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1955-08-27 第22回国会 衆議院 社会労働委員協議会 1号 公式Web版

  1. 昭和三十年八月二十七日(土曜日)    午前十時二十八分開会     ――――――――――――― 協議事項  食品衛生(粉ミルク中毒事件)に関す  る事項     ―――――――――――――
  2. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) これより社会労働委員協議会を開きます。  皆さんの御推挙により私が座長を勤めます。  食品衛生に関する事項に関し、ミルク中毒与件について、山に公衆衛生局長より説明を聴取いたしたいと存じます。山口局長
  3. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 最初に、私から今回のドライミルク中毒事件につきまして、経過の概要を御報告申し上げたいと存じます。  本月の、すなわち八月二十四日の午前十時、それから午後一時と二回にわたりまして、岡山県の衛生部から、次のような電話連絡がございました。それは、本年の六月ごろより発病があった模様でございますが、最近になりまして各病院に生後四カ月ないし十二九月の乳児の発病が、原因がどうもはっきりしない、変った症状のあるものがあるという情報が、岡山で問題になっておったのでございます。  その患者たちの症状と申しますのは、大体各家庭の人工栄養児に限られておりまして、共通症状といたしましては、三十七度ないし三十八度の発熱、それから皮膚が黒くなる、下痢が長期持続する、食欲が減退する、顔色が悪くなる、すなわち貧血を起してくる、それから全身の発疹を生ずる、また触診してみますと肝臓が触れる、つまり肝臓が肥大しているというような症状でございます。ただ、腹痛はほとんど訴えられていないというような状況でございます。  いろいろ調べてみましたところが、それらの乳児が人工栄養児でございますので、ドライミルクが共通でありまして、その共通食品として、森永乳業株式会社の徳島工場の製品が共通している。そうして岡山医科大学法医学教室で調べてみましたところ、徳島工場で作りましたMF-MFと申しますのは、森永乳業株式会社の徳島工場の製品のマークでございますが、それに番号が打ってございまして、五八〇六-これは御説明申し上げますと、一番初めの五は一九五五年、昭和三十年ということでございます。その次の八が八月、それから〇六でございますので八月六日、すなわち昭和三十年八月六日に製造したということでございます。同様な意味におきまして、MF五五一六、すなわち五月十六日に製造したという製品から微量の砒素を検出したという結果が出ているのでございます。県当局におきましては、いろいろな疫学調査を現在詳細にわたってやっている、そういうふうな報告があったのでございます。それが今月二十四日の午前十時、午後一時の二回にわたって、厚生省に岡山県当局から電話が入って参ったのでございます。  私どもといたしましては、厚生省として、直ちに電報をもって、徳島工場のドライミルクの販売停止をするようにという措置を各都道府県に指令したのでございます。と同時に、速達便によりまして、先ほど申し上げました報告を受けました事件の概要を各都道府県に知らせまして、そうして各都道府県におきましても、MF、すなわち森永乳業の徳島工場で作りましたその製品に起因すると思われる中毒事件の発生の有無につきまして調査して、すみやかに厚生省に報告するようにということを指令したのでございます。  それから同日午後一時にとりあえず入手いたしましたMF五四二四、それから五五二九、五四二二、五四二一というような製品、先ほど御説明申し上げましたことによりますと、四月二十四日製、五月二十九日製、四月二十二日製、四月二十一日製のサンプルを、検査のために国立衛生試験所に送付して検査をすることにしたのでございます。それから同日夜、厚生省の公衆衛生局恩田技官、神林技官を現地に派遣いたしました。それから翌二十五日に各都道府県に対しまして、販売を停止したドライミルクの数量を直ちに報告するように電報をもって重ねて通知をしたのでございます。なお本事件の被害を最小限度にとどめますために各府県に通知をいたしまして、保健所が中心になって人工栄養児の健康診断を行なって、軽症中毒者に至るまで漏れなく患者の発見に努めるようにし、それから医師会その他公立病院等の協力を得て、発見されました患者について、その症状に応じた適切な治療ができるように手配するようにということを通達したのでございます。  なお、このドライミルクを製造いたします過程におきまして、原料である牛乳から製造いたしました粉乳に、いろいろの無機物とか、あるいはビタミン等を添加いたしますので、徳島工場で使用いたしました無機物でございますカルシウム、乳酸鉄、あるいはビタミン類、そういうものを集計いたしまして、国立衛生試験所に送付して検査するということにしたのでございます。  それから昨二十六日に各都道府県に対しまして――これは各都道府県の衛生当局もよく承知しているはずでございますが、念のためと思いまして、砒素の薬理作用、中毒症状について通知を出したのでございます。と申しますのは、最初に申し上げましたように、岡山の医科大学で、ドライミルクから砒素を検出いたしておりますし、砒素中毒の疑いが濃厚でございますので、そういう通知を出したわけでございます。それから一昨日の晩に徳島県の衛生部から電話がございまして、徳島県の衛生研究所におきまして、徳島工場の製品の添加物、先ほど申し上げました添加物の一つでございますカルシウムの中からごく微量の〇・五PPMという報告を受けたのでございますが、PPMというと百万分の一でございますので、一グラムの中に百万分の一グラムということでございます。〇・五PPMということでございますから、一グラムの中に二百万分の一グラム含まれておるという、ごく微量の砒素を確認したという報告がございましたので、昨日そのカルシウムを製造しております工場、これは群馬県にございます白石工業株式会社という工場でございますが、その工場に係官を派遣いたしまして調査を開始いたしました。と同時に、群馬県の衛生部にも、その工場についての調査を厚生省に協力をしてするように指示をいたしました。それからまた森永乳業の徳島工場以外の製品及び森永乳業以外の会社の調製粉乳につきましても検査をいたしますために、国立衛生試験所に材料を送付したのでございます。  本日の午前九時までに各府県から報告のございました患者の発生状況及び製品の回収数量を申し上げますと、患者の発生状況は合計いたしまして二千二百九十三名、これは私どもの方に正式に報告のございました患者の数字でございます。うち死亡が二十一、この中毒による死亡と推定されますものは二十一という報告が参っております。その患者の発生の分布を申し上げてみますと、これは順序不同になるかも存じませんが、大体東の方から西の方に順列をつけて申し上げてみますと、富山が一、福井が十八、三重が一、京都が五十、そのうち死亡が一、大阪が百五十、うち死亡が五、兵庫が百一、うち死亡が五、奈良二十五、和歌山八十一、島根十二、岡山七百七十九、うち死亡が九、広島が三百六十二、うち死亡が三、山口が二十一、徳島が四百十九、うち死亡が一、香川が六十九、愛媛が百六十二、うち死亡が一、福岡が二十四、以上でございまして、大体近畿、中国、四国というところにおもに発生している状況でございます。それから回収いたしました数量は、単位は一ポンド入りの一カンでございますが、それが二十六が五百九十四カン回収いたしております。  以上が今回の中毒事件のただいままで私どもの手元に入っております御報告申し上げる概要でございますが、人工栄養児の主食、必須の食品でございますこの粉乳につきまして、このような事件が起って、多数の患者を発生し、死亡者さえも出しておるという事件が起りましたことにつきまして、食品衛生を所管いたしております私どもといたしまして、まことに申しわけない事態が起ったものだというふうに考えているわけでございますが、できるだけ早く、いかなる起因でこういう事態が起ったかという点を突きとめまして、早くそれに対する措置をとり、そして一般の方々の、特に人工栄養児を持っておられる母親の方々の不安を取り除かなければならないと、この事件の報告を受けましてから、関係者一同一生懸命になってその衝に当っているわけでございます。  以上で、私からの御報告を終らせていただきたいと存じます。
  4. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) 次に、発言を求められておりますので、順次許可いたします。中川俊思君。
  5. 中川俊思

