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1957-05-08 第26回国会 衆議院 大蔵委員会 35号 公式Web版

  1. 昭和三十二年五月八日(水曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 山本 幸一君    理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君    理事 小山 長規君 理事 高見 三郎君    理事 平岡忠次郎君 理事 横錢 重吉君       淺香 忠雄君    大平 正芳君       奧村又十郎君    加藤 高藏君       吉川 久衛君    杉浦 武雄君       竹内 俊吉君    内藤 友明君       夏堀源三郎君    坊  秀男君       山本 勝市君    石村 英雄君       春日 一幸君    神田 大作君       久保田鶴松君    田万 廣文君       竹谷源太郎君    横山 利秋君  出席政府委員         大蔵政務次官  足立 篤郎君         大蔵事務官         (主税局長)  原  純夫君         大蔵事務官         (理財局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (管財局長)  正示啓次郎君  委員外の出席者         議     員 竹山祐太郎君         大蔵事務官         (主税局税制第         二課長)    吉国 二朗君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  市瀬 泰蔵君         大蔵事務官         (国税庁間税部         長)      稲益  繁君         日本専売公社理         事         (塩脳部長)  三井 武雄君         日本専売公社塩         脳部塩業課長  守田 富吉君         国民金融公庫副         総裁      石渡忠四郎君         国民金融公庫副         総裁      服部 泰雄君         専  門  員 椎木 文也君     ――――――――――――― 五月八日  委員石山權作君及び前田榮之助君辞任につき、  その補欠として春日一幸君及び横路節雄君が議  長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 五月七日  たばこ耕作組合法案(竹山祐太郎君外四十名提  出、衆法第三四号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人の出頭要求に関する件  たばこ耕作組合法案(竹山祐太郎君外四十名提  出、衆法第三四号)  国有財産法の一部を改正する法律案(内閣提出  第一一二号)(参議院送付)  国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一三号)(参議院送付)  酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一  部を改正する法律案(内閣提出第一四五号)  臨時通貨法の一部を改正する法律案(内閣提出  第一一六号)  専売事業に関する件  金融に関する件     ―――――――――――――
  2. 山本幸一

    ○山本委員長 それでは、これより会議を開きます。  昨七日、当委員会に審査を付託されました竹山祐太郎君外四十名提出にかかわるたばこ耕作組合法案を議題として審査に入ります。  まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。竹山祐太郎君。     ―――――――――――――     ―――――――――――――
  3. 竹山祐太郎

    ○竹山祐太郎君 ただいま議題となりましたたばこ耕作組合法案につきまして、提案者を代表いたしまして、一言代案理由の説明をさしていただきます。たばこ耕作団体は、すでに五十年余にわたりタバコ耕作組合として運営せられて参りましたが、現行法上、タバコ耕作組合自体につきましては、ただたばこ専売法第二十五条に耕作者の団体を規定しているにすぎないのであります。同条によれば、耕作者の団体の事業要件及び日本専売公社の指示等を規定するにとどまり、組織、運営については何等の規定なく、従ってタバコ耕作組合は従来任意団体として運営せられて参りましたため、事業の自主的運営、資産の保善、対外信用等に秘々の不利不便がありますので、耕作者の間にタバコ耕作組合の法人化の問題が強く要望せられてきたのであります。右の結果、新たにたばこ耕作組合法せ制定し、タバコ耕作者の経済的社会的地位の向上をはかるとともに、たばこ専売事業の健全な発達に資するため、法人たるタバコ耕作組合を設け、その組織、運営等について必要な規定を設けようとするものであります。なおこの法律案の作成に当りましては、タバコ耕作組合の事業は、従来の事業を正そう明確にし、葉タバコの生花に必要な沌閥に限り、他の農業団体の事業との間に、不必要な競合を惹起しないように留意いたしました。  以上が、この法律案の提案の理由であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますことをお願い申し上げます。
  4. 山本幸一

    ○山本委員長 以上をもちまして、提案理由の説明は終りました。本法律案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ―――――――――――――
  5. 山本幸一

    ○山本委員長 次に、国有財産法の一部を改正する法律案及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案の両法律案を一括議題として質疑を行います。横山利秋君。
  6. 横山利秋

    ○横山委員 国有財産法の一部を改正する法律案について、基本的なことをお伺いしたいと思うのでありますが、これによりますと、中央審議会及び地方審議会をこの際法制化するというのであります。今日まで審議会が、審議をして結論を得ました答申は、膨大なものになっています。この膨大な答申をいかに実現をするかということが、今後に課せられたきわめて重要な問題であろうと思います。ここにあらためて審議会を法制化をして、新たに何をしようとするのであるかということが、まず第一に伺いたい点であります。  第二番目に伺いたい点は、一体国有財産の管理及び処分をどういう構想をもってやろうとするのであるか、つまり膨大な土地及び建物を国の産業の発展に資するために、一つの計画を持って、この計画に沿う使用に当てはめるのか、それともこれを貸してもらいたい、これを売り払ってもらいたいという、そのケース・バイ・ケースで順次なしくずしにしていくのであるか、どちらに重点があるか、まずこの二点をお伺いいたしたい。
  7. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 第一点の、審議会を法制化いたしまして、今後どういうことをやろうとするのかという点にまずお答えを申し上げますが、これは御承知のように、昨年の四月に、閣議決定をもちまして、政府部内に審議会を設けたのでありますが、この審議会を、法制によりまして、はっきりとその権限、あるいは職務というふうなものを明定していただくということをねらいとしておるのであります。しからばどういうことを期待しているかという点でございますが、これは昨日もお答えを申し上げましたように、従来の国有財産の管理、処分につきましては、とかく官庁だけの考え方――もとより国会のいろいろの国政調査に基く御意見等は十分これを尊重いたして参ったのでございますが、しかし直接民意を反映する仕組以というものがなかった。これにかんがみまして、御承知のように旧軍港市転換法等、議員の方々でお作りになりました法律の中には、軍港市転換促進のための審議会というふうなものを特にお定めになっておるのであります。われわれはかような構想というものを虚心に参考にいたしまして、やはり国民全体の信託のもとに管理をいたしております財産の管理、処分でございますから、やはり民同の代表的な方々の御意見を伺って、これを尊重して参るということが非常に必要なことであるという考えを根本といたしまして、審議会の法制化をお願いいたしておるのであります。従いまして、今後の審議会の使命といたしますところのものは、やはり管理、処分についての民間の御意見ということが主となって参ることは、申し上げるまでもございません。しかしながら、中央審議会におきましては、これと同時に、国有財産の制度等につきましてもさらに考究を進めまして、必要なものにつきましては、今後においても御答申のあるものと期待をいたしておるわけであります。  それから第二の、処分に関する重点はどこに置くのであるかという御質問でございますが、この点につきましては、今回国有財産法の一部改正の中にもお願いをしておりますように、従来は、とかく処分につきまして総合的な計画を立てるということが、法律的にも、また行政の運営の面におきましても欠けておったということを、率直にわれわれとしては反省をいたしたのであります。従って、今回国右財産法の中におきまして、普通財産の処分について毎年度計画を作りまして、これを総轄大臣であるところの大蔵大臣に送付をするという規定を追加していただくようにお願いしておるわけであります。今後におきましては、かような一つの総合的な計画を作っていく、これを年度ごとに作るのみならず、できますれば、この審議会の活用等によりまして、一定の期間にわたりまして、たとえば普通財産は、今後五カ年間に大体どういうふうに処分するかというような、ある一定の見通しのもとに、長期的な計画をも作りたいと考えております、これらの点を、今後従来とは異なった構想のもとに打ち出しまして、しかも個々の処分について適正を期していく、これには大いに審議会の意見等を参考にしていく、こういう考え方をとっておるわけでございます。
  8. 横山利秋

    ○横山委員 あなたのおっしゃるのは、処分を計画的に実施するために、各省各庁の計画を出させる。私の質問は、この処分を国の産業の発展に資するために計画的にやるのか、それともケース・バイ・ケースで使用を当てはめるのか、そのどちらをやるのか。またかりに前者として、この建物、この土地があいているということを大蔵大臣がきめて、そしてその使用を計画的にやらせるとしたならば、その計画は一体だれが作るのかということです。
  9. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 御質問を多少取り違えたお答えを申し上げたことをおわび申し上げます。御質問の御趣旨に対しまして率直に申し上げますと、われわれは、今まで役人だけが比較的そういう全体の産業の発展というふうなことについて、むろんできる限りの努力はしてきたのでありますが、非常に限られた視野のもとにやってきておったという点に反省をいたしたのであります。従ってそういう点に、大きく活眼といいますか、広く目を開きまして、大きな経済の動向というようなものに沿つた処分をやっていきたい、しかもそれを計画的にやっていきたい、こういう構想を取り入れていきたいという考えでございます。そうしてそのためには、やはり今の各界の代表的な方々の御意見というものを十分伺わなければならない、これがいわば審議会を活用する一つの大きなねらいになっているわけであります。そういう見地から、総合的な計画を作りましてやっていくということに、今後重点を置いていきたいと考えております。
  10. 横山利秋

    ○横山委員 この答申の内容を実践する、それから処分の計画が立てられ、その使用計画を立てる、その使用計画を実践に当てる。そういうあなたの遠大な構想を実現するために、今日の管財の機構並びに人員、並びに予算は、私はあなたの味方をして言うわけでは絶対にありませんけれども、これだけの答申とこれだけの仕事量を持っておって、一体そういうことをおっしゃっても、できるものであるかどうかについて私は非常な疑いを抱く。従来ともこの国有財産の管理及び処分については、不評判さくさくたるものがあって、国民の非難も非常に強い。だから一年かかって答申を作り、白書をおでかしになって、それを国民に発表されたことは大いに多とするけれども、この答申なり白書なりを実践する上において、実践の機構、実践の予算、実践の人員というものはまことにお粗末なものであって、正示さんいかにがんばっても、この実践というものは、今日の段階としては不可能ではないか。それを実際にやるとしたならば、それにふさわしい機構なり、あるいは予算なり人員というものが伴わなくては、絵にかいたぼたもちじゃないかということをかねがね私は言っているのであります。そのたびごとにあなたは、まあ何とか努力しますとかなんとかおっしゃるけれども、実際問題としては、予算も通過してしまったあとであります。実行予算の面でどれくらいのことを考えられるか知りませんけれども、大いに私は前途を危惧いたしておるわけであります。そういう私どもの心配に対して、一体やり得るものであるのかどうか、そういう点について、明確に実践計画を説明していただきたいと思います。
  11. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 非常にわれわれの立場について御同情あるお言葉で、感謝をいたすのでありますが、昭和三十二年度の予算におきまして、御承知のように一億一千万円に上りますところの実態調査の予算が認められております。これはわれわれとしては、多年の念願であったものがやっと実を結んだと考えております。仰せの通り定員の増加はいたしておりません。しかしながら、横山委員御承知のように、相当程度の機械の処分、また軍港市その他におきましても、施設の処分をいたしておるのであります。そこで本来でございますと、そういう面におきまして相当数の定員の減少を、従来の考え方からいたしますれば、出さなければならないような状態であったのであります。これに対しまして、今申し上げたような実態調査、これはまさに画期的なものでございますが、これを行いますために、やはり削減すべき定員は、このままいわゆる一種の振りかえの措置を請じたらいいだろう、なおそのほかに、相当程度のものを臨時要員として認められております。私は、やはり昭和三十二年度におきましては、従来手を抜いておったと申しますか、つとにやるべきでありましたところの実態調査をほんとうに組織的にやりまして、これを第二年度、第三年度と推逃をしていくということが一番大事な点ではないか。むろん一方におきましては、処分というものを計画化するようにいたすことはもとよりでございますが、いわば三十二年度は、私はある意味におきましては、あまりに一挙に定員をふやすというような考え方ではなくて、将来大いに処分を促進するための素地を作る年度である、大体そういうふうな構想をもちまして、今申し上げましたように、本来ならば制限せらるべき定員を留保していただいて、そのほかに臨時要員を相当程度に認められたということに甘んじたのでございまして、さらにこれを将来におきまして整備していただくことは、今後の実態調査の成果等によって考えていきたい、こう思っておるわけであります。
  12. 横山利秋

    ○横山委員 そうはおっしゃるけれども、財務局なりあるいは出張所へきておる人たちの意見を聞きますと、たとえば今話が出た国有機械の場合だって、申請をしてから実際機械をもらうまでには半年か一年かかる。それから物納財産の問題を処理するために行くと、出張所は直接には受け付けない、ブローカーの会社を経由してもらわぬといけない、これも半年か一年はかかる。そうでなくして、直接に出張所で話をしてもらうという不動産の払い下げなりも、これまた順番があって、やはり半年は絶対にかかる、こういう状況なんです。あなたのおっしゃるのは、総合的に今後の台帳を作る問題や何かいろいろ言っていらっしゃるけれども、現に今管財局の出先機関の仕事を見ていますと、とてもじゃないけれども、人員が不足で直接には受け付けられません。えらい済まぬけれども、何とかブローカーを通じて持ってきて下さい、こういうことなんです。それでは、私は国民一般にあなた方がサービスしておるとは言えぬではないかということを痛感をするわけです。これは、大いに一つ将来の総合的な問題と同時に、現に管財局の末端事務について御検討をわずらわさなければいかぬ、こういうふうに注文を申し上げておきます。  それから第二番目に、国有財産が、先般も指摘いたしましたように、民間に長期にわたって非常にたくさん膨大に貸し付けられています。地方自治団体に対する貸付はともかくとして、一般民間に土地建物、機械器具等々膨大に貸し付けられておるものは、これは戦後の混乱のときはいざ知らず、もういいかげんに整理をしなければならぬと思う。私の調べた分でも、たとえば物納の建物の家賃なんかはほとんど払われていないような状況なんです。取りに行く人も人員も少い、こういうわけなんです。まあただで借りておるような人はいいようなものだけれども、国の財産の管理という建前から言うと、これはよくない。機械についてもそうでありましょう。こういう民間に貸し付けておること自体が、国としては賃貸しをしておること自体が、私は根本的に検討すべき段階であろうと思う。従って、かねて申し上げておるように、極力これは整理をしなければならぬ。整理というても、ただあなたのところも、もういいかげんに金を納めてくれぬかというようなことでは、これは整理にならぬから、この際一つ特別の措置を講じたらどうかということをかねがね言うておるわけです。たとえば建物にしても、もう売却をする、売却するについては、ちょうどあの地方自治団体がやっているような、建売住宅のような方式で、そうして現在の時価をもって評価して、それが年賦償還なり何なりで将来は自分のものになる、あなたのものになる、そういう立場においてこれを売却をする。機械についてもそう。そういう特別な措置を講じなければ、この民間に対する国有財産の貸付の整理は百年河清を待つようなものではないか、こういうことが痛感されてならないのです。答申の中にも幾分それに触れておるようでありますが、この際政府としては、国有財産を長期にわたって民間に貸し付けていることについて英断をふるうべきではないか。英断をふるうに際しては、そういう整理をしてもらった方が民間についても有利であるというふうな印象を与えませんと、これまた解決ができないと思うのでありますが、かねがねあなたに検討をお願いしておることでありますが、どういう結果になりましたか。
  13. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいまの御質問の点は、国有財産管理上非常に長い間の懸案でございまして、私は昭和三十二年度におきましては、先ほど申し上げましたように、将来の処分への一つの素地を築いていく、こういう意味におきまして、貸付財産について根本的な検討を加えたいと考えております。すなわち従来は、この貸付財産は、御承知のように継続貸付ということになっておりまして、一年々々形は契約を更新するのでありますが、現実の賃貸料におきましては、ほとんどこれを据え置きとか、あるいは一律に一割ぐらい上げるとかというふうな、あまり功利性のないやり方をやってきておったのであります。これではいけないということを率直に認めておりますので、三十二年度におきましては、一つ機械なりあるいは建物なり土地なりの貸付料につきまして、貸付の相手方個々に当りまして、ぜひこれを買い取っていただきたい、買い取っていただくについては、法律に定むる延納の最大限度までお認めをいたします、また代金の徴収については、ただいま横山委員がお話しのように、一種の月賦制的のものを加味いたしまして、従来の滞っております賃貸料と新しい売払価格とを合せまして、一定の料金を月々納めていただく、こういう家賃の徴収というふうなことに貴重な定員をさかない、これは全く機械的な事務でございますから、信頼すべきものに委託をする、こういうことを考えております。そこで月々徴収に回りまして、一定の年限が参りますと所有権が移る、こういう仕組みのことをぜひやりたいと考えております。そこで、どうしてもこの買い取りに同意をしないという方、引き続き借りておきたいというふうな方につきましては、私は契約を更新したい、実質的に契約を新規契約に切りかえたいということを強く今考えております。これらの点は、個々に当りまして、現実にどの程度買い取っていただけるか、あるいはどの程度の方が引き続き契約を更改してでもそのまま貸付の形において利用されるか、これは目下予断を許しませんが、私は、一つ全面的にこれは貸付中の財産について、今申し上げたような構想で総当りに当ってみたいということを考えております。
  14. 横山利秋

    ○横山委員 その点については、特段の善処をお願いいたしたい。第三番目に、今国有財産に関する法律については、いろいろな制限と規制がございます。中小企業が国有財産の払い下げを受け、いろいろな自分の力の企業の発展に資するためには、非常な制限がたくさんあるのです。本来国有財産というのは、今までの経過からいいますと、ほとんどといっていいほど大企業の独占的受益となっておるような気がいたしてなりません。それはどうしてそういうことになるのかという点をいろいろ調べてみますと、予算決算及び会計令臨時特例とか予算決算及び会計令とか、そのほかの諸法律、諸規定において、金額の制限やらあるいは利用する産業の重要度等の制限ンか、いろいろな制限が一ぱいあるわけです。このような状況で、中小企業がまあ一つといっても、なかなか国としては、また現場の職員としては、中小企業の育成発展に資するような方途はだめなんだ、従ってこの管理処分に当って、先般正示さんが言ったように、何とか今日までのやり方を改めて、国有財産の処分に当ってはこれを更改し、しかも中小企業の育成発展に資するようにするためには、諸法律、諸法令の改正を必要とするのではないか、また通達及び規定についても、格段にそのワクを広げる必要があるのではないか、こういうことを痛感をするのでありますが、その点はいかがですか、これが第一です。  第二番目は、先般私が質問をいた上ました機械の交換の問題でありますが、先般御説明をいただきますと、在日米軍の使用している約二億円の機械器具については、今なお外務省と折衝中であって、必ずしも全部が全部行政協定に基くものではないとは断言し得ないという話がありました。それはわかりますけれども、しかし在日米軍も、答申にいっていますように、もうぼつぼつ撤退をし始め、返還し始めているときでありますから、この際いいかげんだ解決をしないで強硬な立場で、行政協定に基かないと見られるものについては、すみやかにこれを中小企業向けの交換、払い下げに充てる考えはないか。  またこれと関連をして、戦後いろんな学校の機械の交換用として保管を引き受けましたものについても、その傍の実情は、今なお引き取らないものがある。特に私が関心を持ったのは、大企業が機械の払い下げをもらって、なお受け取らないもの、かあることです。契約は確かに行われた、行われたけれども、今なお政府がこの機械を保管しておるということは、不必要なもののワクをとったにすぎないのではないか。もし契約が完了してないとするならば、あなたの方で文部省とも交渉攻されて、不必要なものであるならばすみやかに解除、解除というよりも、契約がしてないのでありますから、中小企業の交換にに充てるべきではないか。こういう点について、機械の交換も一応一段落するときに、最終的にあなたの方としては全般に目を向けて整備をなさるべき必要がありはしないか、これか第二点であります。  第三点は、本年度から今度は工具の処分に当られるそうでありますが、先般本委員会でお伺いしたところによれは、交換、払い下げをなさるという話であります。いろいろと検討し、諸機関の意見も聞きましたが、交換ということはどうも実情に合わないのではないかという感じがしてならないのであります。これは、何回もあなたの方の御意見を聞いて、私もずいぶん善意をもって調べたのでありますが、たとえばかじ屋さんが古い工具を出すといっても、実際問題として、悪くなった工具なんかはすぐくず屋にやってしまうものです。倉庫の中に古い工具などありはしない。これをどうしても交換でなければならないとするならば、みすみすまずいことが起りそうな気がする。そういうわけでありますから、この際交換でなくて、工具のような小さいものについては払い下げになさった方がよくはないか。この点については、先般当委員会であなたにお聞きして、私も善意をもっていろいろとあなたの方の関係の下部機関なり、あるいは希望される人々の御意見その他の御意見を承わって、工具の交換が円滑にはかられるためにはといろいろな角度から検討をしたのでありますが、やはり交換というのはまずいことも起きて、しかも中小企業の要望に沿わぬという感じがしてならぬのであります。これは、いろんな経緯はあるけれども、この際あなたの方で英断をふるって払い下げにする。そうして措置法の改正を要するものであるならば、国会も終りかけではございますけれども、このような問題については、各位の御了解を得られると私は思いますから、交換をやめて払い下げになさったらどうかと思うわけです。しかしあなたの方で、いやそういう不工合な点については十分善処できるという見通しがあり、かつそれが現場の実情で、不工合な点については十分調整をして中小企業の要望に沿いますからという確信と善処する道があれば、これは別でありましょう。しかし私の考えでは、そういうことはできそうもないのであります。この点について、今までの経緯にとらわれないで、一つ率直な正示さんの御意見を伺いたいと思います。
  15. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 まず第一点の、中小企業に対しまして、国有財産の払い下げというふうなことが非常に不利になっているのではないかという点でございなすが、私どもはさようには考えておりません。御承知のように、予決令等によりまして、随意契約をなしますものは業種を大体きめておるわけでありまして、資本金その他企業の規模によって制約を加えておることはございません。従いまして、一定の業種でございますれば、その規模の大小を問わず随意契約の対象になるわけであります。問題はむしろ、たとえば鉄鋼業というふうな企業につきまして随意契約ができることになっておるのでありますが、この関連産業が非常に窮屈に現在規定されているのであります。規定と申しますより、むしろ予法令に基くところのいわゆる包括協議というような通牒の書き方が非常にきちょうめんにできておりまして、関連産業になかなかこの恩恵が及ばないという点が確かにございます。この点につきまして、今主計局と十分協議をしている途中でございます。できれば重要な産業の関連産業にも随意契約を及ぼして参りたい、こういう気持で検討を加えていることをお答え申し上げます。  次に、在日米軍に対する問題を先般当委員会において御質問になったのでありますが、これも白書に出ております昭和三十一年三月末の数字をあげて御質問になったのでありますが、その後私の方で調査をいたしましたところ、本年三月末現在におきまして在日米軍に提供いたしております機械は、一万三千四百四十一台ということになっております。しかも、このうちすでに私どもの方で米軍当局と一緒になりまして実態調査を行いました数字が、八千三百五十四台ということでございます。この機械につきまして、目下米軍と折衝をいたしております。果してこれが彼らにどうしても必要であるか、もし必要でないならば、御趣旨のように、国内においてこれを活用いたしたいということで、施設々々につきまして個別に協議をいたしておりますので、御了承を願いたいと存じます。  それからさらに学校とか企業に対して留保いたしておりますところの機械を、交換の対象にすべきではないかという御意見であります。これまたかねてそういう御意見は十分拝承いたしまして、目下個々に当らしております。今後もさらにそれをスピード・アップいたしてやって参りたいと考えております。  第三の工具の点でございますが、お話しの通り、これは組合ができていないというふうな事情でございまして、なかなか技術的にむずかしいという点は私も十分承知をいたしております。しかしながら、せっかくこの特別措置法の中で、これは国会で特に御議論のあった点でありますが、三割五分引きという恩典が与えられているわけであります。そこで私としては、今、最後にだめを押されたような形でございますが、運用上工夫をいたしまして、ぜひともこの三割五分の恩典に浴するような計らいをしていきたいということで、本日も部内の係長会議を招集いたしまして、これらの点について検討を加えているわけであります。私は、法律の定める恩典を、ぜひともそういう方々に及ぼすとともに、いわゆる企業の近代化の一助ともなるように運用上工夫を加えてやって参りたいと考えており、ます。
  16. 横山利秋

