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1954-12-16 第21回国会 衆議院 水産委員会 2号 公式Web版

  1. 昭和二十九年十二月十六日(木曜日)     午前十一時二十四分開議  出席委員    委員長 田渕 光一君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 田口長治郎君 理事 白浜 仁吉君    理事 松田 鐵藏君 理事 山中日露史君       武田信之助君    塚原 俊郎君       徳安 實藏君    保岡 武久君       小高 熹郎君    赤路 友藏君       中村 英男君    稲富 稜人君       辻  文雄君    前田榮之助君       小山倉之助君  委員外の出席者         大蔵事務官         (主計官)   岩尾  一君         農林事務官         (水産庁生産部         長)      立川 宗保君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君         海上保安監         (警備救難部         長)      砂本 周一君         海上保安監         (灯台部長)  西田 豊彦君         専  門  員 徳久 三種君     ――――――――――――― 十二月十四日  委員夏堀源三郎君辞任につき、その補欠として  山本友一君が議長の指名で委員に選任された。 同月十五日  委員山本友一君辞任につき、その補欠として塚  田十一郎君が議長の指名で委員に選任された。 同月十六日  委員木村武雄君、塚田十一郎君、中村清君、濱  田幸雄君、田中幾三郎君及び、長正路君辞任に  つき、その補欠として保岡武久君、山本友一君、  徳安實藏君、武田信之助君、前田榮之助君及び  稲富稜人君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事小高熹郎君理事辞任につき、その補欠とし  て松田鐵藏君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  漁業用燃油に関する件  漁船の安全航行に関する件     ―――――――――――――
  2. 田渕光一

    ○田渕委員長 これより会議を開きます。  まず理事の辞任の申出の件についてお諮りいたします。理事小高熹郎君より理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田渕光一

    ○田渕委員長 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。  つきましては、理事の補欠選任を行わねばなりませんが、これは先例によりまして選挙の手続を省略いたし、委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田渕光一

    ○田渕委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に松田鐵藏君を指名いたします。  午前中はこの程度にとどめ、午後は二時より再開することといたしまして、この際休憩をいたします。     午前十一時二十五分休憩      ――――◇―――――     午後三時十三分開議
  5. 田渕光一

    ○田渕委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  ただいまより漁業用燃油に関する件について議事を進めます。この際山中日露史君より発言を求められておりますからこれを許します。山中日露史君。
  6. 山中日露史

    ○山中(日)委員 漁業用燃油の確保につきましては、さきに通産省の漁業用石油類確保措置要領に基く行政措置と石油業者の自主的調整に漁業者は大いに期待をしておつたのでありますが、需給の不均衡と価格の高騰の著しいものがありまして、しかもこの燃油の供給は一に石油業者の一方的な行為によつてなされているというのが現況であります。そのために漁業経営者といたしましては、漁業経営費の約三割を占めている燃油の価格の高騰のために漁業経常が非常に困難な状態に陥つているということは、すでに皆様も御存じの通りであります。特に開くところによりますと、来年度におきましては、この漁業用燃油の大半を占めております重油の輸入が五〇万キロないし百万キロの削減を見るような状態であるということを聞きますときに、なお一層漁業用燃油の需給並びに価格の高騰に大きな影響を来し、なお一層漁業舌の生活を圧迫するということは、これはまた当然のことといわなければなりません。ことに中小漁業者の生活の安定あるいは経営のために、水産業協同組合は、生産品の共同販売であるとかあるいは所要資材の共同購買、こういうことができることになつておりまして、しかも全国的組織を持つております全漁連は、この水産協同組合法に基いて設立された団体でありまして、これらの団体に外貨の割当をして、そうして適当なときに、必要なときに安く漁業用燃油を供給するという道を講ずるということは当然のことといわなければならぬと考えるのであります。その意味におきまして、本委員会におきましてもこれら諸般の事情を考慮しまして、ここに水産委員会の決議をもつてこの漁業用燃油に対する輸入外貨の割当を全漁連に与うべきだということを、水産委員会の決議をもつていたすことが必要であろうと考えまして、ここに動議を提出する次第でありますが、その決議文をここに朗読いたしたいと思います。    漁業用石油類に対する輸入外貨資金の割当に関する件   わが国漁業は、動力漁船九十数万屯、十三万五千隻におよび、これが動力源として年間百数十万屯の大量を消費する漁業用石油類は、他にこれが代替を許さないばかりでなく、漁業経営費の三割を占める重要なる基礎資材である。   この漁業用石油類は、近来価格の高騰、需給の不均衡により漁業経費に著しく支障を来たしている。   この事に就いては、先に当水産委員会において政府に対しこれが善処方を強く要望し、政府もまたこれを認め、「漁業用石油類確保措置要領」に基き行政指導を行つているが、その効果を挙げるに至らないことは遺憾である。   よつて、この際政府は、戦前以来実績を有し、且つ、水産業協同組合法により、漁業用石油類等主要資材の共同購買事業を使命とする全国漁業協同組合連合会に対し、その傘下の沿岸漁業者が使用する漁業用石油類に対する輸入外貨資金を割当て、本問題の解決に努力すべきである。   右決議する。  以上のような次第でありますから、何とぞ皆様の一致の御賛成あらんことを切望いたします。
  7. 田渕光一

