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1954-03-02 第19回国会 衆議院 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 1号 公式Web版

  1. 本小委員は昭和二十九年二月二十四日(水曜日) 委員長の指名で次の通り選任された。       小平 久雄君    始関 伊平君       田中 龍夫君    土倉 宗明君       中村 幸八君    福田  一君       村上  勇君    長谷川四郎君       柳原 三郎君    齋木 重一君       帆足  計君    伊藤卯四郎君       加藤 鐐造君 同日  長谷川四郎君が委員長の指名で小委員長に選任  された。     ――――――――――――― 会議 昭和二十九年三月二日(火曜日)     午後一時五十一分開議  出席小委員    小委員長 長谷川四郎君       小平 久雄君    始関 伊平君       田中 龍夫君    土倉 宗明君       中村 幸八君    福田  一君       柳原 三郎君    齋木 重一君       加藤 鐐造君  出席政府委員         通商産業事務官         (公益事業局         長)      中島 征帆君  小委員外の出席者         議     員 帆足  計君         通商産業事務官         (公益事業局ガ         ス課長)    吉田  剛君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  電気事業及びガス事業に関する件     ―――――――――――――
  2. 長谷川四郎

    ○長谷川委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。先日の小委員長の協議によりまして各小委員会とも各党それぞれ一名ずつの幹事を設けることになりました。本小委員会といたしましては、自由党の田中龍夫君、社会党は齋木重一君及び加藤鐐造君に御依頼申し上げたいと存じます。また各小委員会は、おのおの定例日あらかじめ定めることにいたし、本小委員会といたしましては、毎週火曜日の午後一時といたしたいと存じます。以上決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長谷川四郎

    ○長谷川委員長 それではそのように決定いたします。  本日は、電気及びガス事業の諸問題について、政府当局より説明を聴取いたしたいと存じます。中島政府委員。
  4. 中島征帆

    ○中島政府委員 資料がまだ全部届いておりませんが、ただいままでにお手元に差上げました資料のうちから逐次御説明申し上げます。  最初に簡単な方から申し上げます。「都市ガス施設の拡充について」という資料がございます。ガス事業法は、先般来当通産委員会で御審議をお願いいたしておりますので、その内容等につきましては説明を省略させていただきますが、これに関連する問題といたしまして、ガス事業といたしましては、いわゆる五箇年計画をつくりまして、将来五箇年の間に戦前のレベルまでガスを持つて行こう、という計画を昨年立てております。これの内容につきましては、先般も一部の委員の方には御説明いたしておりますが、本日あらためて、配付資料に付きまして、簡単な御説明を加えますと、この五箇年計画をつくりましたゆえんのものは、戦時中都市のガス事業におきましても、相当戦災の痛手を受けまして、設備あるいは配管等においてかなりの破壊を見ております。その結果ガスの需要がありますにもかかわりませず、なかなか思うようにガスが引けないという事情が続いているわけであります。これを早急に戦前のレベルまで持つて行くためには、五箇年間にどういうようにするかということが、このガス事業五箇年計画の内容でありまして、これを都市ガス施設の拡充という標題で考えておりますが、これのねらいといたしておりますのは、この資料の二枚目にございます通りに、ガス施設拡充画総括表の中で、たとえば、昭和二十八年の欄を見ますと、上から六行目に普及率のパーセンテージといたしまして、三三・六%というのがございます。これが現在のガスのある都市にれける総需要戸数に対する実際にガスが引かれている普及率を現わしているわけでございますが、実際の戸数に対して三分の一程度しか普及していない。戦前は四〇%以上の普及率でありましたが、昭和三十二年度までに四〇%以上まで持つて行こうということであります。現在こういうように非常に普及率が低いということは、いろいろな事情がございます。第一に今日までガス事業におきましてそれぞれ設備の拡充をいたし、また破壊された設備を復旧しておりますが、なかなか需要に追いつかない。しかも一面におきまして、人口の都市集中の現象からいたしましても、需要はどんどん伸びつつあり、また文化生活の普及という点からいたしましても、単位当りのガス使用量がふえつつある。こういう事情が一面にある。それから他面におきましては、ガスを使用しない場合におきましては、家庭燃料としては他の木材資源を要します。薪炭等の燃料を相当使つているわけであります。こういうふうな木質燃料を相当使うということは、森林資源の維持確保という点からいつて非常な問題がある。現在伐採されております木材の量と森林の成長量と比較いたしますとすべて成長量を相当上まわつた伐採がなされているというようなことが、昨年の一月でございましたが、内閣の資源調査会の報告によつて明らかにされております。従つて、資源調査会の結論といたしましては、都市におきましてはできるだけガスを普及して、木質燃料の節約をはかる。いなかにおいてはガスの普及ははなはだ困難でありますから、できるだけ木質燃料の使用の合理化をはかる意味において、かまどその他の設備の改善をはかる、こういうような結果が出されております。その内容は総理大臣に勧告書のかつこうで出させているわけであります。そういう関係もありまして、都市のガス施設は今日できるだけ早急に拡張する必要がある。現在までにおきましても、戦前と比べますと設備等はかなり強化されておりますけれども、需要と比較いたしますときわめてまだ不足であるわけであります。この表によりますと二十八年度の普及率は三三・六%でありまして、メートル一箇当りの消費量は年間九百十三立方メートルになつております。これは戦前のメートル一箇当りの消費量と比べると、非常に多くなつております。従つてガスの生産量は、こういう低い普及率にもかかわらず、戦前をすでに上まわつているという状況でございます。たとえば二十八年度におきまして供給ガス量は十七億立方メートル、これは戦前最高と比べましてすでに上まわつているわけであります。そういうことは結局一単位当りのガスの使用量がふえ、しかも需要の戸数もどんどん増加しつつある。こういう情勢にかんがみますと、現在の程度の設備で不足であるのはもちろん、普通に放任してある場合の設備の拡張の程度では、とうてい需要に応じ切れない。