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1955-07-19 第22回国会 衆議院 決算委員会 26号 公式Web版

  1. 昭和三十年七月十九日(火曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 赤澤 正道君 理事 椎名悦三郎君    理事 徳安 實藏君 理事 山田 長司君    理事 吉田 賢一君       池田正之輔君    床次 徳二君       本名  武君   小笠原八十美君       薄田 美朝君    三鍋 義三君       細田 綱吉君  出席政府委員         農林事務官         (大臣官房会計         課長)     武田 誠三君         農林事務官         (農地局長)  渡部 伍良君         農林事務官         (畜産局長)  原田  傳君         農林事務官         (蚕糸局長)  塩見友之助君         食糧長官   清井  正君         水産庁長官   前谷 重夫君  委員外の出席者         農林事務官         (農林経済局農         業保険課長)  橘  武夫君         農林事務官         (農業改良局総         務課長)    庄野五一郎君         農 林 技 官         (蚕糸局蚕業課         長)      小林 明隆君         農林事務官         (食糧総務部         監査課長)   伊達  博君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      藤村 重任君         農 林 技 官         (林野庁業務部         長)      石谷 憲男君         農 林 技 官         (林野庁業務部         監査課長)   島本 貞哉君         会計検査院事務         官         (検査第三局         長)      小峰 保榮君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 七月十四日  委員中馬辰猪君辞任につき、その補欠として戸  塚九一郎君が議長の指名で委員に選任された。 同月十九日  委員生田宏一君辞任につき、その補欠として奧  村又十郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人招致に関する件  昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十八年度政府関係機関決算報告書     ―――――――――――――
  2. 上林與市郎

