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1956-03-03 第24回国会 衆議院 文教委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月三日(土曜日)     午後一時十五分開議  出席委員    委員長 佐藤觀次郎君    理事 赤城 宗徳君 理事 加藤 精三君    理事 高村 坂彦君 理事 坂田 道太君    理事 米田 吉盛君 理事 山崎 始男君       伊藤 郷一君    川崎 秀二君       杉浦 武雄君    並木 芳雄君       野依 秀市君    町村 金五君       山中 貞則君    河野  正君       木下  哲君    小牧 次生君       野原  覺君    三鍋 義三君       柳田 秀一君    小林 信一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  鳩山 一郎君         文 部 大 臣 清瀬 一郎君  出席政府委員         内閣官房長官  根本龍太郎君         文部政務次官  竹尾  弌君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     緒方 信一君         文部事務官         (調査局長)  福田  繁君  委員外の出席者         文部事務官         (大臣官房総務         課長)     齋藤  正君         専  門  員 石井つとむ君     ――――――――――――― 三月一日  委員高木松吉君、三田村武夫君及び辻原弘市君  辞任につき、その補欠として久野忠治君、池田  勇人君及び山本幸一君が議長の指名で委員に選  任された。 同月二日  委員久野忠治君、山口好一君及び鈴木義男君辞  任につき、その補欠として高木松吉君、森山欽  司君及び山田長司君が議長の指名で委員に選任  された。 同日  委員森山欽司君辞任につき、その補欠として山  口好一君が議長の指名で委員に選任された。 同月三日  委員池田勇人君、加藤精三君、北村徳太郎君、  高木松吉君、高津正道君、平田ヒデ君、山田長  司君及び山本幸一君辞任につき、その補欠とし  て伊藤郷一君、阿左美廣治君、川崎秀二君、山  中貞則君、三鍋義三君、小松幹君、池田禎治君  及び柳田秀一君が議長の指名で委員に選任され  た。 同日  委員池田禎治君、伊藤郷一君及び山中貞則君辞  任につき、その補欠として鈴木義男君、池田勇  人君及び高木松吉君が議長の指名で委員に選任  された。     ――――――――――――― 二月二十九日  教育職員免許法施行法の一部改正に関する請願  (坊秀男君紹介)(第九三五号)  同(保科善四郎君紹介)(第九五四号)  国旗記念日制定に関する請願(今井耕君紹介)  (第九三六号)  要保護児童の学校給食費補助に関する請願(野  田卯一君紹介)(第九五五号) 三月一日  九州大学第二分校移転後に工業専科大学設立の  請願(楢橋渡君紹介)(第一〇三〇号)  教育職員免許法施行法の一部改正に関する請願  外一件(辻政信君紹介)(第一〇七四号)  同(眞崎勝次君紹介)(第一〇七五号)  同(坂田道太君紹介)(第一一〇三号)  弘前市に博物館設置に関する請願(木村文男君  紹介)(第一一〇四号)  青年学級運営費国庫補助に関する請願(戸塚九  一郎君紹介)(第一一〇五号) の審査を本委員会に付託された。 同月二日  地方教育委員会制度存続に関する陳情書(赤平  市議会議長高江周三)(第二一七号)  同(北海道空知郡上砂川町議会議長弓良金次)  (第二五二号)  紀元節復活に関する陳情書(島根県鹿足郡神社  役員会長望月幸雄)(第二三二号)  同(岡山市東田町三十八番地日本同志会長山田  理吉)(第二五一号)  同外二十二件(新宮市新区七千百九十番地西島  秀男外九十三名)(第二七四号)  同(北海道空知郡富良野町富良野神社宮司西川  仁之進外十二名)(第三一六号)  国立大学の授業料値げ反対に関する陳情書外一  件(宇治市五ケ庄京都大学宇治分校わだつみ会  高井睦朗外八十三名)(第二五三号)  天草四郎の聖旗譲渡に関する陳情書(長崎県南  高来郡南有馬町長石川瑞穂外一名)(第二五六  号)  地方教育委員会の廃止に関する陳情書(広島県  議会議長林與一郎外四名)(第二七五号)  青少年保護法制定に関する陳情書(広島県議会  議長林與一郎外四名)(第二七九号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  就学困難な児童のための教科用図書の給与に対  する国の補助に関する法律案(内閣提出第二〇  号)  学校教育に関する件     ―――――――――――――
  2. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 これより会議を開きます。  まず文教行政について質疑を行います。去る二月二十三日の委員会における文教行政についての質疑の際、野原委員より内閣総理大臣に対する出席要求がございましたが、本日ここに鳩山内閣総理大臣の出席を見ましたので、これより内閣総理大臣に対する質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。野原覺君。
  3. 野原覺

    ○野原委員 私は本日は総理に対しまして、紀元節の問題ないしは臨時教育制度審議会等にわたる数点についてお尋ねをいたしたいのであります。  紀元節の問題は、事は小さい問題のようでございますけれども、現内閣の文教に対する考え方が那辺にあるかということでもございますので、私どもは相当重要視いたしまして、数日間にわたって文部大臣の見解をただして参ったのでございますが、どうしても納得ができない面があるわけであります。従って本日は総理に御出席をいただきまして、鳩山内閣の最高責任者として一体どのように考えておられるか、その点について私はお尋ねをいたしたいと思うのであります。時間に制限もございますから、端的にお伺いをいたします。  第一点は、今日の学校教育におきまして、紀元節の祝典をあげることは許されるとお考えでございましょうか、その点であります。
  4. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 お答えをいたします。  国民がわが国の建国の日を記念いたしまして、自発的に祝うことはけっこうなことであると考えております。ただ国民の祝日は現在は法律で定めてありまするが、紀元節は国民の祝日でありませんので、国民に対しこの日を祝日として取り扱うことをしいて求めることはできません。しかしながら国民各自が同日自発的に適当な行事を行うことを差しとめる考えはありません。学校が以前の紀元節に当る日に、国の日を記念する適当な行事を行うとすれば、当該学校所管の教育委員会の同意を得まして、当日の学習に差しつかえを生じない範囲において行うべきものであると考えます。
  5. 野原覺

    ○野原委員 国民各自が自発的にどのような祭典を行い、どのような祝典を行い、あるいはお祝いをし、記念をするというようなことが許されておることは、これは当然のことでありまして、そのようなことは私は質問いたしていないのであります。今日の学校教育で、校長の考えで全校生徒を一つの場所に集め、その村の父兄をも動員いたしまして、紀元節の式典を行なった事実が、最近高知県においてあるわけでありますが、一体こういうことが許されるのかどうかということをお尋ねしておるのでございまするから、紀元節の祝典を、御承知のようにこれは今日国の祝日になっていないにもかかわらず、学校教育でそういうことができるかできないか、この点に対する総理の御見解を率直にお示しを願いたいのであります。
  6. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 学校に関係ある委員会でもって承諾をして、そういう行事をやろうとし、しこうして学校の行事すなわち学業に差しつかえのない範囲においてならば、そういう行事をやりましても差しつかえないものと考えております。
  7. 野原覺