そういう状況にございますので、そういつたような事情も考えまして、昭和三十二年度に普及率を四〇%にしますためには、設備もガス製造能力といたしまして、二十八年度の日産八百一万立方メートルを千百五十七万立方メートルまで上げる。これは需要戸数の増加に比べますと、製造設備の増加率はそれより上まわるわけであります。これは一つ一つの検討いたしますと、そういうことがはつきりわかるわけでありますが、そういうふうな趣旨におきまして五箇年計画をもつて戦前のレベルまで持つて行くというふうに計画を立てたのがこの拡充計画であります。それではこういうふうな計画を実行するためにどういう手段が必要か、これが一番下欄の設備資金所要額というところに出ておりますが、全体といたしまして、一番下欄に各年度ごとに合計額が出ております。たとえば昭和二十八年度においては九十六億余、二十九年度においては百十億、三十二年度には若干減りまして、七十八億ということになつておりますが、五箇年間を集計いたして大体五百五億ということになります。従いましてこの五箇年計画を実行するためにはこの五箇年間に五百億の資金がいるということになるわけでありますが、さらにこれに一部償還に要する資金を加えますと、結局要調達額といたしましては八百億程度のものがいるということになつております。このうちで将来これだけの拡充をいたしますと、現在のガスの設備の単価からいいまして今後のものは建設費が増高するのは当然であります。従つてそれに応じでガスの原価も上るという趨勢にございますので、それをできるだけ抑制するためには、この五百億ないし八百億の資金調達の内訳をできるだけ金利の安い資金でもつてまかなうということが必要であります。しかし今日では、たとえば二十八年度においては九十億以上の所要資金に対して、国家資金であります開発銀行の資金は八億程度しか出ておりませんが、これを将来できるだけこういう金利の安い資金に切りかえるような努力をいたしまして開銀資金等をできるだけこのガス事業にもつぎ込みまして、コストの増高を押える必要がある。従つて総計五百億ないし八百億の資金のうちで相当部分を開銀資金に期待する必要がある。こういうことが問題になつておるわけであります。むろんこれは拡充が進行いたしますと、コストが上り、原価も上るということになるわけでありますが、こういうものが実除に表面に現われますのは、電気と違いましてまだこれから先の問題でございまして、ここ一年やそこらで、このためにガス料金を上げなければならぬという事情はないということはお断りしておきます。ただ五箇年画計が実現いたしますと、ほかの事情が全然そのままと仮定いたしましても、設備拡充の画からだけで現在のガスの平均原価が五%から一〇%程度までは上るだろうという見通しがつけられておるわけであります。  それからこの拡充に関してのいま一つの問題は、石炭の問題でございます。現在石炭は大体余りかけておる状況でございますけれども、ガス用炭につきましては御承知のようにかなり品質を吟味いたしております。これは副産物としてきわめて重要視しなければならないコークスの品質が、原料炭によつて左右されますので、そういう関係からいたしましても、またガスの発生量からいたしましても、今日の設備ではかなり良質炭を要求しております。従つてその面からいたしまして、ガス事業に要求されるような石炭の確保について将来問題がないかどうかという点でありまして、石炭の量も現在では年間三百万トンから三百五十万トン程度使われておりますけれども、五箇年計画完成後におきましては、四百六十万トンというふうな大きな数量を使うことになります。従つてその点につきまして、まず現在の見通しとしては、これの国内における確保は問題はなかろうという見通しでありますけれども、必ずしも手放しの楽観は許されないという事情がここに一つございます。  それから品質の確保という点につきましてはこれを全部国内炭に供給を仰ぐということは、質的に申しまして不十分な点がありまして、一部は特に良質な粘結炭あるいは無煙炭等を輸入しなければ所要のコークスができないという点もございまして、原料炭についてもある程度の輸入は必要になるわけであります。  それからいま一つは、ガスの使用の面におきましても、やはり電気と似たように、時期的に、あるいは時間的にピークがありまして、それに対応するためにはそれだけの設備を持つていなければならぬ。ところが石炭ガスの設備をそれだけ余裕を持つということは、今日のような建設費の高いときにおきましては非常に不経済なことになります。従つて現在ではそのピークを処理するために、東京、大阪、等の大ガス会社におきましては、石油ガスの発生装置を持つております。これはきわめて簡単な設備で、割合に建設費も安く、一時ピークに早急に対応して多量のガスを発生できる設備でありますが、これはその原料といたしまして重油消費いたします。これはあくまでピーク調整に使いますので、本格化する必要もありませんし、そういう意図もございませんけれども、最小限度のこういう設備は今後もどうしても必要である。そうしますとその面におきまして重油をやはりある程度確保しなければならない。二十八年度ではこの石炭消費量の欄の中で、括弧で示してありますように、四万五千キロリツターを使つておりますが、将来一般の石炭ガス設備の拡充に伴いまして、石油ガス設備もこれに対応して拡充いたしますと、三十二年度にはそれが四倍近くなりまして、十六万キロリツターということになります。この数字もまだ若干検討の余地がございますけれども、こういうふうにガス事業用としての重油の需要も最小限度出て来る、こういう点がございます。  それからいま一つはコークスの点でございますが、現在コークスがガス事業の副産物として出ておりまして、コークスの売上げがガス事業の経費から控除費目として差引かれて、残りのものがガスの料金になるわけであります。コークスの値段が高いか安いかということが、市販されますガスの原価にきわめて大きく響くわけであります。大体において、石炭か下る場合においてはコークスの値段も大体下り、石炭が上るときにはコークスの値段も上るというのが普通の状態でございますが、これが逆に行く場合もございます。それから長い傾向といたしまして、コークスが上るか下るかということはこれまた非常に大きな問題でございますが、もしもガス事業の拡充に応じて出て来ます副産物としてのコークスの量を全部市場でさばき切れない場合におきましては、これは物量的にも問題がございますけれども、コークスの価格が非常に下りますので、そういう見地からいたしますと、コークスの需要がガス施設の拡充に応じ得るかどうかということによつて副産物の価格が上下いたします。それがガスの料金にも響くというような問題をはらんでおります。現在一応の見通しといたしましては、まず三十二年度におきましても、その設備から出て来る程度のコークスの量は、現在の消費部門であります肥料、鋳物、その他鉄鋼等も含めまして大体消化できるのではなかろうかという見通しを一応つけておりますが、その点につきましても、将来問題がないわけではありません。その点を先ほどの御説明につけ加えておきます。ガス事業の五箇年計画の大体のねらいと問題点は以上申し上げた通りでごずいます。  