運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-03-23 第19回国会 衆議院 電気通信委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和二十九年三月二十三日(火曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 成田 知巳君    理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君   理事 庄司 一郎君 理事 橋本登美三郎君    理事 小泉 純也君 理事 原   茂君    理事 甲斐 政治君       加藤常太郎君    菊池 義郎君       齋藤 憲三君    中曽根康弘君       廣瀬 正雄君    片島  港君       松井 政吉君    三輪 壽壯君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         郵政事務官         (電波監理局         長)      長谷 愼一君  委員外の出席者         参  考  人         (日本放送協会         長)      古垣 鐵郎君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     岡部 重信君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の  承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)     ―――――――――――――
  2. 成田知巳

    ○成田委員長 ではただいまより開会いたします。  前会に引続き、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、質疑を続けます。質疑の通告があります。原茂君。
  3. 原茂

    ○原(茂)委員 きようは時間がないようでありますから、同僚委員の質問の重複を避けまして、私の方からも持つてまわらずに端的にお伺いいたしますから、お答えいただく方も親切に、すなおに、簡潔にお答えを願います。  最初に協会の側にお伺いしたいのですが、前の委員会でお伺いしましたところによると、重役会の各理事の業務担当をなくしたという御説明がございましたが、そのなくした理由と、前には各担当があつたようですが、今日担当をなくしてやつて来た結果、どういう特典があつたのか、この二点をお伺いしたい。
  4. 古垣鐵郎

    ○古垣参考人 簡単にお答え申し上げます。前には三人の理事が一人は業務及び経理担当、一人は技術担当、一人は番組担当ということで、三人が分担してやつておりました。しかるにNHKの業務が非常に大きくなつて参りまして、国際放送をやり、テレビジヨンをやり、また業務の方面でも番組と密接に関係するというようなことで、三人の理事が常に同じ部屋にいて、今まで同時に局長を兼ねたりしておりましたが、兼ねないで、もつぱら業務全体に、――放送法にも理事の責任権限等について書いてある通り従いまして、三人が一体となつてやる。しかしたとえば昭和二十九年度の予算を編成するという場合に、おのずから直接に携わる人ができますけれども、ほかの理事もやはり責任を持つて一体となつてやるという方が、わずか五名の理事の場合には非常に適当だと考えていたしました。その結果番組等に関しましても、全体の理事、副会長、会長が一体となつて審議し、善処するというような体制になつております。
  5. 原茂

    ○原(茂)委員 わかりました。部内の側から見ますと、企業の運営を円滑にするためには、やはり責任の分野をはつきりした担当理事のある方が、私は、仕事がうまく運営せられて、民間の企業でも同じですが、やはりこの点は今後相当考慮されて、ただ一度そうきめたからというのでおやりになるのではなくて、検討を要するのではないかというふうに考えるわけであります。特に今日労務問題がどの企業にとつても重要な問題でございますので、特に労務担当の重役、理事、こういう人が専門にあるということ、この理事が年間を通じて労務の研究をする、こういつたようなことの必要従は、近代企業においてますます強くなつて参つておりますので、この点もいろいろ御研究願い、今後御考慮を願いたい、こう思います。  第二点としてお伺いしたいのは、各局におきまして番組審議会ですかがあるそうですが、数回にわたつて今までこの審議会に各界の直接的な代表者、特に労働者代表を入れて運営すべきである、こうしなければ広く民意を反映することができないし、公正なろプログラムの編成ということが不可能になる、こういう強い御注意なり要望を申し上げて来ましたが、その後実行されておるか、今後どういうお考えでありますか。
  6. 古垣鐵郎

    ○古垣参考人 ただいままでの番組審議会のメンバーの構想と申しますのは、主として番組のよりよき実施ということで、必ずしも各階層とか、職域というような考え方はしておりませんでした。しかしただいまの原委員のお考え等は、そういうような要望もございますので、将来委員の構成については、適当な時期にそういう点も加味して考えたいと思います。
  7. 原茂

    ○原(茂)委員 その点も強く要望しておく以外にないわけですが、なるべく早期に直接的な各界の代表者による番組審議会の構成の研究と、その実施について努力していただきたいと要望しておきます。  なおその次に、大臣がいなくなつてしまいましたが、長谷さんにでもお伺いいたします。今後放送法の改正のときに強く主張したいと思うのでありますが、大臣の意見害の中にもありま丁けれども、ラジオの巡回相談の強化――強化という言葉だけを大臣は意見書の中に使つておりますが、現状をとうすることが巡回相談の強化になるとお考えになつているのか。どんな構想があるのか。これをお伺いしたい。  その次に、ラジオが普及すればするはど、受信障害が多くなつて参つておりますが、これに相して民間あるいは三局と一緒になつた研究、あるいは委員会のようなものがあるそうですけれども、ただこの運営にまかせているだけの形で、実際にはもつとはつきりした形での措置が講ぜられていないと思うのです。この措置を今後お講じになる意思があるかどうか、この二点をお伺い申し上げます。
  8. 成田知巳

    ○成田委員長 原君に申し上げますが、郵政大臣は参議院の定員法の提案理由の説明をやつて、すぐ帰つて参ります。
  9. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。第一点でございますが、放送協会の巡回相談は、放送法の第九条におきまして、ラジオの修理業者を不当に圧迫するような結果にならないように、いわゆるラジオ業者がありませんところ、あるいはおりましても需要に十分こたえることのできないようなところを、郵政大臣が毎年定期的に全国的に調査をいたしまして、その範囲内でやつていただきたいということを放送協会にお示しをし、その範囲の中で、放送協会が巡回相談あるいは修理業務等をやつておると存じます。と申しますのは、重ねて申し上げますと、放送協会がサービス的におやりになるために、その点は非常に微妙な関係があると思いますが、ラジオ業者の仕事の圧迫のようなかつごうにならないようにということで、今申し上げたような調査を行つて、その上に実際の計画を立てておるのであります。しかし現在は、今申し上げました不便な市町村その他に、十分に、巡回相談ができていない形でありますので、少くともそういうところは全部カバーし、あるいは従来年一、二回程度であるのを、場合によつては必要に応じて回数も増すというようなことを考えて行くようにしてほしい、こういう意味で郵政大臣が意見を付したのであります。なお協会の方でも、過去からの経緯を見ますと、順次この方面に力を入れられておりますが、何と申しましても、先ほど申しましたような業界等の関係がありますので、この点は十分慎重にして行きたいと思つております。  第二点でございますが、御指摘のように最近ラジオその他電波利用面に対しての受信障害が非常にふえて参りました。これに対しましては、各地方ごとに放送協会あるいは電気業者、それから私ども関係者が寄り集まりまして、受信妨害対策協議会をつくりまして、実際的に問題が起つた場合に、関係者が相協力して、具体的にその解決策をはかつておるのでありますが、これにつきまして全国的な中央協議会も発足を見ておる状態であります。これはどこまでも関係者の協力態勢でございますけれども、場合によりましては法的にも雑音妨害を出さないように、出た場合の処置が必要ではないかという観点から、電波法上において処置のできる場合もございます。しかし何と申しましても雑音妨害の根源となりますものは、一般の電気利用施設あるいは送電、発電線路、配電線路、配電施設、及び利用施設から出るのが大部分でございます。また自動車のような問題もございますので、一郵政省だけでは処置できませんから、通産省とも相協力いたしましてそれをやつておるのでございます。また最近電波利用の医療機械等もだんだん出て参りますと、そちらの方等もございますので、実は各省ともいろいろ協議いたしまして、必要なら立法措置を講じたいということで、鋭意準備を進めております。また当郵政省といたしましては、この問題は非常に重要な問題であると同時に、経済的にも影響するところが非常に大きいものでございますので、電波技術審議会に対しまして、長年にわたつて技術的な解決策について諮問をし、いろいろ検討していただいております。一方経済的な問題もございますので、業界の人々を入れた対策協議会というもの等にも諮り、いろいろ解決策をはかつておるのでございます。何と申しましても広範囲にわたり、また経済的にも相当影響の大きい問題でございますので、各方面との協力態勢を十分にはかりまして処置したい、こういうことで進めておる次第でございます。
  10. 原茂

    ○原(茂)委員 受信障害の問題は、もう古い課題でございますので、今日まで当局が具体的な措置を講じられないということは、私は少し怠慢だと思う。これが相当大きく影響して、広くあまねく普及させようとしても、聞えないという障害があるという理由から、聞かない人がたくさんあるわけです。これに対してはわれわれとしても急速な立法措置を、何らか強く要求しようと考えておりますが、当局としても具体的な措置についての研究を早く進めるような態度でやつていただきたい。  なお協会にお伺いしたいのですが、巡回相談は今日どのくらい行われているのか。私は少くとも年一回以上は行わなければ、ほんとうの意味のサービスにならないと思うのですが、年一回行うとすると、実現が可能なのか不可能なのか。現状を説明願いたい。
  11. 岡部重信

    ○岡部参考人 ただいま政府から巡回相談について御答弁がありましたが、具体的な数字について申し上げますと、ただいま私の方で巡回相談に指定されている土地は四千三百ほどございます。その前の年は四千百でございましたが、若干ふえております。その理由は、今長谷局長が御説明申した通りでございます。それで私の方としましては、指定地は四千三百ほどございますが、近隣のある中心のところでやりますれば、付近も利用できるという考えをもちまして、本年度の上半期においては四万二千ほどの利用者がございますが、今後もその指定地における聴取者の数に応じまして、あるいは年に三回とか、おるいは年に二回、あるいは一回というふうにわけまして、できるだけサービスを従来はして来ておりますが、来年度におきましてはその回数も若干ふやしまして、そして地方の、ことに受信機の故障で困つておる方々に、サービスしたいというように予算で編成しておる次第でございます。
  12. 原茂

    ○原(茂)委員 その次に、これは大臣にお伺いしたいと思つていたのですが、かつて行われておりました放送内容の一部で、官庁公示事項があつたわけですが、やはり今日でもこれを放送してもらいたいという声が強いのですが、実際には現行法のもとにおいては官庁公示事項を放送させることは不可能なのか、あるいはできるものなのか、ないしこの官庁公示事項をやることによつて協会の側に大きな支障が起きるものか、やる意思がおありになるかどうか、この三つにわけてお伺いしたい。
  13. 岡部重信

    ○岡部参考人 ごの官庁公示事項につきましては、大きく言いますと、広報関係と申しますか、御承知の通り各官庁、それから団体などに広報関係専門の方がおられますが、そういう方にお集り願つて、そしてどういう程度の広報をすべきかという、広報をする方々の会議を私の方と一緒にやりまして、そして広報をする、こういうことで広報関係を努めております。
  14. 原茂

    ○原(茂)委員 私の申し上げるのは、そういうような広報すべきものを一定の時間をきめて毎週一回なり、あるいは毎日なり、特定の時間に、大衆がこの時間になれば官庁関係の広報の報道があるのだ、こういつた前にありましたような仕組みでの放送をやる意思があるか、そういうことができるかどうかということです。
  15. 岡部重信