    ○野原委員 所管の教育委員会がこれを許可し、授業を休まない範囲であれば可能だという御答弁のようでありまして、この点は清瀬文部大臣もすでに表明されておるのであります。それならば私はお伺いいたしますが、本日は三月の三日であります。おひな様の節句であります。これは国民の長い伝統的な行事でありまして、このおひな様の節句の日に授業を一時間くらいやって、おひな様の行事を校長がやるということは何ら差しつかえございませんか。
  8. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 学校の行事としてやるということですか。
  9. 野原覺

    ○野原委員 もう少し発展してお尋ねしますが、五月一日は大臣も御承知のようにメーデーということになっておるのであります。メーデーとは勤労者の祭典ということになっておる。このメーデーの日に教育委員会の許可を得て、校長がきょうは勤労者の祭典であるからというので、お祝いの行事をやり、記念式典をあげる、こういうことがあっても差しつかえなかろうかと思うのでございますが、いかがでしょう。
  10. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 メーデーは労働者の祝日でありまして、学校の教員全般に対しまして、それに出席するために学校の授業を休むということは少し行き過ぎであると思います。
  11. 野原覺

    ○野原委員 総理はよくおちついてお聞き願いたいのでございますが、私は教員が授業を休んでメーデーの祭典に行くということは尋ねておりません。教員が学校教育の場で子供たちを集めて、きょうはメーデーなんだ、きょうは日本のというよりも全世界の労働者の祭典なんだ、こういうお話をして、そのための行事をやるということは差しつかえないのかどうかということをただしておるのであります。御所見を承わりたいと思います。
  12. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 文部大臣から答弁してもらいます。私特別の考え方を持っておりません。
  13. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 文部大臣の答弁はあとにいたします。
  14. 野原覺

    ○野原委員 私はしかし文教委員長の計らいとしては、文部大臣の御答弁はあとにということでございますが、この点は文教委員長にお願いしますけれども、やはり私の質問の発展もありますので、一応文部大臣の御見解をここでお聞きしたいと思う。この点は清瀬文部大臣の御答弁でもけっこうであります。
  15. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 メーデーは野原君御承知の通り、わが国ではやはり労働者の祭典ということで、国民全般の祭典とは了解されておりません。また外国ではメーデーは意味が違います。近年そういう階級的の色彩が非常に多いのでありますから、メーデーの式典をやりたいというと、教育委員会はメーデーに何をやるかということをただすだろうと思います。やることの内容によって教育委員会の同意を得、それから総理の言われた通り学業に差しつかえがいということになれば、集会をいたすことを何もとめる必要はないと思います。
  16. 野原覺

    ○野原委員 どうも総理が御答弁できないようでございまして、総理に対する質問はまた後刻いたしたいと思いますが、ただいまの文部大臣の御答弁は重大であります。あなたは過日の文教委員会において、紀元節の式典を学校であげたあの高知県のような場合、これはいいのだ、二月二十四日の閣議でもすでに了解されたかのような報道がなされて、文部大臣の談話も出ておるのであります。私はお尋ねいたしますが、メーデーは労働者の祭典である、国民全体の祝典ではないからいけないとあなたは言われますけれども、それでは一体紀元節というものは国民全体の祝典でございますか。何を根拠にして二月十一日に紀元節を行うということが国民全体の祝典ということになっておるのか私は了解できませんが、この辺に対する御見解を聞きたい。
  17. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 紀元節は国民全部が今は祝っておりませんことは御承知の通りであります。しかしながらこれを祝う人は国民全体の祝うべき日として祝っておるのでございます。意味はおわかりでしよう。紀元節を祝う人は国民全般的の日として祝っておるのです。メーデーは少し意味が違いまして、外国ではこれを全般のめでたい日としてやっておる国もありますが、ここ数年間わが国は労働運動の発展とともに祝い出したものでございまして、祝う人はたとい八千万のうち十万でありましても、われわれの日だといったような意味を含んでやっておりますから、そこには紀元節と幾分差違があろうと思います。しかしながら学校において、労働は大切にしろということは教育基本法にもあることでありましょうから、階級意識をあおるようなことなしに、労働の貴重なることを教えることであったら、私は教育委員会はお許しになるものと思います。
  18. 野原覺

    ○野原委員 国民全般の祝う日だと仰せられますけれども、これは国民が自発的にそのような考えを持ってお祝いをすれば問題はない、これは先ほど申した通りであります。ところが校長が自分の考えで学校の生徒を集めて式典をあげたのであります。子供にはこれは国民全般の祝う日だという意識はないでしよう。それを式典をあげた、このことは可能であって、そうしてしかも労働者の祭典であるメーデーがいけないというあなたの御答弁は、私に言わせれば了解できません。もう一度お尋ねします。その上で総理にまた質問いたしたいと思いますが、一体国民全般の祝う日、こう言われますが、これは国の祝日ということになろうかと思います。そのように受け取ってよろしゅうございますか。
  19. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 国の祝日、祭日はただいまでは法律で規定いたしております。これは議員提出の法律でございました。紀元節はそれには当っておりません。
  20. 野原覺

    ○野原委員 私はメーデーができないというあなたの断定は承服できませんが、本日は総理にお尋ねする機会でありますからお伺いいたしますが、校長が子供や父兄を集めまして紀元節の式典をあげる、このことは教育委員会が認めたならば授業に差しつかえない範囲ではできるのだ、これが内閣の考え方のようであります。そういたしますとそういうことは今日の学校教育では望ましいことでございましょうかどうか、法律に違反しないでありましょうけれども、教育委員会の許可があればそういう式典を校長があげることができるというこのことは、今日の学校教育で望ましいとお考えでございますか、総理の見解をお尋ねいたします。
  21. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 国民が自分だけのことを考えないで人のことを考え、国のことを考えるということは決して悪いことではないのです。国の始まった日を考えるということは私は悪いことではないと思います。
  22. 野原覺

    ○野原委員 建国の日を祝うということは国民として当然だ、だから悪いことではない、このような式典をあげることは望ましいことだという御答弁のようであります。そういたしますと一体国は二月十一日を建国の日とお定めになっておりますか、お尋ねいたします。
  23. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 国が法律でそういう日をきめてなかったことは御承知の通りであります。ただいまは祝日ときまってないのであります。
  24. 野原覺

    ○野原委員 国がきめておりませんから、やはり問題があるとお考えになりませんか。国は建国の日とはきめていない。そのきめていないような日にこういう式典をあげるということが望ましいというのは一体どういうわけですか。もう一度お尋ねいたします。
  25. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 この民主主義というのは、えて自分のことだけを考える方に走りやすい主義なんですから、それがやはり国の始まった日をともに祝うというような考え方は私は悪いとは思いません。
  26. 野原覺

