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1957-05-08 第26回国会 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和三十二年五月八日(水曜日)     午後二時四十六分開議  出席委員    委員長 廣瀬 正雄君    理事 木村 文男君 理事 中馬 辰猪君    理事 中山 マサ君 理事 櫻井 奎夫君    理事 戸叶 里子君       臼井 莊一君    木村 俊夫君       田中 龍夫君    保科善四郎君       眞崎 勝次君   茜ケ久保重光君       受田 新吉君  委員外の出席者         総理府事務官         (恩給局審議         官)      青谷 和夫君         厚生事務官         (引揚援護局引         揚課長)    石塚 冨雄君     ――――――――――――― 五月六日  未帰還者引揚促進等に関する陳情書(栃木県議  会議長川俣憲治)(第八七六号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  留守家族及び遺家族等援護に関する件  ソ連地区残留同胞引揚に関する件     ―――――――――――――
  2. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 これより会議を開きます。  留守家族及び遺家族等援護に関する件について調査を進めることといたします。  本件については、留守家族及び遺家族等援護に関する小委員会において審査を行なっておりますので、この際小委員長より同小委員会における審査の中間報告を求めることといたします。留守家族及び遺家族等援護に関する小委員長代理中馬辰猪君。
  3. 中馬辰猪

    ○中馬委員 これより留守家族及び遺家族等援護に関する小委員会における審査経過の中間報告をいたしたいと思います。  去る二月十四日本委員会が設置され、かねてより懸案でありました未帰還者留守家族及び遺家族等援護に関する恩給法、未帰還者留守家族等援護法並びに戦傷病者戦没者遺族等援護法関係の問題点の改正立案につき検討を進めることとなり、直ちにこれが審査を開始いたしまして、今日まで四回にわたり小委員会を開会し、恩給法等三法関係の問題点につきそれぞれ慎重に審議を行うとともに、政府当局に対ししばしば強く要望督励し、その改正に努力したのであります。  これより、小委員会において現在まで審査をいたしました問題点の審査の概要につき、順次御報告申し上げます。  まず、本小委員会におきまして、幾多の懸案中特に重点的にかつ速急に解決すべき事項として審査を続けて参りました問題点をここに申し上げますと、  恩給法関係につきましては、  1 未帰還公務員の普通恩給におけ   る若年停止の規定を排除する措置   を講ずること。  2 未帰還公務員の遺族に対する公   務扶助料を未帰還者の死亡した日   に遡って支給するよう改正する   こと。  3 本法の改正に際し、重複する点   については、これを調整する   こと。  4 公務扶助料、増加恩給及び傷病   年金の増額についても検討する   こと。  未帰還者留守家族等援護法関係につきましては、  1 奄美大島沖縄の遺族に対して   供託された葬祭料、遺骨引取経費   については、これを現行額に引上   げて支給するよう措置を講ずる   こと。  2 本法適用外一般未帰還者に対   し、見舞金を支給するよう措置を   講ずること。   なお、右一般未帰還者の死亡の際  にあたっての弔慰措置を講ずる  こと。  3 療養の給付期間の延長について   研究すること。  戦傷病者戦没者遺族等援護法関係につきましては、  1 一般邦人でソ連及び中共地区に   おいて昭和二十五年以降戦犯とし   て抑留され、刑死又は獄死した者   に対し、巣鴨における戦犯民間人   の刑死者と同等に取扱う措置を講   ずること。  2 本法適用外の開拓団員、動員学   徒等に対し、本法第三十四条適用   拡大について、妥当な措置を講ず   ること。  3 弔慰金の額の引上げについて検   討を行うこと。  4 戦傷病者の援護についても検討   すること。  以上であります。  右の諸事項について、要点を申し上げることといたします。第一に、未帰還者の留守家族に対する手当の支給につきましては、現在、木帰還者留守家族等援護法では、社会立法の性格からいたしまして、未帰還有に対する給与ではないため、生計依存の条件並びに父母等の年令制限があり、この援護を受け得ない留守家族があるのでありまして、一方、給与の建別をとっている恩給法におきましても未帰還公務員に対しては、普通恩給における若年停止の規定が適用されているため、何ら恩給法上の恩典にも浴していない未帰還公務員並びに留守家族かあるのであります。