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1955-06-03 第22回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 1号 公式Web版

  1. 本分科員は昭和三十年六月二日(木曜日)委員長 の指名で次の通り選任された。    主査 赤城 宗徳君       北村徳太郎君    楢橋  渡君       福田 赳夫君    古井 喜實君       植木庚子郎君    西村 直己君       橋本 龍伍君    北山 愛郎君       久保田鶴松君    武藤運十郎君       杉村沖治郎君    西村 榮一君     ―――――――――――――     会 議 昭和三十年六月三日(金曜日)     午前十時四十七分開議  出席分科員    主査 赤城 宗徳君       石坂  繁君    北村徳太郎君       楢橋  渡君    古井 喜實君       植木庚子郎君    橋本 龍伍君       北山 愛郎君    久保田鶴松君       杉村沖治郎君  出席国務大臣         法 務 大 臣 花村 四郎君         国 務 大 臣 杉原 荒太君  出席政府委員         総理府事務官         (大臣官房会計         課長)     士屋  昇君         総理府事務官         (宮内庁長官官         房皇室経済主         管)      三井 安彌君         総理府事務官         (自治庁財政         部長)     後藤  博君         防衛庁次長   増原 恵吉君         防衛庁参事官         (人事局長)  加藤 陽三君         防衛庁参事官         (経理局長)  石原 周夫君         法務政務次官  小泉 純也君         検   事         (大臣官房経理         部長)     竹内 壽平君         検     事         (刑事局長)  井本 臺吉君         法務事務官         (人権擁護局         長)      戸田 正直君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     竹村 忠一君         大蔵事務官         (理財局長)  阪田 泰二君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君  分科員外の出席者         大蔵事務官         (銀行局保険課         長)      狩谷 亨一君         会計検査院事務         総長      池田  直君         会計検査院事務         官         (事務総局次         長)      山名酒喜男君         最高裁判所事務         総長      五鬼上堅磐君         最高裁判所事務         官         (経理局長)  岸上 康夫君         衆議院参事         (庶務部長)  久保田義麿君         参議院参事         (庶務部長)  渡辺  猛君         国立国会図書館         参事         (管理部長)  山下 平一君     ――――――――――――― 六月三日  分科員福田赳夫君辞任につき、その補欠として  石坂繁君が委員長の指名で分科員に選任され  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十年度一般会計予算中皇室費、国会、裁  判所、会計検査院、内閣、総理府(経済審議庁  を除く)、法務省及び大蔵省所管  昭和三十年度特別会計予算中総理府及び大蔵省  所管  昭和三十年度政府関係機関予算中大蔵省所管     ―――――――――――――
  2. 赤城宗徳

    ○赤城主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  私が第一分科会主査の職務を行うことになりましたので、何とぞよろしくお願いいたします。  理事会の申し合せによりまして、分科会は本三日及び明四日の二日間開会することになりましたのでさよう御了承下さい。  なお議事進行の都合上質疑をなさる方はあらかじめ出席政府委員等を要求の上御通告下さるようお願いいたします。  それでは昭和三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済審議庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管を一括議題としてこれより順次関係当局より説明を聴取することといたします。  最初に皇室費の説明を求めます。皇室経済主管三井安彌君。
  3. 三井安彌

    ○三井政府委員 ただいまから昭和三十年度皇室費の歳出予算についてその概要を御説明いたします。  本歳出予算に計上いたしました金額は二億六千九百三十六万円でありまして、その内訳は内廷費三千八百万円、宮廷費二億二千二百八十一万円、皇族費八百五十五万円であります。  そのおもなるものについて事項別に申し述べますと、内廷費は、天皇、皇后両陛下を初め、内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるための経費で、皇室経済法施行法に規定する定額を計上し、前年度と同額となっております。  宮廷費は、内廷諸費以外の宮廷において必要な経費を計上したものであります。その内容といたしましては、従来と同じく、皇室の公的御活動、すなわち、儀典関係費、行幸啓費及び正倉院、図書、雅楽等の文化的経費、その他皇室用財産の維持管理に必要な経費等でありまして、昨年八月焼失いたしました京都御所小御所の復旧並びに御所防災施設に必要な経費以外には、特に新たな経費は計上されてありません。二十九年度予算一億九千四百四十一万一千円に比較いたしますと、二千八百三十九万九千円の増加となっておりますが、これは、先に申し述べました、京都御所小御所の復旧並びに御所防災施設に必要な経費を新規計上いたしましたことによるものであります。  皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるための秩父宮、高松宮、三笠宮の三宮家に対する経費で、皇室経済法施行法に基く定額を計上し、前年度と比較いたしまして十九万円の増額となっておりますが、これは前年三笠宮第五子御誕生に伴う定額の計上に基くものであります。  以上をもって、昭和三十年度皇室費歳出予算の概要の説明を終ります。なお、詳細につきましては、御質問に応じ申し述べることにいたします。     ―――――――――――――
  4. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に衆議院及び裁判官訴追委員会の予算の説明を求めます。衆議院庶務部長久保田義磨君。
  5. 久保田義麿

    ○久保田参事 昭和三十年度歳出衆議院関係予算について御説明申し上げます。  昭和三十年度国会所管衆議院関係予算の要求額は、十八億二千三百三十四万一千円でございまして、これを前年度予算額十七億九千四百十三万円に比較いたしますと、二千九百二十一万一千円の増加となっております。  次に、主要な事項について一応御説明申し上げます。  まず、国会の運営に必要な経費として、十七億六千六百三十四万一千円を計上しております。そのうちおもなものを申し上げますと、議員歳費、通信手当、旅費、議員秘書給料及び立法事務費等議員に関する経費九億四千一百八十六万七千円。事務局、法制局及び常任委員会における職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に要する旅費、審査雑費及び証人等の旅費、議案類印刷費、光熱及び水料、通信費、議員会館の維持管理並びに庁舎等建物の修繕等に必要な経費七億八千二百九十九万七千円。行政監察特別委員会における職員の手当、事務費、委員及び証人等の旅費等に必要な経費一千六百九十九万四千円。列国議会同盟日本議員団の分担金及び列国議会同盟会議等海外派遣に必要な経費として、二千四百四十八万三千円が積算されてあります。  第二は、営繕施設に必要な経費として五千万円を計上いたしてあります。これは、衆議院庁舎の増築に四千万円、各所新営及び修繕に一千万円が積算されてあります。  第三は、予備金に必要な経費として前年度と同額の七百万円を計上いたしております。  以上簡単ながら概略の御説明を申し上げます。  次に昭和三十年度歳出裁判官訴追委員会関係予算について御説明申し上げます。  昭和三十年度国会所管裁判官訴追委員会関係予算の要求額は、八百六十万三千円でございまして、これを前年度予算額九百六十一万六千円に比較いたしますと、一百一万三千円の減少となっております。これは、裁判官訴追委員会の運営に必要な経費でありまして、委員の旅費及び職務雑費並びに事務局職員に対する人件費、事務費等に必要な経費が積算されてあります。  以上簡単ながら概略の御説明を申し上げます。     ―――――――――――――
  6. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に参議院及び裁判官弾劾裁判所の予算の説明を求めます。参議院庶務部長渡辺猛君。
  7. 渡辺猛

    ○渡辺参議院参事 昭和三十年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は、十一億八千七百七十九万五千円でありまして、これを前年度予算額十二億八百九万八千円に比較いたしますと二千三十万三千円の減少となっております。  次にこの要求額をおもなる事項別について御説明申し上げます。  まず国会の運営に必要な経費といたしまして十一億三千四百七十九万五千円を計上しております。これは議員の歳費、手当、旅費及び立法事務費等議員に関する経費五億七百七万円、事務局、法制局及び常任委員会に要する職員の人件費、旅費その他の事務費、国政調査に関する旅費及び審査雑費、議案類印刷費、光熱水料、通信費、議員会館及び議員宿舎等の維持管理並びに庁舎の修繕等に必要な経費六億一千二百二十八万一千円、国際会議出席等に必要な海外派遣旅費一千五百四十四万四千円であります。  次に、営繕工事に必要な経費といたしまして、四千八百万円を計上しております。これは庁舎の増築費四千万円、各所新営及び庁舎等の修繕費八百万円であります。  第三に、予備金に必要な経費として、前年度と同額の五百万円を計上してあります。  以上簡単でありますが概略の説明を終ります。  次に裁判官弾劾裁判所の分について申し上げます。  昭和三十年度国会所管、裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は、六百五十一万九千円でありまして、これを前年度予算額七百三十二万一千円に比較いたしますと八十万二千円の減少となっております。  次にこの要求額を事項別に御説明申し上げます。  まず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、五百九十四万円を計上しております。これは、当所の運営に必要な裁判員の職務雑費、調査旅費、並びに事務局の人件費、事務費等であります。  次に、裁判に必要な経費といたしまして、五十七万九千円を計上いたしております。  これは、裁判官弾劾法に基く裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費、職務雑費等であります。  以上簡単でありますが、概略の御説明を申し上げました。     ―――――――――――――
  8. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に国立国会図書館の予算の説明を求めます。管理部長山下平一君。
  9. 山下平一

    ○山下国会図書館参事 昭和三十年度国立国会図書館の予定経費の要求について御説明申し上げます。  昭和三十年度の予定経費要求総額は、三億四百八万五千円であります。これを事項ごとに申しますと、国立国会図書館の管理運営に必要な経費二億九千四百八万五千円、国立国会図書館の営繕工事に必要な経費一千万円であります。  まず管理運営に必要な経費について申し上げますと、これは職員の俸給、諸手当、光熱及び水料、各種目録等刊行の印刷費、資料購入費、図書購入費国際図書交換のための通信運搬費、共済組合負担金等でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十九年度予算額は三億七百九十八万七千円で昭和三十年度は一千三百九十万二千円の減少となっております。  また営繕工事に必要な経費については本館建設に要する経費でありまして、これを前年度と比較いたしますと、昭和二十九年度予算額は四千三百六十九万三千円でありますので、昭和三十年度は三千三百六十九万三千円の減少となっております。  以上を合計いたしますと昭和三十年度の予定経費要求総額は前年度に比して四千七百五十九万五千円を減少しております。  この減少額は主として科学技術振興関係費及び営繕工事に関する経費でありまして、その他は各科目ごとに多少の増減はありますが、大体前年度と同様であります。  以上簡単ながら概略御説明いたしました。     ―――――――――――――
  10. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に裁判所所管の説明を求めます。最高裁判所経理局長岸上康夫君。
  11. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 昭和三十年度裁判所所管予定経費要求額について御説明申し上げます。  昭和三十年度の裁判所所管予定経費要求額は、九十一億七千六百三十二万円でありまして、これを前年度予算額八十五億七千七百三十四万四千円に比較いたしますと、五億九千八百九十七万六千円の増加になっております。そのうち、重要な事項について御説明申し上げますと、次の通りであります。  まず最高裁判所及び下級裁判所の機構の維持並びに経常的な行政事務を行うために、必要な経費といたしましては、七十億三千三百二十七万七千円でありますが、その内訳を組織別に申し上げますと、最高裁判所に八億九千二百九十三万円・高等裁判所に五億七千二百五十四万五千円、地方裁判所に四十一億五千二百八十万六千円、家庭裁判所に十四億一千四百九十九万六千円を、それぞれ計上いたしております。  次に、裁判官、司法修習生、裁判所書記官その他の職員の人格の向上を期するとともに、とれら職員に司法に関する理論及び実務の研修をさせるための経費、さらに裁判所書記官の調書作成の能率化をはかる目的のもとに、従来の要領筆記の方法にかえて、ステノタイプライターによる速記方法を、裁判所職員に修得させるための経費として二億八千九十四万五千円を計上いたしております。  三番目に検察審査会法によりまして検察官の公訴を提起しない処分の適否の審査及び検察事務の改善に関する建議または勧告を行うため、地方裁判所及びその支部の所在地二百三カ所に設置されておりまする検察審査会の運営に必要な経費といたしまして五千八百十四万七千円を計上いたしました。  四番目に国選弁護人の報酬、証人、鑑定人及び調停委員等の旅費・日当その他裁判に直接必要な経費といたしまして十二億五百三十七万五千円を計上いたしております。  五番目に裁判所営繕工事費といたしまして新営費で五億百六十七万八千円、庁舎等施設整備費として二千五百万円を計上いたしております。  最後に裁判所法の規定によりまする、予備金といたしまして八百万円を計上いたしております。  以上昭和三十年度の裁判所関係経費要求額の大要を、御説明申し上げました。     ―――――――――――――
  12. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に会計検査院所管の説明を求めます。事務総局次長山名酒喜男君。
  13. 山名酒喜男

    ○山名会計検査院説明員 会計検査院所管昭和三十年度予算要求額は四億三千二十二万二千円でありまして、これを前年度予算額四億二百六十一万一千円に比較いたしますと二千七百六十一万一千円の増加になっております。  今、要求額のおもな事項について申し上げますと、人件費としては三億四千二百一万二千円を計上いたしましたが、これは職員一千百七十八人分の給与手当等でありまして、予算総額に対しましては七九%となっております。検査旅費としては四千七百五十七万二千円を計上いたしましたが、これは書類検査と並行して、職員を現地に派遣して、実地について検査をするために必要な経費であります。庁費は三千七十九万五千円を計上いたしましたが、これは事務上必要な備品、消耗品、印刷費等であります。庁舎増築費として八百六十三万一千円を計上いたしましたが、これは三十年度におきまして職員が六十人増員になりますのと、それに加えて現在講堂を改造して使用いたしておりますが、事務室としては通風採光がきわめて悪く、職員の保健上憂慮すべき状況にありますので、この改善分とあわせまして百三十七坪を増築するに必要な経費であります。  次に、前年度予算に比較して増加となりました二千七百六十一万一千円について申し上げますと、その主要なものは人員増加によるものでありまして、すなわち国及び政府関係機関におきまする経理は必ずしも現況満足できるものではなく、私の方の現在の機構をもってしましては検査機能発揮の要請にもこたえがたい実情にありますので、六十人を増員いたしましてさらに検査の徹底をはかるために必要な経費でありまして、八カ月分の人件費一千四百九十三万八千円、これに伴う検査旅費三百万五千円、庁費百五十四万三千円、計一千九百四十八万六千円等であります。  以上はなはだ簡単ではありますが、説明を終ります。     ―――――――――――――
  14. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に内閣及び総理府所管の説明を求めます。内閣総理大臣官房会計課長土屋昇君。
  15. 士屋昇

