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1956-03-06 第24回国会 衆議院 農林水産委員会 15号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月六日(火曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 村松 久義君    理事 吉川 久衛君 理事 白浜 仁吉君    理事 助川 良平君 理事 田口長治郎君    理事 中村 時雄君 理事 芳賀  貢君       足立 篤郎君    安藤  覺君       五十嵐吉藏君    石坂  繁君       大野 市郎君    大森 玉木君       加藤常太郎君    川村善八郎君       小枝 一雄君    鈴木 善幸君       中馬 辰猪君    綱島 正興君       原  捨思君    本名  武君       松浦 東介君    松野 頼三君       赤路 友藏君    淡谷 悠藏君       伊瀬幸太郎君    井谷 正吉君       稲富 稜人君    小川 豊明君       川俣 清音君    神田 大作君       日野 吉夫君  出席政府委員         農林政務次官  大石 武一君         農林事務官         (農林経済局         長)      安田善一郎君         農林事務官         (農地局長)  小倉 武一君         農林事務官         (畜産局長)  渡部 伍良君  委員外の出席者         農林事務官         (農地局管理部         長)      立川 宗保君         農林事務官         (畜産局畜産課         長)      神尾 正夫君         専  門  員 岩隈  博君     ――――――――――――― 三月一日  委員福井順一君辞任につき、その補欠として赤  澤正道君が議長の指名で委員に選任された。 同月三日  委員大森玉木君辞任につき、その補欠として野  田武夫君が議長の指名で委員に選任された。 同月五日  委員中馬辰猪君及び野田武夫君辞任につき、そ  の補欠として久野忠治君及び大森玉木君が議長  の指名で委員に選任された。 同日  委員久野忠治君辞任につき、その補欠として中  馬辰猪君が議長の指名で委員に選任された。 同月六日  委員伊瀬幸太郎君及び田中幾三郎君辞任につ  き、その補欠として高津正道君及び川俣清音君  が議長の指名で委員に選任された。 同日  委員高津正道君委員辞任につき、その補欠とし  て伊瀬幸太郎君が議長の指名で委員に選任され  た。     ――――――――――――― 三月一日  漁港法の一部を改正する法律案(内閣提出第九  〇号)(予) 同月二日  急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正す  る法律案(綱島正興君外四十名提出・衆法第九  号)  家畜取引法案(内閣提出第九二号)(予) 同月一日  新農業団体の設置反対に関する請願(橋本登美  三郎君外一名紹介)(第一〇五九号)  同(橋本登美三郎君外一名紹介)(第一〇六〇  号)  同(三木武夫君外四名紹介)(第一〇八四号)  同(熊谷憲一君外一名紹介)(第一〇八五号)  同(山崎巖君紹介)(第一〇八六号)  同(石田宥全君紹介)(第一一三三号)  同(稲富稜人君紹介)(第一一三四号)  同(田中稔男君紹介)(第一一三五号)  農産物価格安定法の一部改正に関する請願(島  村一郎君紹介)(第一〇八七号)  同(石田宥全君紹介)(第一一三七号)  東北地方の漁港修築工事に対する国庫負担率引  上げ等の請願(愛知揆一君紹介)(第一〇八八  号)  同(田中利勝君紹介)(第一一三八号)  漁族保護のため水質汚濁防止に関する請願(森  清君紹介)(第一一三九号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 同月二日  米穀の統制撤廃反対に関する陳情書(鳥取県八  頭郡上私都村議会議長岸田宗一)(第二二〇  号)  伝貧研究所設置に関する陳情書外二件(留萠市  旭町一丁目北海道農共連留萌支部長山本正敏外  二名)(第二二一号)  同(秋田市手形山崎町秋田県家畜商組合連合会  副会長畠山作右ェ門外四名)(第二三四号)  同(旭川市宮下通り八丁目上川生産農業共同組  合連合会長秋山孝太郎外一名)(第二五八号)  農産物価格安定法の一部改正に関する陳情書(  大分市浜町千十番地大分県菓子協同組合理事長  冨田武)(第二二三号)  三陸沖暴風浪高潮による農水産業等の被害対策  確立に関する陳情書(宮城県町村議会議長会長  菅野幸吉)(第二三七号)  新農業団体の設置反対に関する陳情書(石川県  鳳至郡柳田村農業協同組合長理事深見重松)(  第二三八号)  未年間農家の保有米引上げに関する陳情書(福  井県議会議長寺田常吉)(第二三九号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法の有効期限延長  に関する陳情書外二件(愛媛県温泉郡西中島村  長田中忠則外三名)(第二四〇号)  同(愛媛県北宇和郡津島町長藤堂満義外一名)  (第二五九号)  配給辞退による米穀販売業者の救済に関する陳  情書(津山市船頭町美作食糧卸協同組合理事長  市場己之助外百六十二名)(第二四一号)  農業災害補償制度改正に関する陳情書(佐賀市  赤松町佐賀県農業共済組合連合会長石橋忠義)  (第二六〇号)  町村合併に伴う農協統合促進に関する陳情書(  広島県議会議長林与一郎外四名)(第二六九  号)  離島における国庫補助林道の採択基準緩和に関  する陳情書(長崎県知事西岡竹次郎)(第二八  二号)  代行干拓事業促進に関する陳情書(長崎県知事  西岡竹次郎)(第二八三号)  まき網漁業の大海区制実施に関する陳情書(長  崎県知事西岡竹次郎)(第二八四号)  離島の造林事業に対する国庫補助率引上げの陳  情書(長崎県知事西岡竹次郎)(第二八六号)  長崎県の漁港整備促進に関する陳情書(長崎県  知事西岡竹次郎)(第二八七号)  漁港整備促進に関する陳情書(福岡県庁水産部  施設課内九州山口地区漁港振興会田村延一)(  第二八八号)  新漁場開発に関する陳情書(長崎県知事西岡竹  次郎)(第二八九号)  蚕業技術員の身分法制定に関する陳情書(広島  県議会議長林與一郎外四名)(第二九一号)  彼杵半島の開発促進に関する陳情書(長崎県知  事西岡竹次郎)(第二九二号)  天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法の一部改正に関する陳情  書(青森県議会議長大島勇太郎)(第三二〇  号)  漁船損害補償法の一部改正に関する陳情書(東  京都港区芝田村町三丁目四番地漁船保険中央会  長秋山俊一郎)(第三二一号)  農業共済団体事業に関する陳情書(鹿児島市永  田町三十四番地鹿児島県農業共済団体職員会長  中山忠雄)(第三二二号)  西除川の地すべり防止工事促進に関する陳情書  (大阪府南河内郡狭山町長辻惣作外一名)(第  三三一号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一一号)  家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一二号)  開拓者資金融通法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三〇号)  農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(  内閣提出第三三号)  急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正す  る法律案(綱島正興君外四十名提出、衆法第九  号)     ―――――――――――――
  2. 村松久義

    ○村松委員長 これより会議を開きます。  去る三月五月付託になりました綱島正興君外四十名提出、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について提案者の説明を求めます。綱島正興君。
  3. 綱島正興

    ○綱島委員 ただいま議題となりました綱島正興外四十名提出、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案に関しまして提案の理由を御説明申し上げます。  この法律で急傾斜地帯とは、土地の傾斜度が十五度を越え、土壌の侵食度が二五%を越えるもので、それぞれその旨を政令で定めた基準以上のものであり、かつ過重なる労力を必要とする農地が郡面積の三分の二以上集団的に存在する地帯を指しているのでございますが、この地帯は西日本、中部日本にわたる約三十四万六千町歩の耕地と・約六万一千町歩の樹園地を包含し、約九十二万四千戸の農家が、これら急傾斜農地によってきわめて劣悪な条件のもとに、今日まで平坦地農業に伍して食糧その他の農産物の生産に貢献して参っているのでございます。従いましてこの地帯における農業生産の基礎条件をすみやかに、かつ総合的に整備いたし、その生産力を高め、食糧増産をはかりますことは、ただにこの地帯の農業経済の安定と農民生活の改善となるばかりでなく、国民経済の発展に寄与するところきわめて大でありまして、昭和二十七年四月本法の制定を見たのは以上の次第でございます。  さて本法による農業振興計画は、各種の事項を内容としておるのでありますが、これが実施に当りましては、特に急傾斜地帯農業の特異性にかんがみ、過重労働の軽減ないしは平均化と、農地保全等土地改良事業にその重点を指向し、極力関係事業の促進をいたし、この地帯の農家の要望にこたえて参ったのであります。しかしながら過去四ヵ年の実績を見まするに、土地改良は、団体営灌漑排水事業におきまして予定せられました一万五千五百町歩のうちわずかに三千六百町歩、耕地整備事業のうち、農道につきましては予定せられましたる三千三百キロのうちわずかに約七百キロ、索道におきましては八百四十キロのうち四百三十キロ、農地保全事業におきまして九万六千町歩のうちわずかに五千六百町歩の改良をしたにとどまっております。  なかんずく、農道と索道において相当の成績をあげて参りましたものの、全体の進捗度は計画に対し約二割弱にすぎないのでありまして、耕種改善、養畜、養蚕、その他農畜産物の共同加工並びに処理施設等経営改善諸事業を初め、今後なすべき多くの事業が残されておるのであります。  申すまでもなく、経済自立の達成上、食糧自給度の向上は現下絶対の要務であり、急傾斜地帯の農業経営の改善と農業生産力の増強は、わが国農業の特質から見ましてもますます緊要度を加えておりまするとともに、この地帯に立地する農家の経済生活の向上をはかりまする上におきましても、無視するを得ないところであると確信いたします。  このような理由によりまして、本法の有効期限をさらに五ヵ年延長いたしまして、各般の関係事業を鋭意促進し、本法制定の目的を達成するようにいたしたいと存じ、本案を提出した次第でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  4. 村松久義

    ○村松委員長 ただいまの説明に対する質疑はあと回しとして、大体午後からいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  5. 村松久義

    ○村松委員長 次に開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。  本案につきましてはすでに質疑を終了いたしておりますので、この際討論を省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  7. 村松久義

    ○村松委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なおこの際、小川豊明君より本案について附帯決議を付したいとの申し出がありますので、これを許します。小川豊明君。
  8. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ただいま起立総員をもって可決されました開拓融資保証法の一部を改正する法律案に対しまして、この開拓融資保証法の運用をさらに適正ならしめるために、各党を代表して左の附帯決議を付したいと思うのであります。  まず案文を朗読いたします。    開拓融資保証法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   政府は、開拓融資保証制度がその充分なる機能を発揮し、もつて開拓者に対する短期営農資金の確保に遺憾なきを期せしめるため、今後中央開拓融資保証協会に対する政府出資金の増大に努めるとともに、政府出資金と地方開拓融資保証協会に対する都道府県出資金及び会員出資金とが、総体として適正なる均衡状態を維持するよう、行政上万全の措置を講ずべきである。  右決議する。  以上が案文でありますが、開拓融資保証法は、開拓者の困難な営農を助長育成する目的をもって、昭和二十五年開拓信用基金協会が設立され、これによって開拓者の資金融通の道をはかって参ったのでありますが、この制度は昭和二十八年七月開拓融資保証法に改められて今日に至っております。ところがこの融資保証法による資金は、開拓者及び都道府県二に対して政府二の割合によって調達されておるのであります。昭和三十年十二月末現在の中央と地方の基金負担の割合は、中央基金が二億九千五百六十万円に対し地方基金は三億三千七百万円、中央基金が四千二百万円ほど不足しておるのが現状でありますので、不足を充足しようとするのが本改正案であります。この五千万円が追加実施される昭和三十一年七月には地方基金は三億六千万円程度にさらに上昇いたしまして、中央基金は年度内においてまた一億四千四百万円程度不足を来たし、せっかくの法の趣旨が執行面において停滞をいたします。かかることのないよう、基金が絶えず均衡状態を維持せしめる必要は論をまたないのであります。本附帯決議案は以上の趣旨に基ぐ当然の措置でありますので、何とぞ御賛成のほどをお願い申し上げます。
  9. 村松久義

    ○村松委員長 本案に附帯決議を付するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認めまして、小川君提出の附帯決議を付することに決しました。  なおこの際政府の発言があります。大石政務次官。
  11. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 ただいまはこの法律案を御可決いただきまして、まことにありがとうございました。なおこの決議案につきましてはまことにごもっともでございますので、この趣旨を十分に尊重いたしまして、これを実現するように一生懸命努力いたす所存でございます。
  12. 村松久義

    ○村松委員長 なお本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任をいただきたいと思いますが、御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  14. 村松久義

    ○村松委員長 次に農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といた上、審査を進めます。質疑はございませんか。――なければこれにて質疑は終了いたしました。  次に討論に入りますが、討論の通告もございませんので、これを省略し、ただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め、採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  16. 村松久義

    ○村松委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお井谷正吉君より本案に対して附帯決議を付したいとの申し出があります。この際これを許します。井谷正吉君。
  17. 井谷正吉

    ○井谷委員 本案につきまして左の附帯決議をつけたいと思います。  案文を朗読いたします。    農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   農林漁業の生産力を維持増進するための公庫資金は、長期且つ低利であるべきであるから、政府は今後、十分なる原資の確保に努めることは勿論であるが、これが資金構成についても、出資金と借入金との比率を是正し、もって公庫業務の円滑なる遂行にいかんなきを期すべきである。   尚公庫の貸付業務の実施に当っては、農林漁業者の実態に即応し極力手続の簡素化に努むべきである。   右決議する。  以上でございます。何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
  18. 村松久義

    ○村松委員長 お諮りいたします。ただいまの附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め、付帯決議を付するに決しました。  なお本案の委員長報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認めさよう決しました。  この際政府の発言を求めます。
  21. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 ただいまの御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、その実現に努力をいたす所存でございます。     ―――――――――――――
  22. 村松久義

