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1955-07-04 第22回国会 衆議院 地方行政委員会 33号 公式Web版

  1. 昭和三十年七月四日(月曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 池田 清志君 理事 古井 喜實君    理事 鈴木 直人君 理事 前尾繁三郎君    理事 加賀田 進君 理事 門司  亮君       唐澤 俊樹君    纐纈 彌三君       櫻内 義雄君    渡海元三郎君       徳田與吉郎君    丹羽 兵助君       長谷川四郎君    青木  正君       熊谷 憲一君    灘尾 弘吉君       山崎  巖君    吉田 重延君       川村 継義君    北山 愛郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 川島正次郎君  出席政府委員         自治政務次官  永田 亮一君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奧野 誠亮君  委員外の出席者         参  考  人         (全国町村会代         表、茨城県石下         町長)     関井  仁君         参  考  人         (有限会社天城         旅館専務取締         役)      金藤万佐則君         参  考  人         (広島県税務課         長)      萩原 幸雄君         参  考  人         (全国知事会代         表、千葉県知         事)      柴田  等君         参  考  人         (全国市長会代         表、熊谷市長) 鴨田 宗一君         参  考  人         (日本トラック         協会会会長)  小野  哲君         参  考  人         (日本倉庫協会         会長)     矢崎 邦次君         参  考  人         (前東京都固定         資産評価室長) 馬場 蜜蔵君         参  考  人         (東京大学教         授)      永田龍之助君         専  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 七月一日  小牧市に特別交付金支給に関する請願外一件(  早稻田柳右エ門君紹介)(第三〇八三号)  地方財政再建促進特別措置法案の一部修正に関  する請願(山口丈太郎君紹介)(第三〇八四  号)  地方財政再建促進特別措置法制定反対に関する  請願(原捨思君紹介)(第三〇八五号)  同(池田清志君紹介)(第三〇八六号)  同(松澤雄藏君外二名紹介)(第三〇八七号)  地方自治法の一部改正反対に関する請願外一件  (助川良平君紹介)(第三〇八八号)  同(小澤佐重喜君紹介)(第三〇八九号)  同外一件(橋本龍伍君紹介)(第三〇九〇号)  同(松井政吉君紹介)(第三〇九一号)  同(片島港君紹介)(第三〇九二号)  同(井谷正吉君紹介)(第三〇九三号)  同(松澤雄藏君外二名紹介)(第三〇九四号)  同外三件(柳田秀一君紹介)(第三〇九五号)  同(大村清一君紹介)(第三〇九六号)  同(菅太郎君紹介)(第三〇九七号)  同(川野芳滿君紹介)(第三一五一号)  同(關谷勝利君紹介)(第三一五二号)  同(鈴木善幸君紹介)(第三一五三号)  同(安平鹿一君紹介)(第三一五四号)  同外十一件(井谷正吉君外二名紹介)(第三一  五五号)  同外一件(柳田秀一君紹介)(第三一五六号)  同(徳安實藏君紹介)(第三一五七号)  同(植木庚子郎君紹介)(第三一五八号)  同(竹尾弌君紹介)(第三一五九号)  同(山下春江君紹介)(第三一六〇号)  同外三件(平田ヒデ君紹介)(第三一六一号)  木材引取税撤廃に関する請願(三鍋義三君紹  介)(第三〇九八号)  クリーニング業に対する事業税軽減に関する請  願(橋本龍伍君紹介)(第三〇九九号)  同(中村寅太君紹介)(第三一〇〇号)  空気銃の所持使用に関する請願(中馬辰猪君紹  介)(第三一〇一号)  東京都水道事業拡張工事費の起債増額等に関す  る請願(亀山孝一君紹介)(第三一六二号)  軽油自動車に対する自動車税すえ置きに関する  請願(勝間田清一君紹介)(第三一六三号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方税法の一部を改正する法律案について、参  考人より意見聴取     ―――――――――――――
  2. 大矢省三

    ○大矢委員長 これより会議を開きます。  本日は地方税法の一部を改正する法律案について参考人より意見を聴取することといたします。本日御出席の参考人はただいまお手元に配付いたしました名簿の通りであります。  参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙のところ、各位には本委員会のために御出席下さったことに対して、委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  なお本日は非常に多数の参考人より御意見を承わることになっておりまするので、各位の発言時間は大体十五分程度にお願いいたしたいと存じます。  それでは順次意見を承わることにいたします。  まず今回の地方税法の改正案並びに改正案以外の点について御意見を承わることにいたしたいと思います。全国町村会代表、茨城県石下町長、関井仁君。
  3. 関井仁

    ○関井参考人 御指名をいただきまして意見を述べさしていただきます。  なお本日衆議院地方行政委員会におきまして、地方税法の一部改正問題につきまして、私どもに意見の開陳の機会をお与えくださいましたことにつきまして、衷心から深く感謝の意を表する次第でございます。  私、全国町村会の代表でございまして、従来地方税法の改正につきましては、私どもの主張でありまする地方制度の抜本的改革に照応いたしまして、この改革に符節を合わせるという意味におきまして、私どもは当初府県民税の廃止を主張したのでございます。そういたしまして基礎的地方団体としての市町村の自主財源の増強等を目途といたしまして、根本的の改正を主張したのでございます。一昨年の地方制度調査会の答申以来、この点につきましては再三御要望を申し上げてきたところでございます。しかし今般御提案中の地方税法の一部改正法案によりましては、これらの基本問題に触れることはなかったようでございます。技術的の一部小範囲の修正にとどめられておるということにつきましては、私ども非常に遺憾にたえなく考えておるところでございます。これらにつきましては、今後すみやかなる機会におきまして根本的に再検討をお願いをいたしたい、かように熱望いたしておるのでございます。  また当面の問題といたしまして考えてみましても、今日府県制度の根本的改革は、現実の問題としてすでに世論化いたしておるのでありまして、その改革の方向はわれわれ今まで主張いたしておりましたように、府県を完全自治体として市町村と並列的に都道府県を強化していこうという方向では少くともないということが、だんだん明らかになってきておるのであります。非常にこれはけっこうなことと思っておるのであります。かりに技術的の修正を行いまする場合にありましても、今回のたばこ消費税率の改訂の問題にいたしましても、結果として府県に多く税源を与えまして、市町村にきわめて僅少である、こういう結果を招来しておりまするが、地方制度の改革の根本的の方向から見まして、非常にこれは逆行しておるのではないかというふうに考えられるのでございます。府県が苦しいからといって矛盾をした傾向で府県を生かしていく、府府を育てようといたしましても、これはとうていできる問題ではないのでありまして、そういう点で非常にこれは誤まった傾向にあるのではないかというふうに考えられまして、むしろこの増税分は市町村に与うべきものであるというのが主張でございます。  これらの根本的の問題を一応除外いたしますれば、今回の事務的修正は、私どもの従来の主張であります固定資産の評価据え置きあるいは大規模償却資産の課税限度の激変緩和の措置等も含まれておりまして、この限りでは大体適当な修正と認められておりまして、この点私どもは原案の成立を要望しておる次第であります。  今回の地方税法の改正法案に対します私どもの基本的の態度は以上の通りでございますが、これを前提といたしまして、本法案中の修正要望事項を述べますると次の通りでございます。  第一点、先ほど申し上げましたように、最も重要な点はたばこ消費税の増額分が、大部分府県収入となることの修正でございます。三十一年度からたばこ消費税が市町村分百分の九、府県分が百分の八と改訂されまする結果、増収分約八十八億円の九割以上が府県の増収となり、市町村におきましてはわずか七億円の収入増が見込まれておるにすぎない状態でありまして、同じように窮迫いたしまする地方財政に対しまして、あまりにも不公平な措置といわざるを得ないのでございます。むしろ前述の通り、将来の地方制度改革の方向を考慮いたしまして、今回の増額分は原則として市町村の税率の引き上げに充当すべきものであり、府県の財源の不足は別途交付税等の調整財源で処置すべきものと私どもは考えておる次第でございます。  第二点、これは本会がかねて要望しておりました非課税及び減免の特例条項の問題でございます。これらの整理縮小がほとんど考慮されていないということでございます。近年相次ぐところの非課税及び減免範囲の拡大によりまして、地方団体は既定税収の確保にも不安を感ずる一面、非課税はまた非課税を呼ぶという傾向が激化をいたしまして、税務行政の運営も非常に繁雑かつ困難をきわめておる状況でございます。国の政策に熱く税の減免は当然国税をもって処置すべきものであり、地方税体系を著しく不平等ならしめるものではない、かように考えております。たとえば政府の当初原案のごとく、各種協同組合等に対しましても均等割程度は当然課し得るものとする等の配慮が望ましいと思われるのであります。  次は第三点でございます。従来から問題となっておりまする給与所得と事業所得の課税上の不均衡の是正でございます。今般の改正法案におきましても、ほとんど考慮されておらぬ模様でありますが、町村の税務行政運営上の最も困難な問題の一つとして十分な御検討をお願いする次第でございます。もちろん本件は基本的には国税の問題であり、また今般の所得税法の一部改正等で勤労控除の引き上げ等多少の調整はなされておるようでありますが、なお実情に即せざることはなはだしい状況にありまするので、あるいは町村で自主的に所得の再計算をなし得る道を開く、これは非常にむずかしいことでございまするが、こうした方向において何らかの調整の方法を実態に即して御研究をお願いしたいのでございます。  次は要旨の五でございますが、この機会に付言いたしたいことは、最近町村の既定税源が軽々に削減あるいは収奪を受けておるのであります。こういう動きが現在の傾向として見受けられるのであります。現在たとえば巷間伝えられておりまする木引税の廃止運動のごときを事例として見まするならば、こういう問題もなお一応慎重な態度で御研究を願いたいのであります。今日の地方税体系で農山村の税収となる適当な税種に乏しいことは御承知の通りでございまして、確実なかわり財源も求めがたいのが現況でございます。しかも交付税制度は国の財政事情を端的に反映いたしまするために、現存する財政需要の手当すら非常に不十分な状況でございます。しかもおくれた町村の行政水準の向上が全く考慮されていない。従って町村の既定税源を交付税に振りかえるということは、全く似て非なる結果をもたらすものでございまして、町村自治の発展に逆行するものといわざるを得ないのでございます。税を再検討する理由といたしまして、偏在が問題とされておる場合が多いのでございますが、少くとも非常に発展のおくれた町村に対しましては、行政水準の向上を前提といたしまして配慮せられたい。もちろんこのことは現在の交付税の算定、配分上でも大きな欠陥となっておるところでありまして、早急にこれの再検討が望ましいのでございます。大体私どもの陳情申し上げる点はこれに尽きておるのでありまするが、今回の一部改正にいたしましても、先ほど申し上げましたような私どもの主張はございまするが、なるべく一歩を進められまして、改正の手順をいち早くつけられまするように要望を申し上げる次第でございます。
  4. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に、遊興飲食税に関する問題について御意見を承わることにいたします。  広島県におきましては、遊興飲食税の徴収に当り公給領収書制度を実施しているとのことでありまするので、この実施状況並びにその実施後の徴収成績等について、まず広島県の税務課長萩原幸雄君より意見を承わることにいたします。萩原幸雄君。
  5. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 本日遊興飲食税の問題につきまして、実際の徴税に当っております側といたしまして意見をお聞き下さる機会を与えられましたことを、厚くお礼を申し上げます。  ただいま委員長より、遊興飲食税の公給領収書の発行状況その他につきましての意見を求められましたので、この点につきまして大体の状況をお話し申し上げます。  御承知のように、遊興飲食税につきましての領収書の問題につきましては、現在地方税法におきまして、県の条例で規定いたします上では、領収書の交付義務を特別徴収義務者に課することができるような体制がとられております。これによりまして、広島県におきましては、現在一割の税率を適用せられます業態のうち旅館以外を除きまして、その他の業態につきましては公給領収書の義務を条例で課しておるわけでございます。結局芸妓の花代に対するもの、それから二割の税率の適用を受ける料理店、貸席、カフェー、バー、それから一割の税率の適用を受ける旅館、この部分につきまして、公給領収書の交付義務を課しておるのであります。実は昭和二十五年以来、遊興飲食税につきましての領収書交付の義務は、特別徴収義務者に条例で負わしておったのでございますが、実際に履行されまする状況は必ずしも完全でありませんで、業態によりまして、公給領収書を発行するのが不可能な業態と目せられるものにつきましてはこれをはずしまして、そして公給領収書を発行できる業態に限って、そのかわりに完全履行を求めたい、こういう関係で、ただいま申し上げましたいわゆる大衆飲食店、喫茶店等をその業態からはずしましたのは昭和二十九年度からでございます。昭和二十九年度からそういう新しい体制になりまして、関係業態にこれの協力を求めまして、大体一年を経過したわけでございます。  この状況を申し上げますと、該当になります業者の数は大体二千六百件でございます。このうち完全に発行されておるのは二百八十五件でございます。これが率にいたしまして一割八厘という数学になっております。それから発行はしておるが、必ずしも完全でないもの、これが九百十二件、率にいたしまして三割四分六厘でございます。残りの千四百三十七件、率にして五割四分六厘でございますが、これが全然発行しておる形跡の見られないもの、こういう状況になっております。  それから発行を全然していない、条例上の発行義務を履行されておらないものの理由でございますが、これは全部につきましてはなかなか調査が不十分でございますが、約三百件ばかりにつきましてのアンケート式の調査によりますと、大体その主たる理由は、そのうち約二割内外の業者につきましては遊興飲食税を客から徴収しがたい、従って県の公給領収書というのは発行しにくい、こういうものでございます。それから客がそういう公給領収書を好まない、結局遊興飲食税というものをはっきり領収書に記載をして、これだけ遊興飲食税を取るのだという形にするとお客がいやがる、こういう理由によりますものが約二割でございます。それからこういう領収書を発行する手間がない、それだけの人手がない、こういいますのが一割五分程度でございます。残りは記載がむずかしい、煩雑だとか、いろいろ理由をあげております。大体大きな理由をあげておりますのは、ただいま申し上げました三つのものでございます。  それからこの制度によりましてどういった利害得失が現実において考えられておるか、こういうことでございますが、私どもが見ておりまして最も長所だと考えております点が二点ございます。第一点は、特別徴収義務者はもとより、この税の運営に当りまして一番問題になっております行為者である遊興飲食、宿泊をする納税者が、遊興飲食税について必ずしも関心が高くないという問題がございますが、こういう領収書を発行することによりまして、特別徴収義務者自身、及び従来から必ずしも関心が高くないと言われておるそういうお客、行為者に対しまして、この税に対する認識を非常に高めるのに役立っておる、これが第一点でございます。  それから第二点は、申し上げるまでもありませんが、課税に当りまして非常に課税標準の把握が楽でございます。それから完全に履行していただけばいただくほど、特別徴収義務者との間にトラブルがないわけでございます。そういうように課税が容易であり、そういう煩雑な問題を起さないということ、並びにかえってこの完全履行の程度が高ければ高いほど特別徴収義務者間の均衡が保持できる、こういうことでございます。  他方この制度によりまして若干検討すべき問題がございます。第一の問題といたしましては、御承知と思いますが、遊興飲食税の特別徴収義務者は、遊興飲食税を実際に徴収するといなとを問わず、徴収すべき金額を県に納税することになっております。従いまして一例を申し上げますれば、売掛金を生じております場合に、やはり行為の時期によりまして売掛のままでも遊興飲食税を県に納入をしてもらうことになっております。こういう場合に、この領収書だけでは売掛の場合の期間のズレを生ずる。従ってこの領収書を発行いたします場合に、他方この領収書だけにたよりきれませんで、そういう行為が現実にあるという何か証拠がほしい、こういうことになるわけであります。従ってこの問題につきましては、広島県におきましては領収証は一組が三枚つづりになっております。そして第一葉が領収証の写しで、これは特別徴収義務者の手元に残ることになっております。第二葉は領収証ではございませんで、同じものを記載するのでございますが、領収証をまだ発行していないけれども、これに記載しておくので計算書と称しております。第三葉は、領収の場合に納税者に渡すという格好にしておりまして、そういう計算書兼用のような様式のものを採用いたしております。そういう広島県で採用しておるものが妥当かどうかの問題がございますが、何かの方法でそういうものが要る、領収証だけにはたよれないという一つの問題点が残っておるわけであります。それからもう一つの問題といたしましては、各業態によって出しいい領収証というものの形態を異にしておりますが、実は本県においてはただいまのところ一つだけの領収証を規定しておるのでございます。将来の問題として、たとえばカフェー、キャバレー、バーといったところで使いいい領収証というものは、現在の領収証とは違うのじゃないか、同じ領収証ですべての業態は完全に律し切れない、こういう考え方のもとに検討中でございます。いずれにいたしましてもこの領収証につきましては、非常に簡易でかつ業態に見合ったものを考えていかなければならないというふうに考えておるわけであります。なおこの領収証は県費で印刷をして、無料で特別徴収義務者に配付いたしてあります。  以上、大体本県でやっております状況並びに一、二の問題点を申し上げたわけであります。
  6. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に旅館業の代表金藤万佐則君。
  7. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 御紹介にあずかりました広島県旅館料理業者でございますが、急なお呼び出しのために適当な資料を持ち合せませんで、お話が少しばらばらになるかもしれませんがお許しを願いたいと思います。  ただいま本県の税務課長から非常に合理的な運用のようにお話があったわけでありますが、実際問題としましてこの税金の問題は、広島県に限らず全国的に大へん不平不満が出ておるのであります。このことにつきまして先般地元新聞社から私に何か不満があればしゃべってみないかということでしゃべったことが、ちょっと新聞にどろんこ行政として書かれたのであります。これは私のしゃべった内容とは少し違うのでございますが、それを一応読み上げまして、その内容について個々に説明させていただきます。文章が煩雑ですから、飛び抜いて申し上げます。「現在は遊興飲食税は地方税として地方自治体の重要財源であり、遊興と飲食が二つに分れたものでないので、料亭、キャバレー、芸者というものから喫茶、食堂に至るまで百円以上のあんみつにも税金がかかるわけである。現行税率は一応標準税率として芸者の花代十割、料理屋、貸席、キャバレーでは二割、旅館の宿泊料金には一制というのであるが、この十割、二割、一割といっても、その標準は場所と店とによってまちまちであるため、各府県ごとに財政状態により課税のアンバランスが生じ不公平を生んでいる。大衆旅館(免税店)で料理屋的な風俗営業が行われたり、料理屋が大衆食堂と称して裏座敷や二階で宴会を行なったり、はなはだしきは官庁、公共団体、大会社の寮と称して料亭的営業(風俗営業)が行われる始末である。こんな実態がつかめないものにかける税金だから、必然に不公平と不満のデコボコ課税となる。あらゆる税金のうち最も不明朗なものというべきである。県当局は苦しまぎれに実態課税とはいうものの、実際には予算課税となり、大きな店、著名な店にしわ寄せされ、とりやすいところから取り立てるのである。こういった徴税だから幾ら観光宣伝をやっても遊飲税の面で阻害され、隣県に立ちおくれているのが現実である。……遊興飲食税はそれ自体、一般に高い税金だということはよくわかっているし、お客さんから徴収が困難だというところに無理がある、お客さまも払いやすい税金ならみんな協力するのである。とれないような税率をかけるから、実際にとれない分だけ自己の出血による納税となる。これをのがれんがために看板にいつわりの店ができる。登録芸者が少くなって「やとな」となり名義をネコの目のように変えたりして不健全な店がウヨウヨできる。」大体こういうようなことを記者が書き取ったわけであります。  この問題をここに説明いたしますと、最初の税率の問題でありますが、これはただいま申しましたように、お客から、実際徴収不可能である税率を規定しているために、こういう問題があるわけでありまして、これはよく御存じのはずであります。従って業者はこの税があるために、とれない分を徴税吏員におどかされて泣く泣く出血納税をするということになります。これをのがれるために芸者は登録をやめて「やとな」になっておる。そういったことが現われてくるわけであります。  次に政令七五以後の不合理でありますが、今申しましたように大衆旅館とか大衆食堂とか、また場所的な免税店を行うために、これに入れない者に不満があるということであります。  それから徴収方法の不公平の問題でありますが、二割業態である料理屋とキャバレー、バーがひとしく二割課税されるならよろしいのでありますが、これが業態によって違っておる。はなはだしいのは芸者には花代という十割課税があるのに、キャバレー、バーのダンサーには税金がありません。こういった不合理があります。  次は領収証の問題であります。先ほどの税務課長のお話のように、広島県においては、三枚複写の領収証が行われております。これは三枚の複写であるために、即日現金でお払いになるお客の分に対しては払いやすいのでありますが、実際料理屋とか高級旅館とかは千五百円以上は大体集金が多いのでありまして、売掛になるために帳簿上取の扱いが困難であります。実際そういう店に限って会社の用とか、公用の関係で領収証が要るのでありますが、これが困難なために必然的に計算書は私製のものを使い、領収証も私製のものを使っております。これが大会社、官庁になりますと特定の形式がありますから、相手方の会社の特定の計算書、領収証、請求書を要求されてまた作らなければならぬ。こういうように大へん複雑なので、私たち業界の中でも大体青色申告業者は私製のものを使っております。私個人の立場から申しますと、計算書は私製であり領収証は官製を使っております。ただし今申しました会社関係においては会社のものを使わなければなりませんし、それを加えると三重に発行しておるわけであります。こういう矛盾がございます。  では、今申しました現行税法のいろいろな不合理な面を合理化するには何かいい意見はないだろうかということで、私の個人的な考え方を述べさせていただきます。これは必然的に、先般自治庁から出されました自治庁案の批判になります。  最初に領収証問題でありますが、自治庁一がお考えの領収証がいかなるものであるかはっきりわからないために、一応広島県が行なっているような領収証と仮定してお話いたします。今申しましたように、領収証というものは、現在の税法から申しますと、現金を受け取ったときに発行することになっておりますが、実際これを実態把握するためには、領収証においては不可能だと思うのです。広島県におきましては、これが計算書と同様な様式になっておりますために大体できると思いますが、実際問題として会社におきましても、これは済まぬが一万円ほどふやしてくれとか、これは芸者があっては困るから酒に直してくれとか、いろいろ理料屋の関係には注文があります。実際これをやっていたら国税庁の方から怒られてしまう、しかしこれをお断わりすることは他の店に行かれてしまうから、サービス業としての悩みがあります。これをいかなる方法にしたらいいか、自治庁案はあくまでも計算書ということで――いわゆる請求書でございます。これでもって実態を把握してもらいたいと思います。しかしながらこれはあくまでもさっき申しましたとりやすい税率でなければならぬという原則のもとに行わなくてはならないと思います。実際問題として官製の領収証というものはこの業界だけに残されて、私は非常に不愉快でありますけれども、万やむを得ぬとなれば、それでなければいけないとおっしゃるなら、業界はあえて反対はしないと思うのであります。ただこれは現行のような税率ならば反対するのでありますが、それでももしこれに対して反対するなら、そのような店は非常に不明朗な店じゃないかと思うのであります。なおこれにつけ加えまして、官製のものをぜひやらなければならぬというならば、国税庁と連絡をとって、この業界の青色申告者に限り法人個人を問わず、現在の青色申告者は国税庁が指示するところの帳簿の上につけ加えて自治庁が規定するものを用意しろ、このものに対しては特別な優遇措置を講じろという条件をつけたいと思います。たとえばそういった種類の店は非常に売掛が多うございます。貸し倒れが多うございます。従って発生主義をやめて現金主義にしてもらいたい。固定資産税の場合は特に事業税に関係がございますから、そういうような優遇措置を考えてもらえば、あえて反対はしないだろうと思います。  次に各旅館業種あるいは大衆飲食業種等から、それぞれの陳情がございます。それぞれみな先生方のお手元にあると思いますが、これはおのおのその理由があると思います。これを実現するためにはわれわれ業者みずからの納税意識も向上しなければなりませんけれども、自治庁そのものが業者をかわいがって税の根源をつぶさない――やはりかわいがってやらなければタケノコも成長いたしません。そうしてそういう免税点その他にそれぞれ陳情があれば検討していただいて、ぜひ実行してもらいたいと思います。  私は個人的に二割業態であるために他の業種についてのいさいがよくわかりません。それでただいま広島県の実情とわれわれ業態の要望というものを申し上げたのであります。
  8. 大矢省三