また、未帰還者が死亡していた場合、その死亡の判明した日の笠月から公務扶助料が支給されることになっておりますので、恩給法の建前からいえば、当然死亡の日に属する月の翌月から支給さるべき公務扶助料であるべきにもかかわらず、生死の判明しない者の留守家族だけはこの間の公務扶助料を受けられないという不合理があるのであります。  〔委員長退席、木村(文)委員長代理着席〕  これらの留守家族を救済するには、当然、未帰還公務員のごとく、公務のために労働力を発揮できない状態に置かれているという特殊の事情にある者に対しては、普通恩給の若年停止の規定を排除するとともに、その者の死亡の日にさかのぼって公務扶助料を支給するよう改正して、この問題を解決することが妥当ではないかという見地から、この点の改正につき鋭意検討を進め、政府当局に対し数回にわたり要望を行ったのであります。また、未帰還公務員の遺族に対する公務扶助料をその者の死亡した日に遡及して支給する点につきましては、これをその他の恩給法の改正要望とは切り離して改正立果することとし、その経費につきましては、本法の改正に際して、留守家族手当と恩給との間の重複する点を調整し、その調整財源約五億円を充てるより督励を行うとともに、政府当局にその立案についても研究を依頼してありますので、近くその結果が出てくるものと思うのであります。第二に、奄美大島、沖繩地域の遺族に対して昭和二十二年当時政府が当時の金額で供託した葬祭料、遺骨引取経費の支給の問題については、これを現行額に引き上げて支給するようにとの現地遺族の要望もあり、早急に検討を行い、現行額を勘案して調整の上至急に支給するよう厚生省当局に要望いたしまいしたが、このほど政府当局と現地遺族との間に了解ができまして、現行の額には至らないのでありますが、約三千円程度に引き上げて支給する措置か講ぜられることとなった次第であります。  第三に、未帰還者留守家族等援護法適用外の一般未帰還者につきましては、これらの人々の留守家族は現在何らの援護も受けていないので、この際、年二回程度の見舞金を出すとともに、これら未帰還者の死亡の際に当っては、これに対する特別の弔慰措置を講ずることとするのが、終戦後今日まで十数年間何らの処遇も受けず過ごしてこられた留守家族に対してとるべき当然の措置であるとともに、一方また、将来において消息不明者の問題解決に当り、死亡処理を行う際においても、その弔慰措置が必要であろうという見地より、その措置について検討を進めて参りましたが、見舞金の支給の問題については、引揚者給付金等の支給の関係等より困難な点もありますので、弔慰措置問題とあわせて慎重に検討を進めており、また大蔵省並びに厚生省当局とも研究を続けてもらうことにいたしてありますが、現在まだその結論を得ず、さらに審査を継続することといたしたのであります。いずれにしても、一般未帰還者の死亡に際しては、引揚者給付金等の支給を行うとともに、葬祭料並びに遺骨引取経費を合併、新たに葬儀料として、現行五千七百円を少くとも三万円に引き上げ支給するよう、政府を督励しつつある次第であります。  第四に、ソ連及び中共地区の戦犯、一般邦人で刑死または獄死した者に対する処遇につきましては、該当者は約二百名程度であると推定され、財政負担も過大でないと思われまするので、遺族年金支給の措置を講ずるよう、現在引き続き検討を行なっており、また戦傷病者戦没者遺族等援護法第三十四条適用拡大については、本法適用外の開拓団員、動員学徒等に対して弔慰金を支給する措置を講ずるよう検討を進めておりますが、引揚者給付金等支給法案及びその他の措置との関係もありますので、政府当局との折衝等さらに慎重に審議を進めることといたした次第であります。  なお、その他未帰還者留守家族等援護法における療養の給付期間の延長の問題、戦傷病者戦没者遺族等援護法における弔慰金の金額引き上げの問題及び戦傷病者に関する恩給法、援護法上の処遇問題等、各問題点につきましては、小委員各位の終始熱心な検討により、審議もはかどっているのでありますが、なお引き続き審議を進め、各種の事情の許す限り、早急にその具体案を得るよう努力を傾注している次第であります。  以上、はなはだ概括的でありますが、小委員会における審査の経過並びにその要点を申し上げ、中間報告といたす次第であります。
  4. 木村文男

    ○木村(文)委員長代理 これにて留守家族及び遺家族等援護に関する小委員長の中間報告は終りました。  本件について御質疑があれば、これを許します。受田君。
  5. 受田新吉

    ○受田委員 ただいま小委員長の報告があったわけでございますが、幾つか重点的に網羅されたこの報告書に対して、厚生当局はどう考えておられるか、及び恩給局当局はどう考えておられるかを、概括的に御答弁願いたいと思います。
  6. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 小委員会でいろいろ御研究になった御意見に対しましては、政府としても、できるだけ尊重いたしまして、研究して参りたいと思っております。
  7. 受田新吉