    ○野原委員 今日総理も御承知だろうと思いますが、総理の関係していらっしゃる共立の学校はどういうことをやっておるかは知りませんけれども、私の知り得る範囲では、紀元節の式典を今日の学校はあげていないのであります。鳩山内閣は式典をあげることが望ましいという見解のようでありますが、それでは一体今日の学校は政府の考えている望ましいことをやっていない、このように受け取ってよろしゅうございますか。
  27. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 私はみんながそういうような気持になることが望ましいと言ったのであります。現在は法律できまっておりませんから、祝日としてこれを取り扱うわけには学校としてはいかないわけです。
  28. 野原覺

    ○野原委員 皆がそういう気持になることが望ましいということを私はお尋ねしておるのではありません。総理大臣は落ちついてお聞き願いたいのですが、私が聞いておるのは、今日の学校で紀元節の式典をあげるということが望ましいかと尋ねておるのです。望ましいということになりますと、今日学校が紀元節の式典をあげていないのです。高知県のある小学校が一つことしあげて、実はいろいろな批判の対象にされておるので、あります。そのことをお尋ねしております。一体そういう学校は望ましいのかどうか、いかがですか。
  29. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 法律に祝日としていないのですから、学校が祝日として取り扱わないのはこれは当然だと思っております。当然だと思っていますから、学校が祝日として取り扱うことが望ましいとは言えません。
  30. 野原覺

    ○野原委員 祝日としての取扱いは尋ねておりません。学校が式典をあげたのでございます。式典をあげるのであります。学校行事としてか何か知りませんが、何らかのお祝いの行事をやるのであります。そのことが望ましいかと聞いておるのでございます。いかがですか。
  31. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 私が先ほど言ったのは、みんながそういう心持ちになることが望ましいと言ったのでありまして、祝日としていない法律のもとにおいて、学校が法律に違反することは望ましいとは言えないのであります。
  32. 野原覺

    ○野原委員 つまりこうでございますか。国が祝日として認めるまでは学校教育でこのような式典をあげることは慎重でなければならない。そのために、学校は今日こういう式典についてはなされていないのです。校長個人は式典をあげたいと思う人はたくさんあるでしょう。教育委員会も何とかやりたいと思っている人があるでしょうけれども、国が今日法律で祝日として認めていないのでございます。だから、国が認めるまでは学校教育では慎重でなければならない、私はこのように考えますが、同じお考えでございますか。
  33. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 その通りでございます。あなたのお考えの通りです。
  34. 野原覺

    ○野原委員 そういたしますと、文部大臣にお尋ねいたしますが、やはり高知県のあの小学校があのような式典をあげたということは、問題があるとお考えになりませんか。慎重である点から考えて、問題があるとあなたはお考えになりませんか。
  35. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 高知県の大豊村の小学校はこれを祝日としてやったんじゃございません。しかしながら学校の授業を幾分休んだようでありまするから、それは行き過ぎだといって、過日の文教委員会においてもたびたび申し上げた通りであります。祝日としてやるならば法律的な効果がある。また祝日は民法上期間の計算にも入らぬけれども、当日は祝日ではありません。国の初めの日でありますから、生従を集めてそれを教えたのであります。
  36. 野原覺

    ○野原委員 行き過ぎは授業を休んだことである、確かに仰せられた通りであります。ところが記念式典をあげたということは行き過ぎであるとお考えにならぬのですか、いかがですか。
  37. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 祝日として取り扱わない、任意なる集まりとして、紀元節の日に国歌を歌い、あるいは訓辞をなすということは学校でやっていいと思います。あの日には、文部省の得た情報では、教育委員会の了解は得ております。ただ私遺憾に思うのは、授業を幾らか休んでおります。これが私は行き過ぎだと思っておるのです。
  38. 野原覺

    ○野原委員 ただいまの答弁は重大であります。総理大臣によりますと、紀元節が国の法律として認められない以上は、このような式典をあげることには慎重でなければならない、こういう御答弁であります。文部大臣によりますると、このような式典をあげることは何ら差しつかえないということであります。あなたは過日の文教委員会においてもこれは強調されておった。ただいまも総理を前にして、総理お聞きの通りの答弁をあなたの文部大臣はされておるのでございますが、文教の直接の責任者は文部大臣でありましょうけれども、一体政府の最高責任者として、ただいまの文部大臣の御答弁に対してどのようなお考えをお持ちでありますか、承わりたいのであります。
  39. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 文部大臣は当日授業を休んだのは遺憾だと言っておるのでありまするから、決して文部大臣の考え方は不当だとは思いません。
  40. 野原覺

    ○野原委員 授業を休んだことについては、私は尋ねておりません。授業を休んだことが遺憾だということは、総理大臣、聞いていないのであります。これは総理大臣もただいまお聞きの通り、紀元節の式典をあげるということは、国が紀元節として認めていない以上、公けの学校教育の場で全部の子供を集めてこういう式典をあげることは慎重でなければならぬのだということを総理大臣は御答弁になったのであります。ところが文部大臣は、紀元節の式典はあげることは差しつかえぬと言うのであります。一体どちらの御答弁が正しいのか。私どもはこの重大なる食い違いははっきりここで解決しなければならぬかと思いまするから、やはり最高責任者として総理大臣のお考えをお尋ねしておるのであります。
  41. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 私があなたに答弁をいたしたことについて、文部大臣は少しも異存はないものと思います。
  42. 野原覺

    ○野原委員 そういたしますると、紀元節の式典を学校教育であげるということことはかまわぬということですか。文部大臣は、紀元節の式典をあげてもいいと言っておる。かまわぬということですか。あなたの答弁に非常に前後の矛盾があります。
  43. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 法律に式典として規定していないのに式典としてあげることについてはきわめて慎重でなくてはいけないと言ったのでありまして、祝日として、式典をあげろというようなことを言ったのではありません。私が言ったのは、国民が国に対してそういうような気持をみんなが持つようになることが望ましいことだと言ったのであります。
  44. 野原覺

    ○野原委員 紀元節の式典は慎重でなければならない、このことは私は了解できます。文部大臣は紀元節の式典をあげることはかまわないのだ。私もその日に日の丸の旗を立てたという。これは立てることは自由であります。だから、あなたのそういうような考え方で、紀元節の式典はよろしい、こういうような文教政策をやられたのでは私どもは承知できないのであります。このことはいずれ清瀬文部大臣の文教政策――しかも鳩山総理とは明らかに答弁に食い違いがあるということをここで指摘いたしておきます。時間もございませんから、私はまた他日これは適当な機会に問題にいたしたい。政府においても十分お考え願いたいのであります。  そこで、質問を続けます。第二点は……。
  45. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 私の申すことと鳩山総理の申すこととはちっとも違いありません。同じ人でも二度言う時分には言葉は変りますけれども、意味は同じことであります。
  46. 野原覺