次に電気の方に移りますが、最初に電気事業法案要綱というものがございます。電気事業の方もガス事業と並行いたしまして、昨年の二月に設置せられました電気ガス事業法の改正審議会で検討いたしまして、同じく八月に審議会の答申はなされております。ガスも電気も同時に法案の立案に着手いたしておりますが、電気につきましては、内容もかなり複雑な点もございます。また問題点も、ガスに比べてきわめて多いという関係上、まだ国会に提出する段階に至つておりませんが、現状といたしましては、法案の名称は電気事業法案といたしまして、約百五十条程度の条文でございますが、法制局の審議が二回ほど終つておりまして、三回目が今進行中である、こういう状況でございます。それと法律案の内容が各省に関連するところが非常に多いのでありまして、たとえば建設省でありますとか、郵政省、運輸省、経済審議庁、それから地方自治庁、その他法務省でありますとか、大蔵省農林省とも関連がございますが、非常に関連する部門が多くて、しかもその問題のうちには、かなり事務的な解決の困難なものもございます。そういう点もございまして、まだ事務折衝を続けておる段階でございますが、その関係と法令審査の関係等からいたしまして、政府案として最終的にまとまるまでには、ここ一週間ないし十日、あるいはいま少しの時間が必要かと思います。従つて、三月中旬提案を最終の目標といたしておつたわけでございますが、順調に行けばその通りできますけれども、なお問題が残ればさらに遅れるということになるかもしれません。できるだけ早く提案するように今努力いたしております。そういうような点で問題が残つておりますけれども、現在までのところでの法案の骨子がどういうものであるかということがこの法案の要綱案にございます。ここに書いてありますことも、今後あるいは法令審査等によつてかわるところも出て来るかもしれませんけれども、大体こういうような内容を主といたしまして、法案が樺成されているわけでございます。  内容の概略を申し上げますと、大体電気事業法案の内容の骨子は、現在の公共事業令とそう根本的に大きな違いはございません。ただ一番違つておりますと申しますが、基本的な点で相違がありますのは、ちよつとページ数がございませんけれども、三ページ目に(2)とございまして、「供給区域の独占」とございますが、この点が性格的に多少違つているところであります。これは現在の公共事業令におきましては、同一地域に二つ以上の一般供給事業が存することとなつてはならない、こういうふうな趣旨の規定がございます。従つて、一定の区域をある電気事業者に許可いたしますと、そこには別の電気事業者が並存することはあり得ない、こういうような法律上の建前になつております。これは公共事業令でそういうふうになつておるのでありますが、現在の日本の憲法の趣旨から言うと、この点は若干疑問があるというような問題もございます。「営業の自由保障する憲法の趣旨にも鑑みて」とありますが、この点は少し言い過ぎかもしれませんけれども、その点でもいろいろ問題がありまして、実質的にいろいろ論議の結果、審議会の答申とその点は違つておりますけれども、正面から地域独占ということはうたわないことにいたしております。従つて法文上は、同じ地域に二つの電気事業者があり得る、こういうことになつております。しかし許可の基準といたしまして、同一地域に別の電気事業者を許可する場合におきまして、そのことによつて資本の過剰投資が行われない、設備が過剰にならない、こういうような条件が必要でありますので、その面から実際上は結果において地域独占の実を上げることが多いと思いますけれども、しかし地域によりましては、部分的に二つの電気事業者が並存することも、法律の建前として許されるわけであります。その点が性格的に大きく違つております。  その他の点は、たとえばその前にあります「卸供給事業の定義の明確化」ということは、従来卸供給事業というものは卸事業を主たる目的とするというようなきわめてあいまいな言葉でございましたが、そういう点をもう少し明確化いたしておるわけであります。  それからこまかい点は別にいたしまして、特に電気事業者の業務の運営に対しまして、従来とかくの批判がございます。これは特に電気事業が今日独占事業であるという関係から出て来るわけでありますが、独占事業であるがために出て来ます業務上の弊害を矯正するために、業務改善命令という制度を新しく取入れております。つまり個々の事項につきましての命令事項は別にいたします。公益命令その他の命令事項がございますが、一般に電気供給事業者のサービスの面におきまして不十分な点がありました場合に、これの矯正をはかるという意味におきまして、業務改善命令というものを設けます。これは比較的軽易なものをここで業務改善命令として縛つておるわけでございます。たとえばここにもあげてあります通り、現在電圧あるには周波数というものは電力の供給不足の関係から、かなり落ちております。これは実際の供給力の不足あるいは需用の増加という点からいたしまして、全体の混乱を招かぬためにはある程度やむを得ぬという事情は、これはわれわれも承認いたしておりますけれども、ただ何らこれを維持する義務がないということは、いたずらに電気事業者をして安易に電圧周波数を低下させるということになりますので、そういう点につきまして、一応私どもの方の標準の単位に維持する義務を負わしめて、それを維持しない場合におきましては、たとえば今日のような状況やむを得ざる場合という事情がありません限りにおきましては、これを維持しろという命令を出しまして、電気事業者を一層努力させる、こういうふうなことを考えております。そういうふうな趣旨の業務改善命令というような規定を一つ入れております。  それから公益命令といたしましては、これは公益の増進をはかるため特に必要なる場合には、今日におきましても、いわゆる融通命令というものを出し得ることになつております。つまりたとえば電気が東北の地区においては余つておるが、東京では足りない、こういう場合に放置いたしておきますと、東京では相当の制限をし、東北では自由に使えるということになりますから、こういう場合におきましては東北から東京へ融通しろ、こういう命令ができることになつておりますが、これだけでは不十分でありますので、その他必要な電気設備を当然つくるべきであるにもかかわらずつくらない、そのために電力の供給が円滑を欠いておる、こういう場合には必要な電気工作物を設置しろという命令、あるいはある設備がその電気事業者には部分的にまたは一時的に余つておる。そこで、その設備を他の事業者あるいは他の者に使わせることが全体の電気の需用を緩和するために役に立つという場合にはそういうものの貸借、共用ということも命令し得ることになつております。  それから託送ということに関しましても、現在では電気業者の持つております送電設備等を他の者に使わせる、こういう強制は現在はできません。