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1956-03-30 第24回国会 衆議院 商工委員会 25号 公式Web版

  1. 昭和三十一年三月三十日(金曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 神田  博君    理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君    理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君    理事 中崎  敏君 理事 永井勝次郎君       秋田 大助君    阿左美廣治君       内田 常雄君    菅  太郎君       椎名悦三郎君    島村 一郎君       首藤 新八君    田中 角榮君       田中 龍夫君    中村庸一郎君       野田 武夫君    淵上房太郎君       前田 正男君    南  好雄君       山本 勝市君    伊藤卯四郎君       加藤 清二君    佐々木良作君       佐竹 新市君    多賀谷真稔君       田中 武夫君    帆足  計君       松平 忠久君  出席国務大臣         通商産業大臣  石橋 湛山君  出席政府委員         通商産業政務次         官       川野 芳滿君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君         通商産業事務官         (繊維局長)  小室 恒夫君         通商産業事務官         (鉱山局長)  松尾 金藏君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      川上 爲治君         中小企業庁長官 佐久  洋君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君  委員外の出席者         通商産業事務官         (通商局農水産         課長)     日比野健児君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 三月二十九日  委員山本勝市君及び山口丈太郎君辞任につき、  その補欠として粟山博君及び松尾トシ子君が議  長の指名で委員に選任された。 同日  喜委員粟山博君辞任につき、その補欠として山  本勝市君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月二十九日  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、  繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求  めるの件(内閣提出、承認第二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  中小企業振興資金助成法案(内閣提出第一二九  号)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、  繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求  めるの件(内閣提出、承認第二号)  バナナ等の輸入問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 神田博

    ○神田委員長 これより会議を開きます。  中小企業振興資金助成法案を議題とし審査を進めます。質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。田中武夫君。
  3. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この中小企業振興資金助成法案は、その名前はまことにけっこうでありまして、提案説明によりますと、中小企業協同組合の共同施設及び中小企業の経営の合理化のための設備を設置するに必要な資金を貸し付けるということであります。従いまして目的、名称はまことにありがたいものでありますが、つぶさに内容を見ました場合に、実は百貨店法案とか下請代金支払遅延等防止法案ともこういう傾向がありますが、名前だけはけっこうですが、いささか羊頭を掲げて狗肉を売るとでもいいますか、何だか間の抜けた点もあるように思いますので、若干の質問をいたしたいと思います。  まず第一にお伺いいたしたいのでございますが、本法の運用のためにはどのような予算を考えられておりますか。本年度の予算を見ました場合に、中小企業協同組合共同施設費四億七千万円というのがありますが、これがこの資金になるのですか。ほかにまだこのための予算というか、資金がありますか。まずこの法運用のために政府において用意しておられるところの予算関係を一つ御説明を願いたいと思います。
  4. 佐久洋

    ○佐久政府委員 来年度の予算に計上しております金額は、共同施設に対する補助金として一億円、それから設備の近代化のための予算が三億円余りあります。そのほかにはございません。
  5. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると合計で幾らですか。
  6. 佐久洋

    ○佐久政府委員 予算の内容として中小企業協同組合共同施設等に対する補助金として四億七千万円ございますが、その中には中小企業協同組合共同施設に対する補助金と近代化のための補助金のほかに三つの項目が入っております。従いましてこの法案関係の予としては、先ほど申し上げましたように、共同施設に対する補助金の一億円、それから近代化のための補助金が三億円余り、こういうことでございます。
  7. 田中武夫

    ○田中(武)委員 七百万円ですか。
  8. 佐久洋

    ○佐久政府委員 七百万円とは実はまだ確定いたしておりません。若干変更があろうと思います。
  9. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうしますと合計いたしまして大体四億円余り、こういうことですね。――そういたしましたら、この四億円程度で、本年度はこの法の適用を受ける借り入れ申込額が延べにして何件ぐらいあり、平均何ぼぐらいの金額か、そのような点についてはどのような考えを持っておられますか、お伺いいたします。
  10. 佐久洋

    ○佐久政府委員 来年度の貸付の組合なり、あるいは貸し付ける中小企業者というものはまだ確定はいたしておりませんが、従来の実績を申し上げますと、昭和三十年度におきましては、共同施設に対する補助金が三百三十二組倉で金額が一億七千八百万円でございます。中小企業の合理化のための補助金が八百二十二企業で金額が二億三千七百万円でございます。来年度はこれよりも若干金額もふえますので、組合数なりあるいは中小企業の数も若干ふえる、こういうふうに思われております。
  11. 田中武夫

    ○田中(武)委員 もっと端的に大体一件平均幾らくらいで、何件くらいを見越しておるのかいっていただきたい。
  12. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは大体のめどでございますが、共同施設に対する補助金が、一件については七十かから八十万、中小企業の合理化のための補助金が大体四、五十万、こういうふうに思れます。
  13. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それではその金額と、今言った四億円程度、それで換算しただけが延べ件数になるわけですか。それで大体本年度のこの法案の目的である中小企業協同組合の共同施設あるいは中小企業の近代化の設備、合理化の設備、そういうようなものが、大体需要に対してまかない得るか、こたえ得るかという点についての見通しはどうですか。
  14. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは財政の関係もございますので、必ずしも満足とは言えないと思います。重点を置かれるものから選んで、徐々に今後資金がだんだんふえて参りますから、今後の運用に期待したい。お説のように全部が満足されるというふうにはちょっと参らないと思います。
  15. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうしますと、従来の例でいきまして、大体この申し入れというか、希望に対してどの程度応じられておったかということ、それから今まで法律的な裏づけがなかったのだが、こうして法律の裏づけができれば、今までよりか、より飛躍といいますか、進歩していかなくちゃならないと思うのですが、そういうような関係はどうですか。
  16. 佐久洋

    ○佐久政府委員 ただいま申し上げました金額というのは、これは全部それだけで共同施設をやるとか、あるいは合理化の設備をやるとかいうのじゃございませんので、共同施設につきましては、大体七、八十万と同じ金額を府県がつけまして、その合計額というのは、施設費に対する半額というめどでございますから、大体四倍になります。それから中小企業の近代化の設備につきましては、補助金が三分の一で、その半分が国で持つということでありますから、六倍が施設費、こういうことであります。従来の実績から申しますと、希望者というものを一括して、個々の申し込みを無制限に受けるというようなやり方をとっておりませんので、大体業種をしぼり、それから企業の対象というものを多小条件をつけますので、全部が全部申請するわけじゃございません。従いまして、選択に漏れるというのは実はそうたくさんはないのであります。今後貸し付けた金が返還されるに従って、それが府県の特別会計にプールされて参りますから、そのほかに新しく国と府県がその特別会計につぎ込むことになりますので、だんだん金額が増してくる、そこにこの新しい法案の大きな妙味の一つがある、こういうふうに考えられます。
  17. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ただいまの御答弁によりますと、大体申し入れに対して応じ得られる、こういう見通しである、こういうふうにお答えになったように思いますが、今までと違って、この法律が出ますと、中小企業協同組合あるいはその関係者等が大きな期待を持つと思うのです。従って今までより以上の計画等をして申し込んでくる場合もあると思うのですが、そういうような点も見越して、長官の言われたように、申し入れに対して大体応じられる、こういう確信がおありでしょうか。
  18. 佐久洋

    ○佐久政府委員 来年度の予算に見合いまして、何と申しますか、一つの基準というものを作らなくちゃならぬと思います。その基準は、協同組合にしても非常に幅広くきめるわけには、この予算の関係からちょっと参らぬと思いますので、結局輸出の振興なり、いわゆる民生の安定に大きく寄与するとか、資源開発に非常に役立つとかいうような組合業種を限定しまして、その組合の中からまた共同施設をやった場合に非常にコストが下るとか、あるいは能率が上るとか、かような基準に基きまして申請をいたさせますから、従ってむちゃくちゃに申請がふえるとは考えません。大体その業種について申請された限りにおいては需要をまかない得る、かように見通しております。
  19. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今のお話ですと、申し入れました目的によってやはりある程度審査して、いわゆる輸出とかなんとかいったような、こういう必要な部面から考えていく、こういうようなことになるのですが、そういうことですか。それじゃ続けてお伺いしたいのですが、この法案の四条によりますと、「都道府県が中小企業協同組合施設又は中小企業者の経営の合理化のための設備の設置に必要と認めた金額の二分の一以内とする。」こういうことになっておりまして、貸付の限度は、設備の新設等の場合の必要経費の半額以内、こういうことになっておりますが、これはわれわれからいえば、もっとより多く貸し付けるように考えてもらいたい、こういう希望を持っているのですが、二分の一以内とせられた根拠、どういう点から二分の一以内ということにせられたのであるか。もちろん、金がないからといえばそれまでと思うのですが、二分の一以内ということにせられた根拠、ただ金がないというだけでなく、ほかに何かの根拠があるのか、そういう点についてお伺いいたします。
  20. 佐久洋

    ○佐久政府委員 二分の一以内としましたのは、別に明確な根拠があるわけでありませんので、協同組合の共同施設に対しては二分の一、それから中小企業の設備の近代化については三分の一ということで従来ずっとやっているわけであります。この法律は、従来やっておったことをそのまま大部分は法文化した関係で二分の一としたわけであります。これが一つの救済的な補助金であればまた別でありますが、企業としてとにかく経営をしている、それをさらに高めたいという趣旨でありますから、二分の一で従来も大体済んできた問題でもありますし、その辺が適当であろう、こういうふうに考えたわけであります。
  21. 田中武夫

    ○田中(武)委員 ただいまのお話によりますと、従来やっておった慣例といいますか、今までやっておったものをそのまま横すべりした法案であるから、従来の例にならって二分の一にしたということなんですが、この際新たに法律を作って今までのものを強化し前進せしめよう、こういうようにお考えになったときに、今までの貸付金の限度をもう一歩前進さす、こういうようなことをお考えにならなかったかどうか。なお今後中小企業の振興ということについてはもう多くを言う必要はないと思いますが、ことに中小企業の問題の一番責任者である長官として、中小企業の問題について、今後この限度を上げていく、ワクを広げていく、こういうような点についてはどのように考えておられるか。
  22. 佐久洋

    ○佐久政府委員 もちろんこの補助額がよけいであればよけいなほどいいことは私も十分承知しておりますが、ただ今の財政状態から、たとえば来年度の予算をとってみますと四億余り、補助率をよけいにして対象を少くするのがいいのか、あるいは補助率は若干低くしても対象をよけいにした方がいいのか、その辺の比較勘案をいたしまして二分の一ということにいたしたのであります。将来これの運用によって十分目的が達せられない、同時にまた予算の余裕も見られるという場合には、当然これは引き上げを考えてもいい、かように考えております。
  23. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今長官がおっしゃったように、もちろん貸付の限度の二分の一をもっとふやすのがいいのか、その程度にしておいてワクを広げる、いわゆる件数をふやしていくのがいいのか、これはいろいろあると思う。従って私は限度はもう少し高くしておいて、そのときそのときの実情といいますか、これによってもっと借りられるという道もあれば、また一件の金額を押えて多くの需要にこたえていく方法もあると思うのです。こういうような点について今後研究していただくように申し上げると同時に、長官からこういう点、研究するというような答弁をもらいたいのですがどうですか。
  24. 佐久洋

    ○佐久政府委員 お説まことにごもっともでございますから、十分検討はいたします。
  25. 田中武夫

    ○田中(武)委員 次に第五条の関係ですが、返還期間が五年以内となっている、その五年以内とせられた根拠を聞きたい。以内ですから、二年の場合も三年の場合もあるだろうと思うのです。これは政令で定めるとなっているのですが、これの成立しましたときの施行令では大体何年を考えておられるか、お伺いをいたします。しかも中小企業金融公庫も現在五年だけれども七年にしてくれといったような希望もある、そういうことも考えておるようなことも伺っておるわけですし、あるいは国民金融公庫にいたしましても年数をふやそうという動きがある、商工中金につきましても、乙では五年のものを七年にしてくれ、あるいは七年にしようというような動きがあることを聞いておりますが、償還期間が五年以内じゃ短いと考えられませんか、どうですか。
  26. 佐久洋

    ○佐久政府委員 現在行なっておりますのは四年ということでやっておりますが、新しく法文化する際に一年増して五年ということにいたしたのでございます。大体今の設備から考えまして、償却に必要な期間、つまり耐用命数というようなものを考え、あるいは貸付の金額というようなものを考えて、大体五年で十分じゃないか、かように考えております。公庫の七年、あるいはもっと長い十年というようなものもありますが、これは非常に異例でございまして、むしろこの貸付の対象になるようなものではなくて、償還が非常に長い期間を要する特例なものだけの期間でございますから、必ずしもそれを基本にする必要はない、かように考えております。
  27. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今のお話ですと今まで四年だった、こういうことですが、従来の例によって四年でうまく返還ができている、しかもそれはせっかく設備を近代化するとか、共同設備をするために金をもらっておったけれども、業績が上らぬうちにどんどん吸い上げられていくということでは、貸し付けてやった意義が出てこないと思う。今までの例からそういうおそれがあるかどうか、実例がありましたらそれによって御説明していただきたい。
  28. 佐久洋

    ○佐久政府委員 この制度は昭和二十二年から協同組合共同施設に対しては行われておったのでありますが、実は二十八年度までは建前がやりっぱなしという建前であって、この共同施設をした結果その組合に利益が上った場合にある一定条件を付して返還をさせる、こういうことになっております。純粋な貸付制度にしましたのは実は昭和二十九年度からでありまして、一年の据置期間を設けておりますから、実はその償還期にはまだ入っていないわけであります。従いまして実際に確実に返済がされているかどうかというような実績が出ておりません。ただ四年についてはそう大きな不平はどこにもきておりませんので、そういう点を考慮しまして五年がいいのじゃないか、こういうふうに考えたわけであります。
  29. 田中武夫

    ○田中(武)委員 実績はわからないということでありますが、借りる側から四年をもう少し長くしてもらいたいとか、しばらく待ってもらいたいといったような話が出ておりませんでしょうか。
  30. 佐久洋