    ○土屋政府委員 昭和三十年度における内閣及び総理府の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  先ず内閣所管の歳出予算につきましては、昭和三十年度歳出予算額は、三億九千二百七十八万円でありまして、これを前年度歳出予算額四億一千五百七万八千円に比較いたしますと、二千二百二十九万八千円減少いたしております。内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、法制局及び人事院の事務執行に必要な経費であります。  次に総理府所管の歳出予算につきましては、昭和三十年度歳出予算額は三千四百九十六億四千二百万二千円であります。これを前年度歳出予算額三千三百五億七千六百二万五千円と比較いたしますと、百九十億六千五百九十七万七千円増加いたしておるわけであります。総理府所管の歳出予算は、総理本府のほかに国家公安委員会等の三委員会及び宮内庁、調達庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、防衛庁及び経済審議庁等七つの外局に関するものでありまして、その主要なる経費を事項別に申し述べますと、まず文官等に対する恩給支給に必要な経費が百六十三億六千四百九十七万八千円であります。それから旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費が六百五十一億二千六百三十五万円であります。また警察行政に必要な経費は百十二億三百六万一千円、北海道開発の公共事業に必要な経費百五十二億一千百八十六万二千円、地方交付税交付金及び入場譲与税譲与金財源の繰り入れに必要な経費一千四百十三億七千七百万円・防衛庁に必要な経費八百六十八億百万円等であります。  その概要を申し述べますと、まず文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基いて、文官等に対して年金及び恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比し十八億二千七百八十六万五千円の増加となっております。旧軍人遺族等に対しまする恩給支給に必要な経費は、恩給法に基いて旧軍人、軍属及びその遺族に対して恩給を支給するために必要な経費でありまして、前年度に比し十三億七百六十五万円の増加となっております。  警察行政に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方支分部局の経費、都道府県警察費補助等に必要な経費であります。  北海道開発の公共事業に必要な経費は、北海道における河川、山林、土地改良、開拓、漁港施設、港湾及び道路等の事業に必要な経費でありまして、事業の執行に当り関係各省の所管予算に移しかえて使用されるものであります。  地方交付税交付金及び入場譲与税譲与金財源の繰り入れに必要な経費は、地方交付税法及び交付税及び譲与税配付金特別会計法に基いて、各地方公共団体に交付すべき地方交付税交付金の財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費一千三百八十八億七千七百万円及び昭和二十九年度における入場税収入見込み額と入場譲与税譲与金の財源として繰り入れた金額との合計額が、入場譲与税法に規定する入場譲与税額に満たないので、入場譲与税法及び交付税及び譲与税配付金特別会計法に基いて、補てんに必要な財源を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費二十五億円であります。これは前年度に比し四十三億五千五百万円の増加となっております。  防衛庁関係に必要な経費は、本庁、陸上自衛隊海上自衛隊及び航空自衛隊の維持運営に必要な経費でありまして、昨年度と比較いたしますと百二十五億一千五百七十九万二千円の増加となっております。増加及び減少の内訳は、本庁及び自衛隊の維持等に必要な経費において二百十九億七千九百九十六万六千円の増加となっておりまして、営舎、学校、倉庫等の新設改修及び艦船の建造に必要な経費において九十四億六千四百十七万四千円を減少いたしております。なお、防衛庁につきましては、他に、航空機購入五十二億八千万円、装備品購入十六億円、施設整備二十五億九千五百万円、艦船建造六十億五百万円、合計百五十四億八千万円の国庫債務負担行為要求書を提出しております。  なお、以上申し述べました予算のうちには、経済審議庁に関する予算三億四千七百七万六千円が含まれておりますが、これにつきましては、他の分科会、第三分科会において御審議を願っております。  次に総理府及び大蔵省所管交付税及び譲与税配付金特別会計においては、歳入及び歳出おのおの一千六百六十二億一千三十八万円でありまして、歳入のおもなるものは、地方交付税交付金及び昭和二十九年度の入場譲与税譲与金の財源に充てるため、一般会計より受け入れる収入と、入場税法及び地方道路税法案に基いて徴収する租税収入等であります。  歳出のおもなるものは、地方交付税法に基き、地方公共団体の基準財政需要及び基準財政収入を測定しまして、基準財政収入が基準財政需要に不足する地方公共団体に対し、その不足額に応じてその所要財源を交付するために必要な経費及び災害復旧費その他捕捉しがたい特別な財政需要等の所要財源を各地方公共団体に交付するために必要な経費並びに入場譲与税法に基いて、地方財源の偏在を調整するため、本会計が収納する入場税収入額にっき本年度に限りその全額に相当する額を人口に按分して、各都道府県に譲与するために必要な経費、さらに地方道路譲与税法案に基いて、本会計が収納する地方道路税収入額に相当する額を都道府県等の道路整備の財源として、当該都道府県等に譲与するために必要な経費等であります。  以上をもちまして昭和三十年度内閣及び総理府の歳出予算及び昭和三十年度交付税及び譲与税配付金特号会計歳入歳出予算の御説明を終ります。詳細につきましては御質問に応じまして関係の政府委員からお答えすることにいたします。よろしく御審議を願います。
  16. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に、防衛庁の予算の補足説明を求めます。防衛庁経理局長石原周夫君。
  17. 石原周夫

    ○石原(周)政府委員 昭和三十年度防衛庁予算案につきましてその概要を御説明いたします。  昭和三十年度防衛庁の歳出予算案の総額は八百六十八億百万円でありまして、これを昭和二十九年度歳出予算額七百四十二億八千五百万円に比べますと、百二十五億一千六百万円の増加となっております。このほか国庫債務負担行為として、航空機の購入について五十二億八千万円、装備品の購入について十六億円、施設の整備について二十五億九千五百万円、艦船の建造について六十億五百万円、計百五十四億八千万円を計上いたしております。  まず、予算案編成の前提といたしました職員の定数及び各自衛隊の勢力の概略について申し上げます。防衛庁の昭和三十年度の予算上の職員定数は、自衛官十七万九千七百六十九人、自衛官以外の職員一万六千四十二人、計十九万五千八百十一人でありまして、これを昭和二十九年度の予算上の職員定数に比べますと、自衛官において二万七千六百五十四人、自衛官以外の職員において三千六百十七人、計三万一千二百七十一人の増加となっております。  以下これを組織別に申し上げますと、長官官房及び各局、統合幕僚会議、防衛研修所、防衛大学校、技術研究所、建設本部並びに調達実施本部の職員定数は自衛官三十二人、これは統合幕僚会議職員・自衛官以外の職員二千二百二十八人、うち一人政務次官、計二千二百六十人でありまして、昭和二十九年度のそれに比べて、自衛官十二人、自衛官以外の職員で四百五十九人、計四百七十一人の増加となっております。自衛官の増員は統合幕僚会議の拡充によるものであり“、自衛官以外の職員の増加は主として防衛大学校における学年進行、技術研究所の拡充及び調達実施本部において従来自衛官を配置していたものを自衛官以外の職員に振りかえたことに基くものであります。  陸上自衛隊につきましては、自衛官二万人、自衛官以外の職員二千三十人、計二万二千三十人を増員いたしまして、一方面隊、二混成団及びその他の部隊を編成し、または整備することといたしております。この結果昭和三十年度末における陸上自衛隊の勢力は自衛官十五万人、自衛官以外の職員一万一千六百五十八人、計十六万一千六百五十八人をもって、二方面隊、六管区隊・二混成団並びにその他の部隊及び機関を編成することとなります。  海上自衛隊につきましては、昭和三十年度中に増加する艦船といたしまして、米国より貸与を受ける艦艇として潜水艦一隻千六百トン及び新たに建造または改造に着手する警備船等十一隻九千二百四十トンを予定いたしております。このほか対潜哨戒機四十二機を新たに米国より供与を受けることとなっております。従いまして昭和三十年度末の保有艦艇は、建造中のものを含めまして三百八十六隻、九万二千九百トンで、保有航空機は従来の機数と合わせ八十五機になるわけであります。以上の艦艇及び航空機の増加並びにこれに関連する陸上施設の拡充に伴いまして、自衛官三千五百八十三人、自衛官以外の職員四百二十人を増員することといたしておりますので、従来の定員と合せ、海上自衛隊の職員定数は自衛官一万九千三百九十一人、自衛官以外の職員九百九十七人、計二万三百八十八人となっております。  航空自衛隊につきましては、昭和三十年度において米国より実用機六十機、練習機百三十四機の航空機の供与を受けるほか、三十六機の練習機を購入いたしますので、従来の保有機数と合せ、昭和三十年度末におきましては、四百二十一機を保有することとねります。なお三十年度においては操縦学校、訓練航空警戒隊の増設、航空団、幹部候補生学校、実験航空隊等の新設を予定いたしておりますので、以上の拡充に伴い自衛官四千五十九人、自衛官以外の職員七百八人、計四千七百六十七人を増員することといたしております。従いまして職員定数は従来の定数と合せまして自衛官一万三百四十六人、自衛官以外の職員千百五十九人、計一万一千五百五人となっております。  次に予算案見積りの概要について申し上げます。  長官官房及び各局並びに統合幕僚会議の運営に必要な経費は、項防衛庁三億二百万円であります。付属機関すなわち防衛研修所、防衛大学校、技術研究所、建設本部及び調達実施本部の運営に必要な経費は、(項)防衛庁二十二億三千四百万円でありまして、昭和二十九年度のそれに比べて十二億二千五百万円の増加となっております。この増加は主として防衛大学校の学年進行等による増二億九千五百万円、技術研究所の研究費等の増六億三千二百万円、その他付属機関職員の増員に伴う人件費等の増によるものであります。なおこのほか技術研究所に装備品の試作研究を行わしめるため国庫債務負担行為一億円を計上いたしております。また付属機関の施設の整備に必要な経費は項防衛庁施設費一億八千七百万円でありまして、その内訳は防衛大学校の学年進行等に伴う追加施設費が一億三千三百万円、技術研究所の研究施設拡充費が四千九百万円、その他四百万円となっております。  陸上自衛隊の運営に必要な経費は、(項)防衛庁五百五億円、施設の整備に必要な経費は(項)防衛庁施設費二十七億四千六百万円、計五百三十二億四千七百万円でありまして、これは昭和二十九年度に比し七十三億一千万円の増であり、うち(項)防衛庁費において百十七億五千万円の増、(項)防衛庁施設費において四十四億四千百万円の減となっております。  以上の経費を現態勢の維持に要する経費と増勢に必要な経費とに区分いたしますと、現態勢維持分すなわち昭和二十九年度末までの定数自衛官十三万人、自衛官以外の職員九千六百二十八人、計十三万九千六百二十八人の通年維持費は、(項)防衛庁四百一億七千五百万円、項防衛庁施設費十九億八千九百万円、計四百二十一億六千四百万円でありまして、他方三十年度に増員いたします自衛官二万人、自衛官以外の職員二千三十人、計二万二千三十人に要する経費は、(項)防衛庁百三億二千五百万円、(項)防衛庁施設費七億五千七百万円、計百十億八千二百万円であります。以上のほか、陸上自衛隊に属する分として国庫債務負担行為において装備品購入十五億円、施設整備七億円が計上されております。  経費の内訳を現態勢維持分から申し上げますと、通年維持費として人件費約二百十二億五千万円、予備自衛官五千人に要する経費約七千万円、任用満期の到来する隊員に対する特別退官退職手当約一億六千万円・庁費約十九億一千万円、器材費約八十四億一千万円、被服費約十九億円、糧食費約四十四億三千万円、その他運搬費、医療費等約二十億六千万円、計四百一億七千五百万円を計上いたしております。また現態勢維持分の施設費十九億八千九百万円は、二十九年度国庫債務負担行為に基く施設整備計画を歳出予算化したものであります。  増勢分の経費百十億八千二百万円につきましては、このうち初度費は約九十億九千万円、維持費は約二十億円であります。初度費約九十億九千万円のうち、(項)防衛庁八十三億三千二百万円についてその内訳を申し上げますと、被服費約九億円、寝具、其他営舎用等庁用備品費約三億九千万円、初度編成装備品費約五十五億円、東京及び札幌間に超短波無線装置を設置するため電電公社に対し払い込む負担金約三億二千万円、米国より供与を受ける装備資材等の運搬費約六億九千万円、その他訓練用備品等約五億二千万円であります。次に施設整備費として(項)防衛庁施設費七億五千七百万円を計上いたしておりますが、その内容を申し上げますと、営舎新設約一億六千万円、米駐留軍返還施設の改修約二億円、重装備施設の整備約六千万円、官舎約二億三千万円、その他施設約一億円、附帯経費約一千万円であります。施設整備費につきましては、このほか国庫債務負担行為として七億円が計上されておりまして、右に述べた歳出予算の内訳と関連し営舎新設四億円、返還施設の改修二億円、重装備施設の整備一億円がその内訳であります。増勢分の初年度維持費といたしましては(項)防衛庁十九億九千二百万円を計上いたしておりますが、その内訳は増員自衛官二万人及び自衛官以外の職員二千三十人の平均四カ月半の維持費であります。また装備品の国庫債務負担行為十五億円は、従来米国に期待していた陸上自衛隊の基本装備たる火砲、特車等の類につき、その国産化を可能の範囲において逐次実施すべく、試作のため発注を行うものであります。  海上自衛隊の運営に必要な経費は(項)防衛庁百十億六千六百万円、施設の整備に必要な経費は(項)防衛庁施設費二十四億円、艦船の建造に必要な経費は(項)防衛庁施設費五十五億四千四百万円、計百九十億一千二百万円でありまして、これを昭和二十九年度に比較しますと、十億三千三百万円の減少であり、うち(項)防衛庁費において二十九億五千百万円の増加であり、(項)防衛庁施設費において三十九億八千四百万円の減少となっております。  このほか国庫債務負担行為として施設整備費九億九千五百万円、艦船建造費六十億五百万円、計七十億円を計上いたしております。  以上の経費を現態勢維持に要する分と増勢に要する分とに区分いたしますと、現態勢維持分は(項)防衛庁八十二億九千六百万円、(項)防衛庁施設費三十二億二千二百万円、計百十五億一千八百万円であり、増勢分は(項)防衛庁二十七億七千万円(項)防衛庁施設費四十七億二千三百万円、計七十四億九千四百万円となります。  この内訳を現態勢維持分の経費から申し上げますと、現態勢維持分すなわち艦船としては昭和二十九年度までに計画した建造または引き取り予定の艦船を含め三百七十四隻八万二千六十五トン分、航空機四十三機、自衛官一万五千八百八人、自衛官以外の職員五百七十七人の維持に要する経費は約百十五億円であり、そのうち項防衛庁八十二億九千六百万円の内訳は、通年維持費として人件費約三十四億円、艦船、航空機の燃料、修理費及び需品等の器材費約三十五億六千万円、被服費一億五千万円其の他糧食費、医療費運搬費等約十三億円であります。また(項)防衛庁施設費三十二億二千二百万円のうち施設整備費は二億二千万円、艦船建造費は二十九億七千万円でありますが、このうち通信施設の整備に要する経費約四千万円のほかは、いづれも昭和二十九年度国庫債務負担行為を本年度歳出予算として計上いたしたものであります。  次に増勢の内容を申し上げますと、昭和三十年度において増加を予定いたしておりますのは、艦船十二隻一万八百四十トン、航空機四十二機、自衛官三千五百八十三人、自衛官以外の職員四百二十人でありまして、これに要する経費七十四億九千四百万円のうち初度費は約五十四億五千万円であり、初年度維持費は約二十億四千万円であります。初度費のうち(項)防衛庁七億二千五百万円の内訳は、初度庁用備品約一億円、器材費約三億六千万円、被服費約一億三千万円、その他約一億四千万円であります。また施設の整備に必要な経費といたしまして(項)防衛庁施設費約二十一億七千百万円を計上しておりますが、その内訳は庁舎営舎等の施設約三億円、航空基地整備約十五億一千万円、港湾防備施設約一億四千万円、通信施設約六千万円、弾薬及び燃料油貯蔵施設約六千七百万円、官舎約四千七百万円、付帯経費約三千万円となっております。このほか施設整備につきましては、国庫債務負担行為九億九千五百万円がありまして、その内訳は右に述べました歳出予算計上額と関連し、航空基地整備六億九千三百万円、燃料貯蔵施設三千二百万円、術科学校分校施設二億六千九百万円であります。次に艦船の建造に必要な経費として項防衛庁施設費二十五億五千百万円を計上いたしておりますが、これが建造計画のうち、千六百トン警備艇四隻(一隻十七億三千万円)約六十九億二千万円、三百二十トン中型掃海艇三隻(一隻三億二千七百万円)約九億八千百万円の両者につきましては、年度内における現実の進行状況を勘案いたしまして、おおむねその四分の一額を歳出予算に計上することとして約十八億九千六百万円、これに雑船三隻、約一億三千四百万円及び新造警備艦の射撃指揮装置約四億六千六百万円、付帯経費五千五百万円を合せ二十五億五千百万円を計上いたしました。なお千六百トン警備艦四隻及び中型掃海艇三隻分の残額は、国庫債務負担行為として六十億五百万円を計上してあります。以上は初度費でありますが、維持費といたしましては、項防衛庁二十億四千五百万円を計上いたしておりますが、その内訳は、増員の自衛官三千五百八十三人、自衛官以外の職員四百二十人の平均六カ月分の人件費約三億二千万円、供与航空機及び艦船の運行に要する燃料、修理費等の器材費約十五億一千万円、その他約二億一千万円であります。  航空自衛隊の運営に必要な経費は、(項)防衛庁百二億八百万円、施設の整備に必要な経費は、(項)防衛庁施設費十六億八百万円でありまして、合せて百十八億一千七百万円となりますが、これを昭和二十九年度と比較いたしますと、五十二億三千万円の増で、うち、(項)防衛庁において五十九億八千八百万円の増、(項)防衛庁施設費において七億五千九百万円の減となっております。このほか国庫債務負担行為として器材費五十二億八千万円、施設整備費九億円、計六十一億八千万円を計上いたしております。  以上の経費を現態勢維持分と増勢分に大別して申し上げますと、現態勢維持分は、(項)防衛庁四十一億六千四百万円、(項)防衛庁施設費六億四千万円、計四十八億五百万円でありまして、増勢分は、(項)防衛庁六十億四千四百万円、(項)防衛庁施設費九億六千七百万円、計七十億一千二百万円となります。  経費の内訳を現態勢維持分から申し上げますと、現態勢、すなわち航空機百九十一機、自衛官六千二百八十七人、自衛官以外の職員四百五十一人の維持に要する経費は四十八億五百万円でありまして、このうち(項)防衛庁四十一億六千四百万円は、前述の職員の人件費約十二億八千万円、航空機の燃料、修理費等の器材費約二十二億九千万円、その他約五億九千万円であります。また現態勢維持分の(項)防衛庁施設費六億四千万円は、昭和二十九年度予算における国庫債務負担行為を本年度予算において歳出予算比いたしたものであります。  次に増勢の内容を申し上げますと、昭和三十年度において増加いたしますのは、航空機二百三十機、自衛官四千五十九人、自衛官以外の職員七百八人でありまして、これに要する経費、すなわち増勢分経費七十億一千二百万円をさらに初度費と初年度維持費に分けますと、初度費は約四十四億一千万円、初年度維持費は約二十五億七千万円となります。初度費のうち、(項)防衛庁三十四億六千九百万円の内訳は、T34練習機二十七機及び研究機三機の購入費約八億六千万円、T33練習機九機の購入費約一億一千万円、訓練用備品約五億九千万円・その他通信機、飛行場関係車輌等の器材費約七億一千万円、被服費二億四千万円、初度庁用備品約一億七千万円、F86戦闘機及びT33練習機の国産計画のため、所要の部品、治工具等を米国より供与を受けるため必要な運搬費約三億八千万円、その他四億一千万円でありまして、このほか器材費には、昭和三十一年度以降において予定いたしておりますF86戦闘機及びT33練習機の購入費といたしまして国庫債務負担行為に五十二億八千万円を計上いたしております。また施設の整備につきましては、(項)防衛庁施設費九億六千七百万円を計上しておりますが、その概略を申し上げますと、操縦学校の分教場約四千万円、幹部候補生学校約六千万円、航空団基地六千万円、実験航空隊基地約一千万円、輸送飛行隊基地約一千万円、航空補給処施設拡充約二億四千万円、訓練航空警戒隊施設約四千万円、学生数の増加による各学校施設の拡充約三億円、官舎約一億円・その他約四千万円・付帯事務費約二千万円となっております。なお施設整備費につきましては、右に述べたところと関連して九億円の国庫債務負担行為が計上されておりますが、その内訳は、操縦学校分教場三億九千六百万円、航空補給処三億三千七百万円、実験航空隊一億二千二百万円、訓練航空警戒隊四千五百万円であります。  以上は初度費について申し上げたのでありますが、初年度維持費といたしましては、(項)防衛庁二十五億七千五百万円を計上しております。その内訳は、増員の自衛官四千五十九人、自衛官以外の職員七百八人の平均五カ月半分の人件費約四億一千万円、増勢の航空機の燃料、修理費等の器材費約二十億一千万円、その他約一億五千万円であります。  最後に、以上申し上げましたことを要約いたしますと、歳出予算に計上いたしました八百六十八億百万円は、これを現態勢維持分と増勢分とに区分すれば、現態勢維持分は六百一億八千四百万円、増勢分二百六十六億一千六百万円となりますが、このほか器材費六十八億八千万円、施設整備費二十五億九千五百万円、船舶建造費六十億五百万円、計百五十四億八千万円が国庫債務負担行為に計上されております。  以上をもちまして防衛庁予算案の概略の説明を終ります。     ―――――――――――――
  18. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に、法務省所管の説明を求めます。政務次官小泉純也君。
  19. 小泉純也