    ○大矢委員長 ただいままでの参考人の御意見に対して何か質疑はございませんか。
  9. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 私は広島県の税務課長さんに一つお尋ねを申し上げたいと思います。税の対象になるのは二千何百軒で、徴収領収証不発行のところが五割四分六厘である、それでそれらの内訳の御説明がありましたが、この徴収領収証を出しておらぬところの業者に対しては、どういうような方法で課税しておるかということを一点お尋ねいたしたい。  それからもう一点お尋ねをしたいのは、ただいまの金藤さんのお話にもありましたように、いわゆるこの税は行為税であるからして金が納まらない、だから金を徴収することができなければ納めることはしなくていいというような御意見があったのであります。また課長もそういうことを言っておられるが、そうすると行為税ということになれば、金をとるとらぬは別として、その行為そのものに対する税になるわけでありますが、たとえば広島県等でそれが全然払われないというときには、県はどういうような処理をしていらっしゃるか、この二点を課長からお聞きしたい。
  10. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 お答え申し上げます。第一点の領収証を出しておらない店についての課税方法いかんという御質問でございます。先ほど申し上げました領収証は本県が作成し、特別徴収義務者に渡してある公給領収証であります。店によりますと私製領収証を出しておるところもあります。従って私製領収証等が完全に行われております限りは、それによって把握ができるわけであります。それからそういうものがないところにつきましては、申し上げるまでもなく各種の帳簿をそろえております。そういうもので売り上げを見ていくわけでございます。あるいはそういう売り上げを記載してある帳簿が不完全であると認められるもの等につきましては、仕入れ等から推定をしていったり、他方会社、官公庁等における交際費、食糧費等の支出の方から、逆に店の売り上げがつかめていきまして、各種の方法を採用して課税標準の把握ということに努めておるわけでございます。  それから第二の売掛になっておる場合、遊興飲食税は、徴収はどうしておるかというお話でございます。これはむろん税法に基きましては売掛になっておりましても、徴収すべきものを納入していただく形式になっております。売り上げがあります限り、本県ではあくまで前月分は翌月の十日までに納入してもらうことになっております。これで納入をしていただくように努力しておるわけでございます。もちろんそういった売掛等によりまして、現実の問題として現金経理に非常に困っておる、こういうような場合におきましては若干期日滞納になったり、あるいは徴収猶予制度等を適用して参りまして、いろいろ実際に即応するように努力しておるわけでございます。
  11. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 重ねてお尋ねをいたします。先の問題ですが、なるほど基準になる点を役所でお調べになる、しかしながら、現実の問題としてなかなか実態を把握することはむずかしい、そこで各業界の代表者等を集めて、無理な割当制、組合それぞれに割当制の徴収がなされたのではないか、額の割当をもって半強制的な徴収を行われておられる事実をときどき他府県においては耳にいたしますが、そういう点はあなたの県においては全然ないかということをお尋ねいたしたいと思います。  第二点は、ただいま現実の問題として行為税であるがゆえにあとで一カ月とか二カ月おくれて猶予の期間を見るとおっしゃいますけれども、今まで正規の領収証に記載されておってもとることのできぬような問題が起きておる、こういうときの処置は今までどのようにしておいでになったか、この点をお伺いしたいと思います。
  12. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 課税に当りまして領収証等が発行されておらない場合、そのため課税標準の把握が困難である場合、組合等を通じて強制割当をやっておるのではないか、こういうお話でございますが、本県におきましては組合を単位にいたしまして遊興飲食税の個個の額の問題を決定することは全然いたしておりません。従いまして個々の特別徴収義務者個人々々につきまして、話し合いはこういうわかりません場合あるいは何か不完全ではないかというふうな場合には、個人々々の業者につきましては話し合いをいたしております。従いまして徴税当局の方におきましてこの程度は課税標準があるのではないか、こういうふうな場合におきましては、その当該特別徴収義務者になるべく納得してもらう方向で話をしておるのでございます。ただ本県におきましても、職員が約六百人、遊興飲食税につきましては約百五、六十人が担当いたしておると思います。そういう職員の中には、何か話し合いをしておる間におきまして、特別徴収義務者に下愉快な感じを与えたり、あるいは強制割当じゃないかというような感じを与えたりする場合があるいはあろうかとも思いますけれども、一本の根本の方針といたしましては、そういう割当というふうなものは行わない方針で進んでおります。  それからどうしても客からとれなかった場合、これはどうしておるか、こういう問題でございます。現実の問題といたしましては、そういう事例も中にはあろうかと思います。しかしながらこの問題につきましては、いろいろな事情を勘案いたしまして、納期をおくらせたりいろいろやっておるわけでございます。最終的に強制徴収の方法をやるかどうかという問題に帰結すると思います。しかしこの強制徴収につきましては、納税特別徴収義務者が非常に悪質である、なかなか話がわからない、こういうふうな場合には、やる場合が多うございます。ただ滞納になっておる、それだけで直ちに強制徴収をする、こういう方法はとってはおりません。いろいろの実情を勘案いたしまして、それで徴収の時期等について検討しておるのでございます。従いましてそういうご質問のような事例が現実にありましたかどうか、ちょっと私自身そういう実例が見当らないのであります。そういう場合におきましては、もちろん業者の立場を了解いたしまして、直ちに強制徴収をするというふうな方途には出ておらないと思います。
  13. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 簡単にもう一度お尋ねしておきたいと思いますが、なるほどその税の割当は、個人々々に話し合って割当をせられたことには無理はないと思いますが、その割当をせられるときに、組合等の幹部を中に入れたり、あるいは組合等を通じて割当について組合が干渉する、各業界の代表たるものが干渉するかどうかということであります。それは申し上げるまでもなく、国税といわず地方税といわず、団体交渉その他そうしたものの介在を許されないことになっておりますので、この場合において、組合等が入って割当をするというようなことはおっしゃらないだろうと思いますが、現実の問題としてやっぱり税を適当にとろうとする、スムースに進めていこうとすると、そこにそうした取りまとめ的な役に立つものが必要なように私どもは考えるわけでありますが、そういう点はどうかということを、一つお尋ねしたいと思います。  最後に、あなたにお尋ねすることは少々無理かと思いますけれども、私の特にきょうお尋ねしたいのはこういう点であります。この税金が遊興飲食税といわれておる。先ほど金藤さんのお話の中にもあったと思いますが、現在遊興の方に課せられることは一応考えられますけれども、飲食に税が課せられることは、きわめて矛盾のように考えられる向きがある。そこで現在の税金は遊興飲食税といっておるが、税を徴収せられる県の立場からいうと、将来においてはある程度飲食の方には免税ということを考えるべきではないか。遊興にはすっかりかけても、飲食の方だけには将来は考えてほしいというようなことを、県の徴税の立場においてお考えになったことがあるかないかということを、私は一つ参考のために承わらしていただきたいと思います。
  14. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 業者の組合の幹部等にいろいろ話をして、遊興飲食税の課税額の決定等を行う場合があるのではないかという重ねての御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、個々の特別徴収義務者の課税額につきまして、組合幹部に話をするということは絶対にございません。ただ特殊の組合等が組合員全体を統制をとりまして、たとえば出納閉鎖間近かになりましても、一斉に滞納金を完納しないというふうな大きな動きを組合全体としてやる、こういうようなときには、もちろん組合の幹部に対しまして折衝することはございます。ございますが、これはそういう統制をしたことについての折衝でございます。課税額の決定に当りましても、あるいは納税計画の推進につきましても、――個々の特別徴収義務者によりまして個々の事情があるのでございまして、おしなべての事情というものは、通常の場合は考えられないのでございます。個々のその特別の事情というものを考慮して検討すべきわけでございます。組合の幹部にそういうことを干渉させるということは全然いたしておりません。  それから遊興飲食税につきまして、飲食部分については将来の問題として、実際の課税を担当しておるものとしてどういう考え方を持つか、こういう御質問でございます。申し上げるまでもなく、遊興飲食税という一本の税となっております。その場合に課税に当りましての奢侈的な面というものを考慮すれば、遊興と飲食とに相当ニュアンスの差はございます。段階ごとに差はございます。極端から極端と比較すれば、相当の開きがあることは確かでございます。従いましてこれを実費的な遊興税にして、飲食部分を課税しないという方法も、将来の問題としては考えられるだろうとは思います。しかし飲食の部分につきましても、御承知のように芸者を入れて遊興する場合は、これははっきり遊興ときまりますが、そうでない行為の場合に、その飲食部分をいかに規定するか、これを税法上課税するかしないかということをはっきり区別される場合に、その行為の区分をどこできめられるだろうか、こういう非常に厄介な問題を持っておるのじゃないかと思います。それから他方飲食をそういうふうに考えて参りますと、宿泊も家庭の延長ではないか、旅館における宿泊は家庭の延長なんだ、これは遊興ではない、旅に出れば寄泊しなければならぬのは当りまえじゃないか、こういう議論が出て参りますと、同じ宿泊でも、宿泊する場所によっては相当気分的に相違があるのでございます。その場合にその宿泊との関係をどうするか、それから宿泊それ自身にもある程度内容によっては相違があるのじゃないか、こういうふうな問題が、いろいろ実際問題の解決に当りましては、非常に重要な問題として残るのじゃないかと思っております。そういう問題が片方で残ります。片方では御承知のように、現在市町村、府県を通じまして非常に財政難にあえいでおります。従いましてこの問題もただ税法だけで税としてのみ議論ができない状況にございます。重要な財源確保の手段として考えていかなければならない。そういう意味では一番重要な時期にございます。従いましてそういう御意見もありましょうけれども、他方ではそれをどういう財源で地方財政を補っていくか、こういう問題もございまして、いろいろ関連する問題が多々ございますので、これには相当慎重に検討する必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  15. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 ちょっとお伺いしてみたいと思います。県が遊興飲食税の予算を組む場合に、どういうような基礎のもとに総予算をお組みになっておられますか。
  16. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 遊興飲食税の予算を組みますのは、御承知のように当初予算を組みますときは、大体一月ごろに――歳出はもっと早くから手をつけますが歳入面は大体一月に固めるのが通常でございます。従いましてたとえば昭和三十年度の予算を組みました場合には、昭和二十九年度の夏から暮れにかけての現実の調定実態、こういうものをつかみまして、それに基きまして、翌年度の物価指数その他の異同等を考慮いたしまして、そして三十年の三月から三十一年の二月までの推定をいたしまして組む、こういう格好にいたしておるのでございます。
  17. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 そこで組まれた予算に基いて現実に徴税する県内における徴税課ですか、あるいは徴税事務所の方面において徴税をする場合には、予算というものとは全然関係なく、下から積み上げられたもので徴税するのか、あるいはある程度県できまった予算を確保するということを目標にして徴税するのか、徴税するものと予算との関係、それをお伺いしてみたいと思います。
  18. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 予算に組みました遊興飲食税の収入額と、実際徴税に当っての課税方針との関係の問題でございますが、率直に申し上げますと予算には全然関係せずにやっております。予算には全然とらわれておりません。御承知のように売上課税でありますと、売り上げの実態、帰趨いかんによって考えて課税をいたしております。中途で、たとえば一度考えました遊興飲食税の収入額が景気が非常によくなって自然増収が考えられる、こういう場合には追加財源といたします。逆に景気が悪くなってここまでとてもいかない、こういう場合には追加更正で減額をする、こういう方法が正しいのでございまして、そういう方法でやっております。
  19. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 二、三年間における予算と実際徴税した総額との比較は広島県はどんなふうになっておりますか。
  20. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 ただいま手元に昭和二十八年度と昭和二十九年度と二年分しか資料を持っておりません。これも滞納繰り越しの部分についてはございません。その当該年度において課税をしたものだけの数字しかございません。昭和二十八年度におきましては予算額が二億八千六百万、収入額が三億ちょうどでございます。それから二十九年度におきましては、予算額は、端数がございますが、三億ちょうどでございます。収入は三億一千二百万でございます。
  21. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 その徴税を現にする場合に、条例できまっておる課税標準額というものがございますが、それを決定する場合に、その収入の査定をする場合に、県全体としてはこの程度の収入にするとか、あるいは収入をもっと下げるとかいうようなことをあらかじめやって、そうしてその全体の予算の目当をきめるというようなことをやっておるところもあるそうでありますが、そういうことは県全体の遊興飲食に対する収入はこれだけである、従ってこれに税率をかけるとこの程度になるのだ、それでは予算には少し足りない、もっと収入を多くしてみるというと、予算ととんとんになるとか、そういうふうな遊興飲食税の収入のきめ方を、予算と比較して左右するというやり方をやっているところもあるように感ずるのですが、そういう点はないのですか。実際において行われた収入というものをそのままにしているのか、収入というものを予算額に応じて上げたり下げたりするのか、そういうやり方は絶対したことはありませんですか。
  22. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 私現在の職務を持ちましたのは昭和二十八年の夏からでございます。私が担当いたしておりました二十八、二十九年度に関する限り、ただいまおっしゃられるようなことは、全然そういう例はございません。
  23. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 それから調定額というのはどういうふうにして決定するものですか。
  24. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 これは先ほどのご質問にもございました。個々の調定額と申されましたが、個々の特別徴収義務者の納入すべき額の問題だろうと思います。御承知のようにまず申告が出て参ります。申告は出て参りますが、大体本県におきましては、時期によって多少の変動がございますが、週に一回ないし二回は個々の特別徴収義務者の家に調査に参っております。従いまして一カ月間のある程度の資料というものは、その調査時期につかんでおるわけでございます。それから翌月十日までに申告が出て参ります。そのときに申告してきた線が、徴税当局の方でやりました調査内容とほぼ合致しておる、こういう場合には申告通り是認をしているわけでございます。そうでない場合におきましては、こちらの持っておる資料を説明いたしまして、そして個々の業者につきまして、この申告は妥当を欠くじゃないか、こういう話をしているわけでございます。そうして話がうまく納得してもらえれば修正申告を出してもらいます。それが不可能だという場合、県の方の調査にも確信がある、こういう場合には更正をして参るわけでございます。その調査内容は先ほども申し上げましたように、直接売り上げの調査をいたします、あるいは間接に仕入れ等の調査、従業員の数等から考えていったり、逆に行為者、これは会社、官公庁の場合が主でございますが、行為者の方からそういう行為をされた場合の会社側の帳簿その他を見ますと、領収書その他が出てくるわけでございます。そういうものから、裏から売り上げを推定していく、そういうふうないろいろな方法によりまして、売り上げの推定に努めておるわけでございます。
  25. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 私の聞いたのは実に不確実なことであって、実際のことではないのですが、ある都府県においては、この税率のままで課税してそのままとるというと、かりにそれを予算に組めば百億になる、ところが実際においてこの税率が非常に高いために、売り上げ確定のものをずっと下げて、かりに五十億ということを標準とする。そして五十億の標準にすれば現在の税率のままでいくよりももっと低い税率で済むのだ。ある都府県では実際においてこの法律のままにとるよりも、百分の三十とか四十くらいしかほんとうは調定額にしていない、すなわち調定する場合に、実際の売り上げを百分の四十にずっと下げて、そうして調定をして課税をしているのだ、それをこの法律のままにしたならば、とうていこれはやり切れないという情勢である。また財政から見てもそれほど要らないということから、府県の収入から見ると百分の四十か三十くらいの税を実はとっておる、それで十分なのだ、だからこの税率では高いのだ、調定額は実際の売上額をそのままに認めて、そしてその税率をずっと下げて、その税率の分はうんと厳重にとっていくという方がいいのじゃないか。税率が高過ぎるものだから、売上収入というものをずっと安く調定をして、現に業者にはあまり不満のないようにしてやっているのだというような話を実は聞いておる。すなわち現在の税率は非常に高過ぎるのだ、このまま実際行ったならばとうてい業者はやっていけないんだ、だからしてもっと下げて、そうしてほんとうの売上高をその通りに認めて、税率もうんと下げて、そうして今の領収証のような制度も一つの方法であるけれども、それをやっていけばお互いが気持いい税をとることができるのだ、こういう話を聞くのです。従ってこの調定をする場合に、実際の収入額というものよりもずっと下げた調定をして、この税率にかけ合わしてやっているのが現実ではないか。もしそうであるならば、その調定をする場合に、売り上げをそのまま認めてむしろ税率をずっと下げた方がいいんじゃないかというふうに考えるのですが、現にやってみてどんなふうに感じられておるのですか。
  26. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 ただいまの御意見、そういったことをやっておるような県もあるという話を、これまた不確実な情報でございますが、特別徴収義務者の方から、ときどきそういう話を受けて責められておるのでございます。広島県に関する限りはそういうことは全然考えられておらぬことでございます。本日も本県の金藤さんがお見えになっておられますが、そういうことをしておりませんためにいつも怒られておるのでございます。従いまして本県に関する限りは、よその県はよく事情はわかりませんが、自治庁が当初研究されておりました遊興飲食税の税率の引き下げの案並びに徴収強化のための公給領収証の発行、ああいう案がそのまま実現されたといたしましたならば、本県に関する限りは必ず減収になります。
  27. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 そこに問題があると思うのです。福島県は相当料理飲食税に対する反対といいますか、そういう運動が非常に盛んのようなんですが、徴税官吏から見ればこの法律を厳重に執行する、従ってこれを現実に執行する場合においては収入額もきちんとこれをつかむ、そうして税率に従ってきちんとそれを納めさしていくというやり方をした場合に、この税率をそのまま厳に実行されることになるわけです。そういう際に福島県としましては、実際の県の収入額は多くなる少くなるは別として、おそらく現在の予算はずっと少くなると思う。そういうふうに厳格にとっているから少く見積らなければならぬと思うのです。そういうふうな厳格なやり方をしてみた場合に、現在の税率というものは業者から見て非常に苦しい税率であるというふうに感じられるかどうか。ある都府県では百分の四十ぐらいに収入額を調定して安くして、そうして現在の税率をかけている。それでも予算に組んでいるからそれでやっていける。こういうような県においてはあるいは楽かもしれない。しかしながら福島県のように厳重にやっているような場合には、問題は私は税率にかかってくるのじゃないかと思う。そこで業界から見て、その税率は非常に無理だというふうに感じられるか感じられないか、その点をお聞きしておきたい。
  28. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 現行税率につきましては、先ほどから申し上げておりますように、できるだけ完全徴収に努めておるのでございますが、これが特別徴収義務者の立場に立って、この税率は妥当なものかどうか、こういう御質問でございますが、広島県の特別徴収義務者は異口同音に税率がきついと申しておられます。それから実際の徴税に当りましてもなかなか徴収率が、最終的には出納検査までには相当いい成績を上げておりますが、毎月々々の分につきましてはかなりの額が滞納になっている、こういう状況をたどっておるのでございまして……。
  29. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 税率は高いと思いますか、低いと思いますか。
  30. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 それで、そういう状況等から考慮して参りますと、いま少しく行為者である納税者御自身が、この税の存在を確認されまして徹底的に協力をされるという、あるいは特別徴収義務者自身もそういう宣伝をしていくということで、納税者の関心の興起をもう少しはかっていかない限りは、総じて若干高いのではないか、こういうふうな印象は持っております。
  31. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 若干高いと思うということでありますが、この領収証制度をまじめにやっておられる、私は非常にまじめなやり方だと思っております。そこでこれをやった場合に、二割くらいしか出していない、あとの大部分は出していないという際に、この領収証というものはそのまま認めておりますか。あるいはこれは課税する場合の参考ということにして、その出した領収証にかかわらず別の調定をしてやっておりますか。領収証を出したものはそのまま大体まじめなものであるとして認めてやっておられるか、いわゆる参考であるか、その点をお聞きしておきたい。
  32. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 先ほど公給領収証を完全に発行しているうちが約一割一分だと申し上げました。この一部につきましては完全に発行しておると私どもが認めておるものは、結局そのまま採用しておる、是認しておる、こういうことでございます。一部分発行はしておるけれども完全でないと認めておるのが三割四分ぐらいだと申し上げました。この部分はその領収証だけでは信じがたいという、何かの資料がほかにあるということでございます。今後の問題といたしましては、もちろんそういう完全発行をして、それをそのまま認め得るように特別徴収義務者の協力を求め、また私どももそれに協力していきたい。こう思っておる次第でございます。
  33. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 そうしますと、この領収証は、徴税官吏が個々別々にその納税義務者を検討して、この人は領収証のままで間違いなく申告しておるのだ、これは少し怪しいというふうに、個々別々に、その領収証にもかかわらずそれを検討して、そして一割一分幾らかというものはまじめだというふうに見る、それ以外のものはまじめでないというふうに見るのであるから、これは調定する場合の一つの参考にすぎないということに了解していいわけですね。
  34. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 ただいまのお話のちょっとわかりにくかったのでございますが、いずれにいたしましても、全く領収証を完全に発行しておる特別徴収義務者であるかどうか、こういうことは、もちろんただいまお話のございましたように、個々の特別徴収義務者の実際のやり方によって判断するわけでございます。
  35. 前尾繁三郎

