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1955-06-01 第22回国会 衆議院 内閣委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和三十年六月一日(水曜日)     午前十時二十五分開議  出席委員    委員長 宮澤 胤勇君    理事 高橋 禎一君 理事 辻  政信君    理事 森 三樹二君 理事 田原 春次君       長井  源君    林  唯義君       保科善四郎君    眞崎 勝次君       松岡 松平君    粟山  博君       山本 正一君    小金 義照君       田中 正巳君    田村  元君       飛鳥田一雄君    石橋 政嗣君       下川儀太郎君    鈴木 義男君       中村 高一君    矢尾喜三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 高碕達之助君  出席政府委員         行政管理政務次         官       森   清君         総理府事務官         (行政管理庁管         理部長)    岡部 史郎君         総理府事務官         (経済審議庁総         務部長)    酒井 俊彦君  委員外の出席者         専  門  員 龜卦川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君         専  門  員 安倍 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ――――――――――――― 五月三十一日  頭部戦傷病者の恩給引上げ等に関する請願(福  井順一君紹介)(第一三八二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  経済審議庁設置法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三九号)  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(  内閣提出第五二号)     ―――――――――――――
  2. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 これより会議を開きます。  経済審議庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。小金君。
  3. 小金義照

    ○小金委員 ただいま議題となりました法案の骨子についてお尋ねする前に、まず長官である高碕国務大臣の抱負経論からお尋ねしたいのでありますが、経済審議庁を経済企画庁に変える、ただ名前を変更するだけではなくして内容を変えるという観点から一、二お伺いしたいのでありますが、今の経済審議庁ではなぜいけないか、何ゆえに少しばかりの人員をふやしたり、また設置法を変えて経済企画庁という名称にしなければハケないか、その理由をまず承わります。
  4. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 お答え申し上げます。小金委員の御質問にお答え申し上げます前に、政府の計画いたしております経済六カ年計画というものについての大要の意見を申し上げた方がわかりやすいと存じますから、時間がかかりますけれども一応説明させていただきますが、今回政府におきまして計画いたしております経済六カ年計画というものは、従前いっておった計画経済とかあるいは統制経済とかいう意味でなくして、経済に対して一つの計画性を持たせるというくらいの程度に考えておるわけであります。六カ年後におきます日本の増加する人口に対してどの程度の生産をし、どの程度の国民所得をふやしていけば失業者がなくなり、そうして日本の経済が自立するかという目標をまずつくりまして、それに合うように経済を引っぱっていこう、こういうのが目的なのでございます。その計画を立てるにつきましても、政府だけの意見でなくて、できるだけ民間の意見も聞き、もっと大きく言えば、国民全体の意見もよく聞いて一つの計画を立てる。計画を立てた以上はできるだけ国民諸君の協力を得て、その計画に持っていけるようにしたい、こういうのが主眼でございまして、その間において政府としては相なるべく政府の力をもって規制するということは避けたいと思っております。けれども必要やむを得ない場合にはある程度の規制をしなければならぬ。それでその規制をする場合におきましても、できるだけこれは実体法によって――あるいは石炭の合理化とか石油の消費規正をやるとか、こういうような実体法を持ってやりまして、なるべく設置法によらないでやる方式をとっていきたい、こう存じておるわけであります。つきましては、従前におきましては、各省間との連絡においてもできるだけ相談的で、先方から資料をもらい、そうしてこちらからも話し合うというぐあいにやっておりまして、従前まではそう大きな支障は来たさずに来ておったのでありますけれども、だんだんこれを実行に移すにつきましては、各省との連絡を一そう緊密にし、かつ程度の発言権を持っていなければならぬ。それに対しては、資料の提出を命令するだけの力がなければならぬ。また経済の計画を立てます以上、その計画を実行する上において各省に対して勧告権を持つ、一応勧告し、それから閣議によってこれを進めていく、こういう工合の権利を持ちたい。今回、経済審議会の機構の中に二つの権利、資料を供出せしめるという一つの権利と、もう一つは、勧告する、この二つをもちまして、逐次政府の経済の計画性を実行に移したい、こういう所存で、今度経済審議庁というものを企画庁に改正いたしたい、こう存ずる次第でございます。
  5. 小金義照

    ○小金委員 経済に計画性を持たせる程度のものであって、計画経済ではない、いわば目標経済というようなものである、こういう御趣旨のようでありますが、かつて経済安定本部を廃止して経済審議庁にした。それから、これを経済企画庁に改める。かって内閣に内閣調査局を置いて、これを改めて企画庁にし、さらに大規模の企画院にして、ここでいろいろな目標経済あるいは計画経済に移行するというような企てをしたのが、戦前の姿でありました。私はこういうようにして順に変っていくのは、日本の経済の実態に即応する立場上必然的なものだとも考えます。ただ、あなたの本委員会における提案理由の説明、これは政務次官が代読したようでありますが、この提案理由の説明と、あなたは三月十九日に、第二次鳩山内閣の閣僚としての抱負を新聞記者を通じて国民に語られておりますが、それらの点を総合して伺いたいことは、まずあなたが最初閣僚に就任されたときに発表された御意見と、今日ここに現われておる具体策ともいうべき経済企画庁のこの設置法に関連する説明や御意見と、少し食い違いがある。政党人としてではなく、外部からお考えになった抱負と、ほんとうに政党に入ってきて、また政治の責任者としての立場との間に食い違いがあるかどうか。あるいは理想に向って一歩一歩行くのだが、そのまず第一段階であるとか、あるいは道遠くしてなかなか困難であるとか、そういうようなあなたの所懐を伺っておきたいと思います。
  6. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 今小金委員のおっしゃるごとく、外郭で見ておりますときと、実際内部に入って見るときとは、事志といろいろ違うということはあり得ることでありまして、私は、今度審議庁に入って仕事をやっていこうとすれば、あれもやってみたい、これもやってみたい、こういうふうなことを考えますと、いろいろ自分の考えも出るわけであります。しかし、いざこれを実行に移しますと、実情に即してみると、なかなかそう簡単には行かない。いろいろな方面を考慮しまして、まずこの程度で行くことが現状に即して一番無難である、そして自分たちの目的を達する上においてもこれは正道である。こういうような感じで進んでおるわけであります。気持だけを申し上げますと、そういう気持でございます。
  7. 小金義照

