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1957-02-07 第26回国会 衆議院 決算委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和三十二年二月七日(木曜日)     午後一時四十六分開議  出席委員    委員長 青野 武一君    理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君    理事 本名  武君 理事 坂本 泰良君    理事 吉田 賢一君       赤澤 正道君    臼井 莊一君       櫻内 義雄君    床次 徳二君       淡谷 悠藏君    川村 継義君       上林與市郎君    神近 市子君       山田 長司君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君         郵 政 大 臣 平井 太郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  足立 篤郎君         大蔵事務官         (主計局次長) 宮川新一郎君         大蔵事務官         (管財局長)  正示啓次郎君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      權田 良彦君         郵政事務官         (経理局長)  八藤 東禧君  委員外の出席者         会計検査院長  東谷伝次郎君         会計検査院事務         総局次長    小峰 保栄君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 二月七日  委員上林與市郎君辞任につき、その補欠として  山田長司君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書  昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和三十年度国有財産無償貸付状況総計算書     ―――――――――――――
  2. 青野武一

    ○青野委員長 これより会議を開きます。  去る十二月二十五日本院に提出され、同日本委員会にその審査を付託されました昭和三十年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十年度政府関係機関決算書を議題に供し、審査に入ります。  まず概要説明につき大蔵大臣より、日本国有鉄道決算書につきまして運輸大臣より、日本電信電話公社決算書につきましては郵政大臣より、また日本専売公社決算書につきましては大蔵大臣より、それぞれ説明を聴取いたします。足立大蔵政務次官。
  3. 足立篤郎

    ○足立政府委員 大蔵大臣が予算委員会の関係で御出席できませんので、私がかわって御説明を申し上げたいと存じます。  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに、本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十年度の予算の執行につきましては、予算編成の趣旨に従い、かつその目的の実現に鋭意努力いたしますとともに、その経理につきましては、厳正かつ適正な執行に配意いたしたのであります。  これがため研修等の強化により会計職員の資質の向上に努めるとともに、他方会計諸制度につきましても、引き続きその整備改善の措置を講じ、また各省各庁における内部監査の強化をはかって参ったのでありますが、なお会計検査院から不当事項につきましては千四百二十二件、是正事項につきましては七百六十三件に上る御指摘を受けるに至りましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、綱紀の粛正を一そう強化するとともに、会計法令の整備、会計職員の資質の向上をはかる等予算の適正かつ効率的な運営を確保するため一段の努力を傾注いたしておる次第であります。  以下決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。まず、一般会計におきましては、歳入の決算額は一兆千二百六十三億円余、歳出の決算額は一兆百八十一億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと千八十二億円余の剰余を生ずる計算であります。  右の剰余金千八十二億円余のうち百三十一億円余は賠償等特殊債務処理特別会計法附則第二項の規定によりまして、賠償等特殊債務処理特別会計の昭和三十一年度の歳入に繰り入れ、残額九百五十億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和三十一年度の一般会計の歳入に繰り入れ済みであります。なお、この剰余金から昭和三十一年度に繰り越し、ました歳出の財源に充てなければならない金額三百七十八億円余、及び前年度までの剰余金の使用残額三百八十億円余を差し引きますと、三百二十三億円余が昭和三十年度新たに生じた純剰余金となるのであります。  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額一兆百三十三億円余に対して千百三十億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和二十九年度剰余金の受け入れが予算額に比べて千三十四億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと純然たる昭和三十年度歳入の増加額は九十五億円余となるのであります。その内訳は租税及び印紙収入における増加額五十一億円余、専売納付金における増加額十七億円余、官業益金及び官業収入における増加額十一億円余、政府資産整理収入における増加額六千万円余、雑収入における増加額十四億円余となっております。  一方歳出につきましては、予算額一兆百三十三億円余に昭和二十九年度一般会計からの繰越額六百五十四億円余を加えました予算現額一兆七百八十七億円余から、支出済み額一兆百八十一億円余を差し引きますと、その差額は六百五億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述の通り三百七十八億円余、不用額は二百二十七億円余となっております。  右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ国会の議決を経、これに基いて翌年度へ繰り越しました金額は三百三十九億円余でありまして、その内訳のおもなものは、防衛庁及び防衛庁施設費につきまして、艦船の設計及び建造、施設用地の選定、機械及び器材の設計、仕様書の調製、装備器材の規格の決定、物品の輸入に不測の日数を要しましたこと等のため年度内に支出が終らなかったもの、道路事業費及び公立文教施設整備費補助につきまして、気象の関係、資材調達の遅延及び工事の設計変更により、工事の施行に不測の日数を要しましたこと等のため年度内に支出を終らなかったもの、賠償等特殊債務処理費につきまして、接収解除施設の復旧工事に不測の日数を要しましたこと等のため、年度内に支出を終らなかったものであります。  財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は三十八億円余でありまして、その内訳のおもなものは、防衛庁施設費でありまして、供与物品の到着遅延により艦船の竣工に不測の日数を要したこと等のため、年度内に支出を終らなかったものであります。  財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割額を繰り越しました金額は一億円余でありまして、その内訳のおもなものは、利根川外二河川総合開発事業費でありまして、気象の関係、事業遂行に伴う補償額の決定遅延、機械の故障等により工事の施行に不測の日数を要しましたこと等のため年度内に支出を終らなかったものであります。  次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは防衛庁の職員俸給、職員諸手当、糧食費、器材費及び運搬費等につきまして、隊員の欠員、器材類の供与等が少かったこと等により不用となったもの四十四億円余、大蔵本省の賠償等特殊債務処理費につきまして、旧連合国に対する賠償協定の締結の遅延等の関係で支出が予定より少かったことにより不用となったもの五十四億円余、大蔵本省の平和回復善後処理費につきまして、接収建物の接収解除が円滑に進捗しなかった関係で支出が予定より少かったこと等により不用となったもの五十九億円余、大蔵本省の連合国財産補償費につきまして、旧連合国財産の補償額が予定より少かったことにより不用となったもの十二億円余、建設本省の安全保障諸費につきまして軍事援助顧問団宿舎その他新営費等の施設費の支出が予定より少かったこと等により不用となったもの十五億円余であります。  次に予備費でありますが、昭和三十年度一般会計における予備費の予算額は八十億円でありますが、その使用総額は七十九億円余であります。そのうち昭和三十年十二月までの使用額四十四億円余につきましては、第二十四回国会におきまして御承諾をいただいております。また、昭和三十一年一月から同年三月までの使用額三十五億円余につきましては、本国会に別途提出いたします予備費使用承諾案について御審議いただきますので、その費途及び金額につきましては、説明を省略させていただきます。  次に一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。財政法第十五条第一項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は百六十億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は四十七億円余でありますので、これに既往年度からの債務繰越分四十三億円余を加え、昭和三十年度中に支出その他の事由によって債務が消滅いたしました額三十四億円余を差し引きました金額五十五億円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は四億円余でありますので、これに既往年度からの債務繰越分二千四百万円余を加え、昭和三十年度中に支出によって債務が消滅いたしました額六千九百万円余を差し引きました金額四億円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。  次に昭和三十年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお同年度における特別会計の数は三十五でありましてこれら特別会計の歳入決算総額は一兆八千七百九十八億円余歳出決算総額は一兆七千二百六十五億円余であります。  次に昭和三十年度国税収納金整理資金の決算でありますが、この資金への収納済み額は八千百六十二億七千万円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は八千百六十二億円余でありますので、六千万円余が昭和三十年度の資金残額となるのであります。しかしながらこのほか昭和二十九年度末の資金残額十一億五千万円余がありますので、これを加えますと、昭和三十年度末の資金残額は十二億円余となるのであります。これは主として国税にかかる還付金の支払い決定済み支払い命令未済のものであります。なお、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額のおもなものは還付金等の支払い命令済み額百六十二億円余、還付加算金等の支払い命令済み額二十二億円余、一般会計の歳入への組み入れ額七千七百五十四億円余、昭和三十年度交付税及び譲与税配付金特別会計歳入への組み入れ額二百二十一億円余であります。  次に昭和三十年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。また、自余の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。  以上、昭和三十年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
  4. 青野武一

    ○青野委員長 次に日本国有鉄道決算書につきまして、運輸大臣より説明を求めます。宮澤運輸大臣。
  5. 宮澤胤勇

    ○宮澤国務大臣 昭和三十年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十年度における国鉄の収入は、国際収支の好転、豊作等による経済界の好景気により予定よりも上回りましたが、資産再評価の実施による減価償却費の増加等のため損益計算上は約百八十三億円の赤字という結果となりました。以下決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。  損益勘定における収入済み額は二千六百二十億円余支出済み額は二千六百七億円余でありまして、収支の差額は約二十三億円の黒字であります。これから損益計算上損失に属する減価償却費の増加額百八十億円余、固定資産除却二十六億円余を減ずると、本年度純損失は前述の約百八十三億円となるのであります。  以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額二千五百六十九億円余に対しまして六十億円余の増収となっており、一方支出におきましては、収入の増加に基く経費の増加等を含めた予算現額二千六百十六億円余に対しまして、約八億円の減となっておりまして、これは全部が不用額となっております。  次に資本勘定における収入済み額は五百三十七億円余支出済み額は五百三十七億円余であり、差額を生じないのであります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額五百四十億円余に対しまして三億円余の差額を生じますが、これは鉄道債券の発行におきまして、前年度において発行できなかった鉄道債券を本年度発行したためと、本年度の発行が予定通り行われなかったためとであります。また支出におきましては、予算現額五百四十一億円との差額三億円余の大部分は不用額となっております。  次に工事勘定における収入済み額は五百二十二億円余支出済み額は五百二十四億円余でありまして二億円余の差額を生じますが、これは建設工事等の前年度繰り越し等があったために生じたものであります。  この決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額五百二十六億円余に対しまして三億円余の差額を生じますが、これは資本勘定からの受け入れが少かったためであります。また支出におきましては、前年度繰越額を含め予算現額は五百四十一億円となり、これに対しまして十六億円余の差額を生じますが、これは翌年度へ繰り越したもの十二億円余、不用額三億円余がその内容となっております。  なお、昭和三十年度の予算執行につきまして、会計検査院から不当事項三十二件、不正事項一件に上る御指摘を受けるに至りましたことは、種々事情の存するところとはいえまことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運営に一段の努力をいたすよう指導監督する所存であります。  以上昭和三十年度の国鉄の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましてはさらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議の程をお願いいたします。
  6. 青野武一

