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1956-03-01 第24回国会 衆議院 逓信委員会電波及び放送に関する小委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月一日(木曜日)     午後二時十五分開議  出席小委員    小委員長 早稻田柳右エ門君       愛知 揆一君    秋田 大助君       竹内 俊吉君    原   茂君       森本  靖君  出席政府委員         郵政事務官         (電波監理局         長)      濱田 成徳君  小委員外の出席者         郵政事務官         (電波監理局         長)      荘   宏君         日本電信電話公         社臨時極超短波         部長      黒川 広二君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小松  繁君         参  考  人         (日本放送協会         経理局長)   栃沢 助造君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 二月二十九日  八木昇君同月二十七日委員辞任につき、委員長  の指名で小委員に補欠選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  放送事業に関する件     ―――――――――――――
  2. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田小委員長 これより電波及び放送に関する小委員会を開会いたします。  放送事業に関する件について調査を進めます。本日は政府側より電波監理局長、日本電信電話公社より黒川短波部長が出席されております。また参考人といたしましては、日本放送協会副会長小松繁君、同じく理事金川義之君、同じく経理局長栃沢助造君並びに技術局長溝上銈君が出席されております。  この際質疑の通告がありますのでこれを許します。竹内俊吉君。
  3. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 きょうは時間もないようでありますから、大まかな問題を二、三お尋ねしたいと思います。  郵政当局の放送法改正に関する調査がだいぶ進んでおるように聞いておるわけであります。省議として御決定になったかどうか。決定まで至らなかったけれども、大体の大綱はここだというふうなことがもうだいぶきまっておるように聞きますので、まずその点、放送法の改正に関する省議の決定いかん、及び問題点として、現行放送法をどういう点を改正する方針で御提案なされるつもりか、その点のことを説明願いたい。
  4. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 放送法の改正につきましての郵政省内の意見は、昨年以来数回の会合によりましてだんだんまとめられる方向に向いております。省議についても数回やりましたが、まだこれが最後の案であるというところまでには到達しておりません。しかしながら着々と案をまとめられつつあることは間違いありません。  どういうところをおもな改正の要点にしているかというお尋ねであります。これにつきましては、本日お手元にお回ししてあります資料等によってすでに御承知のごとく、問題点あるいは改正の重要なポイント等は出尽されているのでありまして、これにつきまして全面的にこれをやるかどうかということにつきましては、実はまだ最後の結論に参らないのであります。日本における放送事業をいかに扱うべきかという問題につきましての考えがまとまりませんと、ほんとうは部分的な改正ということもなかなか困難でございます。私どもの考えといたしましては、日本の放送をいかにすべきかということを絶えず考えつつ――そのことを今回の改正の問題点にしないといたしましても、そのことは絶えず考えつつ研究を進めていかなければならない、そういう考えでありまして、日本の放送事業の中で主要部分を占めるものは、申すまでもなく日本放送協会と一般放送事業者であります。まず日本放送協会のあり方、その中でも、放送法の第九条に規定があります業務の内容、業務の種類についていろいろ検討を加え、これについてさらにつけ加えるべきところは何かというようなことにつきまして考えを進めつつあります。その理由は、日本放送協会をして今までよりもさらに国民のものたらしめるように、ないし公共的性格を強くするようにという考え方をもちまして、そういう性格を発揮せしめるにはどういう事業をさらにつけ加えるべきかということにつきまして、検討を加えつつあった次第でございます。それが放送協会の業務についての変更あるいはつけ加えという点であります。  それから次に問題になりますところは、今までもしばしば議論の対象になっておりました受信料をどういうふうに考うべきか。日本放送協会というものは国民の福祉のための放送でありますから、現在の放送法にもありますように、そういうような公共的な性格が非常に強いがゆえに、今までよりも国民とのつながりを強くするために、受信料をどういうふうにきめるのがいいか。今日では協会の放送を受信することができる装置を持った者は、協会と契約をして受信料を納付するということになっておりますが、それでいいかどうかという問題につきまして研究を進めつつあります。  それからその次に問題になりますところは、申すまでもなく放送協会の業務の執行の仕方、組織等であります。これにつきましてただいまの経営委員会という制度が、果して理想的なものであるかどうか、業務を遂行するのに、効果を上げるのにいいかどうかということについて検討を加え、これを改正する必要があるかどうか、あるとすればこうこういうようにすべきであるというような案が幾つかありまして、実際には三種類ないし四種類、あるいはもっとたくさんあります。それにつきまして、この案を検討して議論を重ねつつある次第でございます。  それからただいま御審議を願っておりますところのNHKの収支予算、事業計画、資金計画等は、今日の放送法では、郵政大臣は意見を付して内閣を経由して国会の承認を求めるということになっておりますが、そういうことでいいかどうかということ、かような四つ、五つくらいのおもな項目についての原案を作り、それにつきまして省内において意見を戦わせ、ないし多くの関係者に意見を聞くような機会を、時あるごとに持つように努めて参ったのが現状であるのであります。  それから申し上げるのを忘れましたが、民間放送をどういうふうに取り扱ったらいいだろうかということにつきまして、これはもちろん研究の対象になっておるわけでありますが、そういう問題につきまして研究を進めて参りました。はなはだ抽象的でありますけれども、問題点はそこら辺にしぼって、根本的な、日本の放送事業をどうすべきかということについての大きな深く掘り下げた改正は、今後の問題に残すのがいかがか、そう考えた次第であります。大体以上であります。
  5. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 ただいまお答えになったことに対して、いずれ機会があろうかと思いますから、ここでその内容については触れようとは思いませんが、そういたしますと現行放送法は、NHKに関する組織法と一般法と一緒になっておるわけでありますが、これをNHKに関するものだけはあれから分離して、一つの組織法を作る、それから一般の放送の基本法を一つ作る、こういうお考えでありますか、その点をお伺いしたい。
  6. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 日本の放送をいかがすべきかという、たとえば日本放送法というものと日本放送協会法というふうに二つに分けて考えるという考えもあるのでありますが、そうでなくて、今回は一本にして考えたいというつもりであります。
  7. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 それが立法技術的にいって私は本質的じゃないかと思いますが、その論争はいたしませんが、今おっしゃった言葉を深く掘り下げて、日本の放送は今後どうあるべきか、現状に照らして深く掘り下げたものを作りたい、こういう御意思であるとすれば、当然そこで分けて考えるのが至当のように思いますが、一本でいった方がよろしいという考えの基礎は、どういうところに立ってそういうふうにお考えになるのですか。その点簡単でよろしゅうございますから……。
  8. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 もちろん日本の放送がいかがあるべきかという問題を深く掘り下げて、徹底的にやる方がいいだろうと考えます。けれども現在の放送法をもとにいたしまして、これからあまり離れた考えでない方が、これを扱うに都合がいいだろう、いろいろ御審議を願うにもその方が便利であろうという考えなのであります。それは本質問題ではない、これはお前の勝手な議論だとお考えになるかもしれませんけれども、とにかく日本放送協会というものは、日本の放送事業において最も重要な部分を占めておるものであることは間違いないのであります。特に国民の大多数、世帯数ならば七八%ですかを占めてるような大きな事業でございますから、この放送協会のあり方あるいは組織、業務内容等考えることが、日本の放送事業の大半を占める結果になる、そういう観点であります。これは決して民間放送を軽視したわけではなく、現実そうでありますから、そういうふうに扱って、まあこれは緊急と申しますか、当分の間そういうふうにして話を進めていって、やがて恒久的な対処方法を考えるのがいいのではなかろうか、そう考えるわけでありまして、必ずしもそれでなければならないというのではありません。でありますから、いろいろ御意見を伺いまして、そうでなくして根本的にやるのがいいというお考えでありますならば、またそのように考える考えもありましよう、そう考えております。決して決定的な意見を申し上げてるわけではございません。
  9. 森本靖

