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1955-03-31 第22回国会 衆議院 内閣委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和三十年三月三十一日(木曜日)     午前十一時二十三分開議  出席委員    委員長 宮澤 胤勇君    理事 高橋 禎一君 理事 辻  政信君    理事 三浦 一雄君 理事 江崎 真澄君    理事 高橋  等君 理事 森 三樹二君    理事 田原 春次君       長井  源君    保科善四郎君       堀内 一雄君    眞崎 勝次君       粟山  博君    田中 正巳君       田村  元君    船田  中君      茜ケ久保重光君    石橋 政嗣君       下川儀太郎君    鈴木 義男君       矢尾喜三郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 杉原 荒太君  出席政府委員         調達庁長官   福島慎太郎君  委員外の出席者         防衛庁次長   増原 恵吉君         専  門  員 龜卦川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君         専  門  員 安倍 三郎君         専  門  員 遠山信一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  小委員及び小委員長選任の件  調達庁に関する件  自衛隊に関する件     ―――――――――――――
  2. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 これより会議を開きます。  国務大臣及び政府委員の関係から、調達庁に関する審議を先に進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。石橋政嗣君。
  3. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 調達庁長官にちょっとお尋ねいたしたいと思います。定員法によりまして、調達庁の職員が本年の六月末までに三百三十二名整理されることになっておるわけでございますが、この点につきまして、昭和二十九年の十二月当時に開かれました内閣委員会において、調達庁の考え方を述べておるわけでございます。それによりますと、この整理については真の出血を最小限度にとどめたい、理想から申すならば、一人も失業者を出さないくらいに整理をやっていきたい、このような考えのもとにどうしたら三百三十二名の整理をすることができるか、犠牲を少くすることができるかということを研究しておるのだということを述べておるわけでございますが、その根本的な整理に対する考え方に基いてその後どのような努力がなされ六月は目の前に迫っておるわけでございますが、直接この整理の矢面に立たされる職員の不安を除いておられるものか、その後の経過を最初にお尋ねしておきたいと思います。
  4. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 御指摘の通りでありまして、昨年成立しております定員法に基いて、調達庁の整理は三年計画で七百一名を整理するということになっておりますので、その第二年目に三百三十二名の整理をいたさなければならないわけであります。昨年の整理に際しましては、御承知の通り、臨時待命という制度がありましたので、それによって整理後の一定期間を待命にしておいて、その間にわれわれの方も、またやめる人も一緒になって職探しにかかるというようなこともできたわけでありますが、今年は、将来できるかもわかりませんけれども、臨時待命の制度はまだないわけであります。六月に整理するというものを、六月になって話をしたのでは、あとあと就職運動その他の関係も思わしくいかないので、整理に該当する人に対しては十二月に話をし出して、十二月から六月までの間に、われわれの側も、また被整理者の方も、その後の計画を立てるという時間的余裕を持った方がよかろうということで計画を始めたわけであります。しかしながら、六月に首を切るものを、十二月に通告をするとか話をするのはあまりよろしくないという大体組合側の考えもあり、あちらこちらからそういう御要望もありましたので、やりたくなかったのでありますが、延期しろという各方面のお話でありましたので、延期してしまったわけであります。従いまして、そういう延期するという前に話をした人たちは実はかなりあるのでありますが、延期をした人についてはまだ整理に該当する云々という話を全然いたしておりませんから、臨時待命法でもできない限り、六月末日までは先方ががんばれば話ができないということにもなりますが、そうなりますと、やめたわ、その後の就職のあっせん、ないしは本人が探すという問題に時間的余裕がないことになることは当然であります。われわれも全般の人について就職のあっせんその他、やる精神において変りはありませんけれども、六カ月の期間をもってやるのと、一日二日の期日をもってやるのとでは、その成果のほどに差が出てくることは当然でありまして、やろうという精神または努力に変りはありませんけれども、時間的余裕をくれないということになれば、お世話いたしかねるということが出てくることはあり得る。お世話はするわけでありますが、退職してから待ってもらうという人が出てくるわけであります。数の関係から申しますと、三百三十二名のうち、たまたま欠員が百五十名ありますが、そのうちの七十数名程度を整理に利用することができますので、二百幾らになりますか、そのうち希望退職者を募ってできるだけこれを埋めるということで現在やっておりまして、希望退職者が百三十名程度出ておりますので、あるいは今後若干ふえてくるかもわかりませんけれども、現在では百名内外の人々には本人の意思にあらざる退職をお願いしなければならぬということであります。そのうちかねがねそういう話し合いのできております人たちが六、七十人おりますので、現実には四十名くらいの人がいわゆる延期ということで、これから話すということになっているわけでございます。かねがね話と申しますのは、私ども調達庁の整理というものは年々歳々やって参ったのでありまして、一万二千から今日の三千七百人に年々歳々減らしてきたのでありますから、年々歳々そういう話をやっている。来年ならやめるとか、再来年ならやめるという話が前からあった人たち等もあるわけでありまして、これからの問題といたしましては、延期した四十数名の人について退職並びにこれに関連する相談をするという事態になっております。これはできるだけ時間の余裕をもって就職上のあっせんができるに越したことはほんとうはないのでありまして、いろいろな行きがかりから延期ということになっているのは遺憾であります。ただこの数が変ってきますのは、希望退職の数がふえてくる以外には見込みはないのでありますけれども、希望退職者もあるいはふえるのではないかと思っております。本日がちょうど年度末になりますけれども、二カ月の猶予がありますので、六月まで定員法通りの数を合せるということが要求されているわけであります。残った四十数名の人に対しての処置という問題もこれからかかるわけでありますが、就職上のあっせんその他できるだけやりたいと考えております。ただ時間の余裕が短かくなっておるという関係がありますので、それと臨時待命という制度の見通しがつきませんのでちょっと困っておりますけれども、できるだけ路頭に迷わせるようなことはしたくないと考えております。
  5. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 今のお話によりますと、大体欠員のうち七十名程度をこれに充当させる、あるいは希望退職が百三十名ばかりあるというお話でありました。そうしますと実出血は確かに百二、三十名ということになったと思うのでありますが、ともあれそれだけの者が出血しなければならぬということは事実であります。そうしますとこの面につきまして就職のあっせんその他をやっていただくことはもちろん必要なわけでございますが、やはり根本的な問題といたしましては、今触れておられました臨時待命制度の問題が当然考えられなくてはならない。この点につきまして昨年の内閣委員会において、長官が山内次長であったかと思いますが、相当はっきりしたことを述べておられるのであります。この待命制度が確立した翌日から行政管理庁交渉をして、その結果調達庁としては臨時待命制度がしかれるものという前提にやってよろしい、また大蔵省に対してもそういうような予算の要求をしてもよろしい、こういうことを述べておられる。これが国会にも提案にならない先に言うのはおこがましいけれどもという意気込みで答弁されておるのでありますが、今の長官の話によるとこういったことがほごになっているような印象を受けるのでありますが、もう少し詳しくその後の臨時待命制度の適用についての交渉の経過を述べていただきたい。
  6. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 臨時待命制度はわれわれとしてはもちろん希望するのでありまして、主務官庁である行政管理庁に強力に現在なおかつ交渉中でありますが、大体できるのではないかと思っております。しかし私どもでやることではありません。われわれがやってもらわなければ困るという主張をする立場は依然として変えませんけれども、どういう形で――いずれこれは法律案になるわけでありまして、国会でおきめを願う問題であります。私どもはできるつもりで交渉もし、やっておるわけであります。ほかの役所は首を切るのに臨時待命制度を使い、調達庁はいらないのだというのは解しかねるのであります。さようなことでは私も勤まらない。調達庁としては当然できるべきものであって、そのように交渉もしております。ただ調達庁側が提案するわけではありません。当然出てくるだろうと思っておりますが、どういうふうにどういう法案を何月何日に出すということを申し上げるわけにもいかない。調達庁としましては、山内次長がかって御答弁申し上げましたように、当然できるべきものでもあるし、できるものであるというふうに信じておる、こういうことでございます。
  7. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 答弁によりますと、そういうふうな将来の問題としては述べられておらないわけです。そこで私はお尋ねしておるのです。読んでもいいわけですが、「六月末に通った翌日から私は行政管理庁に向って、調達庁の方は来年度もどうしても臨時待命制度をつくってもらわなければ困るということを持ち出しまして、ようやく昨今正式に向うから、行政管理庁としてはそういうような法律改正をする、だから調達庁としては臨時待命制度がしかれるものという前提にやってよろしい、また大蔵省に対してもそういうような予算の要求をしてよろしいということで、その前提のもとに、まだ国会にも提案になりませんし通過にもなりませんときに申し上げるのはどうかと思いますけれども、私どもの努力しておることの一端を御理解願うために申し上げるわけであります。」とはっきり明言しておられるわけであります。こういうふうに正式に向うから言ってきたことがなぜ撤回されたのか、そこのところのいきさつをもう少し詳しく話してくれ、このように申し上げておるわけであります。
  8. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 将来のことではないとおっしゃるけれども、これはまだできているわけではない。これからできるのですから、当然将来のことです。撤回したわけではありませんので出すという交渉を引き続きやっておるということで、出たわけではありません。今まで出たことはありません。山内次長が答弁したことは、これはないので、これから作るものです。将来どういうことになるかという建前で山内次長は答弁しておるに相違ない。ありもしないことを現実の問題として答弁することはできない。将来できるという希望並びに信念のもとに答弁申し上げているはずだと思います。
  9. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 それでは私といたしましても、今の長官の答弁で今度の整理者も臨時待命制度の恩典を受けるものであると理解いたしまして、その点についての質問を終ります。  もう一つこれにからみ合せまして調達庁の組織というか機構そのものについて若干質問してみたいと思うわけでございます。調達庁が現在のように軍が使用中の不動産関係の管理あるいは補償業務、あるいは行政協定十八条関係の軍の事故、過失等による補償解除物件の処理、それから軍労務者の管理といった程度の仕事をやっている限り、駐留軍の減少に伴って機構が縮小されることは当然だと思うのであります。整理というものを根本的に解決するためには、やはり機構そのものをもう少し拡充するというか、拡大するということが考えられなければ根本的に解決することにはならない、かように思うわけであります。そういう面から職員間にもいろいろと希望が出ておる。たとえば現在の直接調達方式を改めて、米軍需をいわゆる昔のように間接調達に復元させてもらいたい。これは軍の現在の考え方とはややともすれば逆行した考え方にもなるのかと思いますけれども、こういう点について長官はどういうふうに考えておられるか、また軍と話し合いをしたことがあるかどうか、この点についてちょっと質問いたしてみたいと思います。
  10. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 調達庁がだんだん小さくなっていくということはいたし方のないことでありまして、もともとアメリカ駐留軍に対するサービス機関として作ったわけでありまして、駐留軍に関連する労務、不動産の提供、かつては一般調達業務をやっておるわけでありますが、そういうことで出発いたしまして現存もそれのみが任務でありますので、アメリカ駐留軍がだんだん減少して――また減少させるというのは国民的な世論でもあり、またわれわれもそのために努力をしておる。雇用される労務者もだんだん減少していく。従ってこれを管理する管理機関である調達庁が縮小されていくというのは当りまえでありまして、これは客観的にいえば当然その通りであります。ただ調達庁内部――私どももその一人になるわけでありますが、調達庁内部の役人の心境からいえば、仕事がだんだん減ってくるからだんだん自分たちが首になっていかなければならぬということは心細いことである、何とか仕事をでっち上げて役人が首にならぬようにしたい、こういうことなんですが、これはわれわれがわれわれだけでひそかにそういう謀議をこらすということはあるのですけれども、表向き言えることではないので、やはり役所の制度というものはその必要がなくなってくれば小さくなっていくのは当然であって、何とか新しい仕事ををでっち上げて役人の首をつなごう、私もそうしたいのですけれども、そうしますということは申し上げるわけにいかない。米駐留軍をできるだけ減らしていこう、そういう努力をしているということは、われわれとしてはわれわれ自身の首を減らすように努めていることである。補償業務といったような永続性のない業務――労務の管理とかあるいは不動産の管理とかいうようなことは年々歳々あるわけでありますけれども、解除物件の補償であるとか、そういったような問題は、これはもう勉強して仕事を片づけるに従って仕事がなくなってしまうということになるわけであります。極端な悪口を言えば、調達庁は働けば働くほど役所が小さくなるから働かないのだろう、こういう批評もよくあるわけなんであります。これは一面の真理はあるわけでありますけれども、しかしそういうわけにも参りませんので、一生懸命に働いて自分たちの仲間の人数を減らすような傾向に持っていっておるということなのであります。従いまして調達庁の内部で、あるいは組合その他の関係で何とか新しい仕事を考えて減らないようにしたいという希望があることはあるいはお耳に達したかもしれませんけれども、それにはおのずからはっきりした主義、原則と限度がなければならないのであって、当然日本政府が関与すべきことをアメリカ軍が関与させておらない。これをいわばアメリカ軍から取り返しくてる。そのために調達庁が減らずに済むとか、あるいは調達庁と防衛庁との関係で、同じような仕事がかりにあるとすれば、たとえば同じ調達という業務について、防衛庁は調達業務の関係を拡大してふやしておる、調達庁は同じ調達という関係で人間を減らしておる、その間に人間を彼我融通したらどうか、こういうようなことは成り立つと思いますけれども、調達庁自体が――それは組合の諸君の言う心理はわかります。だんだん仕事が減ってくるのだから何か新しい仕事をという心理はわかりますけれども、建前としては、これはどうせ国の経費に属することであります。役所の仕事が減っていけば人間が減っていくという大きな建前を否定することは私はできなかろうと思っております。ただ御指摘の通り、その間に問題となっております直接調達、間接調達という問題があることは事実であります。これは容易なことで解決するかどうかわかりませんけれども、私は過去一年来この間接調達、直接調達の問題を解決することが必要であるということを主張し続けて参ったわけであります。これはあるいは御承知かとも思いますけれども、時間をとりまして恐縮でございますが、一応御説明申し上げますと、調達庁の現在の任務というものは、不動産関係の仕事、労務関係の仕事、ほかにございますけれども、大体これに限られておる。ところが終戦直後六、七年間というものはそのほかに米軍が調達いたしますところの物資の調達を米軍にかわってと申しますか、米軍と日本の供給業者との間に立って調達を担当しておった。つまり今日は米軍の直接調達になっておるけれども、過去においては調達庁が間に入っていわゆる日本政府の間接調達であったということです。このために数千人の人間が働いておったわけです。これが平和条約発効とともに日米行政協定――必ずしも行政協定に表われた字句のためにではありませんけれども、米軍が直接やる。またこれは日本の業者、日本の学界方面でもそういう空気もありましたので――調達庁なんというのは疑獄事件ばかり起きて、スキャンダルばかり起きていかんとか、手数がかかっていかんということで業者方面の運動もあったことでありますが、米軍が直接やるということになってしまって、調達庁の関係はそれから落ちたということでございます。ところが私の考えを申し上げさしていただけるならば――これは私だけの考えで、政府の考えではございませんけれども、日本の経済というものは米軍の調達、いわゆる特需というもので上ったり下ったりしておる。それに対して日本の政府の発言権が全くないというはずはないと私は考える。米軍の調達機関というのは横浜にございます在日米軍調達本部、JPAと申しますが、これの長は大佐がやっておる。一介の大佐が隊長でありますから、実際の業務を担当する連中は大尉、少尉、少佐くらいのものでございましょう。これらの連中がアメリカ式の契約でアメリカ式の値段によってやっておる。いわゆる出血受注ということがこれから起ることもあろうし、また契約上の紛争も絶えない。それ以上に重大問題なのは、米軍の調達というものが日本の経済に及ぼす影響がそれだけ大きいのであれば――何も調達庁にやらせろというわけではありませんけれども、日本政府としては少くとも産業育成という見地をそれに織りまぜることのできる方法を持っておる必要があるのじゃないかという議論は私も持っております。しかし今日のところまだまだこれが解決するというところまで来ておりません。現在までこういう間接調達、直接調達という問題で議論をなすった方もおいでにならないし、細々と私ごときが主張しておるという程度でありますので、話にならない。アメリカに対しましては、実を申しますと、これは政府の了解を得てやった仕事ではないのでありますけれども、相当強硬に取り上げてこの問題は交渉しておる。御承知の通り二月二十六日でしたか、日本タイムスに、私がアメリカに対して間接調達を主張した、大体直接調達は意味をなさないというような議論を吹っかけたということで、大きな記事が出まして、アメリカとの間に物事がもめておる一つの原因になっておるわけであります。しかしそれは私個人の見解でありまして、そういう問題は、ただいま御指摘がございましたが、おそらくこれが初めてでございまして、世の中に取り上げられてない問題であるということをお答えする以外に方法がないと思います。
  11. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 軍が間接調達をやめて直接調達方式をとり始めたということの中には、事務の簡素化、能率化あるいは経費の節減というようなことがあるわけだと思うのでありますが、これにからみ合せて労務の面におきましても、直接調達をやろうとする、直接管理をやろうとするうわさが絶えず聞かれるわけでありますが、この面について最近どういう動きがあるか、長官の知っておる限りお答えを願いたいと思います。
  12. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 労君の直接管理と申しますか、軍直接雇用という問題があることは事実でございます。つまり調達関係のうち需品の調達は従来調達庁を介して開接にやっておったものが平和条約発効後軍が直接やるようになった、ただ労務調達の方は従来通り調達庁を通じて軍が雇用する。もう少し正確に申しますならば、調達庁が法律上の雇用主となって雇用契約を結び、そのサービスを軍に提供する、その賃金は調達庁がとりあえず支払い、軍から後日償還を受ける、こういうことになっております。間接調達方式が今日とられておることは事実であります。調達庁が軍から償還を受けます金額は二、三年前はかれこれ一億七千万ドル、おそらく政府、民間を通じてドルの一口の勘定としてはこれより大きいものはないはずでありまして、いわゆる特需七億とか五億とか申しますけれども、その中に入るわけでありますが、最も大きな問題であります。調達庁がこれを管理いたしますにあたりましては、国の費用でやっているわけではありませんので、調達庁自体の費用もアメリカ側から取り立てておるわけであります。従って管理費用その他がアメリカに言わせれば高くつくという問題はありましょう。それからまた労働争議その他の関係が起りました際、われわれは雇用主ということになっておりますので、アメリカの思うように参らないということもあるわけでありまして、米軍、特に現地部隊方面においては直接雇用を希望する、いわゆる軍直問題というものがあることは事実でありますけれども、極東司令部におきましては私どもとの話し合いに関します限りそういう具体的な方策をとろうというところまではまだ来ておりません。それもありますので、軍の現在の間接雇用を直接雇用にするなどとはもってのほかである、それどころではなくて、需品関係の直接になっておるものを間接に戻すべきであるという議論を、私もそういう意味もありまして、意識的にやっているわけであります。その方がむしろもめておるくらいで、逆戻りになるというような事態が起るということは私毛頭考えておりません。
  13. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 駐留軍の撤退に伴って調達庁の機構も縮小され、職員も縮減されるという運命にあることはもちろんでございますが、それと同時に駐留軍の労働者につきましても同じような運命にあるわけであります。  そこでお尋ねしておきたいことは、本年に入りましてから鳩山総理大臣あるいは重光外務大臣あたりが再三言明しておられますように、米軍が一個師団撤退するということがいわれておる。そうしますと、これに伴って駐留軍の労働者も相当減るわけであります。昨年度北海道から米軍が撤退してこれに伴い駐留軍労働者がほとんど全部失業のうき目に会ったというような状態にあることは、御承知の通りでありますが、そういうふうなことが考えられますので、一個師団撤退するというようなことが言われております以上、一体どこの部隊が撤退するのか、これは当然労務管理に携わっております調達庁として把握し対策を打ち立てておかなくちゃならない問題ではないかと思うのでございますが、その辺明白でありましたらお答え願いたい。
  14. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 この点はなかなか表現のむずかしいところなのでありますが、むずかしいということはないのですけれども、一個師団撤退するという言い方も事実でございます。しかし正確に申しますならば、歩兵第二十四師団がいなくなるということなのであります。歩兵第二十四師団というものは朝鮮の――私はここで言っていいのか悪いのかよくわかりませんが、まあいいでしょう。朝鮮におりましたものが日本に来ることになって、一部はすでに来ておったわけであります。一個大隊くらい、これが来ないことになったというのが一個師団の撤退ということなんです。一個師団の撤退でなくて、特定の師団が日本に半分来ておったのですが、足を踏み込んでおったのですが、これは計画としては撤退でありましょう。来なくなったのですから妙義山が要らなくなったという副産物が出てきたわけです。従って実質は撤退に違いありませんが、撤退する以前にまともにここにおって、それが撤退するというわけではありませんので、今まで雇っておった労務者がそのために非常にたくさん要らなくなるということにはならないだろうと思っております。御承知の通り、日本におりました部隊は佐世保の相ノ浦ですか、あそこにおりましたかれこれ一個大隊くらいのものが帰るという現象におきまして、しかし来なくなったという事実はあります。従いましてこれを一個師団の撤退ということもまた決して不正確ではありません。
  15. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 最後にもう一つ。これは長官に伺ってもどうかと思いますが、調達という特殊な業務を実施するために、調達庁というものが戦後初めてできたわけでございますが、今後の問題といたしまして、国内調達を一手に引き受けるというようなことが考えられるわけでございます。現在各官省庁で独自の立場でやっております仕事を、全部一つの官庁でやるというようなことを考えとして持った場合に、果して利点があるものかどうか、研究されたといたしますならば、どういった点が利点となっておるか、現在アメリカで採用されておる連邦調達方式あるいは東京都でも一部やっておるというようなことも聞いておるわけでございますが、こういう点御研究になっておられれば一応御説明願いたいと思います。
  16. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 調達庁ということで、日本の政府全般にわたる調達を一括することができればということでございます。これは確かにアメリカにもそういう制度がありまして、利点があるに相違ないと思っております。また政府全般についてそういうふうな計画が実行できればどういう具体的な成果が上ってくるかというようなこと、いい影響があるようには思いますけれども、具体的な研究は実はいたしておりませんし、現在の調達庁でそこまでがんばってみたところでとうてい話にならないので、関連のきわめて近い、たとえば防衛庁の調達とかそういう問題その他につきましては、多少の考えを持ったこともございますけれども、またそういう面で努力してみたいとは思っておりますけれども、政府全般の調達機関ということにつきましては、まだ具体的に研究したことはございません。しかし先ほど来調達庁もだんだん小さくなるということを申し上げておるやさきでもありますので、そういう方角が考える必要のない問題だとか、やったってだめだというふうなこ一とは考えておりませず、将来そういう問題が取り上げられることを私といたしましても希望しているものでございます。
  17. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 駐留軍がだんだん減っていくということは当然でありますし、それに伴ってほとんど全員が解雇されるというような特殊な運命にある駐留軍の労働者あるいは調達庁の職員について、また特別に対策を立てていただきたいと思うわけであります。そういう面から長官なりあるいは次長なりが再三言明しておりますように、ほんとうの出血ということをできるだけなくしていくということに全力をあげていただきたい。あるいはまた先ほどから私質問をいたしましたような将来のことにつきましても、御研究を願いたいということを特に要望いたしておきたいと思うわけであります。それから職員団体との話し合いも十分に行いまして、円満にこの問題を解決していただきたいということを、特に要望いたしまして質問を終りたいと思います。
  18. 森三樹二

