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1955-03-31 第22回国会 衆議院 本会議 10号 公式Web版

  1. 昭和三十年三月三十一日(木曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第十号   昭和三十年三月三十一日     午後一時開議  第一 特別委員会設置の件 ●本日の会議に付した案件  電気料金改訂に関する緊急質問(内田常雄君提出)  在日米軍の使用する大阪市立大学校舎の返還に関する緊急質問(野原覺君提出)  久保山氏の死因に関するアメリカの発表に関する緊急質問(松前重義君提出)  町村合併促進法の一部を改正する法律案(参議院提出)  地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(参議院提出)     午後一時十七分開議
  2. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内田常雄君提出、電気料金改訂に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  4. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  電気料金改訂に関する緊急質問を許可いたします。内田常雄君。     〔内田常雄君登壇〕
  6. 内田常雄

    ○内田常雄君 民主党内閣におかれましては、明日に迫りました四月一日を実施期日として暫定措置と称して電気料金の改訂を行わんといたしております。この料金の改訂は、わが国一切の産業のみならず、いやしくも電灯を使用する国民すべての家計にも重要なる影響をもたらす緊急の問題でありますので、私はここに、自由党を代表して、いな、国民すべてを代表して、政府に対して質問を行わんとするものでございます。(拍手)  御承知のように、昨年九月、時の自由党内閣において電気料金の改訂を認むるに当りましては、本年四月以降の料金、すなわちいわゆる夏季料金につきましては、電力会社側の企業努力を要請するとともに、政府といたしましても、税金及び金利負担の軽減措置を断行して、極力これが引き下げの努力をなすべきことを一般に公約いたし、また、今日の与党たる民主党並びに社会党の諸君におかれましても、かかる政治的措置の断行による電気料金の引き下げを強く主張いたされ、同時にまたわれわれを鞭撻されましたことは、国民全部の深く記憶するところであります。しかるに、いわゆる夏料金の季節に入りまする四月一日を目前に控えて、民主党内閣におかれましては、このたび閣議決定になりました電気料金改訂要綱なるものを発表いたされたのでありまするが、これを拝見いたしますると、いかに新内閣の成立後早々の間とは申せ、この国民総関心の的である電気料金の改訂、引き下げについて政府として何らの努力、何らの手段をも講ずることがなく、一方的に電力会社の企業努力に待つほかなしといった態度をもって、わずかに特定の電力料金について、従前の夏料金に比して三割以上高くなるものはこれを三割の値上げにとどめるといった、あまりにも消極的かつ無為無策ともいうべき改訂をもって臨まんとしておるものであることが明白となったのであります。これでは、とうてい、われわればかりではなく、事はいやしくも国の産業動力の根幹をなす電力の料金の問題であり、また全国民一人々々の家庭生活の生計費にも大きな影響をもたらすものであるから、国民として黙っておるわけにはいかないのであります。しかも、民主党内閣におかれましては、すでに、第一次鳩山内閣の時代から、さきの自由党内閣における電気料金の改訂の方法が不手ぎわであったように攻撃をいたし、特に、先般の総選挙に当りましては、石橋通商産業大臣などは、機会あるごとに、民主党内閣のもとにおける電気料金の積極的引き下げ実行を提唱、公約せられて参っておるのでありましてそれが、いざ四月の豊水季節、夏料金の時期を迎えますと、どうしたわけか、一歩々々後退をして、ついには前言を翻し、先ほど申し述べたような一部の電力料金について三割増しの頭打ちでとめる、その他のものについては上りほうだいというような驚くべき消極的な態度に変られてしまったのでありまして、まことに不可解千万、われわれの納得し得ないところでございますばかりでなく、国民といたしましてもまことに迷惑しごくのことであります。(拍手)  そこで、第一にお伺いいたしたいことは、なぜ政府は、かねてから主張せられ、またわが党を鞭撻せられて参った電力会社に対する開発銀行金利の引き下げ、税の軽減などを通ずる電気料金値下げのまじめなる努力を放棄せられたのかということであります。言うはやすく行うはかたしということで、かぶとを脱がれたのでありましょうか。それとも、選挙は済んだから、もはや実行の要はないとでも言われるのでありましょうか。そんなことでは国民は承知いたしません。申すまでも事なく、電力はあらゆる基礎産業に必須の動力であり原料でありますから、その料金が上れば製品のコストに一律に響くのであります。