    ○岡部参考人 広報の時間というのは、定期的な番組を組みまして、それで広報しておるのが現在でございます。自主的に私の方で先ほど申し上げたような方法をもちまして、諸官庁の意向を尋ねてやつておる、こういうわけであります。
  16. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣がおいでになつたので大臣にお伺いしたいと思うのですが、大臣の意見害にも強くうたつてありますし、かつてからのいろいろ説明の中にも、経営の合理化、冗費の節約、経営内容の監査等に対して強く大臣は要望し、この指導に当つておられるという言明がございましたが、今日までやつて参りました協会の業務運営の内容等を見て大臣は満足すべきものと思つておられるか。この意見書にも強くそのことが要望されているようですが、強く要望するというのは、過去を顧みて何か不満足であるとお考えになつているからなのか、この二点をお伺いしたい。
  17. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 経営の合理化というような問題は、NHKの今までに特に個々に不満足な点があるという考え方では必ずしもございませんけれども、一般にこういう企業形態というものは、とかく放漫に流れがちなものでありますからして常時そういう考え方で努力していただかなければならぬ。ことに今度のような場合に、どうしても経営内容が今までの状態では持たないということで料金値上げということになり、国民に負担が一層加重してかかるというような場合には、当然の考え方として内部をできろだけ合理化して、そしてその上で、なるほど足りないという御納得を得た上で、料金の値上げということでなければならないと考えますので、今度の料金値上げに関連いたしましては、私も相当内部にさらに合理化の検討の余地はないかということを強く期待をいたしました。その結果、相当程度協力していただいて、合理化された面も出ておりますので一応了承したわけでありますが、しかし今後とも同じような気持で、絶えずこの考え方を強く持つて経営に当つてもらいたい、こういう考え方であります。
  18. 原茂

    ○原(茂)委員 非常に計数に明るい大臣ですから重ねてお伺いしたいのですが、協会のような業務内容を持つたところの合理化というと、どういうところに主点を置くべきだとお考えになりますか。
  19. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは料金がきまつておりますから、収入の面ではやはり収入を最大限に確保して行くということであると思うわけであります。その点はどれくらいの徴収率を上げておられるかということを検討してみたのでありますが、非常によく、むしろ税などに比べればはるかにいい徴収率を上げておられるようであります。もつともこれだけの徴収効果を上げられるためには、かなり徴収のための経費はかかつておるようでありますけれども、経費がかかるということは、それによつてどれだけの効果が上るかということと相関の問題であるから、これはいいのではないか、こういう考え方であります。それから次に重点を置いて考えていただきたいのは、人件費であると私は思うわけであります。但し人件費は必ずしも安く人を使つてほしいということではないと私は思います。事業の性質上、おのずから適当な素質の人を使わなければならないと思いますから、これはむだな人間をなるべく使わないようにして、必要な人たちは妥当な給料を払つてこれをやつて行くということにあると思うわけであります。それから今度の予算を編成いたしますときに非常に感じましたことは、放送協会が全体としてまだ絶えず新しく設備をし、また古いものの更新を絶えずしなければならない、そういう面にかなり支出が多く必要とされるように思いますので、こういう面に一般的なものの考え方として、たとえば工事するにいたしましても、物品を購入するにいたしましても、よほど十分な吟味をして、むだをしないようにということでやつていただかなくちやならなぬと思つておりす。そのほかたとえば謝礼でありますかと、電信電話の料金までありますとか、こういうものにももちろん検討の余地はあると思いますけれども、こういうものは検討してみた結果、そう大きくむだはない。謝礼なんかの面におきましては、予算が十分でありませんために、むしろ今までは不当に低い料金でもつて、演劇などに出ていただく方にたいへん御迷惑をかけておるような状態じやないかと思いますので、これらは妥当な線までむしろ支出増ということがあつてもやむを得ないのじやないか、こういう考え方をいたしております。そのほかこまかい点はいろいろあると思いますが、全体としてはその上さらに絶えずこれが国民負担にかかつて行くものであるということを頭に置きながら、一銭のむだも出さないようにということを、支出の全体について十分留意願いたいという考え方であります。
  20. 原茂

    ○原(茂)委員 大体合理化といえば、むだをなくすということにつきるでしようが、そこで協会にお尋ねしたいのです。たしか十五国会だと思いますが、特に私に予算統制に重点を置くよう一に、いやしくも合理化した事業を経営するためには、どうしても経営手段としての内部統制、内部監査といつたものが確立されて行かないと、実際にはむだ排除ができないことを強く主張いたしましたところが、岡部参考人からこれに対して、るる御説明があつたわけです。その中で部外者の参加を得て、各種の委員会という制度をとつてこのことを実行して行きたい、こういう御答弁があつたわけですが、その部外者の参加を得て各種の委員会というものは、どういう制度のもとに、どのくらい、どのようにできて運営されて来ているのかをお伺いしたいと思います。
  21. 岡部重信

    ○岡部参考人 予算統制につきましてお話を伺いましたが、協会といたしましてやりましたのは、その経理をどういうふうにやつて行くかという、御承知のように企業会計原則、そういう面について部外の学識経験者にお願いして、この予算の執行についてどうあるべきかというようなことを規整的に考えていただくということ、それからある問題が起きますと、われわれとしての考えはこうだが、しかしまた別な見方もあろうというので、部外のそういう方に時々お尋ねしてやつて行くというようなやり方でございます。それから内部監査につきましては、これは御承知と思いますが、機構的にも独立の会計を持つ付属の機構にいたしまして、東京並びに中央局、地方局というものを、それぞれの規模に応じた実地監査によつて実施しておるような次第でございます。
  22. 原茂

    ○原(茂)委員 どうもそういう制度ですと、前に行つていたのとちよつともかわつていないので、やはり前に御答弁がありましたように、おざなりの委員会における答弁でなく、やはり真剣に、せつかく岡部さんのおつしやつたいい案を、部外者の参加を得て各種の委員会の制度を設ける方が、私はよりはつきり合理化が推進される、こう思いますので、この点はこの国会を契機として、ひとつ真剣にお考えの上で制度化をはかつていただきたい。言い放しでないようにお願いしたい。これが私は大臣の意図に沿うものであるとこう考えますから、強くこれを要望しておきます。  それから次にお伺いしたいのは、大臣と局長にお伺いしたいのですが、前にベース・アップの問題等の審議にあたりまして、局長から答弁があつたのですが、大臣からも一、二回ございましたが、民間企業との比較もさることながら、何をおいても公務員のべ一スの比較が重要であるという集約された答弁が数回行われたわけです。そこでお伺いしたいのは、これば今後のために必要ですから特にお伺いしておきたいのですが、もし公務員のペースとこの協会の職員のベースとを比較するのでしたら、ひとり下部従業員のみの比較でなくして、上部の協会の現理事者、あるいは部局長といいますか、理事者と、それから公務員の上の方、局長、次官あるいは部長級との比較がやはり同時になされないと、バランスのある給与の比較とはいえないと思う。その点比較をなさつたことがおありかどうか、今日私の知る範囲では、上部における比較をしますと、協会側の幹部の収入は、公務員の幹部の収入にはるかに上まわつているのではないか、こう思うのですが、これだけは放置しておいて下部の従業員のベースを論ずるときに、ただこれと同じクラスの公務員の一般職員の給与のみと比較して論議して行くことには、矛盾があるのではないかと考えますが、大臣いかにお考えですか。
  23. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 御指摘のような点、私どもも気づいてはおるのでありますが、そこまで比較をしてベース・アップを考えたということは、実は申し上げられないのであります。ただ公務員と申しましても、私は公社、協会の場合に非常に比較として考えなければならぬのは、むしろ公務員よりも公社の従業員の形、これが比較的似た形のものであります。これと比較いたしますと、御指摘の点は幾らか感じが違つたように出て来るし、また公社という形の場合には若干、たとえば上級公務員と下級公務員というような開き程度では、おそらく事業運営がつかないのではないかという感じ持つております。しかし今回このNHK料金引上げのときに、やはりそういうような公社との比較というものを考えましたときに、ただそれが全体の平均の上で、数字だけを比較するということに陥らないように、よく従事員の構成の内容というものを調べて、そうしてその妥当な判断の上に立つた比較ということを考えなければいけないという点は、十分注意をいたしたつもりであります。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 現在まで幹部級の比較をやつておられないというお話がありましたが、公社の例を出されて、きよう特に強くその点を引例されたのは、この委員会がおそらく初めてだと思うのでありますが、今後はやはり幹部級のベースの比較もあわせて考慮しなければ、バランスのとれたベースにならない、こう考えますので、ひとつ今後はそういうことも参照にするということに御留意を願いたいと思います。  その次にお伺いをいたしたいのは、これは前の同僚委員の御質問とちよつとダブると思いますが、協会が前に考えておりました独自の予算の中には、二億円の起債というものがあつて、それがこの予算ではとりやめになつております。どういう理由でこの二億円の起債というものはとりやめになつたのか、協会の側から先にお伺いをしたいのですが、一体どういう確信の上にこの二億の起債が必要でない、こういう断定を下されたのか。いやしくも予算を出すのには、協会は独自の立場で出すということが当局からもしばしば言われておりますし、協会の側も言明しておりますから、一体その論拠はどこに確信があつてこの二億の起債不必要とされたか、この二点についてお伺いしたい。
  25. 岡部重信

    ○岡部参考人 御承知の通り放送債券を二億発行するということで考えたわけでございます。その放送債券は御承知の通り対象として、放送設備の建設をするということでございます。それでこの予算につきまして、本年度の諸般の情勢にかんがみまして、新しい建設はこの際われわれとしてはやりたくないというわけではありませんで、一応やつて行きたいという考えではありますが、そういう情勢でございますので、その建設を一年繰延べて行きたいという考え方に基いて、この起債をとりやめたわけでございます。
  26. 原茂

    ○原(茂)委員 そこで大臣にお伺いいたしますが、この二億の起債が、今協会の説明したように、諸般の情勢を判断した結果、一年繰延べるという考えのもとにこの予算が出されたわけですが、当局の立場から言うと、この二億の起債というものは必要だとお考えになるのかならないのか、新した建設というものが不必要だとお考えになるか、あるいは必要だとお考えになるか。ことしは協会が出して来なかつたが、来年度ことしの分を含めてやはり当然なすべく、特に放送の主目標である全国あまねく聞かすための、この種の建設に必要だという認識の上に立つて起債が申請されたときには、来年度ことしの分を含めての起債額を承認するようなお考えがあるかどうか。
  27. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 放送協会のあり方、使命といたしまして、私はやはりある程度の、絶えず新しい施設をつくつて行くということが、今日の段階でもまだ必要であるということは、考え方は同じであります。ただおそらく放送協会といたしましても、国の全体のものの考え方、財政政策、金融政策、そういうようなもの、ごとに国におきましても、営繕というものは極力これを締めるという考え方にのつとつて、おそらくことしは一応見送りにしようという決定をなさつたかと思うのでありまして、しかし必要性というものは、今申し上げますように十分認めておりますから、明年度以降においてやはり希望がありますときには、おそらくそのときの事情と相関的な判断をいたさなければなりませんけれども、これを承認せざるを得ないという考え方であります。
  28. 原茂

