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1955-05-17 第22回国会 衆議院 商工委員会中小企業に関する小委員会 1号 公式Web版

  1. 本小委員は昭和三十年四月二十五日(月曜日) 委員長の指名で次の通り選任された。       阿左美廣治君    小笠 公韶君       菅野和太郎君    鈴木周次郎君       中村庸一郎君    森山 欽司君       内田 常雄君    鹿野 彦吉君       田中 角榮君    南  好雄君       田中 武夫君    永井勝次郎君       八木  昇君    菊地養之輔君       松平 忠久君 同日  永井勝次郎君が委員長の指名で小委員長に選任  された。     ―――――――――――――   会 議 昭和三十年五月十七日(火曜日)     午前十時五十三分開議  出席小委員    小委員長 永井勝次郎君       阿左美廣治君    鈴木周次郎君       野田 武夫君    鹿野 彦吉君       田中 角榮君    田中 武夫君       八木  昇君    松平 忠久君  出席政府委員         中小企業庁長官 記内 角一君  小委員外の出席者         議     員 長谷川四郎君         議     員 淵上房太郎君         議     員 山手 滿男君         議     員 小平 久雄君         議     員 加藤 清二君         議     員 櫻井 奎夫君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    秋山 武夫君         中小企業金融公         庫理事     中野 哲夫君         国民金融公庫総         裁       櫛田 光男君         参  考  人         (全国相互銀行         協会常務理事) 島崎 政男君         参  考  人         (全国信用保証         協会協議会嘱         託)      木畠 英一君         参  考  人         (全国信用保証         協会協議会主         事)      松本 英正君         参  考  人         (商工組合中央         金庫理事)   加藤 八郎君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 五月十日  小委員小笠公韶君同日小委員辞任につき、その  補欠として野田武夫君が委員長の指名で小委員  に選任された。 同月十三日  内田常雄君及び南好雄君同月十二日委員辞任に  つき、委員長の指名で小委員に補欠選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  中小企業金融に関する件     ―――――――――――――
  2. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 それではこれより会議を開きます。  まず中小企業庁長官より中小企業対策についてお話を伺います。
  3. 記内角一