    ○受田委員 その研究して参りたいということの中で、さっそく今国会中においてもこれを取り上げて処理すべき問題として、何か具体的にお考えになっておられる問題はあり・ませんか。
  8. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 厚生省所管関係では、今国会中にこれを解決できる問題はちょっとないと思います。   〔木村(文)委員、長代理退席、委員   長着席〕
  9. 受田新吉

    ○受田委員 今国会中に解決できないというと、法律の改正案は、お出しになるとするならば次期国会ということになるのか、あるいは行政的に、国会閉会後において、とるべき措置のできるものを考えておられるかどうか。
  10. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 小委員会の結論の中には、留守家族援護法あるいは遺家族援護法の問題でかなり重要な問題がありますので、これは法律改正を待たねばできない問題が多いのであります。法律の問題については、次期国会ということを目途にして……。
  11. 受田新吉

    ○受田委員 恩給制度を調査するための審議会が近く発足することと思いますが、この中に援護関係の調査対象になる事項があげてあるわけです。その答申を待つまでもなく、政府自身の手において今報告された幾つかの関係規定の改正を用意されますか、あるいはその答申を待って用意されるということになるのか、お答え願いたいと思います。
  12. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 調査会に付託される事項については、できるだけ調査会の答申を待ってやるべきが至当と思います。その他の事項については、できるだけ来国会あたりを目標にして研究を進めたいと思います。
  13. 受田新吉

    ○受田委員 未帰還者留守家族援護法の中の改正要点として今報告された中に、帰郷旅費あるいは葬祭料の問題等について、具体的にその金額の引き上げ等が大幅に考慮せらるべきであるというような問題も一部出おるわけですが、そうした問題は、これは当然次期国会でお出しになるという、そうした時間的な余裕がなくて、直ちに手をつけて、何らかの政府の意思のあるところを示すべきであると思います。次期国会ということになると、臨時国会もあるし、また通常国会になってくるわけでありますが、次に予定される臨時国会、すなわち次の通常国会以前にこれを解決するという形で御用意されておるのか、あるいは次の通常国会に回そうという意味か、それを一つお答え願いたいと思います。
  14. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 留守家族援護法の改正の問題につきましては、例の死亡処理の問題と非常に関連してきますので、ただいま申しました来国会と申しますのは、通常国会を意味しております。
  15. 受田新吉

    ○受田委員 通常国会を意味するということになると、これは新年度予算の編成期とも考え合せていくことになるのですが、その以前に、少くとも実施期を三十三年の一月からという形において実施しようとするならば、少くとも、通常国会以前に、すなわち臨時国会においてこれを処理するという段取りが妥当ではないかと思うのですが、どうでしょう。
  16. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 これは財政ときわめて深い関連がありますので、三十三年度の予算編成と大体ある程度歩調を合せなければいかぬと思います。そういうふうな関連もありますので、通常国会が適当じゃないかと思います。
  17. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、実施期は三十三年の一月ということは、予算の取扱い上においての何かの方法で実現できますか。
  18. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 三十三年の一月ですと、三十二年度予算になりますので、先ほど申し上げましたように、三十三年度予算編成ということを目途にしてということですから、一月からというのは、ちょっとさかのぼってきますので、その点が、まだそこまで踏み切れるかどうか、今のところ確信が持てないわけであります。
  19. 受田新吉

    ○受田委員 それは補正予算を組む道もあるのです。そういうものへ引きずり込んで、当然措置すべきものを、通常国会で新年度の通常予算の編成にかね合わせるという形というのは、これは誠意がはなはだとしいと私は思うのです。少くとも、予算の額というものが大したことはない、少額で済む場合には、さっさと手を打つというのが順序であって、通常国会を待って予算とにらみ合せてやるのだということは、これは今ここで小委員会が報告した答申を処理する方法としては、はなはだなまぬるい、手おくれであると断定せざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 まあこの死亡処理の問題については、かなりいろいろ関連するところが広く、また深い問題がありますので、そういった問題について慎重を期さなければならぬ。というのは、先ほども申し上げましたように、財政上の問題もありますので、財政上の年度がわりが適当じゃないかというように考えております。
  21. 受田新吉

