運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1956-12-12 第25回国会 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和三十一年十二月十二日(水曜日)    午前十一時開議  出席委員    委員長 原 健三郎君    理事 臼井 莊一君 理事 中山 マサ君    理事 櫻井 奎夫君 理事 戸叶 里子君       逢澤  寛君    高岡 大輔君       辻  政信君    保科善四郎君       眞崎 勝次君    眞鍋 儀十君       井岡 大治君    受田 新吉君       下川儀太郎君    三鍋 義三君  出席政府委員         総理府事務官         (恩給局長)  八巻淳之輔君         厚生政務次官  山下 春江君  委員外の出席者         厚生事務官         (引揚援護局引         揚課長)    石塚 冨雄君         厚生事務官         (引揚援護局援         護課長)    小池 欣一君         厚生事務官   田島 俊康君         労働事務官         (職業安定局         長)      江下  孝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  留守家族及び遺家族援護に関する件  引揚者定着援護に関する件     ―――――――――――――
  2. 原健三郎

    ○原委員長 これより会議を開きます。  留守家族及び遺家族援護に関する件並びに引揚者定着援護に関する件について、調査を進めます。  直ちに両件を一括して質疑を行います。櫻井奎夫君。
  3. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 この前の委員会で、引き揚げ同胞の就職状況につきまして、職業安定局の方からいろいろ説明をいただいたわけですが、特にソ連からの大量引き揚げを前にいたしまして、今度引き揚げてこられる方々に対してどのような方針を持っておられるか、一応その計画を承わりたいと思います。
  4. 江下孝

    ○江下説明員 先般お求めがございましたので、今後の、特に今回ソ連から引き揚げてこられる方々の雇用促進に関する実施計画を策定いたしまして、お手元に資料としてお配りいたしております。この資料について、概略御説明をいたしたいと思います。  私どもの考えといたしましては、何と申しましても、引揚者の方々はお気の毒な環境に長いことおられて、相当内地にも縁が切れておるという方が多いので、なかなか自分だけの力では就職がむずかしいということから、できるだけ国民一般、特に雇用主の方に十分理解を求めるということに第一の重点を置いて参りたいと思います。そのためには、特に雇用主を対象といたしまして、特別な宣伝活動を実施いたしたいと考えております。具体的には、私どもは、各公共職業安定所の管轄区域内ごとに、報道機関の協力を得まして、雇用主と引揚者の方々との懇談会を開催することを考えております。さらに主要な雇用主に対しましては、雇用勧奨状を発送いたしまして、特に労働省から依頼をいたしたいというように考えております。  次に、第二といたしましては、引揚者の方で前職を持っておられた方、あるいは何らかの形でまだ前職系統の仕事があるという場合には、極力前職復帰を強く進めていきたい、かように考えておるのであります。  以上のようなことをいたしましても、就職の具体的な結びつきということになるとなかなかむずかしい点もございますので、私どもとしましては、今回の引揚者に対して、できるだけ事前に引揚者の方々の就職に関する要望を把握いたしまして、この把握に基いて、落ちつき先の安定所に連絡をいたしまして、その安定所が中心となりまして、必要に応じて家庭訪問を実施していくということを考えております。さらに、家庭訪問と合せまして、特に引揚者の方々のための特別な求人先の開拓を行なってみたいと考えております。これも今回特に初めて試みようと考えておる点でございます。  さらに、技能等を持たないためになかなか就職がむずかしいという方に対しましては、公共職業補導所という、簡単に技能訓練をして就職させる機関が全国に二百七十ヵ所ございますが、これにつきまして、特別な入所の考慮をするということを考えておるのでございます。そのほか、報導機関方面にも私どもはできるだけ数多く出向きまして、この問題の重要性、必要性を強調して、国民一般、特に雇用主の理解を願う、こういうことにいたしたいと思います。  なお、これらのことを実施するにつきまして、実は相当予算も必要になって参ります。もちろん既定予算でできる面もございますけれども、大々的な援護活動を始めるといたしますと、相当な予算を必要といたしますので、現在大蔵省に対してこれらに対する費用の一部を予備費として要求をいたしております。  以上でございます。
  5. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 大へんけっこうな計画を立てておられる。重点事項のうちの4、公共職業補導所への入所というのは、帰ってきた人が自分の費用で入所するんですか。
  6. 江下孝

    ○江下説明員 公共職業補導所は、先はど申し上げましたように、全国に二百七十ヵ所ございます。大きな都市には大ていございますが、これは補導のための経費は無料に相なっております。従って、その間の生活費だけはどうにもなりませんが、補導所としては、経費は徴収しないことになっております。
  7. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 3の家庭訪問の実施は、各地方の職業安定所の職員の方々が、引き揚げてこられた方々の家庭に回っていく、そして職業の補導をする、こういう意味ですか。
  8. 江下孝