    ○村松委員長 次に家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。質疑を続行いたします。芳賀貢君。
  23. 芳賀貢

    ○芳賀委員 前回の質疑に続きまして、さらにお尋ねしたいと思いますが、家畜伝染病のうち一番被害の大きいのは何としても馬の伝染性貧血症です。これは最近におきましても一年間に約八千頭の伝貧馬の殺処分をやっておるわけです。これに対する国の殺処分手当の支出等も相当膨大な額に上っているわけです。それで政府といたしましでは、この馬の伝染性貧血症に対して、現在どのような施策を講じてこれが撲滅をはかるようなお考えであるか。その内容について、ある程度具体的な説明をお願いしたいと思います。
  24. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 ただいまの御質問は非常に技術的な問題でございますので、政府委員より答弁いたさせます。
  25. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 お話の通り伝貧は、ただいままでのところ獣医学界においても処置の困ったものでありまして、最初軍馬について、日露戦争後の明治四十二年から初めて臨時馬疫調査委員会というものを作ってやってきておるのです。それ以来研究をしてきておるのでありますが、まだ対症療法が発見されないので、殺処分ということにしておるのでございます。しかし、人畜の医学が進歩するとともに機械類の進歩もありますので、相当研究が進んで参りまして、病原体がヴィールスであるということまではわかってきておるのであります。これに対する対症療法を今研究しようとしているのであります。農林省といたしましては、昭和三十年度から衛生試験所の中に伝貧部を置きまして、約二千万円近くの費用をもって対処しております。しかしはっきり予防とかあるいは病気を治療する薬の発見できるまでは、この病気が非常に伝染性があり、かかった馬が使えなくなりますので、どうしても検査とそれを取り除くということが必要になってくるのであります。本年は、昭和二十六年に立てました伝貧対策五ヵ年計画の最後であります。先般お配りいたしました表でごらんのように、二十七生度が最高で九千頭、それから八千頭、六千頭と下ってきているのです。これは検査と殺処分の徹底したことによるのであります。しかし、何と申しましても大動物であり、個体の経済価値が非常に大きいのでありますから、殺処分というような最後の手段によらないで、予防なり治療の研究にさらにさらに努力しなければいけない。こういうので知恵をしぼっておるのが現状であります。
  26. 芳賀貢

    ○芳賀委員 今局長からお話がありましたが、私たちの承知している範囲では、伝貧対策として、病原体等に対して最終的に確信の持てる段階にまで達したということには考えておらないわけです。それでありますから、予防措置等に対しても、あるいは治療等に対しても効果的な措置を講ずることができないということになりますと、当然これは試験研究の段階にあって、さらにこれを最終的な成果を上げるためには、今まで以上に国としても熱意のある施策というものが、当然必要になってくると思うわけでありますが、できればこれは独立した試験機関のようなものを当然早期に設置すべきであるというふうに考えておるわけですが、本年度の予算等に対しても、そういう支出がまだ行われておらぬようですが、毎年のように約二億円くらいの殺処分手当をだすということは、これを国の支出から見ても相当大きな負担であるというふうに考えます。そういうことを勘案して考えた場合において、なぜ伝貧関係の国の態度がこのように消極的であるか、何か理由があると思いますが、この点はいかがですか。
  27. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 お説ごもっともでございます。それで私どももぜひとも伝貧を徹底的に研究いたしたいと思いまして、いろいろの予算を要求いたしました。最初に一億五千万円技術研究の方面に、これは伝貧だけでございませんが、獲得いたしまして、この中から本年は約三千万円ぐらいをこれにさけるものと考えまして、目下技術会議において検討いたしておりますが、せひとも多くの予算をさきまして十分なる研究をして、一日も早くこの伝貧を除去したい、こう考えている次第でございます。
  28. 芳賀貢

    ○芳賀委員 農林次官に申し上げます炉、具体的に、たとえば二千五百万円なら二千五百万円、二十九年、三十年よりは少しずつ数字が上昇しているのですけれども、この程度で今御答弁になったような効果が上るかどうか、いかがですか。一方においては二億円もの殺処分手当を出している。一方においてはこれが予防とか、病原体の把握にまだ相当の時間がかかるということになると、このような状態は当分まだ続くというふうにしか考えられない。だから相当飛躍した施策というものが必要でないかと思う。二千五百万円程度、そのうち委託研究というようなものにもある程度の額をさいているようですが、この程度でどのくらいのことがやれるのですか。
  29. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 お説のように研究費が多ければ多いほど、やはり研究はよけい進むと考えられます。しかしこれが、一体どのくらいの予算をさけばいつこれができるかという、はっきりした見通しがないわけでございます。幸い最近伝貧の病原体がヴィールス、濾過性病原体であるというような見当がついてきましたので、一応の手がかりができたような感じがいたすのでございます。でありますから、これを手がかりとして、でき得る限り多くの研究所なりあるいは学者を動員いたしまして、研究を進めたいと思う次第でございます。それについてはなお本年約三千万円の予算で、われわれは十分とは考えませんけれども、でき得る限り今後も多くの予算を獲得いたしまして、一日も早く病原体の解明あるいは予防法を考え出したい、こう思う次第でございます。
  30. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そこで伝貧の場合は、特に日本中央競馬会法の法律とも関係があるのですね。それは御承知ですか。中央競馬会法の規定の中に、国庫納付金の処理に当っては、これは畜産の振興、有畜農家の創設とか、あるいは酪農振興、社会福祉事業等に使わなければならないということが規定されている。その中に、特にこの家畜伝染病のうち馬の伝染性貧血症に対する試験研究等は、この納付金の中から相当額をさいて積極的な支出を行わなければならぬということが規定されている。ですから、今言われた三千万ばかりの伝貧に対する支出というものは、この中央競馬会法の指示するところに従ってその程度の額が出たものであるか、この内容はどうなっておりますか。
  31. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 中央競馬会の納付金の使途について伝貧等に使われなければならないというのは御指摘の通りでありますが、先ほど政務次官が申し上げましたように、科学研究でありまして、一定の施設それから一定の方法、そういうものがありますので、ただ金額を多くすればいいということにはならいわけです。政務次官がお話になりましたように、ヴィールスということがわかり、人間の医学とも非常に関係があるということで、人間の医学の先生方とも協調いたしましてやっておるわけでありますが、さらにさらにこの研究方法に新しい方法を取り入れて、必要な金はそっちに向けていきたいという考えでございます。そのためには現在の施設ではまだ不十分であるので、先ほど政務次官が申し上げましたように、施設を今衛生試験場の伝貧部でやっておるよりももう少し拡大する必要があるという結論が出てきておるわけなんで、それに必要な金を出したいというのであります。従いまして、日本中央競馬会法の趣旨は私の方でも十分くみ取って施策を考ておったのであります。
  32. 芳賀貢

    ○芳賀委員 もう少し具体的に御説明願いたいのですが、しからば昭和三十年度の国庫納付金あるいは三十一年度に予定される納付金の中で、法律による配分は大体どういうような配分にねるか、これはおわかりですか。
  33. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 これは競馬会法のときに御説明があったと思うのでありますが、社会保障、畜産関係等に使わなければならぬということになっております。ところが畜産関係の予算は納付金よりも大きいのでありまして、三十年度では約十億あまりになり、畜産局の関係の予算は二十億弱になっておりますので、お話のような納付金を具体的にどういうふうに配分するというのははっきり出てこないわけであります。逆になっておれば、もっと納付金が上ればどこそこに何ぼ出るということがはっきり言えのであります。ただ社会保障に一定量以上を向ける、残りは畜産として使う、こういうことになっておるわけであります。
  34. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これはこの納付金のうちの四分の三を畜産関係、四分の一を社会福祉ということに大別できるわけです。ですから納付金からの四分の三の分配額を今の畜産関係の予算に残しておけばそれでよいということではない。中央競馬会がなくても畜産行政というものはやらぬわけにはいかぬ。ですからこの分からの支出は積極的な支出でなければならぬと考える。金額炉これで相当するから、大体この方から出ているのと同じだということじゃない、こういう納付金の中から特別にそれをプラスして、積極的な支出をしなければならぬというのが中央競馬会法の趣旨なんです。そういうものを行わなければ、何も中央競馬会法という法律を作って認める必要はないのです。ここにいろいろな問題があったわけです。ですから当年度の予算においても、当然この分は積極的な支出として、たとえば伝貧対策にしても支出が行われなければならぬわけです。ところがわずか三千万くらいのものを出して、その配分がどうなっておるかということになると大したことじゃないのではないか、せめて納付金から来る分はさらにそれ以上に期待に沿うような支出に向けなければならぬということをわれわれは考えておるが、これは間違っていますか。
  35. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 全くおっしゃる通りであります。これは畜産局長から答弁申し上げたことが少し安易な考えでございまして、やはり芳賀委員のおっしゃる通り、これは積極的に予算を獲得しなければならぬというふうに考えております。
  36. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それでは今の次官の答弁からいうと、今までの考えが甘過ぎたから、もう少ししっかりした基本的な考えの上に立って予算等を是正するということなんでしょうね。そういうことを言われるわけですね。この分の予算に対しては増額する措置を講ずるという熱意があるわけですか。
  37. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 おっしゃる通り、今後とも一層努力いたしまして、なお多くの予算を獲得する所存でございます。
  38. 芳賀貢

    ○芳賀委員 今後というのは、三十一年度の予算の中で――今政府を代表して政務次官が発言されたのだから、その発言を裏づけするような措置を当三十一年度の予算の中で講ずるということを言明できるわけですね。
  39. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 ただいま予算は、大体衆議院は通りまして参議院にいっておりますので、(「まだ審議中だ」と呼ぶ者あり)審議中でございますが、でき得ることはいたしたいと思います。  なお、そのような措置を講じ得る機会がありましたら講じたいと思います。(「その機会とはいつなんだ」と呼ぶ者あり)それは来年度においてもさらに一生懸命運動いたしたい所存でございます。
  40. 芳賀貢

    ○芳賀委員 特に伝染性貧血症の研究の場合は、研究に要する個体が要るわけです。これは単蹄動物以外のものを持ってきてヴィールス菌を移植するなんてことはできない。そういう場合は馬でなければだめだということになる。ウサギとかそういうモルモットではだめだということになりますから、そういう個体の研究には相当多額の費用がかかる。ところがそういうものがこの予算の中にはあまりないのじゃないですか。
  41. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 伝貧の研究がむずかしいのは、お話のように馬以外にこれが小動物に移植してやれないところに一つあります。しかしどうしてもこれはやらなければいけませんので、馬を研究資料に使う、そしてその経費は衛生試験場の方に計上してあります。
  42. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうすると、その研究にするのは、もう伝貧馬ということがわかって殺処分するような馬を連れてきて研究するのですか。そしてそういうことになれば費用はかからないと思うが、大体全然伝染性貧血症でない健康体の実験に供する馬を持ってくるとすれば、これはどこにもたくさんおるということではない、しかしそういう健康馬でなければ完全な実験とか研究というものは進まないと思いますが、いかがですか。
  43. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 お話の通りでありまして、これは健康馬を使わなければいけないわけです。それで健康馬を、しかもこれはできるだけ安いものを使う、それから今まであまりそういう伝貧の汚染していない地域の馬が必要であるということで、沖繩の健康馬を入れて、それを試験に使っております。
  44. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それから伝貧の実験、研究等に対して伝貧の非常に多発する付近の地帯は、都道府県炉予算を計上して委託試験とかそういうことをやっておる。特に北海道等においては、殺処分する全体のうちの三分の一くらいが行われておる。それで一年三百万程度のこれの実験費用というものを支出しておるわけです。しかし今日の地方財政というものはだんだん窮乏しておるのですから、できればこういうものは国の責任で一本化して、集中的にやるということの方が非常に効果的であるというふうに考えるわけですが、国の支出が少ければ、結局地方財政の中でそのことを負担して処理しなければならぬということになるので、地方負担の伝貧に対する実験とか、そういう費用等に対して、国の責任においてこういうものを吸収するというお考えがあるかどうか、その点はいかがですか。
  45. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 お話の通りでございますが、今までに府県においても、府県独自でやりたいというので、いろいろやっておったのであります。しかしそれではお話のように不十分でありますので、私の方では、できる限りの予算を保健衛生所の方に出しております。しかし府県にもそれぞれの畜産試験場的なものがありますので、やりたいというふうなことが三十一年度にもあるいは出るのかもしれませんが、これらは、今までの経過を見まして、府県でやるものも、政府で分担して府県でやってもらう必要があるならば、政府で予算を組むべきだと思います。来年度は政府で六百万円を計上しておりますが、それで大体やっていきたいと思いますけれども、御注意もありますので、さらによく調べまして、今後ほかの方の流用とか、あるいは三十二年度の予算にはそういうことで府県に迷惑をかけないようにやらなければならぬというふうに考えます。
  46. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それから次には委託研究等の場合ですが、これは今どういう形でやっておりますか。民間に対する委託研究とか、いろいろあると思いますが、今とっておる措置はどういうものですか。
  47. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 これは私の方で委員会がありまして、そこで討議しまして委託先をきめておるわけです。大学では東京とか千葉、それから民間の団体では北里研究所、そういうもので、全部で六ヵ所ないし七ヵ所であります。
  48. 村松久義

