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1956-02-29 第24回国会 衆議院 本会議 15号 公式Web版

  1. 昭和三十一年二月二十九日(水曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第十三号   昭和三十一年二月二十九日     午後一時開議  一 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明     ―――――――――――――  第一 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第二 公職選挙法の一部を改正する法律案(第二十三回国会参議院提出)  第三 空港整備法案(内閣提出)  第四 道路整備特別措置法案(内閣提出)  第五 日本道路公団法案(内閣提出)     ――――――――――――― ●本日の会議に付した案件  公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの件  健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及びこれに対する質疑     午後一時十一分開議
  2. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) お諮りいたします。内閣から、公正取引委員会委員に中村清君を任命するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十九条第二項の規定により本院の同意を得たいとの申し出がありました。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって同意を与えるに決しました。(拍手)      ――――◇―――――
  5. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案の趣旨の説明を求めます。厚生大臣小林英三君。     〔国務大臣小林英三君登壇〕
  6. 小林英三

    ○国務大臣(小林英三君) ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び本法律案の概要につきまして御説明を申し上げたいと存じます。  健康保険制度は、昭和二年実施以来今日まで約三十年間、労働者の疾病、負傷等における生活の保障を行う制度といたしまして親しまれて参りました。今や、わが国の社会保障制度の一大支柱をなす制度といたしまして、その給付内容も逐年充実を重ね、特に近年におきましては、日々に進歩いたしておりまする近代医学の成果をそのつど取り入れまして、必要とせられる適正なる医療を実施して今日に及んでおりますが、その結果、医療費は逐年増高いたし、特に賃金水準の低い中小企業を対象といたしました政府管掌健康保険におきましては、昭和二十八年末に至り、給付費がついに保険料収入を上回るに至りました。保険経済はきわめて困難なる事態に立ち至ったのであります。この情勢に対処いたしまして、政府は、昭和二十九年秋以来、被保険者の報酬の実態把握、不正請求、不正受給の排除、保険料収納率の向上等、各種の行政措置を講じ、財政の健全化をはかります一方、昭和三十年度予算の編成に際しましては、前年度四十億円、当年度六十億円の収入不足見込みに対しまして、七十億円の政府資金融通をはかり、向後七年間毎年十億円あて一般会計の負担におきまして返済することとしたほか、保険料率を千分の五引き上げ、二十五億円の増収を行い、収支の均衡をはかって参ったのでありますが、引き続く医療費の増高の結果といたしましては、昭和三十一年度におきましては再び六十六億円余の収入不足を生ずる見込みとなったのであります。近代医学の進歩と国民の衛正思想の普及に伴いまして、医療費が年々増加いたしますること、やむを得ざることではありますが、保険財政におきましては、問題はこの医療費をいかにしてまかなうかということになって参るわけであります。健康保険の仕組みの中におきまして、この医療費の増高をまかなうに足る保険料収入が確保できるならば問題は簡単なのでありますが、今日の情勢といたしましては、すでに、昨年におきまして、保険料率は現行法で認められております最高限度まで引き上げられておるのでありまして、これを再びさらに引き上げるということは、現実には、ほとんど不可能ではないかと考えられるのであります。それゆえ、健康保険事業の恒久的かつ健全な発展を期しまするためにはこの際本制度の根本的な改革が必要とされるのであります。  