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1957-02-06 第26回国会 衆議院 内閣委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和三十二年二月六日(水曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 相川 勝六君    理事 大平 正芳君 理事 保科善四郎君    理事 山本 正一君 理事 石橋 政嗣君    理事 受田 新吉君       江崎 真澄君    大村 清一君       北 れい吉君    床次 徳二君       船田  中君    眞崎 勝次君       粟山  博君    横井 太郎君      茜ケ久保重光君    淡谷 悠藏君       稻村 隆一君    木原津與志君       下川儀太郎君    坂本 泰良君       中村 高一君  出席政府委員         警察庁長官   石井 榮三君         総理府事務官         (調達庁長官) 今井  久君         総理府事務官         (調達庁総務部         長)      眞子 傳次君         検     事         (刑事局長)  井本 臺吉君  委員外の出席者         外務事務官         (欧米局第二課         長)      安川  壯君         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 二月六日  委員西村力弥君辞任につき、その補欠として坂  本泰良君が議長の指名で委員に選任された。 同日  受田新吉君が理事に補欠当選した。 同日  理事宮澤胤勇君及び高橋等君委員辞任につき、  その補欠として山本正一君及び山本粂吉君が理  事に当選した。     ――――――――――――― 二月四日  金鵄勲章年金復活に関する請願(砂田重政君紹  介)(第一三九号)  傷病恩給受給者の家族加給に関する請願(白浜  仁吉君紹介)(第一四〇号)  同(田中伊三次君紹介)(第一四一号)  同(菅太郎君紹介)(第一四二号)  同(橋本龍伍君紹介)(第一四三号)  同(千葉三郎君紹介)(第一四四号)  元満鉄社員に恩給法適用等に関する請願外六件  (床次徳二君紹介)(第一四五号)  同(笹山茂太郎君紹介)(第一四六号)  同(上林山榮吉君紹介)(第一四七号)  同外一件(竹谷源太郎君紹介)(第一四八号)  元満州国等の日本人公務員に恩給法適用に関す  る請願(竹谷源太郎君紹介)(第一四九号)  同(佐々木更三君紹介)(第一五〇号)  傷病恩給増額に関する請願(神近市子君紹介)  (第一五四号)  同(千葉三郎君紹介)(第一五五号)  同(上林山榮吉君紹介)(第一五六号)  同(白浜仁吉君紹介)(第一五七号)  同(池田清志君紹介)(第一五八号)  同(菅太郎君紹介)(第一五九号)  同(橋本龍伍君紹介)(第一六〇号)  同(濱野清吾君紹介)(第一六一号)  小諸市の地域給引上げの請願(小山亮君紹介)  (第一六二号)  小諸市の寒冷地手当引上げの請願(小山亮君紹  介)(一六三号)  岩手県の寒冷地手当引上げ等に関する請願(山  本猛夫君紹介)(第一六四号) 同月五日  元満州国等の日本人公務員に恩給法適用に関す  る請願(石坂繁君紹介)(第二〇七号)  同(古井喜實君紹介)(第二〇八号)  傷病恩給増額に関する請願(今井耕君紹介)(  第二〇九号)  同(江崎真澄君紹介)(第二一〇号)  同(大平正芳君紹介)(第二一一号)  同(亀山孝一君紹介)(第二一二号)  同(大村俊夫君紹介)(第二一三号)  同(田村元君紹介)(第二一四号)  同(楢橋渡君紹介)(第二一五号)  同(保利茂君紹介)(第二一六号)  同(保科善四郎君紹介)(第二一七号)  同(眞崎勝次君紹介)(第二一八号)  同(粟山博君紹介)(第二一九号)  傷病恩給受給者の家族加給に関する請願(亀山  孝一君紹介)(第二二〇号)  同(木村俊夫君紹介)(第二二一号)  同(田村元君紹介)(第二二二号)  同(楢橋渡君紹介)(第二二三号)  同(保科善四郎君紹介)(第二二四  号)  同(保利茂君紹介)(第二二五号)  同(眞崎勝次君紹介)(第二二六号)  同(粟山博君紹介)(第二二七号)  寒冷地手当増額に関する請願(鈴木善幸君紹  介)(第二二九号)  薪炭手当増額に関する請願(鈴木善幸君紹介)  (第二三〇号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  国の防衛に関する件(相馬ケ原演習場事件)     ―――――――――――――
  2. 相川勝六

    ○相川委員長 これより会議を開きます。  まず理事の補欠選任についてお諮りいたします。去る十二月十三日受田新吉君が、また一月三十日宮澤胤勇君が、また一月三十一日高橋等君がそれぞれ委員を辞任せられました結果、理事が三名欠員になっております。この際理事三名の補欠選任を行いたいと存じますが、その方法は、先例によりまして委員長より御指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 相川勝六

    ○相川委員長 御異議なしと認めます。それでは委員長におきまして    山木 粂吉君  山本 正一君    受田 新吉君をそれぞれ理事に指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 相川勝六

    ○相川委員長 この際御報告申し上げます。昨五日の常任委員長会議におきまして、委員会運営の正常化に関し、ただいま諸君のお手元に配付したしておきました通りの申し合せをいたしました。念のためこれを朗読いたしますと、    申 合 せ  国会の審議は委員会が中心であるの  で、その正常化については、まず、  委員会の審議の能率を高めるため  に、各委員長は、左記事項は特に励  行すること。   一、ニュース、カメラの撮影は、    原則として開会の前後にこれを    許可すること。   二・傍聴人の整理を図って、その    議事が妨害されることのないよ    うにすること。   三、理事会は、これを非公開とす    ること。  以上の通りでありますので、御報告申し上げます。
  5. 相川勝六