従つて第三者がある地点におきまして電気を発生いたしまして、それを他の場所で使うという場合には、自分で使う場合でありますと、どうしても自分で送電線をそこに引かなければ自由に使えない、それをたまたまそばにあります電気事業者の送電線を利用して向うに送つてもらつて使うしということができれば、経費の面からいつても非常に軽くて済むわけでありますけれども、それが強制力がないためにその辺の話合いがスムースに参つておらない点がたくさんあるわけであります。そういう点も全体の公益上の必要を考えまして、もし必要である場合には、電気事業者の設備を使つて託送をすることによりまして二重の設備を防ぐ、こういうことをねらつておるわけであります。そういうようなことを公益命令の対象としてやつておるわけであります。その他地方債の起債、資金調達の円滑化というような問題、この点はまだ必ずしも固まつておりませんが、一応原案にはこういつたものも考えておるようなわけであります。  それから七番目に電気施設の設置義務とありますが、これは先ほど公益命令のところで申し上げましたことに関連いたしますが、電気事業の許可を得ます場合には、当然この地区の需用に対してはこういう設備を設置するということを契約的に出すわけであります。それを出しておりますにもかかわりませず、いつまでたつても設置しない。そのために需用家としては電気がもらえない、こういう事態が起きます。そういう電気事業が的確に行われておらぬという結果を生じました場合には、この設備を設置しろ、またよけいな設備を持つておるために余分の負担を負つておるものは、そういう余分な設備は廃止しろ、こういうような命令ができるようにいたしております。  それから他人の土地の使用でありますとか、発電水力の利用等、これはたとえば土地収用法とか河川法とか、そういうものに関連する問題でありまして、まだ折衝中の問題でありますから説明は省きまして、十の電気工事であります。この電気工事につきまして、今度の法律では特に電気の保安の面を重視いたしまして、安全確実な工事をしてもらうために、電気工事人の資格を認定することにいたしております。終戦後今日までいろいろな電気事故がきわめて多数発生いたしておりますが、いろいろな原因もございますけれども、工事人の技能の低下ということがそのうちの大なな原因になつておりますので、工事人の資格をはつきり認定いたしましてその能力を向上させる。それによつて的確な工事をしてもらうというのがこのねらいであります。この試験あるいは認定は当初は、国でやる予定でありましたけれども、非常に多数の工事人になりますので、大体都道府県知事が試験を行つてもいいのではないかというような考え方をとつております。  それから最後に電気事業審議会というのがありますが、現在の公共事業令では、政府がいろいろな施策をいたします場合に、別にこういうふうな法律上の審議会等の機関に諮るはございませんけれども、ただ聴聞の制度が置かれておるわけであります。それで新法案におきましても、聴聞制度はやはり存置いたしておりますが、現在の聴聞がきわめてこまかい点についてまで聴置しなければならぬというようなことになつておりまして、実情からいたしますとむしろ不必要なところまでよけいな手数を踏んでおるようなものもございますので、そういうものはでるきだけ整備いたしまして、聴聞事項は必要な最小限度にとどめる。そのうちで特に全般に関係するようなものにつきましては、利害関係者だけの聴聞ということでなく、もつと広い見地から委員を選定いたしました電気事業審議会というものに諮る。ことに規則をつくります場合あるいはいろいろな基準原則をつくります場合、こういうような場合には電気事業審議会に諮問いたしまして、そこで大体の意向をはつきりさせる、こういうふうな制度をとりました。従つてこの点は従来の公共事業令には全然予定しておらなかつた制度であります。これは法令改正審議会の結論によつても推進されておりまして、電気のごとく一般的で問題の大きいものにつきまして、その中の特に重要な事項につきましては審議会にかけるベきだという勧告がなされておりまして、この制度をとつたわけでありますが、ガスにつきましては審議会はありません。ガス仕事業の性質上、必ずしも電気のように全国すべてに行きわたつている問題ではなく、きわめて部分的な問題でありまして、しかも東京大阪のごとき大都市地方の小都市とでは、きわめてその需要が違つておりまして非常に大きな懸隔がありますので、全般的な問題としてこういう審議会を設けて審議する必要もなかろう、それよりか聴聞会あるいは公聴会の制度によつて、それに関係する部分の意見を聞いた方がよかろうというような趣旨において、ガスには審議会制度がとられておらない。大体大ざつぱな新電気事業法案の内容はそういう点でありまして、あとこまかい点、いろいろ違つた点はありますが、それはなお法案要綱等をきわめる際に御説明の機会があろうかと思います。大体こういうような大綱によつて進行中であるということだけを御報告申し上げます。  それから次に昭和二十九年度開発資金計画というのがおります。電源開発に関連する資料であります。二十九年度の予算は、御承知のようにきわめてしぼられた結果、この電源開発の進行がはたして従来の速度でもつて継続し得るかどうかということが非常に懸念されたわけであります。これは電力会社電源開発会社あるいは地方自治団体の公益のもの、自家用、こういうような区分もありまして、それぞれに影響するところは違つておりますが、それがこの表でございます。まず電力会社につきましては、この下のわくの一番上に総工事資金という欄がございます。下から四行目でございますが、そこに当初計画として千百六十六億という数字がございます。これが既定の継続事業をそのまま継続して、さらに必要な新規の開発に着手するということをした場合に、二十九年度としてはこの程度の資金は必要だろうということで、こういう計画を立てたのであります。ところがその後予算案の編成によりまして、特に政府資金等がきわめて圧縮されました結果、結論においては、それが二十九年度としては、その隣の欄にありますように千八十一億というところまで圧縮せざるを得なかつたわけであります。この内訳を見ますと、内部留保、自己調達等は別にいたしまして、合計の上の開発銀行というところで当初計画では四百億を予定しておりましたが、これが今度の予算によりまして三百五十億まで削減されたのであります。大体一割ちよつとでございますが、開発銀行の五十億だけでとどまりますれば、これはもし他の方の資金でカバーされれば大した影響はないはずでありますが、その開銀資金の圧縮は当然他の方にも響くわけでありまして、従つて自己調達の資金等につきましては当初の予定通りを調達することは、きわめて困難な事情になるわけであります。しかしその点は一応並行的に考えませんで、できるだけその部分を自己調逹の方で肩がわりするという努力をすることにいたしまして、千八十一億程度のものはどうしても確保したいというような目標を立てたわけであります。これによりますと、内部留保のものは計画通りでありますが、増資の百十五億は当初も同じような程度を見込んでおります。しかしこれは必ずしも問題がないわけではなくして、かりに現在の料金改正の申請が認められなかつた場合には、証券市場に対しましてかなり大きなシヨツクを与えます関係上、この増資がきわめて困難になると云う点があるわけであります。