    ○上林委員長 これより会議を開きます。  本日は昭和二十八年度決算中農林省所管について審査を進めます。それでは昭和二十八年度決算検査報告一五四ページより二五三ページに至る報告番号九三〇ないし一八八Oを一括議題とし、審査の促進上そのうち報告番号九三〇、九四一、九四二、九五二ないし一八七一、一八七七ないし一八八〇について会計検査院当局より特に重点的に説明を求めます。小峰検査第三局長。
  3. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 農林省の二十八年度の検査結果について御説明いたします。農林省の一般会計歳出は千四百九十億、ほかに食糧管理などの特別会計、これが合計七千百七十億という大きな金を使っているわけであります。  まず各農地事務局施行いたしましたいわゆる直轄工事でありますが、従来検査の手が全般的に直轄工事を検査するということがなかなかできかねていたのでありますが、二十八年度分につきましては、大体全体の三分の一強というのを統一的に検査いたしました。その結果後ほど御説明いたしますが、いわゆる架空経費の幽霊人夫賃で経費をまかなうというやり方をやっているおもしろくないものも発見したわけであります。そのほか、工事の出来高が悪いというものも相当数が出ております。  次は従来からとかく問題の多ございました補助事業、これも従来に引き続き、全国の七万千カ所ほど工事箇所がございましたが、そのうち六%くらいしかできなかったのでありますが、ともかくも全国にわたって一応の検査をした次第であります。これも従来のような不当工事がたくさんに出ております。それから、今申し上げたように、従来補助事業について事後検査をもっぱらやっていたのであります。ところが、事後検査だけでは十分な効果が上りませんし、それに二十八年度は、御承知のように未曽有の災害で、この大きな災害のときに、従来ございましたような便乗とか、二軍査定とか、設計の水増しとかがたくさん出てきては、あとで直しようもございませんので、初めて早期検査――査定が済みまして、まだ工事に着手しないうちに、災害の多い県を選びまして、和歌山県他十五府県でありますが、これが約五万五千カ所ほど工事があったのでありますが、これのうち二万三千カ所ほどを、まだ工事着手以前に歩いてみたのであります。これは意外な結果が出まして、工事費にして八十七億円が減額となったわけであります。これは農林省にお話をして、査定権を持っておる農林省に照らしていただいたわけでありますが、八十七億円というものが減ったわけであります。  それから、公共事業関係以外の国庫補助というのも農林省に多いのでありまして、二十八年度は冷害、凍霜害とかあった関係もございますが、百九十九費目、総額にして二百二十五億という大きな補助が出ていたわけであります。これは全般については私どもは検査できなかったのでありますが、このうちの金額にして約半額について――大別して、農林省補助は、府県とか市町村の事務費の補助をするものと、末端の農民層にいくものと、大まかに二通りに分けられるのであります。末端までいくものをよりまして、約百億余りになりますが、これを検査したのであります。ところが、何分にも受納者の数が多いのでありまして、初めての検査ではありましたが、一生懸命やったのですが、全国で二百八十カ町村くらいしか見られなかったのであります。しかし、これも全国にわたって見ましたので、氷山の頭のようなものを探すことができたように思います。一般会計の大まかなところは、そのくらいでございます。  まず最初に申し上げました直轄工事の経理、いわゆる架空経理で、農林省の有明干拓建設事業所で、一年間に九千九百万円ばかりを、架空の人夫賃とか、材料購入代、こういうもので落しまして、これはほとんど全部が労力費なり、材料購入代等に還元されていたのでありますが、二十九年四月検査当時、なお四百五十万円の現金を事業所で持っていた、こういうケースであります。この架空経理は、従来建設省方面に相当多かったのでありますが、これを全国から一掃いたしまして、現在では建設省の事業所では見当らないのであります。農林省でこういうのが残っていることは、はなはだ遺憾であります。これは当局もその後許可の分については一生懸命に是正されておりますので、ことしあたりで全部なくなってしまうだろうと思っております。  それから、直営工事施行に当り処置当を得ないもの、この中で二点、九四一号と九四二号が御指定になっておりますが、ここに相当数並んでおります。これを見て気がつくのですが、一流業者――五大建設業者ということを言われておりますが、日本の一流業者が工事をやっておりますのに、相当に手抜きが多い。これも建設省あたりでは見られない現象であります。農林省関係の工事については、たくさん検査して並べてみますと、そういうことに気がついたわけであります。一流業者の手抜きが相当に目立つ。これは昨年初めて金田的にやったわけでありますが、ことしにかけて、当局もこれではいかぬいうことで、一生懸命に今直しつつあります。ことしは、これはよほど減るんじゃないだろうかと予想しております。  九四一号は、児島湾沿岸農業水路であります。これは捨て石の規格を大きなものを使うという契約をして、金もそれに相当するものを払ったのでありますが、実際は全部規格の小さいものを使っていた、こういう案件であります。そして、出来高不足が三百四万円と、相当大きな金額になっております。  それから九四二号は、高梁川の工事であります。これは、石を大きなものを使うのを小さいものにしたり、あるいは使う昂が少かったり、あるいは控えといわれますが、石の横を表へ出して使うという使い方をするわけであります。そうすると、石がうんと少くて済むのであります。そういう使い方をしたために、四百万円ほどの出来高不足になった、こういうケースであります。  それから、九五二号以下の国庫補助事業の事後検査の分であります。これは従来も毎年検査報告書にたくさん出る案件でありますが、先ほど申しましたように、七万千カ所のうち約六%しか検査できなかったのでありますが、なおかつ十万円以下について千九百件余りが不当工事として見つかったわけであります。補助金について過大支払い額が五億八千九百万円、相当なものでありますが、不当の態様は、従来と同じようなものでありまして、工事の出来高が非常に粗漏で、検査のときに、まだできて間もない工事がこわれてしまっておる、あるいは設計だけの出来高がないとか、あるいは設計が過大であったとか、そういうものが大部分であります。しかもその裏には、ほとんど全部が事業主体が自己負担することになっている分を、負担をきらって、その結果が工事の手抜きということになったというケースが多いのであります。これは、従来とあまり変ったものは出ていません。これは別表第三として、おしまいの方にずらっとたくさんございます。数が何分多いもので、表で整理したのであります。その中から代表的なケースを約十七、八件、前の方に文章で書いてございます。この中から、特に代表的と思われるものを二つ、三つ拾って御説明いたします。  まず一七二ページの(3)に上げました神島県の南会津郡の大宮村の分でございます。これは、九十五万円の工事で、国庫補助金が六十一万円、水路七百四十メートルを復旧したのでありますが、実際は、そのうち四百五十四メートルというのは災害を受けていない。従って、工事もしていない。架空の工事ということになるわけであります。それから、工事施行した二百八十六メートルの石垣も、胴込めコンクリートとか、裏込めぐり石が全く入っていない。補助金は六十一万円いったのでありますが、実際の工事費は二十万円しかかかっていない。事業主体が三十三万円負担するはずであったのでありますが、実際は一文も負担しないばかりか、四十一万円補助金を余してしまって、村の一般経費に使用した。全体の工事費は大きなものではありませんが、九十五万円の工事費を二十万円しかかけなかったというケースであります。  それから、一つ飛びまして、静岡県の興津の分であります。これは百八十五万円の工事費に対して、二十八年災害で九割の百六十六万円の国庫補助がいったわけでありますが、これも水路の石垣が手抜きが非常にひどい、胴込めは設計の二割以下、裏込めは六割程度、結局、国庫補助金が百六十六万円いったのに工事費は百三十万円しかかけていない、こういうことになっております。二十八年度は御承知のように特例法が出まして国庫補助が高率になったのであります。九割になったのでありますが、このケースなどはこの高率国庫補助ということが生きていない。依然として七割くらいで仕事をしてしまったという案件であります。  それから次は(6)の名張のケースでありますが、これは四十二万七千円、国庫補助金が三十八万四千三百円で水路の災害復旧をやったというのでありますが、これは実際は二十六年の災害復旧工事として査定を受けたもので、二重に二十八年災として査定を受けた。結局架空工事代表的なケース、こういうふうに考えております。  それから少し飛びまして(11)の山口県佐波郡出雲村の案件でありますが、これは前年の検査報告でも、小さい村なのでありますが、一村に八億円近い補助がついたというので相当有名になったケースであります。その後どういうふうに復旧が行われているかということを検査しますと、二十八年度の工事費は三千七百万円、それに対して三千三百万円国庫から補助がきまして水路外六工事をやったのでありますが、いずれも設計通り完成しているということにしていながら、実際はコンクリートの施行量が不足あるいは純コンクリートでやらなければいけないのを玉石コンクリートでやっておる。手抜きがあった。結局工事費は国庫補助を下回る三千百万円、補助金が三千三百万円いっているのに三千百万円しか金をかけておらない。こういうふうになっております。二十六年の災害復旧なのでありますが、全体で七億二千八百万円、こういう工事費の査定がついたのでありますが、二十八年度までに約四億円工事をやっておりますが、今の案件と同じように設計過大とか出来高不足が多いために金を余している。収入役名義で別途資金として保留しているのが千四百万円ある、こういうことになっております。これはさらに高率補助分が追加交付になりますので、このままでいきますともっと保留額がふえてしまう、こういうことになるわけであります。  それから少し飛びまして、今まで申し上げましたのは農地関係の施設、水路とか井堰そういうものについて申し上げたのですが、漁港のケースを一つ御参考に申し上げておきます。百八十二ページの終りの方の(2)というのがあります。愛媛県の伊方村、これは四百三十四万円で漁港の災害復旧をやったわけでありますが、防波堤三十八メートルの復旧であります。ところが表面捨石も中詰め捨石も非常に不足しておる。補助金が三百八十四万円でありますが、工事費は二百八十六万円で上げてしまった。自己負担を全くしないばかりでなく、九十八万円ばかり余してしまった。裏の経費に使っておる、こういうひどい案件であります。  以上申し上げましたのは事後検査、工事ができ上りましてからのあとの検査の結果についてお話ししたわけでありますが、先ほどちょっと申し上げましたように、どうもこういう事後検査だけやっておりましてもなかなかよくならぬというので、昨年初めてこの早期の検査をやったわけであります。それを一八六ページの一八〇六としてまとめてございますが、まず早期検査によりまして便乗的なものとかあるいは一つの工事につきまして農林省と建設省と両方から査定がついてしまった、それから設計が非常に過大になってしまっておる、設計に水増し分が入っておる、こういうものを発見したわけであります。これが先ほど申し上げましたように、工事費にいたしまして八十七億円という大きなものが出てきて私どももむしろ事の意外にびっくりしたのでありますが、これもここに全部まとめてございますので、代表的なケースを幾つかお話をしておきたいと思います。一八九ページの重複して査定されていたものという代表的なものでありますが、これは一工事農林省と建設省で両方査定がつくなどということはちょっとおかしいのでありますが、従来しばしばこういう例がございます。そうしてあとでわかりましても補助金を辞退するということが従来の例でいくと少いのでありまして、せっかく来た補助金だからというので返さないでほかへ使ってしまうという例が非常に多いのであります。それからなるべく査定の段階におきまして二重に蚕足したようなものは片一方を早く取消していただく、こういうことにしていただかぬと工合が悪いわけであります。熊本県阿蘇郡小国村、これは相当ひどい災害を受けたのでありますが、ここは農林省関係で三億六千六百万円という大きな査定がついたわけであります。これに対する補助金が三億二千九百万円、これで川の堤防などをやることになっておったのでありますが、大きな川ではありませんが、川一本そっくり建設省と農林省の査定が重複していた。その川一本で五千百万円、こういうような大きなものがそっくり重複していた。そうして農林省へ出しました書類と建設省へ出しました書類と中身は同じなのでありますが川の名前だけが違っていたというようなものも出ております。これなんかは重複査定の例としては相当大きなものであります。  それから便乗と申しますか、本来国庫補助の対象としてはならないものを補助の対象に取り上げたという例が幾つかあります。一九二ページの(6)でありますが、これは、舞鶴の千歳漁港の災害復旧は、二百二十九万円の査定がついたのでありますが、国庫負担金の二百十六万円で護岸延長六十五メートルを復旧する、こういうことで査定がついたんですが、これはほとんど災害復旧をしなければならないほどの被害を受けておらない。そうして農林省へ出しました被害写真というのは、別のところのこわれた写真を持ってきまして、そうしてこの査定がついてしまった、こういうケースであります。  それから設計過大と認められる代表的なものを一つ申し上げます。一九三ページの(3)、和歌山県日高郡御坊町でありますが、これは一億五千八百万円の査定で、国庫補助が一億四千二百万円というような大きな査定がついたものであります。農地百十三町歩に土砂二十五万七千立米が入ったということで、日高川の河川敷付近に運搬捨土するということになっておったのであります。ところがそのうち三町一反というものは、ほとんど被害がなくて、排土の必要がない、また入りました土砂も亜土といいますか耕土に適しておりまして、これを全部取りのけなくても差しつかえはなかろう、こういう性質のものであります。結局潅漑に支障を来たすものだけを排土すればよかろう、なおまたこの排土のうち、町営住宅地の埋立用土として使えるものが十万立米ある、それから隣接の県営農地復旧事業の客土に使えるものが二万立米ある、こういうことで農林省からわざわざ災害復旧の補助をつけなくても済むものが相当あるわけであります。結局これは農林省でいろいろ検討されました結果、今の一億五千八百万円という査定が五千五百万円に減ってしまった、こういうケースであります。これなんかも設計過大としては相当大きなケースであります。  以上はいわゆる公共事業災害復旧とか土地改良とか公共事業についての補助の分を申し上げたわけでありますがその公共事業以外の一般補助といっております農薬補助だとかあるいは極の補助だとか、こういうものはずいぶんたくさんありまして、先ほど申し上げましたように百九十余費目ほどあるわけであります。