    ○相川委員長 これより国の防衛に関する件のうち、特に相馬ヶ原演習場事件について調査を進めます。茜ケ久保委員。
  6. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 私は質問に入ります前に、本日の委員会がすでに十一時になりましたが、政府委員の出席のおそかったために一時間に近い時間的なロスを生じたことは、まことに遺憾と思います。政府委員諸君の精励を要望し、さらに委員長からも、この点については後刻政府委員に厳重要請されんことを希望いたします。  先般の委員会で、去る一月三十日に群馬県相馬ケ原演習場におきまして勃発いたしました、米兵による日本婦人射殺事件に対しまして、政府の所信並びにこれに対する善処方をお尋ねする前に、私は私が調査いたしました概要を申し上げて、委員諸君のこの問題に対する認識をお願いし、ともに委員会としてこの重要問題を御検討願いますことを要望するのであります。  一月三十日相馬ケ原において起りました射殺事件は、当時新聞紙の報道では、そしてまた、当時警察当局が発表したと伝えられる記事によりますと、何か、いわゆるたま拾いに集まった地方民の中の一人が、演習に際して流弾あるいはその他のいわゆる不可抗力的な事犯によって発生したかのような報道がなされたのであります。私は実はこの件に対しまして一住民の電話による投書を受けました。と申しますのは、その電話をくれた坂井何がしという人の話によりますと、自分の身内の婦人が米兵によって射殺せられた疑いがある。従って、茜ケ久保代議士はわれわれの代表として、ただ単に過失ないしは流弾等の不可抗力的な事件であるということによってこの事件をそのまま葬らなくて、ぜひ慎重に調査をして事の真相を明らかにしてほしいという趣旨の要望でありました。従いまして、私はそういった連絡を受けましたので、二日の朝、群馬県警察本部の岡田刑事部長に電話で事の真相をお尋ねしたのでありますが、刑事部長のお答えでは、現在捜査中に属するゆえ遺憾ながら発表できないということでございました。私はその岡田刑事部長の電話による私への返事の内容に疑問を生じましたので、実はその足で石岡警察本部長に面会を求め、さらに岡田刑事部長を呼んで重ねて内容を聞きましたが、遺憾ながら電話のときと同じ返答でございます。そこで私は石岡本部長に対してこれ以上内容の追及はしない、しかしこの事件は、どうも私の見るところでは他に重要な内容を持っているようであるから、私はこれからすぐに現地に行って自分で調査をする、その結果によっては、これは当然国会の問題にもなるのであるから、本部長としては責任者として、日本人的な立場から――アメリカの一方的な圧力による捜査をするんじゃなくて、日本人的良識と、日本の警察という断固たる立場によって捜査を進めてもらいたいという要望をしまして現地に参りました。現地に参りますと、ちょうど当日葬式でありましたが、御主人に会い、さらに村の関係者に会いましたけれども、残念ながら、いずれも口を緘して語ろうとしません。そこで私はるる国会から国会議員として参りました理由を説明いたしましたところが、やや私の参りました本意が了解されたと見えまして、二、三の目撃者が進んで参りまして、当時の模様を私につぶさに語ってくれました。それによりますと、詳しいことは省きますが、一応新聞の発表や警察の発表といわれることが、何か先ほど申しますように、アメリカ兵の演習中における不作為的な事件によって死んだということでありましたけれども、私は三名の目撃者に会いましたが、目撃者の言をつぶさに聞いてみますと、それは全くの誤報と申しますか、全くの作為と申しますか、実際においてはアメリカ兵が白昼、しかも多数の同胞日本人のおる眼前において、明らかに射殺をしたという点が明瞭になって参りました。  その射殺したときの様子を簡単に申し上げますと、当日は午前中が実包射撃でありましたので、当然赤い旗が立てられ、付近の住民に演習場に近寄ってはならぬという明示がありましたので、たま拾いの諸君も遠方に待機しておったそうであります。午前中に実弾射撃が終って、午後は空砲による部隊対抗演習ということで、全部その実弾は指揮官が各兵から集めて、実弾を集めたかわりに空砲を渡して、そして演習が始まったそうであります。午後の演習が終ったのは二時半頃といわれております。二時半頃に、午後の空砲による演習が終ったので、たま拾いに行った諸君が、漸次その部隊のおる近くに接近して参ったそうであります。ところが一部-隊、つまり十数名でありますが、十数名の米兵が同じところにたむろして休憩をしておったそうであります。この休憩をしておるところに被害者である坂井なかさん、さらに現場においてこれを目撃した小野関英治君の二人が近寄ったところが、一米兵が休んでおるところから出て参りましてからの薬莢を投げ捨てて、そして言葉はわからないけれども、手ぶり身ぶりでこれを拾ってもよろしいと、拾っても危くないから拾ってもよろしいというゼスチユアをしたので、二人は安心をしてそのからの薬莢を落したところに行ったそうであります。行ってこれを拾ったとたんに、何か兵隊がどなったので、二人がびっくりしたと同時に、小野関さんの談によりますと、見ておると、その兵隊が銃の頭にからの薬莢をさかさに詰め込む様子をした。これは撃たれると直観したので、自分は夢中になって山の峯の方に逃げたところが、あとから大きな銃声がして、私の足もとに何か落ちた。私は非常にこわくなって、さらに逃げてきましたが、ひょっと振り返ってみると、またその米兵がさらに二度目の薬莢を銃口につけておる。これは大へんだと思って、私がはっと見たときにまた銃声が起った。起ったと同時に、下の方で坂井なかさんの何か絶叫するような何ともいえぬ声がしたので、これはと思ってかけつけたところが、その兵隊も銃を捨てて、なかさんの方へとんできた。そしてゆり起したが、なかさんがほとんど事切れている。自分も心配だけれども、かけ寄っておばさん、おばさんと呼んだが、すでに答えがなかった、こういうことであります。この間、さらにアメリカの将校等が来ているんなことを言っております。御報告申し上げますが、この実態に直面して感じましたことは――このアメリカ兵のやったことは、先ほど申しましたように、演習の休憩中に日本人が十数名あるいは二十数名いる眼前で、白昼日本人を狙撃して殺した、これは明らかであります。私はこの状態を眺めたときに、アメリカ兵の日本人に対する態度、アメリカの日本に対する態度、こういったものがここに端的に出たと思う。アメリカ兵が日本人を人間として見ておらぬ。空砲を銃口につけて撃ちますと、実験の結果は数百メーターとぶそうであります。空砲のたまであっても、銃口に薬莢を詰めて撃ちますと数百メーターとぶそうでありますから、近い場合には人命を損傷することははっきりしておる。しかも射撃した位置と射撃された位置とは、数メートル――十メートルとは離れておりません。私の調査では数メートルしかございません。とにかくそういう数メートルの場所で数百メートルも飛ぶ速力を持つものが狙撃されるならば、人命が完全に損傷されるのは当然であります。こういったことがこのような状態で行われたところに、私は重大な問題が含まれていると思う。これは単なる過失とかあるいは公務上とか、そういうことで簡単に片づけられない内容を持っていると私は思う。アメリカが日本に対する考え方、アメリカ人が日本人を見る見方が、端的に出ていると思う。先般の委員会で申しましたように、子供が犬やネコを撃つ場合に、えさを与えてこれを呼び寄せて、これに向って石を投げ、あるいは空気銃を撃つ、これであります。私は、この行為は明らかにアメリカの人種的偏見と日本人に対するアメリカ兵の大きな人種的な侮蔑と、あらゆるものを含んでいると思うのであります。また後刻いろいろ申し上げますが、こういった状態の事件に対して政府のとられた態度、あるいはアメリカ軍が発表するいろいろな内容を私が見ますと、まことに日本人として潰憾であり、しかも血のわくようなものを感じます。こういう事態を私は一応申し上げまして、委員諸君にもよく御了承を願い、以下政府にその所信と態度をお尋ねしますが、こういう事案でございます。これについて調達庁に対して現場からどのような報告が出ているか、調達庁長官はこの事態に対してどのような報告を受け、どのような対策を今まで立てたか、この点を一つ簡明率直に――こういう事態でありますから、今までの答弁のような型通りの、いわゆる官僚的な答弁でなくして、人間今井として、確固たる御答弁を願いたいと思うのであります。
  7. 今井久