それから社債の方は、開銀をカバーするために社債市中借入れ等はふやしております。これは会社によつてこの通りのものを調達できるかどうかということは、事情が違いまして必ずしも楽に行けないところもございます。しかし一律にこの程度のものは一応予定して考えていただく。それから債券発行銀行はその実情を考えまして二百五十億でなくせいぜい百八十四億程度だろうというふうに考えたわけであります。結果において、結局総工事資金としては当初に比べまして一割足らずの減額を来したということになります。そこでそれでは実際の工事がどうなるかということでございますが、通産省と開銀の方と相談いたしまして、特にこれば開銀の方に強い希望があつたわけでありますが、こういうふうに資金は圧縮されたけれども、今後の工事費というものを少くとも一割程度の節約をはかつてもらう、当初の予定工事だけはやつてもらおうじやないかということになりまして、これは別段強制的な性質を持つわけではありませんけれども、一割節約ということを目標にして今後の計画を立ててもらいたいということを、電気事業者の方には申し出をしてございます。これは請負業者あるいは電機器のメーカーとか、そういう方面に影響するところは少くない問題もございますけれども、今度の予算編成の趣旨にかんがみまして、できるだけそういう努力をしてもらいたいということで、各社にそれぞれその点につきまして研究をしてもらつておるわけであります。完全に一側節約かできるかどうかということは別にいたしまして、ある程度の節約は可能であろうと思います。それによつて当初の既定計画に近いものをできるだけ工事したい、こういうふうな考えを持つております。  それから次の開発会社の問題でありますが、これは非常に問題があるわけであります。電源開発会社の当初計画は、建設工事といたしましては約四百億を予定いたしておりました。工事費三百八十七億その他四十五億とございますが、三百八十七億のうちには全然の新規というものは入つておりません。その他の中に準工事として入るわけであります。全体の工事費といたしましては、それ以外のものを含めまして四百三十二億ということになつております。当初は調達資金といたしましては、上の欄のまん中の払込み資本金三百二十億、借入金八十八億となつておりますが、払込み資本金は政府出資であります。政府出資三百二十億、借入金八十億合計四百億。借入金は資金運用部資金でございますが、要するにこの合計の四百億の政府資金を調達するということを考えておつたわけであります。借入金の八十八億のうち八億は外資でありまして、国内の借入金ではございません。結局四百億の新規投資借入れのほかに、繰越金あるいはその他の収入を加えまして四百三十二億、こういうふうなプランを立てたわけであります。ところがこの増資と借入れの方が、今度の予算によりまして政府出資は百億、借入金は百六十五億になつております。従つて四百億の予定が二百六十五億に落ちてしまつたという関係から、電源開発会社の事業につきましては、新規はもとより、継続事業につきましてもこれは非常に問題があるというふうに考えております。しかし現在開発会社で着手しておりますいわゆる継続工事の中にも、補償問題あるいは実際の工事設計等につきまして、いろいろな問題点があるところがございまして、必ずしも順調に行つておらぬところもございます。従つてそういうところを重点的に開発いたしまして、どんどん進行し得るところへできるだけ資金をつぎ込み、そうでないところの節約をはかるということによつて、現在の計画をそう大きく変更しないで行きたい、こういうふうな考え方を持つております。なお内訳、内容につきましては、開発会社及び通産、経審両関係当局との間で検討中でございまして確定いたしておりませんけれども、工事費の節約、それから機械代等の延払いといつたことも考えまして、繰越金等をできるだけ多く見積り、すでに当初の計画は二十二億と見ておりましたのが四十億までふやしております。大体この程度までは行きそうであります。  それからここには出ておりませんが、もしできれば外資等によりましてある程度の穴埋めをいたしたいということも考えておるわけであります。これはまだそういう考慮の段階でありまして正式にわれわれの方に相談もされておりませんけれども、佐久間の開発の機械につきまして、一部外資の援助を乞うておりますが、そういう形でその他の地区においてもできないものだろうかということで、今開銀当局で研究しておりますが、そういつたことが実行しますれば、その面からある程度の穴埋めができるのではないかと思つております。かりにそういうことが実現しない場合におきましては、現在進行中であります継続工事のおもなる部分を少くともやりまして、比較的遅れておりますところを、実際の工事に支障ない程度におきまして繰延べるなり、あるいは工事の量を落すなりして何とかしてやろう。それから本年度の後の方に至りまして、もし何か別に資金調達の目当てがあれば、そのときからあらためて当初の計画に近くもどそう、こういうつもりで具体的な案を練つておるわけであります。  それから次の公営でありますが、これは昨年のわくは九十五億であります。これに対しまして、ことしは割当てられた予算は百億であります。工事の量といたしましては、当初の計画通りに行うとすれば、継続分だけで百四、五十億になり、相当圧縮いたしましても百二十億くらいはほしいというような初めの計画でありました。しかし予算の見通しといたしまして、その点が非常に困難であるという関係からいたしまして、まず最小限百二十億を確保いたしたい。百二十億にしますと、継続工事は、どうにかやれまして、準継続と見なすようなものもある程度までは拾えるのではないかと考えておりましたが、百億になりました結果、継続分自体をフルに考慮いたしますと、新規のものはほとんど手がつかない。継続につきましてできるだけ節約をいたしましても、準継続的なものが一、二出るかどうかというような状況にありまして、これに対しましてはその点去年に比ベて非常にきゆうくつなのであります。  それから自家発は全体で四十五億の開発計画であります。その中で開銀に二十億期待しておりまして、これはまたその他のわくで一括されておりますから、はたして二十億確保できるかどうかわかりませんけれども、まず自家発につきましては、今後の新規のものはある程度押えてもやむを得ない。従つて継続だけは少くとも今後やりたいという考え方をとりますと、全体の四十五億というところでどうにか行くようでございます。全体的に見ますと開発会社関係の資金が一番きゆうくつで、それから公営と電気事業者がそれに次いで、自家用のものが比較的ほかのものに比ベると楽だ、こういう状況でございます。  これは資金の面だけ申し上げましたが、全体の出力といたしましてどういうことになるかということでありますが、電気事業の方におきましては昨年度以来工事しておりまするものが全体で二百五十九万キロワツトでございます。それに対しまして、さらに二十九年度の新規といたしまして四十万キロワツト程度の着工をしたいと希望しておりましたが、こういう資金計画になりまして、かりに一割削減ができませんと、四十万キロはちよつと無理でありまして、まあ三十万キロ程度がせいせいではなかろうかというふうに考えられます。