    ○受田委員 死亡処理の問題などということは、これは慎重を期さなければならないと言うが、慎重ということは逃避的な言葉なんです。こういう問題は、そんなに慎重にやるまでもなく、もう慎重に検討されて、小委員が報告しておるのです。国会議員ははなはだ軽率な案を立てたとあなたはお考えでございます。明確な答弁を願いたい。
  22. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 決してそういう意味ではございません。国会の先生方が研究せられたことは、慎重に研究されたことと思います。ただ政府としてそれをどういうふうに取り上げるかということは、また政府としての立場で、慎重を期して研究したい問題であります。
  23. 受田新吉

    ○受田委員 きょうは、例のソ連の引き揚げ問題について答弁の衝に当るのは、どなたですか。
  24. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 あとで石塚説明員から聴取するようにいたしたいと思います。
  25. 受田新吉

    ○受田委員 恩給関係法の改正について小委員会は報告を幾つか申し上げているわけでございますが、しばしばこの委員会で問題になっておる未帰還者、未帰還公務員の恩給法上の改正点について、私ここに早急に御答弁していただきたい点があるのです。これは例の恩給法の十八年の附則にあげられてある若年停止規定の削除と、それから死亡の日にさかのぼる、この二提案は、現にわれわれの方でも小委員会の報告として今お耳に入れた通りなんです。先般、恩給局長殿は、この問題については、死亡の日にさかのぼる規定の方は直ちに今国会において改正をする、いま一つの方は、いろいの検討を要する問題であるから、ちょっと時期を待ってもらいたいということがあったわけですが、その後現在の立場における恩給局の態度を鮮明にしていただきたいと思います。
  26. 青谷和夫

    ○青谷説明員 お尋ねの公務扶助料を、死亡判明の日ではなく、実際死亡した日にさかのぼって支給するという問題につきましては、前にこの委員会におきまして恩給局長からも御説明を申し上げましたし、また松浦国務大臣からも御答弁申し上げたのでありまして、できるだけ早く解決いたしたいと思っておりますけれども、今ちょっと本国会で直ちに法律を提出いたしま目して御審議願うというところまで、まだ熟していないのでございます。その点につきましては、できるだけ早く次の国会で御審議願いたい、こういうような心持でおります。  それから、もう一つの若年停止の排除の問題につきましては、これも今まで恩給局長や松浦国務大臣から申し上げましたように、他の制度との関連も考慮いたしまして、慎重に検討いたしたい、こう考えております。
  27. 受田新吉

    ○受田委員 今国会のうちに死亡遡及の問題が解決できない可能性があるような話も今出たのですが、今国会のうちにでも分離して提出するような見通しであると、先般は局長として答弁されておるのです。今からまだ十日間あるわけです。こういうことはごく簡単な改正規定をお出しになればいいのであって、それほど騒ぎ立てて国会の大紛争が起るようなややこしい問題じゃないわけです。予算上の問題も先般一応片づいておる。何もちゅうちょすることはない。非常に慎重を期すると言うが、たった一行ばかりの文句を入れる程度のこの改正が、それほど重大な、慎重を期さなければならない問題であるかどうかをお答え願いたい。
  28. 青谷和夫

    ○青谷説明員 技術的には、先生のおっしゃるようにそうむずかしい問題でないかもしれませんが、いろいろ事情がございまして、今国会で御審議願うというところまでわれわれの気持がまだなっていないわけでございます。その点一つ御了承願いたいと思います。
  29. 受田新吉

    ○受田委員 いろいろな事情をここで個条別に一つはっきり言うて下さい。
  30. 青谷和夫

    ○青谷説明員 それは今私からはっきり申し上げかねるのでございます。
  31. 受田新吉

    ○受田委員 今国会のうちに改正ができないかと私が申し上げたら、その際に、死亡のときにさかのぼる規定の方は何とかできるだろう、もう一つの方はまだ検討を要する問題だとはっきり答弁があった。私の問うたところは、今国会のうちにこのことはできないだろうかということに対して、そう答えておられるのです。これはきわめて明瞭です。
  32. 青谷和夫

    ○青谷説明員 その遡及の問額については、必ず責任を持ってやるということはお答えになったと思いますけれども、今国会で必ずやるというふうには、私承わっていなかったのでございます。
  33. 中馬辰猪

    ○中馬委員 あなたはもう一ぺん速記録を見て下さい。大臣がおっしゃったのは、向うからいうて、国会の方面でこれだけ切り離して出しても、他の団体との関係がうまくいくならば、私の方ではすぐ出します、こういうことだったのですよ。遡及の問題だけを取り上げてやっても、他に未帰還の公務員の問題もあるし、いろいろな問題が今度の国会ではたくさんありましたから、そういう問題と関連があって、政府がこれだけ切り離すとあとで文句が出る可能性がある、もしそういう文句が出ないという見通しがつくならば、私の方はいつでも出してよろしい――いつでもとは言わなかったが、われわれが聞いたのでは、この国会中に出すということであったのですが、その点はどうですか。
  34. 青谷和夫