    ○森本小委員 関連して。局長の答弁を簡単に要領よくやってもらいたいのですが、そこで今の点について関連してお聞きするのですが、竹内委員が言つたように、今後の放送法というものについては、放送協会法というようなものと、それから放送そのものについての基本的な問題をきめる一つの放送法というような形の二つに大別してやった方がよろしいかどうかということに対して、大体そういう線がよろしいと思いますけれども、それでは一体二つにしない理由はどこにあるかというその理由が、局長の答弁では一つも明確になっておらぬわけです。私がお聞きしたいのは、やはりそういうふうに法の建前から、今日民間放送ができ上ってきた場合には、そういう二つの法律にするのが法的な体系としては正しいと思うけれども、実際問題として今それを大きくいじると非常に問題が大きくなるので、そういうことでなしに一本でいきたい、こういうふうに答弁をしておるのが実際の話ではないですか。ここは小委員会ですから私は率直に質問をするわけですが……。
  10. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 今森本委員が言われましたことで、問題は非常にはっきりしていると思います。私が考えますのに、放送とは何ぞやという本質問題を深く考えていきますと、複雑多様、やればやるほどむずかしくなってくるように思います。そういうわけで検討する対象は全体をやるのですけれども、その中の日本放送協会をおもな研究対象にしていく、そうして民間放送等は自然に規定されるようになるだろうというような観点で、また多くの方の御意見等を伺うことができたならば恒久的に考えたいというのが、私どもの考えなんです。
  11. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田小委員長 局長に申し上げますが、ここは小委員会でございまして、みな協力的態勢で質問しておられるのです。従ってもっと率直に、よくわかるように、何だか奥歯にもののはさまったような答えでなしに答えていただきたいと思います。
  12. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 そういうつもりは毛頭ないつもりでございます。
  13. 森本靖

    ○森本小委員 私が聞いておるのはそういうことでなしに、放送法の改正をするなら、日本放送協会法あるいは一般の放送の根本的な問題、民間放送と州HKをめぐる放送そのものについてきめる放送法、この二つに大別するのか今日の段階においては正しいというふうにあなたの方はお考えだろうと想像がつく。しかしそういうことを今直らにやることは問題が大きいので、そういうことはやらずに一本で考えている、そういう考え方ではないですかと聞いておるわけです。
  14. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 大体おっしやる通りであります。
  15. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 この点については異見がありますが、それは別の機会にしまして、そういたしますと当分の間の放送法を作る、こういう御答弁のように聞いた。やがてもっと掘り下げたものを作りたい、こういう態度で郵政省は原案を作る態度をおきめになっている、こういうふうに了承してよろしゅうございますか。
  16. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 当分の間間に合せを作るという意味では必ずしもないのですが、先ほどから申し上げます通り、この放送法というものは非常に議論の多い問題で、人生観、世界観等にも関係しますし、民族の将来の問題にも関係するわけでありまして、できますならば今の機会において根本的な改正をしたいのですけれども、それがもしも間に合いませんならばできるだけのことをこの際しておきまして、未解決の問題があったならば将来までかかってもこれを解決するように努力しよう、できるだけベストを尽してうまくまとめ上げるようにしたいというのが私どもの考えてありまして、当座のものを間に合せに作っておいて、今度はゆっくりやるというような考えでは毛頭ないのであります。
  17. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 あなたのさっきの御答弁はそうおっしゃったのです。それもざっくばらんに言って一つの行き方だろうと私は思いますから、それならそれでなぜそうしなければならぬかという理由をお聞きしたいのです。たとえばあなたがおっしゃったNHKを対象にして放送法を改正する、それは日本の全放送に及ぶ、NHKが日本の放送の大宗だからとおっしゃったが、何から判断してそうおっしやるのか、国民放送を聞いておられる聴取率から御判断になるのか。そういうNHKが何というか、キャパシティ、それから御判断になるのか、しからば商業放送とこれだけ量的の問題について違いがありますか、多少あなたの御議論ではその拠点が怪しいと思うのです。これはほんとうの本質からいえば、あくまでもNHKの基本法、組織法というものと放送法の基本法と二つに分けるのが本体だ、それを今は間に合わないからやむを得ずやるのかという意味のことを森本君が聞いておる。それをあなたはその通りだとおっしやると、あなたのおっしやることが前後で矛盾してくる。その矛盾することも私はわかりますが、NHKを対象にしてこの放送法を改正すれば、日本全体の放送のこれからの方向にマッチしたものができるのだという考え方はいかがかと思うのであります。あなたはそういう御信念でおるならば、もう少し解明していただかないといろいろな誤解が生ずると思いますが、その点はいかがですか。
  18. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 先ほど申し上げましたNHKが日本の放送の大部分、というのは語弊がありますが、相当重要な部分を占めるから、従ってNHKに関する部分をきめればよろしいという根拠は数的な根拠でなくて、NHKと民間放送と両方が互いに助け合うような形において日本放送事業を形成すべきものである。そういう考えで、比率はかりにどうあろうとも、両方加わったものが一〇〇%である。でありますからNHKに関することをきめれば、自然に他の民間放送の方はきまってくるだろうというのが一つの考え方であります。しかもNHKは先ほども申し上げますように、相当性格について多くの人の考えからきまっておる。つまり国民のための公共放送である、そういう考えにおいて、そのNHKについての分析あるいはこれについての解決をここで行うことが、今までよりもはっきりできるならば、その残りといってはいささか語弊がありましょうけれども、民間放送については自然にきめられてくるだろうという考えかあるわけであります。そういうわけで決してNHKが数量的に多いからというのでは毛頭なく、日本の放送を形成しておるものは二つである、その一つをはっきりさせるならば他はきまってくるだろうという考え方であります。
  19. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 法律そのものに対する考え方があなたは少しわれわれと違うようであります。ある実体に対して法律を作れば、他のものも自然そうなるだろうという考え方では、法律は作れないはずであります。しかしその点に対する論争はきょうはいたしません。先ほどから御答弁を伺っておると、どうも納得しがたいものがだんだんよけい出てくるようでありますが、やがて放送法のあれが出てくるでありましょうから、そのときに具体的にいたします。その放送法に関してもう少し聞きたいのですが、今の局長の御答弁ではどうも満足しがたいものがありますので、いずれ出てきてから申し上げます。  今あなたは、資料によっても問題点は明らかだとおっしゃったが、この資料は昭和二十九年四月の資料でございますよ。これで明らかだという意味ですか。これは事務当局の方からお答え願いたいのです。このあとのは何にもできてないのですが、あなたの方の放送法改正調査委員会の関係資料は全然ないとおっしゃるのですか。昭和二十九年四月の資料をわれわれに配付して、その後変っていないのだというならば考えもありますよ。その後調査委員会をやっておったでしょうが、この点どうなっておりますか。荘次長さんがおいでになっておるからお聞きしたいと思います。
  20. 荘宏