    ○中川俊思君 本件はまことに重大な問題でありますが、私はいろいろお尋ねする前に、座長に一つお願いがある。ということは、こうした大きな問題が起ったにもかかわりませず、所管の、担任しておられるところの大臣が旅行をしておられるということは――旅行しておられたことは、前から旅行しておられたのでありましょうが、こういう問題が起ったなら、直ちにどこからでも飛んで帰って、そうしてこの問題の対策に専念されるということが、私は所管大臣としてとられる態度ではないかと思う。どうも大臣として、そういう職務に怠慢とでも申しまするか、そういうようなことが末端にすべて浸透するのです。それがこういう問題を惹起されたといわれても、私はやむを得ない問題じゃないかと思うのであります。従って、座長からこの点につきましては、一つ大臣に警告を発してもらいたいと思う。私は与党の議員でありますから、与党から出しておる大臣に対してこういうことを言うことは、はなはだ不本意でありますが、しかしこの問題は、与党とか野党とかいう問題ではございません、大きな問題である。しかも、本年のたしか三月でございましたか、北海道の雪印バターの問題のときにも、すでにこの前兆が現われておる。しかも、今衛生局長から承わりますと、六月にすでに岡山県におきましては、この問題についていろいろな障害が現われておったということであります。二カ月間というものが放任されておったその結果がこういうような重大な問題になりまして、ただいま局長から承わりますと、本日の午前九時現在、患者が二千二百九十三名、死亡が二十一名ということでありますが、今朝の東京タイムズによりますと、二十六日までに中毒患者がすでに三千名を突破しておる。死者が三十四名で、なお続出の模様があるということが報ぜられておるのでございます。いずれが真かは別といたしまして、とにかくこの問題がだんだんと広がっておるということだけは察知できるのであります。  ただいま局長から、厚生省のとっておる態度について、るる拝聴いたしました。厚生省といたしまして、そういう態度をおとりになることはけっこうでございますが、もっと徹底した処置を私なお願いしたいと思うのでございます。これは厳密に申しますれば、過失致死罪でございます。従って過失致死罪に対して厚生省としてどういう態度をおとりにならんとするか。  さらにまた、この問題の、今砒素が入っておるとか入ってないとか、あるいはMFには入っておるがMLには入ってないとか、いろいろ論議されておるようでございますが、要するにこの粉乳を使っておるところの森永製品に対しましては、この問題が判明するまでは、販売停止の処置を講じておられると、ただいま局長は述べておられますが、販売停止だけでなく、森永の全製品に対して、一つ営業停止を命ずるだけの私は御処置を願いたいと思うのであります。これをやっていただかないと、あとからあとから、またそういうものを作っておるかもしれない、非常な危険な状態でございますから、こういうふうな問題に対して、一体どういうお考えを持っておられるのか。ただ、今お述べになりましたような状態で、それぞれ各府県からの報告を聴取して、そうして医師会と協力するとか、あるいは各方面と協力をして予防に努めておられることもけっこうでございますが、それよりか一歩進めて、販売停止なり営業停止を即時やっていただきたい、このことを私は強く要望をいたしたいと思うのであります。  私はかって、このドライミルクではございませんでしたが、ほかの問題でも、非常なだらしない製品がはびこっておるということを聞いたことがございます。しかし、それは確たる証拠を持っておりませんから、私はここでこれを取り上げようとは思っておりませんけれども、しかし、このたびの森永の態度を見ましてもどうも責任をあまり感じていないように私どもは看取できるのであります。MLは大丈夫と思うとか、あるいは微量であるからこの程度のことで人体に危害はさしてないのではないかというような談話も、森永の責任者から発表されておるようでございます。そういうような点で、どうも森永自身が積極的にこの問題に対して責任をとらなければならぬという態度が見えていないようでございますから、これらは別といたしまして、とにかく私どもといたしましては、食品衛生の面から、厚生省として重大な関心をお持ちになるのは当然でございますが、ただいま局長のお述べになりましたような抽象的なことでは、私どもは承服できないのでございます。どうか百尺竿頭一歩を進めて、この問題の究明できるまでは、ただいま申し上げましたような即時営業停止を命ずる処置を講ずる、かような点について要望するのでありますが、一体現在局長としては、どういうお考えを持っておられるのであるか、御所見を承わりたい。
  6. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 最初に中川先生から、私どもの上司でございます大臣に対する御注意につきまして、協議会座長に御要望がございました。大臣は旅行中でございましたが、この問題につきまして、先ほど私が申し上げましたように、人工栄養児のかけがえのない食品でございますし、ことに死者まで出したという状況でございますので、非常に心痛いたしておりまして、私どもの方にいろいろな指示を旅行先からもいたしております。また、逐次私どもの方から報告するようになっております。  ただいま御注意の点は、協議会座長から、また大臣の方に御注意があることとは存じますが、私どもといたしましては、この問題は、もちろん私ども所管の局の問題だけでなしに、厚生省全体の問題として、上司に相談しながら指示を仰いでいろいろ措置いたしているわけでございます。  ただいま中川先生から、もっと徹底した処置を講ずべきではないかという御注意でございます。ごもっともと存ずるのでございますが、製造につきましては、私どもは、先ほど御報告申し上げましたように、販売停止を各府県に措置したのでございますが、徳島工場におきましては、森永乳業自体におきまして、自主的に現在製造を中止しておるわけでございます。ほかの工場においては、まだそういう措置をとっていないわけでございます。徹底した措置をとらなければならないということは、考えられるのでございますが、先ほどから経過でいろいろ御説明申し上げましたように、ただいま国立の衛生試験所におきましていろいろな材料を集めて、もし砒素だとすれば、どこで混入したかという点を現在急いでやっております。これは結果がわかつてみなければ、私ども何とも申し上げられませんので、ここで私どもがいろいろ申し上げるのはどうかと思いますけれども、先ほど申しましたカルシウムの製造工場についても調査をしておるわけでございますので、私どもといたしましてできるだけ早くその結果を出して、そしてそれに基いてただいま中川先生から御指摘のように、二度と再びこういうことが起ってはならないのでございますので、徹底した措置をとらなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。
  7. 中川俊思

    ○中川俊思君 結果を待ってでなく、たとえばMFには砒素が入っておるが、MLには入っているとかいないとかいうようなことで、今論議されておるときでございます。またその他の森永の製品に対しましても、いろいろ論議をされておるときでございますから、MFすなわち徳島工場で作ったものだけは、森永も今営業を中止しておるようでございますが、その他に対しても、それぞれ厚生省が国立衛生試験所に命じて検査をされておるのでありますから、その試験の結果が明瞭になるまでは、森永の粉乳製品に対しましては、材料が同じところから行っているところもございましょうから、森永の全製品に対して、結果が明瞭になるまでは営業停止をやっていただきたい。こうしなければ、また次々に、徳島工場だけでなく、あるいは松本工場で作った製品に対してもこういう問題が起るかもしれぬ。起きないとは断定できない。でありますから、結果が明瞭になるまでは、くどいようでございますが、全製品に対して一つの営業停止をやるだけの措置をとっていただきたい、これを私どもは強く要望せざるを得ないのでございます。
  8. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 重ねての御要望でございまして、私ども十分拝聴しなければならないと存じますが、この砒素の検出につきましては、元来この毒性作用というのは、ごく少量で毒性作用を現わすものであります。そう多量にいろいろなものに含まれておるものではありませんので、その検出方法は非常に科学的にむずかしいわけでございます。ことに定性、入っておるか入っておらないかということにつきましては、比較的わかりやすいのでございますが、どの程度入っているかという定量的になりますと、非常にむずかしい問題になってくるのでございます。従いまして、私どもは慎重にやっておるわけでございますが、とりあえず入っておるか入っておらないかという定性の点につきましては――国立衛生試験所の成績は定性定量ともにはっきり出て参りませんが、各府県の衛生研究所におきましてやりましたところでは、MFだけに出ておりまして、ML、MCの森永のほかの工場で作りましたものには定性反応では出ておりません。  現在販売はそのままにさせておるわけでございますが、これは需要と供給の関係も考えなければなりません。かといって、需要があるからといって、危険なものを出すということはもってのほかでございますが、そういう点勘案いたしまして、ただいままで定性反応で出ていないという報告を受けておりますので、出ているという陽性のものだけをとにかく今押えているわけでございます。私ども御要望の点、御注意の点、十分心得まして、需要と供給との関係を考え、国立衛生試験所の定性、定量を急いで、しかるべき措置をとりたい、そういうふうに考えております。
  9. 中川俊思

    ○中川俊思君 MFだけだというふうに局長の頭は固まっているようでありますが、広島県の福山の衛生試験所で検査した結果によりますと、MLにも砒素が入っているということが発表されたようであります。その後広島県の試験所でこれを打ち消しているようではございますが、しかし、そういうことも一応あった。ことにMF印には鉛も検出されたということが、今朝の新聞にも報ぜられておりますから、需要供給をお考えになることはもっともでございますが、しかしそれは何とかなります。赤ん坊がこういう危険なものを飲むよりか、他に方法はあるのでありますから、砒素が現在のところMF以外に発見されていないのだから、ほかは営業停止なり販売停止をさす必要はないというふうに簡単にお考えでございますが、もしあったらどうなさるか。でありますから、私はこの問題が徹底的に究明できるまでは、先ほど来要望しておりますような処置を早急に講じていただきたいということを、ここに重ねて要望する次第であります。
  10. 小島徹三

    小島徹三君 関連して。局長にちょっとお伺いしますが、たとえば、ある業者が牛乳を売っている、その他菓子も売っている、そばも売っているというような場合、牛乳製品について非常な不衛生なことがあった。これはどうしても販売を停止しなければならぬというような場合に、ただ牛乳製品だけは停止することができるけれども、ほかの営業の停止をすることはできないのですか、どうですか。営業を全般的に停止することができるのですか、できないのですか。
  11. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 食品販売業あるいは製造業につきましては、許可制になっておるものと許可制になっておらないものとございます。許可制になっておりますものにつきましては、その状況によりまして、停止を命ずるということはできるわけでございます。
  12. 小島徹三

    小島徹三君 そうすると、許可制になっているものについては、全般的にこれを禁止するだけの権限はあるわけですね。
  13. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 権限はございます。その権限の発動は、状況によって勘案してやらなければならぬ、そういうふうに考えます。
  14. 小島徹三

    小島徹三君 もう一つお聞きしておきたいと思いますが、白石工業の製造したカルシウムは、森永の徳島の工場だけに入ったものでしょうか、それとも、森永工場全般に入っているものではないでしょうか。
  15. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 これは、ただいま小島先生の御指摘でございますが、徳島工場だけでなしに、森永の製品全部に使用されているわけでございます。
  16. 小島徹三

    小島徹三君 そういうことでありますならば、白石工業の製品であるカルシウムが、徳島の工場において、これが砒素が検出されたということでありますれば、いやしくもこのカルシウムを使っている森永製品全般に対して、販売禁止すべきが当然じゃないかと思いますが、いかがですか。
  17. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 先ほど御報告申し上げましたように、徳島の工場で使っておりますカルシウムに発見されたという報告を受けておるのでございますが、〇・五PPMという非常な微量でございますので、その点私ども、これはいろいろ議論があるかと存ずるのでございますが、その検出につきまして、私どもまだ確認できないという状況でございますので、一応疑いを持って至急に調べているわけでございます。これは専門的なことにわたるのでございますが〇・五PPMの検出方法ということにつきまして、専門家にも私どもいろいろ意見を聞いているのでございますが、その〇・五PPMという定量ができるかどうかということについて、非常に疑問な点もございますので、疑いを持って、私ども今それを調べているわけでございます。まだ確認されていない状況でございます。
  18. 小島徹三