    ○野原委員 それでは紀元節の式典をあげることは差しつかえないということをお取り消しになりますか。
  47. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 あなたは式典という言葉を使うて、祝典と接近したような語感を出そうと努められておるのです。祝日とか祝典とかいう言葉は、法律にはありませんから、よくない。しかし紀元節の日に集まって、国の紀元の話をし、あるいは君が代を歌うというふうな行事は、これはいいじゃないか、こういうことを言っておるのです。あなたは言葉を非常に、ちょっとひっぱってお考えになるように思います。
  48. 野原覺

    ○野原委員 あなたがそのようなことを仰せになるならば、私は総理に重ねてお尋ねをいたします。総理は御承知でないかもしれませんが、高知県のある小学校では、学童を全部集めて、それからその村の父兄有志を集めて、そうして式典をあげております。私の式典という言葉が妙な語感を与える言葉だと申しますけれども、これは文部大臣も御承知のように、着席から始まって、君が代を歌い、校長が訓話をなし、村の代表者が祝いの言葉を述べ、そして紀元節の雲にそびゆるの歌も歌い、昔の私どもが受けた教育における式典と何ら異なっていない。異なっておる点は、教育勅語を読んでいないということが違うだけであります。これは新年の詔書を読んでおる。その点だけである。これを式典というのが一体どこがいけないのか。総理大臣、私が申し上げましたこういうようなお祝いの行事をするということは、学校教育では望ましいのでしょうか。かまいませんか。重ねてお尋ねいたします。
  49. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 私は、今まで言ったこと以外には付加すべき言葉はありません。
  50. 野原覺

    ○野原委員 そうなれば、やはり総理は、慎重でなければならない、望ましくない。ところが文部大臣は許されておる。このはっきりした違いを私が指摘したことがどこが間違いなのか。清瀬文部大臣はこれを指摘されますというと、色をなして答弁を求めておりますけれども、私どもはこの食い違いははっきり、これは後日の機会に問題にいたしたいと思うのであります。そこで……。
  51. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 それでは野原君最後にお願いいたします、時間がありませんから……。
  52. 野原覺

    ○野原委員 時間がないようでございますが、臨時教育制度審議会についてお尋ねをいたしたいのであります。今回臨時教育制度審議会が持たれるような法律案が出されておるのでございますが、総理も御承知のように、これは内閣の審議会ということになっておるのであります。私どもは過日文部大臣に、一体あなたはどういうようにしてこの臨時教育制度審議会の委員を任命するのかとお尋ねいたしましたところ、文部大臣は、内閣において選任するのでございますから私は関与しない、こういうことであります。内閣の審議会ということであれば、この制度審議会の会長には総理大臣が当るわけでございますから、そこで私はお尋ねをいたしますが、臨時教育制度審議会の委員の人選は、どのようなお考えでお進めになるのでございましょうか、お伺いいたします。
  53. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 審議会は委員を四十人といたしまして、国会議員十人のほか、各界の学識経験者三十人で構成をいたしまして、ほかに必要に応じ専門委員を置くことができることになっております。
  54. 野原覺

    ○野原委員 私が尋ねておりますのは、審議会の委員というものは、事教育に関することでもございまするから、特に公正なる人々を選ばなければならない。このことについての具体的な配慮をお聞きしておるのであります。教育については、なるほど鳩山内閣にも、自由民主党にも、文教方針を持っておられます。しかしながら教育は国民全体のものでございまするし、国家百年の大計ともいうべきことでありまするから、公正なる人――党の政策に反対する人であっても、学識識見の高い人、そういう人々が当然この委員に入られなければならないかと私どもは考えるのでございまするが、そういうことに対する具体的な御配慮はいかがでございますか、お伺いいたします。
  55. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 公正なる人を選抜するのに苦心をしております。
  56. 野原覺

    ○野原委員 具体的な構想――たとえば学術会議あるいは学士院あるいは教育者の団体、あるいは現在教育に携わっておるところの現役の人々、あるいは教育委員会関係者、こういうような構想が私はもうできておると思う。衆議院にすでに提出されてもう日も相当たっておるのであります。そのような構想なしに一体こういう審議会というようなものが提案されるわけはなかろうと私は思うので、お尋ねしておりますが、具体的な構想はまだお立てになっておりませんかどうか、お伺いします。
  57. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 具体的なことには、私はまだそこまでいっていないものと思います。
  58. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 時間がありませんから、これで最後に願います。
  59. 野原覺

    ○野原委員 時間がありませんから、これをもって最後にいたします。御承知のように、中央教育審議会というのが文部大臣の諮問機関にあるわけであります。しかも中央教育審議会は、独立後の日本の教育のあり方を検討する諮問機関、こういうことになって発足いたしたのであります。文部大臣から過日提案の御説明をお聞きいたしましたところ、臨時教育制度審議会も、独立後の日本の教育のあり方を検討するのである。これはそうなると、文部大臣の諮問機関である中央教育審議会と、内閣の諮問機関である臨時教育制度審議会と、本質的に一体どこが違うのか、私どもはこの点が了解できない。あなたは臨時教育制度審議会の会長になられる方でございますから、本質的な相違点を明確にお示し願いたいのであります。
  60. 鳩山一郎

    ○鳩山国務大臣 二つの会は審査する範囲が違うものですから、それで二つに分れておるのであります。現行の教育制度は、その基本を占領の初期に定めたものありまして、これを根本的に検討すべしという各方面からの声がありますので、現行教育制度の根本にさかのぼって、これが国情に適しておるかどうかを国政全般の立場から再検討するために、臨時教育制度審議会を設けたいと考えたのであります。文部省に置かれておる中央教育制度審議会は、恒常的機関として、常置機関として存続させるのでありますが、その審議範囲は、臨時教育制度審議会の審議事項以外の、広く教育、学術、文化全般に関しまして、一般的施策について審議するものでありますから、おのずからその範囲が違うと私は思います。
  61. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 野原君、もう約束ですから……。
  62. 野原覺

    ○野原委員 質問はいたしませんが、要望だけ……。総理の私の質問に対する御答弁をお聞きいたしますと、失礼な言い方でありますが、非常に確信がない、あやふやであります。どなたが原稿をお書きになったか知りませんが、私はそのような答弁では、質問をまた蒸し返さざるを得ないのでありますが、時間の制限があるからやめたいと思います。いやしくも鳩山内閣が、日本の独立後の教育のあり方を検討するために、臨時教育制度審議会を設けておりながら、なぜ総理は熱意をもってこういう具体的構想で臨むのだ、――あなたはかつて文部大臣をされ、今日真接間接に教育にも関心を持たれておるように承わっておりますけれども、今日政府が提案をしておる臨時教育制度審議会というものは、文部大臣のわれわれの質疑に対する答弁を聞いても、鳩山総理のただいまの私の質疑に対する答弁を聞いても、その熱意のほどが疑われるのであります。鳩山内閣は一体何を考えておるのか、どういう文教方針を持たれておるのか、あなたは総理として、教育問題にもっと真剣に考慮をめぐらされて、少くともこのような審議会を設けるならば、もっと熱意のある態度で今後処せられるように要望をいたします。あなたのそういう考え方では、日本の独立後の教育政策というものは樹立できるものではない。結局党の党利党略に惑わされるような教育方針しか今後打ち出されないだろう。私どもはこのこのことに非常な寒い心を覚えるということだけを申し上げまして、本日の私の質問を終ります。(拍手)
  63. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 一言申し上げます。あなたのお言葉のうちに、総理が臨時教育制度審議会の会長になるのだろうからということをおっしゃって、ずっと議論をお進めになりましたが、総理が審議会の会長になることにはきまっておりませんから、それをお答えせずに済むと、言質を与えたことになりますから、ちょっと訂正いたしておきます。この問題に関する私の考えは、この間の内閣との共同審議会において詳しく申し上げましたから、繰り返しません。
  64. 野原覺