    ○田渕委員長 ただいまの山中君の動議に対し御意見等があればこれを許します。
  8. 松田鐵藏

    ○松田(鐵)委員 この決議に対しては、私ども民主党といたしましてもまことに至当なる決議であると存ずるものであります。しかし今日において再びこの決議を出さなければならなかつたという理由はどこにあるかということでございます。現在漁民が因つておることは私みずからが体験しておりまして、北海道においてはトン二万円にもなつております。さような状態において漁獲の三割以上も燃料に消費されるということで、どうして漁業そのものが立つて行くかということであります。ゆえにこういう決議は当然過ぎる決議であると私は信じておるものでありますが、なぜこういう決議を再び出さなければならなかつたかというところに、私は死人にむち打つわけでもありませんが、自由内閣に――私も自由党所属代議士となつておりまして、当委員会においても石油問題は漁業に対する重大なる経済行為であると存じて、再三再四にわたつて、しかも小委員会までつくつて、こうした問題を論議したものであります。しかしこれに対して当時の自由党は何ら善処したことはありません。しかも燃料対策などというものは、やれ石炭が重要であるから重油に切りかえろといつて、市中のボイラーであろうと風呂屋であろうとすべてが重油装置に切りかえて、石炭を擁護せんとしてやつたものでありますが、今日はどういうことか、重油は外貨が足らないから、今度は石炭に切りかえろ、風呂屋に対してもボイラーに対しても油は配給するわけに行かない、こういう方法をとらなければならないといつておる。しかしこれに対して何ら法的な措置が講ぜられていない。よつて現在においても安い燃料を使うことは企業の自由である。よつていまだ改善されていない。こういうはめに落ち込んだというのは自由党の政策なのであります。これであつてはいけないというので、われわれは新党をつくり、民主党をつくつたのであります。よつてわれわれはこうした決議をするよりも、もつともつと決議をする以前にこういう方法を講じてやるべきなのであります。しかし残念ながら組閣以来日浅く、政調においても総務会においても日夜検討はしておりますが、まだ基本的な予算の問題に没頭しております。よつて今そこまで手がまわらないのであります。これは社会党としたならば当然出すべき決議案であります。自由党の諸君は、自己が今までどれだけの努力をして来たか、どういう政策を行つておつたかということを顧みたならば、私も責任はありますが、しかし自由党諸君は、この決議をしたからといつて、はたして実行に移るかどうかというものを考えなければならない。ただいま理事会において私が申しましたように、いくら決議をしても、実行の伴わないような決議をした場合には、ただ漁民に対して選挙の宣伝になるのみであります。国会の決議に対しては、政府はこれに対して忠実に守らなければならない義務がある。しかし今までの吉田総理のやつたことはどうであるか。何か一つでも実行に移つておるか。日本の経済をここまで切迫させ、しかもまた燃料対策において、自由党諸君みずからが決議をしなければならないというはめにまで追い込んだじやないか。実行が伴わない単なる決議は、いくらしても何にもなりません。ただ文書において漁民にこびるだけでございます。現在の段階としては、いくら決議をいたしましても行政面において方法の講ぜられないときであります。いましばらくお待ちを願いたいというのが私の主張でございます。しかも本日白濱君などはまつ青にまでなつて、政調において力説して、こんなことで民主党のあり方というものはどうであるか。庶民、漁民、しこうして農民の経済の確立と、物価の抑制を主張しておる民主党であつたならば、この決議に賛同できないという理由はどこにあるかと言つて詰め寄つたものであります。しかしわれわれの方は、先ほど理事会に申し上げたように、残念ながら現在の段階としては、いくら決議をされても事務的なことによつて、行政の町からいつて今は困難である。よつていましばらくお待ち願いたい。われわれはやむなく皆さん方に対してわれわれの苦衷を訴えて、しかも漸時改善して行くことによつて、初めてその効果が表われんとするような方法をとろうとするものであります。責任政治の確立をせんとするものであります。百二十名の微力であつても、責任政治の確立を断行せんと努カするものであります。それが民主党であります。絶対多数を持つておりながら、自由党の今までやつて来たことは何であるか。再びこんな決議を出さなければならないという政策の貧困のその結果を、この弱い、百二十名よりない民主党に押しつけようとしている。あなた方は多数の数によつて決議をせんとするだろうが、これが社会党から出すのならば当然なんだ。自由党――きのう、おとついまで政権を握つておつた自由党なら、その事情はよくわかつているはずだ。すべてをやれなかつたではないか。やれなかつたものをわれわれ民主党の、この弱い内閣に押しつけようということなんだ。われわれは責任政治の確立を叫ぶものなんだ。いま少しわれわれに責任を持たせてくれたらどうか。理事会でもお話ししたように、われわれの政治責任にかけて、この問題を解決するように努力いたしますから、いましばらくまかしていただきたいというわれわれの意見に対しましても、それを尊重できないなどということは、ちようど吉田の言うことならば何もかにも民主主義だとして、権力によつて、力によつて政治を行わんとした吉田内閣と同様なことをわれわれに押しつけんとすることだ。こういうことが将来の水産委員会の立場においてはたして是か否かということなのであります。政治は単なる作文であつてはいけません。責任政治の確立をもつて、全漁民に対して幸福をもたらすというのが政治のあり方であります。そのあり方をわれわれにまかせることができ得ないというのであつたならば、あなた方は、こうしてやれなかつたではないか。この非をまず率直に認めて、ここにおいて、自由内閣ができ得なかつた、どういう理由でできなかつたか――私から批判されるよりも、もつともつとみずからが政策の貧困を認めて、全漁民に対して謝罪をして、それからこういう決議を出すべきである。もし私の議論に対して反駁があるならどんな議論でも承りましよう。私はもつと言うべきことはありますが、自由党諸君の反駁を得てからもう少し話をしたいと思います。自由党の御意見を承ります。
  9. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 自由党を代表いたしまして、ただいま山中君から御提議になりました本決議案に賛成の意を表明いたしたいと存じます。  漁業用石油類の配給確保の問題につきましては、当委員会におきまして本年の七月以来真剣にその改善方につきまして検討を加えまして、政府に対しましていろいろ意見を述べ、政府を鞭撻して参つたのでありますが、政府におきましても、当時漁業用石油類確保措置要領というものを発表されまして、これが改善に努力を払われたのでありますけれども、遺憾ながら油業者等の協力が十分に得られたかつたような経過もございまして、今日いまだ事態の改善を見ておりません。当時全国の漁業者特に沿岸漁業者団体方面からは、この際石油類の価格の適正化、配給の確保をはかりますためには、どうしても外貨の割当を協同組合団体に与えて、そうして源泉からこれが確保の措置を講ずべきだという強い主張もあつたのでありますが、鉱山局長その他政府の関係責任者の熱心なる要請もありまして、一応政府の確保措置要領に基く成果に深く期待を寄せておつたのであります。しかしながら今日その成果はほとんどあがつておりません。価格にいたしましても、当時A重油にいたしまして一万六千円程度のものが横ばいをたどつておる程度でありまして、漁業者が期待いたしておりますところの昨年の十月ころの価格にこれを押えることができないというような事情でありまして、このことがわが国のさらでだに苦しい漁業経済に大きな圧迫に相なつておるわけであります。これ以上この漁業経営費の三分の一以上を占めるところの油の問題をこのまま放置できないという事態に立ち至りまして、私どもは、山中君より御提案になりましたように、ここにこの問題を抜本的に解決する措置といたしまして、水産業協同組合法によつてはつきり認められておる購買事業の一環として、漁業用石油類の配給確保をはかりますために、全漁連に外貨の割当をすることが、この段階に至つては唯一の根本的な対策であると考えるものであります。政府及び与党におきまして、この全漁連に対する外貨割当についていろいろ困難な御事情を訴えておりますが、その主たる理由は、全漁連のような団体に外貨を割り当てるようになりますと、外貨割当制度が混乱を来すということが唯一の理由に相なつておるようであります。しかしこのことは、全漁連は消費者の団体というよりも、むしろ協同組合法に基く共同購買事業を使命とするところの法的な団体でございまして、政府も多年この主要資材である燃料の確保をはかるために、協同組合に対して石油タンクその他の施設を助成して参りました。現在全国津々浦々に相当の石油タンクを確保いたしております。また戦争以前におきましても、農業団体とともに漁業団体は、油の配給業者と同じ立場におきまして、源泉において油の割当を受けて、系統機関を通じて漁業者に配給しておつた実績を有する団体であります。ところが、この系統団体が戦争終結の際に解体をされて、協同組合法の制定が遅れましたために、数年間のブランクをここに生じたのであります。そういもような経過からいたしまして、遂にこの主要資材である燃油の系統団体による一貫した配給購買事業が立遅れになつたのであります。これを元に返すということでありまして、実績のないその他の協会とかあるいは団体とかいうものとは根本的に事情が違うのであります。これは法制上政府の指導監督のもとに置かれるれつきとした団体であること、戦前においてもその必要を認めて実績を与えられておつた団体であること、これらの事情からいたしまして、私は、この際漁業協同組合の系統団体の全国機関である全漁連にこの外貨の割当をいたしまして、石油業者と同じような立場において配給をなさしめるということが適当であると思うのであります。しかも五百三十万トン以上の石油の輸入量から見ますと、二十万トンという数量はわずかに四%程度にすぎません。この四%程度の外貨を漁業協同組合の系統団体に割当てましても、それによつて従来の油業者が非常なしわ寄せを受ける、困るというような問題はございません。私どもはわずかの量であるけれども、これを適当な価格で流すことによつて、全体の不当な価格を抑制する一つの有力なる牽制策になりまして、配給を改正することができる、こういうぐあいに確信をいたしておるのであります。こういうようなことから、この際この燃料の価格の安定、適正化をはかる抜本的な対策として、今日の油事情から見て、これ以上時日の遷延を許しません。これは政党政派を超越いたしまして解決すべき問題であると私は思うのであります。当委員会といたしましては、この際従来の行きがかりを捨てまして、党派根性を捨てまして、国民の声、漁業者の要請するところに従つて、本決議案を満場一致可決すべきものだと私は思うのであります。こういう意味におきまして自由党は満幅の賛意を表する次第であります。
  10. 田渕光一

