今自民党員でございます。そうして岸内閣の閣僚でございます。米の問題は非常に重要なものでございますから私は自分の意見を今言う段階ではございません。やはり党の意向を聞き、閣議決定になるものに従っていきます。   〔「名答」「その通り」と呼ぶ者あり〕
  217. 川俣清音

    ○川俣委員 それは名答ではない。これは名答では決してありません。予算の説明書の中には損失の処理は調査会の決定を待ってやると書いてある。あなたの今の答弁は、党の出身閣僚であるから党の意向に従うと、こう言う。結局は上げるのか上げないのかと、こう聞いているのです。(「それはまた党できめるのだ」と呼ぶ者あり)党できめるとすればこの予算の説明書は不十分である。損失の処理ということがなければ別ですよ。価格体系等について結論を待って処理するなら別です。損失の処理が入っておるわけです。従って、これは値上げすることが前提になって組まれているものと見なければならぬ。そこで、そういうことが予想されなければならぬ。一体、今そういうことを予想されておられるのでありますか、おられないのでありますか。これによってわれわれの態度がだいぶん違って参ります。(「違ってくるか」と呼ぶ者あり)大いに違う。与党と野党の間におきましては円満に予算審議を終えてほしい、それには必ず米価は値上げしないのだから一つこれに応じてもらえぬかという話があるのですが、それらのものは、大蔵大臣の表現をもってすれば上げるか上げないかわらないのだということを前提にして私どもは自民党の諸君と交渉してよろしいかどうか、あわせて一つあなたの見解をお伺いしたい。
  218. 池田勇人

    ○池田国務大臣 先ほど来申し上げました通り、重要な問題でございまするから、閣議決定でさように決定いたします。しこうして、政党内閣でございまするから、十分党の意見は聞いて閣議の決定が行われるものと私は考えておるのであります。
  219. 川俣清音

    ○川俣委員 もう一点だけお尋ねします。大蔵大臣は前から米の統制撤廃を盛んに主張されておったのです。今もなおそういう考え方を持っておられるかどうか、この点が一点なんです。  そこで、もしも統制を撤廃して、――おそらく、まる裸の統制撤廃ということは、いかに無謀なあなたでも考えておられない、おそらく間接統制を考えておるだろうと思う。国民生活安定の上から言って、米が急激に高くなったり安くなったりする、不足が生ずるようなことによる人心の不安というものを避けなければならないというのは、これはどこの政治家も同じでありますから、おそらく間接統制をもってそういう不安をなからしめようとするのであろうと思われます。そこで、間接統制をする場合は一体どのくらいの財政負担をしなければならないかということをお考えになったかどうか。時間がないからもう少し私は申しますが、一体、今やみ米が五百万石か七百万石くらい流通されているといわれておる。これは、経済的に見まするとこれらは各家庭における米のストックと見なければならない。そういたしますと、現状のままにおける各家庭におけるストックあるいは年度末の持越米あるいは操作米等を考えて参りますと、少くともこの五百万石、七百万石の三倍に近い千五百万石から二千万石を操作米として持たなければ安定した価格政策あるいは需給政策はとれないというのが、これは普通の常識でございます。そういたしますと、五百万石ないし二千万石を倉庫に入れて管理する、これにかける経費等を今の食糧庁の数字から推算いたしますると、少くとも四百億から七百億の経費がかかるように見受けられます。そうすると、間接統制の方が行政負担の分が非常に大きいということになりますが、それと考えあわせますと、直接統制をしておる方がまだ一般会計の負担が少い、百六十一億埋めましてもなお間接統制よりも直接統制の負担の方が一般会計に負うところの負担が少いということになるのですが、それでもなお百六十一億は今埋めたくない、こういうお考えですか。この点をあわせて一つ伺いたい。
  220. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私はただいまのところ米の直接統制をやめるという考えは持っておりません。続けていくつもりでございます。従いまして、その後に起こる問題はただいま考えおりません。  次に、三十一年度の食管会計の赤字見込額は決算を待って処理するということに変りはございません。
  221. 川俣清音

    ○川俣委員 処理するというのは、どう処理するのですか。
  222. 池田勇人

    ○池田国務大臣 食管会計法附則第二項によりまして、一般会計から負担することになると思います。
  223. 川俣清音

    ○川俣委員 これは三十二年度で埋め合せる、こういう意味ですか。
  224. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十二年度の決算補正でやりまするか、三十三年度でやりまするか、その点につきましては調査会の結論を見まして決定いたしたいと思います。
  225. 川俣清音

    ○川俣委員 三十二年度の決算が出たらば処理するというのでしょう。そうすると、三十二年度の補正だということになるのじゃないですか。三十三年度まで持ち込まなければならぬですか。これは七月くらいに決算が出る。その処理でしょう。これを処理しておきませんと、赤字がさらに出ますよ。この負債をしょって赤字がさらに出るのです。こういうものを重荷をしょわしておいて、あなたは赤字が出る出ると言っておるがわざわざあなたは赤字を出す方法をとっておられるんですよ。赤字の出る方法なんです。赤字を処理するのだと言いながら、赤字の負担の赤字がさらに増大するようなことをしておられる。この責任まで負うのですか。今処理しないで決算で処理する。これも三十二年度で処理しないで、三十三年度で処理しますならば、それだけ負担が過重になって参ります。食管会計は資本金を持たない。人件費も事務費も全部借入金または証券でまかなっている。全部金利のつくものなんです。普通の公務員は給料だけですけれども、食糧庁の職員は給料のほかにみんな金利をしょっているのです。これを公務員に負担させるわけにはいかないから米価にはね返って、職員の金利負担まで米なり麦なりが負わなければならないというふうになっている。従ってこの処理がおくれることは、さらに赤字を強要することになる。これをお認めですか。
  226. 池田勇人

    ○池田国務大臣 三十一年度の決算を待ちまして、できるだけ早い機会に処理いたしたいと思います。従いまして、これを三十二年度の補正予算でありますか、あるいは三十三年度の予算でありますか、それは結果を見てそのときの情勢によって考えたいと思います。しこうして、三十一年度の赤字見込み額を早く処理しないと、それが米価に関係し赤字がふえるだろう、こういうことはお説の通りでございますが、われわれといたしましては、国庫余裕金でそれをまかなうつもりでございますから、結果においては金利負担が重ならないように努力するつもりであります。
  227. 川俣清音

    ○川俣委員 もう一点お尋ねしたいのです。これだけは決算を待たなければならない、特別立法をすることは困難だとあなたは申されますけれども、先般の和田委員の質問に答えられた中に、問題になりました交付税及び譲与税等の特別会計の場合に、地方交付税の中に当然百億を今年度内に繰り入れるのにかかわらず、二十四億だけ繰り入れまして、七十六億を来年度に繰り入れるというために、特別な法律をあなたはお出しになった。ほんとうは用意してなかったが、あなたは和田君の質問に答えかねて、あわてて特例法を作った。特例法を作ろうと思えば、あなたは今国会でも一回やっておられる。二十四億は今年度に繰り入れ、七十六億を来年度に繰り入れるのは財政法違反の疑いがあるということになったために、法律も何もないのに、やりますと言明しておいて、さて法律がないということであわてて特例法を作った。食管のときだと、これは法律がないからだめなんだと言っている。やろうと思えばできないことはない。結局あなたは、食管の赤字は消費者に負担させようというがんこな考え方をいまだに捨て切れない、こう判断してよろしゅうございますか。
  228. 池田勇人

    ○池田国務大臣 補正予算に伴います交付税増額の百億円につきましては、当時二十四億円以外にも本年度で償えるんじゃないかという考えがあったのであります。しこうして、特別な法律を設けなくても、その金額によりましては、地方財政法でできる道もあるのであります。しかし結果におきまして、七十数億円も繰り越すということになりますと、少し金額が大き過ぎますので、やっぱりこれは法律を設けた方がいいんじゃないかという結論に達しまして、やったのでございます。この交付金は当然地方にやらなければならぬものでございますから、特別の措置をとったのであります。  三十一年度の食管につきましては、先ほど来申し上げた通りでございます。私は食管会計の赤字を消費者に全部負担せよなどというふうなことは今までも考えておりませんが、今までの結果から申しますと、赤字の点は一般会計から負担しております。私は過去の実績を破るわけではございません。これだけの赤字が出たということになれば、これは一般会計で負担することが今までの慣例でございますし、私はそれに従っていくつもりでございます。
  229. 川俣清音