    ○野原委員 これは与党の諸君にも御了解願いたいと思いますが、今私の質問に対して文部大臣があのような見解を言われたから、私も一言せざるを得ないのであります。あなたは、いつでありましたか、鈴木義男委員の質問に対して、このように言われておるのであります。臨時教育制度審議会の委員は、事実上文部大臣が選任するのではないか、こういう質問に対してあなたは、内閣において選任するのである、私は関与しません、このように答弁されております。なるほど総理は会長になるかならぬかは知りませんが、内閣の諮問機関でありましょう。内閣の諮問機関であれば、内閣総理大臣が法制的には責任があるわけであります。そういう立場で、私は尋ねておるのであります。よく落ちついて頭を冷やして、他人の質問はお聞き願いたい。このことを申し上げておきます。
  65. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 次に山崎始男君。
  66. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 文部大臣に少しばかりお尋ねしたいと思います。その問題は、二月の二十九日に、日本のユネスコの国内委員会でございますか、これがアジアのユネスコの総会におきまして、原水爆の禁止の問題を反対をしているこの点を文部大臣は御承知か御承知でないか、まずその点を先に一つお聞かせ願いたい。
  67. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 まだ詳細な報告は受けておりませんけれども、新聞等によって今朝以来承知いたしております。
  68. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 二月二十九日にその問題が起って、しかも所管大臣としてはたしかあなただと思うのであります。その方がまだ詳細の報告を聞いていない。きょうは三月三日でございますが、聞いておられないということは、実に私は奇怪な言葉だと思うのでありますが、賛成したか、反対したか、そのことも聞いていないのですか、重ねてお伺いいたします。
  69. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 あの案については、きょう修正が出て、討論中だと聞いております。
  70. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 賛成か反対か、日本の態度、あなたの所管下にあるところの日本のユネスコの機関が、賛成か反対かを聞いておるのです。
  71. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 わが国のユネスコ国内委員会は、政府の意を受けてやるところの政府代表機関ではございません。密接な関係をとって時々経過は承知するようになっておりますけれども、本日午後もそのことの審議中だと私も承知しております。
  72. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 そういたしますと、結論的にはあなたの所管下のユネスコの国内機関が、この問題に対して反対か賛成かはまだきまっていないということなんですか、そう解釈していいのですか。
  73. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 これはユネスコ活動に関する法律の第七条には、「外務大臣は、国内委員会の対外事務の処理について、国内委員会に対し必要な便宜を与え、これに協力するものとする。」こういう規則があるのです。それゆえにわが国の委員がどう表決するかということは、外務大臣において適当に密接な関係を持っております。まだ最後の表決をしておりませんが、表決する前に、この委員がどうやるかということについては、公式の発言をここですることは穏やかならぬと思います。ただロシヤの案については反対しようという空気が多いようでございます。
  74. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 どうも私のお尋ねする答弁と少しピントがはずれておるのであります。今ソ連の案には反対する空気のようだと言われるのですが、要するに原水爆の実験禁止に対して賛成か反対かは、ソ連もアメリカも日本もないはずだと私は思う。だから私がお尋ねしておるのは、あなたの所管下にある機関がこの問題で賛成か反対か、もしそれがきまっていないというふうにあなたがお考えになるならば、賛成が好ましいか、反対が好ましいか、あなたの所見をお尋ねしておる。
  75. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 私はソ連の今出しておる案には、反対が好ましいと思います。ソ連は原水爆の実験絶対禁止であります。ところがわが国の国会できめたことは、適当な措置をとる、過日本会議でやった通りであります。それゆえにいやしくも日本人が代表する以上は、国会の議決に合せてするのがいいと思っております。
  76. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 適当なる措置をとる、こういう条件がついておるから、それに対してそれを守るのだ、こういう御答弁でございますが、適当なる措置とはどういうことでございますか。
  77. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 適当なる措置は、読んで字のごとくでありましょう。そのときのよろしきに従って目的を達するのであります。しかるに某国が実験せんとするときに、絶対反対だといったようなことは、必ずしも目的を達するゆえんでもなかろうと存じます。そのことは、過日本会議において提案者、賛成者のお述べになった通りであります。
  78. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 私があなたにお尋ねしているのは、そういう適当なる措置というような言葉の上の一つのあやといいますか、ごまかしでもってそれは賛成とか不賛成とかいう性質のものではないということです。と申しますことは、ユネスコというものの本質的な性質をお考えになりましたら、申し上げるまでもないとは思いまする、要するに世界の人権宣言を忠実にこの世の中に実現する。こういうふうな教育と科学と文化を通じて人権宣言を実現するという高遠な一つの理想を持っている。それが絶対に反対であるとかあるいはどうとかいう言葉のあやでこれは考うべき筋合いのものじゃないと私は思うのであります。所管大臣としてあなたは責任者なんだ。私は本日実は外務大臣の出席を要求したかったのであります。外務大臣もこれに対して協力をし援助しなければならないという規定もございますので、本来ならばお二人に出席を願ってこの問題は質問したかったのであります。いずれ近いうちにダレスがやってくる。しかもすでにアメリカは原水爆の実験をやるということも通知しております。そのダレスのやってくるさなかに、日本のユネスコの団体が、ユネスコ本来の非常に高度なヒューマニズムに立脚して、これの禁止に賛成をしたならばダレスさんに対して申しわけがないというような気持が、日本のとっております態度の中に多々あるというふうに――幸い誤解であれば私も非常に好ましいとは存じますが、国民は全部そういう疑惑を持っているのであります。各委員の方に失礼な言葉でありますが、圧力をかけられたかどうか知りませんが、あるいは外務大臣の所管において、そういうふうなとんでもない援助と協力をやっているのじゃないか。援助と協力というあくまで従であるべきものが、それを飛び越えてアメリカの対日政策のお先棒をかついでおる実態が出ておるのじゃないか。これは私の誤解であればけっこうでございまするが、大臣の御所見をもう一度お尋ね申し上げたい。
  79. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 あなたの今の発言はだいぶ多岐にわたりまするが、アメリカのお先棒をかつぐことが望ましいと言ったことはございません。同じ日本人の会合でありまするから、国会で決議したように合う方が、私は国会議員ですから、国会としては望ましいと言ったのであります。この国会はアメリカのお先棒をかつぐ機関ではございません。独立日本の機関でございます。  それからユネスコの本質について御論議になりましたが、ユネスコは、政治機関たる政府とは独立して良心的にやるべきものであります。それゆえに私が訓示あるいは訓令してこう決議しろといったようなことをなすべきものではないと思います。そんなものであったら、何もユネスコ国内委員会というものは要りません。常にユネスコの自由な良心によって解決すべきものと思っております。今からでも訓示する考えはありません。けれどもあなたが、私に対してどちらが好ましいと思うかとおっしゃるから、私は国会議員として国会のきめたようにやることが好ましいと答えることに何も矛盾はありません。
  80. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 だからあなたがおっしゃることは、ユネスコの性質は政治的に外部から云々さるべき性質のものではないということを主張されることだろうと思います。そうでなければいけないと私は言っておるのです。原水爆の実験禁止ということの決議文の言葉のあやで、そういうふうなごまかしを言われて、本末を転倒していらっしゃるあなたのものの考え方なんです。所管大臣とすれば、言葉のあやが多少どのようにあろうと、実験禁止に賛成か不賛成かというあなた御自身の気持を聞いておるのでありまして、あなたに圧力をかけて云々せよということを私は言っておるのではない。外務省が圧力をかけるとかなんとかいうことは、世間がそういう誤解を持っておるから、文教行政の所管大臣として、きぜんとした態度でもってこの問題に対するあなたの御意見を聞いておるわけです。重ねてお聞きいたします。
  81. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 ソビエトの国内委員会から提案された議案は、端的に実験を禁止せよということでございます。それがいいか悪いかは、わが国の国内委員会の自由な意思にまかせております。しかしながら私に対しどう考えるかというお問いでありましたから、私は院議を尊重するのほかはございませんと申し上げるほかはない。過日の院議はその末節において、実験禁止に関して国際連合並びに関係各国がすみやかに有効適切な措置をとることを要請するとありますが、その限度を守ることが国会議員の一員としても閣僚の一員としても当然であろうと思います。これを逆に言いますれば、あなたはそうおっしやるけれども、ほかの側からは院議無視という言論も出て参ります。
  82. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 私の申し上げていることがどうもあまり徹底していないようでありますが、あなたのこの問題に対する御見解はある程度わかりました。いずれ外務大臣にもお聞きしなければこれは解決がつかないだろと思いますので、本日はこれで終ります。     ―――――――――――――
  83. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 次に就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案を議題とし、審査に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。河野正君。
  84. 河野正