    ○小金委員 そういう気持はわかりますが、十九日の就任早々、新聞記者を通じて国民に御発表になった御意見とはあまりにも食い違いがはなはなだし過ぎる。六ヵ年計画について強力に実施する筋金が欠けているのではないかという質問に対して、あなたはこういうことを言っておられる。今の数字そのものは、まだ国民全体にアッピールするものにはなっていない――六ヵ年計画のことだと思いますが、そこで生産も輸出も低過ぎる。閣議決定までには、自由党や社会党にも相談し、また一種の国民会議みたいなものを開いて、国民全体の納得できる計画にする。それまでは法律や規則で縛っても、かえってじゃまになる。民主党内閣の寿命を考えて、ゆっくり練る。こういうことを言っておられます。これはとりもなおさず、こういう重大な長期経済計画については、他の党派とも相談をしたい、こういう御意向のようでありますが、相談をなさいましたか。
  8. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 初め一月に発表いたしました経済六ヵ年計画は、これは省内におきまして急速に作り上げたものでありまして、この数字は逐次変更すべきものだということの前提のもとにあの目標を出したのであります。これを完璧なものにするためには、どうしても政党政派というものを超然として立ってやらねばならぬ、六ヵ年計画というような長いものでありますから、一政党の一機関の仕事としてはなかなかこれはやれるものでない、どうしても六年間引き続いてやるという方針をとらねばならぬ、それには、政党政派を超越してよく御意見を聞きたい、こういう所存で今でも私はおるわけなんであります。それまでの間には、各実業界の方々なり、学者、経験者に毎月寄っていただいてそれの審議をいたしておるようなわけでありまして、表面的に各政党に渡りをつけて、こうやっていただきたいというところまで進む段階にはまだ達していないわけであります。しかし、できるだけ政党政派を超然として立った方々の御意見をよく承わって、毎月会合もやっている、こういうわけであります。
  9. 小金義照

    ○小金委員 経済の目標とか具体的政策が相違していることが、政党がそれぞれ異なった立場をとって、別になっている原因でありまして、政策が、バック・ボーンであるのが政党の真髄だと私は思う。意見を聞くということは、参考にするとか、あるいは他山の石とするというような意味でお聞きになるのか、それとも、長期の計画を立てるためには協力を求めるという意味で聞かれるのですか、どちらのお心持でありますか。
  10. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいま申し上げました通りに、六年あるいは十年という先々の日本の経済の歩み方の目標を立てるということにつきましては、政党政派でなく、国家として立てるべきものだ。これの実行に当りましては、政党の政策によって、場合によっては相当変えるべきものだろうと思いますが、少くともその目標というものを作る上におきましては、これは、だれが考えても一本でなければならぬと私は思うのでございます。そういう意味におきまして、私は、この六ヵ年計画の目標というものにつきましては、政党政派を超然として立てていただきたいという所存であります。これは私の信念でございます。
  11. 小金義照

    ○小金委員 それならば高碕さんは、むしろ、政党に入らずに国務大臣に就任されたらよかった。なぜ政党に入られたか。私は、あなたの親友からしばしばその意見を言われた。高碕国務大臣としては、むしろ入党なんかしないで、議席なんか場合によっては持たないで、そうして今の強い信念を通すのが高碕国務大臣の使命である。何ゆえに一党一派に入ったか。一党一派に入って言われわれは国民として目標をきめなければならぬから、意見を言えとか、同調しろとか言われるが、政党政治が実行されている今日、これは認識が少しどうかしているのではないか。あなたの近しい人で、私もしばしば意見を聞いている人たちが、あなたの出所進退について惜んでいる。ことに、国民としての意見を聞かれるというのは、あなたは何をさして言われるか。あるいは経済関係の団体だとか、あるいは労働組合の団体というようなことを言われるかもしらぬけれども、ただここに、新聞に発表された今のお言葉のように、国民として云々といわれますが、これは往年の国会を無視した近衛内閣時代でありましたか、国民の全体会議を招集するという思想に一脈通ずるものがあるのではないかと私は思いますが、その辺のあなたの御心境はいかがでございますか。
  12. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいま小金委員から私の一身上のことについていろいろ御注意を願いましたことは、これは私個人のことですから、個人的に考えさせていただきたいと思います。経済審議庁のことは、今度は経済企画庁と申しますが、これは私がやるという前提でなくて、これはどなたがおやりになってもいい、私はこれはいつやめるかもしれません、そういう意味から私は議論をいたしておるわけでございますから、その点は一つ御了解を願いたいと思います。
  13. 小金義照

    ○小金委員 私はあなたのお持ちになっている経済六ヵ年計画の具体的数字に触れる前に、せっかく今のあなたの抱負をもって経済企画庁というようなものを作られる以上は、単に各省から資料の提出を容易ならしめる、あるいは国務大臣経済企画庁の長官としての監督をするというようなことのほかに、根本問題として、日本の経済目標を確立するために重大ななすべきことがあるのではないか。ことに本案説明の冒頭に、わが国の経済の自立を達成し、完全雇用の実現をはかることを重要な使命としておられる。完全雇用ということは、言うはやさしくして、実現は非常な困難が伴う。ことに各省から資料を出させる、また人を集めて経済企画庁を充実するというようなことのほかに、完全雇用なんていうことを口にする前に、人口問題をどう考えておられるか。何ゆえに人口問題についてもっと具体的に企画庁が口を出せぬか。あるいはあなたの抱負経論、まただれが長官になっても、その根本問題であるところの人口問題について、どういう計画といいますか、考え方を持っておられますか、これを伺いたい。
  14. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいまの小金委員の御意見は、私は本質的に非常に尊重するわけであります。国家の一つの計画を立てます上において、人口がすべての中心になるということは御同感でございますが、私の今立てておりますこの六ヵ年計画においては、人口問題は内閣の人口調査所において研究いたしました数字を基礎にして、その経済方面だけを見ておるというだけでありますが、それにつきましては、今後さらに日本の人口はどういうふうに、つまり政策的に、あるいは家族計画を立てるとか、あるいは人口調節をするとか、こういう問題は一つの政策として別途に考えていきたい、こういう所存でございますが、ただいまの六ヵ年計画にはそれは確かに御指摘のごとくうたっておりません。そのことはここで申し上げておきます。これをやらなければならぬということにつきましては、小金委員の御指摘のごとく最も重要な問題だと私は考えております。
  15. 小金義照