    ○青野委員長 次に日本電信電話公社決算書につきまして郵政大臣より御説明を求めます。平井郵政大臣。
  7. 平井太郎

    ○平井国務大臣 昭和三十年度日本電信電話公社決算書類を会計検査院の検査報告とともに第二十六回国会に提出いたしましたが、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十年度における公社事業収入は予定収入をかなり大幅に上回ったのでありますが、これは施設の拡充、サービスの向上面における企業努力と経済情勢の好転によるものと考えられます。  これに対しまして、事業支出の面におきましては、合理的、能率的業務の運営、経費の効率的使用をはかった結果、良好な経営状態を示したのでありまして、損益計算上百九十一億円弱の利益金を生じたのであります。  また、建設勘定の支出額は、予算現額の九二%にあたりまして、着々その成果を上げておりますが、かなりの未完成施設が持ち越されており、三十一年度は公社の一段の努力が要請されております。  決算の内容について申し上げますと、損益勘定における事業収入の決算額は一千二百四十二億円弱、事業支出の決算額は一千二十億円弱でありまして、差引二百二十二億円弱の収支差額を生ずる計算であります。このうち百三十一億円余が資本勘定へ繰り入れられまして、債務償還および建設工事の財源に充当されております。  以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額一千百七十六億円弱に対して、六十六億円弱の増収となるのでありますが、その内訳は電話収入において六十億円余、雑収入等において六億円弱となっております。  一方、支出におきましては予算現額一千三十九億円余から支出済み額一千二十億円弱を差引きますと、その差額は十九億円余でありましてそのほとんどが不用額となっております。  次に、建設勘定における収入の決算額は五百四十九億円余、支出の決算額は五百三十九億円余でありまして、差引十億円余の差額を生じたのでありますが、この差額は建設工程の翌年度への繰り延べ等があったために生じたものであります。  以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額五百十三億円余に対して三十六億円余の増加となるのでありますが、これは資本勘定よりの受け入れが多かったためで、その内訳は、電信電話債券における増加額九億円弱、電話設備負担金における増加額八億円余、減価償却引当金における減少額四十七億円弱、損益勘定収支差額の受け入れにおける増加額五十二億円余、設備負担金における増加額四億円余、資産充当による増加額九億円弱となっております。  支出の面におきましては、予算額五百十三億円余に前年度からの繰越額三十六億円余、予算総則第二十二条および第二十六条に基く弾力条項の発動による使用額三十億円余等を加えました予算現額五百八十五億円弱から支出済額五百三十九億円余を差引きますと、その差額は四十六億円弱でありまして、このうち建設工程の未竣工等によりまして、翌年度へ繰り越しました額は四十五億円余、不用額は一億円弱となっております。その他につきましては、公社の決算書によって御了承願いたいと存じます。  なお会計検査院から不当不正事項八件の御指摘を受けておりますが、これは件数におきましては、昨年度に比し著しく減少しておりますものの、まことに遺憾なことでございますので、公社を監督する立場にあります郵政大臣といたしましては綱紀の粛正、経理事務の適正化につきましても一そう意を用いていく所存でございます。  以上、公社決算の概略を申し上げたのでございますが、詳細につきましては、さらに御質問をいただきまして、お答え申し上げたいと存じます。
  8. 青野武一

    ○青野委員長 次に日本専売公社決算につきまして大蔵大臣の説明を求めます。足立政務次官。
  9. 足立篤郎

    ○足立政府委員 会計検査院の検査を経た日本専売公社の昭和三十年度決算書を本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  まず、日本専売公社の昭和三十年度の決算について御説明いたします。  昭和三十年度における収入済額は、二千二百七十六億四百万円余、支出済額は、千三百八億七千万円余でありまして、収入が支出を超過すること九百六十七億三千四百万円余であります。  また、昭和三十年度の総収益二千四百四億七千万円余から、総損出千六十七億千六百万円余を控除した事業益金千三百三十七億五千四百万円余から、日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により積み立てる固定資産及び無形資産の増加額百五十五億三千八百万円余及び日本専売公社法附則第五項の規定により本年度中に交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れた額四十四億七千四百万円を控除して算出した専売納付金は、千百三十七億四千百万円余でありますが、これは、その予算額千百二十一億五千万円と比べますと、十五億九千百万円余の増加となっております。  以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。  まず、収入の部におきましては、収入済額は、二千二百七十六億四百万円余でありますが、これは、収入予算額二千二百九十二億千百万円余に対して、十六億七百万円余の減少となっております。なお、この減少は、たばこ事業収入におきまして製造たばこ及び葉タバコ売払代が予定に達しなかった等のため、九億八千九百万円余を減少し、塩事業におきまして、塩の売り渡し高が予定に達しなかった等のため、三億六千六百万円余を減少したこと等によるものであります。  一方、支出の部におきましては、支出予算現額は、支出予算額千三百二億九千万円余に前年度繰越額七十七億四百万円余を加えた千三百七十九億九千五百万円余でありますが、支出済額は、千三百八億七千万円余でありますので、差し引き七十一億二千五百万円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は、五十三億千万円余、不用となった額は、十八億千五百万円余であります。  次に、昭和三十年度において、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予備費を使用した額は、葉タバコ生産確保交付金のため二千五百万円余であります。また、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した経費の額は、タバコ乾燥室建設費補助金に不足を生じたため、回送保管費から、タバコ乾燥室建設費補助金に流用した額八千四百万円余、日本専売公社法第四十三条の二十一第二項の規定により職員に対し特別の給与支給のため、材料品費から、業績賞与へ流用した額一億二千八百万円余、合計二億一千二百万円余であります。  次に、昭和三十年度における日本専売公社の債務に関する計算について御説明いたします。  日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基く昭和三十年度の債務負担行為の限度額は、塩事業費においては、三十四億円余でありますが、実際に負担した債務額はありません。また、固定資産取得費においては、既往年度よりの繰越額が十一億五千六百万円余ありますが、このうち本年度支出によって債務の消滅したものは、十一億五千六百万円余でありますので、翌年度以降へ繰り越した債務額はありません。  次に、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基く昭和三十年度の債務負担行為の限度額は、一億円でありますが、実際に負担した債務額はありません。  また、日本専売公社法第四十三条の十四の規定に基く昭和三十年度の短期借入金の最高限度額は、三百九十億円でありますが、実際に借り入れた額は、百八十億円であります。これは昭和三十年度に償還し、翌年度へ繰り越した債務額はありません。  なお、昭和三十年度の日本専売公社の決算につきまして会計検査院から、不当事項として指摘を受けたもの一件がありましたことははなはだ遺憾でありますが、この種事故の根絶については将来十分注意いたします。  以上、昭和三十年度における日本専売公社の決算にきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問の都度御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ、御審議のほどをお願いいたします。
  10. 青野武一

    ○青野委員長 それでは次に昭和三十年度決算検査報告書に関する概要につきまして、会計検査院長の説明を求めます。東谷会計検査院長。
  11. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 昭和三十年度決算検査報告についてその概要を御説明申し上げます。  昭和三十年度歳入歳出決算は、三十一年十月三十一日内閣から送付を受け、その検査を了しまして、昭和三十年度決算検査報告とともに昨年の十二月七日内閣に回付いたしました。  昭和三十年度の一般会計及び各特別会計の決算額は、先ほど大蔵政務次官から御説明のありました通りでございまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入三兆六十二億余万円、歳出二兆七千四百四十七億余万円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入二兆二千二百五十五億円、歳出二兆千六百五十九億円となりまして、前年度に比べますと、歳入において二千百七億円、歳出において千六百十二億円の増加となっております。  なお、国税収納金整理資金の受け払い額は、収納済み額八千百六十二億余万円、支払い命令済み額と歳入組み入れ額の合計八千百六十三億余万円でございます。  政府関係機関の昭和三十年度決算額の総計は、収入八千七百七十九億余万円、支出七千四百七十八億余万円でありまして、前年度に比べますと、収入において三百三十二億余万円、支出において三百五十七億余万円の増加となっております。  ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは総計百十七億六千六百余万円でありまして、そのおもなものは、総理府の防衛庁施設費で七十億三千七百余万円、日本国有鉄道の修繕費で十二億二千七百余万円、農林省の開拓事業費で九億六千五百余万円などでございます。  会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として、検査報告に掲記しました件数は合計二千百八十五件に上っております。  三十年度の不当事項及び是正させた事項の件数は、二十九年度に比べますと、保険事業の運営が適切を欠いたものなどで増加している反面、補助金、租税などで減少を示しておりますため、結局二十九年度の二千二百四十六件よりやや減少しておるのでございます。  今、この二千百八十五件について不当経理の態様別の金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が一億九千七百万円、法令または予算に違反して経理したものが六千四百万円、検収不良などのため過渡しとなっているものが五千三百万円、保険金の支払いが適切を欠いたものまたは保険料の徴収不足を是正させたものが二十三億六千百万円、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどが七億二千六百万円、災害復旧事業に対する今期検査の結果、主務省において査定額を減額し、ひいて補助金の減額を要するものが五億千八百万円、租税収入などで徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額をこえていたものが五億三百万円、工事請負代金、物件購入代金などが高価に過ぎたり、または物件売り渡し代金などが低価に過ぎたと認めたものの差額分が四億千万円、不適格品または不急不用の物件の購入など、経費が効率的に使用されていないで、いわゆる死金を使ったと認めたものが十五億六千万円、その他が二億千七百万円、総額六十六億千三百万円に上っておりまして二十九年度の七十三億四千四百万円に比べますと、七億三千百万円の減少となっております。しかしながら、このように不当な経理の多いことは、はなはだ遺憾にたえないところでございます。会計検査院といたしましては、不当経理の発生する根源をふさぐことに努力を傾けている次第であります。  検査の結果の概況は、租税、予算経理、工事、物件、役務、保険、補助金、不正行為の各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要する事態として、予算の効率的使用について、また保険及び補助金に関してその概要を説明いたします。  まず予算の効率的使用について説明いたします。経費が効率的に使用されないため不経済な結果となったと認められる事例は、工事の施行や物件の調達などにつきまして防衛庁、日本国有鉄道を初め多数見受けられますが、このような事例が毎年繰り返されることはまことに遺憾にたえないのであります。  工事についてみますと、現地の状況を十分調査しないで計画、設計したため、工事の効果が十分上っていなかったり、事業効果の少いものに多額の経費を投入していたり、既設のものの利用を考慮しないで新設工事を施行し、不経済な結果を来たしているものなどがあります。また物件についてみますと、具体的な使用計画や、実際の必要度または保有物件の活用を十分検討しないで調達したため、使用されないまま保管されている結果を来たしたり、納地の指定が適切でなかったため、不経済な結果を来たしているものなどがございます。また契約価格の基準となる予定価格の作成に当りまして工事や物件の実態把握や市場価格の調査が不十分なため積算が過大となり、ひいて契約価額が適正な額をこえていたり、または検収が形式に流れて適確に行われていないため、契約相手方が契約に定められた通り債務を履行していないのに、そのまま見のがされている事例なども相当多数見受けられるのでございます。  次に保険について説明いたします。国が特別会計を設けて経営する各保険事業におきまして、保険金の支払いまたは保険料の徴収について遺憾な事例が、農林省、厚生省、労働省などの所管するものについて多数見受けられたのでございます。すなわち農業共済保険事業において、農業共済組合の共済掛金の徴収、組合員に対する共済金の支払い及び保険金の基礎となる被害の評価など事業の運営に関して、はなはだしく適切を欠いているものが多数に上っており、また森林火災保険、健康保険、労働者災害補償保険、失業保険などの保険事業において、架空の被害や受給資格のないものなど保険料支払いの対象としてはならないものに対して保険金を支払ったり、または保険料算定の基礎となる標準報酬月額もしくは賃金総額の調査が十分でなかったなどのため、保険料の徴収不足となっているものなどがございます。  最後に補助金について説明いたします。補助金のうち、公共事業関係のものの経理につきましては、その経理が当を得ないものとして、会計検査院において毎年多数の事例を指摘してきたところでありますが、三十年度の検査の結果によりますと、災害を受けた事実がないのに災害復旧事業として補助を申請したり、二重に査定を受けたりして補助金の交付を受けたようなはなはだしく不当なものはほとんど見受けられず、相当改善の跡が認められたのであります。しかしながらなお事業主体において正当な自己負担をしていないため、ひいて工事の施行が不十分と認められるものが多数に上っている状況であり、また事業主体が補助の対象となる事業費を過大に積算して査定を受けたり、設計通りの工事を施行しなかったり、または災害に便乗して改良工事を施行しているものなどの事例が依然として少くないのは遺憾な次第でございます。  また災害復旧事業の補助金につきましては、三十年度も農林、建設、運輸各省所管の分について、工事の完成前に早期検査を行いましたところ、前年度に比べ改善されてきてはいますが、採択された工事のうちには、前年と同様に、関係各省間などで二重に査定しているもの、災害に便乗して改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が不十分なため設計額を過大に見込んでいるものなどについて多数指摘し、工事費を減額させることとなったのであります。  さらに公共事業関係以外の補助金は、その種目が非常に多いのでありますが、これらの補助金のうちには、市町村などが補助金を補助の目的に沿わない方法で配分したり、補助の目的以外に使用したり、過大な申請に基いて交付された補助金がそのままとなっているなど不当な事例が多く見受けられます。また農業協同組合などが、農林漁業災害融資金に対する利子補給金の交付を受ける金融機関から、低利に融資を受けながら、これを農林漁業者に貸し付けないで事業資金などに使用していたり、災害に関係のない旧債権の回収に充てているなどの事例も少くありません。  なお、災害復旧などの補助事業検査の結果、会計検査院が不当として指摘し、二十八、二十九両年度の検査報告に掲記しましたものについて事業主体が行う是正処置の状況を検査しましたところ、補助金の返還または工事の手直しもしくは補強を履行していなかったものが少くなかった状況でありまして、この点についても十分な配意を必要とするものであります。  以上をもちまして昭和三十年度決算検査報告についての概要の説明を終りますが、会計検査院といたしましては、会計経理に関し、従来から、関係各省に対し強くその改善を求めてきたところでございます。これに対し相当に改善の跡が見受けられるのでありまするが、なおただいま御説明いたしましたように、不当事項が多数に上っている状況でございまして、はなはだ遺憾にたえないのであります。主務省及び関係者におきましては、今後さらに一そうの努力が望まれるところでございます。
  12. 青野武一