    ○森(三)委員 関連して長官にお尋ねします。さっき話が出ました直接調達、間接調達の問題であります。従来は調達庁が動産、不動産その他駐留軍の使用する物品等について調達をしておった。しかるに講和締結後は直接調達に切りかえられているということですが、その現状の取扱いはどうなっていますか。物件によって違うわけですか。
  19. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 現状の取扱いは物件によって違うということではありませんで、アメリカ軍が購入いたします物資一切、不動産と労務を除きあとは米軍が一切直接やるということになっておりまして、日本側はこれに関与しない。米軍は調達本部を横浜に置き、各地にその支部を設けてここで業者を集めて入札ということでやっているわけであります。
  20. 森三樹二

    ○森(三)委員 果してそれをアメリカの都合でそうしておるのか、日本の都合でそうしておるのか、いろいろ場合によって違うと思いますが、その直接調達方式は、あなた方の過去のやっておられた実務からいたしましてどのような効果を上げておるか。私らの観念からいくと、やはり調達庁が従来やっておられたのが、かえって日本のためにもあるいは米軍のためにもよかったのではないだろうかという考えもあるのですが、その点についてはどうですか。
  21. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 その点は御指摘の通りだと思います。ただ私は、実はかって役人をやっておったのでございますが、終戦後離れておりまして一年数カ月前に突然引っぱり出された人間でありますので、調達庁が物資調達をやっておりましたころにおらないものでありますから、そのころのことを直接に知っているわけではありませんけれども、調達庁による間接調達の方がよかったということは聞違いなく言えると考えております。
  22. 森三樹二

    ○森(三)委員 先ほどのお話では、不動産と労務の提供以外のものは直接調達によってやるというお話でありましたが、それについても従来の経験からいうと間接調達、すなわち調達庁が中に入っていろいろな物資の購入その他を調達する方が米軍のためにも都合がいいし、また日本のためにも――そういう説明はなかったようですが、私の聞き取った範囲では双方とも便利であったと思うのです。それがかえってまた日本の国の産業といいますか、あるいはまた計算上の利益になるというようなことが明確であるとするならば、調達庁職員の将来の首切りなんていう問題についても、あなた方はそこを科学的に現在の職員を首切らないで済ますという方向に理論的に持っていくことかできるのではないかと思います。それについて長官も御研究になっていらっしゃると思いますが、御見解はいががですか。
  23. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 これは間接調達、いわゆる特需についての間接調達を始めるということになりますと、その数の関係は現在の職員の首切り云々という問題ではございませんので、相当膨大は組織を要するわけです。間接調達をやっておりましたころと現在の調達庁の人数では、かれこれ一万人違うわけでございます。相当大きな組織がいる問題であります。従って直接目には見えませんけれども、日本の経済のためになるということは確かだと私は確信しておりますが、一方一万人くらいの人間の政府としての行政費用が、これはまた目に見えてかかってくることになりますので、政府機構を小さくするとか、行政費節約とかいう面とはちょっと両立しがたいことになってくるわけであります。一万人以上の人間を役人としてかかえることによる行政費の膨張ということと、経済に及ぼす好影響というものとのバランスをとって決心をすべき問題でありますけれども、バランスをとる対象が種類が違うところもありまして、決心がつきかねるのではないかと思いますけれども、何もそれだけの経費をかけなくても、アメリカに直接やらすということにしておけば、経済上若干の不便はあるかもしれないけれども、行政費としては非常な節約ができる、こういうのが大体変りました動機ではないかと思います。
  24. 森三樹二

    ○森(三)委員 あなたの御答弁を聞いておりますと、やはり間接調達の合理性といいますか、妥当性といいますか、やはりあなた自身として日本の経済にプラスになるというお考えに立っておられるように思うのです。過去に一万人そこそこの者を整理された、そのことのよしあしは別として、済んでしまったことですが、現在三千幾名ですか、おるわけです。それらの人々について、本年度においても三百三十二名の整理が行われようとしておるということを聞いているのですが、それらの方方とすれば、大した数でもないと私どもは思うのです。それらについて、やはり合理性を持たした解決ができるのじゃないかと私は思うのですが、長官もその点は非常に御研究になっていらっしゃると思うのです。従いまして、そこにやはり従来の間接方式というものを、日本の経済にプラスになるというような観点からいってお考えになって、今まですでに整理した一万人問題は、これは過去の問題としてやむを得ないとしても、今後におけるところの現在三千数百名の調達庁のあなたの庁内における職員の整理に対しては、できる限り出血をしないというような方向に持っていっていただきたいと私は思うのであります。しかも長官の答弁を承わっておりますと、必ずしも今後の考え方としては、それは不可能でないというようなお答えも暗黙のうちに含まれておるような気がするのですが、その点についてさらにお尋ねしたいと思うのです。
  25. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 この整理に出血をなくしたいといいますか、整理の問題について、もちろん調達庁の職員組合もありますので、組合の諸君とわれわれと議論をしておるわけでありますが、質の違った議論をしておるわけではないのでありまして、組合は欠員と希望退職でやってくれ、こういうことを言っているわけです。三百三十二名を減らすことは、これは法律できまっておりますので、法律の変らない限り、どうもわれわれの取り上げる問題にはなりませんので、その点は組合もぐずぐず言っておるわけではありません。三百三十二人の減らし方を欠員と希望退職でやってくれ、われわれはそれに対して反対しているわけではない。われわれは賛成である。賛成であるが、希望者と欠員とを足したものが三百三十二に百二十ばかり足りないという現実なんです。そこで組合の諸君の言い方に賛成したからといって、問題は解決しない。一ぺん賛成はするが、なお足りないところをどうするかという問題になるわけでありまして、組合との議論の建前は、賛成、反対というところで違っておるのではなくて、数の関係から整理という問題が生まれてくるのであるということは了承を得たいと思います。従いまして、希望退職者によって強制退職者の数が変動してくることは当然ありまするし、また残さざるを得ない欠員が少しありますので、どうにもならないのでありますが、これに工夫をこらして、欠員を極力減らすという数がふえればまた強制退職者の上に影響を与えるということになるわけであります。そういう問題がせんじ詰まりまして百二十名程度の問題を持ち、その百二十名程度のうち八十名程度の退職者という問題につきましては、かねてから大体話し合いが成立しておるわけであります。従って本式の意味における無理やりにやめさせるというものがこの際四十名ばかりあり、頭を悩ましておるというのが実情であります。
  26. 森三樹二