    ○荘説明員 お答えいたします。その後いろいろ研究はいたしておりますけれども、まだ諸先生方にお目にかけるようなものはないわけでございまして、現在のところまとまったものといたしましてはその程度であるということでごかんべんを願いたいと思います。
  21. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 この昭和二十九年四月の資料は、どこに問題点があるということを列記しただけなんです。前の委員会でこれをしぼったものを出すということをあなたの方で約束しておるのですが、まだ出てこないわけです。ないものは仕方がないとしても、放送法の改正は、今局長がおっしゃったように、日本の文化のため非常に重大な一つの問題だと思います。その場合にもう少し一生懸命になって、資料も御提出になって、みんなで日本の放送の向上を期するようないい法律を作るという熱意が、多少足りないのじゃないかという感じを深くするのであります。この放送法改正調査委員会なるものは、今日までどういう活動を続けてこられたのか、その点の御説明をお伺いいたしておきたい。
  22. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 郵政省内には放送法改正調査委員会というものがございます。その会議には非常に多くの委員が入っておりまして、実際上の活動をするには不便でありますので、小委員会と申しますか、研究作業班というようなものを作りまして、鋭意今日までやってきたわけであります。その小委員会が、今お手元にお回しした印刷物等をもとにしまして、いろいろな案を練ったり、その作ったものについて電波監理局の他の人々に意見を聞いたり、または公式ではありませんけれども、外部の関係の人の意見を聞いたり、いろいろやっておるわけであります。それにつきまして印刷物はたくさん作ったのでありますけれども、これは外部の方々にお見せできるような性質のものではないのであります。従って国会の皆様等にもお目にかけられるように編集するようなものではないのであります。それで大へん御不満に思われるのはごもっともだと思うのでありますけれども、決してなまけているわけではありません。重大なる放送法の改正でありますから、今後においても一日も念頭を離れるものではないのであります。一生懸命やっておるので、その点は御了承願います。
  23. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 これはどうも非常にめんどうな作業だから、今度は放送法の改正を簡単にごく小部分だけやっておけということで後退したというのが事実じゃないのですか。荘次長さんもよく御承知の通り、あまり部分的な改正はやらない方がいいのだ、日本の放送の実態は、現行の放送法をよほど思い切って改正しなければならない事態がもう起きているのだということを、大臣も所管事項の説明でちゃんとおっしゃっている。またそういう部分的改正はやらない方がいいのだということを、この前一度小委員から意見書を付して意見を申し出ていたので、郵政省も知っているはずである。だが、やってみたら非常にめんどうな法律だ、いろいろなことで作業がめんどうだということで、多少手を上げて後退してしまって、今度は小部分の改正だけを提出しようというところがほんとうの腹じゃないですか。どうなんですか。
  24. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 私の先ほどの御説明が悪かったように今考えるのですが、やればやるほどめんどうくさい、泥沼へ入ったようなむずかしいものであるから、言葉は悪いけれども、今回はいいかげんにしてしまって、小部分にしておけというような御印象を受けられたとするならば、そうではないと私は考えております。何だか前後撞着するような御答弁ではなはだ心もとないでしょうけれども、先ほどからの御議論の放送法全般について、日本の放送法というものを、放送法と日本放送協会法の二つに分ける方がいいというような考え方を形式としてはとらないというわけです。しかし放送とは何ぞやという根本の考えを決して忘れることなく、それを頭に持つのみか、それを改正の内容にも織り込み、そうして日本放送協会というものを考えていくと同時に、民間放送を考えていく。しかし量的に申しまするならば、日本放送協会に関するものが大部分を占めるようになるかもしれない、大部分と申しますか、多くの部分を占めるようになるかもしれないというわけでありまして、そういうわけで部分的改正でこれを終りとしようというのでは決してないということを御了解願いたいと思うのです。しかし考え方によりまして、こればかしの改正では部分的改正だ、昭和二十八年のものですか、こういうもっと大きな資料があるのだから、これについて根本的な改正が出されてしかるべきであったのだ、それではあまりにやっておらぬじゃないかというふうに言われることをおそれるわけですけれども、われわれはそうは思わないのです。ともかく一生懸命間に合わして、この時期までにやれるだけのことをやろう、しかし理想は高いところにあるので、その残ったところは、おそらく根本的なメスは入れられないように判断されましょうから、将来メスを入れる、こういうわけでありまして、決して今回だけの小部分で端折っておこうというわけではないのです。どうも言葉が下手でおわかりにくいと思いますが、そういう意味ではないことを御了解願いたいと思います。
  25. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 局長はそうおっしゃるけれども、荘次長さんは前の委員会で、実際はこの調査委員会は中止しておりますとはっきり答えているのです。これからまたやりますというが、これからやるという形跡が何も見えないから聞いているのです。これは事実上やったけれども、なかなかめんどうな仕事で、資料が集まったが判断がなかなかつかない、調査委員会をせっかく作ったけれども開店休業しているのだ、しかし日本の放送の実態から考えると、今度はいよいよ放送法の改正を提出しなければならぬと思うから今度はやります、こういう答えを、松田大臣のときだったと思いますが、当委員会で答えているのだが、その後資料も全然出てこない。だからどういう活動をしているかということをお尋ねしているのであって、根本的な改正をするしないは別です。あなたの先ほどのお答えのあとがだんだん変ってきた、これはあとでいずれ速記録を見てお尋ねしますが、そういたしますと端的に申し上げてどうですか、この原案がいつごろできて、いつごろ公聴会なり何なりを正式に開くような時期に達しますか、そこをちょっとお聞きしておきます。
  26. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 郵政省内としての原案作成を非常に急いでおります。最後的結論、結論といってもこれは確定した意見である必要はないので、議論の材料になるもの、そういうものはおそらくそう遠くないうち、きわめて近いうちにできるかと思います。そうして多くの人の意見を聞くチャンスも今月の半ば以前には可能になるだろうというふうに考えております。
  27. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 今度の国会参議院選挙などもあって、重要法案が三月中に審議を遂げなければ審議未了になる心配が多分にあることは、あなた方も国会にしょっちゅうおいでになって御承知のことだと思う。三月半ばに原案を作って、それからさあ公聴会だ何だというものをやる、そうすると国会に提案される時期は、これはあなたにお聞きするのは多少無理かと思いますが、あなたのお考えではいつごろになるわけですか。
  28. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 この国会に提案される時期は私は今はっきり申し上げられないのです。けれども多くの人の意見を聞くという、そういう道程を一日も早くやりたい。そのためにどうしたらばその多くの人の意見が取り入れられて、それによって案が練られ、それが国会にも反映するかというふうになるわけです。そういうことにいろいろな手だてがあるわけです。そういう手だてを直列でなしに、できますならばなるべく並行に、同時にやれるように、あるいは重なり合ってやれるようにしたいというので、その方式について今非常に苦心をいたしておるわけでありますが、非常に短時間にいろいろな作業が終了するという具体的の過程が、なかなか作り得ないで弱っているわけであります。これを作ろうと思っているわけであります。
  29. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 非公式な大臣の言葉を引き合いに出すのはいかがかと思いますけれども、あなたの方の大臣に私が一月の下旬に会った際にこうおっしゃっておる。放送法の改正を早くしたいと思って、事務当局に案を出せと言っておるがなかなか出してこない。そこで今度は何日と日を限ってそういうことを事務当局に話したが、なかなかそれでも出てこない。これはあまりおそくなると国会の関係で、せっかくの重要法案が審議未了になるということになりますと、政府としても困るしわれわれ与党としても困るわけであります。そういうことを大臣が非公式的には言っておるのです。そうしますと松田大臣のときからこれは問題になっていることであって、着々とやっていなければならないことであるが、資料から判断してもあなたの今のお言葉から判断しても、きわめて不熱心である。一生懸命やっておったかもしらぬが、事が現われた形は非常に不熱心だ、これは言葉が多少過ぎるかもしれませんが、非常にめんどうな法律だが、それをさばく能力に欠陥があったということさえ言わなければならぬ結果になると思う。今それを論じても仕方がないと思いますけれども、なるべくそういう公聴会その他のことを急がれて、早く国会に提案なされるような事務的作業を進めることを要望しておきます。
  30. 秋田大助