    ○記内政府委員 最近の中小企業の現状並びに今後のわれわれの行政方針につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。  まず最初に最近の事情でございますが、御承知の通り昨年一年はいわゆるデフレ経済の政策が取り行われたのでございしまして、去年の今ごろは相当各方面に深刻な影響をもたらしたのでございます。繊維、雑貨等におきましては、去年の八月ごろからだいぶ調子が回復いたしまして落ちつきを取り戻しました。ずっと好調とまではもちろんいきませんけれども、デフレ経済下におきましてまずまずの一応の安定を見に参ったわけでございます。ところが機械、金属関係におきましては、去年の七月ごろまでは一昨年の相当活発な投資活動につれましての事業の残りがございまして、去年の前半におきましては相当繁忙を見ておったのでございますが、八月ごろから繊維、雑貨とは逆に注文が減って参りまして、相当苦境に立っております。去年の年末等に際しましては、われわれ一番心配いたしました業種はこの方面の業種であったわけでございます。その後造船関係は第十次計画造船が決定を見、さらに輸出造船が相当活発に注文がとれ、現在におきましては各造船所とも相当多額の受注を持っておるという実情でございまして、非常に忙しくなっております。また自動車工業等におきましては、去年の前半においてある程度の不況を伝えられておったのでございますが、その後機種の転換と申しますか、新製品の製作に取りかかりましてから去年の秋と申しますか、冬にかかるころから相当活発な生産状況を示して参りました。こういうふうな総合機械工業の方面が非常な活発を示して参りました関係もあろうかと思うのでありますが、最近では機械工業方面もやや小康を得ておるわけでございます。その後におきまして去年の暮れ以来鉄鋼を中心といたしまする金属関係の海外からの引き合いの殺到、それによって相当値上りというふうな関係もあったかと思うのでありますが、機械金属方面も需要面において、さしたる衰えも見せないで推移しているように思われる次第でございます。ただその後におきまして、繊維関係におきましてはその間におきまして輸出産業の方面は去年が御承知の通り当初の計画約十三億ドルばかりの目標が十六億ドルを越すというふうな活況を呈しました関係上、輸出に関連いたしまする産業は相当活発な事業活動が行われて参ったのでございます。特に一昨年輸出が伸びなかった雑貨方面につきましては、去年は相当デフレの経済の中にありましても好況を示しておるという事情でありまして、この動きは今日もなお相当続いておるように見受けられるのであります。ただ繊維産業におきましては、最近におきまして、特に綿を中心にいたしまして輸出は相当伸びてはおるのでございますが、インドネシアの輸出制限等が影響しまして、相当のストックをかかえておるというような関係もあろうかと思うのでありますけれども、相場がジリ貧を加えて参りまして、綿を中心といたしましては今相当問題が起りつつあるようにもうかがわれるのでございます。従いまして、中小企業安定法の関係におきましても、昨年の暮れに綿織物、輸出絹人絹織物の設備制限についての調整命令が出まして、それを根城にいたしまして自主的な操短をやって参っておるのでございますが、それでも絹人絹方面は輸出の伸展、ことに化繊関係の面が相当伸びておる、あるいは去年の今ごろは非常に問題になっておりました可燃性織物としての川俣地方の輸出軽目の絹織物等は、非常な注文が殺到いたしておりまして、まる一年間非常な繁忙を示しておるという好況にもあるわけでありますが、綿織物方面についてはその操短制限等にかかわらず、相当下押しをして参っておるという状況でございます。従いまして、先般綿紡績の操短の勧告が行われ、これは大紡績の方面で綿糸の操短になったわけでございますが、これと関連いたしまして、大紡績の兼営しております織布部門におきましても、これを綿紡、糸の操短と同率の操短を実施するということになって参った、この辺は相当効果が上って参るかと期待はいたしておるのでございますが、しかしこれにも若干時をかせがなければならぬじゃないかというふうに考えておる次第でございます。そういうふうに現在のところ事業の面、販売の面におきましては一応の安定を得ておるのじゃないかというふうに考えられるのでございますが、ただこれを資金面に見て参りますと、ごたぶんに漏れずいずれも依然として資金が相当払底して参っております。一般的には金融の引き締めもそのまま横ばいの状況を続けておる関係もあって去年のように引き締め一方という状態ではない。その意味においてはある程度緩和されたような気配も見受けられるのであります。中小企業方面におきましては、依然として金融難は相当深刻なところがあるわけであります。また特に支払いが長期の手形に片寄って参っております。またいわゆる下請支払い等も依然として相当芳ばしくないというふうな状況がうかがわれるのであります。この方面を今後とも注意して参らなければならぬというふうに考えておる次第でございます。こういう客観的な情勢を基調といたしまして、われわれといたしましては、お手元にお配りいたしておりますような中小企業対策を今後とって参りたいというふうに考えておる次第でございます。  以下お手元にお配りいたしました資料の中小企業対策について、簡単でございますので読みながら御説明を申し上げまして御参考に供したいと思う次第でございます。まずそういうふうな客観的な情勢にかんがみて、特に今年度は去年のような金融引き締め一本やりではございませんが、国際収支の改善、自立経済態勢の樹立のために、拡大均衡を目標としながらも経済の基礎を強化充実することを当面経済政策の基本といたしております。中小企業に対しては、この基本方針に沿って企業自立意欲の喚起に努めるとともに、企業の経営の堅実化、合理化、近代化を進め、特に輸出適格企業については、個別的、重点的育成をはかるとともに、他面金融情勢が不当に中小企業にしわ寄せられないように努力して参りたい考えでございます。その内容を簡単に申し上げますと、まず第一に企業の組織化でございまして、従来からいわれております協同組合を中心といたします事業活動を活発にやって参りたい。その第一といたしましては、共同施設の利用による共同活動を中心といたしまして、組織化と組合活動の充実をはかりますために、共同施設の設置に対しまして国庫補助を引き続き行って参りたいと思います。予算の関係につきましてはあとでお配りの資料につきまして簡単に申し上げますので、この際は省略させていただきます。第二といたしましては、組合の健全な発達をはかりますために、設立の許可制の採用、協同組合の自主的指導連絡機関としての中央会の法制化というふうな問題につきまして、協同組合法の一部改正を近く国会に提案して皆様方の御審議を仰ぎたいというふうに考えておる次第でございます。  第二は、今申し上げたように、一応の安定を得ておるようではございますが、何分に本数の多い中小企業のことでもあり、激烈な競争のさなかに置かれておりますので、いわば慢性的な不況にもあるわけでございます。そういう方面に対しましての中小企業の安定維持ということには今後とも大いに努力して参らなければならぬと思うわけでございます。その点につきましては、中小企業安定法に基く調整組合による自主的調整の強化を指導するとともに、機に応じて新たなる業種の追加指定、員外者の規制命令の発動を行なっておる次第であります。先ほど申し上げましたように、綿織物、絹人絹織物につきまして、アウトサイダーを含めまして、設備の制限命令を出しておるわけであります。またタオル織物につきましても、やはり設備制限命令を出しております。またマッチにつきましては、昨年以来設備制限、出荷制限命令を出しております。最近になりまして毛織物について設備制限命令をいたしましたし、輸出染色整理業につきまして引き渡しの制限、一種の出荷制限である調整命令を出すということを実施いたしておるわけであります。ただ今後の問題といたしましては、これらの慢性的な不況の事情にもかんがみまして、中小企業安定法の一部を改正して、あの発動の条件をもっと緩和したらどうかという考え方のもとに目下検討をいたしておる次第であります。  第三には、企業の合理化、近代化の問題でございます。中小企業の振興は非常におくれておるといわれておりまして、これに対しては中小企業を合理化し、近代化し、今の競争場裏にたえられ、また輸出産業にも寄与し、参加し得ることが大きな目標でなければならない。それでなければ積極的な発展はむずかしいと考えられるのでございます。この面につきましても、引き続きこれを実施して参りたいのであります。その第一は企業診断の問題であります。各都道府県、五大市等を実施機関として、その効果を上げて参っておりますが、これをさらに強化拡大するために、引き続き各府県に対する補助金を増加いたして、これの補助を実施させて参りたいと考えておる次第であります。特に零細企業に対する指導、相談に当りますために、各都道府県あるいは市、商工会議所等において、現在六百二十九にのぼる中小企業相談所が設置されておりますが、財務、技術等の分野の専門家による相談の質的向上をはかる方針で国庫補助を行う。特に輸出産業に重点を置きまして、中小企業の設備の近代化を二十九年度より引き続き交付して参りたいというふうに考えておるのであります。  次は、資金対策についてであります。中小企業専門金融機関の資金源の充実につきましては、中小企業金融公庫は二百四、五十億の貸し出し計画をもって進み、国民金融公庫は四百六十億――去年は四百十二億でしたが、今年度は四百六十億を貸し出して参りたい。商工中金につきましては、かねて懸案でありました政府出資を行いまして、債券発行の基礎を充実いたしまして、今後の活動の資金源の確保に努めて参りたい。さらに中小企業金融公庫資金の運用につきましては、本年度から輸出産業、地下資源産業、新技術の工業化等の資金需要に対しまして、従来の甲方式及び乙方式に加えまして、直接貸し出し方式を実施して参りたいというふうに考えまして、このための機構の拡充整備等を行なって、目下法律の改正案を提案して御審議を願っておる次第でございます。中小企業に対しまする信用補完といたしまして、このように政府機関の充実をいたしておるのでございますが、その大部分は基礎的にはやはり各金融機関に積極的に活動してもらわなければならないわけであります。そのために銀行協会等に随時折衝いたしまして、貸し出しの増加をはかるように依頼をいたしておるわけでございます。最近これに応じて東京方面におきましては、たとえば銀行におきまして中小企業の金融相談所というようなものを各方両に設けて積極的に乗り出す態勢な整えておる次第であります。これの制度の裏打ちといたしまして、ただいまの信用補完制度の拡充強化ということか考えておる次第であります。すなわち中小企業に対する信用補完制度をさらに拡充いたしまして、一般金融機関よりの融資を円滑にするため、中小企業信用保険について、信用保険の填補率六〇%を七〇%に引き上げ、融資保険の付保の対象となる貸付期間を現在まで六カ月以上でなければ保険につけられなかったものを三カ月に引き下げ、信用保証協会の行ういわゆる根保証を保険につけることができるという方法で改善して参りたい。大体本日の閣議で決定いたしまして、近く国会にも提案いたしたいと考えている次第であります。大企業の下請中小企業に対する支払い遅延の防止につきましては、中小企業庁、公正取引委員会共同して実態を調査し、不当なものに対しましては公取委員会から改善勧告等の措置をとっているわけであります。ただこれは全国各地に散在いたしております問題でありますだけに、なかなか効果を上げがたいのを遺憾に存じている次第であります。われわれといたしましては、各方面、たとえば商工会議所等とも連絡いたしまして、でき得る限りこの間の調整をはかって参りたいと考えております。  第五に、中小企業の輸出振興につきましては、従来ともやって参っておりましたが、協同組合の共同施設、中小企業の設備近代化に対する補助、企業診断、それから中小企業金融公庫の公庫融資等につきまして、輸出産業に重点を置いてやって参りたい。さらにあとで予算の際にも申し上げますが、海外競争の見本品の収集、デザインの研究、新規製品の試作、生産技術の向上のための研究及び海外市場維持のために本年度から新たに補助金を交付して参りたい。  税制の改正につきましては、中小企業に対する税負担の軽減をはかるため、専従者の控除は二十九年度から拡大いたしておりますが、それをさらに拡張する。また同族会社に対する積立金課税の軽減、事業税の軽減措置に引き続きまして、さらに本年度においては専従者控除の引き上げ、法人税率は中小企業だけではございませんが、これを引き下げる。また中小企業向けをねらいまして、事業税の基礎控除を引き上げる。こういうことによって中小企業の負担の軽減をはかって参りたい。また一定範囲の協同組合の内部留保金に対する非課税、従来全部留保金に対して課税をされておったのでありますが、経営の基礎を安定せしむるために特殊の性格を持った協同組合につきましては、四分の一までの積立金に対してはこれを課税しないとういふうにいたしたい。また協同組合の出資証券に対する印紙税の免除、調整組合を非課税法人として扱うというようなことを税法上の措置として実施して参る予定になっております。  最後に百貨店問題についてでありますが、昨年末独禁法に基きまして、特殊指定を行なって、不公正な取引の取り締りを行なって来ているわけでございます。最近におきましては商工会議所を中心といたしまして、百貨店と小売商との関係の調整制度を実施しようとして、いろいろ動きを示しているわけでございます。われわれはその活動に期待をいたしているわけであります。なお百貨店法自身を制定いたしまして、これの活動を制限するかどうかという面につきましては、各方面の意見を総合して、目下慎重に検討いたしているわけであります。  以上がわれわれの今後の実施して参りたいと考えております大体の方法でございます。  引き続きましてお手元にあります予算について、ごく概略の御説明を申し上げたいと存じます。お手元に「昭和三十年度予算要求における中小企業対策費について」という資料がございますが、これは主として政策費を中心に抜き書きして皆さん方の御参考にして参りたいと考える次第であります。  第一は中小企業庁プロパーの予算として研究に付されておりますのは、まず第一が組織強化、合理化対策であります。ここにありますように第一は共同施設及び近代化、協同組合の共同施設及び中小企業自身の個々の企業者の設備近代化の補助金でございます。昨二十九年度は三億でありましたのを三億二千万円、二千万円増額ということに相なっております。中小企業庁自身の活動費であります企業診断指導費、これは昨年約四百万円でありましたのを五百四十万円に増額いたしております。各府県に中小企業診断指導の面として補助金を交付いたしております額が、昨年は次の相談所と合せまして四千万円というふうになっておりましたが、今度は企業診断だけで六千七百万円、大体昨年の倍以上になっております。また相談所の補助金といたしましては去年四千万円のうち八百万円をこの方面に活用して参ったのでありますが、ことしは新たな項目として三千百万円、約四倍の増加を見ている次第でございます。次に振興展示会及び調査、広報活動費でありますが、中小企業の輸出振興展示会は大体去年と同様の五百万円、水害復旧資金利子補給、これは去年の引き継ぎでございまして、要求通り出ている次第でございます。また中小企業安定法施行費、これは事務費の問題で大したものはございません。  金融措置といたしましては、中小企業金融公庫に対しまして新たに百十億、昨年は再三十億でありましたが、今年度は財政投融資一般のワクが大体去年と似たり寄ったりのところに持って参りまして、輸出入銀行等が相当大幅に増額いたし、あるいは住宅営団、住宅公社というような毛のが相当ふえて参っておりますので、一般的には削減されて参っております。しかしこういうふうに約二十億減って参っておりますが、資金量が増大しておりますので、回収金は去年に比べまして相当大幅に増額願いました。従いまして貸し出しの計画としては、中小公庫は二百四十五億、去年は計画が二百億、実績二百二十六億でございましたが、実績に比べましても約二十億の増加を見る予定にいたしております。国民金融公庫につきましては、去年百十一億の投融資に対して百五億となっておりまして、約六億の減少と相なっておりますが、貸し出し予定といたしましては回収金がやはり増額したしておりますので、去年の実績四百十二億に対しまして、プリントは四百五十六億となっておりますが、四百六十二億で、約五十億ばかり増加する予定になっております。それから商工中金の出資は先ほど申し上げた通りであります。信用保険の保険契約限度におきましては去年の五百六十四億に対して六百二十億というふうに増額いたしております。以上が中小企業庁プロパーの予算になっております。  次のページにございますのは中小企業の輸出振興を中心としましての費用でございますが、予算技術上の建前でこれを通商局に計上いたしている分がございます。しかし実質は中小企業庁が主としてこれを扱って参るというふうになっております。その第一は先ほど申し上げました中小企業の輸出振興費の補助でございます。まずその第一は意匠改善費の補助三百万円、輸出振興技術研究費補助、これは各種の製造技術等の研究費の委託もしくは補助でございまして、一千万円、三番目が海外競争見本品蒐集費補助で、これは中小企業と同様な性格の製品が海外で競争になっておりますが、他国の競争品を買い集めまして、日本の業者の啓蒙啓発に資したいという費用であります。次は新規試作奨励費補助、これは輸出品の新州見本等の奨励で千五百万円、次の海外市場維持対策補助、これは主として海外におきますたとえば関税の引上げ阻止等に使う費用といたしまして、補助金を五百万円計上いたした次第であります。そのほか、表面的には中小企業と銘打っておりませんが、主として中小企業に利用されて参りますものが、絹織物等の輸出振興補助ということで、主としてアメリカをねらっておりますが、中小企業の製品であります絹織物の輸出振興ということ、また軽機械類、たとえば自転車、カメラ、ミシンというような軽機械類のサービス・センターの補助金、農水産物の海外共同施設の補助金、意匠権侵害防止対策費、農機具及び包装展示会費というものがございます。また技術振興のものといたしましては、石炭局に計上されておりますが、中小炭鉱の技術指導費、また産業工芸指導所事業費、これはほとんど中小企業が利用しておるわけであります。また発明実施化試験費補助、外国特許の出願補助ということも同様に特許庁費とございますが、中小企業を目標にして啓蒙いたしている次第であります。以上簡単でございますが、説明を終ります。     ―――――――――――――
  4. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 本日は中小企業金融に関し、説明員及び参考人各位より、御意見を伺うことにいたしたいと存じます。  参考人各位に一言申し上げます。本日は御多用中のところ特に御出席下さいましたことを厚くお礼を申し上げます。御承知の通り、ただいま政府は本年度の中小企業に対する出面の施策を一応決定いたしまして、これらを織り込んだ三十年度予算を本院に提出しておりますので、この機会に、当面の中小企業金融の問題について、直接金融を担当しておられる各位の御意見、御希望等をお伺いいたしたいと任ずるのであります。なお御承知かとも存じますが、ただいま商工委員会におきましては、中小企業金融公庫に対する政府出資金の増額をなすため、及び同金庫の開銀からの借入金を政府の特別会計からの出資金に振りかえるための中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、及び商工中金に対する政府出資金の増額をなすための商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を審議いたしておりますので、これらの問題点に対する御所見等もあわせてお漏らし願えれば幸甚と存じます。本日は、御出席になりました説明員、参考人各位は、ともに重要な中小企業の専門金融機関の方々でありますので、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を御発表願いたいと存じます。なお、御発言の時間は、制限をいたすわけではございませんが、大体お一人十分ないし十五分の程度とし、その順序はまことに恐縮でございますが、小委員長におまかせを願いたいと存じます。御意見御発表の後、小委員側から種々御質疑もあろうかと存じますが、あらかじめお含みの上お願いをいたしたいと存じます。それでは国民金融公庫総裁櫛田光男君。
  5. 櫛田光男