    ○小金委員 かっては物については物資動員計画、俗にいう物動があり、貿易についても一つの貿易計画によって外貨予算等があり、それから人については、戦前は人の動員計画がありました。私はそういう動員計画というようなものに持っていくことは、今のわれわれの立場からいけば、にわかに賛成しがたいものでありますが、しかしながら人口問題を内閣の人口調査会なり、あるいは厚生大臣の区々たるそういう意見や、あるいは各省の機関できめたり、実行しようとすることは無理がある。それこそ大所高所に立って、こういう企画機関で、日本の人口の配分とかあるいは職能人口の配分地図ともいうべもきのを考えて、これをやらなければならぬと私は思う。ことにあなたがうたっておられる完全雇用というようなものは、まず第一に人口問題が基礎である。しかしあなたは今、それは非常に大事であるということに同調してくださいましたから、これはお考え願えることと思いますが、次に大事なことは、完全雇用と一言に言いますけれども、一体日本の教育制度をどうするか。このような漫然たる六・三制や、さらにまた高等学校、大学の制度で、また片方に私学があって、どういう教育をするか。日本に必要な、また将来必要となるべき職能を授ける教育についてどういう発言権を持つか。これは非常に大事な問題であって、精神教育と言いますと古臭いようでありますが、一体日本人たることを忘れるような教育をするのはもってのほかであります。それは基礎であるから当然であります。そのほかに日本の経済から見まして、将来は機械工業の技術を仕込んだり職能人を作る、あるいは化学工業、あるいはまた貿易に関するいろいろな技術だとか知識だとか、こういうようなことについては、今の教育を文部省だけにまかせることなく、産業の自立計画あるいはあなたの言われる完全雇用を目標として考えられるならば、当然私は文部省に対してあなたの立場から発言できることが絶対に必要だと思うが、この点についてはどういうふうにお考えでありますか。
  16. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいまの小金委員の御質問によって、私は非常にいいサゼスチョンを得たと考えております。第一に私が考えておりますことは、人口の数という問題だけでなくて、人口をどういうふうに配分するかと、いう問題は、この経済六カ年計画で当然考えなければならぬ問題で、私どもはただこの人口を、現在におきましては農業方面には約四五%、これにまた吸収することは困るから、できるだけ第二次、第三次方面に吸収していき、農業方面はもう六カ年においてはほとんどパーセンテージはふえない。そうして大体増加する人間の二〇%を工業方面、一八%を第三次産業に向ける、こういうような計画を立てておりますけれども、これはほんのめどだけでありまして、ほんとうにこれを実行に移すためには、ただいま小金委員の御指摘になりました通り、教育制度から変えていって、どうしてもこれだけの人間は工業方面にやらなければならぬ、工業はどういう方面にやらなければならぬということがきまれば、その方面の学校にもよく連絡をとってはめ込んでいく、あるいはこれだけの人間を移民させなければならぬということであれば、移民するように、年に五万人なら五万人やるというのなら、五万人の移民教育をやるということまで持っていくのは当然だと思います。私は全く同感でございまして、これをただいままで考えていなかったというのは私の手落ちだと思いますので、よく考えてみたいと思います。
  17. 小金義照

    ○小金委員 私は今の学校教育、職能教育の問題を大事に取り扱っていただきたい。特にこれだけを真剣に実現できるようにしてもらえば、あとの経済自立はおのずからできる、完全雇用もおのずからそれに近いものになってくると思う。ことに今国務大臣の方から移民の問題に触れられましたが、私は移民の問題は要するに数の問題でなく質の問題である、これを痛切に感じておるのであります。ことに今世界の経済上から見て、後進国といわれる東南アジア十数カ国に対して、日本は経済開発で協力的な立場をとろうとしているのでありますから、これらを勘案した経済計画を立ててもらわぬと、ややもすると貿易に走る者は貿易だけを考え、また技術に走る者は技術だけを考えますが、これらを勘案して初めて総合的なものを作り上げることが私は大事だと思う。移民については今度移住局の設置もあるようでありますが、これに対して今の経済審議庁はどういう発言というか、関連を持たれますか。
  18. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 移住局はさしあたり外務省に置くことになっておりますが、審議庁はこれに対して相当の発言権を持っていきたいと思っております。この発言するところはどういうところに主眼を置くかと申しますと、ただいま小金委員がおっしゃったごとく、今までは農業移民が主体でありましたが、これを減ずる必要はありません。やはりこれを奨励していきたいと思っております。しかし、後進国と言うと語弊がありますけれども、東南アジアあるいは中南米方面をよく見ますと、これからは日本の中小工業者をできるだけこの方面に送りたい。同時に現在日本で進んでおります工業力、これを加味いたしまして、工業移民として日本のプラント輸出と一緒にからんで、あるいは場合によれば相当期間プラントを投資して、それに対してこれを動かすところの人間を送っていく。つまり従前の農業移民の域を脱して、今後は工業、引き続いて商業、こういうふうな方面の移民を増加していきたい。こういうふうな意味におきまして、今度外務省にできます移民機関に対しましては、相当の発言をする考えでございます。
  19. 小金義照