    ○前尾委員 ただいまのお話の公給領収証を発行していないものの同期の割合が出ておりますが、業態別に不完全発行の場合と全然発行していない場合とお調べになっておりましたらお話し願いたい。割合がわからなくても、大体どういう業態はどういうふうな状況だということだけでけっこうだと思います。それから第二点は、領収証発行についての奨励策、優遇措置というようなものを何らか考えられておるかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
  36. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 業態別につきましての発行状況資料は持っております。先ほど申し上げましたのは全部についての数字でございまして、業態別に申し上げますと、料理店が、完全に発行していますのは七・六%、発行はしているが完全でないもの四六・九%、これは料理専門の店でございます。それから、これはほかの県にも例があるのだろうと思いますが、旅館と料理店との兼業のようなものを本県では割烹旅館と称しております。これは別ワクにしておりますが、割烹旅館につきましては完全に履行されているものが二三%、発行はしているが完全でないというものが六〇%、そのほかが先ほどもそうでございましたが、全然発行していないものでございます。それから純旅館で完全に発行しているものが一八・八%、発行しているが完全でないもの五七・六%、それからキャバレー、カフェー、バーにつきましては、完全に発行しているものがわずか二・四%、発行はしているが完全でないもの二一%、これは当初御説明申し上げましたときにお話を申し上げたかと思いますが、キャバレー、カフェー、バーの業態につきましては、現在の領収証の様式そのものが業態に適合しておらないと考えておりますので、将来これは、この業態につきましてもいろいろ協力を求める上におきましても何かチケット式的なものとでも申しますか、この業態で何か容易に出せるもので考えていきたいというように思っておるのであります。  それから何か奨励策をとったかというお話でございますが、非常に財政困難な折柄でございますので、経費のかかることがなかなか実際問題としてはできぬ状況にございます。従いまして徴税費等につきましても非常に窮屈な状況なのでございますので、これの奨励につきまして徹底したものはなし得ておりません。ただ旅館、料理店等につきましての、県の連合組織のものがございます。この連合組織と十分打ち合せをいたしまして、この領収証発行についてできるだけ協力してほしいという申し入れを二十九年度の当初いたしました。そして連合組織の幹部会におきましてこの了解をとりまして、県よりむしろ組織の方がこの発行につきましての啓蒙宣伝をやっていただいたというふうな状況にございます。それで一年経過したのでございますが、なおこれは今後に残された課題でございまして、これだけで十分とは毛頭思っておりません。将来ともこれの奨励をしていきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、やりましたことは、そういう業者の組合というものに非常に協力を願った、こういうことでございます。
  37. 門司亮

    ○門司委員 ごく簡単に二、三の点を聞いておきたいと思います。それは実施の面ですが、先ほど業者の代表者の金藤さんですかのお話の中に、客からの徴収が非常に不可能であるというようなお言葉がございましたが、不可能であるという理由は一体どこにあるのか、その点を一つはっきりお聞きかせいただきたいと思います。
  38. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 この改正税法は二十八年の正月でございましたので、その後の経済状態というものははなはだしくデフレ化しておるのであります。そういった関係と、二割業態そのものが例の社用公用の宴会とかいったものが少くなっております。大体一割系統で簡単に済ませよう、こういうところから二割業態が非常に脅威を受けておる実情でございます。その関係で結局二割業者の中でも――この業種はきのうの横綱はあすの幕下といわれるほど変動のあるものでありまして、新しい店ができてパッと派手にやりますと、客を新しい店に非常に奪われます。そういうところは税がはっきり固定していないところですから一割くらいでやってしまうので、その上手のところからはとれなくなる。客の動き方というものは地方ではほとんど変りません。東京都のように赤坂、新橋の方へ行くのと場末の方へ行くのとは違いますが、地方ではほとんど客は変らない、片方に行けば安い、片方に行けば高いというような状態であります。
  39. 門司亮

    ○門司委員 今の話だけではわれわれは納得がいかないのですが、業者の立場のみでなく、さらに聞いておきたいと思うのですが、たとえば品物の値段が書かれるという場合には、それに税金がどのくらいかかるということが公示されているかどうか、これは納税の義務のありまする者は必然的に納税をしようとする者としての理解と納得がなければならぬはずであります。従って行為に対する税金でありますから、行為を行う者についてはおのずから理解と納得をせしめて、しかる後に行為をせしめるというのが正しい行き方だと思う。従ってもし各店頭で代価はこれだけだ、これに税金が幾らというような態度がとられているか、またこれは県の方にも聞いておきたいが、そういう指導をされているかどうか。おそらくこういう指導が完全に行われていれば、行為を行う者自身がその税金を納めていくという考えを持ち、同時に税金を徴収した者は完全に納めなければならぬという意識が持たれるならば、トラブルは起きないと思う。こういう点について処置をとられたことがあるのかお聞きいたしたい。
  40. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 ただいまのお話の料金表示の問題でございますが、これは最近自治庁案のできたときに私たちの業者が集まりまして、これは現行税率では不可能なのに、これが却下されたという関係で、われわれ業者がほんとうにこの税を取ろうじゃないかという申し合せをいたしました。そのためには私のうちは小さいから取れないというようなことでなく、この場合には店が小さければ小さいように料金を引き下げてやろうじゃないかという私たちの申し合せを、最近実施する段階にあるのでありますが、ただ今の本税法そのままの二割ということになりますると、表向きどうしても業界が非常に不利な立場にあるので、その実施は遠からず行われると思いますけれども、なかなか大へんなことだと思います。
  41. 萩原幸雄

    ○萩原参考人 料金掲示並びに税額を掲示しているかというようなお話でございますが、料金掲示につきましては特殊の業態につきましては、あらかじめ料金がきまっておらぬという場合もございまして、できない場合もございますが、きまっている分につきましてはもちろん掲示をやらせております。それから料金等につきましては日々変っていく場合もございます。それで税率の掲示につきましては税額は掲示しません。税率についてはこの店は幾らの税が適用になる店だということは掲示しております。これからも励行していくつもりでおります。
  42. 門司亮

    ○門司委員 この税金が非常に問題になっているのは、行為税としての税金の建前から先ほども申し上げておりますように、行為を行なった者が払って、業者は徴税義務者として御迷惑をかけているという段階であります。ところがそれがどうも納める方の考え方がなされない。取る方と中間の業者との間にのみ問題がくすぶる。この問題を解決するには先ほどから私が申し上げているように、行為を行う者が理解と納得をすれば、この問題は大してむずかしくないと思う。どの辺までかけるとか、あるいは税金が高いとか安いとかいうことについては、いろいろ社会の各般の情勢を勘案してきめることが妥当だと思いますが、しかしその前にまず徴収が困難であるからという理由の中に、今のお話だけではやはり納得ができないのであります。業者の建前から言えば、むずかしいことを言って税金をびしびし取れば、店に客が来なくなってつぶれてしまうから、店が成り立たなくなるということはもっともな考え方だと思いますが、だからといって税金が不公平になり、徴税が非常にむずかしくなって参りますと、その間に悪く言えば、徴収したものが完全に収納されておらないというようなことが出てくることになると、大きな問題を起す。それから客からは取っておるけれども、納める方は納めてないということになると非常に困る。そういういろいろな問題が出てくると私は思う。だからこれを明朗にしようとするのには、指導の方法がそういう形で、そうしてメニューならメニュにはっきり書き込んで、納める者は理解と納得をする。いわゆる行為であります以上、納得をさせないで行為をさせて、あとからこれだけよこしなさいというのは不都合だと思う。そういう措置が完全にとられるということをまず先に考えられておくことが、この業態には必要ではないかと私は考えておる。だから先ほどお伺いしたのでありますが、そういうことはなかなかむずかしいという答弁であるなら、私どもはあるいは法律の中でそういうことを規定しなければならぬかもしれない。そうしてできるだけ公正にやっていくことがいいのではないかと考えておりまするが、この点について当局並びに業者はどういうふうにお考えになるか。現行法からいえばかなりきつい問題になると思いますが、そういうことをやって――これは露骨に私は聞いておきます。業界が成り立ち、さらに徴税が容易に行われるというように業者の方でお考えになりますか。
  43. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 最初に申し上げました通り、実態の把握の困難な税金であるということに、すでに不明朗を感じる税金であるということを申し上げましたが、先ほども事例をあげまして、はっきり二割行為の店で宴会をするのは税がいやだからというわけではなかろうかとは思いますけれども、現在この税法についてどの顧客も御存じありませんです。これは当局側の啓蒙運動がなかった理由もありましょうし、また業者の宣伝も悪かった関係もあると思いますが、実際問題として、県会議員の中でも、業者は徴収義務者であって納税義務者でないということさえ御存じない議員がおられる。また県のお役人でさえ、税金は領収書をやるのに負けてくれ、こういうような吏員もあるのですから、やはりこれは政治の問題として、啓蒙運動が絶対必要だと思います。
  44. 門司亮

    ○門司委員 たとえば税金をかけないものはかけないものとして、かけるものはかけるものとして、そこで行為をする者に親切な態度が行われて、それが普遍的に宣伝されてくれば、私は必然的に納税の観念が高まってくると同時に、こういうトラブルは起らなくってくると思います。私は一応の杞憂はあると思います。もしそういうことをやると、芸者をあげる場合には百分の百の税金がかかっていますよということがはっきりわかってくれば、芸者をあげるのに三人あげるところを二人に減らそうということが出てくるかもしれない。そういうことのために業界が非常に不振になるという杞憂はあると思いますが、しかしその線を乗り越えなければ、この税金の妥当にして公正な徴収は私は困難だと思う。ただ税率が高いか安いということは私の話とは別であります。別にして、そういう行為がこの業態の中には必ずとられていくということが望ましいのではないかというように考えております。  次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、現実の問題として、遊興と飲食の限界を私はもはや明快にすべき段階だと考えております。一般普通の飲食と思われるものに税金をかける時代ではないのではないかと考える。こういう考え方について、もしそういう考え方が妥当であるとするならば、遊興と飲食との間に線が引けるというようなお考えがありますか。業者の立場からそういうことが考えられますか。
  45. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 今の御質問は、遊興と飲食の問題でございますか。これはこの税の行われたのが戦前のことでありまして、その当時は観興税とか遊興税とかいわれたということを聞いておりますが、飲食税につきましては、これが現在の業界の内容によりますと、飲食税であるとおっしゃる食堂におきましても、それから旅館という名目におきましても、同じ旅館といいましても、温泉地の旅館と市街地の旅館とは性格も違いますし、そこにおける実際の区分というものが――これは徴税の側から考えましても、同業者間におきましてはやはりおのずから業態がてんでんばらばらで、はっきりこれは飲食だからもう税金はいらないのだというふうには、ちょっと現在の業界の内容では決定しかねるのではないだろうか。だから今日いろいろな業界から運動しておりますところの免税点の関係でないと、これは解決できないのではないか、こういうように考えます。
  46. 門司亮

    ○門司委員 免税点の問題になって参りますが、免税点の問題がこの業者にもし適用されるというならば、いろいろな問題がさらにまた出てきやしないか。一つの問題は、個々の行為による免税なのか、全体に対する免税なのかというような問題が私は出てきやしないかと思う。今問題になっておりまするのは免税の関係でありまして、幾らまでは税金をかけないという態度をとっておる。しかしそれ以上になればかけるということになっておる。これは一つ一つの小さな飲食店等においては一つ一つ品物ごとに分けていける、ところが料理屋その他になってくると、総括的な売り上げの代金になってきやしないかと思う。そういう場合に免税点もなかなか私は困難だと思う。やはりそこには業種別に何らか分けることの方が妥当ではないかというように考えられる。単に免税点といっても、では料理屋なら幾らまで免税にする、普通の飲食の場合には、一つの品物しか食べない場合には、それだけについての免税点を設けるということは容易にできます。これは二つの問題が出てきやしないか、個々の問題で処理できるものと、総括的に処理しなければ処理のできないものが出やしないか。そういうものについては必ずしも私は免税点だけではうまくいかぬという従来からの考え方があるのです。従ってさっきから聞いておりまするように、一つの行為によって線を引いていく、遊興と思われる行為、飲食と考えられる行為というようなことで、線を引いた方がむしろ合理的ではないかというように考えておりまするが、従ってもう一応聞いておきたいと思いますことは、もしそういう形で行為によって線を引くということになれば必然的に影響するものは今の営業の業態であります。今お話になっておりまするような種々雑多の業態だからやむを得ない、こういうことだと私は思いますが、その業態に対して規正することができるかどうか、こういうことも一つ率直に参考のために聞かしておいていただきたい。
  47. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 これは最初私が合理化への私見として申し上げましたことの中に、私たちの二割業態について、大体それを中心に申し上げたのでありますが、結局自治庁案の領収書の問題を前に国税移官という問題が起ったときにこれがくずれたのでございますけれども、国税移管にならないとすれば、青色申告者の優遇策によって、ある程度の実態が把握できるような状態に持っていくならば、おのずからそういうものは非常に有利だ、有利だというふうになれば、小さい店も大衆食堂もみんなそういった帳簿がはっきりしてくる。そうしてそういった内容がはっきりしたことにおいて初めてそういったことを考えるのが、妥当ではないかと思います。
  48. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 関連。金藤さんにちょっとお尋ねしますが、あなたの御経営していらっしゃるところのお店というものは、旅館でありまするが、割烹等もやっておいでになって、先ほど課長が言われました割烹を含んだところの旅館であり、そしてまた芸者等が入る宴会等ができる旅館であるかどうか、ということを、まずお尋ねしたいと思います。
  49. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 御質問の通り、私の方は料理業と旅館業、そして同時に料理業の方は風俗営業の許可をとって、芸者も出入りしております。
  50. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 そこで先ほど門司先生からのお尋ねに、飲食税とそしてまた遊興税というものを切り離すことができない、こういうような御答弁、お考えが現われてくると私は思います。しかし先ほどの課長さんのお話に聞けば、そういうこともできないわけじゃない。なるほど食べたそのものに遊興というものが関係するかどうか、また旅館というものが生活の延長である程度を越しておるものであるかどうかということは分けるに相当むずかしい、こういうようなお話でありまして、そういうようなことだと、私もなるほどとある程度了解するものでありますが、ただいまおっしゃいましたように全体的に考えて遊興と飲食というものを切り離すことができないということは、あなたの家がそういう店の形態であるからそういうことが言い得られるのでありまして、私どもの考えますのに、町で大衆を相手に食堂をやっているとか、あるいは一ぱい酒屋というようなところは、これは完全に今門司先生がおっしゃいましたように遊興と飲食を切り離すことができる。現在地方で遊興飲食税がトラブルを起すということは、そういうところに非常に税の割当が多くして、大きな料亭であり、大きな旅館はその割に税がかかっておらないというところに私はこのトラブルが起き、不公平が起きていると思うのであります。だからあなたのあくまでも遊興と飲食とを切り離すことができないというような考え方は、あなたの家の形態がそういうものであるからしてそういうことが言い得られると思いますが、おそらく大衆を相手にしてやっている飲食店においてはそういう議論は成り立たないと思います。重ねて御意見を承わりたいと思います。
  51. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 これは東京都とか大阪のような大都市の場合と地方都市とはおのずから事情が違いまして、たとい広島で一流と申しましても大衆の方もおいでになるのであります。同時に大衆食堂という店にもやはり一流の方もおいでになる。それから一級の料理屋におきまして販売するサイダーの価格にしろ、うどんにいたしましても、大体大衆のところの値段と変らないのであります。これが現実に困難だと私が言うことは、戦後料飲の禁止から料飲再開とかそういうようにして転々と業態が変るために、業界のこれはこの組合だ、この業者の集まりだと分けることは困難だと思います。それで私がちょっと分けられないと言いました理由は、ただそういう地方の事情において言うのでありまして、これがたちまち全国にその通りだということではないのであります。同時に広島市におきましても、そういった大衆食堂で実際には二階で宴会が行わたり、それからまた風俗営業が行われたり、そういうことでは実際に実態の把握が困難であるから、またそういうふうに分けると不公平ができるという考えから申し上げたのであります。
  52. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 あなたの御説明はちょっと了解に苦しむものでありますが、東京のまん中でも広島でありましても、やはり労働者とかその他これに準ずるような生活環境にある者が、いずれもホテルに行って飯を食ったり、料理屋へ行って飯を食うとは私は考えておらない。やはりどこに参りましてもそうした環境、立場にある者は一ぱい酒屋に行くとか大衆食堂があるはずであって、またそこに押しかけると私は考えている。あなたの家には高級な人がおいでになって、一つ五百円の料理でもそのものに芸者がはべって給仕をするから、料理と遊興を分けることは困難だとおっしゃるならば私はわかるわけでありまして、重ねてお尋ねしたいのは業態といいますか店の形といいますか規模といいましょうか、そういうことによって全然遊興とは関係のないたとえば百円のすしを食って、それでは税金はかからないが、料理屋で百二十円食えばもうかかるというようなこういう行き方、私はきわめて了解に苦しむようなわけでありますが、今申し上げたように業態とか店の形というものにおいて、遊興と飲食というものを明らかに分けると努力するならば分け得られるかどうか、あなたのお考えを承わりたいと思います。
  53. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 今おっしゃることはよくわかりました。やはり一流の旅館におきましてもその行為が非常に遊興的でないという判定は、計算書の実態によって把握しなければできないだろうと思います。
  54. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 ちょっとあなたに伺いますが、あなたの家で割烹旅館をやっていて、あなたの家でも分けるのに困難だというようなお説なんですが、あなたの家なんかかえって分けやすいのじゃないかと考えるのです。たとえばあなたのところで泊りの客がある、またその泊りの客に対しても宴会は別でしょう、おのずからこういうふうになる。客が宴会をやると、そこに泊りと遊興と一つの線が引けるのじゃないか。だからあなたの家の方がかえって分けやすいのじゃないかと考えるのですが……。
  55. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 それは現在私の方におきましても料飲行為の分は二割かかっております。宿泊の分には一割ということになっております。ところがその内容におきまして宿泊に伴う会食という項目があるのであります。これがやはり二割の対象に現行税法はなっているのであります。だからこういった税法のこまかい規定について、ある程度考えられると思いますが、これらの実態におきましてこれはこうこうではないと一線の吏員と話し合うわけであります。ところがこれを税法ではこうだということで振り回されるわけであります。だから私の方において内容を分けることは容易でありますが、相手方さんがそれを了解しないというところが問題であります。
  56. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 あなたのところで宿銭は幾らでございます、この部屋は幾らでと掲げてございましょう。それをこれは一割であとは二割でと分けられる。その手数がなかなか要る、それが困難だからとこういう結論でしょう。分けていくのが容易じゃない、帳簿さんの手間が大ごとだからというのでしょう。ただ分けることは分けられるが手間がかかる、税金を払うために苦労が多いのだ、そういう点を一番重要にあなたの方はお考えになっていやしないかと思うのです。ですから私に考えさせるならば、あなた方の方が一番分けやすい。なぜならば宿屋ホテルは一流は幾らときまっているんだから、そういう点からそれを切って、それ以上出たものは遊興に入っていくわけだから。そういうように私は考えるのだが、ただ非常に分けるのが苦労だということなんでしょう。
  57. 金藤万佐則