また、家庭の電灯料金が上れば家計を圧迫してすぐに賃金にもはね返るのであります。かようなことを御承知の上で今回電気料金の真剣なる改訂にほおかむりするということは、政府の唱導せられまする低物価政策の放棄とならざるを得ないのでありまして、一方において自由党内閣の政策を継承して一兆円の緊縮予算を組まれたといたしましても、この予算はたちまち底抜けとなってその実行は行き詰まらざるを得ないことは明白であります。それとも、政府は、物価、賃金の値上りをもってそれが積極政策、景気政策の始まりとでも思っておられるのでありましょうか。  さらにまた、巷間伝えらるるところによりますると、石橋通商産業大臣は、一萬田大蔵大臣に対しまして、電気料金の値下げに関連して、開発銀行金利について現行の年六分五厘からその大幅引き下げを折衝せられたところ、にべもなくはねつけられた。その理由の一つとして電力会社は石炭の値下りやまた今冬の豊水のために多くの黒字を残している、また渇水準備金も余っている、まだまだ電力会社の企業努力に待つべきものがたくさんあるということであった由でありますが、それならば、なぜ、今回の政府のいわゆる暫定措置におきまして、電気料金値上げ三割の頭打ちというやり方を二割の頭打ちに押えないのか、さらには一割の頭打ちにとどめないのか、この辺まことに不徹底の感を深くいたしますとともに、もし一萬田大蔵大臣と石橋通商産業大臣との間に政策の基本ないしは経済理念において食い違いがあるといたしますならば、それこそ対ソ外交方針における鳩山内閣総理大臣と重光外務大臣との間における基本的考え方の食い違いにも似た現内閣の一大定型をここにもまた象徴するものでありまして、国民はどちらに信を置いてよいかわからなくなるのであります。(拍手)両大臣より、この辺の事情について、とくと御説明を承わりたいと存ずるのであります。  次に承わりたいことは、今回の電気料金改訂について政府のとられる手続についてであります。公共事業令の第六十条の規定によりますれば、電気料金の改訂、すなわち電力供給規程の改正につきましては、政府は当然に聴聞会の開催を前提としなければならないことは、これは法令の定めでございますので、政府におかれましても十分御承知のことと存じます。今回の政府のいわゆる電気料金暫定措置というものは、実質的には従前に比して夏料金の大幅値上りを内容とするものでありまして、一部の電気料金について、たとい三割アップで頭打ちというような措置を講じたといたしましても、大口電灯、臨時電灯及び業務用の電力、並びに大品、小口を問わず公益事業などの特定のワクに入らないもの、すなわち大部分の電気化学工業などにおきましては無制限の値上りとなるものでありますから、大企業もさることながら、中小企業や家庭消費者におきましては、どのみち一大打撃をこうむることとなるのでありまして、従いまして、政府の側におきまして、たとい暫定措置と言われましょうとも、あるいはまた公共事業令による特例認可の規定の援用と申されましょうとも、国民の側に立ちますれば、事の実質においては供給規程の改正とならざるを得ないのでありまして、国民の一大利害休戚のかかるところでありますことは、弁明を許されるものではありません。法令の規定の趣旨もまたここにあるものと考えます。かくのごとき重要なる性質の事案につきまして、何がゆえに政府は法定の聴聞会を開いて国民の声をお聞きにならないのか。いかに新内閣成立後十分なるいとまもなかったとは申せ、第一次鳩山内閣はすでに昨年中に成立をいたしておるのでありまして、あれだけはなばなしい選挙のための宣伝活動もなされておるのでありますから、その間に、せめて国民生活及び日本経済安定のための緊要なる時務の御処理に事欠かぬだけの御用意はあってしかるべきものと存ずるのであります。  さらに、政府に申し上げておかねばならぬことは、国会の権威の問題であります。いかに電気料金改訂のことが形式上行政事項であるといたしましても、事は国民生活全体、わが国産業の興亡にもかかる重要なる事案でありまして、国会が国権の最高機関としてこれを監督しなければならぬことは当然であります。このゆえに、前回の電気料金改訂に当りましても、与党、野党の別を問わず、これに重大なる関心を寄せて、このために小委員会までも設けて慎重なる審議を重ね、来たるべき夏料金改訂の時期に際しましては、その事前においてこれを国会に提示して十分なる審議を求め、その完全なる了解を前提とすべきことを、時のわが党内閣においても公約いたし、また今日ここに出席せられる民主党の諸君におかれましても厳粛にこれを要望せられましたことは、当時の会議録によりましてもきわめて明瞭でありまして、このことは当然に首肯せられなければならないところであります。民主党内閣におかれましては、これにいかに処せらるるか、この点につきまして十分にして責任ある御答弁をあわせていただきたいと存じます。(拍手)     〔国務大臣石橋湛山君登壇〕