    ○小金委員 私は職能教育というか、学校教育も兼ねて、今どういう状態になっておるか詳しいデータは持ちませんが、かつて満州事変後、日本の工業が飛躍的に発展して参りました昭和十二年の暮れから、昭和十三年の春にかけて、経済五カ年計画を実施しようとして、私ども立案に当ったのでありますが、そのときに一番困ったのは、日本に工業技術者がないということでした。これは驚くべきことでありまして、昭和十二年まで十数年間、日本にあった高等工業が一人も学生の定員を増加してなかった。そこへ急激に日本の工業が膨張して、高等工業学校の卒業生が一番役に立つか、どうしてこれをふやすかということで、廊下に机を並べさせて学生の収容人員を二割くらい増加さしたことがあるが、そういうことでは間に合わない。だからそういうことをあらかじめ考えてやっておかれることは、私は非常に必要だと思います。これは企画庁のようなものができれば、当然文部省に強力な協力を求めて、あやまちなきようにしてもらいたい。そのような技術者を養成する学校と同時に、今あなたも触れられたようでありますが、もっとフォアマンとかあるいはそれ以下の技術者を養成することが、私は大事だと思う。中学校卒業程度の者に短かい年限で技術を修得させるところの設備が、私は必要だと思う。これらについて私は十分ではないと思うが、このお考えはどうでございましょうか。
  20. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 現在の世情から申しましても、私は現在の教育制度自身がどうだろうかと思って、多少批判的である点は、あまりに大学の数が多くなって、トップ・ヘビーになってしまって、議論をする人ばかりがどんどんふえてきはしないかということを、非常に心配いたしております。従前、戦争中はもちろんのこと、私どもは長い間工業界で生活しておりましたが、常に第一流の学者は相当手に入りやすいが、ほんとうに工場で働いて黙々と機械と取り組んで、自分の一生を終ることを天職と心得る人々がはなはだ少なかったというふうな感じもいたしているわけでありますから、今後やはりほんとうに実際の仕事に従事して、一つの機械、一つの仕事と取り組んで、ずっと一生涯送るというふうな教育も相当やっていきたい。同時にこの人々に対しては、必ずしも会社の社長になるとかいうよりも、一つのフォアマンとなっていくことの方が、生活も安定するというふうなぐあいに持っていくということが、政策としても必要だと思うし、教育の方も、そういう教育をする必要があるということを、私は非常に痛感している一人でございます。
  21. 小金義照

    ○小金委員 先ほど移民の問題がちょっと出ましたが、農業移民については、農林省が非常に力を入れることはけっこうですし、商工移民については、通産省が力を入れることはけっこうでありますが、実は外務省とのあつれきがひど過ぎる。それは各省の局長とか次官とかいうものが自分の仕事に熱心になれば、当然ぶつかりましょう。そこでこれらを調整する権限を、やはりどこかで持つことが必要なんです。政党内閣であるから、政党の機関でやるのもよろしいが、一体内閣の部内でそれをやるべきであります。これらについても、私はただ勧告だけでは弱いと思う。いずれ勧告権についてはあらためてただしますが、そういうことを私は考えていることを申し上げておきます。  それから高碕国務大臣の抱負経論の一端として、予算大綱の編成権とか、あるいは金融政策の方向決定権というものを持ちたいのだというような気持があったのでありますが、その点いかがですか。
  22. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 お話の、ごとく、六ヵ年計画を実行する上においては、そういうふうな権限を持てばいいがという感じは、確かにいたしておりました。しかし実際これを見てみますと、実行の方は行政官庁の方でやってもらう方がいいので、だから予算のごときも、これは大蔵省でやってもらうが、この予算を作るもとの計画については、やはり私どもが発言したい、また発言ずべきものだ、こう存じております。
  23. 小金義照

    ○小金委員 財政投融資を初めとして、そのほかの金融政策の方向決定権についても、同様な気持でございますか。
  24. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 同様な気持でございまして、私どもの持っておりまず審議会に別の部会でも作りまして、そこでできるだけ各方面の御意見も聞き、発言もしたい、こう存じております。
  25. 小金義照

    ○小金委員 それならば、人員の増加とか何とかいうことは別にして、スタッフの厳選をやらなければいけないと私は思う。各省からきわめて優秀な人を今の経済審議庁にもらっておりながら、これが働けない。これを働けるようにするには私は上にいる大臣責任いかんにかかっていると思う。その点について今十分だと私は考えておりませんが、長官はどう考えておられますか。
  26. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいま小金委員の御指摘のごとく、各省から優秀な方に来てもらっておりまして、いろいろな御意見を聞いておりますが、フルに働いてもらうには、もう少し考えていかなければならぬ、こういう所存でおります。
  27. 小金義照

    ○小金委員 「長期経済計画の観点から関係各省の政策ないし計画の調整をはかり、政府の諸施策の総合性、計画性を保持し、長期経済計画の実施を強力に推進して参る所存であります。」これは作文としてはまことにけっこうであります。これはもう十数年前から、企画庁というようなものが作られれば、必ずこういう文句が出るが、それがもう二十年も履行できない状態です。だからこの点はやはり考えてもらわなければならないと思うのです。そこで私は、「長期経済計画の推進のためには、重要な政策及び計画の立案につきまして一関係行政機関の長に必要な勧告をなし得ること」とあるが、一体この勧告という文字の法律上の性質はどういうものでありますか、これをまず承わります。もし長官でわからなければ政府委員でけっこうです。
  28. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいま御質問のありました勧告権でございますが、これはただいまお話がありました長期六ヵ年計画に基きまして、各省大臣がその責任でいろいろ計画をお立てになるという場合に、六ヵ年計画の観点から若干意見を述べますときに、審議庁の長官といたしまして意見を各行政機関の長に対して述べて、こういうふうにしてもらいたいということを勧告するわけでございます。もちろんこれは相手方の行政機閣の長を拘束すると申しますか、長がその勧告に従わなかった場合、法律的にどうなるかということにつきましては、別段罰則があるわけでもございませんし、最終的には閣議で御調整になると思いますが、しかし各行政機関の長はいずれも法律に基いて行政を行う義務がございます。従いまして経済審議庁の設置法に勧告権というものが規定されておりますから、十分それを尊重していただくということに行政上はなるかと思っております。
  29. 小金義照