    ○金藤参考人 分けるのが困難だとは思いません。思いませんが、今の課税の税法がそういった規定があるために出血させられる、実際とっていないという問題がある、そういうことだけなんであります。だからこういうことは、これだけでいいのだということが明示されるならば、私の方は構わぬわけであります。
  58. 大矢省三

    ○大矢委員長 町村会代表に対しての御質疑はございませんか。――ないようでしたら午前中の会議はこの程度にしまして、午後は参考人が六名ございますから一時半ジャストに開きますから、御集会を願います。  午前中の会議はこの程度にいたします。    午後零時十八分休憩      ――――◇―――――    午後一時五十一分開議
  59. 大矢省三

    ○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方税法の一部を改正する法律案について参考人より意見を聴取することといたします。  参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙のところ各位には本委員会の地方税法審議のために御出席願ったことを委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。なお本日は非常に多数の参考人より御意見を承わることになっておりますので、各位の発言時間は大体十五分程度にお願いいたしたいと思います。  それでは順次意見を承わります。まず全国知事会代表、千葉県知事柴田等さん。
  60. 柴田等

    ○柴田参考人 ただいま御紹介をいただきました千葉県知事の柴田でございますが、私は地方税法の一部を改正する法律案中都道府県分につきまして、きわめて簡単に意見を申し述べたいと存じます。  今回の改正法律案は地方税制の根幹に触れるような大きな改正ではないようでございます。私ども全国知事会議といたしましても、今回の改正法案そのものには根本的に積極的な意見は持っておらないわけでございます。ただ当地方行政委員会におきましてもしばしば論争論議されておるようでございますので、恐縮でございますが、今日の地方財政の状況にかんがみまして総体的な関係につきまして若干御意見を申し上げ、最後に今回の改正案につきまして若干意見を申し上げたいと思います。  御承知のようにここ三、四年来地方財政は非常に窮迫して参りまして、昭和二十九年度の決算額――これはまだできておりませんので推定でございますが、都道府県、市町村全般として五百八十六億円の赤字になるのではないかということが推定せられておるわけでございます。これに対しまする政府の措置がまだ十分ございませんので、私ども各都道府県の方から申し上げますと、いずれも暫定予算を組みあるいは時限的な、骨格的な予算を組む等の方法によりまして、なかなか本予算が組めないような状態でございまして、これをしいて組もうといたしますれば、歳入等に若干水増しをしなければ組めない、こういう状況であるわけでございます。従いまして私どもは地方交付税の税率の引き上げその他地方税全般にわたりまして、もう少し根本的な改正をしていただきまして、何とか地方財政の窮乏を救っていただきたいという悲願を持っておるわけでございまするが、今回はそういうことがなされておりませんので、何とぞごく近い将来にぜひそういう点をお考え願いたいという意味におきまして二、三のことを申し上げてみたいと思うわけでございます。  国、地方を通じましての税体系というものが、それぞれ国、地方を通じての事業分量と申しまするか、そういうものにある程度比例的なものを持たなければならないと私は考えるのでございますが、これを国家予算の場合と地方予算の場合に考えてみますと、昭和二十八年度におきまして、概数でございますが、国税総額は――専売益金も入っておりますが、大体九千四百億強でございます。総予算が、多分昭和二十八年度は一兆億ちょっと越した予算であったと思いますが、大体国家予算の財源から見ますと、九四、五%というものが、国税かあるいは専売益金か、これは同様な性格のものであると思いますが、こういうものによっておるわけでございます。その他の財源としてはわずか四、五%しかよっておらないという状況でございます。その二十八年度におきまする地方財政におきましては、地方税総額が三千三百億円程度であります。予算総額は九千三百億程度でございますので、そのパーセントは三六%程度が税源でありまして、その他は交付税を初めといたしまして、補助金でありますとか、ことに起債財源が非常に多きを占めておるわけでございます。約一二%は起債財源で従来ずっと参っておるような状況でございます。戦争前におきまして、ことに基準年度の状況を調べてみますと、大体地方税の総額は、国税総額の五〇%程度であったのでございます。従いまして今の金でいいますれば、四千五百億ないし五千億がその当時の率からいけば相当であるべきものが、三千三百億程度しかない、そのために起債財源等きわめて将来に災いを残す財源を多く使っておるというようなことでございまして、その点からいたしましても、私どもといたしましてはどうしても自主財源でございます税財源というものを、もう少し与えていただきたい、もちろん交付税の増額もその中に入るわけでございますが、そういうことをしていただかないと、地方としてはもはやほんとうに立つ能わざる状況になるのでは、ないかということを、非常に心配いたしておるわけでございます。要するに国と自治体は同じような公共的な仕事をやっておるにもかかわりませず、税財源の配分が国と地方で非常に大きな比率において違っておるということは、いかにも私どもといたしましては納得いきがたいことでございますので、どうしても地方税源をもう少し与えていただきたいということが最大のわれわれの願望であり、またそれによりまして私どもは地方自治体が健全な行き方ができ、それがなければ今後破滅的状況になるのではないかということを心配いたしておる点が第一でございます。  極端な場合を申し上げますと、昭和二十九年度都道府県財政の状況を見まして、税財源が一〇%に達してない県、一〇%以下の県が、名前は申し上げませんが八県ございますし、交付税を受けておる割合、中小府県といいますか、弱小府県といいますか、そこにおける平均は大体二〇%程度であると存じます。交付を受けない富裕都県を入れますと二五%くらいになりますが、交付税の交付を受けております中小弱小県では、税財源は二〇%程度であるわけでございまして、非常に少い形になっております。  それからいま一つは、地方税の――これは税制の問題でございますが、地方税が府県同士で非常にアンバランスでございます。私ちょっと調べてみますと、比較的富裕な県の六都県、人口はこれは二千二百万でございまして、日本の総人口の四分の一でございます。この四分の一の六都県が地方税、都道府県税の総額の五二%、八百十八億でございまして、あと四分の三を占めます人口六千万余のその他の府県が七百四十二億でございまして、これが四八%しか税がとれないわけでございますので、それらの点におきまして非常にアンバランスがございますので、そのアンバランスを何らかの方法で調整していただきたいと思う次第であります。もちろん交付税はそういう趣旨のものではございますけれども、これは交付税総額の問題もございましょうし、配分の問題もございましょうが、完全とはもちろん要望いたしませんが、相当額のアンバランスの調整がとられるならばよろしゅうございますが、私どもの見るところでは、それはとれておらないように考えるわけでございまして、この二点を非常に重大に考えておるわけでございます。  それで今回の税制改正の問題につきまして、最後にちよっとお願いしたいと思いますが、たばこ消費税につきまして、従来の百十五分の十五というものを百分の十七に引き上げられる御予定のように承わっておりますが、私どもはこれを百分の三十にお願いしたいと思っているわけでございます。一方これは地方交付税の税率を現在の三税の二二%を三〇%にしていただきたいというお願いをいたしておるわけでございまして、それによりまして昭和三十年度の財政は、それだけしていただけば赤字は一応出なくて済む形になると思うのでございます。先ほど申し上げましたように、起債財源が非常に多くなっておりますので、現在の交付税を三〇%にしていただきたいということは、自治庁でお組みになりました起債財源をそのまま認める場合の不足額が五百十億円ほどでございまして、これは三〇%に値上げをしていただきたいところでございますけれども、今日の情勢では、これ以上起債をふやして参りますことは、――本年度起債総額は一千億をちょっと越しておりますが、これらの起債をできるだけ一般税財源その他のものにこれを振りかえたいということで、たばこ消費税を百分の十七とせられる御予定のものを百分の三十にお願いしたい。これを都道府県と市町村とで百分の十五ずつ半々にしていただきたいというのが、私どもの考え方でございます。これによりまして、従来の起債財源をできるだけこういう堅実的な財源に振り向けて参りたいということでございます。  次に地方道路譲与税につきまして、昨年度の揮発油譲与税がなくなったわけでございますので、私どもといたしましては、総額七十九億程度の昨年度私どもの財源としていただいた揮発油譲与税に、これがかわるわけでございますので、知事会といたしましては、ぜひこの改正案をそのまま通していただきたいと考えておる次第でございます。  以上はなはだ取りとめなかったかと思いますが、知事会を代表いたしまして、意見を申し述べて、御参考に供した次第でございます。
  61. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に全国市長会代表鴨田宗一君。
  62. 鴨田宗一

    ○鴨田参考人 本日委員の皆様方には特にお暑いところを御参集くだいまして、私たちのお願い申し上げまする地方自治体の地方税制の改正の点につきまして、お聞き取りくださることを心から感謝いたします。いつもいつも地方自治体のことにつきましては、非常に御熱心に御研究、御助力を賜わっておりますことを、市町会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げる次第であります。  先ほど千葉県知事さんから県の地方税制改正に対しまする御意見がございました。市といたしましてもこれに重複いたします点もございますけれども、一応全国市町会を代表いたしまして、皆様方に市長という立場からお願い申し上げたいと思うのでございます。地方税制はもちろんいろいろの厳たる原則に従いまして施行実施されております点は、私がここで贅言をするまでもございません。ただ現在の日本の地方税制そのものが、いわゆる収入十分の原則であるとか、あるいは応益応能の原則であるとか、あるいは徴税能率の増進の原則であるとかいう諸原則から、ほど遠いような感があることは、全く遺憾に存じておる次第でありまして、この最も簡単でございまする諸原則がここに充足せられるとするならば、ほんとうに地方公共団体におきまして、この税に対しましては何の不平もなく、また非常に能率的に施行実施されるのではないかということを考えておる次第でございます。政府におきましてはこの点に特に留意せられまして、地方財政調査会を設置せられましてから、いろいろと答申案が出ておりますけれども、この答申案は御承知の通り、そのまま現在の地方税制にこれが織り込まれておるかと申しますと、この点につきまして私たちは非常に遺憾とする面が多々あるのではないかということを申し上げたいと思うのであります。たとえば御承知の通り一例でございますけれども、遊興飲食税にいたしましても、これは入場税と同じように国税に移管すべきことを答申しておったにもかかわらず、どういうわけですか、入場税だけは国税に移管した。しかも遊興飲食税はそのままであるという現実的な一例であるとか、あるいはたばこ消費税にいたしましても、先ほど知事さんからお話のございました通り、調査会といたしましての答申案と、現実施行されておりますところの百十五分の十並びに県の百十五分の五というふうな、この低率なるところの数字、さらにまた不動産取得税というふうな、末端の市町村におきましては二重課税にも値するような新設の税をここに設けるというふうな点につきましては、特に地方税は国税と違いまして、ほんとうに系統的にこれを羅列するには困難な複雑怪奇なものになっておるという一つの現われを、さらに深くしたものであるというふうに、私たちは考えておる次第でございます。  こういうふうな状況でございまして、私たちといたしましては、特にこの当面の問題を考えますと、先ほども千葉県知事さんの言われました通り、たばこ消費税の問題になるのでございますけれども、これはちょっと県と市と意見が違うのでございます。それはもちろんたばこ消費税の税額をふやすということに対しては一致しておるのでありますけれども、やはり市長会といたしましては、府県をかりに百分の十に上げるとするならば、市町村は百分の二十に上げてくれ、総額においては三割の増額、こういうふうに実は市長会といたしましては意見を総合いたしまして、陳情請願を現在展開中でございます。  さらにまた御承知の通り市町村といたしまして、徴税事務上非常に煩瑣な問題といたしましては、県民税が創設されましてから非常に事務が煩瑣になっておる。しかもその徴税責任すべてのものは、一に市町村にかかっておる。県民税を徴収するに市町村が全責任を負わなければならぬという法的な理由といいますか、道徳的な理由と申しましょうか、政治的な理由というものは、われわれは実は見つからないのでございます。現在におきましては、県民税を市町村民税と同じ令書で、しかも責任者は同じ市長の名において、これを納税者に交付する。もちろん手数料といたしましては一枚について約三十円、さらに徴税額についてはこれは百分の二ということになっておりますけれども、われわれ市長会といたしましては、この百分の二に対しては何としてもこれは少な過ぎて、結局百分の十、すなわち一割ぐらいはいただかなければ、とてもこの煩瑣な手続はやり得ない、こういうふうな考え方で、特に県民税を県独自でおとりになっていただかない以上におきましては、この率を少し上げてくれ、その上げる率も現在におきまする百分の二でなくて、百分の十、一割ぐらいに一つ上げてくれというのが、私たち市長会の考え方であり、この考え方によりまして、現在市長会では皆様方にお願いを実は申し上げておる次第でございます。  さらに三といたしまして、大規模償却資産にかかる固定資産税に対する課税権の制限を緩和してくれ、お手元に配付しましたこの冊子にありまする通り、もしでき得べくんばこれはやめていただきたいというのが結論的なお願いでございます。特に市町村の財源の拡充につきましては、先ほども知事さんも仰せられました通り、国におきましては厳たる財源が確保されておりまして、少くとも国の総収入の九割を国税に依存しておる。市町村におきましてはわずか四五・四%の地方税しかいただかないで、すなわちあとの残りのものは財源不安定でありますところのいろいろな交付金であるとか、起債であるとか、そういうふうなものに依存しておるというところに地方公共団体、特に末端であります市町村の財政のやりにくさと申しますか、非常に貧困さが現われておるわけでございます。御承知の通り今回の新しい民主主義のもとにおける地方自治体の根幹をなしますところの地方税制が、いろいろな面で改変されておりますけれども、日本の地方税の重点的なあり方と申しましょうか、少くとも諸外国に比較いたしまして、地方税が地方財政収入に占める地位というものは非常に低くなっておるのであります。それに反比例いたしまして、地方末端の市町村に対しまする国の事務というものは非常に分量がふえてきておる。ここに地方財政の赤字の大きな原因があるのじゃないかということを、実は私たちは痛切に感じておる次第でございます。しかもまた御承知の通り、昨年の八月施行実施されましたあの町村合併促進法によりまして、日本におきましては新しい市が続々として誕生をいたしました。また当時ありました市におきましても、付近の町村を合併いたしまして、いわゆる市といたしましても、往年は非常に少かった市が、現在におきましては四百九十何市に相なっております。しかも町村合併促進法の趣旨にありまする通り、町村が合併をいたしまするときには、国としてはこれとこれだけの特典を与えてやろうということが明記してあるにかかわらず、何の措置もしておらない。極端な例を申し上げますと、町村合併をした現在の年度におきましては、町村合併しなかった当時よりも平衡交付金が減っておる。私の市におきましては、町村合併しなかった当時と現段階におきましては、少くとも半額になっておるという、この現実の事実こそは、特にこの政府のやっておりますもろもろの施策というものが、少くとも市町村公共団体を圧迫しておる事実であると私は考えておる次第でございまして、この点も一つ御考慮をお願いしたいと思うのであります。  以上簡単でございますけれども、市長会を代表いたしまして、地方税制の改正に対しまする市側の意見を申し上げた次第でございます。
  63. 大矢省三

    ○大矢委員長 お二人に対しての質疑はございませんか。北山君。
  64. 北山愛郎

    ○北山委員 簡単にお伺いします。地方税法の改正と地方財政と関連をしてお話をいただいたわけでございますが、現在地方財政の赤字問題につきましては、いろいろな見解があるわけでありますが、ただいま知事代表、市長代表の方々からお述べになっておるような見解もあります。ところが最近政府、自治庁方面では、それとは全く別な見解が述べられております。というのは、地方団体は仕事をやり過ぎておるのだ。それだから赤字が出る、あるいは道楽者にたとえまして、道楽者が相当なむだづかいをして赤字を出してきた。そうして国の方にお小づかいを足りないからくれ、こう言われても困るから、かりにやるとしても一つ制裁を加えるか何か制限を加えた上でなければやれないのだというような見解を政府側の当局者が述べられておる。そういうふうな政府の方の考え方、地方団体の赤字というのは地方団体の方の側にある、このやり方が悪い、行政運営が悪い、あるいは仕事をやり過ぎておる、こういうようなことにあるのだという相当強い表現が政府当局者の方から述べられておりますが、これに対しまして知事代表、市長代表の方においては、どういうふうにお考えになっておりますか、承りたい。
  65. 柴田等

    ○柴田参考人 ただいま北山先生のおっしゃいましたように、地方自治体がいかにも放漫なあるいは人気取りをやるというようなことがいわれておるので、私どもも非常に反省もしなければなりませんが、しかしそれは程度の問題でございます。もちろんわれわれにもいろいろな欠陥がございまするけれども、われわれを非常な放漫なものにいわれることについては、全く私は成り立たないと思うわけでございまして、先生方の前でこの間の行政委員会でも、そういう質疑が行われておるようでございますが、基準年度におきまして、大体国家予算と地方予算とは同額か、地方予算の方が五、六%上であったようなのが基準年度における状況でございまして、その前には軍事予算のウェート等がございまして、国家予算において軍事予算が非常にウェートが重かった時代におきましても、地方予算と国家予算の総額は大体地方予算の方が多かった。現在におきましても大体同じというか、財政計画では若干地方予算か少くて、決算では多少地方予算がふえておるという形になっておりますが、それにいたしましても、大体同じような程度でございまして、そういう点から見まして、国にも国独自の事情がございましょうし、地方にも地方事業の、たとえば福祉事業なり、あるいは義務教育の延長なり、各種の行政委員会なり、経費の増大する要因がございまして、それらのものは国と地方を相殺いたしましても、予算総額から見ましても、そんなにわれわれ非難されるべきものはないように私は考えておりますし、また内容的に見ましても、昭和三十年度の財政計画でもおわかりになりますように、大体九千八百億の財政計画総予算の中で、純粋の義務費、すなわち給与費であるとか公債費であるとか生活保護費、児童保護費、結核対策費その他純粋の義務費が七千四百五十五億を占めておるわけでございまして、相当大多数が九千八百億のうち七千四百億が安全なる義務費でございます。そのほかにわれわれがどうしてもやらなければならない各種の公共事業が大体二千億から三千億程度あるわけでございますので、そんなにわれわれが放漫なことをやろうにもやりようがない事情でございます。しかしいずれにいたしましても、私どもとしてもできるだけ予算の節約その他合理化をはからなければなりませんので、これは国においても行政整理等をやっておられますが、私どもも忍びがたきを忍んで、各府県で行政整理をやっていきたい、私の県でも、二十八年度約百九十人、二十九年度約二百三十人の人に勧奨退職等をいたしまして、できるだけ経費節約もする、さらにまたこのことははなはだよくないことかもしれませんが、昇給その他もある程度延長する策をとるというようなことで、できるだけのことをやっておるわけでございますので、この際は一つ地方自治体のほんとうの苦しみをお察し願いまして、私どももここまでの問題でございますから必死に合理化に努めるつもりでございますので、あの一般的な世論と申しますか、俗論というようなものに、私どもも非常に残念でございますけれども、十分な反省もいたしますので、特に御了承をいただきたいと思います。
  66. 鴨田宗一