    ○江下説明員 そういうつもりでございます。
  9. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 大へんこまかな計画のようでありますが、これを実施するために、先ほど承わると、予備費というようなことでありますが、およそどれくりいのものを要求しておられるか、承わりたい。
  10. 江下孝

    ○江下説明員 総額といたしまして、二百二十九万西千円でございます。そりうち、労働本省で旅費あるいは通信費等の庁費といたしまして約六十九万円、それから地方の県なり職業安定所で必要な経費といたしまして二百六十万円、内容はやはり旅費と庁費ということになります。
  11. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 実施細目を見ましても、非常に広範ないろいろな宣伝活動、広報活動をなさって、こまかな計画が立っておりますが、要は、これを実施するに当っての引揚者に対するあたたかい気持というものが中心になるのでありますから、どうか一つ計画倒れに終らないように、この計画によって十分実績を上げられるように私は希望いたしまして、質問を終ります。
  12. 原健三郎

    ○原委員長 戸叶君。
  13. 戸叶里子

    ○戸叶委員 今大へんよい計画を伺いましたが、予備費として大蔵省の方へ大体要求しているというお話でしたが、私どももこれは当然皆さんと一緒に、とれるようにできるだけのことはしていきたいと思うのですけれども、もしもとれなくても、このことはおやりになるだけの決意をお持ちになっていらっしゃいますか。
  14. 江下孝

    ○江下説明員 予備費がとれなくても、この線の仕事は私としてはやりたいと思います。
  15. 戸叶里子

    ○戸叶委員 ぜひそうしていただきたいと思います。それから、厚生政務次官がおいでになっていらっしゃいますから一点だけ伺いたいのですが、ソ連で非常に御苦労なされた方々が集団的にようやくお帰りになることになりまして、ほんとうに国民あげて喜んでいるわけでございます。そこで、今度だけではおそらくお帰りになれないかもしれない、まだ漏れていらっしゃる方があるんじゃないかと思いますけれども、この点はどういうふうにお考えでございますか。
  16. 山下春江

    ○山下政府委員 大体今受け取っております人数から申しますと、お説の通り、まだ若干お残りになる方があるのではなかろうかと考えられます。本委員会で、かねがね、消息不明者と合せて、これらの問題を合同調査委員会を設けて調査するというような御意思の御決定もあったのでございますが、今回の日ソ交渉の批准書の中にもそれらの問題についての明文ができたということは、この委員会のかねがねの御努力が反映したものと私どもは信じております。従いまして、今後も大使が交換されることになりますれば、そこに――これは私どもの方の希望でございますが、どうしてもこの業務を扱いました専門の職員を一人はぜひ大使館に置いてもらいまして、引き続き向うにおりまして、向うの政府と連絡しつつ、みずから専門知識を発揮して調査をさせたい。これは希望でございまして、まだそのことの確認は得ておりませんけれども、ぜひそういたしたいと考えております。
  17. 戸叶里子

    ○戸叶委員 行方不明者の方々のための調査機関を設けて、そういう方々の調査をする、これはもう当然必要なんですけれども、今度お帰りになる方のほかに、やはりソ連は広い国ですから、まだ末端の方に散らばっている方があると思うのであります。そういう方々が帰れるような手はずをなるべく早くやっていただきたいということをお願いするわけです。  それから、お帰りになられた方々に、舞鶴で、たしか一応すぐの生活にお困りにならないようなものをお上げになると思うのですけれども、大体どんなものを差し上げるか、これは事務の方でもけっこうなんですけれども、ちょっと承わっておきたいのです。
  18. 田島俊康

    ○田島説明員 舞鶴で差し上げますもの等につきましては、大体従来のものを今度新しく注文いたしまして、たとえば先般からお話がありました毛布等の問題もございますので、ああいう点では改善を加えまして、差し上げるようにいたしております。なお、今度は特に冬期でございますので、その防寒のために特別に、たとえば毛布を増給するとかいうような措置を準備をいたしております。この前から差し上げております例の特別帰還手当というものは、半ばはそういう服装等から出た問題だもんでございますから、ああいうことから考えましても、帰られまして当座のところは、大体しのぎはつくんじゃなかろうかと思います。なお、その他いろいろな応急物資のことなどは、これは従来の通りでございます。
  19. 戸叶里子

