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1956-12-13 第25回国会 衆議院 法務委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和三十一年十二月十三日(木曜日)     午前十一時二十三分開議  出席委員    委員長 高橋 禎一君    理事 池田 清志君 理事 椎名  隆君    理事 福井 盛太君 理事 猪俣 浩三君       小島 徹三君    小林かなえ君       林   博君    花村 四郎君       古島 義英君    松永  東君       横井 太郎君    佐竹 晴記君       吉田 賢一君    志賀 義雄君  出席国務大臣         法 務 大 臣 牧野 良三君  出席政府委員         内閣官房長官 田中 榮一君         警察庁長官   石井 榮三君         法務政務次官  高橋進太郎君         検     事         (刑事局長)  井本 臺吉君         法務事務官         (入国管理局         長)      内田 藤雄君         公安調査庁長官 藤井五一郎君  委員外の出席者         警  視  監         (警察庁警備部         長)      山口 喜雄君         法務事務官         (矯正局長)  渡部 善信君         検     事         (保護局長)  福原 忠男君         検     事         (公安調査庁調         査第二部長)  宮下 明義君         大蔵事務官   秋吉 良雄君         最高裁判所事務         総長      五鬼上堅磐君         判     事         (最高裁判所事         務総局総務局         長)      関根 小郷君         判     事         (最高裁判所事         務総局経理局         長)      岸上 康夫君         判     事         (最高裁判所事         務総局刑事局         長)      江里口清雄君         専  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  法務行政に関する件  裁判所司法行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 椎名隆

    ○椎名(隆)委員長代理 これより法務委員会を開会いたします。  本日は、委員長所要のため、理事の私が委員長の職務を行います。  本日は法務行政及び裁判所司法行政について調査を進めます。  この際お諮りいたします。すなわち、最高裁判所当局より出席して説明をいたしたいとの申し出がありますので、国会法第七十二条第二項の規定により、これを許可したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 椎名隆

    ○椎名(隆)委員長代理 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  それでは逐次質疑を許します。質疑の通告があります。これを許します。猪俣浩三君。
  4. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 私の質疑は裁判官、警察官の服務弛緩についてというのが中心でありますが、政府委員がおそろいでありませんので、法務大臣にちょっとその問題以外のことをお尋ねしておきたいと思います。  それは、今回の恩赦のことにつきまして、新聞の報ずるところによりまして、国民もわれわれも納得のいかぬ点があるのであります。それは、恩赦の範囲につきまして、どうも合理性を欠いているんじゃなかろうか。そこで、大臣にお尋ねいたしますが、今回は政治的な活動に対する恩赦をやるんだということであります。そのこと自身に一つ問題がありますが、もしそれならばそのように、そういう政治性を持った違反行為についての恩赦というなら、それで貫いてもらわないと、何かそこに不公平な問題が起きてくる。そこで、公職選挙法違反を恩赦の対象になさる。ところが、これは政治活動に関することであるという説明であります。それはそれでいいといたしましても、しからば、一方公務員の政治活動に関する問題はどうなさるのであるか、その点。  それから、いま一点お尋ねしたいことは、この前の恩赦のときには、政治資金規正法違反を恩赦の対象外になされた。そのときも違反が二件あった。一つは北海道の教職員組合の違反であります。これは私がちょうど弁護を頼まれてやっておりました。ところが、この北海道教職員組合の相当の人数の人が公職選挙法違反と政治資金規正法違反というふうに問われておりましたが、公職選挙法違反の方は恩赦になりましたからそのまま免訴になりました。しかるに、政治資金規正法恩赦の中へ入らないために、やはりその後ずっと裁判が継続しまして、現在第一審は無罪になりましたが、控訴で有罪になり、今上告中であります。それがあったわけでありまして、その際に、私は、何がゆえに政治資金規正違反を除外したかということを法務当局に説明を求めましたところが、法務当局の説明は、選挙法違反は選挙というものがあるときだけしか行われないから弊が少いけれども、政治資金規正法違反はきょうでもあすでも、これは日々行われる可能性のあるものである、そこで、思赦の対象にすることが前に漏れると弊害が生ずる、そういうような意味において、片方は季節的な行事みたいな形であり、片方は日々行われるものであるから思赦の対象にすることに不適当だという説明をなされたのであります。しかるに、今日この政治資金規正法をはずされました。そこで私は大臣にお聞きします。政治活動に関する恩赦という色彩をお持ちになるならば、今言ったように、公務員の政治活動、これに関するものはどうするのか。それから、この前政治資金規正法が除外されておりましたのを、今日それを対象になされた理由はどこにあるか。そうして、政治資金規正法違反というのは今何件あって、どういう事件でありますか、その御説明をいただきたい。
  5. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 恩赦の目標としまして、私はとりあえず選挙法並びにこれに関係する事件というものをあげてみたのでありますが、まだ決定いたしておりません。これは、私は、あんまり偏狭に小さくしないで、皆さんとともに、御意見を聞いて、これは入れるが適当であるというようなものはできるだけ入れるがいい。大へん人を許すということにやぶさかな世論がありますが、それは古い意見でありまして、新しい観念から言えば、刑罰法令というものは人を牢へ入れるためにあるのではなくて、許し改めしむるということが主だと思いますから、私は偏狭な考えは持たないがいいと思っております。でありますから、皆さんとともにこういうものはこの機会において範囲に入れて、社会を、心持ちを一新せしめて、刑に関係ある者を発憤興起せしめて、時局に対して反省、覚醒させるということに役立つものは、皆さんとともに私は包含せしめる方針をとりたいと思っておりまして、事務的に差しつかえのない限りそれを行いたいと思って、今研究を続けております。  第二の、政治資金規正法の方の問題は、この前なぜ入れてなかったのかと問いましたところが、なぜ入れないのかという御意見が盛んにございました、それはそうですよ、一連の事案だと思いますというので、今回は入れるのが適当だと思うと言って今閣議に問い、世論にも問うておる次第でございます。  どういう事件があるかということは、私は具体的事件のことは全然存じません。そのことは、幸い政府委員が参っておりますから、刑事局長よりお答えできる範囲はお答えをしていただくことにいたします。
  6. 井本臺吉

    ○井本政府委員 現在未確定中のものは、ただいまお尋ねの北教組関係の事件が一件二人、いま一件は佐藤榮作氏の事件が一件、合計三人の事件が係属しております。
  7. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、件数としては二件であって、一つは北教組の事件、もう一つは佐藤榮作氏の事件。北教組は、すでにこの前の恩赦のときに、先ほど私申しましたように対象にならなかった。そのときは人数がもっと多かったけれども、今上告は二人に減ったのであります。今一件は佐藤榮作氏の事件、これは指揮権発動であまりにも有名であります。今回政府がこの前やらなかった政治資金規正法恩赦の対象にしたのは佐藤榮作氏救済のためだ、こう巷間説をなすものがありますが、さような説をなす際に、一体ことさら二件しかないものに政治資金規正法をお入れなさる――これはたくさんあるならば相当恩赦の恩恵に浴する者が出てきましょうが、二つしかない。そして一つは有名な事件です。どうもその辺に法務省あるいは内閣についてかれこれ言われる点が残る。この前もやらなかったのだから、場合によっては今回もやらぬでもいいのじゃなかろうか。この前政治資金規正法恩赦の対象にしないという理由があるならば、今回もその理由が存続しているはずだと思う。法務大臣は佐藤榮作氏のことを眼中に置かれてかような政治資金規正法を持ち出した、――たった二件しかない。そこにはなはだ世間の疑惑を生みます。それに対するあなたの所信を聞きたいことと、先ほど私が申し上げました国家公務員の政治活動に対して、これは恩赦の範囲にするのかしないのか。これこそ政治活動なんです。今回の恩赦の理由が政治活動に関する恩赦ということをあなたは最初から言っていらっゃる。それを私どもかれこれ言うのではありませんが、それならそれで一貫してもらいませんと、今言ったように、今まで入れなかった政治資金規正法を突如として入れた、そうしてこれには佐藤榮作氏がたった二件のうちの一件として存在しておる、しかるに一方公務員の政治活動に対する違反事件を――これは全く政治活動なんです。それは一体どうなるのか。もしそれを一貫しませんと、ここに実に恩赦というものが合理性を欠く。不公平なはなはだ手前勝手なやり方だと言われるならば、これこそ重大なことであります。恩赦というような国家刑罰権を消滅せしめるような大事件、そうして三権分立から言っても大なる行政行為と見なければならぬ。裁判権、公訴権一切を消滅せしめるというような、行政権に基く発動としては三権分立の精神からどうかと思われるくらいの大きな事件であります。さようなことを、不公平、不合理、さような印象を与えるようなことでなされては、私はこれはおさまらぬと考えます。それに対する法務大臣の所信をお尋ねします。
  8. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 全く同感でございます。不合理、不公平なことをしてはなりません。だから、今、しばらく耳を世論にかして、調査いたしております。  第二の、佐藤榮作君を顧慮して私がこんなものを入れたのではございません。世間というものは案外偏狭なもので、まことにいやな裏ばかりのぞくものでございます。私にはさような私心はございません。閣議の席上でもそのことが話題になったことはございません。法務省の省議でもさようなことが問題になったことはございませんことをはっきり申し上げて、世論というものは案外いやしいところへのぞくものである、そうして、そういうことを問題にすることは私は顧慮したくないということを申し上げます。  公務員に関する問題につきましては、十分考慮すべき余地があると存じます。私はどの程度までどうしたらいいかということをただいま考えておりますが、事務的の取扱いとあわせて遺憾のないことを期したいと思っております。実際私は、こんな機会に、許す範囲は、できるだけ皆さんが納得する範囲は、これは入れた方がいいと思うのであります。さよう御了承を請います。
  9. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 まことに大臣の言葉はりっぱであると思いまするが、そういう御精神ならば、この前の恩赦のときに政治資金規定法を入れなかった理由、及び今回それを入れるようになった理由を明らかにしていただきたい。それが明らかになりませんと、何か特定の人物を頭に置いてやったような印象を与えます。この前私どもは言ったのです。何ゆえにこの政治資金規正法を入れなかったのかと、ずいぶんあれしたのを、とうとうとして当局は説明なさった。一体その理由が今でも存在するのかしないのか、そういう心配がなくなったというのであるのかどうか、今回何がゆえにこの政治資金規正法を取り上げたか、そういう理由をもっと明らかにしていただきたいことと、なおあなたに念を押しておきますが、今あなたの御説明でわかりましたけれども、いわゆる国家公務員の政治活動違反として処罰せられております者、あるいは公訴権を実行されておる者については考慮を払っていただけるのかどうか、もう一ぺん御説明いただきたい。
  10. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 重ねて御答弁をいたしまする。政治資金規正法に関しましては、私の発案でございます。そして、それには、この前になぜ入れないかというときの質問にはすこぶる合理性があるじゃないか、包含せしむるが当然だということを私が述べました。もし違っておるところがあれば、現大臣の見識の存するところと御了承を願います。  第二の国家公務員法に関する事項は、実はほんとうのことを申し上げますと、一週間前から私は苦慮しております。それの適用範囲をどうしたらよいかということをほんとうに考えておりますので、実はこの点は法制局長官にも法制的に一つ研究して下さらぬかと言ってやっておるようなわけで、できるだけ皆様の心持には沿わんことを期しておるわけで、その点には案外私心のないことの御理解を賜わりたいと存じます。
  11. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 私、これで中断いたします。
  12. 椎名隆

    ○椎名(隆)委員長代理 吉田賢一君。
  13. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと先に田中官房副長官に聞きます。私の聞きますのは売春に関する問題であります。  第一に伺っておきたいのは、昭和三十二年度の売春に関する各省庁の予算の概況をまず数字で御説明願いたい。
  14. 田中榮一

    ○田中政府委員 それでは概数だけを申し上げます。  昭和三十二年度要求額は十一億八千三百二十六万二千円となっております。総理府関係が百二十一万六千円、厚生省関係が六億九千九百七万九千円、労働省関係が九千七百九十四万四千円、警察庁関係が一億八百四十七万円、法務省関係が二億七千十六万一千円、最高裁判所関係が六百三十九万二千円、以上締めまして十一億八千三百二十六万二千円、こういう数字になります。
  15. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 内閣は、もちろん、この少額の予算でありますから、全額通すものと思いますが、これは格段の努力をお願いいたしておきます。  転じまして官房副長官に伺いますが、本年九月七日付売春対策審議会会長菅原通済名儀で、内閣総理大臣に対して、売春防止法の円滑な施行を期するための行政措置についての答申がなされております。申し上げるまでもなく、この保護更生施設は三十二年四月から実施されることになり、保護更生に対する各般の地方の施設あるいはこれの準備につきましては、たとえば宣伝普及であるとか、その他準備事項もあることであります。こういうことに伴いまして行政措置がすみやかに実施の態勢を整えるということは、利害関係者のみならず、この法律が不完全であればあるほどこういった行政措置がすみやかに実施されることを期待しておるのであります。この行政措置要綱は、申し上げるまでもございませんが、大体において妥当であります。売春防止法の趣旨普及の徹底に関する件、あるいは保護更生の強化の件、あるいは関係業者の転廃の促進方の措置、あるいは取締りの適正化、あるいは転廃の保護更生措置の強化、あるいは連絡の強化等々、大体においてその内容は適切であります。そこで、三カ月以上過ぎ去っておりますが、いまだこれが政府において逃げられておる。こういうことは実に遺憾であります。これはどういう理由に基くものでありますか、その点明快に御答弁願っておきたい。
  16. 田中榮一