    ○河野(正)委員 本日の議題となっております就学困難な児童のための教科用図書の給与に対する国の補助に関する法律案につきまして、若干の質問を行いたいと存じます。  御承知のように法案の趣旨は、経済的理由によって就学困難な児童のために教科用図書の給与を行いまする地方公共団体に対しまして、国が援助を行うということでございますけれども、しかしながら、義務教育を受ける児童に対しまして教科書をすべて無償で配付するということは、今日の教育基本法、あるいはまた学校教育法の精神を見て参りましても明らかでございます。そういった法の建前の中で、もちろん現実に即しまして、財政上の支出が伴わないので、就学困難な児童に限って援助をしてやろうということは、わかるのでございますけれども、しかしながら、基本的にはやはり今日の教育基本法にいたしましても、あるいはまた学校教育法にいたしましても、すべて国が責任を持つという建前をとっておるわけでございます。従って、そこにここに提案になりました法案の趣旨と、今日まで施行されて参っております教育基本法なりあるいはまた学校教育法の精神と、多少私は矛盾があるというふうに思うのでございますが、まずその点に対しまして、これは基本的な問題でございますから、大臣の御所感を承わっておきたいと存じます。
  85. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 もとは憲法二十六条かと存じます。義務教育を無償といたす理論を非常に拡大すれば、教科書全部ということにも及びましょうけれども、今日ではわが国の国力がそれにたえませんのと、外国の例等も参酌いたしまして、授業料は無償ということにやっておるのでございます。将来わが国の国力の回復と同時に、書籍等も無償で与えられるような時代のくることは願望いたしております。
  86. 河野正

    ○河野(正)委員 ただいま大臣の答弁を承わって参りますと、私ども、きわめて不満なものがございます。と申しますのは、たとえば授業料のごときはとっておらないのだと、何か恩恵がましいお言葉でございますけれども、授業料をとってほらないということは、これは学校教育法で明確に規定されたところでございます。従いまして、授業料をとっておらないから、私が申し上げました趣旨に沿っておるというようなことは、答弁といたしましては、私どもとしてまことに不満といわなければなりません。  そこでさらに質問を続けたいと思いますが、御承知のように、従来におきましては、小学校の一年生に対しましては、教科書が無償で配付されておりました。その後財政上のいろいろな圧迫から一応中断されまして、そしてさらに今日におきましては、経済的に就学困難な児童に対しましては援助をしようということでございますけれども、先ほどから申し上げますように、教育基本法の建前から、あるいはまた学校教育法という法の建前から、きわめて私どもはこういう法案には――現実に対しましては、ある程度私ども了承することはやぶさかでございませんけれども、基本的には非常に大きな不満の意を表せざるを得ないのでございます。しかも私どもが申し上げたいことは、今日まで今申し上げましたような事情にあったのでありますが、松村前文部大臣もたびたびこの問題につきまして言及されておったのでありまするが、今後学童の教科書の問題につきましては、何とかして国が全面的に負担をするという態度をとりたいというようなことを申されておったのでございますけれども、今日におきましては、いろいろ財政的な問題があるのでございましょうけれども、今日のようなきわめてこそくな法案となって現われたのでございます。ところがそれにつきましては、今大臣からいろいろ釈明があったのでございますけれども、そうでありますならば、大臣のお言葉に私どもが一歩譲ったといたしましても、非常に大きな矛盾を感じます点は、附則の第二項に、「新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律は、廃止する。」ということがうたわれております。この附則の第二項に定められました法律というものは、少くとも私どもが今日まで主張して参りました一つの既得権と申しますか、既成の事実に立ちますところの問題であったのでございます。ところがこの法案と同時にこの教科用図書の給与に関する法律を廃止するということになりますと、今まで入学いたします小学校の一年の児童に対しまして、お祝いとして渡しておりました教科用図書の予算と、今日出て参っております就学困難な児童のための教科用図書の予算というものが、ちょうどすりかえられたというふうに私ども理解するのでございまして、この法案が大臣が仰せられますように、前進した一つの法案だというふうに、私ども考えて参るわけには参りません。そこでこのような附則第二項にうたわれております法律の廃止ということにつきましては、今後非常に大きな問題を残すと思うのでございますが、この廃止の問題につきまして、大臣がどのようなお考えでおられるのか。その点をお伺いいたしておきたいと思います。
  87. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 今お問いの点につきましても十分研究を重ねたのでございます。一年生に入る子供たちに入学のお祝いという意味で、貧困の家庭でも富裕の家庭でも一律に教科書をやるということも、うるわしいことではございますけれども、何分わが国は戦敗のあとで、また親たちの中には住宅もなくて困っておる者もあるし、食物はまだ配給を維持しておる時代でありますから、この国家の現状と考えて、よくよくの人は厚生省から生活保護を受けておる。けれども、そこまで至らぬでも、やはり教科書は一時に買うのですから、相当の固まった金が要って、見本がきておるのに教科書が取れなくてひけをとっておる子供もある。同じように教科書に金を使うのであったら、そういうような後の方の程度の人に教科書を差し上げる方が国の政策としてよかろう、漸次これを拡大していくと前の質問の終りにおっしゃったように、教科書無償ということにも接近するのじゃないか、教科書の政策としてはその方針がよかろうということを考えまして、今までのプレゼントとして差し上げるということは廃止したのであります。そのかわりに無償配付の範囲は、年々わが国の国力の回復と同時に拡大していきたい、かように考えております。
  88. 河野正