    ○小泉政府委員 昭和三十年度法務省所管の予定経費要求額につきまして、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十年度の予定経費要求額は、二百二億三千三百九十九万三千円でございまして、これを前年度の予算額百九十七億八百五十七万円に比較しますと、五億二千五百四十二万三千円を増加いたしました。もちろんとの約五億二千丑百万円の増加と申しますのは、経費の種類によって増加したものもあり、また減少したものもございますので、それらを差引計算した結果でございまして、増減の詳細なる状況は、別途の資料により御承知願いたいのでございますが、今おもな二、三の点を簡単に申し上げますと、まず、増加したもののおもなものといたしましては、第一に・昇給昇格等に要する職員俸給等の自然増加額として、二億一千九百八十万四千円、第二に、施設費関係の増加額として一億五千六百四十八万三千円、第三に、刑務所、少年院における収容者の菜代引き上げに伴う食糧費の増加額として一億一千八百三十万八千円、第四に、衆議院議員総選挙及び地方選挙取締諸費及び供託金利子予算の大蔵省より移しかえに伴う増加額として一億一千七百十二万二千円等でございます。これに対しまして、減少しました状況を申し上げますと、減少の総額は九千六百四十九万六千円でございまして、減少となりましたおもな原因は、旅費、物件費等経常経費の節約と、昨年九月一斉に施行されました外国人登録法に基く在日外国人の登録証明書の切りかえに要した前年度限りの経費の減少によるものでございます。  次に、昭和三十年度において新たに増額した経費の内容と、重要事項について御説明申し上げますと、第一に、外国人登録法第十四条の規定に基く外国人指紋採集事務は、在日朝鮮人の動向及び財政事情等の考慮によりその実施が見送られてきましたが、今回、外国人登録法指紋に関する政令、外国人登録法第十四条及び第十八条第一項第八号の規定の施行期日を定める政令により、昭和三十年四月二十七日からこれを実施することと相なりまして、それに要する経費として一千六百七十三万一千円を新たに計上いたしました。  第二に、昭和三十年二月に行われました衆議院議員総選挙、並びに四月に実施されました地方公共団体の長及び議会議員の選挙の公正を期するため、厳正、適切な検察を行う必要がございますので、これに要する経費として、六千百十二万二千円を新たに計上いたしました。  第三に、予算決算及会計令、支出官事務規定、保管金取扱規程、保管金払込事務等取扱規程及び日本銀行国庫金取扱規程等の一部を改正し、かつ供託金の繰りかえ用に関する事務取扱規程を制定して、供託金と供託金利息との支払い事務を一元化し、現行制度の簡素化と、合理化をはかる必要がありますので、これに要する経費として五千六百万円を新たに計上いたしました。  なお、この経費は従来大蔵省所管に計上されておりましたものを本年より当省所管に計上いたしたものでございます。  以上、新に計上いたしました経費の概要でございます。  次に、重要事項について概略申し上げますと、第一に、法務局、地方法務局等におきまして、法令に基く登記、台帳、供託、戸籍等の事務を処理するために必要な経費として二億五千三百六十一万四千円を前年度に引き続き計上いたしました。  第二に、検察庁におきまして処理する一般刑事事件その他各種犯罪事件の直接捜査活動に要する経費として四億三千百九十三万五千円を前年度に引き続き計上いたしました。  第三に、拘置所、刑務所、少年刑務所、少年院及び少年鑑別所の昭和三十年度の収容予定人員九万九千五百人に対する衣食、医療及び就労等に要する経費として三十七億二千六百三万円を前年度に引き続き計上いたしました。  第四に、犯罪者予防更生法、更生緊急保護法及び執行猶予者保護観察法に基き、刑余者並びに執行猶予者を補導監督し、これを更生させるための補導援護に要する経費として二億二千七百六十七万一千円を前年度に引き続き計上いたしました。  第五に、出入国管理令に基く不法入国者等の調査・並びに審査事務を処理し、被退去強制者に対しては護送、収容、送還する必要がございますので、これに要する衣食、医療及び送還のための用船料等に必要な経費として一億二千八百四十七万三千円を前年度に引き続き計上いたしました。  第六に、公安調査庁におきまして処理する破壊活動防止のための調査活動等に要する経費として二億七千四百六十四万一千円を前年度に引き続き計上いたしました。  第七に、検察庁庁舎その他、一及び刑務所、少年院等の収容施設の新営、整備等に要する経費として四億四千四百三十二万四千円を前年度に引き続き計上いたしました。  なお、このほかに営繕費といたしまして法務局等の庁舎その他新営に要する経費として八千二百四十二万七千円が建設省所管に計上されておりますから御参考までに申し上げます。  以上が法務省所管予定経費要求の大要でございます。  よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。なお、御質問等がございますれば、経理部長が参っておりますのでお答えをいたします。     ―――――――――――――
  20. 赤城宗徳

    ○赤城主査 次に大蔵省所管の説明を求めます。大臣官房会計課長竹村忠一君。
  21. 竹村忠一

    ○竹村政府委員 ただいまから昭和三十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算・各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。  まず、一般会計歳入予算額は九千九百九十六億三千百五十二万三千円でありまして、これを前年度予算額九千九百九十八億七千九百六十五万五千円に比較いたしますと、二億四千八百十三万二千円の減少となっております。  以下、各部について簡単に御説明いたします。  第一に租税及び印紙収入の総額は七千八百十五億一千八百万円でありまして、これを前年度予算額七千七百八十三億二千万円に比較いたしますと、三十一億九千八百万円の増加となっております。これは、現行の税法によって算出いたしました収入見込み総額八千百四十二億七千九百万円に対して今国会に提出の税制改正案による所得税、法人税及び通行税の減税額三百二十七億六千百万円を織り込んで算出いたし  たものであります。  次に、各税目別内訳を申し上げます。  まず、所得税につきましては、現行の税法による収入の見込額は、三千四十三億七百万円となっておりますところ、主として低額所得者の負担軽減を中心として所得税負担の軽減合理化をはかるごととし、本年七月から基礎控除額を引き上げ、税率を引き下げること等・及び資本蓄積の促進に資するため、預貯金等の利子所得に対する所得税を免除し配当所得の源泉徴収税率を引き下げること等による減収額二百八十七億千二百万円を見込み、収入見積額として二千七百五十五億九千五百万円を計上いたしました。  その内訳は、源泉所得税二千九十一億九百万円、申告所得税六百六十四億八千六百万円となっております。  法人税につきましては、現行の税法による収入見込額は、千九百九十七億四百万円となりますところ、法人の負担を軽減するための措置をはかるため、税率を引き下げること並びに輸出の振興及び住宅建設の促進をはかるため、輸出所得の一部を控除する制度を拡充し、貸家を新築した場合の特別償却の割合を引き上げることによる減収額三十九億二百万円を見込み、その収入見積額として千九百五十八億二百万円を計上いたしました。  通行税につきましては、現行の税法による収入見込額二十四億五千五百万円となりますところ、航空機の乗客に対する税率を引き下げることによる減収額一億四千七百万円を見込み、その収入見積額として二十三億八百万円を計上いたしました。  以上申し述べました税目以外におきまして、三十年度に計上いたしました収入見積額は、相続税五十億五千万円、再評価税三十三億五千九百万円、酒税千五百九十八億六千三百万円・砂糖消費税四百四十五億六百万円、揮発油税二百五十九億五千三百万円、物品税二百三十億八千四百万円、取引所税二億八千七百万円、有価証券取引税五億八千九百万円、関税二百三十億一千万円、トン税二億三千万円、印紙収入二百十八億八千二百万円であります。  以上租税及び印紙収入の合計額は七千八百十五億一千八百万円となっております。  第二に、専売納付金は千百八十九億六千三百八十三万四千円でありまして、これを前年度予算額千二百五十一億九千七百七十二万円に比較いたしますと、六十二億三千三百八十八万六千円の減少となっております。その内訳を申しますと、日本専売公社納付金千百八十六億五百二十二百四千円、アルコール専売事業特別会計納付金三億五千八百六十一万円となっております。  このうち、日本専売公社納付金においては、高級たばこの売れ行き不振のため収益の状況は依然として向上せず、さらにたばこ消費税の平年度化に伴う月割増一カ月分約三十二億円及び交付税及び譲与税配付金特別会計へ臨時に繰り入れるべき三十億円の支出を生ずるので、前年度に比べ六十二億四千七百五十八万二千円の減少となります。  第三に、官業益金及び官業収入は百二十二億五百六十万八千円でありまして、これを前年度予算額百三十二億四千七百八十五万九千円に比較いたしますと、十億四千二百二十五万一千円の減少となっております。これは、国営競馬特別会計からの受入金が日本中央競馬会の設立に伴う国営競馬特別会計の廃止により皆減した等によるものであります。  次に、その内訳を申し上げますと、印刷局特別会計受入金四億一千八百十二万一千円、病院収入百十七億八千七百四十八万七千円となっております。  第四に、政府資産整理収入は、七十一億四千六百六十二万三千円でありまして、これを前年度予算額八十四億四千二百六十二万六千円に比較いたしますと、十二億九千六百万三千円の減少となっております。  そのおもなる内訳について申し上げますと、国有財産売り払い収入五十二億九千七百五十五万九千円特別会計整理収入二億六千九百七十八万三千円、公団引き継ぎ債権整理収入三億円、地方債証券償還収入十一億二千八百六万一千円等となっております。  第五に、雑収入は三百八十九億九千七十万四千円でありまして、これを前年度予算額三百四十三億七千五百八十六万四千円に比較いたしますと、四十六億一千四百八十四万円の増加となっております。  以下おもなる内訳について申し上げますと、国有財産貸付収入十七億一千八百六万二千円、共有船舶利用収入五億二千百九十二万一千円、日本銀行納付金百二十億六千八百万円、日本中央競馬会納付金九億八千三百九十九万五千円、恩給法納金及び特別会計等恩給負担金七十九億九千八百三十七万六千円、公共事業費負担金二十六億七千百六万二千円、授業料及び入学検定料十二億六千二百三十三万一千円、免許及び手数料五億五千八百二十七万五千円、懲罰及び没収金十億一千百九十六万一千円、弁償及び返納金十億二千百十九万六千円、刑務作業収入十八億二千五百四十九万六千円、物品売り払い収入十九億四千八百六十六万四千円、特別調達資金受け入れ二十七億七千百九十九万円等となっております。  最後に、前年度剰余金受け入れにおきましては、昭和二十八年度の決算によって生じました剰余金から昭和二十九年度への繰り越し歳出予算額の財源に充当した金額を控除した歳計上の純剰余金四百八億六百七十五万四千円を計上いたした次第であります。  次に、大蔵省所管の一般会計歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  昭和三十年度大蔵省所管一般会計歳出予算額は、千五百九十三億五千六百四万一千円でありまして、これを前年度予算額千七百十二億三千二百五十万四千円に比較いたしますと、百十八億七千六百四十六万三千円の減少となっております。  この歳出予算額を、まず、組織に大別いたしますと、大蔵本省千三百七十六億五千二百六十六万二千円、財務局十八億六千七百十五万四千円、税関十六億四千三百八十二万五千円、国税庁百八十一億九千二百四十万円となっておりますが、これを、さらに組織別に、おもなる事項に分けて御説明いたしますと、次の通りであります。  大蔵本省におきましては、大蔵省設置法に定める、本省内部部局の一般事務を処理する等のため必要な経費として、大蔵本省の項に十億六千七百七十一万八千円、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法に基き、旧陸海軍共済組合及び外地関係共済組合等からの年金受給者に対する年金の支払いと、これに伴う事務費を非現業共済組合連合会並びに日本製鉄八幡共済組合に交付するため必要な経費として、非現業共済組合連合会等補助及び交付金の項に十五億四千七百十二万円、日本国有鉄道、日本電信電話公社及び資金運用部特別会計へ、その国庫預託金についての利子相当額を交付または繰り入れするための経費並びに日本銀行へ供託金利子担当額を交付するため必要な経費として、国庫受け入れ預託金等利子の項に二億二千七十万円、国債償還の支払いに充てるため、国債整理基金特別会計へ繰入れに必要な経費として、国債償還の項に二百四億三百三十七万八千円、国債利子、借入金利子及び大蔵省証券発行割引差額の支払いに充てるため、国債整理基金特別会計へ繰り入れに必要な経費として、国債利子の項に二百二十七億九千二百二十九万五千円、国債等の事務処理に必要な手数料及び事務費を国債整理基金特別会計へ繰り入れるため必要ね経費として、国債事務取扱い費の項に一億六千百六十万七千円、国家公務員のための国設宿舎に関する法律が施行され、宿舎制度の一元的ね規制のもとに宿舎の設置が行われてきたが、なお引き続き実施するため必要な経費として、公務員宿舎施設費の項に十億円、政府関係機関等において必要とする資金に充てるため、国民金融公庫に二十億円、住宅金融公庫に五十二億円、農林漁業金融公庫に九十五億円、中小企業金融公庫に十五億円、国際航空事業に十億円、日本住宅公団に六十億円、東北興業株式会社に一億円、商工組合中央金庫に十億円を国が出資するため必要な経費として、政府出資金の項に計上いたしております。  はお、安全保障条約に基く合衆国軍の駐留及び日米相互防衛援助協定の実施に関連し、わが方で支出を必要とする経費として、防衛支出金の項に四百五十九億六千四百万円、旧連合国に対する賠償の支払い、旧連合国もしくは旧連合国人の本邦内財産の戦争損害の補償、平和条約第十六条に基く赤十字国際委員会への交付金の支払いその他の対外債務の処理等、平和条約の発効に関連して諸般の施策を講ずる必要が生ずるのでその処理のため必要な経費として、賠償等特殊債務処理費の項に百億円、予見しがたい予算の不足に充てるための経費として、予備費の項に八十億円等を計上いたしております。  次に、財務局におきましては、大蔵省設置法に定める財務局所掌の一般事務を処理する等のため必要な経費として、財務局の項に十八億六千七百十五万四千円を計上いたしております。  次に、税関におきましては、大蔵省設置法に定める税関所掌の一般事務を処理する等のため必要な経費として、税関の項に十二億八千八百七十万二千円、保税地域その他関税法規上特殊の取扱いをなす場所等において、税関事務の一部を処理するために派出する税関官吏に必要な経費として、税関派出諸費の項に三億八百二十一万七千円等を計上いたしております。  次に、国税庁におきましては、税務官署の項に、大蔵省設置法に定める国税庁の一般事務を処理するため必要な経費として百四十三億四千九百八十八万六千円・直接税及び間接税調査事務等に必要な経費として十四億五千七百九十二万一千円、酒類の密造取締りに必要な経費として一億一千四百二万七千円、調査査察事務に必要な経費として一億七千七百十二万八千円、徴収管理事務に必要な経費として二億九千九百三十三万二千円等を計上いたしております。  なお、税務職員を養成するとともに、職員を再教育して徴税技術の向上をはかり、あわせて税務職員の教養を高めるため必要な経費として、税務職員養成訓練費の項に一億六千九百三十六万九千円、租税収入を確保するため、滞納の整理及び差し押え物件の処分等の措置を実施するに必要な経費として、滞納整理費の項に四億六千百九十四万四千円、内国税の過誤納金の払い戻し及び青色申告制度に基く還付金に対する加算金に必要な経費として、租税還付加算金の項に十億三千万円を計上いたしております。  次に昭和三十年度大蔵省所管の各特別会計歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  造幣局特別会計におきましては、歳入歳出とも十六億二千百八十三万五千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも二億六千七百五十八万一千円の減少となっております。減少いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては製造経費の減少に伴う資金より繰り入れの減少によるものであり、歳出におきましては原材料地金購入に必要な経費の減少によるものであります。  印刷局特別会計におきましては、歳入四十九億九千九百七十二万一千円、歳出四十四億五千八百四十三万四千円、差引五億四千百二十八万七千円、の歳入超過となっておりまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入において二億八千百四十七万七千円、歳出において三億一千七百八十万三千円を減少いたしております。減少いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては日本銀行券の製造単価の引き下げ、また歳出におきましてはこれに伴う製造経費の減少によるものであります。  資金運用部特別会計におきましては、歳入歳出とも五百四十三億四千七百九十六万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも百億八百十四万九千円の増加となっております。増加をいたしましたおもなる理由は、歳入におきましては資金運用部資金の運用による利子収入の増加によるものであり、歳出におきましては郵便貯金その他の預託金に対する利子の支払い及び郵便貯金特別会計の歳入不足を埋めるため同会計へ繰り入れに必要な経費の増加によるものであります。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出とも二千六百六十一億九千五百七十九万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも九十三億八千六百六十八万一千円の減少となっておりますが、その内訳は、債務償還費において九十八億九百三十七万四千円、国債事務取扱い諸費において四千三百五十二万五千円の減少となり、国債利子、借入金利子及び短期証券割引差額において四億六千六百二十一万八千円を増加いたし、差引九十三億八千六百六十八万一千円の減少となっております。  貴金属特別会計におきましては、歳入歳出とも四億五千二百九十一万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも七億七千七百四十六万五千円の減少となっております。減少いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては貴金属売払代収入の減少によるものであり、歳出におきましては金地金買い入れに必要な経費の減少によるものであります。  外国為替資金特別会計におきましては、歳入歳出とも六十一億三千四百十一万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも四億三千三百七十七万円の増加となっております。増加いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては外国為替の売買差益による収入の増加によるものであり、歳出におきましては一時借入金等利子支払いに必要な経費の増加によるものであります。  産業投資特別会計におきましては、歳入歳出とも二百三十八億九千七百八十万八千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと歳入歳出とも五十二億六千八百三十七万二千円の増加となっております。増加いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては特殊物資納付金処理特別会計より受け入れ並びに前年度剰余金受け入れ収入の増加によるものであり、歳出におきましては産業投資に必要な経費の増加によるものであります。  経済援助資金特別会計におきましては、歳入歳出とも二十七億四千五百七十三万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、歳入歳出とも八億八千七百二十六万四千円の減少となっております。減少いたしましたおもなる理由は、歳入におきましては援助資金受け入れ収入の減少によるものであり、歳出におきましては援助資金支出に必要な経費の減少によるものであります。  特殊物資納付金処理特別会計におきましては、歳入歳出とも七十億九千九百六拾四万三千円を計上いたしておりますが、この会計は本年度新たに設置いたしましたものでありまして、歳入におきましては砂糖及びバナナ、パイ・カン等特殊物資の輸入に伴う価格差益の納付金等による収入を計上し、歳出におきましては、産業投資の財源に充てるため産業投資特別会計へ繰り入れる等のために要する経費を計上したものであります。  最後に、昭和三十年度大蔵省関係の各政府関係機関収入支出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  日本専売公社におきましては、収入二千四百一億五百五十二万円支出千二百四十五億百六十三万五千円、差引収入超過額千百五十六億三百八十八万五千円となり、これに昭和三十年度における資産増加百億二千七百九十二万二千円を加算した千二百五十六億三千百八十万七千円が事業益金となるのでありますが、これより固定資産増加額四十億二千六百五十八万三千円及び交付税及び譲与税配付金特別会計繰入額三十億円を控除いたして、専売納付金は、千百八十六億五百二十二万四千円となるのであります。これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において五十六億五千二百七十七万七千円、支出において八十五億七千七百七十五万四千円をそれぞれ増加し、差引収入超過額において二十九億二千四百九十七万七千円、専売納付金として六十二億四千七百五十八万二千円をそれぞれ減少しております。  以下、たばこ、塩及びショウノウの各事業につきおもな事項の概略を御説明いたしますと、たばこ事業におきましては、三十年度における製造数量は千百十七億本、販売数量は千九十七億本でありまして、前年度における製造数量千五十億本、販売数量千四十一億本に比べますと、製造において六十七億本、販売において五十六億本をそれぞれ増加しております。たばこ事業の予算額は、収入二千百九十七億七千八百十七万九千円、支出九百八十八億五千七百四十九万七千円・差引収入超過額千二百九億二千六十八万二千円となっており、これを前年度予算額収入二千百三十七億八千三百七十三万九千円、支出九百二十五億八千八百十三万三千円に比べますと、収入において五十九億九千四百四十四万円、支出において六十二億六千九百三十六万四千円をそれぞれ増加しております。  塩事業におきましては、三十年度における収納及び購入数量は、内地塩四十八万トン、輸入塩百九十五万トン、計二百四十三万トン、塩の売払数量は、一般用塩百二万七千トン、工業用塩百三十五万トン、計二百三十七万七千トンでありまして、前年度予算におきましては、収納及び購入数量は、内地塩四十二万トン、輸入塩二百万トン、計二百四十二万トン、売払数量は、一般用塩百三万八千トン、工業用塩百三十万トン計二百三十三万八千トンとなっております。ただいま申しました一般用塩数量のうちには、純食料用及びその他の用途のもの若干を含んでおります。塩事業の予算額は収入百九十三億一千九百五十四万三千円、支出百九十四億三千六百六万九千円となっており、これを前年度予算額収入百九十六億九千七百五十万七千円、支出百九十九億九千七十五万二千円に比べますと、収入において三億七千七百九十六万四千円、支出において五億五千四百六十八万三千円をそれぞれ減少しております。  次に、ショウノウ事業予算額におきましては、収入十億七百七十九万八千円、支出十億三千四百一万円となっており、これを前年度予算額収入九億七千百四十九万七千円、支出九億三千二百七十九万三千円に比べますと、収入において三千六百三十万一千円・支出において一億百二十一万七千円をそれぞれ増加しております。  国民金融公庫におきましては、収入三十三億五千九百九十二万三千円、支出二十七億六千三十四万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において八億五千八百九十八万六千円、支出において六億五千三百八十万九千円を増加いたしております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息及び兼務増量による事務費の増加によるものであります。  住宅金融公庫におきましては、収入四十四億七千三百五十二万五千円、支出三十七億五千四百五十一万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において七億八千八百七十九万七千円、支出において八億五千五百六十万二千円の増加となっております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては、貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  農林漁業金融公庫におきましては、収入四十五億五千四百七十二万一千円、支出四十一億二千百十三万三千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において十五億六千七百二十八万一千円、支出において十一億八千百十六万四千円の増加となっております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  中小企業金融公庫におきましては、収入三十七億七百二十九万八千円・支出三十一億一千五百五十一万六千円でありまして、これを前年度予算額に比較しますと、収入において十一億四千百二十四万二千円、支出において十一億一千五百六十八万円の増加となっております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては業務増量に伴う事務費及び借入金利息の増加によるものであります。  日本開発銀行におきましては、収入二百三十七億九千七百八十三万円、支出九十一億二千六百八十五万一千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において二十二億七千六百六十二万五千円、支出において十八億三千三百四万四千円の増加となっております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息の増加によるものであります。  日本輸出入銀行におきましては、収入十七億三千三百三十六万三千円、支出十三億七千百五十七万七千円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、収入において六億九百二十二万二千円、支出において九億二千二百七十五万一千円の増加となっております。  増加いたしましたおもなる理由は、収入におきましては貸付金利息収入の増加によるものであり、支出におきましては借入金利息の増加によるものであります。  以上、昭和三十年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算・各特別会計歳入歳出予算及び政府関係機関収入支出予算について、その概要を御説明いたしました。
  22. 赤城宗徳