これを昨年初めてわずか二百八十ではありますが、全国にわたりまして検査したわけであります。先ほど申し上げましたように農民なり事業主体にまで直接いく補助主体に検査したわけであります。事務費の補助のように途中でとまるものは一応検査の対象に取り上げなかったのでありますが、結局百三十費目で百十九億円を対象として扱ったわけでありますが、何分にも一万近い町村がある中で二百八十ぐらいしか歩けませんでしたので、あまり大したものは出て参りませんでしたが、それでもいろいろの態様のものが合計で二億円あまり出てきたわけであります。態様を見ますと補助金が各種事業の実施者に交付されないで、市町村等で独自に経理されて、その一部が市町村等の経費に使われてしまって、補助目的を達していない。あるいは補助金の交付に伴う義務負担額を負担して使用していながら、実際は負担の全部または一部をしないで事業を施行している、そういうようなものが相当たくさん出てきたわけであります。それから実施額が少いために、補助金以下で仕事が終ってしまって、補助金が村の一般経費に回ってしまうというケースも相当出ております。それから公平ということを期しておられるとは思いますが、何分にもたくさんに分割いたします関係で、非常に零細なものになってしまう。一口五十円以下、ひどいのは農家一軒当り農薬補助が一円いった、たった一円になってしまったというような例も見受けられたのでありまして、全体としてもう少し効率的に使うべき配慮が必要ではないかと思うのであります。個々のケースにつきましては、ここにたくさん並べてございますが、一々の説明は省略させていただきます。  次は二二二ページの食糧管理特別会計でありますが、二十八年は凶作のために外国食糧輸入が非常に多かったのであります。その関係で、歳出も従来よりもだいぶふくれているようであります。外国食糧、特に米につきまして、いわゆる黄変米という問題が二十六年度ごろからいろいろ問題になっておったのでありまして、検査報告にも二十七年度に掲げたのでありますが、相変らず黄色い病変米が入ってきております。二十八年度も入ったわけであります。それ以外に白色病変米という新たな問題が出まして、これが検査報告を作りました当時、十三万トシほどストックになっていたのでありますが、現在ではこれが十五万トンばかりにふえている、こういう問題がございます。これは二十八年度に新しく出ました問題で、しかも現在なおまだ解決しない大きな問題であります。  次は一八五八のビルマ黄変米の購入と売り渡しでありますが、今申し上げたように、従来に引き続いて黄色い病変米が、従来ほど多くはありませんが、相当入っている。それから二十七年度に輸入しましたビルマ米の売り方が、どうもいかにも安い値段で売っているというのが、この二二七ページの表では示してございますが、この中には、大体ビルマ黄変米は港着の値段が当時一升百十四、五円についていたわけであります。一升にしますと話がわかりやすいのですが、一升について百十四、五円になっている。それが売値がものによっては一升二十四円、平均して一升当り三十一円、こんな値段で処分しているのでありまして、もう少し何とか売りようはなかったのだろうかという気がいたします。そして売りましたものは、一部はまた主食に突っ込まれて、米屋の手に渡っている、こういうようなものはたくさんはございませんが、一部検察庁の手にあげられているというようなものもあるのであります。  それから一八五九号のトルコ米でありますが、これは二十八年度に初めて輸入したわけであります。トルコから日本まで、御承知のように相当距離が長いのでありまして、従って相当大事に運んできませんと黄変米が発生する、特にふえるおそれもあるのであります。あの暑いインド洋を渡ってくるのであります。ところが日本に渡ってきてすぐスクラップにしてしまうような非常に古い船に積んできましたので、約五千トンがそっくり黄変してしまってこれを全部原材料用に売る、主食にならないというケースであります。これなどは日本の一流商社が請け負ったのでありますが、下請に出してしまいまして、結局悪い船に積まれて、そしてこちらに着いたものは黄変の度がひどくて全然主食にならなかった、こういう案件であります。  それから一八六〇のコロンビア米でありますが、これも二十八年度に初めて輸入したのでありますけれども、これが先ほど申し上げた白色病変米の最初に出たケースだったわけであります。二十七年十二月に契約したのですが、相手があまりしっかりした相手でなかったために、それが実際に入りましたのは二十八年四月、しかも契約量だけ入らない。千トン契約したのでありますが、三分の一しか入らない。この三分の一の米を厚生省で検査いたしました結果がわかりましたのが九月なんでありますが、そのときに初めて白い――目で見ては黄色いようだが、黄変していない米で、なお黄変米と同じ菌がこれについているというのを発見したわけでありますが、発見したときには、もうこれを配給に回してしまったということになっております。これなども相手方の選定があまり――当時食糧凶作のときでございましたし、こういうところから買うのもあるいは仕方がなかったのかもしれませんが、それにしても相手方の選定が悪かったのじゃないだろうか、こういうふうに考えられる案件であります。  それから一八六一号、これは白血病変米の輸入とその処置というのをここにまとめておきました。先ほど申し上げましたように、現在十五万トンほどにこれはふえております。  それから一八六二号はアルゼンチンの小麦であります。これは従来からアルゼンチンの小麦を輸入しておりましたが、品質が悪いために非常に値引きして売らなければいかぬということがわかっていたのでありますが、二十八年度に買いましたものはまた特に品質が悪い、そのために相当大きな損をしてしまった。アルゼンチンとは貿易協定がございまして、小麦はある程度は買わざるを得ないのでありますが、品質が悪いものをほかの国の小麦に比べて非常に高い値で買っている、その点を私どもとしてはどうだろうかと考えたわけであります。  それから一八六三号、これは小麦粉の加工と輸送でありますが、二十八年のあの凶作の対策といたしまして、二十八年の十月に閣議決定がありまして、大消費地に食糧備蓄しようという決定があったわけであります。当時は米が不作だということでいろいろな手が打たれたのでありますが、その一つとして、外国から輸入しました小麦を主として九州あるいは中国方面で製粉して、小麦粉にいたしまして、それを大阪とか東京あるいは東北というようなところへ送ったわけであります。それを十一月から二十九年の一月にかけまして、大体食糧事情も一応の安定を見せてきたと思うころになりまして、相当の製粉をいたして東京などへ送ったわけでありますが、これが私どもとしては、一体何で粉にしなければいけないか、小麦で持っていても一向差しつかえないじゃないかと思ったわけです。当時の製粉能力などを調べますと相当余裕があるのでありまして、急いで――これは四万トンで、相当大きな量でありますが、これを一ぺんに小麦粉にしてしまったわけであります。約二万トンが東京へ来たわけであります。ところが来ますと、なかなかこれが処分できないというので、ことしまでかかりましてようやく処分をするというようなことになったわけであります。それからまた、急を要するということで、鉄道輸送では間に合わないというので、非常に高い機帆船輸送をやったわけであります。機帆船は当時非常に高くついたのでありますが、そうまでして小麦粉を大消費地なり東北方面へ送らないでもよさそうなものだ、小麦のままにしておいても備蓄用としてはそう因りはしないのではないだろうか、こういう観点に立ってこれは検査報告に報告したわけであります。  それから一八六四号の運送賃でありますが、これは商社が輸入して参りまして、港へ着きましてから陸揚げまでの作業であります。これが一部は運輸省の定額料金できまっておりますし、一部は実費支払いということになっているわけであります。ところが、これが定額料金の実際の業務をやるところの、下請というとちょっと語弊がありますが、輸入商社のもとで実際の運航をいつもやる業者がたくさんいるわけでありますが、そこへ国から払いました金の全額がいっていない。外米なり麦なりを輸入して、ただ商社が下請に出す取扱業者のふところに相当金額が残ってしまった。ひどいのは三八%も中間で金が抜けて下へ渡っている、こういう案件であります。これは仕事の性賢から申しまして、全額国の払ったものが下に流れなければいかぬ性質のものでありますが、それが三割も、三割八分もが途中でとまってしまって下に流れていないわけでありますので、そういう契約方法はおもしろくない、こういうことで何したわけであります。食糧は大体そのくらいにいたします。  次は農業共済であります。農業共済も先ほどの一般補助と同じように、私どもとしてはあまり先のものは全般的の検査ができかねたのでありますが、昨年一般補助の検査をやるにつきまして、一緒にやってみたのであります。これも一般会計からの繰り入れというのは相当大きな金額になっております。事務費の負担が二十四億、それから再保険金が百八十六億、こういう大きな負担をしているわけでありますが、昨年わずかの百二十九市町村の共済組合を見たわけであります。もちろんこれはたくさんの検査をした結果ではございませんが、全国にわたってやりましたので、一応氷山の頭が出たというようなことにはなるかと思うのでありますが、まず結論から申し上げますと、掛金の徴収が適切に行われている組合はほとんどない。これは御承知のように法律義務加入であります。それで掛金はどうしても納めてもらはなければいかぬわけでありますが、その掛金が適切に行われているものはほとんど見当らなかった。それから共済金の支払いのない被害年度においては、その大部分が未収のままほうってある。そして被害が発生して共済金の支払いが行われるときに、初めて未収掛金とかあるいは賦課金を差し引いて徴収している。そしてその差額がこれもまともに農民にはいっていないのでありますが、要するに主要農作物に対する義務加入の木制度は、ほとんど有名無実になっているのではないだろうか、こういう心配が実はするのであります。それから組合における損害評価の程度は、組合によって非常に区々である。連合会の決定に比べて過大のものもあるし、過小のものもある。それから連合会の被害報告は、多くは過大、そのために連合会ではその水増しされたような過大申請の修正に、非常に骨を折っている、こういうことが言えるようであります。  今は掛金のこと、それから査定のことを申し上げたわけですが、共済金の支払いは、それではまともにいっているかといいますと、先ほど申し上げましたように、組合のほとんどすべてが掛金その他の未収金の差し引きを行っている。しかも余りますと、今度は後年度分の掛金の引き当てとしてとっておき、農民にやらないというのが相当に見受けられたのであります。ひどいのは共済事故が発生したのに、支払いに立てられた共済金が全く組合にいっていない、こういうのもあったのでありまして、どうもこの制度は、制度としては非常にいい制度でありますが、農民から遊離しているように思われる。それから保険組合と上部機関との間でから回りして、農民の足が地についていない、こういう印象さえ受けたのであります。結局一億五千百万円というものが不当なものということになったのでありますが、それを分けてみますと、共済金を全然組合員に払っていないというのが、組合の数にして三組合百四十四万円ありました。それから共済金の一部を組合員に支払わないものが十八組合八千三百万円、そのうち組合で留保していたものが千五百万円、それから共済金を補償対象外の被害三割未満の耕地をも含めて配分しているもの、これは三割以上の被害があった場合においては共済金を支払うということになっておりますが、三割も含めてやっている、それが三十一組合、六千七百万円、こういうことになったのであります。これはその後も引き続きまして現在もやっておりますが、今年はこの金額がだいぶたくさん出てきそうな気配であります。組合別の個々のケースをここに七つばかり書いてありますが、そのうち二つほど抜き出して御説明しておきます。  一八六六の兵庫県の加古郡の天満村でありますが、これは申請を実被害よりも水増しして出したという代表のケースであります。組合員からの申告が共済金額にして百六十四万円であったのであります。それを組合で七百四十三万、金額にして四倍以上に水増しして県の共済連に出したわけであります。連合会ではこれを査定されまして四百二万、こういうことに七百四十三万円を四百二万円に査定したのでありますが、それでも組合員の申告額の百六十四万円に比べますと二倍半くらいに当っております。そういう大きな金を受取ったわけであります。これをどういうふうに分けたかといいますと、そのうち約半額は三割補償対象外の耕地を含めて全引き受け面積に均等割りで分けてしまう。残額は一部を被害程度に応じて配分してしまう。これは部落代表に一括交付している。この先は私どもわからないのであります。部落代表の方にいくと、これが果して農民にいっておるかどうかということまでなかなか調べられませんので、部落代表にいっていれば農民にいったものとして私どもは処理せざるを得なかったわけであります。こういうやり方をしている。  それから農民に分けなかったというものの代表的の一つを申し上げます。愛媛県の越智郡の清水村の共済組合であります。二十八年産水稲の保険金百六万円について百十四万円払った、こういうことに書数には出ていたのでありますが、実際は一文も払っていない。それから二十八年産麦の保険金も百五十五万円いったのでありますが、そのうち三十六万円しか払っていなかった、こういうケースであります。これは掛金も賦課金も全然徴収していないので、まずそういうものの赤字を消したわけであります。それからあとのものはいろいろな病虫害防除の器具購入費に使ったりしたわけでありますが、それでも金が余りまして、二十八年分につきまして百九万八千円を組合長個人の名義で農協に預金している、こういうことを二十四年創立当時からやっておりますので、保有金が二十九年六月当時二百四十五万円の多額になっていた、こういうケースであります。農業共済はそのくらいにしておきます。  それから国有林野の中でお示しのあったことを一つ申し上げます。二五一ページの一八七七号、これは国有林野事業はほかの特別会計と比べまして年々検査報告の掲載事項が比較的少い、この一八七七号は、秋田営林局管内の六営林署でありますが、山形県の橋本某というのに対して相当長期間、二十六年九月から二十八年十一月までの間の輸出向け繊維機械製作用材というものに使うという随意契約で千二百万円、四千石売ったのです。ところが出しました書類はたとえば通産省の証明書がついているがこれはにせもので、使いました会社の名前は架空名義の会社、この橋本某がこれを他に転売いたしまして、転売したのが警察につかまったわけであります。転売の詐欺ということで起訴されているでありますが、転売価格が営林署の見ました価格と相当開きがある、こういうケースでありますから、これなどは一件や二件ですと転売されてもちょっとわからないかもしれませんが、六つの営林署で二十六年九月から二十八年十一月までだまされてきたのはちょっとひどいじゃないかという気がいたすのであります。  長くなって恐縮でありますが、以上で大体の説明を終ります。もし御質問がありましたらお答えいたします。
  4. 上林與市郎