    ○田中政府委員 売春対策審議会会長の菅原通済氏から、本年九月七日付をもちまして、政府に向って、売春防止法の円滑な施行を期するための行政措置についてという答申が出ております。この答申に基きまして政府といたしましては、関係官庁の連絡会議を数回開きまして行政措置要綱なるものを作りまして、またさらに、念のために、連絡の意味を兼ねまして売春対策審議会の審議をお願いいたしまして、この政府の行政措置要綱の内容につきまして一応御検討願いまして、それをまた一応次官会議の議にかけまして、実は内閣の方にこれを報告するために持ち出したのでありますが、まだ、内部におきまして、内容について党との連絡も十分についてないようであるから、党との連絡を十分につけてなお一つ検討してもらったらどうかという御意見もございましたので、その御意見に基きまして党の方にも持って参りまして、いろいろ御検討を願っておったのでございます。その行政措置要綱の前段の部分と申しますか、いわゆる保護更生に関することにつきましては、すでに現在厚生省なり労働省その他関係省におきまして予算化されて実施をいたしておる分についての行政措置要綱でございまして、これについては別に問題はないわけでございます。ただ、問題になりますのは、業者の転廃業についての政府の行政措置要綱についてでありまして、今回の行政措置要綱の中に転廃業のことも相当解しく出ておるけれども、政府としていま少し親心を持って一つ業者の転廃がスムーズにいくようにできるだけのことをそこに並べたらどうだろうかというような御意見もあり、また、一面におきましては、むしろそうした具体的なことは書かずに、なるべく実際の運営指導によってこれをやった方がいいのではないか等、この問題が重要な問題であるだけにいろいろ多方面の意見があるわけであります。さような関係で、各方面の御意見を徴しまして、最近ようやく意見がまとまりまして政府の方へ参りましたので、また関係官庁の連絡会議を開きまして、さらにもう一回念のために関係官庁の意見を徴しまして、早急に行政措置要綱としてこれを発効するようにいたしたい、かように今努力いたしております。  こうした途中における各方面のいろいろな意見を尊重いたしまして、なるべく政府としては業者の転廃業がスムーズにいくようにという気持から、いろいろ慎重に措置をいたしましたために、非常に時日が遷延いたしましておくれたことはまことに申しわけないと思いまするが、これも、とりもなおさず、業者の転廃業をスムーズにやっていきたい、こういう気持からおくれたわけでありまして、その点は何とぞ御了承願いたいと思います。
  17. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 たとえば、業者が転廃業をする決意をしてこれを事実上行うにいたしましても、阻止する勢力が働いておるとか、あるいは転廃するならば国家補償をとってやるとか、あるいはこの法律の延期運動をするならばさらに実施が延期になるとか、そういった風説が流布せられて、そして国会及び官庁方面でもそういった運動勢力がかなり浸透しておるということも流布されておるのであります。そうでなければ幸いでありますけれども、そういうような中で数カ月もこれをたなざらしにしておくということはもってのほかのことだと思います。業者が転廃するについて国家補償でもするというような意見でも出ておるのですか、もしくは特別の融資対象にするというような意見でも出ておるのですか。具体的にはどういうことが問題点なのでありますか。簡単にしておきますから、要点だけでよろしいです。     〔椎名(隆)委員長代理退席、委員長着席〕
  18. 田中榮一

    ○田中政府委員 現在業者の間にはいろいろな風説が流布されておりますが、転廃業に対して政府が何とか金を出してくれないかというような声があるようでございます。政府としましては、これらの業態の転廃業というそのために特に資金を融通するということは非常に困難であります。しかし、これが転廃業をしてからさらにいわゆる中小企業として健全なる運営をしていとうという業態に対しましては、資金の融通はもちろん可能でございますが、業者の中には政府自体が何かこのために特別に助成金でも出してくれるのではないかというような考えを持っている向きがございますが、それらに対しましては、私どもとしましては、絶対にそういうことはあり得ないからということは十分に申し伝えて、誤まりなきを期しておる次第であります。現在のところはそういう点がおもなるものではないかと思います。  それから、もう一つは、三十二年三月末日で一応この業態はやめることになるのだが、場合によってはこれがまた延期されるのではないか、かような一縷の望みを持っておられた者もあるようであります。これらに対しては、政府としては絶対にそういうことはないからということを強調いたしまして、誤まりなきを期しておる次第でございます。
  19. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと法務大臣に聞いておきますが、これはあなたも非常な希望と決意を持って手をつけられた法律でありますが、とかく、この法律ができまして以来、何とかして逆転をさそうという運動が実は相当熾烈にあるのであります。私が持っておるこの材料だけでも、いろいろ新聞等にも出ておるのであります。そこで、やはりこの際、各党派から選んで、学識経験者を選んでできた売春対策審議会が満場一致政府に答申したものを、さらに別個の利害関係の立場から検討するというような余地があったら、これは大へんであります。各官庁間の意見よりも審議会の意見を尊重するということが内閣の大きな方針でなければならぬのであります。一たん審議会において権威あるものができて、それをまたあちらの官庁でいじくり、こちらの官庁の意見を聞き、こちらの政党の意見を聞き、こちらの利害関係者の意見を聞くということは、これは大きな禍根を残すことになる。やはり閣僚といたしましては、閣議で決定いたしましたあなたのお立場といたしましては、やはりそういうようなことでこれが遷延するということは実に遺憾なことであります。みんな政府がこの法律をどうしてしまうのだろうかということさえ疑う面さえあるのであります。閣僚としましては、相当な決意を持って、この行政措置法は多くいじくることなく実施するようにされることが、私は至当だと思いますが、御所見いかがですか。
  20. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 私、大へんその点遺憾に思いますのは、売春禁止の運動をされる人は疑い深いと思う。それは反対運動のあるのは当然でしょう。この長いうち、日本で売春なんというものが公然と行われている。だから、方針をきめればそれをやる。裏からいろいろな運動があるということにあまり頭を使って、いろいろ疑ったりくどいことをなさるということは、かえって刺激しているようなんだな。だから、私たちの生一本な態度と同時に、あまり極端な生一本みたいな態度でやっているのは従来の因襲をあまりにも無視する無情なやり方じゃないかと言ってこられるのは、これは当りまえだと思って、それに動かされないというところへきて、あまりこれをくどくゆすぶらない方がまっすぐにいくゆえんだと私は思っております。そして当局は信念を持ってやっておりますが、運動はあります。えらいありますが、それもあまり運動する人をわきからやかましいことをおっしゃらない方が、私はいいのじゃないかと思っていますがね。ちょっとこれは急進論者が気にし過ぎているね。
  21. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは逆なんです。私の言うのは、各党から代表者を出して、そして見識を有する学識経験者を出して、せっかく審議会を作って満場一致で可決して、数カ月もあちらこちらの運動の声を聞きながらいじくるということはよくありません、こう言っているのです。あなたのおっしゃっているのは逆なんです。それは内閣としましては反省しなさいと言っているのです。何も生一本というのじゃなしに、衆知を集めてこれができて、不満足ですけれども、まあまあというところが出ておりますから、まあまあならばどんどんおやりなさい、こういう趣旨なんですよ。そういうことを言っておるのであります。こっちが気にし過ぎるというよりも、世論を気にし過ぎて、左顧右眄し過ぎて数カ月もほうっておくのはいかぬ、こう言っているのです。
  22. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 よくわかりました。あなたの心持のように進んでおります。また進めます。
  23. 高橋禎一

    ○高橋委員長 佐竹君。
  24. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 それでは警察庁にお尋ねいたします。石井長官お見えでなければ、山口警備部長からお答え願います。  国鉄の第五波職場大会が行われた本年十二月七日、宮城県新松島駅と松ヶ沢駅の大会において、塩釜警察署巡査が、産業経済の渡辺という新聞記者と称してもぐり込んで内偵をいたしております。当時その際にはそのことがわかりませんでした。ところが、翌八日に現地の検証が行われた際に、その前日渡辺という記者と称して参っておりました老齢、今度は巡査として臨席をいたしておりました。よって取調べをいたしましたところ、阿部という巡査であることがわかりました。そこで、お尋ねをいたしておきたいことは、第一に、このような事実を警察庁としては確認なさるかどうか。第二には、警察官新聞記者と詐称して労働組合の内部にもぐり込んで内偵をするというがごときは警察庁の方針であるかどうか。まずこの二点についてお尋ねをいたします。
  25. 山口喜雄

    ○山口説明員 新聞記者と詐称して組合の中に入って情報をとるというようなことをやらせる方針はとっておりません。お話になりました点は、この前の国鉄の闘争の際に新松島駅の方面でピケを張りまして、列車のポイントの操作ができないように組合員がいたしたのであります。そこで、阿部という巡査は、陸前山王駅の方に配置をされておったのでありますが、午前十時ごろ、新松島駅の情勢が悪くなったというので、署からの命令によって新松島駅の方に向ったのであります。そのときに、途中塩釜駅から乗車をした河北新報社の塩釜通信部員の小池という記者と同乗して、この新松島駅に着いておるのであります。そうして、本人は、この新松島駅の事務室におきまして組合側の幹部と記者団が会見を行いました際に同席をいたしております。その同席をいたしております際に、産業経済新聞鉛筆を持ってメモをしておったことは事実でございます。ところが、これを見ました組合幹部が早合点をいたしまして、あなたはだれですか、産経の方ですか、産経さんには今度はずいぶんたたかれましたからというようなことを話じかけたのでありますが、警察官は、これに対して、産業経済の者であるというような返答は全くいたしておらないのであります。黙って約三分間くらいその場におりまして立ち去ったのであります。従って、産業経済新聞のこれこれであるというようなことを言いましてそういう会合の席に同席をいたしたのではございません。大体以上の通りであります。
  26. 佐竹晴記

    ○佐竹(晴)委員 本日は、時間の関係で、私は五分くらいで済むことをお約束の上に質問を始めたのでありますから、多くの時間を費すととは遠慮いたしますが、事実は相当に違っておるようであります。事実産経の新聞記者と詐称してもぐり込んだ事実があるようであります。従いまして、いま少しく資料をもってお尋ねをいたしたいのでありますが、時間の関係で本日はいたしません。が、いま少しく立ち入って一つお調べを願っておきたい。と同時に、この際一点申し上げておきたいことは、塩釜警察は実にひどいということが一般の定評になっております。塩釜警察といえばひどい警察だということが一般の批評になっておる。従いまして、塩釜警察全体のやり方について、警察庁としてはどうごらんになっておるか。今日まで何の批評も受けるような関係にはない、りっぱなものであるということをはっきり言明することができますか、あるいは、今日までの世評のごとくいろいろと批判されるような事態があるかもわからぬということであったならば、警察本庁として、塩釜警察の行き過ぎた行動に対して相当取締りをなさる、つまり本庁として相当監督をなさる御意向はないのであるかどうか、この点をいま一点お尋ねいたしたい。
  27. 山口喜雄

    ○山口説明員 塩釜警察署につきまして、どういう点を御指摘になっておられますか、はっきりわかりませんが、私といたしましては別段伺っておりません。しかし、いろいろの問題があるというように御指摘になりましたので、私どもといたしましてもよく調査をいたしたいと思います。もし何か間違った点、行き過ぎ等の点がありますれば、これは直接われわれの方で命令をして直すというわけのものではございませんが、本部長に対しまして、そういう問題を訂正するように私の方で指示をいたしたい、かように思います。
  28. 高橋禎一

    ○高橋委員長 志賀義雄君。
  29. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 石井警察庁長官が、この前お願いしておきましたのに来ておられませんから、その前に若干法務大臣にお伺いしたいと思います。  先ほど大赦の問題について法務大臣が言われましたが、やはりどうも範囲が少し狭過ぎるどころか、あべこべになっておるようであります。けさの朝日新聞の論説はお読みになりましたか。
  30. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 読みました。
  31. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 「厚顔無恥な恩赦案」とあります。あんな破廉恥罪をやるようならば、メーデー事件の被告、あの青年たち、職にもつけないような青年たちをやればよろしい。大体明治以来の大赦の例を見ましても、ここに写真の出ている星亨、これなどは、いわゆるその当時国事犯としてまっ先に大赦を受けておる部類であります。ところが、そういう時の政府のやり方、ことにアメリカが占領しておる事態のもとでいろいろと問題が起って曲る、そういうものが第一に政治関係といわれるならば取り上げらるべきであります。そういう事件が非常に多いのであります。ところが、サンフシラスコ条約の成立したときの大赦でも、併合罪あるいは爆発物取締り、列車転覆というような名義でもって、そういう政治犯がみんな省かれております。メーデー事件なんか、検察庁はあとからあとから証人を追加しておって、今の調子でやると一審履けでも四十年もかかるそうであります。その間就職もできなくて宙ぶらりんになっております。そもそも選挙法違反というものは、ことにその中の買収によるもの、あるいは政治資金規正法などというものは、やはり金銭の授受に関するものであり、決していわゆる名誉犯としての政治犯ではございません。朝日新聞の論説に言っておるように、最も悪質な破廉恥罪になるのであります。こういうものを先にやっておいて、青年が純真な動機からやったような事件、そういうものを除外されるということになると、これは大赦というものの悪用であり堕落になります。明治以来の大赦の中で、今度法務大臣の案として新聞に伝えられるものくらいその点で本末を転倒したものはございません。この前、世論を聞いて入れると言われた。ところが、きょうは、世論というものは人の裏をのぞく卑しいものだ――。世論というものは卑しいものだから、そのものは聞かないということにもなりかねません。先日は世論に聞くと言われておる。この点は法務大臣どうですか。
  32. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 十分世論に聞いて考慮いたしたいと思っておりますが、今朝の朝日新聞の社説のごときものを問題にされるのは心外であります。ああいうものには従いません。私は、人は許すべきものである、そして許す法条が広きに失するときには、これを弊害のないように狭くすべきであると思う。それには公正の取扱いにおいてどうしたらよいかという苦心、努力に日を重ねております。人を許すことに対して、偏狭に、むやみにはなはだ人身攻撃にわたる言葉をもって批判する社説等に対しては、私は傾聴の価値なしと信じます。しこうして、お説の通りに、恩赦というものはなるべく広く、もう事情の許す限りは広くやらなければいかぬという考えをもちまして関係当局とは議論を進めております。その点は御同情をいただきたい。
  33. 高橋禎一