    ○横山委員 私の心配しておりますのは、こういうことなんですよ。三割五分の恩典はもちろん受けなければならぬが、交換することが実際問題としてできるかどうかということなんです。交換と払い下げ、どちらにしても三割五分は受益さしてやりたいのですよ。しかし法律は、交換でなければ三割五分はだめなんです。交換にして、鉄銅業の人々が古い工具を出せるというけれども、そんな古い工具は、一年も二年もしまっておきはしないのではないか、工具はこわれたらくずにして売り払ってしまったり、溶鉱炉にぶち込んでしまったり、どこかにいってしまうのではないか、それを一年分見返りに出せといっても、どうしても出さなけれぱならぬのなら、妙なことをして打ってくるということになりそうな気がしてならぬ。しかもあなたの方の御希望としては、組織を通じて出せということでありますから、この組織をする、たとえは鉄鉗会なり鉄鍋協同組合が、古い工具を集めるのは大へんなごとなんですよ。古い工具を集める、それだけの事務をやらせることは大へんだから、一つ工具のようなものは、交換ではなくして払い下げにしたらどうか。そうして三割五分の恩典を受けさせるためには、法律の改正なり何らかほかの方法をもってやったらどうか。この方があなたの方としても便利ではないか、簡単ではないか。管財局職員もこれによって不必要な仕事が避けられるのではないか。くずを集めるということに目的があるのかもしれませんけれども、しかし工具のくずなんというのは、散在してしまって一カ所にないわけです。どこかからもらってきて、あるいは買ってきて、これを交換に充てるというまずいことが起りゃしないかということを私はおそれるわけです。三割五分の恩典を受けさせるためには工具でなければならぬ、こうおっしゃる気持はわかるけれども、そのためにかえって不必要な仕事を与えるとするならば、法律を改正して、交換でなくして、払い下げて三割五分の恩典を受けさせる方法はあるのではないか、こういうことを私は申し上げているのですよ。
  17. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 工具は、御承知のように非常に特殊なものでありまして、これを払い下げにいたしまして、しかも三割五分の特典を与えるという考え方をとりますと、またこれに随伴していろいろ問題が起ってくると思います。御指摘のように、交換のためによそから古いものを買ってくるということは、確かに大きな弊害でございます。から、その点は、われわれとしても一つ厳重に御白歯を願わなければならぬと思います。ただ従来機械につきまして、これまた相当の手数であるましたが、現実にお使いになっておる機械と、われわれの方の機械を交換していただくということ、これ自体相当のわずらわしい事務であるという考え方であったのてありますが、幸いにして大へん御協力をいただきまして、成果を上げておるのであります。機械でやっておりますので、大体同じ考え方をもってやるならば、何とか処理できるのじゃないか。ことに今一年分ということをおっしゃいましたが、そこのところをあまり窮屈に考えませんで、持っておられるものを出していただくならば、大体個数において相ひとしいものを差し上げるというふうな考え方をとって、組合――単位組合のないようなところにおきましては、これにかわるものを県当局その他と相談をいたしまして、機関を作っていただかなければならぬと思いますが、そういう組織を通じてやっていけば何とか処理できるのじゃないか。これについては、財務局の担当者も大体そういう考え方で今工夫をいたしております。あまり早くあきらめをすることなく、やはり私は工夫をして、またこの点については具体的にいろいろと御意見を伺いまして努力していきたい。まだ今絶望するには早いのじゃないか、こういうふうに私は考えています。
  18. 横山利秋

    ○横山委員 私は、ここであなたの結論を得ようと思いませんが、一つこの問題について希望を申し上げておきたい。  第一は、今言ったように、交換をやることには現実問題として多くの支障がある。工具のくずは少い。しかしもらう工具は希望が多いのでありますから、はなはだしい懸隔がある。出す工具の数しかやらぬということでは、これは現実に全然即応しません。この点をどういうふうに解決をなさるか。  それから、希望の数をまとめよ、出す工具の数をまとめよ。鉄製会ないしは鉄鋼会の組織にそういう大へんな仕事をお与えなさる。つまり業務を委託なさるわけです。これは、ちょっと正示さん、お考えになってもわかると思うのですが、二百軒、三百軒の鉄鋼屋さんの希望数、出す工具を全部鉄鋼会に仕事を委託されるわけです。この仕事は非常に繁雑である。幾つも取り扱わなければならぬ大へんな仕事であります。この仕事を委託される結果になるわけでありますが、この委託をするためにどういう措置をなさるかということが第二点であります。  第三点は、たとえばといしの問題があります。といしについておやりになるとするならば、基準法によって試験をしなければなりません。これはメーカーが試験をするのでありますが、今度はメーカーは政府であります。ところが政府は試験をしない。そうすると需要者が試験をする。そういう責任がないのに、その責任を負わせてやらせるのでありますが、責任を負わせるために、あなたの方はどういう便益をお考えになるか、自分の責任をあちらさんにおっかぶせるわけであります。試験をしなければ使えない。試験をする責任がない人に責任を負わせるのでありますから、この点をどうなさるのかという点が、問題の第三点であります。  第四点は、以上の点をいろいろ考えて、特に交換が現実問題としては非常に無理がある、これは払い下げにしたらどうか、払い下げにするために、法律を改正して事務を簡素化することが、業界にとっても、あなたの方にとっても非常に有益になる措置だと思うが、これはもう一ペん御検討を願いたい、これが四つ目であります。  以上の点を申し上げて、これは今すぐにあなたの御答弁を求めるのには時間が早過ぎるような気がしますので、すみやかにこれらの点を御相談をしていただきたい、こう思います。  以上をもって、私の質問を終ります。
  19. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 時間の関係上――この問題は再検討さしていただきますが、とにかくことしは予算がある程度ございますので、今おあげになりました点について、私はある程度具体案をつかめるということだけを申し上げます。
  20. 春日一幸

    ○春日委員 時間をお急ぎのようでございますから、簡単に一問だけ。ただいま正示局長は、国有財産を中小企業に払い下げることは何ら制限が設けられていない、こういうことであります。ところが、中小企業者が国有財産と関係を持ちます場合は、主として中小企業の協同組合の共同事業の設備に関連して、国有財産の払い下げを受けたいという場合が多々あると思います。わけて今回組織法の通過を見まして、そういう傾向も次第に数多く現われてくると思うのであります。そこで伺っておきたいことは、予算決算及び会計令で、国は協同組合と随意契約を結んで、協同組合から物品を購入することができる、随意契約をすることができるという――たしかこれも国会において論議されて、そういう法律の改正が行われたと記憶いたしております。買うことはできる。ところが売ることはできないのではないかと考えるのでありますが、この点は現在どうなっておりますか。
  21. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 御質問の点は、形の上では、一応国が買い上げる場合には、そういう協同組合とストレートにできるという規定があるにかかわらず、払い下げの場合は、協同組合なるがゆえに随意契約ができるという規定がないじゃないかという御趣旨かと思うのでありますが、その通りであります。これは、先ほど横山委員にお答え申し上げましたように、随意契約ができる場合に、たとえば産業の保護奨励でございますと業種別、金額の高でございますと、一定の金額というふうな抑え方をしておるから、そういうふうになっておるわけであります。そこで払い下げをいたします場合には、それぞれの随意契約の条件に合致したものに対しまして随意契約をするという建前をとっておりまして、どういう企業形態であるから随意契約ができるという規定の仕方はしていないわけであります。そこは建前が違っておりますので、われわれとしては、そういう業種別の制約あるいは金額的な制限というふうなことで、随意契約をやっております。こういう趣旨であります。実際におきましては、そういう条件に合致する方にやりますから、あまり弊害がないというふうに心得ております。
  22. 春日一幸

    ○春日委員 正示博士は、一つ聞くと百くらい答えるので、迷惑しごくだ。(笑声)簡単に言って下さいよ。結局、協同組合に対して国有財産を払い下げることができますか、御答弁願います。
  23. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 これはその他の条件に合えば随意契約もできます。
  24. 春日一幸

    ○春日委員 その他の条件とは何ぞや。
  25. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 金額が一定金額以下である場合、あるいは業種が随意契約の対象としての業種に合致する場合であります。
  26. 春日一幸

    ○春日委員 参考のために、その金額の制限、業種の制限を伺いたい。ごく概略でけっこうですから、早口で三十秒以内に御答弁願います。
  27. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 第二課長から申し上げます。
  28. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 製鉄事業あるいは輸出の量が多い繊維製品あるいは、石油化学、そのほかまだたくさん業種はありますが、金額の面では、旧軍用財産につきましては五十万円以下の売り払い、それから十万円以下の貸付でございます。
  29. 春日一幸

    ○春日委員 それは全然私が尋ねていることと違うんじゃ。結局中小企業等協同組合が、国有財産、たとえば土地、工場、機械の払い下げを受けたいという場合に、もとよりこれは種々雑多の業種が対象となります。しかしながらそれは法人格を持っておる。政策的には、協同組合の共同施設として国家経済に資するところ大である。ところが、先般本会議において、中小企業の振興のために国有財産を中小企業に向けろという要望をしたのに対して、当時予算決算会計令が改正されて、中小企業の団体からも品物を買うことができるという法律の改正があらためてなされた。本来ならば、そのとき、買うこともできる、売ることもできると直すべき性質のものが、買うことができるようになって、売ることができないようになっておる。そこで、現在それは明らかに法律の盲点となって、今回協同組合法が改正されて、共同事業というものがずっとふえてきておると思うのです。従いまして、これは今ここで解決することは困難であろうと思いますけれども、協同組合から買うことができたら、協同組合に対して売ることもできるようにすみやかに法律を改正されるごとを要望しておきます。この次までに研究して下さい。  それから、この前、機械が何千万点あるとかいう話だったけれども、中小企業の振興のために早期にこれを解決してくれということは、横山君からも強く要望がありまして、私からも付言いたしました。自来あの法律が通ってから一カ年になんなんとしておる。機械はできておるけれども、器具の問題については数が多いから、追って調査ということで一カ年過ぎた。今日、それはどういう具合に実行に移されておるか、またはいつごろ移し得るお見通しであるか、簡単に御答弁願いたい。
  30. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 最初の点は、御要望によりまして私どもで研究をいたしますが、結局随意契約はできるように研究しろという御趣旨に一応解釈しておきます。
  31. 春日一幸

    ○春日委員 随意契約ではなくて、売ることができないのでしょう。協同組合に対して国有財産を売り払うことができるならば改正する必要はありませんけれども、もちろんできないでしょう。
  32. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 これはできます。先ほど申し上げますように、制限はございません。それは春日委員のおっしゃることが、随意契約ができるというふうな規定を設けよという御趣旨でなければ、研究の必要はないということを重ねてお答えをしたわけであります。  それから第二の点につきましては、工具は千五百万点近くございまして、この工具を今や選別いたしております。先ほど横山委員にお答え申し上げましたように、このうちから交換に適するものにつきましては、先ほど申し上げた方針で研究いたしまして、すみ、やかに交換に回したい、かように考えております。
  33. 春日一幸

    ○春日委員 あとの問題は、結局一年有余たったけれども、まだ一品の交換もできていない、こういうことなんです。従って、それはだんだんとさびていくわけ、だから、早いところやってちょうだいということなんです。一年有半過ぎてもなされておらなければ、一体いつまで調査をやっておるのですか。弥勒さんが出世するまで五十六億七千万年というのだけれども、そういうむちゃなことはいかぬですよ、強く要望しておきます。一年たって何にもやらぬというちゃらんぽらんなことがありますか。  それから前の話が不明確だが、この本会議の要望にこたえて予算決算会計令が直されたときは、何千万円でも協同組合から品物を買うことができるでしょう。
  34. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 随意契約ですよ。
  35. 春日一幸

    ○春日委員 随意契約ということは別にして下さい、そういうことは言わぬで下さい。協同組合から国が品物を買うことができるのでしょう。現在の法律で、協同組合に対して国有財産何千万円のものでも売ることはできますか。
  36. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 売れないという制限は全然ございません。
  37. 春日一幸

    ○春日委員 けれども、法律には国有財産を買い入れるということだけあって、売り渡すということが書いてないと思う。
  38. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 買い入れの際に随意契約ができるという意味で、その規定ができたのであります。
  39. 春日一幸

    ○春日委員 どうだ諸君、わかるか。(「わかるわ」と呼ぶ者あり)委員長、わかるか。
  40. 山本幸一

    ○山本委員長 わかる。(笑声)
  41. 春日一幸

    ○春日委員 それでは妨害になってはいけませんから、あとてゆっくり調べまして、もう一ぺん尋ねます。
  42. 山本幸一

    ○山本委員長 両法律案につきまして他に御質疑がないようでございますから、質疑はこの程度で終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 山本幸一

    ○山本委員長 御異議なしと認めまして、質疑は終了いたします。  これより討論に入りますが、別段討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 山本幸一

    ○山本委員長 それではお諮りをいたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 山本幸一

    ○山本委員長 御異議なしと認めます。よって両法律案は全会一致をもって原案の通り可決をいたしました。  次に、横山委員よりただいま議決いたしました国有財産法の一部を改正する法律案に対する附帯決議について発言を参求められておりますので、これを許します。横山利秋君。
  46. 横山利秋

    ○横山委員 ただいまの国有財産法の一部を改正する法律案について附帯決議を提案いたしたいと思います。  朗読いたします。   国有財産の管理処分の適正化を図るため、政府は、本法の実施に当っては、次の諸点を十分考慮すべきである。  一 国有財産の管理処分の現状は、今なお適切とはいえないから、その適正を期するため、国有財産審議会の答申を尊重して管理処分の公開化を図るとともに、予算、人員の増加等の措置を講じて遺憾のないようにすること。  二 国有財産を長期にわたって民間に貸し付けることは適当でないから、現在これに該当するものは、極力整理するよう特別の措置を講ずること。  三 国有財産の管理処分に当っては、中小企業の育成発展に資するよう特段の配慮をする必要がある。したがって、在日米軍が使用している国有財産の機械器具についても、行政協定に基くものでないと認められるものは返還を求め、中小企業向の交換払下にあてること。  以上であります。
  47. 山本幸一

    ○山本委員長 ただいまの横山委員より提出されました附帯決議について採決をいたします。お諮りをいたします。本附帯決議を可決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 山本幸一

    ○山本委員長 御異議なしと認めます。よって本附帯決議は全会一致をもって可決いたしました。  この際お諮りを申し上げます。ただいま議決いたしました両法律案に対する委員会報告書の作成、提出手続等に  つきましては、先例によって委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議  ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 山本幸一

    ○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     ―――――――――――――
  50. 山本幸一

    ○山本委員長 次に、専売事業に関する件について田万委員より発言を求められておりますので、これを許します。田万君。
  51. 田万廣文

    ○田万委員 塩害の問題がいろいろ最近出ておるようでございます。その点について二、三お尋ねしたいと思います。  すでに公社の方へは全国から、流下式への切りかえによって、塩素の飛散でいろいろ被害を受けておるという報告が参っておると思うのでありますが、その点もし参っておりますれば、報告をお願いしたいと思う。それからどういう被害が起きておるかということを、あわせて御答弁願いたいと思います。
  52. 三井武雄

    ○三井説明員 お尋ねの枝条架による塩害の問題でございますが、ただいま専売公社の方に報告が参っておりますのは、香川県の状況につきまして、高松の地方局長から報告が参っておるものでございます。香川県下におきましては、この昨年の暮れからことしにかけましての冬の間、異常な乾燥の日が続いたようでございまして、雨が全然降らなかったために、枝条架から飛散いたしました塩のしずくがその近傍の主として果樹園に対しましてかかりまして、そのために相当の被害を起しているという報告が参っております。本社といたしましても、従来も一、二こういう問題が起ったことはあったのでありますが、今回のように相当広い地域に被害が起っているということは初めてでございますので、相当この問題を重視いたしまして、地方局の方にもなおよく詳細な実情を報告するように指示いたしておりまするが、本社からも、この実情を把握いたしまするために、今明日のうちに人を出しまして調査をさせることにいたしております。   〔委員長退席、平岡委員長代理着席〕
  53. 田万廣文

    ○田万委員 まだ十分御調査ができておらぬ模様でございますから、私から、香川県の実情を見て参りましたから、ちょっと報告をいたします。  実は一地方にすぎませんが、松山というもと村でございますが、現在坂出市に合併されておりますが、その地方の小さい部落で、すでに柑橘類で二億円に近い被害を受けておる。もちろん菜園関係の被害も大きいものがありますが、数十年かかってやっと柑橘を成育して、収益をあげられるような事態に立ち至って、今度の流下式切りかえによって塩素の飛散で柑橘類が枯れてしまう、生活権が脅かされておるとい、うような現状が今香川県の一部にあるわけです。これは、御案内の通り、香川県の流下式切りかえによって、地業地帯というものは、大体柑橘類を栽培しておるその付近に塩田がございますので、松山だけでなくして、至るところに塩害が現在発生しておるわけであります。これにつきまして、私どもは地方局にも参りましていろいろと御援助願ったわけでありますが、この塩害対策というものについて、具体的にまだ公社自身も樹立されておらないと思うのです。どういうように具体的に塩害対策をとるべきかということについて、御研究になっておればその点をお漏らし願いたいと思うのです。
  54. 三井武雄

    ○三井説明員 塩害の対策につきましては、従来も本社からも各地方局にはいろいろな機会に指導をいたしておるのでありまして、決してこの問題を本社として等閑に付しているわけではないのでありまするが、今度高松の地方局でこの問題が起りまして後に、直ちに地方局として方針を立てまして、現在塩業者を指導いたしておりまする点を申し上げますと、第一には、一定の風速以上のときには被害を与える心配がありまするので、その際には枝条架の稼働を中止するようにいたす。風速何メートル以上の範囲がこれに当るか、この範囲をどのようにするかということは、今いろいろと検討いたしておりますが、とにかく相当の風速以上の場合には枝条架の稼働を中止することにいたしております。それから第二といたしましては、枝条架からのしぶきの飛散を防止するために、適当な防止壁を設備させる。第三といたしましては、枝条架に海水を供給いたしまするといでございますが、給水樋をふたをいたしまして、密閉型の給水樋を使うことにいたしまして、給水樋からしぶきが飛ぶことを防ぐようにする。第四といたしましては、給水樋から水が出まして、それが枝条架にかかるわけでありますが、その給水樋の末端と枝条との間を密接させまして、海水なりあるいは鹹水なりがすぐ枝条架に流れ落ちるようにいたしまして、その間しぶきとなって飛散することを防止するようにする。それから第五番目といたしましては、ただいま申しましたようないろいろの処置につきましては、各塩業組合の組合本部で責任を持って、気象条件に適応した稼働基準を作りまして、その基準に従って、どういう場合には枝条架の操作を休止する、あるいは再開するといったような枝条架の操作の指令を組合本部で責任を持って処置することにいたしまして、各組合員の任意にまかせるというようなことをやめさせる。そのためには、組合本部で常に風の方向あるいは風の速度というものを観測しておりまして、その観測によって適時適切な指令を出せるような態勢を用意する。それから六番目といたしましては、農地あるいは住宅に近接いたしておりまするために、稼働状態を調整することによってはどうしても塩害の防上ができない枝条架につきましては、これを撤去するなり、あるいは飛散の影響のない他の場所に移設するなりの措置をとらせる。それから最後に、明らかに塩害が認められた場合には、相手方と話し合いをいたしまして、補償金あるいは見舞金を支払うようにいたさせる、かような各項目につきましての方針を立てまして、これを香川県の塩業組合連合会と話し合いをし、連合会を通して各塩業者にも徹底させるようにいたしております。
  55. 田万廣文