    ○上林委員長 会計検査院当局の農林省所管についての重点的説明は終了いたしました。  次に農林大臣から発言があるはずでございましたがまだ出席しておりませんので、農林本省、外局の順序に従って補足説明を許します。
  5. 武田誠三

    ○武田政府委員 ただいま会計検査院の方から農林省に関しまするいろいろな会計検査の結果の不当事項等につきまして御指摘を受けました点についての重点的な説明があったわけでございます。それに関連いたしまして一言申し上げておきたいと思いますが、農林省関係の今回会計検査院から指摘をされました不当事項は全部で九百五十一件ございますが、このうち補助金関係が九百六件、それから直轄工事の関係で二十二件、食糧関係で七件、農業共済保険で七件、漁船保険で一件、国有林特別会計の関係で五件、国営競馬の関係で三件、こういうようなことに相なっておるでございます。かように多数の不当事項の指摘を受けましたことにつきましては、まことに恐縮に存ずるところでございまして、これらの是正につきましては今後できるだけの努力を払って参らねばならぬと思いますが、これらの補助関係の九百六件の指摘を受けましたうち、公共事業関係の補助関係が八百五十四件でございます。このうち農業施設災害復旧の関係が六百五十一件、それから漁業施設の関係が六十四件、林野の施設災害復旧の関係が百三十九件で、その他が五十二件、こういうような形になっておりまして、災害復旧関係に関します不当事項としての御指摘が非常に多いわけでございます。これらの御指摘を受けました事柄につきましては、いずれもそれぞれにつきまして原因がいろいろあるわけでありますが、公共事業関係の災害復旧につきましては非常に私どもの方の実地査定が少くて、机上査定が相当多いということに基きまして起って参りました点が非常に多いと考えておるのでございます。特に、二十八年度は凍霜害に続きまして風水害あるいは台風被害というものが連続して参りまして、災害の特に多い年であったということも一つの原因かと考えておりますが、いずれにいたしましても実地査定というものが十分にできなかったというところに一つの大きな原因があると考えておるのでございます。これらの点につきましては、今後実地査定につきましてできるだけの努力をいたし、また本年度からごく少数ではありますが、定員の増加も認めていただきましたので、できるだけ机上査定を避けまして実地査定の方向で、今後努力をいたして参りたいというように考えておりますが、御指摘を受けました粗漏工事、出来高不足、あるいは設計過大、自己負担の不足といったようなことにつきましては、それぞれ手直しあるいは補強工事設計変更というようなことをいたさせますと同時に、一方で補助金の還付につきましての措置を当然に取っておるわけでございます。  それから公共事業以外の一般補助事業につきましても、同様に是正あるいは補助金還付の措置を取っておる次第でございます。  それから食糧管理特別会計におきます病変米に関連いたしましての種々の御指摘が前年度に引き続いてあるわけでございますが、これらにつきましては、その後輸入方法の改善等の措置を極力講じまして、病変米の輸入の防止ということに全力をあげておる次第でございます。なお在庫数量が相当あるわけでございますが、これにつきましてはできるだけ早くその処分の方法をきめまして、処理をして参りたいというように考えております。  それから農業共済保険事業関係につきまして多数の指摘を受けたのでございますが、この共済金の正当な支払いをしておりませんでしたものにつきましては、それぞれ成規の支払いをさせる等の手続を取っておりますが、共済関係につきましては、検査院からのお話もございましたように、この制度そのものにつきましてもう一度よく検討を加えまして、制度そのものから参りますこういうような指摘事項というようなことが起る原因もなきにしもあらずというように考えられますので、こういった点につきましても根本的な改正をいたさねばならないだろうということで、現在国会の農林委員会の方からもいろいろお話もございまして、その改正につきましていろいろと検討中でございます。いずれにいたしましても、現在の制度のもとにおきまして是正し得るところはできるだけの是正措置を講じ、役員責任の明確化等につきましても極力そういった方向で措置を講じて参ってきておる次第でございます。  なおこういう多数の御批難を受けたわけでございますが、これらにつきましては、先ほど申し上げましたように、今後災害復旧工事等について実地査定をできるだけ行なっていくというようなことのほか、補助金の種目の整理統合、あるいは末端にいきます補助金についてその適正な執行がはかり得るような補助金の執行態勢なり組み立て方というものも考えて参らねばなりませんし、これらの点に関しまして一方で補助金の適正化の法律等も国会の方に提案になっておりますので、これらの点とも並行いたしまして、補助金の執行の適正化という方向に向ってただいまいろいろ検討をいたしておる次第でございます。  なお昨年から考査制度として考査室を農林省の中に設けまして、考査室を中心として一般会計それから食糧林野等の各会計につきましてそれぞれの原局とも十分協力いたしまして、農林補助金あるいは会計の執行等につきまして今後こういう間違いができるだけ減って参りますように努力をいたしておる次第でございます。  簡単でございますが、補足的に申し上げさせていただきました。
  6. 上林與市郎