    ○河野(正)委員 だんだん拡大していくということでありますから、ぜひ拡大してもらいたいと思うのでございますが、この法案の第二条を見て参りますと、給与いたします場合には、予算の範囲内においてこれに要する経費を補助をするということでございますが、ここに私は一点問題があるというふうに考えております。と申しますのは、なるほど二条の第一号におきまして、あるいは第二号におきましては、いわゆる生活保護法第六条二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮しておる者云々というようなことが規定されておりまするけれども、ここに非常に大きな問題があると存じます。と申しますのは、生活保護法第六条二項に規定する要保護者に準ずる程度ということでございまするが、一方におきましては、予算の範囲内ということでワクがはめられておりますので、この準ずるという規定が非常にあいまいもこな一つの規定となる心配が十二分にあるわけでございます。そこで一番問題になりますのは、何と申しましても準ずるボーダー・ラインと申しますが、その前後に位しますところは、予算が許すならば当然給与を受けるということでございまするけれども、予算が許さなければやはり給与を受けられないということで、この点が私は運営の面におきまして非常に問題を残してくる点ではなかろうかというふうに考えております。この点に対しまして、当局はどのように善処なさろうとしておりまするか、お伺いいたしておきたいと思います。
  89. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 これは何分金が少いので、いかなる者をこれに入れるかということには非常に苦心いたしております。局長から詳細の話をどうぞお聞きいたいと思います。これは御質問がなくても、ぜひ一ぺんは説明しなければならぬことでございます。
  90. 緒方信一

    ○緒方政府委員 御指摘の法律二条の第二号と、それから本文の予算の範囲内においてということの関連でございますが、御説の通り、ここに書いてありますように、これは予算の範囲内におきましての補助金である、これは一つの原則を掲げております。その場合に、補助の対象となりまする者をここに一号、二号両方掲げておりまして、第一号の方は、生活保護法の適用を受けている者であって、しかも教育扶助を受けていない者ということでございます。二号の方が今御指摘になりました点でございますが、これは結局は生活保護法の被保護者の認定をいたしまするその基準に準じてこれをきめる、こういうことに相なるわけであります。方法といたしましては、その市町村におきまする民生委員とか、あるいは社会福祉司でございますとか、こういう人たちの意見を十分聞いて市町村の教育委員会がきめる。そしてそれに準ずるという認定をいたしまして、その者に対しまして給与いたします場合に、国としてはそれに対して予算の範囲で補助をする、かようなことになるわけでございます。  重ねて申し上げますと、結局は準ずる者をどうやって定めるかという点は、生活保護法におきまする被保護者の認定の基準に準じます程度におきまして、この政令で定めたい、かように考えております。
  91. 河野正

    ○河野(正)委員 基準の定め方につきましてもいろいろ問題があると思いますし、また生活保護法の六条二項に該当する実数というものを完全に把握することにつきましても、私は非常に困難があろうと考えます。その点はわかるわけでございますが、文部省といたしましては、本年度予算では大体児童総数の一・七%というものを該当数として一応の算定をしておられるようでございまするが、私どもの立場からいろいろこういった該当者数の実情を調査いたしてみますると、もっとと高い数字が出てくるような考えもいたすわけでございます。ある人の情報によりますると、大体四%くらいじゃなかろうかというふうな話もございます。もちろんこの四%という数字も的確なものとは考えられないわけでございまするけれども、たといこれが四%といたしましても、大体文部省当局が算定いたしました。パーセンテージというものは一・七%でございまするから、実際生活保護法の六条二項に該当する学童というものは、文部省が予算を予定されております二倍の予算が要るというようなことにもなりますると、実際法律を運営いたす面におきましても、非常に問題が残りはせぬかということを考えておるわけでございます。予算の面で大体一・七%ということが出てきたわけでございますが、ほんとうのところ文部省としては、大体どのくらいのところで、そういった生活保護法の六条二項の準要保護者児童が救われる、給与を受けられるというふうにお考えになっておるか、やはり一・七%が妥当だというようにお考えになっておるか、その点を事務当局からでけっこうでございますけれども御答弁願いたいと思います。
  92. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 一・七%は非常に少い数字でございますので、私どもの希望としては、それよりも多い率を希望しておるのであります。
  93. 河野正

    ○河野(正)委員 先ほども申し述べましたが、私どもの得ております範囲におきましては、厳格に見て参りましても大体四%くらいじゃなかろうかというような数字を出しておるわけでありますが、大体当局としてはどのくらいというふうにお考えになっておりますか、具体的に一つ御説明願っておきたいと思います。
  94. 緒方信一

    ○緒方政府委員 生活保護法におきまする要保護者に準ずる程度の困窮者、それに該当いたします学童の数をどういうように押えるかという問題でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございます。どういうふうな程度に準ずる者として押えるかということもございます。いろいろ押え方によって違う数字が出てくると存じます。これは現在生活保護法の中の教育扶助を受けております学童の数をとってみますと、全学童数の三・三%でございます。それに準ずる者が果して幾らあるということは非常にむずかしい問題でございますけれども、この法律といたしましては、その認定の仕方を政令できめまして、そうして市町村がそういう認定をいたしまして給与をいたします場合に、それに対しまする補助金として国庫で補助するという建前であります。その補助金の額が一人当りの単価が六百円でございますので、補助金一億三千万を分けますといたしますと、それに該当する児童数は、全児童数の一・七%、かようなことに相なるわけであります。市町村といたしましては、もちろんその市町村の財政事情等に応じましてその給与をいたすわけであります。それに対しまして、国庫補助はただいま申しましたように一億三千万を要するという法律の趣旨でございます。
  95. 河野正

