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1955-06-07 第22回国会 衆議院 商工委員会科学技術振興に関する小委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和三十年六月七日(火曜日)     午前十時三十九分開議  出席小委員    小委員長代理 長谷川四郎君       小笠 公韶君    齋藤 憲三君       中村庸一郎君    堀川 恭平君       森山 欽司君    小平 久雄君       櫻井 奎夫君    帆足  計君       佐々木良作君  出席政府委員         通商産業事務官         (軽工業局長) 吉岡千代三君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君         通商産業事務官         (石炭局長)  斎藤 正年君  小委員外の出席者         議     員 笹本 一雄君         通商産業事務官         (軽工業局有機         化学課長)   宮澤 鉄蔵君         通商産業事務官         (軽工業局日用         品課長)    馬場 一也君         通商産業技官         (石炭局技術課         長)      八谷 芳裕君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君         専  門  員 円地与四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 六月二日  森山欽司君五月三十一日委員辞任につき、委員  長の指名で小委員に補欠選任された。 同月六日  加藤清二君六月三日委員辞任につき、委員長の  指名で小委員に補欠選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  石油、石炭及び有機各化学工業に関する件     ―――――――――――――
  2. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)小委員長代理 これより会議を開きます。  石油化学工業、石炭化学工業並びに有機化学工業に関して調査を進めます。まず政府より、各化学工業の概況について説明を求めます。吉岡政府委員。
  3. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 石油化学につきましては昨年五月に衆議院におきまして有機合成化学工業振興の御決議をいただきました。その後他の条件の成熟と相まちまして急速にその企業化が進んでいるということは御承知の通りかと思います。それで従来基本的の問題につきましては二、三度前の化学工業小委員会において御説明したこともございますので、なるべく重複を避けまして、現状を中心にごく概略を申し上げたいと思います。  お手元に「石油化学工業の概要」という小冊子をお配りしておりますが、その序文のところにちょっと書いておきましたので御参照いただきたいと思います。外国におきましては数十年前からこれが企業化が始められており、現在特にアメリカ等におきましては、化学工業の全分野において非常なウエートを占めておるということは御承知の通りでございますが、わが国におきまして、最近企業化が具体化してきたという主たる理由といたしましては、まず需要の面におきまして、御承知のように、最近における合成繊維、合成樹脂等石油化学製品を原料といたします需要部門が急激に発展して参った。従って需要面と申しますか、石油化学製品が商品として企業的に成り立ち得る条件が整ってきた。また合成繊維の原料でありますベンゾール類でありますとか、合成樹脂の原料であるエチレン、スチレン等の輸入も、これをわが国において企業化いたしません場合は、年々ふえて参るというような関係からその製品をなるべく安く、かつ国産化ということが強く要請せられてきた、これが需要面の理由でございます。一方生産の面におきましては、御承知のように石油精製過程におきまして、逐次高オクタン価のガソリンを精製し得る近代的の精製設備が相次いで完成し、あるいは完成しようとしておる。そういう関係から石油化学工業の成立に必要といたします、均一したしかもこれが生産に適した成分を持っております排ガス等の供給が量並びに質の面におきまして期待し得る条件がそろってきた。以上のような基本条件の成熟に即応いたしまして、昨年の終りから本年の初めにかけまして、各社の企業計画、外国会社との技術提携等が急速に具体化して参ったというようなことをあげ得ると考えるのでございます。同時にそういうわけでこれを具体的に取り上げるという段階に参りますと、いろいろの問題も解決しなければならないという関係に立ち至っておるわけでありますが、石油化学工業は、御承知のように、非常に大規模な生産単位を企業の成立条件といたしますので、それに対する製品の需要でありますとか、技術上の関係、企業採算、言いかえれば価格の関係、また相当の資本を必要といたしますので、それに対する資本力と申しますか、企業の力というようなものを考えまして、わが国の実情に最も適した企業計画を選定する必要があるという点が第一点でございます。  それからこの石油化学工業の基本となりまする石油精製業との関係、それから関連化学工業との関係並びに従来他の方法によりまして同じ種類の製品を作っておりましたタール工業、発酵工業等との調整も考慮しなければならない。これらの問題につきまして、ただいま具体的に検討しつつ、施策を進めておるような状況でございます。  そこで政府としてこれに対してどういう考え方をとるかという点につきましては、お手元に「石油化学に関する資料」というガリ版刷りの資料をお配りしておったかと思いますが、その四ページに「石油化学工業の育成対策(未定稿)」というところを御参照いただきたいと思います。そこに書きましたように、実は通産省といたしまして、正式に省議決定というふうな段階に至っていないわけでありますが、事務当局といたしましては、数回事務当局の段階におきまして関係局打ち合せをいたしまして、大体こういう考え方で近く省議決定等に持って参りたい、こう考えております。  そこの二の方針というところに書いてございますが、まずおもな石油化学工業製品の今後における需要を想定いたしまして、その必要量を国際価格水準で供給するような体制をなるべくすみやかに確立いたしたい。その見地に立ちまして、各社の企業化計画のうちからいろいろな、技術上、経理上あるいは採算の面、資金計画等の点を考えまして、育成すべき計画を選定したい。