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1955-07-21 第22回国会 衆議院 地方行政委員会 46号 公式Web版

  1. 昭和三十年七月二十一日(木曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 池田 清志君 理事 亀山 孝一君    理事 古井 喜實君 理事 鈴木 直人君    理事 前尾繁三郎君 理事 加賀田 進君    理事 門司  亮君       唐澤 俊樹君    川崎末五郎君       木崎 茂男君    纐纈 彌三君       渡海元三郎君    徳田與吉郎君       横井 太郎君    青木  正君       熊谷 憲一君    灘尾 弘吉君       山崎  巖君    吉田 重延君       井手 以誠君    川村 継義君       北山 愛郎君    五島 虎雄君       西村 力弥君    伊瀬幸太郎君       中井徳次郎君    西村 彰一君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 一萬田尚登君         建 設 大 臣 竹山祐太郎君         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         法制局長官   林  修三君         法制局次長   高辻 正巳君         自治政務次官  永田 亮一君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林與三次君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君         大蔵事務官         (主計局次長) 正示啓次郎君         厚生政務次官  紅露 みつ君  委員外の出席者         大蔵事務官         (理財局次長) 石野 信一君         厚生事務官   加藤信太郎君         専  門  員 円地与四松君     ――――――――――――― 七月二十一日  委員丹羽兵助君、二階堂進君及び井手以誠君辞  任につき、その補欠として加藤常太郎君、吉田  重延君及び勝間田清一君が議長の指名で委員に  選任された。 同 日  委員勝間田清一君辞任つき、その補欠として井  手以誠君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 七月二十一日  昭和三十年六月及び七月の大水害により被害を  受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律  案(加賀田進君外十一名提出、衆法第六一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方財政再建促進特別措置法案(内閣提出第一  一五号)  地方財政再建促進特別措置法案に対する修正案  (鈴木直人君外十八名提出)     ―――――――――――――
  2. 大矢省三

    ○大矢委員長 これより会議を開きます。  前日に引き続き、地方財政再建促進特別措置法案を議題として、十二条から附則までを一括して逐次質疑を行います。北山委員。
  3. 北山愛郎

    ○北山委員 この第十二条以下の審議に入ります前にちょっと委員長から聞いておきたいのです。それは御承知のように本委員会にかかっております地方税法の一部改正、これが一応法案の内容については審議をいたしまして小委員会にかかっておるわけでありますが、しかし御承知のようにこれに関連をするところの地方道路税法、そういうものが大蔵委員会でもってたな上げになっておる。これがいつまでたってもきまらないという結果として地方税法の審議がおくれておるわけであります。ところが税法はどうしてもこの国会で上げなければならぬ法案でございますので、私ども大へん焦慮いたしておるわけでありますが、伝えられるところによりますと、この地方道路税につきまして大蔵委員会では意見の一致を見たか、あるいはいろいろな意見があるというふうにも聞いております。従ってこの間の経緯がどうなっておりますか、状況によっては当委員会から大蔵委員会に対して地方道路税法等の審議を促進せしめるような要請をする必要があると存じますので、委員長あるいは政府側からでもいいのですが、一応どういうふうな状態になっておるかお知らせを願いたい。
  4. 大矢省三

    ○大矢委員長 それではさっそく大蔵委員長と交渉いたしまして、その経過を後刻報告することにします。
  5. 北山愛郎

    ○北山委員 それも必要でございますが、こういう段階になってきておりますので、当委員会としては、結論はいかにせよ、大蔵委員会においてこの問題をいずれかに決定してもらう、こういう要求をやはり強く出す必要があると思うのです。ですからこの委員会の名において大蔵委員会の方にその審議の督促方をやっていただくように、一つそういう処置をお願いしたい、それが一点であります。  同時に、伝えられるようにガソリン税が一万三千円に据え置かれて、地方に対してはそのうち二千円しが配付をしないというような事態になって参りますと、これは当然本年の地方財政の一つの欠陥になると思うのであります。これらについては政府、自治庁としてはどういうお考えであるか、この点についてもあわせて伺いたいと思うのであります。
  6. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 揮発油税の審議の状況を私よく承知しておらぬのであります。断片的には聞いておりますけれども、今日の段階は存じませんから何とも申し上げられないのですが、私どもといたしましてはどこまでも一万五千円の原案を主張しておるわけでありまして、かりに大蔵委員会でこれが修正になりまして、前年通り一万三千円となった場合の建設省と地方財政との配分の割合でありますが、これはまったくまだ未確定のようであります。かりに前年度の譲与税と同じように二千円だということになりますと、約二十五、六億収入が減ることになりまして、これに対しては当然補てんの措置をしなければならぬと思うのです。これらにつきましては各方面と折衝いたしておるのでありまして 地方財政に欠陥を生じないように努力いたすつもりでおります。
  7. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいまの長官のお話のように、もしも地方財政に二十四、五億の穴があくということになった場合に、この対策として自治庁としてはどういうことをお考えになっておるか、これらについてもっと具体的に承わりたい。
  8. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 どういう形式になっておるかわかりませんが、計算上穴のあかないようにすることに努力をいたしております。
  9. 池田清志

    ○池田(清)委員 揮発油税、地方道路税は他の委員会において慎重審議中でありまして、近く結論が出るわけだと思います。われわれの委員会におきましてはその結論によって左右される部分が非常に多いのでありますが、これについて現在北山さんからその結果によらない、仮定的な御質問をしておられますけれども、そういうことでなくて、北山さんの言われます当委員会から他の委員会に対する促進方をするということについては賛成いたしまして、その余のことにつきましてはその結論を見てから進めていただきたいと思います。従いまして最初の予定通り本論に入って進行してもらいたいと思います。
  10. 門司亮

    ○門司委員 今の北山君の御意見は非常にごもっともだと思いますが、これは委員長というよりも、自治庁長官の答弁はきわめてたよりないのです。これはあなたの方の仕事ですよ、委員会の仕事ではないのである。ただ委員会としては取扱いを早くきめてもらわぬと法案の取扱い上困る、それから地方の自治体が困るであろうからということで、北山君がこういうことを言っておるのであって、私は与党の諸君がこれを考えたらどうかと思う。地方税法を通さぬでいいというならほっておきなさい、われわれは通さぬから。われわれの責任は何もないのであります。われわれは地方の自治体が非常に困っておるときに税法がきまらぬということは困るだろうと思うから、できるだけ早く通したいと考えておるだけなんです。与党が今のような態度なら何をか言わんやであって、いつまでも税法を通さずにおいたらいい。われわれの責任はちっともないので、われわれはけっこうだから。こういう問題については何も委員会でものをきめてわざわざ他の委員会に申し出る必要はないのであって、これは政府の責任で委員会の責任ではないのであります。責任の所在はどこかといえば与党であり政府である。委員会の責任では毛頭ないということであります。従って否決しようとすまいと上ってこなければ税法がきめられないというなら、税法を放任しておけばいいのだから、それが政府並びに与党の地方自治体に対する態度だというなら、それで私はけっこうだと思います。だから今のような御意見が出るのなら、どうか委員長の当委員会としての催促は私はやめておいてもらいたい。政府と与党にまかしておけばいい。そしてあとはどうなろうと野となれ山となれということであって、われわれ責任は負いませんから、何も委員長が無理に、せっかく北山君から注意があったからといって態度をきめて申し出る必要は私は毛頭ないと思います。
  11. 大矢省三

    ○大矢委員長 今北山君の希望のあったように、私から向うの委員長に促進方並びに経過をお聞きして報告することにし、この委員会で何らかの決定を見るということは大蔵委員会の審議権の拘束にもなるおそれがありますから、委員会の意思決定ということはせずに、要望のあったことについて私から大蔵委員会にそういう申し出をして、その結果を後刻報告したいと思います。それでよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 大矢省三

    ○大矢委員長 それではさようにして審議を進めます。
  13. 北山愛郎

    ○北山委員 どうも私余分な老婆心を起して与党の方々からお叱りをいただいたような工合ですが、本論に入ります。  十二条から始めます。この十二条は財政再建債につきまして、歳入不足に対する分、これに対しては当然でありますが、その次の退職手当の財源、これはどうも私どもとしては、一応赤字をたな上げするというのがこの法案の趣旨であるというような御説明からはちょっと行き過ぎておるのじゃないか、こういうふうな考えを持っておるわけであります。しかもその金額において、まず第一に過去の五百数十億、約六百億の赤字に充当する分をできるだけ充当して、しかる後に残金の分を退職手当の分として充てるのが当然であろうと思うのです。ところが政府においてはそうじゃなくて、政府資金のうち赤字分として充てるのはわずかに五十億であり、首切りの退職手当の分としては六十億であるということは、まことに重点がはずれておるのじゃないか、むしろこの法案の焦点が、過去の赤字対策といわんよりは、今後まず首切りによって地方団体につじつまを合せようというところに主眼点を置いているのではないかという疑いをわれわれは持たざるを得ないのです。従ってくどいようでございまするが、この法案はそうではないのだということを一つ明らかにお示しを願いたい。金額の上で実際に片方は赤字分として五十億であり、今後の退職手当としての分としては六十億であるということは、いかにしてもわれわれとしては納得がいかないのでございます。この点われわれの考えが邪推あるいは誤解であるかどうか、一つ長官からこの際明らかにしていただきたいと思います。
  14. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 退職手当に充てる財源といたしまして六十億見込んでおります。先般来御説明申し上げている通り、一応三十億は再建団体、あと三十億は一般の団体に使わせるということでありまするが、私どもは地方財政の立て直しを人員整理によってやるとは一向考えておらぬのであります。しかし多くの地方団体を見ますると、多少人員がよけいなところもありまするし、また一方事業を縮小すれば当然人員が減ってくるのでありまして、これに対する対策を講じておく必要もあると思って、こういうふうにいたしたわけであります。従いまして、先般来いろいろ御質問もありお答えいたしておる通り、この六十億の金額で幾人退職者を予定しておるかというようなことは全くないのでありまして各地方団体の自主的活動によりまして必要ならばこの限度内で融通してやる、こういう趣旨でできておるのでございます。
  15. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし赤字分については五百八十六億という一応の基礎になるというか、手当をしなければならぬ分が現実に一応数字としてあるわけなんです。そういう必要がはっきりとしているものに対しては、わずか十分の一にも足らない金額を充てておって、しかも今長官のお話の通り、どのくらい出てくるかわけのわからぬというような退職手当の分については、それよりもよけいの六十億を充てておるという理由がどうもわれわれには納得がいかぬのですが、その点をもう少しわかるように御説明願いたいと思います。
  16. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 再建団体になる、ならぬにかかわらず、現に各地方で必要に応じて人員整理をいたしておりまして、この退職資金に困ってぜひ退職資金のための地方債を認めてもらいたいという要求が各方面からあるのでありまして、それにこたえるためにもこういう予算を計上したわけであります。決して人員整理だけによって赤字を克服しようとは考えておりません。先般来の御議論は財政の立て直しのしわ寄せが全部人件費にくるのだ、こういうお話でありますけれども、私どもはそういうことを要求してないのでありますが、自然の結果として人員整理が起るであろうから、そのときの用意のためにその起債を認める、こういうことでいたしたわけであります。
  17. 北山愛郎

    ○北山委員 大臣は地方の要望があるからそれにこたえるのだというお話でございますが、地方の要望にこたえるというそれだけの御親切があるならば、地方団体はたばこの消費税の引き上げであるとか、あるいは交付税率の引き上げというようなものを強く要望しておるのでございますから、なぜ交付税の増額とかそういうことをなさらないのか。ただ退職手当についてはその要望にこたえようというのでございますか。どうもわれわれは納得がいかぬのですが、地方から現実に要請があるというならば、現在までのところどの程度の金額の退職手当を出してもらいたいという要請が地方団体からあるか、その数字をお示しを願いたいのであります。
  18. 後藤博

    ○後藤政府委員 個々につきまして退職金の起債を認められるかどうか、どの程度認められるかという御質問があるのでありますが、私どもは大体六十億のワクで認めるのだという話をいたしておりまして、個々の数字についてはわかっておるが、総額はどのくらいになるか、今のところ別に調査をいたしたこともございませんので、一応この法律案が通りました上で、一体どの程度の所要額があるかということを調査いたしたいと思っております。
  19. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし今の大臣のお話ですと、現実にこういう申し出があるというお話でありますから、どの団体からどの程度の申し入れがあるか、それを一つお話を願いたいと思います。
  20. 後藤博

    ○後藤政府委員 どの団体からどの程度ということもわからないのでありまして、本年度の当初予算で人員の減少を組んでおるところもございます。しかし今日それが進行中でございますので、果してどの程度の退職金が要るか、人員の整理によって浮くところの金もございますので、その浮き金との差引が必要なわけでありますから、そういう意味でまだはっきりした数字が出せない段階にあると思っております。もうすでに完了したところははっきりした数字が出るのでありますが、現在まだ進行中でありますので、はっきりした数字がまだ出ない、こういうふうに考えております。
  21. 北山愛郎

    ○北山委員 申し入れがあったというからお伺いしたのでありますが、どの団体からどの程度の額が出てくるかということはわからないということでありますならば、申し入れがないということでございますか。
  22. 後藤博

    ○後藤政府委員 予算の上ではこれだけの予定をしておるが、しかしそのやり方は、自然退職、整理退職、勧奨退職の三つの方法がありますので、それによって退職金が違って参ります。従って実際の所要額がわかりますのは、本年の暮れごろでないとわからないのじゃないか。従って予算上はこのくらいを要求しておるが、しかし現実の要求はどの程度になるかわからない、こういうお話でありまして、多かれ少かれあることはあるのであります。しかしその額が今はっきりわかる段階でないということを申し上げたわけであります。
  23. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると現実には自治庁には申し入れはないけれども、しかし各地方団体では今整理を進行中であるから、多分金が必要になってくるだろうというように御親切に自治庁が考えておられる、それが六十億であるというふうに考えてよろしゅうございますか。
  24. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 いやそうではないのでありまして、現実に申し込みがあるのであります。ありますが金額等はわかりません。書面の申し込みはございませんけれども、口頭で知事、市長あたりが自治庁に参りまして、私ども現に幾人もそういう話を受けておるのでありますが、ぜひ一つ起債を認めてもらいたいというわけであります。書面でなければ申し込みでないというような解釈ならばあるいは申し込みがないのかもしれませんが、口頭ではぜひほしいのだということを幾たびも受けておるわけであります。
  25. 北山愛郎

    ○北山委員 この問題については正式の申し入れがなくとも、口頭の申し入れだけで措置をされたということで、まことに御親切なことなのでありますが、しかしそれならば、そういうふうな程度であるならば、どうもこの六十億というのは納得がいかないのです。この六十億の基礎については再々いろいろ質問をしておるわけでありますが、どうも今まではっきりしておらない。三十億というのはこの再建団体の分であり、他の三十億というのは赤字のない団体の行政整理の分である、こういうような程度の御説明しかないのであります。そこで本年の地方財政計画上に計上されておる行政整理の分については幾らであるか、この点を一つお示しを願いたい。
  26. 後藤博

    ○後藤政府委員 財政計画上に関係のありますのは三十億であります。その中で私どもは町村合併分に二十億くらいは絶対要るのではないか、こういうふうに考えております。
  27. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると、地方財政計画上の行政整理分は三十億、そのうち二十億は町村合併の関係である。こういうお話でありますが、そうしますと、その地方財政計画に載っておる三十億というのは、再建団体の分でないかという区分はないわけでございますか。
  28. 後藤博

    ○後藤政府委員 再建団体である再建団体でないの区分は別にございませんが、全体として、財政計画上は三十億だけ歳入の方に見ておるわけであります。
  29. 北山愛郎

    ○北山委員 なぜ財政計画上三十億と見込まれるか。その中には町村合併の分もあればあるいは再建団体の分もある、あるいはそうでない分もあるというように、込みで三十億というものが一応財政計画上ある。それなのになぜそれ以外に三十億を加えたのでありますか。
  30. 後藤博

    ○後藤政府委員 これも先日申し上げましたように、全額を入れますとさらに退職金の財政需要額を立てなければなりません。そうしなければバランスが合わなくなって参ります。そうしますと計画的に退職ということを考えなければならないということになりまするので、私どもとしては三十億分は別にしまして、それは財政計画外の財源である、こういうふうにいたしたのであります。
  31. 北山愛郎

    ○北山委員 この六十億の基礎については、いろいろお伺いした結果大した計算の基礎がない。各地方団体からの口頭の申し入れ、あるいは過去の実績、あるいはいろいろな推定というようなものからきておるんだというお話であれば、そういう基礎の薄弱なものの上に立った六十億というようなものを置かないで、片一方の赤字分というものははっきり五百八十六億と数字が出ており、五十億あるいは公募債の百五十億では絶対に足らないということがわかっておるのですから、この六十億を一つ赤字債の方に回すということにできませんか。率直に申し上げますが、どう考えても、五十億赤字であり、六十億のものが不確定な要素を含んでおる退職手当債であるというようなことはどうも条理上おかしいし、おもしろくない事柄ではないか、私はこういうふうに思いますので、六十億の大部分を赤字債の方に回す、再建債の方に回すのが当然であろうと思うのですが、そういうお考えはございませんですか。
  32. 後藤博

    ○後藤政府委員 たびたび申し上げますように、もしも六十億要りませんようでしたら、それは返上しないでやはり赤字債の方に回していきたい、かように考えておるのであります。
  33. 北山愛郎

    ○北山委員 今お話になった結果、六十億というのはまことに薄弱な基礎の上に立った数字である、五十億の方は明らかに不足しておるんだ、こういうことがわかっておるのですから、計画上第一に六十億を五十億の方に回して再建債にしていく、そして退職手当の方についてはいわば副次的に考えていくのが当然じゃないか、こういうふうに思うのですが、一応退職手当債としておいて余った分はそちらに転用するというのではなくて、初めから計画的にそうする必要があるんじゃないかと思いますが、こういう措置をおとりになるお考えはありませんか。
  34. 後藤博

    ○後藤政府委員 一応起債の計画上は別ワクにいたしております。おっしゃいますように一緒に使うという結果になるかもしれませんが、一応計画上は分けておりまするので、今まで申しましたように余ったら再建の方に回していく、こういうふうに考えておるわけであります。いろいろ六十億が多いか少いかという問題があるのでありますが、これは一般の単独事業の起債と同じでありまして、補助事業であればちゃんと基礎があるのでありますが、単独事業の起債というのは前年にきめます関係上、実際は根拠があるような、ないようなものでございます。大体の目安をつけまして、腰だめの数字を従来の経験やいろいろなものを基礎にして出しておるのであります。まあ現実の運用としてはできるだけあわせて考えていきたいと考えております。
  35. 北山愛郎

    ○北山委員 私はこのように退職手当債を、明瞭な基礎もなく科学的な算定の基礎もなくぽかんと出すこと自体がおかしいと考えるのです。退職手当について起債を認めるということは、やはりこれは例外的な問題ではないか、起債の原則からいっても、首を切るから金を貸してくれ、貸すのだというようなことはやはり好ましいことではないと考えるのですが、まずこの点について長官はこういうことが好ましい方法であるとお考えであるかどうか、これをお伺いしたいのです。起債については、その団体の永久の利益になるようなものについては起債ができると書いてございますが、職員を整理するということは、企業的な立場から考えれば永久的な利益だとは言えるかもしれませんが、おそらく自治法はそのような場合を予想しているのではないじゃないかと考えるのですが、長官は、一体この首切りの整理資金に起債を許すというやり方は好ましいものとお考えでございますか。
  36. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私は北山さんとは全く逆の考えをいたしております。現に地方は赤字立て直しのために人員整理をしているところがあるのでありまして、財源がないためにきわめて乏しい手当しか渡しておらないのでありますからして、ある程度の起債を認めて退職者には満足の行くような手当を渡していく、こういう気持で退職資金の起債を認めたわけであります。根本的の考えとして、退職資金に起債を認めるのがいいか悪いかということになりますれば、大体消費的経費を起債でまかなうということは決して好ましいことではありませんからして、この退職資金の起債のみならず、今後はなるべく起債は投資的経費、公益事業の方に認めたいという考えを持っておりますけれども、現在の地方の状況を見ますと、そう一本にも行かないので、一応退職資金の起債を認めたわけであります。むしろこういう起債を認めることによりまして、相当多額な退職資金を渡すことができて安心して退職者を出すことができる、こういう結果になることを期待しておるのであります。
  37. 北山愛郎

    ○北山委員 大臣は政治をやる立場でなくて、事業をやる立場からものをお考えになっておると思います。私は国家公務員であろうがあるいは地方公務員であろうが、そういう行政機構あるいは人員の問題を考えますときには、どの程度の人員が必要であるかということを検討するためには、その事務の量であるとか、事務の性質であるとか、そういうものをまず第一に考えていくのが第一次で、政治をやる立場からいえばそうでなければならぬ。第二次に、財政上の観点から考えらるべきものであると考えます。従って個々の団体においては、行政整理の要望があるから金の手当をしてやるのだ、単純にそう言われますけれども、その行政整理が正しいかどうかということは別として、一つの政治、行政をやる立場からいえば、今申しましたようなものさしによってやらなければならぬと思う。ところが今回の行政整理というものは、そのようなものさしがないのです。果してそれだけの人員がその当該団体において必要であるか、余分なものであるか、整理をすることによって事業のサービスが低下するかしないかというようなことを明らかにされないままに、ただ金の都合で首を切り、整理をしようとされておる。この点については私は行政という立場、いわゆる国民、住民に対する正しい、適切な行政をやらなければならぬという国あるいは地方団体の責任、立場から考えるならば、ただ漫然と赤字を埋めるために首切りをするんだからということでは、政治家としては少し考え方がさかさまではなかろうか、こういうふうに考えるのですが、いかがでございましょうか。私の考えは間違っているでしょうか。
  38. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 自治庁の方から各地方団体に対して、お前の団体には退職手当に充当するために幾ら起債を認めるから人員整理をしろ、こういう命令をするなら北山さんのような御議論が出ますけれども各地方団体は自発的にやるのでありまして、私どもは少しも干渉も勧告も助言もしないのであります。ただ現実の事実は、すでに各団体とも必要のない――といっては誤弊があるかもしれませんけれども、ある程度人員整理をしているのでありますから、それに対して十分な退職手当をやりたいという考えで、一応起債を認めることにいたしたのでありますから、これは退職者に対しても親切なやり方ではないかと私は考えております。
  39. 北山愛郎

    ○北山委員 自治庁の事が現在のようなまだ素朴な段階においては、大臣のような御答弁しかできないと思うのです。しかし自治庁の機能というものはそういうものであってはほんとうはならない。もろと進んで、地方公務員の事務の問題あるいは人員の問題、すなわち理想的な、標準的な行政をやる場合には、一体府県なり市町村の人員というものはいかにあるべきかということの基準は、本来ならば自治庁がこれを作っておかなければならぬものですが、それがない。その一般的な基準、ものさしがないから、ただいまお話のようにただ地方の自発的意思によって首を切るんだから、おれの方は関係ないんだということが簡単に言える。しかしそうであってはならないんじゃないか。今の自治庁はそれだけの機能を果しておりません。おりませんからそういう御答弁ができる。しかし私は、あるべき自治庁としては、国家公務員でもそうですが、地方公務員の場合においても、事務機構なりあるいは人員なりというものは、あるべき基準というものを自治庁が発見して、そのものさしに従って、個々の団体の人員が多いか少いかということを見て、そうして計画的な整理なら整理によって幾ら退職金が要るという場合に、それに従って何十億なりを出すというのが順序だと思います。そうでなくて、今のようなやり方が正しいということは言えないと私は思う。私の言うことが間違っていますか。私は理想的な形を言っているのです。大臣は現在の状態における――やむを得ないかもしれませんが、いわば不勉強な事態における自治庁長官としての答弁をされていると私は考えるのですが、いかがでしょう。
  40. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 今の北山さんのお話は、私はまことに同感であります。地方団体として仕事の分量においてどれだけの人間を置くべきかという基準を作りまして、これを示すことはまことに必要だと考えております。今までそういうことをしておらなかったことは、むしろ中央としては怠慢じゃないかとも考えますので、その点に関する限りはまことに御同感であります。
  41. 北山愛郎

    ○北山委員 そのことを長官はお認めになった。しかも六十億というような、何も申し入れがそれだけあったというわけでもない、ただそういう要求があるということだけで腰だめ的にできた数字で、あとは地方団体から要求があれば出してやるんだというようなことでいいかどうか。むしろ自治庁のやるべきことは、もし地方にそういう要求があるならば、その要求を取りそろいて、審査して、その上で適正なる財源措置というものを考えるべきであって、その用意がなくして初めからぽんと六十億出すということは、私は適当でないのじゃないか。むしろ地方団体の行政整理なるものを、不合理に、何らものさしなくどんどん首さえ切れば金は貸してくれるという安易な気持で行わせるという結果になってしまって、自治庁長官としての責任が果せないのではないか。先ほどのお言葉通りに、これを認めるとするならば、こういう措置は正しくないと考えるのですが、どうですか。
  42. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 理論的には地方の公務員の数のあり方を的確に把握して、これを基準として示すことは必要だと思いますけれども、現に整理が進行している団体も少くないのでございまして、これに対応するために何らかここに処置をしなければならぬのでありますから、理論と現実はこの場合は全く別であります。現実の苦しい地方財政を見た場合、この程度の整理債なり退職に振り当てる起債なりを認めることは絶対に必要だ、こう考えまして計上しているわけであります。理論と現実とは、今の段階においては全くかけ離れているわけでありますから、そこは北山さんとは少し考え方が違うわけであります。
  43. 北山愛郎

    ○北山委員 長官は理論は理論として正しいものと認めながら、その素朴な現実に追随していこうという。私はこの点はまことに遺憾と思うのであります。遺憾であるばかりでなくして、今度の六十億というものを初めから計画的に置くということは、その遺憾である現実に追随するのでなくて、現実を奨励することになる。こういうワクを何ら根拠なく設定しているということは、この好ましからざる現実を奨励することになるとお考えになりませんか。
  44. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 この問題はもう数回繰り返している事柄でありまして、私どもは決して地方の赤字克服を人員整理だけでやろうとは考えておらないのでありまして、各地方団体にそれぞれ事情がありますから、地方団体の考え方にまかしているわけであります。しかしながらその際には当然人員整理も出るということは予想し縛るのでありますから、それに対応するために一応認めたわけでありまして、北山さんは、これがあるがために首切りを奨励するのではないかということをしきりに御議論になりますけれども、そういうことは一向考えておりません。
  45. 北山愛郎

    ○北山委員 考えておらないと言われましても、片や赤字再建債は五十億、片や首切りは六十億、これでは私はそう思わざるを得ないわけですが、もしも長官がそういうこと考えてないと言われるならば、この五十億、六十億の均衡を破ってその六十億のうち相当部分を再建債の方へ回すという具体的措置をおとりになれば、私は多少その懸念を晴らすことができるかと思いますが、それを措置されないで、ただそういう考えはないと言われるだけでは、私の疑いは決して晴れない。従って大臣はそういう措置をこの起債のワクの上で、退職手当債を再建債の方へ動かすという措置をとる考えがあるかどうか、ここで最終的にお伺いしたい。
  46. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 この退職手当に充当する起債を認めなくても、必要と思う地方はやはり人員整理はやらざるを得ないのであります。そのときに金がないために退職者がひどい目にあうのでありますから、やはり退職者に対して相当の手当をやって満足して退職できるようにするにはこういう措置が必要だと、こう考えて出しているのでありまして、私はこの際全部を赤字債に振りかえるということは、決して適当な措置ではないと、こう考えております。それから先ほどから五十億と六十億ということをおっしゃるのですが、これもよく北山さん御存じの上の御発言ですが、赤字債は五十億じゃありません、二百億であります。百五十億は本年度は政府資金でありませんけれども、次年度から政府資金に繰りかえる、しかもそれがためには、今年度に限っては利子補給をするということになっているのですから、合計二百億としてお話し下さいませんと、私の方が聞いているうちに間違いを起しますから……。
  47. 北山愛郎

    ○北山委員 私はそういう錯覚を起させるためにそういうふうに申すのではありません。少くとも政府資金で心配してやろうという分については、私の言ったことは間違いないと思うのです。しかも百五十億の公募債、これはもしも政府資金でできるだけやろうという御親切があるならば、そうはならないはずです。しかもその百五十億円次年度以降において政府資金に振りかえると言われますけれども、それは当初からそうなったのではなくて、政府はその考えは初めはなかったのです。あとでいろいろ文句を言われた結果として、百五十億の公募債をすみやかに政府資金に振りかえるという措置をあとでおとりになったのであって、黙っておればこれは公募債で、政府資金じゃなかったのであります。従って私の申し上げるのは、決してそういう邪推とか、錯覚を起させるために申し上げるのじゃなくて、政府資金を優先的にやるのはほんとうなんですから、それの配分については、そういう配分しかしておらぬじゃないかということなんです。  そこで、もう一つこの問題について、赤字団体についてはともかくとして、この退職手当債については黒字団体についても金を貸すということはどうかと思うのですが、いかがですか。しかも、この再建促進法は赤字を出した団体に対する措置である。ところが赤字の出ていない団体に対してすら首切りの資金を出してやるというのは、これこそ行き過ぎじゃないかと思うのですが、どうですか。
  48. 後藤博

    ○後藤政府委員 赤字団体でなくて、黒字団体でありましても、私は、非常に苦しい財政運営をやっておると思っております。そういう団体が、この際、将来のために財政構造を直していこうという努力を相当やっております。従って、その努力は、やはり赤字を持っておるところの努力と同じような努力であります。そういうところに対して、赤字団体だけ退職債を認めるということは理屈が立たぬのでありまして、どの団体にも平等に認める、こういう趣旨でなければならぬ、こういうふうに考えたのであります。
  49. 北山愛郎

    ○北山委員 ですから、人件費の問題についてだけは、非常に徹底して自治庁はお考えになっておられる。赤字が出た団体であろうが、黒字の団体であろうが、人件費を処理するということについては非常に積極的なんです。そういう理論であるならば、単に人件費のみならず、あらゆる問題について同じことが言えるのであって、全体に対する財政構造を健全化するということであるならば、問題は人件費のみに限らぬじゃないかと思うのです。しかも、そのような財政構造の健全化ということを前提とするならば、これまた先ほど申し上げたように、あるべき財政構造がなければならぬと思う。あるべき財政構造というものを自治庁が持っておって、その団体の正しい財政構造のあり方に従ってこれを改変していくということでなければならぬ。それは単に人件費のみの問題ではないと思う。あらゆる問題がそこにはさまってくると思うのです。私の奇怪に思いますのは、特にこの人件費についてのみは先走って、なけなしの金をお出しになっているというところに、どうしても割り切れないものがそこに残るわけなんです。地方財政の健全化には、われわれとしてやるべき問題はあるけれども、とりあえず赤字団体に対する措置であるといういわゆる特別立法なんでしょう。ですから、そういう範囲ですらも、まだまだ足りない部分があるわけです。五百八十六億の赤字に対して、たった二百億しか措置できないという現実なんです。その分については、なるほど必要があるとしても、これは別個に考えてもしかるべきものではないか。それを足りない金の中から、そこまではみ出して考えるということは、その点について特に自治庁は積極的であるとの邪推を――私は邪推じゃないと思うのですが、そういう考え方にならざるを得ない。これは私のみならず、多数の人がそうだと思うのですが、この点について、自治庁は改める考えがございますか。
  50. 後藤博

    ○後藤政府委員 赤字団体を中心に物事を考えて参ります場合にも、やはり黒字団体のことを考えて参りませんと、全体の地方団体がよくならぬのであります。私どもは、赤字団体の再建整備とあわせて、現在黒字でありますが、非常に苦しい財政運営をやっている団体もあわせて考えている。従って両方共通の問題があれば、やはり共通の組織または措置を考えていくということを、私ども自治庁におります者としては、当然の職務ではないか、かように考えております。赤字団体だけを余りに優遇しますことによって、逆に現在苦しい運営をしておる黒字団体に非常に悪い影響を与える場合もあるのであります。従って、その辺をどの辺で調整できるかという問題はございますが、常にそういう黒字の団体のことも考えてやるということは、決して間違ってない。それを赤字団体中心の議論をされますと、いろいろまた別な議論も私は出てくるだろうと思います。しかし私どもの考えは、そうではないということを申し上げたいのであります。
  51. 北山愛郎

    ○北山委員 どうもその分に限っては広範な理論を展開されるのですが、それならばきのうやりました六条から十一条までのように、もしも行政委員会の存在があるいはその機能が、地方財政を膨張させる要素になっているから赤字団体に限ってはこういう措置をとると、いうことはおかしいじゃないですか。やはり赤字団体に対して行政委員会その他の機構の簡易簡素化をやろうとすれば、やはり黒字団体についても同じことが言えるのであって、なぜ自治庁は赤字団体のみについてその組織運営について制約を与えるのでございますか。黒字団体も同じじゃないですか。そういうことについては赤字団体だけに措置をやっておいて、今の退職手当には黒字団体にまでも考えているということは矛盾でないかと思うのですが、どうですか。
  52. 後藤博

    ○後藤政府委員 私どもといたしましは、黒字団体と赤字団体と平等の立場において考える。しかしこの際特に赤字団体だけにやらなければならない事項を中心にして、この再建整備法はできているのであります。おっしゃるような問題は、それほど赤字団体と比べて黒字団体は切実な問題ではない。従って一応特に問題のある措置でありますから私どもとしては一応暫定的な措置として赤字団体だけに認めていこう、こういうふうに考えたのであります。
  53. 北山愛郎

    ○北山委員 その論理的な矛盾といいますか、要するに退職手当の分については――首切り行政費については赤字団体も黒字団体も同じように平等に取り扱う。黒字団体についても考慮する。この重大な組織上の制限については、赤字団体だけについて制限していくという論理的な矛盾、これは長官、どうお考えですか。
  54. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 行政機構の問題については、これと同時に地方自治法の一部を改正する法律案を出しております。相当機構改革をして、赤字克服の一助にしようと思っているわけであります。これに関する限りは全部の団体に通ずるわけであります。   〔委員長退席、加賀田委員長代理着席〕 ただ赤字の最も激しい団体で再建団体になるところは、特に相当な措置が要るのであります。従ってこの法案の御審議を願っているわけでございます。全部が同じというわけにはいかぬのでありまして、赤字団体の財政立て直しのためには、この程度の措置は必要だ、こう考えて、これに関する限りは黒字団体との取扱いが違うことは当然だと思っております。
  55. 北山愛郎

    ○北山委員 長官のお言葉のようであれば、この再建促進法の中で、地方自治体の組織あるいは運営に関する分については、自治法の規定に譲るべきものであった。これは赤字団体だから特別な組織運営をやるとか、あるいは議会の議決に特別の措置をするかということは、私は建前から見て好ましくないと思うのです。ですからこの規定の中でそういう機構の運営なり一般的な措置をとるべき制庭上の問題、こういう問題については地方自治法の規定に譲るべきものであったものを分けてこの中へ入れておるということは、どうも私どもは納得がいかないと同時に、おそらく長官のただいまのお言葉をもってしても好ましい立法措置ではなかった、こういうふうに長官も考えておられるようですが、そのように考えてよろしゅうございますか。
  56. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 赤字団体で再建団体になろうというところに対しましては、他の黒字団体と違いまして、やはり相当きびしい制約を加える必要があるのではないかと思いまして、特にこの法案の中に入れたのであります。しかもこれはいわゆる時限法でありまして、一定の期間がきますればこの法律の効果は失効するのでありますから、現在の赤字克服のためにはこの程度の制約は必要だ、こう考えているわけであります。
  57. 北山愛郎

    ○北山委員 御承知のように、またお言葉のように、赤字団体の赤字原因というのはそれぞれ団体によって異なるわけです。かりに災害によって赤字が出たのだというような団体があった場合に、きつい制約を加える理由が一体どこから出てくるでありましょうか。
  58. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 原因のいかんは別といたしまして、とにかく赤字が出て財政に悩んでおるのでありますから、それを立て直すためにはある程度の制約を加えるのは当然でありまして、赤字団体も黒字団体もすべて同じやり方をやるというのでは、いつまでたっても赤字の克服はできないのでありますから、この程度のことはぜひやらなければ再建はできない、私はこう考えておりますが、私の考えが間違っておりますか。
  59. 北山愛郎

    ○北山委員 間違っていると思います。大臣は個々に団体の赤字原因は違うというお話です。ある団体は災害のような不可抗力によって赤字が出た団体もあるでしょう。その団体がさらにいろいろな点で制約を受け、普通並みの扱いを受けられないという状態に置かれるということは、これは常識的に考えて何としても、私がその団体の責任者であれば納得がいかないのではないかと思います。そういう意味において私は長官の御意見は間違っていると申し上げますが、私の申すことは間違っておりましょうか。
  60. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 赤字の出た原因に遡及しまして議論すればいろいろあります。それは毎回申し上げるのですが、国の責任もあるし地方の責任もあるし、しかもその分量等も団体によって違うのでありまして、国の責任の多いところもあるし少いところもあるのでありますから、一様にはそれは議論できないのでありまして、今お話のように災害の府県に対して、赤字があるからといって、しかも再建団体になった場合にこの法律を適用するのはけしからぬじゃないかという御議論だと思うのですが、そこはどうも私は区別がつかぬと思う。災害のために赤字になったから、これは一応野放しにして金だけめんどう見てやればいいのだ、ほかの団体は相当に制約を加えるのだという区別はやはりつきにくいのだし、つける必要はないのじゃないか。何しろ目的は赤字を消して健全な財政にしようというのでありますから、やはりある程度の制約を受けることは当然であります。その原因が災害によろうとその他の原因によろうと、これは別の観点から別の方法でもってこれを救済していくことが必要であろう、こう考えるのであります。
  61. 北山愛郎