    ○河野(正)委員 私どもといたしましては、先ほどから申し上げますように、少くともこういった法律ができます以上は、やはりその認定に基きましては一つの義務費としてやっていただかなければ、円滑な運営はなかなか困難であろうというふうに考えるわけでございます。ところが今日では予算の事情でなかなか困難ということでございますが、私どもの要望といたしましては、予算のワクをはめずに、一つの基準に基きましては、義務的に補助金を与えていくというような方向を今後とっていただきたいということをあわせて申し上げたいと存じます。  それから次に、これは学校教育法にも若干問題がございまするが、当局の御所感を承わっておきたいと存じます点は、それは今日では、もちろん労働基準法あるいは児童憲章というようないろいろな法の規定がございまして、法的にも疑義があるわけでございますけれども、今日では各地域におきまして、いわゆるやみの夜間中学というものが続々と作られておりまして、現実の問題におきましては、たとい児童憲章あるいは労働基準法に問題がございましても、夜間中学というものが続々とできておる。ところが新聞等を見て参りましても、夜間中学に通っておる生徒でございますから、生活的にいろいろ困難だということは当然のことでございます。しかも教科書というものは、いわゆる学年の初めに一ぺんにたくさんな費用がいるわけでございますから、たとい法律的に疑問がございましても、現実において働きつつ学んでおる生徒、そういった困窮中学生に対しまして、今後このような法案の幅が広げられる、あるいは広げてみようという御意思があるのかないのか、その点を一つ承わっておきたいと思います。
  96. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 中学に対しても同様の措置をとりたいと私は熱望いたしております。
  97. 河野正

    ○河野(正)委員 それから、これは今日生活保護法の六条第二項に該当しようがすまいが、一般の家庭の父兄たちが子供たちの教科書の問題で非常に頭を痛めておることは、今日の経済情勢から見て参りましても明らかでございます。そこで私ども、今後教科書に対しまして、いろいろな経費がかさばらないように、要するに安く教科書が手に渡るようにといったことは、当然考えなければねらぬ問題でございます。基本的な考え方は別にいたしまして、現実の問題といたしましてはそういった問題が起ってくるわけでございますが、救護を受ける受けぬは別といたしましても、経費の負担を軽減するということは当然考えていかなければならぬ問題でございまのでお尋ねするわけでございます。そういった点につきましても、いろいろ考え方もあろうと思います。あるいは近く上程されます教科書法案等においても出てくるかと思いますが、そういった点で、私どもが一番心配しておるわけでございます。ところが最近河野農林大臣が、農業団体の再編成に関しまして、今後農民団体の再編成ができますと農協の収入というものが大幅に節減されるので、農協に教科書の販売をまかしたいというような河野農林大臣の談話が出ておったようなことがございます。これは全く文部大臣の存在を無視した暴言と私どもは言わなければなりませんが、もしそのようなことで所管の異なります農林大臣が文部行政まで口を差し入れて干渉していくということになり、しかもそのために結局農協を通じて利潤が吸い上げられるというようなことになりますならば、私ども父兄といたしましても、教科書を何とかして安く購入しなければならないというふうな立場から考えてみましても、全く不当な言明であるというふうに言わなければなりませんし、またこれは少くとも文部大臣の存在を蔑視した態度であるとも考えるわけでございますが、そのような事実があるのかないのか、この点は一般父兄等にとりましても事重大でございますから、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  98. 清瀬一郎

    ○清瀬国務大臣 教科書に関しては、昨年以来世間にもまた政界においても議論がありましたので、それらを参酌いたしまして、今期議会に教科書法なるものを近く提出いたしまして、皆様の御審議を願おうと思っているわけです。教科書法では発行、配給のことは発行者と各府県の特約店までのことでありまして、その先、今では本屋とか、あるいはごくいなかに行けば、学校前の雑貨屋等で取り次いでおりまするが、そこのところはやはり発行者あたりが情勢に応じてきめることで、法律で協同組合が扱えというよう血規則は設けておりません。また私は設ける考えを持っておりません。
  99. 河野正

    ○河野(正)委員 いろいろ御質問申し上げたわけでございまするが、私どもといたしましては、教育基本法あるいは学校基本法の原則といたしましては、義務教育の学童に対しましては全員に無償で配付するということが当然の建前でございますから、その線に沿いまして文部大臣がますます御努力していただきますことを、最後に申し添えまして、私の質問を終りたいと思います。
  100. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 次に本案に関し山崎委員より発言を求められておりますので、これを許します。山崎始男君。
  101. 山崎始男

    ○山崎(始)委員 私はこの法律案を採決するに当りまして、一言希望意見を申し述べたいと存じます。それは先ほど河野委員からるる申しておりましたが、今回就学困難な児童のために教科書を無償配付いたしまするこの法律案の性質というものは、表面的に見てみますると、一見いわゆる社会保障的な性質を持つ非常にけっこうな法律案だと一応考えられます。しかしよくよく検討してみますると、これは私が申し上げるまでもございませんが、昭和二十九年までは無償配付の教科用の図書というものは、一年生の分だけ、大体総額にいたしまして四億ないし五億というものが法律に基きまして出されておりました。それが今回の法律の内容には、いわゆる既得権益であったそれがすっかり抹殺されまして、就学困難な児童というまことにりっぱな名前で出ておりまするが、内容はたったの一億三千万円でございます。そういたしますると、二十九年度までそういう法令に基く四億ないし五億というものが、いつの間にか、言葉はきれいでありまするが、一億三千万円にすりかえられておるという、これが中身でございます。この点は提案されました政府の方とすれば、社会保障的なという意味の言葉もございましたが、私はただいま申し上げましたような根拠から内心非常にさびしさを感ずるのであります。申し上げるまでもございません、憲法二十六条には義務教育無償の原則がございます。だから政府が社会保障的なりっぱな法律案だと言われますならば、かつての既得権益の無償配付の五億というものの上にプラス・アルファをされて、一億三千万円という社会保障的な性質を持った法律案であるならば、これが名実ともにお言葉の通りに受け取れるのでありますが、遺憾ながら全く内容は逆になっております。そこで私は、やはり義務教育は無償というこの憲法の高い理想に向って、今回は仕方がないといたしましても、ぜひ次年度におきましてはかっての五億にプラス・アルファをされた内容を持ったものにするよう、一つ特別の御努力をわずらわしたい、このような強い希望を、私は一言最後に申し上げておきたいのでございます。
  102. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 ほかに御質疑もないようでございますので、これより本案を討論に付します。  別に討論の通告もないようでございまので、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  これより採決いたします。本案を原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  104. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決に決しました。  なお、お諮りいたします。ただいま可決されました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 佐藤觀次郎

    ○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう取り計います。  本日はこの程度にいたし、次会は公報をもってお知らせいたします。これにて散会いたします。     午後二時四十二分散会      ――――◇―――――