    ○高橋委員長 志賀君に申し上げますが、先ほどの理事会の申し合せの趣旨に従って御発言願います。
  34. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 ただし、石井警察庁長官が来ないとすれば、それは私の責任ではありませんから、委員長もその点は考慮していただきたい。  そこで、法務大臣、ちょっと論点をごまかしてはおられませんか。広く大赦を断行せよということは、私どもの新聞の「アカハタ」でも主張しております。ただ、広くやるべきところにやらずに、あなたは狭く出されるから、問題が起るのです。しかも、そういうふうに破廉恥罪というような疑いを持たれるところがまつ先に出てくるから、問題になるのです。松川事件にしたって、先日あなたにも写真を上げておきましたけれども、菅生事件にしても、第一審で、大体全然関係のない人間が、警察官がやったのにほかの人が十年の判決を受けておる。そういう点を十分考慮していただきたい。なお、今は昔と違いまして恩赦は憲法第七十三条によりまして閣議事務として決定できることであります。従って、この次に閣議として決定される場合には、思い切って広げていただきたい。そのことをお願いします。また、第一回の閣議決定でできなければ、あとで範囲を追加してもよろしいのであります。そういうふうに一つやっていただきたい。その点だけを伺っておきます。
  35. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 その点については、私はほんとうに御意見同感でございます。何とかして事情の許す限りはさような方針を貫きたいと、今なお苦心いたしております。
  36. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 石井警察庁長官が来ておられないので、山口警備部長に伺います。  菅生事件の真犯人として、被告及び弁護人の方から、当時市木春秋という警察官、本名は戸高公徳でありますが、それが真犯人であるということを言った。その犯人の移ったところを追跡しますと、警察大学と同じ番地におるのでありますが、この戸高公徳という者が現職の警察官であったということ、それからまた、それが警察大学と同じ番地にいたというようなことは、お調べになりましたかどうか、その点をお尋ねします。
  37. 山口喜雄

    ○山口説明員 この前の法務委員会でそういう趣旨の御発言がありましたので、大分県の方に照会いたしましたが、昭和二十七年の六月三十日まで警察官であったのであります。それから、第二点の、警察大学校の中に住んでおったとかいうことにつきましては、そういうことをおっしゃったということで私の方も調べましたら、全然心当りは、ございません。
  38. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 その戸高公徳という者は、警察大学にいないとしても、それが真犯人として被告人及び弁護人の方から出ておりますが、そういう嫌疑がある場合には警察としては調べるべきものと思いますが、何らかそこで処置をとられましたか。
  39. 山口喜雄

    ○山口説明員 御承知のように、この問題は目下公判にかかっておる事件でありまして、公判におきまして今後事実もはっきりされて参ると思うのであります。戸高が真犯人であるというように断定されてお話を進めておられるようでありますが、私は、この交番を爆破しました事件の真犯人であるとは考えておりません。当時市木春秋という者につきましていろいろと話が出ましたので、そういう面につき産しても捜査をいたしたのであります。事件は御承知のように現行犯逮捕で、現場で逮捕いたしておるのであります。事情等もはっきりいたしておると思うのであります。従いまして、今後公判においてはっきりすることを私どもも期待をいたしておるのであります。なお、その後の戸高の住所について探しておるかというお話でございますが、いわゆる警察の捜査という意味でなくして、どこに行ったかということは、われわれも探したい、かように考えております。
  40. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 現場におった者を逮捕する、市木公徳は現場におったのですよ。そうして、警察の車に乗せられておったのを、一緒に逮捕され、そうして罪を塗りつけられている人が見ておるのですよ。どこへ連れていきましたか。その点の報告がありますか。
  41. 山口喜雄

    ○山口説明員 どこへ連れていったかという御質問でありますが、(志賀(義)委員「隠したんでしょう」と呼ぶ)当時現行犯として交番を爆破しました者を二名その場で現認しまして逮捕したのであります。それ以外の者につきましてもいろいろと捜査をいたしたのでありますが、はっきりと犯罪に関係のあると思われます者あと五名ほど、これは事件として送致いたしております。(志賀(義)委員「市木をどこへ連れていったんですか」と呼ぶ)従って、警察が連れていって逃がしたというようなことはございません。
  42. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 あなた方は警察官であるから警察のことはよく御存じでしょうが、そこにあらかじめ警官を配置し、ダイナマイトをほうり込んだというところの警察官とその細君とちゃんと準備をして待っておったのです。警察というものはそういうでっち上げの事件を起してつかまえることが目的なのか、それとも、そういう犯罪が起らないようにあらかじめ予防するのが目的か。その場の状況をいろいろ判断してみますと、明らかに作り上げて、肝心の市木公徳は警察の車でどっかへ連れていってしまった。そうして全然関係のない者をつかまえておるのでしょう。どちらです。事件があると感じたときにはあらかじめ予防するのか、警察官にダイナマイトをほうり込ませておいて、でっち上げてつかまえるのが目的か、どちらか、それを言って下さい。
  43. 山口喜雄

    ○山口説明員 これはもうお答えするまでもなく、警察は犯罪を予防しあるいは犯罪を検挙するのが職責でございます。従いまして、事件を起してほかの者をつかまえるというようなことは、われわれは毛頭考えておりません。そういう事実もございません。
  44. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 毛頭ないのに、そういう事実が起っているのですよ。  そこで、石井長官が来られましたからお尋ねいたしますが、警察庁長官の所管に、共産党にスパイをもぐり込ませるために工作学校というのがありますな。工作学校というのがありますかどうか、その点をお答え願いたい。
  45. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 お答えをいたします前におわびを申し上げます。本日定例の国家公安委員会がございまして、私、いろいろ説明を申し上げる関係上、当委員会に出席がおくれましたことをおわび申し上げます。  ただいまお尋ねの、共産党に警察官をもぐり込ませるための工作学校があるかというお尋ねでございますが、そうしたものはございません。
  46. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 そうですが。なければ私の方から教えてあげます。警察大学と同じ番地にちょっとした民家があります。そこの上と下を使って工作学校をやっておるのです。警察庁長官がそれを御存じないとすればはなはだうかつ千万で、予算が何か不正の手段で使われておるか、あるいは知っておってそれをごまかされておるか、どちらかということになるのであります。そこに戸高公徳という者がおったのであります。そういうふうに教えますから、山口警備部長は一つそこをよく捜査してみたらどうですか。そこにはおりませんよ、逃げて行方をくらませております。よく警察官はクロだといってホシをつけてやって、あとで間違うこともある。それくらい範囲を広げてもやる。ここに警察の車に乗せて現場から警察が連れていった真犯人はほったらかしておるでしょう。しかも、事実はありません、こう言うのです。裁判所において今裁判中だからその結果を待つと言われるが、そのことは先日井本刑事局長も言われたのでありますけれども、この事件については、現にその市木という者が書いた脅迫状が前もって駐在所にほうり込まれておる。それが今第二審で――重要な証拠書類押収第七号になっておりますが、それを出せと言ったところが、ないと言っておる。裁判所の方からそれを請求しておる。現に裁判の進行中に、これが今懲役十年、八年その他の刑を受けた者が無罪であるということを証明される一つの文書である。というのは、この市木が入党申し込みをしておって、こちらで調べたら本籍地にそういう者はいないというので留保しておった。その書類もありますが、脅迫状と筆跡が同じなら、いよいよもって市木が真犯人であると推定される理由が確かめられる。そういうことがあるのですが、現に裁判が進行中だから待っておるというのは、この真犯人と推定される者を今裁判では除外されております。結局あなた方は、現在無実の罪に置かれておる者が裁判を受け、市木を出せばはっきりするものを、出さないで裁判の公正な進行を妨げておる。これは警察でできることじゃありませんか。市木春秋を調べたらやはり現職の警察官である。  そこで、私は伺いますが、現職の警察官がそこにある製材所に勤めておったのです。勤めたのが三月なんです。初めは警察もそういう者はいなかったと言っております。あなたは六月三十日で退職したと言いますが、現職の警察官が普通の民間の経営である製材所の会計係として就職することを許しておりますか。その点を伺いたい。
  47. 山口喜雄

    ○山口説明員 私にはちょっと考えられません。
  48. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 考えられないようなことをやっておるじゃありませんか。だから、これは警察が仕組んだことなんですよ。あらかじめもぐらせて、市木という男を極悪の犯人として――私はこれだけに責任を持たせるのではありません。こういうことをやらせておる警察上部機構に責任があるということです。市木のお母さんは六十過ぎて自分一人でもって農地を耕やして暮しておるのです。そういう状況ですよ。この男だっていい迷惑です。  そこで、井本刑事局長にお伺いしたいと思うのですが、検察庁に指示して裁判所から請求しておる押収第七号という市木春秋の書いた脅迫状を出すことについて、これは裁判の進行を公正に進めるのに非常に重要な問題でありますから、その点は何か処置をとられましたか、答弁を求めます。
  49. 井本臺吉

    ○井本政府委員 お話しの文書につきましては、所轄の大分地方検察庁に取調べを命じてございます。現在までわかりましたところでは、検察官の領置証書があるので、確かに一度押えたことははっきりしておりますが、その後この文書がどこに行っておるか、はっきりしておりませんので、その文書の所在につきまして目下厳重に取り調べ中でございます。
  50. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 裁判記録を見ますと、検察庁の取調べの中に確かにこの脅迫状というものが出ているのですよ。だから、検察官の手に入っていることは確かなんです。それが今行方不明なんて、こんなばかな検察庁の仕事がありますか。あなたは厳重に調査中というならばいいが、きょうでこの臨時国会は終りますから、ぜひそういうふうにやっていただきたい。  それから、石井長官にお尋ねしますが、写真というものは真犯人の嫌疑があると非常に有力な証拠物件になりますね。その点をお伺いしておきたい。
  51. 石井榮三

    ○石井(榮)政府委員 写真が有力な証拠物件であることは御説の通りであります。
  52. 志賀義雄

    ○志賀(義)委員 では、ここに市木春秋の結婚のときの写真があります。これを警察庁長官にお渡し下さい。これで調べて下さい。ごまかしてはだめですよ。工作学校があることを、警察庁長官、ごまかしてどうなりますか。こっちはちゃんと調べてあるんだ。今に警察庁の予算も調べますよ。時間が来ましたから、通常国会にまたやります。
  53. 高橋禎一

    ○高橋委員長 猪俣浩三君。
  54. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 ちょっと私、法務大臣にお尋ねいたしますが、いつぞや本委員会で問題になりました霊友会という新興宗教団体がある。この霊友会の教祖と称せられる小谷喜美という人物がいろいろな犯罪を犯して起訴されて、裁判中であることは御承知の通りであります。ところが、大臣、裁判中に法務省からこの霊友会に対して寄付を求めたことがあるのかないのか。そして、その寄付を求めたのは法務省の所管になっておりまする中央更生保護審査会康済会というものが金を受け取って、受け取りが出ておる。かようなことを法務大臣は御存じであるかないか。今裁判中なんです。そういうものから法務省が寄付金を取る。厚生省も実にけしからぬことをやっています。また文部省の事務官が収賄したといって今問題になっておる。新興宗教というものの悪徳を私どもは強くついておるにもかかわらず、文部省からそういう役人が出ておる。また、先般私を教会から除名せよといって運動して歩いた文部省の事務官がおる。この問題もまだ結末をつけていない。そういう際に、今度は元締めの法務省がこういう宗教団体から寄付金を取っておる。こういうことがありとすると、われわれはなはだ不審にたえないのですが、そういう事実があるかないか。
  55. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 全く思いもよらぬ事実の御指摘を受けました。全然存じませんが、取り調べの上に御返事申し上げたいと存じます。
  56. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 あなたの取り調べの都合上、私はもう少し具体的に申します。百万円の金を受け取っておる。しかも、去年の十二月に五十万円、本年の一月に五十万円、二度にわたって受けておる。受取証が出ております。私は今この事実を知ったので予告をしておりませんでしたが、これは厳重にお調べが願いたい。そうして、かようなことを一体ほかの団体にも、刑事被告人に寄付を申し込むようなことをやっておるのか。これは許すべからざることだと思う。法務省がこれに関係しておるのかいないのか。私どものところに詳細な報告が来ております。これを御調査願いたい。  それから、次に、大臣には先ほど陳情の文書をお渡ししておきましたが、これは在日華僑十二名に対してあなたの名前で退去命令が出ておる。この事情につきましてお尋ねしたい。なお、前提として申し上げますが、この在日華僑十二名の人たちは実に長い間日本におられて、張さんなんという人は七十二才の人ですが、日本で生まれて日本人を妻にしておる人です。すべての財産が日本にある。また、ある人は、戦争中日本陸軍大尉であった、それでシナ本国で戦って帰還された人で、台湾生まれの人です。二十年の間日本におり、日本人を妻として、すべての生活の本拠は日本にある。こういう方々ばかりなんです。これに退去命令を出しておる。非常識きわまるものだと私は思う。そこで、いかなる理由で退去命令を出したか、それを御説明いただきたい。入管局長でもよろしゅうございます。
  57. 内田藤雄

