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1956-12-03 第25回国会 衆議院 本会議 10号 公式Web版

  1. 昭和三十一年十二月三日(月曜日)     ━━━━━━━━━━━━━   昭和三十一年十二月三日     午後一時 本会議     ━━━━━━━━━━━━━ ●本日の会議に付した案件  社会保険審査会委員長任命につき事後の承認を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき事後の同意を求めるの件  公正取引委員会委員任命につき事後の承認を求めるの件  中央更生保護審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件  公安審査委員会委員長及び委員任命につき事後の承認を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき事後の承認を求めるの件  公共企業体等労働委員会委員任命につき事後の承認を求めるの件  文化財保護委員会委員任命につき同意を求めるの件  日韓会談と抑留同胞即時帰還に関する緊急質問(今澄勇君提出)  特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件     午後一時十八分開議
  2. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) お諮りいたします。内閣から、社会保険審査会委員長に川西実三君を任命したので、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  5. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、電波監理審議会委員に松方三郎君を任命したので、電波法第九十九条の三第二項の規定によりその事後の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  7. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、公正取引委員会委員に塚越虎男君を任命したので、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十条第四項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  9. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、中央更生保護審査会委員に大竹武七郎君を任命したので、犯罪者予防更生法第五条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  11. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、公安審査委員会委員長に山崎佐君を、同委員会委員に広瀬豊作君、正木亮君、矢部貞治君及び山名義鶴君をそれぞれ任命したので、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  12. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  13. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、労働保険審査会委員に上山顕君、花沢武夫君及び大西清治君を任命したので、労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第三項及び同法附則第二項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。     「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  15. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、公共企業体等労働委員会委員に藤林敬三君、峯村光郎君、阪田泰二君、冨樫総一君及び中山伊知郎君を任命したので、公共企業体等労働関係法第二十条第四項及び同法附則第四項の規定によりその事後の承認を得たいとの申し出があります。右申し出の通り承認を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、承認を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  17. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 次に、内閣から、文化財保護委員会委員に河井彌八君及び矢代幸雄君を任命したいので、文化財保護法九条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  18. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。      ――――◇―――――