    小島徹三君 少くとも非常に少量でありましても砒素が検出された。しかも現に数千名の病人が出てきた。そうして死んだ者も出てきているというような状況におきまして、ただ疑問があるから置いておく、そのままにしておくというようなことは許可されないのである。あとで、多少の行き過ぎがあったとかなんとかいう問題が起きるといたしましても、とにかく人命というものは尊いのですから、白石工業のカルシウムから砒素が検出された、しかもそれは少量で何ら差しつかえないのだ、厚生省が認めている数量だというなら、また格別でありますけれども、いやしく毛そういうことがないのだということでありますならば、少くともそのカルシウムというものが、食品衛生からいって許すべきものでないということは、はっきりしておると私は思うのです。従って、私はこのカルシウムを使用しておる全製品について製造禁止、あるいは全部の営業、販売を禁止するというのがほんとうだと思う。回収なんという手ぬるいことをしないで、このカルシウムを使っておる製品については全面的に販売を停止するという手段をとってこそ、一般の母親が安心できるのだと思うのです、回収したと言ってみたところで、どれだけ回収できたものだかわからないし、そのカルシウムを使った製品が全部売られておるのでありますから、母親の不安はなくなるものではないと思いますので、こういう際に、大企業であるとかなんとかいうことに気を取られて、大企業だからあとで問題が起きたら因るというようなことを考えないで、人間の命は尊いんだ。しかるに赤ん坊、病人というようなものは、抵抗力もなく、ただ無条件に飲んでおる。食っておる。こういう弱い者に対してものを供給する者は、当然これくらいの責任はとらなければならぬ。私がいつも申し上げますように、こういう弱い者に供給する牛乳を売る者だとか、必要な製品を売る者は、それだけの責任を負うべきだと思う。だから私は、大企業だとかそんなことに遠慮しないで、この際カルシウムを使った全製品に対して販売を停止すべきだ、製造を停止すべきだと思います。こういうことをしないでおいて、今後もしもこれらの製品から間違ったものが出てきて、そうして人が一人でも死んだということになりますならば、私は厚生省に対して断固として戦わなければならぬと思うのです。この際大企業なんかに遠慮する必要はない、断然販売停止、製造停止すべきだと思う。少くとも、いかにして白石工業に砒素が入ったかということがはっきりするまでは、一応販売を停止しなければ、世の中の不安は除かれない、私はこう思います。厚生省としては、非常に慎重にされることもけっこうです。しかし、とにかく世の母親というものがどんなに不安になるかということを考えたときに、そんなことを遠慮すべきではないと思うのですが、それだけの決心をしていただけますかどうか。
  19. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいまの小島先生からの御指摘でございますが、森永乳業あるいはまたそのほか大企業がいろいろございますけれども、私どもは、決して大企業であるからどうこうというようなことは考えておりません。大企業であっても、欠点があれば、それは当然しかるべき措置をするということはわかりきったことであります。中川先生からも御指摘がございましたように、今年の初めに雪印乳業におきまして事件が起りましたので、大企業といえども決して安心できるものではない、また大企業たりとも措置をとるのに遠慮する必要のないことは当然でございますので、私どもはそういう面でちゅうちょしておる点は少しもないということを、はっきり申し上げておきたいと思います。  ただ、先ほども中川先生から、それは何とかなるから心配するなというお話がございましたが、需要供給の関係もありまして、これが人工栄養児の主食になっておりますので、安全にやるというのは小島先生の御指摘の通りだと存じます。しかし需要供給の関係もございますし、また先ほどの検出の量が、私どもにはちょっと想像できかねるような分量でございましたので、今までそういう措置をとっておったわけでございますが、ただいまの先生方からの御注意もございますので、私どもは一般の方々が安心されるように、また先生方の御注意に沿うように、これから措置をしていかなければならないと考えております。
  20. 小島徹三

    小島徹三君 最後に一点だけお聞きしておきたいと思います。それは白石工業製造のカルシウムが、どこの会社に売られて、それがどの程度食品製造に使われているかということを一日も早くお調べ願っておきたい。そうして万一白石工業のカルシウムに砒素が入っておるということでありますならば、このカルシウムを使った製品に対しては、全面的に販売停止をしていただきたい。それを希望して私の質問を終ります。
  21. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま小島先生の御指摘の点ごもっともでございます。私どもも、この報告が一昨晩入りまして、直ちにその点注意いたしました。今年の一月ごろから出た数量、出先を今報告を取っております。昨晩までには入りませんでしたが、始めております。その結果と、それから成績とによりまして、御指摘のような措置をとらなければならないというふうに考えております。
  22. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) 山下春江君
  23. 山下春江

    ○山下春江君 今中川先生や小島先生からお話がありました需要供給ということに、局長は非常に頭を悩ましていらっしゃると思いますが、この事件が起りまして、厚生省の方では、これに関係したものは回収したというお話でございましたが、それに対して、この事件が起りましてから、他のいわゆる需要を満たす方法を何かお講じになりましたか。
  24. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 この事件が起りましてから回収はいたしましたが、それに対して、そのかわりのものを出すとかいうような措置はとっていないわけでございます。これは今の状況でございますと、大体大丈夫だという見通しであったものでありまのすで、これが非常に範囲が広くなると、また考えなければならないと存じておりますが、現在の状況では、かわりの手を打つことは必要ないというふうに考えておりましたので特別の措置は講じておりません。
  25. 山下春江

    ○山下春江君 たとえば、今小島先生の非常に強い要望がありまして、もし原因が白石工業から出たカルシウムによるものであるということが明からになった場合に、その製品を全部販売を停止するという処分をしたときには、一大混乱が起りませんでしょうか。どうも、いつでも、事が起っては処置をしていく。要するにどろぼうをつかまえてなわをなうような措置では、私は非常に心細いと思うのでございます。私の問わんとするところの結論から先に入ったのですが、その場合に、もしさようなことが起ったときには、こうするということがございますか。
  26. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいまの山下先生の御指摘ごもっともでございます。私どもこの問題が起りましたときに、さしあたって徳島の工場のを押えたわけでございます。これが白石工場のは、もっと広い範囲にわたっているので、それを全部押えなければならぬというときには、どういうふうな措置を講じなければならぬかということも考えられます。特別な措置はまだとってはおりませんけれども、主管課の方に、一応滞貨の数量がどれくらいあるということを調べてもらうようにいたしておりますが、分布状況も調ベなければならぬ、そういうふうに考えております。
  27. 山下春江

    ○山下春江君 最近母乳よりも人工栄養がふえたということは、これは厚生省全般の所管に属する問題でありまして、婦人のいわゆる乳を飲ませる母が働かねばならないという事情が、いろいろな面に起ってきておりますために、あるいは多少母乳のある人でも、母乳をやることが自分の勤務その他のことで不便だ、たとえば日雇いに出ておる婦人、あるいはその他職場に勤めておる婦人たちは、この人工栄養によりますれば、お守してくれております人々に時間とか量とかを厳重に教えておきますれば、母は安心して職場に働いていられる。この問題で、日本乳児をかかえて勤めておる母、その他母乳の出ない母に、どのくらい大きな恐怖を与えたかわからないのでありまして、これはもう単にミルクに砒素があって、それで非常にたくさんの病人を出して子供を殺したという問題ではなく、厚生行政の全般に大きな影響を及ぼす重大な問題でございます。そういう問題に対しまして、先ほども中川、小島両先生も触れられましたけれども、厚生大臣がそれは心配してわれわれに寄り寄り連絡しているというそんなのんきな問題ではないのでございます。この問題がほんとうに収拾つかないことに発展するとなれば、これは厚生省にとっては重大な問題でございまして、ただ単に食品衛生の問題だけにはとどまらないのであります。そういう問題に対しまして、大臣は出張中――どのような重大な要件で出張されて、どこにおいでになるか私は存じませんけれども、はなはだ無責任なことであり、皆様方もいろいろ連絡はおとりでありましょうけれども、みずから陣頭指揮をして、この問題の解決に当らなければならないことは申し上げるまでもないことであります。日本中の乳児をかかえております母たちが、一体どのような不安動揺を感じているか。この事件が起りまして以来のことを、各社が非常に詳しく報道されておりまして、私どもも、毎日の新聞紙をもってその推移、その研究の状態等を今日まで知ってきたような状態でありますけれども、厚生省といたしましては、今この全国的な母と子に対する大きな不安をどのようにして解消しつつあるか、その現状をちょっと御報告を願います。
  28. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 私ども先ほど申し上げました本事件に対する措置につきまして、再三通牒を出しております。その際に検診ももちろんでございますが、それに対して、保健所を中心として、一般の心配される人たちによく事情を説明するように、それから先ほどから申し上げておりますこちらからの情報を逐次連絡いたしまして、そうして一般の方々に、心配はもちろん心配でございますが、事情を十分よく説明するようにという指示をいたしております。これは安心していただくためには、原因を早く突きとめて、状況をはっきりさせる以外にはないのでございます。できるだけ一般の方々が不安を持たないように、もしいろいろ相談に来られるならば、それに対して十分説明するようにという指示をいたして、できるだけのことをしてやっていかなければならないというように考えているわけであります。
  29. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) 先刻中川俊思君より、厚生大臣に対する御要望がありましたが、厚生大臣の旅行先に、次の通り電報を打つことにいたしたいと存じますから御了承願います。   粉ミルク中毒事件に関し、貴大臣がすみやかに帰京せられ、適切なる処置を講ぜられんことを要望す。中村三之丞。以上であります。
  30. 山下春江