    ○原(茂)委員 協会に今度はお伺いしたいのですが、四種局、豆局でせめてサービスを一歩前進させる意味で、そのローカル・ニュースを放送させるようにできないかどうか、やるとして一体どのくらいの経費がかかり、どのくらいの人員を必要とするのか、この点をお伺いしておきます。――調べていただいているうちに、時間がありませんから次の質問を申し上げますが、これは大臣にお伺いしたいのですが、この予算の中では現在の定員が増強されていない。従つて今申し上げた四種局、豆局の定員が、従来四名いたものが五名に削られた結果、満足に休日もとれない。強制的な基準外労働もさせられているという現状が、各地方局で起きているわけですが、これは結局労働基準法の五条、二十四条、三十五条、三十七条に違反する行為を、監督官庁である大臣があえてさせておるというふうに考えられますが、この基準法に対する違反行為として、知つていながらこれをおやりになつているのか、あるいはそうでないという断定の上におやりになつているのか。
  29. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。御指摘のように二十九年度の予算におきましては、私どもの承知いたしておるところによりますと、放送協会として定員は、相当業務はふえますけれども、現在員で定員を増しておらない。従いまして御指摘のように、従来十人であつたところが九人になつたというようなことも起り得るかと存じますが、放送協会としては経費節減の意味から、仕事の合理化によつて現状を増員なしに維持できる、こういうような御説明でありましたので、私どもとしましてもよけいな人員をなるべく省くという点は、協会といえども十分考えて行かなければならないと思いますので、その点から協会の御説明を私ども了としたわけであります。
  30. 原茂

    ○原(茂)委員 当局としてこれは非常に重要視しなければいけないと思うのですが、いやしくも監督官庁たる立場からいいますと、現に施行されている法の建前が侵されているかどうか。実際には今局長がお答えになつたようななまぬるいものではなくして、完全に労働基準法の今言つた四つの条項に違反する行為が、現に行われておると私ども現地を見てはつきり承知しておるわけですから、今後こういうことのないように、基準法に違反しない範囲でこの業務の円満な運営のできるように、協会の側を督励していただきたい。これは協会にお聞きしても、おそらく今ははつきりした答弁ができないと思いますし、時間がありませんから、当局にこれは強く要望しておきます。  それから次にお伺いしたいのは、先ほど謝金の点に大臣は触れられましたが、協会の側ではこの予算に組み込まれた二五%引上げする程度で、民間放送に出演する人々の謝金と同程度になるとお思いになつておるのか。これで満足すべきものとお考えになつておるのか、これを簡単に御説明いただきたいと思います。
  31. 岡部重信

    ○岡部参考人 もちろんこれは個人差もありますから、いろいろな差はございますが、民間放送と同じようになるというふうには、ならぬ面もございます。しかし協会として考えます場合に、商業放送と同じような謝金を出さなければならぬかどうかという点は、まだ問題があろうと思います。それでごの予算を御承認いただけば、できるだけ改善いたしまして、番組の内容を充実するということはある程度可能であろう、かかる確信のもとにこの予算を編成したわけでございます。  それから先ほどいわゆる豆局でどのくらいのローカル放送をやつたら、どのくらいの経費がかかるだろうかという御質問でございますが、この豆局でどのくらいの時間をやるかということが一つの問題であります。あるいは一日に五分ないし十分かもしれません。それで一応私どもとして算出しましたが、これは規模によつて違いますが、これを現在全部に実施するということはとうてい困難でございます。と申しますのは、現在豆局は全国に四十四局ございます。そのうちスタジオのないものが二十四ございます。それらに関してもスタジオの設備をしなければならぬという工事費がいります。それから番組関係についても、ある程度の金は見込まなければなりません。それからどういう人間を置くかということにもなりますが、とにかくアナウンス兼取材の者は一人は置かなければならぬというので、これはたいへんな経費でございますが、一応算出したので申し上げますと、きわめて小規模にやつて三千五百万円くらいいるのではないかという考えでございます。
  32. 原茂

    ○原(茂)委員 この四種局の地方の人々は、せめてその土地のニュースを五分でも十分でも聞きたいということが、相当大きな要望になつておると思いますから、これも予算の許す範囲でできるのですから、急速に実施するようにしていただきたいと思いますが、お願いしておきましよう。  次に伺いたいのは郵政の委託業務の量とその手数料ですが、今後も今までとかわらずにやつて行くのか。この予算では増額されておるように説明してあるのですが、どの程度増額があるのか。今日郵政が業務委託された結果、相当大きな不満がある。その第一点は安過ぎる。第二点は、集金に行くたびに相当苦情を言われる。聞えないとか聞えるとか、その苦情をいつも聞くのが集金八なんです。この苦情を聞くだけでもいやだというので、非常に大きな不満が郵政にはあるのですが、一体、これに対して今後手数料をどの程度上げて行くのか。それからこの苦情処理に当るこの人々に対する特別な何か処置を講じてやろうとお考えになつておるか。この二点をお伺いいたしたい。
  33. 岡部重信

    ○岡部参考人 今回の予算に組まれております郵政委託経費の増加は、本年の一月分ですが、公務員のペース・アップというものに伴つた経費の増でありまして、来年度特に上げるという考えは持つておらぬわけでございます。それは郵政との契約で、ベースが上るに伴いまして郵政省としても経費がいるわけでございますから、そのスライドというか、そういう算出方法でやつておるわけであります。なお今御指摘のような点について、直接当られるのは集金をやられる方でありますので、いろいろ御迷惑をかけ、御苦労をかけておると存じますが、われわれとしても今後よく注意いたしたいと思つております。現にやつておりますのは、定期的に郵便局の方にお集まり願つて、私の方も参りましていろいろ事情も話し、また苦情も伺つて、できるだけそういう方の苦労を避けて行きたいという考え方でやつておるわけであります。なお今後十分注意して行きたいと思います。
  34. 原茂

    ○原(茂)委員 相当大きな郵政の不満があるわけですが、やはり聴取料の引上げをし、予算を厖大化して行く以上は、当然一件当りの手数料に対する考慮が払われてしかるべきだつたのではないかと思いますが、これは今後考慮される必要があるということを申し上げておきます。  次に伺いたいのは、この出された予算書の中に、年度途中における一時的な金の逼迫に対しては、短期借入金によるということがうたつてありますが、この短期借入れをしなければいけない逼迫の状況、これはどんな場合なのか、そして借り入れる場合どういうところから借り入れることができるのか、その範囲、なお続けてお伺いしておきますぶ、当然不測の大きい物価の変動があつた場合には、給料なども臨時に上げなければいけない、賞与を出さなければいけないということが起る場合がありますが、これに対して予備金から出す以外に、この予備金が不足しているような場合には、借入金を流用することができるか、この三点をお伺いいたします。
  35. 岡部重信

    ○岡部参考人 借入金のことにつきましては、収入が支出と同じような入り方をいたさない場合が相当ございます。そういうときの一時的の資金の逼迫の場合に限つてやるのでございまして、予算に認められた範囲のものでございます。  それから第二点の予備金を給与にまわすという関係でございますが、これは予見し得ざる予算の不足の場合に該当するような場合には、予備金を給与にまわすということは可能であろうと存じます。それは経済事情の激変というものをどういうふうに判定するかということを、大いに考えなければならぬ問題だと思います。  それから予備金以外で短期借入れをやつて不足をカバーできるかという御質問でございますが、これは定めた予算の総額というものを越えて支出することはいけないことでございますから、それはできないことと考えます。
  36. 原茂

    ○原(茂)委員 時間がないので、端的に三点重ねてお伺いします。協会側に先にお答え願いたいのですが、当然協会の独立採算制的な性格からいつて、独自の予算案をつくるのだ、これはけつこうですが、この予算が出される前に、自由党の総務会の意向というものを協会側が聞きに行かれたという事実を私は印つておりますけれども、もし正しく独自の立場でこの予算をつくろうとするなら、公共的事業をやる立場からいつても、自由党に意思を聞くならば、やはり各政党の意思を同時に聞く。むしろ進んで広く労働組合その他をも確かめる、一般市民の意向も確かめるということが、協会の正しい態度だと私は思うのです。予算編成にあたつて、一党だけの意向を聞く、こういうことに対しては、私は非常に大きな不満を持つておりますが、今度そういうことに対する協会のお考えるお伺いしておきたい。
  37. 岡部重信

    ○岡部参考人 協会といたしましては、呼ばれて説明に行つたということでございます。なおどこからも六十七円にして予算を出せというような話は、全然ございませんでした。先ほども触れた問題でございますが、協会として六十七円がこの際事丑当であろうというので提出をした次第でございます。
  38. 原茂

    ○原(茂)委員 それはそれ以上しようがないでしようね。それからあと二点お伺いしたい。協会側に総括的に御質問申し上げますが、この予算書のあとに大臣が意見書をつけて来ていますが、この意見書について、こまかく言うと一日も二日も質疑したくらい重要な言葉がたくさんあるわけです。一体協会側はこの意見書をまつたくその通り拳拳服膺して行こう、かようにお考えになつているかどうか。あるいは多少この中には、協会側として不当な意見であると考えるものが二、三あるのではないか、こういうふうに私には考えられますが、この点をはつきりと御回答をお願いしたい。
  39. 岡部重信

    ○岡部参考人 私どもとしましては、政府の意見を十分尊重する立場に立つことは当然であります。しかしこの予算が国会で審議されるのが最終段階でございます。従いまして国会における御要望は、われわれはそれについて十分検討し、その線に沿うようなあり方というのが本来の筋じやないか、かような考えております。
  40. 原茂

    ○原(茂)委員 国会の意思を尊重するのは当然です。私の質問をうまくそらした名答弁です。大臣がおられるから言いにくいでしようから、そのくらいでけつこうです。  最後に、これは大臣にお伺いしたいのですが、協会の現在の主たる収入源というものは、受信料にのみによつているこの現状は、私はどうも協会の運営上不幸なことであると思う。特に職員のベース・アップないし出演者の謝金等を、何か臨時にふやそうと考えたようるときにも、借入金ではまかなえない部面もあるということを考えて行きますと、収入源を新たに設ける必要かあるのじやないか、こういうふうにも考えます。しかし新たな収入源を設けるとなると、これは放送法の改正の問題にひつかかつて来ますから、後日の問題になると思いますが、大臣も私と同じように、たとえば編集権あるいは映画、レコードの製作をして、これを販売するといつたような、あまり他の一般企業と競合しない程度の事業をある程度やらせて、新しい収入源をこういう業務の中から持たせよう、こういつたようなお考えがおありになつて、放送法の改正なんかに臨むかどうか、やはり協会の事業内容からいつて、そういうようなことは全然考えるべきでないと考えられるか。この意見書にも触れておられたと記憶しますが、私はやはり新しい収入源を得るため、何か新しい放送以外の業務というものを、協会にさせてもいいじやないか、こう考えておりますが、大臣の御意向を最後に伺いたい。
  41. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 御指摘の点、私も相当問題として今後検討してみなければならないと思つているわけであります。ただ協会というものの性格から考えて、これとマッチしないような形のものは、当然許可をするというわけには行かないのですけれども、いろいろ検討してみなければ、協会のあり方こいうものを頭におきながらも、なお十分考えられるものが、御指摘のようば幾つかの方法で考えられるものがあるのじやないかと思うので、今後検討して善処したいと考えます。
  42. 松井政吉