    ○櫛田説明員 櫛田であります。国民金融公庫の現状並びに昭和三十年度における計画等につきまして御参考になることを申し上げてみたいと存じます。お手元にお配りしてございます国民金融公庫の現状という冊子の中に、詳細に本年三月三十一日現在の状況が書いてございますが、それを簡単にいたしたものでありますが、一枚刷りで昭和二十九年度内貸出等実績表というのがございます。これを土台にして申し上げてみたいと思います。  ただいま国民金融公庫は全国に店を六十持っております。そのほかに代理所といたしまして、銀行、相互銀行、信用金庫、信用組合でございますが、六百四十九の代理所を持っております。その店舗におきまして、昭和二十九年度中に貸し出しをした総額は、四百二十億九千九百万円と相なっております。公庫の貸し出しは、御案内の通り普通貸付と称しますもののほかに災害貸付でありますとか、遺族国債担保貸付、母子家庭貸付、恩給担保貸付、特別小口貸付、更生資金貸付等約八種類の貸付をいたしております。その中で何と申しましても中心に相なりますのが中小企業者に対する事業資金の小口貸付、普通貸付になるわけでありますが、この貸付は年度を通じて三百八十億九千百万円の貸し出しをいたしました。件数にいたしまして二十二万七千四百七十件と相なります、この貸付は年度内申し込み千五十二億ございます。件数にいたしまして四十四万五千九百件、この貸出率は、件数において五一%、金額におきまして三六%に上ったのであります。その他の貸付を合せて全体で三十万件、四百二十億余の貸し出しをいたしたということに相なりました。年度末の三月三十一日現在におきましては、ただいまごらんに相なっておる資料の左下に残高が書いてざいますが、諸貸付の残高が四百三億九千万円、その件数が六十三万二千件くらいと相なっております。その中で普通貸付は件数で三十一万二千件余、金額で三百二十八億円という残高に相なっております。これが現状でございます。そこで今年度の計画はどうなるかということでございますが、本年度は、先ほど長官からお話がございました通り、政府から二十億円の出資、資金運用部から八十五億円の借り入れ、合計百五億円の出資及び借り入れをなす予定を立てております。ただ本年度におきまして、資金運用部に対しまして過去に借り入れましたものを返済いたします金額が約三十八億円ございますので、差引新規資金増加は六十七億円と相なります。ただ地方回収金等が現在のところ三百九十五億円と見込まれますので、合計いたしまして本年度におきましては四百六十二億円の貸し出しを実行いたすつもりでおります。  ただこの四百六十二億円の内訳を簡単に申し上げますと、普通貸付用として一応三百九十億円、恩給担保貸付といたしまして四十二億円、それから特別小口貸付といたしまして二十四億円、その他六億円という大体の見通しを立てております。でありますので、普通貸付の点から申しますと、二十九年度は約三百八十億円の貸し出しをいたしたのであります。従いまして三百九十億円という貸し出し予定は、大体多少ふえるという見当にしか相ならぬわけでありますが、他方特別小口貸付、これは五万円見当のものを、三カ月ないし六カ月の期間に緊急に必要とするお方々に対してごく簡単な手続をもってお貸し出しをしたいというわけで、昨年の五月から始めたものでありましたが、昨年はいろいろな関係でそれほど成績が上らなかったのでございますが、本年度は一応この点にも重点を注ぎまして、二十四億円の貸し出しをいたしたい、かように考えております。  三百九十億円の普通貸付をいたしますと、申し込みに対して大体どのくらいの割合になるかと申しますと、申し込みの状況は、二十九年度は前年度に比較いたしまして約二割見当の増加をいたしたのでありまして、千五十億余の申し込みでございました。現在の情勢から見まして、大体千二、三百億の申し込み需要は確実にあるのではないかと存ぜられますので、かりにそれを基礎といたしまして、千三百億と仮定いたしますと、三百九十億の貸し出しはちょうど三割ということになります。貸し出し率の点からいきますと、二十九年度から若干下回るというふうなことになるおそれがございますが、ともかくも昨年度よりは何がしかではありますが、増額いたしまして、多くの貸し出しを実行いたしたいと存じます。  なお店舗でございますが、本年度はさらに四カ所の店舗をふやしまして、できる限りこの方面の需要の充足に遺憾なき々期したい、かように存じておるような次第でございます。  簡単でございますが、昨年度の実績と本年度の計画の大要を御参考までに申し上げた次第でございます。
  6. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 次は中小企業金融公庫理事中野哲夫君。
  7. 中野哲夫

    ○中野説明員 中小企業金融公庫の主として二十九年度の貸付状況、三十年度の私どもの計画及び先ほど委員長からお話のございました、ただいま御審議中の法案に関連する点について御説明申し上げます。  お手元に昭和二十九年度中小企業金融公庫業務概況という資料をお配り申し上げております。これには二十九年度の概要と三十年度の見通しを簡単に書いております。かなり詳細でございまするので、この中から要点をかいつまんで御説明を申し上げたいと思います。ただいまから申し上げます数字等につきましては、末尾についておりまする長い表の第二ページ以下に詳細記載してあるわけでございます。  第一に、昭和二十九年度におきまする公庫の貸付状況は、件数にいたしましてちょうど一万件ございます。金額にいたしまして二百二十七億四千百万円の貸付を決定いたしたのでございます。これを一・四半期別に見ますと、昨年の四月から六月までの第一・四半期が約四十七億、第二・四半期が五十三億と逐次上りまして、十二月歳末を含めまする第三・四半期におきましては、九十億の貸付の伸びを示したのでございます。歳末におきましては各代理店からの資金需要が相当激しいものがございまして、第四・四半期の資金を繰り上げて需要を満たしました。第四・四半期におきましては三十七億でございます。以上四・四半期合計いたしまして、先ほど申し上げました二百二十七億という数字でございます。当初の計画は、政府の財政融資が百三十億、回収見込みが七十億、合計二百億であったのでございますので、実績は計画を約二十七億上回ったということになります。かように計画を上回ることができましたのは、回収見込みよりも二十億ほど回収が増加いたしたということでございます。御承知の通り公庫は一昨年の九月から事業々始めたのでございまして、二十八年度を入れますると、二十八年度においでは約百十二億一千三百万円、件数にいたしまして五千三百件でございますので、二十九年度と二十八年度二年を累計いたしますと、約三百三十九億五千四百万円、件数にいたしまして一万五千件余りの貸付を行なった次第でございます。この二十九年度の二百二十七億のうち、設備資金と運転資金に分れるのでございまするが、運転資金は約四十六億三千九百万円、二割に該当いたします。昨年の中ごろからデフレの浸透に伴いまして、設備資金の需要もさることながら、長期運転資金としての需要が高まりまして、逐月運転資金の貸し出しが伸びて参っておりまして、年平均においては二割、昨年の第三・四半期においては三割三分程度が運転資金に回ったような実情でございます。  それから業種別の貸付状況を見ますると、これは御承知の通り、政令で十八の貸付対象が定められておるのでございまするが、そのうち物品製造業が全体の六割を占め、その実額は百三十六億七千万円に相なっております。その他の四割が十七の業種に分れておるのでございまするが、その中では物品販光業、運輸関係の仕事、医療機関というようなものに対する融資が割合に目立っておるような次第でございます。  その次に公庫資金を地方別に見ますと、これは全国に本店計算で四百余りの代理店を網羅いたしておりまするので、都道府県全体にまんべんなく行き渡っておるのでございまするが、そのうち東京都におきましては約二割に当る四十六億、大阪が約三十億、福岡県が十五億というようなことでございまして、六大府県あるいは七大府県といわれまする、中小企業の多数分布しておりまする地方には、おのずから金額が多く融資せられておるというような形に相なっておるのでございます。  以上は一般貸付でございまするが、二十九年度においては特別貸付といたしまして、昨年の風水害の復旧の融資三億のわくを設けまして、これは原則は一割の金利でございまするが、特に六分五厘の低利をもって貸付を進めて参りました。また昨年閣議決定に基きまして、中小炭鉱の優良なものに対して再建整備資金をお貸しする、こういうことになりまして、これは原則は一千万円を限度としておるのでございまするが、最高額二千万円までの貸付を認めることにいたしまして、九州、北海道等の優良な中小炭鉱の再建をはかって参ったのでございます。そのほか輸出絹、人絹織物あるいは綿、スフ織機、タオル織幾等の機械の更新、合理化のためには、特に代理店のわく外捜査をいたしまして、公庫保有額の中から出しましてこれを進めておるわけでございます。先ほど中小企業庁長官からお話のありました毛織物の設備入れかえ資金についても、ことしは相当伸びて参るのではないか、かように考えておる次第でございます。  次に新年度、昭和三十年度の計画でございます。これはお手元の表の短かい資料の末尾に書いてあるものでございます。昭和三十年度におきましては、先ほど長官からお話のありました政府の中小企業による輸出の増進あるいはコストの切り下げのための合理化というようなものにより、一層公庫資金を役立てるということで努力して参りたいと思っております。  まずその資金源でございまするが、ただいま御審議中の予算案におきましては、公庫に対する投融資は百十億、政府出資が十五億、預金部の借り入れが九十五億ときめられております。これに対して本年度においては公庫の回収予想額が百三十五億と見込んでおりまするので、合計二百四十五億、月平均二十億余りというふうに考えられるのでございます。前年度は先ほど申し上げました二百二十七億程度の貸付でございました。  それから第二には、従来は御承知の通り甲方式あるいは乙方式というような公庫の貸付を急速に進めますために、代理貸し制度をとっておったのでございまするが、その後の経緯を考えますると、たとえば鉱山資源の開発をする、あるいは輸出品の製造に取りかかる、あるいは新技術の工業化をはかるというような見込みのある企業者で、従来銀行あるいは相互銀行等に何ら取引がない、そういうような企業者が借り入れの申込みをいたしましても、銀行の方針、ことに銀行のコマーシャル・ベースというようなことからいたしましてなかなか貸付が行われない。そういうものにつきましては、一つ公庫で直接話を聞いて、直接調べ、直接貸し出しをするというような道を開いてほしいというような声もございまするので、本年度におきましては、きわめて一部ではございまするが、東京本店、大阪支店のほかに札幌、名古屋、福岡に支店を設けまして、今申し上げましたような産業政策上きわめて重要であり、また他の金融機関としてはなかなか扱いかねるというような案件を拾いまして、直接の貸付を行って参りたい、かように考えております。また今申し上げましたように、全国で五カ所の本支店を設けまするほか、仙台、金沢、広島、高松のブロック都市に公庫の職員を両三名常駐せしめまして、各地方の業界あるいは県庁、通産局、財務局との連絡あるいは各地の代理店との連絡を密接にいたしますためにこの地方機構を通じて、ただいま申し上げました直接貸しのほかに、甲方式の貸付も乙方式の貸付も、より迅速な連絡、現地に即したる処理ができると思いますので、かような面を通じましても本年度においては公庫の資金はより活用されるのではないかということを大きく期待いたしておるような状況でございます。先ほど申し落しましたが、乙方式の貸付も逐次伸びて来ておりますが、二十九年度におきましては件数、金額がいささか私どもとしても不本意のような状況でございますので、地力機構の整備と相まちまして本年度は乙方式の貸付の伸張にも努力いたしたい、かように考えております。  ただいま御審議願っておりまする法律案につきましては、すでに御承知のことと思いまするが、今回の予算におきまする十五億の政府出資と、それから日本開発銀行から承継いたしておりまする産業投資特別会計、つまり復興金融金庫あるいは開発銀行プロパーの中小企業向け債権、これを引き継いでおりまするが、その引き継ぎの見合いは借り入れに相なっておるのでありますが、それを六十九億ほど産業投資特別会計からの公庫に対する出資にお願いをいたしておるわけであります。  それからもう一つの点は、公庫の代理店に対する送金及び債務者からの元本あるいは利息の公庫に対する送金、この送金関係は今まで日銀に公庫口座を持ちまして、日銀の支店網を通じ公庫送金の扱いしかできなかったのでありますが、今回法律改正をお願いいたしまして地方等においては郵便振替貯金で公庫の送金ができる、あるいは公庫で指定します銀行へ口座を設けそこへの預け入れ、出し入れによって簡便に地方と公庫との送金関係を円滑にするということもこれによってはかり得ると思うのでございます。  それから先ほど申し上げました公庫の業務量も非常にふえて参りまして、特に本年度は各地において直接貸しを開始する関係もございますので、役員の一名の増加をお願いいたしたい。以上のような点が主でございまするが、公庫法の改正並びに御審議の経過におきますいろいろな御指導、御鞭撻によりまして、本年度もより一層公庫の融資を円滑にいたすように努力して参りたい、かように考えております。以上であります。
  8. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 次は全国相互銀行協会常務理事島崎政勇君。
  9. 島崎政男