    ○今井政府委員 ただいまの御質問に対してお答え申し上げます。事件の発生の状況を申し上げますと、今お話のございました通りに、一月三十日の午後二時十分ころに相馬原の演習場内におきまして、同県群馬郡相馬村の坂井なかさんが米軍人によりまして射殺されました事件が発生したのでございます。当日同演習場では、米第一騎兵師団第八騎兵連隊第二大隊によります小銃射撃演習が行われておりました。ちょうど事故発生当時は、射撃演習は実施されておりませんでしたけれども、当日は演習場内に多数の人々がたま拾いに入っておりまして、弾丸の破片を拾っておりました。そのうちに休憩時間になりまして、午後二時ごろ加害者と認められまする米兵は、被害者を含めます外一名の者に対しまして、薬莢を与えるような表情で投げましたので、二人の人がそれを拾おうと思って接近しました折、この米兵は言語不通のまま両人に対しまして銃口を向けました。身に危険を感じましたので、その両人は兵隊に皆を向けて逃げようとした。それに続いて空砲らしい発射音が二回続いて起きました。二回目の射撃音に被害者が撃たれたものか、その場に転倒して間もなくなくなったのでございます。射撃した銃は、空砲に薬莢を銃口より逆に差し込み発射したものと推定されるのであります。負傷は左腕部四ミリ平方程度、深さ三センチに達していたもようであります。一月三十一日に前橋声の群馬大学医学部において、米軍と前橋検察庁係員が立ち会いのもとに解剖いたしました結果、からの薬莢が同人の心臓上部に盲管したという事実があるのであります。加害米兵は米軍側で逮捕し、目下取調べが続行されております。ただいまこのことにつきまして、茜ケ久保さんからいろいろお話がございました。私もこの事件を聞きまして、まことに遺憾なことであると思いまして心から心痛一いたし、被害者に対して御同情申し上げ、直ちに当時前橋の調達事務所からその報告が東京調達局にあり、東京調達局の方から私の方にもございましたので、私として、すみやかに現地において実情を十分調査いたしますとともに、被害者を訪問、御弔意を申し上げ、その他のことについて十分誠意を尽すように指示いたしたのでございます。現地におきましては、直ちに三ケ尻の米軍キャンプを訪問いたしましたところが、ちょうど司令官が不在でありますので、民事部長と面会いたしまして、事件発生についての日本側の調査結果等を説明いたしますとともに、当時の状況等につきまして先方の説明を求め、射撃演習に当っての事前通告の方法、事故防止対策につきまして説明を求めました。本件についての十分な措置を米側においてとることを要望いたすとともに、今後このような事故が再び発生しないように、厳重に向うに申し入れをいたしたような次第であります。この点につきましては、御承知の通りに警察、地方検察庁がすでに調査をいたしておりますので、この調査結果を私の方で十分いただきましてそして私どもの方で所管いたしておりますところの被害者の補償問題につきましては、円滑かつ迅速に処理するために万全を期するよう努力をいたしておるような次第でございます。  以上お答え申し上げます。
  8. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 石井警察庁長官に、ただいままでの警察当局の捜査状況並びにこれに対する警察のとった処置について御説明を願いたい。
  9. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 今回相馬ケ原におきまして起りました事案は、まことに遺憾にたえないことでございます。事案の概要につきましては、先ほど茜ケ久保委員のお話にもありました通りであり、また今井調達庁長官からお答えいたしました通りでございますので、重複を避けて省略させていただきます。事案が発生いたしましてから後の警察当局のとりました措置につきましてお答えをいたしたいと思います。  届出を当日受けました高崎警察署及び群馬県警察本部におきましては、翌三十一日とりあえず被害者の死因調査のため、群馬大学医学部において死体の解剖を行なったのでございます。その結果は、先ほど今井調達庁長官からも御報告がありました通り、被害者の第七、第八胸椎の間に銃器による射入口と認められる損傷があり、小銃弾の薬莢一個が発見されたのであります。これが肺臓をかすめて大動脈に突き刺さり、これにより出血多量のため死亡したものと認められるのでございます。そこで捜査当局といたしましては、まず目撃者等につきまして、犯行の当時の状況をいろいろ聴取をいたしたのでございます。と同時に二月一日午後一時、被疑者を確認するために、米軍側の協力を得まして、事件当日現場での演習に参加した米兵三十数名を集めてもらいまして、これに当時の目撃者と思われる日本人五名の方々にお願いをしまして、だれが被疑者であるかを確認をしていただいたわけであります。その結果被疑者一名を指摘することができたのでございます。自来その被疑者につきまして、米軍捜査当局はわが方と協力いたしまして取調べを続行いたしておるのでございます。当初は被疑者は犯行を否認いたしておりました。二月四日に、至りまして初めて、自分がから薬莢を銃口に挿入して発射をしたという事実を供述するに至ったのでございます。捜査当局といたしましては、事柄の重要性にかんがみまして、できるだけすみやかに真実の発見に努め、とるべき措置を十分に講じたい、かように存じまして、鋭意引き続いて捜査を続行いたしておる状況でございます。
  10. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 大体私どもの調査したことと、調達庁に報告された事実、さらに警察庁に報告されました事実も相違していないのであります。従って、犯人もすでに自分が薬莢を詰めて撃ったということを自供しておりますので、そういった点に対する問題は、やや明白になって参りました。事はこの事案が、米軍当局が発表してるように、また現地の警察等の発表ではありませんけれども、新聞紙等によって報ぜられる見解であります。殺したというと、並びに空砲に薬英を詰めて撃ったという事実、これが判明して参りますと、問題はこの事案が公務上の問題であるかないかが非常に大きな点になるのであります。きのうのラジオを聞いておりますと、大久保国家公安委員長は、この事案が演習の休憩中に起ったのであれば、これは公務執行中とは言えない。演習中に起ったのであるならば、公務執行中と解釈せざるを得ない。従って公務上であるかないかは、演習の途中であるか休憩中であるかにかかっておるということを言っております。この点も一つの問題であります。これは明らかに、両長官の報告にもありましたように、休憩中の事案であります。従って大久保国務相の新聞発表の見解をもってしますならば、明らかにこれは公務上のことではないという結論に到達するわけであります。私はもしこれが一歩譲って公務中であったとしても、演習中であったとしても、演習を続行するためのいわゆる動作の中における発射でありますならば、あるいは一歩譲りましょう。もし演習継続中であったとしても、空砲の上に薬莢を詰めて狙撃するという行為は、これはいかなる理由があっても許せるものではありません。従って今両長官の御報告にあるように、休憩中ということが判明しますならば、これは明々白々として公務執行中ではないという結論が出るのでありますが、これに対する両長官の見解を一応承わっておきたい。
  11. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 私からお答えを申し上げます。両長官から御説明がありましたように、まだ事案の真相が確定いたしておりませんので、仮定的のことを申し上げてははなはだ恐縮でございますけれども、これがたとい休憩中でありましたといたしましても、部隊行動としてなお依然として部隊指揮官のもとに休憩しておるという場合において、その指揮下にある兵隊の具体的な行動が全部公務外に属するか、あるいは事柄によっては公務に関することであるか、そういったことはなお検討を要することじゃないかと私は考えております。そこでこの点につきましては、なお法務省、外務省等と協議いたしておるところでございまして、これが公務中であるかどうかということについてのわが方の見解は、まだ確定いたしておらないのであります。
  12. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 まことに心外な御答弁であります。ただいま申しますように、事件は休憩中に起り、しかも指揮官が指揮をしている状態でありません。各兵がばらばらに休憩をして休んでおる。その中で一兵隊が、指揮官の命令じゃない、自分が作為的にからだまを投げ与えておること自身が公務じゃありません。からだまを投げ与えたことが公務であるならば、それを拾った者に対する射殺はあるいは公務といえましょう。たま拾いに来ていることを承知しておって、自分が休憩中であるからそのたまのからを投げ捨てて与えておいて、そして自分が飛び出して撃っておる、こういうことが公務なら――私は公務でないと思う。もし日本政府がいまだこのことに対する公務上か公務外かの決定ができぬとするならば、日本政府の見解は独自にこれを決定できないのですか。こういう事態をながめながら――もうすでに事件が起ってから一週間たっておる。本人は死んでおる。こういう事態の中で日本政府がいまだこの状態が公務上か公務外かわからぬというようなことでどうしますか。そういう答弁では私は絶対承服きない。あなたがもしわからぬならば、すぐ帰って協議していらっしゃい。この委員会中に当然結論を出すべきだと思う。そういうことで日本の政府の行政はできますか。あなたの答弁には絶対承服できない。また答弁になっておりません。私は一つここで警察庁長官のこれに対する見解をお聞きしたいと思います。
  13. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 この点はきわめて大事な点でございますので、警察当局のみならず、調達庁あるいは法務省関係、各関係機関の間で事実関係を十分詳細に正確に把握した後、公務中のことであるかどうかの最後の判定を下すべきものである、かように考えて鋭意研究中なんでございます。
  14. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 研究中でございますね。――井本刑事局長に一つ法務省としての見解を承わりたい。
  15. 井本臺吉