    秋田小委員 関連して。大臣はいろいろの機会に議がまとまったら提案したいという御意向を示した。いろいろ御苦心をなさっておることは拝察できますが、郵政当局として今国会に提案するつもりでおられるかどうか。ただいま竹内君からいつごろ提案される予定か、こういう御質問が出ましたが、私も重ねてその点を明確にしておきたいと存じます。
  31. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 事務当局といたしましては提案し得るように、もちろんそう考えて諸般の準備を怠らないように進めて参ったつもりであります。
  32. 秋田大助

    秋田小委員 さきに竹内君から、改正されるとしたらどういう方法でするか、すなわち放送一般法、NHKに関する組織法と申しますか、そういう二つの部類に分けて立法をしていくかどうかというお問いに対して、それが望ましいが、そうするといろいろと複雑な問題もあり、むずかしいと思うから、何もいいかげんな態度で臨んでおるのではないが、手のつけやすい方法ということを考えると、現行法の体系をもって、これを基礎に置いて議のまとまったところを直していくという方向が実際的ではないかというふうに考えて、改正の作業を進めておる、こういうお答えのように了承いたします。そういう点からみると、この国会に提案しやすいようにということを考慮されてのお答えのように思われますので、本国会に提案をされるおつもりであると了承してよろしいと思いますが、重ねてお尋ねして恐縮でございますが、明確にお答えを願いたい。それによってわれわれも審査の都合があるし、また提案さるべきものであるとわれわれは確信をいたしておるのでありますが、いかがでございましょう。
  33. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 今御説のごとく、提案し得るようなつもりで準備を整えてきておるわけであります。それから今秋田委員のお話で考えたのでありますが、一般放送法と日本放送協会法と二つに分けるようなやり方では、なかなか国会において扱うこともめんどうであるから、そうでなくしたのだと判断するというふうにおとりしましたけれども、放送法のわれわれの扱い方としては、改正の内容をまず考えて、それから立法の形式はだんだんあとから考えるということできたのであります。今のところではそういうふうに二つに分けていない。でありますからいろいろな御意見を伺った上で、その形式等を考えてもかまわないと思うのであります。その二つに分けないで、現行の放送法に似た形で今度の国会に提案するつもりであるように思うと言われましたが、そのために必ずしもそうするわけではないのであります。
  34. 秋田大助

    秋田小委員 それでは今までの省内の調査会等で御審議の結果、この点とこの点とは大体まとまっておる、この点とこの点とには多少まだ議論があると、およそ区分ができると思うのであります。この国会にも提案されるようにしたいという御意向でありますし、それに大体提案できるくらいの情勢にはなっておる。最後的結論はまだ出てこないが、最後的結論の出ない部分は私はそうたくさんないのじゃないかと思う。そこで問題点の羅列でなく、問題点はこれだけあった、そのうちこれくらいのものは大体意見がまとまった、これらの点にまだ意見のまとまらない点があるのだ、この辺を御説明願えませんでしょうか。
  35. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、放送協会の業務内容、放送協会の組織、受信料の取り方、それから収支予算、資金計画、事業計画、そういうものと国との関係等につきまして議論を重ねて、やがてもう結論に至るような情勢にあるわけでございますが、もうこれで話が全部きまったのだということはまだ申し上げられないのです。もうすぐ結論が得られるようになっておる、それまでしばらく御猶予を願いたいというのが今日申し上げられることなんです。
  36. 秋田大助