    ○川俣委員 私もこれ以上質問したくないのですが、あなたのがれられないでしょう。一部を負担するということでものをごまかして、やはり消費者米価を上げるんだというにおいをどうしても残しておきたいというなら、それでもよろしゅうございますよ。はっきり言って下さい。  次に、この食管会計の埋め方につきまして二十年から――御承知の通り食管会計は大正十年から資本を持たずに始まっている。これは高橋大蔵大臣のときに、高橋さんは反対であったが、こういう特別会計を持つことによって、ときには黒字が出ることもあるし、赤字が出ることもあるし、それで人心を安定できれば、これほどいいことはないではないかということで、高橋さんがのんだ歴史を持っておる。あなたの先輩だ。それ以来続けてきている。従ってこの特別会計法はかなり古い法律であることは、これはいなめません。従ってこういう古い法律については慣習に従うことが、最も法律に忠実なるゆえんなのです。大正十年から続いてきている特別会計法は現状に即しない点が非常に多いのです。多いということになれば、これは慣習に基いて運用するよりほか道がないと思う。大正十年から三十七年間の歴史を見ますると、一般会計において非常に多く負担をしているのです。しかも特別法を設けないで価格差補給金等によりましても、たとえば大麦のような場合には明らかに赤字でありますから、これは価格差補給金の対象になるので、これでやった例もあるのです。ところがこれは小麦と一緒に帳消しにしているのです。だから当然四億あたりは価格差補給金を出すべきです。ちゃんと法律にも根拠はあるし、前例もある。食管会計の歴史を振り返ってみましても、二十一年、二十二年は黒字であった二十四年、二十五年、二十六年も黒字であったこともあります。これは原価主義をとっておったためです。すべての経費については一般会計において負担をしたこともありますから、なるべく赤字の出ないように一般財政面において努めれば、食管会計必ずしも赤字が出ない。すべてを食管の米なり麦なり、国民の日常生活に関係の深いものに負わせようとする、行政費までも負わせようとするところに、無理に出てきた赤字がある。自然に出てきた赤字ではない、行政上当然負担すべきものを負担しないで、消費者にかけようとするところから出てきた赤字というものがある。当然財政負担をしなければならない要素を持っている部分をのがれているために無理にしょわせられているところの赤字であります。これらに対して詭弁でのがれようとしないで、ほんとうに国民生活を考える大蔵大臣として、昔の麦を食えなんということを一掃された大蔵大臣として、もう一ぺん反省される必要があるのではないかと思いますが、これに対する御意見を伺いたい。
  230. 池田勇人

    ○池田国務大臣 昭和二十四年以来―それ以前のことは十分に知っておりません。二十四年以来、食管会計の赤字につきましては、一般会計からの繰り入れ、あるいはインベントリー・ファイナンスのとりくずし、あるいは輸入補給金、これも八十億円くらいあったかと思いますが、従来までで六百数十億円、一般会計で全部負担しているのであります。私もこの趣旨を踏襲いたしまして、食管会計に出た赤字は附則第二項にありまするごとく、一般会計で負担するつもりでございます。
  231. 川俣清音

    ○川俣委員 百六十一億は三十一年度の補正ではやらないけれども、三十二年度ないし三十三年度の補正でやる、そんなことを無理にせぬでも原価主義をとればそんな手数は要らない、附則二項は要らないのです。無理にあなたが持ち出した附則二項は使わないでも、原価取得主義をとれば赤字なしで三十二年度に繰り越しできるわけです。この方法もあるのですよ。赤字が出れば負担するというけれども、三十一年度に出郷字を出さないで済むのです。それなのに出てきたならば健全財政ということで、赤字を負担するということであるならば、三十一年度において勇敢に負担されたらどうです。ほんとうに食管の健全財政ということをこいねがうならば、すみやかにこの自然増収のあった三十一年度においてこれを埋め合せることが必要だと思うのです。自然増収がなかった場合は、これはやむを得ない場合も起きてくるかもしれませんが、当然三十一年度の収入は三十一年度に決算すべきが財政法上の建前でありまするから、三十二年度に負わせることなくして補てんすべきである。または三十二年度に赤字を持ち越さないように、三十一年度は黒字で締めてしまって、三十二年度において自然増収二千億ありまするならば、その際負担をするというならば三十一年度は黒字でおいておくという方法もあり得るし、あると思う。従来もやってきた例なのです。従来の慣習を尊重するということになりますれば、補てんばかりではない、原価取得主義によって黒字にしておくという方法もあるわけです。その点どうですか。
  232. 池田勇人

    ○池田国務大臣 先ほど来申し上げておりますがごとく、昭和二十九年以来修正売価主義をとっております関係上、私は今回も修正売価主義でいきたいと思っております。
  233. 川俣清音

    ○川俣委員 あなたが修正売価主義でいきたいということになりますると、おそらく調査会の意見と対立するだろうと思います。そうすると尊重するというのは、これはおかしいのです。一方は修正売価主義ではいけない、原価主義でいかなければならないという意見が相当有力です。食管の健全財政からいって、原価取得主義でいかないと将来いろいろ複雑な問題が派生するから、食管に熱意を持っておられまする学者間におきましては、大体原価取得主義が常識となっておるのです。それでなければ食管の健全性は貫けない、こう言っておるのです。そうすると、これは調査会と、だいぶ対立することになる。その場合はどうなんです。
  234. 池田勇人

    ○池田国務大臣 特別調査会でそういう結論が出ましたら出たときにわれわれは十分検討していきたいと思います。ただいまのところは二十九年以来の修正売価主義によっていきたい、こう考えております。
  235. 川俣清音

    ○川俣委員 それはおかしいですよ。六月の中ごろに原価主義をとって黒字が出たということになると、予算規模全体に大へんの影響を及ぼしてくる。だからその意見は三十一年度に戻っては尊重されないことになる。国会は終ってしまいます。損失については原価主義をとるといった場合には、三十一年度には戻れないですよ。そう決定したら、尊重しますと言ったって三十一年度の予算にはとうてい及ばないことになる。  私は、これ以上あなたと議論するのはやめます。自民党と社会党の間において話されたことが、池田さんによってくつがえるということになりますならば予算に対する態度については、あらためて政党間の交渉をしなければ、この委員会は結末は得られないであろうということだけを警告いたしまして、私の質問を終っておきます。  (拍手)
  236. 山崎巖

    ○山崎委員長 横路節雄君。
  237. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣に、最初に日ソの漁業交渉についてお尋ねしますが、日ソの漁業委員会で日本側が本年度漁獲量十六万五千トンを提案しましたその根拠はどういうのですか。第一番目にそれをお尋ねします。
  238. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 横路さんに申し上げて御了解を得たいのでありますが、ただいま交渉継続中でございますので、あるいは微妙な点につきましては答弁を差し控えさせていただきますような場面もございましょうが、ただいまの問題につきましてお答えをいたします。  わが方といたしましては、過去四十年近くにわたる漁獲高の統計資料を持っておるわけでございます。それから勘案いたしますときに、資源は決して減っておらない、こういう見解の上に立っておるのでございまして、それを勘案して一方資源保護を日ソ漁業条約において約束しておる建前もございます。昨年の漁獲高というものは十三万五千トンでございましたが、サケ、マスの漁獲は昨年豊漁という現象が現われて参った。去年は凶漁という年でございましたから、本年は豊漁という年に相当る、こういうところから判断をいたしまして十六万五千トンという数字を算出したわけでございます。
  239. 横路節雄

    ○横路委員 けさの朝日新聞等の報道によりましても、この日ソ漁業委員会が非常に難航しておるその理由として、ソ連側は、河野・イシコフ会談によるところの豊漁の場合には十万トン、凶漁の場合には八万トンというのが約束になっておるのだ、この点は昨年の五月三十日の予算委員会において、井出さんが時の農林大臣の河野氏質問して、その点も明らかなっておるし、さらに十一月二十六日の日ソ共同宣言等の特別委員会におけるところの委員の質問に対しても、当時の河野農相はそう説明している。ソ連はその点を取り上げてあなたの方で提案している十六万五千トンについてはどうも承諾を与え得ない。一体河野・イシコフ会談で、昨年は農漁の年は十万トン、凶漁は八万トンというように約束をしておるのかどうか、その点は一体どうなっておるのか。
  240. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 御指摘のように河野前大臣が本委員会を通じても当時お答えになっております。それが八万、十万という数字でございますが、漁業交渉のいきさつをわれわれが承知しておる点から申しますと、当時あるいは決裂を危ぶまれるという状況でもございまして、もしそういうふうなことにでも相なったならば、何ら目安というものがなくなるのではないか、こういうことから河野・イシコフ両氏の間において、とりあえず八万、十万という話し合いができ、それはどこから出発したかと申しますと、当時ソ連が示しました計画量が八万二、三千トンであったと存じますが、その数字を見合いにいたしまして、将来ソ連側の計画数字がさらにそれを上回る場合におきましては、当然それと見合って日本側の漁獲量も決定されるのである、このように話し合いがついているというふうに、われわれは了解しているわけでございます。
  241. 横路節雄