それから石油精製の能力につきましては、これを石油化学工業のために大幅に増加することはいたさない、これは石油精製に関する通産省としての方針の関係もございますし、同時にこの石油化学工業の原料としての排ガスは、極力安い原料を使わなければならない。従いまして現在並びに今後における石油精製の仕事を前提にいたしまして、それから出ます排ガス等非常に安く手に入る原料を主体としてこれを考えて参りたい、こういう考え方をとっております。  それでそういう見地から適当な計画を選定いたしまして、それについては開銀の融資、設備の短期償却、外国技術の導入、税法上の優遇措置、機械の輸入等に対する外貨割当、関税上の優遇等の助成策を講じて参りたいというのが大体の考え方でございます。  それから各社の具体計画につきましては、その資料に一覧表を掲げてございますので、これにつきましては、御質疑等がありましたらさらに御説明いたしたいと思います。  次に石炭化学の関係でございますが、これにつきましては、通産省といたしまして官房を中心に低品位炭の利用促進研究会というものを設置いたしまして、本年の初め以来石炭局を中心に、関係局の担当官が参加いたしまして、石炭化学のみならずその他の面におきましても低品位炭の利用の研究をいたしております。昨日省議に中間報告があった程度でございまして、最終的なまとまった形の段階には至っておりませんが可能な限度におきましては、従来から個々の分野におきましてこれが促進をはかっておるわけでございます。そのおもなるものについて申し上げますと、第一に硫安工業の関係でございますが、具体的に申しますと、小名浜の日本水素の工場におきまして、低品位炭を利用いたしましてアンモニア原科のガスをこれから得る設備を現在建設中でございまして、本年の大体八月ごろから稼働する予定になっております。これによります低品位炭の年間の消費量は約十一万トンでございます。それから日東化学におきましても現在パイロット・プラントを計画中であり、また住友化学、山陽化学等におきましても、先ほど申し上げました日本水素の計画を注目しておるわけでありまして、おそらく日本水素の計画が成功いたしました場合には、これの計画を進めるということになるのではなかろうか。かりに現在これに関心を持っておりまする数工場が全部低品位炭を利用するということになりますと、推計でございますが、年間大体百万トン近くの低品位炭の利用分野が開拓されるというふうに考えております。それから、これは専売公社において、やはり小名浜に低品位炭を利用されました機械製塩の計画を進めておられるわけであります。ただこれはやはりコストの関係で相当現在の段階においては問題があるようでございます。それから戦争中行いました、石炭を完全ガス化いたしまして、人造石油と申しますか、オレフィンをとり、これからアルコールを誘導するというドイツの技術があるようでございますが、これにつきましても、昨年三井化学におきまして相当計画が進んでおったようでございますが、やはりコストの関係、また製品の需要等の関係から、同社といたしましては、御承知のように石油化学の方をとりあえずやりたいということで、目下研究中という段階であります。その他部分的の問題といたしましては、石炭を燃焼いたしました際の灰分をセメント原料に使う計画でありますとか、あるいは北炭において、北海道でやっておりまする坑内ガスを――これは保安上の見地からもございまして、これを抜きましてカーボンブラックを製造するとか、いろいろな計画があるようでございますが、ただいまこの化学関係で量的にややまとまったものといたしましては、最初に申し上げました日本水素のコッパース式によりまする計画が主たるものではないかと考えております。大体概略を申し上げまして、あとはお尋ねによりまして申し上げたいと思います。
  4. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)小委員長代理 以上をもって説明を終りまして、これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。  その前にちょっと私から軽工業局長にお伺いするのですが、あなたはいろいろ計画を立てているんだが、資金の方、たとえば今の石炭化学の方面の資金についてのあなたの御計画と、政府にあなたがどの程度まで当っていて、政府がどのくらい政府資金を出すか。自己資本ではおそらくこの工業は成り立たないと思うのですが、そういう点についてあなたの見通し等を一応話してみてください。
  5. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 お答え申し上げます。石油化学工業は、申すまでもなく日本としては初めての工業でございます。先ほど申し上げましたように、われわれの選定いたしております会社は、それぞれ相当の資本力を持っておるかと考えるわけでありますが、しかし当然これは金融機関からの融資を期待しなければならない。その場合にやはり全然新規の産業でございますので、政府自身も責任を持ってこれに資金的援助も行い、推進するのであるということを明らかにいたしませんと、必要の金融上にも支障を来たすという関係もございます。同時に資金の量もある程度の額に達しますので、その両面からこれに対しては必要限度の開銀融資をお願いしたいと考えております。ただ各社の計画が、現在それぞれ関係者が技術提携のために外国に行っておりますとか、具体計画について最終的の検討をしておるというふうな段階でございまして、われわれとしては今年度の少くとも後半には資金需要を必要とする程度に具体計画をまとめるべく努力いたしておりますが、現在のところ最終的にこれでいよいよ着手するという段階には、実はまだ至っておらないわけでございます。そういうわけで、資金量の算定等も的確なことを申し上げかねるわけでございますが、通産省といたしましては、本年度の予算編成に関しまして、財政投融資の開銀融資を要求いたします場合に、石油化学工業の育成ということを一つの有力な論拠として説明をいたしておるわけでございまして、担当しております企業局と私の方には一応の腹づもりの程度の額はございますが、今のような程度でございますし、また本年度の開銀融資の組み方といたしましては、具体的に石油化学工業に何億ということにはおそらくならないであろう。いわゆる一般ワクの中でせいぜい石油化学その他というふうに業種を例示されるというような程度が本年度の結論ではなかろうかと思います。そういうわけでございますので、ただいま具体的に何億ということを申し上げる程度に至っておりません。具体的に必要を生じた場合には最少限度のものは融資し得る態勢にあるというふうに私としては確信をしておる次第でございます。