    秋田小委員 そうすると、この資料が少し古いとか新しいとかいう問題もありましたが、一応の問題点はここにあるというお示しがあって、その中でただいま局長のお言葉によりますと、日本放送協会の組織、業務内容、受信料並びに放送協会の予算と国の承認との問題等について、多少結論を得られない点が未解決に残っておるのであって、その他の問題については大方話し合いがついておる、郵政省側の意見もまとまっておる、こう了解してよろしいのでございますか。
  37. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 今秋田小委員の言われましたその他というのは……。
  38. 秋田大助

    秋田小委員 あなたが問題点として抽出されたものを除いたあとの問題です。
  39. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 それは中にはまだ議論していないものもございますし、結論に達しないものももちろんあるわけでございます。
  40. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 放送法関係はいずれまた問題にしたいと思います。  次に日本放送協会の方にお尋ねしたいと思います。国際放送に関することでありますが、大臣の所管事項の説明では、昨年の操作によって非常によくなった、こういうふうに説明されておる。またNHKの報告にも大体よいようにお書きになっておるのですが、出てきた資料によると必ずしもそうではない。特に日本として最も大きい影響のある東南アジアから近東は、きわめて悪い資料が出てきております。またこの資料にはややよいというふうに出ておる個所でも、実際においてはそうではないようにも私は感じておるわけであります。しかもこの資料によっても優良可と分けてある中の、優というのは一つもないというような日本の国際放送の現状であるわけであります。来年度の三十一年度予算で五千八百万円ほどの増額をして、これを改善したいというのが放送協会の事業計画にあるのでありますが、この国際放送がなぜこう悪いのかということを一点お聞きしたいのと、これを今度はどう改善されるおつもりであるかという二点を御説明願いたい。
  41. 小松繁

    小松参考人 国際放送の電力は大体において一方向に対して二送信を行なっておりますが、御承知のように昨年の春と夏の二回にわたりまして、その送信機を五十キロワットから百キロワットに改善しましたが、昨年度において改善されたおもな事項であります。これは十([一二三四五六七八九])方向の中の八方向でありますが、その結果よくなったというのが最近の状況でございます。ただ南米に関しましては電力を増加いたしますと同時に、時間を改正いたしまして電波の伝播上最も都合のよいようにした。これは現地の聴取の希望時間とは少し違っておりまして、むしろ希望されない時間ではありましたが、受信状況をよくする意味で時間を変えまして、その結果南米方面は非常によくなったというのが現状であります。現在のわれわれに与えられております予算からいいましても、また技術的な――純粋の技術ではございませんが、施設関係の能力からいいましても、来年度において、施設上あるいは使用電波の選択上直ちに改善するめどは現在のところでは立ちかねておるのが現状であります。
  42. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 そういたしますと、これは施設上の欠陥が一番大きい理由である、こう了承してよろしゅうございますか。
  43. 小松繁

    小松参考人 もちろんそれも一つの大きい理由でございます。同時にもう一つの理由として考えられますことは、日本が国際的に割り当てられております電波が必ずしも最適の電波ではないわけで、電波の周波数から見ますならば、これが必ずしも戦前に自由に使えた周波数で割り当てられておりませんので、適当なものが選択できない、あるいはその時期に合せてできないというのが一つの理由でございます。  それからもう一つ、戦前行なっておりました状況に比較いたしまして、現在かなり悪いと思いますことは、電力はむしろ戦前あるいはそれに匹敵する以上のものを使っておるのでありますが、諸外国の国際放送というのが、最近非常に盛んになっておりまして、ことに電力におきましては数倍しておるような状況でございまして、それとの比較上において、こちらの方が受信状況が悪いという結果かあります。主として混信という形に現われるわけでございますが、そういうことから現地において非常に受信しにくいというのが現状のように推察しております。
  44. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 しかも三十一年度では五千八百万円増額するのだが、改善のめどがつかない、こうおっしゃっているが、不良でほとんど用をなさない地域が相当あるわけです。そうしましたら、これは非常にむだなわけですね。経費の関係からすると不経済で、全然用をなさぬのだが、やむを得ずやっているのだ、こういうことなんですが、むしろそこに非常に問題があると思うのです。その点いかなんですか。
  45. 小松繁

    小松参考人 今お手元にお持ちの資料が、いつのどういう資料か……。
  46. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 日本放送協会の資料です。
  47. 小松繁

    小松参考人 私の方で昨年度一年間を通じまして調べたものにつきましてみますと、大体実用になっておりますところが、ほとんど大部分でございます。あるいは受信地点によりまして非、常に悪いという報告の来ているところもありますが、各地域にわたりまして、調べてありますのは非常に詳細な資料がございますが、これによりますと受信不能という場所は非常に少いのであります。おそらくお手元にいきましたのは、あの時期につきましてだけの瞬間的な状況じゃないかと思います。ただいまここにその資料をちょっと拝見いたしましたが、これは昨年の十二月末現在の状況のように思いますが、これはおそらくこのときだけの聴取状況でありまして、一年を通じまして、その時期に合った周波数に切りかえて放送を実施いたしておりますが、それの全期間を通じましての大部分の状況から言いますと、大部分が、一応成績やや良という程度でありますが、これは実用になるという意味でございます。それが大部分でありまして、きわめて良好というところも非常に多いのであります。
  48. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 調べてみると、きわめて良好は一カ所もないじゃないか。
  49. 小松繁