    ○赤城主査 本分科会所管に関する説明は終りました。  午前の会議はこの程度にとどめ、午後は一時半より再開し質疑に入ることといたします。  これにて休憩いたします。    午後零時二十八分休憩      ――――◇―――――    午後二時二十四分開議
  23. 赤城宗徳

    ○赤城主査 再開いたします。  昭和三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び経済審議庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管を一括議題として質疑に入ります。質疑は通告順によって順次これを許します。北山愛郎君。
  24. 北山愛郎

    ○北山分科員 私はこの議題につきまして二、三お伺いしたいのでありますが、その前に、この委員会には私は初めてでございますが、予算委員会の運営としてはやはり外交問題とかあるいは大きな政治問題も大事でございましょうが、予算の内容についてできるだけ詳しく審査をすることが、国会としての大事な任務であろうと思います。従ってこの分科会といろ制度は十分にこれを活用して、でき得るならばもう少し分科会の日程をとってしっかりした審査をすべきものであると考えます。ところがごらんの通りにこの分科会において各委員の出席も非常に悪いわけであります。政府委員の方も大臣もなかなかお見えにならぬというような工合で、その点私は非常に不満を感じておるわけであります。従って主査におかれましては、一つ今後のこの分科会の運営についてこの点を十分御注出忌をいただきたいということをまずもって要望申し上げておきます。  最初に会計検査院の関係にお伺いいたします。会計検査院については私は大へん不案内でございますが、検査資料等もいただいております。今度の予算によりますと、人員等も相当ふやしてその機構の充実をするというような内容になっております。  そこでお伺いをしたいのは、会計検査院は従来国、政府、あるいはその出先機関、あるいは地方公共団体、そういうものについての検査はねかなか詳しくやっておいでになるようであります。ところがそれ以外の政府の財政的援助を受けるようなあるいは補助金をもらったり、あるいは利子の補給を受けるというような財政援助を受けてお弔いろいろな民間等の団体につきましては、十分検査をなさっておられないのではないか、かように思うのでありますが、どの範囲に検査を実行しておられますか、一つその点についてまずお伺いしたいのであります。
  25. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 お答えいたします。会計検査院が国の収入、支出その他特別の政府関係機関の検査のほかに、国の財政援助等を受けておるものの検査を現在いたしておりまする範囲のことをお尋ねでございますが、現在会計検査院で検査をいたしておりますのは、財政援助の関係で申しますと造船利子の補給関係でございます。この関係で会計検査院といたしまして正式に検査の指定をいたしておりますのが、五十六の船会社でございます。それから財政援助と少し趣きを異にいたしますが、国が出資いたしております団体、銀行、との関係で申しますれば出資関係で日本勧業銀行、日本興業銀行、長期信用銀行、それから商工中央金庫、農林中央金庫、そうした関係のものを主として特に検査をするという指定をいたしまして検査をいたしております。そのほか、電源開発株式会社とか、日本航空株式会社、その他かなりの団体等がございます。終戦前から国の出資その他の関係で財政援助をいたしておりました関係の会社で、現在清算中途の会社も相当ございますが、そうした関係のものも見ておりますような状況でございます。ほかに、財政援助という関係ではございませんが、特に会計検査院の検査を要するものとして法律で定めてあります日本放送協会、こうしたものも検査いたしておるような次第でございます。ごくとまかい数字につきましては、御必要でございますれば、後ほど書面にいたしまして差し上げたい、こう考えております。
  26. 北山愛郎

    ○北山分科員 ただいまのお話の中で、五十ばかりの船会社の検査をやっておられる、指定しておられる、こういうお話でありますが、その検査は現在おやりになっておるかどうか、ただ指定しただけで、実際には検査をやっておらないのかどうか、やっておられるならば、その状況をお伺いしたいのであります。
  27. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 造船利子補給の援助を受けております船会社に対しましては、現在一定の計画を持ちまして検査を実施いたしております。今お話し申し上げました通り、相当の数に上りますので、全体の検査はまだ了しておりませんが、来年の初めころまでには一応全部の検査を了したい、こういう計画でおります。
  28. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうしますと、その検査は大体来年の初めころにはその結果が発表できるというお話でありますが、その中間において要求があれば、中間発表というようなこともおやりになることができる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。また、検査をおやりになっておる途中で一番問題になるのは、例のリベートの問題だろうと思うのでありますが、会計検査院はこのリベートの性格をどのようにお考えになっておるか、これをこの機会に承わりたいのであります。
  29. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 会計検査院が今までに船会社の検査を了しましたのは、数といたしましてはそうたくさんはございませんが、その検査の結果につきまして、会計検査院として責任を持って御報告できるものは、御要望に従いまして、後ほど書面をもって御報告いたしたい、こう考えます。  なおリベートの問題につきましては、御案内の通り世上いろいろ問題もございまして、検察当局におかれましても御調査相なりましたような次第でございまして、会計検査院といたしましても、非常な関心を持ちまして、慎重に検査をいたした次第でございます。しかし問題になっておりますようないわゆるリベートの問題は、会計検査院といたしましては、検査院の性格上、また権限の問題等もございまして、船会社の帳簿等については十二分の検査ができるのでございますが、船会社の発注先であります造船会社の経理については、会計検査院としては検査の権限がございません。そうした関係と、いわゆる船会社にいたしましても、表面に整理しております会計経理の帳簿その他の書類では、いわゆるリベートの問題が簡単につかめない、そうした関係等もありまして、リベートの関係につきましては遺憾ながらここに御報告できるような事実は持ち合せておりません。
  30. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうすると一つもリベートのあれはつかめていないというわけでありますか。このリベートの性質上、会計検査院としてはさも権限外だというようなお話であります。しかし一番問題になるのは私はリベートじゃないかと思います。なぜならばそのリベートというものがいわゆる水増しのものであるというような性格と確定をすれば、その余分のものについて国家が利子補給をしたということになるのでありまして、不当な利子補給であったということになると思うのです。従って、リベートというものは、すでに検察当局としてもある程度の部分は明らかにされている問題でありますから、そのリベートの問題は会計検査院の権限外であるというようなことは筋が通らないじゃないか、かように思うのですが、その点はどうであるか。リベートについては何らの資料も、調査もできておらないということは、われわれとしてはどうも納得がいかない。すでに検察当局でも一部のものを握っているものを、検査院としてわからない、またそんなことは調べる必要がないのだというような理論には納得がいたしかねるのでありますが、重ねてお答えが願いたい。
  31. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 ごもっともな御意見でございます。船会社と造船会社との間にいわゆるリべートなるものが行われまして、かりに十億の船の建造の契約をいたした、その場合に船会社から十億造船会社に支払った、そのうちかりに一億だけ船会社の方に金が払い戻された、そうしますと九億円で船会社は一隻の船が建造できて購入できた・それに対しまして十億の造船資金の融資を受けて、その十億に対する利子の補給を受けているという事実が明らかにはっきりいたしますれば、九億についてだけ造船利子補給を見るべきではないか、一億分に対す利子補給はこれは余分なものである、そういうふうな数字がはっきりつかめれば、今お示しの通り会計検査院といたしましても厳重に検査いたしまして、政府の負担を軽減すべきだ、こうした考えはもちろん持っておりますので、いわゆるリベートなるものはすべて会計検査院の検査の対象外だというような考えは毛頭持っておりません。ただ先ほど申し上げましたのは、検察当局その他で資料等を全部引き上げられましたり、また事実の認定等に相当慎重を要しまして、会計検査院といたしまして、問題になっているいわゆるリベートの関係の利子補給につきまして、これだけは明らかに不当な利子補給であるというふうな結論がまだ出ておりません。こういうふうな趣旨でございます。会計検査院といたしましても御趣旨のような線で将来ずっと検査を慎重に続けていく方針でございます。利子補給の関係は長い目で船会社の経理等を慎重に検査しまして、そして繰り上げて融資の資金を引き揚ぐべきものは引き揚ぐべきである。また補給の額が多ければ返納させる、そうしたことの検査が非常に重大でございますので、現在慎重に検査を続行いたしている、こういうふうな状況でございます。
  32. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうすると、船会社の社長なりなんなりがリベートを受け取ったという事実は、一つも上っておらないというのですが、また上っているが、なお慎重に検討している、こういう意味でありますか。今までに社長がどれくらい受け取っているというようなことがある程度明らかになっていると思うのですが、それも全然わからぬというのか、ある程度の事実はつかめているけれども、正確なところはまだよく判断がつかない、こういう意味なのか、どちらです。
  33. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 正確に事実の把握ができない関係と、判断もなかなか簡単にいかないので、ずっと慎重に検査を続けているという事態でございます。
  34. 北山愛郎