    ○村松委員長 関連質問の申し出があります。これを許します。本名武君。
  49. 本名武

    ○本名委員 この機会に、関連してちょっとお伺いしておきます。きょう冒頭に局長も言われた通り、まことに始末の悪い、従って対策も非常に苦労が要るわけです。しかし今日までこれほど騒がれた問題が、わずか三千万円の予算をつけたということで逃げられるように聞えるのが、私どもは非常に遺憾に思います。こういうことは釈迦に説法かもしれませんが、この病気はどうも政府は馬の病気だと思っておるのではないか。これは決して馬の病気ではないのであります。農家にとっては、心理的に、あるいは営農の面に、経済的に、非常に打撃の大きい病気です。従って、馬の病気を研究する、試験するというだけの考え方ですと、今まで行われた対策あるいはこれからとろうとするような消極的な対策しかとれないのではないか。この機会に、今までいろいろ御発言もありましたが、思い切った方策をとっていただきたい。特に、三千万円のわずかばかりの金ですけれども、この配分について何ら具体的なお示しがないことは非常に遺憾であります。これはこれからいろいろ御討議なさると思いますが、この機会にちょっとお伺いしたいのは、従来学究的にはこれを大いにやろうという意欲は非常に旺盛であった。一例を申し上げますと、国立の大学において、この病気を研究するために百五十万も二百万もお金をかけて電子顕徴鏡を買った。先ほどもお話がありましたが、この病原菌がヴィールスであるということは早くからわかっている、見当がついている。しかしこれを究明することができなかったというところに一つの問題があった。せっかく買った電子顕徴鏡が今日まであくびをしておった。これは文部省所管だからといって農林省はほうっておくべき問題ではない。従って文部省と連絡して国の試験機関、学校の試験機関を大いに活用すべきじゃないか。  そこで一つお伺いしたいのは、まず三千万円の配分についてもう少し的確に早くしていただきたいということと、これはあくまでも農林省の範囲内においてのそれぞれの施設あるいは施策にその予算を使われるかどうかということ、それからもう一つは、大学などで研究したいというときに、実は馬を買う金がないのです、予算がないのです、それで殺すような馬を買う。七万か八万のような金さえなくて、ただ顕徴鏡を遊ばせておいて、学徒あるいは学者の研究意欲を押えつけておる。これに対して農林省はもっと積極的に援助すべきである。さらに健康馬に対して一頭や二頭ではとても十分な研究はできない。罹病馬もその通りであります。これに対して農林省として積極的に打つ手がないか、この二点をお伺いしておきたい。
  50. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 私の方の衛生試験所で電子顕微鏡は二台ありまして、これは非常に活用しております。大学の電子顕微鏡のお話は私よく知らないのでありますが、その大学の方の先生、それから先ほど申し上げましたように、人間の医学の先生も一緒になってやっておるのであります、これは衛生試験所の方にしょっちゅう出ております。電子顕微鏡等もどこにもあるわけではありませんから、相互に研究をしております。ただ、前に陸軍時代に、馬をうんとそろえて非常に大がかりにやったこともありますけれども、こういう研究の性質として、やはり見当をつけて、とにかく研究の方法について衆知をしぼってやらないと工合が悪いのでありまして、私どももしろうとで、ちょうど同じようにやいやい言っておりますけれども、研究者の方では研究者の方として段取りをつけておる。しかしお話のように、馬が足りなくて研究ができない、そういうようなことはないようにしたいと思います。直接馬を飼っておる方から、経済的にだいぶ大きいからやいやい言っていただいて、この間も競馬会から老廃馬を大学の方に寄付させておりますから、技術者の方で慎重に研究してやっていきたい、こういうふうにする以外にないと思います。それから今の衛生試験所の伝貧部では手狭であるというので、あすこの外ワクに伝貧部を独立したい、そのための施設を作るのに約一億近く要ると思います。その施設を作るのに本年度三千万円を技術研究費の方から出していただくように、今度できる技術最高会議の方で出しているわけであります。どうしても私の方としては、御説のようにもう少し、今の獣医さんだけじゃなしに、ほかからも援助をしておるわけですから、もう一息というので意気込んでやっておるわけでありますので、さらに御鞭撻を願いたいと思います。
  51. 本名武

    ○本名委員 お話はよくわかるのですけれども、私の申し上げるのは、具体的に申し上げますと、国は馬に限らず畜産のために高等学府を作って研究しておるのです。そこの専門の畜産の大学でせっかく電子顕微鏡を買った、伝貧のために買ったのです。ところが試験をする馬がないということは、これは文部省の予算の獲得もさることながら、文部省の所管であるかも知れませんが、馬を所管するところの農林省が、文部省に対してそういう姿にしておくことは、これは政府自体としても、全体から考えて私は農林省の恥だと思うのです。だからこの際積極的に文部省と提携して、話し合いをして、何か一つ予算の譲り合いをして、三十一年には馬の十頭や十五頭は預けられるような手を講じていただきたい。それを特にお願いを申しておきたいと思います。
  52. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 お話の大学をはっきりおっしゃっていただけば私どもの方で連絡いたします。
  53. 本名武

    ○本名委員 帯広畜産大学です。
  54. 村松久義

    ○村松委員長 稲富稜人君。
  55. 稲富稜人

    ○稲富委員 先刻芳賀委員の質問に対する御答弁に対しまして関連してお尋ねしたいと思いますが、伝貧の重大であることは私の申すまでもなく、世界的な大きな畜産界の悩みになっておることは御承知の通りです。伝貧というものはかように重大なので、私たちは競馬法改正に当りましては、その納付金から伝貧のための予算を組むということまで実はうたってあるわけなのであります。ところがその後、競馬の納付金に対して伝貧に対する予算というものは依然として従来のようなことから特に多く予算を編成されていない。この事実にかんがみまして、予算編成の当時に農林省から大蔵省に対して、中央競馬会から納付する金額を伝貧その他畜産のために使うような、こういう特別な要求というものはなされているかどうか、この点をまず承わりたい。
  56. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 その要求をいたしております。
  57. 稲富稜人

    ○稲富委員 結局要求しておっても、それじゃその要求が通っていないということは、立法の特異性ということを政府みずからが承知しないということになってくる、この責任は重大だと思う。ことに先刻農林政務次官の御答弁によりますと、芳賀委員の質問に対しましてももっともだとおっしゃっている。しかもこれに対してはできるだけ予算上にこれを現わさなければいけないと言われておる。幸いに今はまだ予算審議中であります。衆議院は通過しておりますけれども、衆議院を通過したということは予算が決定したわけではございませんで、幸いに今日参議院で予算を審議中でありますから、先刻農林大臣の言をもってするならば、直ちに政府は政府の方針として参議院の予算委員会にこれを実現するようになされることが当然だと思う。これに対して一つ政府の善処方を私は要望すると同時に、これに対する農林政務次官の責任のある御答弁を願いたい。
  58. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 非常に困難な問題でございますけれども、一生懸命に努力いたしたいと思います。これにはやはり自由民主党の党の方針というものもございますので、十分に御相談申し上げまして、御了解を得まして、可能ならば喜んでそういたしたいと思っております。
  59. 稲富稜人

    ○稲富委員 これはどうも困難な問題として片づくものでない。困難な問題であるならば、あなたは農林政務次官として責任のある立場にあるのだから、そういうような安請け合いをしないようにしなければならぬ。しかも私たちは予算の審議中でございます。あなたは政府を代表して答弁されている。政府代表で答弁される方が、妥当な予算措置を講じなければいけないということを言われる以上は、この審議中にこの予算に対して盛るようにすることが政府の立場だと思う。これは党との関係があるというならば、政府として直ちに党の政調会にも連絡をとって、予算の修正をやるように努力されることがあなたの立場として当然だと思う。何かの形をもって結論を出されることが当然だと思う。ぜひやっていただきたいということを申し上げておきます。
  60. 村松久義

    ○村松委員長 川俣清音君。
  61. 川俣清音

    ○川俣委員 私はこの際二、三点お尋ねいたしたいと思います。中央競馬会の方から納入いたしております納入金は雑収入に入っているのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。
  62. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 雑収入であると思います。ただいま予算書を持っておりませんので……。
  63. 川俣清音

    ○川俣委員 そこで続いてお尋ねしたいのですが、芳賀委員に対する答弁の中に、畜産行政にかかわる経費と競馬会から入った経費との、経費の比較論が出ておりますが、雑収入に入ったものと一般畜産経費を比較するということの根拠は一体どこから出ているのですか。
  64. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 御承知のように競馬会の規定は、競馬会の納付金の収入をすぐ直接に畜産振興なり社会保障に使うというふうに予算上の点まで規定してないのでありまして、どうしても普通の歳出歳入の関係からいって雑収入にならざるを得ないと思います。その中からまず優先的に掲げられてあるものに使っていく、それに相当するものに使っていくということになるのではないかと思います。
  65. 川俣清音

    ○川俣委員 そういたしますと、雑収入から入ったものと一つの項目になった支出ものとを比較する根拠はないと思うのです。畜産局なりあるいは農林省に直接入ったものと出るものと比較して、畜産行政の方に多くかかっているという説明ならばこれは説明になりましょう。国の雑収入で入ってきたものと畜産行政の経費とを比較検討するというような答弁は答弁にならないと思うのだが、この点はいかがですか。
  66. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 先ほど申し上げますように、直接この納付金を、たとえばガソリン税を取って道路に使うというふうな規定の仕方でありませんので、どうしても一般の政府の収入と、それからそれを法律で規定した用途に使うという比較をする以外にないのではないかと思います。従いましてちょっとりくつの上と実際の計算とが説明が苦しくなるわけでありまして、優先的にプラスして残りを必要なものに取る、こういうように説明してもできぬことはないと思うのでありますが、私の方ではもっと畜産費にもらいたいという希望がありますので、先ほどのような説明を申し上げたのであります。
  67. 川俣清音

    ○川俣委員 これは目的税であれば比較検討した答弁ができるはずですが、目的税になっていないために雑収入になっている。国のすべての雑収入の中から――どれからきめたということでない、明らかに畜産費用の財源として確保されているということが十分になっていない点が問題の点なんです。従って収入より支出が多いという答弁はこの際取り消されるならば別問題です。畜産経費の方が、目的税で入ってきたならば、目的税で入ってきたものよりも多いということなら言える。その区別もしないでただ多いという答弁は、今後目的税にするためにされた答弁なのかあるいは従来からのただ参考に述べられたのか、芳賀委員の質問はそういう意味じゃなかったと思う。将来目的にするためにそういう答弁をされたのかあるいはただ答弁のがれのためにやられたのであるか、どっちかはっきりしてください。
  68. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 芳賀委員のお話は、目的税的な考え方で御質問があったと私は受け取ったのであります。しかし実際はそういうふうになっておりませんので、ただいま申し上げましたように、ひもつきとかなんとかいうのでなくて金額で比較するよりないじゃないか、こういうふうに申し上げたんでありますが、その際に考え方として、まずあそこに規定されておるものを納付金に相当するのでやって、その残りの必要な畜産費を一般から――一般というとちょっと御質問のあれと違いますが、その他の費用から出す、こういうふうに考えてもいいんじゃないかと思うのであります。しかしどうしても芳賀委員の御質問のようにするのであれば法律で、この分は特定の目的で、はっきりこれこれと毎年きめて別途に議会の協賛を得ろ、こういうふうな規定まで必要になってくるんじゃないかと思います。しかしそこまでは今規定しておらないのであります。法律の制定の際にそういう点はずいぶん議論されて、速記録等で拝見しますとなっておるのであります。農林省としてもちょっと困っておるのであります。もっとはっきりすれば畜産局としてもやりいいのであります炉、なかなか問題が簡単に片づかないのであります。
  69. 川俣清音

    ○川俣委員 そこで明らかになりました。芳賀委員は目的税のつもりで質問されたに対してあなたはその意味で御答弁になった、比較をされた。そこでおそらく畜産局長と変った御答弁を政務次官がされたのは、政務次官もおそらく目的税のつもりで答弁されたのだと思うのです。プラス・アルファでいこうという芳賀委員の質問に対してごもっともだ、こういうことですから、将来改正する意図を含んでの答弁であるのかどうか、その点を伺わしていただきたい。
  70. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 私はあまり具体的なことはまだ今わかっておりませんので、私の申しましたことは、今まで当然競馬会の収入と関係なしに畜産局のいろいろな予算が獲得されますが、そのほかにもこの納付金のうちから相当のものがプラス・アルファとして入りますようにということを希望して申し上げたのであります。
  71. 川俣清音

    ○川俣委員 私の申し上げたのは、法律を改正する意図があるのかどうかという点をお尋ねしているのです。
  72. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 今までのこの法律は、皆様方のいろいろな御意見ででき上っておると思うのです。私としましては、できる限り競馬の納付金の中から畜産関係に金が下りますこと、同時に社会保障制度の方にも金が下りますことを希望していますので、どのような方法がいいか、皆さんの御判断におまかせしたいと思います。
  73. 川俣清音

    ○川俣委員 時間がないから簡略に伺っているのですよ。先ほどの御答弁からみますと、法律の改正の意思があるように聞えるが、あるのかないのか政務次官並びに局長にお尋ねしているのです。
  74. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 それは個人としての意見を申し上げることになりますが、(「個人としての意見を聞いているのではない」と呼ぶ者あり)政務次官としての立場におきましては、やはり与党なりあるいは農林省等においても十分検討しなければ簡単に申し上げることはできません。
  75. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 ただいま政務次官が申し上げましたように、十分検討しなければならぬ問題だと思いますので、よく検討したいと思います。
  76. 川俣清音

    ○川俣委員 非常に無責任ですよ。一度答弁したことを、どういう意図で答弁したのだということを聞いているのです。研究しなければ答弁できないというのでは前の答弁はどうなるのです。全部取り消しということですか。あなた方が答弁した意思はどうなんだと聞いているのです。新しい提案じゃないのです。あなた方が答弁された意思は、改正する意図で御答弁になったのですかと聞いているのです。わからないというのなら前のを全部取り消しなさい。
  77. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 私の方の答弁は、今までの処置を御説明申し上げたのでありまして、将来どうするかということは、ただいま川俣先生からお話があったので、それは今後のことは検討したいということでございます。芳賀委員には従来のことを説明申し上げておったのであります。
  78. 川俣清音