    ○井本政府委員 御承知の通り、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の第十七条に、どちらが第一次裁判権を有するかという点につきまして、公務執行中の作為または不作為から生ずる罪という事項がございます。この意義につきましては、従来もいろいろな事案で日米両国間におきまして論争が起きております。本件の場合も、ただいまお尋ねのような事案を前提といたしますれば、これは今までの日本側の扱いその他アメリカ側といたしましても、公務執行中の作為または不作為から生ずる罪ということにはならないと存じますか ただそれが そういう前提のもとに結論を出しますので アメリカ側といたしましてもいろいろ弁解をしておるようであります。その弁解が果して弁解だけの弁解であるか、あるいは相当考慮すべき弁解であるかということは、まだ十分検討できておりません。従って私の申し上げる結論も、ただいまお尋ねのような事情を前提といたしまして、さような前提であれば、もちろん公務執行中の犯罪ということにはなりません。
  16. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 刑事局長の御答弁が私は正しいと思う。しかも私が説明しただけではなくて、今井調達庁長官の御答弁も、石井警察庁長官の御答弁も、休憩中の事案であるということをはっきりおっしゃっておる。休憩中であって、しかも部隊の指揮官が指揮をして兵隊に事をさせておるのではない。演習とは無関係であります。そのときの演習と関係し、休憩中であっても何か演習と関連のあることならばまた話は別であります。この事案は、当時行なった部隊対抗の演習行為とは全然関係がない、こういう事案でありますから、今刑事局長は、私が申したことを前提とすればという弱い態度でありますが、事案ははっきりしておる。これは明白に認めておるはずです。ただアメリカは自分たちの非をなるべく隠蔽するために事をかまえておるだけである。岸外務大臣は施政方針演説で相当大きなたんかを切っておる。そういう外交方針であり、日本が独国立としてのプライドを持って処するならば、この事案に対しては外務省当局も法務省も、その他の政府機関も、堂々と事の実態を究明して、アメリカに対して公務執行中ではないという強い申し入れをしてこれを了承させる努力がなされて当然と思う。ところが今の御答弁を聞くと、検討中、研究中と言われる。これは官僚諸君の常用語である。事態をごまかすための常用語である。そういうようなことではとうてい納得ができません。とうとい人命がそのために一人なくなっておる。しかも犯人はわかっておる。本人が撃ったと自供しておる。こういう客観的な事態をながめながら、なお日本政府が研究中とか折衝中とか言うところに私の納得のいかない点がある。おそらく全国民がこの様子を聞いてそう思うと思う。しかしここでこれ以上二長官と刑事局長に申し上げてもむだだと思う。もうこの事案が起ってから一週間たっておるのだが、それでは一体いつになったらこの点がはっきりするのか。この点に対して一つ明確なお答えを願いたい。でなければ承服できない。
  17. 井本臺吉

    ○井本政府委員 この犯人のジラード・S・ウィリアムズというのは、目下アメリカ側が逮捕しておるようでありまして、向う側で逮捕しておりますときには、こちらが逮捕できることには協定上なっておりません。またこの事案も、簡単なようでありますけれども、なかなか複雑な事案でありまして、日本側の意見とアメリカ側の意見とが完全に一致すれば、これはもう旬日にして結論が出ると思いますが、アメリカ側がどのような主張をして参りますか、その辺がわかっておりません。過去の経験に徴しますと、公務執行であるかどうかということについて一年もかかった事例もございます。この事案がそんなに長くかかるとは思いませんが、いつ結論が出るかということは、目下の状況では残念ながらただいまお答えいたしかねるような状況でございます。
  18. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 まことに情ない答弁であります。ではお尋ねしますが、この事案が起ってから日本政府はアメリカ軍当局に対してどのような折衝とどのような抗議をしたか。たとえばこの事案が明らかにこれは日本政府の見解では公務執行中ではないという見解を持つのだが、従って犯人逮捕の件、訴訟の件に対して強い申出をした事実があるかどうか。また犯人がわかった今日、犯人を日本に引き渡すような交渉をしたかどうか。また裁判権については後刻触れますが、一応こうした両方の見解が一致しないというのでありますが、それじゃアメリカ当局にどのような折衝をしたのか、交渉をしたのか、抗議を申し入れたのか。この間のアメリカ軍当局との日本政府としての責任ある折衝、交渉の過程をお尋ねしたい。
  19. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 警察といたしましては、捜査上必要な限度において米軍捜査当局と連日緊密な連携をとり、またこちらの立場を主張すべき点は十分主張いたしておるのでございます。ただいまお尋ねの公務執行中の行為と考えるかどうかというような点につきましても、昨日の双方の会議においてもその問題を中心にしていろいろと論議を尽しておるような状況でございます。
  20. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 委員長に要請がありますが、残念ながら調達庁、警察庁長官あるいは刑事局長では政府の責任者としてのまとまった御答弁ができないようでありますから、私はこの重大案件に関して大久保国務相か岸外務大臣か、あるいは中村法務大臣か、この三人のうちいずれかが即刻この委員会に出席をして、政府としての責任ある答弁を願うことを一つ要望いたします。委員長において適切なお取り計らいを願いたいと思います。
  21. 相川勝六

    ○相川委員長 今大久保国務相に出席を要請しておりますが、どうでございましょうか、一応休憩いたしましょうか。
  22. 保科善四郎

    ○保科委員 今の質問に関連をいたしまして。今茜ケ久保委員のいろいろな質問とそれからただいま各当局の返答を聞いてみますと、どうもこれは私は遺憾に思うておる。こういうような人命を失うような重大なる事件が起ったにもかかわらず、もっと日米関係をとにかく悪化させないような考慮において、きわめて迅速にこういう問題を片づけなければいかぬと思うのです。その点に対する考慮が非常に欠けているように思う。これはただいま要請があった通りに関係の大臣を呼びましてそうしてすみやかにこの問題を――これはきわめて明瞭だと思うのです。私なんかの過去の経験に見ましても非常に明瞭な事件であり、何も複雑性はないと思う。やはり率直に非は非と認めて両国の国交に影響を与えるような複雑性を持たせないように、早く解決されるようにやる必要がある、私はそう考えております。
  23. 相川勝六

    ○相川委員長 茜ケ久保委員に申し上げますが、今大久保国務相に出席を要請しておりますから続けて下さい。
  24. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 国務大臣が出席できないようでありますから、国務大臣に対する質問はまたあらためていたしますが、事務当局になお質問を続行いたします。ただいまの公務上か公務外かの点については、またわが党にも専門家がおりますから、後刻いろいろと具体的な法的な解釈もいたします。私は今の警察庁長官並びに刑事局長の御答弁ではどうしても納得ができません。そこであなた方は、ただ単に事務的な折衝をしているというだけでなくて先ほどから指摘しておりますように、わが方の確固たる態度をきめ、そのきまった態度によってアメリカに折衝するのでなければ、自分の方があいまいな気持でおってアメリカと折衝するのでは、アメリカの一方的な、いわゆる事件の進行に巻き込まれて、日本側はただアメリカの見解につじつまを合せるといったことになって、事案が全部うやむやになっているのが今までの例であります。刑事局長は先ほど一年もかかったなんておっしゃっている。まことにのんきな話であります。こういう明々白々たる事実が、そんなに長い時間置かなければきまらぬようでは日本人は浮びません。従ってほかの件はやむを得ませんが、この事案に対しては、先ほどから何回も申し上げますように、事は明白でありますから、事務当局が腹をきめてしっかりかからぬと大臣諸公もそれに乗って行けない。要はあなた方が責任者としてやはりはっきりとした腹を作るべきだと思う。そこでこの事案をもはや繰り返しません、明白な事件でありますから、今までの折衝過程はさておいて、今日ただいまからこの事案に対して、先ほど申しますように、確固たる日本の態度をきめて――ということは完全に公務執行中でないという具体的客観的な事実があるのでありますから、それに基いて日本政府はアメリカ側にこの事案は公務執行中ではないというかたい決意のもとに折衝する用意があるかどうか。またそういう用意ができるかどうか。この点を石井、今井岡長官から一つはっきりと承わりたい、こう思うのであります。
  25. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 その点に関しましては、実は昨日も事務当局関係者同士でいろいろ協議をいたしているのでございます。ただいま御指摘のありました通り、事の重要性にかんがみまして一刻もすみやかにその結論を得べく、さらに今日ただいまよりその方向に向って善処したいと思っております。
  26. 今井久