    ○青谷説明員 確かに中馬先生のおっしゃったことは、松浦労働大臣ははっきりおっしゃっております。おりましたのですが、いろいろなことというのが、ちょっと申し上げにくい点があるわけで、その点は一つ御了承を願います。
  35. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  36. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 速記を始めて下さい。     ―――――――――――――
  37. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 この際ソ連地区より近く行われる引き揚げについて、政府当局よりその状況につき説明を求めることといたします。石塚説明員。
  38. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 三月十六日に、ソ連のテヴォシャン大使が、岸外務大臣を訪問されまして、ソ連の残留生存者が現在七百九十三名おるという申し入れがありましたのですが、そのとき向うで調べましたところ帰国希望者は二百二十五人、うち朝鮮人家族百四十六名が日本へ渡航を希望しておる、こういう申し入れがありましたのです。その後四月九日、われわれ厚生省としましては、外務省を通じまして、モスクワの大使館を通じまして、ソ連の外務省の方へ、現在厚生省で把握しております、帰還を希望しておりながら、しかも今回の向うの帰国希望者の名簿に載ってない人、しかも現在ソ連における住所の明確な者三十七名を、でき得れば今度の引き揚げの機会に一緒に帰してほしいという申し入れをいたしたのであります。引き揚げの期日については四月の中旬ごろが適当じゃないかという希望を申し入れるとともに、引揚港をできるだけ早く指定してほしいという申し入れを行なったのであります。その後の情報によりますと、モスクワ大使館の方には、樺太在住者から三名新たに帰国を希望したいという陳情があったそうであります。その後、ソ連の方から、こちらの申し入れに対しまして、引き揚げの時期につきましては日本側の申し入れの四月中旬については、いろいろ準備の都合もありまして、非常に遠隔地であり、しかも引き揚げについてはいろいろ財産その他の処分の都合もありますので、時期はかなりおくれるという申し入れがあったのであります。また、その後、ソ連側の方から、大体期日はもし日本側に異存がなければ五月二十五日ごろにしたいという申し入れもあったのであります。ところが、その当時、すでに四月四日に中共の方から戦犯六名の釈放と同時に一般邦人も帰国せしめたいという通報がありました。大体中共地域の引き揚げが五月の中旬から二十日前後、こういう見通しが立ちましたので、五月二十五日という期日は、中共地域に配船しまして折り返しソ連地域に配船するということは、五月二十五日は困難であるという見通しが立ちました。その後五月二十九日以降が適当ではないかという申し入れを、五月三日に、モスクワ大使館の新関参事官がソ連側の極東部次長との会談におきまして行なったのであります。そのとき、先方から、港については真岡を予定しておるが、いずれこれは確定すれば通知する、それからその後約百名ばかり希望者があった、これについては今名簿を取りまとめておるので、でき次第日本側に引き渡す、こういう連絡がありました。現在の段階ではこの程度でございまして、期日あるいは指定港その他については、まだこういう段階にとどまって、確定するまでには至っておりません。
  39. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 ただいまの説明について御質疑はありませんか。中馬君。
  40. 中馬辰猪

    ○中馬委員 大へんけっこうなことで、お帰りになるということは喜ばしいと思いますが、今度の帰国が終ったあと、どれくらいまだお残りなのですか。
  41. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 樺太地域は、われわれが把握しておるのは七百ないし八百、しかし把握外も若干ありますので、千名程度あるのじゃないかというのが、今までの推定計数であります。それから見ますと、今度帰りますのは二百二十五名でございまして、それに約百名追加されるとすれば三百二十五名ということになります。それから見ますれば、あと六、七百名は残っておるのじゃないかという推測をしておるわけです。
  42. 中馬辰猪