    ○上林委員長 次に清井食糧長官。なお補足説明は簡潔に要領よく願います。
  7. 清井正

    ○清井政府委員 食糧管理特別会計の二十八年度の決算に関しまして会計検査院から御指摘を受けました事項の概要について御説明申し上げます。  昭和二十八年度は災害がございまして、御承知の通り内地米の生産が非常に少うございましたので、当時の食糧の需給状況から見まして世界のあらゆる地域から苦心をして相当の食糧輸入をいたさなければならないというような状態であったのであります。もちろん前年度来の経験にかんがみまして、従来よくない不良の質の外米が入って参りました地域、あるいは新たに外米が入って参ります地域等については非常に注意をいたしたのでございますが、ただいま御指摘がございました白色病変米等のことも新たに発見されまして、外国食糧輸入に関しまして今回数件にわたって検査院の御指摘を受けたことはまことに遺憾に考える次第でございます。その後不良食糧輸入防止対策につきましていろいろの対策を講じました結果、あるいは輸入方式を、現地の検査から着地検査の方式に改める等の措置をいたしました結果、本年に入りましてから病変米の発生を見なかったのでございますが、なお現在約十五万石程度の病変米が在庫になっておるのであります。その一部につきましては最近厚生省から通報を受けたのでございますが、これを主食として配給することにつきましては、また消費者たる一般の国民の方々の納得を必要といたしますので、その処理につきましては慎重に検討をいたしたいと考えておるのでありまして、なお残りの物についても厚生省当局と十分連絡いたしまして、国損を最小限度にとどめるように考えながらその処分方法を決定いたすべく目下慎重に検討いたしておる次第でございます。  なおまた御指摘の中に小麦の加工輸送等の問題について御指摘を受けたのでありますが、これは二十八年産米の凶作のために国内の食糧対策上政府の持っております麦を委託加工いたしまして、これを主として東北、北陸関東方面の都会地に輸送をいたしまして、食糧の不足対策として実施をいたしたのでございましたが、結果が検査院の御指摘を受けるようなことになりましたことは、まことに遺憾に考えておるのでございます。今後この点は一そう注意をいたしたいと考えておるのであります。  またアルゼンチンの小麦につきましても御指摘を受けたのでございましたが、これは外貨予算の関係もございますし、アルゼンチンとの貿易取引に基きまして、オープン勘定で鉄鋼資材等とのコンビネーション取引をいたしました結果、多少無理はございましたけれども、輸入いたしたのでございますが、この点につきまして御指摘を受けたのでございまして、その点またまことに遺憾に存ずる次第でございます。  また先ほど申しました通り、外国食糧につきまして、当初は積地で検査をいたしておりましたので、積地で検査いたしました外国食糧は、日本に入って参りました輸入港の本船船側で引き渡しを受ける方式をとっておったのであります。従って輸入港で受け取りましてから、それを倉庫に入れたり、あるいはほかの港に輸送いたします場合、すなわち輸入港業務につきましては、当該輸入を担当いたしました輸入商社と別個にまた輸送契約を結んで、これを行わせておったのでございます。ところが政府から当該取扱い商社に支払いました金額と、商社が実際の運送人に支払いました金額との間に相当な開きがあったのでありまして、この点について検査院の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございます。この問題につきましても、その後着地検査基準に変えまして、輸入港の倉庫等政府の指定する場所で引き渡しを受ける方式に切りかえたのであります。また取扱い商社から運送人への代金決済方法につきましても、個々の商社同士において決済をすることなくして、両方とも双方の中央代理機関、すなわち商社の中央代理機関と運送人の中央代理機関、その双方の中央代理機関の間において運送賃の決済をさせるようにいたしたのであります。従ってこのような、政府が払いました金額と、商社が運送人に払いました金額が違うというようなことは、以上のような方法によりまして、今後は防止し得るのではないかと考えておるのであります。  以上概略でございましたが、何分にも食糧関係の業務におきましては、多額の国費を取り扱い、貴重な外貨もまたこれを消費するというような関係もございますので、それぞれ検査院から御指摘を受けました趣旨につきましては十分にわきまえまして、内部の監査方法にも十分改善を加え、今後御注意の点を十分含みまして、健全な運営をはかって参りたいと考える次第でございます。何とぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。
  8. 上林與市郎

    ○上林委員長 次に石谷林野庁業務部長。
  9. 石谷憲男

    ○石谷説明員 国有林野事業特別会計の関係につきまして、五件の不当事項の御指摘を受けましたことは、まことに申しわけない次第と存じております。木会計におきましては、その事業自体の要望からいたしまして、去る昭和二十七年の八月に内部監査の制度を発足いたしまして、今日まで約三年間、主として業務並びに会計の全般にわたります内部監査の徹底充実に努めて参ってきておるのでございますが、それにもかかわりませず、かような御指摘を受けるような案件を出来いたしましたことをまことに申しわけなく存じておるのでございます。最近に至りまして、主として販売の業務並びに工事等の関係につきまして、一件の売り払いあるいは一件の工事、これらが同一人によりましてその業務並びに事務が遂行されるというようなことのないように、内部の検査組織を整備いたしまして、今後かかる事案の絶対に発生しないように努めて参りたい、かように考えておりますので、さよう御了承をお願いいたします。
  10. 上林與市郎

    ○上林委員長 次に前谷水産庁長官
  11. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 水産庁の関係については、ただいま会計課長から御説明がございましたように、大部分が公共事業関係でございまして、水産庁といたしましても、特に災害復旧の点につきましては関係部局と何分の連絡をとりまして、そうしてかような遺憾なことのないように注意をいたしているわけでありますが、会計課長が申し上げましたように、二十八年度におきましては災害が非常に頻発いたしましたので、かような非常に遺憾なことができたことを申しわけなく存じております。  なお漁船保険特別会計につきましては、これは一件御指摘がございましたが、不当な契約に基くものでございますので、さっそくその間の処置をいたしたわけでございますが、今後契約をします場合におきまして、いかがわしいものにつきましては、直接本庁より調査をいたしまして、そうしてこういうことの起らないように処置いたしたいと存じます。
  12. 上林與市郎