    ○山下春江君 今、電報が発せられましたので、大臣もすぐにお帰りでございましょうが、私どもこの社会労働に席を置きます委員も、何か鳩山総理は、秋か春には選挙をもう一度やろうかというように、選挙片々とときどきおどかされまして気が気でないのですが、しかし、これは社会労働の委員は、そんなことよりももっと大切な問題だというので、みな選挙区をあとにしてはせ参じて来ておるのであります。所管の厚生省がいろいろ情報を取り、連絡をしておるというようなことでは、私はとてもたよりないと思うのであります。厚生省みずからがその現場に飛んで出ていく、――厚生省の費用も、おそらくそういうことの費用などはたくさんないと思いますが、これにかかっている病人ば、先ほど局長が報告されました数字も非常に膨大でありますが、新聞によれば三千名を突破したということであります。その三千名を突破した中毒患者が飲んでおります粉ミルクは、少くとも子供にとっては全部致死量であります。岡山県の衛生試験所で粕山という技師が、一貫目から二貫目の幼児にとっては、これだけの砒素量は致死量である、中毒に十分かかる、四百五十グラムのミルクカンを半カン飲んでも、中毒にかかることは間違いないということを、ちゃんと署名入りで明らかに証明しておられることから見ますと、よほどの手当をいたさざる限り、厚生省発表の二千二百九十三名は、あるいは死亡いたすかもしれません。これは非常に重大問題でありまして、これをこのまま捨ておくというわけではありますまいけれども、いろいろ情報を取りましてというようなことでは、私はどうも心もとないと思うのであります。まずもって大臣がお留守ならば、局長なりあるいはその局の皆様が総出動してでも、現場の処置に当るべきだと思うのでありますが、大臣みずから御旅行中というようなことでございますので、何か厚生省のお考え方が、一つゆるんでおるような気が私どもにはいたしてならないのであります。この検査に当りまして、厚生省御自身が先ほどいろいろのカンを五種類ばかり今検出しておると言われましたが、その結果はいかがでございますか。
  31. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま山下先生から、厚生省みずから出ていってどんどん調査しなければいかぬじゃないかというおしかりでございますが、先ほど御報告申し上げましたように、この報告を受けました二十四日の晩に、直ちに厚生省からその担当の専門家でございますが、それを現地へ二名派遣いたしております。それから群馬県の工場の方にも、これも専門の薬研の技官でございますが、それを派遣いたしまして、私どもといたしましては、それらの報告並びに各県からの報告を受けて、そうして事が、先ほど御指摘のように非常に全国的な大きな問題でございますので、私並びに部長は本省におりまして各方面の連絡を取って、そのあと上司からも指示を受け、関係方面に指示をいたしていくという活動をいたしているわけでございまして、厚生省からも専門家をそれぞれ現地に出しておりますことを御報告いたしたいと存じます。  それから国立衛生試験所で調べておりますやり方、これは定量分析をやっておりますので、先ほどもちょっとお断わり申し上げましたように、この定量分析というものは、非常に微量なものを検出しなければなりませんので、私どもは昨晩もまだかまだかとさいそくをいたしておるわけでございますが、私どもの方に試験所の方からの報告が参っておりません。これは一刻も早く私どもは得たいと思って、急がせておるわけでございます。
  32. 山下春江

    ○山下春江君 とりあえずこれが明らかになるまで、これに関係する製品を全部販売を停止すべしという御議論が小島先生から、特に強く中川先生からもございましたが、それは厚生省としては、今の国立衛生研究所で出ましたデータをお受け取りになるまでは、そのお考えにおなりになりませんでしょうか。新聞によりましても、昨晩一晩中には多分報告ができ上るはずであると書いておりますが、まだできないというのでありますが、それの結果を見ないと、これだけの大事件があっても確信が持てない、こういうふうにお思いでございましょうか。
  33. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 私ども今までは、先ほども申し上げましたように、国立衛生試験所の結果をできるだけ急がせて、それを待って措置いたしたいというふうに考えておったわけでございますが、しかし先ほどから先生方の強い御注意もいろいろございますので、私どもも考えなければならないと存じます。ただ、最初に地区的な患者の発生状況を申し上げましたが、これは私ども伝染病対策なんかを始終やっておりますときに、その伝染病の発生状況を、疫学的な調査によりましてその原因をいろいろ推定するわけでございますが、地区的な発生状態が出ておりますので、私ども現在の推定におきましては、特殊な工場の製品であろう、そしてそれが何か群馬県の工場から全部の工場に出ております、これは先ほど小島先生から御指摘のございました通りでございます。それでその患者の発生状況からしまして、地区的にこれだけの大問題になっておりまして、各府県に私ども通知を出しておりますので、疑わしいものは当然どんどん報告してくると私どもは考えておるわけでございますが、その状況にいたしましても地区的な発生状況、大体伝染病の発生したときのような疫学的な状況になっておりますので、私どもそういう推定のもとに現在措置をいたしております。これは軽々に申し上げるわけにはいかないと思いますが、何か特殊なアクシデント式なことで、ある一定時期にある特定の工場に出たのではないかというふうに推定をしておる。これはもう推定にすぎないのでございますので、その点お許しを願いたいと思いますが、いろいろな患者の発生状況、分布状況から見まして、私どもそういうふうに推定して措置をとっておるわけでございます。しかし、たびたびの御注意でございますので、その点を十分考えて今後措置していかなければならないと考えております。
  34. 中川俊思

    ○中川俊思君 今の山下委員の御質問に対する局長の御答弁を承わっておりますと、先ほど来私や小島君から強く要望いたしました件については、とにかくしばらく推移を見て、その結果善処したいというふうに受け取られるのでございますが、なるほど公衆衛生局長としての御立場上、先ほど来お話があります需要供給の面もお考えになるだろうと思います。しかし、これは私はそう御心配にならなくてもいいと思うのです。たとえば、今年は米もうんと豊作でございますし、私ども小さい時にはおもゆでみな人工栄養をやった。またその他の会社の製品もございます。従って私はあまりお考えにならなくてもいいじゃないかと思います。  それから、こういう問題が起きました場合には、断固たる処置をおとりになる、いわゆる信賞必罰の態度でもってお臨みになることが、他の会社に対しても警告を発することになりますし、また、厚生省はきぜんたる態度をとって臨んできたなということになりますれば、今後森永会社に対しましても、一つの無言の警告を与えることになるのでありますから、ここでぐずぐず――ぐずぐずというとはなはだ失礼ですが、そうした優柔不断な態度を続けられるということになりますと、また後にいろいろな問題を惹起する根源を作るのではないかと思うのであります。従って、この問題はもうお考えにならないで、この際先ほど小島君の申しました通り、白石工業会社が出しているところのカルシウムというものが、森永の各工場に配布されておるとすればなおさらのこと、この問題が究明できるまでは製造禁止、販売禁止、営業禁止という断固たる処置をおとりになることが、厚生当局としてなさるべきことではないかと私は思っております。先ほど来小島君なり山下さんなりからの御質問に対する局長の御答弁は、どうもはっきり割り切れないような答弁でございましたから、一つここで断固たる処置をやるのだ、すぐ直ちに今日やるのだということを言明できないのですか。
  35. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま中川先生から重ねての御注意でございますが、先ほど本協議会として、大臣に対して電報をお打ちいただいたわけでございます。非常にこれは大きな問題でございますのは、御指摘の通りでございます。大臣も帰って参ると存じますので、私どもその指示を仰いで善処いたしたい、そういうふうに考えております。
  36. 岡本隆一

    ○岡本隆一君 山口局長に、関連してお尋ねしたいのでありますけれども、この白石工業の製品ですが、これが出ておりますのは森永だけでしょうか、あるいはその他の食品業者にも出ておりますか。その辺お調べになっていらっしゃるかどうかということを、お伺いしたいのです。
  37. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 これは先ほど小島先生からもお話がございましたが、ほかにいろいろなところのも出ているかどうか、森永だけでなしに、ほかのどういうところに出ておるかということを現在調査中でございます。ほかにも出ているという情報を聞いておるわけでありますが、確実なことは今調査中でございますので、後刻御報告申し上げたいと存じます。
  38. 岡本隆一