    ○青野委員長 これにて昭和三十年度決算の概要説明を終ります。     ―――――――――――――
  13. 青野武一

    ○青野委員長 次に、去る二月一日、本委員会に付託になりました昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和三十年度国有財産無償貸付状況総計算書を一括議題に供し、審査に入ります。  まず大蔵大臣より右両件につきまして説明を求めます。足立政務次官。
  14. 足立篤郎

    ○足立政府委員 ただいま議題となりました昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明いたします。  まず、昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の内容について御説明申し上げます。  昭和三十年度中に増加しました国有財産は、行政財産二千九百六十五億七千八百八十三万円余、普通財産二千六百二十六億八千八百四十万円余、総額五千五百九十二億六千七百二十三万円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産百八十七億七千八百四万円余、普通財産四百五十五億三千九百七十五万円余、総額六百四十三億千七百八十万円余でありまして、差し引き総額において四千九百四十九億四千九百四十二万円余の増加となっております。これを前年度末現在額一兆四千三百三億五千六百十九万円余に加算いたしますと一兆九千二百五十三億五百六十二万円余となり、これが昭和三十年度末現在の国有財産の総額であります。  この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産三千三百九十五億四千七百二十三万円余、公共用財産八十四億八千七百十一万円余、皇室用財産九十四億八千二百三十八万円余、企業用財産六千八百六十九億六千百八十七万円余、合計一兆四百四十四億七千八百六十一万円余となっており、普通財産においては八千八百八億二千七百万円余となっております。  また、国有財産の総額を区分別に申し上げますと、土地二千八百二億六千四十万円余、立木竹五千六百六十一億九千六百二万円余、建物二千五百六十億八千三百五十万円余、工作物千二百十三億二千百三十七万円余、機械器具一百百六十二億四千九百七十六万円余、船舶三百九億七千七百六十五万円余、地上権、地役権、鉱業権等の権利二億千五百八十万円余、特許権、著作権等の権利二億五百九十九万円余、有価証券及び出資六千四百三十七億九千四百九十八万円余、合計一兆九千二百五十三億五百六十二万円余となっております。  次に、国有財産の増減の事由について、その概略を申し上げます。  まず昭和三十年度中における増加額を申し上げますと、その総額は、五千五百九十二億六千七百二十三万円余でありますが、この内訳は、第一に、当該年度中に新規に取得した財産は千二十六億六千六百二十五万円余でありまして、この内容のおもなるものは、購入、新営工事等により取得したもの四百五十五億五千百四十四万円余、出資により取得したもの四百六十億九千百四十一万円余、代物弁済を受けたもの九十一億二千五百四十三万円余、寄付、国庫に帰属、租税物納等によるもの十八億九千七百九十五万円余となっております。第二に、価格改定によるものは四千二百四十三億三千五百五十八万円余であります。第三に、所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた異動によるものは二百三十億九千九百三十八万円余であります。第四に、新規登載その他の事由によるものは九十一億六千六百万円余であります。  次に、減少額について申し上げますと、その総額は六百四十三億千七百八十万円余でありまして、この内訳は、第一に、出資金回収、売り払い、現物出資、交付地方債証券の返還、財産の減耗等による国有財産の減少額は二百十三億三千七百五十七万円余でありまして、この内容のおもなものは、出資金回収によるもの百四十二億六千四百八万円余、売り払いによるもの三十四億六千二百六十九万円余、現物出資、交付地方債証券の返還等によるもの二十一億七千六十八万円余、取りこわし、移築等によるもの十四億四千十万円余となっております。第二に、価格改定によるものは百六十七億七千二百四万円余となっております。第三に、所管がえ、所属がえ、用途変更、種目変更等国の内部の間で生じた異動に上るものは二百二十九億千八首六十二万円余であります。第四に、物品へ編入その他の事由によるものは三十二億八千九百五十六万円余であります。  以上が昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。  次に、昭和三十年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明いたします。  国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の想定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は五十億二百四十万円余で承ります。また減少した総額は八千八百四十二万円余でありますので、差し引き四十九億千三百九十八万円余の純増加となっております。これを前年度末現在額二億五十万円余に加算しますと五十一億千四百四十八万円余となり、これが昭和三十年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。  この増減のおもなるものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの三十九億四品七十六万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの十億八百三十八万円余等であり、まして、その大部分は価格改定によるものであります。  次に、減少したものは、公園の用に供するもの千百四十万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの七千六百七十五万円余等であります。  以上が昭和三十年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。  なお、これら国有財産の各総計算書には、各省各庁から提出されたそれぞれの報告書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。  以上昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の大要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認下さいますようお願いいたします。
  15. 青野武一

    ○青野委員長 引き続き昭和三十年度国有財産検査報告につきまして会計検査院長の説明を求めます。東谷会計検査院長。
  16. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 昭和三十年度国有財産検査報告につきましてその概要を御説明いたしたいと思います。  昭和三十年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、昭和三十一年十月二十九日会計検査院においてこれを受領いたしまして、その検査を終えまして、昨年の十一月三十日内閣に回付いたしたのであります。  昭和二十九年度末の国有財産現在額は一兆四千三百二億五千六百余万円でございましたが、昭和三十年度中の増加が五千五百九十二億六千七百余万円、同年度中の減少が六百四十三億千七百余万円ありましたので、差し引き三十年度末の現在額は一兆九千二百五十一億五百余万円となりました。これは前年度に比べて四千九百四十九億四千九百余万円の増加となっております。  次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、昭和二十九年度末には二億余万円でありましたが、昭和三十年度中の増加が五十億二百余万円、同年度中の減少が八千八百余万円ありましたので、差し引き四十九億千三百余万円の増加を見、同年度末の無償貸付財産の総額は五十一億千四百余万円となっております。  国有財産の取得、処分及び管理について会計検査院の検査の結果不当と認めましたもの、または是正させましたものは、昭和三十年度決算検査報告に掲記しておりますが、これらの事項を取りまとめて申し上げますと、国有財産の取得に関するもの三件、同じく国有財産の管理に関するもの十七件、同じく国有財産の処分に関するもの七件、合計二十七件でありまして、いずれも昭和三十年度決算の御審議の際御説明申し上げたいと存じます。
  17. 青野武一