    ○島崎参考人 全国相互銀行協会の島崎でございます。相互銀行の状況につきましては、お手元に相互銀行概況としまして印刷して差し上げてございますが、これによって大体申し上げたいと思うのであります。  御存じの通り相互銀行は、昭和二十六年十月から無尽会社を解体して発足した金融機関でございまして、その後順調な足取りで目的の達成に努力して参りました。そういう意味で、中小金融機関としてできるだけその能力を上げたいという各行員の努力によりまして、大体今までは所期の目的々達成いたしまして、お客さんから預かりました掛金、預金も当時と比較しまして二倍強、当時昭和二十六年の十月が千二百三十億であったものが、ことしの一月には三千六百十億、この三月末では三千七百四十億という数字であります。そうしてその預かりました金もほとんど大部分を中小企業の金融面に持っていくというのでございまして、その貸し出しもことしの一月では三千二百四十億、ほとんど八九%を中小企業の方に振り向けているのであります。ただ昨年来政府がとられたデフレの政策は相当中小企業者に強く影響いたしまして、昨年中は資金も思うように伸びない、同時にこの貸し出しについても相互銀行自体もある程度警戒もやむを得ない、そういうような関係から、昨年は思うような成績を上げることができなかったのであります。しかしながら全体といたしまして昨年中の状況は、中小企業に対して相互銀行の融資が三百五十億増加、信用金庫は二百三十億、地方銀行が百十億、都市銀行はマイナスの百九十億という数字から見ますと、相互銀行は中小企業のために非常な努力をしているということが言えるのじゃないか、そうして参考のために中小企業に対する民間金融機関の融資の状況を申しますると、相互銀行が三千百億、信用金庫が千六百五十億、地方銀行が四千三百九十億、十一大銀行が四千三百億、合計一兆三千四百六十億の資金を民間が融資しているというような状況に相なっているのであります。そうして相互銀行のこれらに対する貸し出しは非常に小さくて、お手元に差し上げましたように、貸し出し金額別からいきます上もちろん百万円以上の貸し出しも相当ありますが、平均からいきますると、一件が十七、八万というような少額に相なりまして、これを件数にいたしまして百七十五万件のうちで大体三十万以下が八七・四%、金額にいたしまして三千百十億のうちに三十万未満のものが三八%という状況に相なっているのであります。  次にどういう方面に相互銀行が昨年中において貸し出したかと申しますると、大体製造業が二五%、卸及び小売業が三七%、サービス業が一七%というような状況になりまして、相互銀行はどうもサービス業に対する融資が多いという非難を常に受けるのであります。しかしながらわれわれ相互銀行は、中小企業の専門金融機関である、そういうような観点から、サービス業といえどもそれが民生の安定をはかるという意味からいえば、必ずしもむげにこれを抑制することはできない、もし金融機関が全体的に抑制した場合には、一体そういう方面の業者はどの方面から金融を受けるかということもやはり考えなければいかぬではないかというような気持で、われわれ業界は大口のサービス業に対する融資はやめる、しかしながら小口のものについてはやむを得ないじゃないかという気がいたしておるのであります。  それから最近ふえましたのは、地方公共団体が銀行の方の引き締めによりましてだんだんふえてきまして、現在十三億出しておりますが、これは昨年の二十九年度に新しくできた現象でありまして、おそらくこの三十年度も地方財政がよくなればとにかくも、今年度あたりでもある程度相当ふえていくのではないかというような気がいたします。  もう一つは相互銀行の貸し出しの金利でございますが、これもこの中小金融機関であると同時に、われわれは大体一万五、六千名が外務員として集金に当っておる、日掛もするし月掛もする、そういう関係からコストが高い、それで金利調盤も最高貸し出し三銭五厘というようになっております。これらについても中小企業者が金利の負担に困っておるという意味で、自主的に昨年の秋から金利を、大蔵省の慫慂という意味じゃなくて、相当下げて、できるだけ企業者の方の負担を軽減していこうというので、昨年の秋から各行がこの方面に思い思いに金利を下げてきたのであります。同時に預金面も相当預けておりますので、預金者に対してはできるだけ支払い準備を多くするというものと、それから支払い準備というばかりじゃなく、万一相互銀行が一行でも経営にまずいことがあった場合には、これに対してわれわれ相互銀行が一丸となって救済の措置に出るというような趣旨で、相互銀行の方には昨年から相互保証協定というものを一応作りまして、ことしの三月一日から全会員がこれに加盟いたしまして、大体国債あるいは社債を自分の預金の千分の十というような見当で、現在十三億円を幹事銀行に預託し、万一の場合はこの資金をもって日銀から融資を受けて救済の措置に出るというような方向で進んでおります。また一面経営面も一応現在では各行とも安定した収益を出しておりますが、同時に金利の低下あるいは人件費の低下、こういうような意味で今後の経営というものはわれわれとしても決して楽観をいたしておるのではございません。各員が石にかじりついてでも努力して、同時に相互銀行の目的というものを十分達していきたいというような気分に燃えておるのであります。簡単でありますが以上で……。
  10. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 次に全国信用保証協会協議会嘱託木畠英一君。
  11. 木畠英一

    ○木畠参考人 時間もございませんので、簡単に述べさしていただきます。中小企業の信用を補強いたします信用保証協会の立場から、運営上問題となっておりまする一、二の点につきましてお話申し上げたいと思います。  皆様御承知の通りに、信用保証協会は都道府県市等の地方公共団体の財政的援助によりまして設立育成されてきたものでございまして、昭和三十年の一月末現在におきまする保証実績といたしましては、件数におきまして七十二万余件、金額といたしまして二千四億余円と、こういう実績を上げておるのでございます。  これによりまして中小金融難の打開に寄与し、ひいては地方産業の振興に寄与して参ったのでございます。  このように一応実績は上げて参りましたが、保証協会の運営上、この事業の裏づけとなりまする保証基金が現在のところ十分でないのでございまして、しかもこの地方公共団体の財政的援助によって成り立っておりまする協会といたしましては、地方財政が逼迫しました現状におきまして、現在より以上の基金の増強ということが望まれない状態にあるのでございます。つきましても、中小金融の問題が単に地方的な問題でなく全国的な重要な問題である点にかんがみまして、地方公共団体と同様に、国家におきましても何らかの形におきまして国家資金の導入ということが望ましいと考えておる次第でございます。ただし、国家財政の現状からいたしまして、早急の実現も困難であろうということで、従来信用保険の利用によりまして間接に国家資金の導入を受けまして、これによって機能の発揮に努めて参ったのでございまするが、何を申しましても、現在の信用保険の条件によりましては十分に活用いたすということができないのでございます。この点は先ほど中小企業庁長官からありがたいお言葉をちょうだいいたしましたが、填補率並びに信用保険料率の問題でございますが、全国の保証協会といたしましては、先ほども申しましたように、国家財政資金の導入ということが早急に望まれないという事情から、信用保険の改善によりまして、この利用によりまして機能の発揮に努める方針でございまするが、今日まで政府当局に、填補率につきましては現行六〇%を九〇%に引き上げ、保険料率につきましては現行二分を年七厘五毛に引き下げていただきたいと、こういう要望をしておる次第でございます。なお、そのほか保険につきましては、先ほど長官からもお言葉をちょうだいいたしましたが、根保証を付保の対象にすること、それから中小公庫並びに国民金融公庫の代理貸しを付保の対象とすることにつきまして要望しておりますが、長官のお言葉によりましてこれは実現するものであると見られますので、非常に感謝しておる次第でございます。  なお、小口の保証保険の改善につきましては、保険価額を現行十万から二十万に増額してほしいということ、それから資本の額を現行五十万から百万に増額する、従業員の数を現行五人から十人に引き上げてほしい、こういう要望を出しておる次第でございます。申し上げるまでもなく、小企業者は非常に金融に困っておる次第でございまして、特に保証関係で申し上げますると、全体の七〇%は二十万円以下の保証でございまして、この小口信用保険の保証保険の改善が要望通りに実現されるということになりますれば、全円の保証協会にとりましても非常に利益するところが多いのでございまして、これによって機能の発揮ということが考えられるのであります。いろいろと御事情もおることと存じまするが、中小金融につきましては、この信用補完ということが非常に大事な問題と考えておるのでございまして、この信用補完の機関でございまする保証協会の今後の強化につきまして、格段の御配慮をいただきたいと存じておる次第でございます。簡単でございますが……。
  12. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 次に全国信用保証協会協議会王事松本英正君。なるべく簡単に一つお願いいたします。
  13. 松本英正

    ○松本参考人 お手元に差し上げてございます保証協会の概況について簡単に御説明を申し上げたいと存じます。  現在協会数は五十二ございます。従来佐賀県と長崎県が県自体が損失補償の契約を金融機関とされておりました関係上、保証協会の設立が延びておりまして、昨年佐賀県、二十九年度に長崎県に協会が設立されまして、全国的な組織となった次第でございます。それから保証を行う以上、先ほど木畠参考人から申し上げましたように、保証金が必要でおる。現在保証金の実情はどうであるかと申しますと、いわゆる純財産に当りますところの基本財産が三十六億ございます。それからこれはほとんど地方公共団体との損失契約でございますが、損失契約によるものが約四十億、合計七十六億九千四百万円の保証金で保証を行なっている次第でございます。しからばその保証金の出損先はどうなっているかと申しますと、都道府県が二十一億八千百万円、市町村が八億円、地方銀行が三千八百万円、都市銀行が二千九百万円、相互銀行が四百七十三万円、信用金庫が九百二十六万八千円、信用組合が百三十五万円、政府関係金融機関が百四十七万円、その他の金融機関が四十三万円、業者及びその団体が五千七百五十万円というような状況で出指をいただいておる次第でございます。事業の概要は、これは創業以来の累計でありますが、保証申し込みの総額が二千五百七十一億円、保証承諾の累計が二千四億円、これに対しまして償還額が千充行四十六億円、代位弁済額が三十九億、約四十億円でございます。その代位弁済額三十九億円のうち回収金が十九億円、約半分は回収になっておる次第でございます。旧証券の現在額――代位弁済したものの現在額でありますが、二十一億八千八百万円、保証の現在額は三百七十一億五千九百万円ということになっておりまして、保証金の五倍が保証の現在額ということになっております。旧証券の回収状況は割合順調に進んでおりまして、約半数が回収になっておるという実情でございます。  簡単でございますが、以上をもって説明を終ります。
  14. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 次は商工組合中央金庫理事の加藤八郎君。
  15. 加藤八郎