    ○岡本隆一君 そこで要望したいのでございますが、もしも他の会社にも出ておるとするなれば、森永と同じような措置をその製品にも講じていただかなければならないと私は思うのです。ことに、それがもしも粉乳に混入されているとするなら、ぜひともその措置は講じていただかなければならぬと思います。今度の事件は、日本医学史が始まって以来初めての事件でありまして、従って、六月にこういうような病気が発生しておりながら、今日まで三カ月の間、何かわからない、何か原因不明の病気だというふうにして取り扱われて参りまして、たまたま死亡したところの患者が死体解剖に付せられて、初めてそれが砒素中毒であることがわかったということなのです。こういうふうな慢性の重金属中毒というものは、あまり今まで日本に見られない。ただ鉛の中毒だけが明らかにされているだけでありまして、それ以外の重金属につきましては、ほとんど、今の日本医学、さらに世界の医学も、十分な症状を知らないと思うのです。そういうふうな状態のもとにありまして、一体微量だから中毒のおそれはなかろうというふうな御判断は、これはちと慎重にしていただかなければならぬのではないか。ことに重金属というものは、一度吸収されますと、排出が非常におそいということは、よく局長御存じと思います。さらにまた、排出がおそいと、重ねてそれが蓄積いたしまして、蓄積作用のために、非常に強い症状が出てくる。だから、長くそれを運用していることによって、だんだん症状が積み重ねられてくるわけであります。従って、今度の砒素中毒が、乳児の慢性砒素中毒という形でもって出てきておるという限りにおいては、〇・五PPMであるから、それでもってそういうおそれは全然なしということは、まだ断言する時期でないと思うのです。従って、それだけの微量で、果して中毒を起すか起さないかということについての研究も、これからわれわれはしなければならないと思うし、また国立のいろいろな機関においても、研究をしていただかなければならないと思うのです。従ってそういうふうな段階にありましては、今直ちに、あるいはここ二、三カ月をもって、そんなふうな結論というものは出てこないと思います。だから、ごく少量の砒素たりとも混入しているという限りにおいては、これは慢性中毒の発生のおそれありという一応の推定でもって、今措置を講じていただかないと、ただ単に森永でこういう事件が起った、しかしほかの方を見落しているうちに、こっちからもまたタケノコのように、にょきにょきと出てきたということになって、そのしりを追い回しておるということ、になっては、この惨禍をさらに繰り返すということに私はなると思いますので、いやしくも砒素が発見された限りにおいては、その製品は一切販売を禁止するというふうな措置をぜひともとっていただきたいと思うのでございますが、そういうふうな決意をしていただけるかどうかということを、一つお伺いしたい。
  39. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 岡本先生御専門でいらっしゃいますので、私いろいろ申し上げることは恐縮でございますが、これは私が申し上げますことが、決して今度の問題をどうこうということではございません。その点そういう考えでおるからいかぬというふうにおしかりを受けるかもしれませんが、そういう意味でございませんので、申し上げておきたいと思います。いろいろな重金属の中毒につきまして、ただいま御指摘のように鉛中毒が一番顕著に出ております。しかし、今まで事故として亜砒酸の中毒というようなものもございました。労働衛生の方から申しますと、カドミウムの中毒、それからいろいろなほかのものの中毒もございますが、ただこの砒素につきましては、自然界にもございます。それからいろいろな外国の文献などにも、あるいは日本の文献の中にも、その他のものの中にも、どれくらいの許容限度だということが出てございます。そういう点も参照しなければならないと存じます。それから、御承知のように砒素は、私が岡本先生に申し上げるのは、はなはだ失礼でございますが、蓄積作用がございますとともに、またなれの現象が起って参ります。亜細亜丸などを用いますときも、逐次増量するという問題が出てくるわけであります。それらも勘案してやらなければならないと思いますが、しかし、それとこれとは全然ごっちゃにして申し上げているわけではございませんので、その点御了承願いたいと存じますが、私ども御指摘のように、いろいろな重金属の中毒ということについてば、十分関心を持ってやらなければならないと存じます。不明の点につきましては、今後研究を続けていかなければならないと思いますが、定性、定量の問題を勘案しながらやっていかなければならないじゃないかというふうに、これは行政当局といたしましても、また専門家の意見なんかを聞きながらやっていかなければならない。ただいま御注意の点は、十分配慮をして進めて参りたいと存じております。
  40. 岡本隆一

    ○岡本隆一君 もう一つお伺いしたいと思うのでございますが、問題が主食である粉乳という点で、特に私たちはこれを重要視しなければならぬと思います。なるほど微量であり、自然界にもあるものだから、ごく微量であればという御意見もありますが、しかしながら、人間の体質はさまざまで、ごく少量のアルコールに酔う人と、大量のアルコールでも泰然たる人とあるように、やほりいろいろな物質に対する耐量というものに大きな開きがあるのでございまして、非常にたくさんの粉乳が流布せられておりながら、その中の少数の者が犠牲者となったということは、もちろんその中の少数の者が、耐量が非常に少くて弱かったためであるということは考えられる。従いまして、今度のような事件が起きました限り、今後はこういうふうな蓄積作用のあるところの重金属につきましては、十分な検定をやっていただかなければならないと思うのです。今でもある程度の検定はなさっていらっしゃるであろうと思うのでありますが、しかしながら、近年ミネラルなんということを申しまして、何か新しいものを追う傾向がある。あるいはそれが科学的に根拠のあるものであるかもしれませんが、そういうふうなミネラルは、自然界にたくさん入って存在しておって、自然に出てくるお乳の中にもミネラルは入っておる。にもかかわらず、そこへミネラルを混入するというようなことによって何か特別の操作が加えられ、それが大衆への宣伝の具に供せられて、販売の利益追求の手段になっているというふうなことは、私たちは厳戒しなければならないと思います。ことさらにカルシウムを混入しなくても、牛乳の中には、たくさんのカルシウムが入っておる。そういうふうな形でもって混入したことが、たまたまこういうふうなことを起す――もしも白石工業会社のカルシウムに原因ありとすれば、そういうことになると思いますが、そこでできました製品については、十分な検定をするところの機関、それから検定の詳しい規定というふうなものを設けていただきまして、今後ともこれらの砒素あるいは鉛以外の、あるいは水銀であるとか銅であるとかというふうな、およそ中毒を起しそうなおそれのありそうな物質については、全部の一応の定性検査をやる、そうしてある程度懸念のあるものについては、詳しい定量の検査もやった後に販売を許可するというふうな方法を講じていただくようにしていただきたいと思うのでありますが、その辺についての御意見を一つ承わっておきたいと思います。
  41. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま岡本先生から御指摘がございました最近の粉乳に、調製粉乳といたしましていろいろな添加物を加えてございます。それにつきまして、もし先ほど仮定でおっしゃいましたカルシウムに原因があったとすれば、かえっていいことをねらって悪いことが起ったというようなことになります。私どもその調製粉乳というものは、それぞれ目的を持って栄養上あるいは保育上いいようにと思って指導しているわけでございます。そのために、もしそこに原因があったとしますれば、そういうものの検査、検定ということにつきましては、今後一層厳重にやっていかなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。  それから、立ちましたついでに、先ほど山下先生からもお尋ねがございました衛生試験所から、今報告が参りました。予備試験の結果でございますが、MF五四二一、五四二四、五五二九、五四二二、つまり、くどいようでありますが四月二十一日、それから四月二十四日、五月二十九日、四月二十二日、その製品につきましては、方法はグッドサイト方法でございますが、いずれも砒素が陽性で、定量はまだでございますが、かなり強度のようである。それからMC五八一六Aというものがありますが、それは定性でも出ておりません。それからカルシウム、乳酸鉄、両方調べておりますが、この材料といたしましては陰性でございます。出ておりません。従いまして、結果的には陽性、定量はわかりませんが、MFの粉乳の中に、砒素がかなり強度のようであるという予備試験の報告でございます。御報告申し上げておきます。
  42. 山下春江