    ○松井(政)委員 関連質問をさせていんだきたいと思います。昨日大臣が来つれませんでしたので、大臣の部分だけは除外をいたしました。事務当局並びに協会側の御意見は全部拝聴いたしておりますので、大臣だけお答え願いたいと思うのであります。  第一番は、今度の予算輝成にあたつて、国会に修正権があるかないかということは、大いに議論されたことでございます。従いまして、その議論に私は触れない立場でお伺いするのでありますが、NHKの予算は国会の承認を求めなければならないということは、毎年予算に出て参ります受信料の決定は、これは国会が決定しなければならない。毎年新しく決定するというシステムが正しいものの考え方だ、こう思うわけです。そこで受信料がきまれば予算の編成をしなければならない、こういうことになつて来ようと思うので、修正権並びに政府の調整権というものがある、ないという議論を抜きにいたしましても、そういう立場から考えて参りますと、今度の予算案が提出されるまでの間に、政府としてあるいは監督官庁である郵政省として、この編成の内容について公式、非公式に、あるいは公的、私的に、何らかのサゼスチヨンを行つたかどうか、この点を明らかにしてもらいたい。
  43. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 サゼスチョンということに当つてはまるかどうですか、とにかく協会側が予算を御編成になる場合に、いろいろな面の意見をおそらく御参考になつておきめになるだろうと思うのであります。そういうような意見の一つとして、郵政省もしくは監督大臣としての私が、どういう考え方を持つておるだろうかというようなことは、お尋ねがありました都度におきましてお答えを申し上げておるわけでありますが、それ以上のことはいたしておらぬつもりであります。
  44. 松井政吉

    ○松井(政)委員 それではさらに具体的にお伺いたしますが、要するに、聞くところによりますれば、予算編成にあたつて従業員の給与ベースをどうするか、こういうことが議論になりました。予算に盛られておる給与の総額は、長い間従業員とNHK当局が団体交渉等で要求をし、折衝をしておりました。その従業員の要求額よりはまだはるかに低いものが、給与総額として出ておる。その場合に労働大臣が、ペース・アップはよくない、従つてこの際NHKのベース・アップ等をやることはいかぬということを言うた、こういうことがいろいろ流布されました。従業員の側でもえらい苦心をしたといううわさを聞いておるのでありますか、もしそう言つたとすれば、これは予算編成に対する調整よりももつとひどい干渉となつたということになりますが、そういうことがあつたかどうか。あつたとした場合政府は干渉したということになるが、それでもよろしいのかどうか。協会の性格上そういう直接干渉をしてもよろしいものであるかどうか、この点を明らかにしてほしいと思います。
  45. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは政府、それからまた各閣僚、それから政党、その中の各議員はいろいろ御意見をお持ちになつておる。ことに今度の問題は非常に微妙な問題でありますので、各人の意見が必ずしもみな一様ではなかつたようであります。労働大臣は労働大臣の立場といたしまして、いろいろな意見をお述べになつておつたことも私は承知しておりますけれども、それはみなその程度の話でありまして、それをNHKが最終的に御判断になるのに何かの御参考になつておるかもしれませんが、それによつてどうこうということはないのじやないか、またそういう形では何ら表明はされておらないわけであります。それで予算の最終的なものに対してことに賃金の関係に対してのいろいろ出されたあとの意見は、この意見書に書かれてある通りの考え方で、内閣全体の意見が一致したわけであります。
  46. 松井政吉

    ○松井(政)委員 その程度のことというお答えでおりますが、これはやりとりになりますから私はやめますけれども、しかしこれは給与に関する問題だけに、その程度ということがえらい波紋が大きいわけであります。もしかりに国会に修正権がないという法律的な立場をとられるならば、政府にも心はり干渉権もなければ調整権もないはずであります。それにもかかわらず、その程度だといいながらも、大きな波紋を描く問題を投げたということは一種の干渉であり、あるいは一種の干渉が発展をして予算編成上における調整権の発動となつて来ておるのであります。これは今後――今後と言つたら来年のことですから鬼が笑いますが、しかし今度、来年度の予算編成の場合におきましては、そういうことはやつてほしくないと考えております。これはたとえば行政監督官庁である郵政大臣が経費を節約せよ、合理化を徹底しろと言つたということならば、波紋がそれほど大きくないのであります。事従業員の給与のためにえらい大きな波紋を描いておるが、そういうことが大きくなればなるほど業務運営に支障を来す、こういう問題になることが私は考えられるので、少くともそういうことについて予算編成途上、あるいは国会に提案しようとして予算組成上苦労しておるときに、労働大臣たるものがそういうことを言つたりするのは私ははなはだけしからぬと思います。こういうことは厳に慎んでもらわなければ困る。  それからもう一つ重要なことをお伺いいたしたいのでありますが、協会、それから事務当局との間には、すでに昨日私の質疑が終つておりますので、これは大臣にはつきりとお答えを願いたいのでありますが、番組の問題であります。放送法第三条は番組の編成については協会は自由である、四十四条は政治的に公平でなければならないというのが法の建前であります。ところがこの前も質疑か当委員会で行上れたのでありますけれども、三木鶏郎氏の問題並びにMSAの街録の問題が議論になつたのです。この間のMSAの街録の場合を例にとつてみますと、要するに同僚吝藤委員の方からは、アナウンサーがとにかくMSA反対的の立場で放送を取扱つたという質問が出ております。また私の方からは、あるいはこの予算に対する参考人の意見の中からは、要するにMSAの問題について政府の側の外務政務次官一人が出て、そしてMSAを受諾することが正しいのだという立場において、それだけの説明をしておる。国民の中には反対の意見もあり、国会の中にも反対の政党もある。従つて公平を欠くじやないかこいう参考人の意見も出ておるわけであります。これは明らかに番組を中心とする重要な問題であります。たとえは民間放送の場合でありますならば、国会討論会あるいは何らかの話題を提供した討論会において、その討論に出演した人たちの了解さえ得れば、録音を編集したりあるいはおもしろく聞かせるためのもろもろの編集手入れというものは、私はさしつかえないと思う。ところがそれができない。それができないで、NHKだけが街録の出演者をきめる場合に、あるいは街録の扱い方で、あるいは討論会に出演した人たちの発言をそのまま国民に知らせなければならないという使命を持つておるところに、公共放送の目的があり、さらにそこに公共放送が何人からも制肘を受けないで、番組を編成する自由が法律的に確保されていると思う。ところが、討論会の問題は昨日の質疑の中で出ましたけれども、要するに一時同の討論を一時間二十分なりやつて、今度は放送は一時間でありますから、二十分削らなければならぬ。その場合に行われる編集は、たまたま出演者の重要と思われる発言が削られたりしておることがある。そういうことはいけないじやないかという議論も行われております。だから街頭録音の場合のMSAの問題でありましても、新聞が一日も三日も遅れなければ読めない山間僻地に、その日のニュースが聞えるのはNHKの放送であります。従いまして文化の風がおそく吹く山間僻地で、NHKの討論並びにNHKが計画する街頭録音等をたよりにしておるところの人たちには、この間のMSA協定の街録は、MSAは受けることが正しいのだということを、しかも政府の側から政務次官一人出て、MSAは受けなければならないという立場だけで説明をしておるのでありますから、政府の偉い人の言うことだから受けなければならないだろうという印象を与えておる。それで、はかの人が出ておらないから、勢いアナウンサーの方で集まつて来た聴取者の方に、あなたはいかがですか、あなたはどう考えますか、政務次官はこう言つておられますがどうですかと言つてマイクを持ち歩いたので、その言葉は一般の聴取者から見れば、あたかもアナウンサーの方がMSA協定受諾反対の立場に立つておるような印象を与えたのだと私は解釈いたしたのであります。こういうことが第三条に基く番組編集の自由と、さらに四十四条における政治的公平の番組が、必ずしもうまく行つておるとは考えられないのであります。この問題について政府としては法の立場からどのように考えられるか。その場合における出演者をきめる際に、外務省の政務次官一人というふうな何らかの相談を受けたのか、さしずをしたのか、この三点について明らかにしていただきたいと思います。
  47. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 放送というもの、ことに放送の自由というものに対しての政府の考え方は、放送法にはつきりと書いてあるのでありまして、それ以上に政府は出てはおらない。御指摘のように第三条において放送というものは自由ということになり、また第四十四条に、こういう場合には制限があるということが害いてありますから、これにどうも合致していないと思われるようなときには、注意を喚起しなければならないというだけの監督大臣ともこの義務を持つておるということであります。あとは全部これは政府側のものの考え方とか、処置ということよりも、この規定というものを前提に置かれて、放送に従事しておられる協会側の私は自主的なものの判断にあると思うわけであります。従つて協会側がそういう御判断になるときに、おそらくいろいろな意見が出ると思うのであります。そうしてまつたく反対の意見がそれぞれの立場の人から出て一向さしつかえないと思う。そういう御意見を広く聞きながら、協会側が次々と放送されるときの判断の資料にして、そうしてこの放送法が規定しているような、ほんとうに自由にして公正な放送をされるということに私はなるべきであると思うし、そういう意味におきまして、現在の放送協会の幹部が十分適格であり、また御注意になつておるものと、こういうように私は了解しております。
  48. 松井政吉

    ○松井(政)委員 そうすれば例をあげたのは、街頭録音と討論会の場合でありますが、すべて今日まで郵政省当局というよりも、むしろ政府当局でありますが、国際放送の場合は外務省等の意見もございましよう。だからその意見を聞かれた場合には答えるのが当然でありまするから、答えもするし、法のきめた通りの洋意を与えるのもこれはまた当然のことでありまするが、それ以外の具体的な番組についてさしずをしたり、注文をつけたことは、政府としてございましたかどうか、従来なかつたかどうか、今後もそういうことをおやりになろうとするのかどうか。もちろん法の立場でやる以外のことはできないはずでございますから、この点を明らかに聞かしておいていただきたいと思います。
  49. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 過去においてもございませんし、今後もそういう意思はございません。
  50. 成田知巳

    ○成田委員長 この点について簡単にお尋ねしたいのですが、先般の委員会で、郵政大臣は大阪の発言問題で、ユーモア劇場の放送内容は新聞で伝えるほど自分はひどいといつたわけではないけれども、ある程度行き過ぎがあるということをお認めになつたのですが、今松井委員の質問なんですが、MSA協定の街頭録音で政府側の外務政務次官だけが出まして、街頭録音をやるということになると、やはり一方的になる。いわゆる放送の政治的な公平を害するおそれがあるのじやないかと思う、そういうことについての郵政大臣の御見解と、それから放送討論会でたとえば一時間半やりまして、一時間に編成がえをやるわけです。NHK当局としましては、あくまでも公平にやつておる、こういうお考えでおやりになつておるのでしようが、それはあくまでも個人の主観なんですから、受ける方では自分たちの言つたことが切られたという感じを持つと思う、また事実そういうことがあり得ると思うのです。そこであくまでも放送討論会は、一時間なら一時間やつたものを、生のままを放送するということにならないと、やはり政治的な公平というものは保てないのではないか、こういう感じを持つのですが、この二点について、もちろん大臣は干渉されることがないと思いますが、大臣の御見解を承りたいと思います。
  51. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは具体的な問題でありますので、そのときの状態がよくわかりませんと、結論として自分の意見を申し上げることはできないと思うのですが、しかしこういうように政府があることをやろうといたしておりますときに、その考え方を御説明申し上げるということは、私も過去に行政整理などのときに行つて御説明を申し上げたことはあると思うのでありますが、必ずしもさしつかえないのじやないのじやないか、今MSAの街頭録音のときに、お話によれば外務政務次官が問題の説明者として出て行つたということで、ただその説明の仕方というもの、それからそういう催しがあつて、その後にいろいろなことが行われるということと、相関的に一方的にしか国民はものを聞けないということの相関関係において、あるいは国民が判断の公正を誤るという事態もあるいはあるかもしれませんが、そういうことはまつたく今のMSAの街頭録音それ自体だけの判断の問題ではないのでございまして、全体としてNHKにおいてお考え願うべき性質の問題じやないかと考えます。従つてこれについて、これが公正であるとかないとかという結論は、ことに私は当日の放送を聞いておらぬものですから、なおさらのこと申し上げられないと思います。それからあとで編集されるという場合には、若干手を入れられるのでありますから、いろいろ注意をしてやつていただかないと、御指摘のようなことになるかと思います。しかしそういうぐあいに手を入れるということだけでなしに、もしもそういう公正という点で問題が起きるということでありますれば、人の選び方とか、いろいろな点に問題があり得るわけでありますから、すべて受ける側の配慮、それからあとの編集、そういうものを含めて公正になるように、公正を害しないようにということを御注意願えばよいのであつて、録音そのままをいつもやらなければならないというほどきゆうくつなものではないと、こういうふうに考えるわけであります。
  52. 成田知巳