    ○今井政府委員 お答え申し上げます。先ほど私から御説明申し上げました中にも触れてございますが、私の方の所管といたしまして、公務になるかならないかということによりまして、行政協定十八条の規定の適用も違うのであります。私どもといたしましては、できる限りすみやかにこれらの点の調査を完了いたしまして、そうしてその結果に基きまして、十分善処してやっていきたいという考えでおる次第でございます。
  27. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 まだこの点については同僚諸君からただす点もありましょうが、今石井長官並びに今井長官が答えられましたが、一つその点は今後毎日委員会を開いてこの件については慎重かつ厳重な審査をして参りたいと思いますので、今後連日御出席を願いたいと思うのでありますが、一つ今決意のほどを示されましたその決意によって、私は今日からさっそくアメリカ当局に対して厳重な抗議とさらにその折衝をしてもらいたい。  そこで私どもの見解によっては当然これは公務上の事案ではないという結論になりましたので、当然これは死刑または無期懲役、三年以上の刑に該当するものであります。従ってこれは犯人は当然日本官憲がこれを逮捕し、日本官憲の手によって捜査すべきものと論断せざるを得ない。何ゆえに政府はいわゆる米兵の犯人がわかって、自白しているにもかかわらず、その犯人の引き渡し方を要求して、寸刻も早く犯人の身柄を日本官憲の手によって逮捕することをしないのか、私は当然そうすべきと思うが、石井警察庁長官はそういうことをなさったか。いわゆる犯人の逮捕引き渡しを要求した事実があるか。またしなければ、どういうわけでしないか。それを要求したとするならば、アメリカ当局はいかなる理由でこれを拒否しているか、この点についての一つ明快な御答弁を願いたい。
  28. 井本臺吉

    ○井本政府委員 法律問題でございますから、私から簡単に御答弁申し上げます。行政協定の第十七条の五項の(C)に、「日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員又は軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行うものとする」。こういう協定ができておりまして、一応身柄の拘束は合衆国側がやることになると思いますけれども、調べはお互いの間の協定によって十分できると私は考えております。
  29. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 今回の事案に対して、先ほど申しましたように、米兵の身柄引き渡しを要求した事実はあるか、また直接日本官憲が犯人を調べた事実はあるのか、いつまでも取り調べはアメリカにまかしておいて、日本の官憲はただ傍観して、アメリカさんの調べたことを御無理ごもっともで承わるのでは、これは処置ありません。当然この事案はこれはもう犯人は日本官憲において徹底的に捜査する機能と義務があると私は思う。そういった要求をした事実があったかどうか。そういうことに対してアメリカは何か言っにのかどうか、この点の事実を石井警察庁長官にお尋ねしたいと思います。
  30. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 被疑者の身柄を、日本側には持っておりませんけれども、被疑者に対して日本官憲が捜査取調べに当った事実はございます。必要に応じてそれはやっております。なおアメリカ捜査当局と連日緊密な連携をとりまして、わが方がこういう点、さらに本人に当って捜査してもらいたいという点は十分申し入れをしております。双方の立場でそれぞれこの問題の解決のために必要なる捜査を協力してやっておる状況でございます。
  31. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 私の質問に対してお答えがありませんが、犯人の引き渡しを要求されたか。今、井本刑事局長の御答弁では身柄のいわゆる拘留は米軍かすることになっているということであります。拘留はその協定によって米軍がしましても、いわゆる犯人の捜査上、当然日本の官憲にこれを拘引して捜査することはできると思う。拘留はアメリカがやったとしましても、その拘留された犯人を日本官憲が預かって、日本官憲独自の捜査はできるはずだ。それすらできぬようなことでは何をかいわんやである。私は日本の官憲が拘留されたアメリカ軍当局に行って、お願い申し上げて捜査あるいはこれが調査をするということは不都合だと思う。当然身柄の引き渡しを受けて、日本官憲独自の捜査並びに取調べができなくちゃならぬ。その意味において、アメリカの犯人の拘留のいかんは別として、日本側へ引き渡しを要請され、また引き渡しを受けて捜査をされたかどうかということを聞いておる。またそういうことをされた事実があるかどうかということを聞いておる。この点に対するお答えを願いたい。
  32. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 先ほどお答えいたしました通り、被疑者に対して日本側は警察の捜査関係者が直接当って捜査をいたしておるのでございます。その後米軍側においても捜査をしており、わが方は本人に直接当る以外の傍証固めと申しますか、目撃者その他についてのいろいろな必要な事実調査等をやって、双方の捜査の資料を突き合せて、最後に結論を得よう、こういうふうにしておるのでありまして、今後その捜査の進展のいかんによりまして、御指摘のように身柄をこちらに渡してもらうような必要を生じましたならば、そういう措置も考えなければならぬ、かように考えます。
  33. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 ほかのことを申しましたから石井長官の答弁がそれておりますが、犯人の身柄引き渡しの要求をしたことがあるかどうかということを端的に聞いておる。また引き渡しを要求された事実があるかないかということを聞いておるのであります。あればある、なければないと、犯人の身柄引き渡しを要求した事実があるかどうかという点について重ねてお伺いします。
  34. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 身柄引き渡しの百要求はいたしておりません。この点は先ほど井本刑事局長のお答えになったような見地からさようにいたしておるのであります。
  35. 相川勝六

    ○相川委員長 坂本さん。
  36. 坂本泰良

    ○坂本委員 今の引き渡しの点に関連いたしますが、私はこの事件に対して、アメリカ人にうしろから薬莢で射殺されている、こういう重大な殺人犯人に対する捜査について非常に遺憾な点があることをまず指摘したいと思います。そこでいろいろ刑事局長は行政協定十七条五項(C)の共同捜査の点を言われたのでありますが、私はもちろん米軍側も日本側も捜査の必要があると思うので、そこでC項があると思うのでありますが、こういうような重大な犯人の案件に対しましては、刑事特別法十四条を持って参りまして、これによりますと「行政協定により合衆国軍事裁判所が裁判権を行使する事件であっても、」――日本裁判権があるときは当然のことですが、合衆国の軍事裁判所にあっても、「日本国の法会による罪に係る事件については、検察官、検察事務官又は司法警察職員は捜査することができる。」これは鉄道公安官も含まれる。そしてその第一項に「前項の捜査に関しては、裁判所又は裁判官は、令状の発付その他刑事訴訟に関する法令に定める権限を行使することができる。」とありますから、こういうような重大犯人に対しては、裁判権があろうとなかろうと、アメリカ軍の手にあるならば、日本の捜査当局は、直ちにその引き渡しを要求しまして、令状の執行をして逮捕する、そうして日本人の納得するような、また日本の独立に基くところの、日本の権威ある捜査に基いて、その結論を出さなければならぬと思うのであります。  しかるに、本件においては、すでに一週間たっておりますが、二、三日前に群馬県警察本部の刑事部長が向うのキャンプに行って伺いを立てて、そうしてその捜査の状況を聞いておるにすぎない。これはわれわれがきのう調査をしてわかっておる。ですから、なぜ最初からこういうような重大犯人に対しては引き渡しの、要求をしなかったのであるか。向うが調べるから、そうですかと言って、その結論を待って、ただ共同捜査という名目のもとに、こちらはほったらかしておくのかどうか。その点が最も重要であるから、引き渡しの要求をしたかどうかということを伺っておるわけです。直ちにこれは引き渡しを要求すべきものであると考えますが、法務当局はどう考えておられますか。
  37. 井本臺吉