    ○山下春江君 今の国立衛生研究所のMFの四種類のものに対しては陽性であったということから申しましても、この社会労働委員協議会全員の意見でございますから、これはもう直ちに御処分を願いたいと思うのであります。私どもが今ここで申しますことは、厚生省を責めているのではございませんで、厚生省といえども、あれだけの大量の製品を一カン一カン検査をしておるわけではございませんが、要するにこの発生いたしました事件に対して、英断をもって処置をしていただくことが、心配をなくすることでございまして、これはちゅうちょすることなく御処置を願いたいと思います。そうして、今後どうするかということでございますが、今岡本委員からもお話がありましたように、厚生省は、非常にいいことと思ってカルシウムなどということをお考えになったことでしょうけれども、しかしながら、牛乳というものの中には――私は引揚げ問題で聞いたことでございますが、あのジャングルの中に十年間生き延びてこられたということは、ただそこらにいるイタチを取ったり、トカゲを食ったり、青いものを食ったりして生きていられるものでないそうであります。たまたま山中に野豚がおりまして、その野豚の乳を若干入手できる方法があったので生きていられた。これは引揚者の人から聞いたのでございますが、そういう点から考えまして、よいことをやろうと思ってこういう大けがをいたしますよりも、むしろ乳の中にあります栄養分だけでも――先ほど中川先生から、米も豊作だということでございましたが、これまたおもゆをもって赤ん坊を養うというような原始的なことに帰りますと、母も子供もひどい目にあうので、そういうことに立ち返らしていただくと大へんなことになります。やはり応急措置としてはやむを得ないとしましても、そこまであまり考えないで、脱脂した程度で与えましても、乳児はその方法さえ誤まらなければよくいくと思いますので、この際すみやかに、MFの陽性と出たものはかなり強い反応があるということになれば何をかいわんやでございますから、御処置を賜わりたい。他のもの、そういう症状、現象が出なかったというものに対しても、なお一そうの御研究を賜わりたいのでありますけれども、MFに対しては、すみやかな御処置を賜わりたい。そのことが全国の母親たちを安心させることであると思いますので、くどいようでありますけれども、局長の御英断を承わっておきますことによって、全国の母が安心すると思うのであります。
  43. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま山下先生御指摘のMFにつきましては、二十四日、私ども報告を受理いたしますとともに、直ちに全部押えてございます。
  44. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) よろしゅうございますか。それでは吉川兼光君。
  45. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 まず最初に私のお伺いしたいのは、ただいま局長の御報告を聞いておりますと、新聞の報道よりやや数が少いようでありますが、それでも三千名近い患者がいるそうでありますが、その患者に対する処置は今どういう状態にあるかということをお聞きしたい。
  46. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 先ほども御報告申し上げましたように、保健所を通じて、怪しいと思うような患者についての報告を全部取り、そしてお母さんたちみずからすぐ病院に行かれるところもございますが、あるいは保健所で病院をお世話をするというようなことで、できるだけ正しい医療をお受けになれるように指導するという措置をとっているのでございます。
  47. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 そういう抽象論ではだめなんでさ。重症患者がどのくらいいるとか、軽症がどの程度とか、重症は重症といいながらどういうことをすれば助かるとか助からないとか、そういう詳細な調べがあなたのところにできていると思いますが、そういうものはできていないのですか。
  48. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま吉川先生から御指摘の、患者の症状別の報告を取っているかどうかということでございますが、これは先ほど、最初に申し上げました症状をこちらから通知いたしまして、そういうような症状を呈するもの、必ずしも全部がそうというわけではないが、そういうものをこちらに報告を出させる。それから死亡者ということでございますので、ただいま吉川先生が、これはどうだとおっしゃった症状別の程度別のは、こちらに参っていないわけでございます。しかし、症状に対してはこういう措置があるというようなことを、通牒をもつて出しております。それからそれの費用につきまして、これは今日まだここであまりはっきり申し上げるべきじゃないと存じますけれども、防疫当局とも相談いたしておりまして、昨年のビキニの原爆マグロのときの事故と同じように、とりあえず防疫などを利用して措置したい。そうして、もしこれが長く続くということになりますと、特別のことを考えなければなりませんが、経費的にはそういう措置も講じられるようにやりたいというふうに考えておるわけでございまして、ただいまその資料を出せとおらしゃいました症状別のは、こちらにまだ取っていないのでございます。
  49. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 どうも私どもとそこが少し観点が違うと思うのです。こういう事態が引き起りましてから、たとえば砒素の含有量がどのくらいであるとか、あるいは重金属の中毒がどうであるとか――むろんそれは大事なことでありますが、あなた方の方で、日ごろこういう御用意が足りなかったから、こういうようなことを未然に防げなかったのだと言えると私は思うのであります。  そういう問題はまた別に論ずるとしまして、あなたの方の発表によると、三千人からの患者がいて、その患者というものは、要するにこれで死んだ乳児患者との間が画然と分れているわけではなくて、紙一重の違いの患者もおるだろう、いわゆる死亡一歩手前の患者もおるだろうと思うのですが、そういう者は助かるのか助からないのか、どういうふうな処置を地方でやっておるのかということの調べがなければ、あなた方がこの問題に対する責任ある処置、対策を講じておるというふうには、われわれには受け取れないのです。おわかりにならなければ、その程度でよろしいのですけれども、実は今ビキニ中毒患者の話も出ましたが、私は考え方によりますれば、あのビキニの放射能の患者の問題よりは、今度の方がより重大だと思うのです。それは先刻来小島君の質問の中にもありましたように、相手が、それより全然自意識がないといっていいような乳児、幼児であって、与えるものをそのまま摂取するのですから、そういう者に致死量以上の毒素を含有するものを与えるようなことが平気で行われておって、そうしてこういう問題を起しておる。これは、何だかビキニの中毒患者のときは――むろんこれも重大でありますが、国をあげてあんなに騒いだけれども、こんな問題になりますと、大臣もいなければ、次官も出てこない。いわんや政府の声明書もなければ、これに対する総理大臣の談話のごときものも、私は気がつかなかったのかもしれませんが、新聞にも出ておらない。まるで私は問題が本末転倒しておると思うのです。これはむろん大臣に向って言うべきことでしょうが、大臣が来ないから、私はあなたに申し上げるのですけれども、イギリスとか、あるいは一昨年私も回ってきましたが、北欧のいわゆる社会主義国家、福社国家というところにおきましては、乳幼児というものは一番完全に近く国家の保護を受けておるのです。こういう者が全然放置されて、こういうような事態を起しておきながらも、政府からこれに対して、国民に向って、あるいは母と子供に向って、何らの意思表示も行われておらない。何ということかと、私どもは驚きあきれざるを得ないのです。たとえば、森永にいたしましても、私の国の方にたくさんの酪農業者がありますが、そういうところの農民の牛乳は、ただみたいに取り上げておる。取り上げておいて、どんどん酪農もつぶれ、あるいは専門の乳業者を非常な窮迫に追い込んでおきながら、一方におきましてはこういうことを行なっておる。  私はいわゆるもうけ主義の今日の大資本のやり方は、ひとりこの問題だけではないと言いたいのでありますが、そこで私はあなたにお伺いしたいのは、今年の三月でありましたか、例の雪印の粉乳問題というのがございましたね。あれは文部省から特に学校給食の停止処分のようなことをやったりした大騒ぎの事件でありますが、その問題に対する――あれはブトウ状菌か何かであったのですね、その調査報告というものも、われわれは寡聞にして今日まで聞いておりません。何だかしり切れトンボになったように思いますが、それを一つ聞きたいのです。同時に、そのあとでこの粉乳業者といいますか、そういう連中の自粛申し合せというものが新聞に出たように記憶いたしておりますが、その自粛申し合せの中に森永も入っていたのか、いないのか、そういう点をお聞きしておきたいと思う。
  50. 楠本正康

    ○公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君 雪印の問題につきまてしは、これはすでに検査基準に細菌数を調べることに相なっております、従いまして。責任の帰趨というようなことになりますと、むろん行政当局も負わなければなりません。しかしながらこの問題につきましては、この結末といたしましては、ただいま御指摘のございましたように、自粛を申し合せることと、施設の改善を実施いたしますことと、それから自主的に試験検査を強化し、直ちに試験検査をするという三項目を実行いたすことに相なって、その後逐次実行に移しております。なお行政処分といたしましては、北海道庁と相談の結果、厚生省で戒告を与えるか、北海道庁で与えるか、とにかく徹底を期するためには、地元の北海道庁が与えた方がいいだろうということで、北海道庁から厚生省にかわりまして厳重な雪印に対して戒告を与えております。これが先般三月の粉乳問題の結末と申すことでございます。  なお森永も、もちろんその自粛の仲間に入っておりまして、きめました通りに検査を機構拡光する、施設の改善を行うというようなことを実施いたしております。
  51. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 それが問題でございまして、ここで私三月の雪印事件の問題まで遡及して論じておりますと、他の委員の時間を妨げますから省きますが、森永は今から五カ月くらい前、しかも同じ粉乳事件でああいう問題を起して、業者の自粛申し合せに入っておるというのですね。その入っている森永の製品からこういうような大事件が起るということは、全体、自粛ということはどういうふうにあなた方は解釈しておるか、業者の自粛というものは、どの程度のものであるかということの御解釈を承わりたい。
  52. 楠本正康

    ○公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君 その点は、まことに遺憾でございまして、私どもも十分責任を感じておりますが、特にここで雪印のときの問題と違った一つの問題は、従来指導監督の細目につきましては、細菌数あるいは脂肪量というようなものが規定されております。ところが今回あるいは問題になるかもしれぬ添加物につきましては、たとえば重金属等につきましては検査の規格がございません。従って、直接監督の対象になっておらぬように存じますので、この点に関しましては、先ほど岡本先生からも専門的なお話がございましたが、私ども非常に責任を感じておりまして、至急これらの問題を明らかにいたしまして、添加物につきましても、十分なる監督並びに自粛的な検査ができるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  53. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 私どもは、聞くたびにますます奇怪な感じが起ってくるのですが、そうしますと、あなたの方のいわゆる厚生行政というものは、こういう犠牲者が出てから初めて――今も山下さんがおっしゃっておったように、どろぼうを見つけてからなわをなうというような処置をとるのがあなた方の仕事でしょうか。なるほど今の食品衛生法、あるいは乳及び乳製品の規格だとか成分とかに対する省令がございます。そういうものをちょっと今一読いたしましたが、そういうものは非常に粗漏であって、はなはだむちゃに近いような法律、省令に終っておると私は思う。だからといって、その程度の粗雑な規定と省令の範囲で仕事をしておればよろしいというふうにあなた方はお考えになっておるのかどうかということなのです。先刻来岡本委員と山口局長との専門的な話を伺っておりますと、すでにいわゆる重金属の中毒その他についても、局長は一つの考えをお持ちのようでございますが、そういう考えがありまするならば、あの検査規定その他の非常に粗漏なものを、なぜもう少し内容が整うような、この間から半年近くも国会を開いておりましたのにそれに対する何らのお話も聞かない。いわんや改正案の提出のごときものも見ておらないのです。そういうようなことで、大体今日の非常に複雑になってきました食餌関係と申しますか、そういうものの国民健康の面における完璧をあなた方は期し得ると思っておるのかどうか。今、楠本さんのお話にもあるようでありますが、いわゆる雪印事件でも、まだ行政方面の処置はついておらない。行政方面の責任はあると考えるという御答弁のようでしたが、それに対する具体的な現われは聞いておりません。それから北海道庁のごときものは、ある意味におきましてはその雪印の大資本にまかなってもらっておるような役人もおるのじゃないかと思いますが、そういうところからもおざなりの戒告のようなものをやって、それでこのことが能事終れりというふうにもしお考えだとするならば、はなはだ不誠実であると言わなければならぬのでありますが、この間に対するあなた方のお考えを、一つもっと詳しくお聞かせ願いたい。
  54. 楠本正康