    ○横路委員 これは三月三日の朝日新聞の記事ですが井出農林大臣は二日にソ連の漁業代表と会談した河野前農相及び岡井、法眼、平塚の三委員と今後の交渉の進め方を相談した結果、あなたの方は新しい提案をすることになったという。そして河野前農相はソ連漁業部代表との二日の会談で「一応、日本側の新提案についてソ連側の意向を打診しているので、おそらく五日の本委員会までにはソ連側も本国政府の訓令を受けて、新しい出方をするのではないかとみられている。」一体河野前農相に対して、あなたはどういう資格を与えられて、この日ソの漁業交渉に当らせられているのか。しかも問題の難点は、今あなたのお示しになったように、昨年の河野・イシコフ会談における豊漁十万トン、凶漁八万トンがやはりその根底に横たわっておる。あなたは一体どういう資格でどういう態度で前農相を今回の日ソ漁業交渉に当らせたのか、その点を一つ明らかにしていただきたい。
  242. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 河野前農林大臣は、日ソ交渉における従来のいきさつに対しましては、最もよくこれを承知されておる方であります。かつまた今回の第一回漁業委員会においても、その成り行きに対して無関心ではあり得ない立場でありますことは、横路さんも御承知であろうと思うのであります。そこで河野さんとしましては、先般ソ連へ参りました際に、今回来朝した諸君とも顔なじみであるという関係から、非公式に河野前農林大臣が先方と会ったことはございます。その結果等を私に連絡をせられた関係もありまして、やはりこの交渉を打開して参りますためには、資格というふうなことはともかくといたしまして、私といたしましてはいわばお手伝いしていただくという形において御相談を願った次第であります。
  243. 横路節雄

    ○横路委員 この記事によりましても、今のあなたのお話でも、日本側で新しい提案をしている。これは何ぼか、十四万五千トンですかな、十四万トンでしょうか。その新しい提案をしたものを河野前農林大臣がソ連の漁業部の代表とさらに折衝をして、向うの意向を確かめるというやり方ですね。これは井出農林大臣の顧問ですか、農林省の顧問なんでしょうかね、どういう資格なんでしょうか。国会で任命したのは、平塚氏なんです。これはどういう意味なんでしょう。この点はやはり国民の疑惑を解くためにも明らかにしていただきたいし、一番問題の難点は河野・イシコフ会談にあった。ソ連側も不誠意でないかと言っている。新聞にも出ている。その当面の責任者を何で出すのですか。そういう考え方をして、最後にあなたがお困りになりませんか。一体どういう資格なのか、明らかにしていただきたいと思います。
  244. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 新聞の記事には推測の部面もあろうかと思いますので、それをそのままにお取り上げをいただくこともいかがかと思いますが、河野前大臣は先ほど来申し上げまするような立場でございまして、正式な資格ということに対しては、別段どうこうということはございませんけれども、少くとも日本の国益を考えるという立場においては、従来のいきさつにかんがみましても非常に関心と熱意を持っておられるのであります。従いまして私が相談の相手にいたしておる、このように御了解を願いたいと思います。
  245. 横路節雄

    ○横路委員 今の答弁によりますと、農林大臣の私設顧問ですか、そういうことになりますか。あなたの方でお願いをした、しかし大事な交渉にはあなたにかわって向うの情報を得たり、また日本の提案もしている――やはり顧問の資格でしょうね、これは何でしょうか、どういうことになるのですかね。  農林大臣にお尋ねしますが、これは二本の交渉になっているのですか。一方はあなたを通してやる、一方は河野前農林大臣を通してやる、こういう交渉なんですかね。そうなれば全権ということになる。これはどういうことになりますか。
  246. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 決して二元的ではございません。私が当面の責任者でございまして、河農前大臣は先方との顔なじみもあるわけでございまして、いわば私の相談相手、こういうことに御了解を願います。
  247. 横路節雄

    ○横路委員 これは岸さんにお尋ねしますが、どうも河野前農林大臣の資格が明らかでないのです。今の農林大臣のお話によると私設顧問のようでもありますし、これは非常に誤解を招くと思う。もしも必要があれば、なぜ一体政府はちゅうちょすることなく河野前農相に資格を与えないのか、その点まだまだこの委員会は難渋をきわめると思う。それを農林大臣の私設顧問、去年行った顔なじみだからというのでやるというのではなしに、ほんとうに打開する意味があるならば、もっと政府として適当な資格を与えたらいいと思う、そしてやるべきだと思うが、この点はいかがですか。
  248. 岸信介

    ○岸国務大臣 漁業交渉は井出農林大臣を正式の代表にいたしております。なお正式の顧問も任命されていることは御承知の通りであります。河野君はこの交渉そのものには何らの資格もないし、また交渉そのものもしているわけではございませんが、従来からの関係もありますし、側面的に、あるいは農林大臣といろいろなことも相談をしている、あるいは情報をもたらすというようなこともございましょうけれども、交渉の責任者は井出農林大臣でありまして、河野前農林大臣はそういう資格は持っておらないのであります。
  249. 横路節雄

    ○横路委員 井出農林大臣にお尋ねしますが、日ソの漁業委員会で意見が一致しない場合にはどうなるのか。あくまでも十万トン、ことしは豊漁だから十万トンということで泣き寝入りをしなければならないのか。一体向うが固執している十万トンという法的な根拠はないはずなのです。これは日ソ漁業条約の付属書の一の(ハ)の項にも書いてある。「総漁獲量は、委員会において決定される。条約実施第一年の総漁獲量は、第一回の委員会において決定される。」となっておる。一体なぜこんなにソ連が長きにわたって固執するのでしょうか。もしもこれが決定を見ない場合には一体どういうように量をおきめになるのか、その点あなたのお考えを述べていただきたいと思います。
  250. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 委員会はおよそ九回くらい慎重に審議をいたしております。両国側からそれぞれ科学的なデータを出し合いまして、それによりまして進めておるのでございまして、私もこの労は多としておるのであります。そこでただいまの状況から申しますると、決してこれが行き詰まりと申しますか、非常に悲観すべき状況だというふうには私どもは見ておりません。目下鋭意打開に努力をしておるさなかでございます。この点御了承を得たいと思います。
  251. 横路節雄

    ○横路委員 この五日に新提案をしたというその量は十四万五千トンですか、十四万トンですか、これはどうです。
  252. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 その点は相手方のあることでございまして、いずれ申し上げる機会があろうかと思いますが、本日は差し控えさせていただきたいと思います。
  253. 横路節雄

    ○横路委員 最後にこの問題について一つだけ。大体妥結の時期はいつごろになるのか。それから去年出漁した独航船の総数については、私は減るということがあるならばゆゆしき問題だと思う。だから妥結する大体の時期と、昨年出た独航船の隻数については変更はないと思うが、その点はどうか、これだけお尋ねします。
  254. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 これは出漁の時期もございます。あるいは準備の都合もございます。できるだけすみやかに妥結に至らしめたい、こう考えておりますし、またただいま独航船のお話も出ましたが、御指摘のような方向において努力をいたしておる次第でございます。
  255. 横路節雄

    ○横路委員 次に、私は先ほどの川俣委員の質問に引き続いて、食管について大蔵大臣にまずお尋ねいたします。先ほど川俣委員に対しまして大蔵大臣は幾度も、三十一年度分の食管の赤字については決算で確定した後において一般会計から繰り入れをする、そして三十二年度の食管の赤字については調査会の結論を待ってやる、こういう答弁をされた。この答弁の意味は、三十一年度の食管の赤字については調査会とは別個である、調査会の結論いかんにかかわらず、これは決算で確定すればやるのだ、こういうように私は了解して聞いておったのですが、それでよろしゅうございましょうね。
  256. 池田勇人

    ○池田国務大臣 調査会の答申がどう出るかわかりませんが、調査会の答申次第によりましては、三十一年度の一応の見込み百六十一億円は動いてくるかもしれません。
  257. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣、あなたは先ほどここで何べんも答弁している。あなたの答弁は、この三十一年度の赤字については決算で確定すれば一般会計からやる、三十二年度の赤字は調査会の結論を待ってやると言っている。三十一年度の赤字については調査会の答申とは関係がないと、先ほどあなたは何べんも答弁している。それであれば、先ほど長時間にわたってやった川俣委員の質問に対する答弁とは全く違いますよ。
  258. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は三十一年度の赤字につきましては、決算による確定を待って処理すると言っておるのであります。調査会に全然関係がないとは申してはおりません。先ほど来議論しております修正売価主義によるか原価主義によるかということは議論がございますが、昭和二十八年までの原価主義によりますと影響はございませんが、売価主義によりますと動くということは言っておるのであります。
  259. 横路節雄