しかし節約の実が上れば当初計画に近いものが着工できる、こういうことになるわけであります。まだこの実際の具体的な地点の決定には至つておりません。このままでありますと二十九年度の出力には直接影響するところはございません。結局予算が圧縮されました結果、たとえば公営、開発会社に、場合によつては電力会社等が資金が不足いたしましたために、現われて来る結果は三十年度以降であります。三十年度以降においてこの資金の貸付の結果が新規出力の減として現われて来るのでありまして、二十九年度の電力需給に対してはこれは大して響がないと思つております。 それから二十八年度の電力需給計画の実績対比表というのがございます。これは本年度の見通しでございます。本年度は、再三言つております通りに、上半期が一割五分余りの豊水でありまして、その結果需給状況がきわめてよくなつております。第三・四半期におきましても若干の豊水でございまして、第四・四半期になりまして、一月二月がやはり二、三パーセントの豊水であると思います。数字的に出水率を申し上げますと、第一・四半期五%、第二・四半期二五%、これを平均いたしまして、上期が一五%の豊水であります。それから第三・四半期が二%の豊水、それから一月が五%豊水であります。いずれも豊水であります。二月は初めの方が悪くて、上旬が九二%でございますから、約八%の渇水である。それから中旬が好転いたしまして、二一%の豊水、こういうことになります。これは二月の半ば頃から非常に暖かくなりまして水が多く出ました。今日でもその状況が続いております。従いまして二月全体といたしましては、やはり農水になるだろうと思います。そういう関係からいたしまして、二十八年度全体の電力需要計画というものは、豊水に幸いされまして非常に順調に行つておるというようなわけであります。ただ需用の方もそれに応じまして相当に伸びております。この表によりますと、第一・四半期と並んで需用の方の想定計画と実績の対比が七%増になつております。つまり計画に対しまして需用も七%ふえておる。それから供給力の方は、第一・四半期が八%ふえたということになつております。第二・四半期はさらに供給力が一三%までふえまして、需用もそれに対応して一三%ふえております。これは供給力の出水率に比例しておりませんのは、火力をそれだけ少くたいておりますから、そういう関係であることを御了承願います。第三・四半期におきましてもやはり一割以上ふえておるこういう状況でありまして、もしもこういうふうな需用の伸びというようなものが今後も継続して行くのであれば、将来の電力需給計画というものはいわゆる五箇年計画とは違つた面において、もう一ぺん考え直さなければならぬ面が出て来るのではないか、こういう点があると思います。しかし一面におきまして緊縮政策がどういうふうに現われて来るかによつてまたかわつて来ますので、現在のところはこの需給関係のこういう大きな伸びにもかかわりませず、五箇年計画そのものにつきましてはまだこれを変更するというような段階でない、こういうふうにわれわれも経済審議庁も考えている次第であります。  それから次に料金の関係の資料の御説明に移ります料金の関係の資料が三つございますが、上に図面のありますものから御説明いたします。本日急ぎました関係でもう少しまとまつた資料を用意できませんでしたので、少し部分的でございますが、一応これについて御説明申し上げます。  まず図表になつておりますものは、各電力会社の開発状況を現わしておるわけであります。これは白い部分が既設でありまして、その後それぞれの地区においてこの斜線のものが新しくできて来た。これだけのものが追加されておる、こういう状況であります。いわば開発状況を示しておるわけであります。これは既設のものの設備の価格に対しまして新しく追加されるものの価格をプラスされておるわけであります。これに既設のものの能力とそれから申請するものの能力とを対比いたしました表を比ベますとはつきりするわけでありますが、このように資産価格におきましてはこういうふうな率でふえておりますにもかかわらず、出力の方はこれほどふえておらぬというような姿になつております。ということは同じ一キロワツトの設備をふやしましても、従来のものに比べて新しい一キロワツトというものは、きわめて建設が高くなるということがわかるわけでありますが、この表によりましては少くとも設備資金方面においてこの程度の大きな割合が、二十七年度の末から三十年度にかけてふえておるということを物語つておるわけであります。これはあとの説明に対応するわけでありますが、四枚目に新旧原価比較というものがございます。これは現行料金織込みの原価と、二十九年度申請原価と二つありまして、織込み原価の方は二十七年の五月に改正されまして現在まで続いております料金の原価であります。これは二十七年度の需給と当時の原価を算定いたしましてつくられた数字でありまして、これが今日の料金のベースになつておるわけでありますが、それに対しまして、今度一月の二十日に電気事業者から申請されました、原価の内容が、その次の欄のB欄にあります通りのものになつております。これは、申請の趣旨といたしましては、現行の料金のべースになつておる原価に比べて、二十九年度の原価はこういうふうになります。従つてその差額だけはどうしても料金値上げによつて埋めてもらわなければペイできません。こういう趣旨の申請でありますので、この二つを対比するということになります。従つてこれは二十八年の現在の原価と比べてみますと、二十九年度の申請原価というものが、こんな大きな開きはございませんが、現在の料金ベースと比べるとこういうふうなことになるわけでありまして、たとえば資本費におきましては、現在の料金におきましては三百四十一億ということになつておりますが、それが四百億もふえておる。その他一般経費全体を加えまして総括原価といたしましては、現在の織込み原価が千四百四十七億であるのに対しまして、申請原価が二千百億ということになつておる。従つてその差額が六百五十四億ということになつております。これはむろん設備がふえますので、従つて総括原価といたしましては当然ふえるわけであります。ところが実際の料金をはじき出すためには、収入もこれに対しまして合せる都合がありまして、電源開発によつて原価もふえますが、収入もふえますから、その点を相殺いたしますと結局においてのマイナスは、総括原価の六百五十四億から収入増を引きました約三百億というものがマイナスになります。これを料金によつてまかなわなければならない。こういうのが今度の申請内容でございます。その査定はこれからの問題でありましてこの数字がそのまま認められることはないと思いますが、かりにこの申請通りの原価をとりまして、現在のものと比ベますと、資本費においてすでに二倍以上になつておる。これが一番大きな点でありまして、結局その他の経費というものを、これは当然上りますけれども、前の表にありましたように、新しい電力設備が入つたために資産価格がああいうふうな割合で非常に大きくふえます。