    ○成田委員長 ほかに御質疑はありませんか。――しないようでございますので、これにて質疑は疑は終了いたしました。  引続き本件を討論に付します。討論の通告があります。順次これを許します。橋本登美三郎君。
  53. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 本委員会に付託されました日本放送協会の収支予算に対し、自由党を代表して賛成の意見を申し述べます。本収支予算については、受信料の値上げを基礎として収支予算が組まれております。世上各方面におきまして、緊縮を必要とする国家財政及び国民経済の現状から、たとい一箇月十七円というわずかな受信料の値上げにいたしましても、不穏当ではないかという意見があるわけでありまして、わが党といたしましても、慎重に内容について検討を加えたのであります。従つて賛成討論をするにあたりまして、自由党といたしましては、その賛成の根拠をこの際明らかにいたしたいと存ずるわけであります。  第一は現状の日本放送協会の赤字は、はたして経営合理化等によつて節減の余地があるかないか、従つて二十八年度の収支状況について政府当局並びに協会当局を招致して調査をし、次のごとき事実を明らかにしたのであります。二十八年度における収支面では予算に対して、ラジオ関係では約五億円並びにテレビジヨン関係では約七千二百万円の赤字が出る計算になつております。そのうち赤字のおもなものといたしましては、ラジオ関係の費用を見ますと、放送費すなわち放送番組編成費で二億二千六百万円、業務費で一億二千万円、管理費で一億一千八百万円等であります。しかもこの赤字の原因の一つには、昨年値上げしました電信電話料金等の公定料金の値上げが一つの原因でもあります。受信料が改訂されましたのは昭和二十六年四月一日からでありまして、その後今日まで値上げはしておらないわけであります。この間に鉄道、郵便、電信、電話、電力、水道等の公定料金は、一回ないし二回に値上げを実施しております。この公定料金の平均値上げを見ますと八割一分となつております。卸売価格の値上りは六割一分の値上げとなつておるわけであります。また同じ業態である民間放送事業の電波料金を見ますと、七割九分の値上げになつておるわけであります。この間においてが二十六年四月一日からの受信料改訂によつての料金の収支余力とまた受信者数の増加、こういうものを中心にして、かつまた機構改正によるところの合理化等の経費で、今日まで辛うじてやつておつたと見るような状態であります。しかしながらそういう状態でやつて参りましたが、昨年八月の電信電話料金等の値上げによつて、この経営合理化あるいは節約等によつてやつて参つた面というものは、とうてい回復できないような状況になつて、昭和二十八年度においては相当多額の赤字を見ておるわけであつて、これを別の立場から見ますれば、当然二十七年度の上半期か、あるいは二十八年度において受信料の改訂を行つてこれを合理的に解決すべきであつたと考えるわけである。しかしNHK当局では、民放の出現によつて、一方の民間ラジオが無料で聞けるという状況から見て、この際値上げをするということは世間の非難を受けるであろうということを考慮して、すなわち了解的な考慮によつて料金の改訂を行わなかつたわけである。その反面において、減価償却の面を実施しない、あるいは老朽施設の改善を中止する、あるいは物件費等の節約、こういうようなやり方によつて一時を切抜けて来たのでありますが、これが昭和二十八年度に至りますと、悪性的な影響となつて現われておるのであります。従つて二十八年度の決算状況から見ると、二十八年度の収入状況をもづて二十カ年度に推し及ぼすということは、実際上できないような状態にあるということが明らかになつたのであります。  第二の点は、よく放送番組に金がかかつておるのではないか、あるいは娯楽番組等に金を使い過ぎてはいないか、こういうような非難があり、また議論があるわけであります。そこでNHKの放送時間を調査してみますと、時間は一日これを延べで考えますと、二千八百九十八時間三十分という時間になります。またこれのローカル放送の時間を調べますと、四十八局で百四十四時間、合計で一日の延べ放送時間量は三千四十二時間三十分ということになつております。これをNHKの二十八年度の総予算をもつてみますと、六十三億円でありますから、一時間当りの計算額を出してみますと、一日当りの放送に対する総経費といたしましては五千八百円ということになります。これを民間放送十局の経費と対比して考えることは、あるいは妥当ではないかもしれませんが、一応民間放送の十局の放送経費と比較してみますと、民間放送は十局で一日に延べ三百九十時間を放送しております。これは民間放送十局の昨年上半期の収入が大体二十二億円というそうでありますから、一箇年間には約四十五億円の収入になりますが、これを一日当りの経費に考えてみますと、大体三万七、八千円ということになるわけであります。これはもちろん全局を中継番組として扱つておるNHKと、民放の自主番組の多いという点から考えますと、必ずしも正確な比較にはなりませんけれども、一応の参考資料になるわけで懸ります、従つてNHKの放送番組に要する費用はむだがあり、あるいはあまり高いというような非難は当らないのでありまして、放送謝礼金等の比較から考えましても、この間に冗費があるようには考えられないのであります。たとえば具体的な例として、人気番組の編成費を謝礼金を含めて調査しますと、歌謡曲の今週の明星、この製作、作曲、編集費が六千円、歌手四人で一万円、著作権料が二千円、合計製作費は一万八千円であります。また午後八時半の、ふろ屋がからになる、あるいは水道の出が悪くなると非常に騒がれますところの君の名はという人気番組について見ますと、脚本原稿料で三万四千円、出演者十五人でその謝礼金が四万五千円、合計製作費が七万九千円を要しておるわけでございます。これを民間放送の製作費について見ますと、今週の明星のような種類のものであつて五、六万円から七、八万円かかる。君の名はというのに似たような番組を考えると、大体十万円から十二、三万円の製作費を必要としておるようであります。従つてNHKの製作費は、一部の非難があるように特に高い製作費を使つておるというよりは、あるいは安いという非難の方が当つておるのではないかというような結果が明らかになつております。この意味からも番組製作費の軽減をはかることは困難な事態のように考えられます。しかもその後民放が出現いたしまして、謝礼金を従来のごとくに車代にも及ばないような薄謝を一方的に押しつけることもできない状態になつておるのみならず、従来謝礼金を支払わなくても済んでおつた大相撲の中継とか、あるいは野球等の現場中継に対しても、最近においては相当の謝礼金を払わなければならぬというような事情から考えましても、この製作費と節約して収入を得ることは不可能な状態であると考えられるわけであります。  第三には、旅費あるいは物件費の面において節約の余地がないかということを検討いたしましたが、一応これを参考といたしまして郵政省あるいは運輸省との旅費の予算を比較いたしますと、郵政省においては、本省でありますが、一人当りで六千九百四十六円になつておる。運輸省の場合においては、地方も合せて六千四百六十四円、これに対してNHKは一人当りが、管理部門でありますが六千五百五円ということになつております。これは業務状態が違つておりますので、はたして旅費の面においてせいたくが行われておるかどうかという判定はしにくいのでありますけれども、数字の上から見て大差のない点から考えましても、その間に特別のむだがあるということは考えられないのであります。しかし昭和二十九年度の予算において見ますと、旅費、物品費の面においては、一億一千百万円の増加になつております。この予算増は相当多額であり、今後各位の努力によつては多少の節約ができるのではないか、こういう点が一応考えられろわけであります。  第四には、非常にNHKは人間が多い、過剰人員を多くかかえておる、こういうような一部の非難があります。これについて定員数を調べますと、なるほどNHKはラジオ関係において八千三百五十人、テレビ関係で二百四十七人ということであります。非常に多い数字ではありますがこれに従事しておる局は百六十四局でありまして一局平均いたしますと大体五十名であります。具体的に民間放送局と比較してみますと、NHKは第一、第二の二重放送をしております大阪中央放送局では、放送人員は百四十五名、技術百八名、普及三十九名、管理百六十名、合計四百五十二名であります。これに対して民放の東京の五十キロ民間放送会社を調べますと、放送人員において二百六十名、技術九十四名、総務百五十六名、営業四十七名でありまして、五百五十七名であります。またNHKの仙台十キロ放送局では、合計で百九十五名、地元の民間放送会社は百十四名、また五百ワットのNHKの福井放送局が、もちろん第一、第二でありますが、定員五十名、地元の民間放送会社は六十八名となつております。もちろん正確な比較は困難でありますが、大体においてその人員の数においても大差は見ないのであります。かつまたNHKの従業員の超過勤務状況を調べますと、一人当り一箇月の超過勤務時間量は、放送部門が五十五時間、技術部門で同じく五十五時間、普及部門で二十八時間、加入部門で二十時間、技術研究部門で十五時間、管理部門で二十時間となつております。すなわち放送番組関係では毎日平均して二時間余の超過勤務を行つており、管理部門については約一時間の超過勤務をせざるを得ないような人員の状況であるということが明らかになつております。従つて組合側の意見を徴してみますと、勤務の性質によつて一部の従業員が過労になつておるということを言うておるのであります。こういうような消極的な面から検討いたしましても、そこに節約の措置が非常に困難である。  次には今回二十九年度予算の増加の面からこれを考えてみると、すなわち二十八年度の受信料金五十円の予算では節約の余地がないのでありますから、そこでこの料金を六十七円に改訂された、いわゆる増額された予算で、はたしてこれが必要なる増加であるかどうかを検討したわけであります。第一に、本年度の予算においては減価償却が非常にふえておるわけであります。どうしてこれ喜はど、倍以上の減価償却が必要になつたであろうか、こういう点でありますが、昭和二十五年度以来二十八年度までに、百パーセントの減価償却を行つたのは昭和二十六年度だけでありまして、二十五年度が七二%、二十七年度が八〇%、二十八年度が七五%であります。これによつて二億円の償却不足額が出ておるわけであります。この無理な減価償却のやり方は結果においては、これは二十七年度、二十八年度の節約のしわ寄せがこの面にも出て来ておる。こういうことは今後長く続けておけない状態に本年度においてはなりつつある。たとえば一般事業会社と比較いたしましても、大体一般事業会社においては今回は三回目の資産評価をなすことになつておりますが、NHKは従来一回だけしか再評価をやつておらない。今度の二十九年度の予算において第二回目の再評価を行うことになつておるわけであります。近代設備を必要とし、かつまた電波事業のごとき日進月歩の設備を持つておるものにおいては、減価償却を十分に行うべきであつて、従来のごとく償却資産を食いつふしながら事業経営に当る、こういう経営方針については、この際厳重に警告せざるを得ないのであります。二十九年度の予算においては一般償却を百パーセントに行い、なおかつ減価償却として従来不足額であつたところの二億円をこの際一挙に回復して、そこで近代設備の充実をはかるために五億四千三百万円というものを計上しておるのでありますが、これらは当然の措置であると考えるものであります。たとえば昨年発足いたしました国際電信電話会社のごときは、五箇年間をもつて全設備を更新するという考え方のもとに、年一億三千万円以上の減価償却を計上しておるのであります。これらは、そもそも電波施設を行うものにとつては当然の措置であり、また一般産業会社とは違つた意味での減価償却が行われるということについても、当然の方針であると考えるものであります。特にNHK協会の施設等の資本は、法律によつて国民の財産に帰属されておるのでありますから、施設を荒廃は帰するような経 営を行うことは、国民の財産を食いつぶすものでありまして、その責任を果さないというような非難をこうむつても、協会当局は弁解の余地がないであろうと思うのでありますからして、減価償却の点については十分なる措置をとるべきであると思うのであります。従つて将来におきましても、万やむを得ない場合を除いては、あくまで完全なる減価償却及び老朽施設の改善、こういうことを実行すべきであると考えるのであります。  第二には番組費の増加の問題であります。本年度においては大体において約十一億円の増加が見られております。昭和二十八年度におけるNHKの一時間当りの放送費というものは、これを総経費で計算することは無理でありますが、これを総経費にとりましても、昨年までは五千八百円にすぎないのでありますが、昭和二十九年度の予算の上から考えますと一時間当り八千三百十円ということになり、相当の増額であります。予算の上におきましては、金額において十一億二千万円の増加ということになります。これはもちろん民間放送会社の放送費と比較いたしますれば、なお相当の差がありますけれども、今回の受信料値上げによる増加分の約四割をこの放送費増加に加えておる。これは従来のNHKの製作費が比較的安かつたことも原因ではありますが、同時にわれわれがご乞た画期的な増加を認めました理由は、今日、日本が財産的に緊縮を要請されており、国民耐乏が要望せられておるわけでありますけれども、文化日本として、また常に文化の向上をはかる使命を持つておるNHKといたしましては、耐乏生活の中にも健全娯楽あるいは教養文化を充実して国民生活に寄与する、こういう積極的な面をNHKに与えることが妥当であるという趣旨からして、こういうような画期的な増額を認めるに至つたわけであります。従つて放送費の使用にあたりましては、常に国民文化の向上、産業振興に役立つように心がくべきでありまして、いやしくもぜいたくに流れるごとき番組編成あるいは製作にならざるように、厳に注意せられたいのであります。  第三の点は、従業員の給与のことであります。従業員の基準給与は、昭和二十八年四月に改訂されましたが、その際における従業員の基準給与は一万五千八百四十七円ということになりますが、この基準は公務員の基準給与と大体同額であります。しかしNHKの場合には大学、専門学校のが平均三八%、平均年齢が三十四歳、勤務年限が九年強という特別の経歴等が多いのであります。かつまた新聞、民間放送事業等の従業員と比較いたしまして、なお相当に劣るものがあります。今回、の予算において特別手当の一部を増額せられ、かつまた基準給与額の引上げ等によつて、合せて二一%の予算増加措置がとられておるわけであります。番組の向上は、一方においてこれら従事する職員の待遇を改善し、生活上の不安を除くことにあるわけでありまして、組合の要求にはなおほど遠いのではありますが、協会当局並びに従業員十組合との間において、納得のできる妥結を見られるであろうところの予算的措置が一応講ぜられたのでありますから、両者協力の精神をもつて円満なる妥結を見られんことを期待しておるのであります。  以上、問題となるべきおもなる点について、わが党においては慎重に検討を軍ねました結果、かつまた本委員会においてわが党といたしまして数次にわたつての質疑をいたしました結果、必要やむを得ざる値上げであり、この予算もまた必要やむを得ざるものとしての結論に達したのであります。もちろん国民経済生活に重大な悪影響を与えるような値上げでありますればどうかと考えますけれども、今回の値上げの与える影響は、御承知のように受信料は物価で言いかえますれば最終価格であるところの小売価格に課せられたものと同様であります。また国民生活に対するはね返りの点から考えますれば、電力料金とは本質的に異なつておりまして、またはね返り率というものも数千分の一というような程度である点から考えましても、いわゆるわが党のいうところの緊縮政策には相反するものではないという見解からして承認に賛成の意を表するものであります。最後に要望事項といたしまして、第一に緊縮財政の趣旨にのつとつて、今後とも経営合理化の徹底、諸経費の節約等を実行すべきであります。第二は、番組の内容等については一部より非難がありますが、ラジオ・コードの倫理規定を十分に厳守し、社会不安を醸成することのないように努力していただきたい。第三に、従業員の給与については、本予算の内容の算定基礎にとらわれるごとなく、予算の総額の範囲内において改善の実を上げるように努力して、従業員各位においても、公共放送に従事しているという責任感に徹して、円満なる措置を講ぜられんごとを希望するものであります。第四には、生活保護法による被保護者及び恩給法による不具廃疾者に対しては、受信料の減免等の措置をとり、もつて不幸なる者に対する慰安の道を講ぜられるよう、積極的に善処せられんことを要請する次第であります。以上をもつて自由党の賛成討論を終る次第であります。
  54. 成田知巳