    ○青野委員長 以上で説明は終りました。発言の申し出がありますのでこの際これを許します。吉田賢一君。
  18. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はこの機会に会計検査院当局と大蔵省に対しまして昭和三十年度国並びに政府関係機関の決算等について総括的に二、三の点を御質問申したいと思うのであります。  今、国民は予算の審議と成立に大きな関心を持っておりますけれども、しかしながら反面において、予算がどんなに執行されたかという面につきまして、深い関心を持っておることは申し上げるまでもございません。そこで、最も重要な目標になりまするのは、会計検査院の検査報告書に指摘されました合計二千百八十五件、批難金額の概計が六十六億円、こういうことに集中いたしまして、心ある国民はその内容のいかんということに大きな関心を寄せておることは申し上げるまでもありません。そこで私は、今日ぜひともこの概要を明らかにしておきたい一つの点は、検査院の御指摘になりました六十六億円、二千百余件というものは、かなり慎重な検査院当局の調査研究討議等の結果得た数字でありますので、その内容の正確で信頼性の高いことはみな一致しておるところでありますが、しかしながら、反面から見ますると、検査院の御指摘になりました数額が国費の乱費の全額でないということを国民に知らす必要があるのではないであろうか。これは私は非常に重要な点であろうと思うのでございます。なぜならば、この指摘された数額なり事件は、確実な根拠によっておるのでありますけれども、しかし、検査院の持っておる能力は、申し上げるまでもなく人員においても予算においても技術においても、あらゆる意味において限定されております。ことに昭和三十年度予算執行の当時におきましては、検査院の人数は定員法によれば千百七十八名ですか、そういうような少数であったのでございます。のみならず、通信にしましても交通にしましても、その他の技術的な能力の条件等々におきましても、ほとんど無限とでもいうべき予算執行の全部をしさいにわたって把握してこれを検査検討するということはおよそ不可能であります。このことをやはり私は国民に知らす必要があると思うのであります。現にこの検査報告書によってみましても、また毎年御提出になりまする報告書によってみましても、検査の対象になりましたものは、検査すべき資格のある対象のうちの何十%、はなはだしいのになると何%ということに限定されております。あるいは重点的にせられ、あるいは主として地方に重点が置かれというようになっておりまするので、私どもはある割合のみが検査されておるということをはっきりしておかなければならぬと思うのです。たとえばここに記載されておりますものによりますと、防衛庁の工事は二五%、農林省の直轄工事は六〇%、建設省の公共事業は一五%が実地検査の対象になっておるのであります。これだけでありまするから、もし検査院の人的技術的あるいはあらゆる機械力等々の能力をずっと増大しましたならば、これを二倍にし三倍にして実地検査をするとしましたならば、おそらくは二倍、三倍の批難事項が上ってくるのじゃないだろうか、こういうことも実は考えるのであります。こういたしましたときに、私は国民に知らすべき一つの重要な点は、検査院の今日の能力においてさえこのくらいな批難件数が上り、このくらいなたくさんな批難金額が上っておるのであるから、さらにこの能力を大きくする場合に、実地検査の数をふやす場合に、全国的にあらゆる法律上可能な対象を実地検査するというような場合には、数倍する批難が伏在することを推定する。こういうことをやはり知らすことが、私は日本の財政執行の実情を国民に知らすしにおいて、正しいことであると思うのであります。この点につきまして検査院当局はどういうふうにお考えになりましょうか、それを一つ伺っておきたいのです。
  19. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいまの吉田さんからの御意見と御質問でございまするが、ごもっともに拝聴いたしたのであります。ただ会計検査院が三十年度関係を検査いたしまして、不当、不正の事項として二千件余りを上げ、その金額が六十六億になっておるが、これは一部分の検査であるとも言えるので、検査をもう少しというか、徹底的にやれば、この何割かあるいは何倍かの不当事項が上げられるのではないかという御意向であります。  御存じのように会計検査院の検査は、書面検査と実地検査に分れておるのでありまするが、書面検査は収入、支出についての全部の書類を会計検査院にとっておるのでございまして、書面の上から見る会計検査は、一応全部にわたって検査が行われておるということに相なっておるのでありまして、その点については一部分の検査というふうには考えておらないのであります。ただ何さま書面検査だけでは十分でございませんので、実地に工事の個所とかあるいはその他事業を運営いたしております実際のところに臨んで検査をしなくちゃならぬということが起るのでありまして、これを実地検査と申しておりますが、この点につきましては、ただいまお示しのように、あるところは二割ぐらい、あるところは三割、四割というふうに実地検査をいたしておるのであります。この点をただ単純にパーセンテージから申しますると、ただいま掲げておりまする批難事項の何倍かは不当の金額が上るだろうという推定もできますが、必ずしもそうはいかないとこれも思っております。というのは、大体大きな工事のところ、重要な個所には実地検査を行なっておるのでありまして、実地検査の行われてないのは、概念的にいえば比較的軽いところが残っておるので、それは実地検査をしないで書面検査だけで済ましているという事態に相なっておるのでございまして、人をふやし実地検査の度数を増しまして、検査の周密徹底を期すれば、これよりもたくさんの不当事項が見つかるであろうということは、私もそういうふうに考えております。おりますが、直ちにそのパーセンテージで、比例的に不当事項が上るとも必ずしも考えておりません。ただいまの御意見は、私どももそれに近い、とは申しませんが、それと同じような考えを一面においては持ちまして実地検査をいたす場合には、去年行かないところに行かすとか、あるいは小さいところでもやはり行って見るというようなことをいたしまして、実地検査のあんばいをやっているようなわけでございます。  会計検査院に対するただいまの御質問の一部分といたしましては、現在の機構、人員でいいかどうかということにもなるかと思うのでありますが、現在の人員、現在の機構で、必ずしも私どもはよろしいとは思っておらぬのであります。一昨年でございましたか、国会で御審議を願いまして、一つの局をふやしまして、従来四局であったものを五局制にいたし、課もふやしまして、検査の充実を期するために機構の拡充をいたし、他面調査官制度をしきまして四百数十名の調査官を置きまして、これは主として――といいますか、実地検査をする場合には調査官が実地検査に当り、優秀な者を調査官に任命してやるというふうな制度も予算上認められまして、現有の千二百名足らずの人員におきまして、あとう限りの書面検査、実地検査を執行いたしておるのであります。実は人員の増加あるいはさらに機構の拡充ということをも考えておったのでありますが、財政の状況にかんがみまして、まず現有勢力において十分に検査ができまするように、調査官とかあるいは事務官に、内部において検査の方法といいますか、そういうものを一面においては教授し、能率も高めてもって現有勢力で十分な検査をいたしたい、こういう決心を固めて、実は三十二年度におきましては人員の増加を要求しておらぬような次第でございます。実地検査に参って検査日数の足らないところは、実は時間外にも勤務を命じまして、それにはできれば超過勤務手当も支給して、検査の徹底を期したいとせっかく努力中であります。また先ほども仰せになりました、検査に当っては何をことしは重点に見るかということを検査官会議で策定いたしまして、その重点事項を授けて、その重点に向って検査をさせるということに相なっております。相なっておりますから、その逆を言いますと、重点に取り上げられないところは検査しないのかということになりますが、その点は先ほども申しましたように、書面が全部出て参りますので、書面検査によってカバーしていくというふうにやっておるようなわけでございます。
  20. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の御質問申した趣旨は、直ちに検査院機構、人員等を拡充することが、必ずしも適当であると思うておらぬのであります。やはりその対策といたしましては、私も別に意見があります。たとえば、あとで申してもいんですが、この委員会におきましてもずいぶんといろんな同じことを繰り返して審議した事例もありまするが、一向に責任者も現われないというような案件もありまするので、私どもはやはり一面におきまして日本の官界、行政、政界を粛正するというためには、少し抜本的にこれをなくする態勢を法規的にもあるいはその他の手段でもとらねばいかぬと思いまするので、従ってもっとある種の案件については当然政府は責任者を出さねばいかぬ、そして責任者は罷免せねばいかぬ。こういうように強い態度を持って臨んだら、必ずしも私は北海道の果てまで実地検査に行かなくてもいいと思うのです。私は元来は実地検査というのではなしに、かりにも国民を代表する行政府の国費を使う行政事務は、書面審査で事足れりというふうにするのが、これがほんとだと思います。一々実地検査に行って、そして土手をこわして工事の中身を見るということをしなければ検査ができないというのじゃ、もう世の中は末のような感じがするのです。そういうことじゃどろぼうと追っかけ合いをしているようなものです。それならばちょうど行政府の公務員の数と同じだけ検査院の人間をふやさなければ成果は上らない。そんなばかなことはありません。だからやはりそこはぴりっとしたところを示して、そして行政府に対してあるいは公務員の法律の趣旨から、あるいは末ならば刑事処分から、あらゆる意味において責任者を追及して責任者を出すということで、所管大臣がちゃんと腹をきめて、そうして責めに任じていけば私はいいんじゃないかとさえ考えております。それは全部じゃありませんけれども……、でありまするので、前提には、私が今お尋ねした趣旨は、検査院がお出しになっておりまするこの御報告の内容以外に、まだ莫大な不当事項があり批難さるべき案件があるということを国民に知らせることが一つは必要じゃないか。六十六億円で、それ以外にないんだ、去年七十億円だったから今度六十六億円になりますと、七十億円から六十六億円に減ったんだ、こういうふうな平面的な算術の増減は私は適当でないと思います。たまたまたとえば数年前に九州を中心としました災害復旧について実地検査を途中でおやりになりましたら、百億円前後も不当事項が暴露して、そしてこれがとまったという事実もあるのでありますから、極端に言うなら偶然だから、七十億円が六十六億円になったからといって、絶対数が減ったというふうに安易に私は観察することは国民をして誤まらしめるものだと思うのであります。よって私が御質問申す趣旨は、やはり内在するところの不当不正の案件と金額というものはかなり膨大なものであるということを国民に知らすことが、今日必要な手でないか、こう思いまするので申し上げたのであります。対策をどうするかということはおのずから別個に私は考えるべきでございましてそれはお説の通りに、直ちに人員の増加というだけではいかぬということもだんだん承わっております。やはり抜本的な対策はよほどしっかりした方法を講じるのでないと、とてもいけませんということを私は考えておるのであります。  そこでその次に伺いたいことは、報告書によりますると、未確認の会計が膨大な金額に上っております。御説明によれば百十七億円が未確認になっております。そこでそのうちの防衛庁施設費が七十億三千七百余万円、国鉄が十二億二千七百余万円、農林省の開拓事業費が九億六千五百余万円。防衛庁施設費が七十億円余も検査が終了しないということは、一体どういうものであろうか。試みに検査報告書を見てみますると、検査報告書の五四四ページには三十年度一般会計決算未確認額表とありまして、防衛庁施設費の未確認は七十億三千七百余万円、そのうち質問に対する回答がないもの、三十年度の予算を三十一年十二月五日までに質問をしても回答が来ない金額が二十九億三千五百万円ある。一体防衛庁の施設費、これは調達実施本部ほか七カ所となっておりますが、三十年度の予算を執行して、そして三十一年の十二月になって検査院から執行済みの予算について質問をして回答しないのが約三十億円あるということは、一体どういうわけでありますか。察するに、防衛庁におきましてはたとえば艦船の建造などをずいぶんとだらしなくしておる実例もあります。三十年度の施設費のうち艦船建造費の小型警備艦乙あるいは施設艦等々はすでに最近に全部引き渡しも終了したはずであります。言いかえますれば、契約はでき、一切の履行は済んでおるはずであります。こういうようなことを思いますると、どういうことになっておるのであろうか。詳細はきょうはよろしゅうございます。別の機会に伺いますけれども、一体どうして防衛庁の施設資が約三十億円もすでに数年も経過して質問に対する回答がないのでありましょうか。これは小峰次長見えておりますから、次長から御説明願ってもけっこうでありますが、概略だけ一つ御答弁願っておきたいと思います。
  21. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 小峰次長から詳細に御説明いたしますが、実は未確認金額が非常に多いので困っております。ただいま仰せになりましたように、未確認金額は百十七億円、三十年度だけでありまするが、実は二十九年度で未確認といたしましたもののうちでまだ未確認で残っているものがあるのでありまして防衛庁のお話がございましたから防衛庁で申し上げまするが、全体の政府関係機関まで入れての未確認、検査が済んでないものが百十七億、そのうち防衛庁だけで七十八億ございます。さらに防衛庁におきましては、二十九年度の決算でまだ会計検査院の検査が済んでない――回答未済のものも含んでおりまするが、それが約十六億あるのでございます。これを加えますと、九十五億が防衛庁において未確認ということになっております。そのうち回答未済でございまするが、これは会計検査院で質問をいたしまして、十月、十一月とずいぶんと矢のような催促をいたしたのでありますが、ようやく十一月ごろまでに参りましたものはこのうちから差し引いたのであります。実は回答がおそいので会計検査院もこんぱいしておるようなわけでありまして、回答の来たものでも、回答がすぐ来たら直ちに結論が下せるかというと、そうでないものもございまするので、会計検査院でさらに調査をするということもございます。回答のおそいものには会計検査院も弱っておりますが、これは特別に引き延ばし作戦をしておるものとも考えません。しかし、どうもおそいので実は困っておるということを申し上げておきたいと思います。  さらに自衛艦などの関係で、二十八年計画のものが二十九年度で契約され、三十一年になって入ってきておるというようなものは、会計検査院の検査といたしましても検査未了という扱いにいたしておりまするので、そういう点でも未確認金額がふくらんでおるということが言えるのであります。しかし、回答のおくれるものが非常に多くて困っておるということは申し上げて差しつかえないと思います。
  22. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この未確認が百十七億円もある。未確認とは、私が申し上げるまでもなく、決算が正確であるか、まだ不明であるか、あるいは不正不当があるかないかまだ確認しがたい金額であります。ことに質問に対する回答がないというような、約三十億円の防衛庁の未確認につきましては一そうこの感を深くいたします。従ってもしこの百十七億円の内容のうちの何割かに批難すべき事実があるとするならば、当初御報告になった六十六億円という金額はずっとふえてくるわけでございますので、やはり六十六億円のほかに防衛庁だけでも未確認が七十億円もある、さらに前年度の未確認が十六億円もあるということは、国民に知ってもらう必要があるのではないかと思います。なお、詳細はまた別の機会に伺うといたします。  そこで、さらに今度は大蔵省に伺います。きょうは大臣が見えておりませんので、主計局長か次長かいずれからでも適当に御答弁を願うことにいたします。  毎年この委員会において問題になるのは、実は予算の繰り越しなんです。三十年度におきましても、一般会計の繰り越しが三百七十八億円、防衛費だけで二百二十八億円になっております。そこで、私も別の機会に防衛庁当局に対して、なぜあなたの方は年々二百億円以上の繰り越しができるのであるか――なるほど法律に基いて、予算を明許繰り越しとして国会が可決したのであるけれども、その原因をだんだんと追及していけば、たとえば、これは大部分が艦船建造費であります。詳しい内容はここに出ておりませんけれども、艦船建造費のごときは、予算が国会を通過いたしましてもなかなか手をつけない。それからぼつぼつと設計をするが、それも自分の手でやらずして外郭団体にやらす。外郭団体はなかなか進行しない。そうして翌年になる。翌年になって年度末が迫ってくる。そうしてようやく契約をするかしないかというような状態、これがどうも実情であります。どうしてそうなるかというと、何べん聞いても同じことの繰り返しは、結局積む武器などがはっきりきまらぬとか、あるいは日進月歩で内容の違った構想がだんだんできてくるというようなことであります。ところが、予算を組むときに大蔵省はこまかい計算を積み上げて一ぱいの軍艦でも決定するわけでありますから、かりにアメリカのひもつきがどんなにあるといたしましても、予算を組んだ以上は積算の内容をこまかく握っておられるので、そんならばそれに向ってどんどんと実行していくというのが予算執行の忠実な態度でなくちゃならぬ。ところが現実はそうでなくして、予算が通ってからぼつぼつと設計にかかって、それから青写真を作るというような状態でありますので、数年かかり、二十九年のものがようやく今ごろにというような実情になっております。結論的にこれを振り返って申し上げますならば、予算編成の当初において予算消化の見込みが何らなかったわけです。つまり財政法にいう予算を消化し得ないというものではない。性質上予算は当然消化すべきはずでありますけれども、しかし、そういうような予算を執行する段階において、防衛行政という非常に混雑した各般の事情から、当初から予算執行の見通しがないのにもかかわらず、何トンの何型の艦船を何ばい作る、こういうことになっている。そういたしますと、これは財政法第十四条の三に言う性質上年度内に支出の終らない見込みのあるものでも何でもない。そうすると、それは初めから予算消化の見通しも何もないのにかかわらず予算を編成したということはいなみがたい。国会が十分にこれを検討しなかったという責めも負わなければいけませんけれども、振り返って繰り越しの原因を探求したならば、ほとんどこういうふうになるのであります。だから、大部分を占めている艦船建造費がこういう状態でありますので、これは少し極言でありますけれども、予算の繰り越し明許制度を乱用しておると申してはばかりがないのであります。これは根本的に検討しなければならぬはずであります。しかし答弁は同じことです。また大蔵省のきょうの御説明によってみましても、防衛庁と同じようなことを言っておられる。こんなことでは繰り越しの説明にはならぬですよ。五ページの末行から六ページに艦船の設計、とほとんど同じことを言っている。しかし、こういうようなことでは法律の趣旨を無視したことになります。これは実に国民をばかにした繰り越し制度を乱用した予算であると思うのであります。ここはやはり大蔵省としては相当厳密に反省をされなければならぬし、予算編成の主管大臣である大蔵大臣にこの点については強い反省をしてもらわなければいかぬ、こう思うのです。この点につきまして次官はどういうふうにお考えになっておりますか。
  23. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 ただいまの吉田委員の御指摘の点は、毎回当委員会で御指摘を受けておりまして私も全く答弁に窮するのでございます。御承知のように、金額的に申し上げまするならば、繰越額は、昭和二十八年度は一千億くらいでございましたが、昭和二十九年度は六百億くらい、三十年度は約三百七十億ばかりになってきておる。減少はしてきておりますけれども、なお巨額の繰り越しでございます。大蔵省といたしましては、そのような繰り越しの生じないように予算編成に当りましては十分配意いたしておるつもりでございます。     〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕 御指摘になりましたような、理屈にならぬとおっしゃるような理由によりまして繰り越しを重ねておるような現状でございます。繰り越しの大宗と申しますか、繰越額の多いのは防衛庁の関係の経費でございます。これは艦船の建造とかいろいろな新しい設計をやるようなものが多いために生じておるのでございますけれども、今年度予算の編成に当りましては、従来と大いに趣きを異にいたしまして毎年二百億、三百億以上の予算繰り越しがある現状にかんがみまして、防衛庁側もいろいろな要求があったのでございますが、予算総額といたしましては大体前年度と同額程度にとどめまして、繰越額の生じないように、できるだけ配意いたした次第でございます。  なお、その他の公共事業等の経費につきましても、施工の関係等でやむを得ず繰り越したような事業費も相当ございますけれども、これらにつきましても予算の執行に当りまして十分配意いたしまして、極力こういうような繰越額の生じないように大蔵省といたしましても善処して参りたい、かように考えます。
  24. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは一つ次長お約束願いたいのですが、将来の予算の編成の上にそれぞれ考慮せられることはけっこうでありまするが、やはり一応繰り越し制度というものの過去の運用につきまして本質的な検討をして、そうして国会並びに政府もこの問題に対する法制上の見解なり行政上の見解なり、そういうものを明確にしておく必要があると思いまするので、別の機会に御相談下さって大蔵大臣に御出席願って明らかにしていただきたいと思います。  そこで院長にお伺いいたしますが、会計検査院法の二十九条の第一項第三号によれば、「検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項の有無」こういう規定がございます。この不当という事項の趣旨ですね。不当というのは、著書なんかによれば、新たに挿入せられた字句のようでありますが、不当というのはかなり広く私は解釈すべきではないだろうか。たとえばここには前段に法令の違背、これはよくわかります。予算の違反、これもよくわかります。そうすると、それ以外に社会通念によって財政の執行上およそ相当ならずと認められるような性質のもの一切を包含してよいのであろうか、こういうように考えるのですが、院長もしくはその道の権威者である小峰次長はどうお考えになりますか。
  25. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいまの点でございまするが、不当というのはかなり意味が広いだろうという仰せでありますが、私もそう思っております。これを入れましたのは、法律の違背とかあるいは政令違背、予算の規定に反するというものは明らかでございまするが、会計検査院がよく取り上げてきておりまする不経済な事項であるというようなものが、従来どうも会計検査院法の権限からいうと、これを批難する権限があるかどうかというような疑問を持つ筋も実はあったのであります。ずっと古く明治の終りでありまするが、それで政府当局と会計検査院が争ったこともたしかあるように記憶いたしております。しかしその当時は不当という文字はなかったのでありますが、これは広い意味において予算の趣旨に反する、規定に反するであろう、だから不経済事項も会計検査院が批難事項として取り上げることができるというようなことで、政府及び会計検査院が終りには一致しまして、自来大正を経まして不経済事項が取り上げられてきたのでありますが、ちょうど終戦後昭和二十二年に会計検査院法の大改正をいたす時分に、私どもも参画いたしたのでありまするが、不当という字を一字入れて不経済事項などは当然この不当という字の範囲で批難ができるということにいたそうというので入れたのでありまして、相当広い意味に解釈いたしております。
  26. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御趣旨よくわかります。私ももっともだと思います。やはり国の財政の執行の上におきまして千種万態の事態が想像せられるのでありまして、これは例をあげれば、はなはだしく不経済的なあるいは効率的でないような場合もあれば、また全くむだなこともあるし、重複もあるし、そういうことはいろいろありますが、そういったあらゆる場合におきまして、何もこれを刑事処罰するというのではありませんから、財政執行に対する一つの見解を表明せられることであって、これによって支出負担行為が無効になるとかというのでもないようでありますから、従ってかなり広くこれは解釈するのが私は当然であろうと思う。そんならば、ただいまの繰り越しの問題でもそうであります。これは立法措置によって相当明らかにせなければならぬ段階に来ておると私は思うのでありますが、いずれにしましても全然主観的にも客観的にも予算の趣旨に従って定められた年度内にこれを消化する見通しがない場合に、あえて予算の要求をする。そうしてこれを執行に移さんとしても、実際は実は上っておらぬ。こういう繰り越しがはなはだ相当ならざるという場合には当然会計検査院は批難していいじゃないかと思う。もし批難という考え方が、概念的に従来使われているいろいろなものがございましょうから、あるいは従来のそれが妥当ならずとすれば、私はしかるべき見解を表明していいのじゃないかと思います。すでに大蔵省においても、今次長御説明のごとくに、かなり防衛庁に対する批判があるようでありますから、次の予算編成に十分考慮されておるということは今言明されておるのでありますから、これはやはり相当ならざる事実から得た一つの大蔵省の見解であろうと思います。これはやはり客観的に見れば、広い意味において批難すべき財政執行の実情であると言い得る、そういう価値があると私は思うのであります。これは従来の検査院におきまして不正とか不当とか、こういう指摘されておる概念にはぴたっと当てはまらないかもわかりませんけれども、この法律の趣旨、立法の理由等々を考えてみまするときに、今の行政府の予算の編成の首長である大蔵省においてさえそういう見解に立ち至っておる限りには、私は明らかに繰り越しの実情等は把握しておられるのでありますから、びしびしとしかるべき批難的な見解を表明せられることが適切であろうと思うのであります。確かにまたそうあらねばならぬと思うのであります。これは国会が通したんだから仕方がないじゃないか、繰り越し明許と書いてあるのだからやむを得なかったんじゃないかと年々歳々繰り返しておる。繰り越しの問題が、たとえば主計局から出しましたこの参考書によって見ましても、二十六年から三十年度まで出されております一般会計等について見ましても、三十年度の繰り越しの三百七十八億、二十九年が計六百五十四億、二十八年が計千二百億、こういうようになっておる。また明許繰り越しの予算の比率なんか見てみますと、実に大きいので驚きます。予算の比率を見てみますと、三十年は一般会計におきまして三四%、特別会計におきまして二七%、二十九年は一般会計において三六・二%、特別会計において二七・九%、こういうように概して同じです。一番大きな比率が防衛庁、保安庁関係であったわけでありますので、どうしても、この際来年度へわたりましては、この繰り越しの制度というものについて行政面、予算措置、財政執行の面、立法措置等々、あらゆる角度から、私は終局的な一つの結論を得るべき段階にきておると思うのであります。でありますので、こういう莫大な明許繰り越しが大手を振って国会を通過していくというのは、おかしな話なんです。おかしな話というのは自分でつばきを上に吐くようなことになるかもしれませんけれども、国会自身におきましても、やはり繰り越し明許の制度につきまして、最も真剣な検討が必要であると思っておるやさきでありますので、せめて決算の段階におきましては、これはほんとうにしかるべき批判をしていくべきものであろうと考えるのであります。これは今日は批難はされておりませんけれども、どうしてもそうあるべきだと思うのであります。簡単でよろしゅうございますから、一応その所見は承わっておきたいと思います。
  27. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいまの御意見でありますが、先ほど大蔵御当局からも御説明がありましたが、繰り越しは、絶対金額としましては、だんだん減っております。減っておりますにもかかわらず、防衛庁の繰り越しは依然として大体同じ数が繰り越しせられておりますので、繰り越し額の全体に対する比率は非常に大きなパーセンテージを占めておるということに相なろうかと思うのであります。私なども、やはり年々歳々多額の不用額と、そして二百数十億に上る繰り越しを防衛庁がいたしておりますので、意見なきにしもあらずであります。けれども、何さま、政府におかれまして慎重審議の結果予算を編成されて国会に御提出に相なって、国会また慎重な御審議のもとに予算ができ上っておるのでありまして、その予算そのものに対する批判は一応会計検査院は控えておるのであります。それならでき上った予算の執行状態においてどうかということでありますが、これについては、一応戦後の繰り越しの関係のいきさつをごく簡単に申し上げてみますが、私どもは、繰り越しをしないで年度末に使ったようにして予算を使うということが、予算の執行においては最も悪いと考えておるのであります。従来年度末になると予算を消化したかのごとくして支出いたしまして、実際は三月三十一日に契約するというようなことでありましたので、私どもは戦後国会において御説明いたしました場合も、あるいは大蔵当局に対しましても、私、会計検査院の意見として、繰り越しをもっと自由にしなくちゃいかぬじゃないか、繰り越さなければならないものは、あまり煩項な手続をしなくて繰り越しができるようにした方がよいのではないかという意見を述べたことが再々ありましてこれから数年来繰り越しが割に楽になってきている状態のように見ております。これは他面におきましては国会で、三十年度でいいますと、三十年度に絶対必要であるから認めてもらいたいというので予算ができ上ったのでありますから、国民に対してといいますか、国会に対して政府はその予算を年度内に執行するのが義務であろうとこう思うのであります。思うのでありますけれども、いろいろ計画立案をして実行しましても年度末に至って予算の執行ができなかった、しかしながらこれはどうしてもこの予算でこういう仕事をしなくちゃならぬというものであれば、工事中のものは事故繰り越しで残しまして、そうでないものは法律、予算によりまして繰り越し明許で繰り越していくということに相なるわけであります。そこで防衛庁は非常にたくさんの予算を繰り越しておりますが、一応予算として計上され、しかも法律の上でこういう場合においては繰り越しができると繰り越し明許があるのでありますので、どうもその点は、妥当かというと必ずしもそれに賛成するわけでもございませんが、会計検査院は予算を法律の規定によって、あるいは予算の規定によって繰り越しておりますものを、妥当ではないといって批判するのはどうかというので、不当という結論は出しておりません。私どもの会計検査院といたしましては、繰り越しの条件にかなわないものを繰り越しておるものは批離いたした例もあったかと思うのであります。法律によって予算によって繰り越しておるものに対しては、次の年度の予算の執行を見るという意味合いで、批判はいたしておらないのが実態でございます。
  28. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これはこの程度の問答では尽しませんので、やはり前提になる繰り越しの実情、議論じゃなしに実情が幾ら聞いてもこれはもう納得できないのです。でありますので、その事実に基いてこれは論じておりますので、結論だけを申し上げましたから、これは十分に意を尽さぬおそれがあります。別の機会に大蔵大臣に出てもらって、ちゃんときちんとしてしまわなければいかぬと思いますので、きょうはこの程度にしておきます。  そこで大蔵省に聞きますが、この次に聞くことも、やはり検査院御指摘の六十六億円は実はもっとあるのです、という意味のことを含んで私は伺うのであります。たとえば政府の怠慢によって不当に国の損失が生じておるのを明らかにせられたい。そういうことの結果を検査院は把握しにくい事実があるわけなんであります。     〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕 こういうものもやっぱり検査報告書には出て参りません。たとえば食管会計の一例であります。食管会計につきまして現在在庫黄変米は、年末の厚生大臣の御説明によりますと、やはり十二万五千トンは在庫しておる。そして処理方針は三十一年の一月にもうきまっておる、こういうのです。そういたしますと、この分は九十億円と推定しておりますが、買った十五万トンの病変米、現在量十二万五千トンでありますが、これは食管会計の方の施行令によりまして、年度末には市価に準拠して価格改定をするという規定がございます。二十九年度はこれを行なったらしいのであります。これは私も実物も存じております。何べんも見ておりますが、やはり化学的にも変質をし、汚染度も高まり、あるいは減耗するということはたやすく認め得るのであります。しこうしてこれの市場価格というものは、やはり用途がもしアルコール一途ということになりましたならば、工業用あるいは食用にかかわらずずっと低くなるのであります。そういたしますと、やはりこれも年度末年度末には価格改定をするということがその趣旨でなければならぬ。そういたしますると、かなり大きな評価損が毎年出なければならぬだろうと私は思うのだけれども、一向これはしない。これは別の理由があって、厚生省と農林省との間に行政上のいろいろな立場の相違があって、最終的な処置をしないということが事実なんであります。事実なんでありますので、最終的には、農林大臣と厚生大臣がここではっきりとお互いに一致したところを打ち出さなければならぬのだが、お互いにかけ違って出てこられないのであります。そのためにぐずぐずして今日に至っておる。けれども年末の厚生大臣の御説明によると、去る一月すでに処理方針は決定している、とこう言うのです。処理方針が決定しておるならば当然価格のたなおろしは適当にして、そうして新たなる価格はきめられなければならぬはずであります。ところがこれもしておらぬ。こういうようなことが繰り返し繰り返しというよりも依然として続いていくということになりましたら、数十億円病変米を政府は在庫しておって、価格下落のために国の損失が生じておる。そうして検査院としてはこの国損を把握することができないということになりはしないかと思うのであります、同趣旨のことは、この検査報告書に出ておりまする例の六十六万トンの準内地米ですか、二十三万トンが現在在庫しておる。これは長期貯蔵に耐えぬという状況のものらしいのであります。これについても同様のことが言い得るのであります。食管会計を一つの例にとってみましても、政府の怠慢によって実質的に国損が生じておりながら、国損を表に出すことがで百ないということがあるのは、一体これはいかがなものですか。もしこれが具体的に把握できたならば当然六十六億円の上に加算さるべきものではないかと思うのですが、大蔵省、この点いかがですか。
  29. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 病変米その他の食管会計の現状に関係いたしまして、病変米の評価をいかなる価格で現在評価しておりますか、ちょっと手元に資料がございませんので的確にお答えできないのは遺憾に思いますが、食管会計につきましては、御承知のように三十年度三十四億円の赤字、三十一年度約百六十一億円も赤字が出るのであります。三十二年度もこのままで行いますると百三十億円以上の赤字が出る。政府内部に特別調査会を設けまして食管制度全体について検討する。その際に御指摘のような点も十分一つ御検討を願おうと思っておるのでありますが、病変米対策につきましては、私も事務当局として先般来農林省と折衝いたしておるのでありますが、アルコール原料といたしましてこれを売り払いまするか、あるいは若干手直しと申しますか、工夫をこらしまして、食用に供し得るかどうかという点について、先ほど厚生大臣云々のお話がございましたけれども、食糧庁事務当局の方では、なおその辺まだ検討しておるようでありまして、処理がおくれておるのはましとに遺憾でございますが、その辺のところは至急話し合いを進めまして態度を決定いたしまして、計数的に明らかになるようにいたしたいと思います。
  30. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は対策を伺うのではないのでありまして、当然なさねばならぬ、法律、命令によって規定されている年度末における価格改訂の措置が行われておらぬ。これは食管会計という、極端に言うならばマンモスのようなわけのわからぬ、えたいの知れぬ会計でありますので、損益ごっちゃになりまして、どんぶり勘定とか申しまして何が損やら得やらわからぬままになっている。麦は外国から買ってきて大きにもうけたが、病変米で損をして一緒くたになっておる。国民は幾ら損やら得やらわけがわからぬ。けれども、政府の方では、ある行政上の行為をしなければならぬと法律、命令で規定されておるが、それをしないゆえに、その部分に対する国損が実直的に生じておるけれども、検査院はつかめない。病変米対策は、あなたに伺うよりも、農林省と厚生省両方でちゃんと一本になって説明をせなければいかぬ段階にきておる。とにかくせなければならぬことをしないので、国損が実質的  に客観的に生じておるにかかわらず、その国損が出てこない。六十六億というふうに数字が押えられておるが、もし、十億品、二十億円と買入れ原価がさらにずっと下るということであれば、その前年度にあった会計の評価損を差し引いたその差額は、当然また新しい損失になるのであります。その新しい損失というのは、政府の怠慢ですよ。天災でもなければ、不可抗力でもない。どの政府であるか、どの行政当局であるか、それはわかりません。国民でもないのです。国民でもなければ、天災でもない。これは政府なのですよ。政府の抱いておるものです。そうしてなすべきことを法律が命令しておるのだがしない。よってこのような損失が生ずるのです。これは客観的にもあるということを推定し得る。それをしないために、検査院はこの中に出てこない。そこで六十六億円と踏んでおられるけれども、これが現われたら、またふえるじゃありませんか。こういう材料に従って実は伺っておるのです。これはあなたに対しては抽象論になってしまう。抽象論になるから、あなたにそれは怠慢だ、けしからぬじゃないかと言っておるのではないのです。静かに考えてみれば、六十六億円以外に、さらに加算すべきこういう要素があるではありませんか。批難案件があるではありませんか。こういうものがあっちにも隠れ、こっちにも潜在しておるということであれば、これは潜在失業者と同じことで、潜在しておるのは数十倍になるということになる。
  31. 青野武一