    ○横路委員 それはあなたは違いますよ。あなたのお話では幾たびも昭和三十二年度の赤字については調査会の結論を待ってやると言っておる。農林大臣は、先ほど農林委員会において、うちの稻富君の質問に対して、あなたはこう言っておる。三十一年度の赤字は決算の確定次第やる、調査会とは無関係だとあなたはあそこで言っているじゃありませんか。これはどうなんです。
  260. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 その点は調査会においても、一つの参考資料に相なるであろう、こういう意味をつけ加えておいたはずであります。
  261. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣これはどうですか。今の農林大臣の話とはだいぶ違うんですよ。先ほどの川俣君の質問のときは、まだ調査会の答申が三十一年度の赤字の決算の確定要素にはなっておらなかった。今初めて私の質問に対してなった。おそらくあなたの考えは、五月一日に値上げをした場合には動くだろう、六月一日に値上げをした場合には動くだろう、七月一日に値上げした場合には動くであろう、こういう考えなんです。農林大臣の考えはそうではない。これは食管法の施行令の中にちゃんときまっておる。三月三十一日現在において市価に準拠してやれということになっておる。だから農林大臣のお考えは、三十二年度の百四十二億と予定されておる赤字については、これは調査会の結論を待ってやるが、昭和三十一年度で予定されておる百六十一億については、それは幾分数字は動くでしょうが、これは四月一日の値上げとか五月一日の値上げとか六月一日の値上げとかいうものを予想しての話ではない。完全に意見が違うんですよ。さらに川俣君の先ほどの質問に対しても違う。全然違いますよ。
  262. 池田勇人

    ○池田国務大臣 先ほどの川俣君の、質問に対しましては、三十一年度の赤字につきましては決算確定を待って処理いたしますとこうお答えしておるのであります。
  263. 横路節雄

    ○横路委員 今大蔵大臣の言う通りです。三十一年度の赤字については決算の確定を待ってやる。決算は昨年の四月一日から今年の三月三十一日までときまっておる。これが会計年度なのです。だから大蔵大臣は調査会の結論を待ってとは言わない。だから三十二年度の赤字については、これは調査会の答申を待たなければならぬと言っておる。この点は非常に違うんですよ。会計年度は去年の四月一日から今年の三月三十一日までなんです。大蔵大臣御承知の通り、会計年度はきまっておる。何でこれから以降の調査会の答申が影響してくるのですか。だからあなたは先ほど川俣委員の質問に対して答えてないじゃないですか。速記を見てごらんなさい。何べんも同じことを繰り返しておる。どうなんですか。三十一年度の赤字についても調査会の答申を待って、そうして五月一日値上げとなれば動いてくる、六月一日値上げとなれば動いてくると、あなたは期待しておるのですか、どうですか。
  264. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私はそういう期待を持って言っておるのではございません。会計法上の解釈あるいは食管法上の規定から申し上げまして、三月三十一日の在庫について、修正売価主義によって決算を確定いたしまして、その後において処理する、こう川俣さんの質問には答えておるのであります。
  265. 横路節雄

    ○横路委員 それは大蔵大臣、あなたのおっしゃるように修正売価主義については私も承知しておる。だから今は売り渡し価格から売り渡しの諸経費を差し引いたものがあなたの言う修正売価主義なんです。それは三月三十一日現在の今の価格でいいじゃないですか。それをなぜ一体決算の百六十一億の要素で動くと言うのか。それは調査会の答申を待って、この十月三十一日までの間においてもあなたは値上げする場合もあり得ると言うのですか。それとも十月三十一日までにおけるこの決算確定の最終の、その昭和三十一年度の赤字については、調査会の答申があっても、これは値上げにはならないと言うのか、その点はどうなんですか。
  266. 池田勇人

    ○池田国務大臣 百六十一億円の赤字見込額は一応の計算でございます。そうして三月三十一日におきまする問題は、今の内地米のみならず、外米、外麦等の関係において動くこともあり得るのであります。しかして調査会の決定云々を期待して私は申し上げておるわけではありません。
  267. 横路節雄

    ○横路委員 私もあなたの話の百六十一億については、繰越し数量百四十六万トンは知っているのですよ。その他外米それから外国の麦についても同様ですが、今議論しているのは、一升八円五十銭値上げする、その消費者米価が上ってくるかどうかということが、この百六十一億が動くかどうかという一番大きな要素です。他のことを聞いておるのじゃないのです。それはどうなんですか。あなたの方では調査会の結論が出れば、五月一日でも六月一日でも値上げするというのか、値上げしなければ百六十一億の数字は幾分は動いても、その基本的な考え方は動かない、この点はどうなんですか。あなたは先ほど川俣委員に対してはそういう立場においては答弁をなすっていない。だから三十二年度の赤字について、調査会の結論を待ってやると繰り返し繰り返し答弁している。それは一体どうなんですか。
  268. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は先ほど来調査会の結論を待ちまして、そうしてその結論を参考にして閣議できめると言っているのでございまして、米の値を上げない、上げるということについては一切申しておりません。
  269. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣に尋ねますが、あなたは今の話の出る前に、三十一年度の赤字については決算の確定と言う、三十二年度の赤字については調査会の結論を待ってと言う。その三十一年度の赤字というものは、それは動く要素は幾分はありましょう。しかしそのことが、あなたがその中で話をされたときには、消費者米価の値上げというものは、その中の要素にはなっていない。三十二年度の赤字についての動く動かないは、これは調査会の結論が要素になっておる。片一方は要素になっていないことをあなたは答弁しているじゃないですか。その点はどうなんですか。
  270. 池田勇人

    ○池田国務大臣 調査会の結論がどう出るかによりまして、動くことはありましょう。しかしその問題につきましても、三十二年度は御承知の通り年度中にできるのであります。従いまして相当影響することがございます。
  271. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣あなたはだんだん少しずつ話があちこちずれておる。三十二年度のことは私はあなたの言う通り聞いておるのですよ。三十二年度の赤字は調査会の結論を待ってやる。だから上ってくればそれだけ埋まってくる。それは明らかなんです。それでは三十一年度の赤字の確定はどうなんですか。その調査会の答申というものが要素になるのかならないのかということを聞いておるのです。私の聞いておるのはその点なんですよ。
  272. 池田勇人

    ○池田国務大臣 調査会の答申を見なければ、それはわかりません。どういう答申が出るかわからないのでございます。
  273. 横路節雄

    ○横路委員 三十一年度の赤字についての要素は、調査会の答申が要素になっていないぞということを言っている与党の諸君もある。それは陰の声であっても……。(「それは違う」と呼ぶ者あり)あなたの話の中で一番大事なことは三十一年度の中で調査会の答申があった、五月一日に上るとなった、六月一日に上るとなった、七月一日に上るとなった、八月一日に上るとなった、それでは私はあなたに聞くけれども、いつ上るときまれば影響するのか、その点いつまで影響するのですか、この決算の確定というものは…。
  274. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私はこの問題は非常に重要な問題でございますから、上げないとか、上げるとかいうことを前提にして答えますと、非常に誤解を招くおそれがあると思います。従いまして三十一年度の分につきましては、私は努めて触れなかったのでございます。従って調査会の決定を見まして、修正売価主義によって決算を確定いたしましてやろうというのであります。
  275. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣、値上げの時期というものは非常に大事なんですよ。四月一日から上げればあなたは百六十一億が何ぼ埋まるか知っていますか。大蔵大臣御存じですか。四月一日に八円五十銭上げれば、予定されている百六十一億の赤字は幾らになるか御存じですか。
  276. 池田勇人

    ○池田国務大臣 私は在庫品をよく調べておりませんので、今その計算はいたしておりません。しかし先ほど申し上げましたごとく、この問題について上げるとか上げないとかいうことを、大蔵大臣としてその前提のもとに議論は今いたしたくないと思います。
  277. 横路節雄

    ○横路委員 大蔵大臣、それではおかしいじゃないですか。あなたは三十一年度の赤字については、上げるとか、上げないとか言えないと言う。しかし三十二年度については調査会の答申を待ってやる、同じことですよ、どう違うのですか、ほんとうにどう違うのですか。あなたは三十二年度については、調査会の答申を待ってやると答弁しておる。それならどうですか、ここで三十一年度の赤字についても、調査会の答申を待たなければわからぬのならわからぬと言えばはっきりしてくる。どちらでおやりになるのですか。
  278. 池田勇人