    ○北山委員 大臣の御答弁が大へん苦しいのでございますが、その苦しいこと自体が、大臣の答弁が間違っておる、こういうことの証明であろうと了解いたします。それであるからこそ私は、制度上の問題であるとか、そういうふうな地方団体の自主性を拘束するような規定は、地方自治法だとかそういう一般的な制度上の方に譲るべきである。こういうふうに赤字団体についてだけ特殊な、自治権を侵すような規定であるとか、あるいは組織運営についても干渉する規定であるとか、そういうものを設けるのは私は適当でない、こういうふうに考えるわけです。方法の問題なんです。方法として大臣はやはり先ほど地方自治法のことをおっしゃいましたが、私はそういう方に譲るべきではなかったかと思う。どうもこの再建促進法の中には、再建促進以外の機構上の要求を、財政的な手段以外の方法をこの中に混入しておる、その点は適当でないのじゃないかと思うのですが、この点大臣はお認めになりますか。
  62. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私が繰り返して申し上げているように、特に再建団体に対しましては他の団体と違った制約を加える必要があると思って、この法案の中に入れたわけであります。地方自治法ではその目的は達成せられないのでありまして、これは当然のことと私は考えるのであります。
  63. 北山愛郎

    ○北山委員 それでは次に移りまして、第十二条の第二項のところに、「再建のため必要と認められる額」とあります。要するに再建債を貸してやるのは必要と認める額。それは現実にどういうふうな基準でおきめになるのか、これを答弁していただきたい。
  64. 後藤博

    ○後藤政府委員 十二条の二項には、「次の各号に掲げる金額の範囲内で当該財政再建団体の財政の再建のため必要と認められる額」こういうことになっております。赤字額というのは一応各地方団体でわかっておりますが、その金額を貸せるかどうか、また金額を要求するかどうかという問題もございます。全額をどうしても貸さなければならないような書き方をするか、それとも全額を貸せないで、希望によってはその範囲内で貸せるようにするかという問題がありまして、私どもとしては、必ずしも必要と認めない場合には全額を貸せない場合もある、こういう意味でこういう書き方をしたのであります。これは私どもとしては、別にわれわれの方で大きく査定する意思はございませんが、ただ赤字額の中にわれわれが赤字と称し得ないようなものもあります。たとえば単独事業の繰り越しを赤字と言うか言わないかという問題があります。これは単独事業は打ち切りということでありまして、繰り越した額はその次年度の事業というふうに考えてもいいのであります。従ってそういうものは入れる必要はない――これは政令あたりで抜くわけでありますが、従って要求額を全額認める必要もないのでありますし、またその要求する額が赤字の全額でない場合もあるというふうに考えまして、こういう規定にしたのであります。
  65. 北山愛郎

    ○北山委員 よくわかりました。ただ単独事業等で繰り越しになった金額、ぶった切ってもよろしいというような額は、大体どの程度になると推定されますか。
  66. 後藤博

    ○後藤政府委員 これは個々の団体の赤字をもう一度洗い直してみませんと、はっきり私どもはわからないと思っております。たとえば東京都あたりでは繰り越し事業が非常に多いのでありますが、こういうものを赤字と東京都では言っておりますが、しかし私どもはそういうものは赤字じゃない、単独事業の繰り越しは赤字じゃない、次年度の事業だ、こういうふうに言っておりまして、それに類するものは地方団体にたくさんあるのでありまして、特に市町村あたりにもあると思いますが、そのこまかいところはよくわかりません。従って再建団体の個々につきましては、その決算を中心にしてこまかく洗って参りますればはっきり出てくる、かように考えております。
  67. 北山愛郎

    ○北山委員 この前この委員会に大蔵省にも来てもらったときに、昭和二十九年度の赤字の見込額五百八十六億という数字について、大蔵省は何か納得しないような態度があったわけです。その理由は、おそらく今の単独事業の繰り越しとかそういうものについての見解が違うのではないか、こう思っておりますが、大蔵省の方ではどういうものさしで地方団体の赤字を計算されておるのか、あるいは大蔵省の計算している赤字は、昭和二十八年度でもいいですが、どのくらいに上るか。どの程度の食い違いが自治庁と大蔵省との間にあるか、これをお伺いしたい。
  68. 後藤博

    ○後藤政府委員 大蔵省があの赤字よりも小さいと言うことは、一つは、私どもがいろいろな調査をする場合に、赤字を中心の調査をいたしますと、どうしても大きな数字が出て参ります。従って従来の経験からして、そういう赤字の額は最大限度に書いてあるが、実際に洗ってみれば少くなるのではないか、こういう意味で申しておるのではないかと思います。事実私どもが個個に当ってみますと、そういうように赤字額を非常に大きく出しているところは、そうでない場合ももちろんありますが、多くの場合は洗いざらい出しておりまして、われわれが見ましてちょっとおかしなものも入っておるのであります。
  69. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると、自治庁の押えておる赤字の数字の中にも水増しというか、そういうものがあるようでございますが、この規定の第二項の「その他政令で定める額を控除した金額」というのは、特定財源があるものだけを控除するわけですか。
  70. 後藤博

    ○後藤政府委員 さようであります。
  71. 北山愛郎

    ○北山委員 それから公募債と政府資金との割合については、政府資金は町村とか小さい団体にやるのだ、公募債の方は大きな団体にやるのだというような話でありますが、公募債については現実に地方銀行等から短期の融資を受けているというような分についてだけやるわけですか。
  72. 後藤博

    ○後藤政府委員 銀行だけではございません。銀行以外のところもあると思いますが、できるだけ一個所に集中するような方法でもってやったらどうかというふうな考え方を現在持っておりますが、動かすことができなければ、たとえば銀行と信連あたりから借りておるところもあります、そのほかの金融機関から借りておるところもあります、それをそのまま一度ひっくり返すというふうになるかと思います。
  73. 北山愛郎

    ○北山委員 それから退職手当の起債についての実際の割当、それについてはどういうふうなやり方をとろうとしておるのですか。
  74. 後藤博

    ○後藤政府委員 こまかいことをきめておりませんが、申請の期日を一応きめまして、一応そこに持ってきたものを先着順にそれぞれ適当な額をきめて許可していきたい、かように考えております。
  75. 北山愛郎

    ○北山委員 申請を査定されるというわけでありますが、大体どういうふうな基準で査定をされるつもりなのですか。たとえば一人当りどのくらい見るとか、あるいは申請額の何割を見るとか、そういうような基準を何かお考えになっておりますか。
  76. 後藤博

    ○後藤政府委員 私どもとしてはできるだけ全額を認めていきたいと思っておりますが、しかし退職者が年度当初に出て参りますと、その人の分だけ給与が不要になって予算が浮いて参ります。従ってそういうことも考慮して、必ずしも全額出さなくてもいいんじゃないか、いい場合もあり仰るわけでありますから、そういう意味で私はこの査定ということを申し上げたのであります。
  77. 北山愛郎

    ○北山委員 それから第十六条ですが、最初再建債の消化促進審議会、この点はこの前も触れましたが、このような審議会が、これは諮問機関になっておるのですが、一体どういうふうな働きをし、どの程度の効果が期待されるか。これはこの文字の示す通りに再建債の消化促進をやるための機関でありますが、どういうふうな運営をされるのであるか、その運営によってどういう形で効果が出てくることを期待しておるのであるか。
  78. 後藤博

    ○後藤政府委員 この審議会に私どもは個々の団体の再建計画を説明いたしまして、そうして現在一時借入金を振りかえる措置につきまして協議をいたし、たとえば金融機関の代表者もおられますから、それぞれの代表者からそれぞれの関係の向きに御協力を願うような措置をとっていきたい、個々の団体の個々の問題をやはりこの審議会でやっていく。一般的な方針はもちろんきめますけれども、個々の処置につきまして御協力を得る方法をこの審議会はとっていきたい、かように考えております。
  79. 北山愛郎

    ○北山委員 この促進審議会の構成メンバー、委員はいろいろあるわけですが、実際役に立つのは、役に立つといっては悪いですが、日本銀行総裁あるいは金融界の代表というようなものだろうと思うのです。こういうものが一体どの程度の影響力を地方の金融機関に及ぼし得るか、この点が問題じゃないかと思うのですが、その程度のことであるならば、何もこんな諮問機関なんか置かないで、直接に日本銀行総裁なりそういうものを動かしさえすればいいんじゃないか、こういうように思うのですが、なぜそれができないのですか。
  80. 後藤博

    ○後藤政府委員 今までの公募債の消化を見ておりますと、一応の話し合いはつくのであります。しかし今度は個個の団体の個々の借り入れの問題になって参りますと、なかなか一般的な話し合いの結果がうまく映って参らぬのであります。従って私は先ほど申し上げましたように個々の団体の個々の債権をどうするかという問題を中心にこの審議会でいろいろ協議していただこう、こういうふうに考えておりますので、この現実の、たとえば何々県の金融をどうするか、その振りかえをどうするかという問題につきまして、日本銀行の御協力も得たいし、それから金融界を代表する方々、これは都市銀行と地方銀行との代表者ということになりますけれども、そういう代表者の御意見を聞いて、それをバックにいたしまして府県とわれわれとが一緒になりまして振りかえの措置を円滑にやりたい、かように考えておりまして、従来は協議はいたしておりますが、なかなかそれがうまく浸透しなかったのでありますが、こういう機関を設けることによって、その消化が将来円滑になるのではないか、かように考えた次第でございます。
  81. 北山愛郎

    ○北山委員 お話でございますけれどもこの審議会の性格は、あくまで自治庁長官の諮問機関にしかすぎないのです。従って普通ならば諮問機関が答申をして、実際にその答申に基いた発動をするのはやはり自治庁長官ということになれば同じことになるんじゃないかと思うのですが、この中の自治庁の次長、これは文句はない、大蔵事務次官、郵政事務次官、これは金を握っている方ですね。それから地方団体の代表者、これは借りたい方ですからこれも文句はない。問題になるのは日本銀行の総裁であるとか金融界代表、これを動かしさえすればいいのじゃないですか。各府県の資金のあれをどうするかというようなことは別だ。こういうふうに大勢の人が集まらなくても、自治庁でもできるわけです。だからどうもこの機構が果して所期の目的を達し得るかどうか、まことに私は疑問に思うのですが、そうすると諮問機関としての性格ではなくて、世話役というようなことも期待しておる、こういうように考えられるわけですか。
  82. 後藤博

    ○後藤政府委員 個々の団体の赤字の状況それからその債権の状況をこまかくお話し申し上げ、そうしてそれに対する答申を一々お願いをいたしまして、どういう措置をとるかということをきめていただくのでありますから、私は結果的に御協力を願えるという結果を得られると思うのでありまして、現在のようにただ話のしっぱなしで、そうしてそれがなかなか下の方におりていかないという状況とは変った結果が得られる、私はかように考えております。
  83. 北山愛郎

    ○北山委員 現在思うようにならない原因はどこにあるか、自治庁はどういうふうにお考えですか。
  84. 後藤博

    ○後藤政府委員 これはいろいろ事情があると思いますが、全体の金融に対する方針の問題もございます。それから不良貸付をしないようにという基本的な方針を強く出される場合、そうすると地方団体の赤字は償還される見込みはないから、あまり貸してはいけないというようなことにもなって参ります。それが非常に響いて参りますこと、それから地方団体の信頼が非常にない場合に、地元の銀行は資金を非常にたくさん持っておりながら貸さないというような場合もあります。それをどういうふうな形で援助し、円滑に消化を進めていくかということが問題なのであります。いろいろ公募債の消化の状況を見ておりますと、また一時借入金の状況を見ておりますと、非常に複雑な事情もあるようであります。
  85. 北山愛郎

    ○北山委員 私どもの想像あるいはこの委員会で従来審議をした経過から考えますと、地方団体の長期あるいは短期の資金の問題、これについて一番の障害はやはり金融を握っておる大蔵省や日本銀行というものが地方財政に対してまことに無理解な態度を示しておる。たとえば当委員会なりあるいは自治庁が一定の方針を作り、あるいはその年度の財政投融資の地方債のワクをちゃんときめておっても、実際には日本銀行は地方の金融機関に対して真反対なことを主張しております。そういうところに障害がある、私どもはどうもそういう印象を受けておるのでありますが、自治庁はそうはお考えにならないのですか。
  86. 後藤博

    ○後藤政府委員 過去におきましてそういう、ように考えられる事例もありましたが、だんだんと変ってきておるようであります。
  87. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の点でちょっとお尋ねしたいのです。委員でありますが、金融界を代表する者二人ということになっておりますが、これについては何か御方針があるのですか。
  88. 後藤博

    ○後藤政府委員 まだはっきりきめておりませんが、大蔵省に金融を代表する人の推薦を願いたいと私どもは思っております。おそらく銀行の種類によって二つに分けてくるのじゃないかと思います。
  89. 中井徳次郎

    ○中井委員 この点は私はできたら一人でもいいと思うのですが、二人ということになるならば、今も御意見があったのでありますが、地方銀行の代表者をぜひ入れてもらいたい、かように思います。私どもはこの法案全部については大いに異論があるのです。これは今北山君からお話があったのですが、全く銀行というものは地方財政には表面非常に冷淡です。しかし実はこれはほくほくなんです。一つも貸し倒れがありません。こんな確実な投資はないのに、恩に着せられて、皆さんまでへいへい言ってやっておる。私はこれまでも大いに憤慨をしておるのですが、二人ということについては私は異論があります。一人の方がいいと思いますけれども、かりに二人でやるというならば、そういう意味で、もっと地方財政に密着をしておる人を入れてもらいたい。日本の金融全般から見て大いに議論をなさるということもけっこうでありますが、全体の総ワクから行きますと大したことはありません。私はそう思っております。一方産業界の方にはずいぶんひどい投融資をやっておる。こういう面から私はそういう希望を平生から持っておりますので、その点一つ希望しておきます。
  90. 後藤博

    ○後藤政府委員 私もおっしゃるように地方銀行の代表者はぜひ入っていただきたい、かように思っております。
  91. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほどのお話で、最近好ましい徴候が見えてきたというのですが、具体的に言うとどういうことなんでしょう。どうも私どもはこれは抜きがたいものがあるように思いますが、好ましい徴候を一つお話願いたい。
  92. 後藤博

    ○後藤政府委員 私ども日本銀行の支店長会議あたりの記事を特別よく読んでおるのでありますが、その記事を見ますと、総裁がかわられて少し緩和されたような気もいたしております。それから地方銀行の協会の会合にわれわれも参ります。その会合の空気が前ほどひどくはなくなっておるのじゃないか、こういうふうに考えますので、先ほど申し上げたようなことを申し上げたのであります。
  93. 北山愛郎

    ○北山委員 大蔵省の方はどうですか。
  94. 後藤博

    ○後藤政府委員 どこが根っこでいろいろな悪い風評が出るかということが問題なのでありますが、私ども突き詰めたことは別にございませんが、大蔵省も局によっていろいろ意見があるのであります。われわれと接触いたしておりますところの理財局では別に非難をするようなことはないと思います。
  95. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしこういう問題は一つの国の予算なりあるいは政策として、あるいは法律としてきまるわけです。これは政府の統一せる方針であり政策であり、一つの法案でなかろうかと思うのですが、そうなるならば、大蔵大臣は金融上の大きな統轄をする一つの地位にあるわけですから、従って閣議等で一つの方針を決定しさえすれば、大蔵省を通じて、日本銀行を通じてそういう方針を浸透せしめることはあえて不可能ではないと思いますが、どうして一体こんな諮問機関まで作ってやらなければならぬのか。むしろこういう諮問機関を作らないで、今申し上げたように閣議で決定をして、大蔵大臣がその決定された方針によって日本銀行を通じ、地方金融機関等を一つのそういう方針に従って行動せしめるように規制するというようなことの方が好ましいのじゃないかと思うのですが、大臣はどのようにお考えでございますか。
  96. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 先ほどお話のありました地方債なり短期借り入れに対して地方銀行があまりいい顔をしない。何となく不信用だという点は確かにあろうかと思います。一体その原因がどこにあるかといいますと、やはり数百億の赤字を背負っておりまして四苦八苦している地方の現実の姿を見ておるからであります。しかも赤字団体は相当多額の金を地方銀行から借りておるのでありまして、幸いにこの法案が通りまして、従来の蓄積しておる赤中が一応たな上げになりますれば、地方銀行の考え方も変るし、また資金の運営も相当なめらかになるのじゃないかと思うのでありますが、現在のところは、とにかく相当多額の赤字を背負っておるし、その上にこの再建債のための公募債が百五十億、一般のため二百三十億、三百八十億の公募債をしなければならぬのでありますから、やはり各方面の関係者に集まってもらいまして、これに協力を願うということが必要じゃないか、こう考えて私はこの案文を認めたわけでありまして、今のお話のように、閣議で決定して日本銀行から地方に命令させればそれでいいじゃないかということも一つのお考えですが、地方の銀行の地方団体に対する考え方はそんな簡単なものじゃないような状況に追い込まれておるのでありますから、やはり有力な機関でもって力強く推してもらうことが必要だと港えるわけであります。
  97. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしわれわれが承知しておるところでは、むしろ日本銀行が地方の金融機関に対して、地方団体にはありま金を貸さないようにという内面指導をやっているような例をたくさん聞いておるのです。ですから地方銀行は金を貸したくてもやはり日本銀行がこわいから、そこでなるべく貸さないようにするというような事例が相当あるように聞いておるのです。こういうような事例は過去のやり方、すなわち一萬田法皇が存在せる当時のやり方であって、現在では法皇ではないのですから、方針が違ってきて、これは好転した、変ってきた、そういうことが言えるのでございますか。どうもこういう点が一番のガンになっておると私は思うのです。従ってそういう点をやめさせるためには、やはり矢ほど申し上げたように一貫せる方針によってやらなければならぬと思う。しかもこの歯車の中間にある大蔵省ですらも、先ほどお話のように局によって違うなどということは断じて許すことはできない。一貫せる方針によってやってもらわなければならぬと思うのです。きょうは大蔵大臣が見えるはずになっておりますから、大蔵大臣にお聞きをしたいと思うのですが、実情はこうだと思う。原因はそこにあると思う。従ってこの原因を除かなければならぬのじゃないか。問題は地方団体と地方銀行との間にあるのではなくて、むしろ地方金融機関と中央銀行との間か、あるいは中央銀行と大蔵省との間、その辺のところにその歯車の変なところがある、そこのところを直さなければ、こんな審議会を幾ら作ったって歯車は動かない。何とかしてそういう方法をとる方が私はむしろ効果的じゃないかと思うのですが、もっと強力なる方針をおとりになるようなお考えはありませんか。
  98. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 北山さんのお話のように、歯車を円滑に運転させるためにもこうした審議会がありまして、衆知を集めて、日本銀行総裁も入ってもらいまして円満に話を進めていく方がいいんじゃないか、私はこう考えるのであります。内閣の方針として置くこともむろん必要でありましょうけれども、一方こうした機関でもって力強く押してもらうことも必要ではないかと考えるのであります。
  99. 北山愛郎

    ○北山委員 それから御承知のように公募債はこの百五十億ばかりじゃなくて、ほかに一般のものが二百三十億あるわけです。合せて三百八十億なんです。ですから、その三百八十億という中で百五十億を審議するわけですが、その際百五十億の方を優先的にやるような御方針でございますかどうですか。   〔加賀田委員長代理退席、委員長着席〕
  100. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 この法律によってできます財政再建債消化促進審議会は一応赤字債の消化を促進することになっておりますけれども、当然これは一般公募債二百三十億とにらみ合せてやらなければならぬのでありまして、この審議会ができますれば、全体の問題として取り扱ってもらいたい、私はこう考えておるのであります。
  101. 北山愛郎

    ○北山委員 そこでこの百五十億の公募債はすみやかに来年度以降において政府資金で振りかえるということになっておるわけです。しかしなるべくすみやかにということでもあり、あるいは政府資金の状況に応じという規定もあることであり、どうもその点が法文の上だけでは不明確なんです。従ってこの法文だけでは政府資金の裏づけとしてはどうも足らないのではないかというような感じもいたしますが、大臣は大蔵大臣との了解によって明年度においてこの百五十億を政府資金に全部振りかえるというような了解をいたしておるのでございますか。その点をはっきりしていただきたい。
  102. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 その通りでありますが、法文といたしまして、来年の計画を法律で縛ることは大蔵省の立場としては避けたい、こういう意向もくみ入れまして、こういう形の法文にいたしたわけであります。
  103. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、大蔵省と自治庁との話し合いでは、来年度において百五十億は政府資金にやるという方針で進められておるけれども、しかし明らかに法文の上ではそういうふうに表現できないから、法文の上ではこうなっておるのだ、事実は来年度やるのだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  104. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 その通りであります。
  105. 北山愛郎

    ○北山委員 鳩山内閣の続く限りにおいてはそのように了解いたしておきます。  それから二十一条の問題もありますが、寄付の問題を一つお聞きしたいと思うのです。寄付金の制限、地方公共団体が国や他の地方団体に対する法律等に基かない、いわゆる義務のないところの寄付金、負担金というものがたくさんあって、それをやめてもらいたいということは、この委員会でももう再々言われておるところでございます。ところで国、他の地方団体に対するこういう義務外需付金、負担金の制限は、何でも今までの話では地方財政法の一部改正でおやりになるというように実はこの国会の初めごろは聞いておったのですが、一体どうしてこの再建促進法案の中にお入れになったのか。私どもとしてはやはり地方財政法一部改正という形で入れていただきたかった、またその方が筋が通る、こういうふうに考えているのですが、なぜこの中に入れたのですか。
  106. 後藤博

    ○後藤政府委員 寄付の制限の点は地方財政法の問題なんでありますが、しかし赤字団体に対する措置として暫定的に認めようということでありますので、この再建促進特別措置法案の中に入れたのであります。
  107. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしこのように国、地方公共団体に対する義務外の負担金、寄付金というのは、これこそ単に赤字団体だけの問題ではない。たとえば現在の地方財政法第十二条には、国の機関に対してそういう地方団体から費用を出させるような措置をしてはならぬと書いてある規定から考えましても――その中には権力機関がある、警察とか検察庁とかあるいは自衛隊とかいうものもあるが、そういうものに対しては、たとい自発的であろうともそういうような寄付を地方団体からもらうことは好ましくないというそこに特別な趣旨もあるわけです。従ってこの寄付という問題と赤字という問題は必ずしも不可分の問題ではないと考える。むしろ地方財政法一般の問題として規定するのが当然であろうと思うのですが、一体なぜ赤字団体だけに限ってこの寄付というものをお考えになるか。私はその考えは間違っておるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  108. 後藤博

    ○後藤政府委員 私先ほど赤字団体だけに限ってと申しましたが、この国との関係の寄付金の問題は赤字に限らないのであります。おっしゃいますように、これを地方財政法の改正だけを別にいたしてもいいのであります。そういう方法も考えてみたのでありますが、やはりこういう措置をとりますことは、原則として寄付がいけないというのではないのでありまして、寄付はやはり公益上必要があればできるという規定が自治法にもございまするし、寄付そのものが悪いということじゃなくて、しばらくの間こういう措置をとることが地方財政健全化のために必要である、かような意味が中心でありまするから再建促進特別措置法案の中に入れた方がよろしいというふうに考えたのであります。
  109. 北山愛郎

    ○北山委員 そういう考え方は根本的に間違っていると思う。公益のためなら国に対する寄付というようなこともよろしいというわけには参らぬと思う。地方財政の基本的な原則というものは、地方自治法並びに地方財政法の中にその基本が書いてある。そしてその基本原則というものは、それぞれの事務配分に従ってその負担の責任が分れている――はっきりと区分することはできないにしても、この経費は国の負担である、この経費は府県の負担である、この経費は市町村の負担であるというように、地方財政法並びにいろいろな法令によって負担区分がきまっているわけであります。また財源措置についても、その財政需要に応じてそれぞれその財源措置が分れているわけです。たとえば府県道なら府県道については府県の基準財政需要額の中に算定されているのであって、市町村の中には組んでおらないわけであります。そういう意味からいたしましても、法令によって明らかに国の負担であるとし、また府県の負担であるというふうに明らかに負担区分がきまっているものについて、自由に寄付金、負担金を許すということはいけないのではないかというのがわれわれの考えでありますが、それは違っているでしょうか。
  110. 後藤博

    ○後藤政府委員 地方財政法の建前はおっしゃるような建前でできております。しかしその建前を、一応赤字の再建に関係がございますので、暫定的に地方財政法の規定を設けようというのでありまして、その場合に財政法の中で特例規定を設けるか、他の法律でもって特例措置をするかという問題になるのであります。従ってその場合にどちらでやるか、どちらでやってもいいのでありますが、私どもは再建に関係がございまするので、そういう趣旨で特例を設けるのでありまするから、この特別措置法案の中に入れたのであります。
  111. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると、私が申し上げたように、やはり一般的な原則があるのだということは正しいと、自治庁もそうお考えになると了解してよろしゅうございますか。そうでないと、先ほど言われたように、公益のためならば寄付は自由だなどということになる。国、地方団体相互間の原則というのは、財政法上その他に一応の限界があるはずなんです。それとは別個の一般的な公益上の寄付と解すべきだ、こういう意味を申し上げたのでありますが、それは正しいとお考えですか。
  112. 後藤博

    ○後藤政府委員 財政法で、一応自治法の特例といえば特例のような規定を設けております。従って財政法上の規定の建前は、おっしゃるような建前だろうと思います。
  113. 北山愛郎

    ○北山委員 どこできめるかという点については、これはどこできめてもよろしいというふうなお話でございますが、これは形としてはやはり直接赤字と観念上は別個なものであるから、地方財政法の一部改正によるべきであるし、たしか自治庁も初めの法案提出の予定の中には、地方財政法一部改正というのも入れておったはずだ。それを途中からひっくり返して、この赤字と結びつけてこの中に入れたという意図は、私はよくわかるのですよ。この法案は、ほかの部分にどうもあまりけっこうな条文がないものだから、こういう規定でも入れると、少しは好ましい色がつく、こういうような御配慮のほどはよくわかるのですけれども、私はそういうこの法案の提出の形についてもいささか遺憾に思っておるのであります。それからそれにいたしましても、この中の規定は二カ所あると思います。一カ所は二十三条の第二項、「昭和二十九年度の赤字団体又は昭和三十年度以降の赤字団体は、当分の間、他の地方公共団体又は公共的団体その他政令で定める者に対し、寄付金、負担金その他これらに類するものを支出しようとする場合においては、政令で定めるところにより、あらかじめ自治庁長官の承認を得なければならない。」まことに複雑に書いております。政令政令というのですが、この「公共的団体その他政令で定める者に対し、」というのは何をさすのか、また「支出しようとする場合においては、政令で定めるところにより、」というのは、どういうふうなことを定めるのであるか、これを明らかにしていただきたい。
  114. 後藤博

    ○後藤政府委員 「公共的団体その他政令で定める者」と申しますのは、私ども三種類くらいありはしないかと思っております。一つは、地方公共団体またはその首長もしくは地方公共団体の機関または職員等を役員とか会員にするような団体、それから第二のグループは、国または地方公共団体の行政の運営に協力するために設けられた団体、それから第三のグループは、いわゆる経済団体と称するもので、特定の産業の振興をはかることを目的とする団体で、地方公共団体の行政運営に関係を有するような団体、商工会議所とかそういうふうなものであります。それからあとの方の「政令で定めるところにより、」というのは、これは率を書こうと思っております。大体私どもの考え方では、基準財政需要額と比較して、何%までを限度にするというふうに考えておりまして、団体の規模によって違って参りますが、大体一%から五%くらいに考えて、五%の範囲内でそれぞれの団体の規模によってその程度をきめたいと考えております。
  115. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、いろいろないわゆる外郭団体というか、そういう団体の範囲を初めの政令できめ、その次には、その団体が寄付し得る限界というものをあとの政令できめる、こういう趣旨と解釈しますが、そうすると、この団体についてはそういうことはできるけれども、少くとも外郭団体そのものがある限りにおきましては、赤字団体は特別待遇というわけにはいかないじゃないかと思います。その外郭団体というか、その連合体からいえば、赤字団体だから普通会員よりも赤字会員は五割引きだとか、そういうわけには参らぬだろうと思う。従ってその団体そのものの存立、そういうものに相当混乱が出てくるのじゃないかと思いますが、それは承知の上でこういう規定をお出しになっておりますか。
  116. 後藤博

    ○後藤政府委員 私どもが考えました特殊な団体、こういう団体がいいとか悪いとかいうことをこの際言うことは、非常にむずかしい問題でありますので、そういうことを避けまして、寄付を出します団体は、現在出しておりますような団体が大体入るような範囲を一応きめておいて、そしてそこに出す寄付の限度を、やはりきめた方がいいじゃないか、これが一番常識的じゃないか、かように考えたのであります。団体によりましては、赤字団体の会員を相当たくさん持っておりまして、その寄付が集まらないために成り立たなくなるような団体があるかもしれません。しかし私はやはり地方団体の側から見ますれば、出すか出さないか、会員となるかならないかという判断は、やはり地方団体自体がすべきであって、どういう団体に入ってはいけないというようなことを、私どもは言うつもりはないのであります。
  117. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますと、要するに団体によって、その個々の団体が赤字会員についての会費を特別にきめるということは、まず考えられませんから、そこでその赤字団体においては、自分が出し得る寄付の、あるいは会費の制限額というものの総体をやって、そのワクの中で入り得る団体をきめて、そしてそれに加入するというようなことを期待しているわけですね。
  118. 後藤博

    ○後藤政府委員 私どもとして考えておりますのは、できるだけ寄付の対象の団体を広くしておいて、そしてその中で選択をして、一番重要なものからずっととっていって、そして会員でなくてもいいようなものは落してもらいたい、こういうつもりがあるのであります。従って個々の団体が出すものを、全体的に赤字団体でまけてくれといっても、それは不可能だろうと思います。ですからその団体が最も必要とする団体だけを一応出していく、あとのものは、この限度を超過いたしますれば出さない、会員たるあれをしばらく休む、こういう格好にすべきじゃないか、かように考えているのであります。
  119. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、少くともその政令できめる団体の種類、その範囲というものは、やはりわかっていなければならぬ。その調査は、この前の話ではまだできておらぬという話です。いつごろまでにその調査はできるわけですか。
  120. 後藤博

    ○後藤政府委員 この団体の、こまかいいろいろな団体がございますが、われわれも知らないものもずいぶんございます。従って地方的な団体がずいぶんございますが、そういうものまで私どもは調査が不可能でありますので、これは先ほど申しましたような三つのグループを政令で書いて、やはり団体の個別的な問題はやかましくいわない、こういうふうにいたしたいと思っております。
  121. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると、金があれば外郭団体にして、どんどん自由に入ってもよろしい、金のない団体は出し得る限度で入った方がよろしいというのですか。どうも私は立法、技術からいうとおかしいように思うので、外郭団体というのがこういう形でなく、その団体そのものの権限で行くべきであって、こういう形で行くべきでないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、長官はどのようにお考えですか。
  122. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 官庁の外郭団体の問題につきましては、前からいろいろ議論があるところであります。私が所管しております行政管理庁でもこの調査をやらしておるのでありまして、お話のように弊害の多い、あるいはあまり役に立たない団体はなるべく廃止するような方向に持っていった方がよかろうと考えております。
  123. 北山愛郎

    ○北山委員 役に立たない団体を廃止するというのですが、どういう方法でおやりになるのですか。
  124. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 まだそこまで突き詰めてものを考えていないのでありますが、外郭団体に対しましては世間でもいろいろ批判があるのでございます。官庁の出先機関になりましてこれがかえって弊害になるというようなことがありますので、内容をよく検討いたしまして、弊害があったりあるいは役に立たなかったりする団体はむしろ解散を命ずる方向に持っていったらよかろう、こういう意味で行政管理庁で今調査をさしているところであります。
  125. 北山愛郎

    ○北山委員 外郭団体の中にも大へんけっこうな団体もあると思います。しかしまた好ましくない団体も相当あるということは大臣のおっしゃる通りだと私も思います。そこでもしも一般的にいって地方団体があまりそういうふうな団体に加入して器付金、負担金、会費を負担するということは好ましくないということが一般的なことであるとするならば、赤字団体であろうが黒字団体であろうが同様ではないか、従ってなぜここで赤字団体だけに当分の間というように限定をつけてやったのであるか、先ほど退職手当の問題について財政部長が一般的に黒字団体でもやはり考えてやらなければならぬ、こういう話だったのですが、こういう問題こそ私は黒字であろうが赤字であろうが、一般的にやはり制限すべきではないかと思うのです。なぜ赤字団体に限って、しかも当分の間というような規定をされたのであるか、どうも私はおかしいと思うのですが、その点について明らかにしていただきたいと思います。
  126. 後藤博

    ○後藤政府委員 地方の実態から申しまして、黒字の団体と赤字の団体の間で赤字団体の側の要求が非常に強いのでありまして、この規定は逆に申しますと、寄付を断わる一つの方便になると思います。これまでしか出せない、総額がこれだけにきまっているから一つかんべんしてもらいたいという一つの防壁になると思います。そういう意味で一定額の一つの制限額をつけてもらいたいという要望があるのであります。その場合に地方団体として黒字団体も両方やるかやらないか、赤字団体だけにするか、こういうことになりまして、いろいろわれわれは意見を聞いておったのでありますが、赤字団体だけでいいのじゃないかというふうな意見が非常に強かったので、われわれは赤字団体だけに一応したわけであります。
  127. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし実際これでやると、団体が好ましいか好ましくないか、その地方団体がどの団体に入るか入らないか、いろいろな事態が複雑に生じてくると思うのです。やはり赤字であってもある地域的な団体には黒字団体と一緒に入らなければならぬというのも相当あると思うのです。ですからそれを個々の団体について赤字、黒字と分けて規定するよりは、やはり一般的に黒字であろうが赤字であろうが一定の限界を設ける方が、断わる理由をつけなければならぬというお話からしても、私はその方が適当であろうと思うのですが、いかがでしょうか。
  128. 後藤博

    ○後藤政府委員 お考えも私は十分わかるのでありまして、その措置も一つの方法だと思います。赤字団体だけに制限を押しつけておけば、黒字団体も当然に同じような方式でやるのじゃないか、従ってその場合にわれわれのところまで承認を求めてまでやる必要はないのじゃないか、超過して出すときには自分で勝手にやったらいいじゃないか、それを越す場合にはあらかじめ自治庁長官の承認を得るということになっております。全部の承認をわれわれがやるということは大へん煩雑にもなりますし、黒字団体まで承認の義務を負わせるのはおかしいじゃないか、黒字団体はおそらくこの限度でやると思いますが、それを越す場合には自分勝手の判断でいいのではないか、こういうふうに考えたわけであります。
  129. 北山愛郎

    ○北山委員 どうも私は立法技術としてはやはりおかしいと思う。しかも先ほど来お話があったようにどうも外郭団体が多過ぎて、一般的に地方団体のこのような負担金が多い、これを何とか整理しようという御方針ならば、もっと別なすっきりとした立法のやり方があったのではないか、こういうふうに考えるわけです。それと同時にこの外郭団体の整理については、私はこういう法規からの制約ではなくて、外郭団体そのものの制限、外郭団体を調べ上げて、何らかそれに規制を加えるような方法の制限の方が正しいと思う。これは先ほど長官がおっしゃった通りです。ですから正しい本格的なやり方、そういうものはまだ間に合っておらないというお話でありますが、これはやはり至急やっていただく、そして私はやはりこれだけでは実際に実施する場合にいろいろ困る点が出てきはしないか、特に赤字、黒字の関係とか、実施上相当めんどくさい、手続上からいってもめんどくさいものがあると思うのでありますから、一つ抜本的にこの外郭団体を整理するという御方針で急速に行政管理庁の調査を進められて、そうして何らかの成案を得ていただきたい、こういうふうにこの点は期待を申し上げておきます。  次に国との関係が第二十四条の二項に、地方団体が、これも当分の間、国の機関に対して法令に基かないところの負担金や寄付金を出してはならぬという規定があります。そしてそこにただし書きがありまして、その地方公共団体がその施設を国に移管しようとする場合における国と地方団体との協議に基いて支出する寄付金等で、あらかじめ自治庁長官の承認を得たものについては、この限りでないとありますが、これはどれどれであるか、これは限定されることかどうか、これを一つ伺いたい。
  130. 後藤博

    ○後藤政府委員 このただし書きの規定の問題になりますのは、県立大学を国立大学に移管した場合だけを私どもは現在予想しております。県立大学を国に移管しました場合に、やはり移管に伴う一種の契約のような約束があるのであります。その約束はやはり守るべきではないか、県立大学を国立に移管する場合には多くの場合県の財政も助かり、学校もよくなり、学校の卒業生の資格も上る、いろいろないいことばかりなのでありまして、そういう場合に多少の負担を地方団体がするのもやむを得ないのではないか、将来の財政規模の是正の点からいいましても、私は当然の場合があり得ると思うのであります。現在移りましたものがたしか六校ぐらいございます。まだ支払いを続けているものが二校か三校かありますが、そういう状況で、移りますと県の財政の持ち出し額が非常に減って参ります。従って多少その際に施設改善に出しても将来は非常に助かる、学生も喜ぶ、先生も喜ぶということになりますので、そういう契約はやむを得ない契約だと私どもは考えて、こういう特別な考え方をいたしたのであります。
  131. 北山愛郎

    ○北山委員 ところでこの寄付負担金の場合に、実際問題として一番問題になるのは府県と市町村の関係なんです。この府県と市町村との関係については規定がないようですが、どうも変だと思うのです。この点どうですか。
  132. 後藤博

    ○後藤政府委員 府県と市町村との間で問題になりますのは、赤字のある団体の場合の負担金の問題であります。その場合はやはり再建計画ないしは毎年度予算の報告でもって大体私どものところにわかりまするから、その間の調整を私どもの方でとって、その赤字の再建団体が財政が苦しくならないようにしようという意味で、地方公共団体内部の関係は私どもにある程度わかりますから、それで措置しよう、別に法律に書く必要はないじゃないか、こういう意味なのであります。
  133. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると二十三条第二項の中にこの府県と市町村の関係が入ってくる、こういう意味ですか。赤字団体だけについて適用がある、こういうわけですか。
  134. 後藤博

    ○後藤政府委員 そうではありません。これは赤字団体についてだけの適用の規定ではないのでありまして、現在の地方財政法の四条の三の裏の規定に当るわけであります。
  135. 北山愛郎

    ○北山委員 いや、今言ったのは二十三条の第二項ですよ。「当分の間、他の地方公共団体」というのはすなわち府県じゃないですか。そうすると、赤字団体に限っては府県に対して寄付負担金をやってはならぬ、こういう意味ですか。
  136. 後藤博