  6. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)小委員長代理 これだけの計画をことしやる段階にはならないんだな。そこで政府の投融資についての腹がきまってなければ、各会社も、これに対して一応の申請はするだろうけれども、取りかかれないのじゃないか。そういう点について政府が幾らくらいの投融資を見込んでいる、しかも会社を幾つかの会社に限定してやるのだ、こういう心がまえから発足していかなければ、なかなかこれを実現化することは困難だと思う。そういうところで、もう少し今度ははっきり、その面をどのくらいまでやれると答えられる程度まで、企業局との交渉をいま一段と進めてもらいたい、こう思うが、どうでしょう。
  7. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 今申し上げましたような程度でございまして、実は額を今申し上げることはいかがかと考えておったのでございますが、今まで企業局長とお打ち合せをしておる段階では、まず五億前後程度はこの分として考えたいということに企業局長も申しております。ただこれは先ほど申し上げましたように、各社の具体的計画を最終的に決定し、同時にその時期における当該会社の資金繰りその他の関係もございますので、他の従来から継続しておるような企業とちょっと異なりますので、的確な意味では申し上げかねるのでございますが、大体その程度の話し合いはいたしております。
  8. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 石油化学と石炭化学は非常に大きな問題でありまして、われわれも専門外ながら、これに大きな重点を置いて、今後の日本の新しい生産態勢を確立していかなければならぬと思って、いろいろ話を聞いたり、本を読んだりいたしておるのでありますが、現在日本ではまだ世界的な科学技術のレベルを持つ石油化学工業というものも単に計画中であって、その実現もまだほど遠い状態になっている。と同時に、われわれの考えております石炭化学というものも、まだ本格的にその体系が整っておらぬように思うのであります。世間ではよく、石油化学の方がいいんだとか、あるいは石炭化学の方がいいんだとか、いかにも石油化学と石炭化学が相対立しているような観念をわれわれに与えるのでありますが、これは一体対立して考えるべきものであるか、あるいは石油化学と石炭化学というものは、相並行して発展せしめるところに将来の新しい生産態勢が確立されるものであるか、この点について局長はどう考えておられますか。
  9. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 もちろん、ただいま御指摘の後者の考え方に立っておるわけであります。特に日本におきましては、戦争中フィッシャー法による人造石油の生産等も行なった経験を持っているわけでありまして、ある意味においては石炭化学の方が先行しておったということも言えるわけでございます。ただ何分にも化学工業原料としてこれを使います場合には、ほかの要件もございますが、原料として非常に安いものでなければならぬという要請が非常に強いわけでございます。それで石油化学にいたしましても、石炭化学にいたしましても、それから出る製品というものは、大体他の化学工業なり繊維工業その他の原料ないしは中間原料として使用するものが大半でございますので、その意味から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、石油精製の過程から出る排ガス利用等を中心とする石油化学に比較いたしまして、石炭化学の方は、特に日本におきましては石炭の価格自体が高いという関係に一つの難点があるように考えられます。しかし一面から申し上げますと、それなればこそ、石炭鉱業合理化の一環としてむしろ積極的にこれを推進しなければならぬということも当然でございますので、われわれといたしましては、どちらに重点を置くということでなくして、相並行して極力可能なものはこれが推進をはかって参りたい、こういう考え方に立っているのでございます。
  10. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 先ほどお話がございましたが、低品位炭というものは、カロリーどのくらいのところで押えているか。またカロリーだけでなく、アッシュ分もいろいろな関係があると思うのでありますが、どの程度から低品位炭として扱うか。今採炭されている低品位炭の数量はどのくらいあるか。同時にこの低品位炭の中には亜炭は含まないものか、亜炭を含んでいるか、それをちょっと……。
  11. 斎藤正年

    ○斎藤(正)政府委員 低品位炭というものについて、どれから以下が低品位炭という絶対的な基準はございませんが、その地区で産出する石炭の中で通常大量に取引されるものが目安になりまして、それ以下の品位のものが低品位炭ということになるわけです。具体的に申しますと、九州、北海道のような、原炭自体が相当高品位の場合には、大体五千カロリー未満のものを考えている。それから常磐地区、宇部地区のような、原炭品位の低い炭田の場合には、四千カロリー程度のものを低品位炭と考えております。  それから亜炭は全然石炭と別個に考えております。亜炭については低品位炭という観念には入らないように、われわれの間では使用しております。
  12. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 この国会にも石炭合理化に関する臨時措置法が提案されて、これはいろいろ論議の対象になると思うのでありますが、国家的な見地から見て燃料の総合対策を確立するときに、日本の将来を考えて参りますと、どうしても日本の石炭、特に低品位の石炭、それから調査も不十分であるし、開発も不十分である亜炭、こういうものが大きな国内産の原料として取り上げられなければならぬと思っているのであります。工業用の熱原料といたしますと、高品位の石炭に重点が置かれる、あるいは重油政策というようなものも考えられる。この点に関しましても、いずれ法案を中心として質疑応答があると思いますから省略いたしますが、単なる家庭燃料として日本の国内を考えてみました場合にも、これは林野庁の調査によりますと、今行われているがごとき状態における薪炭の消費状態を続けて参りますれば、ここ十数年ならずして薪炭材は枯渇する、こういう状態に立ち至っているという。そういたしますと、われわれといたしましては、この貴重な木炭をどんどん家庭燃料として消費してしまうということすら、これは非常に残念なことであるのに、もう現に先行きが詰まっているというような状態にある際に石炭というものを考えますときに、低品位炭とか亜炭というものをこの際思い切って開発をいたしまして、コーライトあるいはコークスに作って、そのときに生ずるところのガスはガスとして利用する、そのときに生ずる化学原料は化学原料として大きな産業の原動力たらしめる、そうしてコークスあるいはコーライトというもので加工練炭を作って家庭燃料に回していく、そういうことも加味して参りませんと、石炭鉱業の合理化に大きな筋金が入らぬのじゃないかというふうにも考えられるのでありますが、私たちは木炭をあのまま家庭燃料に消費してしまうということは、一つの製鉄部面から考えてみても――今の製鉄技術において一番いい特殊鋼はどうしても木炭銑から行くのがいいという一つの理論もあるし、またスエーデンあたりのチェアーコール・アイアンはその実態を現わしておる。むしろそういうところに大きな切りかえをやって、低品位炭あるいは亜炭の開発によって家庭燃料の大きな切りかえをやって、そうして石炭合理化に対してもある一つの筋金を入れていくという大きな国策の切りかえをこの際必要とするのではないかというふうにも考えられるのでありますが、この点に対して局長は一体どういうふうに考えておられますか。