    ○佐久政府委員 そういう話は実はまだ聞いておりません。もちろんそういう話があれば、これについても考えたでございましょうが、そういう話がなかったものですから、しかも従来よりも一年増しているということで解決がつく、こういうふうに考えております。
  31. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これも先ほどと同じように、できれば長くしてやる方がいいのであって、そのような点について御配慮願いたいと思います。  それに関連して返還の方法ですが、五年間ということになれば、五年間の年賦で返していくようにするのか、何年か据え置いてあと二年か三年の年賦で償還するのか、五年後に一ぺんに返すようにするのか、そのような点についてはどうなのですか。
  32. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは一年据え置きの、あとは四カ年の均等年賦返還という方法をとってやっております。
  33. 田中武夫

    ○田中(武)委員 一年据え置きという据置期間は、短かいことはありませんか。設備がなされてすぐ一年目にそういう効果が上るものではないと思います。そういう点についてはもう少し据置期間を長くする。そうするとこの五年というのが七年くらいになると思いますが、三年くらい据え置いてあと年賦というようなことはできませんか。
  34. 佐久洋

    ○佐久政府委員 従来の例から見ますと、設置にそう長い期間かけるような大きな設備ではございません。大企業でありますと、新しく発注するとか、外国から買う問題が起きますが、今までの中小企業者が従来設置しております共同施設なりあるいは合理化のための設備というのはそう大きなものはありませんので、一年の据え置きでこれはいけるのではないか、こういうように考えております。
  35. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これはいろいろと場合によって違うと思いますが、従ってこれもよく検討していただいて、そういうようにする必要のあるものもあろうと思います。その場合にはそういうふうに据置期間を長くしてなお返還年限を延長するというようなことも望ましいと思いますので、そういう点も検討していただきたいと思います。  それから六条の関係ですが、連帯保証人を入れることになっておりますが、この保証人につきましては何か保証資格とか、何とかいうようなことについて制限というようなものを考えられておるのですか、あるいはまた協同組合自体が借り入れる場合、法人が借り入れる場合の連帯保証人個人になるのか、法人が保証人になるのか、その場合はどう考えておられますか。
  36. 佐久洋

    ○佐久政府委員 保証人を設けましたのは要するに金を貸しまして、それを一定期間に返していただいて、さらにそれを使って新しい共同施設なりあるいは設備改良のために使うという趣旨で実は保証人を置いておるのでありますが、別にどういう人でなければならぬという条件はつけてございません。全然信用力も何もない人では工合が悪いということは抽象的にいってそういうことは言えると思います。それから組合が借りる場合の保証人は主として組合の役員が保証人になろうと思います。
  37. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると今までの慣例によって行われておった分、これもやはりそういうような保証制度ですか、連帯保証になっておるのですか。今までは借り主がこの人を保証にといって、持ち出した保証人が、これでは工合が悪いということで変えろと言われた例があるか、あるとすれば、それはどういう保証人であったか、そういう例があれば聞かしていただきたい。
  38. 佐久洋

    ○佐久政府委員 従来は必ずしも保証人だけ立てておるというやり方をとっておりませんで、これは県ごとにやり方が違っております。その辺のところは県にまかしておった関係でそういうことになっておりますが、従って保証人を立てておるというような場合もあるし、あるいは物的担保を取っておる場合もあったのであります。その場合には当人と県との話し合いで、大体こういう人ということでそのつどきまっておったようであります。
  39. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この法律によって、国は府県の特別会計に対して補助金を出す、そして府県が、今おっしゃったように貸し付けるわけですが、問題は地方の財源にあると思うのです。この十一条によりましてもそういうことになっておるのですが、今日のように都道府県その他地方団体の赤字が問題になっているときに、十分にその求めに応ずるだけの財源を地方特別会計に移すことができるかどうか、そのような点についてはどのように考えておられるか。  また、この法文から見ると、まず地方特別会計に積み立てる、それの同額以内の補助金ということになるので、特別会計の基本といいますか、その動きの出発点は地方の財源ということになるのです。先ほど申しましたように、今日のような地方自治団体財政状態では多くは期待できないと思うのですが、そのような点についてはどういうふうに考えておられますか。
  40. 佐久洋

    ○佐久政府委員 今の都道府県の大部分が非常に窮乏状態にありますので、こういうふうに同額あるいは同額以内ときめることがいいかどうか、私の方でもいろいろ検討いたしたのであります。その結果、この制度はあくまで補助金でありますし、都道府県が非常に貧困で、極端な場合を考えますと、一銭も出さなくても補助金が出せるという毎度を作らなくてはならぬことになります。それは観念的に申しまして、事業主体が全然金を出さぬのに、それに対する補助金というのはおかしい、これは一つの形式論でありますが、そういう理屈も立ちますし、同時にまた、全然新しくこの制度を始めて、府県に新しい負担をかけるならば別ですが、これは長年やってきた制度であって、その間別に支障なく各都道府県とも国と同じような補助金を出しております。それからこれはやりっぱなしの金ではなくて、都道府県としては貸付金としてやがて返ってくるのですから、全然損失になる金ではない。しかもそのために中小企業が興ってくれば、それだけまた府県の繁栄にもなるという利益もありましょう。なお、中小企業の振興の問題というのは、国だけが幾ら骨を折ってもなかなか十分にいきません。やはり都道府県が熱心に育成助成をやらなければならぬという建前からいいましても、なるほど府県としては貧乏ではありますけれども、国といえども決して余裕のある金ではない。それを県も国もお互いに無理をして、一つ金を出して中小企業の育成をはかろうというのでありますから、県も同じように出してもらいたい、こういう趣旨であります。  なお、今後のやり方の問題としては、都道府県が金を貸して、そうしてその金が返ってくる、その特別会計の資金が富裕県においては相当早くふえるわけであります。それが一定状態になりましたら、その方は打ち切って、貧困県へはさらに続けて国の補助を出していく、こういうような方法によってある一定期間の中にバランスがとれていくのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
  41. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほども長官は、これは形式論だというように言われたのですが、この法案によると、まず県が特別会計のための金を出す、それに対して国が補助してやる、こういう行き方になるのです。そうすると、国の方からいえば、この法律によるところの中小企業の振興策に対して、第三次的というか、消極的じゃないかと思うのです。むしろ国が先に立ってやる、それに県ができるだけくっつけるというような方法がいいのじゃないかと思うのですが、そのような点はどうなんですか。
  42. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは具体的に各県にどのくらいの金額がきまるかという段取りかと申しますと、国がまずこれだけは出せる、それに見合って県がどうかという話し合いになるわけでありますが、この法律の建前はあくまで県に対する補助であるということを建前としている関係上、どうしても県の方が主体になってきて、県がこれだけの特別会計を組むということが前提になって、始めてそれに国が補助金を出す、どうもこういう体裁にならざるを得ないのであります。
  43. 田中武夫

    ○田中(武)委員 その点、国がもっと積極的に県を動かすことのできるような形式にはならないものでしょうか。  それからもう一つ、先ほどちょっと長官も触れられていたようですが、いわゆる貧乏県と富裕県のバランスについてのもっと適切な方法ですね、これはどういうふうな具体的な方法をとろうと考えておられるか、承わりたい。
  44. 佐久洋

    ○佐久政府委員 金を都道府県別にきめる場合には、大体の手続と申しますか、事務的な話を申し上げますと、中小企業庁としては、各通産局別の仮ワクというものを作りまして、その仮ワクに基いて通産局が各都道府県別の仮ワクというものをきめまして、それに基く事業計画というものが各都道府県においてきめられるわけであります。同時に、それに見合う予算というものが組めるかどうかということを検討するわけであります。そこで、予算と事業計画が見合って県できまれば、今度はそれに基いて国の補助金が出ていく、こういう段取りになるわけであります。その事業計画をきめる場合にも、一応の基準というものは中小企業庁できめて各都道府県に示すということになるわけであります。  それから今の、富裕県と貧困県のバランスをもっとうまくとる方法はないかというお話でありますが、考え方としては、富裕県に対しては補助額をうんと減らして、貧困県にはよけいにするというやり方は一つ考えられるのでありますが、技術的にこれは非常にむずかしいのです。それをやりますと、どこもかしこも私のところは貧困だということでしり込みされるおそれがありますので、それで実はこういう法案ができた次第であります。考えてはみることでありますが、なかなかやり方がむずかしいのです。
  45. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほどから私が申し上げているように、この法案によると、どうも県の方を第一に出して、国の方は、消極的というか、第二次的に考えられるような趣旨になっている。そこに、政府の中小企業に対する対策がどうも積極性に欠けるところが現われているのじゃないかと僕は思うのですが、その点については今後十分に考えてもらいたい。  それから地方財政との関係でありますが、私は地方財政のことはよくわからないのでありますが、地方財政の再建整備促進特別措置法ですか、あれの適用を受けた場合いろいろと地方財政に対して制限がありますけれども、そのような県については、この法の運用に対して何か支障というものは出てこないのでありますか。
  46. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは、この法案の審議の過程で地方自治庁とも十分連絡してやった問題でありまして、実際の運営上は支障がございません。しかもこの補助金は、自治法の関係からいっても最優先に扱われる性質のものでありまして、運営上は支障はございません。
  47. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今の御答弁によりますと、地財法の適用を受けることを申し出ている県でも、この法の運用については支障はない、制限は受けない、これははっきりしているわけですね。  それから、第三条によりますと、一号、二号、三号ともに、たとえば「設置に必要な資金」というふうになっているのですが、この「必要な資金」の「必要」という点の認定ですが、補助の対象の選択といいますか、そういうような基準及び方法はどのように考えておられますか。「必要な資金」という「必要」の程度ですね。
  48. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは普通いわれる、いわゆる所要資金でありますがたとえば設備について申しますと、それの取得に必要な資金でございます。従いましてそれを入れる上屋をどうするかというような問題は含んでいないわふであります。
  49. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それでは補助の対象の選択、何々協同組合とか、何々某とか、何々商店とか、こういうものについての選択の方法といいますか、いろいろ申し入れてくると思うのですが、これがこの法律にいう三条各号に該当する必要なものであるかどうかという選択の方法について伺います。
  50. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは協同組合の共同施設にしても、あるいは近代化設備にしましても、国全体の政策が輸出に重要な関係があるので、輸出振興に役立つもの、それから国内資源の開発に顕著な寄与をするものというような抽象的な限定がございます。それからその中の設備にしましても、それによって合理化が非常に進むとか、能率が上る、あるいはコストが下るとかいうような一定の基準を設けるつもりであります。その基準に合うかどうかを個々の申請に基きまして都道府県が選定をする、それに基いて、合格者には都道府県が貸し出す、こういう手順になっております。
  51. 田中武夫

    ○田中(武)委員 その基準を設けるつもりだとおっしゃいますが、それは政令、施行令できめられるわけですか。
  52. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは第十二条に、都道府県は通商産業大臣があらかじめ定める基準に従って事業計画を作成しなければならぬということになっておりますが、この基準は、現在私どもは通牒として流してあります。と申しますのは、弾力性のある運用をしたいという考え方から通牒でやりたい、こう思っております。
  53. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると通牒でやる場合ですと、そのときそのときに応じて通牒を変えて基準を変えていくということになり得るわけですね。今の長官の話ですと、弾力性のあるようにしたい、それは必要だと思うのですが、それをまた裏から見ると、運用がでたらめになる、こういうことも言えると思うのですが、その点に対してはよほど警戒しなければならぬと思うのです。これは通牒がいいのか、あるいはもっと基本的な点は法なりその他の政令なりできめておく方がよいかということは検討する必要があると思うが、どうですか。
  54. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは事情によってだいぶ違いますので、あまり窮屈にやることはいかがかと考えております。通牒によってそれがネコの目が変るように変れば工合が悪いことはもちろんでありますが、相当しっかりした検討の上で基準は作るつもりでありますので、そういう弊害はないようにいたしたいと思います。
  55. 田中武夫

    ○田中(武)委員 その点につきましては、佐久長官の良心に待つということにいたします。  次に貸付金を、幾ら幾らこれに要ったから借りたい、こういうふうに申し出てきたその金額が適当であるかどうかの査定、この査定の方法、これはどこでどういうような権限に基いて査定するのか、そういう点についてお伺いします。
  56. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは申し出の金額は、従来の例から見ましても、必ずしもその金額が合理的に記載されておりません。中には運転資金と思われるものまで含めて書いてあるようなものもございますので、査定をする場合には、各都道府県と通産局と両方が協議をして査定をするという方法をとりたいと考えております。
  57. 田中武夫

    ○田中(武)委員 八条によりますと、一号、二号のような場合には貸付金の返還の免除を受けられるということになっておりますが、そういうような場合、あるいは貸し付けたものが返還不能に陥る場合もあって損失が出てくると思うのですが、その損失はどこが負担するのですか。
  58. 佐久洋

    ○佐久政府委員 この一号、二号によって実際に損失が出た場合には、結局貸し主である県の特別会計が損失を負担するということになります。
  59. 田中武夫

    ○田中(武)委員 もちろん八条に定めるような場合、あるいはやむを得ない事情で返せないような場合があり得ることはよくわかるのです。そうしてもらわないと借りた中小企業の方も立っていかない場合もあると思います。と同時にこの点はよほどうまく運営するというか、うまく監督をしていただかないと大へんな問題が起きてくるのじゃないかと思います。常にいわれておることですが、補助金とかあるいは助成金とかいうようなものについて、政府が相も変らずいわゆる血税を乱費しておるということについては、国民からも非常な関心と疑惑を持たれておるわけであります。たとえば二十九年度の会計検査院の報告によりましても、通産省関係だけでも、試験研究補助金八件、千六十万円、輸出保険金の特別会計で二件、約三千六百万円、中小企業信用保険特別会計で三件、約二百万円、海外広告保険で一件、二百万円、官有機械の払い下げ代金の関係で一件、二百三十万円、合計五千余万円の不当があったということが会計検査院からも報告されております。こういう点から見ました場合に、こういう助成金の運用につきましてはよほど注意をし、監督を厳にし、また取扱い者は公僕の精神の上に立って厳重にやってもらわなければならぬと思います。それらの点について今後この法律が実施せられた場合に、監督官庁として一面中小企業者の要望にこたえ、この法の円滑な運用をし、中小企業の振興に資するとともに、一万血税がむだに使われぬよう、どこかわけがわからぬようなところに行かぬように監督することが必要だと思いますが、その点について長官はどのような決意と具体的な方法を考えておられますか。
  60. 佐久洋