    ○川俣委員 まあその程度としておきます。  次に伝貧の手当の問題についてちょっとお尋ねしますが、現在旅費、それから設備炉非常に不足で粗漏な調査をしておるとお考えになっておりませんか。
  79. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 その点はしばしば川俣委員から御注意がありまして、私の方ではそういうことのないようにと思ってやっておりますが、具体的な御指摘がありましたので今調べております。しかし家畜衛生保健所の組織が――大体この表でも三十二ページに出ておりますように、百万頭近くの伝貧の検査をやらなければいかぬわけでございますから、全然御指摘のような不備がないとは言い切れないと思いますが、これはあってはならぬことでございますから、私の方でも厳重に注意したい、こういうふうに考えております。
  80. 川俣清音

    ○川俣委員 国の予算措置が不十分なために、非常に疑惑があり、いずれとも決定していないようなものを、にわかに決定して、せっかく愛護いたしておりまする家畜を殺してしまわなければならないというようなことは、情において忍びないばかりでなくして、農家の経済の上にも大きな影響を与えるものであります。これが農村に大きな不安を与えておる大きな根源です。従って経費が不足なゆえに粗漏な検査をするというようなことは十分戒めなければならぬことだと思います。そこで一日の調査頭数を大体どのくらいにおいておりますか、その点をお尋ねいたします。
  81. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 大体約三十頭を目標においております。
  82. 川俣清音

    ○川俣委員 長い夏時間であって三十頭ないし四十頭、ところが実際は七十頭から八十頭ぐらい、もう薄暗くなってからもやっておる。従って蒸留水も三十頭分ぐらいしか持っていない。あとはその辺の井戸からくんできてやる。しかも試験のフラスコといいますか、あれなど十分洗ってやったかどうかというような疑惑すらある。こんなことをやらせておいて、先ほど申し上げたように、伝貧があるのだ、ないのだというようなことは非常に危険だと思うのです。そこでもしも疑惑があるものは、もう一週間延ばして再検査するということも考えなければならぬじゃないかと思うのですが、この点どうですか。
  83. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 今のお話はオーバー労働をかけているというお話でありますが、その点は十分注意いたしますが、そう簡単に殺処分の命令を下すことはいたさせていないと思います。疑似、真性、十分時間をかけてやっております、ことにお話のように、飼い主には何といっても大きい負担でありますから、飼い主に簡単に、お前のやつを引っぱってきて殺すというわけにもいかぬわけであります。念には念を入れて、真性であるかどうかということをやっているのであります。お話にありました蒸留水を使わないとか、試験、研究ということは今後十分注意いたしたいと思います。
  84. 川俣清音

    ○川俣委員 三十頭ないし四十頭の範囲であれば、十分であると思うのです。実際七十頭以上やっておった場合にその責任をどうしますか。一体やった方が責任なのですか、予算の裏づけをしてやらない方が責任なのですか、どちらですか。
  85. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 私の方では大体地方別の分布頭数から、今のように一日に三十頭平均やればこのくらいの費用がいるというなにを出しておりますが、それが天候の関係とかあるいはその他の理由で、お話のように非常に大きい頭数を処理している場合が起ったのだろうと思います。これも具体的にお示し願って、よくその理由を調べた上で、お話のように費用が足りないからそうなるのか、あるいはほかの理由でそうなるのかということを究明した上で、人の能力にも限界があるわけですから、能力の範囲内で処置できるようにいたしたいと思っております。
  86. 川俣清音

    ○川俣委員 六十頭、七十頭以上もやっておった場合に、その責任はどちらかと聞いておるのです。予算の裏づけをしてやらなかった政府の責任なのか、あるいは出先の責任なのか、こういうことをお伺いしておるのです。
  87. 渡部伍良

    ○渡部(伍)政府委員 ですから、それはその具体的事例を調べてみなければわからぬと思います。とにかく私の方では馬の頭数、それからこの表にありますように、地域別に重要度をきめてやっておるわけですから、こちらから見て、七十頭も一日にやる、これは不可能なことをやっておるのだろうと思います。これは担当官が何らかの理由でそういうことをやっておるのじゃないかと思いますので、よく調べて処置したいと思います。
  88. 村松久義

    ○村松委員長 他に質疑はございませんか。――御質疑がなければ、これにて質疑は終了いたしました。本会議終了後再開することとして休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      ――――◇―――――    午後三時三十九分開議
  89. 村松久義

    ○村松委員長 午前に引き続き会議を開きます。  家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。政府より発言を求められております。これを許可いたします。大石政務次官。
  90. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 先刻私の発言中、個人としては云云という点につきまして、言葉の不十分な点がございましたことは、はなはだ遺憾でございます。私といたしましては、個人としてはいろいろな考えを持っておりますので、それが言葉のニュアンスとなったと思いますが、政務次官としては、党とも十分相談の上検討いたさなければならぬということを申し上げたいと思っておったのでございましたが、用語の不穏当な点は訂正いたしますので、御了承を得たいと思います。
  91. 村松久義

    ○村松委員長 本案に対しましては、討論に入りますが、討論の御通告がございません。これを省略して直ちに採決いたしたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  93. 村松久義

    ○村松委員長 起立総員、よって原案の通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。本案の委員会報告の作成につきまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 村松久義

    ○村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。     ―――――――――――――
  95. 村松久義

    ○村松委員長 なお急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部改正法案は、提案者が見えておりませんので、これを次会に譲りまして、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。  質疑があればこれを許します。淡谷悠藏君。
  96. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 本案の改正の第一点として、「昭和三十一年度から新たに農地開発機械公団が保有いたします機械を使用して行われますところの、いゆる機械開墾事業地区の開拓者に対し貸し付けられます資金の範囲、償還条件等を定めた」こういうことが提案理由の説明に入っておりますが、この機械開墾事業地区、すなわち北海道の根釧地区・青森県の上北地区に対する開墾の構想というものがございましたらこの際御説明願いたいと思います。
  97. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 具体的なことは説明員より答弁いたさせたいと思います。
  98. 立川宗保

    ○立川説明員 機械開墾地区として具体的に計画をいたしておりますのは、青森県の上北及び北海道の根釧原野のうち床丹第二というところでございます。上北につきましては、その地区の面積が五千六百五十二町歩ございまして、耕地面積となりますところは三千七百八十六町歩であります。入植をいたします予定戸数が三百四十八戸、増反いたします戸数が二千八百六十七戸の予定であります。根釧の方は面積が四千六百十九町歩、うち耕地となりますところが三千四百三十一町歩、ここに二百八戸の入植戸数が入りまして、増反は北海道は少うございまして三十九戸を予定いたしております。  入植者について申しますと、青森県の方は一戸当り耕地が五町歩、そのほかの採草地でありますとか、薪炭林地でありますとか、宅地とかいうものを合計いたしますと一戸当り七町歩になります。根釧の方は耕地が、ここは寒冷な関係上非常に広くとってありまして、十四町歩四反、そのほか採草地、薪炭林地、宅地等を合せますと十八町歩八反ということになるわけであります。  これらの地区におきましては、いずれも寒い地帯でありますので、乳牛を中心といたしますところの家畜を多く持ってもらいまして、そこで酪農を主軸とするところの農業経営をやってもらうという計画でおります。完成年次を想定いたしますと、上北地区は乳牛一戸当り三頭、根釧地区は乳牛一戸当り十頭をもって経営していくということを想定しておる次第でございます。
  99. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この乳牛はジャージー種のものを入れるというような構想に伺っておりますが、ジャージー種を入れましてから搾乳等の成績がどのような経緯をとっておりますか、具体的に御説明願いたい。これは資料を請求してありますけれども、まだ資料が参っておりませんので、この際この席上でお答え願いたいと思います。
  100. 立川宗保

    ○立川説明員 これは畜産の関係の方からお答えをいたさなければなりませんので、担当の政府委員が見えてから御返事を申し上げます。
  101. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 それではジャージー種の点から離れまして、上北の入植についてお尋ねをいたします。この配られました表を見ますと、その入植戸数が三百十八戸とございますが、この内容の御説明を願いたいのであります。
  102. 立川宗保

    ○立川説明員 この上北地区は非常に土地の状態が錯綜しておりまして、根釧の方は一団地完全に開拓用地になりまして、そこを進めるわけでありますが、上北はすでにいろいろ開発された地区もありますし、森林として残すところもありますので、その地区の面積はいろいろ錯綜しておるわけであります。この既入植三百十八戸と申しますのは、すでに予定をしております上北の周辺地区に入っておりますものでありまして、これは今回の三百四十八戸の外でありまして、この計画から除外しておるわけです。この三百十八戸というものを参考のためにここに書きしるしましたので、書き方が適当でありませんで誤解を生ずるような表現になっておりますが、これはその付近にすでに入っておるもので、機械開墾の対象外になるものでございます。
  103. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そういたしますと、入植年次別戸数というところにございます三十一年度百十六戸、三十二年度百十六戸、三十三年度百十六戸、計三百四十八戸が入るものと了解いたしますが、すでにこの前の委員会でも質問をいたした通り、開拓農家炉三分の一ほど離脱をしておる。これは開拓者の選定に当ってずさんな点があったというような御答弁もいただいておりますので、この新しい構想をもって進みます酪農開拓農家に対する入植者の選考については、一体どのような方法でなされるのか、あるいは募集等はどういうふうになされるのか、この点を詳しく御説明願いたいと思います。
  104. 立川宗保

    ○立川説明員 御指摘のありました通り、この入植者の選考はきわめて大切でありまして、適当な人を使うかどうかということがやはり成功するかどうかの一つの要素になるわけであります。この機械開墾の地区は面積も大きいし、またその経営規模、借り入れ資金等も大きいので、この新しい経営形態に耐える適当な入植者を選ばなければならないということで、北海道についても青森県につきましても、すでにこの機械開墾の内容を各市町村などを通じましてよく人々に徹底して、その上で志望者を広く募っております。これはひとり青森県だけでなくて、そのほか東北の各県に対しましても青森県の入植希望者を募ります。そこでこの三月の末に入植第一年次の入植希望者の選考をやります。非常にたくさん希望者が殺到しておるようでありますが、その中から資格のしっかりした人をえりすぐりまして、しかもその合格した人を四月から六月の二ヵ月間青森県の七戸と三本木に講習所がございますが、そこで十分に訓練をいたしまして、その訓練を経ました人が漸次入植をしていく、こういうことになっております。
  105. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは単に上北だけではなくて根釧地区の方でも同様な事情にあると思いますが、たくさんの入植志望者がありました場合、地元並びに他県との間のワク等について強い地元の要望がございませんでしょうか。具体的に上北、根釧地区に対して、地元なり県なりあるいは県外の入植予定者のワク等は、あらかじめおきめになっておりますか、お伺いしたい。
  106. 立川宗保

    ○立川説明員 これは青森県は特に強いのでございますが、なるべく地元の人を多く入れたい、よそからの人はなるべく入ってもらいたくないという御意向炉いろいろあるようであります。ただしかしながら、青森県のみのための機械開墾ということではなしに、やはり日本全体のための機械開墾という工合にして参りたいのでありまして、この地元の御要望を必ずしも百パーセント受け入れるというわけにもいきかねる。これはやはり他の府県からも優秀な開拓者を入れまして、ともどもにりっぱな成果を上げていくということがまた青森県のためにもなる、こういう工合に考えますので、青森県の当局とはいろいろその点を御相談しております。しかしながら私どもといたしましても、青森県の方を主体にして上北開発をするという原則は適当であろうと考えますので、青森県の方と他府県の方とをどのくらいの割合にするかは、今県の当局と御相談中であります。
  107. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 地元との交渉の過程に現れてきた結果だと思いますが、上北では増反戸数が二千八百六十七戸で根釧地区は三十九戸、土地が狭いのにたくさんの増反農家を入れなければならなかった理由についてお伺いいたしたい。どんな理由でこんなにたくさんの増反戸数になったか。
  108. 立川宗保

    ○立川説明員 根釧地区の方は、すでにその周辺におります方が全部開拓者であります。そうして不十分ではありますけれども、割合に広い面積を持っておられるということ、それから増反ということになりますと、結局そこに通って耕作いたします関係もありまして、現在住んでおられる住宅とその開墾予定地の距離が大いに問題になりますが、根釧地方はいわば人口粗なところでありまして、通って耕作できるというところに農家が割合に少い、こういう関係もあります。しかるに上北の方は、その周辺に零細な農家が非常に多くありまして、その農家の方々は経営面積を広げるということを非常に希望しておられる、そういう関係もありまして、できるだけその経営規模を広げるという要望にもこたえたいというために、いろいろ紆余曲折はございましたけれども、増反戸数を二千八百戸という工合に予定いたしておるわけであります。
  109. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 すでに入植しておりますものが三百十八戸、増反が二千八百六十七戸、新規入植者が三百四十八戸、この比率から見ますと、結局新規入植者並びに増反戸数が非常に多い。その場合に、この三百四十八戸にしぼりまして助成した場合に、その周辺にある農家が不均衡な助成のために不満を感ずるような心配がないかどうか、これをお聞きしたい。
  110. 立川宗保