    ○後藤政府委員 二十三条の規定はおっしゃいます通りであります。
  137. 北山愛郎

    ○北山委員 そうするとこういうことは府県と市町村の間ではちょっと困難ではないでしょうか。特定の高等学校、特設のその場所だけのものもあります。あるいは一般的な府県の、一つの県の全域の各市町村に関係したものもあるわけです。ですから全域に関係したものは一定の負担金を取ろうというふうに考えましても、赤字団体については取れないということが起るわけですね。府県と市町村の間では赤字団体の方は加入はできないという場合が起り得る。そうすると黒字団体だけ負担するということが起って不公平ではないかと思うのです。
  138. 後藤博

    ○後藤政府委員 著しく不公平な場合がありますれば、おそらくわれわれの承認を得てくるのではないか、かように考えておるのであります。
  139. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしこの文字の上では、そういう場合に「政令で定めるところにより、」というのは、先ほどおっしゃったように、ただワクをきめるということなのであるから、個々の問題については必ずしも承認を求める必要はない。従って実際上は何とかかんとかなるかもしれませんけれども、一応この法律を適用する場合には、実態上いろいろまずい点が出てきはしないか、こういうことが言えるのではないですか。
  140. 後藤博

    ○後藤政府委員 おそらく市町村の場合におきましては、この地方公共団体つまり県との間の問題はまず第一に予定をして、そしてそれ以外のものをどの程度出すかという、つまり寄付負担金の順位というものが一応あると思います。従ってその順位として一応今のままで考えて、そしてどうしても足りない場合には承認を得るという格好で出てくるのではないか。その承認を得るときに、私どもは内容を見まして必要であればその承認をいたしたい、かように考えておるのであります。
  141. 北山愛郎

    ○北山委員 特定の市町村に関連する問題だけならまだいいのです。ところが県なら県の全域の各市町村に関連するような寄付負担金を県が計画をした場合には、赤字団体だけは加入できないということになるという事態も起ってくるだろうと思うのですが、どうですか。
  142. 後藤博

    ○後藤政府委員 これは率のきめ方の問題にかかってくるのじゃないかと思います。普通の町村の場合には先ほどこまかく申しませんでしたが、基準財政需要額の大体五%くらいを見ていこうというふうにしております。これは限度であります。それから県でありますと一%くらい、市は二%ないし四%くらいに、人口段階によって基準財政需要額の何パーセントというふうにしていきたいと思っておりますので、五%になりますとちょっと幅はあるのでありまして、たとえば基準財政需要額が普通の団体でありますと、人口一万くらいのところで五、六千万円あるのじゃないか、五、六千万円の五%というようなことになりますので、ちょっと幅がございますので、普通の寄付負担金は納められるのじゃないか、かように考えております。
  143. 北山愛郎

    ○北山委員 どうもこういう規定の仕方は、私こういう規定が実際に実施された場合には困ると思うのです。今までは何も標準がない、野放しだからまだよいのですが、たとえば基準財政需要額の五%までは寄付負担金がよいということになれば、予算のワクの中で五%まではよいということになって、逆からいえば奨励になるかもしれない。五%まではよいじゃないか、まだ余裕があるじゃないかということで、おれのところに幾らよこせということになる。だからそういうようなワク、許容額をきめておるということは、一面からいえばむしろ奨励になる。こういうようなものは、本来の義務費といいますか、地方団体がやるべき本来の仕事が一方にあるのでありますから、それに金が足りないのはわかっておるのでありますから、ほんとうからいえば、こんな余裕金のあるわけがない。それを初めから五%のワクをとってそこまではよいときめておるということは、先ほどの退職手当じゃないけれども、奨励になるのじゃないか。どうも立法上の実体がわからないでこういう規定を作るということになるのじゃないかと思うのですが、どうですか。私の言うことは杞憂にすぎないと思いますか。
  144. 後藤博

    ○後藤政府委員 現在寄付負担金が非常に少い団体も多い団体もあります。従って少い団体から見ますれば、ある程度このワクが広がったような感じがするだろうと思います。しかし少い団体には出さないだけの相当の理由があることだろうと思います。従ってそこまで出せという要求はだれもしてきません。従来の予算通りやるのじゃないか。ただ多過ぎる団体をどうして押えるかということが問題なのであります。多過ぎる団体を押える方法としてはこういう方法しかないのじゃないかというのが私どもの考え方であります。
  145. 北山愛郎

    ○北山委員 この法律の条文を実際に適用した場合には、私が心配したような思わざるいろいろな事態が必ず起ってくると思います。これは同じ団体の中だから自分の団体がかわいいと思ってすべてを考えるとは限っておらない。たとえば議会の議員であろうが、こう見ておってまだ余裕があるのではないか、こういう団体があるから一つ負担金を出せというようなことで、あるいは議会人そのものが動く場合もあり縛る。だからしてむしろ奨励になるということはそこなんだと思う。できればこういう経費を極度に切り詰めて、本来の地方団体の本務に使っていただきたいし、またそれに全部使っても拠りないというような事態なんですから、しかも赤字団体なんですから、こんな余裕があろうはずがない。そこで初めから五%でも二%でも、こんなきめ方をするということは適当でないと思いますが、これは意見の食い違いかもしれませんのでこれ以上追及いたしません。  もう一つは、ほかの外郭団体と府県という地方公共団体と同じように扱っておる点がまずいと思うのです。先ほどのお話の通り、国や府県や市町村がそれぞれ法令で負担区分がきめられておるとするならば、こういうような一般的な規定の中に府県などを突っ込むべきではないのじゃないか。府県と市町村との関係は一応別個に規定すべきじゃないか。ちょうど国と地方公共団体との関係と同じように規定すべきじゃないかと思いますが、こんな雑に外郭団体と同じように扱うということは間違いではありませんか。
  146. 後藤博

    ○後藤政府委員 寄付という点から申しますと、やはり同じに取り扱うべきではないか、出すところはどこであろうと同じじゃないかというような観念に立っておるのであります。
  147. 北山愛郎

    ○北山委員 いや、そうではないということを先ほど財政部長は言われたのです。一般的にはそれはそうだと思いますが、国と地方団体相互の間においては別な原則が働いているのだということは認めておられるでしょう。かりに一例をあげれば、高等学校というものは、県立の高等学校なら県費で負担すべきなんです。ところがこの規定は、地元の市町村が何%の範囲内ならば県立高等学校に対して寄付してもよろしいということなんです。しかし先ほどお認めになった原則からいえば県立の高等学校の経費を地元団体に出さすことは好ましくないということなんです。やはり県の経費でまかなうのが当然であり、地方交付税の建前からいってもこれは基準財政需要額内のものである。県立高等学校の経費は市町村の中では見ていないでしょう。従ってこれは県費で負担すべきものなんです。ところが現実にはこれが地元市町村にしわ寄せになっているのです。これをわれわれは問題にしていろいろこの委員会でやっておったのです。ところがこのようにぽっとほかの外郭団体に対する寄付金と同じように扱っていくならば、あえて高等学校に対してもその団体の五%のワクの以内なら差しつかえないということになって、先ほどの原則が一向守られない。だから私はこの立法技術はまずいと言わざるを得ないのです。これは私の言うことが間違っておりますか。
  148. 後藤博

    ○後藤政府委員 高等学校の負担金を市町村が出すことが原則的にいけないというのは私どもたびたび申していることであります。しかしその間にはいろいろな事情もあると思います。これは県立学校に移管のために一種の約束をしておるような場合もあり得るのであります。そういう場合も考えまして、やはり一がいにいけないということは言えない場合もあろうと思います。私は原則的にいけないということをさっき申し上げたのであります。
  149. 北山愛郎

    ○北山委員 自治庁でそんなことを考えておってはいつまでたっても寄付金、負担金の問題はあとに残ってしまう。だから地元で自発的にやったんだとか、やむを得ない現地の事情があるんだとか、あるいはいろいろな理由があるでしょうが、一般的にいって国、地方団体それぞれの責任を明確にするという原則を幾らかでも貫いていこうとするならば、やはりこういう規定をお作りになる場合においてもそういう配慮をすべきであろうと思うし、また寄付、負担金の問題で一番のガンは府県と市町村の問題なんです。ことにこういうふうに地方財政が苦しくなってくると、府県が苦しいとしわ寄せが市町村に来てしまうのです。市町村から今度は住民に行くのです。こういう過程を今経ておる。だから何とかしてこの悪循環というものを断固切らなければならない、多少の無理があっても切らなければならぬと思います。そしてもしも府県の財源で足りないというならば、別個の財源措置をするのが正しい。そうでないといつまでたってもこの問題は解決しない。一番肝心の点については非常にあいまいもことされておって私どもはまことに遺憾だと思います。こんな規定では実際は運営上思わざる混乱が起る、大した効果は期待できない、むしろ奨励にもなる場合がある、こういうふうに考えるのですが、総括的に私の意見が間違っておるか、あるいはそういうことを今後いかにして運営を確保していくか、そのお考えをお伺いしたい。
  150. 後藤博

    ○後藤政府委員 寄付金、負担金の問題は、これは理論としては非常に簡単な問題でありまして、やめてしまえばそれで一番いいのであります。しかし実際問題といたしまして、これをしてはならないという規定を入れましても、いろいろな方法でくぐって出ていって押え切れない。現実に効果のあるような方法で抑制するような措置をどうしたら講じられるか、こういう問題であろうと思うのであります。従ってそれは御満足のいかない方法かもしれませんけれども、こういう方法によって一応規制し、そしてその規制の度をどんどん強めていくことによってこの寄付の弊害をなくしていくというのが私はいいのではないか、かように考えたのであります。おっしゃいますことは私どもよくわかるのでありますが、しかしそれならといって全部寄付を押えてしまう方法が現在あるか、そうなりますとやはり外郭団体の整理もしなければなりませんし、それから寄付を全部禁止するというところまで行かざるを得ないのではないか。しかしそれは実効の上らない方法ではないか、かように考えまして、不満足ながらこういうところで一つやってみよう、こういうふうにいたしたのであります。
  151. 北山愛郎

    ○北山委員 この問題は私ども社会党としては、自治庁が前に御答弁になったような趣旨に基きまして、この国会に別個の法案を出しておるわけです。地方財政法の一部改正法律案を当委員会に付託しておりますが、その方の方法によってむしろすっきりとした寄付金、負担金の規制ができるのだと私どもは考えておりまして、この政府案の再建促進法の中の片すみに置かれているこのようなあいまいもことした規定では、実効が上らないと考えているわけであります。ところで赤字団体の寄付金、負担金のワクというものは、再建計画の中では認めるというわけでございますか。
  152. 後藤博

    ○後藤政府委員 この年度においては認めたいと考えております。
  153. 北山愛郎

    ○北山委員 この年度においては認めるということは、要するに何カ年かの継続的な計画ですか、やはりそれはワクとしては認めておる、こういうわけですか。
  154. 後藤博

    ○後藤政府委員 この二十三条の二項の限度内のものはよろしい、こういうふうに考えております。
  155. 北山愛郎

    ○北山委員 そんな甘いことで、それこそ非常事態に処する地方財政の再建ができるとお考えになりますか、長官のお考えを聞きたいのです。今度の再建は、本年度の財源不足、われわれから言えば六百億というような膨大なものを各地方団体の計画によって、非常体制によってぶった切ろうという思い切ったやり方であって、 こんな甘い、五%も寄付金、負担金を認めるという、しかもそれは赤字団体に限って認めるというような、そんな措置で、非常事態を切り抜けることができると長官はお考えですか。
  156. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 理論としてはお話のようなことであると思うのでありますが、現実はいずれも相当多額の寄付金を取られておるのでありますからして、これを一挙にとめましても、先ほど来政府委員から御説明申し上げておりますように、裏をくぐって寄付をする者があるからして、一応この規定を作りまして、あとは厳重に監視する、こういう考え方で行っているわけであります。
  157. 北山愛郎

    ○北山委員 厳重に監視するというお話でありますが、どういう方法でおやりになりますか。こういうふうな規定では、何%までならばいいというワクの制限について自治庁長官は承認するだけで、厳重に監視するといったって、その前の監視しかできないのではないかと思うのですが、どうなのですか。
  158. 後藤博

    ○後藤政府委員 これは監査によりまして、私の方で調査して監督していきたいと考えております。
  159. 北山愛郎

    ○北山委員 それでは地方財政再建促進法の規定に関連をいたしまして厚生次官にお伺いをいたします。問題になっておりますのは、この第三条第二項の規定でありまして、各赤字団体は、八年間の赤字再建計画を作るのでありますが、その再建計画を作って自治庁長官は関係する事業官庁、たとえば厚生省、建設省あるいは農林省というようなところに協議をしなければならぬという規定であります。そこで、八年間の計画でありますから、自治げの方としての考えは、その八年間の財政再建計画というものは、きわめて大まかなものであって、大体人件費であるとか、あるいは事業費についても投資的な経費が幾ら、消費的な経費が幾らというように大まかに書くのであって、こまかい点は書かないのだ。たとえば生活保護費が幾らであるとか、失業対策費が幾らであるとか、そういうようなこまかい記載はしないのだ、だからそういう大まかな記載しかしない再建計画であるから、当然その中には、厚生関係の補助金、あるいは負担金の伴う事業費は入っておるけれども、しかし明らかにされておらないから、この第三条の二項を実際に運用する場合においては、厚生省なりそういう事業官庁に協議をすることはほとんど少いのだ。特に総合開発であるとか、そういうような大きな事業の場合だけを協議するだけであって、生活保護だとかそういうような厚生省関係なんかは、ほとんど協議することはないんだというような御解釈でありますが、厚生省としても、この規定の運用についてはそのように御了解になっておるかどうかについて厚生省側のお考えをお聞きしたいわけであります。
  160. 紅露みつ

    ○紅露政府委員 大臣が出席を要求されておるのでございますが、差しつかえがございまして政務次官が伺いました。ただいまの第三条の二項の再建計画でございますが、大きい問題だけについてというお話でございますが、少くとも具体的な問題の出ておりますものにつきましては事務的に折衝がございまして、厚生行政に差しつかえるようなことのないように打ち合せができているはずでございます。たとえば今お話の生活保護法などでございますが、そういうものにつきましては、これは絶対に厚生行政といたしましては確保しなければならぬ線でございますので、そういうことにつきましては、差しつかえのないように前もって――これは小さい問題と申しますが、必ずしもこれは小さくはない、もう少し小さい問題もございましょうが、問題になっております事項に関しては、十分にこれは協議がなされて計画が立てられるわけでございます。私どもは少くとも問題になった点については、自治庁の方にお答え申し上げていると、かように承知しておる次第でございます。
  161. 北山愛郎

    ○北山委員 御答弁でございますが、先ほど申し上げました通り、その再建計画の中にはおそらく常識的に考えて、各地方団体は当然必要な経費は入れるでございましょうが、節約もするのでございますが、しかしその赤字再建計画の中には、そんなこまかいことは書かないのです。書かないで出すのだから、従って自治庁に出て参ったときには、そのうちのどの分が厚生省に関係があるのか、あるいは農林省に関係があるかわからない場合が多いわけです。そうすると、自然問題は生溝保護費を含んでおるものでありましても、厚生省には協議しないというわけなんです。そういうふうに了解していいかどうか、こういうふうにあなたの方としては御了解になっておるかどうかそれで差しつかえがないかどうか、こういうことなんでございます。
  162. 紅露みつ

    ○紅露政府委員 これは再建団体になっているとおらないとにかかわらず、確保しなければならない厚生行政については、その予算について了解といいますか、協議があらかじめなされなければならないはずでございまして、私どもはそう思っております。ただ大きく打ち出されますときに、いろいろ各省のものが入っている。あるいはこれは厚生省関係として、一括して打ち出しているかもしれませんが、およそ問題についての協議がなされなければ、一つのものが打ち出されるわけがないと思うのでありまして、これは事務当局の関係におきましても、自治庁との話し合いが私はあるものであると、かように考えておりますし、また事実事務当局も出席いたしておりますが、かように考えております。そうでないと、厚生省関係といって何か打ち出されたとしましても、それが何も根拠のない数字で出てくるという道理はないわけでございまして、その点は申し上げるように確保しなければならない。とにかく問題になっている事項につきましてはお互いに協議ができ、了解の上で打ち出されているものであると、かように考えております。
  163. 北山愛郎

    ○北山委員 まことに事務的な、しかも法律的な問題でおそれ入るのですが、毎年の予算編成というものは、もちろん厚生省においては、生活保護なり失業対策なり、そういう関係の予算をおきめになる。それからそれを実行される場合においては、それぞれ関係官庁なりあるいは地方団体と連絡をとっておやりになる。これは従来と変りがないのですが、ただし再建計画の中にはそんなこまかいことは入らない。従ってその計画をきめるときには、原色省の方とは一々協議はしない。ところがその年次計画を作って、あとたとえば県の知事さんはその年次計画によって予算を調整するのです。ですからどうも私ども実際問題としますと、そういう際に厚生関係の事業、いわゆる補助金とか負担金を伴うような事業を受け持っておられる厚生省と、それから地方団体とが別個に計画されていくような気がして、その点心配なんです。心配だけれども、自治庁としてはやはりそれでいいんだ、今年度何千万円なら何千万円、何億円なら何億円というような大ざっぱな計画だから、その計画を作るときには、一々厚生省などとは相談する必要はない、こういうふうに言われているのです。それで差しつかえがなければそれでいいのですが、それでいいかということです。
  164. 紅露みつ

    ○紅露政府委員 だいぶ事務的に問題を掘り下げてのお尋ねでございますので、私は今申し上げたように存じておりますが、事務当局が出席いたしておりますから実際に当っておりまする事務当局をして御答弁させていただきます。
  165. 加藤信太郎

    ○加藤説明員 かわって答弁さしていただきます。財政再建団体になっておりますとおりませんとにかかわりませず、御承知のように生活保護法の施行のごとき基本的な行政につきましては、法律上地方公共団体はこれを一定の基準に該当するときは必ず実施する義務が課せられておりまして、地方公共団体においても、今日まで赤字を出しながらも必ずその行政は実施して参ってきております。今後におきましても再建団体の再建計画には少くともこのような地方公共団体の基本的な行政を実施するための予算は、総ワクとして自治庁において協議するときにも確保せられているはずでございます。自治庁ともよく連絡いたしまして、地方公共団体は必ずこれを実施するよう、また厚生省といたしましても必ずこれを実施するように具体的な指導もいたしまして、支障のないようにできると考えております。
  166. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、その指導なるものは再建計画を作る前にそういう指導をしておかなければならぬと思います。再建計画ができてしまえばその再建計画の中には、たとえば今お話のような気持を持っておりましても、こまかい数字が入っておらぬから指導しようにも指導のしようがないのであります。それは自治庁長官の方ではそういうふうな再建計画であるというお話なんです。ですからこれを是正してしかもお説のような方に動かしていくためには、再建計画を作る前に、県知事なりそういう地方団体の首長が、そういうことを含んで十分基本的な事務をやれるような経費はちゃんと見込んだ再建計画を作るように事前に指導なさらなければ、あと再建計画ができてしまってからでは、あなたの方と自治庁との間では何ともならない、こういうことになっておるわけです。それでけっこうでございますか。
  167. 加藤信太郎

    ○加藤説明員 お答えいたします。ただいまの御質問の、地方自治庁の方で財政再建計画の承認をする際に、生活保護法なりあるいは災害救助法なりの施行のための費用を含んでいなかったらどうするか、事前にそういうことを含むように指導すべきじゃないかというような御質問の趣旨だと了解いたしましたが、この点につき止しては自治庁におかれましても、少くともそういう市町村の基本的な行政に必要な費用が総ワクとして含まれていないような計画は承認されることはないと考えておりまして、ただいまもお聞きしましたが、そういうものは必ず含むようなワクを与えて承認をするというお話でございますから、その点は御指摘のように事前にも十分指導もありますが、事後におきましてもそれが十分実施されるように指導すれば十分行政の効果を上げることができると考えております。
  168. 北山愛郎

    ○北山委員 お答えでありますが、自治庁の方から聞いたところでは、再建計画の中にはそういうこまかい記載はしなくてもよろしいのだ、従って今申し上げたように非常に大ざっぱな金額を上げるのです。従ってその中には生活保護の費用が幾らとか、厚生省関係が幾らとかいうことはわからない。わからないものが再建計画として府県の方から出て参りますから、自治庁もわからないから検討のしようがないわけなんです。入っているものと想像してやるほかはない。また自治庁もそうであるから厚生省の方にも相談のしようもない。また相談する必要もない、こういうことでございますが、それでよろしいかということです。
  169. 加藤信太郎

    ○加藤説明員 お答えいたします。自治庁の方では具体的に七カ年あるいは八カ年にわたりまして、個々のこまかい費目について何が幾ら何が幾らということはもちろんおわかりにならぬだろうと思いますが、しかし個々の地方公共団体が財政再建計画の需要額のワクを出しますときに、地方交付税法に基きます基準財政需要額の算定がありますので、Aの町村において、少くとも生活保護法のような基準的な財政需要額を合計した場合に、幾らになるということははっきりおわかりになるはずでございます。少くとも厚生行政につきまして、Aの町なり、Bの村でほぼ幾らくらいの金が要るかということはそちらから平均的に割り出すことができるわけでございまして、自治庁におかれても、その点の基準財政需要額に相当する経費に該当する最小限度の必要額だけは確保されるものと思いますので、あとは当該地方公共団体が法律をいかに忠実に実施するかという問題にかかって、今日まで私どもの承知しております範囲では忠実に法律が実施されておりますし、今後も十分それは期待していいと考えます。またそれが期待できるように私どもとしても十分努力するつもりでおります。
  170. 中井徳次郎

    ○中井委員 今のお答えですが、質問の趣旨はこうなんです。財政再建計画というものを立てますときに、これは大体七カ年計画を立てて自治庁に申し入れると、自治庁は皆さんの方と連絡をしまして承認をする。そうなりますと、その承認を受けた再建団体は、七年間はその大きなワクによって仕事をしていかなくてはならぬ。あなた方は法律を厳格に実行すると言いますが、そういう状況のもとにあって、はたが非常に不景気になって生活保護をしなければならぬ人が一割、二割とふえてきたという場合に、法律を実行することになると、忠実にこれをやらねばならぬ。しかしそれをやると再建計画を上回るような金額を支出しなくてはならぬということになってくると私どもは思う。義務的経費という話がきのうからずいぶん問題になりました。そういう場合に厚生省はどんな態度で出るか、厚生省に連絡なしに自治庁はやろうというのですか。これは大まかだからそんなものは連絡せぬでいいというのですか、あなた方の御意見はどうだ、こういうことです。
  171. 加藤信太郎

    ○加藤説明員 お答えいたします。私どもの了解いたしております範囲では、この法律の第二十一条の二項に、「自治庁長官は、地方行政又は地方財政に係る制度の改正その他特別の理由により、財政再建団体の財政再建計画を変更する必要があると認める場合においては、当該財政再建団体に対し、当該財政再建計画の変更を命ずることができる。」というのがあります。また一方において当該財政再建団体の変更の手続をとることができるようになっておりますので、万一御指摘のような事態が起りましたら、たとい初年度におきましても、当該地方公共団体に対しましてももちろん、また自治庁長官に対しましても義務行政が実施できなくなったから再建計画を変更してもらいたいという申し入れをする。これは自治庁においても義務行政は必ず実施させるという建前でございますから、変更していただけるものと考えております。
  172. 大矢省三

    ○大矢委員長 ちょっと委員に申しますが、今大蔵大臣が見えておられます。参議院の予算委員会で出席を要求されておりますので、できるだけ簡潔に大蔵大臣に質疑をお願いいたします。
  173. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の問題で申し上げたいのでありまするが、私どもはこの審議をいたしておりまする地方財政が非常に困難であるというのは、むだな仕事をたくさんやったから困難であるというふうな府県や都市もないわけではありませんが、しかし大部分は義務的経費をやるだけでも赤字になって非常に困っている、そういう面で問題があるのでありますから、皆さんにお尋ねしたのであります。自治庁としましては大まかなところで決定をして、そうしてそれでやっていける、こういうのですか。それでは実際の問題としては、なかなかやりにくかろうというので、私どもはお尋ねをしたのであります。厚生省の関係のものについては、特にそういう問題について十分これは考えていただきませんと――これは法律を忠実に実行すればまだまだ要りますよ。予算で縛って現在まできておるというのが、私は日本全国の実情であろうかと思いますので、そう甘く、簡単に湾えては困る、かように考えております。
  174. 北山愛郎

    ○北山委員 今の事務官の答弁ですが、自治庁長官は再建計画の変更を命ずることもできるのだから差しつかえないようにやってくれるであろう、こういう御期待なのです。ところが長官のこの再建計画に対する解釈といいますか、答弁は、この再建計画の中身はそんなこまかいものではなくて、大ざっぱなものでよろしい、こういうふうに言っておられるのだから、少くとも川島自治庁長官がおられる限りにおいては、たとい法律の規定の上で変更せしめることができると書いてありましても、何でもかでもこういうものを出せ、こういう計画を作れ、そういうわけには参らぬと思う。そういう正式な御答弁であります。大ざっぱなもので出せるのだという御答弁であるから、そこでお伺いしているのです。おそらく厚生省としてはこれに対して、御意見があるのではないかと思うから、わざわざ来ていただきましてお聞きをしているのであって、そういう計画を出す場合には結果としてそういうこまかい――厚生省関係の経費は幾らということはわからないし、再建計画については事前に自治庁長官は厚生省に諮ることもない、相談協議することもないということで、この第三条第二項が運用されて差しつかえないという了解を得られるか、その点を明らかにするために来ていただいておるのです。ですから規定の解釈が自治庁と厚生省と違うのです。それでは困ると思うのですが、いかがですか。――自治庁と厚生省でいろいろお打ち合せをした上で御答弁になるようでありますから、答弁はあとでもよろしゅうございます。大蔵大臣に対する質疑を進めていただくようにお願いいたします。
  175. 大矢省三

    ○大矢委員長 それでは大蔵大臣に対する質疑を行います。門司亮君。
  176. 門司亮

    ○門司委員 大蔵大臣にこの機会に聞いておきたいと思いますことは、この前おいでを願いましたときに、大臣には地方の今日の財政が非常に窮迫しておりまする原因その他については一応私どもから申し上げて、大臣の大体の御了承を得たかと私、存じ上げております。従ってきょうお聞きをしたいと思いますことは、直接この法案に関係のある部分を聞いておきたいと思うのであります。この法案によりますと、赤字の団体等に対しましては現在きまっておりまする政府からの補助率を変更することができる。長官の説明によりますると、どうしでも国の仕事をやらなければならないようなことで、地方の自治体がこれを受け入れるだけの財政がなければ補助率を上げることができる、こういうふうに書いてあるのでありますが、この条項は一体大蔵省は了承しておるのかどうか、同時に大蔵省はこれを忠実に守っていくお考えがあるのかどうか、この点を一応聞いておきたいと思います。
  177. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 了承いたしております。了承いたしましたからには忠実に守っていきます。
  178. 門司亮

    ○門司委員 これは大蔵省が了承しておるというお話でありますが、単に大蔵省だけでございませんで、さらに各省との間にみなこう関係がありますので、各省大臣との間にも大体そういう了承がついておるということに承わってもいいのか、それから同時にその率はどの程度まで引き上げられようとお考えになっておるか。法律には率が書いてありませんが、大蔵省の見解はどういうことになっておるのですか。
  179. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 各省との間では十分打ち合せができております。ただ、今お尋ねのこの率の点について、その具体的なことについてはまだ十分きまっておりません。
  180. 門司亮

    ○門司委員 具体的な問題がきまっていないということになりますと、具体的な問題はどこでおきめになるのでございますか。法律できまってないということになると政令か何かできめる以外にないと思うのですが、そういうことですか。
  181. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 これは政令できめたいと思っております。
  182. 門司亮

    ○門司委員 政令できめるということになりますと、そのつどこれをおきめになるのか。これは非常にやっかいな問題でありまして、各自治体の事業内容によっておのおの違いまして、たとえば厚生省関係の仕事があったり、あるいは農林省関係の仕事をしなければならないやむを得ざるものが出てこないとも限らない、こういうものについていろいろ問題が出て参りますので、大蔵省の考え方は政令でこれをきめると言っておられまするが、個々のものについて具体的にきめられるのか、あるいは政令できめるのだから法律が通ったあとで全部一括して、赤字の団体については、農林関係の補助金についてはこれこれこういうものはこの程度に上げる、この種類のものはこの程度に上げるというようにきめられるのか、その点をもう一応伺っておきたいと思います。
  183. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 その点につきましてはいろいろな点もありますしいたします、また事務的にも考えてみなければならぬ点もあります。それで今どういうふうにそれを考えつつあるか、政府委員から一応答弁させます。
  184. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいま大臣からお答えいただきました通りでございますが、門司委員の御指摘になりましたように、一応政令でもって統一的な規定をいたすことが望ましいかと存じます。この点は御指摘のように建設省あるいは農林省、厚生省その他とも十分協議をいたさなければなりませんが、私どもはできるだけ抱括的な規定を政令で設けまして、なおそれが個々の場合に十分的確に処理できないようなものにつきましては、その都度関係当局の間で協議をして定めるような道も開いておきたいと存じております。この点につきましては再建団体の今後の再建整備計画の提出の状況その他ともにらみ合せまして、関係当局の間で早急に政令の案を研究して参りたいと考えております。
  185. 門司亮

    ○門司委員 そういう場合に、今の御答弁だと総括的に大体きめていきたいというようなことが基本になっているようでありますが、私どもが心配いたしておりますのは、従来の慣例からいって補助事業と地方の自治体の事業に対します意欲というものは非常な大きな関連性を持っております。どのくらいの補助事業があるからこういう仕事をやってもいい、仕事がやりたいのだけれども、補助が少いから仕事はよしておこうというようなことで、これは非常に関連を持っておるのであります。従ってその補助率のきめ方等については、これから先地方自治体の赤字団体のやっていきます事業の分量にかなりの影響を持つと私は思う。従って自治の行政を行なっていきます市長なり議会なりにはこれがかなり微妙な作用をして参るのであります。従って補助率の単価というものはかなり重要な役目をするものになると思いますが、この場合ただ補助率を上げるということだけではなくて、今のお話では率その他をこれから話し合ってということでありますが、しかし予算を一応立ててやろうとするからには、またこういう法律をこしらえて赤字を救済していこうとするからには、やはり率そのものについては大蔵省としては今日まで各省との間に折衝が行われているのではないかと考える。従って大体どのくらいが引き上げられるのか。たとえば学校建築については二分の一なら二分の一の補助を国がすることにきまっておる、あるいはいろいろなものについては補助率はちゃんときまっております。従って赤字の整備団体については補助率をどのくらいまで引き上げようとされておるのか、そのお考えがありますならば、一つこの際発表しておいていただきたい。
  186. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほど申しましたようにまだそういう点について具体的にきめておりませんが、御意見もよく拝聴いたしておきます。実情に合いますようにやっていきたい、かように考えます。
  187. 門司亮

    ○門司委員 きめてないということになりますと、さっき申しましたように、この法律の中の一つのえさと言うと工合が悪うございますけれども、整備団体に対しては、仕事をすることに対して普通の補助金ではなかなかやりにくい。しかし整備団体のこの規制を受けるならば補助金等についてもやむを得ざる仕事をする場合にはこういうふうにやってやるというえさと言うと語弊がありますが、これは一つの条件になっておるのであります。この条件がこの議案の通りますまでの間に明確になっていないということになると、この法案を通すのにわれわれはいささか迷惑をする。やはり地方自治体に対しては一応目安ぐらいはつけておきたい。個々の小さいものについてはなかなか分類は困難かもしれませんが、しかし二分の一の補助、あるいは三分の一の補助についてはどのくらいまでは一応増額してもいいというような一応の目安だけはお示しを願いませんと、私はこの法律案を通すわけにはいかない、こういうふうに考えるのですが、あまりそう隠し立てをしないで一つ率直に言っておいてもらいたいと思います。
  188. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほども御答弁申し上げた通りであるのでありまして、御意見の御趣旨等は十分考えていくつもりであります。なおどういうふうに現在考えつつあるかということも先ほど政府委員から答弁さしたつもりでありますが、なお重ねての御質疑のようでありますから政府の方から答弁させます。
  189. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 門司委員の御趣旨は私どもかわるのでございますが、何しろこれは再建整備促進のための措置といたしまして初めての試みでございます。この点については十分慎重にやらなければならぬことはお説の通りでありますが、ただいまの大体の構想といたしましては、もちろんすでに国会において三十年度の予算は成立をみたのでございますから、この予算の範囲内におきまして各種の地方の実情もございます、各団体の事情もございますが、これらの団体におきまして、あるいは災害を受けた団体とか災害を受けてない団体とかによっても違うわけでありますが、それぞれの公共事業の実情、その他財政の事情等を考慮いたしまして、先ほど申し上げましたように、ある程度共通的な線の引けるものにつきましてはどういう線を引いて参るか。そういうことにつきましてまず関係の向きとそれぞれ相談をいたして参りたいと考えます。そういう場合におきまして、私どもは、やはり限りある財政力のことでございますから、不急不要の事業につきましてはこれな一応お待ちを願うというふうなことももちろん考えなければならぬかと思うのでありますが、一方きわめて重要な仕事につきましては重点的にこれを施行して参らなければなりませんので、そういう仕事を選別いたしまして関係の省ともよく協議をいたしまして、当該団体の財政力の許す限度に事業量を圧縮いたしまして、そのかわりに国の負担割合を高めて参る。それら各般のにらみ合せをいたしまして行うのでございますが、実はただいまのところ自治庁その他建設、農林等の現業のところとはまだ協議を進めておる段階ではございません。しかし私ども大体そういう考え方を持っておることだけを申し上げたいと思います。
  190. 門司亮

    ○門司委員 私が心配して聞いておりますのは、たとえば町村合併の促進法等も出ておりますが、これらについてもいろいろな奨励といいますか、条件があるのであります。ところが大蔵省関係においては実際はなかなか金を出さぬのであります。それで町村合併についても弱っておるのです。そこでまたこういうものが出されて、補助審業についても、整備団体になっても補助事業はある程度できるのだ、同時にその補助事業については国が多少めんどうを見てくれるのだというよな一つの条件になっておるのです。そういうことを当てにして自治体が整備団体――表向きから言えば、事業その他を非常に縮小しなければならぬようになっておりますが、しかしやらなければならぬ仕事については政府がめんどうを見てくれるのだということで、おそらくこれが整備団体として政府の厄介になるかならないかということをきめます場合には、これは私は一つの条件になると思う。おそらく理事者が議会にこういうことを説明すると思うのです。一つの条件になってこれが赤字団体の指定を受ける。そうしていろいろな行政機構の上に制約を受けてくるということになって、あとで思惑と少しはずれて、どうも補助金が少かったとか、きまらなかったということになると迷惑をすると思う。この法案自身の威信にも関係すると思いますので、実は大蔵省に来ていただいてこの点念を押しておきたいと思いまして来ていただいたのでありますが、自治庁長官は今のような大蔵省の答弁でよろしゅうございますか。
  191. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 現在の段階では大蔵大臣の申し上げる以上のことは私ども答弁できないのであります。再建団体の負担をなるべく軽くすることは私ども念願をいたしておるのであります。よく大蔵大臣と相談をいたしまして、できるだけ補助率を高めることに努力をいたすつもりでやってきております。
  192. 門司亮

    ○門司委員 これは実は私が質問をした場合に政府当局の答弁では、いろいろ補助金その他の関係があるだろうが、しかしその場合には、この法律にずっと書いてあるように、必ず政府は補助金の率を増してやる、だからそういう心配は要らないという実は政府委員の答弁を受けておるのであります。従って心配が要らぬというなら心配の要らないようにそれはここで一つはっきりしておいてもらいたい、こういうことです。ですから自治庁長官が今のような御答弁でございますならば、この項ははっきりしたものではない、ただ政府はこう考えておるだけだというように、一応われわれは解釈する以外にないのでありますが、そういうことでよろしゅうございますか。
  193. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 特に促進法の中にこの条文を入れましたことは、再建団体以外と違った補助率をつけるという意味でありまして、内容は決定いたしませんけれども、今後再建団体がだんだんきまっていくに従いまして、補助率につきましては十分相談をして、再建団体の負担を軽くするようにいたしたい、かように考えておのでありまして、これはきわめて重要な条文であります。
  194. 門司亮

    ○門司委員 どうも重要な条文が具体的にならないことはきわめて迷惑することでありまして、審議する方から言わせますと、はなはだ不安にたえないのであります。さっき申し上げましたように、町村合併も、あの促進法に書いてある通りにはなかなか参らないのであります。合併後いろいろ問題が起っているということは長官も御承知の通りであります。だから大蔵省でこれはまだきめていないということになりますと、大体いつごろこれはきまりますか。この法案はすぐ施行いたしましても、実際問題として相当延びると私は思いますが、政令で大体きめられる範囲、あるいは時期というようなものを今考えられておりますなら、念のためにもう一応御答弁願っておきたいと思います。
  195. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 お答え申し上げます。先ほど来大蔵大臣並びに自治庁の川島大臣からお答えになりました通りでありまして、決してこの十七条の条文は空文というふうな考えではございません。私どもは、これは実は補助金整理――補助金整理は御承知のように、徹底を欠いた点は遺憾でございましたが、しかしながら、再建団体につきましてこの条項を入れたことがせめてもの大き収獲であったという感じを持ちまして、この条文の運営につきましては、自治庁と関係の建設、農林その他の省と十分協議をいたしまして、大体再建団体の再建計画が出て参る時期までには十分それらの省との協議を終えまして、政令案を準備いたしまして、その再建団体の再建計画にうまくミー卜して参りますように準備を進めたいと考えております。
  196. 門司亮