    ○佐久政府委員 この中小企業に対する補助金について、若干遺憾の点が出たことがないとは言えないのでありまして、もっともこれも解釈のしようでありますが、南九州の方で台風があったときに、その台風の被害を受けて設備が大分毀損したのは、その管理が悪かったからそういう被害が起きたという解釈もあります。また事実上避けられなかったというような解釈もある。その辺は解釈問題でいろいろ問題が起きた例はございます。御説の通りに国の補助金が乱費されるということは厳に戒めなければならぬことでありまして、今後この法律ができますと、都道府県としては特別会計の管理上当然そういう方面の監督もさらに厳重になる。従来通産局あるいは都道府県が相当の監視監督はいたしておったのでありますが、その点はさらにこの法律によって強化されようと思います。また補助金等の予算の執行の適正化に関する法律でありましたか、あの法律の適用もございますので、御趣旨に従いまして遺漏のないよう注意をしたいと考えております。
  61. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この法律の円滑な運営、この法の企図するところによって、中小企業の振興に資するということは、これは中小企業協同組合のあり方、今後の運営ということが大きく作用すると思います。ところが今日の、これは一がいに言えませんが、中小企業協同組合は往々にしていわゆるボスの運営といいますか、ボスのために利用せられている面があるように思うのです。しかも二十二国会において、われわれは反対いたしましたが、政府提案によって中小企業等協同組合法の一部が改正せられまして、今まで無記名投票による役員の選出のみであったのに、定款で定めるならば推選制によっても役員が就任できる、こういうような改正が二十二国会で行われました。そのときにわれわれは、そういうことをすることはボス化に役立つ、いわゆる中小企業協同組合をよりボス化さしていく、そして中小企業協同組合協同組合精神によるところの組合のための通常にならない、こういうように言ったことを記憶しているのですが、組合員のための協同組合にするためには、よほどこの協同組合の運営、役員の就任、こういうことが大きな問題になろう。従ってこの前に改正になりましたけれども、この法律とうらはらをなすと思いますが、中小企業等協同組合法の改正というか、より民主的な運営のために、これは考えていただかなければ、せっかくこの法律が出て、中小企業協同組合に金が借りられるということになれば、一部ボスのために使われる危険がある、こういうふうに思われるので、こういう点について監督官としての長官はどのように考えておられるか。また今後こういう組合の運営についてどういうような行政指導あるいは中小企業等協同組合法の改正について考えておられるか、一つお考えを承わりたいと思います。
  62. 佐久洋

    ○佐久政府委員 中小企業協同組合が必ずしも法の目的を達する効果を上げていないことはお説の通りと思います。現に三万数千の組合が形式的には存在していながら、実際に組合らしい活動をしているのは、おそらくその三分の一程度だろうと思います。そのよって来たる原因は、結局一般中小企業者の自己意識が足りないと申しますか、自分の力が結局こういう組合活動によってでなければ救われないという自覚がまだ十分にいっていないように思われるわけであります。従ってそういう間隙を縫ってボスがはびこるというような結果にもなろうと思います。そういう方面の啓蒙指導という点については、新しく都道府県あるいは全国に中央会というようなものを設けました関係もありますから、大いに今後力をいたしたいというふうに考えております。またただいまのところ、協同組合法の改正それ自体で果して目的が達せられるかどうか、これは検討の余地があろうと思われますのでむしろそれよりも一般中小企業者自体の啓蒙宣伝に力を入れたいと考えております。
  63. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほど申しましたように、二十三国会のときの改正に対して、われわれは、役員の就任方法を変えたことはボス化を促進するということになる、こう申したのですが、あの改正後、協同組合の運営といいますか、役員就任の傾向等は変っているかどうか、われわれの心配しているような点が現われてきてはいないかどうか、その方についてはどうでしょうか。
  64. 佐久洋

    ○佐久政府委員 特に改正後の役員選挙の形式が変ると申しますか、そのためにいかがわしき傾向が出たという話は私は聞いておりません。現に見てもおりません。特に先般の全国中央会の会長の選挙などは、法に基いてきわめて公平に選挙によって行われております。その点は御懸念のところはなかろう、かように思います。
  65. 田中武夫

    ○田中(武)委員 大体私のお伺いしたい点は終ったので、最後に希望を申し上げて終りたいと思います。それは中小企業庁から出されている中小企業対策の現状と問題というパンフレットにも書いてありますが、中小企業の今後の発達のためには、より組織化と組織の強化が必要である、こういうようにうたわれております。またせっかくの中小企業振興のための本法案にいたしましても、中小企業協同組合のあり方ということが、この法の目的とするところをほんとうに実現していけることになるかならないか、こういうことも大きな関係があると思う。何と申しましても現在大資本の圧迫のもとに苦しんでいる中小企業者自体が、自分たちの生活を守り、自分たちの今後の経営を守っていくためには、みずからが団結し、そうしてみずからの力でお互いに助け合っていかねばならない。それにはやはり中小企業の組織化と組織の強化が必要であります。この法律とともに中小企業等協同組合法のより民主的な運営、組織の強化になるような改正、また中小企業庁等のこれに対する適切な行政指導等が必要と思います。こういう点と相待ってより一そう中小企業の育成に効果を上げていただきますように、つきましては先ほど私が質問の中で申し上げましたような点を十分考えていただきまして、この法案がより一そう中小企業のためになるような改正に、さらに一歩前進していくように御配慮願うようにお願い申しまして質問を終ります。
  66. 神田博

    ○神田委員長 次は松平忠久君。
  67. 松平忠久

    ○松平委員 ただいま田中委員から長い間質疑があったのですが、私は重複を避けまして若干の点についてお尋ねしたいと思います。  第一は、この法律のねらっている貸付の対象はどういうところであるか。つまり中小企業はいろいろな金融機関もありましてやっているが、あまりベースに乗らないものも相当ある、そこ一でそういう方面のところをねらっていると思われるのでありますけれども、主としてどういう階層をねらってとういう貸付制度をとられるのか、その点を伺いたい。ということは、借りる方が銀行から借りておってまだ足りないところをこういうものに頼るということもあるし、初めから銀行のベースに乗らない人たちがこういう金融の恩恵にあずかっていこうという気持があるわけですが、あなた方の意向としてはどういうものに対してこういう制度を設けようとするか。しかもこれを法制化しようとするのか。その点をまず承りたい。
  68. 佐久洋

    ○佐久政府委員 貸付の対象といたしましては、採算ベースに乗るか乗らぬかということが必ずしも第一の基準ではございません。採算ベースに現に乗らなくても、設備の近代化によって、しかもそれが輸出産業に寄与し、採算ベースに乗り得るというものはこの対象になり得るわけでございます。全般的に申しまして、ある一つの企業に貸付を行なって設備の近代化をすれば、その能率化あるいはコストの引き下げということによりまして、さらに輸出振興に寄与する、同時にそれが他の業者にも好影響を与えるというようなものが対象になる。抽象的な説明で申し上げますと、そういうことになります。
  69. 松平忠久

    ○松平委員 そういたしますと、採算ベースに乗らないものを主として対象とするというただいまの仰せでありますが、そういう程度のものは一体どのくらいあるか。言いかえれば各府県ごとに特別会計というものを設定さして、そういう対象のものに対して貸付をやる、こういう構想になるわけでありますが、各都道府県にそれらの特別会計は大体どの程度の資金量を持っておればそういうものに対する金融の措置が講じられるか。すなわちこれは第何条でしたかに一定額という言葉を使ってありましたけれども、都道府県における特別会計の資金量の総ワクというものは、五年後において中小企業庁としてはどの程度のことを構想しておられるのか、伺っておきたい。
  70. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは、将来どの程度になれば特別会計としては新しい国の補助なり、あるいは都道府県の一般会計からの繰り入れを受けないで、この事業がやっていけるかということは今のところはっきりわかりません。従いまして法文の上からも一定の金額というような表現をせざるを得ないのでありますが、ただいまの、たとえば来年度の予算と同じようなものを昭和三十五年までつぎ込んだと仮定いたしますと、特別会計の資金としてはざっと五十億程度になるわけであります。
  71. 松平忠久

    ○松平委員 そうすると観点を変えて御質問したいのですが、現在都道府県におきましても貸付のようなものを県独自の立場でいろいろやっておると思いますが、これらの都道府県がやっておるところの貸付制度つまり地方公共団体の持っておる資金によって、銀行と同じような代理業務のようなことをやっているが、その資金というものは各都道府県合せましてどのくらいあるのですか。
  72. 佐久洋

    ○佐久政府委員 普通の、たとえば東京都が零細企業に対して金融を行う、それを信用金庫なりあるいは商工中金というようなところに預託をして貸付をするというのもあると思います。しかしこういう設備の近代化なり共同設備というものに限定されて金を貸していくという制度は、ほかにはないと私は考えております。従ってそういうものが全国に幾らあるのかという詳しい知識を私は持っておりません。
  73. 松平忠久

    ○松平委員 中小企業庁は地方のそういいう中小企業の実態について把握をしていないように思われますが、地方公共団体としては預託制度をとってやっているところは御指摘のようにかなりありますけれども、そのほか直接貸付を近代化のためにやっている都道府県も私は少くないと思います。そこでそういう実情を全然掌握せずして四億程度のものを予算化した、こういうわけでありますが、これはこの法律によると二分の一以下というような書き方をされております。だから都道府県のそういう金を集めれば、必ずや四億以上のものはなければならぬはずだと私は思うのですけれども、そういうのじゃなくて、そういう実情を把握して四億というものを、あなた方の直接やっておった実績から割り出して、そうして予算に計上したということになっておるわけでありますか。
  74. 佐久洋

    ○佐久政府委員 この四億余りを予算に計上いたしましたのは、各都道府県でどういう貸付をやっておるかということとは全然関係なしに計上いたした数字であります御説のように、必ずしも正確無比に都道府県のやっておることを把握はしておりませんが、大体の県の意向を聞いてみましたけれども、県独自でもってこれと同じ制度のものをやっているところは実は私聞いておりません。ただこれと類似のものとしましては新しい設備をある公共機関が貸付をしている、設備機械の貸与制度をやっているというところはございます。
  75. 松平忠久

    ○松平委員 次にお伺いしたいのは、今までの実績について先ほどちょっと御発言がありましたけれども、昭和二十八年度までは大体貸しっぱなしにしておったというような御説明があったわけであります。そこで今までも一億なりあるいは三億なりというような金を、こういうような制度、法律ができる前、現在までに貸しておるわけでありますが、一体それらの実績はほとんど貸しっぱなしというようなことで、どういうふうに回収ができておるのか、あるいはどういうふうにそれが中小企業の振興のために役立っておるのかというようなことは企業庁ではわかっておりませんでしょうか、何かそういう資料のようなものがありましたら、それに基いて御質問を申し上げたいと思います。
  76. 佐久洋

    ○佐久政府委員 昭和二十八年度までのやり方は、原則はやりっぱなしで、ある一定の利益が上った場合には、その利益の中から納税引当金とか法定積立金とかあるいは出資に対する六%の利益配当金額とかいうようなものを控除いたしまして、その残った金額と、それから貸した金を、これは十年で返すということにしてありますから十分の一の金額とを比較して、どちらか少い方を返すというような建前になっております。しかし実際返りました金は、昭和二十三年度の決算におきましては六万六千四百円、二十四年度の決算におきましては六万五千円、二十五年度におきまして三十八万円、二十六年度で七十八万円、二十七年度で二百三十一万七千円、二十八年度におきまして二百七十九万七千円、こういう実績になっております。
  77. 松平忠久

    ○松平委員 今まで、たとえば昭和二十九年度、昨年度というような場合におきまして、三億円とか四億二千万円という予算がやはり計上されておるのですが、それらの予算は大体計画通りに貸付が完了されておりますか。
  78. 佐久洋

    ○佐久政府委員 二十九年度におきましては、共同施設に対する補助金が予算としては二億円でございますが、実際の貸付は一億五千二百万円でございます。それから中小企業の合理化設備に対する補助金は二十九年度が予算として一億円でありますが、実際の貸付は一億二千四百万円、この差額は共同施設に対する補助金の余裕金から回したものでございます。三十年度におきましてはまだ最後の締めくくりが出ておりませんが、共同施設に対する補助金が予算として二億一千万円、貸付は一億七千八百万円でございます。それから合理化設備に対する補助金が、同じく二億一千万円の予算に対して貸付が二億三千七百万円、こういう数字になっておりまして、ほぼ予算に近いところが貸し付けられております。
  79. 松平忠久

    ○松平委員 今の御説明によりますと、昭和二十九年度は予算が余ってしまった、こういうことですか。
  80. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは共同施設に対する補助金と合理化設備にたいする補助金と合計いたしますと若干余りましたのですが、国が出す金額と同額を県が負担するという建前でいっておりまして、県の方の予算がつきそこないましたので、若干余っております。
  81. 松平忠久

    ○松平委員 そういうことが今後も行われる可能性があるのじゃないかと思うのであります。二分の一以内ということになると、結局地方財政の今の赤字状態からいいまして、補助金制度による赤字が非常にふえてきておるわけです。従って昭和三十年度におきましても、ただいまの御説明によりますと、若干余るように私は見ておるのでありますが、いかがでありますか。
  82. 佐久洋

    ○佐久政府委員 今のところの計算では共同施設に対する補助金と合理化設備に対する補助金を合計いたしまして、四、五百万円余るのじゃないかと見通されます。
  83. 松平忠久