    ○森(三)委員 だんだんと詳しい御説明でありまして、さらに希望退職と欠員によってその三百三十二名には達しないという方向も明らかでありますが、そうした場合に配置転換等の方法について長官はどのように努力されておられるか、それを承わりたいと思います。
  27. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 配置転換と申しましても、自分の部内で配置転換はきかないのでありまして、結局よその役所へかつぎ込む以外に方法はない。御承知の通り、今回の定員法というものは役所の全般を通じまして、すべて整理という中に調達庁もはさまれ、ただ調達庁の計画が三年計画で少し長いものですから、あとへ取り残されて、調達庁だけが整理という形になっておるわけでありますけれども、今日そういう時代によその役所に欠員を見つけるということはなかなかむずかしいわけであります。防衛庁の関係にはずいぶんお願いもいたしましたし、またずいぶん採用もしていただいておるわけであります。これとても全部が全部というわけには参らないわけでありまして、なかなか配置転換という形だけでは、はみ出しました数のおさまりはつきかねるのだろうと思っております。しかし余裕のありそうな役所を見つけては交渉するという態度は引続き維持したいと考えております。
  28. 森三樹二

    ○森(三)委員 大体話もわかってきたようでありますが、私どもはさらに人員整理につきましては慎重にしてかつ綿密にいろいろ御計画を立てていただきまして、犠牲のほんとうに少しでも出ないような方向にわれわれも今後考えていきたいと思いますが、長官においても鋭意御検討を願って最大の効果を現わすようにお願いしたいと思います。  私の希望を申し上げて質問を終ります。
  29. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 堀内一雄君。
  30. 堀内一雄

    ○堀内委員 私は一昨日の本委員会で調達庁長官の話された答弁の中で不明な点がありますので、これを確かめたいのであります。  まず長官の答弁の中に、被弾地区におけるバスの運行の件と同時に、他の十五項目をあげて同時に要求しておるというお話でございましたが、この十五項目というのはバスの問題外十五項目であるかということが一つと、それからB地区に属することだけであるか、これがキャンプ・マックネアの方も含んでおるか、また富士演習場以外の問題も含んでおるか、この点を一つお伺いしたい。
  31. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 全部で十六項目と承知しておりますが、そのうち一つが船津林道バス運転問題、残る十五は直接このバスに関連する問題もあると思いますが、北富士演習場全般に関する問題であると承知しております。北富士演習場以外の問題はございません。
  32. 堀内一雄

    ○堀内委員 B地区に関する以外の問題でどういうことを要求しておられるか、この際その米軍の方へお出しになっておる資料を一つお知らせ願いたい。
  33. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 資料が手元にございませんので、調べましてから御説明申し上げることにいたしたいと思います。
  34. 堀内一雄

    ○堀内委員 一昨日の答弁の中に、この演習場の返還を要求しておるというお話でございましたが、これは今申しました十六項目の請求の際に出してあるのでありますが、演習地全般の返還と別にB地区の返還ということをお出しになっておられるのか、もし別にお出しになっておられるならば、ただいま申しました資料と一緒にこの資料もお出し願いたいと思います。
  35. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 これは全般的な返還という問題と、その使用条件十六項目というのとは両立しない問題でありまして、これは一緒にやっているわけじゃない。初めにB地区についてはバスを通してよろしいと向うが言いますから、バスを通してよろしいくらいならば演習場を使ってないのであろうから、返してもらいたいという交渉をまず最初にやったわけであります。ところが返せというようなことでは話は簡単につきませんし、のみならず御承知の通りの経緯でありまして、バス問題というのは急いだ経緯もあるわけであります。ですから初めのころには建前として返せという交渉が行われるのは当然であり、またわれわれもしたわけでありますけれども、これで半年かかるか一年かかるかわからぬ交渉になるわけでありますので、それではまたバス問題というのは待ちかねることにもなるであろうからということで、その交渉を引っ込めたわけではありませんけれども、これは全般的に返せといって、あした返すと向うがかりに言わなくても、三カ月、四カ月あるいは一年かかると向うが申しましても、ある意味ではいたし方のないところもありますので、それまでの間事態を解決に近づける方法として、十六項目を出してあるわけでありまして、十六項目を承認すれば解除はしないでかんべんしてくれというチャンスも相当あるわけでありますから、必ずしも両立しない問題を並べられておるという傾向はあるわけであります。これをどうさばくかということは、今後に属することになりますが、そこへ、まだ私どもは正式に聞いてないと申し上げましたが、地元で御承知だという被弾地域を拡張するという問題が起ってくるわけであります。これは起ってくるのであろうと私も思いますけれども、まだ聞いておりませんが、起って参りますと、この十六項目ではおそらく解決のつかない問題になるおそれもあります。十六項目というようなことで交渉中なのに、先方がその回答をしないうちに、被弾地区の拡張というようなことに態度が変ってくるということになれば、こちらはまた前に戻って、全面的な返還というような話でもして突っぱらざるを得ないというような考え方になっておるわけでございます。
  36. 堀内一雄

    ○堀内委員 米軍から山梨県の県庁の方に情報として入った、並びにそのほかから入つた情報によりますと、そのB地区の演習場、ことに今のバス問題に関連いたしまして、不可能の条件またはこれに直接関係のない条件というのが一括して出されておるので、米軍としてもその取扱いに困るのだということであり、県の方から調達庁の方へお伺いすると、その中でいいものだけ米軍の方から答えてくれればいいんだというのと、そこに食い違いがあるように私は聞いておるのでございますが、従いまして今要求した資料によりまして、さらにこの問題を保留して検討いたすことを申し上げて、このことを打ち切ります。  その次に、この前の答弁の中に、演習地の返還ができない場合に被弾地を広げるというような問題が起ってきた場合には、これに対してこちらでもって断わる腹であるかどうかということを聞きましたときに、返還を要求しておるのだから、そんなことは問題ないというようなお答えがあったように思っておりますが、現在長官のお考えとして、返還が可能であるかどうかというお見込みを一つ。
  37. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 御指摘の通りに、被弾地を拡張すると向うが相談してきた場合に、断わる腹かどうかということにつきましては、こちらの腹としましては、もちろん断わる腹である。演習地を返してもらいたいということを希望しておるのであるから、その同じ腹であれば、当然被弾地の拡張は断わるというふうに申し上げたわけであります。こちらの希望並びに決心としては返してもらう。ただこれは正式に先方に提供してある地域でありますので、返してくれるかどうか、それが成就するかどうかということになると、これはちょっと見通しはつかないと申し上げざるを得ないのでありますけれども、返還ということは、B地区についてできるようにも思いますけれども、しかしまたアメリカ側の演習計画その他に関連して、具体的にそれを使うというしごくもっともな計画が飛び出してこないとも限らず、見通しとしては必ず返すでしょうということを申し上げるわけには参らないと思います。と申しますのは、演習地の関係は先般妙義の問題もございましたが、その際にもわれわれは請求したのでありますが、それ以外の使い方の少い演習地、使ってない演習地、その他十ばかり返還を要求しているのがあるわけでありまして、そういうもので整理を要すると思われるものが非常にたくさんある。北富士演習場の方は、A地区だけになるかもしれませんが、とにもかくにも使っている演習地であります。使ってない演習地を片っ端から始末をしてしまうということになりますと、富士の演習場での活動はもっと活発になるのだというような言いぐさが出ないとも限らないのでありまして、返ってくるかどうかということは、全般的な演習地の交渉とも関連がありますけれども、この見通しは簡単に立たないと思います。
  38. 堀内一雄

    ○堀内委員 昨日の答弁の中に、バスの運行は今日まで黙認しておったんだ、万一被害があった際に補償ができないからこれを禁止したというお話でありましたが、協定によりますれば、原則として富士登山道を越えて射撃することはしない、そして七、八月の候にはこの地区では射撃しない、もしその七月、八月以外の場合においてやる場合には調整して行うということになっておる。それからまたA地区の方におきましても日曜、祭日には一般の立入りを許しておるというようなことになっておるのでございます。従いまして七、八月の候はあの吉田登山道を越えて射撃がないとなれば、そのときには射撃することはない。B地区の方から射撃することもなければ、B地区の方へたまが来るということも根本原則としてないということになっておる。そうして今の被弾地の方でさえも日曜、祭日には一般農民が入ってよろしいということになっておる。そういうようになっておる場合におきましても、B地区の方だけ日曜も祭日も七月も八月も、一切観光客とかそういう者の立ち入りを禁止するというふうになされた理由は、どういうところにあるのでございますか。
  39. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 これは形式論になるかもしれませんけれども、A地区における富士登山道のバスは、協定にこれが存在し、運転するということを明記してあるバスであります。一方のB地区のバスは、その協定の際に明記しようという努力を相当したのだそうでありますが、ついに明記することができなかったバスである。安全である、支障がないだろうという実質上の議論はともかくといたしまして、行政協定第三条に基きまして先方に提供しました施設、区域というものは、それに明定された条件を除いては、先方に排他的な権利があるということになっておりますので、条件を明定しないで運行が行われるのは困るという、これは先方の言い出しました形式上の議論であります。われわれもそうあるべきものだと思います。従いまして、富士登山道のバスをこの際条件に明記するかどうかという問題になった。明記するということになりますれば、つまり使用条件を緩和して、富士登山道のバスの問題は取り上げてほしいという一つの問題も、それで片づくわけでありますけれども、御承知の通り、富士演習場につきましては、A地区たるとB地区たるとを問わず、農民の関係その他で各種各様の条件緩和の要望が非常にたくさん出ておる。もとの自分の桑畑に行って桑がつみたいとか、そういった種類の要望が非常にたくさん出ておる。こういうことは一切ほったらかしておいて、富士登山バスのめんどうだけを見ることは私どもできない。そういう問題も一緒に取り上げてやるか、さんざんやったけれども、これはこうだというように納得のいくところまで全般の人の問題も考えてやったということにならなければ、それはアメリカがいいと言うたかもしれないけれども、はなはだ卒然として、富士登山バスの問題だけが解決して、小さい農民の問題は一切解決されずにそのままになっておるという状態ではわれわれは困る、こういう動機であります。
  40. 堀内一雄

    ○堀内委員 長官に念のために申し上げておきますが、私は昨日も言いましたけれども、バスの問題ばかりではなくて、バスと同時にあそこでは観光客そのほかの者が一切とめられている。そこで今申し上げましたように、A地区の方は被弾地であるにかかわらず、土曜、日曜には人が入ってよろしい、B地区の方は被弾地でもなし、演習にも使わぬし、たまも飛ばぬし、こちらの方にたまも来るようなことのないような条件になっておるにかかわらず、観光客そのほかの者も入れない。このことは、今のお話だと形式論でありますが、この前のあなたの御答弁では、危険があった場合補償ができないから困るんだというお話だったのですが、それはどちらですか。
  41. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 どちらということはありませんけれども、要するに明定する必要があるということなのです。それは危険があるかないか、ないということでありましょうけれども、いやしくも射撃演習場の内部でありますので、バスは通るということになっておらない。そういう協定に載ってないバスをかりに通しておって、万一事故があったらどうするか。従ってバスを通さないというのではなく、バスが通るなら通るで、通れるということになって通らなければ、一種の公共機関でありますので、通れないという建前でバスが通ったのでは、いかなる間違いが起るかもしれない。バスが通ることは至当であろうと私も考えるけれども、通れるという建前において通らなければならない。バスを通れるという建前にするときに、それはA地区の方でありましょうけれども、草をとりに入らせろ、桑をつみに入らせろ、何をさせろという農民諸君の要望というものも、問題は小さいですけれども、これは相当あるわけです。この方は全然交渉した覚えがない、バスだけやってやったということは私どもできないので、一緒に交渉さしてくれと、こう言うのです。その場合に、ほかの種々雑多の問題についてはやったけれどもできなかったということに、正当化されるような説明のできるだけ実績があがれば、何もそれは解決しなくても、これだけやったので、またやる意思もあったのだけれども、これは片づかない。あなたの方の問題が片づかないために、こっちの人にまでそばづえを食わせる必要はあるまい、そういう説明はできると思います。しかしながらアメリカ側が、ただわけがわからずにバスはいい――私どもはバスがいいと言うくらいなら当然許すべきだと考えるが、農民の要望その他にこたえないという場合には、やはり突っぱらざるを得ない、こういうことになるのであります。
  42. 堀内一雄

    ○堀内委員 そこで長官にお伺いするのですが、仄聞するところでは、いわゆるキャンプ・マックネアの方の地区の立入りのごときは、これは不可能を要求しているものだと思います。あの立入りの問題でも、土曜、日曜は演習していないのですが、日曜、祭日には一般の者が入ってよろしいということに対して、日曜、祭日以外でも演習をしていないところは、その中に入っていいようにしろというような要求も出ている。でありますから、山梨県等の見解からいいますれば、不可能の問題を提供して、そしてこの問題を遷延しているのだ、そこに何ものかがあるのだというようなことまでうわさされているのでございますが、そういう意味におきまして、長官はこの両方の問題をこちらから整理して、そして向うに交渉するというようなお考えはありませんか。
  43. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 それはA地区の農業者諸君の言っていることが、不可能な要求であるということであれば――不可能かどうかそれはわかりませんけれども、不可能な問題のそばづえを食ったのじゃ、それは可能な問題の諸君がお気の毒であるということくらいはわかりますので、そういうことは整理しなければなるまいと思いますけれども、お前の問題は不可能である、こっちの問題は可能であるという整理は、それは理論上はついても、現実に人を並べてみて片づけるということは、なかなか簡単に参らないかと思います。しかしそれは私どもの判断で、これは不可能事を求めている要望である、これがかなえられないというのは、アメリカの方がわけがわからないのであるということは、関係者が集まって相談しているわけでありまして、またそういう農業上の条件というようなものの大体の判断は、私どもとしましては農林省に協議しているのでありまして、農林省として、これだけは農民のために保護してやってくれなければ困ると言う条件が、せんじ詰まって今のバス会社の条件と一緒になって十六項目になったのであります。調達庁は農業問題の専門家ではありませんし、そう言う問題につきましては、各省庁の意見を徴しているわけであります。私どもとしましては、種々たくさんにある要望の中で、可能なものをアメリカは不可能と言うかもしれませんけれども、われわれとしましては、アメリカがこれを許容するのが当然であるというものを詮議して十六集めた、こういうつもりでいるのであります。
  44. 堀内一雄