    ○池田国務大臣 調査会の答申がなければわからぬと言うかわりに、決算確定を待って処理すると申し上げておるのであります。それから三十二年度におきましては、年度の大部分が相当かかりますし、あるいは農産物安定法の問題とかいろいろな問題がありまして、非常に影響するところが多いので、私は調査会の決定を待つ、こう申し上げたのであります。
  279. 横路節雄

    ○横路委員 食糧庁の長官に私はちょっと質問します。大へんあなたにお気の毒だけれども……。あなたは食管の特別会計について、決算書を農林大臣を通して、大蔵大臣に出さなければならない。農林大臣は七月三十一日までに大蔵大臣に出さなければならないようになっておる。予算第三分科会における私の質問に対して、あなたは百四十六万トン、八十一億円が四月一日に値上げになれば埋まるのだ、そこで最終確定はいつの場合にやるのか。一体四月一日に値上げの場合には八十一億円影響するか、五月一日はどうか、六月一日はどうか。七月三十一日には農林大臣を経由して大蔵大臣に出さなければならぬ。その場合いつ値上げときまった場合に影響しないか。たとえば十月一日値上げになった場合には影響しないのか。七月三十一日までに大蔵大臣に出すのだから、八月以降の値上げであるならば影響しないのかどうか。その点あなたは直接の担当者だから……。
  280. 小倉武一

    ○小倉政府委員 値上げによります三十一年度の損益に対する影響につきましては、値上げの決定の時期、いつそれを決定するか、いつから上げるかということによって違って参りますので、それが具体的にきまりませんとちょっと申し上げかねるところであります。
  281. 横路節雄

    ○横路委員 いつから上げるときまれば三十一年度の決算の確定要素にならないかということを聞いておる。十月三十一日までですから日にちはきまっている。架空の話をしているのじゃないのです。十月一日の場合には影響しないのか、九月一日の場合には影響しないか、大蔵大臣のところに七月三十一日までに出すのだから、八月一日以降の値上げならば三十一年度の赤字の確定には影響しないのか、その点を聞いている。はっきりしないと言うが、はっきりしているのじゃないですか。日にちがきまっている。どうなのです。
  282. 小倉武一

    ○小倉政府委員 これまでの取り扱いによりますと、米穀年度を区切っておりまするので、十月末までに配給されるものは、三月末の評価によって動くわけであります。従いまして、三月末の在庫数量が幾らでありましても、たくさんありましても、十一月以降になって配給される分については影響はございません。七月から十月末までに配給されるもので三月末にあるものについては影響を及ぼす、こういうことであります。
  283. 横路節雄

    ○横路委員 長官、それは当りまえのことなのです。三月三十一日のときの修正売価主義であれば、あなたのおっしゃる通り、そうです。ところが、私が聞いているのは一升八田五十銭。具体的な話を聞いている。しかも農林大臣を経由してその決算書は大蔵大臣に七月三十一日までに提出しなければならない。だから、私の聞いているのは、八月一日以降の値上げの場合には、その三十一年度の赤字についての確定要素が動く動かないということには影響しないであろう。四月一日や五月一日や六月一日や七月一日ならば影響するが、八月一日以降ならば、七月三十一日までに決算書を出さなければならぬから影響しないであろう、どうなのだと聞いている。
  284. 小倉武一

    ○小倉政府委員 値上げをするかしないかということにつきまして、私からどうこうということは申し上げることは、はなはだ当を得ていないのでございまするので、全く仮定の話で、しかも非常に事務的な処理上の問題としてお聞き取りを願いたいと存じます。農林省といたしましては、お話の中にもあったかと存じますが、七月末日までに大蔵省に決算書を提出するという建前になっておるわけであります。それから一方会計年度の締め切りは三月末でございますから、その間のことであることは、これまた大体そうあるべきだと思うのです。しかし四月一日から七月末までの間の、いつならばできるかということになりますと、これはそのときの経済情勢なり、あるいは事務処理上の能力なり、いろいろの点が関係しますので、何月何日まではぴったりこうである。何月何日以降はぴったりだめだ、こういうふうなことをあらかじめ申し上げるわけには参らないと思うのであります。
  285. 横路節雄

    ○横路委員 長官、それならば、七月三十一日に決算書を出しているのならば、八月一日以降の値上げならば常識的には影響しませんな。七月三十一日までに決算書を出すのだから、八月一日以降ならば常識的には影響しませんね。
  286. 小倉武一

    ○小倉政府委員 私もさように存じます。
  287. 横路節雄

    ○横路委員 次に岸総理にお尋ねをしたいのですが、実は今の食管の赤字の問題と関連してなのです。去る二月二十七日の本会議の所信表明で、総理は石橋内閣の政策を継承するのだ、石橋内閣そのものである。だから予算案の再提出はしない、こういうようにおっしゃっておる。従って、これは石橋内閣の政策なり、あるいは石橋総理のもののお考え方というものが、やはり私は岸総理の中に脈々とつながっている、こういうように考えておるのですが、その点いかがでございましょう。
  288. 岸信介

    ○岸国務大臣 私が所信を表明いたしました通り、わが内閣におきましては、石橋内閣のときに私が申しました施政の方針を受け継いでいく、承継するものであるということをはっきり申し上げております。従って、予算案その他のものは、石橋内閣のときに提出したものを受け継いだ、こうお考えになって差しつかえありません。
  289. 横路節雄

    ○横路委員 総理に重ねてお尋ねしますが、実は一月七日の日に、井出農林大臣と池田大蔵大臣の間で、昭和三十年度、三十一年度の食管の赤字百九十四億については、昭和耳十一年度の補正で出す。ただし消費者米価については値上げをする。翌八日の閣議で同様のことが決定されまして、十二日に、石橋総理は大阪においでになりまして、当時同行者は、水田通産大臣、石田官房長官、三木幹事長、こういう方々がおいでになりました。その記者団会見において、総理は所信の表明をしているわけです。減税を口にしながら、一方では国鉄運賃や消費者米価を引き上げるという世論の批判もあるが、不健全な食管会計や国鉄会計をすっきりした形にすることが必要だ。減税の効果の及ばない階層については、社会保障の徹底化を考えているので、米価や国鉄運賃の引き上げは、国民生活を圧迫しないと思う。こうして過去の食管会計の赤字は一般会計で処理するが、将来は食管会計そのもので赤字にならないようにする。今までの内閣は、国民へのごきげん取りで、消費者、生産者米価を据え置く政策をとってきたので、この結果が方々に赤字を作る始末となった 私はみんなにいやがられても、たとえ世論の非難を浴びても、正しいと思うことは断行していきたい。こういうように述べられているのであります。私はこういうような物の考え方については、政治家として、総理大臣として、そうあるべきだと思う。この点はどうなのでしょう。実に国鉄の運賃と消費者米価の値上げについては、石橋内閣の非常な重大な問題で、重要政策で、少くとも七日、八日のこういう決定をたどって、総理はこういう考え方なのですが、岸総理のお考えはいかがですか。
  290. 岸信介

    ○岸国務大臣 その点は、先ほど大蔵大臣も申したように、また御質問がありましたが、最初石橋内閣におきましては、消費者米価を引き上げるということを閣議において決定をいたしました。その考えは、今石橋総理が述べられておるような気持から八そういう決定をしたのであります。その後、党内におきましても、この消費者米価を上げるということに対して反対の意向が強い、また世論もこれを上げることに対して相当な批判がございまして、総理としても、さらに総理の意を受けて、内閣は、消費者米価を引き上げるということをやめまして、前の閣議決定を変えて、そうして今まで御審議願いましたように、この問題については、重要問題であるから特別委員会を作って、この問題を十分に審議して、これに対する対策を考えるという態度をとることになりました。従って今の石橋前総理の発言は、最初石橋内閣において閣議の決定した当時のことでございまして、その後閣議を変更いたしておりますので、石橋前総理の考え方も変ってきておる、かように私は了解しております。
  291. 横路節雄

    ○横路委員 岸総理に重ねてお尋ねしますが、これも一月二十九日の朝日新聞なのですが、こういう記事があるのです。二十四日の夜に、河野一郎、大野伴睦、岸外務大臣の三氏は、同夜会合して、米価引き上げに反対の態度を一そう固めた、こういうことになっている。そうして翌二十五日の午前十時から、東京永田町のグランドホテルで、岸外務大臣、石井光次郎氏、大野伴睦氏、河野一郎氏の四氏に対しましては、砂田総務会長がお会いになって、そうして何とかその閣議で決定されたものと党との調整ができないかというお話のようであります。これから受けます感じは、岸外務大臣は、当時は八日の閣議並びに二十日の閣議においても、消費者米価の値上げは決定されたが、しかし外務大臣としては反対であった、こういうように私どもはこれから感じられるわけなんですが、やはり私が申し上げましたように、外務大臣としては、消費者米価の値上げにはあくまでも反対という態度を当時とられたものかどうか、お尋ねをしたいと思うのであります。
  292. 岸信介