    ○加藤参考人 それでは私から商工中金の昭和三十年度の資金繰りの大体の見込みを申し上げまして、これに関連しますいろいろのお願いをあわせて申し上げたいと存じます。お手元に「商工中金昭和三十年度資金繰予想表」という三、四枚のとじたものを差し上げてございますから、それをごらんいただきたいと存じます。  まず三十年度中にどんなふうに資金が調達できるかという点を書きましたのが左側の「資金」という欄でございます。これにございますように、出資金といたしまして九億三千四百万円の増加を見てございます。これはあとでまた申し上げたいと存じますか、政府より十億円の出資をして下さることに相なりましたので、その十億円を計上いたしますとともに、一方におきまして見返り資金から借りました優先出資の消却が六千六百万円でございますので、それを差し引いて結局九億三千四百万円の出資金の増加を見たのでございます。  それから債券の発行によります手取金の増加は八十四億と計上いたしました。ここで問題がございますのは、資金運用部におきまする債券の引受額でございます。これはまだ決定になっておりませんので、ただ財政投融資としての計画は昨年よりもさらに減りまして、昨年は百九十億の金融債引き受けのワクを設定されましたのが、本年は百七十億と承知しておりますが、減額になっておりますので、さらに金融債の配分がむずかしくなってくると思いますけれども、その点におきましては、中小企業の現状にかんがみまして、資金運用部の引受額を減額されることなしにわれわれは予定いたしております。そこに書いてございます二十四億をぜひ資金運用部から出していただくようにお願い申し上げたいと存ずるのでございます。かつて昭和二十八年ころは四十億円の引き受けがございましたし、その前の年も、三十六億円の引き受けがおったのでございますが、昨年から非常に減りまして、二十四億円というような状況に相なってきておるのでございます。従いまして三十年度の引き受けも、ぜひ二十四億円は確保していただきたい。もしこれがくずれるならば、この債券の全額についても減少を来たすようなことになるのではないかと考えられるのでございます。  その次は指定預金でございますが、二十七億四千万円金額償還に相たるのでございます。これは私どもといたしましては引き揚げられてもいいという意味でここに三角をつけて出したのではございませんで、ただ期限が今年中に参りますので、その期限が来たならば返さなければならぬという意味でここに計上をいたしたのでございます。かつては六十六億程度の指定預金をいただきまして、それが非常に中小企業の金融に役立っておったのでございますが、昨年の年度初めには四十一億ございました。それが逐次引き揚げられまして、現在では二十七億四千万円残っているのでございます。これはぜひ一つ政府の方におかれまして全額延期していただくことができまするならば、それだけ中小企業に対する貸し出しが潤沢になるのでございまして、われわれとしては特にお願い申し上げたいと存ずる次第であります。  それから公金預金の三億円の減少、これは現在いろいろ市町村あるいは県から預託金をいただいているのでございますが、地方財政の逼迫に伴いまして、逐次減少の傾向にございますので、一年間に三億円程度は減少するだろうと見込んだのでございます。  それから一般の預金は大体十一億四千万円程度の増加が見られるであろうと考えたのでございます。  それから公庫からの借入金とございますのは、借入金の返済十億円を計上して、ございますが、これは中小企業金融公庫の方から現在二十億円を借りております。そのうち十億円はこの八月にお返しいたしまして、あとの十億円につきましては、今度法律を改正いたされて、これを延ばしていただくという予定に相なっておりますので、その返す分の十億円だけをここに減額として書いてございます。  それから日本銀行の借入金が十一億ほど増加いたします。  結局年度内に貸し出しが実行できまする金額は七十億円ということに予定してあるのでございます。この七十億円というのは、残高において七十億円を増加するのでございまして、貸し出しと回収との金額を見ますると、その二枚あとのページに「昭和三十年度貸出、回収額予想表」とございますように、年間を通じまして貸し出しは千四百二十億円、それから回収が千三百五十億円ということになりまして、結局その差額の七十億だけが貸し出し残額として増加するということに相なるのであります。  それから有価証券の投資が六億円ということになりまして、このように三十年度の資金を運用いたしたい、かように考えているのでございます。  先ほど申し上げましたように、指定預金の二十七億というのは、どうしても延ばしていただくことによって貸し出しの増加もできまするし、また日本銀行の借り入れを年度末に残すということは、ある程度必要でございましょうけれども、大体日本銀行の借り入れは一時的な資金不足を補うために貸すというのが原則でございますので、十二月の年末金融のときには限度一ぱいまであらゆる手段を講じまして借りて参りますけれども、それが一月、二月というふうに回収になりまして、年度を越す場合には、あまりたくさん置かないということが適当であると思いますので、もし指定預金を延ばしていただくということができまするならば、この借り入れの減少ということにも充てられるかと思うのでございます。こんな状況でございますが、さらに今回提出されております法律案に関連いたしまして、先ほど長官からも御説明がございましたように、中金に対しまする政府出資を十億円して下さることに相なりましたのでございますが、この点につきまして、われわれから特にお礼も兼ねて申し上げたいと存じますことは、商工組合中央金庫は、昭和十一年に発足いたしました当時、その出資金は一千万円であったのでございますが、その場合に政府が五百万円、組合が五百万円ということで半々の引き受けをもってスタートしたのでございます。その後数回増資がございましたが、いずれの場合でも結局半分は政府が持ち、半分は組合が持つというようなことで、再建整備の直前までは資本金が三千万円でございまして、これがそれぞれ千五百万円ずつになっておったのでございます。これが再建整備の償却によりまして四百二十万円に減資になったのであります。切り捨てまして四百二十万円になったのでございますが、その四百二十万円を、政府が二百十万円、組合が二百十万円というふうに半分ずつ出資を持っておったのでございます。しかるにその後は一切政府の出資がございませんで、組合だけによる出資を四回重ねて参りまして、現在組合の出資が十三億近くなっておるのでございます。しかるに一方政府が二百十万円であるというようなことで、非常にけた違いの差が出て参りましたので、各組合の総代からも、毎年総代会において熱烈に政府の増資を希望されて参ったのでございます。もちろんわれわれ当局者といたしましても、非常にこの点について政府にお願いを申し上げておったのでございますが、このたび十億円を出資して下さるということになりますると、ほぼ組合と政府の出資の比率が均等になって参りますし、のみならず今後これによりまして、中小企業界に対して、政府が商工中金に対して十億円見て下さったということが、そのこと自体において非常な刺激を与えまして、またその士気を鼓舞することにも相なりまして、われわれとしましてはその効果が非常に大きいと考えるのでございます。もちろん出資されました直接の理由は、債券の発行が出資金の二十倍というふうに法律できまっておりますので、現在の出資金では発行限度が行き詰まって参りまするような状況になりましたので、それを救うために政府におかれて十億を御出資下さったことになるのでございますが、さらにそのほかに、先ほども申し上げましたように、各組合に対する政府の強い気構えをお示しいただいたようなことになりまして、非常に効果があると思うのでございます。またこれを契機といたしまして、組合上りの増資も、今年度はもちろんできませんけれども、来年、再来年というような場合に、また考えていくというふうに考えておる次第でございます。  簡単でございますが、以上をもちまして終ります。
  16. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 本日御出席を予定されておりました志津義雄君より、急病のため出席しかれる旨の申し出がありましたので、御了承願いたいと存じます。  以上をもって説明員及び参考人の陳述を終りました。説明員及び参考人のただいまの陳述に対してのみ質問を続けたいと思います。質疑の通告がありますから、順次発言を許します。松平忠久君。
  17. 松平忠久

    ○松平小委員 ただいまの中小企業金融関係についての御説明につきまして、一つ二つ御伺いしたいと思うのであります。先ほどの長官の御説明にもありましたが、大体デフレの傾向は、中小企業に必ず影響が来る。従ってこのデフレの影響からいかにして守っていくかということを金融面で考えなければならぬということを言われておるのであります。そこでただいまの各金融機関、中小金融機関の御説明を伺っておりますと、資金の計画について相当多くの自己資金を見込んでおられるように思うのであります。そこで中小企業が金融的に圧迫を受けてくるということを考えてみますと、結局普通銀行の貸し出しが国民金融公庫なりあるいは中小企業金融公庫もしくは商工中金等にだんだん肩がわりをしてくる傾向にあると思うのであります。そういった場合においては、おそらく回収率は非常に困難ではないか、こういうふうに思うのであります。そこで第一にお伺いしたいのは、櫛田総裁、それから中小企業金融公庫の方にお伺いしたいのでありますが、昨年度における回収状況並びにこの回収の方法といいますか、取り立ての寛厳というか、相当無理をしてとっておるように聞いているのですが、一体どういう程度に取り立てをしておったか。中には見込み額よりもよけいに回収があったというような御報告もあったように思うのでありますが、一体今の中小企業の金融面というものは回収見込み以上に回収できるような企業の状態であるかどうか、非常に疑いを持つのであります。従ってまず第一にお伺いしたい点は、昨年度における回収状況並びに回収の方法等についてお伺いをしたいと思います。
  18. 櫛田光男

    ○櫛田説明員 お答え申し上げます。私どもの貸付は、御承知のように大体三年平均になっておりまして、月賦でございます。それからきわめて小口でございますので、連月毎月大体二十分の一あるいは二十五分の一ずつの元金の償還お払い込みをいただいておるわけでありますが、非常に小口でありますのと、またお客さんの御協力の関係からいって、きわめてお払い込みがいいのであります。これが国民金融公庫ができましてから今日まで続いておりますが、ただ一昨年、昨年になりまして、やはりデフレの影響を受けまして、延滞の率が若干ふえてきておりますが、なおそれでも全体の三%程度でございます。これは一にお客さんの大へんな御協力のおかげだと常々感謝いたしておるわけでございます。回収の方法につきましては、直接貸し、代理貸しともに、大体半分は直接御約定の日にちに店にお持ち下さいましてお払い込みをいただいております。あとの半分くらいは大体郵便の振替送金、振替貯金であります。これが大体でございまして、格別今お話のありました無理をして取り立てておるというふうなことはないと存じておりますが、従来とも変りがたく、ただ先ほど申し上げましたように、延滞率が一昨年は大体二%弱でございましたが、昨年度は三%に上ったという程度で、従いましてその延滞分については、二週間なり一月たちますと、はがきで督促を申し上げております。それから多少たちますと、こちらから出向きましていろいろ御相談に応ずる、そういうふうな仕方は、六年前に公庫がでまましてからとりました方法で、その後別に変っておりません。大体かような状況であります。御了承願いたいと思います。
  19. 中野哲夫

    ○中野説明員 中小金融公庫の回収は、先ほど申し上げました通り前年度計画を上回って、約九十億近くに相なったのでございますが、この計画を上回ったという点の御説明を申し上げますと、年度当初予算等の基礎にいたします際には、貸付件数あるいは貸付金額、いずれも残高でございますが、それに一定の延滞率の予想をかけるわけでございます。年度の始まります前には、やはり金融機関の一種でありますので、なるべく手がたくと申しますか、公庫として計画を下回らぬように、平たく申しますと相当延滞があるのじゃないかというような予想で、計数をかけて七十億なら七十億というようなあれを見るわけでございますが、私の方も金額が平均二百万円余りというような小口でございます。それから原則として中小企業者の方の利息あるいは元本の償還が楽なように、月賦償還を原則とする、そのほかに三月償還、三月に一回払うというようなことでございまして、公庫が始まってからの公庫貸付につきましては、比較的回収状況か実態的にもいいし、先ほど申し上げました件数よりも少し上回る、こういうようなことから原因しておるのでございます。  第二点は、御承知の通り公庫貸しは、代理金融機関に業務を委託しておりますので、元利の管理、回収はそれぞれの代理店にお願いをいたしておるわけでございまして、直接貸しをいたしました場合のように、的確にその間の手心を把握することはむずかしいのでございますが、一般的に公庫になってから、あるいは一昨年に比べて昨年は公庫が管理、回収を峻厳にいたしたということはないのでございます。公庫の債権のうちでも、開銀から承継しました復興金融金庫時代の債権等につきましては、償還の楽なものはすでに開銀時代にほとんど回収を終りまして、承継いたしましたのはそれぞれの理由によって回収困難なものでございます。これらについては当時の事情も御承知のようなことでございまして、今後も回収には相当苦労いたすかと思いますが、公庫廃止以来は世の中もだんたん安定いたしまして、借りたものは返す、返す見込みのものに貸すというふうな気風のように伺っておりますので、今日までのところさしたる心配はない。また特に峻厳な取り立てをいたすという考え方もございません。承継債権にせよ、公庫債権にせよ、管理の面におきましては中小企業者の実態を十分代理店に調べていただきまして、期限の延長あるいは分割を楽にするというようなこと、あるいは損害金の減免をするというようなこと、個々の場合々々に応じて借入人の方とも御相談して、適宜の措置をとっておるような次第でございます。
  20. 松平忠久