    ○北山分科員 それは検査院としては検察庁等からやはりある程度の資料をもらうとか、あるいは本人についてその事実を聞くというようなことはできないのですか。そういうことがどうも私ら常識から考えてわからないのです。
  35. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 お答えします。船会社につきましてはそうした関係の資料がつかめなかったような次第でございます。検察当局につきましては、膨大なる書類であると考えておりまして、できるだけ検察当局から事実について資料の収集をはかりたい、こう考えているような次第で、ございます。
  36. 北山愛郎

    ○北山分科員 それではいろいろ疑問はありますけれども、その点につきましては現在における調査の状況を書類をもってお出し願いたいと思います。  なお会計検査院というのは地方へ参りますと、トラのようにおそれられております。それで何か特別な接待をするというようなことも聞いております。そういう事実について聞きたいと言いますと。それはよその方から聞いてもらいたい、おれの方ではちょっと話せぬというようなことも聞きます。ですから地方のいろいろな機関なり、あるいは地方公共団体等からは会計検査院はトラのように非常におそれられている。もちろん地方団体の不正なりあるいは出先機関の不正なり、そういうものを調べるのは当然でありますけれども、われわれは今お話があったような船会社、あるいはその他国から直接間接の財政的な援助を受けているものに対する会計検査院の追及、検査というものはどうも手ぬるいのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。今度検査職員を六十名も増員をして、そして検査機能を大いに発揮しょう、こういうわけでありますから、そういうふうな船会社のみならず、直接間接に国の援助を受けるような機間、団体、あるいは民間の会社等についても十分な検査をやっていただきたいということを特に要望いたしておきます。
  37. 赤城宗徳

    ○赤城主査 杉村分科員から関連質問の申し出がありますので、これを許したいと思います。杉村沖治郎君。
  38. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 きょうひまがないと思ったものですから、実は会計検査院に対する質問を私は申し出なかったのですが、せっかく同僚北山君が聞いておりますし、幸い池田さんが見えたのでお尋ねしておきたい。この間予算委員会で尋ねたのでありますが、実はあなたも御承知のように、あの九百九十二億一千九百万円船会社に貸した金がほとんど返っておらないという状態である。そこであなたの御承知のように昨年の決算委員会において運輸省の岡田海運局長がこれ以上船会社に金を貸せば背任罪が構成する、こういうことまではっきりと答えている。これは速記録に載っておりますが、それにもかかわらず、その後第十次造船でまた金を貸したわけです。そしてさらに今度本年度のこの予算におきまして百六十億円を融資することになっている。ところが日本開発銀行法でいきますならば、第十八条において、この融資は返還の確実なる見通しのつかないところには貸しては相ならぬ、回収の見込み確実なるところに限って融資をするということになっておりますし、日本開発銀行の定款もそうなっている。しかるにもかかわらず、この船会社はほとんど担保力もない、これに金を貸せば背任罪が構成するとまで運輸省の局長が言っているところへ、本年また百六十億という融資をするということは、どう考えても私どもは不可思議千万であります。それでこの間この問題について大蔵大臣に答弁を求めたけれども、さらに要領を得ません。ですがその後昨年以後において十次造船の関係等について会計検査院ではお調べになられたでありましょうか、どうでありましょうか、その点一つ伺いたい。
  39. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 造船融資資金のことにつきましては、皆様方が非常に関心をお持ちになりまして、いろいろな角度から御心配の上、政府御当局の措置なり、私どもの検査につきましていろいろ御要望の事柄がありますことは、まことに私どもといたしましてもそう一そう肝に銘じましてこれに対処しなければいけないと思っております。そこで十次造船の融資のことについて検査を了したかどうかという関係でございますが、私先ほど御説明いたしましたように、船会社が非常な数に上っている次第で、これを一応当初の融資の関係から一定の計画をもちまして、ずっと今日まで検査をいたしている次第でございます。十次造船の融資の関係も、今御意見のような考えを持ちまして、十二分に検査をいたさねばならないと考えておりますが、現在-ちょっと私なお調べてみなければ詳細なことはわかりませんが、全部の検査は了していないものと大体考えております。もし私のところで帰りましてよく調査いたしましてから御報告すべきことがございましたら、別の機会に御報告いたしたい、こう考えます。  なお失礼でございますが、先ほど御要望の事項の会計検査院の官紀を厳正にし、なお財政援助を受けている団体等につきまして、厳正なる検査をやるべきだといろ御意見につきましては、私どもも一そう今の御意見の線に沿って努力したいと考えております。
  40. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 今たくさんの船会社の数に上っていると言われるのですが、実は昨年までのあの造船汚職疑獄事件の船会社というのは、三井船舶、三菱海運を初めとするところの五十四の船会社であった。そうすると十次造船は昨年度までの船会社とはかわった船会社がどれくらいありますか。それは数だけでけっこうでございます。大へんたくさんの数というのは、五十四よりももっと増加しておるのでありましょうか。
  41. 池田直

    ○池田会計検査院説明員 はなはだ恐縮ですが、十次造船関係の資料をただいま持ち合せておりませんので、後ほどまた御報告させていただきます。
  42. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 私は自分でやったことだからよく知っているのですが、急に唐突な質問ですぐに返事をしろといってもあるいは無理かもしれませんが、しかしこれはきわめて重大な問題でありまして、あれだけの大疑獄事件が起って、そうして運輸省の局長までが、先ほど申し上げたように、これ以上金を貸したら背任罪を構成すると言っておるにもかかわらず、政府は十次造船の融資をしておるのですよ、こんね乱暴な話はない。だからどうか一つ会計検査院は、これは、ほかのところと違ってあれだけの疑獄事件のあとですから、この十次造船の融資が果して適切であったかどうかということを調査するということはきわめて重要なことでしょう。そうしてしかも、また今年第十一次として百六十億という金を貸すのですよ。これは国民のとうとい金を、去年九次までで、もう船会社が担保能力がない、返還能力がないということを当局の局長までが認めておるにもかかわらず十次を貸したのです。さらに十一次、本年百六十億貸そうというようなことだから、これはもう実に重大問題ですから、少くとも会計検査院としてはこの十次の貸付が果して適切であったかどうかということは、これは他の関係よりもすみやかに調査すべきであったのではなかろうかと思うので、それが調査していないというと、会計検査院もいささか国民から怠慢のそしりを受けるようなことになりはせぬかと思う。問題でもなかったところなら別です。ですからどうかそれは総長はあるいは自分一人でやっておるわけではねいから仕方がないでしょうが、もし調査がしていないとすれば、すみやかに調査をして、そうして第十次造船の融資が適切であったかどうかということを、一つ資料で出していただきたい。  それから先ほど同僚北山委員から質問をされたリベートの点ですが、これは昨年の決算委員会におきまして検事総長が、刑事事件として認むべきものが二億六千七百万円ということを申しておるのです。そしてさらに今度は馬場検事正は一億円である、こういうことを申しておる。今度は小原法務大臣は一億一千万円である、こういうことを言っておる。いわゆる司法当局の三者がこのように一つとして口が合っておらないのであります。そして検事総長の言う刑事事件に該当するものというのは二億六千七百万円であって、そのほかのリベート約三十二億と称せられておるそれについては、厳に口を織して言われないのですが、検察当局もとれはお調べになれば十分お調べになれるのだろうと思います。さっき北山委員から聞かれたそれについては、一つ手の尽せるだけを尽して、一つ資料をお出しを願いたいと思うのです。実にわれわれの遺憾とすることは、自由党内閣があれだけの大疑獄・大騒動をやって、とうとう指揮権の発動と一片の内閣声明によって今日のごとくうやむやにしてしまった。国民も健忘症で、もうほとんど忘れておる。そこにまた百六十六億もの金を船会社につぎ込もうというのだから、われわれはどうしてもあなたの方の会計検査院の手によらなけばれならないのですよ。どうか一つ、これは重大問題でありますから、ぜひ一つ十次造船の貸付が適正であったかどうか、それからこの間も尋ねましたけれども、九百九十二億一千九百万円が実際に現実に償還された額というのはほとんどないのです。みんな元加計算になって元の方へそれを繰り込み、繰り込みしておって払っておらないのですが、どうかいま一応そうしたことについての調査の資料を一つ出していただきたいと思います。
  43. 赤城宗徳

    ○赤城主査 北山君。   〔「議事進行について」と呼ぶ者あり〕
  44. 赤城宗徳

    ○赤城主査 杉村君。
  45. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 実はかようなことははなはだ遺憾とするのですが、各分科会ともほとんど委員の出席がないのであります。どの分科会もいかにもひどい。自由、民主両党がどこでどういう話し合いをしたかしれぬけれども、予算委員会などやってもやらなくても話し合いでできておるのだというような関係ではなかろうかと思いますが、かくのごとく出席がないので、他の分科会もほとんど流会ということになっておるので、当分科会だけが定足不足であるにもかかわらずやっていくことはいかがかと思いますので、この程度で一つ流会に願いたいと思います。
  46. 赤城宗徳

    ○赤城主査 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  47. 赤城宗徳

    ○赤城主査 速記をつけて下さい。  しばらく休憩いたします。    午後二時五十七分休憩      ――――◇―――――    午後三時五十九分開議
  48. 赤城宗徳

    ○赤城主査 再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を継続いたします。北山愛郎君。
  49. 北山愛郎

    ○北山分科員 次に法務大臣にお尋ねしますが、今地方団体、特に市町村においては、相当莫大な金を国の施設あるいは機関いうものに寄付をしていることが、非常に問題になっているわけであります。第一次鳩山内閣の際、ことしの一月の半ばでありましたか、たしか閣議でもってこのような寄付あるいは負担金を禁止するというような申し合せをいたしたはずであります。  そこでお伺いをしますが、この法務省関係の法務局あるいはその支局というものが、地元の市町村からその施設あるいは維持の費用まで寄付をさせておるという例を私どもはよく聞くのでありますが、その実態について大臣は御承知になっておるかどうか。これをまずお伺いします。
  50. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいま御質疑のありましたように、寄付のありますることは私どもも承知をいたしておりまするが、それはむしろ法務省の方で寄付を希望するのでなくして、地方公共団体もしくは地方の人々が、たとえば法務局の庁舎を作るとかあるいはまた検察庁の庁舎を作る意味で、その土地を買い入れるとかいうような場合に、地方の公共団体もしくは地方の人々が寄付をするから作ってもらいたいというので、むしろその地方の方から強要されて受けるというような場合が、ほとんどすべてであると私は申し上げてよろしいと思う。でありまするから、従って法務省の方で進んで寄付を強要するというようなことは、少くとも私はないのじゃなかろうかと思いまするが、もしそういう事例がありましたならば、おっしゃっていただけば、また調査をいたしましてもよろしいと思います。
  51. 北山愛郎

    ○北山分科員 ただいまのお答えは、地元の市町村なり、地元の人たちが進んでそういう寄付を希望してやる、自発的な寄付であるというのがほとんど全部であるというふうの御認識であるようであります。ところが少くとも町村会や、そういう団体が法務省関係の施設、機関のみならず、あるいは警察やあるいは検察庁、そういう方面から寄付を仰せつけられて困るというようなことで、実は町村会の大会等においても、何回もそのようなことを禁止してもらいたいというような決議を上げていることを大臣は御承知でございますか。
  52. 花村四郎

    ○花村国務大臣 警察等に関することは私は知りませんが、そうですね、東京などにおいても警察の庁舎を作り、あるいは交番を作るというような場合に、大がいは寄付金をもって充つる場合が相当多いと思いますが、しかしながら法務省関係の検察庁などにおいては、むしろ私は寄付を断わるような態度で今日までやってきたことを聞いております。やはり検察庁などで寄付を受けますることは、要するにいろいろと検察行政の面から申しまして妥当を欠く場合が相当ありまするので、そういう寄付は求むるところじゃない、むしろ地方で寄付をすると言うても断わるような態度でずっと旧来はきておる、とう私は申し上げてよろしいと思いますが、もしそういう寄付を強要したという事実がおありになりまするならば、具体的にまたおっしゃっていただけば調査をしまして、あるいは不適当なる処置がありまするならば、それはまた相当な処置をいたしてもよろしいと思います。
  53. 北山愛郎

    ○北山分科員 実は私も、その具体的な例ということを大臣が盛んにおっしゃいますので申し上げるのですが、私は地方公共団体のそういう仕事を実はやっておったものですから実例も知っておるのです。法務局の実例も知っておる、警察の実例も知っておるし、また検察庁の実例も知っております。ですが、ここではあげません。もちろんそれは必ず出せという命令でもなければ、あるいは厳密な意味で強制ではないかもしれぬ。しかしながらその金を出してくれという話は、少くとも検察庁の側から出、あるいは法務局の側から出、警察の側から出ていることだけは事実なんです。だから強制でないから断わればそれでいいだろうということなんでしょうが、ともかく市町村としては、そういう寄付に対してはほんとうに心の底から喜んでいるのでないということは、町村会等がそういうことを抑制してもらいたいという決議を上げていることによって、僕は明らかだと思うのです。その点について大臣はどのようにお考えですか。
  54. 花村四郎

    ○花村国務大臣 そういう問題については、実は西田自治庁長官から閣議で話が出たことがありましたが……。まあほかの官庁のことは知りませんが、しかし法務省に関する限りにおいては、私も在野法曹として長くやってきておりますが、少くとも法務省として寄付を申しつけたとか、あるいは寄付を受けたとかいうようなことは、私はほとんど聞いておりませんが、もしそういう事実がありまするならば、それは検察の面から考えて適当ではないと思います。しかしそういう事実はおそらくあるまいと思いますが、ただいまも申しましたように、あったら御指摘を願えばけっこうだと思います。どこかにそういうものがありましたか。
  55. 北山愛郎

    ○北山分科員 それではとにかくそういう寄付をもらってはいけないというようなお考えであるならば、少くとも新聞に、たとえば岐阜の検察庁がそういう寄付をもらって建っておるのだということが上っておりますが、ああいうことについて御調査をなさいましたか。
  56. 花村四郎

    ○花村国務大臣 岐阜の検察庁が寄付をもらって新築をしたものであるという話は初耳ですが、その点はよく調べてみましょう。
  57. 北山愛郎

    ○北山分科員 私の地元にもそういう実例があることを私は知っておるのです。検察庁の、あるいは法務局の建設の場合にも、やはり敷地の金が足りないというので頼み込まれて、実は私が世話をしてやった経験を持っておる。その後においてもその担当の者から、あるいは町村長等からそういう実例を幾つか聞いておるわけです。ですから決して実例がないということは私は言えないと思う。しかもそういうことが各地で行われておるからこそ、町村会等でそういう決議を上げるわけなんです。で、その点については、大臣はもろ少し調査をしていただきたいのです。もちろん法務省として、文書でもって寄付をしてくれということは言ったことはないでありましょう。けれども末端の方においては、予算が足りねいから、敷地の単価が予算上は安くてそれを足し前してくれということは、これは随所にあるわけなんです。あるいは法務局の支局において、その維持管理の経費が足りないから地元の市町村が世話してやるということは・決してまれな例ではないのです。そういうことが至るところにある。あるからこれは問題になって、そういう全国的的な町村長の大会等で決議になるほど大きな問題並んです。だからその点についてはよく大臣としても御調査を願いたいと同時に、もしも検察庁等であれば、これは検察という立場から私は大臣にお考えをお聞きしたいのですが、学校施設あるいは教育の施設というようなものに対して、かりに強制的というか割当であっても、そういう教育施設等について地元から寄付金、分担金をもらうということは、あるいはそれほど弊害がないかもしれほい。しかしながら検察庁あるいは警察というものが、地元のたとい市町村であっても、そういうものからたとい自発的であっても寄付をもらうということは、検察の厳正公平を保つ意味においていいことか悪いことか、この際大臣からお考えをお聞きしたいと思います。
  58. 花村四郎