  13. 斎藤正年

    ○斎藤(正)政府委員 現に家庭燃料として木質燃料のかわりに石炭系の燃料を使うということは、これは森林資源の総合対策にもうたってあります。そういう方針については国としてもきまっておるわけでありますが、また家庭燃料として経済採算に乗る値段というものは案外高いものでございまして、木炭一俵四百円というふうに考えますれば、一トン当り二万数千円という値段になります。実は石炭でも必ずしも低品位炭を使用いたしませんでも、使用上のメリットの高いものを作りさえすれば、十分木質燃料に対抗できるわけでございます。その方法として現在通常使われております方法は、御存じのようにガスと練炭であります。ガスにつきましては、これは今供給能力自体が問題でございまして、供給能力を拡張する限りまだ当分増加の余地がございます。ガス事業拡張五カ年計画にも取り入れられておりまして、現状の五割以上ガスをふやすということになっております。この方はまだ当分の間は供給設備を増加する、すなわち製造設備と配管設備の増加ということに制約されるだけで、なお伸びていくと思います。それから練炭系統も、毎年着実に伸びておりまして、原料炭の使用量として年に二十万トンないし三十万トンずつ着実にふえております。そのぺースで今後まだ当分ふえるのじゃないかというふうにわれわれも考えておりますが、いずれにいたしましても、その両方合せましても現在の木質燃料の相当部分を代替するにはまだかなり間があるということでございまして、結局それ以外の用途を考えなければならぬ。一番簡単なのは、木炭代用の豆炭と申しますか、練炭のようなものを作るということが一番効果があるのでございますが、この方面は数年前からいろいろ研究がございまして、研究の補助金なども出しておりますけれども、まだ臭気がございますとか、火つきが悪いというような使用上のメリットで、どうしても木炭に及ばない点がございます。その辺でまだいろいろの計画がございますが、こういう形でならば木炭に急速にとってかわり得るほど発展し得るというほど技術的に完成したものはございません。ただ各方面でこういう計画をやっておりまして、相当企業化に進んでいるものもございますけれども、まだこの程度ならば十分いけるという見通しがはっきりついたものはないわけであります。これらについてはいずれも生産業者の兼業なり練炭業者というものがやっておる、あるいは石炭業社の傍系会社がやるというようなことになっておりますが、われわれの方で資金的なめんどうも十分見るつもりでおります。問題は技術的な点だけがなお若干研究の余地のある問題として残されております。低品位炭の問題は、家庭燃料よりも非常に安い価格で原料を供給し得るという点から、むしろ工業原料的に使用する方が適当であると思いまして、現在もっぱらその方面の研究を進めております。それから亜炭につきましては全くお説の通りでありますが、これもやはりガスにいたしますか、そうでなければ今申しました練炭のような形にいたしますか、あるいはお話のようなコーライトのような形にいたしますか、そのいずれかでありますが特にコーライトのような形あるいは練炭のような形につきましては、ちょうど石炭について申しあげましたと同じような使用上の欠点がございまして、その辺の解決がつきますればこれも価格は非常に安い、木質燃料に比べますれば安いものでありますから、十分発展性があるといふうに存じております。
  14. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 その亜炭は日本はどのくらいの埋蔵量になっておりますか。
  15. 斎藤正年

    ○斎藤(正)政府委員 亜炭につきましては、石炭のように、統一的な基準に基く正確な埋蔵量の調査というものはまだいたしておりません。一般に六億ないし七億トンという程度に見られておりますが、それは現在までに稼行した炭田についてごく小規模の調査をした範囲でございますから、もう少し石炭のように厳密な調査をいたしますれば、あるいはもっと埋蔵量がふえるということは考えられます。
  16. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 その精密化業工業の問題はきょうは省略いたして、あと、二、三伺っておきたいのですが、石炭、特に粗悪な石炭あるいは亜炭の上盤、下盤の二インチくらいのところにゲルマニウムがたくさん含まれておるという調査報告があるという話でありますが、それはどの程度の調査報告でありますか。
  17. 斎藤正年

    ○斎藤(正)政府委員 ゲルマニウムの含方量の調査につきましては、われわれ石炭局におきましてはまだあまり正確な調査ということはいたしておりません。ただお話のような岩石あるいは來というふうなものの中にも含まれておる。天北炭のような比較的炭化度の低い石炭によけいに含まれておるというふうなことがぼんやりわかっておる程度でありまして、正確なあるいは広範な組織的な調査というところまでまだいっておりません。
  18. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 コール・ケミカルを考えますときに、従来の石炭化学のやり方というものも、これはもちろん日本としては重大な問題、むしろある意味におきましてはペトロ・ケミカルよりも日本の方は石炭の実在性が確実であり、またこれから亜炭の量その他を考えますと、コール・ケミカルの方が国策としては非常に大きな分野を占めてくる場合もある、そういうふうに私は思うのあでりますが、その際に石炭の中に含まれているゲルマニウムの調査が、石炭局においてまた届いてない、分析もしてないんじゃないかと思うのですが、どうですか。一体通産省の政策としては、必要であるから原油をどんどん外国から入れればいい。そしてその原油を入れてペトロ・ケミカルをやっていけばいいという考え方に重点的指向が置かれているのでありますか。それとも日本の再建のためにはどうしてもある一つの苦労を忍んでも、また非常な困難を突破しても、あるいは多少ともコストが高くついてもこの際思い切って国内資源の開発を行なって、その国内資源を原料として何らかここに新しい生産性の確立をはかろうとする政策の方に重点を置いているのか、これは政務次官か大臣に伺うといいんだろうと思うのですが、局長でも十分おわかりのことと思います。この点は一体どうですか。