    ○門司委員 それはそうでなければ困るのです。再建団体が発足してもまだこっちがきまっていないということになればこれは困るのですが、私が先ほどから申し上げておりますように、少くとも国会でわれわれがこういう法案を審議し――この条項はこの法案の適用を受ける一つのえさというと少し語弊があるかもしれませんが、まあえさにひとしいような形になると思いますが、こういう好条件がつけてあるのである。この好条件の内容はわからないで、われわれここで審議して、そうしてもしこれが地方自治体の思うようでなかったということになると、われわれいささか軽率であったというそしりを免れない。われわれはこの法案に賛成するか反対するか知りませんけれども、少くとも国会の審議の過程において、これが明瞭にならないで、このまま国会を通して、事志と違っておったということになると、審議の上でいささか軽率であった、あるいは粗漏であったというそしりを免れない。従って、私はこの点について特にお聞きするのであるが、今のような御答弁でこれを承認するわけには参りませんです。やはり大体のパーセンテージならパーセンテージくらいでいい、あるいは補助金と言いましても、たくさんある補助金をこうしよう、ああしようということでなくてもいい、このくらいはめんどうを見てやってもいいのだという答弁くらいはこの際できるのではないか。またそれを聞いておかないと、なかなか安心ができないのです。ただ幾らでも色をつければいいのだということで、国会では別にそういうことは答弁したことはございません、予算の関係でこのくらいしか出せなかったから、このくらいでがまんしてもらいたということになると、さっき申し上げましたようなことになりますから、詳しい一つ一つの数字は必要ないと思いますが、大体平均して、今の補助率の何%くらいはこれで余分にめんどうが見てやれるということだけでも、一つこの際御発表願えるならば発表しておいていただきたいと思います。
  197. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 事業の種類も非常に多いと思いますし、またそれに補助率も違ってくるだろうと思います。しかし、今回は特にこういうふうの補助を設けた。従って、これを設けた趣旨がやはり達成されなくては意味がないのでありますから、今御意見の点は十分体しましてやるつもりでいたしております。なお政府委員から若干補足させます。
  198. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいま大蔵大臣から申されました通り、各種各様の事業につきましていろいろ補助率が定められておりますので、ただいまここでそれをどうするということは申し上げかねるのでございますが、一方におきまして、国の予算によりまして公共事業の経費の額がきまっておるわけでございます。他方におきまして、それぞれの団体におきまして災害復旧その他緊要なる事業の量というものもおのずからきまっておるわけでございますから、門司委員が御指摘になりましたような単なるアービトラリなやり方はもちろん許されないのでございまして、この点につきましては、それぞれの事業につきまして事業の量と経費と補助率の三者をにらみ合せて適切に定めて参りたいと考えている次第であります。
  199. 門司亮

    ○門司委員 どうもこれ以上押し問答をしてもなかなか言われないと思うが、しかしどうなんです、これは。相談するのですが、こういうものはやはり法案を出す前にあらかじめ知らしておいてもらわぬと、これを政令に譲ったままでは、今お話のように、大体公共事業のワクは予算できまっておりまして、このワクから逸脱することはなかなか困難である。補助率も大体きまっているので、このワクから出ることもこれは非常に困難であると思う。ことに今の補助率というものは、必ずしも実際に沿わない。財政的に言いますと、きわめて不親切というか、一般に額の少い補助率になって参っておるのでありまして、補助金はたくさん数があるが、これは窮屈に配給されている。その場合こういう条文を書かれておりますので、ことさらそういう面について政府の十分なる打ち合せと用意がなければこういう法案は出せないではないか。えさは一応あてがうが、そのえさはどういうものか内容がわからぬということで、一体こういう法案の審議ができるかというのです。自治庁長官はこれでよいというように安易におっしゃっておりますが、責任はどこに来るかというと、やはり自治庁に来るのです。主管は自治庁です。自治庁長官は、今お話になりましたようなことでよいとおっしゃいましたので、もう一応伺っておきますが、今日長官がお考えになっているようなことでなくして、たとい一%であろうと二%であろうと色さえつければそれでよいのだというようにお考えになっておりますか。これは実質的な問題で、赤字団体がこういう恩恵を受けようとした場合、形式的になってはならないということであります。それが赤字団体の財政運営のために十分効果あるものでなければ実際上の価値はないのであります。従ってわれわれ、相当多額なものを実は考えておるわけであります。こういう関係がございますので、長官は、さっき私が申し上げましたような申しわけ的なものでなくして、やはり相当数を、あるいは相当の率を期待されているかどうかということを、もう一応聞いておきたいと思います。
  200. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 おおむね七カ年にわたる再建計画を定めまして、それが完全に履行されまして、完了後には健全な財政状態になることを、私ども期待しておるのであります。それに対しましては、国としても援助すべき点は相当援助しなければならぬと考えております。この条項はその一つの現われでありまして、地方の財政の状態も見るし、また国の財政の状態もにらみ合せまして適当に補助率を引き上げたい、こう考えておるのでありますが、この法案を出しますについても、大蔵省と自治庁の間におきまして十分熟議を重ねた結果提案したのでありまして、この法案の精神につきましては、大蔵省も自治庁も違っておらぬのであります。ただ、今日の段階におきまして、いかなる事業にどういうパーセンテージの補助を与えるか、まだ決定していないということはやむを得ない、こう考えるのでありまして、先ほど大蔵大臣なり政府委員からお答え申し上げた通り、再建計画は十月ころになるとそろそろ立ちますから、それに間に合うように大蔵省と相談をして補助率をきめるつもりであります。
  201. 門司亮

    ○門司委員 私は今補助率の点を聞いておるのではありませんが、その補助率は地方自治体は相当期待すると思います。従って申しわけ的のものでなくして相当地方の自治体が期待し得る補助率の引き上げになるかどうかということ、率を言われませんから、そういうことを長官がお考えになっておるかどうか長官のお心がまえを一つ聞いておきたいと考えておるのであります。
  202. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 申しわけ的でなしに地方財政に寄与するような補助率をきめたい、こう考えております。
  203. 門司亮

    ○門司委員 大蔵省も大体そういうことに了解しておいてよろしゅうございますか。
  204. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 先ほどしばしば申し上げましたように、補助を設けました趣旨が達成できるように自治庁長官とも十分協力していきたいと考えております。
  205. 門司亮

    ○門司委員 これは大体それでよろしいかとは思いますが、念のためにもう一つ聞いておきますが、今長官は適当にという言葉を使われておりましたが、この適当にという言葉は国の財政上から居た適当でありまするか、地方公共団体側から見た適当でありまするかどっちに解釈してよろしゅうございますか。これはなかなかむずかしいところで、厄介なところであります。国の予算がこれだけしかないからこれだけしか出せなかったということは、財政的には、国の方から見れば適当だと考えられる、しかし地方の自治体から見ればきわめて不適当と考えられないこともないのであります。
  206. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 これは数カ年間にわたる仕事でありまして、今年度だけでやるわけにはいかないのでありますが、かりに今年度をとってみますと、すでに予算を決定いたしております。補助金の総額もきまっておりまして、従いまして補助率を上げれば事業の分量を減らすという結果になります。そういう点を勘策して適当にきめたい、こういうふうに申し上げておるわけであります。適当という言葉は、地方の財政から見てもまた国の財政から見ても、両方から考えまして適当のところにいたしたい。
  207. 門司亮

    ○門司委員 どうも適当であるかどうかきわめて疑わしいのでありますが、そう議論をしてもしようがないと思いますから、そういうことにしておきたいと思います。  その次に大蔵省に聞いておきたいと思いますことは、この中にありまする十六条の問題であります。公募債の消化のために特別の審議会が設けられて、大蔵次官あるいは郵政省の次官でありますとか、自治庁の次長であるというような各政府の側あるいは公共団体の代表者あるいは金融界代表者さらに学識経験者というような方たちで、公募債の消化に対する特別の審議会が持たれるようでございますが、従来公募債はあまり成績がよくないのであります。従ってこういうことをして特別にこれに融資をしていこうというお考えだというように拝聴いたしておりますが、大蔵省にお聞きをしておきますことは、これが特別にできたということで、一般のこの適用を受けない地方公共団体の公募債にこれの影響があるようなことがありはしないかという心配を実は私どもは持つのでありますが、大蔵省はこういう点については金融界との間に十分のお打ち合せができておるのでございますか。
  208. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 地方債の公募でありますが、これは私の考えでは従来の状況をもって三十年度以降の地方債の消化を律するわけにいかないと思います。これは御承知のように金融情勢が大きな変化を来たしつつあるのでございまして、従いまして、別にこの地方債を優先しなくても消化できる、またこの消化が他に影響を与えることもない、かように考えておるのでありまするが、特に今日の地方公共団体の状況から見てさらに万全を期したいという考え方からこういう審議会を作りまして、十分世話をしていきたい、こういうふうに考えておるのであります。御了承願いたいと思います。
  209. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の公募債の問題でお答えがありましたが、関連しましてちょっとお尋ねしたいと思います。私どもが了解をしておりまするのは、これから地方債を公募するというのではなくしてこれまで作っておりました各地方団体の一時借入金の借金なりその他の一時融資を振りかえるというふうに私どもは承わっておるのであります。大体はそういう形で簡単にいけるんじゃないかと考えておるのですがどうでございますか。
  210. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 再建整備債についてはさようなんでありまして、従来からもうすでに多くの部分が銀行等の金融機関の借入金になっておるもの、これを切りかえる、かようになっております。
  211. 中井徳次郎

    ○中井委員 そういうことでありますると、先ほど来の門司委員のお話の点は、再建整備債に関する審議会なんでございますが、このためにわざわざ十名の委員会を持つ、非常に大げさなもんだという印象を私どもは受けておるのでありますが、簡単に振りかえるというならそう大げさな機構も要らないのではないかと考えております。その点について一つお尋ねいたしたい。
  212. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 私の答弁に若干の混乱がありました。この審議会は再建債の方で、そのほかに地方債の公募がある。これもできるだけ消化をさせていきたいと思いまして私の考えておるのは、地方に参りますが、各府県に世話をする、たとえば日本銀行の支店長であるとかあるいはその他の金融機関の方々等の世話をする一つの協議会みたいなものを作る、これととりまぜておりましたので訂正をいたします。
  213. 中井徳次郎

    ○中井委員 今年は公募債はそういうことで百五十億ということになっておるわけでありますが、これは先ほどからのお話で簡単にできるであろう、しかし実際の今の地方の赤字でありますが、これは六百億近いと言われておりますが、そのうちには事業の繰り延べもありましようあるいは未払いの分もありましようが、大体金融機関で借り入れておりまする地方の借入金の未済のものが総額今どれくらいありますか。大蔵省でおわかりでありましたらお答えいただきたい。
  214. 石野信一

    ○石野説明員 短期の借入金が現在約四百五十億円ございます。
  215. 中井徳次郎

    ○中井委員 そこでこの法案については私どもはこれでは足りないという考え方を持っておるわけでありますが、政府もそういうことを認めておられます。これでは十分ではないが、現状においてはやむを得ないということでありまするが、ことしの百五十億はそれといたしまして、それでまだ消化できない、まだ赤字の解消はできないというような状態であります。今すでに四百億というお話である。従ってこの再建整備法案に盛られたこの精神で昭和三十年度以降も大蔵省は毎年こういうものについて考えていかれるかどうか。大臣から御答弁をしておいていただきたいと思います。
  216. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今回は二十八年までの赤字四百六十二億、このうちで処理を要するものが大体二百億こういうふうなことから百五十億こういうふうにたな上げをする措置をとったのであります。二十九年その他についてはまだ数字をつまびらかにいたしておりません。これは今後の実際を見て、また考えていかなくてはなるまいと思っております。
  217. 中井徳次郎

    ○中井委員 そんな答弁ではありませんで、これで不十分であるということがわかれば、来年度においてはまたことし同様に考えていくかどうか、こういうことを伺っておるのであります。
  218. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 そういうどうしても赤字になるという場合は検討を加えなければなるまいと思っております。
  219. 中井徳次郎

    ○中井委員 最後にお聞きいたしますが、私どもはこの再建法案を二カ月にわたっていろいろ検討したのでありますが、結局のところは百五十億、あるいは五十億、三十億というふうに起債を認めようというだけでありまして、それに対する金利の負担を多少政府が援助しようということで七千五百万円ということでありまして、裏から見ますると、これは再建促進法案でも何でもありません。資金繰りを一時窮屈をなくしてやるということでありまして、住民の負担はちっとも変らない。赤字を地方債に振りかえるというだけでありまして、金利は最低六分五厘ということになっていますから、依然として地方の赤字は実質的にはちっとも解消しない、こういうことで、これは再建促進法案といいながら、ここ数年たつと金利だけで五百億以上ということになりまして、地方財政はちっとも基本的には立ち直るという形になっておらぬと思うのであります。問題はやはり自己財源あるいは交付税というようなものとの関連において考えていかないと、これはほとんど地方財政資金一時融通法案にすぎないと思うのであります。そこで国の財政、予算をあずかっておられる大臣とされまして、これは私前の予算委員会でもお尋ねしたのでありますが、どうもあまりに国の予算と地方の予算との間に隔たりが多過ぎるように思います。あなたがその当時御答弁されました点では、そういびつであるとは考えないということでありましたが、私どもはどう考えましても国民の一人として、国の予算と地方の予算の間にあまりにどうも隔たりがあり過ぎる、どうもいびつだと思うのであります。国の財政全般としましても、いろいろ困難な面もあろうかと思いますが、こういう面も一応お認めになって、そうして将来地方財政に関する財源について、国の財源との間に調節をしていく、こういう考え方をお持ちではございませんか。
  220. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 財政の健全という場合に、単に中央ばかりでなく、中央地方を通じて健全性を持たなくてはならぬことは申すまでもありません。何も日本の国が中央、地方に分れているわけでもない。国民生活の上においてもむろん一体化しておることは言うまでもないのでありまして、ただ何さま今日の地方の財政が窮乏しておる、これはやはり私も一朝にしてできたのではないだろうと思うのであります。これは終戦以来長いいろいろな原因から累積されてきて、今日においてはこれを何とかしなくてはどうにもならない。ところが一方国の財政も御承知のようになかなか苦しい状態でもあるので、とりあえず三十年度において当時はっきりしておりました赤字について一つたな上げの措置をする、こういう方針で一応参ったわけでありまして、三十一年度以降において、そこで――私はいろいろと今日調査をしておることもありますが、ほんとうに中央とか地方とか、そういういろいろな考え方を捨てて、みんなで力を合せて今日の地方財政の困っておる、苦しくなった原因を率直に打ち出したい。これは国の方からもいろいろとお頼みをして、そのために地方が財政的にお困りになっておることも私はあると思うのであります。また同時に地方においてもまだまだやはり反省をしてもらわなくてはならないことも少くないのではないだろうか、そういうことも一体なんですから、みんなで一つよく究明して、そうして改めていくべきものは改むべきではないかと思う。特に仕事の分量と財源というような点について、やはりしっかりしたところがないといかぬのじゃないか、また同じ財源にしても、単に中央から援助することがいいという考え方も適当でないのじゃないか、そういうような意味におきまして、市町村と府県というものの今日の税の配分といいますが、それはいいかどうか。もう少し別個な見地からすれば、府県あるいは町村自体において税の増収をはかり得るようなことがあるのではないか。いろいろ税のそういうような地方における配分なども考慮する。これは一例であります。あるいはまた中央と地方に限ってどういうふうに考えたらいいかというようなことも令部この際は出して、そうしてほんとうに地方財政を立て直していくように取り組んでいこう、こういうように考えておりますことを御了承願います。
  221. 大矢省三

    ○大矢委員長 灘尾弘吉君。
  222. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 簡単に大蔵大臣に伺いたいと思いますので、お答えも簡単にお願いしたいと思います。だんだん各種の法案についての審議も進んで参りました。ただいま問題になっておりますところの再建関係の審議もかなり進んで参りまして、結論に到達するのも近いことだと思います。この法案をいかに扱うかという問題につきまして、実はわれわれもいろいろ考えている次第でありますが、これを結論づけるにつきまして大蔵大臣の頭とわれわれの頭とえらく相違があっては困るのであります。だんだん大蔵大臣の御答弁を伺っておりまして、最初のころから見ますとよほど前進せられたような気もいたすのであります。あまり開きがありますと、再建法案についての扱い方も考えなければならぬということになりますが、われわれとしては、今回のこの再建促進特別措置法案は内容的には不十分であると考えている。ことにその考え方の根本が、いかにも地方団体に対して、言葉はどうかと思いますけれども、あまり御同情がない、理解が足らないというような気持がしてならぬ。ただいまの中井君の御質問に対する御答弁でやや安心をしたのでありますけれども、大蔵大臣は、どうも地方は道楽息子のように思っておられるのではないかというような感じがあり、しかもそのような感じがあるために、この法律案を出されたのではなかろうというような気持さえするのであります。私は決して自治体はそういうものではないと思う。これは前にも申し上げましたが、もっと地方財政につきましては、地方財政は苦しいけれども国もこうだというような地方と国との比較での考えではなくて、地方も国も一体としてお考えを願うようになっていただかなくてはならぬのではないか、かように考える次第であります。この再建促進特別措置法案が成立したといたしましても、これは不十分ながら過去の赤字を処理するということで、われわれとしては、過去の赤字もさることながら、今後の赤字をどうするかという問題がおっかぶさっているように思います。その将来の赤字に対しまして一体どんなお考えを持っていらっしゃるか、もっと的確に伺いたいのであります。一体三十年度において赤字が出るか出ないか、この点について大蔵大蔵の見通しを伺いたいと思います。
  223. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 むろん大蔵大臣といたしましては、三十年度に赤字の出ないような運営を期待いたしておりますが、これは自治庁長官から申し上げた方がよいかと思いますけれども、私はそういう期待をいたしております。
  224. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 赤字の出ないような運営をするということでありますが、それではさっぱりお答えにならぬ。現に赤字が毎年毎年出ている。ことしのやり方はどういうふうにお考えになるか。これは自治庁長官のお考えを伺いたい。
  225. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 二十九年度通りに地方でいろいろ仕事をすれば、当然赤字が出るのでございますが、各地方団体とも財政難の折柄でありまして、いずれも自粛いたしておりまして、赤字克服に非常に熱心になっておりますので、二十九年慶の決算と三十年度の決算を比較した場合には、相当違う結果が出ると私は考えております。二十九年度は、推定でありますが、約百二十億の赤字でありますけれども、三十年度はそれだけの赤字は出ないだろうということを私は想像し得るのであります。しからば全然赤字が出ないかというと、これは断言できないのでありまして、二十九年度の財政計画が、すでに給与その他において赤字の要素を含んでおるのでありますから、この点は明言できません。ただ私どもといたしましては、地方の財政の運営をしっかりやってもらいまして、赤字の出ないようにしてもらいたいことを熱望しておるわけであります。
  226. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 ただいまの御答弁を伺いましても、私は地方行政というものに対する閣僚の皆さん方のお考え方がいかにも足りないのではないかという気がするのであります。何もしなければ赤字は出ないと思います。極端な言葉でいえば、仕事を一切やらない、そういうふうに仕事をぶち切るということでやっておれば赤字は出ないかもしれません。しかしそれであなた方は閣僚として地方行政に対して御満足できるかどうか、この点に問題がある。幾ら節約すると申しても――確かに節約しておる、非常な努力をしておる。しかし中には、まだ予算さえ作れないというところがあるように聞くのであります。そういう実情にしておいて、そして地方行政があるとかないということが言えるのでしょうか。自治庁長官といたしましては、やはりあるべき地方行政というものについても相当な御考慮をめぐらされて、財源その他についてもお考え願わなければならぬ。金がなければ仕事をしなくてもよろしい、赤字が出なければよろしいということでは御答弁にならないと思いますが、いかがでありますか。
  227. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 地方住民の福祉のために相当仕事をやらなければならぬことは当然であります。公共事業の面においても単独事業の面においても、やるべきものは当然やらなければならぬのであります。しかしながらこういう財政状態でありますから、今までと頭を切りかえてしっかりした財政運営をしてもらいたいということが私どもの希望であります。その上に足りないものはこれを見ようじゃないか。従って毎回申し上げた通りでありますが、地方の赤字克服は三十年度限りではできないのであります。三十年度において十分地方に自粛を願って、その結果を見て三十一年度の予算編成の際に適当な施策をしよう、財源的措置もしようと考えておるのでありまして、私どもは、地方は何でもかでも仕事を打ち切って赤字が出ないようにすればよいのだということには、決して考えておりません。
  228. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 地方の行政について何でもかでも打ち切れという考えではないということを伺って、安心したのでありますが、もしそうだとしまするならば、私はことしの地方財政に対する財源措置が決して十分とは考えておりません。非常に不十分ではないかと考えております。大臣は来年ということを仰せになりますが、私は来年まで待つわけにはいかない、もし不足がある、赤字があるということでありますれば、相当な程度の――もちろんお話の通りに、地方の方に頭を切りかえてもらわなければならぬ点もあると思いますが、しかし同時に、中央の皆さん方も頭を切りかえていただかなければならぬ。地方だけに頭を切りかえることを要求することはおかしいと思う。中央の皆さん方も頭を切りかえて、国も地方もともどもにやっていけるようにお考え願わなければならぬ。そういう意味からすると、来年はどうする、こうするでは私は満足できないのであります。ことしのところをどうなさるかということが心配でならないのであります。もちろんこの国会が予算国会でありました関係上、いろいろ御答弁がしにくい点もありはしないかと思うのでありますけれども、しかしわれわれといたしましては、必ず赤字は出てくると思う。また赤字が出ないとすれば、仕事を何もやっておらないのだ、仕事ができていないのだ。こういうふうに考えますならば、少くともほどほどの仕事をやってもらいますためにも、ある程度の財源ということについて御考慮をわずらわしたいと思う。そういう問題について、来年まで待てというのでありますか。この点いかがですか。
  229. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 地方で大いに自粛してもらいまして、いろいろの経費の圧縮をしてもらいまして、その範囲内で必要な仕事をやって、赤字が出ればそれは何とか処置しなければならぬと思うのであります。三十年度どれだけ赤字が出るかということは予測できないのでありますけれども、先ほど申し上げたように、私どもは赤字が出ないとは決して申し上げてはいないのであります。ただ地方財政でありますから、中央の力というものは全然ないのでありまして、自治庁長官といたしましてもわずかに助言勧告の程度でありまして、全く地方の自主性に待っているのであります。でありますから、地方が立ち上って赤字を克服するという気持になりますれば、これに対応して政府も財源措置をしたい、こういう考え方なんであります。
  230. 大矢省三

    ○大矢委員長 灘尾委員に申し上げますが、大蔵大臣に対する質問を……。
  231. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 ただいまの自治庁長官の御答弁でありますが、地方の方で財政再建に対する熱意が出てくればそれに対して援助するというが、財政再建に対する熱意はすでに出ているのであります。現に四苦八苦しているのであります。やりようがなくて四苦八苦しているのが地方の状況であります。その点については、地方の気持がどうとかこうとかいうことをお考えになるということはどうかと思うので、一日も早く財政再建に御協力を願いたい。  そこで大蔵大臣にお伺いしたいのでありますが、前にもお伺いしたことがございまするけれども、赤字の一番大きな原因と始終言われておりますところの給与費等について、政府の方においては実態調査をしておる、実態調査の結果が出たら善処する、こういうふうに伺ったように記憶しておるのでありますが、この点についてはっきりとこの席で御答弁を願いたい。実態調査の結果によりまして、地方の財源に相当の財源を考えなければならぬという場合が出ましたならば援助していただけるかどうか、この点を一つ伺いたい。
  232. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今の給与費につきましては自治庁で御調査を願っているのでありますが、その結果を待ちまして善処しますが、どうすればいいかよく考えていかなければならぬと思っております。
  233. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 給与費だけの問題じゃございませんけれども、現にそういうふうな問題が懸案となっている。私どもがこの再建促進措置法案を審議するのにつきまして、今後も赤字の原因をいかにして除去するか、あるいは今後赤字をどういうふうにして出さないようにするかということがキー・ポイントになる。そういう意味におきまして、この問題はここではっきりさしておいていただきたい。重ねて申し上げるようでありますけれども、かような意味におきまして明らかに赤字がある、赤字を埋めなければならぬという事態がありました場合には、政府としましては、来年というようなことは言われないで、これを充足することについての格別な差処方をわずらわしたいと思うが、その点についての御見解をもう一ぺん伺っておきたいと思う。これは一つはっきりお願いいたします。
  234. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 赤字が出ました場合にどうするかということですが、ことしは御承知のようにぎりぎりの予算で財源もありませんで、苦労いたしております。ですから、実際のいろいろの原因を突き詰めてその対策をするのも、結局はっきりするのはどうしても来年度になるだろうと思うのであります。結局これは三十一年度の予算編成と関連して考える、これ以外に措置はないだろうと思います。
  235. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 ちょっとよく聞えなかったのですが、三十年度においては財源について何らの措置をする考えはないということをおっしゃったのか、もう一ぺん伺います。
  236. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 考えがないというわけでもないのですが、実質上どうも私はこれは今ここで軽々しくお約束ができがたいのです。私はほんとうを言うと、こういうような財政のまだしろうとで、はなはだそう言うと悪いのでありますが、責任はむろん持っておりますが、もう少し考えてみる。中央地方を通じての考え等については、もう少し私は新たな考えをいたしていいという考え方をいたしておる。そういう面から一つ三十一年度の予算の場合には十分考える、かように考えておる次第であります。
  237. 灘尾弘吉

    ○灘尾委員 押し問答を繰り返してもしようがありませんが、三十年度において赤字が出る、その赤字に対して政府の方でこれに対して善処するという考えがはっきりいたしませんと、この再建整備法の審議につきましては、私どもはもっともっと慎重に検討しなくちゃならぬということを申し上げて、私はこれで終ります。
  238. 大矢省三

    ○大矢委員長 門司君、大分時間が経過しておりますから、簡潔に……。
  239. 門司亮

    ○門司委員 それでもう一つ大蔵省に聞いておきたいことは、十二条の三項についてであります。第三項の規定は市中銀行から借り入れたものについて、国が百五十億を限度として保証する、こういう規定があります。これは債権者が申し出たときには、百五十億を限度として国が資金運用部資金から出す、こういう規定であります。これも大蔵省は十分に承知しておりますか。これは郵政省にも関係がありますが、簡易保険及び郵便年金特別会計の積立金、以下政府資金という、こういうふうに書いてあり、その次に状況に応じて百五十億を限度にして、なるべくすみやかにこれを返す、こういうことが書いてあります。これは市中銀行との間に委員会を作って、公募債の消化に努めるとはいわれておりますが、借りかえの問題でありまして、この条項が十分に生かされるということになりますと、割合に公募債の関係が円滑に行くのではないかということを考えるのであります。従って公募債との関連性において、この百五十億は大蔵省は保証するということに伺ってよろしいのですか。
  240. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 これは預金部資金でもって肩がわりをするつもりをいたしております。市中銀行でまだ持っておりたいという人もおるかもしれませんが、そうでない限りは肩がわりをいたします。
  241. 門司亮

    ○門司委員 この肩がわりをするということなんですけれども、今の資金運用部資金の運用の仕方からいいますと、はなはだ怪しいのです。一般産業資金と同じように考えておるらしいので、地方債というものを大蔵省は特別に考えていないらしい。従って年々地方債の運用の面が減ってくるのであります。そして一般財政投融資の方がふえてくるのであります。この傾向をここ五、六年たどっております。たとえば昭和二十四年度には政府資金で九五%まかなわれておる。ところが二十五年を境にしてずっと減って参りまして、最近は四三%くらいしか地方資金に出しておらない。こういうことになっておりますので、私は非常に心配するのでありますが、百五十億は確かに引き受けられる自信があなたの方にございますか。
  242. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 確かにございます。それは引き受けます。
  243. 門司亮

    ○門司委員 大蔵大臣が引き受けられたから一応安心できました。  大蔵大臣が非常に忙しいと言っておりますので、最後に今灘尾委員から聞かれました三十一年度以降における、あるいは三十年度以降における地方財政の赤字の点についてはこれをどうまかなっていくかということについての数字を、私はよく聞きたいと思っておりましたが聞きませんが、ただ一つだけ聞いておきたいと思いますことは、地方財政の今日の赤字の最も大きな原因となっておるのは、公債費が年々百億ないし百二十億増加するというこの実際の姿であります。この実際の姿に対して再建整備法においてすらやはり国は六分五厘という利息はつけておるのであります。この再建整備法ですらこういう利息をつけておる関係からいいますと、政府はこの年々ふえて参ります地方の公債費の面については考慮をしていないのであります。私は地方財政の赤字を解消しようとするならば、これは年々ふえて参ります公債費に対して何らか大蔵省が手を打たなければ、これはどんなにバランスをとって参りましても、今まで持っております借金が四千五百億をこえておりますし、今年の元利払いも五百十億になっております。このままの姿で四、五年参ると公債費で地方の財政は破綻するということになると思う。公債費も年年百億ないし百二十億増加いたして参りますので、何らかの手を打たなければ財政の今日の窮状は救えない、こう考えておりますが、これに対する大蔵省の御意見があるなら一つ聞かしていただきたいと思います。
  244. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 そういう点もすべて考えまして、総合的に三十一年度以降で一つしっかりした再建をやるようにしたい、こういうように考えております。
  245. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほどの御答弁に関連するのですが、百五十億の公募債を来年度以降すみやかに政府資金に切りかえるについては御了解になっておるというのですが、先ほど自治庁長官の答弁では三十一年度において政府資金に切りかえるという了解を大蔵大臣と打ち合せた、こういうふうに明言をされましたが、大蔵大臣はそのようにはっきりとお約束をしましたか、その点明らかにしてもらいたい。
  246. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 今お話のようにその点は自治庁長官に一応了解を与えてあります。
  247. 北山愛郎

    ○北山委員 もう一点簡単にお伺いしますが、この再建促進法を裏づける政府資金の起債は、御承知のように再建債の方は五十億、それから退職手当の方が六十億、そうすると政府資金に関する限りは退職手当の方が六十億で多いのです。従って私どもはこの再建促進法は過去の赤字の分のたな上げよりも、むしろ今後の首切りの方に重点を置かれておるのじゃないかということで大へん心配しておるわけです。そうして特に六十億というこの退職手当の分をどういう基準で算定したかというと、格別の基準がない。ただ当てずっぽうにこれくらいは要るだろうというような六十億なんです。ですから私どもは納得いかない。五十億という政府資金は、赤字に振り当てる分としては御承知の通り十分の一くらいにしかならない。非常に足りない。ところが赤字の分についてはたった五十億しか出ないで、今後首切りの分については六十億も貸してくれるというようなことでは、われわれとしてはこの法案は首切りの法案というふうにいわざるを得ないのです。そこで一つこの退職手当の起債の分を赤字の起債の再建債の力に振りかえるような方法がないか、これは政府資金の方を預かっておられる大蔵大臣の管轄でありますから、先ほど来自治庁長官にはお願いしましたが、一つそういうことが考慮願えないか、これを一つお答えを願います。
  248. 一萬田尚登

    ○一萬田国務大臣 この五十億、六十億の問題についての御質問でありますが、これは自治庁の方からどうしても退職等の関連から六十億という御要望もありまして、六十億を出そうということにしてあるのであります。別にこの規定を置いたから首を多く切るというようなことはないのでありまして、これはやはり地方公共団体の健全化のために所要する資金としてそういうものが要る、こういうようなわけであります。
  249. 北山愛郎

    ○北山委員 自治庁の長官の方からもしも六十億のうち、一部再建債の方に変えてもらいたい、こういうふうな要望があったときには、あなたの方で考慮しますか。
  250. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 私から便宜お答えを申し上げます。この点は大臣から申されましたように、自治庁におかれまして、まず第一次的な案をお立てになるわけでありますから、大蔵省といたしましてなお自治庁とよく相談をいたしたいと思います。
  251. 大矢省三

    ○大矢委員長 これをもって大蔵大臣の質疑を一応打ち切ります。  正示さん、今北山君の質問に対する答弁が食い違っている。つまり六十億円の首切りといいますか、退職の公債を赤字公債に切りかえることができるかどうかという質問なんです。
  252. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 先ほど私その趣旨でお答えしたつもりでございますが、あるいは言葉が足りなかったかと思いますが、とにかく自治庁が第一次的に各再建団体と御協議になるわけでございます。実情に応じましてそれだけのものが退職起債に必要でないという場合におきましては御相談に応じたい、こういう趣旨でお答え申したつもりでございます。  それから先ほど大蔵大臣たいへん急いでおられまして、ちょっと私ども耳にいたしましたお答えで、事務当局といたしまして気にかかりますので、この際つけ加えさせていただきたいのでございますが、百五十億の運用部資金に切りかえる点につきましては、市中銀行の意向並びに資金の状況等から考えて、これはできるだけ善処するということでありましたが、その時期は来年度以降ということに私どもは自治庁と御相談申し上げておりますので、その点を申し上げておきます。
  253. 北山愛郎

    ○北山委員 非常に重大な答弁の食い違いでございますから、あらためて大蔵大臣をお呼び願いたい。
  254. 正示啓次郎

    ○正示政府委員 ただいま申し上げました通り、資金の状況等とにらみ合せて、こういうことを申し上げておるわけであります。これは資金が十分できる場合には、また市中銀行の意向等によりまして、市中銀行が手持ちとして持つ分が多いというふうな場合には、残りは全部引き受けられるということも可能な場合もあり得るわけでございます。
  255. 北山愛郎

    ○北山委員 しかし自治庁長官の先ほどの答弁は、そういう答弁じゃなかったのです。明年度においてこれは政府資金に振りかえるという約束、了解をとった、こういう答弁でありましたから、その点食い違う。状況によってなら何年間も延ばせる。これは主観的な事項なんです。必ずしも客観的ではない。だから食い違いがある。もう一ぺん大蔵大臣に来てもらいたい。
  256. 池田清志

    ○池田(清)委員 昨夜深更の理事会におきまして、この法案の取扱いは、昨日までの前の理事会における決定であったのでありますが、昨夜の理事会で本日の午前中をもちまして逐条にわたる質疑を終り、午後におきましては修正案等の提出もある見込みであるから、その方にかかっていただくように相なったわけであります。委員長のお手元にはすでに修正案の提出も見ております。修正案の提出の時期といたしましては、すでに御承知のように法律案の各条の質疑が終りました後にこれが出されることに相なっておりまするところから考えますと、修正案の提出を見ました今におきましては、各条にわたる質疑は終了したものであるということに相なるわけであります。昨夜の理事会の決定もさようでありまするから、そういうふうに考えて、その方に従って運営されんことをお願いいたします。
  257. 門司亮

    ○門司委員 今のお話ですが、どうですかもう三時ですから食事にしたら。修正案が出れば原案の質疑を打ち切らなければならないという議事規則が一体どこにありますか。審議が済んだものだという議事規則があったら出してもらいたい。修正案が提案されたか、ここに提案されていない、公報に載っているかどうかわからない。きょうの公報に出ていますか。(「修正提案として」と呼ぶ者あり)修正提案としてきょうの公報に載っておりますか。議題にするかしないかはきょうの公報に載っていない。議題になっていないのだ。議題にするかしないかということをまず先に考えなさい。きょうの議題にするかしないかということが先なんです。これからこの修正案を出せば、原案も大体質疑が終ったものだと考えるという不都合なことがありますか。それじゃ修正案を出せば質疑は打ち切りますか。
  258. 大矢省三

    ○大矢委員長 ちょっと食事をして一つ十分相談しましょう。  それでは四時に再開することにいたしまして、これをもって休憩いたします。    午後二時四十六分休憩      ――――◇―――――    午後七時四十九分開議
  259. 大矢省三

    ○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方財政再建促進特別措置法案を議題といたします。引続き第十二条に対する質疑を行いたいと存じますが、ただいま委員長の手元に本案に対する鈴木直人君外十八名提出にかかる自由党及び民主党共同修正案が提出されておりますので、本案の修正もあわせて議題とし議事を進めることといたします。
  260. 西村力弥

    ○西村(力)委員 先ほど北山委員の質問に対しまして、大蔵大臣と自治庁長官の答弁が食い違っておるということが明瞭に相なったわけでございます。すなわち百五十億の再建債の政府資金の肩がわりは、自治庁長官は明年度中にこれをやる、こういう御答弁であって、大蔵大臣は明年度以降、こういうことである。それは非常に重大な問題でございますので、これはどうしても再度大蔵大臣に来てもらってその御答弁を一致させなければならない、かように考えるものでございます。なおまた建設大臣の出席も要求してきましたが、先ほど永田政務次官は必ず呼んでくると私的でございますが私に対して話がございました。そういう約束があるにかかわらず今もって建設大臣が見えていない、こういうことはわれわれとしてはどうしても承認するわけには参らないのでございます。それで私としましては大蔵大臣、建設大臣を本委員会に来てもらうように動議を提出するものでございますし、また委員長におかれましても、他の委員各位におかれましても委員会の答弁が政府部内の大臣間においてそごを来たしておるというようなことは、これは党派を越えて見のがすわけにはいかない問題であると思うのでございます。委員長においてしかるべく取り計らいを願いたいと私は一つの提案といいますか動議を出す次第でございます。
  261. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 ただいまのお話ですが、私と大蔵大臣の答弁は少しも食い違っておりません。大蔵大臣は川島自治庁長官と約束したとはっきり言っております。あとで政府委員の正示君が何か違ったことを言っておりましたけれども、これは私と大蔵大臣の政治折衝には関係なくて、ただ条文のようにそう言ったのでありまして、大臣同士はちっとも食い違った答弁はいたしておりませんから、この点は明らかにしておきます。なおこれは速記を見れば明らかになることであります。  なお建設大臣は必ず出ると先ほどから待っておったのですが、当委員会がいつ開かれるかわからないので、他に所要があって外出いたしました。先ほどまで待機をしておったわけであります。
  262. 西村力弥

    ○西村(力)委員 大蔵大臣自体は、先ほど確かに今長官が言われたようなぐあいで話し合いをつけておるのだ、こう一致したお話でございますけれども、事務当局がそれに補足して説明したことは明らかに食い違っておる。しかも今の答弁によりますと、事務当局のその補足説明は条文によってそう説明したのだということであるならば、ますますわれわれはこのまま法案を通すわけにはいかぬということに相なるわけなのでございます。条文がそのようにできておるということであるならば、条文通りの答弁をなぜ今までしなかったか。しないで明年度中に事を片づけると大蔵大臣と自治庁長官において意見の一致を見ておるとするならば、やはりこの条文というものは修正するという方向に、政府自体がわれわれに向って意思表示をしなければならぬのじゃないか、かように思うわけでございます。
  263. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 西村さんはあまりこの委員会においでにならなかったので、前の質疑応答を御存じないからそういう御質問があったと私思うのですが、あの条文で来年度の投融資計画を縛られることは困るから一応ああしておくけれども、実際には必ず見るのだということを御答弁申し上げて御了解を得ましたし、ことに大蔵大臣はきょうそういう説明をしておるのでありますから、条文をそのまま読めば政府委員の説明したことになりますけれども、政治折衝といたしましては明年度で必ず政府資金に切りかえるということをはっきり言っておるのであります。
  264. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私、確かにきのうから舞い戻って来たのでございまして、その経過については十分承知いたしておりませんれども、しかしわれわれの同僚である北山委員あるいは門司委員、最も熱心にこの討議に当っておられる尊敬すべきこの二人の委員がはっきりとその食い違いを指摘しておるのです。それでありますので、このことは大臣がどう答弁せられましても食い違っておることは食い違っておるのです。こういうふうにわれわれとしては受け取らざるを得ない、こう思うわけなんでございます。速記録を調査すれば事の真相は明確になるでございましょうが、委員長にお尋ねしますが、委員長は今の大臣の御答弁のごとく、大蔵、自治庁両大臣の答弁には食い違いがないと判定せられるか、あるいは私が指摘するごとく食い違いがあると判定せられるか、いがでございますか。
  265. 大矢省三