  19. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 緊急質問に関する動議を提出いたします。すなわち、この際、今澄勇君提出、日韓会談と抑留同胞即時帰還に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  20. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  21. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。  日韓会談と抑留同胞即時帰還に関する緊急質問を許可いたします。今澄勇君。     〔今澄勇君登壇]
  22. 今澄勇

    ○今澄勇君 私は、日本社会党を代表して、日韓会談再開に対する政府基本方針並びに人道問題たる抑留漁船員の年内送還について、政府の対策と、その信念をたださんとするものであります。(拍手)  日韓両国の正式会談は去る昭和二十八年十月決裂のまま今日に至り、八百五十名に近きわが同胞は異境の地に四回目の正月を迎えんといたしております。同色善隣の両国が三カ年にわたりいがみ合って参りました姿は、何といっても東洋の一大悲劇であります。(拍手)わが党は、過去幾たびか、この問題解決のため、秘密裏に行われては決裂した会談の真相を国民によく知らせ、日韓問題の徹底的な掘り下げをなし、政府の態度を追及すべく決意したのでありますけれども、そのつど、いつも、ここ一週間が山で、抑留者は釈放の見込みであるからとの政府側の見解に、やむなくこれを今日まで延期いたして参ったのであります。しかし、何ら事態の変化はございません。私は、この際、日韓両国の反省を求め、アメリカ合衆国の良識を期待し、抑留者の即時送還を期するため、政府の責任ある答弁を要求いたします。(拍手)質問項目に対して答弁が不十分の際は再質問を行います。  まず鳩山総理に伺いますが、第一に、去る三十日、参議院において、鳩山総理は、大村収容所の韓国人を釈放することにより直ちに抑留者が帰れるような御答弁でありました。これは韓国代表部からの正式連絡による責任あるものか、その根拠と見通しについて鳩山総理の答弁を求めます。わが社会党は、本問題解決のため、自民、社会両党首会談を提唱し、年内送還を期しておりますが、総理は、この社会党の提唱に応じて、超党派的に問題を解決する意思ありやいなや、御答弁を願いたいと存じます。(拍手)  第二番目にお伺いいたしたいのは、過般の韓国の選挙において、副大統領には野党から張勉氏が当選いたされました。従って、対日政策にも多少とも日本を理解する野党の影響があると考えられます。鳩山総理は、最近の韓国の政治情勢について、いかに考えておられますか。かつて民間代表として賀川豊彦氏が渡韓の希望を持って総理と面接なさいました際は、積極的な賛意はなかった趣きでございますが、今日の情勢においては、いかにお考えになっておられるか。民間代表の派遣についての御見解を承わりたいと思います。  第三番目に、日本の国連加盟は年内実現を見る段階にありますが、隣接国として南北朝鮮の統一は重大関心のあるところであります。日韓両国の懸案になっております国籍、処遇の話し合いが困難なのも、問題は実はここにあるのであります。私どもは、積極的に南北朝鮮の統一に協力すべきだと考えておりますが、これに対する鳩山総理の見解をお伺いいたします。  第四に、憲法の保障する日本人の命、それが太平洋上において犠牲となった漁民には数百万円に上る補償が与えられ、朝鮮海峡において日韓紛争のため同じく外国の犠牲となった漁民に対しては、相手が相手だからといって、ほとんど国家補償も行われず、多くの遺族は悲惨な境遇に落ちて、割り切れない気持であります。正義と公平の政治を離れ、力弱き少数の一部漁民を国策の犠牲に供して、ほおかぶりで通して参りましたのが、吉田、鳩山の保守二代の内閣であります。時の話題となり、注目を浴びれば手厚く遇せられ、世論に反映せず、その陰に泣く不幸な国民は、全く捨てて顧みられておりません。これも、結局は、日韓問題が労多くして効少き難問題であるから、敗戦を口実に、不運な一部の国民の個人の犠牲において、日韓紛争によって生じた当然国が負うべき責任を回避したのではないか。この際、これらの犠牲者の遺族に対して根本的再検討の意思があるかどうか、鳩山総理の率直な見解を聞きたいと思います。(拍手)  次に、私は重光外務大臣及び牧野法務大臣にお伺いをいたします。  その第一点は、政府は日韓会談再開の糸口をどこに求めるのか、大村収容所の韓国人を釈放して相手の出方を待つのか、政府代表を送るのか、民間代表の派遣を認めるのか、それともアメリカにあっせんを依頼するのか、この会談再開の糸口についていかなる方途をとるかとの決定なしには、会談の再開は困難であります。  第二点は、本年四月二日、重光・金了解といわれる三原則が一致いたしました。すなわち、人道問題としてまず抑留者の釈放を取りきめたことは、外相自身が御承知の通りであります。しかし、大村に収容中の刑余者を国内釈放した後における処置、すなわち、国籍処遇等の問題を明確に取りきめなかったことが、今日までこの問題が解決しない最大の原因で、これは一にかかって重光外相の熱意を欠いた不勉強に原因があると思われます。外務大臣が四月二日の取りきめを閣議に報告した際には、だれも異存がなかったとのことでありますが、これは閣議の決定を得たものと解してよいのかどうか。