    ○中馬委員 残りの方々は、今度の場合帰国をソ連政府に対して何らかの形で意思表示されたのですか。それとも、帰国したいけれども、船の都合その他で帰れなかったのか。あるいは、その中には永住の人もおると思いますが、その点はどうですか。帰りたいという人は全部帰ってくるわけですか。
  43. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 実は、四月九日の例の三十七名の、こちらで現在ソ連側に居住しておる住所をつかんでおる人、しかも帰りたいという希望を把握しておる三十七名を、できるだけこの機会に帰してくれという申し入れを行いましたときに、その他の者につきましても、一般的に申し入れを行なっておるわけであります。それは、向うにおる方で残っておる方については、できるだけ日本の留守家族の方に通信をしてくれ、それからソ連国籍いわゆる無国籍の人についても、帰りたいという申し出があったならば、できるだけ帰してくれ、こういう一般的の希望は、これと同町に申し入れを行なっておるわけであります。
  44. 中馬辰猪

    ○中馬委員 今度の帰国者の方々は家財道具を持ってきてもいいということなんですが、その点はどうですか。
  45. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 これは、現在のソ連の建前としましては、通貨と債券は国外へ持ち出しを禁じております。従って外貨にかえることはできないわけです。そこで、財産の持ち帰りは物にして持って帰れ、ただし物も自動車以外は何でもよろしい、こういう制度をとっております。
  46. 中馬辰猪

    ○中馬委員 自動車以外なら何でもよろしいということは大へんけっこうなことですが、相当な家財道具を持ってきた場合に、問題は、日本の港に潜いてから、それをどういうふうにして帰国者が希望する地点まで安全に運んでやるか。列車に積み込むといっても、自動車以外というと相当なものがあると思いますので、・そういうものをどういう手段で運ぶかということに相当苦心を要すると思いますから、その点についてのあなたの方の対策を承わっておきます。
  47. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 持ち帰るといっても、大きな家財道具は輸送その他になかなか困難を感じますので、やはり高価なしかもかさばらないような物にして持って帰るということになるのじゃないかと推測しておるわけであります。しかし、かなり家財を持って帰ると思うのですが、舞鶴と定着地までの間は、大体一世帯四個程度の荷物の輸送は国が負担をしてやっております。従来の引揚者の方は大体その程度でおさまっておりますが、今回もその程度でおさまるのじゃないかと考えております。
  48. 中馬辰猪

    ○中馬委員 今度の場合は、ソ連本土と違って、一般の事業に従事したような人々が向うにっかまったわけですから、兵隊が持って帰る荷物とある程度違うのじゃないかと思いますので、そういう点は、何個までは無料だということではなくて、持ってきたものは全部政府の方で親切に届けてやる、列車に積み込む場合は貨物列車にでも積み込んで持ってきてやるという、あたたかい配慮が願わしいと思いますからして、そういう点、あとでごたごたして、港でどこか埠頭の辺に預けておくということではなくて、ごたごたが起らないように、一つそういう方々の荷物は、大きな荷物があっても、全部政府の負担で持って帰ってやる、そういう御対策が望ましいのですが、どうですか。
  49. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 大体、終戦当時の引き揚げは、リュックサック一つでみんなお帰りになったのですが、最近中共地域から帰国される方は、かなり家財を持って帰ってきているのが現状です。そういった方々に対しても、今のような制度で十分間に合っておるわけであります。今の扱いについて申しますと、引揚船から上陸して、そして定着地まで、援護局側といたしましては、日通に委託しまして、そして全部梱包を専門家がやりまして定着地まで輸送しておりますので、その辺のところは落ちばないと思っております。
  50. 中馬辰猪

    ○中馬委員 何個持ってきてもただで運んでやるわけですか。たとえば、終戦直後ですが、台湾からの場合は、これは生活の程度も違うし、非常に豊かなところですから、大へんな荷物を持ってきました。今度の場合は、ソ連本土と違って、戦争前から樺太に在住しておった人々も多数おる。そういう人はやはり持ってくると思います。それは、終戦後集めた品物でなく、終戦前から持っていた机とかいすとか、われわれが想像する以上に集積がありましょうから、そういうものを相当持っているのではないかと思うのですが、そういうものを持ってきても、よほど梱包なんかしっかりして届けてもらわなければならぬ。今までみたいに大きなリュックサックあるいはふとん袋、そういうものではなくて、破損物も多いのではないかと思うのですが、今度はよほど気をつけてやってもらいたいと思います。
  51. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 取扱いについては、ただいま中馬先生の御意見のようなことに関して十分気をつけて、無事にそれぞれの定着地に到着させるように、できるだけ配意いたします。扱いは先ほど申しましたように日通の方に委託しまして、専門家が梱包してやっておりますので、その辺のところは落ちば万万なかろうと考えます。
  52. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長 本日はこの程度にいたします。  次会は公報をもってお知らせすることといたし、これにて散会いたします。    午後三時三十三分散会