    ○鴨田参考人 ただいまの御質問でございますが、地方自治体が放漫財政をやっておるがゆえに赤字が出たのだというふうな御意見に対しましては、全く私たちは遺憾の意を表する次第でございます。と申しまするのは、御承知の通り、先ほども千葉県知事さんの言われました通り、終戦後におきまするところの地方自治体の強化というものが、結局におきましては、地方自治体にもろもろの制度が植えつけられて参りまして、日本のあり方というものは税制や地方自治法をまねました本尊さんのアメリカとは少し行き方が違いまして、アメリカにおきまして御承知の通り終戦後はいろいろな仕事というものは中央へ中央へと、――国の委任事務というものは国が直接やってくれるような態勢を整えております。地方の固有事務というものは、やはり地方に独自にこれをまかしていく、こういう行き行をしているにかかわらず、日本の地方自治体の行き方につきましては、先ほども知事さんの言われました通り、国の事務のほとんど大部分は地方におんぶしておる。しかも財源的な目安というものはほとんどない。こういうふうな面が多々あるのではないかということを感ずると同時に、また新しい制度といたしまして、これは本日の税制とちょっと横にそれますけれども、かりに教育委員会の制度の問題にいたしましても、これはもう実際におきましてわれわれ市長会といたしましては、教育委員会の廃止を叫んで常に戦ってきておるのでありますけれども、いまだもってこれが実現できない。これに対しますところの財政的な影響というものは、全く莫大な影響を生じておるのであります。従ってわれわれといたしましては、われわれが放漫であるがために地方自治体が赤字であるというふうな意見に対しましては、全く遺憾の意を衣すると同時に、これはほんとうに勝手な言い分で申しわけない話でありますけれども、私の市といたしては実はわれわれが出張いたしますには、全部三等の運賃にしてしまいまして、出張旅費全部三等でございます。これまで切り詰めておりましても、なかなかもってこの赤字というものは解消できないというような状況であり、お茶を飲むのも職員が出し合ってお茶を飲んでおる。この現実の姿を見ても、やはり放漫政策をもって仕事をやっておるから、これだけ赤字が出たということは当らない意見ではないか、こう実は考えておるのであります。
  67. 北山愛郎

    ○北山委員 私も大体同様に考えますが、ただ現在は宣伝の世の中でございますから、そういうお考えであるならば、はっきりと十分御宣伝をなさらなければ逆宣伝に負けてしまいます。今地方の言論機関でも、あるいは財界等でも、地方財政の赤字の責任というのは、地方団体の行政運営にあるんだというような意見が、どうも非常に強くなっておりますので、この点については十分御注意をなすった方がいいと思います。  なお次にお伺いしておきたいのは、今度の国会には地方財政再建促進法あるいは自治法改正等が出ておりますがただいま二人の代表の方から地方税法については、たばこ消費税について大幅の値上げをしてもらいたい、同時に地方交付税の税率を引き上げてもらいたい、そうでなければやっていけないというようなお話があったわけでありますが、もしも地方交付税の税率が現在の百分の二十二に据え置かれて、さらにたばこ消費税の税率も上げないというようになって、そうして単に政府が出しております今度の再建促進法によって、二百億の赤字債が認められるというような事態になった場合、それで地方団体は果して財政運営がやっていけるかどうか、その点についての見通し、御意見を承わりたい。
  68. 柴田等

    ○柴田参考人 現在の地方財政計画によりますと、このままで参りますとよく地方自治体が切り詰めをいたしましても、本年度だけで五百十億の赤字が出るということでございます。昭和二十九年度末の赤字が四百八十六億ということでございますので、そこに一千億近い赤字が生ずるわけでございます。私ども最善を尽して切り抜けたいとは存じますけれども、すでに俸給の支払いなども、私の県もはなはだ恥かしい次第でありますが、六月は少しおくれたわけでございます。そういう幾つかの県が出ておりますが、これが年度を少し過ぎまして、九月、十月、十一月等になれば、いよいよ行き詰まってどうにもならない情勢になるのではないかということを、私どもは憂慮いたしておるのでございます。なおまた国の企画されております各種の社会福祉事業にいたしましても、公共事業にいたしましても、特殊の中小県はとうていこれを全面的に受け入れることができない。国の計画されております仕事自体に、非常な破綻が来るのではないかということまで、私は懸念いたしておるわけでございまして、一地方自治体の長としてではなくて、国全体の建前に徴して、何ともならない情勢に立ち至ることを非常に憂慮いたしておるわけでございます。
  69. 大矢省三

    ○大矢委員長 門司君。
  70. 門司亮

    ○門司委員 この機会にちょっと承わっておきたいと思いますが、今北山さんの質問にもありましたように、巷間伝えられておりまする自治体自身の自粛による財政の節約というものがあると私は思います。ないとは申し上げられないと思います。従って率直にどちらからでもよろしゅうございますが、一体どのくらいの程度まで自粛の可能性があるかというような見通しがありますならば、この際お答えを願っておきたい思います。
  71. 鴨田宗一

    ○鴨田参考人 ただいまの門司先生の御質問でございますけれども、これは結局におきまして私たちが念願しております点は、例の自治法の改正に伴いまするところの行政委員会の改組の問題であるとか、そういうふうな問題に非常に影響を生じてくるのではないか。また御承知の通り行政委員会そのものを縦割りの委員会にいたしまして、私どもの経験を申し上げますと、当初の予算がかりに二億八千の小さい市といたしますと、それが年度末になりますと約一億ばかりふえる場合が多々ございます。どうしてかと申しますと、先ほども申し上げた通り、この行政委員会の縦割りの問題で、各委員の方々がいろいろ追加予算の申請をして参ります。こういうふうな面で理事者といたしましてはこれが議会に提案され、可決、決定されて市長に送付すべきものであるというふうな判決が下りますと、これはやらざるを得ないというふうな状況に追いやられてくる、こういうふうなことが一つの原因になるのではないか。それを是正するところに、冗費とは申しませんけれども、財政が膨張せざる一つの大きな理由もでき上りますし、またわれわれが組織的にしかも計画的に財政を運営していくという一つの方途になるのじゃないか、こう実は考えております。御質問に対しましてどうもピントがはずれたような答弁でありますけれども、以上でございます。
  72. 門司亮

    ○門司委員 私はいろいろの問題もあるかと思いますが、そのほかの冗費と思われるその節約、実はその例を聞きたかったのであります。もしそういうことがあるとすれば、あとでついでに率直にお答えを願っておきたいと思います。ここにはちょうど御存じのように自治法の改正も出ておりますので、われわれは両方相待って参考にさしていただきたいと思いますが、その次にこれは理論上の問題で将来必ず問題になる一つの問題だと思いますので聞いておきたいと思います。千葉県の柴田さんからお話がございました例の最近における財源の振り合いの問題であります。それは自主財源あるいは依存財源と申し上げておりますが、去年から改正をいたしました地方財政平衡交付金の場合は、これを調整財源であるときめて、そうして一応依存財源ということに大体考えられておる。それが二十九年からこれが交付税に変りますと、交付税である限りにおいては、その支出する額を拘束するのであるからこれは自主財源であるという解釈が大体最近とられております。もしこの解釈がこのままとられてくるということになりますと、自主財源と依存財源に大きな狂いが生じてくる。従来昭和二十八年までの財政状態とこれらの問題を比較いたして参りますと、昭和二十九年からは交付税を自主財源として見るということになって参りますと、自主財源が地方財源の中の六二%を占めるようになる、そして依存財源が三八%になる。これを前年度の二十八年度においては交付金があったからこれを依存財源ということに見て参りますと逆になって参りまして、依存財源が二十八年には五七%、自主財源が四三%しかなかった、こういう計算になる。これは実は財政上の問題を議論する場合に非常に問題になる点であります。従って地方の自治体といたしましては、今日のこの交付税を自主財源としてそのまま容認することができるかどうか、これはわれわれの立場から考えてみましても、いろいろ議論はあると思います。配付の状態は全く同じであります。ただ名前が変ったからといって、自主財源と依存財源とに非常に大きな狂いができてくるということは、これは地方財政を論議いたしまする場合に、かなり大きな問題になると私は思いますが、この点についてもし知事会あるいは市長会の方で御意見等がございますれば、一つこの機会に聞かしておいていただきたいと思います。
  73. 柴田等

    ○柴田参考人 私はこの問題につきまして、そう学問的なことを言うわけではございませんが、確かに地方交付税法になりまして、自主財源な性格は、平衡交付金の場合よりも形式的に非常に強まってきたわけであります。しかし交付税法そのものにございますように、交付税がある程度平衡交付金的な役割を持っておることはやはり間違いのないことでございまして、交付税法そのものの中に、交付税が、地方財源として不足な場合にはこれをアジャストするということが書いてあるわけでございます。配分の仕方は、おっしゃいました通りもとの交付金と同じ関係でございまして、府県間のアンバランスをそこで調整する、こういうことでございますので、性格的には自由財源的なものを持っておると思いますが、実質的にはやはり平衡交付金的な性格であると、われわれは考えざるを得ないわけでございます。  なお、われわれ財政を引き締める上におきまして、先ほど熊谷市長からいろいろお話がございましたが、私どももいかなる困難がございましても、実質的にでき得る限りのことは、やらなければならないというところで、千葉県では現在約十四億の赤字が二十九年度末においてございますが、これを六ヵ年で解消しようということで、相当徹底した案を作っておるわけでございまするが、それは現実にはなかなかむずかしい点もございまするけれども、大体において人員を、県庁職員において二割程度、それから学校の先生、教職員について七%程度整理するということを中心にいたしまして、公共事業費は従来の八割程度、それから県単事業は五割程度、物件費、旅費その他消耗費的なものはすべて二割ないし三割節約する、こういう非常に強硬な案をもって、これを執行いたしますれば、六年間でその十四億の赤字が解消するということで進んでおるわけでございまして、本年度はその最初の年でございますが、昨年から本年にかけて実際に二百数十名の勧奨退職等を行いましたが、これを来年、再来年、毎年その程度のことを実行していくことは、実際には非常に困難がございまして、われわれはできるだけそういう面で進んで参りたいとは思いまするけれども、そうなりますともう従来の地方自治体の性格が全く消極的な、仕事のあまりやれない団体になってしまうわけでございまして、そこに非常な矛盾もあるわけでございます。
  74. 門司亮

    ○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますことは、財政のあり方についての考え方でありますが、知事さんのお話によりますと、問題は借金が非常にふえていくというようなお考えであり、さらにそういう御意見であったと思いますが、かりにこれを税制の面からカバーしていくということになって参りますと、今さしあたり考えられるものはたばこ消費税であり、さらに交付税の増額、いわゆる住民の負担を増さない程度でやろうとすれば、これ二つしかありません。この二つをやれ国の財源がそれだけ圧縮される、こういう形が出て参ります。それから国との間には非常にむずかしい問題が生ずるかと思いますが、私がこの機会にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、国がとっておりまする例の補助金に対する一つの対策であります。仕事をやり過ぎるという面もありますが、仕事をやり過ぎます面が、単に県の単独事業、市の単独事業というのでなくして、補助事業がかなりたくさん行われておりはしないかという懸念をわれわれ持っております。一々今調べたわけではありませんからわかりませんが、かなり急がない仕事であっても、補助事業であるからやったらどうかというような意見が、地方の自治体なんかには相当ありはしないかと私思う。そうして仕事をすれば、補助の総額が必ずしも実情に沿わないということで、仕事をすればするだけ赤字が出てくる。しかも補助事業である限りにおいては、国がある程の計画性を持っておる。その国の計画性に基く仕事をやれば赤字が出るということが一つの原因じゃないかと私は思いますが、そういう面をもし節約していくとすれば、今お話を伺って参りますと、千葉県では公共事業八〇%程度、単独事業五〇%程度にするというように承わりましたが、こういう面からくる地方の財政の赤字と、それからもう一つ今日赤字の最も大きなものと考えられておりますものは、国が地方に出しております委託費、いわゆる補助職員あるいは委託費による人件費、それらの額が非常に低いので、府県の持ち出しが非常にふえておるという、やむを得ざるものがあるように私は聞いております。そういうものを全部国が負担する、要するに実情に沿うだけのものを国が支給するということがかりにできるとすれば、地方の自治体の負担というものは、かなり軽くなりはしないかと私は考えますが、こういう点についての率直なる御意見が伺えれば幸いだと思います。
  75. 柴田等

    ○柴田参考人 ただいまおっしゃいました補助職員なりあるいは一般事業におきまして、単価を切り下げて、たとえば三分の一なり三分の二なりの補助率は、形式的にはその通りの率が参りますが、肝心の単価を下げて、実際の単価の三分の二なら三分の二はよこさないというような、そういうことに基きまする府県、市町村の超過負担額というものは相当の額に上っておると思います。  私の県は、人口二百十三万でございまして、昨年度の決算が百十六億程度でございまするが、その中で補助金が正当に来ないために県がカバーした金額は、大体一億二千万円くらいになっておると考えております。はっきりした数字を今記憶しておりませんが、大体一億二千万円くらいは超過負担があるわけでございます。そういう面が是正されますれば、純県費におきまする一億二千万円というのは、われわれの県では非常に大きな額でございまして、これは相当是正され得るものと私どもは考えるわけでございます。
  76. 大矢省三