    ○堀内委員 いま一点長官にお伺いするのですが、昨日も高橋委員から、不可能の問題をしばらくおいて、可能な問題をまず取り上げて、そして解決をはかって、その実績に基いて他の方までも延ばしていくようにしたらどうだという御意見もあったのでありますが、私の知り得たる情報では、そういう幾つかの不可能の問題を含む御要求の中には、B地区の問題、A地区の問題、そしてさらにこの演習場に関係のない一般的の問題までも含まれて出ているやに聞いているのでありまして、これは資料をちょうだいしてなお研究いたしますが、この際まずB地区の問題だけに制限して、A地区そのほかの問題を切り離して交渉するというお考えがあるかどうか。県その他から陳情した状況によりますと、日本の調達庁で聞きますと、米軍の方でいいやつだけピック・アップして許してきたらいいのだ。そうすればこちらの方はそれたけを待っているのだ。こう言うし、米軍の方へ行って聞きますと、一括してこういうふうに出されておれば、これを比較するのに困るのだというようなことを言っているやに聞いているのでありますが、米軍の方で中のいいものだけ、許せるものだけピック・アップして持ってこいというのは、あたかも米軍に拒否の責任を背負わせるということになるように考える。そこで米軍の方としても、この問題の取扱いに非常に困難をしているようであります。でありますから、私は一応これを取り下げて、そしてB地区だけの問題に制限して、B地区の中のあそこで営業しているバス等に限らず、農民なり観光客の問題をも含めて、B地区の問題としてこれを交渉するというふうにしたならば、この解決は非常に促進されるのじゃないかと思いますが、それに対する御見解はいかがでしょうか。
  45. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 それはそうすれば解決するだろうと思いますけれども、きわめて正直なことを申し上げてしまえば、A地区たるとB地区たるとを問わず、またバス会社であるとあるいは農業者であるとを問わず、皆さんの希望されるあらゆる問題の中から至当と思われるものを十六集めたわけでありますので、これをアメリカ側に考慮を頼んでおる。アメリカがもしも全面的に考慮できないのであれば、できるものから順番に言ってきたらいいではないか、何も一体でなければ受け付けないとは言っていない、こういうような言い方をしてきているわけでありますが、それはもう御指摘の通り、責任をアメリカ側におっつけようということなのであります。と申しますことは、こちら側で選んで富士山麓電鉄だけということにしたのでは、それは農民諸君に私としては申し開きが立たない。私としては皆さんの言うことを全部努力したのだけれども、向うからこれだけ返事が来たのだということでなければ、これはできません。
  46. 堀内一雄

    ○堀内委員 私が言うのは富士山麓電鉄そのもので言っているのではないのですよ。あそこにおける観光客その他をみんな立ち入り禁止しておるじゃありませんか。あなたは富士山ろく云々というが、私はこれははなはだ不当だと思う。私は先ほど申しましたように、衆議院議員という立場からお伺いしておる。そうしてその問題は一般の生業者ということになっておりますが、観光客も何もみんな立ち入り禁止しておるじゃありませんか。その一般の観光客にも立ち入りを禁止するという理由がどこにありますかということを聞いておる。そこであなたの方でもって出したというものは、あのB地区に関係のないA地区、しかもそれはみずから不可能と思っておるような問題を出しておる。他の方面の演習場の問題までも出しておって、そうして向うからピック・アップしてこいとか、私ははなはだその意が解せない。でありますから少くとも一般観光客なり何なりがそこに入れるようにしてもらいたいということを言っておるのであります。でありますから、B地区としてあなたの方で出しておる問題の中には五項目あるということを私は聞いておる。たとえば交通のこともありましょう。観光のこともありましょう。あの中のスキー場のこともありましょう。それからあの中で営業を営むところの売店等のこともあります。そういうものが四、五項目もある。それをB地区として御交渉になるだろう、こういうことです。それがその交渉と一緒にA地区の方の問題までも、よその演習場の問題までも一緒にしてやる。そうしてお答えするところを見れば、富士山麓会社が云々だ、農民、一般の国民がどうだとおっしゃるけれども、あの観光客並びにそれに関係しておる業者というものはたくさんある。現在山梨県において知事が先頭になって、地元の者が一生懸命にやっておるじゃありませんか。でありますから私はあなたに現地に来て見てくれというのです。A地区の問題にしましても、あそこに日本軍が演習場を設定したときすでにあそこは日本軍が買い上げて、その当時の桑の畑というものは整理してしまった。その桑の畑へ行ってまた桑をつみたいということを農民が要求しておる。その農民というものはどうかと申しますれば、思想問題等がいろいろあります。かなり過激な思想を持っておる者が要求しておる。そういうことでありますから、私は長官にすみやかにあそこに来て実情を調べてもらいたいということを言っておるのです。何かと申せば山麓会社が何だということを言われる。私ははなはだ心外だと思う。この前辻委員からも申しましたように、すみやかにあそこに来て、あなたが実際に現地を見て対策を講じてもらいたいと思うのです。しかも私がここで言うのは、現地の状況というものは知事が先頭に立って期成同盟会を作って、向うはち巻で騒いでおる。あるいはきょうも代表者が座間やそのほかに陳情に来ておるのです。でありますから、その点についてよくお考えを願いたいと思うのであります。
  47. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 できるだけ早い機会に現地を視察するようにいたしたいと思います。
  48. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 田原春次君。
  49. 田原春次

    ○田原委員 駐留軍の労務者の件で一点だけお尋ねします。駐留軍の労務者の退職手当と一般公務員の退職手当とははなはだしく差があって、駐留軍の労務者の場合の退職手当が大体三割三分ぐらい低いといわれておりますが、これを是正する考えがあるかどうか。
  50. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 この問題はなかなかむずかしい問題でございまして、公務員に比較して退職金が必ずしも三割三分低いというように簡単に割り切れないところもあるのであります。つまり退職金をどう見るかということで変ってくるわけであります。公務員と駐留軍労務者というものは大体賃金ベースが違うわけなのであります。一方は一万五千円に対して一方は一万八千円ということで定めた。その後公務員と同時同率でベース・アップするということで現在になっておるわけであります。ぺース・アップを重ねた結果がそういうふうに開いたわけでありましょうが、そこで退職金規定も公務員と同じように定まっておったところが、公務員の退職金に関する規定が近年いささか改まりましたので、その結果退職金規定としては、つまり率の問題としては公務員の率よりやや不利であるということが言えるわけです。それを御指摘の、あるいは三割というふうにおっしゃるのかもしれないと思います。ところが退職金というものは、率はもちろん問題でありますが、せんじ詰めて問題になるのは、やめて幾らももえるかということになるわけでありますから、退職時の月給に率をかけてそれで幾らになるかということになるわけであります。そういたしますと、もらえる金としては同じような年限、同じような仕事をした公務員と駐留軍労務者の退職金とでは、駐留軍労務者の方が低いということにはなっておらない、金額としては高いのです。率としては公務員と同じような制度になっておらないことは事実であります。従ってその限度内において、金額の場合は忘れて率の問題として是正される必要があるであろうということは、私も考えております。たださらに違いますことは、駐留軍労務者の場合には失業保険というようなものがついてくるが、公務員の場合にはそれがついてこない、そのかわり恩給がついてくるとか、待命制度がついてくるとか、いろいろあるわけで、その付随の制度が非常に違います。従って退職時の利益といいますか、――退職時の利益というのはおかしいのですが、退職時のベネフィットというものを一体何できめるべきか、公務員は退職金と恩給、臨時待命であるが、駐留軍労務者は退職金に失業保険である、それとどうするかというように比較して、そこでお話になっておるのですが、何と何を比較するかという正確なところがいろいろ意見の分れるところでありまして、従って公務員より三割安いというようなお尋ねがございましたから、現実の問題として公務員より安いことはない、しかしながら制度上の問題として比率上若干損をしていやしないか、駐留軍労務者の退職金が公務員より多いのだからといって、平生の給料が多いのだから、給料の多い者は退職金をよけいもらえる、これは当然なんで、それを多いからといって数字化されては困るのです。そこでこういう制度は改善してもらわなければならない、せんじ詰めればこういうことを労務者側は主張になるが、アメリカ側の主張は公務員並みにしろといっておる、どれをとってみても公務員より多いじゃないか、こういうことをいっておるのです。一方問題をむずかしくしておりますのは、駐留軍労務者の場合は、平和条約発効の際一ぺん退職金を計算してとってしまったわけです。それ以後新たに勤務年数というものが生まれておる。従いまして駐留軍の労務者というものは講和発効以来三年になりますか、三年といたしますれば、三年以上の勤続年数というものはないのです。それまでに途中で一ぺん退職金をとって清算したということがあります。退職金というものは、一定の率に最後の退職時の給金をかけましてとるものでありますので、途中で清算すれば損になるにきまっておるのです。損になるときまったことをしておって、今になって少いといったってしょうがないじゃないか。少くしたのじゃないか、しかも給料の金額はどれをとっても公務員より多いじゃないか、そこで金額で議論する米軍と、率で議論する組合との間に立ちまして、われわれは妥当な解決点を発見しようというような努力をしておるわけであります。
  51. 田原春次

    ○田原委員 長官の説明に納得できる点とできない点がある。給料が多いからといって退職金が少くていいということは言えない。時間の都合がありますからこの程度にしておきます。
  52. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 下川儀太郎君らから防衛庁長官その他に質問がありますが、一時から多分出られると思いますから、その間暫時休憩して、理事会を開いて今後の運営を御協議申し上げたいと思います。  暫時休憩いたします。     午後零時四十一分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十三分開議
  53. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際お諮りいたします。地域給に関して小委員会を設置したいと思いますが、御異議ございませんか。
  54. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 なければさよう決します。  なお委員の数は十名とし、委員長において指名するに御異議ありませんか。
  55. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 なお引き続いてその小委員会の委員長も私において指名するに御異議ありませんか。
  56. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 地域給に関する小委員は十名とし、       高橋 禎一君    辻  政信君       長井  源君    高橋  等君       田中 正巳君    田村  元君       森 三樹二君   茜ケ久保重光君       田原 春次君    矢尾喜三郎君  右の十名を指名いたします。  委員長には高橋禎一君を指名いたします。(拍手)     ―――――――――――――
  57. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 それでは調達庁長官が見えておりますから、先にその質疑をお願いいたします。下川儀太郎君。
  58. 下川儀太郎

    ○下川委員 本来は調達庁の長官とそれから防衛庁の長官並びに外務省関係の方々に出会ってお聞きしたいのですが、問題はアメリカ駐留軍の空軍使用について主としてお伺いしたいと思います。  御承知の通り、先般埼玉県入間郡にジェット機が一機墜落いたしまして、相当の人命その他の被害を受けておりますが、その点の解決はどうなっておりますか。先にそれを一つお伺いしたいと思います。
  59. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 米軍の航空機の墜落によりまして、日本人の身体、財産に損害が起りました際は、米軍の公務上の不法行為に基く損害ということになりますので、行政協定十八条に基きまして、とりあえず日本政府補償するということになっております。日本政府はその後におきましてアメリカ側から償還を受けるという手配になっておるわけであります。最近に起りました事故につきましては、その補償金額の算定その他の作業を取り急いでおります。  なお多少申しかねますけれども、役所仕事のことでございまして、いろいろな意味で手間のかかる点もございますので、大体の算定ができましたならば、概算払いと申しますか、内払いというようなことで大体の補償額をお手渡しできるような処置を至急講じたいと考えております。また同じような措置を先般北海道に起りました墜落事件につきましてもとりましたので、今回もできるかと考えております。内払いにつきましては――内払いと申しましても、大部分の補償金をお渡しできると思いますが、早急に処置できると考えております。
  60. 下川儀太郎

    ○下川委員 従来はどの程度に支払われておるのですか。
  61. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 あまり詳しい具体的なことを私知らないのですが、私の承知しております限りでは、北海道におきます事故は人命その他に損害はございませんで、家屋が一軒焼けただけであります。これに対しましては、たしか九十六万円と承知しております。人命につきましては飛行機による実例を承知いたしませんが、ほかの場合における事故と全然同じことになりますので、最高額百万円程度と承知しております。
  62. 下川儀太郎

    ○下川委員 それではお聞きしますが、行政協定以後従来までのジェット機その他空中事故による件数、人員の殺傷の数、人家の被害、それから補償額その他が大体おわかりでございましょうか。
  63. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 ジェット機その他航空機によります損害並びに自動車その他によります……。
  64. 下川儀太郎

    ○下川委員 主として空中関係です。
  65. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 航空機関係の損害は、私の記憶いたします限りでは、今回の事件の以前北海道に一件ございましたし、それから名古屋付近においてジェット機が墜落した事件が再三あったと承知しておりますが、申しわけありませんが正確なる数字を承知いたしておりませんので、ただいま御指摘のありました発生件数、損害件数、損害状況その他至急取り調べまして提出させていただきたいと考えます。
  66. 下川儀太郎

    ○下川委員 そうするとこの問題はいろいろございますが、どうして墜落があったか、その原因を追及したことがございますか。
  67. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 その原因は、実はある程度わかっておるのでございます。もちろん北海道の事故はソビエト機に撃墜されたということになっておりますが、それ以外の事故はほとんど全部がジェット機でございまして、ジェット機が飛行場の滑走路が短かいために離陸、着陸困難で、離陸の際の事故、着陸の際の事故が相当あるわけでございます。御承知の通り日本の飛行場は大体旧軍時代の飛行場の規模によりますものがおもでありますので、プロペラ式飛行機のために六千五百フィート程度の滑走路があるのが普通であります。ところがジェット時代になりまして、飛行場の滑走路というものはかれこれ一万フィート、少し内輪に見ましても九千フィートは必要だというのが実際のようでございまして、そのためにジェット機の事故が非常に多いということが、突き詰めますと原因になると思います。私はそういう方面の専門家でありませんので、詳しく承知しているわけではありませんが、たとえば小牧の飛行場におきましては、着陸の際に最後のところに網を張るとか、いろいろこそくな手段までやって演習を行なっているような始末でありまして、滑走路の延長が必要であるということがどうも結論になって来るおそれがあるのであります。ところが滑走路の延長が必要だということになりますと、  私どもといたしましては安全確保のために滑走路は延長しなければならぬ、滑走路を延長するということになりますと、さらに接収区域の拡張という問題を起しまして、これまた相当にむずかしい問題でもありますので、原因の追究は真実のところわかってはいるようなものの、追究いたしましてまた問題が飛行場問題その他大きくなることも痛しかゆしというところで、はなはだ不徹底な仕事ぶりになっておるということを告白せざるを得ないと思います。
  68. 下川儀太郎