    ○内田政府委員 この事件は、ここにもいろいろ事実が書いてございますが、在日華僑の一部の人がマカオへ行って帰りたいということが話の発端でございまして、これにつきまして多少曲折はございましたが、結局われわれの方で再入国の許可を出したわけでございます。ただ、その際に、マカオに商業視察で行くということでございますので、その目的の範囲を逸脱しないこと及び他の地域に行かないということの誓約書を取りまして、その条件を守っていただくということで再入国許可を出したわけでございます。ところが、その後に至りまして、現地からの報告によりますと、中共地区へおもむいたということでございましたので、その情報が確実であるかどうかというようなことにつきまして、多少の時間を経過いたしましたが、大体それが間違いないということでございましたので、われわれといたしましては、条件違反を理由にその再入国許可取消した次第でございます。この問題の背景には、もちろん中国との交通をどういうふうにすべきであるかとか、また、実質的、外交的に見ましたいろいろの問題がございますし、また、従いまして、そういう政治論的なことにつきましてはおのおの立場によっていろいろな意見があり得ると考えております。私どもといたしましても、ここにいろいろ主張せられておりますことが直ちに不当であるというようなことは考えておりません。しかしながら、御承知のごとく、台湾との関係とか、この問題につきましてはいろいろデリケートな事情もございますので、われわれといたしましては、それらの諸般の関係を考えつつ、その時期において具体的に妥当であると思うことをやって参っておるわけでございまして、ただいま申し上げましたような条件に違反した事態が起った以上、行政処分をしてその再入国許可を取り消すというのは論理的な結論である、こう信じてやった次第でございます。そこで、再入国許可が取り消されますと、日本への上陸が不法なものになるわけでございまして、その結果退去命令が出たといういきさつでございますが、ただし、それで事件が片づいたわけではないのでございまして、入管令によりますと、さらに違反審査等を経まして法務大臣に異議申し立てをいたすような機会も与えられておるわけでございます。ただいま猪俣委員の御指摘になりました各個人につきまして十分なしんしゃくをすべき事情があります場合には、またその事情に基きまして在留許可を与える道もあるわけでありますから、その点は事情を調査いたしました上で善処いたしたいと考えておる次第でございます。
  58. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 申すまでもなく、日ソ友好条約が締結されまして、日ソの友好を増進される、これは鳩山総理も言っておることですが、しかし、ほんとうは日中の友好ということが中心なんです。台湾があるために多少その方は延びておるけれども、これは、国民世論といたしましても、おそらくいかなる政党、いかなる政権といたしましても、中国との友好はしなければならぬということは必至の日本の念願でなければならぬと思う。これは民族の力の出てくる問題であります。数千年来一衣帯水の中国、これとわれわれが何の理由もなしに交通をしないでおるなんというばかな話はないのです。しかも、中国生まれの人たちが中国へ行く、大体マカオ政庁の通商会からの招請で行くことについて、それは中国の一部分じゃありませんか。そこから自分の郷里へ入ってくるということは人情の自然なんです。それを、なぜそんなものを条件として出して誓約をさせなければならぬのであるか。彼らの訴えを聞きますと、最初そんな条件はなかった、行っていいことになっておった、出発まぎわになって、それを誓約をしろ、しなければ許さぬ、もう飛行機も予約して、せっぱ詰まって何とも仕方がないので、その誓約に調印した。それをたてにとられてしまった。  そこで、あなたに聞くのです。日本人でも中国にたくさん行っております。私ども昨年行って参りました。いわんや、中国人が自分の故国へ帰るということに対して、親切にしてやることこそが中日友好の端緒でなければならない。幸いマカオまで行くのです。一足自分の故山へ帰るということは当然のことじゃありませんか。それに対して、何の必要があって中国には入りませんという一札を取る必要があるのであるか。しかも、その一札を根拠にして今日退去命令を出すとは一体何ごとであるか。諸君は一体中共との友好関係をぶちこわしたいというのであるか。公安調査庁及び警察、それから入管、三位一体をなしまして外交を阻害しておるじゃありませんか。われわれ実に憤懣おくあたわざるものがある。われわれは一日千秋の思いでこの両国がより親密になることを念願しておるものです。あなた方役人の一人としてそれを考えなければなりませんでしょう。何の理由があって、マカオまで行くものを、あるいは北京に行っちゃいかぬ、広東に行っちゃいかぬという条件をつけるのであるか。それをやらなければ出さぬ、しかも飛行機の予約もしてせっぱ詰まったときになってさっと一札を出させる。だから、彼らは全くこれは謀略にかかったといって、今は嘆き悲しんでおります。なぜそういうことをしなければならぬか、その理由を説明して下さい。
  59. 内田藤雄

    ○内田政府委員 ただいま猪俣委員のおっしゃることは、そういう主張がここに書いてあるのでございますが、私どもは、せっぱ詰まってそういう条件をとったとは考えておりません。私が全部に関与したわけじゃございませんが、少くとも私の関与いたしました限りでは、そういうことでなければ再入国はさせないぞということは相当早くからこの問題に関係した華僑の方に申し上げてあったと記憶いたしております。また、それではなぜそういう条件をつけなければいかぬか、これは、先ほど申し上げましたように、私個人といたしましても、日中の友好を妨げるという考えは毛頭持っておりません。また、大きな方向といたしまして、漸次そういう方向に行くであろうということも感じております。しかし、先ほど申し上げましたように、われわれ現実事務を扱う者といたしましては、やはり台湾との正規の国交の問題、またそれに伴います国連加盟は今日実現したようでございますが、そういういろいろの外交上の観点から来る問題、また日本の国内における治安の角度から来るいろいろな意見等を総合参酌いたしまして、具体的にその段階において正しいと信ずることをやって参るよりほかいたし方ないと思っておる次第でございます。そのやっておりますやり方は、私自身、必ずこれは国民政府の側からも不満を持たれるであろう、中国人民政府の方からも不満が出るであろうということを十分承知しながらも、しかし、それ以外に方法はないのではないかということでやっておる次第でございまして、もちろんこれは具体的な客観情勢の変化によってだんだん動いていくものであろうとは思いますが、ただいままでこういう措置をとったとは、その当時としてやむを得なかったと感じておる次第でございます。
  60. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 大体、台湾には八百万しかおらない。中国は六億の人間です。日本全国と佐渡島よりもっとひどい。それをさっさと書簡で認めてしまった吉田内閣の罪悪は消えることはできない。しかし諸君にそれを責めても仕方がないが、大体あなたの説明によっても、台湾政府から何か申し込まれたということが答弁の陰にほのめいておる。一体、中国人が自分の国に帰るという際に、台湾政府がこれに対してかれこれ言うということは間違いなのです。そんなことに日本政府が気がねしなければならないところはどこにあるのです。そんなばかな、あっちに行っちゃいかぬ、こっちに行っちゃいかぬ、――世界人権宣言においても、日本憲法においても、旅行は自由でなければならない。ただ旅券法という法律によって日本人の場合においては限られております。国際条約によって、さような、他から故障を申し立てられ、それに日本政府が気がねしなければならぬ、そういうばかな理由はないと思う。そこで、内情をもっと言って下さい。われわれ聞くところによると、警察からの故障がやかましい。日本に何十年も住んでいた人が治安関係上何の故障があるのです。張さんは七十二才の人じゃありませんか。日本に生まれた人ですよ。日本人を妻にし、あらゆる財産が日本にある人です。あとみな二十年、三十年の人たちばかりです。この人たちが自分の故国に行くについて、台湾政府からかれこれ言う。台湾政府が大体けしからぬ。そんなものに日本政府が気がねする合理的根拠は一体どこにある。それを言って下さい。何がゆえにそんなものに気がねしなければならないか。
  61. 内田藤雄

    ○内田政府委員 私も気がねはいたしません。しかしながら、現実そういうことの反応によって起る外交上の問題は顧慮いたさなければならないと考えております。また、お説のように、私は、先ほども申し上げましたように、具体的に何十年も住んでおった方をどうするかということについては、十分その方々の御主張も伺いましてなお結論を出す段階が残されておるわけなんでございますから、そういうふうにいたしたい、こういうことをお答えしておるわけでございます。
  62. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 これはこれからもあることなんです。われわれが日中交流を実にこれから盛んにやりたいと思っている時代に、一々こういうことをやられてしまっては、あなたは台湾政府のことばかり考えておるけれども、日中関係を阻害します。その方を考慮に入れないのですか。われわれは、台湾政府よりも今度は日中貿易、日中関係というものが大切でなければならない。  法務大臣もおいでになりますが、これは大臣の所信をお伺いします。ここで私が先ほど申しました十二人、今度あなたの名前で退去命令を出されているこの人たちはどういう人たちですか、全部日本に永住権を持っている人たちですよ。それから、台湾に生まれた人は、御存じのように、法律第百二十六号の第二条六項によって、これは台湾生まれなることによって在留資格を取得した人だ。十二人全部そういう権限を持っている。中国生まれの人は永住権を持っている人なんです。それに対して、自分の本国の郷里へ行ってはならぬなどという誓約を書かせて、それに違反したといってすぐ退去命令を出す。財産から妻子みな日本にある。この十二人はみんな奥さんが日本人です。日本に生まれているのじゃないですか。そういうことが常識上許されますか。そんな全く条理上合わぬようなことまでしても台湾政府のきげんをとらなければならぬのであるか。  警察がまたそんなことになぜ容喙するか。これは石井警察庁長官に尋ねます。私どもが調査したところから言えば、大体入管局はそんな条件をつけることは賛成じゃなかったらしいが、公安調査庁と警察から治安上困るというようなことをやかましく言われてこの条件をつけた。しかも、公安調査庁と警察庁は台湾政府とお互いに緊密な関係を保ってやっておる。いろいろ情報を交換したり、私はそんなことを信じませんけれども、相当運用資金までもらっているといううわさをする人がある。そういうふうに、公安調査庁なり警察庁なりが、治安を乱すどういう状態があるということで入国監理局に対して条件をつけるように請求されたか、それを明らかにしてもらいたい。
  63. 内田藤雄

    ○内田政府委員 私の方から前に釈明させていただきたいのでございますが、私が最初にも申し上げましたように、外交上いろいろ顧慮する問題については外務省の意見もいろいろ聞きますし、また治安上の問題につきましては公安調査庁なり警察庁なりの御意見は伺いますが、しかし、そういう条件をつけたことが公安調査庁なり警察庁の申し出に基くものである、あるいはその圧迫によるものであるということは、全然事実に反しますから、私どもから、御訂正申し上げます。われわれは、それらの意見を参照いたしました上で、われわれ自身の判断といたしましてやったことでございます。
  64. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 諸君は答弁としてはそう言うでしょうが、事実はそうじゃないのだ。この旅券はなかなか下らなかった。どうして下げないかというならば、どうも治安上問題があるということで公安調査庁や警察庁からいろいろのことを言われて出せないということをしょっちゅうあなた方は答弁これ努めていたじゃないですか。――いいです。そういうことは責任ある地位の人としては言われないかもしれない。言われないかもしれないが、それは実情なんです。みんな華僑は知っている。そうしてその先が台湾政府につながっておる。そこで、公安調査庁や警察庁長官の頭を切りかえる時期が来ているとこの前も私は言った。日ソ友好関係と親善、次は日中友好関係です。これは明らかな必至の情勢でありませんか。しかし、諸君の頭だけが旧態依然と吉田内閣時代のようなことばかり考えておる。そこで、こういうむだなエネルギーの消耗が起り、トラブルが起ってくる。十二人の人たちは憤激極に達しておるのです。一人のごときは、日本の名誉ある軍人、大尉じゃありませんか。そういう人までも今度は退去命令を出す。こういうばかなことは世界の条理に反しますよ。これは法務省入国監理局よりは公安調査庁及び警察庁のがんこな頭から来ていると僕は思う。そうして諸君はどうも台湾政府などとばかり連絡しているような気がする。私はそれ以上は申しません。しかし、頭を切りかえてもらいたいということだけ要求します。時勢が変ってきている。もう中国を治安の対象なんて考えるのは時勢おくれであります。もっと文化的交流を激しくし、人的交流を激しくしなければならぬ時代なんです。これは勧告にとどめておきますが、なお不思議なことは、この華僑一行が香港に着きますと、香港の国民政府系の新聞は――香港の新聞はどういうわけですか中国よりは台湾政府の系統のが多い。その新聞が一斉にいろいろなことを書き立てる。その中に写真が出ておる。その写真は旅券申請の際に貼付した写真と同じものが出ておる。これは一体どうしたことなんだろう。日本政府なり警察なりが台湾関係のだれかにそういうものを写させたと見るよりしょうがない。香港の台湾系の新聞のその写真に、この旅券に張ってある写真の割り印まで出ておるのです。だから、華僑の諸君は、日本政府、台湾政府、香港の新聞、みなこれはつうつうだという印象を受けている。どこへも出した覚えのない写真が、旅券に貼付されておる写真そのままに出ておる。これは一体どういうわけです。諸君は想像がつきますか。
  65. 内田藤雄

    ○内田政府委員 ただいまのお話の意味をよく了解いたしかねますが、旅券と申しますのは、御承知のように正規の旅券がない関係で、この方々は、マカオのアフィディヴィットに基きましてわれわれが所要の法律的な手続をとった次第でございますが、そのアフィディヴィットに貼付されておった写真の意味でございましょうか。
  66. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうです。それを旅券と略称したのです。
  67. 内田藤雄

    ○内田政府委員 その意味でございますれば、アフィディヴィット自体はわれわれがいただくものではございません。御本人が持っておられるものでございますから、それがどういうわけで写真に出たか、われわれとしては何とも判断のしょうがない問題でございます。
  68. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、それについては入管その他は全然関知しない、こういうことですね。それではなお私調査します。
  69. 内田藤雄

    ○内田政府委員 アフィディヴィットの写真ならばそうでございます。われわれの方に提出された書類の写真という意味じゃないのでございましょう。
  70. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そういう意味です。私どもは詳しいことはわからぬが、とにかく日本政府に出したその写真そのものが載っておる、こう言うのだ。
  71. 内田藤雄

    ○内田政府委員 われわれの方にいただいた書類の写真が載っておるという意味ならば、非常に奇怪なことでございますから、よく事情を調査いたします。
  72. 高橋禎一

    ○高橋委員長 ちょっと猪俣さん、今日は御存じのように国会最終日ですし、間もなく本会議がありますし、通告者もまだ三名ありますし、先ほどの理事会の申し合せの時間もだいぶ過ぎましたから、その点お含みの上御発言を願います。
  73. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 今の写真の点は、日本政府に出したその写真、日本政府以外に出さぬ写真が、そのまま香港の新聞に載っておったという彼らの訴えです。その事実につきまして、今言ったように私はこれは旅券に貼付されたものだと簡単に考えましたが、なお私は事情をよく聞きます。彼らが出したのは、日本政府と台湾政府と台湾政府系新聞と三位一体をなしているという訴えであります。私はそこに疑問を持ってあなたに訴えたのであるから、日本政府にどういう機会に出したのか、そういうことを私の方でももっと詳細に調べてみますが、あなたの方もよく調べて下さい。
  74. 内田藤雄