    ○田渕委員長 この際小山倉之助君から発言を求められております。これを許します。小山倉之助君。
  11. 小山倉之助

    ○小山委員 私はここに議題となつておる決議案につきまして、実はただいま承知したようなわけでありまして、皆さん方のいろいろな議論をお伺いするいとまもないのであります。私は海岸地帯で生れた者でありまして、ことに三陸地帯における沿岸漁業家の非常に困難しておることを承知いたしております。この沿岸漁業家をどういうふうに保護すべきかということについては、予算委員会におきましてしばしば農林大臣に献言したことがあります。かようなわけ合いでありまして、その一環としてこの石油の配給の問題がここに起つておるのでありますが、この方面でも多少でも沿岸漁業家を援護することができるならば、その方法を講じた方がいいと思うのであります。たとえば捕鯨会社にいたしましようが、このほかのかつお、まぐろ、あるいは北洋漁業の方面にも外貨が割当てられておる。ことにほかの方面には外貨が割当てられておるのに、沿岸漁業だけはそれの割当がないということは公平を失するものであります。今日は御承知の通り遠洋漁業が盛んになりまして、それだけ沿岸漁業は困つておる形がある。そこで私は、東北あるいは北海道でも海面を広くして人工養殖をはかれということをしよつちゆう主張しておる。そういうふうなぐあいでそういう方法も必要であるが、同時にまた沿岸漁業家に石油を安く与える。これは適当な配分をして、これを保護して行くということは必要だと考えます。御承知の通り会社の方では、あるいは三菱石油にせよ、あるいは東亜燃料にせよ、丸善石油にせよ、三五%あるいは三〇%、二〇%というような高率な配給をしておるのでありまして、この点はあまりに商業資本あるいは大資本を援護しておるようにも見える。こういうことに相当援護しておるならば、零細漁民を救う、全国漁業協同組合の傘下にある漁業家を援護するということは当然のことであると思いまして、本決議案には無理がないのではないか。ただ松田君のただいまの議論によりますと、何かその間に行政上の措置をするまで待つてくれというのでありますが、ここに挿入された点、たとえば「外貨資金等その他適当の方法によるすみやかなる安定を期し、適切なる配給をもつてする」。一体ここで外貨を直接割当てよというのと、ここに形容詞のたくさんついたこの案とはどれだけの相違があるか。私としてはあまり相違がないと思う。もしこれを行政機構によつて実行するというならば、それは民主党に大いに努力していただきたい。この決議案はおそらくはそういう行政機構の改革、あるいはこれに反対の役所に非常に強い警告を与えるということにもなると存じまして、私は本案に賛成の意を表したいと思います。
  12. 田渕光一

    ○田渕委員長 社会党の辻君から発言を求めておられます。これを許します。辻文雄君。
  13. 辻文雄

    ○辻(文)委員 価格の面でこの決議案に対して御意見が述べられましたので、私はもう別に申し上げることはありません。しかしながらわれわれ社会党としては終始一貫、かような零細漁民の人たちが面接に影響を受けることはやらなければならぬのでありますから、自由党さんが今日までそれをやりきらなかつたということを松田委員から仰せられておりますけれども、私もそのことはさように思います。しかし今日目がさめて、吉田ワン・マンがのいて、罪滅ぼしにとでも申し上げるか、御賛成を願つておりますから、これは非常にいいことだ。また一面民主党は非常に明朗な、しかも大衆に利益するようなことをやるんだ。総理におなりになつて当初にそういう発言をなすつておる。両委員が積極的にこの原案に賛成するために御同意を願つたにもかかわらず、今のように附帯をして、こういうふうに原案を直したかつた。しかもこれがぼけて来る。またどんなに取扱うかということは行政措置の問題ですから、必然的にほかに手段もあるのではないか。私どもは野党で、常に与党の方々からさような苦汁をなめさせられておりますので、また疑うわけではないけれども考えなければならぬ。これは松田委員のご説明を聞いていても、一面聞きますと、空手形は出せないのだ、責任のあるものでやらなければならぬかというお話になつておりますけれども、それでは民主党の政調会その他で責任のあることをやろうといつて、ほんとうに零細漁民のことを考えていただくならば、これは御両所が今日数時間最後までがんばつてくださつた御精神が通じなければならぬ。それを通じなくて、松田委員と白浜委員がわれわれにここまで言わなければならぬというようにされたその本旨を考えますと、私はやはり疑わなければならぬ。こういうことでは私どもがせつかく民主党さんに同調をして内閣をつくつてあげたのが、たとえば亜政流権を倒すためだと言いながら、幾分でもいい面に、いわゆる時代感覚を持つて私どもの主義主張にも同調していただけると思つておつたら、この間の年末手当に対する五千円の税金すらも、そういうときにあなた方は御一緒になられた。こういうことを考え合せますと、私どもは今度ほ民主党と真向うから闘わなければならぬ、こういう気持がして、とうとう松田委員も白浜委員も、これは個人としては刎頸の仲でありながら、つらい思いをしてはつきりと闘争をしなければならぬよらな悲惨な状態になつておる。こういうことを先ほどこちらからも言われましたが、趣旨として同じなら、私は愛党精神はよくわかるけれども、苦労人の松田委員は、今まであなた方のところで御一緒の際にも野党色を持つておられたくらいだから、なぜもう一歩突き進んでやつていただかなかつたかというところに少々不満があるようであります。かようなことですから、集約すれば、さようなことは別問題としても、メーカーから直接に消費者へ渡す。たとえばその中に漁連が入りましても、漁連の性格は鈴木委員からるるおつしやられたようであります。かような性格のものに少いマージン、いわゆるほんとうの手数料でうるさいことをやつてやるという。そうして配給をする場合も偏重にならないように、しかもわずかのパーセンテージの手数料でございますから、どう言つても商業中心の石油業者よりは非常に安くとれる。また従つてさようなことをすれば全般的な価格も下つて行く。かように存じますので、この決議案だけは本案をそのまま通すことに私どもはむろん賛成をいたすのであります。
  14. 田渕光一