    ○井本政府委員 先ほど申し上げましたように、行政協定十七条五項の(C)によりまして、アメリカ側が逮捕、勾留しております者は、公訴の提起までアメリカ側が引き続きこれをするということがきまっておるわけでございますが、調べは差しつかえないのでありまして従来も必要に応じて、あるいはこちらに預かって調べをしておるということはございます。ただ、お尋ねの刑事特別法の十四条によりまして、勾留状を出すというようなことは、この行政協定にありますので、現在ではやっておりません。ただ、今申し上げましたように、調べはあるいは必要に応じてこちらに連れてきて調べるということもできるわけでございます。現在までの状況では、ようやく発砲いたしました米兵を確定して、少し調べ始めたという状況で、これから本格的な調べが始まるという工合に私は考えておるので、何をぐずぐずしておるかというおしかりでございましょうけれども、これから十分努力いたしましてしっかり調べたいと考えております。
  38. 坂本泰良

    ○坂本委員 それではもう一つ、具体的の問題でお聞きしたいのですが、当日射撃で死んだ際に、日本人も大ぜい行っておった。そこにアメリカ軍の将校が来て、時計を出して、この時間だろうと言って抑えた。というのは、午前の十時か十時半のところを押えた。それは何かと申しますと、午前中は実包射撃である、そうして赤旗を立てておる。午後は空包の演習だから、赤旗はなくなっている。だから向こうでは、午前中の犯罪にしたい。それは公務執行中の犯罪として、しかも実包射撃中であるから、厳重に入ることができないという状況のもとにこれをやろうというので、アメリカ軍の将校がもうすでに犯行を隠蔽して、証拠隠滅をしようという状況もあるのです。だからわれわれはこの点を非常に心配するのです。これはきのう私たちが行って調べますと、そこに立ち会った小野関君その他が証言しておるから間違いない。それではそういうことを警察に呼ばれたときに話したかと言ったら、話しましたと言っておる。こういう状況が出ておる以上は、共同捜査という点があっても、公訴が提起されてから初めて犯人引き渡しになる。公務執行中かあるいは公務執行外かということは、結論が出てからの問題になる。私は、日本人の命を預かるところの捜査当局はそういう点もあるから、まず最初に犯人の引き渡しを要求して、そうしてわが手中において適正公平なる捜査をやって、結論を出して初めてわれわれ国民を納得させ、問題が解決できると思う。犯人の名前ももうすでに四日にわかっておるわけです。なぜ犯人が確定したなら、直ちに犯人の引き渡し要求をしなかったか。もう二日たちましたけれども、今直ちにそれを要求する気があるかどうか。事務当局はその犯人引き渡しの要求を直ちにやる考えがあるかどうか、これは警察庁長官から御答弁を願いたい。
  39. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 ただいままでのところ、私ども報告に接するところでは、米捜査当局も日本の捜査当局に緊密な連携をとっておるものと聞いておるのであります。ただいま御指摘のように、もし米捜査当局がそうした点について事実を隠蔽しようというような態度があるということで、この問題の真相究明に支障を来たすということであるならば、われわれとしても決意を新たにし、しかるべき措置をとらなければならぬ、かように考えますので、今後その点につきましては十分考慮しまして、もしこの問題の真相究明に支障を来たすようなことであるならば、現在紳士的にお互いに共同捜査という態度をとっておる点を反省いたしまして善処いたしたい、かように考えます。
  40. 坂本泰良

    ○坂本委員 先ほどの茜ケ久保君の質問にありましたような状況で本件の犯罪が成立しておるわけです。しこうして日本側においては、日本人に対する捜査はすべて完了しておるはずです。それを根拠にして、群馬県警察本部の刑事部長でもよろしいが、アメリカの犯人に対して直接の取調べをやられたかどうか、その点一点だけお聞きしたい。
  41. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 群馬県警察本部岡田刑事部長が直接取調べに当っております。
  42. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 法務上の論争もまだ結論が出ませんが、これはあした各担当国務大臣が当委員会に出席されるそうでありますから、あわせてこういった問題の究明とこちらの要望をしたいと思います。  次に問題になるのは、米兵が殺害をしたことは認めておるけれども、アメリカ軍の当局発表によると、これは過失である、こう言っております。私どもは公務上であれ、何であれ、事犯の発生した状態をながめ、これは絶対に本人の殺意による行為だと私は思う。と申しますのは、被害者の夫である坂井秋吉さんもはっきり言っておりますが、もしこれが故意でなければ、一ぺん発砲して当らなかった場合に当然やめたはずである。一発撃って当らなかったならば、さらに二発目を込めてこれを狙撃するという行為は、これはどうしても殺意がなければできない行為であると私は判断する。冒頭に言ったように、もし彼らがわれわれ日本人を人間として認めるならばこれはできない行為だ、彼らアメリカ兵は日本人を人間として見てない、ネコか犬のような――殺してもけがをさしても、どうしても一向かまわぬという心意があると思う。そこからこの問題が起っておると思う。いわゆる人種的差別観、日本人はアメリカがどうしようとも勝手ほうだいである、いわゆる占領下か、植民地か、われわれの意のままになるんだという固定観念から私はこの問題が起っておると思う。従いましてわれわれは、この問題を、犯人は当然坂井なかさんを殺すつもりで撃ったものと判断をしておる。日本政府も当然そういった観点からこの事犯を取り扱っていくべきだと思うが、政府当局はこの点についてどのような解釈と決意を持っておるか、石井警察庁長官並びに法務省の井本刑事局長にこの点をお伺いしたいと思います。
  43. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 先ほどもお答えいたしました通り、ただいままでの捜査の過程におきましては、本人は当初においては事実を否認をいたしておったのでございますが、最近に至りまして、二月四日でございますが、二月四日の自供によりまして、薬莢を銃口に差し込んで発射をしたという事実だけは自供いたしたのでございますが、当時本人がどういう精神状態であったか、いわゆる殺意があったかどうかというような点につきましては、まだ鋭意捜査中でございまして、いずれともまだはっきりいたしておらない状況でございます。
  44. 井本臺吉

    ○井本政府委員 結局刑法の百九十九条か二百五条のいずれかに当る、現在の状況ではさように考えております。
  45. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 そういう点がありますから、先ほど来申しますように、犯人の捜査取調べを日本官憲が独自の立場でやるべきだということを主張するのであります。こういう点につきましても、アメリカの一方的な捜査取調べでは、おそらくアメリカがアメリカ兵の立場を悪くするような結論を出さぬのは当然であります。今までの幾多の基地におけるこうした問題の結論はみなそうである。アメリカが一方的にこうだといって決定をして日本に押しつけておる、これはいわゆる交通事犯においてもその通り、その他あらゆる基地に付属した犯罪行為の結論は、みなアメリカの一方的な解釈が日本に押しつけられておる。それじゃいかぬからと言っておる。そこで今の問題と関連をして、いわゆる犯人の捜査あるいは身柄の勾留等も問題になる。といたしますと、この問題は、今の石井長官あるいは井本刑事局長の御答弁では国民は納得はできません。これはアメリカ軍当局がいかにどんな解釈を持って参りましょうとも、当然いわゆる意識的な殺人であるという結論以外出ないのであります。またなくなった奥さんのだんなである坂井秋吉さんも、はっきりそう言っておるし、目撃者も言っておる。付近の住民諸君も異口同音に、これは常日ごろのアメリカ兵の付近の住民に対する態度、言動、取扱いから見ても、明らかにわれわれを――何べんも申しますが、人間扱いしていない。殺そうと生かそうとどうしようとアメリカの思う存分になるのだというこの固定観念から出ておることを承知しておる。従いまして私は重ねて申し上げますが、先ほど石井長官も、新たな決意をされまして、はっきりおっしゃったように、こういう重大なモメントもありますから、早急にアメリカ軍当局に折衝をして犯人の身柄を――もちろん協定上永久勾留はできなければ――取調べ、捜査をする間、刑事局長は身柄を預かってもいいとおっしゃった、そういう処置をして、この点に対する重大な決意とともに、一つ徹底的な捜査、調査をしてもらいたいと思うが、石井長官はいかがなさる決意か、お伺いしたいと思います。
  46. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 先ほどお答えいたしました通り、米捜査当局がほんとうに心からわれわれの期待するごとく、この問題の捜査に協力してもらえるならいざ知らず、そうでないなら私は新たなる決意のもとに新しい措置を講ずる、かように申し上げたのであります。その点に何らうそ偽わりはございません。ただいま御指摘の通り、今後捜査の推移いかんにかんがみまして十分善処したいと考えます。
  47. 坂本泰良