今後の重大なポイントであるから、外務大臣からお答えを願いたい。  私は、今日なお韓国がなかなか抑留者を釈放しない理由が国籍処遇の問題にあると考えております。すなわち、刑余者は今後とも大村に入れる必要はないのである。密入国者、不法残留者は引き取り、正式残留韓国人は国内釈放せよと向うは言っておるのであります。今後の刑余者は直ちに釈放を意味する次第であります。しかしながら、日本の法務当局としては、外人登録法、出入国管理令等の立場から、容易に承認しがたいものであることもまた事実であります。かかる重大な要点を取りきめないでは、抑留者の送還の問題は片づきません。この点は外務大臣の不手ぎわだと私は思います。すなわち、このことは、抑留者の釈放が根本的な問題たる国籍処遇の話し合いなくては困難なことを物語るものでありますが、これに対する政府の態度は決定をいたしておるのかどうか。しかも、なお、戦前から在日する韓国人は、南北両鮮のいずれに国籍を持たしめるのか。釈放韓国人が北鮮帰還を要望したときは、いかに取り扱うのか。あわせて法務担当の責任者の答弁を求めます。  かかる重大な問題をあいまいにして、幾たびか、きょうは帰る、あすは帰ると、関係者をぬか喜びさせては失望のどん底に陥れて、最近、長崎においては、ついに留守家族が自殺して相果てました。まことに悲惨きわまる状態でございます。すみやかに、これらの国籍処遇の問題を、双方納得のいくまで政府は努力してみるべきではないか。政府の態度は何となく陰うつにして卑屈であります。私は、韓国といえども、誠意をもって交渉すれば必ず釈放してくれるものと信じております。政府は、この際、韓国側にも反省と理解を求めると同時に、国籍処遇の問題についても、みずから真剣に取り組むべきであると考えておりますが、この点について、重光、牧野両相の答弁をお願いする次第であります。  第三点は、去る二十八年以来会談決裂の最大の原因であった財産権の請求問題であります。すなわち、サンフランシスコ講和条約第四条b項は、講和条約締結の際、当初のダレス草案に対し、韓国側の強力な要望によって現在の条文のごとく決定し、すなわち、韓国にあるアメリカ合衆国政府により行われた日本国民の財産の処理を、日本政府は無条件承認しなければならないという意味に変更し、成文化いたしておるのであります。だからこそ、韓国は、請求権の問題では、この条約をたてに、強硬に日本に要求して参りますのは当然のことでありましょう。その根源は講和条約にございます。本年九月、金公使が帰国して韓国政府と打ち合せた際、伝えられるところによれば、次のごとき態度を決定したといわれております。従来、会談再開の条件は、久保田発言の取り消しと、わが国の在韓財産権の放棄でありましたが、一歩前進して、日本の請求権問題は講和条約を取りまとめた米国のあっせんによって解決してもよいとの線に譲歩をして参っておるのであります。軍光外相に伺いたいが、政府は財産請求権に関してアメリカの見解を聞いたことがあるか。もしアメリカ政府の見解を打診したとすれば、その結果は一体どうであったのか。このとき、重光外相は、金公使に対し、やや賛成の意を表したといわれておりますが、かかる重大な事柄が今日まで放置せられておるとすれば、韓国側から見ていかにも不誠意だとの理論も成り立つでありましょう。わが国は、講和条約四条(a)(b)項の文字通りの正確な解釈をしなければ、相手を説得することは困難であります。韓国からの引揚者の救済は別途政府において考えるとの立場をとることが当然でありましょう。この観点に立てば、日韓会談の再開は当然米国を仲介として進めらるべきものと考えられます。政府が米国に対して日韓紛争を仲裁する道義的な責任のあることを主張し、財産権に関する米国の解釈を求め、そうして、日韓会談再開に誠意を披瀝すべき必要のあること――今日、年末を控えて抑留者の問題もございますから、私どもは切実に要望をいたしております。久保田発言に対する鳩山内閣の態度とあわせ、この点についても外務大臣の明確なる御答弁をお伺いいたしたいと存じます。  次に、私は河野農林大臣にお伺いをいたします。  その第一点は李承晩ラインであります。韓国は、昭和二十七年一月、いわゆる平和ラインと称して海洋における主権を宣言し、日本漁船の拿捕、抑留を始めました。政府は、国際慣例などによって、李承晩ラインが何ら公海漁撈の自由を侵すものではないとの主張を繰り返し、そのために中小漁業者は出漁いたしました。政府の見解に従ったこれらの漁船員が今日犠牲となっておるのであります。もし政府が李承晩ラインを認めれば、当然漁業者は出漁を見合せたでありましょう。しからば、政府は、これらの漁業者に補償の措置が必要となるでありましょう。そこで、政府はこれを否認したが、韓国は実力をもって李承晩ラインの主張を貫いたのであります。全くこれらの漁業者の悲劇は全部政府の責任であると断じなければなりません。(拍手)しかるに、大資本漁業の北洋については、ブルガーニン・ラインが宣言せられるや、直ちに河野農林大臣はみずから訪ソし、条約によってブルガーニン・ラインを認める形において妥協をいたされたのであります。政府が大資本漁業とソ連に対する態度と、中小漁業者と韓国に対する態度は、私をして言わしめるならば、天地雲泥の相違がございます。(拍手)政府は、今日、李承晩ラインについては今もなお公海漁撈の自由をもって反対しておられるのかどうか。