    ○松平委員 それは翌年度繰り越しになりますか。
  84. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは繰り越し明許はしてございませんので、繰り越しはできないことになっております。
  85. 松平忠久

    ○松平委員 そういう工合に若干ずついろいろ狂いが出て来るのですが、せっかく計上したものを全然貸付に回さずに繰り越しも上ないということであっては困るのであります。この点は今後気をつけていただきたいと思うのであります。  次に質問申し上げたい点は、先ほども質問が出ましたが、補助率について二分の一以内というお話であった。ところが昭和二十八年度でしたか、あなたの方で出している基準によりますと、二分の一以内三分の一を下らないことということがあるようであります。つまり三分の一以上ということ炉あるけれども、今回のこの法律案の中では二分の一以内ということになっておりまして、これは二分の一以内ということになれば、三分の一だろうが五分の一だろうがかまわぬということになりますが、その辺は実際はどういうところを考えておられるのか、あるいは三分の一以上というような昭和二十八年度の基準に従ったような工合に考えておるのか、そこのところはどういうふうにお考えですか。
  86. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは実は従来共同施設に対する補助金と近代化の補助金と率を違えてやっておりまして、共同設備については二分の一、近代化設備については三分の一ということにしております。その両方を盛った関係でこれは、二分の一以内としておりますが、実際のやり方は従来と同じように、共同施設については二分の一、近代化設備については三分の一、こういうふうにしたいと考えております。
  87. 松平忠久

    ○松平委員 その補助率の数字はこの法律案には書いてないけれども、それは何かの形で、先ほど言われた通牒か何かの形で公表されますか。
  88. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは通牒によって公表したいと考えております。
  89. 松平忠久

    ○松平委員 次にもう一つ伺いたいことは、組合の共同施設並びに中小企業のもろもろの施設に対する貸付が行われるわけでありますが、企業庁の考え方としては、従来からの考え方並びに将来の考え方として、中小企業に対するこれらの貸付の場合において、どっちの方、つまり組合の共同施設の方に重きを賢くという考えに立脚されてやっておったのか、あるいは今後は、そうではなくて、中小企業全般の、組合加入してない個々の中小企業に重点を置いてやっていかれるつもりであるか、その方針を承わりたいのであります。ということは、今までの中小企業庁のとっておる補助金制度を見ますと、いろいろ資金上の区割りを分けておりますが、その分け方が、過去も将来も変りはないのか、どういうお考えでこの共同施設並びに個々の中小企業施設に分けておれらるのか、その辺の基準と将来の考え方を承わりたい。
  90. 佐久洋

    ○佐久政府委員 共同施設に対する補助金は、これはもう組合を対象にするということに当然なるのでございます。中小企業者個々の合理化のための設備に対する補助金、これも従来組合員であることを重点に置いて貸付をやって参りました。と申しますのは、やはり中小企業対策の根本の一つは組織化でありますから、組織化に役立つような補助金の使い方を考えるということでそういうふうになっております。将来もそうしたいと考えております。
  91. 松平忠久

    ○松平委員 組織化というお答えでありますが、私の聞いておるのは、そういう組織化に役立つところの共同施設、そういうものに重点を置いていくのか、あるいは個々の組合員の企業体自体の貸付に重点を置いていくのか、その点のお考えは、今までの実績からいってどうなのですか。
  92. 佐久洋

    ○佐久政府委員 従来の予算に比較しまして三十一年度の予算は共同施設に対する補助金はだいぶ減額になっております。その点から考えて、共同施設に対する補助金は今後だんだんと減らしていくのではないかというような御懸念があろうかと思いますが、共同施設というのは、大体共同加工場とかあるいは保管のための共同倉庫とかあるいは輸送機関、トラックとかいうようなものがおもでありまして、活動している組合に対しては大体一わたり行き渡った状態でございます。しかし先ほど申しましたように、まだ休眠状態の組合も相当ございまするので、そういうものは今後の啓蒙指導で目をさまさせる。それによっておのずから共同施設の必要が出てくるであろうということで、三十一年度は減額いたしましたが、今後は組合活動の活発化に応じまして、増していきたいというふうに考えております。従いまして中小企業協同組合に対する補助金と中小企業者の合理化のための設備に対する補助金と、いずれを重点に置くかということは、事の性質が違いますので、両方とも重点を置くというふうに考えております。
  93. 松平忠久

    ○松平委員 その次に伺いたいのは監督の問題でありますが、企業庁のこの制度に対する監督はどの程度の監督を都道府県に対してなさるのですか。
  94. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは従来の補助金をやった場合の監督と別に変ったところはないのでございまして、実際の貸付をやる場合は、事業計画を作らせて、それに基いてやっておるかどうかというような監督、それから経理状況の報告、調査、それから同時、に例の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これに基く監督、こういうことになっております。
  95. 松平忠久

    ○松平委員 これは特別会計を作るのは都道府県で条例によって作ることになると思う。そこであなた方の示される基準をもとにした条例を作らせるということになるのではなかろうかというふうに私は思うのでありますが、その点に関して、この条例は作りっぱなしでよろしいということにお考えですか。都道府県がやることに関しては、今あなたの申されました監督以外のことは全部やらない。すなわち各都道府県で勝手に条例を作ってよい、こういうふうに考えてよろしいか。
  96. 佐久洋

    ○佐久政府委員 貸付の主体は国でありますから、従って条例自体にまで干渉するつもりはございません。
  97. 松平忠久

    ○松平委員 最後に伺いたいことは、今まで数年の間こういう制度をやってきた、そこで今度はこれを立法化していくということでありますが、この今までのやり方をさらに立法化していくという根本的な理由を伺いたいのであります。提案理由の中には若干それに触れておりますけれども、もっとつき進んで、この法律を作らねばならない今まではなかったのでありますが、法律がなければ不便であるというふうにお考えになったのだろうと思いますが、その根本的な理由というものはどういうところにあるのか。つまり、こういう法律を作れば大蔵省に対して要求しやすいとかいろいろ考え方があると思います。一つその点についての腹を伺いたい。
  98. 佐久洋

    ○佐久政府委員 従来この補助金は、昭和二十九年度からは若干観念的には明確になったのでありますが、それまでは純然たるやりっぱなしの金なのか、あるいは貸付であるのか、その辺が実にはっきりしないのであります。従いまして、返還をさせるべきであるか、させないでもいいのかということが始終議論に上って、そのつど紛糾を起しておったのであります。と同時に、それを解決したいというのが一つのねらい、と申しますのは、例の補助金等の予算の執行の適正化に関する法律によりましても、また現在御審議を願っておりまする債権管理法によりましても、この種の貸付金をどう扱うかということがはっきりしないわけです。そこで別個の特殊の法律を作るということが、その点を明確化させる上からよろしいというのが一つ、それからもう一つは、貸付の場合にその運営に弾力性を持たす、つまり各地方の中小企業の状態を最もよく把握しておる都道府県に貸付の自主性をもっと持たせるというねらいが一つであります。それから将来貸付の財源を、その年々の予算でもってふえたり減ったり、大きな変動をさせないで、安定した貸付をやっていきたいという点が一つ、以上の諸点から考えまして立法いたしたわけであります。
  99. 松平忠久

    ○松平委員 私の質問は大体以上で終りますけれども、最後にずっと今までの田中委員との間の質疑応答を聞いておりますと、中小企業庁においては地方の実情を把握せずして、こういう制度を推進しておられるようである。私は企業庁はもっと地方の実態を把握されて、そしてかかる制度を作っていただきたいと思うのであります。ということは、どの程度貸付の対象になるものがあるかということもあまり把握されておらない。従って五年後にはどの程度の特別会計を作ったらいいかという構想もなく、そうして過去の実績だけで、しかもそれもあなた方だけの認識に基いてやっておられるというところに、非常に誤差があるのじゃないかというふうに思うのであります。従ってもっと地方の実情を把握して、実態に即するような制度を将来は作っていただきたいということをお願いしまして、質問を終ります。
  100. 神田博

    ○神田委員長 多賀谷真稔君。
  101. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 中小企業振興資金助成法というのが今成立を見んとしておるのですが、しかしながらその予算を見ますと、四億円しかない。一府県当り平均数百万円、こういう程度です。どうも私は最近の政府の五カ年計画を見ましても、中小企業の振興については重点的に考えておる。第二次産業をとりましても、大企業では雇用の増加は見られない、全部中小企業にそのしわ寄せをされておる。こういうような政策が打ち立てられておる。ですから、中小企業の振興ということは政府の一大重点施策でなくちゃならぬと思うのですが、どうもこの法律にいたしましても抜本的な政策ではないようにうかがわれるわけであります。  そこで私は長官にお尋ねいたしたいのですが、長官はかつて予備隊の補給関係もやっておられたので、私は状況がよくおわかりと思うのですが、一体日本の官需、要するに政府調達の需品の中でどの程度が中小企業に発注されているか、これをまずお聞かせ願いたい。
  102. 佐久洋

    ○佐久政府委員 実は正確な数字は私持っておりませんが、中小企業者に対する発注というのは、物によってはもちろんありますが、総額の中に占める割合は比較的小さいというふうに私は思っております。この点は各都道府県の県庁なんかの用度品その他の調達の場合におきましても、もっと中小企業というものを利用してほしいということを私はかねがね申しているような状況でございまして、まだまだ将来伸ばし得る余地があるのではないかというふうに思っております。
  103. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 各国の中小企業の政策を見ましても、日本はこれだけ中小企業問題が大きいのに、比較的政策が十分に行われていないと思うのです。今私がお聞きいたしましたのは、実はアメリカのような資本主義の、しかも割合済経の繁栄している国ですら、中小企業に対する政府の発注というものは、あらゆる法規の中にその規制をしている。ことに第二次世界大戦後には、政府調達の中小企業に関する規定というのがどの法規にも入っている。そうして陸軍、海軍、空軍、あるいは軍需以外の政府の需品に対して発注する場合には、この程度しなければならぬ、こういうようになっているわけです。さらに宙小企業専門官といいますか、スペシャル・リストというものを設けて、そうして徹底的に中小企業の内容を調べて、政府調達の需品の中で中小企業に適するものはこういうものだ、これは大企業でなくては発注はできない、こういうことで、アメリカにおいてすらも、中小企業の振興政策といいますか、そういうものをみずから政府でやっている。ですから、政府が自分が調達する需品について、ほんとうに中小企業がかわいければ、――アメリカにおいても、下院の小企業委員会では、三五%を目標に政府調達を行えというように勧告をしている。実際は一それほどではありませんけれども、アメリカでもこういう努力が行われている。ましてや日本では中小企業政策が決していい政策でないのでありますから、その振興のために政府の需品を発注する、こういうことが好ましいと考えるわけです。企業庁の方では十分に調査をされていると思うのですが、法律というわけでないのですが、あらゆる調達の指示、指令、こういうものを含めて広義の法規の中に入っているが、こういう規定を今後考えられる意思はないかどうか、お尋ねしたい。
  104. 佐久洋

    ○佐久政府委員 中小企業の振興対策として非常にいい御意見を聞かせていただきました。私もできるだけこういう態勢ができることを期待しておりますので、十分検討いたしたいと思います。
  105. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 政務次官にお尋ねしますが、国産奨励といって、自動車でさえ外国車がどんどん入っておるのに、通産省では最近割合国産車をお使いになっておるようですが、こういう問題にすら、政府は需品が日本にもあるにもかかわらずわざわざ外国から買ってきておる、こういう状態で一体中小企業の方に重点的な発注ができますか、またよほどの政治力がなければ私はできぬと考えるのですが、政府のお考えをお聞かせ願いたい。同じ防衛庁なんかにいたしましても、たとえば飛行機の問題とかあるいは船の問題、軍という言葉を使うと語弊があるかもしれないが、要は海の自衛隊の方、こういうものは中小企業に適するものはなかなか少いと思う。アメリカあたりでもそうなっておる。ところが陸の自衛隊になりますと、その発注が中小企業に適しておるものが相当多いわけです。あるいは都道府県の需品調達においてもしかりであります。アメリカでも需品調達がすでに五〇%以上を中小企業が占めておる。ですから、私は日本でも政府みずからこういう分野を開拓すべきであると考えるが、一体政務次官はどういうようにお考えであるか、お聞かせ願いたい。
  106. 川野芳滿

    ○川野政府委員 中小企業に対する発注を希望するには中小企業の実力をつけなければならぬ、こういう点から、中小企業においては実は現在設備の近代化等をはかって中小企業者の実力をつけるように努力をいたしておるような次第であります。政府といたしましても、もっともな御説でございますから、そういうふうに中小企業者に実力をつけまして、できるだけ中小企業に発注させるように今後努力をいたしたいと存ずる次第でございます。
  107. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 実はその実力をつけるということですが、アメリカでもやはり日本と変らぬ点があると見えて、戦争復興金融会社というのがあったが、これが政治資金を出してスキヤンダルが起きて解散になって、今の小企業庁というのが現れたのですが、アメリカでは政府の調達をした場合には、必ず小企業庁で金融をつけてやる。要するに政府の注文をとった企業家にはその行政庁で必ず金融をつけてやる。ですから実力が伴うわけです。発注した場合には必ず政府責任を持って金融をつけてやるのですから、品物さえ納めれば必ず代金は入ってくる。そういうようにしなければ、実力がつくまで待っておったのでは結局つぶれてしまう、かように考えるわけです。そういう点も十分に研究していただいて、何でも近頃はアメリカばやりで、日本でもずいぶん翻訳もあり、また外国雑誌紹介されておるのですから、そういう点、一つ根本的な対策を立ててもらいたい。私はこのことを要望いたしまして質問を終ります。
  108. 神田博