    ○坂本委員 われわれが一番心配するのは、米軍当局が捜査をして、公訴提起中でなければ身柄の引き渡しの要求ができない。こうなりますと、あまり疑うかもしれぬが、向うが勝手に調べて、これは公務執行中の行為であるといって、合衆国の軍事裁判所に公訴を提起した、あるいは不起訴処分になったらこっちは何もできなくなるわけです。ですから日本の刑法に該当するようなこういう事件は、やはり殺人罪か、過失犯か、あるいは殺人罪にしても公務中か公務外か、こういう重要な問題があるわけであります。従ってわれわれの調査し、また一般が考えておることは、もう薬莢を詰めてうしろから撃ち殺したということははっきりいたしておりますから、もしもこういうようなことがアメリカの軍事裁判に起訴されるというようなことになって、われわれ裁判権がないというようなことになれば、取り返しのつかぬことになると思うのです。ですからこういうような点から考えましても、またアメリカがアメリカ軍のキャンプ内に身柄を置いて調べた際には、かりに公平な調べをしたといっても、日本人の国民感情は、期待しておるような結論が出なかったら、これは非常な国民運動が展開されて政府不信、捜査当局に対する不信がここに出ると思うのであります。この殺人事件は重要な事件でありますから、いろいろそういう行政協定十七条の(C)項などを持ち出さずに、もっと権威ある独立国の捜査当局として、堂々と今直ちにでもこの犯人の引き渡しの要求をしまして、そうして権威ある日本の捜査当局によって捜査をされて、そうして公明なる結論を出さないことには、私は日本の国民の世論は承服しないと思う。こういう点からいたしましても、これはこれから考えてやるのではなく、即刻ここに現われた事実だけでも犯人引き渡しの要求があるから、その措置をとられたいということを私は強く要望いたす次第であります。
  48. 井本臺吉

    ○井本政府委員 かような事件が発生した後におきまして、アメリカ側が勝手に自分のところで裁判してしまうなどということは、お互いの協定上あり得ないのであります。向うが裁判をしたければ、公務執行中の不作為による罪であるという証明書に出して参ります。そうしてこれをこちらが承認すれば向うが裁判を持ちますが、承認しない場合にはこちらからも反証を出すということで、それを向うが承認するということになれば、また当然こちらの裁判権が発生するということになるのでありまして、その間の折衝中に、向うが勝手に裁判をやってしまうというようなことはあり得ないのであります。従って先ほどの御心配のような点はないと考えますが、私の方でも努力いたしまして諸般の状況を調べて、この犯罪の真相をつきとめて、最も適当な処置をとりたいというように考えております。
  49. 坂本泰良

    ○坂本委員 法律の文理解釈上はあるいはそうなるかもわかりません。しかし向うがすでに捜査をしてしまって結論を出してやった場合には、いかにあなたたちがえらい人であってももう動きはとれないのです。そうなると日本がアメリカの従属国じゃないか、アメリカの言うままになってこっちの捜査はないじゃないか、日本の独立はないじゃないかという根本まで及んでくるわけであります。ですから、これは大津の津田三蔵の事件ではないけれども、やはり日本は権威を持って、明治三十六年当時のような権威を持って、そうして独立国としての自信と確信を持って、堂々と、この行政協定の正面からいってもできるから、即刻やらなければならないというのが私の主張であって、執行猶予になったあるいは犯罪にならなかったなどとあとで言ってもこれは悔いを千載に残すから、そうしないように日本の捜査権で捜査をしたい、するのが行政協定の建前じゃないか、こういう主張なんですから、そういう点を一つ実行してもらいたい。
  50. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 質問事項がまだ相当ありますが、事務当局では答えができぬ点もあるようでありますから、明日できれば外務大臣、法務大臣、大久保国務相、さらに調達庁担当の小満国務大臣、この四氏の御出席をぜひお願いして続行したい。この点、委員長はぜひ責任を持ってやっていただきたい。  さらに一つ動議として、この事案が、続行中のように日本としては一婦人の死でありますけれども、まことにいろんな内容を持っておりますので、私は一つ現地調査をぜひ委員会としてやってもらいたい。私が何回もここで申し上げるよりも、委員諸君が現地に行かれて現地の実際を御調査になれば、これは一目瞭然、すべてのことがはっきりするのであります。従って現地調査の早急な実施方を一つぜひ御決定願いたい。さらにもしそれが不可能な場合には、参考人を当委員会に招喚して、それは本人の夫、坂井秋吉さん初め目撃者の小野関英治外数名、さらには当地の相馬村長など、群馬県警察本部の本部長ないしは刑事部長等といった方々を一つ本委員会にお呼びして事情をお聞き願いたい。第一案としては現地調査、現地調査が不可能ならばぜひ参考人を呼んでこの案件の真相の究明をお願いしたい。以上申し上げまして、動議として提出して、私の質問はあしたの国務大臣に譲りまして、あと同僚淡谷君が質問があるそうですから、淡谷君に譲ります。
  51. 相川勝六