    ○上林委員長 これより質疑に入ります。本日は農林本省の質疑だけにとどめたいと思っておりますので、従って外局の政府委員の方々は退席してもよろしゅうございます。  なお農林本省のおもなる出席者を参考までに申し上げておきます。大臣官房から武田会計課長、庵原総合開発課長、大坪農林経済局長並びに関係課長、渡部農地局長以下関係課長、小倉農業改良局長以下関係課長、原田畜産局長以下関係課長、塩見蚕糸局長並びに関係課長が出席しております。  それでは質疑に入ります。古田委員。
  13. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は質疑いたします前に、農業共済再保険特別会計に関し、奈良県下の昭和二十八年度における農業共済保険事業の運営につき会計検査院において検査をせられておりますので、報告には載っておりませんけれども、その概況の御説明を承わりたいと思います。
  14. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 奈良県につきましては、昨年は検査の手が及びませんで、今年の三月と思っておりますが、検査したわけであります。大体十六組合の検査を全県下にわたりましてやったわけでありますが、結果として見ますと、成績ははなはだかんばしくない、こういう結果を来たしたわけであります。これは農林委員会の方の御要求によりまして、非常に簡単な資料でどざいますが、お出ししてございます。と申しますのは、まだ照会を出しまして問答をいただいておりませんので、あまりこまかいことを申し上げまして、内容が変ってはまずい、こういうことから、簡単な資料をお出ししたわけであります。  共済金が約六千六百万円出たわけでありますが、全組合について指摘事項があったわけであります。全部悪いというのは、ちょっとほかにはそうないのでありますが、奈良県は全部指摘事項があった、こういうことになっております。共済金のうち実際に配分したのは――配分の方法というのは相当こまかい規定がございまして、規定通りやったのは奈良県では一件もないということが言えます。規定通りに被害割でやったのは一つもなかった。それで損害評価と異なった組合独自の評価――独自の評価というと何ですが、規定と違う評価方法でありますが、組合自由な評価によって被害割で配分したものが、六千六百万円の約一割であります。先ほど申し上げましたように、正規の方法で配分したものは一文もないのであります。ともかくも被害割で配分したのが約一割、それから被害の有無にかかわらず、引き受け全面積――先ほど申し上げましたように、被害が三割以下の場合には金がいかないのでありますが、そういうものも含めまして、引き受け全面積で平均割で配分したのが約半額、こういうことになっております。六千六百万円のうち、完全に正しい方法でやったのは全然ない。それから組合独自の見解によって配給することにしたものは、約一割強であります。  それから引き受け全面積に平均割りで配分したのは約半額、そして残りはどうしたかといいますと、一部を賦課金の未徴収額に充当している。それから一部を目的外の器具購入費その他組合などの経費に使っている。一部は農協の預金としてまだ組合が持っている。こういう状況だったのであります。  本件については、まだ照会の問答に接しておりませんので、こまかい金額は、一応私ども検査のときのものはございますが、これが違うといけませんから、この程度にしていただきたいと思います。
  15. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいま検査院の小峰局長の御説明に対して、農林省から奈良県の二十八年度の農業保険の運営の状況について御説明を願っておきます。
  16. 橘武夫

    ○橘説明員 ただいま奈良県の問題について、会計検査院から検査の状況の御報告があったのでございますが、この点につきましては、私どももその後係官を奈良県に出張させ……。
  17. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御発言中ですが、私が伺います目的は、奈良県の十六組合の問題は、相当重要視しておりますので、全国的な一つの典型的な問題として考えております。そういう趣旨から、できるだけ重点をはずさぬように御説明を願いたいと思います。
  18. 橘武夫

    ○橘説明員 連合会の会長、副会長、それから県の面接監督に当っている部長、課長なども呼びまして、実態を調べておりますけれども、まだはっきりした結論を出すまでには至っておりません。ただ御指摘のように、保留額がかなり多く残っている。当然農家に分則すべき共済金が分配されないままに組合段階に保留されているという点は、事実のようでございますので、この点をさらに究明いたしました上で、組合員に分配すべきものはすみやかに組合員に分配するようにということは、すでに会長に口頭で指示しております。それから損害評価の点につきましては、いろいろ水増しの問題などがございます。それはさらに事実を調査しておりますけれども、水増しの事実があるかどこかということは、まだ断定するまでには至っておりません。現在のところ大体私の方で承知している状況は、以上のようでございます。
  19. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは農林省から資料として、奈良県の南葛城郡葛城村、磯城郡川東村、宇智郡宇智村、添上郡田原村、生駒郡平群村、生駒郡生駒町、山辺郡天理市二階堂、北葛城郡当麻村、磯城郡織田村、宇智郡牧野村、北葛城郡新庄町、高市郡真菅村、添上郡東里村、高市郡坂合村、山辺郡都介野村、南葛城郡忍海村、以上十六市町村農業共済組合について、その運営上問題点等のある箇所を漏らさないようにした資料を当委員会に交付せられんことをお願い申し上げておきます。
  20. 上林與市郎

    ○上林委員長 了承いたしました。
  21. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから今の問題について、検査院においては、その共通した原因だとか、あるいは特に注意すべき状況とか、あるいは今後いろいろこの種問題を検討するに参考になるような事項、そういったものはまだまとまったものはございませんか。
  22. 小峰保榮

    ○小峰会計検査院説明員 先ほど申し上げましたように、私ども昨年からこの種の検査を始めたわけでありまして、昨年検査してみて実は驚いたのでありますが、これは制度そのものの根本に触れる問題じゃないかと思います。今までいろいろ御意見も拝聴しておりますが、何分にも義務加入であるのに、掛金は取らない。それからせっかくの共済金は農民に届かぬ、こういうのでは、制度の根本に触れて考えなければいかぬじゃないかと思います。会計検査院としては、そこまで結論的なものを考えるという段階までいっていないのであります。
  23. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 検査院の二十八年度の決算検査報告書の当該報告事項の御記載の要点等を徴して見ましても、この種の問題は、かなり全国的に分布されているのでないかと思われるのであります。わずか百二十九市町村農業共済組合についての調査の結果でも、そのような相当重要な問題が多数現われているのであります。その他農林省の発行している他の文献に徴してみましても、全国的にかなり広範に同種の問題があるのではないかと思われるのであります。そこで審査に入るに先だちまして、農林当局から、農業共済保険事業の通常について、何が問題点であるのか、政府としても事業運営上現在及び将来に何を問題とされようとしているのか、そういう点については、かねて調査研究の機関も設置せられて、衆参両院の委員会においてもいろいろ討議をせられた跡もあるようでありますけれども、しかし具体的に会計検査院が指摘いたしましたように、再保険金が二十八年度でも百八十六億余万円に上っておりますし、ほかの事務費の負担金の二十四億円も国から出ておりまするので、こういうような大きな金額が流れ出まして、そうして末端の組合員に正確に正しい額が渡されておるかいなやも不明だ、こういうことは私はゆゆしい問題だと思うのでございます。ことにこの制度というものが社会保険の一種であることは申し上げるまでもございません。貧弱な零細な農家の農業保護するということが主たる目的で立案され立法されたものと思うのであります。この点から考えてみましても、やはり真相を明らかにして、よって来たる原因を究明して過誤なからしめる対策を立てるということがきわめて重大な問題であると思うのであります。ごくわずかにここには片鱗を報告されておるにすぎません。けれども奈良県のごときも、この報告書に表われておらぬが、さてただいま伺ってみると、実に驚くばかりの乱脈が暴露されておるのでございます。こういうようなことから考えましても、農林省当局からこの問題点、原因等につきまして簡単でよろしゅうございますから一つ概要の御説明を伺いたいと思います。
  24. 橘武夫

    ○橘説明員 ただいま農業災害補償制度にこういうような検査院の御指摘を受けるような不備な点が発生しておる。そういうような問題の生ずるゆえんはどこにあるか、その問題点を農林省としてはどう考えているかということのお尋ねであったと思いますが、個々の運用の問題としていろいろ私どもの監督の至らなかった点、それから共済団体の運用の不備だった点、いろいろあると思います。そういう個々の点のさらに根本になる農林災害補償制度全体の問題としての問題点、これもいろいろあると思いますけれども、一応ただいま考えておりまする点を簡単に申し上げたいと思います。ただ農業災害補償制度というのは、御承知のように非常に複雑な制度でございまして、この問題点を御説明申し上げる関係上一応今の災害補償制度の仕組みというものがどういうふうになっているかということを簡単に御説明しながら、それについての問題を申し上げるというふうにいたしたいと思います。  農業災害補償制度は、御承知のように昭和二十二年に制定されました農業災害補償法に基いて実施されているわけでございますが、その具体的な、末端といいますか、一番農民と面接したところにおきまして共済事業に当っておりますのは、大体市町村単位に設けられております農業共済組合という団体でございます。これはこの補償法に基きまして原則として市町村の区域を単位として設立されますと、その区域内にあります農民は一応原則として当然加入する。何らの手続なくして当然全部その組合組合員となるという構成になっております。その共済組合が農家から掛金をとって事故が発生した場合にそれに対して共済金を支払うというのが第一次の段階における災害補償制度の仕組みになっております。その共済の種類といたしましては、法律上農作物共済、この農作物共済の内容になっておりますのは水稲と麦と陸稲、一応その三種ということになっております。それに対しまして風水害、日干害、冷害、それから雪の害いろいろな気象上の原因による災害、それから病虫害、そういうような災害が発生いたしまして三害以上の被害が生じた場合に共済金を支払う仕組みになっております。これが農作物の共済でございます。  それからもう一つ、第二番目といたしましては蚕繭共済、繭の共済でございます。これは蚕の害、桑の葉の害に対しまして同じように掛金を払って、それに対して災害が起った場合に共済金を払う、三番目には家畜共済というものがございます。これは牛、馬、やぎ、ひつじというようなものに対しましてやはりそれの死亡だとか病気にかかって療養費がかかったというような場合に、それに対して共済金を支払う。農作物共済、蚕繭共済、家畜共済というようなものだけは、農業共済組合が成立しました以上は、当然原則としてすべてやらなければならない事業ということになっております。  それ以外に組合として任意に自発的にやれる事業といたしまして、先ほど申しました水稲、麦、陸稲以外の農作物、たとえば菜種でありますとか、そういうようなものにつきましての共済事業あるいは建物につきましての共済事業というようなものは組合の任意でもって、やりたい組合はやれるというような仕組みになっております。  そういうふうな末端の共済組合の共済事業に対しまして、その共済組合を会員といたしまして都道府県の段階に都道府県の共済組合連合会という団体ができておりまして、その連合会がその村の共済組合の負っております共済責任に対して保険者となって保険をする、共済組合から保険料をとって共済組合の段階で事故が起りまして共済組合が共済金を払わなければならないような事態になった場合に、その共済組合に対して連合会から保険金を支払うというふうになっております。  このたびの検査院の御指摘を受けました問題は、農作物共済を中心としていろいろ御指摘がございましたし、農作物共済についていろいろむずかしい問題がありますので、農作物共済を中心として申し上げたいと思います。その保険者としての連合会の上にさらに農林省の、国が農業共済再保険特別会計という特別会計を持っておりまして、その連合会の保険責任をさらに再保険をするというふうな格好になっております。そういうふうな一審末端における共済関係、それから村と連合会、村単位の組合と連合会との閥における保険関係、それから連合会と政府との関係における再保険関係という三つの段階で、それぞれ保険でつながっているというふうな格好になっております。
  25. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御発言中おそれ入りますが、橘さんもう少し簡略にしていただきたいと思います。
  26. 橘武夫