もしそうだとすれば、韓国に対しては公海漁撈の自由の原則をもって臨み、ブルガーニン・ラインについては、日本はこれを承認するとの態度をもって臨むことに相なるのであります。これでは韓国側を納得させることは困難だと考えておりますが、明確な日本政府の見解について、河野農林大臣から私はお伺いをいたしたいと思います。  第二番目は援護の措置でございますが、政府は、去る三十日、内閣において留守家族救済対策を決定いたされました。これが算定の根拠と、支給の期日がいつごろになるか、農林、大蔵両相から伺いたい。なお、李承晩ラインは、これを認むるの立場をもし政府がおとりになるならば、韓国の抑留は当然の結果であったということになり、被害船主に対しては国の補償や減免税の措置が必要となって参りますが、この点についての農林、大蔵当局の見解を伺いたいと存じております。  最後に、私は総理並びに外務大臣にお伺いをいたします。それは領土の問題であります。すなわち、北においては、択捉、国後は日ソ間の見解を異にし、宣言案審議の参議院においても今重大課題となっておりますが、びょうたる一小島とはいいながら、竹島は一体どうなるのでありましょう。韓国が昭和二十九年七月占拠風来、政府は今日まで黙認の形ではありませんか。日本の領土としての竹島に対する政府の見解は一体いかがでありますか。昭和三十一年九月、鳩山内閣は韓国のいろいろな竹島の論点に対して反駁せる抗議を出しておりますが、その韓国に出した抗議の要旨は一体いかなるものでありますか。これに対して韓国から何らかの意思表示があったかどうか。日ソ宣言批准のときに当り、私は竹島に対する政府の決意と対策とをお伺いいたしておきたいのであります。  以上、私は時間の許す範囲において問題の中心点を伺いました。わが社会党は本日韓問題に重大関心を持っておりまするから、先日対韓対策を発表して政府の善処を要望いたした次第であります。この際、超党派的な立場から政府の誠意ある答弁を求めまして、私の緊急質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
  23. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) ただいまの御質問に対してお答えをいたします。  漁夫の釈放を一日も早く実現したいということは当然に考えておるのであります。その趣旨を参議院でも述べました。これは数日中に必ず解決いたしますということを申したのではないのです。ただ、大村収容所における韓国人と釜山における漁民の抑留者とを交換する形においてこの問題を解決いたしたいと従来思っておったのであります。そこで、大村収容所の韓国人を数日中に解放いたしまして、そうして先方の出方を見守りたい。どうも、こちらから先に韓国人を釈放しないと、なかなか李総統はこちらの要求に応じそうもないものですから、こちらから先に大村収容所の韓国人を釈放いたしまして、そうして向うの出方を見守りたいと考えたのであります。大村収容所の韓国人の釈放を数日中にしたいということは、法務大臣が言ったものですから、それで私は参議院でこの説明をいたした次第であります。  第二の、民間代表のお話がありましたが、民間代表は必要に応じて派遣をいたしたいと考えております。(「ほんとうか」と呼ぶ者あり)ほんとうです。(笑声)最も有効適切なる方法があれば、むろんその方法をとりたいのでありますから、民間代表が行った方がいいということが適切な有効なものだということを認識いたしますれば、民間代表でも当然に派遣するつもりでおります(拍手)  第三に、南北朝鮮統一に関する私の見解をお尋ねになりました。国連に入ります以上は、国連総会の決議の趣旨に従いまして、南北朝鮮が国連監視のもとに総選挙を行なって統一政府が樹立されることは、政府としては最も希望するところでございます。  第四のお尋ねは竹島の領土問題だと思いますが、それはむろん日本の領土であることは当然なことであります。これについての詳細は外務大臣からお答えをいたします。  何かもう一つあったような気がするのですが……。(「日韓問題に対する党首会談」と呼ぶ者あり)もう一つは忘れましたから、あとでまた御質問があったらお答えいたします。(拍手)     〔国務大臣重光葵君登壇〕
  24. 重光葵

    国務大臣(重光葵君) 日韓会談をぜひ進めていかなければならぬ、必要に応じては米国のあっせんをも促さなければならぬという御意見につきましては、私どもも、まことにその通りに考えて進んでおります。今日まで遅々として進みませんけれども、いろいろの話し合いができるように相なっておりますことも、米国の関心が非常に強く、そのあっせんがあずかって力があったことを申し上げます。しかし、まだ目的は達しません。そこで、日韓会談をどういう糸口をつけて始めるかという点について、まずお話がございました。久保田発言などのごときものはもちろん撤回して差しつかえないのでございます。さようなことで先に進み得るならば、これはその用意があるのでございます。しかし、何はともあれ、日本の抑留された漁夫の帰還ということに重きを置かなければならぬと、こう考えまして、その措置を進めておるわけでございます。