  7. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 内田君の御質問の第一点は、今回政府がとりました電気料金の暫定措置において、なぜ会社の経理面からだけの資源によって引き下げをして、金利や税を下げなかったかというお尋ねのようであります。これは、内田君の言われる通り、前内閣時代に、確かに四月一日からはあらためて税及び金利の問題を考えて何とかするという一種の公約ができておったことは、御承知の通りであります。果して前内閣がどれだけの確信を持ってそういう公約をされておったか、これはどうもはっきりいたしません。料金の上ったのは、もうすでに昨年の十月なんです。その料金をそのままに、この夏料金の以前の制度による四月一日以後の夏料金の時期にすべり込ませると、旧夏料金に比較してきわめて高くなる部分があります。それをとにかくこの際一応ある程度押えていきたい。それ以外の――これは、電気のことは、御承知のように、単にさしずめの料金の問題だけでなく、もっと根本的に考えなければならぬ点が多々ありますことは、先般来商工委員会等でもしばしば論議された通りであります。そこで、私どもは、きわめて近い将来において電気の問題を総括的に研究いたしまして、その際、金利や税の問題もあわせて考えて電気料金の全く新しい構想のもとに、今後の電気料金を定めたいと考えます。  それから第二の点は、私と大蔵大臣との間に意見の衝突があったのではないかということでございますが、さようなことはございません。ただし、金利や税の問題は、これは、先ほども申しましたように、単に電気だけではありません。現在研究しておるのは石炭、鉄鋼等の基幹産業についてすべて研究をいたしております。それと一緒に、税の問題も、それから金利の問題も考えたいということになったのであります。  それから、第三の手続の問題でございますが、これは、私どもは、あの法の第四十二条のただし書きによってできるものと解釈をいたした次第であります。暫定処理でございますから、このただし書きによってできる、かように信じて実行いたした次第であります。今後根本問題を研究する場合には、むろん聴聞会その他を開かなけばならないと考えております。(拍手)      ――――◇―――――
  8. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、野原覺君提出、在日米軍の使用する大阪市立大学校舎の返還に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  9. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  在日米軍の使用する大阪市立大学校舎の返還に関する緊急質問を許可いたします。野原覺君。     〔野原覺君登壇〕
  11. 野原覺

    ○野原覺君 私は、日本社会党を代表いたしまして、在日米軍の使用する大阪市立大学杉本町学舎の接収解除に関し、政府の関係各大臣に対しまして緊急の質問をいたさんとするものであります。  大阪市立大学の杉本町学舎のアメリカ占領軍による接収は、大学並びに大阪市の猛烈なる反対にもかかわりませず、昭和二十年十月、在日米軍の軍事施設として、四十八時間以内の立ちのき命令という強行手段によってなされたのであります。ために、大学は、今日まで十カ年の長きにわたり、やむなく市内に散在する六つの小学校に分散をせられまして、その後校舎の一部返還を見たものの、依然として大学運営の困難が解消せず、その難渋はまことに言語に絶するものがあるのであります。しかもなお、一部解除を見たる杉本町学舎は、昨年の六月アメリカ海兵隊の移駐以来、現地付近は一挙に基地の相貌を呈し、学舎の三万は金網に張りめぐらされ、校舎のまうしろに当る運動場ではヘリコプターの発着が行われ、米軍の演習がなされておりますために、その騒音が大学の研究、授業、教育上はなはだしい支障を来たしておるのであります。  そこで、私は、政府の関係大臣に対しまして、次の三点につき質問をいたしたいと思うのであります。  質問の第一点は、日米安全保障条約に伴う行政協定締結の当時から、アメリカ側が接収使用する家屋等については、教育施設を優先的に解除するという了解があったはずであります。しかるに、終戦後十年、行政協定締結以来三年を経過せんとする今日、なお返還が実現されないのはどのような事情によるのか承わりたいのであります。一体、政府は、これらの校舎施設の接収解除について、一、今日までアメリカに対しどのような交渉を行なってきたのであるか。二、真剣に対米交渉を行なってきたけれども、アメリカがどうしても応じないというのであるかどうか。三、アメリカが応じなければ、これをそのままに放置しておくつもりであるかどうか。その間の事情を特別調達庁担当の西田労働大臣より詳細に御説明願いたいのであります。  質問の第二点は、昭和二十七年五月六日、第十三国会におきまして、本院は教育施設等を米軍の軍事施設に使用しないことを内容とする決議を上げておるのでございます。もし政府にして真に本院決議を尊重するの熱意があるならば、アメリカ軍をして返還せしめることが不可能の場合には、政府はすみやかにこれにかわる施設を建設してでも校舎の全面的返還をなすべきであると思うのでございますが、これに対する政府の所見を伺いたいのであります。  