    ○内田政府委員 はい。
  75. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それで、実はこの問題について入管法の問題からももっといろいろ問題があるのでありますが、今委員長の注意でありますので、私はこれを省略いたします。省略いたしますが、大臣に最後に伺いますが、今言うような日本に長い間何十年経済活動をやっておりまする華僑で永住権を持っておる人たち、この人たちが出発まぎわに誓約書を取られた。けれども、マカオまで行ったもんだから、自分の郷里へちょっと寄ってみたくなったので寄ってみたということで、直ちにあなたの名前で退去命令が出ておる。出たものは仕方がないが、どうかこれが救済については深甚の考慮を払っていただきたい。あなたの御意見を承わりたいと思います。
  76. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 御事情を承わりまして、お気の毒に思いまするが、事は法律の解釈と行政上の実際の運営に関しまするので、ただいまのようにできるだけ親切に考慮してやれという御趣旨に従いまして考慮をすることにいたします。
  77. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 それから、実は、質問を通告しておりますのは、非常上告事件の件数がどうなっておるか、その原因がどうなっておるか。私どもは、起訴の疎漏からこういう非常上告事件というものはふえておるのじゃなかろうかということから、起訴の疎漏、検察官の服務弛緩ということに連関してこの問題をお尋ねしておるのであります。これは、きょう時間がないようですから、私は一覧表にして法務委員会へ提出していただきたいと思います。近来非常に非常上告事件がふえておる。そして、その原因は結局捜査の疎漏からきておるというふうに思われる。そこで、検察官の服務弛緩ということが考えられる。これはいろいろな事件が新聞報道されておりますが、きょう時間がありませんから、一切省略いたします。ただその非常上告事件の件数及び原因なんかを明らかにしていただいてから、なお通常国会でもお尋ねしたいと思うのです。  それから、これは、法務大臣は弁護士界の長老でもあられるので御意見を承わりたいと思います。実は現にこれは北海道で行われておることでありまして、検事が調書をとります際に、読み聞けをやらぬで署名捺印をさしておる。これは北海道高等裁判所で具体的事件として検察事務官が自白をいたしました。しかも、その事務官の自白は、その具体的事件のみならず、一般的にそうやっておるという。つまり、被疑者あるいは参考人の言うたことを書きまして、それを読み聞けをしないで、間違いないかと言うだけで署名捺印をさしておる。こういうことが一体違法であるかないか。これは札幌の高等裁判所で今問題になっておる。しかも、そのときの検察事務官の言うことでは、一般にそういうふうにやっておる、その裁判になっている具体的事件のみならず、一般に大体そういう読み聞けといったようなことをやっておりません。そういう証言をしておる。そこで、これについて、それが違法でないのかどうか、一体法務省としてはどう御解釈なさっているか、お尋ねしたいと思います。
  78. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 それはやはり手続の疎漏でございますが、実際上の事実としては、本人の取り扱う当局との間に簡単にそんなよろしくないことをやって、後日になって問題を起しますので、そういうことは深く戒めて、今後さような事態の起らないことを期しております。
  79. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 一瀉千里にお尋ねいたしますが、公判記録が紛失したということがよく起っておる。一体この責任は検察庁にあるのか裁判所にあるのか。裁判所にあるとすると、最高の責任はどこにあるのか。これは検察庁でようございます。法務省でもようございます。あるいは裁判所の方でもようございますが、公判記録というような、二度再製できないもの、こういうものを紛失したということがよく新聞に出ておるが、これは大へんなことだと思うのですが、この責任は一体どこにあるのか、われわれにはわからない。それを一つ御説明願いたい。
  80. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 ただいまの御質問の、公判記録が東京高裁においてなくなったという事件は確かにございました。これは六件ばかりございます。大体新聞報道されておるところの事件と私どもの調べた事実とは一致しておるのであります。元来、この記録の保管は、裁判所書記官が、その係の書記官が保管する責任があるのです。これが、結局、この二十五年の十月十八日だったと思いますが、まだ総司令部がある時分に、旧法関係の一掃という指令が出ました。当時一万八千件くらいの事件がございました。これを一潟千里に六カ月以内に片づけなければならぬというような事態でありまして、全くその当時記録を保管するところがなくて、廊下に記録を積んでおるような事態であったのであります。さようなところから、ついにこの六件の記録をなくしたということは、まことに申しわけないところでありまして、ただいま東京高裁においてはその責任者に対する分限委員会を開いて、分限委員会においてその責任のありかを追及中であります。
  81. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 すると、これはだれの責任なんです。最高の責任は。
  82. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 大体この記録の保管はその係の書記官にございます。
  83. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そうすると、結局記録の保管の責任は書記官にある、判事にはないのですか。
  84. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 これは、書記官を司法行政の面から監督する裁判所すなわち裁判官にもその監督の責任はございますが、保管の責任は法律上やはり書記官にあります。
  85. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 これは立法問題になるかと存じますが、書記官というのはみな若い連中ばかりのように思うのに、これにこういう大切なものの保管の責任があって、判事にないとなると、これは大へんな問題だと思うのだが、そうすると、判事の監督責任というのはどういうものなのですか。たとえば、今具体的の紛失事件に対して、一体判事はどういう監督責任を負うているわけですか。それを追求せられているわけですか。
  86. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 やはり裁判官にどれだけの責任があるかということも分限委員会で調査しておるわけであります。
  87. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 急ぎますから、それはその程度にして、それから、近来誤判事件が新聞にたくさん報道されておる。これを一々私ここに材料を持っておりますが、略します。そこで、これは裁判でありますから、その直接誤判をした判事の責任でありましょうが、酒に酔っぱらって来て、そうしてありもしない刑期を言い渡したという場合において、これは一体その判事だけの責任なんだろうか。監督責任というのはあるのかどうか。裁判所判事に対する監督責任者というのはだれなんだろうか。どういうことになっておりますか。
  88. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 和歌山の地方裁判所でさような酒を飲んで事件を生じたという事実はございます。その裁判官は直ちに自分で進んで退官の手続をいたしました。そしてその事件は結局それで大体片づけたようなわけであります。ただ、司法行政上、裁判所に対する最終の監督権はやはり最高裁判所の裁判官会議にあるということは、これは私から申し上げるまでもないと思います。
  89. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 そこで、こういう誤判事件の続出なんかについて、世論も今非常に裁判所に対して疑惑を持っておるのですが、そういうことを国会が審査あるいは調査するという場合において、裁判官の行政上の最高責任者として最高裁判所長官、これは裁判官会議の議長になる人ですから、これが当法務委員会に出てくることに対してこの前も問題にしたのですが、あなたはその後交渉されたと思いますが、最高裁判所長官国会に出る意思があるのかないのか、出ないとすればどういう見解に基くかお尋ねになったかどうか、お漏らし願いたいと思います。
  90. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 このことは、この前も申し上げた通り、国会法に最高裁判所長官またはその指定する代理人が国会委員会の許可を得て司法行政に関して説明するという規定がございまして、この規定は裁判所等も十分存じております。従って、この前申し上げた通り、長官が決して国会に出ないというわけじゃございません。ただ、あまりこまかいことで出てきても説明ができないのじゃないか、むしろ当該のことを扱っておる者が出てきた方がよく説明できるのではないかと思って、従来大体私どもが説明を申し上げておったわけです。しかし、猪俣委員のこの前の御質疑については、田中長官の方にも私から十分意のあるところを伝えております。
  91. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 実は、監督責任のみならず、この前もどなたか委員から質問がありましたように、田中長官の活動については私ども国会議員としても要望があるわけです。それは、学者として活動なさるのはいいのですが、反面長官として監督責任を十分果していないのではなかろうか。そして、学者として活動するにしても、また政治的意見を堂々と発表されて、何か政治活動をやっていられる。そこで、実は今弁護士会におきましても、田中長官の行動については多少批判があり、私どもやはり世論の代表者として、田中長官にいろいろ話したいことがあるわけです。だから、これは懇談会でもいいのですが、来国会になると思いますが、あなたからすなおに出席するようにお話し願いたいと思います。  私の質問はこれで終ります。
  92. 高橋禎一

    ○高橋委員長 花村四郎君。
  93. 花村四郎

    ○花村委員 私は更正保護の問題について法務大臣並びに大蔵省の主計局長に若干質問をいたしたいと存じます。すでに時間もありませんから、きわめて簡単に要点だけをお伺いいたしたいと思います。  この更生保護制度が今の時代においてわれわれの生活を犯罪より救うという意味においてまことに重大なる役割を持っておりますることは多く申し上げるまでもございません。従いまして、私はその必要性についてはくどくどは申しませんけれども、ことほどさように重大でありまするがゆえに、私どもも国会においてこの問題に対して常に真剣に取り組んでおりまするのみならず、これに関するあらゆる資料、またあらゆる角度から検討して、とにもかくにもこの種制度に関するりっぱな制度を打ち立ててきておる。法律を作ってきておる。ところが、その法律の運営いかんを考えてみますると、ほとんど運営の面においてはなっておらない。わが国会が真剣味をもっていろいろの角度からよりよき法制を制定しておるにもかかわりませず、その実施に当ってはほとんど問題にならぬ、こう申し上げていいと思う。なかんずく予算の裏づけの問題であります。従いまして、このよき法律が今日その真価を発揮することができぬというような遺憾な状況に置かれておる。これは一体何人の責任であるか。実は、こう申す私も、この問題に対してはすでに以前から深き関心と理解を持っておりましただけに、私が法務大臣になりましたときも、この問題に対しては大いに心した。しかし、私が就任したときはすでに予算に関する折衝が行われておるときでありまして、時すでにおそく、私が考えておりまする一部も実現することのできなかったことはまことに遺憾ではありまするけれども、しかし、おくればせながら最後に大蔵大臣と折衝して、私は多少なりともこの面に対する増額をしたと記憶いたしておる。けれども、制度そのものと予算の裏づけとをにらみ合わしてみまするときに、ほとんど予算は問題になっておらない。でありまするから、その責任は那辺にあるかといえば、これは法務省にはないというわけでもありませんけれども、しかし、法務省よりも、これは大蔵省にあると申し上げていいと思う。大蔵省の人々は一体国会で作った法律を尊重せないのか、国会で作った重要なこういう法律を一体何と考えるか、ほとんど予算の裏づけがないじゃないですか。どうしてこれを運行しようというのか。法務省の仕事にうといとは申しながら、あまり私は無責任きわまると思う。もう少しやはり国家の最高機関であるわが国会が作った法律に対しては真剣味をもって、これをよりよく運営していくという意味において、その裏づけは十分に考慮されるのがしかるべきことであろう、こう思う。この重大なる更生保護の問題に対して、過去をとがめたところで、これは死んだ子供の年を数えるにすぎないから、私は多くは申しませんけれども、しかし、法務大臣として今後この重大なる問題に対してどういう見解を持っておられるか、そうして大蔵省としては今までのこの問題に対するあやまちを悟り得るだけの考えがあるかどうか。大蔵省で過去のこの問題に対する予算措置に対してさらに再検討して、顧みてその遠かりしことに気づいて、今後は一体どうやっていこうというのであるか、これを私ははっきりと承わりたい。
  94. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 ただいま花村委員から御意見のありました通りに、非常に遺憾な状態でございます。これは、大蔵当局が戦後における法務行政に関して全く理解がない、これに基因することは明らかであります。けれども、すべての責任はやはり私ども法務当局にございます。そこで、私は大蔵省へ出向きまして、大臣、両次官、各局長及び法務関係の主計官のお集まりを請いました。そのときには、主計局長はむろんでありますが、主税局長も両次官も出てくれました。そこで、私は、昔の司法省とは違うのだ、法務省と司法省と違うところはこれなんだ、しかるに予算を見ると昔の司法省マイナス裁判所の予算だ、あなた方根本から違っておるというお話をしまして、予算折衝を行いました。今年は予算を事務的経費の方面の予算と政策的経費の予算と二つに分けまして、金を出すとか出さないとかいうことよりも、法務行政においてどの点まで政策をお認めになるのか、それをまず明らかにしていただきたいということを申し出て、ただいませっかく折衝をいたしております、従って、従来のように人件費と営繕費と事務費と三本ではないのでございます。この点に関しましては、この委員会では委員長初め理事諸君の大へんな御心配を得て、政務調査会等の折衝にも御尽力を得まして、今後は画期的な方針を立てることができると思いますけれども、何しろ、御承知の通りに大蔵当局を啓発することが大へん必要なんでどうか当委員会の皆さんがこの点に御留意賜わり、ただいま花村委員の仰せられた保護更生矯正の方面に対する行政費を十分に認めるということは、全く新しい法務行政はどこに中心があるかということを理解する大切なことでありますから、最善を尽しまして御期待に沿うようにいたしたいと存じます。
  95. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 お答えいたします。ただいま法務大臣がおっしゃられましたように、今回の法務省の要求につきましては鋭意検討中でございます。
  96. 花村四郎

    ○花村委員 ただいまの説明員は何ですか。あなたは予算について責任を持って答弁ができるのですか。委員長、できるとかできぬとか、はっきりしてもらいたい。
  97. 高橋禎一

    ○高橋委員長 ただいま大蔵省の方からは秋吉君だけが出席していらっしゃるので、責任問題に関してもしも秋吉君に質問するのが相当でないと思われるならば、また別な機会に御質問願いたいと思います。
  98. 花村四郎

    ○花村委員 答弁するのはだれでもいいのです。しかし、その答弁に対して大蔵省として責任が負えるかどうかということです。負えない者がこの法務委員会に、こういう重大問題を検討するときに来るということ自体が間違っている。
  99. 高橋禎一

    ○高橋委員長 そこは、来ることが間違いというよりは、御納得が願える部分については秋吉君が説明されるでしょうが、秋吉君では相当でないと委員各位の方でお考えでしたら、大臣なり次官等を別の機会に呼んで質問する、そういうことにしなければならぬと思いますから、一つ委員諸君の良識によって適当に御質疑を進めていただきたいと思います。
  100. 花村四郎