    ○下川委員 その損害補償に関してですが、問題はやはりいつも原因がどうかということの追究が問題になって来ると思います。それは滑走路の問題以外に、空中においていろいろと向うの事故によって日本の人家とか、国民にいわゆる犠牲を払わしめるということになってくると、勢い補償に対する態度が違ってくるのだと私は思うのです。そこでもう一つは、行政協定においてきめられた地域外においてなされたそういう事故も相当私はあると思いますが、そういう点までこれはやはり追究して行かなければならないと思います。要するに補償の対象が、こちらの全然知らない間に、向う自身の行き過ぎ、あるいは地域外を飛んだとか、あるいは向うから生ずるあらゆる事故によって日本国民あるいは人家が傷つけられた場合は、当然これは補償の額が増されて来ると思う。そういう点について長官としてはどういう態度でこれを進めるか、どういう考え方で今までこれを持って行ったか、その点について一つお伺いしたいと思います。
  69. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 十八条の損害補償の関係は、御承知の通りに建前といたしまして無過失補償責任ということになっておりますので、事故の原因につきましては、ただいま申し上げましたように、滑走路の不備ということもございましょうし、また先方の機械の故障ということもありましょうし、あるいは領域外を飛んだという先方の過失による原因もあるでありましょうけれども、十八条の規定並びにこれに関連します制度は一律に、先方に過失があるなしにかかわらず、過失同様の損害補償を求めるということになっておりますので、損害の原因に基く補償額の差別というものはいたさないことに今なっておるわけであります。従いましてすべてを先方に不法行為がある、過失があるという建前で賠償金を取り立てるという原則になっておるわけでございます。
  70. 下川儀太郎

    ○下川委員 しかし、私の聞いているのは、行政協定地域外におけるいわゆる向うの活動いかんによって生じた事故のことをさすのですが、先般の埼玉県の入間郡に墜落したあのジェット機は、地域外になっておるのかどうか、地域内かどうか、その点お調べになっておりますか。
  71. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 埼玉県に墜落いたしました飛行機につきましては、私は私自身調べたわけではございませんが、これが行政協定の対象となっておる地域外を飛んだ、日本の国外を飛んだという意味でございますか。そういうことはないのであろう実は調べもせずにそう申し上げることは恐縮でありますが、埼玉県の事故につきましては、国外で発生した原因に基いて埼玉県下に事故が発生したとは考えておりません。ただ根室に墜落いたしました事件につきましては、これはどうも国外において事故の原因が発生して国内に飛行機が墜落して来たというふうに考えております。
  72. 下川儀太郎

    ○下川委員 私の言うのは、いわゆる行政協定において当然きめられた地域内を飛んだ場合における事故という問題は、これは一応行政協定にきめられた問題として処理できるのですが、きめられていない地域を飛んだ場合には、これは外交上の問題まで来たすのではないかと思う。もちろん調達庁の長官は関知するところでないかもしれませんけれども、しかし調達庁の長官としても補償に際しては――当然この場合外交問題として扱わなければならぬし、あるいはまた補償の程度も当然違ってくると思う。むしろ行政協定の違反をあえてしている。そういうことに対してどういう見解を持っておりましょうか。これは私は当然いわゆる原因を調べる場合において、どの個所を飛んだ、あるいはまた補償する場合において、もちろん十八条の規定に沿ってあなた方の方としても補償されるでしょうが、しかし地域外を飛ぶということは、これは行政協定を無視しているやり方だ。いわば日本民族あるいは日本の国土を蹂躙する、あるいは全然横行時代で、勝手な行動をやっておるという場合においては、当然私たちは外交問題としても、あるいは防衛関係としても抗議しなければならぬ。もちろん調達庁の長官はそういう権限を持たされておらないにしても、これを補償をする場合においては、十八条以外に、もっと強くこれを相手方に追求しなければならぬ。この点、補償の問題に関連して、長官の見解をお聞きしたいと思います。
  73. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 行政協定地域外を飛ぶということは、私は多少考え違いをしたかもしれませんが、日本の国外を飛ぶというふうに考えておりましたんですが、かりにそういう意味でございましても、またいわゆる施設区域という意味で御質問になっておるのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても飛行機のことでありますから、飛んでならない区域があるというふうには私は実のところ承知しておらないのでありますけれども、これはしかしあるいは外交上の問題であるかもしれず、私が好き勝手な御答弁をしない方がよろしいかと思います。私どもの仕事に関します限りは、補償上の問題といたしましては、原因のいかんにかかわらず、無過失責任の問題として十八条に基いて同様の補償をいたしておるわけでございます。
  74. 下川儀太郎

    ○下川委員 大体調達庁の長官としてはそれ以上のお答えができないと思いますので、防衛長官に関連してお伺いしたいと思います。――関連して石橋委員の方から調達庁長官に質問があるそうですから……。
  75. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 やはり補償の問題に関連して参りますので、長官に御質問いたします。最近のことでございますが、北海道の千歳キャンプにおいて、毒ガス、イベリットによる傷害の事件が発生したわけでございます。この点につきましては、先日調達庁において一応お話してあるわけでございますが、米軍が日本人の労働者に対しましてイベリットのあきカンを手入れさせた、その際残液によって二十数名の日本労働者が傷害を受けておるというのが、事件の荒筋でございますが、この事件に現われておりますように、これは毒ガスであるといったような明示も行わずして、このような危険なものを扱わせ、そうしてこういった傷害事件を起しておる。しかも目が痛いとかあるいは皮膚の工合が悪いというような症状を訴えておるにもかかわらず、アメリカの軍人が、どうもないのだからお前たちがそういうように傷害を受けるはずがないといったような言いがかりをつけて、数日間放置するというようなことは、全く道徳的にも許されない、人道上の問題であるとも考えておるわけであります。これを今ここでとやかく申しても何でございますが、調達庁といたしまして、以後こういう無暴なことを絶対にさせないという約束を、軍当局にさせておるかどうかということをまずお伺いいたします。  それから、いろいろ私たちのほうといたしまして、発生後の措置として申し入れをいたしておるわけでございますが、これらの解決がどの程度進んでおるのか、その点もあわせて御答弁願いたいと思います。
  76. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 北海道において千歳の第二キャンプですかにおいて起りました中毒事件というのは、確かに起ったことでありまして、アメリカ側の労務管理上取扱いが不適当であったということは事実であります。従いましてこれを将来において繰り返さないように是正させること、危険物を扱う際には危険物としての扱いをさせること、危険作業手当その他を支給すること等につき、将来の問題につきましては話し合いをいたしておりまして、大体そういうことに早急に解決すると思っております。  なお今回起りました犠牲者と申しますか、負傷された諸君につきましては解雇通告の出ている人もあったと聞き及びましたので、この負傷が回復できるまではもちろん解雇はできないとか、損害に対して労働災害に関する法規を適用いたしまして補償するとか、あるいは十八条によるアメリカ側の責任を追究することができないかとか、いろいろ迫っており、また交渉もしておりますわけで、近く解決すると思っております。  なお問題となりましたガスがイベリットであるかどうかということはきまっておるわけではないのでありまして、アメリカ側の説明ではイべリットではないと承知しております。また私どもこれはしろうとでありますから権威はありませんけれども、イベリットガスの中毒症状ではないと私も考えざるを得ないのであります。しかしこれは私どもの仕事の範囲外の問題でありますので、これはお知らせするにとどめておきますけれども、千歳で起きました事故につきましては、今回起った事故につきましての処置並びに将来における予防措置につきまして十分の措置並びに交渉をいたしておるわけでございます。
  77. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 今御指摘になりましたように、北海道の場合、ほとんどの労働者が整理の予告を受けておるわけなんでありまして、現実に整理になっておる者もある。そうしますと、解雇されたあとに症状が出て来たというような場合には、当然これを復帰させて、完全な手当もしてやる、補償もしてやる必要があると思いますが、この点の補償が願えるものかどうか。それから労災関係の補償だけではなくて、こういった種類の事件に当っては行政協定上の補償も当然してもらえるべきものじゃないかと私思うわけであります。たとえば衣服などにいたしましても、こういった危険な毒ガスを扱った被服は完全に焼却しなくちゃならないということが当然考えられるわけでありますが、そういう面の補償なども当然やってもらわなくてはならないんじゃないかと思うわけであります。この点はどうなっておるのか。  それからこの危険物質の置いてあった部屋に出入りした者に対する精密検査というものを全員にわたってやってもらったものかどうか、この点についてお尋ねいたします。
  78. 福島慎太郎

    ○福島政府委員 労災関係の法規以外にそういう問題はもちろん、――これはいかようにしてやりますか知りませんが、当然すべきものだと思います。ただ十八条関係の補償と労災関係の補償というものが、一つの損害に対して二重に補償されることはありませんので、その多い方をとるように工夫したいと考えております。将来のためにと申しますか、たとえば解雇になったあとで病気が出てきたということがかりにありますれば、当然それに対応する処置はとらなければならぬと考えております。今の精密検査その他のこと、どういうことか私もよくわかりませんけれども、必要な措置はすべて漏れることなく、将来のためにもまた今回の損害のためにもとりたいと思っております。
  79. 下川儀太郎

    ○下川委員 ただいままで調達庁の長官からいろいろと空中事故に対する当局側としての事務的な処理の問題をお聞きしたのですが、これによると、犠牲者は一人当り百万円程度あるいはその場所に応じていろいろ払われておると思います。しかしこの問題は単に百万円の費用を払う、あるいは損害賠償をするとか、そういう金銭上の問題で片づく問題ではなくて、こういう問題がしばしばわれわれの生活の上に起る場合には、当然生命財産というものが脅かされてくる。従って従来行政協定の上においてなされたことと思いますけれども、アメリカ駐留軍はいろいろと施設外、区域外を飛んで支障を来たしている。現に東京都あたりでは、深更から未明にかけてジェット機が飛んでいる。これが訓練用になされておるのか、あるいは輸送用になされておるのか、それはわかりませんけれども、ともかくこの付近はわれわれから見ますと区域外だ。区域外を公々然としてこれが飛行しておる。しかも行政協定の時刻を見ますと、区域内にあってそうする場合は、朝の七時から夕方の五時ということに規定づけられておるのに、それが夜半に飛んだりあるいは未明に飛んだりして、東京都民などはこのジェット機のごう音に脅かされることがかなり多いと思う。たまたま埼玉県の方でああいう事故が発生したのですが、かりにこういう首都の上空を飛んでいるジェット機などが墜落した場合どうなるか。これは行政協定で一応政府がきめられたことだから、われわれとしても、その区域内に対しても、あらゆる方面からの批判あるいは抗議はあるでしょうけれども、一応きめられた以内を飛ぶならば考えられる。しかし首都のどまん中を深夜に飛ぶとかあるいは未明に飛ぶとかいうようなことは、間接的に、生活あるいは精神的に大きな脅威を与えておる。こういうことを考えて参りますと、単に金によってその犠牲者に償いをするとかいう問題ではなくて、防衛の見地からもあるいは外交的な見地からも、こういうことのないように、徹頭徹尾アメリカ駐留軍に抗議しなければならぬ。そういうことに対して防衛庁長官はどのように考えておるか、これを一つお聞きしておきたいと思います。
  80. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今の御質問は、非常にわれわれも一般国民も関心を深く持っているところであります。行政協定に基いて行動しているわけでありますが、しかし行政協定に基いても、実際上そういう点と今おっしゃったような点となるべく矛盾しないようにやってこれを実施していくのは当然だと思います。そこで常識的に見て、だれが見ても逸脱したような点については、合同委員会において十分こちらの見るところを率直にアメリカ側にも言って運用の適正を期していかなければならぬことだと思います。
  81. 下川儀太郎

    ○下川委員 外務省関係の方々は、再三再四われわれが要求しましたが、きょうは見えておりませんので、はなはだ残念であります。この点は非常に重要な点だと思います。世田谷あるいは各方面に毎日のようにジェット機が飛んで行って住民たちは戦々きょうきょうとしておる。先ほど申し上げたように、埼玉県下において墜死事件があった。これが首都で起きたらどうなるか。おそらく一人や二人の死傷ではなかった。あるいはまたそこに工場があり、あるいはまた重要な建物があった場合は大きな被害を受ける。従ってそれよりも、いわゆる自由党さんが作り上げた行政協定でございますが、しかしわれわれとしても完全な独立をしているのだ、平和的な国民だといわれながらも、今日もアメリカの空軍によって縦横無尽にわれわれの空を馳駆されておる。いわば彼らの意のままに動かされている。しかも危険物を運営したり、あるいは戦闘訓練をしている。これはあまりにも日本国民を侮辱しておる、無視されておる行為だとみなければならぬ。これは当然いち早くも――たとえば東京都あたりを飛ぶ場合にはわかることですから、われわれが気づく以上は当然外務省関係でも防衛関係でもわかっているはずでありますから、即座にそれらに対する抗議を申し込まなければならぬ、しかも行政協定の第三条第三項には「合家国軍隊か使用する施設及び区域内における作業は、公共安全に妥当な考慮を払って行わなければならない。」とこう書いてある。ところが区域内どころではない、区域外にわたっても堂々とわれわれを、政府をあるいは国民を無視した行動がとられている、まことにけしからぬ話だ。しかも万一犠牲にされた場合は、一人百万円足らずの金をもって補償すればいいという、まことにその考え方が非人道的だ。これは私は防衛庁長官といわず、あるいは外務省当局あるいは政府においても、厳重に抗議しなければならぬ、これは帝都だけが問題でなくて、日本全土の問題だと私は思います。これは私たちが、いわゆる平和的な、あるいはまた独立的な立場に立っておる、講和会議といわれながらも、結局はいわばアメリカの半奴隷的な立場に立っておる大きな原因になってくると思う。そしてますます反米的な思想があおられてくる。そういうことよりも、むしろ一人々々の生命財産を守る国民的な、あるいはまた国土的なものを守るという大きな見地からも、防衛庁長官は率先して今日からでも抗議をし、あるいは調査してほしいと思う。もちろん行政協定の条項の中には、空軍の活動についてのいろいろな条約がうたってございます。しかしこれは条約の中にうたわれた区域外にもそういうことはたくさんあると思う。漁民が脅かされる問題、あるいは農民が脅かされる問題は無数にあると思う。こういうことに対して積極的な態度をとってもらわないと、ますます私たちはのさばられてしまう、ますますあぐらをかかれてしまう。こういうことから私は大きな――私は反米論者ではありませんけれども――対等の立場に立つ日本政府としての要求を強く出していただきたい。
  82. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今の御要望の点私よく了解できます。そして公共安全という点から見まして、実際の事例において、こういう点が遺憾のないように一つやって行くというのは、いろいろな点から見て大事な点に違いない。また結果の影響からしまして、こういう点から見て、著しく遺憾な事例が発生いたしますと、結果的に見て、たとえば今もちょっとお触れになりましたように、日米の健全な関係というような点にも、案外こういう点が重大な影響を及ぼす。そういう点実は私も就任以来あるいは前からも私的にはいろいろと折衝しておりますが、就任してからでも、そういう点アメリカ側と接触するたびに向うからも申しておるし、私も話しております。そういう点がただ私が接触する面だけでなく、実際において遺憾のないようにもっていくように、私は最大の努力をするつもりでございます。
  83. 下川儀太郎