    ○大矢委員長 他にございませんか。――どうも御苦労さまでした。  次にトラック協会の会長小野哲君。
  77. 小野哲

    ○小野参考人 ただいま御紹介を受けました日本トラック協会の会長の小野でございます。  このたび国会において審議されております地方税法の一部を改正する法律案の中で、軽油自動車に対する自動車税の税率引き上げ案に対しまして、自動車運送業界の担税力の現況、税率引き上げ理由の不合理、国の軽油自動車の奨励政策との矛盾等の観点から、反対の意を表し、税率を現行の通り据え置かるべしとの意見を開陳いたしたいと思うものであります。  反対の理由といたしまして、これから項目をあげて申し述べたいと思います。  まず第一は、この機会に一体自動車運送事業はどんなふうになっておるか、その現況につきまして概説いたしたいと思います。トラック事業の例をとってみますと、トラック輸送は、鉄道輸送とともに産業の動脈として、また国定経済の基盤として、その公共的使命を有しておりますことは申し上げるまでもないのでありまして、かつては資材面の裏づけあるいは補助金等の国の助成策がとられておったのであります。このようにトラック運送事業は公共的な性格を持っておる事業でありますが、戦後国の助成策が打ち切られて、事業者みずからの努力によって燃料並びに諸資材の不足及び経済の混乱時代の苦難を克服して、戦災の復旧、産業経済の再建及び貿易の振興等のための輸送に寄与してきたのでありますが、最近における事業の乱許、悪質自家用トラックの営業行為の増加、租税の増徴及び経済不況等によりまして、経営難に陥っておるのであります。  また戦時中の燃料枯渇と終戦直後の悪条件によって、一時麻痺状態にありましたバス、タクシー等も、幸い昭和二十四年以降、燃料及び諸資材の出回りと一般経済界の復興とによりまして、急速度に発展したのでありますが、ようやく業者の乱立、競争路線の激化がデフレ経済の深刻化に影響されまして、車両数と輸送人員との需給関係は飽和点に達し、運賃ダンピングないし伸び悩みの状態に立ち至っておることは御承知の通りであります。  以下なお詳細な点につきまして、トラックの例をとってみますと、自動車の台数は、だんだんとふえて参って、本年三月末現在では総数百三十四万両となっておりまして、終戦後の昭和二十年に比較いたしまして約十倍の増加を示しておるわけであります。ただいまのは自動車の総数でありますが、そのうちのトラックは、大型と小型とを合しまして、六十一万余両となっておりまして、総数の四六%に該当するのであります。  次にトラックの年間貨物輸送は一体どれくらいであるかということを申し上げますと、大体総輸送量、すなわち海運、陸運、自動車を総合いたしましたものが、昭和二十七年度五億九千六百余万トン、二十八年度が七億千六百余万トン、二十九年度が七億五千七百余万トン、こういうふうになっております。これに対してトラックの輸送量は、二十七年度においては、三億四千九百余万トン、割合といたしまして五九%、二十八年度において四億五千五百余万トン、割合が六四%、昭和二十九年度が四億八千三百余万トンでありまして、割合が六五%という数字を示しておるのであります。  しかるにトラック運送事業の収益状況から考えますと、全国標準会社五十七社の実態調査によりましてこれを詳しく申し上げますと相当こまかい数字になりますので差し控えたいと思いますが、そのうちの三十二社すなわち五六%が赤字経営を示しておるのでありまして、いかにトラック事業がこれらの数字から考えまして苦しい経営を続けておるかということの御賢察をいただきたいのであります。以上がトラックを中心といたしました自動車運送事業の現況の概説でございます。  次は理由の第二といたしまして掲げたいのは、これもトラック事業を例にとって申し上げたいと思いますが、トラック事業は担税力がその限界点に達しておるということでありまして、担税力がないと申しても差しつかえないかと思います。運輸省が現行トラック運賃を認可するに当りまして、これは昭和二十七年のことであったかと思いますが、その後の調査も行われたことと思います。これらの数字を総合いたしますと、北海道外全国二十二会社の車キロ当りの収支を御参考までに申し上げますと、一車一キロ当りの収入が五十四円十六銭、こういうことになっておりまして、支出は五十三円四十七銭、従って差引利潤は六十九銭となっておるのであります。これはさらに一車一日当りとして計算いたしますと、収入は四千五百四十七円三十四銭、これに対して支出は四千四百八十九円九十九銭、すなわち五十七円三十五銭というのが利潤になっておるのであります。すなわち利潤が一車一キロ当り六十九銭であり、一車一日当り五十七円三十五銭という零細な利潤を示しておるのであります。しかしながら、先ほど申し述べましたように、これは昭和二十七年度の実績でありまして、その後いろいろの条件が加重されまして、ますます状態は悪化して参り、昭和二十九年度の全国五十七会社の収益状況の通り認可運賃を割ってその大半が赤字経営に追い込まれ、諸経費の節約はもちろんでありますが、経営の合理化に全力を傾けてはいるものの、車両、部品、燃料、タイヤ等諸資材の高騰と、さらに諸税負担の重圧によりまして塗炭の苦境にあるのが偽わりのない現状であります。従って担税力が限界点に達しておるということを申してよいかと思います。  次は、ただいま御審議に相なっております地方税法中の自動車税率の引き上げの問題でありまして、揮発油を使用しない自動車、特に軽油自動車、通常ディーゼル・カーと申しておりますが、その税率の引き上げは私どもといたしましては業界をあげて納得ができないのであります。政府は揮発油に対する増税に伴いまして、ガソリン自動車との税負担の均衡をはかるという理由によって、軽油自動車の自動車税率を引き上げようとしておるのでありますが、自動車税は毎年々々引き上げられまして、すでに高率な課税となっておりますことは御承知の通りであります。すなわち自動車税は固定資産税に道路損傷税的要素を加味したものであるといたしまして、道路整備財源捻出のため毎国会税率の引き上げを行い、一昨年、昨年と引き続いて増税をされてきたのであります。  しかるに今回さらに軽油自動車に対する税率を引き上げようといたしますことは、道路整備とは関係のないことであるのであります。何とならば、特に揮発油を使用する自動車との課税の均衡をはかる目的からのものであるならば、軽油自動車に対する差別課税は、すでに前国会において、標準税率がガソリン自動車の五〇%増に改正されて課税の均衡ははかられているものと思うのであります。しかして政府当局におきましては、さらに府県条例準則を制定されまして自動車の積載量を増すごとに自動車税を増徴するよう地方団体へ示達されておると伺っておるのであります。  ここに軽油自動車の自動車税の徴税実態を明らかにしてみますならば、ガソリン自動車は四トン車が大半でありまして、標準税率によって課税されているのに対しまして、軽油自動車は逐年大型化して参りまして、七トン、八トンという車両が多くなっておりまして、従ってこれらの軽油自動車は条例準則の例により標準税率(四トン車)をはるかに上回った高率な税が課税せられております。たとえばガソリン自動車は四トン車が主体で標準税率の一万四千円でありますが、軽油自動車は七トンをこえるものが多く、条例準則によって、三万三千円(標準税率は二万一千円)と定められて、現に徴収されておるのが実情であります。従ってガソリン自動車と軽油自動車との標準税率をどちらも四トン車において五〇%の税率差に関し税率均衡を云々することは徴税実情に照らしまして妥当なものとは考えられないのであります。  さらに財政需要によりましてはこれ以上の課税も行われておるところもあると伺っております。たとえば岡山県においては七トンをこえる軽油自動車には四万三千五百円の自動直税を課している現状でありまして、地方団体の財政状態によって現実に自動車税の標準税率を引き上げて徴収する地方団体の自主性がとられておる以上、しいて標準税率を引き上げる必要を認める必要はなかろうと考える次第であります。このように軽油自動車に対しましてはすでに高率な自動車税が賦課されておりますので、これ以上の増徴は業界をあげて納得いたしがたい点であります。  次に自動車使用者は道路整備のためにすでに最大限の奉仕をいたしておるのであります。自動車使用者に対する道路使用の応益負担といたしまして、各官庁並びに公共団体がそれぞれの立場から各種の名目によって諸税公課を賦課しておりますが、これらをあげてみますと、揮発油税、自動車税、道路受益者負担金、通路改修協力費、有料道路、道路くじ、これはほとんど強制割当であると伺っておりますが、これらを負担いたしております。しかもこれらは確実な財源として年を追って自然増収の実績をあげておるのであります。これら自動車使用者の道路整備関係負担総額が国及び地方を含んだ道路費総額に対する割合はいかになっておるか、これを調べてみますると、昭和十年度の二一%が昭和二十八年度に六七%すなわち約三倍に達しておりまして、さらに昭和二十九年度には自動車税、揮発油税が増徴し、有料道路が各地で完成いたしまして料金徴収実績が上っておりますので、その割合はおそらく七〇%から八〇%に上る実績ではないかと思うのであります。荒廃し切ったわが国の道路整備に対しまして、今日の不況下の自動車使用者といたしましては、右に述べたように最大限の奉仕と犠牲とを払っておるのでありまして、公共の道路に対し自動車使用者に一方的にしわ寄せされる負担にもおのずから限界があり、今日担税力をはるかに凌駕し、これ以上増税すべきでないことは、ただいま申し述べました数字によって十分御理解ができるのではないかと思っておるのであります。  次は軽油自動車の自動車税率の引き上げは、国の軽油自動車の奨励政策と完全に矛盾しておるのであります。軽油自動車は自動車運送事業のうちで最も公益性の高いと称せられておるところの路線トラック――一定の路線を定めてトラックを運行する事業でありますが、及び一般大衆の足となっておるバス事業に最も適当しているところの車でありまして、このために運輸省におきましては昭和二十六年以降、その育成助長策をとられており、今回の経済審議庁で企画されました経済自立六カ年計画においても軽油自動車を奨励し、燃料使用の合理化と節約を推進しようとしておるのであります。従って軽油自動車の自動車税率引き上げは、国の軽油自動車の奨励政策と矛盾するものであることを指摘いたしたいのであります。  また軽油自動車がわが国の輸出産業として貴重な外貨を獲得しておるということであります。昭和二十九年度におけるバス、トラック生産高並びに輸出量を御参考までに申し上げますと、軽油自動車の生産はバスが五千四十七両、トラック七千三百十三両、計一万二千三百六十両となっておりまして、ガソリン自動車の一万八千四百十一両、これはバス、トラックだけでありますが、これに比較いたしますると六千両程度少いのでありますが、そのうち輸出両数は軽油自動車、ガソリン自動車を合せまして一千二十両で、これによって獲得いたしました外貨は四百七十八万六千余ドルとなっており、昭和二十八年度は四百六十一万四千余ドルであったわけであります。従って現在輸出不振の際に、輸出産業育成の見地からも軽油自動車に対する差別的課税は避けられるのが妥当であると思考されるのであります。  次はこの軽油自動車の税率の引き上げと関連しました問題といたしまして、すでに国会において審議中であるところの地方道路税法案との関連を特につけ加えて申し上げておきたいと思うのであります。軽油自動車税の引き上げ案と、揮発油税を基礎といたしました地方道路税の新設による結局における揮発油税の引き上げ案、これがきわめて密接な関係にあるものと私は考えております。地方道路税法案につきましては去る五月二十七日衆議院大蔵委員会において当協会の常務理事の小野盛次が公述いたしておりますので、私といたしましてはできるだけかいつまんだお話を申し上げたいと思うのであります。  軽油自動車の税率引き上げ理由が、揮発油税の引き上げに起因しておるとわれわれは考えておるわけでありまして、揮発油税引き上げの根拠がきわめて納得のいたしがたいものであるとするならば、これと均衡を維持すると考えられておるところの軽油自動車の税も当然据え置きせらるべきものであるということが理論上当然であると思うのであります。しかるにこの経由自動車の税率の引き上げと地方道路税の新設も含んだ揮発油税の引き上げとが別個のものであるかのごとき印象を受けておりますことは、この立案の動機から考えて私は納得がいかないのでありまして、あくまでも関連したものとしてのこの問題を御審議をいただかなければならない、こう思うのであります。しかも現行の揮発油税はきわめて高額不当なものでありまして、自動車業界といたしましては唯一の燃料源であり、これらの動力源である燃料に対しまして、あるいはダイヤモンド以上の税率を課されておるということは、どうしても私どもとしては納得できない状態であり、先般前国会において二千円の引き上げが行われたにもかかわらず、今回は揮発油税法そのものにおきましては一キロ当り一万三千円を、一万一千円に引き下げるがごとき格好になっておりますが、実は地方道路税の新設によりまして、地方道路税に対しましてはキロ当り四千円ということになっておりますので、結局二千円の引き上げを行なうということになり、われわれはまことにその負担の過重に耐え得られない状態に置かれておるのであります。これにつきましては揮発油税収予算額と現行税率を据え置きした場合においては、いかなる状態になるかということにつきましては大蔵委員会においてすでに公述済みのことであるのでありますが、少くとも政府の税収予算額である揮発油税については三百三十二億余万円、課税数量二百四十五万キロ、改正税率は一万五千円ということになっておりますが、しかし私ども特に運輸、通産両省において決定いたしました昭和三十年度のガソリン使用量から考えますと、現行税率通り据え置くといたしましても、決して予算を割るようなことはないということを考えており、むしろ税収予算額に対しましては、三億一千余万円の過剰となるという計算を立てておるような次第でございます。しかも今回の揮発油税につきましてはその予算額を決定する場合において、大蔵当局は昭和二十九年度の課税実績に対しまして、すなわち二百四十三万四千余キロリットルとなっておるものに対して、昭和三十年度はわずかに二百四十五万キロリットル、すなわち一万五千キロリットルしかふえないという非常に過小な数字を計上いたしておるのであります。しかるに過去昭和二十五年以降の実績を見ますと、大体において三十万ないし六十万キロリットルの対前年度増の実績の数字を示しておるわけで、従っていかに過小の数字を計上しておるかということを、これが証明をいたしておるものと思うのであります。  以上のような見地から考えまして、軽油自動車に対する自動車税の引き上げは、われわれといたしましては反対せざるを得ないのであります。と同時にこれと関連を持っておりますあるいは揮発油税の引き上げすなわち地方道路税の新設と関連を持つと申してよいかと思いますが、これらを含めまして増税に対しましては絶対反対であり、従って現行税率の据え置きを強く要望いたしておるものでございます。もっとも地方財政の現況等につきましては全然私どもも盲であるはずはないのでございますが、しかしながら納税者の負担の増加によって地方財政の再建整備を行うということは、他になお種々なる観点から御検討、御審議をいただくことが必要ではないかと考えられます。  本日は私に与えられました機会に、現在本委員会において御審議中の軽油自動車税の税率引き上げに対する反対の意見を申し述べた次第でございます。ありがとうございました。
  78. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に日本倉庫協会の会長矢崎邦次君。
  79. 矢崎邦次

    ○矢崎参考人 日本倉庫協会の会長といたしまして、当方に課せられております固定資産税につきまして意見を申し上げます。倉庫業は本来非常な地味な産業でありまして、収益率は非常に低いのであります。そうして他産業と違いまして、他産業が資産のうち固定資産は約半分以下だというような状況でありますのに、倉庫業は七〇%あるいは八〇%が固定資産で、もう一つ言葉をかえていいますれば、他の産業は運転資金というものがあって固定資産と別になっておるのでありますが、それが倉庫では一切固定資産の形をとって、建物あるいは土地ということになっておりますので、それにまた倉庫は船なんかと違いまして自分の勢力範囲がきわめて狭うございまして、荷物があっても自分から出ていくことはできません。また立地条件からいいまして営業倉庫を作るところはきまっておるということからいたしまして、倉庫はほかのものに何も転業できない、逆に工場とかあるいはほかのものは立地に必ずしも縛られないが、本来の営業倉庫というものは一旦建てたその地を捨てて他に容易に転換できません。このように非常に窮屈な立場に置かれておりまして、しかも税金が非常に重い、それがために、もうけが少い上に税金が多いのでありますから必要な修築ができないという現状であります。過般われわれといたしましては倉庫業に対する固定資産税を軽減していただきたいということを国会へ請願しておるような次第であります。それで私どもとしましてはこのために営業倉庫に対しては、ぜひ今までの税金の半分くらいにしていただきたいということを考えまして、ただいま請願をしておるのであります。  その要点はまず第一に固定資産税の課税標準を減額していただきたい、たとえば発電所とか地方鉄道とかあるいは鉱山とか外航船舶とかいうようなものには特典がありまして、税金を下げております。倉庫もそれに及ばぬとしましても、ただいま申しましたような非常な苦しい立場にあります特殊な業種でございますから、幾らかそういうことについて考慮していただきたい。  第二は、土地、建物の評価について減価率を適用していただきたい、これは倉庫が営業をやっておるために先ほど申しましたごとく、何でも固定資産であって、ほかの産業は税金がかからない、運転資金を持っておってもそれにかからないのでありますが、倉庫は形が固定資産になっておりますためにかかってくるのでありますから、そういう点につきまして評価の点数を下げるとかその他の方法によりまして見ていただきたい。  それから第三に、事業税を課せられておりますが、事業税は先ほど申しましたように一切固定資産を運転することによって起るのでありまして、ほかのことによって起るのではないのであります。それだけに固定資産で税をとられ、また固定資産によって起ります業に対して事業税をとられるということは、どうもダブっておるように存じますので、ぜひこれを事業税から引いてとっていただきたい、こういう点が考えられるのでありまして、この三つをもって倉庫業者に対しましては倉庫税という特別の税金に変えて今の目的を達するようにしていただきたいというのがこの請願の趣旨であります。  その理由を申しますと、ただいま最初に申しましたように固定資産税が非常に多く、しかもそれがだんだんもうけがなくても上っていくのであります。その例を一つとりますと、昭和二十四年度――とその当時は地租家屋税でありますが、二十八年度の固定資産税の比率からいいますと二十四年度が一〇〇に対して二十八年度は四五六、百六十一社でありますが、そんなふうに非常にふえておる、そんなわけでありますので、先ほど申しましたように貿易の伸展その他いろいろこれに関連しております船舶あるいは鉄道、そういうものの能力を上げますために、倉庫自体もやらなければならぬ、そういうところがなかなかやれないのでありますから、ぜひこの点は考慮していただきたい。それからなお建物だけにとっていいますと、今の一〇〇対四五六というものが、一〇〇対五二六ということになります。倉庫は土地よりも建物の方が主でありますから、そういうようになるのでありまして、この点は、単純にほかのビルディングとかその他のものと違いまして、運営上において大へんな違った立場にありますだけに、これは回転していかなくてはならない商売でありますために非常に苦しいのであります。  それから、次に倉庫は公益上の事業であるということを申し上げたいのであります。御承知のように倉庫証券発行につきましては、構造上その他において制限があります。そういうようなことでありますので、この倉庫証券というものは売買の対象になりますし、金融の対象にもなりますので、この運営のいかんによって経済、社会上に非常に重大な影響を及ぼしますので、こういう点はどうしても公共性があるということが十分言われるのであります。そしてまた貿易の振興にはどうしても先ほど申し上げましたように、文化の進展その他国際商業上のいろいろな条件に合うように倉庫を改築整備していかなくちゃならないのでありますが、ちょうど倉庫は海陸の接点にあります、あるいは陸上の交通の接点にありましてその使命を果しておるのでありますが、海にたとえて言いますれば、船舶はもちろん巨額の金を要するのでありますが、国家の保護または援助を受けますし、陸上の設備は国家や自治体でやるというように、みな特殊な国家からの保護を受けておるのでありますが、そこの間に介在してどうしても必要であるところの倉庫というものは、何らそういうことはなくして自分ですべてをやりまして、そしてもうからなくても税金を自分で払っていかなくちゃならないというような状態であります。しかもただ最初に作っただけでいいというのではありませんで、年々変っていくところに対しましては、これに適応するように、特に貿易を振興する上におきましては、いち早くいろいろなことを処置いたしまして、荷物の上げおろし、そういうことにつきましても関連事業としてやっておりますし、すべてのことが安くそうして早くということにするためには、いろいろの設備をする、建物のほかにさらにそれに付属していろいろな能率を増進するような設備をやっていかなければならぬ、そういうことでありますので、これは一にそういう重要なものであるにかかわらず、全くそういう点は公共的に働いておるにかかわらず何にも見ていただけないというのが現状であります。さらに倉庫は御承知の通り日本の食糧倉庫にいたしましても、食糧庁の指定倉庫として重要なる役割をやっております。こういう点につきましてもいろいろの指定を受けまして監督を受けておりますし、いろいろの点におきまして公共的な立場で仕事をしているということもぜひ考えていただきたいと存ずるのであります。なお農業倉庫は固定資産税その他を免除されております。それはそれでいいのでありましょうけれども、それは港あるいは県庁所在地というようなところにありますし、営業倉庫とかち合って、農業倉庫も余力がありますれば一般の営業ができるのであります。そうしますと片方は税金が免除され、片方は税金がかかるということは非常に不公平に存じますので、こういう点も同じく公共のためにやっておる立場からいきましたならば、考えていただきたいというふうに考えます。そして倉庫は保管料を取っておるのでありまして、これはただいま申し上げましたように、公共的であるということと、そして非常にサービス業でありますので、困るからといって容易にすぐ保管料を上げるということはできませんし、一種の基準料率がありまして、監督官庁から実施されておりますので、それに合うようにやっていかなければならぬというので、自分で先に立って何かやるということでなく、いつも受身の立場でサービスをしていくということでありますだけに、これを少し困るから、税金にかかるから保管料を高くするということはできないのであります。そういう事情でありますので、倉庫業者といたしましては、この際ぜひ以上のことをわれわれが御説明申し上げましたごとくに、何らか御考慮を願いたいと存ずる次第でございます。
  80. 大矢省三