    ○岸国務大臣 その新聞の記事は、当時の状況と内容が違っております。会いましたその事実は事実でございますが、私は石橋内閣の閣僚として、消費者米価の値上げの問題につきましても、閣議においていろいろな議論がありました末、閣議はああいうふうに決定をいたしております。しかるに、その後党内において反対がずいぶんありますので、こういう閣議のわれわれの決定しておることと党の大勢の意見との間の調整についてこれらの人と話し合ったことはございますけれども、私が閣僚であって、反対の考えをこれらの人々と話し合って、そうしてその意向をきめたという事実は、全然事実に反しております。
  293. 横路節雄

    ○横路委員 総理大臣としては、国鉄の運賃については、きのうは本会議に提案説明がございましたので、政府としては、国鉄運賃の値上げの方針をきめて出されたわけです。消費者米価については、一体総理大臣としては、私ども膨大な食管会計については、今川俣君から質問があったように、これは整理する必要もありましょう。もっと内容を検討する必要もありましょうが、そのこととは別に、この消費者米価については、値上げして埋めるのが妥当とお思いになるのかどうか。私はやはり総理大臣としてのお考えがあろうと思う。この点は、ただ単に調査会の答申を待ってというばかりでなしに、石橋前総理大臣が、世論の批判を浴びても、自分の正しいと思うことは政治家としてやるんだ、こういうように言い切っていらっしゃる。そこで岸総理大臣としては、この消費者米価についてはどういうお考えを持っていらっしゃるのか、その点を一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  294. 岸信介

    ○岸国務大臣 消費者米価の問題につきましては、先ほど来質疑応答がありましたように、いろいろな経緯を経てきております。すなわち石橋内閣としては、一応値上げを決定しておりながら、後に閣議を変更しておるというふうな、これはきわめて国民生活に、重大な意義を持っており、また食管会計そのものがきわめて膨大で、かつ複雑な事情もございますので、この消費者米価の問題を直ちにここで値上げをするとかしないとかということを決定することは適当でない、そこで特別調査会を設けて、それには十分有識者、経験者を入れて、そうして広く論議を尽してその結論を参酌して、政府としては責任をもってこの問題をきめよう。今日のところにおいては、私は白紙でございます。
  295. 横路節雄

    ○横路委員 それでは総理大臣にお尋ねしますが、消費者米価を値上げをするか据え置くかという最終決定に至るまでには、どういう経過をたどるのでしょうか。今総理大臣は白紙だと言う。しかしいずれかはきめなければならぬ。そのきめるまでにはどういう手続をとって、上げるのか据え置くのか、そういうことをおきめになるのか、その点について一つお尋ねいたしたいと思います。
  296. 岸信介

    ○岸国務大臣 私は、政府に設けられる特別調査会の審議模様経過を十分見まして、そうして主務の大臣の意見を聞き、閣議においてこれを審議して決定する。その間におきましては、党の意見ももちろん聞くことになるだろうと思います。
  297. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣、米価審議会に聞かないのですか。それはどうなるんです。今の調査会、それは、大臣は直接担当でないからでしょうが、今のお話ですと、非常に調査会にウエートがかかっている。一体その調査会というものの法的根拠、それから米価審議会との関連、そういうものはどうなさるんですか。
  298. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 内閣にできます臨時食糧管理調査会は、先ほど来それぞれ御答弁もあったようでありますが、これによって慎重検討した結果を政府の責任において勘案いたしまして、結論を出すことに相なるでありましょう。そうしてその結果は、当然法的機関であります米価審議会にも、ことに価格の問題につきましてはお諮りをする、こういうことに相なるはずであります。
  299. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣にお尋ねしますが、せっかく調査会を設けた以上は、もしも調査会で、消費者米価は値上げすべきであるという結論が出た場合においては、当然その意向を入れて値上げという方向にいくでしょうし、あるいは消費者米価は据え置きであるという結論に達した場合においては、調査会を置いた趣旨からいって、据え置きということに私は政府としてはきまると思う。大体それがどうきまろうと、政府の態度は別個だということはあり得ないと思うのです、設けた以上は。その点はいかがでしょうか。
  300. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 政府としては、十分にこれを尊重いたすことに相なります。
  301. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣にもう一ぺんお尋ねしたいと思うのですが、先ほど大蔵大臣に聞いて、大臣大蔵とあなたの話でちょっと食い違いがあると思うのです。三十一年度の赤字の決算の確定要素の中には、私は調査会の答申の結論というものは入らないと思う。あなたもそういうお考えで先ほど農林委員会で答弁されている。私はそう思う。あなたもそういう解釈でされている。この点は、農林大臣としてはどうなんでしょう。この点を明らかにしていただきたいと思う。
  302. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 私は、きのう以来稻富委員の御質問に答えて申し上げたのでありますが、昭和三十年に生じました赤字につきましては、これは三十一年度、これから皆様に御審議を願う補正予算で補てんをするということに相なる。さらに昭和三十一年の赤字につきましては、これはやはり決算確定後において、しかるべき機会にこれが補てんをするということに相なるでございましょう。しこうしてその三十一年度の赤字というものについては、まだ不確定要素が存在をしているということも申し添えておいたつもりでございます。
  303. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣にお尋ねしますが、その不確定要素の中に、調査会の答申の結論というものが入るのか入らないのか。その他にもありますよ、不確定要素は。しかし私はそのことを聞いている。調査会の答申の結論というものが、不確定要素の中に入るのか入らぬのか。三十一年の赤字の決算の確定はどうなんです。
  304. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 先ほど大蔵大臣からお答えがありました通り、在庫評価の方法が問題になっておりますので、それは政府としては大蔵大臣から申し上げたごとく、統一をしているわけであります。
  305. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣、それはおかしいですよ。それはあなた、食糧管理特別会計法施行令の第九条にきまっていますよ。三月三十一日現在において市価に準拠してやるときまっている。その解釈はどうなんですか。三月三十一日現在においてですよ。その市価の解釈は、大蔵大臣の言った通り、修正売価主義で私もけっこうだと思う。三月三十一日現在において市価に準拠してやるとなっている。それならば、なぜ四月一日以降の調査会の結論というものが不確定要素の中に入るんですか。それなら、なぜ一体食糧管理特別会計法の施行令の第九条にそれをきめてあるのですか、それをあなたはどう解釈しますか。
  306. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 先ほど来申し上げますように、政府の見解は大蔵大臣から申し上げた通りであります。
  307. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣、これはなかなかデリケートな問題ですから、大蔵大臣を前にしてあなたも言いにくい点もあろうと思う。それはわかりますが、しかし大蔵大臣が答弁した通りですと言うたって、大蔵大臣だって、いろいろ言葉のあやがあるんです。初めは調査会の答申はなかったのがあってみたりしてきているんですから、食糧管理特別会計法施行令第九条に三月三十一日現在における市価に準拠してやれと、こうなっている。その市価は、私も修正売価主義を大蔵大臣のようにとる。それであるならば三月三十一日現在ときまっているんだから、四月一日以降は動かないではないか。その点についての、あなたのその施行令第九条の解釈はどうなっておるのかと主管大臣に聞いておるんです。どうなっているんです。
  308. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 先ほど来申し上げておりますように修正売価主義にのっとってやりまする以上、動き得ることはある、こう考えます。
  309. 横路節雄

    ○横路委員 それは、農林大臣どうしてですか。施行令第九条には三月三十一日においてとなっている。市価に準拠してやれとなっておる。どうして動くのですか。そうすると、その法令が間違いなんですか、どうなんです。一体、調査会の答申と何が関係ありますか、その法令の解釈からすればないじゃないですか。
  310. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 申し上げます。それがすなわち修正売価主義でございます。動き得る要素を持っておるという解釈をとっております。   〔「そんな答弁ではだめだ」と呼ぶ者あり〕
  311. 横路節雄

    ○横路委員 それは、農林大臣おかしいですよ。あなたたちの食管の出される一切の決済を調べる会計検査院において、あなたはそういうことを言っていない。私、読んでみますと、これは、二十六年度までは売価主義がとられ、二十八年度以降は評価を健全にするために取得、購入価格原価主義、二十九年度の評価に当っては、国内の米麦については、売り値から売り渡しに関する見込み諸経費を控除した額が修正なんです。それが修正売価主義であって、調査会の結論として出たものがそれが修正売価主義なんて、そんな解釈はないですよ。だから、その法令のある以上は、三月三十一日において市価に準拠してやれ、その市価は、売り渡し価格から諸経費を引いたものなんです。そうなんですよ。それ以上一体何があるんですか。その解釈がくずれてしまうということはないじゃないですか。   〔「よく打ち合せろ」、「休憩々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  312. 小倉武一