    ○下川委員 先ほど私が読み上げました行政協定の第三条第三項の中の、いわゆる「公共安全に妥当な考慮を払って行わなければならない。」この点を強く主張していただきたいのであります。現実的にこれが破られておる、一方的なんであります。アメリカ的だということではこれは日本政治になっておらない。ですから従来の区域内の問題でも――区域外の問題はもちろんでありますが、区域内の問題もたくさん私はあると思う。ですから、長官としては、区域内の問題に対しまして、もしそういう公共安全を阻害しないような考慮を払わなかった場合、あるいはまた公共安全がそこなわれる場合においては、これを改訂までもって行くという強い意思を持っているかどうか。もちろんこれはあなた一人でできるものじゃございませんが、政府に進言し、これを改訂にまで持って行くだけの御意思があるか、そういう点をお聞きしたい。
  84. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今の御質問にお答えする前に、こういう具体的の事例があった場合、その事実をまず知らねばなりませんから、そういう点私らの方ももちろん特に注意して見ておりますが、見落しの点などありました際、皆さん方がそういう点をお知りの場合はお知らせ願いたいと思います。  それから行政協定の改訂の問題でありますが、これは各条項々々の改訂というより、全体として取扱わなければならぬ問題だと思います。それからこれは私が特に申し上げるまでもなく、もう一つ安保条約、この問題でございます。これは政府といわず、日本国民がこういう点こそ非常に深い関心を持っておるところでございます。実はこういう点を深く考えるがゆえにこそ、一つには日本の今後の防衛の点から見ましても、外交の点から見ましても十分に考えていかなければならぬことと思って、実は私そういう点を深く念頭において、いろいろな施策を考えていきたいと思っております。
  85. 下川儀太郎

    ○下川委員 ぼくのお伺いしたいのは、いわゆる国民の生活を脅かす、あるいはわれわれの平和を乱すという場合における安保条約あるいは行政協定、そういうものが現実にある場合において、社会党としてはこれは廃止という見地に立っておりますが、今の政府におきましてはこれを改訂するとか、あらためて交渉段階を持つというような意思、あるいは決意があるかどうか、もちろんあなただけの問題でなくて全体的な立場に立ってでありますが、それをお聞きしたい。
  86. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今のおっしゃる点は、この協定自体の実施上における不備な点、遺憾の点、そういう点を是正して行く、そういう意味の改訂のことではございませんか。もしそうでございますれば、これは実際の事例の多くの場合、協定それ自体が妥当なりやいなやの問題と、その運用が妥当なりやいなやの問題とにあると思います。運用上において、協定自体ではやはり初めいろいろなことを考えて書いておりますから、協定そのものが存在しておる前提で考えてみますと、かなり注意を払って規定ができておることと思います。しかるに運用上においていろいろ遺憾の点がありますれば、そういう点どうしても今申しますように、是正するのは当然のことであります。協定精神からみて逸脱しておるとか、あるいは違反があるとか、いろいろありますれば、これは是正していくべきが当然。どうしても協定それ自体の条項が遺憾の点があれば、それらの改訂以外に考えられませんが、そういう点は抽象論ではいけませんので、具体的に一つ考えていきたいと思います。
  87. 下川儀太郎

    ○下川委員 もちろん今の政府あるいは民主党、自由党の方々に、この安保条約を否認しろといっても、これは無理かもしれません。ただ現実の問題として、たとえば先ほどジェット機の問題も出ましたが、その他あらゆる方面で、いわゆる行政協定内において、いろいろと現実的に国民が脅かされたり、あるいは生活の不安を受けておる、そういう場合が各所にあるわけであります。そういう問題を、民族の立場に立って、いわゆる防衛という立場に立って、これを十二分に改訂するとか、あるいはまたアメリカ側に抗議する、そういうふうな一つの決意あるいは勇気がわれわれほしいわけであります。
  88. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 私は実はそういう点に限りませんが、日本側が見てもって正しいと思うことは率直にアメリカに言っていくという基本的態度で処していきます。
  89. 下川儀太郎

    ○下川委員 大体わかりましたが、先ほどのジェット機の問題は具体的な事実の問題でございますので、これは一つ早急にお調べ願って、それを明らかにしていただきたいと思います。  それで大体ジェット機の問題は打切りますが、この際参考にお聞きしたいのです。これは農地問題にも関連することでございますが、従来の駐留軍の基地の数と面積、もう一つは、自衛隊の面積、それから自衛隊の今後の予定場所と大体の面積等々がおわかりになったら、一つ当局の方から…。
  90. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 前の方は調達庁から一つお答えすることにいたしまして、自衛隊の方だけを申しますと、現在防衛庁で所有しております演習場が二十八カ所で、その面積は三千三百四十八坪となっております。その場所等をもし必要でございましたら、政府委員の方から御説明申し上げますが、今後において予定しております演習場は、多――少数字の異同を免れないと思いますけれども、概算を申し上げますと、面積にいたしまして四千二百三十万坪ほどでございます。
  91. 下川儀太郎

    ○下川委員 大体の予定地はわかりますか。
  92. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 予定しておりますところは、岩手県の岩手山、それから北海道の島松、同じく北海道の然別でございます。それから新潟県の関山、福島県の白河、これがおもなるものでございます。そのほか小さな演習場といたしまして若干ございます。それはもし必要でしたら申し上げます。
  93. 下川儀太郎

    ○下川委員 大体そういう点は当局の方から資料として委員全体にお配り願いたいと思います。以上で私の質問を終ります。
  94. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 茜ケ久保重光君。
  95. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 長官の方は時間がないようですから、いろいろな質問はまたあとに回すといたしまして、下川君の質問の答弁に対する関連として一、二申し上げたいと思います。それは民主党の諸君が選挙その他に際して再軍備を非常に主張して参っております。その理由として一番大きく申しておりますのが、アメリカの駐留軍を早く帰すためには、どうしても日本の再軍備が必要であるということであります。そこで長官とされましては、日本の再軍備計画がどの程度に達したときにアメリカ軍は完全に撤退するのであるか、それらの具体的な数字まであげていただいたらたいへん幸いですが、アメリカ軍は日本がここまで再軍備を強化すれば帰るという確信のあるところをお伺いしておきたいと思います。
  96. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 その点はわれわれみんなだれしも重要な問題としてよく考えておるところでございますが、実はアメリカ側でも、そういつまでもおりたいとか、そういうようなことじゃないのでございます。これはよく言われるように、そうじゃなかろうというふうに考える方もあるようでありますけれども、しかし事実アメリカ軍として――それは考えてみてもわかるでしょう。今のアメリカの防衛の見地から見ても、全世界的に考えなければならぬというときに、ことに欧州方面の負担というのは非常に大きなものです。そういう点から見ましても、日本にいつまでも駐留軍の負担というものを持っておるのはたいへんだという考えでおります。私も向うの責任ある人たちとも実は就任以来もそういう点などを話合っております。ほかの話合いの機会などにもそういう問題が出ますが、事実向うでもこの負担というのはまあ負担に違いないのです。それで今御質問の点は、私は実はそういう点も考えて、今後の日本自身のいわゆる自主防衛体制といいますか、そういうものを考えております。そうしてこれは大体数学的に言ってどうかということは、私らも、そういう点はなるべくそうこまかいものじゃなくても大体の見当をつけたいと思って、実は今大体の腹づもりの程度のところは考えております。この間もちょっと申しました六カ年計画というものにおいても、実はそういう点に非常に重点を置いて考えております。それで今御質問の点につきましては、私らの検討がもう少し進みました上で申し上げたいと思うのです。そう過大なことを考えておりません。きょうはその辺に一つ願います。
  97. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 どうも私は長官の御答弁では全然納得が行きません。国民もそうだと思います。現在まで参ります過程におきましても、皆さん方の政党では国民に、今申しますように、日本が再軍備すればアメリカは帰るのだ、またアメリカを帰すためにも再軍備は必要だということを言っているわけであります。しかるにアメリカは一向帰る様子もない。さらに代々木の練兵場跡のワシントン・ハイツの近所に、膨大な鉄筋コンクリートの独身将校の兵舎が建ちました。日本人が住宅難で泣き叫んでおるときに、今帰る帰ると言いながら、ああいう建築だけは日本人の犠牲においてどんどんと作られる実情を見まして、私どもは、反面においてアメリカを帰すための再軍備を言い、再軍備に膨大な予算を使いながら、さらに一向アメリカは帰らない、行政協定による費用が全然削られる見通しもないということでは、われわれはもちろん納得できませんし、国民も納得参りません。従いましてここで一応防衛大臣として私ははっきりしたことをお聞きしたい。これだけの再軍備計画ができればアメリカが帰ろのだという確信がなければならぬと思う。でなければ国民に言っておきながら、これはずるずるで国民の負担はますますふえるばかりだということでありますから、もう少し端的に一つはっきり大臣の責任においてこの点をおっしゃっていただきたいと思います。
  98. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今御心配の点、それを中心にして私も深く考えております。それで今ここではっきり兵力量にして日本がこれだけ持ち、それに要する防衛経費は幾らだ、これだけ何すればという、そこはもう少し時間をかして下さい、お願いします。
  99. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 ではお伺いしますが、たとえば日本政府とアメリカ駐留軍当局とそういうことについてお話合いをされたことがあるか。いわゆるアメリカ自身が、日本でこのくらいの軍備を持ったら引き上げてもよろしいというようなことについて、アメリカの意思表示があったかどうか。また日本政府とアメリカとの間にそういった具体的な問題について話合いされたことがあるかどうか、この点をお聞きいたします。
  100. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 これは先ほども申しますように、そういう点を中心にしてのことは当然両方とも関心を持っておる問題であります。従って私今後そういう点について、率直に話をしていきたいと思っております。ただ事柄の性質上、今、いつ、どれだけと具体的に言う段階にはまだ至っていない。実はそういう点を見て、私は今いろいろ考えておるわけですから、そうはっきりと今いつになったらどうだということまでの段階に至っておりません。
  101. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 杉原国務大臣国防関係の大臣として日が浅いのでありますが、少くとも吉田自由党政府の六年間にわたった長い暴政の過程を通じて反響があった。従って防衛庁自身にはそういう折衝のことがあってもよかったはずではないかと思う。のんべんだらりんとただ臆測によってこれくらいしたらよいのだということではなくして、少くとも日本の再軍備がある程度できればアメリカは帰るのだということであれば、そのある程度の再軍備というものの見通しがなければならぬと思う。杉原大臣はまだ日が浅いとしても、防衛庁というものは前から名前はいろいろ変りましたが、続いてきている。従って日本の再軍備を計画し、これを遂行する防衛庁関係の一つの仕事としては当然なければならぬと思う。従ってもし杉原長官が今お答えできなければ、過去にそういった事実があったかどうか。これは増原次長が見えておりますから増原次長でもよろしゅうございます。増原次長はかつての予備隊の責任者であるのでお伺いしたい。かって日本防衛庁の関係者と、あるいは政府でもいいのですが、アメリカとある程度の再軍備計画ができたらアメリカはこの辺で引き上げてもよいという話合いがあったかどうか。またアメリカ自身からそういう内示等があったかどうか、それをお聞きしたい。
  102. 増原恵吉

    ○増原説明員 御承知のように、従来の内閣におきましては防衛計画というものは作らないという方針で参っております。新内閣になりまして防衛計画についていろいろ考えていこうという方向を示されたわけであります。ただ日本防衛力が増強をされるならば――されるならばと密接のような言い方をすると語弊があるかもしれませんが、向うの方はなるべく早く引上げていきたい。防衛力が増強されれば引き上げたいという意向はいろいろな機会に非公式に表明をされているということはわかります。
  103. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 どうも私は国民代表として質問をしている過程を通じて、納得ができないのです。国民はもちろんアメリカ兵は一日も早く帰ることを切望している。アメリカ駐留軍がいるために、どれほどわれわれ国民が悲惨な思いと、実際具体的な悲惨な立場に置かれているかということは、だれ一人知らぬ者はないと思う。アメリカ駐留軍に一日も早く掃ってもらいたいという気持が――われわれはもちろん、御承知のように、再軍備絶対反対をして参っておりますが、しかし国民の中には、一部アメリカに帰ってもらいたいために、再軍備に対して賛成ではないが、やむを得ないという気持があるものが多分にあります。こういった状態に対しまして、私は今お聞きしていると、政府当局は何を考えているのか、私は少くとも再軍備をそうした過程を通じて進める、政府当局ははっきりと計画がなければならないと思う。ここまでいったらアメリカは帰るのだ、ここまでいったらアメリカは帰すのだということでなくて、ただのんべんだらりと、アメリカの指示に従ってわれわれの血税をあのような形で使うことは国民全部がまことに心外である。従って私はどうしてもここではっきりと杉原長官のお答えをお聞きしないと納得はいかないのであります。
  104. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今おっしゃるお気持もわかりますが、決してのんべんだらりとやるという何ではございません。実はそういう点こそ非常に大事だから、私はこれから全力をあげて実は事に当っていこうと考えているものでございます。
  105. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 ではいつごろまでお待ちしたら長官のはっきりした御返答ができるか、それを伺いたい。
  106. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 何月までに、いついつということを今ここでお答えしたいところだけれども、その段階にまでまだ至っておりません。
  107. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 それじゃまるで全然話にならぬと思います。国民はそんなのんきなことじゃとてもならぬと思う。少くとも現在の日本の状態をお考えになれば、政府当局がそんな御答弁々をなさることはできぬと思う。従いまして私はすぐに帰って、このためにだけでも緊急閣議を開いてもいいと思うから、政府としてのはっきりとした態度をきめていただきたい。
  108. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 事柄の性質を見まして、こちらの計画を、今問題にしておられるような点を深く考えて、そうしてそういう点を考えるがゆえに、一つには今の計画を、ただそのときそのときというのじゃなくして、相当長期の計画を立ててやっていきたい。それがやはりこちらの方からする基礎になるわけですから、その長期の計画を立ててやっていくという方針は決定しております。その内容につきましては、今すぐそれを示せというふうにおっしゃるけれども、これは皆さん御自身がこれをおやりになるとお考えになってみても、そう性急におっしゃってもそれは無理だということはおわかりだと思う。そういう点、私らはこれから真剣に取っ組んでいくつもりでございます。
  109. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 計画がそういうことならば、アメリカ当局と一つ腰を強くして折衝願って、このくらいの計画が実行できる場合にはアメリカは帰るのだという見通しを私はつけてもらいたいと思う。でなかったら、いつまでたっても、再軍備ができたら帰るのだ、帰るのだといって日本の再軍備は進められ、アメリカは居すわる。これじゃ日本の国はどうなるのです。われわれはとても耐えられません。従って計画は計画でいいから、これだけの計画が敢行できた場合にはアメリカ軍は完全に撤退するという一札をとるくらいの腰を据えてやってもらいたい。
  110. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 腰を据えてやる点につきましては人後に落ちません。
  111. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 そんな答弁は私は意味ないと思うのだ。腰を据えている点については人後に落ちないと言ったって、具体的に何もなされていない。今私の質問に対しては何らの具体的な答弁ができていないのです。私の言っているのはあなたが腰を据えた結果、アメリカは日本の再軍備がどこまで行ったら帰るのだという、いわゆる軍備の内容と時期とを一日も早く突き詰めて、国民の前に誓約しなさいというのです。その努力をなさいというのです。
  112. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 先ほどから私一貫して申しておりますことは、そういう点を努力するという基本的の前提からお話しておるのであります。
  113. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 どうも幾ら言っても何だか長官にはぴんとこないようであります。ぴんときていればもっとはっくり返事ができるはずだ。それでは私はそのくらいの答弁だと思うのです。まだいろいろ時期がありますから申し上げますが、もっと本気でやってもらいませんと、実際困るのだ。
  114. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今のは御質問じゃないから私からお答えする必要はないのですけれども申し上げますが、何か本気でないとかなんとかおっしゃいますが、私は本気でやっていっております。やっていきます。
  115. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 江崎真澄君。
  116. 江崎真澄