それが、お話の本年四月二日に、私と金公使との間の会談において三つの項目が取りきめられて、その項目――その項目というのは、日本人の漁夫を釈放する、大村における韓国人を釈放する、そうして、第三項として不法入国韓国人は引き取る、こういう方針できまっておるのでございますが、それについても、具体的の、これを実行する方法を協議しなければなりませんので、その協議を続けてきたわけでございます。ところが、その細目について、遺憾ながら、いまだ意見が合致しないで今日に至っておるのでございます。まことにこれは遺憾しごくでございます。  そこで、何とかしてこれは年の明けるまでに解決をしたいと、目下しきりに努力をいたしておるわけでございますが、大体申し上げますならば、話は軌道には乗っておるわけでございます。そこで、私どもとしては、それを動かしていって、ぜひ目的を達したい、早く漁夫を帰してもらいたい、こういうことで進んでおるのでございます。この問題が国籍の問題に関係を持つということももちろんでございますが、国籍問題は非常に困難な問題でございます。そこで、この問題を先に出しては、私は漁夫の帰還がますますおくれるということを心配します。その問題は本会議に譲りまして、さしあたり日韓人の交換というところから実際的に糸口を求めていきたい、さようにすれば空気も幾分かよくなるのでありまして、そのよくなった空気に乗じていろいろな手を打って、さらに本会議に直進したい、こう考えておるのでございます。これは手間取るようで、それが一番やっぱり実際的方法じゃないかと考えております。  それから、財産権の問題のお話がございました。大体お話の通りな筋に考えております。平和条約との関係でございます。これにつきましては必ずしも日韓双方の意見が合致しておるわけではございません。そこで、平和条約条約文の解釈については、米国側の意見もむろん聞いておるのでございます。それはわかっております。さようなことを参考として、これは本交渉において進めなければならぬ問題だと考えております。何分、関係するところ、すなわち利害関係者が非常に多いので、この問題も相当慎重に考慮して進んでいかなければならぬと考えております。  さらに、最後に竹島の問題でございます。竹島が日本の固有の領土であるということは、これはもう歴史上明らかなことでございまして、日本としては、いかなる領土も、固有の領土は他国に譲るということはできないのでございます。でありますが、しかし、この竹島の問題が李ラインに関連して問題が起っておるということは御承知の通りでございます。これも本会議において解決すべき一つの問題だと考えております。これに対しては、むろん、わが方としては厳重に抗議をしてきておるのでありまして、一昨年の秋には、これを国際司法裁判所に提訴することを申し入れたのでありますが、韓国側において承諾しておらぬということは御承知の通りでございます。(「どうするのだ」と呼ぶ者あり)いずれもこれは本交渉にいかなければなりません。それがためには、日韓の間に漁夫及び大村における韓国人の交換の問題から実際的に解決をしていく。それは今は望み得ないことではない。私の希望においては相当すみやかに解決するのじゃないか、こう考えておる次第でございます。(拍手)
  25. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 内閣総理大臣鳩山一郎君から発言を求められております。これを許します。     〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
  26. 鳩山一郎

    国務大臣(鳩山一郎君) 先刻、今澄君の第四の質問に対して答弁をいたしませんで、失礼しました。その質問の要旨は、鈴木委員長と会談する用意があるかどうかということでありました。この問題は非常に重大問題でありまするから、鈴木委員長との会談は喜んでお迎えいたします。もし何かいい方法でもありましたらば教えていただきたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣河野一郎君登壇〕
  27. 河野一郎

    国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。  李ラインの問題を最初にお答えいたします。御承知の通りに、李承晩ラインとブルガーニン・ラインとは同様のものではございません。李承晩ラインは、韓国におきまして一方的に、その目的も、われわれとして水産漁業上明示なしにいたされたのでございます。一方、ブルガーニン・ラインの方は、これは鮭鱒その他魚族資源保持の目的をもって提唱せられましたので、これに対しては、わが方よりも主張すべき点を主張し、両国平等の立場に立って決定をいたしておりますことは、御承知の通りであります。ただ、ここにつけ加えさせていただきたいと思いますことは、一方、北洋は資本漁業であって、この以西の漁業につきましては零細漁業であるかのごとくに今澄さんはお述べになりましたが、これは、今澄さん御承知の通り、以西の底びきにいたしましても、北洋の漁業にいたしましても、いずれも、大洋漁業にしろ、日魯漁業、日本水産を初めといたしまして、すべての資本漁業から零細漁業一致して操業いたしておりますことは、御承知の通りであります。これらの漁業は、以東の漁業といい、以西の漁業といい、少しもそこに区別はないのでございまして、それを、山口県においでになる今澄さんからそういう御発言があることは、私ははなはだ心外でございます。