    ○神田委員長 次は永井勝次郎君。
  109. 永井勝次郎

    ○永井委員 大臣が来たらお尋ねしたいと思ったのですが、影も姿も見えぬのですが、中小企業の振興の問題について、長官はたとえば中小企業金融公庫、こういうものを作ればこれで中小企業に対する金融は足りる、中小企業安定法、こういうものを作ればこれで中小企業は安定だ、あるいは中小企業振興資金助成法案、こういうものを出せば振興ができるのだ、こういうふうに特殊なそれぞれの法案と措置によって中小企業の振興ができる、こういうふうに考えておやりになっておるのかどうか。たとえば下請法案を出せばそれでよろしい、百貨店法を出せばそれでよろしい、こういうように個々ばららばらな法案を無計画に、そして世論の起ったような問題を一つ一つ非常に遠慮がちに出して、それで中小企業は安定する、こういうように考えておるのかどうか。そしてこの法案がどのくらい中小企業の振興に対して効果をもたらすものであると理解し、またそういう計画のもとにこの法案を出されたのかどうか、これを棉円いたいと思いす。
  110. 佐久洋

    ○佐久政府委員 中小企業の問題は従来非常に論議されていながら、なかなかいい対策も出されない、また中小企業者の状態も政府の対策に応じてよくなつていかないという点は、結局根本的に非常にむずかしい問題が伏在しておる関係と思います。もちろん各法案を出すような場合に、それを出せば問題がもう解決するのだというような気持で出しておるのではないのでありまして、若干、でも中小企業の状態をそれによってよくしたい、そのあともちろんいろいろの手を考えなければならぬ、そういう趣旨で出しておりますので、決してこれで満足しておるというようなことではございません。  なおこの法案がどの楳度の効果を生んでおるかということでございますが、数字的にどれだけの効果があるかということは、なかなか効果としては出ません。個々の、たとえば合理化の資金を貸し付けた場合に、企業の合理化がどの程度なされたか、あるいはコストがどの程度下ったかということの資料はございますが、数字的にどれだけの効果と申しますと、ちょっと的確には申し上げかねます。
  111. 永井勝次郎

    ○永井委員 中小企業の安定というのは、今多賀谷君が言ったように、日常の経済活動が、これが安定するかどうかということの基礎的な条件であって、特別なこういう法案、あるいは経済的な措置というものは、これはそこに生れてきた特殊な条件を補完する、こういう意味のものでなければならないと思う。それが、中小企業の安定の基盤である日常の経済活動の分野においては、独占資本の強化をはかって、中小企業の搾取をはかり、息の根をとめるような日常の政策を行なっておいて、そうして罪滅ぼしのようにこういう法案をちょびり、ちょびり出してきて、それで中小企業の安定だ、そんな寝ぼけていたようなことを言っていては中小企業は浮ばれない。日常の経済活動が中小企業安定の基盤だ、そしてこういう法案はそれの補完的なものとして助長していかなければならぬ、こういうふうにわれわれは考えるのであるが、どういうふうにお考えになっておるか。
  112. 佐久洋

    ○佐久政府委員 もちろん仰せの通りに法律自体でもって中小企業の救済が完全にできるとは私は考えておりません。日常の経済活動というものが基盤であそことは御説の通りたと思います。ただ、私どもが国会において御審議願っておりますのは、こういういろいろの方法をとることによって若干でも経済活動の安定化に役立つのではないか、こういう趣旨から御審議を願っておるわけであります。
  113. 永井勝次郎

    ○永井委員 この法案は、中小企業振興資金助成法案という非常に大げさな一看板であります。そうして特別会計を作って、特別会計でやる。かまえは大へん大げさなんですが、この中身を見たら幾らの中身なんですか。そうして、末端の都道府県に行くと幾らの金になっておるか。これで幾らかでも足しになるとかなんとか、こういう口先だけのことを言っていてはいけないのでありますが、まあ今年は予算の関係で少いとしても、今後これは年次どのくらいの予算でやるか。この振興の内容の充実について、どういうプログラムで今年これを発足されようとするのか、第一年次は仕方がないとしても、これからのプログラムをちょっとお伺いしたいと思います。
  114. 佐久洋

    ○佐久政府委員 これは今後の問題でありますから、金額を幾らということはちょっと申し上げられませんが、私どもとしては、もちろん来年度のこれくらいの金額でもっては満足しておりません。できるだけ増額をはかっていきたいと考えております。
  115. 永井勝次郎

    ○永井委員 私は通産省の中における中小企業庁の行政上の位置というものが、、実際においてどういう位置になっておるのか、一年々々地すべりをして、最初作ったときは大へん重要な位置のようで、あったのですが、だんだんだんだん地すべりしてしまって、いつの間にか土台も何もゆがんでしまって、このごろは口の先でラッパを吹くだけで、中身は何もない、こういう位置にすべり落ちているようであります。従ってその中から何とかしなければならぬという叫びをあげてこういう法案が生まれてきたのだと思うのですが、それにしても中小企業庁はその中でがんばって、独占資本の中で圧殺されようとしておる中小企業の日常の活動の中でその地盤を固めて、そうしてこれからだんだんやるといっても、中小企業振興資金助成を四億で出発するなんという情ない状態にならないように一つやってもらいたいと思うのであります。大臣がいませんから、行政庁にいろいろこういう政策的なことをいっても無駄だと思いますが、あまりどんどん地すべりしないように一つがんばってもらいたいと思います。
  116. 神田博

    ○神田委員長 これにて質疑は終局いたしました。  ただいま委員長の手元に、小笠公韻君より本案に対する修正案が提出されております。この際、提出者の趣旨説明を求めます。小笠公韻君。
  117. 小笠公韶

    ○小笠委員 修正案文を朗読いたします。    中小企業振興資金助成法案に対する修喜正案  中小企業振興資金助成法案の一部を次のように修正する。   附則第一条中「昭和三十一年四月一日」を「公布の日」に改める。  本案の提案の理由につきましては、申し上げるまでもなく、本日は三月三十日であります。本院を通過いたしまして、参議院の審議を考えまするとき、政府原案による施行期日は不可能であります。この意味におきまして、本修正案を提出いたした次第であります。
  118. 神田博

    ○神田委員長 本修正案に対する質疑があればこれを許します。――質疑がないようでありますから、中小企業振興資金助成法案並びに修正案を一括して討論に付します。討論の通告がありますのでこれを許します。松平忠久君。
  119. 松平忠久

    ○松平委員 ただいま議題となりました中小企業振興資金助成法案並びに小笠君より提出されました修正案に対して、日本社会党を代表して若干の意見をまぜながら賛成の意向を表明するものであります。  中小企業振興資金助成法案は、先ほど来の質疑応答によって明らかでありますが、従来の中小企業庁のやりっぱなしの補助金政策では困るので、一応これを制度化して何とか立法化していく、こういう趣旨で出されたのでありますけれども、その内容は同僚委員が申されましたように、きわめて羊頭狗肉的な内容を持っておるのでありまして計画性も非常に乏しい。つまり五カ年計画によるところの見通しを持って、そうしてどの程度の資金量を特別会計において持たせるかということについての構想というものは全くなく、ただ従来の補助余のやり方を継承しておるわけでありまして、この立法化の理由としてはきわめて薄弱であります。しかしながら、一応今までやっておったことについて反省をされて、そうしてこれを橋頭屡として中小企業の振興のための資金助成について一段の努力をするという表示もあるのでありますから、私どもはその意味において賛成をするのであります。  しかしながら、この法案の成立に当りましても、私どもは四億二千万円程度のものではとてもだめであって、予算の裏づけを相当考えてもらわなければならないし、また同時に地方の中小企業の種々の実情というものをよく把握されて、これに合うような政策に持っていかなければならぬと思うのであります。それらの点につきましては、この法の運用についていずれ附帯決議等も出しまして政府の向うべき道を明らかにしたいと思いますから、これは省略いたしますが、以上の意見を申し述べまして、この中小企業振興資金助成法案に賛成するものであります。  なおまた小笠君の動議に対しましては、これは理の当然でありまして、説明をする必要もないのであります。その意味においてこの修正意見については賛成の意を表するものであります。
  120. 神田博

    ○神田委員長 これにて討論は終局、いたしました。  次に採決に入りますが、まず小笠公韶君提出にかかる中小企業振興資金助成法案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  121. 神田博

    ○神田委員長 総員総員。よって修正案は可決せられました。  次に修正部分を除く原案について、採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  122. 神田博

    ○神田委員長 起立総員。よって本案は小笠公韶君提出の修正案の通り修正議決すべきものと決しました。  ただいま松平忠久君より本案に対する附帯決議案が提出されました。まず提出者より趣旨の説明を求めます。松平忠久君。
  123. 松平忠久

    ○松平委員 ただいま委員長の報告がありました通り、本法案に対して次の附帯決議を提出いたしたいと思います。まず本文を朗読いたします。    中小企業振興資金助成法案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の運用に当って、本法の趣旨を公正に達成せしめるため、左記の諸点につき特に留意努力すべきである。    一、地方の一部特定勢力に悪用されることなきよう、万全の措置を講ずること。    二、補助予算額を大幅に増額するよう、格段の努力をすること。  以上であります。  この附帯決議の趣旨は、説明するまでもなく、先ほど来の質疑にもありましたが、現在の中小企業協同組合等におきまして見られる現象の一つといたしましては、地方において一部ボス的な勢力というものがこの間に介在をして、いろいろな方面に勢力を張っていくという傾向が見られるのであります。これはこの法律の趣旨にも反しますし、いろいろな悪影響がこれによって生ずるのでありますから、これを未然に防がなければならない、この芽をつみ取らなければならないのであります。しかるに今回のこの中小企業振興資金助成法等が出ますと、そこに金がついてくるのでありますから、自然金と勢力との関係というものができる。従って今まで頭を持ち上げてきつつあるところの一部の小さなボス的な勢力が、だんだんこれによって勢力を得ていくというような傾向がないとも限らないのであります。従ってこの法の運営に当っては、それらの一部ボス的な勢力に悪用されないように、十分な措置を講じ、十分な警戒をもってこれに、臨まなければならないことは申すまでもないのであって、これがこの附帯決議の第一の理由であります。  また資金の総額につきましては、これまた四億何がしの金であります。が、これだけでは、金融の対象にならない中小企業の階層についての金融としては、きわめて不十分であって、これらについては、政府においても大体その数というものは把握しておらないようでありますが、この金融機関のベースに乗らない中小企業というものが圧倒的に多いのでありますから、府県に直して分配しますと、たった一千万円そこらの金においては、とうていその目的を達することはできない。従ってこれを早き時期において増額して、この法の命ずるところの趣旨の達成に努力しなければならないことは当然であります。従って政府におきましては、機会あるごとに補助予算の額の増額に対して格段の努力をすることを政府御当局に要望したいのであります。   以上がこの附帯決議の趣旨でありますので、何分皆さん方の御賛成を得たいと思うの。あります。
  124. 神田博

    ○神田委員長 それでは松平忠久君提出の附帯決議案について採決いたします。本附帯決議案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  125. 神田博

    ○神田委員長 起立総員。よって本案には松平忠久君御提案の通り附帯決議を付することに決しました。  この際石橋通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。石橋通商産業大臣
  126. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 まず個人的のおわびを申し上げますが、ちょっとかぜを引きまして、十日ばかり欠席いたしましたことは恐縮でございます。  本日は中小企業についての法案の可決があり、かっただいま附帯決議を付されました。附帯決議の御趣旨については、われわれもむろん何ら異論のないところでございます。努めて御趣旨に沿うように今後努力いたしたいと思います。
  127. 神田博

    ○神田委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  129. 神田博

    ○神田委員長 この際昨二十九日本委員会に付託せられました地方自治法第百五十八条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの作を議題とし、その審査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「、県議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認めます。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。  まずその趣旨の説明を求めます。石橋通商産業大臣
  131. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 繊維製品検査所は、輸出品取締法に基いて、輸出絹、人絹織物の検査表示を行うとともに、その他の輸出繊維製品については、民間検査機関において行う検査表示の監督を実施する国の行政機関でありまして、現在京都以下八カ所に本所を、東京以下二十五カ所に支所及び出張所を設置してあります。  今回繊維製品検査所の出張所を設置しようとする和歌山県高野口地方は、戦前から輸出入絹シール織物の生産が旺盛でありましたが、戦後においても昭和二十五年ころより輸出の引き合いがあり、その生産高も逐年増加し、昭和三十年における出張検査高は約四百五十万ヤールに達し、戦前に比較し約五倍の検査高であります。よって検査業務の能率を上げ、業界の便宜をもはかるために、同地に神戸繊維製品検査所高野口出張所を設置しようとするものであります。なおこの設置につきましては、人員ならびに経費の増加を必要としないのでありまして、現行予算の範囲内で検査の能率的運営をはかり、品質の改善と海外における声価の向上に費そうとするものでありますから、よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  132. 小笠公韶

    ○小笠委員 本件につきましては質疑および討論を省略して、直ちに採決せられんことを望みます。
  133. 神田博

    ○神田委員長 小笠君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認めます。よって質疑討論を省略して、直ちに採決することに決しました。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。本件は、承認を与えるべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認めます。よって本件は承認を与えるべきものと決しました。  この際お諮りいたします。本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
  137. 神田博

    ○神田委員長 この際理事会の申し合せにより、バナナ等の輸入問題について調査を進め、石橋通商産業大臣に対する質疑を許したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 神田博