    ○橘説明員 それでその共済関係におきまして、農家は共済掛金を支払って事故があった場合には共済金をもらうという仕組みになっております。その共済掛金の一部を農民にかわって政府が負掛をするということが法律上規定されております。その負担の割合は、それぞれの県の災害が起る率によりまして違いますけれども、全国平均をしてみますと大体農家の負担すべき共済掛金の六割程度のものを政府が負担をするということになっております。それで検査院の御指摘のありましたおもな点は、掛金が十分に徴収されていないという点がまず第一点でございますが、普通の私企業における保険でありますと、保険契約をして保険料を払い込むということが、当然契約成立のための条件になっております。ところが農業災害補償法におきましては、そういう契約を締結するという特別の手続によらないで、農家が水稲なら水稲を作付してそれを木田に移植する、田植をするというその行為によりまして、自動的に共済関係が発生するというふうな仕組みになっておるわけであります。でありますからその組合におきましても、当然共済の引き受け、それから共済細目書の提出、それから掛金を払い込むということは、法律上規定されておりますけれども、それがそういう共済関係のための成立条件ではなくて、むしろ共済関係の内容を確認する行為であり、確認された内容を履行する行為である。でありますから極端なことを言いますと、掛金を払い込まなくても、共済関係は成立するという法律上の関係になっております。そこが普通の保険と著しく違った一つの点でございまして、また共済掛金がなかなか法律上規定された時期に納められないという一つの大きな原因は、その点にあるのではないかと思っております。  もう一つは、その共済掛金を払い込みます時期、それは水稲につきまして申し上げますれば、ちょうど田植の時期でございますが、これが農家の普通経済といたしましては、一番手特ち現金の少い時期であって、その時期に共済掛金を納めるということは、実際上農家としては経済上非常に苦しい立場にあるということが、掛金の適期に納まらない一つの原田であるというふうに考えられます。  それからもう一つの問題といたしましては、そういう掛金を徴収する任に当ります農業共済組合の能力でございますけれども、大体全国平均いたしますと、一組合二人ないし三人の職員でもって、こういう非常に多岐多端にわたる仕事をやっておる状況でございます。そのためにその職員がかけずり回って、一戸々々の農家から共済掛金を徴収するということが、非常に努力してもたかなか現実にはむずかしい事情にあるということがもう一つの問題であると思います。掛金の徴収が困難であるということは今申しましたような事情が、まず第一の問題であろうと思います。  もう一つ言い落しましたけれども、掛金の徴収が困難であるという事情をさらに強くしている――またこれは制度全体としての根本の問題でもありますことは、共済掛金が個々の農家に応じた個別的、具体的に農家のそれぞれの水田なり、畑の危険率に応じた掛金を取れるようなふうに、掛金の料率たり共済金額というものが具体化されていないということが、制度の一つの大きな問題点と思います。現在やっておりますのは、共済金額も掛金の料率もそれぞれ村単位、組合ごとに一律にきまるというかっこうになっております。大体農林省として、その県単位の数字に平均して合うように、村ごとにきめていく。でありますから、ある村の中の水田でありますと、かなりその土地の事情によりまして危険の程度が違う。水田でも同じような掛金を納めなければならない。またその村の中でかなり収穫の量が具体的に違う。あるたんぼでは二石とれる、あるたんぼでは三石とれるというような、非常な収量の相違があります場合にも、その村の中の水田の一反なら一反、同じ面積に対しまする共済金額は一律にきめられる。
  27. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと途中でおそれ入りますが、やはりこれは質問応答の方がわれわれもわかりやすいと思います。御説明は大へん微に入り細にわたってけっこうと思いますが、ちょっとこの辺にしていただきまして、こっちから伺うことにいたしたいと思います。  そこでまずこういう点を伺ってみたいのであります。ともかく奈良県の今の十六の組合の例をあげてみますと、これは二十八年度の政府から出しました保険金が、五千九百二十万円、その四四%が保留されておる、こういうことになっておる。これはやむを得ざる現象というようにお考えになるのか、それとも運用上まことにこれはよくないというふうなお考え方になっておるのだろうか、その原因のいかんは別にいたしまして、また今御説明になりましたように多く水増しがあったのか、損害の評価について適正を欠いたものやいなや、そういう点についての議論はともかくといたしまして、いずれにいたしましても、このように農家に配分すべきものが配分されないで保留されておるという事実につきましては、大体におきましてこれはよくない現象だ、こういうふうにお考えになっておるかどうか、その点だけ一つお聞きしていきたいと思います。
  28. 橘武夫

    ○橘説明員 農家に渡すべきものを農家に渡さないで、組合段階で保留しておる、これははっきりよくないことであります。こういうものに対しましては、私の方としても特に事情を酌量すべき余地はないというふうに考えております。
  29. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで私の心配しますことは、ふたをあけたら全国的にこういう例が続々として出るのではないかということを心配します。そこであなたに伺ってみたいのでありますが、なぜこういうことになるのだろうかということにつきまして、最終結論はまだ出ておらないかとも存じますけれども、県庁の指導監督において、そういう原因があるのであろうか。政府の監督がよろしきを得ないのであろうか。それとも末端の組合員の側に大きな原因があるのであろうか。一番のねらいとして、今のところ政府がお考えになっております最大の原因と目すべきものは、大体何であるというふうにお考えになっておりますか。政府が数百億円の国費を使って、保険事業をやっておられるのでありますから、根本の方針とか御意見というものが、相当委員会には現われてこなければいけませんので、従って原因の判定につきましても、責任ある答弁を求めなければいけないのでありますが、やむを得ませんから課長から伺いたいのであります。
  30. 橘武夫

    ○橘説明員 ただいまいろいろ御指摘のありました、組合運営がよくないという点、これは奈良県などにつきましては一つの大きな原因になっております。
  31. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。参議院では公庫法の改正だったら、やはり当委員会にまず来て答弁しなければいかぬと思うのだが、委員長、一つ至急に交渉して来るようにお願いいたします。
  32. 上林與市郎