    ○小金委員 それでは局長会議あるいは次官会議で勧告をするということもあり得るのですか。
  30. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 ただいまの勧告権は経済審議庁――今度名前を変えまして経済企画庁というふうにしておりますが、経済企画庁の長官が各行政機関の長に対していたしますのは法律上の勧告でございます。あるいは局長クラス、次官クラスというような会議でもちろん事実上の勧告と申しますか、総合調整はいたしますけれども、正式の法律的な勧告権というのは経済審議庁の長官から行政機閣の長に対してするものだけでございます。
  31. 小金義照

    ○小金委員 かみしもを着ていえば、それは長から長に行くのにきまっている。しかし長から長に行くときにはもはやぶつかってしまっておる。そのときに、経済審議庁の長官は国務大臣をもって充てるということでございますから、閣議でそれをきめる、こうあなたはおっしゃる。ところが経済審議庁は総理庁の一外局であります。だから内閣総理大臣を長官が動かして、そこで各省設置法に基いてその権限内でやる仕事でありますが、内閣総理大臣が命令をするというような仕組みまでなぜ行けないのですか。
  32. 酒井俊彦

    ○酒井政府委員 私からお答え申し上げますが、現在の内閣制度のもとにおきましては、総理大臣はもちろん各大臣に対していろいろ指示命令をすることができるわけであります。しかし経済審議庁長官の勧告権は、そういう各大臣に対して命令をするというようなことになりますと、現在の内閣制度と非常に矛盾いたします。勧告権ということでただ勧告をいたしまして、もちろん尊重いたしてもらうのでありますが、それ以上に強い命令とか指示とかいうことは考えておりません。総理大臣が各大臣に対しましてはいろいろ御命令権限があると思います。審議庁長官としてはそこまですることは現在の内閣制度と矛盾するという意味におきまして、規定を設けておらぬのであります。
  33. 小金義照

    ○小金委員 君の答弁はそれよりほかにないでしょうが、私はそれを聞いておるのじゃない。各省設置法においてその権限内でやるのだから、それは各省がする。しかしながら閣議国務大臣としての企画庁長官が発言するよりも、むしろ内閣総理府外局の長であるから、内部援助といいますか、内部工作によって総理大臣に幅を持たせれば、経済企画庁長官の考えておるような措置がとれるのではないか。今の内閣総理大臣は、君から説明を聞くまでもなく罷免権さえ持っているじゃありませんか。だからそれだけの強力なものが政治的にやれるというふうに考えてよろしいかどうか、これは長官にお尋ねいたします。
  34. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 経済の六ヵ年計画を遂行します上において、内閣総理大臣から各省の長官にこうやってくれということは、これはできません。審議庁長官閣議に諮って閣議を通じて各長官に自分たちの経済審議庁の考えていることを申し上げる、こういうふうにいたしたいと思っております。
  35. 小金義照

    ○小金委員 私はこの経済企画庁設置法の問題の中でいろいろ含みが多いと思いますが、特にわが国の経済の自立を達成して完全雇用の実現をはかるということは、去る二月の選挙前からの一つのスローガンであります。これを何とかしてこの際頭を出して少しでも実行に移したいという気持はよくわかりますが、今私が指摘いたしましたように、まず人口の配分とかあるいは職能教育の配分問題とか、これらの基本問題に何ら積極的に触れることなくして、経済の自立達成も完全雇用も実現することはなかなか困難だと私は思う。特に戦後のこんとんたる状態をまだ脱し切れない、ことに権利ばかりを主張する悪い風潮が残っておる今日、これは容易なことではない。むしろこういうような問題と並行して、今の人口問題とか教育問題とかいうようなことを相当強くここで発言もでき、また企画もできるような組織にする。それからこれは世界のどこの国へ行ってみましても、自分の国を愛するという思想を今非常に強く打ち出しているはずであります。ことに東南アジアのような独立後間もないような状態の国では、経済自立よりまず独立意識を強める、自分の国を自分で守り、自分の国を愛する、こういう風潮が非常に強い。日本では憲法においても日本国民日本の国を守る義務がない。国民の義務ははっきり出ているのは納税の義務一つなんです。自分の国を自分で守るのは当然だといえばいえるかもしらぬが、納税の義務と一緒に並べてないために、国を滅ぼすような思想を現実に実行しても、そういう権利があるのだというふうな考えを持っている人さえあると私は思う。だから今の経済計画だけを、山を見ないで追っかけまして、うしろの思想的な頽廃の原因をここに無視しては、経済の自立も完全雇用もできないと私は思う。その点について精神方面の問題はどうお考えになっておりますか。
  36. 高碕達之助

    ○高碕国務大臣 ただいまのお説の通り、これは最も重要な問題であると存じております。
  37. 小金義照

    ○小金委員 以上をもって私の質問を終ります。
  38. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 ほかに御質疑はございませんか。――なければ本案に対する質疑はこれをもって終了いたします。     ―――――――――――――
  39. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 次に行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より補足説明を求めます。
  40. 岡部史郎