    ○神田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  バナナ等の輸入問題について調査を進めます。石橋通商産業大臣に対するる質疑を許します。佐竹新市君。
  139. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 この特定物資輸入臨時措置法案が本委員会に提案されましたのは二月二十一日でございましたが、本格的に審議するようになりましたのは三月八日からでございます。自来六日間の審議をいたしましたところが、われわれのおらぬ留守に突如として与党の方で動議を出されまして、この採決を強行されたのであります。われわれは一般通産行政に関しまして質疑が残っておりますから、今日までずっと質疑を続けておるわけでありますが、この際大臣にお尋ねしたい点は、何といたしましても、今度の臨時措置法で差益を吸収いたします一番大きな問題はバナナでございますけれども、このバナナについてわれわれが審議をいたしました経過を考えてみますと、まことに無理があるのであります。市場法の改正あたりはわれわれは相当日にちをかけて審議いたしましたけれども、何といたしても無理があり、こういうことによっていわゆる特殊な業者を入れ込んで入札をさせられたということで、輸入秩序を混乱させられたのであります。これは与党によって決定されました附帯決議にも明らかにうたわれておるのであります。外貨を割り当てます点につきまして、あるいは入札をする点につきまして、通産省の内部には非常に奇怪なことが多いと思う。これは石橋通産大臣は御存じにならぬかと思いますが、非常にゆゆしい問題があるのであります。たとえて申しますならば、非常にぜいたく品といわれておりますところのレモンのごときは、先般も樋詰政府委員の方からちょっと触れられておりましたが、アメリカのサンキストから入れまするところのレモンは、これも今度の特殊物資輸入臨時措置法に当てはめるようなことも考えられる、こういうようにいわれております。しかしながらレモンは、大臣はおわかりにならないかもしれませんが、大体一万五、六千ドルの外貨が病院やあるいはホテルに割り当てられて、そこで輸入したものを使う、こういうようになっておるのでありまするが、私は最近のいろいろな情報をとってみますると、通産省輸入許可がはっきりしていないにかかわらず、昭和二十九年から三十年、三十一年にかけて、今問題になっております河野農林大臣の競馬馬を扱いました藤井商店が莫大なレモンを入れておる。これらは一体どういうことによってそういうレモンが入っておるのでありますか。世上うわさされておりまするところによると、二十九年、三十年、三十一年、ことしも今こういうものが入っておる。これは一体どういう経路をとって入っておるか。総計して二十五、六万ドルとうわさされております。こういうばかばかしいレモンは、現に神田の市場に――サンキストのレモンは国内のレモンとは違い、しるしがついておりますからよくわかります、そういうレモンが入っておる。一体どういう経路をもって通産省はこういうものを許されておるのであるか。われわれの聞いておるところによれば、無為替で入れておるといわれております。それは一藤井商店の力をもつてしてはなかなか入らない、何かそこには裏がある。あなたはお知りになりませんが、これは通産省の人はおそらくみんな知っておるはずなんだ。また警視庁、検察庁はこれに手を入れて調べておる。だからこういう輸入の問題で、単にバナナだけでなしに、こういうように裏をくぐって、そして通産省の内部の一部と連絡があるかないかは知りませんけれども、とにかくアロケーションを偽造して、そしてそれを繰り返しやっておるような気配が相当にあるのであります。現に門司、神戸、横浜、はなはだしきに至っては、昨年度のごときにおいては東北の塩龍、あの辺からも三回ぐらいにわたって入れておる。一体こういう経路は通産省はよほど考えていかなければいけないと思う。われわれは今回のバナナの問題を審議してみますと、まことに農林省の行き過ぎがあります。農林省は農水産物のかんけいにおきましていろいろ通産省との共同関係がありましよう。協議をしなければならぬ点がありましょう。しかし輸出入の所管の窓口は何といいましても通産省であります。あなたの所管でございます。これを河野農林大臣は市場法の改正をむちゃくちゃに今度やられておる、こういうことになってしまいますと通産省の窓口は乱れてしまうのであります。中にはそういう政治的なテコ入れをやられますと今のレモンのような問題が生まれてくるのであります。藤井一雄という、まだ三十歳の若い男でありますが、これは今アメリカから馬を積んでくる途中で近日横浜に着きますが、おそらく逮捕せられるでしょう。こうなりますと相当な問題が起きてくると思う。通産省の割り当てたホテル、あるいは外人の泊るホテル、病院以外に莫大なレモンが入っておるが、一体この輸入の経路を通産省はどのようにお考えになるか。この点について大臣がお知りにならなければ政府委員の方から御答弁を願いたい。
  140. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 農林水産物については、的確なことは存じませんが、いろいろなうわさは多少耳にいたしますが、十分その窓口を調査して間違いのないようにするように、場合によったら相当の処置をしなければいかぬということを、私はかねがねやかましく言っておりますので、今その一調査をしておるはずであります。お話のようなことも頭に置きまして、十分調査を進めて、しかるべき処置をしたいと存じます。
  141. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 それだけたくさんのレモンを入れるとしますと、やはり一応アロケーションが出ていなければ入れられぬと思う。現に盛んに入れておることははっきりしておる。神田の市場に相当出ておることははっきりしておる。大臣はそういうこまかしいことは知らないでしょうが、バナナの問題と同時に、この藤井商店が相当なものを入れておるということは、特殊物資輸入臨時措置法、差益徴収の問題から考えまして、バナナだけでない、この問題が明らかにならない限り、私はこの法案を上げるということに対しては反対であります。大臣でおわかりにならなければ、後刻通産省責任ある担当局長なり次長なりあるいは課長なりが出てきて、そして詳細に調べなければ本案本会議で上げることには反対であります。どうしても納得がいきません。しかも問題の競馬馬を扱いました藤井商店がやっておる。一体どうしてさようなことをしておるか、この点を明らかにしてもらわなければこの法案を上げることはできません。
  142. 神田博

    ○神田委員長 今通商局長を呼んでおります。日比野農水産課長が見えておりますが、担当は何か輸入二課で、自分の担当じゃないと言っております。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  143. 神田博