    小松参考人 それはだから十二月末現在だけのものだと思います。
  50. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 それはある日の瞬間的な資料だからということをおっしゃるが、同じことなんです。私は論争するつもりはありませんよ。しかし私もずっと放送関係のことをおもにして回ってきましたが、各大使館、領事館あたりに聞いてみると、あなたのおっしゃることとは逆に、大体良でなくて大体不良なんです。ヨーロッパではほとんど用をなしておりません。逆に言うと、ある日のある瞬間はいいというのです。大体用をなしていないというのが現状なんです。だからわれわれはこれをせっかくやるならば、多少金がかかっても、国際電波戦が激しいこのときに、こうしておくべきでないという観点から私はお聞きしておるのであって、あなたは大体良だとおっしゃるが、私は大体不良だと考えている。あなたの方の資料はどういうところからお集めになっているか知らぬが、出てきた資料を見ても、良が一つもない。しかも近東から東南アジアにかけては全く用をなしていません。しかも日本の放送を非常に望んでおるのです。こういう事態に対して今度五千八百万円かけるのだが、これはどういうところにお使いになるか知らぬが、この状態の改善のめどにはならぬのだとおっしゃられると、何のためにこういう金をかけるのかと言いたくなる。電波監理局長にお伺いします。この点はどうなんですか。国際放送の改善にはことしこれだけの金を使えばよくなるのですか。めどのつかない金を使う必要はないじゃありませんか。もっと根本的な方策をとらなければならぬということです。
  51. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 日本の国際放送をもっともっと徹底的にやるという必要は、私どももかねがね考えております。同時に今竹内委員のおっしゃいましたように、世界各地における聴取状について、郵政省自体がもっと正確な資料を得たいというように考えておる次第であります。しかしNHKの当局、それから国際電信電話会社の関係者等の意見を聞きまして、今年においしやれるのはこのくらいだろうというので、今年はこのくらいで満足すべきだろうという考えでありまして、必ずしもこれでいいと思っておるわけではありません。なお調べまして、不満足であったならば、電力であれ方向であれ、そういう点について検討を加えたい、こう考えております。
  52. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 昨年の十二月ですか、名瀬市の送信所ができてから、この方向は確かによくなっております。これが一つの証拠だと思います。今度の五千八百万円の増額はどういうふうにお使いになるのですか。これはデータは出ているはずでしょう。この送信所を作ったらよくなったのです。その観点から考えて、この一億何千万円の金をかけて、半分以上が不良で、ほとんど用をなさないというような予算の使い方をすることは、非常にロスだと思う。この際もっと抜本的な方策を立てて、悪いものはすぐやめて、もっといい方向に持っていくとか、重点的な、効果の上る方策はあると思うが、その点は協会の方はどうお考えになっておるか。
  53. 小松繁

    小松参考人 先ほど申し上げました説明にもう一点つけ加えて申し上げますが、実は私、この資料は十二月末現在の成績状況瞬間的に出したものだと思いますが、一年間ほとんど良あるいはきわめて良好の地域も相当あると申し上げたのは、これは一年三百六十五日、どの日も全部そうであったという意味では決してないのでありますから、その点を一つつけ加えて申し上げます。大部分はそういう状況であるという意味でございます。それから来年度の予算が増額になりますおもな理由は、先ほど申し上げましたように昨年度において、年度の途中におきまして電力が増強になり、来年度からその増強分が追加して支給されるために――もうすでに現在は増強されてよくなっておるわけですが、その使用料として増額になるわけでございます。従いましてその効果は、三十一年度は年度初頭から現われるという意味でございます。
  54. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 私の希望するところは、東南アジアにしても近東にしても、ヨーロッパにしても、あなた、どうおっしゃるか知らぬが、現地に行って聞いてみると、用をなさないのですよ。いい日もあるのですよ。いい日もあるが、大体が日本の放送を聞いてがっかりしている。そういうところは今方向がないならば、その金を別に回せば非常によくなるというめどのつくところに重点的にやったらどうかということです。まんべんなく方向だけをふやしても、かえって予算のロスだと思う。その点をどうお考えになっているかということをお聞きしたい。
  55. 小松繁

    小松参考人 きょうは小委員会ですから、私きわめてざっくばらんに言わせていただきますが、実は私は一昨年国際放送聴取のために南米に参りましたが、そのときの経験から申し上げまして、少くとも日本の外務省の在外公館は、この問題についてはきわめて無関心であります。たまたま私出張いたしますために、会長名をもちましてそれぞれ現地の在外公館にあてまして、これこれの目的でNHKの小松副会長が出張するからよろしく頼むという手紙をあらかじめ出しておいたのですが、それによってあわてて向うの方が、現地の何人かの人を集めて初めて資料を作ったというのが、どの国におきましても例外なくその実情であったわけであります。従いまして現地の在外公館に参りまして、国際放送の聴取状況に関する資料を見せてくれと申し上げましたら、つい最近の、しかも口頭で聞いて鉛筆でまとめた程度の資料しかなかったわけであります。これでは十分とは申し上げかねるのでありますが、現地で非常に熱心な方、あるいはまた特別に放送に関係のある方、あるいは場合によりましては新聞社、通信社のようなところの出先の方、そういう連絡のこりやすい方にお願いいたしまして、ずっと長期間にわたって資料をもらっているわけでございます。この資料はもちろんそうしてでき上ったものでございますが、たまたまある時期に関しては悪いときももちろんございます。しかしながら一年間を通じてみまして、大体の成績は大部分の場合は実用になると判断を下しておるわけでございます。今お話のありましたヨーロッパ、あるいはまた近東方面に外遊なされた方の帰朝談を国際放送に関して伺いますと、やはり同じように大部分の方は在外公館の方の意見を聞かれての回答なんです。しかしこれは南米を一例に取り上げまして、世界各国に出ておる外務省の出先の方を同じように判断することはきわめて早計であるとは思いますけれども、南米の例を見まして、おそらくヨーロッパの在外公館の方も、国際放送については、みずから命令し依頼して特に自分で調査しておられるとか、あるいは自分が聞くとかいうことをしていらっしゃらないというふうな気がいたします。なおつけ加えて申し上げますれば、南米におきまして聴取状況がいいとか悪いとかいう判断は非常にむずかしいのであります。これは南米の例を申し上げますが、町の中におって普通の受信機を持って聴取しておる方は、大体においてほとんど聞えないというのが実情であります。しかしながら少し郊外で高級の受信機を持ちまして、町の雑音の少いところで聞いておられる方は、前の改善されないときの状態でありましたが大体において聴取しておられます。ことにそれらの国の邦字新聞でございますが、これは実に熱心にNHKの国際放送を受信いたしまして、そうして国内のニュースとして新聞記事に掲載いたしております。こういうように非常に必要のあるところは、少し郊外の雑音の少いところに受信機を置きまして受信しておりますから、非常に活用いたしております。そういうところから見まして、受けられる方の家庭において、普通程度の受信機を持って受信するというには、おそらく受信状態が悪いところは相当あろうかと思いますけれども、聞こうとして努力される方には聞えるというのが、大体において実情ではないかというふうに考えられます。従いましてわれわれが一般の家庭で町の雑音の多いところ、あるいはホテルなりにおいても、なおかつ良好に受信できるように、こちらの施設側なり送信側が工夫することはまことに望ましいことなのでありますが、現段階ではなかなかそこまで急速には参りかねております。われわれの希望といたしましては、そこまでいくために、この国際放送に対してぜひ政府としても力を入れていただきたいと思うのでございますが、現段階におきましては受信側も少し工夫をされて、受信のいい状況のところで受信をしていただいて利用していただく。そういう熱意のある人たちでなければ、ある方向に対してはやはり受信ができないのではないかというふうに考えて、現在は国際放送の番組審議会にそれぞれりっぱな方々も委員にお願いしまして、それらの状況を毎度報告いたしまして、意見を聞きながら現在の方向を実施しているのが現段階でございます。
  56. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 私の集めてきた資料は在外公館の方々に聞いたのが多いのですから、あなたがそれは無責任でさっぱり用をなさぬという前提に立つと、これは水かけ論になりますが、あなたがおっしゃったのと違いまして、今放送を聞くことを一つの任務としております文化員が、大きい在外公館にはみなおります。われわれはそういう人から聞いてきておるわけであります。十二月末の資料だと言われるけれども、一月に入ってからも多少私は近東、東南アジアも聞きましたが、これは悪いのです。だから私はそういう論争をしようとは思わないが、私が聞きたいのは、悪いところはやめて、その経費で可能なところへもっといい放送を流す考え方はないかということをお聞きしておるのですが、その点いかがですか。
  57. 小松繁