    ○田渕委員長 松田君にちよつと申し上げますが、各党の意見が終つたのでございます。それで先ほど自由党の討論いかんによつてというような御趣旨もございましたので、まずなるたけ短かい時間、せいぜい五分間くらいでひとつ反駁なさるように、この際御協力願いたいと思います。
  15. 松田鐵藏

    ○松田(鐵)委員 委員長ともあるものが、議員の発言を抑制するなどということは民主主義に反することであるので、ただいまの言はお取消しを願います。  今鈴木君から言われておる事情は同じことであります。私どもの個人の感情としては、この決議案にもつともつと強いことを言いたいし、したいのだが、これは緊急を要する問題だというのだ。一体何日前までこの委員会が自由内閣によつて開かれておつたのだというのだ。つい一週間前まで自由内閣であつたじやないか。そうして当委員会の委員長は田口君であつたじやないか。しかも鈴木君は理事であつたじやないか。その人々が何のためにきようどうしても決議をしなければならないかということなんだ。私どもは先ほど申したように、明日からでも鉱山部長に対して、どうかこの調整をするために暫定的な間でもいいから間接的な外貨の割当でもしてくれないかと言つて努力をし、しかもそれに対して明日からでも業者に交渉をするようにということであります。それまで努力をして来たものです。何もこの決議案に対してわれわれは不賛成の意図はない。しかし党内事情としてあなた方がここで決議をしたところで、現在の通産省の事務的な行政的な見地からいつて、ただちにできるできないということは非常に大きな問題なのだ。それを調整してやるのが政治なんだ。社会党の諸君にいつでも言つているのだが、君らは筋さえ通ればそろばんを知らぬ党だと言つている。筋を通し、そろばんをきちつと通して漁民大衆に利益を与えようという党は民主党なんだ。自由党はただそろばんさえ考えれば筋はどうでもいいのだ。今までやつたことはワン・マンで自分の意見が通らなければ民主主義じやないというのだ。それとはわが党は異なるのだ。そういうことで川村君なんかも筋さえ通れば政務次官は二百四十時間でもいいという。そういうのとこちらは実際において違う。そうして漁民の利益を明日からでもはかろうとするのだ。そこに真の政治というものがあるのです。それからこれは社会党の諸君と違うところなんだが、社会党の諸君は何でも組織々々と言つて、漁業協同組合も一つの組織と考えておる。われわれは常に漁業協同組合育成強化を叫んでおるものなんだ。理論とすれば同じことではあるけれども、そこに一点だけ異なることは、日本国民全体が四つの島にとじ込められておる今日において、みんなが分業でなければならぬということなんだ。一つの組織によつてすべての企業を独占するようなことであつては、ひいては日本の国はどうなるかということが革新派と保守派の差なんだ。ここにおいてわれわれは、今の行政の面に対して皆さんが決議せんとすることに対して一日も早く外貨の割当をしたい。しかし個々の点においてこの困難を役所においてどう調整するかということをよく考えて行くことによつて、初めて外貨の割当もやがては希望通りになろうということなんだ。その間一箇月か半箇月待てないという理由はないということから、私はこの決議案には賛成するものであるけれども、今ここに政治の面からいつて、順調に漁民に利益を与えんとする一番上手な方法を考えて行くということなんであります。われわれ民主党は弱い百二十名よりない内閣なんだ。しかし明朗な内閣なんだ。しかしそこにわれわれの意図というものは、役所を傷つけずに、強力に押さずに、順調な方法によつて通産省にも協力をさせることが真に漁民を愛する民主党の政策であると信じて、こういうことをもら少し待つてくれ、もう少しぼかしてくれ、ぼかして何が悪いか、責任を持ちましようということなんだ。白濱君なんかきようは、先ほども言うたが、まつ青な顔をして努力したものなんだ。もつと宣伝しなければならない。しかも外貨を割当てたということに対する通産省の今のとつておる行政があるというのだ。あなた方の議論から行けば、外貨はだれにでもやつているじやないか。割当てている。現実においてしておるのだ。こういうことをしているのがいけないのだ。それをなぜ漁民に対して与えないのかというのが私ども白濱君の議論なんだ。与えたらいいじやないかと言うのだ。二十万トンそこそこの外貨をなぜ与えるのが悪いかということなんだ。自由党の幹部が二人も組んでバナナの輸入をしているじやないか。それをぴたつととめたのです。すずこの輸入をしているじやないか。それもとめたんだ。しかもまたのりを輸入したじやないか。これらは、行政監察の委員、君が手がけなければならない問題だ。こういう事実が公然と現われておるために自由内閣が倒れたのだ。そういう外貨の割当までしている。いまわしいことであるから漁民に対して二十万トンの外貨の割当ができないという理由はないではないかというのが今日のわれわれの真剣に努力したことなんだ。それに対していま少し待つていただきたい。あらゆる努力をいたします。しかもここは役所の情なさなんだ。今までの機構とはかわつていないのだから、どうかもう少し待つてください。私は鉱山局長に対して、君そんなことできなかつたらやめてしまえと言つたのだ。いま少し待つてください。そうして漁民の利益のためにあなた方の意見が通るように、明日からあらゆる努力をいたしましようと、言つたのだ。しかももし間接な割当で、これも相手方がそれでも高いマージンをうんととるようなことがあつたならば、そのときこそは断をくだしましよう。いましばらくの間、あなた方の党の燃料対策が立つまでの時間待つてくれと言うのだ。それであるからわれわれは政調に対して、数のわずかな少数内閣のわれわれの責任においてこれを認めるかということなんだ。認めましよう。選挙は必ず第一党になる。過半数をとるのが民主党であるから、必ずそれは実現することであろうということでわれわれは意を強うして帰つて来たのであります。そういうことによるわれわれの苦労なんだ。であるから残念ながらそうした党の態度による行政保護しなければならないがゆえに今日心ならずも反対をせざるを得ないのだ。もう少し是正をしてくれと言うのだ。二つか三つの字句を入れることによつて――当委員会は今まで紛糾したことがないのだ。それを責任政治の確立を叫んでおる民主党だからこれに対して是正をせよと言うのだ。水産委員長、一体君はこれだけのことを言つているのにそれを理解できないで、自由党の諸君をまとめることのできないような水産委員長であつたならば何の水産委員長であるか。党からただ押しつけられて水産委員長になつても何もなりませんぞ。(「不信任だ」と呼ぶ者あり)不信任案も出きなければならないのだが、少数なるがゆえにできないのだ。よつて私は決議には賛成するのだけれども、そういう事情のもとにでき得ない。真に漁民に対してわれわれは政治的な面に協力しておる。これ以上のことをしてやろうというのです。私は残念ながらこの決議に対しては賛成でき得ないことを諸君は御了承願いたい。
  16. 田渕光一