    ○江崎委員 自衛隊と憲法との問題等については、すでに予算委員会とか大村前長官との間でだいぶ討論もあり、その資料もいただいております。本来ならばもう一ぺんそういう問題について新長官に聞きただしませんと、質問の論拠がいささかぼけるのでありますが、きょうは先ほどからの各委員の質問に関連して私はお尋ね申し上げるのですが、日米安全保障条約とのにらみ合せで大体防衛計画というものは、一年々々、今まではその場その場で作られてきた、こう私どもは解釈しておる。少くとも一年々々というのはあなたのおっしゃるように、場当りで防衛計画がなされたのではない。あくまでこれは自衛隊という日本を守る隊でありますがゆえに、相手の出方によって、また保障条約の現実の動きによって毎年々々きめられてきたものである、こう思うわけです。それをあなたはこの前もおっしゃったが、六カ年計画をおやりになるとこういう。そしてただいまも茜ヶ久保君の御質問に、事柄の性質上いつどれだけにどうするか詳しいことには時間をかしてくれという話で、それはわれわれもよくわかります。ところが少くとも自衛隊という立場であったがゆえに受け身の立場であるから、われわれは一年々々きめてきたもの、こう了承しておった。ところがあなたが六カ年計画を立てるとおっしゃるならば、一体それはどういう必要に基いてそういう計画を立てられるのであるか。その六カ年計画というものは、増強されたならばアメリカは引き揚げるという先ほど来の質問によるこのアメリカの引き揚げを目途としておられるのか。計画というものには目標があるはずです。そうしてまたその計画を立てていく現実的な歩み方においては、当然対象というものがあるわけです。こういうものがあり、こうあるから六カ年計画でなければならぬという積み重ねがあるわけです。そこを私はお尋ねしてみたい。今までは受け身の立場で一年々々来たものを、長期の計画を立てるというのはいかなる目的によるものか。いかなる目標と対象を置いて計画が成り立つものであるか。そういうものがなくて長期計画などというものはあり得ない。この点どう思いますか。
  117. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今の点に関してお答えいたします。皆さん御承知の通り、自衛隊というものの任務は、ちゃんと法律によって明定せられておる。言うまでもなく、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つということが目的であって、直接侵略、間接侵略に対して国を防衛するということが主たる任務になっておることは言うまでもない。そしてそういう点からいたしましても、それからまた特に法律にこうだという法律論的なことはなくても、そういう任務を持っておる。これは国の一つの要請から出ておるに違いない。そういう要請の点から見ましても、その責任を果す上からいたしましても、これは国民の間にいろいろの意見はございましょうけれども、目的はあくまでも国の平和と独立を守り、国の安全を保つ、そこに目的がある。これは自衛隊だけではできません。私は常に考えておりますが、わが国の独立、平和を守るということは、単に自衛隊だけでできることじゃない。ことに外交と相伴って――外交に限らずほかのものもいろいろありますけれども、特に外交と相伴ってその目的を実現していかなければならぬことだと思う。その間にあって防衛ということもその手段として、やはり現在の世界の実情からいたしまして、ある程度の防衛力は必要だと思っております。相当の備えは必要だと思っております。これはいろいろ意見の相違も国民の間にありますけれども、私はそう思っております。(江崎委員「それはようわかる、六カ年計画の根拠」だと呼ぶ)それでその要請からいたしまして、そこにおのずから一つの、その点から見ての要請が出てくる。それが大体どうかということ、そうしてそれがまた結果的に見て、あるいは関連していって、今の駐留軍の逐次撤退ということと、またこれが相伴っていく。そういう意味で私は申し上げたわけであります。
  118. 江崎真澄

    ○江崎委員 これは私はあなたのあげ足をとるとか、そういうことを言っておるのじゃないのです。そんな詳しいことは時間をかけてゆっくりあとから承わればけっこうなんです。ところがこの間のときもそれからきょうも、六ヵ年計画でこの自衛隊を拡充強化するんだとおっしゃるのです。だからその六ヵ年計画――これはあなたが三ヵ年計画と言われても、五ヵ年計画と言われても仕方がないものを、六ヵ年計画とあえて言われるその根拠。まず一つずつかみくだいてお聞きしましょう。六ヵ年という、あえて三ヵ年計画でなくて六ヵ年と言われる理由はどこにあるのか。これは少くとも六ヵ年計画という言葉が出てくる以上、はっきりしておることだと思いますのでお尋ねします。六ヵ年後にはどうなるのか。三ヵ年後にはどうなるのか、そういうことを今聞こうというのじゃない。六ヵ年計画の出てくる根拠いかん、こういうことです。
  119. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今この自衛力のある程度の増強ということを考えて参ります場合に、防衛力そのものだけ抽象して考え得られないことは言うまでもございませんが、今われわれの政府といたしましては、経済再建の長期計画、いわゆる六ヵ年計画というものを立てて一つやっていこうということを考えております。それと見合いまして、あるいはそれと不可分の関係に実質的には立つわけでありますが、そういう点からいたしまして、防衛関係については大体こういう見当を立ててやっていこうということを考えております。
  120. 江崎真澄

    ○江崎委員 ほんとうはもうちょっと具体的におっしゃった方がいいのじゃないですか。たとえば六年後には完全に武装をして、そしてアメリカ軍はそのときには撤退するんだとか、あるいはまたこれは偶然かもしれぬけれども、毛沢東が豪語していわく、一九六二年には日本人民革命をやってみせる、これは向う様は勝手なことを何とでもおっしゃいますが、あなたの言う六カ年計画と一九六二年とは偶然にもぼつぼつ符合してくるものもある。だから今ここであなたが簡単に六カ年計画をこれから立てるのだとおっしゃるなら、その六カ年計画なるものは自衛強化のためだ、そんなことはわかっておりますけれども、どうして六カ年という根拠が出てきたのか。今までの吉田内閣のあり方ならば、それは日米安全保障条約というものをながめながら、半分片手にこれを受けながら、そうして相手方の予算措置をながめながら、年々歳々日本の自衛の方向をきめていったのです。これはあくまで受け身の立場だったのです。ところが六カ年計画を樹立せられるというのは相当能動的で、自衛隊を国際法上は軍隊とみなされてもいたし方がないとお考えになっておる。この間あなたははっきりそう言った。それなるがゆえに相当これは積極的意図を蔵したものが六カ年計画であると受け取るのは、われわれもこれはへ理屈ではないと思う。だから六カ年計画が何であるのか、六カ年計画の最終目的は何かと聞きたいところだけれども、それまではおっしゃらぬというのならば、一体何を想定して六カ年計画が立ったものであるか、これくらいははっきりおっしゃらなければ、あなたは全心全霊を傾けて六カ年計画に奔命するとおっしゃるけれども、そんな目標のない権威のないような六カ年計画なら全心全霊どころか、ちっともやってもらわなくてもいいということに相なる。だから目標だけをお示し下さい。これは真剣な話ですよ。
  121. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今江崎さんの言っておられる御趣旨、これはおそらくは私はこういうことじゃないかと思います。これからの日本防衛ということを考えていきます場合、日本国防日本だけで独自に考えていくことはできないと思うのです。やはり集団自衛といいますか、でき得るならば国連というふうなものにつながったいわゆる集団保障という方式が私はいいと思います。しかしそれが現実にできます過程におきましては――私は率直に申しますが、アメリカとの協力の関係ということがやはり必要だろうと思います。その協力の態様ということにつきましては、これはもちろんわれわれのいわゆる自主独立ということとの関係をよく考えてやっていかなくちゃならぬ問題だと思います。従ってそういうふうな関係で考えますとき、常識から見て、そう過大な再軍備という言葉は、非常に何か昔の軍と同じような規模において作られるように考えられますが、私はそういうものを考えておるのじゃございません。
  122. 江崎真澄

    ○江崎委員 どうももうちょっとまじめに答えてもらわなければいかぬ。それはぼやかすことにそう何も執心しなくても、われわれも今まで自衛隊を作ってきた政党の一人だから、もう少しわかるように言って下さいよ。結局今までは受け身の立場で一年々々防衛計画というものをやってきたでしょう。そのときにあなたのところは選挙戦を通じながらも、憲法を改正して再軍備をやるのだ、非常に強い打ち出しであった。このごろはだんだんそれが変ってきておる。吉田内閣の動き方の方が正しかったからかんべんしてくれ、われわれの選挙宣伝は思い違いであったとあやまってしまえばいいものを、それも言わずに六カ年計画を打ち立てて自衛隊を拡充強化するのだとおっしゃる。たとえば経済五カ年計画ということを世の中に打ち出すでしょう。そうすれば初年度においてはどうやり、また次年度以降はこうするのだといったようなことをきょう聞きたいと言っているのではない。経済五カ年計画を樹立する目的は那辺にありや、また五カ年のそのあとへ持っていったらどうなるのか、これは経済閣僚ならだれだってはっきり答えますよ。ただあなたが防衛の責任の衝にある者として、あえて今までの漸増計画、しかも一年々々の受け身のあり方を改めた六カ年計画というものは積極的に受け身から転じた証拠である、そう言えると思います。これは独断ではない、積極的に転じた証拠である。しからばその六カ年計画を立てていく根拠いかん。六カ年計画はなぜ立てなければならぬか。それが自衛上強化するのには必要だ、そんなことでは六カ年計画の理由がないではありませんか。そんなことなら一年々々やっておきなさい。だからその根本だけをはっきりお示し下さい。いいかげんに委員会をあしらっちゃいけませんよ。
  123. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今私は誠意を持って答えておるつもりでありますが、つまり今まで吉田内閣時代におきまして一年々々やってきたということ、これも私はやむを得ない事情がいろいろあることと考えております。それでただ自衛力のいわゆる漸増と申しますが、ただ一年々々ということでは、漸増といって一体どこまで漸増するのだという国民の不安がやはりあると思います。そしてまた防衛のことは、言うまでもなく国民の理解の上に立たなければ成り立たぬことは申すまでもない。そこでそういう国民一般の理解を得る上からいたしましても、この五、六年先には大体これくらいのものになるんだというところの見当をつけてやっていくことがぜひ必要だ。これもいろいろ困難があり、私も決して安易なこととは考えておりません。おりませんが、困難でも大体の見当をつけてやっていくことがやはり必要であろう、そういうことで考えております。
  124. 江崎真澄

    ○江崎委員 それはよくわかる。大体六年先には自衛隊の数はこれくらいにし、装備はこれくらいにするということを、一年々々よりも、もう一歩進めて六カ年計画でやろう。これはほんとうは重要なところなんだが、いつまで押し問答をやっておっても同じことだから話をつけたいのであります。それはわかりますが、しからば六カ年後には大体これくらいにしていくのだという目標の根拠、それは、増強されればアメリカは引き揚げるといっておるのだし、一方また余分なことながら中共は、とにかく一九六二年ごろには日本人民革命は可能だといって虎視たんたんとした一つの宣伝をしておるし、たまたまあなたのいう六年先とは符牒をしてくるのだ。しかもあなたの政党は選挙戦をめぐっても、あくまで国民を欺瞞しないところの堂々たる軍備をやるのだ、しかもこのためには憲法改正は必要なんだ――最近はちょっと気配が変ってきておるようでありますが、実際上に当ってみると、そう簡単なものじゃなかったと思って、だいぶ後悔なさっていられる御様子は、われわれひそかにながめてはおるが、しかしとにもかくにも六カ年計画というものを樹立して、これくらいにするのだということについての構想は、何が目的なんですか。一体五カ年後には日本の経済を大体こういうところへ持っていきたいから、五カ年計画をやりたいと思う、詳細の計画については後刻皆さんの御了解を得るからよろしく、これならわかる。ところがただやみくもに、大体これくらいにふやした方がいいと思うから六ヵ年計画、数字はもう少し待ってくれ、そんな権威のないことがありますか。六カ年後にはこの程度にして、こうしていきたい、ついては六カ年計画を樹立する。しかし事の詳細、数字等についてはいずれも後刻御報告いたします。この答弁があなた当然ではありませんか。ですからその輪郭に対するあなたの抱負を聞かせて下さい。これは無理な質問ではないと思います。そうでしょう。それは言わなければいけません。
  125. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 私も江崎さんのおっしゃるところをよく注意して聞いているのですが、六カ年計画の根拠とよくおっしゃいますが、この点もう少し御説明いただけませんでしょうか。私その点がどうも――それに対するお答えのつもりでお答えしているわけですが、それがどうも合わぬようでございますから、もう少しわかるように説明していただきたいと思います。
  126. 江崎真澄

    ○江崎委員 これはそうとぼけてもらってはいかぬ。六カ年計画という線を打ち出されるのは、六カ年済んだところではアメリカ軍が撤退するという目的で成り立っておるのか、あるいはそこで憲法改正をやって、国際法上から見ても、国内から見ても、軍隊というふうにするために六カ年計画を立てられるのか、あくまで現在の自衛隊の線に沿ったものだとかりにするとしても、六カ年計画というようなものは、とにかく一応相当先々を見通した話ですよ。それをただ一年々々やって来たというやつなら、これはまだわかる。けれども積極的な体制だ。六カ年計画というからには、何かそこに根拠があるでしょう。あるいはアメリカからもそういう示唆を受けておるのだとか、日米安全保障条約がもうひょっとすると更新されぬかもしれぬ、あるいは全部撤退したあとにおいては、日本だけで受け持っていかなければならぬ可能性が強くなっておるのだとか、何かそこに根拠があるでしょう。私はその根拠をお尋ねしておるのだ。根拠なしに六カ年計画なんという、そんな無益な計画はやめて下さい。
  127. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 私は先ほど申しましたように、今後の日本国防の必要からいたしまして、いろいろとこれを複雑に考えなければなりませんが、大体どれくらいのことが五、六年先に必要であり、また……(江崎委員「それは何を対象にして」と呼ぶ)もちろん日本の国の安全ということが目標でございます。今は私はその点で不備だと考えております。それが一つでございます。  それから、先ほど申しましたように、その間において今駐留軍の撤退の問題がございますから、そういう点も十分に考慮に入れて考えておることでございます。
  128. 江崎真澄