このような見地からいたしまして、政府は、社会保険審議会並びに社会保障制度審議会の答申を慎重に検討するとともに、医療保障に関する与党の方針にのっとりまして今回の改正案を立案いたしたのでありますが、まず第一に、社会保障制度の確立を促進する意味におきまして、政府管掌健康保険事業の発達をはかりまするため国庫より財政援助を行うことを法律上明文化いたし、昭和三十一年度におきましては、三十億円を一般会計より受け入れることといたしたのであります。第二に、将来にわたって健康保険の健全なる発達をはかるため、療養の給付を受ける者に対する一部負担金の範囲を広げまして、これによって昭和三十一年度におきまして約二十三億五千万円の給付費の節約をはかったのであります。さらに、標準報酬等級区分の改訂、行政諸対策の強化等を行うことといたし、これらの諸措置によりまして収支の均衡をはかることといたしたのであります。なお、一方におきまして保険機構の整備をはかりますため、保険医、保険薬剤師制度を改め、わが国の医療の実態に応じました機関指定方式を採用することといたし、また、社会保険診療報酬支払基金におきまする診療報酬請求書の審査につきましてその公平正確を期するために審査機構を整備いたすこととしたのであります。  以上申し述べましたように、これら諸改革は、単に健康保険の財政対策というような狭い意味のものではなく、社会保障制度、特に全国民を対象とする医療保障制度の完全実施を前提としつつ、その一環として実施するものでありまして、わが国の医療保障制度が今後急速に健全に発達して参りまする上におきまして、一転機を画すべきものと考えておるのであります。  この法律案は右の趣旨に基きまして提案いたしたのでありますが、なお、そのほか、改正を機会に、従来から問題のありました点につきまして制度の不備を是正し、その他制度の合理化をはかるために、若干の改正をもあわせて行わんといたしておるのであります。  次に、改正案の内容を要約いたしますと、第一に、国庫は予算の範囲内におきまして政府管掌の健康保険事業の執行に要する費用の一部を補助するものとすること、第二に、標準報酬等級区分を最低四千円から最高五万二千円の二十四等級とすること、第三に、療養の給付を受ける者の負担すべき一部負担金の範囲を拡張すること、第四に、保険医療制度について、個人指定方式の長所を取り入れた機関指定方式を採用すること、第五に、継続給付受給資格期間を一年に延長すること、第六に、不正受給者に対して損失を補てんさせる措置を講ずること、第七に、被扶養者の範囲を明確化すること、第八に、厚生大臣または都道府県知事の検査に関する規定を整備すること、第九に、社会保険診療報酬支払基金における診療報酬請求書の審査機構を整備すること等であります。  以上がこの法律案を提出する理由並びに法律案の要旨でございます。(拍手)      ――――◇―――――
  7. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) ただいまの趣旨の説明に対する質疑に入ります。野澤清人君。     〔野澤清人君登壇〕
  8. 野澤清人

    ○野澤清人君 私は、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に関し、自由民主党を代表して、いささか政府の所見を承わりたいと存じます。  政府管掌健康保険経済は一昨年以来赤字を生じまして、前国会においては、第二次鳩山内閣の手によりまして健康保険法の改正が企図せられたのでありますが、赤字の根本的原因に対する抜本的対策を欠いていたために成立をはばまれ、健康保険擁護の根本対策を要請する決議が全会一致をもって可決せられているのであります。今回の政府の提案は、この決議の趣旨に沿わんとする意図のもとになされたものと考えますが、本案の骨子に対しましては、すでに、被保険者はもとより、ことに医療担当者の側から猛烈なる反対が唱えられておるのであります。そこで、私これらの人々の心配せらるるおもなる諸点について疑問を述べ、政府、ことに厚生大臣及び大蔵大臣の答弁を要求する次第であります。  第一に、政府、本案において健康保険の赤字対策として、被保険者に対する一部負担を拡張せんといたしております。近年における受診率の増大はことに顕著なるものがあり、これが抑制のために一部負担の拡張をはかろうとする政府の考えは当然であると存ずるのであります。諸外国の立法例を見ましても、健康保険制度における一部負担は必ず伴っており、しかも、その一部負担は診療に伴って継続するようなやり方をいたしており、これが自動的に乱診乱療を予防し得るように仕組まれておるのでありますから、本案において、単に初診料のみならず、自後の診療、投薬等にも一部負担が伴うように工夫されてあることは、基本的には誤まりであるとは考えないのであります。