    ○田渕委員長 他に御発言もないようでありますから、ただいまの山中君の動議について採決をいたします。賛成の諸君の起立を求めます。   [賛成者起立〕
  17. 田渕光一

    ○田渕委員長 起立多数。よつて山中君の動議のごとく決しました。  なおただいまの決議は委員長において関係大臣あて参考送付することといたします。  なおこの際委員長から特に通産省側の出席政府委員である鉱山局長川上為治君に特に申し上げておきまするが、御承知の通り憲法第四十一条には、国会は国権の最高機関であると明記されております。往々常々決議が空文化して実施されておりません。この決議を尊重されまして、ただちに実行に移るべく緊急なる措置をとることを特に要望しておきます。
  18. 赤路友藏

    ○赤路委員 関連して……。ただいまの民主党の松田委員からいろいろ反対ではないややこしい討論がありました。たしかに松田委員が言われるように、今日までその問題が放擲されておつたということは、これは明らかに吉田内閣の罪であることを私たちも認めざるを得ないのであります。ただ私の申し上げたいことは、特に鉱山局長もおいでになる。民主党の両君もおいでになるので、これは御要望でありますが、貿易外資金によつて購入されておる保税油のあることは御承知の通りである。これは民主党の諸君も聞いておいていただきたい。  〔委員長退席、鈴木(善)委員長代   理着席〕  これは今年の下半期で大体十一万キロリツトルが予想されておるのでありますが、これらのものが母船式のまぐろ漁業、捕鯨漁業に無税で、しかも安価なものとして利用させておるということは事実である。そう考えて参りますと、こういうような大資本漁業の面のみが安い無税の燃油が使われておるということ、しかも沿岸の零細な中小漁業者のみが商いものを使わなければならないということ、この事実を民主党の諸君はたな上げしてはならない。(松田委員「よく知つておる。きようもそれをやつたのだ」と呼ぶ)こういう事実がある。だから私はこういう事実をそのまま認めるとするならば、当然この決議事項は実施してもらわなければならぬものだと思う。もしもこの決議事項が実施されないということになると、いかように松田代議士がここでほえても、民主党の本質は吉田反動内閣と何らかわらぬ、これは明らかである。この点を私は鉱山局長と民主党の諸君に特にお願い申し上げておきたい。これだけであります。
  19. 松田鐵藏

    ○松田(鐵)委員 赤路君の議論は議論として聞きおきますが、現在行われている通産省行政機構は、自由内閣によつてつくられたものなんである。わが党は、こういう問題はよく知つておるのだ。資本漁業のものも大型の漁船も、無税の油を外国へ行つて買つて来る。そのために外貨の割当をしておるのだ。それは一つの機関を通じてしておるのだ。販売機関を通じてしておるのだ。単にその会社なら会社が外貨の割当を受けてやつておるんじやないのだ。それが自由党の今まで行つておつた行政なんだ。そこでわれわれは、これを是正せんがために燃料対策委員名をつくり、しかも党としてりつぱな政策を立てて、こういうものの是正をせんとするわけなんである。これは民主党でなければできないのだ。吉田内閣ではできなかつた理由がここにあるのだ。そういうことにしてやるんだから、その期間を待てとこう言うんだ。いかに決議をしたところで、鉱山局長がやろうとしても、その上には大臣がいるんだ。大臣といえども、政務次官といえども、党が決定したことのみやるんだ。また自分の意見をそこでもつて発言して、政策を練る。社会党は、決議をすればただちにそれが実行できるように思うのは問違いだ。筋さえ通して、そろばんを知らぬのが君らの党なんだ。そこなんだ。もう少したてば、われわれは君らの言うように筋を通して、そろばんもきちんと合うようにつくり上げる。その期間だけはいま少し待つてくれ、それは明日から業者との折衝をさせるということまで確約をしてあなた方に述べたのだ。これがわが民主党の漁民に対する誠意のあるやり方なんだ。決議をすればそれで物が通ると思つても、鉱山局長一人で何ができるか、君。大臣もおれば、党もあれば、鉱山局長ばかり責めるなんということはまつたく奇妙なことなんだ。役人を責めれば何かできるかと思つても、天下の通産省の高官といえども、内閣がかわつたならば内閣の方針に従つてやつて行かなければならない。今自由党の残務整理を――すべての悪いことをわれわれが整理している段階なんだ。それを賢明な赤路君知らぬわけはないだろう。それをしらばつくれているのは、君らにこのごろちよつとずるさが出て来たんで、まあいよいよ政治家になりかけて来たと思つて私は了承するが、こういうことなんだ。ようく政治の行き方というものを教えておきますよ。これが民主党の正しい行き方なんだ。だから誤つた点は――よい点は何でも聞きます。民主党は何でも聞いている党だから、君らももう少しどういうことになるかということを考えて、そうしてわれわれに御協力を願いたい。
  20. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 漁業用燃油に関する議事はこの程度にとどめます。
  21. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 次に漁船の安全航行に関する件について調査を進めたいと思います。川村君から発言を求められております。川村善八郎君。
  22. 川村善八郎