    ○公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君 まことに御指摘の通りでございまして、私どもただいま率直に申し上げましたのは、まことに責任を感じておりますから、逆に率直に申し上げた決第でございまして、検査の規格その他につきまして、ことに最近の食品がすべていろいろな過程を通り、いろいろな段階を通って製品になります現状におきましては、はなはだ遺憾な点も多いのでございまして、この点は責任を感じておりますあまり率直に申し上げた次第でございます。従いまして、今後私どもといたしましては、できるだけ近代的な複雑な食品にふさわしいような取締り方法を講ずべきものと、深く反省をいたしている次第でございます。  なお、はなはだ弁解がましい言葉になりますが、元来添加物、たとえばカルシウムあるいはビタミン、窒素、鉄剤というようなものな、すべて添加物といたしまして製造方法あるいは成分等を厚生大臣に申し出まして、それを調べた結果、よければ許可をするというやり方にいたしております。従いまして、どんなものを入れてもいいという意味ではございませんが、ただ残念なことに、それらのものを検査する方法が、今のところは確定しておらない、こういうことでございます。なお、私どもただいま御指摘のように、はなはだどろぼうを見てなわをなうたぐいになりますけれども、何分にも重金属の毒が牛乳に入るというようなことは、むろん世界牛乳史上、おそらく初めての問題だろうと存じます。実は考えも及ばなかったところに、心のゆるみといえばゆるみでございますが、気がつかなかったという点に責任を感じておる次第でございます。今後はますます複雑になります食品につきまして、できるだけ適切な処置ができますように至急返事をいたしたい、かように考えておる次第であります。
  55. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 あなたが非常に責任を感じておることは、私ども了承いたしますが、しかし、これは率直に申しまして、あなたがお一人あるいは何人かの厚生省の役人が責任を感じてどうなるというものではないのです。私どもが求めるのは、そういうあなた方何人かの責任痛感論をここでお聞きすることではないのであります。私は実はこれは的確に調べたわけではありませんが、フランスでは食パンあるいは牛乳、こういうものの成分、規格というものをきめておいて、勝手に製造所の方で水をまぜたり、あるいはパンの成分、規格を落したりしますと、十五年くらいな刑役に処せられる。これは私しばらく前にある画家の随筆を読んで、一ぺんそういうことについて調べてみたいと思っておりながら、そういうチャンスがなくてはっきり調べておりませんが、一体そういう事実があるのかどうか、なるほど私、戦前向うを旅行してみまして感じたのですが、パンと牛乳は非常においしかった。ですから、いかに金持ちがぜいたくをしておりましても、貧乏人がそれに対してそれほど不平を言わないというのは、そういう最低線の主食といいますか、そういうものの規格が国家によって守られておる。それで日本資本家のようなべらぼうなものが出てきて、それをくずすようなことはしない。もしそれをくずすと、殺人罪と同じ処罰を受けるということを聞いておりますが、そういうことに対するお調べができておるかどうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  56. 楠本正康

    ○公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君 ただいま御指摘のような外国の立法例等も調べてございます。しかしながら、これまた御指摘のように、罰則等になりますと、日本食品衛生関係の法律は、一般に諸外国よりもはなはだ軽度のように感じられます。
  57. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 私は実はそこに問題があると思うのです。繰り返すようですが、同じ粉乳であるものに、半年たたないうちにこういう問題が起るということは、立法の最初の立案をなさるあなた方官僚方面のこのことに対する御認識も足りないと思うし、それから現にああいう問題が起っても、この間の国会において何ら厚生省側にそういう立法的な措置を何とかやろうという動きも見えない。単に戒告かなんかで済ましている。なるほどあなたのお話を伺っておりますと、重金属関係の中毒、そういう毒素が牛乳に入っていようなどとは想像もしていなかった、世界で初めてであるから、それは不可抗力であるというような言い方です。あるいは、そのものだけはそう言えるかもしれない。しかしながら、私はそれには前提があると思う。その前提があるということは、日本資本家、特に乳業関係においてでたらめなんですから、そういうでたらめな業者に対して、しかも半年もたたない前にそういうしくじりがあるのに、それに対するところの措置がえんえん遷延されまして、しかも今の三カ条を伺いましてもきわめて微温的である。あなたみずからが認めるように、食品関係の刑罰が軽い。これはあなた方が軽いと思えば、重くすべきことを上司に述べたらいいのです。各省とも局長、部長等の意見が、多く法律案を作るときに省議において有力な意見になるはずですから、私はこれを機会に、一つフランスの例その他の例をお調べになって、急速に食品関係の法律の不備な点を整備する御意思があるかどうかということを、この際はっきり伺っておきたいと思います。
  58. 楠本正康

    ○公衆衛生局環境衛生部長楠本正康君 ただいま御指摘もございましたように私どもといたしましては、現在の食品衛生法というものが最近非常に複雑になりました各種の食品安全を期するのに、欠けるところがあると率直に認めておりますので、至急改正の方法を講じたい、かように考えておる次第でございます。
  59. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 あとにも質問者がおるようでありますから、私はできるだけあれしますが。私は日本のような、この利潤の追求の前には、もう民族の将来も国民の健康も、そういうことを考えられないような、はっきりした、こういうふうに半年の間に二回もこういう事故を示して、明確に乳業資本家の考え方というものが国民の前に暴露されたのでありますが、私ほこういうふうな、特に乳幼児の生育に欠くべからざる粉乳のようなものは、将来国家管理をするとかあるいは国営にするとか、こういうような構想も私は持つべきじゃないかと思うのですが、そういうことに対して、あなた方はかつてお考えになったことがあるのかどうか。またこの機会において、そういうことをわれわれが提唱する場合、あなた方はそれにどういう御意見を持つかということをこの機会に聞いておきたい。
  60. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいまの吉川先生の御意見でございますが、人工栄養児に対する主食とも考えられます乳製品を、国家管理にしたらどうかという御意見は、私ども現在までのところ、そこまでは検討いたさなかったのでございまして、食品衛生法の建前で、これは先ほど楠本部長からも種々お答え申し上げましたが、現在の食品衛生法が、いろいろこういう複雑な状況、になって参りますと欠陥が認められて参りますので、それを是正しなければならぬとのうことはお答え申し上げた通りでございます。また刑の問題についても、先般御指摘の通りでございます。私どもは一般の食品に対して、食品衛生管理、製造から販売に至りますまでのその点を強化して、安全をはかりたいという線で進んで参っておったのでございまして、現在までのところこれを乳幼児の主食であるからというので、国家管理にするというところまでは考えておりませんでした。その問題は、非常に大きな問題になって参ります、国家管理ということになりますと。従いまして、現在のところは、先ほどから御指摘のように、種々食品衛生法の運用、あるいは内容につきまして検討して、強化していかなければならない機構にしても方法にしても、強化していかなければならない点が起ってくると存じますので、そちらの面で進んで参りたいというふとに考えておるわけであります。
  61. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) ちょっと吉川さん――この際各委員の御意見にかんがみまして、協議会の性質上、座長の名をもちまして、次の声明書を発表いたしたいと存じますから、御了承を願いたいのでございます。    声明書   森永乳業株式会社製造にかかる粉乳に基因して岡山県外数府県において多数のいたいけない乳児が中毒死亡し、又全国に亘り約二千名の乳児被害者の発生を見たことは、ひとり公衆衛生上の一大不祥事件たるのみならず、人道上の悲惨事として看過し難いものであって真に痛恨に堪えない次第である。凡そ人工栄養児に対して粉乳は必要欠くべからざるものなることに思いをいたし、当局は直ちにその原因を究明して、もって世の母親の不安一掃に努めるとともに、その結果の判明するまでの間は、同会社の不良製品に対し直ちに全面的販売停止処分を行う等乳業関係業者に対する取締及び制裁を厳重に励行して、将来再びこの種事件の発生せざるよう速かに有効なる対策を講ずべきである。   右声明する。    昭和三十年八月二十七日  衆議院社会労働委員協議会座長           中村三之丞何とぞ御了承を願います。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) 吉川兼光君。
  63. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 そこで、これは先刻山下さんからもちょっと御質問があったようですが、あなたの御答弁が明確でなかったように思うのです。これは今のMFの二十数万カンのものを全国で回収した。そうしますと、どうしてもそれだけ、ちょっと穴があくわけです。需給関係を、私よくわかりませんけれども、われわれに言わせますと、その他の会社の製品にも、しさいに調べると、相当悪いものがあるじゃないかと非常な不安が伴っておりますが、そういう不安を払拭しつつ、需給関係に支障のないような何か適宜な処置を講じておるか、他の製品の不良カンが当然これは伴います。たとえば、ただいまの白石の製品にしましても、森永以外のところにも、そのカルシウムが納められておるようです。従って、そうでなくとも雪印と考えあわせてみましても、私はその他のこういう乳業関係の作業というものは、大同小異だと思うのです。もし大同小異と考えられて、この前の事件のときにその他のところを調べておれば、それは検査規格とか検査条項とかを忘れておられぬとは思います。何か調べられたかもしれませんが、私はどの商品にも相当不良品があるというふうに想像いたしますが、そういう検査を行いつつ、なお一方において、何としても人工栄養児にこれは一日も欠くべからざるものであって、そういう需給関係の調節といいまするか、調査が行われておるかどうかということをこの際聞いておきたい。
  64. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 先ほどもお答え申し上げましたように、現在-先ほど吉川先生が回収した数量について数字がございましたが、私どもが回収いたしましたものは二十六万カン回収いたしております。それを押えて、それから先ほど国立衛生試験所のデータも出ておりますけれども、徳島工場で作ったものを全部販売停止するということをいたしております。これは二十四日以来いたしております。その程度でございますけれども、現在滞貨がほかに相当ございますので、需給関係は心配ないというふうに考えております。  それから、これは先ほど山下先生の御質問に対して答弁申し上げたとき申し上げたのでございますが、患者の発生状況からいたしまして、徳島工場の製品ではないかという推定でございますから、これは何とも申し上げられません。これは国立衛生試験所でカルシウムそのものを調べましたものからは出て参りません、何かほかの原因じゃないかという、これも推定にすぎないのでございます。従いまして森永乳業の、ほかの工場で作りましたものを調べております。それからほかの会社で作ったものも調べております。私ども現在までの患者の発生状況、それから国立衛生試験所で調べました調査から見まして、徳島工場のある一定の期間の製品じゃないかという推定でございます。  それならば、現在滞貨が相当ございますので需給関係はそう心配ないというふうに考えております。  なお、先ほど申し上げましたように、この滞貨の分布状況、これは直ちに、もしほかの方も全部押えなければならないということになりますと、そこらにいろいろ条件が起って参りますので、そういう点の滞貨の数量は相当数ございますことは、こちらで調べておりますので、その分布状況を現在調査いたしておりまして、万一いろいろ押えていかなければならぬというようなときに支障のないように、手を打っていかなければならぬ、そういうふうに考えております。
  65. 吉川兼光