    ○岡部政府委員 行政機関職員定員法の一部改正を改正する法律案につきまして、先日の提案理由の説明に続きましてこの際補足説明を申し上げたいと存じます。法案のほかに資料といたしまして、お手元に定員法改正資料というのを差し上げてございますから、それをごらんいただきたいと存じます。なおそのほかに参考資料として現行の定員法をお配りしてございますから、それもあわせて御参照いただきたいと思います。  まず最初に申し上げたいと存じますのは、この定員法の改正に際しましては、各行政機関を通じまして総定員を六十三万六千三百三十二人に改正いたすわけであります。ところで現在の定員法の統計は六十三万二千三百十三人になっておりますから、その差引は一応四千十九人の増加と相なっております。しかしながらこの現行法の六十三万二千三百十三人と申しますのは、実は先般の国会におきまして、国営競馬を民営に移管いたします際におきまして、民営移管に伴う国営競馬事務を所掌いたしております職員四百六十五人をこの中から落すはずであったのでございますが、農林省の所管の分につきましては落してありますが、統計については落してないのであります。従いまして現在の六十三万二千三百十三人という定員の統計は、実はこれから四百六十五人を引きました六十三万一千八百四十八人というのが現実の数字でございます。従いまして、このたびの改正案は、増加は結局四千十九人に四百六十五人を足した数字、すなわち四千四百八十四人というのが実際の増加の数字であります。言いかえますと、総計六十三万一千八百四十八人が六十三万六千三百三十二人に増加したということでございます。その数字に基きましてこれからどんな職員がふえるかということにつきまして申し上げます。  それでお手元にお配りいたしました定員法改正資料の一ページはまず総括表でございます。この総括表に基きまして御説明いたしますと、結局総括表各省の合計では、次のページに参りまして、現在六十三万一千八百四十八人が合計である。それに対しまして増加の方は六千三百三十六人、減員が一千八百五十二人で、差引増加は四千四百八十四人、従って合計が六十三万六千三百三十二人になるということでございます。  それでその次の三ページに参りまして、増加の内訳につきましておもな点を申し上げたいと存ずるのであります。まず総理府におきましては、航空技術研究所の新設によりまして四十人増加になっておりますが、この航空技術研究所の新設につきましては、先般来総理府設置法の一部を改正する法律案として御審議をいただいておりますので、この説明は省略させていただきます。それで四十人ふえますが、片一方におきましては、総理府といたしましては、目黒の総理大臣公邸を廃止いたしまして、これを永田町の方に移したことに相なりますので、それに伴う管理職員を三人減らすことにいたしたい、それからふ虜情報局の事務がほとんど終了いたし、現在におきましては九割まで終了いたしたという状態でありますので、ふ虜情報局も近い将来におきまして廃止の手続を御審議いただくことに相なろうかと存ずるのでありますが、今年におきましては人員だけ減らすことにするというので、四人を減らしました。従いまして総理府におきましては差引三十三人の増加に相なります。  次に警察庁におきましては七十五人の増加に相なっておるのであります。これは昨年の警察法の改正の際におきまして起きた問題でありますが、従来見習い警察官というものは、従前の警察法のもとにおきましては、定員外の職員としておったわけでありますが、その勤務の態様、勤務期間その他から申しまして、これを定員法に計上すべきかどうかということにつきまして、いろいろ研究いたしておったのでありますが、この際やはりなるべく定員法の方に計上した方がよかろうという結論に達しましたので、警察幹部見習生の三十名をこの際やはり定員に計上する。それから皇宮警察部の皇宮巡査見習生、これは従来警視庁で養成しておったのでありますが、これも今度皇宮警察部でもっぱら養成することに相なりましたので、これも定員法に計上したらよかろうという考え方でこれを計上いたすことにいたしました。従いまして、これは純増ではございません。ただ定員法に載せたというだけでございます。その増加が合せて七十六名でございます。  それから警察庁から一人外務公務員として在外公館に派遣する、すなわち外務省に移しがえをするということで一人移しがえをしましたので、結局七十五人の増加になりました。  それから経済企画庁におきましては、原子力関係の行政事務に関しまして四人を増加するということ、これは経済審議庁設置法によりまして御審議いただいておる内容に基くものでございます。  総理府はその程度にいたして次に法務省に参ります。法務省は百六人の増加に相なっておりますが、これは他の省にも関係があるのであります。この増加の内容は、結局今まで法務省の出先機関で奄美大島にあります職員の定員は政令で定めていたわけでありますが、それは、奄美大島の行政権がわが国に返還されました当時の琉球政府の職員を、そのまま一応暫定的に引き継いで、これの適正な規模がきまってから、これを定員法の中に組み入れようという考えであったのであります。その後この奄美大島の職員につきましても、大体適正な人員の配置が行われるようになりましたので、この際奄美大島の職員で政令で定められておりました各省の職員、通計いたしまして七百三十七人をこの際定員法の中に計上することにいたしました。そのうちの法務省の関係の刑務所でありますとか、入国管理事務所の出張所等の職員百六人をこの際定員法に入れるということであります。  その他におきましては、内部の職員の増減についておもなものを申し上げますと、この際刑務所の警備力を増強する必要を認めますので、刑務所関係係で百人を増加する、それから司法試験の専任職員が今までおりませんので、これも最小限度一人をこの際ふやすということでございます。  減少の方といたしましては、大臣公邸の廃止によりまして一人を減少する、それから巣鴨刑務所の方が収容人員も減って参りましたし、中の秩序も非常に改良されて参ったというような関係で巣鴨刑務所の職員の手があくことができるようになりましたので、巣鴨刑務所からさらに百人を減すということで、減少の方は百一人を減す、合せまして結局百六人の増加ということに相なる次第であります。  次には外務省は五十七人の増加に相なります。増加のおもなものを申し上げますと、まずアジア局に賠償部を新設することにいたしました。これはビルマとの賠償協定が成立以来賠償事務が進捗いたします、これを中心機関として処理するために、この際アジア局に賠償部を新設することを、外務省設置法の改正で御審議いただいておるわけでありますが、それに伴う増が二十五人でございます。