    ○青野委員長 答弁の必要がありますか。
  32. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういう趣旨でありますから、あなたにこの問答を繰り返してもしようがないと思いますので、それではよろしゅうございます。  そこで大蔵省に聞かねばいかぬことが一つある。これはあなたの責任なんです。今度は歳入の面であります。とかく歳入の面は国会で議論が低調なんであります。私は遺憾に思っているのです。そこで歳入問題について伺わねばならぬことは大口滞納なんです。税金の問題なんです。申し上げるまでもなく、この委員会におきましても大口滞納は何べんも問題になって、国税庁の長官がかわるごとに同じ答弁を繰り返されて一向に改善の跡を見ないというのがこの大口滞納であります。試みに三十一年十二月四日付の国税庁提出の本委員会に対する資料によれば、一千万円から三千万円までの滞納者百八十三名、金額にして三十億余円、三千万円から五千万円までが二十四名、金額にして九億余円、五千万円以上、人間が三十、金額にして二十三億八千余万円、千万円以上を一切合計すると、人員にして二百三十七名、金額にして六十三億二千九百余万円、こういうことになっておる。この千万円前後のものは何回も追及しておるのじゃない。しかし三千万円以上ということになると、三べんも五べんも繰り返しておる。ところが一向改善されておらない。一体数年間こんなものをいじくっておるというのはどういうわけですかというのが私の趣旨です。ここには大蔵省関係において税に対する収入等々だいぶ批難事項があがっておる。あがっておるのだが、歳入面におきまして千万円以上の滞納者、少し極端に言うならば、相手が大きいから手心しておるのがあるのじゃないかと言われるほどにいろいろと問題を内蔵したところの納税者があるわけでありまして、一向これが改善されておらない。五千万円以上のものが二十三億円もなお依然として改善されない、解決をしないというのはどういうわけなんです。これは数年間経過しておる。だめならだめでもう抹殺してしまいなさい。そうしたらまたその原因なり責任関係もはっきりして参ります。六十三億円余のものが、ともかく長いのは数年間ぐずぐずともてあそばれておるようにしておるというのはどういうふうなものでありましょうか。やはり歳入の面におきましても、小さな税の納税者の問題は別の意味において重要であるが、この高額の滞納者の問題はやはりもっと国会の論議にこたえてもらわねばならぬ、こう思うのであります。あなたの方は名前を言うことは希望しないのだから、名前は一々申しませんけれども、これはすみやかに処置をしなければならぬと思うのだが、これも兼務当局ではらちがあかぬ問題です。この前も山田委員が一萬田大蔵大臣に尋ねたのだけれども、一萬田大蔵大臣もどうもはっきりわからぬままに次の――また国税庁長官も同じようなことの繰り返し、いつもいつも同じ繰り返しが行われておるのが大口滞納の巨額の案件なのであります。これは一体どうするのです。あなたの方は昭和三十年度の決算の説明はもっともらしいことを書いておられる。読んでみると、綱紀粛正いわく等々まことに美辞麗句が並べてある。けれどもこれは全く糞が積み重なったようなものが数年間あるわけなのです。一体六十億円余の滞納税金をどうなさるつもりなのですか。こういう機会にはっきりしておきなさいよ。ここはやはり美辞麗句で通る委員会とは違いますから。どうです。
  33. 足立篤郎