そういたしますと減価償却あるいは利息というものが、それに応じましてふえて参りますので、その画から非常に経費の増高を来すというのがこの表のおもなところでありまして、現在建設中にあります設備は、これは仮勘定従いまして原価に入れておりませんので、これが実際に稼働いたしまして初めて原価の中に入るわけでありますが、そういう稼働設備が二十八年度及び九年度の二箇年におきまして電気事業者だけで両七十万キロ程度のものが追加されるわけであります。それが新しい設備として資産価格に計上されまして、それに対応する減価償却費が百億以上ふえる、それから利息が百四十九億ふえるこういうふうなことでありまして、従つてこの資本費の方であげておる固定資産税以下税金配当配当は織込み原価におきましても二十九年度の原価におきましても、一割二分を想定いたしております。そういういわゆる資本費で人為的に圧縮できないものの合計が全体で四百億あるということが原価高騰に対する致命的なポイントであります。  それから一般経費、その他経費はいろいろ問題があるのでありまして、この点につきましてはある程度の査定も行い得るわけであります。たとえば燃料費が、ここで見ますと四十五億余りふえております。ふえておりますのは、実際に火力発電設備が増強されたということと、それから水力設備の増強に応じまして、そのピークを調節するために火力設備をどうしてもよけい動かさなければならぬ、こういう二つの要請からいたしまして、当然に火力発電量もふえるわけであります。それに応じた石炭量が必要でありますので、そういう意味から絶対額がふえるということはこれは当然でございます。しかし一面におきまして、二十七年度の原価を想定いたしましたときの炭価と、現在予想されます二十九年度の石炭の炭価というものは、当然に現在のものが低い関係からそれだけ切下げられております。で、炭価を切下げましてなおかつ全体の量がふえますので、四十五億程度がふえる、こういう結論になつておりますが、この炭価の見方等につきましては、なおこちらで検討をいたしております。それから維持費、これは一応のりくつといたしましては、水力にいたしましても火力にいたしましても、これだけの設備がふえますので、それに応ずる維持費、これは修理費、運転費等でございますが、そういうものは当然にふえるわけでございまして、これはある程度査定するといたしましても、大きな幅のものはできないということになるんじやないかと思います。それから人件費が特に八十八億ふえておりますが、これは御承知のように一昨年の暮にベースアツプが行われておりまして、その新しいベースは現在の原価の中には織り込まれておりません。これを新規の料金の中に織り込みますとこの程度のものになる、これは実質からはじき出されておる数字でありまして、まあ一部今度の人件費の増も考えられておりますけれども、大部分は実績のベース・アツプによる影響だというふうに考えておるわけでございます。これにその他経費を加えまして、結局において六百五十億の原価増になつておるというのが、現在の申請の内容でございます。  その次の表は資産の状況を示しております図表でございまして、左側の四角いわくのありますのは現在の資産の評価額を書いてございます。一番左の実線の高いところ、左の計数で言いますと八千億余りになつておりますが、これは現在の資産再評価法上の新しい設備の建設費であります。これは現在の設備の建設費であります。取得価格に物価倍数をかけております。それからこの建設費から逐次償却をいたしまして、現在それがどの程度評価されるというのが、ずつと斜線で右に下りましたところに来るわけでありますが、現在電気事業におきましては、実際の償却は定額償却を行つております。ということは、定額償却以上は余力がないということで、実際は定額償却によつて償却いたしております。ところが豊水その他によつてときどき業績に大きな違いが出て参ります。そういう場合におきましては、定額以上の償却をいたしまして、渇水等のときに応じまして全体平均を償却できますように、税法上は定率償却の扱いを受けております。その結果実際は定額償却程度しかしておりませんにもかかわらず、再評価限度額といたしましてはこの定率償却を基礎といたしますので、ここにありますように四千億程度ぐらいしか認められないということになつております。もしも実際の償却に応じた再評価をしたといたしますと、六千億余りのものになるべきだというのが、一番右の線にあります。現行再評価限度額と追加再評価必要額の差額であります。つまり追加再評価必要額というものは、現在の再評価法上では不足になつておる金額であります。従つて資本費の増高といいますけれども、もしもこれに実際に定額償却に応じた再評価をいたしますと、さらに償却費等がふえるということになるわけであります。つまり逆に言いますと、この面におきましてはそれだけ資本を食いつぶしておるということにもなるわけであります。  それからその関係を今度は個々に見ましたのが、その右にあります表でございます。左の部分が水力、右の部分が、火力でありますが、水力の部分の一番目のものが。これは新設の建設費であります。これは一キロワツト当り十万円―これは現在では十二万円が常識とされておりますが、二十八、九、二箇年の平均をとりましても十一万円を越えております。それに対しまして二番目が資産再評価法上の建設費でありまして、これが七万七、八千円だつたと思います。それからそれを償却いたしまして第三次再評価をいたしました場合に、かりに定額法で許されますと五万六千円、これが三番目であります。ところが定率法を認められます結果、実際上の第三次再評価の限度額といたしましては、四番目の線に当りまして、これが四万二千円、つまり五番目の線は二万八千円でありますが、第三次再評価をいたしましても四万二千円までしか行けない。ところが実際においては少くとも五万七千円やるベきだ、従つてここに大きな償却不足がある、こういうことをいつておるわけであります。それから六番目のものは、新設分がこの償却によつて現在どういうふうに評価されておるかということを参考までに書いてありまして、これは七万四千円になつております。十万円のものが現在七万四千円、既設のものは現在二万八千円であつて、再評価いたしましても四万二千円までしか行けない、こういうことであります。それから右の方は火力でありまして、これも同様の趣旨であります。数字を入れて申しますと、新設の建設費を五万五千円と見ております。それから二番目の再評価法上の建設費が三万円、それから三の第三次評価限度額の定額法によるものが一万七千円、次の定率法によればこれが一万円、五番目が七千円、新設分が一万七千円、こういうふうなことになつております。つまりこれで言つておりますことは、資本費がきわめて増高しておりますにもかかわりませず、なおかつ評価上あるいは償却上は十分な資本の対価が見られていない、こういうことを言つているわけであります。従つてもしこれを理論の通りやりますと、資本費はさらに増加するということになるわけであります。  次の資料といたしましては、電気料金と一般物価及び公共料金との値上り比較でございますが、これとその次の日本対外国の電力料金の比較表は、いずれも先般参議院へ提出した資料をとりあえず提出したのでございます。