その次が、外務省に移民関係事務を進行させるために移住局を新設する予定でございます。それに伴う職員の増が二十人。それから中近東関係事務の強化による増が五人。もう一つ、横浜移住あっ旋所の新設による増が三人であります。これも外務省設置法の改正として御審議いただくのでありますが、現在神戸に一つ移住あっ旋所があって、従来全国の移民を神戸に集めて、神戸から船出したわけでありますが、関東、東北、北海道方面の移民を神戸に集めるのは、いろいろな点におきまして不便でありますので、この際横浜に移住あっ旋所を一カ所新設する、それに伴う最小限度の要員増加であります。その他、在外公館を五館新設することに相なっておりますが、それの新設及び拡充に伴う増員三十八名、合せまして増加の方は九十一名であります。これらの純増をできるだけ内部の配置転換によりまして最小限に食いとめようということで、省内の各事務の廃置分合を行いまして、とにかく三十四人を削ることにいたしまして、差引五十七人の純増に相なるということでございます。  それから大蔵省本省は十八人の増員に相なっております。これも奄美大島にあります財務部出張所の職員二十四名を繰り入れたというのがおもな理由でございます。むしろ在外公館に派遣するとか、あるいは外務省の賠償部に協力するなめに、大蔵省から定員をさくというようなことで減少の部分もありますので、結局形式的には十八人の増にどどまる。次に、国税庁では六百三十五人の減に相なっておりますが、これは昨年奢侈繊維品消費税の新設計画に伴いまして、これに要する職員六百八十人につきまして御審議いただいたのでありますが、奢侈繊維品消費税法が未成立になりまして、これに伴う職員が不要になりましたので、これは大蔵省の組織規程を改正いたしまして、使用を差しとめております。それをこの際定員法から落すという措置でございます。その他四十五人の増加は、奄美大島の税務署の職員でございます。  次は文部省でございますが、文部省は七百五十八人の増加に相なっております。そのおもなものは、国立学校の学年進行、学部学科の増設による――これは別途国立学校設置法の一部改正法律案で御審議をいただいておりますが、その計画に基く所要の教職員七百五十八人の増加があるわけであります。その他小さな増加といたしましては、水沢の国際緯度観測業務が条約関係で変ってきたということで一人、あるいは三島の国立遺伝学研究所に変異遺伝部新設に伴う増二人というのがおもでございまして、結局総計では七百五十八の増加にとどまったわけであります。  次に、厚生省がこのたびの定員増加ではおもなものでございます。まず厚生省におきましては、昨年来の結核療養所における結核ベッド千床の増加に伴う分と、それから本年度におきまして比較的軽症患者の結核ベッド千床の増加計画、合せて二千ベッドの増加計画があるのでありますが、それに伴います医師、看護婦、エキス線技術者等の増加が五百八十名に達しているわけであります。それから奄美大島のらい療養所の百五十ベッド増加に伴う職員の増が十六人、これらがおもなところでございます。  次に農林省について申し上げますと、おもなものといたしましては、奄美大島の統計調査事務所の出張所あるいは植物防疫所の職員の定員への組み込みということがおもな増加でありまして、それ以外はもっぱら事務の廃置の分合によるもでありまして、特段のものはございません。食糧庁、林野庁、いずれも同じでございます。すべて奄美大島の定員の繰り入れによるものでございます。  通産省におきましては、結局四十八人のむしろ減少と相なっております。その増加のおもなるものといたしましては、原子力関係事務の増加によりまして十二人、あるいは賠償関係事務の増加によります十二人、鉱害復旧対策事務の増加による増が十一人、中小企業信用保険事務の増加による増が三人、増加のおもなものといたしましては三十八人あるわけであります。これらを省内の配置転換によりまして人員の埋め合せをいたしました関係で、結局本省におきましては四十八人の減少を来たしております。ただ外局である特許庁におきまして、毎年非常に特許事務の処理がおくれている。現在におきましてはすでに十万に上る特許繰り越し件数があるというような状態でありますので、毎年この審査事務につきまして定員の増加を余儀なくされているわけであります。本年におきましてもそういう状態で、特許審査事務の職員の増加ということはやむを得ないことでありますので、この際三十人の増加を認めたわけでありますが、そのかわり財源は本省の減員分からひねり出したというような形に相なっております。結局通産省総計といたしましては十一人の減少に相なる。その十一人の減少は、結局通産省関係の外務省への供出分になっているわけでありまして、結局通産省におきましては、新規事業の増加ということは、内部の職員の振りかえによって何とかまかなうことにいたしたいという状態でございます。  次に運輸省は百五十五人の増加に相なっております。増加事務のおもなものを申し上げますと、このたび自動車損害賠償保険を実施する、これが新たな事務でありますので、これの施行に伴う必要最小限度職員十四人の増加があるわけであります。それから毎年御審議いただいております航空交通管制業務、これは目下駐留軍の手によってやっているわけでありまして、行政協定によりまして、わが国がこれを引き受ける実力が出てきたならば、これを引き受けるということに相なっておりますので、その職員の養成をもっぱら駐留軍のもとでやっている。その要員を毎年計画的に増加しているが、それに伴う職員の増加が六十一人というのが目立つものであります。その他気象台関係といたしまして、水害緊急対策としての気象業務の増加でありますとか、あるいは北方の気象観測のための拠点といたしましてのオホーツク海に面しております紋別に測候所を新設するための増加であるとか、あるいは大気放射能の増加であるとかいうような関係で、ここに合せまして四十八人の増加を認めているというような状態でございます。その他の増加といたしましておもなものは、練習船の新造により――銀河丸という三千トンばかりの練習船が、商船大学卒業生の増加に伴いまして必要になってくるのであります。それの船長以下の乗組員の増員が七十人ある。あるいは航空関係につきましていろいろな増加の要員があるわけであります。すなわち羽田空港の施設の増加であるとか、あるいは小型飛行場の整備の増加であるとか、宮崎に昨年設けられました航空大学校の学年進行と整備の増加による増加であるとか、こういうもので増加の要員といたしましては二百九十六人があるわけでありますが、それを極力部内の配置転換によりまして百四十一人配置がえすることにし、結局百五十五人本省関係ではふやすにとどまったわけであります。