    ○吉川兼光君 もう最後でございますが、私がお聞きいたしておきたいと思いますのは、なるほど今度の中毒事件は、その患者の発生の分布状況から見て、徳島の製品であるということは、大体厚生省の御調査の通りではないかと私どもも想像いたしますが、ただ私が由し上げたいのは、半年の間に雪印の事件が起ってまた森永の事件が起つたということは、あの業者がいかに由し合せなどをやりましても、大体彼らの考えておること、中の組織あるいは利潤追求の状況などは大同小異ではないかと思いますから、今度は徳島のそれかもしれませんけれども、またいつどんなことが起るかもしれませんので、私は予防の意味でほかの乳業関係の会社の製品についても――今厚生省が直ちに準備に手を回すには手不足などという問題があるかもしれませんが、相手によっては指件でもいいでしょうし、いろいろな意味でそういう方面の調査その他万全を期しておるか、そこの製品の万全を期するために、調査その他を続けておるか、指令を出しておるかということです。  それから、今のストックの関係で、需要関係は一応了といたしますが、今山口さんからお話がありましたあなたの方の調査、また各地でいろいろな機関がいろいろな検出をやっておることが新聞にずいぶん出ておるようですが、ああいうものを一まとめにしたものが一つ。それからあなたの方からあるいは白石工場に、あるいは徳島とか岡山などの現地に係官を派遣しておるようでありますが、こういうものの報告とかを、できるだけ早くわれわれ委員の方に資料として回していただけるかどうかということを御依頼したい。これをもって私の質問を終ります。
  66. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 ただいま吉川先生から御要求の資料については、できるだけ早く整えまして、差し上げるようにいたしたいと思います。
  67. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) 神田大作君。
  68. 神田大作

    ○神田大作君 局長にお伺いいたしますが、先ほど大臣が帰ってきたら、この問題に対して御趣旨に沿うような適切な措置をとると申されましたが、そのことをいま一度はっきりと、どういうような具体的な措置をとるかという点を御説明願いたいと思います。
  69. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 先ほど先生方から御要望のございました製品の範囲、そういうものも、先ほど御答弁申し上げましたあとで、国立衛生試験所の調査成績なども、帰って参りましたら私どもの考えも大分固まって参るわけでございますが、逐次その調査成績なども出て参りますので、それではどうしても危ないと思われる場合には、これは大事をとりまして、一時販売停止、製造中止というような方法も講ずべきではないかというふうに考えております。これも、先ほど中川先生の御質問に対しましてお答え申し上げました通り、大臣も帰って参りました上で、指示を仰いで措置をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  70. 神田大作

    ○神田大作君 そうすると、森永粉乳の種類等については、なお今後調査をいたした上において適切なる措置をする、そういうことでございますが。
  71. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 それを待っておっては危ないではないかというふうな御注意もございますけれども、現在までにわかっております成績などを勘案いたしまして措置をしなければならぬというふうに考えております。
  72. 神田大作

    ○神田大作君 そうすると、森永乳業の製品全体に対して、直ちに販売中止の措置を行うというような、そういう英断はなさる意思はございませんか。
  73. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 これも上司の指示を仰いでということになるのでございますが、先ほども申し上げましたように、国立衛生試験所で調べましたカルシウムには出ておりませんので、今まで得ました成績を勘案いたしまして措置を講じなければならぬ、そういうふうに考えております。決してこれから先どんどん出てくるいろいろな資料の成績を待ってというようなことは、いたさないようにしなければならないと存じております。
  74. 神田大作

    ○神田大作君 現在の粉乳に対する国民の不信というものを解消する上においても、他の製品がやはり森永粉乳と同じような状態であるかどうかというようなことに対しましても、非常に疑問を持っておるので、この森永粉乳に対しましては、はっきりと原因のわかるまで販売停止をする、そうしてほかの製品にはみなそういう関係がないというようにしないと、粉乳そのものに対する不信によって需要供給が非常に乱れる、そういうおそれがあると思うのです。そういう点について御考察願いたいと同時に、粉乳の使用が非常に減少いたしましたから、人工乳幼児に対する栄養指導について適切なる指示をあらためて与えるべきではなかろうかと思います。これにつきましての適切なる指示をすみやかに与えてもらいたい、こういうように考えるのでありますが、この粉乳にかわるべきところの人工乳幼児に対する指導に対しまして、どのようにお考えになっておりますか。
  75. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 先ほど山下先生からも御注意がございましたが、人工栄養児に対する栄養の問題は、おもゆだけでやるというようなことは、非常にこれはまた大へんなことになりますので、安心できると思われる粉乳を使うなり、あるいは手に入れば生牛乳を使う、いろいろな方法があると思うのでございますが、それはその個々の状波によって指導していかなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。私どもは、この問題について、人工栄養児の栄養状況が非常に悪くなるというようなことがあってはならない、これは御注意のあるまでもないことでございますので、その点は、それらの指導に携わっている人間は、当然今度の問題で考えているわけでございまして、各病院の担当の医師なんかも、すでにいろいろな意見を発表しておられます。私どもといたしましても、私どもの現地の指導機関でございます保健所を通じて、ただいま神田先生御指摘のような、どうしても粉乳が手に入らないというようなところにおいてほどういうふうにすべきかということを、個々のケースによって指導するように重ねて注意したい、そういうふうに考えております。
  76. 神田大作

    ○神田大作君 今度の問題についてわれわれが痛切に感ずることは、食品衛生に対する当局の指導監督が万全を期してなかったのでなかろうか、こういうことをわれわれ考えるのであります。その一つの例といたしましても、これば今度の粉乳とは関係はないぶ、われわれは牛乳等を各地において飲む。あの牛乳等に対しましても、そのところどころよって、おいしい牛乳があったり、あるいは非常に薄い牛乳があったり、味等においても、何かまざりものが入っているような牛乳があったりする。これはだれも経験しておるだろうと思う。一体こういう牛乳並びに乳製品に対して、当局は今までどのような末端の取締りあるいは指導監督をやっておったのか。実際の問題として、われわれは旅行して歩いて各地の牛乳を飲む、あるいはほかのいろいろな製品を見て、そこに果して衛生的な観点のものに立って指導監督をしておるかどうかということを疑う場面に再々出つくわすことがありますけれども、この点に対しまして、あなたたちはどのようにお考えになっておりますか。
  77. 山口正義

    ○公衆衛生局長山口正義君 食品衛生の監視につきましては、これは現在の建前といたしましては、保健所の食品衛生監視員が現物を収去しこれはでき上ったものにつきましては収去して検査する。製造工程、それから保存その他についても、食品衛生監視員が監督をいたしているわけでございます。ただいま御指摘の牛乳につきましては、先ほども楠本部長から吉川先生のお尋ねに対しまして申し上げましたように、食品衛生法に基きます牛乳に関する特別な省令がありまして、それにいろいろな基準がきめてございますので、それに従っていろいろな監督をいたしているわけでございますが、ただ実際にどの程度の頻度において抜き取り検査をやっておるかというようなことにつきましては、これは保健所におきます食品衛生監視員の数、それから対象業者、一応勘案して私ども配置をいたしておるわけでございまして、先ほど楠本部長からも申し上げましたように、食品の状態がだんだん複雑になって参りますので、たびたび御指摘をいただいておりますように、必ずしも十分できていないということは、私どもまことに申しわけないと思っているわけでございますが、これは地区によっていろいろでございまして、先般二週間ほど前に、私、埼玉県の酪農と申しますか、集乳所などを見に参って、それから小さな牛乳処理場にも参ってみたのでございますが、そこでは抜き打ち的に保健所の職員が来て――そこでは月二回ぐらいと申しておりましたが、それを収去して、そして合わないものについてはすぐ全部廃棄を命ぜられるというような報告をいたしておりました。そういう、廃棄を命じなければならぬ事態もあるくらいでございますので、ほんとうからいうと、もっとたびたび監督をすべきだと思うのでございますが、これは言いわけにはならないのでございますが、現在人員等の関係で、それが十分に行われていないということを、たびたび御指摘を受けているわけでございます。そういう状況でございます。
  78. 神田大作

    ○神田大作君 局長の率直な答弁によって、私はそれ以上申し上げませんが、この食品衛生に対する指導監督に対しましては、先ほど吉川委員からも指摘されたように、法的な欠陥もあるようでございます。またそれに対する末端の指導監督等においても、適切でない点も見受けられるので、この際一つこの点を抜本的に検討をせられまして、この法律の改正と同時に、末端行政の徹底を期してもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終ります。
  79. 中村三之丞

    ○座長(中村三之丞君) ほかに御意見はありませんか。  それでは本日の協議会はこれにて散会いたします。   午後零時三十三分散会