    ○花村国務大臣 先ほども申し上げましたように、寄付金を受領するがごときことは好ましからざることでありまするが、地方でもよく私どものところへも検察庁の庁舎が古びたから建ってくれとか、あるいは登記所の設備が不完全であるから何とかしてもらいたいというような陳情も参りまするが、そういう陳情に参りまするときは、やはり何か地方の公共団体もしくは団体といったような関係の人々が、敷地は寄付をしてもよろしいから、何とか建ってくれというようなことをよく言うてくる場合も往々にしてあるのでありまするが、法務省などは御承知のように検察関係を担当いたしておりまするところから、あくまでも公正を旨としていかなければならぬというような関係に置かれておりまするので、むしろ寄付をするというても断わるというような建物をとっておるように聞いてもおりますし、また東京などにおいては裁判所もしくは検察庁等においても、地方の寄付はねるべくお断わりをするような意味に私は聞いておりました。でありまするから、まあ警察は法務省関係とは違いまするから、あるいはどういうことに相なっておりまするか知りませんけれども、少くともこの法務省関係においてはそういうことは避けられるだけ避けてきておる、こう私は考えておりまするが、もちろんこれは好ましからざることでありまするから、こういうことのなきを希望してやみません。
  59. 北山愛郎

    ○北山分科員 そうしますと、大臣は検察庁なり、あるいはあなたの方の関係の役所でもって寄付をもらうということは好ましくない、かりにそれが自発的であっても好ましくないというようねお考えであり、もしもそういうふうな事実があればこれは何とかするというお考えであると了解してよろしゅうございますか。
  60. 花村四郎

    ○花村国務大臣 その通りでございます。
  61. 北山愛郎

    ○北山分科員 それでは一つの一般的な指示あるいは通牒として、地方の、大臣の下にある法務局なりあるいは検察庁に対して、そういうことのないようにという旨の通達をする、こういうことを期待してよろしゅうございますか。それともその必要がない、もうそういう措置はしてあるのだということであるならば、今までそういう措置をしたことをお話願いたいと思います。
  62. 花村四郎

    ○花村国務大臣 そういう措置はたびたびいたしておりますので、今日あらためてやる必要もないように思いますが、しかしお話でもありますので、なお重ねて調査をいたしまして、そういう事例があります場合においてはまた重ねてそういうことのないような通知を発してもよろしいと思います。
  63. 北山愛郎

    ○北山分科員 なおこの点は、御承知のように地方財政法にも第十二条にはっきりと書いてあるわけであります。そういうようなものを負担させてはならない、こういうことが書いてある。従ってもしもそういうことをするならば、それは地方財政法違反でもあるわけであります。そういう趣旨において前の鳩山内閣においては閣議でそのことを問題にしたはずであります。ただこの際さらにお伺いしておきたいのは、予算がなくて地元のいろいろな団体あるいは有力者等に金を出してくれといって頼むが、今度はそういうものはもらってはいかぬということになれば、予算が足りない、根源は予算が足りないというのだから、そこで政府は、そういう地元の市町村なりそういうものに迷惑をかけなくても済むだけの予算措置をやはり伴わなければならぬ、こういうことでたしか大蔵大臣から予算措置についての了解を得られたいというふうに私どもは承知しているのですが、大臣はその点について御承知になっておりますか。御承知なれば一つお知らせ願いたい。大蔵省関係が来ておりませんから、参考にお伺いしておきます。
  64. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいまお話のありましたように、乏しい国家財政のうちから、やはりそれぞれの省が必要欠くべからざる予算を計上して大蔵省へ要求するようでありますが、もちろん法務省としても最低限度の要求をするのでありますが、なかなかもって大蔵省の方で法務省の要求に応じてくれないのであります。しかし要求に満たざる予算であるかというても、その予算を極度に有効適切に使って、そうして治安維持の面にも欠くるところのないように万全の構えをして、そうして法務行政の全きを期するということに向いまして、あらゆる努力を傾倒しておるわけでありますが、こいねがわくば、もう少し法務省の予算も見てもらえればしごくけっこうだと思うのですが、北山さんのように有力な議員は少し法務省の方に味方をしていただいて、大いに予算を出してもらうことにお骨折り願えれば、これに越したことはないと存じます。
  65. 北山愛郎

    ○北山分科員 お話でございますが、われわれ社会党が政権をとってわれわれが与党になった場合には、そういう御心配はさせないつもりでございます。ただしかし今御質問しているのは、やはりそういう趣旨から言っておるのです。そうでないと、やはり中途半端な、あいまいな、いいかげんな態度で予算をつけて、そうしてあとの足りない分は地元で何とかやってくれるであろうというぐらいのつもりで、いつまでたってもそういう不足な予算を組んでしまう。だからもらってはならない寄付、であるならば、はっきりもらわないという建前で、大蔵省からも一つ心配してもらうということが正しい道である、こういうように考えまして、特にこの問題を申し上げるのです。特に、よその教育とかそういう関係であるならば大してあとの弊害も起りませんが、検察庁については、私もある例を知っておるのですが、地元の有力者から金を出してもらうと、やはりその有力者と一つの情実関係ができ、それがひいては検察の厳正・中正なる運営を害する。こういう点においては、特に私は法務大臣として厳密な考え方でいかなければならぬと思うのです。ただ金の問題だけじゃないんです。検察の運営というものを守るという点について、もっともっと厳密な考え方をしてもらいたい、こういう意味で申し上げたのでありますから、その点を十分お考えいただきまして、そういうことがないように運営していただきたい。これを要望いたしまして私の質問を終ります。
  66. 赤城宗徳

    ○赤城主査 杉村沖治郎君。
  67. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 法務大臣に伺いますが、日本の検察行政の権威のために、私は一つ特に法務大臣に要望するとともに、法務大臣の御意見を伺いたい。検察庁が非常に増加をいたしましたために、副検事を採用しておるわけです。それから従来の書記も検察事務官というようにそれぞれ進級的な地位を与えてやっておるんですが、副検事・検察事務官の程度というものは、法務大臣も御承知のように、現在の状態ではわれわれは全く満足することができない。もう少しこれを教育しなければいけない。その人物のいかんということは、人民の基本的人権に影響することが大きいのでありますが、これに対する御所見はいかがでございますか。
  68. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいまの杉村委員の仰せごもっともであります。すべて賛成であります。でありますから、なるべく再教育をして、欠くるところのないように補っていく行き方をいたしたいと考えております。
  69. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 それにつきまして、この予算を見ますと、補導援護旅費とか研修生旅費というのがあるんですが、私が今申し上げたのは副検事、検察事務官に関するものでありまして、検事の研修も事実行われておるんですが、これらの予算は、私の見方が悪いのか、ちょっと見るとわからぬのですが、どこの項に入っておりますか。
  70. 花村四郎

    ○花村国務大臣 法務研修所という項目があります。そこに四千六百万円計上いたしてあります。
  71. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 わかりました。この四千六百万円で、検事ばかりではなくて、私が今申しましたようなことも含んでの法務大臣の考えであろうと思うけれども、実際においては、従来は検事を研修さしている方が多くて、事務官や副検事の方には十分に回っておらない。これはそれの方にも回る予算でございますか。
  72. 花村四郎

    ○花村国務大臣 回る予算でありまして、今日までも検事並びに副検事に対して法務研修を行なっております。
  73. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そうであれば大へんけっこうですが、なお一段の研修をして恥ただきたいと思う。それについて研修生の旅費というのがあるんですが、昨年私が汽車の中で一緒になって聞くと、夏に軽井沢に行って研修するというので、これはどうかと思ったのであります。実際において法務省の予算が少いので、ああいう涼しい所に行って研修するということもいいことかしれませんけれども、どうも真剣味がいささかどうかと思われるようなことがありましたですが、そういうことのないように努めてもらいたいと思います。それは事実なんですから、今お答え願わなくてもようございます。  次にお聞きしたいのは、被疑者の名誉尊重ということであります。大臣も御承知のように、戦前はいかなる被疑者についても編みがさをかぶせて、世間から顔を見られないようにして護送したものであります。ところが戦後は編みがさも何もかぶせない。そうして馬か牛を引っぱるように麻なわでつないで、東京のにぎやかな所、日比谷公園あたりを平気で引き回していく。これはまだ被疑者であります。判決を受けた犯罪人じゃない。こういうようなことは非常に重大問題であろう。およそ人間だれでも、ぬれぬうちこそ露をもいとえということわざがあるのですが、それを素顔で、麻なわで引き回されてみんなに見られるのでは、昔、町中引き回しという刑罰があったですが、これは私は非常に遺憾なことであると思う。だから女などは、見られるというと手で隠す、あるいは前かけやふろしきで顔を隠す。この隠す心がいいんじゃないでしょうか。自分が悪いととをして手錠をはめられて、おれがやったんだと平気で、麻なわでつながれて町中引き回されて平然としておるようになったらどうでしょう。私はこの問題は非常に重大であると思う。戦前において編みがさをかぶせたというのは、やはり被疑者の自尊心、名誉を尊重してやったことだと思いますけれども、戦後、敗戦の直後におきましては日本の物資の不足から、編みがさをかぶせることができなかったかもしれません。しかしながら、もう今日におきましては、編みがさのごときは何も町で買わぬでも、刑務所におる被疑者あるいは犯罪人をして作らしても、被疑者がかぶるくらいの編みがさはりっぱにできるのであります。それがさらにそういうことを顧みられないで、ことに青年男女が素顔で町中引き回された日には、自暴自棄に陥ってしまうでありましょう。こうしたことはすみやかに改善をしていただきたい。あなたもわれわれと同様、在野法曹に長い間弁護士として働かれた方であります。われわれは、判決が確定するまでは罪人ということは考えられない。ああいう工合に引き回されたならば、少しぐらいの刑罰どころじゃありません。刑務所に収容されておるのであれば、まだ社会め人と隔離されておるからさほどでないかもしれませんが、裁判所の往復その他において編みがさをかぶせないで引き回されたならば、これは非常な刑罰であり、本人の自暴自棄を起させる重大なる原因となりはせぬかと私は思います。とれに対する法務大臣の御所見はいかがでありますか。
  74. 花村四郎

    ○花村国務大臣 人権を尊重しなければならぬという御意見は同感であります。従いまして被疑者の護送については、御承知のごとく護送用の自動車というものがありまして、拘置所から直ちに自動車に乗せて、裁判所内あるいは検察庁の中までその護送自動車で送って参りまするので、従って人中を歩かなければならぬというような場面が、今日はほとんどないと申し上げてよろしいのであります。でありまするから昔のように編みがさをかぶせるというようなことがなくなったのです。これは当然なくしたというのでなくて、不必要であるからなくなってきたというようなことでありまして、特に個人的な場合においてもそういう面はよほど注意をいたしまして、用意周到に処置をいたしておると申し上げてよろしいと思うのであります。
  75. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 法務大臣はどろも政治家になってしまったので、あまり実情を御存じないかもしれません。私も刑務所から自動車で運ぶことはよく知っておりますが、そういう事実があるのです。それがないなんということは――汽車で輸送するときでも平気で汽車の三等車の中でやっておるじゃないか。それなのに現在それがないと言う。しからばそういうときは一切自動車で運んでおりますか、そういうことは全然ないと思います。
  76. 花村四郎

    ○花村国務大臣 そうですね、汽車で護送するような場合は、あるいは今言われたような編みがさもかぶせませんから、ただいま申されるような人権尊重の点に欠くるような憂いがあるのではないかというような危惧は起り得るのでありまするが、しかし汽車で護送する場合においても人権を尊重する建前から、あらゆる観点から意を用いて、たとえば手錠のごときもなるべく他人にわからないようにして、そうして護送をするというようなことで、そういう面には相当意を用いておると申し上げてよろしいと思うのでありまするし、またこの編みがさをかぶせることも、どちらかといえば被疑者の方で編みがさなどはきらうという場合が相当に多いので、従って被疑者の意思も尊重してやるという意味で、やはりこういう昔のような編みがさを廃したという関係にもあるわけであります。
  77. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 それはそういうふうに意を用いていただけばけっこうで、私どもは触るべくそういうことのないようにしたいと思っております。現にとの間も実はある町の区長が全部縛られまして、これが町を引っぱって駅から送られるというので、何とかこれだけはかんべんしてもらいたい。われわれは自分で自動車賃を払うから自動車で送ってもらいたいというので自動車で送っておるという事実もあるし、現に法務大臣は一々刑務所に行ったのだけを対象としておりますけれども、たとえば日比谷警察署から地方裁判所へ連れていくのに比谷公園の中を年じゅう引っぱってきておるじゃないか。だから自動車があるからそういうことはできておるというような考えでなくて、そういうことを廃してもらえば、擁護してもらえばけっこうなんでありますから、どうか今後そういうととのないようにしていただきたいと思います。
  78. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいま杉村委員の言われたように、そういうことのなきことを希望いたすことは当然でありまするが、そういうことのないように今日はやっておるわけであります。たとえば丸の内警察から検察庁へ被告を送るにしてもやはり護送自動車を用いております。でありまするから大体において歩いて、そうして被者を手錠をはめたまま連れてくるというような場面は、今日では大体ないと申し上げていいと思うのであります。しかし杉村委員の言われることであるから、まさかないことをあるとも言いますまいと思いますから、その点は先ほど申し上げましたように、なきように心がけることいたします。
  79. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 最後にいま一点伺います。この間実は予算委員会のときに時間がなくて伺えなかった点なんですが、いわゆる日本の戦争犯罪人の問題であります。これはABC級を初め、たくさんの戦争犯罪人があります。兵隊でも戦争犯罪人になっている人もあります。これらはむしろ気の毒な人であるわけですが、特にABC級あたりの戦争犯罪人、これは国際裁判によって戦争犯罪人とされておるのですが、法務大臣は国内法上これをどういうふうなお考えで見ておられますか。
  80. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいまの御質疑でありまするが、これは国内法の適用を受けないのでありますから、従って国内的に見れば戦争犯罪人と申すことはできないと言うてよろしいと思います。
  81. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そうしますと、刑法第五条の「外国二於テ確定裁判ヲ受ケタル者」、とれには全然関係ないということになりますか。
  82. 花村四郎

    ○花村国務大臣 さようであります。
  83. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 刑法第五条には「外国二於テ確定裁判ヲ受ケタル者」ということになっておるのですが、これはなるほど国際裁判であって、私は日本の裁判ではない、これも外国の裁判であると思います。それはどういう意味合いから全然関係がないということになるでしょうか。
  84. 花村四郎

    ○花村国務大臣 戦争犯罪に関しまする裁判は、いわゆる国際裁判のうちに入らないと申し上げてよろしいと思います。これは今度の第二次世界戦争の結果として戦勝国がやられたことなんで、要するに日本は敗戦国として戦勝国のなすがままに従わなければならないという運命に陥っていったのでありまして、そういう関係における裁判でありまして、いわゆる国際裁判というものとはその趣きを異にすると私は申し上げてよろしいと思います。
  85. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 もちろん私が今申し上げた国際裁判というのは、国際連合のいわゆる国際裁判ではありません。しかしながら連合国がああいうふう血犯罪人として処刑をしたのですが、そうするとあの刑罰適用に関するいわゆる降伏文書その他の条章は、日本民族に対しては何ら拘束はなというのですか。それは尊重することにほるのですか、ならないのですか。日本人は犯罪人でないということにしてよいのでありますか。
  86. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいま申し上げましたように、国内法の適用を受けないのでありますから、国内的に申せば犯罪人でないという結論になるのであります。しかし敗戦国であるという意味において、戦勝国から戦争犯罪人という名前をつけられたのでありますが、国内法から見ますれば、何ら関係がないのでありますから、従って何ら犯罪者と認むることはできぬ、こう申し上げてよろしいと思います。
  87. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そうすると、日本国はそれを戦争犯罪人とは認めないという意味でありますか、そういうふうに伺ってよろしゅうございますか。
  88. 花村四郎

    ○花村国務大臣 日本国は戦争犯罪人とは認めませんが、しかし平和条約によって、刑の執行を戦勝国より委嘱を受けておりますので、従って平和条約の条章にのっとって、その委嘱に基いて、これを執行しておるというにすぎないのであります。
  89. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そうすると、日本国は犯罪者でないものをどうしてそういう委嘱を受けて執行するのですか。それは何に基いてそういうことをするのですか。それは私はおかしいと思いますが、いかがでありますか。
  90. 花村四郎

    ○花村国務大臣 それは平和条約にのっとるでありますが、そこが戦敗国の、つまり悲しいところであると申し上げていいと思います。
  91. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 日本国が調印したならば、その条約によって、やはり拘束を受けるのではありませんか。
  92. 花村四郎