    ○大矢委員長 お答えします。私が今までここで聞いておった範囲では意見が一致していると思います。
  266. 西村力弥

    ○西村(力)委員 それでは永田政務次官の私に対する約束はいかに果されるか。
  267. 永田亮一

    ○永田政府委員 今川島長官からお話がありましたように建設大臣はお待ちをしておったのでありますが、この委員会の開会がおくれましたので、所用のために外出をされたわけであります。
  268. 西村力弥

    ○西村(力)委員 私たち――私はきのうだけでございますけれども、この地方行政委員会は夜を徹してとまではいかないにしても、健康上の問題を懸念しつつも努力しておる。そういうときに、待っておったのだからということで事が済むという工合にはぼくは参らないと思う。委員会というものはわれわれはみな知っている通り、そう正確に時間通りにはいかない、時間通りやらないのは委員会の責任だ、おれはそれまで持ったのだからおれの責任はもうこれで解消するのだという工合に考えるわけにはお互いにいかないと思う。ことに本日この法案を上げたい、かように政府側は熱望せられ、その応援態勢もかくのごとくりっぱになっておる。今晩確かに上るかもしれぬ。こういうときに今国会の重要法案の一つを上げようとするならば、少しぐらいの所用はやはり犠牲にしてもこの委員会に出席することは当然だ、かように考える。待っておったからあとは帰ってもそれはやむを得ないのだという考え方は、この際通用してもらっては困る、かように私は考える。委員長はいかにお考えであるか。
  269. 大矢省三

    ○大矢委員長 西村委員の仰せの通りと私も考えます。現に開会するということはちゃんと知っておられる。ほんとうに親切があれば私は残っているはずだと思う。従って西村君の言われる通りにきわめて政府に誠意がない、こういうふうに考えます。
  270. 西村力弥

    ○西村(力)委員 しからば委員長、建設大臣をこの委員会に招致するようにお願いしたい。
  271. 大矢省三

    ○大矢委員長 できるだけ御意思に沿うようにいたしたいと思います。今からでも通知をいたします。  それでは先ほど理事会の申し合せもございますので、この際修正案について趣旨弁明を許します。鈴木直人君。
  272. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 ただいま提案いたしました地方財政再建特別措置法案に対する修正案につきまして、その提案の理由及びその内容の概要を簡単に御説明申し上げます。  未曽有の危機に直面いたしておりまする地方財政の窮状を打開するため、すでに生じた赤字のたな上げを行う等の方途を講ずる必要があり、これに関して、何らかの立法措置をとる必要があることは、われわれとしても、もとより異論のないところでございますが、政府が今回提案いたしました地方財政再建促進特別措置法案は、地方財政再建の目的達成に急なるのあまり、地方自治体に対する国の意思が不当に強く干渉を加え、ために、地方自治体の自主性、自発的再建の意欲を妨げ、地方自治の円満なる育成、発展に危ぐの念を抱かしめる点を含み、あるいは赤字発生原因について十分な認識を欠く結果、国の財政の再建措置について十分ならざるものがあることを指摘せざるを得ないのでありまして、とうていわれわれの満足すべきものではなく、地方自治の基盤をつちかいつつ、財政再建の目的を達成するためには、どうしても相当の補強措置を講ずる必要があるのであります。これが、ここに修正案を提案いたしました理由であります。  次に修正案の内容について、その大要を簡単に御説明いたします。  第一は、財政再建計画の樹立に関する事事であります。政府原案におきましては、赤字団体の財政再建計画を自治庁長官が承認する場合に、一方的に変更を加えて承認することができるものとし、また赤字団体で財政再建の申し出を行わないものに対しては、自治庁長官が再建を行う旨の勧告を行うことができるものとしておりますが、かくては、本来地方団体の自由意思に基いて策定せらるべき財政再建計画が、不当に強く国の意思によって左右せられることとなりまして、適当ではありませんので、これらの条項は削除することにいたしました。また赤字団体の長が財政再建計画を樹立する場合においては、あらかじめ委員会等の意見を聞くことといたし、長のみの意思によって再建計画がきめられることのないようにいたしました。  第二は、財政再建計画の実施に関する事項であります。政府原案におきましては、財政再建計画の実行を保証するため、長と各種行政委員会との関係について、各種の特例規定を設けておりますが、その間の調整措置が、余りに長の権限強化におもむき過ぎているきらいがありますので、所要の緩和措置を講じました。  第三は、長と議会との関係であります。政府原案におきましては、財政再建に関する重要案件について、長と議会との意思が対立いたしました場合においては、再議に付し、なお議会側が反対の議決をいたしました場合には、長は当該議決を不信任の議決とみなすことができることにいたしております。この規定は議会に対する長の権限を余りにも強くし過ぎた規定であり、かえって長と議会との間の不和対立を激化せしむる結果となり、財政再建の円滑なる達成を期するゆえんでありませんので、不信任とみなすむねの規定は削除することといたしました。  第四は財政再建債に対する利子補給に関する事項であります。政府案においては、財政再建債のうち利率が年六分五厘を越えるものについて二分を限度として国が利子補給を行うことといたしておりますが、今日の地方財政の赤字原因の中には、国の責に帰すべきものが相当あるのにもかかわらず、この程度の援助のみしか行わないことは、あまりにも与えるところが僅少でありますので、年三分五厘をこえる部分については、年五分を限度として政令に定める基準により利子補給を行うことができることといたしました。  第五は、財政再建団体に対する自治庁長官の監督に関する事項であります。政府原案によれば、財政再建団体について国がある程度の監督権を持つことになっておるのでありますが、政府原案の規定はあまりに厳に過ぎ、行き過ぎであると考えますので、「監督」という字句及び「命ずる」という字句の修正を行うとともに、財政再建団体が国の求めに応じない場合に地方債を許可しないという政府原案の規定を削除いたしました。  第六は、赤字団体に対する地方債の制限に関する事項であります。地方財政に対する現在のような財源措置のもとにおいて、三十年度以降の赤字団体に対し昭和三十二年から地方債を許何しないという政府原案の規定は、地方自治体に対してまことに片手落ちの措置であり、あまりにも酷であります。従ってこの提案の実施は、地方財政の基礎が確立した年度から適用することといたしたのであります。  第七は、二十七年度以前の国の直轄工事の地方分担金の未納した分に関する事項であります。政府が本法実施の裏づけとして準備しております資金はわずかに二百億でありますが、この程度の資金では地方財政再建計画の完遂はきわめて困難であると考えられますので、これを補うために昭和二十七年度分以前の分担金で未納したものについて交付公債による納付を認めることといたした次第であります。  以上が本修正案の内容の大要であります。何とぞ各位の御賛同を得ますようお願い申し上げます。(拍手)
  273. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に国会法第五十七条の三の規定により、本修正案に対して内閣として意見があれば、この際承ることにします。
  274. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 内閣といたしましては、ただいま鈴木さんからお読み上げの修正案には賛成をいたします。
  275. 大矢省三

    ○大矢委員長 それでは本案及び修正案について質疑を許します。  なおただいま建設大臣に連絡をいたしましたが、県人会に出席のためるすだそうであります。連絡がつきません。なお午前中に北山委員から特にこの法案に関係のある地方税法に関して審議の模様、促進方について交渉しろという話がありまして、私は大蔵委員長に会いましていろいろ経過を聞きましたところ、今日までいろいろ審議をしたが、自由党の態度がきまらないためにどうしても今週は決定できない。来週の決定に回るであろう。従って二十五日以降ということを明らかに確かめて参りましたので、その点もあわせて御報告を申し上げておきます。  それでは質疑を許すことにします。門司君。
  276. 門司亮

    ○門司委員 私はこの法案の質疑は追ってすることにしまして、今の委員長の報告に対する自治庁の態度を聞いておきたいと思います。  今委員長から報告がありましたところによりますると、大蔵委員会でガソリン税の問題が来週でなければきまらぬという話でありますけれども、そういたしますと、本委員会にかけられておりまするきわめて重要な法案となっておりまする地方税の問題が、成立が非常に怪しくなるという考えが出てくるわけであります。来週になればもはや来週一週間しかない。本委員会を通って、さらに参議院を通過するという時間的余裕はきわめて窮屈になるんです。これに対して自治庁の長官はどういうふうにお考えになるか。地方税法は今そういう危険にさらされておると思いますが、自治庁の長官としてそれでもよろしいというお考えでございますか。この点を一応承わっておきたいと思います。
  277. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 大蔵委員会に付議せられておりまする揮発油税法の議事につきましては、私といたしましては促進方を与党の幹部を通じてしきりに督促をいたしておるのでありますが、今もって結論が出ないことははなはだ遺憾に思っております。この上ともなお与党の幹部を通じまして至急に取扱いをしてもらうようにするつもりでおります。
  278. 門司亮

    ○門司委員 むろん長官の答えとしてはその程度のことであるかもしれませんが、それでは地方の実態に対しまする国会の態度というものがきわめて不親切である。それならもしあの税法が成立を見なかったという場合における地方の自治体の影響は税収その他においてどのくらいのことになるかということを、あらかじめ自治庁から数字を知らしてもらいたいと考えます。
  279. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私はまだ成立しないとは考えておらぬのでありまして、政府は提案した責任もありますので、極力通過に努力をいたしている最中であります。
  280. 門司亮

    ○門司委員 私は何も通過しないということをはっきり前提として聞いているのではなく、もし通過しなかった場合における地方財政に及ぼす影響が一体どのくらいかということであります。このことは今せっかく再建整備法案が非常に急がれております。しかし再建整備法案を急いで通過させましても、税法がきまらないで地方にそのままほうり出された場合に、地方はどれだけ影響するか。再建整備も必要であろうが、しかし税法はなおこれより大野なんです。この大事な法案が与党の間で一向話がきまらぬというのはおかしいのであります。むしろ本委員会としては、再建整備法案よりも税法を先に通してやって、そうして地方の住民に税の軽減をするものは軽減をする、地方の自治体に対して財政上の処置がつくものは処置をつけてやるということ、長官は御存じになっているかどうかわかりませんが、地方の自治体においては、三十年度の予算を組むのには非常に困っておりますよ。政府の予算の決定が遅れたということ、さらに税法がきまらぬということ、一体地方の自治体は何を目当てに予算を組めばよいのですか。いたずらにと言うのは言い過ぎかもしれませんが、こういう政策的の法案よりも実質的の地方税法の方が大事でなければならない。しかしそれに対して今のような御答弁では私は満足するわけには参りません。われわれが聞かなければならない、また財政処置をぜひしてもらわなければならぬことはたくさんございます。もし巷間伝えられておりますように、揮発油税が去年と同じような額になる場合には、地方財政に必ずしわ寄せがくるにきまっております。しわ冷せがくればこれを財源的処置をするかということも考えられるでございましょう。さらにそれからくる軽油自動車に対する税率の変更も当然に行わなければならないでございましょう。それらの減収は一体何で埋め合せをするか、一方において赤字を何とか埋めてやろうと言っておいて、一方においてはそういう財源的処置に対してはきわめて不親切である、一体こういうことが自治庁の長官として許されるかどうかということです。また政府としてこれが許されるかどうかということであります。もし自治庁の長官は修正案に対しても約一億五千万円のこの財源の要求に対して、いとも簡単に差しつかえございませんという御答弁があったように聞えておりまするが、これも大蔵大臣が承知しておるのかしていないのか、われわれやはり大蔵省の意見というものを聞かなければ――内閣の意見を聞くというか、内閣の意見は財布の元を締めておりまする大蔵省が了承しておるかどうかということであります。こういう問題を私どもといたしましては考えて参りまするときに、今のような長官の御答弁で満足するわけには参りません。重ねてお聞きをいたしまするが、財政上にどれだけの影響があるかということを、この場合にわれわれに聞かしてもらいたい。非常におくれて出してきてここを削ったからこの税率がこれだけになったから税率をこうしてもらいたいとか、ここをこうしてもらいだいとかいうことになれば、やはりわれわれも考えざるを得ない。でありますから重ねてお聞きをいたしまするが、どのくらいの結果におちつくであろうかということが一つと、それから私はこの税法が成立しないとは考えておりません。これは必ず成立はするでございましょう。しかしこうおくれてはもう来週一週間しかないのであるから、万一成立がおくれるというようなことがあると、これはえらいことになる、従って地方財政にどのくらいの影響を及ぼすものであるか、一応数字をはっきり言っておいていただきたいと思います。
  281. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 数字の点は政府委員からお答え申し上げますが、ただいま鈴木さんから御提案になり決した修正案につきましては、大蔵大臣とも相談済みであります。内閣一体としてこの修正案に賛成をいたしておるわけであります。従いましてこれに所要の財源は大蔵省が適当に措置をすることになっております。
  282. 後藤博

    ○後藤政府委員 譲与税は別にいたしまして、地方税の方の計算は私どもはっきりどの程度落ちるかということはまだいたしておりませんが、譲与税の関係では、譲与税が全部落ちるかどうかというのが全部一落ちますと七十三億、修正をされた場合にどういう修正がありますかわかりませんから、これはその修正のいかんによって変ってくるのでわかりません。それに伴って修正の工合によってはやはり自動車税も落ちて参ります。そういうものがありますが、どの程度修正するかによりまして額が変動して参りますので、私ども今の計算ができないのであります。
  283. 門司亮

    ○門司委員 そうすると計算はできないが変動は必ずあるということに解釈しておいて差しつかえないと私は思います。そういたしますと、結局その穴埋めを何でするかということは、われわれが考えるよりもあなたの方でお考えになればよいことであって、必ず補填されることであろうと私は考えておる、ただこの場合にもう一つ聞いておきたいと思いますことは地方財政のこうした国の財政のしわ寄せばここ一、二年これが繰り返されておるのであります。たとえば去年の警察費の問題もその通りでありまするし、さらに入場譲与税についての問題もその通りであります。そうして過般の委員会で聞いておりますと、入場譲与税が平年度化した場合には――本年度の財政の減少に対しましては約二十億くらいだ、こういわれておりましたがこれについての財政処置をしてないという答弁を私は聞いておりますが、これと同じように、去年の財政処置の中で本年度の交付税の中から繰り上げ充当をした分があるわけであります。この二十九年度の財政をまかなうことのために、三十年度に当然配付さるべき交付税の中から繰り上げ充当をしたことがあると私は記憶しておりますが、これに対する本年度の財政処置がしてあるかどうかということ、これははっきりしていますか。
  284. 後藤博

    ○後藤政府委員 おっしゃいますことが実はよくわからないのでございますが、入場税は昨年は三十五億だったと思いますが、足りなかったのであります。足りない分はとりました入場税を全部はき出しまして、なおかつ借入金をいたしまして、その借入金を本年度になりまして本年度の国税の収入の中から払った、こういう格好になっております。従って私の方から申しますと、どこからどういう金を持ってきたかということよりも、財源補てんはちゃんと昨年は約束通りできておりますので、私の方としては文句はないと考えております。本年度の問題はこれからのものでありますから、本年度の分から上げたのではない、国税の会計からあと補てんして借入金を返した、こういうふうに私どもは考えております。
  285. 門司亮

    ○門司委員 私の記憶が違うかどうかわかりませんが、私は確かに本会議においてもそういうことを言ったような気がする。おそらく記録に残っておると思いますが、去年の警察費の問題で四十億ばかり足りなかった、これの財源処置は三十年度に当然交付さるべき交付税の中から財減処置がされておった、こういうふうに記憶いたしておりますが、これは違いますか。
  286. 後藤博

    ○後藤政府委員 昨年の警察費の四十億をあとから追加いたしました。これは国の方からいただいて追加したわけであります。四十億のうち三十億が経常費でありまして、十億が初度調弁的な費用でございます。従って三十億は当然経常的に将来要るものだということでわれわれは要求したのでありますが、その結果ははっきり、その分を財源措置したということになっておりません。
  287. 門司亮

    ○門司委員 私は去年のそうした状態を今お聞きしてみましたが、いずれにいたしましても政府の都合で財源処置が十分でないということは言えるのであります。そういう事態が繰り返されておりまするときに、今の政府の御答弁では、まだどうなるかわからぬが、必ず成立するものであると言う。われわれも成立しなければならないと考えております。しかし万一去年のような轍を踏むようなことがあれば、これは地方財政がどうなるかわからぬのである。今も後藤君から言われておりますように、財政処置はされたのかされないのか、今の説明を聞いてもわからないのであります。どこからやったのか、国からやったのか、そんなあいまいなことで、一体自治庁の財政部長としていいのですか。国がやったんだから、どこから持ってきてやろうといいんだ、金さえ持ってきてそれをやってもらえばいいんだ、そういうあいまいなことで済みますか。われわれはそういうだらしのないことをしておったら、年百年中地方財政が中央の財政の犠牲になっておるということであります。今でもそうなんでしょう。道路税一つを見てみても、結局地方財政にしわ寄せがされるのです。今建設大臣がそこにお見えになっておりますが、建設省の方はなかなか強いことを言って、去年通りよこせと言ってがんばっておるがどうにもならぬのである。これは結局泣くのは地方財政でしょう。われわれは、約五千に余っておりまする都道府県、市町村、この公共団体の財政をまかなうといいますか、見ておりまする自治庁がそういう不見識なことでいいか悪いかということである。不見識という言葉は旨い過ぎるかもしれません。従ってもう一言聞いておきたいと思いますことは、自治庁は少くとも、道路税がどうなるかわからぬ、いずれにしても責任を持って地方の財政にしわ寄せにならないように処置をするということを、ここで一つはっきり言っておいていただきたいと思います。
  288. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 揮発油税は大蔵委員会で審議中でありまして、結論がまだ出ないことは先ほど御答弁申し上げた通りであります。私どもといたしましては、政府の原案を通してもらうことを希望いたしまして、努力をいたしておるのであります。修正等によりまして地方財政にしわ寄せのこないことを希望して、ただいまいろいろ奔走をいたしておるのでありまして、今日の段階はそういうわけなのであります。
  289. 門司亮

    ○門司委員 私は情勢を聞いておるのではなくして、そういうきわめてデリケートな情勢にまだあると思う。また自治庁の長官としては希望を捨てられていないと言う。また捨てられては大へんだと思う。しかし先ほどからいろいろ論議をしておりますように、前途はきわめて楽観しがたい状態になっておる。従って去年の状態を見てみましても、たとえば警察費は、ああいう形になれば必ず財政不足を来たすんだということを、われわれ委員会でしばしば繰り返しておった。ところが政府の方では、そういうことはないのだ。やった結果が四十億か五十億どうしても足りなくなって、一般会計から繰り入れたという事例があるでしょう。また入場譲与税についても、これを国税に持っていって税率を半分に下げれば必ず財政欠陥ができるのだと、どんなにわれわれが口をすっぱくして注意しても、政府が依然としてこの通りやった結果が今日の状態になっておる。平年化して八十何億ということがはっきり言われるのでしょう。いわゆる政府の施策に基いてそういうことにしわを寄せられるのは全部地方の自治体であります。従って今回の場合も、もし揮発油税が――率がどうなるかわからぬが、万一これらの変更があった場合は、先ほど後藤君から説明のあったように、地方財政に相当の補てんをしなければならない点が出て参ります。これをそのままわれわれが見のがすわけに参りません。従って今お答えを願いたいと思いますことは、そういう最悪の事態が到来しても、地方財政に対しては財源確保は必ずするということの御答弁をこの際大臣に要求をいたすわけであります。そういう御答弁ができるかできないかということを、あらためてもう一応お答え願いたい。
  290. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 大蔵委員会で審議が進まぬ原因の一つは、建設大臣にいたしましても私にいたしましても、原案を強く主張している点にあるのでありまして、不幸にして修正されるというような場合が起りましたならば、補てん財源については大蔵大臣とよく相談をいたしまして、地方の財政にしわ寄せがこないようにいたしたい、こういう考えを持って努力をいたします。
  291. 大矢省三

    ○大矢委員長 ただいま竹山建設大臣が出席されておりますので、それでは本案及び修正案に対して質疑を許します。質疑がないですか。
  292. 川村継義

    ○川村(継)委員 議事進行について少し疑義があるのでお尋ねしたいと思います。今鈴木さんから修正案が提案されてその説明を受けたわけですが、委員長はこの修正案について質疑応答、こう言われておるようでございますが、私はまだ原案についての質疑が残っておったんじゃないかと思う。それはもう済んだとして修正案の質疑に入られたのか。私は原案についての質疑を終られてからこの修正案の質疑を進めて下さるものだと思っておった。京たただいまこの修正案についてはわれわれが大へん心配しておったような方向がとれたような喜ばしいと感じられるような御説明を聞いたわけであります。しかしそれにしても、やはり一応今晩あたりは、原案と修正案とをじっくり見合せをいたしまして、修正案に対する質疑は、明日午前中なら午前中、こういうように取り計らっていただけるものと思っておったのですが、理事会等のお取り計らいとか、今晩の進行状況について少しはっきりさせていただきたい、こう思うのです。
  293. 大矢省三

    ○大矢委員長 先ほど劈頭十二条以下に対する質疑を行うことを宣言したのであります。さらにその次に理事会の申し合せによりまして、修正案に対する御処置の説明がありまして、この説明に対して、これは予算を伴いますので、内閣の意見を国会法に基いて聞いたのであります。それに対する内閣の意思表示に対して、門司亮君から質疑が今続行されて、これで終ったからして、本格的ないわゆる本案に対し、またはそれと同時に修正案の質疑を行う。これは先ほどの理事会で申し合せをしたので、残余の分と修正と一括して質疑を続行する。そうしてできれば今晩終りたいというのが理事会の意向であります。あらかじめ御承知のほどをお願いいたします。では質疑を許します。西村君。
  294. 西村力弥

    ○西村(力)委員 竹山建設大臣にわざわざ御苦労願いましたので、一点だけお尋ねしたいのでございますが、この財政再建促進特別措置法の制定に当って、自治庁側と折衝された経過、その結論、その内容を建設大臣としての所管事項に関する打ち合せの事項についてお伺いをいたしたいと思うのです。
  295. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 本案につきましては、長い間事務当局の間でずいぶんいろいろ検討を重ねました結果、完全に意見が一致して、建設省としてもこの法案に賛成をして提案をされた次第であります。
  296. 西村力弥

    ○西村(力)委員 関係する条項がたくさんございますが、第七条に、この財政再建団体に負担金を課して国が直轄で行う事業は、その事業の実施に着手する前に、その事業の経費総額あるいは財政再建団体の負担額を自治庁長官に通知しなければならないという一つの義務が付せられている。この点はどういう工合に了解になっておられるか、お尋ねしたい。
  297. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 これも当然のことと考えて、これはいたさなければならぬものと考えております。
  298. 西村力弥

    ○西村(力)委員 通知をしてそれだけ万事オーケー、こういう工合に了解しているかどうか。
  299. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 御質問の趣旨がよく理解されませんけれども、これはこの法案の目的を達するために協力をするという立場から当然いたさなければならぬものと考えております。
  300. 西村力弥

    ○西村(力)委員 通知をいたさなければならぬというここに一つの規定づけがありますので、やらなければならぬでしょうが、通知をすればそれで済むのだ、こういう工合に話し合いが了解ついているかどうか、こういうことなんです。
  301. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 通知をいたしました責任上、そのことの結果がよくなりますように協力するのは当然だと心得ております。
  302. 西村力弥

    ○西村(力)委員 通知をして、そのことに対して自治庁側から再度のその通知に基く相談にあずかることもあり得る。そういうときには相談に応じてその事業そのものの計画の変更なりあるいは地方の財政再建団体に対する負担額を減額したり、そういうような工合に相談する場合もあるのだ、こういう工合に話を進めているのだということでありますか。
  303. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 当然さように心得ております。
  304. 西村力弥

    ○西村(力)委員 もう一つは、国の負担金等を伴う事業に対する特例といたしまして、財政再建団体に負担金を課して直轄で行う事業で政令で定めるものについては、その経費の負担の割合について特別の定めをすることができる、こういうことになっておりますが、この点はどういう工合に話し合いをつけられますか。
  305. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 これはいろいろ種類もあることでありますから、この法案の趣旨に合いますように、できるだけ自治庁、大蔵当局と協議の上で具体的な処置を講じて参りたいと考えております。
  306. 大矢省三

    ○大矢委員長 北山君。
  307. 北山愛郎

    ○北山委員 建設大臣にお伺いしますが、実はこの法案の第三条第二項というところに、再建計画をきめます場合に、その計画の中に補助金、負担金等を伴うような事業、これに関係する事業官庁に対して自治庁長官から協議をするという規定がございます。そこで自治庁長官に対して一体どういう範囲のこと、どういう程度のことを再建計画の中に記載、提出をさせるのであるか、こう聞いたところが、自治庁では、これはこまかく、一々の補助金、負担金もいろいろ種類がございますから、そのこまかい内容についてはこの八年間の再建計画には記載をしない。公共事業費なら公共事業費一本というふうに書くのだというような御答弁でございます。そういたしますと、結局その内訳が道路が幾らであるか、あるいは建設省関係が幾らか、農林省関係が幾らかという内訳が同じ公共事業費でもわからぬわけでありますから、従って再建計画が赤字団体から出て参ったときに、自治庁長官は、この規定はございましても、実際問題として建設大臣に協議をするという事態が起らない、そういうふうな答弁をせられました。そして特別に再建計画の中に記載されるところのおもな大きな事業、そういう特に計画の中に記載されておる事項についてはこれは当然関係事業官庁に協議をするが、それ以外のことはあまり協議をする事態は起らない、こういうふうな解釈を自治庁長官はなさっておるわけです。そこでそのように建設大臣もこの規定は運用されるものと了解しておられるかどうか、これを明らかにしていただきたいのであります。
  308. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 主管大臣の考えに沿ってわれわれは協力をいたすつもりであります。
  309. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますと、ただいま私の言葉が足らなかったかもしれませんけれども、申し上げたように、再建計画の中には事こまかい補助金、負担金の種類別とかそういうことを詳しくは記載されない。従ってまず大規模な事業等以外は通常の場合この再建計画の決定については建設大臣に協議をしなくてもよろしいものと建設大臣は了解しておる、こういうふうに了承してよろしゅうございますか、重ねてお伺いします。
  310. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 先ほど申しましたように、主管大臣の考えに沿って協力をいたしていけば、本案の目的を達するものと考えております。
  311. 北山愛郎

    ○北山委員 ただしかし問題は、その八年間のその団体の大体の方針を規定する再建計画というのは、今後毎年予算を組む場合にその団体の長は、その再建計画によって予算を組むわけであります。従ってその面においてやはり関係事業官庁としては、相当な関心を持たざるを得ないのではないかと思うのですが、そういう場合が起りましても、大臣としてはやはりそれで差しつかえない、こういうふうにお考えでございますか。
  312. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 関心は十分持っておりますが、目的は主管大臣がよく握っておられると思いますから、それに協力をすれば十分であると考えております。
  313. 西村力弥

    ○西村(力)委員 第十七条の問題を先ほどお聞きしましたが、大蔵省と自治庁側と十分協議するということでありましたが、河川ですと大体どれくらいまで考えられる、あるいは道路ですとどの程度まで考えられる、こういうような一つの腹づもりは大臣としてございませんですか。それが全然ないということはないだろうと思うのです。現在は直轄河川ですと三分の二国庫負担、三分の一は地方団体に負担させるということになっておるが、再建団体に三分の一負担させたのではちょっと気の毒だから、これに限って四分の三とか何とかそこら辺までは考えられるとか、そういう腹づもりはないかどうか。それをお聞かせ願いたい。
  314. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 この点は、再建計画の内容にもよりましょうし、程度にもよりましょうし、また一方大蔵省の財政的な見地もありましょうし、私の今年度予算編成の際とりました態度といたしまして、少しでも地方の財政負担を減らしたいということを現に実行いたしておる私の考えからいたしまして、最大限度に努力をするということで、今一々それを何割何割というようなことはきめるべきでもなかろうし、また具体案も立たないのに申し上げるのはいかがかと存じますから、御意見の通り最善の努力をいたすということで御理解をいただきたい。
  315. 西村力弥

    ○西村(力)委員 この点は先ほどもだいぶ論議になったのでございますが、やはり建設大臣もその腹づもりがないということになれば、相当公共事業の負担も軽くして、これこれの程度軽減されて仕事がやれるのだ、こういうめどが立たないということに相なるわけなんでございまして、この点まことに残念といわざるを得ないわけでございます。しからば、公共土木事業の災害復旧の国庫負担をこの間修正したわけなんでございますが、この再建団体に限ってやはり特別の定めをして軽減する、こういう工合に考えられないかどうか、この点も考えていらっしゃるかどうか、お聞かせ願いたい。
  316. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 この法案の趣旨によって今御指摘のような負担法その他にどう影響するかということでありますが、あの負担法にその特例をあげるべき筋合いのものでもなかろうと考えておりますから、前段にお答えをいたしましたような趣旨において運営をいたすべきだと心得ております。
  317. 西村力弥

    ○西村(力)委員 しかし、この再建団体は、年々災害をこうむった財政事情とほとんど同じなんです。あるいは年年災害をこうむっているようなところが再建団体としてやむを得ず身売りをしなければならない、こういうような状態に相なるだろうと思うのです。この点は十分考慮すべきものと思うので、なお一段と下げるめどをこの際考えてもらいたいと思うわけでございます。この点、今どうこうということは言えない。かようなことでございますが、しかし全然そういうめどを持たないで話し合いをつけたというようなことは意思の統一だと考えるわけに参らない、かように思うのです。建設大臣として、この程度まではできるのだという、程度の腹づもりをぜひ聞かしてもらいたいのですが、それは不可能でございますかどうか。せっかくおいで願ったのに、どうもなごやかな御答弁というか、腹を割った御答弁はなかなか聞けない状態でありますし、またそばには後藤財政部長がおって、こっちの答弁と食い違わないようにいろいろやっておるようでございますが、とにかく大臣としては、建設行政をあずかる立場から、この条項についてはある程度御自分としての腹づもりを持っていなければならない、持っているはずだと私は思うのです。これはこうするというのでなくて、考えている程度でよろしゅうございます、その考えが折衝によって変更されることも了承するのでありますが、大体のお考えをお話願えれば幸甚と思っております。
  318. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 私は、別に自治庁の意見に牽制をせられて申しているつもりはありません。建設大臣の責任において申しております。今御指摘の、今回改正の負担法は西村委員にも御審議をいただいているので御承知のことと思って申し上げませんが、われわれとしては許し得る最大限度に国庫負担の範囲を拡大いたしたわけであります。従って今回のこの問題につきましても、全額国庫負担ということになれば、この法律ではどうにもしようがないわけであります。従って、全額国庫負担の範囲をあの法律よりもなおどれだけ広げるかというようなことにつきましては、先般申し上げましたように、できるだけその趣旨に沿うように、個々の具体的な件について大部分の連年災害は全額国庫負担になるからこの法律の必要はないわけであります。そういう意味で、率をどうこうと御要求でありますけれども、率よりもむしろどの件はどこまで広げていくかという問題であります。従って、自治庁で再建計画をお立ていただかなければ、どこまで範囲を広げるということは、抽象的に申し上げられないことは十分西村委員も御承知だと思うわけで、私は決して熱意がないわけでもなければ、このような点について努力をしないということは毛頭ありませんから、どうかこの点御了承をいただきたいと思います。
  319. 西村力弥

    ○西村(力)委員 全額国庫負担になる範囲が相当広がった、一歩前進せられたことに対して私たちは喜んで、不満な点はあるけれども修正というようなこともせず全会一致で通したのでございます。その点は私も知っておる。しかしまだ全額国庫負担でないところもある。だからその点に対してなお一段と拡充というか、前進せしめることができないかどうか、こういう考え方を言うたのでございます。これは幾ら申してもこの際御答弁が得られないとするならば、私といたしましてはこれ以上の御質問をやめにしておきたいと思います。
  320. 北山愛郎

    ○北山委員 建設大臣から先ほど主管大臣に対するまことにうるわしき協力の言葉があってけっこうだと思うのですが、しかしそのような趣旨で全面的に自治庁長官にこの再建計画というもののやり方をまかせるということになりますと、先ほどお話し申し上げましたように、自治庁としてはこの再建計画は大ざっぱなものである。ですから事こまかに補助金、負担金の関係などは記載しなくてもよろしい、非常に大ざっぱなものであるというようなことで、この再建計画というものを考えておられる。従ってその主管大臣の考え方に建設大臣が御協力になるということになれば、建設省に関する限りにおいては、この三条の第二項というものはほとんど無意味なる規定になってしまいはしないかと私は思うのですが、自治庁長官並びに建設大臣から、そうでなければそうでないというような理由をお示しを願いたい。
  321. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 大きな総合開発計画などは、当然長期の再建計画に載ってくるわけであります。たとえば愛知用水の問題でも、かりに愛知県が赤字団体であるとすれば、当然これを載っけなければ計画が立たないのでありますから、そういう場合を考えますと、やはりこの条文があった方がよろしいのだ、かように思うわけであります。今から七年も八年も先の公共事業、補助事業のことを考えることはとうていできないのでありますから、大きなワクだけきめておきまして、あとは単年度ごとに主管の各省と話し合いをやっていけばそれでよろしいのでありますから、再建計画を作る場合には、大体は各主管省と話し合う場合はないのではないかと思います。しかし総合開発のような長期にわたる大規模の仕事がもしありといたしますれば、これは当然主管省と協議をする必要がありますので、こういう条文を置いたわけであります。
  322. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 先ほど申し上げたような趣旨でありますから、条文の趣旨は、自治庁で十分にしっかりした再建計画を立てられるということが前提だと思いますから、個々の問題について協議の必要がなければなおけっこうなことだと私は考えております。
  323. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、要するに自治庁長官のただいまお話になったような再建計画の解釈に建設大臣は同意をされおる。これは単に自治庁長官と建設大臣だけの関係ではない。この再建計画を提出する各当該の地方公共団体がいかなる再建計画を作らなければならぬということに関係をいたすわけであります。従って、ただいま自治庁長官並びに建設大臣の御答弁のようでありますれば、おそらくこの補助負担金等について内容のわからないような再建計画は、しかも、地方団体が自主的に大ざっぱに出しても差しつかえないというような規定になりまして、およそ第三条の二項というものは意味のない規定になるかと思うのでございますが、自治庁長官は、それでもけっこうだ、それでも第三条第二項は意味があるのだというようにお考えでありますか、重ねてお伺いしたい。
  324. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 長期にわたる計画を立てるわけでありまして、あらかじめあとの年度の公共事業等を具体的に計画を立てるわけにはいかないのでありますから、大体自分の県では公共事業としてこの程度の金額を希望するのだ、単独事業としてはこの程度をやりたいのだという希望を盛った長期再建計画であります。従って、主管大臣と相談をする事柄はきわめてまれな場合と考えたのでありますが、まれな場合でも、あれば相談することでありますから、一応こういう条文を作っておいた次第であります。
  325. 北山愛郎

    ○北山委員 くどいようでありますが、自治庁長官は先ほど一つの例として総合開発計画のごときもの、こうおっしゃったのです。ところが総合開発と申しましても、非常に範囲が広いのでございます。どの辺まで総合開発計画の事業であるか、それは国の予算あるいは国土総合開発の法律、その内容によっていろいろ考え方が違うのではないかと思いますが、どの範囲でお考えになっておりますか。
  326. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 具体的な問題にぶつかりませんとお答えはできにくいのでありますが、一例にしました愛知用水のごとき問題は、長年にわたる計画でありまして、しかも地方の負担が完成後二、三年先から出てくるのでありまして、そういうものは当然計画に載っけるわけでありますから、こういう事柄につきましては、建設大臣並びに農林大臣、通産大臣等と協議をする必要がある、かように考えておるわけであります。
  327. 北山愛郎

    ○北山委員 この点についてはそれ以上深く立ち入りません。要するにただいまお答えをいただいた範囲では、総合開発のような大きなものを除く以外には、公共事業ならば公共事業、単独事業ならば単独事業一本で再建計画は提出して、地方公共団体、赤字団体としてはそれで差しつかえない、こういうふうに自治庁長官並びに建設大臣は了解していると解釈いたします。あとであまりこまかいことを言われては困るわけであります。いやそういう話じゃなかった、計画にはこういうことを書け、ああいうことを書けということを将来は言わないようにしていただきたい、それが問題なわけであります。  そこでなお次の点に移りますが、これは建設省に関係がございますのでこの際伺っておきますが、本法案の第二十四条には「地方公共団体は、当分の間、国に対し、寄附金、法律又は政令の規定に基かない負担金その他これらに類するものを支出してはならない。」と書いてあるわけでありますが、建設省関係として問題になると思われまするのは、建設省の事業、道路その他河川の事業等につきまして、敷地補償等が十分でないために地元の市町村がこれを負担する場合があるわけであります。そういう場合はやはりこの規定に該当すると考えられますので、この再建促進法ができましたからにはそのような地元市町村の補償はさせない、こういうふうに解釈できると思うのでございますが、いかがですか。
  328. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 個々の具体的な問題につきまして一々お答えもできませんが、この法律の趣旨に沿うように建設省の仕事も進めて参るつもりであります。
  329. 北山愛郎