    ○花村委員 それでは一つ留保しておきましょう。重大問題である。法務大臣は、責任を負うが、しかし、予算措置等悪いのは大蔵省であって、むしろ大蔵省を法務行政の上から教育しつつあるというような発言をされたので、大蔵省の責任はきわめて重大である。従って、秋吉という主査ではちょっと荷が重過ぎると思う。それだから、大蔵省の答弁はあとにしましょう。しかし、きょうは主として大蔵当局の意見を聞く意味において質問をするので、大蔵当局は法務委員会協力する誠意のないということだけは一言づけ加えておく。それだから、秋吉主査は、大蔵省へ帰ったならば、大蔵大臣並びに次官によく言うておいていただきたい。そただけ注文しておく。  そうすると、あといろいろありますが、ここで法務大臣質問しても大して効果が上らぬことになる。責任は負われても、その実行ができぬということであれば意味をなさぬし、貴重な時間を費すことも無益ですから、そういう意味において……。
  101. 高橋禎一

    ○高橋委員長 大蔵大臣に出てもらって、また別の機会にどうでしょう。
  102. 花村四郎

    ○花村委員 別の機会に大蔵大臣主計局長も来てもらってやりましょう。それでは質問を留保しておきます
  103. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 私は委員諸君に一言補充をいたします。大蔵当局のただいまの答弁で私は満足いたしております。なぜかと申しますと、今花村委員からの御質疑のありました更生保護矯正に関しては、われわれの知る範囲では、予算審査に四十時間以上費してくれました。すなわち、日にちで言いますと一週間からこれにかかってくれました。だから、非常に熱心に傾倒してくれておりますが、結論が出ないのでございます。従って、結果的にどの程度責任を負うことができるかということは、ただいまは主計局長が出てもちょっと言えない。実際にそんなに多くの時間を費して熱心に要求書の各項目を審査しておられるのでありますから、ただいまの段階において大蔵当局は法務行政に真剣に取り組む誠意を示していてくれるということだけは御了承下さいまして、ただいまの委員長のおさばきのような方針でお進みいただかんことを切にお願い申し上げます。
  104. 花村四郎

    ○花村委員 牧野法務大臣はだいぶ楽観をしておられるようですが、しかし、法務省だの文部省などの人々はみんなどちらかといえばお人柄がよいので、いつでもその手で大蔵省にやられる。そういうことであるならば、幾日も費して検討しておられるということであるならば、それではここで少し法務大臣質問を進めてみましょう。これは私の方でも簡単に質問しますが、答弁も簡単にやって下さい。単刀直入で、詳しいことは要りませんから、結論だけを言って下さい。  この予算措置に関する問題はまだ結論が出ないということでありまするが、これは結論が出てしまってはどうにもならないのです。出ないから今日質問することが必要であり、質問せなければならぬということになる。結論が出てしまっては質問も何もなくなりはしませんか。であるからして、結論の出る前に、こういう重大な問題はやはり国会の面からも真剣に取っ組んで考えなければならぬ。こういう意味において私は質問をしておるわけです。それで、法務大臣にお伺いをいたしたいのは、最近の統計の最も新しいものに基いてお答えを願えればいいのです。私もいろいろ資料を集めて大体はわかっております。大体どころじゃない。これは法務省の知っているくらいのものはこっちもわかっておると申し上げていいと思うのですが、最近の統計で、犯罪者の総数、その犯罪者の総数のうちで刑務所に拘置されておる者の数及びその費用並びに一人当りの年額の費用、さらに更生保護の対象となっておる人の総数及びその総費用並びに一人当りに対する年額がどの程度であるかということを伺いたい。
  105. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 政府委員より答弁をいたさせます。
  106. 渡部善信

    ○渡部説明員 私からお答え申し上げます。本年十月末日の統計が一番新しいので、この数字を申し上げます。十月末の統計によりますると、現在全国の施設に収容されております者は、総計八万三千百四十二人ということに相なっております。この中には拘置所も全部含まれております。それから、刑務所内に収容いたしております者にどのくらいの経費がかかるかということでございますが、これは大体拘置所と刑務所の点を申し上げますると、一人一日当り二百三円、一年間に一人七万三千九百五十四円ということに相なっております。
  107. 花村四郎

    ○花村委員 保護観察は。
  108. 福原忠男

    ○福原説明員 はなはだ恐縮でございますが、私きょうその方の資料を持って参りませんので、大体大づかみのことしか申し上げられません。ただ、きょう問題になっておるのは予算面のことでございますので、その点だけわかりやすく申し上げますと、私どもの方の保護観察対象者に対しては、年間所要経費は一人六千三百円程度でございます。
  109. 花村四郎

    ○花村委員 何人ですか。
  110. 福原忠男

    ○福原説明員 人数その他の点は今正確なものがございませんから、いずれあとから申し上げます。
  111. 花村四郎

    ○花村委員 それでは、質問を限局して、更生保護に関する本年度の予算要求額、そして本年度の予算の総額をお示し願えますか。また来年度の分についてはまだ結論が出ておらないということであるから、従って、法務省要求額並びにその要求額に対して大蔵省がどの程度認めるであろうかという法務大臣の御意見も承わりたい。一週間も真剣に折衝しておられるというのでありますから、大体の見当はつくだろうと思います。それも一つお示し願います。     〔委員長退席、池田(清)委員長代理着席〕
  112. 福原忠男

    ○福原説明員 保護局関係の三十一年度概算要求額、そしてこれに対して大蔵省でお認め願った金額、さらに、ただいま要求しておる来三十二年度概算要求額を申し上げますと、本年度は十六億八千九百万要求したのでございますが、これに対しまして、お認め願った本年度の予算は六億三千百六十八万一千円でございます。そして、現在私の方で大蔵省にお願いしておる三十二年度の概算要求額は十八億五千三百万円でございます。
  113. 花村四郎

    ○花村委員 それでは、法務大臣の来年度予算がどの程度認められるであろうかという予想を承わりたい。
  114. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 全然わかりません。
  115. 花村四郎

    ○花村委員 おわかりにならぬと言われるのですが、しかし、本年度は十六億何ぼというものが六億三千余万円認められたにすぎない。来年度は十八億五千というので昨年よりはふえておるのですが、これはふえるのは当然であり、またふやすという意味における更生保護施設に対する考え方は妥当であると思うのですが、しかし、本年のようにまた六億内外でけとばされるというような憂いはないわけですか。それはどうですか。
  116. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 三十一年度は少し大蔵当局の理解がなさ過ぎた。今年はその点においては非常に理解が進んだと思いますが、きょうは主計局当局がだれも出て来ていないので、御満足のいくようなお答えはできないと思いますが、何しろ、今予算は、これをどうするかということは、御承知の通りな事情でちょっと足踏みをしております。でありますから、その点は御了承賜わりたいと存じます。
  117. 花村四郎

    ○花村委員 今いろいろ申し上げてもわからないでしょうが、それでは進んでこういう点を一つ御質問したいと思います。この更生保護事業の全きを期することは、一にかかって保護司のこの種事業に対する熱意と活動のいかんにあると申し上げても、私は間違いはなかろうと思うのです。この保護司に対する対策でありますが、法律から申しますと無報酬であります。無報酬は法律の定むるところでありますからやむを得ないといたしましても、しかし、今日の時勢から考えてみれば、その無報酬ということ自体が間違っているのであります。慈善事業でやっているのではないのです。慈善事業はとっくの昔の考え方で、今日は国家としてこの問題に取り組んでおるわけですから、無報酬というようなことは遺憾でありますけれども、しかし、わが国の財政面から考えて、これまたやむを得ないといたしましても、しかし、その保護司が使うところの実費だけは弁償してやるべきが当然であろうと思います。ところが、この実費弁償もほとんどやっておらない。最近東京並びに浦和の保護司の実費を調べてみましたところが、一人当り大体において一カ月四百円を使っておる。ところが、この内輪に見た四百円に対して、それでは幾ら実費弁償しておるかといえば、ほとんど問題にならない。一カ月百二十円の弁償をしておるにすぎない。これでは重大なる仕事が保護司の手によってその全きを期するというようなことは思いもよらないことなんです。今日までは多くの保護司が自分みずからの金を使って犠牲的にやっておってはくれるのでありますけれども、さればといって、それでは保護司に実費を出させてそのままほうっておけばいいかといえば、そうはいかないのです。でありますから、少くとも、この問題に対して十分とは申しませんが、実費の半分くらいは弁償するというようなことは、私は当然過ぎるほど当然であると申し上げていいと思うのでありますが、法務大臣はこの点に対してどう考えられており、かつまた大蔵省に対してこの問題についてどういう折衝を今日までやってこられて、そうして大蔵省の言い分はいかなる言い分であるかということを、一つお答え願いたい。
  118. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 その点全く同感であります。そのような御質疑をしていただいただけでも、法務行政に対しては大きな御声援となって、感謝にたえません。大蔵当局はこの点において最近すこぶる啓発されるところがございまして、ことに全国の保護司各位の活動、保護司大会の非常な盛況と熱意のある状況を見ております私から、直接大臣にもこのことを伝えましたが、私は事務次官にこの話をいたしまして、昨年は私が裁判所関係の調停に関して大蔵当局に説明をしました結果、調停の方面の人に対しては政府から予算を支出いたすことになりましたが、その事実と相対応しまして、今年は保護司の方面には特別の考慮を払ってくれることと期待いたしております。どうも、解するところによると、三十一年度は三十年度よりはその点悪かったのではないかと思うのです。そんなことがあってはならない。全く同感で、かつ私も、今の法務行政の一番中心をなすものは保護と矯正の両方であるということを述べて尽力いたしておりますから、きっと相当な成果は見られるものと期待いたしております。
  119. 花村四郎

    ○花村委員 法務大臣のその熱意に期待をかけて多く申し上げませんが、一言つけ加えておきたいのは、二十八年から執行猶予を再びつけ得るという法律ができまして、従ってその法律の適用が相当今日行われておるようでありますから、従って、それだけこの更生保護の面にも大きく動いて参りますことは当然のことであり、また保護司の職責の過重を加うることも当然であると申し上げてよろしいと思うのでありますが、こういう趨勢にあります現実をよく見られて、そうして十分にこの点は大蔵当局に対して交渉されて、大蔵当局の蒙を開かれると同時に、その所期の成果を上げられんことをここに希望いたしておきます。  それから、最後にお尋ねいたしますのは、更生保護会の問題であります。更生保護会も、刑事政策上の見地からながめ、あるいはまたさらに犯罪者の更生をはかっていくという面から考えまして、まことに重大なる役割を持っておるものであると申し上げてよろしいと思うのでありますが、更生保護会で今日刑務所から社会へ復帰をして参ります人々を受け取るのでありますけれども、今日わずかに十五日分だけのめんどうを見る費用しか持っておらぬ。一日七十六円の額で平均十五日しかめんどうを見られないというのが現実の姿であります。こういうことで果してこの会の成果を上げ得るかどうか。上げ得ないことは当然であります。アメリカ刑務所のごとく、刑務所から出て参ります場合においては、刑務所の中で働いて相当の蓄積した金を持って世の中へ出られるというような制度に相なっております場合においては、これは格別でありますけれども、日本のように素っ裸で刑務所からほうり出されたという場合に、出された者は一体どうして食っていくのか。すぐに犯罪を犯さなければならぬようになりますことは当然なんです。日本の機構それ自体が犯罪をやるように仕組んでおる。仕組んでおいて、犯罪をやった者をまた持ってきて中へ入れるということを繰り返しておったのでは、行刑の実績というものがほとんど上らざることは当然であります。ここへ思いをいたして、ここを是正していかなければいけない。それにはやはり出てきた人に住まいを与える、職も与える、そしてとにかく食うことができるという道を開いてやるべきである。しからざれば出てくるときに生活費を渡すべきだ。世間においても生活保護ということが行われておって、貧困者に対しては国家が相当の金を出しているのです。従って、こういう人に対しても、生活保護という観念を取り入れて、やはり生活費を出してやるということにするのが当然であると申し上げて私はいいと思う。アメリカなどは、刑務所の中で働いた金をふところに入れて出るばかりでなく、刑務所によっては洋服から帽子からくつから一切身の回りの支度までくれてやる。これじゃ再犯を犯す余地はないじゃないですか。それですらも犯すというのであるならば、それは犯す人にあくまでも責任がある。ところが、日本はこれと違うのだ。素っ裸で投げ出して、そうして、どうでも勝手にしろというのじゃ、またどろぼうやらざるを得なくなるのは当然なんです。やはりこれを是正していかなければ、刑務所などを全国にいくら設けたって何にもならない。この点に対して法務大臣はどう考えておられるのか。ことに、これに対しましては法律があります。この国会で作った更生緊急保護法というりっぱな法律がある。しかも、その第三条には、六カ月だけはそういう刑務所から社会に復帰する人のめんどうを見てやるべきであるという規定がある。こういうりっぱな法律が作ってあるにもかかわらず、これがちっとも実行されていない。十五日きりめんどうを見てやらない。そのめんどうも十分なめんどうならまだしもでありますが、この物価の高い世の中で一日たった七十六円という金で十五日だけまかなってやるなんて、こんなばかげたことが一体どこにありますか。これで保護更生の仕事をやっておると考えられるならば、これは大きな誤まりである。大蔵当局は一体何を考えているか、こういう重大な問題をどう考えておるか。うわのそらで、ただ国家の財政のつじつまだけ合わせればいいというような頭じゃこういう問題の解決はできませんよ。でありますから、この問題に対しましても、法務大臣は一つ大いに大蔵当局の蒙を開いて、そうして適当な処置をしてもらいたい。これを私はお願いをいたす次第であります。  それにつけ加えて、もう一つは、更生保護会の職員に関する問題であります。更生保護会の職員などはほとんど幾らももらっていない。御承知のように厚生省にもこの種保護事業がありまするが、厚生省の保護事業に携わっておる人々の給与はどうかといえば、十分ではありませんけれども、しかし、この更生保護会の職員の給与に比較すれば雲泥の相違なんです。こういう重大な仕事をやらせるというのに、その職員にあてがい扶持のほんのわずかの手当で十分な仕事をやらせようというのが第一間違っている。でありますから、こういう点も一つ勇気をふるって改善のメスを入れてもらいたいということを申し上げまして、時間もありませんから、この点に対する法務大臣の御意見を承わって、また機会を見て大蔵省の方面に質問をいたしたいと思います。
  120. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 本日は花村委員よりきわめて私どもの深い注意を御喚起いただいた点を感謝いたします。法務行政において一番当面重大な問題は、本日御質疑をいただいた点でございます。私もまたこの方面に向ってはせいぜい努力をいたして、御質問のような趣旨に沿うことに努めておりますが、この点に関しましては、委員会の皆さんも大蔵当局に対しまして十分法務行政の重要性とその内容を明らかにして啓発することに努めていただきたいと存じます。今社会保障の点において厚生省のことに言及されましたが、戦後予算委員会においても各委員会においても社会保障ということが当面の一番大きな問題として取り扱われております。貧乏から社会を守り病気から社会を守らなければならぬことの重大なることは言うまでもございませんが、なぜそれと同時に犯罪から社会を守るということに対して国会は当局の注意を喚起しないか、国民の注意を喚起しないかということに深い遺憾を感じておりました。ただいまのような御質疑を受けるということは、当局としてはすこぶる感謝にたえないところでございます。今後必ず心を込めて御期待に沿うことにいたしたいと存じます。
  121. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 松永東君。
  122. 松永東