    ○戸叶委員 よく一般の人からも聞く声ですし、また帰られた人からも聞くことなんですけれども、帰ってくると、軍服をもらうというわけなんですね。軍服をもらうということが、何かこういやな思い出をそこに持つようで、何とかそれを改良してもらえないかということは、前々からこの委員会でも出ていたと思うのですが、やはり今度も軍服をお上げになるのですか。
  20. 田島俊康

    ○田島説明員 あれは、御承知のことと思いますが、作業のための服として差し上げるのでございますので、そういう意味で大体従来のものになると思います。
  21. 戸叶里子

    ○戸叶委員 せっかく帰っていらっしゃる方にいやな感じをおさせすることはどうかと思うのです。そうかといって、今急に千何百着も間に合わないかもしれませんので、何かちょっと工夫をしたらば、いかにも軍服らしくなくなるというようなことがあるのではないかと思うのです。そういうことに対してのこまかい心づかいをちょっとして上げたいと思いますが、いかがでございますか。
  22. 石塚冨雄

    ○石塚説明員 実は、その問題につきましては、昨年来参議院の方の委員会でも御要望がございまして、それで昨年度の予算でジャンパーその他作業衣に適するように手直しをいたしましたので、作業衣ならばかなりの役に立つのではないかと考えております。
  23. 戸叶里子

    ○戸叶委員 私、拝見しておりませんのでどんなのかわかりませんけれども、そのお言葉通りであるとするならば、それをもらった人あるいは見た人が、軍服という感じを抱かないようなものになっているだろうとは思いますけれども、できれば私、前に見られる機会があればちょっと見せていただきたいということが一つ。それから、その言葉をその通り信じておりますけれども、なおもう一度念のためにいろんなところをごらん下さいまして、こまかいところまであたたかい心づかいをもって、一人々々にそういうものをお上げ下さることを心から要望いたします。  それから、厚生政務次官にちょっとお伺いいたしますが、今度お帰りになりまして、今までなくなられた方などの慰霊祭を舞鶴でしようというような計画もあるようでございますが、それについての何か御構想でもございましたら、この際お聞かせ願いたいと思います。
  24. 山下春江

    ○山下政府委員 これは本来ナホトカでおやりになりたかったそうですが、お帰りになられた方々の自主的なものでございます。ところが、ナホトカでは、いろいろな意味で、そういうことをやる時間も場所もないというので、舞鶴にお帰りになって、舞鶴から遥拝のような式をおやりになるそうでございます。これは政府の方でなくて、お帰りになった方の自主的なことで、私ども大へんけっこうなことだと思います。
  25. 戸叶里子

    ○戸叶委員 わかりました。
  26. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 私は援護法の点について伺いたいと思います。実は、二十四国会のこの特別委員会において、五月二十二日ですか、決議をされております。このことは、この委員会の全会一 、致の決議でありますが、「未帰還者留守家族の援護については、逐次改善されて来たが、なお現行の未帰還者留守家族等援護法において、未帰還者とその両親との間に収入依存の関係がなければ留守家族に留守家族手当が支給されない等、遺族年金及び公務扶助料の支給に比して均衡を失する点がある。政府は、これらの点に関し、すみやかに財政措置を講ずるとともに関係法律を改正する等、留守家族援護措置につきなお一層の強化を図るべきである。」という当委員会の決定でございますが、この決議に対して、政府はどのような措置を講じてごられたかお伺いいたします。
  27. 小池欣一

    ○小池説明員 留守家族援護法は、御承知のように、遺家族援護法や恩給法のごとく、国家補償という精神に基いてできたものではありません。むしろ社会保障的見地と申しますか、社会立法というような体系に属するものではないかというふうに考える次第であります。その意味で、留守家族の方々の実態というものに着目をいたしまして、措置をいたしておるわけでございまして、国会の御決議等につきましても、その後十分検討をいたしておりますけれども、やはり収入依存の関係というものにつきましては、社会立法という基本的な建前から申しまして、この程度の制限はやむを得ないのではないか、遺家族援護法等とこの程度の差異は、法律の立法の趣旨という点から申しまして、やむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  28. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 そうすると、やはり遺族年金等と非常に均衡を失しておるわけですが、これは具体的におわかりのことだと思います。そういうのも、今のこの法の体系上やむを得ない、こういうお考えでございますか。
  29. 小池欣一

    ○小池説明員 おっしゃる通りでございます。
  30. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 この問題は、この委員会に小委員会を作っておりますので、一つそこで結論を出して、また恩給局の方とも接触しなければならぬ点もあるようでありますので、そこでお願いをしたいと思います。
  31. 原健三郎

    ○原委員長 他に質疑がなければ、本件に対する質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会をいたします。   午前十一時二十四分散会