第三点は、杉本町学舎の現状は、前にも述べましたように、金網を隔てて今日アメリカ軍と大学の学生が全く隣に接しておるのであります。従って、大阪市立大学の学生諸君の感情に刺激を与えるばかりでなく、女子学生、女子職員に対する風紀上の問題から考えましてもきわめて憂慮すべきものがあるのでございまして、しかも小学校、中学校の校舎は六つもこれに使用せられております関係上、今日大阪市が全国で最も二部授業が多いという原因の一つにもなっておるのでございます。なおまた、大阪市立大学は大阪市民が建てた大学でございます。市民の設立いたしました大学がいまだに兵舎として接収されておるために生ずる市民の対米感情の面から考えましても、早急なる全面的返還の実現が要望されているのでございます。一体いつになれば校舎の全面的接収解除の実現が可能になるのか、責任ある西田労働大臣から明確なる御答弁を要求するものであります。  以上をもって私の質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣西田隆男君登壇〕
  12. 西田隆男

    ○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。大阪市立大学の校舎の問題につきましては、重要な教育施設でありますので、政府といたしましては、特別調達庁が中心となりまして、従来から再三、再四にわたって米軍と交渉をいたしております。その交渉の方法は、直接交渉をやってみたり、あるいは日米合同委員会を通じて米軍側に対して建物のすみやかな返還を要請いたしております。今お話もありましたように、すでにその一部のものは返還をされておる状態でございます。現在までの交渉の結果によりますと、本年の十月一日までには解決について米軍側で考慮をするという正式な御返事を得ております。従って、政府としましては、おそくとも今年の十月一日までには全部のものを返還していただきたいという考え方を持っております。地元関係者その他におきましても非常に強い要望がありましたので、なお調達庁を督励いたしまして、その以前であってもすみやかに解放、返還してもらいますように全力を尽す考えであります。      ――――◇―――――
  13. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、松前重義君提出、久保山氏の死因に関するアメリカの発表に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  14. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  久保山氏の死因に関するアメリカの発表に関する緊急質問を許可いたします。松前重義君。     〔松前重義君登壇〕
  16. 松前重義

    ○松前重義君 私は、日本社会党を代表いたしまして、久保山愛吉氏の死因関するアメリカの見解を発表されたのでありますが、これに対して政府の見解をただしたいと思うのであります。  まず第一に、この問題は簡単なる問題ではございません。これを簡単なる問題だと考えるところに今日の正しい政治を誤まる原因があると思うのであります。私は、まず第一に鳩山内閣総理大臣に御質問申し上げたいのでありまするが、おいでになりませんので、関係大臣より責任ある御答弁をいただきたいと思うのであります。  鳩山首相は、去る三月十四日の外人記者会見におきまして日本の原水爆の貯蔵もやむを得ない、こういう言明をされたのでございまするが、この言葉は、鳩山首相が、いわゆる新しい藤代の産物である原水爆に対していかに簡単にお考えになっているかということを立証するものであります。(拍手)十九世紀の火薬時代というものは去りまして、今やまさに原水爆の時代となったのであります。これこそ歴史の見方を根本的に変えて考えなければならない新しい時代の到来を物語っておるのであります。いわゆる自衛の問題にいたしましても何にいたしましても、考え方の根底を変えなければならないのであります。われわれ人類は、原水爆の恐怖の前にさらされて参っておるのであります。原水爆を兵器に用いるか、あるいはまたこれを平和的に利用するか、いずれの道をとるかは、損代政治の最高の課題でなければならぬのであります。(拍手)私は政府のこれに対する基本的な認識を伺いたいのであります。  次に、久保山愛吉氏の死因の問題であります。久保山氏が、昨年三月原子灰をかぶりまして、長い闘病生活の報いもなくこの世を去って行きましたことは、われわれの記憶に新しいところであります。久保山氏の死因につきましては、わが国の科学陣が総動員され、その死因が放射能によるものであるということが明らかにされておるのであります。久保山氏が放射能で死んだことを疑う日本人は今や一人もありません。しかるに、アメリカからの報道によりますれば、ストローズ米原子力委員長は、三月二十四日、米議会合同原子力小委員会におきまして、昨春の水爆実験で死んだ人は一人もいないと証言しました。