次に外局である海上保安庁におきましては、六十七人の増加に相なっておりますが、これは結局海上保安学校の生徒の増加でありますとか、通信所の新設であるとか、灯台設標船の新造にある増加でよるとか、それから奄美大島の警備救難所の職員の定員の切りかえであるとか、やむを得ざるものの増加だけでございます。結局これで六十七人の差引増加に相なるわけであります。それから次にやはり外局といたしましての海難審判庁におきましては、これも海難審判事務が逐年増加の状況で、毎年の事務を翌年に繰り越す趨勢が著しいものでありますから、本年におきましてさらにこれを十人増加いたしまして、海難審判受理件数の増加に対応いたしたい、こう考えております。それで運輸省におきましては、結局二百三十二人の増加に相なっておるわけであります。  次に郵政省について申し上げますが、郵政省の増加というのがこのたびの増加のほとんど大部分を占めているというような状態でございます。すなわち郵政省におきましては三千三百四十八人の増加に相なっております。そのおもなものを申し上げますと、結局郵便物量の増加ということを第一番に申し上げなければならないのであります。すなわち郵便取扱い業務量の増加によりまして五百四十八人、それから事務量の増加に伴いまして断続勤務の是正というようなことも起きて参りますので、それに伴いまして五百四十五人、あるいは電話交換施設、これは結局電電公社の電話拡張計画に伴いまして独立の電信電話局を設けるに至らない、すなわち電電公社が直轄するに至らない電話施設は、郵政省が引き受けることになっておりますが、その交換要員その他が二千百七十八人の増加に相なるわけであります。これらの経費はもちろん電電公社が負担するということに相なっております。これらがおもな増加でありまして、ただこの電信電話業務につきましては、その業務量が一定規模になりますと、電信電話公社で毎年これを直轄に移すということになっておりますので、本年におきしては、電電公社が直轄に移す分が四百人ございます。これは二十ケ所ばかりだったと記憶しておりますが、四百人ばかり減らしますので、その減らす分を差引いたしますと、結局三千三百四十八人の増加に相なります。  それから労働省におきましては、ふやす方の要員といたしましては、失業問題の深刻化にかんがみまして、労働省の職業安定局に失業対策部を設けまして、これに力を入れようということに相なりました。これにつきましても労働省設置法で御審議いただくわけでありますが、これの新設に伴う職員の増加四十六人につきましては、純増を避けまして、省内でやりくりいたしましてその職員を生み出すことにいたしまして、純増はございません。結局十六人の増加というのは、奄美大島の労働基準監督署その他からの繰り入れに伴うものでございます。  次に建設省におきましては、百九十三人の減に相なっております。この増加のおもなものを申し上げますと、結局政府の住宅政策推進に伴う新規の職員の増加、それから道路改良工事の増加とかそういうものの増加によりまして、五十一人の増加を認めようとするものでありますが、他面におきましては、官庁営繕業務が本年度におきまして相当減るものでございますから、官庁営繕職員の縮小二百二十人、これは業務量の減少に伴いまして、明年の三月三十一日までに月別計画によりまして、段階を追うて二百二十人減らすことになっておりますが、それとの差引で、結局百九十三人の減少ということに相なっておるわけであります。  以上がこの定員法の定員の増減四千四百八十四人の増加の内訳のおもなものでございますが、これにつきましてはいずれも予算の裏づけがありますので、この改正法律は昭和三十年七月一日から施行さしていただく予定に相なっておりますが、ただこの際もう一つぜひ申し上げておかなければならないのは、昨年の六万名の行政整理に際しましては、各省は原則として二年計画、すなちことしでこれを終了いたすことに相なっておるわけでありますが、警察、文部省、厚生省の引揚援護関係の職員及び調達庁の職員につきましては、それぞれ三年計画または四年計画によって整理するということに相なっておるわけであります。その際の計画によりますならば、各省はほとんどこの六月三十日で整理が完了するわけでありますが、今申し上げました年次計画のものの第二年度の分は、ことしの六月三十日でそれぞれ定員が落ちる。すなわち厚生省で言えば四百十八人がこの六月三十日、調達庁で言えば三百二十三人がこの六月三十日に、現行法のままですと落ちるわけであります。これは昨年の定員法改正の御審議をいただきました際にもいろいろ御意見があったわけでありますが、これらの年次計画によりますものについては、他の各省と違って、その省の仕事の分量の関係で残すんだから、第二年度の年次計画のものにつきましても、他の一般の各省が昨年度受けましたと同じような、すなわち臨時待命を昨年度やったわけでありますが、その臨時待命と均衡のとれたような措置を考えるべきであるというような御意見を、昨年の国会におきまして十分承わっておったわけであります。そういう趣旨を達成いたしますために、本年度の定員法の改正におきましては、臨時待命制度というものは用いませんが、臨時待命制度と趣旨を同じゅうして、それと均衡をとれるように、この整理される職員につきましては、勤続年限に応じまして、最高十カ月から段階を設けまして、最小限一カ月以内におきまして、この定員の外に置いて、期閣が満了した場合にやめていただく。定員の外にいる数カ月の間は、俸給、扶養手当、勤務地手当は、臨時待命と同じように受ける。そうして、職務には従事しないで、身の振り方について専心できるような措置を考えるこういうような制度をとることにいたしておりますので、これらの制度に関する限りは、できるだけ早く、すなわち、この六月中に御審議を実施に移せるような措置を講じていただきたいと考えますので、この付則におきまして、この法律は七月一日から施行するが、いわば指名定員外制度とでも申しますか、それにつきましては、この法律公布の日から施行できるようにしていただきたい、こういうような考えでできております。  以上をもちまして補足説明を終らせていただきます。
  41. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 質疑の通告がありますが、これは次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十二分散会