    ○田万委員 いろいろ対策については、今お話しがありましたような方策が講ぜられておるということでございますけれども、現実に香川県におきましては、先ほど申し上げたように、一寒村で二億円の塩素による柑橘類の被害が起きておるという実情でございます。地方局におきましては、この現実に起きておる被害を防止するために、一応地元に非常に大きな団体ができて、生活権防衛という意味でやかましく地方局に陳情に来ましたが、地方局としては、一応操業の中止、それから現在建設しておりまする工事のこれ以上の進行を中止するということの勧告を発していただいたわけです。ところが、その勧告を無視して、依然として操業か続けられておるというような実情で、だんだん日とともに被害が重なっていくということに相なっておるわけでございます。これは一地方の問題というけれども、地方における農村の人たちの死活問題でありまして、業者が利益を上げるための営業は、かりに許可営業であったとしても、自分の方に利益が上れば、第三者にどれだけ被害をかけてもいいということは法律上あり得ない、また公社としても、これを黙視することはできないと私は思うのであって、早急にこの大きな問題の解決について、大きな手を打っていただかなければ困ると思うのです。そこで法律問題になりますが、操業中止勧告あるいは工事の進行中止勧告というようなものを無視せられた場合に、公社とてしは被害防止のためにとるべき何か適切な方法がほかにあるのでございますか。たとえば中止命令を出すというようなことですが、いかがなものでしょうか。
  56. 三井武雄

    ○三井説明員 御参考までに枝条架に対する公社の考え方をちょっとこの機会に申し上げておきたいのでありますが、従来公社といたしましては、塩田の面積に対しまして五%の範囲内の枝条架ということを基準にいたしておりまして、その範囲内では塩田の流下式転換、枝条架もあわせての流下式転換に補助金あるいは農林漁業資金のあっせんということをいたしておるのでありますが、最近の傾向といたしましては、公社のきめておりまする五%の基準をこえまして、塩業者の間に、言葉は少し強過ぎると思いますけれども、いわば枝条架の乱設競争といったような情勢まで見えるわけであります。この点を放置いたしておりますると、現在御承知のように新しい塩田の許可ということはいたしてないのでありますけれども、最近の傾向では、塩田の中に枝条架を作りまする割合はある程度制限されまするけれども、塩田外に自己資金で枝条架を乱設するといったような価向が非常に強くなっております。せっかく新規の塩田を許可しないといいましても、枝条架を塩田外に作りますことは、いわば塩田を新設するのと同じような効果がありますので、その点は、公社といたしましても先般通牒を出しまして、新規塩田を許可しないと同じように、今後塩田外に枝条架を新設することは認めないという指令を出しております。従来は、それが自己資金でやるものであるからということで、許可申請がありました場合に許可をいたしていたわけでありますけれども、今後は塩田外での枝条架の新設ということは許さないことになっております。  それで、お尋ねの点でありまするが、一たん許可をいたしました枝条架につきまして、その撤去を命令するということは、法律に基いてやるというようなことはなかなか実際問題としてむずかしいのじゃないかと思いますし、また法律の根拠を持った命令を出すというようなこともいかがかと思うのでありますが、指導といたしましては、今申しましたような、明らかに塩害を及ぼすおそれのあるような枝条架につきましては、場合によりましては撤去を指導する、あるいは他の害の起らないような場所に移設するというようなことを指導するということで参りたいと思っておるのでありまして、公社からの指導でありますれば、塩業者はこれを聞かないというようなことは万なかろうと思っておるのでありますが、一たんそういう指導、指示をいたしました場合には、ぜひともそれを守らせるようにいたしたいという考えであります。
  57. 田万廣文

    ○田万委員 公社としてはいろいろ考えておられるでしょうけれども、現実の実情というものは、そう公社の考えられておるほど甘いものでなくて、やはり具体的にいろいろ指令しておられるけれども、現実にすでに被害が起きておる。一寒村で二億円の被害が起きているというこの実情をわれわれはどう見たらいいか。要するに何らかの欠陥があったから被害が起きておる。しかも、それが塩素によるものであるかどうかということは、顕著な事実として塩害であるというようなことが証明されておる状態において、これは日本専売公社として、皆さん重大な責任を感じて、よく指導してもらわなければ困ると思うのです。  それで、今のお話によれば、いろいろ注意はするけれども、それをかりに守っておって塩害が起きた、あるいは守らないで塩害が起きたという二つの場合がありますが、いずれにしても、塩害の起きた実情についてはいろいろ対策を講ずるけれども、公社としては、操業中止あるいは工事建設中のものをさらに続行してはいけないという中止命令を出す権限がないかのごとき御発言があった。そうすると、公社は、一度許可したら、あとはどんな被害があってもそれは当事者間にまかして話をさすべきものであって、公社としてはいろいろ手は打つけれども、それを聞かなければ仕方がない、どんな被害が起きても、もう手をこまぬいているよりほか仕方がないというように聞き取れるような御発言があったように思うのですが、そんなものですか。
  58. 三井武雄

    ○三井説明員 私申し上げましたのは、公社といたしましては、どこまでも指導の徹底を期しまして、塩業者としては、誠意をもってこの塩害防止の処置をとらせるということを申し上げたのでありまして、過去の被害につきましては、実情に応じては補償金あるいは見舞金の支出もさせなければならぬ。また今後の被害防止につきましては、先ほど来申しましたような各般の処置を尽しまして、これに誠意をもって協力させる、必ずこれを実行いたしまして、少くとも今後の塩害につきましては、これを絶対に防止するように指導して参る、かような考えでおるわけであります。
  59. 田万廣文

    ○田万委員 現在構築しております枝条架の状態では、今いろいろ御注意があったが、こういう方法、こういう方法というようにいろいろ防止対策を講じてもなおかつ危険があるという場合には、公社としては、現在構築してあるものを他に移転さすということも可能でありますね。
  60. 三井武雄

    ○三井説明員 専売公社には、塩業者に対しまして塩の製造方法につきまして指示する権限はございますので、この条項を発動いたしまして、いわば強権的に命令することは法律的には可能でございます。しかし、果してこの条項を発動することが適当であるかどうかという判断は、また別にいたさなければならぬと思いますが、法律的な限拠は一応持っております。
  61. 田万廣文

    ○田万委員 具体的に事件が赴きておるのでありますからして、早急にできる範囲内の最高の処置をとっていただいて、地元は非常に荒れておりますから、一つ御善処をお願いしたいと思います。  なお最近、十一日までに実態調査を公社と業者と地元民、それから有識者、いわゆる学者で共同で調査することになっておりますが、その結果が出て参りましたならば、本社にも通知があろうと思う。われわれの手元にも通知があろうと思う。その結果に基いて再質問させていただくことになろうと思いますが、それまでに早く手を打ってもらいたいと思います。
  62. 横山利秋

    ○横山委員 ちょっと関連して……。大平委員の質問もあるそうですから、私は簡単にいたします。愛知県の塩田の問題について、当委員会であなたに、去年でありましたか、お尋ねをいたしまして、春日委員、私、両者こもごもあなたにお願いをした。その際あなたから、今までのことを乗り越えて全力をあげて解決をするというお言葉をいただいて、それは新聞にも載った。多少デリケートなところがあるのだけれども、あなたの気持としてはやったように見えても、形の上では全然できておらぬわけです。お隣に課長さんがおすわりになってみえるのだが、あなたも課長さんも、諸般の事情は御存じだろうと思う。自来一年間になって今なお係争中である。これは、三井さんも少し責任を感じていただかなければならぬと思う。私は党の塩田対策の主査をやっております関係上、実は副総裁にも御連絡を申し上げておるわけであります。両会社と組合の立場はさることながら、塩の監督、指導に当っておる専売公社の責任も、法律的かあるいは政治的かは別といたしまして、やはり責任を感じて、全努力をあげていただかなかなければならぬと私は痛感をします。聞けば、先般臨時総会が行われて非常に問題になったそうであります。今月末また定時総会が行われてすいぶん問題になる。感情に感情が重なって、あそこの塩田というものは非常に危機にさらされようとしておる。時間がありませんから率直に申しますが、短時日の間に最後の努力を専売公社がされて、愛知県の塩田についての紛争を解決をされる、こういうふうな努力をされるお気持があるかどうか、この際伺っておきたいと思います。
  63. 三井武雄

    ○三井説明員 横山先生から前に質問がございまして、私、いろいろな困難を乗り越えて必ず解決いたしたいということを申し上げておいてのであります。自来相当の時間がたつのでありますけれども、いまだ解決に至っていない。これは私といたしましても非常に申しわけないことに存じております。現地の局長にもたびたび指導をいたし、最後の解決をはかるよう現に努力をいたしておるのであります。必ずこの努力に実を結ばせまして、御期待に沿うようにいたしたい。重ねて私お約束いたします。
  64. 横山利秋

    ○横山委員 今三井さんから、最後の努力を短時日の間にいたしたい、こういう言葉を聞きました。もちろんそのことであるならば、これは何というか、ゼロではない話ではあろうかと思いますが、しかしそれを実現するためには、いろいろな言い方はあろうけれども、今日までに至らせた専売公社としての責任というものは、やはりあなたの方も考えてもらわなければならぬということが第一です。  それから第二番目に、当委員会で、あなたが先般春日委員並びに私、両委員の質問に答えて、今までのことを乗り越えてというふうなたんかを切られたのだけれども、その瞬間から今日まで全然ゼロなんですよ。これはあなたの言いようはあるかもしれぬけれども、少くともここであなたがおっしゃった、瞬間から今日まで、両会社と組合との間の進展は何らないのです。これはちょっとお考え願わなければならぬ。あなたの責任も私は追及せざるを得ないと思う。しかし今時間もありませんから、これ以上は申しませんが、少くとも国会が終るまでに何らかの解決があるように、私は特に注文をしておきたいと思います。副総裁にも申し上げておきましたから、格段の善処をこの際されることを特に私は要望して、質問を終ります。
  65. 大平正芳

    ○大平委員 先ほど田万委員が取り上げました塩害問題について、私も現地をつぶさに視察をして参ったのでありますが、今田万委員と塩脳部長との間の質疑応答で若干ふに落ちない点がございますので、一、二お尋ねしておきたいのでございます。  専売公社としては塩害が再び今後起らないような施設上の規制といいますか、技術上の措置を講じたいという御意向のように拝聴いたしたのであります。また現地の地方局におきましても、両者の間で誠心誠意話し合いをさせたい、今までもやってきたが、今後もやりたいというような意向を局長が表明いたしておる状況でございますが、私が見るところ、一体枝条架がだんだん増設されてきまして、塩分を含んだ霧がどの程度まで被害を及ぼすものかどうか、一説によると、五百メートルと言う人もあるが、いや二キロだと言う人もある、話がまちまちです。それから風速が何メートルであればどの程度まで及ぶかというような点も、これもさだかでないのです。従って、この問題は技術上の措置を講じ、法律上の措置を講ずる前に、大前提として、一体こういう条件のもとではこういう被害が起り得るのだというところの科学的な調査が、どうも乏しいのじゃないか。専売公社の方では、今までいろいろ御指示をされておるようでございますが、御指示の前提になりました被害をめぐる諸条件の検討が、まだ十分でないのじゃないかという感を深くしたわけです。従って、私は具体的な措置に入る前に、権威のある方が現地に参りまして、現在の施設の状況、柑橘類の分布の状況、その距離、地形その他について御調査を願いたいと思うのです。この調査は、塩業者とか被害農民の力をもってできるものではない、塩業者も一定の賠償価格の正でやるものですし、自然操業度を高めなければならぬのですから、あなたの方で御指示をされましても、欲が出て参るというのも人情だと思いますし、被害農民に被害調査を科学的にやれというても、それだけのコストを償う余力がない。従って私がお願いいたしたいのは、専売公社として、権成ある方々の調査団というか、そういうものを御編成いただきまして、現地の地方局、塩業者、被害農民と協力して、まず第一に基礎調査を固めていただきたい。そうしないと、水かけ論になってしまう。調査が客観的に信憑し得るものが確立されますれば、それに応じて解決の道も自然に出てくるのではないか、こういう感を深くいたしました。従って、地方局の方にも要望をいたしておきましたが、これは、まず公社の本部の方で、そういうかまえで動いていただかないと、なかなか組織的な動き方ができないのじゃないかという懸念がありますので、まず最初にそういう点をやっていただいて、しかる後に、これをどう処理するかという話し合いを進めて参る力が自然じゃないかという感じがいたしました。従って、そういう権威ある科学者というものを動員していく費用、あるいはそれを動員する手続、そういったものは、非常にごめんどうですけれども、公社の方でやっていただいた方がいいんじゃないか、またそうしないと、権威ある調査ができないのじゃないか。この問題は、政治問題化する前に、私どもはそういった措置を公社にお願いしようと思ったのでありますが、きょうたまたま本委員会の問題になりましたので、この機会に、そういう方途を早急に講じられて、紛争の合理的な解決の基礎をまず作っていただくことが必要じゃないかと存じますので、それを一つ要望したい。公社の御見解をお伺いしておきたい。
  66. 三井武雄

    ○三井説明員 枝条架の被害につきまして、公社といたしましては、大平先生から御指摘のように、現在まで十分な調査資料も遺憾ながら持っていないわけであります。それで、問題を二つに分けまして、まず第一は、当面の被害の実情を調査する必要がある。これについては、先ほどもちょっと申し上げましたが、十一日までに各方面の権威者が御調査をなさることになっておりますが、それと別に、本社からも今明日のうちに人を出して、とりあえず実情を調査させる。その報告に基きまして、場合によってはさらに広範囲の調査もいたさなければならぬと考えております。  それから第二の問題としては、枝条架がどういうような高さの場合にはどの程度までしぶきが飛ぶといったような点につきましての技術的、科学的な調査もいたさなければなりません。これにつきましては、坂出の試験地ではいろいろとやらせておるのでありますが、なお防府の試験地と坂出の試験地とにさらに詳細な、この枝条架のしぶきの飛ぶ範囲の調査をさせることにいたします。その調査研究の結果につきましては、あるいは枝条架の構造なり高さなりといったものにつきましても、何らかの結論を出しまして、これを塩業者の間に徹底させるよう、指導に遺憾ないようにいたしたいというふうに考えております。
  67. 大平正芳

    ○大平委員 枝条架が使われたのはごく最近のことでございますから、十分な資料がないと思いますが、なお枝条架は増設される予定もあるようでございますから、従ってこれが増設されたあとの被害の及ぶ範囲、程度、そういった点は、十分念査していただかたければならぬと思います。ただこういう問題を政治問題化する前に、私はすべての科学的調査が第一だと思いますので、しかも、それは公社が音頭をとって、指導力を握ってやっていただかないと、業者、被害農民の方でこれをやれと言われましても手が出ませんから、その点は特に、しかも早急に一つお願いいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  68. 平岡忠次郎

    ○平岡委員長代理 次に、金融に関する件について奧村委員より発言を求められておりますので、これを許します。
  69. 奧村又十郎

    ○奧村委員 関連質問がたくさん出ましたので、時間が経過しましたから、私は、国民金融公庫総裁にごく簡単に質問を申し上げておきたい。酒類業組合法案に関する質問は、午後にやらせていただきたいと思います。  国民金融公庫総裁にお尋ねしたいことは、過日も本委員会で同僚委員から取り上げられた問題でありますが、在日朝鮮人の方々が作っておられる信用協同組合に対する国民金融公庫の代理貸し許可の問題についてであります。すでに同僚委員も過日本委員会でお尋ねしたのでありますから、重復してまことに恐縮でありますが、関係者の方が非常に御熱心に陳情せられ、また当委員会としても、これは四、五年前からの懸案でございましたので、重ねてお尋ねをして問題を明らかにしておいていただきたい、かように存ずる次第であります。それで、いわゆる信用組合に対する国民金融公庫の融資は、いろいろ困難な問題があろうかと思います。これは、何も在日朝鮮人の方々が作っている信用組合だけでなしに、一般の信用組合においても、御承知の通りその許可なり監督が地方長官にゆだねられておりまして、大蔵省との十分な連絡もなかなか期せられませんし、従って、国民金融公庫においても、十分の監督、連絡なども行われにくい、こういう事情が一つ大きくありますから、非常に困難な問題と思いますが、しかし、一般の信用組合にすでに相当代理貸しを許しておられるとするならば、ぜひ在日朝鮮人の方々の信用組合にも許可を願いたい、こういうことです。すでに生活保護法などにおいても、日本人と同様にいろいろ適用を受けておるのであるから、金融の面においても同じようにしてもらいたい、こういう主張があるわけであります。そこで、私ども当委員会としては、別にまだはっきりした考え、態度は持っておりませんが、これは、大きく日韓の友好関係にも間接的に響く問題でもあるし、できればできるだけの配慮をいたすべきだ、かように思うのでありますが、現在のところ、国民金融公庫におかれましては、この問題に対してはどう考えておられるのか、その事情について一つお述べ願いたいと思います。
  70. 石渡忠四郎

    ○石渡説明員 現在国民金融公庫の代理店は七百二十一ございまして、そのうちの三十五が信用組合でございます。七百二十一ございますが、実際今働いておりますのは、大体六百でございます。とにかく七百二十一のうちの三十五は信用組合が代理店になっております。しかし先ほどのお話にございました通り、いろいろ大蔵省の方とは所管も違いますし、これを代理店にお願いするのには、非常に慎重を期しております。それで、なかなかお願いできない実情にございます。  それから朝鮮人の方々の信用組合から代理店に指定するようにというお話は、前々から承わっておりますが、大体国民金融公庫法に載っております国民大衆というのは、日本に国籍のある者、日本人に対して金融するのである、こういう解釈をいたしておりますので、遺憾ながら朝鮮の方々の金融には及ばない、こういう次第でございます。それで過日お話のございましたのは、朝鮮の信用組合に属しておられる方でも日本人がある、そういう方々の金融を見るために代理店にしてもいいではないかというお話もございましたが、朝鮮の方々の信用組合をこちらの代理店にする、しかし借りる人は日本人でなければならないということは、非常に窮屈で、かえって工合の悪いことだと思っております。それで、現在朝鮮の方々の信用組合を私の方の代理店にお願いするのは困る、こういうふうに考えております。  それから実は国民という言葉でございますが、生活保護法につきまして適用があるかないかということを、こちらに出て参ります前に、念を押して厚生省の方に伺ってみたのでございますが、厚生省でも、国民というのは日本に国籍のある日本人である、朝鮮の方々には、お見舞は出したことはあるけれども、生活保護法による保護を適用したことはない、こういうふうなお話を承わっております。これは、よそのことでございますからあれでございますけれども……。それから住宅金融公庫の方も、実は出て参りますときに、  一応念を押して聞いてみましたが、やはり国民大衆という言葉は、日本国民をさすというので、日本人に限るという解釈をとっておるようでございます。やはり法律を作るときに、一連の関係があるのじゃないかと私思っておりますが、そういうふうな実情でございますので、現在のところ、遺憾ながら御要望に沿えないわけでございます。
  71. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そうしますと、在日朝鮮人の方々の信用組合に、国民金融公庫の代理貸しを許すかどうかという問題については、ここに二つの隘路と申しますか、問題がある、一つは、信用組合であるからして、一般信用組合に対してもなかなか代理貸しはしにくいということですが、その代理店の信用組合に対しては、一体全国で、国見金融公庫の代理貸しを何店くらい認めておられるのですか。それをまずお尋ねしておきたいと思います。
  72. 石渡忠四郎

    ○石渡説明員 四百三十二の信用組合のある中で、代理店が三十五ございます。一つの信用組合で支店がいろいろございますので、代理店としては三十五、信用組合自体としては三十二でございます。
  73. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それでは、よほど特殊の事情で三十幾つを許可されたのですか。あるいは各府県に一つという基準でもあって許可されたのですか。一般的に許可が簡単にできるものなら、これもあれもということになるのですが、何か特別の許可の基準というものがあるのですか。
  74. 服部泰雄

    ○服部説明員 公庫の創立以来代理店を逐次増設して参りまして、信用組合の代理店の申請は、当時から逐次あったわけでございます。それで、現在すでに代理店が七百になっております。そんなことで、資金量の関係とか、そういう点から、代理店の急速な増設をかなり最近制約しております。信用組合のみならず、一般的に代理店の新設をかなり今押えておるわけであります。今はそういう全体的な状況にあるわけであります。
  75. 奧村又十郎

    ○奧村委員 今の御答弁は、、要するに、代理店として許可するのに別に特殊の基準はないが、資金量のために押えられておる、こういうふうに承わってよろしゅうございますか。
  76. 服部泰雄

    ○服部説明員 今の全体の情勢としては、資金量その他の関係でかなり抑制しております。それで、現在三十二あります信用組合の代理店は、創立以来逐次できまして、昨年は約二十くらいり信用組合の申請がありまして、その中で認可をとりましたのが四であります。それには、二年とか三年前から申請があったのもかなりまじっておるわけであります。そういうわけで、最近非常に代理店の新設を押えておるというような実情であります。
  77. 奧村又十郎

    ○奧村委員 しかし二十も申請があった中で三つなり四つなりということにはると、それは、入ったものはいいが、入らないものは非常に不満があり。そこで、やはり何かだれしも一応納得のできる認可の基準でもお作りにはっておきませんと、何か裏からこそこそ運動したものが認可されるというように誤解されてもいけませんが、認可の基準というものは、今作っておられないわけですか。
  78. 服部泰雄