    ○立川説明員 これは上北、根釧両方に通ずる問題でありますが、現在の補助あるいは助成のやり方と今度の機械開墾の補助、助成のやり方とは趣きが変りまして、今回の方はかなり思い切った徹底した計画と徹底した助成援助という態勢をとっております。もちろん私どもといたしましては、従来やって参りました開拓者に対しても手厚いことはしたいのでありますけれども、しかし一斉に、また一ぺんに状態を変えるというわけにも参りません。従ってこれは一つのテストあるいはパイロット・ファームという意味で、従来の開拓の経験にも照しまして、これなら一つ絶対に失敗しないという態勢でやってみようじゃないか、こういうことでこの機械開墾というものを打ち出したのであります。従来のものにつきましては、またいろいろと財政事情、開拓の諸状態をにらみ合せて検討したい、本年度につきましても、その一部としまして、非常に経営の不振なところに対しましては、開拓の不振対策としましていろいろ各項目の予算を集中して、総合助成というようなものをすでにやることにいたしましたし、また既入植者に対して、この開拓者資金融通法によって従来平均十七万七千円の融資をしておりましたものを、さらに家畜の資金をふやしましたり、あるいは災害をこうむって生産資金が足らないという方々に生産資金を供給するということにいたしまして、かたがた予算にもその資金を計上いたしましたし、またそれに伴う必要な法律改正を今回御提案申し上げておるわけであります。
  111. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうしますと、この地区の開拓農家というのは、機械開発公団による開拓農家と従来の開拓農家とが混在しておるという形になるように理解されますが、その通りでございますかどうか、お聞きしたい。
  112. 立川宗保

    ○立川説明員 これは従来の形でやって参りました農家が周辺にございまして、そこにまた新たな形の機械開墾のパイロット・ファームが発足する、こういう形でございます。
  113. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 その既入植者の間に新しく入植させます農家につきましては、農林省としても何か非常に遠大な構想を描いておられるようでありますが、一体この五町歩の耕地をもって生計を営む北部上北の農家並びに根釧地区の十八町八反歩の農家に対する資本の要求、あるいは必要とするような資本の投下は、一戸当りについてどれくらいで押えておりますか、それをお聞きしたい。
  114. 立川宗保

    ○立川説明員 これは全体の計画につきましては、なお政府の内部でいろいろ検討をいたしておりますので、われわれに考えはございますけれども、確定をしたところまで参っておりません。しかしながら第一年度に助成をいたします、あるいは融資をいたしますものといたしましては、上北につきまして一戸当りの補助は、開墾作業費、入植施設費、酸士改良事業費、附帯工事費、それだけを合せまして四十一万二千円、それから融資は六十四万一千円、補助と融資を合計いたしますと、一戸当り百五万三千円になります。根釧の方について申しますと、補助は、項目はやはり同じでございますが、第一年度は一戸当り三十七万一千円、融資は八十二万三千円、合計をいたしまして補助並びに融資は百十九万四千円になります。
  115. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 この手元に配られました農地局からの参考資料によりますと、乳牛の総所要資金が大体一戸当り十二万円としてございますが、これは何頭分の金でございますか。
  116. 立川宗保

    ○立川説明員 二頭であります。
  117. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ジャージー種は一頭六万円と理解してよろしゅうございますか。
  118. 立川宗保

    ○立川説明員 ジャージーの犢、子供でございます。
  119. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今手元に資料が配られましたが、これで見ますと、ジャージー種とホルスタイン種との間には、年間平均の搾乳量につきましても相当の開きがある。特に北部上北のごときは、従来の開墾者と新しい開墾者が一緒にいた場合、一方がジャージー種の能率の低いものをしぼり、一方は従来のホルスタイン種をしぼる。これに対してジャージー種がホルスタイン種よりもすぐれているというような具体的な事実がございますかどうか。
  120. 立川宗保

    ○立川説明員 技術的な点にわたりまして詳細に申し上げかねるのでありますが、ごく常識的に申しまして、ホルスタイン種は高度にトレードされまして、出乳量等は多いのでありますが、ジャージーは粗食で、いわばホルスタイン種ほど注意をしない取扱いに耐えますので、その辺に特色があろうかと存じます。
  121. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 ジャージー種につきましてはもっと詳しい専門的な御意見を伺いたいので、畜産局の方からの担当の方においで願って質問を継続いたしたいと思います。その点は保留いたします。  今度の資金融通法によりますと、この二つの地区における資金融通の形が相当変ってくるように思います。けれども、同時にまた、今の御説明にございました通り、初年度すでに百万円以上の融資並びに補助が費されておる。完成するまでには相当多くの融資がなされるように考えますが、完成までに根釧並びに北部上北でどれぐらいの負債額を負うことになっておりますか、その点の御説明を願いたい。
  122. 立川宗保

    ○立川説明員 これはまだ政府の内部で検討いたしておりますことに属しまして、幾らの融資がこれらの地区に出るかということはきめておりませんが、一つの構想を申し上げますと、上北におきましては、百万円から百三、四十万円ぐらいの間の融資金、根釧におきましては二百万円から二百八、九十万円くらいの間の融資金、それくらいの見当で今政府の内部で研究をしておるところでございます。
  123. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 これは既入植者に対する資金融通の考え方にも関連いたしますが、資料によって見ますと、開拓者の資産状態は、ほとんど融資償還には振り向けられないような形になってきておるようでございます。収入が非常に少い。従ってこの融資の償還には土地を売りあるいは家畜を売るといったような、経営の一角をくずさなければとうてい償還ができないような形に追い詰められるおそれが多分にございます。今度の融通法の一部を改正しようというのも、こうして行き詰った融資償還の面を新しい融資によっておっかぶせていこう、このような含みが多分に見える。そうなりますと、根本に穴があいた開拓営農が、いつまでも借金の上に借金をおっかぶせていくというような形に見えますが、一体根釧地区において十頭、北部上北において三頭のジャージー種、これだけ多くのジャージーで百万円あるいは二百万円、三百万円に近い各戸の融資を償還していく見込みが立ちますか。これはもう具体的に数字を出せばはっきりわかっておる。三頭のジャージー種で一年間に幾ら乳がしぼれるか。今のように安い乳の値段で、果してこれだけの負債をかぶって農家が根本的に立ち直っていけるという自信を持つのでございますか。
  124. 立川宗保

    ○立川説明員 上北と根釧につきまして、相当な計画をもちまして機械開墾の事業を進めますにつきましては、ただいま御指摘の問題については、一番中心をなす要点であろうと考えますので、われわれの方でもかなり検討を加えたのであります。この地区は、従来の所と違いまして、短期間に一気に開墾をして耕地を確保する。従来の既入植地区につきましては、いろいろな仕事に追われて手不足で、開墾面積が伸びないというのを、機械開墾によってその辺を一ぺんに突破していく、しかもその機械開墾によりまして炭カルあるいは燐酸をまきまして、牧草の播種までしてしまう、普通は三寸程度の耕起でありますが、機械開墾については六寸を起して、土地を初めから深く耕していく、そういう工合にいたしまして、地力を十分につけ、しかもこれに乳牛を入れまして、地力の根本をつちかっていくということで、従来やりましたいろいろの開拓の伸び悩みの点を、こういう形において突破したい、こういう工合に考えております。もちろん畜産の収入が主体になりますが、そのほか耕種の収入もかなり見込まれますので、私どもの計画では、年々の償還金は、据置期間後は十数万円になって参りますけれども、そのころには地力も肥え、家畜も入るということで、償還は十分できる、四年目になりますと、かなりの余剰を生じてくる、こういう工合に考えて構造をいたしておるわけであります。なるほど借り入れます資金は相当大きいのでありますが、金利も片方は三分六厘五毛、片方は五分でありまして、償還期間も二十年、二十五年ということでありますので、年々の償還額はそう著しく多額に上りません。もちろん据置期間が過ぎますと、普通の従来の開拓者よりは償還金は多いわけでありますが、それは実力がつきますので、十分回収ができる、四年目からすでに余剰金を生じて、自後着々として償還が進められる、こういう構想で考えておるわけであります。
  125. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 開拓地の構想から割り出しますと、今度の開拓についてもかなりの危惧が持たれますが、一体従来の開拓地の諸君が三十一年以後どれくらいの負債償還をしなければならないのか、予定されております額を御説明願いたい。
  126. 立川宗保

    ○立川説明員 現在全部の開拓者が借りております資金を申し上げますと、ただいま議題になっております開拓者資金で百二十一億、それから災害資金で二十九億、それからこれは毎年短期に回転をしていきますが、融資保証制度で運転資金を借りますのが大体十億から十二、三億くらいに年々なるわけであります。そこで今の金額を一戸当りにいたしますと、政府資金とそれから今申し上げましたもののほかに、協同組合から借り入れておりますものも入れまして、合計をいたしますと、一戸当り十三万円になっております。
  127. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 実は負債の総額は前に資料をいただいておりますから、十分調べておりますが、償還するに当って、三十一年度以降どれくらいの償還を見込んでおるか、それをお聞したい。これは資料にないのです。あなたの方にございませんか。
  128. 立川宗保

    ○立川説明員 ただいまのお尋ねは償還をすべき債務額ではないのですか。
  129. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうです。
  130. 立川宗保

    ○立川説明員 償還をすべき債務額でございましたら、今の貸付残と申しますか、これが負っておる債務を順次期間が到来しますと返していく、こういうことになろうかと思います。
  131. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 残っております債務が出ておりますけれども、年度によって違いますね。その年度別のものをお聞きしたい。
  132. 立川宗保

    ○立川説明員 本年だけについて申しますと、十八億五千二百万、一戸当りにしますと一万六千九百円でございます。
  133. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 今度のこの改正によりまして、今年度見込まれております融資の予算額は幾らになっておりますか。
  134. 立川宗保

    ○立川説明員 これは開拓者資金としましては、十七億一千五百万、これに機械開墾地区が予算としまして一億七千四百万別にございます。これはただ政府の会計でございまして、そのほか開拓者には公庫からも金が借りられますし、あるいは農林中金からもこういう融資保証制度等によって金が借りられる、こういう資金源はまた別にあるわけであります。
  135. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 開拓地の災害は数年来累積しておりますが、この累積しました開拓地ではとうてい前の負債の償還はできない。何とかことしはこの方面でも緩和してやろうというのでこの改正の提案があっただろうと思いますが、果して累積した災害開拓地に対して、ことしの予算措置でカバーできますかどうか。その点の御検討をされておりますかどうか。これは営農の面の欠陥もそうですが、これはあなたのおっしゃる通り、一戸当り十七、八万も借金を返していくのでしたら、とても現在の開拓営農ではやっていけないことはわかっておる。それに累年の災害を受けました場合、貸付の金だけが膨大になって、償還の面では苦労する面が明らかになって参っておりますが、そういう配慮が十分にされておりますかどうか。これは根釧地区、上北はあえてこの際問題にしませんが、古い開拓地でその点の見通しはどうですか。
  136. 立川宗保

    ○立川説明員 これは現在の開拓地の状態をいろいろ検討してみますと、ただいま淡谷委員がおっしゃったことばかりではないというように考えるのであります。それは何を申しましても、二十八、二十九年の連年の冷害をこうむりまして、非常に惨たんたる状態になりましたので、今年度幸いに豊作でありましたが、農産物価格も必ずしも高くない。こういうようなこともありまして、今年の償還は二年間の災害資金が一ぺんに重なっておるという事情もありまして、非常に苦しいわけであります。しかし開拓地のいろいろな状態を見ますと、やはりその中でも着々として資金の償還ができているところもあります。そういうようなところはどういうところかと申しますと、ちゃんとすでに家畜が十分入っている、あるいは開墾の面積も十分伸びている、そして営農の基礎がしっかりしているところは、ゆうゆうとして償還しているわけであります。ところが、片方非常に苦しんでいるところはどうかと申しますと、連年の災害をこうむったところは特にそうでありますが、そのほかにも営農に力をそそがずに、その付近の山の木を切って炭を焼いて食っている、自分の畑は一つもできてないというところが、特に償還に苦しんでいるわけであります。そこで今後の進め方といたしましては、すでに予算あるいは法律にも頭を出しておりますように、家畜も十分に入れていく。特に乳牛を中心にして入れていく。それから償還をいろいろいたしますので、生産拡大の資金が足りない。それには生産拡大資金を、連年災害地を中心にいたしまして、十二年の償還期間でもってこれに貸し与える。そういう工合にいたしまして、伸びていく基礎を作ろう。そのほかにも不振地区の対策あるいは公庫資金から開墾機械を貸し付けるというようなことで、開拓農地の開墾面積を十分伸ばしていく、しかも地力をつける。こういうようなことで、この苦しい冷害を乗り越えまして、十分に償還のできるような営農態勢に早く持っていきたいということに予算と法律の方向を向けているわけであります。
  137. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 大へんけっこうなことですが、三十一強度の災害融資返済予定金が八億六千万円、それに対して生産設備資金の貸付を一億九千万円くらいやっている。それで果して今おっしゃったような構想が実行できるとお思いですか。
  138. 立川宗保

    ○立川説明員 開拓資金で今度貸し出します十七億というもの、そのうち新規入植のものを除きますと、その半分以下になりますが、それがすでに借りました資金の償還の肩がわり財源だというふうには考えておりません。もちろん金のことでありますから、内部的にはそういうことになることもあろうかと思いますけれども、考え方といたしましては、やはり償還については自分の農産物、畜産物でこれに振り向けまして、結局そういうことになりますと、金を返してしまうので、新しく生産を拡大する拡大再生産の基本がなくなるというものにこういうものを投下していく、こういう工合に考えるのであります。ことし特に東北を中心といたしまして、開拓者の資金償還を開拓者の方々も非常に苦労してやって来られました。この数ヵ月間の実情をつぶさに考えて参りますと、私どもは楽観はしておりませんけれども、この資金を十分に使うことによりまして、年々一歩々々向上して、ことしのような苦しい状態は抜け出していくという確信を持っている次第であります。
  139. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 そうしますとこの融資による金は災害融資の肩がわりでなく、新しい拡大生産の面に使ってよろしいのだ、こういうお考えでございますから私は了承いたしますが、この前の表で見ておりますと、農業所得が十五万円に対し農外所得が六万三千円という数字が出ております。おそらく開拓者はこれが実態だろうと思う。あなたがおっしゃった通りで、開拓費だけではやっていけないという形になる。私はやはりこの融資あるいは補助につきましても、これで十分いけるような基本的な開拓営農の改革をはかる必要があると思う。それと関連いたしまして北部上北、根釧地区の開拓もファースト・ステップを誤ったならば、おそらく古い開拓者と同じはめに落ち込むのじゃないか。この点やはりジャージー種を大量に入れて、それをもって経営をもっていこうという基本方針に対して、相当深い危惧を持っておりますが、いずれ畜産局の方がおいでになりましてから私の質問は継続いたします。
  140. 村松久義