しかしながら、本案における一部負担の徴収方法として、これを医師その他の診療機関に徴収してもらうという方式をとっておるのでありますから、その程度及び方法は、医師その他の診療機関においてたやすく取り得る方法によらなければならないのが当然であります。従って、一部負担の程度と方法を定めるについては、まずもって医師その他の診療関係者の意見を十分しんしゃくする必要があると存じますが、この点について、政府は果して遺憾の点がないかどうか。さらに、また、本案の内容たる一部負担の方法、程度を定めるに当って、政府は関係者の意見をいかに取り入れられたかを明らかにしていただきたいのであります。  第二に、本案においては、健康保険事業の施行に要する費用に対し国庫補助の制度を新たに設けまして、明年度の予算においては三十億円の繰り入れを行なっておりますが、この国庫補助は単なる明年度限りの赤字対策であるかどうかを伺いたい。従来から、国民健康保険に対しましては、政府はその給付費の二割を補助しているのであります。その趣旨は、国民健康保険事業に対する赤字補てんの意味ではなく、政府として事業を助成する意図をもって継続的な補助金制度を確立したものと考えられます。今回政府が政府管掌健康保険事業に対し補助を行わんとするのも、単なる一時的な財政援助の意味ではなく、主として中小企業関係の労務者を被保険者とする政府管掌健康保険事業に対し、その事業の一般的助成をはかるの趣旨を含めて補助金制度を確立しようとする意味であると考えらるるのでありますが、果してさような考えであるかどうか、特に大蔵大臣及び厚生大臣から明らかにしていただきたいと思うのであります。  第三に、政府管掌健康保険は昨年以来赤字を見せているのでありますが、ことに最近において医療費の顕著な増加を示していることは、御承知の通りであります。しかるに、その医療費の基礎となっております単価を見ますと、昭和二年二十銭と定められたものが、現在では十一円余、すなわち、約六十倍になっているのであります。これは、物価の三百倍に比較すると、相対的には五分の一に切り下げられているわけであります。この不当に低い単価が医療担当者の経済生活をいかに圧迫しつつあるかは、もとより申すまでもありません。ここに至ったゆえんのものは、戦後十年、政府は健康保険の給付内容の改善をはかるに急な余り、医療担当者に対する報酬を物価に適応して引き上ぐる用意を怠ったためにほかならないのでありまして、最近の健康保険の給付の向上は医療担当者の犠牲において推進されてきたものと断ぜざるを得ない実情なのであります。しかし、その犠牲も今や極度に達し、医療担当者の生活上の圧迫は医療機関の技術及び設備の発展向上を阻害しようという状況であることは、すでに御承知の通りであります。従って、単価の合理的是正の措置を講ずることは今日において最も急務中の急務といわなければならないと思うのであります。政府は、今後、健康保険財政が黒字を示すに至った暁には、単価の是正を優先的に取り上げる用意があるかどうか、この点もまた大蔵大臣及び厚生大臣より明らかにせられたいのであります。  第四に、今次法案において、従来からの保険医、保険薬剤師の指定のほかに、保険診療機関、保険薬局の指定の制度を設けて、監督の強化をはかるとともに、他面、監査制度の拡充をはかっております。これらの監督、監査等に当っては、従来とかく官僚主義の弊害が憂えられていたのでありますが、その弊を救う方法として、関係者の意見を行政の上に反映せしむるとか、さらに進んでは関係者の自主的な措置を促すとかの方法が考えられなければならぬと存じます。こういう点から考えますと、医師会、歯科医師会、薬剤師会等を法制化し、これらの団体の自主的な活動によって保険に関する監督、監査の実をあげさせるということは、きわめて適当な方法であると考えますが、政府は、近き将来において、これらの団体を法制化し、監査、監督の責任を負わせるような考えはないかどうか、伺いたいと存じます。  第五に、今日わが国の健康保険制度を見ると、政府管掌健康保険、組合管掌健康保険、日雇い健康保険等のほかに、職員共済組合による健康保険、国民健康保険、船員保険等があり、その経営、負担、給付、国庫補助等、ことごとく千差万別であります。これを一元的に統一し、内容の充実をはかることは最も適当であると考えますが、政府は各種健康保険制度の一元化についていかなる用意を有せられるかを伺いたい。  最後に、健康保険の診療費の支払い方式たる医療費体系について伺っておきたい。新医療費体系に関してはすでに激しい批判が行われております。この方式の適否は、健康保険診療の成績に至大の影響を及ぼすのみならず、医療担当者の所得に大なる関係を有するものでありますから、医療関係者の十分な理解と支持が得られなければ、実施は無理であると考えられます。こうした点について、政府は事態をどう見ておられるのか、率直な御見解を承わりたいと存ずるのであります。  以上は本案審議の冒頭において特に明確にしておきたい諸点でありますから、厚生大臣及び大蔵大臣の簡明率直なる答弁を要望いたす次第であります。     〔国務大臣一萬田尚登君登壇〕