    ○服部説明員 認可の基準は作ってございます。それで、大体立地条件を第一の条件としております。それは、一つの公庫の支所から大体十五キロ程度、それから一つの代理店から十キロ程度は離れておった方がよいという一つの立地条件の条件がございます。それから経営の規模であります。これは、現在のところ、預金量が少くとも七千万円以上くらいはほしいという一つの基準がございます。そのほかに、それに相応した当該地の資金の需要があるというようなことも基準になる。それから当該金融機関の経営内容がかなり堅実であるということが一つの条件になっております。そういうような一応の基準をもって代理店を新設しておる。そのほかに、いろいろな実際の問題として、大都市のように非常に資金需要が多いという場合には、立地条件なんか多少緩和されて認可される場合も例外的にはありますが、一応の認可条件は、そういうような基準に基いてやっておるわけであります。
  79. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この基準の中に、経営内容が堅実でなければならぬという基準があるそうですが、これはまことにごもっともな基準ですが、しかし、その経営内容が果して堅実かどうかということは、国民金融公庫が一々行って立ち入ってお調べになることはできないと思うのです。そうすれば、大蔵省の方の検査などの状況をお聞きになるということになるだろうと思う。そうなれば、大蔵省の監督していない信用組合にはちょっと認可しにくいということに実際上はなるかと思うのであります。またこの信用組合の中には、いろいろ問題を起し、世間にも迷惑をかけておるのも間々聞いております。現に大蔵省の監督しておる相互銀行や信用金庫の中にもたまにあるのですから、一がいに言えませんが、その点はわかりました。  そうすると第二の点として、国民金融公庫は、国民一般に貸し付けるのである。在日朝鮮人の方々は、その国民一般の中に今のところ入らないという法務省あたりの見解によっておるということでありますから、それじゃ公庫の代理貸しを認めていただこうとすれば、国民金融公庫法を改正しなければできない、こういうことになるのですが、その通りですか。
  80. 石渡忠四郎

    ○石渡説明員 さようでございます。現在その通りでございます。
  81. 春日一幸

    ○春日委員 この問題は、一応われわれが伺いたいと思う事柄は、ただいまの質疑応答を通じておおむね明らかになったかと存ずるわけであります。しかしながら、なおいろいろの国際関係等もありましょうし、なお社会政策としての角度の検討もありましょうし、なお他にいろいろの検討を要する要素もあろうと考えますから、これは、後日理事会その他委員会懇談会等において、当局を交えてさらに深く検討をされて結論を出すよう、委員長においてお取り計らい願いたいと思います。
  82. 平岡忠次郎

    ○平岡委員長代理 春日君の趣旨に沿うように取り計らいます。  午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後は一時半より再開いたすこととし、暫時休憩いたします。    午後零時四十三分休憩      ――――◇―――――    午後二時五十二分開議
  83. 平岡忠次郎

    ○平岡委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案を議題としまして、質疑に入ります。奧村又十郎君。
  84. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私は、酒団法改正案について、主税局長並びに国税庁長官に質問を申し上げたいと思いますが、国税庁長官のお見えになるまで、長官にかわって間税部長から御答弁をいただきたいと存じます。  今回の酒類業団体法の改正の目的としては、別途商工委員会で審議せられ、昨日衆議院を通過した中小企業団体の組織に関する法律が制定されるような情勢に順応するように、この中小企業団体の組織に関する法律規定とにらみ合せて、酒類業団体法も今日の業界の情勢に適応するように法律を改正しよう、こういう趣旨で提案されたものと思うのであります。従いまして、私は、実はこの中小企業団体の組織に関する法律の規定と、それから酒団法の改正案の規定とよく読み合せてみましたところが、非常に興味のある、またいろいろ重大な問題が明らかになりましたので、そういうことについて一つ御質問を申し上げたい。  従来、大蔵省が酒税確保の立場から酒類業界を取り締っていかれるやり方と、通産省が業者を産業育成の立場で指導していかれる態度と非常に違いがあるということを、私は興味をもって見ておったのであります。特に昨年の夏は、専売アルコールを取り締る通産省のやり方と、それから同じアルコール関係であるが、酒類行政を担当する大蔵省の取締り指導のやり方と、同じ酒税確保の立場で、また通産省は脱税防止の立場で取り締られるのですが、御方針に非常な違いがある。通産省のやり方が必ずいいとは申しませんが、かなり産業育成という業者の立場に立っての育成指導が強いが、大蔵省の方は、産業育成というよりも、税の確保ということに非常に力が入り過ぎて、いささか業界の育成安定ということには御配慮が幾分足りなかったのではなかろうかと思うのであります。今回の酒類業団体法の改正案において、中小企業団体の組織に関する法律、通産省の意図しておられるような業界安定、同じ業界安定を目ざしながら、その法律規定の中には、やはり従来の大蔵省の考え方と通産省の考え方とこうも食い違うものかと実はいささか驚いておるのであります。もちろん酒税確保という非常に大きな役目と並行していかなければならぬのでありますから、一がいに申し上げることはできぬと思う。しかし、少くとも今回は業者の安定ということを法律の目的に書いた以上は、その安定が目的通りに期せられなければならぬのであります。実はどう読んでみても、法律の目的通りに業界の安定というものが期せられるかどうか、私ははなはだ不安に思うのであります。しかし誤解のないように申し上げておきたいのは、現在の酒類業団体の実情から申しますと、それは中小企業団体の組織に関する法律とそっくりそのままの規定を作ろうというのも無理で、これは業界の実情に合いません。悲しいかな酒類業団体の現在の実情を見ますると、はなはだ自主性に乏しい。まことに言葉は悪いが、どういうものか、この酒数業団体は自主性が乏しくて、何もかも大蔵省の御厄介にならなければ活動ができないという実情、しかもこの酒類業団体の中に、各酒類ごとの団体があり、またその酒類ごとにも製版三層の利害の対立がありますから、そういう点で非常にやりにくいという事情はよくわかります。よくわかりますが、しかしせっかく業界の安定のための法律の規定を作りながら、この規定が実際はなかなか発動しにくいということであれば、この法律を審議するこの際に明らかにしておかなければならぬわれわれ議員としての立場がありますから、それらの点について突っ込んでお尋ねを申し上げまして、政府のお考えをただしておきたい、かような趣旨でありますから、そのおつもりで御答弁を煩わしたいと存ずる次第であります。  そこで、まず中小企業団体の組織に関する法律と今回の酒団法改正案とを読み合せてみると、非常な規定の相違があります。要するに私は、今回の酒類業団体法の改正案の規定では非常に食い足りない、実際には、これは効果のある施行ができないのではないか、こう考えます。特に中小企業団体の組織に関する法律が一方で施行され、酒類関係の業者は、酒団法の規定で調整規定などを発動しようとする場合、中小企業団体の組織に関する法律の方の規定と非常に食い違いがありますと、今後いろいろ支障が起ってくるというふうに考えるのです。どういう規定の違いがあるか、これを一つ一つお尋ねしておきたいと思います。
  85. 原純夫

    ○原政府委員 お尋ねが中小企業団体法と照応すべきものという前提でのお話になりそうでございますので、その点について、私どもの今回お願いいたしております法案の考え方は必ずしもそうなっておりませんので、それを先に申し上げておいた方がよろしいというふうに思います。  実はお尋ねの段階を追うていくに従って、はっきり出てくるわけでありますが、おっしゃる通り、中小企業団体法案と今回お願いしております酒類の方の組合の法律案、これは照応いたしておりません。ということは、私どものお願いいたしておりますのが、団体法が出るから酒の方にも同様なものを作ろうというのではないのであります。要するにこの法律は、酒税の保全を中心といたしまして、それにはやはり酒類業界の安定が必要だということが、従来も理念になっておるわけであります。その理念がだんだんと業界の実情、それから酒類の需給のつまり方ゆるみ方、率直に申してだんだんゆるんできておるわけであります。ということは、供給が十分になってきておるという事態に照らして、これを業界の安定、酒税の確保という大きな柱を確保するためにどうしたらよろしいかという面で常々考えておりましたところをまとめて、今回改正いたしたいということに相なっております。もともと産業行政のやり方として、いろいろ御批判がございます。大蔵省は産業行政になれておりませんから、そういう意味でいろいろ御指摘をいただかなければならぬ面があるとは思いますけれども、団体を組織し、組織の上に育てて参るという意味においては、酒類業界の団体の組織というものは、一般の中小企業界の組織に比べますと、はるかに確固たるものがもうずっと前からあるわけでございます。各末端から県の連合会、全国の中央会というものを通して、全国にきわめてがっちりとした組織を作ってやってきております。そういう意味では、今回の中小企業団体法のように、これから作るというようなものとははるかに違いまして、ずっと前からできておる。それに対して、御案内の通り交付金も出しておるというようなわけであります。そして、それをもって酒税の確保をはかる、同時に業界の安定をはかる。これはもう釈迦に説法でありますが、税が非常に重い、特に戦後非常に重い税を負担してやっていただいておる、そうすると、一方でやはり重い荷物を背負いながら経済行為をやるその業界に、経済行為を円滑にやっていかせるようにするためには、いろいろとめんどうも見なければならぬというような考え方に立ちまして、両面合せてこの酒類業組合に関する法律ができておるわけで、いわばそういう中小企業団体法に盛られました団結といいますか、組織といいますか、そういう面でははるかに進んでおる。酒類の業者の中には、中小企業でないものがたくさんございます。そういうような意味では、単に中小企業だけということでなく、酒類業界として組織されておるということになっておりますので、そういう意味でも、中小企業団体法とは必ずしも照応しないということに相なります。今回お願いしております法案におきましても、団体法にあるような組合協約とか加入命令というような制度はございません。ございませんが、実際上強い組織を実現し、それを通しているいろなことが動いておるということは、ただいまるる申し上げた通りございます。その点、冒頭に一言申し上げた方がよろしいと思いましたので、申し上げさせていただいたわけでございます。
  86. 奧村又十郎

    ○奧村委員 わかりました。しかし中小企業団体の組織に関する法律も業界の安定のためであるし、今回の酒団法の改正も酒税の保全並びに酒類業界の安定、改正の目的が、やはり業界の安定ということにおいては、決律は二つとも変りはないと思うのですが、そこに食い違いがあるのですか。
  87. 原純夫

    ○原政府委員 業界の安定をはかるという点は共通の目的であります。ただ中小企業団体法の方では、今まで大体組織化されていないので、この際組織化しよう、酒類業の方では、中小企業と大企業とを問わず、今まで全部がっちりと組織されておるというような点が、実態的に非常に違っておると思います。
  88. 奧村又十郎

    ○奧村委員 しかし、今まで中小企業安定法と申しまして、業界の自主的調整規定で中小企業が団結して、お互いに業界の安定をはかっていこうという法律がありましたが、もう中小企業安定法では、現在の段階では間に合わぬのだ、数歩前進して、今度中小企業団体の組織に関する法律で強固な調整規定、あるいは団体協約というものがやれるようにやっていこう、それほど時代が進んできたわけです。そういう時代に酒類業界も即応しなければならぬ、そういう業界安定の背後にある時代の移り変り、必要性ということについては、これは中小企業団体法も酒類業団体法も同じじゃないですか。そこで、同じ時代に同じ要求に基いて改正するのならば、酒類業団体法の今回の改正は、果してこれでよかろうかどうかという立場から検討することは、当然であろうと思う。もちろん酒税の確保という重大な使命とにらみ合せていかなければならぬ。何も私は、初めから大蔵省の案を攻撃しょうというのではないのです。この規定の中の意味を十分くみ取って、実際にこれが発動する場合に支障があるのかないのか、そういう実質審議をやろうと思うのだから、そう意気込まぬで、気楽な思いで御答弁をわずらわしたいと思うのであります。  そこで、今主税局長の御答弁によると、酒類業以外の通産省関係の団体は、今度の法律でこれから組織をしようというのだ、酒類業の方はもうすでに確固たる組織があるんだ、こういうお言葉です。なるほど確固たる組織はある。しかし、それは酒税確保に協力するための組織で、少くとも業界安定のための十分な組織であったとは言えない。そこに不備を認められて、業界の安定のために今度規定を改正されよう、こういうわけでしょう。そうすれば、果して今度の酒団法の改正で自主的に業界の安定がはかれるかどうかというところを突っ込んでお尋ねしてみたいと思うのであります。そこで、どうも中小企業団体法と比べると非常におきらいになるようでありますが、これは話の順序でありますから比べていきます。大きな違いとしては、調整規定の認可を申請した場合に、中小企茉団体の方は、申請から二カ月以内に認可あるいは不認可の決定をしなければならぬ、もしその決定がない場合には当然認可したものとみなす、こういう規定がある。ところが酒団法にはそれがない。それから酒団法には団体交渉の規定がない。それから組合の協定に従わない者に従わせるような、いわゆる強制加入の命令とか、あるいはそういう組合員以外に対する命令の規定がない。もちろん酒税保全のための命令はあるが、これは性質が違います。そのほか免許の権限は大蔵省にあって、業界には何ら介入する権限がない。こういうふうなことを考えてみると、酒類業団体の方の今回の改正規定では、実際の発動において、果して改正の目的が達せられるかどうか、私は不安でならないのであります。  そこで、まずお尋ねしたいのは、忍可の申請があった場合、期限付で政府はこれに対して決定の通知を与えなければならぬという規定を入れるべきであると思うが、なぜ入れないか、事情をお聞きしたいと思うのです。入れるべきであるという私の意見を申し上げますと、もしこの規定がなければ、これは調整規定を作って認可を申請しても、半年でも一年でも暖めておくということになれば、つまり業界の状態が非常に悪くなった、あるいは悪化するおそれがあるという非常に緊急な場合に、そう長くほっておかれたのでは困る。そこで何カ月もほっておかれて、それで法律上政府の責任を追及する規定は何もないのですから、いかに認可の申請を出しても、政府がほおかぶりをして知らぬ顔をしてほっておかれても、法律上何もならない。現に今まででも、しょうちゅう業界あたりから認可申請が出たが、今はそういうことはないでしょうが、時によると半年も返事がないということも聞いておる。それで、やはり当然決定の期限をつけなければならない、かように思うので、これは重大な点だと思う。なぜこれをおつけにならなかったのですか。
  89. 原純夫

    ○原政府委員 まず申し上げておきたいのは、酒の業界と申しますか、酒に関するいろんな取引あるいは生産、そういう関係は、御案内の通り小売価格の半分ぐらいになります、六割以上にもなります税金を背負ってものが動いておるわけであります。従いまして、その生産なり取引なりをやる方々にしますれば、何か非常に重いものを頭の上に乗っけてお互いに歩いておる、行動しておるというような格好になっておるわけであります。これは、国家財政のためにぜひ必要だということでそういうことになっておる。ですから、普通の場合よりは、ちょっと何かにぶっつかると、ころんでしまうようなことになりやすいわけです。そこで業界の秩序を整えるために基本的には免許制もとる、それからいろんな面で、ただだい申しましたような組織をがっちり組むということも前からやっておる。その他いろんなことについて、業界自体、また役所側でもできるだけの工夫をし、努力をして、重荷を背負いながらやっていく人たちの経済の営みが円滑に行くようにということでやっておるわけであります。そこで、今回団体法からごらんになって調整規定といいますか、規制事業の認可について、二月黙っておればオーケーだというふうにしろというお話でありますが、これは、実はそれが適用になる場合は、非常に危ない場合だというふうに私は考えるのであります。   〔平岡委員長代理退席、横錢委員長代理着席〕  現に私どもも、こういう関係の仕事を実は毎月のようにやっております。しょうちゅう、合成酒等について、出荷の規制ということについてやっておりますが、それは、いわば日常の事務になる程度のものは、これはすみやかに処理をいたしております。ところが酒類の業界には、いろんな酒の種類があり、そうしてその酒相互の間で、互いにいろんな競争とか代替とかいうような関係があるというようなことから、非常にぎりぎりした問題になりますと、一部の酒の組合が、うちの方はこうやりたいと言われる、これが酒の他の部面、あるいは全酒類業界に非常に大きなショックを起すという場合になりますと、これは十分お互いの間で練ってきめなければならぬということになります。率直に申しまして、中小企業団体法の適用の対象になる業界においては、そういうことはおそらく非常に少いのじゃないかと思いますが、酒類の方は、ただいま申しました非常に重い荷物を頭に乗っけて動いているというようなことから、そういう際のそういう問題については、十分慎重に各業界の部門々々の打ち合せを済ませ、了解を済ませてやりませんところぶ。ころぶ人が出ますと、これはどこかの事件じゃありませんが、あとからあとからころぶのが出てくるというようなことにもなりかねないわけであります。そんなような気持から、私どもおっしゃるところの早く処理をせいという気持は、もう全然同感であるわけでありますが、二月というような期限を切って、それで出ない場合はオーケーだといたしますと、一番ころびやすいところに石を置いてしまうということになりはせぬかというふうに思いまして、あえて入れなかった。団体法の方でも、今までの安定法では一月だったのを、今度は二月に延ばされるということで、実情むずかしい問題は相当慎重にやらなければならぬ場合がある。事柄にもよりますが、この種の事柄は、取引全般を規制するという条件でありますから、非常に重大だというふうに考えてそういたしました。なお今までにおきましても、申請がありましてから認可までの日数、実績を調べますと、大体平均で十四、五日、一番長いので四十日くらいというようなのが両三件あったというような程度になっております。御趣旨の早くやるようにということは常々心がけておりますし、今後も心がけるつもりでありますけれども、そういうことは条文としては入れなかったということであります。
  90. 奧村又十郎

    ○奧村委員 認可の決定の期限が付してないという点と、それから団体交渉の規定がないという点、これが中小企業団体法との一番大きな相違であろう。しかし、またこれがないために、業界がほんとうの自主的な運営というものをやりにくいのじゃないか、この法案のここが一番の勘どころでないかと思うのです。だから私は、それでは必ず期限をつけよ、あるいは団体交渉権の規定をつけろとは言わぬのです。言わぬが、しかし、これがなければ、せっかく法律を作っても、具体的な運営というものは非常にむずかしいのじゃないかという実際の問題を申し上げているのです。そこで、今の御答弁によると、中小企業団体の方では、生産者は生産者同士、あるいは小売業者は小売業者同士で、それぞれ別個に商工組合を作って、別個に調整規定を申請して、個々に団体協約をやるのですから、たとえば商業組合の方は、何も生産者のきげんも考える必要はない。ただそれが社会にひどい影響さえ与えなければ許可するということになるでしょう。ところが酒類業団体の場合は、ただいまの主税局長の御答弁のように、一方に酒類の生産者、酒類の卸売業者、また酒類と申しても他の酒類の関係業者団体があって、一方、たとえば小売酒販から申請があったからといって、それだけをすぐ取り上げるわけにいかぬ。そういう製販三層の関係などを考慮すると、中小企業団体のような規定は入れられぬ、ここであります。またそういう生産者、卸、小売の関係があればこそ、たとえば小売業者に団体交渉権を持たせたら、これはいつも酒類業団体の中でぎすぎすと問題がやりにくくなりますから、これも事情はよくわかります。しかしそうすれば、これでもう中小企業団体の組織に関する法律とは全然性格が変ってくる。変るなら変るで、そこを明らかにしておきたい、こういうのが私の質問の趣旨であります。  そこでただいまの御答弁によると、たとえば小売の酒販組合から調整規定の申請が出た場合には、これはやはり卸なり生産なり、それぞれ関係酒類業団体の意見も聞いて、それらの意見が合うた場合に認可をするので、小売酒販の申請が出たからといって、小売酒販だけの問題としてこれを決定するのじゃないのだ、従ってそこに二カ月という期限を置いたのでは役所としてもやりにくい、こういう関係で期限を置かないのですか。この酒類業団体の性格としては、酒税確保の使命が一方にありますが、酒税確保といえば、最後の酒税の窓口は生産者であります。そうすると、生産者を擁護していかなければ滞納が起る、いろいろトラブルが起るから、生産者を擁護し、卸売業者を擁護上、最後には小売に及ぼす。そうすると、これ全部をまとめた協定、話し合いでなければこれは認可するわけにいかぬ、こういう趣旨であるから期限を切っては困る、こういう意味でありますか。
  91. 原純夫

    ○原政府委員 大体そういうことでよろしいと思います。ただ念のためでありますが、小売からある申請が出た場合に、その業界の完全な同意がなければいかぬかというところまでではなく、やはり各業界の他の製版の業者、あるいは他の酒類の業者の意見を十分聞いて――それはやはり利害の対立というものがございますから、最終は一致しないということもあり得るわけであります。そういう場合に、やはりわれわれとして判断をつけなければならぬとういときはあると思いますが、そういう場合には、各界といいますか、各部門の意見を聞くことに十分念を入れてやらないといけない。重い荷物を背負っているのだから、軽率なことをやるといけない。それでも極力早くやるという必要はあると思います。常にやっていることで、おっしゃるお気持のこたえる点はいろいろございます。ですから、そういう点で努力せんければならぬ、気をつけなければならぬということはありますけれども、それが最後に二月なら二月というところでデッド・ラインが来てしまって、黙ってしまったら認可になったのだというような規定があることは、その際にそういうものの適用がある事態は、それによる波紋が一番大きい可能性のあるときだものですから、早くやることについては十分努力するということで、事実現在でも、ただいま申し上げましたように、半月程度、長くとも三、四十日ということで処理しておるわけでございますから、それでおまかせ願ってよろしいのではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
  92. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そこで、今度団体交渉の規定をなぜ入れなかったかということについてお尋ねしますが、販売面における調整規定をやろうという場合は、おそらくマージン関係から、必ずこれは販売面だけでなく、今度その販売人の仕入れに関する調整規定もきめて、仕入れに関する調整規定をきめれば、仕入先に対する団体協約といいますか、団体交渉といいますか、これは当然ついてくる。これがなければほんとうの調整規定の実施はできないと思うのですが、酒類業団体ではこれをはずした理由を一つお尋ねしておきます。
  93. 原純夫