    ○村松委員長 芳賀君。
  141. 芳賀貢

    ○芳賀委員 この法律案の改正の趣旨は説明にもありましたが、一つは機械化公団によるところの機械開墾地区に対する貸付条件を作ること、あとは条件緩和というように解釈できるわけですが、第一点の機械開墾地区に対する貸付の方法ですが、これは昨年機械開墾公団法ができたときにもいろいろ問題になったのですが、開墾方式として公団がむしろ国営開墾に準じたような、そういうシステムによっての開墾を行う、そして農地をすみやかに造成して、そこに開拓者を入植さして短期間に生産効率を上げるようなことにすると同時に、開拓者の経営の安定をはかるということがねらいでありますが、この法律を見ますと機械公団に開墾を委託する、その開墾料をこの融資法の中から借りなければならぬという規定であるというふうにもとれるのでありますが、この公団方式というものは、こういうように入植者があらかじめ予定される開墾料をまず調達しなければ機械開墾は実施に入れないという点は非常に大事な問題だと思いますが、この点に対する明確な御説明を願いたい。
  142. 小倉武一

    ○小倉政府委員 機械開墾につきましては、御承知の通り面積も従来と比べてかなり大きうございますし、また機械開墾でございますので速度が非常に早い。従いまして従来の補助だけでは入植者が自己資金でもってあとを負担しなければならぬということになりまして、なかなか困難な問題になりますので、従来は見ておりませんでした政府資金をもちまして融資してやる。従いまして補助金と融資とでもって機械開墾作業に要します金額は全部工面できる、こういう措置にいたしているのでございます。そういう措置は今お尋ねの通り、今回の機械開墾という特殊性に基くものでございます。
  143. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ですから機械開墾地区の入植者は、まず第一条件として公団に支払う開墾料を調達しなければ入植適格者になれぬということになるのですね。
  144. 小倉武一

    ○小倉政府委員 資金を調達すると申しますか、入植適格者には必ず融資をする、こういうつもりでいるのであります。
  145. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうなると機械開墾の公団なるものが問題になる。これは機械は世界銀行からの借款によって購入する。それからあとの事業資金は見返り円資金特別会計からの借り入れによってやるということになる。もう一つは、この融資法を通じて公団が一応貸し付けて、そうして開墾料を入植者から前納させるというような形でやるということになるのですが、そういうことになるとあの公団の性格というものを、われわれは少くとも国営開墾に準じたような方式によるところのものであるというふうな理解を持ってあの法案の成立を認めたわけなのです。こうなると全部資金調達ができなければこの公団というものは一反歩の農地の造成もやれぬということになる。これは非常に性格上問題であると思うのですが、局長はどういうふうに考えておられるか。
  146. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開墾作業費につきましては、もちろん機械公団が開墾作業をいたしまして後に作業費を入植者からいただく、こういうことになっておりまして、前払いをするというようなことは考えておらないのであります。
  147. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そういたしますと、農地が造成されて、それに入植してから資金融通を受けて――入植者が自己の責任で支払う開墾費に対しては、でき上った農地に入植してから、それから逐次融通法によるところの借り入れを受けて、そして年賦償還で返済する、そういうことになるのですか。返済というより納入するということになるのですか。
  148. 小倉武一

    ○小倉政府委員 さようでございます。
  149. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ここに問題になる点は、今までの開拓、入植に対する手段は、開拓者みずからが、未墾地に入植して、そうして開墾は自分の労力でやり、そのかわり国からの一定率の助成金、補助金等を受けて、それによってある程度生活をささえながら農地の造成をやったのですが、今度の場合には、国の補助金だけでは足りないので、むしろ開拓者自身が借入金とかいろいろな資金調達を行なって、機械公団に開墾をしてもらうということによって農地の造成はすみやかになるといたしましても、入植者の経済的な負担というものは非常に増大するわけでございます。今後機械開発公団の方式というものは妥当なものであるかどうかという結果は早晩出て参ると思いますけれども、今度は必要額を全額資金融通法によって貸し付けるとすると、これは面積にもよりますけれども、最高限度どのくらいの資金融通をしてやれば、公団に納めるところの開墾料が調達できるか、その最高の限度をどのように予定されているか承わりたい。
  150. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開墾作業につきまする、補助金でありますが、この補助率は従来通りと考えております。自己負担分について融資をするその融資の額でございますが、上北地区につきましては一戸当り三十一年度十九万八千、約二十万円でございます。根釧の方は一戸当り約十七万円ということになっております。
  151. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それ以外に従来規定されたところの一号二号三号資金には当然これは貸し付けることになると思うのです。それからさらに畜牛の導入資金ということになると、総体予想される最高の限度というのは大よそどのくらいになるのですか。
  152. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開墾作業費を初め、その他の融資というものを合せまして、一戸当り上北地区につきましては六十四万円、それから根釧地区につきましては八十二万円ということであります。
  153. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それで法律改正の規定にもありますが、一定額を越える部分の貸付条件というものを今度うたっているのです。一定額というのは今までの、改正案以前の法律の根拠の部分だと思いますが、それを越えた場合の貸付条件というものは、むしろ金利等においても高率になるわけです。その一定額までは年三分六厘五毛でありますが、一定額を越えた場合の年利は五分ということになっております。それで今までの一定額というのは二十二万円程度というように理解しておりますが、間違いないですか。
  154. 立川宗保

    ○立川説明員 これは北海道につきましては根釧のような営農規模でありますと二十二万円、上北ですと二十万円であります。
  155. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうすると上北地区において機械開墾地区の最高が六十四万円、根釧八十二万というということになると、一定額という分が大体二十万程度ですから、一定額を越える部分というのが四十万ないし六十万円ということになる。その越える部分が非常に多額の金額になり、しかも越える部分に対して高率の利子を課さなければならぬという、そういう理由はどこにあるのですか。金額が多くなるならば返済能力がだんだん減殺されるということが常識として考えられるわけですが、能力がだんだん失われるのに対して利子負担を重くするという考え方、その根拠を示してもらいたい。
  156. 立川宗保

    ○立川説明員 これは従来の規模というものは、根釧の八十二万円の中で基本営農資金二十二万円、開墾作業費の融資十七万円は三分六厘五毛でございます。酸土改良事業費の二万五千円も三分六厘五毛であります。そこで結局大体四十二万円、半分ちょっと上のものは三分六厘五毛の融資であります。残りの部分について五分、二十五年という御指摘でありますが、これはやはりいろいろ資金源の関係もありましたりいたしまして五分、二十五年というふうにいたしました。これは従来のものからはみ出た分は条件を悪くするという考え方ではございませんで、両方の借り入れ資金を総体的に見まして、資金としては初年度八十二万円、条件は三分六厘五毛でありますがこれは二十年、五分のは二十五年、全体の資金の償還計画と片方営農計画とにらみ合せまして、この総体的な営農計画で返していけるという判断の上に立ってこの条件をきめたのであります。はみ出た分を特別に条件を悪くするという意識でこの部分を特別に高くしたということではございません。
  157. 芳賀貢

    ○芳賀委員 今のような答弁では十分理解ができないのであります。やはり開拓者に対する措置は、できるだけ低利長期ということはこれは建前になると思うのです。ですからそういう精神が底流をなす場合においては、やはりこれは一律に三分六厘五毛ということでいくべきだと思うのです。その金利の差というものは特別に機械開墾地区というようなことが中心になるとすれば、この開拓者資金融通法の中における資金操作においても、それほど無理はこないと思うわけです。さらにたとえば昨年の国会において農地金融の制度が生まれましたが、この制度においてもこれは年三分、二十ヵ年償還という一つの例もある。それに見合ってこの従来の利子率でいくということはこれは妥当であるというふうに考えますので、もう一度この点に対して理論的に、われわれがわかるような、そういう説明を願いたい。
  158. 立川宗保

    ○立川説明員 御指摘のように対象が開拓者でありますから、できるだけ低利、長期の資金が供給できれば一番望ましいわけであります。ただしかしながら、これは幾らでも安ければいいということではございませんので、かたがた営農発展の状態、償還の可能性ということを見まして、非常に無理な償還条件を押しつけることは適当ではありませんけれども、これならば返せるということでありましたならば、その範囲内において可能な限りの償還条件を考えるということは決して不当なことではなかろう・こう考えるのであります。ただいまの五分、二十五年の償還でありますけれども、五ヵ年間はすえ置きでありましてその間は無利子でございます。従って二十五年でありますが、ならしますと平均四分の金利になりまして、四分、二十五年ということでございますので、一般の政府資金といたしまして、非常に高いということではないと存じます。この程度ならば十分やっていけるという確信のもとに計画をいたしておりますので、大丈夫であろうか、こう考えるのであります。
  159. 芳賀貢

    ○芳賀委員 たとえば現実の問題として第二条の改正点も、これは償還期間を従来五ヵ年であったのを八ヵ年に延ばす、あるいはまた二十八年、二十九年の災害による被害開拓者に対しては別途に資金融通の道を開くということになれば、これは現在の開拓者の債務返済能力というものがだんだん弱まっておるということによって、こういうような法律改正を行おうというふうにわれわれは考える。ですからやはり先ほどの問題点に対しても、そういう見通上があるとすれば、最初から条件を緩和して、長期資金等に対しても同率の扱いをすべきじゃないかというふうに考えるのです。これはあくまでも自信があるというなら別ですけれども、われわれとしてはこういうことをやってみても将来また日ならずして条件の緩和をやらなければならないようになると思うし、特に機械開墾地区においてはそういう状態がすぐ現われるとわれわれは判断をしておるのですが、その点は十分自信があるというのですか。
  160. 立川宗保

    ○立川説明員 従来のものにつきましては政府の基本資金が非常に少かったのでございます。当時物価も安うございましたが、当初は一戸当り六万円というようなことからスタートをいたしました。もちろんそれを今日の物価指数でスライドいたしますと一戸当り十七万円ほどになるのでございますが、それでやって参りましたけれども、資金が必ずしも潤沢でないという条件のほかにいろいろな条件もありましたが、現在償還が必ずしも楽な償還をしていない農家が大分あります。そこでその辺の拡大再生産資金といたしましても、今御指摘の家畜資金なり、営農改善資金なりというものを新しく出すということにいたしましたが、その辺のことを十分従来の経験を取り入れまして、この機械開墾につきましては、当初から相当思い切った資金を出し、あるいは補助金も確保し、そうして従来の難点でありました開墾面積が伸びない、十年たっても二割ぐらいしか土地を開墾していないという農家もあるのでありますが、それを機械力によりまして三ヵ年間で一ぺんにやってしまう、そして最初からばんとした耕地を確保して、そこに十分な家畜を置いて、そうして地力を確保していくという計画でありますので、ただいまの御指摘の点は私どもも非常に心配をいたしまして、繰り返し繰り返し検討してみたのでありますが、現在の私どもの気持では、大丈夫やれるというふうに考えております。
  161. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ただいま管理部長から、ことしはこの特別会計の措置を積極的にしたということを言われておりますが、ここで一点御指摘したい点は、ことしの特別会計の資金構成の中で一億七千四百万円ですか見返り円資金の借り入れをやっておる。なぜこういう余剰農産物の円資金まで借りなければ開拓者資金特別会計の資金構成ができないかという点がわれわれ理解に苦しむわけです。それは局長にもお尋ねしますが、今のわが国の農業が非常に一つの圧迫を受けておるというのは、やはり余剰農産物等による外国からの圧迫が最大の原因になっておると思う。しかも開拓者の場合においては、国内の農業の中でも一番劣悪な条件の中において、農業者として自立しなければならぬというような重い負担を開拓者の諸君は背負っておるわけであります。そういう場合にこの資金融通をするのに、むしろ日本の農民あるいは開拓者を苦しめる原因をなしておる余剰農産物の円資金に依存しなければならぬというこの悪い因縁を認めなければならぬ理由が、われわれはわからぬわけであります。これは一つ局長の良心的な説明を願いたい。
  162. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開拓者資金融通特別会計の資金源をどこに求めるかということにつきましては、いろいろの方法があるわけでございます。私どもといたしましては、資金源のいかんということよりも、この資金によって融通します条件が第一の問題でございます。そういう条件を、開拓者に適当なものにできますれば、あえて資金源のいかんを問わなくてもいいのではないかと思いますので、実は格別深く考えてはおらないのであります。御承知の通り機械公団の事業の運営につきましても、ある程度の見返り資金が必要だと思いますけれども、そういうことをあわせまして、大体機械開墾につきまして余剰農産物の方の特別会計からの資金を繰り入れることにいたしました。それによって特別の意味合いというか、色づけば実はしておらないのであります。
  163. 芳賀貢