  9. 一萬田尚登

    ○国務大臣(一萬田尚登君) お答えします。  今回実施いたします国庫一部負担は、社会保障制度の確立を促進いたしまする見地からいたすのであります。従いまして、赤字補てんを目的といたしておりません。従いまして、また今年限りのものでないのであります。  なお、医療費につきまして、患者に不当の負担にならないよう、十分検討を加えていきたいと考えております。     〔国務大臣小林英三君登壇〕
  10. 小林英三

    ○国務大臣(小林英三君) ただいまの御質問に御答弁申し上げます。  第一は、健康保険の一部改正法律案について関係者にいろいろ相談をしたか、了解を得てあるかというようなことであったと思うのでありますが、この健康保険の一部改正法律案を出すに当りましては、非公式でありますが、いろいろ関係団体あるいは関係者の意見も十分聴取いたしまして、最後に、法律できめてありまする社会保険審議会並びに社会保障制度審議会の答申を得まして、そうしてこれを決定いたした次第でございます。  補助金の問題につきまして、ただいま大蔵大臣から御答弁のありましたように、一時的のものではないのであります。社会保障の確立の上におきまして、政府が負担、補助をいたすのでございます。  それから、単価の問題についての御質問でございます。これは、御質問の趣旨もよくわかるのでございますが、何といたしましても今日健康保険の財政が非常に危機に瀕しておりまして私は、この改正案によりまして、健康保険が財政的にも軌道に乗り、そうして将来医療費も十分に出して、これが軌道に乗りました上におきましてはこの問題につきましても十分に検討をいたしてみたいと思っておるのであります。  なお、監査のやり方につきましては、これは、医療協議会の求めによりましてできております、そのいろいろの規定に基きまして、かつまた、医者を含めました地方の医療協議会と十分連絡協調をはかりまして、立ち合いの上でいたすのでありますから、私はこの問題につきまして官僚的であるとかなんとかいうことはないように思いまするし、もしそういうことがありといたしますならば、今後十分に監督いたして参りたいと思っております。  それから、医療担当者の公的性格を持った団体についてどうかという御意見があったようでありますが、この問題につきましても、今後十分に検討して参りたいと思っております。  それから、新医療費体系というものが健康保険に密接な関係があるし、医療担当者等の了解その他についてどうであるかという御論議があったようでありまするが、この新医療費体系は厚生省におきまして長い間時間をかけて作業いたして発表いたしたのでありますけれども、これも、私が常に申し上げておりますように、人間の作ったものでございますから、いろいろな観点から不備な点もあるかもしれないのであります。私は、この問題につきましては、あらゆる機会におきまして医療担当者の団体の幹部諸君、あるいは各府県の医療担当者の代表者の諸君と努めてお目にかかりまして、それらの意見を十分に聴取いたしまして、厚生省の案に誤まりがありまするならば、これを訂正することもやぶさかでないのでありまして、十分に今後も検討してやって参りたいと存じておるのであります。(拍手)     〔「休憩々々」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
  11. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) この際お諮りいたします。池田君から暫時休憩すべしとの動議が提出されております。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  12. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) 起立少数。よって、池田君提出の動議は否決されました。  岡本隆一君。     〔「進行々々」と呼び、その他発言する者多し〕
  13. 益谷秀次

    ○議長(益谷秀次君) 岡本君は在席されておりませんので、この際暫時休憩いたします。     午後一時四十四分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