    ○大矢委員長 次に前東京都固定資産評価室長馬場密蔵君。
  81. 馬場蜜蔵

    ○馬場参考人 ただいま御紹介にあずかりました前東京都の固定資産評価室長馬場でございます。ちょっと皆さんに御了解を願っておきますが、私は先日の安井人事におきまして退却をいたしました隠居でありまして、だんだんとつんぼさじきにおりまするから、新しい情報に暗く、目に映ずるものがたとえば海上で見通しがきかないというような位置に置かれておりますのでそのつもりで一つお話を申し上げたいと思います。それからもう一つは、老齢でありまして、ことにこのごろ歯が悪くなりまして、きようも歯の療治に行きまして、音声が朗々と出ませす。わかりませんところは幾度でもお聞き返しを願います。どうぞその点御了解を願います。それからきよう御招致をいただきましたのでありますが、こういうことについて所信を話をするのだというお示しがありません。実は皆さんから御質問があって一問一答とか何とかいう形で、私の意見を申し上げることだと思っておりましたが、そういうふうでもないようでありますから、さしあたり即席料理で私の所見を申し上げまして御了解を願いたい。  私はこの四年半にわたって東京都の固定資産の評価をやっておりました。その経験からいたしまして現行の地方税法のうちぜひ改正をしてもらいたいということが一つあるのです。これは長年の私の願いである。それからもう一つは、改正案がいかなる内容を持って提出されていますかわかりませんが聞くところによりますと、一つどうしてもこの点は改正しないでおいてもらいたいということがありまして、この二つだけ申し上げたい。それからまた御質問に従って意見を申し上げたいと思うのです。現行法上改正をしたいと思いますのは、固定資産の評価が毎年一月一日の現況において評価をして、そして評価の仕上げをしますのは二月末日まで、二カ月の間に評価をまとめる、評価員が評価調書というのを知事に提出するのには一月一日を押えて二月末日までに出せ、知事はこれを受け取ってこれを見て、そのままにうのみにするか、あるいは手を加えるかを御考慮になるのでありますが、それが三月一日になるとすぐ納税者の縦覧に供しなければならぬということになる、この期間がはなはだ短かくて、とてもこれではりっぱな評価ができないと考えるわけであります。東京都の場合にしますと、どれだけのものを評価するかと申しますと、東京は御承知の通り二十三区、直径二十マイルでありまして、そこにあります土地が九十三万坪もある、そして安いところで、周辺地区など宅地でも五百円以下のところがたくさんあります。銀座の交差点のあそこは東京の最高峰となっておりますが、これは一番高いところで単価が四十三万五千五百円、この間幾通りあるかわからないのです。三百円も四百円も五百円もというふうにだんだん価格が変ってきまして、最高峰が四十三万五千五百円になるまでにはずいぶんあります。これをみんな一つ一つ吟味するのです。それから今度建物は百万棟をこえます。大きいのは丸ビルみたいな延べ床面積が二万坪もあります。ああいう大きなものもありますし、九尺二間のバラックもあります。これは百万棟以上ありまして、そして建物については、この建物は鉄が幾ら、これにはセメントが幾ら入って、砂利が幾ら入って、木材が幾ら入って、それから手間が幾らかかって、設計監督から跡片づけの費用まですっかり積る、これがそういうふうに百万棟以上ある。それから償却資産というのは機械器具あるいは施設装置、船舶あるいはガス、その他電気の設備というようなものが内容になっていて、これが一千一百万件もある。一件というのは場合によってはテーブル一個でも一件にすることもありますし、一セットを一つに見ることもできます。これは経営者の整理方法に従ってやりませんと、一つ一つばらばらにするとなかなかむずかしいものですから、これは所有者の整理方法によりますが、こういうふうに一筆のものはみんな一件に勘定することがありますし、それから製紙会社とか紡績会社、鉄工場、造船所というようなところの設備になりますと、国会のこの大きな建物でありますが、この中に二つか三つしか入らないくらいの大きな機械があるのですが、これも一件、そういうのが一千百万件あります。これを二カ月の間にまとめるなんていうことは、これは実際はてんぐ様ならできますが、人知薄弱にしてわれわれのとてもできることではなくして、結局拙速ということになる。私が一昨年都の主税委員会に評価のでき上った結果を報告して、そのときにこういうことをちょっと口をすべらした。私が、洗たく屋や仕立屋がお粗末でございますといって品物を納めますあの筆法で、まことに荒削りなところがあって申しわけありませんということを、私が大へんに謙譲の言葉でもって言ったのですが、荒削りとは何事だ、この重大な都民に負担のかかっているこの評価、それをそういうことをされてはたまらぬ、お前の評価なんかやり直せと言ってしかられたことがあります。事実そういうふうにしかられるのが当然でありまして、二カ月の間にそれだけのことをやれということは無理です。ゆえに私は、この税の徴収をする年の一月一日現在の評価をして、二月末日までに仕上げるというような、そんな無理なことは言わない。少くとも大東京というようなところでは、いなかの市町村と違いまして、非常に量が多くて品物の内容が違います。ずいぶん複雑したものがあり困難なものがある、名前が確認することができないものがあって、通産省の機械課へ行ってやってみたり専門の人を頼んでやらなければならないようなものがあります。どうかこれをもう少し期間を長くしていただきたい。そこで私は、前年の六月一日ぐらいに押えて十二月一日ぐらいに評価の形を作って、それに付随するものは順次やっていくというふうに改正をしていただきたい。それでなければいつまでたっても拙速であって、まことにお粗末でありますということは免れない。そんな粗末なものは受け付けないというふうに言われてもしょうがない。ぜひこの重大な都民の負担であるところの固定資産の評価が適正にいきますようにこいねがう精神から、その期間を長くして、そうしてもう少し早く切り上げて、前年の六月一日ぐらいに押えてもらいたいということを私考えておるわけです。そこで現行法によりますと、一月一日に押えて二月末日に評価したものを出して、知事が考える余地がなくすぐこれを縦覧に出して縦覧を二十日間しまして、今度不服のあるものは審査の請求をするとか、あるいは知事に裁決を求めるとか、あるいは通常裁判所に訴えて曲直を争うということになる。そうして第一期の税は四月徴収する。そういうふうにまだ評価がすっかり落ちつかないうちに徴税をする。徴税をしておいてあとで間違っていれば返してやるというのでは、これはどうもおもしろくない。どうしてもこれを円滑にするのには、六月一日に始めて十二月一日に評価したものができて、知事さんもゆっくりこれを見て、採用するか訂正するか考えて、そうして縦覧にゆっくり出して、それから異議があった者について十分に審査して、真に評価額がここに決定をして、それから徴税をしなければならぬ。徴税令書を書くのでも、印刷して令書を書くのにいかに何でも一カ月かかる。それでそういうことができないと、今度は非常にいろいろな手落ちがあってしかられることがある。迷惑をこうむることが多いから、ぜひこれは新たにもう半年ずり上げていただきたい。私はもう退職しておりますから関係ないようなものでありますけれども、これから仕事をする人のために、ぜひそういうことをしていただきたい、こうお願いいたします。  それからもう一つ、地方税法の改正案の内容は、私は隠居していますし、また私の仕事は税務とか財務の表芸をしない、台所の仕事をやっておる、評価というのは台所の仕事ですから、表のことはわかりません。別に税務行政のことは研究しておりませんから何もわかりませんが、自分のやっている評価のことだけについて一つ申し上げたいと思います。改正案によりますと、真偽のほどはよくわかりませんが、新聞等で知ったのでありますけれども、二年縛りとか三年縛りとか、つまり二年とか三年とか、ある期間据え置きをするという話ですが、これは私は非常にまずいことだと思う。これは現行法通り据え置かないことにしてもらいたい。というのはなぜかと申しますと、ただいまの土地の価格は、土地に興廃盛衰があって、あっちが非常に発展したと思うと、こっちが滅びていく。興廃盛衰というものがはなはだしい。これを何年もうっちゃっておくと、泣く人と笑う人ができる。これは実例から申しますと、銀座とか日本橋の昔の中心のところで、非常に栄えておったのですが、今度あそこはさびれてしまう。というのは、人口がだんだん周辺地区にふえましたために、購買層が中心に来なくなってしまって、新宿とか渋谷とか、渋谷には大きな東横のビルができまして、あそこに集中する人が多い。新宿は昔三越の支店だけだったのが、伊勢丹という大きなデパートができました。その他にも小さい店ができて、どんどんと郊外の人が行きまして、あそこに消えてしまう。それから池袋しかり上野しかり、浅草しかり、ただ残るところの銀座、日本橋は、国鉄と地下鉄の交通機関でもって息をしておったのですが、今度八重洲口に大丸ができまして、あそこでみな購買層を断ち切ってしまう。この八重洲口ができましてから東京駅の乗降客は二十万から四十万にふえた。丸の内の方は大して違いませんが、八重洲口ができたために倍になった。そこで八重洲口から出た者はどこに行くかというと、大体名店街と大丸へ入ってしまう。そして残る人は、約半分くらいでしょうが、これはみな職場への勤め人で、購買層ではありません。そこで日本橋とか京橋のあの付近は暗い町になる。これまでは夜はあかりの都で光り輝いておったのが暗い町になった。三越や白木屋、高島屋を初め、個人商店など、極端に言えば火の消えたようになる。これが地価の変動をもたらす。今度銀座がその二の舞です。有楽町の駅の前読売新聞の堂々たるビルがありましたが、あれを今取りこわして、大阪の十合さんが出る。そうするとそこでまた食いとめてしまって、日比谷から銀座へいく購買層がみんなそこで断ち切られてしまう。そういうことになる。その他山の手方面へ行きますと、いつの間にか駅の前に山の手銀座というものができますね。そうするとそこで自然に吸い上げて、一方では衰微したところができる。そういうふうになって今変っている。地価が上ったり下ったりして興廃盛衰をきわめている。そのときにくぎづけにしてしまうというのは少し無理だと思う。やはりいましばらくの間は現行通り毎年評価をして、上ったところは上げる。下ったところは下げる。ことに、地価が上ったのはどういうせいかというと、多くの人は人口のことを言いますが、人口なんかは問題じゃありません。なぜ地価が上ったかというと、貨幣価値が下ってきたからです。私がここに今種々そのために控えておきました日本銀行券の発行高を調べてみますと、明治の初めから昭和三十年まで調べてある。最近になりますと、年に五百億千億というような日本銀行券が増発された。そうして最近では、ことしの一月、三十年度の評価をいたした時分には、六千二百二十億という発券高、前年度に比べて千億円以上上っている。通貨が膨張しますとまず貨幣価値が下ります。流通する貨幣の量によって、物価の騰落がきまるということは経済でいっておりますが、これなんです。そこでどんどん政府が紙幣の増発をしますから物価が上ってきまして、昔金が一匁五円であったものが二千五百円、それから為替レートは、ドルが戦前二円幾らというものが、政府がきめられまして三百六十円です。それから日本銀行で発表する物価指数で見ますと、物価は四百倍、土地の価格はわれわれの調査したところによりますと、銀座なんか百六、七十倍しか去年上っていない。ことしは二百倍以上になりました。そういうふうになって、これが日々いわゆる値上り運動をしている。貨幣価値が下ってくるものですから一つの障害があるために、一般の野放しというような物価の値上りほど多くないので、一般物価は四百倍になっても土地は二百倍くらいでとまっておるので、これはどうしてもこれまで上る傾向がある。ところがこれから先どうなるかといいますと、政府においても緊縮政策をおとりになり、貨幣の緊縮をおはかりになるように見えるのであります。反対に日本銀行の発券高がぐんぐん減ってくると地価が下ってくる。地価が下る傾向がある。今やみ値がどんどん下る傾向にあるのです。それにくぎをさしてしまっては、国民の負担がだんだんと軽くなるべきであるのに、それを押えておる、そういうことになるから、据え置きというのはよくない、時期尚早だ。いま十年か十五年たって、地価が安定し、人口におきましても盛り場の盛衰がずっと落ちついたときにはよろしい。そのときに永久にくぎづけにして、今度地方財政の資源について必要があればその増減は税率によって操作してもらう、こういうふうにしていただきたい。そういうわけでこの際二年縛り、三年縛りというようなことは時期尚早だと考えますから、どうかこういうことをしないようにお願いしたい。  それから今自治庁の奧野さんもいらっしゃいますけれども、据え置きのお話が毎年ある。東京都を私は首になったのですが、評価委員室という機関がなくなってしまう。これは評価の必要がないということです。けれどもこれからそういう地価の変動がはげしいときには、ますます評価を適正にしていかないと負担の公平が得られません。だからその点からいっても、毎年評価をすることが必要でありますし、一ぺん評価の機関が閉鎖してしまって二、三年、さあやるのだということになると、閉店をしたり開業をしたり、個人商店でも、御承知でありましょうが、これはばかばかしく金がかかる。そうして熟練した練達堪能の士がなくなってしまう。しろうとたちによって新規まき直しをして、莫大な損をする。こんなことを申し上げるのは失礼ですが、昔東京市に奥田市長という名市長がいらっしゃいましたが、極端な緊縮政策をとって、始めている事業をみんなやめさせて、大々的の人員整理。けれども都市計画とか水道とか電車は注文しておいた安い品物なんかみんな断っておいて、二年ばかりたってさあやらなければならないということになったら莫大な損をした。こういうことは固定資産の評価の中にもありますから、熟練者を失ってせっかく集めた文書、調書というものは役に立たなくなりまして、毎年々々小刻みにやっていけば、ちゃんと研究を積んで、急激な値上り値下りはないのです。三年もおいたならば急激な値上りがあって、また急激に値下りをしなければなりません。こういうことになって、そこでまた都民とけんかをしなければならぬということも、私から言うと目に見えておる。ですからこの二年縛り三年縛りということはしないように、ぜひ一つ御配慮を願いたいと思うのです。今のままで毎年々々小刻みにやって、すでに軌道に乗っていますから、経費も割合に安くなる。これを捨ててしまえば、熟練工はなくなってしまいますし、それから先ほど申しました通り、抱えておるいろいろの調書、参考書というものはみな使えなくなってしまって、新規に大がかりにまた調査をしなければならぬ、財政上に及ぼす負担の増額というものは莫大であって、実にばからしいことだと思うので、どうか一つ――これは改正案にはどうなっておるかわかりませんけれども、私がうわさに聞いて、それを土台にしてこういうことを申し上げるのですが、もしそういうことがなければ、これは大へん私の考え違いで、言い過ぎでありますから、これは平に取り下げますが、果して二年縛り、三年縛りということを今お考えになっておるならば、これはただちに考え直していただきたいということを切にお願いいたしておるわけでございます。  これだけ取り上げておくといったような即席料理は別に考えていませんが、ふだん考えておったことを、このいい機会でありますから、申し上げまして、ぜひ一つ今後とも十分の御考慮を払っていただきたい。あとは皆さんの御質問がございましたら、私の考えておりますことを、ふつつかながらお答え申し上げたいと思います。
  82. 大矢省三

    ○大矢委員長 では次に東京大学教授永田竜之助君。特に木材引取税についての御意見をお伺いします。
  83. 永田龍之助

    ○永田参考人 御紹介にあずかりました永田でございます。木材引取税の問題で御質問になりましたのですが、私学校に奉職しておりますもので、実はあまり税金のことは根本的に詳しくないであります。ところが林業関係のいろいろな問題を取り扱いますのに、御承知のように、植林事業というような仕事は非常に長期の事業でございまして、投下した資本が回収されるまでの間の損益計算なんかをしてみますと、世の中に伝えられておりますように決してそう有利な事業でも、またそういって、それじゃ個人企業として成り立たないような不採算的な仕事でもないというようなもののように考えておるのでありますが、それに税のことを取り入れて考えますと、実はこれはもうとんでもない不採算的な仕事にならざるを得ないのでございます。昭和二十六年にシャウプ税制調査団の人たちが見えたときに、連中が皆さんから御意見を聞かれて、私どもとしては、林業については何か特別の税の制度がなければとうてい成り立たないように思う。特に当時考えられておった、たとえば富裕というような税につきましては、収入があがるまでの間、三、四十年間にわたって毎年々々一・五%ないし三%の税をとるというようなことにすれば、年平均の金額成長額に相当するものをとって、税として吸い上げるということになるから、林業経営をする者たちの意欲を喪失することが心配になる。従ってそういうような富裕税のようなものを創設されたら、あたかもアメリカにおける財産税のような形になって、そうしておそらく日本の林業というものは衰微しやしないかというような点を指摘して、毎年々々林業に対して課税することについては、私どもとしては根本的に反対したのでございます。そのかいなく、当時の税制改正に際しては林業に対して富裕税をかけるというようなことが決定されまして、この富裕税はわずか三年間で廃止される運命になったのでありますが、そのときにやはり同じく問題になりましたのは、林業に対する固定資産税の問題でございます。固定資産税につきましては、御承知のように減価償却可能な資産に対して固定資産税をかけるというふうに書かれてあったのでありますが、しからば山の木は機械などと違って減価償却ができるのかということになりますと、機械類等については耐用年数などがありますから、減価償却は当然可能でありますが、立木については実は年々価値生長量が持ち去られずに山に蓄積されるわけでありますから、原価がだんだんふえて参るのであります。従ってそういう観念から見ると、減価償却可能な資産の中には立木は含まれないであろうというようなことを、いろいろ自治庁の方でもお考え下さったのか、ともかく木材に対する固定資産税はやめようということでおやめになった。ただしそのかわりに、そうなると都道府県税並びに町村税として林業が負担する税が何一つないということになるから、やはり何か多くの財政投資が、たとえば造林であるとか、林道であるとか、あるいは治山事業とか、相当の金額のものが林業関係に投下される。それに対して山林所有者なり、地方の人たちが何ら負担をしないということは、やはり妥当を欠くことになるから、何か木材関係の税を負担する必要があろうというような考え方で、当時ありました木材引取税を暫定的に、と申しますと語弊がありましょうが、当分の間存続しようというようなことになって、今日に至っておるように承知しておるのであります。  木材引取税につきましては、これは大体昭和二十二、三年ごろあるいは三、四年でありましたか、ともかくそのころに長野県及び広島県、山口県あたりで、御承知の水利地益税などと同じような形で、たとえば林道の補助金が国から参りまして、そうしてその助成金に対する県費の何がし、――一割でありましたか、ものによって違いますが、林道の場合は一割の県費の負担を課される、あるいは地元の受益者が負担すべき三割ないし四割の負担金を各個人から徴収することは大へんであるから、地元の町村なりあるいは県がそれを徴収して、その工事を推進していくというような考え方で、いわゆる目的税的な立場からこの税が創設されたのでございます。従って当初においてはそういうある特定の目的を持ってその税がかけられておったのでありますから、その目的が達成された場合には、それが軽減されるというようなことは当然あったわけであります。ところがそういう形になりまして創設されても、こういう性質の税は、いつの間にか目的税的な性質からはずれて、一般財源に考えられるような危険が多分にあるから、林業関係者としてはよほどその点は注意しなければなるまいというようなことをいっておったのでありますが、そのうちにシャウプ税制改正に際して、先ほど申し上げたような取扱いになって今日に至ったのであります。  実際問題といたしまして当時二つの点が問題になったのであります。木材引取税をしからば存続する場合に課税する場所をどこにするか、課税標準価格を決定する場所はどこであるかということに対して、自治庁の方のお考えでは通常取引される場所、こう言っておられる。通常取引される場所ということになると、木材関係ではしかく簡単ではない。具体的に申し上げれば立木のままで売買する業者もありますし、山林所有者が伐採、運搬をいたしまして、駅頭へ持ってきて売買する場合もあるし、あるいは製材工場の土場へ持ち込んで売買する場合もある。従って通常取引される場所の価格ということになると、たとえば非常な奥地で山林立木の所在するところから駅頭までの運賃が五百円も八百円もかかるところでは、運賃に対しても木材引取税をかけるということになりますし、駅頭に非常に近い立木については、それらの運賃については税の負担がないというようなことにもなる場合もあるし、これについては課税する場所をよほどお考えにならないと都合が悪いだろうというようなことを申し上げておったんであります。私どもとしては通常取引される場所としては切り倒されたときに、その場所における価格というようなことでおやりになれば、運賃の相違による課税の負担の不公平というような点が是正されはしないかというようなことで、当初は多分にそのように承知しておったのでありますが、これは地方自治体である市町村の考え違いでありますか、本税ができました二十六、七年当時においては、駅頭の価格に対して百分の五ないし百分の六の税をかけたというような町村などがありまして、相当問題を起したのであります。  もう一つの点は、この税は大体消費者に転嫁さるべき税であった、こういうことであったのでありますが、ところが現実の問題としては、木材について公定価格があった時代、いわゆる統制されておりました時分には、いわゆるマル公があるわけでありますから、マル公に対して五%なら五%の消費税をかければ、これは消費者に完全に転嫁されるわけなんです。それは本来今日でもたばこであるとか、あるいは酒であるとか、あるいは薬であるとか、図書がそうでございますが、そういった性格のものでありますと庫出税の形であるか、あるいは定価が明記されておりますから、それに対して百分の六あるいは五ということで課税をいたしますと、消費者に完全に転嫁できるのでありますが、木材の場合は、御承知のように、山の立木の価格を算定いたしますのは、市場の価格から運賃諸掛りを差っ引いた残りが立木の単価ということになりまして、俗に逆算造価と申しますか、逆算をして立木の単価を出す関係がございますので、勢い中間の税その他の諸掛りは、ときによれば山林所有者の方に全部ひっかぶせるというような形にもなりますし、またときによるとこれが逆に消費者の方に全部転嫁することができるというような場合がありまして、これは御承知のように、市中におきまする木材の流通関係、需給関係が一にあずかって力があるわけであります。要するに木材の伐採量が少くて需要が多い場合には、市中の消費者がその税をかぶることになるわけでありますし、逆に伐採量が多くて需要が少い場合には、当然山林所有者がその税を負担するというような形になるわけでございまして、要するにそのときの木材の需給関係や価格の関係でこの税が生産者が負担したり、消費者が負引したりというような格好になりまして、本来の目的通り全部が全部消費者に転嫁することができないといったような事情もあるのでございます。理論的なことは専門の方々がおいでになりますので、税の理論的なことにつきましては私どもとしては何も申し上げる必要もないかと思うのでありますが、大体今申し上げるような点につきまして、実はこの税の創設当時からいろいろ問題があったということを御説明申し上げたわけでございます。  しからば現状はどうなっているかと申し上げますと、これは非常に区々でございまして、たとえば国有林から生産されます材については、これは本税がちょっと特殊な事情にございまして、地方自治体が特別徴収義務者というものをきめた場合には、その者が税を徴収して地方自治体に支払うということになっております。そして普通多くの場合、町村は特別徴収義務者として国を指定しておりますので、国が徴収義務者になっておる場合が多いのであります。従って国有林の管理者がその税を徴収して地方自治体へお渡しをするという形になっております関係上、これは額面通り税金をとるのであります。ところがそうでない民間の山林の所有者が多い地方におきましては、この税が割合に――言葉が悪うございますが、適当に徴収され、適当に支払われておる。従って概して低い負担で済んでおったのでございます。ところが昨年七月自治庁の方が、本税の課税標準額と申しますか、たとえば杉については一石当り六十円ないし七十円である、ヒノキはそれの二割増しである、松はそれから何がしか減額したものであるというような標準課税額が公けにせられたのでございます。ところが実際そういうことになりますと、たとえば現在の用材の生産量から逆算して参りますと、本税の徴収総額は大体六、七十億円くらいの税収入があるようになるのでございますが、予算の面で見ますと、それが十六億何がしで、予算面とわれわれが考えます徴収予定金額との間に相当大きな開きがあるというようなことで、木材業者の人たちが、あるいは山林所有者の一部の人たちが、そのように高い税金を――具体的にいえば今から比較して二倍も三倍もに相当するような税をとられたのでは、とても林業あるいは木材業関係者は成り立たないということを懸念いたしまして、それから本税の撤廃運動が始まったように記憶いたしておるのであります。私どもは、業者の方々や山林所有者の方々から、いろいろこのことについて御相談を受けたのでありますが、実は何と申しましても現実のことをあまり知らないものでございますから、的確な御返事はできなかったのであります。むしろそのことは林野庁あたりが御相談に応ずべきだというようなことで、当初は林野庁の人たちに回答を送っておったのでありますが、林野庁の方も、どういうわけですか、この問題についてははっきりした態度を示されずに、そのまま今日に至っておるように承知いたしておるのであります。私どもといたしましては、その後現地について二、三事情を調査もいたしました。ところがはなはだしく負担が不均衡であるということが調査するに従ってわかりまして、こういうことではこの税を残しておくこと自体が問題だというふうに考えるようになりまして、あけて昨年の八月ごろ、しいていえば九月上旬でございましたか、そのころから私個人の意見としても、本税は当然廃止をしなければ、この税を負担する人たちの間にいろいろ不公平があることが原因になって摩擦を起すことになりはしないかというようなことを考えるようになって今日に至っておるのであります。承われば、今国会に本税の改正でありますか廃止でありますか、何かそういったような話が出ておるように承知しておるのであります。私としては、従来の考え方から申しますと、本税の撤廃ということは、実はあまり考えていなかった、適当なごく低い税として存置されるなら、あってもよかろうというふうに考えておったのでありますが、自治庁の示されるような程度の課税標準額で徴収されるものとすれば、当然これは撤廃すべきであるというふうに考え方を改めざるを得なくなったというような事情でございます。  最後に一言申し上げたいと思いますることは、実は昭和十一年であったかと思いますが、馬場さんが大蔵大臣の当時、中央地方を通じての課税の均衡を期するための税制改正をするということを言われて、当時立木についての伐採税、あるいは丸太を川を利用して流すいかだ流し税、あるいは一つの町村から伐採された丸太を他町村を通って駅頭へ搬出されるときに、木材移出税という名称で、各町村がそれぞれ出てくる丸太について何がしかの税をとる、従って一つの町村を経由して駅に出した場合には、移出税は一回で済んだのでありますが、三カ町村を経由して駅頭に出るというような場合には、三カ町村から木材移出税をとるというような、そういうように地方税が乱立されておりましたような実情がございまして、当時御承知の土地に対する反別割と並ぶ悪税であるから、この種の地方税は整理すべしというようなことになりまして、昭和十四年かに従来ありました立木の伐採税、いかだ流し税、木材移出税といったような地方税が整理されたことがあるのでございます。実はこの問題は、大正十二年ごろから昭和十四年まで、約二十年くらいかかって、そういったような税を整理したことがあるのであります。それを考えあわせますと、創設することは楽だけれども、整理することはなかなか大へんだ、かように思うのでございます。参考までにそういう過去の事情も申し上げて、御審議のお役に立てばと存じます。何か御質問でもございましたらお答えいたします。
  84. 大矢省三