(拍手)これにつきましては、日韓の間に、この問題について、魚族資源保護、それら両国水産の共同の目的のために会談をする先方に用意がありますならば、わが方においても当然これは話し合うべき問題と考えております。これは日中の間にいたしておりますことは同様でございます。  次に、留守家族に対する保護の問題でございますが、留守家族に対する保護の対策といたしましては、従来、給与保険加入者には、保険金、つまり一万五千円を出しておったのでありますが、この六月まで、見舞金は、未加入者には月一万円、一万円以下の低額保険加入者には、その一万円と一万五千円の中間をとって、その半分をやっておったことも、御承知の通りであります。ただし、この年末を控えて、これら家族の方がいろいろお困りの点もよく承知いたしておりますので、政府といたしましては、これらの方々に、見舞金、つまり差入金の補助金でありますとかというようなものについて、できるだけ一つ御便宜をはかるように、せっかく今話し合い中でございます。これらはいずれも年末までに実施するつもりでございます。  お答えいたします。(拍手)     〔国務大臣一萬田尚登君登壇〕
  28. 一萬田尚登

    国務大臣(一萬田尚登君) 韓国におる抑留漁民の留守家族に対する対策でありますが、これにつきましては、前回の例にならいまして、本年末におきましても、近く留守家族見舞金及び抑留者に対しまする差し入れに必要な予算措置を講ずる考えでおります。その時期はむろんできるだけ早くしたいと考えておりますし、なお、金額につきましては、目下農林省とも相談をいたしまして積算中でございます。(拍手)     〔政府委員高橋進太郎君登壇〕
  29. 高橋進太郎

    政府委員(高橋進太郎君) お答えいたします。  法務省といたしましても、日本人の漁民の抑留問題につきましては重大なる関心を持っておるものでございます。従って、大村問題につきましても、ただいま総理大臣並びに外務大臣から御答弁の通りでございまして、法務省といたしましては、外務省と緊密なる連絡をとり、その解決の方法に当りますとともに、一方、十分に国内治安をもあわせ考慮いたしまして善処いたし、国の総合的方針に準拠して処理いたしたいと存ずる次第であります。  なお、国籍処遇につきましては、外務大臣がお答えいたしました通り、日韓両国の円満なる解決のもとに妥当なる結論を得たいと存ずる次第であります。(拍手)      ――――◇―――――
  30. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  32. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。  特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員会理事石坂繁君。     ―――――――――――――     〔石坂繁君登壇〕
  33. 石坂繁

    ○石坂繁君 ただいま議題となりました特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  昨年本国会の承認を得ました原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定が効力を発生いたしまして以来、その細目協定として、政府は、茨城県東海村日本原子力研究所に設置される溶液型研究用原子炉使用するための濃縮ウランの賃借に関し、ワシントンにおいて米国政府交渉を行い、十一月二十三日、この協定の署名を了するに至った次第であります。  この協定におきましては、わが国は、二キログラムの同位元素U二三五を含む約十キログラムの濃縮ウラン、並びに、必要な追加量の濃縮ウランを米国の原子力委員会から賃借することになっております。賃借に関する費用としては、濃縮ウラン使用料、消耗料、濃縮度低下補償料等を原子力委員会に支払うことになっております。その他に、濃縮ウラン加工業者に支払う加工料、輸送料、梱包料または分析検査の費用等があります。その他、この協定は、濃縮ウランの引き渡し及び返還の手続、並びに、引き渡し後においてわが国が引き受けるべき責任等を定めております。また、この協定の存続期間は親協定と同様にすることにいたしております。  本件は、十一月二十四日外務委員会に付託されましたので、会議を開き、政府側の提案理由の説明を聞き、質疑を行い、さらに科学技術振興対策特別委員会との連合審査会を開き、審査いたしました。質疑応答の詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  続いて、十二月三日討論に入り、自由民主党を代表して須磨彌吉郎君及び日本社会党を代表して穗積七郎君からそれぞれ賛成の意を表明され、直ちに採決の結果、本件は全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)
  34. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  35. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。      ――――◇―――――
  36. 杉山元治郎

    副議長杉山元治郎君) 本日はこれにて散会いたします。     午後二時七分散会