  19. 川上為治

    ○川上政府委員 ゲルマニウムの調査の問題につきましては、昨年ゲルマニウム懇話会というのを作りまして、ゲルマニウム関係の業者が集まりまして、そうしていろいろ現在研究をやっております。そのやり方としましては、やはりこの際調査をしまして、それから特に分析をするということに重点を置くべきだということで、調査については組織的な調査はやっておりませんが、たとえばどこどこの山の亜炭なら亜炭について、それを持ってきて、それぞれ各社において分析をするということに重点を置いてやっております。分析の結果につきましてはまだ十分出ておりませんけれども、中には非常に優秀なものもあるわけなんです。ただ問題は非常に広く多量にあるかどうかという点にあるわけでございまして、今のところまだそこまで組織的に調査なり分析は進んでおりません。このゲルマニウム懇話会におきましては、一方におきましてゲルマニウムをいかにうまく抽出するか、そしてその抽出された金属ゲルマニウムの品位をいかに高くさせるかという問題があるわけでございますけれども、現在たとえば東京瓦斯におきましても鶴見の工場でありましたか、ここでいろいろやっておりますけれども、遺憾ながらまだ品質がそれほどよくない。外国のものに比べますとまだ悪いという点があるわけでございまして、その点につきましては私の方としましても、あるいはその工業化助成金なり、あるいはその研究助成金なり、そういうものを与えまして、いろいろこの問題については研究を進めております。  いずれにしましてもこの事業につきましては、世界的に見ましても最近におきましては非常に進んでおりまして、最近聞いた話では、西欧の――国はちょっと忘れましたが、大体グラム九十円程度でできるというようなニュースが伝わっております。日本におきましては現在におきまして少くとも五百円以上かかるわけなんですが、九十円ということになりますと、とても太刀打ちできないという問題があるわけでございまして、それは結局多量にあるかどうか、亜炭なら亜炭について、石炭なら石炭について、どこどこの山にあるものが非常に多量にあるかどうか、それを徹底的に調べ上げなくちゃならぬということが一つ、もう一つは抽出されて作ったものの品位を非常に高くしなければならぬ、そういう技術の問題を大いに進めていかなければならぬという二つの問題が、一番大事な問題であると思うのですが、われわれとしましては昨年から一応これに対しましていろいろやっておりますけれども、まだ遺憾ながら十分なところまではいっておりません。
  20. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 それはゲルマニウムに関することでございますが、ただいまもお話しがございました通りに、グラム九十円で取れる国がある、日本ではとにかく五百円だ、いくら何円がひっついておるかわかりませんが、そういう場合に日本の石炭の中には相当にゲルマニウムがあるということはわかっておる。しかし外国から買うとこれは九十円で買える、それじゃ日本の石炭からゲルマニウムを取ることをやめまして、外国からゲルマニウムを買った方がいいじゃないかというように、日本の石油化学、石炭化学についてもそういうふうにお考えになっておるのか、あくまでもこれは一時的現象としてやむを得ず石油も買うし高粘結炭も買う、しかしできるならば国内石油資源というものの思い切った開発をやる、あるいは高粘結炭にかわるべきところの製鉄方法まで研究をして、日本は自給態勢に持っていくという政策に重点を置いておられるのか、これを一つ承わっておきたいと思います。
  21. 川上為治

    ○川上政府委員 私の方としましては、今齋藤先生からお話しがありましたように、やはり資源につきましては極力自給態勢に持っていきたいという考えは根本的に持っておるわけでございまして、ゲルマニウムにつきましても、やはり国内で極力生産をして、そうしてまかなっていきたいという考えを持っておるわけでございます。その点については単にゲルマニウムだけではないのでありまして、ほかの、たとえば石油につきましてもその他のものにつきましても、極力そういうふうに持っていきたいと思うのでありますが、何分さっき申し上げましたように、調査それ自体がまだ十分できてない、それからまた抽出のいろいろな方面が技術的にまだ進歩してないという点がありますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、あるいはその工業試験でありますとか、あるいは工業化関係の助成金を出して、そうして一日も早くそういう技術が確立されて、企業的に成り立つように持っていきたいというふうに考えております。また一面、調査につきましても各社で現在いろいろ連携をとりながら分析調査なりをさせておりますが、できれば政府においてもある程度の金を持って、政府自体としても調査をやりたいという気持を持っておりますが、現在のところ予算も十分でありませんので、遺憾ながらその点がそれほど組織的に十分調査ができておりません。しかし根本的な考えとしては、やはり若干国内のものが高くても極力国内のもりで間に合したいというような気持は持っております。
  22. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 ゲルマニウムの問題はまた後日に譲りますが、私の調査いたしました調査によりまして、今これだけ資料が集まっておるのです。これはゲルマニウムを医療に使ったところの文献であります。私はこれをまだよく読んでおりませんが、貧血とか結核とか、世界でもって大体五十ばかりの文献がある。ですからゲルマニウムの世界的な利用を考えますと、単にエレクトロニクスだけにこれを使っておるのではなく、医療に使っておる。しかも日本でも医療に使う研究は着々進行しておるのです。でありますから、今グラム五百円とか高いとか言うけれども、この際日本でももう一段と当局においては力を入れて、どこの地区の石炭にはどれくらいのゲルマニウムが含まれているというくらいの調査がなければ、大きな顔をしてコール・ケミカルはどうだということは言えなくなってしまう。ですからこの点は今後十分努力せられて、そういう点も一つ調査を願いたいと思います。  それからこの際ついでに簡単にお伺いしておきたいのは、私もこれは初めてきのう覚えたので実は驚いたのでありますが、ヘアー・ロックというものがある。