    ○小倉政府委員 お答えいたします。
  313. 横路節雄

    ○横路委員 委員長々々々、ちょっと待って下さい。委員長、いいですか、この消費者の米価問題は非常に政治的な問題になっておる。政治的な問題になっておるのですから、私は、この際やはり担当の国務大臣が答弁されてしかるべきだと思う。そうではないですか。もしも解釈がしっかりしないのであるならば、何もここで急がなくてもいい、十分でも二十分でも休憩されたらいい、よく打ち合せて、そうして統一されたものをここで答弁していただかなければならない。それをあなた、担当の事務官吏を出されては私ども非常に不満である。その点は委員長、これは農林大臣と大蔵大臣と打ち合せする必要があるならば、ここで二十分でも三十分でもよく打ち合せをされて、そうして統一されたその解釈の上に立って答弁していただくのでなければ、私どもは承知できない。それは委員長、善処してもらいたい、ほんのわずかですから。――委員長、休憩してもらいたい。   〔「休憩々々」と呼び、その他発言する者あり〕
  314. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 御承知のように、修正売価主義という建前をとっておるのでありますから、これは売り値から諸経費を引く、こういうことでございますので、動き得る余地というものは十分にある、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  315. 横路節雄

    ○横路委員 それでは「三月三十一日に於て」というように規定されておる、それはどう解釈すべきですか。「三月三十一日に於て」となっておる。それは三月三十一日現在ですよ。それはどうなんですか、農林大臣。
  316. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 三月三十一日というその時点をとらえまして、その在庫量を評価するという形、これはいわば時価主義とでも申しましょうか、そういう形のものでございます。修正売価主義は、先ほど来申し上げておりますようなわけでありまして、逆算して影響が出てくる、こういうことであります。
  317. 横路節雄

    ○横路委員 それでは農林大臣、それが非常に問題になるのは、先ほどから小倉長官にも尋ねておるのですが、そうなると私がお尋ねしたいのは、一体いつからあとであれば、その不確定要素の中にその調査会の答申の結論が入らないのかということなんです。いいですか、七月三十一日までに長官からあなたの手を通して大蔵大臣に決算書が行くのです。その決算書が出されるときには、当然在庫品について評価が終っておりましょう。そうすれば、私があなたにお尋ねしたいのは、あなたは仮定の論議と言うかもしれないが、その評価が八月一日以降の再評価であるならば、それは不確定の要素にはならないと私は思うが、その点はどうですか、お尋ねしたい。
  318. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 これはやはり在庫品が残っておる限りは影響を受ける、こういう考え方でございます。
  319. 横路節雄

    ○横路委員 それは農林大臣、おかしいですよ。小倉長官は今仮定の論議であるが、八月一日以降については不確定要素の中に入らないと言っておる。その点ちょっと打ち合せて下さい。先ほどそう私に答弁したばかりなんですから。
  320. 小倉武一

    ○小倉政府委員 損益に影響を及ぼします在庫の評価の問題でございますが、先ほどちょっと言葉が足りなかったかもしれませんけれども、たしか御質問に対するお答えの最初に申し上げたと思いますが、価格改定の時期に、その時期と申しますのはいつからそれを実施するかということと、実施をいつ決定をするかということと両方によって変ってくるわけであります。たとえば価格の改定が九月以降でありましても、その九月以降に改定をするということをきょう現在きめるとかいうことになりますれば、これは在庫評価は当然動いてきます。そういう意味で価格をいつから改定するか、またそれをいつ決定するかということによって響いて参ります。八月からの問題としてお答えしましたのは、八月に改定するということを、たとえば八月の官報に告示する、こういうことでありますれば、これは在庫評価には影響しないだろうということをお尋ねのお答えとしたわけであります。
  321. 横路節雄

    ○横路委員 農林大臣、私は昭和三十年度の決算で確定している三十四億という赤字の数字は、これは非常にまやかしものだと思う。なぜならば、昨年度、昭和三十年度の補正で、あなた方は食糧管理特別会計の百六十七億の赤字、そのうち二十九年末までの累年の赤字は三十億八千三百万円、これは三十一億円、三十年の赤字は百三十六億円、そこで合計百六十七億円、この点については、あなたの方で出された、当時あなたの内閣だ、この特別会計における損失は三十年度において処理し、三十一年度においては厳に収支の均衡を確保するの方針のもとに、今回この損失のうち前述のインベントリー・ファイナンス相当額百億円をこえる六十七億円について、これを補てんするために一般会計から繰り入れた。ですから二十九年末赤字三十一億円、それから三十年度の赤字百三十六億円をやったのです。ところがあなたの方から今度出された決算書を見ると、そのうちの六十七億円、二十九年度の赤字についての三十一億円は、大蔵大臣からたびたび答弁になっているように、昭和三十一年三月二十三日公布の法律第二十三号で三十一億円はちゃんと始末した。いいですか、一般会計から始末したのだからそれはなくなったのですよ。なくなったはずなのに、今度の決算書には依然として二十九年の赤字三十一億円が出ている。これは何です。これは幽霊ではありませんか。これは一体どういうわけなんです。昨年の三月二十三日にそういうように特別立法で一ぺん消しておいて、なぜ一体今度の決算でまた出てくるのですか。だから食管は幽霊だというのです。おかしいじゃないですか。
  322. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 その点は、先ほどの農林委員会でも稲富委員にお答えしたのであります。御指摘のように、二十九年度から繰り越されました三十一億内外の数字と合せまして、三十年度に予見されました赤字とを合せて、一はインベントリー百億、他は六十七億の一般会計の補てん、こういう形でもって一応赤字を補てんをして始末をしたわけであります。しかるところ三十年度においては、他に平常ならざる事態が生じまして、たとえば豊作という問題もありましょう、あるいはフレートが上ったということもございましょう、そういうそのとき予見し得べからざりし事情のためにさらに三十四億が持ち越された、こういうことであります。
  323. 横路節雄

    ○横路委員 私はそのことを聞いているのではないのですよ。三十四億について赤字が出たならば、それは三十年度の本年の損失に見るべきだ。二十九年末の赤字三十一億円については、昨年の三月二十三日に法律を出してこれが消えている。消えているものが何でまた浮んでくるのでしょう。大蔵大臣が言うように食管法の附則の第二項で決算が確定したから――二十九年は決算が確定したのですよ。それでやつた。なぜまたそれがお化けになって出てくるのです。それならば一体なぜ三十年度の赤字にしない、なぜそういうからくりをやる、そしてなぜ三十年度に三十四億から出ているのに、本年度の損失を二億七千万と見るのです。明らかにこれは決算書のごまかしではないですか。それはどうなんです。長官にお尋ねしたい。食糧庁の長官、あなたが責任者だ。どうしてこういうことをやるのです。どうしてこういういいかげんな決算をやるのですか。わざわざ法律で消して埋めてしまったのになぜこういうことをやるのですか。あなたは直接の担当者だからこれはあなたに答弁してもらいたい。
  324. 小倉武一

    ○小倉政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、これはインベントリー百億、それから一般会計からの六十七億というものによって埋めるということであったわけであります。そこで埋める結果になるためには、百六十七億によってちょうど繰り越しの損に見合うだけの益が三十年度に出なくちゃならなかったわけでございます。三十年度にその益が出ますれば相殺いたしまして、二十九年度の損と、三十年度の益が消し合うということであったというわけでございますが、先ほど大臣からもお答えをいたしましたように、そういうふうには三十年度の決算をやってみますといかなかった、むしろ損が出たということでございますので、二十九年度の損が埋まらなかったこういう結果になったのであります。
  325. 横路節雄