    ○松平小委員 ただいまの御説明によると、いずれも二行ともにあまり無理をして取り立てるのではないというお話で非常にけっこうなのでありますか、しかし翻って考えてみますと、御意見を伺いたいと思いますが、こういう中小企業の金融措置、すべて金融というものに関しては、計画以上に回収が非常によろしいということは、どういう意味なのでございましょうか。つまり金融的に相当緩和されておるというようなことを意味しておるのか。つまりある程度景気が直って、そうしてどんどん借りた金も返せる、そういうことを意味しておるのか、あるいはまた初めからそうではなくて、今中小企業金融公庫の方の説明のあったごとくに、非常に手がたい貸付を初めからやって、そのために思った以上に回収が早いというのであるか。言いかえれば、つまり金融をほしがっておるけれども、ちょっと回収がどうかと思うようなところはなるべく避けて貸せない。そうして回収本位で金融をしていくという意味のために早いものか、その辺のところの皆さん方の御見解を承わりたいと思うのであります。  重ねて申しますけれども、回収が非常にいいというのは景気が立ち直って来ていいのであるか、あるいは初めからそうではなくして、回収のいいようなところにしか貸さない、こういうために回収がいいのであるか、その辺のところは皆さんほんとうに正直に教えていただきたいと思います。
  21. 櫛田光男

    ○櫛田説明員 ただいまのお尋ねでございますが、回収が予定よりよいということは景気が悪くなっていない、よいという証拠なのかという御質問に対しましては、こういうふうにお答えを申し上げたいと思うのであります。先ほど中小企業公庫の中野さんからもお話がありましたが、当初回収の予定を立てまするときには、私どもはどうしてもやはりプランでありますので、かなり内輪に見積ります。それが一点。それから国民金融公庫の場合には、特殊の事情がありまして、大体お客様の中で七割見当すでに月賦金をお返しになった方が、あらためてまた新しく資金がいるというふうな場合は、その御相談に応じておるわけであります。そういったときには残った三割を一応償還に立てまして、つまり十万円御相談があったときに今までの残債務が、最初に十万円をお貸しいたしまして、七万円見当すでにお返しになっておる。そこであらためて十万円くらい資金がお要り用であるという御相談を受けましたときには十万円をお貸し出しいたしますが、その節前の貸付の残りの三万円というのを、一応償還の形をとります。新しく十方円の契約をいたしまして、差引七万円のお金を差し上げる、こういうふうにいたしますと、双方の消化が、そのときには金は動かさずして三万円の回収があったということになります。私どもこれを現貸し決済という特別の用語をもって表現いたしておりますが、これが大体の償還の中で六%から七%ございます。そういったところは当初あまり予定できませんので、従ってその程度は実績と計画との間にはっきりと差が出て来ます。かようなことがございます。でありますから私どもの回収の予定よりも多かったのは、これは景気と関係があるかと言われますと、その間に一対一の関係において関係があるということは申し上げにくいと思います。むしろ先ほど申し上げましたように、延滞率が一昨年よりも昨年の方が少しではあるがふえて来たという点の方がかんじんなことではないか、ただその延滞率がもっと大きく出るであろうと予想されたにかかわらず、きわめてなお少い程度にとどまっておるという点、これはやはり先ほど申し上げましたように、私どもの返済方法がお客さんにとっても返しやすい返済方式だ、またお客さんの方で大へんに御協力願っておるという点にあるのだろうと私は思います。  それから、回収の見込みのないものと申しますか、回収本位で貸し出しをするのじゃないかというお尋ねでございます。これはなかなか表現がむずかしいのでありますが、私どもの建前といたしましては、法律の十八条に、独立して事業を営む意思を有し、かつ適切なる事業計画を持つもので、しかもなおほかの金融機関から資金の融通を受けることを困難とするものに貸し出せと書いてございます。そこで私どもは、適切な事業計画であるかどうか、つまりお客さんの御要望になっておるお金で、果してそれを百パーセント活用してお客さんがお見込み通りのお仕事ができるかどうか、そこに重点を置いて御相談に乗っておる、これが私どもの建前でございます。  それからなお私どもの感じといたしましては、先ほど申しましたように、申し込みに対して昨年度は三六%の貸し出し、かできました。私ども大体平常考えておりまして、申し込みの中で――これは二つに分れるわけてございます。お金があれば、そのお仕事が成り立ち、その計画が確かにできるだろうというお客さんと、お金だけではどうにもならないだろうというお客さん、つまりお金のほかに何か別な要素を加えないと、その事業をあるいは維持し、あるいは伸ばすということに疑問がある。この二つにカテゴリーが分れるかと存じます。ところで全体の申し込みで三六%にとどまるわけでありますから、資金の量からいいましてきわめて手薄であります。またこの資金と申しますのは、御承知の通り政府から税金の一部を分けていただいておる、かようなお金でありますので、このお金をできるだけ効率的に、あるいは百パーセント御活用できるお客さん、このお金さえあればその仕事が円滑に伸び、あるいは維持できるというお方の御相談にまず応じるということにいたさざるを得ませんので、結果が回収の面におきましても、先ほど申し上げましたような実績を示すことに反映してくるのだろう、かように存じておるわけでございます。そこらはどうぞよろしく御了承願いたいと思います。
  22. 中野哲夫

    ○中野説明員 公庫の融資が元利の回収の確実を第一にしておるのかという御質問でありますが、公庫におきましては、法律の趣旨といたします中小企業の合理化、維持、発展に役立つということを第一義といたしております。それでは元利の回収の方は二義、三義かと言われますと、今櫛田総裁のお話のように、言葉の解釈によりましてデリケートな点があるのでございますが、一、二の例を申し上げますと、承継債権などにおきましてどうしてもとれないというようなもの、これは客観的に判断いたし、また代理店の意見も尊重いたしまして、大蔵省の銀行局あるいは会計検査院の個々のケースについての承認を受けまして、いわゆる消却に立てる、簿外債権にやるというようなことをしております。また代理店が元利の延滞に陥って差し押えをする、あるいは競売に付するというようなものも、代理店の一存にまかせずに、案件の内容を付して公庫の意見を求めるというふうに指導いたしまして、その内容を見てその企業を生かすのがいいのか、あるいは一思いに強制執行等をやるのがいいかということを、個々のケースに応じて中小企業を生かすという心持で代理店に指令も指示もする、こういうような形でいたしておるのでございます。ただ、今国民金融公庫総裁の申されました点と私の方との間の違いをしいて申し上げますれば、私の方は四百余りの代理店にお願いして管理、回収をいたしておりますので、かつ公庫の甲方式貸付につきましては、債務者が延滞に陥った場合に、代理店をしてその延滞額の八割を公庫に支払い保証するという責任額を負担せしめております。また公庫が貸付を決定いたしますいわゆる乙方式につきましても、延滞額の三割はその扱った代理店が公庫に対して責任を負う、こういう制度の仕組みになっておりますので、かような支払い保証の関係からいたしまして、多数の代理店の中にはニュアンスとして元利回収の方にも十分注意を払って貸し出しをする、あるいは逆に中小企業の振興ということに比較的重点を置いてお貸しになるというようなことで、これは本店で四百余り、その窓口、支店を通じますと、三千ないし三千五百くらいに及ぶと思いますが、それぞれの窓口の扱い者の心持で多少ずつの段階があると思いますが、その点は一定の中小企業の育成という方針を公庫といたしましてはどこまでも示し、かつその実行をお願いしておりますが、個々の扱いになりますと、多少各代理店の営業方針というようなものも加味されるというような点は、直接貸しの場合に比べますと、やはり若干のずれが起ることもあるかと思います。また私どもとしてはさような点もある程度はやむを得ないのではないか、かように考えておる次第であります。
  23. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 松平君、質疑は他にも相当ありますし、時間も相当経過しておりますから、なるべく簡単に願います。
  24. 松平忠久

    ○松平小委員 最後にお伺いしたいと思います。先ほど申したように、申し込みの増加が非常にあるようでありますか、大体中小企業金融公庫あるいはその他の中小金融あるいは一般の金融といたしまして、現在の日本の経済状況からいって、申し込み件数の一体どの程度に金融業者としては応ずるというのが理想的であるか、これに対する御意見を伺いたいと思うのであります。  それからもう一つは回収金を計画する場合において、これは各銀行においてそれを決定するのか、あるいは大蔵省から何らかの指示があるのか、その点についてお伺いいたします。
  25. 櫛田光男

    ○櫛田説明員 申し込みの点につきましては、申し込みの統計を、つまり店に申込書をお出し下すった統計をとっておりますのは、おそらく私のところだけじゃないかと思うのです。ほかの金融機関さんのところでは、おそらくそういった手続をとる前にいろいろ内輪の御相談がありまして、そこで大体お話がきまってから申し込むというお手続をなさるのじゃないかと思いますので、従いまして私の申し上げますことがほかのお方々とは多少結論は違ってくるのじゃないかと思いますが、国民金融公庫だけの感じで申し上げます。  先ほど申し上げましたように、昭和二十九年度の実績におきましては、件数においては約四十四万件の申し込みに対しまして、二十二万件、五〇%の貸し出しをいたしました。金額におきましては申し込みの金額は千五十二億ほどございました。それが三百八十億、つまり三六%にとどまったわけであります。私の率直な考えを申しますと、大体金額で言って四割から五割、中をとって四割五分ぐらいになります。その見当をお貸し出しができたらもっとお役に立つのではないか、かように存じて、おりますが、ただいかんせん原資の方が少うございますので、できるだけたくさんの方に苦労を分ち合って、お互いにというふうなつもりで、申し込み金額より多少少な目に少な目にといった傾向が現在ございます。ただ件数においては五割というところまでこぎつけることができましたらせめてもの仕合せと思っておるところでございます。  それから回収の見込みを立てます際に、大蔵省からいろいろな指図があるのじゃないか、これは私ども自分の経験と見込みを立てまして、予算を立てます。ただ従来から私どもが金融機関といたしまして、かなり内輪に見積りますから、回収金も実績の方がいつも見込みよりも超過いたしておりますので、そこら辺の見当からもう少し回収金があるのではないかというお話を承わることはありますが、予算を立てますときには、私どもといたしましてはとにかくほんとうに確実なところ、こういたしませんと最低限度というプランが成り立ちません。そういった見地から、結論的に申し上げますと実は自主的に回収金を立てておる、かように申し上げてよろしいと存じます。
  26. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 この際議員長谷川四郎君及び加藤清二君より小委員外の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 それでは議員長谷川四郎君及び加藤清二君の発言を許します。加藤清二君。
  28. 加藤清二