    ○原政府委員 先ほども申し上げましたように、酒類業団体の中には、実は中小企業だけじゃございませんで、非常に大きな団体、ビール業界のような、全産業の中でも大企業であるものがある。それから蒸溜酒業界あたりですと、大体において中小というか、やはり相当大きい形のものがあるという、ようなこと、清酒業界でも、相当大きいのがございます。従って、中小企業団体法的なアイデアでこれに一律に団結権とか交渉権を与えるというのは、それ自体としてどうもおかしいじゃないかという議論が一つあるわけです。それじゃそれ以外のものという考え方もございますが、実は率直に申しまして、ただいま申しました通り、酒類の製造販売、そういう経済行為については相当むずかしい条件でやっていただいておる、われわれとして相当心配しなければならぬわけであります。そういうところに団体協約の制度というのは、一体初めから試験済みの矛盾のない制度であるかどうか、私こういうことを言うのは、団体法が昨日衆議院で御議決になりました翌日ですから、何も批判がましいことを言うのじゃございませんが、あれについては、御審議の過程でもいろいろと深刻な御議論が出ている存でございます。どういうような成り行きになりますか。実際に実施されてどうなるかというようなことも、酒類の業界にこれを適用するかしなしかということを考える場合には、初めからあちらでやるからこっち軽率に過ぎるのじゃなかろうかという感じがいたしております。これは、酒類の中には中小のがありますから、他の業態でできることを、一がいにこっちで必ずやらせないのだという気持を持っておるわけではございませんが、何分非常に新しい制度で、それの実施についても十分見た上で、ただいま申しました非常に不利なハンディキャップをしょっている酒類業界にどう適用できるかという点を十分見きわめた上でなければいかぬという配慮がありまして、今回はこれは規定に入れないというふうにいたした次第でございます。
  94. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私は、団体協約の規定を必ず入れろという主張じゃなしに、団体協約の規定を入れないという酒団法の改正の性格そのものを問題にしておるのです。そこで、それじゃ具体的に行きますと、酒類の生産者と中間卸機関と、それから小売団体と、この三者は、悲しいかな宿命的に利害は相対立しております。マージンの割り振りで利害が対立して、現在マル公をおきめになるにしても、ずいぶん大蔵省に陳情があって、中をとるのに、大蔵省ずいぶんお困りであろうと思っておる。そういうことでありますから、これは利害が対立するのは当然のことなんで、しかもこの調停をするということもなかなかむずかしい。そうすると、その調停が製販三層そこそこつくのでなければ、調整規定の認可ができない。こういうことになりますと、結局これらの製販三層の調停とか、あるいは各酒類間との調整とか、これはやはり従来通り大蔵省がその調整をやっていかれる、こういう建前のもとでこの法律をお作りになったのですか。
  95. 原純夫

    ○原政府委員 その通りであります。
  96. 奧村又十郎

    ○奧村委員 現在の酒類業団体の実情からいけば、今の御答弁の通り、大蔵省で調整をとってもらわなければとてもいくものじゃないと私は思います。その意味で、この規定は妥当だと思います。しかし、それでありますと、これはいつまでたっても業界の自主的な調整規定で運用される、業界がみずからの団結によって自主的に業界の安定を期するという法律の目的にはなかなか届きにくい、こういうことになってくるが、これは実情やむを得ない。  もう一つ、かりに調整規定が認可される、ところが組合員でないものはこれに従う義務はないわけですが、中小企業団体法の方では、特に目的達成のために必要があるという場合には、組合員外にも調整規定に服する命令を出すことができるという規定があるが、酒団法にはその規定がない、これはどういうわけですか。
  97. 原純夫

    ○原政府委員 おっしゃる通り、酒の組合の方は、加入の強制が表向きはございませんから、若干はアウトサイダーがあるようでございます。しかし実際におきましては、ほとんど九九%幾らというのが入っておるということでありまして、アウトサイダーによっているいろな規制事業が乱されるというようなことを聞いておりません。そういう意味で、しいてそこまでのことは要らないのではないかと、実情に即してそのままにしてあるということでございます。
  98. 奧村又十郎

    ○奧村委員 現在酒類業界では、自発的であるか、あるいは政府のお勧めでやっておられるのか、詳しくは存じませんが、いわゆる正常取引の運動を実施しております。この正常取引の運動の中には、現行の酒団法に基いて運動をやっておるのもあるのでしょうし、あるいは単なる大蔵省の御指導でやっておるのもあるのでしょうが、いわゆる現在の正常取引の中に、現行酒団法に基いての自主的な調整をやっておる部分はどういう部分で、どういう調整をやっておりますか。現在の酒団法に基くところの調整を施行しておるその内容をお聞きしおきます。
  99. 原純夫

    ○原政府委員 酒類の中でもしょうちゅう、合成清酒というあたりは、現在需要に対して供給が過剰ぎみだというようなことで、先ほど申した困難な条件が一番強い状態でありますが、そういう部面では、どれだけ毎月出荷して参るかということをあんばいしていくことが非常は大事になっております。その毎月の出荷の規制は、調整命令規制事業としていたしております。それから売ります場合に、招待販売というか、いろいろな形の景品というか、リベートというか、そういうものをつけてやることがよく行われます。そういうものを規制することも、この法律に基く規制としてやっておる、それらが大きなものであると記憶いたしております。
  100. 奧村又十郎

    ○奧村委員 今の御答弁は、生産者の四体と卸の団体と小売の団体と、それぞれ現在の実施の状況をお聞きするここが、この法案の審議に一番参考になると思うので、もう少し詳しく……。
  101. 原純夫

    ○原政府委員 規制調整命令はどんなのが出ているか、一つ二課長から説明するようにいたします。
  102. 吉国二郎

    ○吉国説明員 ただいま規制を実施ししおりまするものの内容を簡単に申し上げますと、出荷規制として実施して知りますものが合成布酒で十二件、これは三十一年中でございます。しょうちゅうが十二件、それから添加用のアルコールが二件、合計で出荷規制としては二十六件を三十一年中に実施をしておるわけです。それから生産規制といたしましては、乙のしょうちゅうで、これは地域的なものでございますが、鹿児島、人吉、宮崎で三件生産規制を実施しております。それから昨年の六月以降でございますが、取引条件り規制――ただいままで申し上げましたのは、主として酒類の製造業者の規制でございますが、販売業者を含めた小引条件の規制といたしましては、八件でございます。これはしようちゅうの中央会、それから合成酒の卸の酒販組合、それから清酒の組合、これが合計いたしまして四件になるわけでございますが、これだけが取引条件の規制をやっております。取引条件の規制と申しますのは、内容的に招待付販売とか景品付販売、こういうものを規制をするものでございます。現在まで、三十一年度におきまして実施いたしました規制の内容はおおむねその程度でございます。
  103. 奧村又十郎

    ○奧村委員 現在、しょうちゅう業界では、毎月出荷の統制をやっておるようでありますが、これは法律に基いてはおらぬのですか。
  104. 吉国二郎

    ○吉国説明員 ただいま御説明申し上げました出荷規制の中で、しょうちゅう十二件と申しましたのがそれでございます。これは毎月規制をやっておりますが、最近におきまして、一年間を通じて規制を実施するように変更いたしましたので、昨年中は十二件というのは、実はしょうちゅうは毎月出ておったので十二件というのでございます。
  105. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ビールに関しては、一切この法律に基く統制は行われておらぬのですか。
  106. 原純夫

    ○原政府委員 ございません。
  107. 奧村又十郎

    ○奧村委員 清酒は生産制限はしていないのですか。製造においては、事実上は制限されておるのであるが、法律に基いておらぬ。とすれば、これはどう解釈していいのですか。実際は作りたいだけ作るというわけにはいかぬはずですが、どういう法律に基いて規制しておるのですか。
  108. 原純夫

    ○原政府委員 清酒は、事実上生産は制限され、規制されております。事実上というか、やはり法律としては、食糧管理制度があり、米が統制されておるということからそういうふうになっておるわけでありますが、年々の米穀の需給の状況を見まして、清酒に対する割当というものを政府できめて、それを各製造者に配るというようなことで、その結果、非常に強い規制が行われているというのが実情でございます。
  109. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そうしますと、米の統制が撤廃されればどうなるか。おそらくこれは、酒類業団体法による自主統制に移管しなければならぬと思うのですが、御当局の御方針というものを……。
  110. 原純夫

    ○原政府委員 そういう場合には、おっしゃる通り、この団体法の発動が考えられると思います。だれが考えましても、米が自由に使えるというようなことになりますれば、相当前提条件が変って参ります。そこで全然野放しにしておいてよろしいかどうか。野放しにしておけば、ここの法律の文章にあります業界の不安定というものは、もうきわめて明らかでありますので、どの段階でそれを判定するかというような問題がありますけれども、この法律の適用が考えられるというような事態が出て参るのではないかというふうに思います。
  111. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それじゃ清酒の方は、原料米の方で、しかもこれは食管の規定で事実上規制されておる。それなら米以外の原料アルコールなどは制限ないわけでしょうから、米だけは規制されてもいいが、原料アルコールはどれだけ使うか、そういうことは業者におまかせになるべきです。実際はしかし三倍増醸とか、そういう原料アルコールの使用までも政府は規制しておられるが、これはどういう法律に基いておられるのですか。
  112. 原純夫

    ○原政府委員 原料アルコールの出荷の規制についても、先ほど読み上げました表の中で、昨年二件というのがございますが、出す方については、そういう規制をいたしております。それらを通じて、またその他業界内における努力によって、円滑な運営をはかっておるというような実情でございます。
  113. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それは少し苦しい答弁じゃないかと思います。原料アルコールの方は出荷規制があるからとおっしゃるけれども、しかし原料アルコールを出荷規制をせにゃならぬ理由がどこにあるか。今それを使用して清酒を作ろうというならば、何も清酒業者が原料アルコールとして欲しければ、それは要るだけ渡せばいいので、それを原料アルコールの方で規制する理由はどういうわけですか。イモもあり余って、特に国の専売アルコールなんかあり余って、アルコール工場は失業して困っておるはずですが、それはどういうわけですか。
  114. 原純夫

    ○原政府委員 そちらの使う方につきましては、合成清酒との区分をつけるというような意味からいたしましても、アルコールを幾ら使ってもよろしいというようなことでは、この酒税法の清酒の定義というものからはずれてくるような場合があるわけです。そういうような意味から、清酒にアルコールを使用するということについては、この酒税法で承認を受けなければならぬということになっております。その条文の適用で、申請をさせて承認をするというような形で処置をいたしておるということでございます。
  115. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それは、そのことは悪いとは言いませんが、政府のなさることは、やはり法律に基いてなさらにゃいかぬです。ところが実際おやりになるのは、三倍増醸はこれこれと、ずいぶん厳格な数字を割り当てておられる。そういうようなことをなさるなら、法律上の根拠がなければならぬ。ところが今の御答弁によると、根拠がどうもはなはだあいまいだ。しかも話に聞くと、そういうことはほとんど大蔵省だけでおきめになって、関係業界も、そういう酒類の生産計画は全然相談に乗ることもないという話です。それじゃせっかく酒類団体法を作っても、そういうやり方では、団体も育成されぬと思います。法律をその通りに執行しなくても、この団体法の精神に基いて清酒を作るというなら、せめて清酒の団体に生産計画ぐらいは相談をおかけになるのが、そうしてその部分くらいは、この法律に基く自主統制の形をおとりになるならば、そうしなければ、これは政府が法律に忠実とはいえぬ。議論にわたりますが、そういう手続を今後踏んでおやりになったらどうですか。
  116. 原純夫

    ○原政府委員 先ほど申しましたように、アルコールを三倍増譲に使うということ、その程度つきましては、酒税法の五十条というのに根拠を置いて、それによって承認を受けさせてやっておるわけであります。なお生産計画について業界の意見を聞く、これはおっしゃる通りで、現に業界の意見をわれわれとしては十分に聞いておると申したいくらい、いろいろと意見を聞いてやっておるわけであります。これは当然のことでありまして、できる限りやっております。何か足らないような点がありましたならば、御指摘いただいて、注意いたしたいと思いますが、もう当然のことと思ってやっておる次第でございます。
  117. 奧村又十郎

    ○奧村委員 今の御答弁の酒税法の五十条の承認を受ける義務、この規定は、個々の酒類製造者が個々に税務署長に申請を出すという規定でしょう。ところが実際おやりになるのは、三倍増醸は金製造石数の何%、こうはっきり割り当てておられる、公文書で出しておられるそれは法律のどれに基いておるのですか。
  118. 原純夫

    ○原政府委員 現在米の統制がございますから、新しい酒造年度ではどれだけ米の割当を受けるかというのが、仕事の出発点になるわけであります。そしてそれがきまり、それに基いてどれだけ清酒を作るか、この場合には、なるべくアルコールをこの程度にしたいという純技術的な意見と、それから御案内の通り、財政的にも酒税を幾ら確保したいというような意見と、その他いろいろな他の酒類との需給のゆるみ万、きしみ方、そういうような問題も響いて参ります。それらを総合的に勘案してきめる。その際に業界の意見は聞くということでございます。そうしてきまるものが、五十条による各業者か個々に申請するものの大前提となる準則といいますか、基準といいますか、そういうようなものになるわけです。こういうものは、現に食管法によって米が統制されております以上、そういうような基準をきめて参るということは、行政としての一つの当然の義務じゃなかろうかというふうに考えております。そういう立場で業界の意見も十分聞いた上で、どの程度アルコールを入れるかというような点も、生産計画の一環としてきめて、そしてそれを各業者に徹底させるようにするということにいたしております。
  119. 奧村又十郎

    ○奧村委員 しつこいようですが、私のお尋ねするどの法律に基いてそういう割当の命令を出しておるかということは、どうも御答弁が苦しいようです。実は私も法律をだいぶ調べてみたか、そんなお話のような法律はありません。大体大蔵省は何も、酒税法だけに限らず、一般の税法についても、税法の規定を通達などでかなりゆがめて実施しておられる。そういうくせがやはりここらにも現われておるのじゃないか、別に原料米の方は食管法でよろしいが、それでは総石数に対してアルコールを何ぼ以上使ったらいかぬ、三倍増醸は、どれだけ以上作ったらいかぬ、そういう法律の根拠の規定というものがあるのですか。
  120. 吉国二郎

    ○吉国説明員 ただいま局長から申し上げました通り、酒税法の五十条におきましては、酒類製造に当っては、個々に承認を受ける義務がございます。従いまして、形式的には各酒類製造者は、酒類を製造しようとする際には、その内容について承認を受けなければならないわけでございますが、現在やっております生産計画と申しますものは、もちろん一面におきましては、食管法によります米の使用数量が制限を受けまして、その面では、一々承認する場合を待たずに、米の使用量は制限を受けるわけでございます。その他の物品につきましては、個々の酒類製造業者が、具体的には承認を受けて実施するということになるわけであります。その承認を受ける際に、どの程度の内容で承認を受けるか、またどの程度で製造しようとして計画を立てて承認を受けるかということは、一般的に生産計画で、こういう基準で承認を求めろという意味で出しておるわけでございまして、法律の規定なしにやっておるわけではないのであります。この承認を税務署長がいたします場合には、生産計画にのっとりましてできました一定の基準に該当すれば承認をするという形で、法律の基礎がないというわけではございませんが、もちろんその生産計画を立てます際に、アルコールをどのくらい入れるかとか、あるいはその他の原料をどうするかということは、これはおもに清酒の業界でございますが、業界の意見を十分聞き、実際上は十分な協議をした上でやっておることでございまして、一方的にやっておるということはないと思っております。   〔横錢委員長代理退席、委員長着席〕
  121. 奧村又十郎

    ○奧村委員 まことにしつこいお尋ねですが、酒税法の五十条によって承認を受けなければならぬ。個々の業者が承認を受けるということは非常にめんどうでもあるし、それならいっそ画一的に大蔵省の力から指図を出そう、そういうお考え方がおかしいと思うのです。酒税法の第三条によるところの清酒、合成酒、その区分に違反しなければ、業者はアルコールをどれだけ使おうと、どうしようと、これは業者にまかせるべきことで、清酒の総石数の何%まではアルコールを入れさせるが、何%以上はアルコールを入れさせない、それを大蔵大臣がきめる、そういう考え方がどうもおかしいのじゃないですか。法律に許す範囲なら、アルコールをよけい入れようと入れまいと、それは業者が、どの程度入れた方が飲みやすいかどうかというくらいのことはわかるはずです。そういうことまでも政府が一方的にぴしゃっと命令的に出すということが、すでに大蔵省の法律の執行というものは非常に独断的なように思う。そうすると、今のお指図は――今のアルコールに対する指図というのですか、それは酒税法五十条に基くということですか、それによって私一ぺん検討してみたいと思うのです。
  122. 原純夫

    ○原政府委員 米に関する統制が全部はずれて、米をどう買ってどう使おうが自由だという時代になりますれば、事柄はだいぶ違うと思います。しかし現在は、やはり食糧管理制度が現在のような形であって、そうして、たとえば清酒には何万石というふうにきまります。それをいろいろな基準で、公平に各業者に分けるわけであります。分ける場合に、一方でやはりまだ足りないわけです。そういうようなことから、アルコールを入れてふやすというような方法がずっと発展してきたわけです。ですから、原料米の割当石数に対してアルコールをこれだけ入れる、そうしなければ酒税はこれだけ上らないということで、そういう基準をきめるわけでありますから、まだ現在は、もらった割当米にどれだけアルコールを入れるかということを自由にやらせろといわれますと、ただいま申しましたような前提に立つ態勢を非常にくずすことになります。そういうような意味で、やはり現段階においては、そういう規制が必要だというふうに考えるわけであります。自由になりました場合にも、先ほどお話しのように、あまりその辺を自由にしておいて――これはアルコールをまぜる問題に限らぬわけでありますが、自由にしておいてよろしいかどうか。多分何か規制が要るのじゃないかと考えるわけであります。現状においてはそういうようなわけで、もうスタートの食管法による統制ということがあります前提から、こういうことは当然のことである。実質的にももらったなにを、うちはもうアルコールを全然入れないでいい酒だけ、米の分の多い酒だけ作るというようなことを勝手にやられますことは、全体として思わしくないと考えるわけであります。
  123. 奧村又十郎

    ○奧村委員 これは、このことに関するだけでなしに、大体大蔵省のなさることは非常に私は納得のできぬことが、これに似たことがありますから、しつこいがもう一ぺん聞きますが、今日の自由経済の時代には、法律に規定する範囲内で業界を取り締り、指導なさるのが政府の役目で、法律に規定しないことを政府が一方的に法律のワクから踏みはずして命令したり指導したりすることは、これはよほど考えなきゃいかぬ。そこで合成酒はどう、清酒はどう、法律にちゃんと規格が規定してあるのでしょう。その規格内なら業者におまかせになるべきです。それをアルコールは何%使ってはいかぬ、それ以上使ってはいかぬ、これは法律に何も根拠がないのです。その法律の根拠は何かというと、五十条です。五十条は承認規定です。法律には規定してないが、酒には何%以上アルコールを使ってはいかぬ、そうすると品質が悪くなるということを大蔵大臣が一方的にきめるのですか、そういうふうに一方的にきめる法律の根拠はどこにあるのですか。大蔵大臣は、どうもそういうふうに法律に規定もしてないようなことを勝手になさる、そういう傾向を私は問題にするのです。そういうことをなさるなら、やはりこれは、少くともちゃんと酒団法に業界の自主統制があるのだから、自主統制に乗せておやりになるべきじゃない、だろうか。きょうまでのことはやむを得ませんが、ことしの冬からこの酒団法に基く自主統制をおやりになるのか、それとも今まで通り、そういうふうに法律にないことを大蔵省で勝手に、それ以上まぜてはいかぬとか、大蔵大臣が勝手におきめになる、そういう方法で今後ともやっていかれるのか、この点を伺いたいと思います。
  124. 原純夫

    ○原政府委員 くどいようですが、現在統制があるものですから、勝手にやるということはちょっと困るのでございます。政府の立場として、酒税をなるべく上げるというところから言いますと、百三十万石なら百三十万石の米の割当が清酒にあったというような前提で考えますれば、どうしたら一番財政目的にいいか。それはアルコールで極限まで割ってもらって、一番よけいの石数を作ってもらうのが財政収入のためにはいいわけでありますが、一方ではやはり酒の製造者として、あるいは消費者としているんな好みもあるし、また製造者としての態度というか、やりたい希望もおありになるというようなわけであります。そこで、それらを十分かみ合せて、その際には酒の業界の団体とも十分打ち合せまして、そして基準を作る、一応これを基準にする。基準といっても、何%ぴしゃりというようなものでなくて、若干の幅は持たしております。それで基準をきめて、それでやるのだという前提で米を割り当てる。そうでなく、勝手にやるのだということですと、やはり勝手にやるやり方によって割り当ても変えなければならぬというような問題も起ってくると思います。これはとても実際問題としてできるものではありません。また出てくる酒が、ある酒は全然アルコールを入れない米生一本だというようなことをいっても……。
  125. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私の言うのは、そんなことじゃない。政府のなさることはすべて法律に基かなきゃならぬ。そうして清酒なり合成酒なり、規格は法律できまってあるのです。法律にきまってあるなおその上に、アルコールは何ぼ以上使ってはいかぬ、それは品質を害するというようなことは、政府がきめることじゃない。業者がアルコールをどのくらい使ったら飲みいいか悪いか、それは業者におまかせになるべきだ。それを政府が、アルコールは何ぼ以上使ってはいかぬ、三倍増醸は何ぼに制限しなければならぬというようなことをなさる以上は、その法律院の根拠はどこにあるかということです。大蔵省は法律上の根拠なしに何でもなさるから、くどいようですが、こんなときに一ぺんおきゅうをすえておかなければならぬ。
  126. 原純夫

    ○原政府委員 まず最初に、大蔵省がよく勝手にやると言われるその点については、私どもやはりいろいろな力を持っておりますものですから、ついつい勝手に出やすいということは、常々自戒いたしておりますから、それはありがたくちょうだいいたします。  ただ本件は、それは法律を無視したものというおとがめはいただきたくないと思います。先ほど申しました五十条の規定は、昭和二十九年に、やはりこういう増醸のなにに対応して改正になったわけでありまして、個々の業者がまぜるについては申請をしなければならぬという規定がありますれば、それに基いて承認するかしないかということをおまかせいただいておるというふうに考えます。ただその場合に、申請するのに目安を申し上げておいた方がいという意味で、先ほど申したような基準を業界の団体とも打ち合せて作ってきめるということでありまして、この基準でやれという命令を出しておるのではございません。これでやりたいという承認の申請に対して、承認という形で出しておるということでございます。
  127. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そういう答弁をようあなたはなさるですな。酒税法の、五十条は、私は実はよく前から研究しておったのですが、これは、現実に酒屋さんがあすはアルコールをまぜるという場合に、黙ってまぜておったのでは、これは脱税その他の弊害もある。そこで何ぼまぜる、これはあなた脱税その他の取締り上の規定ですよ。この規定の中には、清酒の石数の何%以上アルコールをまぜてはならぬとか、まぜる石数、度合いなんていうものは何も書いてないじゃないか。それならば、私が先ほど申し上げておるように、苦しい答弁ですから、苦しいなら苦しいで、あっさりかぶとを脱がれたらどうですか。私もここでやる以上は、私の言うたことが間違っておるならば私はかぶとを脱ぎますか、一たん言うた以上は、私もあとへ引きません。あくまでも五十条ですか、そんなことは答弁にならぬ。そんなごまかしなら、私は何ぼでもやりますよ。それがまずかったらまずかったで、はっきりしておいてもらいたいそれ以上追及しません。
  128. 原純夫