    ○北山委員 私は個々の具体的な場合をお聞きしようとは思いません。一般的な場合をお伺いしているわけであります。現在でも事実上あちこちにあると思いますが、やはり建設省の事業にしても、補償費等が十分出ないために地元の市町村がその一部を負担している場合が相当多いのであります。ことに災害復旧に多いのであります。災害復旧には敷地補償の金がない、予算がないというので、その大部分は地元市町村が出すか、あるいは出さないでただその当該住民の負担になっている場合がうんとある。ここでは公共団体ですから市町村でありますが、そういう場合がこの二十四条第二項に該当するかどうか、こういうことだけを伺いたいのです。該当するとするならば、そういう場合のいわゆる法令に基かない寄付金、負担金は地方公共団体としては出してはならないというふうに解されるわけでありますが、それで解釈上差しつかえないかどうか。これは自治庁と建設大臣からお聞きしておきたい。
  330. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 これは主管大臣の方でおきめを願いたいと考えております。
  331. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 はなはだ申しわけありませんが、もう一ぺん簡単に……。
  332. 北山愛郎

    ○北山委員 この二十四条第二項というやつは、これは例の寄付金の規定であります。国に対する地方団体の寄付です。こういう規定は今でも地方財政法の中にもちょっとあるのですけれども、これは「国に対し、寄付金、法律又は政令の規定に基かない負担金その他これらに類するものを支出してはならない。」と書いてある。そこでただいまお話し申し上げたような、よく国あるいは府県等の工事の場合には、ほんとうは道路、敷地の補償だとか、そういうものを十分に出すのが建前でありますが、これが足りないために、地元市町村がその一部負担をするというような話がある、これは法令にも何も上っておらない。そういうものを出してはならぬようなことになるのでございますが、これで差しつかえないかどうか。そういう場合が、この二十四条の二項に含まれるかどうか、含まれるように私は思います。
  333. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 現在の地方財政の現状にかんがみまして、当分の間は地方の負担を軽くするために、国の仕事は全部国で負担して参る、こういう建前であります。
  334. 北山愛郎

    ○北山委員 それならば問題はもう一つある。全部負担させるというのですが、私の聞いておるのは、そういう場合は二十四条二項に当てはまるかどうかをお聞きしておる。   〔委員長退席、加賀田委員長代理着席〕
  335. 後藤博

    ○後藤政府委員 北山さんのお話は、土地を無償で提供するとかなんとかいう形で出す場合だと思います。そういう場合も含まれておるものだと解釈しております。
  336. 北山愛郎

    ○北山委員 そういたしますと、この法案が通りますと、この二十四条の二項によりまして、国はもちろんですが、工事等について地元の市町村はその経費の一部を法令に基かないで負担してはならない、こういうことに相なるわけでありますね。そういたしますと、なぜ一体今まで地元市町村がそういう負担を出すかといいますと、やはり補償費が足りないからで、十分に国が出しておるならば、これはそんな必要はないわけであります。従ってこういうように地方公共団体がそういうことをしてはならないと規定する以上は、今までのような中途半端なといいますか、実態に合わないような補償費ではこれは実行ができないことになります。工事ができないような結果になるわけですが、建設大臣としては、これに対してどのようにお考えでありますか。
  337. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 政令で定めることになっておりますから、その場合その場合に承認を求めてやるのか、あるいはそれはやらせるべきでないというならば承認をしないか、そういう二つの場合があろうと思いますから、主管大臣の指図に従って処置をしようと考えております。
  338. 北山愛郎

    ○北山委員 これに関連しまして、これは建設大臣は直接の問題ではない、府県の問題でありますが、府県などにはそういう例が非常に多いわけです。府県の県道の新設等については敷地の補償は出しておりません。地元の市町村が出すのです。ところが地元の市町村も出さないで、みんなかかった住民が黙って泣き寝入りになっておるのです。そういうことになっておるのですが、そうしますと、もしもそういう府県道等の場合に、今のように同じような補償を市町村がやるというときには、先ほど委員会で問題になった、この二十三条第二項の方にひっかかる、こういうふうに考えてよろしいのでありますか。
  339. 後藤博

    ○後藤政府委員 御説のような場合は二十三条の二項の方の問題になって参ります。
  340. 北山愛郎

    ○北山委員 大体私が建設大臣にお伺いする問題はこれで終りました。
  341. 加賀田進

    ○加賀田委員長代理 建設大臣は用務の途中でお見えになったので、質問がなければ、建設大臣に対してはこれで終りたいと思いますが……。
  342. 中井徳次郎

    ○中井委員 私一点だけお伺いしたいと思います。先ほどからの御答弁では非常に積極的に自治庁に御協力ということでけっこうでありますけれども、私ども心配いたしておりますのは、地方の財政難は相当深刻であります。そこで一応七カ年の再建計画というものを立てますと、これが実施は非常に窮屈になるわけです。そうなりますと建設省の方でせっかくたとえば道路なら道路について大きな予算をおとりになっても、その県へ行くとおれの方は地元負担はできない、従ってその工事はもうできない。これまでは窮屈でありましたけれども、せっかく国から予算がついてくるんだから、借金でもして仕事をしておこうじゃないかというのが今後できなくなります。そういうときにはまあ御相談するということでございましょうけれども、相談するで通るならばもうこの法案は必要ないのであります。私が心配いたしますのは、峻厳にこの法案をやりますと、日本全、体の総合的なもの、たとえば道路行政あるいは河川の行政というものについて非常にでこぼこができやしないかということを私はおそれる。たとえば利根川の開発一つにしましても、富裕な県はどんどん進み、そうでないところはいけない。それが将来大きな災害のもとになる。道路一つにいたしましても、国道何号線何号線というふうなもの、あるいは重要府県道等につきまして、ある県まで行くとがたっと落ちるということで交通政策はどうも円満にいかないというふうな事態が私は相当起きるのではないかと考えております。そういうことはさせぬ程度の計画を立てさせるんだという御答弁があるかと思いますが、なかなかどうして現在の地方財政の状況では財源はないので、ただもう借金を認めるというふうな程度のこの法案では、あなたが上手におっしゃるような自治庁との協調は、現実の問題としてどうでありましょうか、私はここ二、三年たったら非常に大きな問題が起ってくるのではないか、かように考えます。従ってこれについてはそのかわり財源として建設省自体でもって補助率を二つ変えていこう、おれの方で直轄余部やろう、これは話はできますが、現実にそれをやりますと、府県によって補助率が変ってくるというふうなことになりまして、これはまた大へん大きな問題になってくると思うのでありますが、そういう点について建設大臣としてどういうふうに考えておられるか、この点だけを私はお尋ねをいたします。
  343. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 ごもっともでありまして、私はこの自治庁の法案の御提出がなくとも今の御趣旨は十分考えまして、三十年度の予算におきまして、例をお引きになりましたから私は道路について申し上げますと、現に今まで直轄分担金は地方の負担にお願いをいたしておりました。それを今度は臨時措置法を改正して、直轄の分担金は全部ガソリン税で負担をすることにいたしました。従って国道については一文も地方の負担をさしあたり要求はいたしません。なお府県道その他の問題につきましても補助率を全部上げまして、今まで三分の二のものは四分の三、二分の一のものは三分の二にいたしました。このために地方の道路についてだけでも地方負担は約六十億軽減をいたしております。このことは道路行政をあずかる私としては、それだけ道路の延長が縮まるわけでありますから、非常に私としても、また事務当局ば猛烈に反対をいたしました。しかし私はあえて大蔵当局を説得をして、この地方道路の問題について六十億の負担を軽減をいたしたということは、今あなたの御指摘の趣旨に沿うて積極的にやったつもりであります。また住宅政策につきましても、いわゆる公営住宅について小さくしたとか数がふえないとか、社会党方面からずいぶん痛烈な御批判をいただきましたけれども、私はあの二分の一の地方負担を原則とするところの公営住宅はもう五万戸以上ふやすということは、今の地方財政からは不可能であると考える。そのためにあの公営住宅は小さくしたと御批判はありましたけれども、われわれは現状において最低の家賃の住宅を五万戸作るという建前のもとに、公営住宅の政策をやりました。一番金のかかる四階建アパートは公団で、地方負担は一割という制度に切りかえましたのも今御指摘の趣旨に沿わんがためであります。ただ、今日残された問題は、河川行政についてはそこまでまだ大蔵当局が河川について財源を十分に提供しませんから、この負担率を急に上げるというところまでいたしますと、実際問題として川の改修ができませんから、私としては心残りであります。今日のところは三十年度予算においてこの段階でありますが、これでいいとは思っておりません。思ってはおりませんが、そういう趣旨で今年度の予算も計上いたしたのでありますから、通路に関する限りは少くも今御指摘のような御心配は大部分解消をいたしておると実は考えております。
  344. 中井徳次郎

    ○中井委員 今の大臣のお話で大体趣旨はわかりましたが、しかし日本の道路の現状は五十億や六十億の命ではとても解決するようなものではございませんが、これで十分満足だとは考えておらぬというお話でありまするから、その点を私は了承いたしておきます。
  345. 竹山祐太郎

    ○竹山国務大臣 五十億というお話でありますが、負担を軽減したのは、道路については従来約百億程度の地方の起債でありますから、そのうちで六十億の負担軽減は私は思い切ってやったつもりであります。なお欲をいえばきりはないとおっしゃいますけれども、国道についていえば一応全額政府の負担でやる、これ以上見ようはありません。私どもとしては最大限度のものと考えております。
  346. 加賀田進

    ○加賀田委員長代理 井手以誠君。
  347. 井手以誠

    ○井手委員 自治庁に具体的な問題で二、三お伺いいたしたいと思います。私は例をとって申し上げた方がわかりいいと思いますが、佐賀県のごとく九億そこそこの税収入を持っておるところが、大体同額以上の赤字をかかえておる。この赤字団体をどうして再建するかということです。原案によりますると、七カ年間に償還しなければならぬようでございまするが、一カ年間に四億の赤字が出ておる。その四億の赤字はその分だけ減らさなくてばならぬわけであります。従来の事業から四億削らなくてはならぬ。その上に九億の赤字を七カ年間に償還するといたしますと、一億以上償還しなくちゃならぬ。それを加えたもので財政計画を立てなければならぬということにいたしますれば、二、三千人の首を切らなくちゃならぬということになる。もし首を切らないということになりますれば、単独事業は全然できないということになります。災害復旧の単独事業を若干やりましても、あとはもう全然できないという結果になります。また公債償還は、年々既往の公債については償還はだんだんふえて参ります。そのことを考えますると、現在の予算よりも数億節減しなければならぬ。その節減が、三千人も首を切ったりあるいは単独事業が全然できなくなるという例が多分に出て参るのであります。おそらくこのことは佐賀県ばかりではなくて、よその県でも出て参るでありましょう。そういう団体をどうして再建なさる見込みがおありになるのか、その点を財政部長からでけっこうでございますから、御答弁をいただきたいと思います。
  348. 後藤博

    ○後藤政府委員 具体的な県のお話でありますが、私どもとしても佐賀県のような県でありますと、おそらく本年計画を立てましょうが、立てました場合には本年と来年くらいは、最小限度二年くらいは単年度で黒字を出すのはむずかしいのじゃないか。従って今年、明年の二年くらいに財政構造をどう直していくか、将来、さ来年くらいから少しずつ黒字を出して――八カ年の計画を立てまして、あとの五年くらいの間に黒字を出して赤字を解決していく、こういう案にならざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えております。具体的にどうすることになるかということは、私も予算をよく見て、財政構造をよく調べてみなければわかりませんが、私どもとしては、すぐに今の赤字を消すような、数億の余剰を残すようなことを考えますと、おっしゃるようなことになると思います。しかしそういうことは口で申しましてもなかなか不可能ではないか。従って本、明年、三年ぐらいになるかもしれませんが、少くとも本、明年は財政規模の改変をはかっていく、財政構造を変えていく、こういう努力をすべきではないか。従って収支の点から申しますと、本、明年は黒字は望み得ないのではないか。収支とんとんが関の山ではないか。本年は多少赤字になるかもしれない、こういうふうに私どもは考えておるのであります。
  349. 井手以誠

    ○井手委員 私は口で努力してもらいたいというほど簡単ではない問題である、さように考えております。財政部長もお話になりますように、一年、二年はだめだ、その分は赤字が加わっていく。ただいま申しましたように、現在でも昨年は四億赤字を出しておる。従って赤字を出さないようにするためにば四億節減しなくてはならない。さらに赤字償還を一億以上やらなくてはならぬ。一方公債償還はだんだんふえて参ります。既応の公債についてはふえて参ります。それらを考えて参りますと、五億以上の節減をしなくてはやれないのであります。その五億以上節減するためには、ただいま申しましたように三千人首を切らなくちゃならぬ。あるいは首を切らないとするならば、災害復旧をも含めた単独事業が全然できないということになります。私はこれは佐賀県だけではないと思うのであります。それに似たような県はあると思う。そういうひどい赤字団体が果してこの再建整備法案において救えるかということです。ただ努力をしてもらうとか勧告するとかあるいはどうするとかいう問題ではないのです。再建のことに関係した人々は、この再建案ではとても承認できないということをみんな知っておる。どうして再建できるのか一つ具体的にお教え願いたいと思う。私は例を佐賀県にとりましたけれども、こういう団体は大なり小なりあると思う。それほど何千人が犠牲を払わなくちゃならないこの再建案、単独事業がほとんどできないという再建案、それほどまで犠牲を払わなければならないのかどうか。それほどまで犠牲を払わなくては赤字団体に指定されないというのか。その問題、そういうそれほど深刻な問題をどのようにお考えになっているか、私は具体的に御答弁が願いたいのであります。ただ努力してもらうとか三年先にはとんとんになるとかそういうことではないのであります。そんなに苦しい団体はしようがない、三千人でも切ってしまえ、おそらくそんな無慈悲なことはおっしゃらぬでございましょう。単独事業はやめてしまえ、そういうことはおっしゃらぬでございましょう。どのようにしてそれじゃ救っていただけますか。
  350. 後藤博

    ○後藤政府委員 昨年の秋だったと思いますが佐賀県から、五、六年、七年くらいの計画じゃなかったかと思いますが、確かに一応県で再建計画を作って持ってきたことがあるのであります。その計画では、大体二十八年度末の赤字を消していく。そのときは御承知の通り、四億という本年の赤字がありませんでした。従って大体それで消していけるという計画であったのであります。その後いろいろな事情で昨年度は非常に大きな赤字が出たのであります。これは考え方の問題でありますが、あれほど赤字を大きく出さなくてもやれたのじゃないか。これは非常に私ども消費的経費、投資的経費双方にわたって、あとのことでありますがいろいろ申し上げたのであります。しかしできたことはしようがない。昨年の計画を基礎にしてさらにもう一度再建計画を作り直して、そうしてそれを八カ年ぐらいの計画に直して持ってきてもらうということになるのでありまして、私どもは人を何人切れとかどの事業を減らせとかいうことは、再建計画の策定の際には言わないつもりでございます。しかし、こまかい話は別にいたしまして、私の見込みではやはり二年か三年ぐらいはなかなか黒字に転化しない。相当先において黒字を出していくような計画になりはしないか。その間は財政構造の改変に努力をするということになりはしないかというのは、そういう意味で申し上げたのであります。本年度の予算がどういうふうになっておるか、私もよく存じません。従ってもしも再建計画を立てるといたしますれば、どういう事情にあるかをこまかく聞きまして、私ども意見を求められればいろいろ言おう、かように考えておりまして、ちょっとここで具体的にどういう方法でと言われましても、私は最近の予算の――特に補正予算があったはずでありますから、その補正予算後の状況というのは全然わかっておりませんので、申し上げかねるのであります。
  351. 井手以誠

    ○井手委員 重ねてお尋ね申し上げますけれども、三十年度に多くの赤字が出るであろうことは、私どもは今日予想しておるのでありますが、これを問わないにいたしましても、二十九年度までの実績からいたしましても、ただいままで二回も繰り返し申しましたように、五億以上節減しなくては再建計画が立たない。先刻も申しました通りです。自治庁が希望されているような再建計画を立てるには、単独事業を全然やめてしまうか、あるいは三千人ばかりの首を切るか、この二つに一つを選ばなければならない。あるいは二つに一つでなくても、半々にしましても、莫大な犠牲を払わなくてはならぬのであります。特に赤字のひどい府県においては、この原案では完全に救い得ないと私は考えております。その点について自治庁の御見解を承わりたいのであります。完全に救い得るか、あるいは中途半端なものであるか、いかに努力しても、私は完全なものはできないと考えます。
  352. 後藤博

    ○後藤政府委員 八年間にできないのじゃなくて、できないので十年くらいかかるのじゃないかというようなお話のようでもありますが、そういう意味でありますれば、私どもは再建計画を基礎にいたしまして、県の財政の状況をいろいろ調べた上で、おおむね八年でありますから、期間の多少の延長はやむを得ないかとも思っております。
  353. 北山愛郎

    ○北山委員 関連。ただいまこの問題について佐賀県の例――佐賀県は、よくこの委員会で引き合いに出される県でありますが、実は私の岩手県の場合、あそこは貧弱な県でございますけれども、財政運営としては比較的まじめにやっておる県だと私は考えておる。ところが、ちょうどきょう総務部長が来まして、いろいろ聞いたのでありますが、二十九年度までの赤字は六億か七億くらいある、そういうものを全部たな上げにしたと仮定して――この再建促進法によって、ほんとうはたな上げできないのですけれども、まあできたものと仮定しても、ことしの財政で義務的な経費を計上していくと、五億足りないというのです。だからちょうど私どもがこの再建促進法を審議しているときに、あるいは財政計画を審議しているときに、過去の赤字五百八十何億、これの問題と、それからことし単年度の、その財源不足と、三つ問題があるのだ、そしてことしの財源不足については、この促進法は何らの財源措置もしてないのだ、これは再建計画によって、その団体がまずもって圧縮をする、こういうことをこの法案は期待をしているのだ、ここに問題があって、私どもはできない、こういうふうにやって、いろいろ押し問答したのですが、具体的にそれぞれの県を見た場合に、一体岩手県のような一つの県が、五億円というものを、ことしの財政運営上どこで節約できるか。私は、おそらく県の当局者としては、かりにこの再建促進法ができたからといって、ことしの義務的経費がそれだけぎっちりあるのですから、五億円というものを一体どこで切ったらいいか、これを自治庁が指導できるならばけっこうだと思うのですが、どういうふうにしたらいいか、これはやはり佐賀県と同じような、しかも佐賀県のように特別な、いろいろの災害、一昨年の災害等の事情もあったようでありますが、岩手県などは、貧弱県の程度においては同じでしょうが、何とかかんとか、比較的努力をして参った県でありますが、それですらもそのような事態にあるのです。こういう事態は――岩手県はそれでも東北で県の中では比較的いい方なんです。それですらそういう事態であるということを、総務部長が訴えております。そういう事態にあるような地方の赤字団体を、この再建促進法においては、一応再建計画を出せ、こういうことになるのですが、しかもそれはこの条項の中で、まず毎年度実質上収支の均衡がとれるようなことを目標とする節減計画というものを要望しておるのであります。要望する以上は出させよういうことを期待しているのだろうと思いますが、一体五億円も単年度で落すということはできるのですか。
  354. 後藤博

    ○後藤政府委員 五億円足りないかどうか、実際現実の問題として歳入の方をどういうふうに見ておるかということを調べなければわからぬのであります。年度当初は、まじめなところでありますれば非常にかたく見ております。従って税の伸びとか交付税の実際の計算の結果、それから起債の伸び等を詳しく見なければ、私はその五億がほんとうの五億であるかわからないと思っております。年度当初特に十月ごろまでの、私どものところに参ります各府県の状況は、どこの団体でも大きな赤字を出すという計画なのであります。ところが特別交付税の話の前でありますからそういうところが出てくるのでありますが、ある一定の段階へ参りますと、今度は逆に赤字は非常に少くなったという話に軟化していくのであります。これは非常な努力を各府県でやっておるのも一つでございますが、どうもわれわれは当初に言われるところの何億という数字には、いろいろの要素があるというふうに考えておりまして、おっしゃいますような岩手県の場合もやはり収入の見積りをどうしているのかということが問題でありまして、その見積りがたとえば少し過小であるとすればその幅は縮まってくる、こういうことになるのであります。これはまあ年度の半ば過ぎというような、起債が済んだころ、つまり十一月、十二月ごろにならないとはっきりしないのであります。従って五億を一体どうして消したらいいかというようなことに対する答えは、今のところ私としてはちょっとできかねる状況にあるのであります。
  355. 北山愛郎

    ○北山委員 特定の具体的な例を、しかもその詳細な数字を持たないで、お伺いしてまことに恐縮なんですけれども、岩手県というのは、大体税はどんなに取ったって十億前後なのです。それから地方交付税の方も、比較的まじめな団体ではあるけれども、やはり多少超過見積りなどをしているようです。ですから、そう別段年度当初において交付税を少な目に見て、あとで交付税がふえたなどというような、それほどの余裕のある団体ではないのです。そうするとほかに大した財源というものはあるはずはないのですから、あとはきまった補助金とかいったものですから、弾力性がないわけです。だからもしも弾力性があるとすれば、税収と雑収入しかないことは明らかです。それがほとんどそういう状態であるところへ、もし五億という財源不足があれば、どういうふうにして今年なら今年の財政運用をやっていけるか、これは一つの例であって、おそらく秋田県でも、よその県でも大体同じだろうと思うのですが、そうするとかりに百億の予算規模を持っている団体において五億の財源不足がある、それを努力して一億なり二億、今年詰めるとすると、今年単年度で三億の赤字が出るということになるでしょう。そうすると来年はその赤字の三億が繰り越されていって、来年はその財源措置をしなければ、やはり二億なり三億マイナスになるのですから、積り積って動きがとれぬようになるのではないか。だから結局、過去の赤字の解決はもとよりでありますけれども、三十年度以降における財政費用と収入とのバランスがあまりにひどいような現在の事態においては、単なるこういう措置では、やはりことしから先雪だるま式というか、年々単年度の赤字の額は少くなっていくでしょうが、積っていくことは事実だと思う。やはりその利子はたまっていくということになって、この措置が年々行われなければならないような格好になると思うのです。そういうことについての認識を自治庁においては的確に持っておられるどうか、どうも今までの御答弁では非常に楽観的なんです。そうして非常体制でもってその五億なら五億というものを詰めることを期待しておるのです。しかし五億というものは書いた文字じゃないのです。現実の金なんですから、しかもそれだけがかぶるという事態に置かれておる金ですから、それを詰める以上は何千人かの人の首を切るかあるいは仕事をやめてしまわなければならぬ。ただ心がまえを知事が御趣旨まことにごもっともでございます、協力いたしますといってがんばったくらいではできるものではない。ことしの財源不足というものは六百億くらいあると、われわれは推定をしておるのです。だから私どもはこの再建促進法には重大な欠陥があって、地方団体に無理をしいておる。だから今の佐賀県の例でも岩手県の例でも同じです。どこの県だっておそらく大部分の府県は同じだと思う。そういうような事態において、それをこれでもって救えるかどうかというのが、ただいまの井手委員のお話だと思うのです。もう少し数字なら数字について的確にお答えを願わなければ、われわれはどうも納得ができないのです。
  356. 後藤博

    ○後藤政府委員 再建整備促進法は、過去の赤字を一応たな上げをして、それを八カ年間に償却するという計画であります。しかし裏では財源の保障をしなければなりません。将来の赤字は出ないという保障をしなければなりません。それがしかし本年度は並行して行われてない。従ってわれわれとしてはあわせてこの将来の問題を早く片づける財源措置をすることによって、再建計画が順調に進みますようにいたしたい、かように考えておるのであります。従ってこの法律だけで赤字が片づくのではなくて、やはり将来の財源措置によって、それとあわせて持っていかなければならない、かように考えております。
  357. 井手以誠

    ○井手委員 ただいま財政部長は将来ほかの法律の改正と相待って、財政を確立しなければならないとおっしゃいましたが、しかしこの財政計画を提出するときには、ほかのいわゆる税金の問題その他は解決していないのであります。そこで私は続いてお尋ねいたしますが、佐賀県のようなひどいところは、二年そこそこで収支の均衡を保つようなことには絶対にできないのであります。そんなむちゃなことはできません。相当先になると思うのです。そうすればその間ずっと赤字が出て参りますが、その出て参ります相当の赤字はどうなるのでございましょうか。またいま一点は、そういう団体は延長することができるとおっしゃいましたが、最大限どのくらいにお考えになっておるのか。五年と考えておられるのか、十年と考えておられるのですか。
  358. 後藤博

    ○後藤政府委員 佐賀県の実例をもってのお話なんですが、私ども再建計画の内容を見なければ、実ははっきりと何年度の赤字が何年度くらい続くかということはわかりません。従って今ここで三年かかる、五年かかるということはわかりません。私どもは相当長期の計画でなければならないと考えております。一応おおむね八年といたしておりますが、大体私どもは十年くらいかかるところがありはしないか。県も市も合せて、大体十年くらい伸ばしたらどうかという気持を持っております。
  359. 井手以誠

    ○井手委員 長官、少し退屈のようですから長官にお尋ね申し上げますが、ただいまお聞きのように地方の団体は非常に苦しい状態であります。先日来たな上げ、たな上げとおっしゃいますけれども、歩み出した第一歩から再建債の償還に苦しまなければならない。税収入の一割何分にも当るものを償還しなくちゃならないのであります。そういうことでは真の再建計画はできないと私は考えております。真にたな上げと申しますならば、何年か収支の均衡を保つまでは据え置き期間を置かなくては真のたな上げとは私は考えられません。ただいま申しましたように苦しい地方団体に対して再考なさるお考えはございませんか。やはり翌年度から償還しなくちゃならないのでしょうか。それでやっていけるという確信が長官におありでしょうか。
  360. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 佐賀県の問題につきましては、せんだって資金のあっせんを依頼に来ました。佐賀県の知事、総務部長など四、五人が見えまして、私は数回会いまして、大蔵当局並びに郵政当局と懇談をして多少のあっせんをいたしたのでありますが、その際になかなか大蔵当局は佐賀県に資金を融通するということを聞かなかったのであります。その理由は、昨年も一ぺんあっせんによって資金を融通した。ところが昨年から今年にかけて一向佐賀県は財政の立て画しをしておらない、依然として同じような財政政策をやってまた苦しくなったのだから、どうしても佐賀県自体が財政の運営を改めなければ、われわれとしては資金を融通することはできないのだ、こういう話を私は聞かされたのであります。事実かどうかしりませんが、大蔵当局はそう申しておるのであります。ところが現実に資金が要るのでありますから強力に推進しまして、一応給与の遅配なんか解決することができたのであります。佐賀県の従来の財政運営がどうなっておるかということについては、そうした批判もあるのでありまして、佐賀県はこの際すっかり切りかえまして、全く新しい構想の財政計画をやってもらいたいと思うのであります。それでもなお足りないことはお説の通りだと思います。しかしこの案が通りまして、万一佐賀県がこの促進法の適用を受けて財政を立て直すということになりますれば、一応今たまっておる九億の赤字というものは、たな上げになりまして、利息に苦しんでおる、これも一応解消しまするし、その他いかに赤字県でありましても、災害復旧あるいは直轄工事があるでしょうから、そういう点もこの法律によりまして、従来と違って国の待遇を受けることになります。いろんな方策によりまして相当緩和される点があるんじゃないか。その上に七年になりますか、あるいは十年になりますかしりませんけれども、長期の再建計画を立ててもらいまして、そのためには事業の縮小も必要でありましょう。さらに佐賀県では人員の整理もやっておるということでありますから、これらも完了いたしまして、その再建計画を見て、一応自力でやってもらって、私ども見まして、なおこれでは佐賀県の住民の福祉のために単独事業としてもっと必要な点があるのだ、もう少し資金的に見なければならないのだということがあったら、これは別に見ようじゃないか。それが先般来繰返して申し上げておるように三十一年度の予算編成には、地方自治体に対して財源的措置をする、こういうことなのであります。とにかく現況で一応佐賀県といたしましては、長期にわたる再建計画を立ててもらい、自力で再建するということを一応示してもらい、その上に必要ならこっちから水を差そうじゃないか、こういう考え方でありまして、苦しいかもしれませんけれども、佐賀県自体でもって一応再建計画を立ててもらいたいということがこの法案の趣意でもありますし、私どもの願いでもあるのであります。いずれ本法案が通りますれば、佐賀県の執行部の方もおいでになるでしょうから、私がじかに会いまして、知事ともよく相談をいたしまして、なるべく早い機会に佐賀県が健全財政になるように努力をいたしたい、こう考えております。
  361. 井手以誠

    ○井手委員 佐賀県のことをお尋ねしたようで恐縮に存じますが、私は佐賀県を例にとって財政再建のことをお尋ねしているわけであります。私はもう繰り返しては申し上げません。そんな甘い考えで職員や教員の首を三千人も切らなくては再建できないようなことではとうていやれるものではございません。そんなに簡単に再建ができるものでないことを私はここに申し上げておきます。  そこで続いてお尋ねをいたしますが、第十八条によりますと、勧告その他の規定があるようでございます。そこで従来自治庁が行なっておりました勧告によりますと、人口類似県を取って、すなわち非科学的な資料で人員を切り下げたらいいじゃないか、こういう勧告をしばしば行なっておられるのであります。   〔加賀田委員長代理退席、委員長着席〕  ところが教職員のことで例をとりますと、どの府県においても文部省の基準に達したところはございません。どこも下回っている。ところが下回っておってもなお赤字ができているから地方公共団体が困っている。それが今度の再建になるでございましょうが、そうしますと今後自治庁が勧告されるという場合には、さらに文部省の基準よりも下回らなくてはならぬ。今でも教育の低下がおそれられているのに、さらに一層ひどくなってくる。その文部省の基準をさらに下回っても勧告なさるお考えであるかどうか、私は具体的にお尋ねいたしたいと思う。私はあとで文部省の方からもおいでを願って聞きたいのでございますが、今でも文部省の基準をずっと下回っておりますのに、さらに下回らねばならない勧告が出されるであろう、そういうことを考えておられるかどうか。それがいいことであるかどうか。
  362. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 これはしばしば申し上げているのでありますが、再建計画を立てる際に、その内容については自治庁としては全然勧告も助言もいたしません。全く地方の自主にまかしているのであります。というわけは赤字にいたしましてもそれぞれ事情が違うのでありまして、その県、その県の独自の立場でもって再建計画を作らなければならぬのでありますからして、私の方から指図がましいことは言わないし、ことに十八条にある勧告という条文は、自治庁といたしましては人員整理という勧告をいたしたことは、私の時代になってからは断然ありませんし、今ほども聞きましたら、前にも勧告をして人員整理をしてもらったことはないそうでございます。私どもはそういうことはいたしておらぬのであります。全く地方の自発にまっているわけであります。
  363. 川村継義

    ○川村(継)委員 私一つお聞きしておきたいと思っておりました事柄で、今のに関連するようですからお聞きしておきたい。今の問題は二十一条にも関係すると思うのですが、関連して一、二点お伺いいたします。二十一条の二行目を見ると、「財政の運営を財政再建計画に適合させるため、当該財政再建同体に対し、予算のうちその過大であるため財政再建計画に適合しないと認められる部分の執行を停止すること」それから「運営について必要な措置を談ずることを命ずる」となっておりますが、その二十二ページの初めの、「適合しないと認められる部分の執行を停止する、」この執行を停止させるような場合に、それを一体いつどんな方法でやるというのか、その自治庁の方で考えられておることを初めにお聞きしたい。どういう方法でいつごろこういうことはやるのかということなんです。
  364. 後藤博

    ○後藤政府委員 二十一条の監督の規定の第一項でありますが、これはしばしば申し上げましたように、予算の執行が過大である場合には、本来でありますれば、再建計画の変更手続をとってやるのが普通の手続なんであります。それをとらないでやった場合であります。従ってそういう場合に、財政再建計画に適合しないと認められる部分の執行を停止することをこちらで命令する、こういうふうに考えておるわけであります。
  365. 川村継義

    ○川村(継)委員 それはいつか、既往一年間なら一年間、財政再建団体の実際の予算執行状況を監査でもして出かけるわけですか。
  366. 後藤博

    ○後藤政府委員 前の規定に監査の規定がございますが、状況を監査しますし、報告を求めることになっておりますので、その二つの方法によってその状況を知り得ました場合に、その一項に基いて命ずる、こういうことになります。
  367. 川村継義

    ○川村(継)委員 では引き続き二行目の、「必要な措置を講ずることを命ずる」とありますが、これは先日ちょっと財政部長は説明されたようですが、「必要な措置」ということの内容を、もう一回少し具体的に御説明願いたい。
  368. 後藤博

    ○後藤政府委員 たとえば徴税成績の向上をはかる、それから滞納整理の強化をはかる、そのほか組織の合理化等に関する条例の改正あたりをやったらどうか、こういうふうなことをこの「必要な措置」という言葉で現わしておるのであります。
  369. 川村継義

    ○川村(継)委員 さっき井手委員からちょっとお話があったと思うのですが、今まで自治法に基いて二十九年度なら二十九年度、いわゆる赤字団体と申しますか、財政が非常に苦しい団体に対して、自治庁から調査なさったことがある。この前、福岡県の調査の問題がちょっとこの委員会で問題になりましたね。調査課長が出かけていって、ちょっと行き過ぎたようなことをやったというようなことがありましたが、三十九年度でよろしいのですが、ああいうことを何県くらいおやりになったのですか。
  370. 後藤博

    ○後藤政府委員 県はたしか十二市は四十五市であります。
  371. 川村継義

    ○川村(継)委員 この調査をなさる場合には、府県なら府県、市なら市が、こういうことを調査してくれというようなことを申し出るのでなくして、何か一応自治庁の方で、こういうものを調べるという調査基準というようなものを持っておられて、調査されるのじゃないかと思うのですが、大体どういうことを調査されるのですか。
  372. 後藤博

    ○後藤政府委員 調査いたしまするのは、私の方で昨年やりましたのは、大体赤字の多い県や市をやったわけでありますが、ただ最近非常に希望が多くなって参りまして、自分の市をぜひ見てもらいたい、財政診断をしてもらいたい、こういうことでありまして、私どもの方の財政調査と申しますのは、財政運営の非違を摘発するのが趣旨ではございません。従って金の内容には入らないで、消費的経費がどういうふうな状況になっているか、投資的経費がどういうふうな状況になっていて、それが同じくらいの県とか市と比べてどういう状況になっているかということを主として調べております。従ってその結果をまとめまして、大体同じくらいの県市との比較をいたしまして、その助言をいたしておるのであります。
  373. 川村継義

    ○川村(継)委員 私が、今までおやりになったのはどういうことをおやりになったかと聞いておることは、今の二十一条の一項に関係して、ここで今度は、執行を停止するとかあるいは必要な措置を講ずることを命ずるというようなことに、少し強くなっておるのですが、従来やってこられましたような調査の基準というものが一応の尺度となって、今度の場合は財政再建計画に基く予算ということが一つ基準になっております。やはり調査の基準、尺度というものは、今までやってこられたようなものも一つのものさしになるのじゃないか、こういうことを思ったのでお尋ねをしたのですが、今度新しく二十一条の一項でおやりになる場合には、今まで必要に応じて調査なさったような、そういう調査項目というもの、あるいは調査の方針というもの、そういうものとは全然関係なく新しくお考えになるか、あるいは大体そういうものを一応頭の中に置いてとり行われますか。その点を一つお聞かせ願いたい。
  374. 後藤博

    ○後藤政府委員 従来の調査の方式は、大体済んでおるところが相当ございます。これは過去のものでございますから、おそらく再建計画が出て参ります府県の調査は過去においてすでにやったところが多かろうと思います。従ってわかっておりますところは、大体そのものを基礎にして再建計画をながめていきたいと思っております。今度はそのできました再建計画の各単年度別の予算との問題であります。従って予算にどういうふうに反映しておるか、予算との関係を見まして、予算の執行が今度はどういうふうになっておるか、こういうふうな点を見て参りますと、従来の計画とは異なった観点から、やはり再建計画を中心に考えていくということに相なると思います。
  375. 川村継義

    ○川村(継)委員 私はいろいろ自分の考えとか意見を言わないで端的にお尋ねしておりますので、そのつもりでお答えを願いたい。そうしますと従来調査なさったところが、それについて長官の助言という言葉が必ずあとで処理というふうなことで、こういうふうにやれ、こういうふうにやったらどうかという助言というものがあったと思うのです。その助言というものをなさったのですね。さっきちょっと部長も触れられましたように、あとから助言ということをなさった。そのことは、ここの二行にあります必要の措置を講ずることを命ずることということとは大体内容が同じ形になって出てきますか。その助言の中に取り上げられたような考え方、そういうような問題は、それは各県によって違うかもわかりません。違いますか知りませんが、今まで調査の結果取り上げられました助言の内容というものは、この必要な措置を講ずることを命ずるときにも、やはり大体それと同じような形で出て参りますかということです。
  376. 後藤博

    ○後藤政府委員 これは同じような事柄の場合も私はあると思います。たとえば先ほど申しました必要な措置と申しますのは、徴税成績の向上をはかれとか、滞納の整理を強化しなさいとかいうようなことは、やはり今までやりました調査もそういうふうな助言をいたしております。従って同じような結果は出ますが、観点は前の調査とは異なって、やはり再建計画を中心に考えていく、従ってその角度から見ていくということになると思います。
  377. 川村継義