    ○足立政府委員 吉田委員の仰せまことにごもっともと存じまして私どもも国民の一人として全く同感でございます。弁解がましくてまことに恐縮でございますが、私も新任早々で数字的な面あるいは今仰せになりました滞納の件につきましての経過等を詳しく存じませんので、私から責任ある御答弁を申し上げることができませんのは、まことに申しわけないと思います。きょうはちょうど主税局あるいは国税庁、今お尋ねの面の事務当局が参っておりませんので、日をあらためてお答えをいたしたいと思います。どうぞあしからず御了承いただきたいと思います。
  34. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 最後にそれでは大蔵省に聞いておきますが、これも御答弁が困難でしたら次の機会によく御研究の上してもらいたい。これは年々検査院の報告及びその他の決算報告で、同じような財政執行の違反を行なってきておるのであります。何でこんなことをしておるのかということを一つ考えてもらいたい。お互いに大事な人出ですから、あまりむだなことを繰り返さないようにしたいと思います。そこで、たとえば昭和三十年度の決算は、その後の年度の予算編成に何をどういうふうに参考にしたのかどうか。参老にしておらぬのかどうか。こういう点につきましては、おそらくは相当なさっておるものと思うのであります。そういう点はきょうの説明で具体的に指摘してしかるべきだと私は思ったのであります。この点につきましては、どなたからかかくかくの事項、かくかくの点について、こういう趣旨を参考にしたならした、あるいはするに値しないならしないというように、何か予算との関係において、決算委員会の批判をどういうふうに受け入れておるかということのアウト・ラインを示してもらいたいと思います。これは大蔵大臣と問答する予定でありますが、いかがでございますか。
  35. 宮川新一郎