    ○神田委員長 次は加藤清二君。
  144. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 病気上りの大臣はお気をつけなすってどうぞ。この間うち本会議場で弔詞を読むことがはやるようでございますので、大事な大臣のからだでございますから御健康に御注意なさって下さい。  私の承わりたいことは、本法案に関しましてバナナと時計の問題でございます。その前に大臣に一つだけぜひ知っておいていただきたい。それは本委員会における審議をスムーズに行おうTと私どもは協力をしている。ただいまもすぐに賛成してやったでしょう。ところがこれを部外においてじゃまをしている面が非常にたくさんございます。たとえて言うと、百貨店法のごときは私ども社会党が引き延ばしをしているからそれで法律が上らないのだ、こういうことを通産委員にあらざる人が他の演説会場で述べているという向きがございまするが、決してそうではございません。   〔委員長退席、小平(久)委員長代理着席〕 そういう点をあなたの党の方で許されるということに相なりますると、私どもも覚悟を新たにしてこれに対処しな一ければならぬということに相なりまするが、大臣百貨店法をわれわれが引き延ばしたとお考えになりますか。も上そうであるとするならば、前国会に出したところの法案を握りつぶしたのは一体だれであるかお尋ねしたい。この法案が提案されておってもなお審議に入らないのはあなたの方が予算関係の法律だけを先にしてくれとおっしゃったればこそそホに協力をしているのが実態なんです。こういう点を党へお帰りになりましたら大臣の権限をもってこの局外の何も知らない者が、演説の材料や党利党略のために本委員会の法案審議のことを品にしないようにしておいていただきたい。これが第一点。一次に第二点は、バナナに入りまするが、御承知の通りバナナと時計の問題一が延びておりまするのは、大臣の答弁がなかったからでございます。大臣の答弁のいかんによってはこれはきょう上るか上らないかこういうことに相なるのでありまするので、大臣もそのおつもりで一つはっきりとお答え願いたいと存じます。まず今度のバナナの問題につきましては、御承知の通り業界が非常に混乱をいたしております。バナナのインポーターの数をふやすということについては私どもも賛成でございまするが、そのふやすということの処置の結果は今まで一度も扱ったことのない業界が一挙にこれを獲得してしまって、今までの業界は手をあげてしまっておる。扱うものが全然なくなっしまった。しかもその新しくとった加工業者なるものは、加工業者が総体でなくしてほんの一部分なんです。この人が年間の半分を独占してしまった。従って今までのバナナによって生活しておりましたインポーターは、全然仕事がなくなっちゃって、毎日国会へお参りするより手がない、こういうことになっておりまするが、この処置について大臣はいかようになさろうとしていらっしゃいますか、その点をお尋ねいたします。
  145. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 第一に、加藤君からこの商工委員会においては社会党の諸君が法案の審議に御協力下さっておる、にもかかわらずそうでないような宣伝をする者がある。これは私はだれか知りませんが、私は少くとも商工委員会に関する限りは、社会党の諸君が非常に協力を下さっておることを十分に認識いたしております。ただしそれに対してとやかく外で言う者を私が追っかけ歩いて、一々その言葉を押えるわけにもいきませんから、気がつきましたときには注意を与えることにいたしまして、どうかその辺でごかんべん願いたい。  第二のバナナの問題は、この間からいろいろ御質問もあり御意見もありまして、御意見のあるところは十分承知いたしました。その際も申しましたが、新しく若干の者の希望に従って輸入業者の数をふやして、そしてこれに払い下げの手続をとりましたときにも、あらかじめ私から声明をいたし、またジェトロからも公式に発表いたしましたように、今度の処置によってたまたまバナナの輸入に参加したものの実績は今後認めない。これは別問題だ。今後は今後で別に考えてやるのであって、今回の輸入実績というものを将来の実績として考慮することはしないということをはっきり申しております、これが一つ。従って今後バナナをどういうふうにして輸入するかということにつきましては、なお皆さんの御意見を十分承わって、通産省としても間違いのないように、バナナはああいう特殊の物資でありますけれども、円滑に輸入が行われるように努力したいと思います。それから今後続けていつやるか、バナナの輸入の発表をいつするかというような問題につきましては、ただいま御承知のように台湾との通商協定が始まっておりますので、話し合いがつきましたら、これは話し合いのつき次第、手続の必要な時間は入用でありましょうが、できるだけ急速に輸入発表をいたしたい、かように考えております。
  146. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 次期の外貨の割当の時期でございますが、ただいま割当になっておりまするものを見ますると、四、五、六のところは、御承知の通り日本国内におけるくだものの端境期でございます。この端境期に当てて、くだものの需給をはかろために台湾の耕作考は、この時期にこそ日本へ多く向けられるように耕作ができて、出荷の準備ができておるのでございまするが、このたびの外貨割当によりますると、二三%と見積りましても十八万かご程度のものが華僑の手に渡っているわけでございまするが、これが半分でございまするので、大体十万かご程度、これが四、五、六に分けられているのでございます。わが党の調査によりますると、四月が三万かご、五月が四万かご、六月が二万かご、こういうことでございますが、年間の去年までの契約は六十万バスケットでございます。そういたしますると、平均六万かごというのでございまするが、平均でさえも六万かごなんです。ましていわんやこの端境期にかけては、当然のことながら少くとも八万、九万から十万かご程度は入れられなければならないのでございまするが、それが四、五、六の三カ月に当って三、四、二というような順序に相なって、これじゃ半分にも満たない、こうなりますれば、先日農林大臣が答えられなしたところの、この期に絶対国民に高いバナナを食わせないようにするといわれたことは、から手形に終るという結果に相なりまするが、これについて内地の割当を受けました全芭連におきましては、四、五、六にLCを開くところの準備が行われているのかいないのかということが問題でございます。保証金でさえもなかなか積むことができなかったような加工業者が、果してLCを開く場合の金融措置がスムーズに行われるかいなかは、国民ひとしく心配しているところでございますが、これに対して、もしできなかったら、一体大臣はどのようにお考えでございますか。十二月まで引き延ばし引き延ばして、月にちょろりちょろりとネズミが引くようなやり方をおやめになる御予定でございますか。この点をはっきりとお答えいただかないと、あなたのお答えは抽象論に終るわけでございます。空理空論はわしらの方の専売特許だということだが、これが保守党の専売特許になってはもとかわいそうだと思いますので、あくまで具体的にお答えを願いたい。
  147. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 全芭連がLCを開かないということで、バナナが入るのが非常におそくてますます値段が高くなるのじゃないか、その場合の政府の対策いかんといったような御質問だと思いますが、(「その通り」)われわれの方といたしましては、LCを開かないというものに対して、LCを開けと強制することはでかない。いつまでも開かなければ当然割当が消滅するということでございますが、先ほど大臣から答弁申し上げたと思いますが、できるだけ早く三十一年度の割当というものを、この法案の御審議が終り、日台協定が成立を見た上で、われわれの方としましては四月の半ばくらいまでにはぜひ済ませたいというふうに考えております。そうなりました場合に、できるだけ早く次の割当をするということで、その際には当然従来の貿易の実績者等が相当割当を受けるわけでございますが、そういうような方々がそのときすみやかに入れるというべきである。特にそういうふうに高いときに入れれば、だれでももうかるわけでございますが、そのときに今非常に高いのだから、この際入れれば自分ももうかるということであれば、そういう方はLCを当然急いで開くのじゃないか。またこれはいつまでも開かぬでおるということになりますと、せっかくもらった外貨を捨てざるを得ない。しかもくだものが国内に非常に出回ってきたというような時期にまで延ばすということになると、いつまでもバナナが高値もできないというような関係もありますので、私どもの方といたしましては、三十一年度の割当ができるだけ早く行われるということになりましたならば、これは加藤先生が今おっしゃいました御懸念は、その割当のあとではほとんどなくなりはしないかと考えております。
  148. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 ただいまのお答えは、こう解釈してよろしいですか。次期の割当を可及的すみやかに行う。行なった場合には新しくアロケーションなり何なりをもらった人が追い打ちをかけて、四月、五月が全苗連ないしは華僑のLCがすでに開かれておる、それに乗っかって、四月、五月に次に受けた人も同じように輸入ができる。こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。   〔小平(久)委員長代理退席、委員長着席〕
  149. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 その通りでございます。
  150. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それでは承わりますが、これは大臣にお尋ねいたします。ただいま日台協定が台湾において行われておるようでございます。これが延びて延びて、延び延びになっているようでございますが、この三十一年度の割当は、台湾の協定が締結された後に行われるのか、あるいはそれが途中においても第一・四半期だけは行われますのか、ここが問題でございます。これはいかがでございますか。
  151. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 バナナなりに限りまして特殊の事情が生ずれば、非常手段を講ずる必要もあるかもしれませんが、そうでない限りにおいては、三十一年度の通商取りきめが固まったところでやりたいと思います。
  152. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 関連。特殊な問題が起きた場合にはというお言葉でございますが、そういたしますと、先般樋詰政府委員にお尋ねいたしましたが、三十年度の下半期の割当が二百二十五万ドル残っております。これは翌年度へ繰り越さないということでありますが、そうなりますとただいま加藤委員から述べましたように、日台協定が済んでからということになれば、例年は七月ごろではないかと言われておるのでありますが、それまでに一応仮協定がある場合がある。仮協定が済めば一方的に日本の方で割り当てられるかどうか。もしそうでなくして、非常に高値にして、結局においてはバナナの底をついたときに大もうけをしようという考え方、そういう考え方は絶対に今回はやってもらってはいかぬと思う。だからその場合に通産大臣といたしましては、仮協定ができたら直ちに割当をするというお考えをお持ちになりますか、どうですか。
  153. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 むろん今度のバナナの入札が、一部の人間の利欲のために投機的に行われたというようなことがあったとするなら、それに乗っかってその投機を満足させるということは政府としてとらざるところでありますから、十分の処置をとって参りたいと思います。仮協定ができれば、仮協定でもよろしい。またバナナについては、実は私はしろうとですからここで具体的なことを何とも申し上げかねるけれども、バナナの輸入については今までいろいろの要求もございました。ですからそれらのことも十分考慮する余地があろうと考えます。
  154. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 ただいまの御答弁によりますれば、日台協定が結ばれて後でなければ割当が行われないというのか、あるいは時と場合によっては、べらぼうに高くなるということであれば、これは協定が結ばれない先においても割り当てるというのか、一体どちらでございますか。その点をはっきりしておいていただきたいと存じます。  次に、もし不測の事態が生じたら、こういうお言葉でございますが、ただいまでも不測の事態と私は考えておる。すでに浜相場が八千円をこえるなんということは、これは相当な高値なんです。これが小売へいきますと、今までは三本百円であったのが、一本四十円ぐらいになっているのです。これは不測の事態だ。元値は二円なんです。一本二円のものが四十円になっている。これはサンキスト以上です。サンキストとおつかつです。そこで今でも不測の事態だと私は心得ておるが、政府の考えられる不測の事態というのは、一体浜相場なり何なりが、小売値でもいいですが、幾らぐらいになったら、これが不測の事態だとおっしゃいますのか。その点はっきりしておいていただきたい。
  155. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 私は今加藤君の言われたように、幾らになったら不測の事態だというように考えて先ほど申したのじゃない。でありますから、答弁があいまいになりましょうが、しかしながらこれは常識で考えて条件が非常に不都合だという場合には、別に考える手があるのじゃないかと私は思っておるのです。ですから、できるだけの手を打つ……。
  156. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それではもう一つ、私は内地のことだけでなく、台湾協定がただいま進行中でございますから、ぜひ大臣に善処方をお願いしたい。と申しますのは、御承知の通り台湾におけるバナナは日本が買手市場なんです。日本が買うからこそ台湾のバナナは成り立っているのでございます。もちろん四百万かごから六十万かごに減ったということはございますけれども、なお日本が一番いいお客なんです。ところで今まで台湾が、このバナナを買うに当りまして、日本のものを喜んで買っておってくれるかというと、さようではない。しかも日本から輸出する硫安のごときは、以前農林大臣にも申し上げたことでございますが、硫安十貫目入り一かますについて、内地の百姓には八百五十円以上で売っておいて、台湾には七百五十五円以下で売っておる。こういう犠牲的な出血で売っておきながら、それだったら、せめてバナナくらいは安うもらえるかというと、これが逆になっておる。とんでもない話なんです。わが党の調査によりますれば、CIFで七ドル五十セント、これは間違いありませんね。ところが香港相場は五ドルになっておるのです。これはどういうことでございますか。それからパイカンを調べてみますと、同じ台湾から米国行きは五ドルで、欧州行きは六・五ドル、日本で買うのはハドルだ。これはどういうわけでこういうことになっておるのですか。日本から輸出するものは出血して安う売って、そうしてこっちが買ってもらいたいところのシイタケだの、陶器だの、竹製品なんというものはなかなか買わぬでおいて、向うがほしいほしいという硫安だけは、日本のお百姓よりも硫安一かますについて百円安う売っている。買うものはよそから買うよりも五割から八割高で買う。こういう商売をようもぬけぬけと引き受けていらっしやることだと思う。一体だれのための協定であるか、こういうふうに疑いたくなるのでございまするが、まさか大臣は、こんなばかげた案に賛成はなさらぬと思いますが、日本国民が納得するような通産大臣の案をこの際承わりたい。
  157. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 台湾などに対する貿易が、加藤君のお話のように、大体そのようになって、はなはだ不都合な形になっておることは、私もかねがね痛感しておるわけです。これをどうして改めさせるかということは、相手のあることでありますから、むずかしいでありましょうが、しかしながら実はこれを改めさせるために貿易協定というようなものも今やっておるわけです。実を言えば、砂糖なども同じような格好なんです。台湾の砂糖というもめは、大体日本で買ってやらなければ、売れるところは少いのです。だから非常にむずかしいでしょう。台湾のために考えれば、実は台湾の方が非常に弱くて、日本に安く売らなければならぬわけであるけれども、それが往々にしてそうでない逆な現象を来たしておるというところに、日本の側の貿易にもどこか無理がある、こういう考え方でございます。そういう点はこれから改めるように努力したいと思います。
  158. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 われわれが非常に懸念いたしますのは、今大臣が御答弁になりましたが、次の実績とみなさない、それから次の割当をいつやるかということにしぼれるわけです。しかしそれは附帯決議でやるのが当然なんですが、この委員会では、さっき申し上げましたように採決して上げられて、本会議へ出す段取りになっておる。そこで大臣に確認を願うわけでありますが、今申された次の実績にはしない、もう一つの問題は、次の上半期の割当を、今言うように日台協定が済むということになると、これは相当長い。だからその次善として、どうしても日台協定が長くなる場合には、台湾の方では日本のものを買わないと、今の加藤さんのお話もありましたが、昨年度の外貨が二百二十五万ドル残っておるのであります。これは来年度へ回せないという法的な根拠があるのでありますか。法的になければ、それを緊急措置として、三月なら三月、四月なら四月に割り当てるということをやれば、その弊害は除かれるわけです。この点を大臣から答弁が願いたいと思います。
  159. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 先ほど申しましたのは、昨年、今年の状況を見ましても、大体台湾との話し合いは、今までですと、四月一ぱいにはついております。今度もそのつもりでいけると考えておりますから、普通ならば、三十一年度の話し合いがついた上でそれに乗ってやるのが当然でありましょう。しかしながら特に別途考えなければならぬ事態があるとすれば、これは今お話のように前年度の予算も残っておりますから、それを使ってやるということも考えております。ただし、それを事務的にどういうふうにやるのが合法的であるかどうかということは、私は今わかりませんから、具体的にはここでお答えができない。それらの問題も、あるいは今までバナナについて台湾その他から希望のあったようなことも頭の中に入れて、それらを一体として考えたら、何らかの手の打ちようがあるだろう、こう考えております。
  160. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 今大臣はそういうような次期の割当に対しましての重要な御答弁をなさいましたが、事務的ということになりますと、ややもすると大臣の御答弁が狂ってくるわけです。大臣がそれだけのお考えを持たれたならば、事務的ということになりますと、ここでまたいろいろな手が入る。大臣は何とお考えになるか知りませんが、今度の全芭連が加わったということは、政治的な手が打たれたということです。これは明らかなんです。かようなことで通産省の窓口の輸入秩序を乱すということになれば、これに対抗することを大臣がはっきり考えていただかなければならない。こういうことになると今後輸入秩序は片っ端からこわされてしまう。しかも先般同僚の多賀谷委員から重要な発言をされておりますが、今度のバナナの卸売協同組合は、定款におきまして明らかに輸入もやれば、卸もやる、仲買もやる、小売もやる。しかも定款の第二条に、買い入れの価格から、販売あるいは検査の協定までもうたって、いわゆる数量からコストまでうたっている。これだけの協同組合というものは、安田経済局長はずいぶん苦しい答弁をいたしましたが、これは無理なんです。しかも場合によったら公取委員会独占禁止法にも触れかねない。こういう問題を無理やりにやらせて何がために市場を攪乱しなければならぬのか、それを入れなければならぬのか。かような無理押しをして通産省にやらせた。これはそこにいる樋詰君はよく知っておられると思う。あなたが首謀者と言っても私はあえて差しつかえないと思う。大堀君や今井君がかわったすきをねらって、安田経済局長とあなたがやった。これは上には河野農林大臣がおってこういうような政治的な手が打たれた。何とあなた方が笑われても自分はそう考えている。私は通産省の中でも農林省の中でもあなた方にものを頼みに行きはせぬけれども、いろいろなことを調べている。だからあなた方がどんなに考えようとも、私はそういうことがはっきりしている。だからこの際そういうような政治的な手を打って無理押しをして今日のような攪乱、大騒動を起させてやったものは、どうしても大臣がその腹でやらなければだめだ。この点だけは大臣にはっきり言っておきます。そのことは大体言えば附帯決議でやりたいのでありますが、附帯決議はできませんから、大臣のここで答弁されたことを速記録に確認してありますから、私が後日大臣のところに行きましたときには、大臣はそのときにはそうだったが、また情勢が違ったというようなことを言わないようにしていただきたいので、もう一度御確認を願います。
  161. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 お説はまことにごもっともでありますが、私は無理をされたから、それをまた無理をして返すということはやりたくない。無理を続けますと、無理が無理を生んでまた無理なことになりますから、道理でどこまでも押していくつもりでありますから、さよう御了承願います。
  162. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 それではこの際今後の割当について政府がどのように覚悟を新たにしていらっしやるかということについて私はお尋ねしたいのでございます。私たちの考えは全芭連がもうけようと、過去のインポーターがもうけようと、そんなことは関係ない。ただ問題は、こういう内地と内地が争っているやさきに、華僑の方々にすきをうかがわれてもうけを独占させたり、その結果国民が高いバナナを買わされなければならないという犠牲は見るにたえないのでございます。そこで具体的にお尋ねいたしますが、今後の割当の時期は可及的すみやかに行うということでございますけれども、しからば方法はいかようになさいますか。実績として認めないということでございましたが、しからば全芭連の分は別として、過去のインポーターにのみ実績割当を行おうとしていらっしやるのか、ないしは入札で行おうとしていらっしゃるのか、その入札の場合だったら入札の資格者は一体どのような者を入れようとなさるのか。この際私は、申し上げておきますが、今までの員数でけっこうでございます、決して入れることは相ならぬと言っているのではございません。新しくしてこの仕事をほんとうにまじめにやって、それが日本経済にプラスになり、国民経済を楽にするという会社があるならばそれは当然入れるべきでございますが、通産省としてはどのような具体策を持って臨まれるか、時期を可及的すみやかにやるというなれば、割当の対象もすでに胸算用があってしかるべきでございます。それがないということなり、今日ここで答弁ができないということになりますと、可及的すみやかにやるということはから手形、から証文ということに解釈せざるを得ないのでございますが、大臣いかがでございますか。
  163. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 これはついこの間ああいう処置をあれは決して悪いと思ってやったんじゃないのです。新しいインポーターも加えてほしいという希望がある場合には加えた方がいいじゃないかというようなことで、なるべく公平に適当な輸入業者が輸入できるようにと思ってやったのでありますが、その結果について皆さんからいろいろの御批判、それもごもっともだと批判をされる点があるので、これは今後の実績は認めないぞということをあらかじめ言わざるを得ないような事態になったことははなはだ遺憾であります。従ってまだあれが済んでおりませんので済んでないというのは跡始末を十分にしておりませんから、今後どういう形で輸入されるか、あるいはビッドをやるとかやらぬとかいうことは実はきめておりません。これは抽象的と言われればまこと抽象でありますが、できれば三十一年度分の話し合いを四月一ぱいくらいにして、ノーマルに戻してなるべく割当を早くやる、そのときの割当をどういう方法でやって、実際の輸入の業務を行わせるかということについては今実は検討中でありまして、まだどういうことにするかという結論には達しておりません。
  164. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 本法に関しまして同じ関連を持っております時計について一点だけお尋ねをいたします。御承知の通りウオッチのやみ輸入は年々歳々跡を絶っておりません。わが党の調査によりますと、昭二十八年度は五が六千何がし、二十九年は、五万二千何がし、三十年は五万四千何がしで、約六万個、これがやみで税関にあげられた数でございます。この調査を先日通産省にただしたところ、やはり同じような数字が出ております。ところでこのやみ輸入であげられた分は氷山の一角でございまして、小売の方でさばかれておりますやみ時計はこれ以上でございます。わが党の推定によりますれば、年間少くとも五十万個、業界の方では六十万個以上と推定しておりますが、この推定は実際扱った数量を換算したのでございますから間違いございません。六十万個のやみ輸入が行われるということは日本経済を乱すのみならず、本法律によって差益金を取ってこれを国家にプラスしようとする精神に大きにもどるものでございますが、大臣はこれに対していかように対処なさろうとしていらっしゃいますか。片一方で差益金を取ることばかり考えておっても、片一方でそれの十倍以上も漏れてなくなっておっては何にもならないということでございますが、大臣、いかようにお考えでありますか。  それから時間がないようでございますから続いてやってしまいます。そこでなぜこのようなやみ輸入が行われるかの問題についてはすでに大臣御存じのはずでございますが、それが長年放置されてきておる。なぜかといえば、これは需給的にバランスがとれていないということです。内地の生産数と需要の数を比較してみますと、どうしてもここに年間六十五、六万個の不足を来たすのであります。時間さえあればデータをはっきり発表いたしますが、時間の関係しただ六十五万個程度の不足量があるということだけを申し上げておきます。それに対して内地の増産計画はそれに追いついていけません。ところが輸入量はどうかといいますれば、サンキストのことも、要るものやら要らざるものやらわからぬごときものにはたくさん外貨をお与えになったり、何も必要のないサラブレッドにはたくさんの外貨を与えておきながら、今や国民の必需品となっておりまするこの時計の外貨割当は年々歳々削られてきておる。一体何がゆえにこういうことをしなければならないのでありましょう。経済を安定させ、内地の時計工業を振興させて、やがてこのウオッチを輸出に向けなければならない時期に当って、今や世界的の水準に進んでおるそのものを入れることは、需給バランスをとるのみならず、日本の生産の向上に非常にプラスに相なると思っております。大臣としてはこの時計の外貨について何がゆえにさまで苛酷な態度をとらなければならないのか、本年度の計画を承わりたい。
  165. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 本年度の計画についてはあとからまた申し上げることにいたしますが、これは私も歴史はよく知りません。おそらく第一に起ったことは外貨の関係でありましょう。腕時計というようなものを、いわば宝石その他に類したようなぜいたく品と認め、だから外貨のややもすれば不足するときにこういうものを入るべきでないということから起っておる。従ってその輸入量をしぼった、輸入量をしぼればいつでもお話のようなことが起るのは当然であります。いわんや腕時計とか宝石のような密輸人に非常に便利なものについてはよけいにそういうことが起る。お話のようにこれだけやっておりましても、国内生産もなるほどふえておりますが、なお密輸入の弊害がはなはだ多いということであれば、今の制度に誤りがあるということでありますから、もっと外貨をつけて腕時計を輸入するというのは当然あります。なおそういう見当で腕時計の問題も研究いたしましょう。これは腕時計ばかりではありません、ほかにも似たようなものがたくさんあります。とにかく起りは悪い意味ではない、つまり外貨節約のためにそういう制度が行われて、その弊害が今日現われておる、こう私は考えております。
  166. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 今の御答弁だけでは満足できません。内地の生産は大体二百四十万個、需要の量は三百六万個でございます。この内訳は申し上げませんが、結局不足量が六十六万個になっております。そこへ持ってきて外貨の割当は一個当り十万ドルの十三万個ということになっておるわけでありますが、これではやみが行われるのは当りまえでございます。やみをどうぞやってちょうだい。正規にやるのはこっちのすみっこでやっておりますから、大っぴらにそちらでやみをやって下さい。こういうのと同じなんです。それで先ほどこれがぜいたく品とかどうとかいうお話もございましたようでありますが、時計は必需品なんです。内地でできた時計だって一万円前後のものがある。もしぜいたく品でけしからぬということであるならば、私は国会議員の諸君なり、今日ここにおられる諸君の腕を見せてもらいたい。ちょうどそれは先ほどお話がありましたように、国会の自動車は国産愛用車と品にしながら、ほとんどが外国車であると同じように、時計もまた国会で使われておるのはほとんどが輸入時計である。うそだとおっしゃるなら皆さん手を出して見せて下さ。絶対間違いない。一人や二人は国産の人もあるかもしれないが、絶対間違いない。そうなって参りますれば、これは必需品なんです。これをぜいたくだからといって、四つも五つも買う人はないわけです。必需品であればこそ、しかも片一方に大きな不正事件が行われているというならば、その不正事件を抹消する意味からいっても当然ふやさなければならない、かように考える。それをふやされなければ、内地の生産を需要に満ちるところまで伸ばさせるか、ないしは内地の品質を輸入品に見合うところまで引き伸ばさせるという手だてが必要でございますけれども、その点はいかがでございますか。
  167. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 お説の通りです。もう加藤さんの説には私は何も異論はありません。ですからこれは外貨の関係等で何も心配がなければ、もっと輸入すべきものです。バナナも同じことです。ただしこれは、その場合には加藤君においても一つそういうふうに理論を徹底させていただかぬと、今度は入れる、そうすると、内地の時計業者は困るじゃないか、これをどうして保護するのだというような議論がいつも起るものだから、そこで矛盾撞着だらけになりますから、どうかその点は一つ十分お願いいたします。
  168. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 ごもっともな御意見です。外地のものを入れることによって、内地の産業を圧迫するというようなことは私どもとしても考えておるわけではない。私自身メーカーとも話し合いました。やはりメーカーとしても、御承知の通り南京虫が輸入されましたが、そのおかげで内地ではできなかった南京虫ができるようになってきて、今や南京虫は輸入する必要がなくなってきた。つまり輸入して、日本の高度な技術を一層高度化するということは、やがて輸入に待たずして、安、心して内地の需要は内地で供給できるという段階になると同時に、この時計はやがて東南アジアや中共のように、わが国よりもある程度文化の低いところへ輸出される。現に今輸出されようとしておる。そこを日本のメーカーもねらっているのですから、この点はまず間違いない。そのためにすでに通産省としては、部分品の輸入として、機械部分品に年々歳々五十万ドル以上の輸入を認めておるではございませんか。だからこの時計に限っては、内地業者とインポーターとのトラブルはまずないようである。それから小売店は、その両者をかね合せて持っていなければならぬ。内地のものだけ並べておったら信用が低下して売れていかないというのです。だから小売、中小企業を助ける意味においても、ある程度ふんだんにしなければならない。私が心配するのは、税関であげられるのみならず、小売店に並べられているところの時計がごそっと持っていかれる。やみをやったろう、こう言われて内地の時計まで持っていかれる。そのおかげで、一週間も一カ月も営業停止を食った小売商は去年だけで三十以上を数えておるのです。これが東京のどまん中でやられたり、名古屋のどまん中でやられるものですから、この店の信用に及ぼす影響は甚大なるものがある。従いまして、ただやみ輸入が行われるということのみならず、この外貨割当のあまりにも過少なことは、やがて小売の売り上げを少くするのみならず、小売の信用を抹殺するというところまでいっておるのでございます。従いまして大臣は、この際英断をもって外貨をふやすという結論に到達されることを切望するものであります。それがやがて日本の内地メーカーなどを助け、インポーターのみならず、これの消費者に対しても安い時計が買えるという結果を生ぜしめるものと存ずるわけであります。  つけ加えて申し上げますならば、バナナの場合でも、値段で相手方を満足させずに、数量をごそっとふやして満足させるようにすれば、日台協定はスムーズに行くのではないか、こう考えるわけでございます。インポーターは今までの実績よりも少くされることはいやなんです。他の方法でもふえる分については今までのバナナのインポーターとしても文句の言いようがない。それを根こそぎとられるから問題が起るわけであります。この点を一つ御考慮の中に入れていただきまして、黒字で、競走馬なんかにたくさんの外貨を割り当てるほどふんだんにあるならば、この際時計やバナナにごそっとふやして好結果を来たすようにしていただきたいものだ、かように思うわけでありますが、大臣の御所見はいかがですか。
  169. 石橋湛山