    ○加藤清二君 時間が短かいようでございますから、私簡単に要点をかいつまんでお尋ねをしたいと存じます。大体この金融につきましては、御承知の通りデフレの陰で一番犠牲を負っているのが中小企業でございますが、その犠牲を負っている中小企業に対してそれぞれの立場から御熱心に御努力いただいていらっしゃる方々に対しては、まずもってお礼を申し上げなければならぬと思っておるわけなんですけれども、それはそれとして、なお一そう中小企業をよりよく救っていただくためにこうあったらどうかという点をお尋ねしたいと存じます。  大体この金融の状況は、総体をながめてみますと、金のあるところには金が貸されるようでございます。ものを持っているところへは金が貸されるようでございます。これを大きいのと小さいのと比較いたしてみますと、大きい方はより金が借りやすい、小さい方は一そう過酷に金が借りにくい。これが原則のようになっておるようでございますが、たとえて申しますと、同じ資本金を持っておりましても、億以上の資本金を持っているところへは公称資本金以上の金が借りられる。ところが小さい百万、二百万の資本金のところへは、その公称資本金どころか、それ以下しか貸してもらえない。また大きい方は担保の場合ほとんど担保なしで借りられる場合がありますけれども、この中小企業が借りようとする場合は、その担保を過酷にとられる。いよいよ引き揚げられる場合も先ほど来お話がありましたが、政府の投融資で行った大きい金の方は焦げついたものがそのままになっているが、小さい方はぐんぐんと遠慮会釈なく引き揚げられていくということがあり得るようでありますが、第一番に政府がサゼスチョンをしたおかげで生じてきた融資と申しましょうか、これは政府の責任においてぜひめんどうを見るようにしていただきたいと思っております。たとえて申しますと、去年中小企業安定法二十九条の発動によって職場はきれいな言葉で言うと自戒自粛をした。しかしそのおかげで機械屋は売れなくなって困ったということがあったわけでございますが、これにつきましても政府側ではずいぶん御援助をいただいたようであります。これは去年だけで終ったわけではない。今年も継続されているわけです。今年になって一そうこのしわが機械屋に寄っていくということは目に見えている。かてて加えて毛の二十九条がまた発動された。放っておけば先ほどお話のありましたように、タオル機械のメーカーのように全部倒れていかなければならない、こういうことです。ところが片や輸出振興でどんどん機械が売れるように手当ができておればよろしゅうございますけれども、これができていない場合には、どうしても国内の販売を目当てにしなければ生きていかれない、やむなく倒産しなければならない、こういうことでございますので、去年の綿、スフ二十九条の発動、かてて加えて今年の五月に発足しました毛の二十九条の発動から生じてくる、せめて機械設備の交換、近代化に関する融資は、政府側はこれに対して手当の用意が万全を期せられているのかいないのか。いるとすれば一体どの程度の計画があるのか、この点をお尋ねいたしたいのであります。これは政府と申しましても大体中小企業の金融公庫が一番これに近いのではないか、もっとも商工中金も関係は十二分にありますけれども、この点まず中小企業の金融公庫の方からお答え願いたい。
  29. 中野哲夫

    ○中野説明員 綿、スフ織機、輸出絹、人絹織機及びタオル織機について中小企業安定法の発動、設備の増設許可制度の実施に伴いまして、通産省から種々御指示もあり、われわれも各地の席地の組合の首脳部等から具体的な実行計画簿を伺いまして、昨年秋から公庫といたしましては設備の入れかえ、それによって高能率の織機が真に代替するのだ。それによってコストの引き下げが具体的にはかり得るのだという向きに対しては、むしろ喜んで公庫資金をお貸しいたしたい、使って、いただきたい、かように考えまして、特に産地方面の代理店にはその旨の公庫の方針を書面で通牒を差し出して、その取り上げを慫慂いたしているのであります。なお公庫の貸付については、毎四半期一定の資金ワクを代理店につけておりますが、今申し上げましたような入れかえ資金につきましては、公庫の本部に資金のワクを保留しておきまして、いわゆるワク外扱い、自分の示されたワクが足りなくなるのではないかという心配によって、取り上げるべきものも躊躇するということのないようにいたしているわけであります。ただこの公庫の考え方、仕事のやり方につきましては、何分にも東京、大阪にしか店がありませんので、各代理店に十二分の周知徹底がはかられておるかという点になりますると、いささか忸怩たるを得ないというような点があります。毛織物織機につきましても、産地組合の首脳部と相はかりまして、これまた今申し上げましたような融資方針で進んでおるのでございます。また各産地に具体的に資金を出すという問題につきましては、組合融資が多い関係上、随時個々の条件ごとに、公庫一商工組合中央金庫さん、それから産地の事情を説明を受けますために組合等の首脳部の人というような方々と随時打ち合せをいたしまして、代理店を通ずる個々の案件について貸付を進めておるような状況でございます。
  30. 加藤清二

    ○加藤清二君 公庫の本部の方々は政府との交渉も密接に行われております関係上、この法律の精神というものはよくわきまえていらっしゃる。また代理業務を引き受けていらっしゃる本店の頭取さん級になりますと、これはよう心得ておるようでございます。話し合ってみますと、話がよくわかる。ところが実際に窓口に参りますと、借受人が相手として相談をする窓口の係りの人ですが、この人になりますと、この立法の精神はほとんど没却されてしまう。私はその実例をよく知っているのです。まことに遺憾なことだと思う。どういう精神でやっておられるかというと、この母法の精神でなくして、自分の銀行が集めた金だと心得違いをして、初めから立場を変えてお話をしていらっしゃる向きが、往々にしてあるどころか、ほとんどそうなんです。こういう点について、周知徹底方を中野理事さんは再三ここで約束をしていらっしゃるわけでございますが、――もっとも範囲の広いことですし数が多いから、そう急にはできないと存じますけれども、ここらあたりで一つ、相互銀行さんの代表がいらっしゃるようでございますから、相互銀行の協会としては中小企業金融公庫の母法の精神、取扱い方等万遺漏なきよう、いかように周知徹底方を期していらっしゃるのか、その点を承わりたい。
  31. 島崎政男

    ○島崎参考人 お答えいたします。ただいま先生の言われるようなことを私たちもときどき耳にするのであります。そういうわけで各代理所、公庫ともできるだけそういう方面について連絡をして、そういう誤解のないように努力しているのでありますが、また一面実際取り扱っている人に言わせると、また多少逆なところがありまして、自分の方の資金ならばいいが、これは政府の資金でおるから、これについては慎重にしなければいけないというような観点から、必要以上に神経をとがらしている点もありやしないかというような気がいたしておるのであります。  それからもう一つはこれをもって――質問以外でございますが、自分の銀行の営業政策に使おうというところもあるのだということも聞いておりますが、決してそういうことがないようにしなければいけない、こういう点は、私の方では毎月理事会も開いておりますし、この面について各銀行がそういうそしりを受けるということはいけない。取引の有無にかかわらず、公庫の資金については厳正にやらなければいかぬ。こういう点でよく打ち合せをし、また公庫とも協議して、できるだけその趣旨が徹底するようにしておるのでございます。
  32. 加藤清二

    ○加藤清二君 それでは重ねてお尋ねいたしますが、中小企業金融公庫の金を借りに参ります場合に、一番人気のいいのは商工中金のようでございます。国民金融公庫は別なケースでございますが、これは国民から非常に歓迎されておるようです。ところが相互銀行へ借りに行きました場合の一例を御参考に供しますと、かりに百万円の金々借りたいというて相互銀行の窓口に参ります。しかもその金は相互銀行の金でなくして、今まですでに御説明のありました政府の金、すなわち中小企業金融公庫の金なんです。そうするとどういうことになるかというと、もともとあなたの銀行の立場上これはやむを得ぬことと思いますが、組合員になってくれとか、仲間に入ってくれという言葉でもって、月々まず十万円くらいずつを預けて取引先になってくれ、こう言われる。これが半年ぐらい続いた後に初めて百万円の許可が出る。ところがこの月々の十万円は一年間続いて行われる。従いまして、なるほど金は百万円借りることはできたけれども、一年後にはすでに百二十万円預けさせられてしまったという例があるのでございます。何だったら名前をあげてもけっこうでございます。そういうことになりますと、先ほど来お話の引き揚げは強要していないと言われておりましても、なお引き揚げ以上のことがすでに完了されておるということでございます。また歩積みと称して、せっかく借りた――これは別口でございますが、百万円借りても手取りは六十万円ぐらいしか渡していただかなくて、金利だけは百万円の金利を払わされるということが常識のようでございます。もっともこれは市中銀行も、金額こそ違いますが、同様なケースで行われておるようでございますけれども、こうなりますと、親の心子知らずということになりまして、母法の精神は完全に没却されたといわなければなりません。このような事実を認めるとか認めないとかいうことは討論する必要はないと思います。もしかりに過去にあった、しかし将来はこういうケースがあっていいのか悪いのか、もし悪いとお考えになりますれば、それに対処するところの態度はどうされますか、この点をお尋ねしたいのでございます。
  33. 島崎政男

    ○島崎参考人 そういうようなことがないようにわれわれは十分注意しておるのでありますが、もしそういう例がありますれば、われわれとしてはあらためて来月の理事会でこれを取り上げまして、そういうようなことがないように、十分周知するように特別に通知をする予定にしております。また同時に全部がそうでないと思いまして、実は東京都内の数字を当ってみたのですが、必ずしもそうじゃない。それから相互銀行あたりでは、相互銀行と取引をしなければ公庫の金を貸さない、こういう非難もありますが、数字を見ましても、必ずしもそうじゃない。ただ多少そういう傾向があるということは、これは私だけじゃなくて、民間経営間においてそういうことをすると、公庫さん自体も御迷惑じゃないかという気もしますので、これは十分徹底するように何らかの措置をとりたいと考えております。
  34. 加藤清二