    ○芳賀委員 これはいわゆる河野農政の考え方からいえば、こういうことはあり得るかもしれません。しかし本来のわが国農政の基本の上に立った場合は、やはり国内の農業の生産性を高め、そして外国からの食糧の輸入等を阻止するということで、生産力を高めるために万般の施策が講ぜられておると思うのです。ところが開拓者資金特別会計のみならず、あるいは機械開墾の資金にしても、さらにまた最近提出されると思います炉、森林開発公団にしても、愛知用水公団にしても、いろいろな農業開発計画の資金源は、だんだんに見返り資金に依存するという度合いが高まってきておるわけです。こういうような既成事実がだんだん現われてくると、この悪循環を断ち切ることができないと思うのです。だからこういう点については、どこからでも資金調達さえできればいいのだということでなくて、やはり国の農政の基本的な問題として、こういうような資金構成の内容が将来どうであるかということを十分お考えになって、立案されるべきであるとわれわれは考えておるのですが、そういう点に対する将来の危惧はありませんか。
  164. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開拓者資金融通につきましては、ほかのいろいろの制度と違いまして、資金源を求める方法が実はたくさんございます。法律制度といたしましても、特別に何でなくちゃならぬという制約はいたしておりません。一般会計から繰り入れるということもできますし、あるいは資金運用部からの借り入れということもできますし、その他の借入金もできることになっておりますから、私どもといたしましては、先ほども申し上げました通り、開拓営農に支障のないような条件で貸し得る資金源、もしできなければその差額については一般会計から補給してもらうということもできまするし、そういうわけで特にどういうものでなくちゃならぬというふうには実は考えておらないのでございますが、しかし趣旨といたしましては、長期低利の資金でございますから、資金源もできるだけ安定したところから入れるということがもちろん一番好ましいのでございますので、本則といたしましてはそういう趣旨で進んで参りたい、さように存じておるのであります。
  165. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に御質問したい点は、この昭和二十八年及び九年の災害によって二ヵ年間連続被害を受けた開拓者に対しまして新たに資金融通の道を開いておるのですが、これは先ほど同僚の淡谷委員の御質問もありましたが、その場合の答弁は、これは決して災害資金の融通を受けた開拓者に、その災害資金の返済に充当するためにいわゆる肩がわりのために、これを貸し付けるのではないというような説明でありましたが、実質はやはりそういうことになるのです。二ヵ年間連続被害を受けた農家は、これは既存農家の場合でも、連続災害によって、しかも短期資金の借り入れをしておるというから、特に今年度等は来年度の償還分が重なってくるわけです。そういう場合においてはとうてい返済が不可能であるということになるわけです、ですからそういうことを考慮されて、この連年災害者に対しては新規に資金融通法の方から必要限度の資金を、しかも十二ヵ年期限の資金を貸し付けるとか災害開拓者に対する救済の意味でお考えになった措置であるというふうに考えるわけですが、いかがですか。
  166. 小倉武一

    ○小倉政府委員 ただいまの連年災害の開拓者に対しまする資金融通の点でございますが、これは災害資金を返還するというために従来中金から融資しております部分を政府資金で肩がわりをするという趣旨では実はございません。単純にそういうことでございますれば、いつまでたっても借金の方は残るということになりまして効果はございませんので、災害資金の返還もできるようにすると同時に、さらに将来の営農の確立、家畜の導入といったようなことにも資し得るようにしたい、こういうことで積極的な意味の融通をしたい、こういう趣旨でございます。
  167. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そうすると災害資金をことしの収獲から返済して、あとの資金で営農も生活もできなくなるような事態がくる、そういうことをこの資金融通法によって新たに貸し出しをする、そういうことなんですが、とにかくわずかな収獲しかとれないのですから、そのうちから災害資金の返済を行うと、残った分で生活もできないし営農もできないという事態が必ずくるわけです。これでその救済の道を講じられたわけですか、どうですか。
  168. 小倉武一

    ○小倉政府委員 むろん災害資金を返還するという立場を貫けばあとの営農、生活をするに困るというおそれのあることも予想されますので、そういう向きに向ってこの資金を融通されますれば、ある程度災害資金の償還もできるし、しかも営農の確立にも資し得る、こういうつもりでおるのでありますが、しかし単純に救済の肩がわりをこれでやって、その資金は中金に返却する、政府の特別会計に借金が残るということでははなはだおもしろくございませんので、いつまでたってもこれは同じことをまた繰り返さなければならぬということになりますので、この際にこれまでの経営状態を再検討をしてもらって、積極的な生産設備に資金を投入していくというつもりでおるのであります。
  169. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そこでお尋ねしたい点は、これは開拓者不振組合の実態によって明らかになっておるわけですが、平年作のような場合は災害があった年よりも困る事態がくるのではないかと思うのです。たとえば災害融資についても、既存農家と開拓者の場合と二本建てで災害資金を流しておるわけです。その場合に、災害の度合によってバランスのとれた貸し出し方針を行なっているのではないのです。むしろ開拓者の関係は災害の度合よりも高率な融資を行わざるを得ないというのが実態なんです。ですからどこかに災害があった方が、それに便乗するというわけではないけれども、どの地区かに災害があることによって、それに依存できるというような実情が東北、北海道等にも現われておるわけです。ですから災害が全然ない、災害融資が借りられないというような年がきて、それから去年のように開拓地帯の農産物の価格が暴落しておるというようなことになると、開拓地の営農というものは成り立たぬという事態がくるわけです。ですからこの際やはり開拓者に対する融資系統というものをなるたけ一本に集約するというような形をとる時期がもう参っておるのではないかというふうにわれわれは判断しておるわけです。なるたけ長期低利な資金にそういうものを全部整理して、そうして営農の安定をはかると同時に、償還も可能になるという形をとってやらなければ、いろいろな流れで開拓者に対する資金流通が行われても、これは具体的に返済するということは非常に困難になるのではないかと思うのですが、これは不振組合の救済とあわせて、局長からもう少し具体的な方策をお聞かせ願いたいと思います。
  170. 小倉武一

    ○小倉政府委員 開拓者に対しまする資金の供給の仕方につきましては、御説のようになお検討しなければならぬ部面が私もあると存じます。政府資金だけでやった方がいいかどうかということになりますと、なお問題がございますが、系統の金融でまかなえる、たとえば通常の経営の資金とそれから相当長期でかつまた低利であることを必要とするようなものにつきまして、ただいま御審議願っておりまするような政府の特別会計による政府資金の供給といったような、二つが結局大筋ではなかろうかと思うのでありますが、問題はやはり災害の場合の融資でございまして、これを一般の農家と大体同じような格好で、系統金融にして保証して参っていく、こういうやり方が今後開拓者への災害に対する恒久的制度として果していいかどうかということにつきましては、開拓者の災害の保証というものをいかにするかということとも関連いたしまして、今後の研究問題であるというふうに私ども考えておりまして、早急に検討を進めたい、かように存じております。
  171. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に不振組合の指導とか再編ということに対する具体的な方策を、もう少し御説明願いたいと思います。
  172. 小倉武一

    ○小倉政府委員 全国の開拓地区につきまして、これまでの実績からいたしまして、開墾の進展がどの程度上っているか、また土地の生産力がどの程度上ったか、あるいは開拓営農地から上る収入が全体の収入のうちでどの程度の割合まで達したかどうかといったような点をにらみ合せまして、全国のいわゆる開拓地について当りまして、その中で今申しましたような諸点を少し数字的にやったものに照らしまして、開拓地をいわば不振地区として選定いたしまして、その開拓地につきまして県なり農地局から専門の各関係者を派遣いたしまして、どういうふうにすればその不振を解消できるか、振興できるかという診断をいたすのであります。まずその診断のための予算を三十一年度で計上いたしております。この診断によりまして、この地区はいわば先ほどお尋ねの、開拓者資金融通の中の不振地区対策の一環としての融資ということで大体いける地区と、もっと根本的に建設工事からやり直さなければならぬ、あるいはさらにさかのぼって、土地の配分まで開拓者の実態の調べをしまして、その二種類におのおのの開拓地を分けまして、そして具体的に、どの地区についてはどういう措置をするかということを進めていくつもりであります。三十一年度につきましては、先ほど申し上げましたような不振地区の診断とか調査というものと、若干の建設工事のための経費も予定いたしております。全体の不振地区は約一割くらいじゃないかと今見当いたしておりますけれども、これは具体的な調査の結果はっきりいたしますので、調査を待ちまして三十二年度に本格的な不振地区対策の経費を要求したい、かように考えておる次第であります。
  173. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、町村合併促進等に伴って、これは一般農協でもそうでありますが、開拓農協等も合併地区内における合併統合等が行われておる。これは望ましいことであります。けれども、その場合に、開拓農協と既存農協とそういうことを行なった事例もあるのですが、それをやったことによって、合併した組合が経営が不振でうまくいかないというような事例も一方においては出てきておる。そういうことになると、やはり一般農協と開拓農協というようなものは、これはやはり整然と区別をして、開拓者は開拓農協の中において自立できるような経済行為が行われるように、内容を充実する必要がどうしてもあると思うのですが、そういうことに対する指導方針というものはどういうことになっておりますか。
  174. 小倉武一

    ○小倉政府委員 不振開拓農協についての対策につきましても、三十一年度は、わずかでございますが、予算を新規に要求いたしております。そのやり方につきましては、大体のことを申し上げますと、やはりどうしても専任の職員が実はほしいのでございますが、専任の職員を補助するということがなかなかむずかしくございますので、それにかわる措置といたしまして、農協の指導を現地で十分できる人を長期に駐在いたしまして、農協の立て直しをしてもらうといった意味の予算が中心をなしております。整理統合につきましては御承知のように、既存の農協の中に統合するというような場合がいい場合があり得ると思いますが、必ずしもそういうことを原則にせずに、あまり小さい開拓農協では事業量が不足いたしまして、いかに整備するといってもむずかしいので、近隣の開拓地と合せて一本にする、あるいはある町を中心にしましてその町の周辺にある開拓地だけで一つの開拓農協にする。あるいは先ほど申しました既存の農協に統合するといったような、三つか四つのやり方があると思いますが、それを現実の開拓地に当りまして、どういう統合の仕方がよいかということを検討した上で、具体的な実情に応じて統合整理をはかりたい、画一的にどうするということはいたさないつもりでおります。
  175. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に、現地において開拓者が、開拓農協にも加入しておるし、それから既存農協にも加入しているという二重加入というような事例がある。これは事業が競合しないような場合はいいと思いますが、ただ、同一組合員が二つの農協に加入せざるを得ないというようなことは、これは決して好ましい状態ではないと思うのです。たとえばその地域の開拓農協が非常に力がないという場合には、それだけに依存できないような実情で、その地域にあるところの既存農協に加入するということになりますと、やはり出資の負担とか、いろいろな経済行為上の負担が二重になるというような場合が非常に多いわけです。それらのことに対しては、政府としてのどういうような指導を今日まで行なっておるのか、あるいは今後こういうような現象が生じた場合においては、どういうふうにしたらいいかというようなお考えがあれば承わりたい。
  176. 小倉武一

    ○小倉政府委員 既存の農村の農協と開拓地の農協と二重に加入いたしまして、いろいろ経費もかさむ、また開拓者として不便を感ずるということはおそらくあることだと思いますが、私どもといたしましては、そういう二重加入が当然よろしいというふうには指導いたしておりません。開拓農協だけで十分開拓者の協同組合に対する必要が満たされるということが望ましいというふうに思っております。ただお話のように、開拓農協の中には相当不振なものもございますし、また事業の面につきましても、既存の農村の農協のように活発になっていないのが多うございますので、やむを得ず開拓農協にも入り既存農協にも入るといったようなことが実態をなしておるところがあると思うのでありますが、今後不振農協につきましては、開拓地についても整備をはかりまして、入植者にいたずらなるめんどうなり経済的負担がかからないように、そういう方針で進んで参りたいと思っております。
  177. 芳賀貢

    ○芳賀委員 その場合に、両方の組合に加入しておるというだけでなくて、両方の組合の役員を兼職しておる、こういう事例もままあるわけです。これはやはり組合系の理事とか当事者というものは相当にあるわけです。そういう点は、合法であるとは思いますけれども、決してそういうことが望ましいことではないというふうに考えるのです。こういう事例がある場合はどういうふうに処理されますか、伺いたい。
  178. 小倉武一

    ○小倉政府委員 おそらく一がいにいい悪いということは申し上げにくいと思うのでありますが、開拓農協として一本立ちになかなかなっていない開拓農協につきましては、やはり既存農協の援助も受けてやっていかなければ困るというところもございまするし、そういう場合におきましては役員が一部兼任されておるというのが、相互の協力態勢なり意思疎通をはかるためにも便利のようなこともあり得ると思います。ただ開拓農協をいつまでも弱体にしておくというようなことのために、そういう兼任が利用されるということでは困りますので、そういうところは、むしろ開拓者の中からりっぱな役員を選んでいただいて、専一に組合の事業に当ってもらうというような指導がいいのではないかと思います。
  179. 芳賀貢

    ○芳賀委員 最後に農地造成の一つの方式として、これはおそらく今年の予算にもあると思いますが、自衛隊を使って、そうして予備自衛官になる約束をしたものの入植する地域に対しては、自衛隊の施設、機械類、そういうものを動員して建設作業を行うということになるようでありますが、これは今の自衛隊の機能をそういう生産面に動員するということは決して悪いことではない。これをやるとすれば、むしろ今の公団方式でやるよりも経費も非常に低廉で済むし、入植者の負担も軽くて済むわけです。あるいは借り入れをしなくても農地造成ができて入植できるかもしれぬ。これは小倉局長の構想と思いますが、われわれとしても新しいケースとして大いに期待を持てるものであります。それをことしはどの程度にやられるか。ただ予備自衛官を志願した者に限ってというところに問題があるのですが、今後未墾地の開発等をやる場合において、自衛隊の機能を動員して、国営開墾というような方式を打ち出すというようなことになれば、これは一見非常に好ましいとはいえないにしても、自衛隊が現存しておる今の場合においては、一つの方法としてはあるのじゃないかと考えるのです。これは昨年末ちょっと局長に質問したのですが、あのときははっきりした御答弁がなかったのですけれども、ことしは予算にも計上されておると思いますので、この点に対する具体的な御説明をお願いします。
  180. 小倉武一