    ○横路委員 今の、農林大臣おわかりでしょうか。今の長官の答弁おかしくありませんか、初め二十九年度の損が埋まる予定だったが、二十九年度の損が埋まらなかったのだ、だからそれをそのまま残したと言う。わざわざ法律でやったんでしょう。いいですか、こういう法律でやったんですよ。食糧管理特別会計の昭和三十年度における損失をうめるための措置に関する法律。ここで二十九年の赤字、これは確定ですよ。これが三十億八千三百万円、これを入れてやったのに、なぜまたこれが生きてくるのです。大蔵大臣どうなんですか、一体こういう会計のやり方は……。
  326. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 会計技術の問題でございますから、私からお答え申し上げます。ただいま食糧庁長官から説明があった通りでございます。二十九年度の損が三十一億、それから三十年度の損が百三十六億ですか、合せて百六十七億、それをインベントリーの百億と六十七億円、両方で消すという目的のもとにただいまお読み上げになりました法律が出されたわけでございますが、その場合の会計技術上の問題としてどういうことになるかと申しますと、二十九年度の損は、これは損でございますから繰越損として引き継いでおるわけでございまして、その損を消しますのには、三十年度にそれだけの利益が出るという形でなければ消せないわけでございます。つまり今の六十七億を埋めましたときには三十年度としては三十一億の利益が出るという形の決算になって、そうして二十九年度の繰越損三十一億が消える、そういう会計上の結果になることを期待して、ただいまの補てん措置を講じたわけでございます。ところが不幸にして、三十年度の損益を見ますと、さらに損がふえまして、利益が出ることを期待しておりましたのが逆に損が出てしまった。その場合に、政府から埋めました六十七億ないしは取りくずしました百億、これは三十年度の益金になるわけでございます。期待に反して利益が出なかった、あるいは損が出ました結果、二十九年度の繰り越し損がそのまま残りまして、三十年度の損と合せて、三十年度末の三十四億の損失として今日残っておる。さような会計上の筋道になっておりますので、御了承いただきたいと思います。
  327. 横路節雄

    ○横路委員 これは会計検査院でも指摘しているのですよ。これは明らかに三十年の赤字なんです。一ぺん法律で埋めたんだから、それは当然三十年の赤字としてやらなければならぬ、こう言っている。  次に私は、三十四億出ている赤字、この点について二、三農林大臣にお尋ねしたいのです。これはまず第一番目に、外米の買付について、当初三十年度の準内地米の買付必要量を六十六万トンと見込んで、そうして幾ら買ったかというと、六十五万トン買った。ところが年度内にわずか三十九万七千トンしか売り渡さないで、二十三万二千トンがとうとう在庫品として残ってしまった。そこで会計検査院はこれをどう指摘しているかというと一これは昭和十七年から十九年までの平均年間配給実績三十四万トンの六ヵ月分を十七万トンと推定してやったんだ。今、準内地米の買付をする際に、昭和十七年から十九年までの平均年間の配給実績を基準にしてやるなどというやり方は十七年から十九年までというと戦争中です。こういうものを一体何の基準でやるんですか。こういうことをやるから赤字になるんです。これだけ膨大な金額が要り、その金利がかさみ、そうしてその倉庫料を払っている。それが第一点。  第二の点については、持ち越し分をどういうように考えたかという、二十三万二千トンあるものを、あなたの方では九万六千トンだけ過小見積りをした。準内地米を、二十九年から三十年にいくのに、二十三万二千トンあるものを十万トンも過小見積りをした。そうして外米の輸入計画を立てた。このために検査院はこれだけの倉庫料で四億五千八百万円損をかけているという。金利は書いてないが、私は会計検査院に金利はどうかと尋ねたら、やはり同様四億五千万損をかけているという。現にここで十億です。どうしてこういうようなずさんな計画をおやりになるのですか。そこで農林大臣、だから私どもは不思議に思うんです。外米の輸入に当って日綿実業はあなたの方に前にいた食糧庁の第一部長ですか、細田というのに六十万円贈った。いずれの小さな地方官庁においても、そういう汚職が発生すれば、当然その商社、会社が一年間、二年間はその官庁に物を入れることを停止している。あなたの方は何もやっていないじゃないですか。そうしてその買付をする者に、会社の者は、担当重役は金を贈っている。担当重役は留置されて起訴されているが、会社はてんとしている。これはどうしてですか。こういう不正行為をやった会社については、あなたは一年ないし二年間は当然輸入商社としての権利を停止すべきだと思う。どうですか総理大臣、そういうことがなければ私は綱紀の粛正はないと思うが、いかがでしょう。こういうものを見のがしておいていいのでしょうか、どうなんですか。
  328. 井出一太郎

    ○井出国務大臣 御指摘のように食管会計というものがいろいろと疑惑を持たれ、しかもただいま言われるような事例のございましたことは、まことに遺憾であります。実は私も就任以来、いかにかして食管会計のあり方を合理化しよう、こういう熱意に燃えておるわけでございまして、まだそれは必ずしも実際面において実現はしておりませんが、その意気込みで事に処していることを一つおくみ取りをいただきたいと思います。そこでただいま一、二の事例をお示しになりましたが、準内地米を非常に見積り過大に買い過ぎた、しかも昭和十何年か、だいぶ前の標準などを引用して、およそこれなどは意味がないではないか、こういうお話でございます。これは当時、業務用米を新たに配給したいというので、約十万トンの計画を立てたかと記憶しておりますが、その目安を立てますために、過去の統計等をもとにするならば、やはり昭和十七年あたりの例しかなかったということから、それがたまたま引用されておると思うのでございますが、この業務用米がどうも予想に反して売れ行きがまことにまずかった。これはまさしく食管当局の見通しが誤まりで、また不手ぎわであったことは、これはまことに相済まぬ次第でございますが、そういうような事情があったわけであります。それから最後の見積り過小の問題は、もし御必要ならば事務当局から詳しくお答えをさせます。  もう一つ不正の商社の問題でありますが、これは食糧管理法の違反ということでございますならば直ちに処置ができるのでありますが、まだ問題は裁判中というふうなこともございまして、そこまで発動をしておりませんけれども、(発言する者あり)先ほど来おっしゃられますことは、われわれも十分承知をして今後において処置に当りたい、こう考えております。
  329. 横路節雄

    ○横路委員 総理大臣に私は申し上げたいのですが、こういう事例は、何も中央官庁ばかりではないのです。地方官庁にもずいぶんある。しかし地方官庁では、こういう場合の例としては、今あなたのお話のように裁判中であるというけれども、贈ったことは事実である、認めておる、そういう場合には、一年ないし二年停止を命じて反省を促しておる。このことがなければ、何も役人ばかりを糾弾して、そのまわりにいるそのもとに対して手を触れない限りは、私は綱紀の粛正はできないと思う。私はやはり総理としては、きのう、おとといですか、いろいろお話がございましたが、当然こういう商社に対しては、反省を促すために、一年ないし二年はこの輸入に対する商社の権利を停止すべきであると思うが、総理大臣として御見解はどうですか。
  330. 岸信介

    ○岸国務大臣 御趣旨の点は私も同感であります。ただ事実及び法規等の関係も一応あることでございますが、今の横路君の言われるお考えは、私としても同感であります。
  331. 横路節雄

    ○横路委員 私は農林大臣と大蔵大臣のお二人に申し上げたいのです。実は私は、一月七日のお二人の会談の結果、一月八日の閣議の結果、しかも農林大臣、大蔵大臣の記者団に対する談話の発表の内容、それから一月二十日における党の三役とあなたたちとの間における会談の内容、一々ほんとうは確認を求めたかった。この点については、あなたの方も、自分としてはそういうことをやった覚えがないとはいえないと思う。これは一月二十日までは明らかに、昭和三十年度、三十一年度の食管の赤字合せて百九十四億は、これは一般会計から補てんをして、そうして消費者米価については六月一日か七月一日から値上げをしていく。その場合に農林大臣の案としては、生活要保護者並びにその他のものについて、約二百万世帯については従前通りの配給価格でやりたい、こういうことのお話もあったんだが、党と内閣との間の意見が合わないままに、ついにこれは今回のような措置になって、そうして食管の調査会になった。こういうものをきめるべき政党、こういうものをきめるべき内閣、それがきめられないで、これを食管の調査会にまかして、そこに責任をかぶせて、そこで値上げときまったら十分受け入れるであろうというようなやり方は、今回の消費者米価に対する政府の態度としては、非常に卑怯であると私は思う。従って、こういう問題については、もっと率直にきょうは表明されるものと私は考えたが、この点についての表明がなくて依然として調査会に臨まれ、先ほどの総理大臣の答弁でも白紙であるという、こういうことについては私ども了解できないのであります。この問題については、なお引き続き他の同僚の諸君からも話があろうと思いますが、だいぶ時間が過ぎましたので、私もこの点は非常に遺憾です。この点は、本予算をここで討論採決するまでにはまだ時間があるから、内閣並びに与党として早急に態度をきめて、ぜひ政府の態度として本委員会に発表すべきである。私は、そういう希望を述べてこの質問を終ります。(拍手)
  332. 山崎巖

    ○山崎委員長 七時半より再開することとして、この際暫時休憩いたします。    午後六時三十三分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は開会に至らなかった〕