    ○江崎委員 これはもう本会議での緊急質問ものだ。そういうことではいかぬですよ。子供でも一年生に入れて六年を卒業させるという計画を立てれば、まず義務教育の最初の小学課程を終らせる。将来子供を世の中に立たせていく上において、こうこうこうだから子供一人の教育でもちゃんとそれ一つの目標はある。自衛のために六カ年計画でこれを漸増するんだというそんなことは技術的な説明です。六カ年という目標をつけて子供なら小学課程を卒業するんだ。自衛隊は六カ年を経たらどうするのか。どこに連れていくのか。何でも計画があるときにはちゃんとその目的地、目標があるわけだ。こまかいことを私は聞こうというのではありませんよ。この前のときもきょうも、今までは無計画、一年々々の場当りだったが、今度は全心全霊をあげてやるんだとおっしゃるから、しからばこの六カ年計画の行きつく先いかんと聞いておる。六カ年計画という言葉をあなたが言われるからには、六年後にはどうなるんだという結論を意地の悪い質問ならここで聞きたいと言いますよ。結論のない計画は口にすべきではない。けれども私はあえてそういういやなことを言わずに、あなたの構想、どうするつもりですかということをお尋ねしておるのですが、あなたは同じところを行っかり来たりしておられる。だから声が大きくなる。これは容易ならぬ問題です。六年先に自衛隊がどうなるかこうなるかわからない。ただあなたは全心全霊六カ年計画を立てていくと言われる。それでおまかせできますか。そんなことではおまかせできません。六年先にはどうするのかということをはっきりおっしゃって下さい。これだけでも言えないというそんななめた話はありませんよ。六カ年計画を取り消されますか。
  129. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 いやそうではありません。先ほどから私申し上げている通りでございますが、おそらく私はこう思います。今江崎さんは六カ年計画の大体の外貌を示せということをおっしゃっておるのではないかと思いますが、これは初めから申し上げておりますように、今検討しておりますから、もう少し時間をかしていただきたいということをお願いしておるわけであります。
  130. 江崎真澄

    ○江崎委員 これは容易ならぬ話です。私は詳しい数字をあげたり詳しいことを申しなさいと言っているのではありません。委員長、お取りなし願いたい。こんなとぼけたお答えはありません。事柄の性質上言えませんということは昔の軍部が言ったことだ。あなたはぼつぼつそれをまねしておられるようだ。あなたは六カ年計画ということを言われた。それならはっきり御質問します。六カ年計画と言われるからには六カ年たったらどうするのか。輪郭がなしに、目標がなしに六カ年計画が立ちますか。三カ年たったらこうやるんだ、五カ年たったらこうなるんだということがきまっていなければならぬ。世の中には三カ年計画、五カ年計画というものがある。経済の場合だって何の場合だってそうです。国鉄の運輸合理化計画、五年後には大体客車をこれくらいにしてこうしてこうするんだという、それがなければ五カ年計画とか、六カ年計画とかいう言葉は出て来ませんよ。しからばあなたはただ六カ年計画と場当りの思いつきでおっしゃったのであるか。そうでないというのであったならば、一体今日を起算点として六カ年後にはどうなるという目的で、六カ年計画ということをおっしゃるのか。これくらいはっきりした質問は、これは子供でも答えられますよ。それじゃ場当りでおっしゃったのですか。場当りでおっしゃったなら、今のうちに、それは六カ年計画と言ったのだが、実は六カ年もたったらと思ってぬけぬけと申しましたと、早くお取り消しなさい。それが賢明です。
  131. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 江崎さんも、今私が場当りとかそういうふうな意味で言っておるのではないということは、御存じだと思うのです。それで江崎さんの言えとおっしゃることの内容につきまして、私もし皆さんが御同意願えれば……。
  132. 江崎真澄

    ○江崎委員 秘密会ですか。
  133. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 いや秘密の必要はございません。その御趣旨を私もう少しよく聞きまして、そうしてお答えすることにいたしたいと思いますから、その辺のところを委員長一つ適当に御処置願います。
  134. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 江崎君、あなたの言うことは、六カ年計画はどのくらいの目標になるかという結果よりも、六カ年計画をなぜどういう理由で立てたかということを聞きたいというのでしょう。
  135. 江崎真澄

    ○江崎委員 そうです。六カ年済んだときには大体どんなふうの形にしていくのか。これは六カ年計画というはっきりした言葉が出てくる以上、いわば子供だとて、一年生が六年生になるときには小学課程を終えるというように、その目標と大体の構想はあるでしょう。その道行きを私聞こうと思うのじゃない。一年生のときはどういう勉強をする、三年生になるとどんな科目を習って、どんな教育を受けるという、そんなことを私どもが聞くのはこれは無理だ。御本人もかすに時日をもってしてくれとおっしゃる。六カ年たったら一体小学校を卒業するのかしないのか。六カ年の過程を経たときには大体どうなるのか。これの目標がなくて、六カ年計画といっても、偶然六という数字がどこから出てきますか。だからその六のよって出てくる根本をお尋ねしたい。わかりやすい御質問だと私は思っております。
  136. 森三樹二

    ○森(三)委員 それに関連して。そもそもこの質問が発生したのは、要するに駐留軍というものがいつ撤退するのだ、駐留軍が撤退するためには日本の再軍備というものが強化されなければならいのだ、だからいつになったならば駐留軍が撤退するかということからだんだんと発展していった。その発展の過程において、江崎君が質問したときには、あなたは先ほど六カ年計画云々と言われた。そこでわれわれが受け取る印象としては、六カ年たてば、日本防衛体制というものは充実されて、そうして駐留軍というものが必然的に帰るというような、そういうような考えを持っておるのだとか、そこに問題があるのかどうかという焦点を出してもらいたいのだが、それに対して、ぼやかしておるのか、わからないのか知りませんけれども、あなたはさっぱりはっきりした答弁はしない。その駐留軍の撤退の問題に関して、あなたはどういうお考えでありますか。
  137. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 それは六カ年計画の結果でなくて、なぜ、何を目標に六カ年計画を立てるのか、こういうことでしょう。
  138. 江崎真澄

    ○江崎委員 そうです。それもあるが、大体六カ年たったらどうなるかということくらい、これはわかるはずですよ。
  139. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 政府も言ったが、民主党も言った。再軍備を強行すればアメリカが帰ると言っている。アメリカを帰すための再軍備をすると言っている。そこでどれだけやったら帰るのか、いつごろ帰るのかということを聞いているのだが、さっぱりわからない。そんなことで責任が負えるかというのだ。国民は非常に待望している。だから国民は、再軍備は反対であっても、アメリカがいては困るというので、やむを得ずいるのだ。そこでさっき聞いたのは、どれだけの防備をしたらアメリカが帰るのかと質問したところが、防衛庁長官はさっぱりそれが見当がつかぬ、自信も何もない。そんなことで日本防衛庁長官としての責任はとれないと思う。民主党もそうだ。そこで江崎君の質問がそれに関連して出たのだが、私もそれに関連して、江崎君の質問に対する六カ年計画の基本と、最後の点と、同時に私の質問した、どれだけの防衛力を持ったらアメリカが帰るのか、またそれが六カ年計画の最後でなくてはわからぬのか。六カ年計画の二年目か三年目でも、ある程度の防備ができたらアメリカが帰るのか、その点もはっきりしてもらいたい。
  140. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 ちょっと委員長から申し上げます。その点は質問する方々と杉原国務大臣の間に考え方に食い違いがあるようですから、これは一つよく政府の方も考慮してもらって、あらためて答弁をしていただきたいと思います。
  141. 江崎真澄

    ○江崎委員 あなたの御苦心はよくわかりますが、たとえば今三年目くらいには撤退するのだとかしないのだとかいうところまで各論に入ると、きっと御答弁もしにくいだろうし、かすに時日をもってしてくれと言って逃げているのだが、そこで逃げ道だけは与えて上げようじゃないか。せっかく委員長もそう言われるからね。けれども聞きたいのは、六カ年計画というのは――これは民主党の方にもよく御判断願いたいが、六ヵ年という言葉が出てくる以上は、六年たったらどうやるのだ、どうなるのだという目標なくして、六カ年という言葉は出て参りません。だからそれだけはここへお示しになっておかなければ、全心全霊をあげて六カ年計画の遂行に努力するとおっしゃるが、そんな行き当りばったりの思いつきで行くような六カ年計画だったならば、努力をしてもらわぬでもいい。もし権威のある六カ年計画だったならば、六カ年計画の大体の行きつくところ、これは何であるか、だから六カ年計画は必要なんだ、これくらいは具体的にこの場面にお示し願いたい。決して無理な質問じゃありません。委員長、どうぞこれだけはお取りなしください。
  142. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 江崎君は自由党ですから、アメリカの帰る時期はとおっしゃるが、われわれはそれは承知できない。それはやはり防衛計画はこれだけであったらアメリカは帰るというはっきりしたそのものを示してもらいたい。
  143. 江崎真澄

    ○江崎委員 それは六カ年目に帰すと、いう……。
  144. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 それはそう言っていないのだ。そこをはっきりするのだ。
  145. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 それは必ずしも六カ年後に帰すという意味ではないようでありますから、ここで杉原国務大臣一個で――六カ年計画は実は経済再建に関係のあることで、民主党が六カ年計画を立てたのは、六ヵ年後に日本人口が九千万になる、その時分に日本の経済をどうするかという基本の上に立って自衛隊の問題もその他の問題もできているのでありますから、それらの問題につきまして、いずれじっくり政府において相談してもらって答弁をすることにいたしまして、今日はこの程度にしていただきたいと思います。
  146. 茜ケ久保重光

    ○茜ケ久保委員 私の質問の、防衛力がどこまで行ったらアメリカが帰るのか、それが何年先の予定か、これも政府ではすぐに検討してはっきりしてもらいたい。
  147. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 ではいずれ政府において検討して御返答を……。
  148. 江崎真澄

    ○江崎委員 私はきょうだから言えることを茜ヶ久保君に言うたのだけれども、ここで御相談なさってということならば、それは全委員の質問等についても、はっきり御答弁いただかなければならぬ。けれども今の委員長のお取りなしですから――これはもっと基本的に初めからやらなければならぬのです。すでに前国会においても、大村長官との間に、自衛隊と憲法上の基本問題等のいろいろのやりとりもあるから、われわれは重複を避けて遠慮しているわけだけれども、長官がこういう答弁を繰り返される限り、それならばもう一ぺん根本に戻って、はっきり始めからやり直しをしなければならぬということになって参ります。だからとにかく経済再建計画が完了したときにという助け船くらいでは、この自衛隊というものをいわゆる自衛能力の点から六カ年計画だとはっきり言っておるのだから、あなたのお取りなしではそれはだめです。けれどもそういうことを御答弁できぬのなら、私はしっかりした答弁のできるような場面をお願いしたいと思います。  それからもう一つ長官に申し上げておきたいことは、事柄の性質上いつどれだけにし、どうするなどということは言えないというふうの、ああいった物の言い方、これはおやめなさい。自衛隊というものは少くともみずからを守る受け身の立場ですよ。侵略してくるものがにわかにあったときに受け身の立場に立つものだ。これがいかにも相当な秘密があり、相当な一つの隠しごとがあろという誤解を受けるようなことをあなたが答弁せられることは、国際的に、隣邦それぞれの国々に対しても、決していい影響は与えぬと思います。あたかもこれは、昔の軍部はなやかなりしころの合言葉のようなことを、あなたが語るに落ちておられるようです。ことにあなたの政党は憲法を改正して再軍備をやるということをはっきり打ち出しておられるだけに、あなたの物の言い方というものは相当諸外国は注意をして見ておるわけです。外交官上りのあなたが長官になられたということも、そういうところにあるいは原因するかもしれぬけれども、少くともいかにも自衛隊には大きな秘密が内蔵せられるような、しかもきょう六ヵ年計画の行き着く先いかんということが答えられぬとすれば、これは少くともやはり自衛隊の秘密ぶりを露呈したものといわなければならぬ。この点よくお考えになっておいてください。
  149. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 今お尋ねじゃございませんが、江崎さんは、私が事柄の性質上ということで何か特に秘密というふうな意味合いで言ったように……。
  150. 江崎真澄

    ○江崎委員 そうでしょう、速記録をお調べなさい。
  151. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 いや、私はそれは事柄の性質上という言葉を使っておりますが、私の申します趣旨は、これはこう考えておるのですよ。端的に申しまして、とにかく長期の計画を立ててやっていかなければならぬ。その内容はあらゆる角度から検討を要するからなかなか時間もかかる、そういう意味合いで申したわけでございます。
  152. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 駐留軍の撤退の問題と、自衛隊の増強計画というものは非常に関係が深いということは各委員から発言があった通りなんです。この長期の計画について幾ら質問をしても長官はわからないようでありますから、当面の問題について一言お伺いしておきたいと思います。といいますのは、今年に入りまして鳩山総理大臣あるいは重光外務大臣等が、アメリカ駐留軍が今年一個師団撤退するということを再三言明しておるようであります。この点は先ほど申し上げたように、自衛隊の増強計画あるいは配備計画というものと密接な関係を持つと思いますので、一番詳しいのじゃないかと思って御質問するわけであります。先ほど労務管理の立場から調達庁の長官に質問をいたしましたところが、それはどうも言葉の使い方が不正確過ぎる、実は一個師団撤退するのじゃなくて、朝鮮の米二十四師団が日本へ来るはずであった、一部来ておった、それが来なくなるということを意味しておるのだ、こういう答弁があったわけであります。そうしますとここに私たちが考えておった撤退というものと大きな食い違いを生じてくるわけであります。先ほど申し上げたように、一番関係の深い防衛庁では、この点をよく把握しておると思いますが、どちらがほんとうなのか、首相が言っておるようなことがほんとうなのか、先ほど調達庁の長官が言明しておったことがほんとうなのか、この点をまず確かめておきたいと思うわけであります。
  153. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 石橋君、杉原国務大臣は参議院予算の時間がありますから、今の答弁は次長でよろしゅうございますか。
  154. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 簡単ですから……。
  155. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 アメリカ軍の、朝鮮から日本に一時来ておったのが、さらに朝鮮に引き揚げたということを聞いております。
  156. 石橋政嗣

    ○石橋(政)委員 二十四師団はまだ来ておらなかったのです。ほんの先遣部隊が九州の一地区に来ておったにすぎなかったわけですが、それが来なくなったのだということであって、今完全に日本におる一個師団がどこかへ行ってしまうことじゃないということでありますね。
  157. 杉原荒太

    ○杉原国務大臣 私はそういうふうに了解しております。
  158. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員長 それでは本日はこれをもって散会することにいたしまして、次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五分散会