    ○原政府委員 せっかく奧村委員のお話ですから、まずかったと申し上げたいのでありますけれども、これはやはりおっしゃるように、どれだけ使ったかを検査の際にきちんと条件をそろえておくのだというだけならば、届出だけでよろしい。それをあえて承認しておるというところに、この条文の別な意味があるわけでございます。やはり戦後米が非常に足らぬというようなところから、一般酒類、他の酒類もそうでありますが、清酒はこれだけアルコールを入れてできるということはだれもわからなかったくらいに、そういう技術が発達してきておる。そういう面を規律しなければならぬというような考えが入って、こういう条文ができておる。こういう条文でそういう規制をやるのがいいかどうかという問題はあるかもしれません。非常に間接的な形になっておりますから、あるかもしれませんが、これが法律を離れてやっておるとおっしゃられると、やはりこの条文で承認を受けなければならない、承認するかしないかという問題として、その問題が法律にひっかかりがある。そう言うと、えらい弱いひっかかりだとおっしゃるかもしれないけれども、そういう規定のしようの問題があるにしろ、法律をはずれてやっているというおとがめをいただくと私は非常につらいので、その点は一つお許し願いたいと思います。
  129. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それでは、政府は毎年、この酒造年度は、アルコールの率は何%、三倍増醸の率は何%と年によって変更しておられる、それを指図しておられるが、それは、どの法律に基いておるのですか。(「政令の定めるところによるんだろう」と呼ぶ者あり)そういう政令でもあるのですか。政令があるのなら、どの政令に基くのですか。何か根拠規定をはっきりしていただかぬと、私ども法律を審議するのに、そんなだらしのない話ではいかぬ。
  130. 原純夫

    ○原政府委員 何でも全部法律に書け、というお考え方もあるわけでありますが、これは、まあ法律と行政との境目をどこに置くかという問題でございまして、税だけに限りましても、たとえば法律であることをきめて、そしてそれの具体的な数値は命令以下で、あるいは通達で何していくというようなことがあると思います。あまりいい例ではありませんが、例の同族会社の行為計算の否認の場合の基準の判定というようなものを法律で幾らときあろという御議論があると思いますが、それはとてもでき切らぬ。やはり具体的な実情に応じてやる。この場合は、基準があまりはっきりしたものがないわけでありますから、例としてはあまりよくありませんけれども、やはりすべて法律で数値をきめるという必要はないのではないか。法律には、三倍増醸なら三倍増醸がどの程度で行われるかということについて、確保されるような規定があればよろしい。その際、おそらくお気持は、正面から基準を示すことができるというようなものがあった方がいいというお話のようにも思いますが、ただいまの法律においては、それを正面からでなしに、五十条に承認を受けなさいという格好でやって、何%ということは基準として示しておる。従いまして、基準も非常に権力的な強い形というのではなくて、若干の幅を持たせて、しかも業界のいろいろな意見を聞いて、そして一種の幅を持ったものとして示しておるというような次第でございます。
  131. 奧村又十郎

    ○奧村委員 主税局長によく言うておきますが、われわれ国会が政府に行政権をゆだねてあるのは、法律の範囲内で、法律に基いて政府に権限を与えてあるのですよ。ところがあなたの答弁によると、何もかも、法律じゃない、また法律で書いてなくとも何でもいたすでは、そんなことは、あなた方にわれわれ国会はまかしてありはせぬ、そんな答弁をそのまま通すのでは、われわれ国会議員の職務は勤まらぬ、だから、これはきょうはあなたの方は判定負けですな。(笑声)あなたの答弁にはこっちもくたびれます。そんな大蔵省の態度が何事にもありますから、私はまたこれ以外の機会に、もっと強く突くときがくると思う。きょうは、この程度でこの問題はやめておきます。  そうしますと、現在の酒類業界の状態には、卸の段階、小売の段階、生産の段階もそうですが、マル公債格を割って、かなり、いわゆるリベートと申しますか、段階によっては一升に二十円から三十円、五十円も値引きをしておるというところもある。現在のこの酒類業の状態は、特に清酒その他の場合でも、酒団法の規定に基いて調整規定を発動すべき状態だと私は思うのですが、先ほどもお尋ねしたのは、清酒などについては何ら調整規定が発動していない。ところがが実際は正常取引運動をやっておる。その正常取引運動というものは、またくどい話ですが、どの法律に基いておるのか、ちょっとお尋ねします。
  132. 原純夫

    ○原政府委員 先ほど申し上げました二つのタイプのうち一つの方の、リベート的な招待だの何だのというものは乱に流れてはいけませんという取引条件の規制に関する団体法の発動、これは現在清酒につきましてはやっておるわけであります。
  133. 奧村又十郎

    ○奧村委員 取引条件、つまり招待その他のサービスのことを言われるのでしょうが、しかし現実に卸、小売の段階なとでもマル公を二十円なり五十円なり割って取引をしておる。これは、マル公というものは適正な利潤をはじき出して作ってあるのだから、これを大幅に割って安い価格で取引されれば、税に相当する部分が消費者に完全に転嫁されておらぬ、それだけ業者の内容がだんだん悪化するわけです。そこで正常取引運動というものをやっておられる。その正常取引運動は、これは価格の段階ですが、それには法律に基礎を置いていないというただいまの御答弁ですが、そこらもはっきりしておきませんと、地方において聞きますと、正常取引を励行させるために、税務署の方が、菅外から酒が入ってきたり、あるいは乱売なんかするところへ行くと、びしびし毎日のように検査をして、検査でいやがらせをして、そうして業者を萎縮させて、取引を正常取引にさしていくという弊害も耳にするのです。そういうことではいかぬので、せっかくこの酒団法の法律規定があるのなら、その規定に乗せて自主的な調整規定を発動させるべきだと思う。これに対しての実情と、また御見解を承わっておきたい。
  134. 原純夫

    ○原政府委員 酒団法に乗っけていくべきだというのは、おっしゃる通りだと思います。われわれもそういう方向に持っていきたいと思っておるのですが、値引きの問題までいきますと、率直に申して、なかなか話かまとまらぬというのが今までの実情でありまして、そういうところが、先ほど来申した重い荷物の重みが非常に顕著に出ておる部面で、私ども常に苦慮しておる問題でありますが、方向としては、おっしゃる通りの方向に持っていきたい。ただそこまで業界がまとまるまでに、ただいままでのところ至っていない。そうすると、まとまらなければいつまでも待つのかというような問題になりますが、もう少しこれらについては、事実上の調整をはかる期間を与えていただきたいというふうに考えております。
  135. 奧村又十郎

    ○奧村委員 小売の面における関係でお尋ねいたしますが、大体都会における小売の酒類業者は、酒類だけでなしに、どこでもしょうゆとか、みそとか、カン詰とか、中には荒物まで並べます。そうすると、酒類については酒団法で組合ができておりますが、みそやしょうゆについては、通産大臣所管の中小企業団体の組織に関する法律で作る、こういうつまり二本立で、一つの組合員が酒団法による組合と、それから中小企業団体による組合と両方に加盟する、こういうことになるわけです。ところが、それから一歩進んで、酒類についても中小企業団体の組織に関する法律に基いての規制をやろう、そのための商工組合を作ろうということを言い出す場合、この法律及び中小企業団体の組織に関する法律は、その道は閉ざしておらぬ。酒類についても、中小企業団体法による商工組合もできる、かように私ども法律を読むのでありますが、その通りでありますか。
  136. 原純夫

    ○原政府委員 酒数につきましても、中小企業団体法による商工組合の設立ができないということは、法律上はございません。しかしながら、規制事業を発動します前提条件、つまり商工組合設立の前提条件は、酒類業組合の場合とほぼ同一になっておるということですから、その場合二つの方法があるということになります。われわれといたしましては、酒類業組合法という特別立法があって、そしてそういう不安定の事態、またおそれのある事態についての措置をこれで考えておるのだから、この法律の系列で事を処理するということが私どもとしての態度であろうというふうに考えて、そういう場合には、酒類入組合によってやるようにいたして参りたいというふうに考えております。
  137. 奧村又十郎

    ○奧村委員 そこで、御答弁の趣旨はよくわかりましたが、そうなりますと、同じ酒類の小売業者でも、みそやしょうゆについては、中小企業団体法によって商工組合を作って、それで中小企業団体法の規定に基いて調整規定を発動する、こういうことになると、酒の方の酒団法の規定と比べて、酒団法の方は非常にやりにくい。先ほどのお話のように、酒団法の方は生産者、卸業者の事情もよく考えなければ、小売業者だけでは調整別定はなかなか認可がもらえない。ところが中小企業団体法の方は、そういう生産者や卸業者のことは何ら考えずに、小売業者の組合だけで自主的に動ける、そうするとだんだん組合員が啓蒙されまして、どうも酒団法は、大蔵省の方の御指導はやりにくいというふうに、これはだんだん情勢が変ってくる。その意味からいきますと、大蔵省の方ももう一つ頭を切りかえていただかぬと、この法律が実態に合わないと、かなり非難を――現在ではありませんか、将来受ける時期が必ずくると私は不安を持っておるのであります。特に団体交渉が認められないということが、私は一番小売業者の不満を買うのではないか、これがなければ調整規定の意味がありません。そこで、将来製版三層の調節を大蔵省はとっていくと言われるが、現在の酒団法のこの改正案では、そういう点についてもう一つの突っ込んだ御配慮が私は足りないのではないかと思う。私は、この法律を作っても、今はこれより仕方がないかと思いますけれども、実際は足りない、かように存じます。  そこでお尋ねしたいのは、この酒団法による今度の改正案、調整規定の発動と酒類のマル公の制度との関係であります。マル公の制度があって最高価格がある以上は、最高価格を上回る販売価格の調整規定の認可はおそらくあり得ないでしょう。そうすれば、マル公を下回る販売価格の認可はあり行るのですか。もしあり得るとするなら、この調整規定を発動すれば、マル公の制度というのはもう要らぬではないかという意見も遠からず起ってくる。このマル公の関係と、マル公と調整規定の関係を一つお尋ねしておきたい。
  138. 原純夫

    ○原政府委員 マル公をやめるかどうかということは、酒類行政の上で非常に大きな問題の一つであります。だんだんとこの原料が自由になる今、その中で大宗をなす米が縛られておるものですから、やはり少くともそういう縛られておるものについては、絶対にマル公が必要であると思います。しかし縛られていない原料から作られておる酒については、はずしてもよいのじゃないかという議論が非常に強くなるわけであります。それは、そういう角度から言えばその通りだというふうに思っておりますが、同時に、先ほど来たびたび申しております、非常に重い税金の荷物を背負ってこの酒というものが作られ、販売され消費されるという意味で、これは率直に申しまして、現在のマル公制度がやはりそういう非常に大きなハンディキャップをしょっており、業界の一つの秩序を立てるよすがになっておる、妙な表現でありますか、そういう事実があるわけであります。そういうことから、大きな方向としては、だんだんその原料の統制がはずれたものについてははずしていくという方向でいく、ただしそれの時期なり順序等については、十分業界の各部門の実情を見てやていかなけれ、はならぬというふうに考えておるわけであります。  マル公についてはそういう態度でおりますが、しからばもう一つの、この酒団法による規制の関係で十分じゃないかということにつきましては、今のようなことでこの規制との関係を申しますと、だんだんそういう統制を中核とするマル公がかりになくなって参りましても、何らか販売価格に規制が要るということは、やはり当分の間続くのじゃないかと思います。そういう意味で、かりにはずれるとすれば、規制が当然必要になるというふうに考えております。その辺の推移の時期がいつになるか、どういう順序でやるかというような点は、全体の業界を円滑に推移させていき、そうしてそういう態勢にだんだん順応するという意味で、十分慎重に検討しながらやって参りたいという考えであります。
  139. 奧村又十郎

    ○奧村委員 今度の酒団法改正案によりますと、新たな規定が入りまして、調整規定の中には、たとえば小売業者の組合が酒の仕入価格の協定もできるようになっております。しかし仕入価格というものはマル公できまっておる。そうすれば、マル公がある以上は、仕入価格の協定というものはあり得ない。法律に違反する協定というものには認可はあり得ないでしょう。そうすると、せっかく規定をなさっても、マル公がある以上は、その規定は死んでおるということになるが、その関係はどうですか。
  140. 原純夫

    ○原政府委員 マル公というものは、御案内の通り、それ以上に高く売ってはいけないというものでありますから、安く売る分にはいいわけであります。従って安く買う分にはよいわけであります。現にその理由でというわけではありませんが、供給が多いということで、実際上値引きが行われるというような事態になっております。そこで、その値引きにルールをつけるというような意味で、小売の業界が値を下げるにしても、この程度でいこうということで、仕入価格を一升何円以上はもうやらないということで、組合の規制事業として取り上げるというようなことをいたすことはあり得るわけであります。それは法律上可能なことであります。ただ先ほど来申し上げましたように、なかなか値引きの点になりますと話がまとまりにくいというようなことから、実際にそれの承認を申請してくるというようなところまで至った例がないわけでありますが、法律上それはできるというふうに考えております。
  141. 奧村又十郎

    ○奧村委員 しかし今の御答弁によると、マル公よりも低い価格で調整規定の発動はできる。しかしマル公というものは、政府が最も適正な利潤を計算してお出しになっている。その間には生産者なり卸なり小売なり各段階の意見も聞き、いわば政府が公平な仲裁の立場でおきめになっておるものと思う。そうすると、それをもっと下げて調整規定が認可されるとすれば、政府のマ公のきめ方が間違っておったということに理論上はなりますがね。だから調整規定を発動するときは、マル公の規定というものは要らぬことになる。これは理屈からいって両立しないのです。この法律をお出しになるなら、マル公はもうやめたらどうかという理論が、ちょっと先ばしるが、そうなるかと思う。今の御答弁では、もう一つその関係が明らかになりませんですが、マル公は政府が適正な利潤をきめたものである。それをそのまま維持するなら調整規定は意味がない。特に新たに仕入価格も協定するというその意味はない。法律でマル公はきまっておるのです。そこの関係はどうなのです。
  142. 原純夫

    ○原政府委員 マル公に非常によけい荷をしょわすといいますか、マル公というものは、絶対にそれを動かしちゃならぬ取引条件だというふうなお話でございますが、おっしゃる通り、私どもマル公を計算いたします場合に、いろいろな生産者の条件を考え、そうして利潤というようなものも考えてきめております。従いまして、これが適正な値段だろうと思ってやっておるわけでありますけれども、実際には、いろいろ企業は、御案内のように、生産条件が非常に幅の広い場合が多うございます。コストの安いもの高いものというようなものがございます。そうしてまた酒類の供給の量がだんだんふえてくるというようなことから、競争も起って参ります。なかなかこれ一本で参れということを強く言い得る時代から、もうだいぶ世の中が変ってきておるわけです。そう申せば、マル公をやめてしまえという議論になるわけですが、その点については、先ほど申したように、大きな方向はそうだが、慎重に処置するということであります。ですから、やはり値引きということが実際上行われておる。そこで値引きをやるにしても、あまりめちゃをやっては、小売の方は、安く買うのだからいいかもしれませんが、一方で卸、生産者の方は困るというようなことがあって、この組合法でそういうことを考えて、妥当なところにきめようというようなことがありますれば、それはマル公の権威にかかわるからいかぬというふうに言えるというようなお話でもなかろうと思う。私ども、やっぱりそういう点は実情を調べて、値引きをこれだけにするというようなことが実益があるならば、やった方がいい場合があるのじゃないか。もちろんそれが、翻ってマル公を再反省するという契機になると思いますが、マル公はもう絶対不動のものとして、そういう値引きについての規制は相手にしないというまでのところを言い切るのもどうかという意味で、法律的にはできないことでありませんというふうに申し上げたわけであります。実際問題としてそれをどうさばくかということは、デリケートな問題だと思います。
  143. 奧村又十郎

    ○奧村委員 次に、私は調正規定に関連して、酒類業の免許についての制度についてお尋ねをいたしたいと思います。先ほど御質問申し上げたように、中小企業団体法と比べると非常に調整規定そのもののきめ方が弱い、団体交渉もない。従って調整規定の実施も非常に困難。しかし一方正常取引は励行させなければ、酒税の確保が行われない、こういうことでありますが、それに関連して、免許という問題を私はこの際再検討しなければいかぬと思うのであります。つまり乱売その他があって、業界が不安定に陥った、そこで既存の業者が自主的に団結して、協定して業界の安定を守ろうとする場合に、組合員でない全然新たに同業者を免許するということ、これは既存業者の自主統制を乱すおそれは確かにある。従って、私はかねてから主張しておるが、少くとも調整規定を発動しておるような場合には、免許をおろす場合、その既存業者の意見を聞かなければならぬ。その意見に従う、従わぬは別です。決定権は大蔵省にあるが、少くとも意見を聞かなければならぬ。そうでなけれ場ば、せっかく調整規定を作っておっても、免許された新規免許者は、協定に関係なしにどんどん販売されれば、調整規定は意味をなさないでしょう。その方が、やはり業者の団体の自主統制をもり立たせるという趣旨からいけば、当然そういうことも思いやりをもっていかなければならぬ。いわんや先ほどお尋ねいたしましたが、組合員外の者に対しては、何ら調整規定の服従すべきものがない。だから諮問をかけるということは、免許の一応の段階に入れていただかなければならぬと思うのでありますが、この新しい段階において再考して、一つ政府の御方針を承わっておきたいと思います。
  144. 原純夫

    ○原政府委員 私どもは、ある意味では、お話よりももっと強く考えておりますし、ある意味では、形としてはゆるく考えておる。つまり調整規定を発動しなければならぬほど、需給がゆるんで売れないというような状態になりました場合には、むしろ諮問とか何とかいう問題じゃなくて、当然新規の免許を差し控えるべきだというふうに考えております。そういう方針で、たとえば清酒とか合成酒というようなものについては、ただいま新規の免許はいたさないという原則を立ててやっております。その意味では、諮問とかなんとかいうよりももっと強く、自分の方針としてそう立てておるということでございます。従いまして、そのゆえに諮問するという何よりも、もっと強い何で言っておるので、その点は問題なかろうと考えております。ただそうでない場合、たとえば雑酒とかなんとかいうように、どんどん需要が伸びておるというような面におきましては、新規免許ということが問題になる。そういうような場合においては、一方で営業の自由といいますか、そういう要求があるわけですから、どんどん需要が伸びておるのに今まである業者にやらせなさいということは、免許制度の悪い面を振り回すことになるから、それはいけない。やはり新規免許を利用しなければいかぬという問題が出て参ります。しかしながら付与する場合につきましても、どういうふうな形で、どういうふうな内容で新規免許が出るかということは、既存の業者にとっては相当大きな関心事でありますから、こういう問題については、われわれとしては、十分そういう業者の意向を反映さしてやるように常々心がけてやっておるつもりであります。ただ、それを諮問というような、改まった諮問を受ける権利があるような形の法律構成はとらない。もう酒の行政をやっておる場合には、先ほど目頭に申し上げましたような、重い荷物を背負って酒というものは動いておるという意味から、いろんな面で十分注意してあげなければいかぬということで、新規免許でも与える場合には、与える条件が客観的になくちゃならぬが、かつ個々の具体的な場合について、そういう点についての業界の意見を十分くみ取って処理をするというふうにいたしておる次第でございます。これは今後もその方針でやって参りたいと思います。
  145. 奧村又十郎

    ○奧村委員 御答弁はそれでまことにけっこうですが、調整規定を発動するときは、新規免許をしないというのを法律にお書きになるような御決心ならそれでもよろしいけれども、そうじゃない。原主税局長さんがここで御答弁になっても、それはそれだけで済むので、やはり免許はまたおろす。現に終戦後今日までの免許の状況を振り返ってみても、終戦直後からしばらくの間に、しょうちゅう生産の免許なんというのはずいぶん乱発した。合成酒もその通り。あんまりしょちゅうの業者がふえ過ぎて、しょうちゅうが、だぶって、ために業界の非常な混乱が起って、脱税、滞納、それで大蔵省がその跡始末に困った。大蔵省のおやりになることにも、大ぜいの人の中にはやはりまずいこともあるんじゃから――どうもあなた方の御答弁は、大蔵省のやることは何一つ間違いないということを前提にしておるから間違うので、そこはやっぱり謙虚な気持で――私の言うのは諮問をして、それに従うというのじゃない。ただ諮問にかける。そうでありませんと、せっかく調整規定を作って、既存の業者が自主的に業界の安定を守ろうというのに、やぶから棒に、近所隣の業者に話もなしに、ぼっと新規業者を許可してごらんなさい。それで統制できますか。またそういう意味において、一応の意見を聞く、しかもそれは組合の長に聞けばよろしい。そのくらいな配慮はなければならぬ。現に全国的に地方を見ると、税務署長によっては、組合長にあらかじめ内々の御相談があって許可をしておる。非常にスムーズにいっております。ところが地方によると、税務署長や国税局長のお人柄によっては、全然相談をかけぬ。現に金沢の前国税局長は、免許の権限は大蔵省にあることで、君ら業界には何も関係ないことだ、つべこべ言うなということで、業者の団体が頭からしかり散らされて閉口したということが、現に最近あるのです。そういうことになると、原さんの今の御答弁は、全国的にはその答弁だけではなかなか徹底しませんから、何か徹底する方法をとってもらいたい。法律にきめろとは、私はきょうここで固執しませんから、通達なり政令なり、せめてそのようなあったかい思いやりをするとかしてもらいたい。そうしなければ、表面では取引をどんどんやりなさいといってやらしておきながら、一方でやぶから棒に新規免許をおろすのじゃ、これは実際政府も不親切というか、業者のほんとうの指導はできぬと思う。その点、何とか一つ御配慮願いたい。
  146. 原純夫