    ○加藤清二君 直接貸しをこの委員会で要望されている原因の一つにも、ただいまのようなことがあるわけでございます。そこで支店を設けろとか、あるいは直接貸しをやれとかいう声になって来るわけなのでございます。そこで私は何も相互銀行さん総体が悪いとか、市中銀行さん総体がなっておらぬというのではございません。数多い中に間々そういう例がございますると、相互銀行さん総体が疑われたり、恨まれたり、最後にはそれじゃもうやめてもらおうじゃないかというような言葉まで、時の勢いとして出て来るわけでございます。そこで今後ほんとうに相互銀行さんの精神を御発揮なさって、中小企業育成のために御努力いただきたいものだと、これはお願いを申し上げるわけでございます。  次にもう一点だけ御質問いたしまするが、先ほど申し上げましたように、同じように政府の命令と申しましょうか、政府の意向によってどうしても金がいる。ところがその金が今日ないという場合には、これは当然優先して行われなければならないことだと思いますが、こういうケースが十八業種以外にもあるわけなのでございます。さしあたって実例を申し上げますると、この市中の映画関係の設備改善ということ、これはすでに厚生委員会等におきまして、長期にわたって論議がかわされ、決議までされて、当然にすべきである、こういうことで、その指令が出ているわけでございますが、これについてこられる常設館というのは、直接配給を受けているところの、プロダクションの直接息のかかったところ、つまりもうけが確実にあって安定しているというところだけのように感じます。それは大都会に集中されているようでございますが、むしろ設備の改善を要する小屋というのは、大都会の大きな小屋でなくて、周辺小都市ないしは地方の小都市の小屋こそ、この命令を忠実に実行しなければならない状態に置かれていると存じます。ところがこの業態はフイルムの配給その他の関係で非常に制約を受けております関係上、急激に自己資金をつくるということは困難のようでございます。もうけは微々ではあるけれども、着実味はある。だから返す用意は必ずあるのだけれども、なお悲しいことに、この十八業種の中へ入っていないおかげで、せっかく政府の恩恵、親心を受けていないという状況でございます。これに対してほんとうは政府側の意向を先に聞かなければならぬと存じまするが、公庫側として――せっかくいらっしゃるのですし、政府は毎日のように会いますので、いずれなんですけれども、公庫側として、現十八業種を十九にふやすと、事務の上にあるいは貸し出しの上に、非常に支障を来たすのか来たさないのか。話に聞けば、去年よりは今年の取り扱い得る金額の方が多いようでございます。映画館の改修といっても、一年一度に全部するというわけでもなさそうでございます。ふえた金額を全部充てなくても、なお十分まかない切れる金額程度だと存じますが、この点もし十九業種にしたとすれば、公庫側としては、事務運営上あるいは資金の回転上、何ぞ悪い不都合でも起きますか、起きませんか、その点を承りたいのでございます。
  35. 中野哲夫

    ○中野説明員 難題の御質問でございますが、映画興行の設備改善の公庫融資につきましては、改選前の委員会で御決議があったことも承わっております。しかしこれは申し上げるまでもなく、政令指定業種の問題でございまして、ただいま御質問にもありました通り、政府でお考え願うことでございます。その後この問題についてどう考えるか、公庫の方針というか、考え方を固めるようにというお話も、実はまだ伺っておらぬような状況でございます。従いまして公庫の内部では役員間で雑談程度で出ておりますので、私がただいま考えておりますことも、全く個人的な考えを出でません。従って何らオーソリティのある考え方ではありませんが、映画興行につきましても、一般に世間が感ずるような遊興にのみ堕するものではなくて、いろいろ国民の文化的な、あるいは場合によっては教育的な効果も相当ある。それからまた今度の融資の御要望も、映画館を建てるとか、あるいはきれいな客寄せの設備をするというようなことでなくて、便所を直すとか、あるいは通風装置をよくするとかいうような、国民衛生上の見地であるというようなことでございまして、さような設備が今日特に大都会の映画館においてははなはだおくれておる。これを改善すべきであるという御趣旨は、私どももよくわかる。また厚生省方面でもさような指導をしておられるように伺っておるのでございます。しかしながら、これは公庫の資金量が非常に多いというようなことでもありますればまた別といたしまして、また特に本年度は前年度に比較しまして、若干そういう融資源が増加はいたしておるのでございますが、先ほど来申し上げましたような、輸出産業を中心といたしまして、また設備合理化資金等にできるだけ公庫資金が回るようにというようなことを、貸し出し方式矛の他を通じまして、いろいろただいま工夫を加えておるような現況からいたしますと、相なるべくは、さような資金は従来の金融機関で御調達ができるものならさようにお願いする、しばらく公庫融資としては差し控えるのが穏当ではないかというような感じもいたしておるのでございます。これは繰り返すようでございますが、大体私の個人的考えでございます。また別の機会に政府御当局とも御相談いたし、なお関係方面とも御相談いたしまして、いずれかの結論をつけたい、かように考えております。
  36. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 時間が経過してたいへん恐縮ですが、もう一人質問者が残っておりますから……。阿左美君。
  37. 阿左美廣治

    ○阿左美小委員 この補てん率を六〇%から七〇%に引き上げるという点に対しましては一応私どもも認めますが、私はむしろ中小企業に対する貸し出しに対しては、これは一〇〇%認むべきである、こういうふうに考えておるのだが、これに対する御見解を中金の加藤理事にお伺いいたします。
  38. 加藤八郎

    ○加藤参考人 今阿左美さんからお尋ねございました保険の填補率の問題でございますが、これは法令できまっておる率でございまして、われわれとしては今どうこうということをできるわけじゃございませんが、しかしこれも一般的な、こういう問題についてお前の考えはどうかという御質問だといたしますれば、個人的にどう考えるかという意見を簡単に申し上げてみたいと存じます。いろいろ保険の場合の実情を考えますると、なるべく安全率を多くするために保険の率を大きくして、そうしてその実害を少くするというような点から申しますると、率の多いほど貸す方から申しましても安全なわけでありまして、できればなるべく補てん率を多くするということは非常にけっこうなことだと私は考えております。
  39. 阿左美廣治

    ○阿左美小委員 今日ここにおいでいただいた皆様は、中小企業者に対しては最も必要な金融機関の皆様であって、最近ではいろいろの隘路も解決されまして、皆様が金融業者として非常になれてきた、非常に貸し出しがうまくなってきたというようなことは一応現在認めておると思うのであります。ただ私は、この貸し出しの利率が非常に高い、ことに中金の貸出率というものがいずれも三銭以上である。これでただいま保険保証料まで入れますと、三銭五、六厘につくと思うのです。これではとうてい現在の中小企業というものが資金の関係から立って行かぬと思う。この利率をもう少し引き下げなければならぬ。現在一般市中銀行においても、金利を引き下げるというような情勢でありますが、中金といたしましては、これに対してどういうお考えを持っておりますか、加藤さんにお伺いいたします。
  40. 加藤八郎

    ○加藤参考人 ただいまお尋ねございました点につきまして簡単にお答え申し上げます。商工中金の金利が一般に比して高いという御指摘の点は、確かに一般の銀行あるいは国民公庫、中小企業金融公庫のような公庫の貸し出しに比しまして高いのでございます。これは今さら申し上げるまでもなく、資金のコストが非常に高い、すなわち預金によりまする資金量が大部分を占める一般の銀行と違いまして、債券の発行によりまする資金が六割、七割というような比率を占めておりまする関係上、非常に資金そのもののコストが高くつくのでございます。従いまして一般の経費、すなわち人件費、物件費というようなものは極力節約いたしまして、そのいわゆる経費率というものを、一般の銀行なんかに比べますると、ほとんど半分近いような経費率でやっておるのでございまするが、それにしても相当金利が高くなければいわゆる採算がとれないというような実情にあるのでございます。しかし今御指摘のございましたように、中小企業界で最も要望されておりますることは、やはり低利の資金であるということでございまするので、何とかして現行よりも金利を引き下げたいということにつきまして極力研究中でございます。近く結論が出ると思うのでございまするが、最近一般の各金融機関とも金利引き下げの方向を示しておられまするので、われわれもその方法にのっとりまして極力下げるように目下研究中でございます。おそらくそう時間もかからずに結論が出ると思いますが、結論が出ましたならば、その節に御報告申し上げたいと思います。  なお、これに関連して組合のいわゆる手数料、中金から組合が借り、それを組合から組合員に転貸される場合に、転貸手数料として相当の高い手数料をとっておる組合がございまして、そのために結局中金が日歩三銭でお貸しした金も、その組合が二銭三銭というような金利をとっておるようなところさえもありまするので、最終的には日歩五銭とかあるいは六銭というような場合もあるのでございます。結局そういう点も金利を高くしておりまする一つの大きな原因でもおりますので、中金自体の金利を引き下げることに努力いたしますとともに、組合が転貸手数料としてとります手数料率もこれを下げるように何とか組合の方にお願いしたい、かように考えておる次第でございます。
  41. 阿左美廣治

    ○阿左美小委員 結局中金は資金コストが高いのだからやむを得ないのだということは、長い間いつもお伺いをしておるのでございますが、これはどういうふうにすればその資金コストを下げて一般金融並みに貸し出すことができるかということをお考えをいただきたいと思うのでございます。本日いろいろ皆様からお伺いをいたしますと、どうもきわめて要望が少いので、経過の報告にすぎない。経過報告であるというようなことは、はなはだ期待がはずれたわけであって、皆様が一つの金融機関として、政府に非常に要望するところがあるのじゃないか。こういうところがわれわれは困るのだ、こういうことによって金利も高いのだ、これをこういうふうにしてもらいたいというような要望があるのではないかと非常に期待をしておったわけなのであります。皆様が御遠慮なすったのか、現在の経過報告にすぎなかったということは、いささか期待はずれであった、こういうふうに考えますが、私は、中小企業を中心とするところの金融機関は特に一般の金融機関よりもこのコストというようなものは低いのが当然である、そしてまた、保険制度というものがある以上は、やはり百パーセントどうしてもこれは保証するのが当然である、なぜそういうことを皆さんからもおっしゃっていただかないのだ、こういうように考えるわけであります。  いろいろお伺いしたいこともありますが、何せきょうは時間が過ぎましたので、一つお伺いしますが、いかがでしょうか、商手の割引ですが、相当小額の金額でありますれば、三銭以上でもこれはある場合にはやむを得ないと私は考えますけれども、何千万というような金になってきますと、これは金利は非常に大きな問題になる。現在商手割引も三銭でやっておる。これだけでも何とか即時引き下げるというようなことはでき得ないでしょうか。
  42. 加藤八郎

    ○加藤参考人 商手割引の利率だけでも引き下げできぬかというお話でございますが、これはわれわれの方といたしまして支所長にある一定の権限をまかせて引き下げることを許しておるのでございます。たとえて申しますと、日本銀行の再割引額というような手形については二銭五厘まで下げてほしい、その他これに準じてしるしておる点があるのでございますが、現実にそこまでやっているところが少いのではないかというようなうらみもございますので、その点は注意いたしたいと思います。三銭一律にやっているわけではございませんので、割引の場合に安くするというのもございます。ただ店舗長の判断で割合にそういう引き下げをやっている店とやってない店との間に差があるのでございますから、お話のような趣旨をよく体しまして、極力御期待に沿うように努力いたしたいと存じます。  なお引き下げにつきまして、政府の方にいろいろ政府資金をたくさんお願いするようにしたいという気持も実はございますが、遠慮しているのではないかという阿左美さんからのお話もございますけれども、先ほど申し上げました値下げの研究は、われわれ他力本願ではなしに、自力で、できるだけのところをどこまでできるかという研究をしているのでございまして、この上政府の方におかれましてさらに低利の資金でもめんどう見て下さるということに相なりますれば、それだけさらに値下げをする準備をいたしたいと存じます。  簡単でございますが、私の説明を終ります。
  43. 阿左美廣治

    ○阿左美小委員 私の質問はこれで終ります。
  44. 永井勝次郎

    ○永井小委員長 本日はこの程度にとどめます。  説明員、参考人の各位には御多用のところ、しかも昼食を抜きにいたしまして、長時間にわたり種々貴重なる御意見をお述べいただきましたことを恐縮に存じますとともに、心からお礼を申し上げる次第であります。  それでは次会は公報をもってお知らせすることにいたしまして、本日はこの程度にて散会いたします。    午後一時三十四分散会