初めの方の表は、たとえばガス、水道鉄道というものに比べまして、電気の値上り率がどうかということを比較いたしておるのでございます。定額電燈従量電燈、小口電力、大口電力とわけてございますが、卸売物価が三百五十九倍ということになつておるのに対しまして、電気の実際の値上りは百二十八倍でありますとか、百四十二倍でありますとか、従量電燈は百倍あるいはそれ以下となつて、きわめて低率であるということが言われております。それから他の公共企業との比較をとりますと、ガスが二百四十七倍、水道は電気より減つて九十四倍、ラジオは六十六倍、都電が百四十二倍、バス鉄道が都電並で百五十倍から百三十四倍、この辺が大体電気料金の倍率と見ていいということになつております。  次の表は同様の表でありますから飛ばしまして、三枚目に生計費中の電気料金推移、これは東京都と全都市を比べておりますが、かりに生計費の中で電気料金を見ますと、必ずしも大きくないということを言つておるのでありましてたとえば東京で見ますと、昨年の十月におきましては全体の生計費の中で電気代は全都市の平均をとりましても、一・二七%であることを言つております。  次の表も大体似たようなものでございます。  その次の外国との比較表でございますが、これもはなはだ不安定な表でございまして、いろいろな条件が違います。ことにアメリカ等におきましては、電気事業者はきわめて多数ございます。しかもその内容ないし制度が個々に違つておりますので、比較がきわめて困難でありますが、かりにそのうちのおもなものをとつてみますと、こういうことになるという表でございます。これはいずれも電燈あるいは電力等によつて違いますので、そういう区分をいたしております表がたくさん出ております。たとえば一番初めの従量電燈を見ますと、日本の場合におきましては北陸が一番安くて、二十キロワツト・アワー使つた場合の料金が一キロワツト・アワー当り八円八十九銭、一番高いのが九州でありまして、十三円七十銭、こうことになつております。日本東京電力の九円八十五銭をかりに標準にとりまして、一〇〇といたしました場合に外国がどうなるかということが二行目に出ておりますが、アメリカの例をとりますと、一番高いのが四番目にありますコンソリデーデツド・エジソンが、二十二円五十銭、これを日本のものと比ベると、二倍二分ぐらいになつております。ところがここに最低は出ておりませんが、ほかの社から最低を探しますと、アメリカでも十三円五十銭という数字になります。最低をとりますと日本より三割七分しか上つておらぬということを言つております。  それからあとイギリス、スコツトランド、ギリシヤとありまして、その他の地区はまだはつきりいたしておりませんので、この点ははなはだ不十分ではございますが、かりにイギリスを見ますと、日本の七割あるいは五割くらい高い、こういうことになつております。ところが同じ従量電燈におきましても、外国におきましては、量をよけい使えばだんだん料金が下るということになつております。従つてかりに百キロワツト・アワー使えば、日本が一〇〇の場合に比べて、アメリカでは一番高いところでも七割足らずしか高くない。安いところでは八%しか違わない。イギリスにおいてはむしろ日本よりも安くなつて、六、七割程度の料金にすぎないというふうなことになつております。この点は制度上の相違がこういう点ではつきり出て来ておるわけであります。  それからあと小口業務用でございますが、一番最後に大口電力の比較がございます。これがいわゆる産業用のものであります。これはいわゆる電力料金と契約電力料金の両方ひつくるめまして、その合計をとつておりますが、これで見ますと、二十万キロワツト・アワー使つた場合の東京電力との比較が、アメリカの場合におきましては最高は三倍七分程度、最低では一割四分高になつております。それからイギリスにおいては七、八割高というふうなことになつておるのであります。  大体そういうふうな状況でありまして、あまり的確な比較になりませんけれども、現在あります資料ではあの程度のものであります。なお料金表につきましては、さらにこまかい個人的な資料もございますけれども、これはなお今後整備いたしましたら提出いたします。  最後に、復元関係のことを説明しろというお話でございますので、この点につきまして簡単にお話申し上げます。復元の問題は、御承知のように現在の再編成で公共事業令が出る前に、一応閣議決定といたしましては、戦時中に接収になつた設備は支障のない限りは返すべきである、これは昭和二十五年の十月でございますが、そういうふうな閣議了解がなされております。これによつて再編成法を立案いたしましたところが、占領車の承認するところとなりませんで、いわゆるポツダム政令によつて再編成が行われたわけであります。それによつて、この電気事業の担当機関といたしまして公益事業委員会ができたわけでありますが、その公益事業委員会が、復元の問題に関する意見といたしましては、再編成についてそういうことを考えては、とうてい再編成はできない、従つて現在のところ自分らとしては、そういうものの申出があつても取上げる余地はない、将来もし復元希望のあるものは、再編成後において各事業会社と話合いをすべきだ、こういうふうな声明を出しております。その後こういうふうな取扱いが政府といたしましては積極的に何ら行われておりませんけれども、国会におきましては、前国会におきましても、また、その前におきましても、議員提出法案といたしまして、復元に関する法律案が提出されておりますことは御承知の通りであります。いずれも審議未了に終つておりますが、今度電気事業法を立案するにあたりまして、この電力復元の問題につきまして、何らかの措置をはつきり事業法においてとるべきだというような意見が、特に関係の公共団体等から強く要望されております。これは法令改正審議会におきましてもそういう発言がなされておりましたが、審議会の結論といたしましては、先ほど申し上げましたように、この問題には触れないということになつております。通産当局といたしましても、現在ではこの電気事業法案の中に復元関係の事項を盛り込むということはいたさないで進んでおるわけであります。これは方針の問題もございますが、法律技術的に申しましても、こういうふうなものは電気事業法というふうなある事業に対する恒久立法の際に盛り込むべきでなくて、もし取上げるとしても、別個の法律をもつてすべきだという考え方であります。また実質的にも復元をすることがいいかどうかという点につきましてはいろいろの点で問題がありまして、技術的にも非常にむずかしい点もありますし、経済的にいつても、また法律的にいつても、はたしてそういうことがなさるべきであるかどうかという点につきまして、きわめて問題がございます。一応事務当局といたしましては現在の電気事業法案の中には盛り込んでおらぬという事情でございますが、この点はどうぞ御承知おき願いたいと思います。
  5. 長谷川四郎

    ○長谷川委員長 以上で政府当局からの説明を終りました。これに対する質疑は次会よりこれを行うことにいたします。  本日はこれにて散会いたします。なお次会は九日火曜日午後一時と決定いたします。     午後三時十一分散会