    ○宮川政府委員 ただいまの吉田委員の御質問の点でございますが、私どもといたしましては、会計検査院の批難されました事項につきましては、毎年予算編成の前に各主計官に検討をさせておるのでありますが、今年度は特に事前に会計検査院と懇談をいたしまして、数ある不当あるいは不正事項のうちで、こういうところが特にひどかったというような点を伺いまして私どもの持っております主計官会議でこれを披露いたしまして、この会計検査院の決算報告書を各主計官に熟読させまして私どもの手元におきまして、この会計検査院の報告事項をもとにいたしましてできるだけ予算編成に織り込むようにいたしております。ただ、ただいまのところ具体的にこの報告に対しまして、今年度の予算編成に当って、こういうところを整理したとか、こういうところを改善したということを申し上げる段階ではございません。いずれ取り調べまして、報告いたしたいと思いますが、たとえば補助金の整理等につきましても、相当思い切って整理しようと思うのでございますが、いよいよ予算の最後の締め切りになりますと、また元へ戻るというような事例も相当ございます。会計検査院と大蔵省主計局が気脈を通じまして、こうしようと思ったこともなかなかできがたいものもございまして、結果が思うほどのことになっておりませんのはまことに残念でございますが、漸次織り込みまして、そういうふうに改善するように努力しておることを申し上げまして、なおどこがどうなったかということは、後日御報告いたします。
  36. 青野武一

    ○青野委員長 淡谷委員。
  37. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 国有財産の点についてちょっとお伺いしたいと思います。昨年来米軍の演習地その他で買収した土地が妙義山初めあったようでありますが、あれは今度の国有財産増減の中に入っておりますかどうか。おもなそういう買収地の項目等を御説明願いたいと思います。
  38. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答え申し上げます。妙義山は何年でございましたか、1これは御承知のように三十年度の決算でございますが、三十年度中に購入いたしましたものは、新規取得として、先ほど政務次官が御説明になりました増加額の中に入っておるわけであります。三十一年度以後のものは、決算ではまだ入っておりませんが、これは次の機会にお出しする増減報告の中に入るわけであります。
  39. 青野武一

    ○青野委員長 山田委員。
  40. 山田長司

    ○山田委員 会計検査院長の先ほどの説明によりまして、批難事項が二十九年度よりも六十一件減少しておるという報告があった。しかし実は今吉田委員も指摘になりまして、あるいはもっと出てくるかもしれぬということが明らかになったのです。そこでおそらく検査未了の問題で出てくるだろうと思われるのですが、最初に私伺いたいのは、この決算報告書に載るか載らないかすれすれなものが確かにあったに相違ないと思うのです。載せてこの決算委員会に報告していいか、あるいはこの点はここらへんでやめておこうかというのがあったに相違ないと思うのです。これは会計検査官会議でおそらくきめられるものと思われるのですが、その最後的な結論はどこで出すものですか。
  41. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 会計検査院といたしましては、検査の執行は御説のように事務総局でいたしまして、事務総局で、これこれの案件は、不当事項、あるいは法令違背の事項として検査報告に掲げるべきものと判断しまして検査官会議に出します。出しましてそれを審議決定してこの検査報告に載せることに相なっております。ただいまの御意見でありましたか質問でありましたか、すれすれのものがあったろう、すれすれといいますか、これは掲載事項として取扱って、検査報告にあげたいといったものにつきましても、いろいろな観点から資料によって説明を聞きまして、まあこの程度であれば批難事項として掲げることはやめようというものは幾らかはあるのであります。それは検査官会議で決定いたします。
  42. 山田長司

    ○山田委員 当決算委員会で昨年中古エンジンの問題を扱って、防衛庁の購入のものについてはいいかげんなものを発見しているのであります。たとえば七万五千円の中古エンジンを千二百五十万円で購入したという問題があったのですが、会計検査院はああいう問題を――きょうも自民党の人のいないところで大へん困るわけなんですけれども、あの人たちによって不当でないという結論が出て、全く不当でないようなことになってしまったのですが、いまだにこれはどうしても納得ができないのです。そこでこれは少くとも三十年度の事件ですから、会計検査院が三十年度の報告の中でこれを取り上げて報告されるものと思っていたのですが、この報告書をずっと見ますると、全然中古エンジンの購入なんというものは不当に思っていないようですが、会計検査院の検査の処理に当る人たちも、あの中古エンジンの購入というものは不当と思わなかったのですか。一体不当と思って報告をした係官はいなかったのですか。会計検査院長としてあなたはこの報告をどうお聞きになられたか、一応参考までに伺っておきたいと思います。
  43. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいまの中古エンジンの問題でありますが、これは御承知のように新聞をにぎわした問題でありまして、二十九年度の終りですか、三十年の三月でありましたかに契約をいたしまして、三十年度で金を支払っております。そこで会計検査院事務総局といたしましては、ああいうふうな問題になったものでもありますし、慎重に扱う意味におきまして、再三の書面検査及び実地検査をいたしておるのであります。そういたしまして御承知のようにこれは二十六年三月に七万二千円で放出されまして、これが民生の安定のためというので通産省に出て、それが転々といたしまして三十年三月に間組から防衛庁が一台当り大体千二百五十万円でありましたかで購入しておるのであります。この事件については慎重に検査をいたしたのでありますが、よく御承知の案件でありまするから結論だけここに一応申し上げますが、二十六年三月に放出がありまして、その次に二十九年の十月に六台と八台、十四台の放出が民間に対してあったのであります。そこでこの二十九年十月に放出がありましたものは通商事務所から業者に対する旬報的なもので、こういう放出があるということが出ております。そこで会計検査院といたしましては、なるほどこのいきさつだけから見れば高い、とにかく七万二千円が十万円になり、五十万になりそれが五百万になり、千二百五十万になるということでだんだんふくらまってきておるので、その経緯だけでは高いのでございます。それではこれを高いものとして批難するかどうかということについて慎重な調査を遂げたのでありますが、会計検査院はこうも見たのであります。二十九年十月に放出されたものが二十六年三月に放出されたものと同程度のものであったかどうかということの確認がしたいという気持を持って調査いたしたのでありまするが、何さま二十九年十月に放出されたものは通産省を通らないで、御承知のように民間に直ちに放出されたのでありまして、要するに二十九年十月の分は民間に出て民間に在庫しているものでありますので、もしこれが検査、調査をするということに相なりますると、そこに行って調査しなければならぬわけでございますが、御承知のように会計検査院では、このような場合民間のところに行って事実についてこれを調査するという権限はありませんので、できないわけでございます。そこで二十九年十月に放出されたものが前の二十六年三月に放出されたものと同程度であるかどうかという判断がつきかねたのであります。同じ程度のものであるという判断ができなかったのであります。そこでもし同じ程度のものであれば、二十九年十月に放出された分に、通商事務所から業者への旬報として出たものがあるなら、通商産業省なり通商事務当局に常に周密な連絡を防衛庁がかりにとっておれば、その旬報を基礎としまして、こういうものがあってこれが前と同じようなものだからお前の方で安く売ってくれなければこっちを買うという手もあったろうとわれわれは想像したのでありますが、しかし同じものであるということを確かめることができませんので、通商産業省当局と周密な連絡をとって購入すれば有利な購入ができたのじゃないかといった意味においても批難ができかねましたので、会計検査院としては批難事項に取り上げていないわけでございます。
  44. 山田長司

    ○山田委員 どうも会計検査院の御説明で私納得できないのです。やはりこれは全体の品物を見なければ不当であるかどうかということの判断ができないということはどうも私には納得ができないのです。何となれば、それと同種類のものが、現在東京におけるアメリカの製品ブローカーの手によって、それを検査することができない事態ではないかということが後々になっていわれているわけなんです。そういう点で、やはり今の民間に渡っている品物と防衛庁に買い上げられている品物との比較検討ができなかったと言われるが、私は何らかの形でそれはできなければならなかったはずだと思うのです。そういう点でやはり三十年度の批難事項に、見識のある会計検査院はどういう見解でこの事件というものを取り扱うのだろうというので、この報告書が出るのをあなた方の威信のために、実は私は非常にたよりにして見ていたのです。今のお話ですと、それじゃ結局批難事項としての事態にならなかったという結論になっているような印象を私は受けたのですが、どうしてもその点が、会計検査院独自の立場から批難事項としてあげるべき性質のものをあげれば、どこかから文句が出るだろうというようなことでなく、もっと見識のある立場で批難事項はやはり批難事項として取り扱わなければ、会計検査院の威信にかかわると思うのですが、検査院はどう思うのですか。
  45. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 批難事項として検査報告にあぐべきものをあげないというのは威信に関すると思うのでありますが、これは慎重審議をいたし、検査もいたしまして、ただいま申しましたように二十九年十月に出たものが前のものと同じであるということ、同程度のものであるということを言い切るだけの資料がございませんので、それで先ほど申しましたように、通商事務所と連絡しておれば有利な購入ができただろうということが、どうも言い切れないとわれわれ判断したのであります。そしてそれならばこのエンジン自体はどうであったか。これも会計検査院が直接に判定したのではありませんが、同じこの二十六年の三月に放出しましたものについては御承知のように七万二千円がいろいろ転々として間組へ行って、いろいろな修理その他の経費をかけまして大体三、四百万円と言いますか、数百万円かけて、結局四百万円くらいであればおよそ買ってもいいのじゃないかというような見当を防衛庁としてはつけて交渉したのでありまするが、この機械自体の評価につきましては、財務局では千二百九十万円くらいすると言っております。なおかつほかの方で見ますると、イタリアのイソタ関係、これよりも能率が悪いというのが千八百万円程度であるし、本件のものはそれよりも能率がよろしいといわれておるのでありまして、どうも物事態から見れば、千二百五十万円は必ずしもその能力自体から見て高いとも言えないのではないかという点と、それから供給の競争者がないのでございまして、間組なら間組が一手に持っておるのでありまして、これを四百万円や三百万円では手放せないと言えば、交渉の結果みすみす安い仕入れであるということがわかっておっても、こういうふうな帰着になるというのもいたし方がないのじゃないかという気持も手伝いまして、かたがた先ほど申しましたように二十九年十月に放出したものと同じものであるという踏み切りができない以上、通産事務当局と緊密な連絡をとっておっても、低価な有利な購入ができなかったのがいけないという批難をするのにちゅうちょせざるを得ないというので、検査院の批難事項として掲げていないのであります。ただ特に容赦しておくという事態では決してないのであります。
  46. 山田長司