    ○成田委員長 小泉純也君。
  55. 小泉純也

    ○小泉委員 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に関し、私は改進党を代表して本議案に承認を与えるに賛成の意見を述べるものであります。  電波科学は、最近における科学技術の最高峰をなすものであり、これが利用の分野は、日に月に開拓され、今日では電波は、近代文化国家における生活上必要欠くべからざるものとなつたのであります。ことにいわゆるマス・コミュニクーシヨンの手段としてのラジオ及びテレビジヨンは、一国の政治に、経済に、教育文化に、また国民の日常生活に広く深く浸透して、著大なる効用を上げております。わが国における放送事業は、昭和二十五年放送法制定以来、公共放送、民間放送の二本建のシステムをとつておるのでありますが、この両者は性格を異にしてはおりますが、両々相まつて放送法第一条に規定する目的を達成すべきものであつて、放送を通じて公共の福祉を増進する究極の使命においては、逕庭のないものと考えます。  以上のような考え方を根本に置いて、ただいま議題に供されている日本放送協会の昭和二十九年度収支予算、事業計画、資金計画を批判いたしまするに、まずNHKは根本使命として、わが国民をして広く放送文化の恵沢を享受せしめるため、放送をあまねく日本全土に普及させることを義務づけられております。これに反して民間放送は、あくまで商業的基礎の上にその事業を営むものでありまして、このことがNHKと民間放送との性格の根本的にわかれるところであろうと思います。よつてNHKの予算なり、事業計画を判断するにあたつては、それがNHKのこの基本目的を達成する上に、適当であるかどうかが、判定の尺度とされなければならないと考えます。  昭和二十九年度のNHKの収支予算、事業計画を国会が審査するにあたり、最も重要な点は、申すまでもなく、受信料引上げの問題であります。すなわち本議会によれば、来年度より受信料月額は、ラジオ六十七円、テレビ三百円と、それぞれ現行料金に比し三割四分及び五割を引上げるごととなつているのでありますが、この引上げが妥当であるやいなやについても、それがNHKの基本目的達成上必要なりやいなやによつて検討せらるべきものであります。この受信料の値上げについては、一部に、財政緊縮の方向と背反するものであるという理由で、反対論もあるのでありますが、わが党といたしましては現行料金が設定されてから今日に至るまでの諸物価の高騰、民間放送事業における出演者謝礼金等との対比、同種事業における従事員給与の現状、NHKの現有設備の老朽陳腐化の状況等より判断いたしまして、NHKがその使命を遂行するためには、現行受信料による収入をもつてして不足であることを認め、ある程度の受信料値上げはやむを得ないという結論に達したのであります。しからば幾らの値上げが必要であるかは、放送の効用に対する認識いかんによつては、おのおの見解を異にする問題でありますが、少くとも本議案程度の引上げは最小限度必要であり、またこの程度の値上げは、デフレ政策に背馳するものではないという立場に立つて、本収支予算及びこれに基く事業計画、資金計画は、大体において適当であると判定いたした次第であります。  本議案に対する結論は以上の通りでありますが、なお本議案の審議過程において生じた問題、及び本事業計画を実施するにあたつて若干の希望と意見を申し述べてみたいと思います。  第一は、NHKの収支予算等が国会に提出せられた場合、国会はこれを修正する権限を持つているかどうかは、放送法第三十七条の解釈問題として、本委員会においても詳細論議せられた問題であり、政府側は国会に修正権なしという見解をとつておりますが、私は修正権の有無に関しては、積極説を可と認めるものであります。しかしかく解釈するについての法文上の不備、欠陥は、これを認めざるを得ないのでありまして、この点に関しては将来立法手段により、国会修正権を明確にする必要があろうと考えるものであります。  第二は、NHKの根本使命が、放送の全国普及化にあることは前にも申し述べた通りでありますが、昭和二十九年度予算及び事業計画においては、この見地に立つ難聴地域の解消措置がはなはだ不十分ではないかと思われるのでありまして、私は予算内操作等の方法により、中継局の増設、放送電力の増強、その他施設拡充の方途を十分に考究、実施していただきたいと思うのであります。  第三は、放送番組についてであります。放送法の規定により、NHKは番組編集の自主権を持つているのでありまして、私はこの自由はあくまで尊重されなければならないものと考えるのであります。しかしながらNHK今日の番組を忌憚なく批評いたしますと、やや世俗にこび、低劣に流れる風潮のあること、並びに特に娯楽面において、民間放送と時流を競うのきらいがありはしないかと思うのでありまして、私は希望意見として、NHK番組は、第一放送と第二放送とを問わず、国民の教養の度を高め、文化の向上に資するような、換言すれば国民の一般水準より一歩高いところに目標を定むべきではないか、またNHKと民間放送とは、娯楽面においても、若干その性格の差異から来るそれぞれの特色を発揮すべきではないかという見解を申し添えたいと思います。  第四は、その他放送番組における政治的公平を堅持すること、従業員の待遇改善をはかること、生活困窮者、不具廃疾者等に対する受信料の減免を行うこと等をも希望するものでありまして、これらの諸点については、でき得るなら本委員会において、本議案の議決に附帯する決議を行う等の措置を委員長においてとられんことを要望いたします。これをもつて改進党を代表しての賛成の討論を終る次第であります。(拍手)
  56. 成田知巳