    小松参考人 どの方向に送信するということは、大体政府の命令事項になっておりまして、もちろん政府側もいろいろな人の意見を聞いておやりになっておると思いますが、われわれもそういうふうに聞きまして、そのある方向が特に悪いからその方向はやめるという考えは、われわれ自身としては現在ちょっととりにくいというふうに考えておるわけであります。
  58. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 放送協会では、政府命令だから、命令の方向に効果があろうがなかろうが、やらなければならぬというふうなお答えだと思います。そこで電波監理局長にお聞しますが、そういう聞えない放送に金をかけるよりも、聞える方向に少し金をかける方が至当じゃありませんか。これは予算の使い方についてお尋ねしておるのですが、その点いかがですか。
  59. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 全く御同感であります。用をなさない海外放送に金を使うことはつまらないことであります。それで具体的な方法としましては、電波全般の問題に関係がありますので、よく到達する電波をしかるべき方向に向けるように技術的検討を加えたいと考えておりまして、先ほど小松副会長も言われましたように、また竹田委員も言われましたように、世界の各所で、どこがだめなのか、どこか聞えないのかということを的確に知りたいと今非常に念願しております。
  60. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 国際放送に関しましてはNHKの方に、この資料でなしにもっと詳しいのがあるようですから、それを御提出願いたい。  ここでもう一点日本放送協会にお伺いしたいのは、テレビのことについてでありますが、テレビの普及に非常に御熱心に御苦心されておることに対しては敬意を表するのでありまして、この設備なり、あるいは年々の赤字なりを借入金からまかなっておるのが現状だろうと思います。これが二十一億七千万円くらいになっておるわけです。これはテレビの経理の方から考えて、いつになればバランスがとれるお見込みですか。
  61. 小松繁

    小松参考人 テレビジョンの建設計画につきましては、来年度の予算をこちらにお出ししました際に資料として出ておりますが、その計画に従いまして進むといたしまして、採算のバランスするのは昭和三十二年度からでございます。
  62. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 長期の資料はわれわれもらっていない。今度は計画を切りかえて、三十一年度は何局ですかおやりになるという資料はもらっていますが、そういう長期の建設計画をもらっていないようですが、出ておりますか。――それはいいとして昭和三十二年度からはバランスがとれる、こういうことですね。大へんけっこうだと思います。  もう一点お尋ねしたいのは、ことしの計画の中にも多少この心配があると思うのですが、この局を設ける計画と電電公社のマイクロウエーブのテレビ回線の建設とマッチしておりますか。その点、電電公社でもあなた方の方でもどちらでもよろしゅうございますが、お聞きしたい。
  63. 栃沢助造

    ○栃沢参考人 三十一年度に置局いたします局につきましては、マイクロウエーブが通らなければ置局できないのでありますから、電電公社と打ち合せの上で、私の方の置局の計画を考えております。それで三十一年度に八局やりますが、その八局のうちで次年度にわたりますのが熊本鹿児島でございます。これは大体今の電電公社の工程から見ますと三十一年度末完成ということでございますから、NHKの開局は三十二年度になります。
  64. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 実はこの委員会の当初に資料として、電電公社のマイクロウエーブの年次別の建設計画をほしいということを申し上げたが、出てきていない。それでお伺いいたしますが、電電公社のマイクロウエーブの建設計画いかんによっては、日本のテレビの普及が非常におくれるわけです。ことに今地方からテレビ局を設置したいという申請は三十局くらい出ておると思います。許可になるかならないかは別問題として、これらの要望にこたえていくためには、電電公社としては、大体日本全国にテレビ局が設置できるようなマイクロウエーブの建設は年次的にどうなっておるのですか、それを御説明願いたい。
  65. 黒川広二

    ○黒川説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。実は電電公社のマイクロウエーブは、電話の需要とテレビの需要と両方を兼ねてやっております。しかも御承知と存じますが、次の五カ年計画をただいま作成中でございますので、いろいろ案がございますけれども、五カ年でこういうことをやろうという最終的な案はまだできておらないのであります。それで今年度及び来年度の計画というものは現在のところきまっておりますが、大体のところは幹線が札幌から福岡まで今年度のおしまいから来年度の半ばくらいに完成いたしまして、それから逐次支線の方へ、札幌から福岡から先、たとえば今放送協会からお話のありました熊本とか鹿児島とか、そういうところに電話の需要もあわせ考えましてマイクロウエーブをつけまして、テレビの中継の御要望にも備えたいというふうに思っておる次第でございます。
  66. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 その五カ年計画は作成中でできていないということで、何ともいたし方ないのでありますが、それはいつごろまでにできる見込みで、その見込みによると、何年計画で日本は津々浦々どこでもテレビが見られるようなマイクロウエーブを建設するつもりか、その大綱だけでもわかっておりましたならば説明願いたい。
  67. 黒川広二