    ○山田委員 さらに私が伺いたいのは、会計検査院当局が防衛庁の方に調べたかどうか。ということを伺いたいのは、間組しかその製品がないという見解が私らに理解できないのです。もし会計検査院の調べる衝に当っていた人たちが防衛庁に伺うときに、この品物が防衛庁でこれしがなかったという見解はどこにその根拠があったのか。防衛庁の方で調査が不完全であったために、これは間組だけという考え方を持ったのであって、アメリカの輸出会社を調べればその単価よりもはるかに安いもので、手入れをしなくてもいい品物があるという。そのあるという事態を防衛庁の人たちは調べずにいたんじゃないかと思うのですよ。そういう点で、防衛庁の人たちの調査疎漏の点においても、私は批難さるべき事項に入ると思うのです。そういう点、検査官の人たちは国内の古物だけを対象として品物があるとかないとか言っておったのか、それ以外に何かの方法で調べたか、その点を一つ伺います。
  47. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいまの防衛庁の点でありますが、防衛庁は間組にしがなかったものと思ったように私どもは承知いたしております。しかしながら先ほど申しましたように防衛庁が購入しましたのは三十年の三月でございまして、そのときには、それよりも半年前に二十九年十月に十四台放出されておるのであります。これを通産事務当局と連絡をしておれば防衛庁はわかったはずでありますから、その点を会計検査院は責めなくちゃならぬという感じを持ったのであります。二十九年十月に放出があったんだから、連絡しておればそれより半年後に買うのであるからわかっておるはずじゃないか、こういうことが言いたいのでありますが、それを言うためには二十九年十月に出たエンジンが二十六年の三月に出たエンジンと同程度のものでなければならない、全然違った――全然ではありませんが、使えないようなものであれば、それを根拠といたしまして、二十九年の十月に出たものがあるのだから安く買えるではないかということが言い切れないということを申し上げるのであります。
  48. 青野武一

    ○青野委員長 坂本泰良君。
  49. 坂本泰良

    ○坂本委員 これはこの決算委員会でいろいろ資料が出ておりまして、われわれもこの資料をもっと見てあらためて聞こうと思いますが、一点だけ私がお聞きしたいのは、今院長のお話によると、表面だけの、そして防衛庁に有利な資料だけを見て批難事項に当らない、こういうことを言うておられる。もちろん今度あらためて聞きますが、ただ一点だけ私が聞きたいと思うのは、わずか七万五千円のものが千二百五十万という価格で買われているわけです。さっきおっしゃったように、どんなに高く修繕料を見積っても三、四百万円なんである。われわれはせいぜい高くても二百万円ぐらいだと思っている。そういう中古エンジンを千二百五十万で高く買った。私はしろうとだが、その一千万も高く買ったという事実だけでもこれは批難事項に値する、こう思うのですが、こういうことでも批難に当らぬと思って批難事項に入れなかったのかどうか、それをお聞きしたい。
  50. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 先ほども申した通りでありまして、七万何がしで出たものが、転々として幾らか修繕を加えてもせいぜい三百万とか四百万円になる。それを千二百五十万円ということでありまするから、これが事実としまして、どうも批判あるいは批難の対象にならぬのはどうであろうという御質問はごもっともでありまして、私どももこれはそれだけの事実がわかっておるのでありますが、批難をすべき事態ではないかと、実はこれはもう初めからそういうふうな気持で調べておるのではありますが、ただいま申しましたように、どうもあとの二十九年十月にかりに放出がなかったものとしてみれば、間組に固定しておるのでありますから、幾ら折衝しても応じなければ仕方がなかったのじゃないか、ところが二十九年十月に新たに放出されておりますから、それを見れば、あなたの方で売ってくれなければ二十九年十月に出たものを直接に自分の方で買ってもよろしいという手もあり得たのではないか。そうすればより有利に購入できたのではないかというので、その点で批難をすべきではないかというので審議したのでありますが、そういうふうに批難するためには、二十九年十月に出たものが、先ほど申し上げましたように二十六年三月に出たものと同程度であるという確認ができなければ批難するのは無理であろうというので、そういう結論に到達したのであります。
  51. 坂本泰良

    ○坂本委員 会計検査院が会計検査される場合、農村の農道とか橋とかの場合は、最初の設立のときからコンクリから何から、綿密にお調べになってそして批難事項その他を出されているわけです。その点から考えても、わずか三年前の七万五千円を、しかもすでに二十七年か八年の際には千三百万円で買うという予算が組まれておるのです。そうしてその予算で通過して、間組で、五十万円だけ顔を立てて千二百五十万円で買い上げておる。これは事実なんです。ですからこういうのを調査されるには、この委員会に、その最初の売買が偽造されたかどうかというような資料がたくさん出ておるわけですから、それを会計検査院の専門家の目で見られたならばはっきりすると思う。こういう大問題のものを、決算委員会の議事録とかあるいはそこに出されておる資料を調査されてやられたかどうか。調査されなかったならば、ただ表面上現われているのを見て、そうして二十六年のものと二十九年の十月放出されているものと、それがわからぬから、それだから批難事項に当らぬ――たった一台のエンジンで一千万円ももうけておるようなものについては、私は橋のコンクリから調べられる会計検査院としてはもっと慎重に調査されて結論を出さなければ、会計検査院は農民のところへ行ってはいろいろ言って、刑事犯人までも出しておるくせに、こういうのをそういうごまかしで、批難に当らない、そういう結論を出されたら、私は会計検査院の権威が疑われると思う。これはもっと慎重にやられなければ、われわれはこれだけでも何日かかってもここで審査しておりますから、もっと私たちは会計検査院を糾明しなければならぬと思うのです。私たちはこんなにたくさん資料を持っております。それを調査して、そうしてまたお聞きしたいと思いますが、たった一台で一千万円、われわれが一生かかっても見ることのないような金をもうけているでしょう。これは私はもっと慎重に調べ直していただきたい、こう思います。それだけつけ加えておきます。
  52. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今御説明を聞いておりますと、二十六年のものと二十九年のものの比較対照がちょっと困難であったので、批難の結論が出しにくかったような御説明でありますが、そうすると、将来もし比較検討がなし得る材料が出てくれば、さらにいろいろな資料を検討するような機会でもあれば、要するに今のところは消極的に批難が出ておらぬのでありますから、出し得るということも可能なんでありますか、もうどうにも死んだ子の年を数えるというような趣旨の案件であるのですか、そうでなしに、まだ調査の資料いかんによっては、また結論の出しようも別に可能である、こういう案件でありますか、その点いかがでございますか、それを一つ聞いておきたいと思います。
  53. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 本件の問題に関する限りにおきましては、三十年度の決算の内容事項として、不当としては検査報告に掲げないということで結論を得ておりますので、次の年度にまたありますれば別でありますが、もう一度は審議しないということに相なろうかと思うのであります。ただ先ほどから申しますように、皆様方が御不審をお持ちのように、私どもも不審を持っておるのであります。しかしながら批難をするというのは、言葉は悪いのでありますが、いわば一つの判決と私どもは心得ておりますので、先ほど申し上げましたように、同じ程度のものであるということが踏み切れない以上は、連絡が悪いから、そのために有利な購入ができなかったという批難は、ちょっとできかねるのではないかという結論に到達したのであります。しかしながらこの問題はやはりいかにも残念である。二十九年十月に放出がありその後に買ったのであるから、二十九年十月ごろの緊密な連絡が悪かったためにそうなっているのだということも、一方的においては言えるのであります。そこでこれは慎重な態度をとりまして、会計検査院長名をもちまして防衛庁の長官には、改善を要する事項といたしまして、厳重な注意事項が発せられているような次第でありましてこれをやみに葬っているというわけではないのであります。ただ検査報告に取り上げるのにはどうもその点が踏み切れない。踏み切れないが、しかしながら防衛庁の責任者といいますか、防衛庁長官に対しては、厳重な改善の要求といいますか、今後こういうことのないようにという意味の注意事項は発しておるのでございます。
  54. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは実を申しますと、今だんだん御説明を伺っておったんですが、論議をすれば、これに対する論議は、別の角度からも、別の根拠からも意見が出し得るのでございますが、やはり私は、今の防衛庁の財政というものがかなり変則な、普通の他の官庁の財政と違った面が相当あると思います。それからまたこれは告発事件であります。また謹告の告訴が出ている、そういうような案件でもありまして、その方においても相当慎重を期していると思うのです。それからやはり国際的な視野から見なければならぬ要素も、今お説のごとくないではないわけであります。あるいはここへ出た証人も、香港へ行ったらもっと安くあるとか、いろいろな証人の証言もあったのでありますので、いろいろな角度から広く考えなければ、いかぬ問題でありました。慎重御審議になったとはいえ、やはり事かなり重要な関連もありますから、もし将来別の材料等によって今の内部的なおきめが変更し得るということもこれは私は不能なことじゃないと思うのです。人殺ししたという判決があっても、実は下手人はほかにあったということも社会にはあるのであります。判決と同じほどに慎重とそれから権威をお考えになっておりますことは、大へんによいことでありますけれども、しかし一面から見ると、もしいささかでもそこになお検討すべき資料、材料があって、その検討の結果は、若干でも変更した結論の可能性があるというような場合であるならば、何も急いで、それを最終的な態度としなくてもよくはないか。国会と政府との間が対立したままになっております――国会というと語弊がありますけれども――ということでもありますので、やはりこれは会計検査院の将来の歴史の上から考えましても、最も慎重を期して、最善の努力といろいろな手続はしていただいて、時間的にそうとらわれる必要はなく、二十九年度の決算すらまだ未確認のものがたくさんにあるのでありますから、防衛庁にはだんだんとお話も聞いたごとくにずいぶんだくさんあるのでありますから、特にこの問題についてはあらゆる角度から少し時間をかけ手をかけてなお十分に御検討になる方がみんなのためによくはないか。また私は会計検査院のためにもいいんじゃないだろうか、そういうふうにも思うて、私自身はきょう発言をしなかったのであります。そうでさましたら、私は非常にいいと思うのです。ここでこの問題をさらに繰り返し、議論を繰り返すということは実はあまり愉快なことではないのであります。われわれは与野党対立して激しい議論を応酬して、こっちも譲る理由もなければ、向うも譲ろうともしない。それを検察庁に持っていった。その案件の片もついておらぬという問題でありますので、検査院ひとりある制限した時間の中で結論をお急ぎになるということはしなくてもよくはないか。もしそういうことであったなら、将来また紛糾したときには立場もお困りになりはしないかと思います。なぜならば船田前防衛庁長官はアメリカから次のやつをもらってくると言ったけれども、まだ実行できておりません。予算は通ったけれども、何に使ったか、それもまだ聞いておりません。船も別の名前で今度予算をとるらしいということもありますので、あれこれいろいろ配慮しまして、少し長い目でなお御検討下さることが私は検査院のためにもいいと思います。国会のためにも望ましいと思いますので、その点特に申し上げておきたいと思います。
  55. 坂本泰良

    ○坂本委員 三十年度で調査されたのは何台でございますか、台数をちょっとお聞きしたい。
  56. 東谷伝次郎

    ○東谷会計検査院長 ただいま申し上げましたのは、先ほど申しましたように三十年三月に契約した分でございまして、これはたしか四台だと思います。
  57. 山田長司

    ○山田委員 私はこれは防衛庁の未完了の七十億の中にあるいは入っておって、この問題についてはまだお調べが進行中だと思っておったのですが、先ほどのお話ですと進行中じゃなくて終ってしまったというふうなお話だったので、非常に残念に思っておるのです。ただいま吉田委員から、このことについては慎重にという御発言がありましたので、どうか会計検査院の名誉のためにも私はこのことについてはぜひとも再度御調査を願いたい。聞くところによりますと買われたエンジンがまだそのままになっておるという話があるのですが、これらの問題についてどういうふうになっておるのか、つけ加えて御調査願えれば幸いだと思います。  先ほどからお話を伺っておりますと、この報告書に載せるか載せないかという問題については検査官会議でもおそらく御意見があったことと思うのです。どうか一つ再度御調査の上誠意のある御回答を願いたいと思います。
  58. 青野武一

    ○青野委員長 他に御発言はありませんか。――御発言がないようでありますから、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこの程度で散会いたします。     午後四時三十八分散会