    ○小倉政府委員 昨年末はまだこの予算が政府としてもきまっておりませんのではっきりしたことを申し上げにくかったのですが、予備自衛官の入植につきましては、三十一年度の予算といたしまして考えておりますのは、さしあたり百二十戸、地区は四ヵ所でございまして、そのための建設工事費といたしまして三千万円ばかりのものを計上いたしております。そのほかに今御指摘の自衛隊の方からの建設工事の応援があるわけでございます。三十一年度といたしましては、いわば試験的にやるつもりでございまして、その成果によりまして、将来どういうふうに持っていくかということについては、なお各方面の御意見も拝聴してきめたいと思っております。  なお入植者は、これは自衛隊の予備自衛官ばかりでなくて、一般の入植者もそこに入るのでありまして、ただ四地区に一般の入植者のほかに百二十戸入ります分については、自衛隊もそれに協力するということに相なっておるのであります。
  181. 芳賀貢

    ○芳賀委員 自衛隊が協力するということはちょっと変じゃないですか。自衛隊の維持というのは国の予算経費でまかなっておるのです。その連中が協力するとかしないとかいうことは全然別な問題だと思います。ただ一つの方式として国のそういう施設を機動して――国の一つの方針のもとに未墾地開発とか食糧増産とか、災害復旧の公共事業とか、そういうものに動員するということは、非常に効果的なものであるということはだれでも考えられるわけであります。ですからこれを一つのテスト・ケースとしてことし行なって、その成果が上るということになれば、これを一つの土台にして、今後そういうような方式を農地造成等においても用いる御意思炉あるかどうか。これは農林大臣等の意見も聞く必要があると思いますけれども、事務当局としての局長の構想なるものを、もう少し明らかにしてもらいたい。
  182. 小倉武一

    ○小倉政府委員 将来どういう方向でこれを取り上げるかということは、なお少し検討させていただきたいと思います。三十一年度としては、とりあえずいわば試験的に実施して参りたい。実施の完全な状況ということになりますとこれはずいぶん後のことになりますけれども、さしあたりの状況を十分参照いたしまして将来の方針をきめたい、かように存じております。
  183. 芳賀貢

    ○芳賀委員 ここで問題になるのは、何としても予備自衛官が入植する地域ということが非常に今後問題になってくる。そういう前提がなくて、一般の入植地、しかも機械開墾等をやれる、そういう面積とか条件のある適地に対して、自衛隊の施設を動員して農地開発をやるということであればまた別ですけれども、前提が、全部がそうでなくても、その地域の中には必ず予備自衛官がおるのだということになると、これはやはりかつての屯田兵制度とかいろいろな関係がそこから生じてくる。これは将来そういう方式で農地開発について、特に予備自衛官だけに特別の利便を提供するということをやると、これはますます弊害が大きくなってくると思うのですが、どうしてその弊害のないようにするかということの細心の注意が最初から必要であると思います。われわれとしては、そういうことはすべきでないと考えておるのですが、あえてやろうという場合においては、そういう弊害が生ずるにきまっているのですから、それをどういうふうにして除去するかという対策を、一つ示してもらいたい。
  184. 小倉武一

    ○小倉政府委員 お話の予備自衛官が入植いたしました場合に、一般の入植者と待遇と申しますか、入植上その他の取り扱いを変えるかどうかという問題につきましては、私どもといたしましては、完全に同一条件ということにいたしておりまして、そういうことで自衛隊の方との話も了解がついております。また向うの方も、特に予備自衛官だからといってどうしてくれという要望もございません。たとえば将来もっと拡充するといったような方針がとられる場合におきましても、予備自衛官について入植上特別のいい条件といったようなことは、実は考えておらないのであります。
  185. 芳賀貢

    ○芳賀委員 それはその地域に必ず予備自衛官がおるのでしょう。全然予備自衛官のおらない地域に対して自衛隊が開墾をやるのではないでしょう。全員ではなくとも、その地域の中には必ず何人かの予備自衛官が入植するのだということが前提条件にならなければ自衛隊を動員しないというところに問題がある。今の局長の説明のように、そういう差別的な条件はないということであるならば、全然予備自衛官のおらない入植地に対しも・同様の方式を適用すべきであると思いますが、なぜそれをやらないのですか。
  186. 小倉武一

    ○小倉政府委員 これは自衛隊の活動分野と申しますか、仕事の範囲から申しまして、一般の開拓地についての建設工事に自衛隊が動員されて仕事に従事するということは、なかなかむずかしいのでございます。ただいまの予備自衛官が入る入植地につきまして建設工事の一部を分担するというのは、やはり予備自衛官がその中の一部でも入植するという関係がございまして向うの活動も期待できる、こういうことでありますので、予備自衛官の入植に関係のないところまで建設工事を分担してもらうということは、自衛隊の性格上と申しますか、使命の問題になろうかと思いますので、私からその点についてどうこうというお返事と申しますか意見を申し上げることはちょっといたしかねるのであります。
  187. 芳賀貢

    ○芳賀委員 そういう点は局長わかっているのではないですか。局長の正確な判断でそういうようなあいまいな答弁はできないはずなのです。予備自衛官がそこにおるから自衛隊の機能をそこに動員しなければならぬという理由は全然生まれてこないと思うのです。たとえばこれが災害復旧の公共事業等そういうものを普遍的にやるということであれば、これは天災、他動的な災害から国土を守るということであって、機能を発揮するということは別ですけれども、その地域に予備自衛官がおるから、自衛隊の施設をそこに動員してやれるという理由はそこから発見できないのじゃないですか。いかがですか。
  188. 小倉武一

    ○小倉政府委員 予備自衛官が入植するということについては、自衛隊の方も特別の関心がございます。また予備自衛官というのは、予備自衛官としての特別の任務もございます。そういう意味合いにおきまして、自衛隊が協力する――協力と申しましても、建設工事の一部を分担するというわけでございますが、自衛隊がいろいろ建設方面の活動をする、あるいは演習をするといった、演習的な場面を当該の開拓地について実施する、こういうことでございまして、そこに格別使命が変ったというふうには考えられないように思うのであります。
  189. 芳賀貢

    ○芳賀委員 委員長に申し上げますが、この問題は小倉局長との質疑では明快な答弁を得られませんので、この点に対しましては、防衛庁長官並びに農林大臣の出席を求めて、今年の予算の中に計上されておるいわゆる自衛隊の施設を動員して、予備自衛官の入植予定地に対して、この開発の方式あるいは建設工事を行うという点に対しましては、当委員会において十分審議を尽す必要があると思いますので、この点に対しましては、委員長において適切なお取り計らいをお願いしたいと思うわけであります。この点だけを留保して、私のこの資金融通法に関する質疑をこれで終わります。
  190. 村松久義

    ○村松委員長 留保することを承認いたしまして、次に川俣委員に発言を許します。
  191. 川俣清音

    ○川俣委員 私はこの問題について、四点ほど質問いたしたいのでございますが、一点だけ質問して、あとの三点を明日に留保いたしまして、質疑を進めたいと思います。  それは本法の改正でありますが、第七条のところに「「又は都道府県農地委員会」を削る。」とありますが、何ゆえに農地委員会を削らなければならないのか、農地委員会は、今農業委員会と読みかえられておるのでありますが、削らなければならない理由を説明願いたいと存じます。
  192. 小倉武一

    ○小倉政府委員 ただいまの御指摘の点は、都道府県農地委員会という制度はすでになくなってございます。実はとっくに整理しておかなければならぬ点だったのでございます。今回の改正を機に整理をするということでございます。
  193. 川俣清音

    ○川俣委員 農地委員会が解消しておるから削った、こういう答弁ですが、おかしいじゃないですか。農業委員会法によっては、農地委員会を読みかえられているはずです。農業委員会も削るというのですか。農地委員会がなくなったけれども、農業委員会になって残って、読みかえられておるのです。それでは農業委員会を削る、こうなりますか。なぜ農業委員会を削らなければならないのか。
  194. 小倉武一

    ○小倉政府委員 それは農業委員会ということになっておらないのであります。都道府県農地委員会というふうになっておりまして、都道府県農地委員会の時分には、農地委員会というのは、その後の農業会議といったものと違いまして、行政機関の機能も持っておるのでございまして、その後のものは行政機関という性格はございませんし、またすでに農地委員会という制度はございませんので、この際、ついでにと申しましては失礼でございますが、整理漏れを整理する、こういうことでございます。
  195. 川俣清音

    ○川俣委員 それはおかしい。先般の予算委員会で、農業委員会は公法人か、あるいは行政機関だということを大臣が答弁しておる。農地委員会という行政機関が農業委員会になって行政機関として残っているというのが大臣の答弁です。土地の紛争については、行政諮問機関として農業委員会が存置しておる。そうすると、これはちょっとあなた方考えているけれども、農業団体の再編成の前ぶれに、先にこれを実質的に否定してかかっておるような形のものは容認しがたい。あなた方は意識的に農業団体の再編成ということを頭に考えて削ったのじゃないのですか。なぜ農業委員会としておかないか。県農地委員会は、農地の関係におきましては農業委員会と読みかえることになって、これは生きておる。農地局がいつ団体の再編成に手をつけたのですか。この間通った予算の中にはまだ農業委員会というものが行政機関として残っておりますよ。どうですか。
  196. 小倉武一

    ○小倉政府委員 この条項の整理ということにつきましては、団体問題はゆめゆめ考えておりません。農地委員会がその後機構が変りまして、現在は農業会議になっております。農業会議でございますれば、こういう権限を考えることが実はおかしいのでございますし、また農地委員会というのをいつまでも法文に残しておくのは整っておらないのでございますので、整える、こういう意味でございます。
  197. 川俣清音

    ○川俣委員 農業会議所というのはあります。農業会議は別問題です。農地関係においては県の農業委員会があることにして、すべての法律ができておる。たとえば土地区画整理法にも入っておる。それはみな農地委員会が農業委員会と読みかえられておる。県の農業会議のうち府県農業委員会と農地委員会の分だけは行政機関として残って曲るはずです。いつ、そう改正したのですか。行政機関として予算の対象になっておるのを、一体いつ行政機関でないというふうに変更になったのですか。政務次官はどうですか。大臣は農業委員会はまだ行政機関であるという答弁をしておる。本委員会においては公法人だというような答弁をしておる。これが公法人だというのはあるいは農業会議をさしたのかもしれません。農業委員会は行政機関だという説明を大臣はしておる。ところが性格が変ったのだというわけです。大臣の答弁がほんとうですか、あるいは局長の答弁の方がほんとうですか。どっちがほんとうですか。政務次官にお伺いいたします。
  198. 大石武一

    ○大石(武)政府委員 具体的なことは農地局長よりお聞き取りを願いたいのであります。
  199. 川俣清音

    ○川俣委員 農地局長と大臣の意見が違うから、政務次官に判断してもらいたいと言っているのです。
  200. 小倉武一

    ○小倉政府委員 大臣のいつの議会のお話かよく存じませんが、現在の農業委員会――現在ございます農業委員会は市町村農業委員会だけでございますが、それは確かに行政機関としての性格を持っております。その後、県の段階におきましては、農業会議になりまして、農業会議は行政機関としての色彩は全く持っておりません。その点について大臣の御説明とおそらく私の今のお答えとは違っておる点はないと存じます。
  201. 川俣清音

    ○川俣委員 町村農業委員会はもちろん、県の農業委員会においても、農地関係の分だけは、農業委員会等に関する法律の中に存置されている。これは十分あしたまでに勉強して、研究しておいでなさい。きょうはおそいからそれだけにしておきます。あなた方の間に食い違いがあってはいかぬから、よく研究しておいでなさい。  次に資料だけ、きょうは質問をもういたしませんから、資料を明日お出し願いたい。本法の趣旨は、償還をするということが基礎になっているはずでありまするから、その償還の基礎になりまする将来の農産物価格の変動をどう見ておるか。これは償還の基礎です。償還とは金額ではないのです。償還するに価値ある生産物がなければ償還できないのですから、その農産物の価格は一体安くなっていくのか、高くなっていくか、その点がわからなければ償還が不可能になってくる。すなわち農産物の価格の長期変動の見通しの資料、並びに貨幣価値の変動の見通しの資料、並びに二十五年間に起る災害の想定、特に機械開墾地は普通の災害ばかりでなくして、天然条件による冷害等の起りやすい地帯でありますために、特に冷害を含めた災害発生の予想、これらを資料としてお出し願いたい。
  202. 小倉武一

    ○小倉政府委員 できるものはそろえて御提出いたします。
  203. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 畜産局への質問は、おそくなりましたから明日に延ばしますが、さっきのジャージー種の資料の中でなお二、三点追加して請求したいのです。一つはこの脂肪率の点です。脂肪率はホルスタインが三・二、ジャージーは五ということになっておりますが、これはホルスタインでも非常に開きがあると思いますから、両方とも最高、最低の脂肪率を出していただきたい。  それから現在ジャージー種は何頭国内に保留されているか、つまり増殖率を見たい。ですから輸入してから今日に至るまでの亡死率、繁殖率等について、もっと詳しい資料をお願いしたい。  それから立川さんにお願いしたいのは、入植者の訓練の機関として青森県に二ヵ所指定されておりますが、この二ヵ所の指導所が現在どんな設備を持っているか、どんな構想であるか、これを資料をお出し願いたい。あなたはここでりっぱに指導されると申されますけれども、その内容をはっきりお願いしたい。
  204. 村松久義

    ○村松委員長 お聞きの通りの資料の要求がありました。できるだけすみやかに御提出願います。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十六分散会      ――――◇―――――