    ○花村国務大臣 日本国との平和条約の十一条にその規定があります。この十一条によって刑の執行を委嘱されて、日本がかわって執行をしておるのでありますから、従ってこれは国内的に見れば別に犯罪者と認むる何らの根拠がないと申し上げてよろしいと思います。
  93. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 これ以上論争はしませんが、御研究を願えばけっこうですが、日本の国家から見て何ら犯罪人でないものを、外国から執行を委嘱されたからといって、それで刑務所につないでおく、そんな独立国はあるでしょうか。そういうことは、それでよろしいならばそれでいいのですが、どうかいま一段の御研究を願いたい。それであったならば、すみやかにアメリカに対して釈放を要求したらいかがであるか。日本が独立しておって、日本の国家から見て犯罪でないにもかかわらず、よその国から刑の執行を委嘱されてつないでおるということは、私はおかしいじやないかと思うのですが、なお一段の御研究を願います。
  94. 花村四郎

    ○花村国務大臣 ただいま申し上げましたように、日本国との平和条約に関しまする十一条によって、これはまことに遺憾なことではありますが、戦敗国としてとういう条文を甘受しなければならない羽目に陥ったことをまことに千載の痛恨事に思うのでありますが、しかしこれは幾ら力んでみたところで、やはり戦敗国としてどうにもならぬことでありますから、これからはもう戦争をやらぬということです。
  95. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 私はあなたとは見解を異にしておる。日本は独立したのに、これだけのたくさんね人間が殺されて、その責任者も今明らかになっていないのですよ。こういうようにたくさんな人が戦争犯罪人として処罰されておる。あなたから見れば、国家から見れば、何ら犯罪者とは認められないというけれども、私どもから見れば少くともA級、B級の国際裁判によって処刑された者は、日本国をこんなにした戦争犯罪の責任者なりと断定できる。それが最高責任者であるかどうかはわかりませんが、この戦争によって非常な悲劇が今日本国中に起っておるのだが、法務大臣はこれに対する責任者は何人であると思いますか、その責任者についての御見解はいかがでありますか。
  96. 花村四郎

    ○花村国務大臣 その戦争責任者の責任をせんさくすることは、これはなかなかむずかしいことで、とうていわれわれの力の及ばざるところであろうと思いますが、それはやがて歴史家が、はっきりすべきものならしてくれるでありましょう。
  97. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 もうとれ以上尋ねても仕方がない。将来日本の国民が平和を念願し、民主主義を達成していこうというのに、これだけの大悲劇が起って、非常にたくさんの国民を殺して、今なお、独立国となっても、平和を口にするところの政府自体がその責任を明らかにしないで何で平和が求められるでありましょうか。何で民主主義国家の建設ができるでありましょうか。私はこうしたことは実は総理に伺いたかった。この間も伺う機会がなかったのですが、少くとも、何事も責任の所在を明らかにしてこそすべてが改善されていくであろうと思うのですが、法律関係でありますから、法務大臣に十分御研究おき願いまして、私は質問を終ります。
  98. 花村四郎

    ○花村国務大臣 戦争の責任が何人にあるかというようなことをせんさくすべく苦労するよりも、戦争を放棄して、これから戦争をやらぬということに全国民が反省するということがむしろ望ましいことであり、必要であろう、こう私は思います。
  99. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 私は質問を打ち切ろうと思ったのですが、あなたが、そういうことを調べることに苦労するよりもというようねことを言われたことは、いささか失言じゃないかと私は思う。だれのために親を失い、だれのために子を失い、だれのために夫を失ったのでしょうか。そうして今食うか食わざるかというような状態にあるときに、その責任者を考えるなんということはよけいなことだというようなことを言われるのは非常な失言ではないかと私は思うのです。しかも自由党の内閣、吉田内閣は、現在の憲法を空文視してさらに戦争が起らないようにしたらよいといったけれども、現在戦争をする準備をしておるじゃありませんか。法務大臣は、そういうことに苦労するよりもというようなことを申されますけれども、これは非常な重大問題であろうと思います。現在こういう状態であるからまだよろしいでしょうが、やがてはそんなことでは済まなくなるのではあるまいかと思うので、そういうお言葉は一つ慎しんでむらいたいと思います。
  100. 赤城宗徳

    ○赤城主査 法務大臣に対してはよろしゅうございますか。
  101. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 よろしいです。  防衛庁長官に伺います。この間実はあなたにも伺いたかったのですが時間がなくて伺えなかったのですが、防衛庁は自衛隊の漸増ということを申されておるのでありますが、何を目標として漸増をされるのでございますか。どれだけに達したならばいいかという、その目標をどこに置いて漸増をされるのでありましょうか。
  102. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 非常に根本的なまた大事な問題でございます。直接にすぐお答えにならぬかとも思いますけれども、根本的な私の考え方をちょっと申し上げておきます。日本の国防というものの目的は、やはり日本の一平和と独立を守って国の安全を保つということが、私は国防の目的だと考えております。そしてこの目的を達成するためには、いろいろありましょうけれども、  一つはやはり相当の防衛力というもの備えは必要だと思う。それからそれと並行してといいますか、あわせて大事なことは、対外的にはやはり各国との関係を調整して、そうして戦争の防止、平和の維持という政策をとっていかなければならぬ、この両々相まつということが必要だ、私はこう考えております。この前の方のつまり防衛の方でございますが、その際また日本の現在の実情からいたしまして特に私らの考慮に深く上りますことは、日本としてどうしても独立の完成の実をあげていく。これはひとり防衛だけじゃない、あらゆる経済の方面からしてもそなるわけですが、とにかく防衛の関係からいたしまして、今の日本の実情というものは相当大きな部分を外国に依存しておるというような現状です。この関係というものを何とかしてわれわれの独立完成の実をあげていくというふうに私は考えていかなければならぬことだと考えます。ただその際もう一つ根本的なことで非常に大事なことは、今までもよくいわれておりますが、いわゆる国力に相応するというととであります。これは別の言葉でいえば、つまり国民生活を不当に圧迫しないという点の考慮、この点の財政経済関係その他のいろいろな点から見て、いわゆる国力に相応するという点の工夫というものを非常に周密にやっていかなければならぬと思います。実は今まで、今度の内閣になりまして総理もすでに国会でも申し上げておりますが、いわゆる経済六カ年計画に見合う防衛の計画ということ、ただしとれもそうやさしいことと私は思いません。しかしこれはむずかしいことだけれども、やはりいろいろ検討して、その数字というものをいろいろな面から一つ検討して行くことが、今の国力に相応することをむだがないようにやっていくというととから必要ではないか。また他の面からいたしまして、何といっても防衛の関係では国民の納得、理解、支持というものが絶対必要なわけであります。そういう点から見ましても、今おっしゃったように、一体どれくらい防衛力の漸増というものをやるか、これがわからぬでは国民の納得、支持というものはむずかしいだろうと思うのであります。だからとれは今申しますように、それでは数字的にいってどれくらい――これは非常にむずかしいですけれども、大体の見当というものをつけてやっていくととが私はかえっていいのではないか、とう考えておるわけです。それで実は今せっかく私らの方といたしましても検討いたしております。しかしこれは単に狭い意味の防衛上の要求という点からだけじゃなく、今申しました財政、経済方面とのにらみ合せとか、その他いろいろの関係から、また大所高所から総合的に判断してきめていかなければならぬことでございますので、実は私も非常に苦心しておるわけでありますけれども、まだ事実研究段階にあるわけでございます。そうして、ちょうどそれに関連いたしますが、今度国防会議法案というものを出しております。国防会議というと非常にいかついように聞えますけれども、私は国防の本質から見まして、これは大所高所から総合的に判断をしてやっていった方が、妥当な国防の方針が立つのではないか。また国防方針というのは、これは非常に広いのですけれども、その中のたとえば防衛の計画にしましても、その方がかえって妥当なものができるのではないかというふうに実は考えておる次第であります。
  103. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 これはあなたの答弁はさだめし困難であろうということを私は十分承知しておりました。私もあなたがすっきりした答弁のできないことは承知で聞いておるわけなんですよ。けれども聞かざるを得ないのでありまして、私はあなたが前に軍人でいらっしゃったかどうか、そのことも知りませんけれども、私も軍隊のことには、少しばかり、参謀本部以下一切のことを承知しておるつもりですが、現在の防衛庁のこの計画というものは、ただ名前を違えただけで、もう陸軍大学にかわるそういう学校ができておる。兵站部にかわるに調達実施本部ができておるおる。すべて一切が元の軍隊の通りのものができておる。しかも吉田内閣にしても鳩山内閣にしても、自衛のためであればと、こういうことを言ってこれをやっておるのです。あなたがすっきりした答えのできないのは、やはり憲法第九条があって、自主的にそういうことができないのでありますから、すっきりした答えができない、計画も立たないのであろうと思う。あなたも戦前のことを御承知でしょうが、国防ということになれば、いずれも対外的関係に立って、どこの国は地上部隊がどれだけ、空中部隊がどれだけ、艦隊がどれだけある、そうしてまず一面作戦においてはこう、二面作戦においてはこうであるというふうに、軍艦を作るにしてもそれを対象として、作っておったわけなんであります。今はそういうことが言われないわけであります。自衛のため、自衛のためと言っておる。あなたのおっしゃるようなことであれば、それではいつになったらアメリカの兵隊に帰ってもらえるのでありましょう。日本の国がどういう状態になったら、どれだけの-それはあなたに聞いても答えられぬだろうと思う。聞かぬうちからわかっておるんですよ。アメリカの方が満足しなければ帰らぬので、あなたがこれくらいと言ったって、それはだめなことなんですが、およそこれだけになったなれば、アメリカの軍隊に帰ってもらえるということがお答えができれば、一つお答えが願いたい。いかがでありましょうか。
  104. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 駐留軍の撤退の問題でございますが、これはいつになったらどれくらいということは、実は私申し上げることはできません。実は私非公式にはいろいろの機会でアメリカの方とそういう点に触れて話していることが多いのでございます。実はまだ委員会で申し上げる機会がなかったので、きょう初めて申し上げますが、ごく近くアメリカの駐留軍混成団一個が撤退するはずでございます。アメリカ側でも撤退の問題については非常に真剣にいろいろと考えておることは事実であります。
  105. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 結局今のあなたのお答えを聞いただけではアメリカが真剣に考えておるというだけであって、日本はあの安全保障条約を対等な資格においてやったということが作文に書いてございます。ところがいつまでたっても、アメリカの意図によらなかったならばアメリカの兵隊に帰ってもらうことはできない。漸増々々といっておるのである。私はこれは非常に遺憾なことだと思う。要するに政府は憲法を変なふうに解釈をして自衛のためであればいいと、こういうことをいっておろのですが、これも私があなたに聞くだけやぼかしれませんが、アメリカの軍隊もソビエトの軍隊も英国の軍隊も、そのほかいずれの国家の軍隊も憲法に基いておるのでしょうが、よその国を侵略するために憲法に軍備を定めておる国はないと思うのでありますが、この点はいかがでございましょう。
  106. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 その点に直接関連いたしましすが、現在の制度におきまして、御承知の通り自衛隊の任務というものが法律で厳格に規定されておるわけであります。ことに一番重大なことですが、いわゆる防衛出動をする場合の要件というものは厳密にきめられておりまして、御承知の通り外国からの武力攻撃の場合にまず第一に限定する。従って外国からの武力攻撃という要件を欠いた場合は防衛出動は成り立たない。外国から武力攻撃があって、国を防衛するために必要だと内閣総理大臣が認定してその場合にも一これは武力攻撃という場合にもいろいろ態様がございましょうから、すぐこっちも武力で対応するというような場合ではない場合だって態様によってはありましょう。が、国を防衛する必要があると認めたときには国会が承認する。国会の承認がなくて国民の知らぬうちにということはないように、制度上もそうなっております。そういう点から現実的にかなり前の場合とは非常に違っておるということは御承知の通りでございます。
  107. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 あなたもお一人で私に答えのできないことはわかっておるのですが、あまりにもこのごろひどくなってきたので申しあげるのですが、しからば明治天皇が作った憲法の軍隊というものは、侵略のための軍隊であったでありましょうか。自衛のための軍隊であそたでありましょうかか。明治天皇が作った戦前の日本国憲法は侵略憲法であったでしょうか。いかがでありましょう。
  108. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 もちろん侵略を目的とするものではなかっと思いますが、私今申し上げますように、現在の制度ではその辺のところがただ侵略のためとかそうでないとかいうのではなく、法律制度的にそこが確保されておるという点は、私は非常に現在違っておると思います。
  109. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 実際から言えばあなたにお気の毒のような質問なんですけれども、私は明治天皇が作った憲法も、あの軍隊も、決して侵略のための軍隊であったとは思いません。これはあなたもそういうふうにはっきり言い切れるんじやないでしょうか。明治天皇はよその国を侵略するために明治憲法に規定したのではなくて、あれはやはり日本の国を自衛するために作った憲法であり、軍備でございます。従って今度の憲法第九条に書いてあることは、明治憲法と非常に異なったことが書いてあります。だから私は自衛のためであれば軍隊を作っても差しつかえないのだ、こういうことを言うことはきわめて詭弁だと思います。だからわれわれはそれほどどうしてもやらなければならぬ、国際関係上軍備が重要であるからというのであったならば、そうまでせぬで、明治憲法のように、侵略のためとは言わなくても改正したらいいんじゃはいか、あまりにも私は卑怯だと思う。あなたが前に軍人であったかどうかしりまませんけれども、しからば防衛ということと自衛ということと攻撃ということの区別はどこによって生ずるか。それは自分の頭をたたくために、棒を振り上げてここまで持ってきたときに、打たれてはいかぬから、これを手で防ぐのが自衛なのか、この人が打ってくるのが確実なりとしたら、打たれぬ前にその手を押えて棒をもぎ取ることが自衛なのか、さあその点になったら攻撃になるのか自衛になるのかどちらなのか。たとえばウラジオから飛行機が日本に襲撃をしてくる。B29がウラジオを立ってここへ来るのに何分かかるか。そういうことがはっきりわかったときには、飛行機がウラジオを立ってこの上空に来られて爆弾を落されたらどうにもならぬでしょう。そのときに飛行機が来たといってバケツを持って飛び回ったってだめなんです。高射砲を持ったって間に合いません。それを防ぐためには、自衛のためには、機先を制してその飛行機が飛び立そ前に、こちらがウラジオまで行ってその飛行機を飛べなくしてしまう。このことがやはり自衛じゃありませんか。それだから自衛のためならばというようなことを言っておることはきわめて論弁であるのであります。もうこれを議論をしてもほんとうは根本問題が違っておるのでいたし方がないのですが、要するに、防衛庁長官もほんとうに国家を滅ぼそうという考えはあろう気づかいはない、もちろん国民のためを考えておられるのでありましょうが、こういう国民の思想にまで影響するきわめて重要な問題についてうそを言ってごまかしてやっていくととのないように、私はいま少し良心的にやっていただいたらどうかと思うのです。それは自衛のためであるならば向うが攻撃してくることがわかったならば、打たなければねらぬ。打つのには打つだけの準備がなければなりません。地上部隊の二十万や三十万作ってジェット機の少しぐらい作ってみたところがねんでそれが自衛になるでありましょうか。ほんとうに自衛をやる場合におきましては、中共にどれだけの航空機がありあるいはソビエトにどれだけの航空機があり、どれだけの艦隊があってどれだけの弾薬を持っておる。これを打つのにはどれだけのものがねければならぬか、そこまで研究しなければ決して自衛にはなりゃしません。今日の日本の自衛隊が、陸上部隊の三十万や五十万――国民が食うにも困るというこの経費の中からアメリカの手先となって――実際これはこういうことを申したくはねいのだけれども、ほんとうにやるなら自主的にやったらいいと思うのです。これ以上あなたと問答をいたしましても、あなたとしてもほんとうにざっくばらんに言うことができない立場にあるであろうことは、私は承知していますが、自衛と攻撃とはどれだけの差があるか、明治憲法は侵略的の憲法であったのか、おそらく明治天皇が作った憲法が侵略的の憲法だったとは言いますまい。要するに軍閥がその使用を誤まったのであって、決して侵略するための憲法ではない。それだからこのたびの憲法で、自衛のためねらばいいなどという論は詭弁にすぎないと思うのですが、どうかあなたも防衛計画をやられるにしても、ほんとうに国民から感謝されるような――自分がやることについて何だか奥歯にものが挾まっておって、思う存分にはっきりものを言ったりやったりすることのできないような、こんな状態というものは、はなはだ遺憾千万であると私は思うのですが、しいて御答弁をいただかなくてもけっこうですが、御意見があれば拝聴してあなたに対する質問を終ります。  次に裁判所に伺います。要するに国選弁護の費用のことについて伺いたいのですけれども、あなた方がそういうことの改正をなす権能を持っておるかどうか。上司に進言をするというだけであろうと思いますが、そうでもないのですか、いかがですか。
  110. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 法律の改正というようなことになると、これは政府が提案いたします。裁判所の方にはそういう権限は全然ございません。ただ予算を組む上においては、最高裁判所の事務総局において予算を組んで、裁判官会議というものを経て、そして大蔵省と折衝をする、こういう次第であります。
  111. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 その決裁は最高裁判所でやるわけですね。
  112. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 はい。
  113. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そこで実は国選弁護の費用のごとなんです。私は何も弁護士の職業を助けてやるという意味で申し上げるのではなくして、ほんとうに日本のいわゆる恵まれざる人たちの人権を擁護する、こういう意味合いから国選弁護の費用をいま少し増額をして――もちろん弁護士は、国選弁護の費用が前にはなかった、それでも無料でやっておるのでありますが、何といったって弁護士だって食っていかなければならないのでありまして、同じように国選の事件でない事件が輻輳してくるならば、おのずから国選の事件には遠ざかるということになるわけであります。従ってそれがおろそかになるといっては語弊がありまするけれども、どうしてもそういうことに陥る弊があるわけであります。つきましては、国選弁護の費用をもっと増額してやってはどうか、いかにも額が少いのではないか、この費用を増額しまするならば、何むことさらにみずからたくさんの金を出してほかの弁護士を頼まなくても、同じように弁護がしてもらえると思うのですが、この国選弁護の報酬等は現在の状態でいいと思いますか。あなたも弁護士をやっておったのでございますが、あなたがやっておった時分にも国選弁護が幾らかあったでしょう、いかがでございますか。
  114. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 これは杉村委員十分御案内のことと思いますが、新刑事訴訟法によりまして非常に国選弁護の範囲が拡張されまして、貧困その他の事由によって弁護人がない場合には国選弁護をつけろ、あるいは七十才以上とか少年等にはどうしても弁護士がなければ国でつけねければならない、かようになっておりますが、それに要する費用が一昨年及び昨年また今年の予算において大体一億五千万円程度が報酬として予算に計上されておる、そして旅費等も多分今度三十年度は六千六百万円だったと思いますが、計上されております。この国選弁護は御承知の通り裁判官が個々の事件についてその難易によって報酬額を決定するのでありまして、別段一件について幾らという法律上の基準はございません。最高裁判所といたしましては、大体基準として一審、控訴審、上告審と分けまして、一件の開廷回数を三回、かように見積りまして、地方裁判所・簡易裁判所が一件の報酬が元二千五百円にしておったのを簡易裁判所三千円、地方裁判所が四千円、控訴審が四千五百円、上告審が大体五千円、そのようなごく大体の基準は立てておるのであります。
  115. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 これは今私が実は弁護士会から取り寄せたのですが、簡易裁判所三開廷が三千五百円、これは違っておりますかな。地方裁判所三開廷が四千円、控訴審が三開廷が五千四百円、上告審の二開廷が六千七百五十円、これは違っておりましょうかな、こうはなってなかったのですか。
  116. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 あるいはこれは弁護士会からお取り寄せになった資料とすると、たとえば東北管内とか東京管内とかいうような、弁護士会と裁判所の関係において、多少申し合せ的の基準があるかと思います。そういうものもあるかと思いますが、最高裁判所としては今申し上げたような大体の基準を全国に流しております。
  117. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そこで、大体これだって非常に額は少いものでございますね。三開廷で三千五百円でございますよ、この通りとしましても……。そうすると一回が千百五十円、これは千百五十円、一回、ただそれきりでいくなら別ですが、少くとも三開廷、裁判を開始するまでには何回も被告人と接触し、何回も刑務所に往復しなければならない、植木屋の人夫賃にも当らなくなってしまうのです。これはきわめて少い額だ、こういうふうに大蔵省との折衝の結果あなたの方が――あなたもいろいろ御用が多くて御記憶が薄い、あるいは急なことでお調べがなかったかもしれませんが、これは大蔵省と連合会との接触によりまして、三開廷が三千五百円、地裁の三開廷が四千円、控訴審が五千四百円、上告審が六千七百五十円、ごうなっておるのです。これだけにしても私から見れば額が少いのであります。なるほど三べん行っただけで三千五百円といえば、一日が千百五十円ですからがまんができるが、それだけじゃできないのであって、拘置所にも行かなければならない、警察に行って面会もしなくちゃならぬ、いろいろあるのでありまして、開廷外――開廷とここに言うのは法廷が開かれた場合のことをいっておるのであって、法廷外の折衝というものは、ごとに含まれておらないのでありますから、実際において私選弁護を依頼する人が多ければ、おのずから官選弁護の方は遠ざかっていく、よき弁護士さんがおのずから私選弁護に行く、こういうことになるので、いま少しこれを増額される意思があるかないか、それが一点。  それからもう一つ、今あなたがおっしゃられたように弁護士というものは、東京と北海道と九州と、こういうようになるほど地域的に違いますけれども、生活はそう違うものではないのです。北海道に行けば、洋品類のごときはむしろ東京より高くなる。品物によってはいなかが安いが、品物によってはいなかが高いのでありまして、これを裁判官があまりに自由裁量的なことをやって、弁護士に与えるということは、いささかどうかと思う。実際において私どもは弁護士会を歩いてみて聞いておるのですが、われわれが国会で予算を審議した額が弁護士のところに渡されておらないのですよ。との頭をはねて、ほかの用途に使っておるということも聞いておるのですが、そういうようなことのないように、少くとも国会が認めた額だけは弁護士に与えてやらなければならない。それが弁護士を保護するというよりも、むしろ被告人を保護してやることになるのです。この点いかがでございますか。
  118. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 ちょっと今頭をはねてとおっしゃいますが、御承知の通り予算の流用は許されないのでありまして、さようなことはおそらく、実例がございましたら何いたしますが、私どもとしては全然ないと信じております。これはごもっともな御意見でして、私ども決してこれで満足しておるのではございません。しかし裁判費の一カ年の全体が大体十二億、それで旅費その他を集めまして国選弁護が二億円以上になる。そうしますと、裁判費の約一割七分程度が国選弁護の費用になる。これはだいぶ前からだんだん増額してきて、そういうパーセンテージになってきたのです。しかしこれで満足しておるのではございません。とにかく国の財政の立場と、政府との折衝の際に、大体こういうようなところで落ちついておるのですが、私どもとしてはこういうようなもの及びほかに証人の旅費とかいうものについては、ぜひもう少し額を上げたい、かように念じておる次第であります。
  119. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 そうすると事務総長も将来はこれを――ことしは仕方がないとしても、少くとも明年度はいま少し増額してやるということを一つお考えが願いたい。それは被告人を保護することになるのですよ。  それからいま一つ、これは国選弁護が刑事被告人だけにのみ、これは今こういう法律になっているのですが、これは悪いことをした人間を保護するだけであって、悪いことをしない善良なる国民を保護してやるところの国選弁護というものはないのですよ。そうでございましょう。高利貸しや悪党のためにひどい目にあっておるけれども、何分にも家が貧しいために、弁護士さんを頼んでやってもらうというわけには行かない。それはいろいろな相談所もあり、法律の上から行けば、費用を一時国家にあれしてもらってやる救助の手続もあります。しかし訴訟救助なんてそんなことをいったってわかりやしない。そんなことより、私は一般の民事事件について、不法に家の明け渡しを要求されて、弁護士さんを頼みたくても金がなくて実に困っている、それで自分が裁判所に行ってしどろもどろにやれば、向うの弁護士さんとは太刀打ちができないのですから、やはり社会政策的な見地から、刑事被告人でない、悪いことをしない善良なる国民が、どれだけ困っておるかわからないのだから、こういうことについても国選弁護人をつける、そういう制度を作ることがきわめて必要ではないかと思いますが、あなたはどうお考えになりますか。
  120. 五鬼上堅磐