    ○川村(継)委員 自治庁長官、今財政部長からお答え願って、私やり方についての構想みたいなことが大体わかったのですが、今まで長官はいろいろ勧告をしたり、こういうような措置をする場合には、小さいことには触れないのだ、たとえば教育問題にいたしましても、そういうような独立性、自主性というものに干渉がましいようなことをさせないとたびたび非常に大きな気持でお話願っているわけです。ところが今財政部長がお答え願ったように、某県の調査の結果自治庁長官が助言されました項目の中にこういうことがあるのです。それは給与単価の合理化をやれ、というのは大体年齢構成等の高いところもあると思うのだけれども、そういうことを検討して合理化をやらなければならぬ。お前の県と大体似ているところはこういうことになっているぞ、こういうような意味の助言があって、そういう助言がこの必要な措置を講ずる、執行を停止するということになりますと、長官のこれまでのお言葉とは非常に食い違ってくる、私はこういうふうに思うのです。  またもう一つの例を申し上げますと、これもやはり某県に対する自治庁長官の助言の中に、教員の配置の合理化をやれ、こういうようなことが助言をされている。それは中学校、小学校が定員何人になっておる。ところが平均はこうなっておるんだ、類似の県はこうなっておるぞ、だからこれに検討を加える必要がある。こういうような助言がされておる。このことはさっき井手君が言いましたように、たとえば全国の教員定数にいたしましても、教育法等に示されております基準というものに達しておる県は今ないのです。私、佐賀県のことを今ちょっと思い出しましたので申し上げますが、佐賀県は大体養護の先生でしたか、事務官の先生ですか――教育法の中にも、学校は小学校に事務官を置かねばならぬと書いてある。ただし特別の場合には事務官を置かないことができるとついておる。ところが事務官のごときは、佐賀県は、やはり特別の県の事態によりまして、事務官の先生が割合たくさん置いてあったと私記憶します。ところが他県は置かねばならぬ事務官をほとんど置いていない。そういうのが実態なんです。これは一つの例であります。そういうような、たとえば佐賀県のごときは当然置いてよろしい、置かねばならない学校事務官を置いたから、割ってみて、お前の県はよその県に比べて人数が多過ぎる、そういうことで合理化をはかれといわれることは、われわれといたしましてもどうも納得しかねるところなんです。長官がたびたび言われますように、財政の健全化をはかるためには苦しいところを忍ばなければならない。それはわかります。わかりますけれども、そういうようなことを考え合せていきますと、長官が調査された県とかに対して、私が一、二の例をあげましたような助言がされておる。そういう助言がそのまま第二十一条の一項に出てくるとなると、今までたびたび長官から非常にうれしく聞いておりましたようなお言葉とは逆に、非常に矛盾して参りまして、どうも私たちが今まで心配しておったような、あるいは再建計画を立てるときに首長の権限が大きく干渉が増して出てくるとか、長官の権限がそういうところまで出てくるとか、こういう結果になるのじゃないか、こう思って私はお聞きしたのであります。長官、これについてくどいようでございますけれども、もう一ぺん長官のお考えをなるたけ詳しく丁寧にお答え願いたい。
  378. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私がこれまで申し上げためは、主として再建計画を作る際の自治庁としての態度を申し上げたのであります。再建計画を作る際には、個々の再建団体の自主性を尊重して、任意で作ってよろしいのだ、こういうことを申し上げておるわけであります。一々人員をどれだけ減らせとか、事業極をどの方面で幾ら切れとかいうことは決してこちらは要求しないのでありまして、その県なり市なりの状況によって作ったらいいのだ、こういう意味で申し上げておるわけであります。今のお話は再建計画を作る際ではなくて、予算を執行した結果についてのことなのであります。予算の執行の結果を見まして、他の同じような規模の県と比べて、いかにも不当、不適正である、それがために赤字がかさんでくるというような場合には、これに対して自治庁といたしましては助言をすることは当然の職務でありまして、この助言さえしなければ、自治庁としては逆に職務を怠ったということになるわけであります。勧告というような強い措置はとりませんでも、助言程度のことをすることは絶対に必要だと思うのであります。あまり行き過ぎまして、命令的になることは、自治法の精神からいっても懐しむべきでありますけれども、しかしながらこれを野放しにしておきますのでは、地方財政というものは結局赤字になるのでありますから、ある程度の助言はして、いろいろの資料を提供するということは当然の措置でありますから、過去におきましても仰せのような助言があったことと私は思うのであります。助言を受けました知事なり市長なりは、その助言の趣旨を体しまして、適当と思えばこれに応じた方策をとりましょうし、他に違った考えがあれば、この助言は聞き流すということは向うの任意であることも当然でありまして、何といたしましても今日地方の自治体の財政運営がうまくいっておらぬという点は、自分だけの狭い範囲でもってすべての計画を立てて運営するからでありまして、これに対しまして、ある広い視野から見たいろいろな参考資料を供給して、健全な財政運営にしむけるということは、自治庁としてはぜひやるべき仕事だと考えるのでありまして、今のお示しのこと等はあるいは行き過ぎがあるかもしれませんけれども、これは事実を調べなければわかりません。しかし助言をしてはけしからぬというのは、むしろ逆ではないかというふうに考えておるわけであります。
  379. 川村継義

    ○川村(継)委員 関連ですからこれでやめますが、今の二十一条の一項に「命ずることができる」とありますが、自由党の方の修正では「求めることができる」というふうになっておったようにお聞きしたのですが、そうなりますと、今長官がおっしゃったような気持がある程度現われてくるのじゃないかと一人で推測しております。ところが私が心配しておりますことは、再建計画を立てる場合にせよ、あるいは予算の執行を停止させる場合にせよ、その財政の再建計画をやっていく場合に、今まで自治庁長官が御答弁をせられました助言の内容をもって、また先ほど私が例をあげましたようなそういう内容をもって、措置として命令をしたり、あるいは停止を命じたりなさるようなことがあったら、それは計画を作る前であろうと、あるいは執行の場合であろうと、助言の域を脱して、たびたび長官の言っておられるような、いわゆる自治権に大きく干渉するとかいうような事態になることをおそれたので、私お聞きしたのであります。そういう点、一つよく御配慮願いたいのであります。
  380. 井手以誠

    ○井手委員 ただいま長官は、助言をすることは当然であるとおっしゃっておる。ところが自治庁はそうおっしゃっても、文部省その他の方からは、自分の方の基準に従って執行してもらいたいということを通達してくる。受ける方は一つであっても、自治庁が国のすべての機関をつかさどっているのは差しつかえがありませんけれども、府県は多くの機関から受けるのであります。文部省からは基準通りにやれという。あなたの方からは、人口と資源との折り合いが悪いというか不適合だというようなことで助言なさる。そうなりますと、受けた都道府県ではたまったものではないのであります。そういう場合にどういう措置をなさるのか。たとえば教職員の配置にいたしましても、基準通りに文部省の通達に従ってやろうといたしますれば、あなたの方でそれはいけないと突っぱねられる。そういった場合には再建計画は成り立たないのであります。助言を受けるかいなかは、それは都道府県の自由だとおっしゃっておりましたけれども、しかし再建計画を立てねば、停止しなければ、あなたの方は今後のめんどうを見てやらないのであります。かりにやるとはおっしゃいましても、当りようが違うことは、従来の実績を見て明らかでございます。自分の方はせっかく再建法案まで作ってお前たちを助けてやろうとしたのに、お前のところはそういう計画を立てなかったじゃないか、おれは知らぬ、という態度をとるでありましょう。そんなことになりますと、都道府県はどちらの通達を順奉しけんけん服膺していいかわからなくなります。その辺の調整をどうお考えになっているか。あなたの方ばかりの立場から、財政が苦しいならば十名の定員については五名に減らせといい、片方ではそれは困るという場合にどうなりますか。財政の再建のためには幾ら教育が低下してもいいとお考えになっておりますか。それは都道府県の任意だとはお考えになっているかもしれませんけれども、それでは済まないのであります。その辺の調整についてどのようにお考えになっているか、所見を承わりたいのであります。
  381. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 財政のために教育がどうなってもいいなんということは、私は一向考えておらぬのであります。教育のあり方と財政というものは調和することが必要であります。教育を尊重する意味で教育委員会もできておりまして、昨日も連合委員会でいろいろ御議論のあったところであります。しかし全然財政を無視して教育の存在しないこともこれまた明瞭でありまして、その辺の調和をどうするかということ、これが県の知事の仕事であるのでありまして、それこそ県知事としては重大な仕事であります。自治庁といたしましては、他の同じような県の状況等を見まして、他の県のやり方を示して参考にすることがいわゆる助言でありまして、その助言をどう受け取ろうと、それは責任者たる知事がやるわけでありまして、あえてこれは私ども強要しようというのではありません。ただ佐賀県のような場合におきましては、苦しい財政でありますからして、他の府県におけるいろんな地方行政のやり方等を示して参考にさせるということは、これはぜひ必要だと、こう考えておる程度であります。それ以上は私どもは佐賀県に向って強力に命令するというようなことはあり得ないことで、またしたこともないのだろうと、私は具体的な事実は存じませんけれども、思っているわけであります。今後も私どもは地方団体に対しまして、強力な命令をしようなんて考えておりませんけれども、しかしながら赤字に悩んでおって、この赤字を解消するに対して力が弱かったり、施策が間違っておったり、不適正であったというところに対しましては、私ども相当に助言をする必要があると思いまして、これはやるつもりでおります。
  382. 井手以誠

    ○井手委員 赤字解消に協力しなくてはならぬことは私どももよく承知いたしております。ところが今までの御答弁によりますと、類似県のことばかりおっしゃっておる。その他の府県においてはいろいろな事情もありましょう、従来からの行き方もございましょうが、これをもって片方の税収入の問題であるとかいろいろなことを無視するわけには参らないのであります。類似県の比較ということももちろん参考にはなりましょう。やはり自分の世帯のことを考えるには、近所の世帯のことを考えて自分の家の台所を立て直さなければならぬということでありましょう。しかし何よりも必要なことは、教育については文部省の基準をどうとっていくか、あるいは農林省、建設省のやり方をどうするのか、それが私は大事でなくてはならぬと思うのであります。ほかの方が何とか節約しておる、ほかの方面ではゆっくりやっておるけれども、教育面だけは従来の慣例から割合低い程度でやっておる。それを例にとって、お前の方も右へならえということでは私はいけないと思う。真の再建はもちろん協力はしなくちゃならぬ。若干の低下はやむを得ないといたしましても、先刻来申しておりますように、急に低下しなくちゃならないような苦しい財政状態であるということを考えますときに、やはりこれは文部省なりその他の基準によって再建計画というものを立てなくてはならぬと私は考えますが、その点文部省その他と連絡なさっておりますか。また実際はどのように話し合いをなさる計画でございますか。その点をお承わりしたいと思います。
  383. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 昨日も申し上げたのでありまするが、地方財政を運営する際に、教育費のごときは義務費のうちにおきましても最もウエートの重い事業でありまして、これを優先することは当然であります。しかしながら財政を全然無視した教育ということはあるべきはずがないのでありまして、いかに教育と財政とを調和するかということが仕事であります。この点につきましては、知事、教育委員会並びに県議会等でいろいろ御苦心願っていることだと思うのですが、私はそうした県の責任者によって円満な調和の上に立った教育というものが確立することを熱望いたしておるわけであります。またこれを期待いたしておるわけであります。
  384. 井手以誠

    ○井手委員 長官とは見解を異にしておるようでございまするから、私はこれ以上申し上げません。しかし私は一言申し上げておきたいことは、たとえば滋賀県においても昨年教育費をあなたの方の助言によって削減いたしました。しかしその結果は決して節減にはならなかったのであります。教育は低下する一方、負担においてはその節減されたものがどんどんとPTAや父兄会に転嫁されておる。これはもうはっきりした事実でございます。やはり県民全体のふところ工合にどう影響するかということを考えなくては、数字の上だけで再建できるものではないのであります。私はこのことだけを申し上げまして一応質問を打ち切ります。
  385. 大矢省三

    ○大矢委員長 門司亮君。
  386. 門司亮

    ○門司委員 法制局は急がれるので、御迷惑だから先に聞いておきますが、きのうから問題になっておりまして、修正案の中にもここが実は触れてないのであります。二十一条がちょっと修正してありますが、触れてない。従ってこの項にまだ疑問が残っておりますので、法制局に一応聞いておきたいと思います。二十一条の中に「予算のうちその過大であるため財政再建計画に適合しないと認められる部分の執行を停止することその他当該財政再建団体の財政の運営について必要な措置を講ずることを命ずることができる。」と書いてありましたのを、修正案で「求めることができる。」こういうふうに実は直っております。しかし前段の「執行を停止すること」については修正がしてないのであります。従って法制局に聞いておきたいと思いますが、「再建計画に適合しないと認められる、」こう書いてあります。従って認めるか認めないかという一つの認定でありまして、認定によって憲法の九十四条が保障いたしておりまする地方団体の権能、いわゆる地方公共団体は財産その他の管理をすることができるということ、さらに「事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し」とこう書いておるのであります。「法律の範囲内で条例を制定することができる。」と、さらにつけ加えておる。これは条例制定の条文であります。従って自治体の持っておりまする、この「行政を執行する権能」という憲法が保障いたしておりまする自治体固有の権利を、「認められる」という認定によってこの執行を停止するということは、私にはいささか行き過ぎじゃないかというように考えられるのでございます。従ってこの点はこの憲法の条章からいって、この前のお話では、この程度のものは憲法には触れないであろうという総括した御答弁があったのでありますが、この字句についてどういうふうにお考えになるか、その点をもう一度この機会に聞いておきたいと思います。
  387. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 ちょっとその前に。実はただいま門司委員の御質問の中に修正案についてのお話がありました。しかもその修正案に対する御解釈が私が出しました修正案と違っておりますので、私が出しました修正案について一応御了承得たいと思っております。「求めること」と直しましたのは、「執行を停止すること」を「求めること」までにかかるのでありまして、停止処分を自治庁長官ができるということではございません。執行停止というのは自治体が自発的に停止することであります。そうして何らかの処置をするだろうと思いますから、自治体が執行を一時的に停止することその他必要な措置を講ずることを求めるという考え方で修正をいたしましたことを一応申し上げておきます。
  388. 林修三

    ○林(修)政府委員 実は昨日私どもの高辻次長から、この法案全体特にこの二十一条等を含めまして、これがいわゆる憲法九十二条に反するものでないということはお答えしたわけでございますが、ただいま門司委員の御質問は、同時にこの九十四条の問題に触れての御質問でございます。従いましてその点についてお答えいたしたいと存じます。  ただいま実は鈴木委員からちょっと補足しておっしゃいましたが、私どもお答えする点も実はその点に触れていると思うのでございますが、これは原案ももちろんこの「認められる部分の執行を停止すること」を「命ずることができる」と実はもちろん続いているつもりでございます。この修正案もそれを求めることができるという趣旨で修正せられておると思いますが、そういう意味で、原案は自治庁長官がそういう執行停止処分を当該地方公共団体に対して命ずるということでございますが、今度修正案では求めるということでございます。それに伴います措置は地方公共団体において自発的に自分の意思に基いてやることでございます。そういう意味におきまして、憲法九十四条で言っております財産管理とか、あるいは事務の処理とか、あるいは条例の制定そういう権限を侵すものでない、かように考えております。
  389. 門司亮

    ○門司委員 条例の制定その他はむろん侵すものではございません。条例は法律の範囲内でなければできないことは、憲法にもそういうふうに大体書いてございます。大体私は間違いないと思います。ただ今の修正をされた提案者の説明によりますと、本文は自治庁長官がいわゆる命ずることができるという一般的の処置であったが、今度はその処置を当該地方公共団体の自発的の意思に譲って、ただ求めることができる、言いかえるならば勧告をするということになる、あるいはもう少しやわらかくいえば注意をするということになる、さらにやさしくいえば相談をするということに大体なると思います。この辺は行き過ぎだから一つ停止したらどうか、やめたらどうかという問題のように解釈することができないことはないのであります。しかしものの見方として、いわゆる自治体が持っております権能をわれわれが考えて参りますと、少くとも公共団体が一例の法人として、そうしてその法人が憲法で保障されておるという建前の中にあります場合においては、私は執行を停止するということ自体が、さっきから申し上げておりますように行き過ぎではないかというように感ずるのでありまして、執行をする一つの権能というものは自治体の与えられた権能であって、これに執行を停止するということについては、これは片方に求めることというように、先ほど申し上げましたように、考え方によってはもうほとんど効力のないように解釈しても差しつかえがないように考えられる。もしこれに応じなくてもどうにもならないのだ。命令でありますならば、これは非常に強いのでありますが、求めるということになって、先ほどのようなわれわれの解釈をするとほとんど効力がないようになっておる、こういうふうにわれわれは考えざるを得ないのであります。従って法制局にもう一応聞いておきたいと思いますことは、この命ずることができるというのと、求めることができるというのとは、今の鈴木委員の御説明によりますと、全く大きな逆な開きを持っており、片方は自治庁長官の一方的の命令だ、片方は一方的の命令でなくして自発的にこれをなさしめるのだということになると、執行の停止をするものは、自治庁長官でなくて当該地方公共団体だという形が出て参ります。そこで執行は非常に大きな変化を来たしておるというように考えますけれども、こういうことになって、求めることというのと、命ずるというのは、そういうふうに解釈しておいてよろしゅうございますか。
  390. 林修三

    ○林(修)政府委員 ちょっと私が先ほど申し上げた点でまだ実は御了解いただいておらない点があるかと存じますが、そもそも政府の原案ではこうであります。この条文の読み方は、御説明するまでもないかと思いますが、二十二ページの初めのところは、この部分の執行を停止すること、その他これこれについて必要な措置を講ずることということが二つ並んでおりまして、これを命ずることができる、こういう文斉になっておると思います。従いまして、原案もこれはもちろん予算の執行の停止を命ずるわけでありまして、自治庁長官がみずから執行を停止し、それが直ちに地方公共団体の予算の執行が停止されるという事態を発生するものとは考えておりません。命じた場合に、その効果としてそれを聞かない場合にはこの三項によりまして政府としては財政再建債の利子の補給を停止する、あるいは地方債の許可をしないという効果がこの命令違反に対してくっついておったわけであります。この修正案の方は、この命ずるということが、一方的な非常に強い感じがするという御趣旨でございますが、求めるという多少緩和した形になっておるわけであります。しかし同時に、その求めに従わなかった場合には、この三項において地方債の許可の点は抜けておりますが、利子補給の停止の点はなお残っておりまして、そういう効果がくっついておるのであります。そういう意味において、もちろん原案の点はだいぶ緩和されておりますが、根本的に変ったとおっしゃる点はそうではないじゃないか、かように考えております。
  391. 門司亮

    ○門司委員 もし法制局のお考えがそうだといたしますと、私はこの字句の修正自体は、法の条文の精神については何らの変りがないというように解釈せざるを得なくなって参りますが、そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  392. 林修三

    ○林(修)政府委員 これは私から申し上げるのが適当かどうかわかりませんが、その精神とおっしゃる趣旨のことになると思いますが、一項の政府の原案はいわゆる命ずる、命令という形になっております。これは当然相手方が聞くべき義務を課しているわけであります。聞かなかった場合は、その効果は三項に従ってしか発生いたしません。しかし地方公共団体の長がみずから執行を停止するかどうかをきめるわけでありまして、停止をしなかったら三項の効果を発生するというわけであります。求めるというのは、法令ではときどき出て参りますが、その感じは命令よりは弱いかと思います。正当な理由があればその求めに応じないということもで、きるというのであります。しかしもちろん正当の理由がない限りは一応求めに応ずべき義務を負っておるものと考えるのであります。その求めに応じなかった場合にはこの三項の効果がある、かような差があるものと考えます。
  393. 門司亮

    ○門司委員 問題はそういうことに実はかけられているわけであります。従って私どもから考えて参りますと、先ほどから申し上げておりますように、憲法が九十二条で自治体の存立といいますかを一応保障しておる、その保障された範囲で九十四条の条項の中にはそういう行政上の問題を処理する権能を有するというように大体解釈ができ、字句もまたそういうように書いてあります。従ってこの憲法の保障した地方自治体の持っておりまする権能に対して、自治庁長官が一方的に、たとい法律の範囲内だと申しましても、これにこういう命令にひとしいと申しますか――命令と書いてないからあるいは命令でないかもしれませんが、命令にひとしいような権限を持つことができるかどうかということであります。私はこの点はいささか行き過ぎではないかというように考えられる。これは財政計画自身につきましても、前にちゃんと約束が一応してあるわけでありまして、それの範囲を逸脱しないであろうということはわかっているのであります。  それから同時に、こういう字句が使ってありますと、実際的にはとっぴのものがいて言うことを聞かぬものがいるじゃないか、いてもそれをどうすることもできない、制裁規定がなければ困るからこれは一応制裁規定だ、ほんとうに権限を侵すものではないのだ、一つの法律に基く制裁規定であって、憲法の条章には触れるものとは考えられないという御答弁があると思いますが、しかし問題は、なるほど自治体に対する制裁規定であって、当然であるというように一応解釈はできる、しかし自治体が持っておりまする権能についてはやはり尊重すべきである。もしさっき私が申し上げましたような解釈ができるとするならば、これは将来この憲法九十二条以下の保障されておりまする各条項というものが非常に怪しくなってくる。法律できめてさえいけば、憲法の条章がある程度侵されるような危険性を持ってくると私は思う。従ってその点を聞くのでありますが、こういう事例が今まで日本の法律にほかにございますか。
  394. 林修三

    ○林(修)政府委員 この規定が憲法九十四条に規定されております地方公共団体の権能を侵すものでないということは先ほど申し上げたところでございまして、今門司委員のおっしゃいます点は、さらにこの九十二条の地方自治の本旨の方にひっかけられてのお話かとも存じますが、これにつきましては、地方自治の大旨というのが地方公共団体の存立を保障するというところにあることはお説の通りだと存じます。しかしこの二十一条の問題は、九十二条の観点から見ましても、別に違反するものでないという趣旨は、実は昨日もお答えしたところでありまして、その要旨といたしましては、この二十一条だけを独立してみるのは問題でございまして、結局この再建促進法案全体の趣旨、つまり赤字によって存立の基礎が危うくなっておる地方公共団体に対して、これを再建させる自治の本旨を発揮するだけの基盤を築き上げるための特例的な措置、つまり地方債の特別なワク、起債の権限を与えるというような十二条の地位を得る。こういうことと相関連いたしまして、この二十一条は読むべきものだと思うわけであります。こういうつまり普通の地方公共団体については認められておらないそういう特殊の地位を与えて、地方公共団体の再建をする、地方公共団体が自治の本旨を発揮し得るような基盤を築いていこう、そういう措置を確保するという意味で、第二十一条の監督規定が入っているものと思うわけであります。そういう意味において、これは決して地方自治の本旨を害するものでないというように考えられると思います。  さらにもう一つの点としましては、この再建措置法案全体の構想は、決して国が一方的に再建団体になることを命ずるわけではございませんで、もちろんこの赤字団体の自発的意思に基いてこういう再建措置の関係に入ってくるわけであります。そういう措置に入ってきたあとにおいて、こういう措置をもっと効果あるように実行するためにこの監督規定があるわけであります。そういう意味におきまして、これはすべての地方公共団体に適用されることになっております。特に昭和二十九年度の赤字団体に適用を受けるのではなくそういう特例的な、また臨時的な措置でもございます。そういう意味におきまして、地方自治にこの規定がありましたからといって、地方自治の本旨に反するということは言えないと思うわけでございます。そういう意味でこの地方自治の本旨に反するものとは考えないわけであります。これの事例云々ということでございますが、今までこういう地方団体が非常な赤字を出して、その存立の基礎が危殆に瀕するというようなことは今までなかった。少くとも憲法施行後の状態においてはまだなかったはずの措置でございます。これと同じような措置は今まではなかったものと見ております。
  395. 井手以誠

    ○井手委員 関連して。今の二十一条の問題でございますが、どうも林さんは長官になられてから答弁が変られたようです。いつも申し上げておりますが、憲法九十二条を解釈するのに、だいぶ苦労なされて、どの条文もそういうふうに解釈なされておるようです。憲法の九十四条を見ますると、「行政を執行する権能を有し、」という主権を持っておる。ところがその権能を有したものに対して執行を停止することを命ずる。勧告ならば、主体性をゆるがすものではないのであります。勧告によってそうしなければならないような事態に達しているということならば、私は承知できますけれども、はっきりと法律によって命ずる。これは九十四条にある権能を有しというものを侵害するものであると私は考えるのであります。ネコをトラと言いくるめてしまえばそれまででしょうけれども、はっきりと明文がある。権能を有するものに対して執行を停止させる、これを明示しておる。勧告ならばわかりますよ。どんな強い意味のものでも、勧告であるならばわかる。しかし命ずるというのは権能を侵害することにはなりませんか。修正案の求めるということならば、結果は同じでありましても侵害にはならないと思う。正面から命じたならば権限は侵されたものといわなければならぬのであります。
  396. 林修三

    ○林(修)政府委員 これは先ほども申し上げました通りに、この執行の停止を命ずるわけでございまして、自治庁長官の直接の命令の効果として執行を停止されるわけではございません。地方公共団体の自発的意恵がそこに入ってくるわけであります。それに従わない場合の効果としては三項の範囲を出ないわけでありまして、これは結局再建計画に関連する予算の範囲に限られております。また地方公共団体が自治庁長官の命令に従わない場合の効果を、大体必要最小限度の範囲においてその効果を与えよう、こういうことでございます。そもそも地方財政再建計画に伴うものは先ほども御説明いたしました通りに、地方公共団体の存立の基礎が危うい、そういう場合に、むしろ存立を助けて地方自治の本旨を発揮するため行われているものであります。また二十一条の勧告もその方向において行われているものと考えるのでありまして、九十二条、九十四条両方を考えて、憲法に反するものではないと考えております。
  397. 井手以誠

    ○井手委員 二十一条第三項とおっしゃいますが、私は命ずること自身が侵害だと思います。与えられたものに対して従う、従っていくということはわかりますよ。財政再建整備という特別の措置でございますから、いかにおしるしばかりの若干の恩恵がありましても、やはり融資されるならばある程度政府の方針に従っていかなければならぬことはわかりますよ。わかるけれども行政を執行する権能をはっきり持っている。かような明確な文章に対して執行を停止することを命ずる命令でございますよ、勧告ではございません。どんな強い意味でも勧告は勧告である、命令に従わなければこういう効果が生ずる。なおこれはひどいものでございます。裏づけである。あなたがおっしゃる第三項はさらにひどい裏づけである。私どもが特に問わんとするところは命ずることができるかどうか、私はあくまでも強い意味の勧告でなければならぬ。これは先ほども申し上げましたように結果においては命じたことと同様の効果になりましても、九十四条に書いておる明文に照らすならば、命じて執行を停止させるということは命じただけで効果はその次だということでない。命じたこと自身が九十四条を侵犯するものであると私は考えるのであります。しかし私は頭が悪いからわかりにくいのですが、おそらく国民もわからないでしょう。その点ははっきり御答弁願いたいのでございます。
  398. 林修三

    ○林(修)政府委員 先ほども御説明いたしました通りに、私はこの規定が九十四条自身を侵犯するものとは考えないわけであります。自治庁長官が直接に地方公共団体の権能それ自体を制限するような効果を与えておりません。この予算の執行を停止するかどうかは地方公共団体みずからが決定することでございます。もちろんこの再建計画のワクの中においてやられることでございますから、その範囲において不利益を受けるということは当然であると思いますが、その範囲において地方公共団体がみずからの判断で、その命令に従うべき地位が与えられておるものと、かように考える。むしろ問題の趣旨は九十二条の方で、こういうことを命ずることがいいか悪いかという問題になってくるものと思います。この点につきましては私が先ほど申し上げた趣旨で、九十二条の趣旨からいっても決して地方公共団体の自治権を侵害するものではないと、かように考えているところであります。
  399. 北山愛郎

    ○北山委員 関連して。先ほどの長官の言葉で疑問を持つのですが、命ずるということと求めるということは、表現的に求める方はやわらかであるが、本質的には大した違いがないのだというような御説明であった。特に予算の執行の停止を命ずるということは、直ちに予算執行停止の効果が生じないのだからさしつかえないのだというふうな御説明だったのですが、それはおかしいじゃないでしょうか。普通指揮監督系統にある行政機関とか、上級の機関が下級機関に一定の処分を命ずるということが、直ちにその処分の効果が発生することはないことは当然なのです。しかし問題は、命ずるというのは、この事項については命令、服従の関係に置くということなんです。だから上下の関係を想定しての言葉であり、求めるということは、少くとも上下の関係じゃない。対等の関係に置く言葉なのです。従って法律的には命ずるということと、求めるということは本質的に違う。その効果が――効果というか、付属的にその利子補給の停止になるか、あるいは起債の停止になるか、そんなことは問題外です。これは付随することもある、しないこともあるのであって、本質的にこの命ずると求めるということの法律用語の意味するところは、命ずるというのは、長官の言われるような説明ではなく、やはり本質的に求めるということとは違う。命令、服従の関係にあるということを規定した言葉なんです。求めるというのは、そういう関係を考えない規定なのです。私は本質的に違いがあると思うのですが、その辺について、長官は法律家でありながら説明があいまいだと思うのです。私の言うことは誤解でありますか。
  400. 林修三

    ○林(修)政府委員 先ほど私申し上げましたのも、実は本質的という言葉の使い方の問題になると思いますが、先ほど門司委員の御質問は、全く違うものだというお話でございましたので、この二項と三項の法律効果をあわせて考えれば、こういうことに相なりますということをお答えしたわけでございます。命ずるということは、いわゆる相手方に直ちにそれに従う義務を与えるということであり、求めるということは、普通の法律用語でいえば、それよりやわらかい感じのものである。もちろん相手方がそれを聞かないでもいいというのではありません。やはり法律上求めることができるということは、正当な理由がない限り、もちろんそれに従う義務は法律上ありますが、そこに多少相手方の判断の余地を残しておる、そういう意味において違いはございます。それを本質的の違いと申すかどうか、これは言葉の問題になると思いますが、そういう違いがあることは、もちろん先ほど申し上げた通りでございます。
  401. 門司亮

    ○門司委員 二十一条については一応これ以上議論してもと思いますが、私はこれは次長にもよくお伺いをしたのでありますが、この法律自体が実際問題として、今お話のありますように問題が本質的になって参りまして、九十四条は九十二条を受けた一つの条文でありますが、さらに九十二条の本質に触れておると私は考えるのであります。それは、九十二条はやはりわれわれが解釈すると、憲法にはただここに書いてありますように、地方自治体に対しましては、組織及び運営に関する事項については、地方自治の本旨に基いて法律で定めるとあって、何も触れておらない。しかしやはりこれは解釈をしていけば、普通われわれが考えておりまする自治の本旨というのは、これは三つに要約されておって、一つは地方自治は憲法の上の要件であって、地方自治権の主体として地方公共団体の存立を一応認めておる、ここで一応保障しておるということになる私は思うのです。さらにその次には、その地方公共団体の組織及び運営は大体法律で定めるとあるが、この法律は地方自治の本旨に適合するものでなければならないというように解釈することに、今までのいろいろな学者その他の説を総合するとなると思う。従って法律自体はどこまでもこの憲法の九十二条の自治の本旨を逸脱したものであってはならないということを、九十二条ははっきり書いていると思う。従ってそういうふうに解釈して参りますと、自治体が、いわゆる九十四条の行政の執行に対する権能を持っておりまするものに対して、この法律は第一条において行政及び財政について特別の処置を講ずることが、地方財政再建のために必要だということが目的としてちゃんと書いてある。しかし私がここで申し上げておきたいと思いますことは、こういう自治体の持っておりまする本質に触れて、地方財政の再建を整備するということがいいのか、これに触れなくても他に地方財政の再建ができる道があれば、私はこういう行財政に対して憲法違反と思われるような、あるいは疑いを持つような制約を加えなくても、もし他に方法があるとするならば、私はその方法を選ぶべきではないかというように考えるのでありますが、この点に対する法制局の御見解を一応承わりたいと思います。
  402. 林修三

    ○林(修)政府委員 地方自治の本旨についての門司先生の御意見は、大体においてさようの通りであると存じます。しかしこの法律と地方自治の本旨との関係におきましては、先ほど来秋は九十二条の趣旨に反するものではないということを繰り返して申し上げておる次第でございます。今お尋ねの、つまりこういう法律の行き方でなくて、もっとほかの方法で同じ目的が達せられるならば、そういう方法をとるべきではないかという御趣旨でございますが、これは実は私の方の役所といたしましては、そういうむしろ立法政策なり政策問題に踏み込むことになりまして、私の方としては、つまりある法律が、憲法に違反するかしないかという点において、各省の立案いたす法律についての助言あるいは意見を言っているわけでありまして、それをさらに離れて、立法政策上妥当かどうかということにつきましては、これは一つの意見はないことはありませんけれども、そこまで突き進んで、各省の立てる政策について、私どもは意見を言うことはなるべく差し控えているわけでございまして、今の門司先生の御趣旨は、むしろ立法政策の問題になると思いますので、どちらがいいかということは、これはおのずから普通の行政官庁において、あるいは皆様方で御判断なさることだと実は思うわけであります。
  403. 門司亮

    ○門司委員 私はそういうことを聞くと、法制局は何のためにあるのかわからないような気がする。われわれは今案は代案を出しているわけです。その代案の趣旨とするところは、こういうような制約をすることによって憲法を侵すような疑いがありますので、これを極力避けて、そして他の処置といえば、結局地方財政の再建は、財政処置が講ぜられればいいのでありまして、何も無理に行政権を束縛してみたり何かする必要は毛頭ないと私は思う。だから問題は財政の問題である。行政上のいろいろな行き過ぎがあるというなら、これはある程度問題が出て参ります。しかし財政の再建は主として財政上の処置が十分であれば、大体事は足りるのじゃないか。こういうように考えるから、先ほどのようなことを聞いたのでありますが、どうも私は今の法制局長の答弁に満足しかねるのでありまして、私は、法制局としては当然憲法に触れるような疑いがあるものより、むしろ疑いのない手段を講ぜられるならば、そちらの方がいいという御答弁があってしかるべきだと思ったが、一向要領を御ない答弁でございます。  もう一つ聞いておきますことは、この法律で定めておりますことは、いわゆる九十三条の事項に多少抵触したところがあります。それは十条以下であります。十条以下をずっと見ていきますと、行政委員会に対する制約を加えておりますが、これはどこに加えているかというと、御存じのように、憲法の九十三条が保障いたしておりますものは、むろん法律で定めた範囲でありますが、議会の議員あるいは首長というようなものの公選だけでなくて、法律で定めたものについても住民の直接選挙でやる、こういうことが書いてあります。教育委員会は明らかにこの法律に定めた行政委員会であって、これは住民の直接選挙になっておる。直接選挙になった行政委員会は、一つの執行機関として独立の機関でなければならない。この一方の行政機関であり、さらに行政の執行に当っております長の事務員を同じ者が兼任することができるということは、行政機関としての二つのものを混同する危険性がありはしないか、憲法の保障しております独立の執行機関に対して他の執行機関と混同される危険性がある。同時に一方は行政機関といいましても、首長の行政機構の中から逸脱した機構でないことはわかりきっておる。従って上下の差はないとはいたしましても、行政の範囲におきましては教育委員会の方が力が弱いであろうということは一応考えられる。強いであろうと考えられます首長の事務を補佐する者が兼任ができるということは、独立すべき行政機構に対する混同という形になって、九十三条で保障いたしております正しい意味の行政機構に対して、他の行政機構がこれを侵すことになりはしないかというように考えられる。きわめて非民主的な行き方ではないかというように考えるが、この点については憲法上の解釈はどういうお考えをお持ちになっておるか。もう一応聞きいておきたい。
  404. 林修三

    ○林(修)政府委員 九十三条は御承知のように長と議会の公選と言うことがはっきりと書いてございます。そのほかの職員につきましてはもっぱら法律に譲っておりまして、実は立法政策の問題にしておるわけでございます。従いまして現在教育委員会という公選の機関があるわけでございます。この機関そのものは憲法が直接保障しているものではないと思います。従いましてこの長と教育委員会、どちらも地方公共団体における執行機関で、この執行機関相互における関係をいかにきめるかということは、もっぱら立法政策の問題になるだろうと思います。しかしそこで立法政策の問題といたしますと、教育委員会という独立の機関を一方で設けておる趣旨に多少もとる問題でないかという御趣旨だろうと思いますが、その趣旨からいえば立法政策の問題としてあくまで教育委員会というものの独立性を強くすれば、もちろん独立の事務局を作る方がいいかもしれません。しかし別の見地から、いろいろな経費の問題あるいはそういう点から、事務局でございまして委員会そのものではございませんから、事務機構をお互に兼務させるということも、地方公共団体の行財政全体の見地からそういうことは認められて、そういう見地からいえば妥当なもの、合理的な理由があるもの、かように考えるわけであります。要するに立法政策の問題としてどちらが適当かという問題に帰着するものと思うわけでございまして、直接九十三条の問題になってはこないものと考えております。
  405. 北山愛郎

    ○北山委員 私も憲法違反の問題はきのうも次官にお伺いしましたが、先ほどから長官は憲法違反でないということをこの法案全体についていろいろ理由をあげてお話になった。それについて実は釈然としない点があるわけです。たとえばこの法案は一方において起債を特別に許し得るような特典を与えておるのだ、そういうことも総合的に考えてみればいいのだというお話があった。ところが御承知のように地方公共団体が起債を起すということは、地方自治法で起債自由の原則というものがあるわけです。自治法の二百二十六条で明定してあるわけです。所轄行政庁の許可は要らないと一応原則は三百二十六条に書いてあるでしょう。だからこれは本来地方自治団体が持っておる権利なのです。それを二百五十条によって当分の間制約しておる。特殊な国家目的によって制約しているのであって、この際起債許可をゆるめたとしても、それはゆるめるのであって新しい権利を与えるのではない、だからそんなものは特典とはいえない、こういうのが本来ある考えなのです。本来起債自由の原則というものがなければいいのですけれども、ちゃんと地方自治法の二百二十六条に書いてあるのですから、本来は借金をするということは自由なんです。従ってこの赤字団体が起債が許されるといっても、それは制約されているものをただゆるめられているだけであって、特権を与えるというものではないのじゃないかと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
  406. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 お答え申し上げます。
  407. 北山愛郎

    ○北山委員 あなたの答弁はきのう聞いたから……。
  408. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 一応きのうお話が出た関係もございましてそれには触れませんけれども、ただいまお話がありました起債の点について一言申し上げたいと思います。それは地方自治法二百二十六条の「地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、議会の議決を経て、地方債を起すことができる。」という点は御指摘の通りであります。そこで、別に法律の定めるところによるということがあることからすぐおわかりでありますように、地方財政法の第五条を見ますと、地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源に充てなければいかぬというふうに書いてございまして、そのただし書きには起債の場合がありますけれども、当該団体の歳入欠陥補てんのための起債というものは、必ずしも自由にできることには相なっておらないわけであります。そういう地方財政法はもちろん国会で御制定になったものでございますし、これが違憲の法律であるということには相なるまいかと思っております。ところで詳しいことはただいまの御注意もございましたから申し上げませんが、この法律案によりますと、そういうものについても起債を認めるというふうな点は、法律的な観点から申します限りは、やはり一種の特別の便益ということが甘えるのではないかというふうに思うわけであります。
  409. 北山愛郎