    ○松永委員 私はまずまつ先に最高裁判所の当局にお伺いしてみたいのですが、私のお伺いしたい要点は、主として裁判所の施設の改善と申しますか、そういう点をお伺いしたい。  先日のこの委員会事務総長の五鬼上君から御説明がありましたが、裁判の遅延の原因は、事件数がばかに最近増加してきておるということ、それから判事の数が少い、さらに施設の改善も非常に影響があると言われております。まことにその通りだと思います。そこで、施設の改善に一体どういうふうに最高裁判所としては努力を払っておられるか、これを聞きたい。それは、主として裁判所が朽廃その用にたえないようなのが、これはひとりこの東京もしくは近郊ばかりでございませんで、全国にそういうのがあると思います。そういうものについてどういう処置をとってこられたか、これをまずお伺いしてみたいと思います。
  123. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 裁判所の施設の整備という問題は、裁判所といたしまして、数年来と申しますか、終戦後特に非常な関心を持ちまして、あらゆる努力を尽しておるのでございます。御承知のように、裁判所の庁舎は全国的に見まして明治時代にできました木造庁舎が相当多い。そういうものは老朽の域に達しておるものがかなりある。そのほかに戦争当時の戦災の痛手を受けました。そういうふうなものがたまりまして、終戦後施設の改善ということが非常な問題になりました。そこで、これはまずさしあたり予算上の措置を大蔵当局に毎年要求いたして参りまして、要求額に対して認められてきました額はそのごく一部でございますが、少しずつ整備をしてきているという状況でございます。なお、予算上の措置によってやるほかに、これは数はそう多くございませんが、場所によりまして、地元の方との話し合いで、旧来の施設と交換をいたしまして、古い施設あるいは不完全な施設を比較的いい施設に交換するというような方法も、ごくわずかでございますが、あわせて考えてやっているというのが大体の現状であります。
  124. 松永東

    ○松永委員 時間が非常に切迫しておりますから、単刀直入に具体的の問題に移りますが、一体最高裁判所のすぐ御近所にある浦和の地方裁判所を御調査になったことがあるがどうか。すなわち、あの裁判所は東京近郊の裁判所として現今では事件が以前より倍加している。しかも、私どもは毎日行って見ておりますが、朽廃がひどい。先ほど来きょうの委員会でもいろいろ質疑応答が取りかわされたが、要するに、これは検察局にも関係がありますが、事件の捜査の粗漏あるいは記録が紛失する、こういうことあたりは、その裁判所の施設もしくは検察局の施設等も非常に影響がある。あの裁判所検察庁と一緒に仕事をいたしておりますが、相当古いときの建設だと思う。この建設年月がいつであったかということも次の答弁のときに一つおっしゃっていただきたい。さらにまた、この庁舎が非常に狭い。何でも、ここに私は調べてきてもらっているのですが、所長室あたりの一人当りの使用している坪・数は二坪であります。刑事判事室が、判事一人当り一坪半、民事判事室もその通り。それから家庭裁判所では〇・八坪、こういうふうに非常に狭降をきわめている。こうした施設が不完全であるために、御承知でありましょうが、あの裁判所には本年になってからも新聞に伝えられるようないろいろな問題が起ってきておる。この間もこの法務委員会を煩わして御出張願って、いろいろ見ていただいた。われわれが見ましても、もう倉庫同様です。事務員の事務室のごときは、まるでもう五人も七人もの人がごちゃこちゃに、ひざとひざとがすり合っているような格好をして事務をとっている。ああしたボロボロのうちで、しかも押し込みみたいに人間を押し込んでおって事務をとらすということになると、いろいろの事務上の支障が起ることは当然なことです。そこで、最高裁判所の当局としては、この改善を何とかせんければならぬ、もしくは新築をせんければならぬというようなお企てはなさったことがあるかどうか、なさったことがあるとすれば、予算面に本年度請求しておられるかどうか、本年もしておられないとすれば、来年はなさるという御決心があるかどうか、それを一つ承わっておきたい。
  125. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 浦和の地方裁判所は、建築は明治二十六年ということになっております。現在まで約六十三年を経過しているわけであります。木造でございますので、ただいま御指摘のように老朽でございまして、かつ規模も戦前とほとんど変りがございませんので、職員数が相当ふえている戦後、ことに家庭裁判所ができまして、それも一緒に同居しているというような関係から、狭陰という点もかなり程度が高いと私どもも考えております。従って、この庁舎を何とかしなければならぬということは、もう数年前からそういう声がございまして、最高裁判所事務当局といたしましても、その点を考えてきたのでございます。ただ、具体的な問題になりますと、浦和につきまして今まで具体化しなかった一つの点は、改築するにしましても、現在の所で改築するということはほとんど不能に近い。従って、どこか適当な改築の場所を物色しなければならないということで、土地の敷地の物色をかつて考えたこともあったのでございますが、残念ながら適当なところが今までのところ見つかりませんでした。そういう関係がございます。のと、なお、浦和の裁判所と同程度の、あるいはもう少しひどいといわれるところも全国的にはほかにございますので、土地の関係と、そういう現在の建物の状況等をにらみ合せまして、来年度の要求には浦和は入っておりません。しかし、ただいま申し上げましたように、土地の問題が見通しがつくようにできるだけ早い機会にいたしまして、庁舎の建築予算の方もできるだけ早い機会に要求するようにしなければならぬというふうに考えているところでございます。
  126. 松永東

    ○松永委員 ただいまの御説明で何とかしょうというお考えを持っていられるということだけはわかりました。しかし、全国的には同程度に朽廃したところもすこぶる多いというお話。どうです、この間、前の国会首都圏整備法というのが衆参両院を満場一致で通過した。現に実施しつつある。首都東京の衛星都市として、近郊都市として、まさか、あん建物を建てておいて、それで全国的に見てあんなものはあると言ったって、そりゃ北海道九州の端くれにはあるかもしれませんが、首都のすぐ手を出せば届く近郊にああいうのを置いて、いや全国的にはまだ類がありますなんていうことは、ちょっと私は合点がいかぬ。こないだ私が聞いたところでは、あなたはおいでになったことがあるかもしれぬが、ちょうどあそこの玄関、あれはまことに昔のお大名の玄関そっくりです。そこで、ある映画会社が、あそこでロケをやるから一つ貸してくれ――これは徳川時代のロケです。なるほど、あの玄関は、かみしもを着て大小をさして、しからば何とかなんていう言葉を使って出てくるには、ちょうどうってつけの場所ですが、そういう徳川時代さながらのあの建物の中で、判事を置き、検事が被告を調べ、しかも今申し上げた通りきわめて狭隘である。これを、考えております、――考えただけじゃ、あんたそれじゃできるもんですか。アラビアン・ナイトに、ランプをさすると仙人が飛び出してきて、一晩のうちにさあ町を作れ、建物を作れといってできたって、そんな夢みたいなことはできょうがない。やっぱり努力はせんければいけますまい。アンコウ式ではいけません。アンコウと言ったっておわかりにならぬかもしれぬが、アンコウという魚は、大洋のまっただ中に大きな口をあけて待っておって、えさが来たときにぱくっとえさをとる。えさをとることにいかに努力するかということをしないような、そのアンコウ式の最高裁判所ではないですか。これではあてにはなりませんよ。ですから、相当努力を払って、何とかして予算をとって、しかも特に首都圏内の近郊都市、手を出せば届くところの東京都からの距離です。ですから、相当一つ御努力をして、一日も早く私のお願いを達成するように御努力をしていただきたい。これは最高裁判所の首脳部に特に御相談おきを願いたい。  そこで、最高裁判所に対する質問は終って、私は法務大臣に御意見を承わっておきたい。法務省といたしましては、県とか市とか、あるいはいろいろ自治体の中に法務省の建物がある。その建物がそのそれぞれの地方の発展を阻止し阻害しているというようなときには、何とかしてこの建物を移転するとか、あるいは統合するとかというようなことをお考えになるのが当然であると思いますが、お考えになったことがありますか。
  127. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 その点には私は非常な興味を持って計画を進めております。なるべく役所だけでやらないで民間の人の手を借りるという方法を、大蔵省とも相談いたしております。これは私自身が当っております。
  128. 松永東

    ○松永委員 牧野法務大臣の御決意、まことに感謝するが、しかし、今も申し上げた通り、アンコウ式ではいかぬ。やはりわれわれのお願いするところを形の上に、予算の上に現わす、こういう努力をしていただきたい。  そこで、問題は、浦和には刑務所があります。これは豊多摩刑務所と呼ばれております。この豊多摩刑務所となったのは、以前東京都の中野が豊多摩刑務所であった。それを進駐軍が接収したために豊多摩刑務所というのが中野からはみ出してきた。これは御承知の通りであります。この豊多摩刑務所は、法務大臣もごらんになったことであろうし、場所も何もよく御承知のことであろうと思う。そこで、いういろいろどくどしいことは私は述べ立てませんが、これを何とかして移転してもらえまいか。移転するようなお気持があるか。と申しますのは、先ほど来劈頭に申しました通り、自治体の繁栄を阻害するおそれが十分にあります。かっては今の浦和の刑務所はおそらくは浦和市の中心地とは言えなかったかもしれない。ところが、今日では中心地です。そして浦和の駅から徒歩五分で行けるほんとうのどまん中になっている。しかも、すぐ隣に建っているところの六階建ての浦和の県庁から真下にながめられる。問題はここです。こういうところにいつまでもああした刑務所を存置させるということは、風教の上から言っても、さらにまた、先ほど申し上げました自治体の繁栄を阻害するという点から見ても、相当御考慮を払ってもらわなければならぬ。ことに、いつまでもこういうのを放置しておくというのは法律準則違反です。それはこういうものがある。「刑務所建築準則内規制定ノ件」として「昭和三年六月行刑局長通達、行甲第九七八号」、こういうのがあります。その第七条に刑務所の敷地のことが書いてある。「敷地ハ左ノ各号二適合スルコトヲ要ス」、これはもちろん刑務所を作るときの規定であります。コ、市街地又ハ之二接近セル地域ヲ避クルコト」、これは今まで私が申し上げた通り、現に浦和の刑務所はこの第一号に引っかかってしまう。さらに二・三、四といろいろありますが、そんなくどくどしいことは時間がありませんから申し上げませんが、もう一つ、「附近ノ高所ヨリ構内ヲ瞰下シ得サルコト」、これは特に御留意を願いたい。付近の高所、今申し上げた通り六階の、しかも公共の建物、県民のための仕事をする県庁、その六階の上からはもちろんのこと、二階の上から、縄つきになって、じゅずつなぎになって行きつ戻りつしておる囚人がまのあたり真下に瞰下せられる。これを首都圏の衛星都市の浦和、しかも文教都市といわれておる浦和、そのどまん中に置いて、そしてやあ考えておるというだけでは、これは済まぬと思う。何とか急遽お骨折りを願って、そしてこれを適当なところへ移転する、あるいは適当な刑務所と合併する、そういうような積極的な御行動をとっていただかなければならぬと思うのですが、そうした御意思があるかどうか、それを一つ伺いたい、さらに、あるとすれば、何らかのそれに即応するような行動に出られたかどうか、それを伺いたい。
  129. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 ただいまのお話は具体的に考えております。お話の通りに町の中央になっておるのみならず、あれは地所が高い。だから、あの地所をもとにして早く適当な地所をもってきて下さい。私が大蔵省へ交渉するから、その値段も教えて下さい。あれを払い下げる代と、建物の代と、今度の新しい地所の代と合せてどれくらいか。それに予算をちょっとつければ僕は建つと思う。それから、今花村委員もおられるからちょっと工合悪いけれども、豊島刑務所――あれもどうかせよと花村君から言われるのだが、あんたのところは、あの本物、内容はこっちへ持ってこれるのだ。そのときには、花村委員にちょっと了解を求めて処置しなければならぬが、その具体的な考えを進めております。
  130. 松永東