    ○成田委員長 原茂君。
  57. 原茂

    ○原(茂)委員 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項目の規定に基き、国会の承認を求めるの件に関し、私は日本社会党を代表して本議案に承認を与えるに賛成の意を表するのであります。  本議案は申すまでもなく、日本放送協会の昭和二十九年度における収支予算、事業計画を内容とするものでありますが、そのうち国会の審査にあたつて最も重点を置くべき問題、従つて本委員会においても論議の焦点となつた問題は、受信料の問題であります。受信料はNHKの収入のほとんど全部を占めるものでありますから、NHKの収支予算、事業計画、資金計画のすべては、受信料が幾らに決定されるかによつてきまつて来るのであります。しかも受信料は放送法第三十二条の規定上、NHKのサービス対価というよりも、むしろ受信機設置税ともいうべき性格を帯びるものであり、この受信料を定めるものは、NHKでもなく政府でもなく、国会自体であることは、放送法第三十七条の規定によつて明瞭であります。ただ放送法は、国会が受信料を決定するにあたつて、租税、公企体の料金あるいは専売価格のごとく、正面からその金額を決定する方法をとらず、NHKの収支予算を承認することによつてこれを定めるという特殊の形式をとつたにすぎません。このことは、過般の本委員会におけろNHK予算に対する国会修正権の有無の論議に関し、積極説の有力な根拠となるものと思うのでありますが、いずれにせよ、受信料の決定について国会がかように主動的権限を有する以上、受信料を幾らに定めるかは、本議案の審査上きわめて重要な問題であります。特に昭和二十九年度NHK収支予算においては、在来の受信料月額に対し、ラジオにおいて三割四分、テレビジヨンにおいて五割の引上げを行わんとするものでありますから、本委員会としても、この値上げがはたして必要であるか、値上げの程度は妥当であるか、値上げされた受信料の使い方は適当であるか等、あらゆる角度から慎重な検討を必要とすることは申すまでもありません。  この問題は数次にわたる本委員会の会議の席上、相当詳細に論議されましたので、詳細の点は省略いたしますが、わが党の見解を結論的に申し述べれば、昭和二十六年現行受信料額の設定以降における諸物価の高騰、同種事業における賃金ベースの現状比較、並びにNHKの公共放送としての使命達成の必要等の諸事情にかんがみて、原案に盛られた程度の受信料引上げは、好ましいものではないが、やむを得ない。また受信料は一種の租税的性格をもつて、消費を抑制する効果も期待されるのみならず、今回の引上額は、その率は相当高度であるが、絶対額からいつて、一般家庭の家計を脅かし、あるいは他物価高騰の誘因となる程度のものではないとも考えられる。この見地から今回提出された受信料引上げを含むのNHK収支予算、並びにこれを基礎とする事業計画、資金計画は、細部の点は別として、大綱においては、これに承認を与うべきものと認めるという結論に到違いたしたのであります。  しかしながら本議案に関連し、NHKのあり方とその現状、あるいはNHKに対する政府の態度等については、厳重な批判に値する多くの問題を包蔵しておるのでありまして、われわれは過去あらゆる機会において、また本議案の審査過程を通じまして、幾度かこれを指摘して参つたのでありますが、ごこにあらためてそのおもなるものを列挙し、将来におけるNHKの運営上、政府並びにNHK当局の十分なる注意を喚起いたしたいのであります。  その第一点といたしまして、まず政府当局に反省を求めたいのは、本議案は受信料引上げを含む重要案件であつて、国会は当然十分なる審査期間を必要とするにかかわらず、この議案が政府から国会に提出されたのは三月十七日であります。この議案は、本年四月一日以降におけるNHKの活動を規律するものでありますから、国会は衆参両院を通じて、僅々十五日間に審査を終了しなければならない立場に追い込まれたのであります。もし国会が本月中にその審査を終らない場合には、NHKの業務は重大な障害に逢着するでありましよう。かかる事情のもとにわずか十五日間の審議期間をもつて、事実上国会を拘束するがごときは、国会の審議権を軽視するものと称しても決して過言ではありません。ことに本議案の国会提出遅延の原因が政府の強弁にもかかわらず、放送法の規定を無視したNHK予算に対する政府の調整権の行使によるものであることは明らかであると同時に、政府は一方的に修正権なしとの断定をわれわれに主張しながら、予算案が本国会に提出される前、すでにある種の過程を通じて一方的に与党総務会の意向を協会側に押しつけ、協会側をして独自の協会側予算案を訂正、提出せざるを得ぬ状態に追い込んだ疑いの濃い事態を考えれば、まさに政府与党が間接に修正したと同じ結果でありまして、これの修正減額が、本予算が持つ事業計画の内容において公共放送がなすべき主目的たる事業遂行を不可能にしているのでありまして、この点に関する政府の責任はきわめて重大であると言わざるを得ないのであります。  第二に、放送番組編集の自由は、放送法第一条及び第三条の保障するところであるにかかわらず、最近陰に陽に、政府与党の権力及びそのかもす雰囲気による圧力によつて、NHKの番組内容が曲げられる事例のあることは看過し得ない事実であります。これに対しては政府もNHKも不当干渉の事実はないと答弁しておりますけれども、いわゆる干渉圧迫は、はつきりした明示的な形をとらないでも、黙示的、心理的な形によつてこれを加え得るものであり、政府の高官、与党の幹部の片言隻語であつても、行政監督を受け、予算の承認を与えられるNHKに対しては、事実上の干渉、圧迫となる力があることは、想像にかたくないのであります。ことに予算の承認という武器をもつて、NHKのプログラムを曲げるようなことがあるとしたならば、放送法の精神は完全に蹂躪されたことになるのでありまして、将来は政府も厳にこれを戒め、NHKまた毅然たる態度をもつて番組編集の自由を守つて行くことを強く警告するものであります。  第三に、NHKは、公共の福祉のために、あまねく日本全国に放送を普及させることを使命とするものであります。NHKと並んで放送事業を行う民間放送は、商業ベースの上に立つている関係上、勢い大都市に集中する傾向があることを免れません。これに反してNHKの公共的性格の最も顕著なるものの一つは、採算を度外視しても放送文化の恵沢を全国僻陬の地域にまで行き渡らしめることにあるのでありますから、この立場からNHKの事業計画は、今後ますます協会の行う放送のカバレージの拡大に指向すべきであります。従つてNHK放送を公共の福祉のために、あまねく全国において受信できるようにするための必要な放送電力の増強、中継局の新設、第二放送の拡大等の措置は、NHKの企業努力の最重点でなければならないのでありますが、昭和二十九年度の事業計画においては、遺憶ながらこの方面に対しては重点が向けられていないばかりでなく、むしろ全然閑却されているのではないかという疑問すら生ずるのであります。よつて私は本議案が国会の承認を得られたあかつきにおいては、事業計画の執行にあたつて、予算総則等の許す限り、実行上この面の拡充をはかられたいと強く希望するものであります。同時に老朽陳腐化施設の補修改善についても、良質の放送を提供するために必要な努力を怠つてはならないとも思うものであります。なおこれと同時に地方各局の職員厚生施設、放送室、一録音室の不足に対する補修改善も努力せねばならないものであります。この事に関してNHKは、目下テレビジヨンの建設に多大の精力を注いでいるのでありますが、現段階においてはテレビジヨンは有産階級の独占物であり、政府みずからテレビ受像機をもつてはつきり奢侈品と規定して、新たにきわめて高率の課税を実施せんとしつつある今日、国民大衆の手の届くところにあるものは依然としてラジオであります。ラジオとテレビジヨンとの経理は一応区分されているが、事業計画策定の方針として、テレビジヨンに力を入れ過ぎるため、ラジオが閑却されている本事業計画の内容に照して、今後十分留意すべきものと考えます。  第四点といたしまして、職員の給与の改善は、今回受信料の引上げを必要とする一つの重要な眼目であります。本収支予算によれば、賃金ベース一六%、諸手当五%アップに相当する財源は一応計上されておるほか、新たに予算総則に報償給与を支給し得る一項が設けられてはおりますが、なおNHK労働組合の要求するところとは相当の開きを見せております。民間における報道、放送等、同種事業の職員給与と比較してみる場合、NHK組合の要求は不当であるとは言えないのであつて、私はこの際NHK当局が予備金その他の費途についても十分考究を遂げ、職員給与の改善にあらゆる努力を忘し、急速に実質収入の面において二方二千円ベースの実現に努めるとともに、部内の持に各地方局内における医療厚生等の福祉施設の改善についても分意を用いられるよう希望するものであります。  第五点には、最近雑音による受信障害が急激に増加しつつあることは、ラジオ、テレビジヨンの普及発達上、きわめて憂慮すべき現象であります。雑音障害の問題は、その発生原因も多岐にわたり、これが防止除去の方策も容易でないものがあるとは思いますが、電波利用の分野がますます広汎になるに従つて、この問題も放置することのできない重大問題たらんとしているのであつて、私は国会としても、何らか政府の注意を喚起する措置をとらねばならないとまで考えているものでありますが、この機会に、本件についても政府並びにNHK当局が十分研究の上、広く民間関係企業の協力を得て、すみやかに適当な対策をとられることを要望するものであります。  次に、以上述べたようなNHKのあり方を規律するについて、現行放送法には幾多の欠陥があることは、すでに各方面から指摘されているところでありまして、電波法制の全般、なかんずく放送法について根本的改正の必要があるということは、今日では輿論化しているということができます。この点出に関しては、政府部内にも過般放送関係法令改正調査委員会ができ、また本委員会においてもこれに対応して電波法制調査に関する小委員会が設けられたのでありますが、私はこれらの機関の努力によつて、放送法が合理的に改正され、特に現在協会運営の収入源として許されているところの、特殊目的のために国家が補助する以外は、受信料収入のみにたよつている現制度に深く検討を加え、一般企業とせり合わぬ範囲において、新たなる収入源として、一、周知宣伝以外の出版(たとえば放送劇の脚本集等)、二、映画やレコードの製作販売(たとえばテレビに使用するものや放送吹込みのものなどの複製や依頼に応じて他者のためにつくる等)、三、放送番組の製作販売、四、芸能人のあつせん業務、五、受信機の販売や修理業務、以上のごとき業務を、公共放送事業の精神をくずさぬ建前においては、放送以外の附帯業務として行わせることができないものかどうかをも考究されつつ、NHK及び民間放送の性格、放送行政のあり方が正しくかつ明瞭に規定され、今日私がここに述べたような欠陥が一日も早く是正されんことを希望するものであります。  第七点といたしまして、各地方局、特に四種局の労働強化をなくするよう急速に増員する等、適当の処置を講ずるごと、すなわち現在地方の四種局員は、人員不足のため強度な労働を課せられており、特に公共放送としてのNHKにおける四種局の重大なる使命を考えるとき、一刻も早くこれが解決を希望いたします。  第八点といたしましては、番組審議会の構成員には、以前より主張し、留意を促して来たごとく、各界の直接的代表者、特に労働者代表をも含めて構成するよう、重ねて強調いたすものであります。  最後に右にるる述べた諸点の詰論として、経営合理化の不十分を指摘したいと存じます。急速に科学的な予算の統制及び経営監査等の合理化の積極的推進を特に要望いたすものであります。  以上九項目にわたつて述べました私の意見の重要な部分は、でき得ればごれを本議案の議決に附帯する決議として、本会議に報告せられんごとを希望するものであります。私は以上日本社会党の見解を明らかにして、本議案に対しこれを承認すべきものと認める結論をもつて討論を終ります。  (拍手)
  58. 成田知巳