    ○相川委員長 今の茜ケ久保君の動議につきましては、この委員会終了後理事会において御相談いたします。  それでは淡谷君。
  52. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 同僚の各委員からの質疑応答によりまして大体事件の現実の姿というものははっきりしたと思います。ただ注意を引きますのは、この問題について日本側とアメリカ側との間に意見の食い違いがあまりないというふうにとれますが、現在までの間で、その点について何か行き違いがあったかどうか、お尋ねしたい。これはどなたでもけっこうです。
  53. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 全般のことについて私、申し上げる立場でございませんが、警察がこの問題の捜査に関係した面から申しますと、アメリカ捜査当局もこの事案に関しましてはまことに遺憾の意を表しておりました。双方緊密に連携をとり、協力のもとに真実の究明に当ろうという態度を示して今日に至っておるのでございます。今日までのところ特に食い違っておるというようなことは考えておらないのでございます。ただ先ほど来も申し上げました通り、一番重要な問題点である公務執行中の事故であるかどうかというような点については、まだ議論が結論に到達するまで十分尽されておりません。その間において意見の食い違いと申しますか、しいて言いますならばそういう点においてはまだ議論が十分尽されていないという意味において、完全な意見の一致というところまで行っていないという残された問題があるということは言えるかと思っております。
  54. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私さっきから聞いておりますが、公務執行中のできごとであるかどうかということは不思議な問題だと思う。さっき茜ケ久保委員から申し上げました事実については、これは警察庁長官も調達庁長官もはっきりその通りだとおっしゃっている。もし公務執行中のできごとかもしれないというアメリカ側の主張が理由があるとするならば、アメリカの公務というのは兵隊が休んでいる間にわざと空砲に薬莢をつっ込んで数メートル先の日本婦人の後から、しかも薬莢でおびき寄せておいて撃つということを公務と思うようなだらしのない軍紀ですか、その点はどう思いますか。公務執行中のものであるとしても、このようなだらしのない軍紀で日本の中に駐屯しておるということは、外交上の大きな問題だと思います。この点いかがですか。
  55. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 から薬莢を詰めて撃ったこと、その行為自体が公務であるというふうな考え方ではないのでございまして、そうした事故を起した行為そのものが時間的に公務中の事故であるかどうかという点について、若干意見の食い違いと申しますか、完全に意見の一致していない点がある、こういうふうに私申し上げておるのでございまして、私ども先ほど来日本側では目撃者その他だれしもみな休憩中というふうに見ておるというようにお答えをいたしたのでございますが、アメリカ側ではその点を演習の時間中の部隊の移動中、こういうふうな表現と申しますか、そういうことも言っておるような点もありまして、完全に意見の一致を見ていない、かように考えております。
  56. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私はそういうあなた方の態度が非常に不満なのであります。常識的に見ましても理論上から申しましても、公務執行中であろうが公務執行中でなかろうが、許すべからざる重大な犯罪であります。アメリカの捜査当局と日本側のそれとが矛盾がないと言っておりますけれども、これでは全く日本側がアメリカの言い分に盲従してしまっておるから摩擦が生じない、外国人による犯罪が行われた場合に、その犯人の引き渡しということは第一の条件である。この明々白々たる殺人事件、しかも民族的な差別観念に基いた、犬やネコをたわむれに殺すような、人道上許すべからざる行動に対して、なぜあなた方はもっと憤りをもって対抗しないのか、そんな卑屈な態度で向うの言い分を御無理ごもっともで持ってくる以上、おそらくこれは日本側の盲従によって捜査当局との間の意見の衝突がないのでしょう。そんなことをしたらどうして日本の独立と民族の権威が守れますか。私はそういう態度でこの問題に当られるということははなはだ心外です。しかも従来ともこの地区ではこの種の事犯が起ったように聞いておりまするが、事例がございましたらこの場合明らかにしてもらいたい。
  57. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 アメリカ側の言い分を一々御無理ごもっともとして聞いておりません。十分議論をいたしておる段階なのでございまして、まだ十分議論をし尽さないという意味において、先ほど来申します通りまだ完全な意見の一致を見てない点がある、こういうふうに申し上げておるのでございまして、先ほど来たびたび申します通り相手方がほんとうに誠意をもってこの問題の直実究明のために、最善を尽して協力してくれるという態度をわれわれは期待しておるのでありまして、もしこの期待が裏切られるということであるならば、新たなる決意を持ち、適当なる措置をとるようにいたしたい、かように申し上げておるのであります。  過去においてこういう事例があったかというお尋ねでございますが、私の承知しておるところでは、今回のような遺憾な事例はなかったように思うのであります。演習中の流弾が、たまたま演習場内を通行しておる者に当ったということによってけがをされたというようなことは、事例があったように聞いておりますが、今回のような事例は今までなかったように聞いております。
  58. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 関連して。今の事例の件でありますが、相馬ケ原ではこういった事件があったわけでありますが、きょう私の手元に届いた資料によりますと、束富士演習場で同じケースの事案があったと報告を受けました。と申しますのは、これは昨年の夏であったか秋であったか時日ははっきりしませんが、農家の御夫婦が東富士演習場内で華刈りをしておった。すると、やはりアメリカ兵が空砲の頭に薬莢を詰めて奥さんを撃って、一撃のもとに死んでおる、こういう事案を、私きょう報告を受けました。これはもし報告がなければ、地元では相当大きな問題にしておりますが、遺憾ながら国会と連繋がなくて問題が表面化していないと存じますので、これはさっそく私の方でも調査いたしますが、一つこの件の報告があったかなかったか、あったらその後の処置をここであらためて御報告を願いたいと思います。
  59. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私も方々の基地でそういうことが起っておることを聞いておりますから、その点を一つ書類によりまして、各基地内におけるこういう事案を御報告願いたいと思いますので、資料の請求をいたします。  それから、この事件の起りはたま拾いに起因しておるように思いますが、この基地ができた当時の状態、それからこの基地における契約、演習時間等につきましても、この際一応伺っておきたい。相馬ケ原というのはいつごろできて、どういう契約のもとに行われたか。
  60. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 相馬ケ原演習場は、占領中から継続して使用いたしておるものでございまして、このことは、なお引き続いて米軍が使用しておることについては適法であると思っております。
  61. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 私の質問した東富士演習場のことについて……。
  62. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 東富士演習場で昨年、今回の相馬ケ原の事件のような、類似のケースがあったということでございますが、私ただいままでそういうことは聞いた記憶がございませんので、さらに十分調査をいたしまして、追って御報告いたしたいと思います。
  63. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この演習地の問題につきましては、もう少し詳しい説明を願いたい。これは継続使用と申しますが、その以前はどうであったか、あるいはこの継続使用につきまして、農地その他の壊廃、これがあったかどうか。つまり住民に及ぼした影響なのであります。私のねらいまするのは、命をかけてまでもたま拾いをしなければならなくなった地元民の生活状況というものと、この演習場の設置との間に関係があるかないか、はっきり承わっておきたい。
  64. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 御質問の点につきましては、後日詳細調査をいたしまして、私どもの手元にそういうものがございません点もございますので、係の者からよく聞きましてまたお答えをさしていただきたいと思います。
  65. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それでは明日の質問に関係がありますので、早急資料として御提出願いたいと思います。  それからもう二、三点お聞きいたしまするが、たま拾いをさしておりますのは黙認しておるのでございますか、それとも当然の契約事項に基いて演習していない間はそんなことをしてもよろしいというのでございますか、その点も一つ聞きたい。
  66. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 地元の方々が演習場に入ってたま拾いをなさることは、これは事実上そういうようなことがあるということは、私どもも承知いたしておりますが、これを私ども調達庁といたしまして、契約その他によって承認いたしておるというような事実はございません。ただしかしながら、軍側では事実上そうしてたま拾いに入られることは黙認しておるという状況だと私は思っております。そのことは私どもとしては御心配のように、何とか避けたいと思いまするけれども、いろいろ経済情勢にもよりますが、非常に金ものの値打ちのある時期でございまして、私どもがこれを阻止するとかなんとかいうこともできませんので、今日のような状況に立ち至っている次第でございます。
  67. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そのたま拾いにつきまして、米軍あるいはこちら側の警察から警告を発したような事例があったかどうか、お伺いしたい。
  68. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 このたま拾いのことは、そういうことのためにいろいろな不祥事が起らないように、事前に現地軍から県庁の連絡会議で通知をいたしまして、立ち入らないように、不祥事の起らないようにということを厳重に申し出てきますので、そのことは一般地元民の方にもなるべくわかるように、掲示その他の方法でできるだけ周知徹底をはかるようにいたしてきておる現状でございます。
  69. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その掲示した文面の内容を一つお聞かせ願いたい。どういう掲示であるか。
  70. 眞子傳次

    ○眞子政府委員 その文言まで手元に持ってきておりませんので、そのことは、お尋ねでございますから詳細調べた上でお答えを申し上げたいと思います。
  71. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その点も一つ明日までに間に合うように、資料として御提出をお願いいたします。  私はこのような事件が起ったということは、将来二度と繰り返さないために非常に大きな関心を持って対処しなければならぬと思う。特に習慣的にたま拾いに入っておった者を、何らの警告もなしにうしろから撃つなどというような悪質な行動は、これはもう国民的な権利をもってでもぜひ糾明する必要があると思う。このような事態が全国にある七百カ所の基地や演習地内で絶えず起るとしたならば、国民はとても安堵して暮らすわけには参りません、見過すわけには参りません。かりに演習地内に立ち入っても、刑事特別法によって取り締るならば大した罪じゃないのです。死刑に値するような大きな罪じゃない。これはどういう名目にもかかわらず、殺すなんていうことは絶対に許してはいけない。私は捜査に当る皆さん方がもっとはっきりした国民的な憤激を持って、人道上の憤りを持って、そろそろ調べますということではなくて、事件が一週間前に起っているのですから、われわれから追及される前に、日本民族の自由と生命とを守る意味から、もっと真剣に取っ組んでもらいたい。きょうははっきりした御答弁を得られませんので、資料に基いてさらに明日私の質問をいたします。  きょうはこれで保留いたします。
  72. 相川勝六

    ○相川委員長 それでは本日はこれをもって散会することといたしまして、次会は公報をもって御通知することといたします。  これで散会いたします。    午後零時三十一分散会