    ○北山委員 それはもちろん地方自治団体のいろいろな組織、運営というものは、あらゆる一切のものが法律できめられているのですから、自治法自体も法律なんですから、そういう意味では確かに法律の制限を受けている。しかし法律で一つの、憲法の九十二条と関連のあるそういう起債自由の原則の精神を基本に持っているということだけは確かだと思うのです。そういう精神から発しているのであって、形はなるほど法律の形をとり法律の制限を受けているにしろ、やはり法律そのものが憲法九十二条の規定の精神に従わなければならぬのです。だからこれはだれもその法律が違憲であるということをなかなか判定しにくいでしょう。ちょうど第九条違反が判定しにくいと同じように……。だけれどもやはり九十二条とつながるところの起債自由の原則というものがあって、そしてその精神に基いて法律がきめられなければならぬという制約だけはあるものと解する。それは意見が違うかもしれませんけれども、従って少くともこの際の一種の特典を与えたのであるというようなことは少しく行き過ぎではないか。しかしこれも見解の相違であって、特別の利益を与えたんだというような御見解のようであります。これについてはこの前も話したから申し上げませんが、この利子補給ということなんですが、実は自治庁長官は利子補給の問題につきまして、船会社に対する利子補給の話が出ましたときに、あれは戦争中にたくさんの船が戦争のために損害を受けた、それを補償してやらなければならぬという趣旨から、今国が船会社に対して利子補給をやるのだ、こういうことを御説明なさった。そこでこの場合の利子補給というのは、どういう性格を持つものとお考えでございますか、法律的に見て……。
  410. 林修三

    ○林(修)政府委員 私の方からお答えいたします。これは結局地方団体の財政援助という立場、財政的に非常に苦しい団体の財政の再建を援助するという厭味で国が補助的に与えるものだ、かように考えます。
  411. 北山愛郎

    ○北山委員 自治庁長官はどういうふうにお考えでありますか。
  412. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 法律の解釈でありますから、法制局長官の通りであります。
  413. 北山愛郎

    ○北山委員 この法律が憲法違反であるかないかということは、たとえば二十一条みたいに狭い範囲のものかとらないで、全体的に見なければならぬというお話、この法律の背影になっているもの、あるいは目的となっているもの、いわゆる地方財政の健全化をはかるというような目的ですね、そういりいい目的なんだからこれはいいんだというようなことも考慮してきめるべきである。そういう全体的に、総合的に判断をして、これは憲法違反ではない、こういうふうなお答えだったのですが、それならばやはりこの際地方団体の財政の窮乏、赤字の原因というものがどこにあるか、赤字の責任がどこにあるかということも、また背景として考えるべきではないかと思うのですが、法制局ではどうお考えですか。
  414. 林修三

    ○林(修)政府委員 実は私そういう経済問題の方についてはあまり詳しくございませんので、今の地方公共団体の赤字がいかなる原因によって発生したのか、これについて私はお答えする資格がないのでございまして、その点についてはお答えをかんべんしていただきたいと思います。
  415. 北山愛郎

    ○北山委員 しかしそれは経済問題とは言えないと思う。先ほどお話のように、たとえば個々の二十一条なり何条なり、そういう法律上の文句から解釈をして、憲法違反であるかないかということを定めるのではなくて、この法案全体のねらうところのものあるいは背景にするところのもの、それが正しいから、それが地方団体のためになる法難であるから、憲法違反ではないというような御説明をなさった。しからばやはり今のような、この法案の背景をなすものを考慮に入れなければ、これは正しい総合的な判断はできないんじゃないですか。そういうふうに経済的な事由であるとかいうのは、研究不十分だといわれる。そういう点について研究不十分であるならば、そういう総合的判断などは自信を持ってできるはずのものではない、どうですか。
  416. 林修三

    ○林(修)政府委員 私といたしまして、もちろん先ほどから申し上げましたのは、財政再建促進法案は、このように財政の赤字に悩んでおる地方公共団体の財政の立て直し、従いましてそれは地方公共団体としての能力を十分に発揮し得るようにという意味の援助、そのいう意味の再建をさせるための援助をする、その援助が効果を発生するように、ある範囲の監督規定を置く、そういう意味の全般的な体系をなしておる。体系的に見ればこれは憲法九十二条の地方自治の本旨に違反するものではない、こういう趣旨を申し上げたわけでございまして、この赤字の原因につきましては、実は私もそれほど詳しく存じておるわけでございません。もちろん今までも質疑応答があったことと思いますが、あるいはそれは地方公共団体のみの責任じゃない部分もございましょうし、そういうこともございましょうが、そういういろいろな意味で生じた地方公共団体の赤字を立て直すという国としてのその体系が、果してこれで法律的に適当かどうかということは、私ども研究いたしまして、これはこの範囲において憲法違反ではない、さらにこれをどういうものにするかという立法政策の問題は、私今直ちには申しませんが、これ自身は憲法違反ではない、かように思っておるわけであります。
  417. 北山愛郎

    ○北山委員 そうしますとこの法案の目標は、赤字の地方団体を救済するという目標に出ているものだから、やはり憲法違反ではないという解釈ですね。今地方団体の財政調整上、御承知の通り地方交付税交付金というものを出しているのですよ。これは地方団体に出してある交付金なんです。だから交付金などを出してある以上は、これは赤字補てんのためではございませんけれども、そういうものを出してあるならば、いろいろ行政権を制約しても差しつかえない、こういう理屈になるのですか。
  418. 林修三

    ○林(修)政府委員 いわゆる地方交付税というものと一般の補助金とは、多少の性質の違いがあるだろうと私は思います。地方交付税というものはもちろん国が出しておるのでございますけれども、これは地方公共団体の独自の財源として意味を持たしておるもの、かように私は考えております。
  419. 北山愛郎

    ○北山委員 交付税は経常的な財源として与えるだけである、こっちは臨時的な財源として与えるだけであって、性質上の相違は何らないと私は思う。とにかく地方団体に何か金でもやれば一方では拘束をしてもよろしい、それだから憲法違反ではないというような考え方はあまり積極的でないのではないですか。
  420. 林修三

    ○林(修)政府委員 これは実はそれぞれの再建措置によって性質の差があると存じます。交付税のごとく一般の地方公共団体の独立の財源を与えるという意味で、これは地方公共団体の財政的な存立の基礎としての制度と考えます。これは一般の地方公共団体にすべて適用になるものでございます。そういうものを与えたからといって直ちに非常に強い、長いひもをそれにつけるということと、この場合のように特別な地方公共団体について特別の便益を与えて、これに対してそれがうまくいく範囲において、うまくいくことを確保する範囲においてこういう監督規定を置く、これはおのずからそこに性質上の差がある、かように考えます。
  421. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると一般的でなければ、その指揮監督のもとに地方団体を置いても憲法違反ではないというのですか、一部なら差しつかえないということですか。
  422. 林修三

    ○林(修)政府委員 これはその指揮監督という御趣旨によります。結局補助金を与える、あるいはこういうような補給措置をする、そういうものを特別にある団体に与える、そういう場合においてそれが本来の使い道にうまくいくような範囲において監督を加えることは、これは私は許さるべきことだと存ずるのであります。一般的に地方公共団体の財政をどうしろ、ああしろという問題ではございませんので、特別の財源を与え、特別の補給措置を与えて、それが適正に使われておるということを確保する意味においてやる措置でございまして、これは補助金等につきましても、補助金を与えた場合にはその使用についていろいろ条件をつける、あるいは法律的にいわゆる行政処分の一環としていろいろの条件をつける。これは当然に許さるべきことだ、かように考えます。
  423. 北山愛郎

    ○北山委員 それは補助金というか、国の事務を地方にやらせるとか、その事務の性質によって違うと思うのですけれども、現在でも平衡交付金とか、そういうものを地方に与えておる。与えておるけれども、しかし一般的には現在の地方自治法の中では、国は地方公共団体に対して指揮監督をするというような規定はなるべく避けておる。ほとんどないのです。どっかにあるならばお示し願いたいのですが、それは国の機関として行われる分については指揮監督ができると書いてある。たとえば生活保護法の仕事などを地方団体がやる場合にはそれはできるでしょう。けれども団体の本来の仕事に対しては、その組織運営に対しては助言勧告しかできないという建前になっておることは法制局でも御承知の通り、現在の地方自治法の建前は、憲法第九十二条の精神を生かした地方自治法の建前なんです。そのところから一歩先に出ないように地方自治法ができておるのです。ところがこういうような法律ができたり、あるいは今度の地方自治法の一部改正のような法律が出るということは、今までの地方自治法の規定とは別な規定が入ってきておるのだということだけはお認めになるでしょう、それが憲法違反だとか、違反でないということは別としまして……。
  424. 林修三

    ○林(修)政府委員 現在の地方自治法が大体おっしゃるような内容でできていることはその通りでございます。そこでこれはもちろん地方公共団体が一般に当然認められるべき自治権の範囲のことを行うについて、いろいろ一般的な指揮監督をしないということは、地方自治の本旨の問題だと思います。しかし先ほど来申し上げます通りに、この法律案は普通の地方公共団体には与えられておらない、便益を与える、その便益を与えたことを確保する意味において、その範囲における監督措置を講ずるということで、これはいわゆる地方公共団体一般について、一般的な指揮監督の規定を設けることとは私は本質的に違うことだと思うわけでありまして、この点はむろん今までの自治法にはこういう趣旨の規定はございませんけれども、それは今申しましたように性質の違うことだ、かように考えておるわけでございます。
  425. 井手以誠

    ○井手委員 林さんは憲法違反ではないとおっしゃいますけれども、従来の考えの地方自治と違うことはおっしゃる通りであります。権能を有するということは社会によって奪うことのできない憲法上保障されたものであると私は考える。またこれは学者の一致した定説でございます。憲法の地方自治によりますと、自治権というものは与えられたものではございません。権能を有する。行政を執行する権能ということは憲法にはっきり保障されておる。ほかの法律によってこの保障を奪うことはできないということがどの法推論でも解釈されておる。地方公共団体は権力団体または統治団体としての性格を明確にし、広範に公けの権力の行使をなすべきことを示しておるということもどの本にも書いてある。はっきり権力を認められておる。その公けの権力に対して、何ものもどの法令も奪うことのできない憲法の保障に対して、行政の執行するという保障に対して、自治庁が行政執行の停止を命ずるということは自治権を奪うものであります。これはあなた方どんなにこの法律が正当なりと理屈づけられてもあなたの説に納得される学者は私は絶対にないであろうと思う。これは重大な点でございますので、回りくどい御説明ではなくて、法理論的にこの際はっきり御明示を願いたい。
  426. 林修三

    ○林(修)政府委員 その点は先ほどから何回も申し上げましたけれども、九十四条で与えられた権限をこの規定が奪っているものではないということを先ほどから申し上げたわけであります。もちろん九十四条は地方公共団体の権能を規定いたしておるのでありますが、その権能があらゆる法律によって制約できないものか、またはその権能の行使の仕方につきましては、御承知のように地方自治法、地方財政法、地方税法等におきましていろいろワクがはまっておる、そのワクが地方自治の本旨に反しないようにできておると私は考えるものであります。この規定も先ほど来申し上げました通り、その権能そのものを奪っているわけではございません。その権能の行使について、多少のそういう命令を受けた場合の効果と関連しての一種の制約はございます。しかしこれは先ほど来申し上げます通り権能そのものを奪ったわけでもございませんし、ただそういうある程度の監督を受けることの適否は結局九十二条の趣旨から解釈すべきものである、九十二条の趣旨から申してこれは違反ではない、実はさっきからそのように申し上げておるわけでございます。
  427. 井手以誠

    ○井手委員 それは詭弁ではございませんか。なるほどおっしゃるように地方自治法によっていろいろな制約があることは私も承知いたしておる。しかしどの法令を見ましても執行を停止するという条文はどこにもございません。命ずることは奪うことではないとおっしゃるけれども、命令することは奪うことではございませんか。これは明らかなことである。私は一国の法制を預かる長官としての言葉とは受け取りかねます。命ずることが奪うことではないのでございますか、それで通用するのでございますか。
  428. 林修三

    ○林(修)政府委員 これは何回も申し上げます通りに、これによってもちろんある程度制約は受けますけれども、基本的には奪うことにはならないと私は思っております。それから同時にこの執行停止の範囲が結局やはり問題でございまして、ある針だけの違反があったのを棒だけの大きさの執行停止を命ずるということは、これはもちろん地方自治の本旨に反すると思いますが、ここに書いてある範囲は結局財政再建の便宜を与えて、与えられる反面その再建計画を立てて、それによってやっていくということに公共団体として意思をきめてやっておるわけであります。それを自分できめたのをその通りやらないという場合、その範囲においてのみ執行の停止を命ずる、その範囲におきましても私は不適当のものでない、かように考えるわけでございます。
  429. 井手以誠

    ○井手委員 地方公共団体が財政再建のために計画書を提出する、これに対して地方公共団体は適合すると考えて財政計画を立てる、その立てた計画を自治庁は適合しないと認める、見方が違うわけです。この見方が違うのに対して適合しないからこれはけしからぬ、この執行は停止しなければならぬ、こういうことを命ずることですよ。よくお考えを願いたいと思う。執行を停止するということは、地方自治権というもの、権能を持って行政を執行しようとするものを停止させる。片一方は適合しておると奪えておる。片一方の自治庁は適合しないという、この見解の相違に対して、なるほど中央の官庁ではございましょうけれども、これは自治庁と地方公共団体は、ものによってはいろいろな差があるかもわかりませんけれども、やはり憲法上は同格でございます。それに対して行政の執行を停止するという、これは明らかに奪うものではございませんか。
  430. 林修三

    ○林(修)政府委員 実は繰り返しになりますが、私はそうは考えないのでございます。もちろん自治庁長官が勝手に認定をしてやるものではございません。当然客観的に妥当性のないような処分をすれば違法な処分でございます。もちろん客観的に財政再建計画に適合しないという事実があることが必要でございます。勝手な認定まで許すものではないと思うわけであります。こういう観点から私は合理的妥当性があると考えております。
  431. 井手以誠

    ○井手委員 今の御答弁によりますと、自治庁長官が不当な認定であればいけない、客観的に正しいならばいいのだ、こういうことでありますが、それは認定の問題、あり方でございます。見方によって、そのときの判定によって、それが憲法違反になったり違反にならなかったりするということではないと私は思うのでございます。同じことの繰り返しになりますけれども、私はそんなあいまいな解釈があってはならぬと思います。憲法上に保障された地方自治権、これは奪うことができないはずです。地方自治法というものはあります。これによって運営しなければなりませんけれども、職務を停止させる、執行を停止させる、これは、繰り返して申しますけれども、明らかに奪うものであると私は断定いたします。この条文は明らかに憲法違反であることを断言いたします。
  432. 大矢省三

    ○大矢委員長 ちょっと私からも聞きたいが、委員会がしばしばこの問題を繰り返し、また自由党と民主党との今度の修正案にも、命令ということは、どうも九十二条侵害のおそれがある。そこでそういうおそれがあると思うから修正をされた。(「それは違う」と呼ぶ者あり)それは私の解釈ですから違うならあとから言ってもらいたい。そう思うから修正がなされた。それから昨日来しばしば問題になりますように、これは小範囲だからよろしい、それから特例法だからよいということもしばしば言っておる。もし特例法を幾つ作ってもよいということになれば、あるいは範囲が小さくても、それを拡張解釈すれば、結局終局はそこへいっていわゆる自治の侵害になるのではないか。憲法の九十二条に反するのではないか。こういうことをしばしば繰り返しておる。この点の相違が両者ともどうしても納得できぬようであります。これはいつまでたっても並行していく、今私の解釈がどうもそうでないというあれがありましたから、提案者からまたいろいろあると思いますが、私はそういう空気がみなぎってこれが修正されたものと考えて、そういう質問をしたのです。それについてどうですか。
  433. 林修三

    ○林(修)政府委員 いわゆる地方自治の侵害が小範囲だからよいとか、あるいは特別臨時的なものだからいいという意味で私は申し上げておらないつもりでございます。これは結局地方自治というものが一般的に認められておる基本的な問題に触れずに、特例的な特典を与えおる場合において、そういうものとの関連におきましてこの地方公共団体の財政が立て直るよう、その範囲においての監督上の措置、つまりどういう地方公共団体も基本的にすべて持っておる範囲のものでなく、ある地方公共団体に特例的に認められておる特典的なものの範囲においての措置だから、これは地方自治の本旨には触れないもの、かような意味で実は申し上げたのでございまして、その点は一つ御了承をお願いしたいと思います。
  434. 大矢省三

    ○大矢委員長 どうですかこの辺で、違憲論は……。
  435. 門司亮

    ○門司委員 法制局に聞くのですが、これは非常に幼稚な質問でありますけれども――それをわれわれはそういうふうに解釈していないのでありますが、憲法論が盛んに出ておりますので、念のために聞いておきますが、この法律は憲法の九十五条にいう一つの特定の団体に特別に法律を施行するというように解釈ができるのですか、できないのですか。広島、京都、東京というような特別の地方にはみんな住民投票でやらしておりますが、そういうふうに解釈できないでもないように考えられる節がないわけじゃありませんが、どうなんですか。
  436. 林修三

    ○林(修)政府委員 これは憲法九十五条の解釈に相なりますが、従来の解釈から申しましても、「一の地方公共団体」という意味は、ある特定の地方公共団体の名前を明示しての地方公共団体という場合に、この憲法九十五条の適用があるもの、かように解釈いたしております。従いまして二十九年度に赤字を出している団体というのは、これは突き詰めていけば、どれとどれというのはあるいはわかるかもしれません。しかしそういう意味における法律規定は、今までの立法例から申しましても、憲法九十五条の問題ではないというふうに解釈しております。
  437. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいま憲法論についていろいろ質疑があったのですけれども、命ずるというのを求めると直したところの自由党の案はまことに賢明である、かように考えておるのです。命ずると求めるでは本質的に違う点を自由党の方ではお認めになって修正案を出されてある、私はこういうふうに評価をいたしております。  そこで別の問題なんですが、自由党の修正案はここに修正案そのものが出ておりますが、この説明要綱というようなものが何か印刷したものはございますか。――私は法律に不案内でございますから、この何条何項を削るとか改めるとかいうのでは、どうもよくわからない。そこで要綱があれば、それをいただきたいと思ったのです。  そこで自治庁長官にお伺いしますが、この修正案につきましては、政府は賛成である、こういうお話があったわけです。そこでこの修正案によりますと、財源的に必要とする経費は約一億五千万円、これについては大蔵大臣が了解をしておる、こういうお話でありました。そこでこの一億五千万円は、この修正案がかりに成立した場合には、どういう形でお出しになるという予定であるか、それをお伺いしておきたい。
  438. 古井喜實

    ○古井委員 この利子補給の点につきましては、政令の定める基準によって出すということになっておりますが、約一億五千万円の経費が必要であるということで見積っておりますが、これにつきましては提案者の方といたしましては、御承知のようにすでに予算に七千五百万円の経費が計上されておりますが、この七千五百万円をまずもって充てることは当然でありますが、この実施の状況を見まして、もしこの七千五百万円で不足であるという実情が明らかになりましたならば、その段階において、この年度内においてしかるべき予算上の措置を講ずる、こういうことで実行していくことができるであろうし、そうすることがよかろうという考えで提案者はおります。
  439. 北山愛郎

    ○北山委員 ただいまの御答弁はあくまで政府の御答弁ではないのでございまして、少くともこの修正案に政府側は異存がないということであり、しかも、それに関連して出てくる経費についても腹案があると思うのです。従ってただいまのお話は提案者の方の御意見ですから、これは参考意見です。政府側はこれに対して賛成されたのでございますから、その点についても賛成されたはずでありますから、どういうふうに措置をなさるつもりであるか、それを政府側からお聞きいたしたいのです。
  440. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私と大蔵大臣との話では、財源的措置はする、こういう言明を得ております。七千五百万円という方は予算で議決になっておりますから、それをどういう形式でふやしますか、大蔵大臣がふやすと言っておるのですから、それにまかしておるのであります。
  441. 北山愛郎

    ○北山委員 その程度で自治庁長官は御了解になっておる。その金額は一億五千万円の見込みであるということを御了解になっておる、こういうふうに考えますが、若干疑問の点であるのです。それはこの修正案の中のしまいのところなんです。地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律の一部を次のように改正するといたしまして、例の昭和二十七年度分以前の国の直轄事業に対する分担金の未納分、これを交付公債にするという規定があるわけであります。これはわれわれの方で今国会に提案をし、大蔵委員会にかかっておるとちょうど同じような内容がここにつけられておりますので、内容的には私どもまことに賛成でございますが、ただここの中に「昭和三十一年三月三十一日現在においてまだ納付されていないものについては、」云々とあるわけであります。従って今納付金の状況がどうなっているかわかりませんが、昭和三十一年三月三十一日現在でもってとにかく現実に納付されていない金額ということになると、去年の納付分もあるでしょうが、これは決算で済んでおる、ことしの納付分は政府の予算の歳入の中にあるはずですが、その分は幾分移動があるのじゃないでしょうか。
  442. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 これを立案する場合においては、三十年度については一定の収入があるように予算に組まれておって、そうしてすでに国会を通過しておるというような関係で、三十一年三月三十一日現在ということにしたのでありますが、政府側と折衝いたした場合においては、行政的に積極的に納付をすることを強く自治体には言わない。現在未納の分については納付しろということを強く催促しない。そうすれば現在のままのものはそのときまで残るであろう。予算の関係でやむを得ないから三十一年三月三十一日までとしたのであるが、実際の場合においては現在のままの額ということにわれわれは考えてこの法案を作っておるわけであります。
  443. 北山愛郎

    ○北山委員 提案者のまことにけっこうな御趣旨でございます。一方においては本年度予算の歳入の中に確か二十六億円の納付があるものとして予算は計上されておるのですが、ただいまの提案者の御趣旨の通りに実行いたしますと、その二十六億円が全額でないにしても、未納になってしまうことを提案者は期待しておられる。従ってその分は歳入欠陥を予想しなければならぬ。なおそれは利子補給以外に予算面に相当額の影響を及ぼすことは明らかであると考えますが、この点について政府の方はやはり御賛成になっておるわけですか。
  444. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 これは提案者と大蔵当局と直接御交渉になりまして今みたいな返答を得たのですが、従来も予算には計上しておったのであります。事実上府県に金がないので納付しないでそのままになっておるのが例年の例でありまして、ことしもその例を追うというわけであります。
  445. 井手以誠

    ○井手委員 提案者に伺いたいのでありますが、私もこの案が原案より非常にすぐれたものであることを認めております。提案者から先刻御説明もありましたけれども、再建団体に対する自治庁の監督がひど過ぎるので、これを緩和しようというのが中心であろうと思うのでありますが、さようでございますか。
  446. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 その通りであります。そのほかに先ほど憲法上の解釈もありましたが、法律上の疑義もありますので、その点を解くことが必要であるということも考えた次第であります。ことに起債を許可しないことをするということは、これは自治法の二百二十六条によって起債をするということは自治体の基本的な権利であります。実はこの自治法を制定する場合に私も参与いたしましたが、これについては非常に議論がございました。そうしてあとにある二百五十条は最初は入っておりませんでした。やはり許可制をとるべきでないということで実は二百二十六条でもっていったのであります。しかし最後の段階において、政府側がそうしないとインフレになるおそれがある、自治体が勝手に地方債をやると金融の全体から見てインフレになるおそれがあるから、当分の間は許可制をとる。こういうふうに例外的に二百二十六条が入れられたのである。従いまして命ずるということはこれは妥当ではない。憲法違反かどうかということについてはまだ疑問がありましたが、少くとも監督したり、命令をするということはいまだかってないことであります。従って今の段階においては法律で命ずるということを規定する段階にはまだ早い、しかも再建団体に対して命令をもって再建をさせるということはわれわれはとらざるところであります。従いまして自発的に勇躍して再建するということが必要だ、こう考えて自主性を十分発揮して、喜んで再建をすることがこの際必要であるという確信を持って、利子補給金を何回も政府当局と談判し、もしこれに応じなければわれわれは絶対にこの再建法を通すことはできないと、われわれ自由党委員が一致し折衝しまして獲得したものであります。従いまして全国の自治体もこの過程をよく了承されまして、これが通りましたならば喜んで一つ飛びつくように再建をやってもらいたいということを期待をし、そうして先ほどの御質問でありまする監督規定も取りまして、また基本的人権である起債の許可をしないという規則も当然やってはいけないという確信から削除したものであります。
  447. 井手以誠

    ○井手委員 提案者の地方自治尊重の御意見に対しては敬意を表します。そこで長官はこの修正案には賛成だとおっしゃる。その賛成だという意味は提案は憲法上に疑義がある、あるいは監督がきびし過ぎた、この方が原案よりよいのだということから賛成という言葉があったろうと私は伺ったのでありますが、さようでありますか。
  448. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 今度の修正案は法案の骨子は決して失っていないのであります。再建団体が建て直るためにはこの程度の修正なら十分であると判断をしております。
  449. 井手以誠

    ○井手委員 賛成したという意味は、原案よりもこの方がもっとよいものである、普通大臣の答弁は、不信任された原案を固執という言葉はいいか悪いかしりませんけれども、主張されるのが今までの建前であります。進んで賛成という言葉を聞いたのはきょうが初めてであります。それほどこの修正案に積極的な意思を持っておられるというようなら、提案者が申された憲法の疑義を除いて地方自治というものを明らかにしていく、あるいは監督を緩和していくという、こういうふうに賛成の意思を表明されたものであると解釈いたすのであります。おそらく皆さんもさようであろうと思いますが、さようでありますか。
  450. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私どもがこれを作成しますときには大蔵省と、ことに利子補給の問題について折衝いたしました。私どもの考えはいれられずして、結局六分五厘ということになったのであります。幸いに皆さんのお力添えを得まして、この点でもって大いに満足をしているわけであります。私がこの修正案に賛成した唯一の理由は、ここにございます。
  451. 井手以誠

    ○井手委員 そこで原案が未熟であったということがはっきりいたしました。私はこれ以上申し上げません。しかしともかくも原案は未熟であったが、幸いに修正案によってかなり進歩した案がそこにできたけれども、私どもはさらにいい案を後日提案したいと考えております。
  452. 加賀田進

    ○加賀田委員 実質的な問題で、修正案と原案とについてお尋ねいたしたいと思います。今二十一条について、憲法上の本質的な問題で論議されましたが、別に実質的な問題として、この二十一条は一項、二項と規定され、第三項で修正案では起債を認めないということが一応削除されております。ただ残ったのは、利子補給を停止することができるという点が残ったわけであります。この本質的な問題は別として、「命ずる」ということが「求める」ということに改正されましたが、このことは、もし求めに応じなかった場合には、再び利子補給を停止するという、いわば罰則的な問題がついておりますけれども、自治庁長官としては、この削除された地方債を認めないという問題は別としても、「命ずる」ということを「求める」としたことは、感じとかそういう問題は別として、このことはやはり実質的にはそういう事態を起し得る、あるいはそういうことを実行できるという点で、私はあまり変っていないと思うのですが、どうお考えになりますか。
  453. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 「求める」と「命ずる」との法律的な見解は、先ほど法制局長官がお話になった通りであります。私は法律的の解釈はよくわかりませんが、読んだだけの直感といたしましては、やはり求めるというやわらかい言葉の方がいいのではないか、こういうふうに考えたわけであります。法律的の見解は私はよくわかりません。法制局長官の説明によれば、実質的には変らないのだというのですが、私はそうだと考えております。
  454. 加賀田進

    ○加賀田委員 もう一点だけ。第三条でございますけれども、ここでも長官が再建計画に条件をつけて、あるいは変更を加えてこれを承認することができるようになっております。その中で、修正案では変更を加えるということが削除されております。この二つの問題、必要な条件をつけるということと変更を加えるという問題が二つ並べば、性格上あるいは実際的に、これを利用する、あるいはこの権限を使う場合には相違いたしますけれども、この変更を加えるということを削除いたしますと、必要な条件をつけるということは、実質的に私は少しも変らない条件が起ってくると思うのです。たとえば再建計画を提示いたしまして、これが原案となって、自治庁長官の権限に基いて、直接その数字等に変更を加えて承認を求めることができますが、こういう修正案によりますと、必要な条件をつけるというその必要な条件の中に、やはり具体的な数字の改正を条件として、これを承認するということになれば、長官自体が直接数字的な変更を加えなくても、その条文に基いて、各地方団体の長がそれを変更しなくてはならないという形が私たちは生まれてくると思うのです。そういう状態の中で、このことは削除されても、その条件である必要な条件の範囲を拡大していけば、実質的には少しも変らないという感じを受けるのですが、その点長官はどう考えますか。
  455. 後藤博

    ○後藤政府委員 変更を加えるということになりますと、ずばりと変更を加えるということになるわけであります。条件をつけます場合には、もちろん変更よりも狭い範囲のものになりますし、そのものずばりじゃなくて、やはり改善の余地を与えるということになりますので、地方団体といたしますれば、私の考えとしましては、歳入の見積りとか、事務的の経費の過度の支出等が予想されるのであります。そういうふうなあまりにひどいものは直してもらわなければなりませんけれども、直す直さないは向うの問題でありまして、多少の問題があれば、将来の問題となりますから、これは改善した方がよろしい。そういう条件を付することになります。従って当該団体においてこれは改善してくるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。ずばりでなくて、改善の余地があるということで、自主的に改善をする余地がある、こういうふうに考えまして、だいぶ弱くなったことになるのであります。
  456. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 ただいま政府側から、提案者の考え方をそんたくして答弁がありましたが、ただいまのようなことも考えました。しかしながら私たちが強く考えましたのは、自治体が、議会の議決を経て自治庁長官に承認を求めたものに対して、自治庁長官が勝手に変更を加えるということは、これは建前上許すべからざるものであるという確信から、その「変更を加え」をとったのであります。そうして条件を付すということは、これは変更を加えることとは違うのであって、条件を付すというのは軽い意味なんです。そこで変更を加える必要があった場合には、もう一度お話し合って、自治体が変更を加えようというような考え方があれば、これらの意思によって動いて、議会にお断わりしてやるのが自主性を尊重するゆえんである。そうしないで、一方的に変更を加えてそれを守らせるというようなことでは、建前上よろしくないし、そういうふうな再建方法は、提案者としてはとりたくないという確信からとったわけであります。
  457. 加賀田進

    ○加賀田委員 今提案者の方から非常にりっぱな御意見があったわけですが、それに付随して長官並びに自治庁当局は、提案者の趣旨に沿うてこの問題を将来解決する意思があるかないかということを明確にしていただきたいのであります。
  458. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 私どもは、議会の御決議なり御意見は尊重して、法律の運営をやるつもりでおります。
  459. 川村継義

    ○川村(継)委員 提案者の鈴木委員に一つ質問をいたしたい。これは繰り返して質問いたしませんが、さっき同僚の方から申しておりましたように、当初原案に対してわれわれが非常に心配しておったような方向がずいぶん取り除かれて、修正案ができておるようでございます。一々検討しておりませんけれども、そういう感じを受けております。特に修正案の一ページに書いてありますように、三条の中に新しく二項を設けられて、「昭和二十九年度の赤字団体の長は、」云々、最後に「機関の意見を聞かなければならない。」、こういう条文が入ったことは、これまでのいろいろの審議を通じて、この前の文教委員会等の連合審査ですか、あのときの状況からしても、大へんいいことだとうれしく思っているわけです。小さいことかもしれませんが、加えられました条文の中に、「委員会及び委員並びに委員会の管理に属する機関の意見を聞かなければならない。」とありますが、これは相当お考えになってこの条文は作成していただいたと思うのですが、「意見を聞かなければならない。」という言葉は、特に文教委員会の立場からいたしますと、一般の行政機関として独立しているというようなこと、あるいは予算の送付権を持っているというようなこと、独立した執行権が与えられているということ、そういうことを考えあわせてみますると、この「意見を聞かなければならない。」という「意見」という言葉について私の希望的意見を申し上げますならば、「機関と協議をしなければならない。」として、「協議」というような言葉にしておいていただいた方がよいのじゃなかろうかという感じがするのであります。その「意見を聞かなければならない。」という「意見」という言葉をお使いなさった提案者のお考えを一つこの際お聞かせおき願いたいと思うのです。
  460. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 意見にするか協議にするかということにつきましては、正直なところ非常に悩んだ問題であります。どうして悩んだかと申しますと、今の質問された御意見と同じような考え方のもとに、協議とすることが正しいことではないか、こう考えた次第でございます。しかしながらこの法案を作製するためには、政府側その他民主党との共同修正にもなりますし、すべてが一致した意見を取りまとめる必要もございましたし、また協議ということになると、協議とは何ぞやということもずいぶん検討いたしました。しかしながら協議ということになると、この重要な再建計画ができなくなる場合があるかもしれないということを憂える向きも相当ございまして、まあ妥協的にやむを得ず、意見くらいでやるしかあるまいということによって、意見ということにいたした次第でございます。意見ということにいたしましても、われわれといたしましては十分教育委員会等と協議するくらいの気持でもって、長が計画を立ててもらいたいということを私たちは切に希望しながら、意見という言葉を使っておるということを御了承類いたいと思います。
  461. 北山愛郎

    ○北山委員 先ほど質問が終ってなかったので、最後の問題ですが、大へんけっこうな規定を入れられた。しかもその運営についても、なかなか弾力性のある運用をされるという提案者のお考えのようです。ただしかし何といたしましても本年の歳入に、はっきりと予算の中に計上されておる二十六億というものが足りない。それを予想されておるわけです。ですからそういう提案者のお話であり、しかも聞くところによりますと、大蔵当局とも了解をつけられたというお話でありますが、やはりこの点については予算に関連するものでございますから、その歳入欠陥をいかようにするという心組みであるかにつきまして、政府側の正式な御答弁を私どもはいただきたいと思うのであります。自治庁長官はこれに対してどういうふうな方法でこの歳入欠陥を補うお考えであるか、政府側としての正式な答弁ができますならば、お答えいただきたいのであります。
  462. 川島正次郎

    ○川島国務大臣 財政当局がいろいろ財政の操作をいたしまして、わずか二十六億なんですが、適当にもうこれは毎年やっておるのですから、それくらいのことは心配しなくても、財政当局にまかしておいて、適当にやるべきはずでございまして、そう御心配になることはなかろうかと私は思います。
  463. 北山愛郎

    ○北山委員 七千五百万円の利子補給をやっとこすっとこ出したような自治庁長官のお言葉にしては実に大ざっぱな御答弁です。しかしかりに一億といえども予算に影響する問題である。ですから適当にやるだろうから、まあ御安心願いたいというような程度のことでは、これは現実に予算を動かすという問題です。それを初めから想定しておることですから、提案者の御趣旨のあることはよくわかりますけれども、しかし政府側が果してその通り実施をするかどうか、正式に答弁をもらわなければならぬ。そうすれば、明らかに本年度の予算に影響を及ぼすのでありますから、これまたどのようにするかということを、はっきりしておいてもらわなければ、私ども了解しかねる。従ってこの点についてはあらためて大蔵大臣の御答弁を願わなければなりません。それから修正案と原案とを通じまして、私詳しく検討をするだけのまだ時間的余裕がございませんけれども、こういう問題がある。すなわちこの修正案を含めた原案、こういうものが通った場合に、これによって再建団体に一応なった団体が途中でいやになって、そうして再建団体になることを議決してやめてしまった。そういう場合にどういうふうな制裁といいますか、一体どういうことになりますか、利子補給の停止はありますね。あとそれ以外に何かございますか。
  464. 後藤博

    ○後藤政府委員 再建整備団体で資金を借りまして、赤字債を起しておりますものが、途中でやめます場合には、繰り上げ償還をしなければなりません。
  465. 北山愛郎

    ○北山委員 その繰り上げ償還というのはどこに含まれますか。
  466. 後藤博

    ○後藤政府委員 これは起債の一般原則によって、繰り上げ償還を命ぜられるかもしれないということであります。
  467. 北山愛郎

    ○北山委員 そうすると起債の繰り上げ償還と、それから今の利子補給の問題ですか、利子補給の方は差しつかえありませんが、繰り上げ償還になるから利子補給はないということですな。そうすると再建団体になったものが途中でいやになって、かごの鳥から飛び出そうと思った場合には、繰り上げ償還をすればよろしい、こういうことになるわけですな。それから修正案と原案とあわせてですが、第二十三条の修正があるわけです。この第二十三条の第一項というのは、例の昭和三十年度以降の赤字団体の地方債の制限でありますが、ここに非常に抽象的な条件が書いてあるわけです。それは原案には「昭和三十二年度以降においては、」と書いてあるのを、修正案では、「地方財政又は地方行政に係る制度の改正等により、地方財政の基礎が確立した年度以降の年度で政令で定める年度以降においては、」と書いてある。そこで修正案は明らかに地方財政または地方行政にかかわる制度の改正ということを前提としておるわけです。これは一体いつおやりになるのか、まことに不確定なことなんですが、修正案の提案者のお考えと政府のお考えとを、この際聞いておかなければなりません。
  468. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 この問題につきましては、現在のような地方財政の計画の建前では、三十年度が赤字が出るということは明らかだと私たちは確信しておるのです。ところが、この法律によりますと、再建整備団体にならないで三十年度以降で赤字が出た場合には、三十年度からは地方債の一部を起債することができないということになっておるのでありまして、これは明らかに、ほとんど大部分の地方団体が起債すら、一部でありますけれども起すことができなくなることはまことに酷なことである。少くとも地方財政あるいは地方制度あるいは交付税の引き上げ等によって、これは最後には取りましたが、そういうようなことによって、客観的に見て、自治体は赤字を出さなくても済むというような程度になったときに、それでも赤字が出たという場合には、あの二項と三項と五項でしたか、その程度のものはやはり再建整備団体にならなければ起すことができないとすることが当然である、こう考えまして、そういう意味から法律を作ったのであります。法制局では、そういう意味であのようなむずかしい文章になったわけでありますが、意味はそういう意味であります。
  469. 大矢省三

    ○大矢委員長 北山君、ちょうど時間のようですから、本日はこれをもって散会したいと思います。  なお本日質疑が残っております。私自身もまた先ほどの修正案に対して質問したいと思いますが、しかしながら残余の法案に対する質疑なり、あるいはまた修正案に対する質疑なりが残っておりますけれども、一応これによって終了したということにいたし、なお残っておることを私がつけ加えておきます。これにて散会いたします。    午後十二時散会