    ○上林委員長 再三催促しているのですが、まだ見えないのです。委員会としてはこの問題がきょう中心になるということはちゃんと言ってあるのです。
  33. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 他の同僚委員からも、やはりこの問題の重要性にかんがみ、課長に対する質問だけでは適当でないという御意見が出ておりますから、もうしばらく待つことにでもしましようか――それでは私はこの問題は、やはり委員会におきましてただ政府との間に質疑応答を繰り返すということでは、ほんとうの真相を明らかにすることは困難でないかと思います。そこでいずれわれわれも現地調査する機会を得たいと思いますけれども、それより前に参考人に当委員会に出頭していただきまして、そして農業共済保険事業の運営の実態、それを一つありのままに明らかにしてもらって、問題の真相の究明に努力したい、こう思いまするので、この機会に参考人のお呼び出しを願うべく申し出たいと思いますが、それをお許し願いたいと思います。すなわち私は奈良県農業共済連合会の会長であり、かつ天理市二階堂の組合長である東田某という方、それから南葛城郡の高城村の組合長、南葛城郡の忍海村の組合長、それから県の当局といたしまして、食糧農政課長とかいっておりまするが、ともかくこれの監督の任にある課長であります。この四名を一つ当委員会参考人として次の機会にお呼び出しを願うようにお計らい願いたい、こう思います。
  34. 上林與市郎

    ○上林委員長 ただいまの吉田委員の発言について直ちにお諮りする前に、他に御意見ございませんでしょうか。
  35. 山田長司

    ○山田委員 ただいま吉田委員から参考人のことについて発議がございましたが、実は栃木県農業共済組合連合会にも同様な事件があるのです。この事件は、栃木県下全部にわたりまして、災害戸数二万八百四十七戸、二千五百二十町歩八反六畝という膨大な面積が被害を受けているのですが、これに水増しをいたしまして、昭和二十七年にやはり農林省にこれが保険の支払いを請求をいたしまして、農林大臣に申請をして水増し金を取っているわけです。それでこの事件は、実はもうすでに被疑事件として、栃木県においては栃木県警察部がこれに手を入れて捜査にかかっているわけです。ところがどうしたのか、共済組合の経理部長だけの検挙がなされ、判決が行われて、私はおととい栃木県警察部長の橋本健寿という部長に会って、この事件はどうなっているのだという実は詰問をしてきているわけですが、どうしたのか、検事正が変り担任の検事が変りして、ちっともこの事件が進行しておらない、こういう答弁を聞いてきておるわけです。しかもこの事件には、農林省の農林経済局農業保険課の課長補佐内藤一郎、係長の小幕孫七、こういう人までが関係をいたしまして、共済組合の本質の問題に触れるかと思われるほど、実は共済組合というものが信用を失墜しているのです。それで重大な段階でありまするので、栃木県としては、当時の佐藤清一郎という連合会長、それから浜崎経理部長、さらに共済連のこの掛金で買収いたしました八幡荘という料理屋がありますが、この料理屋のおかみ、さらに共済金をいち早く取ってしまったという村があります。これは下都賀都南犬飼村の共済組合ですが、この村の組合長である野口菊太、それから当時監督の衝に当っていた県の農政課長、これらを一応参考人として呼んでこの事件の究明をさせていただきたいと思うわけです。どうぞこれらのことをお取り計らいの上参考人としてお呼びを願いたいと思います。
  36. 上林與市郎

    ○上林委員長 山田委員から御発議がございましたが、これをお諮りいたす前に、他に御発言があれば承わります。
  37. 小笠原八十美

    ○小笠原(八)委員 私は反対の方面からちょっとお尋ねしてみたいと思うのです。実は局長がおいでになれば非常に好都合でありますが、今課長に質問がありました先刻の掛金問題であります。これは私も共済に関係して長い間体験があるのですが、一体農家の方面はやはりこの共済制度によって相当に救われているのであります。まず米の問題は、価格は政府に定められ、たまたまやみで売れば罰金を取られる、ことにひどいのはぶち込まれるというようなひどい口にあっているわけなんですが、とにかく不作の場合にはこの共済制度によって救済されている。ところがたまたま会計検査院に検査された問題が大きく響いて、何だか共済制度というものはみんな悪いことをしたように思われているのであります。掛金を払わないのはどうのこうのという問題に対して課長の方からいろいろの御答弁がありました。しかし共済制度の問題は、最初は農家はわからなかった。ただ掛金を取られるような気分がしてだれも掛金を望まなかった。これが全国的に風水害があったり病害があったりひょう害があったりして、全面的にだんだんに全日本に共済金が渡るようになって、初めて掛金をかけなければならぬということに目がさめてきたということは事実なんです。ところがそれを中間において検査して、あそこも悪い、かしこも悪いということで大きな悪いことをしたということにしてしまったのでありますが、それよりもっとひどいのは、凶作災害のほんとうの実態はだれが調べているかと言えば、これは農林省が少し萎縮している。会計検査院に何だかんだと突っつかれるから萎縮してしまって、全部作報に調べに行って、実態を調べたような報告を取り上げていない。あるいは畜産のごときは、実際に伝貧というようなおそるべき病原によって倒れかかった家畜を発見しても、必ず殺処分をしなければならぬものも、予算に抑えられてこの殺処分がででないで、伝染病をそのまま存置をしておいた例もあるが、こういう農業共済ということは、大蔵省方面でも考えなければたらないし、会計検査院も、実際農民のためということを考えて検査しなくちゃならぬと思う。ただ作報のみ信じているが、作報は実態に即しない調べをしている事実もあるのであります。予算に合わせたようた被害調査をやっているが、調べる方ももう少し考えてもらわないと、私はほんとうに農民の幸福にならないと思う。今のように、共済金を中間で搾取したというような実態は、これは最後まで究明しなくちゃならないことは、今同僚諸君の御指摘の通りであります。この真偽はしっかりただすことは当然だが、ほんとうにまじめにやっている者もたくさんある。ところが今申したように、作報の調査のみによって、実際に被害調査をやっていない実態がある。これは大蔵省も調べなくちゃならぬし、それから農林省も、会計検査院に何だかだ言われるためか萎縮しているが、ほんとうに農民のためを考えるなら、農林省は萎縮してはいけない。これをほんとうに公平に調査しなければ、農民はいつでも下積みになって浮かぶこともできない。課長は遠慮して御答弁をせられておったが、実態は、この共済金が全面的に農民に回るようになってから、農業共済制度をよく認識されて、保険の掛金なんかみな持ち寄って、自主的にやっているというような実態も、つけ加えて御答弁願いたかったと私は思うのです。会計検査院の方では、どんな検査をなされているか知らぬけれども、作報がどういうふうに実態に合うように調査しているか、検査していただきたいと思いますが、とにかく実態と離れた調査をして、それによらなければ農林省は払わぬとかぶりを振る。だからそういうところをよく考えなければ、ほんとうの農業共済の目的に合致しないと私は考えますので、このことは誤長さんも上局の方に連絡をとって、次の機会にこの私の申したことに対して御答弁願いたいと思います。大臣がおいでになればさらに私はお尋ねしますが、一応私からこのことを申し上げておきます。     ―――――――――――――
  38. 上林與市郎

    ○上林委員長 それではただいま農業共済事業の審査について、吉田、山田委員から発言のありました参考人の招致の件についてお諮りいたします。吉田、山田委員が御要求の通り、参考人の出席を求め、農業共済保険事業に関し、その実情を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 上林與市郎

    ○上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお参考人の人選、出席要求の日時、その他出席要求の手続等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 上林與市郎

    ○上林委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいたいと思います。  なお具体的には理事会でおきめを願いたいと思いますから、御了承願いたいと思います。  他に質問ございますか。
  41. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この農業共済につきまして、少しまとめて審査を進めていきたいと思います。ほかの農林省関係の各種の問題、補助金等にもあるのでありまするけれども、それは留保して、この際共済関係を進めていきたいと思いますが……。
  42. 上林與市郎

    ○上林委員長 ただいま参考人の打ち合せもございますから、早急に理事会でその後の審議のことも全部打ち合せたいと思いますから、さよう御了承願いたいと思います。
  43. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから農林省の方がお帰りになりましたら、おっしゃってもらいのですが、当委員会農林省は本日初めてでありますが、大臣も次官も局長も見えぬというようなことでは――これは全部にわたるわけにはいきますまいけれども、農業共済の審査上非常に不便でありましたことをおっしゃっていただきたい。
  44. 上林與市郎

    ○上林委員長 私からもそう言います。
  45. 薄田美朝

    ○薄田委員 きょう初めて農林省関係に入ったのでありますが、農林省関係は非常に重大な問題がありますから、委員長からも大臣なり政務次官なりに決算委員会へおいで願うよう要求してもらいたい。
  46. 上林與市郎

    ○上林委員長 了承いたしました。  それでは本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。  これにて散会いたします。    午後零時三十八分散会