また、ビューガー米原子力委員会の生物医学部長は、久保山氏を診断した日本の病理学者は、久保山氏の死亡当時同氏にすでに放射能の障害がなかった、その人体の組織に放射能物質の残存が見られなかったことを明らかにしている、久保山氏の死因は肝臓病であって、これは放射能によって起ったものではないとしているのであります。政府は、日本の科学陣の結論をお信じになるのであるか。それともアメリカの発表に関する報道を信ぜられるのであるか。また、昨日の夕刊によりますると、米原爆被害調査委員会のホルムス委員長の発表によりますれば、放射能による障害は遺伝には何らの影響がない、こういうことを言っております。これは、原子力が新しい時代に登場して参りましたときに、人類の将来に非常に重要であり、またこの久保山氏の死にも大きな影響があり、また先般のビキニに対する補償の問題等にも大きな影響があるのであります。これらの問題につきまして、政府の明確な御答弁を願いたいのであります。  第二の問題は、ビキニのあの被害に対しまして、アメリカはいわゆる見舞金というものを出した。二百万ドル、この見舞金を出した。すなわち、補償ではないのであります。そこで、川崎厚生大臣は、その当時の予算委員会におきまして、いわゆる補償に関しまして非常に強い政府に対する要求をなさっておられるのであります。これは見舞でなくて補償であります。すなわち、天災地変に対する見舞でなくて、アメリカの水爆実験の責任に対する補償を要求しておられるのであります。これらの問題に対しまして、いわゆる見舞金として考えるならば、これは久保山君の死が、すなわち放射能によらないで、ただ単なる肝臓病であった、その見舞金とお考えになるのであるか。その他の多くの被害につきましても同じような考えをお持ちになっておられるかとも考えられるのであります、これに対して、強硬なる要求をされました川崎厚生大臣の御所見を承わりたいのであります。  次に、アメリカの原子力委員会の発表は無責任きわまるものであります。政府はこの発表を誤まった発表であると信ずるのであるかどうか、政府として何らかの意思表示あるいは抗議を行うところの用意があるかどうかを伺いたいのであります。私どもはもちろん断固としてこれに抗議をすべきであると思うのでございまするが、この点につきましての御見解を承わりたいのであります。また、この久保山君の死に関しまして、この重大なる問題に対して、川崎厚生大臣は、学者群を動員されましていかなる調査をなさったのであるか、良心的な、学術的な調査をなさったのであるか、アメリカの報道に関しまして、またどのような具体的な調査をなさったのであるかを伺いたいのであります。  最後に一言申し上げます。原子エネルギーの解放に人類が成功しましてから、平和的にも軍事的にも、科学は世界政治の中心課題となってきたのであります。新しい時代に目ざめずして今後の国の行方を定めることはできなくなって参りました。この問題に対する答弁にいたしましても、責任ある科学者を集めるにも、さぞお困りであろうと思うのであります。このようなことから考えてみましても、政府は、もっと総合的な科学技術の振興に関しまして努力すべきであると思うのであります。科学技術振興に関する具体的な方策、あるいは科学技術行政機関の設置等に対しまして具体的な案をお持ちであるかどうか、この点を政府の責任ある御答弁として伺いたいのであります。(拍手)     〔国務大臣川崎秀二君登壇〕
  17. 川崎秀二

    ○国務大臣(川崎秀二君) 松前議員の御質問に対してお答えをいたします。  ビキニ被災によってなくなりました久保山さんの死因は、ビキニ被災によってなくなられたのでありまするから、これは国際的にも政治的にも当然ビキニ被災によるものであることは明らかであります。しこうして、これをこまかく申し上げまするならば、生前の診療及び死後の死体解剖に当った医学者の判定によりますると、放射能神肝硬変と名づくべきものだそうでありまして、放射能による重要な変化が肝臓、骨髄、淋巴系臓器などに現われておったそうであります。死後久保山氏の諸臓器に過剰放射能が認められ、その肝臓につきまして東京大学の理学部の木村研究室で検査をいたしました結果、正常の入体に含まれておらないジルコニウム九五、ニオブ九五、セリウム一四四、プラセオジム一四三、その他特に久保山氏の症状が外来の放射能性物質の影響によっておるということは総合の判定でありまするから、アメリカの原子力委員会の生物薬学部長等が言明をいたしましたようなことは一切ないと私は考えるのであります。(拍手)また、明日京都の大学で開かれる日本医学会の総会におきましては、世界の学者が注目をいたしておりまするように、小山博士あるいは熊取博士、それから東大の三好博士等によりまして生前の症状及び死体解剖の結果が詳細に報告されることとなっておりますから、この結果をもあわせて日本医学会の結論が出ると思うのでありまして、政府としては、アメリカの原子力委員会の結果などを信頼することなく、日本医学会の結果を当然に尊重すべきものと考えておるのであります。