    ○大矢委員長 以上をもって参考人の意見を聴取いたしました。それでは質問がございましたら、受け付けます。
  85. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 永田参考人にちょっとお尋ねをしたいと思います。お話の中に、やはり植林等の関係並びに林道等を創設する等の関係で、周囲の住民の大きな犠牲の上に、そのものは生長するのである、だからして今お話のあったように、固定資産税というような考え方でとるべきではあるが、それでは植林意欲というものはなくなる、だから生長した後これを売り渡すときにとるということで、創設するに賛成せられたような考え方のお話がございましたが、これは今もって国会に廃止の運動がされております。今日先生のお話をずっと聞いておりますと、これは廃止した方がいいというような意見のようでありまするが、どうもその理由がはっきりしておらぬ。今お話を聞いてみると、現地の二、三カ所を調査した、その調査した結果負担の不均衡というものが種々見受けられて、そうしてトラブル等が起きるおそれがあるので廃止した方がいいのじゃないかという結論に持ってきたというお話でございまするが、その負担の不均衡というような点についての事例を、一つあげていただきたいと思います。
  86. 永田龍之助

    ○永田参考人 私の説明に若干足りないところがあったように思いますが、実は立木に対する固定資産税はとってもいいように思うがというふうにお聞き取りになったように思うのでありますが、実はこれはそうじゃございませんで、立木に対して固定資産税をとるということは、固定資産税は減価償却可能な資産に対してかけるという趣旨からいっておかしい、根本的におかしい、立木は減価償却できる資産ではないというところから、それはおかしいということが一点。それから第二点は、実は先ほどちょっと申し上げた、富裕税についていろいろ問題があった、こう申しましたが、これは富裕税をかけるときの評価が、何のたれ兵衛の持っておる山の山林面積がどれほどあって、それの評価額がどれほどであるかということが、相続税のようにときどき、オケージョナルに起る問題であれば、個々に調査ができるわけであります。そうでない、ちょうど先ほどお話があった土地や家屋について、全般的に二カ月や三カ月の間で評価をすることができないと同じように、特に山の立木のような場合その評価をするということは、これはとうてい不可能なことであるというようなことから、立木に対する固定資産税というものは、理論上もとるという根拠はないし、またかりにそれがあったとしても、それは現実にできないだろうというふうにお話し申し上げたつもりでおるのであります。  それから、現地調査をしたらしいが、その実情をあげろと言われますことにつきましては、たとえば北海道の浦河町とか、あるいは長野県の福島の奥に王滝という村がございます。そういったような国有林の多い地方におきましては、これは何と申しましても、先ほど申し上げたように、国有林の役人が徴税義務者となって、そうして払い下げ単価がはっきりわかっておるわけであります。その払い下げ単価に対して百分の六という課税をするということになりますと、これはむしろ額面通りぴっしゃりきまってくる。ところが民有林の多い地方になりますと、いわば村の木材引取税の収入予定額が十万円か二十万円程度のもので、その村から生産される木材が十万石とか二十万石ということになれば、せいぜい五円か十円とればそれば足りておった。ところが今度、昨年七月に自治庁がお出しになったその課税標準額を見ると数十円になっておるということから見ると、今までに比較すると何十倍かになる。こういうことでは、実情としては、従来の負担から一躍飛躍的に大きな増税になろう。従って私としては、従来はそれほどにも思っていなかったのだけれども、考え方を改めざるを得なくなった、こういうふうに申し上げたのでございます。
  87. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 そうすると参考人の御意見は、ただその課税をするときに税の負担というものが不均衡になってくる、今までのようなわずかな税であればいいが、改正された税でいくとその開きというものが非常に大きくなって、それによっていろいろの問題が生じてくる、こういう御意見のようでありますが、それはどの業種でもあることであって、税を公平、平等にかけるということはきわめて困難なことである。しかし安いうちは少々文句があってもいいけれども、高くなったらそういう文句が多くなってくるので、そういう税金は廃止した方がいい、これだけの結論のように思いますけれども、まだその他の問題があるのでしょうか。と同時に先ほど先生のおっしゃいましたように、需給関係なんですけれども、伐採よりも需要の量の方が多くなれば、当然消費者が負担する、たくさん伐採しても需要量が少ければ逆の現象になってくる、こういうことなんですが、これは一つの国家の育成により国民の協力によって成長されたものは、これはだれかが成長の負担としての責任を持たなければなりません。それで今御説のように、これが成長されるには多くの見えざるあるいはまた見えるところの協力があって成長したものである。たとえば林道でありあるいは植林の育成であり、こういうものが全然廃止されるならば、今先生のお話のありましたように、固定資産税の問題も、財産税のような形においても、何らの負担を負うものはなくなりまするが、その点どういうようなお考えを持っておられまするか、一つ承わりたいと思います。
  88. 永田龍之助

    ○永田参考人 そのことにつきましては、実は本税の創設される時分には、これは都道府県税として衆議院を通って参ったのでございます。ところがどういう都合か、参議院でこれを市町村税に改正されたというような実情がございまして、従って私としては、本税は都道府県税でおくべきであった、にもかかわらず市町村税に改正したことによって、本税の存続の意義がなくなったというふうに考えておるわけであります。
  89. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 もう一点だけ関連してきわめて簡単にお尋ねしますが、そこで廃止されると、今後災害だとか、あるいはまた植林の育成というような問題、林道の開発というものに、県なり市町村は協力をしないというおそれが将来生じてくることは考えられないか、この点を一つ承わっておきたいと思います。
  90. 永田龍之助

    ○永田参考人 お答えいたします。具体的の問題につきましては、私としては何とも将来のことについて、本税をなくした場合に治山工事、林道その他国の助成をする分に対する地方自治体なり県の意欲と申しますかそれがなくなるかどうかということは、ちょっと私としても今ここですぐどうというお返事はいたしかねるのでございますが、これは、想像と申しますか私の感じとしては、ないと思います。ただ、都府県の財政といいますかそちらとしては、そういう財源や何かが全然なくなるわけですから、ちょっと困りはしないかなという感じは持っております。
  91. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 永田参考人にお伺いしますが、木材引取税の廃止の根拠ははっきりつかみ得ないのですが、とにかくこれを廃止することにしたとして、地方財源が非常に困る、しかも山間の町村が非常に困るということになるわけです。もちろんこれは目的税としてできたかもしれませんが、現実にはやはり一般の財政需要にこれが充てられるという現状にあるわけです。もちろん他の交付税その他で補うこともできるでありましょうが、町村としては莫大な土地を持っておる、山林を持っておるという点からして、それをとっていくという観点から、これがなくなった場合に主として国有林地を持っている町村に関係があると思うのですが、国有の土地に固定資産税をかけていく、こういう方法を考える方がいいのではないかという考え方を持っている人もあるようなんです。もちろんこれは民有地を持っておる町村のためには木材引取税に関係する部分はなくなるわけですけれども、莫大な国有地を持っておる町村が非常に多い、これが国有林として出ている場合の木材引取税として、相当の収入を得ている、こういう点から国有地に固定資産税をかけるという考え方についてはどういうお考えでしょうか。
  92. 永田龍之助

    ○永田参考人 実は大へんむずかしい問題で、これも将来の問題ですから、想像というような結果に陥らないとも限らないのでございますが、私どもとしては実は国有林は本来から言えば固定資産税を負担すべきものと考えております。そうしてそういう税を負担してもなおかつ国有林事業がプラスになるというような経営をすることが、国有林の技術者の使命だ、かように思っておるのでありますが、今の段階では御承知のように国有林の地方交付金という制度がございまして、これは果してそのように運用されておるかどうか、その点は若干疑問があると思いますが、もしその土地が国有林でなければ当然負担すべき固定資産税に相当する金額になるものを交付金として下げ渡すという形をとるべきだと思っておったのでありますが、国有林特別会計の予算も必ずしも楽ではなさそうでございますし、民間の山林所有者が負担しておると同じような固定資産税を国有林に課するということになると、これは金額が莫大なものになる。そうなるとたとえば国有鉄道であるとかその他専売公社であるとか、そういったようなものも全部ひっくるめて、そういう固定資産税相当額を負担しなければならぬということになってくるのではなかろうかと思うので、影響するところがはなはだ広うございますが、単に国有林だけの問題でどうだという御質問でございましたら、私は今の御意見に賛成でございます。
  93. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 私小野参考人に簡単にお尋ねいたしたいと思いますが、どうも公述を承わっておりますと、トラックの立場において、あなたはいろいろと軽油自動車と申しますか、そちらの方を強調しておるようでございます。もちろんトラック協会の会長という御資格でおいでになったのだから、こういう面に力をお入れになるのも当然だと思いますが、ただ日本の自動車は、ここにも書いてありますように軽油を使っておるのはトラックばかりではなくて、おもにバスなんかが非常に軽油自動車を使っておるように私どもは考えますが、そちらの方の現在の状況を、きわめて簡単でけっこうでありますからお聞かせをいただきたいと思います。続いてもう一点だけありますから、委員長にお許しいただけるようにお願いいたします。
  94. 小野哲

    ○小野参考人 お答え申し上げます。御指摘のように私から主としてトラックに例を求めて御説明申し上げたのは御意見の通りでございます。しかしながら公述のときにもちょっと触れておりましたように、主としてこの軽油自動車、すなわちディーゼル自動車を使っておりますものは、一般大衆の足となっておりますバス及び一定の路線を定めて運行するトラック、こういうことをまず申し上げたつもりでありまして、その中でトラックの例をあげればこうである。従ってバスの点を申し上げますと、大体現在軽油自動車はわが国で四万両余りあると記憶いたしておりますが、バスの方はこの軽油自動車を使用いたしまして、重要な旅客の運送事業に従事しておりますことは申し上げるまでもないので、特にバス事業は戦時中諸般の事情からその完全な機能を発揮することができなかった。それが終戦後燃料資材等の関係から、昭和二十四年ごろから現在のように非常な発展をいたして参ったのでありまして、国民の皆様方の足としてサービスを提供しておるわけであります。しかも最近はだんだん大型化して参りまして、四十人あるいは五十人の多数の方方を輸送する目的で、わが国産車といたしましても優秀な車が製造されまして、津々浦々に至るまで鉄道の輸送と相待って、わが国民のために輸送の業務に尽しておるような次第で、特にこの軽油自動車の使用が政府からだんだんと慫慂されて参りました以後におきましては、バス事業は努めて軽油自動車に切りかえて最も経済的な合理的な事業経営をやることによりまして、できるだけ運賃も上げないでいいサービスを国民の皆様に提供するというような目的で、現在大きい発展を実は来たしておるような次第でございます。大体バスの営業用は一万七千五百両と申しておりますが、トラックの方は九千八百両、バスが一万七千両、トラックが営業用、自家用を合せまして二万両、総計で大体四万両、こういう数字になっておるようであります。ただいま申し上げましたのはガソリンでなしに軽油自動車の両数でありまして、軽油自動車が一般国民のためにいかに重要な輸送に従事しておるかということを、これによって証拠立て得るのではないか。概要でありますが、バス事業につきまして一言申し上げておきたいと思います。
  95. 丹羽兵助

    ○丹羽委員 もう一点だけお尋ねしたいと思います。今概要をお聞かせいただきましたけれども、要は軽油の自動車を使っておるバス事業がトラック事業と同様に非常に不況といいますか、そういうような立場にあるので、またこれを上げられては当然深刻になる、こういうように解釈をさしていただいてもいいかどうかということであります。  それともう一点だけ伺いますが、今年の二月八日に自治庁並びに運輸省の関係官を招致して、税の問題の意見の交換をなさいましたときに、自治庁の府県税課長は、自動車税は逐年引き上げられ、車両相互の負担も均衡を得て安定したものと思われるから引き上げは現在のところ考えていない、こういうことを言ったということでありますが、これには間違いないと思います。そこでこれについて私がお尋ねいたしたいと思いますことは、先回この委員会で、自治庁長官から自動車税の税法の改正について説明がありましたときに、ガソリン税には道路税というのがつくから、これと均衡を保つために軽油の方を上げるのだ、こういうような御説明があって、社会党の北山先生でありましたか、道路税がガソリン税につかないようになったならば軽油の方を上げるということについては再考するかというお尋ねがありましたときに、自治庁はその答弁に苦しんで、そして長官も政務次官も関係者もはっきりしたことを言っておらない。それにもかかわらず、あなた方に対してはそうではなく、ガソリン税の引き上げとかあるいは道路税というような問題でなくして、一般との均衡を保つために上げるのだというようなことで了解を求められておるようであります。議会においてその答弁に苦しんでおる自治庁が、あなたの方に行ってそういうような、先には上げないと言い、今度はガソリン税で追いつめられて、均衡を保つために上げるのだというような、別な考え方の説明をしておられるようでありますが、そういうような説明をしたことがあるかどうか、その二点を承わりたいと思います。
  96. 小野哲

    ○小野参考人 まずお尋ねの第一点は、バス事業が今回のような軽油自動車に関する自動車税の引き上げがあった場合にどういう状態になるか、また現況はどうかというお尋ねでありますが、先ほど公述の中でも申し上げましたように、御承知のようにバス事業も津々浦々に発達して参りまして、こういうふうに飽和状態になった場合におきましては、事業の合理化をやって一そう堅実な経営をやっていかなければならない、こういう段階にあると思います。従ってこれ以上さらにここで租税公課を増徴されることによって、その経営状態がさらに悪い方向に向っていくといたしますと、せっかく粒々辛苦して今日のバス事業の発達段階にまで持って参りました努力が、大きく言えば水泡に帰する。できるならば国家といたしましても、この種のバス事業が鉄道事業と相まって国の重要な旅客運送の使命を達成するように、できるだけ事業経営の合理化をさせる意味において、租税公課の負担は相なるべくはできるだけ軽減の措置をとっていくというくらいの配慮があってしかるべきではないか。同時にバス事業がほとんど飽和状態に達しておるという実情を十分ごしんしゃくいただきたいというのが、私の公述の内容であったわけでありまして、その点についての御答弁といたしたいと思います。  それから、軽油自動車のみならず、自動車税について自治庁当局が現在の状態でよかろう、これ以上に引き上げをするような考えはないというふうな話があったが、これはどうかという御質問でございますが、この点につきましては、ただいま御指摘のありましたように、二月ごろであったかと思いますが、業界としては税制の問題に重大な関心を持っておりまして、毎年々々自動車税が引き上げられるのが数年来の慣習のようになっているので、また昭和三十年度から自動車税が引き上げられるのではないかと薄氷を踏むような思いで、事業経営者としては税金のことをしょっちゅう心配しております。それで、一度自治庁の関係の方々に税制の問題についていろいろとお話を伺うこともけっこうじゃないかというので、そういう機会を設けたのであります。当時はまだ政府は、自動車税については税金を引き上げるということの確定的な御見解は持っておられなかったのではないか。従って関係の方も、今のところは自動車税については、これをさらに引き上げるというようなことは考えていないということを言われたものと私は解しておる次第であります。その後いよいよガソリン税の問題を中心として地方道路税創設の問題が、四月何日でありましたか閣議決定がされまして、これを国会に提案するというように、だんだん具体化して参ったのでありますが、それと関連して、ガソリンを使う自動車の負担が重くなるのだから、それとの均衡上軽油を使用する自動車すなわちディーゼル自動車については自動車税の形で、増税をするような考え方が出て参ったように私は伺ったのであります。従って私どもの理解するところは、ガソリン税の税の増徴に伴う負担の加重ということと、軽油自動車の今回の地方税法の一部改正をする場合における自動車税の増徴ということとは関連があるものである、そういうふうに私どもは理解をいたしておりまして、従って本日の公述の内容におきましても、私どもとしてはさように解しておる、従ってこれと全然別個の軽油自動車並みの増税をはかるということについては納得ができないということを、先ほどの公述で申し上げたような次第であります。
  97. 鈴木直人

    ○鈴木(直)委員 永田さんに伺いますが、先ほどのお話によりますと木材引取税は市町村税だからいけないのだ、府県税ならいいのだというふうに実は聞いたのですが、あまり突っ込んでお話を聞くことは申しわけないのですけれども、この木材引取税を参議院で修正をする場合に、私も関係したし、ここにおる小野君も地方行政委員でしたけれども、これは市町村に直接関係がある税である電気ガス税と木材引取税を、府県税にするか市町村税にするかということで、両方の団体において大いに取り合いをした。そのときはこの二つは市町村にいくことが妥当であろうということで修正をしたのであります。木材のあるところは山村が非常に多い。従って府県税だと一般的になるし、山村には税源がないのだから、府県税よりも市町村税がいいだろうという考えのもとに、これを市町村税にしたのでありますが、今のお話では府県税なら賛成できるけれども、市町村税なら反対だということですが、今問題になっておるのは、どっちの税にするかというのではなくして、木材の引き取りということに対して税をかけることが、妥当か妥当でないかという制度の問題を題目にしているのです。それに対する解決が与えられていない。従ってあなたの考え方は、都道府県税ならば木材の引き取りに課税してもよろしいというのですか、あるいは引き取りという点において課税するのはいけないという結論なのか、その点をもう少しお聞きしておきたいと思います。
  98. 永田龍之助

    ○永田参考人 御質問の第一点は、都道府県税ならばよかろうというふうに御理解下さったようでありますが、本税が昭和二十六年の改正に際して都道府県税として提案されたときに、市町村税に参議院で修正可決せられた。そのときの気持としては、私は都道府県税で残しておくべきである、かように考えた、と申し上げたのでございまして、都道府県税であるなら妥当だというふうに申し上げたのではないのであります。本税を存置することが妥当か、廃止するのが妥当かということについての理由があいまいだと言われましたことにつきましては、私としては当然廃止すべきである。その理由は、御承知の一般諸物資に対する取引税が、流通課税として妥当な税でないから、廃止をする。従って木材についてもそれと同じ理論で、当然廃止さるべきであったのだけれども、立木について固定資産税をかけるというような気持を持っておられる自治庁の方々のお考えから見ると、全然立木を野放しにしてしまうということも困ろうから、いわば理論的には賛成ではないけれども、実情としてはやむを得ないのじゃないか、こういうふうに考えたわけでございます。このことは、シャウプ税制調査団の報告書にもそのような意味のことが書かれておりますようなわけでございまして、本来からいえば、当然昭和二十六年の税制改正に際しては、本法は撤廃さるべきものであったと私は考えますし、私としてもそのように希望しておったのでございます。
  99. 大矢省三

    ○大矢委員長 他にございませんか。――質問がないようでしたならば、この程度にいたしたいと思います。  参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。長時間にわたって御意見を拝聴し、本案の審議に重要な効果をもたらして、参考になったことを、厚く委員会を代表してお礼を申し上げます。どうも御苦労さまでございました。  ではこれをもって本日は散会いたします。なお次会は公報をもってお知らせいたします。    午後四時三十二分散会