    ○石橋国務大臣 先ほどから繰り返して申します通り、御意見には全部異論がございません。その通りと考えますので、できるだけさような方針で進めたい。従いまして現に三十一年度の外貨予算については、その方針でできるだけ輸入をふやすということでやっております。
  170. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 先般、石橋通産大臣に私はサンキスト・レモンの問題について質問をいたしたのでありますが、通産大臣は詳しいことはおわかりにならないと思いますので、樋詰政府委員に説明を求めます。大体レモンは年間どのくらいの外貨の割当をしておられるのか、話に聞けばホテル用に割り当てておられるというのですが、その額はどのくらいですか。
  171. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 三十年度の予算並びにその実績等で申し上げますと、レモンについては、一応フレッシュ・フルーツということでホテル用品として年間十六万五千ドルくらいの予算を一括して割り当てたわけであります。その中の大体半分くらいがレモンであろうというふうにわれわれの方では推定いたしております。一応フレッシュフルーツということでレモン、オレンジ、ブドウというようなものが入っておるのでございますが、その中の八万三千ドルくらいがレモンであろうと思います。
  172. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 これを割り当てた商社は大体どういうところですか。
  173. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 これは一応国際観光ホテル整備法に基きまして、運輸大臣の認定いたしましたホテルに対して割り当てておるわけでございまして、それのインポーターというものは、ホテルから注文さえ受ければだれでもよいということになっておるわけでございます。
  174. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 そうしますとホテルから委託を受けて入れるということですね。ホテルにそれだけのレモンを使うのですか。
  175. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 大体ホテルに外人が来て泊るわけでございますが、ホテルが外人から獲得した外貨の二割というものは、これは外国産品の需要が相当にあるということから、ホテル用品として各ホテルに輸入するということを認めておるわけでございます。ただ御承知のように外貨については、先ほど大臣も申されましたように、三十一年度から一般的にできるだけ正常化するという方向で、ワクも必要物資はふやす、それから制度も自由化するというようなことをやろうということになっておりますので、三十一年度からは、このホテル用品のワクを少し削りたいということで、今運輸省と折衝いたしておりますが、運輸省の方では、まだ減らすということについて、通産省の申し出に対して賛成していないというような格好になっております。
  176. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 ホテルの売り上げの二割ということでありますが、何かそういうような規定があるのですか。そういうような規定がどこで設けられておるのか。通産省の規定か、運輸省の規定か何かに、そういう規定があるのですか。
  177. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 売り上げの二割というものを外貨で割り当てなければならないというような規定は、もちろん法的にはございません。これは観光事業を管理しております運輸省と、外貨を管理しております通産省との間の、両省の協定によりまして、このくらいの外貨を割り当てようということで従来やっておるわけであります。
  178. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 大切な外貨のそういうような割当方は私はけしからぬと思います。要するにホテルに入ったレモンであっても、ブドウであっても、ホテルがそんなに使うのではないのです。みな市場に横流しされて、横流しされたものが――たとえて言えばレモンは一箱三百個入りが大体十二ドルということに聞いておりますが、それを日本の円に換算しますと、手数料や何かを入れて五千百六十円くらいになるかと思う、それが横流しされて神田の市場に出たものは、一箱が一万六千円から一万八千円、このくらいの値段で出ておる。そうすると、ホテルに割り当てるということで莫大な暴利をむさぼっておる、こういうことを常習的にやっておるのであります。そこで樋詰政府委員に聞きますが、今問題になっております競馬の藤井商店、これが相当のレモンを入れておるということを聞いておりますが、これはいかなる方法によって入れておるのか、あなたが知っておられれば、知っておる範囲の御説明を願います。
  179. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 先の方からまず申し上げますが、先ほど私がホテルの売り上げの二割を外貨で割り当てていると申し上げましたのは、何もレモンだけに割り当てているのではございません。そのほかに口紅でありますとか、あるいは設備でありますとか、万年筆、化粧品というようなものを全部ひっくるめてでございますので、その点は全体の二割ということであります。  それから今お話の藤井商店のレモンの件でございますが、これは非常に古いときに起った問題でございまして、最初は二十八年の秋に、中共に対しまして牛、豚を輸出するという見返りで柑橘類を入れたいというバーターの申請が出たのでございます。それに対しましてバーターの許可を与えた。ところが牛、豚を輸出しまして、柑橘類を入れたところが、これが腐って到着したということで、二十九年十一月にこの柑橘類に対する債権――そんな腐ったものではだめだということで、債権を回収しなければならない事項が起ったわけでございます。そこで二十九年十一月に債権回収――債権が発生しました場合に金で回収するのが普通の債権回収の方法でございますが、当初に予定いたしました輸入品と同一の品目であれば、物で回収するということも、地方の通産局限りでできるわけでございます。そこで債権が発生した、それで債権回収を金でなしに、物ですることを許可してくれということが、二十九年の秋に出てきたわけであります。ところが先ほど申し上げましたように、当初に予定しておった品物と同一の品目であれば、地方の通産局限りで輸入できるということにいたしておりますので、権限を地方に委譲しております。その結果この藤井商店は、広島の通産局に対しまして債権回収免除に伴う無為替輸入の許可の申請をいたしたのでございます。(「無為替輸入だな」と呼ぶ者あり)債権回収ですから、これは金にかえて物を入れる、すなわち金は払わないという無為替輸入で許可いたしました。それがその後債権回収の期間を延長してくれということがございまして、そうしてその延長の回収債権の免除の許可というものは、一応来年の六月まで回収の期間を延長するということになっております。
  180. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 その債権回収の延期でございますが、これはかつて朝鮮からノリを入れたりあるいはスクラップを入れます折に、内地から朝鮮へ毛製品や綿製品をどんどん送りました、輸出先行でしたから……。ところがこの債権が焦げつきましたそのおかげで、朝鮮の方はノリとスクラップでかんべんしてくれということであったにもかかわりませず、だんだんやってきたところが、これが時期がきてしまってだめになってしまった、全然没収されてしまった。にもかかわりませず、このサンキストだけを債権回収を延期させたという理由が承わりたい。もしそれが行われるというならば、綿や毛の輸出債権回収をなぜ許さないかと言いたい。数量から金額から、朝鮮へ送った債権の焦げつきはべらぼうなものがありますよ。これをなぜ許さないか。はっきり言えば、インドネシアにおけるところの焦げつきの回収をなぜ許さないのか。にもかかわりませず、アメリカのこんな要っても要らぬでもいいようなサンキストをなぜ許したか。このおかげで名古屋地方においてはぶつ倒れた商社やそのあおりを食った場合があるにもかかわりませず、政府はこれを許さなかった、このおかげで首をつった人があるのだ、どうしてくれるのだ、はっきりしてくれ。(「あまり興奮するなよ」と呼ぶ者あり)
  181. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 この問題は非常に重要な問題でありますし、十二時を過ぎておりますから、午後継続してやってもらうことにして、議事を進行していただきたいと思います。
  182. 樋詰誠明

    ○樋詰政府委員 一般に債権回収あるいは外貨割当の期間というものについては、その期間内にやっていただくことが原則になっております。ただしその際に、御説明を伺って、特殊の事情があると認めた場合には、特別に回改を延長しておるわけでございますが、私、実はこれも非常に古い問題でございますし、どういう理由でこれを許したか、あるいはほかの理由はどういうことでけったかといったようなことにつきましては、これは至急に調べました上で御答弁申し上げたいと思います。
  183. 神田博

    ○神田委員長 それでは暫時休憩いたします。    午後一時三十九分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は開会に至らなかった〕