    ○川村委員 私は、海上保安庁並びに大蔵省に対しまして、灯台の施設及び巡視船及び救助船の建造等に関しまして質問をいたしたいと存ずるのであります。  海上保安庁が、これまで灯台の設置やあるいは巡視船、救助船が非常に不足しておるにもかかわりませず、最大の努力を払われまして、船舶の航行はもちろんでありますが、漁船の航行は遭難等の救助に大きな功績を残されまして、わが水産界に貢献をしてくださつたことに対しまして心から、感謝の意を表するのであります。まだ大蔵省の出席がございませんので、まず海上保安庁に対しまして、灯台の設置につきまして御質問を申し上げたいと思うのであります。  灯台設置の目的は、おそらく貨客船の航行の安全をはかろうという意味から出発して、まず大きな灯台を設置しようという考え方で今日まで進んで参つたものと存ずるのであります。これによつて貨客船の航行にはやや安全な措置を講じられておりますけれども、最近漁業の発展に伴つて、しかも一トンから数千トンまでの漁船が約十三万五千隻にも及んでおりますが、それらは主として沿岸漁業の漁船でありまして、遭難等が非常に多くなつております。そこで要所々々に小さな灯台を設置していただくならば、漁船の航海はもちろん安全となりますし、遭難も防止ができるのであります。かつ漁港等の入口に灯台を設置いたしますと、入港に非常に便利になつて漁業者も喜び、漁船の遭難も少くなり、増産もできると私は考えているのであります。そこで全国から小灯台の設置が相当要望されておると思うのでございますが、私の考えでは、これらの要望を入れてみさき、みさき等に、また暗礁のあるところ等には小灯台を多数設置してやるべきだと思いますが、海上保安庁といたしましては私のようなお考えを持つておるかどうか、またその要望をいれて燈台を設置するといたしまするならば、大体何十箇所くらいになるか、またその経費はどのくらい要するかということをまずお伺いいたしたいのであります。
  23. 西田豊彦

    ○西田説明員 お答えいたします。たいへん航路標識について御理解の深い御質疑をいただき、御鞭撻をいただきまして、ありがたくお礼申し上げます。ただいまの御質問は、全国の小型航路標識についての要望箇所並びに金額はどのくらいであるかということでございましたが、御承知のように、水産関係の船は、どもらかというと小型船舶でありまして、航洋船のごとく遠いところを航海するというよりは、むしろ沿岸に沿つて航行するということが多うございますので、これらの要求に応ずるためには、みさきあるいは半島、小島というようなかどかどに沿岸航行用の航路標識を設置する必要があると思います。また、こういう航行をいたしますと、ともすれば暗礁その他の浅瀬というもの、すなわち、水中航路障害物というものにぶつかる可能性が非常に多いので、これらに対しても対策を考えておるわけであります。それから最後は港湾の防波堤その他の灯台でございます。私たちが、水路部の調査によりまして、全国のこれらの航路に近い水中障害物はどのくらいあるだろうかということを研究いたしました結果は、大体千四、五百という数が出るのでありますが、しかしながら、その中につきましても、特に最近輿論調査をいたしました結果、ぜひつけてもらいたいというのは約四百箇所でございます。私たちは、これをいろいろの角度から研究いたしまして、大体沿岸航行用のための小型航路標識を約百基と考えております。それから障害表示用の航路標識を約三百基、それから港湾の出入りに必要な防波堤その他の燈台を約百五十基、すなわち全部合せまして約五百五十基の小型航路標識を設置すれば、大体水産関係、あるいは機帆船関係の御要望には全部応じられる、もちろん完全とは申し上げられませんが、大体この程度ができればいいのじやないかと思つております。それで、その金額でございますが、これは小型標識でございますから、一箇所百万円から二百万円で、二百万円と計算いたしますと、十一億でございます。すなわち、十一億の金額で五百五十箇所の小型航路標識を設置すれば、ほとんど全国沿岸について、小型機帆船あるいは一般漁船の御要望にはこたえ得るのではないかと考えております。
  24. 川村善八郎

    ○川村委員 大体小型標識の五百五十基を設置しますと、完全とはいえないまでも、漁船の航行等については安全をはかられる、しかも金額が十一億で済むということを聞きまして、われわれもこのことに大いに努力を続けて、ぜひその設置をしなければならぬようにしたいと存じております。  そこで第二に、巡視船、救助船等の問題についてお伺いいたしますが、今までわれわれの聞くところによりますと、巡視船が不足であるということから、警戒あるいは収締り等が十分でないということも聞いておりまするし、さらに、適当な救助船がそう数ないので、遭難の場合にも、心ならずも十分な救助ができないという叫びを聞いておるのでございます。これらにつきましても、大体巡視船はどのくらいの隻数、あるいはトン数がありましたら、完全な取締りなり監視なりができるかということと、さらに救助船等も、同様どのくらいの隻数あるいはトン数がありましたならば、あなた方のいわゆる完全救助ができるかということについてお伺いいたしますが、あわせて、これの建造費等に要するものは、大体においてどれくらいの金額になりますか、その点をお伺いいたしたいと存じます。
  25. 砂本周一