    ○原政府委員 この点につきましては、私ども年来そういう気持でやってきておりますので、それがただいまおあげになりました例があるということですと、まことにそれが徹底してない。はなはだ残念で、何か特別な事情があったんだろうと思いますが、おっしゃった通り、たけのことであるとしますれば、その件につきましては、ここに私からおわびを申し上げます。なお今後ともこういう面について、業界の意向を十分に聞く。もちろん業界は、自分の利害の立場から、まあ欲という角度から言いますと、一軒も新規免許をやってもらわない方がいいわけであります。どんどん伸びている酒の種煩でも、やってくれるなというようなことになりますから、その通りにやるというわけには参りませんが、その意向を十分くにみ、実際上の連絡もとりながら、不安を与えないようにしてやるということは、今後ともやって参りたい。ただいまお話しのようなことがあるとすれば、一そう戒めてやって参らなければいかぬと思います。あらゆる機会に、どういうふうな形にいたしますか、実施の任に当る国税庁とも相談いたしまして、できる限りの措置をとるようにいたします。
  147. 奧村又十郎

    ○奧村委員 御丁重な、非常に御親切な御答弁ですが、お尋ねした肝心なことはするりと逃げて、一言も触れておられぬ。政令か通達でそういうことをおきめになるか、法律を通す以上は、やはりその点のはっきりした御答弁を聞かなければ――もしきょう聞けなんだら、あしたにでもその肝心な――あなた、なかなかずるいので、聞いておることを逃げてしまわれる。(笑声)
  148. 横錢重吉

    ○横錢委員 関連して。今奧村委員から質問しておるのは、製造に対する免許だと思います。ところがこの反対の場合もまたあるのであります。それは、卸売あるいは小売の免許をかなり厳重に行なっておる。そうすると、消費者の便、不便というような面と、すでに免許を受けておるものの権利といいますか、こういうものとは利害が非常に相反するわけであります。そこで、たとえば新たに小売の免許を受けよう、この辺には当然酒屋の一軒もあってもいい、こういうような場合に、今のような方法で税務署長が小売の業者なりあるいはその代表なりに話すという場合には、これは当然、あすこは認めていけないというところから、阻止の強い運動が起きている。今現実にやっている中ではかなり露骨で、これは当然認めていいのであろうという場合にも阻止をされておる。こういうような点を見ると、一体どういうふうな方法で免許をしておるのか、その基準はどうか、こういうふうな点について、一つ御見解を伺っておきたい。
  149. 原純夫

    ○原政府委員 いろいろ基準を立ててやっております。先ほど申し上げましたように、既存の業者は、一軒でも新設は困るというようなことでありますが、実際には、個々の数字で言いますと、小売免許状数は、二十八年十一月一日現在におきまして十万六千余りありましたのが、三十年の九月末日現在では十二万というふうに、酒類の販売量の増加に応じて、一万三千ばかりふえております。免許制度の一方の側で、営業を自由にやらせろという要求を常に考えていかなければならぬというような意味から、結論としてそういうふうなところまでふやしておる。条件といたしましては、やはり酒類に関する知識、あるいは記帳能力、経験というようなもの、それからどの程度そこで売れるだろうかというようなことも考えませんと、あんまり無理な条件のところになにしてもいかんというようなことで、月々売れる見込みがどの程度あるか。これは場所によって違います。違いますが、そういうようなものを考える。それから第三には、やはり資産、法人なら資本金、出資金、そういうようなものについても最低限の要求は必要だろう。それから場所的にも、やはり既存の販売場との関係で、あまり酒類がふえているからいいじゃないかといって、今ある酒屋の隣にもう一軒作るというようなことはよろしくないということがございます。その他ふやすにしても、たとえばあるところが非常に需要が伸びた、五割も伸びたという場合に、すぐ五割ふやしちゃうかどうかという問題、そういうときには、やはり初めは二割とかなんとかにして、だんだんふやししいかなければならぬという配慮も要るかと思いますが、大体そんなような諸点を考えて、内部的に大体の基準を作ってやっておるようなわけであります。
  150. 横錢重吉

    ○横錢委員 今の経験やら資産やらという問題は大体知っておるのですが、そうではなくて、この申請が出た場合に、部内において、あるいは署内においてどういうような協議、あるいはまた審査を経てやっておるのか、あるいは一存でやっておるのか、こういうような手続についてお伺いしたい。
  151. 原純夫

    ○原政府委員 基準を与えまして、常則としては、小売は税務署長にまかせてあります。ただ異例にわたるものにつきましては、局に稟議をさせることにいたしております。
  152. 横錢重吉

    ○横錢委員 もう一点だけ伺いますが、卸売と小売の段階における販売の免許ですが、戦時中のなごりで、各県にはまだ酒類の販売会社というのが昔の統制時代の遺物で残っておるわけであります。この形態が、現在の卸、小売の関係においては実情に合わなくなってきた。組織の方が大きくてマージンの方が上らない。このために、至るところで赤字が出てきた。ところがこの団体と製造業者との間にはかなり密接な人員の重複があるとみえて、入っておる者が解散を望んでもなかなか解散することもできないというような事情が各地にあるわけです。この場合の一つの障害は何かというと、多くの者は解散をきぼうするが解散できない理由というのは、もし解散をした場合には新たな免許をしないであろう、免許をしないというのは、現在酒類の地方における会長なり社長なりと税務署長なり、そういう関係役人との間に密接な話し合いもあって、もし解散をして独立したならば卸売はさせないぞとか、それが戦争前の統制される前には何十年というほど長い酒屋の歴史を持っておるものであっても、再免許にならないという一つの申し入れといいますか、そういうことのためにできないでいる事情が各地であるわけです。この間の事情は御存じだと思うのですが、この点に関する御意見を承わっておきたい。
  153. 原純夫

    ○原政府委員 結論を申しますと、卸につきましても、先ほど小売について申しました人的な経験、能力、販売見込み、資本または資産、それから場所的な要件等の基準によりまして免許のことは考えております。従いまして、元の卸商を分割する場合の免許につきましても、それらの条件に照らして、合えば免許をするという態度でおるというのが結論的なお答えでございます。ただ実際には、お話のうちに出ましたように、その組織というのは、全県一本のもので相当大きい。その大きい中で、実際に分割しましたあとはどういうことになるかというと、非常に強い卸になるものと弱い分とができるわけです。そういうようなことから、弱い部分に属する人たちは、なかなか分割を希望しないということもございます。そういうようなことで、やはりその組織を割るについては、相当いろいろな話し合いが要るというようなことで、卸会社自体で踏み切りがつきかねるということがあるように思いますもちとんそれがまた業界の声として署の方にも移ってくることがあると思いますが、これらをそう無理に一本にしておくことは、とうてい態勢上できないわけですから、いずれ若干の時間がたてばすっきりした格好になっていくと思います。われわれとしては、あくまでも先ほど申した一般的な基準の線で処理して参るということで、あとは、業界のそういう大きな組織が、統制という時代を過ぎてこわれていく際の摩擦、矛盾をどう軽減するかという問題で、主としては業界の問題でありますが、やはり役所向きも、そういう際は、聞く声について同情ある態度でいろいろ考えることはあろうと思います。ただその結果免許を制限してしまうというようなことは考えるべきでありませんし、そこまでは至っておらないというふうに御承知願ってけっこうでございます。
  154. 奧村又十郎

    ○奧村委員 時間も経過してまことに恐縮ですが、この酒類業団体法改正案は、なるべくならきょうじゅうにあらましの質疑を終りたいと思いますので、いましばらく継続させていただきたいと思います。それでは、先ほど来お尋ねした、今度の改正案の一番の暇日である調整規定に関連して、質問に締めくくりをつける意味で一つ申し上げたい。これは私だけでなく、ここにおられる加藤高蔵委員、その他の委員も言われておるのですが、酒団法は、今度の改正にもかかわらず、ビールなどの大企業者も含めておるし、酒税確保という立場もあるから、業界の安定だけに徹するわけにはいかない、こういう先ほどの御答弁で、それは御答弁はわかるが、そうすると、そういういろんな事情のために、実は中小企業団体法に比べれば業者に対して愛情がない、真に業者の団結によって、業者の事業を安定させてやろうというほんとうの愛情が、この規定の中に少い。これは私だけでなく、皆さんそういう御意見です。そうすると、だんだんこの法律が施行されて、特に中小企業団体法が施行されて、みそ、しょうゆの方が実現するような時期になってくると、これは、いかにも大蔵省は酒税確保で、酒類業者というものは酒の税金の窓口にさえなればいいので、業界の安定は、大蔵省はあまり考えてもらえないのかというふうに非難がくることがまた予想されますから、この法律のときにできるだけの配慮をこの上ともお願いしたい。その配慮については、これは何としても団体交渉の問題が一つあります。これは生産者との関係もあってむずかしいことでありますが、この審議の際に問題になったということを明らかにしておきたい。それから二カ月が短かければ三カ月にしてでも、調整規定の認可の決定期間を何といっても明らかにしなければ、政府が一年でも二年でもほうっておくような法律では、せっかく法律を作っても、その法律に魂が入りません。ほんとにお気持があるなら、これは期限内に政府があっせんして、この法律がスムーズに施行されるように御配慮を願うのが、政府のほんとの親心です。要するに今までの大蔵省の取締り一本の行政に、もう少し業界の安定のために、業者の身になってのあたたかい思いやりをこの際大蔵省が持っていただきませんと、今までとは業界その他の事情が変ってきておるのに、いつまでも大蔵省は同じような、冷たい――今まで冷たいとは言いませんが、もう一つあたたかい気持を持ってくれぬのかという非難もあり得ると思いますから、これは希望として申し上げておきます。それに関連して先ほどの免許の問題、それから生産者に対しての問題でお尋ね申し上げたいのは、酒税の延納であります。酒税の延納については、一カ月の延納の規定がありますが、これがあまり適用されておるのは少い。なぜかというと、担保の問題で非常に支障があります。一番担保として適当なのは酒であります。生産しておる酒そのものを担保にしていただけど、常々税務署も監督しておるのでありますから、その延納の規定がもっとスムーズに行われる。そうして、せめて金融緩和の一端としてやっていただきたい。今回の法律改正で、酒団法による酒類業団体も商工中金から金を借りることができるようになったので、まことにけっこうです。それをもう一歩進めて、生産者に対しては一カ月間の延納、これは無利子でありますから、担保の点さえ解決して下さるならばけっこうです。そこで酒を担保とするということに政令できまることと思いますが、そういうふうにやっていただけるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
  155. 原純夫

    ○原政府委員 延納担保に酒を認めるかどうかというのは、私ここで初耳でございますので、研究の上申し上げるようにいたしたいと思います。それから前段のお話、何も御答弁とかなんとかというのでなくて、私どもはいかにも鬼のように思われるといけませんから、一言わしていただきます。私ども酒税の確保一本やりではないので、酒税の確保と業界の安定とは表裏をなすものだ。業界が安定しなければ、やつはり滞納は起り、酒税はえらい欠損になるわけです。それではたまらないので、表裏一体でいかなければならぬというようなことで、あらゆる場合にそういう、気持でやっておるつもりでございます。それでもいろいろごらんになって足らぬとおっしゃられる面がありますれば、これは今後とも十分気をつけて直して参る。酒類業者の小さいのがつぶれるというようなことが近ごろありますが、それは人によりますと、経済的な自然の勢いだから仕方がないじゃないか、つぶれるのはどんどんつぶしてしまえというお話もあります。そうすると、そこにすぐ滞納ができるということがあります。一方つぶれる人たちは、先ほどおとがめの戦争のあと、今から見れば若干乱立かもしれませんが、当時としては意味があった、そういう人がつぶれていくわけです。われわれとしてはそういう経緯も考えて、そういう際には他の業者に権利を移すということで――答弁でそういうことをはっきり言うのはどうかと思いますが、そういうことでもして円満な収拾をはかるということもやっており、その他酒の行政については、私どもとしては、業界の安定ということを非常に大きく取り上げてやっているつもりでありますので、それでも足らぬからおっしゃるのでありましょうから、その点は十分気をつけますが、酒税の確保が第一で安定が第二だというのではなく、二本そろえてやっているということを申し上げておきたいと思います。
  156. 奧村又十郎

    ○奧村委員 また話を変えます。規格証紙の問題でありますが、これは、御承知の通り酒類ごとに税率が非常に違っております。そこで、その酒類によって非常に重い税金を負担しており、あるいは比較的軽い税金を負担しておる。これは規格によって明瞭になっておるわけでありますが、その規格証紙の励行が近ごろ行われていないということであります。これは、どれだけの納税をしておるかということを納税者に知らせる意味で、規格証紙の励行をさせられたい。特に最近ハイチュウとかサンラック・ドライとか、しょうちゅうやら洋酒やら何かわけのわからぬような名前をつけておる。しかしよく見てみると、顕微鏡で拡大して見なければわからぬような規格証紙が張ってある。これでは張ってあるとはいうものの、どのくらいの納税をしておるのかさっぱりわからぬというようなことでありますので、せっかく法律に規定してある以上は、この規格証紙を、せめて業界の中央会あたりで、大蔵省の認可を受けて統一して作って、それを張らせるというような制度になされは、このようなことは跡を絶つのだろうと思うのです。せっかくそういう政令までおきめになっておるのだから、もう一歩進めて、規格証紙の規格を中央会で一手に作って業界に流す、そのくらいまで一つ親切心を持ってやっていただきたいと思うが、これに対する御方針を承わりたい。
  157. 原純夫

    ○原政府委員 酒につきましての表示の関係、おっしゃる規格証紙の関係につきましては、お話しの通り、ただいまの状態は、いかにも酒団法に入っております法律の規定の精神からいって、事態が非常に不規則になっており、おかしな状態だと思います。これは何とかこの法律の精神に合うような状態、つまり規格をはっきりして、もっと容易に識別することができるような表示にしなければならぬというふうに思っておりまして、その方法を講ずるつもりでございます。それを中央会に全部印刷を委託して供給させるかどうかということは、いろいろ案もあり得るところでありますので、その辺は十分研究するとして、法律の精神に合うように、はっきりするという方向にはぜひいたしたいというつもりでおります。
  158. 奧村又十郎

    ○奧村委員 最後に現在の酒類ごと、それから生産、卸、小売の各段階ごとの免許数、これを明日までに委員会に御提出いただきたいと思います。それを要望いたしまして、私の本日の質問を終ります。
  159. 山本幸一

    ○山本委員長 それでは、明日さらに横錢君もやられるそうですから、続行することにお願いいたします。     ―――――――――――――
  160. 山本幸一

    ○山本委員長 次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。横山利秋君。
  161. 横山利秋

    ○横山委員 時間も多少おそいようではありますけれども、局長も御存じだと思いますが、のっぴきならぬ事情もありまして、きょう質問させていただきたいと思います。  臨時通貨法の改正それ自体は、百円硬貨を発行するということなのでありますが、先般当委員会であなたに御質問をした際には、一万円札と五千円札――一万円と五千円はこの国会のごやっかいにならずに私ども勝手にやります、百円だけは一つ審議して下さい、こういう点が、どんなに法律やあるいは規定がきめられておっても、通貨系列全体の問題から言うと、いかにも不備な格好をなしております。こういう点について、これは局長にお伺いした方がいいか、足立さんにお伺いした方がいいか、どちらでも御答弁はけっこうでありますが、これは本来考え直す必要がありはしないか、こう思うわけでありますが、いかがでありますか。
  162. 河野通一

    ○河野政府委員 お尋ねの趣旨をあるいは聞き違えておるかもしれませんが、今お尋ねの点は、私の聞きましたところでは、補助貨についてその種類等は法律でもってきめるのであるから、日銀の発行いたします銀行券についても、その種類等は法律で定めると同じような手続でもって定めることの方がいいのではないかという御質問かと思いましたが、そういうことでよろしゅうございますか。
  163. 横山利秋

    ○横山委員 まあ、そうです。
  164. 河野通一

    ○河野政府委員 今の御質問の点につきましては、私どもは遺憾ながらそういうふうに考えておりません。日本銀行の発行いたします券種というものがどういうものであるかということは、法律で定めるほど非常にかちっとしたものとして考える必要はないのではないかというふうに考えております。しかしながら、先般もお尋ねのございましたように、こういう経済の情勢のもとにおいて、どの程度の券種を発行いたしますかということは、経済的に非常に大きな影響を持つものであるということは、私は否定いたしません。従いまして、これらの点につきましては、できるだけ国会の御意見等は十分に伺わせていただきまして、これに基いて、できるだけ支障のないような判断をしていく、そうして行政の面においてそれに似つかわしいような措置をとっていく、こういう配慮は当然なさなければならぬと考えております。法律の形式をもってそういうことをきめる必要は私はないと思いますが、国会の御意見、御意思、あるいは御意向というものは十分に伺っていきたい、かように考えております。
  165. 横山利秋

    ○横山委員 足立さんが御用事があるそうですから、足立さんに一つ伺います。この通貨の体系なり、あるいは発行枚数については、経済事情なり国民の受け取る感覚というものを引当検討しなければならぬと思います。結局どうなんですか、一万円札、五千円札はいつごろ、どういうふうに発行するつもりですか。
  166. 足立篤郎

    ○足立政府委員 今までに理財局長からその点についてあるいはお答えを申し上げているかと思いますが、銀行準備券の問題等もございますし、最近の実際上の貨幣価値の問題、いろいろ理論的な根拠といいますか、問題があるわけでございます。そういう点から、結論としては、一万円札あるいは五千円札を発行いたしたいという、政府としては考えでおります。しかしながら、申すまでもなくその時期等につきましては、最近のインフレ気がまえというような問題もございますし、御指摘の通り、一般国民経済に与えます影響等も慎重に考慮いたしまして、万一予測せざるような影響を及ぼすことのないように処置をいたしたいというふうに考えております。
  167. 横山利秋

    ○横山委員 それで今一万円札、五千円札はどのくらい印刷されているのですか。
  168. 河野通一

    ○河野政府委員 正確な資料を現在持っておりませんが、一万円札がおそらく三百数十億円、五千円札がおそらく百四、五十億円くらいになっておるのじゃないかと思います。
  169. 横山利秋

    ○横山委員 そういう準備ができておることは別にして、最近の国際収支、経済事情から考えて、当初あなたの方が二月中と言い、あるいは四月中にはと言っておったときの判断――これは新聞に漏れた判断ですが、その判断と若干経済事情が違ってきたのではないか。従ってこういうような状況のもとでは、かりに準備がされておっても、これを実際に発行するということについては、相当考えるべき要素がありはしないかと思うのですが、いかがですか。
  170. 足立篤郎

    ○足立政府委員 先ほどもお答えしました通り、なお今横山委員から御指摘の通り、考えるべき要素もございますので、慎重に考慮して発行の時期等は決定したいと考えております。
  171. 横山利秋

    ○横山委員 重ねてお伺いしますが、この発行について足立さんその他政府が考えておりますことは、近い将来ですか、それとも遠い将来といいますか、たとえばこの一カ月内とか二カ月内とかいうような近い将来にこれを御計画になっているのですか、それ以後  のことですか。
  172. 足立篤郎

    ○足立政府委員 横山委員の先ほどの御質問の中に、二カ月とか四カ月とかいうお言葉がございましたが、大蔵省としては、時期をきめていつ発行するのだということを漏らした覚えもないわけであります。なお今申し上げている通り、時期等につきましては、今後慎重に検討してきめたいと思っておりますので、今私の責任で近い将来、あるいはずっと先かというようなことをお答えする段階にないと思います。十分研究をしまして、その結果によってきめたい、これだけのお答えにとどめさせていただきたいと思います。
  173. 横山利秋

    ○横山委員 そうしますと、百円硬貨の問題か今いわれているわけですが、常識的に考えると、百円硬貨を出して、百円硬貨、五百円札、千円札、五千円札、一万円札という一つの通貨系列をお考えになっているように私どもは理解をしたわけでありますが、この法案と五千円札、一万円札については一応切り離した考えに立っておられる、こう理解してよろしゅうございますか。
  174. 河野通一

    ○河野政府委員 私どもの頭の中では、通貨の系列という言葉を使うのが適当かどうかわかりませんが、大体銀行券の種数、あるいは補助貨、硬貨の種類というものは、並行して頭に置いて、一貫して一つの系統を考えております。ただし、これが同時に発行されるということを必ずしも必要とするわけではありません。ことに、たとえば百円の硬貨にいたしましても、百円の硬貨を出しますとともに、百円の銀行券も相変らず並行して流通していても別に差しつかえないわけであります。そういう点から見ますと、百円はすべて硬貨にしてしまう、一万円札も五千円札も百円の硬貨を出すと同時に発行するといったようなことは、必ずしも考える必要はないのじゃないか。あるいはどちらが先であり、どちらかが時期的におくれても、別段差しつかえないものである、そのくらいの弾力性を持ってこういう問題は考えていきたいと思っております。
  175. 横山利秋

    ○横山委員 私は五千円札、一万円札について大いに異議があるのですが、かりに発行するとしても、今あなたのおっしゃった意見に全く同感なんであります。百円硬貨を発行するにしたところで、今かりにこれを発行するについて、どれだけ必要であって、ないしは百円紙幣を全部変えてしまうという絶対的な必要性はないと思うわけですが、しからば今計画をされております百円硬貨の計画枚数――別紙をいただいておるわけですが、それは一体どういう基準で算出され、どうしてこれだけ発行しなければならぬという観点に立たれたか、簡略でけっこうですが伺いたい。これだけ発行しなければならぬという絶対的な理由がないのではないだろうか、それだったら、多少の伸縮度はそこに想定されるのではないか、こう考えるわけです。
  176. 河野通一