これはパーマネント屋の髪の毛、日本人の女の髪の毛ですね。それから特に合成繊維のくずによってアメリカ進駐軍の軍需品と申しますか、いろいろないすのクッションに使う。それで今までどれだけの特需をかせいだかというと、二百万ドルかせいでいる。ことしもすでに四十二万ドルの契約が成り立っておる。こういうことを聞いたのですが、世の中に科学技術というものはいろいろあるものだということを私は痛感いたしまして、これはよほどわれわれも広く通産行政には勉強しなければならなぬということを考えたのであります。  そこで問題は、そのほとんどとるに足らない女の髪の毛にいろいろな高度の加工技術を施してクッションに使う、それと今対抗して、米綿及び落綿でもってパットを作っている。これで競争しようという状態なんだそうです。私たちは何も商売に関係があるわけではありませんし、また通産省の行政にくちばしをいれるというのではないのですが、先ほど来質問をいたしております通り、そういう場合に一体通産省としてはどっちを助成されるかという問題なんです。一方は女の髪の毛とか日本の原料で作る。それから出ていく合成繊維のくずを原料としてドルをかせいでいる。一方は米綿及び米綿の落ちを使ってパットを作って、それで商売をしていく。私たちから考えると、どんなにドルをかせぐのだって、日本にあるものを加工してドルをかせぐ方が日本としては本筋であって、アメリカから原料として輸入してくる米綿及び落綿を使って品物を作ってドルをかせぐということとは――商売人は別ですが、ものの考え方としてこれは本質的に私は違うと考えるです。そういう二つの仕事が出た場合に、当局としては一体どういうふうな処置を――これは中小企業の指導原理にもなるのでありますし、また日本の大きな産業助成の指導原理にもなるのですから、そういう場合においてはどういうようなお考えをもって当局は二つの仕事を見られるかということについてお伺いいたしたい。
  23. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 御指摘のように、ヘアー・ロックは人毛と申しますか、人間の髪の毛を中心にいたしまして、いすのスプリング等に使用するものでございますが、現在日本といたしましては大体一社が主として仕事をしているようでありますが、お話のように生産額のうち特需関係が約三分の二を占めておりまして、その他は国鉄の関係、それから自動車のスプリング関係等になっているわけでございます。スプリング材といたしましては、ただいまお話の綿を使いますコットン・スプリング、ヘアー・ロックのスプリング、それからゴムを使いますフォーム・ラバー、大体こういう三種類があるようでございまして、現在の需要関係から申しますと、フォーム・ラバーは高級品に使われておりますが、値段が高く、数量としてはやはりコットン・スプリングが大部分を占めている状況でございます。同じ条件のもとにおきましてはもちろん国産のものを大いに助成すべきであると思いますが、それぞれ耐久性なり価格等の面に一長一短がございますので、私どもといたしましては需要者の希望され、また十分使用に耐えるという限りにおきましては、相並行してこれの発展をはかって参りたいと考えている次第でございます。
  24. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 私の聞いているのはそういう意味ではないのです。私もへアー・ロックというものを見ましたので、いろいろ総司令部のその方の関係の意見も聞いてみたのですが、あなたの言うこととは全然違うのです。アメリカ軍の話を聞きますと、軍需品に使うのです。戦車に使うとか、飛行機のクッションに使うとか、あるいは軍の寝台用のクッションに使うのには、綿のパッキングじゃだめなんだ、そこでわざわざこのヘアー・ロックというものを使っていると言うのです。私の言うのは、今特需物資というのを目標にして日本がドルをかせごうというときに、日本にあるところの女の髪の毛とか、ほんとうに使い道にならないようなものを加工をして、アメリカに必要なものを売り込んでドルがかせげれば、特需としては非常にいい角度をねらっている特需ではないかと思う。アメリカから買ってくるところの綿を使ってパッキングにして、それを売り込むというようなことであるならば、いわゆる特需行政としてどちらを育成させるかということを聞いているのであって、幾ら売れているとか、値段はどちらが高いとか、そんなことは商売人の分野で、われわれの分野ではない。ただ当局として特需というものに観点を置いて、こういう二つの仕事が出てきた場合に、どういう方向に向って指導的な原理を発揮するかという点についてお聞きしておるのです。
  25. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 例として最近の具体的のケースについて申し上げますと、JPAから沖繩建設のために家具の発注がございました。この使用は当初コットンのスプリングであったそうでありますが、その後いろいろ話し合いの結果、コットンでも、ヘアー・ロックでもいずれでもよろしいということになったようでございます。それでそれ以上の点につきましては、特需関係の部局とも打ち合せをいたしたのでございますが、それぞれ品質としてもいろいろな面に相違がございますので、そのいずれを、どの程度の数量を発注するかということは、それぞれ業界の方が説明をされ、発注者であるJPA側の選択にまかしてはどうか。通産省としてこちらの方だけを使ってくれというところまでお話し合いするのもいかがかということでございまして、現在のところはその選択なり数量等につきましては、発注者の選択にまかせるという態度でおるわけでございます。
  26. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 私の聞いているのはそういうことじゃないのです。発注者がどう選択するとか、商売人がどうせっていくかということは向うのことで、そんなことにわれわれは関係する必要はないのですが、ただそういう特需物資というものを対象として、アメリカから輸入してくる綿を原料としてパットを作って、これを売り込むのがいいのか、日本に使いものにならないものがたくさんあるやつを加工して、これがパットと同じように売れる場合には通産省としてはどっちを重点的に指導育成していくかということなんです。政策としてどうしてやるかということです。それを一つ聞きたいのです。商売上のことは何も言わないで下さい。そんなことを聞いているのじゃありませんから……。
  27. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 品質その他の条件が同一な場合におきましては、当然これは国産のものを助成すべきであるかと思いますが、用途において競合しておる面があるわけでございますけれども、しかし品物自体として若干違う面もございますので、もちろん国産のもので納入できれば、これに越したことはないと思いますが……。