(拍手)しかしながら、この際申し上げたいことは、これはアメリカの政府当局の考え方ではありませんので、この際日本政府として抗議をいたすという考え方はございません。しかし、もしこれが国際的な紛議を招くというようなことになりますれば、当然政府としてはこれに対する措置をいたさなければならぬ、かように考えておる次第であります。  また、補償の内容についてお尋ねでありましたが、これは外務大臣にかわり答弁を申し上げますが、アメリカ政府は、日本国民の損害の補償のため、慰謝料として二百万ドルを支払ったものであります。  また、原爆の実験その他についてお尋ねがありましたが、これらについては、先ごろ総理大臣が本会議場並びに予算委員会において十分に説明せられておった通りでありまして、このことをもって御了承願いたいと思うのであります。(拍手)
  18. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) この際暫時休憩いたします。     午後一時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後三時二十八分開議      ――――◇―――――
  19. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
  20. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、町村合併促進法の一部を改正する法律案、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  21. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって日程は追加せられました。  町村合併促進法の一部を改正する法律案、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長大矢省三君。     〔大矢省三君登壇〕
  23. 大矢省三

    ○大矢省三君 ただいま議題となりました町村合併促進法の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  御承知のごとく、町村の合併は町村合併促進法により着々行われておりまするが、この四月には地方選挙を控え、また都道府県議会の選挙のために、あるいは合併条件その他新町村建設計画策定の細目決定の遅延等によりまして、相当数の町村合併が、関係町村間においておおむね話し合いがつきながら、なお最終的な決定に至らないものがそのままに残されるものが生じ、地方選挙の手続で頓挫し、また重複して選挙を行う結果となりますので、この間混乱が予想されるのであります。かような特殊な事情のある町村につき、一まず町村合併を先行せしめることとして、このあとにおいて議員または長の選挙を行うことを実施せしめるため、三カ月間を限度として任期の延長を行うことを適当と認め、本改正案が提出されたのであります。  本改正案は、参議院の提出にかかりまして、本三十一日に参議院より送付せられ、本委員会に付託せられたのでありまするが、当日直ちに提案理由の説明を聴取し、質疑を行いました後に直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定された次第であります。  次に、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  本案は、前国会において成立いたしました本法の一部を改正して、市町村の議会の議員及び長の任期について特例を設けようとするものであります。その理由とするところは、本法によりて、今回は市町村の議会の議員及び長の任期満了による一般選挙は全国的に期日を統一し、来たる四月三十日に執行されることになっておるのでありまするが、当該市町村の議会の議員及び長の任期は多くは本年の四月二十二日に満了し、新たに議員及び長の選挙されるまでの開議決機関または執行機関が欠ける結果となりますので、これによって生ずるおそれのある制度上または実際の事務処理上の不都合を防ごうとするにあるのであります。  本案は、本日当委員会に付託せられ、同日参議院議員石村幸作君より提案理由の説明があり、質疑を終了、討論を省略して採決をいたしましたところ、全会一致可決すべきものと決した次第であります。  右御報告を申し上げます。(拍手)
  24. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって両案は委員長報告の通り可決いたしました。      ――――◇―――――
  26. 長谷川四郎

    ○長谷川四郎君 日程は延期し、本日はこれにて散会されんことを望みます。
  27. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 御異議なしと認めます。よって動議のごとく決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時三十四分散会