    ○河野政府委員 御指摘の通り、百円硬貨は何万枚、何億枚発行しなければならぬという絶対的な数字的な基準というものはございません。それと同じように、百円の銀行券は何枚なければならぬということもないと私は思います。ただ、その時期々々におきましては、百円は、どの程度のものが硬貨であり、どの程度のものが銀行券であった方がいいということはあり得るかと考えますが、長きにわたって、十年なら十年の間に、一体その二つの関係がどういうものであるべきかということは、絶対的な基準はございません。お話しの通りであります。しからば、百円の硬貨を大体ここで七億数千万枚作ることに予定をいたしておりますが、その基準はどこから出ておるかということにつきましては、これはいろいろな考え方があると思います。しかし、主として私どもは、その材料として使われる銀というものが、国のものであって、今まだ使えない状態になっておるようなものもございまして、これは約二千トン近くございますが、それらの銀を材料として百円硬貨を作りました場合において、それによって所要される銀の数量とにらみ合せて枚数等も大体はじき出しておる、こういうことであります。かりに銀貨といたしましたその百円が、それでは足りないという事態が起るか起らぬかということは、今後の事態に待つより仕方がない。これは、理論的な問題ではなくして、主として取引の実情において、個々の人々が使う便宜の問題である、理論的にそれを学問的に割り出すという問題ではなくして、実際にそれが使われる場合の便、不便の問題であろうと思います。今後の推移によって、それでは足らぬ、どうしても銀貨をもっとふやさなければならぬという事態が起る場合にどうするかという問題は、別にあると思いますが、今私どもが見通せる限りにおいては、この程度の銀貨で百円の銀行券と並行して流通させていくということで、何ら支障はあるまいという見通しに立っておる次第であります。
  177. 横山利秋

    ○横山委員 そうしますと、そこに私は二つの問題が出てくると思います。一つは接収貴金属の処理に関する法律案がこの国会を通過するということを、ある程度想定に入れていらっしゃるようだけれども、これは、まだそういうふうに審議は必ずしも進んでいない。それが通らなかった場合においては、どういうふうな構想を持っておられるであろうかという問題が一つ出ます。それからもう一つは、絶対的な理由がないとしたならば、この点一つ考えを及ぼす必要がありはしないか、それは、足立さんがずいぶん骨を折られたミツマタの耕作者の問題がある、あるいはこれによって印刷局、造幣局の労働者諸君の問題がある。これをどういうふうにするか。どのくらい発行するかについて絶対的な理由がないとするならば、これらの耕作者及び労働者諸君の労働条件、あるいは買い上げの状況等を考える必要があるのではないか、それは政府部内において考えられたものであるかどうか、その点を一つお答え願います。
  178. 足立篤郎

    ○足立政府委員 御質問の第一点でございますが、接収貴金属処理に関する法案につきましては、おっしゃる通り、国会におきましても長い間の経過がございまして、この通過を前提として百円硬貨の発行を考えるということは非常に危険があるという点は御説の通りであります。しかしながら、ただいま造幣局に二百トン余りの銀の手持ちもございますし、私どもが作っております計画では、初年度、言いかえれば三十二年度におきます百円硬貨の発行は五千万枚という計画を一応持っているわけでございます。従いまして、この程度の計画を実行いたしますには、現在の造幣局の手持ちの銀で十分でございまして、来年度半ばごろまでは十分まかない得るという見通しを持っているわけでございます。  なお、接収貴金属の返還によって国庫に帰属すべき銀につきましては、たしか千八百六十トンと記憶しておりますが、これは、いずれにいたしましても国のものであることは間違いないわけなんでありまして、どこへも行くものではございません。ただ、法案か通過しませんと手がつけにくいという問題はあるわけでございますが、どこにも帰属するものではないと思うわけでございますので、私どもは、一応これを将来の目当てとして百円硬貨の製造を計画するということは、決して不当ではないというふうに考えているわけでございます。  それから第二点でございますが、これはもう横山委員御承知の通り、この百円硬貨発行の問題につきましては、昨年来だいぶやかましい問題となりまして、主としてミツマタ生産業者の方から声が上り、なお印刷局等においても問題があるということは、私どもも十分承知いたしておるわけでございますが、実は、今回の計画を作りますに際しましては、ミツマタ生産業者と印刷局と造幣局の三者が、いわば利害が非常にからみ合っているわけでございまして、場合によれば対立するというような関係にもなる。そこで、この三角関係にあります三者の調整をとりまして、従来考えておりました案を相当程度修正いたしまして、これならば三者が生きられるという見通しをつけまして、生産業者あたりにつきましても、たびたびの会合等で私も直接御説明を申し上げ、大体の御了解を得て、閣議決定もいたしまして進んでおるような次第でございます。なるほど、硬山委員御指摘の通り、硬貨発行についての枚数等は、銀行券と並行していくのであれば別に絶対性はないのではないか、数量はある程度動いてもいいではないかという御説ごもっともでございますが、実は、従来この数字を一つのベースにいたしまして、今の三者の調整をとって、一応数字は表面には出しておりませんけれども、事実上は会議等でこれを示しまして、これを前提として閣議の決定をしているというような事情もあるわけでございます。これによって、民間に相当反対がありましたものも一応納得してくれたというような事情がございますので、私どもとしては、でき得べくんば既定計画で進んで、この三者の調整をとった案で進んでいきたいという考えでおるわけでございます。
  179. 横山利秋

    ○横山委員 ミツマタの皆さんが納得をしたと足立さんは言っていらっしゃるのだけれども、しぶしぶといいますか、やむなくといいますか、そういう点がまだ多分にございまして、私どもの聞いておる分では、まだいわば満足すべき状態ではないのであって、これはおわかりかと思うのであります。それはそうだとしても、ただ、この閣議の決定条項を見ますと、ミツマタ対策要網でありまして、私が質問いたしましたもう二つの印刷局及び造幣局の労働者諸君に対する配慮が、この中では紙面に上っておらないのであります。御存じのように、造幣並びに印刷局の諸君がいろいろな角度から非常に心配をして、そうしていろいろなことを要請をしてきております。私どもは、この両組合の要請はもっともでありますし、これを十分に検討はいたしますものの、この紙幣の本質的なあり方から考えて、百円銀貨がいかにあるべきかということの方が実はより重大ではないか、こうは考えるわけであります。まずその点から考えますけれども、何か政府のお考えの百円硬貨の様子を聞きますと、いささか国際的水準やら、あるいは国民が今後受け取る百円硬貨としては、この寸法なりあるいは品位というものが少し足りないのではないか、こういう感じがしてならないわけです。でき得べくんば、この百円銀貨については、五十円貨幣と大きさにおいても見劣りがしないように、また品位においても、かつて大正ですかにありました七十二というような数字をこの際引用したらどうであろうか、こう考えるわけであります。これはもちろん府政部内でおきめ願うことであろうけれども、今後経済の変動もあるわけでありますから、この際一つ政府としては、百円銀貨の内容も諸般の情勢を考えて一方再検討なさった方がよくはないか。そうすることによってより三者の気持も落ちつく、また国民の百円銀貨に対する信頼感も高まるのではないか、こういうふうに考えておるわけでありますが、この点について政府側の誠意のある御意見を承わりたいと思うのであります。
  180. 足立篤郎

    ○足立政府委員 百円硬貨をどのような形の、しかも銀の含有量をどの程度にするかということにつきましては、まだ最後的に決定をいたしておりません。大きさにより、また含有量によりまして銀の所要量が変ってくるわけでございますが、まだ未定でございますので、今決定的なことは申し上げられないわけであります。御注意の点は、私どももよくわかっておるわけでございまして、この際せっかく硬貨を発行する以上は、通貨を安定し信用度を増すようなものを作らなければ何にもならないわけでございます。そういう御注意の点は十分くんで、今後研究し、善処をいたしたいと思います。
  181. 横山利秋

    ○横山委員 足立さんか諸般の情勢を考えて、こういう御答弁をされましたから、私はあえてこれ以上内容に立ち入ってあなたに一同をするのを避けたいと思います。こいねがわくば、今言ったような諸般の情勢を十分に参酌されて、今日まであなたはミツマタ対策としているいろな角度からお当りになられて、十分に経緯は御存じのはずでありますから、今の御答弁が実践に移されて、今日までの計画を一歩進めていただくように特に要望いたしたしと思うのであります。  ついては、別な角度からお伺いをしたいのは、造幣局並びに印刷局、特にこの百円硬貨の発行によって直接に労働条件に支障を及ぼすと思われる印刷局職員の諸君の心配についてただしたいと思うわけであります。私が拝見いたしました通貨製造枚数等の試算によりますと、人員は減らないようにはなっております。ところが超過勤務の割合が三分の一くらいになるような――これは試算でありますからどうかとは思いますけれども、確実な数字であるかどうかはわかりませんが、労働者諸君が一番心配しておりますのは、これによって全国にございます各所の工場閉鎖が将来あるのかないのかというのが第一であります。第二の心配は、それに伴って人員整理という考え方が政府部内にあるのかないのかという点であります。それから第三番目の点は、労働条件の悪化、それは超過勤務を含んでの話でありますが、労働条件の悪化ということがこれによって将来起り得るのかどうか。もう一ぺん申しますと、工場閉鎖、次は人員整理、次は労働条件の悪化、こういうことが想定されるのであるかどうか、こういう心配を持っておるわけです。この試算というのは、百円銀貨の発行だけについて、それに伴うものだけで試算がされておるのでありますから――私も役所勤めをした人間でありますから承知をいたしておるのでありますが、もし政府部内でいろいろな仕事を回していく、いろいろな配慮をしておけば、この試算以外の仕事なり、いろいろな仕事を回しておけば、こういうふうにはならないのではないか、方法はほかにあろうではないか、こういう感じがいたすのであります。そういう点をも含めて、第一の心配は工場閉鎖、第二の心配は人員整理、第三の心配は労働条件の悪化、実質賃金の低下、そういう点について政府のお考えを承わりたいと思います。
  182. 足立篤郎

    ○足立政府委員 いろいろ御質問がございましたが、私は主として政治的な点につきましてお答え申し上げます。必要があれば理財局長から補足説明をいたします。さっき私が申し上げた、私どもが作りました三者の調整をとった案というものにつきまして、数字をごらんになっての御質問でございますが、結論的に申し上げますと、この数字は、大蔵省としてはきわめて手がたく組んだものであるということをまず前提として、せひお認め願いたいと思っておるのであります。もちろんその中で、百円硬貨の発行枚数につきましては、これは最大限度の数字で以る。しかし百円銀行券の発行枚数につきましては、実は最小限度の数字でふる。あるいはまたその他の銀行券というものにつきましての発行枚数は、最小限度の、これならばどんなことがあっても間違いはないという確信のある数字をここで出したわけであります。従って、結果はどうなるかと申しますと、最近の国民経済の伸び等も考えますと、通貨の需要は、相当手がたく組んだ計画よりも伸びるだろうということは当然予想されるわけでありまして、これは腰だめでは御満足がいた、だけない、言いかえれば疑いを受ける、これは大蔵省としては避けたいというので、今申し上げた通り手がたく組んだわけであります。従って、これに組みました数字以上に銀行準備券の増大、あるいは百円銀行券も、流通の状況によりましてはもっとふえてくるのではないかということが、まず前提として一応考えられるわけであります。  さらに印刷局の問題でございますが、現在この数字では、三〇%の超過勤務をしておるということになっておりますが、これは実は相当な超過勤務であると思います。十年計画を一応作りまして、これが一応の見通しとしては、今申し上げる通り、紙幣の発行を最小限度に押えた計画としては、一四%程度の超過勤務になるという計画を作っておるわけでございますが、この計画には、自然退職といいますか、そういう人々で補充しなければ減ってくるであろうという人々の頭数は見ていないわけであります。従って現在の人員のままでいった場合のことを想定しておるわけでございます。従って印刷局で御心配になっているような、現在の職員の首を切られるのではないかというような問題につきましては、私確信を持ってお答えをいたしますが、この百円硬貨発行について、需要量の減少によって首切り、整理等は起らない。その他の理由があるという場合は別でございますが、この計画に基いて将来整理をしなければならぬというようなことは、もう絶対にないという確信を持ってこの計画を作ったということだけを、私からお答え申し上げます。
  183. 横山利秋

    ○横山委員 足立さんは、ミツマタ対策でいろいろお骨折りをなさったわけですが、ミツマタ対策の根幹をなす思想は、三十一年度のときのミツマタの数量を将来下回らぬように措置するもの、これが一つの趣旨になっておるように私は思うわけです。足立さんはずいぶんお骨折りをなさったようでありますが、このことを、印刷局の職員の作業量についても、三十一年度の水準を下回らざるようにというふうに理解をしたらよろしゅうございますか。
  184. 足立篤郎

    ○足立政府委員 私どもが作った数字をごらんになっての横山委員の御質問で、実は痛み入るのですが、この数字にございます通り、作業係数は若干落ちますので、超過勤務の割合も落ちるということになっております。従ってミツマタの場合には、三十一年度の実績を下回らざるようにという基本線で計画を作っておりますが、印刷局につきましては、作業係数としては、僅かでございますが落ちてくるのでございますが、しかし、私先ほど則提として申し上げた運り、これは、私どもが最小限度の数字を組んだわけでございますが、まず最近の経済の伸びと運貨の需要とを考えて、まず腰だめでもいいから作れといえば、これは作業係数も落ちないということになると思います。しかし、これはさっき申し上げた通り、そういう数字を作りましても、これは不安定な要素を持っているというので、理論的にやられますので、私どもとしてはきわめて手がたく組んだつもりでございます。実際問題としては、まあまあ御心配のようなことはあるまいと、私どもは一応の見通しは持っておるわけでございます。
  185. 横山利秋

    ○横山委員 手がたくお返事をなさるわけでございますけれども、私はこのミツマタ対策を通読しまして、三十一年度のミツマタの数量を将来下回らざるよう措置するものというのは、ここに一つの努力が加わっておる、それから政治的配慮が加わっておる、そういう善意が加わっておる、こういうふうに理解をしておるわけです。その努力なり善意というものがミツマタの耕作者諸君に対してもしおありになるならば、そうしてそういう意味でこの数字ができておるならば、印刷局なり造幣局の職員に対しても、その善意なり配慮というものがともに加わってよろしいものではないか。私は、だからといって余分な仕事をさせろという意味ではありません。先ほど申しましたように、私も役所勤めをしておった人間ですから、もし善意か配慮があるならば、ここでいろいろな仕事をさせようというような方法はできようかと思うわけです。そういう意味合いで、今あなたも私も見ておりますこの作業係数というものを最低線として、この上に善意と配慮を加えることによって三十一年度の作業量を下回らないように努力し得るということは可能ではなかろうか、そういう可能性というものを、実際の数字面から、私は本委員会で、政府側の善処を要望いたしたいわけです。従って、この試算表にあります作業係数そのものは百も承知して、なおかつ政府側に対して、ミツマタと同様に善意と配慮をお示しをされたらどうだ、こういう点で申し上げておるのですから、その意味においてお返事をいただきたいと思います。
  186. 足立篤郎

    ○足立政府委員 よくおわかりの横山委員に申し上げるのもどうかと思いますが、このミツマタ対策の面からいたします、三十一年度の実績を下回らぬようにということで、御指摘の通り、私どもとしては最大の善意を持ってこの案を作ったつもりであります。その善意は一同時に印刷局に対しましても、造幣局に対しましても、三者調整かとれるようにというので、十分な善意を持ってこの案を作ったつもりでございますが、しかしこのミツマタ対策の場合には、百円紙幣は減りましても、含有量が今三〇%でございますから、一面一〇〇%の含有量を持っております一万円札あるいは五千円札の増発によりまして、ミツマタの所要量は十分カバーし得るのであります。従ってこういう数字が出ておりまして、三十一年度の実績はむしろ上回るという計画になっておりますが、印刷局につきましては、これは硬貨を発行すれば、何といいましても、その分だけとは申し上げませんけれども、印刷枚数が相当減るということは、これまたやむを得ない現象でございます。同時にまた造幣局関係につきましては、百円硬貨の発行によって業務量が維持される、あるいは増大されるということになりまして、印刷局の場合についてさっき申し上げた通り、この計画によって首切りざたがなければ、私どもは、これは一応全体としてまあしんぼうしていただけるところではないかというので、この案をまとめ上げたような次第でございます。言い過ぎかもしれませんが、同じ大蔵省関係の労務者で、造幣局に働く者は仕事がだんだん減ってきて首を切られる、印刷局の方は三〇%あるいは四〇%、五〇%というふうに超過勤務をしなければならない。これは人間のよく耐え得るところではないような繁忙さを加えてくる可能性があるわけであります。かようなことになっては均衡がくずれるというので、私どもとしては、全体のバランスをとり、また百円紙幣を発行することによっての国費の浪費をこの際避けたいというような点も彼此勘案いたしまして、三万おさまるようなというので作ったのでございます。足らざる点は、御注意によりまして今後十分研究していきたいと思いますし、先ほど来申し上げておる通り、通貨量の増大によりまして、印刷局の仕事につきましても、これが最低線だというふうに私どもは考えておるわけでございまして、増大をするのではないが、それによって御心配の向きは、私は事実問題としては解消するのではないかというふうに見ておるわけでございます。
  187. 横山利秋

    ○横山委員 造幣局、印刷局、双方の労働者を考えなければならぬという点については、何らあなたと私と異なるものではありません。その点は、私も異議を差しはさむものではございませんが、この硬貨発行に伴って、さしあたり造幣局は仕事がふえる、印刷局は仕事が減る結果というものを心配をしておる諸君のために議論が出ておるわけでございます。もちろんそれだけではございません。それは、もっと大きく申せば、先ほど申しましたように、国民の通貨に対する信頼感を増し、それから国際分野における通貨のあり力について議論をするのが当然の表通りの道でありましょう。そういう意味については、時間もございませんから省略して、そのものずばりの質問をいたしておるわけでありますが、たとえば、もし印刷局の方の減る分を何とか考慮する方法がないかという点について言及いたしますれば、それは、そのようにまたほかの方法があろうかと私は思うわけであります。今この表が最低線だとするならば、その最低線のほかに、業務量の増加する方法やいかにということになれば、しろうとの私が言うよりも、足立さんなり局長なりが善意と配慮をもってするならば、いろいろな方法があろうかと思う。この方法を一つお考えになって下さったらどうか、こう言っているのであります。たとえばミツマタ対策の第四項にもそれが入っておるようでありますが、今ですら、私ども財布の中にきたない紙幣をずいぶん見るわけでありまして、その紙幣の回収率をもう一歩進めて、そして交換したものの廃棄率を高めることによって事態が改善されないだろうか。あるいはこの際、政府が印刷局に仕事をさらに増すことによって事態改善の方法はないだろうか。そのほか考えますれば、府政側の善意と配慮を要望することによって、相当の改善度がありゃしないか。私の言っておりますのは、一体この努力をして下さるかどうかということと、今あげました廃棄率の問題について、どういう改善方をお考えになっておるのであろうか、そのほか業務量の工面、回すということについて御勘案ができるだろうかどうだろうか、こういう点について御答弁を願いたいと思います。
  188. 足立篤郎

    ○足立政府委員 御指摘の点につきましては、私どももかねがね考えてはおる問題でございまして、印刷局がやりますのは、単に紙幣だけではございませんので、その他の刊行物の印刷等の仕事もなるべくこれを与えていく、あるいはまたさっき申し上げた、自然に紙幣も増発されるであろうという点も、できるだけ行政的にさようにしむけていく、と言うと語弊がありますが、それに順応していくような処置をとっていく、計画をきめたからこれはくぎづけだ、さようなことは毛頭考えておりません。また銀行準備券を十分用意するという点も、これも計画があるからこの通りだというふうには考えておりませんので、プラスされる面はできるだけ尊重していきたいと考えております。なおまた紙幣の更新といいますか、廃棄率といいますか、これもなるべく期間を短縮して、よれよれの札が回って、それこそ通貨の信用度を落すようなことのないように、今後は善処していきたいと思っておるような次第でございます。
  189. 横山利秋

    ○横山委員 いろんなことに言及いたしましたけれども、要は百円硬貨を発行するに当って、その枚数なり、その品位ないし寸法について絶対的な尺度というものがない。絶対これだけの枚数、これだけの品位、これだけの寸法でなければならぬという絶対的な尺度というものがないということでありますならば、この際いろいろ問題があって、政府部内としても、ミツマタ対策要綱を閣議で決定されるにも至ったことであるから、この際私は、ミツマタ対策要綱が完全であるとは申しませんが、しかしそれだけの努力をなさったことは認めるものでありますが、その努力というものは、今日この文面の表面に出なかった。政府機関職員の双方に対しても、やはり格段の配慮と努力を願いたい、こう考えるわけであります。  先ほど来、足立さんと局長からいろいろと御答弁がございました。いささか抽象的ではございましたけれども、あえて私はそれ以上具体的な内容に立ち入って質問をしなかった趣旨というものは、すでにおわかりかと思います。理事会でも議論されたことでございますから一多少遠慮いたしまして内容に立ち入らなかった趣旨を十分に御考慮下さって、事態は、御存じのように、非常に短時日の間にこの問題についての結論を得ることが要請されておるわけでありますから、委員長にもお願いをいたしますが、ごく近い明日の朝の理事会において、再度この問題について御同意を得て、この両者の要望を一歩でも前進して解決するように特に要望いたしまして、私の質問を終ることにいたします。
  190. 山本幸一

    ○山本委員長 御要望の趣き、明日の朝の理事会で直ちに協議いたしまして、善処申し上げます。  それでは、なお続行する機会があるかと存じますが、一応この程度にとどめます。     ―――――――――――――
  191. 山本幸一

    ○山本委員長 この際お諮りいたしますが、当委員会において審査中の準備預金制度に関する法律案につきまして、明後十日の委員会に、参考人として日本銀行総裁山際正道君の出席を求めて、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  192. 山本幸一

    ○山本委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は明九日午前十時三十分より開会いたします。  これにて散会いたします。    午後五時五十六分散会      ――――◇―――――