    ○五鬼上最高裁判所説明員 ただいま杉村委員の御発言は、結局民事事件、刑事事件を通じて、リーガル・エイドの制度を発達させる、かような御意見と伺っております。これは非常に理想的な案でありまして、リーガル・エイドが発達することはわれわれも望んでおるのでありますが、果してリーガル・エイドを国家において全部その費用を持つか、あるいはただいま弁護士会でも訴訟の救助をやるためのリーガル・エイド、日本法律扶助協会というものができておるように聞いておりますが、ああいうところで発達させていくものが、これは一つ研究問題だろうと思う。国選弁護についても、アメリカのステートあたりでやっておる。パブリック・デフェンダーの制度がいいのか、あるいはまた慈善団体、そういうところから弁護士を雇っあやるのがいいのかというととも、論じられておるようなことを聞いております。とにかくリーガル・エイドの発達ということについては、その支出の方法については、なお私どもは研究の余地があると思いますが、御意見に対しては十分尊重いたして、今後も研究いたしたいと考えております。
  121. 杉村沖治郎

    ○杉村分科員 それは外国のことなんかはどうでもいいのです。よそのまねばかりしたがらなくてもいい。これは刑事訴訟法だって、刑事の国選弁護だって、国が全部負担するわけじゃないでしょう。被告人に負担させておる。それは現在の国選弁護が決して国家だけが全部負担しておるのではありません。被告人が負担することになっておる。むしろ被告人の負担の納付関係がどうねっておるかというようなことも伺いたいのですけれども、時間もありませんし、そういうこまかいととを聞いても仕方がありませんから、そういったようなことはまた資料としてでも……。訴訟費用は被告の負担とするということになれば、おのずからその国選弁護の費用というものは被告人の負担となる。しかしながらこれについては、それを納めないから拘留にするというような規定もないので、おのずからその納付というものは、まあくれたようなことになるので、それでいいわけなんです。しかし刑事訴訟法といえども、決して国家が全部負担するのではない。ただ私は現在の刑事訴訟法のような程度でもいいから、とにかく救済方法――それで民間の団体によって救済するなどというのは、これは資本主義の大いなる誤まりである。本来からいえば、民間の寄付々々というようなことは、あれは資本家財閥のごまかしなんです。民間の養老院あたりに困った国民を押しつけてしまう、こういうことは社会制度の不備なんであって、少くとも六十歳以上になったら、養老年金をやるとか、国家が養老院を作ってやらなければならぬ。それをまるで国民からしぼるだけしぼる、つまり資本家財閥は搾取するだけ搾取しておいて、そうして働いた者を牛や馬のように――牛や馬は使えるだけ使って、ぽかっとやって食ってしまうのだけれども、人間は食われないだけに実に気の毒なわけです。だから民間の団体なんていうことを言わないで、ほんとうに働いても働いても食えない、悪家主のために追い立てられる、あるいは高利貸しのために催促される、寝るところもない、こういうような場合において、これを国家がよろしく国選弁護によって救うてやるということがいいのじゃないかと思う。よその国のいろいろな例もありましょうが、よその国はよその国、日本は日本で、日本の現状から見て、一つあなたも在野法曹の一人でもあったのですから、この点について大いに改善をしてもらいたい。改善じゃない。そういう制度を作っていただきたいことを希望して、まだたくさんありますが、あなたも予算関係で頭がいろいろ混雑しておるようですから、きょうはこの程度で私は質問を終ります。
  122. 赤城宗徳

    ○赤城主査 北山愛郎君。
  123. 北山愛郎

    ○北山分科員 時間もないようですから、簡単に保険課長に伺いたいと思います。問題は損害保険のことでありますが、大蔵大臣も来ておりませんから、政策的なことは省きまして、事務的な面だけお伺いしたいと思います。  第一、最近の新聞を見ると、今問題になっておる金融機関の金利の引き下げ、これに対して損害保険会社においても、貸付の金利を一厘引き下げる、こういうことが新聞にありますが、それについては保険課長としては御承知になっておりますか。
  124. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 ただいまお話のございました貸付金利――これは短期の貸付金利でございますが、それを一厘引き下げるということを理事会で決定いたしたという報告を受けております。
  125. 北山愛郎

    ○北山分科員 今度の鳩山内閣の重要政策の一つである住宅公団の資金にやはり損害保険会社の方から融資をするというぐあいになっておりますか、またその利子はどのくらいになっており、その金額は大体どのくらいに計画しておるか、その点を伺います。
  126. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 住宅公団に対しまする融資につきましては、損害保険会社といたしまして、金額といたしましては本年度五億程度を予定していると承知しております。それから金利につきましては、現在の金利水準を前提としまして九分五厘見当で考えられておると思います。
  127. 北山愛郎

    ○北山分科員 それで私不思議に思うのですが、普通こういう貸付の金利を言う場合にはよく資金コストということを言うのです。ところが火災保険会社の資金コストというのは一体どういうふうに計算されるか、それを伺いたい。
  128. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 保険会社の資金コストという計算は、銀行につきましては資金コストというような計算はございますが、保険会社につきましては特に資金コストという計算は私どもはいたしておらないのでございます。これにつきましては保険会社の融資は一般の市場の条件に沿うという程度の考え方でございます。
  129. 北山愛郎

    ○北山分科員 なぜそういうことになっておるのですか。
  130. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 なぜという御質問でございますけれども、これは大へんむずかしい御質問でございまして、銀行につきましてと保険会社につきましてと業態が差異がございます。保険会社の収入といたしましては資金運用による収入と保険料による収入の両方からまかなわれているわけでございますが、特に資金コストということを計算して貸出金利を速めるというような方法はこれまでとっていなかったわけであります。これはなぜとおっしゃいますと、はっきりさせるような理由もないかと存じます。
  131. 北山愛郎

    ○北山分科員 それはしかし課長はよくおわかりだと思うのです。火災保険会社は資金コストがないのです。その経費というものをちゃんと経費率に、保険料の中に見込んであるから、幾ら経費がかかってもそれは保険料の中で取ってしまっている。だからして余った金はただの金なんです。いわば資金コストのない希なんです。そのコストのない金を九分五厘に公団が貸りるのですから、あるいはよそのいろいろな場合に投資をしているというので、実は損害保険会社としては非常にもうけておるわけなんです。コストのない金、すでに経費をちゃんととってある余った金を運用しておるという方法をとっているのですから、資金コストというような考え方は損害保険会社には出てこないと思うのですが、課長さんはそう思いますか。
  132. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 ただいま北山委員がお話になりました点につきましては、私どもは資金コストという観念は、今まで特に持っていなかったということは事実でございますが、これを厳密に申しますれば、貸し出しに要する費用とかその他資金運用に関する人件費とかいうものがあり得べきことであるということは考えます。ただ総体的に見まして、今までの資産運用によります収益が火災保険料に比べまして金額から申しても非常に小さいというようなことから、現在の保険料算定の技術上は、特に貸し出しに要する人員を控除して保険料算定をするというようなこともいたしておりませんでしたし、それからまた逆に資金コストという観念を立てまして、貸し出しに要する人員その他人件費及び物件費等をここへ織り込むというようなこともいたしてなかったということは事実でございます。
  133. 北山愛郎

    ○北山分科員 問題になるのは、損害保険会社が、火災保険について、まず第一に経費が高いということ、いわゆる保険料の四八%という、半ばを経費に使っておる、これが一つの問題であります。それから約二〇%にも足らぬものがいわゆる損害率として保険金として還元されるにすぎない。こういうように保険会社というものが非常にボロもうけをしており・しかも非常に経費を使い過ぎているというととが問題になっておって、これが批判のまとになっておるのです。そこで各地にはいわゆる火災保険の公営といういろいろな計画が生まれてきておるわけです。そこで前の吉田内閣の時代においては、昭和二十五年でありますか、東京都から都営の火災保険会社の申請が大蔵大臣に出されて、それが認可になっておりません。そとで、東京都の火災保険会社の申請は今もなお保留されておるのですが、これについてやはり検討を加えつつある――認可はできないというような決定になっておるのか、あるいはまた保留されておって、なおこれは検討中であるというのか、その辺の事情を承わりたい。
  134. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 東京都都営火災の問題につきましては、昭和二十五年の暮れにたしか申請があったものじすないかと考えております。その後それを検討いたしました末、二十六年の七月ごろであったかと存じますが、免許しがたい旨の文書が出ておるのではないかと考えております。その後さらに御計画はあったというようなことは耳にしたことはございますが、その後につきましては私どもとしては正式の申請書を受理してはおらないのであります。
  135. 北山愛郎

    ○北山分科員 それ以上は政策的な問題になりますから、あらためて大蔵大臣等に質問したいと思うのですが、ただ一つ保険会社はいわゆる損害保険協会、ここでもって一つの基金を積み立てておるわけです。保険料の千分の三でありましたか基金を積み立てていろいろな目的に使っておるのですが、その内容については大蔵省は当然監督をしておりますか。
  136. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 基金の運用の内容につきましても、当然監督すべきことであると考えております。
  137. 北山愛郎

    ○北山分科員 監督しておるかどうかを聞いておるのです。
  138. 狩谷亨一

    ○狩谷説明員 監督いたしております。
  139. 北山愛郎

    ○北山分科員 それならば、損害保険協会の基金の運用について一つ資料をお出し願いたい。その資料をお願いして私の質問を終ります。
  140. 赤城宗徳

    ○赤城主査 本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時より開会し質疑を継続することにいたします。  これにて散会いたします。    午後五時三十九分散会