    ○砂本説明員 私ども、至らないと思つて常に反省しておるのでございますが、ただいまは、非常に巡視船が活躍して御用に立つているという御激励の言葉をいただきまして、こういうことが前線に働いている者の志気を一番鼓舞するのでございますから、この席を借りまして厚くお礼を申し上げます。  海上保安庁は、御承知のように発足後間もございませんし、特に、政府機関が船艇を持ちまして海上の安全を確保するというはつきりした機関としては、戦後の機関でもございます。また海上の安全につきまして、はたして一般に十分の認識があるかどうかということになりますと、多分に疑問の点もございます。従つて、現在必要といたします施設におきましても、非常に不足を感じておるわけでございます。先ほど燈台の面におきまして、大体どの程度あればます必要限度の性能が発揮できるかというお話もございましたが、船の面におきますといろいろのフアクターが入りますし、困難でございますが、しかし何か一つ相当の根拠を持ちましためどをつくることは絶対に必要なのでございまして、現在私どもがいろいろ過去の経験から擁し、将来を勘案した一応の船艇の勢力といたしましては、二百五十五隻という数字が出ておるのでございます。この二百五十五隻と申しますのは、いろいろ性能とか大きさによりまして内容が多岐にわたつておりますが、現在持つております巡視船を標準にいたしまするならば、現在私どもが公式に巡視船と名をつけておるものは九十六隻でございます。それに、この巡視船の補助といたしまして三十五隻でございまして、これを合せますと、二十九年度末で百三十一隻になりますが、この程度の性能を持つものを対象といたしまして、一応二百五十隻という数字が出ております。これは必要な最小限度でございまして、二百五十五隻でもつて万全だということは言えないと思うのでございますが、一応の目標といたしましてはそういう数字が出ております。しかし、御承知のように船は非常に金もかかりますし、現在の国情におきましては、今申しました目標を二百五十五隻に置きましても、それが完全に建造できますことは事実上とうてい困難でございますので、その二百五十五隻の中で、どうしてもさしあたつているという範囲をなお局限いたしまして三年計画を立てたのでございます。その三年計画はちようど三十一年度一ぱいでございますが、その三年計画によります建造計画がもし許されるならば、その三年後の勢力がただいま申しました船の範囲におきまして百五十三隻であります。しかし私どもの業務をある程度完遂いたしますのには三箇年にはぜひ実現したい、こういうふうに努力はいたしておりますが、何分にも予算の制限を受けまして思うように参りません。今申しました三年計画は、今予算の一応の請求はいたしておりますが、三十年度からその請求をいたしまして、十分御認識をいただいてその実現に当りたいと思うのであります。しかしながら今までの実績を見ますと、非常に急にできましたし、発足当時にいろいろ旧海軍その他の古い船を集めておりますし、現在使つております船の新造も非常に焦眉の念に迫られておりますが、その一面、先ほど申しましたように、非常に多くの船がいるわけでございますが、なかなか予算面でその実現が困難であります。従つて現在の実情はどらかと申しますと、二十九年度におきましては、その新造という、増強の面では一隻も認められていないのであります。ただ非常に古くなりまして、使えない船をつぶしまして、それで出ます乗組員の数を一応基準といたしましてつくつてもらつたのが三百五十トン一隻と、先ほどの巡視船の一つの補助として若干あげましたそのクラスの、二十三メーターと申しておりますが、約五十トン内外の船でありますが、これが二隻、こういつた非常に私どもの最小限度の勢力に比べましてほんにとるに足らぬ、しかも隻数にしまして、増強にあらずして古くなつて使えない船の代替にすぎない、こういう現状でありますので、私どもも大蔵当局その他に十分実情を申し述べて、その必要な実情はよくわかつていただいておるようでございますが、今後古い船の代替もさることながら、さらにその真の増強になります面につきましても努力をしたいと思うのでございます。今後も御後援のほどをお願いしたい、かように考えます。  それから船艇ほいろいろ内容があるのでございますが、さいぜん起きましたたびたびの台風、あるいはまた漁業が非常に遠洋に出て参りますので、船型を大きくする必要もあるのでございます。これは海上保安庁発足当時も大きい船の必要は痛感しておりましたが、何分にも数をふやすことが非常に急でございましたので、巡視船も、割合比較的金のかからない小型二百七十トン型とか、そして今申しましたやむを得ず補助巡視船としての五十トン内外の二十三メーターの数をふやすことに重点を置いた、こういうことでございまして、今後も全体の数をふやしますとともに、内容も大型船をかなり加えて行く必要がある。これはやはり結局予算の面に大きく響きますので困難かと思いますが、さらに努力を続けて行きたい、かように考えます。  それで全体の最後の案に対しまする予算は、いろいろ別型の問題もございまるしむずかしゆうございますが、ただ私どもが三十年度これから要求しようという三箇年計画の初年度の船艇の経費につきまして出しておりますが……。(白浜委員「三百五十トン型はどのくらいですか」と呼ぶ)三百五十トン型はこれは二十九年度にきまつたものでございますが、三百五十トン型一隻が一億三千四百万円でございます。これはちよつと説明を加えさせていただきたいのでありますが、一億五千万円から七千万円はかかると思います。非常に造船界の不況その他の関係もありまして、若干不当な値で落ちているという事実もあるのでございますが、やはり一億五千万円程度だと思います。それから二十三メーターでございますが、これはやはり三千五、六百万円はかかると思います。船はスピードを出しますと大分エンジンの馬力がふえますので、なかなか一様には参りません。(白浜委員「三百五十トンくらいでどれくらいスピードが出ますか」と呼ぶ)三百五十トンは従来あります二百七十トンの性能にかわるものとしてつくつたのであります。これは馬力をふやす関係その他いろいろ性能を改善したのでありますが、今あります巡視船が、建設当時の最大速力十五ノツトで押えましたから、十三ノツト程度普通使つております。それから新船の一つの必要は性能よりスピードでございますので、今後つくりますのは十八ノツトを大体基準にしたい、こういうふうに考えております。これからいろいろ要求をしようと考えまする船艇は、先ほど申し上げましたように型の大きいものが必要でございますので、予算の関係もございますので六百五十トン……。
  26. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 速記をとめて。   〔速記中止]
  27. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 速記を始めて。
  28. 砂本周一

    ○砂本説明員 それでは先ほど申し上げました三箇年計画の内容、それに対する船型、建造予定額、これに対する人員、これはできておりますからさつそく届けることにいたします。
  29. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 川村君に申し上げますが大蔵省の岩尾主計官が見えましたから……。
  30. 西田豊彦

    ○西田説明員 先ほどの御説明にちよつと補足させていただきますが、先ほどは漁船あるいは機帆船に対する小型航路標識の問題だけをお答えいたしましたが、なおそのほかに漁船として御要望のある問題は電波標識、ことに北海道の地区等におきましては霧に対する心配が多いようでございますので、これに対する電波標識あるいは霧信号というものに対する御要望も各方面にあるように存じておりますが、その点ほ触れずにお答えいたしましたが御了承願います。
  31. 川村善八郎

    ○川村委員 ただいま巡視船並びに救助船の問題について御説明を願つたのでございますが、もう一回聞き返しておかなければならない点は、現在巡視船は大型といいましようか、相当役立つたのは九十六隻、それに補助船が三十五隻、百三十一隻あるわけでございます。そこでこれが大体二百五十五隻になれば、完全無欠だとは言えないけれども、海上保安庁としての十分なる性能をあげることができる、こういうのであるか、さらに過去にあるものに新しいものを入れて二百五十五隻あればいいというのか。つまり新しく二百五十五隻というものが今後増加されなければならぬというのか。この点をひとつ御答弁願います。
  32. 砂本周一

    ○砂本説明員 一応私どもが可能な範囲の最小限度の必要量といたしまして二百五十五隻と申しましたのは、現在あります船を加えてでございます。これは先ほど申しましたように、だんだんかえていくものもございますが、現在で押えましたときに二百五十五隻であります。そこでこの二百五十五隻は、先ほど繰返し申しましたように、いわゆる巡視船とその巡視船に準ずるものでありまして、港内艇と称するものがございます。これを加えますと現在でも三百隻でございます。これも港内とか、あるいは防波堤の近海とか、また相当港外にも出ましてある程度の仕事をするのでありますから、これを加えますと隻数はふえるわけであります。小さいフエリ・ボートとか港内艇とかは十八メートルで、先ほど申しましたように二十三メートル以上を補助巡視船と申しておりますが、数からいいますれば、小さいのを加えますと三百隻はございます。これはほんの港内あるいは防波堤の付近でいろいろ犯罪捜査あるいはそういつた近くの海難救助にも活躍しておるわけでございますが、その港内艇に類するものも今後は当然ふえて行かなければならぬわけであります。二百五十五隻というのは巡視船あるいはこれに準ずる二十三メートル以上のものであります。
  33. 川村善八郎