    ○黒川説明員 お答え申し上げます。まだほんとうに案でありますが、五カ年くらいたちますれば、これは電話の要望がございますので、こちらの方の関係から相当な地域まで回線ができるのではないかと思っております。
  68. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 大体テレビ局設置の申請等から見ると、今後地方局が非常に多くなるわけです。その場合その需要に応ずるためには相当回線をふやさなければならぬ。おそらく一局に対して一回線以上なければならぬと思うのですが、今までの幹線のやり方ではそうできていないようにわれわれは思うのです。その場合、途中局ができた場合にこの需要に応ずるということが、さほどめんどうなしにやれるわけでありますか、どのくらい経費がかかってどうなるということを御説明願いたい。
  69. 黒川広二

    ○黒川説明員 それでは一例を東京―大阪みたいなところで申し上げますが、東京―大阪では、現在NHKの方に対しましてマイクロによりまして、テレビジョンの伝送等を提供いたしております。これがもし民間放送の御要望がありますれば、もう一ルートぐらいは提供できるように、ことしの夏過ぎればできるのではないか。その場合に、たとえば途中で静岡に落したいという御要望がもしありとすれば、たとえば同じNHKさんのプログラムのものであれば、比較的容易に、その経費もかからずにNHKさんにも提供できる。あるいは浜松でも同様でございます。また民間放送さんの御要望があって、プログラムであれば、同時に大した費用でなくできる見込みでございます。
  70. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 そこで電波監理局にお聞きしたいのですが、純粋の中継のみをやるテレビジョン局というものは、今後認可いたしますか。これはアメリカの例でいうと認可していないようでありますが、アメリカの見解は、そうなるとテレビをある大きいネットが独占するということに対する反対のようで、許可していないようでありますが、日本の場合は事情が違うから許可すべきものだと私は思うのです。その場合のことについて、電波、監理局としてどういうお考えを持っておりますか。これは重大なことと思いますから伺いたい。
  71. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 この問題はきわめて重大な問題でございますので、十分研究して事をきめたいと考えております。ただ電電公社のマイクロ回線が、今後非常に多くなってくる電話の要求のために、テレビジョンまでもサービス困難だというような場合もありましょう。そういう場合に対処してどうするかということは問題だろうと思う。電電公社がマイクロの通信を、公衆通信をやりながらテレビジョンにもサービスするような形式を今後ずっとやっていくのでいいか、あるいはまたテレビジョンだけのものをやるのがいいかということは問題でございますから、十分研究したいと考えております。
  72. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 設置したいという局の申請は、今地方から三十局ぐらいあるでしょう。
  73. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 そう思います。
  74. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 地方の局は、大体中継局ですよ。そこで独自のものをやれといっても、なかなか金のかかることで、できないと思います。その場合に、研究中ではもう間に合わない。チャンネル・プランの改訂が済んだら許可する方針でしよう。そうすれば、もうそこで腹がきまっていなければならないはずだ。三十あるのが、大体半分以上は中継局だと思います。またNHKにしても、地方局はおそらく中継局だと思う。そういうものを今研究中でははなはだおそいのであって、あなた個人の考え方でもよろしゅうございますから、どういう考え方を持っておりますか。そこだけ明らかにしてもらいたいと思います。
  75. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 日本放送協会のテレビジョンにつきましては中継だけでこれを免許する、一般の民間放送については慎重に考えよう、こういうわけでございます。
  76. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 どうしてそういうけじめをつけるのですか。たとえばNTVだけのプログラムを流したい、あるいはKRだけのプログラムを流したいという場合に、NHKの場合はそのままでいいのだ、それはどこでけじめをつけるのですか。これは要するに、あまねくNHKのテレビの基準によってやっていくといったって、金のかかることでありますからそう簡単にできませんよ。しかも、これはあとでお聞きしたいと思っておったのだが、あなたの方から出したテレビの基準によると、人口の密度によって判断してだんだん持っていくというから、農村漁村はいつまでもテレビを見られないことになる。われわれは中継でもいいから、NHKがやらないようなところに設けたいという要望を持っているわけです。あの三十何局の申請のうち、大かたはそういう観点からの申請が多いと思う。NHKには許すのだ、民間放送には、そういう同じプロを流すのは考えなければならぬ、どこにそういうけじめをつけなければならぬ理由がありますか。アメリカと同様に、そうなるとテレビが独占されるというお考えですか。その点を一つ明らかにしておいていただきたい。
  77. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 今のお説はまことにごもっともで、私どももむしろそういう農村漁村の方面にこそ、テレビジョンを早く見せなければならぬという考えについては、全く同感であります。それにつきまして、今のマイクロウエーブ回線の問題はきわめて重大な要素になると思ます。それをどうして山間僻地、遠隔の地まで持っていくことができるかということにつきましては、経済上の問題もありましょうし、いろいろな問題がありまして、簡単に解決できるかどうか考えております。それについての名案がありまして、それが提案されるならば、それを検討してお願いしたい、こう思うわけです。
  78. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 今電電公社がお答えになったように、同じプロならばさほど金がかからないでできるわけです。そこで独自のプロを出そうとすれば、これはマイクロウエーブの一回線を増してもらうということは非常に金のかかることなんです。またスタジオを作るにしても非常に金がかかる。しかもNHKは、そこには三年後でなければ来ない。それを一年でも早くテレビを見せたい、そうなると同じ民間放送のプログラムを流すというより手がない。あなたのおっしゃることは、それでは民間にテレビジョン局を許可しないという方針ですか。それでいくならば、それはきわめて日本のテレビジョンの要望の実情に合わないと思います。その点は私考え直してもらわなければならぬと思う。経済的理由とか何とか言っておるが、なぜそうしなければならぬという理由があるだろうか、もう少しそれをはっきりおっしゃって下さい。
  79. 濱田成徳

    ○濱田政府委員 これにつきましては十分検討しまして、その結果を後日お答えいたしたいと思います。
  80. 竹内俊吉

    ○竹内小委員 きわめて重要な問題でありますので、後日といってもあまり長く待っているわけにいきませんから、次の委員会ぐらいで一つ明らかにしてほしい。できないならできない理由を明らかにしてもらいたい。それによってわれわれはまたわれわれの考え方を述べて質問したいと思います。それではきょうは時間の関係もあるようですから次の機会に譲って、これで一応打ち切ります。
  81. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田小委員長 本日は本会議の都合もありますので、これで散会いたします。     午後三時四十五分散会