  28. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 私の言っているのはそういう意味じゃないのです。局長はわからないのだ。わからないで言えないのか。おかしいのだ。私はそんなことを聞いているのじゃない。私も非常におもしろいものだと思ったから、総司令部に行っていろいろ調査してみると、本質からいくとヘアー・ロックしか使えないのだという。それに向ってあたかもヘアー・ロックでなくても、アメリカから原料を輸入してきた綿や落綿でもって使えるものをどういう間違いか売り込もうというような運動もあるというから、そんなばかなことはないだろう。日本政府としては日本に純国産的な原料のあるものであってドルがかせげるならば、これを助長すべきはずだ。アメリカから綿を輸入してきて、それを原料にしてまたドルをかせごうというばかな手なんか、日本人は賢いからやりはせぬ。ところがきのう僕はそうだろうと思って特需課長に電話をかけたら、特需課長の言うのには、前者なんだ、だから僕はそれではふに落ちない。一体女の髪の毛と合成繊維のくずとでドルをかせげれば、これほど日本人の優秀性を発揮したものはないと思う。それをアメリカから買ってきた優秀な綿を半分使い、落綿を半分使って、そうしてこれと競争していくという。もし国内においてそんなばかげた商工行政というものがあったならば、これは日本は日本人みずから首をくくって利潤を少くしていくということになってしまう。そういうことにのみ私は行政というもののりっぱなあり方があってほしいと思う。それでなければ、行政官庁なんかなくたってあったって同じことであります。そういう場合にはそれを一体どうするかということなんです。使途が違うとかそんなことはない。仮定はいらない。同じ目的に向って、一方はヘアー・ロック、一方はパット、これと競合してお互いに日本人がせり合っておる。一方は原料が髪の毛とか合成繊維のくずだ、一方は少くともアメリカから輸入してくる綿及びくず、原料が本質的に違うんだ。こういうときに一体どっちを助成するかということは、これは問題は小さいけれども通産行政の根本問題だと私は思う。それでその例をとってお伺いしているのです。これはあなた石油の問題だって、石炭の問題だって、米の問題だってみな同じ方向に持っていかなければ、いわゆる通産行政の一体というものはなさぬわけじゃないか、私はそう考えるから、その点だけあなたはっきり言ってくれればいい、よけいなことを言ってくれては困る。
  29. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 私も急に事情を聞きましたので、多少誤解の点もあるかと思います。ただ私の聞きました範囲では、当初コットン・スプリングであったものを両方いずれでもいいということに話し合いができたというように聞いておりますので、その点御指摘の事情と若干食い違いがあるようでございますので、特需担当の部局等とも十分打ち合せをいたしまして、同じ条件のものである場合とか、御指摘のように本来ヘアー・ロックを使うべきものであれば、これは当然御説のようにヘアー・ロックを納入すべきであると思います。その点はさらに事情をよく調べまして善処いたすことにいたします。
  30. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 それではもうやめますが、私の調査いたしましたところによりますと、そういう観点からいくと、将来日本の努力によると、カーテンとかあるいはカバーとか、いろいろなものに対する合成繊維の需要増によって、特需の方面にも九百万ドルぐらいの需要を喚起することができるのじゃないかというのです。これは私の調査ですよ。それですから、あなたの方でも、ただ特需が減退するのだ、特需が減退するのだと言わないで、特需減退を単に放任しておけばそういう形になるかしらぬけれども、特需一つの面に向っても、私はいろいろに努力をすべき点があるのじゃないかと思うのです。私もこれから科学技術の小委員会を通じていろいろな問題を提供して、御回答を得たいと思うのですが、今の問題も、私はきょうはこれ以上やりませんが、私の調べたのと局長の調べたのとではよほどあなたの方の調べがずさんなんだ。これでは太刀打ちができないから、あまり追い込んで感情上の対立になるとおもしろくないからやめますが、もう少し実態を調べて下さい。そうして私の満足するような調査の上に立っての御回答を得たいと思います。
  31. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)小委員長代理 帆足計君。
  32. 帆足計

    ○帆足小委員 化学工業の振興は非常に重要ですが、結局作りました品物についての市場が必要でございますし、またそのために内外とも市場の変化が今後目ざましく起ると思いますが、そちらの方のことをよく考えておきませんと、交渉はしたけれども、その結果が思うように参らぬということにもなりがちでありますから、その方については一体どういうような見通しでしょうか。とりあえずのお考えでも承わっておいて、またそういうことを絶えず念頭に置いて、一つ御研究を願いたいのですが……。
  33. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 ただいま御指摘の点は、特に企業としての経済単位の非常に大きい石油化学につきましては、最も十分検討すべき点であるかと思います。需要想定の面につきまして最もおもなものについて申し上げますと、合成繊維並びにアセテートの需要につきましては、繊維局で作定せられております合成繊維五カ年計画、この最近の数字を採用いたしまして想定をいたしております。それから合成樹脂関係の需要につきましては、やはり通産省で作りました合成繊維の五カ年計画、これが現在のところ三十二年までの計画になっておりますが、最近御承知のように急激に伸びを示しておりますので、さらに二カ年延長いたしました計画を最近の機会に省議で決定をしていただくという運びになっておりまして、この計画をとっております。  それから消極面と申しますか、既存の工業を強化する面におきましては、原則としてこれに競合する発酵工業、タール工業は現在程度の生産を維持する、ただしタール工業等については、ナイロンの需要増によりましてある程度の伸びを見、かつ石油化学工業による供給力を考えましても、なおかつ不足をしておるという結果になっております。それから発酵工業につきましては、大体現在程度の生産は維持するという想定で計画を作っておりますが、これは価格の面におきまして非常に低価格の石油化学関係からの製品が出て参りました場合には、ある程度の影響は免れないのではなかろうか。これにつきましては関係の業界等とも卒直に懇談いたしまして、現在のところは関係業界におきましても、石油化学工業は当然必要なものであるから、若干の影響があってもこれは推進してもらいたい。自分たちの方は自分たちでそれぞれ考えますという非常に協力的な空気でございますが、この面につきましてはさらに検討を要するかと思います。  要するに全体といたしまして、いろいろ合成樹脂等につきましても、今後のポリエチレンとか、ポリスチレン等の全然新しい需要分野を想定いたしますと、これは幾らでも膨大な計画も立つわけでございますが、現在のところは最も確実に、従来から策定せられておりました既存の計画を採用して、その範囲内で一応最初の出発をいたしたい、こういう考え方に立っておる次第でございます。