    ○松永委員 それはなるほどいいことです。話が出たから私は言うのですが、それは中野も市街のどまん中だ。巣鴨は、もちろん市街のどまん中ばかりでない、もう銀座と比較される池袋の繁華街のすぐ前にある。この巣鴨刑務所もそのまま、中野もそのまま放置しておくことはできません。そこで、地元の人あたりがどんどん騒いでおる。もちろん巣鴨や中野は私の地元じゃないが、しかし一石三鳥をねらったらどうです。これはほんとうの官僚上り法務大臣なら私はそういうことは言わぬ。政治界の長老として、法曹界の長老として、牧野法務大臣はこのくらいな政治性を一つ発揮してもらいたい、こう私は考える。それは、この間やはり法務委員の人々に行ってもらって中野も巣鴨も見ました。中野は、あれはたしか何万坪ありますか、四万坪という話も聞きました。四万坪あるとすればあの辺はばったに売ったって坪二万円に売れる。四万坪だけで八億円じゃありませんか。巣鴨もこれは大へんな値打ちでしょう。今では非常に物価が騰貴しておりますから大へんな値打ちだ。そこで、今問題となりました浦和の刑務所、あれが一万七千坪あります。時価相場はあの辺だって坪二万円です。これが三億四千万。そうすると、これは二つ合わせると十一億四千万、――巣鴨はそのまま置いて。そうすると、どうです。昭和三年に規定せられたこの内規にあるところの市街地またはこれに接近せる地域を避けて建てると、おそらく坪千円ぐらいで手に入りますよ。そうすると、十万坪を入手しようとすれば一億円、十一億円も十二億円も売り上げがあるとすれば、地所を一億円で十万坪買って、まだあと十億幾ら残ります。理想的の刑務所が建てられる。ことに、今では交通が非常に便利になってきた。でありますから、そうした考えをお起しになれば、ことに、いわんや、一方は埼玉県、一方は東京都だとおっしゃるかもしれぬが、首都圏の今日ではそんな行政区画なんかとやこう言う必要はありません。三つのものを一カ所に集めて一石三鳥をねらうということになれば、金も何にも要らない。それは、大蔵大臣に百万だらおじぎをして何とかやってくれ、――私らもやる道は知っている。私も運動しますが、大蔵大臣の御協力を仰がぬでも、法務大臣の腹一つで一石三鳥がつかめるじゃありませんか。私はそういう政治性を一つ発揮してもらいたいと思う。そうしたお考えがあるかどうか、すなわち総合的のお考えがあるかどうか、それを一つ承わりたい。
  131. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 地所はございます。ほぼ私は見つけているところがございます。そこで、花村委員の希望にも沿いたいと思う。ところが、建築費がただいま認めているところが二十五億かかります。それくらいな金は出ます。それは、今の処分を基本にするだけで――それは大蔵省の国有財産の管理の方面で交換する計画を立てて、非常に愉快な何をやりたい。一つは裁判所検察庁と拘置所と三つ一緒にする建物を一つこしらえます。下を裁判所、四階、五階を検察庁、それより上を拘置所、そういうものを一緒にして、刑務所は、今の通りに、少し理想的なところに、地所が埋め立てですが、それに地域を二つにしてやろう。おっしゃる通り距離の問題なんか短縮してしまいましたから、場所さえあって、そうして花村さんや何か賛成してくれる案を一つこしらえたいと思って、私は非常な希望を持ってやっております。
  132. 松永東

    ○松永委員 大臣のそのお気持はよくわかりました。なるべくこれは早くやってもらいたい。三年、四年たちますうちには、ますますこれは東京都には過度集中してくる。そうすると、もうますます中野も巣鴨もさらに浦和あたりも繁華な市街地になってしまいます。そうすると、一日その計画を延ばせばそれだけ人心に、風紀に非常に悪影響をもたらす、こういうことになりますから、どうぞ一つせっかくの御決心でそれを一日も早く実現に移すように御努力を願いたい。私は、この機会に、こうした牧野法務大臣のような人がせっかくそのくらいな決心を持っておるのだから、未来永劫にとは申しませんが、もう四、五年ぐらいは、これができ上るまで現職におって、大いに馬力をかけていただきたいということをお願いいたしておきます。
  133. 渡部善信

    ○渡部説明員 ただいま刑務所の問題につきましていろいろ御心配をいただき、また法務大臣よりただいま将来の問題につきましていろいろお話をしていただいたわけでございますが、実は、この刑務所の問題につきまして、われわれ日々仕事をとっております者は、どういうわけかわかりませんが、刑務所に入って参ります者がだんだんふえて参りまして、どこの施設も実は超満員の盛況を呈しておるのでございます。東京におきましても、特に巣鴨の施設が戦犯の施設に充てられておりましたために、一般の収容者の収容ができない。また中野の施設もアメリカの方に接収されておりまして、これも使えないというようなところから、東京都内で確定いたしまする年間の確定者は、概数にいたしまして、ことしの一月から十一月まででもございますが、東京拘置所で確定いたしました者だけでも約六千五百人からあるのでございます。これを一体どうして入れるかと申しますと、今、東京都内で申しますれば、小菅の刑務所はそういう関係から拘置所に充てております。受刑者、確定者は入れておりません。府中があります。それから八王子にございますが、これは医療刑務所と申しまして、病院の施設があり、一般の者は入れない。さような関係で、近郷には今豊多摩刑務所、これは約九百名ばかり入れるわけであります。さようなわけで、東京都で確定いたしまする者を東京管内これは広い東京管内でございますが、これにずっと入れております。これが年間に大体五千名余り、東京都から大体管内にばらまいております。それでもまだ入れ切れなくて東京管内で――これは新潟から長野、全部含めておるものでございますが、この区域にもまだ収容し切れないで、北海道とかあるいは東北の方に送っております者が、年間二千五百名から出しておるのが現状なのであります。さような関係で、いろいろ分けても、なお東京管内では拘禁率は一三〇%にも及んでおるような現状であります。そこで、実は何とかしてこの拘禁を緩和したいというのがわれわれの方の念願でありまして、中野の施設が返って参りましたのが、われわれとしましてはほんとうにもう願ってもないありがたいことだと思って、実は一日も早くこれを使いたい、これが私どもの念願であります。今大臣のおっしゃいましたように、大きな将来に向っての御計画、これはけっこうでございますが、われわれはもうあすの日のことに実は困っております。そこで、乏しい予算ではございますが、大蔵省の方にお願いいたしまして、なるべく一日も早くこれを使えるように実はお願いをいたしておるわけであります。当座のところの予算は必ずやっていただかなければ、あすから困る。遠大な計画のものは、これはまたそれと並行して一つやっていただきたいと実は考えておるわけでございます。  そこで、巣鴨の問題でございますが、巣鴨もなるほど繁華街に入っていてお目ざわりのことと思いますが、あそこは拘置所として使いたい。拘置所は一般の刑務所と違いまして、裁判と密接な関係がございますので、そう田舎の方に参りますと、実は訴訟の進行上から申しましても非常に支障を来たします。現在でも、小菅にありますために、弁護士会の方から、また民間の方から非常なお小言をいただいておるわけであります。あんな不便なところにあって困るというようなわけでございますが、この不便なところさえも実は毎日千人からの出入りがあるわけでございます。これが遠くへ参りますと、とんでもないことになると思いますが、巣鴨の方に入って参りますれば、かような面が相当緩和されまして、勾留されておるものはもちろんのこと、弁護士の方々、あるいは関係者の方たちの利便も少からざるものがあると存じますので、この点は、町の中にはございますが、これは特殊な施設でありますので、これも一日も早く東京拘置所として活用したいということをわれわれは念願いたしておるのでございます。  さような状況を一つお含みいただきまして、この理想的な施設の方も進めていただくと同時に、急場のところをよく一つ御理解賜わりますようお願い申し上げる次第であります。
  134. 松永東

    ○松永委員 それは、仰せのことはよくわかりましたが、なるほどあそこが解除になって、それを東京の裁判所で裁判を受けつつある者を入れるのに使いたい、こもれよくわかる。その解除になったことが非常にありがたかった、一日千秋の思いで待っておったのが、ようやっと解除になったのだから、なるほどあなた方はお喜びになるだろうと思います。しかし、これに反して地元の人たちは、とんでもない悪魔が押し入ってきたということから大へんな騒ぎになっている。これも御承知にならなければいけない。私も弁護士ですが、弁護士会でも、なるほど、小菅に行くのは大へんだ、やっかいだ、こういう人もありましょう。だがしかし、今日まですでに十年向うに行っている。でありますから、あれをことさらにその半分道で済むように巣鴨に持ってきて、そうして便利にならしめるということは、弁護士にはなるほど便益でございましょう。しかしながら、一般大衆にはとんでもない迷惑になる。それをお考え願わなければいかぬ。とにかく、いずれにいたしましても、もう地元民あんなところに今ごろ刑務所を存置することはけしからぬというふうに考えておるのでありますから、法務省から見れば非常に不便かもしれない、弁護士の便益という点からも満足ではないと私は思うが、しかし、もっと遠いところに置いても、さっき牧野大臣が言われたように、交通の便利なところを勘案すれば自由にできるのだし、なるほど建築費に対してあるいは十億、十五億という巨額な金が要るかもしれませんけれども、そんなものでは償い切れないような、風教上あるいは都会の繁栄上相当な悪影響をもたらすので、その点を特に御留意を賜わりたい。
  135. 花村四郎

    ○花村委員 関連して。松永委員の質疑をそのまま全部引用いたして、それで足りるのですが、ただ一つ違うところは、今松永委員から述べられました、浦和の刑務所は外部から中がのぞかれるというので、この設置に関する法律に反しておる、こういう話でした。これはまたその通りです。ところが、外部から中を見るのもいかぬということは、要するに内部から外部が見えることもいかぬということを裏書きしておる条文でありますことは、もう当然のことであると思う。そこで、中野の拘置所は御承知のように高台にありまして、その下に中学、小学校、そして都立の工業高等学校ですか、そういう学校が幾つもできている。でありますから、刑務所の高いところから学校の中がそのまま見える。これは今松永君の言われた第一条に違反することは明らかでありますから、この点は中野は浦和とはそういう意味において違うが、しかし結果においては実質的には同じものであるということをつけ加えておきます。と同時に、局長は特別なる施設の拘置所であるからまあがまんをしてもいいじゃないかというお話であったのですが、これはやはり、われわれから考えると、拘置所であるからいけない。これが刑務所であるならばまだがまんもできるのであります。と申しますのは、要するに、拘置所から毎朝毎晩、あの狭い中野の道を囚人をバスに乗せて何回も往復するというようなこと自体が、どうもすべての面から見て感心をせざることである。むしろ刑務所であるならばそういうことはないのだ。中に入れっぱなしで、特殊な場合に外へ出るというだけで、別に目立ちもしませんけれども、拘置所であるがゆえに、朝晩、雨が降ろうが雪が降ろうが、風が吹こうが、とにかくあそこを往復するのですから、それをあの繁華街で区民の目の前にちらっかせられたのでは、中野区民がたまったものでもなし、またこれは教育面から見ても、周囲にあの多くの新しい学校ができて、教育が大事だとかなんとか言う今日において、その学校のまん中に刑務所があるというようなことでは、私は感心したものじゃないと思う。こういう意味において、まあこれは当座のことはやむを得ないでしょう、局長の気持もよくわかります。中野の区民も、いっそあそこへ帰るということであるならば立川のようにピケ・ラインを引いて、そして刑務所の者を一人も入れないように中野区民が総立ちで要路をふさいで入れないというような計画もしたらしい。それで、そういう話が私にありましたから、いやそれはどうもよくないことだ、そういうことをすべての文化程度の高い中野区民がやるということはいかぬ、これは立川の町民とは少し違うのだ、インテリがそういうことをやるのはいかぬからおやめなさいというて押えたのでありますが、そのくらいな決意を持って立っておるようなわけであります。局長の意のあるところも十分に酌量して、当座の近い間はやむを得ないでありましょうが、今松永委員の言われたように、なるべくすみやかに移転をするという方途を講ぜられんことをお願い申し上げます。
  136. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 承知しました。
  137. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 ほかに御発言はありませんか。――それでは、牧野法務大臣に対しまして、池田清、委員長席から簡単にお尋ねかつ要望申し上げます。  昨日日ソ共同宣言が批准をせられまして、旧ソ間に国交の回復を見ましたことは、まことに御同慶にたえません。その一つの効果の現われといたしまして、戦犯として抑留されておりました日本人全部が日本に帰ってこられることになったわけであります。まことにおめでたいことであります。これに反しまして、ずっと前から国交回復をいたしておりまするアメリカ、イギリス、豪州、この国においてはいまだ日本人を戦犯として自由を拘束いたしております。すなわち、アメリカにおきましては九十一名、豪州が二十六名、イギリスが四名、都合百二十一名というものが戦犯としてやはり処置されておるわけであります。つきましては、私どもといたしましては、この戦犯につきましても早く放免されるようにお願いをいたしたいのであります。その方法といたしましては、正常の外交交渉によるなり、あるいはまた、日本が国連に加盟をいたしますから、国連を通じてなり、いずれの方法によるかは政府のお考えによるといたしましても、早くこれらが自由放免をされるようにお願いを申し上げたい、こう思うわけであります。政府といたされましてはいかなる所見をお持ちでありますか、お尋ねかたがた要望の言葉を一言申し上げます。
  138. 牧野良三

    ○牧野国務大臣 ただいま委員長よりきわめて適切なる御質疑をいただきまして、まことに本懐に存じます。ぜひその目的を達しなければなりませんので、閣議におきましても議題となり、至急その手続をとる。あたかもよし国連加盟の朗報に接しまして十三日には外務大臣初め政府側の者が出発いたしまして、十五日には国会方面からの顧問が立たれます。これがニューヨークヘ参りまして、国連加盟とともに、滞在中にこの目的を達するようにいたしたいと存じます。どうかその点は委員長初め委員の諸君からも顧問としてあちらに出向く諸君にしかと仰せられてほしいのでありますが、私も本日の委員長よりの御発言をどこまでも大切に、閣議においてこれを定めて、その方面の手続に遺憾なきを期したいと存じます。お答えをいたします。
  139. 池田清志

    ○池田(清)委員長代理 ほかに御質疑ございませんか。――御質疑ございませんければ、本委員会を閉ずるに当りまして一言ごあいさつを申し上げます。  第二十五臨時国会におきまして、当委員会といたしましては、担当の法務、司法行政の調査並びに付託せられました諸案件について委員各位には最も真摯に御活躍を願いまして、ここに有終の美をもって終了いたしますことは、まことに御同慶にたえません。この間牧野法務大臣並びに政府当局におかれましては当委員会の調査に格段の御協力を賜わりまして、まことにありがとうございました。  それでは本委員会はこれをもって散会いたします。     午後二時三十四分散会