    ○成田委員長 松井政吉君。
  59. 松井政吉

    ○松井(政)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に関しまして、数項目にわたる強い条「件を付してやむを得ざるものとして承認を与えるの討論を行わんとするのであります。  今日の日本の経済事情、国民生活の実情からいたしまして、今回の内容になつております二十九年度収支予算、事業計画、資金計画の根本をなすものは受信料金であります。この受信料金の値上げを骨子といたしました予算が一編成をされ、事業計画が提出をされているのでありますが、ラジオにおいて一箇月十七円、テレビにおいて一箇月百円、この程度は大したことはないじやないかという考え方だけでは、私たちは賛成できないのであります。少くとも今日の経済事情と国民生活の実情から推して、この値上げをしなければならないという考え方は、やはりNHKの存在意義からして、国民全般の文化的かてとなつて、国民にはね返ることが目的でなければ、われわれは承認できないのでありまするから、そういうものの考え方からNHK当局並びに行政官庁の政府当局は、この考え方を二十九年度賢明に実施していただきたいことを要望いたす次第であります。  特にテレビジヨンの問題につきましては、まだ日が浅いのでございまするが、受像機の減税措置等につきましては、幸い大蔵委員会におきまして、ただいま三割の税金を一割二分に減税しようという議論が成功しつつあるのでございまするから、受像器が安くなれば普及が広く行われるという常識的な考え方でありますけれども、そういうことも考慮いたしまして、テレビの普及については、全面的な努力を払つていただきたいと思います。  次に私は具体的な条件について申し上げます。御承知のように第一番に私が申し上げたいことは、多くの同僚委員並びに質疑の過程において論議をされた事柄に集約されるのでありますが、一番問題になりますのは、番組編成の自由を復活することでございます。放送法第三条の考え方さらに第四十四条の政治的公平なることは、あくまでも確保していただかなければなりません。特に民間放送と違いまして、街頭録音、討論会等はNHKの性格から、どうしても国民全体に自由な立場にまて、もろくの国民の袋者と目される人々の意見が、生のまま伝えられるような方法で編集をしていただかなければならないのでありまするから、この考え方を貫いていただきたいということであります。また従来質疑の過程におていも、幾多の疑点が投げ与えられております番組編成にあたつて政府が干渉したではないか、あるいは今後そういうことをやるであろうかという議論が行われたことは御承知の通りでありますが、政府はこの番組編成にあたつて干渉にあらだして、やはり放送そのものの育成と、さらに、番組内容の充実のために心すべきであることを警告いたしたいと思うのであります。  第二番目に申し上げたいことは、僻地における放送を充実させるために、最讐の努力を払つていただきたいということであります。文化に恵まれない、しかも無電燈地域にまで有線放送を通じて、電燈はなくても放送だけは聞けるように、国民の中に広く文化を浸透させるために、われわれは数年来努力をして参つたのであります。従いましてNHK当局の行わなければならないのは、八千七百万の国民全部が放送を聞けるように普及をすることが、NHKの性格から一番必要な目的でございますから、こういう考え方かつあくまでも積極的に増力をはかり、さらに二日くらい遅れなければ新聞によつてニュースを受けることができない地域においても本日のニュースはただちに放送によつて聞けるという、国民に対する充実をはかることが、目的でなければなりませんので、こういう僻地における放送の普及については、はんとうに真剣にやつていただきたいと思います。  第三に私が申し上げたいのは、放送法の根本的改正に対する態度の希望であります。これは政府、協会ともに慎重にとつ組んでいただきたいと思います。日本の経済的立地条件、国民生活の状態、さらにまた地球上における日本の地域的条件等は、放送全般にわたつて法の根底をなすべき重要なる条件であると考えなければなりません。この条件が誤りなく分析をされ、誤りなく把握をされなければ、法の欠陥が生れて参りまして、公共放送、民間放送を通じて放送文化を高めることに大きな支障を来すということを考えていただきたいのであります。英国においてラジオは公共放送一本でありますが、最近テレビにおいては商業放送を行つてよろしいではないかという議論が、一年有半にわたつて論議されていることは御承知の通りだと思います。しかしながら結論に到達しようとしている英国の議論は、商業放送の場合、テレビジヨン放送でさえ、番組については契約者の相手方から、出演者の注文あるいは内容についての発言のない形において、テレビジヨン商業放送の完成をしろというのが、大体到達しようとする結論ださうでございます。こういう考え方からいたしますならば、ラジオ、テレビを通じて、日本の立地条件において、協会がどのようなことを目的としなければならないか。どのような立場、つまり自由な立場において、しかも公共放送を貫く精神がなければならないということがうかがわれると思うのであります。このために放送法の根本的改正につきましては、事前に国会関係並びに有識者関係、並びにあらゆる高度の立場において、いろいろな機会をとらえて政府、協会ともに十分なる審議、十分なる研究を続けて、新しい立場における日本の放送を積み上げていただきたいと思うのであります。ややもすれば日本の放送協会は、放送の老大国になるのではないか、こういううわさをわれわれは聞くの直ります。老大国になつてはならない。あくまでも古い伝統と経験は動かすことのできない大きなものでありますけれども、それより必要なものは、国際情勢につれて、日本の放送も世界各国に劣らない放送文化を持つているのだ、さらに国際放送においても、世界の民族が聞いても、日本の国際放送ははずかしくないものを放送しているのだという立場を確立することが必要であります。そこで老大国にならず、新しきを求める立場から法の研究をしていただきたいことを、強く要望いたす次第であります。  第四としては、予算の内容について条件を付したいと思うのであります。これは経営と経理関係に中心を置いて希望いたしたいのでありますが、NHKの経営、経理についてはあくまでも明朗にしてしかも厳格に行うべきであります。これはNHKの性格から来るものであります。ややもすれば今回の受信料の値上げにつきましても、ラジオの方を値上げして、テレビジヨンの赤字を埋めるのではないかという非難をこうむつておるのであります。こういう非難が出るということは、NHK当局の従来の経理、経営の不明朗とも思われる部分がないでもないかという考え方が一方にはわいて来るのでありまして、こういう点は払拭をしていただかなければならない。ラジオはラジオ、テレビはテレビ、その二つの立場において経理を混同しないように、しかもその間において不明朗のものが生れることのないように、十分気をつけて経営と経理に当つていただかなければならないと思うのであります。従いまして要するに必要なるものは予算に計上するごと、これは当然やぶさかでございませんが、予算に計上した部分でありましても、それほどNHKの性格上必要でないと思われるものは、十分に冗費を節約していただきたい。そして必要欠くべからざる方向にまわしていただきたい。そういう形をとりながらも、やはり明朗とはつきりした厳格さをもつて臨んでいただきたいと思うのであります。こういうようなものの考え方からして、経営と経理の問題については、いつも明朗でなければいけないということを強く主張するものであります。  第五に私が申し上げたいのは、従業員の待遇の問題でありますが、同僚委員からも強い希望並びに意見が述べられておりますが、NHKの従業員諸君が長期にわたつて待遇改善の要求を提出し、数度にわたる団体交渉等を続けて来たことは御承知の通りであります。ところがNHK当局も、あるいは政府側における大臣の御答弁にも、従来の質疑の中で、料金を値上げしなければベース・アップはできないという形において答弁なさつておるのであります。そこで料金を値上げしたならば、従業員の要求額が全体満された予算が提出をされたかといいますと、予算の中における給与総額は要求額より三億数千万円低いのであります。従いまして料金値上げをしなければペース・アップができないという立場をとつて参りまして、今度の料金値上げはすべてベース・アッ。フのために必要だというがごとき印象を与えながら、結果においてはそれに満たない予算を組んだということについては、私は非常に不満であります。昨年は五千万円程度の予備費が二億五千万円計上されておるのでありますから、私は法を無視し、予算総則を曲げてすべてを行えということを申し上げておるのではないのであります。多くの質疑の過程において、予算総則の説明、において、あるいは予算総則解明に該当する質疑の内容において、すべて論議が尽されており、ますから、予算総則の第七条及びその他の弾力条項及び予備費に留意をしていただきまして、ベース、すなわち毎月のベースとしてきめられないことは当然でありますけれども、経済上の変動やむを得ざる事情が生れた場合、あるいは収入が予定以上に増した場合における従業員の手当等は、質疑論議の過程において取扱われる旨のお答えをいただいてありますし、この点は予算総則第七条によつても明瞭でございますから、従業員の要求を満たして、最前線に働いておる人々が十分に働けるように、生活安定を確保していただきたいと思うのです。われわれの立場から一言この問題について重点と思われる点を申し上げますならば、思想の悪化の問題と生活不安とは切り離すことができないものであります。生活不安は社会不安を生みますし、あるいはまた国家の立地条件をゆがめるがごとき思想の台頭となつて現われるのであります。従いまして一切の思想の悪化、桂会不安を除去するには、生活の安定が根拠でなければならない。さらに業務運営の成績を上げるためには、従業員諸君の生活の安定が中心でなければならないのでありますから、われわれから見て不必要だと思われる費用を、少くとも予側費等で使うことなく、必要欠くべからざる従業員の傳遇等に十分留意をして取扱つていただきたいということをお願い申し上げるのであります。  第六の希望条件として申し上げたい点は、御承知のように国から生活保護を受けている者、並びに公務の身体障害者に対する受信料の全額免除及び半額免除、並びに公務障害でなくとも一般国民の中における身体障害者等で、きわめてラジオを聞きたいけれども聞けないというような人が多くおるのでありますから、そういう場合におきましても、ラジオ普及の立場から十分に国民の各階層に目を向けて、十分なる措置を講じられるように希望をいたす次第であります。  以上の条件を付しまして、今回の料金値上げを中心として組まれた収支予算、事業計画、資金計画はやむを得ざるものとして承認を与えるの態度の討論を終ることにいたします。
  60. 成田知巳

    ○成田委員長 以上で討論は終了いたしました。  よつて放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求むる件について採決いたします。本件は承認を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  61. 成田知巳

    ○成田委員長 起立全員。よつて本件は承認を与えるべきものと決しました。  この際橋本登三郎君より附帯決議に関して発言を求められておりますので、これを許します。橘本登美三郎君。
  62. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 動議を提出いたします。本委員会において、数日にわたり委員各位によつて意見を述べられました中において、各党において共通し、かつまたこれが実現を希望する課題となつておる問題について、附帯決議として本議案につつけられんこと希望する者の附帯決議の提案を朗読いたします。     附帯決議     政府並びに日本放送協会当局は、左の各項に掲げる事項の達成に努むべきである。   一、放送法第四十四条に規定する番組編集の基準により、政治的公平を堅持すること。   二、放送法第七条の趣旨に則り、全国普及並びに難聴地域の解消のため、置局、増力、教養放送の拡充に努めること。   三、経営合理化、経費の節減を図り、老朽設備の補修改善及び従業員の待遇の向上に努めること。   四、生活保護法による被保護者に対し、受信料免除の措置を行うこと。   五、恩給法による不具廃疾者(特別項症より第七項症迄)に対し、受信料半額免除の処置を講ずるごと。  以上満場御賛同あらんことをお願いする次第であります。
  63. 成田知巳

    ○成田委員長 ただいま橋本君の動議に対し、御質疑または御意見等はございませんか。     〔「議異なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 成田知巳

    ○成田委員長 それでは橋本君の動議について採決いたします。本件に橋本君の動議のごとき附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 成田知巳

    ○成田委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  お諮りいたします。衆議院規則第八十六条の規定による本件の報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 成田知巳

    ○成田委員長 御異議なきものとさよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時五分散会