  34. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 ただいま発酵工業の話が出ましたが、発酵工業とペトロ・ケミカルとの関係ですね。発酵工業のアルコール製造というものは、発酵菌によってやるので、全然性質が別なんです。むしろ発酵工業アルコール、発酵学的なアルコールの進展を策しようとするなら、やはりもう少し――ここに関係局長がおられるかおられないかわからぬけれども、そんな発酵工業の形態で、発酵工業の作り出すところのアルコールが、ペトロ・ケミカルのアルコールに負けるということは言えませんよ。局長は行ってごらんになったことがあるかどうか知らぬけれども、まるで豚小屋みたいなところにわずか二千万円の金をやって、そして発酵工業を研究しろと言ったって研究できるものじゃありませんよ。でありますから、あの発酵工業がアルコールを作る原料というものは違う。どういうことをやっているかというと、今これだけ日本の貴重な木材を使ってパルプの廃液をみんな流しておる。ところが発酵工業へ行ってみると、パルプの廃液に発酵菌を入れればアルコールはできるということをわかっておったってやりはせぬ。通産省というのは、実にふぬけた行政をやっておるもんだと私は思っておる。あれだけの貴重な木材をつぶして、パルプをとって、その廃液を全部海に流しておる。それを黙って見ている。パルプ会社は二一天作の五でもうかってしまえば、そんなよけいなことをしなくても、廃液を海に流したっていいと言うのです。国家的に見ればあの廃液というものは貴重な木材です。それをアルコールをとらないで流している。発酵工業のアルコールが、ペトロ・ケミカルのアルコールに太刀打ちできるのに、ちっともやっていないじゃありませんか。徹底した行政をやらずして、ただ紙の上でのプランを立てられたら、スカタン食った国民だけはばかな膏血をしぼられるという形になるのですよ。だからそういうことを言わぬようにして下さい。ほんとうにアルコール工業における製造コストというものは、日本全国の発酵工業的にアルコールに使える原料をたたき込んで、優秀な発酵菌を入れても、なおかつペトロ・ケミカルのアルコールにかなわない。そういうような結論は出ておらぬですよ。調べてごらんなさい。だからそういうことをおっしゃる前に、もう少しよく発酵工業の日本における実態を御調査になっていただきたい。局長は行ったことないでしよう。
  35. 吉岡千代三

    ○吉岡政府委員 御指摘のようにパルプ廃液からのアルコールは当然発酵工業の一つの分野として、またパルプ廃液からの鉱害防止の見地から考えるべきものでございまして、現在御承知のように北海道の王子製紙の苫小牧工場、国策パルプの旭川工場でこれを生産いたしております。現在の生産量は大体三千キロリットルでございまして、日本の工業用アルコールの供給力のうち十数パーセントを占めております。それから本年度におきましては山陽パルプにおきましてやはり同じ趣旨の計画を進めておるわけでございまして、これにつきましては開銀融資を考慮しておりまして、大体二、三千キロの能力になると思いますが、一方王子製紙の方が作りますパルプの関係で若干の減産をするという関係になりますので、この設備が完成いたしました場合には、大体五千キロ程度の供給力になるのではなかろうか、さらに他の一、二の会社におきましても、現在研究を進めておるわけでございまして、これらの供給力は先ほど申し上げました今後における発酵工業の供給力の一部として、策定計画に含んでおるわけでございます。なお御指摘の点もございますので、今後さらに一そう勉強いたしたいと思います。
  36. 齋藤憲三

    ○齋藤小委員 私もその話は聞いたんです。ですからもっとたくさんにパルプ会社もあるのですから、その廃液を利用するアルコール製造というものは、通産省としても力を入れてやっていただきたいと思う。特に私の秋田県なんかの東北パルプは幾ら忠告してもやらぬですよ。そうして逆に沿岸の魚族が減るということによって賠償金をとられておる。しかし経営者に聞くとやらなくとも採算がとれると言っておる。それが資本主義の一番悪い形だと思う。採算がとれるからよけいなことをやらなくともいいんだ、賠償金を払えばいいんだ、貴重な液を海に流したっていいんだ、こう言う。そういうことを黙って見ておる行政というものはないと私は思う。もう一つは、発酵研究所に行ってみると、その菌の種類によって一%、二%アルコールの出方が違っていくんです。ですからもしほんとうにそういうふうな廃液を使ったアルコール発酵の本質をつかみたいと思うならば、その源泉であるところの発酵研究所の菌の研究にもっと金を入れなければならぬ。それで初めて態勢がとれていく。ですから今よりも二%、三%よけいアルコールが出るところの発酵菌を見つけたならば、ペトロ・ケミカルより安いアルコールができていくかもしれぬ、そういうことなんです。ですからそれを体系づけて、ほんとうに重点的にその線を行政的な処置を講じておるという建前から、ペトロ・ケミカルのアルコールと発酵工業のアルコールと対比して、これはどっちが決定的に得だという結論が出ておるならばそれでいいですけれども、日本のように湿度の高い、菌の発生に非常な好条件に恵まれているところに、まだまだ発酵菌の研究なんというのは未知数であります。御承知でありましょうが、英国の将来の産業という中には合成樹脂の工業と発酵工業と取り上げられておる。これは相並行していくべきものだ、だから一がいに発酵工業のアルコールというものはだめだとか、そういうことは私は言えないと思う。これは二つとも相並んで研究していかなければならぬ、私はそう考えておる。
  37. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)小委員長代理 本日の会議はこの程度でとどめます。  次会は公報をもってお知らせするこことし、これにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会