    ○川村委員 それでは大蔵省の方がおいでになつておるようでございますから、大蔵省の主計官に御質問いたしたいと思います。先ほど小さな航路標識を立てれば、十三万五千隻もある漁船の航海の安全がはかられますし、漁民に与える損害も少くて、生産の増強もできるということで、これに対する海上保安庁の考えはどうかということを承つたわけでございます。そのお答えには、現在大体十四、五百箇所の要求があるが、そのうち約五百五十箇所ほどそれを設置いたしましたならばその目的が達せられる、しかも金額はたつた十一億で済むという御答弁があつたのでございます。そこで大蔵省の方にお伺いいたしたいのは、漁村から小さな燈台設置の要求が相当ありますことは御承知かと思いまするけれども、漁船は主として沿岸を走るのでございまして、とかく濃霧とかあるいは夜間等を航海して行くことがこれまた多いのでございまして、遭難が非常に多いのであります。そこで海上保宏庁の御答弁を聞きますと、五十箇所で十一億の金があれば海上保安庁としての目的が完全に達せられるということでございます。かつてわれわれは、漁船損害補償法で漁船保険補助金を大体一トン以上百トン未満に対して政府が出すということになつたのでございます。そこでこの海難が防止されますと、政府から出していただく再保険保険金の支払いが非常に少くなることは火を見るより明らかでございます。従つてこの海上保安庁の燈台部の要求をいれてやりますと、一方には燈台の費用が十一億かかりますけれども、これによつて何百年という間漁船の災害が救われ、遭難が救われる、そして再保険による保険金を政府からとらなくてもいいということになりますと、むしろ国家の財政に非常な有利になるのではないか。言いかえるならば、保険金を出さないようになりますれば、国家の負担も非常に軽くなるということに相なりますので、こうした小さな航路標識、これをわれわれは燈台と言つておりますが、燈台を設置してやることに大蔵省が難色を示しておるようなことも聞いておりますが、この点について大蔵省の御所見を伺いたいと思います。
  34. 岩尾一

    ○岩尾説明員 お答えいたします。沿岸航海用の漁船等のために必要な小型の燈台あるいは浮標等についての予算要求に対して、大蔵省の方でどう考えておるかというような御質問でございます。  現在の日本の燈台の状況は、専門家の方から詳しくお話になつたと思いますが、諸外国と比べまして決していい状態にあるとは言えません。従いまして、毎年燈台についての航路標識の整備費というものを入れておるわけでありますが、現在の沿岸航海用の漁船について十一億の金を投ずれば航海が完全に安全になるようなそういう規模の航路標識の敷設になるのだという点については、私まだよく検討しておりませんので、数学的になおあとで検討いたしたいと思います。現在海上保安庁の予算は、昭和二十九年度におきまして、節約前で五十九億、約六十億でございます。それから二十八年度も大体六十億足らずのところでございました。その中でただいま申されました小型の浮標以外に、先ほど部長さんからお話になりました電波標識その他の霧信号等も入れまして、航路標識整備のために昭和二十八年におきまして約四億五千万、それから二十九年度節約前におきまして三億二千万という金を入れておるわけでございます。それで、実は海上保安庁の要求というのは今申しましたようなことで、大体六十億の中でその程度のものが毎年入つておる、しかも要求自体には、燈台だけではなくて水路部関係のいろいろな海図等をつくるための七百トン以上の新しい観測船をつくつてもらいたいというような要求でありますとか、あるいは警備救難のため、あるいは密漁、密貿易を押えるためのいろいろな巡視船の建造計画、その他いろいろとございまして、そういつた各種の要求の中でどういうものに重点的に力を注いで行くか。六十億というような毎年海上保安庁に入れております予算というものがかりにわくといたしますれば、ほかのわくを減らさなければいけないということになりますし、その辺は御要求の趣旨をよく検討して研究いたしたいと思います。まだ現在の状況では確定的な査定に至つておりませんので、今後大いに研究いたしたいと思いますが、海上保安庁の方でも一挙にこれをことし解決したいというところまではお考えになつておらないと思います。やはり毎年々々金を入れて行つて、そうして補充交代というようなものもありますし、そういうものを補充して行きながら、外国に負けないような航路標識の設置をして行くということになるのではないかと思います。十一億をすぐことしやつてしまえとおつしやられれば私どももお答えしにくいのでありまするけれども、よく御趣旨を体して、私ども航路標識の重要性にかんがみまして、できるだけの予算を組んで行きたいと思います。
  35. 川村善八郎

    ○川村委員 ただいま大蔵省の方から御答弁がありましたが、ももろん十一億という金を一回に出せというようなことをわれわれは要求しているのではございません。五百五十箇所もございますので、おそらく一年にできますまいということは、われわれしろうとでも考えがつくのであります。私の大蔵省に対する要望も、かりに海上保安庁の方から三年の計画あるいは五年の計画が出ました場合に、ぜひその要望に応じてもらいたいというのが、私どもの念願でございます。かくいたしますならば、漁業者が非常に航海の安全が保たれますし、遭難も薄くなる。それから、さらにまた漁船損害補償法による損害も薄くなりますので、国家の予算等も再保険による出し方が薄くなりますから、こうしたことを考えますならば、やはり海上保安庁の計画に御協力願いたい、かようにお願いを申し上げたようなわけであります。  さらに巡視船等の問題につきましても、これらも一挙になかなか国家財政では解決をつけることはできますまいけれども、やはり取締りの面においても、あるいは監視の面においても、救助の面においても、非常に貢献することが大なのでありまして、これまでは巡視船並びに救助船がまことに不足したにもかかわらず、あの荒波と闘つて漁業者を救つているということからいたしますと、漁業者にとりましては、海上保安庁のおやりになることは神様よりありがたいと感謝しているのでありますから、漁民の要求はもちろん入れてもらわなければなりませんし、それによつて大いに増産もでき、しかも漁業による生産物で外貨の獲得ができるということにもなりますし、食糧問題の解決もそれによつてできるということになりますので、どうか海上保安庁の巡視船に対しましては、できるだけ大蔵省も協力していただいて、ぜひ実現を期していただきたい。お願いを申し上げて、私の質問を終る次第でございます。
  36. 白浜仁吉

    ○白浜委員 川村委員から詳しく私の言いたいところを言い尽したようでございますが、終戦後非常に苦しい中から、海上保安庁が特に沿岸漁民その他海上の安全航海のために努力を尽されておるということを、当事者として私ども非常に多といたしておるのでございますが、ともすれば従来大蔵省の考え方が、この消極面の救助と申しますか、そういうふうな面についての関心が非常に少かつたのじやないかということを、私ども常に痛感をいたしておるのでございます。今主計官から非常に好意ある御意見を承つて、非常に安心をいたしたのでございますが、私どもは、ただいたずらに建設面だけを考えずに、この建設した面をどういうようにして維持し、また育てて行くかということを一方の面から考えて、有効に金を使つてもらいたいというふうな意味からも、この海上保安庁の担当しておる仕事が、縁の下の力持ちでありながら、いかに国力の増強に役に立つておるかということをあらためて考え直して、どうか当務の係官としても、御苦労は察するにあまりあるが、今後とも一層御努力をしていただきたい。私はこれだけを簡単に要望をいたしまして、お願いする次第であります。
  37. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員長代理 それでは本日はこの程度にとどめ、次会の開会日時は公報をもつてお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後四時五十五分散会